令和3年12月定例会 第18回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(千田美津子君) 日本共産党の千田美津子でございます。
 私は、議案第1号の特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例については賛成するものでありますが、議案第2号一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例から議案第6号市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例については、県職員の期末手当の引き下げについての議案でありますので、一括して反対の討論を行います。
 今回の条例改正は、人事委員会勧告に伴う条例改正であり、月例給については、おおむね均衡している状況から改定を行わず、期末手当については、職員給与が民間を0.17月上回っているとして、一般職の職員と特定幹部職員、市町村立学校職員が0.15月分、一般職の任期付職員と任期付研究員、一般職の再任用職員、市町村立学校職員の再任用職員は、それぞれ0.1月分の引き下げを行うというものであります。また、会計年度任用職員については令和4年度から0.15月分を削減するというものでありますが、これは、新型コロナウイルス感染症による最大のパンデミックの中で日夜奮闘されている多くの県職員に対し、激励するどころか、モチベーションを下げるものでしかありません。これらは地域経済に及ぼす影響も大変大きいことから、到底認めがたいものであります。
 ただし、今回の改定では、獣医師に係る初任給調整手当の改定も行われており、これは一定の評価をするものであります。
 さて、この間の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、岩手県における累計患者数は3、487人、死亡者は53人となりました。こうしたもと、県職員を初め医療従事者の皆さんは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の中で、感染拡大防止と感染者の保護、隔離、治療のため、感染のリスクを抱えながら懸命の努力を続けてこられました。全ての公務員に共通することは、全体の奉仕者として住民目線に立って働く中立、公正な公務労働であり、こうした職員の皆さんの労働環境の改善と職員の定数増こそが必要であります。そして、県職員の奮闘に報いるためには、給与や待遇面からも応えるべきであります。
 そこで、以下3点について反対の理由を申し上げます。
 反対する第1の理由は、新型コロナウイルス感染症への対応に献身的に取り組んでいらっしゃる医療関係者や保健所職員を初め多くの県職員に対して、今回の期末手当の引き下げは、職員のモチベーションを下げるものでしかありません。しかも、昨年は、介護、医療従事者には国が慰労金を支給したわけでありますが、ことしは支給されておりません。このような状況下にあって、本来は賃上げや慰労金の支給こそ必要であり、期末手当の引き下げなどとんでもありません。
 また、今回の引き下げが適用される職員数は、医療局や企業局を含め約2万4、700名であり、さらに約500名の技能労務職員なども期末手当削減の対象となるなど、その規模と影響は大変大きなものとなります。今やるべきことは、民間より低い初任給水準の引き上げや高齢層職員の賃金改善、諸手当の改善こそ必要であります。
 第2の理由は、今回の県職員の期末手当の引き下げは、コロナ禍の長期化で深刻化する地域経済にますます悪影響を及ぼすものであるということであります。その影響額は、普通会計で約12億9、000万円の減、医療局で約4億3、000万円、合計約17億2、000万円であります。これらは民間企業の賃金引き下げに波及し、社会的にもマイナスの影響を及ぼすものであることから、今回の期末手当の引き下げは実施すべきではありません。
 第3の理由は、医療局の場合、深刻な医師不足の中、医師確保が重要な課題となっておりますが、今回の改定により、医師も1人当たり13万8、000円の引き下げとなります。また、新型コロナウイルス感染症対応で感染の不安を抱えながら、日々県民の命と健康を守るために奮闘しておられる看護師についても、今回の改定で1人当たり平均約7万4、000円もの引き下げとなります。さらなる医師確保や看護師確保が求められている中で、このような引き下げは見直すべきであります。
 以上を申し上げまして、期末手当が削減となる議案に対する反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(五日市王君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、議案第2号から議案第6号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立多数であります。よって、議案第2号から議案第6号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第1号特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例を採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立全員であります。よって、議案第1号特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
〇議長(五日市王君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後2時55分 散 会

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