令和4年2月定例会 第19回岩手県議会定例会会議録

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〇37番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第68号令和4年度岩手県一般会計補正予算(第1号)について質問いたします。
 今回の補正予算は、新型コロナオミクロン株による感染拡大で、長く大きな打撃を受けている飲食店や事業者支援のための補正予算であり、今定例会中に提出したことを評価するものであります。
 知事に質問します。新型コロナウイルス感染症のオミクロン株による感染拡大で、飲食業や宿泊業、運輸業など、事業者は大きな打撃を受けています。特に、オミクロン株による感染拡大は、県内でも感染爆発と言うべき事態となり、学校、教育、保育施設、高齢者施設や医療施設でもクラスターが多発するなど、極めて厳しい状況となっています。
 感染拡大の状況と事業者への影響、今回の補正予算提出の意義と内容について示してください。
 補正予算の具体的内容について質問します。
 第1に、いわて飲食店応援事業費に5億5、000万円が計上されています。
 一つ、昨年8月2日からことし1月16日までの利用期間で取り組まれた第1弾のいわての食応援プロジェクトの実績、利用店舗数と財源を示してください。
 二つ、今回の第2弾となるいわて飲食店応援事業は、いつから開始されるのか、どれだけの規模の事業となるのか示してください。
 三つ、既に県内市町村でもプレミアム商品券等の事業を実施していますが、その状況と実績をどう把握しているでしょうか。
 第2に、中小企業事業再生・再チャレンジ支援事業に2億6、896万円余計上されています。
 一つ、事業の目的と内容を示してください。過剰債務などを抱える事業者を支援するとしていますが、過剰債務を抱えている事業者の実態を示してください。
 二つ、具体的には、商工会議所、商工会、商工会連合会の35団体と信用保証協会に事業者を支援する人件費を補助しようとするものでありますが、人件費の期間と額はどうなっているでしょうか。専門家の派遣はどう行われるのでしょうか。
 以上でありますが、答弁によっては再質問いたします。
〇知事(達増拓也君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
 本県の感染状況と事業者への影響、補正予算提出の意義等についてでありますが、感染状況については、3月23日時点で新規感染者数の今週、先週比が0.8と減少傾向が見られるものの、1日200人以上の新規感染者が確認される日も多く、高い水準の感染レベルが続いており、また、感染の場面については、保育園、幼稚園や学校での集団感染とそれに伴う家庭内感染が主となっています。
 こうした中、事業者の方々には感染対策に御協力をいただいておりますが、原油高の影響なども相まって、その経営状況は一段と厳しさを増していると受けとめており、事業者影響調査の直近2月末の結果においても、コロナ禍前の同月比で売り上げが41%以上減少している事業者の割合が28%と、年明け以降再び上昇傾向にあり、特に宿泊業と飲食業が高い割合となっています。
 感染の拡大を食いとめて減少させていくことが事業者に対する最大の支援と考えておりますが、こうした状況から、さらなる支援策を講じていく必要があると考え、関係団体等の意見も踏まえ、事業者が抱える過剰債務などの課題解決に向けた支援センターを立ち上げるとともに、需要喚起策としてのいわての食応援プロジェクト第2弾を実施しようとするものです。
 あわせて、事業復活支援金を4月以降も対象期間とすることや支援額の増額、売り上げ減少率の要件緩和、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の増額などを国に強く働きかけながら、今後も事業者に対し感染状況に応じた切れ目ない支援を行い、事業の継続と雇用の維持を図っていく考えであります。
 その他のお尋ねにつきましては、商工労働観光部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) まず、いわての食応援プロジェクト第1弾の実績につきましては、額面5、000円、販売価格4、000円の25%プレミアムつき食事券22万9、695冊、額面で11億4、847万5、000円が完売し、販売額の99.5%に当たる11億4、292万4、000円が利用されております。
 参加店舗数は2、113店舗であり、その利用状況については現在精査中でございますが、実際の利用がなかった店舗は25店舗程度になるものと見込んでおります。
 財源につきましては、主に割引原資が国負担で約2億3、000万円、事務局運営費や広告費を含めた事務費が県負担で約1億1、000万円となっており、これについては、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用しております。
 次に、開始時期等についてでありますが、一定の準備期間が必要となるため、現在、本年5月中旬までに販売、利用を開始する方向で調整を進めており、利用期限は12月中を予定しております。
 事業規模につきましては、前回のいわての食応援プロジェクトと同様に、25%のプレミアムつき食事券を、500円券を10枚つづりとして35万冊、額面で17億5、000万円分を発行する予定としております。
 次に、市町村の実施状況についてでありますが、令和3年度においては、20市町村がプレミアムつきの食事券や商品券の発行、キャッシュレス決済利用者へのポイント還元等を実施していると承知しておりますが、個々の事業規模や実績額までの把握は行っておりません。
 また、令和4年度につきましては、食事券に限定したものとしては盛岡市で発行を予定していると承知しておりますが、その他複数の市町村で商品券としての発行を予定していると把握しております。
 次に、中小企業事業再生・再チャレンジ支援事業についてでありますが、先ほど知事が答弁したとおり、事業者が抱える過剰債務などの課題解決に向けた支援センターを立ち上げ、商工指導団体や信用保証協会といった事業者により身近な機関が連携して、窓口相談や専門家派遣などを行い、事業再生や再チャレンジを含めたワンストップ型の支援体制を構築して、事業者の事業継続を図っていこうとするものでございます。
 事業者の債務の状況につきましては、いわゆるゼロゼロ融資を利用した事業者のうち約半数となる5、891件が令和4年1月末までに返済を開始しているものの、この貸付金をいまだ手元に残している事業者も多くあると見込まれ、条件変更が行われた件数は、同じく1月末時点で延べ214件にとどまっているところでございます。
 しかしながら、今後、手元資金の減少や売り上げが回復しない状況の継続により、多くの事業者が借入金の返済に支障を来していく可能性が高いことが、商工指導団体や金融機関から指摘されているところでございます。
 次に、人件費等についてでありますが、窓口設置などの事業実施期間は、おおむね来月中旬から来年3月上旬までの約11カ月間を想定しており、そのうち人件費については、県内35の商工指導団体分について1億6、300万円余、県内6支所を持つ岩手県信用保証協会分については、専門家派遣費用を含めまして7、200万円余を見込んでおります。
 専門家派遣につきましては、金融に関する専門的知見を有する岩手県信用保証協会が主体となり、商工指導団体と連携を図りながら、解決すべき課題に適した専門家を選定した上で、事業者の事業継続や再チャレンジを支援していこうとしております。
〇37番(斉藤信君) 知事に伺います。オミクロン株の感染拡大で、岩手県が毎月実施している事業所の影響調査、これは2月分ですけれども、影響が継続しているというのが77.8%、そして、21%以上の売り上げ減少で見ますと53%であります。影響が大きいのは飲食、宿泊、運輸ですけれども、それに限らず、多くの事業者が影響を受けているというのが実態だと思います。
 そういう点で、今年度の補正予算で、いわて旅応援プロジェクトは2度にわたって大型の補正が行われました。今回は、いわての食応援プロジェクトということで飲食店対策になると思います。しかし、広範な事業者が影響を受けているという点でいくと、私は、そうした広範な事業者を対象にした支援策が必要なのではないかと思います。
 例えば、既に陸前高田市では、最大50万円の緊急支援金を今月中に支給するというのが今年度の補正予算で可決されて、実態調査を踏まえた取り組みが行われています。住田町では家賃の支援、大船渡市や盛岡市ではプレミアム商品券と、市町村独自のそういう取り組みが多数行われていますが、飲食、宿泊だけではない、その他の影響を受けている事業者に対する切れ目のない支援も必要なのではないか、これをお聞きします。
 商工労働観光部長にお聞きしますが、いわて飲食店応援事業費でありますけれども、第1弾は参加店舗数が2、113店でありました。飲食店の認証を受けている店舗数は2月末で4、968店です。せっかく認証を受けながら、この事業に参加している店舗数が半分以下にとどまっています。
 なぜ半分以下にとどまっているのか。この商品券を使うと、最初は換金されるまでに40日ぐらいかかった。その後2週間ぐらいに短縮されたとは聞いていますけれども、やっぱりこういう換金のサイクルでは、現金商売をしている方々はもたないという状況があるのではないか。ほぼ5、000店舗が認証を受けながら、せっかくの支援事業に参加できないという状況を解決する必要があるのではないか。そのことをどのように把握されているか、今後どう対応するのか示してください。
 それと、中小企業事業再生・再チャレンジ支援事業で、具体的には、支援センターをつくっての人件費補助が中心であります。11カ月間で550万円という話もありますけれども、商工会や商工団体にお聞きしますと、せめて通年、できれば複数年、そういう形でなければ確かな人材確保はできないと言うのです。複数年であれば、例えば、退職予定者とのかかわりでしっかりした正職員として採用して育てることができる。
 この間、本当に細切れの人材支援がありまして、そういう通年から複数年という支援をしないと、しっかりした人材確保はできないし養成できない、これが商工団体の切実な声であります。そういう点の工夫が必要なのではないかと私は考えます。
 それと、最近の新聞を見ますと、3月24日付ですが、債務の過剰感についての調査で、コロナ禍後に過剰となったのが20.5%、コロナ禍前から過剰感があったのが23.2%で、合わせて43.8%が過剰債務の状況というのが、商工リサーチ県内企業調査の結果として報道されています。大変深刻、切実な実態だと思いますけれども、そういう点では、今度の事業は大変的確な対応だと思いますが、こうした実態を踏まえて、本気になって支援をすることが必要だということも含めてお聞きいたします。
〇知事(達増拓也君) 幅広い事業、さまざまな事業の支援に関しましては、県の地域企業経営支援金の支給から国の事業復活支援金の支給とつなげているところでありまして、まずは、この事業復活支援金の利用を促していきたいと考えております。その上で、今後、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金のさらなる増額について国に強く働きかけ、県としてのさらなる追加事業の構築や既存事業の拡大、拡充を含めて検討を進めてまいります。
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) いわての食応援プロジェクトの登録店が認証店から大きく下回っている現状でございますけれども、やはり最初、チケットを換金するサイクルが長かったこともありましたので、これは今、月2回という形で実施いたしております。ただ、さらにということになりますと、全県規模で実施しておりますので、なかなかさらに刻んでという形は難しいかと思っております。
 一方で、参加店がふえないもう一つの理由に、主に固定客を相手にしているようなお店につきましては、こういう県の事業を活用して、お客さんがいろいろなところを歩くことによる感染を心配するという声も聞いております。そういうところは、逆に、市町村の事業をうまく活用して、盛岡市などは、先にお金が渡るような仕組みのものをやっておりますので、うまく市町村の事業と連携しながら、県のものは大規模に実施して、ただ、より多くの事業者に登録はいただきたいと思っておりますので、そういうPRは進めていきたいと思います。
 それから、商工指導団体の複数年の支援ですけれども、我々も、人材確保をする上では、複数年でないとなかなか確保が難しいという状況はよく承知しております。やはり今回の感染拡大等で商工指導団体等の役割が高まっておりますし、さらに、長いスパンで支援していかなければいけないので、これについては、国に対して複数年の支援のあり方を要望しながら対応していきたいと考えております。
 それから、過剰債務を抱えている事業者に対する支援につきましては、今回、信用保証協会を中心に動いていこうというところでございます。信用保証協会が事業者の状況を一番身近にわかっておりますので、信用保証協会に動いていただくことによって、よりプッシュ型の支援ができるのではないかと考えております。そこの連携を強めて、事業が行き詰まったりするようなことを未然に防げるように、支援に努めてまいりたいと考えております。
〇37番(斉藤信君) 事業者がこの間、国、県の支援で何を一番活用しているかといいますと、この2月の実態調査を見ると、第1位が市町村の補助金、助成金36.9%、次が県の地域企業経営支援金32.6%であります。
 私は、この地域企業経営支援金が大変大きな役割を果たしたと。この点で、来年度切れ目なく、国の財源も確保しながら、ぜひ早期の実施を検討していただきたい。国の事業復活支援金は11月から3月までなのです。新たな年度の対策はないのです。そういう点で、切れ目のない支援策を、使われている支援策をぜひ実施していただきたい。
 あと、いわて飲食店応援事業費は、認証店というのはさまざまな支援を受けるためにやるのですから、それが半分しか参加していない。本当にこの実態と要望をしっかり受けとめて、せっかく認証を取った方々が、県が実際にやるこういう支援策を活用できるように、ぜひ、しっかり現状、要望を聞いて対応していただきたい。
 最後は要望にとどめて、終わります。
〇議長(五日市王君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、ただいま議題となっております議案第68号は、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第19回県議会定例会 令和4年3月25日)
総務委員会
1 議案第68号
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 第9款
商工建設委員会
1 議案第68号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第7款
   
〇議長(五日市王君) この際、暫時休憩いたします。
   午後1時34分 休 憩
   
出席議員(47名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 上 原 康 樹 君
3  番 小 林 正 信 君
4  番 千 葉   盛 君
5  番 千 葉 秀 幸 君
6  番 岩 城   元 君
7  番 高橋 こうすけ 君
8  番 米 内 紘 正 君
9  番 武 田   哲 君
10  番 高 橋 穏 至 君
11  番 山 下 正 勝 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 佐々木 朋 和 君
15  番 菅野 ひろのり 君
16  番 柳 村   一 君
17  番 佐 藤 ケイ子 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 名須川   晋 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 川 村 伸 浩 君
23  番 千 葉 絢 子 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 吉 田 敬 子 君
27  番 高 橋 但 馬 君
28  番 小 野   共 君
29  番 軽 石 義 則 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 小 西 和 子 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 五日市   王 君
41  番 関 根 敏 伸 君
42  番 佐々木 順 一 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 岩 崎 友 一 君
45  番 工 藤 勝 子 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 勝 博 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後3時12分再開
〇議長(五日市王君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
   
   報 告
〇議長(五日市王君) 総務委員長及び商工建設委員長から、それぞれ委員会報告書が提出されておりますが、後刻詳細に報告を求めますので、朗読を省略いたします。
   
   日程第28 議案第22号岩手県の事務を市町村が処理することとする事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例から日程第42 議案第68号令和4年度岩手県一般会計補正予算(第1号)まで、及び日程第45 請願陳情(続)
〇議長(五日市王君) 日程第28、議案第22号から日程第42、議案第68号まで、及び日程第45、請願陳情の議事を継続いたします。
 各案件に関し、委員長の報告を求めます。菅野総務委員長。
   〔総務委員長菅野ひろのり君登壇〕

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