令和3年6月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇25番(木村幸弘君) 社民党の木村幸弘です。
 改めて、現下の新型コロナウイルス感染症により亡くなられた皆様に哀悼の意を表すとともに、入院、療養中の皆様の一日も早い御回復をお祈りいたします。
 また、医療、保健従事者の皆様を初め、新型コロナウイルス感染症対策業務に携わっている関係者の皆様には、県民の命と健康を守るために大変御尽力いただいておりますことに、敬意と感謝を申し上げます。
 それでは、通告に従い質問させていただきます。
 第1に、憲法と県政運営についてお伺いいたします。
 本県では、東日本大震災津波からの復興に当たって、一人ひとりの幸福追求権の保障を掲げ、各種施策を遂行するための基本コンセプトに据えて取り組んでまいりました。
 日本国憲法第13条、すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。この憲法に基づき、知事は、未曾有の大災害に見舞われた困難な状況から、一人一人が希望の持てる安らぎと潤いに満ちた暮らしを取り戻し、物質的、経済的豊かさだけではなく、心の豊かさを大切にした幸福の実現を目指してきたことについては、改めて評価したいと思います。
 そして現在、この基本姿勢は、いわて県民計画(2019〜2028)のもと、この10年間の復興の取り組みを踏まえて、その経験から学び培ってきた一人一人の幸福を守り育てるという姿勢で推し進めております。
 そこでまずは、県民の幸福感の現状について、毎年実施しています県民意識調査の結果を踏まえて、主観的幸福感の割合や幸福かどうかを判断する際に重視した事項について、例えば幸福と感じる割合と感じない割合の推移について、どう分析され評価しているのでしょうか。
 また、関連項目として、付き合い・交流、信頼、社会参加などのつながりに関する行動や考え方について注目して設問しているわけですが、しかし、これらの点の結果に対する分析と評価は幸福白書にも明示されていないため、他の設問との関係性などがどのように生かされ、つながっているのかわかりません。あわせて、その分析と評価についてもお示しください。
 本年1、2月に実施した令和3年県の施策に関する県民意識調査において、新型コロナウイルス感染症の影響について設問がありました。よくない影響を感じる割合は、心身への影響を初め、全般的に不安を感じている割合が高いと感じました。
 新型コロナウイルス感染症が社会にもたらす影響は、今日においてさらに深刻さを増している中、これまでの政府の対応、対策は、命と暮らしを守る対策か、経済対策か、てんびんにかけながら二兎を追いかけたために、結局、常に後手後手の対応、対策となり、医療危機を招き、経済も長期にわたってダメージを受け続け、結果的に、一兎も得られずに国民に大きな不安と不満だけを募らせ続けています。
 医療崩壊が各地で発生し、助かる命が助けられないという事態が起き、この間、医療体制が脆弱な本県では、全国から伝えられる危機的事態に、危機感と不安が一層高まっていました。
 憲法第25条は、生存権、国の社会的使命として、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないと規定しています。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大から1年以上が経過した中で、先進国に比べて大きくおくれをとった検査体制の拡大、ワクチン接種の対応、疲弊し続ける医療体制や医療従事者の確保と支援など、まさに国の社会的責任と使命が果たされているとは言えません。こうしたこれまでの国の対応について、知事は、この憲法第25条における国の責任とその対策をどのように受けとめているのか伺います。
 次に、幸福追求権については、憲法第3章の基本的人権規定に位置し、憲法の三大原理の理念とされる基本的人権の尊重を目的とする根拠条文の一つとなっています。
 そこで、県政運営を進めるに当たって、日本国憲法の三大原理の一つとされる人権と結びつけた幸福追求権を本県政策遂行上の考え方に据えた知事にお伺いするのは、憲法第13条を根拠として、憲法上保護された権利であると認められることがあるプライバシーの権利、肖像権、環境権など、いわゆる新しい人権と称される考え方を現行憲法においてどう認識されているのでしょうか。
 また、環境権について、新たに憲法に加えるべきとの論がありますが、これについてはどのような所見をお持ちか伺います。
 さらに、三大原理のうちの国民主権、平和主義をどう尊重し、県政運営の基本としてどのように生かしていくのか伺います。
 次に、4広域振興局体制について伺います。
 平成22年4月に、地方振興局体制から現在の広域振興局体制に移行しました。移行の目的として、地域経済基盤の強化による県民生活の維持、向上や市町村との適切な役割分担による質の高い行政サービスの提供を目指し、平成18年、地域の特性を最大限に発揮できるエリアとして四つの広域振興圏を設定し、県南広域振興圏で振興局体制を先行設置いたしました。
 そして、本県を取り巻く環境について、予想を上回る人口減少、低い水準にとどまる県民所得など厳しい環境と広域振興圏間の格差の拡大が懸念されるとして、この直面する課題を克服するために、当時の政策ベースとしていたいわて希望創造プランに基づき、明確な顔を持った4広域振興圏の確立を実現するために、行財政資源の集約と再配分、各広域振興圏の効果的、効率的施策を展開できる体制が必要だとして、平成22年度から1広域振興圏1広域振興局体制へと移行しました。
 4広域振興局体制におけるこれまでの10年間について、県としてどのように評価をしているのか、移行時の考え方や目標などの原点に立ち返りながら検証と総括が求められていると思います。体制発足時から今日に至るまでの経過について、どのような進展と成果が得られ評価されているのか示すとともに、課題も明らかにした上で、今後の取り組みについて検討していくべきだと考えます。
 まず、統計上におけるこの10年の動向をどう分析しているのか、そして、それらの数値は、現在の県民計画や各種計画にどう生かされているのか、分野ごとに総括されるべきであります。
 また、本庁との機能や役割分担において、この10年間でさまざまに変化し対応が求められてきた復興対策やコロナ禍における対応、また産業振興の進展や新たな需要に伴う支援対策など、社会経済情勢の地域特性を踏まえた組織内部の体制の不断の見直しや人員確保についても検証されなければなりません。
 そこで改めて、移行時の課題として示されてきた広域振興局体制のもとでの解決に向けた取り組みが、どのように進展し評価されているのか、幾つか確認したいと思います。
 第1に、いわて希望創造プランでは、重点目標として、県民所得の向上、雇用環境の改善、人口転出の歯どめの進展と県央、県南広域振興圏と県北、沿岸広域振興圏との格差解消を掲げていますが、これにどのように対応してきたのでしょうか。その成果について伺います。
 第2に、地域経営を基本として、県民、企業、NPO、行政などの多様な主体の結集による地域の特色ある取り組みを展開するための体制構築を行うとされていましたが、その対応状況について伺います。
 第3に、市町村優先の行政システムの確立に向けた支援について、市町村との最適な役割分担と行財政資源の最適配分による最大効率化を図るとしておりましたが、具体的にどのような実績となっているのか、次の点について伺います。
 一つ目は、二重行政の解消に向けた取り組み例として掲げた、市町村との政策調整会議の設置と開催についての実績と評価はどうなっているでしょうか。また、行政サービスの利便性確保のための市町村と県の組織のワンフロア化についての実績はどうでしょうか。
 二つ目は、県民や市町村との連携による施策の展開として、広域振興圏の施策の方向性や具体的方策を協働で推進するため、行政と民間で構成する各種会議の設置や市町村長との定期的な意見交換などを実施するとされていますが、その評価と課題について伺います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 三つ目は、県北・沿岸振興における産業振興施策推進のために、現在の地域振興センターの産業振興機能と職員の重点的配置の実態はどうなっているでしょうか。
 四つ目は、広域振興圏とは異なる圏域が設定されている保健所等の業務について、円滑な運営に配慮するとされていましたが、実態はどうなっているでしょうか。
 こうした移行時、移行後の目標について、その経過をしっかりと踏まえながら、各圏域の市町村との不断の連携と県の施策に対する評価をいただきながら、いわて県民計画(2019〜2028)第7章、地域振興の展開方向に生かされるような取り組みとしなければなりません。いわて県民計画(2019〜2028)に掲げた広域振興局体制の基本的な考え方について、引き続き懸案課題となっている点を伺います。
 また、いわて県民計画(2019〜2028)のコラムに掲載された漏れバケツ理論では、例えば、地域経済を活性化させるため企業誘致に成功しても、その原材料の仕入れに関連する企業が地域にない場合、得られたはずの資金は地域の外に出てしまい地域内にとどまらないという状況を指していますが、具体的な課題事例として、県南広域振興局と県北、沿岸広域振興局の今日の課題に照らした域内循環、滞留施策の考え方について伺います。
 次に、医療施策について伺います。
 初めに、改正医療法がさきの国会で強行可決された件について伺います。
 コロナ禍のもとで、病床が逼迫している、医療従事者が確保できないなど、全国各地から切実な訴えがある中、そうした事態に逆行する医療法等の改正が、去る6月16日閉会された国会で強行可決の上、成立いたしました。この改正医療法の中身は、病床削減と病院の統廃合を促進し、医師養成数の削減を前提にした過酷な医師の長時間労働を認める内容であります。
 第1の問題は、病床を削減すれば1床ごとに国の消費税財源から給付金を継続的に支給するというものです。給付額は、病床稼働率の高さに応じて、稼働率50%未満で1床当たり114万円から、段階的に稼働率10%刻みで上がるたびに単価が引き上げられ、90%以上で1床当たり228万円と50%未満の2倍となり、病床稼働率を上げれば上げるほど給付金が上乗せされる仕組みです。
 現在、日本の病床稼働率は平均して約75%と高まってきています。これは、これまで自由民主党政権が、日本は諸外国と比べて病床が多過ぎて経営効率が悪いとして病床の削減を求めてきたためです。
 また、総務省の新公立病院改革ガイドラインでは、3年間連続70%未満の病院は、見直しという統廃合の対象病院としています。しかし、医療機能として考えたときに、通院者の診察で直ちに入院が必要とされた患者や救急搬送への対応のためにも、病床は確保しておかなければなりません。
 病床のゆとりを考慮せずに経営効率を優先すし、稼働率を引き上げることによって、通常時でも入院待ちの状態が続いたり、稼働率と社会的入院の解消を口実に退院を強要され、介護等を含む包括支援体制との連携が不十分なまま、入院、介護難民と称されるような、患者や家族に負担を強いるような状態は避けなければなりません。
 今日のコロナ禍において、まさに医療が逼迫している状態は、病床稼働率にゆとりがなくなった結果、医療機能と医療従事者への過重な負担増大とあわせ、入院拒否や施設、在宅療養によって急変した新型コロナウイルス感染症患者の命を救えない事態が現実に起こっていることを見るとき、病床稼働率の引き上げを推し進め、現場の実情を踏まえない医療機能の後退は認められないことであります。
 感染症対策を含む有事に際して、今、私たちは学んでいます。平時においても医療従事者の体制が脆弱な地方にあって、これまでも、限られた医療資源と人材をやりくりしながら地域医療の確保に努めている中で、改正医療法に基づく稼働率引き上げによって、さらに、絶えず病床逼迫の状態を施策として行うことは過ちであります。
 第2に、医師の働き方改革について、改正医療法では、過労死ラインの時間外月80時間、年960時間を認める内容となっています。さらには、時間外年1、860時間の超長時間を追認しています。厚生労働省通達の過労死ラインを超えているような事態では、医師の疲弊とともに、医療事故を招くばかりか、医師不足の中で職場離脱などを助長し、医師確保にも重大な影響を与えるものであります。
 また、医師不足を助長するような過重労働を強いる中で、一方では、医師の医療業務を関係職種に担わせ、補おうとするタスクシフト、シェアを推進するとしています。医療関係職種の診療放射線技師、臨床検査技師、救急救命士などへ医師本来の医療業務を担わせるとのことであり、医療の質の保持、医療事故等に対する責任など、新たな懸念を生み出すものであり、本来の医師養成数を拡充するなど、医学部の定員削減の方針こそ改めるべきであります。
 改正医療法について、全国保険医団体連合会は、これに抗議し次のような声明を発し、問題点を指摘しました。
 良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案は、医学部定員数を削減する政府方針を前提に、医師以外の職種への負担シフト、受診行動の変容、抑制や、病床、病院の整理、削減を進めるなど、逆に医療提供体制を縮小、弱体化を進める内容となっており、特にコロナ危機により、病床、医療従事者や医療機器等の不足が明らかになっているにもかかわらず、消費税財源を使い病床削減を進めていくことは、本末転倒と言わざるを得ないとしています。
 さらに、地方における新型コロナウイルス感染症対策に大きな役割を果たしている公立、公的病院の再編統合を求める436病院のリストの撤回もされていないばかりか、感染症対策としてのかなめとなる医療従事者の育成、確保、施設の整備、改修、医療資材、機器の供給、備蓄、医療機関の経営補償など国の責任、支援が不明瞭となっており、結果、都道府県にその対応と責任が押しつけられかねないとしています。
 政府が強調する働き方改革についても、2024年度の本格開始に向けて、地域の医師確保対策や研修医等の無給医問題の解消議論が深められず、過労死ライン以上を追認する年1、860時間まで認めるなど、目的が転倒していると厳しく指摘しています。
 このような改正医療法について、本県の医療計画を定め、進めるに当たり、こうした問題点などについてどのように認識されているのでしょうか。知事は、本県における病床稼動率の実態に照らして、この改正医療法成立についてどう受けとめているのか、あわせて、本県の地域医療の実態を踏まえたときに、経営効率重視と稼働率引き上げによる懸念について、現下のコロナ禍における対策に鑑みて所見を伺います。
 また、本県では、改正医療法で求められている医師の働き方改革への対応として、医師の長時間労働縮減への取り組みをどのように進めていくのか伺います。
 加えて、令和3年6月9日に開催された地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会において、国に対する要望をまとめるに当たり、改正医療法について、どのような協議と認識が持たれたのか、そして、国に提言する内容について、どのような点について力点を置くことが明らかになったのか伺います。
 次に、新型コロナウイルスワクチン接種対策について伺います。
 本県のワクチン接種も、医療従事者の接種希望者は6月18日で終了し、65歳以上の高齢者への接種も、6月27日現在、1回目接種者が20万6、999人となり、県内高齢者人口に対する接種率は51%と進展しています。
 そして、7月末以降に計画される基礎疾患のある人など新たな優先接種対象者への対応について、岩手県難病・疾病団体連絡協議会によると、難病患者のワクチン接種への期待とともに、優先接種が適切かつ円滑に実施されるか、また、副反応などについても、それぞれの難病患者のケースに即した情報提供も含めて不安を抱いていると聞いておりますが、その取り組みについて、県で把握している難病医療費助成受給者の名簿を、接種の実施主体となる市町村との間で情報共有を図りながら円滑に実施できる体制を確保することが重要でありますが、5月23日の新聞報道では、今後検討するとのことでありました。改めて、県として、こうした懸念や不安に対してどう対応していくのか伺います。
 次に、県内の医療体制について、知事の考え方を伺います。
 去る5月14日の定例記者会見でのやりとりについてですが、県立釜石病院のお産の取り扱いが中止となったことについて、分娩休止の経緯や県立釜石病院における分娩取り扱いがない状況について、長年の課題として知事の対策や考えを聞かれておりますが、その中で知事が答えられている一節について、産科については、4人とか5人とか一定数の産婦人科医師を1カ所に集中させるやり方がいいのだという、そういう考え方が産科の学会というのですか、これも日本全体としてそうなってきていて、そういう体制をつくっておくほうがいいという論もありますけれども、やはり地方自治体としては、極力、地域地域、産科医がいない地域がないようにしていくべきと考えますので、基本的には産科のお医者さんをふやしていくことを働きかけていきたいと述べています。
 そこで知事には、ここで述べた考え方、つまり地方自治体として、医師がいない地域はないようにしていくということを本県地域医療政策の基本的な政策姿勢だとするならば、産婦人科医師の問題もさることながら、これまでも医療機能の集約化等について何度か質問してまいりましたが、県立病院における医師の集約化等を進めてきたこの間の医療政策姿勢との関係において、改めて、県全体の医療体制と医師の配置のあり方について、その考え方を伺います。
 次に、動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律に基づく数値規制等の本県の取り組みについて伺います。
 改正内容の主な点は、動物の所有者等が遵守すべき責務規定の明確化、第一種動物取扱業における適正飼養等の促進、動物の適正飼養のための規制強化、都道府県等の措置等の拡充、繁殖業者にマイクロチップの装着等義務づけでありますが、これにより動物取扱業のさらなる適正化と動物の不適切な取り扱いへの対応の強化を目指しています。
 これまでの動物愛護法の数値規制導入以前は、その規定の文言が曖昧であったために、現場や指導側に混乱をもたらしてきた、基準を明確にすることで野放しとなっていた繁殖、販売事業者の一部に見られた悪質、劣悪な飼育環境の改善につながるものとして期待されております。
 本県では、第一種動物取扱業者が338者、第二種が11者あると伺っております。本県における動物愛護法に基づく県内動物取扱業者に対する改正前の指導の実態について、特に、立入検査の取り組みや改善措置の状況がどうであったのか伺います。
 また、今後の都道府県等の措置の拡充に関する自治体としての役割と責任について、動物愛護管理センターの業務の規定、動物愛護管理担当職員の拡充、所有者不明の犬、猫の引き取りを拒否できる場合の規定など、具体的な対応を伺います。
 また、事業者問題とは別に、個人の飼い主による多頭飼育崩壊についても深刻な問題となっています。現状の実態と課題はどうなっているのでしょうか。県としてのこれまでの取り組み状況と今後の対応についても、あわせて伺います。
 次に、本県の各種施策、事業におけるドローンの活用について伺います。
 近年、科学技術の進展によりさまざまな機械技術が導入され、ICTと連動して、本来人間が携わることが難しい地形条件や大がかりな機械装置を導入しなければならなかった調査や管理などが、ドローン機械の導入によって幅広く活用できる条件が整いつつあります。
 改めて、本県における各事業等でのドローンの活用状況について確認したところ、ふるさと振興部のドローン物流システム実証実験を初め、農林水産部の野生鳥獣被害対策、水利施設点検、林地荒廃把握、県土整備部の建設現場のICT活用工事、測量調査業務、企業局の建設工事や点検の空撮、復興防災部の防災訓練による被害状況調査訓練、そして、県警察本部の災害警備のための被災者捜索や被災状況確認等への訓練などで活用されているようです。
 本県のこうしたドローン活用のための施策推進について、総合的にどのような方針を掲げて対応しているのか、また、今後の県全体でのドローンの導入、活用の考え方についてお伺いいたします。
 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 木村幸弘議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、新型コロナウイルス感染症への対応に係る国の責任と対策についてでありますが、新型コロナウイルス感染症対策に当たっては、国民の命と健康を守ることを目的として、迅速な対応により、日本全体で新規感染者をほぼゼロとするような対策を講じることが国の責任であると考えます。
 また、新型コロナウイルス感染症の蔓延や対策の長期化により、収入の落ち込みなど多大な影響を受け、経済的に困窮している国民に対しては、国の責任においてしっかりと支援することが必要であると考えます。
 この間、諸外国においては、徹底した水際対策や大胆な経済対策など、かつてない対策がとられており、我が国においても、国民の命と健康、そして生活を守るため、平時の常識にとらわれない思い切った対策を講じることが求められていると考えます。
 次に、憲法に対する所見と憲法を尊重した県政運営についてでありますが、学説上、憲法第13条に定める生命、自由及び幸福追求に対する権利には、条文で具体的に保障されている個別の権利だけではなく、いわば包括的な規定として、条文に規定されていない人権も含まれるとされているところであります。
 議員御指摘のいわゆる新しい人権の中で、プライバシー権と肖像権については、これまでの判例の積み重ねによって憲法第13条の規定に基づき認められてきたものと承知しています。また、環境権については、全ての人は良好な環境を享有する権利があると考えられますが、個人的には、環境を守る義務という側面が大事ではないかとも考えておりまして、研究していきたいと思います。
 憲法第99条や地方公務員法第31条等の趣旨から、知事を含め地方公務員にも憲法尊重擁護義務があることから、岩手県としても、また知事としても、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三大原理を含め、憲法を尊重し、県政を運営したいと思います。
 個人的な考えでありますが、主権というものは自然に由来し、したがって、主権者は自然と生命を尊重しなければならず、そこから環境の保全と平和主義が原理的に導かれ、また、生命の中で意思を持つに至った人間一人一人の尊厳と人権が守られなければならないということだと思います。このような考え方は、岩手県政運営の基本にもふさわしいのではないかと考えております。
 次に、改正医療法成立に係る所見についてでありますが、改正医療法とは、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進する観点から、医師の働き方改革に係る環境整備や地域医療構想の実現に向けた医療機関の取り組みに対する支援の強化等の措置を講ずるため改正されたものであります。
 今般のコロナ禍においては、一部の大都市圏では医療体制の逼迫が見られたところでありますが、本県においては、限られた医療資源のもと、新型コロナウイルス感染症対応に係る病床確保について、想定される最大療養数以上の病床を確保し、必要な対応ができているところであります。
 一方、今般の新型コロナウイルス感染症対応を通じ、新興感染症等にも対応可能な医療提供体制を構築するためには、通常の医療体制の充実とともに、感染拡大時を想定した転用可能な病床やスペースの確保、専門人材の確保、医療機関の役割分担と連携の検討等、医療需要の急激な変化にも柔軟に対応できる体制づくりが必要であると考えます。
 県としては、高齢化の進展に伴う医療需要の変化等、中長期的な状況や見通しはコロナ禍にあっても変わらないことから、地域医療構想における必要病床数等の基本的な考え方を維持しつつ、新興、再興感染症の発生等に柔軟に対応できる医療提供体制の構築に向けた検討を進めるとともに、その実現に向け、引き続き国に対し要望を行ってまいります。
 次に、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会における国への提言内容についてでありますが、知事の会では、令和3年6月9日に構成県12県により令和3年度提言決議を行ったところでありますが、決議の場において各県知事からは、地域における医師の絶対数の不足を訴える声が多く寄せられました。一方で、国においては、議員御指摘のとおり、令和5年度以降については、将来的な医学部定員の減員を前提として臨時定員数の削減を図るほか、恒久定員内に5割程度の地域枠を設定しても地域で医師が十分に確保できない場合にのみ、臨時定員の設定を認める方向で議論が進められているところです。
 これらの現状と動向を踏まえ、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会の令和3年度提言では、医学部臨時定員増の延長と、ひいては臨時定員増の医師養成数を恒久的な措置としていくこと、及び地域枠の設定状況によらず、臨時定員増を積極的に認めること等を盛り込みました。
 また、医師の働き方改革の推進に当たっては、地域による医師確保、偏在対策の着実な進展を前提に一体的に進めるよう、あわせて提言を行っているところです。
 引き続き、医師少数県や同じ問題意識を有する医療関係団体等と連携して、実効性のある医師不足、医師偏在対策の実現を目指して、国に対し強力に要望、提言を行ってまいります。
 次に、県内の医療体制と医師配置のあり方についてでありますが、本県では、医療法の規定に基づき、地理的条件、交通事情等の社会的条件を考慮して九つの二次医療圏を設定し、一般の医療需要及び脳卒中など速やかに受療する必要がある疾病については、圏域内で完結できる体制整備を進めてきたところであります。
 また、限られた医療資源を有効活用し、安定的かつ持続的な医療を提供するために、例えば、周産期医療においては、二次医療圏によらず、県内四つの医療圏を設定し、分娩リスクに応じた医療提供体制の構築を図ってきたところであります。
 県では、深刻な医師不足、地域偏在の中にあって、高齢化の進展に伴う疾病構造の変化などによる将来の医療需要を見据えて、引き続き、奨学金による医師養成や即戦力医師の招聘等による医師の確保と養成医師の適切な配置などを進め、県民の皆様が、地域社会の中で安心して医療を受けることができる体制の確保に取り組んでまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔企画理事兼環境生活部長石田知子君登壇〕
〇企画理事兼環境生活部長(石田知子君) 改正前の動物愛護管理法に基づく指導の実態と対応状況についてでありますが、県では、県内の動物取扱業者に対し、年1回以上の立入検査を実施することとしており、令和元年度は255の業者に対し、延べ268回の立入検査を実施したところです。この立入検査においては、主に衛生管理に関する指導等を通じて改善を促しており、勧告や措置命令等の行政処分に至る事案はなかったところです。
 令和2年6月に、関係する規定により施行された動物愛護管理センターについては、各広域振興局と中核市である盛岡市がその業務を担っており、また、設置が義務化された動物愛護管理担当職員については、今年度、県では58名、盛岡市においては5名をそれぞれの条例に基づき配置しております。
 また、同様に施行された所有者不明の犬、猫の引き取りを拒否できる場合への対応については、現時点で、県で引き取りを拒否した事案はなかったところです。
 今後においても、改正法の趣旨を踏まえ適切に対応してまいります。
 次に、多頭飼育の現状と課題等についてでありますが、多頭飼育問題は、多数の動物への影響だけでなく、飼い主自身の生活状況や周辺の生活環境への影響があることから、近年、報道やSNSで取り上げられるなど社会的な問題となっております。
 本県においても、これまで、適切な餌やりや繁殖制限が行われず管理不能となるなど多頭飼育に起因する事案について、地域住民や福祉部局から相談が寄せられており、必要に応じて、市町村等との関係機関や動物愛護ボランティアなどと連携、協力し、対応してきたところです。
 問題が深刻化する前に早期に発見、把握し、対策を講じることが重要であることから、県としては、国の多頭飼育対策ガイドラインに基づき、福祉部局や専門家、動物愛護ボランティアなどの官民を超えた多様な主体、関係者との連携を図りながら、取り組みを進めてまいります。
   〔政策企画部長石川義晃君登壇〕
〇政策企画部長(石川義晃君) 県の施策に関する県民意識調査の分析と評価についてでありますが、県では、岩手県総合計画審議会に、県内外の有識者による県民の幸福感に関する分析部会を設け、県の施策に関する県民意識調査で把握した県民の幸福に関するさまざまな実感を分析しています。
 令和3年県の施策に関する県民意識調査の結果につきましては、現在、この分析部会で分析しているところですが、主観的幸福感の回答割合を見ると、幸福と感じると回答した人の割合は55.4%であり、対前年比で0.8ポイント減少しています。また、幸福と感じないと回答した人の割合は16.1%、対前年比で1.5ポイント減少しており、分野別実感と合わせ要因を分析することとしております。
 次に、つながりに関する設問については、県民の幸福に関するさまざまな実感の分析に活用するために設けており、本年の調査結果を見ますと、つながりに係る実感の高さと主観的幸福感との間に相関関係が見られるほか、分野別実感のうち、地域社会とのつながりや、歴史・文化への誇り、地域の安全などとの相関が高くなっており、今後、調査結果の要因分析に生かしてまいります。
   〔ふるさと振興部長熊谷泰樹君登壇〕
〇ふるさと振興部長(熊谷泰樹君) まず、4広域振興局体制移行後の成果についてでございますが、いわて県民計画などこれまでの計画の取り組みにより、県民所得の向上や雇用環境の改善、圏域間の格差については、いずれも向上、改善してきております。
 1人当たり県民所得は、平成22年度から直近の平成30年度まで9年連続の増加となっているほか、県内の有効求人倍率も、平成22年度から平成30年度まで9年連続で上昇しており、また、平成25年度以降はいずれも1.0を超えるなど、雇用環境の改善が継続しています。
 また、各圏域間の格差について、県央、県南広域振興圏と県北、沿岸広域振興圏の市町村民所得を比較すると、各年度の市町村平均を100とした水準では、平成22年度に、県央で111、県南で96.8、沿岸で88.1、県北で89.8であったものが、平成30年度には、県央で104、県南で97.7、沿岸で98.5、県北で94.5となっており、その差は縮小しております。
 次に、地域の特色ある取り組みを展開するための体制構築についてでありますが、広域振興圏における地域振興に当たっては、それぞれの地域が置かれている状況や地域資源の特性をしっかりと捉え、地域の強みを伸ばし弱みを克服する施策を講じることが重要であると認識しております。
 このことから、各広域振興局においては、圏域の各分野を代表する方々で構成する圏域懇談会を設置し、継続的に意見交換を実施するなど、県民、企業、NPO、市町村など地域社会を構成するあらゆる主体とともに、それぞれの圏域の目指す姿を共有しながら、独自性や機動性を発揮した取り組みが一層展開できるような体制の構築を図ってきたところでございます。
 今後におきましても、地域のさまざまな資源や技術、ノウハウ、人材などを最大限に生かした広域的な地域づくりを進めていく考えであります。
 次に、政策調整会議の開催と市町村と県の組織のワンフロア化についての実績等についてでありますが、政策調整会議は、二重行政の解消や市町村と県との協働、連携の推進を図ることを目的として、平成21年度に県南広域振興局にモデル会議を設置いたしました。
 平成22年度には各広域振興局に設置し、県、市町村、民間が連携して取り組む分野等の中から6事務、具体的には、コミュニティー振興、観光宣伝、有害鳥獣捕獲、生活保護、家庭児童相談、河川管理を選定し、県と市町村との役割分担を検討いたしました。
 会議の成果として、観光宣伝、有害鳥獣捕獲、河川管理について、実施方法の見直し、連携、協働の促進などが図られたと考えております。
 なお、政策調整会議は、東日本大震災津波の復旧、復興への対応等により平成22年度までの開催となっておりますが、その後も、広域振興局と市町村長との意見交換会、首長懇談会や事務レベルでの各種会議等を通じて、継続して県と市町村の施策、事務事業の情報共有、連携強化等に取り組んでおります。
 次に、市町村と県の組織のワンフロア化についてでございますが、現在、県北広域振興局の二戸地区合同庁舎に二戸市の土木部門が入居するなど、県内3合同庁舎に所在市の一部組織が入居し、市町村と連携しながら住民サービス向上に取り組んでいるところでありいます。
 次に、行政と民間で構成する各種会議や市町村長との意見交換の評価と課題についてでありますが、各広域振興局においては、これまで、地域の実情を把握し、また、地域からの声を県政に反映させるため、県民、企業、NPOの代表者などで構成する圏域懇談会を開催してきたほか、市町村長との懇談会等を通じ、市町村の意見等の把握に取り組んでまいりました。
 例えば、盛岡広域振興局では県央広域振興圏経営懇談会、県南広域振興局では県南広域振興圏地域協働委員会を設置し、産業振興、防災、教育などの分野に精通する方々から、それぞれの分野における課題やニーズなどをお伺いしながら、広域振興局のさまざまな施策や事業に反映させております。
 具体的には、県南広域振興局においては、有害鳥獣被害対策のための取り組みを強化してほしいといった地域の意見を踏まえ、地域経営推進費を活用し、今年度から新たに、捕獲の担い手確保等を目的とした野生鳥獣の被害対策を支援する事業を実施するなど、地域に密着し、機動力ある体制で取り組みを推進しています。
 今後とも、引き続き、さまざまな機会を捉え、市町村長を初め、圏域を構成するあらゆる主体の方々と意思疎通を図りながら、市町村との連携を重視し、ふるさと振興に取り組んでまいります。
 次に、県北・沿岸振興における産業振興施策の推進についてでありますが、平成22年4月に4広域振興局体制がスタートした際、経営企画部に産業振興課を設置するとともに、沿岸、県北広域振興局管内の地域振興センターに産業振興を担う地域振興課を設置し、産業人材の確保、育成や地域特性を生かした産業の振興、外国人観光誘客の拡大を含めた観光振興などに取り組んできたところであります。
 その後、東日本大震災津波からの復旧、復興への対応のため、沿岸、県北の広域振興局に復興推進課を設置するなど、状況の変化に応じて職員の重点配置に努めているところであります。
 また、平成30年度には、各広域振興局の経営企画部に産業振興室を設置し、本庁の商工労働観光部との連携強化を図るなど、体制を充実させてきたところであります。
 今後とも、復興の進展やコロナ禍の状況を踏まえつつ、引き続き、沿岸、県北を初め、各広域振興局における産業振興体制について、必要な検討を行ってまいります。
 次に、広域振興局と異なる圏域が設定されている業務の円滑な運営についてでございますが、広域振興圏と異なる所管区域となっている保健所や農業改良普及センターの運営につきましては、それぞれ区域が異なる広域振興局との連携により、円滑に業務を推進しております。
 例えば、医療法等に基づいて県内を九つの区域に設定している保健所におきましては、市町村等の関係機関との情報共有や連携を図りながら業務に当たっているところであります。今般の新型コロナウイルス感染症への対応に関しましても、特定の区域に陽性者が多数発生した際に、他の区域の職員を応援に派遣するなど、広域振興局の強みを生かした調整がなされたと考えております。
 今後におきましても、異なる圏域が設定されている業務について、それぞれの目的や性格を十分踏まえ、組織全体が円滑に運営できるよう取り組んでまいります。
 次に、広域振興局体制に係る課題についてでございますが、人口減少、少子高齢化が進行する中、地域が置かれている状況や地域資源の特性をしっかり捉え、各圏域が持つ強みを伸ばし、弱みを克服する施策を講じることが必要と考えております。
 また、本県ならではの付加価値の高い産業構造をつくり上げ、県民生活を支える豊かな地域産業の基盤を強化していくことが重要と認識しております。そのためには、地域のさまざまな資源や技術、ノウハウ、人材などを最大限に生かし、広域的な地域づくりを進める必要があります。
 こうした認識のもと、いわて県民計画(2019〜2028)に基づき、4広域振興圏ごとの特性や地域資源を生かした施策、長期的な視点に立って、新たな価値の創造など先導的な取り組みとなる北上川バレー、三陸、北いわての三つのゾーンプロジェクトを推進することとしており、各プロジェクトの成果が他地域にも波及し、県全体の発展につながるよう取り組んでまいります。
 次に、県南広域振興局と県北、沿岸広域振興局の域内循環、滞留施策についてでありますが、県南地域においては、ものづくり産業を中心に企業の集積が進んでいる中で、これらの企業と地場企業の結びつきをさらに強め、一層の産業集積を進めることなどにより、地域や県全体の経済を牽引していくことが重要と認識しております。
 また、県北、沿岸地域においては、人口減少が進行している中で、企業誘致を初め、すぐれた地域資源や新たな交通ネットワークなどの社会資本を最大限に生かし、食産業や農林産業など地域産業等の振興を図る等により、復興とその先を見据えた地域経済の基盤強化を進めていく必要があると認識しております。
 こうした考え方のもと、例えば、県南地域におきましては、誘致企業と県内企業とのビジネス交流会の開催等による現地調達率向上に向けた取り組み、県北地域におきましては、地域で発電された電力を地元企業を通じて地域に供給する再生可能エネルギーの地産地消の取り組み、沿岸地域においては、食をテーマとした御当地グルメイベントの開催による域内の好循環の創出に向けた取り組みなど、各広域振興圏の特徴を生かしながら地域産業の活性化を推進してまいります。
 次に、ドローンの活用であります。
 本県では、いわて県民計画(2019〜2028)において、科学の振興を八つの政策分野を支える社会基盤に位置づけるとともに、岩手県科学技術イノベーション指針においては、次世代ものづくりや農林水産業高度化など科学技術の展開が期待される分野を掲げ、新たな価値の創造や地域課題の解決を図ることとしております。
 こうした中、ドローンは、画像取得や輸送、データ計測等にすぐれた性能を有し、本県においてもこれまでに、防災における被害調査訓練や野生鳥獣による農作物の被害対策、測量、調査設計など多岐に活用しておりますが、その活用の可能性は大きいものと認識しており、令和元年度から岩泉町をフィールドに、中山間地域における買い物困難者の新たな物流手段としての実証実験や、林業の精密な資源調査への活用等の検討を進めているところでございます。
 今後、ドローンは、飛行距離の延伸や自動飛行等、技術革新が一層進むとされており、物流や農林水産業、防災、インフラ点検などさまざまな分野においてさらなる活用が期待されることから、引き続き、ドローン関係団体や産学官金関係者で構成される、いわて未来技術社会実装推進会議等で活用方策等について検討を進め、産業の振興や生活の利便性の向上、地域課題の解決に向けて取り組んでまいります。
   〔保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇保健福祉部長(野原勝君) まず、本県の医師の働き方改革への対応についてでありますが、医師の働き方改革の推進に当たりましては、医療関係団体及び自治体等が医師の働き方についての課題を共有し、協働しながら取り組む必要がありますことから、令和元年11月に、関係14団体で構成する医師の働き方改革の推進と地域医療を守るネットワークいわてを設置したところであります。
 このネットワークでは、医師の働き方改革に対応するための医療機関の取り組みと多様な主体による地域医療を支えるための取り組みの共有を図るため、医師の働き方改革と医療提供体制の確保の両立をする上での課題や、取り組み手法の共有を図る会議の開催や、医師の働き方改革の制度に関する研修会の実施などの取り組みを行っております。
 また、県では、医療従事者の勤務環境を改善するため、岩手県医療勤務環境改善支援センターを設置し、社会保険労務士等のアドバイザーや研修講師の派遣、勤務環境改善に資する設備整備への補助などの支援のほか、医療機関が実施する医療クラークの配置などの医師の労働時間縮減に向けた取り組みを支援しています。
 こうした取り組みに加え、医師の働き方改革に対応するためには、地域における医師確保、偏在対策の着実な進展が前提となることから、岩手県医師確保計画に基づく施策と一体的に取り組むとともに、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会におきまして、国に対しても具体的な提言を行い、本県の医師の働き方改革を推進してまいります。
 次に、難病患者への新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の対応についてでありますが、国は、ワクチン接種について、医療提供体制確保の必要性や重症化リスクの大きさなどを踏まえ、医療従事者、高齢者、基礎疾患を有する方、高齢者施設等の従事者、そのほか一般住民の接種順位を示しておりまして、県としても、引き続き、リスクの高い方々への接種は早期に進められるべきものと考えております。
 また、難病患者等基礎疾患を有する方については、病状の悪化や疾病の種類によって医学的判断を要する場合もあることから、ふだんから診療等を行い病状等を把握しているかかりつけ医に相談等を行い、接種することが望ましいと考えています。
 県内には指定難病患者の方が約1万人いらっしゃり、その約半数は65歳以上であることから、まずは、今月末までの高齢者のワクチン接種完了に向け総力を挙げて取り組むことが、当面の対応と考えております。
 さらに、今後本格化する64歳以下のワクチン接種において、基礎疾患のある方の優先接種が始まりますが、リスクの高い難病患者の方々は、かかりつけ医等への相談のもと、速やかな接種が望ましいと考えられることから、そうした趣旨について、市町村等への周知などを図りながら、岩手県難病・疾病団体連絡協議会など関係団体とも連携して、円滑な実施に向けて取り組んでまいります。
   
〇副議長(中平均君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時48分 休 憩
   
出席議員(47名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 上 原 康 樹 君
3  番 小 林 正 信 君
4  番 千 葉   盛 君
5  番 千 葉 秀 幸 君
6  番 岩 城   元 君
7  番 高橋 こうすけ 君
8  番 米 内 紘 正 君
9  番 武 田   哲 君
10  番 高 橋 穏 至 君
11  番 山 下 正 勝 君
12  番 千 葉 絢 子 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 田 村 勝 則 君
15  番 佐々木 朋 和 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 岩 渕   誠 君
20  番 名須川   晋 君
21  番 佐々木 宣 和 君
22  番 臼 澤   勉 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 吉 田 敬 子 君
27  番 高 橋 但 馬 君
28  番 小 野   共 君
29  番 軽 石 義 則 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 小 西 和 子 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
41  番 関 根 敏 伸 君
42  番 佐々木 順 一 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 岩 崎 友 一 君
45  番 工 藤 勝 子 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 勝 博 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(1名)
40  番 五日市   王 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後4時13分再開
〇副議長(中平均君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。上原康樹君。
   〔2番上原康樹君登壇〕(拍手)

前へ 次へ