令和4年2月定例会 第19回岩手県議会定例会会議録

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〇31番(小西和子君) 希望いわての小西和子でございます。
 通告に従い、順次質問を行います。
 初めに、新型コロナウイルス感染症対策について質問いたします。
 国内では、2020年春以降、流行の波が繰り返され、2月23日現在の感染者数は約470万人、死亡者数は2万2、586人です。県内においても9、059人感染し、58人の方が亡くなられています。新型コロナウイルス感染症に感染された皆様にお見舞いを申し上げるとともに、お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げます。さらには、医療関係者の皆様方初め、日々新型コロナウイルス感染症治療や感染防止に当たられている皆様に、心から敬意を表します。
 国内では、感染力が強いオミクロン株が猛威を振るい、1日当たりの最大の新規感染者数が10万人を超え、第5波をはるかに上回る感染規模の第6波が起きています。本県においても、本日、過去最多の388人の感染を確認するなど、危機的状況が続いています。
 地域の公衆衛生の拠点である保健所が削減されてきました。1991年には全国で854あった保健所は、2019年までに472に削減されました。ほぼ半減しています。職員数も約3万4、000人から約2万8、000人に減っています。保健所の公衆衛生上の機能自体も極めて低下しているところに、新型コロナウイルス感染症が襲いかかりました。
 人員体制の強化についてです。
 次年度の知事部局の人員体制は4、400人程度、現在実施している選考採用試験の採用予定数を含めると、新採用職員数は140人程度となる見込みとのことです。しかしながら、病気やけがによる14日以上の継続療養者が154人、長時間労働による保健指導対象者が397人にも上っている現状と、長期化している新型コロナウイルス感染症への対策、さらには、非常災害時を見据えた職員体制確保の観点から、さらなる増員が必要と考えますが、知事の見解を伺います。
 学校における人員体制の強化について伺います。
 今年度の公立学校の感染者数は、2022年2月23日時点で、児童生徒1、461人、教職員110人、クラスター43件、学級閉鎖137、学年閉鎖63、臨時休業133校です。ところが、消毒作業等を行うスクールサポートスタッフが、小中学校445校中174校しか配置されていません。県立学校では、特別支援学校は全校配置ですが、高校はゼロです。
 学校では、感染者が確認されると、学級、学年、学校単位で一人一人から聞き取りをします。全校ですと何百人にも連絡をとります。さらには、新型コロナウイルス感染症の拡大で保健所業務が逼迫していることを受け、県立学校と市町村教育委員会に、濃厚接触者の特定など疫学調査に協力するよう県教育委員会から通知がありました。クラスターが起きた学校では、教職員の業務が深夜まで続くこともあります。
 2022年度は、2020年度と同等に、子供たちの命を守るために、小中高校、特別支援学校、全ての学校にスクールサポートスタッフを1年間配置すべきです。さらには、クラスター発生の学校に応援職員を配置する仕組みも必要と考えますが、教育長の見解を伺います。
 次に、ジェンダー平等社会の実現について伺います。
 ジェンダー主流化の推進についてです。
 2021年3月に世界経済フォーラムから発表されたジェンダーギャップ指数は、多くの国で改善した一方、日本は横ばいで156カ国中120位でした。先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中でも韓国や中国、ASEAN諸国よりも低い結果となりました。
 セクシャルハラスメント、マタニティハラスメント、男女間賃金格差など労働にかかわっても、日本の女性は非常に厳しい状況下にあります。また、男性は男らしく強くたくましく、男は仕事といったジェンダーの縛りから、長時間労働に起因する過労自殺、過労死などの男性問題も、社会的な大きな課題として改善が求められています。
 さらに、新型コロナウイルス感染症の爆発的な感染拡大は、特に女性に深刻な影響を及ぼし続けています。2021年3月の野村総合研究所の調査では、パート、アルバイトのうち、シフトが5割以上減少するなどの実質的失業は女性103万人と男性の2.4倍。男女共同参画白書では、2020年度のDV相談件数が約19万件、前年度比1.6倍。性暴力や性犯罪の相談件数が5万1、141件、前年度比1.24倍。女性の自殺者は7、026人と前年度よりも935人もふえています。
 女性も男性も、持続可能な働き方と生涯にわたり豊かな人生を送るためには、長年にわたり人々の根底に形成された性別に基づく固定的な役割分担意識や、性差に関する偏見、固定観念、無意識の思い込みを払拭することが大切です。そして、女性の視点を切り口に、弱者と言われる人たちやマイノリティーの人たちに寄り添っていくことが、自分の居場所があり、個人の尊厳が尊重される社会づくりにつながっていきます。
 青森県は、令和4年2月4日、LGBTなど性的少数者のカップルを婚姻に相当する関係として認めるパートナーシップ制度を導入すると発表しました。都道府県での制度導入は6例目で、東北では初めてです。また、秋田県でも4月からの導入を検討しています。
 岩手県が2018年度に行った男女が共に支える社会に関する意識調査結果で、69.2%が社会全体として男性のほうが優遇されていると回答しています。
 また、いわて男女共同参画プラン主要指標の進捗状況は、達成度Aと達成度Bを合わせて46.1%です。2021年の女子の大学進学率では、岩手県は37.4%、43位でした。性別が将来を狭め、大学進学にも影響を及ぼしているのではないでしょうか。
 政策全般にかかわる全ての領域、政策分野にジェンダーの視点を入れていくことは、女性も男性も生きやすい岩手に変えていくとともに、人口減少対策にも大きな効果があるものと考えています。ジェンダーの主流化をさらに前に進める県政の実現が求められていますが、知事の見解を伺います。
 選択的夫婦別姓の導入の推進についてです。
 結婚するときに夫婦の名字を同じにするかどうか選べられるようにする選択的夫婦別姓の導入について、多くの世論調査でも、6割以上の国民が選択的夫婦別姓に賛成しています。家族の多様化が進む中、旧姓を使用する人や事実婚を選択するカップルも少なくありません。改姓によって、これまで築き上げたキャリアに分断が生じる例や結婚を諦めるなど、不利益をこうむる人が一定数いることも事実です。法律で夫婦同姓を義務づけている国は日本だけです。
 選択的夫婦別姓の推進を求める意見書が、岩手県議会を初め307地方議会から国会に提出されています。選択的夫婦別姓の導入に向け、例えば全国知事会の取り組みを働きかけるなどが考えられますが、知事の見解を伺います。
 いわて女性のスペース・ミモザの活動についてです。
 いわて女性のスペース・ミモザは、息苦しさや生きにくさを感じている女性のために、気軽に相談できるように昨年7月に開設されました。1月までのミモザ北とミモザ南の相談件数は合わせて562件、サロンと出張相談は65回、412人が利用しました。生理の貧困の女性用品の提供は、29市町村、4大学、80中学校、高校、11団体に上ります。
 いわての女性のスペース・ミモザの活動についての評価と、次年度の施策について伺います。
 ひとり親家庭への支援について伺います。
 厚生労働省の2019年国民生活基礎調査の相対的貧困率を見ますと、国民の6人に1人、子供の7人に1人、ひとり親家庭の半数が貧困状態に置かれています。多くの先進国が加盟するOECDの中でも、貧困率が大変高い国とされております。
 また、内閣府が2021年度に中学校2年生と保護者5、000組を対象に実施した子供の生活状況調査の結果を取りまとめた分析報告書によると、食料について過去1年間で買えない経験があるとした保護者が全体で約11%であるのに対し、中間的な所得の半分に満たない、いわゆる貧困家庭では約38%に上っています。また、進学希望を子供に尋ねると、全体の半数が大学またはそれ以上に進みたいと答えたのに対し、貧困家庭では28%にとどまります。費用負担の重さから部活動への参加を見合わせると答えている子供もいます。
 このような貧困の広がりに加えて、新型コロナウイルス感染症の流行は、ひとり親の苦境をあらわにしました。相談したいと思っても利用できる公的制度の存在を知らなかったり、相談をためらうなどして支援に至らないケースもあります。
 岩手県では、2020年9月1日から、岩手県社会福祉協議会に委託して、ひとり親家庭等応援サポートセンターを開設し、ひとり親家庭からの相談を受け付け、公的支援施策につないできました。12月までの今年度の相談受け付け件数は1、054件。内容は、医療、健康が256件、人間関係が161件、子育て、教育が136件と続きます。居住地の市町村や弁護士、相談支援事業所等につないだ件数が20件です。
 9圏域ごとのひとり親家庭等サポートネットワーク会議の実施状況は、実施済みが3圏域、調整中が6圏域となっています。ひとり親家庭等応援サポートセンターの取り組みは、当初の目的である公的支援につなぐことができているのか、見解を伺います。また、9圏域ごとのひとり親家庭等サポートネットワーク会議の実施状況の評価と、次年度の重点施策についても伺います。
 次に、ヤングケアラーへの支援についてです。
 ヤングケアラーとは、一般的に大人が本来担うとされる病気や障がいのある家族や世話が必要な兄弟のために、家事や介護などケアを日常的に行っている18歳未満の子供たちのことです。負荷がかかり過ぎて子供らしい生活が送れず、将来の可能性を狭めることが懸念されます。
 2020年度に厚生労働省が行ったヤングケアラーの実態に関する調査研究の結果では、中学2年生で5.7%、全日制の高校2年生で4.1%に上りました。
 うち60%以上は相談経験がなく、家庭内のこととして実態が見えにくいことが報告されています。支援が必要であっても、子供自身や周囲の大人が気づいていないケースもあります。
 さらに県では、市町村要保護児童対策地域協議会におけるヤングケアラーへの対応に関する調査をまとめました。2020年度、県内の全市町村の要保護児童対策地域協議会いわゆる要対協において、支援対象として登録されている子供2、919人のうち、ヤングケアラーと思われる子供は34人いました。ヤングケアラーの早期発見や支援についての課題としては、家族内のことで問題が表に出にくく、実態の把握が難しい22件、ヤングケアラーである子供自身やその家族がヤングケアラーという問題を認識していないが21件と多く見られました。今回調査対象となった子供以外でも、この調査結果から、本人の自覚がないままに家事や家族のケアを担っているケースはあると考えられます。
 ヤングケアラーへの対応として、定期的な学校訪問などの取り組みを行っているのは8市町村にとどまります。また、今回の調査では、13市町村においてrラーと思われる子供を確認していますが、4市町村では、ヤングケアラーと思われる子供はいるが、その実態は把握できていないと回答しており、支援につなげる実態把握の難しさが浮き彫りになりました。
   〔副議長退席、議長着席〕
 実態把握の難しさの影響もあるのか、ヤングケアラーに該当する子供はいないと回答した市町村は19市町村となっています。
 2020年度にヤングケアラーとして市町村要保護児童対策地域協議会から支援を受けていた34人は、女性20人、男性14人。学年では、小学6年生、中学2年生、3年生がそれぞれ5人と多いですが、小学1年生から高校3年生まで幅広く存在しています。
 ケアの対象は、幼い兄弟が23件と最も多く、次いで親が15件。また、行っているケアの内容は、家事が31件と最も多く、家事と手伝い、介護の両方を担っている場合も15件もありました。
 県は、次年度、学校を通じて家事や家族のケアを担う児童生徒の実態把握を行う方針ですが、今回の実態調査において、支援につなげる実態把握の難しさが浮き彫りになっています。具体的に県はどのような方法で実態調査を行おうとしているのか伺います。
 また、包括的な支援体制の構築の検討や、ケアラーを支援する条例を制定した自治体もあると聞いていますが、本県でのヤングケアラーを支援するための条例制定についての考えも伺います。
 次に、ゆたかな教育の実現について伺います。
 不登校児童生徒の教育機会の確保についてです。
 2020年度の県内国公私立の小中学校で30日以上欠席した不登校児童生徒数は、小学校356人、中学校1、016人で、およそ1クラスに1人いることになります。過去5年間で最多となったことが、文部科学省の児童生徒問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査でわかりました。県内の公立、私立高校を合わせた516人も含め、全体では1、888人で、増加傾向が続いています。
 不登校の要因は、無気力、不安、生活リズムの乱れ、友人関係、学業の不振などさまざまです。県教育委員会では、不登校に対する未然防止のための対策や、不登校児童生徒の支援のための対策を行っています。
 学校以外の学びの場としてフリースクールなどがありますが、個々の事情によって選択肢が限られます。
 文部科学省は2017年、義務教育の段階における普通教育に相当する機会の確保等に関する基本方針を策定し、不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成して教育を実施することができる不登校特例校の設置が認められるようになりました。全国に公立学校8校、私立学校9校が設置されています。
 昨年12月に実施した教育・子ども政策調査特別委員会での調査で、不登校だった児童生徒が、生き生きと通学している不登校特例校について知りました。岩手県の不登校児童生徒のために、不登校特例校の設置に向けた議論を始めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 教職員の確保と働き方改革について。
 子供たちは、教員に相談したいことがあっても、忙しく働いている姿を見ると遠慮してしまいます。さらに、学校現場からは、教員が足りていない状況が報告されています。
 文部科学省は、2022年1月の教師不足に関する実態調査において、2021年度の始業日時点で、全国の公立学校のうち1、897校、2、558人の教員不足が発生していたと発表しました。
 岩手県の不足数は、小学校15人、中学校8人、高校はゼロでしたが、5月1日時点の岩手県の義務標準法に基づく充足率を見ますと99.7%と東北最下位、全国平均の101.8%と比較しても2.1%も低い割合です。仮に充足率100%で1万人だとすると9、970人の配置となり、30人も教員が不足していることになります。
 加えて、教職員の志望者が減り続けています。2020年度実施の岩手県小学校教員採用試験の倍率は2.3倍と、危険水域の3倍を大きく下回っています。志願者減少の要因には、教職員の激務が影響していると言われています。このような配置状況では、ますます教育員を志望する学生等が減っていくと思われます。
 子供たち一人一人を大切にする教育のために、教職員の健康を守るために、そして、誰ひとりとして取り残さない岩手の教育の実現のために、せめて充足率を100%に正すべきと考えます。このことは文部科学省も言っていますが、教育長の見解を伺います。
 働き方改革を前に進めるためには、人をふやすことと業務を減らすことは必須です。学校現場では、45分間の休憩時間が全くとれていない教職員も多い状況と聞いており、実効性のある教職員の働き方改革を一層進めていくことが必要です。
 岩手県小・中学校学習定着度状況調査の実施については、事前練習を行う学校もありますし、この県学調のデータを中心とした学力向上を県教育委員会や市町村教育委員会から毎年求められ、その取り組みや報告を毎年同じように行っている状況です。教育の目指すところが偏っているとの学校現場からの声があります。子供たちの中には、事前練習、調査、事後の学習と閉塞感が漂う状況に耐えられず、不登校になる子供もいます。
 働き方改革の視点、教職員の業務縮減の観点から、2018年度において県独自の学習定着度状況調査を行っていない都道府県は、小学校が17道府県、中学校が15道県と、全国でも約3分の1は行っていません。
 他校との比較により達成率を上げるようプレッシャーをかけ、教員を萎縮させる方策よりも、全ての子供たちの教育環境の向上と教育機会を保障するため、学校施設、設備の改善や、教職員の定数増、家庭の経済格差是正を図ることが優先されるべきと考えます。
 長時間労働と教員のなり手不足という負の連鎖を断ち切る一つの取り組みとして、また、教員が子供たち一人一人とじっくり向き合う時間をつくるために、岩手県小・中学校学習定着度状況調査のあり方を見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 最後に、東日本大震災津波からの復興と防災について伺います。
 ALPS処理水の海洋放出への対応についてです。
 東日本大震災津波から11年目を迎えようとしています。復興道路の延伸や恒久的な住宅への移行など生活基盤の整備が進んでいることを評価する一方で、新たなコミュニティーの形成や被災跡地の活用に課題があるとの声や、新型コロナウイルス感染症や、不漁の影響による水産業の収入減を指摘する声があります。
 2021年4月13日、政府は東京電力福島第一原発事故に伴う多核種除去設備等処理水いわゆるALPS処理水を、2年後をめどに海洋放出する方針を決めました。今回の決定は、地元三陸の漁業者はもとより国民の強い反対や懸念がある中、関係者の理解なしにはいかなる処分も行わないとする東京電力と地元漁業者との約束をほごにしたものであり、極めて問題です。
 ALPS処理水は、そもそも一般の原子力発電所施設からの排水には通常含まれないトリチウム以外の核種、魚や人の骨に蓄積されるストロンチウム90等の存在が指摘されており、体内に取り込まれると内部被曝する危険性について警鐘を鳴らす専門家もいます。
 このまま海洋放出が行われれば、三陸漁業関係者にとって死活問題であり、漁業ばかりでなく、地域経済に大打撃を受けることは必至です。間もなく11年となる東日本大震災津波からの復興に向けた関係者の懸命な努力を一瞬にして無にする、愚かな行為であると言わざるを得ません。
 さらに先般、復興庁が本県を初め全国の小中高校などに配布したチラシ、ALPS処理水について知ってほしい3つのことは、当該処理水による内部被曝を懸念する専門家の評価がある中で、安全性のみを強調する内容となっており、本資料をもって関係者の理解には遠く及びません。
 加えて、当該学校を所管する県教育委員会及び市町村教育委員会を経由せずに、国が直接学校にチラシを配布したことに対し、学校関係者はもとより、本県沿岸自治体首長や地域の漁業関係者などからも、困惑と不信の声が上がっており、極めて遺憾であります。
 そこで知事に伺います。福島第一原子力発電所のALPS処理水について、正確な情報を国民に提供するとともに、関係者の了解がないまま海洋放出しないこと、ALPS処理水の安全な処分方法を決定するまで安全な貯槽保管とし海洋放出をしないことを改めて強く国に求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 復興事業で整備した社会資本の維持管理についてです。
 復興事業の進捗に伴い、防潮堤など膨大な社会資本が形成されてきています。防潮堤や公営住宅など、これらの維持管理については、復興事業で完成したストックを順次取り込んで、岩手県公共施設等総合管理計画に基づいた計画的な予防保全型の維持管理を進め、業務の平準化や効率化を図りながら維持管理体制の強化に努めていくということでしたが、その進捗状況はどうなっているか伺います。
 いわて被災者支援センターについてです。
 いわて被災者支援センターでは、恒久住宅への移行後のローンや家賃負担など、経済面や生活設計等の複雑化した課題に対して、弁護士及びファイナンシャルプランナーといった専門家や、市町村及び市町村社会福祉協議会などの関係機関と連携し、専門的かつ個別的な支援を行っています。
 また、そうした被災者個々の状況に応じた専門的な支援を通じて、市町村や市町村社会福祉協議会と伴走型のノウハウを共有しています。
 さらに、内陸避難者や県外避難者に対しても、沿岸地区の被災者と同様に被災者個々の状況に応じた支援を行ってきており、これとあわせて、ふるさとに関する復興状況を初めとする情報提供を行うほか、帰還意思の確認や、そのもととなる実態調査の実施、ふるさとへの帰還に向けた支援など、避難者のニーズに応じた支援を行っています。
 今まさに、被災者が生活基盤を安定させるための重要な時期であることから、一層の相談体制の充実が求められていると考えますが、今後の活動の方向性について伺います。
 被災児童生徒に対する支援の充実についてです。
 学校では、復興加配教員とともに、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等と連携しながら組織的に対応し、児童生徒の支援に努めています。教員の復興加配やスクールカウンセラーなど、学校を支援する専門職の今後の措置についての見通しを伺います。
 地方防災会議における女性委員の登用についてです。
 日本海溝、千島海溝沿いの巨大地震に備えるためにも、県では防災対策の推進に向けた活動が男女共同参画の視点で行われるよう、地方防災会議における女性委員の積極的な登用を要請し、女性委員未登用の町村に対しては、職員が直接訪問するなど、働きかけを強化していると承知しております。
 その結果、女性委員未登用の一部の町村からは、婦人消防協力隊員や看護師、保健師等を登用する方向で検討しているとのことでしたが、県が目指している女性委員未登用の町村ゼロは達成されたか伺います。
 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 小西和子議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、人員体制の強化についてでありますが、新型コロナウイルス感染症や自然災害など、緊急的な対応を要する事案に対しては、フェーズに応じ、機動的に組織、人員体制を構築していくことが重要と認識しております。このため、危機管理対策の司令塔となる復興防災部のもと、全庁一丸となって対応するとともに、特に、新型コロナウイルス感染症対策においては、感染状況や行政需要に応じた人員配置や全庁からの業務支援など、保健福祉部や保健所の体制拡充を行っています。
 危機管理体制の充実については、令和5年度を初年度とする次期定数等管理計画の策定において重要な課題の一つと認識しており、今後においても、専門職員を初めとする必要な職員数の確保に努め、柔軟かつ最適な組織、人員体制の構築に取り組んでまいります。
 次に、ジェンダー主流化の推進についてでありますが、県では、昨年3月にいわて男女共同参画プランを策定し、初年度となる本年度は、あらゆる分野における女性の参画拡大や女性の活躍支援などを施策の基本的方向の柱に掲げ、各種取り組みを推進しています。
 具体的には、審議会等の女性委員の割合を高める取り組みや、東日本大震災津波復興委員会への女性参画推進専門委員会の設置等により、さまざまな分野に男女共同参画の視点を反映しているところです。
 県職員においては、管理職を担う女性職員の育成に取り組み、管理職員等の女性割合の向上を図っています。
 また、若年女性の県内就職や定着促進を図るため、いわてで働こう推進協議会を核として、仕事と生活の両立に向けた働き方改革等の取り組みを展開するとともに、いわて女性の活躍促進連携会議では、企業、団体の経営トップ層の意識改革や実践に向けた働きかけを行うなど、官民が連携して女性が働きやすい環境整備に取り組んでいます。
 加えて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、女性の雇用や生活に大きな影響を及ぼしていることから、こうした困難を抱える女性に対して、昨年7月にいわて女性のスペース・ミモザを開設し、一人一人に寄り添った支援を行っています。
 県としては、あらゆる分野において男女共同参画の視点に立った施策を展開し、ジェンダーギャップの解消につなげ、性別にかかわらず、一人一人が尊重され、ともに参画できる社会の実現を目指してまいります。
 次に、選択的夫婦別姓の導入の推進についてでありますが、昨年3月、岩手県議会において、夫婦同姓を選べる制度を取り入れる民法改正を行うこと等の措置を講ずることを国に求める、ジェンダー平等施策の強化を求める意見書が可決されたところであり、同時に、県内の市町村議会からも意見書が提出されていると承知しております。
 選択的夫婦別姓制度については、男女共同参画社会の実現に向けて重要な事項であることから、広く丁寧に議論され、困難に直面している人たちの問題が解消されるべきと考えております。
 次に、ALPS処理水の海洋放出への対応についてでありますが、県としては、処理水の処分は、本県の自然環境や漁業を初めとする産業に影響を及ぼすものであってはならないと考えており、政府予算要望を初めさまざまな機会を捉えて、関係団体や関係市町村等に対する丁寧な説明と慎重な対応を要望してきたところです。
 また、これまで、全国知事会及び北海道東北地方知事会を通じて、国民の理解を得る取り組みや、事業者などに対する万全な風評対策とともに、新たな技術動向の調査や研究開発を継続するよう、国に要望してきたところです。
 今後においても、科学的根拠に基づく丁寧な説明はもとより、安全に関する客観的で信頼性の高い情報の発信や、安全性をさらに高める処理技術の研究開発の継続など、県民の安全・安心と理解が得られるような具体的な取り組みを国の責任においてしっかり行うよう引き続き求めてまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔企画理事兼環境生活部長石田知子君登壇〕
〇企画理事兼環境生活部長(石田知子君) いわて女性のスペース・ミモザの活動についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響により困難を抱える女性を支援するため、昨年7月、国の交付金を活用して、いわて女性のスペース・ミモザを県内2カ所に開設し、相談対応や居場所づくり、女性用品の提供等に取り組んでおります。
 本年1月末現在、電話や対面、メール等で562件の相談が寄せられたほか、29市町村、4大学、全県立学校等に女性用品を提供しております。
 具体的な相談内容としては、人と話せず孤独を感じる、親の手伝いがなく育児にストレスを感じる、労働時間が減り収入が減少したなどがあり、いわて女性のスペース・ミモザの相談員に話したことで気持ちが楽になった等の意見がありました。また、学生からは、アルバイトが減る中、女性用品が提供されたことで、経済的にも精神的にも救われたといった声が多数寄せられており、コロナ禍で不安や孤独を抱える女性に対して、寄り添った支援ができているものと認識しております。
 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、このような支援が継続的に必要であることから、来年度においてもいわて女性のスペース・ミモザを支援拠点として設置し、市町村や関係機関等と連携しながら、支援の充実に取り組んでまいります。
   〔保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇保健福祉部長(野原勝君) まず、ひとり親家庭への支援についてですが、県が県社会福祉協議会に委託して設置しているひとり親家庭等応援サポートセンターは、ひとり親家庭等からの相談を受け、必要に応じて地域の専門機関等を紹介する取り組みを行っております。
 寄せられた相談については、障がい福祉サービスの利用や養育費、年金、生活福祉資金などの専門機関等を紹介するなど、相談者の意向を伺いながら、丁寧な対応に努めているところであります。
 また、ひとり親家庭等サポートネットワーク会議を9圏域で開催することとしているところですが、このうち6圏域については、新型コロナウイルス感染症の影響により開催を延期しているところです。今般の感染状況からやむを得ないものと認識していますが、今後、開催に向けた取り組みの加速化に努めてまいります。
 来年度においては、新型コロナウイルス感染症の状況を勘案しつつ、支援者向けの研修や家計管理・生活支援講習会を実施し、ひとり親家庭等の支援の充実等に取り組んでいく考えであり、必要な経費を本定例会に提出している令和4年度当初予算案に盛り込んだところであります。
 次に、ヤングケアラーへの支援についてですが、実態把握については、既に学校が把握している家庭状況や子供たちのふだんの様子などから、ヤングケアラーと思われる子供をスクリーニングする方法で把握することなどの検討を進めております。
 また、学校が把握した情報については、児童福祉法における要支援児童として、市町村要保護児童対策地域協議会と共有し、必要に応じて、地域の医療、介護、障がいなどの関係機関による支援につなげていく体制の構築を目指しています。
 次に、ヤングケアラーを支援するための条例についてでありますが、先行事例として、埼玉県や茨城県において、ケアラー全体の支援に関する条例を制定していると承知しております。
 本県では、ヤングケアラーなど従来の分野ごとの支援体制では対応が難しい複雑化、複合化した支援ニーズの顕在化を踏まえ、属性や世代を問わない相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援を各市町村において一体的に実施する重層的支援体制整備事業の取り組み拡大を進めております。
 県としては、これらの取り組みを通じ、ヤングケアラー全体を支える包括的な支援体制を構築し、必要に応じて、条例など法規面での規律のあり方についても研究してまいります。
   〔県土整備部長田中隆司君登壇〕
〇県土整備部長(田中隆司君) 復興事業で整備した社会資本の維持管理についてですが、復興事業の完成に伴い、県土整備部では、災害公営住宅の入居者の収入認定や、水門・陸閘自動閉鎖システムの稼動に伴う電気機械設備の保守点検、自動車専用道路である宮古盛岡横断道路の管理など、新たな維持管理業務が生じているところであります。復興事業で新たに整備した施設も含めて、社会資本がその機能を発揮し続けていくため、業務の平準化、効率化や維持管理体制の整備は重要であると認識しております。
 このため、令和3年度においては、災害公営住宅を含めた岩手県公営住宅等長寿命化計画の策定により、予防保全型の維持管理を推進するほか、道路パトロール班の拡充により、宮古盛岡横断道路の管理体制の強化に取り組んできたところであります。
 さらに、令和4年度からは、県営住宅の管理システムの改修による業務の効率化に着手するほか、水門・陸閘の全箇所運用開始を見据えた広域的な維持管理体制を確立することとしており、引き続き、業務の平準化や効率化を進めるとともに、維持管理体制の整備に努めてまいります。
   〔復興防災部長戸舘弘幸君登壇〕
〇復興防災部長(戸舘弘幸君) いわて被災者支援センターについてですが、センターでは、昨年4月の開設から本年1月までに延べ955回の相談に対応しています。
 相談内容としては、住宅ローンや家計の見直し、家族間のトラブルなど、経済面や生活面に関するものが多く、相談対応のうち延べ81回は弁護士等の専門家と連携して対応しています。また、同センターでは、相談件数の状況に応じ、相談支援員を増員するなどし、柔軟に対応しているところです。
 今後においても、状況に応じた柔軟な相談体制や弁護士等の専門家による支援を図るとともに、支援を必要とする被災者にいわて被災者支援センターを周知し利用につなげたり、被災者が身近な地域で伴走型支援を受けられる関係を構築するため、市町村及び市町村社会福祉協議会との連携を強化し、被災者一人一人に寄り添い支援してまいります。
 次に、市町村防災会議における女性委員の登用についてですが、県では、市町村長を対象とした防災・危機管理トップセミナーや市町村消防防災主管課長会議において、市町村地域防災計画や避難所運営に女性の意見を反映させることの重要性について説明し、市町村防災会議に女性委員がいない市町村に対して、民生委員や婦人消防協力隊の代表を委員としている他市町村の取り組み事例を紹介するなどにより、女性委員の登用が進むよう働きかけています。
 こうした取り組みにより、女性委員がいない市町村防災会議の数は、令和3年4月1日現在の4から、令和4年2月1日現在で1まで減ったところであります。
 県では、引き続き、防災・危機管理トップセミナー等において、女性委員がいない、あるいは女性委員が少ない市町村に対し、防災における男女共同参画の重要性を説明し、登用を働きかけてまいります。
   〔教育長佐藤博君登壇〕
〇教育長(佐藤博君) まず、新型コロナウイルス感染症対策のスクールサポートスタッフについてですが、令和4年度当初予算案に、小中学校に71人、特別支援学校に15人、計86人の配置に必要な経費を盛り込んだところです。
 配置については、一定規模以上の小中学校や、配慮を要する児童生徒が在籍する特別支援学校を想定しており、今年度と同様に、未配置校への巡回や必要に応じた出張等も行いながら、地域全体での感染防止に取り組んでいくこととしています。
 任用期間については、当面1学期の間としていますが、2学期以降の配置については、県内における感染状況やワクチン接種の進捗状況などを踏まえて判断してまいりたいと考えています。
 学校支援体制の強化については、継続的な学校運営の確保に向けて、県教育委員会事務局内に、情報収集・相談窓口班と、オンライン活用・業務支援班を編成し、市町村教育委員会と連携して、学校の業務支援に当たっているところです。また、県教育委員会の職員が保健所にリエゾンとして入るなど、保健所業務の支援にも努めています。
 引き続き、こうした学校等の支援のための適切な措置を講じ、児童生徒の健康、安全を第一に、学びの保障等に取り組んでまいります。
 次に、不登校特例校の設置に向けた議論についですが、不登校特例校は、域内の不登校児童生徒を通学させるための学校として、各自治体や学校法人が文部科学大臣から設置承認された学校であり、令和3年度の時点で、公立の設置としては、東京都内では大田区、八王子市や調布市など合わせて4校、京都市では2校、奈良県大和郡山市、岐阜県岐阜市で各1校の計8校が設置されており、そのほか、私立では都市部を中心に9校設置され、都道府県単位での設置例はまだないものと承知しています。
 県教育委員会は、これまでも不登校対策は重要な課題であるとの認識で、市町村教育委員会と連携し、魅力ある学校づくりによる不登校の未然防止や、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等と協力しながら不登校対策に取り組んできたところです。
 今後、市町村教育委員会との意見交換会等において、不登校特例校など全国の取り組みを紹介するなど情報共有を図るとともに、市町村教育委員会が設置している教育支援センター、これは従来の適応指導教室の名称が変わったものでございますが、この教育支援センターや民間施設のフリースクール等と連携しながら、不登校児童生徒の支援や教育機会の確保に努めてまいります。
 次に、教職員の確保についてですが、ことし1月、国が発表した教師不足に関する実態調査において、本県の小中学校の教諭等の定数充足率は99.7%となっているところです。これは、教諭等の定数の一部を活用して養護教諭を配置していることによるものであり、教諭等及び養護教諭を合わせた義務標準法に基づく充足率としては100%となっているものです。
 養護教諭を配置する理由としては、いじめ、保健室登校等、児童生徒の心身のケアへの対応や、近年多数採用している若手養護教諭の育成、指導を行う指導養護教諭の配置など、学校現場の実情や要望を踏まえて対応してきたことによるものです。
 今後は、養護教諭の採用数の見通しを見きわめながら、充足率改善に向けて見直しを進めていくこととしています。また、定数改善や加配の増に向けては、引き続き国に対して要望してまいります。
 次に、岩手県小・中学校学習定着度状況調査のあり方についてですが、本調査の目的は、児童生徒一人一人のつまずきの把握と教員の授業力向上であり、各学校が調査結果を活用する際には、単に他校や県平均との比較ではなく、自校の児童生徒の実態を捉えた取り組みが重要であると認識しています。
 県教育委員会では、さまざまな機会を通じて調査の目的や趣旨を説明するとともに、過去の諸調査問題の活用ガイドラインにより、調査実施前に集中的に過去の調査問題を練習させることは不適切かつ効果のない活用例であることを周知しています。
 本調査については、昨年度、33市町村教育委員会と意見交換を行い、児童生徒一人一人のつまずきの把握や授業改善に活用しているという意見があった一方で、採点業務や調査結果の処理に係る負担が大きいという意見があり、これらを踏まえて、今年度から4教科を2教科に精選して実施しているものです。
 あわせて、今年度は、学校質問紙調査をオンラインで実施したところであります。今後も一人1台端末を活用した児童生徒質問紙調査のオンライン化の検討を進めるなど、ICTを活用した具体的な業務改善に向けた取り組みを行い、働き方改革の視点からも、教員の負担軽減に配慮しながら、本調査の適切な実施に努めてまいります。
 次に、学校を支援する専門職の今後の措置についてですが、復興加配については、本年度、小学校39校に45人を配置するなど、全体で114人を配置しているところです。これは児童生徒の減少に伴う学級減により毎年少しずつ減少していますが、令和4年度においては、要望した97人の内示をいただき、その他の加配を組み合わせて適切な人員配置に努めていく考えです。
 スクールカウンセラーについては、本年度と同数であり、スクールソーシャルワーカーについては1名増の予算案としているところです。
 復興加配については、各小中学校の実情や児童生徒の状況に応じて適切な人員配置に努めるとともに、引き続き、継続配置に向けて、さまざまな機会を通じ国に働きかけてまいります。
 また、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーについても、心と体の健康観察による調査など、学校や地域の実情を把握しながら、適正な配置に努めてまいります。
〇31番(小西和子君) 再質問をさせていただきます。
 まず、人員体制の強化についてです。
 知事からの御答弁では、全庁一丸となって拡充を行っているし、専門職員の確保に努めているということでした。
 そこで、保健福祉部長に伺います。2022年2月1日時点の医療政策室の体制は、2019年4月1日と比較して、業務支援職員を含めて27人増の56人、広域振興局における保健師等は33人増の87人です。新型コロナウイルス感染症の対策強化のため、次年度はさらなる体制の強化を図っていくべきと思いますが、どのような体制を構築するのか県の考え方を伺います。
 次に、ジェンダー平等社会の実現についてのジェンダー主流化の推進についてで、先ほど知事は、審議会等の女性委員の割合を高める取り組みを行っていると答弁してくださいました。
 いわて男女共同参画プランにおける目標設定の考え方には、審議会等委員に占める女性の割合を2020年までに40%まで上昇させ、それ以降は維持していくことを目指しますとあります。この審議会の指標はジェンダー平等のバロメーターとも言えるものですが、審議会等委員に占める女性の割合の達成度はDです。この結果をどのように分析評価しているのか、企画理事に伺います。
 次に、同じジェンダー主流化の推進についてのところで、知事の答弁に、若い女性が働きやすい環境改善の取り組みを行っておりますということでした。
 そこで、男女の賃金格差も依然として存在して、ジェンダー主流化を進め、賃金格差をなくし、女性の生きづらさを解消することが必要と考えます。女性の生きづらさの解消は、人口減少の歯どめにもつながると考えております。
 そこで商工労働観光部長に、男女の賃金格差是正のための取り組みについてお伺いします。
 次に、教育のところですが、予定をしておりましたものにさらにプラスして質問します。
 きょうも388人の新型コロナウイルス感染者が出ました。学校の新型コロナウイルス感染者がかなり多いです。そんな中に、たった86人のスクールサポートスタッフでは、いないにも等しい。もっと子供たちの命を大事にする教育行政を行ってほしいです。子供たちは、各家庭から学校に来ています。各家庭には、高齢者もいれば、基礎疾患を持った方もいる。そういう方々を守るためにも、一人でも多く職員が欲しいのです。スクールサポートスタッフがいたおかげで本当に助かった。2020年度には全校に配置され、ありがたかったのですが、次の年になったら、配置数が大幅に下がりました。
 今年度はなかなか人員を確保できなかったところもあったので、五月雨式に少しずつ配置していきましたね。全校配置ですという報告をもらいましたが、全校配置とはなっていないということを聞いております。つまり、年間できちんと雇用しなければ、途中で雇用しようと思っても人がいないのです。子供の命を守るために、それぞれの家族を守るために、ここは何とか、どこからか人員を確保していただきたい。財政関係や総務部の方々には、すごく重要なので、何とかスクールサポートスタッフの配置に向けて検討をしていただきたい。これは、ここにいる議員全員、そう思っていると思います。
 そのことについては、もう一度、教育長と総務部長にお聞きしたいと思います。もう少しよい答弁が出るかと思いましたが、ちょっと予想外で残念です。
 次に、ゆたかな教育の実現についてですが、岩手県の義務標準法に基づく充足率100%を目指すことはきちんとやってください。いいですか。
 それから、教職員の確保と働き方改革についてですが、2020年度実施の小学校教職員採用試験の倍率が、危険水域の3倍を大きく下回った2.3倍と述べましたが、本当はさらに低いですね。他県との併願者もいますから、実質倍率はさらに低いことが考えられます。そこから推していきますが、教職員を目指す学生等が少なくなっているということをここで申し述べます。
 先ほどの質問では、業務縮減の内容について、岩手県小・中学校学習定着度状況調査に絞って話をしました。来年から山形県も県独自の学習定着度状況調査を行わないということを明言しております。
 大きな政策を削減しなければ、実効ある働き方改革は実行できないと思っております。岩手県教職員働き方改革プラン(2021〜2023)が示されましたが、取り組み状況、目的、達成状況はどのようになっているか伺います。
 いまだに月80時間以上、さらには100時間以上の時間外勤務を行っている教職員がいます。上限規制も決められましたが、時間外勤務の上限規制時間を月45時間以上も、オーバーしているかなりの教職員がいるというように現場の声を聞いております。目標達成に向けて今後どのような取り組みをしていこうと考えているのか、教育長に伺います。
 それから、東日本大震災津波からの復興と防災についてのところのALPS処理水の海洋放出への対応についてであります。知事からは、私どもが思っていることをそのまま答弁していただきました。本当にありがたいです。ぜひその方向で進めていただきたいと思います。
 そこで、このまま海洋放出が行われれば、三陸漁業者にとって死活問題であると先ほど質問で述べましたが、ALPS処理水を海洋放出した場合、県では、本県の水産業への影響をどのように捉えているのか、農林水産部長に伺います。
○保健福祉部長(野原勝君) 最初に御質問いただきました、新型コロナウイルス感染症対策に係る体制強化についてでございます。
 ワクチン接種体制の構築や積極的疫学調査、入院等搬送調整等の業務執行体制を確保するため、医療政策室や保健所の増員に加え、業務支援の拡充、保健所支援本部や健康観察サポートセンターなどの新たな仕組みの構築により、体制強化を図ってきたところであります。
 引き続き、新型コロナウイルス感染症に迅速かつ的確に対応できるよう、令和4年度においても、医療政策室や保健所の増員などさらなる体制強化を図るとともに、採用の強化や退職保健師の継続任用など、保健師を初めとする専門職員の確保に取り組んでまいります。
 また、今年度、保健所の積極的疫学調査等を支援するため本庁に設置した保健所支援本部を継続することとしており、今後の感染状況等を踏まえ、業務支援の機動的な運用や保健所支援チームの迅速な派遣なども行いながら、保健所の体制強化に努めてまいります。
〇企画理事兼環境生活部長(石田知子君) 審議会等委員に占める女性の割合の達成度についてですが、令和2年度の目標値40%に対し、実績値が36.9%となり、達成度はDとなっております。目標達成に向けて全庁各部局ごとに取り組み目標を設定し取り組んでおりますが、改選のタイミングが合わない審議会や、高い専門性が求められる分野に女性の専門人材が少ないため選任できない等の審議会があり、目標に届かなかったところです。
 女性委員の登用拡大に向けて、引き続き、審議会ごとに役職員に限らない幅広い人選や、推薦団体の見直し、女性人材リストの活用等により、総務部とも連携して計画的な登用をさらに働きかけ、目標達成に向け、着実に推進してまいります。
 なお、今後の取り組み目標を取りまとめておりますが、令和3年度には39.4%、令和4年度には41.0%となり、目標値を達成できる見込みとなっております。
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) 男女間の賃金格差の是正についてでございますが、賃金格差の要因については、女性労働者に占める非正規雇用者の割合が高いこと等考えられることから、県では、労働局などとも連携して、県内の経済団体に対して、正社員への転換や処遇改善の促進について、継続的に要請を行っています。
 ただ、正社員への転換を進めるに当たりましても、女性が働きやすい職場環境にならなければ女性も入っていきにくいという面が多々ありますので、コロナ禍で加速したテレワークなどを含むDXの取り組みを進めながら、県内企業の一層の生産性向上を図るとともに、女性が働きやすい職場に向けて働き方改革を進めている企業がたくさんあります。そういう企業を働き方改革アワードで表彰したりしていますので、そういう事例を多くの企業に展開するような取り組みも強化しながら、女性を含めた全ての人が、やりがいと、生活を支える所得が得られる仕事につくことができる雇用労働環境の構築に努めていきたいと考えております。
〇教育長(佐藤博君) まず、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大で、特に学校現場で多くのクラスターが発生し、感染が拡大しているという状況にあります。特に1月に入り顕著になっているということで、学校現場の先生方には大変な御労苦をおかけしていることは、本当に改めて感謝申し上げたいと思います。
 感染症対応のスクールサポートスタッフの配置について、2020年度は補助率10分の10で、全て国からの財源措置がなされました。当時は、どのような感染症であるか科学的知見等がまだ整っていない中での措置ということで、全ての学校に配置となりました。
 その後、文部科学省においても、科学的知見の蓄積等を踏まえて、一定規模の財政措置と、それぞれ各自治体での判断等ということになりまして、昨年度からの財政措置が変更になっているという状況がございます。そういう中で、昨年度は、5月以降の第5波の拡大に向けてさまざま調整をさせていただいて、配置の拡充をすることができました。
 そして、今年度の予算編成の中でも、昨年度の当初予算では3、100万円ほどの予算案でありましたが、今年度は3、800万円余と、700万円余の増額の予算を措置していただいたという状況がございます。
 ただ、議員御指摘のように、このような新型コロナウイルス感染症の感染拡大の中で、特に今、小学校、中学校の新型コロナウイルス感染症の感染拡大が顕著になっています。そういう中で、文部科学省の衛生管理マニュアルの改訂等もありまして、消毒作業の範囲も縮小されているとか、現在の対応が示されております。それ等も考慮した上での予算措置になっている点については、御理解いただきたいと思います。
 それから、働き方改革についてですが、昨年2月に教職員働き方改革プラン(2021〜2023)を策定して、その中でさまざま取り組みを進めております。例えば会議、照会の精選であるとか研修日数の縮減、学校閉庁日の設定、長時間勤務者への産業医による保健指導の強化、働き方改革事例集の改訂による県内学校への取り組みへの波及など、学校の取り組み支援あるいは環境整備、それから教育員の健康確保という三つの柱に基づいた取り組みを進めてきています。
 現プランでは、時間外在校等時間が月100時間以上の者を令和3年度からゼロにするという目標を掲げていますが、今年度は第3四半期までの時点で時間外在校等時間が100時間以上となった教職員の全体に占める割合は0.2%になっています。昨年同時期では0.3%、一昨年度の同時期では5.2%という状況ですから、かなり改善は図られてきておりますが、目標であるゼロには、また一段の取り組みの強化が必要と考えて。
 今後の対応についても、先ほど申し上げた取り組みに加え、今進めている統合型校務支援システムの全県統一を目指し、全公立小中学校に統一運用する整備を進めていくこと。それから、休日の部活動の段階的な地域移行に向けた実践研究事業など、実効性を伴う形での教職員の負担軽減、働き方改革の推進につながる取り組みを進めていく考えでございます。
〇総務部長(白水伸英君) 新型コロナウイルス感染症対策の関係のスクールサポートスタッフについて、財政当局という立場で答弁をさせていただければと思います。
 まず、昨日の代表質問でも答弁させていただいたとおり、非常に財政状況が厳しいところについては御理解をいただきたいと思います。人口減少の背景がありまして、実質的な一般財源規模が91億円減少している。あるいは、それを受けて収支ギャップが121億円発生し、財政調整基金を取り崩して対応しているという厳しい状況でございますので、まずこれについては御理解をいただきたいと思います。一方で、コロナ禍における県民の福祉増進のために必要な予算はしっかり措置していくということは、我々もその認識でございます。したがいまして、今回の件については、県教育委員会の考え方もしっかりお聞きして、県教育委員会とも連携して、必要な予算措置はしっかり講じていきたいと思っております。
 一方で、教育長からも答弁がございましたが、さまざまな国の制度、今回は新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金も非常に足りない状況で、知事会を通じて臨時交付金のさらなる交付を求めています。そういったことともあわせて、必要な予算についてはしっかりと措置するという考え方で我々も取り組んで行きたいと考えております。
〇農林水産部長(佐藤隆浩君) ALPS処理水の関係でございます。
 国がALPS処理水の海洋放出をするという方針決定をしたわけですが、当然、市町村からは、放出によらない方法、それから保管方法の検討を求める声がございますし、漁業関係者からは、風評被害等を懸念して、反対の強い姿勢が示されているところです。
 本県は東日本大震災からの復興に向け、なりわいの再生ということで頑張っているところですが、サケ、サンマ、スルメイカといった主要魚種の水揚げ量の減少と、非常に厳しい状況が続いています。処理水の海洋放出が、こういった厳しい状況にあります本県の水産業に影響を及ぼすものではあってはならないと考えています。
 県としては、国の責任において、水産業を初めとする関係団体、市町村等に対する丁寧な説明、そして真摯な対話を継続して慎重な対応を行うよう引き続き求めてまいります。
〇31番(小西和子君) スクールサポートスタッフは、もともと働き方改革の一環として文部科学省が最初に出してきた中身で、途中で新型コロナウイルス感染症が拡大したので、新型コロナウイルス感染症予防のための消毒等にも対応するということになったものです。もともとはそうであったことは教育長も御存じだと思います。
 私も文部科学省の文書を見ました。そこに書いてある数字よりも何となく岩手県は少ないし、他県と比べても少ないという気がしておりますので、先ほど検討してみますというお話しでしたので、どうぞよろしくお願いします。何らか別の形でもよろしいので、とにかく新型コロナウイルス感染症の影響で大変になっている学校への支援をお願いしたいと思います。ここは要望にとどめます。
 働き方改革のところで、教育長が言った100時間超えが0.2%等というのは、県立学校のことですよね。たしか最初の働き方改革のときは、県立学校だけではなく、小中学校も同じように改革を県教育委員会で進めていきますよというスタンスだったと思うのですが、小中高、特別支援学校も全て含めて改革を進めていくのですねという確認です。
 あとは、準備してきたのはあったのですが、一つだけ質問します。私は、新たに教職についた若い教職員が元気で夢を持ちながら働けるような岩手県の教育現場であってほしいと願っております。持続可能な岩手県の教育について、この先、教育長はどのようにつくり上げていこうとしているのかということをお聞きして終わりたいと思います。
〇教育長(佐藤博君) まず、新型コロナウイルス感染症対応スクールサポートスタッフについては、今後の感染動向等を踏まえながら、学校現場の支援に向けて取り組んでまいりたいと思います。
 また、実際には、国の財政制度でも、スクールサポートスタッフ以外にも、感染防止対策の備品や各種消毒類も財政措置されていますので、そういった予算を学校に配分して日々の消毒作業等に使っていただくということは、しっかり取り組んでいきたいと思います。
 それから、働き方改革について、先ほどの数値は県立学校の話をさせていただきましたが、岩手県の子供たちを育む教職員全ての皆さんがしっかり子供たちに向き合う時間が確保できるように、ゆとりを持って仕事をしていただきたいと考えております。
 現在、コロナ禍の中でさまざまな制約があって、子供たちも思い切ったことができない状況にあります。そこを教職員、児童生徒、それぞれさまざまな工夫を重ね、感染防止、あるいは学校行事であるとか、それぞれの進路実現に向けて努力をしている。その子供たちの活躍がいろいろな場面ですばらしい成果を上げて、困難を乗り越えてやっていると。岩手県では、復興教育と教育振興運動という二つの独自の教育の考え方があります。これにしっかり取り組んでいることが、そういったことにつながっているのだろうと思います。
 そして、GIGAスクール構想という取り組みがあって、ICT機器がかなり前倒しで現場に入ってきているという状況がございます。そこには多くの財政措置をいただいて、これまでなかなか整備できなかった教育環境の整備が一気に進みました。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を使って、これまで県立高校にはエアコンが入っていなかったところも、全て整備ができました。そうしたICT機器と教育環境を整備してきましたので、今後は、そういった整備された教育環境の中で、子供たちが未来の岩手県をつくっていくすばらしい人材になっていくように、それを教職員の皆さん方は余裕を持ってしっかり支えていくことができるように、私どもは努めていかなければならないと考えております。しっかり取り組んでまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
   
   日程第2 議案第42号令和3年度岩手県一般会計補正予算(第12号)から日程第27 議案第67号損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めることについてまで
〇議長(五日市王君) 次に、日程第2、議案第42号から日程第27、議案第67号までを一括議題といたします。
 提出者の説明を求めます。白水総務部長。
   〔総務部長白水伸英君登壇〕
〇総務部長(白水伸英君) ただいま議題とされました各案件について御説明申し上げます。
 議案第42号は、令和3年度岩手県一般会計補正予算第12号であります。
 これは、新型コロナウイルス感染症対策として、感染拡大防止を図りつつ、社会生活、経済活動を支えるため、医療提供体制の強化や生活福祉資金貸付期間の延長、いわて旅応援プロジェクトの実施に必要となる予算や、国の補正予算第1号に呼応して、令和4年度当初予算と一体的な補正予算編成により県内経済の活性化を推進するため、国土強靱化緊急対策などの公共事業費、三陸復興創生のための観光拠点整備等を計上するほか、県税等の歳入の最終見込み、除雪などの緊要な課題に対応する経費の計上を含む歳出額の整理を行うとともに、財政健全化を着実に推進するため、県債管理基金の積み立て、繰上償還に要する経費を計上するものであり、総額321億9、100万円余の増額補正を行おうとするものであります。
 補正の主なものは、財政調整基金積立金114億9、800万円余、県債管理基金積立金150億円、バス運行対策費6、000万円余、経営体育成基盤整備事業費89億3、900万円余、いわて旅応援プロジェクト推進費82億4、200万円余、三陸復興創生観光拠点整備事業費6億200万円余、除雪費25億9、600万円余、河川激甚災害対策特別緊急事業費56億円、県債償還元金51億2、700万円余等であります。
 次に、繰越明許費の追加は、地区合同庁舎管理など164事業に係る予算を翌年度に繰り越して使用しようとするものであります。
 次に、債務負担行為の追加及び変更は、旧一関保健所大東支所建築解体など11件を新たに追加するとともに、9件について期間及び限度額を変更しようとするものであります。
 また、地方債の追加及び変更は、一般財団法人クリーンいわて事業団施設整備など3件を新たに追加するとともに、17件について起債の限度額を変更しようとするものであります。
 議案第43号から議案第56号までの14件は、令和3年度岩手県母子父子寡婦福祉資金特別会計など10特別会計及び4企業会計の各補正予算であります。これらは、それぞれの事業費の執行見込みに基づき、所要額を補正しようとするものであります。
 議案第57号から議案第60号までの4件は、建設事業等に要する経費の一部負担の変更に関し、それぞれ議決を求めようとするものであります。
 議案第61号から議案第64号までの4件は、災害復旧工事などの請負契約1件及び変更請負契約3件の締結に関し、それぞれ議決を求めようとするものであります。
 議案第65号は、和解に関し議決を求めようとするものであります。
 議案第66号及び議案第67号の2件は、損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めようとするものであります。
 以上でありますので、よろしく御審議の上、原案に御賛成くださいますよう、お願い申し上げます。
   
〇議長(五日市王君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時9分 散 会

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