令和元年6月定例会 第17回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
日本共産党県議団を代表して、議案第9号、議案第10号、議案第13号と請願陳情受理番号第96号の不採択に反対の討論を行います。
議案第9号岩手県手数料条例の一部を改正する条例、議案第10号岩手県公安委員会の管理に属する事務手数料条例の一部を改正する条例、議案第13号建築士法施行条例の一部を改正する条例は、10月からの消費税10%増税を前提とした手数料の引き上げ条例であり、反対するものであります。
2014年4月の消費税8%増税以来、国民の消費は1世帯当たり年間25万円、労働者の実質賃金は10万円も減少しました。政府が発表する景気動向指数でも、2カ月連続で景気の悪化が指摘されています。さらに、米中貿易戦争が激化する中で、輸出も輸入も減少するという異常な事態となっています。G20の首脳宣言では、世界経済のリスクは依然として下方に傾いていると認めています。
安倍首相の側近である萩生田自由民主党幹事長代行は、景気が悪化する中で、国民みんなを崖に連れていくわけにはいかない。6月の日本銀行の全国企業短期経済観測調査─日銀短観の結果次第では、消費税増税の延期もあり得ると発言しておりました。7月1日発表の日銀短観は、企業の景況感を示す業況判断指数いわゆるDIが、大企業製造業は前回の3月調査から5ポイント下落し、2四半期連続の景気悪化となりました。中小企業の製造業は、7ポイント下落のマイナス1となりました。
国内経済が悪化し、世界経済のリスクが高まっている中で、消費税の10%増税を10月から強行することは無謀であって、国民の暮らしにも経済にも破滅的な影響を与えるものであり、中止すべきであります。安倍政権が中止しないとすれば、来るべき参議院選挙で国民の審判を下し、中止に追い込むべきであります。
請願陳情受理番号第96号は、減らない年金制度の実現を求める請願であります。この請願を不採択とすることは、年金2、000万円問題で不安が広がる国民、県民に背を向けるものと言わなければなりません。
7月1日付けの読売新聞の世論調査では、国の年金制度に不安を感じると答えたのが83%に及んでいます。麻生財務大臣が金融庁金融審議会市場ワーキング・グループの報告書を受け取らなかったことは適切ではなかったが72%でありました。6月24日付け朝日新聞の世論調査では、安倍政権の年金制度改革への取り組みは十分でなかったと答えたのが72%に及んでいます。昨日、厚生労働省が公表した国民生活基礎調査結果では、生活が苦しいと答えたのが57.7%、年金、恩給だけで生活している高齢者世帯は51.1%でありました。
年金2、000万円問題が明らかにしたことは、65歳の夫と妻60歳の退職した御夫婦のモデルケースで、年金収入が月20万9、000円、生活費が26万4、000円かかり、月5万5、000円の赤字となる。今の年金だけでは老後の資金が2、000万円不足するということでありました。さらに深刻なことは、マクロ経済スライドによって年金給付は減り続けるということであります。
安倍首相は、マクロ経済スライドを廃止すれば、7兆円の財源が必要になることを明らかにしました。基礎年金の給付額が現在の25兆円から、2040年には18兆円に削減されることになります。月6万5、000円の基礎年金が4万5、000円まで削減されることになります。41歳以下の若い世代の夫婦は、現在の高齢者より1、600万円も年金給付が削減されることになるのであります。実際に、安倍政権の7年間で物価は5.3%上昇し、年金は0.8%減少しました。実質6.1%の削減となっています。
日本共産党県議団が行った市民アンケートでは、年金が1万円、2万円減少したとの切実な声が多数寄せられました。今でも年金だけでは生活できない貧しい年金が、さらに削減されるマクロ経済スライドは廃止し、減らない年金制度にすることは国民の切実な要求であり、国政に課せられた最も切実な課題であります。
日本共産党は、減らない年金制度を実現する具体的な対案を示しています。マクロ経済スライドで削減される7兆円について、三つの政策で解決します。
第1に、高額所得者の年金保険料の上限を、1、000万円から健康保険並みの2、000万円に引き上げることで、1兆円の保険料をふやすことができます。
第2に、現在積み立てられている約200兆円の年金積立金をさらにふやし、株に投資するのではなく、計画的に取り崩し活用することであります。
第3に、現在38%を占める非正規労働者の正社員化を図り、賃金を引き上げることで、厚生年金の加入者と保険料収入をふやすことであります。
こうした対策で減らない年金制度にするとともに、月6万5、000円以下の低年金者には年6万円を消費税に頼ることなく一律に支給し、底上げを図ることを日本共産党は提案しています。
安心して老後が生活できる年金制度の実現は、国民の最も切実な要求であり、政治が解決を求められている課題であります。
減らない年金制度の実現を求める請願を不採択とすることは、減り続ける年金を容認し、国民の切実な要求にも不安にも背を向けるものと言わなければなりません。年金問題は参議院選挙の最大の争点ともなっており、各党、会派、議員の態度は厳しく問われるものであります。
減らない年金制度の実現を求める請願の採択を強く求めて、日本共産党を代表しての討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(佐々木順一君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
これより、請願陳情中、受理番号第99号教職員定数改善と義務教育費国庫負担制度2分の1復元をはかるため、2020年度政府予算に係る意見書の提出を求める請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第99号教職員定数改善と義務教育費国庫負担制度2分の1復元をはかるため、2020年度政府予算に係る意見書の提出を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第89号、受理番号第94号及び受理番号第95号を一括して採決いたします。
各請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第89号、受理番号第94号及び受理番号第95号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第96号減らない年金制度の実現を求める請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第96号減らない年金制度の実現を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第9号、議案第10号及び議案第13号を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立多数であります。よって、議案第9号、議案第10号及び議案第13号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第3号岩手県部局等設置条例の一部を改正する条例を採決いたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立全員であります。よって、議案第3号岩手県部局等設置条例の一部を改正する条例は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第1号、議案第2号、議案第4号から議案第8号まで、議案第11号、議案第12号、議案第14号から議案第24号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立全員であります。よって、議案第1号、議案第2号、議案第4号から議案第8号まで、議案第11号、議案第12号、議案第14号から議案第24号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
日程第26 東日本大震災津波に係る復旧・復興等に関する調査の件から日程第30 出資法人等が地域に果たす役割等に関する調査、出資法人等の経営状況等に関する調査の件まで
〇議長(佐々木順一君) 次に、日程第26、東日本大震災津波に係る復旧・復興等に関する調査の件から日程第30、出資法人等が地域に果たす役割等に関する調査、出資法人等の経営状況等に関する調査の件までを一括議題といたします。
各調査事件に関し、委員長の報告を求めます。関根東日本大震災津波復興特別委員長。
〔東日本大震災津波復興特別委員長関根敏伸君登壇〕

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