令和2年6月定例会 第8回岩手県議会定例会会議録

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〇46番(千葉伝君) 自由民主党会派の千葉伝です。
 通告に従い順次質問してまいりますので、明快な答弁をお願いします。
 今定例会は、世界的また国内的にWHOによりパンデミックと位置づけされる新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、感染者数、死者数は6月28日現在、世界では感染者数1、000万人を超え、死者数は約50万人、国内では感染者数1万8、390人、死者数971人となっており、この間、国内では、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令されるなど、国民生活や国内経済に深刻な影響をもたらしております。
 県内においては、6月28日現在、全国で唯一、まだ感染者が確認されておらず、国内からも世界からも注目が集まっている状況にあります。このような中、本県においても、全国と同様、観光宿泊者のキャンセルやスポーツ、文化イベントの中止や延期、さらに、物流の遅滞による生産活動の停止等で、飲食店を含む中小、小規模事業者、交通事業者、農林水産業などに甚大な影響が出ております。
 さらに本県では、東日本大震災津波、平成28年台風第10号、令和元年台風第19号による被害の復旧、復興となりわいの再生に向け取り組んでいる最中に、この新型コロナウイルス感染症により二重三重の被害に見舞われている状況であります。この未曾有とも言える感染症対策を進める最前線において、特に医療従事者の取り組みに心から敬意を表するところであります。
 この新型コロナウイルス感染症を阻止するためにとられた自粛等の対策やその影響を把握する目的で、私ども自由民主党岩手県支部連合会、県議会自由民主党会派では、岩手県医師会等医療関係団体を含む各種団体、県下33市町村に直接足を運び、計3回ヒアリング調査を実施し、その内容を取りまとめ、県知事に要望するとともに、岩手県選出国会議員とともに、自由民主党本部、主な閣僚、政務官等へ要望し、その結果として、少なからず新型コロナウイルス感染症対策に反映されたと思うところであります。こうしたことを踏まえ、今回、新型コロナウイルス感染症の影響と対策を重点に質問するものであります。
 初めに、新型コロナウイルス感染症対策に係る市町村との連携についてお伺いします。
 世界、国内において、これまで考えられなかった新型コロナウイルス感染症に対し、国、県を挙げて対策を講じていますが、国は、1次補正予算、2次補正予算、県も3回の補正予算を組み、莫大な予算を投じております。こうした中、知事部局においては、全職員が一丸となって新型コロナウイルス感染症対策に関して、国の方針を受け、各種団体、市町村との間で取り組んでおりますことは、多くの関係者とともに敬意を表するものであります。
 しかしながら、国の対策は必ずしも全てに対応しているわけではなく、その内容においても、不十分な点、実施に当たっての即応性、スピード感が見られず、また、国と地方の役割が曖昧な点等もあり、国民が求めるものと政府の考えている内容においてそごがあると思いますことから、私自身、地方からしっかり改善すべき点、真に必要な事項を、次なる施策に向けて取り入れてもらうよう進言してまいる所存であります。
 私ども自由民主党岩手県支部連合会、県議会自由民主党会派が県内調査を実施した際、特に知事に申し伝えたいこととして、新型コロナウイルス感染症対策の推進に当たって重要なことは、各種団体、市町村、そして、何よりも県民を意識し、内容を共有して事に当たることが大事であるとのことであります。それはとりもなおさず、国、県、市町村、関係団体とより緊密に情報を共有するための協議を進め、国の行き届かない面にも目を向けて取り組んでいく必要があるということでありました。
 特に直接県民と接する場の多い市町村長の中から、県のトップである知事には、もっとわかりやすく、積極的に県民の不安を払拭し、協力を得るため、県はここまで頑張るから、市町村、県民の皆さん一緒にこの新型コロナウイルス感染症を乗り切ろうという力強いメッセージを発信していただければ、市町村長も、よし、そうなれば一緒に頑張ろうという気持ちになるとのことであります。
 新型コロナウイルス感染症の拡大が社会経済活動にさまざまな影響を及ぼしている中で、市町村との連携は極めて重要と考えますが、こうした市町村長の声に知事自身はどう応えるのか、市町村連携をどのように進めていくのかお伺いします。
 次に、本県の主要産業である農林水産業についてお伺いします。
 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うインバウンドの減少や国内での外出自粛等の影響を受けて、外食需要の減少や経済活動の停滞などが起こり、県内の農林水産業に大きな影響を与えています。県では、新型コロナウイルス感染症による県内農林水産業全体への影響をどのように捉えているのかお伺いします。
 また、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月から政府による入国制限が続いており、フィリピンやベトナムなどの外国人技能実習生が来日できない状況にあります。本県の生産現場では、外国人技能実習生が生産を支えている一面もあり、例えば、私の周りの大規模園芸農家では、これからキャベツの定植と収穫が並行する繁忙期を迎えるだけに、今後、夏場にかけて農作業に支障が出るのではないかと心配する声が聞かれています。
 そこで、現時点での本県農業における外国人技能実習生受け入れ経営体への影響と今後の対応策はどうなっているのかお伺いします。
 次に、畜産関係についてお伺いします。
 肉用牛の枝肉価格は大幅に下落しており、令和2年度に入って以降の東京都中央卸売市場における最安値は、平成24年度の東京電力原子力発電所事故による風評被害時の水準まで下落しております。緊急事態宣言の解除によりやや回復基調にあるものの、まだまだ予断を許さない状況であり、牛肉を取り扱う卸売業者の冷蔵庫には、まだ在庫が多いと聞いております。
 また、黒毛和種子牛の価格も、ここ数年、全国的な子牛不足の状況から堅調に推移しておりましたが、枝肉価格の下落により低下しております。
 こうした状況の中、牛肉の出口対策の強化や肉用牛肥育農家への支援が必要と考えますが、県等の支援策はどうなっているのかお伺いします。
 肉用牛肥育農家が、新型コロナウイルス感染症の影響から回復し、いわて牛のブランド力を強化するためには、全国和牛能力共進会等で上位入賞することが重要であります。
 前回の宮城大会において、体型と肉質をともに競う総合評価群で上位入賞した他県の種雄牛の産子は、その後、子牛市場において高値で取引されており、生産者の所得向上に大きく貢献していると聞いております。
 県では、前回の宮城大会の結果や県内の和牛農家の意向を踏まえた第12回全国和牛能力共進会総合戦略を策定し、取り組んでいるところであります。
 そこで、令和4年に鹿児島県で開催される第12回全国和牛能力共進会での上位入賞に向けたこれまでの取り組みの概要と、今後の対応についてお伺いします。
 令和4年に鹿児島県で開催される全国和牛能力共進会において上位入賞するためには、県有種雄牛の活躍が重要な役割を持っており、優秀な種雄牛を農業団体等と一体となって早期に造成していくことが重要であります。
 県では、いわて県民計画(2019~2028)の第1期アクションプランにおいても、農業の革新的技術開発と導入促進を図ることとし、牛の改良に有効なゲノム解析技術などを活用して、産肉能力にすぐれた全国トップレベルの黒毛和種の種雄牛の早期造成に取り組むこととしております。
 今般、県では、新たな種雄牛として、枝肉重量とロース芯面積が歴代の県有種雄牛の中でも最高の成績を誇る飛良智を選抜したと聞いております。今後も優秀な種雄牛を造成していくため、県ではどのような考えで取り組んでいくのかお伺いします。
 次に、中小企業への影響についてお伺いします。
 5月25日をもって全ての都道府県で緊急事態宣言が解除され、6月19日からは、県域をまたぐ移動の制限も解除されたことから、これからは、感染拡大の防止に配慮しながらも、段階的に社会経済の活動レベルを引き上げる取り組みにより、縮小した県内経済の一刻も早い回復が望まれるところであります。
 しかしながら、感染症の終息時期はいまだ見通せない状況であり、落ち込んだ生産活動や消費者マインドをもとに戻すには、相当程度の時間を要すると見込まれているところであります。
 県では、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針において、経済、雇用対策の実行に当たっては、県内経済への影響を注意深く見きわめながら必要な対応を検討していくとしていますが、中小企業への影響をどのように捉えているのかお伺いします。
 また、その影響を踏まえ、県内の中小企業をどのように支援していくのか。特に、県内宿泊業を初めとする観光産業は、前年と比べて観光客が大幅に減少するなど影響が大きくなっていますが、どのような支援策を考えているのか、あわせてお伺いします。
 次に、スポーツ、文化イベント等への影響についてお伺いします。
 中学校及び高等学校における部活動は、人間関係の構築を図るなど、生徒が多様な学びや経験をする場であり、みずからの興味、関心を深く追求する機会であります。
 そのような部活動において、新型コロナウイルス感染症の影響により、生徒たちの努力の成果を発揮する機会である大会やコンクール等の多くが開催中止を決定しているところでありますが、これまで大会を目指してきた生徒、特に3年生の気持ちを考えると、大変残念に思うところであります。
 このような状況の中、中学校では、県中学校総合体育大会の代替大会として13地区での地区中学校総合体育大会開催が決定したほか、高等学校においては、中止となった選抜高等学校野球大会の救済措置として、甲子園球場で1試合だけの交流試合の実施が公益財団法人日本高等学校野球連盟から発表され、また、岩手県高等学校野球連盟では、第102回全国高等学校野球選手権岩手大会にかわる独自大会の開催を決めたことなどは喜ばしいことであり、勇気ある決断に敬意を表するところであります。
 また、野球のような大会という形式だけではなく、各地区や学校において別の形で大会の代替となる引退試合やイベント等を開催し、区切りをつけた部活動等もあるとも聞いております。
 これまで開催されている代替大会や、今後、開催が見込まれる競技など、中学生及び高校生のスポーツ大会、文化イベント等の代替開催状況についてお伺いします。
 また、代替大会等、発表の機会が設定されることは生徒の成長にとってもよいことである反面、活動に制限がかけられていた期間における練習状況等を考えると、参加する生徒の健康や安全に配慮する必要があると思いますが、開催する際の新型コロナウイルス感染対策等はどのようになっているのか、あわせてお伺いします。
 同様に、我が国において、ことし最も大きなスポーツイベントであった東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会もまた、新型コロナウイルス感染症の影響によって延期となりました。
 東京オリンピックに出場する本県ゆかりの選手については、陸上競技20キロメートル競歩の高橋英輝選手、カヌースプリント・カヤックフォア500メートルの水本圭治選手の出場が内定しているとともに、パラリンピックも含め、他競技でも出場が期待される選手がいると聞いているところであります。
 そこで、大会開催が1年延期となった状況の中、県は、これらの選手に対してどのような支援を行っていくのかお伺いします。
 また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催により多くの選手、観客等が来訪することを契機に、地域の活性化等を推進するため、県内20市町村がホストタウンの登録を行い、大会参加国、地域との人的、経済的、文化的な相互交流を図る計画としておりました。
 当該市町村の今年度予定していた交流計画の見直しが必要と伺っておりますが、県としてどのように把握し、対応しているのか、あわせてお伺いします。
 次に、岩手競馬についてお伺いします。
 岩手競馬においては、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、3月の春競馬から、競馬場に観客を入れない、いわゆる無観客競馬を続けております。
 場外発売所においては、一部を除き、全国の地方競馬に先駆けて今月14日から発売を再開し、場外とはいえ、ファンにとっては待望の再開となったところであり、今後、競馬場を含む全ての場外馬券発売の早期再開を願ってやまないところであります。
 無観客競馬を行っている全国の地方競馬においては、インターネット発売が好調と聞いており、岩手競馬においてもインターネット発売だけで計画額を2割程度上回り、このまま推移すれば平成14年以来の年間発売額400億円超えも夢ではないと期待しております。
 存廃問題に大きく揺れ、構成団体から330億円の融資を受け存続した岩手競馬は、今ではインターネットを通じて全国のファンに愛され、県外から外貨を獲得して地域経済に貢献するまでの状況となってきました。これまで岩手競馬開催を見守ってきた者として、さらなる飛躍を期待しているところであります。
 しかしながら、5月に開催された競馬組合運営協議会で示された資料によると、9月末まで無観客競馬が続いた場合、何も対策を講じなければ年間3億6、000万円もの収支不足が見込まれるとのことであります。発売は好調なのに収支は厳しいという状況は、県民にとってわかりにくく、県民負担で存続を許された岩手競馬の行く末に不安を抱かざるを得ないものと考えております。
 そこでお伺いします。無観客競馬が続く岩手競馬の現在の経営状況と今後の見通し、さらには、競馬組合が果たすべき使命について、知事にお伺いします。
 また、厳しい収支の背景には無観客競馬が続いていることがありますが、競馬場での発売再開に向けて、これまでどのような取り組みを行い、いつごろの再開を見込んでいるのか、あわせてお伺いします。
 次に、本県の学校教育におけるICT環境の整備についてお伺いします。
 新型コロナウイルス感染症による学校の臨時休業等の長期化により、家庭でのオンライン学習等のICT機器を活用した取り組みが全国で進んでいます。
 このような中、国においても、子供たちの学びを保障するため、GIGAスクール構想の加速により、今年度中に全小中学校の児童生徒に、タブレット端末等が行き渡るように前倒しで実施するなどの措置が施されたところであります。
 本県においても学校教育におけるICT化を早急に進めていく必要があると考えますが、県立学校におけるICT環境の整備状況はどうなっているのかお伺いします。また、県立学校だけでなく、市町村においても、GIGAスクール構想等を積極的に活用し、小中学校におけるICT環境の整備を進めていく必要があると考えます。
 これからは、ICT機器が整備された環境の中で、オンライン学習等も含めてどのような教育を進めていくかが重要になってくると思いますが、本県全体のICTを活用した教育について、県として、今後どのように進めていこうとしているのかお伺いします。
 次に、新型コロナウイルス感染症に係る補正予算等についてお伺いします。
 ここまで、各分野の影響についてお聞きしてきましたが、新型コロナウイルス感染症は、医療や福祉、経済、教育、交通など、各方面に対し多大なる影響を与えており、感染拡大の防止と社会経済活動の維持という二つの課題について、両立しながら解決に向けて進めていくことを県民は期待しております。
 新型コロナウイルス感染症に対応するため、国は、今年度、総額57兆円となる第1次補正予算、第2次補正予算を組み、困難な状況にある国民や事業者を支え、雇用と事業と生活を守り抜くとともに、次なる流行のおそれに万全の備えを固めようとしております。
 県でも、これらに対応し、3回で計869億円の補正予算を措置するなど迅速な対応をいただいており、評価しているところであります。
 一方で、たび重なる補正予算の編成は、もともと厳しい状況にあった本県の財政事情をより悪化させているのではないでしょうか。一部報道ですが、全国的に新型コロナウイルス感染症に対応するため、地方の財源が不足しており、今年度に入り、都道府県の基金取り崩し額が総額で1兆円を超えるとのことであります。国の補正予算による財源措置もなされているのでしょうが、それでも、一般財源での負担、財政調整基金の取り崩しが生じ、今後の財政運営に支障が生じていくのではないかと懸念しております。
 本県でのこれまでの補正予算について、どのように財源措置してきたのか、今後も続くであろう新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた財政運営の方向性とあわせてお伺いします。
 次に、避難所対策について伺います。
 現在、東北地方まで梅雨入りし、本格的な雨季を迎えております。地球温暖化による気候変動の顕在化に伴い、豪雨、大雨が増加傾向にあり、本県でも平成28年台風第10号、令和元年台風第19号と甚大な被害を受けておりますが、今後、こうした災害に係る避難所の設置に関しては、新型コロナウイルス感染症対策に十分に配慮する必要があります。
 国では、災害が発生した際の避難所における新型コロナウイルス感染症対策として、可能な限り多くの避難所を開設するとともに、ホテルや旅館等の活用を検討すること、十分な換気、スペース等を確保するとともに、発熱、せき等の症状が出た者のための専用スペースを確保することなどについて、各市町村に対し周知したと聞いておりますが、現在の各市町村の取り組み状況についてお伺いします。
 また、万一、避難所において感染者が発生した場合、県としてどのような支援を行うのか、あわせてお伺いします。
 次に、県北地域の道路整備についてお伺いします。
 豊富な地域資源を生かした産業の振興や救急医療の支援、また、頻発する自然災害における迅速な救急活動のために道路が果たす役割は、非常に大きいと考えております。
 特に、いわて県民計画(2019~2028)では、県北地域を初めとする北いわての持つポテンシャルを最大限に発揮させる地域振興を図ることなどを目指し、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトが掲げられておりますが、現在の新型コロナウイルス感染症の影響下において、改めて、県北地域の振興、持続可能な活力ある経済基盤を確立していくためには、道路ネットワークの整備が必要であると考えております。
 このような中、国道281号については、久慈市や葛巻町、岩手町など3市3町3村で構成する国道281号整備促進期成同盟会から国道281号の抜本的改良整備を初めとする要望がこれまでも出されているところであり、また、平成30年10月には、県北地域の東北縦貫自動車道と三陸沿岸道路を結ぶ自動車専用道路の整備促進を目的として、久慈市、八幡平市、葛巻町、岩手町、普代村及び野田村の2市2町2村で構成する北岩手・北三陸横断道路整備促進期成同盟会が設立されたところであります。
 私としては、県北地域の振興の観点から、これまでも内陸と沿岸を結ぶ県北部の基幹となる道路である国道281号の整備の重要性を強く訴えてきたところであります。
 つきましては、現在の国道281号の整備の状況、あわせて、北岩手・北三陸横断道路に関する県の対応についてお伺いします。
 最後に、新型コロナウイルス感染症対策について、知事にお伺いします。
 本県は、6月28日現在、全国で唯一、感染未確認地域となっておりますが、国内において感染症の収束時期はいまだ見通せない状況の中、知事は、緊急事態宣言が解除された5月14日の翌日に、新型コロナウイルス感染症対策本部員会議を開催し、県の基本的対処方針を見直すとともに、全国に先駆けて、感染拡大防止と社会経済活動の維持の両立を目指す知事メッセージを県内外に発信した点については、評価するものであります。
 今、全ての都道府県の緊急事態宣言が解除、県をまたいでの移動が解禁となっておりますが、今後、流行の第2波、第3波も想定されており、本県でも、いつ感染者が出てもおかしくない状況であり、改めて、感染拡大防止と社会経済活動の維持の両立に向けて、知事の思い、決意をお伺いします。
 以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。答弁によっては、再質問させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 千葉伝議員の御質問にお答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症対策に係る市町村との連携についてでありますが、まず、県民の皆様には、これまでの徹底した感染対策の実施や慎重かつ冷静な行動を心がけていただいてきたことについて感謝を申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の対応については、行政や団体、企業、地域、個人などのあらゆる主体との連携が重要であります。特に、住民に最も身近な自治体である市町村との連携においては、4月14日に新型コロナウイルス感染症対策に係る県と市町村長との意見交換会を開催したほか、対策本部、地方支部での情報共有や、全市町村への要望調査などを行ってまいりました。
 それらを踏まえて、市町村や関係機関と調整しながら、マスクなど衛生用品の調達、地域外来・検査センターの設置、学校の臨時休業及び県産農林水産物の学校給食への提供による消費拡大などの対策を講じるとともに、市町村と連携して、市町村単位での事業者支援、特に家賃補助の実施にも取り組んでおります。また、県から国への要望にも市町村の意見を反映させてきたところであります。
 引き続き、市町村と力を合わせ、新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでまいります。
 次に、岩手競馬の経営状況等についてでありますが、本年度の岩手競馬は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、無観客での競馬を実施しており、現在、インターネットでの発売は計画を上回る状況で推移していますが、収益率の高い自場発売などを行えないことから、その長期化による収支への影響が懸念されているところであります。
 競馬組合では、5月時点で無観客での競馬を9月末まで継続した場合の収支不足を3億6、000万円と試算したところでありますが、これを解消するため、最終レース時刻の繰り下げなど、さまざまな対策を既に講じているほか、全国に先駆けて場外発売所を再開しており、本年度の収支均衡は可能であるとの報告を受けております。
 さらに、今後見込まれる競馬場での発売再開により、一層の収支改善が期待できるほか、今般のように、収支に影響を及ぼす状況が今後生じた場合においても、早目早目に必要な手だてを講じることにより収支均衡は達成できると競馬組合では判断している状況であります。
 毎年度の収支均衡を達成しながら着実に競馬を実施し、そして、将来にわたり競馬関係者の雇用を確保し、地域経済に貢献するとともに、構成団体の融資を返済することが岩手競馬の使命であり、県としてもしっかりと支えてまいります。
 次に、感染拡大防止と社会経済活動の維持の両立に向けた決意についてでありますが、5月25日に全国の緊急事態宣言が解除されたところでありますが、新型コロナウイルス感染症への対応は、国の専門家会議において長丁場を覚悟しなければならないと指摘されているところであります。
 県としては、市町村、関係団体等と連携しながら、医療提供体制を充実する取り組み、日常生活を支える取り組み、地域経済活動の回復に向けた取り組みなど、総合的に対策を取りまとめ、国の第2次補正予算などを踏まえ、さきの6月臨時会において補正予算を議決いただいたところであります。
 具体的には、重症度に応じた入院医療を提供するための入院病床の確保や、二次医療圏ごとに地域外来・検査センターを設置することによる検査体制の拡充など、医療提供体制の充実に取り組むこととしております。
 また、低所得のひとり親世帯を支援する特別給付金や、県内の宿泊施設を利用する県民の宿泊料助成などの取り組みを実施していくこととしております。
 今後におきましても、県民一人一人が、三つの密の徹底的な回避や新しい生活様式の実践などにより、生活や仕事、学びの場において、感染拡大の防止と社会経済活動の維持の両立を図ることができるよう、県は全力で取り組み、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてを目指していく決意であります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔農林水産部長佐藤隆浩君登壇〕
〇農林水産部長(佐藤隆浩君) まず、新型コロナウイルス感染症による県内農林水産業への影響についてでありますが、関係団体や生産者からの聞き取りによると、外食需要の減少等により牛肉やホタテガイの販売単価が低下しており、ウニは漁獲回数等を制限して出荷調整が行われたほか、イベントの自粛等により、花卉の一部品目で販売単価が低下しております。また、木材需要の減少により製材品等の出荷が停滞しており、一部の木材加工施設では原木の受け入れを制限しています。
 こうした状況を踏まえ、県では、県産農林水産物の消費拡大や新たな需要に対応した販路の開拓が必要と認識しており、令和2年度補正予算に必要な経費を措置し、牛肉、ホタテガイ等の学校給食への提供やシェフ等との連携による家庭向け冷凍食品の開発のほか、公共施設等への花卉の展示や木材製品の放課後児童クラブ等への提供などに取り組むこととしているところであります。これらの取り組みを速やかに実施するとともに、引き続き、生産者等の声を踏まえ、必要な対応を行ってまいります。
 次に、外国人技能実習生受け入れ経営体への影響等についてでありますが、農業分野における外国人技能実習生は、JA等からの聞き取りによれば、本年3月末現在約370人で、入国が制限された4月以降、これまでに約40人が入国できない状況となっております。
 このため、人手不足を心配する経営体もあると承知していますが、帰国が難しい実習生は、国の特例措置を活用し、在留期間を延長しながら実習を続けている事例もあり、現時点では大きな影響はないと聞いております。
 県では、地域で必要となる農業労働力を確保していくため、今月16日に、岩手県農業労働力確保対策推進会議を開催し、農業団体等と労働力の不足状況や確保対策について情報共有したところであり、引き続き、県内JA全てで設置されている無料職業紹介所等の活動を支援しながら、農業労働力が安定的に確保できるよう積極的に取り組んでまいります。
 次に、畜産業の振興についてでありますが、牛肉需要の減少により枝肉価格が低下した肉用牛肥育農家の経営を維持、継続させていくためには、牛肉の消費拡大と経営安定対策が重要であります。このため、牛肉の消費拡大に向け、買うなら岩手のもの運動の一環として、県内114店舗のいわて牛取扱推奨店等と協力し、いわて牛を食べて応援フェアを行うとともに、来月から、県内小中学校等の給食にいわて牛を提供することとしています。
 また、肉用牛肥育農家の経営安定に向け、販売単価と生産費の差額を補填する国の経営安定対策、いわゆる牛マルキンの活用に加え、肥育素牛の導入支援や出荷実績に応じて奨励金が交付される国庫事業の要件となる生産者の経営分析などの取り組みを支援することとしたところであり、引き続き、市町村や農業団体と連携しながら肥育農家の経営安定に取り組んでまいります。
 次に、全国和牛能力共進会に向けての取り組みについてでありますが、県では、次期全国和牛能力共進会鹿児島大会での上位入賞に向け、平成30年度に関係団体とともに、第12回全国和牛能力共進会総合戦略を策定し、生産者の指導を行う専門職員の育成やゲノム解析等の新技術を活用した出品牛の造成を行うこととしています。
 専門職員の育成に向けては、県、関係団体等の職員を対象に、全国和牛登録協会の審査員などを講師に迎え、牛の審査技術や子牛の育成技術などの研修を実施しています。また、出品牛の造成に向けては、性判別精液を活用し、雄雌それぞれの候補牛を効率的かつ計画的に生産するとともに、さらに、ゲノム解析技術等を活用し、優秀な候補牛を選抜していくこととしています。
 今後は、このような取り組みにより生まれてくる子牛の育成について、専門職員が生産者への飼育管理指導を徹底していくこととしており、引き続き、次期全国和牛能力共進会鹿児島大会での上位入賞に向け、生産者や関係団体と緊密に連携しながら計画的に取り組みを進めてまいります。
 次に、県有種雄牛の造成についてでありますが、県では、これまで脂肪交雑等が本県歴代最高の安久勝晃や枝肉重量等が本県歴代最高の飛良智を造成してきたところであります。このようなすぐれた種雄牛を継続的かつ早期に造成していくため、種雄牛候補の子牛を肥育し、能力を評価する従来の検定方法に加え、産肉能力の把握に有効なゲノム解析技術を活用した種雄牛の造成に取り組んでいます。
 具体的には、これまで毎年度約1、000頭の若い雌牛の遺伝情報を解析し、選抜した優秀な雌牛に本県を代表する菊福秀などの種雄牛を交配しているところであり、今後生まれてくる雄子牛の遺伝情報を解析し、種雄牛の候補として選抜していくこととしています。
 今後とも、このような取り組みにより、全国トップレベルの種雄牛を継続的かつ早期に造成し、本県の肉用牛生産の拡大と生産者の所得向上を図ってまいります。
 次に、競馬場での発売再開についてでありますが、岩手競馬では、地方競馬全国協会が取りまとめた場外発売所における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインを基本としながら、建物の状況や入場定員に応じた場外発売所ごとの対応を定め、来場者への検温や座席の間隔の確保等、十分な感染防止対策を講じた上で、一部を除く場外発売所を再開したところです。
 また、競馬場での発売の再開に当たっても、地方競馬全国協会から今後示されるガイドラインに沿った対策を講じる必要があることから、競馬組合では、その早期策定を要望するとともに、ガイドラインが示された後、できる限り早い時期に再開できるよう、場外発売所の取り組みを参考にしながら準備を進めていると聞いております。
   〔商工労働観光部長戸舘弘幸君登壇〕
〇商工労働観光部長(戸舘弘幸君) まず、中小企業への影響についてでありますが、商工指導団体と連携し、経営状況等について、毎月アンケート調査を実施してきたところであります。直近の5月末時点の調査におきまして、5月の売上実績について集計したところでは、前年同月と比較し、0から20%減が28%、21から40%減が27%、41から60%減が21%、61から80%減が12%、81から100%減が11%となっており、41%以上減少の割合が計44%となっております。
 業種別では、41%以上減少の割合は、宿泊業で95%、飲食業で69%、運輸業で64%であり、これらの業種において売り上げが大きく落ち込んでいます。
 一方、今後の売り上げ見込みにつきましては、41%以上減少の回答割合が、5月の売上実績の44%から10ポイント減の34%となっており、幾分持ち直すと見込む事業者が多くなっています。
 次に、中小企業への支援策についてでありますが、県では、3年間無利子、保証料を全額補給する新型コロナウイルス感染症対応資金の貸し付けや家賃補助などを実施しているところであります。さらに、さきの令和2年度岩手県一般会計補正予算(第3号)におきまして、家賃補助の対象事業者の拡充や事業者が新型コロナウイルス感染症対策や業態転換に取り組む場合の補助制度を措置したところであり、また、県産品の消費を促進する、買うなら岩手のもの運動を展開しており、今後、商品価格を30%割り引くオンラインや紙面による物産展等を実施することとしています。事業者には、国の持続化給付金や雇用調整助成金、家賃支援給付金などを含め各種支援策の活用を促し、事業の継続と雇用の維持を図ってまいります。
 次に、観光産業への支援についてでありますが、さきの令和2年度岩手県一般会計補正予算(第3号)により、まずは、感染症対策に必要な設備の整備等を支援するため、1施設当たり200万円を上限に補助するほか、生産性向上等の取り組みを計画し、実施しようとする宿泊事業者に対し、1施設当たり100万円の支援金を支給することとしているところであります。
 また、観光バス事業者を支援するため、感染症対策を講じて観光バスを運行した際にかかり増しとなった運行料金に対し、1日1台当たり5万円を上限に補助することとしているところであります。
 さらに、県内における宿泊需要の喚起のため、宿泊施設を利用する県民の宿泊料に対し、1泊当たり2、000円を助成するとともに、市町村が行う地元の宿泊施設を利用する住民の宿泊料の助成について、2分の1補助の上限額を1、000円から2、000円に引き上げたところであります。
 こうした支援によりまして、事業の継続と観光需要の喚起を図りながら、今後予定されている国のGo To キャンペーンにつなげてまいります。
   〔文化スポーツ部長石川義晃君登壇〕
〇文化スポーツ部長(石川義晃君) まず、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会出場選手への支援についてでありますが、東京オリンピックへの出場が内定している陸上競技の高橋英輝選手とカヌー競技の水本圭治選手は、国や中央競技団体から遠征費等に加え、国が整備した練習拠点の活用などのさまざまな支援を受けて、本番に向け準備しております。
 また、出場が期待されるホッケー競技やクライミング競技などのアスリートに対しましては、県体育協会を通じて遠征費等の支援を行っており、今後行われる各種大会や強化合宿等に向けて引き続き支援してまいります。
 東京パラリンピックで出場が期待される障がい者アスリートにつきましても、遠征費等を引き続き支援していくとともに、競技指導者を活動場所に派遣し、トレーニング指導などのサポートを行うほか、陸上競技用車椅子など高性能な競技用具を整備、貸与して、東京パラリンピックの選手に選出されるよう支援してまいります。
 次に、ホストタウン事業への影響とその対応についてでありますが、県内のホストタウン登録市町村におきましては、国のモデル事業などを活用しながら、コンサートによる文化交流や児童生徒の相互訪問などを予定しておりましたが、海外への渡航が制限されていることや、交流イベントの再開時期や規模の見通しが立たない状況が続いており、交流計画の調整に苦慮していると聞いております。
 このため県では、当面、相手国等にお見舞いや励ましのメールを送るよう市町村に助言するとともに、在京大使館による講演会やネットを活用した交流活動といった取り組み事例を紹介するなど、今年度の交流計画の見直しを支援しております。
 県といたしましては、今後とも、相手国等における感染症の状況や国の支援策に係る情報収集を行いながら、随時、登録市町村を訪問し助言するなど、ホストタウン事業が円滑に実施されるよう支援してまいります。
   〔総務部長白水伸英君登壇〕
〇総務部長(白水伸英君) 新型コロナウイルス感染症に係る補正予算等についてでありますが、これまでの補正予算の財源につきましては、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を151億5、000万円余、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を109億4、000万円余、それぞれ充当するなど、国の財源措置を最大限活用したところでございます。
 その結果、これまで3回の補正予算における事業費計868億8、000万円余に対しまして、財政調整基金の取り崩しは約5億8、000万円となっているところでございます。
 引き続き、県内の状況を注視するとともに、地方創生臨時交付金などを幅広く活用し、財政運営の持続可能性にも十分配慮しながら、感染拡大の防止と社会経済活動の維持の両立を図ってまいります。
   〔保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇保健福祉部長(野原勝君) 避難所における新型コロナウイルス感染症対策についてでありますが、現在の市町村の取り組み状況について、県が独自で調査したところ、ホテルや旅館、小中学校の空き教室や閉校した学校等を活用することなどにより、可能な限り多くの避難所を開設することとしているのが23市町村、定期的な換気や間仕切り、マーキングなどにより十分な換気の実施、スペースの確保を図ることとしているのが21市町村、発熱、せき等の症状が出た者のための専用スペースを確保することとしているのが17市町村となっています。
 なお、一部の取り組みにおいて、未定、検討中としている市町村も見られることから、引き続き、県として必要な助言を行ってまいります。
 また、避難所において患者が発生した場合の対応については、各保健所と十分に連携し、速やかに感染症指定医療機関等に搬送すること、避難所におけるクラスターの発生防止の取り組みを行うことなどのほか、地域防災計画に基づき、資機材の支援やいわて感染制御支援チーム―ICATの派遣など、必要な新型コロナウイルス感染対策、支援を行うこととしております。
   〔県土整備部長中平善伸君登壇〕
〇県土整備部長(中平善伸君) 県北地域の道路整備についてでありますが、災害に強い県土づくりや物流の効率化などの面から、県北地域の道路ネットワークの強化は、県として特に重要な課題と認識しているところでございます。
 このため、県北地域の幹線道路である国道281号において、岩手町大坊の2工区と久慈市下川井工区を復興事業として、令和2年度の供用を目指し、整備を進めているところでございます。
 加えて、復興・創生期間後も切れ目のない整備に取り組んでいくため、本年度から通常事業として、久慈市案内―戸呂町口工区を事業化したところであり、今後とも災害時にも機能する信頼性の高い道路整備を進めてまいります。
 北岩手・北三陸横断道路につきましては、国道281号も含め、県北地域の道路ネットワークのあり方について関係市町村と意見交換会を今月開催しまして、県北地域の道路の課題を共有したところであります。引き続き、幅広く検討してまいります。
   〔教育長佐藤博君登壇〕
〇教育長(佐藤博君) まず、中学生及び高校生のスポーツ、文化イベント等の代替開催状況についてでありますが、文化イベントについては、県中学校総合文化祭については展示発表のみ、県高等学校総合文化祭については規模を縮小し、また、全国高等学校総合文化祭については、インターネットを活用した発表など工夫を凝らした開催を予定しているところです。
 スポーツイベントについては、中学校は県内13地区で中学校総合体育大会を開催、高校については、サッカーや野球など県大会レベルでの大会開催を予定しているほか、陸上と水泳については、競技団体が主催となり、中学生及び高校生対象の大会を開催すると伺っています。また、学校や地区で交流試合を実施するなど、各競技や学校の状況等を踏まえ、さまざまな形で3年生の成果を発表する場を設定しているところです。
 次に、代替大会等を開催する際の新型コロナウイルス感染防止対策についてでありますが、各種大会参加については、生徒の健康状態を把握し、体調に不安を抱える生徒は参加させないことなどとしており、各学校において、生徒の健康、安全の確保に配慮しています。また、開催に当たっては、主催団体において、出場選手等への留意事項の指示、競技会場における手指の消毒の徹底や試合日程の工夫など、感染防止対策を講じた大会運営に努めているところです。
 次に、県立学校におけるICT環境の整備についてでありますが、岩手県教育委員会では、学校教育においてICTを効果的に活用し、学習の質を高めていくことが重要であると考えており、県立学校におけるICT機器等の計画的な整備に取り組むこととしています。
 また、新型コロナウイルス感染症に対応した子供たちの学びの保障に向け、県立一関第一高等学校附属中学校及び県立特別支援学校小学部、中学部の全児童生徒を対象とした1人1台端末の整備や、県立高校等でのオンライン学習支援サービス導入のための経費等を、令和2年度補正予算により措置したところです。
 なお、令和2年度当初予算においては、新たに、県立高校等20校に先行的に大型提示装置や実物投影機等を整備することとして、本定例会に財産の取得に関する議案を提案しているところであり、また、今年度中に、全県立学校に無線LAN環境も整備することとしているところです。
 次に、本県のICTを活用した教育についてですが、県内各市町村においては、国の緊急経済対策を活用した小中学校の児童生徒の1人1台端末の整備等に向けた取り組みが行われているところです。
 岩手県教育委員会では、新たに市町村立小中学校を対象としたオンライン学習支援サービスに取り組むための経費を令和2年度第3号補正予算により措置するなど、本県学校教育全体のICT環境の整備に向けて、市町村教育委員会と連携して取り組んでいるところです。
 今後は、ICT機器等が整備された教育環境の中で、どのように児童生徒の学びに結びつけていくかが重要であることから、岩手大学及び岩手県立大学と、ICT機器を活用した事業づくりなどの共同研究や教員研修などにより、子供たちの主体的、対話的で深い学びの実現に向けて、ICTを活用した授業改善や児童生徒の確かな学力の育成を推進してまいります。
〇46番(千葉伝君) 再質問3点お聞きしたいと思います。
 最初に、畜産関係についてお伺いします。
 国及び公益社団法人中央畜産会は、畜産事業者における新型コロナウイルス感染症感染防止、感染者が発生した時の対応及び事業継続に関する基本的なガイドラインを策定し、畜産農家や関係団体が実施すべき感染予防対策や、発生時に備えた業務継続体制の構築検討、発生時の対応について方針を示しております。特に畜産経営体においては、毎日家畜を飼養していることから、その経営の継続には事前の準備が必要であると考えております。
 県では、畜産農家で新型コロナウイルス感染者が発生した際の対応について、どの程度準備しているのか、まずお伺いします。
〇農林水産部長(佐藤隆浩君) 畜産農家で新型コロナウイルス感染者が発生した際の対応についての御質問でございました。
 県では、国等が示したガイドラインを踏まえまして独自に発生に備えたチェックリスト等を作成いたしまして、現在、広域振興局、市町村、JAなどが連携いたしまして、農家を支援する際の手順や役割分担の検討が進められているところであります。
 具体的には、畜産農家と関係機関、団体との緊急連絡体制の構築、消毒に要する資材や人員の確保、酪農家にかわって搾乳や飼料給与を行う酪農ヘルパーの派遣調整、肉用牛を緊急避難させる公共牧場等の確保、こういった誰が何をするのかを具体的に定めたチェックリストでありまして、万が一、畜産農家が感染した場合であっても、生産活動をとめることなく継続できるように万全を期してまいります。
〇46番(千葉伝君) 畜産の場合は、どうしても生き物が相手でありますので、事前に、例えば感染者が畜産農家であれば、人が動けなくなる、あるいは、物的な部分についても、今、部長がおっしゃったように事前の準備というか対応が必要だろうということで、県はもちろんですが、畜産団体等としっかりと協議しながら、発生したときの対応をぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次に二つ目でありますけれども、新型コロナウイルス感染症対策に係る補正予算の関係でありますが、先ほど総務部長からもお話があったのですが、現在、国が、1次補正予算、2次補正予算をつくって、県が計3回、169億円の補正予算を措置しているということで、それを感染拡大防止と社会経済活動維持の課題を両立させていくということで考えれば、これまでの分ではまだまだ不十分な点が多いと。本質問でもお話をさせていただきましたけれども、場合によっては、国は3次補正予算も必要ではないかという声が出ているようであります。
 そうした中、今般、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金について、県分が130億9、900万円、市町村分が172億2、300万円、計300億円余りが新たに追加措置されたところであります。この分については、私ども自由民主党岩手県支部連合会、岩手県議会自由民主党会派、県選出国会議員とともに、また、知事も6月10日付で緊急要望を行い、国に働きかけたということもあります。そういったことの成果とも言えるものではないかと思うところであります。
 したがって、今回の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の使い方、その使途になるわけでありますけれども、使途には制限が余りかからないということも書かれておりますが、これまでの新型コロナウイルス感染症対策で不十分なところ、あるいは、対応し切れなかったもの等に光を当てられるものであることと、スピード感を持ってこれから新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用していくことを考えれば、直ちに予算措置を私はすべきではないかという思いをしております。9月定例会までに考えるということではなく、今定例会が終了したらばすぐにでも臨時会を招集して対応すべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。
 もう一つ、最後に、新型コロナウイルス感染症対策を進める中にあって、知事の定例記者会見において気になる発言がありましたので、改めて、知事の考え方、真意をお聞きいたします。
 それは、令和2年4月17日に行われた知事の記者会見において、緊急事態宣言の拡大について評価する所感を述べた後、記者からの、安倍総理が閣議決定を取り下げ、1人10万円を給付すると決めたこと、全国一斉の休校あるいはマスク2枚全世帯配布の方針、進め方をどう評価するかという質問に対し、意思決定を官邸主導で進める内閣ではだめだ。内閣の形を変えて、主要政党の党首が入閣した内閣をつくるべきと、第二次大戦のイギリスのチャーチル首相の救国連立内閣を例に挙げて、民意を反映させる内閣において新型コロナウイルス感染症対策を進めることができると述べております。
 しかしながら、このことは各政党の代表する者で構成される内閣ということであれば、一見民意を反映するようにも思えますが、逆に、政策の決定において多数の考え方が出て、かえって混乱が生じると思うところであります。船頭多くして船山に上るということわざがあるわけでありますけれども、それよりは、感染症対策を担う首相主導の司令塔を設けて、幅広い分野の専門家からの知見と地方の実情を踏まえながら、政治が大局的見地から判断するとともに、施策のスピード、国民に明確なメッセージを発信することに重きを置いて進めるほうがよりよいと私は思うところでありますが、改めて、知事の考えをお伺いします。
〇知事(達増拓也君) まず、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の交付限度額の追加についてでありますが、これまで3次にわたる補正予算の編成において、新型コロナウイルス感染症への対応として868億円余の予算を計上しているところであり、まずは、その迅速な執行に努めてまいります。
 今後とも、感染拡大防止と社会経済活動の維持の両立について、市町村や関係団体等の状況を把握しながら、必要な事業や支援策について機動的に検討を進め、適時、適切に追加の予算措置を講じてまいります。
 次に、定例記者会見における発言についてでありますが、国民に一律10万円を支給する特別定額給付金については、野党側から強く主張されていたこと及び公明党代表からの申し入れが決断につながったことに鑑みれば、主要政党の党首が入閣した内閣であれば、適切な新型コロナウイルス感染症対策が進められる可能性が高いと考えております。
 特に、第2次補正予算における10兆円の予備費につきましては、これはまさに空前絶後の巨額の予備費であり、財政民主主義を確保するためには、救国型の連立内閣が求められるのではないかと考えます。また、新型の感染症の流行は、ともすれば、国民間の相互不信を生じさせ拡大させる危険性があり、国民の分断を回避する特段の配慮が必要と考えます。
〇46番(千葉伝君) 先ほど、私が新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金のこれからの措置について知事に聞いたのは、臨時会を開催して早急に対処すべきではないかということで聞いたつもりであります。その分をしっかりとお答えいただきたいということが一つ。
 それから、救国連立内閣の話でありますが、これについては、知事個人の、私はそう考えているということでの話として、本来は、各党首が同じような気持ちでいるというのであれば、それは堂々と主張して構わないと思うのですが、そこはよくお考えの上発言したほうがいいのではないかと私は思います。お答えをどうぞ。
〇知事(達増拓也君) 臨時会の招集については、これは必要な際にお願いをしていくものであります。
 また、今、日本における新型コロナウイルス感染症対策については、閣議決定のやり直しは日本の近代政治史上かつてなかったことと理解しておりますけれども、そのようなことが起きないような、国民の総力を結集するような内閣が今は必要であり、例えば、今、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議のあり方についても、さまざまな意見をもうちょっと参考にして決めていかなければならないのではないかなと考えます。
   
〇議長(関根敏伸君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時17分 休 憩
   
出席議員(48名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 上 原 康 樹 君
3  番 小 林 正 信 君
4  番 千 葉   盛 君
5  番 千 葉 秀 幸 君
6  番 岩 城   元 君
7  番 高橋 こうすけ 君
8  番 米 内 紘 正 君
9  番 武 田   哲 君
10  番 高 橋 穏 至 君
11  番 千 葉 絢 子 君
12  番 山 下 正 勝 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 田 村 勝 則 君
15  番 佐々木 朋 和 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 岩 渕   誠 君
20  番 名須川   晋 君
21  番 佐々木 宣 和 君
22  番 臼 澤   勉 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 小 西 和 子 君
27  番 吉 田 敬 子 君
28  番 高 橋 但 馬 君
29  番 小 野   共 君
30  番 軽 石 義 則 君
31  番 郷右近   浩 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 工 藤 勝 子 君
39  番 中 平   均 君
40  番 工 藤 大 輔 君
41  番 五日市   王 君
42  番 関 根 敏 伸 君
43  番 佐々木 順 一 君
44  番 伊 藤 勢 至 君
45  番 岩 崎 友 一 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 勝 博 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(なし)
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時37分 再開
〇議長(関根敏伸君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。佐々木順一君。
   〔43番佐々木順一君登壇〕(拍手)

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