令和元年9月定例会 決算特別委員会会議録

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令和元年10月30日(水)
1開会 午前10時4分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 嵯 峨 俊 幸
議事管理担当課長 安 齊 和 男
主任主査 千 葉 絵 理
主査 上 野 公一郎
主査 鈴 木   忍
主査 小 原 亜季子
主査 赤 坂 宏 紀
主査 鈴 木 貴 博
1説明員
知事 達 増 拓 也
副知事 千 葉 茂 樹
副知事 保   和 衛
会計管理者 菊 池   満
会計課総括課長兼
会計指導監 山 梨 康 紀

政策地域部長 白 水 伸 英
政策地域部副部長
兼政策推進室長
兼首席ふるさと
振興監 小 野   博

文化スポーツ
企画室企画課長 中 村 佳 和

環境生活企画室
企画課長 戸 田   新

保健福祉企画室
企画課長 阿 部 真 治

商工企画室
企画課長 似 内 憲 一

農林水産企画室
企画課長 米 谷   仁

県土整備企画室
企画課長 菊 地 幸 男

復興局長 大 槻 英 毅
復興局副局長 森   達 也

ILC推進局長 佐々木   淳
ILC推進局
副局長兼事業
推進課総括課長 高 橋   毅

経営管理課
総括課長 吉 田 陽 悦

教育企画室
教育企画推進監 大 畑 光 宏

議会事務局長 泉   裕 之
次長 八重樫 浩 文
参事兼総務課
総括課長 伊 勢   貴
政策調査課長 佐々木 ユ カ

総務部長 八重樫 幸 治
副部長兼総務室長 千 葉 幸 也
総合防災室長 佐々木   隆
参事兼管財課
総括課長 山 崎   隆
特命参事兼
管理課長 橋 場 友 司
法務・情報
公開課長 千 葉   実
人事課総括課長 佐 藤 法 之
職員育成監 村 上   聡
財政課総括課長 小 原 重 幸
行政経営推進課
総括課長 松 村   達
税務課総括課長 奥 寺 敦 哉
防災危機管理監 西 島   敦
防災消防課長 栗 澤 孝 信
総務事務
センター所長 佐 藤 益 子

秘書広報室長 高 橋 勝 重
理事兼副室長兼
首席調査監 上和野 里 美
参事兼広聴広報課総括課長 中 里 裕 美
総括調査監 小 國 大 作
総括調査監 照 井 富 也
調査監 加 藤 勝 章
秘書課総括課長 安 藤 知 行
秘書課管理課長 藤 原 由喜江
報道監 平 野 信 二

復興局長 大 槻 英 毅
副局長 森   達 也
副局長 遠 藤 昭 人
副局長兼震災津波伝承課総括課長 熊 谷 正 則
復興推進課
総括課長 佐々木   亨
まちづくり・産業
再生課総括課長 山 田 壮 史
生活再建課
総括課長 佐 藤 朝 則

会計管理者兼
出納局長 菊 池   満
副局長兼総務課
総括課長 永 井 榮 一
入札課長 今   俊 晴
会計課総括課長兼会計指導監 山 梨 康 紀
審査課長 佐々木 昭 司

人事委員会
事務局長 菊 池   透
職員課総括課長 中 里 武 司

監査委員 寺 沢   剛
監査委員 沼 田 由 子
監査委員事務局長 鈴 木   敦
参事兼監査第一課
総括課長 安 部 光 一
監査第二課
総括課長 小 守 健 一
〇佐藤ケイ子委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで、議案第37号及び議案第38号の以上17件を一括議題といたします。
 本日は、一昨日に引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部、秘書広報室、復興局、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 これより、一昨日に引き続き、総括説明に対する総括質疑を行います。工藤勝子委員。
〔工藤勝子委員質問者席に着く〕(拍手)
〇工藤勝子委員 無所属の工藤勝子です。
 被災されました全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。
 それでは最初に、農林水産業の振興についてお尋ねいたします。
 農林水産業の現状。
 本県の農林水産業の指針は、いわて県民計画(2019〜2028)の10の政策分野の6、仕事・収入に組み入れられ、本気で食料供給県岩手を目指し、生産者とともに、行政、関係団体などオール岩手で、生産拡大や販売戦略を掲げて所得向上を目指していくという強い姿勢が感じられません。
 たび重なる災害もあって、担い手の確保などの対応も必要であると考えますが、知事は、本県の基幹産業である農林水産業の現状についてどのように捉えているのかお伺いいたします。
 また、先日、政府が日米貿易協定の影響額の試算を公表いたしましたが、農業生産最大1、100億円の減、牛肉においては786億円減、本日の農業新聞であります。本県への影響額はどの程度になるか、あわせてお伺いいたします。
〇達増知事 本県の農林水産業の現状についてでありますが、本県の農林水産業は、豊かな大地や豊富な森林資源、世界有数の漁場である三陸の海を生かしながら、多様な農林水産物が生産され、主要品目の生産量は上位に位置するなど、全国有数の食料供給県としての地位を確立してきたところであります。
 一方で、近年、我が国の農林水産業を取り巻く環境が、人口減少や経済のグローバル化など大きく変化する中、担い手の確保、育成や農林水産業の体質強化などが課題となっています。
 このため県では、地域の核となる経営体の確保、育成や生産性、市場性の高い産地づくり、高付加価値化と販路の拡大などを柱に取り組みを進めてきたところであり、その結果、農業産出額は近年着実に増加しており、平成29年は2、693億円となったほか、高性能林業機械の導入などが進み、素材生産量は震災前を上回る状況となっており、平成30年の農林水産物の輸出額は、震災直後の平成23年と比較して約6倍に増加したところであります。
 このように、本県の農林水産業の振興は着実に進んでいるものと受けとめております。
〇保副知事 私からは、日米貿易協定の関係のことをお答え申し上げます。
 先般、国から国内の農産物の生産額への影響についての試算の暫定値が示されておりまして、これによりますと、今、委員からもお話がありましたが、生産額が約600億円から約1、100億円減少ということで、その大半が畜産関係ということになっております。
 現時点では暫定値ということで、これがどのように確定されるのかということもまだはっきりと見通せないということでございます。以前、TPP11等の影響試算結果を本県でも試算いたしましたが、そういうことを踏まえますと、額がどうかということはとりあえず差し置いても、大変大きな影響を受けることが懸念されております。
 最新の情報によりますと、11月にも総合的なTPP等関連政策大綱の改定が見込まれることになっておりまして、そこで影響試算の確定が出るのではないかというような報道がございます。
 いずれ、県では、この影響について十分な情報開示と説明を行って国民的議論を尽くすとともに、協定の内容を踏まえた対策について早期に具体的に示していただいて、必要な予算を確保するなど、万全な対策を講じてもらうように求めていくことにしております。
〇工藤勝子委員 農業は仕事と収入だけではないのですよ。つまり、常に自然災害との戦いもございます。まして、今は産地間競争を含めて海外との競争、野生鳥獣との戦い、そして、私たちは国土を保全しているという強い意思を持っております。地域コミュニティー、伝統文化、食文化など、農林水産業の持ついろいろな多面的機能があるはずです。でも、知事演述で述べられたのは、農業に対しては7行、160字のみですよ。非常に残念に思っておりました。
 このいわて県民計画(2019〜2028)の計画期間である10年後には、農林水産業の担い手の平均年齢が74歳ぐらいになっていると思うのですけれども、10年後にどれぐらいの人たちがリタイアするでしょうか。
 そういう中にあって、若者の担い手が憧れるような、希望を持って農林水産業に取り組めるような、そういう強い岩手県としてのメッセージを出すべきではないでしょうか、所感をお伺いいたします。
〇達増知事 本県の農林水産業の目指す姿としては、いわて県民計画(2019〜2028)において、意欲と能力のある経営体の育成、収益力の高い食料・木材供給基地づくり、農林水産物の高付加価値化、販路の開拓・拡大、一人ひとりに合った暮らし方ができる農山漁村づくりという政策推進の基本方向を掲げております。
 本県では、JAいわてグループ、県内森林組合及び県森林組合連合会、JFグループ岩手が、それぞれ目指す姿や経営ビジョンを掲げていますが、その中で、例えば生産部会等が主体となって地域全体として産地づくりなどに取り組んでいますが、県は、生産者等への普及指導を行うなどの形で参画しており、また、ICT等先端技術を活用したスマート農林水産業の取り組みも展開されています。このような形で生産者、関係団体、県がビジョンを共有し、ともに作業することが重要であります。
 また、いわて県民計画(2019〜2028)においては、そのような農林水産業に関する取り組みを全ての産業や県民生活と関連づけて、仕事・収入のあるべき姿を農林水産業やものづくり産業などの活力ある産業のもとで、安定した雇用が確保され、また、やりがいと生活を支える所得が得られる仕事につくことができる岩手と掲げ、岩手県の農林水産業を他の産業分野とも関係づけながら、県民全体にかかわるものとして位置づけております。
 全国有数、世界に通用する食を生み出し、日本の食料供給基地としての機能を果たしている岩手の農林水産業の力を、県民の幸福追求の大きな原動力としてさらに発展させるよう取り組んでまいります。
〇工藤勝子委員 青森県は、攻めの農林水産業推進基方針をつくっております。東北各県でも、それぞれのビジョンなり基本計画を策定しております。岩手県ではつくっておりません。なぜでしょうか。青森県の例を申し上げますと、平成16年、農林水産物の輸出額65億円、そして平成29年には259億円です。なぜ隣の県でこのぐらい違うのでしょうか。
 そういう部分においても、やはり岩手県としても、若者が希望を持てるような基本計画、ビジョンをつくるべきではないでしょうか。知事にお伺いいたします。
〇達増知事 先ほど申し上げましたとおり、意欲と能力のある経営体の育成、収益力の高い食料・木材供給基地づくり、農林水産物の高付加価値化、販路の開拓・拡大、一人ひとりに合った暮らし方ができる農山漁村づくりという政策推進の基本方向を掲げ、そして、それぞれに応じて、JAいわてグループ、県内森林組合及び県森林組合連合会、JFグループ岩手と連携しながら、ともに取り組むことによりまして、金色の風、銀河のしずくのブランド化の取り組みでありますとか、また、いわて林業アカデミー、いわて水産アカデミーの形での新しい担い手の育成など、それぞれ生産の現場や、また関係機関からもその取り組みについて評価をいただきながら、いわて県民計画(2019〜2028)に基づいてさらに頑張っていこうと、ともに力を合わせて取り組んでいるところであります。
 そのような、今、実際に岩手県で農林水産業に従事している方々や団体、そして、それらを活用し、また、それらの指導を受けながら、新たに学び、そして参入してくる新規参入者と力を合わせて進んでいきたいと思います。
〇工藤勝子委員 私は、ビジョンを策定するかしないかを聞いているのですよ。するのですか、しないのですか。
〇達増知事 先ほど申し上げましたように、意欲と能力のある経営体の育成、収益力の高い食品、食料・木材供給基地づくり、農林水産物の高付加価値化、販路の開拓・拡大、一人ひとりに合った暮らし方ができる農山漁村づくり、これは、例えば金色の風、銀河のしずくのブランド化の取り組みにおいても、この四つのビジョンに沿った形で実際に経営体の育成と産地の確立と販路の拡大、そして、それを生産する場においても豊かな農村づくりということが行われているわけでありまして、委員が求めていらっしゃるものは、既に岩手県にはあると考えております。
〇工藤勝子委員 よくわからないです。東北6県ではつくっているのですよ。私たちの住む地域は、銀河のしずくも金色の風もつくれない地域です。ほとんどがそうですよ。そういう中において、それだけではない農家の人たちがいっぱいいるということですよ。そういう人たちにも、ある程度の希望を与えるべきだということを申し上げたいのです。
 そして、日米貿易協定ですけれども、畜産県岩手ですよ。その畜産県岩手を誇るならば、国の支援策だけではなくて、岩手県では今後どのように支援しようとしているのか、そのお考えを聞きたいと思います。
〇保副知事 試算額はともかくとしても、影響は非常に大きいという懸念はそのとおりでございます。これも、もちろん国がどのような策を使っていくのかが一番大事でありますので、それは当然求めていきますけれども、必要に応じて、岩手の特徴、岩手の実情に応じたどのような策が必要かということについては、いろいろ検討していきたいと考えております。
〇達増知事 先ほど遠野市に即した御質問をいただいたと受けとめておりますけれども、遠野市のような畜産、ワサビ、あるいはお米、また、お米に関しては、どぶろくのような6次産業化もあるわけです。それぞれが、意欲と能力のある経営体の育成、収益力の高い食料・木材供給基地づくり、農林水産物の高付加価値化、販路の開拓・拡大、そして、一人ひとりに合った暮らし方ができる農山漁村づくりというビジョンに沿って、県としても、そういった取り組みを支援し、今までになかった新しい商品の開発や、それが今までまだ届いていないところ、ホップのお祭りを通じ、またビールに合った新しい作物を素揚げにして、それをビールと一緒にいただくといったことも、このいわて県民計画(2019〜2028)のもとで進めていくこととしております。
〇工藤勝子委員 時間が限られていますので、なかなか議論している時間がないのですが、ぜひ、これからの農業に対して、もう少し知事の熱意というものを伝えていただきたい、私はそう思っております。
 太陽光発電事業に係る安全性の確保についてお聞きいたします。
 各委員がいろいろ聞いておられますが、私は、関係法令の整備がおくれたのではないかと思っています。国においても、県においてもそうでございますけれども、知事はどのように思っているでしょうか。
〇達増知事 まず、国においては、大規模な太陽光発電事業の実施に伴う土砂流出や濁水の発生、景観への影響、動植物の生息、生育環境の悪化などの問題が全国的に顕在化していることなどから、大規模な太陽光発電事業について、令和2年4月1日から環境影響評価法に基づくアセスメントの対象とすることとしたところであります。
 県といたしましては、これら国の動向や太陽光発電施設の建設に当たり、県内でも環境との調和などでトラブルになるケースが発生していることを踏まえ、法アセスメントの施行に合わせ、国の法律よりも厳しい規模要件によって、太陽光発電事業を岩手県環境影響評価条例に基づくアセスメントの対象とするよう準備を進めているところであります。
 太陽光発電事業は、もとより事業者がみずから環境との調和を図りながら進めるべきものでありますが、環境アセスメントの対象となることで、本県における環境の悪化や景観への影響について抑制が図られるものと考えております。
〇工藤勝子委員 つまり、それぞれの基準を満たした場合は、都道府県知事が許可することとされております。許可を出した以上、業者に対しての指導監督はどのようになっているでしょうか。
〇保副知事 許可が該当するのは林地開発許可ということで、そちらの面からお答え申し上げたいと思います。
 一昨日の議論にもございましたが、許可の要件等については省略いたしまして、許可をした後の対応ということでございますけれども、もちろん許可どおりにきちんと事業者が、例えば環境への配慮ですとか、水の確保、水害の防止といった面から、業者が提出している計画どおりに行われているかどうかは、県の出先機関であります広域振興局でパトロールをしながらチェックをして回っているといった日常的な活動において、監視というか、そういう活動を行っているところでございます。
〇工藤勝子委員 遠野市の太陽光発電に対するいろいろな課題があるわけであります。それは、皆さんも御存じだろうと思っているところでもあります。そういう中において、やはりしっかりと業者に対して指導監督ができる、提言ができる、そういうことを今後進めていかなければならないのではないかと思っております。
 そこで、今、これから太陽光発電施設を設置しようとする地域の中で、賛成、反対、まさに地域コミュニティーが壊れつつあるところがあるわけです。そういう中において、いかに地域住民の合意が必要かと。反対の人は、やはり今後、大雨による水害、林地のほうにつくった場合、その裾野に住宅地があるということもあって、反対しているわけでありますが、やはり県の条例の中に、今後のアセスメントの中に住民の合意というものを入れることはできないでしょうか。
〇千葉副知事 国及び地方公共団体がそれぞれ設けております環境影響評価制度につきましては、事業を実施するに当たりまして、事前にその事業が環境に及ぼす影響について、事業者があらかじめ調査、予測、評価を行い、その結果を公表して、順次、住民、市町村長、知事から環境保全の見地からの意見を聞き、それを踏まえて環境に配慮した事業計画を策定するという一連の手続を定めた仕組みでございまして、当該事業の可否について判断することは、この環境影響評価法の対象には入らないものと考えております。
 したがいまして、国の環境影響評価法におきましては、環境アセスメントの過程において、住民合意については、今申し上げた形で評価の対象にならないことから、合意を求めるというような規定は設けていないところでございます。また、本県の環境影響評価条例や他県の同種条例におきましても、国の例に準じて、そのような定めは設けていないところでございます。
 ただいま保副知事からも、また、一昨日も答弁がありましたが、例えば森林法に基づく林地開発許可に関しましては、繰り返しになって恐縮ですが、地域住民の合意は、法の許可基準に該当せず、林地開発許可に当たっての必須要件ではないものの、県としては、住民等と合意のもとでの林地開発許可が適当であると考えております。
 したがいまして、法的裏づけはないものの、申請に先立つ事前相談の際に、開発行為者に対し、地域住民との合意形成を図るよう要請しているという旨を申し上げておりますけれども、このようないわゆる事実行為としての場面におきまして、住民との合意を得ることは、事業遂行上、非常に重要なことでございますので、私ども、今申し上げた姿勢で絶えず臨んでいるところでございます。
 行政といたしましては、住民の声に絶えず耳を傾けていく必要があるものと考えております。
〇工藤勝子委員 よろしくお願いいたします。
 それでは、今後の県立高等学校の再編計画についてお伺いいたします。
 今回の知事演述において、県立高等学校のあり方や教育方針など、本県の重要課題であるにもかかわらず言及がありませんでした。市町村においても、人材育成に係る高校教育のあり方などに県の方針を期待しているわけですが、知事の所感をお伺いいたします。
〇達増知事 情報化やグローバル化の一層の進展などにより変容するこれからの時代において、岩手の子供たちが、新たな社会をつくり、生き抜いていく力を育むために、生徒一人一人に、確かな学力、豊かな人間性と社会性、健やかな体、いわゆる知、徳、体をバランスよく身につけてもらうことが大切であると考えております。
 いわて県民計画(2019〜2028)では、学びや人づくりによって、将来に向かって可能性を伸ばし、自分の夢を実現できる岩手の実現を目指し、知育として児童生徒の確かな学力、徳育として児童生徒の豊かな人間性と社会性、体育として児童生徒の健やかな体を育むことを示しております。
 高校教育においては、社会に羽ばたこうとする生徒が集団生活を送る中で、社会性や協調性を育み、学習活動を通して自立した社会人としての基礎的な資質を育成するとともに、地域との連携を通じて郷土に誇りと愛着を持つ心を育み、岩手で、世界で活躍する人材を育成したいと考えております。
〇工藤勝子委員 そういうことであるならば、やはり私は、知事演述の中でしっかりとその方針を述べてほしかった。県立ですよ。県立高校でありながら、設置されているそれぞれの自治体において、財政支援も含めながら入学者の確保に一生懸命になっているわけですよ。そういう点について知事はどう思っていますか。
〇達増知事 日本の地方自治において、教育は、選挙で選ばれる首長からは独立した教育委員会のもとで進められることにはなっておりますけれども、教育というものが地域に及ぼす影響、また地域のありようが教育に及ぼす影響は非常に強いわけでありまして、そういう流れの中で、国の法律も、総合教育会議というものをつくって、首長と教育委員会が教育大綱について協議をするような形となり、また、深刻ないじめ問題については、総合教育会議が教育委員会のみで解決できない問題について取り組むような仕組みになっているところであります。
 私といたしましても、教育というものは、教育委員会限りの問題ではなく、地域として、県としてもきちんと法令に基づきながら関与していかなければならないと考えております。
〇工藤勝子委員 小規模校で、子供たちが地域の人材として活躍しているのですよ。全てではないですけれども。遠野市の例を見ますと、6割から7割の子供たちが、地元に残って、地元の産業の振興に一生懸命活躍しているわけですよ。だからこそ、それぞれの自治体が、一生懸命になって小規模校を守ろうとしている、そういう姿勢があるわけですよ。
 今、後期計画の策定に向けた地域検討会議が開催されております。児童生徒の減少が今後もどんどん進んでいくだろうと思っておりますが、知事は、小規模高等学校における教育のあり方について、どう考えているのかお伺いいたします。
〇達増知事 高校再編計画において、望ましい学校規模の確保による教育の質の保証に加えて、本県の地理的条件等を踏まえた教育の機会の保障を大きな柱としており、いわて県民計画(2019〜2028)においても、地方創生における地域の高校の役割等も重視しながら、特色と魅力を持った学校づくりを推進することとしております。
 現在、教育委員会において、後期計画の策定に向けて地域検討会議を開催しているところであり、特に地域との結びつきの強い小規模校のある地域等から、地域や地域産業を担う人材育成について、地元の高校への強い期待があるものと承知しております。
 小規模校においては、所在する各自治体からの支援をいただきながら教育活動の充実が図られていることもあり、各地域の豊かな教育資源の活用や地域の産業界との交流、連携を図り、さらには、学校間連携やICT技術の活用等も検討しながら、生徒の希望する進路の実現にも対応した魅力ある学校づくりに努めていく必要があると考えております。
〇工藤勝子委員 今度、5校において県外からの枠が設けられました。小規模校に該当する高等学校が、地域特性を生かして、生徒の皆さんがそれぞれ頑張っているわけですが、生徒数が2分の1を満たした場合は、今後も再編計画の延期が考えられるでしょうか、お伺いいたします。
〇達増知事 生徒にとってよりよい教育環境を整備していくために、新たな県立高等学校再編計画が策定されていると考えておりますが、高校再編前期計画においては、地域の要望等を踏まえ、統合や学級減等について、ブロック内の中学校卒業予定者数、各校の定員充足状況、また、ふるさと振興に向けた取り組み等も十分に見きわめた上で、実際の実施時期等を検討することとされています。
 統合については、令和2年度に計画していた宮古地区、遠野地区及び久慈地区の3地区のうち、宮古地区については計画どおり統合を行い、遠野地区及び久慈地区については延期をしたところであり、この2地区については、令和2年度の入学者の状況等を踏まえながら、改めて検討することとされています。
 教育委員会では、現在、令和3年度から令和7年度までの後期計画の策定に向けて、地域検討会議を開催し、地域の皆様からさまざまな意見を伺っているものと承知していますが、後期計画においては、教育の質の保証と教育の機会の保障の観点を重視しつつ、関係市町村との意見交換等を丁寧に行い、地域の状況等を見きわめながら対応していくものと考えております。
〇工藤勝子委員 終わります。ありがとうございました。(拍手)
〇佐藤ケイ子委員長 次に、上原康樹委員。
〔上原康樹委員質問者席に着く〕(拍手)
〇上原康樹委員 無所属の上原康樹でございます。
 質問に先立ちまして、台風第19号でお亡くなりになった方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。
 私の質問時間は7分でございます。台風第19号に関連して、避難所、そして林道をめぐる質問でございます。
 県は、災害を防ぎ、災害を減らすことを目指して、平成30年度には、地域防災力強化プロジェクト事業により、防災訓練や市町村の研修など力を入れて取り組んでいます。しかし、自然の猛威は増す一方で、想定を超える大型の台風は、深刻な爪跡を残していきます。身を守ろうとする方々のよりどころの一つが避難所になるわけですが、その存在は、命を守るための避難行動と密接にかかわっています。
 そこで質問いたします。まことに基本的な質問でございます。避難所の設置は市町村が行うこととされているわけですが、県としては、避難所はどのような条件のもとに設置されるべきとお考えでしょうか。
〇八重樫総務部長 避難所の設置場所についてでありますが、指定避難所―これは避難勧告等が発令された場合に緊急的に避難する施設、場所でございますが―につきましては、災害対策基本法により、災害で避難した住民等が、災害の危険性がなくなるまでの期間、滞在することを目的とし、市町村長があらかじめ指定することが義務づけられております。
 県内の指定避難所は、平成30年11月1日現在で約1、700カ所、収容人員は約48万人分となっています。
 指定避難所の設置場所については、政令において、想定される災害による影響が少ない場所にあるものであることなど、設置に係る一定の要件が示されておりまして、市町村は、当該要件を十分に考慮し、設置されるべきものと考えております。
〇上原康樹委員 安全性が保障されないと避難所にはならないわけですが、岩手県の避難所は、地域によってさまざま、安全確保の面で万全とは言い切れない避難所もあるのではないでしょうか。
 先日の台風第19号のとき、岩手県内のある避難所の目の前で、川からあふれ出した水がゴーゴーと渦巻いているありさまを、偶然目にしました。地域住民の方が撮影し、インターネット上で発信した映像です。御確認いただいたでしょうか。
 詳しい地域名はここでは触れませんが、ざっくり言いますと、沿岸北部、国道45号から数キロメートルほどの農村地帯です。撮影した地元の方のお話を、直接伺うことができました。それによりますと、あふれた川は、ふだんは細く目立たない流れで、まず見たことのない氾濫だったということでした。それが台風で風景は一変。田畑は水没、渦巻く川の水が、避難所とされている小さな集会所の目と鼻の先に迫っていたわけです。
 今回ここに避難した方は、私が確認した範囲ではいなかったようですが、雨がさらに強まって川が増水し、避難者の存在があれば深刻な状況になっていたかもしれません。ハザードマップの想定を超えていたとしたら再点検も必要になります。
 こうした不安をはらむ避難所の解消に向けて、県としてどのように取り組むお考えかお聞かせください。
〇八重樫総務部長 今、委員からお話のあった避難所は、洋野町の麦沢地区コミュニティ会館だと思いますが、私も、その様子はユーチューブで拝見させていただきました。脇の小川が氾濫して、避難所は公民館でございましたが、公民館の前の田んぼが水没するという大変な状況であったと認識しています。
 指定避難所は、安全性等の設置に係る要件を踏まえ、主に学校や公民館、集会所など公的施設が指定されている状況にありますが、地域によっては、避難所としての活用が可能な公的施設が立地していない場合や、公的施設が洪水、土砂災害等が発生する区域にあるため指定することが困難な場合もあると聞いております。
 市町村において、あらかじめ設置する指定避難場所では対応できない場合、臨時の避難所で避難者の受け入れを行うほか、他市町村への広域避難などにより、避難者の安全を確保することとしているところであります。
 県としては、昨今の大型化する台風による被害の拡大を踏まえ、避難場所の指定に当たっては、ハザードマップ等により災害発生の危険性等を十分に考慮した上で、より安全な避難所となるよう、市町村に対し適切な助言を行ってまいります。
〇上原康樹委員 全国の台風被害を見るにつけ、踏み込んだ防災、減災の取り組みが求められております。きめ細かい目配りをお願いいたします。
 次は、台風関連としまして、林道に関する質問です。
 御承知のとおり、岩手県は日本有数の森林を抱えています。岩手県の美しい自然と景観になくてはならない財産でもあります。また、森林は、林業というなりわいの場、木材を切り出す生産の現場です。
 岩手県でも、昭和30年代から昭和40年代に植林された木の多くが、近年、伐採の時期を迎えています。丸太を山のように積んだ六輪トラックの往来も目立ってふえてきていると感じております。
 こうした状況の中で、伐採の手は山の奥へ、奥へと向かいます。その作業のための道が林道です。県は、平成30年度の林道整備事業により13億8、000万円の事業費を投じ22路線を整備、また、今年度は15億4、000万円の事業費により25路線を整備しています。
 毛細血管のように林道網が拡大しています。そのさなかの台風第19号でした。激しい雨風で林道も被害を受けたのではないかと心配されます。現時点で判明している被害状況をお示しください。また、林道の管理は市町村の役割とされていますが、今回の被害に対し、どのように市町村と連携し、復旧していくお考えかお聞かせください。
〇保副知事 台風第19号による林道の被害状況でございますが、本日朝現在での取りまとめ段階では、21市町村で274路線、697カ所に上っております。被害額は約12億5、100万円と算定しております。この林道被害全体のうちの91%が沿岸市町村に所在している状況でございます。
 それから、この復旧でございますけれども、まだ被害状況の把握が完全にはできておりませんので、現在は被災した市町村と連携いたしまして、その把握に努めております。
 今後の国の災害査定に向けた準備あるいは復旧工事の進め方などの技術的な助言を、今実施しているところでございますが、国に対しては、被災市町村が林道災害復旧事業に早く着手できるよう、これまでも要望しております。
 これを受けて、国では、迅速な復旧を支援するために、災害査定の事務を効率化するという旨の通知があったところでありまして、今は林道の話でございますが、この取り扱いは、道路、河川を初め、大きな被害を受けた施設に同様に適用されることになったところでございます。
 県としましては、市町村の林道復旧に当たって、さまざま、今申し上げました技術的な支援も含め、必要によっては財政面でもということも視野に入れながら、早期の復旧に向け支援をしっかり行っていきたいと考えております。
〇上原康樹委員 林道が壊れるということは、森林が壊れる、山が壊れるということであり、防災上大変憂慮される事態でございます。それはまた豊かな森林資源を失うことにもなります。
 台風などによる自然災害が年々深刻化する中で、災害に強い森林整備を進めることが重要と考えますが、県はどのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。
〇保副知事 豊かな森林を守っていく手だてということで、一つは、山地災害対策ということで、山地の荒廃の復旧あるいはその予防を行う、いわゆる治山事業がございます。こういった事業をまず適切に実施していくことのほかに、日ごろからの適切な森林整備が何よりも予防対策になるかと思います。
 県では、森林所有者や森林組合等が行う間伐に対して、これは国が支援するものでもありますけれども、森林整備事業がございます。それから、岩手県独自の取り組みといたしまして、いわての森林づくり県民税がございますが、これを活用して森の整備、これは間伐をしっかりやるということですが、そういう事業がございます。そのほか、地域住民の皆様が独自で森林保全活動を行うことに対して支援いたします森林・山村多面的機能発揮対策交付金という国の交付金事業がございますが、そういうものも活用しております。
 これらによりまして、毎年4、000ヘクタールを超える間伐を実施して、できるだけ健全な森林を保ち、また育成する取り組みを通じまして、災害に強い県土づくりを進めていきたいと考えております。
〇上原康樹委員 林業に従事される方も徐々にふえ始め、山にも希望の光が差し始めているところだと思います。それだけに、林道の点検整備、森林の安全環境確保のために力を入れていただきたいと思います。
 森林の話の後ですから、最後に、全国植樹祭について伺います。
 岩手の豊かな自然は県民の誇りでもあります。そのシンボルとも言える森林を守り、緑を愛することの大切さを思いますと、令和4年に本県で開催される全国植樹祭の意義は、一層大きなものになると感じます。
 県は、平成30年度に準備委員会を立ち上げ基本構想を策定したところですが、激しさを増す自然災害に向き合う中で開催される全国植樹祭でございます。期待される効果について、知事の思いとともにお聞かせください。
〇達増知事 全国植樹祭は、豊かな国土の基盤である森林、緑に対する国民的理解を深めることを目的に、昭和25年以来、天皇、皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、全国各地から多くの参加者を招いて開催される国土緑化運動の中心的行事であります。
 本県は、本州一の広大な森林面積を背景に、品質、生産量ともに全国トップクラスの木材、製材品の供給力を有する森林、林業大県であり、近年では、ミラノ万博の日本館や東京2020オリンピック、パラリンピックの選手村施設等に県産木材が使用されています。
 本県で開催する全国植樹祭は、岩手県の豊かで多様な森林のすばらしさを全国の皆様に実感していただき、日本全体の林業の未来や、森林環境の保全に向けた熱い機運を岩手からつくり上げていくという大きな意義があるものであります。
 また、東日本大震災津波からの復旧、復興の姿を感謝の気持ちを込めて国内外の皆様に発信する絶好の機会になると考えます。
 さらに、次代を担う若い人たちが、意欲と希望を持って森林、林業分野で活躍する契機となることも期待しております。
 私の達増という名字は、達曽部という地名に由来し、タッソベという言葉は、金田一京助博士によると、アイヌ語でシラカバの皮を剥ぐところという意味があり、私は、個人的にも岩手の森林に深い縁があると思っておりますので、関係機関、団体を初め県民の皆様と一丸となって、3年後の全国植樹祭を必ず成功させたいと思っております。
〇上原康樹委員 緑を愛し、自然環境を守るというテーマ、その具体的な方策についての提言など、森林大国岩手だからこそ先頭に立って進めていっていただきたいと思います。
 終わります。(拍手)
〇佐藤ケイ子委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。
 知事を初め執行部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 これより各部局別の審査に入るわけでありますが、委員席の移動を行いますので、その間、暫時休憩いたします。
午前10時50分 休 憩
午前11時13分 再開
〇佐藤ケイ子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより、各部局別の審査を行います。
 質疑につきましては、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせのとおり、質疑は当該年度の決算に関するものとし、項目が複数ある場合、関連する項目はできるだけまとめて質疑を行うこと、他の委員と重複した内容の質疑は極力避け、どうしても必要な場合には、関連質疑として短時間かつ簡潔に行うことを基本とすること、数値の確認のみの質疑や要望のみの発言は原則として行わないことについて御協力をお願いいたします。
 また、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び執行部の答弁は簡潔明瞭に行い、この後、議会、総務部、秘書広報室、復興局、出納局、人事委員会、監査委員会関係について延べ16人の質問者を予定しておりますので、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 初めに、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇泉議会事務局長 平成30年度の議会関係の決算について御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、156ページをお開き願います。156ページから157ページにかけてですが、第1款議会費第1項議会費の支出済額は13億9、187万円余であります。内訳ですが、第1目議会費の支出済額は9億242万円余であり、これは、議員の報酬及び費用弁償等の議会運営に要した経費であります。次に、第2目事務局費の支出済額は4億6、403万円余であり、これは、事務局職員33名分の人件費及び事務費等、事務局の管理運営に要した経費であります。次に、第3目議員会館費の支出済額は2、541万円余であり、これは、議員会館の維持管理等の管理運営に要した経費であります。
 以上で議会関係の決算について説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇佐藤ケイ子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 それでは、3点にわたって質問します。
 一つは、受動喫煙防止対策について、健康増進法の一部を改正する法律の趣旨、具体的内容はどうなっているでしょうか。
 全国の都道府県議会における受動喫煙防止対策の実施状況、県の実施状況、県内市町村議会の実施状況を示してください。
〇泉議会事務局長 健康増進法の一部を改正する法律の趣旨、具体的な内容についてでありますが、受動喫煙防止対策につきましては、平成30年7月25日に健康増進法の一部を改正する法律が公布され、平成31年2月22日に厚生労働省健康局長から改正法の施行に関し健康増進法の一部を改正する法律の施行についての通知があったところでございます。
 健康増進法の一部改正の趣旨につきましては、望まない受動喫煙の防止を図る観点から、多数の者が利用する施設等につきまして、その区分に応じ、当該施設等の一定の場所を除き喫煙を禁止するとともに、当該施設等の管理権原者が講ずべき措置等を講ずることとしたものでございます。
 具体的な内容につきましては、学校や病院などの子供や患者等が主たる利用者となる施設や行政機関は第1種施設として敷地内禁煙となり、これら以外の事務所や工場、飲食店等は第2種施設として、原則、屋内禁煙、喫煙専用施設のみ喫煙可能となる施設に分類されるものでございます。
 続きまして、全国の都道府県議会における受動喫煙防止対策の実施状況及び県内市町村議会の実施状況についてでございます。
 全国の都道府県議会における受動喫煙防止対策の実施状況についてでありますが、令和元年9月1日時点で、敷地内全面禁煙は5府県、敷地内禁煙で敷地内に喫煙専用室ありとするものが7府県、建物内禁煙9都県、建物内禁煙で喫煙専用室がありとするものが16道県、その他が10県となっております。
 また、県内市町村議会の実施状況につきましては、6月19日時点で、敷地内全面禁煙は2市、敷地内禁煙で敷地内に喫煙専用室ありとするものが10市町村、建物内禁煙10市町、建物内禁煙で喫煙専用室ありとするものが10市町村、その他が1村となっております。
〇斉藤信委員 今の答弁で、全国で21都府県が建物内禁煙を含めて実施されている。私は、極めてこれは重要なことだと思います。まして、県内の市町村を見ますと22市町村が建物内禁煙です。こうした中で、県議会も敷地内の全面禁煙を本庁と一緒に実施すべきだと思います。
 そこで、私たち自身が制定した岩手県議会基本条例と、岩手県がん対策推進条例、この趣旨と内容について簡潔に示していただきたい。
〇泉議会事務局長 岩手県議会基本条例につきましては、二元代表制における県議会が担う具体的な役割と、議会を構成する議員の活動規範、さらに県民主権の実現に向けた実効ある仕組みを明らかにするとともに、議会改革に継続的に取り組み、県民の負託に応える議会のあり方を不断に追求するものであり、県議会議員が、県民から選ばれた県民全体の奉仕者であるという誇りと議会の果たすべき役割を一層自覚するとともに、この条例の内容を実践していくことにより、県民の意向を反映し、県民に開かれた議会、県民に信頼される議会を構築し、県民の福祉の向上及び県勢の発展に寄与することを決意し、制定されたものでございます。
 条例の主な内容は、議会の役割及び議員の活動内容、県民と議会との関係、知事と議会との関係など、議会に関する基本的事項を定めております。
 次に、岩手県がん対策推進条例についてでありますが、がんによる死亡の減少やがん患者の生活の質の向上のためには、がん予防から早期診断、早期治療、手術、放射線療法及び化学療法を組み合わせて行いますがん医療、緩和ケアまでの包括的ながん対策が必要であり、多岐にわたる分野の取り組みを総合的かつ計画的に実施していく必要があることから、県、市町村、保健医療従事者、事業者、教育関係者並びにがん患者及びその家族、その他の県民が一体となって、がんの予防及び早期発見、がんの治療などがん対策に一層取り組むため、その基本となる事項を定めたものでございます。
 条例の内容といたしましては、がん対策の推進に関し、基本理念、県、県民及び保健医療従事者の責務、並びに市町村、事業者及び教育関係者の役割を定めること。がん予防、がんの早期発見、医療従事者の育成及び確保、がん医療の充実、緩和ケアの充実などがん対策の推進に関する基本的施策を定めること。がん対策の推進に関する施策を実施するため、財政上の措置について定めることなどと認識しております。
〇斉藤信委員 県議会議員がみずから制定した岩手県議会基本条例では、議会改革に継続的に取り組み、県民の負託に応える議会のあり方を不断に追求していくと明記され、県議会みずからが提案して制定した岩手県がん対策推進条例、ここでは、がん対策は緊急かつ重大な課題であると、こうなっているのです。がんの予防及び早期発見の推進とともに、質の高いがん医療を受けることができるようすることが条例を制定した目的でございました。
 そして、具体的にがん対策についてどういうふうに規定したかといいますと、第6条の県民の責務では、県民は、喫煙、食生活、運動その他の生活習慣及び生活環境が健康に及ぼす影響等がんに関する知識を持ち、がんの予防に必要な注意を払うとともに、積極的にがん検診を受けるよう努めなければならない。県民の責務として、冒頭に喫煙対策が指摘されております。
 そして、第2章第10条では、県は、がんの予防を推進するため、次に掲げる施策を講ずるものとする。最初に、喫煙、食生活、運動その他の生活習慣及び生活環境が健康に及ぼす影響、がんの原因となるおそれのある云々と。がん対策の第一の課題として喫煙対策が提起されています。そして、第10条の(2)では、学校、病院、官公庁その他公共性の高い施設における受動喫煙の防止が岩手県がん対策推進条例で決められたことです。これは議会が提案した条例です。
 こうした中で、みずからがん対策を推進する決意でこういう条例を制定した。だとするなら、岩手県議会は先頭に立って受動喫煙防止に取り組むべきではないのか。議会事務局長に聞くのもなんですけれども、この条例を制定した趣旨というのはそういうことではないですか。
〇泉議会事務局長 岩手県がん対策推進条例の趣旨につきましては、がんに対する県の責務、それからがんの予防対策の実施となっていると思います。
 また、議会における受動喫煙防止対策については、委員御指摘のとおり私のほうからお答えするべきことではございませんので、ただいま議会運営委員会で検討されておりますが、議員間で十分協議の上、お決めいただくものと考えております。
〇斉藤信委員 議会運営委員会で議論し、最終的には全議員の協議、合意に基づいて決まると思います。私は全議員の共通認識が必要だという立場で取り上げております。
 実は、これも政府の研究会の報告書でありますけれども、年間1万5、000人が受動喫煙で死亡し、受動喫煙による超過医療費は約3、200億円。これは科学的な調査結果として報告されているのです。ある意味これは疑問の余地のない事実であります。
 そういう意味で、岩手県がん対策推進条例まで制定した岩手県議会が全国におくれをとることがあってはならない。本庁と一体となってがん対策を進める、そういう意味でも、私は岩手県議会ができるだけ早く敷地内禁煙に取り組むように皆さんにも求めたい。
 この項目の最後ですけれども、県議会棟に日本たばこ産業株式会社から喫煙室整備の寄附を受けたと。私はこの経過が極めて問題だと思いますので、その経過を改めて示してください。
〇泉議会事務局長 議会棟に喫煙室を設けた経緯についてでございますが、現在、議会棟2階の渡り廊下に設置されております喫煙室につきましては、議会運営委員会におきまして、平成22年度から議会棟内の全面禁煙、分煙に係る協議が継続的に行われ、平成26年7月1日の議会運営委員会におきまして喫煙室の設置場所が決定されたところであります。さらに、その方針を踏まえまして庁舎管理者である管財課に喫煙室の設置を依頼したものであり、その後、管財課からは、日本たばこ産業株式会社からの寄附行為により設置する旨、報告を受けたところでございます。
〇斉藤信委員 日本たばこ産業株式会社から寄附を受けたと言うけれども、これは、日本たばこ産業株式会社から寄附の申し出があったのか、県からそういう打診をしたのかわかりますか。
〇泉議会事務局長 その経緯につきましては、申しわけありませんが、わかりません。管財課からは、日本たばこ産業株式会社からの寄附行為により設置する旨だけ報告がございました。
〇斉藤信委員 これは極めて重大なのです。日本たばこ産業株式会社というのは、いわば受動喫煙防止の利害関係者です。利害関係者からそういう寄附の提供を受けてはならないというのがたばこ規制枠組条約の精神ですよ。だから私は、この経過は極めて重大だと思うのです。日本たばこ産業株式会社から寄附の要請があったら、これは大問題。もちろん県がその寄附を要請したらもっと大問題ですよ。こういうことが県議会に全く知らされずに設置されたということも極めて重大だったということをこの点では指摘しておきたいと思います。
 次の問題に入ります。
 県議会議員の海外視察の実施状況について、2018年度、2019年度の都道府県議会における海外視察の実施状況はどうなっているでしょうか。岩手県議会の実施状況、総額、1人当たりの費用額はどうなっているでしょうか。
〇泉議会事務局長 2018年度―平成30年度における全国の都道府県議会の海外行政視察の実施状況についてでありますが、実施が30府県、実施せずが本県を含め17都道県となっております。次に、2019年度―令和元年度における実施状況についてでありますが、8月1日現在で実施が15県、実施せずが8県、未定が24都道府県となっております。
 次に、海外視察の実施状況と1人当たりの費用でございますが、平成30年度及び令和元年度の改選前でございますが、議員から希望がございませんでしたので、海外視察は実施しておりません。
 なお、参考といたしまして、平成29年度の実施状況につきましては、派遣議員数は12名、実施費用につきましては、旅費、現地通訳料等、総額で1、073万円余、1人当たりの派遣費用は89万円余となっております。さらに、平成28年度の実施状況についてでありますが、派遣議員数は12名、実施費用につきましては、旅費、現地通訳料等、総額で939万円余、1人当たりの派遣費用は78万円余となっております。
〇斉藤信委員 平成30年度の実績は、17都道県で実施していないと。岩手県も平成30年度は実施せず。令和元年度も恐らく実施せずということになるでしょう。統一地方選挙の年だったということもあって、全国でも実施したのは15県にとどまっており、岩手県は2年間続いて実施せずということであります。
 私は、議会の海外視察というのは幾つか問題があると思っています。一つは、東日本大震災津波からの復興途上で、議員が公費を使って海外視察を実施するという、この点で県民の理解が得られるのか。二つ目の問題は、県議会議員の特権的視察なのです。県議会議員になれば4年に1回海外視察ができる、こういう仕組みでいいのか。三つ目には、政務活動費があるわけです。政務活動費を使って海外視察を行っている議員もいます。本来ならこういう形で使うべきではないのか。必要な海外視察があるのであれば、その都度どういう目的で必要なのかということを議会で議決して海外視察を行うという可能性は否定しません。全国ではそういう例もありますので。
 そういう意味で海外視察のあり方というのは改善されるべきではないのかと思います。去年、ことし実施されていない、全国も今年度は激減している。この状況を事務局長はどういうふうに受けとめていますか。
〇泉議会事務局長 議員の海外行政視察につきましては、平成14年6月28日の議会運営委員会において決定され、議員派遣の運用に基づいて実施しているところであり、実施に際しましては、議会の議決を経て議員派遣として行っているところであります。
 この制度上、議会事務局としては、議員の皆様が円滑に視察できるようサポートしていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 では、最後の質問です。
 政務活動費の領収書のホームページへの公開について、これは改選前の議会運営委員会でも検討されて結論が出ていなかった。継続協議の課題だったと思います。
 そこで改めてお聞きしますが、全国都道府県議会における政務活動費の領収書のホームページへの公開の実施状況はどうなっているでしょうか。
 県内市町村議会での実施状況はどうなっているでしょうか。
〇泉議会事務局長 全国における政務活動費の領収書のホームページでの公開状況についてでありますが、事務局において本年9月30日現在で調べましたところ、大阪府、兵庫県など17都府県において公開しております。また、今後の予定についてでありますが、沖縄県で平成30年度交付分から、秋田県、新潟県では平成31年度交付分から公開を予定していると伺っております。
 次に、県内の市町村議会の状況でございますが、県内市町村で政務活動費に係る領収書をホームページで公開しておりますのは、同じく事務局調べで、9月30日現在、盛岡市、宮古市など9市町でございます。
〇斉藤信委員 政務活動費の領収書を添付するということを一番最初にやったのは岩手県議会でした。この時点では、岩手の議会改革というのはまさに全国の先頭を切っていた。ところが今や、領収書のホームページの公開が、今後の実施予定を含めると20都府県です。そこまで広がっているのに、岩手県は遅々としてこの協議が進まない。進まない原因は何なのか、費用はどのぐらいかかるのか示してください。
〇泉議会事務局長 政務活動費の領収書のホームページ公開が進まない理由でございますが、全国の動向なども踏まえながら、議員間で協議されていくべきものと考えております。
 また、政務活動費の領収書をホームページで公開した場合の新たな費用でありますが、具体的な金額は把握しておりませんが、政務活動費の領収書等をホームページで公開する場合には、想定でありますが、PDF等のデータファイルを作成する必要があり、議員より提出された全ての書類についてスキャンの上、PDFデータを作成する。大量のPDFデータを作成する作業が生じることから、事務局職員の業務量が増加することになります。現在におきましても日々作業が多い中でこれをやるとなりますと、費用といたしましては超過勤務の費用が生じるものと見込まれます。
〇斉藤信委員 超過勤務程度でほとんど費用はかからないということですよ。本当にそうなのですよ。実際に金はかからないでできるのですよ。
 そういう意味で、これは改選前に協議をしてそのまま曖昧になっているので、改めて、この場をおかりして、議会運営委員会でやるのか議会改革推進会議でやるのか検討する必要はあると思いますけれども、全国のこうした取り組み状況、県内でも9市町の議会は既にやっているのです。県議会がこんなにおくれをとっていいのかと。岩手県議会基本条例の精神に立って、会派の皆さん、議員の皆さんが積極的に議会改革に取り組まれるようにお願いをして私の質問を終わります。
〇伊藤勢至委員 関連。ただいまたばこについての質問がありましたので、これに関連して伺いたいと思います。
 一昨日、葉たばこ・地域特産作物振興対策議員研究会がございました。略称たばこ議連と言っておりますけれども、そこの中でいろいろやりとりがあったわけであります。確かに受動喫煙というのは、それぞれの健康に関する問題でありますから、それはそれで大事なことです。けれども、もう一方の功罪相半ばするということもあると思います。一般の県民が知らない部分を、たばこ振興の観点からも、私たちは自分たちが知るだけではなく県民に教えていかなければならない部分もいっぱいあると思っております。
 かつて葉たばこは、全国一の優良換金作物であった時代もあります。このたばこ議連は平成9年にできていると聞きますから、二十四、五年になるのでしょうか。そういう中でさっぱり議論されてこなかったのは、たばこ税が、県を初め33市町村にひとしくずっと交付されてきたという事実があります。例えば平成29年でありますが、市町村全体では88億5、000万円、岩手県では145億円余、そういう金額が交付されているわけであります。例えば盛岡市は19億9、400万円余、宮古市は4億3、400万円余、大船渡市が3億3、000万円余、花巻市が6億2、700万円余、このトータルが88億円であります。このお金は、多分、各市町村あるいは県の一般財源に繰り入れになっていると思います。
 このお金は色もにおいもありません。たばこ税だからといってニコチンのにおいがするとかたばこの香りがするとか、そういうこともないと思いますけれども、これは市町村運営のための、しかも3割自治と言われる各自治体にありましては、常に有力な、かつ安定的に期待できる交税金であります。
 こういうことも勘案した中で、しかも県北の、あるいは盛岡地域の有力な換金農作物であるということ、それらも勘案した中で、今さら全地域で喫煙オーケーなどと言おうとは思いませんが、せめてしっかりと密閉した中で分煙化して、受動喫煙の危険がないようにしてやっていくことがこの交付税をいただいている者の役割ではないか、私はそんなふうに思っております。
 委員会の中で宮古市の小中学校の費用の無償化などを褒めてくれた議員がいますけれども、そのお金は一般財源から繰り出しをしているわけでありまして、その一般財源の中にもたばこ税が入っているわけであります。ここを言い出すと色があるかにおいがあるかの話になってわからなくなってまさに煙に巻くような議論になりますけれども、そうではなく、しっかりと守るべきところは守る、他人に迷惑をかけない。そういう中で、岩手県の特産地の有力換金農作物であるたばこも守りつつ、しかし人には迷惑をかけないように、そういう観点から、今の喫煙室がしっかりしていないというのであればもうちょっと手を加えて完全に密閉型の―もちろん換気はしなければなりませんが―そういうものをつくってこそ岩手県の立場を示していけるもの、私はそのように思うのですが、交付税が岩手県に145億円入って、市町村にも88億5、000万円余入っている、このことについて事務局長はどのようにお考えですか。
〇泉議会事務局長 大変申しわけございませんが、市町村分につきましては大変勉強不足で把握しておりませんが、県税分につきましては、委員御指摘のとおり、平成29年度で14億4、600万円という数字は押さえております。私どもの資料では平成21年度の税収が24億円。ただし、先ほど委員がおっしゃったとおり、市町村に税源が移譲されまして、平成25年度には県税といたしましては17億円程度ですから、それから3億円ほど減少していると捉えております。
〇伊藤勢至委員 ちょっと桁が間違ったかもしれませんが、いずれ入っていることは入っている。色がない、においもない、こういうことであります。
 したがいまして、全てが原因者負担ということではなく、交通信号機のように青もあれば赤もあって、その間に黄色があるからこそ世の中が回っていく、そういう考えもあります。議会運営委員会で議論されているようでありますけれども、たばこ農家がいて頑張って生産をして交付税も入っているということも勘案した中で、いきなり禁煙というのはいかがなものか。
 例えば、県庁の屋上はあいています。このごろどこか小さいところに大きな人の固まりができて、そこの鶴ヶ池のあたりもどうも見た目が余りよくない。そういうこともありますので、ちゃんと喫煙の場所はそれなりに決めて、それ以外は吸わない。もちろん家庭で吸う人は今、余りいないでしょう。私も孫ができてから全然家で吸えなくなって、洗濯場で吸っている状況でありますから……。(発言する者あり)それはそれとして、斉藤委員の洗濯場で吸ったのではない、私の家の洗濯場で吸ったのだからそういうことはないかと思いますが、いずれそういうことも広く勘案した中で、ぜひ議会運営委員会の委員の皆さんの中で議論をしていただきたい。
 議会事務局長に一言だけ聞かなければならないのでさっき聞いたまでのことですので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
〇工藤勝子委員 関連。斉藤信委員の隣にいるので、私、非常にストレスを感じておりました。隣にいて反対討論をするわけではないのですけれども、結果として、いろいろながんになる要素の一つはストレスなのですよ。ですから私ここにいて、斉藤信委員の話を聞いて、ストレスを感じてがんになるのではないかと思っていました。
 喫煙とがんとの因果関係がまだはっきり証明されているわけではない。言われているのは、ただ、吸わない人より吸っている人のほうががんになる確率は高いということです。
 私はたばこ農家で育ちました。うちの祖母、祖父母は私が子供のころからきせるでたばこを吸っておりまして、でも、がんになりませんでした。結果として長生きをして老衰で亡くなったわけです。そういう関係の中で、国が今、分煙対策をとっているのだろうと思っていますが、国の法令をどのように捉えていますか、お聞きいたします。
〇泉議会事務局長 健康増進法につきましては、たばこを吸う人と吸わない人がそれぞれ、望まない受動喫煙を防止する観点、それからたばこを吸う人のためには屋内での喫煙施設を設けたところで吸うというふうに、それぞれ吸う人と吸わない人をきちんと分ける形で実施されているものと認識しております。
〇工藤勝子委員 国も今度、国会内に喫煙室を設けるという話を聞いております。つまり、吸わない人が受動喫煙にならないようにきちっと分煙をする対策をとられているわけです。国がはっきりと法律で敷地内、施設内で喫煙をしてはだめだとなったならば、県議会もやはりそれに従わなければならないだろうと思っております。でも、受動喫煙にならないように分煙をするということであれば、私は、たばこ農家への応援も含めて、このまま議会棟に喫煙室を設けておいてほしいという思いがあるわけです。
 酒はどうなのかと。酒もたばこも嗜好品の一つです。酒も飲み過ぎるとがんになりますよ。でも、誰も酒を悪いと言う人はいない。酒を飲んで飲酒運転で事故を起こす人もいる。たばこについてはそういう形で事故を起こす人はないだろうと思っていますし、大人の嗜好品でありますので、自己責任でもってやるべきではないかと思っております。
 どう質問したらいいかと思って考えていましたけれども、ぜひ議会棟の中でもそういう形できちんと分煙できるような方法を考えてほしいと思っています。事務局長の所感を聞いて終わりたいと思います。
〇泉議会事務局長 県執行部のほうでは完全実施ということでございますが、今さまざまな御意見がございます。やはり議会運営委員会等を通じまして、議員の皆様方でしっかりと議論していただくのがよろしいと思います。
〇工藤勝子委員 敷地内禁煙になった県職員の方々が、県庁の敷地から出てたばこを吸っている様子をよく見受けます。そういう中において、敷地内がきれいであれば、あとはどうでもいいという感覚になるのではないかと私は思っているのです。そういう状況をどのように見ていますか。それを聞きたいと思います。
〇泉議会事務局長 私は、ずっと議会におりますし、たばこも吸いませんので、庁舎周辺あるいはコンビニエンスストアの状況はわかりませんが、池の周りとか中津川の河川沿いに人がいっぱい出ているという話はいろいろ聞いております。また、帰るときには私も中津川の前を通るのですが、そのときにそこでたばこを吸っている方がいらっしゃいます。確かに、行き場がないのか、吸う場所がないというか、誰にも迷惑がかからなように河川のところで吸っているのかわかりませんけれども、そういう状況は把握しております。
〇工藤勝子委員 私は、たばこを愛する人たちは高額納税者だと思っています。たばこ1本中、6割が税金なのです。この税金がなくなったならば、私は、たばこ耕作者に対する葉たばこの買い上げ価格は今の倍以上になるのではないかと思っているのです。そうなったら農家の人たちは喜びますし、担い手もどんどん育っていくだろうと思っています。
 そういう意味も含めて、ぜひいろいろな形で耕作者を応援する、きちっとマナーを守っていただく、そういう形を今後も守っていただければと思っております。
〇佐藤ケイ子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐藤ケイ子委員長 質疑がないようでありますので、これで議会関係の質疑を終わります。
 議会事務局の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでございました。
 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時53分 休 憩
午後1時3分 再開
〇佐々木茂光副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、総務部長に総務部関係の説明を求めます。
〇八重樫総務部長 平成30年度決算の概要につきましては、一昨日、会計管理者から説明がありましたので、私からは、歳入歳出の構造、歳入全般及び総務部関係の決算の内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、歳入の構造について御説明いたしますので、お手元の平成30年度歳入歳出決算説明書をごらん願いたいと思います。
 歳入歳出決算説明書の46ページをお開き願います。第3表一般会計の財源別収入状況でありますが、県税、地方交付税等の一般財源収入の決算額は、この表の一番上の行に記載しておりますが5、844億7、083万円余であり、前年度と比較し117億6、661万円余、率にして2.0%の減となっております。また、国庫支出金、県債等の特定財源収入の決算額は、中段の行になりますが4、655億9、896万円余と、前年度と比較し300億255万円余、6.1%の減となっております。
 次に、これら歳入の内容について御説明申し上げます。便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 歳入歳出決算事項別明細書の6ページをお開き願います。まず、第1款県税の収入済額は1、342億2、682万円余と、前年度と比較し29億3、678万円余、2.2%の増となっております。これは、県民税や事業税、地方消費税などが増加したことによるものであります。また、調定額に対する収入済額の割合となる徴収率は98.7%、収入未済額は17億4、569万円余となっております。この収入未済額の主なものは個人県民税であり、市町村民税と合わせて市町村が賦課徴収していることから、引き続き、一層の連携を図りながら徴収に努めてまいります。
 次に、少し飛びまして、18ページをお開き願います。第2款地方消費税清算金でありますが、これは、都道府県間の消費相当額に応じて清算を行うものであり、収入済額は483億26万円余、前年度と比較し6.2%の増となっております。
 次に、20ページをお開き願います。第3款地方譲与税の収入済額は242億6、813万円余、前年度と比較し10.8%の増となっております。これは、地方法人特別譲与税の増などによるものであります。
 次に、22ページをお開き願います。第4款地方特例交付金の収入済額は4億3、413万円余、前年度と比較し20.9%の増となっております。
 次に、24ページをお開き願います。第5款地方交付税の収入済額は2、862億5、985万円、前年度と比較し1.2%の減となっております。
 次に、26ページをお開き願います。第6款交通安全対策特別交付金の収入済額は3億5、843万円余、前年度と比較し7.9%の減となっております。
 次に、28ページをお開き願います。第7款分担金及び負担金の収入済額は34億2、788万円余、前年度と比較し34.3%の減となっております。
 次に、少し飛びまして、32ページをお開き願います。第8款使用料及び手数料の収入済額は77億1、177万円余、前年度と比較し2.2%の減となっております。
 次に、少し飛びまして、48ページをお開き願います。第9款国庫支出金の収入済額は1、943億147万円余、前年度と比較し2.1%の減となっております。
 次に、飛びまして、98ページをお開き願います。第10款財産収入の収入済額は15億2、127万円余、前年度と比較し14.7%の増となっております。
 次に、少し飛びまして、106ページをお開き願います。第11款寄附金の収入済額は24億7、413万円余、前年度と比較し51.6%の減となっております。
 次に、108ページをお開き願います。第12款繰入金の収入済額は462億7、855万円余、前年度と比較し11.5%の減となっております。
 次に、112ページをお開き願います。第13款繰越金の収入済額は858億1、822万円余、前年度と比較し26.3%の減となっております。
 次に、114ページをお開き願います。第14款諸収入の収入済額は1、352億6、599万円余、前年度と比較し2.9%の減となっております。
 次に、飛びまして、148ページをお開き願います。第15款県債の収入済額は794億2、284万円、前年度と比較し3.9%の増となっております。
 なお、平成30年度末の一般会計の県債残高は1兆2、630億9、894万円と、前年度と比較し1.5%の減となっております。
 次に、少し飛びまして、154ページをお開き願います。平成30年度の歳入合計は、表の一番下でありますが、予算現額1兆1、826億996万円余、調定額1兆751億2、910万円余、収入済額1兆500億6、979万円余となっております。また、収入済額は、前年度と比較し417億6、917万円余、3.8%の減となっております。
 なお、不納欠損として処理したものは、県税及び県税に係る延滞金や加算金について、地方税法の規定に基づき納入義務が消滅したものなどであります。
 続きまして、歳出について御説明申し上げます。恐縮でございますが、先ほどの歳入歳出決算説明書にお戻りいただければと思います。
 歳入歳出決算説明書の58ページをお開き願います。第8表一般会計性質別経費の決算額と一般財源充当状況について御説明申し上げます。
 まず、歳出決算の性質別の状況であります。左側の区分のとおり、義務的経費の計は2、992億2、291万円余、右のページに参りまして、決算総額に占める割合である決算額構成比は30.6%、前年度と比較し0.1ポイントの増、決算額の対前年度増減率は2.4%の減となっております。
 続いて、左のページの投資的経費の計は2、925億2、227万円余、同様に構成比は30.0%、前年度と比較し0.4ポイントの減、決算額の対前年度増減率は4.5%の減となっております。
 次に、総務部関係の決算について御説明を申し上げます。
 最初に、総務部所管の事務事業に係る総合的な評価等について御説明申し上げます。
 平成30年度の予算は、東日本大震災津波からの復興と平成28年台風第10号災害からの復旧、復興に最優先で取り組むとともに、ふるさと振興を着実に推進するため、財源確保や人的資源の確保に向け取り組んでまいりました。
 部の重点施策としては、地域防災力の強化などの取り組みを推進したところであり、自助、共助、公助による災害対応力の向上を図るため、災害発生時の被害の軽減を主眼とした減災の考え方に基づき、県民への正しい防災知識の普及や、自主防災組織の組織化、活性化に向けた取り組みなどを推進したところであります。
 また、平成29年度から、国、県及び有識者により構成される風水害対策支援チームを設置し、今般の台風第19号の際も同様でありますが、市町村に対する早期警戒体制の構築支援など、より実効性のある防災対策の推進に向けて取り組んだところであります。
 また、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる政策の実効性を高めるため、行政経営プランを推進し、将来にわたって安定的な財政構造の構築が図られるよう、中長期的な視点に基づき、歳出の重点化や行政の効率化に貢献してまいりたいと考えております。
 続きまして、平成30年度総務部関係の決算につきまして御説明を申し上げます。
 なお、本年度から、学事関連業務を政策地域部に、入札関連業務を出納局に、それぞれ移管したことから、これらの業務を除き御説明申し上げます。
 それでは、当部の概要につきまして、便宜、歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 歳入歳出決算事項別明細書の160ページをお開き願います。総務部の一般会計についてでありますが、支出済額の総額は1、991億8、421万円余であり、このうち98億9、865万円余が、政策地域部及び出納局への移管分となります。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、総務部関係の支出済額は、備考欄にありますとおり20億1、170万円余、その主なものは、総務室などの管理運営費であります。
 なお、県営建設工事請負人選定費から建設工事管理情報システム運営費までの3事業が、出納局への移管事業であります。
 次の第2目人事管理費は、職員の研修や退職手当、公務災害補償等に要した経費であります。次に、162ページをお開き願います。第3目文書費は、法規審査事務や文書の収受、発送等に要した経費であり、次の第4目財政管理費は、財政調整基金など各種基金への積立金等であります。次に、164ページをお開き願います。第6目財産管理費は、県庁舎や各地区合同庁舎、職員公舎の維持管理、県有資産所在市町村交付金の交付等に要した経費であります。次に、166ページをお開き願います。第8目県外事務所費は、東京事務所の管理運営に要した経費であり、第9目恩給及び退職年金費は、恩給の給付等に要した経費、次の第10目諸費のうち総務部関係は、備考欄に記載のとおり426万円余であり、公益認定等審査会等に要した経費であります。
 次に、少し飛びまして、172ページをお開き願います。第3項徴税費第1目税務総務費は、税務担当職員に係る人件費や県税の還付等に要した経費であり、次の第2目賦課徴収費は、県税の賦課徴収等に要した経費であります。
 次に、少し飛びまして、180ページをお開き願います。第6項防災費第1目防災総務費は、地域防災力の強化等への取り組みに要した経費であり、次の第2目消防指導費は、危険物や産業保安業務の指導等に要した経費であります。
 次に、大きく飛びまして、346ページをお開き願います。第10款教育費第8項大学費第1目大学費、次の第9項私立学校費第1目私立学校費は、政策地域部への移管事業であります。
 次に、少し飛びまして、360ページをお開き願います。第12款公債費のうち、総務部関係の支出済額は1、090億3、159万円余であり、県債の償還のための公債管理特別会計への繰出金等であります。
 次に、362ページをお開き願います。第13款諸支出金ですが、第4項地方消費税清算金は、都道府県間での地方消費税の清算に要した経費、次の第5項利子割交付金から、ページをおめくりいただきまして、364ページの第10項自動車取得税交付金までは、市町村に対する地方税関係の交付金であります。
 次の第11項利子割精算金は、都道府県間での県民税利子割の精算に要した経費であります。
 次に、366ページをお開き願います。第14款予備費ですが、当初予算額3億円のうち360万円余を充用したところであります。
 なお、平成30年度から令和元年度に繰り越した総務部関係の繰越明許費の額は1億4、686万円余、事故繰越しの額は1、559万円余であり、これらは、地区合同庁舎管理や職員公舎管理などについて、計画調整や工法の検討等に不測の日数を要したことなどから繰り越したものであります。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 続きまして、所管する特別会計について御説明申し上げます。
 414ページをお開き願います。公債管理特別会計でありますが、収入済額は1、673億3、755万円余であり、その主なものは、一般会計及び県債管理基金からの繰入金、借換債であります。次に、416ページをお開き願います。支出済額ですが、収入済額と同額となっており、その主なものは、県債償還元金及び利子、県債管理基金への積立金であります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇佐々木茂光副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇柳村一委員 収入未済額についてお伺いします。県は、第4次岩手県滞納債権対策基本方針に基づく収入未済額削減のための取り組みを行っておりますけれども、平成30年度の決算の状況について、どうなっているのかお伺いします。
〇山崎参事兼管財課総括課長 収入未済額の平成30年度決算状況についてでございますけれども、一般会計、特別会計、県立病院診療費を合わせ、県全体で274億9、000万円余であり、平成29年度決算と比較して2億4、000万円余の増となったところでございます。
 このうち、第4次岩手県滞納債権対策基本方針の対象としている債権は、県税及び専担組織により取り組んでおります県境産廃等以外の16債権でございますけれども、平成30年度決算状況は28億9、300万円余であり、平成29年度決算と比較して6、300万円余の減となったところでございます。
〇柳村一委員 わかりました。平成30年度の会計監査の留意すべき事項のところで、平成30年度一般会計における収入未済額はという部分がありまして、増加している部分で、未済額の取り組みについてですけれども、一部に成果が認められているものの、債権の種類や担当部署によって取り組みに強弱も見られ、収入未済額は今なお多額な状況にあるという指摘をされていますけれども、この指摘を受けてどのようにお感じなのか、今後どのような対策をとられるのかお伺いします。
〇山崎参事兼管財課総括課長 県全体の収入未済額の総額は、先ほど申しましたとおり274億円余りでございますけれども、その中の約8割超が青森県境産業廃棄物不法投棄に係るもの227億円でございます。
 今回、収入未済額が増加した主な要因としましては、この行政代執行費用が2億4、000万円余増額しているところが大きな原因となっているところでございますけれども、不法投棄による産業廃棄物対策につきましては、専担組織を設置しまして、専任職員を配置して独自に対応しているところでございます。ここは環境生活部で対応している部分でございますけれども、そのほかの債権につきましては、県といたしましては、平成20年5月以降、3カ年を取り組み期間としまして、これまで4次にわたって滞納債権対策基本方針を策定しまして、滞納債権の削減に取り組んできております。
 平成30年度につきましては、滞納債権対策関係室課連絡会議の開催ですとか、債権別債権回収目標の設定及び取り組み実績の公表、滞納債権回収強化月間の実施、民間業者への回収業務の委託、第4次滞納債権推進のためのワーキンググループの開催などによりまして、滞納債権の削減に努めてきたところでございます。
 なお、現在、第5次滞納債権対策基本方針の策定に向けまして、関係室課において検討を進めるところでございます。
〇柳村一委員 産業廃棄物の件は金額が大きいのですけれども、今回の平成30年度の決算において、県税一つだけとっても17億4、500万円余が収入未済になっているわけですね。その部分を減らしていかないことには、財政が厳しい中でどうやって事業を進めていくのかという部分で、令和2年度の予算編成の副知事依命通知におきましても厳しい財政状況が続くと言っておりますし、全ての事業をゼロベースで見直すとも言っております。そういう部分で、この収入未済をできるだけ少なくすることに取り組むことが必要だと思いますし、できれば現年度でできるだけ取ればいいと思っていますが、そこら辺の対策は各部に任せているのでしょうか。そこら辺をお伺いします。
〇山崎参事兼管財課総括課長 収入未済額、滞納債権の取り扱いにつきましては、先ほど申しました県境産廃のところは、事案が特殊だということで体制を整え環境生活部で担当しているということ、それから、実は、滞納債権につきましては、通常は地方自治法あるいは民法等の規定によりまして事務を進めているところでございますけれども、県税につきましては、地方税法とかの縛りといいますかそういう流れがございますので、県税については税務課でやっているということでございます。
 そのほかの16債権につきましては、全庁的に連携した取り組みを進めているところです。その中で、昨年度、収入未済額が増加した主なものとしましては、県営住宅の使用料が630万円余増加している。それから、生活保護費返還金が500万円余増加しております。これは、県営住宅使用料につきましては、災害公営住宅の戸数がふえてきていること、生活保護費返還金につきましては、生活に余裕のない方が返還金を捻出できないこと等が主な原因と考えられております。
 引き続き、収入未済額の削減につきましては、基本的には関係各課で毎年度目標を定めて、強調月間を定めた形でみんなで一緒に取り組んでいく形をとっておりまして、実績もホームページで公表しており、各課と全体で連携しながら、足並みをそろえながら、滞納債権の減少に向けて取り組んでいるところでございます。
〇柳村一委員 監査の指摘の部分でもあるのですけれども、債権の種類や担当部署によって取り組みに強弱が見られるということで、今、課長が言っていました未収入金の回収目標に係る取り組み実績とインターネットで見るととれるのですけれども、ここでちょっと疑問に思うのが、平成30年度回収目標が掲げられていますが、本来であれば回収の目標は100%が当たり前ですね。それなのに、各担当によっては、例えば地域福祉課の生活保護費返還金は、現年度は78.9%が目標、過年度分につきましては5.1%。何で100%ではない目標を立てざるを得ないのか、そこら辺についてお伺いします。
〇山崎参事兼管財課総括課長 未収金につきましては、委員おっしゃるとおり、100%、全額回収するのが最終目標でございますけれども、実際、全部を取るという形で進めておるところ、実態が例えば7割とか8割に行かなかったところも続いておりましたので、回収目標とすれば、少なくとも前年実績を超えるパーセンテージをということで、実現可能な数値として表示しているところでございます。
 あと、過年度の分が大幅に回収率が下がると申しますのは、やはり過年度にまたがっていく債権につきましては、年がたつごとにますます取りにくくなってくると。一度破産ですとか、あとはその方がいなくなっているとか、さまざま取りにくい状況が出てきて回収率が下がっているということです。ただ、実現可能性のある目標率の設定としまして、基本的には、昨年度の実績を上回るところを目標にしようということと、そうでない場合は、過去3カ年の実績の平均をとりながら、それを上回るような形でやるとか、各課とも工夫しながら対応しているところでございます。
〇柳村一委員 監査指摘でもありますけれども、負担の公平性、公正性という観点を考えると、目標がいきなり100%ではないという時点で、もう公平ではないのではないかと思うので、KPIの数値でできるだけ目標に近づいて、今回はクリアできましたよという説明をするのもわかりますけれども、本来は、しっかりと取って、少ない自主財源、50%を切っている状態ですので、そこをしっかりと担保して県政の事業に使っていただきたいと思いますので、さらなる取り組みをお願いしたいと思います。
 次に移ります。自主防災組織についてお伺いします。
 まず、台風第19号災害で亡くなられた方にお悔やみ申し上げますとともに、被災された方にお見舞い申し上げます。
 昨日、希望いわての会派で久慈市から宮古市にかけて災害の状況を見てまいりました。県もずっと自主防災組織について取り組んでいますけれども、自主防災組織があったからあの災害が防げるかといったら、防げないとは思いますが、どんな地域にもやっぱり自主防災組織は必要なのだな、防災に対する考え方をしっかり持たなければいけないのではないかということをきのう改めて認識した次第であります。
 自主防災組織の組織率の達成度C、自主防災組織50%以上の市町村数の達成度Dと、毎年かなり苦しんでいるようですけれども、これの要因等、今後どのようにしてこの数値を上げていこうというお考えなのかお伺いします。
〇栗澤防災消防課長 まず、自主防災組織の組織率の評価と達成度が低い要因についてでございますが、平成31年4月1日現在の県内の自主防災組織の組織率は、速報値でございますが、県全体で87.6%となり、前年度と比べ0.8ポイント上昇しましたが、目標値である88.6%の達成には至らず、達成度がC評価となったところでございます。
 また、自主防災組織の組織率50%以上の市町村数については、県北、沿岸部の6市町村において組織率が50%に満たなかったことから、達成度はD評価となったものでございます。
 その要因としましては、県全体の組織数は2、308組織と前年と比較して22組織増、カバー世帯数も6、042世帯増加しておりますが、核家族化等により県内の総世帯数の増加が顕著であり、新たに組織化しても、率に大きく反映しにくい状況となっているものでございます。
 また、組織率が低い理由につきましては、高齢化等による担い手不足だけではなく、市町村の担当からは、災害が余りない地域なので防災に対する住民の意識が低いや、もともと結いの精神、地域の結びつきが強く、組織がなくても何かあったら助け合うという地域が多いといった声を聞いているほか、市町村のマンパワーが足りないところもあると認識してございます。
 今後、組織率を上げるための取り組みについてでございますが、これまで、県地域防災サポーターの派遣制度を活用した防災知識、意識の向上や、自主防災組織リーダー研修会などの開催による担い手育成支援をしてきたほか、平成30年度からは、新たに自主防災組織活性化モデル事業を実施し、二戸市、陸前高田市、矢巾町の自主防災組織の組織化や活性化を支援し、今年度も同様に3市町村を支援する事業を進めているところでございます。
 このモデル事業の取り組みについてのノウハウや課題等について、県内市町村の取り組みの参考としていただくため、例年、年度末に開催しております市町村連絡会議を8月に前倒しで開催し、情報共有を図ったところでございます。
 今後も引き続き、地域防災サポーター制度を活用した組織結成、活動活性化の支援や自主防災組織活性化モデル事業を継続するとともに、今年度から新たに、自主防災組織の中核となる人材を対象に防災士養成研修に取り組んでおり、担い手や専門知識を有する人材の育成を図りながら、市町村と連携して、自主防災組織の組織化及び活性化を推進してまいります。
〇柳村一委員 今回被災された地域が結構自主防災組織率が低いところだと思うのですけれども、この被災のさなか、そういう状態ではないと思いますが、やっぱりある程度知識がなければいけないということで、今年度から養成研修を行っているという話なのですが、それは県が補助して防災士の資格等を取らせるものなのか、そこら辺はどういうものなのでしょうか。
〇佐々木総合防災室長 今年度から開始しております防災士の養成研修につきましては、市町村から自主防災組織で中核となって活躍できる方、あるいは新たに自主防災組織を立ち上げた際に、その中心となって活躍できる方を市町村から推薦いただきまして、費用につきましては、県と市町村で折半する形で、防災士の資格取得研修を受講していただくという形で取り組んでおります。
〇柳村一委員 それはどのぐらい市町村に周知されているものなのでしょうか。というのも、私が所属する自治会で、自治会で負担してわざわざ研修を受けに行って取っているという実情がありますので、そういうものをもっともっと広めるべきだと思うのですけれども、その点についてお伺いします。
〇佐々木総合防災室長 この防災士養成研修の市町村への周知につきましては、昨年度、今年度予算に向けて構想を練る段階から、市町村に、こういったものを考えているのだけれども、市町村として希望されますかといった形で意向調査のようなものをかけまして、また、それを今年度に入ってから県内全市町村にお知らせして、予算の面で、市町村でも応分の負担ということになりますので、そこの予算措置が必要になってくるというのはあるのですけれども、いずれ時期、時期で、市町村の意向を確認しながら取り組んでいるところでございます。
〇柳村一委員 最後にしますけれども、KPIを合わせるためだけではなくて、やっぱり県民お一人お一人が、もっともっと防災に対する意識を高めていかないと、今後どこの地域でもああいう災害は起こり得ると思いますので、市町村に対する指導もしっかりしていただかないと、うちは全部立ち上がっているから、別にそこまでやらなくてもいいと思っている市なのかもしれませんので、そこら辺は、県が指導して、もっともっと高めるようにお願いしたいと思いますが、何かありましたらお願いします。
〇佐々木総合防災室長 おっしゃるとおり、市町村においても、やはり意識の差も感じるところでございます。今回も台風第19号災害ということで、沿岸地域を中心に大きな被害が出たところでございますので、そういったものも踏まえながら、市町村の防災意識の高揚でありましたり取り組みといった部分について、しっかりとお話をして、理解していただいて、取り組みが進むように努めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 それでは、私からも平成30年度の歳出決算についてお伺いいたします。
 まず、決算額の18%を占める義務的経費であります人件費についてお伺いいたします。
 2019年度の県の組織体制は4、400人程度かと認識しておりますが、まず、職員の欠員の現状とこの要因をどのように捉えているのか。一般行政職を除いて、専門職といった部分についての状況等もお示しいただければと思います。
〇佐藤人事課総括課長 欠員数についてでございますけれども、令和元年9月1日現在、69名となっておりまして、ピーク時であります平成27年4月の145名から比較いたしますと、一定程度の縮小が図られてきたところでございます。
 このうち専門職的な部分ということで申しますと、やはり多いのが総合土木職ということで18名という状況になっております。
 県といたしましては、これまでもマンパワーの確保に最優先で取り組んできた状況でございますけれども、震災復興に伴う業務の増大ですとか、新たな行政需要の拡大等によりまして、欠員の解消までには至っていないという状況でございます。
〇臼澤勉委員 欠員解消は相当厳しい状況なのかなと。実際の解消に向けた取り組みも本当に待たれているというか、職員が意欲を持って生き生きとやるには、まずそこの体制づくりが重要だと思います。
 今、本当に災害対応等も喫緊の課題である中で、今も総合土木職が18人の欠員の状況だということでございます。ここら辺の解消に向けてどのように、そしていつまでに取り組んでいくのかお伺いいたします。
〇佐藤人事課総括課長 欠員の解消に向けましては、新採用職員の大幅な拡大、任期付職員や再任用職員の確保などによりまして取り組んできておりまして、今年度につきましても、特別募集を実施しまして、9月1日付で32名の職員を採用したところでございます。
 それから、新規採用職員の確保に向けましては、インターンシップや大学訪問等の実施、人事委員会と連携しました業務説明会等によりまして、採用試験受験者の確保策を強化しておりまして、今年度、大卒で知事部局に採用された職員のうちインターンシップを経験している者が19名と、前年度の10名から大幅にふえたところでございます。
 こうした取り組みを初めとしまして、今後におきましても、関係部局や人事委員会と連携しながら、人材確保のための取り組みを進めていきたいと考えております。
 欠員の解消はいつまでにという時期の部分につきましては、今、復興を初めとしたいわて県民計画(2019〜2028)の取り組みの推進ですとか、あるいは行政需要の増大、高度化に対応した人員配置も考える必要がございますので、現時点で明確に示すことは難しい状況でございます。
〇臼澤勉委員 いずれ、今いろいろ復興あるいは災害の対応で、県職員、そして土木の職員たちも現場で大分苦労されております。そういう中でも、例えば民間の経験者の採用枠を設けて、解消に向けていくような取り組みをぜひ進めていただきたいと思います。
 そういった中で、採用内定の辞退者の現状と認識はどのようになっているのか。私の感覚では、県職員の辞退者が、肌感覚で毎年毎年ふえているやに見ておりますけれども、その現状認識と今後の人手不足の中での人材確保対策に、県としてどのように取り組むのかお伺いします。
〇佐藤人事課総括課長 人事委員会のデータになりますけれども、平成30年度に実施いたしました採用試験の結果、県職員I種、II種、III種を合わせました合格者に対する採用内定者の辞退率は26.5%となっておりまして、平成29年度の24.3%と比較しまして2.2%増となっております。
 県としましても、必要な人員を確保する上で課題の一つと認識しておりますけれども、内定者を多く確保することによりまして、一部の技術職種を除きまして、採用予定数はおおむね確保できている状況ではございます。
 辞退の理由についてでありますけれども、併願先の他の公務員試験の合格に伴うものが多い状況でございまして、こうしたことから、人事委員会と連携して、先ほどお話ししました業務説明会で県職員のやりがいや魅力をアピールしていくほか、インターンシップの充実強化、さらには、内定者に対しまして、内定者を集めたガイダンスや職場実習といった取り組みも行ってきております。
 引き続き、こうした取り組みを通じて必要な人材の確保に努めてまいります。
〇臼澤勉委員 今、平成29年度の対比で辞退率をお話しされておりましたが、私の手元にあるデータで平成22年度からを見ても、平成22年度の辞退率が12.6%ですね。毎年毎年この辞退率が全体として高くなっている。これがいいのか悪いのかは、いろいろ捉え方はありますけれども、しかも、この中のI種、II種、いわゆる大卒であったり短大卒の辞退率も高いような状況になっております。
 いずれにしましても、私も、ふるさと岩手を愛し、平成2年のバブルのころに県に入ってきた。それは何でかというと、そういう県の総合職としてのやりがいというか、そういった思い、こういった職員、そして、この岩手に携わる仕事はやりがいがあるというか、ぜひ明るくというか、楽しいよという姿を背中からどんどん見せてほしいなと。
 皆さんのへの字で苦しい顔を見ていると、大学生とかはなかなかちょっと、やっぱりためらうのではないかというような気もするのですよ。正しさよりも明るくという言葉があります。ぜひ、そこら辺、明るく元気にやってほしいなという思いで質問を今しております。
 それで、この中で管理職を望まない職員もふえているのか、そこら辺の状況をちょっとお示しください。
〇佐藤人事課総括課長 毎年度、職員の異動希望等を把握するために、職員が記載いたしております身上調書の中で職員の昇任希望等を把握しているところでございます。
 平成30年度の状況としまして、管理職への昇任候補者となります主任主査級の職員730名のうち、昇任を希望しない者の数は32名、割合として4.4%となっておりまして、平成29年度と比較いたしますと、平成29年度は4.7%ですので、微減という状況になっております。
 昇任を希望しない理由でございますが、資質や経験の不足ですとか、マネジメントよりも現場で県民と直接向き合う業務にやりがいを感じるですとか、あるいは自身の健康への不安、家庭事情といった多様な内容となってございます。
 県としては、こうした職員の個々の家庭事情、希望等を十分に配慮して、人材育成あるいは適切な人員配置に努めていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 いろいろ多様な働き方があると思います。そういう中で、私もずっと取り上げていますけれども、職員の精神疾患の療養者の現状と傾向、この解消というか、これを県として今どのように捉えているのかお伺いいたします。
〇佐藤総務事務センター所長 職員の精神疾患療養者の現状の捉え方でございますけれども、ただいま私ども考えておりますのは、近年、年代別についての若年層の職員が増加しているところで、若年層における精神疾患の割合が増加していると捉えております。
 そのために、若年層の職員における増加要因と考えておりますのが、近年、新規採用職員を大幅にふやしてきたことに伴いまして、若年層の職員が増加していることもございますけれども、療養に至るには、採用や人事異動による環境の変化、そして対人関係と仕事の悩み、また、個人的な問題、あるいはこれらが複合的になっている場合もあって、さまざまな要因が考えられるところでございます。
〇臼澤勉委員 採用数がふえたから、若い30代未満の職員の療養者がふえているという答弁のようでしたけれども、私は、それはいかがかと思うのですよ。割合じゃないですよね。やはり一人一人高い志を持って、私が言うのも何ですけれども、みんなそういう心で来たわけです。私は、立場は変わっていますけれども、初心の岩手のために働くという意味では、全然そこはぶれておりませんし、そういったことでは、私は同じ思いで今ここに立たせていただいております。
 そういう中で、若い職員の方々が精神を病んだりすると、これは治るまで、あるいは治っても2回、3回繰り返していくじゃないですか。これから10年、20年と県政を引っ張っていく主役になる、10年後、例えば30歳の人は40歳ですよ。今、採用も、辞退者もふえている中で、今ある職員、今いる職員の働き、やりがいも含めて、そういった環境整備にぜひ取り組んでいただきたいと思うのですか、改めてちょっとそこをお伺いいたします。
〇佐藤総務事務センター所長 若年層の職員の職場環境についてでございますけれども、私どもが受けている若年層の相談者の中には、上司や同僚に相談ができず、自分の中で悩みを抱えてしまう職員も見受けられることから、今年度は、アンガーマネジメントなどのセルフコントロールスキルの助長に主眼を置いたセミナーに加えて、職場でのコミュニケーションのスキルを学ぶための研修会を開催しております。
 また、精神科嘱託医や臨床心理士の協力を得ながら、希望する職員や管理監督者が、個別に相談する機会をさらにふやして、早期に適切な対応ができるよう支援を行っているところでございます。
 今後も、各職員の置かれた状況に応じたメンタルヘルス対策をきめ細かく展開してまいりたいと存じます。
〇臼澤勉委員 ここに平成25年に策定した職員育成ビジョンがございます。これを策定してからもう5年、6年たつのですけれども、ここに書いている内容は本当にすばらしい内容です。人材育成の基本方向、自らの可能性を伸ばし、挑戦し続ける職員の育成。職員の成長を支え、組織で成果を発揮する組織力の向上。いきいきと働ける、風通しの良い職場づくり。この三つの基本方向の実現に向けて、簡単ではないかもしれませんけれども、できるところを一つ一つ取り組んでいっていただきたい。これは要望にいたします。
 そして、今、他県からいろいろ自治体の応援職員が来ております。この応援職員から見た岩手県職員のアンケート結果があるのですね。100名ぐらいの方からとって、回答率75%程度、4人に3人の方が答えています。
 その中でこういったコメントがあります。協議回数が多く、なかなか事業が前に進まない。また、個人の能力に大きく依存していて、組織としての対応が不足。部局間の連携が十分にとられていないなど仕事の進め方を改善したほうがよいというようなコメントもあります。
 これらを踏まえて、具体的にどのようにこの改善に取り組んできているのかお伺いいたします。
〇佐藤人事課総括課長 他県応援職員の方々に対しますアンケートは、他県応援職員の皆さんの居住環境ですとか職場環境、業務の質、量等について調査をして、受け入れ環境の改善などを目的として実施しているところでございます。
 今、委員から御指摘もありましたように、平成30年度の実施結果を見ましても、意見として、職員間の仕事の配分にばらつきがあるですとか、あるいは業務の進め方がやや細か過ぎ、時間がかかり過ぎるのではないかといったような御意見を頂戴しているということでございます。
 こうした御意見につきましては、アンケート結果全体につきましても、各部局に情報提供いたしまして、業務の平準化ですとか、あるいは業務支援体制の活用に努めるようお願いしているところでございます。
 やはり応援職員の皆さんからいただいたこうした御意見は、非常に貴重な御意見だと思っております。今後も参考にして、日々の業務の改善に努めていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ぜひ、本当に頑張って、そして、やりがいというか、生き生きと風通しのよい職場づくりに努めていただきたいと思います。
 次に、第6款防災費についてお伺いしてまいります。
 災害対策基本法に基づいて県の地域防災計画も策定しておりますけれども、災害対策基本法によると、毎年、必要があると認めるときは修正しなければならない規定になっておりますが、平成30年度どのような検討が加えられ、どのように修正してきているのかお伺いいたします。
〇佐々木総合防災室長 岩手県地域防災計画の昨年度の修正状況ということでございます。
 昨年度は、国の防災基本計画における平成29年7月九州北部豪雨災害及び平成30年1月から2月の大雪対応を踏まえた修正を受けまして、中小河川における透過型砂防堰堤や森林における流木捕捉式治山ダムの設置、県、市町村等の災害時相互支援体制の構築等について反映したところでございます。
 また、県独自の修正といたしましては、昨年度、栗駒山の火山避難計画を策定したことから、ドローンによる登山者等への情報伝達や登山者等への避難誘導、救出についても反映したところでございます。
 地域防災計画の修正に当たりましては、3月28日に、国、県、市町村、防災関係機関等が一堂に会しまして岩手県防災会議を開催し、その内容について合意を頂戴したところでございます。
〇臼澤勉委員 市町村の地域防災計画の改定状況はどのようになっているでしょうか。
〇佐々木総合防災室長 市町村の地域防災計画の改定状況についてでございます。
 市町村では、災害対策基本法に基づきまして、毎年、市町村地域防災計画に検討を加え、必要があると認めるときは、市町村防災会議において修正することにされておりまして、その内容は、県の地域防災計画に抵触しないこととされてございます。
 平成29年度の県地域防災計画の修正内容を踏まえて、市町村地域防災計画の修正を行った市町村は、平成31年4月1日現在で19市町村となっております。
〇臼澤勉委員 ちょっと確認ですけれども、全市町村でこの防災計画は策定しているのでしょうか。
〇佐々木総合防災室長 県内の全ての市町村で策定しているところでございます。
〇臼澤勉委員 私も、今般の台風被害で普代村とか田野畑村に行ってまいりました。柾屋普代村長も、広域の瓦れき処理の県の体制構築を要望としても挙げられておりましたが、こういった広域瓦れき処理の体制も、地域防災計画の部分に平時のときから検討して盛り込んでおくべきと思いますが、そこら辺の対応状況をお伺いします。
〇佐々木総合防災室長 広域瓦れき処理の体制構築についてでございます。
 県地域防災計画では、廃棄物処理は広域的な処理体制の確立を図ることを基本方針に掲げております。また、市町村は、みずからの廃棄物処理施設が被災し、または処理能力を上回ったこと等により、廃棄物処理ができない場合においては、近隣市町村の廃棄物処理施設にその処理を依頼することとされております。また、県地域防災計画等を受けまして平成28年3月に策定されました岩手県災害廃棄物対応方針におきましても、本県の災害廃棄物処理の基本方針として、県内のごみ処理施設を活用して処理すること等を掲げているところでございます。
 今回の台風第19号災害におきましては、被災市町村において、災害廃棄物が管内の処理施設の処理能力を超えて発生しているところでございますので、県では、県の地域防災計画及び災害廃棄物処理方針に基づきまして、県内市町村の処理施設での処理が可能となるよう調整を進めるところでございまして、担当部局と連携して、迅速かつ適切な災害廃棄物の処理を進めてまいります。
〇臼澤勉委員 私は、特に各市町村の防災体制の強化にすごく問題意識を持っている一人であります。特にも、市町村によっては、専従の防災の職員が兼務で、片手間という言い方がどうなのかわからないですけれども、日ごろの通常業務をやりながら防災の担当もやっている自治体も、小さな市町村になればあるのが現実だと思います。静岡大学でやった総務省の全国調査によれば、専従職員を置いていない市町村の数が約3割あるというようなこともあるのですが、県内の状況を県としてどのように認識しているのかお伺いします。
〇佐々木総合防災室長 県内の市町村におきましては、防災を担当している職員が、他の業務を兼務している者があると聞いているところであります。また、防災専従職員の人数につきましては、市町村の規模に応じて、おおむね1名から10名程度と把握しているところでございます。
 また、比較的規模の小さい市町村におきましては、総務課などが通常業務とあわせて防災関係業務を行っているところが多く、担当職員も限られている状況にあるところでございます。
〇臼澤勉委員 いずれ、防災の仕事は、いざ何か起きてから動くという非常時の対応もさることながら、やはり東日本大震災津波以降、防災教育や先ほどの計画づくりなど、さまざまやるべき課題、業務があると思うのです。それこそ午前中、上原委員の指定避難所の御質問もありましたけれども、指定避難所の見直しも含めて、あるいは今どこにどういう危険が我がまちにあるのか、それをまた住民に伝えていく、やはり平時のときからの仕事というのはさまざまあると思うのです。
 体制がなかなか整わない自治体に対しては、県が入っていって、一緒に、今まであるノウハウを含めて、私、一般質問でも言いましたけれども、水平支援ではなく垂直支援で入っていくような取り組みがなければ……。市町村の住民が被災するといった状況は要は県民が被災しているということですから、県がやる意味というのは大いにあると思います。そこら辺の御所見をお伺いします。
〇佐々木総合防災室長 今、平時からというお話を頂戴したところでございます。県といたしましては、何よりも市町村の防災関係職員の資質向上を図ることが重要であるという認識のもと、昨年度は16市町村に出向きまして、災害時の初動対応の座学や図上訓練などの研修を行ったところでございます。今年度も同様に17市町村での研修を行っているところでございます。
 私も昨年度、県内のある一つの市町村の研修を拝見しに行ったのですけれども、図上演習をやりますと、直接担当している職員だけではなく関係する課の職員もそこに集まりまして、例えば大雨災害が起きたときにどう動くかといったところのシミュレーションができますので、そういったものを県内の比較的規模の小さな市町村にもやっていただくように働きかけをしまして、その初動対応がスムーズにいくようにという形で引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木茂光副委員長 臼澤勉委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇臼澤勉委員 私は、指定避難所の再点検も必要だと思っております。土石流危険区域や浸水区域にやむを得ず設置している場所もあると思うのです。
 私、地元の自治体のハザードマップをきのうも確認しましたが、2日間で226ミリメートルの設定でハザードマップをつくっている。ですから、それ以上のものがあるとまたそういう危険な部分も出てくるわけでございますから、そういった意味も含めて、そこら辺の再点検の状況等をお願いします。
〇佐々木総合防災室長 今お話が出ました指定避難所につきましては、安全性等の設置に係る要件を踏まえて、主に学校や公民館、集会所などの公的施設が指定されている状況でありますが、地域によっては、避難所としての活用が可能な公的施設が立地していない場合や、その公的施設が洪水や土砂災害等が発生する危険性のある区域にあるため指定することが困難な場合もあると聞いているところでございます。
 県といたしましては、昨今の大型化する台風による被害の拡大を踏まえまして、避難場所の指定に当たっては、今お話に出ましたハザードマップ等によりまして災害発生の危険性等を十分に考慮した上で、より安全な避難所となるように市町村に対し適切な助言を行ってまいります。
〇臼澤勉委員 最後にいたします。
 いずれ、土砂災害ハザードマップあるいは洪水ハザードマップを策定している自治体も、全市町村ではないと私は認識しております。いろいろな理由で策定していない自治体もある中で、今回の率先避難のあり方、そういった科学的な情報をしっかりとまず住民に伝えること。そして、住民の率先避難をどう促していくのか、正常化の偏見とかいろいろあるわけでございますから。
 普代村の避難の状況も、前もって避難した方は2割です。5人に1人です。ほかの方々は避難指示が出てから避難したということでございますから、そこの対応について最後にお伺いして終わります。
〇佐々木総合防災室長 率先避難の働きかけについてでございます。
 災害の発生が予想される場合にそれぞれの地域において住民が避難を速やかに行うためには、やはり日ごろからの結びつきや取り組みが必要と考えているところでございます。
 このため、県では、自主防災組織の組織化と活動の活性化を図るため、地域防災サポーターを地域の要望に応じて派遣するとともに、昨年度から自主防災組織活性化モデル事業を実施いたしまして、その成果を県内に周知することや、さらには今年度から新たに防災士養成研修を開始しまして、自主防災組織の活動を担う人材を育成することなどに取り組んでいるところでございます。核となる人材の育成を図っているところでございます。
 また、早期避難のためには、個々の住民の皆さんの防災意識の向上が非常に重要でございますので、住民参加型の防災訓練や県の広報などを通じまして、防災に対する意識の普及啓発を一層図ってまいります。
〇吉田敬子委員 防災対策についてお伺いいたします。
 今回の台風第19号の被災地でも避難所ごとに物資やスペースの質や量に大きな格差があったと伺っております。この原因は自治体ごとの準備の差と私は感じておりますが、今回は、妊産婦や乳幼児に配慮した効果的な防災対策の部分についてお伺いいたします。
 東日本大震災津波においても、女性用品や乳幼児用品の生活必需品が不足したり、授乳や着がえをするための場所がなかったりということがありました。県は、県の地域防災計画の定めるところによって、市町村が飲料水、食料、毛布、簡易トイレ等生活に必要な物資の供給または調達が困難な場合に備えて、県内の各地域に物資を備蓄し、定期的に点検及び更新を行うものとすることになっておりますが、平成30年度はどのような取り組み、そして改善を行ってきたのかお伺いしたいと思います。
 平成25年10月に市町村の備蓄状況に関する調査を県は行っておりますが、その結果によりますと、県内全市町村において被災者用の備蓄を実施しているとのことでしたが、乳幼児及び妊産婦に配慮した物資等については、男女共同参画の視点からの防災、復興の取り組み指針の趣旨を踏まえた備蓄となっているのか、また、県の備蓄は十分との認識か、まずはお伺いいたします。
〇佐々木総合防災室長 まず、備蓄に関します昨年度の取り組みでございます。
 県では備蓄方針を定めておりまして、それによって、計画的に例えばアルファ米や栄養補助食品、飲料水といった基幹となる部分の備蓄を進めているところでございまして、それにつきまして、昨年度、必要な部分の備蓄を進めたところでございます。
 それから、後段の男女共同参画の視点を踏まえた備蓄についてでございますけれども、県の地域防災計画におきましては、市町村の役割として、乳幼児、妊産婦等の要配慮者に配慮するということを規定しているところでございます。被災者の生活を支えるための備蓄につきましては、避難所運営等を担う市町村に対しまして、女性や高齢者、障がい者、乳幼児及び妊産婦等の要配慮者に配慮した物資の調達の働きかけを行っているところでございます。
 市町村の具体の動きでございますけれども、市町村によってばらつきはございますが、例えば粉ミルク、子供用、大人用の紙おむつの備蓄を進めているところがございますし、新たに液体ミルクの備蓄を始めた市町村もあるところでございます。
 今後におきましても、市町村において男女共同参画の視点を取り入れた備蓄が進められるように、先行して取り組んでいる市町村の状況も御提供するなどしまして、男女共同参画の視点で備蓄が進むように取り組んでまいります。
〇吉田敬子委員 先ほどの答弁だと市町村によってはばらつきがあるということで、私は、県の役割として、そのばらつきがある状態は防災、減災対策としてはいけないのではないかという認識ですけれども、県はこれでよしとしているのでしょうか、お伺いいたしたいと思います。
〇佐々木総合防災室長 要配慮者向けの備蓄という考え方でございますけれども、災害が発生したとき二つの方法があると捉えているところでございまして、一つは、それぞれの市町村あるいは補完する県の役割として備蓄をしておいたものを御提供するやり方、それからもう一つは、関係する団体や企業と日ごろから協定を結んでおりますので、その協定に基づきまして速やかに被災地にお届けするというやり方があると考えてございます。
 市町村でも、先ほどばらつきというお話を申し上げましたが、そこの部分は、県としても働きかけはしっかり行っていきますが、市町村の判断というところも出てくるかと思っております。
 県といたしましては、それを補う役割も持つ協定の部分を最大限生かしまして、被災した方がお困りにならないように最善を尽くしてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 確かに市町村のそれぞれの判断でということもあるとは思うのですけれども、協定を結んでいるところも、災害時に必要量を調達できるようにということで、今後それも必要に応じてやっていく必要があると思います。各市町村に最低限このくらいはしっかりやってくださいと県としてガイドラインなりをつくったりすることが必要だと現状思っております。
 私が調べたところによりますと、東京都や愛知県では、妊産婦、乳幼児を守る災害対策ガイドラインを実際につくっておりまして、これは、各市町村にもこのくらいは最低限やってくださいと。妊産婦については、妊娠初期、中期、後期、産婦に分けて、こういう状況があるということをしっかり市町村にお伝えしているのと、備蓄についても、紙おむつはこういうものが必要で離乳食がこうで、液体ミルクの話もありましたけれども、細かく設定されております。兵庫県では、当時あちらでも神戸の震災があったのを契機に母と子の防災・減災ハンドブックというものをつくっております。
 災害時の要援護者の中には、もちろん乳幼児と妊産婦だけではなく高齢者の方、障がい者の方等いらっしゃいますけれども、特に乳幼児、妊産婦の方が避難所ですごく肩身の狭い思いをしている経験は東日本大震災津波でもありました。私たちは、その経験と教訓を踏まえたものをしっかり被災地としてつくっていくことは大事だと思っております。県としてそういったことをぜひ検討していただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
〇佐々木総合防災室長 備蓄といった場合、手前どもの考え方とすると、市町村で足らないものは備蓄しておこうと。それから、県でそれを補うための備蓄を必要なものはしていこうという視点になってしまうわけですけれども、今、避難所というお話が出ました。まさしく被災した方が当面の間、そこで生活せざるを得ないのが避難所でございますので、避難所で必要なもの、避難所でどのように運営をしていくかといった部分がかなり要素として入ってくるかと思っております。その辺の対応につきましては、担当部局ともよく相談をしながら、県として必要な対応をとってまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 避難所の運営についてのお話をさせていただきましたけれども、実際には避難所の運営マニュアルというのは各市町村でつくられているのでしょうか。
〇佐々木総合防災室長 避難所運営マニュアルにつきましては、まず県の担当部局でつくったものがございまして、それを参考にしながら、県内の、たしか十幾つだったと思いましたけれども市町村でもマニュアルをつくって、被災者の方が、そこで生活すると言うとちょっと語弊がありますけれども、過ごすのに役立つようにという形でつくっているのがあると承知しているところでございます。
〇吉田敬子委員 避難所の運営マニュアルは、私がいろいろ調べた資料の中では、市町村では半分のところがつくっているのかなと。何かこれもちょっと曖昧な資料だったので、済みません、もし間違っていたら後で訂正したいと思います。
 そういった避難所の運営マニュアルも、中身を見ると妊産婦とか乳幼児に配慮したところが書いていないところも実際にありまして、マニュアルはあるけれども、実際に本当にどこまで避難所それぞれで対応できるかというのも私はまだまだ課題があると思っております。ぜひガイドラインも含めた、避難所運営も含めた、備蓄も含めた、県全体として各市町村全部がしっかり防災対策になるように取り組んでいただきたいと思っております。
 次に、自主防災組織の取り組みについてお伺いしたいと思います。
 先ほどほかの委員の皆さんからお話がありましたので割愛させていただきますが、自主防災組織の取り組みの中で県では1年に1回研修をされておりますけれども、男女共同参画の視点からの災害対応の研修や自主防災組織における女性の参画を促進するとともに、リーダーに複数の女性が含まれるようにという取り組みについてはどのような取り組みをされているのかお伺いしたいと思います。
〇栗澤防災消防課長 自主防災組織の人材育成等についてでございますが、県で開催している研修会や会議につきましては、基本的には、市町村と連携して参加者の報告をいただきながら取りまとめし、実行しているものでございます。
 男女共同参画の視点ということでございますけれども、平成29年度に実施しました自主防災組織の実態調査の結果によりますと、組織の9割が町内会と同一組織で運営しているという状況でございます。その実態を捉えますと、県が主導して役員の女性比率を上げるという直接的な指導は難しい面があると思っておりますが、今後、県が行う研修会や会議等におきまして、女性視点での活動や災害対応の重要性や必要性についてきちんと説明して理解を求めていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 ということは、例えば先ほど私のお話ししました妊産婦や乳幼児がいる場合の避難所の運営のあり方や備蓄についてのお話を研修では余りされていないということ。というか、そういうことはどうされているかお伺いしたのですが、お願いいたします。
〇栗澤防災消防課長 基本的には、正直申しまして、参加している男女比率は、圧倒的に男性が多うございます。ですので、研修のカリキュラム上も、これまではそういう視点に特化したカリキュラムでは多分なかったのだろうと反省しております。
〇吉田敬子委員 ぜひ研修の内容も見直していただきたいですし、先ほどの備蓄や避難所の運営について市町村それぞれだといっても、各自治体もそうですけれども、避難所それぞれで運営する地域の皆さんが女性の視点がないような取り組みになってしまっていては……。自主防災組織をつくるだけでなく、やっぱり中身が大事だと思っております。私はこれまでの研修の内容はしっかり改めていただいて、ほとんど男性ということで、本来は女性の比率を上げていただくことも重要ですけれども、まずは今現在でできることをやるためには、やはり男性の皆さんにもそういった視点でしっかり取り組んでいただくことを県がこの研修でやるべきだと思っております。
 その件に関して先ほどの今後の取り組みと、つながってしまうのですけれども、やはり私はガイドラインをしっかりつくった上で各市町村に対しても取り組みをすると自主防災も含めたものに通じるのではないかと思っておりますので、ぜひ妊産婦、乳幼児を守る災害対策についてのガイドラインをしっかり県として取り組んでいただきたいと思いますが、部長にお伺いしたいと思います。
〇八重樫総務部長 まず、先ほどの御質問でありました県内市町村が避難所運営マニュアルをどのくらいつくっているかについてですけれども、県で避難所運営ガイドラインをつくっておりまして、それを参考に市町村が市町村避難所運営マニュアルをつくっているのですけれども、それは県内33市町村中、20市町村で策定済みです。それをもとに避難所運営を行っているのですけれども、まさに地域特性であったり、先ほど委員から御提言があったとおり、女性であったり高齢者、障がい者等のニーズを踏まえた避難所の運営を行うというところをマニュアルの作成を通して市町村に対して働きかけているところでございます。
 あわせて、男女がバランスよく参画して、男女の違い等に十分に配慮した防災対策を行っていくことは非常に重要ですので、委員からお話のあった自主防災組織の研修の内容も含めて、防災対策の推進に向けた活動が男女共同参画の視点で行われるように、市町村に対して適切な助言を行っていきたいと考えております。
〇千葉絢子委員 私は、職員の人材育成について何点か質問させていただきたいと思います。
 本県は、東日本大震災津波や人口減少、また全国的な人手不足の傾向などの理由もありまして、業務遂行の上で必要とされる職員数、職種など、県職員の皆さんにも欠員が生じていると承知しております。先ほど臼澤委員への答弁の中では69人が欠員、うち総合土木職が18人で多いということですけれども、年代や分野など、そのほかの部分のばらつきについて最近の傾向があればお知らせいただきたいと思います。
〇佐藤人事課総括課長 欠員数についての年代や職種のばらつきという点と理解しましたけれども、欠員につきましては、欠員の内容、職種ということはございますけれども、欠員についての年代の内訳はないところでございますので、この点は御了承いただければと思います。
 分野と申しますか職種という意味でいいますと、やはり一般行政職が基本的には多くて、先ほど言った69人の中では30名となっておりますし、専門職種ということで申し上げますと、先ほど御答弁申し上げたとおり、総合土木職の18名が一番多い状況でございます。
〇千葉絢子委員 いただいていた職員の年齢構成などについての資料を見ますと、42歳以下が一気に減ってきているという印象を受けております。一番多いのは50代ですけれども、今一番少ないのが30歳、31歳のあたりと思いますが、ここは3分の1くらいになっているわけですよね。10年後の職員の年齢構成とかいろいろ職種などについて考えますと、やはり強化しなければいけない部分も出てくるのだろうと思います。
 40歳以下の方々は就職氷河期と言われる年代でありまして、民間企業でも管理的地位にいる職員の―高校生も含めてですけれども―層の薄さというものが問題になっておりまして、国のほうでも、大体ロストジェネレーションと言われている20年間に社会に出ていった年代、40代と30代後半を含めて正職員への採用をふやしていこうという取り組みが進められようとしているところでありますけれども、県職員の採用試験における倍率は最近どうなっているか、また受験者の男女比、また受験する人の傾向―県内か県外かというところも傾向が出ているのであればお知らせいただきたいと思います。
〇佐藤人事課総括課長 採用試験における倍率、応募者の男女比等の傾向でございますけれども、まず、採用試験の倍率につきましては、昨年度―平成30年度ですと、全職種合わせて3.9倍となっております。平成29年度が4.1倍ですので、0.2ポイント減という状況となっております。
 それから、採用試験の応募者の男女比を申し上げますと、平成30年度の女性の割合ですと37.1%。これは、前年度の平成29年度が37.5%となっておりますので、0.4ポイント減という状況でございます。
 あと、採用試験を受ける中に他県から何人ぐらい来ているかといった状況につきましては、大変申しわけございませんが、今、資料がございませんので、後ほどお答え申し上げたいと思います。
〇千葉絢子委員 採用した職員に占める女性の割合は年々上がってきている。平成31年度―今年度は平成30年度に比べると全体と一般事務職は落ちてはおりますけれども、中でも女性の占める割合もだんだん上がってきているという傾向が見てとれると思います。
 職員を確保する上で、現在、岩手県が抱えている困難と対策、また、今後の採用における方針などについてありましたらお聞かせいただきたいと思います。
〇佐藤人事課総括課長 県の取り組みといたしましては、採用の関係、特別募集を含めて新規採用職員を大幅に拡大してきましたほか、任期付職員、再任用職員の採用、応援職員の受け入れなど、多様な方策によりまして必要な人員の確保に取り組んでまいりました。
 こうした取り組みを通じまして、欠員数については先ほども申し上げたとおり減少傾向でございますが、一方で、先ほどもお話ししたところですが、採用内定後の辞退、あるいは復興需要の増大、民間企業との競合といった点で受験者が少ないという課題がございます。
 このため、採用のほうでは新卒者に加えて民間等経験者のための採用枠を設けておりますほか、一般行政職Aでいえば専門記述式試験の廃止といった受験者の負担軽減も図ってきたところでございます。また、新規採用職員の確保に向けましては、インターンシップや大学訪問等の実施を通じて採用試験受験者の確保の強化を図ってきたところでございます。
 今後も、人事委員会とも十分連携を図りながら、こうした取り組みをしっかりと進めていきたいと考えております。
〇千葉絢子委員 やはり問題は、中堅職員の層の薄さだと思います。ただ、やはり民間も同じ時期に採用が減ったことから、同じく事業承継などについても支障を来している企業が県内にも多いところです。なので、民間との人の奪い合いにならないような配慮はすべきだと思っておりまして、その年代の実数をふやす取り組みももちろんですが、私は、この少ない層の一人一人を、戦力としてしっかり育てていくという観点が必要であると考えております。
 辞退者が多い。先ほど臼澤委員へ26.5%辞退をしたという御答弁がありましたけれども、ということは、岩手県職員になる、仲間となる方々に選ばれていない理由が何かあるのではないかと思います。それは民間企業だけではなく、景気が悪いときには公務員志向も高まっておりましたので、辞退者が26.5%、4分の1を超えているということはやはり何らかの原因があるのではないかということも少し考慮しなくては、これからの採用計画などにもなかなか有効な解決策、打開策を見つけられないのではないかと私は危惧しております。
 実際、大学へ赴いたりインターンシップの実施などをしているということですけれども、採用の後のフォローアップをいかにしていくかという観点も大事だと思います。地方公務員法第39条では、職員は、勤務能率の発揮及び増進のために研修を受ける機会が保障されているわけです。昨年度の決算ベースでいきますと、この研修に充てられた費用5、290万円が計上、そして執行されているわけで、研修を受けた職員は全部で3、723人と承っております。
 岩手県としてはどんな人材を職員として求めているか、また、岩手県職員となる若者に選ばれるために、求められていることは何だと思っていらっしゃいますでしょうか。
〇佐藤人事課総括課長 まず、求められる県職員像という点でございますけれども、やはり社会情勢が変化する中にあって、複雑多様化する県民ニーズに対応して、県民とともに地域課題の解決に取り組んでいくことが必要であると考えております。そこで、県民計画におきましても、目指す職員像としまして、高い先見性とグローバルな視点を備え、世界の中の岩手を意識しながら、県民視点で県全体の利益を追求する職員というものを掲げたところでございます。
 その実現に向けましては、やはり職員の能力向上の一層の充実強化が非常に大事であると考えております。行政経営プランの中におきましても、地域課題に対応できる職員の確保、育成、あるいは若手、女性職員の活躍支援、管理監督者のマネジメント向上などに重点的に取り組んでいくと計画の中で書いたところでございます。
 辞退者という部分についてですけれども、辞退の理由のところを見ますと、理由としましては併願先の他の自治体へ進んだというのが多かったわけでありますけれども、やはり現在働いている職員が、働きやすい職場の環境をしっかりつくっていくことが受験者の確保にもつながってくるものと考えております。受験者確保の取り組み、あるいは人材育成の取り組みといったものを一体的に進めていく必要があると考えております。
〇千葉絢子委員 今、求められる県職員像というところもお伺いしたところで、それもしっかりと行政経営プランに入っているということですが、それに合致する研修内容に今の段階でなっているか。変化に対応し、住民のニーズに応えられる人材を育てるための研修が有効に行われているのかなというところを見直す必要もあるのではないかと私は思っております。
 今、御答弁ありましたように、能率だけでなく、やはり能力開発も必要な研修になってくると思います。職員の能力開発に関しては、国内の自治体で、北海道が2カ所、そして愛知県、兵庫県、岐阜県、山梨県など、条例に職員の能力開発を定めている自治体も出てきております。ほかの自治体に人材を奪われないためにも、医師の県内定着を目指した研修プログラムを組むように、やはり県職員にとっても魅力のある、岩手県職員として就職する際に魅力を感じるような研修プログラムがあってもいいのではないかと私は思っております。
 現在の職員年齢構成を考えますと、10年後の幹部になっていく年代、今の40代前半の人たちが非常に少ない。そして、30代にかけてどんどん減っていくというピラミッドになっているわけです。それを考えると、次期幹部職員候補者や現在の管理職職員に、来るべき10年後に備えて、例えば県財政や、それに基づいた政策をシミュレーションしておくことで、高齢化のピークや税収減が確実視されている将来への思考トレーニングができるのではないかと考えております。それによって、たとえ全体の職員数がこのまま推移していくとしたとしても、一人一人が自分の考えを持ち、そして対話を重ねていくことで一人一人が貴重な戦力になっていけるのではないかと思っております。
 政策をつくって自治体を運営していく職員の能力を高めるためには、政策の根拠となる財政について職員の皆さん一人一人がしっかりと知ること、そして将来的に住民を交えた自治体戦略2040構想の目指すプラットフォームになっていく取り組みが今から求められていると思いますけれども、財政的なレクチャーや、それについての県職員としての―非公式でもいいです―研究、それから考察についての必要性についてはどのようにお考えでしょうか。
〇佐藤人事課総括課長 まず最初に、県財政に関する現状としての県の研修はどのようなものがあるかお話し申し上げたいと思うのですが、今、新採用職員がふえてきている状況で、今後の県政を担う職員という意味では、基礎的な執務能力の一つとして新採用職員にもこういった財政面の研修を行う必要があると考えておりまして、今、新採用職員研修でも財政の仕組みや歳入についての講義を行っているほか、採用後6年目の中堅の研修におきましても予算事務に関する講義などを行っております。それから、外部の民間主催の研修、あるいは国の研修機関である自治大学校に職員を主査級あるいは総括課長級、副部長級も含めて派遣して、今後の財政運営のあり方や、財務の視点から組織を経営するためのマネジメントの考え方について学ぶ機会を設けております。
 さらには、委員から御指摘もありましたとおり、県財政についてしっかり職員が理解した上で今後の施策を検討していくことが必要と考えておりますので、今年度においては、県の幹部職員を講師として、職員の実践的な課題解決能力の向上に向けた研修を幾つか進めております。この中で、地方財政制度や県財政に精通した幹部職員によって県財政の課題や今後の財政見通し等について講義を行って、県職員の財政に係る理解向上に努めていきたいと考えております。
〇千葉絢子委員 いただいていた研修のものだと、県の人事課と産業能率大学の用意しているプログラムは非常に充実しております。一方で、民間のトップマネジメント研修や管理研修、女性管理監督者研修などについては、ちょっと参加者が少ないかなと思っております。これからの自治体経営を考えていきますと、若者に選ばれる、民間ではなく県職員としての道を選んでもらうために、もっと人材育成や採用に投資をしてもいいのではないかと―人的な投資も含めて。
 いずれ人口が減っていきますし、それに伴って必要とされる職員の数も減っていくのかもしれません。人口の割合に対して公務員の人数が多いとなると今度は民間の税収の部分でも収入が減っていくことにもつながってきますので、やはり適当な数というのも検討されていくのだと思いますけれども、職員数が減っていくということは、課題解決策を考える人数も減っていくということにつながるのですよね。そうすると、政策とか収支ギャップをどうするか、15億円から26億円ずつ毎年ふえていく社会保障費をどういうふうに補っていくかという金策の部分を考えることのできる職員の育成というのは、ちゃんと投資をして、今から始めるべきだと私は思っております。
 それを申し上げて、質問を終わりたいと思います。ぜひ人材育成にしっかり来年度も取り組んでいただきますようにお願い申し上げます。
〇佐々木朋和委員 私からも、平成30年度防災費に関連してお伺いしたいと思いますが、冒頭、発災以来、対応いただいている関係課の皆様に心から敬意を表させていただきたいと思います。でも、大事なことなので、質問させていただきます。
 県は、平成30年度主要施策の成果に関する説明書・いわて県民計画実施状況報告書において、風水害対策チームによる市町村への支援を行う等、関係機関が連携した防災体制の充実強化に取り組んだとしておりますけれども、その取り組みがどのように今回の台風第19号対応に生かされたのかという観点から伺いたいと思います。
 県は、今回、風水害対策支援チームからの助言に基づいて、2度、平成28年台風第10号をしのぐような暴風雨が予想され、日中の避難完了が望ましい旨、対象自治体に助言をしておりますが、実際、各自治体が避難指示を出したのは、早いところで夜8時、多くが夜中の0時過ぎです。各自治体に県の本意は伝わっていたのか、日ごろより風水害対策支援チームを含めた県と自治体との意思疎通にどのように取り組んでいたのか伺いたいと思います。
〇佐々木総合防災室長 県と市町村との意思疎通でございますが、県におきましては、今回の台風第19号の接近に際し、市町村の警戒態勢の構築のため、お話が出ました風水害対策支援チーム会議を開催いたしまして、市町村に対し、特に警戒を要する地域や明るい時間帯に避難を完了すること等について2回の助言を行い、必要な対応を促したところでございます。
 市町村が発令した避難指示(緊急)につきましては、それぞれの市町村において、気象台が発令する土砂災害警戒情報や大雨特別警報を受けて発令したものもあると捉えているところでございますが、災害発生のおそれがあり、全員避難を促す避難勧告につきましては、今回、大雨特別警報が発令されたほとんどの市町村におきまして12日土曜日の17時までには発令されており、住民に対する早期の避難勧告がなされたものと認識しております。
 また、平常時におきましても、風水害対策支援チームの構成員であります有識者、気象台と連携いたしまして、防災気象情報の活用、災害時における初動対応等につきまして市町村職員向けの研修会を県内各地で実施し、災害時に必要な知識と行動について市町村と共有を図ってきたところでございます。
〇佐々木朋和委員 今、御答弁をいただきましたけれども、我々議員にも発災当初よりまとまったデータをメール等で送っていただいてありがたく思っておりますが、12日17時現在の資料によりますと、避難対象者が86万7、241人中、避難者数―これは避難所に行った方ということでありますから、避難所に行かないで避難した方ももちろんいるわけですけれども、その数が839人と。避難勧告が出ているときであってもその数でありまして、一方、その後に送っていただきました13日の朝6時現在になりますと、対象者が91万9、234人、うち避難した方が9、930人にまで多くなっているということであります。この数字を見ますと、一概には言えませんが、やはり多くの方が夜に、または避難指示が出てから避難したのではないかと認識しているところでございます。
 こういったデータも含めて、県は、助言をしましたと。日中に避難完了が望ましいという旨の助言をしているわけでありますが、そういった状況をつくり出すことができたと考えていらっしゃいますか。
〇佐々木総合防災室長 今、実際の避難者数についてお話をいただいたところでございます。手前どもで押さえている数字でも、確かに12日17時の時点では避難している方はまだまだ少なく、翌日の6時の時点になって1万人近い方が避難されているという押さえ方をしております。
 その原因を考えていくと、この数字自体が、市町村が県の持っているシステムに入力した時間で入ってくるということがありまして、実際には避難した方をその場でカウントした数字が積み上がってくるものではない。いわゆるタイムラグが一定程度あると考えているところでございます。
 そのあたりにつきましては、市町村からも、実際に具体的な数字をきちっと押さえることは難しいかもしれませんが、避難所の肌感覚的な部分で、実際どうだったかというのは確認しておく必要があると捉えているところでございます。
〇佐々木朋和委員 タイムラグがあるということでしたけれども、いずれ、夜中の避難について、今回、岩手県では避難をしている途中に命を落としたといった事案は出なかったと認識しておりますけれども、他県の状況を見ますと、そういったことで亡くなった方、あるいは危機一髪という状況がテレビ等でも流されているところであります。そういった中にあっては、今回、助言という形でやっていただいたのですけれども、それが、避難勧告を出したからよかったと言っていいのかということはやっぱり検証が必要だと思っております。
 そういった中で、助言という形、我々には文書で、八重樫総務部長の名前で市町村長に出されたということでありますけれども、実際には助言というのはどういった形でなされているのですか。
〇佐々木総合防災室長 県から市町村への助言の方法といたしましては、ファクスや電子メールで紙のものをしっかり送るのが一つございます。それと並行して、県からホットラインという形で、市町村の例えば首長やその次の方に直接、こういう状況でありますので、紙をきちっと送りました、それもごらんください、注意をしっかりとってくださいと、紙にまとめた助言の趣旨をしっかりお伝えして、市町村でいち早く警戒態勢をとっていただくという形のお願いをしているところでございます。
〇佐々木朋和委員 今の答弁だと一般論としてという話でしたけれども、今回の台風第19号災害のときには、どなたが各市町村に、首長なのか、それともその下の段階でという話もありましたけれども、どの段階の助言というのをされたのでしょうか。
〇佐々木総合防災室長 誰が誰にという理解をしたところでございますが、一つは、総合防災室の管理職が首長や、あとは次の副首長といった方にお電話をして直接お話し申し上げる。あとは紙のものをファクスなり電子メールという形でお送りするという形をとっております。
〇佐々木朋和委員 もう一つお聞きしたいと思いますが、我々も改選期前、防災・減災対策調査特別委員会を設けまして、その調査で平成28年台風第10号被害のとき盛岡地方気象台におられた和田台長に来ていただいてお話を伺ったとき、気象台から直接、県や各市町村の首長にホットラインをつなげて、危機があるときには気象台からも積極的に避難勧告等を出すようにという助言を行っているという話もありましたが、今回は気象台からはどういった取り組みが行われたのでしょうか。
〇佐々木総合防災室長 盛岡地方気象台から市町村への助言ということについてでございます。
 本県で大雨特別警報が発表される前の10月13日0時20分から0時38分までの間に、県、宮古地区、釜石地区、大船渡地区、一関市の計10市町村に対しまして、盛岡気象台長御本人からホットラインで特別警報発表の予告と注意喚起の連絡が行ったところでございます。
 また、久慈地区の4市町村に対しましては、大雨特別警報発表後になりましたが、13日1時55分から1時59分の間に盛岡地方気象台の防災気象官からホットラインで特別警報発表と注意喚起の連絡を申し上げたところでございます。
〇佐々木朋和委員 今、0時20分という話がございました。大雨特別警報は0時40分の発令だったと思います。そういった中で、夜中にそういった警報をいただいても、それから避難指示が出ても、実際、避難をすべき皆さんたちは動けないのではないかと感じているところです。そういったところを考えれば、気象台も含めて、夜間の避難のあり方、警報の出し方というところももっと考えなければいけないのではないかと思いますけれども、その点についての所感を伺いたいと思います。
〇佐々木総合防災室長 警報の出し方と夜間の避難についてでございますが、国では、大雨特別警報は、避難指示(緊急)の次元をはるかに超える現象をターゲットとして発表するものとしておりまして、また、避難勧告が発表され次第、避難指示(緊急)を待たずに速やかに避難することを求めているところでございます。
 その一方で、住民に速やかな避難を求める避難勧告と避難指示(緊急)が同じレベル4に混在している。その上のレベル5相当に、今回、深夜に発表された大雨特別警報が位置づけられているという状況が、避難をする方の心理や避難行動に影響を与える面があるのではないかという印象を持っているところでございます。
 今回の台風第19号災害におきましては、全国で死者、行方不明者が約100名に上っていることも踏まえて、気象警報などの情報伝達や避難のあり方については国において何らかの検討が行われる可能性もあるのではないかと考えているところでございます。
 いずれ、今回の台風第19号におきましては、ほとんどの沿岸市町村で12日午後2時半から午後5時までの間に避難勧告は発令しておりますので、やはり、今のやり方が続くとすれば、避難勧告が発令され次第、速やかに避難することの必要性について、引き続きしっかりと伝えていく必要があると感じているところでございます。
〇佐々木朋和委員 今、印象ですね。検証はこれからでしょうから、言いにくいところで率直な話をしていただいたと感謝申し上げたいと思います。ぜひそこを県としてもまとめていただいて、国に要望するべきところをしっかりと要望していただきたいと思います。
 一方で、今の話でありますと、避難勧告には県民の皆さんが即座に避難をしなければいけないという印象をそれほど持っていないのではないかと。時間的なタイムラグがあるとしてもこの数字から見える可能性もありますから、その点についても、また、夜中には垂直避難ということも含めてしっかりと啓発をしていただきたいと思います。
 部長にお聞きしたいと思いますが、今回の新しいアクションプランの中には、風水害対策支援チームによる市町村の避難勧告等の発令支援というのが明記されております。そういった中にあっては、今の助言という部分を超える、もっと熱のこもった、やらなければいけないのだというところが伝わるような助言も必要なのだろうと思います。各部局を通しての助言ということもありますが、やはり政治家同士、首長に対して知事からしっかりとそういった危機感を伝えていただくことも重要だと思います。これまで、そういったトップ同士のホットラインの構築のための動きはしてきたのでしょうか。また、今後ぜひ必要と思いますが、御所見を伺いたいと思います。
〇八重樫総務部長 避難勧告、避難指示(緊急)の違いがわかりにくいというお話もございましたし、いずれ、今回の深夜の避難等々については、市町村から実際の避難状況を確認しながら、より適切な住民避難につなげるよう取り組んでまいりたいと思いますし、さまざまお話もいただきました。
 風水害対策支援チームによる助言というのは、平成28年台風第10号災害を踏まえて岩手県が独自に行っているやり方でありまして、今回、何回目かの助言でありましたけれども、やはりその助言のタイミングや中身をどうしたらいいかということは、今回の災害対応も踏まえて検証していかなければならないと考えております。実際その助言を受け取った市町村の意見も伺いながら、必要な対応を整理して、市町村も含め全県的な防災対策のあり方について考えていきたいと思っております。
〇佐々木朋和委員 いずれ、先ほど来議論がありますが、専従の職員もいない自治体もある中で、やはり専門的な知識を持っているのは県だと思いますので、ぜひ空振りを恐れないというような思いで、後押しをするような助言をしていただきたいと思います。
 室長に戻りたいと思いますけれども、次期アクションプランの目標値を見ますと、避難勧告発令等の基準を策定した市町村を目標にしておりまして、今現在が21市町村で、2022年の4年後になっても30市町村ということで全県まで及ばないということです。今の台風のおそれを考えると、それで間に合うのかという思いがするわけです。
 基準をつくるというのはそれほどに時間のかかる難しいことなのでしょうか。また、この目標の前倒しは考えられないのか、この点についてお伺いしたいのと、あともう一つ、今の災害救助法あるいは生活者再建支援法を見ると―これの改正をしていくのが一番ですが、1メートル以下の水害に対してはなかなか支援がないという中で、3年、5年のうちに畳が全部だめだった、テレビが全部だめだった、空調の室外機がだめになったといったことが頻繁に起こるようでは、別な意味で命の危険があると私は思うのです。そういったときには、早目の案内の中に、家財道具を2階に上げましょうとか、そういった財産を守る工夫というか勧告も必要なのではないかと思うのですが、この2点についてお聞きして終わりたいと思います。
〇佐々木総合防災室長 まず、前段の前倒しのお話でございます。これにつきましては、これまでとは違って、今回、台風第19号という大きな災害を沿岸の多くの市町村が経験した。それから内陸の市町村もその状況をつぶさに見ていたということがありますので、そこは市町村も今までより以上に本気になっていただけるものと考えておりますので、そこはしっかり働きかけをしてまいりたいと考えております。
 それから、後段の部分につきましては、防災の担当として、まずは人命を守ることを第一に取り組んでいるところでございますが、おっしゃるとおりその後の生活を考えると、やはり家財道具を上に上げるといったことも必要でございます。ただ、メッセージが多岐にわたりますと埋もれてしまうところもありますので、そのあたりは市町村の御意見も頂戴しながら、まずは人命を守るということを第一に置いて対応を考えてまいりたいと思います。
〇佐々木茂光副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後3時2分 休 憩
午後3時18分 再開
〇佐藤ケイ子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇佐藤人事課総括課長 先ほど千葉絢子委員の御質問の中で、採用に当たりまして出身地のお尋ねがございましたけれども、平成30年度のI種試験、大学卒業程度の試験になりますが、この最終合格者の方の採用に当たって把握した住所について申し上げますと、50.7%が県内居住ということでございます。県外には、やはり大学等で通っている場合等も含まれるものと考えております。
〇佐藤ケイ子委員長 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日10人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行します。
〇斉藤信委員 それでは、この間の決算額の推移について最初にお聞きします。総額と通常分と震災分のこの間の決算額はどう推移していますか。
〇小原財政課総括課長 東日本大震災津波発災以降、平成23年度からの普通会計ベースでの歳出決算額の推移でございますが、平成23年度は総額で1兆2、511億円余、うち通常分が7、253億円余、震災対応分が5、258億円余となっております。
 以後、震災対応分の減に伴いまして、総額はおおむね減少基調で推移しておりまして、平成30年度決算は総額で9、577億円余、うち通常分が6、629億円余、震災対応分が2、947億円余となっているところでございます。
〇斉藤信委員 累計も示してくれますか。
〇小原財政課総括課長 累計でございますけれども、平成23年度から平成30年度までの決算の累計ということで、まず、総額は8兆3、686億円余、うち通常分が5兆3、010億円余、震災対応分が3兆667億円余となっているところでございます。
〇斉藤信委員 平成30年度までだと8年間ということになりますけれども、震災対応分で3兆円を超える決算額になっていると。ただ、着実に減少して、恐らく今年度はさらに震災対応分の比率は大幅に下がると思うので、これが県内経済に与える影響をよく把握して対応していただきたい。
 次に、平成28年台風第10号災害の教訓を踏まえた台風第19号への対応について、その教訓と今後の課題についてどう受けとめていますか。
〇佐々木総合防災室長 今回の台風第19号につきましては、本県だけではなく、南東北でありましたり千葉県、長野県といったところを見ますと、やはりハードでは守り切れない場合があるということが強く突きつけられた課題だと認識しているところでございます。
 また、先ほど来も議論がございましたが、県の災害情報システムに市町村が入力した数字を見ますと、夜中に県民の方が避難する形となっていると。実態については市町村に聞かなければならないとは思っておりますが、数字上はそういうものがありますので、そこも突きつけられた課題だと認識しております。
 私も重茂半島の被災現場を見てまいりましたが、濁流で家が流されて下流のほうでめちゃめちゃになって積まれているところも実際に生で見てきたところでございます。お話をお聞きすると、幸いその住民の方は、地区の方に誘われて避難しておって無事だったということを聞きまして、本当にほっとしたところでございました。
 やはり命を守るためには、とにかく早く避難することが今回の教訓であり、課題であり、改めて再認識したところでございますので、とにかく災害で危険があるときには、まず早く避難しなければならないのだということを、今後しっかり県民の皆さんにも訴えていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 先ほど佐々木朋和委員も避難のあり方、勧告のあり方について取り上げました。実は、昨日の岩手日報の論壇に斎藤徳美先生が、災害避難情報の再検討をという小論文で指摘しておりました。私も全く同感で、今、室長が夜の避難の問題が課題だと指摘しましたが、私は、やはりリアリズムに夜の避難がどうだったのかということを把握しているかどうかお聞きしたい。
〇佐々木総合防災室長 夜の避難の実態というお尋ねでございます。
 手前どもでは、市町村が災害情報システムという県と市町村で情報共有しているものがありまして、そこに避難所に何人避難したという数字を入力していまして、その数字をもって、どのタイミングで、どのぐらいの方が避難所にいるかを把握しているという捉え方でございます。
 実際にどうだったかについては、まだ市町村も災害対応でばたばたと忙しい状況が続いていますので、時期を見て、そう遠くないタイミングで、実際はどうだったかというところはきちんと確認しておきたいと考えております。
〇斉藤信委員 斎藤徳美先生の指摘ではこうなっているのですよ。県の災害情報システムによると、12日午後5時57分の県内避難者総数は2、039人、同午後10時で6、686人、13日午前6時3分で9、930人と。
 県の災害情報システムだから、誤差があったとしてもデータはデータとしてわかるわけではないですか。そうしますと、12日の午後5時57分の2、039人と13日の午後6時3分を比較すると差が7、891人です。夜10時の6、686人と翌日の6時3分を比較すると、3、244人が夜、真夜中に避難したと。これは本当に問題だと思うのですよ。夜というのは、どこで洪水が発生しているかわからない。見えないですから。10月25日、26日の豪雨災害でも、車中で犠牲になったのが約半分と言われております。だから夜の避難はかえって危ないと。
 そこで、斎藤徳美先生は、こういうことも指摘しているのですね。確かに、ほとんどの市町村は12日午後3時までに避難準備、高齢者等避難開始を勧告した。釜石市や岩泉町などは、午後2時30分に避難勧告を発令。恐らく午後5時までには各沿岸市町村が発令。しかし、避難指示(緊急)は、最も早い大槌町でも午後8時と夜になってからであり、13日未明になってようやく発令した自治体もあると。避難勧告では住民の避難行動に結びつかず、避難指示の発令が遅きに失したとの課題が浮き上がるという大変厳しい指摘なのですけれども、どう受けとめていますか。
〇佐々木総合防災室長 災害情報システムの数字はもちろん数字としてありますし、仮にタイムラグがあるとしても、それがどのぐらいなのかということもありますので、やはり夜間にかなりの方が避難したことは、そういう形として受けとめざるを得ないと考えているところでございます。
 あと、先ほどの佐々木朋和委員のときにも申し上げたのですけれども、今の国の出し方が、レベル4で避難勧告がまずある。同じレベル4で、今度は避難指示(緊急)がある。その上にさらに大雨特別警報がある。これがレベル5相当という位置づけになっていますので、避難しようかなと思っている方からすると、まだ避難勧告だ、あるいは避難指示(緊急)が出ていても、まだ大雨特別警報は出ていないといったような心理的な部分の影響もあるのではないかと。これは個人的な感想に近いものでございますけれども、そういうふうに受けとめているところでございます。
 国でも、今回、全国で約100名の方が亡くなられていますので、そういった実態も踏まえて、恐らくは検証も行われるのではないかと思っております。そういったものはしっかり注視しながら、今後どういう対応が必要かということは考えてまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 平成28年台風第10号災害の教訓で、風水害対策支援チームが2度にわたって助言した。これは私は適切な助言だったと思いますよ。しかし、市町村の中には、避難勧告、避難指示をどう出すかについての共通認識がまだないのではないかと。そういう点は、ぜひ今回の経験、教訓をしっかり深めていただきたい。
 改めて、私は気象庁のわかりやすい資料を見たのですけれども、今、警戒レベルは5段階なのですね。例えば、大雨洪水警報が出れば避難準備、これはレベル3です。さらに、土砂災害警戒情報が出れば避難指示、避難勧告、全員避難、レベル4です。だから、レベル4で全員避難なのですよ。だから、この避難勧告と避難指示がレベル4の中に入っているので、そこの判断が、今回の場合にはもっと正確に出される必要があるのではないかと。
 避難勧告で様子見して、避難指示が出されてあわてて避難するという、結果的に今回はそうなったのではないかと。そこの理解を徹底して、大雨特別警報というのは、既に災害が発生している危険があるという段階なのですよ。こうなると、この時点で避難というのは危険なわけです。だから、大雨特別警報が出される前に全員避難という、私はそういうきちんとした勧告や指示が出されるべきだったのではないかと思いますので、風水害対策支援チームやこの間の検証を深めて、さらに精度を高めた防災対策を進めていただきたい。
 部長、どうですか。
〇八重樫総務部長 委員から御指摘がありましたとおり、避難勧告と避難指示(緊急)の違いは、ともに警戒レベル4で全員避難ではありますけれども、そこの違いがなかなかわかりにくいという点もございますし、市町村が実際に避難指示を何によって出すか、避難指示トリガー、何が引き金で避難指示を出すかというところがまちまちな部分がございます。土砂災害警戒情報をもって避難指示を出している市町村もありますし、そうでないところもありますから、その辺は我々のほうでもしっかり検証しながら、市町村と意見交換をし、さらに、今お話のあったとおり、風水害対策支援チームの助言のあり方についても、さらに精度を高めて、早期の住民の避難につながるように努めてまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 もう一つ、私は、避難を徹底する上での課題は避難所の問題だと思うのですよ。例えば、今回91万人余に避難勧告が出されました。結果的に9、900人を超える方々が避難したと。今までと比べると避難した数がかなり多かった。しかし、対象の1%ですよ。
 そして、先ほどの答弁にもあったように、指定避難所は1、700カ所、48万人なのですね。そうすると、これは内陸は入りませんから、避難勧告を出しているけれども、恐らく何倍もの避難所がなかったら実際には避難できなかったということになるのではないかと。だから、大規模災害のときに指定避難所はどうあるべきか、これが一つです。
 もう一つは、テレビを見てもどこでもそうなのですけれども、体育館に雑魚寝の避難。私は、あれだけでもうためらってしまう人たちが少なくないと思うのですよ。高齢者とか要支援者とか、先ほども出ましたけれども、小さい子供を抱えている、障がい者、そういう方々が安心して避難できる避難場所のイメージがなかったら、勧告を出されても、すぐに避難しようとしない。
 大体、体育館の寒いところで毛布1枚ですよ。高齢者とか要支援者の場合には、かえってリスクが高くなってしまうのですね。そういう方々が、最初から福祉避難所に避難するとか、もっと避難しても大丈夫ですよというような避難所の改善が必要なのではないか。これを図らないと、本当の意味で必要な人の避難の取り組みにならないのではないかと思いますが、いかがですか。
〇佐々木総合防災室長 まず、避難所の収容人数の話があったところでございます。これにつきましては、お話がございましたとおり、全県で大体48万人分ということで、大規模災害が起きたときに足りるのかといったことは、認識しているところでございます。
 市町村において指定避難所を指定するわけでございますが、国では、災害対策基本法施行令の中で避難所の基準を定めております。例えば、必要かつ適切な規模であったり、速やかに受け入れて、または生活関連物資を配布することが可能な構造、設備を有することであったり、あと、一番大事だと思っておりますのは、想定される災害による影響が比較的少ない場所にあるものといったいろいろな制約がある中で、市町村でも避難所を指定している状況がございます。市町村でも、条件をクリアした避難所となると、100%を超えているところもあるわけですけれども、なかなか難しい面もあるかと感じているところでございます。
 それから、避難所の環境につきましては、要配慮者の方というお話も出ましたし、あと福祉避難所という話も出ました。本当に避難を、ケアを必要としている方がきちんと守られる福祉避難所とかに優先的に避難ができるというものをつくっていく必要がありますし、それから、それ以外の避難所につきましても、落ちついて過ごせるような環境づくりが大事になってくると思いますので、そのあたりは担当部局ともしっかりお話をしていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 もう一つ私がお聞きしたいのは、住宅被害の被害判定ですけれども、消防庁と罹災証明のための被害の判定と違うのですね。毎日皆さんからいただいている災害対策本部のものは消防庁報告で、全壊、半壊、そして一部損壊、床上浸水と。しかし、被災者生活支援法となると、全壊、大規模半壊、半壊、一部損壊なのですね。
 同じ町村の職員が判定するのですよ。これは統一したほうがいいのではないですか。そういうことをやらないと、どれだけの被害なのか、補償ができるのかがわかりにくいのではないかと思うのですが、いかがですか。
〇佐々木総合防災室長 住宅被害の認定についてでございます。まず、お話がございましたとおり、消防庁におきましては、豪雨や洪水など災害時の住家被害を把握するために、災害報告取扱要領を定めておりまして、地方自治体に報告を求めているものがございます。
 この要領では、住家の損壊もしくは流出した床面積の割合、または経済的被害の割合に応じて、お話がございましたとおり、全壊、半壊、一部損壊等と。そのほかにも、床上浸水、床下浸水といった区分で報告することとされているものがまずございます。
 もう一つ、被災者に対する罹災証明書の交付、各種被災者支援策の活用の前段となります住家の被害認定につきましては、損害割合に応じて、全壊、大規模半壊、半壊と区分しておりまして、認定に際しては、市町村の職員等が被災した住家を実際に回って、その住家の傾斜でありましたり、屋根、壁等の損傷状況を実地に調査しているところでございます。
 そういった住宅被害の把握の方法として二つあるわけでございますが、市町村から報告を受けて県が取りまとめている対応状況報告につきましては、消防庁が定める全国共通の取扱要領に基づくものでございまして、これにより被害の状況の把握に国として努めているものでございます。
 県といたしましても、被災者に対する罹災証明書の交付をいち早く行う必要があると認識しているところでございまして、現在、広域振興局等から被災市町村に人員を派遣いたしまして、家屋の調査、罹災証明書関係事務について、一生懸命支援を行っている状況でございます。
〇斉藤信委員 もっと簡潔に、わかりやすくやってください。判定するのは市町村の職員です。同じ職員なのですよ。その判定の仕方が2種類あるなんていうやり方は、私は統一したらいいのではないかと、これだけ聞いたのですよ。ぜひ、そこは検討していただきたい。
 次に、会計年度任用職員の課題についてお聞きいたします。
 会計年度任用職員が昨年度の条例改正で決められましたけれども、具体的に対象となる職員数、臨時、非常勤職員の実態を示してください。
〇佐藤人事課総括課長 ことし4月時点で任用しております臨時、非常勤職員数につきましては、普通会計ベースで4、020人となっております。この内訳といたしまして、フルタイムで任用している職員が698人、パートタイムで任用している職員が3、322人となっております。
 なお、この数値につきましては、会計年度任用職員に移行しない嘱託医、学校医などの医師及び臨時的任用教員を除いたものでございます。
 県といたしましては、現在任用しております臨時、非常勤職員がついている職のほとんどが、会計年度任用職員に移行するものと見込んでおります。
〇斉藤信委員 ほとんどが会計年度任用職員に移行すると。これは臨時職員と非常勤職員ですごく待遇が違うのですよ。私は、今フルタイムの臨時職員の方が、パートにされるなどということは絶対にあってはならないと思うけれども、それは大丈夫ですか。
 もう一つ、改善されるものと、さらに、残念ながら待遇が引き下げられるもの、このことを示してください。
〇佐藤人事課総括課長 今の臨時、非常勤職員から会計年度任用職員に移行するに当たりまして、これは総務省から示された事務処理のマニュアルにおきましても、今の任用そのものを前提とするのではなく、しっかり勤務条件とか必要性を考慮した上で、新しい制度に移行するようにと定められているところでございます。したがいまして、県としては、勤務時間等の勤務条件の変更がない限りは、基本的に処遇等を引き下げるような対応はないものと考えております。
 改善されるといいますか処遇の確保という点で申し上げますと、今回、会計年度任用職員につきましては、現在、臨時、非常勤職員に支給していなかった手当が支給されることとなっておりまして、例えば、任用期間が6カ月以上で週の勤務時間が15時間30分以上の職員に対して、常勤職員と同じ支給率で期末手当を支給することとしておりますし、フルタイムの会計年度任用職員で18日以上勤務した月が6カ月を超える職員に対しましては、退職手当を支給することとなっております。
 処遇引き下げというようなお話もございましたけれども、いずれ、新しい制度に移行して、全体として処遇の引き下げといいますか、処遇の確保という観点では、県の知事部局で任用する職員については、そういった対応はないものと考えております。
〇斉藤信委員 特別休暇、例えば法定の予防接種、健康診断、ボランティア休暇、妊婦の休息時間、産前休暇、産後休暇、育児時間、配偶者出産休暇、こういうものは今までフルタイムの臨時職員にはあったものが、今度なくなりますね。私は、これはまさに改悪なのだと思いますよ。
 例えば、産前産後の休暇が有給から無給になったら、女性がそれで安心して働けるのですか。病気休暇も、公務災害でも無給ですよ。今、有給なのに。病気になったとき、今までは病気休暇があったけれども、これもなくなりますね。これは私、大変な改悪と言うべきものになるのではないかと。
 医療局では、病気休暇は会計年度任用職員も継続するという話ですけれども、こういう改悪はいかがなものか。特に、今、私が紹介したように、産前産後の休暇が無給になったら働けないと思いますよ。男女共同参画の精神にもこれは反するのではないでしょうか。いかがですか。
〇佐藤人事課総括課長 ただいま休暇制度についての御質問がございました。今回の会計年度任用職員の休暇制度につきましては、先ほども申し上げました、国から示されております事務処理マニュアルにおきまして、国の非常勤職員との権衡の観点を踏まえることとされてございます。したがいまして、今回、それに沿った制度設計を考えているものでございます。
 ただ、岩手県といたしましては、人材確保という観点もございますので、国の非常勤職員において無給としております一部の特別休暇、夏季休暇とか、子等の看護休暇といったものになりますが、こういったところは、本県では有給としたところでございます。
 また、臨時的任用職員につきましては、これまで認められておりませんでした年次有給休暇の繰り越しが可能となるなど、休暇制度全体としては処遇の確保が図られているものと考えております。
〇斉藤信委員 国のマニュアルがそうだから、結局今まで保障されていた病気休暇とか産前産後の有給休暇がなくなると、これは改悪ですよ。男女共同参画にも反しますよ。私は、これはやっぱり国のマニュアルが問題なのだから、改善を求めていただきたい。
 今回、新しく会計年度任用職員の制度移行に当たって、全員がハローワークに求職しなくてはならない。国会決議ではこうなっているのですね。現行の臨時的任用職員及び非常勤職員から会計年度任用職員への移行に当たっては、不利益が生じることなく適正な勤務条件の確保が行われなければならない。そのために地方公共団体に対して適切な助言を行うと。これは国会の附帯決議です。
 私は、今働いている人たちが首を切られたら元も子もない。そういう人たちの雇用がしっかり守られる手だてを国会の附帯決議に基づいてしっかり対応すべきだと思いますが、いかがですか。
〇佐藤人事課総括課長 ただいま制度導入の最初の部分の任用についての御質問がございました。やはり臨時、非常勤職員から、今回、新しい地方自治法、地方公務員法に基づいて一般非常勤職員という、新しい制度として会計年度任用職員が導入されますので、その最初の任用の部分につきましては、ハローワーク等を通じた公募という形になります。ただ、当然これまで任用されてきた職員の方々も応募できるということでございます。そういう意味においては、今回の法改正の趣旨が、適正な任用と勤務条件の確保となっておりますので、それに沿って制度に対応していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 これは最後です。消費税の8%、10%の増税にかかわる県民負担について示してください。
 旧盛岡短期大学跡地の利活用について5、000万円の予算がつきましたけれども、盛岡市との協議、そして、この予算に基づく取り組みはどうなっていますか。
〇奥寺税務課総括課長 まず、消費税率の引き上げに伴う県民負担の増についてでございますけれども、国、地方合わせて、消費税率8%になったときの負担増につきましては、地方消費税に係ります平成25年度と平成28年度の決算額に基づき推計いたしますと、県民1人当たり年間約5万2、000円、1世帯当たり年間約11万6、000円、県民総負担は年間約625億円と推計されるところでございます。
 また、消費税率10%となったときの県民負担増につきましては、政府の試算をもとに推計いたしますと、軽減税率の適用後で、県民1人当たり年間約2万7、000円、1世帯当たり年間約6万2、000円、県民総負担は年間約331億円と推計しているところでございます。
〇山崎参事兼管財課総括課長 旧盛岡短期大学跡地の利活用に関する盛岡市との協議の状況についてでございますけれども、盛岡市からは、跡地の一部を山王児童老人福祉センターの移転候補地としたいとの意向が示されており、地元の方々からも県に対し、盛岡市との協議を円滑に進めてほしい旨の要望を受けているところでございます。
 また、跡地につきましては1万7、000平米余の広大な土地であることから、あわせて県での有効活用も検討しているところでございます。
 盛岡市とは、これまでも事務レベルで情報交換を行ってきたところであり、引き続き十分な調整を行いながら、跡地の利活用が図られるよう検討してまいりたいと考えております。
 次に、旧盛岡短期大学の解体、設計費の実施状況についてでありますが、本年8月に建物解体工事設計業務に係る委託契約を締結したところでございます。現在、建物解体に向けた設計を順次進めており、本年度中に解体、設計を完了する予定でございます。
〇小西和子委員 まず、主要施策の成果に関する説明書の104ページでございますけれども、女性委員が参画する市町村防災会議の割合、この項目だけが目標に達していません。そして、105ページでは、達成度はDということになっております。こうしたことから、1項目だけ、市町村防災会議における女性参画についてお伺いしたいと思います。
 復興や防災の現場で政策方針決定の場に必ず女性が参画すべきと男女共同参画プランに位置づけられております。市町村防災会議における女性委員の人数を見ると、6町村がゼロであります。この状況が数年続いておりますけれども、このことに対しての見解をお伺いいたします。
〇佐々木総合防災室長 市町村防災会議における女性参画についてでございます。
 地域防災力の向上を図るためには、女性を初め、地域における多様な視点を取り入れていくことが重要と考えております。
 今お話が出ました女性委員の重要性につきましては、家族の育児や介護などを担うことが多い女性の方は、乳幼児や介助、介護などでケアされる側のニーズと日々接していらっしゃるということで、女性の視点は、いわば生活者の視点である。災害時、より弱い立場に置かれる人の視点も反映していると言えると考えているところでございます。
 第1期アクションプランにおきましては、2020年までに女性委員が参画する市町村防災会議の割合を100%と設定しているところでございますので、今申し上げたような考え方を市町村にもしっかりと伝えて、女性委員ゼロの市町村が減るように努めてまいります。
〇小西和子委員 ただいま総合防災室長からも答弁がありましたけれども、市町村が行う総合防災対策の中には、避難所運営におけるプライバシーの確保や被災者の生活を支える備蓄など、女性の特性や実情に即したきめ細かな対応を求められるものがあり、防災行政への女性の視点の反映が極めて重要でありますと以前答弁していただいております。
 105ページの先ほどのDランクのところの下に、女性委員が参画する市町村防災会議の割合は、委員選任分野の団体等に女性が少ないなどの理由から、達成度はDとなりましたとありますけれども、7年前の災害対策基本法の一部改正により、市町村長が、地域の防災関係者や学識経験者を委員に任命することができるようになっているということを以前お聞きしております。
 釜石市は、このことを活用いたしまして全委員を27人から37人に、女性委員を3人から12人に大幅にふやしております。女性委員ゼロの町村に釜石市の取り組みを紹介しますと以前答弁していただいていましたけれども、いかがだったでしょうか。
〇佐々木総合防災室長 まず、今年度の市町村消防防災主管課長会議におきまして、市町村の防災会議における女性委員登用の働きかけを行うとともに、今お話が出ました女性委員がいない6町村に対しては、その理由の聞き取りも行いました。今年度、それから来年度の役員改選時に女性委員の登用を検討しているのが3町村ございましたので、そういったところは個別に訪問して、県の取り組みでありましたり釜石市の事例、それから、民生委員や婦人消防協力隊の代表を委員に加えた他市町村の取り組み事例も紹介して、女性委員の登用について働きかけを行ったところでございます。
 また、県で訪問して働きかけを行った3町村の反応でございますけれども、女性委員の参画に努める、あるいは女性委員から避難所運営や乳幼児避難対策等における具体的な提言を受けたいなどの意見が出されたところでありますので、残りの町村についても、先ほど申し上げました女性の視点は生活者の視点だ、災害時により弱い立場に置かれる人の視点も反映しているといったことも訴えて働きかけてまいります。
〇小西和子委員 熱心に働きかけていただいているということをお聞きして、大変うれしく思います。
 いわて県民計画(2019〜2028)の指標におきましても、2019年には3町村が、そして2020年には6町村全てが女性委員を任命するという計画になっております。
 女性が参画する市町村防災会議の割合を100%にするということでただいまお話がありましたけれども、さらには、女性が1人という市町村も何市町村かございます。1人だけではなく複数任命すべきと考えます。女性委員の登用についての方策と決意を伺って終わりにします。
〇佐々木総合防災室長 まず、女性委員の登用を進めていくためには、その意義でありましたり必要性の部分を市町村にしっかりと理解してもらうことが必要と考えているところでございます。
 また、県内で女性委員の登用を進めている市町村において、女性委員がふえたことによる効果として得られたもの、例えば、防災会議において、日常生活で杖を使用する方の避難のあり方について意見が出されて、生活者の視点に立った防災対策に関する議論が深まったといった事例、そういったものを紹介して、機会を捉えて市町村の防災会議の女性委員拡大が図られるように働きかけてまいりたいと考えてございます。
 なお、今年度、女性委員がゼロである市町村は、昨年度と同様6町村で、同数ということではございますが、女性委員の数は昨年度に比べて6人増の104人という形で徐々にふえてきておりますので、さらに参画が進むようにしっかり努めてまいります。
〇佐藤ケイ子委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐藤ケイ子委員長 質疑がないようでありますので、これで総務部関係の質疑を終わります。
 総務部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、秘書広報室長に秘書広報室関係の説明を求めます。
〇高橋秘書広報室長 平成30年度の秘書広報室関係の決算について説明申し上げます。
 初めに、秘書広報室所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針について説明いたします。
 当室においては、前期いわて県民計画及びふるさと振興総合戦略に基づく県の重要施策や、岩手県東日本大震災津波復興計画に基づく復興の取り組み等について、県民に適時的確にわかりやすく伝え、県民の理解や積極的な参画、協働を促進する、県民の安心と希望につながる広報に取り組みました。
 また、復興支援に対する感謝や復興に取り組む岩手の姿、岩手の魅力を県外に向けて重点的に発信し、震災の風化防止や復興への継続的な支援、岩手のイメージアップと岩手ファンの拡大を目指す広報に取り組みました。
 今後の業務推進に当たりましては、まず、県内に向けては、オール岩手でいわて県民計画(2019〜2028)の力強い推進が図られるよう、復興と10の政策分野に基づく取り組み、ILCを初めとした新しい時代を切り拓くプロジェクトを丁寧に周知していくとともに、現在、策定を進めている次期ふるさと振興総合戦略について、県民と共有が図られるよう発信してまいります。
 次に、県外に向けては、震災の風化防止と復興への継続的な支援につなげるため、引き続き、復興に取り組む岩手の姿や岩手の魅力を重点的に発信します。復興支援などを通じて育まれた多様なつながりも生かしながら、岩手のイメージアップにつながるよう、各部局等と連携し、効果の高い広報の展開を目指してまいります。
 それでは、当室関係の決算について、歳入歳出決算書により説明申し上げます。
 12ページをお開き願います。秘書広報室に係る決算は、2款総務費2項企画費の支出済額101億4、453万円余のうち5億7、434万円余であり、不用額は617万円余であります。
 以下、決算の内容について、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により説明いたします。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に説明いたしますので、御了承願います。
 歳入歳出決算事項別明細書の168ページをお開き願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費のうち、備考欄の秘書広報室の管理運営費は、人件費及び一般管理事務費です。次に、170ページにお進み願います。3目広聴広報費の主なものですが、171ページ、備考欄2行目の県政広報事業費は、県の重要な施策等について、いわてグラフなどさまざまな広報媒体を通じて、広く県民に周知する県内向け広報に要した経費であります。3行目のいわて情報発信強化事業費は、復興に取り組む岩手の姿や岩手の魅力を県外に発信し、震災の風化防止や復興への継続的な支援につなげるとともに、岩手のイメージアップを図るため、PR用のポスター、動画の制作等に要した経費であります。4行目のいわてファンづくり情報発信事業費は、岩手県に興味や関心を持つ岩手ファンの拡大につなげるため、県外で行う複数の岩手関連イベントを一連のものとしてPRし、本県の観光、食などの魅力発信に要した経費であります。
 以上で秘書広報室関係の説明を終わります。よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。
〇佐藤ケイ子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇柳村一委員 ホームページについてお伺いします。
 平成30年度までの運用実績と平成31年度はリニューアルしたということで、リニューアル後の運用の成果がそろそろ出始めてきているのかなという部分でお伺いします。
〇中里参事兼広聴広報課総括課長 県のホームページの運用についてでございますが、従前のシステムにより運用した県のホームページにおいて、平成30年度の総アクセス数は約2、160万件でございまして、運用を開始した平成26年度からほぼ横ばいとなっております。
 昨年度、旧システムが契約満了を迎えたことにあわせまして、新たなCMSシステムを導入するリニューアルを実施いたしまして、本年4月から運用を開始しております。
 リニューアルによりまして職員の操作性が高まったことにより、適時に情報発信を行うことができるようになったほか、従前のシステムと比較しまして、高齢者や障がい者を含め、誰もが見やすいウエブアクセシビリティーの新しい基準に配慮したページの作成が容易になったところでございます。
 これにあわせまして、ページを作成する職員のさらなる資質向上のため、ウエブアクセシビリティー研修を開催いたしまして、例えば、システムの入れかえによって可能になりました音声読み上げを運用する際に支障が生じないようなテキストの作成ですとか、視覚的に認識しやすいデザインの採用など、発信情報の質を高める取り組みも行っているところでございます。こうした取り組みによりまして、誰もが見やすい、使いやすいホームページの運用が図られてきていると考えております。
 リニューアル後の9月末までの6カ月間における総アクセス数は約1、067万件となっておりまして、多くの方々に閲覧いただいている状況と認識しております。
〇柳村一委員 丁寧な御説明ありがとうございます。
 私は、リニューアルというのでもう少しイメージが変わるのかなと思ったのだけれども、従前のものを踏襲しているような感じなのですが、今の御説明ですと職員の操作性がよくなったということで、たしかホームページの記事の更新は各部の職員がやられているようですけれども、滝沢市はことしで6年目になるのですが、いまだに滝沢村という表示が出ているところがあります。そういう部分で、滝沢村の時代にやった事業を紹介しているから滝沢村かもしれませんけれども、例えば(滝沢市)ぐらいつけてもらうとか、そういう部分でのチェックはどういう形で行われているのでしょうか。
〇中里参事兼広聴広報課総括課長 県のホームページにつきましては、それぞれ所管部局におきまして管理しているところでございます。例えば、リンクが切れてしまったページなども小まめにチェックをしまして、部局のほうに修正していただいておりますので、そういうページにつきましても、各部局にきちんとチェックしてもらうようにしたいと考えております。
〇柳村一委員 平成30年度まではリンク切れは機械的にやっていたようですが、今回の新しいシステムは、職員がチェックするということでは、職員が大変になるのではないかと思いますけれども、そこら辺は大丈夫なのでしょうか。
〇中里参事兼広聴広報課総括課長 リンク切れにつきましては、チェックは機械でロボット検索をしてもらっております。それを県のほうに報告いただきまして、その結果を各部局にお伝えして、修正をしていただいているということでございます。
〇柳村一委員 やはりホームページは県の顔でもありますので、もっともっと県外から、インターネットで見る方もいらっしゃるでしょうけれども、しっかりと岩手の魅力を発信するようなホームページにしていただきたいと思います。
 あと、通告していませんでしたけれども、1点だけ。広聴広報費の中の委託料の部分で、1億6、800万円余の中身的なものはわかりますでしょうか。
〇中里参事兼広聴広報課総括課長 広聴広報費の中の委託料でございますが、ホームページの管理、運営委託ですとか、あとは、広報の関係の業者委託などを含めた費用となっております。
〇斉藤信委員 それでは、知事、副知事のトップマネジメントについて、昨年はどう実施されたのか、副知事2人体制の効果はどのように発揮されているのか示してください。
〇高橋秘書広報室長 平成30年度においては、東日本大震災津波及び平成28年台風第10号災害からの復旧、復興とふるさと振興のさらなる展開、ILC―国際リニアコライダーの実現に向けた取り組みなどに知事を先頭に推進してきた中で、今後10年の県政の基本方向等を示すいわて県民計画(2019〜2028)の策定もなされたところです。
 昨年度から副知事2人体制となりまして、ものづくり産業の集積、高度化やトップセールスの充実など施策の推進が図られ、また、復興推進委員会への出席や重要な局面における国への要望活動等において、知事、両副知事で役割を分担することにより、より的確な対応が図られたものと考えております。
 今般の台風第19号災害においては、発災直後から、知事、両副知事が分担して被災地に赴きまして、市町村長から直接状況を伺うなど、いち早く被害状況を把握し、庁内に指示等がありまして、その後の関係市町村長等も参画した早期の国への要望にもつながったものと受けとめております。
 秘書広報室としては、知事の意向等に即して機動的に対応し、各部局への伝達、調整等を迅速に行うなど、引き続き知事、副知事のトップマネジメントを的確にサポートしてまいります。
〇斉藤信委員 私も今回の台風第19号災害では、知事が上空から視察するのとあわせて、普代村にも行くと。2人の副知事が県北、県南に分かれて大変機敏な現地視察を行ったということを聞いて、大変フットワークがよくなったなと感じておりました。
 次に、知事と首長との懇談、意見交換の実施状況、副知事と首長との懇談、意見交換はどう実施されているのか。市町村との連携はどう図られているのか示してください。
〇安藤秘書課総括課長 まず、知事と市町村長との懇談の実績についてでございますが、平成30年度は、秘書課として把握している分で20回、延べ33市町村長との懇談を行っておりまして、そのうち、例えば30分以上の懇談は11回でございます。
 今年度は、9月末までの状況でございますけれども、4回、延べ12市町村長との懇談を行っており、そのうち30分以上の懇談は3回でございます。
 次に、副知事でございます。平成30年度は、両副知事合わせて76回、延べ79市町村長との懇談を行っており、そのうち30分以上の懇談は20回でございます。
 今年度は、両副知事合わせて、9月末現在で19回、延べ19市町村長との懇談を行っており、そのうち30分以上の懇談は12回となっております。
 市町村との連携についてでございますけれども、市町村長との面談につきましては、特に、復興に関しまして、市町村、県、国が一体となりまして、被災地、被災者に寄り添うものでなければならないという考え方のもとで、これまで県政懇談会や現地調査などの機会を生かして、できる限り市町村長との面談機会を設け、市町村との連携強化に努めてきたところでございます。
 特に、今年度は、三陸防災復興プロジェクト2019やラグビーワールドカップ2019の開催等を契機といたしまして、市町村との一層の連携を図ってきたところでございます。県政の重要課題についての市町村長との意見交換会などの関係部局の取り組みとも連携しながら、市町村との意見交換や情報共有を行ってきているところでございます。
 今後におきましても、引き続き、関係部局と連携し、知事、副知事が出張等で市町村に出向いた場合、あるいは市町村長が県庁に来られた場合といったさまざまな機会を捉えまして、市町村長との懇談の機会を設定するなど、市町村との連携を強めていくことができるよう配慮してまいります。
〇斉藤信委員 知事、副知事2人体制で、私は重層的に市町村との意見交換はなされているのではないかと。ただ、願わくば、やっぱり1回30分以上の懇談にしないと、本当に挨拶程度に終わってしまうので、そういう改善をぜひ進めていただきたい。
 これは本会議の答弁でしょうか、副知事は今、ふるさと創生の次期計画に向けて、副市長、副町村長などと協議を進めているという答弁もあったのですけれども、その状況はわかりますか。
〇安藤秘書課総括課長 すみません、手元にはそういった数字がございませんけれども、いずれ、今後もあらゆる機会を通じまして、そういった機会を設けていくよう努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 これは最後です。広聴広報活動について。全国への岩手の発信の取り組み、その成果、もう一つは、県民への発信の取り組み、その成果について示してください。
〇中里参事兼広聴広報課総括課長 広報に関する全国への発信の取り組みと効果についてでございます。
 東日本大震災津波発災後、復興に取り組む岩手の姿ですとか、自然や食、歴史など岩手の魅力を発信し、震災を風化させず、復興への継続的な支援と岩手ファンの拡大につなげるよう、県外広報、全国への発信に取り組んでいるところでございます。
 昨年度は、大槌町や陸前高田市の復興の状況、三陸鉄道や釜石鵜住居復興スタジアムなどを取り上げたポスターを作成しまして、平成31年3月6日から19日まで、都営地下鉄全線の全車両に中吊り広告として掲出したところでございます。また、北海道や沖縄県うるま市などの県外自治体を初め民間企業などから御協力をいただきまして、県外21カ所において復興ポスター展を開催いたしました。また、大槌町吉里吉里学園と三陸鉄道を題材にしました動画を制作しまして、県動画配信チャンネル等で配信を行い、これまでに吉里吉里学園は3万8、757回、三陸鉄道は4万8、987回視聴されているところでございます。これらの制作したポスターや動画は、県外アンテナショップやさまざまなイベントでも活用されているところでございます。
 さらに昨年度は、岩手県PR特使に就任いただいている村上弘明さんを起用しまして、魅力発信動画偉人局を制作いたしました。昨年は明治150年という年に当たりまして、村上氏が原敬に扮した動画は注目を集めまして、第8回観光映像大賞の観光庁長官賞に入選されたところでございます。これまで12万2、808回視聴されているところでございます。
 そのほか、144人の方を委嘱しております希望郷いわて文化大使に復興や県政情報を提供して随時発信をいただいているところでございますし、ツイッターやフェイスブックなどのSNSを活用した発信にも取り組んでおります。
 今後も、さまざまな工夫を行いながら、震災の風化防止と岩手の魅力の全国への発信に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、御質問いただきました県民への発信の取り組みと効果についてでございます。
 県民に県の施策等を広く周知するため、知事の記者会見や記者発表など報道機関を通じた情報発信のほか、適時的確な県政情報の提供を行うため、年5回全戸配布しております県広報誌いわてグラフ、そしてテレビ、ラジオ、ホームページ、SNSなど多様な媒体を効果的に活用しまして、わかりやすい発信に努めているところでございます。
 テレビでは、県政番組いわて!わんこ広報室を制作しまして、県内4局において再放送を含め週5回放映しております。平成30年度においては年間245回放映したほか、県内2局のお知らせ枠を活用した広報を週2回実施して、昨年度は年間100回放映しております。
 ラジオでは、県内2局のお知らせ枠を活用した広報を週4回実施いたしまして、平成30年度におきましては年間208回放送しております。
 新聞におきましても、県内4紙に年5回、各種制度や生活関連、イベント情報を掲載しまして、県民に向けた周知を図っているところでございます。
 これらにつきましては、県民のニーズの多様化に合わせて、多様な媒体による情報発信に努めているところでございまして、ことし5月に実施いたしました県政モニターを対象としたアンケート調査では、県政情報の入手先としていわてグラフが90%、県政テレビ番組が54%、新聞広報が46%などといった回答をいただいているところでございます。
 今後も、適時的確な県政情報の提供に努めるほか、研修を実施いたしまして職員の情報発信能力の向上を図るなど、広報の充実強化に努めてまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇飯澤匡委員 1点だけお伺いします。
 知事と県民との県政懇談会について、改めて、県政懇談会の設置目的、誰のためにやっているのか。あわせて平成30年度の事業決算額と費用対効果についても示していただきたいと思います。室長が答えてください。
〇高橋秘書広報室長 まず、県政懇談会の開催の目的ということでお答えさせていただきますが、知事が直接、県民から意見、提言を聴取し、県政に反映させること、県民の県政への参画と協働を推進することの大きく2点を目的としております。
 平成30年度は、沿岸地域で7回、内陸地域で3回、計10回開催し、事業決算額については、参加者等の旅費、懇談記録の反訳―テープ起こしですが、こういった経費が主なもので、総額50万円余となっております。
 平成30年度に懇談会で寄せられた提言は57件で、うち提言に沿って措置したもの、実現に向けて努力しているものが合わせて56件と、県政への反映に極力努めております。
 事後、懇談会参加者にアンケートを実施しておりますが、その回答では、知事の考えや岩手県の取り組みなどを知ることができて参考になった、知事と直接話をすることで、復興に対してより前向きになることができたといった感想のほか、ふだんかかわりのない方の話を聞けて刺激を受けた、これを機会に参加者同士で連携していきたいなどの感想が多くあり、参加者同士の新たなネットワークづくりにも役立っていると受けとめておりまして、開催の趣旨どおり、知事初め県側参加者双方のためになっているものと思っております。
〇飯澤匡委員 知事就任になって10年以上やっているわけですよね。懇談会の内容というのはおのおの年次ごとにリバイスさせて前進させていかなければならないと思うのですが、この懇談会開催の内容の充実に関して、昨年度決算ですから、この取り組みについてどういう考え方で充実を図ろうとしたのか、その点についてお知らせ願います。
〇高橋秘書広報室長 平成30年度は、新しい総合計画策定に係る県民の機運醸成が図られるよう、特に各界の懇談テーマの設定に当たり工夫をいたしました。
 例えば、沿岸地域では、復興へのアクション!〜希望に満ちた三陸の未来のために〜を懇談テーマに、県立大学宮古短期大学部の学生との意見交換を実施しており、内陸地域では、移住者が描く、岩手の未来を懇談テーマに、県外から岩手に移住してきた方との意見交換などを実施したところであります。
 主な提言としましては、安全・安心に暮らすためのコミュニティー形成支援、釜石鵜住居復興スタジアムの利活用のための環境整備、三陸の海を地域資源として活用した取り組み、県外からの移住者に対する起業後のスタートアップ支援、高校の部活動への外部人材の活用などに関するものがありまして、こういった意見については、懇談会の場で直接、知事と意見交換が行われた後、県政提言として担当部局が取り扱うこととしており、県の取り組み状況や県政への反映状況については秘書広報室で取りまとめ、県ホームページで公開しているところであります。
〇飯澤匡委員 ただいま、懇談が図られ、意見交換も非常に充実させたという御答弁がありましたが、私、5回ぐらい傍聴させていただきましたが、ほとんどキャッチボールはないですよね。懇談になっていないでしょう。知事が一方的にしゃべって、そしてコメントする側がしゃべる、それを順繰りに繰り返していって、最後はそれで終わりですよ。これは懇談会と言わないでしょう。意見交換会じゃないでしょう。どうなのですか。
 後で書面で来たというけれども、何かこれ、知事との席を設けたというアリバイにすぎないと思うのですけれども、その点についてあなたはどういう評価をしていますか。さっきの答弁のとおりですか。
〇高橋秘書広報室長 懇談会については、平成29年度以降、おおむね80分を目安に設定して実質90分ぐらいで行われているところでありますが、知事の発言については、冒頭の挨拶、締めのコメントのほかは各参加者からの発言を受けてのコメントという形で進めております。1回は必ず折り返しがあるわけですけれども、進行の想定上は、さらに2巡目、3巡目と申しますか、自由懇談のところでもっと双方にできればというところもあるわけですけれども、そこまでには至らない懇談会もあるのが実情でございます。
〇飯澤匡委員 今、素直にお話しになったように、懇談会になっていないわけですよ。非常に最近、違和感を感じてきて、私の問題意識は、年々やっているのにそれをイノベーションしていないということです。だから、さっき言ったように会を開催するだけという目的に終わってしまっている。
 確かに知事とお話しする機会はめったにないし、そういう機会を設けるという最初に室長が言った目的を知事が吸収するという意味ではかなうかもしれないけれども、あくまで県政懇談会というのは、意見を言って、これはどうなのだ、そしてもっと改良するためにはどうしたらいいのだということがあって初めてこの会議が成立して、貴重なトップリーダーの時間が確保されることが大事なことであって、全くキャッチボールになっていないわけですよ。
 その上で、この10年間、全く同じ形式をずっと踏襲してやっている。ここが私は非常に問題だと思うのですが、その点についてはずっとこうやっていればいいんだというような認識ですか。
〇高橋秘書広報室長 懇談会の進め方については、懇談会が始まる前に10分、15分ほどのオリエンテーションの時間を設け、各参加者に進め方等を説明、相談することがあるわけですけれども、そうした中で、実は2巡目、3巡目も想定した時間設定ではありますが、やはり毎回出席される方が異なり、また、お話を専門に訓練された方ではないので、あらかじめの時間を事前にお伝えしていてもなかなかそのとおりならない。中には非常に発言が長時間になる方もいらっしゃいますし、感きわまって、言葉が詰まってしまって話せなくなった方もいらっしゃるわけです。そういった中で、私、進行役を務めておりますけれども、基本的には参加した方々に気持ちよく帰っていただくということで、発言時間については、特に長くなっても簡潔にお願いしますといったことはなく、そのままお話しいただいて、全体の進行を終わりのほうで調整するという進行をしておりましたけれども、委員の御意見も踏まえまして、より有意な機会となりますよう、進行についても以後いろいろ考えていきたいと思っております。
〇飯澤匡委員 今の答弁を聞いても、結局、会の持ち方の趣旨を達成しようとするような形ではないのですよね。やはり懇談会ですから、せっかくの時間の中でキャッチボールできない懇談会なんてないと思うのですよ。増田県政時代にもやりましたけれども、大人数の中でしたが、私の記憶の中ではキャッチボールというのは結構ありましたよ。余り進行に気をつけなくてもそういうふうになっていたのですけれども、どうも全く判で押したように、ぱちっと知事に非常に博学な知識を御披露していただいて、それで大体終わりと。県政課題について意見が深まるという場面は、まあ、私は見たことがない。
 そういう形で、工夫していくということが大事なのですよ。達増県政自体が、いずれやっていますやっています、大丈夫です、うまくいっていると。こういうのが秘書広報室にも浸透して、結局それでやって、そのまま継続していけばそれでいいという考え方ではないのですか。そうでないというのだったらちゃんと反論してくださいよ。
〇高橋秘書広報室長 今回、御質問ありました県政懇談会につきまして、そういった本来の目的が達成されるような内容になっていないのではないかというお話に関しては、きちっとキャッチボールができているというふうに私も非常に満足して帰るときもありますし、きょうの進行はちょっとまずかったかなという感じで帰るときもありますし、それは今後、改善していくべきものと思っております。基本的には、各種取り組み事業についても、それぞれ毎年、予算編成時期なりに前期を振り返って、自己評価なりをしながら改善を加えてっておりますし、そうすべきものだと思っております。
〇飯澤匡委員 やはりせっかく皆さんが顔を合わせて話をするというのは、そこの中に目的があって、一定程度の方向性を見出すような工夫をしていく。常に会議というのはただの報告会じゃないのですよ。問題点、また、こうあるべきだ、こうしたほうがいいということをしっかりやれる環境を整えていく、それがこの10年間見られないからこういうことを私は指摘しているわけです。
 きょうはこの点だけにとどめますけれども、いずれ広報のあり方にしても、どうも自己満足になっているのではないか。やはりここはいろいろ民間の知恵も一つの策として、広報政策監の民間登用であったり、自分たちがやっている広報戦略に対して第三者的に評価をしていただくようなシステムを考える。これは県政懇談会も、似たような検証の作業といいますか、自分たちがやっていてそれでいいということにはならないのです。常に新しいことを取り入れながら、県政にとってこの時間がいかに有用に使えるか、そういう観点に立ってやっていただきたいと思います。
 これからも私の近くであれば参加させていただいてその様子を見たいと思いますけれども、進行だけの問題じゃないです。会の持ち方自体ももう少し工夫が必要ではないか。そういうトライがないのが非常に残念なのですよ。これを申し上げて、最後に何かあれば所見をおっしゃってください。
〇高橋秘書広報室長 開催の趣旨に沿うよう努めてまいります。
〇佐藤ケイ子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐藤ケイ子委員長 質疑がないようでありますので、これで秘書広報室関係の質疑を終わります。
 秘書広報室の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、復興局長に復興局関係の説明を求めます。
〇大槻復興局長 平成30年度の復興局関係の決算について御説明申し上げます。
 初めに、復興局所管の事務事業に係る取り組み状況等について総括的に御説明いたします。
 復興局は、東日本大震災津波からの復興の着実な推進に向けて、次の五つを施策の柱としまして重点的に取り組んでまいりました。
 第1は、第3期復興実施計画の進捗管理と次期総合計画における復興の計画の策定であります。
 現地における意見交換や各種指標におけるモニタリングを実施いたしまして、県議会及び復興委員会等での御審議を経て、いわて県民計画(2019〜2028)における復興推進の基本方向を定め、復興推進プランを策定いたしました。
 また、第3期復興実施計画に掲げる事業の進捗状況につきましては、ことしの5月に復興実施計画の施策体系、事業に基づく進捗状況の確定値を公表しておりまして、第3期復興実施計画に掲げる延べ287指標のうち、進捗率が80%以上の指標が264指標、92.0%となっております。
 一方で、令和元年9月末で1、297人の方々が応急仮設住宅等での不自由な生活を余儀なくされており、被災者お一人お一人の復興を見守り、寄り添った支援を行うため、いわて県民計画(2019〜2028)の理念のもと、関係機関と連携を図りながら、復興推進プランに掲げる事業にしっかりと取り組んでまいります。
 第2に、災害に強い安全なまちづくりの実現でございます。
 復興事業の円滑かつ迅速な実施を支援し、早期の住宅再建を図るとともに、快適で魅力あるまちづくりを促進するため、防災集団移転促進事業により市町村が買い取った移転元地の利活用の支援に取り組んだほか、被災者の今後の生活設計や再建等のための情報提供として復旧・復興ロードマップを更新いたしました。
 第3に、安心して心豊かに暮らせる生活環境の実現です。
 内陸及び県外に避難している被災者に対し、いわて内陸避難者支援センターにおいて、住まいの意向調査や再建方法の相談支援を行うなど、市町と連携して恒久的な住宅への移行促進に取り組むとともに、持ち家の建設、購入に係る資金を市町村と共同で補助し、早期の住宅再建を支援いたしました。
 また、沿岸部の被災者相談支援センターに相談員を配置するとともに、司法書士やファイナンシャルプランナーなどの専門家を派遣したほか、再建先での円滑なコミュニティー形成のためのコーディネーターの配置や被災者の心の復興に取り組む民間団体等への支援に取り組みました。
 第4に、なりわいの再生と地域経済の回復です。
 被災事業所復興状況調査を実施し、事業所の復興状況を的確に把握しながら各種施策の効率的な推進につなげたほか、産業再生特区制度による事業者の税制特例措置の活用を促進いたしました。
 また、沿岸地域の産業振興を促進するため、若者や女性を初め被災地での起業等を支援するとともに、専門家によるきめ細やかな経営指導を行ったほか、基幹産業である水産加工業の人材確保のために必要な宿舎の整備等に要する経費を市町村と共同で補助いたしました。
 第5に、復興に係る情報発信ときずなづくりでございます。
 県内外での復興フォーラムやいわて復興未来塾の開催、いわて復興だよりの発行など積極的な情報発信により、国内外の皆さんとの連携やつながりを深め、震災の記憶の風化防止に取り組んだほか、震災の事実と教訓を国内外に伝承するため、いわて震災津波アーカイブ〜希望〜の活用を促進するとともに、陸前高田市に東日本大震災津波伝承館の整備を進めました。
 以上、平成30年度における復興局の取り組みにつきまして総括的に申し上げましたが、今後におきましても、いわて県民計画(2019〜2028)に基づき、多様な主体の参画や交流、連携により、復興の先も見据えた地域振興にも取り組みながら、一日も早い復興を目指し取り組んでまいります。
 引き続きまして、復興局関係の決算について御説明申し上げます。
 復興局関係の一般会計歳出決算は、お手元の岩手県歳入歳出決算書の12ページと13ページの第2款総務費のうち2項企画費の一部、3款民生費のうち5項災害救助費の一部、ちょっと飛んでいただきまして16ページと17ページに参りまして、12款公債費の一部ですが、これらの支出済総額は143億6、721万円余であり、翌年度繰越額は3億7、122万円余、不用額は5億4、332万円余となっております。
 決算の内容につきましては、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略し、主な事業の内容を中心に御説明申し上げます。
 事項別明細書の168ページ、169ページをお開き願います。第2款総務費2項企画費1目企画総務費のうち、右側備考欄中ほどの復興局関係90億5、098万円余の主なものについて、まず、復興局関係の二つ目の復興情報発信事業費は、県内外での復興フォーラムやいわて復興未来塾の開催、復興に関する情報を発信するいわて復興だよりの発行などに要した経費でございます。そこから七つほど下のほうに行っていただきまして、さんりくチャレンジ推進事業費は、被災地での起業等に係る事業計画策定や初期費用の補助、販路開拓などの支援に要した経費でございます。そこからまた一つ下に飛びまして、東日本大震災復興交付金基金積立金は、県が実施する東日本大震災復興特別区域法に規定する復興交付金事業に要する基金の積み立てに要した経費でございます。
 なお、繰越明許費2億3、715万円余は、復興局関係の七つ目の東日本大震災津波伝承館整備事業費において、建物建築工事との工程調整に不測の日数を要したことにより繰り越しをしたものなどでございます。
 次に、170ページ、171ページをお開きいただきたいと存じます。2目計画調査費のうち復興局関係は、この目の備考欄の最後に記載しております復興計画推進費でございまして、復興委員会の開催や復興意識調査、いわて復興ウォッチャー調査など、復興計画の進行管理及び推進に要した経費でございます。
 次に、少々大きく飛びまして、212ページ、213ページをお開き願います。3款民生費5項災害救助費1目救助費のうち、右側備考欄中ほどの復興局関係51億7、494万円余の主なものについて、まず、復興局関係の二つ目の救助費は、応急仮設住宅の維持修繕や解体撤去、民間賃貸住宅の借り上げに係る経費など、被災者への応急的な救助に要した経費でございます。一つ飛びまして、災害援護資金貸付金は、被災した世帯の生活の立て直しに資するための貸し付けを行う原資を市町村に貸し付けるために要した経費でございます。二つ飛びまして、仮設住宅共益費支援事業費でございますが、応急仮設住宅における集会所等に係る水道料金や電気料金等の共益費を負担したものでございます。その次の被災者住宅再建支援事業費補助は、持ち家による住宅再建を促進するため、被災者生活再建支援金の加算支援金を受給して住宅を建設または購入した世帯に対しまして市町村が補助をする場合に、その費用の一部を補助したものでございます。
 なお、繰越明許費1億3、406万円余は、復興局関係の二つ目の救助費におきまして、応急仮設住宅入居者の退去時期の調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものでございます。
 次に、360ページ、361ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金のうち1億2、792万円余が復興局の所管ですが、これは、災害援護資金の借入金に係る償還元金でございます。
 以上で復興局関係の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇佐藤ケイ子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木朋和委員 私から、先ほど御説明がありました東日本大震災津波伝承館整備にかかわってお聞きしたいと思います。
 私も2回ほど足を運ばせていただきましたが、まだ全部読み終えていないところでありまして、大変ボリュームがありますが、私が行ったときも乗用車、バスも多くとまっておりまして、早くも復興旅行の皆さんたちのコースに組み込まれていると感じているところでありますし、またスタッフの皆さんも親切で、丁寧に説明をされておりまして、敬意を表させていただきたいと思います。
 先般、隣接の道の駅の入場者が10万人を突破したとの報道もありましたし、9月の3連休には伝承館にも1日3、000人を超える人が来た日もあったと聞いておりますが、現在の伝承館の入り込み状況とそのカウント方法も含めてお示しいただきたいと思います。
 また、入場された方々の評価について、アンケートなどとっておれば伺いたいと思います。
〇熊谷副局長兼震災津波伝承課総括課長 東日本大震災津波伝承館の入り込み状況と入場者の評価についてでございます。
 まず、伝承館の来場者数ですが、9月22日の開館から10月27日までで延べ4万6、380人となっており、これを1日平均にしますと1、325人となっております。
 来場者の把握につきましては、伝承館の入り口の天井に設置しております自動でカウントするセンサーにより把握しております。
 次に、入場者の評価についてでございます。
 アンケート調査というお話もありましたが、来訪者のアンケート調査については現在まだ行っておらず、今後実施したいと思っておりますが、現場にいる印象で申し上げますと、平日は、個人客に加えて被災地視察や観光ツアーのお客様、土日の週末はファミリー層が多い印象を持っております。全体的には、男性、女性、あるいは子供から大人、高齢者まで満遍なく多様な方においでいただき、非常に熱心に見学いただいていると感じております。
 また、道の駅の駐車場は180台ほど収容でき、駐車場のナンバーを時々確認していますが、およそ6割から7割が県内ナンバーで、残りが宮城県を初めとした県外ナンバーとの印象でございます。
 また、伝承館を見学した後に、防潮堤の上に整備されました海を望む場、あるいは奇跡の一本松に歩いていく方がいたり、道の駅で買い物や食事を楽しむということで、復興祈念公園全体を回遊するようなルートができつつあると感じております。
〇佐々木朋和委員 非常に出だし好調というような印象でございます。アンケートもこれからとっていきたいということでありましたけれども、今後、展示の更新等、また企画展も県民計画の復興推進プランによれば2022年までに14回開催する予定とありますので、ぜひ来訪者の声を聞きながら、よい改善をしていっていただければと思っています。
 いわて県民計画(2019〜2028)において、復興推進の基本方向の四つ目の柱に、未来のための伝承・発信という柱が一つ加わりました。その中には、日本を代表する震災津波学習拠点として東日本大震災津波伝承館を整備し、東日本大震災津波の事実を踏まえた教訓を伝承し、その教訓を防災文化の中で培っていきますと書かれております。まさに事実を伝えるだけではなく、その施設でどのような教訓を伝えていくかが重要なのだと思います。また、学習拠点となっているというところもしっかりと認識しなければいけないと思っております。
 私も見せていただきましたが、確かに膨大な文字量、また写真において、事実については余すところなく掲示されていると思いますが、その中から教訓は何なのかということを一般の方が見つけられるのかという印象も受けたところであります。中には行政のチェック、また、これの改善点みたいな形で並べられているところもあり、全国の行政の皆さんにも見ていただきたいという面ではいいのですが、一般の方からすれば、どこが一番の肝なのだろうというところは迷うかなとも感じたところであります。
 県としては、この展示からどのような教訓を伝えようとしているのか伺いたいと思います。
 また、展示を全て見ようとすると、やはり何回も通わなければならないというところもあります。それはそれでリピーター対策としてはいいと思いますが、旅行商品として組み込んでいくためには、30分あるいは60分ぐらいで見られる仕組みも重要でありますし、学習拠点としていくためには学習プログラムも必要でありますが、今後どのような取り組みを行っていくのか伺いたいと思います。
〇熊谷副局長兼震災津波伝承課総括課長 まず、展示から伝えようとしております教訓の関係でございます。
 伝承館の中は1から4までゾーン分けをして、そのゾーンごとに歩くと学べるという仕組みになっております。ゾーン3が教訓を学ぶというコーナーになりますが、ゾーン3教訓を学ぶでは、東日本大震災津波の経験から得たさまざまな教訓を伝え、主体的に行動することで多くの命が守られることを学んでもらおうという狙いがございます。具体的には、どう逃げたか、どう助けたか、どうすればもっと助けられたのか、あるいはどうすればもっと災害に強くなれるのかといった教訓につきまして、映像、写真も用いながら解説しております。
 例えば、発災時、避難した人々がどう逃げたのかという展示を設け、助かった方々、そうでない方々それぞれの避難行動の軌跡をたどることを通じて、三陸の防災文化であります津波てんでんこに代表されるような避難行動の重要性を学んでいただくよう展示しております。
 また、館内には解説員がおりまして、質問や展示解説に対応するほか、団体予約の皆さんには、解説員が案内役となりまして、指定の時間内で効率よくわかりやすく見学できるように対応しております。
 いずれ、教訓については、来る方に応じて、行政の方、町内会の方、学生、観光客というような場合分けをしながら対応していくことが大事ではないかと考えております。
 次に、旅行商品として組み込むための取り組みについてでございます。
 伝承館の見学時間については、電話での問い合わせに対しては、もし時間があれば60分から90分あればというように案内しておりますが、先ほど委員から御紹介ありましたとおり、団体のお客様の中には20分か30分でお願いしたいという要望が実際来ております。今後も、来館される各団体のニーズに応じて、効率よく見学できるように臨機応変に対応していく必要があると考えております。
 また、学習プログラムにつきましては、現在まさに秋の修学旅行シーズンでございまして、実際に中学生や高校生の修学旅行の団体を受け入れておりますので、その経験を積み重ねながら、課題も検証して、さらに伝承館に設置した東日本大震災津波伝承館運営協議会がありますので、そちらの学識経験者や観光や復興教育の委員の意見も聞きながら、防災、復興教育の効果的な学びができるように引き続き取り組んでいきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 2021年4月には東北デスティネーションキャンペーンも始まりますので、ぜひそういった商品化に向けての取り組みも意識して進めていただきたいと思います。
 私も、読み込ませていただくと、本当に発災時の消防団の方や建設業の方等の取り組みなど、涙が出る思いをしてまいりました。しかしながら、そこまで何人の人が読むだろうと来訪者の皆さんを見ておりましたが、やはり眺めて歩くというのが一般の方の見方なのかと思っています。
 気仙沼市でつくっている伝承館も見てまいりましたが、岩手県ではそれぞれ被災された方、生き残った方の思いが本のような形で文字で映されておりましたが、あちらではストーリーにピックアップした映像で見られていたりということで、見やすい工夫もされているのかと思っておりました。
 内容としては岩手県のほうがいいなと思っておりますけれども、ぜひ見る側に立った、文字だけではない、写真だけではない、映像というところもこれからふやしながら、また、教訓の部分については、特出し、ピックアップするようなところもぜひ工夫しながら進めていただきたいと思います。
 次に、常設展示の更新や企画展等の運営費として、議会でもさまざま入場料については議論がありましたが、今般、ふるさと岩手応援寄付の事業応援型の対象事業として10月から設けられております。今後、この寄附をいただくために、どのような発信、また寄附の受け方の工夫をしていくのか伺いたいと思います。
 また、こういった取り組みというのは、訪れた方にただ訪れたではなくそういった協力をしていただくことで岩手のファンとして関係人口の拡大につなげていくこともふるさと振興総合戦略の面から見れば期待されていると思いますが、どのような取り組みを行っていくのか伺いたいと思います。
〇熊谷副局長兼震災津波伝承課総括課長 初めに、ふるさと岩手応援寄付についてでございます。
 この応援寄附につきましては、総務部税務課で行う全体のPRに加えまして、伝承館としましては、伝承館のホームページで寄附の御案内をしたり、伝承館で配っているパンフレットの中に寄附について紹介しております。さらには、来館者の方により手軽に寄附を行っていただく方法として、通常、振り込みやクレジット決済が可能ですが、伝承館の館内に募金箱を設置して御案内しております。
 次に、関係人口拡大に向けた取り組みについてでございますが、伝承館を訪れた方を岩手のファンとして関係人口の拡大につなげていくには、特に児童生徒など若い人に来館していただき、岩手に関心を持っていただくことが重要と考えております。小中学校から高校、大学まで年齢層に応じた教育旅行や視察のプログラムの充実を図りまして、観光関係者や高校、大学等の教育関係者とも相談しながら取り組んでいきたいと考えております。
 また、伝承館をゲートウエーとして、訪れた方に伝承館から県内の他の地域へ足を運んでもらうことも大変重要な取り組みですので、伝承館のエントランスに各地域の観光パンフレットをそろえているほか、三陸沿岸にある震災伝承施設や観光地を紹介する大型パネルを設置して、受付に常駐する職員がこれらを紹介しているところでございます。
〇佐々木朋和委員 時間がないので次に進みたいと思いますけれども、伝承館については、平成29年、平成30年も整備事業への応援ということで実施しているわけですが、平成30年が30万円という寄附金額になっている。年度途中ですけれども、今現在9月末でも伝承館は41万円ということで、もう少しかなと思っております。今、伝承館内でもそういった工夫をしているということでありましたけれども、なかなか気づきにくいところもあるのかなというのが実感でありますので、しっかりとそういった取り組みもやっていっていただきたいと思います。
 また、岩手のファンをつくるという面では、非常にすばらしい施設ですけれども、地域の方々との触れ合い、あるいは復興に向けて頑張っているNPOといった皆さん方を紹介する、あるいは触れ合うような場はないのかなと感じたところであります。ぜひ検討をいただければと思います。
 最後に、先ほど冒頭に1日平均1、300人ぐらい来ていただく施設ということでありまして、これも前から議論もあったところですが、避難路の確保あるいは避難訓練も重要と思っております。現在どのような状況になっているのか伺いたいと思います。
〇熊谷副局長兼震災津波伝承課総括課長 避難への取り組みについてでございます。
 災害時におけます来館者の安全確保については、伝承館の管理運営の中でも最も重要な点と考えております。避難路の確保については、伝承館のエントランスに避難路や避難方法のパネルを掲示しているほか、団体客の皆さんには、見学の初めに解説員から避難方法等について説明をしているところでございます。
 また、高田松原津波復興祈念公園全体としては、国、県、市の施設管理者が共同で避難誘導マニュアルを作成して具体の避難誘導方法を定めております。伝承館は、津波注意報以上が発令された場合には、閉館し、職員の誘導により、高台の市指定の避難場所に速やかに避難することになってございます。
 また、避難訓練につきましてはこれまで3回実施しまして、うち2回は隣の道の駅と共同で行いました。避難路や避難方法の確認、あるいは来館者の誘導等について実地に確認したところでございまして、今度11月10日にも陸前高田市内全域で行われます津波避難訓練がございますので、それに伝承館も参加することとしてございます。
 東日本大震災津波の教訓として、日ごろの備えや訓練の重要性を伝えておりますので、伝承館としても、今後とも避難訓練の実施等を行いながら、来館者の安全確保に万全を期してまいりたいと思います。
〇佐々木朋和委員 スタッフの方に聞いたら、スタッフの方もズック、女性もヒールを履かないということで、避難誘導に向けての心構えもできていると感じたところでありますが、私もエントランスの避難道路を見せていただきましたが、やはり遠いなという感じがいたします。徒歩で行くと30分、40分かかりますか。それで十分であるとはなかなか言えないのではないかと思います。今度、タピック45の内側も開放になるわけですけれども、そういった縦方向への避難ということも県としては今後考えているのでしょうか。最後に聞いて終わりたいと思います。
〇熊谷副局長兼震災津波伝承課総括課長 高台の避難場所になっている気仙小学校までは約2キロメートルありまして、実際に避難訓練で歩いてみて速い人で20分ちょいぐらいで行きます。ただ、人が並ぶと橋を渡るのに少し時間がかかることもありますので、まずは訓練では、伝承館の中からいかに早く出発して避難できるかというあたりの出発までの時間短縮が訓練では大事ではないか。それは訓練でしかできないので、そういうことで訓練を重ねていきたいと思います。
 お話のあった垂直避難については、市でも検討しているとは聞いておりますが、まだ道路整備の途中の箇所も避難路にありますので、その辺は市とも連携しながら安全確保を徹底していきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員長 おおむね再開後2時間が経過いたしますので、この際、世話人会の申し合わせにより暫時休憩いたします。
   午後5時8分 休 憩
午後5時27分 再開
〇佐藤ケイ子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、仮設店舗の関係で、まだ営業を続けていらっしゃる方について御質問したいと思います。
 まず、伝承館とかが順調に進んでいるような中で、いまだ仮設店舗で本設展開できずに営業されている方、本設展開もしたいのだけれどもなかなかできない方々がいらっしゃいますが、平成30年度、本設展開された件数と、まだ仮設店舗で営業されている方はどういう数になっているのかをまずお伺いいたしますし、いまだ仮設で営業されている方々が、本当に最後は本設展開できるようになるために何が必要とお考えなのかについてお伺いいたします。
〇山田まちづくり・産業再生課総括課長 被災事業者の本設再開に向けた支援ということでございますが、今、委員からは平成30年度というお尋ねでしたけれども、累計でお答えさせていただきたいと思います。
 これまで県では、グループ補助金などにより本設再開に向けた支援を行ってまいりまして、本年9月末現在で、商業、サービス分野では、事業を再開した1、340事業者のうち、9割を超える事業者の方々が本設で再開したところでございます。
 一方で、逆に申しますと、1割弱の約100事業者が仮設店舗で営業を続けている状況でございまして、土地区画整理事業による土地の引き渡しが令和2年度になるなどの理由や資金計画面の課題などで、本設再開ができない事業者の方もいるという状況でございます。
 県といたしましては、円滑な本設移行に向けまして、令和2年度以降のグループ補助金の継続あるいは複数年度にわたる事業実施のために必要な措置などについて国に要望してまいっているほか、各市町村では、仮設入居事業者の今後の本設移行の見込み等の確認や相談の対応、テナント補助等の支援、また、仮設施設の事業者への譲渡などの対応を行っているところでございまして、引き続き、事業者ごとの課題に応じた支援を行ってまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 おっしゃったとおり、資金面でなかなか本設展開できない方が多いのかなと。土地がまだ造成されていなくてという方は、これから本設展開できると思うのですが、私も相談を受けている方については、もう既に加工施設の設備でグループ補助を1回受けている方。その方々が、今までずっと仮設店舗で営業されてきているのですが、どうしても立ち退きをしなければならないので本設展開したいのだけれども、営業規模が小さいがために融資の枠が非常に小さくて本設分がどうしてもできないという方が実際にいらっしゃいます。その方の経営支援とかをされている方々もいるのですけれども、商工会の専門家派遣とか、よろず相談支援拠点とか、復興支援センターとか、いろいろあるのですが、その中で抜本的な、一旦融資を受けている方に対する、その方が本設展開するときに、どういう金融の支援があるのかというのがなかなか見出せないような状態でおりました。
 そういった方々に対しては、今後どういった支援を考えていらっしゃるのか。テナント補助をしてくれる市町村にいる方であれば、もしかしたらできるかもしれないですけれども、そういったものもない方の場合は、どういった支援策があるとお考えなのかを再度お聞かせ願います。
〇山田まちづくり・産業再生課総括課長 先ほどは県の取り組みについても御紹介いたしましたけれども、さらに、国の補助あるいは融資でありますとか、市町村単位での金融的な支援もございまして、やはり事業者の方個々に、まさに課題が異なると考えておりますので、基本的には地元商工会議所あるいは商工会の相談員の方が、きちんとそのニーズを聞き取って、最適なと申しますか、その事業者に合った支援をしていただくように、県もさまざまなネットワーク、あるいは支援の制度を御紹介もしながら対応してまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 ぜひお願いしたいものの一つは、もう既に融資を受けていらっしゃる方で、経営体力が余り強くない方ですね。要するに家族経営とかで、ある意味、零細で営業されている方は、営業規模が小さいので、グループ補助の返還が今始まってきていて、それに加えてもう一回融資を受けるのは、お話を聞いていますと非常に厳しい状況であるようです。
 私は、融資のリスケジュール、行政でいうと借りかえみたいなものですけれども、あれを何とかできるような形で支援する方法がいいのではないかと思っています。今、県の制度融資で中小企業東日本大震災復興資金もリスケジュールなどに実は使えるらしいという話を私は聞きました。ただ、それは銀行の考え方とか銀行の取り組みによって違いであるということで、一律にどの銀行も使えるわけではないけれども、そういった方々が実際いるという状況の中で、銀行の融資の担当の方々にも、リスケジュールとかというものも考慮に入れてほしいという声かけを、県でも何らかの取り組みをしていただきたいと思うのですが、そういった点についてはどのようにお考えでしょうか。
〇山田まちづくり・産業再生課総括課長 ただいま委員からお話のありました、例えば、これまでの例としても、グループ補助金の自己資金分の返済について、県あるいはいわて産業振興センターと連携して、償還期限の延長でありますとか条件の変更に対応させていただいている例もありますし、今の金融機関への呼びかけ、声かけに関しましても、やはり個々の事業者のニーズをよく聞きながらということを、市町村、商工団体ともそこを調整することが大事かと考えてございますので、所管の商工労働観光部とも連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 よろしくお願いします。一旦銀行で借りている方がリスケジュールするとなると、公庫資金もあるのですけれども、公庫資金だと、また二重で返済していくパターンになってしまう。それだと中小、それから零細企業の方だと、月々の返済額が大きくなってしまうところがネックだったりします。まだ営業も何とか続けているのだけれども、では、売り上げがぐうっと上がっているかというと、そうでもない中で、二重で支払いをしていくのは厳しいということで、融資の期間を長くしてもらう。払う意思はあるのだけれども、払っていけるような中で期間を、中小企業の資金融資だと7年ぐらいですけれども、例えば15年とかにしながら、繰り延べできるようなものをいろいろなところと検討していただいて、どうか9.7%の仮設店舗で営業している方が、全員本設再建できるまで寄り添った支援を続けていただきたいと思いますので、そのことを局長にお聞きして、終わります。
〇大槻復興局長 委員からお話のありましたとおり、実は、仮設店舗から本設に移行する話だけではなくて、本設に移行したのだけれども、なかなか売り上げが伸びず、そして、実際にグループ補助金をいただくに当たって自己資金分を借り入れしていた、その返済が今回ってきているというケースがいろいろふえてきている状況です。
 地元の商工会とか市町村もその部分の課題認識は持っていますので、地元の商工会に、一つは経営指導の部分で人も派遣はしていますけれども、委員がおっしゃったような金融機関とのやりとりをどうするかといったものは、復興局だけでもできない話でございますので、商工労働観光部あるいは地元の商工会とか市町村ともよく相談させていただいて、もはや委員からおっしゃられた仮設店舗から本設に移行するだけではなくて、本設に移行した人もまた同じような苦労をされている方もいらっしゃいますので、その部分を含めて取り組みをさせていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 それでは、私は最初に、被災者の孤立化、孤独化と孤独死防止対策についてお聞きいたします。
 これまでの孤独死の状況、応急仮設住宅、災害公営住宅それぞれ示してください。また、昨年度の状況、今年度の状況はどうなっているでしょうか。
〇佐藤生活再建課総括課長 孤独死の状況についてでございますが、令和元年9月末現在で、東日本大震災津波に係る応急仮設住宅と災害公営住宅において、ひとり暮らしで亡くなられた後に発見されましたいわゆる孤独死の方につきましては、これまでに、応急仮設住宅では46人、災害公営住宅では45人となっております。
 このうち、昨年お亡くなりになられた方は、応急仮設住宅で3人、災害公営住宅では18人となっております。本年につきましては、9月末現在でございますけれども、応急仮設住宅では該当がございません、災害公営住宅では11人となっております。
〇斉藤信委員 昨年の18人というのは前年の3倍でした。そして、ことしは9月末までで11人ですから、大体昨年に近いレベルで推移していると。今の段階では災害公営住宅に8、800人余入居しています。高齢化、孤独化、そして孤立化が進行しているというのが、やっぱり大変な状況なんだと思うのですね。
 そういう意味で、災害公営住宅のひとり暮らし高齢者の見守りとコミュニティーの確立の取り組みが大事だと思いますけれども、どういう取り組みになっていますか。
〇佐藤生活再建課総括課長 高齢被災者の方々が安心して暮らすためには、個々の世帯の状況に応じた支援とともに、自治会等を中心とした地域における支え合いが重要と考えておるところでございます。
 このため県としましては、岩手県社会福祉協議会と連携し配置しております生活支援相談員や市町村が配置しております支援員等が、個々の世帯の状況に応じた頻度などにより訪問活動や相談支援を行っているほか、被災者が地域で孤立を深めることがないよう、自治会の設立、活動支援や地域におけるサロン活動等の支援を行っているところでございます。
〇斉藤信委員 極めて抽象的なのですね。率直に言うと、私は、それがやられていないから聞いているのですよ。
 改めて聞きますけれども、災害公営住宅におけるひとり暮らし高齢者の人数、率はどうなっていますか。
〇佐藤生活再建課総括課長 令和元年8月末現在になりますが、災害公営住宅に入居している方は9、041人でございます。そのうち65歳以上の高齢者は3、993人で、44.2%となっております。さらに、そのうち高齢者のひとり暮らしの世帯が1、660世帯で、全体の32.5%となっております。
〇斉藤信委員 高齢化して、そして、ひとり暮らしがもう32.5%ですね。
 県内で一番大きい災害公営住宅、ここは自治会もあって、一番活発にやっているところですよ。ところが、ひとり暮らしの高齢者、80歳以上で、行き場がなくて、隣のシンガポールホールに日中ずっといるのですよ。これは部屋に1人でいるよりずっといい。でも、本当に行き場がないのですね。そこで、毎日10人ぐらい集まって、応急仮設住宅のほうがよかったとかね。それはなぜかというと、応急仮設住宅にはコミュニティーがあったからなのですよ。コミュニティーが。
 私は一般質問でも取り上げたけれども、災害公営住宅、県営の場合ですけれども、集会所がどのぐらい使われているかというと、圧倒的に月に2回から5回ですよ。週1回ぐらいしか使われていない。応急仮設住宅の集会所、相談室のようにはなっていないのです。
 私はそういう点で、本当にいろいろなところから入居してきた高齢者が多い中で、自治会の設立を支援することとあわせて、やっぱり自治会を支援しながら一人一人のコミュニティーをつくっていく。ここに思い切った支援を今やらなかったら本当にばらばらの団地になってしまうというか、そういう認識はありますか。
〇佐藤生活再建課総括課長 コミュニティーにつきましては、先ほど御紹介した生活支援相談員の方々が、頻度的には、多いところで週1回、あとは、いろいろな市町村の機関とも連携しながら、週1回ペースぐらいで各戸を回れるようにしていただいていると伺っております。
 また、生活支援相談員の方々のもう一つの役割としましては、先ほども申しました地域における支え合いのところでございます。各自治会等とかコミュニティーの部分で、サロン等を開催するものの支援とかについても行っていると伺っておりますので、これらについてさらに進めていただけるように、我々も協力してまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 私は余りにも認識が弱いと思いますね。今、社会福祉協議会の生活支援相談員がどのぐらい訪問しているかというと、重点見守りは最高で週1回ですよ。普通は月2回なのですよ。災害公営住宅は本当に少ないですよ。これもダイレクト訪問なのです。そうすると周り近所の関係がないのです。自治会との連携もないのですよ。
 今は元気な高齢者もいる、本当に見守らなくてはならない要支援の高齢者もいる。しかし、コミュニティーは一緒なのですね。これを分けたらコミュニティーはできないのです。だから、本当に高齢者一人一人の人間的関係をどうつくっていくのかと。生活支援相談員は今どんどん縮小して、訪問を少なくしているのですよ。
 私は、今はこの災害公営住宅に焦点を絞ってお話ししますけれども、9、000人が入居していると。一番新しいのは8、800人なのですけれどもね。県の報告であなたからいただいた資料では。そういう中で、44%が65歳以上、ひとり暮らしが32.5%。この人たちの見守りとコミュニティーを一体で支援すると。
 県営の場合は、県土整備部が2人の支援員を配置しているのですよ。たった2人ですよ。1人は盛岡、1人は沿岸なのです。こんなでは全然見られないのですよ。本当に孤独死をなくそうと思ったら、やっぱり自治会を支援するし、使われていない集会所が使われるようにすると。そこがコミュニティーの拠点になっていくと。
 船戸先生も言っていますけれども、今、災害公営住宅は、ある意味、高齢化社会の先取りで、そこでの取り組みは従来の延長線上ではだめだ。行政が積極的な支援をしないともたないですよと。
 私はそういう意味で、行政が新たな形で、人を配置するにしてもコミュニティー形成の具体的な取り組みをするにしても、今そういう大事な局面にあるのではないかということで一般質問でも聞いたのですけれども、これは局長に聞きましょう。私は、やっぱりそういう認識でやらないと孤独死の防止対策にもならないと思いますけれども、いかがですか。
〇大槻復興局長 災害公営住宅と応急仮設住宅のときのコミュニティーが違うという委員のお話でございましたけれども、ある意味、災害公営住宅は新興住宅地が新たにできたようなものでございまして、普通は働き盛りの人が新興住宅地に入るのですが、そこに住む人は高齢者が多いという現状があると思います。
 委員御指摘のとおり、重点見守りで週1回というのはそのとおりでございまして、しかも、個別の訪問をすることが業務になっていますので、広がりがないと言えばそのとおりだと思っています。かといって、生活支援相談員なり何なりが毎日行けるぐらいの数を用意できるかというと、行政ではそれはなかなかできない話だと思います。あくまでも自治といいますか、そこの自治会という部分にある程度お願いする部分はしようがないかと思っております。
 そこで、委員がおっしゃるように、集会所を使って、鉄の扉から御老人の方々を外に出していく、そして、皆さんで仲よくやっていける取り組みが何かないのかということ。これは復興局だけでもできない話でございますので、例えば、市町村で行っている健康づくりとかといったもの、各沿岸の市町村でそれぞれ高齢者向けの体操とかをやっているのですけれども、そういったものを活用した上で、自治会での健康づくりといった部分での取り組みができないかということで、ことしも、生活再建課で、沿岸部の担当者会議みたいなものの中でそういうお話もさせていただいたようです。
 個別に市町村で運動みたいな、体操のようないい素材を持っていまして、各市町村でも健康づくりについては熱心に取り組みをしようと思っているところもありますので、そういったものと組み合わせた格好で、何とか自治組織といいますかコミュニティーをつくる手助けができるように、私どもも努めてまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 高齢者の見守り、コミュニティー形成支援は、恐らく10年経過しても国も必要な事業だという形になると思います。問題は、そのときに県はこういう取り組みをしていますとしないと、継続の事業が見えないのですよ。だから、本当に今そういう必要な取り組みをしっかり県としてやって、それを継続させていくと。
 私は、かなりきめ細かにやっているのは大船渡市だと思います。これも被災者支援総合交付金事業なのだけれども、専門家の保健師、看護師、栄養士が見守りしてやっているのです。そういう取り組みをぜひよく研究して、事業をやっていなかったら継続できないのだから、必要な取り組みは思い切って支援するというふうにしてやっていただきたい。
 次に行きますけれども、被災者の住宅再建への支援の実績と今後の見通しですが、先ほどの決算書にも、これは市町村と協力した100万円の支援だと思いますが、6億446万円余の決算額になっておりました。昨年度までにどれだけの住宅支援の実績となったのか。さらに、今後、自立再建の見通しはどうなっているのか。まだ住宅を確保していない被災者の状況を含めて示してください。
〇佐藤生活再建課総括課長 数字につきましては、本年9月末、最新の数字ということでお許しいただければと思います。
 住宅再建の支援につきましては、国が実施しております被災者生活再建支援制度に加えまして、委員に御紹介いただきました本県独自の被災者住宅再建支援事業を県と市町村で実施しております。
 本年9月末現在で、被災者生活再建支援金を活用して住宅を建設、購入した件数につきましては1万584件となっております。被災者生活再建支援金に上乗せする形で実施しております被災者住宅再建支援事業費補助金の支給件数は9、618件となっておるところでございます。
 移行先の住宅を確保していない被災者の状況でございますが、本年9月末現在で、応急仮設住宅等には527世帯が入居しております。そのうち令和3年3月まで供与期間の延長を決定しております世帯が97世帯、令和2年3月で供与期間が終了する世帯が330世帯となっております。供与期限が経過して入居されている世帯が100世帯という状況でございます。
 それらの被災者の皆様の住宅確保の意向でございますけれども、令和3年3月までに供与期間を延長した97世帯のうち、今後完成する災害公営住宅へ入居予定の世帯が22世帯、自力再建を予定されている世帯が75世帯となっております。
 令和2年3月で供与期間が終了いたします330世帯につきましては、災害公営住宅への入居予定の世帯が40世帯、自力再建を予定していらっしゃる世帯が290世帯となっております。
 供与期限経過後も入居しております100世帯につきましては、災害公営住宅へ入居予定の世帯が30世帯、自力再建を予定されている世帯が58世帯、賃貸住宅や施設入所等の予定の世帯が9世帯となっております。それから、意向未定という世帯が3世帯いらっしゃいます。
 県としましては、応急仮設住宅等に入居されている世帯が一日も早く恒久的な住宅に移行できるよう、いわて内陸避難者支援センター等が相談支援を個別に行っているところでございます。ケース検討の実施などにより世帯ごとの具体的な課題を関係機関と共有するなどして、引き続き、市町村や関係機関と連携しながら、被災者一人一人に寄り添った支援を最後まで実施していきたいと思っております。
〇斉藤信委員 まだまだ生活再建の土台である住宅を確保していない方々が527世帯あると。今の答弁を聞きますと423世帯が自立再建を目指すと。まだまだ自立再建を目指す方々が少なくないので、私は、今の答弁のように、しっかり最後まで支援して住宅が確保できるようにしていただきたい。
 次に、なりわいの再生についてお聞きしますが、昨年8月に実施された事業所状況調査では、震災前の売り上げを回復したとの回答が全産業で45.5%、水産加工業では33%、卸売、小売で31.7%、製造業で47.5%でありました。
 議論もありましたけれども、既にグループ補助金の借金返済も迫られている中で、売り上げが震災前の半分以下、3割台という、これは本当に再建が成り立たないような今の状況になってきているのではないか。
 特に水産加工の場合には、私は、災害並みの大不漁、原材料の高騰で本当に大変な状況になっていると思いますが、この状況をどう受けとめ、対応、支援をしているのか示してください。
〇山田まちづくり・産業再生課総括課長 被災した事業者への支援ということでございますが、先ほどハクセル委員へもお答えしたところでございますけれども、仮設店舗の方は、まず本設への移行、それから、本設で再開されましても、持続的、安定的な経営のための支援が必要と考えているところでございまして、県といたしましては、販路開拓や売り上げ増加に向けた県内外における商談会の開催等とあわせまして、商工指導団体等と連携しながら、今、宮古、釜石、大船渡の各商工会議所には、それぞれ1名の経営支援スタッフを配置するなどしまして、それぞれ経営実態の把握でありますとか相談対応、新たな経営計画の策定支援など、その事業者のニーズに応じたきめ細かい支援をこれまでも行ってまいりましたし、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 あっさりしているのでちょっと不安なのですけれどもね。
 私は、やっぱり危機的状況なのだと思うのですよ。せっかく再建して、借金を抱えて、しかし、売り上げが震災前の半分に届かないと。そういう中で、特に水産加工の場合には大不漁に直面している。だから、再建をなし遂げさせるという強い決意で、先ほどハクセル委員も取り上げましたけれども、これは災害並みの危機的状況ですから、金融業界とも連携して金融支援を強化するとか、あとは、原材料を確保する支援とか、そういう今までの延長線上ではない支援をやらないとできないという危機感を持って対応すべきではないのかと。
 あわせて、ことしも8月の事業所調査をやっていると思いますが、その速報値でも出ていないですか。
〇山田まちづくり・産業再生課総括課長 まず、状況についての認識、危機感というお話でございました。私ども、沿岸の基幹産業であります水産加工業の事業者に対しての補助も持っておりますけれども、やはり原材料不足というお話は、私どもも歩いていて耳にするところでございますし、農林水産部等ともきちんと連携しながら、本当に危機感を持って取り組んでまいりたいと思います。
 それから二つ目、被災事業所の調査でございますが、これは、昨年度までこの形で行ってまいりましたけれども、数値の目立った動きが見られないこと、あるいは国で重複する調査もあるということで、本年度はちょっと衣がえをさせていただきました。いわゆる被災した事業所だけではなく、震災後に起業した事業所であるとか、あるいは被災していない事業所も含めた状況把握が必要かということで、商工会議所あるいは商工会を対象とした衣がえをした調査を現在行っているところでございまして、目標としましては、11月中に取りまとめをしたいと考えております。
〇斉藤信委員 最後です。復興基金の活用実績、そして、昨年度末、今年度末の残額の見通しを含めて示してください。
〇佐々木復興推進課総括課長 復興基金活用の実績と残額ということでございます。
 平成23年度から平成30年度までに、暮らしの再建という部分では、住宅再建費用の一部助成、国民健康保険、後期高齢者医療制度における一部負担金免除に要する経費、また、安全の確保では、再生可能エネルギー導入促進に向けた環境整備、なりわいの再生では、中小企業の事業展開や被災地における起業の支援、産業創出など、47事業、計250億円余の事業に基金を活用してきたところでございます。
 そのうち平成30年度におきましては27事業、約23億円の事業に基金を活用したところでございまして、平成30年度末の基金残高は約53億円となっているところでございます。
 それから、今年度末ということでございました。今年度につきましては、今後の基金活用に係るシミュレーションもやってみておりますけれども、令和元年度末までに累積で約267億円を充当する見込みとなっておりまして、令和元年度末の残高は約36億円と見込んでいるところでございます。
〇伊藤勢至委員 先ほど孤独死の話が出ました。これは、私が今さら申すまでもなく、人間、この世に生を受けた以上、誰にもあるものでございます。天寿を全うする、あるいは極楽往生する、家族、親族等にみとられて終わる、あるいは畳の上で終わる、いろいろあるわけでありまして、中には、がんで余命宣告を受けて尊厳死を選ぶ人もいると聞いております。
 そういう中で、県の災害公営住宅に入っている人も、もちろん命は地球より重いという、そして、行政は揺りかごから墓場まで面倒を見るということにおいて、やっていくことをやっていただかなければなりませんが、これは被災地を含めて、市町村、県が一緒に考えるべき問題でありまして、県だけがどうこうという話ではないと私は思っております。
 そういう中にありまして、もちろん、これからの取り組み、年齢が増してくるごとに次なる世界がみんな近づいてくるわけでありますが、そういうことで逃げる気はありませんけれども、そういう中でもやるべきことはやらなければならないという観点をぜひお持ちになって、自分たちだけの責任ではない、だけれども、役目上そういうものがあるのだということを考えながらやっていただきたい。
 高台避難をした結果、生き残った方々が、避難場所に移って応急仮設住宅に移って、そして災害公営住宅に移るまで3年なり4年なりの大変つらい生活がありました。そして、この中で応急仮設住宅から葬儀を出した方もいらっしゃいます。
 そういうことを考えますと、人間はいつ、どうなるかわかりません。したがいまして、私たちの年になれば、そういうものは当然自分たちで考えておかなければいけない、準備をしている年になってくると思っております。したがいまして世の中の流れという中にあって、決して人のせい、誰々のせいということではありませんが、決して県当局は、下を向いて静かにやることではなくて、今までもやってきたことの上に立って、同時に、市町村と地域も巻き込んで一緒にやっていかなければ対応できない問題だと思っています。
 東日本大震災津波では、一瞬で1万6、000人の命が奪われたわけでございます。これは戦争以来の、こんな犠牲というのはなかなかないことであります。ですけれども、起きてしまったことに対応していくには、生身の生きていく人間がやらなければならない。
 そういうことを考えたときに、あなたたちだけではなくて、市町村にだって災害公営住宅があるわけであります。同じ条件であると思いますから、人生を終わる方が孤独でないように一緒に見送っておあげしましょうという気持ちで、いつかは私たちもそうなるわけですから、そういう気持ちを忘れずに、決して下を向くことなく仕事に当たっていただきたい。
 局長、感想があったら。
〇大槻復興局長 伊藤委員からエールをいただきましたので、決して下を向くことなく取り組みたいと思っております。
 先ほど斉藤委員にも申し上げましたけれども、要するに、災害公営住宅だけではなく、新しく移り住んだところでコミュニティーをつくるのが非常に難しい、一朝一夕にはできないと思うのですが、私らだけではなく、市町村の持っているいろいろな手だてといったものを活用して、何とか一日も早くコミュニティーをつくってもらうように努力したいと思っております。そういったことが、多分高齢者の方々の健康とか長寿につながるとか、それから、もっと言えば、市町村も、医療費も少なくなるような運営ができるようになるとか、いいお話がいっぱいあると思います。
 私どもで調べた限りでは、各市町村でも、健康づくりとか、栄養指導とか、高齢者向けの体操とか、いろいろな活動をやっておりますので、こういったものをうまく活用させていただいて、そして、市町村とも一緒になってそういった部分でのコミュニティーづくりに努力させていただきたいと思っています。
〇佐藤ケイ子委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐藤ケイ子委員長 質疑がないようでありますので、これで復興局関係の質疑を終わります。
 復興局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。
〇菊池会計管理者兼出納局長 出納局関係の決算について御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますが、組織改編に伴い、本年4月から県営建設工事入札業務が総務部から当局へ移管されており、こちらにつきましてもあわせて御説明申し上げますので、御了承願います。
 最初に160ページをお開き願います。2款総務費1項総務管理費1目一般管理費のうち、出納局関係の支出済額は、161ページ備考欄の中ほどに記載のとおり、出納局の管理運営費6億121万円余であり、これは、職員の人件費であります。また、県営建設工事入札業務に係る経費は、同じ161ページ備考欄、総務部の2段目、県営建設工事請負人選定費から4段目、建設工事管理情報システム運営費までの計774万円余であります。次に、164ページをお開き願います。5目会計管理費の支出済額は3億3、783万円余であり、これは、165ページ備考欄上段に記載の収入証紙売りさばき手数料、財務会計システム改修事業費などであります。
 次に、特別会計でありますが、ページを飛んでいただきまして、418ページをお開き願います。岩手県証紙収入整理特別会計の決算についてであります。まず、歳入でございますが、収入済額の合計は、419ページの一番下の欄に記載のとおり38億3、908万円余であります。続きまして、420ページをお開き願います。歳出でございますが、支出済額の合計は、421ページの左側一番下の欄に記載のとおり37億6、142万円余であり、これは、一般会計への繰出金でありまして、県税並びに使用料及び手数料に係るものであります。
 次に、459ページをお開き願います。岩手県証紙収入整理特別会計の実質収支は、歳入総額から歳出総額を差し引いた7、765万円余であります。
 以上で出納局関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇佐藤ケイ子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇柳村一委員 2点お伺いします。まず、岩手県事務用共通封筒広告掲載寄附の募集についてお伺いします。
 県庁内各部局及び広域振興局で使用する広告入りの事務用共通封筒を寄附する事業者を募集しておりますけれども、応募の状況についてお伺いします。
〇永井副局長兼総務課総括課長 広告つきの岩手県事務用共通封筒についてでございます。
 本県で使用いたします事務用共通封筒は、通常、出納機関で契約をし調達しておりますけれども、この広告つき封筒は、県のホームページで広告の掲載希望者を公募いたしまして、その広告内容の審査を経て、事業者が広告を掲載した封筒を作製していただいて、県に寄附をいただくものでございます。
 この広告つき封筒は、歳入確保強化の取り組みの一つとして広告事業の検討が行われた際に、多数の事業者が参加可能であり、寄贈の方式が比較的容易に実施が可能でありますことから、平成21年度から実施しているところであります。寄附をされました事業者は、自社の広告が行われること、そして、県といたしましては、封筒の作製経費の節減が図られるものであります。
 実施に当たりましては、県のホームページにより毎年度1月末から2月中旬にかけて翌年の使用分を募っておりまして、その内容は、1、000枚を1口として3口以上で3月末までの納入期限ということで、募集を一応この期間としてかけておりますけれども、期間終了後も随時の受け付けをしている状況でございます。
 これまでの寄附の実績ですが、延べ14事業者から寄附をいただいておりまして、直近では、平成29年度及び平成30年度とも、2者の事業者から合わせて13口、1万3、000枚の寄附をいただきまして、提供いただいた事業者からの御希望に基づき、各使用する部局等を調整し、当該部局の本庁あるいは出先機関で配布し、使用している状況でございます。
〇柳村一委員 大した金額にはならないでしょうけれども、いい取り組みだと思うのですが、出納局のホームページでしか募集されていないということは、県内のいろいろな業者に広く周知しているとは思えない。入札業者で興味がある業者だけが応募するという部分について、この応募方法をもう少し変えたらいかがかと思いますし、実績で1万3、000枚ということですが、本来であれば、県庁と振興局合わせて7万4、000枚ぐらい欲しいようですので、これが全部賄えるような募集方法とすればよいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇永井副局長兼総務課総括課長 この制度の活用のために、もっと積極的に周知をというような委員からの御提案でございます。現在は、物品入札のページに掲載しておりますが、これから、本庁だけではなく、各広域振興局の出納機関、物品、用品の調達などを取り扱っているセクションがございますので、そういった各広域振興局のホームページ等にも掲載してまいりたいと考えておりますし、来庁されて、入札ですとか見積書提出に訪れる事業者がおられますので、実際に目に触れるように、例えば募集の掲示やサンプルを掲示するなどして、これまで以上により広い周知を図っていくように工夫、努力をしてまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 県内の事業者にとっても、少ない経費で有効な宣伝にもなると思いますので、ぜひ、さまざまな周知方法を考えていただきたいと思います。
 次に移ります。証紙制度についてお伺いします。
 証紙制度のあり方については、これまで何回か御質問していましたけれども、平成30年度に検討するということで、どのような検討結果になったのかお伺いします。
〇山梨会計課総括課長兼会計指導監 証紙制度のあり方の検討状況でございますけれども、昨年度までの御指摘も踏まえながら、出納局において、引き続き研究や検討を進めてきております。
 この研究や検討については、証紙制度を廃止して現金を窓口で扱うこととした場合におけるコストやリスクなどを踏まえ、単に現金に切りかえるのではなく、いわゆるキャッシュレス決済といったものも導入できないかどうかについても、今視野に入れながら進めているところでございます。あわせて、他の都道府県における導入に向けた検討状況等の情報収集も開始したところです。
 キャッシュレス決済については、県民の利便性の向上につながる一方で、決済手数料がどうしても発生する、この負担をどうするかなどの課題が想定されておりますけれども、現在、多くの地方自治体が会員となっております産官学の連携組織であるキャッシュレス推進協議会において、自治体におけるキャッシュレス決済の導入に向けて、証紙制度の取り扱いの面も含めた検討が進められていると承知しております。
 今後も、国や他の自治体の動向について情報収集を行いつつ、県民の利便性の向上や社会情勢の変化も踏まえながら、引き続き研究、検討を進めてまいります。
〇柳村一委員 今の答弁で手数料の問題とありましたけれども、これまでも証紙を取り扱うところにも手数料を払っているわけですし、あと、岩手県はJPQRの普及事業が採択されましたので、そこら辺も絡めて何かできるのではないかと思って質問しました。検討されているということで、今後とも、よりよい取り扱いとなるよう証紙制度の廃止の方向に向けて頑張っていただければと思います。
〇佐藤ケイ子委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐藤ケイ子委員長 質疑がないようですので、これで出納局関係の質疑を終わります。
 出納局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求めます。
〇菊池人事委員会事務局長 人事委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、190ページをお開き願います。第2款総務費のうち、9項人事委員会費でございます。予算現額1億5、139万円余に対しまして、支出済額は1億4、893万円余でございます。
 内訳でございますが、1目委員会費の支出済額662万円余は、委員3名分の報酬など委員会の運営に要した経費でございます。次に、2目事務局費の支出済額は1億4、231万円余でございますが、これは、職員16名分の人件費及び事務局における任用関係事務、公平審査事務及び給与関係事務等の管理運営に要した経費でございます。
 以上で人事委員会関係の決算の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇佐藤ケイ子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 それでは、大きく2点ですが、昨年7月に労働安全衛生法が改正され、今年度から施行されております。その中身は、タイムカード等の客観的な方法による超過勤務時間の把握が義務づけられたこと。これは各部署でどのように取り組まれているでしょうか。
 二つ目に、超過勤務時間が月80時間を超えた場合、産業医による面接指導が必要となりました。部署ごとの月80時間超、月100時間超の職員の実数、率と面接指導の実績はどうなっているでしょうか。
〇中里職員課総括課長 まず、職員の客観的な超過勤務時間の把握についてでございます。
 県教育委員会におきましては、岩手県教職員働き方改革プランに基づきまして、法改正に先んじまして、昨年8月から県立学校にタイムカードが導入されたところでございます。また、本年4月からは、知事部局等におきましても、職員1人1台パソコンの勤務時間管理システムによりまして、出退勤時間の把握が行われているところでございます。
 次に、面接指導の状況でございます。本委員会が労働基準監督機関として職権を有する全ての事業場に対して行った調査の結果によりますと、知事部局につきましては、平成29年度におきまして1カ月に100時間を超える超過勤務を行った職員は実数で90名、そのうち産業医等医師の面接指導を受けたのは実数で86名、率にして96%となっております。
 同様に、教育委員会事務局におきましては、実数で9名、警察本部につきましては実数で46名になりますが、いずれも医師の面接指導を受けた職員はなかったところでございます。
 また、県立学校に勤務する教育職員につきましては、実数で668名、医師の面接指導を受けた教育職員はなかったものでございます。
 本委員会が行っておりますこの調査でございますが、前年度の状況について調査をしているところでございますので、法改正後の医師の面接指導の対象の要件となる1カ月に80時間を超える時間外勤務を行った職員については、把握していないところでございます。
 本県職員においては、法改正等を踏まえまして、各任命権者において実施要領を改正するなど取り組みの強化が行われているところでございますし、本委員会におきましても、各任命権者に対しまして、法改正等を踏まえた関係規定の整備等について適切に対応するよう文書で要請しているところでございまして、今後も一層の指導に努めていく考えであります。
〇斉藤信委員 本庁でパソコンによる出退勤の把握をしているということですね。これは今年度から客観的に把握していると。わかりました。これは前進面だと思います。
 知事部局では、私、総務事務センターから資料をいただいたのですけれども、超過勤務が月100時間を超える職員は217人という報告がありました。このうち対象月以降も含めると面接指導を受けた職員は100%。ところが、今の答弁にもありましたが、教員の場合は668人が100時間を超えている。面接指導を受けた教員はゼロだと。これは私、本当に異常な事態なのではないかと思います。668人というのは、県立学校の職員の19%、ほぼ5人に1人ですよ。労働安全衛生法では面接指導の対象が月80時間以上になるのですね。そうすると対象はもっと広がる。
 これは教育委員会、県立学校にも調査に入ったようですが、なぜ面接指導がゼロなのか。県立学校で100時間、19%というのは、私は本当に異常な事態ではないかと思いますけれども、人事委員会としてその要因をどう捉え、どういう指導をしているのか示してください。
〇中里職員課総括課長 県立学校の状況でございます。
 面接指導の要件でございますけれども、時間外勤務が次のいずれかに該当する職員、月80時間以上、あるいは2カ月から6カ月の平均が80時間以上、それから健康に不安を感じる職員等を対象に、かつ本人からの申し出があった場合において面接指導を行っているところでございます。
 労働安全衛生法上はクリアしている状況ではございますけれども、実績がないことにつきましては、本人からの申し出がないということで教育委員会からは伺っております。
〇斉藤信委員 私は二つ聞いたのです。100時間を超えるのが19%にもなっているということ自体、まさに異常な事態ではないのか。人事委員会としてはその理由をどういうふうに受けとめて、その改善をどう指導しているか。
 もう一つは、面接指導がゼロと。本庁に聞いたら、これは事実上義務化していると。だから100%なのですよ。当たり前だと思いますよ。過労死ラインを超えて稼いでいたらきちんと産業医の指導面接を受けるというのは、私は最小限のことだと思いますよ。
 教員にそれは義務づけられていないけれども、ゼロという、これは法に反しないと言うけれども、法の精神には反するのですよ。異常な事態ですよ。100時間以上の学校の先生が19%、668人もいて、1人も産業医の面接指導を受けていない。私は、これを異常だと感じなかったら人事委員会の役割放棄だと思いますよ。産業医の指導面接を受ける暇もないぐらい忙しいのじゃないですか、もしかしたら。
 なぜ面接指導が受けられていないのか、申し出がないのか、それはどういうふうに把握されていますか。
〇中里職員課総括課長 当委員会といたしましては、年度当初に書面において事業場調査を行って、その後、超過勤務が多い部署等について、実際に訪問して状況等を聞いている。県立学校につきましても、抽出になりますけれども状況を聞いているところでございます。
 要因については、申し出がなかったということは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、なぜ申し出がないかなどについてはまだ分析ができていないところでございます。
〇斉藤信委員 ぜひ踏み込んで、人事委員会は労働基準監督機関の役割を持っているわけだから、産業医の面接指導は申し出によるとはなっているけれども、本庁は基本的に義務づけてやっているわけですそれは労働者の生命と安全を守るためなのですよ。やらなくていいというふうにはならないと思いますよ。この異常な事態を改善するために労働安全衛生法の改正が行われた。だとすれば、産業医の面接指導を受けられるし、異常な100時間の超過勤務が大きく改善されるような指導をぜひしていただきたい。
 次に、もう一つの課題ですが、労働基準法の改正も昨年6月に行われました。有給休暇が10日以上付与されている民間労働者に対して5日の年次休暇取得が義務づけられました。
 県としては、どのようにこの改善については取り組まれているでしょうか。年次有給休暇5日未満の職員の実態、実数の把握はされているのでしょうか。
〇中里職員課総括課長 本委員会が労働基準監督機関として実施している、先ほど申し上げました事業場調査におきましては、各事業場における平均年次有給休暇取得日数を把握しているところでございます。平成29年におきましては、平均年次有給休暇取得日数が5日未満となっている事業場は、167事業場中、3事業場という結果となっております。
 地方公務員につきましては、地方公務員法におきまして年5日以上の年次有給休暇の付与の規定の適用除外とされたところではありますけれども、年次有給休暇の計画的な取得促進につきましては、職員の健康保持のために重要と捉えております。本委員会においては、職員の給与等に関する報告及び勧告において言及しているところでございます。事業場調査におきましても、年次有給休暇の取得状況等の把握を行った上で、任命権者や各事業場に対しまして、計画的な取得促進の取り組みを一層進めるように指導、助言を行っているところでございます。
 それから、職員1人当たりの平均年次有給休暇取得日数でございます。
 近年はおおむね11日程度で推移してきたところでございますが、平成30年は初めて12日を超える結果となりました。任命権者においては、改正労働基準法等の趣旨を踏まえまして、年次有給休暇の取得促進に向けた通知を発出するなど、取り組みを進めているところでございます。
〇斉藤信委員 私、5日未満の実態で人数も聞いたのだけれども、今、3事業場とありましたね。これは人数はわからないのですか、5日未満の。私、驚いたのは、医療局、県立病院は33%なのですよ、5日未満しかとっていないというのは。ほかの職場で本当にどうなのかということでお聞きしているので、そのことを答えてください。
 もう一つ、これが最後の質問ですけれども、超過勤務時間は月45時間というのが上限となりました。45時間を超えている実数、実態というのはどうなのか、改善の取り組みを含めて示してください。
〇中里職員課総括課長 まず、事業場調査の結果でございます。
 調査項目が事業場単位となっておりますので、職員に着目した項目となっておりませんことから、事業場調査については事業場の数ということになります。
 それから、2点目の上限の関係でございます。
 平成30年度におきましては、一月の超過勤務時間数が45時間を超えた職員は年間で延べ4、335人となっております。本県におきましては、本年4月から超過勤務命令を行うことができる上限を、原則1カ月について45時間、他律的業務の比重が高い部署においては1カ月について100時間未満と設定したところでございます。
 任命権者におきましては、業務の見直し、超過勤務命令の事前、事後確認の徹底などについて改めて周知を行ったほか、働き方改革推進強化月間などの取り組みも行っておりまして、全庁で業務効率化に集中して取り組むなど、職員の超過勤務の縮減に取り組んでいるところでございます。
 本委員会といたしましても、任命権者における長時間勤務の解消に向けた取り組みを注視しながら、必要に応じて労働基準監督機関といたしまして適切な指導、助言を行ってまいります。
〇斉藤信委員 今の答弁で、45時間超は延べ4、335人と、本当に少なくない数ですよね。労働安全衛生法も労働基準法の改正も労働者の生命と安全、健康を守るための改正ですので、これが厳格に実行される。そういう意味で人事委員会の役割は私は特別に重要だと思うので、最後に、事務局長からこの二つの法律の改正をしっかり徹底するということでお聞きしたい。
〇菊池人事委員会事務局長 人事委員会の役割ということでございまして、労働基準法と労働安全衛生法がございます。当然ながら、職員の勤務条件の向上や安全衛生の確保が使命の法律でございまして、私どもは、労働基準監督機関として、岩手労働局と並んで、県では監督機関としての役割がございます。さらに加えまして、県の組織といたしましては人事行政の専門機関でございまして、職員の安全・安心、働きやすい職場づくりも含めて私どもの使命と考えておりますので、しっかりその使命、役割を果たして、各機関、各任命権者を指導してまいります。
〇佐藤ケイ子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐藤ケイ子委員長 質疑がないようでありますので、これで人事委員会関係の質疑を終わります。
 人事委員会事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求めます。
〇鈴木監査委員事務局長 監査委員関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、190ページをお開き願います。第2款総務費のうち、10項監査委員費1目委員費の支出済額は1、871万円余でありますが、これは、監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要した経費であります。次に、192ページをお開き願います。2目事務局費の支出済額は1億9、821万円余でありますが、これは、事務局職員の人件費等、事務局の管理運営に要した経費であります。
 以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇佐藤ケイ子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐藤ケイ子委員長 質疑がないようでありますので、これで監査委員関係の質疑を終わります。
 監査委員の皆様は御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時42分 散 会

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