令和元年6月定例会 第17回岩手県議会定例会会議録

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〇16番(千葉進君) 改革岩手の千葉進です。
本日は、先輩議員、同僚議員の御配慮により、5度目の一般質問の機会をいただきましたことにお礼を申し上げます。
まずもって、6月18日夜半に発生した山形県沖を震源とする地震により被害をこうむられた新潟県や山形県の皆様にお見舞いを申し上げますとともに、早期の復旧、復興を心から御祈念申し上げます。
それでは、通告に従い順次質問をさせていただきます。
私は4年前、希望郷いわてをつくるとの気持ちから県議会議員選挙に挑戦いたしました。特に高校教員出身ということから、今後の若い世代に、平和で暮らしやすい岩手を残すのが我々世代の責務とも考え、この4年間、復興や少子高齢化といった地域の抱える課題に挑みながら、県議会議員として取り組んできたつもりであります。その若者たちの何人かが、きょうは傍聴に来てくれています。
知事は3期12年間、知事を務めてこられました。12年間の間には実にさまざまなことがあったと思います。中でも、東日本大震災津波という、かつて経験したことのない災害に見舞われ、いまだ復興の歩みを続けています。私は、東日本大震災津波のときには現場の高校にいるなど、県議会議員として直接県政に携わったのはこの4年間の経験しかないわけですが、知事がこの12年間で取り組んでこられた県政運営について幾つかの例を挙げていただき、その成果と課題についてお伺いします。
また、過日、知事は4期目への挑戦を表明されました。東日本大震災津波からの復旧、復興を早期になし遂げたいとの思い、今後10年間のいわて県民計画(2019〜2028)への責任感と達成させようとする意欲、ぜひその思いを大事にし、希望郷いわてを実現していただきたいと思っております。
いわて県民計画(2019〜2028)は、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわての実現を基本目標としているところでありますが、その実現のためにも、いわて幸福関連指標は重要な指標となると思います。ただ、設定された指標は数が多く、その中には、短期的視点で取り組むだけではなく、長期的視点で取り組むべきものもあるのではないかと考えます。
今回の計画では、長期ビジョンと政策推進プランの両方にいわて幸福関連指標が設定されていますが、両者の位置づけはどのようになっているのか、政策評価はどのようにして行われていくのかお伺いします。
今後の社会においては、若者が中心となって未来を切り開いていくものと思われます。今回の金融庁金融審議会市場ワーキンググループの老後資金として、公的年金以外に2、000万円以上必要との報告書により、若者たちは年金財政に不安を持ち、年金不払い運動を起こしかねない大きな問題と思っております。
そういう面からも、若者や女性が安心して働ける環境づくりをし、希望する人は結婚や出産ができ、子育て支援が拡充されるなど、今後、県ではどのような若者支援、女性支援を進めていこうとしているのかお伺いします。
水道事業の基盤強化を主な目的とした改正水道法がこの秋にも施行されることになっています。改正の趣旨は、人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等、水道の直面する課題に対応し、水道の基盤の強化を図るためというものです。
2018年12月に公布されたこの改正水道法は、国会において、民営化が水道料金の引き上げや水の安定性の低下につながるといった論戦が行われました。一関市では、水道料金徴収などの業務を民間委託した場合に、5年間で約3、800万円の節減が見込まれると試算しています。改正水道法は、結果として成立し施行されるわけですが、実際に導入するかどうかは市町村等の判断であり、都道府県は広域連携に努めるということになっています。
県では、この改正水道法をどのように認識し、どう広域連携に努めようとしているのかお伺いします。また、県内における市町村では、住民に対して経済的で安全なサービスを提供するために広域連携をどう進めようとしているのか、市町村等の動向をお伺いします。
2000年3月から電力自由化により、新規参入した電力会社─新電力からも電気を購入することができることになっています。また、2016年からは一般家庭も電力会社が選べるようになり、全面自由化となっています。一関市の例で言いますと、公共施設の維持管理経費を抑制するため、2019年度途中から一関市博物館等9施設に新電力を導入するとしています。また、来年度は全小中学校への導入も予定していると聞いています。
県では、病院や学校の電力需給契約は一般競争入札に移行していないとのことですが、県庁舎の例では10%程度の削減効果があると言っています。県庁舎でも10%程度の削減効果があるとすれば、広く公共施設で導入を進めればどれだけ多大な効果があるか知れないと思います。一関市では、エアコン削減効果を除く分でも、年間2、000万円程度と試算しています。
県立病院では、新電力の導入についてどのようにお考えなのかお伺いします。また、県立高校はその数も多く、電気を大量に消費しています。この後、県立学校へのエアコン設置についてもお伺いしますが、今後も大量の電気を消費していくものと思われます。県立高校における新電力の導入について、どのようにお考えなのかお伺いします。
公共交通のあり方について伺います。
少子高齢化社会において、高齢者の運転免許証の自主返納、高校統合等による高校生の通学等を考えたとき、公共交通のあり方が喫緊の課題となっています。県では、いわて県民計画における三つの位置づけ、一つ目として広域的な公共交通の維持、確保、二つ目として地域内公共交通の維持、確保、三つ目として公共交通の利用促進、これらの位置づけの視点を踏まえ、本年3月に策定した岩手県地域公共交通網形成計画において三つの基本方針、一つ目として幹線路線と広域バス路線の維持、確保、二つ目として幹線路線や広域バス路線と地域内公共交通との適切な接続拠点の設定及び接続利便性の向上、三つ目として利用促進による地域公共交通の活性化を設定しています。
県において地域公共交通網形成計画を策定し、さらに、市町村においても地域公共交通網形成計画を策定しなければ、議論が進まないのではないでしょうか。市町村においても、地域が広域に複数関連して入り合っている場合も多いと思います。そういう面からも、県と市町村の公共交通のあり方に関する温度差が感じられるのですが、県の指導力強化も含めてどうなっているのかお伺いします。
定時、定路線で運行される従来型の公共交通にかわり、小規模な需要に対応する乗り合い交通、助け合い交通を導入する動きが全国的に広がっているとの指摘が新聞に掲載されていました。岩手県地域公共交通活性化協議会でも議論されたようですが、これまでの幹線路線に加え、地域内公共交通との接続等も考えていく必要があるかと思われます。例えば、20キロメートルの路線の場合、15キロメートルまではこれまでどおりとし、残りの5キロメートルは、地域内でデマンド型のタクシーによる乗り合い方式を採用する等が考えられます。一関市では、一関市地域公共交通網形成計画に基づき、藤沢町のある地域ではデマンド型乗り合いタクシーの試行運転を始めています。通院や買い物などの移動手段として、予約をすれば利用できるということになっています。
県においては、このような小規模需要に応える公共交通施策に対し、どのようなお考えをお持ちなのかお伺いします。
過日、女性1人が生涯に産む子供の数の推定値である2018年の合計特殊出生率が公表されました。その結果は、全国平均で1.42、岩手県では1.41となっていました。
〔議長退席、副議長着席〕
少子高齢化社会と言われますが、本県の出生数は3年連続での減少であり、また、若い世代も減っています。子供は地域の希望であり、若者がいなければ地域の未来はありません。今後、より実効性のある少子化対策が必要と思われますが、県ではどのような対策強化策をお考えなのかお伺いします。
また、本年2月に厚生労働省が公表した医師偏在指標の暫定値では、岩手県は全国最下位という報告もありました。そして、都市部と地方の格差も深刻なものとして受け取められました。また、それのみならず、岩手県においては、県内の医師偏在も顕著なものとして以前から指摘されてもいました。特に、県南においては、県立病院では産科医、小児科医が少なく、開業医の動向に左右されている状況もあります。一方で、県立胆沢病院の小児科に7月から常勤医が1人ふえ、2人体制となるとの報道もありました。産科医、小児科医が少ないと安心して子供を産み、育てていくことができません。これから子供を産もうとする人たちにとって、極めて切実な問題です。
県では、奨学金による医師養成などの医師確保対策を行っていますが、2016年度から2019年度までの4年間の養成医師の配置により、医師偏在がどのように改善されたのかお伺いします。
また、今後数年間において、医師の地域偏在や産科、小児科などの診療科ごとの医師偏在に対し、どのように対策を強化しようとしているのか、あわせてお伺いします。
私は、これまで数回、地域おこし、地域創生のためには観光振興が重要と考え、著名人に着目した観光振興、東北6県との連携と歴史、文化を中心とする観光振興について質問してきました。特に、世界遺産平泉を観光振興の起爆剤と考え、春の藤原まつりのメーンイベント源義経公東下り行列から、源義経に関連する場所を全県的な観光の目玉とすることを私は何度か提起してまいりました。
義経北行伝説の場合、義経の死から始まってしまいますが、岩手の義経伝説とすれば、平泉にいたと言われる1180年以前と1187年以後の約15年ぐらいの義経の行動が全て当てはまり、義経の愛馬大夫黒の出身地と言われる私の地元の千厩、若いころに乗馬の練習をしたと言われる紫波地域等も入り、北行という線だけではなく、岩手のとすることにより、さまざまな点も含めていくことができます。
2017年12月議会において、当時の商工労働観光部長は、今後におきましても、義経の物語とそのゆかりの各地の魅力をつないだストーリー性のある広域観光ルートの売り込みを図っていく必要があると認識しており、その取り組みに当たっては、御提案のありましたパンフレットの制作も含め、さまざまな方策について研究してまいりたいとの答弁がありました。その後の取り組みがどうなされているのかお伺いします。
昨年、私の地元である千厩産と言われる義経の愛馬である大夫黒のお墓に行ってきました。そのお墓は、四国香川県の屋島にありました。しかも、そのお墓のそばには大夫黒を顕彰した石碑が建っており、その石碑は千厩の人たちが建てたものでした。一時期、屋島と千厩との交流があったそうですが、今は立ち消え状態となっており、地元のガイドさんも残念がっておりました。ただ、印象的だったのは、屋島では義経ゆかりの場所ごとに案内板が立っており、観光客に対する丁寧さが顕著だったということです。
かつて私は、県内において、義経が立ち寄ったとされる場所の立て看板がほとんど朽ちかけていて見えない、あるいは内容が統一したものになっていて個性がないというような感じを受け、知事に、義経をどう活用できるのかと御所見を伺いましたが、知事は、義経関係でありますけれども、朝日新聞だったと記憶していますが、物語の舞台になっているところでどこが一番好きかというようなアンケートのランキング1位は坊っちゃんの愛媛県松山市だったのですけれども、2位が義経物語ということで平泉町が選ばれていました。そして、NHKの大河ドラマのホームページには歴代大河ドラマの人気ランキングがあるのですが、1位は義経で、義経の物語というのは、やはり日本全国の人たちがそれを楽しみたい、より深く理解したいという潜在的なニーズがあると言っていいと思います。岩手県においても、そういった歴史的な事実プラス物語の側面についても県民が理解を深め、そして、そういった情報を県外の人たちとも共有できるような看板等の工夫はぜひぜひ発展させていかなければならないと考えておりますと答弁されております。
そういう面からも、ぜひ県が率先して予算を措置し、該当市町村とともに個性ある地元の郷土史家等を活用した立て看板の作成をし、観光振興を進めてほしいと思っていますが、県の所見をお伺いします。
教育長がこの4月からかわられました。さまざまな会見等をなされ、その所信の一端はかいま見ているつもりでおりますが、ぜひこの場で、今後の岩手県の教育にかかわるさまざまな課題をどうされていこうとしているのか、改めて所信をお聞かせ願います。
所信にあわせて次の4点を伺います。
1点目として、教職員の多忙化問題についてお伺いします。
今月19日、経済協力開発機構─OECDは、日本を含む加盟国等の小中学校教員の勤務状況調査の2018年の結果を公表しました。日本の1週間当たりの勤務時間を見ると、小学校で54.4時間、中学校では56.0時間で、どちらも参加国中最長という結果でした。特に中学校は、参加国平均の38.3時間を大きく上回るものでした。さらに内訳を見ると、授業時間は平均より短いのに対し、部活などの課外指導は、平均が1.9時間に対し7.5時間、事務業務は、平均が2.7時間に対し5.6時間となっており、どちらも参加国中最長という結果になっています。
2020年度から小学校、2021年度からは中学校で新学習指導要領が導入され、小学校で英語を教える等、教える内容や教え方も変革を迫られている中、働き方改革は喫緊の課題となっています。新教育長として、この課題にどう対処されようとしているのかお伺いします。
2点目として、多忙化とかかわって部活動指導員への取り組みについてお伺いします。
運動部関係を見ますと、高校では高等学校総合体育大会や東北総合体育大会が終わり、中学校では地区中学校総合体育大会が終わったころかと思います。2018年度から導入された2019年度の部活動指導員の配置状況はどうなっているのかお伺いします。また、その成果と課題についてお伺いします。
3点目として、臨時的任用教員の採用についてお伺いします。
学校現場の重労働化、教職員の多忙化が問題となり、特に部活動指導も含め、働き方改革が進められようとしているにもかかわらず、学校現場での臨時的任用教員は、児童生徒たちを前にして使命感を持って懸命に努力しています。また、若いゆえになれない部活動指導などにも取り組んでいる人もいます。その彼らがなかなか採用されない状況、これを何とかしなければそれこそ優秀な人材が県外に出ていってしまい、岩手県としても大きな痛手をこうむることになってしまいます。この若い臨時的任用教員の採用について、教育長はどのように認識されているのかお伺いします。
4点目として、性別で分けない名簿いわゆる男女混合名簿について、昨年度、前教育長が導入の拡大に取り組むとの方針を示しましたが、小学校、中学校、高校、特別支援学校への採用状況と今年度の取り組み状況についてお伺いします。
大学入試についてお伺いします。
現在実施されている大学入試センター試験にかわって、現在の高校2年生が2020年4月に高校3年生となり、その翌年の2021年1月に、新入試制度として大学入学共通テストが導入される予定となっています。特に英語については、大学入試センターが認定した民間検定を活用することになっていますが、日程や会場など民間検定に関する情報不足の状態となっていることは喫緊の課題となっています。また、民間検定について、岩手大学は点数化して大学入学共通テストの英語試験の得点に加点するのに対し、岩手県立大学、盛岡大学は利用しないなど、活用方法が大学によって異なっています。加えて、英語を専門とする大学の教員が約8、000人分の署名を集め、大学入学共通テストに導入される民間検定試験の利用中止の請願を行ったとの報道もありました。
そこでお伺いします。高校の進路指導の見通しが立たない中で、学校関係者や生徒たちへの説明はどうなっているのでしょうか。また、民間試験の検定料の負担も大きいと考えますが、それらに対しての方向性や検定試験への補助や配慮はどうなっているのかお伺いします。
高校再編について、大きく2点お伺いします。
まず一つ目として、宮古地区の統合についてお伺いします。
2020年度から宮古地区においては、宮古商業高校と宮古工業高校の統合が予定されております。現在、両校では、統合検討委員会等において、校名や校歌、制服等さまざまな検討を行っているかと思います。私自身も大原商業高校と大東高校が統合する際、当該者として携わった経験があり、1年間だけでしたが校舎制での経験もあります。統合に当たっては、生徒、PTA、同窓生、地域の方々等、多くの意見を聞くために検討委員会や会議を開き進めていきます。授業と並行しての会議準備や移動、あるいは閉校記念誌の作成等、教職員は多忙をきわめることになります。その際に、移動の旅費、資料作成費等さまざまな予算が必要となってまいります。そこで、両校の統合について、現在の進捗状況はどのようになっているのかお伺いします。また、来年4月からの統合校の開校に向けて、必要な予算が十分に措置されているのかお伺います。
次に、二つ目として新たな県立高等学校再編計画の後期再編計画についてお伺いします。
県教育委員会では、これまでに後期計画の策定に向けた地域検討会議を県内各地でそれぞれ2回開催されました。2回目の地域検討会議では、1回目を受け、意見交換のテーマとして、小規模校のあり方、少人数学級の2点を中心に意見交換が行われましたが、その意図するところはどのようなところにあったのか、また、第2回地域検討会議の特徴的な意見についてお伺いします。
後期計画案の公表時期とその方向性についてもあわせてお伺いします。
高校再編計画は、受験する中学生のみならず、地域にとっても重要な影響を与えることは目に見えています。そのためにも、早く情報が欲しいと思っている方々もいると思いますのでお伺いします。
次に、県立学校へのエアコンの設置についてお伺いします。
地球温暖化による気候変動により、近年猛暑が恒常化していますが、本県においても同様であり、先月は岩手県内各地で30度を超える真夏日となり、多くの地点で5月の観測史上最高を更新するなど、記録的な暑さとなったところであります。私は、生徒の熱中症対策や学習意欲向上に向けた学習環境の改善を図るため、学校施設へのエアコン整備を計画的に進めるべきであると考えており、さきの2月議会の予算特別委員会総括質疑においても、県立学校へのエアコン設置について質問いたしました。そこで、再度確認させていただきます。
まず、県立高校への保健室及び夏季課外学習室への整備における現在の進捗状況についてお伺いします。また、全国的にエアコン設置工事が集中し、機材等の供給不足が懸念されるという声も聞こえてきていますが、県としてどのように対応しているのかお伺いします。
次に、県立学校への洋式トイレの設置についてお伺いします。
昔は圧倒的に和式トイレが多かったわけですが、生活様式の変化により、今では家庭を含め洋式トイレが一般的になっています。また、学校施設は、災害時には地域の避難所としての役割も果たしていることから、東日本大震災津波での経験も踏まえ、私は児童生徒だけではなく、高齢者を初めとする地域住民にも使いやすい学校のトイレであるべきと考えており、指定緊急避難場所、指定避難所となっている学校はもちろんのこと、全ての県立学校への洋式トイレの設置に優先的に取り組むことが肝要であると考えております。さきの2月議会において、学校のトイレについては、原則として過半数を洋式化するとの方針を確認したところです。そこで、再度確認させていただきます。
まず、災害時に避難所として使用されることの多い体育館における洋式トイレの設置状況についてお伺いします。また、今後、県教育委員会としてどのように取り組んでいくのかお伺いします。
以上、答弁によっては再質問があることを申し添えさせていただき、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 千葉進議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、3期12年間の成果と課題についてでありますが、知事への就任当時、6、000人を超える人口の社会減や県民所得の低迷、厳しい雇用情勢や深刻さを増す地域医療など、岩手は危機的状況に直面していました。さらに、その後、東日本大震災津波が発生しました。
このような危機を克服し、県民が希望を持てるようにすべく、東日本大震災津波と平成28年台風第10号災害の復旧、復興に最優先で取り組むとともに、いわて県民計画のもと、仕事、暮らし、学び・こころの三つの分野の将来像を示し、県政の推進に取り組んできたところであります。
これまでの取り組みによって、復興の進展に伴う復興道路やフェリー航路など新たな交通ネットワークの形成やガントリークレーンの整備、三陸鉄道リアス線の開通、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の成功、仕事分野については、自動車や半導体関連産業を中心とした産業集積、暮らしの分野については、人口10万人当たりの病院勤務医師数の増加や保育所整備などの取り組みの進展、学び・こころ分野については、平泉と橋野鉄鉱山の世界遺産登録やラグビーワールドカップ2019の釜石開催決定など、多くの成果を上げたものと考えております。
一方、復興とその先を見据えた地域振興や産業分野等における担い手、人材の不足、医師の地域偏在などの課題があると認識しておりまして、こうした課題等を踏まえて策定したいわて県民計画(2019〜2028)における10の政策分野等に基づく取り組みを着実に推進することで、基本目標に掲げる、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてを実現していきたいと考えております。
次に、いわて幸福関連指標についてでありますが、いわて県民計画(2019〜2028)の長期ビジョンでは、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてとの基本目標の実現に向けた長期的な政策の基本方向を県民によりわかりやすく示すため、10年間の時間軸の中で、主要な指標、いわて幸福関連指標を設定しています。
政策推進プランは、4年間で重点的、優先的に取り組むべき政策やその具体的推進方策を明らかにするものであり、70のいわて幸福関連指標や具体的推進方策指標を定め、目標値を設定することで、幸福を守り育てる取り組みを展開することとしています。
また、いわて幸福関連指標は、岩手の幸福に関する指標研究会報告書や先行研究などを参考に、県民にとってわかりやすく、全国比較が可能であり、毎年度比較できる指標を選定したところであり、目標値については、4年ごとに作成する政策推進プランにおいて設定したものであります。
今後は、毎年度、政策推進プランに掲げたいわて幸福関連指標の状況や、県民意識調査等で把握した県民の幸福に関する実感、また、社会経済情勢などを勘案して評価を行い、マネジメントサイクルを確実に機能させることで、計画の実効性を高め、県民の幸福度を高めることにつなげてまいります。
次に、若者支援、女性支援についてでありますが、少子高齢化、人口減少が進み、若者や女性の役割への期待が高まる中、県としては、就労支援や子育て支援の拡充に加え、若者や女性の活躍を後押しする施策を推進することが重要と考えております。
このため、若者や女性が安心して働ける環境づくりの面では、いわてで働こう推進協議会を核とした、いわて働き方改革推進運動の展開を通じ、働き方改革、家庭と仕事の両立など、積極的に働き方改革に取り組もうとする企業を支援しております。
また、子育て支援の面におきましては、安心して子供を産み育てられる環境をつくるため、妊娠、出産、子育て期にわたる切れ目のない支援体制の構築や子育てにやさしい職場づくりを進めております。
さらに、意欲のある若者や女性を支援するため、いわて若者会議の開催などを通じた若者の地域活動への参加の促進や、官民連携組織であるいわて女性の活躍促進連携会議の設置により、女性の活躍を支援する機運の醸成や関係団体との連携強化を図っているところです。
今後とも、若者や女性が安心して働き、子供を産み育て、活躍できる環境を整備するため、働き方改革、子育て支援、若者の主体的な活動の活性化につながる取り組みや女性のライフステージ、ライフスタイルに対応した活躍の支援など、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる取り組みを進めてまいります。
その他のお尋ねにつきましては関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔環境生活部長大友宏司君登壇〕
〇環境生活部長(大友宏司君) 水道法の改正についてでありますが、県では、現在、平成22年3月策定のいわて水道ビジョン(岩手県水道整備基本構想)を見直し中であり、当ビジョンにおいて、県内の水道事業の目指すべき方向性等を示すこととしていますが、平成30年12月の水道法改正により、都道府県には水道事業者等の広域連携の推進がその責務として規定されたことも踏まえ、広域連携についても盛り込むこととしており、今年度中に策定することとしております。
また、この策定に当たりましては、平成29年1月に、県及び県内の全水道事業者等で構成する岩手県水道事業広域連携検討会を設置し、県内五つの地区ごとに設けたブロック検討会で広域連携のあり方について検討したところであり、ただいま申し上げたいわて水道ビジョンに、その検討結果を反映させることとしております。
県内では、花巻市、北上市、紫波町の事業統合による岩手中部水道企業団の設立や、県北9市町村と八戸圏域水道企業団との県境を越えた連携など、具体的な広域連携の取り組みも進められてきたところでございます。
こうした中で、先ほど申し上げた各ブロック検討会において、それぞれの地域の状況に応じ課題や取り組みの方向性について取りまとめたところであり、県としては、これらを踏まえ、市町村等において具体的な取り組みがなされるよう、必要な助言や情報提供に努めていくこととしています。
また、平成31年1月に、国から、各県における広域化の推進方策及び当面の具体的取り組み等に関する水道広域化推進プランを令和4年度までに策定することを要請する通知が発せられたところです。その策定に当たりましては、県水道ビジョンの記載内容を活用するよう求められているところであり、水道ビジョン策定後には、引き続き、当該広域化推進プランの策定も進めていく必要があると考えております。
〔医療局長熊谷泰樹君登壇〕
〇医療局長(熊谷泰樹君) 県立病院への新電力の導入についてでありますが、これまで、県立病院における電力需給契約は、大規模災害等広域的な有事の際に迅速な復旧を図るため、緊急時の対応を統一する必要がありますことから、全26施設一体で必要な電力を安定的に供給できる事業者と、病院の使用状況を考慮した有利な料金プランで締結してきたところであります。
電力の契約については、その安定供給や災害対応等の観点を最優先に考えているところでありますが、電力料が多額に及んでいることから、今後、さらなる縮減が可能となるよう、新電力の有効活用も含め、さまざまな視点から研究してまいります。
〔政策地域部長白水伸英君登壇〕
〇政策地域部長(白水伸英君) まず、地域公共交通網形成計画についてでありますが、県内の公共交通体系を構築するためには、鉄道や広域バス路線の維持、確保だけではなく、これに接続する地域内公共交通体系も構築されることが重要と考えております。
したがいまして、政策推進プランや、昨年度、市町村の参画も得て策定いたしました岩手県地域公共交通網形成計画におきまして、全33市町村が地域公共交通網形成計画等を策定することを指標として設定したところでございます。
現在、県内では15の市町が地域公共交通網形成計画等を策定しております。これに加えて、今年度中に3市町が策定を予定しているところでございます。
一方で、未作成の市町村につきましては、市町村の公共交通を担当する体制や人員の不足、専門的なノウハウの不足などの課題があるところでございます。したがいまして、県といたしましては、市町村に対し、会議や研修会などさまざまな機会を捉えて計画等の策定を促していくとともに、公共交通に関する有識者の派遣、計画策定経費に対する補助を通じまして、計画等の策定の支援を行うなどの取り組みを通じ、県と市町村が連携し、持続可能な公共交通体系の構築に取り組んでまいります。
次に、小規模需要に応える公共交通についてでございますが、人口減少や自家用車の普及により公共交通利用者は減少しており、バス路線によっては、その維持が難しくなっている一方で、運転免許証の自主返納による高齢者の移動手段の確保など、公共交通の必要性は高まっていると認識しております。
このような状況においては、公共交通を維持しつつ、利用者数に応じて、大型バスにかわる小型のコミュニティーバスやデマンド交通といった需要に応じた移動手段への転換も必要と考えているところでございます。
県では、これまで、市町村がデマンド交通等を導入する際に、実証運行に要する経費を補助するなどの支援を行ってきたところでございますが、今年度、新たに地域内公共交通構築検討会を設置いたしまして、広域バス路線からデマンド交通などに転換される場合等の地域内公共交通への支援の検討を市町村と進めているところでございます。
このような取り組みを通じまして、今後も、地域のニーズに対応した公共交通の維持、確保に努めてまいります。
〔保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇保健福祉部長(野原勝君) まず、出生率と少子化についてでありますが、議員御指摘のとおり、合計特殊出生率が前年より低下したところであり、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる結婚、家庭、子育てに希望を持てる環境づくりの推進、安全、安心な出産環境の整備、子育て家庭への支援、安定的な雇用や労働環境の整備の促進など、さまざまな施策を一層推進していくことが必要と考えております。
今年度は、特に、“いきいき岩手”結婚サポートセンターの出張サービス、お出かけi−サポ一関の実施、市町村が設置する子育て世代包括支援センターの取り組み拡大に向けた財政的支援、年度途中の保育需要に対応する保育士雇い上げ経費の補助など、結婚から子育てまで切れ目のない支援を強化しているところです。
現在、いわて子どもプランの見直しを進めており、働き方改革による職場環境の整備など、関連施策の全体的な把握や事業間の連携などについて、岩手県子ども・子育て会議において議論し、少子化対策の強化につながる具体的な施策を盛り込んでいく考えであります。
次に、医師確保対策についてでありますが、県では、平成28年度に16名の奨学金養成医師を配置して以降、順次配置数を拡大し、今年度は53名の養成医師を全ての医療圏の公的病院に配置したところです。
この配置に当たっては、医師不足が深刻な沿岸、県北地域への優先配置に取り組んでいるところであり、沿岸地域等に配置した医師数は、平成28年度は7名だったものが、今年度は20名へと増加しており、医師の充足とあわせて地域偏在の解消にも一定の効果を果たしているものと考えています。
こうした医師の地域偏在のさらなる解消に向けて、今年度、臨床研修を開始した養成医師から沿岸地域等での勤務を必須化し、取り組みの強化を図ったところです。
また、診療科偏在の解消に向けては、産科、小児科を選択した養成医師が、地域周産期母子医療センター等で勤務に専念できるよう配置特例を設けたところであり、本制度について周知を図り、産科医等の養成の取り組みを強化してまいります。
県では、今年度、令和5年度までの4年間を計画期間とする医師確保計画を策定することとしており、医療圏ごとの目標医師数や産科及び小児科を含む医師確保のための具体的な施策を定めることとしておりますが、今後、岩手県地域医療対策協議会などにおいて、関係機関等と協議しながら、実効性の高い施策を計画に盛り込み、対策を講じていく考えであります。
〔商工労働観光部長戸舘弘幸君登壇〕
〇商工労働観光部長(戸舘弘幸君) まず、義経北行伝説についてでありますが、義経北行伝説のようなストーリー性のある観光ルートを売り出していくことは、広域周遊観光を促進していく上で重要と認識しております。
このため、県では、義経北行伝説ドライブガイドや世界遺産平泉ガイドなどのパンフレットや、県の観光ホームページにおきましてPRをしてきたところであります。現在展開しております観光キャンペーンいわて幸せ大作戦!!におきましても、首都圏のJR主要駅などに配架している観光ガイドブックに高館義経堂や太夫黒生誕地といった義経ゆかりの地に関する情報を掲載し、積極的に発信しているところであります。加えまして、平泉等の世界遺産を核とした県内の周遊バスツアー、モニターツアーへの運行支援などによりまして、関連する旅行商品の造成も促進しているところであります。
今後におきましても、市町村や関係団体と連携しながら、義経北行伝説など、観光客に訴求力の高いテーマ性、ストーリー性を持った広域周遊観光ルートの情報発信と誘客促進に努めてまいります。
次に、個性ある立て看板による観光振興についてでありますが、義経北行伝説の看板につきましては、昭和50年代、当時の社団法人岩手県観光連盟が整備いたしまして、その後、市町村の管理になったものと承知しております。
そのため、義経ゆかりの地の看板等の整備を進め観光資源としてブラッシュアップしていくためには、まずは、管理者である市町村等の主体的な取り組みが肝要と考えています。
県といたしましては、義経の歴史にまつわる価値や義経北行伝説などの夢のある物語の両面の魅力を県民が共有し、県外からの観光客等にも伝えていくことが非常に重要なことと考えておりまして、立て看板など、情報を伝える媒体やその内容につきまして、市町村や地域の皆様とともに考え、魅力ある観光地となるよう取り組んでまいります。
〔教育長佐藤博君登壇〕
〇教育長(佐藤博君) まず、県立高校への新電力の導入についてでありますが、現在、県立高校においては、各学校が個別に契約業務を行っており、全ての学校が、従来の電力会社と契約を締結しております。
各県立高校への新電力の導入については、学校の施設規模や、普通高校、専門高校などの学校の種類により導入のメリット等に違いがあるものと考えております。このことから、新電力の導入等も含め、学校の維持管理に要する経費の節減方策について、今後も研究してまいります。
次に、本県の教育への対応についてでありますが、東日本大震災津波の発災から8年余が経過し、子供たちの学ぶ環境の復旧、整備は着実に進んできておりますが、引き続き、被災した児童生徒の就学支援や心のサポート等の児童生徒一人一人に寄り添った支援に取り組むとともに、災害の教訓を次世代に継承するいわての復興教育を一層推進していく考えです。
また、教育行政全般においては、子供たち一人一人の夢の実現と本県の未来を創造していく人づくりに向け、初年度であるいわて県民計画(2019〜2028)及び岩手県教育振興計画を着実に推進していくとともに、社会が急速に変化する中で、今後直面していく新たな課題に対しても、市町村や家庭、地域と連携しながら、誠心誠意取り組んでいく所存です。
次に、教職員の働き方改革への対応についてでありますが、新学習指導要領への移行や教育課題の複雑化、多様化に伴い、教職員に求められる役割が増大しており、教職員の長時間勤務が看過できない実態にあることから、その負担軽減は喫緊の課題であると認識しています。
県教育委員会では、教職員一人一人が、心身の健康を保ちながら、教育の質を高め、子供たちにしっかりと向き合うことのできる環境を早急に整備していくため、昨年6月に岩手県教職員働き方改革プランを策定し、平成30年度からの3年間を集中的な取り組み期間とした上で、教職員の負担軽減、健康確保等の取り組みを重点的に進めているところです。
今後におきましても、市町村教育委員会やPTA、職員団体などの関係団体との十分な連携のもと、教職員の負担軽減が実現できるよう、プランに基づく取り組みを着実に推進し、学校における働き方改革のさらなる推進、浸透を図っていきます。
次に、部活動指導員への取り組みについてでありますが、5月末時点の配置状況は、中学校では、昨年度の15校15名に対し、今年度は36校40名、高等学校では、昨年度の23校27名に対し、今年度は34校45名という状況になっています。
成果については、昨年度、部活動指導員を配置した高等学校を対象に状況確認した結果によりますと、競技歴や指導経験がない担当教員の不安感が軽減した、担当教員が部活動指導を行う時間が減少した、休養日がふえたといった回答があり、配置による成果があったものと捉えております。
一方、課題としては、高等学校では希望どおりの配置が行われているものの、中学校では、全157校に配置を予定しておりますが、部活動指導員の確保等に難航しており、現時点では3割程度の配置にとどまっている現状にあります。
今後は、まだ配置されていない市町村に対する制度の理解と活用の促進を図るなど、部活動指導員の配置の拡大を進め、担当教員の勤務負担の軽減に向けて取り組むとともに、適切な部活動の推進に努めます。
次に、臨時的任用教員の採用についてでありますが、平成31年度教員採用試験における採用候補者371名のうち、県内で臨時的任用教員の経験のある者は180名であり、合格者全体の約49%となっております。平成29年度は約47%、平成30年度は約50%となっている状況です。
教員採用試験においては、教育に対する情熱と力量を備えた人材の確保が重要であり、学校現場での経験を通して、指導力を有し、即戦力と期待される臨時的任用教員を対象に、教職専門科目を免除する臨時的任用教員経験者特別選考を実施しているところです。
平成31年度試験では、この特別選考を臨時的任用教員の約8割が選択しており、経験のある人材の確保につながっていると認識しているところであり、今後も、多様で優秀な人材の採用に向けて取り組んでいきます。
次に、男女混合名簿についてでありますが、平成30年度における公立学校の採用状況は、小学校39%、中学校21%、高等学校81%、特別支援学校は、平成24年度調査以降100%となっています。これを踏まえ、いわて県民計画第1期アクションプランの具体的推進方策指標においては、男女混合名簿の使用率を令和4年度までに全校種において100%とする目標を設定したところです。
この目標の達成に向け、教育事務所長会議や市町村教育長との意見交換、校長研修講座の場において、使用を前提とした積極的な検討を働きかけているところであり、今後は、使用が芳しくない市町村について、個別に働きかけを行うこととしています。
また、今年度から、いわての教職員研修ガイドブックにおいて、新たに男女共同参画の推進の項目を設け、性別による順番の固定化の見直しや改善について盛り込んでおり、男女共同参画社会の推進に向け、男女混合名簿の使用促進について力を入れて取り組んでいるところです。
次に、大学入試新制度に係る英語民間検定試験の導入については、試験会場等について未定の部分も多く、生徒、保護者及び各学校が不安感を抱いているものと認識しております。
県教育委員会としては、学校の進路指導担当者で組織される進路指導部会とともに情報の収集、共有に努め、生徒、保護者への適切な情報提供を行っているところであり、今後も、国、各大学及び検定試験の主催団体の動向を注視しながら、正確な情報を生徒、保護者及び各学校に提供し、不安感の払拭につながるよう努めていきます。
また、検定試験の負担軽減などへの配慮については、経済状況や居住地による受験機会の格差が生じることがないよう、国に対して、財政支援や実施体制について要望を行ってきており、民間検定の主催団体に対しても要望を行っているところです。
生徒の英語力の向上については、指導の核となる教員の県外講座への派遣や外部講師を招聘した研修会の開催などを通じ、先進的な指導法を導入するなど、教員の指導力向上に取り組むとともに、その核となる教員を各高校に派遣し、高校生の英語の4技能を着実に育成し、本県の生徒が新たな試験に円滑に対応できるよう取り組んでいくこととしております。
次に、宮古地区の高校統合についてでありますが、宮古工業高校と宮古商業高校は、新たな県立高等学校再編計画に基づき、令和2年度の校舎制による統合に向けて準備を進めており、昨年6月に、両校の校長、PTA会長、同窓会長等を構成員とする統合検討委員会を立ち上げ、これまで6回にわたり、統合に関する基本的事項について検討を行ってきたところです。
統合検討委員会においては、統合校の校名や校歌、設置学科や教育課程、部活動や生徒会活動、既存校舎の有効活用等について、長年にわたる両校の伝統を引き継ぎ、統合校の教育環境をよりよいものにしていくといった観点から建設的な意見交換が行われ、開校に向けて準備が順調に進んでいるものと認識しております。
統合に伴う予算については、新たな校旗、公印等の備品、道路案内看板改修等に要する経費のほか、統合検討委員会委員等の旅費等として、現時点において約390万円ほど予算措置をしているところです。
次に、新たな県立高等学校再編計画の後期再編計画についてでありますが、昨年12月から2月にかけて開催した第1回地域検討会議において、小規模校の存続を望む意見や少人数学級の導入を望む意見が各ブロックに共通して多数あったことから、第2回の地域検討会議においては、地域にとって必要とされる小規模校のあり方の視点や少人数学級における制度の概要を示し、後期計画の策定上の重要な視点として地域の皆様の御意見を伺おうと考えたものであります。
第2回の地域検討会議においては、少子化が進む中、地域における高校の役割等にも配慮し、小規模校もできるだけ存続してほしい等の意見のほか、教育環境の整備のため、再編計画を推進することも必要といった意見もいただいたところです。また、本県では、既に少人数によるきめ細かな教育が行われていることや、教員定数に係る現行制度等について一定の御理解をいただいたところです。
現在の再編計画は、望ましい学校規模の確保による教育の質の保証と、本県の地理的条件等を踏まえた教育の機会の保障を大きな柱とし、平成28年3月に2025年度までの10年間の計画として策定したものであり、後期計画の策定に当たっても、基本的には、こうした観点に基づき今年度中に後期計画案を作成、公表し、その後、後期計画案に対する県民や地域からの御意見を伺った上で、令和2年度に策定する考えであります。
次に、県立学校へのエアコン設置についてでありますが、今年度の当初予算において、未設置の保健室33校33室と、夏季課外学習室17校17室に整備することとして予算措置をしており、保健室については可能な限り予定を前倒しし、この夏からの稼働に向け、現在具体的に調整を進めているところです。工事入札が順調に進めば、33校のうち22校がこの夏までに工事完了見込みであり、これにより、既に設置済みの33校と合わせて55校、率にして83%の高校の保健室でこの夏からエアコンが稼働予定となっています。
次に、機材等の供給不足への対応についてでありますが、国では、業界団体に対し、エアコン機材等の安定供給について要請しており、県においても、昨年12月に、関係する全ての事業者団体に対し、空調設備工事の規模や件数等について説明し、円滑な対応について要請をしたところです。さらに、この4月にも、工事を施工する一般社団法人岩手県電業協会及び一般社団法人岩手県空調衛生工事業協会に対し、協力要請をしたところでございます。
次に、県立学校の体育館における洋式トイレの設置についてでありますが、高等学校では65校中60校に、特別支援学校14校と一関第一高等学校附属中学校は、全ての学校に設置済みであります。現在、未設置である高等学校5校のうち2校については今年度中に洋式トイレを設置する予定であり、残り3校についても早期整備に向けて取り組んでいきます。
〇18番(千葉進君) 御答弁ありがとうございました。特に教育長、たくさんの質問に対してありがとうございました。
まず一つは、エアコン設置については今お話があったとおり、保健室と特別教室の中でも、特に保健室については22校が、この夏から稼働できるということで、努力していただいたことに感謝申し上げます。ぜひ、その残りについても今後よろしくお願いしたいと思います。
そういう中で1点だけ、先ほど高校再編で、宮古地区の工業高校と商業高校の統合について答弁がありましたけれども、統合検討委員会という中でいろいろ話されてきていて、それなりの進捗状況があるのだろうと思うのですが、ただ、非常に気になっているのが、予算措置について、これから実際に生徒たちがまだ動く可能性があると。夏休み中にいろんな交流を図るとか、場合によっては、私の経験では、来年度の4月の高等学校総合体育大会に向けて新人戦から部活動をともにやっていきたいという中で、秋から部活動をともにやるための予算なども欲しいとか、いろんな要望が出てくるだろうと思うのです。現時点では390万円の予算が措置されているというお話でしたけれども、今後とも、そういう学校現場からのいろいろな要望があった場合、教育委員会で理解いただいて、そういったものに対応していただけるのかどうかお伺いしたいと思います。
〇教育長(佐藤博君) 両校の統合につきましては、今いろんな調整を行いながら順調に進んでいると受けとめております。そういった中で、今議員からお話がありました予算措置等につきましても現場の校長であるとかあるいは関係者の方々の話をよく聞いて、教育委員会として対応が可能なところがあるのかどうか、そういったところをしっかり判断しながら支援していきたいと考えております。
〇副議長(五日市王君) この際、暫時休憩いたします。
午後2時11分 休 憩
出席議員(45名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 千 葉 絢 子 君
3  番 ハクセル美穂子 君
4  番 菅野 ひろのり 君
5  番 柳 村   一 君
6  番 阿 部 盛 重 君
7  番 佐 藤 ケイ子 君
8  番 佐々木 宣 和 君
9  番 臼 澤   勉 君
10  番 川 村 伸 浩 君
11  番 田 村 勝 則 君
12  番 工 藤   誠 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 吉 田 敬 子 君
15  番 佐々木   努 君
16  番 千 葉   進 君
17  番 佐々木 朋 和 君
18  番 名須川   晋 君
19  番 軽 石 義 則 君
20  番 神 崎 浩 之 君
21  番 城内 よしひこ 君
22  番 佐々木 茂 光 君
23  番 高 橋 孝 眞 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 小 西 和 子 君
27  番 工 藤 勝 博 君
28  番 高 橋 但 馬 君
29  番 小 野   共 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 高 橋   元 君
32  番 関 根 敏 伸 君
33  番 岩 崎 友 一 君
34  番 中 平   均 君
35  番 五日市   王 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 小野寺   好 君
40  番 飯 澤   匡 君
41  番 佐々木 順 一 君
42  番 田 村   誠 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 工 藤 勝 子 君
45  番 柳 村 岩 見 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 大 輔 君
48  番 樋 下 正 信 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時28分再開
〇副議長(五日市王君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
日程第1、一般質問を継続いたします。樋下正信君。
〔48番樋下正信君登壇〕(拍手)

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