令和元年9月定例会 第2回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇44番(伊藤勢至君) 希望いわての伊藤勢至です。
 初めに、今般発生した台風第19号に伴う災害により、県内では、宮古市の方を含む2名が亡くなったほか、5名が重傷、2名が軽傷を負うとともに、多数の住宅等が床上、床下浸水などの被害を受けました。犠牲になられた方々の御冥福と被災されました皆様にお見舞いを申し上げます。
 早速、質問に入ります。まず、参議院議員選挙の結果について伺います。
 2019年は選挙の年でありました。7月21日投開票の参議院議員選挙では、政治的に無名と言える横沢たかのり氏が、3期18年継続し、東日本大震災津波の際には復興大臣まで務めた現職を打ち破り、堂々と初陣を飾ったのであります。
 盛岡市内の実業高校を卒業後、子供のころからの夢であった自動二輪車のレーサーを目指し、大手自動車会社に就職し、免許取得後、テストレーサーとして働いていました。テストレーサーは、時速300キロメートル以上の高速を出すということを聞いて驚いたものです。25歳のとき、練習中の思わぬ事故で脊髄損傷の大けがにより、以来22年間、車椅子での生活を余儀なくされてきました。そのころ、友人から誘われて、当時、衆議院議員だった知事の青年部に入会したということでした。そのとき、知事から、車椅子の目線で政治に伝えたいことはありませんかと問われ、それまで遠い世界だと思っていた政治が、実は身の回りにあるのだと強い印象を持ったということでした。その後、友人たちの勧めによりチェアスキーに挑戦することとし、2010年、カナダのバンクーバーパラリンピックに日本代表として出場するまで、筆舌に尽くしがたい努力を重ねてきたものと思います。それ以降は、全国から依頼のあった講演会で、夢を持つこと、希望を持つこと、諦めないことをテーマに講演してきたと伺いました。
 横沢たかのり氏が、人生の大きなアクシデントを乗り越え、挫折することなく、次なる目標に挑戦し、結果を残してきたこと、これは、県民はもとより、国民にとってもよきお手本となるものと思い、大いに期待するものでありますが、知事はどのような感想をお持ちでしょうか、伺います。
 次に、8月22日告示となりました岩手県知事選挙について伺います。
 達増知事は、平成19年初当選以来、危機を希望に変えることを掲げ、着実に県政を前に進めてこられました。東日本大震災津波発生までの間の最大の功績は、岩手県立病院の崩壊の危機を、首の皮一枚でまずは持ちこたえたことであります。
 国の医療制度改定により研修医制度が施行されることとなり、各病院に若手医師の配属が滞り、その分、若手医師に負担がかかり、1日3時間の睡眠時間もとれない、食事はカップラーメン、風呂にも入れないなど、メディアでも多く取り上げられました。当然、家族からは、そのような過酷な仕事では体を壊すから民間にかわったらという声が出るのは、もっともなことであります。
 この難局に当たり、達増知事がまずやったことは、県立病院の病院長や勤務医との懇談会に出席し、現場の声をじっくりと聞き取りをしたことでした。
 ちなみに、達増知事の前の知事は、就任後の最初の会議に出席しただけで、12年間、1度も出席しておりませんでした。
 達増知事は、県立病院の医師から現況を頻繁に聞き取りをされ、まず、すぐできることとして、平成19年度に医療クラークを試験的に導入し、平成20年度からは本格導入し、県立病院全体で63人、平成21年度に100人を任用することとし、医師の負担軽減に積極的に取り組まれました。次には、岩手医科大学に地域枠を織り込んでの入学枠の拡大を取りつけたことであります。
 11年経過した今、ようやく卒業した若手医師が、岩手の各県立病院に配属されるようになりました。もちろん、これで岩手の医療問題が解決したとは言えない現状でありますが、崩壊の危機を適切な対応で乗り切ってきた功績は、今後も語り継いでいくべきものであります。
 東日本大震災津波への岩手県の初動は、実に立派なものでありました。発災の翌日、防災ヘリひめかみに乗り込んだ知事は、陸前高田市から宮古市まで上空から被災状況を視察され、このただならぬ様子を見てとり、県庁に戻った知事がまずやったことは、被災した市町村をすぐに支援することを決めたことです。これは、十分な備蓄があるとは言えない市町村に、まず医薬品、食料品、水の購入に充ててほしいことの親心でありました。同時に、当然、国からの支援金交付があることを見越しての措置でありますが、この積極果敢な初動は、これまた語り継いでいくべきものであります。
 さらに、400億円の債務負担行為を起こしてくれました。これは、応急仮設住宅設置への先手でありました。5カ月後には、被災地のどこよりも早く、安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生を骨子とする東日本大震災津波復興計画を打ち出してくれました。この中で、県内の被災した108の漁港は、岩手県の名において全て復旧するとの決断は、沿岸地域にとりまして大変大きな励みとなるものでありました。
 ちなみに、宮城県では、この際漁港を半分にすると発表し、後から漁民からの猛反発を受け、結局もとどおりになりましたが、そのために完成がおくれたことを明記するべきであります。
 インフラの中で重要な位置を占める国道、県道も新しい計画のもと、あと一息で完成を迎えるところまで進んでおります。
 今回の知事選で県内をくまなく回られて、県民とどのような対話ができましたか。そして、これからの県政はどうあるべきとお考えになりましたか。
 有権者の皆様は、知事が3期12年、真摯に取り組んでこられた経緯を冷静に見守っております。そうでなければ、県内33市町村全てで勝利するという結果は与えられるものではありません。このことの意義もお伺いいたします。
 次に、県議会議員選挙の結果について伺います。
 知事選と同日の投開票によって新たに48名の県議会議員が誕生し、関根議長のもと、新しい議会が始まりました。私は、平成7年7月に初議席をいただきました。当時の同期生は19名おりましたが、今、議場にいるのは千葉伝議員、斉藤信議員と私の3名になりました。ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。まさに新陳代謝は自然の摂理であり、世の習いであります。しかし、私たち3人は、議席をいただいてよしとしてはおりません。前任期の2月定例会で、県から2019年度から2028年度までの今後10カ年にわたる県民計画が提案され、議会は、最終本会議において、満場一致でこれを可決いたしております。岩手県民の幸福を目指すというものであり、議会の構成が変わろうとも、議会の継続性ということもあり、我々3人も、それぞれ負託を受けてきたこととあわせて、懸命に努力をしていく覚悟であります。
 前にも述べましたが、県知事は1分の1、県議会は48分の48、県議会議員は48分の1のことわりを忘れることなく、されど、岩手県に48人しかいない県議会議員として大いに議論を交わし、岩手のために働きたいと考えております。
 選挙が終わればノーサイドです。知事は、県議会と県議会議員とどのように向き合っていく考えか、お伺いをいたします。
 今月22日、我が日本国の第126代今上天皇陛下、皇后陛下の即位を祝う即位礼正殿の儀が挙行されます。大変喜ばしいことであります。このときに当たり、知事は、第16代仁徳天皇の詠まれとされる、高き屋に、のぼりて見れば煙立つ、民のかまどはにぎはひにけりに思いをいたし、あくまでも県民のための県政にさらなる御努力をいただきたいと思いますが、あわせて御決意のほどをお伺いいたします。
 次に、ラグビーワールドカップ2019釜石開催について伺います。
 2015年の英国大会の次は日本での開催が決まっており、そういう中で、新日鉄釜石のV7を支えた松尾雄治氏と神戸製鋼V7を支えた故平尾誠二氏とのラグビーワールドカップ日本大会に向けての対談の中で、松尾氏から、東日本大震災津波からの復興と世界中の皆様からいただいた御支援への感謝を込めて釜石市で開催してはどうかという話があり、これがラグビー関係者の間にじわじわと広がり、次第に盛り上がってきました。しかし、問題は、人口100万人以上の都市で2万人収容のユアテックスタジアム仙台を有する仙台市にどうやって勝つかでありました。そのためには、県の支援が必要と考え、私は、2巡目国体開催に向けて総力で取り組んでいた県に配慮した長いタイトルの議員連盟を44名の参加をいただき、立ち上げ、県に共同開催をお願いしてきました。その結果、岩手県知事達増拓也、釜石市長野田武則の連名で、開催都市希望申請をラグビーワールドカップ2019組織委員会に挙げることができました。平成27年3月2日、ラグビーワールドカップリミテッドから、12番目の開催地として岩手県釜石市が発表されました。
 議員連盟としては、関係者をお招きしての講演会、2015年の英国大会の際の人口20万人のグロスター市、ジャパンとスコットランドが試合をした1万6、000人収容のキングスホルムスタジアムの視察、議員連盟役員が手分けをしての東北5県議会、仙台市議会等への協力要請を重ねてきました。
 スタジアム建設費及び釜石開催の大会運営費については、総額60億1、600万円、これを国が4、釜石市が4、県が2の割合で負担いただきましたが、何より大きかったのは、2巡目国体の際に、天皇杯、皇后杯ともに2位という立派な成績を上げたこと、そして、その運営のノウハウを釜石開催にも生かしていただいたことであります。
 希望郷いわて国体の際は、県内外から最大473台のバスを手配し、開閉会式を盛り上げたこと、釜石開催では約270台のバスの手配をし、運営をスムーズに行ったこと、しかも国体時の3分の1の人員でやり遂げつつあることに敬意を表し、感謝を申し上げます。
 残念なことに、釜石開催の1試合が中止になりましたが、大自然のなせるわざでいたし方ないと思います。これから大事なことは、そのレガシーをどのように活用して、三陸沿岸の振興に役立てていくのかであります。
 ラグビーでの活用は、釜石シーウェイブスが中心となると思いますが、仮設スタンド1万席を撤去した後のハイブリッドの芝生を備えたスタジアムをどう活用するのか。例えば、三陸沿岸学童スポーツ大会の開催、音楽の発表会、高齢者のゲーム大会などを三陸鉄道と連携しながら展開することなどが考えられますが、いかがでしょうか。
 次に、国際リニアコライダー―ILCを岩手県に誘致することについて伺います。
 県議会議員となって2年目の平成8年、現在の一関市長で、当時、県の科学技術振興室長補佐に相談しました。我が宮古地域で、これまで学会というものが開催されたことはなかったと思う。県立宮古短期大学もあることだし、若者に刺激を与えられる学会を宮古市に呼んでほしいとお願いをし、物理学の中のニュートリノの学会を呼んでもらいました。平成9年1月8日から10日までの2泊3日、当時の新進気鋭の国内著名大学の研究者80名が集まっての研究会となりました。その学会の事務局長を務められたのは、昭和57年東京大学理学部助手、平成4年東京大学助教授、平成5年東京大学宇宙線研究所教授を務められた現岩手県立大学の鈴木厚人学長でありました。
 先生方の研究会の後、宮古短大の200人収容の階段教室で市民公開講座が開かれ、45分の講演、15分の質疑がありました。学会を呼んでくれと言った手前、何とか入場者を確保したいと考え、ほぼ満席の聴講者を集めましたが、質問はありませんかとなったとき、誰も手を挙げませんでしたので、私が手を挙げて、正直に言ってよくわかりませんでした。先生方の研究は人間社会にとってどのように役に立つのでしょうか。そして、私たちのこの地域に何か可能性はあるのでしょうか。逆に、悪いところがあったら教えていただければと思いますとお聞きしたところ、鈴木先生は、あんたは偉い。私たちが30年研究してもよくわからないことが多い中で、45分の講演を聞いてよくわかりましたと言われたら、私たちが困りますと言って笑われた後、電話を発明したのはベルということは皆さんも知っているでしょうが、その電話がここまで発達するとは誰も思わなかったでしょう。当時は自動車設置電話が普及し始めていました。私たちは、宇宙から発する素粒子の中に地球を突き抜けるものがあり、それをつかむことができれば、電波より早い通信手段になるかもしれないと思い、研究をしています。宮古、下閉伊地域のいいところは、岩泉の岩盤はとてもかたいので、データバックの基地としての活用が考えられます。悪いところは、専門書を扱う本屋さんがないことですとの答えでありました。
 平成14年、小柴昌俊先生がスーパーカミオカンデでニュートリノの検出に成功し、ノーベル物理学賞を受賞されました。このころからILCの報道がされるようになってきました。
 私たちは、平成25年5月、10名の有志議員でスイスCERNのLHC施設を視察し、フランスのリン・エバンス博士から、CERNの施設は岩盤の関係からなだらかに歪曲したものになってしまったが、真の研究成果を得るためには、ストレートな30キロメートルの施設が欲しい。それは、日本の岩手県の北上高地に存在すると伺ってきたところであります。
 昭和24年、湯川秀樹博士が中間子の存在を明らかにし、日本で初めてのノーベル物理学賞を受賞されて以来、前段で述べた小柴先生を初め、これまで11名の先生がノーベル物理学賞を受賞されています。資源の少ない日本でありながら、すぐれた頭脳と、地球が誕生し日本列島が生まれたときから存在する天与の北上高地に、世界の熱い期待の目が注がれています。次の世代に何を残すかが問われる国策として日本国が決断すべきときと考えます。
 先般、ILCの費用国際分担促すという報道がありました。まさに好機到来であります。知事の決意のほどをお聞かせください。
 次に、いわて県民計画(2019〜2028)の農林水産業高度化推進プロジェクトの中のスマート水産業の取り組みの推進について伺います。
 一網打尽、一獲千金は、今や死語に近い漁業の言葉であります。今回の網が不漁でも次の網がよければ、次がだめでもその次がよければそれまでのマイナスは一気に取り戻せるさ、それが漁業者のだいご味でもあったとも言えます。
 岩手県沿岸の三大有力換金魚種のスルメイカ、サンマ、サケの漁獲量の長期低落傾向に歯どめがかかりません。スルメイカについては、平成8年の2万5、008トンをピークに、平成26年は1万4、047トンと半分以下に、サンマも平成23年の6万5、904トンをピークに、平成30年は2万3、629トンと半分以下に、サケにあっては平成8年度の7万3、526トンをピークに、平成30年度は1万269トンと7分の1まで減少しています。
 先般、岩手日報社のサケの乱という連載記事を読ませていただきました。戦後、活況を呈した北洋サケ・マス漁の国際的な規制を受けて、1960年代に人工ふ化放流を推進した国や国策に呼応した県は、次々と施策を展開しました。この先人の皆様の不断の御努力により、三陸沿岸の漁業関係者が潤ってきたのは事実でありまして、心から感謝申し上げるものであります。
 私たちが正月に食べる魚は、新巻サケと決まっていたものであります。しかし、残念ながら、サケがとれないことによる水産業界への大きなダメージを心配している現状であります。
 そこで伺いますが、日本海に面する新潟県村上市の三面川はサケの川として有名ですが、ここの秋サケ来遊尾数について、尾数は少ないものの、10年スパンで見ると安定しているように思いますが、どうしてなのでしょうか。比較検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 また、日本海で鯨を見たという情報がないと思いますが、いかがでしょうか。
 沿岸のサケ定置網を揚げるとき、船の周りにイルカが寄ってきて、雑魚をリリースされるのを口を開けて待っていると聞きました。イルカは鯨類の最下位に位置しています。北洋系の鯨がふえていると聞きますが、県として情報はお持ちですか。
 田野畑村の松前川に、平成30年に1、000匹程度のサケの遡上があったと聞いて情報提供いたしました。松前川は、平成9年まで増殖河川としてサケの稚魚を放流していましたが、平成10年度、道路工事によりふ化場を廃止し、明戸川に集約して事業を継続しているとのことでした。平成26年には、明戸川に稚魚の放流ができなかったことから松前川に稚魚を放流しましたが、平成10年以降、稚魚を放流したのはその年のみで、この川では自然遡上が繰り返され、少しずつサケがふえて帰ってきていると考えるべきではないでしょうか。
 平成30年12月18日、岩手大学釜石キャンパスで、農学部食料生産環境学科水産システム学コースの3年生8名と県議会の意見交換会があり、参加しました。岩手大学学長の、震災後の三陸沿岸の復興に貢献したいとの肝いりで始まったと聞き、感激をしたところであります。
 研究テーマの中にサケがありましたが、サケについては、人工ふ化を進めて、その恩恵を受けてきた我々が解決すべきであって、これからの若者たちには、海洋汚染とか食物連鎖とか、魚種で言うならば、年々漁獲量が減少している毛ガニなどの生態研究、養殖の可能性についての研究などをしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、消防、防災について伺います。
 東日本大震災津波で、被災3県は大変多くの消防団員の殉職者を出しました。岩手県は90名、宮城県では83名、福島県では24名、合計197名が殉職しました。消防団員は、家庭にあっては大黒柱、地域にあってはリーダー役を務める方々であり、大変大きな人材を失いました。ここに改めて、謹んで御冥福をお祈りいたします。
 東日本大震災津波以前から危惧されていましたが、団員の高齢化、新入団員の減少が顕著になってきました。同時に、消防署と消防団を混同する方たちがふえてきていることを心配しています。人口100万人以上の政令指定都市であれば、潤沢な交付金の中で消防署職員の増員もありましょうが、県内の消防署も消防団も定数の確保が難しいと聞いております。ここで消防団の果たす役割を改めて認識すべきであります。
 東日本大震災津波により多数の消防団員が犠牲になったことから、沿岸12市町村において、波浪災害時の避難ルートを策定したと伺いました。大変よかったと思います。ただ、気になりますのは、津波到達予想時刻の10分前に高台避難を完了とする自治体、同じく15分前とする自治体、津波到達予想時間の15分前まで活動、その後高台避難、同じく20分前までとする自治体があり、住民と消防団の命にかかわるルールがそれぞれに違うというのは再考の余地があるのではないでしょうか。各地の地形等を勘案してのこともありましょうが、大事件になればなるほど、命令、号令、時間はシンプルに統一したほうがベターと思いますが、いかがでしょうか。
 また、県で進めている防潮堤の陸閘や水門等の閉鎖について、水門・陸閘自動閉鎖システムにより、津波注意報等を受信すると一斉に行われると聞いています。このことを沿岸住民へどのように説明しているのでしょうか。逃げおくれて犠牲となる人を出さないために、十分な説明、訓練が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 知事は、今回の選挙のマニフェストの中に、消防団への支援を打ち出しました。大きな第一歩と考え期待しておりますが、知事のお考えをお伺いいたします。
 以上で、壇上からの質問を終わります。答弁によっては再質問をさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 伊藤勢至議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、参議院議員選挙の結果についてでありますが、パラリンピアンであり、自身の車椅子経験をもとに、岩手県内各地で講演活動を重ねてきた候補者を岩手県民が参議院議員に選んだということは、共生社会実現の強い意思を全国にアピールすることとなり、当選者本人の選挙時のスローガン、強くやさしい日本を岩手からつくるを県民的に目指す姿勢を示す形になったと思います。これは、東日本大震災津波を経験し、震災に真剣に向き合い、復興に全力で取り組んできた、そしてその間、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会を成功させた岩手県として当然の選択であり、力強い意思表明であると考えます。
 県といたしましても、当選者と障がい者福祉関係、障がい者スポーツ関係の皆さんを含む支持者の皆さんはもとより、オール岩手で力を合わせ、東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわての基本目標を高く掲げながら、いわて県民計画(2019〜2028)の推進に邁進したいと思います。
 次に、知事選挙の結果についてでありますが、得票率が自己最高の72.1%、また、県内全ての市町村でトップというのは、岩手に対する私の思いと岩手県民の私への支持が一層強く結びついたと感じられるような大変うれしい結果であり、一方で、千田正知事以来となる4期目の任期ということで、より大きな責任も感じております。
 今回の選挙戦では、広い岩手県を4巡し、全ての市町村を回りましたが、東日本大震災津波からの復興については、被災地の皆さんの健康支援、生活支援、事業者支援などをしっかりと進めていく、また、内陸を含め、県の施策によって、地域振興、保健、福祉、医療、子育て支援などの課題に対応していく、そのようなことに決意を新たにしたところであります。
 マスコミの出口調査によりますと、私を御推薦いただいた4政党はもちろん、そうでない政党支持者や支持政党なしの無党派層からも幅広く支持をいただくことができ、県民党的な支持の広がりがあったものと受けとめております。選挙で示された民意に基づき、いわて県民計画(2019〜2028)の遂行を基軸としながら、県民本位の県政を力強く進めてまいりたいと思います。
 次に、県議会議員選挙の結果についてでありますが、民意によって選ばれた首長と議員は、地方自治法に定められたお互いの権限と責任において、議論を深めながら県民の負託に応えていくべきものと考えます。
 議員御指摘のとおり、議会の構成が変わっても過去の議会の議決は尊重されるべきものであり、全会一致で議決されたいわて県民計画(2019〜2028)を初め、県の条例、計画等に基づきながら力強く県政を進めてまいります。
 選挙戦という言葉があるように、選挙においては、候補者の、あるいは候補者が関係する政党や団体の主張を前面に打ち出しながら全力での戦いを繰り広げるものでありますが、議員御指摘のように、選挙が終わればノーサイドであり、私も県議会議員の皆様とともに、今般の選挙で示された民意を尊重しながら、いわて県民計画の遂行に力を尽くしてまいります。
 次に、県政運営への決意についてですが、議員御紹介の歌は、民家のかまどから煙が立ち上っている様子を見て民の生活が成り立っていることをうれしく思われた仁徳天皇のお気持ちが詠まれた歌と承知しております。この歌にもあらわされているとおり、仁徳天皇は民のことを第一に考え、政をとり行う、そのような方だったと言われています。
 私は、このたびの知事選挙の期間を通じて、県内の全ての市町村、各地域を回り、豊かな稲穂の実りを初め、さまざまななりわいに携わる県民の皆さんの活動を目にし、多くの県民の皆さんと直接接して、いわて県民計画(2019〜2028)の理念や政策を訴えながら、さまざまな課題や要望を伺ってきたところであります。いわて県民計画(2019〜2028)のもと、県民一人一人の視点に立ち、より人々の暮らしや仕事を起点とする政策を展開し、岩手が全ての岩手県民と岩手にかかわる全ての人を幸福にできる県になることを目指し、基本目標に掲げる、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてを実現していきたいと考えます。
 次に、ILCの誘致についてでありますが、ILCは、21世紀の科学と技術を大きく前進させる国際プロジェクトであるとともに、本県にとって、新産業の創出やグローバル人材の育成、多文化共生社会の実現など、世界に開かれた地方創生のモデルとなるプロジェクトであり、県では、1990年代からリニアコライダーに関する情報収集や研究者とのネットワークの構築等を進め、さまざまな機会を通じてILCの意義や必要性を説明しながらILCの実現に向けて取り組んでまいりました。また、東日本大震災津波発災直後の平成23年4月に開催された国の復興構想会議において、本県から復興の象徴としてILCを実現すべきと訴えたところであり、ILCは、国が提唱する創造的復興、あるいは新しい東北に向けても重要なプロジェクトであります。こうしたことから、いわて県民計画(2019〜2028)においては、新しい時代を切り拓く重要なプロジェクトとしてILCを掲げ、県を挙げてILCの実現と受け入れに万全を期すよう取り組んでいるところであります。
 本年3月7日の日本政府による関心表明以降、日仏、日独のディスカッショングループの設置合意や、高エネルギー加速器研究機構による国際分担等に関する提言などILC実現に向けた国内外の議論が進んでおり、政府の決断に向けては、こうした議論を加速させていくことが極めて重要と考えます。
 このため、県としての四半世紀にわたる取り組みを踏まえ、東日本大震災津波の経験に基づいたいわて県民計画(2019〜2028)の基本目標の実現のためにも、国内外の動向に臨機に対応し、超党派国会議員連盟や研究機関、推進団体などと連携を一層密にし、政府への要望や国民理解の増進など、ILC実現に向け取り組んでまいります。
 次に、消防団への支援についてでありますが、東日本大震災津波における消防団の活動は、地域住民に勇気を与え、改めて地域のきずな、コミュニティーの大切さ、そのために消防団が果たしている役割の大きさ、そして、消防団が地域防災力のかなめであることを教えてくれました。
 一方で、少子高齢化等による担い手不足で消防団員の減少が続いている現状でありますことから、県としては、若者、女性の加入促進や機能別消防団員制度の導入など、市町村が行う事業を支援しながら団員確保対策を推進していく必要があります。
 また、最近の災害の多様化、激甚化に伴い、災害現場の危険性が一段と高まる状況下において、安全に任務を遂行することが肝要であり、国が示す消防団の安全装備品の整備が進んでいない市町村もありますことから、消防団の装備品等についても支援の必要があると考えています。
 今後、市町村や関係団体等の意向を踏まえながら、来年度の当初予算に向けて、消防団への支援の仕組みを検討してまいります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔文化スポーツ部長菊池哲君登壇〕
〇文化スポーツ部長(菊池哲君) 釜石鵜住居復興スタジアムの活用についてでありますが、ラグビーワールドカップの釜石開催は、平成24年の議員連盟設立以来、県民一人一人が協力し合う姿勢、また、国内外からの支援に対する感謝をラグビー精神のもとで発信していくとするお考えのもと、県、釜石市とともに精力的に活動していただいた結果、実現できたものでありまして、これまでの県議会の皆様の御尽力に深く感謝申し上げます。
 釜石鵜住居復興スタジアムは、日本代表選手からは日本一の芝とたたえられたほか、グラウンドと観客席の距離が近く、プレーの迫力、臨場感をより強く感じられること、そして、何よりも被災した小学校の跡地に新設された復興の象徴として高い評価を受けているところでございます。このようなことから、このスタジアムを将来にわたって、ラグビーはもとより、スポーツ分野を初め、教育、文化、観光などさまざまな分野で積極的な活用が図られることが重要であると認識しておりまして、釜石市が立ち上げました釜石鵜住居復興スタジアム運営委員会に県もオブザーバーとして参画し、今後の活用等についての検討を進めているところでございます。
 来月には、トップチャレンジリーグ公式戦や小学生タグラグビーの国際交流大会などの開催が決定しております。今後、ラグビーを初め、各種スポーツ、文化芸術などを愛するさまざまな人々が集い、さまざまな輪が生まれ広がる場所として、国内外とつながり続けていくよう、ラグビーワールドカップを記念したイベントや、三陸鉄道など地域資源を活用した地域振興に向けた取り組みを進めていく考えでございます。
   〔農林水産部長上田幹也君登壇〕
〇農林水産部長(上田幹也君) まず、三面川のサケの来遊等についてでありますが、新潟県村上市の三面川は、藩政時代からサケの資源保護、明治以降は人工ふ化に取り組むなど、サケの増殖に関して歴史のある河川であります。平成19年度から平成28年度の平均漁獲尾数は約3万8、000尾となっており、日本海側では有数のサケ増殖河川であります。
 一方、本県の主要な河川における10年間の平均漁獲尾数でございますが、県北の安家川では約5万4、000尾、県央の津軽石川では約10万5、000尾、県南の気仙川では約5万5、000尾となっております。
 震災後の本県の秋サケの不漁は、海水温の上昇等の環境変動などが要因と考えられるため、温暖な環境でも比較的安定して回帰している三面川などの事例も参考にしながら、引き続き、高水温でも回帰する種苗生産技術の開発を進めてまいります。
 また、鯨については、国が平成6年から北西太平洋海域において資源調査を行っております。ただ、日本海海域は対象とされておりませんので、生息状況については不明であるものであります。
 次に、鯨の資源動向についてでありますが、国は、先ほどの生息状況調査に加えまして、平成22年から目視による鯨類の資源量の調査を実施しております。これらの調査によりますと、近年、大型鯨類のミンククジラやニタリクジラ等の資源量は増加傾向にあると報告されております。また、主に東北から北海道に分布する小型鯨類のイシイルカの資源量は、平成15年度以降、横ばいの状況と推測されると報告されております。
 次に、松前川のサケの遡上についてでありますが、国の研究機関が平成28年度から実施しております松前川の調査では、毎年、サケの遡上があり、人工ふ化(後刻「自然ふ化」と訂正)による再生産が行われていることが確認されております。
 また、地元でサケの人工ふ化放流事業を実施している田野畑村漁協によりますと、平成26年度のサケの稚魚放流に当たり、放流河川である明戸川の河口が春先に土砂で埋まったため、やむを得ず隣の松前川に約10万尾を放流した経緯があり、平成30年度にはその主群となる4歳魚が松前川に回帰したことも遡上数がふえた要因の一つと受けとめているとのことであります。
 県では、引き続き国の研究機関や漁協と連携いたしまして、松前川の自然遡上の状況について注視してまいります。
 次に、水産業の研究課題についてでありますが、岩手大学の水産システム学コースは、平成28年4月に三陸復興に貢献できる水産学の専門人材の育成を目的に新設され、進学した学生は、水産業を通して沿岸地域の復興に貢献したいという高い志を持って学んでいると聞いております。
 議員御指摘のケガニでございますが、本県沿岸の重要な資源であり、宮古市では毛ガニまつりを開催するなど、その知名度は高まっております。ただ一方で、近年の漁獲量は減少傾向にございまして、また、その生態についてはいまだ不明な部分が多くございます。
 ケガニ資源を増加させるためには、その生態の解明などの研究を進めることが重要でありますので、岩手大学とさらに交流を深めながら、学生の夢のある新たな発想を生かしたケガニの研究などについて、さまざまな観点から意見交換をしてまいりたいと考えております。
   〔総務部長八重樫幸治君登壇〕
〇総務部長(八重樫幸治君) 避難ルールの策定についてでありますが、東日本大震災津波では、多くの消防団員が避難誘導等の活動中に犠牲となられたことから、消防団活動の安全確保のため、平成24年度に県と岩手県消防協会が災害時における消防団の安全管理・活動指針を取りまとめ、各市町村に安全管理マニュアルの見直しの参考として示したところであります。
 沿岸12市町村においては、平成26年度までにそれぞれの地域の実情等を踏まえながら消防団活動・安全管理マニュアルを策定し、津波予想到達時刻前までに団員が安全に活動や避難ができるよう情報伝達の確立や避難ルールを定めていますが、マニュアル策定後においても、周辺環境の変化に応じながら、団員の退避時間の短縮につながるよう、逐次マニュアルの見直しを働きかけていきたいと考えております。
 今後も、市町村と連携しながら、消防団員が安全に活動できるよう、さらなる支援に努めてまいります。
   〔県土整備部長八重樫弘明君登壇〕
〇県土整備部長(八重樫弘明君) 防潮堤の陸閘や水門等の閉鎖の住民周知等についてでありますが、県では、津波注意報等が発表された際に、現地で人が操作することなく約220カ所の水門や陸閘を自動で閉鎖するシステムの整備を進めているところであり、平成29年7月末に8カ所の運用を開始し、本年9月末時点では49カ所の運用を行っています。
 それぞれの水門、陸閘の自動閉鎖の運用に当たっては、あらかじめ地域の方々への説明会を開催し、パンフレットや実際の動画等により、閉鎖までの時間や閉鎖状況、陸閘閉鎖後の避難経路などについて説明をしているほか、市町村の広報紙等においてもお知らせしています。また、避難訓練や防災訓練の際には実際に水門、陸閘の閉鎖操作を行っておりまして、住民の方々に自動閉鎖の仕組みを確認いただいているところです。
 今後も、さまざまな機会を捉えて、より丁寧な説明や訓練を行うなど、住民の皆様への周知に努めてまいります。
〇44番(伊藤勢至君) ただいまの答弁、ありがとうございました。
 3点について再質問させていただきます。
 まず、ILCの誘致についてでありますが、演壇で申し上げました岩手県立大学宮古短期大学部での学会の際に、私が宮古、下閉伊地域に可能性はありませんかと聞いたために鈴木厚人先生からは即座に岩泉町の岩盤の話が出たわけでありまして、このとき私が岩手県についてと伺っていれば、北上高地がよいという答えが返ってきたのではないかと今、思っているところであります。学会の先生方が日本の中で岩泉町だけを調べるはずはないと思っておりまして、日本全体を見た中で、私が宮古、下閉伊と聞いたので岩泉町という答えが来た。既に先生方は、そのときからオール日本を、オール岩手の中を見ていたものと、このように思っております。
 県では、ILC推進局の人員をふやしました。これは成算があってのことと思います。知事の前職は衆議院議員、そして、その前は外務省の官僚でありました。そのころからの世界の情報網を今でもお持ちのことと思います。
 先般、費用についての国際分担を促すとの報道もありました。ここまで世界の期待を集めながら、これに応えられずアジアの大国に持っていかれでもしたら、後に続く人たちから国辱とそしりを受けかねません。
 ILCの誘致はあくまでも国策であります。都道府県の長の突出した発言ははばかられるとのおもんぱかりもあると思います。しかし、私は成算ありと思っておりますので、あらゆる機会を捉えてこれまでの誘致活動をさらに進めていただき、トライに向けてワンプッシュをお願いしたいと思っていますが、知事のお考えを改めてお伺いいたします。
 2点目であります。スマート水産業について伺います。
 お役人が片仮名言葉を使い出したら気をつけろと先輩から伺ってきました。今の岩手県の水産業は魚がとれないことによる危機的な状況にあると思いますので、スマートでなく泥臭くても結構ですから、新しい施策を打ち出してほしいと思います。
 それでも日本の技術は大変なもので、陸上で水道水による海水魚の養殖が確立されてきました。しかもそれは、回転寿司の世界的な展開により、トロの次に好まれるサーモンの養殖であります。
 かつて秋田県では、ハタハタがさっぱりとれなくなったときがあります。秋田県では、これを契機にハタハタ漁を3年間禁漁にしました。これによりハタハタが帰ってきたのであります。太平洋と日本海では条件は違いますが、こういうことも参考にすべきではないでしょうか。
 また、水産加工業の若手経営者からチルド新幹線の話を聞きました。これは、宮古―盛岡間の横断道路が完成することにより、盛岡から東京までの新幹線に冷凍、冷蔵が可能な車両を接続することで、三陸の朝どれ水産物を豊洲市場へ午前中に持ち込むことができるということであります。
 そういえば、かつて工藤知事の時代でありましたが、東北新幹線を盛岡以北に延伸するとき、岩手県は約1、000億円を負担しています。したがって、JR東日本にはまだ貸しがあります。これから岩手の流通網が新しい展開を迎えますが、チルド新幹線を検討してみてはいかがでしょうか。
 次に、消防職員、消防団員の特別賞じゅつ金について伺います。
 殉職者特別賞じゅつ金とは、消防職員または消防団員が、災害に際し命を受け、特に生命の危険が予想される現場へ出動し、生命の危機を顧みることなくその職務を遂行し、そのため死亡し、その功労が特に抜群と認められる場合に3、000万円を支給することとなっており、これが5年ごとくらいに逐次改正され引き上げられてきたものでありますが、平成7年の改正以来、東日本大震災津波発災まで16年間も改正がなかったというのは問題であります。
 消防団の運営は市町村の固有の事務でありますが、県としても共有している部分もありますので、国に対して賞じゅつ金見直しの働きかけを行い、消防団の後方支援を進め、士気を高めていくことが必要であると考えますが、いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) ILCのトライ―実現に向けてのワンプッシュという御質問でありましたけれども、多くの方々とともにILCの実現を訴えていきたいと考えておりまして、北海道東北地方知事会におきましても改めてILCの実現について決議いただき、それをもって政府に要望したいと考えております。
 また、欧州ヨーロッパの協力を得るためには、欧州素粒子物理戦略においてILCが議論される必要がございます。3年前に盛岡市で開催された国際会議リニアコライダーワークショップ2016がその後のILC計画推進の大きな力になりましたことから、今月28日から仙台で開催されるリニアコライダーワークショップ2019におきまして、欧州を初め世界の研究者に本県や東北の取り組みを直接お伝えしたいと考えております。
 トライに向けてのワンプッシュということで、やはりスクラムトライが確実であろうと思いますので、関係者の皆さんとしっかりスクラムを組んでスクラムトライを狙っていきたいと思います。
〇農林水産部長(上田幹也君) 御質問への答弁の前に、大変恐縮でございます、先ほどの答弁の中で誤りがございましたので訂正させていただきます。
 松前川のサケの遡上に関しまして、国の調査において、松前川の調査では毎年サケの遡上があり、人工ふ化による再生産が行われると私申し上げてしまいましたが、当然、自然ふ化による再生産が行われるというものでございました。大変申しわけございませんでした。
 それでは、お尋ねに対して答弁申し上げます。
 まず、御提言がございました禁漁による資源回復でございます。
 秋田県におきましては、ハタハタの漁獲量が急激に減少いたしました。そのため、親魚を保護するため、平成4年から3年間、漁業者が自主的に全面禁漁を実施したところでありまして、その後、漁獲量は順調に増加いたしまして、平成20年(後刻「平成30年」と訂正)にはピーク時の約15%まで回復をしているものでございます。
 失礼をいたしました。また訂正。平成20年と申しましたが平成30年(後刻「平成20年」と訂正)でございます。
 魚介類の資源の減少には、親魚の減少ばかりではございませんで、海水温の変動、それから産卵場所の消失、海流の変動によります幼稚魚の散逸など、さまざまな要因があると考えられております。このため、県では、漁獲量が減少しているサケやスルメイカなど、本県の主要魚種の資源回復に向けまして、国の研究機関等と連携いたしまして、減少要因の研究を進めているところであります。
 今後も、効果的な対策の方向性を見定めまして、漁業者等の協力を得ながら、必要な取り組みを進めてまいる考えであります。
 次に、新幹線を利用した首都圏への物流に関してのお尋ねでございますが、本年6月に、JR東日本のグループ企業におきまして、宮古産のウニを急行バスの貨物スペースを活用して盛岡まで運びまして、さらに東北新幹線の車内販売室に乗せて首都圏まで届けて、当日の夕方から品川駅構内の店舗で販売するといった実証試験が行われたと承知しております。
 付加価値の高い新鮮な本県水産物をいち早く消費地にお届けすることは、消費者、それから流通関係者の方々の評価をより一層高め、さらなる販路の拡大につながる重要な取り組みであるということでございまして、既存の交通ネットワーク等を活用した物流システムの改善等につきまして、議員の御提言も参考とさせていただきながら、引き続き検討を進めてまいります。
〇総務部長(八重樫幸治君) 消防団員の特別賞じゅつ金についてでありますが、国では、昭和58年に、消防表彰規程に基づき、災害に際し、命を受け、特に生命の危険が予想される現場へ出動し、生命の危険を顧みることなく、その職務遂行のため死亡した消防職員、団員を対象として、特別賞じゅつ金制度を設けたところであります。
 本県では、これより以前から特別賞じゅつ金制度を有していましたが、国の賞じゅつ金は、殉職者の御遺族に対し、見舞金として3、000万円を上限に支給できることとされておりまして、県と市町村においても同様の基準額としたところであります。
 議員御指摘のとおり、この賞じゅつ金の額は、昭和58年から平成7年までに段階的に引き上げられ、その後、現在まで見直しがなされておりませんが、本県が東日本大震災津波の被災県であり、殉職した消防団員の崇高な行為に特別に報いるためにも、国の基準額の見直しについて強く要望していきたいと考えています。
 また、国に準じて支給する市町村及び県の賞じゅつ金は特別交付税で財源措置されていますが、その措置額は国の支給額が基準となっていることから、国の賞じゅつ金の引き上げにあわせて、特別交付税措置の見直しについても強く国に働きかけてまいります。
〇農林水産部長(上田幹也君) 大変申しわけございません。(伊藤勢至議員「やる気があるのか、何回もやって」と呼ぶ)
 申しわけございません。ハタハタの関係でございまして、ピーク時の比較のところで、私、平成30年との比較と言い直しましたけれども、恐縮でございますがこちらの間違いでございまして、平成20年にはピーク時の約15%まで回復しているということでございました。大変、重ね重ね申しわけございません。
   
〇議長(関根敏伸君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時7分 休 憩
   
出席議員(48名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 上 原 康 樹 君
3  番 小 林 正 信 君
4  番 千 葉   盛 君
5  番 千 葉 秀 幸 君
6  番 岩 城   元 君
7  番 松 倉 史 朋 君
8  番 高橋 こうすけ 君
9  番 米 内 紘 正 君
10  番 武 田   哲 君
11  番 高 橋 穏 至 君
12  番 千 葉 絢 子 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 田 村 勝 則 君
15  番 佐々木 朋 和 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 岩 渕   誠 君
20  番 名須川   晋 君
21  番 佐々木 宣 和 君
22  番 臼 澤   勉 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 小 西 和 子 君
27  番 吉 田 敬 子 君
28  番 高 橋 但 馬 君
29  番 小 野   共 君
30  番 軽 石 義 則 君
31  番 郷右近   浩 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 工 藤 勝 子 君
39  番 中 平   均 君
40  番 工 藤 大 輔 君
41  番 五日市   王 君
42  番 関 根 敏 伸 君
43  番 佐々木 順 一 君
44  番 伊 藤 勢 至 君
45  番 岩 崎 友 一 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 勝 博 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(なし)
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時27分 再開
〇議長(関根敏伸君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。神崎浩之君。
   〔33番神崎浩之君登壇〕(拍手)

前へ 次へ