令和3年12月定例会 第18回岩手県議会定例会会議録

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〇22番(川村伸浩君) 自由民主党の川村伸浩でございます。
 本日は、一般質問の機会を与えていただきました先輩議員、同僚議員に感謝を申し上げます。さきに質問された議員と重複する質問もございますが、その点は御容赦をお願いいたします。
 それでは、質問させていただきます。まず、知事の政治姿勢についてお伺いいたします。
 知事は、県民のトップリーダーとして政治的に中立、公平な立場にあるべきと考えております。一方、かねてより知事は、特定政党に偏った政治スタンスをとっているのではないかという懸念を多くの県民が持たれているのではないでしょうか。
 今般の衆議院議員総選挙の結果、岩手県第1区においては、立憲民主党の候補が当選しました。岩手県第2区及び第3区では、自由民主党の候補が当選したところであります。
 また、岩手県第1区においては、知事が、いわばみずからがスカウトするような形で擁立しようとした候補者の擁立がかなわず、現職候補が立憲民主党本部により公認候補となり、当選されました。
 さらに、岩手県第3区では、知事が政界に進出して以来、ともに行動されてきた小沢一郎議員が、比例区では復活したものの、小選挙区で初めて落選するという事態が起きております。
 今回の衆議院議員総選挙の岩手県第1区、第2区、第3区及び県全体の選挙結果をどう捉え、どう評価しているのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、県民への情報発信について伺います。
 知事の記者会見を拝見していて、県民に対し、情報が十分に伝わっていない、あるいは伝えようとする努力が足りないのではないかと感じております。
 新型コロナウイルス感染症対策についても、記者会見による情報発信は不十分ではないでしょうか。県内において感染者がゼロの状態が続いておりますが、飲食店の利用など、県民の生活はもとの生活に戻ったとは言えない状況にあり、知事には、もっと積極的なメッセージを県民に発信していただくことを期待したいと思います。
 また、知事の記者会見において、何をおっしゃりたいのか理解できない場合があると感じております。例えば、今回の衆議院議員総選挙において、選挙前は、スター・ウォーズの登場人物のカイロ・レンに例えて、選挙が終わればハッピーエンドになるとおっしゃっておりましたが、何をおっしゃりたいのか趣旨が理解できませんでした。スター・ウォーズに詳しい県民ばかりではないと思います。カイロ・レンとは誰だという県民は多いのではないでしょうか。また、選挙終了後には、今回の選挙結果について、ドラマチックではない展開になったともおっしゃっておりました。
 知事の発言は、一般の人には非常にわかりにくいのではないでしょうか。別に、スター・ウォーズシリーズについて詳しく解説してほしいものではありません。繰り返しになりますが、知事の記者会見を拝見していて、県民に対し、情報が十分に伝わっていない、あるいは伝えようとする努力が足りないのではないかと感じております。
 県民への情報発信の仕方や言葉の選び方など知事の発言のあり方について、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、県税収入の見通しと令和4年度予算編成への影響について伺います。
 昨年度もお伺いしましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、インバウンド需要の消滅、外食需要の減少による農林水産物の消費の落ち込みなど、さまざまな県内経済分野への影響が長期化している状況にあります。
 令和2年度決算において、県税収入は1、279億円余りとなり、前年度から20億円、1.6%の減少となっております。幸いにも、岩手県の感染状況はおさまっており、これから経済活動が活発化していくことが期待されますが、一方で、国民の行動や消費活動がもとの水準まで戻るには、まだまだ時間がかかるのではないかと思われます。
 令和3年度及び令和4年度の県税収入の見通しと令和4年度予算編成への影響について、県の御所見をお伺いいたします。
 新型コロナウイルス感染症への対応について伺います。
 新型コロナウイルス感染症の第5波の感染状況は、令和3年7月から9月までの3カ月間に、全国で約90万人の患者が報告されたところであります。幸いにも第5波の感染状況はおさまりましたが、再び感染力が強くなった変異株があらわれ、第6波の感染拡大が生じる場合に備えることが必要と考えます。
 南アフリカなどで確認された新型コロナウイルスの新たな変異株オミクロン株の流入なども懸念されるところです。国の新型コロナウイルス感染症対策本部においては、ワクチン接種、PCR検査、治療薬等の普及による予防、発見から早期治療までの流れを強化するとともに、最悪の事態を想定して次の感染拡大に備えることが必要であるとしております。
 岩手県の第6波に備えた医療体制の強化とその強化した体制を県民について知らせるべきと考えますが、その情報の発信方法についてお伺いいたします。
 次に、観光における誘客促進の取り組みについて伺います。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による観光消費の減少は長期化し、観光関連産業は甚大な打撃を受けたところであります。一方、新型コロナウイルスワクチンの接種状況は、令和3年11月15日時点で、県内の全人口約120万人のうち、1回目接種は81.6%、2回目接種は77.3%が終了し、いよいよ観光消費の本格的な回復が待たれるところであります。そのためには、国内ではもう旅行を再開してもよいのだというメッセージが必要と考えます。
 新規陽性者数の増加により一時停止されていたいわて旅応援プロジェクトが、令和3年10月1日から第2弾として開始され、さらに、令和3年度岩手県一般会計補正予算(第7号)により事業費12億円を増額していただき、第2弾として総額20億円規模の支援が行われることとなりました。このことにつきましては、県当局の御尽力に感謝申し上げるところであります。
 一方、本事業については、本年12月末までの事業期間となっておりますが、観光需要が減少する正月明けなど、それ以後も、引き続き支援を継続していく必要があると考えます。
 また、本年4月1日から9月30日までの期間、東北デスティネーションキャンペーンが開催されました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、事業展開にも影響があったのではないかと思います。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大が落ちついた状況にある中で、隣県からの誘客を図るなど、県としてのPRを行っていく必要があると考えますが、今後の誘客促進の取り組みの方向性について、県の考えをお伺いいたします。
 次に、いわて飲食店応援事業について伺います。
 いわて飲食店応援事業による食事券についても、新規陽性者数の増加により一時販売が停止されていましたが、第5波の収束により販売が再開され、販売期間及び利用期間を本年12月15日まで1カ月延長していただいたところです。
 また、食事券の利用については、利用期限が当初の12月15日までから、来年1月16日まで延長されたところであります。ぜひ、多くの県民に利用していただき、コロナ禍の影響に苦しむ飲食店の支援につながることを期待するものです。
 この事業により約23万冊、11億5、000万円相当の食事券が発行されており、地域によっては既に完売した施設もあると伺っております。昨日は、11月28日時点で約21万5、000冊が販売済みと答弁がございました。
 まだまだ事業を継続して実施するニーズはあると考えますが、現在の食事券の利用実績について伺います。また、いわて飲食店応援事業終了後の今後の支援の方向性について、県の考えをお伺いいたします。
 飲食店利用などウィズコロナの制限緩和に向けた情報発信について伺います。
 県において、新型コロナウイルス感染症の感染状況が収束しているにもかかわらず、居酒屋などアルコールを伴う飲食店の利用状況は、まだコロナ禍以前の状況には戻っていない状況にあります。これは、少人数での会食が行われるようになったものの、コロナ禍以前に行われていた職場や団体での忘年会など懇親会の開催が低調だからであります。
 県では、感染対策が整っているいわて飲食店安心認証店の利用を推奨し、会食時の人数制限は行っていないところです。しかし、新規陽性者の発生が収束しているにもかかわらず、職場での会食が再開されないのは、情報をマイナスに捉えがちで、慎重な県民性によるものではないでしょうか。飲食店の利用を呼びかけても、県職員でさえ、少人数での開催はともかく、職場ごとの懇親会をほとんど行っていないのではないでしょうか。
 国は、日常生活については制限緩和の方向にかじを切っているところですが、私は、県においても、県民に対し、制限緩和に向けた考え方について的確に情報発信を行っていく必要があると考えます。
 知事は、県の新型コロナウイルス感染症対策本部員会議でのメッセージなどで飲食店、宿泊施設等の利用を通じた応援について県民に呼びかけを行っているところですが、ウィズコロナに向けた県民への情報発信の強化を行う必要があると思います。県民への情報発信のあり方について、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、県立病院における医師の働き方改革への対応について伺います。
 医師の働き方改革が求められております。改正医療法が成立し、医師についての時間外労働の上限規制の適用が令和6年4月1日から始まることとなり、診療従事勤務医の上限規制水準は年間960時間となりました。この水準自体、一般の時間外労働の上限を上回るものですが、法によれば、暫定的な措置として、医療機関を指定して、さらにそれを上回る特例水準であるB水準、C水準も認める内容となっております。県立病院においても、周産期医療や救急医療に従事している医師の労働時間は厳しい状況にあると思います。
 今後、県立病院における診療体制の確保についても影響が生じるのではないかと懸念しているところですが、医師の働き方改革に対する県立病院の課題と取り組みについて伺います。
 次に、花巻、北上地域における企業立地の課題と推進方策について伺います。
 花巻市、北上市など中部地域における企業立地の状況は、平成29年度から令和3年度までの5年間で、新設が53件、増設が12件で、計65件の立地となっております。その中でも北上市のキオクシア岩手株式会社が、NAND型フラッシュメモリーの量産を開始し、第2棟の建設準備を進めるなど半導体関連産業の集積が進んだことから、令和2年度には、キオクシア関連の設備メーカーや薬品メーカーなどの企業立地が進んだと聞いております。
 今後、キオクシア岩手株式会社の規模が拡大し、生産がさらに拡大していくことにより、関連会社のさらなる増設や進出が進み、新たな雇用が創出されることを期待しております。
   〔副議長退席、議長着席〕
 一方で、聞くところによると、進出を希望する企業において、事業所用地の確保が困難な状況にあるということであります。
 今後、中部地域に半導体関連産業などのさらなる集積や新たな企業立地を進めるための課題と推進方策について伺います。
 次に、(仮称)花巻パーキングエリアスマートインターチェンジの整備について伺います。
 花巻パーキングエリア周辺には、多くの製造業などが集積する花巻機械金属工業団地やキオクシア岩手株式会社が立地している北上工業団地に加えて、花巻市公設地方卸売市場なども立地しております。これまで、これらの工業団地などから周辺のインターチェンジにアクセスするためには、国道4号などの混雑区間を通過する必要があり、時間を要しておりました。
 このような状況の中、令和元年度に、花巻パーキングエリアへのスマートインターチェンジの整備が事業化されました。このスマートインターチェンジが完成すれば、キオクシア岩手株式会社の半導体製品などの出荷に当たっては、国道4号などの混雑区間を回避することができ、輸送時間の短縮による輸送コストの削減が期待されております。
 また、原材料の入荷時においても、到着時間の定時性が確保され、生産性の向上につながることが期待されるなど、花巻パーキングエリアへのスマートインターチェンジの整備は、産業道路として重要な事業であると認識しております。
 現在、工事の着手に向け用地交渉などが進められていると聞いておりますが、事業の今後の見通しについてお伺いいたします。
 次に、いわて花巻空港の利用促進について伺います。
 いわて花巻空港の国際線は、東日本大震災津波の発災により、平成23年度には22便、3、155人の利用まで落ち込みましたが、県ほか関係団体の取り組みにより、令和元年度には台北線や上海線の国際定期便や国際チャーター便を合わせて、過去最高の375便、4万3、790人の利用者を記録するまでに至ったところであります。
 残念ながら、コロナ禍により、令和2年からことしにかけて、便数、利用者がゼロとなってしまいました。ウィズコロナを見据え、台北線や上海線の国際定期便の運航再開に向けて取り組んでいく必要があると考えます。まだ入国後の一定期間の隔離などが必要となってくることや、残念ながら、新たな変異株、オミクロン株があらわれたことから直ちに運航再開とはならないかもしれませんが、再開の時期を見据え、国内の他地域に先駆けた取り組みができるよう準備を進めていくことが必要と考えます。
 運航再開に向けて知事のトップセールスなどの取り組みが重要と考えますが、今後の方針についての知事の御所見をお伺いいたします。
 いわて花巻空港からの国際線乗り入れ空港との乗り継ぎの促進について伺います。
 いわて花巻空港の利用促進を図る上で、県民の海外へのアクセスも検討していく必要があると考えます。しかし、国際線については、いわて花巻空港だけでは完結できず、国際線乗り入れ空港である新千歳空港や福岡空港を経由した国際線の乗り継ぎ便の利用促進を図る必要があると考えます。
 まだコロナ禍の影響が残る状況にあって、旅行会社も、直ちに新たな商品造成を行うことは困難であるかもしれませんが、今のうちから旅行需要の回復に向けた準備や検討を行っていく必要があるのではないでしょうか。
 現在、いわて花巻空港から国際線の乗り継ぎが可能となっている空港の国際線の就航状況とこれからの利用促進方法について伺います。
 農業振興について伺います。
 まず、米価下落対策についてですが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による外食需要の低迷により、米価の下落が農家経営に大きな影響を与えております。令和3年産の60キログラム当たりの概算金は、令和2年産米と比較して、県内の主要品種において、それぞれ2、300円から2、600円減となっております。
 県においては、令和3年度岩手県一般会計補正予算(第7号)において、米価の下落により影響を受ける農業者の当面の資金繰りを支援するための利子補給や、県産米の需要拡大を図るための観光キャンペーンとの連携やアンテナショップなどを活用した県産米の販路拡大などの取り組みを行うこととしております。これらの取り組みの実施については感謝申し上げるところですが、本来期待される米の需給改善にはつながらないのではないかと考えます。
 米の需給を改善し、米価の下落を防ぐための取り組みのあり方について、県の御所見をお伺いします。
 収入保険の加入促進について伺います。
 米の需給が改善しない限り、再び米価が下落するリスクがあると考えます。まさに、このようなリスクに対応できるのが収入保険です。収入保険は、農業共済やナラシ対策など、ほかのセーフティネットと異なり、品目にとらわれず、ほとんどの農産物をカバーし、自然災害や価格低下、農業者の病気やけがなどによる収入減少など、さまざまな農業経営のリスクに備えることが可能となっております。近年の自然災害が頻発する状況と合わせ、農家に対し収入保険の加入を促進していく必要があると思います。
 県内における収入保険の加入の状況と、今後の加入促進に向けた方策についてお伺いいたします。
 中山間地域の振興について伺います。
 中山間地域は、農業、農村の水源の確保や洪水防止機能など多面的機能を有し、下流部の人たちの生命、財産などの暮らしに大きく貢献しております。このような状況を踏まえ、中山間地域における多面的機能の確保、耕作放棄地の防止などを図る観点から、中山間地域等直接支払制度が行われているところであります。
 令和2年度から始まった中山間地域等直接支払制度の第5期対策においては、農業生産活動の継続支援の強化のほか、営農に関するもの以外で集落の機能を強化するための加算措置が新設されました。
 この集落機能強化加算は集落の自治機能の強化につながるものと考えますが、県内における取り組みの状況と今後の推進方策について伺います。
 スマート農業技術の推進について伺います。
 農業を成長産業としていくためには、農業従事者の高齢化や労働力不足などの課題に対応しながら、発展の著しいスマート農業技術の活用を強力に進めることが極めて重要であります。スマート農業技術の中でも、農業機械の操作を容易にする自動操舵技術は、今後ますます必要性を増すと考えます。
 自動操舵技術に必要なRTK基地局は、県内では花巻市において先進的に整備が行われましたが、基地局の整備に際しての補助事業はあるものの、期待しているよりは導入が進んでいないと受けとめております。
 自動操舵技術を県内に広く導入していくためには、基地局の整備に限らない推進策が必要と考えますが、県の考えを伺います。
 次に、道路整備について伺います。
 主要地方道花巻大曲線は、花巻市と西和賀町の物流や地域間交流を促進し、両地域の防災や産業振興を支える重要な路線であることから、昭和61年度から花巻市中山地区と西和賀町川舟地区の間、約8.5キロメートルについて、交通不能区間の解消を目指し整備が進められてきたところであります。
 去る11月30日には、最大の課題であった小倉山4号トンネルの貫通式が行われました。私も貫通式に出席しましたが、トンネル工事に御尽力いただいた県当局を初めとする関係の皆様に、改めて感謝を申し上げるところであります。
 小倉山の2工区が開通することにより、この道路は西和賀町から悪天候時や昼夜を問わず県立中部病院などへの救急搬送可能な命の道となり、花巻市側からは、花巻南温泉郷から西和賀町に直接つながる観光ルートとして、非常に価値の高いものになると考えております。
 一日も早い開通に向けて引き続き御尽力をお願いしたいと思います。今後の小倉山の2工区の開通の見通しについて伺います。
 また、小倉山の2工区完成後も、西和賀町側と花巻市側では、まだ4キロメートルほど未改良の部分が残っております。この未改良部分はかなり狭隘であり、冬期間も通行するためには、除雪作業も大変になると思います。小倉山の2工区の完了後には、この狭隘部分を解消していかなければならないと考えますが、今後の整備について県の御所見をお伺いいたします。
 以上で登壇しての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 川村伸浩議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、政治姿勢と衆議院議員総選挙の結果についてでありますが、先ほど佐々木努議員への答弁でも申し上げたように、知事は、その職務の性質上、行政の長として行政事務をつかさどるほか、政治活動を行う場合があります。行政の長としては、事務の執行に当たって、公正中立、不偏不党であるべきであり、私もそのように心がけてきたところであります。
 政治活動については、知事の政治的行為に制限はなく、政治家として自由に政治活動や選挙運動を行うものであり、私もそのようにしてきたところであります。
 特に、日本では、自由な政治活動を萎縮させるような風潮があり、私は、日本国憲法の理念を尊重して、できるだけ自由な政治のあり方を目指してきたところであります。知事初当選以来のこのようなスタンスは、多くの県民の理解をいただいていると思います。
 岩手県内の衆議院議員総選挙の結果については、誰が立候補するか、誰を応援するか、それぞれがさまざまに考え、判断し、行動した結果、議員御指摘のような結果になったものであり、当選された衆議院議員の方々においては、民意を尊重しながら、我が国が直面する課題を解決し、未来を切り開くことに尽力いただきたいと思います。
 次に、県民への情報発信についてでありますが、知事の定例記者会見は、開かれた県政の推進と情報の共有を図っていくため重要なものと考えており、積極的な情報発信に努めてきたところであります。
 新型コロナウイルス感染症対策においては、令和3年8月12日に県独自の岩手緊急事態宣言を発令した際には、臨時記者会見で、県民への不要不急の外出自粛等のお願いをするとともに、感染リスクが低くなった11月15日や25日の定例記者会見では、基本的な感染対策をした上で、社会経済活動を積極的に行っていただくよう県民に呼びかけたところであります。
 また、衆議院議員総選挙に関しては、政治的な質問であったことから、個人のお名前を挙げることなく状況を描くため、映画スター・ウォーズに例えたところであります。
 今後とも、政治的な質問に対する答えについては、抽象的な表現をしたり回答を控えることもありますが、行政の長としての発表や質問への答えについては、県民にしっかり伝わるよう努めてまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症に係る情報発信についてでありますが、第5波の感染拡大の中で、岩手緊急事態宣言を発出する事態となりましたが、9月16日に宣言を解除した後、9月18日には、いわての食応援プロジェクトの食事券の販売再開、10月1日には、いわて旅応援プロジェクトを再開し、新聞広告やテレビCM等で情報発信するなど、経済活動の活発化に向け早期に対応してきたところであり、事業者に対する影響調査では、経済活動の動きに回復の兆しも見えてきました。
 一方、飲食業関係団体から利用客が十分に戻らないといった声も寄せられたことから、11月15日に県の新型コロナウイルス感染症対策本部員会議を開催し、県民の皆様に、会食時の人数制限はしていないこと、飲食店の感染対策に協力の上、会食を楽しんでいただくことなどを呼びかけたところです。
 国内で初めて確認された新たな変異ウイルスオミクロン株による感染拡大も心配されていますが、現在は、基本的な感染対策をしっかりと行って感染リスクを低く抑えていくことで、社会経済活動を安心して行うことができる状況であると考えております。
 現在の感染リスクが低い状態を長く継続することが重要であり、県内で感染拡大の兆候が見られた場合には、感染拡大に至らないよう県民に基本的な感染対策の徹底を呼びかけ、また、感染拡大に至った場合には、県の新型コロナウイルス感染症対策本部員会議を開催し、感染拡大防止のための強い措置など、早期の収束に向けて県民にメッセージを出してまいります。
 このような考えのもと、県の新型コロナウイルス感染症対策本部員会議での知事メッセージを初め、県ホームページや県の広報媒体の活用、新聞紙面広告の掲載、関係団体への周知などにより、県民一人一人が、新型コロナウイルス感染症に関する情報を広く入手し、みずからの行動に生かしていただけるよう、情報発信に努めてまいります。
 次に、国際定期便の運航再開に向けた取り組みについてでありますが、これまで国際定期便の誘致に当たっては、積極的に現地を訪問し、航空会社や旅行会社などに対し、本県の多彩な魅力をPRするとともに、定期便化を働きかけてきたところであり、そのような取り組みの結果により、台北線、上海線の就航につながったものと考えています。
 特に、海外でのトップセールスについては、現地において各分野のキーパーソンや多数の方々に直接本県を売り込むことができ、また、現地の生きた情報を得る貴重な機会でもありますことから、今後も重要な取り組みの一つと考えております。
 国際定期便の運航再開に向けては、新たな変異株など新型コロナウイルス感染症の感染状況や入国制限の状況等を踏まえつつ、税関、出入国管理、検疫など具体的な対応について関係機関と協議を進めるとともに、海外との往来の制限がなくなった際には、現地へのトップセールスなども含め、航空会社や旅行会社に対する働きかけを積極的に行ってまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔総務部長白水伸英君登壇〕
〇総務部長(白水伸英君) 県税収入の見通しと令和4年度予算編成への影響についてでありますが、令和3年度の県税収入額については、直近の10月末時点の実績で、現年課税分の調定額が前年度比30億7、100万円、率にして3.2%の増となっているところであります。
 また、令和4年度の県税収入については、中期財政見通しにおいて、令和3年度当初予算と比較して54億円、率にして4.4%の増となる1、271億円を見込んだところでありますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響や国の地方財政計画の動向等について、引き続き注視していく必要があると考えております。
 一方で、令和4年度の予算編成においては、人口減少の影響等により地方交付税等が減少し、厳しい財政状況が見込まれることから、あらゆる手法による歳入の確保や歳出の徹底的な見直しにより、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努めてまいります。
   〔保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇保健福祉部長(野原勝君) 医療体制の情報発信についてでありますが、県では今般、第6波に備えた医療提供体制、検査体制等の強化を図ったところであり、こうした取り組みについて県民の皆様に広く情報発信していくことは、新型コロナウイルス感染症対策を効果的に実施していく観点からも重要と考えています。
 このため、これまでも医療提供体制や検査体制等の対策について、県の新型コロナウイルス感染症対策本部員会議において報告の上、知事メッセージとして発信するとともに、こうした会議の終了後には、報道機関へのブリーフィング等を行い、内容の周知に努めてまいりました。加えて、県ホームページ、SNSなど、さまざまな情報媒体を通じた発信にも取り組んでいるところであります。
 今後においても、新型コロナウイルス感染症対策に関する取り組みについて、県民に向けて、適時適切に、かつ、わかりやすい情報発信に努めてまいります。
   〔商工労働観光部長岩渕伸也君登壇〕
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) まず、今後の誘客促進についてでありますが、今般、国から、本県がいわて旅応援プロジェクトとして実施している地域観光事業支援の隣接県への対象範囲の拡大や事業期間の延長、また、Go To トラベルの再開の考え方などが示されたところであり、現在、これに県としてどのように対応して誘客促進を図っていくかの検討を進めております。
 こうした宿泊割引による需要喚起策とあわせ、東北デスティネーションキャンペーンが終了した後の10月以降も、引き続きJR東日本や東北6県が連携したプロモーションを展開しているほか、いわて秋冬キャンペーンを官民一体となって実施しております。
 さらに、来年7月から9月までの3カ月間、JR東日本の重点販売地域の指定を受けた北東北3県の大型観光キャンペーンの実施が決定しており、これらの観光施策を切れ目なく実施していくことにより、観光需要の早期回復を図っていく考えであります。
 次に、飲食店の支援についてでありますが、御質問のございました、いわての食応援プロジェクトの食事券の金額ベースでの実績でございますが、額面で約10億7、500万円分の販売額に対し、11月28日現在、いわての食応援プロジェクト事務局に請求があった金額は約5億3、000万円となっており、事業の拡充や期間の延長について国に要望しているところでございます。
 また、今後の支援について、飲食店を取り巻く状況は、若干の売り上げの回復傾向は見られるものの、オミクロン株による感染拡大も心配される中、なお厳しい状況が続いていることから、今後の感染状況の変化にも柔軟に対応しつつ、幅広く関係団体等を通じて現場の声を伺い、国の経済対策と連動した取り組みについての検討を進めてまいります。
 次に、企業立地の推進等についてでありますが、県南地域では、自動車や半導体を中心としたものづくり企業による投資が続いており、このような動向は今後も続くことが見込まれるところでございます。
 こうした中にあって、新規立地や既立地企業の増設に伴う産業用地等の確保や人材の育成、確保が課題と認識しております。
 県では、産業用地は市町村が整備することを基本としつつ、財政的な支援制度の整備や関係部署と連携した土地利用規制等への対応などについて、市町村の意向を踏まえて対応しているところであります。
 人材の育成につきましては、地域ものづくりネットワークと連携した工場見学など、小学生から企業人までの各ステージに応じたさまざまな取り組みを進めるとともに、県内の高等教育機関と連携し、高度なものづくり人材の育成を行っております。
 また、人材の確保については、高校生や教員、保護者を対象とした企業見学会や、若手人材を紹介する動画の制作などによる、ものづくり企業の認知度の向上、県内外の大学生向けのマッチングや奨学金返還支援などを通じて、ものづくり人材の確保を支援しているところであります。
 今後におきましても、市町村や関係機関と連携しながら、これらの取り組みを強化し、ものづくり産業の一層の集積と高度化に取り組んでまいります。
   〔医療局長小原勝君登壇〕
〇医療局長(小原勝君) 県立病院における医師の働き方改革への対応についてでありますが、本年5月、医療法の改正により、これまで医師の献身的な長時間労働に支えられてきた医療の現状を改めて、医師が健康的に働き続けられる環境を確保し、患者が安全・安心な医療の提供を受ける環境を整備することを目的として、医師の働き方改革を進めることとされたところです。
 具体的には、医療機関の管理者に対して、令和6年4月から、原則として年960時間の時間外労働を上限としつつ、連続した勤務時間の規制や勤務と勤務の間に一定の休息時間を確保するなどの措置に取り組むことが求められており、各県立病院においても、当該法令を遵守しながら、医師の健康確保と救急医療など持続可能な医療提供体制との両立を図ることが課題となっています。
 このため、医師の時間外、休日労働時間の短縮に向けて、まずは、医師確保対策に引き続き取り組んでいくとともに、医療クラークの配置など医師から他職種へのタスクシフトや、複数主治医制やチーム制の導入等による医師間のタスクシェアを行うなど、対策を取りまとめ、計画的に取り組みを進めているところです。
 また、医師の働き方改革の推進に当たっては、症状が安定した患者をより積極的に近隣開業医等のかかりつけ医へ紹介することや、平日の業務時間内に病状の説明を行うことなど、患者や家族の皆様、また地域の御協力が必要となることが想定されることから、これらの取り組みに御理解が得られるよう、保健福祉部や関係団体と連携しながら、周知にも取り組んでまいります。
   〔県土整備部長田中隆司君登壇〕
〇県土整備部長(田中隆司君) まず、(仮称)花巻パーキングエリアスマートインターチェンジの整備についてでありますが、本スマートインターチェンジは、花巻機械金属工業団地など周辺に立地する工業団地や県立中部病院などへのアクセス向上を目的として、令和元年度から、ネクスコ東日本、県、花巻市の3者が連携し整備を進めているものでございます。
 これまでに、東北自動車道上り線及び下り線のパーキングエリアから一般道に接続する区間の用地取得が終了しており、年内には、ネクスコ東日本が、この区間の工事に着手する予定と承知しております。
 県としましては、下り線に接続する県道花巻和賀線の早期整備を図るとともに、引き続き、ネクスコ東日本や花巻市と連携しながら、本スマートインターチェンジの早期完成に向けて取り組んでまいります。
 次に、主要地方道花巻大曲線小倉山の2工区の開通の見通しについてでありますが、本路線は、花巻市と西和賀町の交流を促進し、観光振興を支援する重要な路線であり、昭和61年度から花巻市中山地区と西和賀町川舟地区間の交通不能区間の解消を図るため、全体計画延長約8.5キロメートルについて、トンネルや橋梁等による整備を進めてきており、平成14年度までに約6.1キロメートルを供用したところであります。
 残る約2.4キロメートルについて、小倉山の2工区として平成14年度から整備に着手しており、これまでに西和賀町側の約900メートルについて供用したところであります。
 本工区の主要な構造物である(仮称)小倉山4号トンネルは、先月末に貫通し、現在、トンネル断面をコンクリートで覆う工事などを進めているところであり、トンネル本体の工事完成後には、順次、舗装や照明設備などの工事を行い、令和6年度の小倉山の2工区の供用を目指してまいります。
 次に、小倉山の2工区完成後の狭隘部分の解消の見通しについてでありますが、花巻大曲線の花巻市中山地区から西和賀町川舟地区間については、交通不能区間の解消を図るため整備を進めてきたところであり、現在工事を進めている小倉山の2工区の完成により、延長約8.5キロメートルの計画区間全線が開通することとなり、その整備目的が達成されるものと考えております。
 一方、花巻市豊沢ダム周辺の約1.5キロメートルや西和賀町川舟地区の約2.5キロメートルにつきましては1車線道路となっておりますが、その整備については、交通不能区間解消後の効果を見きわめる必要があると考えており、まずは、小倉山の2工区の早期完成を図ってまいります。
   〔ふるさと振興部長熊谷泰樹君登壇〕
〇ふるさと振興部長(熊谷泰樹君) いわて花巻空港からの国際線乗り入れ空港との乗り継ぎについてでございますが、新千歳空港及び福岡空港では、コロナ禍前には多くの国際線が就航しており、2019年の冬ダイヤでは、新千歳空港は17都市に週149便、福岡空港は18都市に週295便が運航されていたところでございます。
 現在は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、多くの国際線が運休や減便となっており、11月のダイヤでは、新千歳空港は全便運休となり、福岡空港も4都市に週9便が運航されるのみとなっております。
 新たな変異株の発生により不透明な状況にございますけれども、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束すれば、段階的にこれらの便も回復するものと見込まれますことから、花巻空港から両空港を乗り継いで海外へ行くことも可能になると考えられます。
 県といたしましては、まず、花巻空港の国際線も含めた全便回復に取り組んでまいりますが、御指摘の新千歳空港及び福岡空港からの海外への乗り継ぎについては、その利用を周知するとともに、旅行会社に対して、乗り継ぎ便を活用した旅行商品の造成を働きかけるなど、両路線の利用促進にも取り組んでまいります。
   〔農林水産部長佐藤隆浩君登壇〕
〇農林水産部長(佐藤隆浩君) まず、米価下落対策についてでありますが、令和3年9月定例会の最終日に追加提案し、議決をいただいた令和3年度岩手県一般会計補正予算(第8号)で措置した事業により、県産米の一層の需要拡大に向け、主に県外の消費者をターゲットとして、銀河のしずくなど県産米の認知度を高め、購入につながる取り組みを行っていくこととしています。
 具体的には、県のアンテナショップや首都圏等の黄金の國、いわて。応援の店、花巻空港や県のいわて秋冬キャンペーンに参加する宿泊施設などの利用者約30万人に対し、2合、300グラムの銀河のしずく等と、QRコードにより手軽に注文できる購入案内つきパンフレットを提供し、県産米のおいしさを実感し、継続的な購入につなげるなど、県産米の消費拡大に取り組んでいくこととしています。
 今般の米の需給緩和は、全国的な在庫量の増加が要因であり、国全体での対応が極めて重要であることから、県では、国主導による実効的な過剰米への対策や消費喚起などの需要拡大対策を推進するよう、全国知事会とも連携し、引き続き国に対し要望していくほか、需要に応じた米生産とともに、水田フル活用により、生産者の所得が確保されるよう取り組んでまいります。
 次に、収入保険の加入促進についてでありますが、県内における加入件数は、本年4月末現在で2、445件となっています。
 県では、さらなる加入促進を図るため、令和3年度岩手県一般会計補正予算(第3号)で措置した農業保険加入促進支援事業により、制度のわかりやすい解説や実際に補償された事例などを掲載したリーフレットの作成、配布のほか、新聞への広告掲載などを通じ、広く農業者に対し制度の周知を図っているところです。これらの取り組みにより、農業共済組合には、収入保険への加入の相談が寄せられており、一定の効果があったと考えています。
 また、市町村、農業協同組合、農業共済組合等で構成する岩手県農業保険加入推進協議会では、地域説明会や未加入者への訪問等を通じ加入促進に取り組んでおり、今後も、農業者が収入保険制度を積極的に活用し、安定した農業経営が行われるよう、関係機関、団体と連携し取り組んでまいります。
 次に、集落機能強化加算についてでありますが、中山間地域等直接支払制度の第5期対策において、新たな人材の確保や、地域づくり団体など農業以外の組織との連携を支援する集落機能強化加算等が新設されたところです。
 県内では、本年度、西和賀町の8集落を初め、奥州市や花巻市など6市町29集落が、この集落機能強化加算を活用し、高齢者の見回りや通院、買い物支援、高齢者世帯の雪かき、雪おろし支援、空き家周辺の草刈りなどに取り組んでいます。
 県ではこれまで、集落機能強化加算などの活用に向け、市町村や集落代表者へのパンフレットの配布や説明会の開催などにより制度の周知に取り組んできたところであり、今後も、集落代表者を対象としたセミナーや広報誌中山間だより等を通じて、県内の取り組み事例を紹介するなど、制度の活用等により中山間地域の活性化が図られるよう積極的に取り組んでまいります。
 次に、自動操舵技術の推進についてでありますが、自動操舵技術の活用に当たっては、GPSの位置情報を数センチ単位の精度で補正して利用できるRTK基地局の設置が有効ですが、現在では、JAグループ等が提供する国土地理院の電子基準点を活用する方式や、携帯電話会社が提供する位置補正情報を利用する方式など、低コストで利用できる新技術の活用が県内でも始まっています。
 県では、県北地域での自動操舵技術の普及に向け、昨年度、県農業研究センター県北農業研究所にRTK基地局を設置し、中山間地や傾斜地でのトラクターの自動操舵による播種や除草の実用性の実証に取り組むとともに、本年度から、携帯電話会社の位置補正情報を利用する方式についても、同様の実証に取り組んでいます。
 今後、こうした中山間地での実証の成果のほか、新技術の開発動向等についても、農業者や関係団体に情報提供していくこととしており、県としては、引き続き、生産性の向上につながるスマート農業技術が、広く県内に普及拡大するよう取り組んでまいります。
   
〇議長(五日市王君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時38分 散 会

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