令和3年9月臨時会 第16回岩手県議会臨時会会議録

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〇16番(菅野ひろのり君) 希望いわての菅野ひろのりです。
 令和3年度岩手県一般会計補正予算(第5号)の専決処分に関し承認を求めることについて、委員長報告に対して賛成の立場から討論いたします。
 8月19日、岩手県は人口10万人当たり新規感染者数が25.2人と、30人に迫る可能性が高くなり、政府の分科会が示すステージ4を超え、病床使用率も約70%と高まりました。
 全国ではデルタ株等の感染が拡大する中で、政府の対応は後手後手に回り、自宅療養、すなわち感染者が放置される事態となっています。このような中で達増知事は、国に先んじて、先手を打って感染抑制を迅速に図ろうと専決処分しており、緊急対応は評価すべきものであります。
 そして、盛岡市を対象とした飲食店への営業時間短縮要請についてですが、当然ながら前提として、飲食業が悪いわけではありません。一方、実態の数値や状況としてその理由が5点挙げられます。1点目、盛岡圏域の新規感染者数の発生数が県内の半数を占めること。2点目、盛岡市における新規感染者数が約7割となっていること。3点目、県内での飲食店クラスターの発生が17件あり、そのうちの14件が盛岡市であること。4点目、飲食店を起点として職場や家庭にウイルスを持ち込む例が少なくないこと。5点目、学校や施設等に比べて封じ込めが難しいことなど、感染対策の重要な起点であり、地域としても妥当と言えます。
 時短要請するわけですから、人流減少によって経営がさらに圧迫される飲食店等に対して、協力金の支給を迅速に行うべきことは重要です。協力金の相談件数について、9月1日時点で電話相談が737件と多くの相談があり、既に協力金の支給が始まるとのことで、売り上げが減少し経営が逼迫している経営者の皆様にとっては、少しでも救いの手となっているでしょう。当然、それに合わせ庁内業務が慌ただしくなったのだろうと推測されますが、対応に当たる職員の皆様に敬意を表すとともに、引き続き、もう一踏ん張りと県民のために御尽力を賜りたいと思いますし、あわせて、そういった現場の切実な声に耳を傾け緊急対応いただいたのが、本日の提案だったのではないでしょうか。
 また、専決処分についてです。地方自治法第179条でうたわれているとおり、必要な権限でありますし、さきの総務部長の説明からも、県議会の正副議長、各会派の代表者等にも伝えられているということから、緊急的な判断が迫られる中で、ルールに従った上で、議会を尊重しながら丁寧に進めていただいた結果だと考えます。
 そして、今回の時短要請のさまざまな議論のポイントとなったのは、盛岡市限定の時短要請ということです。さまざまな声は当然あります。協力金にありがたいと感謝する飲食店の声がある一方で、ほかの地域では協力金がなくて不公平との声も聞こえます。より客足が遠のくという声もあれば、店をあけていても客数が減少しているから協力金は助かるなど、両方です。
 今回、県は、国のまん延防止等重点措置が見送りとなり、限りある新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を県独自に活用し9億円の予算措置をいたしましたが、コロナ禍で疲弊しているのは、当然盛岡市だけではありません。全県です。飲食業だけではありません。宿泊業、観光業など多種多様な県民が苦しんでおり、全県的な支援が本来は求められています。
 そうするとこれは、岩手県民の声は県に対してのみでしょうか。不十分な感染症対策への不安、経済対策への不満のあらわれ。県というより国に対してではないでしょうか。十分な支援が国民、県民に行き届いていない中で、だからこそ、達増知事、県当局が緊急的に、そして独自に行う必要があったのだと考えます。知事、県当局におかれましては、県独自の支援もさることながら、知事会を初め、さまざまな機会を通じて必要な対策を国に強く強く求めていただきたいと思います。
 最後に、長期的なコロナ禍となっていますから、今回の対策によって感染者数減少にどのような成果があったのかを丁寧に分析していただき、より効果的な施策、対策を強力に推進いただきますことをお願い申し上げ、皆様の賛同を求め賛成の討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(関根敏伸君) 次に、佐々木努君。
   〔36番佐々木努君登壇〕

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