令和元年9月定例会 決算特別委員会会議録

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令和元年11月5日(火)
1開会 午前10時3分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 嵯 峨 俊 幸
議事管理担当課長 安 齊 和 男
主任主査 千 葉 絵 理
主査 上 野 公一郎
主査 鈴 木   忍
主査 小 原 亜季子
主査 赤 坂 宏 紀
主査 鈴 木 貴 博
1説明員
保健福祉部長 野 原   勝
副部長兼
保健福祉企画室長 高 橋   進
副部長兼
医療政策室長 今 野 秀 一
参事兼障がい保健
福祉課総括課長 山 崎   淳
保健福祉企画室
企画課長 阿 部 真 治
保健福祉企画室
管理課長 駒 木 豊 広
健康国保課
総括課長 佐々木   哲
地域福祉課
総括課長 菊 池 優 幸
長寿社会課
総括課長 小 川   修
子ども子育て
支援課総括課長 門 脇 吉 彦
医務課長 福 士   昭
地域医療推進課長 稲 葉   亘

医療局長 熊 谷 泰 樹
次長 三田地 好 文
次長 小 原   勝
経営管理課
総括課長 吉 田 陽 悦
職員課総括課長 一 井   誠
医事企画課
総括課長 菊 地 健 治
業務支援課
総括課長 鎌 田 隆 一
薬事指導監 工 藤 琢 身
看護指導監 高 橋 弥栄子

医師支援推進室長 高 橋 幸 代
参事兼
医師支援推進監 菅 原 朋 則
医師支援推進監 鈴 木   優

会計管理者 菊 池   満
会計課総括課長兼
会計指導監 山 梨 康 紀

監査委員 寺 沢   剛
監査委員 沼 田 由 子
監査委員事務局長 鈴 木   敦
参事兼監査第一課
総括課長 安 部 光 一
監査第二課
総括課長 小 守 健 一

財政課総括課長 小 原 重 幸
〇佐藤ケイ子委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで、議案第37号及び議案第38号の以上17件を一括議題といたします。
 本日は、保健福祉部及び医療局関係について延べ16人の質問者を予定しておりますが、午後5時を目途に審査が終了するよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
 初めに、保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。
〇野原保健福祉部長 平成30年度の保健福祉部関係の決算について御説明いたします。
 初めに、当部所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針について御説明をいたします。
 平成30年度は、子供から高齢者まで、年齢や障がいの有無にかかわらず、ともに助け合いながら、生き生きと暮らすことができる、共に生きるいわての実現に向け、地域の保健医療体制の確立、家庭や子育てに希望を持ち安心して子どもを生み育てられる環境の整備、福祉コミュニティの確立の3点を政策項目として掲げ、取り組んできたところであります。
 まず、一つ目の地域の保健医療体制の確立についてであります。
 県民一人一人がみずからの心身の健康づくりに主体的に取り組み、地域に必要な医師等が確保され、県民が必要な医療や健診等を適切に受けることができるとともに、感染症などによる健康被害を心配することなく、安心して生活できる体制を確立するため、奨学金等による医師の養成や即戦力医師の招聘、病院勤務医の離職防止に向けた勤務環境改善などの医療を担う人づくりを初め、岩手県地域医療構想に基づく病床機能の分化と連携の推進等の実現に向けた取り組みや、ICTを活用した地域医療連携体制の推進、災害医療人材の育成、在宅医療と介護の連携体制の構築支援や医療機関の復旧支援などの質の高い医療が受けられる体制の整備、新型インフルエンザやウイルス性肝炎対策の推進などの感染症対策の推進、市町村など医療保険者による特定健診などの受診率向上の支援や民間団体と連携した啓発活動、被災地における保健活動の支援などの生活習慣病予防等の推進に取り組んでまいりました。
 その結果、がん、脳血管疾患及び心疾患で死亡する男性の数は前年に比べ減少し、目標を達成いたしましたが、女性については目標達成に至らず、また、医師養成、招聘等による医師確保数についても、震災応援を目的とした招聘医師の減少などにより目標に達しなかったところであります。
 今度とも、地域における医療人材の確保、定着に取り組むとともに、質の高い医療サービス提供に向けた医療機関の機能分担と連携の促進、被災市町村の新しいまちづくり計画や住民ニーズなどに対応した医療機関の復興支援に取り組んでまいります。
 さらに、新形インフルエンザなどの感染症拡大防止対策、生活習慣病予防のための健診受診率向上や健康づくりの普及啓発などの取り組みを推進してまいります。
 次に、二つ目の家庭や子育てに希望を持ち安心して子どもを生み育てられる環境の整備についてであります。
 男女が希望する時期に結婚ができ、安心して子供を生み育て、次代を担う子供たちが健やかに育つ環境を整備するため、“いきいき岩手”結婚サポートセンターの運営による結婚を望まれる方への支援などの若者が家庭や子育てに希望を持てる環境の整備を初め、周産期医療体制の整備や親と子の健康支援、不妊に悩む夫婦への支援などの安全・安心な出産環境など親と子の健康づくりの充実、地域ニーズに対応した保育サービスの拡充や放課後児童対策、企業による子育て支援活動の促進などの子育て家庭への支援、子供の貧困対策や児童虐待防止、被災地における子供への各種支援などの子供の健全育成の支援に取り組んでまいりました。
 その結果、いわて子育て応援の店の延べ協賛店舗数の増加、保育所における処遇改善実施率、放課後児童クラブ設置数は目標を達成して、取り組みは順調に進んでいるところであります。
 今後とも、結婚サポートセンターによる結婚支援や、周産期医療体制の整備など安全・安心な出産環境の充実、多様な地域ニーズに対応した保育サービスの充実、被災児童の支援や継続的な心のケア、児童虐待の防止、子供の貧困対策などを推進してまいります。
 三つ目は、福祉コミュニティの確立についてであります。
 県民誰もが必要な福祉サービス等を利用しながら、住民相互の支え合いなどにより、安心して生活できる福祉コミュニティーづくりを進めるため、地域の支え合い体制づくりの支援や福祉を担う人材の育成などの生活支援の仕組みづくり、介護予防や地域包括ケアシステムの構築などの高齢者が住みなれた地域で安心して生活し続けることができる環境の構築、障がい者の地域生活移行と定着の促進や、被災地における障がい福祉サービス提供体制の復旧支援などの障がい者が必要なサービスを利用しながら安心して生活ができる環境の構築、生活困窮者の自立支援や災害時における要配慮者の支援、被災地における見守り活動などの安全・安心のセーフティネットづくり、自殺対策を担う人材の育成や自殺リスクが高い方への支援体制づくりなどの自殺対策の推進、被災者の心のケアを行う体制づくりなどの心のケア活動の推進に取り組んでまいりました。
 その結果、元気な高齢者の割合の増加、人口10万人当たりの自殺死亡率の減少については、取り組みが順調に進んでおります。
 一方、地域密着型サービス拠点数の増加については、市町村の公募に対して建設費の高騰などの理由によりサービス事業者からの応募がなかったことなどのため、また、障がい者のグループホーム利用者数の増加につきましては、必要とする方が希望する地域にグループホームがないなどの理由により、いずれも目標に達しなかったところでございます。
 今後とも、市町村地域福祉計画の策定や地域福祉活動コーディネーターの育成への支援などを通じて、地域の実情に応じた生活支援の仕組みづくりに取り組むとともに、被災地の福祉コミュニティーの復興支援、地域包括ケアシステムの構築に向けた介護サービス基盤の整備促進など介護サービスの充実、障がい者のグループホームなどの整備促進や障がい者に対する不当な差別的取り扱いの禁止と合理的配慮の考え方についての普及啓発、災害派遣福祉チームの派遣体制整備や福祉避難所の設置支援など避難行動要支援者支援体制の構築、生活困窮者の自立支援などに取り組んでまいります。
 引き続きまして、平成30年度保健福祉部関係の決算について御説明をいたします。
 お手元の平成30年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。当部関係の一般会計歳出決算は、3款民生費のうち、1項社会福祉費、3項児童福祉費及び4項生活保護費並びに5項災害救助費の一部で、支出済額864億1、152万円余、4款衛生費のうち、2項環境衛生費を除いた支出済額152億1、305万円余、16ページに参りまして、11款災害復旧費のうち、2項保健福祉施設災害復旧費、支出済額1億9、990万円余、12款公債費のうち、1項公債費の一部で、支出済額73万円余、13款諸出金のうち、1項公営企業貸付金、支出済額103億円、3項公営企業負担金の一部で、支出済額223億1、509万円余であります。
 当部関係の支出総額は1、344億4、032万円余、翌年度繰越額は18億4、491万円余で、その主なものにつきましては、後ほど目別に御説明をいたします。また、不用額は15億1、401万円余で、主なものは、救急医療に係る補助や市町村補助事業等で実績が見込みを下回ったことによるものであります。
 以下、順次、項目ごとにその主なものにつきまして、便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明をいたします。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略し、備考欄記載の主な事業の内容を中心に御説明をいたします。
 歳入歳出決算事項別明細書の194ページをお開き願います。3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費の主なものでありますが、まず、冒頭の管理運営費は人件費が主なものであり、上から八つ目の生活福祉資金貸付事業推進費補助は、岩手県社会福祉協議会が行った低所得世帯等に対する生活福祉資金の貸し付けと相談援助事業の支援に要した経費であります。196ページに参りまして、2目障がい者福祉費の主なものでありますが、この目の上から六つ目の障がい者介護給付費等は、障害者総合支援法に基づく介護給付費等の障がい者自立支援給付について、市町村が支弁した一部を負担したものであります。その次の障がい者自立支援医療費は、精神障がい者の通院医療費の自己負担額の一部を負担したものであります。この目の下から三つ目の重度心身障がい者(児)医療助成費は、市町村が行った重度心身障がい者(児)医療費助成事業に要した費用の一部を補助したものであります。
 なお、繰越明許費1億902万円余の主なものでありますが、障害者支援施設等整備費補助などにおきまして、基本計画の策定等に不測の日数を要したことなどにより繰り越したものであります。
 3目老人福祉費の主なものでありますが、199ページに参りまして、この目の中ほどやや上の介護給付費等負担金は、介護保険法に基づき、市町村が行った介護保険事業に係る介護給付及び予防給付に要した費用の一部を負担したものであります。次に、六つ飛びまして、後期高齢者医療制度安定化推進費は、低所得者等に係る保険料の軽減相当額を市町村が負担した場合にその一部を負担したものであります。三つ飛びまして、後期高齢者医療療養給付費負担金は、岩手県後期高齢者医療広域連合が、被保険者に対して支弁した医療給付費の一部を負担したものであります。
 なお、繰越明許費7億4、945万円余の主なものでありますが、老人福祉施設整備費補助などを、補助事業者の事業実施が遅延したことにより繰り越したものであります。
 200ページに参りまして、5目国民健康保険指導費は、市町村の国民健康保険財政基盤の安定化に資するための負担金や基金の積み立てなどに要した経費であります。202ページに参りまして、6目婦人保護費は、婦人保護施設及び婦人保護一時保護所に保護しているDV被害者等の生活環境改善を図るための経費などであります。7目社会福祉施設費は、県立の社会福祉施設の管理運営に要した経費であります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、206ページをお開き願います。3項児童福祉費1目児童福祉総務費の主なものでありますが、下から四つ目の施設型給付費等負担金は、特定教育、保育施設、地域型保育事業の給付に要した経費の一部を負担したものであります。二つ飛びまして、地域子ども・子育て支援事業交付金は、市町村における子ども子育て支援事業計画を推進するための事業に要した費用の一部を補助したものであります。
 なお、事故繰越1億2、952万円余は、子育て支援対策臨時特例事業費などにおいて、補助事業者の事業実施が遅延したことにより繰り越したものであります。
 208ページに参りまして、2目児童措置費の主なものでありますが、この目の冒頭、児童保護措置費は、児童福祉施設に措置された児童等の入所に要した経費であります。3目母子福祉費の主なものでありますが、この目の下から二つ目の児童扶養手当支給事業費は、父または母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の安定と自立の促進に寄与するための、児童扶養手当の支給に要した経費であります。4目児童福祉施設費は、県立の児童福祉施設の管理運営や療育センター整備に要した経費であります。
 なお、繰越明許費378万円でありますが、杜陵学園管理運営費において、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
 210ページに参りまして、4項生活保護費1目生活保護総務費は、生活保護指導職員の人件費や生活保護給付事務、指定医療機関等に対する指導監査などに要した経費であります。
 212ページに参りまして、5項災害救助費1目救助費は、災害救助等に要する費用に充てるための積立金や、平成28年台風第10号等に係る災害救助費の精算に伴う国への返還に要した経費などであります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、216ページをお開き願います。4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の主なものでありますが、上から二つ目の母子保健対策費は、小児慢性特定疾病医療費助成事業、未熟児に対する養育医療給付、出産期医療対策などの実施に要した経費であります。218ページに参りまして、3目予防費の主なものでありますが、上から三つ目の特定疾患対策費は、指定難病患者の医療費自己負担分に対する公費負担などに要した経費であります。4目精神保健費の主なものでありますが、221ページに参りまして、この目の下から一つ目、被災地こころのケア対策事業費は、東日本大震災津波による被災者の精神的負担を軽減するため、長期にわたる継続した専門的ケアを実施するこころのケアセンター等の運営に要した経費であります。5目高齢者保健費の主なものでありますが、この目の上から三つ目の健康増進事業費は、市町村が行った健康増進事業に係る経費の一部を補助したものであります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、228ページをお開き願います。3項保健所費1目保健所費は、保健所職員の人件費等の管理運営などに要した経費であります。
 230ページに参りまして、4項医薬費1目医薬総務費は、人件費等の管理運営費がその主なものであります。2目医務費の主なものでありますが、この目の上から五つ目の救急医療対策費は、救急医療の確保、充実を図るための救命救急センター運営やドクターヘリの運航に対する補助などに要した経費であります。235ページに参りまして、上から六つ目の地域医療介護総合確保基金積立金は、医療、介護サービスの提供体制の改革を推進し、各地域において地域包括ケアシステムの構築を図るための基金の積み立てに要した経費であります。
 なお、繰越明許費3億6、724万円余の主なものでありますが、233ページに戻りまして、中ほどの病床転換施設設備整備費補助などを、補助事業者の事業実施が遅延したことなどにより繰り越したものであります。
 234ページに参りまして、3目保健師等指導管理費は、この目の二つ目の看護職員確保対策費がその主なものであります。
 ページを飛んでいただきまして、350ページをお開き願います。11款災害復旧費2項保健福祉施設災害復旧費1目社会福祉施設等災害復旧費でありますが、東日本大震災津波により被災した保育所に対し、施設復旧支援に要した費用の一部を補助したものであります。
 ページを飛んでいただきまして、362ページをお開き願います。13款諸支出金1項1目公営企業貸付金は、県立病院等事業会計への運営資金貸付金であります。
 3項1目公営企業負担金のうち、当部の所管は、県立病院等事業会計への負担金であります。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 引き続きまして、特別会計について御説明をいたします。
 ページを飛んでいただきまして、382ページをお開き願います。母子父子寡婦福祉資金特別会計の決算状況でありますが、収入済額は385ページの収入済額欄の末尾、4億8、015万円余であり、その主なものは、382ページにお戻りいただきまして、2款の前年度からの繰越金、3款1項の貸付金元利収入などであります。収入未済額は、385ページの収入未済額欄の末尾、1億6、774万円余で、その主なものは、母子福祉資金償還金などであります。
 次に、386ページに参りまして、支出済額は、387ページの支出済額欄の末尾、2億7、774万円余であり、その主なものは、母子及び父子世帯並びに寡婦に対する修学資金、就学支度資金及び修業資金などの貸し付けに要した経費であります。
 ページを飛んでいただきまして、422ページをお開き願います。国民健康保険特別会計の決算状況でありますが、収入済額は429ページの収入済額欄の末尾、1、163億9、764万円余であり、その主なものは、422ページにお戻りいただき、2款の国庫支出金、426ページに参りまして、4款前期高齢者交付金であります。
 たびたび恐縮ですが、次に434ページに参りまして、支出済額は、次の435ページの支出済額欄の末尾、1、145億5、119万円余であります。
 430ページに参りまして、2款国民健康保険事業費1項国民健康保険事業費1目保険給付費等交付金の主なものでありますが、この目の冒頭普通交付金は医療費のうち、保険給付費について全額を各市町村に交付したものであります。2目後期高齢者支援金等の主なものでありますが、433ページに参りまして、この目の冒頭後期高齢者支援金は後期高齢者医療制度の保険給付費の財源のうち、後期高齢者支援金を社会保険診療報酬支払基金に支出したものであります。
 以上で保健福祉部関係の説明を終わります。御審議のほどよろしくお願いいたします。
〇佐藤ケイ子委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇柳村一委員 看護職員の確保についてお伺いします。
 1点目は、平成30年度の看護職員養成校の卒業者数と県内就職率についてお伺いします。
 2点目は、県内病院等の看護職員の求人倍率と充足率についてお伺いします。
 3点目、それらをまとめた上で、平成30年度の看護職員確保への取り組みと評価、今後の取り組みへの考えをお伺いします。
〇福士医務課長 3点御質問をいただきました。看護職員の確保の関係でございます。
 まず、県内の看護師等学校養成所の卒業者の状況と県内就業の状況についてでございます。
 平成30年度の看護師等学校養成所の卒業者数は、全体で607名となっておりまして、このうち大学等に進学して未就業となっている方が52名おられますが、就職したのが555名となっております。このうち県内に就職した者は375名、県内就業率は67.6%となっております。
 また、県内の看護職員の有効求人倍率と充足の状況についてであります。病院というお尋ねでございましたが、有効求人倍率につきましては、診療所も含む全体でお答えをさせていただきます。
 岩手労働局が公表しました平成31年4月の有効求人倍率でございますけれども、県内は1.88倍となっておりまして、全産業は1.43倍でございましたので、これよりは高い状況となっております。
 充足の状況についてでありますけれども、県が毎年把握している、これは病院に関してのものでありますけれども、調査時点が平成29年度時点のものとなりますが、いずれも法令の基準で定める必要看護職員数は満たしておりまして、93病院全体の平均では、基準の約2倍の看護職員が配置されているところでありす。この充足度につきましては、年々わずかながらではありますけれども上昇してきている状況です。
 一方で、各病院におきましては、職員の出産ですとか育児などによる代替職員の確保、あるいはワーク・ライフ・バランスの推進、こうしたことに加えまして、高度先進医療に対応した看護の質の向上ですとか、手厚い看護体制を維持するためには継続的に求人を実施し、必要な看護職員の確保に取り組んでいるものと認識しております。
 こうしたことも踏まえまして、看護職員確保の取り組み等でございますけれども、県では、いわて看護職員確保定着アクションプランに基づきまして、修学資金の貸し付けあるいは就職説明会の開催など、看護職員の安定的な確保と定着に向けた取り組みを総合的に進めてきておりまして、昨年度におきましても、こうした取り組みを継続的に行っているところでございます。
 県内の看護職員の数につきましては、こうした取り組みにより増加が図られてきているところでございます。また、就業率も先ほど申し上げたとおり、看護職員の修学資金の貸し付け枠の拡大など効果があらわれたことにより、平成25年度以降は大体60%の後半で県内就業率は推移してきております。
 ただ、一方で、今後の高齢化の進展ですとか医療の高度化への対応等に加え、看護職員の働き方改革の推進なども一層求められてくることにより、さらに職員の需要は高まっていくものと予想しているところでございます。
 今後、看護職員確保の取り組みにつきましては、県では、新卒者の県内就業率の向上とあわせ、未就業となっている看護職員の再就業支援が重要と考えております。引き続き、修学資金の貸し付けによりまして、新たに就業する看護職員の確保、定着に取り組んでまいりたいと考えておりますし、また、県のナースセンターにおきましては、再就業を希望する看護職員に対しまして、きめ細かなマッチング等、あるいは復職研修なども行っているところでありますので、継続的に取り組むほか、求人を行っている医療機関に対しましても、短時間勤務を希望する求職者のニーズなどにも沿った多様な勤務形態を導入することの働きかけなども行っているところでございまして、こうした未就業者の看護職員の就業意欲の向上などを通じまして、再就業の機会の拡大に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
〇柳村一委員 主要施策の成果に関する説明書で、平成30年度の実績は統計が公表されていないということですけれども、9月4日に統計が公表されて、それを私なりに計算してみたところ、平成30年度は1万6、565人で、平成28年度に比べて90名ほどふえてはいるようです。その説明のところにも、病院の看護職員数は増加していますと肯定的な評価のようでありますが、実際、医療現場では看護師不足が訴えられています。平成30年度のもので評価するとしたら、達成度はどのぐらいになる見込みなのか。また、先ほどの説明でもそうですけれども、充足率は大丈夫だと言っていますけれども、現場の雰囲気をどう考えているのかお伺いします。
〇福士医務課長 主要施策の成果に関する説明書については、平成30年12月現在の数値は御指摘のとおり、端数を切り上げると1万6、566人と承知しております。
 今回の主要施策の成果に関する説明書上は評価とはならないところでございますけれども、数字で合わせてみたときにどうなるかにつきましては、少しお時間を頂戴したいと思います。
 また、御指摘のとおり、100名弱の増加数だったということでありまして、県としても、これまで取り組みを行ってきたところでありますけれども、少し増加数が低くとどまったと感じておるところでございますので、今現在取り組んでいるいわて県民計画のアクションプランでも目標数値を掲げて、引き続き看護師の増加に取り組んでいくこととしております。
 また、現場での看護職員の不足ということでございますけれども、これにつきましても数値上だけではなく、現場の実感としても看護職員が不足しているというのは、各団体、各方面からもいろいろお聞きしているところでございまして、先ほど申し上げましたとおり、例えば育休や産休などで休まざるを得ない場合に代替職員を確保しようにもなかなか確保が難しいとか、あとは、質の高い看護を提供しようとしたときに、例えば診療報酬上7対1の看護を維持したいけれども、そこがなかなか常に綱渡りの状況で厳しいといったお話は我々もお聞きしているところでございますので、医療機関においても安定的に確保ができるように、引き続き修学資金の取り組みや、再就業の支援の取り組みですとか、さまざまな取り組みを講じてまいりたいと考えているところでございます。
〇柳村一委員 目指す姿指標のところで、平成30年度の計画目標が1万6、900人となっているわけですので、今、県が言った数字で1万6、566人だと、計画目標より334人少ないわけでございます。この目標というのは、これくらいいないと病院の看護師の仕事の内容等が大変になってくるだろうと試算されたものだと思いますし、また、准看護師は年々減って、平成28年度から平成30年度に関しますと、184名減っております。看護師に関しましては219名近くふえているのですけれども、准看護師は最後はゼロになるわけでございまして、ここの減っていく部分をどう看護師で補っていくかというのも、県としては考えていかなければいけないと思います。准看護師は年々ますます減っていくと思いますけれども、そこら辺はどのように考えていらっしゃいますか、お伺いします。
〇福士医務課長 準看護師につきましては、県知事が交付する免許職でありますけれども、現行の法令上も准看護師の免許職なり制度とすれば引き続き維持されるところでありますけれども、ただ、今後看護職を目指す方につきましては、准看護師からさらにステップアップしていく、例えば准看護師の養成所も県内に数カ所ございますけれども、卒業した後に、そのまま引き続き正看護師の免許を取るため進学をしている方が多くおります。将来的には准看護師が少なくなっていって、それが看護師に切りかわっていく、長期的にはそうなるだろなとは受けとめております。
 県といたしましては、准看護師も含む看護職を全体として必要な数を確保していくという取り組みを引き続き進めてまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 看護師の充足率は大体大丈夫だという先ほどの御説明でしたけれども、病院は看護師だけでなくて、介護職員もいるわけでございまして、看護師がやらない部分の仕事を介護職員が行っているわけですけれども、病院の介護職員の充足数というのは県では捉えていらっしゃいますでしょうか。
〇小川長寿社会課総括課長 ただいま病院の介護職員の数ということでございましたけれども、私どものほうで医療機関における介護職員の人数については承知しておりません。
〇柳村一委員 そうなのですね。医療と福祉別々で施策をやっているわけですけれども、病院にも介護職員というのは必要なわけです。特に入院患者を抱えている病院ですとちゃんと世話をしなければいけない。そういう介護職員がどんどん病院でも減っているおかげで、看護師の仕事量がふえてきていると。あと、最近言われ始めました働き方改革で、さまざまな書類をつくったりいろんな部分でまた看護師の仕事がふえて、すごい大変な状況になっているわけでありまして、今回の目標値を掲げる上ではそういうところも加味していかないと、従前のままの充足率とイメージしていくと、どんどん看護師の現場と県の考え方が乖離していくと思うのですけれども、今後、そこら辺もしっかりと見据えた上での看護師の確保対策について取り組む考えはないのかお伺いします。
〇福士医務課長 ただいまのお尋ねは、病院全体を支えるマンパワーのこと、そして、そういった確保なり業務が厳しい状況で、特に看護師の方にしわ寄せといいますか、厳しい状況になっていることだと受けとめております。
 必ずしも介護職員ということにはならないのかもしれませんけれども、病院におきましては、例えば看護師以外にも病棟に看護補助者という、介護の免許を持っている方、持っていない方がいらっしゃいますけれども、そういった方も配置するようなことは診療報酬上も整っておりまして、実際に病院現場でも配置はされておりますが、なかなか確保が厳しいということを我々も聞いておるところでございます。
 こういった看護職員を支えるスタッフの確保も当然必要だと考えておりますし、また、看護職員の方々が本来の職に専念できるように業務の見直しとか、勤務環境改善という取り組みの中で、あるいはワーク・ライフ・バランスも含めてということになろうかと思いますけれども、そういった中で、病院の現場にも、県のほうから勤務環境改善の取り組みということで働きかけを行いながら、看護職員の方が業務に専念できるように努めてまいりたいと思っておりますし、また、看護職員の確保の取り組みについても引き続き力を入れてまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 厚生労働省は今月の21日に、看護職員が2025年に6万人から27万人不足するという発表をされております。特に大都市圏で不足するということで、岩手県としましても新卒者がそちらに流れるという懸念があると思いますので、しっかりと看護職員が岩手県で働ける環境等を整備して、できるだけ新卒者が県内に就職するような施策を講じていただきたいと思います。
 では、次の質問に移ります。介護職員の確保についてお伺いします。
 先ほどの看護職員と同じですけれども、平成30年度の介護職員養成校の卒業者数と県内就職率、養成校の募集停止による影響についてお伺いします。
 2点目は、県内施設等の介護職員の求人数の求人倍率と充足率についてお伺いします。
 3点目は、平成30年度の介護職員の確保への取り組みと評価、今後の取り組みへの考えについてお伺いします。
〇小川長寿社会課総括課長 3点御質問をいただきました。まず1点目の介護福祉士養成施設の卒業者数と県内就職率、それから募集停止による影響についてでございますが、平成30年度における県内の介護福祉士養成施設卒業者数は91人となっております。そのうち、介護職への就職者数は、県内、県外合わせまして81人でございます。県内での就職者数は72人でありますことから、県内就職率は88.9%となっております。
 それから、県内における介護福祉士養成施設5校のうち、1校は平成30年度から、もう1校が今年度から生徒の募集を停止しているところでございますが、定員に対する入学者の状況は、平成27年度以降、おおむね4割程度で推移しているところでございます。
 養成施設の定員が減少することにつきましては、県として事業者などとともに一体となって、介護人材の確保、育成に総合的に取り組んでいる中、介護職を目指そうとする方にマイナスのイメージを与えかねないほか、介護分野で中核的な役割を担う介護福祉士を目指す生徒などの進学先が限られるなどの影響があるのではないかと考えているところでございます。
 次に、2点目の県内施設の介護職員の求人数、求人倍率、それから充足状況についてでございますが、本年9月の県内の介護職員の求人数は2、652人でございまして、県内の有効求人倍率につきましては、全産業の1.37倍に対して、介護職では2.73倍となっております。
 各施設の職員配置につきましては、経営上の判断によるところが大きく、配置基準を充足した上で、余裕のある施設運営を行う観点からの充足状況につきましては、定量的に示すことは困難であろうと思っております。
 現段階におきまして、職員配置基準の充足に支障を来す事例は確認されておりませんが、公益財団法人介護労働安定センターの平成30年度介護労働実態調査によれば、県内の約7割の事業所が、職員の不足感があると回答している状況となっております。
 3点目の取り組みの評価と今後の課題についてでございますが、県では、いわていきいきプラン2020に基づき、参入の促進、労働環境、処遇の改善及び専門性の向上の三つの視点から、介護の仕事のイメージアップに向けた情報発信、介護人材キャリア支援員による求人、求職のマッチング支援、労働環境の整備、改善を促進するセミナーの開催、介護職員初任者研修の受講料補助などの人材確保対策を総合的に進めてきたところでございます。こうした取り組みによりまして、平成30年度におきまして、介護人材キャリア支援員によるマッチング支援におきましては191人の方が県内の事業所に採用されたほか、県内事業所における本年4月1日時点の介護職員処遇改善加算の届け出率は95.4%と、前年同期比で6ポイト上昇しているところでございます。しかしながら、有効求人倍率を見ますと、全産業に対して介護職は高くなっておりまして、依然として介護人材不足が顕著な状況にあるということでございますので、介護人材確保に向けた取り組みを一層強化していく必要があるものと認識しております。
 県では、今後、増加が見込まれる外国人介護人材の受け入れに関する取り組みや介護ロボット、ICTを活用した労働環境の改善に関する取り組みなど、引き続き介護人材の確保に向けて総合的に取り組んでまいる考えでございます。
〇柳村一委員 ことし9月現在の求人数2、652人に対して、新卒者で県内に就職したのは72名、数字的には、もう、かけ離れた状況になっていると思います。先ほどの説明では、充足している状態だと言われておりましたけれども、要は、ベッド数を削減して職員数に合わせたりすると充足できるわけです。これからどんどん介護を求める方がふえていくと、現状を満たすだけではいけないわけです。県は数々取り組みを行っていますけれども、なかなかふえないと。
 今、説明がありましたけれども、介護職員処遇改善加算の申請数は95.4%で6ポイント上がったと言いますけれども、これは実際問題、今まではいろんな研修に対する加算でありまして、給料に関するものではないわけですね。その上で、ことしの10月からスタートする部分では、給与面でも優遇するという加算になっておりますけれども、これによる効果みたいなものは県として考えていらっしゃいますでしょうか。
〇小川長寿社会課総括課長 ただいま委員から御紹介がありました、本年10月からスタートいたしました特定処遇改善加算につきましてでございますけれども、これは国のほうで公費を1、000億円ほど充当して、勤務10年以上の介護職員の方について月額8万円ほどの給与改善を図るという算定を根拠といたしましてスタートしたものでございます。これによりまして、各事業所におきましては、この加算を活用して、ベテランの介護職員のみならず、事業所の判断によりますけれども、ベテランでない若い方、あるいは介護職でない方の給与等の処遇の改善につきましては独自判断として上げられるものと期待しているところでございます。
〇柳村一委員 10年以上ということは、新規に介護職をやろうという人にはなかなか恩恵がない。事業所でその辺は采配していいということで、10年以上やっている人は8万円上がるというイメージでいるでしょうし、あと、10年に満たないぎりぎりの人はどうなのだという部分で、この制度もなかなか使い勝手が悪い制度だと思うのですが、先ほどの病院の実情もありますので今後ますます減っていくと思います。
 外国人材を活用してと言いましたけれども、お年寄りにとってはなまりがわかる介護職員に介護してもらわないと、外人は何を言っているのかわからない状態になったり、適切なサービスが提供できない面もありますので、この10月からスタートする部分も、県としてももう少し事業所等の動向を見ながら、介護職員の確保についてしっかりとやっていただきたいと思います。
〇佐藤ケイ子委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇福士医務課長 先ほど委員からお尋ねのありました平成30年の就業看護職員数を当てはめたときの達成度でございますけれども、1万6、566人の実績値をもとに算定いたしますと、Dという達成度になってまいります。
〇城内よしひこ委員 それでは何点か質問したいと思います。
 まず、インフルエンザの予防接種状況について、平成30年度の状況はどのようになっているかお伺いします。
〇今野副部長兼医療政策室長 まず、平成30年度の状況ということでございますが、県内では1医療機関当たりの患者数は、おおむね例年並みの、流行の目安が1医療機関当たり1.0人ということでございますが、それを12月の第3週に超えたということで、さらに本年の1月第3週に流行警報発令値の30人を超えた状況でございます。その後、1月の第4週にピークであります47.11人となりまして、過去10年で3番目の流行の規模となりまして、例年並みの5月第3週に流行が終息しているという状況でございます。
〇城内よしひこ委員 そこで、今シーズンの見通しをお伺いするわけでありますけれども、近年、インフルエンザはオールシーズンかかっている人がいるのではないかと思われるくらいの状況でありますが、特に震災後は全国から応援に来てくださった職員の方であったり、仕事する方々が移動する、そのためにピンポイントで拡散するという傾向があったと思っております。また、今年はラグビーワールドカップであったり、いろんな外国人の方々がたくさん岩手にも来るようになっていますので、インフルエンザが爆発的に蔓延するのではないかと危惧をするところでありますが、今年度はどういう見通しをお持ちかお伺いしたいと思います。
〇今野副部長兼医療政策室長 今年度の見通しということでございます。県内におきましては、ことし10月の第3週に、1医療機関当たりの患者数が流行の目安であります1.0人を上回ったという状況でございまして、これは例年に比べて早い時期の流行入りとなっているところでございます。
 これまで流行入りから注意報、警報へと至る患者数の増加状況につきましては、その年によって異なるという状況がございますので、なかなか詳しい見通しを申し上げることは困難ですが、過去について見ますと、流行入りの直後から急激な患者数の増加を見た例もあるところでございます。
 こういったことも踏まえまして、県におきましては、今年度は例年より一月早い9月の下旬にインフルエンザ対策実施要領を関係機関に通知いたしまして、手洗い、せきエチケットの徹底、それから早期の予防接種の実施など、インフルエンザ予防法の普及啓発を行いますとともに、学校等の施設閉鎖それから患者数の発生動向の把握、公表など、関係機関と連携してインフルエンザ対策の徹底に一層取り組んでいくこととしているところでございます。
〇城内よしひこ委員 その辺は徹底をしていただきたいと思います。特にワクチンを、いつでも、どこでも接種したいときに予防接種ができるような状況を医療機関にも求めていってほしいところであります。
 そこで、予防接種のPRというのでしょうか、先日、インターネットだったと思いますが見ていたら、若いお母さんが、子供に予防接種をすると余りよくないということを見て、させなかったという話があるのです。そういうことも今日あるような時代になってしまったので、しっかりと医療をつかさどる皆さんとすれば、PRを徹底してほしい。特に子供たちに対する予防接種というのをしっかりとしてほしいと思いますが、そういう対策、考えについてはいかがでしょうか。
〇今野副部長兼医療政策室長 インフルエンザの予防接種につきましては、感染予防、重症化防止に一定の効果が認められておりまして、蔓延それから拡大の防止について大変重要な対策の一つとして認識をしているところでございます。
 県としては、これまでもインフルエンザワクチンの接種を含めた予防法の普及啓発に向けまして、教育機関等へのポスター配布や市町村、医療機関への情報提供に取り組んできたところございますが、今年度につきましては、昨年度の乳幼児に引き続きまして高齢者の方についても、県内いずれの市町村でも定期予防接種を受けられるよう、広域的予防接種の取り組みを進めているところでございまして、医療機関や福祉施設、市町村など、関係機関への説明会を、今年度、県内各地で延べ17回開催するなど、一層の予防接種の促進に取り組んでいるところでございます。
 いずれ、インフルエンザ予防につきましては、ワクチン接種は非常に重要なわけでございますが、マスクをつけてせきエチケットを行う、それからしっかり手を洗うといった基本的な感染症対策をあわせて徹底していくことが重要でございますので、それら総合的に県民への普及啓発を促進いたしまして、インフルエンザの対策に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、お願いします。
 それでは次に、民生委員、児童委員についてでありますが、民生委員、児童委員の充足状況はどのようになっているか、お伺いします。
〇菊池地域福祉課総括課長 民生委員の充足状況についてでございますが、本県の区域担当の民生委員と主任児童委員を合わせた総定数は、中核市である盛岡市分を含めて3、763人、これに対する本年9月1日現在の委嘱人数は3、693人で、充足率は98.1%となっております。
〇城内よしひこ委員 なかなかなり手がないという状況がだんだんに来ているなと心配しております。大変多忙な仕事であると私も認識しているのですが、平均年齢はどのようになっているかお伺いします。
〇菊池地域福祉課総括課長 民生委員の平均年齢につきましては、民生委員の方が御都合で任期途中でおやめになったり、あるいは欠員の補充があったりということで動きがございまして、3年に1度行われる民生委員の一斉改選期における統計データで申し上げますと、直近の一斉改選期である平成28年度においては、区域担当の民生委員の平均年齢が65.4歳、主任児童委員は61.5歳となっております。
〇城内よしひこ委員 若い方が片手間にやれる仕事ではないし、もちろん第一線をリタイアした方々がやっているということでありますけれども、なかなか大変な仕事であることは、多分私も皆も認識は同じだと思います。先ほど充足率が98.1%といいましたけれども、途中でやめるというのは、年齢的なものもあるようでありますし、仕事が大変でコミュニケーションがなかなかうまくとれない、私にはできないといったところでやめる。かわりに誰かといっても、なかなかなり手がないという状況があります。今はこういう状況で推移していますけれども、今後ますます大変になっていくのではないかと思います。
 そこで、なり手等、募集という言い方も変ですけれども、なり手の確保対策はどのようになっているかお伺いしたいと思います。
〇菊池地域福祉課総括課長 民生委員のなり手の確保対策についてでありますが、委員から今お話がありましたとおり、県内の市町村では、自治会等の協力を得て、地域で適任と考えられる候補者に働きかけるなど、さまざまな取り組みを行いまして、民生委員に就任いただいている状況でございます。
 民生委員の充足状況は先ほどお話しいたしましたが、前回の改選、平成28年12月1日では96.5%でありましたので、本年9月では98.1%と1.6ポイント上昇しているところでございます。
 一方、沿岸被災地を中心に県全体では70人前後の欠員が続いている中、本年12月1日に3年に1度の一斉改選が予定されておりまして、なり手の確保が大変重要な課題であると認識しており、なり手を確保するためには、多くの人に民生委員の制度や役割を知っていただくことが重要と考えております。県では、市町村や岩手県民生委員児童委員協議会と連携いたしまして、県民の理解を深めるための普及活動を行うほか、今年度は特に、例年5月に実施しておりますラジオ広報に加えまして、9月と10月にも新聞、ラジオによる広報を行ったところでございます。
 それから、継続していただくことも重要でありまして、福祉制度に関する研修会を開催し、必要な知識等習得への支援を行うほか、沿岸被災地では、学識経験者を交えて、民生委員同士が日ごろの活動についての意見交換、助言をし合う機会を設けるなど、精神的負担の軽減にも取り組んできたところでございます。
 本年12月の改選期においても、一定程度の欠員が生じるものと見込まれております。県としては、今後も、民生委員活動の理解を深めるための普及活動などによりまして、活動しやすい環境整備や定年退職を迎えた年代の人など潜在候補者の掘り起こしを行っていくほか、研修等の開催などによりまして継続していただくための支援にも取り組んでまいります。
〇城内よしひこ委員 ぜひしっかりとお願いしたいと思います。近年、災害が多発して、地域の事情を知っている方々が少なくなりました。なおかつ、新しいまちづくりの中で、たくさんの人が交流して、まだまだ地域に根差していない方々がいらっしゃる中で、民生委員の方々、児童委員の方々が果たす役割は大変大きいと思っています。1年や2年で交代となってしまうと、しっかりと仕事ができないで、地域になかなか貢献できないうちに人がかわったりすると、これもまた大変だということでありますので、しっかりと継続できるような体制あるいはそういう支援もやっぱり必要だと思います。その辺も含めてお願いしたいと思います。
 次に移ります。看護師の状況ということで柳村委員からも話がありましたが、県立高等看護学院の進路の中で、岩手県に残るための指導はどのように行っているかをお伺いしたいと思います。
〇福士医務課長 県立高等看護学院の就職に関する指導ということでございますけれども、まず、県内の三つある高等看護学院で、昨年度卒業した卒業生が91名、そのうち、進学等を除いて県内で就業した者が53名、就業率とすれば、県内全体よりも少し高い69.7%となっているところでございます。
 県といたしましても、県で設置している高等看護学院につきましては、県内の医療機関の看護人材確保の役割が期待されているというところは十分認識しておりまして、高等看護学院の教員などとも連携しながら、丁寧な就職指導等にも取り組んでいるところでございます。
 こうした取り組みとあわせまして、修学資金の貸し付けを行っている生徒もございますので、県内に就業するような働きかけなども行っておりますし、また、これは高等看護学院も含めてということになりますけれども、1年生、2年生の段階におきましては、夏場に就業体験のようなものも行いながら、県内医療機関の取り組みや魅力なども伝えているところでございます。また、毎年2月ごろには、県内に就業するための就職説明会なども開催して、こういったところにも積極的に参加するように働きかけながら、まずは県内に就業して、地域の医療に貢献する看護職員として巣立ってほしいということで、教員一丸となって取り組みを進めているところでございます。
〇城内よしひこ委員 私の希望とすれば、少なくとも8割ぐらいは県内に残ってもらえるような、確かに、進学であったりというのは仕方ないと思いますし、もちろんそういう職業の選択を云々という話はするつもりもさらさらないですけれども、ぜひそういった意識を生徒たちに入学時から、あなた方は岩手で働くんだ、そのためにここに来たんだというぐらいの思いを伝えてほしいと思います。
 先ほどの柳村委員の話にもありますとおり、医療人材というのは福祉の分野でも必要であります。保健師、助産師、看護師制度があるとはいいますけれども、まだまだ看護師の果たす役割は大きなものがあると思っていますし、そういった方々を育成する機関であります。ぜひしっかりと指導してほしいと思います。
 そこで、三つの高等看護学院の冷房の設備は整っているかどうかお伺いしたいと思います。
〇福士医務課長 三つの高等看護学院の冷房設備の状況につきましては、確認をした上でお答え申し上げたいと思います。申しわけございません。
〇城内よしひこ委員 岩手県もだんだん温暖化で暖かくなってきて、小学校、中学校には冷房設備が入るようになってきました。高校でもそういう要望があるとすれば、看護学校にそういう設備がもしないのであれば、今後、しっかり学びの環境を整えるべきではないかと思いますが、その辺をお伺いして終わりたいと思います。
〇福士医務課長 冷房設備も含めましたそういった学習環境あるいは実習、教育環境といったものは、優秀なといいますか学生を社会に羽ばたかせていく上では、非常に重要だと思っております。
 冷房設備については確認した上で答弁申し上げますけれども、三つの看護学院につきましては、近接する県立病院の整備等にあわせまして整った施設設備となっているところでございます。特に、宮古高等看護学院におきましては、震災後に定員をふやしたことにあわせまして施設設備を拡充したところでございます。そういった中で、学生がじっくり学んでいけるような形で、県としてもそういった支援に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 母子保健事業のうち、災害時における乳幼児や妊産婦への支援についてお伺いいたします。
 総務部の防災関連でも質問させていただきましたけれども、市町村の備蓄状況に関する調査の結果では、県内全市町村において被災者用の備蓄について実施しているということでして、その中で、乳幼児及び妊産婦に配慮した物資の備蓄や避難所運営について、自治体の防災対策にかかわる方々には、乳幼児や妊産婦に配慮した効果的な防災対策の理解促進が県内では足りないと私は感じておりますが、県としての認識と平成30年度の取り組み状況についてお伺いしたいと思います。
〇駒木保健福祉企画室管理課長 災害時における乳幼児や妊産婦への支援についてのお尋ねでございました。
 日常生活におきましても、赤ちゃんですとか、そのお母さん、それから、これから赤ちゃんを産もうとする方への配慮は当然のことですけれども、災害時におきましては、ますます重要になると考えております。
 県では、市町村避難所運営マニュアル作成モデルをつくりまして、市町村に対しまして避難所運営マニュアルの策定を促しておるところでございますが、その県モデルでは、乳幼児や妊産婦への配慮につきまして、まず、物資の確保体制の整備といたしまして、紙おむつ、粉ミルク、哺乳瓶といった乳幼児用品を初めとする乳幼児、妊産婦のための物資を速やかに届けられる仕組みを整えるよう求めているところでございます。
 また、避難所におきましては、清潔、保温、栄養など健康面への配慮、それから、心身の状態の変化に対応できるよう、その状態を把握するとともに、必要に応じて医療機関への移送を依頼すること。また、栄養の確保と健康維持のため、妊産婦や乳幼児は、それぞれの時期や月齢によっても差があることから、保健師による健康相談や医師会などの専門職団体と連携して対応すること。さらには、妊産婦のための休養スペースや授乳スペースを設置し、プライバシーを確保することなど、妊産婦や乳幼児に配慮した避難所運営を求めているところでございます。
 県といたしましては、今後、避難所運営マニュアルを策定していない市町村に対しまして、地域特性を踏まえたマニュアルの整備を働きかけるとともに、研修会等を通じて、災害時における乳幼児や妊産婦への配慮が十分行われるよう、理解を求めていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 災害対策基本法の中でも、高齢者、障がい者、乳幼児その他の特に配慮を要する者を要配慮者と定義しておりまして、その要配慮者に対する防災上必要な措置に関する事項の実施には努めなければいけないと規定されております。
 県では、マニュアルをつくられて、まだ全市町村でマニュアルがつくられていない状況になっているかと思いますけれども、総合防災室の取り組みでもお伺いしたときには、なかなかそれがしっかり浸透していない状況ではないか。マニュアルをつくっているところはあるけれども、実際には、それが乳幼児と妊産婦への配慮が、実際のところはしっかりと配慮した運用にはなっていないのではないかという感じがしました。
 全市町村でそういったマニュアルをつくることも大事だと思いますけれども、例えば、東京都や愛知県では、妊産婦・乳幼児を守る災害対策ガイドラインというものを特化してつくられて、これをしっかり各市町村の防災対策、母子保健事業の中で読んでもらえるように詳しく明記するような事業を行っております。また、兵庫県では、母と子の防災・減災ハンドブックを作成しております。
 こういう取り組みが私は岩手県でも必要ではないかと感じておりますけれども、県として、例えば防災対策とか、母子に特化した防災事業というのは、これまで取り組まれてきているのでしょうか。
〇駒木保健福祉企画室管理課長 今、委員御紹介のありました東京都及び愛知県のガイドラインにつきましては、母子保健の視点から、母子の特性や母子に必要な支援物資の確保、避難生活における母子への配慮などが、それから、兵庫県のハンドブックにつきましては、男女共同参画の視点から、災害発生時の行動ルールや母子保健上の留意点などが記載されていると承知しております。
 県におきましては、先ほど御紹介申し上げました市町村避難所運営マニュアル作成モデルを策定いたしまして、各市町村における対応を促しているところでございます。
〇吉田敬子委員 先ほどのガイドラインは、東京都では保健福祉部に当たる部局が作成して、しっかりつくられて、防災関係のところと連携をとっておりますし、具体的に、他県では母子に特化した防災事業を保健福祉部でも実施していたりしているところが多数あります。
 岩手県では、これまで取り組まれてきていないということだと思いますけれども、県内の自治体でも母子に特化した防災イベント等をやられている市町村もありますが、県もそういった取り組みがこれから必要ではないかと私は思っております。それは、当事者の母子だけではなく、それを取り巻く方々、妊産婦だったり小さい子供を抱えた家庭にどういう支援が必要かということは、見ないとわからないと思いますので、そういう事業も今後必要ではないかと思いますが、県のお考えをお伺いしたいと思います。
〇駒木保健福祉企画室管理課長 県での事業についてのお尋ねでございました。国ですけれども、実は、今般の台風災害を初めとしまして災害が頻発している中で、女性の視点からの防災と復興の重点性が増しているという認識のもとで、平成25年に国が策定しました男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針を今年度中に見直すと伺っているところでございます。
 今後、国の動向を注視しつつ、先ほど委員から御紹介いただきました他県のガイドライン、ハンドブックも参考にいたしまして、関係部局と連携して検討してまいりたいと思います。
〇吉田敬子委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、一つ飛びまして、ひとにやさしい駐車場利用証制度についてお伺いします。
 平成30年度の取り組み状況と課題認識について、まずはお伺いいたします。
〇菊池地域福祉課総括課長 ひとにやさしい駐車場利用証制度の平成30年度の取り組み状況等についてでありますが、県では、県の広報誌でありますいわてグラフ、それからツイッターへの掲載等により広く制度の周知を図ったほか、市町村の福祉担当窓口で利用証の交付申請書を配布するなど、利用証を必要とする人に情報が届き、申請しやすいように努めてきたところでございます。
 こうした取り組みによりまして、平成30年度におきましては、指定施設数は前年度から9カ所増の483カ所、指定駐車区画数は24区画増の1、012区画、利用証の交付については994件増の1万1、803件となっております。
 次に、課題認識についてでございますが、本制度については、歩行困難な人などの外出支援として、引き続き、区画数の確保に努める必要があります。それから、利用制度対象外の人が駐車し、本当に使用したい人が使えていないなどの意見もございますので、制度の目的や利用方法について、さらに多くの人の理解と協力を得る必要があると考えております。
 県としては、今後も県の広報等を活用しまして、制度の一層の周知を図り、駐車区画数の確保や正しい利用についての普及を図ってまいります。
〇吉田敬子委員 そこで、この利用対象者の中には妊産婦も含まれております。その妊産婦の利用状況について県の認識をお伺いしたいと思います。
 岩手県は、妊産婦が利用できる期間は出産前後の12週ということになっております。他県の平均的期間と比べると少ない状況になっておりますけれども、それに関する認識と今後の対応についてお伺いします。
〇菊池地域福祉課総括課長 まず、妊産婦の利用状況についてでございますが、平成30年度の妊産婦への利用証の交付は78件、最近5年の平均では71件となっております。
 県といたしましては、妊産婦の方で交付申請を行われていない潜在的なニーズもあると考えておりまして、妊産婦に対する周知が十分に図られるよう、今後、子育て支援の関係施策と連携しまして周知に取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、利用期間についてでございますが、本県において、妊産婦の対象期間は出産予定日の前後12週としておりまして、おおむね妊娠7カ月から産後3カ月までが対象となっております。
 この期間の設定については、制度を開始する際、他県の例を参考とし、ひとにやさしいまちづくり推進協議会において、子育て支援関係団体から意見を聞くなどし、決定した経過がございます。
 全国の状況については、平成29年に国土交通省が行った調査によりますと、制度を導入している本県も含めた36府県では、期間の開始は、本県と同様妊娠7カ月からが25府県、母子手帳取得時からが11府県、期間の終期は、本県と同様産後3カ月までが16府県、産後6カ月までが3県、産後1年以上としているのが17府県となっております。
 県では、今年度は新しいひとにやさしいまちづくり推進指針の策定に取り組んでおりまして、この検討の中で、子育て家庭への支援の向上や他府県の取り組み状況を勘案いたしまして、推進協議会の中で関係団体等から意見を聞くなどしながら、妊産婦の対象期間のあり方についても検討していくこととしております。
〇吉田敬子委員 岩手県では今、産後3カ月までということで、全国では産後1年以上としているところが一定数、大多数がそうされているということで、他県をいろいろ調べてみましたら、やはり子育て家庭への子育て支援の一環もあって、特に1歳児未満の子供を抱えて、買い物等も含めていくときの困難さというか、そこの支援も含めた設定をされていると全国的には見ております。
 今年度、改定されるということで、ぜひ岩手県でも産後1年以上、そこはお任せしますけれども、全国に合わせてしっかり取り組みをしていただきたいです。これは、岩手県で交付されると、他県でも同じように利用できるというもので、他県の方が岩手に来たときには利用できる期間が少なくなるということにならないように、ぜひ全国的な流れと同じにしていただきたい。
 今回、知事はマニフェストの中で、これは県土整備部の管轄になるのですが、ひとにやさしいまちづくりガイドラインを改定したいということを掲げております。その中にも駐車場に関することは含まれておりますので、これをセットで、保健福祉部でも、駐車場の利用制度については、妊産婦の部分についてもしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に移ります。森と自然の育ちと学び自治体ネットワークの取り組みについてお伺いしたいと思います。
 長野県が筆頭に声を上げて、森と自然の育ちと学び自治体ネットワークが平成30年度に立ち上がりまして、岩手県もいち早く参加表明されたことには大変評価するものであります。ただ一方で、私としては、なかなかその取り組み自体が岩手県では進んでいないと思っております。平成30年度の取り組みの状況と成果についてお伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 森と自然の育ちと学び自治体ネットワークにつきましては、昨年10月に設立されたところでございますが、本県におきましては、これまで、県立児童館いわて子どもの森におきまして、豊かな自然環境を活用して、子供の主体性や自主性を育む活動を行ってきたこと、あるいは県内の保育所におきましても、保育所保育指針を踏まえて、自然とのかかわりを考慮した保育が行われていることから、参加団体との情報交換を行うことによりまして、自然を活用した保育を初め、本県の子育て環境の一層の充実を図ることを目的にネットワークへ参加したところでございます。
 当ネットワークにおきましては、これまで、設立記念シンポジウムや活動報告会などを実施したところでございまして、県といたしましては、ネットワーク事務局や参加自治体から提供される自然を活用した保育に関する情報について、県内市町村を通じて保育所等に周知をし、情報の共有を図っているところでございます。
 一方、自然体験等を通じた子供の健全育成の中核施設でありますいわて子どもの森におきまして、より効果的な取り組みや実践的なプログラムの作成が行われ、保育所等への普及が図られるよう、ネットワークによる各種調査や情報発信等の取り組みを活用していくことが必要と考えているところでございます。
〇吉田敬子委員 では、県としては、いわゆる森の幼稚園を活動としてされている団体等を含めて、どの程度いるという認識があるのでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 本県におきましては、県が自治体として参加しておりますし、また、市町村では、久慈市、釜石市、田野畑村の3カ所が参加しているところでございます。
 また、森の幼稚園の全国ネットワークにつきましては、県内でも二、三が参加していると把握しているところでございますが、先ほど申し上げましたとおり、各保育所におきまして、本県は自然が大変豊かなところでございますので、野外活動等を通じてさまざまなプログラムを実施していただいていると思っております。また、これも先ほど申し上げましたが、いわて子どもの森におきまして、さまざまな体験活動ですとかプログラムを用意しておりますので、保育所ですとか、幼稚園を巡回していただきながら普及していく活動も行っているところでございます。
〇吉田敬子委員 私が先日、資料請求をさせていただいたときは、森の幼稚園の活動をされている団体等を把握されていないという資料をいただいたのですけれども、認定している幼稚園、保育所以外でも、自然保育を活用した学びの提供をされている団体も含めて盛り上げていくのが、このネットワークの取り組み方針であります。その中で、森の幼稚園の活動をしているところを把握されていない状況では、どのようにネットワークを広めているのかと私はちょっと疑問を感じたのです。
 久慈市とかが自治体として参加されているのはわかるのですけれども、具体的に、県の中でどこの団体が、保育所だけでなく、保育所、幼稚園で自然保育ができない場合に、別の団体等で、大学も含めて森の学びの幼児教育を提供しているところも実際にあるわけです。そういうところをまずは把握しないと、せっかくそういう方々との連携とかネットワークを保育所や幼稚園にもフィードバックできないのではないかと私は考えておりますけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 今、委員から御指摘がございましたとおり、確かに保育所あるいは幼稚園以外の部分でも、いわゆる民間の活動としまして、定期的にではないとしましても、例えば月に1回ですとか、週に1回ですとかといった形で活動されているところがあることは、一定程度承知しているところでございます。
 ただ、県全体の状況といいますと確かに把握し切れないところがございますので、今回、本県におきましても、この自治体ネットワークに参加したことでもございますので、状況につきましては、可能な範囲で、市町村とかを通じまして把握してまいりたいと思います。また、その中で、よりよい取り組みがありましたら、それも広く御紹介してまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 例えば、釜石市にある三陸駒舎は、今、障がい児のために特化した自然保育の取り組みということで、学びの場の提供をことしの夏から始められているんですけれども、その団体は、森と自然教育について一生懸命幼児教育に取り組まれております。あとは、盛岡大学の中でも、そういった周辺の保育園、幼稚園と連携して、自然保育の取り組みをされていると伺っているます。
 やはりそういう民間も含めてやっていかないと、今、実際に保育園と幼稚園は、現在、精いっぱいの状況もある中で、ただ、子供たちには自然教育をさせたいという保育所は、聞くと多数あって、そういう民間でやっているところと連携していくことと、民間の方々を支援して頑張っていってもらう取り組みが必要だと私は感じています。
 実際に、この自治体ネットワークに入っている都道府県では、例えば森の保育士という名前をつけて、そういう支援ができる人を育成されていたり、森の幼稚園事業というまずはイベントをやってみたりされています。せっかく参加を表明されて、私もすごく期待をしておりますので、ぜひ今後、まずは県内各地のそういう団体の把握に努めていただいて、しっかり自然教育を、小さいころから非認知能力を高めることが大事だということは、文部科学省でも取り上げていますので、保健福祉部でしっかり取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇岩渕誠委員 関連。それでは、避難所の運営について関連質問します。
 先ほど避難所運営のモデルを作成して市町村に促しているとのことですが、それは男女共同参画とか、いわゆる災害弱者対策としても有効だとは思いますが、これは、作成して促していますが、実際にどういう配備をされて、マニュアルや指針に沿ってどのぐらい対応しているのかという点検はしていますか。
〇駒木保健福祉企画室管理課長 県におきましては、例年1月をめどに、各市町村に対しまして避難所運営モデルの策定状況ですとか、その内容について照会しておるところでして、それをもとに、市町村の状況を把握しておるところでございます。
〇岩渕誠委員 これからやるということですが、なぜ私がこの件で関連質問したかというと、避難所の運営についての男女共同参画の視点は随分前からあるわけでありまして、特に本県においては、東日本大震災津波の際に、非常にあちこちから出てきている。それから9年たとうとしているわけでありますけれども、実際にこの配備が進んでいるのかどうか、それが法の問題なのか制度の問題なのか財源の問題なのか、それとも意識の問題なのか、私は、これをきちんと明らかにすべきだと思っているのです。
 これから把握するということでありますが、実際に避難するほうも困るのは、私の地域の避難所には一体何が備蓄されているのだろうか、これがわからないと、避難しようにも、じゃ、何を持って行けばいいのか、何は持たなくていいのか、この辺がはっきりしないわけであります。その辺を市町村で早く明らかにすべきだと思うのですけれども、これは1月まで待たなければならないですか。その以前にはそういうことをやっていないのですか。
〇駒木保健福祉企画室管理課長 市町村における配備状況につきましては、申しわけございません、こちらでは把握していないところでございます。
〇岩渕誠委員 それでは、1月までをめどにしているということでありますので、かなり詳細に点検していただいて、それがなぜ進まないのか、進んでいるとすればどうなのかということをしっかりとお願いしたいと思います。
 実は、震災の前に大船渡市の赤崎地区では、この避難所にはこれぐらいの備蓄品がある。したがって、そこから漏れているのはこれとこれだということを地域の人たちが話をして、毛布であったり、あるいは紙おむつ、あるいは粉ミルクを自前で備蓄している地域がありました。本当はそういうものが理想だとは思うのですけれども、なかなかそうもいかないということでありますので、私は、そこをきちんとしてほしいと思います。
 それから、備蓄に関してですけれども、いわゆる水、毛布、食料、乾パン的なものについては直接的な備蓄になっていると思いますが、紙おむつであるとか粉ミルクであるとかといった福祉関係、乳幼児にかかわるものは間接的な備蓄になっていますか、それとも直接的な備蓄になっていますか。
〇駒木保健福祉企画室管理課長 申しわけございません。当部におきましては、そういった備蓄については把握しておらないところでございます。
〇岩渕誠委員 余りにも予想どおりの答弁でがっかりしたのですが、確かに、県庁9階の保健福祉部は避難所の運営について管理をしています。備蓄そのものについては総務部、県庁4階が所管しているわけでありますが、私は、総務部の審査を聞いていても、やっぱり4階と9階の避難所運営に関して、どうも一通ではないなという感じをしておるわけであります。備蓄は備蓄の話、運営は運営の話ということであります。やはり避難所の実際の運営上こういうものが必要だというのは、保健福祉の段階から声を上げていかないと、私は、そこのリエゾンがうまくいっていないのではないかと思っているわけであります。
 それと、私が間接備蓄なのか直接備蓄なのかと聞いたのは、今はタイムライン防災が主流ですから、どんどん早まって一般の人たちは備蓄に走るわけです。例えば、前回の台風第19号でも、スーパーに行くと、前の日には、水とかパンとかといったものはまずなくなっているわけです。スーパーから消えているわけです。それで、当然粉ミルクとかおむつもなくなっているわけです。そういったところについて、やはり間接備蓄で本当に大丈夫なのかということをもう一回点検すべきだと思いますが、いかがですか。
〇駒木保健福祉企画室管理課長 今の委員の御指摘を踏まえまして、今後検討させていただきたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、いわて結婚応援の店についての質問をさせていただきます。
 主要施策の成果に関する説明書にもありますが、結婚を希望する県民を応援する機運醸成を図ることを目的に行われていますこの結婚応援の店の事業、協賛店の募集広告は、10回を目標にしていたのを12回やると多く実績を重ねていらっしゃるのですが、成果のほうは、協賛店の数が目標値の半分ちょっとぐらいにとどまっているという結果になっております。これについて、なぜこういう結果になったのかを県はどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 いわて結婚応援の店についてでございますけれども、この事業は昨年1月に開始いたしまして、現在2年目となっているところでございます。これまで、専用のホームページですとか、いわてわんこ広報室等の広報媒体あるいは新聞広告、いわて子育て応援の店の協賛店に対するリーフレットの送付等によりまして募集を行ってきたところでございます。協賛店舗数は、平成30年度末の時点で234店となっているところでございます。
 こういう状況でございますので、さまざまな広報媒体を使って募集の取り組みは行っているところでございますが、やや目標には達していないという部分がございますので、さらにこういった広報を強化していく必要があると考えているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 私は、前から行われているいわて子育て応援の店も、この結婚応援の店も大体似たような趣旨であると思っていまして、本当に県としてこれを続けていく意味があるのかということをちょっと考えています。
 結婚を応援してもらうという機運醸成はもちろん必要ですけれども、今、合計特殊出生率が1.41で低くなったとか、i−サポの成婚数が40組のところ23組、そういった課題が出てきている中で、機運醸成を県が主体でやるのか、それとももっと力を入れるべきところ、本当に結婚できないと思っている方は、これまでの議会の質問でもありますけれども、例えば非正規で経済的にちょっと不安があるから結婚まで考えられないとか、それから、家族を支えていくことに自分の経済的なところで不安があるとか、今でさえ休みがとりづらいのに、家族を持ったときに本当にやっていけるのかとか、そういう悩みがもう既にいろいろな形で県にも伝わっていると思うのです。
 そういうところをしっかりとどう支援していくか考えていかなければいけない時期に来ているのではないかと私は思うのですけれども、その点について、今後、本当に機運醸成だけでいいのか、それとも、i−サポならi−サポのほうに予算をきちんと配分して注力していくべきとお考えなのか、その点について確認したいと思います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員から集中的な取り組みをという御意見がございました。繰り返しになりますが、いわてで家族になろうよ未来応援事業の取り組みにつきましては、結婚に対するイメージアップを図ること、それから、社会全体で結婚を希望する方を応援する機運醸成を図るという意味で実施しているところでございます。
 確かに、先ほど御紹介いただきましたとおり、i−サポの関係ですとか、さまざまな取り組みはございますけれども、社会全体でといいますか県民を挙げて結婚を希望する方を応援するという機運醸成もまた一つ大事なところだと思っておりますので、この取り組みにつきましては、やはり継続してまいりたいと考えているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 結婚応援の店については、これからもまた継続してやりたいということですけれども、子育て応援の店は、延べ件数で1、933店舗になっています。これももう5年以上ずっとやってきている事業です。これをずっと県が進めていくことで、じゃ、合計特殊出生率が上がるのかと言えば、実際は上がっておりませんので、例えばですけれども、民間で、こういう応援の店というのは、NPOだったり、または民間の子育て支援組織とかでも運営することはもしかしたらできるかもしれませんから、そういうノウハウについては民間にお渡しして、県は、本当にやらなければいけないことにしっかりと注力していくと。
 この応援の店というのは、ある意味、お店にとっては、私たちの店でこういう優遇サービスをしていますのでというのは、広告宣伝媒体にもなるようなものですので、今、民間では、そういった団体もありますので、そういったところに例えば活用策を考えてもらうとか、そういう別視点もあると思うのです。ずっと県でやっていくのではなくて、ある一定程度のところまで来たら、やめるのかやめないのか、効果があるのかないのかしっかりと検証して、それを、社会全体の機運醸成であれば、民間でもやれるような形に持っていってもらうとか。
 多くの事業が重なってきてしまうと、ただでも子供、子育ての分野は非常に業務が煩雑で、県だけでなく市町村でもすごく大変だというお話を聞くのです。ですので、きちんとやるべきところに皆さんの力を注力していって、県の課題が解決されるような事業の取り組みをしていただきたいと思って、私はお話をしているところであります。
 機運醸成ももちろんいいのですけれども、県として本当にやっていくべきなのは、若い人たちが結婚して、子供を育てられるような環境整備を、会社でもそういう取り組みもしていくということで、一般事業主行動計画などをしっかり策定していってもらうような取り組みのほうが、実際に県がすべきことではないかと私は考えるのですけれども、そういった点については、今後どのように進めていくお考えなのかお伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほどのいわてで家族になろうよ未来応援事業と同様の趣旨と思いますけれども、いわて子育て応援の店につきましても、これは一定程度の期間実施させていただいているところでございますが、長くやっている中で、さまざま、店舗の方たちとか、あるいは御利用者の方からアンケート調査等を実施しているところでございます。
 この中では、お客様からよい反応があったですとか、あるいはお店の従業員の方につきましても、子育てを応援する意識が高まったというような御意見もいただいているところでございまして、これはこれで一定の成果があるものと思っております。
 先ほどお話がございましたとおり、少子化対策あるいは合計特殊出生率の向上に向けましては、雇用の関係ですとか、働き方改革の関係ですが、これももちろん同様に重要な取り組みだと思っておりますし、これは関係部局と連携して、さらに取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 一方で、この子育て応援の店につきましても、先ほどお話し申し上げましたとおり、一定程度の成果はあるものと思っておりますので、これも、やはり社会を挙げて子育てを応援しようという機運の醸成につきましては大事なところですので、継続を考えているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 県として10年、20年この事業を続けていくべきなのか、事業実施主体が県ですので、委託とかいろいろな形があると思いますが、この機運醸成の事業についてはやっていいと思います。だけれども、今の世の中はクラウドファンディングでいろいろな事業を個人がやったり、思いが一緒の方々が一緒になって自分たちの力でやるようなムーブメントもある中で、ずっと県がやり続けていくべきことなのかということを私はお伺いしていて、私たちは、本当に県しかできないことをやっていかなくてはいけないと思うのです。
 それは、やっぱり一般事業主行動計画をしっかりと条例化するとか、そして、社会の中で休みがとれて、結婚して、子供を2人、3人と産めるような、そういう体制をつくっていくためにやるべきことに県は注力していくべきだと思っているので、その点についてお伺いしました。
 ぜひ、その点について、今々すぐ民間に委託するとはなかなかならないのは私もわかっておりますけれども、いずれ、子育て支援団体とかがいっぱいあります。そういった方々が、民間の広告代理店と一緒になってできる方法とかがあるのかないのか、そういったことも検討しながら、県職員の皆さんは優秀な方が集まっていますので、その優秀な方々の力をしっかりと取り組むべきところに取り組んでいけるような事業の構成を練っていっていただきたいと思っております。
 最後に、部長に所見をお聞きして、終わりたいと思います。
〇野原保健福祉部長 委員からさまざまな御意見をいただきました。合計特殊出生率を上げていくためにさまざまな取り組みを県はしています。こうしたことで、申し上げた機運の醸成もやはり必要な部分だろうと思っています。
 一方で、県として本当にどの部分に注力していくのか、我々は不断にこの事業について評価を行い、どれぐらい取り組みが上がっているのか、我々より、むしろ民間の力をおかりしたほうがいいということであれば、そういった点も十分検討していくべきことであろうということで、これは不断に検討すべき事柄だと認識しております。
 また、一般事業主行動計画につきましては、今定例会の中でも御答弁差し上げたところでございます。さまざまな企業の状況等も伺いながら、また、関係機関のお話も伺いながら検討しなければならない課題だとは認識しております。
 少し具体的に、例えば枠をさらに100人というところをどうするのかという部分は、さまざまな視点で検討が必要な部分があろうかと思っておりますので、そうした意味で、我々もその点は少し研究、検討を進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 関連。確認で一つ質問させていただきます。先ほどの民間企業に支援していただく結婚、それから子育て支援という制度は、これまでもずっと続けられてきました。我々の前任期の最後の2年間、私が所属する人口減少・子育て支援対策調査特別委員会で香川県に行って、香川県では、県内の理容店の方々に対して、結婚の後押しをしてもらうような事業を全県で展開していたということを委員長報告でもさせていただいて、県には、そういうものを取り入れてほしいと提言させていただきました。その検討をされているのかいないのか、されるおつもりがあるのか、その辺のところだけお聞きしたいと思います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員から御紹介いただきました報告につきましては、当方でも承知しているところでございます。さまざまな取り組みがある中で、どういった形で実施することが効果的なのかにつきましては、いわゆる民間の方、理容店とかの御協力をどういただければいいのかということにつきましては、今後、引き続き検討させていただきたいと思いますし、また、ぜひともそういったことが少子化対策につながりますように、検討をさらに続けてまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 先ほどハクセル美穂子委員が話をしたことは、そういうことなのです。他県で同じことをずっとやってきているのを岩手県でもやり始めましたということをずっと続けてきた。そういうことではなく、本当に岩手独自で結婚をしてもらうための事業を企画していかなければならないと私は思うわけであります。
 まさに、先ほどハクセル美穂子委員が言った見直しというのは、私は本当に大事なことだと思っています。せっかく提言させていただきましたので、ぜひ勉強していただきたいし、取り入れられるところは岩手なりにアレンジして取り入れていただく。また、そのほかにももっともっと、我々も勉強不足で提言はできないですけれども、そういう取り組みが各県で行われていると思いますし、まだどこの県もやっていないものもあると思いますから、それはやっぱり担当でしっかりと勉強されて、実効性のある事業をこれから展開していっていただきたいと思います。
〇佐藤ケイ子委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時59分 休 憩
午後1時2分 再開
〇佐々木茂光副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇福士医務課長 午前中の質疑において、城内よしひこ委員から県立高等看護学院の冷房設備の整備状況についてお尋ねがございました。一関、宮古、二戸の県立高等看護学院でございますけれども、これら施設は、現在の施設を改築あるいは増築等を行うことに合わせまして冷房設備を整備してきたところでございまして、一関につきましては平成24年の新築の時点で、宮古につきましては平成27年度の増築に合わせまして、二戸につきましては、平成16年の移転後の1年ないし2年後の平成17年から平成18年ごろにかけて、それぞれ冷房設備の整備を行ってきたところでございまして、教室、実習室ともに冷房設備は整っているところでございます。
〇佐々木茂光副委員長 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日、審査を予定している部局について延べ12人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇千葉秀幸委員 私からはi−サポについて伺いたいと思います。
 午前中にも多少話にはなったのですが、今日本では、未婚率が大幅にふえてきている状況でございます。岩手県においては、生涯未婚率が男性部門が沖縄に続く第2位、26%と深刻な問題となっております。そういった中で、i−サポを導入したことは大変すばらしいことだと、敬意を表するものであります。
 それでは幾つか質問をさせていただきます。
 i−サポは平成27年度から開始され、平成29年度の1、105人をピークに年々会員は減少しております。まず、この要因は何とお考えか、また、今後、どう会員をふやしていくかもあわせてお伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 i−サポについてのお尋ねでございます。会員の減少ということでございますが、ただいま委員からも御紹介がございましたとおり、平成29年度に1、105人、平成30年度には934人、令和元年度9月末時点におきましては857人と減少しているところでございます。
 これにつきましては、平成27年10月から取り組みを開始したところでございますが、会員の登録期間が2年間となっておりまして、平成27年10月からの会員の方々につきましては、平成29年10月以降に登録期間が終了したということで、更新をなかなかしていただけない中で、少しずつ下がってきているという状況でございます。
 また、現在さまざまな取り組みをさせていただいているところでございますけれども、2年たちました平成29年度には新たなi−サポの拠点を整備させていただきましたし、また、お出かけi−サポということで出張サービス等も実施しているところでございます。さらに、今年度につきましても、周知の取り組み等を行わせていただいておりますので、今後とも、会員数の増加に向けましては取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇千葉秀幸委員 今、更新のお話が出ましたが、私の調べによると、更新時期には2カ月前から通知を出しているということを伺っております。毎回手続をしないと更新できないとなると、面倒な部分や忘れてしまうことも大きな要因と思っているのですが、手続方法を自動更新にするなど、引き続き継続してもらえる確率の高い方法の手続も一つ選択肢としてはいいと思うのですが、そこについてはどうお考えでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ただいま会員の更新につきまして自動更新というお話もございましたけれども、この登録料が2年間で1万円ということで、登録料の関係もございますので、なかなか自動更新というのは難しいところがあるかもしれませんが、ただいま委員からお話をいただきました自動更新、あるいはどういった形であればそういった手続が可能なのかというところも含めまして検討させていただきたいと思います。
〇千葉秀幸委員 もちろん長く更新していただければ、当然、出会う確率も必然的に上がってくると思います。ぜひ継続していただける方法を検討していただきたいと思っております。
 次に、地域別会員数についてでございます。
 県央広域圏が325人、県南広域圏が304人、沿岸広域圏が159人に対して県北広域圏が95人と、母体の違いはもちろんあるのですが、かなり落ち込んでいる状況でございます。地域別の周知体制に違いがあるのかということも考えられますが、どう捉えていますでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 i−サポ会員の地域別の状況でございますが、確かに今委員から御指摘がございましたとおり、圏域別で見ますと、会員数といたしましては差があるところでございます。ただ、これはそれぞれ人口の規模にもよりますので、一例を申し上げますと、例えば二十歳以上の人口の中で、1、000人当たりどれくらいの登録者がいらっしゃるかというところで見ますと、県央広域圏につきましては0.84人、県南広域圏につきましては0.77人、沿岸広域圏につきましては0.99人、また、県北広域圏におきましては0.64人ということで、人口規模から見ましても、県北広域圏につきましてはやや下回っているというところでございます。
 県北広域圏におきます会員数拡大あるいは会員の利便性の向上につきましては、出張サービス、先ほども申し上げましたが、お出かけi−サポを平成28年2月から久慈市で行っておりますし、平成29年10月からは二戸市でも行っているところでございます。
 これに加えまして、県北広域振興局管内の全戸配布の広報誌北いわて最前線というものがございますが、この中でi−サポの紹介記事を掲載しておりますし、また、i−サポのパンフレットにつきましては、今年度設立されました北いわて未来づくりネットワークの中でも、設立記念講演会での配布あるいは管内企業に対します店舗への配布、従業員への周知の協力依頼のための個別訪問などを行っておりましてi−サポの周知に努めております。また、県北地域の市町村、結婚支援団体等との連絡会議というものも実施させていただいておりますが、この中でi−サポのセンター長を招きまして情報交換を行うなど、会員の拡大に向けて取り組みを進めているところでございます。
〇千葉秀幸委員 では、地域別に周知体制、周知方法が異なっているということではないということでよろしいですね。
 私の手元の資料によると、i−サポを更新する人が少ないということ、その背景には成婚率の低さが考えられると私は解釈しております。現に、成婚率が達成度Dという結果でございます。これについてどうお考えか、また、どう分析しているのかお伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員から御指摘がございましたとおり、達成度といたしましてはDというところでございます。この目標につきましては、平成30年度は40組を目標とさせていただいたところでございますが、23組でしたので、届かなかったところでございます。
 ただ、取り組みといたしましては、年々周知の方法も検討して個別に対応させていただいておりますし、また、先ほど申し上げましたとおり、お出かけi−サポの関係ですとか、さまざまな取り組みをさせていただいているところでございます。また、本年度につきましては、i−サポのさらなる周知というところに関係をいたしますが、婚活のレベルアップを図るようなガイドブックといいますか、冊子を作成することとしておりますし、また、こういったものを通じまして、市町村と連携をしながら周知を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 達成度Dということではございますけれども、今後とも、さまざまな取り組みを検討する中で、会員の増に努めてまいりたいと考えております。
〇千葉秀幸委員 成婚率が低いと、入会していても意味がないという心境にもなると思います。そもそもそれが趣旨でございますが、i−サポだけでなく、民間の取り組みも含めて、今までさまざまな取り組みを私も聞いております。多くの意見は、個人ではなかなか恥ずかしくて入会しづらいといった意見もあります。ぜひ民間企業と連携してやっていただきたいと思うのですが、そのお考えはあるでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 民間との連携につきましては、本会議におきましても議論になったところでございますし、可能な限り、連携できるところは連携しながら、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇千葉秀幸委員 ただチラシを持っていくだけという取り組みではなかなか弱いので、企業と契約を結ぶなど、さまざまなやり方があると思うのですが、そういった取り組みも一つ考えとしてはいいのかと思っております。それにより、企業の協力体制も変わってくるものかと私は考えております。すばらしい取り組みです。
 人口減少の根本には、結婚しない人がふえているという要因も大いにあります。今後も会員数をふやす、また、マッチング精度を上げる工夫をしてもらいたいと思っております。
 最後になります。達成度は先ほどもDということでお話をさせていただきましたが、余りにも低いので、県の今後のi−サポに対する重要性、取り組みをお聞きして終わりたいと思います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 少子化対策といたしましては、この結婚支援というのは大変重要な取り組みだと県でも理解をしているところでございます。
 今後の取り組みといたしまして、先ほど委員からも御指摘がございましたけれども、会員数をまずふやすということが大事でございますし、また、その中で、いわゆるマッチングの機会をふやしていくということも重要だと考えているところでございます。
 現在、i−サポのマッチングのシステムにつきまして、来年度更新の時期を迎えるところでございます。そうした中で、さまざまなシステム等につきましても、変更なり工夫を加えながら、マッチングの機会をさらに多くするような取り組みも検討してまいりたいと思っておりますので、成婚数が確かにふえますと会員数の増にもつながるかと思いますので、さまざまな部分につきまして検討させていただきたいと思います。
〇千葉秀幸委員 せっかく県の予算を使っているということで、結果はさまざまあるのでしょうが、取り組みをなくすというマイナスの発想より、私の個人的な意見にもなるのですが、どうしたら成果が出るか、この活動をしっかりと生かしながら、取りやめるというより成果を出していくという進め方で、ぜひいい成果を期待しているところでございます。
〇臼澤勉委員 それでは、私からは第3款第3項第4目の児童福祉施設費、県立療育センターの管理運営費についてお伺いいたします。
 平成30年1月から業務開始がされましたが、利用者の新たな施設に対するハード面を中心に、どういう評価の声があるのかお伺いいたします。
〇山崎参事兼障がい保健福祉課総括課長 新しい県立療育センターに対する利用者の評価についてでありますが、ハード面における利用者の評価といたしましては、施設が新しくなり利用しやすくなったとの声をいただいておりまして、利用上、ハード面で対応すべき要望やクレームなどは、今のところないという状況にございます。
 また、盛岡となん支援学校が併設されたことによりまして、特に療育センターの入所児については、利便性が向上し支援学校への登校が容易になったこと、急変時においてもより迅速な対応が可能となり、安心感が得られていることなどについても評価をいただいているものと考えているところでございます。
〇臼澤勉委員 この県立療育センターはさまざまな部門を抱えております。入所部門、診療部門、通所部門、こちらのほうの利用状況に対する県の評価はどのように認識されているのかお伺いします。
〇山崎参事兼障がい保健福祉課総括課長 療育センターの利用状況についてでありますが、平成30年度におきまして、肢体不自由児や超重症児等に対応する入所部門につきましては、定員60名に対して、1日当たりの平均入院者数は33.9人、利用率56.6%、小児科、整形外科、児童精神科等からなる診療部門につきましては、1日当たりの平均外来患者数は81.2人となっております。また、在宅の障がい児等の通所部門のうち、医療型児童発達支援センターは、定員20名に対し、1日当たりの平均通所人数は10.7人、利用率53.7%、児童発達支援事業と生活介護事業をあわせて行う事業所におきましては、定員15名に対し、1日当たりの平均通所人数は10.4人、利用率69.1%となっております。
 評価ということでございますけれども、特に入所及び診療部門においては前年度を上回る実績を上げておりまして、通所部門も含めまして、現行の限られた医療従事者の体制のもとで最大限対応していると考えておりますけれども、ニーズは増加している状況にございますことから、今後、受け入れ体制、診療体制を強化していくことが必要であると考えているところでございます。
〇臼澤勉委員 それでは次に、短期入所あるいは日中一時支援の利用状況についての県の評価をお伺いします。
〇山崎参事兼障がい保健福祉課総括課長 重症心身障がい児等を一時的に預かるサービスということで、短期入所につきましては、定員5名に対しまして、1日当たりの平均入所者数は2.3人、利用率46.0%、日中一時支援につきましては、定員3名に対し、1日当たりの平均利用者数0.2人、利用率6.7%となっております。
 評価ということでございますけれども、入所部門等と同様に、現行の体制の中でできる対応は行っていると考えておりますが、現行以上の利用ニーズがございますことから、体制を強化し、受け入れを増加していくことが必要であると考えております。
〇臼澤勉委員 新しく施設ができて業務開始をしたわけでございますが、利用率のお話を聞く限りでは、私はもっと改善に向けてというか、体制を整えていく必要というか、何が課題なのか、この利用率は私はまだ低いと思っております。
 この前の10月に公表された医療的ケア児あるいは重症心身障がい児の実態調査に関するアンケートの中においても、療育センターの利用についての受け入れ体制の充実を願う声も非常に多く記載されております。そういった中で、県としてこの利用率をどこまで目標として上げようと思っているのかお伺いします。
〇山崎参事兼障がい保健福祉課総括課長 療育センターの利用率についてでありますが、先ほど申し上げましたとおり、療育センターの利用率は、現在、入所部門が56.6%、短期入所が46.0%などでございまして、体制を強化し、ニーズに適切に対応していくことが求められており、現在、療育センターの体制、機能及び運営に関する事項を検討するために設置いたしました有識者からなる運営推進会議におきまして議論をいただいているところでございます。
 その議論の中では、入所部門については、今後、医療的ケア児を初め、重症心身障がい児のニーズが増加していくことが見込まれておりますし、また、短期入所については利用希望者が多く、ニーズは高い水準を維持することが見込まれている状況にございます。
 現体制で可能な限りの対応をしている中にあって、利用率の目標は一概には申し上げられないところではございますが、今申し上げた入所等のニーズに対応していくことが重要でありまして、体制を強化しニーズに対応していくことが、結果として利用率の向上につながっていくものと考えているところでございます。
〇臼澤勉委員 先般の実態調査においても、利用したいが利用できないサービスの中で、日中の一時支援であったり短期入所という項目に対して、多くの方々が声を上げているところであります。療育センターの日中一時支援の利用状況についても、利用率6.7%というお話もございましたけれども、ぜひその辺の課題解決に向けて体制を整えていただきたい。
 それから、発達障がい者支援センターがございますね。いろいろ発達障がいに関する相談も私の耳にもさまざま入ってまいります。療育センターに行きたくても、半年あるいは1年待たざるを得ないという声もある中で、県として、その辺の改善に向けて解決すべき課題をどう捉えて取り組んでいこうとお考えなのか、お伺いいたします。
〇山崎参事兼障がい保健福祉課総括課長 療育センターの入所部門等に関するお尋ねと、発達障がい者支援センターに関するお尋ねの2点いただきました。
 まず、療育センターの課題解決に向けた具体的な方策ということでございますけれども、センターに求められております超重症児等の受け入れ充実には、医師や医療的ケア児等に対応可能な看護師の確保、育成が重要な課題であると認識しております。これらの課題につきましては、現在、先ほど申しました運営推進会議においてその具体的な方策を検討しておりますけれども、医師の確保につきましては、岩手医科大学との連携の一層の強化、あるいは医師の診療応援や招聘活動の継続ということで考えております。また、看護師につきましては、養成施設や看護協会等の関係機関との連携強化、あるいは職場としての療育センターの働きがいや魅力を外部にPRすることなどによりまして、人材の確保を図ってまいりたいと考えておりますし、技術力の向上や資格取得に向けた支援体制の充実などを通じまして人材育成を図ることなども考えております。このような取り組みを通じまして、センターに求められておりますニーズに的確に対応してまいりたいと考えております。
 続きまして、発達障がい者支援センターにつきましては、県下全域から相談が集中するために、予約から実際の相談までの期間が非常に長くなっているという御指摘をいただいております。このため、県といたしましては、身近な地域で相談体制を構築し、まずは地域の中で対応していくことが必要であると考えておりまして、相談支援専門員等を対象とした研修でありますとか、小児科医などの医療従事者を対象としたかかりつけ医等、発達障がい対応力向上研修などを実施しておりまして、地域における支援者は確実に増加してきているものと考えているところでございます。
 こうした中で、発達障がい者支援センターにおきましては、困難事例における専門的な助言や家族支援体制構築の支援などの役割がございますことから、各地域の相談支援事業所に対するスーパーバイズでありますとか、保育所等におけるペアレントプログラムの技術的支援などの取り組みを行ってきているところでございます。
 今後は、引き続き、地域における支援者の育成と発達障がい者支援センターにおける地域支援を強化した上で、地域における支援者は早期発見、早期支援につなげるための相談に対応し、一方で、センターは、より専門的な相談への助言に特化していくなど、適切な役割分担のもとで相談支援体制を構築していくことによって、センターにおける相談待機期間の解消を図ってまいりたいと考えております。
〇佐々木茂光副委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇臼澤勉委員 約100億円をかけて施設を整備しました。そして、なぜ岩手医科大学の敷地内にこの療育センターがあるのか。本質的な当初の設置目的をしっかりと認識されていると思いますけれども、機能を発揮できるように取り組んでいただきたいと思います。
 次に、小児期から成人期への移行期における移行期医療支援体制についてお伺いいたします。
 県内の現状と問題点をどう把握されているのかお伺いします。
〇野原保健福祉部長 移行期の支援体制につきましては、国でも学会でもまだ十分に定義といったものが確立されていない分野でありますことから、今後、対象となる患者さんの定義なども含めて検討が行われるものと承知しています。
 また、先日、県内における子育てを切れ目なく支援するために、患者さん、家族を中心として、医療、保健、福祉、教育、行政の関係者が双方に連携することを目的といたしましたいわてチルドレンズヘルスケア連絡会議の設立総会が開催されたところでございます。この総会におきましては、アレルギー疾患であるとか医療的ケアも含めて、この移行期医療も今後の検討課題として議論に上がり、今後、県に対して提言が行われるものと認識をしているところでございます。
 今後、県も連絡会議における議論に参画いたしましてしっかりとした連携が図られるよう、関係者と意見交換を行い、県として必要な支援を果たしていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ちょうど厚生労働省から、平成29年10月に各都道府県衛生主管部長宛に、小児慢性特定疾病の患者に対する移行期医療支援体制の構築についてという文書が出されております。恐らく岩手県にも通知が届いていると思います。ただ、これは技術的指導というか助言という意味合いでの通知ですから、やるやらないというか、できるできないというのはあるかと思っております。ただ、私は、ほかの県では、もう既に移行期医療支援センターの設置を平成30年度には検討されて取り組まれている自治体もあるわけでございます。県として、私は生きるを支えるというのか、病気の子供が自立していけるような力を全ての子供というか、病気にかかっていても自立に向けての取り組みを進めるべきということで必要性を私は認識しておりますので、今回取り上げさせていただいたものであります。改めて、小児期から成人期に向かって自立の準備を整えていくこの重要な時期に県としてどう取り組んでいくのか、最後にお伺いして終わりたいと思います。
〇野原保健福祉部長 委員からも御指摘がありましたとおり、小児期から成人期への移行期にあるさまざまな疾病を持った小児患者、医療的ケア児等が、成人期医療の場でも円滑な医療を受けられる環境の整備というのは非常に重要なことだと理解をしております。委員から御紹介がありました国からの通知、小児慢性特定疾病その他疾病といったことに着目した通知が来ております。そのほかにも、例えばアレルギー疾患を持ったお子さんであるとか、医療的ケア児のお子さんをどうするのか、また、小児がんの患者もおられます。さまざまな支援が必要な患者がおられますので、先ほど御答弁申し上げました新しくできたいわてチルドレンズヘルスケア連絡会議の場に我々も参画いたしまして、一緒になって議論を行いながら、この取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇千葉盛委員 私からは、放課後児童クラブについてお伺いいたします。
 平成30年度の決算では施設の設置数が351施設にふえたということで、今後の施設の整備状況、また、待機児童の状況についてお伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 放課後児童クラブの施設整備及び待機児童の状況についてでございますけれども、厚生労働省の調査によりますと、本年5月1日時点の放課後児童クラブの待機児童数は、9市町村で201人となっておりまして、前年度と比較いたしますと、5市町、189人増加をしているところでございます。
 委員御指摘のとおり、放課後児童クラブの設置数につきましては、平成30年度は351施設、支援の単位では385カ所となっているところでございますが、県におきましては、いわて県民計画(2019〜2028)政策推進プランにおきまして、市町村が行う放課後児童クラブを初めとする地域子ども・子育て支援事業の実施を支援することとしているところでございまして、令和4年度には、放課後児童クラブの支援の単位を456カ所まで拡大することを目標としているところでございます。
〇千葉盛委員 施設数はこれからふやしていくということで、残念ながら待機児童がふえているということですが、そうすると、施設をふやすことと待機児童の解消というのは、なかなか現実的に合っていないということですね。その辺の認識についてお伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほど申し上げましたとおり、放課後児童クラブにつきましては、まずは施設の整備を進めて拡大を図るというところでございます。ただ、待機児童が増加しているというのはそのとおりでございまして、特に、近年は女性の就業率の上昇ですとか、共働き家庭が増加をしているということがございますし、また、平成27年度から10歳児を、いわゆる小学校の高学年も事業の対象ということになりまして、それがだんだん浸透してきて利用者が増加してきていると考えているところでございます。
 今後とも、引き続き、いわて県民計画に沿いまして、また、市町村の意向を確認しながら、施設の整備につきまして進めてまいりたいと考えております。
〇千葉盛委員 入所したいという方々が入所できるように進めていってほしいと思いますが、そこで施設数がふえていくということはいい面もありますが、ただ、悪い面といいますか、各施設で指導員、支援員がどのくらい確保できているのか、その辺についてお伺いいたます。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 放課後児童クラブの指導員の状況についてでございますが、県におきましては、平成27年度から今年度までの5年間で、県内全ての放課後児童クラブにおきまして、国が定める職員配置基準を満たすことができるよう、計画的に認定資格研修を実施してきたところで、平成30年度までに1、012人が研修を修了しているところでございます。
 この研修につきましては、県内4カ所で定員400人として開催しており、今年度は234人が研修を受講しているところでございます。これによりまして、現時点では全ての放課後児童クラブにおきまして、基準を充足した運営が行われているところでございます。
 また、支援員につきましては、市町村から、放課後児童クラブの規模の拡大等のため確かに不足しているという声も聞いているところでございまして、県におきましては、引き続き認定資格研修を実施するとともに、国の事業を活用いたしまして処遇改善を図るなど、支援員の確保について支援をしてまいりたいと考えております。
〇千葉盛委員 それぞれ各施設で指導員が配置されているということですけれども、施設によって1人なのか2人なのか。現在の基準であればみなしということもありますけれども、みなし段階で全施設にも1人以上指導員が確保されているという認識でよろしいのかどうなか、お伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 今、委員から御指摘がございましたとおり、本年度までは経過措置期間でございまして、研修を受ける予定のある方につきましても、一応支援員ということで見なすことができるところでございます。本年度までに、4市町村で6カ所につきましてまだ受講していないところがございまして、ただ、この4市町村の6カ所につきましては本年度受講していただいておりますので、本年度の研修をもちまして、資格を取得するということになっているところでございます。
〇千葉盛委員 受講できたということでよかったのですが、そのとおり人材が不足しているということで、国で支援員の配置についての基準を、来年の4月からだと思いますけれども参酌すべき基準とするということになります。認定資格ということで研修をされてきたということで、県や岩手県内の市町村がどうそれについて対応されていくのか、状況がわかっている範囲でお答えをお願いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 放課後児童支援員の配置基準につきましては、ただいま委員からも御紹介がございましたとおり、放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準というものがございまして、この中で支援員の員数あるいは資格につきまして、従うべき基準からいわゆる参酌すべき基準へと改正されまして、来年の4月から施行されるところでございます。
 県におきましては、市町村に対しまして、放課後児童健全育成事業の基準に係る条例の改正を検討する場合につきましては、子供の安全や事業の質が十分に確保されるよう通知をさせていただいたところでございますし、現時点におきましては、市町村で、この条例の改正を行うという情報は聞いていないところでございます。
〇千葉盛委員 これからどうなっていくかわかりませんけれども、先ほど指導員は充足しているということだったのですけれども、施設によっては今の基準であれば、資格を持っている指導員が1人のところもあると思うのですけれども、その人が休んでしまえば誰もいなくなってしまうおそれのある施設がかなりあると私は思っています。そういったところで基準を下げるというか、参酌基準になれば質が低下するのではないかという不安の声もありますけれども、その中で預ける場所がなくなってしまえば本末転倒になってしまうので、そういったルールが多少優しくなったというところで、県としても、これからも今までどおりの認定資格、また研修をやっていくのか、それとも、もう少し今よりはさまざまな研修機会をふやして、多少基準が緩和されることが市町村等であるかもしれないので、そういったところにも対応しながら研修制度を行っていくのか、その辺についてお伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 放課後児童支援員等の今後の研修のあり方ということでございますけれども、県といたしましては、児童の安全を確保するためには、基本的には複数の支援員を配置してクラブの運営を行うことが必要であると考えております。クラブの設置数の拡大に対応しながら、各クラブに研修を修了した放課後児童支援員が適切に配置されるよう、市町村における条例改正の動向も注視をしつつ、今後とも研修の実施体制について検討してまいりたいと考えております。
〇千葉盛委員 そうであれば、再度の確認になるのですけれども、これから施設をふやしていく中で、今の基準のとおりで各施設が運営できるような体制は維持していける、そして新しい施設をつくっていく中で、現在の基準で新しい施設をふやしていける環境にあるということでよろしいかどうか、お伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほどの繰り返しになるかもしれませんが、県といたしましては、基本的には、複数の資格を持った支援員を配置していくことが重要だと考えているところでございます。そのためには、認定研修につきましては継続してまいりたいと考えております。ただ、規模につきましては、現在、県内4カ所で400人規模で実施しておりますけれども、現状をよく把握した上で、どれくらいの増加になるのか、そういったところも含めまして内容につきましては検討させていただきたいと考えております。
〇千葉盛委員 しっかりと調べて対応していただければありがたいと思いますし、現在の基準であればそのとおり保育士、社会福祉士、あと2年以上事業に従事して認定資格を受けた人とか基準はあるのですけれども、令和2年3月までみなし期間ということで、これが県として延長できるものなのかどうなのかわかりませんが、今後受けたいという人がいて、施設がその人を必要としているのであれば、またみなし期間の延長のようなものも必要なのかと。あと、現在認定資格を実際持っていなくても、みなし期間ということで運営されてきた施設が実際あるわけで、それでも運営はできてきたという事実もあるわけですから、もう少し、いろんな意味で人材を確保していくための方策、従うべき基準から参酌基準になったとしても大丈夫だという研修制度の持ち方も必要なのかなと思いますので、その辺をしっかりやっていただきたいと思いますが、答弁をよろしくお願いします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほどの答弁の繰り返しになるかもしれませんが、認定研修につきましては、県といたしましては責任を持って継続させていただきたいと思います。ただ、どれくらいの人数、規模になるのかということにつきましては今後の状況を踏まえまして、やり方は検討させていただきたいと思います。ただ、研修につきましては、今後とも継続してまいりたいと考えております。
〇高橋穏至委員 通告しておりました4点ですが、最後の介護人材については午前中に質疑がありましたので、これについては割愛したいと思います。
 そして、子ども子育て支援事業に関して3項目あったのですけれども、1項目めが、ただいまの千葉盛委員の質問の内容と全く同じだったのですけれども、若干関連した部分から入っていきたいと思います。
 ただいま認定研修の状況について千葉盛委員からも質疑がありましたけれども、実際、国の制度が変わって、急遽、県で認定研修という形で事業をやっているのですが、市町村においては、放課後児童クラブの人数規制とかによりましてクラブ数の分割ですとか、そうすることによって指導員の不足というのは実はずっとどこでも続いておりまして、何よりも指導員が足りないというのは、処遇の関係で、募集しても人が集まらないというところからスタートしておりますので、新たに集まった人、これは当然、今まで何もしてこなかった人でも、何とか集めて指導員にお願いしてなっていただいているところも結構たくさんあるのです。そういった部分においては、これからもずっと認定研修の制度というのは必要かと思うのですが、足りているという先ほどの答弁もあったのですが、実は足りていないのですけれども、その辺の認識をどう捉えているか、まずお聞きしたいと思います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 支援員の認定資格研修につきましては、今後とも必要であると思っているところでございます。
 先ほどお話を申し上げました全ての放課後児童クラブにおきまして、支援員の研修を受講した方がいらっしゃるというお話でございますが、これはあくまでも、最低1人の支援員の配置ということでございます。基本的には、全ての方々が研修を受けることが重要だと考えておりますので、そういった意味でも新たになる方、あるいは現在補助員等としてお仕事をいただいている方につきましても、支援員の資格を取っていただき、正式な支援員として配置をされることが望ましいと考えているところでございます。
〇高橋穏至委員 ぜひ続けていただきたいのですが、あともう一つ、認定研修のあり方そのものですけれども、当初は受講生が何百人という単位でたくさん集めてやる研修なので―実は私も新しい学童保育所の立ち上げから運営をずっとやってきたのですが―実際、研修を受けた指導員から、その方はもうちゃんと保育士の資格を持っている人なのですが、一通りの講義を受けただけのあの程度の研修でいいのか、心配だという声もありましたので、ぜひ中身も充実させていただければ、とりあえず国の制度だから認定しなければいけないという立場もあるでしょうが、その中身についても、もうちょっと吟味してもらったほうがいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 支援員の認定資格を取るための研修の関係でございますが、ただいま委員から、あの程度でというお話もありましたけれども、これは時間にいたますと24時間、結構日数も四、五日かかるような研修でぎっちりとした内容でございます。ただ、これだけでは支援員としての資質が十分に確保されるとはもちろん思っておりませんので、もともと支援員の方々につきましては、別途、研修の機会も設けさせていただいておりますので、そういったところもあわせまして、さらに資質の向上を図ってまいりたいと考えております。
〇高橋穏至委員 時間数等も存じておりますが、ただ、どうしても集合研修だと無理がかなりあるということで今お話をさせていただきました。
 それと、募集でなかなか人が集まらないということ、これは支援員だけではなくて、先ほど来出ている介護人材あるいは看護師とかさまざま職種に関しても共通して言えることですが、幸いに最近の国の制度の改正によって、運営費はそれぞれのクラブはかなり助かっておりますけれども、各クラブに最低1人というお話ですけれども、支援員は、特に長期休みは1人では絶対無理ですので、朝早くから夜遅くまで2人体制でやろうと思うと、正職員が5人はいなければいけないというのが本当のところで、誰かが休んだらそれを誰が埋めるのだとか、さまざまな問題が出てきます。そんな中で、例えば北上市ですと、若干ですけれども市単独の補助も出たりとかあるのですが、市町村で結構対応に差がある。そういった部分の状況を、県として把握をどの程度なさっているのかということについてお伺いします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 支援員の方々の待遇と申しますか、それはさまざまだという状況は確認をしているところでございます。また、放課後児童クラブにつきましては、市町村が直接運営されているところもございますし、また、NPO法人ですとか法人に委託をされているところもございます。また、さらには保護者会ですとか、そういった形で運用されているところもございますので、この待遇面につきましては確かにさまざまなところがあると考えております。
 ただ、先ほどもちょっとお話を申し上げましたが、この支援員の確保に向けましては、処遇面の対応が重要だと考えているところでございます。方策といたしましては、これは市町村を通じてということになりますが、支援員の勤続年数ですとか、あるいは研修の実績に応じまして処遇改善を行う放課後児童支援員のキャリアアップ処遇改善事業というものがございますし、また、平日に、午後6時半を超えて開所しまして、家庭、学校との連絡、情報交換に従事する職員を別途配置した場合につきましては、その経費を補助いたします放課後児童支援員等処遇改善等事業というものもございます。こういったものも含めまして、職員の処遇改善に取り組むクラブを支援してまいりたいと考えているところでございますし、市町村におきましても、年々この事業を実施し、処遇改善に取り組んでいただいているところでございます。
〇高橋穏至委員 ただいま紹介いただいた事業は私も全部わかっているのですが、ただ、市町村によって差があるということですので、せっかくある制度ですので、ぜひそこら辺のところを県のほうからしっかりと利用されるように指導いただければと思います。
 続きまして、子育て支援対策臨時特例事業ですが、市町村における保育所等整備費の補助なのですけれども、これは6施設の見込みに対して4施設で、達成度Cという評価になっているのですが、その原因をどう捉えているかお伺いします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 子育て支援対策臨時特例事業費についてでございますけれども、平成30年度におきまして、市町村の事業実施予定をもとに、6市町村における認定こども園の整備事業に対する補助を見込んでいたところでございますが、このうち1市町村におきましては、設置事業者の資金状況の問題から認定こども園への移行を断念し、施設整備が取りやめになったというところがございます。また、もう1市町村におきましては、もともと平成30年度から令和元年度までの2カ年の計画事業で整備を行う予定だったところ、令和元年度の単年度の整備という計画の見直しがございまして、平成30年度の着工を取りやめたため、4市町村にとどまったものでございまして、市町村におきまして、保育所や認定こども園の施設整備について、需要がなかったとか、何らかの特別なそういった事情があったものではございません。
〇高橋穏至委員 わかりました。社会的ニーズはたくさんあるので、ぜひこれは順調に進めもらえればいいと思って質問いたしました。
 もう一つの項目で、児童福祉施設等整備費補助、これは主要施策の成果に関する説明書の成果指標では、補助対象が市町村ではなく何カ所となっていますけれども、これは直接事業者へ補助するのか、あるいは市町村を通しているのかということと、目標未達の原因をどう捉えているかについてお伺いします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 児童福祉施設等整備費補助についてでございますが、この事業につきましては二つの内容がございます。一つは、認定こども園等環境整備の補助というものでございますし、もう一方は、児童館等施設整備費補助でございます。
 まず、認定こども園等環境整備費補助についてでございますけれども、遊具や運動用具とかの設備の整備を行う幼保連携型認定こども園及び幼稚園に対しまして、整備に要する費用の一部を補助する事業でございます。補助は、市町村を通さないで県から施設に直接行うものでございます。
 次に、児童館等施設整備費補助についてでございますが、児童館や放課後児童クラブ等の整備に要する費用の一部を補助する事業でございまして、民間事業者が整備を行う場合につきましては、補助は市町村を通じて行っているところでございます。
〇佐々木茂光副委員長 目標未達の原因は。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長(続) 失礼しました。達成度Bとなった要因についてでございます。
 まず、認定こども園の環境整備費補助についてでございますが、平成30年度におきましては、補助対象の施設を設置する法人に対して行いました調査をもとに、20施設に対する補助を見込んでいたところでございます。しかしながら、これは文部科学省からの補助金が参るものでございますけれども、この補助額が、所要額の3割程度にとどまりましたことから事業を取りやめる施設が生じまして、19施設での整備となりBとなったものでございます。
 そしてまた、児童館等施設整備費補助についてでございますが、この要因につきましては、平成30年度におきまして、市町村の事業実施予定をもとに、児童館と放課後児童クラブを合わせて8カ所の整備事業に対する補助を見込みまして、定員拡大数について215人を見込んでいたところでございます。このうち、放課後児童クラブ1カ所につきましては、市町村の判断により事業実施を見送ったものでございまして、このため、平成30年度に施設整備事業に対しまして補助を行った施設が7カ所、定員拡大については210人にとどまりまして、活動内容指標及び成果指標のいずれもBとなったものでございます。
〇武田哲委員 私からは児童虐待についてお伺いいたします。
 児童虐待の近年の傾向はどのような変化が見られるのか。また、その対策としてどのような方策をとってきたのか、その効果をどのように評価しているのか、まずお伺いしたいと思います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 児童虐待の近年の傾向と対策、その効果、評価ということでございますけれども、平成30年度に児童相談所が対応いたしました児童虐待相談対応件数1、178件のうち、虐待種別で申し上げますと、心理的虐待が689件、58.5%となっているところでございます。相談経路につきましては、警察等が648件、55%と最も多い割合となっておりますことから、これは全国的な傾向と同様でございますけれども、子供が見ている中で配偶者に暴力を振るう、いわゆる面前DVにつきまして警察からの通報がふえていること等が近年の傾向として挙げられようかと思います。
 また、平成30年度の特徴といたしましては、市町村における児童虐待相談対応件数が805件と、前年度に比べまして388件、93%の増となっていることが挙げられます。これは他県での重篤な児童虐待事案を受けまして、国が実施いたしました緊急点検あるいは児童虐待に対する社会の関心の高まりなどが影響しているものと考えているところでございます。
 こうした変化を踏まえまして、急増している児童虐待通報に迅速に対応して児童虐待の早期発見、早期対応、重篤化の防止につなげる必要がございますので、警察や市町村を初めとする関係機関との密接な連携のもと、児童虐待防止の取り組みの充実強化が重要と考えているところでございます。
 県におきましては、昨年9月に、児童虐待に関する児童相談所と警察の相互連携に係る協定書を締結いたしまして、児童相談所と警察がより緊密に相互連携をして児童虐待に対応するとともに、市町村との連携強化に向け、市町村の要保護児童対策地域協議会における児童相談所の助言、指導の充実、あるいは研修を通じての市町村職員の対応力の向上を図るなどの取り組みを進めているところでございます。
 こうした取り組みを通じまして、警察や市町村との連携のもと、児童虐待が疑われる事案に対しまして迅速な対応が行われていると認識しておりまして、今後も引き続き、関係機関と連携して、児童虐待防止対策を推進してまいりたいと考えております。
〇武田哲委員 平成30年度の数字はお伺いしましたけれども、平成29年度の数字もあったと思います。その数値と向き合ったときに、どのような点を問題点と捉えて、そしてその解決を目指したのか。平成30年度の評価についてはちょっとお伺いできませんでした。いろいろな意味で、そういった数字に向き合ってしっかりと考えていかなければならないと思いますが、どのようにその対策をとられたのかお伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 平成30年度におきましては、先ほど全体で1、178件と相談対応件数とお話を申し上げましたが、これは平成29年度と比較をいたしますと8.3%の増というところでございます。ただ、先ほど申し上げましたが、特に市町村におきまして、平成29年度は417件でありましたが、これが805件ということで、388件、93%の増となっているところでございます。特に、市町村で相談対応件数がふえているのが大きなところでございます。
 また、昨年、委員御承知のこととは思いますけれども、本県におきましても、大変悲しいことではございますが、北上市におきまして児童虐待の死亡事案が発生したところでございます。これを受けまして検証委員会の中でさまざま御意見をいただきながら対策を進めてまいったところではございますけれども、特にネグレクトにおきまして重篤な事案に発展する可能性が高いということがございまして、その点について、例えば使用しておりますチェックリストを改定させていただきながら、市町村に対応を徹底してまいったところでございます。
 また、早期発見という観点から申し上げますと、やはり医療機関、特に歯科の先生方に対して、虫歯を放置しているような子供がいらっしゃると、やはり虐待につながる可能性があるというところがございますので、そういった観点からの研修を新たに実施したりといった対応をさせていただいているところでございます。
 また、これは先ほども申し上げましたが、市町村の対応力の強化という観点で申し上げますと、市町村要保護児童対策地域協議会の調整担当機関の調整担当者の研修にも力を入れながら、資質の向上を図っているところでございます。
〇武田哲委員 実数として毎年ふえてきていると。そして、その数字と向き合ったときに、発見されていない件数は何倍ぐらいと捉えて行動してきたのか。上がってきた件数は実際の数字なのですね。その数字に対して、何をどう対策するかというところを県では考えなければならなかったのではないかと思います。
 さまざま研修を受けたとしても、実際にその市町村の職員、一緒になって活動する民生児童委員あるいは主任児童委員等、地域社会の中で支える環境、それから通報される環境というのはなかなか確立されていない。そういったところにどのように向き合ってきたのか、その点がちょっとわからないのですが、その点をもう一度お伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 委員からどのように向き合ってきたのかというお話でございますが、確かに近年の傾向を見ますと、年々児童虐待の通告件数あるいはそれに対応する児童相談所、市町村での対応件数も増加してきているところでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたとおり、現在通告をいただく中身につきましては、警察からの通告が大変多い状況でございます。これは、確かに面前DVの関係もあるところではございますけれども、特に警察の対応といたしましては、平成25年に警察庁から、面前DVに対してきちんとした対応をというところで全国に通知が出ておりまして、平成25年以降につきましては、警察からの通告は面前DVが多くなっているところでございます。そういった観点から、昨年、県と警察におきまして協定を結び、さらなる連携強化というところで、発生防止あるいは早期発見にも取り組んでいるところでございます。
 潜在的にどれぐらいが実際のところかという御質問がございましたが、それにつきましては、正直申し上げまして、どれくらいかということはなかなか申し上げるのが難しいところでございます。ですが、件数がふえていることにつきましては、過去から現在まで、実際に発生している件数がただただふえているということだけではなくて、これまでなかなか通告に結びつかなかったような事例につきましても、適切に通告に結びついている結果として、このように件数がふえているのではないかと考えているところでございます。これは、社会の関心の高まりもありますが、早期発見につきましては、重篤な事案を防止する観点から申し上げましても重要なことだろうと思っているところでございます。
〇武田哲委員 毎年毎年その件数と向き合って、実数がどうこうというのはよくわかるのですけれども、そのために本当に必要な対策会議とか検討会議、あるいは有識者を入れてしっかりとこの問題に向き合う方向は、そういった会議等は持たれなかったのでしょうか。その点をお伺いします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほど市町村に要保護児童対策地域協議会があるというお話をさせていただきました。市町村におきましては、こういった会議や協議会を通じまして、さまざまなケースの検討ですとかをやっていただいているところでございますが、県におきましても、岩手県の要保護児童対策地域協議会を設置しているところでございます。その中では、保護者や事業者の代表の方あるいは学識経験者の方も入っていただきまして、さまざまな検討をさせていただいているところでございます。
 特に、昨年度、北上市の死亡事案がございましたので、今年度実施しました県の要保護児童対策地域協議会の中では、昨年度提言をいただきました内容について、市町村の取り組み状況等について検討していただいたところでございます。
 こういった県の要保護児童対策地域協議会等を通じまして、きちんとした形で検討を進めてまいりたいと考えております。
〇武田哲委員 そうした会議を通じて、では、何をしなければならないか。県内でどういったことを広めようとしているのか、あるいは、よく教育委員会に質問するときに、PTAでそういった問題は取り上げられないのかというようなことを話すと、とてもナイーブな問題だから、PTAの活動の中ではなかなか取り上げづらいといった話も聞くことがあります。
 しかし、社会の中で今こうして子供たちが実際に虐待を受けているわけです。それに対して、その数値と向き合ってどうやって減らすかというところが全然見えてこない。果たしてそれに対してどれぐらいの予算をかけたのかも、この資料からは何も読み取ることができませんでした。その点に関してはどうでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほど教育関係からの御意見といたしまして、内容的にはナイーブな問題なのでなかなか取り上げにくいというお話があったところでございますが、個別のケースでお話し申し上げますと、確かにそういったところはあろうかと思います。
 ですが、先ほど申し上げましたとおり、市町村におきましては、要保護児童対策地域協議会がございまして、この中では、いわゆる教育関係の方、あるいは保育所、施設等も含めてでございますけれども、さまざまな関係機関の方々が入っていただきまして、ケース検討もそうですが、どういった形で対策を講じたらいいかという検討もしていただいているところでございます。そこには、県の児童相談所の職員も参加してございますので、そういった中で必要な助言等も行っているところでございます。
 ただ、どういうふうに数字に向き合って、どういう対策をというところにつきましては、先ほども申し上げましたが、現在の数字が実態をきちんとあらわしているのかというところも含めまして、さらなる検討といいますか詳細な分析が必要だろうと思っております。
 そういった点も含めまして、今後、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
〇武田哲委員 虐待の問題はこれまで何年間もずっと取り上げられてきた問題だと思います。しかし、それに対してなかなか抜本的な対策も講じられない。それは、我々大人が何もしてこなかったのと同じだと思います。苦しんでいるのは子供たちであり、その家族だと思うのです。それに寄り添う環境がなかなか―先ほどから市町村等の協議会で取り上げてとありましたが、しかし、現場の市町村も大変なのです。民生児童委員になる人がいなくて。そのときに、では、その指導役となる県が何をやるのかというところが全く見えてこない。これは本当に大丈夫ですか、お伺いします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 県におきましては、児童相談所でさまざまな対応をさせていただいているところでございますが、身近な地域でそういったケースあるいは通告、対応等におきまして、市町村にも、やはり重要な役割を担っていただいていると思っているところでございます。
 県におきましては、市町村のそういった担当者の方々の研修を通じまして資質の向上を図っているところでございますし、繰り返しになりますが、児童相談所におきましても、各市町村の要保護児童対策地域協議会に参加させていただきながら、さまざまなケースの検討あるいは研修等を通じまして、資質の向上を図らせていただいているところでございます。
〇武田哲委員 研修だけでは数字は減らないと思っています。その辺を私は聞いているのです。あわせて、実際の現場、保育園などでは、しつけと虐待は紙一重だと、小さな子供を保育園から送り帰して、次の日その子供を預かると、服も同じ、そしておしめも同じ状態で、多分取りかえていないだろうと言われているのです。そういった環境の中で小さな子供たちも行ったり来たりしているわけです。
 そういったものにどう対応したらいいかと現場もやはり混乱しているのです。その現場の声がどう生かされているのか、そして、小学校でも、今、核家族化であったり、家族のあり方は随分変わってきています。その家族のあり方も変わってきている中で何をしたらいいか、そこがこの資料からは全く見えてこない。どうするのだろうというのが実際のところでした。
 確かに、部長からの最初の説明の中では、次代を担う子供たちがすくすくと育つように、児童虐待にもしっかりと取り組んでまいりますとありました。本当に取り組みましたか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員から厳しい御指摘をいただきましたが、確かに児童虐待防止の対策といたしましては、市町村の研修だけでは十分ではないという御指摘でございまして、そのとおりでございます。
 一方では、社会的な関心を持っていただき、児童虐待を生み出さないような社会づくりが大事かと思っているところでございます。ちょうど11月になりまして、今月は児童虐待防止推進月間でございます。オレンジリボンキャンペーンと言われておりますが、そういった機会も通じまして、一層社会の中で皆様に児童虐待防止についての関心を持っていただくような取り組みも進めてまいりたいと思っているところでございます。
〇武田哲委員 私もPTA活動の中でさまざまな子供たちの支援の様子を見てきました。やっぱり何とかしてあげたいという気持ちで私も活動してきました。市議会議員にもなり、市議会の中でも何度も質問させてもいただきました。しかし、抜本的な解決が見えてこない。そして、県あるいは児童相談所といったところとしっかり連携を強化して取り組んでまいりますと、いつの時代も同じような答えばかりなのです。どうやって変えていくかということが本当にしっかり討議されているのか、そこが全く見えてこない。これはもう問題をただただ見過ごしているだけのような感じがします。
 やはり平成30年度にそういった事案があったわけですから、悲しい事案があったでは済まされない。しっかりとした対応をしなければ、同じことを繰り返しているようではだめだと思います。そして、数字も減っていかない。連携をしっかり強化してやっている。だけれども減らない。では、減らないのだったら何をやるか、それをしっかりとやらなければならないと思います。
 ちょっと1点お伺いしますけれども、児童相談所の活動の中で、児童の転居などの理由によって、他県あるいは県内で連絡調整をとった件数は何件ぐらいあるのか。そして、近年、連絡をとるときに、連絡調整のあり方として何か問題点があると感じたことがあるのであれば、その点をちょっとお示しいただきたいと思います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 児童虐待ケースにおける転居等の際の連絡調整のあり方ということでございますが、転居等による児童虐待ケースの近年の移管件数でございますが、まず、県外から本県に転入してくるものが年間5件程度、逆に県外に転出するのが15件程度、また県内での児童相談所間の移管は年間10件程度となっておりまして、移管に当たりましては、関係書類を漏れなく送付いたしまして、適宜、口頭で補足を行うなど適切に引き継ぎを行っているところでございます。
 こうした連絡調整のあり方につきましては、昨年7月に国から示されました児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策におきまして、児童相談所の支援を受けている家庭が転居した際の引き継ぎのルールが示されております。
 全てのケースにつきまして、事案の具体的な経緯や状況がわかるよう、書面等により移管先の児童相談所に伝えること、また、緊急性が高い場合には、対面等により引き継ぎを行うことを原則とすること、移管元の児童相談所は、引き継ぎが完了するまで、児童福祉司指導等の援助を解除しないことを原則といたしまして、移管先の児童相談所においても速やかに援助を継続することが盛り込まれているところでございます。
 県といたしましても、この全国ルールを徹底いたしまして、支援が必要な家庭が遠方に転居する場合などにおきましても、児童相談所の切れ目のない援助を行い、児童虐待の未然防止に努めてまいりたいと考えてございます。
〇武田哲委員 県外に転居する場合、そして、県内で連絡調整をとる場合、さまざまあると思います。しかし、その中でどうしても緊急性を要する場合は対面でということでしたが、そうしたときに、連絡調整の中で一番大事にしなければならないと感じていることは何でしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほど申し上げましたが、書面できちんと引き継ぎをすることがまず原則であるところでございます。
 中でも何が一番大事なのかということでございますけれども、きちんとした形で情報が伝わることだと思っております。これは必ずしも書類だけでは十分ではないところもございますので、現状の引き継ぎにおきましても、書類だけのやりとりではなくて、対面が無理といたしましても、例えば電話連絡等で直接対応して引き継ぎをすることが大事だと思います。そういったところにつきましては、やはり徹底してまいりたいと考えております。
〇武田哲委員 平成30年度、さまざまな悲しい事件もありました。大事にしなければならないのは、岩手県なら岩手県なりのやり方があるのではないでしょうか。書面だけではなくて、もっともっとしっかりと心のこもった連絡調整をお願いしたいと思います。
 あわせて、私は、子供たちにとって一番必要な環境は、先ほど話したとおり、やはり家庭という密室でしっかりと子育てされているのかわからない中で、そのときに保育園、小学校、中学校あるいは高校と進学する中で、連れ子であったり、いろいろなことが起こっているのだと思います。そのときに、進学時に学校間の連絡調整はどのようにしているのか、その点をお伺いしたいと思います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 進学時の連絡のあり方というところでございますけれども、国が定めております学校・教育委員会等向け虐待対応の手引きの中では、要保護児童対策地域協議会に台帳登録されている要保護児童の保護者からの、例えば進学とか、ひょっとすると学校がかわるということになるかもしれませんが、そういった対応につきましては、市町村の虐待担当課あるいは児童相談所と情報共有することが必要だと考えております。転校ですとか、あるいは小学校から中学校、あるいは中学校から高校、もしくは未就学の子供が小学校に上がるとき、それぞれの関係機関の中で適切に情報を引き継ぐことが重要だと言われているところでございます。
 県といたしましては、これを踏まえまして、進学時におきまして、情報が共有され、対応が引き継がれることが重要と考えておりますので、関係機関の一層の連携強化を図り、学校あるいは保育園等の直接の引き継ぎと、要保護児童対策地域協議会を通じました情報共有の双方を徹底することが必要だと考えているところでございます。
 国の通知による要保護児童対策地域協議会設置・運営指針におきましては、各市町村が実施しております要保護児童対策地域協議会に、市町村の母子保健の担当課あるいは教育委員会、また保育所や幼稚園、小中学校の参画が求められているところでございますので、この協議会を通じまして、児童虐待が疑われるケースなどの情報を共有しているものと認識しているところでございます。
〇武田哲委員 特に、子供を授かって初めて親になる。しかし、小さいころから愛情を注ぐことができず、なかなか子供とうまく向き合えない親というのは、そのスタートが保育園とか幼稚園のところにあるのだと思います。その保育園、幼稚園で、その子供が育てられている環境、それが小学校に上がるとき、スタートのところが一番大事なのではないかと思います。小学校と中学校は連携もしっかり密にされていますし、あるいは中学校、高校はしっかりした連携ができているのかもしれません。しかし、保育園、幼稚園から上がるときに、何かシートのようなものをつくるとか、こういった観点でしっかり評価していくとか、そういったところは取り組まれているのかお伺いします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員から御指摘がございましたとおり、特に未就学の子供が小学校に上がるときの情報共有は、非常に大事なところだと思っているところでございます。
 こちらは教育委員会の所管になるのかもしれませんが、幼稚園から小学校に上がる際には、いわゆる、委員から今シートというお話がございましたけれども、連絡する資料はあると聞いているところでございます。ただ、保育園から小学校に上がる際の学校間でのやりとりにつきましては、直接的にはどういった形で、規定の様式、何があるかはちょっと承知しておりません。ただ、一部ではそういった形で取り組みをされているところがあるとは聞いているところでございます。
 いずれにいたしましても、児童虐待とかのリスクあるいはおそれがある子供につきましては、先ほど申し上げましたが、市町村の要保護児童対策地域協議会の中で、情報共有はしっかりされているものと考えているところでございます。
〇佐々木茂光副委員長 武田哲委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇武田哲委員 最後に、私もこの児童虐待にはずっと取り組んできました。しかし、本当に自分でも歯がゆい思いをしてまいりました。私は、子供は何も持たずに生まれてくると思っています。そのときに親が何を与えるか、あるいは社会が何を与えるか、大人がどういった環境を与えるか、そこのところをしっかりつくってあげることが役目ではないかと思っています。
 その点で、本当にこれから子供がもっともっとふえるような環境というのは、社会全体でしっかりつくっていかなければならない。しかし、その中で、周りで支えてくれる民生児童委員の方々も少なくなってきている。現状をしっかり見て、対策をしっかり打って、そして数字を減らしていく、悲しむ子供たちを少しでも救っていく、その対策をお伺いして、最後の質問といたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ただいまの委員の質問に適切にお答えできるかどうかちょっと自信はないところでございますけれども、先ほど来お話を申し上げておりますとおり、昨年、北上市で死亡事案が発生いたしましたが、その中で、検証委員会の先生方から六つの視点での御提言をいただいたところでございます。
 早期発見という観点から申し上げますと、子供を見るときのいわゆるチェックシートのようなものを改善するということもございますが、やはり一番大事なところは、社会全体で児童虐待を生み出さないような地域づくりだと思っているところでございまして、これは地道な活動になるかもしれませんが、やはり普及啓発が大事だろうと思っております。
 これも繰り返しになりますが、今月11月は児童虐待防止推進月間でございます。皆様にも、こういったところを含めて普及啓発にも御協力いただければと思っているところでございます。
 また、実際に児童虐待防止に取り組みます私ども県あるいは児童相談所、市町村におきましても、先ほど来申し上げておりますとおり、市町村ではなかなか体制の強化の部分は難しいという御意見もいただいているところではございますが、やはりここは、市町村に働きかけをさせていただきながら、体制の強化を図っていただきつつ、その資質の向上につきましては、県といたしましても努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋こうすけ委員 私からは、大きく三つのことについて質問させていただきます。
 3款1項1目社会福祉総務費の中にあります災害派遣福祉チーム派遣体制強化事業費についてお伺いします。
 この事業の体制強化という意味で、その体制とはどういうものなのか、また、その活動内容はどういうものなのか。そして、台風第19号を初め、現在の動きはどうなっているのかをお伺いいたします。
〇菊池地域福祉課総括課長 平成30年度における災害派遣福祉チームの体制強化についてでありますが、チームの派遣主体であります岩手県災害福祉広域支援推進機構の主要な委員で構成されます岩手県災害派遣福祉チーム検討部会を開催いたしまして、チーム活動のあり方などについて意見交換を行ったところであります。
 その中で、本県チームのこれまでの被災地での活動経験を生かし、災害時における活動実績のない他県のチームに対する具体的な活動の支援も今後、活動内容に位置づけていく方向としたところであります。
 体制強化というところでは、新たなチーム員を確保するためのチーム員登録研修を、それから、チーム員の技術向上を目的としたスキルアップ研修を開催するとともに、宮古市で行われた県の総合防災訓練やラグビーワールドカップ開催に向け、釜石市で行われた国民保護実働訓練に参加いたしまして、実際のチーム活動を想定した訓練を行うなど、その体制の強化に努めたところでございます。
 それから、平成30年度の活動の内容についてでありますが、平成30年度は、7月に発生しました西日本における豪雨災害に際しまして、岡山県からの要請を受け、本県の災害派遣福祉チームを7月11日から28日までの18日間、同県へ派遣したところでございます。
 具体的には、現地では、活動実績のない岡山県の災害派遣福祉チームが活動を開始するに当たりまして、被災地での活動経験を持つ本県のチーム員と事務局員2名を先遣班として派遣しまして、活動の立ち上げを支援したところであります。
 それから、本県の福祉チーム本体も派遣いたしまして、京都府など他府県の災害派遣福祉チームと協働しまして、岡山県チームの活動を支援しながら、避難所の要配慮者の支援を行ったところでございます。
 それから、3点目は、現在の動きということでございますが、今般の台風第19号災害におきましては、多くの市町村で避難所が発災後数日で閉鎖となったところでありまして、被災市町村から派遣の要請がないということで、本県での災害派遣福祉チームの派遣はなかったところであります。
 全国では、今回の災害に当たりチーム派遣が行われている例がありまして、東北では、宮城県、福島県で、それぞれ同県の災害派遣福祉チームが活動していると聞いております。
 本県のチームは、平成28年の熊本地震で初めて派遣を行い、それから、同年の台風第10号災害で岩泉町への派遣を行ったほか、先ほど申し上げました平成30年7月豪雨では、岡山県に派遣し、活動してきた経験があります。
 今般の災害に際しまして、現在のところ本県への派遣要請はございませんが、本県チームは、こうした過去の災害において活動経験を有する全国でも数少ないチームでありますので、今後、他の被災県からの派遣要請も考えられますので、チームに対して派遣に備えるよう周知をしているところでございます。
〇高橋こうすけ委員 次に、1項3目の老人福祉施設設備費補助と、3項1目にあります児童福祉施設等設備費補助に関して、老人施設、児童施設、そして障がい者施設等の福祉施設について質問させていただきます。
 東日本大震災津波と平成28年台風第10号で多くの被害を受けた岩手県でございますが、平成30年度を初め、障がい者施設、老人施設、児童施設等の福祉施設と、また、在宅サービスを含めてどんな状況で災害対応をしてきたのか。また、ハード面での対応、ソフト面での対応、それから、自家発電等の対応についてお伺いいたします。
〇阿部保健福祉企画室企画課長 3点の御質問をいただきました。まず、ハード面の対応についてでありますが、被害を受けた社会福祉施設につきましては、災害復旧費国庫補助金や交付金等を活用しまして、その復旧を支援してきたところであり、東日本大震災津波で被災した社会福祉施設等は平成30年度までに、平成28年台風第10号災害で被災した社会福祉施設等は平成29年度までに復旧を完了しております。
 社会福祉施設の耐震化につきましては、平成25年5月の建築基準法改正により耐震診断が義務化されまして、補助制度の活用により整備が進められてきたところでございますが、耐震化が未実施の施設もあることから、県としましては、市町村とも連携しながら、活用可能な国庫補助制度等を周知し、耐震化が図られるよう努めてまいります。
 また、社会福祉施設の防災、減災対策として、スプリンクラーの設置や非常用自家発電機の整備につきましても、補助制度の活用により整備が進められてきたところでございますが、引き続き、市町村と連携して、整備が図られるように努めてまいります。
 次に、2点目、ソフト面での対応でございますが、社会福祉施設につきましては、平成28年の本県における台風第10号災害の教訓から、改めて厚生労働省より、平成28年9月に、水害や土砂災害に関する非常災害対策計画で特に留意すべき事項が示されたほか、都道府県や市町村に計画策定状況等に関する指導、助言を行うよう求められたところであります。
 こうしたことを踏まえまして、県では、平成29年2月に開催した岩手県防災会議幹事会社会福祉施設等防災分科会におきまして、社会福祉施設等の今後の防災体制に係る取り組みを取りまとめました。1点目が避難情報の正確な知識の周知、2点目が非常災害対策計画の策定、3点目が避難訓練の実施の徹底でございます。このことにつきまして、市町村等と連携して取り組んできたところでございます。
 また、在宅サービスの対象者など、高齢者や障がい者、子供等の災害時要配慮者につきましては、厚生労働省からの通知などに基づきまして、緊急的措置として社会福祉施設等への受け入れなどを緊急的に行いまして、必要な福祉サービスの提供について柔軟に対応してきたところでございます。
 さらに、被災地域における社会福祉施設等の入所者へのサービス提供の維持及び避難者への適切な対応を確保するために、職員の確保が困難な施設がある場合には、県において、他の施設からの協力を得て、職員を派遣するなどの措置も講じているところでございます。
 最後に、自家発電等の対応についてでございますが、県では、厚生労働省通知、社会福祉施設等における災害時に備えたライフライン等の点検についてに基づきまして、災害時にあってもサービス提供が維持できるよう、ライフラインが寸断された場合を想定しまして、非常用自家発電機の有無に応じた対策などについて、各施設に対し助言を行っているところでございます。
 また、東日本大震災津波や平成28年台風第10号災害などを踏まえまして、社会福祉施設の防災、減災対策として、補助制度の活用により非常用自家発電機の整備を進めてきたところでございます。その結果、高齢者が入所する特別養護老人ホーム、地域密着型特別養護老人ホームなどの施設におきましては、約9割の施設で整備が行われているところでございます。障がい者が入所する障がい者支援施設、障がい児入所施設などについては、約6割の施設で設置がされております。
 また、児童が入所する児童養護施設や児童相談所一時保護施設などにおきましても、約6割の施設で設置がなされているところでございます。
 社会福祉施設等におきましては、高齢者、障がい者などの日常生活上の支援が必要な方や医療的配慮が必要な方も入所されておりますので、平時の段階から、必要な対策を講じることが重要であることから、県では、今後も補助事業の活用などにより、非常用自家発電機の設置を促してまいります。
〇佐々木茂光副委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇高橋こうすけ委員 自家発電等のお話がございましたが、今回の台風19号で千葉県では停電になったりということもございまして、停電になると、水道がとまったり、調理にも影響が出ますし、人工呼吸、吸引などもできなくなる可能性がございます。それに関して、岩手県ではそういった被害は大丈夫だったのでしょうか、お伺いします。
〇阿部保健福祉企画室企画課長 本県の場合は、そういった停電に関して、例えば人工呼吸器等がございますけれども、医療的ケアを必要とする障がい者の施設につきましては、全てで自家用発電機も整備されておりました。また、医療施設におきましても、特段被害の状況の報告を受けておりませんでしたので、大きな被害はありませんでした。
 また、断水につきましては、宮古市の障がい児・者の施設で2日、3日程度水道がとまりまして、そこの部分は自衛隊で水を運んだりして、若干不便が生じた事例はございましたけれども、ひとまず、現時点では正常に運営がなされているところと聞いております。
〇高橋こうすけ委員 停電のお話をいただきましたけれども、先ほどちらっとお話がございましたが、台風第19号で被害があった福祉施設等に関しまして、職員の方の通勤に関して、そういった被害はどのようになっていたのかお伺いいたします。
〇阿部保健福祉企画室企画課長 職員の通勤に関しての報告ですけれども、県として定量的な把握は行っておりませんが、施設からの報告によりますと、道路の通行どめにより出勤できなかった事例があると把握しております。また、道路の寸断、公共交通機関の運休などもありましたので、そのほかにも一部には支障があったものと考えております。
 また、職員が通勤できなかった施設につきましては、他の職員などが臨機に対応して、継続してサービスの提供が行われたと聞いております。
〇高橋こうすけ委員 私のところに岩手県介護支援専門員協会の調査の資料がございまして、釜石市のショートステイサービスを利用したかったが、道路が寸断されて送迎ができないために利用できなかったという事例等の情報が出ております。土砂や泥の被害があって、福祉施設の被害、デイサービス、ホームヘルパー、ショートステイ、保育所等のサービス利用に関しての被害は、細かく調査していなかったということでよろしいでしょうか。
〇阿部保健福祉企画室企画課長 災害に関しましては、通常、岩手県地域防災計画に基づきまして、原則として、まず、市町村本部、それから県の広域振興局が現地確認などにより情報を収集し、県の本庁で取りまとめるのが基本的な流れになっております。
 今般の災害に関しましては、この仕組みにより情報収集に努めて被害の状況を把握したものでございますが、特に、在宅サービスの利用に関しましては、大きな被害が報告されておりませんでした。これは、在宅サービスの事業所、施設が直接的な被害を受けていなかったものでございますので、このルートでは報告が上がってこなかったと捉えております。
 一方で、介護サービスにつきましては、施設における被害対応が落ちついた11月1日時点で、県で改めて調査を実施しまして、介護や看護、リハビリなどの訪問サービスで10の事業所24名の方、それから、デイサービスなどの通所サービスで15事業所71名の方に関して、サービス提供について支障があったとの報告を受けております。
 原因としては道路の通行どめによるものでございましたが、この支障のあった方のうち3名の方につきましては、一時的に施設入所の対応などをとっていると聞いているところでございます。
 このほか、幼保連携型認定こども園の1施設において休園措置がとられましたが、2日間の休園の後に再開されたという報告を受けております。
〇高橋こうすけ委員 いろいろ被害状況を調べたり順番に報告が上がってくるとは思うのですが、施設被害だけではなく、在宅サービスに関しての、その周辺の道路等の調査も同時に今後行うようにお願いしたいと思います。
〇阿部保健福祉企画室企画課長 委員御指摘のとおり、実際の介護サービスにおきまして、このような支障事例がありました。これまでの一般的な情報収集も非常に大事ではございますけれども、こういった事例も踏まえまして、被害の状況に応じましてサービスの利用に支障が出たかどうか、今後より一層踏み込んだ丁寧な情報把握が必要と考えております。
 今後とも、こういった視点で調査を進めてまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 それでは、昨年の西日本豪雨に続いて、ことしは台風第19号で大雨特別警報が出されました。この間のこうした豪雨災害を受けて、被害認定調査の効率化、迅速化が図られてきていますけれども、どういう内容になっているでしょうか。
〇菊池地域福祉課総括課長 台風第19号における住家の被害認定調査の効率化、迅速化についてでありますが、被災した住家の調査方法及び判定方法については、内閣府で運用指針を示しておりますが、今回の台風第19号により全国各地で甚大な被害が発生しておりますことから、被害認定調査の効率化、迅速化に係る留意事項が示されております。
 この中で、水害についての効率化、迅速化の手法として、例えば、水流や泥流等により外壁などに一定以上の損傷が発生している場合は、その浸水の深さにより、床上1.8メートル以上の浸水は全壊、床上1メートル以上1.8メートル未満の浸水は大規模半壊、1メートル未満の床上浸水は半壊と判定することも可能とされているところであります。
 それから、土砂等が住家及びその周辺に一様に堆積している場合は、堆積の深さにより、床上1メートルまで全ての部分に土砂等が滑り込んでいる場合は全壊、床までの同様の場合は大規模半壊、基礎の一定程度の高さまでの同様の場合は半壊とすることも可能などと示されているところでございます。
〇斉藤信委員 それでは、こうした迅速化、効率化を踏まえて、今回の台風第19号災害の被害認定はどうなっているでしょうか。
〇菊池地域福祉課総括課長 台風第19号における被害認定調査の状況についてでございますが、特に被害の大きかった沿岸の6市町村、久慈市、普代村、田野畑村、宮古市、山田町、釜石市の11月1日現在の状況を確認したところ、いずれも、おおむね調査を終了していると聞いております。
 この結果の被害状況ですけれども、本日6時現在、全壊が44棟、半壊が717棟、一部破損が1、495棟、床上浸水が39棟、床下浸水が118棟となっております。
 なお、この認定調査に基づく罹災証明書の発行については、今申し上げました6市町村では、11月2日までに開始していると聞いているところでございます。
〇斉藤信委員 半壊が717棟ですね。大規模半壊は幾らですか。
〇菊池地域福祉課総括課長 この半壊の717棟が大規模半壊になるかどうかは、今後、市町村において認定調査の結果を踏まえて判定することとなり、それを踏まえて生活再建支援金等の申請につながってくるものでございます。
〇斉藤信委員 最初に被害認定調査の効率化、迅速化のことを聞きましたけれども、最初から大規模半壊ってあるのですよ。この大規模半壊と半壊にはとんでもない壁があるのです。半壊は、被災者生活再建支援法の適用にならないのです。だから、半壊と丸めて717棟ではだめなのです。大規模半壊がどれだけその中にあるのか、その判定が極めて重大だから私は聞いているのです。わからないのですか。
〇菊池地域福祉課総括課長 この被害認定については、県で市町村から報告を受ける区分がこのようになっているということでございまして、大規模半壊の被害認定については、委員お話しのあった被災者生活再建支援金の支給のところで出てくる区分でありまして、災害救助法とかそれ以外のところでは出てこないこともあります。これから被災者生活再建支援金の関係もありますので、その辺をしっかり把握していきたいと思います。
〇斉藤信委員 今、私は最初にあなたから答弁を受けたでしょう。例えば、土砂が一様に堆積している場合は、床上1メートルまでで全壊、床までで大規模半壊、基礎の天端下25センチメートルまでは半壊とはっきりなっているのですよ。だったら、大規模半壊と半壊では違うのだから、そういう判定をしなかったら、被災者は、実際に被災者生活再建支援金が出るか出ないか全然わからないじゃないですか。
 あなたが言っているのは消防庁の報告なのです。私は被災者生活再建支援法について聞いているのです。そういうことでは私は本当にだめだと思いますよ。市町村はそういう判定をきちんとやっていると思いますよ。それを私は聞いているのだから。それがここで示されないということは、県は何を把握しているのかということになりますよ。
 それで、被災者生活再建支援法については、山田町は適用ということになりました。県のきょう午前6時現在の被害状況では、宮古市が17棟ですから、これも被災者生活再建支援法の全壊10棟以上をクリアするから、宮古市、山田町は単独で被災者生活再建支援法の対象になると。被災者生活再建支援制度の概要を見ますと、10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村、その隣接で5世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村も対象になると説明があります。被災者生活再建支援法は、見通しとしてどこまで対象になり得るのか、いかがですか。
〇菊池地域福祉課総括課長 県内における被災者生活再建支援法の適用可能性についてでありますが、本日の被害状況を踏まえまして、現在、宮古市と釜石市について、その適用について内閣府と調整をしているところでございます。
〇斉藤信委員 私が今聞いたのは、制度の対象となるというので、隣接で5世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村も対象になると、こうなっているのではないですか。都道府県内でもそういうことがありますね。そういうことを聞いているのですよ。どういうところまで対象になり得るのか、広がるのかと。それはいかがですか。
〇菊池地域福祉課総括課長 大変失礼いたしました。
 この被災者生活再建支援制度の適用基準は国で定めておりますが、幾つかありまして、その中で、今回の災害では、他県でも、複数の都道府県において同制度が適用になった場合には、人口10万人未満の市町村にあっては5世帯以上、5万人未満の市町村では2世帯以上の住家全壊被害の発生により同制度の適用対象になるということでございます。その結果、先ほどお話しした2市が、今のところ適用になるのではないかということで調整しているところでございます。
〇斉藤信委員 もう既に被災者生活再建支援法の適用は福島県、宮城県、埼玉県の3県。そうだとすれば、1自治体5棟以上も対象になるという理解でいいですか。
〇菊池地域福祉課総括課長 今お話を申し上げたとおり、複数の県が同制度の適用となりまして、本県におきましては、人口10万人未満の市町村は5世帯以上、5万人未満の市町村では2世帯以上で適用になるところでございます。
〇斉藤信委員 被災者生活再建支援法の対象になる可能性があると受けとめていいと思いますが、私が先ほどお聞きしたように、被害認定の迅速化、効率化で、特に土砂災害が多かったのは普代村、そして山田町の田の浜地区はまさに土砂でありました。
 1メートル以上だと全壊なので、ましてや床までだと大規模半壊になるので、私は、もっと柔軟な被害認定でやれば、大規模半壊、全壊は広がるのではないかと思いますけれども、この迅速化、効率化の手法は徹底されていますか。
〇菊池地域福祉課総括課長 この効率化、迅速化の手法を踏まえた被害認定でありますが、この取り扱いについては、10月14日に内閣府から示されまして、その日のうちに市町村に周知をし、さらに、10月21日に市町村の住家被害認定事務の担当者を対象としまして、住家の被害認定調査及び罹災証明書の交付等に関する説明会を開催いたしました。この際、内閣府から講師を招き、効率化、迅速化に係る留意事項についても説明し、周知を図ったところでございます。
 今回示された効率化、迅速化に係る留意事項について、先ほどの被害の大きかった沿岸6市町村に確認しましたところ、いずれの市町村でも、この留意事項も活用しながら認定調査を行ったということでありまして、その中には、土砂等が一様に堆積している場合、浸水深による簡易な判定の場合の考え方により、全壊、大規模半壊、半壊と判定した例があると聞いているところでございます。
〇斉藤信委員 私の一般質問の答弁で、今度の県の支援策について、平成28年台風第10号災害のときの県独自の支援策を検討すると。あのときは全県が被災者生活再建支援法の対象になりました。平成25年の豪雨災害のときにはならなくて、全壊、大規模半壊にも支援いたしました。
 今回、私は、平成25年の豪雨災害と平成28年台風10号災害の県単独の取り組みを土台にして、県の支援策を実施する必要があると思いますけれども、いかがですか。
〇菊池地域福祉課総括課長 今、委員から御紹介いただきましたが、平成25年の洪水の災害、それから、平成28年台風第10号災害など過去の災害に際しましては、被災者生活再建支援制度が適用されない場合であっても、県単独事業により同等の支援を行い、また、同制度で支給対象とならない半壊及び床上浸水世帯に対しても支援を行ってきたところでございます。
 これにつきましては、国に対して、被災者生活再建支援金の増額とか支援対象の半壊世帯への拡大など制度の充実も要望しておりますが、平成28年台風第10号災害、それから、過去の災害も参考といたしまして、同様の県単独事業の実施を検討しているところでございます。
〇佐々木茂光副委員長 斉藤信委員の質疑の途中でありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、10分間ほど休憩いたします。
 斉藤委員、御了承願います。
午後3時1分 休 憩
午後3時18分 再開
〇佐藤ケイ子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇斉藤信委員 最後の答弁は大変前向きでした。ぜひ、県が被災者に対して、こういう支援策を検討しているとアピールして、被災者を励ます必要があると思います。山田町は、独自に全壊、大規模半壊に100万円、半壊、その他にも独自支援をやるということを打ち出していますので。
 次の質問に入ります。子どもの生活実態調査結果を踏まえた新たな課題と対策について。
 中間報告を読ませていただきました。私はこの中間報告の中で、特に対策が必要だと考えることに絞ってお聞きをいたします。
 子供の健康状態のところで、過去1年間に子供を受診させた方がよいと思ったが受診させなかった経験の有無が、中央値の2分の1未満及び就学援助世帯では、2割以上が子供を受診させなかったことがあるということなのです。その理由は、多忙で医療機関に連れていく時間がなかった。一方で、2割以上が医療機関で自己負担金を支払うことができなかったためという回答になっております。これは子供の命と健康にかかわる切実で重大な課題で、岩手県が来年度、子供の医療費窓口無料化を中学校まで拡充すると、この方向を示したことは大変大事な対策だと。あわせて、こうした子供たちが安心して医療機関にかかれるような手だて、対策が必要だと思いますけれども、何を考えていますか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 委員から既に御紹介がございましたけれども、子供の医療費窓口負担のいわゆる現物給付化につきましては、拡大をすることで対応しているところでございます。
 また、医療の関係につきましては、受診のしやすさにつきましてはこちらのほうでも検討しなければならないことが多いと思っておりますが、今回の子どもの生活実態調査におきましても、子供の医療費の関係につきましてもさまざまな制度があるのですが、なかなかその制度が知られていないという結果になっているところがございますので、こうした公的な制度につきまして周知を図っていくことが非常に重要だと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 これは父母の経済負担の軽減ということと、もう一つもっと大きいのが、多忙で医療機関に連れていく時間がなかったということなのです。いわば、休みをとれない。時間休もとれないような劣悪な労働条件にあるということです。だから就労の条件を改善しないと、幾ら無料にしても連れていけない、この問題は解決しないと。
 あともう一つは、病院に連れていって、熱があったら保育所に行けない、学校にも行けないのです。だから、病児保育、病後児保育の充実と、低所得者に対する病児保育や病後児保育の免除措置などの支援も必要なのではないかと思いますが、いかがですか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ただいま2点につきまして御提言をいただいたところでございます。
 一つは、医療機関に、親がなかなか仕事を休めず通うことができないことがあるということでございますので、これにつきましては働き方改革と申しますか、労働サイドのほうと十分に検討させていただきながら対応していく必要があると考えているところでございます。
 もう一点、病児保育の関係でございますけれども、病児保育につきましては、県といたしましては、国とともに交付金を交付して市町村を支援しているところでございます。
 病児保育の保護者の負担についてでございますけれども、国の病児保育事業実施要綱におきましては、その必要な費用の一部を保護者負担とすることができるという規定になっているところでございます。県内の市町村におきましては、無料で利用できるところもございますが、多くは、1日当たりおおむね2、000円程度の利用者負担を徴収しているところでございます。
 また、利用者負担額の軽減措置といたしましては、低所得者の方、生活保護を受けられている世帯ですとか、あるいは住民税非課税世帯の方々に対しましては軽減措置が行われているところでございまして、国の要綱の趣旨に基づいて、事業実施主体である市町村で、地域の実情等を踏まえて料金については設定されているものと認識しているところでございます。
〇斉藤信委員 切実で具体的な実態が明らかになったら、それを改善する手だて、対策を考えると。これから最終報告が出て、さらに貧困対策の方針がつくられると思いますけれども、実態を踏まえた、それを改善する対策をぜひ検討していただきたい。
 病児保育にしても病後児保育にしても、実施しているのは、まだ県内市町村の一部です。そして、免除も限られていますので、そういうところをしっかりやっていただきたい。
 次に、二つ目に、特に母子家庭の場合の就労条件の問題で、土曜日出勤が母子世帯の場合35.9%、不定期を含めると80%です。そして母親の日曜日出勤は、母子世帯で18.4%、不定期を含めると60%。就労条件が厳しい中で、土日にこれだけの勤務があると。いわば子供の居場所がないのです。子供と接する時間が圧倒的にないというのが子供の貧困問題の大事な特徴なのではないか。こういう点で、子供の居場所づくりが重要だと思いますけれども、今、現状と今後の対策はどうなっていますか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 保護者が就労等によりまして休日に家庭にいない子供に対しましては、これまで、放課後児童クラブですとか、さまざま適切な遊び、あるいは生活の場の確保を図ってきたところでございますけれども、委員御指摘のとおり、子供の居場所につきましても、子供が休日に安心して過ごすことができる居場所づくりは重要な取り組みの一つであると考えているところでございます。
 また、子どもの生活実態調査結果におきましては、収入にかかわらず、約半数の子供が、子ども食堂に行きたいという回答をしているところでもございます。
 県といたしましては、子供の居場所づくりの取り組みを全市町村へ展開することを目指しておりまして、これまで、子どもの居場所ネットワークいわてを通じました開設、運営に関する支援、あるいは子供の居場所の立ち上げ等への補助を行ってきたところでございまして、平成29年度末の11市町19カ所から、平成30年度には5市11カ所、本年度はさらに2町8カ所が増加しまして、本年10月1日現在では、18市町38カ所まで拡大をしてきたところでございます。
 県としましては、今後もこれらの支援に引き続き取り組みますとともに、市町村の広報誌等を活用するなど関係機関とも連携して、県補助制度の一層の周知、あるいは開設可能な施設の情報提供など積極的な広報活動に努めまして、子供の居場所の拡大を図ってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は子供の居場所づくりというのが貧困対策の中心的課題の一つだと思います。実は、沖縄県が県内150カ所以上に子供の居場所をつくっているのです。そこで学習支援もしている。岩手県では子ども食堂が確かに38カ所まで広がったと、私はこれは評価したいと思います。そして、資料を見ますと、この中で食事の提供とあわせて学習支援をやっているのが22カ所ですから、食事支援とあわせて学習支援も行われているところが多数になっているというのも、子ども食堂の質的な発展を示しているのではないか。ただ、余りにも少な過ぎる。やはり当面、中学校区ごとに子供の居場所があっていいのではないか、そういう規模と発想で居場所づくりについては検討していただきたい。
 次に、三つ目の問題でありますけれども、学校の授業がどのぐらいわかるかという質問がありますけれども、中央値の2分の1以下では、大体わかるというのが65%です。そうすると、35%はわからないということになるのです。
 実は、子供の貧困の具体的なあらわれとして、貧富の学力格差というのが今大問題になっております。くしくも、今度の調査で経済力によって学力格差がはっきり示されたのではないか。そういう点では、学習支援、学習の保障、こういうことが今求められていると思いますけれども、この点についての現状、対策はどうなっていますか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員から御指摘がございましたとおり、学習支援は非常に重要な取り組みだと思っております。子供の貧困対策といたしまして、子供の貧困の連鎖を防止する、貧困の世代間の連鎖を防止するという観点からも、学習支援は重要な取り組みだと思っているところでございます。
 この学習支援につきましては、生活困窮者の子供等を対象とした子どもの学習・生活支援事業もございますし、また、これは市町村が独自に取り組んでいる内容でございますが、いわゆる公営塾と言われるような取り組みも実施されているところでございます。
 また、先ほど委員のほうから御紹介がございましたとおり、子ども食堂など子供の居場所における学習支援も12市町で行われているところでございまして、県といたしましては、今回、新しいいわて県民計画の政策推進プランの中におきましても、この取り組みを全市町村に広げていくという目標を立てているところでございまして、子ども食堂を中心としながらも、学習支援についても引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員長 斉藤信委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 前に自由民主党が31分やって何も言わなかった。私はあと3分あるのです。公平にしていただきたい。
〇佐藤ケイ子委員長 27分経過しています。
〇斉藤信委員(続) 委員長、公平にしていただきたい。27分ですよ。私はちゃんとはかってやっているのだから。だめだよ、そんな不公平な運営は。
 それで、実は東京都が同じような調査をやって、生活困窮世帯で、学校の授業がわからないが、小学校5年生で約3割、中学校2年生で約5割だったと。いつからわからなくなったのかについては、小学校5年生の場合は、小学校1年生から3年生、それからわかないと。中学校の場合は、小学校からわからないというのが3割いたと。わからないまま数年学校に通っている。このぐらいつらいことはないです。これは教育委員会にかかわるので、私はそういう意味でよく連携をして、教育における貧富の経済的な学力の格差ということが岩手の調査でも明らかになったので、ぜひこの問題に光を当ててしっかりした対策をとるようにしていただきたい。最後に答弁を求めて終わります。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員から教育の重要性につきまして御紹介をいただいたとおりでございますし、県といたしましても、ここにつきましては重点的に取り組む必要があると考えているところでございます。
 先ほど申し上げましたが、当保健福祉部の中におきましては、生活困窮者の対策として学習支援がございますし、子供の貧困対策といたしまして、子ども食堂とセットの形での取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 また、委員からも御紹介がございましたとおり、これは教育委員会との連携もございますので、この点しっかり連携をしながら取り組んでまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 私からも主要施策の成果に関する説明書、74ページの子供の貧困対策についてお伺いしたいと思います。
 岩手県子どもの生活実態調査で浮き彫りになったことについてお伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 子どもの生活実態調査についてでございますけれども、今回公表いたしました子どもの生活実態調査結果におきましては、特に母子世帯におきまして、就労状況が不安定なため収入の低い世帯が多いということ、子供の将来の進路にも影響を与える可能性があるということなど、厳しい生活実態が浮き彫りとなったところでございます。
 また、生活向上のための資格取得ですとか、あるいは教育機会の充実に対するニーズが高いということや、公的支援施策の周知が行き届いていないこと、また、公的相談窓口が十分に活用されていないことなど、母子世帯が抱えるさまざまな課題も明らかになったところでございます。
 県といたしましては、保護者に対する職業生活の安定と向上に資するための就労支援の充実、教育の支援の確実な実施、ひとり親世帯に対する相談支援の強化とともに、これらの活用を促進するための効果的な周知などの対策を講じていく必要があると考えているところでございます。
〇小西和子委員 改正子どもの貧困対策法が6月に施行されたわけですけれども、6年前に制定された現行法は、親から子に貧困が受け継がれるのを防ぐことを目的として、施策の力点を教育の視点に置いています。いわば、将来を見据えた法律と言えるかと思います。これに対して改正法は、将来だけではなく、現在の貧困の解消を目的に明記し、対策として、保護者の仕事の安定、向上や、所得の増大に役立つ支援をすることを新たに盛り込んだと捉えております。
 今回のこの調査結果で、これはと思いましたのが、電気、ガス、水道などがとめられたという項目がありまして、母子世帯で18歳未満の子のみ7.4%、それから18歳以上の親族等同居の母子世帯で6.2%となっていて、そういうのがとめられるということは食べるものもなかったのではないかなと思って、非常に心が痛くなりました。
 先の一般質問の答弁で、ひとり親家庭等就業・自立支援センターの利用が目的に達しなかったと答弁をいただいております。この要因をどのように分析しているのでしょうか。あわせて、委託料、職員体制をお伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ひとり親家庭等就業・自立支援センターについてでございますが、センターの利用による就職者数、目標としておりました43人に対しまして、平成30年度の実績は39人にとどまったということで目標達成には至らなかったところでございます。
 この目標に達しなかった理由といたしましては、先ほど申し上げましたが、センターの制度の周知が行き届いていなかったこと、また、相談に対応できる時間帯が平日の午前9時から午後4時までで、開設時間がひとり親世帯の多様なニーズに対応し切れていなかったということ。こういったことから、センターでの就業相談件数が計画を下回りまして、結果として、就職者数に結びつかなかったものと考えているところでございます。
 また、ひとり親家庭等就業・自立センターの平成30年度の委託料につきましては880万円余、職員体制につきましては、相談員が2名ということになっているところでございます。
〇小西和子委員 平成28年度における子供の貧困対策施策の主な充実内容というのがございますね。その主な指標があります。先ほど子育て支援課総括課長がお話をしましたとおり、その(7)、ひとり親家庭等就業・自立支援センター利用による就職者数ということで、平成26年度の現状値が43人、平成31年度の目標が43人、そしていただいた資料によりますと、実績では平成28年度が41人、平成29年度が39人、平成30年度が39人と減っております。取り組みが後退しているのではないかと思っております。就業率が高くさまざまな困難を抱えるひとり親家庭等が、必要なときに必要なサービスを活用できる包括的な相談体制を構築するための拠点をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員から包括的な相談体制の構築について御提言があったところでございますが、県が昨年度実施いたしました子どもの生活実態調査結果におきましても、ひとり親家庭等が公的なサービスを有効に活用していないということが明らかになったところでございます。また、次期岩手県ひとり親家庭等自立促進計画の検討を行っております岩手県子ども子育て会議の専門部会におきましても、就労生活、子育てなど、さまざまな相談ニーズに対しまして、それぞれの相談機関が十分に対応できていない状況が見られることなどにつきまして御意見をいただいているところでございます。
 こうしたことから、委員御指摘のとおり、就業率が高く、さまざまな困難を抱えるひとり親家庭等が必要なときに必要なサービスを活用できることが重要でございまして、県といたしましては、民間団体や関係機関の緊密な連携のもと、ひとり親家庭等のニーズに包括的に対応する相談支援体制を構築いたしまして、利用しやすいサービスを一体的に提供していくことが必要と考えているところでございます。
 国におきましても、ひとり親家庭等を総合的に支援する母子家庭等総合対策支援事業を今年度拡充したところでございまして、こうした国の制度の活用等を視野に入れ、引き続きこの専門部会におきまして関係者からの御意見などを伺いながら、本県における包括的な相談支援体制のあり方について検討してまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 さきの一般質問で、国においてひとり親家庭等を総合的に支援する母子家庭等総合対策支援事業を拡充したとの答弁でありましたけれども、具体的に何をどういうふうに拡充したのか。こうした国の制度とは、先ほどお話をした事業のことなのかどうか、そのあたりも詳しくお伺いしたいと思います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 母子家庭等総合対策支援事業の拡充についてでございますが、先ほど委員から御提言をいただいた中で、国の制度としてこういうものがあるということで当方からも御紹介させていただいたところでございます。
 この事業についてですが、国におきましては、平成28年度に、就業や家事等日々の生活に追われ、家計管理、子供のしつけ、育児や健康管理などさまざまな面で困難に直面するひとり親家庭を支援するため、母子家庭等総合対策支援事業の補助メニューの一つといたしまして、これまでの生活相談事業あるいは生活講習会等の事業などを再編しひとり親家庭等生活向上事業を創設いたしまして、地方公共団体が行うひとり親家庭の生活に対する悩み相談などを支援してきたところでございます。
 さらに、本年4月に国が制度改正を行いまして、ひとり親家庭への相談支援の充実を図るため、地域の民間団体の活用等による、ひとり親家庭の家庭訪問、あるいは民間団体等が実施いたします講習会等への出張相談、また、福祉事務所やハローワーク等へ同行いたしましてサービスの申請補助等を行う同行支援、さらには、その後の継続的な見守りを行う伴走型支援などが新たにこの補助対象として追加されたところでございます。
 県といたしましては、これは先ほども申し上げましたが、この補助制度を活用いたしまして、ひとり親家庭等のニーズに包括的に対応する相談体制の構築、あるいは利用しやすいサービスの一体的な提供の実現に向けた財源として活用することも視野に入れまして、現在、情報収集を行っているところでございます。
〇小西和子委員 ひとり親家庭等就業・自立支援センターの活動状況を変えるつもりがあるのかどうか、これは通告しておりませんでしたけれども、先ほどから子ども子育て支援課総括課長がお答えになっているような中身に変えていただくことが、支援策を強化、充実に向けて検討してまいりますと以前に答弁いただいた中身になると思うのですが、いかがでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほど御説明申し上げましたひとり親家庭等就業・自立支援センターでございますが、今回私どものほうで検討したいと思っている国の補助事業につきましては、この自立支援センターとは別なものと理解をしているところでございます。
 ひとり親家庭等就業・自立支援センターにつきましては、就業の援助もございますし、また、ひとり親家庭の方々の療育費を確保するためのさまざまな相談ということもございます。これは、ひとり親家庭の中でも離婚された方を対象とした制度ということで、これはこれとして継続してまいりたいと思っておりますし、先ほど御紹介申し上げました国の新たな補助制度につきましては、こういった相談対応の中で、いわゆるサービスを利用するためにつなげる同行の支援、あるいは訪問型―アウトリーチの支援ですとか、こういったものを特徴としているところでございます。ひとり親家庭等就業・自立支援センターもその中のシステムといいますか、対象となる事業の一つとして、そこを取りまとめるような総合的な、いわゆる包括的な相談支援体制を含むことを、先ほど申し上げました国の新たな補助制度等の活用を視野に入れて検討してまいりたいということでございます。
〇小西和子委員 それは包括的なワンストップセンターと捉えてよろしいでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 現時点では、私どものほうではそのように考えているところでございます。新たな取り組みの中で、ワンストップ体制を構築してまいりたいということでございます。
〇小西和子委員 ひとり親家庭等就業・自立支援センターは、午前9時から午後4時までしか窓口があいていないのです。どう考えても、大変困難にある就業状況の母親がそこに相談には行けないわけですね。ですから、新たに包括的なワンストップセンターを立ち上げるという捉え方でよろしいでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほども申し上げましたが、新たな仕組みを構築することを考えているところでございます。
 なお、ひとり親家庭等就業・自立支援センターの開設時間につきましては、例えば現在いる職員の勤務時間を少しずらすとか、少し幅を持たせた形で相談対応ができないかということにつきましても、あわせて検討してまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 よろしくお願いいたします。
 では、最後ですけれども、岩手県子どもの生活実態調査に回答したひとり親家庭の母親というのは、約3、500人近くいらっしゃるわけです。そのお母さんたちは、こういう調査をしたのだから、きっと何かが変わる、そう期待しております。今よりもいい生活になる、そう期待しております。そう希望を持っているお母さん方に、ひとり親家庭の親に、県としての包括的な相談支援体制の具体的なあり方と今後のスケジュールについてお示しいただきたいと思います。これは部長にお聞きして終わります。
〇野原保健福祉部長 今回、子どもの生活実態調査を実施させていただきました。教育関係機関、4万人を超える方々に御協力いただいて調査をしました。これをきちんと我々は施策に反映しなくてはならないと考えております。
 委員御指摘の包括的な相談支援体制の具体的なあり方と今後のスケジュールでございます。先ほど子ども子育て支援課総括課長からも御答弁申し上げましたとおり、今策定しています岩手県ひとり親家庭等自立促進計画の検討を行っている専門部会などにおきまして、関係者の御意見をきちっと伺いながら検討を進めるわけでございますけれども、当然、我々行政でございますので予算等への反映も念頭に置きながら検討を進めてまいります。
〇高田一郎委員 私からはまず介護保険制度について幾つか質問いたします。
 厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会が、要介護1、2の生活援助を保険給付から外して総合事業にするとか、あるいはケアプランの有料化などを検討して年内にまとめようとしております。この介護保険制度の大きな見直しによってどのような影響が出てくるのか、まずこれが1点です。
 あわせて、要介護1、2というのは軽度者だと、だから介護保険で対応しなくてもいいのだというのが見直し論議の中で言及されております。県は、要介護1、2というのは軽度者と考えているのか。介護保険を外してしまえばさらに重度化になりかねないのではないか。ケアプランについても、有料化することによって、新たに介護サービスを受けることの高いハードルになってしまうのではないかというさまざまな懸念があるわけですけれども、この点についてまず県の考えを示していただきたい。
〇小川長寿社会課総括課長 2点御質問をいただいております。まずケアプランの有料化等の影響についてでございますけれども、委員御紹介のとおり、現在、国の社会保障審議会介護保険部会におきまして、介護保険制度の持続可能性確保の観点から、介護保険給付の範囲のあり方の検討の中で、要介護1、2の方に対する訪問、通所介護サービスの地域支援事業への移行、あるいはケアマネジメントの質の向上と利用者負担の検討の中で、制度創設時から10割給付とされているいわゆるケアプランの作成費用に係る利用者負担の導入などが議論されているところでございます。
 本年6月末現在、県内の要介護1、2の訪問、通所介護サービスの利用者の方は延べ1万6、858人となっておりまして、仮に要介護1、2の方に対する訪問、通所介護サービスが地域支援事業に移行した場合、これらのサービス利用者が市町村で実施している介護予防・日常生活支援総合事業のサービスを利用することになると考えているところでございます。また、同じく本年6月現在、要支援、要介護、合わせて3万9、689人が介護、介護予防サービスを利用しておられますけれども、仮にケアプランの作成費用に係る利用者負担が導入された場合、全体の94%を占める1割負担者を例にとりますと、介護度により負担額に幅はございますが、月額430円から1、368円の自己負担が見込まれるところでございます。
 2点目の要介護1、2の地域支援事業への移行に係る重度化についてでございますけれども、この要介護1、2につきましては、介護時間に応じて5段階で区分されている仕組みでございます。要介護1は、介護にかかる時間が32分以上50分未満、要介護2は、50分以上70分未満となっているため、この要介護1、2の方は比較的介護に係る時間が少ない方と理解をしているところでございます。
 県といたしましては、介護を要する高齢者が必要なサービスを必要なときに利用できることが重要であると考えておりまして、これまでも国に対して制度運用上の課題等を十分に把握した上で、必要な見直しを行うよう要望してきたところでございますが、今後も国における議論の動向を注視しつつ、介護を要する高齢者が必要なサービスを必要なときに利用できるよう働きかけを行ってまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 今度の制度見直しは利用者の自己負担がふえて、さらにサービスが抑制されてしまうということだと思うのです。これまでも制度の見直しのときには、いつも持続可能な制度にするのだということで、これまでも要支援1、2も総合事業に移行すると、あるいは特別養護老人ホームについても介護度3以上でなければ基本的に入所させないとか、あるいは居住費、食費の自己負担をさらに引き上げるとか、持続可能な制度ということで対象者をどんどん外してきた。こんなことをやったら、介護保険制度そのものが死んでしまうと思うのです。
 今の答弁で、必要なことについては要望していきたいとのことでしたが、今度の見直し案は年内にも決定するという方向です。どういう要望を国に対して上げていくのでしょうか。
〇小川長寿社会課総括課長 現在、国おきまして、先ほどの二つの項目について議論されているということで御紹介いただきましたけれども、重度化防止も含めて制度改正全体の中で検討されていると認識しております。国の議論の中におきましては、方向性が今の段階では明確になっていないと承知しております。したがいまして、県といたしましては、今後の国の動向を注視しつつ、必要に応じまして、財源確保や体制の整備について国に働きかけを行ってまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 午前中も議論がありました。介護職員特定処遇改善加算について私もお伺いしたいと思います。
 介護職員が10年以上勤務しているということと、介護職員処遇改善加算が実施されている事業所に対して、10月から月額8万円の賃上げができるという中味でありますけれども、これは条件をクリアしなければ対象にならないということだと思うのですけれども、取得できる事業所は県内でどれだけ対象となるのか。
 あわせて、加算が取れない事業者が出てくれば、事業所間の賃金格差が拡大して、介護職員が条件のいいところに流れるとか、さまざまな懸念が生じるのではないかと思うのですけれども、この二つについてお聞きします。
〇小川長寿社会課総括課長 介護職員処遇改善加算の取得事業所について御質問をいただきました。私どもで調査した結果によりますと、9月1日現在で、介護職員処遇改善加算の届け出状況は対象事業所が1、721事業所ございまして、このうち1、649事業所が届け出を行っている状況でございます。届け出率にいたしますと95.8%が介護職員処遇改善加算を取得しているところでございます。
 職員が流れるという御指摘をいただきましたけれども、加算の取得につきましては、各事業所の経営判断によるところが大きいものがございますが、先ほど申し上げましたとおり、まだ加算を取得していない事業所もございますことから、県では、経営者向けの労働環境の整備、改善を促進するセミナーでありますとか、各広域振興局で行っている事業所の集団指導等の機会を捉えまして、加算を取得していない事業所に対しては取得を促すとともに、既に加算を取得している事業所につきましては、より上位の加算を取得できるよう、働きかけを行っているところでございます。
〇高田一郎委員 この加算が取得できる条件というのは、10年以上そこに勤務をしている、そういう事業所と、もう一つは、介護職員処遇改善加算などの条件があればということなんですけれども、介護職員処遇改善加算は全体の95.8%というのはわかります。10年以上勤務している、そういう事業所というのはどれだけあるのかというのもお聞きしたのですけれども。
〇小川長寿社会課総括課長 失礼いたしました。いわゆる特定処遇改善加算の対象となる事業所等につきましてでございますけれども、まず一つは、条件といたしまして、先ほど申し上げました95%取っているという処遇改善加算の区分が1から5まで加算がございますが、そのうち1から3を取っているということが一つの条件となっております。それと、勤務環境につきまして、資質の向上でありますとか、労働環境、処遇の改善などの取り組みをそれぞれ一つ以上行っているということなどが、この特定加算を取得する条件となっております。
 現在、その特定加算につきましては、10月からスタートしたばかりではございますが、11月の時点で申し上げますと、加算を届け出ることができる対象となる施設が1、727カ所ほどあると承知しておりまして、11月1日時点で、884事業所ほどが届け出を出されておりまして、現在のところ51%がいわゆる特定処遇改善加算の届け出を行っているという状況でございます。
〇高田一郎委員 現在はこの加算を受けられる対象事業所のうち、51%が届け出をしているということはわかりました。
 それで、加算を受けられる事業所と受けられない事業所が現在は半分ずつあるということですけれども、私は先週、県内のある社会福祉法人に伺いましていろいろお話を聞いてきました。月額8万円と言っても、事業所の収入によって8万円全額来るかどうかわからないと、制度が複雑だという話をしていましたし、いわゆる440万円の収入確保が必要だと。受けられるためには、440万円にするために賃上げをしなければならない。そしてさらに社会保険などについても、法人あるいは事業所が持ち出しをしなければならないということで、事業所の持ち出しが年間200万円になって逆に経営が厳しくなると。だから10月からの実施は見送ったというお話をいただきました。私はこういう複雑な制度にしてしまうのではなくて、加算取得事業者の裁量に委ねるべきだと思うのです。これは制度上こういうことはできないのか。
 午前中の質疑でも、若い人も事業所の独自判断で改善となるように期待しているという答弁をいただきました。今回の制度は、本当に若い人たちにこの恩恵が回ってこないのです。全体として賃上げになる職員もいます。でも、若い人に回らないと、事業所間の格差が広がっていく、新たな課題が生まれるのではないかと私は見ていますけれども、その辺かいかがですか。
〇小川長寿社会課総括課長 この特定処遇改善加算につきましては、10年以上、ベテランの介護職員の方の月額8万円のアップをベースとして算定する形になっております。実際に給付された介護保険給付費をどういう形で職員の賃金等にやるかにつきましては、各事業所ごとの経営判断というところになってくると思いますけれども、私どもといたしましては、この制度の趣旨を関係団体等を通じながら、各事業所の方に御理解いただく取り組みを今後ともやっていきたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 現場に行きますと制度が複雑で、簡単に乗れないという声が出ていますから、新しい制度ですので、現場の実態をよく調査して、ただでさえ、昨年から介護報酬が下がって経営が厳しくなっている。それにさらに輪をかけて厳しくなる面がありますので、この加算の制度がなかなか事業所の裁量に委ねられないということになれば、国に対してしっかりと制度の改善を求めていくことが必要だと思いますので、現場の実態をしっかり踏まえて、実態調査をしていただきたい。
 あわせて、経営が大変だという話をお聞きしてきましたけれども、平成30年度の県内の介護事業所で、休業とか廃止になったところはわかりますか。
〇小川長寿社会課総括課長 昨年度の休廃止の事業所につきましては、ちょっとお時間をいただいてお答えさせていただければと思います。申しわけございません。
〇高田一郎委員 重ねて申し上げますけれども、引き続き介護現場の実態把握をして対応していただきたいと思います。
 次に、特別養護老人ホームの課題についてお聞きしたいと思います。
 現在、特別養護老人ホームの待機状況ですけれども、早期入所が必要な待機者は890人に対して第7期の計画では、開設見込みがことしと来年で478人になっています。待機者が890人に対して開設見込みが478人ですから、まさに保険あって介護なしという状況になっているのではないかと思います。特別養護老人ホームの現状と課題を県はどのように捉えているのか、これが1点です。
 そしてもう一つは、最近有料老人ホームがどんどんふえていまして、なかなか特別養護老人ホームに入れないために、かなり無理をして有料老人ホームに入っているというお話もお聞きします。兄弟とか子供たちに面倒を見てもらって入っていると。中には滞納して払えない方もいらっしゃって、そういう有料老人ホームから私も相談を受けていますけれども、結局、特別養護老人ホームにも入れないという状況にもあります。私は年金で入れる特別養護老人ホームの整備が本当に必要になってくると思いますけれども、その点についてはいかがですか。
〇小川長寿社会課総括課長 2点御質問をいただきました。まず、特別養護老人ホームの入所待機者の現状と課題についてでございますけれども、先ほど委員からお話がありましたとおり、今年4月1日における入所待機者のうち、1年程度で入所が必要な方、いわゆる早期入所が必要と判断された方が890名おられます。したがいまして、先ほど委員から御指摘をいただきましたけれども、整備計画、整備の数からすると足りないのではないかというお話でございます。県といたしましては、引き続き、計画的な施設整備が必要な状況にあると認識しているところでございます。
 それから、2点目の年金で入れる施設につきましてですけれども、特別養護老人ホームの居室につきましては、大きくユニット型個室と多床室とに分かれておりますが、多床室に入所する場合、一般的にユニット型個室に比べまして利用料が低く抑えられているところでございます。
 国では、要介護高齢者の尊厳の保持と自立支援を図る観点から、ユニット型個室の整備を推進してきているところでございますけれども、県におきましては、低所得者の入所が可能な多床室の整備の必要性についても考慮いたしまして、独自基準を設け、地域の実情に応じた多床室の整備も認めておりまして、多床室の整備につきましてもユニット型個室と同額の補助を行っているところでございます。
 県としては、市町村が介護保険事業計画に基づいて行う介護保険サービスの基盤整備に対して補助を行うなど、引き続き、市町村の介護サービス提供体制の強化を支援してまいりたいと思っております。
〇高田一郎委員 この間いろいろ見直しをされて、ユニット型でも低所得者であれば5万円台で入所できるとか、多床室についても4万円程度で入所できると改善されてきました。しかし、例えば第2段階ですか、住民税非課税世帯で年収80万円まで、こういう方々は年金で入れるけれども、入っても結局医療費がかかってしまうとか、国民年金を満額もらっていない方は特に医療費が大変だとか、そういうことを施設からよくお聞きします。そういう意味で、私は補足給付を拡大する、居住費を助成するとか、そういうことをしていかないとだめではないかと思うのですけれども、その辺についてはいかがですか。
〇小川長寿社会課総括課長 ただいま補足給付についての制度の拡大、拡充という御質問だと思いますけれども、私どもとしても、現行の制度の活用を十分していただくことをまず最初に進めていきたいと思いますが、市町村や施設を運営されている方々などの関係団体等のお話も聞きながら、必要に応じて制度の改善について国に働きかけることを検討してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 現場の声は、国民年金を満額もらっている人は何とかぎりぎり、だけれども、満額もらっていない人は病院の医療費もなかなか大変だという声も聞こえますので、国に対して要望すると同時に、県としても何らかの対策が必要ではないかと思います。
 それで次に、児童虐待問題についてお伺いします。
 総括質疑でも議論がありましたけれども、児童相談所への相談件数は平成30年、昨年は前年比で162件、5.8%となって、全体2、985件となっております。そのうち、児童虐待相談件数は約4割となっていますけれども、児童福祉司の業務量というのは、児童虐待だけではなくて他の業務もしながら仕事をしています。この辺の状況、児童福祉司の業務量というのはどうなっているのか。
 児童福祉司の増員計画については、国の基準を前倒しして配置されましたけれども、専任での対応についてはまだ国の基準になっていないので、これは40人になるようにしていきたいというのが今議会の答弁でありました。40人にするためには具体的に何人新たに増員が必要なのか、この点についても伺います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 児童福祉司の増員計画についてでございますけれども、年々増加する児童虐待相談に適切に対応していくために、県では、児童福祉司等、専門職員の増員に努めているところでございまして、今年度は児童福祉司を7人増員いたしまして、兼務職員も含めて44人を配置したところでございます。
 児童福祉司1人当たりの相談対応件数につきましては、この44人をベースに、平成30年度の県全体の児童虐待対応件数、そして前年度からの継続件数から換算をいたしますと37.5件ということで、国の目標であります40件を達成しているところでございます。
 一方、いわて県民計画(2019〜2028)政策推進プランにおきまして、児童相談所の業務体制をさらに強化するため、令和4年度までに専任の児童福祉司のみで1人当たり40件とする指標を掲げているところございまして、専任の児童福祉司のみで1人当たりの件数40件を満たすためには、今後の児童虐待対応件数の動向にもよりますけれども、現状におきましては、福祉総合相談センターにおおむね6人程度、一関児童相談所におおむね1人程度配置を要することが見込まれているところでございまして、引き続き、児童福祉司業務を担える専門職員の計画的な増員を図ってまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 新たに今後7人の増員計画が必要だということであります。
 この児童虐待対応をやっていくためには、一番身近な市町村での体制強化が必要だと思います。平成30年度は市町村相談対応が805件と、前年比93%増となりました。これは緊急点検を実施したということと、遠野市、盛岡市で子ども家庭総合支援拠点を設置したことが大きな数に反映されたのではないかと思います。私は子ども家庭総合支援拠点を全ての市町村に設置すると。これは2022年まで義務化になっていますけれども、ここに大きな力を注ぐべきではないかと思うのですけれども、これについては具体的にどのような支援をしようとしているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 子ども家庭総合支援拠点の関係でございますけれども、これは委員から御紹介がございましたとおり、国におきましても、全市町村での設置を目指しているところでございます。国におきましては、市町村子ども家庭総合支援拠点の設置を促進するために、これまで運営費あるいは改修費等に対する補助に加えまして、今年度から開設準備経費、あるいは夜間、土日の運営費の加算、そして嘱託医師、弁護士の配置の加算を補助対象として拡大してまして、市町村の拠点設置に向けた支援策を拡充したところでございます。
 県といたしましては、こうした国の支援策を市町村に情報提供するとともに、子ども家庭総合支援拠点の設置促進に向けた国のアドバイザー派遣制度を活用して、個別に技術的助言を行う機会を設けるなど、今後も市町村が早期に拠点を設置できるよう支援をしてまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員長 高田一郎委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇高田一郎委員 わかりました。最後にいたします。
 子ども家庭総合支援拠点というのは、18歳までの全ての子供と家庭及び妊産婦などを支援するものであって、実態調査をしたり在宅支援を行ったり、虐待の未然防止につなげるという点で大変大きな役割を果たすものだと思います。これを設置したから遠野市、盛岡市で児童虐待相談件数がふえたのではないかと思います。これは国の基準ではさまざま専門職を配置しなければならないと。恐らく人口規模でいけば、どこの市町村でも2人から4人は必要じゃないかと。私は専門職員を確保するのは大変なことだと思うのです。これに対する県の支援というのもあるべきだと思いますし、さらに国の財政支援もありますけれども、財政支援の補助単価を見ても非常に貧困です。
これを設置していくためには、人材確保と財政的な支援を具体的に県がやらないと、2022年度までの設置はかなり厳しいのではないかと思います。2022年を待たずに全ての市町村に設置できるようにその二つの点で支援が必要だと思いますけれども、その具体的な県の対応についてお聞きして、終わりたいと思います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 子ども家庭総合支援拠点の全市町村調査の実施に向けてというところでございますが、委員から、人の面、それから財政的な面での御指摘がございました。財政的な面、それから人の面につきましては、児童虐待防止対策のさらなる財源的な充実につきまして、国には要望させていただいているところでございますので、引き続き、その活動はさせていただきたいと思っております。
 なお、人材の確保の点につきましては、子ども家庭総合支援拠点の相談員、支援員の資格要件といたしまして、児童相談所の児童福祉司並みの資格が求められているところでございます。市町村におきましては、要保護児童対策地域協議会の担当職員につきましてもなかなか難しいところがございますが、県といたしましては、これは市町村のいわゆる人事的なことになるかもしれませんが、そういったところも含めまして、引き続き市町村には要請してまいりたいと思っております。また、要請した後につきましては、県でしっかりと研修等によりまして資質の向上も図ってまいりたいと考えておりございます。
〇佐藤ケイ子委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇小川長寿社会課総括課長 先ほどお尋ねいただきました昨年度の休廃止の事業所数でございますが、休止が42、廃止が152ございまして、合計で194の事業所が休廃止の届け出をしているところでございます。
〇工藤勝子委員 私も通告しておりましたので質問させていただきます。子ども食堂と子供の居場所づくりについてであります。
 実態につきましては、市町村の開設状況は斉藤信委員の質問で説明されております。18市町で実施されているようであります。その中で、利用されている子供、また親もわかりましたら、どのくらいの人数と把握されているのかお伺いいたします。また、開催日数は1週間に1回のところもあるかもしれませんが、その点もわかりましたらお願いいたします。また、運営に当たり、課題をどのように捉えているのかお伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 子ども食堂の実施状況でございますけれども、ただいま委員から御紹介ありましたとおり、今、県内18市町の38カ所で実施されているところでございます。これらの子供の居場所につきましては、子供が安心して過ごせる場所でありますとともに、保護者を含む地域の大人の交流の場という意味でも運営されているものと承知しているところでございます。
 この取り組みの中では、参加しやすい環境をつくるため、申し込み制等はとらずに、詳細に利用者数を把握していない場合もありますことから、利用者数に関する統計につきましてはとっていないところでございますが、一例を挙げますと、盛岡市の例では、子供と大人合わせまして1回当たり平均40人弱の方が利用されていると伺っているところでございます。
 また、開催日数につきましては、実施形態もさまざまで幅があり、平均的な開催日数を算出することも難しいところでございますけれども、現在の38カ所の内容を見ますと、月1回の開催が大体17カ所で、最も多い状況でございます。
 また、運営に当たっての課題についてでございますけれども、県と子供の居場所を運営する団体との意見交換におきましては、さまざまな規制のある公共施設以外で柔軟に運営できる場所の確保ですとか、継続して安定的に活動するための財源の確保といったことが課題として挙げられたところでございます。
 また、新たに子供の居場所を開設する団体におきましては、運営方法ですとか食品衛生に関するノウハウの不足、スタッフの確保と養成といったことが課題であると認識しているところでございます。
〇工藤勝子委員 子どもの居場所ネットワークいわてがありますけれども、県では、この運営の支援と今後のあり方について、どのように考えているのかお伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 子どもの居場所ネットワークいわての運営と支援でございますけれども、県内では、昨年5月に、県も参画いたしまして子ども食堂や学習支援など、子供の居場所づくりに取り組む団体の連携組織であります子どもの居場所ネットワークいわてが設立されたところでございます。このネットワークを通じて、寄附や支援の呼びかけを行ってまいりましたほか、支援のマッチングや研修会の開催などによる開設、運営ノウハウの提供、開設場所の周知など、子供の居場所づくりの取り組みへの支援を行ってきたところでございます。
 県といたしましては、子供の居場所の継続的な運営のためには、取り組みに対する県民の理解と支援の促進を図ることが重要と考えておりまして、今後、これまでのネットワークを通じた子供の居場所づくりの取り組みへの支援に加え、市町村広報誌を活用するなど、関係機関とも連携して、県の補助制度の一層の周知あるいは開設可能な施設の情報提供など、積極的な広報活動に努めまして、子供の居場所の運営を支援してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 私の地元でも今年度、開設されたところであります。その代表をしているリーダーの方からちょっとお話を聞いてまいりました。実態というところであります。
 そこでは、1回30人から40人の方が利用されているということであります。会費は、子供から1人100円、大人からは300円取っております。そういう中で、先ほどお話しされました衛生管理講習を受講いたしまして、管理者として3名が資格を取っているという話を伺いました。
 また、開設に当たって、子どもの居場所ネットワークいわてと市から50万円の支援を受けております。このお金をどのように使ったかといいますと、これは開設するための備品という話でありました。ということで、冷蔵庫や食器ということでありました。それ以外には使えないというひもつきのものでありました。
 しかし、ここで開設するに当たって問題になっているのは水道光熱費、これはもう自費であります。それにもってきて、もちろん食材もであります。差し入れも一部あるわけでありますけれども、そこのリーダーの話ですと毎月赤字を出しているのです。100円を子供からと、300円を大人からいただいても、水道光熱費も含めて赤字になっていると。では、その赤字の補填をどうしているのですか、赤字だったら長続きしないですよ。誰が、どこから、どうやって出しているのですかということになってくるわけです。
 私のところは中山間地域ですので、企業も、こういうところに支援するような状況になっていないわけです。そういう中において、どうやっていますかと聞きましたら、ここはちょうど高齢者の居場所づくりをしているわいわい館というかだるべ会があるわけです。子ども食堂はわいわい食堂、そして、高齢者の人たちの居場所づくりはかだるべ会になっております。かだるべ会で直売をやってみたり、演芸会をやって寄附をもらったり、とにかくその蓄えで今のこところ細々と運営しているという話でありました。
 確かに50万円の支援を受けて開設いたしました。そういう中にあって財源という問題もありましたが、今後、県とか市が直接そういうところに財政支援ができないようであれば、この子どもの居場所ネットワークいわてのほうで、こういう形の支援ができないものでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほど委員からも御紹介がございましたとおり、県の補助制度につきましては、運営費ではなく、あくまでも立ち上げ時の経費の支援ということで御理解いただきたいと思います。
 子供の居場所の活動には、確かに運営資金といいますか財源が必要でございます。県におきましては、子どもの居場所ネットワークいわてを通じまして、ホームページ等によりまして活動への寄附を呼びかけるとともに、寄附をしたい個人、団体等と子供の居場所づくりに取り組む団体等とのマッチングを行っておりまして、取り組みに要する財源あるいは物資等の確保を支援しているところでございます。
 昨年度におきましては、財源、物資等を合わせまして46件のマッチングを行ったところでございますが、今後、さらに子供の居場所づくりの取り組みを拡大していく上で、取り組みを財源、物資等の面で支える支援者の理解を促進するための広報活動を強化していく必要もあると考えております。
 これまでのホームページによる広報に加えまして、市町村との連携による、こちらも広報誌等を通じました支援の呼びかけ等を行ってまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 盛岡市で開設しているところが多いわけですので、調査に来たようであります。そうしましたら、盛岡市は、結局寄附金で賄っているというお話だったわけであります。ですから、子供からもお金を徴収することがないわけであります。そういう中で、結局これは民間の支援だけに県が頼ろうとしているのでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 子ども食堂につきましては、自発的な民間の取り組みが基本だと考えているところでございます。ただ、先ほど来、さまざまな委員の皆様からも御意見をいただいておりますとおり、広げていくことが非常に大事だと思っているところでございます。そういった観点から、少なくとも立ち上がりの経費につきましては助成したいと補助制度をつくったところでございます。
 あとは、先ほど申し上げましたけれども、さまざまな民間からの御支援をいただくのが基本だと思っておりますので、先ほど御案内いただきました子どもの居場所ネットワークいわてといったものの活動を通じ増して、さらにその点を強化してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 盛岡市のようにどんどん寄附が集まってくるところならいいのですけれども、このように赤字でも細々とやっているところもあるわけですよ。そういうところで、県が施策として、結局、子供の貧困対策でこういう食堂もやろうという方針を掲げている中で、やはりしっかりとその辺の現状を見ていただきたいと思います。少しですよね、わずかばかりのお金ですよ。そんなに100万円くださいとか言っているわけでもないわけですよ。せめて使えるお金、水道光熱費ぐらいは財政支援するような形を今後計画の中に組み入れてほしい、私はそのように思っているところでもあります。
 これが、やはり子供たちの世代間交流になっているのです。そういうこともありますので、青少年の健全育成にもつながりますので、ぜひ、そういう形の中で考えていただきたいと思います。
 さらに、もう一つ課題がありますのは、ボランティアであります。ボランティアをやっている人たちが、もう高齢化になってきている。私の地区もそうであります。そして、運営するリーダーのお話を聞きますと、多分、自分がやめた後、結局運営するリーダーとしてやる人を見つけていかないと、多分食堂もこの居場所づくりもだめになるのではないかというお話をされているわけです。
 なぜこういうふうにリーダー、ボランティアが続かないかというと、実態は働き方改革だと言うのです。なぜかというと、私と同年代の人も、まだ会社にいて働いている人がいるのです。つまり、60歳定年のときは、まだ余力があったのです。人間として働ける余力があった。だからボランティアをしようという人も多かった。だけれども、今は、70歳を超えても企業が、元気で働ける人は働けるだけ採用したいということで働いている。70歳ごろでそろそろやめようかなと思ったときは、結局、自分がお世話になる年代になってきている。だから人のお世話どころではなくて、自分が世話になる年齢になってきているという話で、結局ボランティアを見つけていくことが大きな課題だと。その辺のところはどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員から御指摘がございましたとおり、ボランティアの確保も重要な点でございます。先ほど御紹介がございました子どもの居場所ネットワークいわてで、子供の居場所を立ち上げるために、さまざまな視点から、マニュアルではございませんけれども、サポートブックというものをつくっております。その中でも、協力していただける方をいかに確保するかが大事だというところがございまして、まさしくボランティアの確保については、そこが肝だと思っているところでございます。
 一例を申し上げますと、サポートブックの中でも、どういったところに相談していけばいいかを紹介させていただいているところでございますが、一番は、まず行政で、どういった方々が地域で活動されているのかを情報として得られたらどうかということで紹介しております。
 それからまた、県内の子ども食堂の中でも、これは多い例でございますが、例えば地域の民生委員の方ですとか、また、自治会や子ども会の関係ですとか、そういった方々にかかわっていただいているところが多いということでございます。
 ただ、今、委員からも御紹介がございましたとおり、そういった方々がなかなか確保しづらい、難しい地域もあろうかと思います。そこにつきましては、地域の中でどういった方々に御協力いただけるのか、行政のほうとも御相談いただきながら、また、こういった点につきましても、子どもの居場所ネットワークいわてでも御相談等をお受けしておりますので、どういった方法があるのか、一緒になって検討させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇工藤勝子委員 ぜひ、財源の関係と人材の育成に県で力を入れてほしいということをお願い申し上げたいと思っております。
 子どもの生活実態調査の結果について、小西委員も質問されておりました。小学校5年生、中学校2年生を対象として4万1、176人から膨大な資料となる調査でございました。私は、これに協力していただいた関係者の皆さんに敬意を表したいと思っております。これだけの調査をするといったら並大抵のことではない。また、これをさらに分析して、この実態から見えてくるものを、課題を探りながら、県がどう政策に組み込んでいくかということも非常に大きな仕事になってくるだろうと思っております。
 そこでお伺いいたします。この実態調査を見ると、教育、福祉、親の就業関係もありますので商工業、これが関係してくるのではないかと思っていますが、県では横の連携で、この実態調査から、会議などで調査した後の結果を共有していることがありますでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 子どもの生活実態調査の結果の共有につきましては、県で岩手県子ども・子育て会議を設置しているところでございます。こちらにつきましては、子供、子育てに関しまして、庁内の教育、労働関係、女性活躍支援の関係ですとか、さまざまな部局が入っているところでございますが、この中で報告させていただいているところでございます。
 また、社会福祉審議会におきましても、この結果につきましては、各部局に参加していただく中で報告し、共有しているところでございます。
〇工藤勝子委員 まだまだ時間がかかるのではと思っていますけれども、これに対しまして、実態調査結果検討委員会ができております。これは公開でしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 この実態調査結果検討委員会につきましては、公開ではございません。非公開という形で実施させていただいてございます。
〇工藤勝子委員 では、この委員会は何年までの設立状況となっていますでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 この検討委員会につきましては、特別に生活実態調査の結果の検討のためというところでございますので、本年度設置させていただきまして、現在も分析等の作業をしていただいているところでございます。
〇工藤勝子委員 それではまだ公開ではないので、この検討委員会の大枠の検討状況もわからないわけですね。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 今回、10月4日に、議員の皆様も含めてでございますが、中間報告という形で公表させていただいたところでございます。これにつきましては、世帯のいわゆる類型、あるいは所得の状況におきまして分析させていただいたところでございます。先ほどお話がございました検討委員会の中では、それだけではなく、子供の例えば幸福感ですとか、自己肯定感ですとか、そういったものが収入とか世帯類型だけではなく、さまざまな側面からもっと分析をする必要があるのではないかというところで、今回、中間報告という形での報告にさせていただき、さらに分析を進めることにしたところでございます。
 ただ、この検討委員会につきましては、内容といたしまして、学識経験者の方あるいは子ども子育て会議における専門部会という形で設置させていただいておりますので、さまざまな分野から委員に入っていただいております。そうした中で自由闊達な御意見をいただく観点から公開していないところでございますので、その点につきましては、適時適切にタイミングを捉えまして、結果につきましては御報告できる機会を設けたいと思っておりますので、御了解いただければと思います。
〇工藤勝子委員 これを見たときに何点か課題が見つかってまいりました。岩手県は、幸せを守り育てるという大きな目標を掲げているわけです。希望郷いわてです。しかし、子供の中に、余り幸せと思わないとか幸せとは思わないという人たちが少なからずいるわけですよ。そういう中において、やはりこの子供たちが、小学校5年生とかの子供たちが、幸せでないとか、そういう感じがないとか、そういう状況をどのように捉えていますか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員から御紹介いただきましたとおり、今回の中間報告の中で、自分は幸せだと思うかという問いかけに対しまして、これは所得の状況にかかわらずということでございますけれども、おおむね9割近くの方々は幸せだという御回答をいただいてはございますが、1割を超える方々については、余り幸せだと思わない、あるいは幸せだと思わないという回答をいただいているところでございます。
 この年代、このお子さん方からしまして1割以上の方々が、自分は幸せだと思わないという回答につきましては、私も大変ショッキングだと思っております。ですので、ここにつきまして、どういった形で対応していけば、自己肯定感なり幸福感の向上につながるのかというところを、この検討委員会で引き続き検討、分析をさせていただき、どういった対応をしていけば幸福だと思う数値が上がっていくのかについて、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 もう一点ございました。支援の利用状況であります。そういうニーズから、例えば児童手当、児童扶養手当、就学支援援助とかスクールソーシャルワーカーとかを知らない人たちがいらっしゃる。これは保護者からのアンケートです。これは非常に問題ではないかと。こういうことを知らない保護者が現実にいっぱいいるということです。これに対してどういう情報伝達をしていらっしゃるのでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 今回、子どもの生活実態調査の結果におきまして、公的なサービスが使われていない割合が高いことが改めて明らかになったところでございます。
 これまでの周知方法でございますが、さまざまな関係団体を含めましてホームページ等での周知をしておりますし、ひとり親家庭のさまざまな制度を紹介するガイドブックを作成しておりまして、そちらも配布させていただいております。
 ただ、やはりそれでは十分ではないというところが今回明らかになりましたので、先ほども申し上げましたが、新たな支援の仕組みも必要ではないかと考えております。そういった中で、制度の周知あるいは利用が進むような対策についても考えてまいりたいと思います。
〇工藤勝子委員 最後になります。では、部長にお聞きいたします。結局、岩手県は、県民一人一人の幸福を守り育てるという中において、こういう実態から幸福を実感できない子供たちがいるということです。誰ひとり取り残さないという目標、SDGsですか、そういう形に取り組んでいく中で、この子供たちが幸せになれるような政策を打ち出すというか、県としてしっかりとした支援、それは、先ほど言いました子ども食堂、子供の居場所づくりもそうです。やはりそういうところを見落とさないようにして、財政支援なり人材の育成なりに力を入れてほしいと思っております。そうすることによって、子供たちが幸福を実感できるような岩手県にしてほしいと思うのですけれども、所感を伺います。
〇野原保健福祉部長 委員から御紹介ありましたとおり、今回の子ども生活実態調査で、子供たちが、自分を幸せだとか思うかという問いかけで、1割ぐらいがそう思わないという回答がありました。また、自己肯定感、自分のことが好きだということについても、全ての子供が肯定感を持っているわけではないという状況が明らかになっています。こちらについてはさまざまな要因があるのではないかと専門部会の中でも意見をいただいておりまして、そういった観点から今分析を進めているところでございます。
 また、この子供の貧困対策に関しては、さまざまな施策、就労支援、教育支援、財政的な支援、本当に関係した部署が総合的に取り組まなくてはならない課題であることを、今回の調査結果を見ても改めて認識したところでございます。
 いわて県民計画(2019〜2028)で幸福を掲げている岩手県としては、子供たちが幸せであるというのは大前提だと我々も認識しております。子供たちが幸せであるということを認識できる社会を目指しまして、本当にさまざまな施策に丁寧に取り組んでまいります。
〇佐藤ケイ子委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐藤ケイ子委員長 質疑がないようでありますので、これで保健福祉部関係の質疑を終わります。
 保健福祉部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 この際、職員の非違事案について医療局長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇熊谷医療局長 冒頭にお時間をいただき大変申しわけございません。
 医療局において、先日発生いたしました不祥事についておわびを申し上げますとともに、その内容と今後の対応等について御報告させていただきます。
 去る10月25日、県立南光病院に勤務する60歳代の男性臨時職員ですが、一関市内において飲酒運転で検挙されるという事件が発生いたしました。
 日ごろから職員に対しましては、公務員として法令等の遵守を率先する立場にありますことから、公務中はもちろん、勤務時間外や休日などの日常生活においても、交通事故、交通違反、飲酒運転など厳に戒め、道路交通法の遵守につきまして注意喚起を行ってきたところであります。こうした中で職員が飲酒運転により検挙されたということは、まことに遺憾であり、この場をおかりして、議員の皆様、そして県民の皆様に深くおわびを申し上げます。
 医療局では、これを受け、全職員に対し、道路交通法の遵守と再発防止について、改めて指導、徹底を図ったところでございます。
 以上でございますが、このような不祥事が発生しましたことを私ども深刻に受けとめているところでございます。再発防止に努め、今後、一層、県民の皆様の信頼回復に向け全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 このたびは、まことに申しわけございませんでした。
〇佐藤ケイ子委員長 次に、医療局長に医療局関係の説明を求めます。
〇熊谷医療局長 認定第13号平成30年度岩手県立病院等事業会計決算につきまして御説明申し上げます。
 県立病院等事業の運営に当たりましては、地方公営企業法第3条に規定する経営の基本原則並びに県立病院等の設置の本旨、県議会の審議を通じての御意見及び監査委員の御意見の趣旨を踏まえまして、医師不足などまことに厳しい医療環境ではございますが、事業の効率的な運営と経営の健全性に配意しながら、公的医療機関としての使命である地域医療の確保と保健衛生の向上に努めてきたところでございます。
 平成30年度におきましても、良質で効率的な医療供給体制と、これを支える安定した経営基盤の確立に努め、平成25年12月に策定いたしました経営計画のもとに、多様な取り組みを展開してきたところでございます。
 まず、医師確保につきましては、関係大学への派遣要請や即戦力医師の招聘活動のほか、新専門医制度に対応した県立病院専門研修プログラムの活用による専攻医の受け入れ体制の整備や、奨学金養成医師の早期義務履行の推進に努めてきたところでございます。
 また、臨床研修医師の積極的な受け入れに取り組んだ結果、平成30年度は、初期研修医が110名となり、後期研修医は74名を勤務医として確保いたしましたほか、医師のタスクシフティングを推進するため、医療クラーク業務の標準化の検討や増員計画を策定したほか、電子カルテの導入拡大などにより執務環境の改善を図るなど、県民医療に必要な医師の確保と働き方改革の推進に努めてきたところでございます。
 次に、地域包括ケアシステム構築への参画におきましては、地域包括ケア病床の導入や医療社会事業士の増員により地域医療福祉連携体制の強化を図るなど、他の医療機関及び介護施設を含めた役割分担と地域連携の推進に努めてきたところでございます。
 このほか、医療サービスの提供におきましては、より良質な医療を提供できる体制の整備を図るため、必要な看護師の確保を図るほか、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等の医療技術職員の増員を行い、医療の質の向上に努めてきたところでございます。
 また、これらの取り組みにあわせて、診療報酬改定に早期に対応するための職員配置のほか、リハビリテーション体制や入退院支援体制の強化にかかわる加算など、新規、上位施設基準の取得等による診療単価のアップなど、収益の確保に努めたところでございます。
 一方、費用面では、職員の適正配置、後発医薬品の使用拡大、物品管理システムデータを活用した診療材料の整理統一及び医師等との協働による廉価購入の推進等により費用の抑制を図るなど、総合的な経営改善に努めたところでございます。
 以上、事業の概要を申し上げましたが、先ほど申し上げましたとおり、医師の確保に努めてはおりますが、医師偏在指標で本県は全国最下位にあるなど、依然厳しい経営環境に置かれているところでございます。こうした状況のもとではありますが、今後におきましても、経営計画の目標の達成に向け、収益の確保や効率的な費用の執行など各種取り組みを進め、安定した経営基盤の確立を図りながら、県民に良質な医療を持続的に提供できるよう努めていきたいと考えております。
 それでは、お手元の決算書に基づきましてその概要を御説明いたしますが、決算報告書は、予算に対する決算という性格上、消費税及び地方消費税相当額を含めた金額で作成するものであるのに対し、損益計算書及びその他の財務諸表は、消費税及び地方消費税相当額を除いた金額で作成することとされており、金額に相違がございますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。
 決算書の1ページをお開き願いたいと存じます。まず、決算報告書の収益的収入及び支出でございますが、収入の第1款病院事業収益は、予算額、合計欄のところでございますが、1、080億5、800万円余に対し、決算額は1、073億3、600万円余でございます。
 次に、支出でございますが、第1款病院事業費用は、予算額、合計欄でございます、1、093億4、500万円余に対し、決算額は1、086億8、800万円余でございます。
 2ページに参りまして、資本的収入及び支出でございますが、収入の第1款資本的収入は、予算額162億6、600万円余に対し、決算額は164億5、700万円余で、その主なものといたしましては、第1項企業債89億2、300万円、第3項負担金68億1、500万円余、第5項補助金4億2、700万円余などでございます。
 3ページに参りまして、支出の第1款資本的支出は、予算額226億2、900万円余に対し、決算額は221億6、100万円余、繰越額は1億8、900万円余で、決算額の主なものといたしましては、第1項建設改良費は90億1、000万円余で、大船渡病院附帯設備改修工事、並びに中央病院、胆沢病院及び久慈病院への磁気共鳴イメージング撮影装置の整備等に要した費用でございます。
 第2項企業債償還金は127億8、000万円余で、施設の整備等のために借り入れた企業債の償還金でございます。
 なお、資本的収入額が資本的支出額に不足する額66億9、500万円余につきましては、消費税及び地方消費税資本的収支調整額700万円余及び過年度分損益勘定留保資金61億3、000万円余で補填し、残りの5億5、700万円は、当年度許可済未発行企業債で措置するものでございます。
 次に、損益計算書について御説明申し上げます。
 4ページをお開き願います。医業収益は903億7、300万円余で、その主なものといたしましては、入院収益571億400万円余と外来収益269億6、400万円余でございます。
 次に、医業費用は1、007億2、500万円余で、その主なものといたしましては、給与費566億6、200万円余、薬品などの材料費232億3、500万円余、光熱水費、賃借料及び委託料等の経費140億2、100万円余、減価償却費61億7、600万円余などでございます。
 また、医業外収益は164億5、500万円余で、その主なものといたしましては、一般会計繰入金のうち、医業外収益として繰り入れました負担金交付金124億2、700万円余などでございます。
 5ページに参りまして、医業外費用は54億9、300万円余で、その主なものといたしましては、支払い利息及び企業債取扱諸費17億4、200万円余、仕入れ控除できない消費税及び地方消費税29億1、500万円余を含む雑損失36億7、000万円余などでございます。
 この結果、経常損益では6億900万円余の利益が生じたところでございます。
 次に、特別利益3億1、800万円余は、旧北上病院跡地の売却益でございます。特別損失22億8、900万円余は、労働基準監督署の是正勧告による過年度分の超過勤務手当等の支給費用、旧北上病院建物解体費用及び旧山田病院跡地売却損でございます。
 この結果、平成30年度岩手県立病院等事業会計の損益は13億6、100万円余の純損失が生じ、赤字決算となったものでございます。このことにより、当年度末累積欠損金は478億3、500万円余となるものでございます。
 以上、決算報告書及び損益計算書について御説明申し上げましたが、6ページ以降の剰余金計算書及び貸借対照表その他の事項につきましては、説明を省略させていただきたいと存じます。
 以上で医療局関係の説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇佐藤ケイ子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
 おおむね再開後2時間が経過しますが、質疑を表明している委員があと2人となっておりますので、質疑を続行したいと思います。御了承願います。
〇飯澤匡委員 それでは、私は1点だけお伺いします。今後の周産期医療体制の確立について。本当は保健福祉部で質問してもよかったのですが、まず、医師確保対策、それから今後の医療局の体制にもかかわってくるので、医師確保対策の方もいらっしゃいますので、あえて医療局で聞かせていただきたいと思います。
 さて、東北大学が中部病院産科医の派遣を来春から減少させたいという報道がありました。これは一般質問などでも取り上げられたことですが、その要因、単純な要因だけでなくて、今後に対する影響も含めて、どのように分析しているのかお聞かせください。
 それから、続けて聞きます。あわせて、産科医に係る今後の東北大学からの応援体制の確保、見通しについて、分析と将来の見通しについてお聞かせください。
〇菅原参事兼医師支援推進監 まず最初に、1点目の中部病院産婦人科の関係でございますが、県立中部病院への産婦人科医師の派遣の見直しに関しまして、東北大学からは、産婦人科の医局員である医師がふえない中で、宮城県のみならず他県へも多くの医師を派遣しなければならず、医師の配置が難しくなっているとの説明があったところでございます。
 産婦人科医は、全国的にも絶対数が不足しており、今後を担う若手医師もなかなかふえない状況にあることから、東北大学を初め大学の医局においても医師の確保が難しいものと考えております。
 もう一点でございましたが、東北大学の応援体制についてですが、現在、県立病院において、東北大学から産婦人科医師の派遣を受けているのは、県立磐井病院及び中部病院の2病院となっているところですが、東北大学からは、県立磐井病院への産婦人科医師の派遣は継続するとの説明を受けているところでございます。
 医療局としては、関係大学から派遣される医師を安定的に確保していく上で、日ごろからさまざまな面を通じまして、医師の派遣についての要請や情報交換を行うことが重要であると認識しております。今後も、派遣要請等の取り組みを行う中で、関係大学との協力体制を一層強化していく考えでございます。
〇飯澤匡委員 関係大学との協力体制をこれからしっかりやっていくという話でしたが、きょうは、東北大学の先生と佐々木努議員がいろいろお話をした経過から質問させていただきます。これは医療局の皆さんも何回もお話を受けているはずですから、余り詳しい内容についてはきょうは申し上げません。問題提起をしたいと思います。
 今、産科医が大分少なくなっているというお話ですが、実は全国的にはふえているのですよ。お医者さんが8、000人誕生しているわけですが、うち産科が400人。ただ、女性の産科医がそのうちの3分の2だということが、現状として大変厳しいものがあると。
 いや、女性の医師がふえることはいいことですが、いずれ10年すると半減してしまうと。とにかく、派遣するにしても、結婚なさったり、結婚して子供を産んだりしてしまうと、男性と同じような派遣体制を組めないということが根底の問題としてあるのだと。したがって、3分の2が女性の医師だということになってしまうと、それが10年後には半分になってしまう。だから、幾ら産科医を倍にふやしたところで、全然追いついていかなくなってしまうわけですね。需要に足りなくなっていくと。
 今回の問題は、短期的な問題ではなくて、長期的に本県でも考えていかないと、私は大変危機的な状況だと思っているわけですが、この産科体制、いろいろな医局と協力してやっていきたいという話ですが、果たして現状の体制でもつかどうかということなのです。
 今後、岩手医科大学、ほかの大学もありますから、今の体制といいますか、今のやり方で本当に永続的にできるのかどうか。その点、もう一回確認させていただきたいと思います。どういう考えでこれから5年先、10年先の周産期医療体制をつくっていくのか、医療局としてどうやって考えていくのか、その件についてお尋ねいたします。
〇菅原参事兼医師支援推進監 産婦人科医の確保でございますけれども、産婦人科医は、夜間、休日を含む24時間対応を求められているところがありまして、地域の周産期医療は、このような産婦人科医の献身的な努力によって支えられている現状であると認識しております。
 県立病院におきましては、今後も、医師の働き方改革に対応していく必要があることから、さらなる医師の確保が課題であるという認識を持っておりますので、そうした医師の働き方改革への対応、それから、現在勤務している医師の離職防止という形での取り組みを進めながら対応していきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 それは本当に短期的な話で、将来どうしていくのか、さっき私はわざと数字の話をしました。これからもっともっと大変になってくるわけで、もう目に見えていると。
 今回は岩手医科大学の協力を得て、中部病院はそういうことで当面はうまく回るかと思いますが、これですら、ずっとずっとこれでいいかということにはならないと思っているわけです。
 局長、どうですか。東北大学からもお話が来ていると思うのですが、今の考え方で、はっきり言ってこれではもう済まなくなっていると思うのですが、いかがですか。
〇熊谷医療局長 地域における医療提供体制を維持し、地域医療を守っていくことは、公的医療機関である県立病院の役割であると考えておりますし、周産期医療など採算性の面から民間医療機関による提供が困難な医療を担うことが、公的医療機関の役割だと認識しております。
 したがいまして、医療計画に定める四つの周産期医療圏に設置される地域周産期母子医療センターの役割を県立病院がしっかりと担い、その体制整備を図っていくことが必要と考えております。
 令和元年度までの医師奨学金等の貸付者数は537人となっておりますが、このうち産婦人科を専攻する医師は5名、小児科医を専攻する医師が7名となっております。さらなる確保を図るために、産科医等を専攻した奨学金養成医師につきましては、さまざまな優遇措置を保健福祉部と連携しながら図っているところでございます。
 今後も、周産期医療を担当する保健福祉部と連携いたしまして、当初予算編成に向けて産科医等の確保に向けた検討を進めるなど、関係大学や他の医療機関との連携を図りながら、県立病院の基幹病院におきまして、周産期医療圏における機能分担に基づき、地域の周産期母子医療体制の推進が図られるよう診療体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 ただいまのお話もなかなか発展性が見えないのが残念なのですが、要は、分娩体制、新生児などでも、今、岩手県でも情報ネットワークをつくったり一生懸命やっていますけれども、ただ、やっぱり若いお医者さんがなかなか産科、産婦人科を目指さないというのは、それなりにやはりリスクがあると。
 そのリスクを分散させるためには、新生児科医と一緒になって、いわゆるハイボリュームセンターをつくっていかないと、なかなかお医者さんが育っていかないし、臨床の経験数が物を言うわけですから、中部病院で、報道によりますと2018年度で大体550件ですか。目指すところは、これは東北大学が言うには、やっぱり1、000件から1、500件ないとそういう体制はつくれないでしょうと。
 したがって、このマンパワーが分散している中で、北上市済生会病院もあるし、こちらも500件ぐらいの分娩数の実績があると。そういうところにしっかりメスを入れて、このマンパワーの集約というものを、これは医療局自体も、単なる自分の城を守るというだけじゃなくて、先ほども保健福祉部の審議の中で、子供の貧困だとか、それから将来に対する子供の思いをどうやって県政として支えていくか。その以前の問題ですよ。子供が生まれる段階の中で、どういう体制をつくっていくかというのもやはり大事な施策だと思うわけですが、その点に対しては、医療局長はどういう考えでいますか。
〇熊谷医療局長 医療局におきましては、患者数の動向など、病院の実態、それから地域の実情等を踏まえつつ、不断に病院機能の点検や見直しを行っているところでございます。
 一方、周産期医療につきましては、保健医療計画において、四つの周産期医療圏ごとに各周産期医療機関が、妊娠のリスクに応じて周産期医療機能を分担し、医療を適切に提供していくこととされております。
 地域周産期母子医療センターの機能を担う県立病院は、その役割をしっかり担い、その体制を整備し、安心して出産できる環境を提供していくことが与えられた使命であると考えております。
 周産期医療体制のあり方につきましては、本県における総合的な周産期医療体制の整備及び周産期医療に関する事項について協議を行う岩手県周産期医療協議会で議論がされているところでございます。そういった専門家の議論、お考えもしっかり伺いながら、医療局としても、安心して出産できる環境整備に努めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 いきなり大きく前進が図られる答弁が来るとは思っていませんけれども、いずれ限界点は来ると私は思います。
 それからもう一つ、お医者さんの間では、量的な医療過疎に対応するために今まで行政施策を一生懸命やってきたと。医療局もやってきた、保健福祉部もやってきたけれども、今、質的な医療過疎というものも問題となっていると。これは別の先生から聞きました。
 どこの業界であったり、どの働く場でもいろいろな問題点を抱えていますけれども、やはり命にかかわる問題、そして、岩手県は県立病院を主体としてここまで医療提供体制をつくってきたので、先、先と考えていろいろなことをやっていかないと、安心して子供も産めるような体制でなければ、やはり地域として夢の持てる、今、岩手県政が進めている幸福という言葉には、なかなかたどり着かないのではないかと思います。
 先ほど局長からお話があった会議には、東北大学等満遍なく医療政策に参加できるような体制になっていますでしょうか。その点、確認させていただきます。
〇熊谷医療局長 協議会ですが、岩手医科大学、それから県医師会といった関係機関で構成しておりますが、東北大学は参加しておりません。
〇飯澤匡委員 協力をお願いするときだけ頭を下げて、お医者さんをお願いしますと言ったって、なかなか無理じゃないですか。ふだんのおつき合いの中で医療政策も一緒に考えましょうよと、そういうことにしないと。
 まあ、お医者さんの世界ですから、医局ごとにいろいろあると思いますよ。それは理解しないでもないですけれども、人口減少の局面に入って、いろいろな知恵を出し合って岩手の医療を守っていかないと、協力したいと思う人たちがいて、それを何とかしたいという人たちをもっともっと活用するような方策を考えてください。きょうは問題提起にとどめておきたいと思います。
 いずれ、今の体制だけを維持しようとしていくと、やはりどこかで無理が来て、逆に、産科医だけではなくて、ほかの医局も全部破綻して、ああ、お医者さんいなくなりました、県立病院はこれで閉じさせていただきますなんて議論が急激に出ることが一番怖いわけです。やっぱり一つ一つ問題を把握して、将来にわたって永続的に医療局としての力が発揮できるようにやっていかなければだめだと思うのですが、最後、医療局長の所感をもう一回求めて、終わります。
〇熊谷医療局長 ただいま委員から御指摘のあったとおり、短期的な対策だけではなくて、やはり長期的な視点に立った対応を考えていかなければならないと思っております。そうした意味でも、関係大学との意見交換、それから連絡調整、日ごろからのおつき合いが大事だと思っておりますので、今後とも、その関係を継続、発展させるとともに、きちんと医師を確保できるように努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 それでは、最初に医師確保対策についてお聞きいたします。
 昨年度まで県立病院の経営計画で、この期間に42人の奨学金養成医師が配置されましたけれども、経営計画では、医師の確保はプラスになるどころかマイナスになったと。どれだけマイナスになったのか。奨学金養成医師がふえたにもかかわらずマイナスになった要因は、具体的にどこにあるのか示してください。
〇菅原参事兼医師支援推進監 医師確保の実績についてでありますが、前経営計画におきましては、平成26年度から平成30年度までの5カ年で医師109名の増員を計画したところでありましたが、平成31年3月現在では、計画策定当初の現員数684名と比較しまして4名減と大変厳しい結果となっております。
平成30年度に配置された奨学金養成医師42名のうち40人が、県立病院に配置されたところでありますが、計画を達成できなかった主な要因としましては、医学部卒業生の都市部や大規模病院志向等により初期臨床研修医を計画どおり確保できなかったこと、大学等で専門医資格の取得を目指す医師の増加により後期研修医の採用が計画人数を下回ったこと、招聘医師の退職者が相当数発生したことなどによるものと考えております。
〇斉藤信委員 今年度を入れますと、ことし11名の奨学金養成医師の配置になっていますが、今年度は、前年比で医師はどれだけ増加したのでしょうか。
〇菅原参事兼医師支援推進監 今年度の状況ですが、県内に配置された奨学金養成医師の配置総数は53名で、そのうち50人が県立病院に配置されております。前年度と比較しまして10名増加となっているところでございます。
 県立病院の常勤医師数につきましては、令和元年9月1日現在で581名となっており、平成30年度の9月1日の医師数568名と比較しまして、13名の増加となっているところでございます。
〇斉藤信委員 今年度は13名の増員ということで、これは評価をしたいと思います。
 そこで、先ほど奨学金養成医師は537人あって、この間、53名が配置されているわけですけれども、79人が義務履行が猶予されているのです。これは、私は新たなキャパシティーだと思うのですけれども、この79人の今後の配置の予定計画はどうなっていますか。
〇菅原参事兼医師支援推進監 義務履行猶予者の今後の見通しについてでありますが、今年度の義務履行猶予者である79名の奨学金養成医師のうち、医療局奨学生27名については、大学院での学位取得や専門医の取得などの医師としてのキャリア形成も重要であることから、配置調整会議での決定を踏まえ、義務履行を猶予しているところでございます。
 猶予者の今後の義務履行に向けては、これまでも義務履行中、猶予中を問わず全ての養成医師を対象に、県立病院長経験者である医師支援調整監による面談を行っているところであり、養成医師に対しまして専門研修等終了後の速やかな義務履行開始を促しているところでございます。
 医療局としましては、県立病院に勤務しながら専門医資格が取得可能なプログラムの積極的な活用などにより、奨学金養成医師の早期義務履行の推進を図っているところでございます。
〇斉藤信委員 例えば配置1期生で猶予が12人、配置2期生で17人とあります。猶予というのはどのぐらいの猶予で、何年後から配置が見込まれるのかということはいかがですか。
〇菅原参事兼医師支援推進監 義務履行の猶予についてでございますけれども、猶予につきましては、奨学金を借りた年数ということで、基本的には大学で勉強する6年間がありますので、その6年間が猶予となっております。一応配置のルールとしますと、基本的には、義務履行をすぐに開始していただきたいというところでございますけれども、その6年間の使い方につきましては、今専門研修もございますので、例えば大学に2年行って勉強した後は、基幹病院のほうに勉強という形で出て、1年もしくは2年勤務していただきまして、さらにまた引き続き、大学での研修が必要な場合はまた2年間となりますので、キャリア形成とそれから実際の病院の現場での勤務ということを、これは大学の教授とも相談しながらですけれども、できるだけ早目に義務履行にしていただけるような形で取り組んでいるところでございます。
〇斉藤信委員 そうしますと、6年以内には義務履行に移行するということでよろしいですね。
 それで、この間、537人のうち、奨学金を返済したという学生はいましたか。いたとすればどのぐらいいましたか。
〇菅原参事兼医師支援推進監 返還ですけれども、医療局の奨学金養成医師につきましては、今まで4期生まで出ていますけれども、そのうち4人が返還している状況になっております。
〇斉藤信委員 医療局の分は4人ということでしたけれども、537人分で見るとどうなのか、もしわかったら後で教えてください。
 次に、看護師の深刻な労働実態と、改善、増員についてお聞きをいたします。
 私は一般質問でも取り上げましたが、平成30年度の看護師の年次有給休暇5日未満の看護師は798人、実に24.9%でありました。宮古病院は56.9%、東和病院42.5%、山田病院40%、磐井病院32.4%。5日もとれない看護師さんがこれほどいるということに私は本当に驚いたのですけれども、なぜこうなっているのか。これをどう改善しようとしているか示してください。
〇一井職員課総括課長 年次有給休暇の状況についてでありますが、平成30年度に年次有給休暇の取得日数が5日未満であった看護職員は798名であり、全体に占める割合は24.9%になっております。
 今年度から、使用者が労働者に対して年5日の年次有給休暇を取得させることが義務化されたことに伴い、年次有給休暇の予定を職員に聴取の上、状況を確認し、取得が進んでいない職員への取得を促すなど、法令に定める日数以上の年次休暇を取得していただくよう取り組んでおります。
 また、採血業務の検査技師へのタスクシフティングによる看護業務の省力化や、書類作成の簡素化などによる事務的業務の見直しを進めるとともに、夜勤専従制度や2交代勤務制度など、多様な勤務形態の運用などにより、看護師の負担軽減や働きやすい職場環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 異常な事態がなぜ起こったのか、私はその要因分析がなかったと思います。異常な事態ですよ。今まで看護師さんは何と言っていたかというと、必要なときに年次有給休暇がとれない。だからこうなっているのです。子供の行事とか運動会、授業参観とか、そういうときにとれないのです。だから5日未満なんて異常な事態になっているわけです。根本は看護師が余りにも少ない。今、夜勤2交代制とか夜勤専従とか言いましたけれども、3交代だけでも看護師さんに対する健康被害というのは大きいのです。それを12時間2交代とか夜勤専従なんてやったら、ますます健康破壊が進むと、そういう認識がありますか。
〇一井職員課総括課長 2交代の勤務制につきましては、メリット、デメリットがたくさんございます。2交代については、メリットとしては、夜勤時の申し送りによる業務中断がないとか、職員のワーク・ライフ・バランスに資する、これは連休を取得しやすくなるようなメリットがございます。また、デメリットとすれば、1回当たりの勤務が長時間になることなど、身体的、精神的負担が大きいと考えられます。これらについては、休憩時間、休憩場所を適切に確保するなど、負担軽減をしながら勤務を進めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 3交代の看護師の過労死基準というのは、60時間なのです。普通は80時間なのです。それだけ過酷な勤務をしているわけです。それをさらに12時間2交代とか夜勤専従というのは、看護師が少ないから、そういう新たに苛酷な労働で乗り切ろうとする目先の対応ですよ。全国的に看護師不足だと言われているときに、看護師の労働条件を抜本的に改善しなかったら、私は県立病院で看護師は確保できなくなると思います。例えば9日夜勤が平成30年度706件、今年度の第1四半期では437件、去年は229件でした。どんどんふえている。なぜふえているのですか。なぜこれは解消できないのですか。
〇一井職員課総括課長 看護職員の夜勤についてです。月8回を超える夜勤に従事した看護職員の数は、今年度6月までの実績で12病院、延べ437人になっております。平成30年度と同じ時期に比較して、延べ138人増加している状況でございます。これまでも、育児休業取得者等の代替職員の正規職員による配置、夜勤専従などの多様な勤務形態の導入、採血業務の臨床検査技師への移管などのタスクシフティングの推進等により、離職防止や新採用職員の確保を図るとともに、業務の繁閑に応じ県立病院間で相互応援を行うなど、看護職員の夜勤回数の抑制に向け取り組んできたところでございます。
 今年度におきましては、前倒し採用を行って人員の確保に努めているところであり、看護職員のワーク・ライフ・バランスが図れるよう、今後も引き続き、夜勤回数の抑制に向けた取り組みを推進してまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 苛酷な看護師の労働実態が何を引き起こしているか。一つは普通退職、いわば中途退職です。これが平成30年度109人でした。この5年間で最高です。定年退職が17人、勧奨退職者が19人、中途退職が109人です。そして20代が43人、30代が38人、20代、30代でやめちゃう。私はこれが深刻な実態を示しているのではないかと思います。
 あわせて、採用試験応募者、平成30年度157人の採用予定に対して採用者は124人。ことし173人に対して191人の応募がありましたが、採用者は幾らになったでしょうか。
 こういう形で、今、必要な看護師を確保できない、確保してもどんどん途中でやめてしまう。これに歯どめをかけなかったらザルで水をくむようなものじゃないですか。
〇一井職員課総括課長 看護師の採用試験についてでございますけれども、本年の職員採用選考試験の通常募集においては、採用予定人員173名に対して191名の応募があり、156名に採用内定を行ったところでございます。通常募集において採用内定者数が採用予定数に満たなかったことから、現在、秋季募集の選考試験を実施しているところでありまして、必要な看護職員の確保に努めてまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 深刻な実態はそのまま認めていると思いますけれども、これは本当に深刻に受けとめて、岩手県立病院の創業の精神、県下にあまねく良質な医療の均てんを、そして、職員の働きがいとちゃんと書いてあるじゃないですか。
 今、本当にこういう声があります。毎日子供から、お母さんきょう帰ってくるのと言われると。毎日帰っているのだそうです。夜遅く帰るから子供はわからない。本当にこういう深刻な実態です。
 そこでもう一つ、これは10月30日付けの岩手日報で報道されました。県立遠野病院で看護師離職相次ぐと。働き方改革が背景に。過重な労働悲痛な声。私も遠野病院の実態ついては事前に聞いておりました。どういう実態が起きていますか。看護師がどれだけやめていますか。医師もやめた人がいるのじゃないですか。その要因をどのようにあなた方は受けとめていますか。
〇一井職員課総括課長 遠野病院における平成30年度の退職者は、定年退職者を除きまして、医師はございません。看護師の正規職員は6名おり、退職理由は育児など家庭事情による方が2名、体調不良による職員が2名、転職による者が2名であります。臨時職員については3名退職しており、理由については出産などの家庭事情によるものが2名、その他の理由によるものが1名、その他の医療スタッフについては臨床検査技師が1名退職しております。
〇斉藤信委員 私は何でそういうことが起きているかと聞いたのですよ。これは局長に聞きましょう。新聞報道では、こう言っています。職員が減って仕事がふえ、心身ともに疲労こんぱい。自分も家族も守れないと怖くなった。昨年4月からの1年半で少なくても15人の看護師がやめたことが判明。複数の退職者が働き方改革による労働環境の悪化を離職理由に挙げた。何をやったかというと、外来と病棟看護の一元化をやったのです。きょうは病棟、あしたは外来。こんなことをやらされて、とってもじゃないけれどもやっていられないと。そして、12時間2交代制を職員は反対しているのに、無理無理強行しようとしていると。総婦長さんは、超過勤務を書かせないと。超勤簿を隠しまう。前の病院でもそうだったそうですよ。こんなことをやっていたら、やめるのは当たり前じゃないですか。
 先ほど医師はやめていないと言うけれども、ほかの病院にかわったのです、医師も。愛想を尽かして。
 医療局長も不当労働行為があったと、口頭で労働組合に陳謝したと私は聞いていますけれども、この遠野病院の事態をどう受けとめていますか。
〇熊谷医療局長 先ほど平成30年度の退職の理由につきましては、一井総括課長が答弁したとおりでございます。
 それから、病棟、外来の一元化でございますが、病棟と外来の看護業務を一体的に運用することで、外来から入院、入院から在宅へと切れ目なく患者を看護できるようになりますことから、これまで以上にきめ細かな患者サービスの提供が可能となると伺っております。また、職員にとっても、病棟業務と外来業務に係る専門的知識、幅広い技術経験を身につけることができるというメリットがあるということでございます。加えて、柔軟な勤務シフトの作成が可能となることから、育児や介護など、職員の事情に配慮した適正な人員配置を行うことができ、休暇も取得しやすくなるなど、職員のワーク・ライフ・バランスに資する面があるものと認識しております。
 それから、2交代制の関係でございますが、就業時間の変更、それから休憩時間の変更等の勤務条件の変更を伴うものでございますので、労働組合または職員の過半数を代表する者と労働条件に関して協議をしてまいったところでございます。
 遠野病院におきましては、職員の過半数を代表する労働組合がないことから、選挙により選出された過半数代表者と協議を行いまして、合意を得た上で勤務している職員にアンケートを行いまして、職員が全て導入したいという意向結果でありましたことから、過半数代表者と協議を行って合意を得た上で、今月から一部の病棟で試行を開始したところでございます。
 それから、超過勤務の申請を受け付けないというお話がございましたが、勤務時間内に業務が終わらないことが見込まれる場合には、超過勤務命令権者である病棟師長等に報告し、まずは業務の調整等を行うが、それでも調整ができずに超過勤務を行った場合には、実際に業務を行った時間を超過勤務として処理すべきであり、遠野病院でもそのように運用しているものと認識しております。
〇斉藤信委員 医療局長がそういう認識だったら、遠野病院の混乱は解決しませんよ。
 新聞報道ではこう言っています。病院側が超過勤務手当の削減を進める一方、複数の退職者から月に60時間のただ働きを強いられたと。労働基準監督署にも訴えられているのじゃないですか。貴田岡元遠野病院長のコメントもあります。看護師が気持ちよく働ける環境づくりが医療の質を保つ原点。病棟と外来看護の一元化は看護師をふやして成り立つもので、このままでは地域医療の崩壊につながると。
 大体職員の合意も得ないで一方的にこういうことをやるから、そして超過勤務も認めないから混乱が起きているのじゃないですか。医療局長、簡潔に答えてください。
〇熊谷医療局長 遠野病院の看護職員に係る平成30年度の1人一月平均の超過勤務時間2.0時間となっております。また、今年度、4月から8月の時間数は0.3時間となっております。前年度に比べて1.7時間の減になっています。大幅に減少いたしましたのは、看護師2人がパートナーとなり、お互いがお互いに補完し協力し合うことができる新しい形の看護提供体制であるパートナーシップ・ナーシング・システムの……(斉藤信委員「それはいいよ、時間ないから」と呼ぶ)はい、運用を本格的に開始したことが主な要因と認識しております。
〇斉藤信委員 実際に混乱が起きて新聞でもこういうふうに報道されて、しかし、医療局長が、院長や超過勤務を認めない総婦長をかばっていたらだめですよ。大変ですよ、これは。
 それで、時間もなくなったので最後の質問ですけれども、医師の患者に対する暴言、パワハラについて。
 医療局各病院の医師の暴言、パワハラの相談、抗議の状況、医療局の対応について示していただきたい。どこの病院の医師のパワハラ、苦情、訴えが多いのか示してください。
〇鎌田業務支援課総括課長 患者さんや家族から寄せられる県立病院の医師に関する苦情等の状況についてでございます。
 診療に係る患者さんや家族からの苦情や心配事の相談、また、病院に対しての意見や要望を聞くため、各県立病院及び医療局本庁に医療相談コーナーを設置しています。そのほかに各病院では、投書箱であるふれあいポストを設置して、利用者のサービス向上に向けて取り組みを行っているところでございます。
 この医療相談コーナーやふれあいポストに寄せられました提言、相談のうち、医師に関するものにつきましては、平成29年度が全体で384件ございます。平成30年度につきましては369件となっておりまして、この中には苦情等も含まれているところでございます。
 苦情の主な内容としましては、診察時の話し方や態度、また、治療内容の説明がわかりにくいといったような声が寄せられたところでございます。
 寄せられた提言、相談に対しましては、対策を講じまして病院内に回答を掲示するなどして、利用者の声を反映させるように努めているところでございます。
 それから、医師に関する苦情の対応についてでございますけれども、寄せられた提言、相談につきましては病院内で共有して、苦情につきましては、上級医の医師または病院長から直接本人へ注意、指導を行っているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員長 斉藤信委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 ちゃんと終わりますよ、またあなたに言われたけれども。
 私にも直接寄せられた。沿岸南部の病院、県北の病院。毎年ですよ、苦情が寄せられているのは。カルテを投げる。暴言を吐く。患者がどんどん逃げていきますよ。それが2年、3年たっても改善されていないのです。
 医療局長に最後に私は聞きますけれども、やっぱり患者中心の医療、県立病院の創業の精神じゃないですか。ぜひ、これは改善をしていただきたい。医療局長の答弁を求めます。
〇熊谷医療局長 委員御指摘のとおり、県立病院の使命は県民から信頼される医療を提供すること、患者中心の安全・安心な医療を提供することでございます。この観点から、医師に限らず、職員による患者への暴言等は絶対に許されないものであり、あってはならないものと認識してございます。
 先ほど総括課長が申し上げました取り組みに加えまして、患者と医療側の対話を促進し、認知そごの予防や調整を行うための医療メディエーターの養成、配置を引き続き行いますとともに、病院長と医師との定期的な面談の場を今後設定していきたいと思っております。そういったところで、病院の目的意識の共有、意思の疎通を図っていく、それから医療クラークで医師の負担軽減を図る、そういった取り組みをさらに強化していきたいと思います。
 万が一委員御指摘のようなお話を了知した場合には、病院長から徹底した指導、それから程度によりますが医療局本庁も介入する等々、再発防止の徹底、適切な対応をしてまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇菅原参事兼医師支援推進監 先ほど御質問がありました奨学金養成医師の全体の中での返還者の数字でございますが、県、市町村それから医療局の3制度537名の中で、43名の方が返還をされております。
〇工藤勝子委員 関連。遠野病院の話が出ましたので、私からも若干お話をしたいと思っております。
 実は昨年度、前の大槻局長のときに、入院ベッドの稼働率が悪いために、5階の病棟を閉めたわけであります。そのときの説明は、閉める理由として、看護師が4階、3階の外来に5階からおりてきますので、かなりの看護師のゆとりができるというお話でありました。これで私も安心したところでしたけれども、そういう中で、ゆとりどころかこういう状況になって、マスコミの報道もあったということです。
 医療局として、遠野病院を市民がどのように評価しているか、局長は捉えていますか。
〇熊谷医療局長 遠野病院を遠野の市民の方々がどう評価しているかということは、直接私は伺った経緯はございませんが、いずれ県立病院は患者に安心される病院であること、安全な医療を提供すること、それが使命であると考えておりますので、遠野病院もそうした目的に県立病院の使命を果たしていくよう努力していくものと捉えております。
〇工藤勝子委員 市民から、遠野病院の関係で私にお話がいろいろとございます。結構、私は怒られています。県立病院でしょうと。あなたどう動いているのですかという話をされます。そういう中で、局長は市民の声を聞いていないと言っていますけれども、ぜひ時間をとって遠野市に出かけていって、遠野病院の評価というものを聞いてみてください。私からこの場でいろんなことを言うわけにはいきません、議事録に残りますので。この遠野病院のあり方について、ぜひ聞いていただきたいと思います。その所感を聞いて終わりたいと思います。聞くか、出かけていくか、そういうことをはっきりとお聞きしたいと思います。
〇熊谷医療局長 そういった委員の御指摘がございますので、私どものほうで市にお伺いいたしまして、どういった形になるかは時期等も含めて今後の検討になりますが、御意見を伺う機会を検討してまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐藤ケイ子委員長 質疑がないようでありますので、これで医療局関係の質疑を終わります。
 医療局の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会といたします。
   午後5時49分 散 会

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