令和3年6月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇27番(高橋但馬君) いわて新政会の高橋但馬です。
 このたびの6月定例会において11回目の登壇の機会を賜り、先輩、同僚議員の各位に心より感謝申し上げ、通告に従い質問させていただきます。
 初めに、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種について伺います。
 今月9日の党首討論において菅首相は、ワクチン接種が必要な国民について、10月から11月にかけて全て終えることを実現したいと表明しました。そのとおり実現するためには、大規模接種や集団接種をうまく取り入れて進める必要があると思います。
 岩手県では、市町村が担うワクチン接種の加速化を図るため、6月1日に新型コロナウイルスワクチン接種・市町村支援チームを設置し、市町村支援チームが県医師会に駐在し、医師、看護師の広域的な派遣調整や市町村の接種体制構築のコーディネートに取り組んでおります。また、市町村が実施する高齢者向けワクチン接種を補完するため、6月19日には高齢者を対象とした岩手県新型コロナウイルスワクチン集団接種会場を設置し、7月末までの週末に県内2カ所において集団接種を実施することにしました。
 先日北上市において、余分に充填した接種31回分のワクチンを廃棄した事案がありましたが、集団接種においてキャンセルが発生した場合に、どのように対応するのかお伺いします。
 また、ワクチン接種を必要とする県民について、全てを終えるよう懸命に努力されていることに心から敬意を表しますが、菅首相の表明どおり、10月から11月にかけて、必要とする全ての県民がワクチン接種を終えるとの目標に対する知事の所感を伺います。
 5月の全国知事会において、川勝静岡県知事が接種の順番について、感染対策として有効な接種の順序、例えば、基礎疾患のある方などを最優先にする。現在の感染者の多くが20歳代、30歳代の若者が多いことを踏まえて、この世代からの接種をすることを勧奨するなど、国の専門の意見を取り入れるべきでしょうと言及しました。また、新型コロナウイルス感染症のワクチンの接種について、東京新宿区では7月上旬から、20代から30代の若者から優先的に集団接種を始めることになったという報道もありました。
 6月27日現在の岩手県の年代別陽性者を見ると、10歳未満93人、10代121人、20代306人、30代246人、40代239人、50代219人、60代164人、70代122人、80代103人、90歳以上54人と、200人以上を示す20代から50代が全体の6割以上を占めており、経済活動による移動を伴う人々が罹患していることがわかります。
 このことからも、県としても65歳以上と医療従事者のワクチン接種の完了後、罹患の割合が多い年代からワクチン接種を行うべきと考えます。今回の集団接種の対象を18歳以上65歳未満の一般住民に拡大するとの県の取り組みについては評価するものであります。若年層のワクチン接種のさらなる促進に向け、県は市町村とどのように連携し取り組んでいくのか伺います。
 次に、ツキノワグマの被害対策について伺います。
 本県の直近5年間のツキノワグマの出没件数を見ると、平成28年度は3、070件で、以降3年間は2、000件台後半で推移していましたが、全国で熊の目撃情報が相次いだ令和2年度は3、316件と、直近5年間で過去最高の出没件数であり、本県の人身被害は全国最多の27件、29名となりました。また、今年度におけるツキノワグマの出没件数も例年に比べて多く、5月には八幡平市で山菜とりの女性が熊に襲われました。5月末日現在の出没件数は575件と、過去5年間の平均526件を上回るペースとなっています。
 一方、令和2年の許可捕獲数について東北各県を比較すると、本県の459頭に対し、福島県852頭、山形県621頭、秋田県608頭と格段に多くなっています。特に秋田県については、平成28年度の死亡事故を受けて、従来は自然保護の観点から捕獲数を抑制していたものを有害捕獲数の強化に転じ、平成29年度は793頭、平成30年度は410頭、令和元年度は533頭に引き上げられたと聞いており、その効果か、人身被害の状況についても、令和元年度14件、令和2年度は8件となっております。
 本県の人身被害が全国最多という状況を踏まえ、人と熊のあつれきを解消するためにも、許可捕獲数の引き上げを行うべきと思いますが、県の考えを伺います。
 環境省は、令和2年10月30日付でクマ類による人身被害防止等に係る取組の徹底について、都道府県宛てに通知を発出しております。熊類の出没時の広報体制、出没に対する注意喚起や出没防止対策の実施など5項目について取り組むようにするという内容であります。
 環境省のホームページに掲載されているクマ類の生態と現状によると、里地における変化としては、過疎化や高齢化による人間活動の低下、耕作放棄地の拡大、放任果樹の増加等があり、その中でも人間活動の低下が最も直接的な要因として上げられております。特に過疎化、高齢化が進行している中山間地域の里地では、集落内で活動する人の数も減少し、こうした人間活動の低下が熊類の警戒心を低下させ、里地付近での出没件数を増加させる要因となっております。
 また、1990年代以降の耕作放棄地の拡大において、やぶやヤマブドウ等のつる植物の液果類が増加し、こうした植物の増加が熊類の行動を変化させる可能性があります。例えば、やぶはその面積が増加することで熊類にとっては隠れ場所が集落近くにふえ、人目につかず集落周辺を移動できるようになります。山間地の過疎化と生活様式の変化に伴い、里山に人の手が入らなくなったこともあり、熊類が人里近くで生息しやすくなったのではないでしょうか。
 熊を保護する管理の上では、捕獲に頼るだけではなく、里山の手入れ等に取り組むことで人と熊のすみ分け、共生を図る必要があると考えますが、改めて人と熊類との共存の実現に向けた今後の取り組みについて伺います。
 次に、いわて旅応援プロジェクト事業について伺います。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を抑制しつつ、感染症の影響により需要が落ち込んでいる観光業やお土産物店等を応援するいわて旅応援プロジェクト事業は、宿泊43万人泊、日帰り6万人の予算を確保しておりましたが、県のこれまでの集計によると、宿泊施設約17万人泊、旅行会社約1万5、000人となっています。事業期間も8月22日まで延長されたので、今後の夏休み期間中も含め利用者数が伸びることが期待されています。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、いわて旅応援プロジェクト事業が一時停止する場合の基準は、直近1週間の新規陽性者数が10万人当たり15人を超えた時点とされ、また、変異ウイルスの感染者の増加など、数日で10万人当たり15人を超える状況が予測される場合にあっても一時停止になるということは、4月26日に開催された岩手県新型コロナウイルス感染症対策第32回本部員会議で示されています。その後、ゴールデンウイーク最中の5月7日にその数値が過去最大の12人まで上昇しましたが、6月28日現在、2.8人で推移しているところであります。
 また、事業が一時停止した場合、国のスキームでは、前売り宿泊、旅行券を活用した県民割への支援について示されており、地域観光事業支援の対象となる県民割の方式については、あらかじめ宿泊、旅行券を宿泊施設、旅行会社等で販売し、宿泊代金、旅行代金の一部を前払いする方式が本支援の対象となることが明確化しました。これは、複数の都道府県から問い合わせがあった方式であり、今回の措置により、都道府県において地域の実情に合わせたより柔軟な制度設定が可能となるものであります。
 県では、事業が一時停止になった場合の再開基準についてどのように考えているのか伺います。
 また、県では、前売り券の考え方と準備についてどう考えているのかお示しください。
 観光庁では、各都道府県が行う宿泊事業者が感染拡大防止策の強化等に取り組む際の費用について、地域観光事業支援の措置を追加する形で財政的に支援し、一定の要件を満たした事業については、既に支払い済みの費用についても補助対象とすることを認めることにしています。補助率は各施設における事業費の2分の1を上限とし、最大500万円までの支援を可能とし、各都道府県が地方創生臨時交付金等を活用して連携補助を行うことを認めることとしています。
 他県の状況を見ると、設備等の対象品目は換気設備、サーマルカメラなどの備品、衛生資材等はアクリル板、パーテーションなどとなっています。宮城県では、客室数で区分し、設備は3分の2、衛生資材等は2分の1を補助、福島県では、同じく客室数で区分し、設備等には補助金を4分の3、衛生資材等には5分の4と事業者負担を軽減しています。
 今回、岩手県では上限500万円としました。宿泊事業者にヒアリングをすると、この制度に対しては、現状で現金が入ってこない中で過去に遡及して2分の1が補助されるという、非常に期待できるありがたい制度とのことでありました。
 他県では、ワーケーションで疲れたときのゲーム機も対象範囲に含めたという話も聞きますが、ぜひとも要項に明記されているもののみだけではなく、対象品目の柔軟な対応をお願いしたいと思いますが、県の見解をお伺いします。
 次に、電子県庁について伺います。
 令和元年の決算特別委員会において、電子県庁の運営費について質問しました。電子県庁運営費に占めるオンラインシステムの運営費と行政情報ネットワーク運営管理費委託費の割合が全体の約75%を占め、委託費の割合が下がった要因の一つが、県と市町村が共同でインターネットの通信監視を行う岩手県情報セキュリティークラウド運用経費の増加であるとの答弁でありました。今回の電子県庁運営費の補正要求内容を見ると、県と市町村が共同利用している岩手県セキュリティークラウドの移行費とのことであります。
 コロナ禍の中、リモートワークも提唱されており、平成27年に発生した日本年金機構の個人情報流出事案を背景に、標的型メール攻撃などいわゆる不審メールに対し、総務省の自治体情報セキュリティー対策検討チームは地方自治体に対して、自治体情報セキュリティー対策の抜本的な強化を求めています。職員に対する研修、パソコンの管理へのセキュリティーに関しどのように考え、また、平成29年度より運用している岩手県情報セキュリティークラウドのさらなるセキュリティー強化と経費削減など、県の情報セキュリティークラウドの運用に関する方向性についてお示しください。
 次に、木材価格の高騰対策について伺います。
 昨今の報道を見ると、木材価格の高騰、いわゆるウッドショックが起きています。1990年前半にアメリカで環境保護のために森林伐採の規制が強化され、供給が落ち込んだことが原因で木材価格が高騰したのが第1次ウッドショック、第2次ウッドショックは2000年代半ば中国などで消費が高まる中、インドネシアで違法伐採が進んだことに伴う伐採制限による木材価格の上昇、そして今回が第3次ウッドショックとなります。
 御承知のとおり、日本の国土の約70%が森林です。その森林大国日本において持続可能な資源である森林は、現在、利用可能な伐期適齢期であり、これらの木材利用が拡大されるべき時期にあると考えます。それが、このコロナ禍の影響で、アメリカなどでもテレワークの普及や超低金利ローンにより戸建て住宅の需要が高まりました。また、中国でも住宅市場が活況となり、木材の買い占めが進んでいることや、アメリカや中国がコンテナ確保に動くことで、日本にコンテナが回ってこないという事態が起きています。
 県では、このような現状をどう捉え、県内の利用木材の確保に向けてどのように取り組んでいるのか伺います。
 日本は国内の森林から収穫された木材を利用するより、海外から輸入したほうが安価に調達できることから、これまで住宅業界で使用する木材の多くを輸入に頼ってきました。
 このような事情の中、ウッドショックが発生し外材が手に入らない状況となっており、アメリカ産のツー・バイ・フォー材の日本における1立方メートル当たりの単価はふだんの取引価格が四、五万円だったものが、5月に9万5、000円、6月に11万5、000円、7月の価格予測は13万5、000円と日増しに上昇し、このままだと15万円台まで行くと予想され、国産材の供給も追いつかず単価が上昇しています。
 岩手林業新報の記事には、ある国産材製品の出荷者は、外材に引っ張られてという形だが、製品価格が上昇するのはいいことだ。今までの製品価格が安過ぎたのだと思うと掲載されておりました。県は、このような状況をどう捉えているのでしょうか。
 県産材を使った住宅の新築、リフォームを応援する県のいわて木づかい住宅普及促進事業の申請件数は、5月10日から申請受け付けを開始し、6月25日現在で住宅新築45件、リフォーム4件と好調のようです。
 ウッドショックだからこそ県産材に注目し、利用の促進を図っていく必要がありますし、これを契機として、植える、手入れ、切る、製材という森の循環を生み出すことは重要だと考えますが、御所見を伺います。
 次に、スポーツクライミングの選手育成について伺います。
 県では、スポーツクライミング施設について、平成9年度のボルダリング練習場の整備を皮切りに、平成18年度にボルダリングルーム、平成25年度には希望郷いわて国体山岳競技リード種目の会場となるリード競技場、平成29年度にスピード競技場、令和元年度に新屋内外ボルダリング競技場と順次整備を進めてきました。
 このような3種目に対応した施設は、東京都、鳥取県、愛媛県、岩手県と全国に4カ所しかありません。東京都以北では岩手県のみであり、季節によっては他の競技施設よりも有利に競技大会が開催されることが期待されます。
 当施設では、平成30年と令和2年にも大規模イベントが開催された実績があります。今月18日から19日にかけてスポーツクライミング第4回コンバインドジャパンカップ盛岡及びスポーツクライミングJMSCAスピードジャパンオープン盛岡大会では、新型コロナウイルス感染症の影響で初日は無観客、2日目は有観客でしたが、約50人の観客の入れ込みであり、交流人口として期待するにはもう少し時間がかかるのかもしれません。
 今大会の成績は、女子、野口啓代選手、男子は楢崎智亜選手の東京2020オリンピック代表選手勢が制しました。本県出身の伊藤ふたば選手は、残念ながら6位に終わりました。また、令和元年に開催された茨城国体スポーツクライミング競技における成年、少年男子の2種別入賞や、希望郷いわて国体以来の出場となった成年女子の金澤、立花組のボルダリングで東北予選1位、本大会では入賞に迫る登りだったと聞いております。
 今後は、このような選手や伊藤ふたば選手のように、全国、世界で活躍する競技者を全国屈指の施設を有する岩手県から育てていかなければならないと思います。今大会を振り返りながら、今後の選手育成について知事の所感を伺います。
 次に、岩手県公共施設等総合管理計画について伺います。
 県では、これまでの社会情勢や県民のニーズに対応するため、多くの公共施設等を建設してきておりますが、これら施設等は老朽化が進み、今後、大規模修繕や更新の時期を迎え、試算の結果、30年間で公共施設が7、070億円、インフラ施設が1兆5、112億円という多額の費用が見込まれ、加えて、人口減少や社会保障費の増加などにより、厳しい財政状況が見込まれることから、これらの課題への対応のため、平成28年3月に岩手県公共施設等総合管理計画を策定し、公共施設等のマネジメントを推進することとしております。
 この計画における公共施設の管理に関する基本的な考えでは、コスト縮減、財政負担の平準化、施設の規模、配置機能等の適正化、安全・安心の確保の三つの方針を掲げ、具体的な取り組みの方針の一つとして、令和2年度までに全部局等において個別施設の計画を策定することとされておりましたが、その策定状況はどうなっているのでしょうか。また、施設の計画的な更新、長寿命化、財政負担の軽減、平準化に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所感を伺います。
 次に、県庁舎等への屋外分煙施設の設置について伺います。
 昨年12月3日付の新潟県の長岡新聞に、長岡市立東北中学校3年、磯野美里さんの作文が載っていました。この作文は全国納税貯蓄組合連合会と国税庁が募集し、見事優秀賞を受賞したのですが、その作文の一部を紹介します。
 今まで私は、たばこはなくなればいいと思っていました。吸う人もそばにいる人も健康を害して、全くいいところがないと考えていたからです。ですが、今回の作文を書いたことで、私たちの快適で不自由のない今の生活を支える税金の中にはたばこ税も多く含まれていることがわかりましたという内容です。
 健康増進法の一部を改正する法律が昨年4月に全面施行され、学校、病院、官公庁などの第一種施設は原則、敷地内禁煙となり、岩手県庁も同様となったことから、屋外にあった喫煙所は撤去され、県庁来訪者や職員の喫煙場所はなくなりました。喫煙場所を失った職員は、昼休みに庁舎敷地外で喫煙している姿が見受けられます。
 新聞報道によると、職員が集まって喫煙しているなどの苦情が数件寄せられたため、人事課は全職員に、職務専念義務の徹底や近隣店舗、施設などで迷惑行為を慎むよう通知を発出するなど、受動喫煙防止の徹底に努めるとのことでありました。周辺住民等から、受動喫煙が心配との声もあり、県としての対策が求められる状況になっています。
 私は、これらの状況を見て、受動喫煙防止対策強化をどう考えるかだと思います。喫煙場所の撤去によりたばこを吸う人が吸う場所を失い、敷地外で吸うことで県民の受動喫煙の危険を高めかねないといった現状を解決することにあると思います。いわゆる分煙対策をどうするかということであります。
 健康増進法の一部を改正する法律の例外的な対応策として、厚生労働省令に基づく4条件、1、第一種施設の屋外の場所であること、2、管理権限者によって禁煙場所と区画されていること、3、喫煙場所を記載した標識の掲示がされていること、4、施設の利用者が通常立ち入らない場所に設置することを満たす場合は、第一種施設の敷地内であっても特定屋外喫煙場所を設置することが可能となります。
 また、令和3年1月20日付総務省自治税務局通知には、令和3年度税制改正の大綱の閣議決定を受け、健康増進法も踏まえ、望まない受動喫煙を防止するためには、公共の場所における屋外分煙施設の設置等を考えられ、こうした取り組みは今後の地方のたばこ税の継続的かつ安定的な確保にも資すると見込まれ、屋外分煙施設等のより一層の整備を図るために積極的に地方のたばこ税の活用を検討していただきたいとの内容もありました。
 そこで伺います。令和元年度の県と市町村を合わせた地方たばこ税の税収は100億9、000万円余となっております。葉たばこの農家を多く抱える県の立場、たばこ税を納める県民の立場、そして、受動喫煙を懸念する県民の命を守るためにも、地方たばこ税を活用し、県庁舎等に特定屋外喫煙場所の要件を備えた屋外分煙施設を設置するべきと考えますが、県の御所見を伺います。
 次に、第2次岩手県地球温暖化対策実行計画について伺います。
 主要20カ国・地域首脳会議が昨年11月21日と22日の2日間、新型コロナウイルス感染症の流行を受け、史上初めてテレビ会議形式で開催されました。会合に出席した菅首相は、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現を目指す決意を改めて表明し、また、積極的な温暖化対策は経済の変革、成長につながるとして、経済と環境の好循環を成長戦略の柱に掲げ、グリーン社会の実現へ向けて努力すると述べました。
 世界的経済誌であるフォーブス日本版に次のように掲載されています。木が再び木材として使われるには50年ほどかかると言われているが、鉄やアルミ、石油などの枯渇性資源とは異なり、使った分を植林し育てることで再生可能資源となる。さらに、光合成によって取り込まれたCO2は一定期間木に固定される。生産と消費のサイクルの違いを前提に、経済的にもバランスをとって森を育ながら使っていくことができれば、サーキュラーエコノミーを実現する上でも鍵になる原材料の一つとなる。
サーキュラーエコノミーとは循環型経済を意味します。本年2月の定例会において、気候変動を食いとめる温室効果ガス排出量の2050年実質ゼロの達成に向け、第2次岩手県地球温暖化対策実行計画において、省エネルギー対策の推進、再生可能エネルギーの導入促進を取り組みの柱に位置づけられていると答弁されております。
 そこで伺います。第2次岩手県地球温暖化対策実行計画に、サーキュラーエコノミーの理念や考え方がどのように盛り込まれ、今後どのような方向性のもとで取り組んでいくのか伺います。
 最後になりますが、県央ブロックのごみ処理施設の整備計画について伺います。
 本年5月21日に、ごみ処理広域化計画の撤回を求める団体の代表10人が盛岡市役所を訪れ、計画撤回の要請書を手渡しました。盛岡広域の八つの市と町の新たなごみ処理施設について、地元住民の団体が計画の撤回を市に要請したものであります。
 盛岡市や八幡平市などの県央の八つの市と町で構成する県央ブロックごみ・し尿処理広域化推進協議会は、ことしの3月に開かれた会合で、盛岡インターチェンジ付近を新施設の整備予定地に選定しましたが、計画の撤回を求める団体は、計画について住民の理解が得られていないとしています。
 新しいごみ処理施設の整備予定地は、整備費用が最も安いことなどから盛岡インターチェンジ付近が選定されたもので、これに対し地元団体は、市の説明が不十分で住民の理解は得られていないとし、再三にわたり計画の撤回を求めてきたと言います。要請を受けた盛岡市は、住民の理解のために真摯に対応していきたいとしています。
 そこで伺います。県が平成11年に岩手県ごみ処理広域化計画を策定し、この計画で岩手県内を六つに分け、その一つに県央ブロックを位置づけたものですが、県は、県央ブロックのごみ処理施設の整備計画の現在の状況をどう認識し関与していくのかをお伺いし、以上で私の一般質問とさせていただきます。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 高橋但馬議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、ワクチン接種の見通しについてでありますが、6月18日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2021、いわゆる骨太の方針において、新型コロナウイルスワクチン接種を希望する全ての対象者への接種を、本年10月から11月にかけて終えることを目指すこととされたところです。
 当初、政府で示していた令和4年2月末からの大幅な前倒しとなり、限られた医療資源のもとで接種を加速させるためには、接種促進のための取り組みの強化が必要になります。
 県としては、県民の皆様が一日も早く安心して生活ができるよう、市町村が一般接種を迅速に進められるよう支援していくとともに、県が実施する集団接種の継続及び拡充や、医療機関による個別接種の促進等に取り組むこととし、本定例会において補正予算案を追加提案する準備を鋭意進めております。
 次に、スポーツクライミングの選手育成についてでありますが、東京2020オリンピックを目前に控えたこの時期に、国内トップ選手によるコンバインドジャパンカップ及びスピードジャパンオープンが開催され、大会2週間前からの検温や、選手を初め関係者と観客全員のPCR検査陰性結果の提示など、徹底した感染対策を講じて行われました。
 入場者数の制限を行った中、インターネット配信の総アクセス数は9万件を超え、全国や国際競技団体の関係者からは、大会運営を初め、3種目実施可能な競技施設や県競技団体、県及び盛岡市の地元の協力体制についても高く評価いただき、クライミングの岩手、盛岡をアピールできたものと考えております。
 大会では、東京2020オリンピック代表選手が実力どおりの力を発揮しました。本県の伊藤ふたば選手は6位と健闘し、今後のさらなる活躍が期待されるところであります。
 また、本大会の結果を見ると、男女とも伊藤選手と同年代の若手選手の活躍が目立つ大会でありました。今後の選手育成については、競技団体と連携を図りながら、全国屈指の競技施設を有効に活用し、国内大会を初め国際大会の誘致活動を進めるとともに、ジュニア層からの競技人口の裾野を一層広げながら、競技レベルに応じたきめ細かい指導体制のもと、育成、強化に取り組むことが重要であると考えます。
 次に、岩手県公共施設等総合管理計画についてでありますが、県の公共施設等は、高度成長期から昭和50年代に集中的に整備されたものが多く、老朽化に伴う改修や更新などに要する経費の増大が見込まれることから、今後より一層公共施設等の計画的な維持管理による長寿命化の推進や、人口動態等に応じた施設規模の適正化を図っていく必要があると考えます。
 県では、岩手県公共施設等総合管理計画に基づき、庁舎や県民利用施設などの公共施設、道路や河川管理施設を含むインフラ施設等の全てについて、令和2年度までに個別施設計画を策定したところであります。
 今年度は、策定した個別施設計画に基づき、施設の長寿命化、維持管理費の平準化などの取り組みを推進するとともに、中長期的なコストのさらなる縮減、財政負担の平準化、施設の規模や機能等の適正化、施設利用者の安全・安心を確保するため、公共施設等総合管理計画の改定を進めてまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部長から答弁させますので御了承をお願いします。
   〔企画理事兼環境生活部長石田知子君登壇〕
〇企画理事兼環境生活部長(石田知子君) まず、ツキノワグマの被害対策についてでありますが、ツキノワグマは、いわてレッドデータブックにおいて、個体群の維持に配慮が必要な野生動物とされ、県ではツキノワグマ管理計画を定めて保護、管理に努めておりますが、近年、人的被害や農林業被害が高い水準で続いております。
 こうしたことから、県は、有害捕獲を行う市町村に対し、人身被害が想定される危急の場合の捕獲許可権限の移譲や、事前に設定した範囲内で捕獲許可事務を簡素化する特例許可を行っております。
 また、生息数調査結果等を踏まえ、捕獲上限数を2年前の375頭より171頭多い546頭に引き上げております。
 本県の熊による人的被害が全国的に見ても高水準にある中で、今後、専門家の意見も踏まえながら、本年度策定する次期管理計画において、個体数管理や被害の防止対策のあり方について総合的に検討してまいります。
 また、共存に向けた取り組みについてでありますが、近年の出没の要因は、耕作放棄地の増加や里山の荒廃などにより、熊が人里近くまでおりてきやすくなっていることや、里山付近に定着した熊がふえたことなどが影響していると認識しております。
 県のツキノワグマ管理計画においては、里山を人と熊の緩衝帯として整備、維持することが重要としており、人里に熊を寄せつけないためのやぶの刈り払いや農作物被害防止のための電気柵の設置などを実施しております。
 こうした取り組みは、地域ぐるみで行うことで大きな効果を発揮すると考えられ、例えば、盛岡市の猪去地区では、地域住民と大学、猟友会、行政が共同で被害防止対策に取り組むことで、熊の捕獲を大幅に減らしております。
 今後も市町村や関係機関と連携し、このような事例紹介や侵入防止柵設置への支援などを通じて、被害防止対策の充実、強化に努めてまいります。
 次に、地球温暖化対策実行計画におけるサーキュラーエコノミーへの取り組みについてでありますが、循環経済、いわゆるサーキュラーエコノミーについては、昨年、経済産業省が循環経済ビジョン2020において、環境活動からの3Rから、経済活動としての循環経済への転換を図るための方向性を示した中で位置づけられており、従来の大量生産、大量消費、大量廃棄の一方通行型の経済にかわる製品と資源の価値を可能な限り長く保全、維持し、廃棄物の発生を最小化した経済であるとしております。
 具体的には、循環性と収益性を両立するような持続可能な経済であり、フリマアプリやカーシェアリング、食品ロスを抑えるAIを活用した自動発注システムなどが挙げられ、従来の3Rからこのようなサービス化を通じて、付加価値を生み出すサーキュラーエコノミーへの移行を進めていく必要が高まっているところであります。
 県では、本年3月策定した環境基本計画において、地域資源の活用による環境と経済の好循環を柱の一つとし、持続可能な生産と消費を実現する社会の構築を推進することとしております。
 また、地球温暖化対策実行計画では、サーキュラーエコノミーの考え方を盛り込んだ循環型社会を形成するビジネス、技術の振興支援を施策の柱に掲げ、具体的な取り組みとして3Rを推進する事業や技術の研究開発支援等を行うこととしております。
 県といたしましては、引き続き3Rの取り組みを着実に進めるとともに、議員から御指摘のありましたサーキュラーエコノミーの考え方も取り入れながら、これら計画の施策推進に当たってまいります。
 次に、県央ブロックのごみ処理施設の整備計画についてでありますが、県では、一般廃棄物の処理を担う市町村と協議し、平成11年に岩手県ごみ処理広域化計画を策定したところでありますが、本年3月、人口減少に伴うごみ排出量の減少などに対応した持続可能な処理体制を確保するため、県内6ブロックを維持した上で広域化計画を改定したところであります。
 県央ブロックにおいては、これまで8市町が広域化に向けた協議や検討を重ねており、先般の協議会において整備予定地が選定されたところであります。
 また、今後事業を進める各段階において、地域への説明や意見交換を繰り返し行っていくと聞いております。
 県といたしましては、引き続き県央ブロックの8市町に対し、国の動向や先進事例に係る情報提供等を行うとともに、長期的に安定したごみ処理施設の運営が図られるよう技術的な助言を行ってまいります。
   〔保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇保健福祉部長(野原勝君) まず、ワクチン集団接種において、キャンセルが発生した場合の対応についてでありますが、新型コロナウイルスワクチンの集団接種においては、予約の人数や一定のキャンセル数等を勘案し、準備するワクチンの数を調整しておりますが、体調不良などにより接種当日にキャンセルが発生し、ワクチンの余りが生じる場合には、あらかじめ各市町村が用意している待機者リストに掲載している人に連絡をし、接種を行うなど、ワクチンの廃棄防止対策に取り組んでおります。
 県の集団接種においても同様の取り組みを行っており、これまでワクチンの廃棄は生じていないところであります。
 次に、若年層へのワクチン接種についてでありますが、議員御指摘のとおり、若年層を含む行動が活発な現役世代の感染の拡大や、飲食店、職場などクラスターの多様化も見られるところであり、これらに対応していくためには、それぞれの地域での特性や感染状況を踏まえながら、適切な対策を講じていく必要があると考えております。
 こうしたことから新型コロナウイルスワクチンの一般接種についても、市町村がそれぞれの判断により、例えば、保育施設等従事者を優先するなど、地域の実情に応じた対応を行っていると承知しております。
 県としては、市町村の接種体制を補完するため県の集団接種を実施しているところでありますが、現役世代を含む今後の接種がさらに加速されるよう、今週末から市町村が発行する接種券をお持ちの18歳以上65歳未満の方も対象とすることから、そうした機会を積極的に活用いただくよう、市町村や関係機関等と連携しながら周知を図ってまいります。
 また、今般、国から、主に現役世代が対象となる職域接種の支援策が示されたところでありますが、県としても、本定例会に追加提案を予定している補正予算案に盛り込むべく、現在準備をしているところであります。
   〔商工労働観光部長岩渕伸也君登壇〕
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) まず、いわて旅応援プロジェクト事業が一時停止となった場合の再開基準についてでありますが、この事業については、本県において感染拡大があった場合には、事業を一時停止することとし、直近1週間の新規感染者数が人口10万人当たり15人を超えた場合などの基準をあらかじめ公表しております。
 この後、仮に一時停止があった場合の再開に当たっては、一時停止の基準を下回ったとしても、感染が再拡大するおそれがない状況であることなどを見きわめながら、新型コロナウイルス感染症対策本部の対応も踏まえて総合的に判断していく必要があります。
 変異株の流行やクラスターの発生を初め、感染拡大にもさまざまな形があり、あらかじめ再開基準を示すことは難しいと考えておりますが、再開に当たっては、宿泊施設や利用する県民の方々に混乱が生じないように配慮してまいります。
 次に、前売り券を活用した支援についてでありますが、本年4月から観光庁が実施している地域観光事業支援について、全国の都道府県がこれを活用した宿泊料金の割引等を実施するに当たり、緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の適用など、感染拡大により事業の実施時期を定めることができない地域の宿泊施設が、早期に一定の収入を確保できるようにすることを狙いとして、議員御指摘の前売り券方式も補助対象にされたと受けとめております。
 いわて旅応援プロジェクトは、4月16日に開始しているのに対し、この前売り券方式は4月30日に観光庁が追加で示したものであるため、本県では採用しておりませんが、県といたしましても、コロナ禍の影響を受ける宿泊施設等の実態に即した支援を行いたいと考えており、今後の状況変化に応じ、仮に同様の事業を実施する場合などには、前売り券方式を採用した他県の事業効果などを参考にし、検討を行いたいと考えます。
 次に、観光宿泊施設緊急対策事業についてでありますが、県では、宿泊事業者が感染症対策などを実施するために購入する物品や工事内容等が、補助の目的に沿ったものであれば、公募要領などに例示しているものに限定することなく補助対象にすることとして事業を進めております。
 なお、議員御指摘のゲーム機が補助対象とされたということについては、そうした問い合わせを本県では受けておらず、詳細は把握しておりませんが、今後、宿泊事業者から相談があった場合には、背景や事業者の考え方などを丁寧に伺い、国にも確認しながら適切に対応してまいります。
   〔総務部長白水伸英君登壇〕
〇総務部長(白水伸英君) まず、電子県庁についてでありますが、情報セキュリティー対策は、サイバー攻撃の増加など新たな脅威への対応や情報システム機器の廃棄時における情報漏えいなどが頻発している現状において、日々重要性を増してきているものと認識しております。
 近年の情報漏えいの原因を分析いたしますと、人的要因が全体の約7割を占めていることから、本県では、各所属に情報化推進担当者であるITサポーターを設置し、研修を行っておりますほか、新採用職員研修や新任担当課長研修等の職位別の研修において、情報セキュリティー対策の徹底に取り組んでおります。
 また、平成29年度から県と市町村が共同でインターネット通信の監視を行う岩手県情報セキュリティークラウドを運用してきたところでございますが、今定例会に提案をしております補正予算案の電子県庁運営費により、個々の端末の異常検知や災害時等のアクセス集中時におけるホームページ情報の安定配信の仕組みを導入することとしております。
 加えて、今般の更新は、東北各県と新潟県の7県での共同調達を予定しており、経費については、設計額ベースで、現行システムの約17億円に対し、次期システムにおいてはその半額程度に抑えられるものと見込んでおります。
 次に、県庁舎等への屋外分煙施設の設置についてでありますが、健康増進法の一部改正により、行政機関は敷地内禁煙とされたことに加え、自治体はその責務として、望まない受動喫煙が生じないよう受動喫煙防止のための措置を総合的かつ効果的に推進することとされております。このような法律の趣旨に鑑み、公共施設への新たな屋外分煙施設の設置は、慎重に対応する必要があるものと考えております。
 特に県庁舎等への設置につきましては、議員御紹介の特定屋外喫煙場所に係る厚生労働省令に基づく4条件のうち、施設を利用する者が通常立ち入らない場所に設置することの要件を満たさないと理解しており、県庁舎敷地内を含め県庁舎等への分煙施設の設置は困難であると考えております。
 また、議員御指摘のとおり、勤務時間外における職員の県庁舎等の周辺での喫煙について、県民や近隣の店舗、施設等への迷惑となる行為は厳に慎むべきこと等について、注意喚起を行ってきたところでございまして、今後もその趣旨をより一層徹底してまいります。
   〔農林水産部長佐藤隆浩君登壇〕
〇農林水産部長(佐藤隆浩君) まず、木材価格の高騰対策についてでありますが、国内の木材需要は、輸入木材製品の不足感の広がりから価格が上昇し、その代替として国産材製品に注目が集まり、その原料となる原木の需要が高まっています。
 県内においては、現時点で原木価格の高騰は見られないものの、工務店等では、住宅建築用の輸入柱材等の入手が困難で、県産材に切りかえる動きがあり、こうした木材需要の増加への対応が必要と認識しております。
 県では、原木の安定供給に向け、引き続き、森林施業の集約化や高性能林業機械の導入支援等の取り組みを進めているほか、本年度の県有林の立木販売については、昨年度の約4割増となる541ヘクタールを計画しております。
 さらに、県では、木材製品の安定供給に向け、現在、大径材も加工できる製材施設や集成材加工施設の整備を進める事業体を支援しており、引き続き、豊富な森林資源を活用し、品質、性能の確かな木材製品を供給できるよう取り組んでまいります。
 次に、県産木材の利用拡大についてでありますが、今般の輸入木材製品や国産材製品の価格の上昇は、北米における住宅着工戸数の増加や中国での木材需要の拡大など複合的な要因によるものであり、今後の予測は困難ですが、県内における木材の需給バランスを安定的に確保するためには、県産木材の需要の拡大が必要と考えています。
 このため、県では、公共的な施設の整備に県産木材等が積極的に利用されるよう取り組んできたところであり、令和元年度に着工された、民間事業者が建築する教育、医療、福祉施設等を含む公共建築物の木造率は、本県が全国1位となったほか、品質の高い県産木材製品をPRするため、東京2020オリンピック・パラリンピック選手村施設の建設に必要な柱材やはり材等の提供に取り組んできたところです。
 こうした取り組みに加え、民間での県産木材の利用を一層促進するため、今年度から新たに子育て世代等を対象に、県産木材を使用した住宅の新築やリフォームを支援するとともに、県産木材を積極的に利用することを宣言した事業者を登録する、岩手県木づかい宣言事業者登録制度を創設し、7月から募集を開始することとしています。
 本県の豊富な森林資源が本格的な利用期を迎える中、今般の木材需要の高まりも踏まえ、県産木材の積極的な利用を推進し、地域の林業、木材産業の振興を図るとともに、地球温暖化の防止や循環型社会の形成につながる森林資源の循環利用が促進されるよう、関係団体等と連携して取り組んでまいります。
〇27番(高橋但馬君) 何点か再質問させていただきます。
 新型コロナウイルスワクチンの若い世代への接種に関して、先ほど御答弁で、予算措置を考えているということだったのですけれども、具体的にどのような取り組み、そして、市町村との連携を考えているのか伺います。
 次に、宿泊関係の500万円の補助についてですけれども、私としては、ゲーム機を設置してほしいということではなくて、柔軟な対応をお願いしたいということでありました。上限で2分の1の500万円ですから、言ってみれば、1、000万円に対する半分の補助ということですけれども、例えば、パーテーションであるとか消毒液であるとかというのは、かなりの量を買わないとそこまでの金額に行かないのです。であると、やはり過去に行った非接触に対する工事であるとか、そういう工事費に対するものに対して柔軟に認めてもらいたいと。例えばですけれども、非接触、接触回数の削減に資する工事ですとか、その辺を考えていただきたいというものがございます。
 また、認めた事例を県のホームページに加筆追記していただくと、それまでこれがいいのかわからなかった宿泊事業者が、これは認められるのだといって活用が進むと思うので、その辺もお願いしたいと思います。
 あと、分煙施設についてのですけれども、東京2020オリンピックまであと3週間となりました。受動喫煙防止の観点から、オリンピック競技会場の敷地内は喫煙所が設けられておりません。ただ、都内各所には、東京都の日比谷公園を初め、品川中央公園、新宿中央公園、新宿駅西口駅前など多くの公共場所に屋外喫煙所が設置されております。この施設は、東京都、東京23区がJTの協力をいただきながら、受動喫煙防止の観点から設置したものと伺っております。また、自治体による喫煙所の設置は広がりを見せ、東京都足立区では、令和2年度に区所有地の6カ所に喫煙場所を整備しています。
 このような状況にあって、本県では、県庁舎、盛岡市役所及び国の出先機関等の官公庁がひしめく内丸周辺に公共屋外喫煙施設が設置されていないというのは、受動喫煙防止の観点からいかがなものかと考えております。
 隣県の宮城県を見ると、県庁近隣の勾当台公園内に設置されております。昨年10月に民間企業が実施したたばこのマナーに関する調査によると、歩きたばこや喫煙所以外での喫煙などのマナー違反による望まない煙を減らすためには、喫煙所があったほうがよいかという質問に対して、喫煙者の89.3%、非喫煙者でも77.8%が、そう思うと答えております。これは全体で実に80.6%の方が、そう思うと答えています。
 6月定例会初日の22日に、岩手県たばこ耕作組合と岩手県たばこ販売協同組合の連名による、地方たばこ税を活用した分煙環境整備に関する陳情書が知事と県議会議長に提出されました。受動喫煙防止の観点から、県はこの陳情に真摯に対応されるべきだと思いますが、知事の御所見を伺います。
〇知事(達増拓也君) 健康増進法では、受動喫煙が他人に与える健康影響と、喫煙者が一定程度いる現状を踏まえ、受動喫煙にさらされることを望まない人がそのような状況に置かれることのないよう、望まない受動喫煙をなくすことを基本的な考え方としています。
 これを踏まえて県では、民間事業所等の模範となって県民の健康を守る立場であることを考慮し、敷地内禁煙を原則とする県立の施設における受動喫煙防止対策指針を定め、受動喫煙防止対策に取り組んでいます。
 さきに御要望のあった公共喫煙場所の整備等については、議員から御紹介のあったとおり、東京都などの都市部では、公共屋外喫煙所の設置や設置に係る経費の補助を行っている自治体もあると承知しておりますが、そのような団体と地域事情や取り巻く環境に違いがあることに加え、健康増進法や県の指針の趣旨を踏まえますと、慎重に検討をすべきものと考えております。
〇保健福祉部長(野原勝君) 議員から、若年者へのワクチン接種の具体的な取り組みについて御質問いただきました。
 まず、市町村との連携の視点で申し上げますと、県では、今週末から実施いたします県の集団接種につきましては、先ほども御答弁したとおり、18歳以上65歳未満という形で現役層の方々も対象に接種を進めることといたしました。
 これに当たりまして、市町村が発行する接種券が必要になってまいりますので、あらかじめ、事前にこうした65歳以下に接種をするということを念頭において、市町村にも早目に65歳未満の方に接種券を発行していただくよう働きかけをしておりまして、そうしたことが相まって、今週末の県の65歳未満の集団接種につきましても順調に予約が進んでいるところでございます。
 また、職域接種の部分でございます。職域接種としては、まさに現役世代、また、この中には大学生も含まれておりますけれども、こうした方々でございますが、国におきまして、例えば、商工会議所などの団体が事務局となりまして、中小企業の従業員などを対象に共同接種を行う場合、大学も入るかと思いますが、そうした団体を対象に、接種費用とは別に、1回当たり1、000円を上限に会場設置等に要する経費を実費補助する支援策を示したところでございまして、県としても、こうした国の支援策を踏まえて、本定例会に追加提案を予定している補正予算に盛り込むべく準備をしているところでございます。
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) 観光宿泊施設緊急対策事業についてでございますけれども、答弁の中で申し上げましたとおり、決して補助対象を限定しようとするものではなく、県といたしましても、この補助事業については積極的に活用していただきたいと考えています。答弁の中でゲーム機に触れたばかりに、私のほうも趣旨がずれるような形になって恐縮です。
 それで、特にワーケーションの取り組みとか、新しい取り組みですので、さまざまな工夫、アイデアがあると思いますし、そういうものについても丁寧に話を聞きながら対応してまいりたいと考えております。ホームページでの公表の部分でございますけれども、やはり宿泊施設の方々もいろいろな情報が欲しいとお思いのはずですので、昨年度からホームページで事例を公表しておりますが、それらをより具体的に示しながら対応していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
   
〇議長(関根敏伸君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時8分 休 憩
   
出席議員(47名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 上 原 康 樹 君
3  番 小 林 正 信 君
4  番 千 葉   盛 君
5  番 千 葉 秀 幸 君
6  番 岩 城   元 君
7  番 高橋 こうすけ 君
8  番 米 内 紘 正 君
9  番 武 田   哲 君
10  番 高 橋 穏 至 君
11  番 山 下 正 勝 君
12  番 千 葉 絢 子 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 田 村 勝 則 君
15  番 佐々木 朋 和 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 岩 渕   誠 君
20  番 名須川   晋 君
21  番 佐々木 宣 和 君
22  番 臼 澤   勉 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 吉 田 敬 子 君
27  番 高 橋 但 馬 君
28  番 小 野   共 君
29  番 軽 石 義 則 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 小 西 和 子 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
41  番 関 根 敏 伸 君
42  番 佐々木 順 一 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 岩 崎 友 一 君
45  番 工 藤 勝 子 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 勝 博 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(1名)
40  番 五日市   王 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時28分再開
〇議長(関根敏伸君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。高橋こうすけ君。
   〔7番高橋こうすけ君登壇〕(拍手)

前へ 次へ