令和3年12月定例会 第18回岩手県議会定例会会議録

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〇8番(米内紘正君) 自由民主党の米内紘正でございます。
 質問の機会を与えていただきました先輩、同僚議員の皆様方に心より感謝を申し上げます。
 それでは、通告に従い質問に入らせていただきます。
 まず最初に、新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いいたします。
 新型コロナウイルス感染症対策については、岩手県だけでなく、世界や日本のデータを見ながら、これまでとってきた対策の検証を行い、第6波を含めた今後の対応を検討する必要があると考えます。
 世界では、新たな変異ウイルスであるオミクロン株が確認され、新型コロナウイルス感染症との闘いはまだまだ続いていきそうではありますが、さまざまな知見を積み上げてきた我々は、それらを十分に生かし、より有効な感染対策を実行していかなければなりません。その際、ミクロの視点だけでなく、マクロな視点から物事を見て、一つ一つデータを検証していくことで、感染拡大は外部因子、感染縮小は対策などの内的要因というような偏った見方ではなく、常に全体と照らし合わせながら地域の患者動向の分析をしていく必要があります。
 県では、世界、日本における感染者の増減をどのように捉え、その中において岩手県の感染者の動向をどのように認識しているでしょうか。それは流れに沿ったものだったのか、あるいは特異な動きを見せていたものなのかお示しください。
 世界各国、日本各地の対策の検証を進める中で、感染拡大期と縮小期において、どのような傾向があったのか考えていく必要があると思いますが、全体としてどのように拡大と縮小が繰り返されていたか、その原因をどのように捉えているかお聞かせください。
 そして、直近の拡大期である第5波の拡大については、日本及び岩手県それぞれでどのような原因を考えているか、また、第5波の縮小に関してはどのように捉え、日本及び岩手県の各対策をどのように評価しているかお示しください。
   〔議長退席、副議長着席〕
 新型コロナウイルス感染症対策においては、世界中でデータに基づく政策立案と実行が行われたと考えています。岩手県においても、1年以上にわたって岩手県新型コロナウイルス感染症対策本部の本部員会議の中で専門家とのやりとりを通して対策を講じてきました。当初、感染者数ゼロが続き、その後も大きな感染拡大期はなかったわけでありますが、8月の第5波は、これまでにない規模での感染拡大となりました。
 その中で、県独自の緊急事態宣言の発出からまん延防止等重点措置の要請、盛岡市の飲食店等への営業時間短縮要請及び協力金の支給の流れについては、一部データ、科学的根拠に基づく意思決定に混乱があったように見受けられます。
 本県の新型コロナウイルス感染症の感染防止対策について、今後、基本的にどのような姿勢で臨んでいくのか知事に伺います。
 以降の質問に関しましては、質問席から行わせていただきます。
   〔8番米内紘正君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 米内紘正議員の御質問にお答え申し上げます。
 第5波の感染拡大の原因と対策についてでありますが、全国的な第5波の感染拡大については、全国知事会に設置したワーキングチームにおいて、都市部の繁華街や都道府県をまたいだ人流の増加に加え、従来株よりも感染力が強いとされるデルタ株への置きかわりが進んだことによるものと分析しており、本県においても同様の要因と考えております。
 また、感染者の急速な減少については、国のアドバイザリーボードでは、1、市民や事業者の感染対策への協力、2、夜間滞留人口の減少、3、ワクチン接種率の向上、4、医療機関や高齢者施設でのクラスター感染の減少などによるとしており、現在のところ定量的な解析はなされていないものの、国において実施された緊急事態宣言等による人流抑制策やワクチン接種の加速化等の取り組みが少なからず寄与したものと考えております。
 岩手県における減少要因も同様と捉えておりますが、本県の感染者数が全国よりも低く抑えられたのは、県民や事業者の皆様の御協力によるものと考えております。
 本県の取り組みについては、新型コロナウイルス感染症対策専門委員会から、岩手緊急事態宣言などの取り組みにより、原則入院、宿泊療養を経ずに自宅療養は行わないとする岩手県の医療体制が維持されたなどと評価されているところであり、首都圏等とは異なり、深刻な医療逼迫の状況は回避できたと認識しております。
 次に、新型コロナウイルス感染症に対する基本的姿勢についてでありますが、新型コロナウイルス感染症対策を進めるためには、基本的な感染対策や感染拡大時の行動制限等の必要性を納得してもらうために、感染状況をわかりやすく伝え、県民一人一人が、新型コロナウイルス感染症に関する情報を広く入手し、みずからの行動に生かしていただくことが必要と考えております。
 県では、7月9日に岩手警戒宣言を行った際に、ステージ3の目安指標である人口10万人当たりの1週間の新規感染者数が15人を超えた場合に、岩手緊急事態宣言を行うことを告知し、8月12日に同宣言を行った際には、感染の収束傾向を確実なものとするため、新規感染者数10人未満で解除するという数値による基準を明示したところであります。
 岩手緊急事態宣言下において、県内各地で人流動向の顕著な低下が確認されましたが、これは、客観的な目標数値を提示し、県民と共有したことが、多くの方々の行動変容につながったものと考えております。
 国内で初めて確認されたオミクロン株による感染拡大も心配されていますが、引き続き、的確な情報発信に努め、県民一人一人の理解と協力をいただきながら、新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、保健福祉部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇保健福祉部長(野原勝君) まず、新型コロナウイルスの感染の動向についてでありますが、世界的に見ますと、国や地域によって感染者の増減の規模や時期は異なりますが、変異ウイルスであるアルファ株やデルタ株による感染拡大、また、ワクチン接種やロックダウンなどの行動制限による感染抑制という流れは、共通していると認識しております。
 日本全体としても、感染拡大要因が、第4波ではアルファ株、第5波ではデルタ株であったと捉えており、また、減少に際しては、国において実施された緊急事態宣言等による人流抑制策やワクチン接種の加速化などの取り組みが、少なからず寄与したものと考えております。
 岩手県も、人流や物流などにより首都圏など他の地域の感染状況の影響を大きく受けることから、特異的な動きはなかったものと考えておりますが、本県の感染者数が全国よりも低く抑えられたのは、県民や事業者の皆様の御協力によるものと考えております。
 次に、感染者数の増減の要因についてでありますが、国内外での感染者数の増減については、さまざまな要因が考えられ、一概には言えませんが、先ほども申し上げたとおり、変異株の発生、ワクチン接種等による抗体獲得者の増加、各種の人流抑制策が影響し、一定の周期で感染拡大と減少の波が生じているものと認識しております。
〇8番(米内紘正君) 私も、本部員会議の資料や、知事の記者会見をまた改めて全部読み直して、やはり岩手県においては、しっかり数字に基づいて対策をとってこられたのだと思います。特に15人というところは、これまでの各種の統計的なデータから、知事も繰り返しおっしゃっていましたけれども、15人を超えると急激に伸びるということで、15人が目安なのだと。それをいろいろなほかの状況によってころころ変えたりしたらおかしなことになってしまいますから、それが、たとえお盆の前日でも8月12日に緊急事態宣言を出したと。これは、しっかりデータに基づいた判断だったと思います。
 そして、そこで知事がおっしゃっていましたけれども、とにかく動向を2週間見ると。2週間で数が減っていくはずだとお話しされていました。確かに、その後、8月19日、1週間後にピークを迎えて、県民の皆様方もかなり不安に駆られたと思うのですけれども、ただ、その19日以降は、確かに減少傾向になっていったのですね。移動平均線が緩やかになっていって、ここで、当初、8月12日にお話ししていたとおり、8月26日の時点では、岩手県全体ではかなり減少傾向になっていましたから、その数字に基づいて判断すれば、盛岡市の飲食店の時短要請とはならなかったと思うのです。
 ただ、その時短要請が意思決定されて、9月臨時会での質疑ですか、飯澤匡議員からエビデンスは何かということでありましたけれども、そのエビデンスが、盛岡市の飲食店クラスターが全体の飲食店クラスターの中の17件中14件であったという数字が出されていたのですが、データを見るときに、意思決定に合わせてそんたくしたデータを出してはいけないだろうと思います。飲食店クラスター17件中の14件が盛岡市での発生というのですけれども、これは令和3年4月からのデータなのです。半年以上のデータを見て、ほとんど盛岡市だと言っているのですけれども、本当だったら、いわて飲食店安心認証店制度が始まってからの直近2カ月ぐらい、あるいは1カ月、直近の傾向を見るべきだったと思うのです。
 そうすると、直近では、盛岡市内の飲食店クラスターは7月、8月はほとんど出ていないのです。18件中3件で、むしろ岩手中部で4件、胆江エリアで2件出ていたのです。これは多分、意思決定に合わせて、それに合うように数字をつくられたのだろうと感じます。
 やはり、しっかりデータに基づいていくからには、そこの順序を逆にしてはいけないと思うのですけれども、その辺は、知事はどうお考えでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 使うべき数字、それから、その数字の使い方については、いろいろ振り返ってこうしたほうがいい、ああしたほうがいいという改良は常にしていったほうがいいと思いますので、今の議員の御意見は参考にしていきたいと思います。
 一方、8月19日に25人を超えて、1週間10万人当たり25人となった後、下がり始めたのですけれども、その後、また上がっているのです。そして、8月12日の県の緊急事態宣言から8月19日までの1週間で15人から25人に上がるという、1週間でそれだけ上がった上がり方のきつさがあり、そのため、ここは、さらに盛岡市を対象とした営業時間短縮要請を加える必要があると判断したわけであります。
 また、盛岡市は、首都圏から人が来るときの岩手県最大の人が入る窓口であったり、あとは、過去、クラスターがたくさん出たということは、その後、新規感染者数がどんどんふえる中で、クラスターが起きやすい地域でもあるということで、そういったものを参考にしながら総合的に判断したところであります。
〇8番(米内紘正君) 確かに、8月12日から19日までの1週間の増加はかなり急激だったので、県庁の皆様方も不安に駆られたのでしょう。やはりそれは、これだけの拡大傾向は初めてだったので仕方がないことだったのかもしれないですけれど、そのときに、もう一度立ちどまって、果たしてこれは盛岡市の飲食店なのかと。
 二次感染者数の感染経路でも出ていますけれども、8月2日から8月15日までに約270人いて、飲食店での感染は27人なのです。つまり、この資料だと1割ぐらいになっているのです。ですから、やはりここのところでしっかり、原因が何だったのか、本当に飲食店だったのかというところは、もう少し議論してもよかったところかと思います。
 県政全般についてですけれども、私もこれまでEBPM─エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキングということで何回か取り上げさせていただきましたが、知事の姿勢として、これから県政運営全般においても、各種政策は、客観的データ、科学的根拠を用いて政策の意思決定をしていくのが望ましいのではないかと思いますけれども、お考えをお聞かせください。
〇知事(達増拓也君) 岩手緊急事態宣言において、専門家の意見を踏まえ、明確で測定可能な数値目標を設定し、県民を初めとする関係者と目標を共有でき、そして、共有した目標の達成に向けて、県民、その中の事業者、行政、医療関係者などさまざまな主体が連携してオール岩手の対応ができたと思います。
 このように、数値目標を共有して、あらゆる主体が連携して政策を立案、そして推進していく手法は、県政全般に応用できる可能性があると思いますので、今後研究していきたいと思います。
〇8番(米内紘正君) ぜひよろしくお願いいたします。
 それでは、次の質問に入ります。衆議院議員総選挙の結果についてお聞きいたします。
 まず、知事の衆議院議員総選挙への対応についてでありますが、政権選択選挙と言われたさきの衆議院議員総選挙において、知事は―最初、どのような行動をとったのかというところは、もうお聞きしませんが、
特に、岩手1区でとった行動について、どのような根拠において、何のためにとられたのか。そして、不偏不党を掲げる知事が、どのような立場においてとられた行動かお聞かせください。
〇知事(達増拓也君) 今回の衆議院議員総選挙におきましては、街頭演説や個人演説会への参加などの選挙運動は行わなかったところでありますが、衆議院議員総選挙に向けて、各政党やさまざまな個人が選挙の準備などを進めるに当たり、相談に応じたり意見を述べたりしたことはございました。
 政治家が行政の長として行政執行に臨むに当たっては、公正中立、不偏不党でなければなりませんが、知事の政治的行為には制限はなく、政治家として、活動しないという選択も含めて、自由に政治活動や選挙を行っているところであります。
〇8番(米内紘正君) 質問で聞いたのは、岩手1区でとった行動について、候補を擁立されました。お声がけをしましたね。立場はわかりましたので、その行動は、どんな根拠で、何のためにとった行動かということについてお答えください。
〇知事(達増拓也君) 私が、事前にさまざま相談に応じたり意見を述べたりした相手は、岩手1区においては立候補はしておりませんで、比例代表選挙に出馬するに際しては、例えば、当該政党が調整し、当該政党の判断において、そのような比例代表選出議員選挙名簿を作成したのだと見ております。
 そういう意味では、今回の衆議院議員総選挙に当たっては、実は私は、過去の衆議院議員総選挙に比べて、余り何もしていなかったのでありますけれども、そのように、本番中に選挙運動は行わないとか、そういう活動をしないという選択も含め、あるいは事前にさまざま相談があれば、相談に乗ったり意見を述べたりするということも含めて、知事の政治的行為には公務員法上の制限はないわけでありまして、政治家として自由に活動を行えればと思っております。
〇8番(米内紘正君) どのような根拠で、何のためにとった行動かというのは、今お話しいただけなかったのですけれども、次に行きたいと思います。
 では、1点お聞きします。簡潔にお答えください。知事の政治活動は自由です。個人的な政治信条と県民の利益のどちらを優先いたしますか。
〇知事(達増拓也君) 県民の利益になるようにということが、個人的な信念です。
〇8番(米内紘正君) 済みません、当然のことを聞きまして。
 そこで、記者会見の中で知事がよくおっしゃっていたのが、これは8月14日、候補擁立までが私の役割である、ここでもう私の役割は終わったと。ですので、衆議院議員総選挙は、知事はそんなに参加されていないのだと思います。私は別にそれを、選挙活動をたくさんしただろうと責めるつもりは毛頭ございません。その役割という言葉です。割り当てられた役ということですけれども、これは誰かに与えられたものなのでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 今、話題になっている方は、結局、立候補はしていませんので、そういう意味では、私は、立候補に関して何の役も果たしていなかったことになります。
〇8番(米内紘正君) 候補を擁立するという役割、これが誰かに与えられたものなのか、あるいは知事自身の使命感というか、こういう政治家を育てていかなければいけないのだとか、あるいは県民のためにやったのだということであれば、それはそれでいいのですけれども、それは県民のためだったのですか、御自身の感情だったのですか。
〇知事(達増拓也君) まず、擁立した形にはなっていないということが大前提としてあるのですが、御本人が立候補したいと最初は思っていたけれども、政党との調整の中で、結局、立候補しないことになったと。立候補する気持ちを固めていくに当たって相談を受けたわけですけれども、これは、誰からでも相談を受ければ、基本的に、一人でも多くの人が政治に関心を持ち、また、一人でも多くの人が政治に参画する、そして、少しでも岩手県をよくしたい、日本や世界をよくしたいということに、私が相談を受けることで、そこに何らかの貢献ができればいいと思っております。
 そもそも政治というものは、民主主義国においては、それにかかわることは誇るべきことであり、政治の領域は広ければ広いほどいい。参加する人が多ければ多いほどよく、参加する人がよりコミットできればいいというのが、民主主義国の政治であろうと思います。そこには、何か特別な思想信条とか主義主張というよりも、民主主義というのはそういうものなのだと思います。
〇8番(米内紘正君) 岩手県をよりよくしたい、よりよい民主主義を築いていきたいということで相談に乗られて、擁立という形にはならなかった、お声がけというかお話はされたということでございます。
 再度確認ですけれども、階猛衆議院議員に党の公認を辞退すべきだと言ったような報道等もありましたけれども、あくまでそれは、今のお話からすると、知事は、特定の党の立場に立ってではなくて、県民党の立場で、県民のためにとっている行動だという理解でよろしいですか。
〇知事(達増拓也君) 県民党という言葉をどういう意味で使っているのかとか、それによって回答はさまざま違ってくるとは思うのですけれども、まず、階猛衆議院議員の件に関しては、今回の衆議院議員総選挙は、誰が立候補するのか、そして、誰が誰を応援するのか、それぞれがさまざまに考え、判断して行動した結果、今回の結果になっていると受けとめております。
 また、私は2年前の岩手県知事選挙の際に、当時の国民民主党を基軸とした野党共闘で、野党の皆さんに推薦をいただいて、そして自由民主党推薦の候補と選挙戦を行い、そして当選しております。今回の衆議院議員総選挙に向けても、基本的にそのような、当時の国民民主党、それが立憲民主党に衆議院議員総選挙のときにはなっているのですけれども、それを基軸とした野党共闘と連携しながら、岩手県民の利益を最大化することに取り組み、日本をよくしていくことに取り組むというのが基本的スタンスで、これは広く県民の皆さんの御理解をいただいていると思います。
〇8番(米内紘正君) 簡潔で大丈夫ですので。
 私はよくわかります。知事は、県民の利益の最大化のために今回の行動をとられた、それはよくわかります。私は知事のことを責める気は全くありません。何を言いたいかというと、今回、県民党である知事が、県民の代表として、県民に選択肢を与えるために、民主主義というのは出る人が多ければ多いほどいいとおっしゃった。
 その中で、立憲民主党の本部はそれを許さなかったわけですね。それは、知事がおっしゃる県民の選択を余りにばかにした、ないがしろにした行為なのではないか。県民のことを全く考えていない行為。だったら、県民の幸福を第一に考えるのであれば、私は、知事は最後まで、新党を立ち上げてでも佐野利恵さんに、相談に乗って、思いを聞いているわけですから、きちんと立候補してもらうべきだったと思うのですけれども、いかがですか。
〇知事(達増拓也君) 当時の立憲民主党本部の執行部が、岩手1区の選挙態勢で誰を公認するかとした判断については、私も好ましいものではなかったと考えておりますが、立憲民主党岩手県総支部連合会の皆さんが、そういう執行部と力を合わせて今回の選挙を戦っていかなければ、日本を少しでもよくしていくことができないということで、まず、執行部の顔を立てながら、選挙戦に当たっては、直接対決、内部で対立するようなことがないようにしたということで、私もそれを尊重していたものであります。
 結局、立憲民主党本部の執行部は、これは岩手1区に対する判断、さばきも含めてと私は理解しておりますけれども、枝野代表、福山幹事長が責任をとってやめられましたので、そこは、潔く自分たちがだめだったと認めて責任をとったことを多としたいと思います。
〇8番(米内紘正君) 今、党本部の執行部の判断を尊重してということであったのですけれども、でも、知事は、県民の利益を最大化したいと言って、民主主義は多ければ多いほどいい、だから候補に立ってほしいのだという思いだったわけです。でも、それは党本部の判断、党本部は県民のことを全く考えていないのですね。知事のそういう思いを無視するわけですから。それを知事はどうして受け入れてしまったのか。その判断に従ってしまったのか。これは、まさに知事はよく会見でもおっしゃっていますけれども、地方は国に従属すべきではないと。
 知事、これは、特定の政党にこんなに従属した形でいいのですか。
〇知事(達増拓也君) 先ほど申し上げましたように、立憲民主党の中央と地方の間で選挙直前には調整がついて、双方納得した上で選挙戦に臨んでいたわけであります。私は、党員ではなく、党の何の役職にもついておらず、さまざまな機関決定の場に参加する立場にはない者であります。それでも、意見を述べたり、さまざまやることはできるわけですが、ここは、岩手県民のことを考えても、よくわからない対立を激化させながら、これ以上、今回の衆議院議員総選挙、一体いつからいつまでの現政権の批判、検証をする選挙なのか、そして、解散ということは岸田内閣がやったけれども、岸田内閣は解散で何を問おうとしたのか。いずれ選挙の趣旨、目的についてわからないようになりがちな選挙を、さらに悪化させないようにということを考えて対応いたしました。
〇8番(米内紘正君) 政策については後ほどお話しします。
 今のお話だと、余りにも最初に言っていた話と矛盾しているのですけれども、民主主義は、たくさん出れば出たほうがいい。出たら、そこにはもちろん対立は生まれますよ。自由民主党だって、各地で保守分裂といって自由民主党同士が戦っていましたよ。それでも、知事は、相談された方が出たほうが県民のためになると思って擁立された。私は公認の有無については余りかかわらずに、ある意味では、党派を超えた方々の意見をお聞きしながら支持を集められる政治家を目指したいと思っておりますが、そして、志ある御本人も、政党の論理で小選挙区で出られなくなってしまったのは、大変残念なことであります。やはりこれは、知事が、政党の意思を尊重するというのは1対1の構図をつくることだと思うのですけれども、それは、まさに野党共闘という概念に従属している体制なのかなと思います。
 次に、選挙結果の認識についてでありますけれども、知事が野党共闘というスタンスでいつも言っておりますけれども、この知事の目標に対して、今回の岩手県内の選挙の結果は前進と捉えておりますか、後退と捉えておりますか。
〇知事(達増拓也君) 後退か前進かにもかかわるのですけれども、政治が拡大したほうがいい、一人でも多く参加したほうがいい、政治に全く参加していなかった人が、比例代表候補として国政選挙に全く新しい新人が立候補したというのは、それはプラスだと思います。
 いろいろな前進の傾向というものがあったわけでありますけれども―事前通告があったところとそうではない質問が入りまじっているので、ちょっと答弁に今手間取っていて大変恐縮であります。
 まず、今回の衆議院議員総選挙は、国民が政権交代を決断するかどうかという選挙の形にはならなかったということ、一方で、岩手県においては、政権交代を訴える声がかなり聞かれたわけですけれども、しかし、全国的に政権交代選挙にならない中で、政権交代を訴える側が伸び悩んだ選挙と受けとめております。
 民主主義に政権交代はつきものなはずでありますから、主要な政党グループが、国民生活の向上や日本の発展を競い合う政治のサイクルが日本にも確立されるべきと考えております。そしてそれは、全ての岩手県民にとってもいいことになると思っております。
 今回の衆議院議員総選挙は、岩手県において政権交代を目指すかなりの努力が見られた点を前進と見ることも可能でありますけれども、やはり全国的な日本の政治のあり方が、今後どうなってくるかということにかかってくるのだと思います。
〇8番(米内紘正君) 前段、比例代表選挙の話をされましたけれども、立候補したことのない人が比例代表選挙に出られてよかったと思いますが、これは大いに間違っていると思います。というのは、今回、階猛衆議院議員に対抗する形で佐野利恵さんという方を擁立されたわけです。その中で、県民の中、岩手1区の中には、もちろん階さんではだめなのだ、そうではない、知事が応援している人を応援したいという選択があったわけです。でも、比例代表選挙候補者名簿の後ろに載ることによって何が起きるかというと、応援できなくなってしまうのです。階さんを嫌なのだと言っても、比例では佐野さんの名前を書くことはできませんから。そうすると、そこには立憲民主党としか書けない。でも、それは何のためになるかというと、階さんがより優位に上がることにつながってしまうわけです。つまり、コーヒー牛乳で例えれば、コーヒーは大嫌い、牛乳は大好きという人に、混ぜてコーヒー牛乳を渡したら選択できないわけです。それは、選択肢を奪ってしまっているわけですね。選びたいけれども選べないとなってしまっています。
 今、岩手県内の結果としては、政権交代を目指したという時点で前進と捉えていると言っておりますけれども、そうしたら、枝野代表は、岩手県の選挙結果の責任をとる必要は全くなかったわけであります。
 その次ですけれども、野党共闘、野党共闘ととにかくたくさんおっしゃっていますが、そもそも野党共闘が目的ではないですね。政権交代も目的ではないですね。国をよくすることが最終的な目的でありますね。今回の選挙を見ていて、政策の議論がなされる前に、どうしても野党共闘とか政権交代という、手段が目的化してしまっていると感じました。
 それで、とにかく1対1の構図をつくるのだということに躍起になっているわけでありますけれども、今回は別に1対1の構図をつくらなくても伸びた政党はあるわけです。日本維新の会にしてもそうですけれども、国民民主党もそうです。日本維新の会に関しては、1対1の構図で勝った人は誰もいません。平均的に3人から4人の候補が出ている中で勝っているわけでございます。国民民主党にしても、平均すると約3人、2.9人ですか、必ずしも1対1の構図で勝ったわけではないわけであります。
 この前、枝野さんの辞任会見を見ていて、ちょっと驚いたのですけれども、こう言っているのです。私たちは候補者の一本化と限定的な閣外からの協力が結論であるということであって、そこには野党共闘という言葉も野党連携ということもありません。この立憲民主党の党本部が言っている話は、知事の言っている話とかなり温度差があるのです。今回の党代表選挙もそうでしたけれども、野党共闘に対して物すごく距離感を持っている方と、知事は、そこは一緒にやるのだという方。これは、実は立憲民主党と知事は考え方が全然違うのではないですか。
〇知事(達増拓也君) ですから、岩手県においては、広く連携できる人たちが党派を超えて連携しようと、いわゆる野党共闘の形がもう5年前、6年前からしっかりできてきて、そして、今回の衆議院議員総選挙でも、日本の中ではかなりよかったほうだと思うので、さっき、それを前進と見てもいい、そういう可能性もあり得ると言ったのです。まさに、枝野代表が野党共闘に対して消極的であったがゆえに、選挙戦全体が政権交代選挙にならなかったということで、そして、その責任をとって枝野代表が今回やめられたと受けとめております。
〇8番(米内紘正君) 今回、立憲民主党はもっと野党共闘に対して距離をとろうと、今のところ距離を感じられる方が代表になったわけなので、知事とのスタンスは、これからますます離れていくのかなと思います。
 この5年前、6年前に岩手県から共闘が始まったとおっしゃっているのですけれども、やはり過去の歴史を見ていると、これまで二大政党制になろうとした瞬間は何回かあったと思うのです。そこで野党共闘という形もあったかもしれません。でも、結局、その形をことごとく壊してきたのも、やっぱり岩手県なのです。新生党、新進党、民主党と分裂を繰り返してきたわけです。
 鳩山由紀夫さんもこう言っているわけです。民主党は困難が生じたとき、あいつが悪いと仲間割れが生じて内ゲバが発生した。身内をおさめられなければ、国民をおさめられるはずもないと国民は見抜いたのだと言っております。
 2009年のわくわく感は、私も覚えているのです。私は22歳でした。私は政治の道を目指していましたので、これはすごい、日本は変わるのかもしれないなと。そのときは私、別に政党とかに所属していなかったので、民主党に投票しました。でも、その後で、やはり裏切られたという気持ちが強いのです。だから、全国のデータを見ても、30代の立憲民主党に対する支持率が一番低くなっています。
 そういう中において、共闘を目的化してしまうところは、これから、もしそうなのであれば、知事が御自身で独自の道を選ばれるのが自然な流れなのかなと思っております。
 政策のほうに入っていきますけれども、基本的に、知事は政策パッケージという話をされています。政策が一致している部分があれば共闘できるのだということですけれども、今回の野党共闘に対する政策パッケージは、市民連合との政策協定のことでよろしいですか。
〇知事(達増拓也君) 私がふだん言っているあるべき政策パッケージは何かという意味であれば、地方のあり方については、いわて県民計画(2019〜2028)の内容こそ、私がこうあるべきと思っている地方の政策体系であり、そして、国は、そのような地方の政策体系を支え、実現しやすくするような、地方が主役になるような経済財政政策、そして、日本全体の経済を底上げするような積極財政、例えて言えば、100年前に原敬の政友会がやっていたような政策が、あるべきパッケージだと私は考えております。
〇8番(米内紘正君) 11月25日の記者会見で、知事は、今回、明確な政策的主張が足りなかったとおっしゃっていますけれども、だとすると、もう少し、今回いろいろな党のマニフェストを読まれたほうがよかったと思います。というのは、今回、風が吹いていない、自由民主党に最初は逆風だったけれども、総裁選の政策論議の中でそれがほぼ無風になった。その無風の中で小規模な政党が議席を伸ばしました。れいわ新選組、国民民主党、日本維新の会。そして、議席を減らした党もあります。自由民主党、立憲民主党を含めてです。
 これは、政策に明確な違いがあるのです。今まさにおっしゃっていた積極財政。れいわ新選組と国民民主党の玉木さんは、もう何年か前から出たMMTの議論です。モダン・マネタリー・セオリー。結局、財政を、国債をどんどん発行して、デフレになっているときはどんどん配るのだと。ばらまきというのは言い方が悪いですけれども、そういう主張、完全にそちらに振り切った主張になったのです。日本維新の会は、逆に、いわゆる新自由主義で、身を切る改革で民営化でやっていく。ただ、この3党とも全部、プライマリーバランスはとりあえず無視というか、とりあえず一旦置いておきましょうという政策を主張した党がふえたのです。一方で、自由民主党は、財源のところが余りマニフェストには載っていない。立憲民主党の場合は、富裕層への増税ということだったのですけれども。
 こういう明確的な違いがあったわけですけれども、そこは今回、どう見られていたのでしょうか。
〇知事(達増拓也君) れいわ新選組の政策は、実は9年前の未来の党の政策が大体そのまま生きて、今、れいわ新選組の政策になっていると思っていて、あのときの選挙で山本太郎さんは、未来の党の推薦を受けて立候補していました。そのときの未来の党の政策は、その後、国民民主党に入り、そして今の立憲民主党に入っているのですが、その流れのまさに積極財政、一旦、ある程度国の赤字をふやしてでも、今は国民の消費する力を高め、国民の内需を拡大し、そして経済をよくして地方から経済を回復させていくと。
 これを、まずは今の立憲民主党が旗を高く掲げて、それと連携できる人などとやれば、いわゆる野党共闘の枠組みに、さらに国民民主党やれいわ新選組も参加して、より大きな力になっていたかもしれません。
〇8番(米内紘正君) そうですね。きちんと政策的な一致が見られた上で共闘で立たれているのであればいいのですけれども、今回、明確な主張がなかったと認識しない状態で、共闘だ、共闘だというお話をされていたので。特に、国債発行からの積極財政ということになると、財政法第4条のところで、これまた日本共産党とも意見が割れてくると思います。どんどん国債を発行して戦争できる国にしてはいかん、という意見だと思いますから。
 だから、そこは、しっかりスタンスを見た上で、本当に地方がよりよくなる地方分権ということで、質問通告の中で、とにかく知事がおっしゃっておりますあるべき地方像を示してほしいとしていたのですけれども、基本的に、これまでの議論の中で知事のあるべき地方像は、とにかく地方分権なのだ、財源と権限の移譲なのだということは理解しておりますので、それに合った、政策と一致したスタンスをとられるべきではないかと。そうでなければ、結局、政党あるいは特定の政治家に従属していると思われてもしようがないと思います。
 次に、いわて県民計画(2019〜2028)及び第2期岩手県ふるさと振興総合戦略について3点お聞きします。
 まず、人口減少問題についてでありますけれども、岩手県の人口減少問題は、常に東京圏への一極集中という原因分析で語られてきましたが、岩手県における人口減少、人口動態はどのような分析において東京圏への一極集中と判断することができるか。そして、その現状を改善していく上で、どのように課題解決していくとお考えか、お示しください。
〇政策企画部長(石川義晃君) 人口減少問題についてでありますが、本県の地域ブロック別社会増減を見ますと、平成12年以降、東京圏に係る社会減が社会減全体の6割以上となっておりまして、東京一極集中が本県の社会減の主な要因と考えております。
 一方、新型コロナウイルス感染症が広がった令和2年度につきましては、7月から10月までと12月から1月までが転入超過となっております。この内訳を見ますと、前年度と比べて転入者がふえたのではなく、転出者数が大幅に減少しており、これまでとは傾向が異なっております。
 いわて県民計画(2019〜2028)のうち、人口減少対策を推進する第2期岩手県ふるさと振興総合戦略の令和2年度の取り組み状況を見ますと、本県からの転出者数の大幅な減少を背景に、高卒者の県内就職率が20年ぶりに7割を超えた一方、県外からの移住、定住者数は目標値を達成できなかったことから、U・Iターンに向け、岩手県に関心を持ってもらう取り組みを一層強化するとともに、高校在学中から地域の魅力に気づく機会をつくり、岩手とのつながりを強める取り組みを進めてまいります。
〇8番(米内紘正君) これまでの東京圏への一極集中というのは、済みません、もう一度いいですか。分析、簡潔にでいいので、これまでどういう数字で言っているということですか。
〇政策企画部長(石川義晃君) 繰り返しになって申しわけございません。本県の地域ブロック別社会増減の推移を見ますと、平成12年以降、岩手県からどこに移動があったかの数字が出ておりまして、東京圏に係る社会減が社会減全体の6割以上という状況が続いております。これをもちまして、東京一極集中が本県の社会減の主な要因と考えております。
〇8番(米内紘正君) 済みません、失礼しました。
 そのブロック別のところですけれども、確かに、東京圏への流出が6割ぐらいなのです。それは、確かに国を挙げて是正していかなければいけないところだと思います。
 ただ、東京一極集中という言葉で思考停止してしまってはいけないと思っておりまして、例えばブロック別を見られていますね。例えば、これは令和元年10月から令和2年9月までのデータですけれども、県央ブロックから関東地方へは1、120人の転出超過、一方で、東北地方は88人です。これはもう県央ブロックからは東京圏への一極集中。
 でも、県南ブロックを見てみると、東北地方のほかの県に対する流出がマイナス490人。一方で、東京圏、関東地方が840人。つまり、半分以上、6割ぐらいですか、関東地方への流出に対して、東北地方のほかの県への流出が490人と6割ぐらいになっている。
 今度、沿岸ブロックになると、東北地方のほかの県が322人転出超過で、関東地方へは360人、これは沿岸ブロックから見た場合は五分五分なのです。
 今度、県北ブロックに行くと、ほかの東北地方の各県が338人、関東地方へは141人ということで、一極集中と確かに県央ブロックでは言えるのですけれども、これを同じとして見てはだめで、各ブロックで、県北ブロックだけ見たら、全く東京圏への一極集中になっていないわけですから、やはりこれは分解して見なければいけないと思っています。
 平成28年から令和2年までの東北地方の各県への人口流出の合計と関東地方への人口流出の合計のデータをつくってみたのですけれども、全体の減少幅に対して、平成28年は東北地方の各県にはマイナス615人なので、615人の転出超過。ほとんどは宮城県です。これが減少幅に対して比率が16.9%なのです。次の年は、東北地方のほかの県への流出871人、19.4%。平成30年は1、478人、28.4%。令和元年は1、338人、30.6%。そして、令和2年は1、238人、32.5%。全体の人口流出に対して東北地方のほかの県の占める割合が多くなっているのです。
 平成29年は、東北地方のほかの県に対して転出超過は宮城県だけだったのです。でも、令和2年は、もう秋田県以外、全部転出超過になっているのです。青森県も、平成28年には、青森県から来る人はプラス220人だったのに、令和2年になってマイナス41人。青森県にも転出してしまっている。山形県にも福島県にも。
 つまり、東京一極集中の原因ばかり見ていると、いつの間にかほかのところにもどんどん行ってしまっていますよと。これをしっかり解決していかないと、では、一極集中が是正されました。そうしたら、その人たちは、もしかしてみんな宮城県に行ってしまうとか、青森県に行ってしまうとか、そういう事態が起き得ると思うのです。
 なので、東京一極集中で思考停止するのではなくて、そこは国と一緒にやっていきましょうと。でも、まず県でできる、では、東北地方の各県への流出は何なのだろうというような、やっぱりそっちまで考えていくべきだと思います。ここは指摘にしておきます。
 次に、男女共同参画社会の実現についてでありますけれども、本年3月、令和3年度から令和7年度までを期間とするいわて男女共同参画プランが策定され、ジェンダーギャップ指数が世界で120位と出おくれている日本政府においても、しっかりと性別にかかわらず活躍できる社会を実現しようという機運が高まっております。第5次男女共同参画基本計画の中でも、第1項の1番目に政策・方針決定過程への女性の参画拡大とうたわれております。
 さまざまな制度や仕組みに女性の意見を反映させていくことが重要視されるわけですけれども、これは、いわて男女共同参画プランにおいても、1の1で政策・方針決定過程への女性の参画拡大が掲げられている。
 ただ、一方で、いわて県民計画(2019〜2028)になると、まさにこれの中心である行政、あるいは選挙における立候補者の女性割合とか、この辺の指標は今ないのです。あるのは、審議会における女性割合。しかもこの目標値が、いわて県民計画(2019〜2028)だと40%になっている。頭打ちになっています。最終が40%。これは、ことしできたいわて男女共同参画プランにおいても、令和7年度の目標は40%なのです。これが、令和3年度から令和7年度までずっと40%なのです。これは、本来50%を目指すべきであると思うのですけれども、この辺の指標設定が十分かどうかお聞かせください。
〇企画理事兼環境生活部長(石田知子君) いわて県民計画(2019〜2028)及びいわて男女共同参画プランにおいては、政策・方針決定過程への女性の参画拡大を図る指標として、審議会等委員に占める女性の割合を国の計画を参考に40%に高める目標を設定し、取り組んでいるところであります。
 本指標は、県の商工、農林水産、子育て、福祉、教育等のあらゆる分野における審議会等を対象とし、その数は約80件、委員数は延べ1、300人に上っており、県内の男女共同参画の状況を推しはかる有効な指標であると考えております。
 令和3年4月1日現在、指標の達成割合は36.9%となっておりますが、関係団体等の役職員や医師、弁護士などの高い専門性が求められる分野に女性がいない、あるいは女性が少ないため選任が難しい状況となっており、審議会ごとに役職員に限らない幅広い人選や推薦団体の見直し、女性人材の計画的な登用等をさらに働きかけることが必要であります。
 社会を構成する男女の割合に鑑み、男女が社会の対等な構成員として共同して参画する機会を確保するためには、議員御指摘のとおり、審議会等の委員の男女比が均衡することが望ましいと考えておりますが、まずは、40%の目標の達成に向けて着実に取り組んでまいります。
〇8番(米内紘正君) まずは40%なのですけれども、現状36.9%で約37%達成しているわけですね。1、300人いて、残り3%なので39人ですか。あと39人ふやしましょうというのを令和7年度までかけてやるというのは、ちょっと遅いのではないかと思います。ずっと、何人ずつですか、5人ぐらいずつふやしましょうみたいな話ですので、やはり令和7年度までかけてやるのであれば、残り39人なわけですから、もう少し先、41、42、43人ぐらいまでの目標値の設定はできるのではないかと思います。
 次に、気候変動対策について御質問いたします。
 気候変動対策におきまして、まず、岩手県の温室効果ガス削減目標に対する削減量の実績をお知らせください。そして、岩手県は全国に先駆けて気候変動対策を打ち出す中で、現状のいわて県民計画(2019〜2028)の幸福関連指標の体系あるいは具体的推進方策指標が、第2次地球温暖化実行計画とあわせた形になっているかどうかお聞かせください。
〇企画理事兼環境生活部長(石田知子君) 直近の2018年度における本県の温室効果ガスの削減量は、再生可能エネルギーの導入及び森林吸収による削減効果も含めて、基準年である1990年比で157万9、000トンの減となっております。
 推移を見ますと、近年、再生可能エネルギーの導入効果も拡大していることから、削減量が着実に増加しているところであります。
 また、いわて県民計画(2019〜2028)の幸福関連指標や具体的推進方策指標につきましては、再生可能エネルギーによる電力自給率等を指標として設定しているところでありますが、今後、第2次地球温暖化対策実行計画の改定について検討することとしており、あわせて、いわて県民計画(2019〜2028)の指標についても整合性を図ってまいります。
〇8番(米内紘正君) 今1990年比でということだったのですけれども、基本、国の目標も2013年比で出していました。2013年比で、最新の情報だと2018年の実排出量がありますけれども、令和3年10月決算特別委員会で佐々木宣和委員もお話しされていましたが、岩手県は2013年比で2018年の温室効果ガスの実排出量がマイナス1.1%なのです。ほかの東北地方の各県を見ると、青森県がマイナス9.6%、秋田県マイナス10.2%、山形県マイナス6.2%、宮城県マイナス12.8%で、国もマイナス11.8%、その中で岩手県はマイナス1.1%。
 国に先駆けて宣言し計画を発表したのはいいですけれども、このままだと計画倒れというか口だけになってしまいますので、これはしっかり次の計画も含めて実効的なものにするべきであると思います。いわて県民計画に関しても、幸福関連指標には、この再生可能エネルギーによる電力自給率しか項目がないのです。やはりこれは、削減量だったり省エネだったり、その辺をしっかり次の第2期のときに入れていくべきだと思います。
 ここまでこの三つを質問しましたのは、いわて県民計画(2019〜2028)の指標の見直しについてであります。昨年の一般質問及びことしの3月の予算特別委員会でも、新型コロナウイルス感染症の影響で指標を見直していくという御答弁がありましたけれども、その見直しの状況、どの程度進んでいるか、あるいは来年度提出される今年度実績分の報告書には、新型コロナウイルス感染症の影響という文言が出ないようになるという答弁もありましたけれども、どういう見直しが図られるのか、そこをお知らせください。
〇政策企画部長(石川義晃君) いわて県民計画(2019〜2028)の指標の見直しについてでございますが、現在、県の取り組みである具体的推進方策を中心に、令和2年度実績をもとに、新型コロナウイルス感染症の影響も踏まえ指標の見直しを行っております。
 10月末時点での見直しの状況につきましては、具体的推進方策指標560指標のうち、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う延期や縮小、中止などにより目標値の下方修正を要するものが77指標、リモートによる研修会やSNSを活用したイベントのオンライン配信など感染症対策の一環として始めた県の取り組みの効果を把握するため、新たに指標を追加するものが5指標、令和2年度実績において最終年度である令和4年度の目標を達成し、目標値の上方修正を要するものが56指標などとなっております。
 また、議員御指摘の課題が三つございましたけれども、社会減対策の一つである移住、定住では、コロナ禍による地方志向の高まりを踏まえ、移住・定住交流ホームページのアクセス数あるいは移住相談件数といった指標の目標値については上方修正を行うこと、男女共同参画の実現では、男女共同参画フェスティバル参加者数や出前講座受講者数など、人の密を避ける必要が発生する可能性がある指標、こういったもののオンライン参加分を加えること、地球温暖化防止では、地球環境にやさしい事業所認定数の目標値を上方修正するとともに、気候変動対策に関する総合イベント参加者数にオンライン参加分を加えること、こういったものなどについて検討しております。
 引き続き、年度内の見直しに向けまして、総合計画審議会の意見なども参考にしながら作業を進めてまいります。
〇8番(米内紘正君) 指標の第1期が2019年から2022年ですか。そうなると、2023年からいろいろ見直していかないと、一番最上位の幸福関連指標も、先ほど申し上げましたとおり、最上位のいわて県民計画(2019〜2028)がある中で、時代がどんどん進んでいってエネルギー分野、男女共同参画など新しい個別の計画が出てくるわけです。
 これが、先ほどの議論の中で何がわかったかというと、新しい計画が過去の数字に引っ張られてしまって、整合性をとるために―さきほどの40%という数字もそうです。過去の数字と整合性をとるために、新しい計画が低目に設定されたり、あるいは反映されていなかったりするわけです。なので、しっかり第2期のときにその辺をやらなければいけない。そうすると、2022年度中にはその辺を検討しなければいけないわけですから、その辺はしっかり検討委員会等で常に話し合って、時代に合わせたものをつくっていかないと、指標が陳腐化してしまいますので、対応をお願いいたします。
 これらの課題について、政策の実効性について、最後、知事にお伺いします。この三つの課題についての実効性、あるいは女性管理職の岩手県における割合、ここにも1人しかいらっしゃらないです。20人ぐらいいるから5%ぐらいになっているわけですけれども、そういうところだったり、国の目標に合わせた県の温室効果ガスの削減目標の引き上げ等について、どのようにお考えかお聞かせください。
〇知事(達増拓也君) 人口減少対策については、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略におけるKPIの概ね達成以上の割合が約6割、そして、高卒者の県内就職者の割合が7割を超えている状況であります。
 男女共同参画の実現については、いわて女性活躍認定企業等数の増加や、官民連携組織であるいわて女性の活躍促進連携会議やいわてで働こう推進協議会の活動の進展など、県の女性活躍支援の取り組みが概ね順調であります。そして、気候変動対策については、本県の温室効果ガスの削減対策や森林吸収源対策などの取り組みが順調となっております。三つの課題に対し、それぞれ一定の成果が見られるところであります。
 議員御指摘の女性登用の推進に当たっては、次世代育成支援及び女性活躍推進のための特定事業主行動計画において、総括課長級以上の管理職に占める女性職員の割合を令和7年度までに15%とすることを目指し、多くの女性職員が、個性と能力を十分に発揮できるよう取り組みを進めております。
 気候変動対策については、国において、本年10月に閣議決定した地球温暖化対策実行計画における温室効果ガスの削減目標の引き上げを踏まえ、今後、県計画における削減目標の見直しを含め検討を進めることとしております。
〇8番(米内紘正君) ぜひ見直して、実効性も考えていただけたらと思います。
 先ほどの野党共闘の話に戻りますけれども、やはり知事は、これまで、共闘で政権交代していくのだ、その未来はどこにあるかというと、やはり岩手県なのです。岩手県というのは共闘が成功した形の県政でございますから。知事も含めて、第1会派の方も、日本共産党の方も含めて一緒にやった成功の形でありますから、そこはしっかりと政策が実現できなければ、政権交代しても、やっぱり実現できないのかなというイメージを与えてしまうと思うのです。
 日本維新の会は、自分たちの場所でしっかり実現して、それでその地域の票をとった。だったら、野党共闘を唱える、閣外とは言っていますけれども、政権に協力してやっていく―日本共産党が与党に入っているのは岩手県と沖縄県だけですから。そこでしっかり実績を出さなければ、結局、計画倒れになってしまうという不安を与えると思いますから。特に強く打ち出しているのは、この気候変動とジェンダー平等でございますから、そこはしっかり数字を出していかなければいけないと思います。
 次に、デジタルトランスフォーメーションについてお聞きします。
 まず、庁内のデジタルトランスフォーメーションの進捗状況について。
 本年9月に設置されたデジタル庁は、誰ひとり取り残さない、人にやさしいデジタル化を基本方針として、デジタル技術の社会実装を目指すものであります。
 新型コロナウイルス感染症対応においては、給付金を国民に配布する際のシステム不備など、日本がIT後進国となってしまっている現状が浮き彫りとなりました。デジタル庁が来年度5、400億円を超える概算要求を行い、国がデジタルトランスフォーメーションへと急速に進んでいく中で、地方自治体もおくれずにデジタルトランスフォーメーションを推進していく必要があると思います。
 岩手県全域で推進するためにも、まず隗より始めよの言葉のとおり、早急に岩手県庁内の業務におけるデジタルトランスフォーメーションを推進する必要があると考えますが、現状の具体的な進捗状況あるいは今後の予定、そして組織体制をお示しください。
〇総務部長(白水伸英君) 庁内のデジタルトランスフォーメーションの推進状況についてであります。
 本年4月に、知事を本部長とする岩手県DX推進本部を設置し、いわて県民計画(2019〜2028)の10の政策分野等を支えるデジタル化施策の推進や県の行政デジタル化を推進しているところでございます。
 具体的には、本年度は、職員1人1台端末のノート型パソコンへの一斉更新や県庁外でも職務遂行が可能なモバイル通信環境の整備など、庁内のデジタル化に向けた基盤整備を進めておりまして、会議や協議におけるペーパーレス化、リモートワークの加速化に取り組んでいるところでございます。
 また、各種手続のオンライン化の拡充に向け、押印を要する3、378手続のうち、約97%について、手続の見直しを行うこととしております。
 来年度は、電子決裁・文書管理システムを本格稼働させ、文書の受け付け、審査、決裁、書類の保存という一連の業務のデジタル化に取り組む予定としております。
 今後におきましては、業務プロセスのデジタル化にとどまることなく、制度の変革をも目的とするデジタルトランスフォーメーションの趣旨を踏まえ、組織体制の見直しや高度な知識、技術、多様な経験を有する外部人材の確保を行うなど、一層の行政運営の効率化と県民の利便性の向上を図ってまいります。
〇8番(米内紘正君) 単なるIT化、電子化ではなくて、そもそもの作業フローを見直していくと。部局ごとに業務の流れが違ったり慣習が違ったりするところをしっかり見直して、効率化していくことで、物理的空間、地理的距離にも左右されませんし、もしかしたら広域振興局などの形も、自分が住んでいる家の近くの市町村役場に行って、そこにフリーアドレスのデスクがあって、そこで仕事ができるなどという未来もおもしろいかと思っております。
 次に、県内のデジタル技術の推進についてお伺いいたします。
 岸田首相のもとで、誰ひとり取り残さないデジタル化をテーマにデジタル田園都市国家構想が始まりました。デジタル技術の社会実装は、医療や教育、交通などあらゆる分野において、都市と地方の格差縮小につながり、東京一極集中の是正に寄与するものであります。
 県は、デジタル技術を用いてどのような地域を創造することを考えているか、また、それをどのような道筋で実現していくのか、ステークホルダーの巻き込み方や国とのかかわり方を交えながらお示しください。
〇ふるさと振興部長(熊谷泰樹君) デジタル技術の推進は、少子高齢化や加速化など、さまざまな地域課題に迅速に対処し、個性豊かで持続可能な地域社会を実現する可能性を有しておりますことから、各分野において、デジタル技術を活用することの重要性が一層増しているものと認識しております。
 このため県では、来年度の予算編成における重点テーマ、デジタル化による地域課題の解決の中で、四つの取り組み方針、行政のデジタルトランスフォーメーション、産業のデジタルトランスフォーメーション、社会・暮らしのデジタルトランスフォーメーション、そしてデジタルトランスフォーメーションを支える基盤整備の方針のもと各種施策の検討を進めております。
 また、部局横断で構成する岩手県DX推進本部や産学官金連携のいわてDX推進連携会議を設立し、オール岩手で本県におけるデジタルトランスフォーメーションを推進しているほか、デジタル化の基盤となる5Gの整備促進や専門人材の確保、育成など、自治体DX推進のための支援等について、国に対して要望しているところでございます。
 今般、国におきましては、地方からデジタルの実装を進め、地方と都市との差を縮め、都市の活力と地域のゆとりの両方を享受できるデジタル田園都市国家構想の実現を図っていくこととしており、こうした動きも十分に踏まえながら、行政、商工業、農林水産業など、各分野におけるデジタル化の取り組みを一層充実させてまいりたいと考えております。
 今後、いわてDX推進連携会議の取り組みを通じまして、大学等高等教育機関と民間の各分野の連携、また、各分野間の連携を進めまして、誰ひとり取り残さない、居住地域や障がいの有無等によらず、全ての県民がデジタル化の恩恵を享受できる岩手を目指してまいりたいと考えております。
〇8番(米内紘正君) ぜひ、どんどん進めていってもらいたいと思いますけれども、私は、岩手県は、本来は国よりも先駆けて圧倒的に独走する力があったのだということを、今回質問をつくっている間に気づきました。
 知事が1997年、24年前の平成9年ですね、衆議院での質問の中で、インターネットを使った選挙だったり、このときは仮想商店街、まさにネットショッピングですね、あるいはサイバービジネス、パソコンを使った効率的経営、これから情報資本主義だということを委員会で御質問されているのです。今後、パソコンなどを使ってより専門的なデータの蓄積とか分析ができるような世の中になっていくのではないかと考えますと。私は大変感動しました。24年前です。まだパソコンを持っていない人が多いときに、ここまでのことをおっしゃっていたわけでございますから、一刻も早く、まず県庁の中だけでも、私は、紙をきょうもいっぱい持ってきましたけれども、いろいろデジタルトランスフォーメーションが進むことを願っております。
 最後、水道事業についてお聞きします。
 まず、水道事業の課題認識と県の役割についてでありますけれども、2021年3月に、EY新日本有限監査法人と水の安全保障機構事務局の共同研究として発表されました人口減少時代の水道料金はどうなるのか(2021年版)では、1、232事業体を対象に分析した結果、分析対象の94%において、2043年度までに水道料金の値上げが必要と推計されております。
 また、2018年度を起点とした2043年の水道料金の値上げ率は平均で43%、水道料金の格差は、現在の9.1倍から24.9倍に拡大するとも書かれております。中でも料金の値上げ率の高い自治体は北海道、東北地方、北陸地方に多く、そのうちの3割は料金値上げ率50%以上になるとされています。
 平成30年に水道法が改正され、都道府県が水道基盤強化のため広域連携を推進するように努めなければならないと責務が規定されましたが、このような状況下において、県内市町村間の格差や今後の水道料金などの課題をどのように認識して、県がどのような役割を果たしていくべきかお聞かせください。
〇企画理事兼環境生活部長(石田知子君) 水道事業は、水道法で、原則として市町村が経営するものと規定され、本県では、市町村や市町村によって組織された企業団が水道事業者として水道事業を経営しており、各事業者の経営判断によって水道料金等を決定しております。
 今後の水道事業を取り巻く経営環境につきましては、多くの市町村で人口減少に伴い水需要が減少し、現行の料金水準では給水収益が減少する一方、老朽化施設の更新等により水の供給に要する原価が増加するものと見込まれております。
 こうした状況を踏まえ、水道料金の見直しなどによる財源確保や業務の効率化による経費削減など、水道の基盤強化が全事業者の課題と認識しております。
 県といたしましては、水道事業者による水道の基盤強化を進めるため、中長期的な経営の基本計画である経営戦略の策定や水道施設の耐震化の支援等に取り組むとともに、広域連携を推進する役割として、県と県内全事業者で構成する岩手県水道事業広域連携検討会で水道広域化推進プランの策定を行っております。
〇8番(米内紘正君) 各市町村の事業体がやるというところですが、やはりこれから広域化しなければいけないところで、広域化に成功しているところは、強力なリーダーシップがあるのです。逆に、広域化の阻害要因は、リーダーシップがないところ。やはり市町村間でこれを調整するのは相当難しい、料金設定の格差だったりいろいろある。
 香川県は県内一水道を実現していますけれども、この中でも、経営状況が悪化してから調整を図るのは相当難しいと。経営状況が悪化する前にやるのだということで、平成22年から平成28年の間に、香川県は県内一水道。ただ、面積が全然違いますから、それは岩手県でそうするという話ではないですけれども。
 やはりしっかりと具体的取り組みを、市町村任せにするのではなく、県がビジョンを持ってこうするのだと引っ張っていかないと、市町村の皆さんのやり方でやってくださいとなると、それはなかなか難しい。
 例えば、盛岡市だったら盛岡市だけでやっていけるかもしれない。でも、そうではない、やはり近くの自治体と広域でやっていかなければいけない。盛岡市だと1人当たりの水道管は5メートルぐらいですけれども、雫石町になると1人当たり12メートルになるわけです。やはりそういうところを広く連携して、では、盛岡市も一生懸命頑張って、持続可能な形をつくっていかなければいけないと思います。
 今、広域化のプランを策定しているところということでお話はありましたので、持続可能な水道事業の姿についてお聞きします。
 持続可能な水道事業を目指す上で、特に人材確保の面、そして、安定経営のため、官民連携含めてどういう姿を考えているかお聞かせください。
〇企画理事兼環境生活部長(石田知子君) 持続可能な水道事業の姿についてでありますが、本県で持続可能な水道事業を目指すためには、水道事業者である市町村等が、経営基盤の強化や適切な資産管理、水道技術の継承等に取り組むことが重要であり、広域連携や官民連携等を含めた取り組み手段につきましては、市町村ごとに異なる事業環境や水利用者である住民の意向を踏まえ、それぞれが適切な手段を選択していくことが求められております。
 県といたしましては、将来に持続する水道事業の実現に向けて市町村等が適切な経営判断を行えるよう、広域連携や官民連携等を含めた全国の先進的な取り組み事例を情報提供するとともに、市町村等の意向を踏まえて広域連携を推進してまいります。
〇8番(米内紘正君) 特に人材のところ、プロフェッショナルの方はたくさんいらっしゃるのですけれども、高齢化が進んでいますので、今のうちに広域化して、まずその人材の固まりをつくって、そこはデジタルトランスフォーメーションを進めたりすることで知識を伝えていく。複雑な更新計画だったり浄水技術だったり管路の点検だったり、いろいろ複雑なものがあるので、そこはしっかりとやるべきだと思っておりますので、よろしくお願いします。
 では、最後の質問になります。知事にお聞きします。今後の水道事業の展開についてであります。
 本年10月に和歌山県で水管橋が崩落し、約6万世帯が断水して、約14万人が影響を受けました。さきに取り上げましたとおり、各都道府県は、住民に安心な水を供給できるように、水道事業を喫緊の課題として認識して、さまざまな対応をしているところであります。
 宮城県ではコンセッション方式が導入され、水道施設の運営権が民間事業に設定されたりしておりますけれども、ほかの都道府県の対応を踏まえて、岩手県でどう展開していくべきかお知らせください。
〇知事(達増拓也君) 県では、県内市町村等と協議を重ねながら、令和元年に、新いわて水道ビジョンを策定し、将来にわたり安全、安心な水道の実現に向けて、水道サービスの持続性、安全な水の供給、危機管理の対応の三つの視点から取り組みの方向性を取りまとめました。
 本県ではこれまで、広大な県土で地域によって水源の分布や住民の生活状況等が異なる中、水道事業者である市町村等が、それぞれ独自に工夫して、日常生活に欠かすことのできない重要なライフラインである水道を整備し、維持してきた経緯があります。
 今後の水道事業の展開におきましても、市町村等が、県ビジョンに沿って、水利用者である住民と認識を共有し、広域連携も含めて水道の基盤強化に向けた具体的な取り組みを進めることが重要であります。
 また、水道法では、国の責務として、都道府県や市町村等への技術的及び財政的な援助が規定されていることを踏まえ、県は、毎年度の政府予算要望において、市町村等が水道の基盤強化を図る取り組みを計画的に実施できるよう、必要な財源措置の拡充について国に要望しているところであります。
 今後も引き続き、国、県、市町村等がそれぞれの責務を果たしていくことが重要であり、県としては、国と連携して、市町村等が行う水道の基盤強化の取り組みを支援してまいります。
〇8番(米内紘正君) 本当に広域化を推進して水道の基盤強化をしないと、宮城県のコンセッション方式は、ふたをあけてみれば、運営会社の議決権の51%が外資系のヴェオリアだったのです。これは、私はゆゆしき事態だと思っております。やはりこうならないためにも、しっかりとやっておかなければいけない。
 岸田首相は総裁選で、新自由主義からの転換ということを掲げられました。私も、これから民営化というところは、さすがに水道まではやってはだめだろうと思うわけであります。
 そこで、転換となったのですけれども、先ほど出しましたデジタル田園都市国家構想のメンバーを見てみると、竹中平蔵さんが入っているわけです。そこは、何かしがらみとかあったのかなと。ただ、私が問題視しているのは、デジタル田園都市国家構想の中にヴェオリアの日本法人の社長が入っているのです。私は、これは国にもしっかり言っていかなければいけないと思っております。
 知事は、今、国への財源のことも話されていましたけれども、今だと施設の更新で4分の1とか3分の1という補助を、2分の1とかしっかり出してもらう。それで地域の水道の運営基盤を強化する。水は絶対に守るのだという、やはりそれは、私は是々非々でやっているので、行ったり来たり、いろいろごちゃまぜになっていますけれども、それはしっかり言っていくべきだと思いますので、そういう動きをよろしくお願いします。
 最後、ある方の言葉を聞いてほしいと思います。
 「We need a new government for a new century,a government that is smaller,and does more with less.新しい世紀には新しい政府が必要である。それは小さな政府であり、より少ない費用でより多くの仕事をする政府だという意味であります。これはまさに今の我が国にこそ当てはまる言葉ではないかということで、私は非常に驚いたわけであります。経済や行財政がある程度うまくいっている米国にして、指導者がこれほどのビジョンを明確に示しているわけでありますから、我が国の指導者は、それに負けないくらいの覚悟を持って、より大胆なビジョンを内外に示していかなければならないと思います。我々は、いつでも現政権にかわって我が国を未来に向けてリードしていく用意があります。」
 これは誰のセリフかわかりますよね。いや、これは別に新自由主義とか民営化だという話では、小さな政府とか、そういう話ではありません。隔世の感はありますけれども、達増知事が、最初に国会に行ったときに、時の内閣総理大臣、橋本龍太郎首相に対して言った言葉ですね。
 私は今回、知事の国会議員時代の発言を全部読んだのです。そうすると、そこには何か別人のような情熱と希望に満ちあふれたやりとりがあって、私はこの2年しか知らないので驚いたわけであります。私と同じぐらい、33歳のときに、いつでも現政権にかわって我が国を未来に向けてリードしていくと時の首相に向かって言うのは、やはり相当すごいことだと思うのです。
 だからこそ、やはり知事には、どこかの政党とか、ある特定の従属下に入ることなく、御自身の能力を、今、出し惜しみしているのかわからないですけれども、デジタル分野にしても先見の明があるわけですから、しっかりとそこを県民のために発揮していただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
   
〇副議長(小野共君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時55分 休 憩
   
出席議員(45名)
1  番 千 田 美津子 君
3  番 小 林 正 信 君
4  番 千 葉   盛 君
5  番 千 葉 秀 幸 君
6  番 岩 城   元 君
7  番 高橋 こうすけ 君
8  番 米 内 紘 正 君
9  番 武 田   哲 君
10  番 高 橋 穏 至 君
11  番 山 下 正 勝 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 佐々木 朋 和 君
15  番 菅野 ひろのり 君
16  番 柳 村   一 君
17  番 佐 藤 ケイ子 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 名須川   晋 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 川 村 伸 浩 君
23  番 千 葉 絢 子 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 吉 田 敬 子 君
27  番 高 橋 但 馬 君
28  番 小 野   共 君
29  番 軽 石 義 則 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 小 西 和 子 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 五日市   王 君
41  番 関 根 敏 伸 君
42  番 佐々木 順 一 君
44  番 岩 崎 友 一 君
45  番 工 藤 勝 子 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 勝 博 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(2名)
2  番 上 原 康 樹 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後4時19分再開
〇副議長(小野共君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。高田一郎君。
   〔13番高田一郎君登壇〕(拍手)

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