令和元年6月定例会 第17回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
環境福祉委員長の報告に対し、質問します。
報告では、請願陳情受理番号第96号減らない年金制度の実現を求める請願が不採択となったとのことでした。年金2、000万円問題で、多くの国民の不安と怒りが広がっています。個々には、年金だけでは老後生活ができないという深刻な実態が明らかになったことであります。また、安倍政権が年金2、000万円問題の深刻な実態を指摘した金融庁金融審議会市場ワーキング・グループの報告書を受け取らなかったことから、不都合な真実を隠そうとする安倍政権の態度にさらに怒りを広げる結果となりました。この間の国会の審議で、今でも貧しい年金が、マクロ経済スライドによってさらに減らされるという問題も明らかとなりました。今の高齢者世代より若い世代のほうが年金給付額は減らされます。将来、年金がもらえるのかどうか、若者の不安がさらに広がっています。
こうした中で、減らない年金制度を実現することは、まさに国政と各政党に課せられた課題ではないでしょうか。減らない年金制度の実現を求める請願が不採択となったことは、貧しい年金をさらに減額し、国民を貧困にすることを容認するものと言わなければなりません。この請願がどのように審議され、不採択となった具体的理由は何でしょうか。
〇環境福祉委員長(神崎浩之君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
減らない年金制度の実現を求める請願につきましては、7月1日に開催した環境福祉委員会における審査において、執行部から参考説明を求め、質疑、意見交換を行った後、採決を行いました。
審査の過程におきましては、委員から、今の年金制度を将来にわたって確実なものとし、給付と負担のバランス、持続可能性を維持していく上で、マクロ経済スライドは必要不可欠なものである。請願には、最低保障年金制度の創設、マクロ経済スライドの中止との文言もありますが、仮に、マクロ経済スライドを廃止して、将来の受給者への給付を減らさないためには、新たに約7兆円の財源が必要という分析もあり、国民に新たな負担を求めることになる。また、請願事項の中にある無年金者、低年金者について、現在、生活保護等の制度がある中で、そこまで含めると社会保障制度全体の見直しにもつながる趣旨となってしまうことから、不採択とすべきとの意見と、金融庁の試算では不足額が1、300万円から2、000万円、経済産業省の試算ではさらにふえて2、500万円から2、600万円とされ、さらに41歳以下の方々は3、000万円以上を超える不足になるという話もあり、減らない年金制度をつくっていくシステムは必要であり、必要な財源については、大企業に対して中小企業並みの課税をすることにより、消費税増税によらず十分に確保できることから、採択すべきとの意見があり、採決の結果、賛成少数により不採択と決定したところでございます。
なお、執行部からの参考説明に対して、質疑はございませんでした。
〇38番(斉藤信君) 今の委員長報告の中で、一つはマクロ経済スライドは不可欠だという発言があったということでありました。いわば、今の年金でも老後2、000万円が必要だと。今の年金でも老後の生活がやっていけないのに、マクロ経済スライドでさらにこの年金が減らされる、貧しい年金がさらにもっと貧しくなる。マクロ経済スライドで年金制度は維持されても、国民の老後の生活は破綻するのではないでしょうか。7兆円の財源が必要だということは、7兆円がマクロ経済スライドで削減されるということであります。
こういう年金制度で私たちの老後の生活が維持できるのか。ここに、今、国民の一番の怒りと不安が集中しているわけであります。国民の老後の生活がマクロ経済スライドでさらに深刻になるという、そういう国民の暮らしの立場からの協議はあったのかどうか、制度が維持できれば国民の老後はどうなってもよいという審議だったのかどうか、7兆円減額してもいいということになったのかどうか、改めてお聞きします。
〇環境福祉委員長(神崎浩之君) 審査の過程につきましては、先ほど述べたとおりであります。特に、老後の生活に関する質疑のやりとりはございませんでした。以上です。
〇議長(佐々木順一君) 以上で通告による質疑は終わりました。
これをもって質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
討論の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。
〔38番斉藤信君登壇〕

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