令和3年9月臨時会 第16回岩手県議会臨時会会議録

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〇15番(佐々木朋和君) いわて新政会の佐々木朋和です。
 議案第1号令和3年度岩手県一般会計補正予算(第5号)の専決処分について、委員長報告に賛成の討論を行います。
 令和3年度岩手県一般会計補正予算(第5号)、新型コロナウイルス感染拡大防止協力金支給事業費は、県が8月30日から行った盛岡市の飲食店への時短要請に協力した飲食店舗へ、協力金を支給しようとするものであります。県は、時短要請に至った経緯、感染者に加え医療逼迫の状況、時短要請する業態、地域的範囲の妥当性、協力金の財源の出どころ、延長の可能性、政策の効果など、議会で明らかにするべき議論のないまま、地方自治法第179条第1項による専決処分を行いました。
 8月24日の第5回岩手県議会災害対策連絡本部会議の時点では、県が国に対して、まん延防止等重点措置を要請するというタイミングであったことから、国のまん延防止等重点措置が認められれば、8割が国からの支給により協力金の財源が確保できるという前提に立っての議論でした。しかし、適用は見送られることとなり、県は、県独自の時短要請に踏み切り、現状、その協力金は、限りある国からの新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金事業者支援枠で対応しなければならない状況にあります。
 8月前半の県独自の緊急事態宣言による県民の自粛は、県内事業者の経営に影響を及ぼしていましたが、時短要請となり、盛岡市の飲食店はもとより、その店舗へさまざまな物品を卸す卸業者や、そのアナウンス効果により全県の飲食店等事業者に経営不安が生じるほどの影響が及んでいます。時短要請や協力金、その他事業者支援を決定する際には、地域や業態で不公平感が出ないよう開かれた場での議論が必要と考えます。
 また、県単独予算でなくても、選択肢のある予算の使い道は、基本的に議会との議論を通して決定されるべきであり、地方自治法第179条第1項に定める、特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認められる場合はという文言は、限定的に解釈されるべきであります。
 一方で、県が時短要請を決定した時点の直近の数字を見れば、10万人当たりの陽性者数で、岩手県全域が、24日19.8人、25日19.2人、26日17.9人と減少傾向だったのに対し、盛岡市は、24日27.7人、25日29.7人、26日30.8人と、ステージ4相当だった上に増加傾向にあり、盛岡市へ何らかのさらなる蔓延防止策を講ずるべき状況にあったことは理解できます。
 さらに、8月1日から8月22日の感染者の感染機会のうち、不明を除いた27%が飲食起因であったことにも鑑みれば、業態、地域的範囲の妥当性、効果について議論はあるものの、未知のウイルスに対するときに、このタイミングでの時短要請そのものは妥当性がないとは言いがたく、時短要請を出したからには、事業者には事業継続のため、それ相応の協力金を出すべきと考えます。
 よって、今後、専決処分を行う場合は、地方自治法第179条第1項を限定的に解釈し運用すること、時短要請の効果の検証を行うこと、時短要請に伴う全県的な影響に鑑み、さらなる支援策を講ずることを強く申し上げた上で、議案第1号令和3年度岩手県一般会計補正予算(第5号)の専決処分に賛成いたします。
 議員各位の賛同をお願い申し上げまして、委員長報告に賛成の討論といたします。(拍手)
〇議長(関根敏伸君) 次に、斉藤信君。
    〔37番斉藤信君登壇〕

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