令和4年2月定例会 第19回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇13番(高田一郎君) 日本共産党の高田一郎でございます。議案に対する質疑を行います。
 議案第42号令和3年度岩手県一般会計補正予算(第12号)について質問いたします。
 補正予算第12号は、感染防止拡大を図りつつ、社会経済活動を支えるための新型コロナ感染症対策、国土強靱化対策や三陸復興創生のための観光拠点整備などを計上しており、総額322億円となっております。
 第1に、財政管理費として265億168万円余が計上されております。本補正予算では、後年度の普通交付税の精算減額などに備えるため、財政調整基金積み立てに114億9、888億円余、臨時財政対策債の償還に備えるために県債管理基金積立金に150億円を増額するものであります。
 本会議でも議論がありましたが、新年度の一般財源は121億円の財源不足となるなど厳しい財政事情にあります。財政調整基金及び県債管理基金積立金として総額265億168万円もの増額をした理由を示してください。
   〔副議長退席、議長着席〕
 第2に、新型コロナウイルス感染症対応資金貸付金は43億円、地域企業経営資金事業費は7億3、000万円もの減額補正となっております。この利用実績及び大幅な減額補正となった要因は何でしょうか。
 第3に、バス運行対策費6、031万円余は、バス路線の維持を図るために運行欠損額に対する補助対象額を拡充するものであります。補助要件及び補助対象経費はどうなっているでしょうか。新型コロナウイルス感染症にかかわる特例措置となっていますが、影響が継続する限り支援をしていくべきでありますが、国の動向はどうなっているでしょうか。
 バス事業については、新型コロナウイルス感染症が続く中で、厳しい経営状況に加え、運転手の高齢化などを背景に運転手の要員確保も課題になっています。バス事業者の要員不足問題を含め、新型コロナウイルス感染症による影響の実態をどう把握されているでしょうか。
 第4に、いわて旅応援プロジェクト推進費82億4、260万円余は、実施期間の延長に伴い、宿泊代金の割引などに要する経費を増額しようとするものであります。このいわて旅応援プロジェクトは、補正予算第11号で12億1、900万円の増額補正を行ったばかりであります。これまでの利用実績は、利用人数約68万人、利用金額が約39億円となっており、今回の補正はそれを上回る規模であります。
 そこで幾つか質問いたします。延長第3弾として2022年度以降も対象期間を拡大しようとするものでありますが、3月11日以降の実施については国との調整はどのようになっているでしょうか。本補正予算でどれだけの利用人数や経済効果を期待されているのでしょうか。宿泊事業者には体調チェックや料理の提供方法、三密対策など感染対策の遵守などを依頼しています。感染防止対策の取り組みへの支援が十分行われているのでしょうか。
 第5に、三陸復興創生観光拠点整備事業費6億271万円余は、陸前高田オートキャンプ場モビリアの再開に向けて施設などを整備しようとするものであります。テントの大型化やグランピング、ソロキャンプなどキャンプ場へのニーズが多様化しており、利用者のニーズに沿った整備を行い利用者の拡大を図る必要があります。この事業計画の中身及び運営はどうなるのでしょうか。あわせて、再開時期に向けたスケジュールについても示してください。
 最後に、議案第63号は、一般国道107号大石地区仮橋架設工事の請負契約の締結に関し議決を求める議案であります。
 仮橋架設工事は、事業費10億7、569万円にもなるものです。この仮設道路に当たっては、応急工事の上にさらに盛り土し、安全確保をした上で現国道を運行する案と、ダム湖水に仮橋を設置して対岸の県道付近に接続する迂回路の確保との2案でこの間検討されてきました。施工期間やコスト、安全面などを判断しての今回の提案だと思いますが、その具体的な検討内容について伺います。
 また、工事に当たっては、ダム貯水位を下げて工事が行われることから、農業用水や発電事業への影響を考慮する必要がありますが、どのように検討されているのでしょうか。
 以上で質問を終わります。答弁によっては再質問いたします。
〇総務部長(白水伸英君) 財政調整基金積立金等の増額理由についてであります。
 財政調整基金については、令和3年度の県税等が当初予算額よりも増収となったことに伴いまして、翌令和4年度から令和6年度までの3年間において生じる普通交付税の精算等―これは実質的な返還をしないといけないということでございますが―に備えて115億円、それから、県債管理基金につきましては、国が臨時財政対策債の償還費として追加交付した額―これも後年度交付税に参入されない額になります―を踏まえて150億円、合わせて265億円を基金に積み立てることとしたものでございます。
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) まず、新型コロナウイルス感染症対応資金の令和3年5月末までの取扱期間における利用実績は、累計で1万2、110件、1、944億円余となっており、今般の減額となった要因は、年度末に駆け込みで多くの事業者が利用することを見込んだものの、実際には、多くの事業者の利用が前倒しで進んでおり、この時期の利用が想定よりも少なかったことによるものでございます。
 次に、地域企業経営支援金支給事業費のうち、売り上げ減少を支給要件とする支援金の支給実績は、1月末現在、1万133事業者、1万1、234店舗に対し、34億5、000万円余となっております。
 また、いわて飲食店安心認証制度の認証を受けた飲食店に対する10万円の経営支援金の支給実績は、2月24日現在、3、870事業者、4、395店舗に対して、4億3、000万円余となっております。
 これが減額となった要因でございますが、国の事業復活支援金の創設に伴いまして、売り上げ減少対応の対象期間を短縮したため見込みを下回ったものでございます。
 次に、いわて旅応援プロジェクトに係る国との調整状況ですが、国では、専門家の意見や感染状況等を踏まえ、地域観光事業支援の期間延長等を行うこととし、現在、補助金交付要綱の改正に向けて調整を進めていると聞いております。
 プロジェクトを円滑に進めるためには、実施期間や割引内容などを早期に関係者に周知する必要があることから、交付要綱が改正された後、速やかに延長分の予約受け付けが開始できるよう準備を進めております。
 次に、今回の補正予算額に対応する利用人数についてでございますが、来年度の詳細は明らかになっていないのですが、第3弾としての実施が現在の割引上限額等で継続されると想定した場合、約135万人の利用が見込まれるところです。
 経済効果につきましては、新たに喚起される需要額を割引原資の予算額の2倍とするなどして、総務省の経済波及効果の簡易計算ツールにより単純に計算いたしますと、約234億円と見込まれます。
 次に、宿泊施設の感染防止対策への支援についてでございますが、県では、宿泊事業者が実施する感染防止対策等に要する経費として、令和2年度及び令和3年度の2年間で328件、補助金額で4億3、521万円余の支援を行っております。
 また、いわて旅応援プロジェクトの参加条件として、関係する感染拡大予防ガイドラインの遵守を義務づけており、そうした中で、現在375施設が参画している状況から、県内のほとんどの宿泊施設で十分な感染対策がとられているものと受けとめております。
 次に、陸前高田オートキャンプ場モビリアの事業計画等についてでございますが、モビリアの再開に向けた既存施設整備に当たりましては、テントの大型化や利用ニーズの多様化に対応した施設とする観点から、民間のノウハウを最大限に生かすための提案を募り、設計施工一括発注、いわゆるデザインビルド方式による公民連携手法で整備しようとしております。
 また、運営につきましては、指定管理による運営を行うことを予定しておりますけれども、事業の公募により設計者及び施工者、指定管理予定者を一括で選定することとし、指定管理予定者の意向も踏まえた施設として整備していくことを考えております。
 再開に向けたスケジュールにつきましては、本日から公募を開始し、4月中に民間事業者から提案を受け、事業者選定を行い、5月には設計施工契約締結、その後、速やかに改修整備に入り、令和5年2月末には再整備を終了、同年4月の施設再開を目指しております。
〇ふるさと振興部長(熊谷泰樹君) まず、バス運行対策費補助についてでございますが、国との協調補助であり、複数の市町村にまたがる広域的かつ幹線的なバス路線のうち、1日当たりの運行回数が3往復以上、輸送量が15人以上、150人以下の路線が補助対象となっております。
 ただし、新型コロナウイルス感染症に係る特例措置として、令和2年度及び令和3年度の補助金については、輸送量要件が150人以下に緩和されているところであります。
 また、補助対象経費は、補助対象路線の経常費用の見込み額から経常収益の見込み額を差し引いた運行欠損額となっております。
 なお、1便当たりの平均乗車人数―我々は平均乗車密度と呼んでおりますが―5人未満の路線等については、補助対象経費が減額調整されますが、新型コロナウイルス感染症の影響により乗車人数が減少したバス路線の維持を図るため、令和2年度に引き続き、令和3年度の補助金についても、国庫補助に基づき当該減額調整措置を適用しないこととし、本定例会に補正予算を提案させていただいたところでございます。
 県におきましては、これらの特例措置を国に対して要望してきたところでございます。現時点では令和3年度までとされておりますが、来年度以降におきましても、新型コロナウイルス感染症の影響も見込まれますことから、引き続き、国に対して特例措置の継続を働きかけてまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症によるバス事業者への影響についてでございますが、バス事業者では、従来から運転手不足の傾向にあったところでございますが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う社員の自宅待機措置等により要員の確保が一層難しくなり、通常ダイヤでの運行に支障を来すおそれが出てきたとして、岩手県交通は、2月21日から、盛岡地区の1路線で減便して運行しているところでございます。
 また、主要な乗り合いバス事業者3者―岩手県交通、岩手県北自動車、JRバス東北―の令和3年4月から令和4年1月までの運賃収入は、新型コロナウイルス感染症の影響が生じる前の一昨年の同時期に比べますと36.4%、17億4、000万円余り減少するなど、昨年度に引き続き大きな影響を受けている状況にございます。
 このような状況もありまして、岩手県交通は、4月1日からのダイヤ改正におきまして、盛岡地区の22路線で減便することを昨日発表したところでございます。
 県では、運行支援交付金の交付、それから、先ほど御答弁いたしましたバス運行対策費補助の追加交付など、新型コロナウイルス感染症の影響を受けるバス事業者の運行を支えているところでございますが、今後も、新型コロナウイルス感染症による影響等を注視しながら、適時適切に必要な支援について検討してまいります。
〇県土整備部長(田中隆司君) 国道107号大石地区仮橋架設工事の請負契約議案についてでありますが、仮設道路の検討に当たっては、仮設道路としての安全性を確保することとし、応急工事で施工している盛り土に、さらに50万立方メートルの盛り土を行い現国道を通行する盛り土案、ダム湖に約470メートルの仮橋を設置し迂回路を確保する仮橋案の2案について比較し、早期交通確保が可能な仮橋案を選定したところでございます。
 具体的には、資材の調達や現場条件を踏まえた施工能力等に基づく交通確保の時期、工事費について、盛り土案が早くても令和5年夏の供用、工事費約50億円、仮橋案が令和4年積雪期前の供用、工事費約35億円とそれぞれ見込んだところでございます。
 また、応急盛り土工事及び仮橋工事中のダム湖の貯水位の運用については、通常よりも低い水位を基本とすることでダム管理者と調整しており、運用の考え方について、農業、発電に係る利水者から御理解と御協力をいただいているとダム管理者から伺っております。
〇議長(五日市王君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、お諮りいたします。議案第2号から議案第21号まで、議案第26号、議案第27号、議案第29号から議案第31号まで、及び議案第37号、以上26件については、46人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(五日市王君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第19回県議会定例会 令和4年3月2日)
予算特別委員会
1 議案第2号
2 議案第3号
3 議案第4号
4 議案第5号
5 議案第6号
6 議案第7号
7 議案第8号
8 議案第9号
9 議案第10号
10 議案第11号
11 議案第12号
12 議案第13号
13 議案第14号
14 議案第15号
15 議案第16号
16 議案第17号
17 議案第18号
18 議案第19号
19 議案第20号
20 議案第21号
21 議案第26号
22 議案第27号
23 議案第29号
24 議案第30号
25 議案第31号
26 議案第37号
〇議長(五日市王君) お諮りいたします。ただいま設置されました予算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、議長を除く全議員を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(五日市王君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしましたとおり、議長を除く全議員を予算特別委員に選任することに決定いたしました。
 予算特別委員会は、委員長互選のため、3月7日午前10時に特別委員会室にこれを招集いたします。改めて招集通知を差し上げませんので、御了承願います。
 次に、ただいま議題となっております議案第22号から議案第25号まで、議案第28号、議案第32号から議案第36号まで、及び議案第38号から議案第67号まで、以上40件は、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第19回県議会定例会 令和4年3月2日)
総務委員会
1 議案第22号
2 議案第23号
3 議案第24号
4 議案第25号
5 議案第38号
6 議案第40号
7 議案第42号
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
    歳出 第1款
       第2款第1項
          第2項
          第3項
          第4項(第1目中ふるさと振興部関係、第2目、第3目、第4目)
          第5項
          第6項
          第7項
          第9項
          第10項
       第3款第2項(第2目)
          第5項
       第9款
       第12款
       第13款
   第2条第2表中
    第2款第1項
       第2項
       第4項
       第6項  
    第9款
   第4条
8 議案第49号
9 議案第50号
10 議案第65号
文教委員会
1 議案第42号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第2款第8項
       第10款
   第2条第2表中
    第2款第8項
    第10款
2 議案第67号
環境福祉委員会
1 議案第32号
2 議案第33号
3 議案第34号
4 議案第39号
5 議案第42号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款第1項
          第2項(第1目、第3目)
          第3項
          第4項
       第4款
       第11款第5項
   第2条第2表中
    第3款
    第4款
   第3条第3表中
    1追加中 1
6 議案第43号
7 議案第51号
8 議案第53号
商工建設委員会
1 議案第35号
2 議案第36号
3 議案第41号
4 議案第42号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第2款第4項(第1目中商工労働観光部関係)
       第5款
       第6款第3項(第2目中県土整備部関
係)
       第7款
       第8款
       第11款第2項
          第3項
   第2条第2表中
    第5款
    第6款第3項(第2目中県土整備部関係)
    第7款
    第8款
    第11款第2項
       第3項
   第3条第3表中
    1追加中 2〜11
    2変更中 2〜9
5 議案第47号
6 議案第48号
7 議案第52号
8 議案第54号
9 議案第55号
10 議案第56号
11 議案第59号
12 議案第60号
13 議案第61号
14 議案第62号
15 議案第63号
16 議案第64号
農林水産委員会
1 議案第28号
2 議案第42号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款第1項
          第2項
          第3項(第1目、第2目中農林水産部関係、第3目、第4目)
          第4項
          第5項
       第11款第1項
   第2条第2表中
    第6款第1項
       第2項
        第3項(第2目中農林水産部関係、第
3目)
       第4項
       第5項
    第11款第1項
   第3条第3表中
    2変更中 1
3 議案第44号
4 議案第45号
5 議案第46号
6 議案第57号
7 議案第58号
8 議案第66号
   
〇議長(五日市王君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後4時37分 散 会

前へ 次へ