平成30年9月定例会 決算特別委員会会議録

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決算特別委員会会議記録
(第 6 号)
平成30年10月10日(水)
1開会 午前10時3分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 村 上 宏 治
議事管理担当課長 安 齊 和 男
主任主査 柳 原   悟
主任主査 金 戸 伸 幸
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 赤 坂 宏 紀
主査 戸 塚 教 仁
1説明員
文化スポーツ部長 菊 池   哲
副部長兼文化
スポーツ企画室長 石 田 知 子
参事兼スポーツ
振興課総括課長 工 藤 啓一郎
ラグビーワールド
カップ2019
推進室長 木 村   久
文化スポーツ
企画室企画課長 畠 山   剛
文化スポーツ
企画室管理課長 安 藤 知 行
文化振興課
総括課長 中 里 裕 美
大会運営課長 高 松 秀 一

教育長 高 橋 嘉 行
教育次長兼
教育企画室長 今 野 秀 一
教育次長 岩 井   昭
教育企画室
特命参事兼
企画課長 鈴 木   優
予算財務課長 山 本 洋 樹
特命参事兼
学校施設課長 佐 藤 博 行
教職員課総括課長 永 井 榮 一
首席経営指導
主事兼小中学校
人事課長 荒 川 享 司
首席経営指導
主事兼県立学校
人事課長 梅 津 久仁宏
首席指導主事兼
学校調整課
総括課長 佐 藤   有
首席指導主事兼
産業・復興
教育課長 鈴 木 智 香
高校改革課長 藤 澤 良 志
首席指導主事兼
生徒指導課長 橋 場 中 士
学校教育課
総括課長 小久保 智 史
首席指導主事兼
義務教育課長 佐 野   理
首席指導主事兼
高校教育課長 里 舘 文 彦
首席指導主事兼
特別支援教育課長 佐 藤   信
首席指導主事兼
保健体育課
総括課長 荒木田 光 孝
首席社会教育主事
兼生涯学習
文化財課総括課長 佐 藤 公 一
文化財課長 鎌 田   勉

企業局長 藤 澤 敦 子
次長兼
経営総務室長 菊 池   満
技師長 朝 岡   薫
経営総務室
管理課長 高 橋 啓 三
経営企画課長 菅 原 克 浩
業務課総括課長 野 崎   裕
電気課長 村 上 敏 弘

会計管理者 高 橋 宏 弥

監査委員 寺 沢   剛
監査委員 沼 田 由 子
監査委員事務局長 熊 谷 正 和
監査第一課
総括課長 千 葉 達 也
監査第二課
総括課長 小 守 健 一

財政課総括課長 臼 井 智 彦
〇名須川晋委員長 これより本日の会議を開きます。
この際、10月5日に高橋但馬委員から議事進行があったことについて、昨日及び本日、世話人会を開催し、協議した結果について御報告いたします。
議事進行の内容につきましては、10月4日の政策地域部審査における千葉絢子委員の質疑に関して、1、千葉絢子委員の発言の根拠となったメール、2、千葉絢子委員から発言があったメールについて県当局は送信していないとする根拠、3、千葉絢子委員の質疑のうち、メールの送信に関する発言部分の議事録について、それぞれ委員に配付することを求めるものであります。
このうち、1、千葉絢子委員の発言の根拠となったメールについては、千葉絢子委員に提供を求めたところでありますが、メールは伝聞に基づいたものであり、提出は困難であるとのことから、配付をすることはできないとの結論に至ったところであります。
次に、2、千葉絢子委員から発言があったメールについて、県当局は送信していないとする根拠及び、3、千葉絢子委員の質疑のうち、メールの送信に関する発言部分の議事録につきましては、県当局から提出のあった資料及び10月4日の政策地域部審査における千葉絢子委員の質疑のうち、関係する発言部分の速記録を各委員に配付することと決定し、それぞれお手元に配付いたしておりますので、御了承願います。
配布資料
〔速記録の登載省略〕
〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬委員 資料の提供ありがとうございます。
今回、私が三つの資料を求めさせていただきました。議事録、県当局の根拠となるもの、そして千葉絢子委員の発言の根拠となるものでしたが、それは、伝聞に基づくものであるので資料の提出は難しいということでありました。
議会の質問で伝聞で質問するのはよくあることだと思いますし、それを否定することはいたしませんけれども、今回の場合は、県のほうでそのようなメールを送っていないということで、資料が提供され、それを否定しているわけでありまして、その部分から考えますと、一つのものに対して、片方はやはり否定して根拠となるものを提出しているものですから、この速記録に載っている2ページの千葉絢子委員の発言の、その業者に対する見積もり依頼のメールの中で、議会からの追及が厳しいので内容精査をということで依頼があったと伺っておりますという、ここの2行に関して、本人からの発言の撤回を求めるべきと思いますので、世話人会の取り計らいをお願いいたします。
〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇飯澤匡委員 世話人会ではそういう結論に達したということですし、伝聞に基づいて、それから、みずからの調査権に則して、県民の声としてそれを執行部側に伝えて是正するのは我々の務めです。その中身云々、メールがあるなしということを問うている文脈ではないわけです。ですから、これを削除しろというのは、私もかつてIGRの投書をもとに、こういうことがあったとか、きのうの太陽光パネルの話とか、そういうものも全部削除しろということになりかねませんか。ちょっと、私は今の議事進行についてはわかりかねます。
〇名須川晋委員長 ただいまの飯澤匡委員の発言も含めて、後刻、世話人会を開き協議することといたしたいと思いますので、御了承をお願いいたします。
これより議事に入ります。
認定第1号から認定第14号まで並びに議案第38号及び議案第39号の以上16件を一括議題といたします。
本日は、文化スポーツ部、教育委員会及び企業局関係について、延べ19人の質問者を予定しておりますが、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
初めに、文化スポーツ部長に文化スポーツ部関係の説明を求めます。
〇菊池文化スポーツ部長 平成29年度の文化スポーツ部の決算について御説明申し上げます。
なお、本年4月より、教育委員会から北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録に関する事務事業が移管されておりますので、ただいまから御説明申し上げますのは、現在、文化スポーツ部において所管しております内容でありますことを御了承願います。
初めに、当部所管の主な事務事業に係る取り組みと成果などについて、総括的に御説明申し上げます。
当部では、東日本大震災津波からの復興に最優先に取り組むこととともに、いわて県民計画に掲げる人材・文化芸術の宝庫いわての実現に向けて、文化芸術の振興と豊かなスポーツライフの振興の二つの政策項目について取り組んでまいりました。
まず、東日本大震災津波からの復興についてでありますが、文化芸術の鑑賞機会の確保や、本県の文化の魅力を国際的に発信する環境の整備に向けた取り組みを進めてまいりました。
次に、文化芸術の振興についてでありますが、文化芸術情報の発信、文化芸術活動の支援や交流の場の創設、世界遺産の理念、価値の普及、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録や、平泉の文化遺産の拡張登録に向けた取り組みなどを進めてまいりました。
次に、豊かなスポーツライフの振興についてでありますが、スポーツを楽しめる環境整備の推進、選手育成や指導者育成の推進、スポーツの振興による地域活性化の促進、障がい者スポーツの振興に向けた取り組みなどを進めてまいりました。
これらの取り組みにより、県内の公立文化施設における催事数が増加し、成人の週1回以上のスポーツ実施率も向上するなど、県民の文化芸術活動及び鑑賞の機会や、スポーツを楽しむ機会が増大したところでございます。
続きまして、平成29年度決算の概要について御説明申し上げます。
お手元の平成29年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。文化スポーツ部関係の決算は、2款総務費のうち、8項文化スポーツ費、飛びまして、14ページに参ります。10款教育費のうち、6項社会教育費の一部、7項保健体育費の一部でありますが、これらの支出済総額は29億9、768万円余であり、翌年度への繰越額は2、296万円余、不用額は3億1、926万円余となっております。
それでは、便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただき、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
それでは、お手元の歳入歳出決算事項別明細書をごらんください。184ページ、185ページをお開き願います。2款総務費8項文化スポーツ費1目文化スポーツ総務費でありますが、備考欄の上から2行目、国体・大会レガシー継承発展事業費は、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の開催を契機に醸成されました県内の文化芸術活動の盛り上がりの機運を継承、発展させ、本県の文化芸術のさらなる振興、発信や、国体・大会1周年記念イベントの開催などに要した経費であります。次に、186ページ及び187ページをお開き願います。2目文化振興費でありますが、備考欄の上から4行目、海外との絆を活かした文化芸術形成促進事業費は、海外の演奏家と地元の子供たちとの交流機会を設けるとともに、地域の文化芸術を盛り上げるネットワークの構築に向けた取り組みの支援に要した経費であります。次の障がい者芸術活動支援事業費は、障がい福祉サービス事業所等における芸術活動の実態調査やワークショップによる支援者の育成などに要した経費であります。三つ飛びまして、訪日外国人向け伝統文化鑑賞、体験プログラム開発事業費は、伝統文化の魅力を国際的に発信するため、訪日外国人向けの伝統文化の鑑賞、体験プログラムの開発に要した経費であります。二つ飛びまして、被災地児童生徒文化芸術支援事業費は、被災した児童生徒の心の復興を図るため、文化芸術に触れる機会を提供するために要した経費であります。一つ飛びまして、岩手芸術祭開催費は、県民のすぐれた文化芸術活動の発表の場と鑑賞の機会を提供するため、岩手芸術祭の開催に要した経費であります。次に、188ページ、189ページをお開き願います。備考欄の上から4行目、若者文化振興事業費は、次代を担う若者の文化芸術活動を後押しするいわて若者文化祭の開催経費の一部を負担するほか、各広域振興圏で非営利団体等が実施する若者文化関連イベント等に対する補助に要した経費であります。二つ飛びまして、世界遺産登録推進事業費は、平泉の文化遺産の世界遺産拡張登録に向けた取り組みや、明治日本の産業革命遺産の保存活用等に要した経費であります。
なお、繰越額がございます。187ページにお戻りいただきまして、繰越明許費2、296万円余は、県民会館施設整備費におきまして、入札不調等により調整に不測の日数を要したことなどにより繰り越したものでございます。
お手数ですが、188ページ、189ページにお戻り願います。3目スポーツ振興費でありますが、備考欄の上から3行目、スポーツ振興戦略推進費は、いわてスポーツコミッションを中心としたスポーツイベントやスポーツ合宿の誘致等による交流人口の拡大等に取り組むとともに、トップスポーツチームとの連携によるスポーツ機運醸成等に要した経費であります。一つ飛びまして、障がい者スポーツ振興事業費は、障がい者スポーツの振興を図るため、スポーツ教室や競技大会を開催するとともに、選手強化や指導者の育成などに要した経費であります。次の高齢者スポーツ活動振興事業費は、高齢者の生きがいと健康づくりを推進するため、岩手県長寿社会健康と福祉のまつりの開催等に要した経費であります。四つ飛びまして、体育大会開催、派遣事業費は、岩手県民体育大会の運営、国民体育大会への選手団派遣等に要した経費であります。二つ飛びまして、オリンピック選手等育成・強化事業費は、スーパーキッズの発掘、育成やトップアスリートの活動支援に要した経費であります。次のパラリンピック選手等育成・強化事業費は、障がい者スポーツ選手の育成や障がい者トップアスリートの活動支援等に要した経費であります。次の希望郷いわて競技力向上事業費は、岩手県体育協会が実施する競技団体への競技力向上支援に要する経費の補助等であります。一つ飛びまして、スポーツ医・科学サポート事業費は、競技団体へのトレーナー派遣や各種研修会など、スポーツ医・科学の知見に基づくサポート活動の実施に要した経費であります。次に、190ページ、191ページをお開き願います。備考欄の1行目のラグビーワールドカップ2019開催準備費は、釜石市と連携し、開催機運の醸成や受け入れ態勢の整備に要した経費であります。
飛びまして、340ページ、341ページでございます。10款教育費6項社会教育費2目文化財保護費の支出済額5億3、045万円余のうち、当部関係の391万円余について御説明いたします。
342ページ及び343ページをお開き願います。備考欄の上から1行目、縄文遺跡群世界遺産登録推進事業費は、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた取り組みに要した経費であります。3目芸術文化振興費の支出済額3億2、464万円余のうち、当部関係の3億979万円余について御説明いたします。備考欄の上から2行目、県民会館施設整備費は、県民会館のアスベスト除去工事等に要した経費であります。
なお、不用額2億740万円余のうち、当部関係は2億642万円余でありますが、これは、県民会館施設整備費におきまして、平成28年度2月補正予算で県民会館のアスベスト除去工事等に要する経費を計上し、平成29年度に繰り越して執行したものでありますが、当初の想定より設計額が下回ったこと、入札による執行残が生じたことなどが主な要因でございます。
次に、346ページ及び347ページをお開き願います。7項保健体育費3目体育施設費でありますが、備考欄1行目、施設設備整備費は、県営体育施設の改修工事等に要した経費であります。
以上で文化スポーツ部関係の説明を終わります。どうぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇名須川晋委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇軽石義則委員 1点、質問を通告しておりましたけれども、先ほど部長の説明をお聞きしまして、もう少しお聞きしておいたほうがいいなということがありまして、前段、通告はしておりませんが、まずそのことをお聞きをさせていただきたいと思います。
私が立てば、大体、ラグビーワールドカップのことではないかと推測されると思いますけれども、今まで、ラグビーワールドカップ2019推進室初め皆様には大変御努力をいただいて、県民の皆さんにも盛り上がりが大分伝わってきていると思っております。
先般、10月6日の、盛岡市民が中心となった盛岡マチナカ・ラグビーボール・パスリレーでは、釜石を盛岡から応援しようということで、商店街、消防団、子供たち、家族、多くの皆さんの参加がありました。当初、2、019人の目標を立てて進めてきた行事でありましたが、2、300名を超える多くの皆さんに参加をいただいて、非常に盛り上がったところございますし、多くの評価もいただいているところでございます。
部長にも、体調不良のところ、ラグビースタイルまでして参加いただいたわけでありますけれども、その割には、先ほどの報告はちょっと簡単過ぎたのではないかという思いがございまして、これまで一生懸命やってきたところを私も見ていますし、実感しているのですけれども、その部分が順調に進んでいるのかどうなのか。来年までいよいよ、1年を切ってしまっておりますので、そこに向けて、今後、いろいろ抜かりなくといいますか、しっかりと対応していかなければならないことはまだまだあると思います。
現状において、部長はどのように感じているのか。この間のパスリレーの参加も含めて、所感をお伺いしたいと思います。
〇菊池文化スポーツ部長 パスリレーの件につきましては、軽石委員を初めたくさんの方々が民間レベルの取り組みとしてかかわっていただきました。これまで、県でも1年前イベントとか、さまざまな機会を捉えて、あるいはさまざまな他のイベントにも出かけていきまして、ラグビーワールドカップの周知、そして機運醸成に取り組んできていたところなのですが、先般のパスリレーの盛り上がりは、さすが盛岡だなという感じがいたしました。盛岡駅には、もちろん市民の方々、小さなお子様からお年寄りまで総出で参加していただきましたし、観光客等外来の方々にもしっかりと知らしめることができた、非常にいいポイントでスタートして、それぞれのにぎわいの場所、まさに盛岡市が連担した形で、市民がみんなでラグビーワールドカップ、そしてラグビーの魅力を共有し、親しみ、広げていこうという動きにつながってきたと思っております。県及び釜石市と連携して行っています釜石開催実行委員会の取り組みに加えて、こうしたまさに市民レベル、県民レベルでの盛り上げが今後も高まっていくことに多く期待できるような成果だったと思っております。
現在、あと1年後に迫っておりますラグビーワールドカップの本番に向けて、御案内のとおり、釜石市と共同で実行委員会を運営しながら、各般のいろいろな課題が、施設の整備や、あるいは機運醸成等まだまだこれからだと感じているところもありなので、全てにおいて大会準備を万全とし、しっかりと成功につなげるということを覚悟の上で取り組んでまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
〇軽石義則委員 ぜひ、市民の盛り上がりを県民全体の盛り上がりにつなげるように、さらに県並びに実行委員会、釜石市と連携して進めていただくことを重ねてお願いを申し上げます。
それでは、通告しております施設整備費関連について、1点、御質問をいたします。
県営野球場の老朽化については、これまでもいろいろな場面で多くの議員も質疑を交わしてきております。経過はこれまでもお聞きしておりましたが、盛岡市が大分進んできているのではないかと見ております。県と盛岡市が一緒になって新野球場をということは初めての取り組みでもございますし、期待感もかなり大きいわけでありますけれども、これらの取り組みにおいて現状はどのように推移しているのか、見通しなどあれば示していただきたいと思います。あわせて、盛岡市との協議の状況についてもお示し願いたいと思います。
〇工藤参事兼スポーツ振興課総括課長 県営野球場についてのお尋ねでございますが、県営野球場は、築48年が経過し、御案内のとおり、全体的に老朽化が進んでおります。毎年の修繕費用もかさんできているところでございます。
一方、盛岡市では、以前から盛岡南公園への新野球場整備の構想がございまして、平成28年までに、市から県に対し、共同で野球場を整備したい旨の申し入れがあったところでございます。
これを受け、本年2月、県と市が共同で新野球場を整備する方向とし、県では、ふさわしい整備手法のあり方等について市と協議を進めていくこととしたところでございます。
新野球場につきましては、盛岡市が実施した民間活力導入可能性調査の結果を踏まえつつ、盛岡南公園内に整備すること、また、これまで県営野球場で開催していた高校野球岩手大会やプロ野球1軍の公式戦にも対応できる高規格な施設とすることなどを基本に、現在、市と事務レベルで協議を進めているところでございます。
その盛岡市との協議状況でございますが、現在、共同整備に当たっての県と市の役割分担、新野球場の収容人数等の施設規模やグラウンドの仕様、屋内練習場の規模、整備の手法などにつきまして詳細な協議を進めているところでございます。
〇軽石義則委員 今、詳細な協議を進めているということでございます。私は総務委員会に所属しておりますけれども、総務委員会として大館樹海ドームを、地域振興も含めて調査いたしました。北国においては、やはりドーム型のスタジアム、野球場の役割の大きさというのを実際に見てきたわけであります。そういう意味では、私もこれまで全天候型の野球場が北国には必要だという主張をしてまいりましたけれども、その部分についてはどのようにお考えなのでしょうか。
〇工藤参事兼スポーツ振興課総括課長 全天候型ということでございますが、野球場につきましては、全天候型ということになりますと極めてコストがかかるものでありますけれども、屋内練習場につきましては、おおむね50メートル掛ける50メートルといった形で、内野の練習ができるような全天候型の施設を検討しているところでございます。
〇軽石義則委員 これまでも言ってきましたけれども、野球場にもそういう考え方も入れて盛岡市と協議しているので、県だけで決められることではないとは思いますけれども、せっかくこれから大きな投資をして活用していく施設だとすれば、また、後々、その施設の有効性が出てこないようなものにならないための検討というものも大事だと思いますので、ぜひ、その部分をしっかり検討していただきたいと思います。やはり県民の皆さんはそこに大きな期待をしているわけでありますし、県と市が共同でする事業のモデルになっていく、これからいろいろなところでそれが活用されていくとも思われます。ぜひ、その部分をしっかりと受けとめた上でやっていただければと思いますけれども、今後のそういうところも含めた取り組みの決意を部長から聞いて、終わります。
〇菊池文化スポーツ部長 新野球場の共同整備という観点でも、全国でも例のない取り組みを今進めようとしておりまして、議論しているところでございます。
全天候型ドームの関係につきましては、相当の財政負担も伴うものですので、今段階で、やりましょうというほうにはなかなかかじを切れない懐ぐあいもございまして、そこはちょっと明言できないところでございますが、いずれにしろ、今後、人口減少社会が進行する中で、地域にとって核となり活性化にもつながるような活用範囲の広い機能があるスポーツ施設として新野球場も捉えて、市と共同で取り組んでいきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〇軽石義則委員 金額的なものもあるというのは十分承知して言っております。他の例を引きますと、当初は、いわゆる屋根がなくても、後々、屋根がかけられるような設計もできると聞いておりますので、初期の投資は少なくして、後にそういうものにも活用できるような設計というのはできるのだと思います。ぜひ、その点を考慮の上、よろしくお願いします。終わります。
〇佐々木宣和委員 先ほど、軽石義則委員からもラグビーワールドカップの質疑がありましたけれども、私からも、通告どおり、ラグビーワールドカップについて伺っていきたいと思います。
まず、釜石開催の意義というところで、県のホームページには、世界中からいただいた支援への感謝を伝え復興の姿を発信する、スポーツの力による地域の創生というところでございます。
私もイギリスに視察に行かせていただいて、開催地になったグロスター市で同じような質問を直接しました。ラグビーワールドカップの開催地に選ばれることはどういうことか、何が得られたかという質問をしたところ、世界地図に自分のまちをポイントすること。得られたものは、地域の一員であるプライド、誇り。それだけ栄誉あることで、それだけ興奮すること。だから、最高に楽しんで自分のまちを世界に向けて自慢したらいい。ハードな仕事になるだろうが、多くの人とそれを共有することで地域の一員である誇りを高める。それが将来につながるという回答をいただいたところで、実際に釜石で開催することによって、このような地域に誇りを持てるということにつながるといいなと思いまして、質問をさせていただきたいと思います。
まず一つ、ラグビーファンの掘り起こしというところでございます。これはイギリスでもすごく感じたことですけれども、イギリスはラグビーの母国で、ラグビーというスポーツの認知度が非常に高い。それに比べて、日本ではラグビーというスポーツの知名度は一番ではないというところで、きっちりラグビーファンの掘り起こしをしていって、リーチをしていく必要があると思っています。
一つには、釜石開催の理由となった新日鐵釜石ラグビー部、また、今、ラグビーをやっている中高生、大学ラグビーの方々に対するリーチの状況と成果、そしてまた、岩手県だけだとなかなかボリューム感がないというところで、東北各県に対する周知の取り組みはどのように行っているのか伺いたいと思います。
〇高松大会運営課長 ラグビーファンの掘り起こしについての御質問でございますが、ラグビーファンを拡大していくためにさまざまな取り組みを行っておりまして、子供たち向けには、昨年12月に岩手県ラグビーフットボール協会が主催しまして、第1回岩手県知事杯小学生タグラグビー大会が開催されております。県内の小学生15チーム120人の参加がございまして、参加者の家族が家族ぐるみでラグビーファンになっていくものと期待しておるところでございます。
また、8月19日には、釜石鵜住居復興スタジアムオープニングイベント実行委員会が主催いたしまして、そのイベント内で新日鐡釜石OB対神戸製鋼OBのレジェンドマッチが行われました。会場内の観客を初め、その模様をテレビで視聴した方々の中には、新日鐡釜石ラグビー部が日本選手権7連覇をした当時を思い起こし、ラグビーへの思いが復活したファンもたくさんいるのではないかと考えております。
さらに、9月から10月にかけましては、県の主催によりまして、ニュージーランドのクライスト・カレッジ高校ラグビー部員を本県に招聘いたしまして、県内沿岸部及び内陸部の高校でラグビー部を中心とした交流を行い、ラグビーワールドカップに向けた機運醸成を図ったところでございます。
こうした取り組みのほか、大学関係では、大学ラグビー部OB会からの要望を受けまして、ラグビーワールドカップ2019釜石開催実行委員会職員が釜石開催に係る講演を行いまして、岩手・釜石とラグビーのファン拡大に努めているところでございます。
また、東北各県に向けた取り組みといたしましては、東北各県や市、さらには商工関係団体などを訪れ、各地で開催されるイベントでのブース出展への協力、あるいはラグビーワールドカップ開催期間中における連携などについて意見交換をしているところでございます。
今後とも、ラグビーファンの拡大に向けまして、効果的に成果が得られるよう働きかけ方を工夫いたしまして実施していくとともに、全国、世界中から訪れるラグビーワールドカップ観戦者に東北地方全体でおもてなしができるよう、継続して連携を呼びかけてまいりたいと考えております。
〇佐々木宣和委員 タグラグビー等のお話もありましたけれども、ラグビーというスポーツに対する理解を広げる取り組みということに関して答弁を用意されているのであれば、お願いします。
〇高松大会運営課長 ラグビーに対する理解を広げる取り組みについてでございますが、釜石開催実行委員会といたしましては、県内外における各種イベント会場等に出向きまして、ラグビーワールドカップ2019釜石開催のPRとあわせまして、実際にラグビーボールに触れることのできる的当てゲームやキックゲームなどの体験型ブース、また、ルール解説の動画放映などによりまして、ラグビーを身近に感じることのできる機会を提供しているところでございます。
なお、これらのブース運営には、岩手県ラグビーフットボール協会の協力、連携をいただきながら実施しているほか、民間団体等とも連携を深めながら、ラグビーへの興味や関心が高まるように取り組んでいるところでございます。
特に、先週の6日には、釜石市で実施いたしました1年前イベント会場で、ストリートラグビー運営団体の協力によりましてストリートラグビーを実施していただきました。また、同日、先ほど、軽石委員からも御紹介がありましたが、盛岡市におきましても、民間の実行委員会が盛岡マチナカ・ラグビーボール・パスリレーを開催いたしまして、2、300人を超える参加者がラグビーボールに触れ、ラグビーワールドカップ2019釜石開催に向けて盛り上げを図っていただいたところでございます。
さらに、子供向け番組等に出演しております本県出身の女性タレントをイベントやPRの機会に起用いたしまして、子供から大人までの幅広い世代をターゲットにして、大会のみならず、ラグビーそのものに興味を抱いていただくように取り組んでいるところでございます。
今後とも、オール岩手でラグビーワールドカップ2019釜石開催を盛り上げていくために、民間団体等とも密接に連携を図りながら、多くの方々にラグビーを知っていただけるよう効果的な取り組みを実施してまいります。
〇佐々木宣和委員 さまざまな取り組みを通してラグビーというスポーツの知名度を上げる、そしてまた触れるというところで取り組んでいただいて、本当にすばらしいと思うところでございます。
私は、何かの調査で、社会人ラグビーのヤマハ発動機ジュビロの試合に、来たお客さんに対するアンケートで、何かしらラグビーにかかわっている方が8割方、全くラグビーにかかわったことがないという新規のお客さんというのは2割ぐらいしかいないという結果を見たことがありまして、まず、体験したことがあるということはすごく大事なのかと思っているので、取り組んでいただきたいと思います。
次に、先ほど、冒頭でも申し上げましたけれども、グロスター市とのやりとりの状況というところを伺いたいと思います。
さきのイングランドラグビーワールドカップで日本の試合をしたまちでもありますし、スタジアム規模が1万6、000人、グロスター市にも日本で言うトップリーグのチームがあると。そしてまた、かつて水害で被災したまちで、ラグビーワールドカップを通して復興に取り組み、貢献していくというようなことで、非常に共通点が多いところでございますけれども、日本大会へのアドバイス等、グロスター市とのやりとりはどのようなことをやられているのか伺います。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進室長 イギリスのグロスター市とのやりとりについてでございますが、グロスター市には、ラグビーワールドカップ2015イングランド大会のときであります平成27年9月に、ラグビーワールドカップ2019組織委員会と他の開催都市とともに公式視察を行ったほか、平成28年5月には県議会の皆様によります行政視察を行い、さまざまなアドバイスをいただいているところでございます。
委員からのお話にもありましたとおり、スタジアムの収容人員が、釜石鵜住居復興スタジアムと同規模であります約1万6、500人であるほか、首都ロンドンから電車で2時間という立地の状況、そして伝統のあるラグビーのまちなど、本県との共通点があるグロスターの取り組みを参考に、釜石鵜住居復興スタジアムの設計に当たっては諸室等のしつらえの参考にしたと釜石市から聞いているほか、県におきましても、観光事業者等と連携の上、観戦者の周遊や滞在型旅行商品の造成を支援しているところでございます。
今後とも、自治体国際化協会ロンドン事務所等に協力を仰ぎながらグロスター市にアドバイス等をいただくなど、しっかりと開催に向けた準備を進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木宣和委員 次に、先ほども多少ありましたけれども、観光への取り組みというところで、ウエブサイトのお話を伺いたいと思います。
英語観光サイトの整備状況と、他国でのサイト優位性を上げる工夫はしないのか、SNS等の活用はしないのかというところを伺いたいと思います。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進室長 観光への取り組み、特にウエブサイトでということでございますが、海外への情報発信につきましては、ラグビーワールドカップ2019釜石開催につきまして英語版のパンフレットを作成し、釜石市で試合を行う国の大使館や国際交流協会、外国人が参加するイベントのPRブースで配布するとともに、県のホームページにも英語版パンフレットを掲載し、情報発信に取り組んでいるところでございます。
県のホームページには、委員からもお話がありましたラグビーワールドカップ2019岩手・釜石開催の意義や、東日本大震災津波による被災から開催都市決定に至るまでの経緯、そして、これまでの支援に対する御礼と復興状況についての発信を行っているところでございます。
このほか、日本政府観光局におきまして、本県と連携して制作したラグビーワールドカップ2019日本大会の開催都市を紹介するウエブページを公開しておりまして、県内の観光地や特産品、グルメ情報等の掲載、岩手・釜石の周遊モデルコースの紹介を英語、フランス語、イタリア語で行っているほか、宿泊施設の検索も行えるようにしているということで、ウエブでの情報提供の取り組みを行っているところでございます。
〇佐々木宣和委員 私もイギリス版のグーグルで岩手と検索すると、まずウィキペディアがあって、VISIT IWATEというオフィシャルの観光サイト、その次がジャパンガイドという、恐らく国がつくっている都道府県ごと、市町村ごとのものだと思いますが、これらが表示されます。海外で、イギリス圏の人たちはVISIT IWATEを見るのかなという気がしていて、あれにまだラグビーワールドカップは何も載ってないです。その点を入れるといいのかなと思いました。検討していただければと思います。
もう一つ、細かい話なのですけれども、Wi-Fiの話です。きのう、商工労働観光部の答弁では、71カ所、補助してつけたという話もありましたけれども、その接続後のトップ画面に観光サイトを当て込んだらいいのではないかと思うのですけれども、これはどうなっていますでしょうか。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進室長 Wi-Fiの接続後のトップ画面に観光サイトが見えるような形にしてはどうかということでございますが、現状におきましては、そのような取り組みが必ずしも十分ではなかった面もあったかと思いますが、そういった委員の提言も踏まえまして、観光サイト、ウエブサイトでの情報発信という面につきまして研究してまいりたいと思います。ありがとうございます。
〇佐々木宣和委員 私はこれを何で聞いたかというと、花巻空港でWi-Fiをつなげたときに何も出てこなかったので、もったいないなと思ったのです。こういったウエブサイトだと情報は勝手にとれますので、こういった生きた情報をうまく使っていくというのは必要なのではないかと。71カ所もWi-Fiを設置しているわけですから、そこで接続した人がどういう動向なのかというのは生きたデータになるのかと思って、ちょっと提案させていただいたところでございます。
何にしても、ラグビーワールドカップまで1年を切ったというところでございまして、沿岸、内陸、岩手県が一体となって盛り上がっていくように取り組んでいただきたいと思います。終わります。
〇工藤勝博委員 まずもって、昨日まで福井県で行われました福井国体では、岩手県は天皇杯が24位、皇后杯が25位で、大変すばらしい成績を上げたということで、改めて皆さんに感謝申し上げたいと思います。選手の皆さんにも敬意を表したいと思います。目標の20位台を達成したということも、また一つの大きな岩手県選手団の力だと思いますし、それらも含めて何点かお伺いいたします。
まずもって、平成29年度の体育施設整備の状況についてお伺いしたいと思います。
〇工藤参事兼スポーツ振興課総括課長 平成29年度の施設整備の状況についてでございます。
まず、新設といたしまして、県営運動公園内にスポーツクライミングのスピード競技施設を新たに整備したところでございます。また、そのほかの改修工事といたしましては、県営体育館に敷設している老朽化した都市ガス管の交換ですとか、県営スケート場の氷温制御装置の改修等々を行ったところでございます。
県営スポーツ施設等の多くは、昭和45年の国体に合わせて整備されたものでございまして、全体的に老朽化しておりますので、引き続き安全対策、定期点検を行いまして、財政面等も考慮しながら計画的な維持修繕に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 国体が終わって3年目になるわけですけれども、それぞれの施設はかなり老朽化が進んでいると。国体時には何とかかんとか修理しながらも使った施設もたくさんあるわけですけれども、そういう中で、スポーツクライミングのスピードの施設のように、これからの新しい種目がどんどんふえてくると思うので、それらも取り入れながら、新しい選手層も拡大していく必要があるのだろうと思います。
そういうことも含めて、国体終了後のこれからの県営スポーツ施設の整備計画も当然あると思うのですけれども、それらはどのような状況になっているかお伺いしたいと思います。
〇工藤参事兼スポーツ振興課総括課長 希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の競技会場につきましては、委員御指摘のとおり、既存施設を最大限活用するということで、優先的かつ必要最小限の整備を実施したところでございます。
先ほど申し上げました県営スポーツ施設の老朽化の進行に伴いまして、昨年、外部有識者による県営スポーツ施設のあり方に関する懇談会を設置しました。昨年末、県に対する報告ということで、方向性が取りまとめられたところでございます。
現在、この懇談会からの報告を参考に、岩手県公共施設等総合管理計画に基づきまして、2020年度までに策定することとされている個別施設計画の策定作業を進めているところでございます。その中で、それぞれのスポーツ施設の維持管理や修繕、更新等について対応を整理していきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 施設ですから相当な投資も必要になってくるわけですけれども、スポーツ施設は、私から言わせれば、一つの生産基盤だと思います。スポーツ選手の基盤になると思うので、それは時代にマッチするような施設整備を当然していかないと、次の国体は50年後に来るかもしれないのですけれども、そういう関係も含めて、これからのスポーツの力というのはかなり大きいだろうと思います。よく言われていますけれども、スポーツ産業は1兆5、000億円とか2兆円のビジネスにもなっております。一番の土台、基盤をしっかり整えないと、これからのアスリートも育っていかないということになると思うので、それらも含めて施設整備には十分意を酌んで取り組んでいただければと思います。
それから、大きな課題となっております、平成22年、東日本大震災津波の前年ですけれども、国体に向けて県でもスポーツ健康科学センター(多目的屋内練習施設)の計画をして、もう設計段階に入って、いざ取り組もうというやさきに大震災に遭ったということであります。
そういうことで意をそがれた部分もありますけれども、これからのスポーツは、スポーツ医・科学も含め、競技者本人だけではなく、それをサポートするいろいろなスタッフがいないと大きな成果は上がっていかないだろうと思うので、これらをぜひとも早期に取り組み、完成の運びに─凍結している部分を解除ということになると思うので、それらをどのように考えているかお聞きしたいと思います。
〇工藤参事兼スポーツ振興課総括課長 スポーツ健康科学センターについてでございます。
委員御指摘のとおり、東日本大震災津波の際に凍結となったものでございますが、これまで、スポーツ健康科学センターの機能として想定していたアスリートのスポーツ医・科学サポートにつきましては、そういった施設こそないものの、大学を初めとする関係機関との連携により、選手強化のためのトレーニングや心理サポート、メンタル面、アンチドーピング指導など、スポーツ医・科学の知見に基づいた取り組みを実践してきたところでございます。
その結果、国体を初めとして、先般開催されたアジア競技大会やオリンピック、パラリンピック等の国際大会での本県出身選手の活躍につながっているのではないかと考えております。
一方、平成11年の岩手インターハイを契機に、県内の多くの市町村に多目的に活用できるスポーツ施設が充実してきております。これらの施設を核として、各地域においてはさまざまなスポーツ活動が盛んに行われているという状況にございます。
このようなさまざまな環境の変化も踏まえ、スポーツ健康科学センターのあり方につきましては、今後、必要に応じ、外部有識者や競技団体等からの御意見などをいただきながら、さらに検討させていただきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 今、JOCといいますか、国でも、特に若い世代、10代の選手が味の素ナショナルトレーニングセンターで集中的に、トータルしたトレーニングをやって、すばらしい成績、結果を残しているわけですけれども、全日本クラスとは行かないまでも、ぜひとも、岩手版のそういうトレーニングセンターのような構想を持って進めていただければ、国体の順位もさらに上回ると思います。そしてまた、これからの若い世代が、そういう環境の中でみずから持っている素質を開花させるためには、そういう総合的な支援も必要だろうと思いますし、環境も必要だろうと思いますので、ぜひ、その辺の取り組みをやる必要があると思うのですけれども、いかがでしょうか。
〇工藤参事兼スポーツ振興課総括課長 委員御指摘のとおり、国レベルですと、ナショナルトレーニングセンター─NTCと言ったりしておりますけれども、そういったトレーニングの施設や、併設しておりますスポーツ医・科学の施設を活用してアスリートの育成が行われております。
岩手県内では特にそういった施設は今のところないわけでございますが、その中で、アスレティックトレーナーや優秀な指導者を育成するという取り組みで、人、物、金で言いますと、人の部分で今まで頑張ってきているところでございます。
今後、そういった良好な環境が形づくられればという思いは私も同じでございますけれども、何とか、そういった方向に進めばいいとは感じております。いずれ、今回の国体の順位も目標をクリアしましたので、この成績を維持していって、さらに世界に羽ばたくようなアスリートが育成できるように努めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 平成29年度のスポーツ医・科学サポート事業では、いろいろな事業の中でかなり発展したり、また、ワークショップ、指導者育成事業という内容で実施されておりますけれども、これらも含めて総合的にそういう一つの機関でやれれば、もっと成果が上がると思います。
そしてまた、先日、花巻市で開催されたプロ野球の往年の名選手を呼んで教室を開くというのも、これからどんどんやっていただければ、それを目指している、特に青少年の皆さんは興味を持って取り組んでいただけるのだろうと思います。その辺も含めてお願いしたいと思います。
次の質問ですけれども、希望郷いわて競技力向上事業というものがあります。その中の主な事業についてお聞きしたいと思います。
〇工藤参事兼スポーツ振興課総括課長 希望郷いわて競技力向上事業でございますけれども、事業内容につきましては大きく6点ございます。
一つ目ですけれども、企業が参加する就職説明会開催によるアスリートの就職支援というものを県直営で実施しております。
以下は岩手県体育協会に対する補助でございますけれども、各競技団体に対して、強化合宿や遠征費等の強化費を支援するという事業がございます。
続いて、次に県体育協会が指定する企業あるいはクラブチーム、私立高校へのクラブ活動の合宿費等の強化費を支援しております。
四つ目になりますけれども、県立高校の特別強化指定校への合宿費等の強化費を支援する事業がございます。
五つ目でございますが、JOCジュニアオリンピックカップという大会に出場する中学生、一部小学生もおりますが、それへの大会参加費を支援しているところでございます。
最後、六つ目でございますけれども、各競技団体を管理、統括するマネジャーを養成するための研修会の開催や、中央研修への派遣といった部分の支援を行っているところでございます。
〇工藤勝博委員 各競技団体に相当な手厚い支援をやっているという結果が、こういう国体の成果にもつながっていると思います。私は、この中で、先ほどのアスリートの就職支援とか、それらが、これからの競技者の将来も見越した形の一番の大きな心の支えになると思うのですけれども、できるだけ県内の企業に定着できればという思いもあります。その辺は、例えば大学に行って教職の免許を取って、教員になって学校の指導者になるとか、監督になるとかという一つの大きな流れもつくっていただければ、選手自体も先を見越して頑張れる姿になると思いますけれども、それらはどういう形でこれからの支援の方向を考えているのかお伺いします。
〇工藤参事兼スポーツ振興課総括課長 アスリートの県内定着への支援ということでございますが、先ほど申し上げました希望郷いわて競技力向上事業の一環といたしまして、民間企業、各種の団体、競技団体とも連携しまして、毎年3月に、主に大学3年生のアスリートを対象として、就職に向けた対策セミナーと参加企業による就職ガイダンスを行っております。これをいわてアスリート就職支援マッチングと称しておりますが、こういった催しを開催いたしまして、アスリートの県内就職を支援してきたところでございます。平成25年度からスタートいたしまして、今回、5回目となったところでございますが、平成29年度のいわてアスリート就職支援マッチングには15社の団体、企業、それから27名のアスリートが参加しております。この中には、県教育委員会も含まれております。
参加したアスリートにつきましては、現在、来春の採用に向けて就職活動を行っているということになります。
平成30年の4月に就職した方々は、平成28年度の大学3年生のときにいわてアスリート就職支援マッチングに参加された方なわけでございますが、民間企業に14名、それから公務員に8名、計22名が県内に就職されまして、アスリートとして競技を継続しているところでございます。
引き続き、協力いただいている民間企業、団体との連携を図りながら、さらなる参加企業の拡大に努め、アスリートの県内定着による岩手のスポーツ振興と競技力の維持向上を図っていきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 そういう取り組みを国体のレガシーとして継続できると、大きな力になると思うので、できるだけ、1人でも多くのアスリートの皆さんが定着するよう、また、企業の皆さんにもかなり理解が出てきたと思うので、会社のイメージアップにもつながっていくと思うし、それらも含めて、これからも積極的に支援していただければと思います。
それから、ことし2月に平昌オリンピックがありました。国際大会、オリンピックですから特にそうですけれども、岩手県の選手もスキージャンプ、そしてまた、パラリンピックでも活躍したわけですけれども、国際大会に出る選手の支援のあり方というのもこれから考えていくべきだろうと思います。
というのも、やはり個々の選手の負担がかなり大きいわけです。思ったような大会にも出られなかったり、いろんな設備なり装備なりもできなかったりすることもありますので、それらの基本的な考え方をお聞きしたいと思います。
〇工藤参事兼スポーツ振興課総括課長 国際大会出場への支援ということでございますが、委員御指摘のとおり、国際大会に出場するためには多額の経費を要します。これは代表のレベルによっても違うのですけれども、フル代表レベルになりますと、中央競技団体のほうでほぼ負担していただけるということになっておりますが、ジュニアですとかユース世代ですと、なかなか全額は負担していただけないということもあったり、あるいは競技団体によって負担のあり方も違うと聞いております。そういった意味で、県としても支援の余地があるだろうということで、希望郷いわて競技力向上事業と別事業にはなりますけれども、県では、日本代表及び日本代表候補選手で、岩手県体育協会が指定する強化指定選手等が国際大会に出場したり遠征に参加する場合に要する宿泊費、交通費等の経費に対しまして、オリンピック選手等育成・強化事業で補助を行いまして、トップアスリートの活動を支援しております。
平成29年度は54名が強化指定選手として指定を受け、その活動を支援してきたところでございます。今年度も、現時点において25名が強化指定選手として指定を受けており、引き続きトップアスリートの国際大会等出場への活動支援に取り組んでまいりたいと思っております。
〇工藤勝博委員 最後です。先ほど体育施設整備に関して一つ質問漏れがありました。
市町村が主に担っている施設があるわけですけれども、例えば岩手町のホッケー場、紫波町の自転車競技場、八幡平市のスキージャンプ場があります。それぞれの市町村が努力しながら維持しているわけですけれども、この3種目が国体の大きな得点源にもなっています。それらも含めて、今後、市町村に対する支援はどのような考えを持っているかお聞きします。
〇工藤参事兼スポーツ振興課総括課長 市町村が担っている施設への支援ということでございますが、これまで、県におきましては、希望郷いわて国体の競技会場となる市町村施設に対しまして、国体を開催するために必要な改修に対し、その改修費用を支援してきたところでございます。先ほど委員御指摘のとおり、岩手町のホッケー場ですとか紫波自転車競技場、それから八幡平市の田山スキー場のジャンプ台、そういった部分の支援をしてきたところでございます。
今後におきましても、国体等の大規模な大会において、国体施設基準や競技規則を満たすために施設の改修などが必要とされ市町村から支援要請があった場合は、その対応について検討してまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 最後ですけれども、ことしの平昌オリンピックに出場した小林兄弟の声を聞くと、岩手にもラージヒルのジャンプ台がないと選手は育たないと、ぜひともラージヒルのジャンプ台をつくっていただければ、もっともっと長い競技人生が送れるという声もありました。その声を伝えるためにきょうは質問しましたので、ぜひよろしくお願いします。
〇工藤大輔委員 先に国体関係についてお伺いしたいと思います。
希望郷いわて国体、いわて大会終了後から数年経過する中で、今回、福井国体で目標の成績を達成したということですが、岩手国体から福井国体の成績を踏まえ、どのように評価をしているのかお伺いしたいと思います。
〇工藤参事兼スポーツ振興課総括課長 第73回国民体育大会、いわゆる福井しあわせ元気国体の成績についてですけれども、昨年の天皇杯順位第14位から今国体は24位となりました。ですが、東北の中では1位を維持しておりまして、目標としていた全国20位台、東北トップレベルを達成したものと考えております。選手、指導者については、大変健闘してくれたと認識しております。
この目標を達成した要因といたしましては、希望郷いわて国体で培った競技力あるいは指導力がしっかりと継承されているということが一つ、それから二つ目として、アスレティックトレーナー等を各競技の練習会や大会に派遣し、コンディショニング調整などをしっかりと実施したことなどが挙げられると思っております。
逆に、前年から順位を落としてしまった要因といたしましては、希望郷いわて国体に向けて強化、育成してきた高校生、中学生の少年種別の選手が高校を卒業したことですとか、本年度の国体で活躍が期待されながら、日本代表として、世界大会、アジア大会を転戦する中で、疲労やけがで、国体出場がかなわなかった選手がいたことなどが挙げられるのではないかと分析しております。
こうした中で、冬季の種目も含みますけれども、優勝数が昨年を上回る14種目であったことに加えまして、自転車競技では、成年男子スプリントで昨年の少年種別に続き2連覇を果たした選手がいた、あるいはカヌー競技の少年男子スプリント・カナディアンシングルでは200メートルと500メートルの2種目で優勝し、このうち200メートルは昨年に続き2連覇であった選手など、圧倒的な力を発揮する選手が出てきております。
今後、国際大会等、さらに高いステージでの活躍が期待されるところと考えております。
〇工藤大輔委員 成果があった種目がある中にあって、悔しい思いをした方も非常に多いのだと思います。今回24位ということで、20位台の目標は達成したと言いながらも、恐らく多くの方々の気持ちの中には、そもそも20位台という設定が目指す目標なのかということが共通認識であるのではないかと思うのです。選手が目指している成績と、県が今まで目標に置いて達成してきた、示してきた目標とが、果たして合致しているのかどうかというところが一つ問題点だと思いますが、県の目標設定のあり方をどのように認識されているのでしょうか。
〇工藤参事兼スポーツ振興課総括課長 今回の20位台という目標につきましては、現在のアクションプラン策定の際の目標ということで先催県、例えば長崎県ですとか和歌山県、あるいはその前の国体開催県の状況を踏まえて設定したものと理解しております。
設定自体、高い目標とは決して言えないとは思いますけれども、もう一つ、東北トップレベルというところもあわせて目標にしておりまして、東北トップレベルはなかなか困難ではないかと考えていたところですが、何とか1位をとることができたという意味では、選手たちには健闘していただいたと考えております。
今後に向けて、今回の教訓を踏まえて、改めて目標設定について考えていきたいと思います。
〇工藤大輔委員 目標が達成してよかったというだけではなくて、選手が目指す高みを共有するために、達成できなくて悔しいという思いや、来年こそ達成するのだという気持ちも、順位を上げたり、競技力を上げる一つの力になるのではないかと思いますので、そういった目標設定はスポーツにはあっていいのではないか。達成してよかったではない目標設定があっていいのではないかと思いますので、ぜひそういった方向でも検討していただきながら、目標設定、この目標はどこを目指すかによって力の入りぐあいも違うので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
また、先ほど工藤勝博委員からさまざま選手強化について質問があったので、私からは1点、スポツー医・科学サポート事業の成果といわてアスレティックトレーナーについて、これは希望郷いわて国体を進める上で県版のアスレティックトレーナーの育成をするということで進めた事業ですが、国体以降、活動がどうも表に見えてこなかったり、少し鈍っているというのは失礼ですけれども、当時の活動量ほどではないと思います。これに対して課題がどこにあるのか、今後必要な取り組みは何なのか、お伺いしたいと思います。
〇工藤参事兼スポーツ振興課総括課長 大きく2点御質問をいただきました。
まず、一つ目のスポーツ医・科学サポート事業の成果でございますけれども、スポーツ医・科学サポート事業につきましては、事業内容が何点かに分かれておりまして、一番大きなものが、公益財団法人日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーや、希望郷いわて国体に向けて本県で養成したいわてアスレティックトレーナーを、国体あるいは練習会等に派遣するという事業でございます。
この成果につきましては、先ほど申し上げた国体の天皇杯順位ですとか、トップアスリートの国際大会での活躍という形であらわれているのではないかと考えておりまして、国体の監督あるいはコーチから、安心して競技に打ち込める環境を提供してもらっているなどの評価を得ているところでございます。
効果的で効率的な選手強化を進めるためには、スポーツ医・科学の知見に基づいた知識と技術の獲得が不可欠でございまして、今後も各種講習会や個別のアドバイスを通じて、選手のセルフマネジメント能力や指導者の科学的な指導スキルの向上に取り組んでいく考えでございます。
続きまして、2点目のいわてアスレティックトレーナーの活動でございます。
県では、先ほど申し上げたいわてアスレティックトレーナーを67名養成しております。日本スポーツ協会の公認アスレティックトレーナー数人とともに、東北総合体育大会あるいは国民体育大会はもちろんのこと、強化練習会等に帯同させまして、選手のコンディショニングやトレーニングのサポートを行っているところでございます。
いわてアスレティックトレーナーにつきましては、平成29年度は、43競技に対しまして58名派遣しております。県外への派遣ということでございますので、なかなか時間がとれないというのが悩みでございます。
このアスレティックトレーナーの方々は、多くの方が医療機関に所属する理学療法士ですとか、あとは柔道整復士など自営の方が多いものですから、県外に派遣となりますと休業したりあるいは病院のシフトがなかなか組みにくくなったりということで、最近ちょっと出づらいという部分があるというのは事実かと考えております。
国民体育大会のサポートのためにトレーナーを派遣している都道府県はほかにもございますけれども、こういった強化練習会とか合宿等にサポートをするケースは余り多くございません。本県の競技力向上においてはそういった部分までフォローしておりますので、競技力向上の一翼を担っていると考えております。
県といたしましては、こうした医・科学サポートの重要性を強く認識しております。引き続き、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格取得を推進するとともに、競技団体のニーズに応じ、いわてアスレティックトレーナーを充足するよう努めてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 いわてアスレティックトレーナーは県内に数多く、バランスよくというか全体にいらっしゃるし、得意とする種目以外のプレーヤーにもさまざまな支援をしているということで、効果的な事業だと思います。ぜひ人数もふやしていきながら、底上げをしてもらえればと思いますので、期待をしたいと思います。
次に、プロスポーツを通じた地域振興についてお伺いします。
これまで、岩手ビッグブルズ、グルージャ盛岡、そして釜石シーウェイブスに県でも支援をしながらそれぞれに活動を求めてきたわけですが、私は非常にこれは子供たちや指導者にとってもいい刺激となったり、事業効果はやっていること以上にあるのだと思いますけれども、県として、ここ数年間経過する中にあって、事業の成果をどのように評価しているかお伺いします。
〇工藤参事兼スポーツ振興課総括課長 プロスポーツを通じた地域振興ということでございますが、岩手ビッグブルズなど、本県を本拠地とするプロスポーツチームの活躍は県民に明るい話題を提供し、県民のスポーツライフの充実に貢献するとともに、スポーツに取り組む岩手の子供たちにとって、大きな憧れや目標を与えてくれるものと考えております。このことから、県では、平成29年度から、スポーツを通じた地域振興推進業務の委託事業を通じまして、岩手ビッグブルズ、グルージャ盛岡、釜石シーウェイブスの3チームと連携し、学校や地域におけるスポーツ教室や健康づくり、県内外への情報発信等の事業を実施し、県民のスポーツ機運の醸成と運動機会の創出等を図っているところでございます。
平成29年度からスタートした事業でございますので、平成29年度の事業成果について申し上げます。
3チーム合わせましてスポーツ教室等を延べ76回実施しまして、3、100人余りの子供や高齢者が参加しております。これにより、スポーツに取り組む機運が高められるとともに、このほかにアウェイゲームにおきまして、県の観光や物産のPRパンフレットを配布するなど、県内外への情報発信やイメージアップにも取り組んでいるところでございます。
また、子供がすぐれたプレーを間近で見る機会や直接応援する機会を拡充するということで、3チーム合わせて3、400人余りの子供たちを観戦に招待したところでございます。
なお、グルージャ盛岡及び岩手ビッグブルズにおきましては、自主事業として、ユニフォームに黄金の國、いわて。のイメージコピーをつけていただきまして、本県のPRに取り組んでいただいているところでございます。
今後の展開としまして、スポーツ教室の開催や本県の情報発信など、効果の高い事業を中心に、引き続きプロスポーツチーム等と連携し、県民のスポーツ機運の醸成や本県のイメージアップに取り組むなど、スポーツ振興や地域活性化を図ってまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 ぜひ事業規模を維持しながら、より効果の高い取り組みをしていただきたいと思います。
釜石シーウェイブスに関しては釜石中心の活動だと思いますが、ラグビーワールドカップも開かれます。ラグビーのチームを持っている県内の学校を含めて、ぜひ活動のエリアを広げてもらいながら、支援している事業予算もほかの二つに比べれば少ないので、少し増額もしながら、ラグビーワールドカップ以降の取り組みについても、より高目を維持してもらえるような支援をしていただきたいと思います。
そして最後ですけれども、プロスポーツを支える県民、企業の枠組みということで、他の都道府県の中でもそういった取り組みをしている地域もあります。プロスポーツが今急激にふえている中にあって、実際に経営状況というのは、それぞれの団体において決して順調ではないというか、苦労して経営しながらチームの選手強化も進めているわけですが、大きい自治体の地域であれば、大きい企業がどんとメーンスポンサーについて支援し事業を進めているわけですけれども、岩手県においては大きい企業というものもなかなか多くもない、支援も十分ではないのではないかと思います。そういった中で、県としても、県民や企業が支え合えるような組織なり何なりというものをつくりながら、トップチーム、あるいはまた、それぞれの岩手県のスポーツの底上げのためにも支援する方向が望ましいと思いますが、どのように考えているのかお伺いします。
〇工藤参事兼スポーツ振興課総括課長 プロスポーツチームあるいはトップスポーツチームを支える県民あるいは企業の取り組み、枠組みということでございますが、県では、先ほど申し上げました子供や高齢者のスポーツ教室あるいは観戦招待などの事業を実施しておりますが、これらの取り組みは、応援機運の醸成によるファン拡大などの副次的な効果も期待されていると考えております。
県民や企業などが、プロスポーツチーム、トップスポーツチームを支える枠組みにつきましては、まずその前提として、プロスポーツチーム、トップスポーツチームが県民に愛され応援されるチームになっていくことが必要と考えております。これが大切だと考えております。このためには、まずチーム自体が強くなっていただきたいという思いがございますし、そして、それぞれの選手が持つ魅力を知ってもらうことが重要だと考えております。スポーツ教室や観戦招待といった取り組みは、これに資するものではないかと考えております。
今後でございますが、プロスポーツチームみずからの努力はもとより、ホームタウンとなっている県、市町村、企業等の協力も欠かせないものと考えておりまして、県としては、引き続きこうした連携事業に取り組むとともに、市町村や企業等との連携、協力が図られるように協力、支援してまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 それぞれのチームが本当の意味で県民球団だと県民から認識をされ、ともに支え合える、また感動を共有し合える明るい県になっていけるように取り組みをしていただきたいと思いますし、また、企業の支援というのは、プロチームですから何よりも大事なものだと思います。
菊池部長は商工労働観光部長も経験をされ、文化スポーツ部の部長として今その職にあるわけですけれども、私は、部長こそ、そういった役回りを果たせる人なのではないかと期待をしているところなのですが、部長から思いをぜひお伺いしたいと思います。
〇菊池文化スポーツ部長 本県をホームとするいわゆるプロスポーツチームの存在というのは、まさに県民、特に子供や若い人たちを中心とした方々に、たくさんの夢を与えるすばらしい一つの仕掛けだと思っていますし、ひいては、スポーツの力というのは県民の誇りを醸成し、岩手県民としてしっかりと前を向いて生活していく、生きていくという非常に大きな力になるものと思っています。
また、これはホームゲームなどの開催、試合等の開催によっては、御指摘のとおり、さまざまな地域活性化の効果を持っているものでございまして、そうした経済的な効果などもどんどん高めながら、本県におけるプロスポーツの展開がどういった形で根づいて発展していくかということについては研究していきたいと思いますし、民間の企業や県民の皆さんも、ぜひプロスポーツに対していま一度意識を持っていただいて、みんなで育て、大きくしようという機運が醸成していくような仕組みを今後も考えていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
〇阿部盛重委員 私からはラグビーワールドカップ釜石大会での有事の際の避難誘導についてお伺いいたします。
開催当日は、観戦客を含めて1万6、000人以上の方々が避難誘導の対象になるわけですけれども、健常者の方々だけでなくて、災害弱者の方々と言われるお子さんから車椅子の方、また高齢者などのたくさんの方々に対しての配慮を十分考えての計画が必要ではないかと思うのですけれども、そのあたりの今の進捗状況をお伺いいたします。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進室長 ラグビーワールドカップ釜石開催に係る災害発生時の観客1万6、000人の避難についてでございます。
試合会場等におきます防災対策につきましては、釜石開催実行委員会に設けました消防、医療関係団体、県社会福祉協議会、県国際交流協会、県警察、県及び市の防災担当部局などから構成されます防災等に関する専門部会において、避難経路や避難方法等の検討を進めているところでございます。
大会本番時の観戦客1万6、000人の避難誘導に先立ちまして、まずは釜石鵜住居復興スタジアムの常設席の完成に合わせまして、観戦客6、000人での避難誘導策を検討し、地元住民との意見交換や防災専門家からの助言等も踏まえまして、避難経路につきましては、スタジアム西側の高台に位置しております鵜住居小学校と釜石東中学校、そしてもう一つが、スタジアム南西側に位置いたしまして、東日本大震災津波の際にも浸水を免れたかまいしワークステーションの二方面を設定するとともに、緊急時の連絡体制や緊急車両の配置計画、避難誘導方法等を定めたマニュアルを作成し、8月には避難誘導訓練、そしてスタジアムオープニングイベントにおいて検証を行ったところでございます。
また、車椅子利用のお客様に関しましては、大会組織委員会におきましてスタジアム内外の行き来が容易なスロープの近くに観戦スペースを設けまして、誘導等の手助けを行うボランティア等を配置する予定であるほか、海外からの観戦客に対しましては、外国語を取り入れました避難誘導看板の設置や場内アナウンス等を、そして、お子様や高齢者など災害弱者はもちろん、全ての観戦客が円滑かつ安全に避難することができるよう絵文字を使った看板の設置、あるいは要所に避難誘導員を配置するなど、きめ細やかな避難誘導策を講じることとしております。
今回、オープニングイベントにおきます検証結果等を踏まえながら、今後、大会組織委員会や関係機関等と連携の上、課題を抽出し、今年度中を目途といたしまして、大会本番時の1万6、000人の避難誘導策を含む防災対策を取りまとめる予定としております。
〇阿部盛重委員 検証結果を踏まえてというお話ですが、それの約3倍の人数の大移動ということになるのですが、私が言いたいのは、災害弱者の方々と一緒に健常者の方々も大移動すると思うのですけれども、そこを一緒にされると非常に心配な面があります。けがとかあとは車椅子が倒されたとか、命にかかわる状況ですから、かなり正常な状況にはならないと思うのです。そのあたりの配慮というのは十分考えられておられるのか、お伺いします。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進室長 車椅子の観戦客の関係では、先ほども述べましたとおり、スロープの近くに観戦スペースを設ける、そしてボランティアを配置して誘導するということで、一般の方々の誘導と一緒ではありますけれども、この方々が安全に避難ができるようにという方策をさまざまなシミュレーションをいたしまして、今検討を進めているところでございます。そして、二方面という中での避難の誘導経路についても、車椅子を使った場合にどのような形で、非常に早く逃げなければならないということがありますので、そういったことが可能かどうかという部分も、さまざま関係者の皆さんからも御意見をいただきながら、最適な方法を現在検討しているところでございます。
〇阿部盛重委員 十分な配慮をよろしくお願いいたします。
次に、障がい者芸術活動支援についてお伺いいたします。
アール・ブリュットの魅力発信の対応を含めまして、障がい者芸術活動支援センターの運営業務の中で、障がい者の方々、家族、その事業者に相談されていると思いますけれども、創作活動を支援する人材育成はどうなっているのかお伺いいたします。
〇中里文化振興課総括課長 障がい者芸術活動支援センターについての御質問でございます。
まず、相談について御説明申し上げますと、障がい者芸術活動支援センターは5月に設置をいたしまして、9月から相談の受付を開始しております。昨日までに5件の相談を受け付けておりまして、相談内容としては、実施するイベントに出演してくれる障がい者の団体を探しているという御相談ですとか、障がい者の芸術活動の取り組みを盛んに行っている事業所を紹介してほしいという相談が寄せられているところでございます。
9月に受け付けを開始したばかりでございますので、相談窓口があるということを今後も周知を図ってまいりたいと思っております。
次に、御質問いただきました人材育成についてでございますが、昨年度は2月13日にふれあいランド岩手を会場にいたしまして、創作活動に関する権利保護研修、そして、障がい者のアート活動支援についてというテーマのワークショップを開催しまして、延べ41人の参加があったものでございます。
今年度は障がい者芸術活動支援センターにおいて、各種研修会ですとかワークショップを実施する予定としておりまして、県内の障がい福祉サービス事業所の職員等を対象とした創作活動を支援する人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 人材育成ですから、これからの担い手も含まれてだと思うのですけれども、そのあたりの配慮といいますか、対応はどうなさっているかお伺いいたします。
〇中里文化振興課総括課長 人材育成の研修の内容ですけれども、支援者を育成するワークショップということで、障がい者福祉サービス事業所で文化芸術活動に取り組む方の支援をする職員をまず育てなければいけないということで、そういった方を対象とした研修を実施しているところでございます。
そのほか、権利保護に関する研修会ということで、これは障がい者の方のすぐれた作品については、それを売って、作品ですので値がつくということもございます。あとは、ずっと保管をしていて、それをどうしようというような声も聞かれます。そういった作品の権利保護に関する取り扱いについての研修会を、弁護士を講師に行いたいということで予定をしているところでございます。
〇阿部盛重委員 次に、障がい者の個性と能力を十分に発揮されて社会参加の促進を図っていくということでございますけれども、その点はどのように具体的な動きをされているかお伺いします。
〇中里文化振興課総括課長 障がい者の方々の社会参加の促進についてでございますが、県内在住の心身に障がいを持つ方々が日ごろ取り組んでいる文化芸術活動の成果であるすぐれた芸術作品や音楽活動等、広く県民の方々に紹介をしたり、発表したり、展示をすることによって、障がい者の自立と社会参加への意欲の向上が図られると認識しておりまして、県では、毎年岩手県障がい者文化芸術祭を開催して、障がい者による文化芸術作品を募集し、応募作品を展示するとともに、優秀作品の表彰を行っているところでございます。
また、ふれあい音楽祭では、障がいのある方もない方も出演し、日ごろの練習の成果を発表する機会を通じて交流を深めるなど、文化芸術活動の裾野を広げる取り組みも行っております。
このほか、県内では、障がい者関係団体によるいわて・きらら・アート・コレクションの開催や、花巻市にあるるんびにい美術館での取り組み、また、いしがきミュージックフェスティバルへの障がい者関係団体の出演など、障がい者の文化芸術に関するさまざまな取り組みが行われているところでございまして、これら民間団体や市町村、庁内関係部局等と連携をしまして、引き続き障がい者の方々の社会参加の促進に努めてまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 移動もされているわけですけれども、その中で来客数といいますか、参加者の状況というのもかなりふえてきているかと思うのですが、そのあたりの反応はいかがでしょうか。
〇中里文化振興課総括課長 移動ということで、アール・ブリュット巡回展のことだと思います。
巡回展につきましては、昨年度、県内4カ所で実施いたしました。総数2、921人の方々にアール・ブリュット作品を見ていただくことができたと思っております。
昨年度は、久慈市、北上市、釜石市、盛岡市で開催いたしました。今年度は4広域振興圏で場所を変えまして、花巻市、宮古市、盛岡市、二戸市でアール・ブリュット巡回展を開催することとしておりまして、より多くの方々にアール・ブリュットに触れていただきたいと考えております。
〇阿部盛重委員 前回もお聞きしていたのですが、移動はもちろん、かなりの評価もされているのはお聞きしているのですけれども、大きい会場でというあたりはいかがでしょうか。
〇中里文化振興課総括課長 前回も御質問をいただきまして、例えば県立美術館等での開催というようなことも可能性としてはもちろんありますので、今後、検討してまいりたいと思っております。
ことしは10月6日、7日に、岩手芸術祭を開催いたしまして、その中で体験イベントがございました。会場スペースとしてはそれほど広くはなかったのですが、その中で障がい者アート展を実施したところでございます。
〇阿部盛重委員 ぜひ御検討をよろしくお願いします。
次に、芸術活動の推進に当たりまして、地域の特性に応じた施策を策定されていると思いますけれども、その施策はどういうものなのか。そして推進活動に当たりまして、国との連携と、全国の活動、連携などはどのように動いているかお聞きします。
〇中里文化振興課総括課長 地域の特性に応じた施策、あとは国等との連携についてでございますが、本県は平成5年から岩手県障がい者文化芸術祭を開催しておりまして、さらに一昨年の希望郷いわて国体、希望郷いわて大会を契機としまして、アール・ブリュットいわて展を開催して、障がい者の芸術活動支援に本格的に取り組んでいるところでございます。
昨年度からはより多くの県民の方にアール・ブリュット作品のすばらしさをお伝えするため、4広域振興圏を巡回するアール・ブリュットいわて巡回展を実施しているところでございます。
こういった取り組みで形成された障がい者の芸術活動を支援するネットワークが本県には既にございますので、障がい者芸術支援センターを設置するに当たりましては、こういったネットワークの協力もいただきながら事業を展開しております。
今後も、このネットワークを形成する各主体の取り組みと協調、連携しながら、本県ならではの事業展開を進めてまいりたいと考えております。
次に、国等との連携でございますが、県では、障がい者芸術活動支援センターとともに、国が設置している全国連携事務局というのがございまして、そこが開催する全国連絡会議に参加をしまして、他県のセンターとの情報共有や意見交換を行い、本県の障がい者芸術の支援に生かしているところでございます。
また、北海道・北東北ブロック広域センターが北海道にございます。今年度は、こちらが北海道、北東北ブロックの広域連携企画として、美術にとどまらず、舞台芸術発表ですとか作品の合同展示会を行う予定でございまして、本県は合同展示会の会場となる予定となっております。
このような形で、他県との連携も図りながら取り組みを進めているところでございます。
〇阿部盛重委員 今のお話の中で、近県といいますか、共同開催といいますか、そのあたりの企画的なものというのは今後ありますでしょうか。
〇中里文化振興課総括課長 今の北海道、北東北ブロックということで御紹介いたしました全国の芸術文化活動支援の拠点がブロックごとに分かれておりまして、本県は北海道、北東北ブロック─北海道、青森県、岩手県、秋田県がブロックになっております。北海道に広域センターがありまして、構成する北海道と3県を広域センターが支援していただくということになっております。ちなみに、秋田県にはまだ都道府県のセンターがございませんので、そういったところも含めて北海道が支援するということになっておりますが、まずはブロック内で、先ほど申し上げました合同展示会などを開催するなど、連携を図っていきたいと考えております。
〇阿部盛重委員 いずれ、そういう拠点をお持ちであれば、各協力県のところを巡回して共同開催というのも考えられるものかと思いますので、そこは十分御検討いただければと思います。
それから最後になるのですが、障がい者が文化芸術を創造する機会の拡大を図るために、社会福祉施設や学校へはどのような支援をされているのか、そして新たな作者の発掘はどのようにされているのかお伺いします。
〇中里文化振興課総括課長 社会福祉施設等への支援及び新たな作者の調査についてでございます。
まず、社会福祉施設等への支援につきましては、障がい者芸術活動支援センターにおいて開催する各種研修会において人材育成を行っておりまして、こちらには社会福祉施設そして特別支援学校、あるいは病院の職員の方も参加をいただいております。そのほか、県文化振興事業団が所管している岩手県文化振興基金の助成事業としまして、今年度から、新たに県内の福祉団体等が取り組む障がい者の芸術活動に要する経費の一部を助成する障がい者芸術活動支援事業を実施しているところでございます。
次に、新たな作者の調査についてでございますが、昨年度、社会福祉施設等を対象に実施しました芸術活動の実施状況に係る調査の結果をもとに、今年度は、障がい者芸術活動支援センターの職員が外部有識者等の協力を得ながら、県内3カ所から4カ所の社会福祉施設や特別支援学校等を訪問しまして、障がい者の実際の活動状況を調査しまして、新たな作品ですとか新たな作家につながることを期待しているところでございます。
〇阿部盛重委員 いずれ、アール・ブリュットはありのままの世界を表現されるということで、かなり全国的にも大評価されてきておりますので、ぜひ今のようなお話も含めながら活動を強化して進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
〇名須川晋委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時50分 休 憩
午後1時2分再開
〇福井せいじ副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ14人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
質疑を続行します。
〇郷右近浩委員 私からもラグビーワールドカップについて二、三質問させていただきたいと思います。
まずもって、午後からの質疑ということで、午前中に入ってくるかと思ったのですけれども、時間の確保等いろいろ配慮いただきまして、本当に感謝申し上げるところでございます。
さらに、午前中の質疑の中で軽石義則委員、佐々木宣和委員、阿部盛重委員と、この間、ラグビーワールドカップの県の準備であったり、今の開催機運の醸成等に皆様方は本当に真剣に取り組んでこられている、県当局としてもしっかりやってきているということに敬意を表されておりましたことに、私自身もあわせて敬意を表したいと思います。
その中で、ラグビーワールドカップ2019の開催準備費4億円超で、この間、しっかりとした対応等を進めてこられたのかと思っているところでございます。
ただ、当該委員なのですけれども、それでもあえて質問させていただくのは、実は昨日、今定例会中の9月27日に行われました常任委員会で、今回、ラグビーワールドカップの開催準備について質問させていただきましたが、この間、平成二十何年からですか、ずっといろいろな形で継続してこういう質問をさせていただいてきたわけでありますけれども、その中で、私が、どのようになっているかと一番危惧しているのは、今回のこの開催の、施設整備関係の部分で、お金が本当にこれで十分なのかといった思いがありまして、この質問をさせていただいたわけであります。
ただ、9月27日の時点で、県としては、予算増額等につきましては、増減額等を把握していないとの答弁でありました。その後に、10月の冒頭に、県の対応で10億円ほどさらにかかり増しがあるということが発表されることになったわけであります。
そこでなのですけれども、もちろん、せっかくここまで機運が高まってきて、先ほども御答弁等でいろいろありましたとおり、1年前イベントであったりとか、さらにはCMや、テレビの番組等でも、地元のタレントや、自称岩手のアイドルがボールを持ったりと、いろいろな形の中で機運が高まり、みんながラグビーワールドカップが来るのだという気持ちになっているときに、一体、釜石開催実行委員会というのはどのようになっているのか、私自身は不思議でならないといったことで質問させていただくものであります。
以前から質問させていただいたということでありますけれども、そもそも予算自体が少な目で見積もり過ぎたのではないかという部分も含めて、きちんとした形の必要な施設整備について、どの段階で、どのようにつくっていくのか、実行委員会はどのようにやってきたのか、その点についてお伺いさせていただきたいと思います。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進室長 ラグビーワールドカップ2019釜石開催実行委員会についてでございますが、この釜石開催実行委員会は、昨年4月に、県と釜石市を初め県内外の官民146者で立ち上げまして、大会の機運醸成や観客の輸送、そして観客の受け入れ態勢の構築と安全・安心の確保など、大会成功に向けた取り組みを進めているところでございます。昨年度は、県と市それぞれ2、000万円の負担金ということで4、000万円の事業を行いまして、今年度は、県と市それぞれ4、600万円ということで、9、200万円での事業を進めているところでございます。
スタジアム整備の関係についてのお話がございましたが、スタジアムの仮設施設整備については、整備主体であります釜石市におきまして、大会運営主体であります英国に所在するラグビーワールドカップリミテッドとの協議を進めながら実施設計を行い、費用の精査を行っているところでございます。
また、8月19日にスタジアムの常設部分が完成したということで行いましたオープニングイベントの課題等も踏まえて、仮設施設だけではなく、必要な常設施設の追加整備もあわせて、今、精査していると伺っております。
県といたしましては、釜石市への職員派遣、県の釜石駐在を設置するなど大会準備全般についての支援を行っているほか、連携して実行委員会の事務を釜石市と進めているところでございます。
委員御指摘の予算増額の件等については、先般の常任委員会の時点では、釜石市において整備内容、費用の精査を行っている途上であったことから、明確にお示しできる状況になかったものでございます。
今後とも、釜石市と十分連携、協力いたしまして、釜石開催実行委員会を基軸といたしまして、万全の態勢で大会を迎えられるようにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 今、御答弁いただきましたけれども、9月27日の常任委員会のときにはきちんと精査されていないというのか、それが木曜日です。金曜日を挟んで、そして土日挟んで、週明けにマスコミの報道で私どもは知ることになると。ほとんど精査になっているのじゃないですか。だとすると、それはコミュニケーションがとれていない、実行委員会の中での県と市のコミュニケーションなり、そこがとれていないということにほかならないと思うのですけれども、その点について御答弁を願います。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進室長 県と釜石市のコミュニケーションの関係ということでございますが、我々といたしましては、ラグビーワールドカップということで、世界最高峰の試合が行われるという中で、12の開催都市で、必要な措置が十分とられるように、安全・安心ということも考慮した上で、十分安全な措置がとられるようにという中で、市との協議を進めてきたところがございまして、そこの中で、全体経費あるいは仮設の部分ということについて、さまざま意見交換をさせていただきながら、我々の認識としては、まだそこの部分が協議中であって、確定している段階ではないので、議会で詳しくお示しできる状態になかったと認識しているところでございます。
〇郷右近浩委員 私も当該委員で、本来的に決算特別委員会での場をおかりしながら質問するというのは、本来余り望ましくないと考えているところであります。常任委員会で、どこまで、どのようになっているのか、今お話しいただいたようなことをきちんとお話しいただければ、それで納得できるところもあったかもしれません。後になってからそういう話ではなくて、きちんとお話しいただきたいと思います。
とはいえ、今回のワールドカップは、私自身もサッカーワールドカップ2002を経験している者としましては、確かに、いざ開催直前になったときに、例えばスタジアムの状況であったり、チケットであったり、さまざまな部分で予想しなかったような部分が起こって、そうした必要な部分を必ず手当てしていかなければいけないといった状況になるということは理解しております。そうしたものを全部積み重ねていった上での成功ということで、みんなでその楽しさであったり、成功を分かち合うといった形になれるものかと思っております。
今回の開催経費についても、これまで県と市で締結しておりますラグビーワールドカップ2019開催基本契約に係る釜石市と岩手県の義務の分担に関する協定書によりまして、基盤整備及びスタジアム常設施設整備に係る費用は釜石市、仮設施設整備に係る費用については県も応分の負担を行う予定であるということで、この間、ずっとお伺いしてきて、当初は4億9、600万円のうち、半分の2億5、000万円ほどかといった形で、質疑を重ねさせていただいたところでございました。
ただ、今回、それが、9億8、700万円と10億円ほどになるのですけれども、だとしたら、やはり県としても5億円ぐらいの応分の負担ということできちんと手当てしながら、何としても成功をさせるといった方向に進めていただきたいと思います。
また、その中で、今後、何かかかり増しがさらに必要だということがあるのであれば、しっかりとそこは実行委員会の中で話しながら、また、議会にも情報をいただきながら、すばらしい大会に向けて前へ前へと、もう1年を切ったわけであります。そして、そのことが、きょう、工藤大輔委員からの質問のときに部長から答弁がありましたけれども、地域のスポーツ振興にしっかりと寄与していくような、そうした岩手のためになる大会にしていただきたいと思います。部長の御所見をいただきたいと思います。
〇菊池文化スポーツ部長 先般の常任委員会の時点で、額についてなかなか申し上げにくかった点につきましては、先ほど事務方が御説明申し上げたとおりですが、市のほうにおいて、市議会の全員協議会の説明に向けて資料を精査している段階での協議でしたので、その後も精査が進むという前提で、最終日当日までそれは確定できないという認識のもとにいたものでありますので、御了承願いたいと思います。
その市議会の全員協議会において、スタジアム整備についての釜石市の説明をかりながら御説明申し上げますと、仮設施設整備費については、本番前の1万6、000席でのテストマッチ開催を行う必要があるということで、仮設施設設置期間が延びるとか、レンタル費用の増加など実施設計段階でいろいろ積算した結果、かかり増しが生じてきているということで、仮設施設分では9億5、400万円ほどの見積もりという形で、今、見込み額を出し、そして全員協議会で御説明したということであります。
現在、その仮設施設整備費につきましては、釜石市議会は臨時議会を控えているようでございますので、臨時議会に向けてさらに精査を進めていると我々は説明を受けております。
そういう中にあって、先ほど委員も御指摘のとおり、県としては応分の負担について対応していかなければならないということになりますので、今後、釜石市議会での議論の経過等々を踏まえながら、釜石市から改めて所要額についての支援要請等が来る形になりますので、それを受けてしっかりと県としても対応を考えていきたいと思っております。
〇郷右近浩委員 ぜひ、しっかりと取り組んでください。あと1年を切っているわけであります。子供たちに、スポーツの入り口であったり、さらにはおもしろさであったり、いろいろなものを見せられるいいチャンスであります。もちろんそのことは、一つの種目云々だけではなくて、プロスポーツといったものが根づかないとも言われがちな岩手において、さまざまな種目のスポーツも頑張っている中で、スポーツに携わる方々が夢を持てるような環境もさらにつくっていただければと思いますので、よろしくお願いします。終わります。
〇福井せいじ副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇福井せいじ副委員長 質疑がないようでありますので、これで文化スポーツ部関係の質疑を終わります。
文化スポーツ部の皆さんは退席されて結構です。ありがとうございました。
次に、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。
〇高橋教育長 それでは、平成29年度の教育委員会関係の決算について御説明を申し上げます。
初めに、教育委員会が所管する事務事業の昨年度の総括的な取り組みと今後の取り組み方針等について御説明いたします。
教育委員会におきましては、東日本大震災津波からの教育の復興といわて県民計画の着実な推進の二つを大きな柱として、学びの場の復興と、いわて県民計画に掲げる人材・文化芸術の宝庫いわての実現に向けて、学校教育、社会教育の分野を中心に施策の重点化を図り、本県教育の振興に取り組んでまいりました。
第3期アクションプランにおける7つの政策に位置づけられている教育・文化の中のそれぞれの政策項目に沿って、その概要を申し上げます。
児童生徒の学力向上につきましては、各学校において全国学力・学習状況調査等の分析結果を活用し、学校組織全体での学力向上に向けたわかる授業の浸透を図るとともに、家庭学習についても、家庭の協力も得ながら、その充実に努めてきております。
また、外国語活動の推進やイングリッシュキャンプの開催、高校生の海外派遣などを通じて、グローバル社会に適応する人材の育成にも取り組んでまいりました。
今後におきましても、県、市町村、学校、家庭、地域との十分な連携のもとに、主体的、対話的で深い学びの視点からの授業改善を進め、ICTを活用した効果的な授業の推進や家庭学習の充実などに取り組んでまいります。
また、新たに導入される大学入学共通テストに向けた教員の指導力向上や、新聞などを活用した児童生徒の情報活用能力の育成にも努めてまいります。
さらに、本県のふるさと振興を一層推進する観点から、産業界等との連携のもとに、若者の地元定着の強化に向けて、生徒や保護者、教員の地元企業等に対する理解の促進などにも取り組んでまいります。
豊かな心を育む教育の推進につきましては、東日本大震災津波で心に負担を負った子供たちへの心のサポートを行うため、臨床心理士等で構成するこころのサポートチームを中心とした組織的な対応を進めてまいりました。
また、児童生徒が自他の命を大切にし、他者の人権を尊重することを基軸とした教育を推進するとともに、考え、議論する道徳授業を実践するための教員研修の実施など、道徳教育の充実に向けた授業改善などにも取り組んでまいりました。
今後におきましても、児童生徒が相談しやすい環境づくりを推進し、いじめや学校不適応の未然防止、早期発見、早期対応などの組織的な取り組みを強化するとともに、学校、家庭、地域が連携したボランティアなどの体験活動や読書活動の充実などを通じて、豊かな心を育む教育を推進してまいります。
健やかな体を育む教育の推進につきましては、希望郷いわて元気・体力アップ60運動を推進し、児童生徒が運動やスポーツに親しむことのできる環境づくりや、健康教育などに関する指導者の資質向上に取り組んでまいりました。
今後におきましても、学校と家庭、関係機関等が連携し、児童生徒の運動習慣の定着を図るための環境づくりや、肥満予防などの健康教育を推進してまいります。
また、本年6月に策定した岩手県における部活動の在り方に関する方針に基づき、地域の人材を活用した部活動指導員の配置などにも取り組んでまいります。
特別支援教育の充実につきましては、児童生徒一人一人の教育的ニーズに適切に対応するため、ICT機器を活用した指導の充実や就労サポーター制度の推進などに取り組んでまいりました。
今後におきましても、交流籍を活用した特別支援学校と小中学校の児童生徒との交流や共同学習の実施など、共に学び、共に育つ教育を推進してまいります。
家庭・地域との協働による学校経営の推進につきましては、教育振興運動と連携した体験活動等の充実や、実践的な復興、防災教育を核としたいわての復興教育など、学校、家庭、地域との協働を推進してまいりました。
今後におきましても、家庭、地域との協働による学校経営を推進するとともに、社会状況の変化を踏まえた復興教育プログラムの改訂や、沿岸部と内陸部の学校間の交流による被災地訪問学習などを通じながら、引き続き岩手の復興、発展や地域防災を支える人材の育成に取り組んでまいります。
生涯を通じた学びの環境づくりにつきましては、県民の皆様に、生涯学習情報提供システムなどにより先進事例などを紹介するとともに、各市町村や民間団体等と連携しながら、子供の放課後の居場所づくりや、被災地域における学びを通じた地域コミュニティーの再生などに取り組んでまいりました。
今後におきましても、生涯を通じた学びの環境づくりのため、多様な学習機会の充実や、被災した社会教育施設の復旧、再開への支援、博物館等の社会教育施設における学習環境の整備などに取り組んでまいります。
以上が総括的な取り組みと今後の取り組み方針等についてであります。
続きまして、決算額等について御説明申し上げます。
お手元の平成29年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います
教育委員会関係の一般会計歳出決算額は、10款教育費の支出済額1、468億6、393万円余のうち、平成30年度に文化スポーツ部に移管した6項社会教育費の一部と、文化スポーツ部が所管している6項社会教育費の一部及び7項保健体育費の一部、総務部が所管している1項教育総務費の一部と、16ページに参りまして、8項大学費及び9項私立学校費を除いた1、366億7、945万円余と、次の11款災害復旧費6項教育施設災害復旧費の9、592万円余を合わせた1、367億7、538万円余となっており、翌年度への繰越額は3億2、544万円余となっております。また、不用額は6億6、625万円余となっており、その主なものは、退職手当など給与費等の執行残及び施設整備に係る入札執行残によるものなどとなっております。
以下、個々の内容につきましては、便宜、お手元の平成29年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
決算事項別明細書の326ページをお開き願います。
説明は、備考欄に記載している主な事業等について御説明いたしますが、事業ごとの金額については省略させていただきますので、御了承をお願いいたします。
10款教育費の1項教育総務費でありますが、1目教育委員会費の支出済額3、126万円余は、委員会の運営に要した経費であります。2目事務局費の支出済額26億2、591万円余の主なものは、事務局職員人件費等の管理運営費のほか、東日本大震災津波により被災した幼児児童生徒の就園や就学機会を確保するため、市町村が行う被災幼児就園支援事業及び被災児童生徒就学援助事業に要した経費への補助、親御さんを亡くした児童生徒等に奨学金の給付を行ったいわての学び希望基金奨学金給付事業費などであり、繰越明許費267万円余は、年度内納入が困難となった公用車の購入に要する経費を繰り越したものであります。328ページをお開き願います。3目教職員人事費の支出済額116億7、265万円余は、教職員の健康診断等を実施した人事管理費、児童手当、退職手当の支給に要した経費などであります。4目教育指導費の支出済額10億189万円余のうち教育委員会所管分10億185万円余の主なものは、震災で心に負担を負った幼児児童生徒や、学校不適応の生徒等を支援するため、スクールカウンセラーの配置などを行った児童生徒健全育成推進費、330ページに参りまして、県立学校等をICTで結ぶいわて教育情報ネットワーク運営費、特別な支援を必要とする児童生徒のために支援員や看護師の配置などを行った特別支援教育推進事業費、県立高等学校における進学対策講座の開催や各学校の進学指導の取り組みを支援したいわて進学支援ネットワーク事業費、県立学校において実践的な外国語指導を行った外国語教育推進事業費、沿岸部被災地域の県立高等学校生徒の進路実現や復興を担う人材の育成を支援した県立学校復興担い手育成支援事業費、小中学校の学力向上対策などを行った指導運営費であります。5目教育センター費の支出済額4億4、857万円余は、総合教育センターの管理運営に要した経費であります。332ページをお開き願います。6目恩給及び退職年金費の支出済額8、136万円余は、恩給及び扶助料などの支給に要した経費であります。
次に、2項小学校費でありますが、1目教職員費の支出済額443億268万円余の主なものは、教職員の人件費、旅費、多人数の学級などに非常勤講師を配置したすこやかサポート推進事業に要した経費であります。
次に、3項中学校費でありますが、1目教職員費の支出済額271億8、356万円余の主なものは、教職員の人件費、旅費であり、2目学校管理費の支出済額562万円余は、一関第一高等学校附属中学校の管理運営に要した経費であります。
334ページをお開き願います。4項高等学校費でありますが、1目高等学校総務費の支出済額257億4、865万円余の主なものは、教職員の人件費、旅費、新たな県立高等学校再編計画の推進に要した経費であります。2目全日制高等学校管理費の支出済額15億4、610万円余は、県立高等学校の管理運営に要した経費であります。336ページをお開き願います。3目定時制高等学校管理費の支出済額5、030万円余は、県立定時制高等学校の管理運営に要した経費であります。4目教育振興費の支出済額38億8、143万円余の主なものは、県立高等学校に係る産業教育設備、情報処理教育設備などの整備費、農業実習や共同実習船運航のための教育実験実習費、公益財団法人岩手育英奨学会に対する高校奨学事業費補助、被災した生徒への教科書購入などに要する経費の一部を給付したいわての学び希望基金教科書購入費等給付事業費、高校授業料相当分を支援する公立高等学校等就学支援金交付事業費であります。5目学校建設費の支出済額14億1、205万円余の主なものにつきましては、338ページをごらんいただきたいと思います。久慈高校管理教室棟の耐震改築を行った校舎建設事業費、千厩高校や黒沢尻北高校などの校地整備を行った校地整備事業費であり、繰越明許費4、662万円余は、大野高校の特別教室棟の耐震補強工事について、計画調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。6目通信教育費の支出済額557万円余は、通信教育の管理運営に要した経費であります。
次に、5項特別支援学校費でありますが、1目特別支援学校費の支出済額133億1、542万円余の主なものは、教職員の人件費等の管理運営費のほか、盛岡となん支援学校の移転整備などの施設整備費であり、繰越明許費1億4、707万円余は、特別支援学校普通教室等へのエアコン設置工事、前沢明峰支援学校特別教室棟新築工事について、計画調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
340ページをお開き願います。6項社会教育費でありますが、1目社会教育総務費の支出済額12億409万円余の主なものは、県立青少年の家の管理運営費、被災地における子供たちの放課後の安全・安心な居場所づくりのための学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業費、社会教育に係る職員人件費などの指導運営費であります。2目文化財保護費の支出済額5億3、045万円余の主なものは、指定文化財の保存、修理に対する補助や、大震災により被災した博物館所蔵文化財の修理等の支援を行った文化財保護推進費、被災地における埋蔵文化財調査の支援を行った遺跡調査事業費、柳之御所遺跡の学術発掘調査や史跡整備を行った柳之御所遺跡整備調査事業費であります。
繰越明許費322万円余は、釜石市橋野高炉跡復旧工事について、補助事業者の事業実施に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
342ページをお開き願います。3目芸術文化振興費の支出済額3億2、464万円余のうち教育委員会分の1、484万円余の主なものは、全国高等学校総合文化祭や全国中学校総合文化祭への参加に要する経費を補助した高等学校文化活動支援事業費、岩手県中学校文化連盟補助、被災地の児童生徒が文化活動の大会等に参加する経費を補助したいわての学び希望基金被災地児童生徒文化活動支援費補助であります。4目図書館費の支出済額3億2、533万円余は、県立図書館の管理運営に要した経費であります。344ページをお開き願います。5目博物館費の支出済額3億4、416万円余は、県立博物館の管理運営に要した経費であります。
繰越明許費6、011万円余は、消火設備更新工事について、工事資材の調達に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
6目美術館費の支出済額4億4、906万円余は、県立美術館の管理運営に要した経費であります。
7項保健体育費でありますが、1目保健体育総務費の支出済額3億9、746万円余の主なものは、県立学校児童生徒の健康診断などの児童生徒保健管理費、学校管理下における生徒の事故や災害に係る共済の掛金及び給付金、特別支援学校等の学校給食食材の放射性物質濃度測定を行った児童生徒放射線対策支援事業費、保健体育に係る職員人件費などの指導運営費であります。346ページをお開き願います。2目体育振興費の支出済額1億487万円余の主なものは、中学校及び高等学校の運動部活動に地域スポーツ指導者の派遣等を行った運動部活動活性化推進費、オリンピック、パラリンピックへの興味関心を高め、スポーツを通じて国際・異文化理解、共生社会への理解等を深めるため、オリンピアン等を学校へ派遣したオリンピック・パラリンピック教育推進事業費、被災した生徒の運動部活動の県大会や東北大会等への参加に要する経費を補助したいわての学び希望基金被災地生徒運動部活動支援事業費であります。3目体育施設費の支出済額269万円余は、文化スポーツ部へ移管した事業に係る経費であります。
次に、ページを飛びまして、358ページをお開き願います。11款災害復旧費の6項教育施設災害復旧費でありますが、1目学校施設災害復旧費の支出済額6、685万円余の主なものは、大雨や台風等の自然災害による県立学校施設の災害復旧に要した経費であります。360ページをお開き願います。2目体育施設災害復旧費の支出済額2、907万円余でありますが、野外活動センターの移転復旧に係る詳細設計に要した経費であります。
繰越明許費6、573万円余は、野外活動センターの用地測量業務について、計画調整に時間を要したことにより繰り越したものであります。
以上が決算の概要についてであります。
最後になりますが、県民の皆様からの本県教育に対する期待と信頼に応えるため、学校教育の充実や、教職員による不祥事の発生防止に不断に取り組むとともに、教職員一人一人が、自信と気概を持って子供たちに向き合うための環境の整備などに、より一層取り組んでまいりますことを申し上げ、私からの説明といたします。御審議のほどよろしくお願いいたします。
〇福井せいじ副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇関根敏伸委員 私からは、病気を持って入院したり、あるいは基本的な学習環境が十分でない子供たちの教育の実態についてお伺いいたします。
病弱教育という言い方をされているようですが、まず、小中学校における義務教育課程での県内の病弱教育の実態と課題についてお聞かせいただきたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼特別支援教育課長 小中学校における病弱教育、特に長期入院している児童生徒に係る教育の実態と課題についてでございますが、岩手医科大学附属病院ともりおかこども病院に長期入院しており、特別支援学校に転学した児童生徒については、盛岡青松支援学校の教員が病院を訪問して学習を行い、また、県立中部病院に長期入院している児童生徒については、同様の手続のもと、花巻清風支援学校の教員が対応しており、本年5月1日現在、小学部7名、中学部4名の計11名が在籍しております。
また、岩手医科大学附属病院に入院し、特別支援学校に転学していない児童生徒に対しては、盛岡青松支援学校が、在籍校と協議し、可能な範囲で学習保障を行っております。本年9月現在、小学生5名、中学生2名となっております。
特別支援学校が対応していない病院に小中学校の児童生徒が入院した場合、在籍校の教員が様子を把握したり、病状等を見ながら学習課題を渡したりしているところですが、入院が長期にわたった場合、欠席が続くことになり、学習空白が生じてしまうことが課題として捉えているところでございます。
〇関根敏伸委員 今、岩手医科大学でありますとか県立中部病院の実態等々が示されましたが、特別支援学校に転籍して教育を受ける場合と、また、通常の在籍校にあって受ける場合と、この辺の扱いもいろいろ難しいようで、私もよく整理ができていないのですが、後段について、例えば在籍校から先生がさまざまな課題学習等を持って、子供たちに学習の応援をしているという実態もあるようです。特別支援学校に転籍してこういった教育を受ける場合、あるいは制度上にはないと承知しているのですが、在籍校にありながら、先生方がそういう訪問教育をしている場合、いろいろな意味で学習の熟度の差というか、格差と言ったらいいのかわかりませんが、出てくる可能性があると思うのですが、この辺についてはどのように把握されていますでしょうか。
〇佐藤首席指導主事兼特別支援教育課長 さまざまなケースが考えられるわけでございますが、先ほどお話ししたように、特に、特別支援学校に転学しないで長期入院をされている児童生徒につきましては、学習空白を課題として捉えているところでございます。
また、病弱教育、特にも長期入院している子供たちに対しては、ほかの障がいの子供たちと同様に、一人一人のニーズに応じた学習が実施されるよう取り組みを進めていく必要があると認識しておるところでございます。
県教育委員会といたしましては、小中学生が長期にわたる入院が必要になった場合、市町村教育委員会等と連携しながら、特別支援学校への転学等を、保護者の意向を確認しながら適切に判断するなど、児童生徒の学習の場を確保するよう働きかけ、理解を進めていきたいと考えているところでございます。
〇関根敏伸委員 今お示しいただいた例のほかに、岩手県の場合は大変広いわけでありまして、院内の学級がないところもあるでしょうし、今示された例のような形で教育が受けられない子供たちもいるのではないかと推察しているのですが、その辺の実態はどのように捉えていらっしゃいますか。
〇佐藤首席指導主事兼特別支援教育課長 平成25年度の実態調査で、古い資料になるわけでございますが、30日以上長期入院している子供につきましては、小中学校を合わせて37名、35校と捉えているところでございます。
〇関根敏伸委員 なかなかこれは難しいのですが、さっき、在籍校のまま、そこの先生が子供たちを訪問して教育する場合、制度上にない扱いになるのだと思いますが、そういった生徒の場合は、そういった教育を受けた日数は出席扱いという形になるのですか、その辺の扱いも聞かせてください。
〇佐藤首席指導主事兼特別支援教育課長 扱いにつきましては欠席扱いという形になるわけですが、文部科学省から遠隔地教育に係る通知も出されておりますので、そういうものを活用しながら、学習空白がないような形で学習保障をしていければと考えております。
〇関根敏伸委員 次に、同じく高校生における病弱教育の実態と課題についてお聞かせいただきたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼特別支援教育課長 高等学校における病弱教育の実態と課題についてでございますが、入院した生徒に対しては、小中学校と同様に、在籍校の教員が様子を把握したり、病状等を見ながら学習課題を渡したりするなどしながら、学習への対応を図っているところでございます。
しかし、長期入院を必要とする高等学校の学習につきましては、小中学校と比べ学習内容が広がり、また高度化することから、生徒に対する学習保障については、在籍校の対応だけでは困難になるために、学籍の移動、指導方法、単位認定、教員の配置などの検討が必要であり、本県を初め文部科学省においても全国的な課題として認識しているところでございます。
〇関根敏伸委員 制度上は、高校生であっても、例えば院内学級に特別支援高等部等々があれば、そういったところに転籍して、そこでしかるべき教育を受けながら、そこでの学習環境が整うという制度もあると聞いているのですが、岩手県の場合は、特別支援学校の高等部等はありますが、そういった院内学級、そういったところを受け入れる教育環境は整っていないということになりますか。
〇佐藤首席指導主事兼特別支援教育課長 御指摘がありましたとおり、本県においては、長期入院をされている高校生に対する病院内の訪問学級については設置されていないということになります。
〇関根敏伸委員 やはり非常に大きな問題ではないかと思っております。事実上、先ほど高校の場合の課題点もさまざまありましたが、単位取得の問題で、いろいろな難しい問題があると承知しております。また、制度上、いろいろ受けられる環境整備も整っていないということで、岩手県の高校生の病弱教育は非常に脆弱ではないかという認識を、今、強く持ったところであります。
平成25年に文部科学省が、小児がん拠点病院を設置されるに当たって、いろいろ広域の入院患者が想定されるということで、病気療養児に対する教育の充実についてという通知が出されております。これは、自治体の対応として、柔軟な就学、転学等により多様な学びの場による教育の連続性を保障することといったことが示されておりますし、後期中等教育─これは高校生などを示すと思うのですが─を受ける病気療養児について、入退院に伴う編入学、転入学等の手続が円滑に行われるよう、事前に修得単位の取り扱い、指導内容、方法及び所要の事務手続等について関係機関の間で共有を図り、適切に対応することといった通知なのですが、小中学校も含め、特に高校の場合、こういった通知の方向性に沿った環境整備がなされていないという認識を私は強くしているのですが、改めてお聞かせいただきたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼特別支援教育課長 長期入院を必要とする高校生への学習保障について、国においては、今御指摘があったとおり、現在、入院生徒への教育を保障するための体制整備に関する調査研究等も行われております。
県におきましては、次期いわて特別支援教育推進プランにおいて、研究の成果や課題等を踏まえながら、医療機関、高等学校、特別支援学校との連携方法の構築など具体的な取り組みを位置づけていきたいと考えているところでございます。
〇関根敏伸委員 今、医療機関の話も出ましたけれども、ぜひ、そういう方向でやっていただきたいのですが、こういった子供を持った保護者の会の方から、あるいはそういった子供を受け入れている医療機関からもさまざまな声が寄せられているのではないかと思うのですが、声、要望等についてはどのように把握されていらっしゃいますか。
〇佐藤首席指導主事兼特別支援教育課長 保護者あるいは医療機関等からの要望についてでございますが、特別支援学校のPTA連合会と複数の病院から、支援体制の充実に向けて、長期入院中の高校生への学習保障に向けた制度づくりに関する要望をいただいているところでございます。
県教育委員会といたしましては、教育環境の整備を含め、指導方法や単位認定などについて、高等学校と特別支援学校とが協力しながら取り組んでいく必要があるということで、いわて特別支援教育推進プラン等の中で検討を進めているところでございます。
〇関根敏伸委員 先般、岩手医科大学の緩和医療学科の木村教授にお話をいただきまして、この問題を強く訴えられて、きょうの質問に至ったわけであります。
この先生が取り上げられている、思春期、若年成人世代のがんは─これは病気と読みかえてもいいと思いますが─その人の将来に大きく影響を与えますが、行政的な支援は非常に手薄です。例えば院内学級は、義務教育の中学生までで打ち切られてしまう。でも、患者の声を受けて行政が動き、長期入院している高校生も継続的に教育が受けられるようになった自治体もありますから、私たち医療者も、世間に積極的にメッセージを発信していく必要があると思いますといったネットの記事がありまして、こういったことを強く訴えられたわけでありますが、この中で、先行して他自治体もこういった問題意識を強く持って、課題を整理しながら、子供たちの教育の環境を保障する自治体があるようですが、どのように捉えていらっしゃいますか。
〇佐藤首席指導主事兼特別支援教育課長 先行研究等につきましては、福島県あるいは神奈川県で行っているところでございます。委員の御指摘があったとおり、生徒が意欲を失わず、また、無理にならないような形でその先行研究等を取り入れながら、体制整備について検討させていただければと思います。
〇関根敏伸委員 今、岩手医科大学では矢巾町に新病院を建設しているわけですけれども、岩手医科大学の院内学級の中に例えば高等部の分室を設置して高校生の教育環境を整えるための施設をつくってもらうとか、こういったことをしっかりと取り組んでいく必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。
〇佐藤首席指導主事兼特別支援教育課長 御指摘のあったとおり、いわて特別支援教育推進プランの中で、長期入院をされている高校生への対応について検討させていただければと考えております。
〇関根敏伸委員 ぜひお願いします。
岩手の特別支援教育はいわて特別支援教育推進プランにのっとって今年度まで行われていると承知しておりますが、残念ながら、現在のプランには病弱教育ということは取り上げられておりません。項目も一切載っておりません。今まさに新しいプランをつくっている段階だと思いますけれども、今の答弁に沿った具体的なプランへの書き込みといったことをしっかりと柱立てていく必要があると考えております。
今、まさに、さまざま次期総合計画の中でもSDGsですか、誰ひとりとして取り残さないを基本にしたさまざまな施策を展開しようしている中で、教育にあっては、教育の保障は本当に必要な部分だと思っております。強い認識を持って、課題意識を持って、プランへの取り組み、病弱教育の推進ということを具体的な書き込みでぜひ実現していただきたいと思うのですが、教育長の御所見をお伺いしたいと思います。
〇高橋教育長 ただいま委員から具体的な御提案をいただきましたし、保護者会、医療関係者等からも教育環境の整備について強い要請を受けていると認識いたしております。
病弱の子供を持った親御さんの気持ちもそうですし、子供自身が将来に向かって、現状に対する不安というのは極めて大きいものがあると思っておりまして、やりたいということにできる限り教育としての支援をしていくということは、極めて重要な視点だと考えております。
担当の課長からもお話し申し上げましたけれども、現在、次期特別支援教育推進プランの策定に取り組んでいるところでございますので、ただいまいただいた御指摘等も十分に踏まえながら、適切な対応をさせていただきたいと考えております。
〇岩崎友一委員 初めに、全国公立学校施設整備期成会への再加入について提案をさせていただきたいのですが、先般の大阪府北部地震では学校のブロック塀が倒れて女の児童が犠牲になったという非常に悲しい話もありました。
今、そういったことも受けて、ブロック塀の問題もありますし、また、県教育委員会としても、冒頭の教育長の説明にありましたように、耐震化等々を進めているわけであります。
それで、御存じのとおり、全国的なそういった学校の施設整備等の予算の確保等々を行っている公立学校施設整備期成会があるかと思うのですが、昭和31年に設立して、岩手県でも当初は加入していたと。ただ、平成22年に、施設整備に必要な恒久制度の実現及び財源確保の運動並びに連絡について、政府予算獲得に当たっての変化及びIT化の進展による早期情報収集効果が低減したことにより存続の意義が失われたということで脱会したわけでございます。当時、多くの都道府県からも形骸化しているのではないかということがあって、そういった背景の中で、岩手県も抜けまして、もともと岩手で構成していた教育委員会、市長会、町村会、教育委員会協議会の構成団体も解散したかと思うのですが、そういった耐震化であったり、ブロック塀もそうなのですけれども、今、環境が変わってきている中で、一度抜けた自治体も再加入しまして、現在、47都道府県中43都道府県が加入している状況で、岩手県、宮城県、秋田県、福岡県だけが未加入という状況であります。
本年度の期成会の運動方針等々を見ましても、非常に重要な予算の確保もそうでありますし、老朽化対策、国庫補助、地方財政充実とか、これから地方にお金を引っぱってくる上でかなり重要な活動をしているということを認識しておりまして、今、宮城県と福岡県も再加入を目指しているというか、検討していると聞いておりますけれども、岩手県もぜひ再加入をして、全国と歩調を合わせて活動を行っていく必要があるかと思うのですが、その辺のお考えをお伺いいたします。
〇佐藤特命参事兼学校施設課長 全国公立学校施設整備期成会への再加入についてでございますけれども、本県におきましては、昭和34年に、県教育委員会、県市長会、県町村会、県市町村教育委員会協議会の4団体で岩手県公立学校施設整備期成会を結成し、全国期成会には県期成会として加入していたところでございます。
平成17年度において、存在意義の変化などの理由から、期成会の存廃や活動内容などに関する検討が全国的に行われまして、本県におきましては、構成4団体で協議の結果、県期成会を平成21年度末に解散し、全国期成会からも同時期に退会して今日に至っているところでございます。
現在、学校施設の老朽化への適切な対応や学校施設の防災機能の強化が本県でも重要な課題となっておりまして、全国都道府県教育委員会連合会などを通じて、国の財政支援措置の拡充などを要望してきているところでございます。
県教育委員会といたしましては、今後とも、全国の都道府県及び市町村と足並みをそろえた活動が重要であると認識しておりまして、全国公立学校施設整備期成会につきましても、再加入に向けて、県期成会を構成していた他の3団体と協議を進めてまいります。
〇岩崎友一委員 ぜひよろしくお願いします。足並みをそろえるということも重要ですし、地方が今苦しい中にあろうとも、やはり安全対策というのはしっかりとっていかなければならないと思いますのでお願いをします。早い段階で再加入していただきたいのですが、構成団体を再度つくり直さなければならないかと思いますが、現段階でスケジュール的なもの、今考えているものはどのような感じでしょうか。
〇佐藤特命参事兼学校施設課長 県期成会を構成しておりました県市長会、県町村会、県市町村教育委員会協議会と速やかに再加入に向けての協議をしてまいりたいと思いますけれども、加入の時期につきましては、その協議の中で他団体の意向も踏まえながら検討してまいりたいと思います。
〇岩崎友一委員 では、できるだけ早い段階に再加入するようによろしくお願いしたいと思います。
次に、いじめ認知への取り組みということで、これは、私、2月の代表質問でも取り上げさせていただきました。それで、いじめはゼロにこしたことはないのですが、現実問題、ゼロにするというのは非常に厳しい。そういう中で、早期にいじめを発見して、そのいじめの重大化であったり、いじめによる自殺という最悪のケースを招かないように国も認知をしっかりしましょうということで、その件数も公表しているかと思いますが、2月の答弁では、岩手県においては積極的に認知に努めているということで、かなりこれは取り組みを進められているかと思います。
平成29年度に関してはこれから10月の発表かと思うのですが、平成27年、平成28年の取り組み状況と、認知件数がどのようになっているのか、お示しいただきたいと思います。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 いじめ認知への取り組みについてでありますが、いじめ問題に適切に対応するために、いじめは、どの学校にも、どの子供にも起こり得るという認識のもと、正確に漏れなく認知することがいじめ対応の第一歩であり、児童生徒の生命等にかかわる重大な事案の未然防止等の観点からも、極めて重要であると考えております。
本県におけるいじめの認知件数、いじめを認知している学校数はともに増加傾向にありますが、このことは、各学校において、学校いじめ防止基本方針に基づき、定期的なアンケートの実施や教育相談、日常的な観察等を通じて積極的ないじめの認知に努め、いじめへの迅速な対応を組織的に図っている結果であると捉えております。
県教育委員会といたしましては、今後におきましても、本当に防ぎたいのは自死であり、本当に守りたいのは人権の考えのもと、いじめの積極的な認知を初め、各校における学校いじめ防止基本方針に基づき、対応を全公立学校を対象とした研修の実施、いわていじめ問題防止対応マニュアルの活用などに取り組んでまいりたいと思います。
なお、平成27年度、平成28年度の認知の件数につきましては、平成27年度が3、274件、平成28年度が5、750件でありました。
〇岩崎友一委員 これは物すごく、一生懸命今県教育委員会でも頑張ってくれていると思うわけでありますけれども、確認をさせていただきたいのが、さまざまな取り組みを行っていると。この取り組みでは、どういったいじめを発見するかというと、例えば児童対児童、生徒対生徒のその間でいじめがあるかどうか、それに対して、どういう対応をするかということについての研修等を行っているという解釈でよろしいですね。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 今、委員御指摘のとおり、いじめの定義につきましては、一定の人間関係のある児童生徒との関係でいじめの認知ということになっております。
〇岩崎友一委員 これはこれで100%を目指して進めてほしいと思います。
次に、若干絡んでくるのでありますが、7月にありました県央部の県立高校のバレー部の男子生徒の自殺の件について、常任委員会でも質疑があったようでありますが、私も疑問に思った点がございまして確認をさせていただきたいと思います。
まず、今回対象となっています男性教諭が、2008年に顧問をしていた別の県立高校のバレー部で暴言を吐いたとして訴えられて、現在もまだ係争中でありますけれども、そういった方を再度顧問に就任させたということに関して、県教育委員会としてはどのように感じておられますでしょうか。
〇永井教職員課総括課長 現在裁判中の教員に部活の顧問をさせていることについてのお尋ねでございますけれども、まず、訴訟につきましては、一審判決が既に出てございまして、原告側が主張している日常的な暴力、暴言でございますとか、あるいは元生徒のPTSDの発症との因果関係については認定をされなかったというものでございます。
また、当該教員については、部活動指導のほかに、生徒指導あるいは進路指導についての保護者等からの評価ですとか信頼等を得ていた面もあったという状況でございます。
当該教員に部活動の顧問を、いわゆる分掌、分担させていたことにつきましては、学校においてこれらの事情等を総合的に判断して行ったものであります。しかしながら、訴訟になった事実を踏まえまして、学校としては、より適切な指導を行うことについて校長等が指導を行っております。あわせて、校長からは、職員会議等において、体罰や暴言等の禁止など、コンプライアンスの徹底を指導してきたところでございます。
〇岩崎友一委員 私が聞きたいのは、校長先生が云々ということではなくて、県教育委員会としてどう思っているのかということでお尋ねしたのですが、再度答弁をお願いします。
〇永井教職員課総括課長 この事案につきましては、事案が発生以来、御遺族の方に寄り添って、意見等も踏まえながら、自死に関する因果関係の調査なども行ってきたところでございます。
現在、指導の適否でございますとか、あるいは自死との関係性、因果関係の有無等につきまして、第三者委員会において御審議いただくという手順で今検討を進めているところでございますので、これにつきましては、そういったプロセスの中で、今後、再度顧問に就任させたということにつきましても、当該委員会などで御検証いただくということになろうかと思っております。
〇岩崎友一委員 済みません、すごくすれ違っているような感じがするのです。教育長に確認をさせていただきたいのですが、私は、現在係争中の方を再度顧問に就任させたことについて、県教育委員会としてどう思っているかというのをお聞かせいただきたいと思います。
〇高橋教育長 今、係争中の事案につきましては、先ほど課長からお話がございましたけれども、一部の行為については、第一審において県側の責任を認めたということですけれども、おおむね県の主張が認められたということでございます。
今回7月に発生した自死事案については、同じ教員が担当する部において、これは事案は全く別でございますけれども、これは同一顧問がかかわる中で起きたということについては、率直に申し上げまして驚きと同時に、これは学校に配置している任命権者は県の教育委員会でございますので、それを重く受けとめなければならないと思っております。
ただ、一方で、今回の自死事案につきましては、学校調査それから県教育委員会の調査におきまして、関係者のヒアリング等を含めて保護者の意向等も踏まえながら行ったところでございますけれども、自死との関係というのがなかなか、そういうかかわりというものを県教育委員会として判断することは難しいということで第三者委員会を設置して、そこでの調査を進めたいと考えているところでございまして、その点を含めて御理解をいただければと思います。
〇岩崎友一委員 この案件は、17歳の若い男子生徒が命をみずから絶っているという非常に重い案件でございまして、私も重大に受けとめなければならないと思うのですが、すごく認識が違うのが二つありまして、まず一つは、今係争中で、一審がどうのこうのという話をされますけれども、それに不服があって控訴をして、まだ係争中という状況でありますね。だから一審で認められた云々というのは、もしかしたらひっくり返るかもしれませんね。だからそういった部分の認識が我々と全然違う、一審でよければそれでいいのだという認識はちょっと違うのではないかということと、仮にそれがどうあろうとも、係争中の方を再度顧問というのは一般的には考えづらいと思うのですが、校長先生の判断は県教育委員会としては妥当だと判断しているのでしょうか、その辺はどうでしょう。
〇永井教職員課総括課長 一審判決との関係性についてでございますけれども、これにつきましては先ほどから申し上げていることの繰り返しになりますが、原告側が主張している教員による日常的な暴行とPTSDの発症は認められなかったということについては、原告側のほうで再度これについて全面的に争うということから、今、高等裁判所のほうで争っているところでございます。県といたしましても、今、日常的な暴行、PTSDの発症については認めることができないということで……〔「大きい声で、答弁」と呼ぶ者あり〕申しわけございません。争っているところでございます。
〇福井せいじ副委員長 答弁は大きい声でお願いします。
〇永井教職員課総括課長(続) はい、失礼いたしました。こういった教諭を指導に充てさせていると、それから、顧問に就任させているというところにつきましては、学校においての部活指導、生徒指導についてのこれまでの指導状況でございますとか、あとは当該教員につきましても、一審判決後、指導の方法を変えたりとか、例えば1対1での指導といったものについては個室で行わないと。これは、一審判決で、そこの場における指導が適切さを欠いたということもあって、個室での指導は基本的に行わないようにしているですとか、あるいは、生徒の自主性を重んじるような練習指導を行っているといった指導方法等の改善などもございまして、そういったものを総合的に判断し、また、指導状況を学校長が指導の現場で定期的に巡回の確認などもしているということも踏まえて、総合的な判断をして、その時点では、裁判中の教員を顧問に就任させて指導に当たらせたという経緯でございます。
〇岩崎友一委員 ちょっとよくわからないのですけれども、ただ、1対1で個室での指導は行わせない等々の条件でしているということは、そういった危険があるという認識はもともと持った上で顧問に就任させていたというように捉えるのですけれども、そういった危惧というか懸念というものは、もともと持ちながらも就任させたという解釈でよろしいのですか。
〇永井教職員課総括課長 民事訴訟が提起されて数年たっているわけでございますが、先ほど申し上げた1対1の指導を改めるということにつきましても、今回の一審からを踏まえた訴訟の中でのさまざまな原告側からの主張ですとか、あるいはそのプロセスの中で自分の指導方法を振り返ったりという、みずからの反省、振り返りをもとに、そのような改善を学校長ですとか周囲の指導も受けながら行ってきたということでございまして、そういう懸念があるにもかかわらず顧問に就任をさせていたという認識ではなく、やはり一定の改善があって現在このような顧問に─現在、その顧問は部活動から外れておりますけれども─事案発生前までは顧問に当たっていたということでございます。
〇岩崎友一委員 ちょっとなかなか納得できないのですけれども、学校側としても1対1で個室での指導はさせないとか、校長先生がしっかりその先生の言動を見張っているというか、注視しているというのは、裁判で係争中だということに関し、懸念があったからそういうことをしているわけですね。そうじゃないと言いますけれども、懸念がなければ普通どおりそのままやらせればいいわけであって、注意を払っていたということは、また何かやるおそれがあるのではないかということからそういった対応になったということでいいのですね。
〇今野教育次長兼教育企画室長 繰り返しになりまして大変恐縮でございますが、訴訟につきましては、一部の言動は別といたしまして、判決におきましては、おおむね県の主張が認められていたということが一つでございますし、それから、加えまして、当該教員については保護者等からの評価、信頼を得ていたということで、先ほど申し上げましたが、学校におきましては、これらのことを総合的に勘案した上で、当該教員に部活動の顧問を継続させたということでございまして、これらの事情につきましては県教育委員会としても承知をしていたということでございます。
一定の懸念があったから学校等からも注意をしていたということでございますが、懸念というよりは、いずれ、事実といたしまして裁判に至ってしまったということがございましたので、そういったことは当該教員としても重く受けとめた上で教育活動に携わるべきといったような趣旨から注意をしていたということでございます。
〇岩崎友一委員 なかなか腑に落ちませんが、最後に1点だけ確認は、この男性教諭が顧問に再度就任する際には、高校から県教育委員会にも相談があって、県教育委員会でもそれを了承したということでいいのですね。今の答弁だとそういうことになるのですけれども。
〇高橋教育長 権限上の話を申し上げますと、学校の校務分掌を決定するということは校長の権限でございますけれども、これは訴訟に至ったという事案の関係者でございますので、その点を慎重に期す必要があるだろうということで学校と協議を進めて、そして当該教員に対する指導の実績等、現在の学校における保護者それから生徒との関係等を総合評価いたしまして、そういうふうにやりたいという意向を踏まえて、県教育委員会としてもそれを了解したというものでございます。
〇岩崎友一委員 では、県教育委員会でも了解したと。結果として、今回、第三者委員会で17歳の男子バレー部員の件もいろいろと協議というか議論されていくと思うのですが、県教育委員会もOKしたという中で、結果として命を絶ったということに関しては、県教育委員会としてはどのように受けとめているのですか。
〇永井教職員課総括課長 まず、将来のある高校生が亡くなったということは、本当に残念な事態であったと思っております。県教育委員会としては、今後とも御遺族の意向を踏まえつつ、丁寧に対応してまいりたいと考えているところでございますし、先ほど来申し上げておりますが、第三者委員会においての自死と指導との因果関係の有無等も含めた検討でございますとか、あるいは再発防止策なども含めた御審議について、県教育委員会が今後こういった問題についても主体的に取り組んでまいらなければいけないと考えているところでございます。
〇岩崎友一委員 時間もあれですから、ただ、私はかなり我々の感覚と県教育委員会の皆さんの感覚のずれを感じておりますので、この件は2月の代表質問でも第三者委員会の結果も踏まえてやりたいと思います。
次に、またそれに絡んでなのですが、自殺があった後、知事がトップなのですか、県では総合教育会議が開かれているかと思うのですけれども、その会議においての議事はこの自殺の件であったのかどうかと、その会議の内容、そしてその際、知事の発言、指示というものはどういうものであったかをお示しいただきたいと思います。
〇高橋教育長 ただいまの御質問にお答えする前に、県教育委員会で行った調査について、その概要を申し上げさせていただきたいと思います。
県教育委員会で部活の指導と自死との関係を直接結びつけることができなかったということにつきましては、さまざまな発言は関係者からありますけれども、調査をする中で、当該生徒は部活動を続けると。これは小学校からバレーボールをしていた子供なのですけれども、もともとバレーボールに取り組むのが嫌だったということもあり、それから、一方では、潜在能力の高い子供でございましたので、周囲からの大きな期待をかけられていたということで、その期待に応えなければならないという思いもあったということもございまして、実際の行動と、それから心に抱えている部分がいわばギャップを生じていたということが大きな要因ではないか、我々の受けとめ方はそうなのですけれども、ただ、それを保護者を含めて理解いただくというのは、疑念を抱いておりますので、なかなかそれは難しい。その話は平行線です。それから、委員から御指摘のようなこともございますので、これは第三者委員会にしっかり委ねて客観的な調査をやっていくと。そしてまた、学校としても、部活動をやめたいということを受けとめることができなかった。それから、保護者側も、そこまでせっぱ詰まった状況だと、家庭のほうでもそれはなかなか難しいということだったと思います。
ということで、心の中を読み取ることが、学校側もさまざまないじめだとか、それから心の健康観察のアンケート等でもそういうサインが全くなかったということでございまして、これはなかなか非常に困難だということでございます。
それから、ただいま御質問がありました総合教育会議の関係でございます。これは今般の事案が発生した直後に私自身が知事とも情報共有を行いながら、知事からは、しっかりと教育委員会で調査をやるべきだということでありますとか、再発防止に向けてしっかりとした対応をする必要があるという、県の代表としての知事からの意見も私自身受けたところでございます。
総合教育会議につきましては、定期的な総合教育会議と随時開催する総合教育会議がございますけれども、本県では、矢巾町での事案が発生した際にそれを取り上げたということで、緊急に総合教育会議を開催したという実績がございます。そのときは学校調査、それからあとは生徒と学校側との生活記録ノートの情報共有があるという中で、いじめとの一定のかかわりがあるということが学校調査でも明らかになった段階でございました。今回の事案につきましては、第三者委員会を設置した中で慎重に議論をお願いすることが必要だと思っておりまして、その動向を見きわめながら必要の有無等を含めて考えたいと思いますけれども、先月開催した総合教育会議の中では、具体的にこの事案は取り上げておりませんけれども、そういうことでございます。
〇福井せいじ副委員長 岩崎委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇岩崎友一委員 では、最後に再発防止策。
今、教育長からも答弁がありましたけれども、さっき、いじめ認知の取り組みは児童対児童、生徒対生徒の関係で、いじめの早期発見に向けてさまざま取り組んでいるということでありますが、私もいろいろと相談を受けた中では、具体的に、先生に生徒がいじめられて不登校になったという相談も何件かいただいたこともあって、やはりそういったこともあるのだろうと思っています。そうなりますと、児童対児童、生徒対生徒だけではなくて、先生からのいじめがあるかどうかというものに関しても、しっかりと把握するようにしなければいかんのではないかと思うのですが、その辺の取り組みは現在行われているのかどうかということと、生徒対生徒、児童対児童に関してはアンケート調査も行っているようですが、学校側がアンケートを行って学校に提出をすれば、それに関してはまた先生に見られてしまうというのがあるので、学校を介さずに、県教育委員会から、直接PTAとの会議を開催したり、児童にアンケートをとるということも含めて再発防止として取り組んでほしいと思うのですが、その見解を伺って終わります。
〇永井教職員課総括課長 ただいま再発防止、早期発見のためにアンケート調査なども県教育委員会が直接やるという形で活用してはという御提案かと思います。
まず、教員からの生徒に対する体罰ですとか暴言、不適切な指導等については、事案が発生するたびに各学校、各教育委員会に再発防止について通知などいたしますとともに、例えば怒りを抑制するアンガーマネジメントという研修なども導入しながら、その防止に努めているところでございます。
また、県教育委員会が直接調査をしたらいいのではないかというアンケート調査の御提言もございましたが、各学校においては、定期的に年に複数回、生徒の学校生活の実態を調査するようなアンケート調査を実施しております。個々の生徒の生活状況の把握にそのようなアンケートで努めているところでございますけれども、その結果を踏まえた生徒に対する個別の対応につきましては、一義的に各学校において行われるべきものでございます。日常的なそのようなアンケート調査は学校で行っていくことが適当かと思っているところでございますが、一方で、委員御指摘のとおり、生徒が自分の気持ちを率直に述べることができるような環境といいますか、仕組みづくりが重要だという御指摘は本当に重要だと思いますので、これからも回答者が特定されないような配慮等を学校で行うアンケート調査について適切に行うように、引き続き指導してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 関連。県央部のバレー部の部員が自殺したという件について、私は今の県教育委員会の答弁は極めて不十分だと思うのでお聞きをします。
これは盛岡一高の前の事件なのですけれども、これが今は二審の係争中です。しかし、一審でこの顧問の教師の暴言が不法行為だと認定されました。罰金20万円を課せられています。不法行為と認定された具体的な内容、判決をはっきり示してください。
二つ目に、教育長は県教育委員会の詳細調査について触れました。これはバレー部顧問の言動と自死とのかかわりについて、バレー部員に問うているところがあります。多くは、バレー部顧問の言動が影響したのではないかという具体的な聞き取りの結果がたくさん出ていました。県教育委員会は、自死と顧問の指導との関係ではっきり認定できなかったと。それは私はあり得ることだと思うけれども、しかし、詳細調査の結果を見れば、顧問の指導に問題があったと多くのバレー部員は言っていたのではないか。特に、県高校総体での決勝で負けたのです、今まで勝っていたチームが負けた。そのときに、顧問からどういう発言があったのか。そして東北大会、天皇杯というわずかな期間で顧問の厳しい指導が続いたということも、その詳細調査の中に言われています。いわば一番ストレスのかかる県高校総体の決勝での敗北、それについての厳しい顧問の言動、私はこれがバレー部員を追い詰めたのではないかと思います。
私も遺書を読ませていただきました。確かにバレーが嫌いだということは言っております。この生徒は中学校の時代から全日本代表に選ばれるような優秀な選手で、高校時代もそうでした。強豪大学への推薦も決まっていた。だからそれだけプレッシャーがかかっていた。揺れ動いていたのです。そういう中で、県高校総体で負けて顧問から厳しく叱責されると。私は、これが極めて大きなポイントを示したのではないか。
バレー部員の生徒から顧問の指導についてどういう指摘があっかを具体的に示してください。これは2点目です。
3点目に、私は学校長の対応が大問題だと思う。きょうの新聞にも公開質問状を出したということがありました。いわば、学校の調査でも、バレー部員の、またクラスの同級生のさまざまな証言が出ているのですけれども、そこでも顧問の指導にかかわることがたくさん書かれていました。ところが、学校長は、新聞のコメントに何度も、学校顧問に問題はなかったと言っているのです。県教育委員会でさえ自死と顧問の指導の因果関係ははっきりできなかったと言っているときに、学校長は、学校顧問の指導に問題はなかったと。遺族のところに行ってこう言ったのですよ。私は顧問を信頼していますと。6年たったから後は転勤させますと。こんなことでは問題解決するどころか、ますます不信感を広げるだけじゃないでしょうか。学校長が管理監督していたと言うけれども、こういう立場で管理監督していたら、まともな管理監督になりません。
私は最後に、なぜこういうことが起きたかというと、この顧問は勝利至上主義です。勝てば喜ぶけれども、負ければ厳しく叱責すると。監督の責任にするならともかく、生徒の責任にするようなこういう勝利至上主義がこのバレー部員を追い詰めたのではないか、この点について答えていただきたい。
〇永井教職員課総括課長 4点ほど御質問を頂戴いたしました。
まず1点目、一審判決において認定された不法行為の具体的な内容ということでございますけれども、これにつきましては、先ほども1対1の体育教官室……〔斉藤信委員「正確に言ってください、正確に聞いているんだから」と呼ぶ〕はい。まず、体育教官室における指導、叱責の場面で感情的になって、例えば至近距離1メートル弱のところで対面をしていた元生徒に向かって、目の前にあった机をこぶしでたたいたりですとか、あるいは手に持っていた部屋の鍵を壁のほうに投げつけたというような行為が指導としての社会的な相当性を欠いたということで、これら不法行為に当たるということで賠償が命ぜられているものでございます。
それから2点目でございますが、いわゆるバレー部顧問の非常に厳しい指導があったと。具体的な発言内容も踏まえながらということでございましたけれども、厳しい口調での発言内容については、運動部活動の体育館の練習の中で行われたものでございますので、練習の内容とか場面によっては、プレーについて大きな声で指導するという場面もあったかと存じます。
具体的な内容については、県教育委員会調査について、御遺族に御報告をということにさせていただく目的としてまとめておりますので、細かい内容については差し控えたいと思いますけれども、そういう大きな声で強く指導するということについては、当該教諭も練習中にそういうことがあったと認めている部分はございます。
それから3点目でございますのけれども、学校長の対応ということでの御質問でございます。
この事案が出ましてから、さまざま報道機関等で学校長の対応が報道されておりますけれども、校長としては、実際に指導状況を観察していた立場から報道等で見られる発言をしたものと存じますけれども、県教育委員会としては、学校や県教育委員会が行った調査結果から、繰り返しになりますが、自死と指導との因果関係については、その有無を含めて判断することは困難ということで、今般、第三者委員会の検証、調査に委ねると判断したところでございます。
そういう第三者委員会を検討している時点において、行き過ぎた言動等が全面否定したととられるような発言を行ったことについて、これは慎重さを欠いたのではないかと考えているところでございまして、学校長に対しては、今後の発言等については指導をしたところでございます。
それから、勝利至上主義ということの御指摘でございますが、当該競技については非常に知識、経験も豊富な教諭ということでございまして、部活動指導という面では実績をある程度有している教諭でございますが、これも繰り返しになりますが、前任校における事案での反省等も踏まえ、その指導ぶりにつきましては、自主性を育てていくということですとか、あとは特に当該生徒につきましては、非常にレベルの高い選手だったという期待も込めて、育てていかなければいけないという責任感を持ってずっと指導してきたと聞いておりますので、勝利ありきで指導してきたということについて、当該教諭からの聞き取りではそのようなことは直接は聞いておりません。
〇斉藤信委員 これで終わりにしますけれども、私は、教育長が県教育委員会の詳細調査に触れたので聞いたのです。そしたら全然具体的に答えないじゃないですか。一審判決で、体育教官室での暴言が生徒に対して精神的に重要な影響を与えたというので不法行為に認定されたのです。今回も体育教官室に呼んだということが調査で書かれています。中身を詳細に調査しなければだめです。
それで、私は、県高校総体の決勝で負けたことについてさっきは抽象的に言いました。こういう言葉です。ミドルとセッターのせいで負けたと。この2人のせいで負けたのだと。おまえのせいで負けたと、こう言っている生徒もいます。いわば、県高校総体という一番重要な大会の決勝戦で残念ながら負けたときに、その生徒の責任にされたのです。こんな指導がありますか。クラブ活動には、それは勝ち負けがあり失敗もありますよ。そこを糧にして成長させるというのが本来の指導じゃないですか。そういうことはほとんどなかった。ミスをすれば、おまえは小学生か、ばかかと、こういう言動が何度もあるのです。その生徒の将来性を本当に生かして育てるという指導には残念ながら、部員の証言を見れば当たらない。ほかの生徒は、これも優秀な選手です。このバレー部顧問に指導を求めたら無視されたと。この部員も、もうクラブをやめたくなったということも言っております。
そして、勝利至上主義について私が触れたのは、春高バレー(全日本バレーボール高等学校選手権大会)で優勝したときに、この顧問は体育館で大の字になって喜んだと。それを取材していたマスコミの記者が驚いたと、おかしいんじゃないかと。そういう雰囲気なのです。盛岡一高の時代に問題になって、一審判決は全体が認められなかったけれども、体育教官室での暴言というのが一番の問題でした。その一番の問題が裁判で不法行為と認定されたのです。裁判というのは認定される壁が厚いのです。そういう形で……
〇福井せいじ副委員長 斉藤委員に申し上げます。
斉藤委員、質疑を簡潔にお願いします。
〇斉藤信委員(続) これで終わりますから。教育長に私は最後にお聞きしますけれども、遺族がぜひ県外のこうした問題について詳しい弁護士等を入れた第三者委員会にしてほしいと要望していますね。私は遺族に寄り添うというのだったら、こうした要望をしっかり受けた第三者委員会を早期に設置して真相の解明を行うべきだと思いますが、いかがですか。
〇高橋教育長 教育委員会の調査で、生徒それから関係者等からの聞き取りを行っておりますけれども、委員からただいま御指摘のあった発言があるのは事実でございます。一方で、強豪校でございますので、そういう指導は生徒の能力を開花させるためには普通のことだと評価をしている生徒もおりますし、それから、保護者から、現在も部活に復帰してほしいという信頼を得ているという面もある。ただ、それを客観的に証明するのはなかなか難しいということで第三者委員会を設置するということにしたものです。
それで、具体的な第三者委員会の委員の人選についてでございますけれども、これは保護者からそのような要望は受けております。いずれ、第三者委員会は公平公正な御審議をいただく方々を人選することが大事だと思っておりまして、これは県内外含めて適任者を選任したいと考えております。
〇佐々木努委員 私は2点質問させていただきます。
最初に、性に関する指導について質問させていただきます。
初めに、保健福祉部から、10代における岩手県の出生数と人工中絶件数の資料をいただいたので、その数字をちょっと御紹介したいと思います。
本当は平成29年度、両方をお知らせしたかったのですが、片方がなかったので、平成28年度についてお知らせしたいと思いますが、15歳から18歳までの子供が32人出産をしています。年齢から推測すると、間違いなく高校生あるいは高校生の年代であると思われるのがその中の11人。中絶はというと、15歳から18歳まで人工中絶件数は54件で、これも高校生の年代と思われるのが30人ということであります。これだけの子供が妊娠して出産あるいは人工中絶をしていると。これは多分、平成29年度もほぼ変わっていないのではないかと思うわけでありまして、そういうものを踏まえて、教育委員会として、平成29年度に子供たちに対する性に関する指導、性教育と言ってもいいかもしれませんが、どのように取り組んでこられたのか伺います。
〇荒木田首席指導主事兼務保健体育課総括課長 平成29年度における性に関する指導についてでありますけれども、県教育委員会では、各学校に対しまして、学習指導要領に基づきまして児童生徒の発達段階等を考慮して関係教科、例えば保健体育であったり、家庭科や特別活動におきまして、性に関する指導を行うように指導しているところでございます。
また、県教育委員会では、平成25年度に性に関する指導の補助資料でありますリーフレットを作成し、これに基づいて実施した授業の指導案を県のホームページに公開するなど、それを各学校で活用していただいているところであります。
なお、県内の高校では、特別活動等におきまして、外部講師を招聘しました性に関する講演会、これは62校中52校、81.3%でありますが、実施しているところでございます。主な講師ですが、助産師、産婦人科医、大学関係者等の専門的な知識を有する方たちに講師をお願いしております。
内容としましては、先ほど委員御指摘のとおり、この性に関する指導、問題につきましては、男女間の思いやりであったり、生命尊重という基本的なところは当然でありますけれども、妊娠、出産、避妊、性感染症、望まない妊娠など多岐の内容にわたっているところでございます。
〇佐々木努委員 ことしの3月、東京都足立区の教育委員会が、中学校の性教育に関して、性交とか避妊という言葉を用いて指導したことに対して都議会のある議員が問題視し、それを東京都の教育委員会がその足立区の教育委員会に指導したということがあって、随分、賛否が分かれたということがありました。実際に、中学校になると思いますが、県内でも中学生に対してそういう指導が行われたということが過去にあったのか、いかがでしょうか。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 県内におきまして指導の内容が不適切であると認められた事案のことにつきましてでありますが、委員御指摘のとおり、東京都の区立中学校におきまして、学習内容が学習指導要領に照らされていない不適切なものでなかったかという事案があったということは認識しておるところでございます。本県におきましては、これまで生徒に対して性に関する指導が不適切であったと認められた事案はございませんでした。
〇佐々木努委員 県としては、先ほど御紹介いただきましたが、平成25年度に県としての方針、リーフレットをつくられて、それに従って中学校なり高校では指導してくださいということなのだと思いますが、その学習指導要領に載っているものを超えて指導することに対して、もし、そういうことが行われていたとしたら、県としてはどういう考え方で対応するのか、そこをお聞かせいただけますか。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 学習指導要領の内容につきましては、本当に基本的なものを示しているところでございまして、それ以上の内容を指導してはいけないということではないのでありますが、今現在、健康課題につきましては、避妊とか出産につきましては学習指導要領の内容には書いてはいないものでありますけれども、問題であるということであれば、特別活動等において、専門の方の意見とか保護者の理解を得ながら指導していくというのが適切であると考えておるところでございます。
〇佐々木努委員 東京都では3月の事案を受けて、全部の公立の中学校にアンケートをとったところ、48%の高校が、指導要領を超える指導も必要だという回答をしたということで、東京都の方針と岩手県の方針というのは同じだと思うのです。同じだと思うので、東京都と岩手県は事情が違うとか、子供たちを取り巻く環境が違うと言われればそれまでなのですけれども、ただ、5年前につくったものを今またこれからもずっと使い続けていいのかということは、他県を参考にしながらも県として考えていかなければならないのではないか。特に先ほど御紹介したように、毎年のように18歳未満の子供が人工中絶をしているということがあるわけですから、ぜひそういうところも検討する必要があるのではないかと思うのですが、5年間たちました。そういうものを見直すお考えがあるのかどうか、お伺いをいたします。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 現代の性に関する課題と今後の取り組みにつきましてでございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、委員御指摘のとおりでございますが、現在の子供たちの性の課題につきましては、性の情報の氾濫とか取り巻く社会環境が大きく変化してきたこと、そしてデートDVとか性感染症などの問題を認識しているところでございます。そして、平成25年度にリーフレットを作成しましたが、県教育委員会としましては、児童生徒の実態や課題を踏まえまして、県医師会等関係機関と連携を図ること、それで指導資料の改訂の検討も含めまして、教員の資質向上を図るための研修会もございますので、研修会の内容も充実しながら、引き続き取り組んでいきたいと考えております。
〇佐々木努委員 まず、現場がどういう認識でいるのかということは、常に調査なり聞き取り等でやっていただきたいということと、我々が思っているよりも、もっと子供たちはいろんな情報をわからないところで得ていると思うので、また、そういうことの低年齢化も進んでいますから、中学校のころからどうしていけばいいのか、あるいは小学校から考えなければならないことかもしれませんけれども、ぜひ御検討いただきたいと思います。
これは教育委員会からいただいた資料なのですけれども、平成27年度、平成28年度、2年間で妊娠を把握した件数が11件、本当はもっともっとあったということだと思います。そのうち自主退学が8人、休学が1人、転学が1人、もう1名はわかりません。結局、中学校、高校のときに妊娠すれば、そういうことが待っている、子供たちにとっては非常に不幸なことが待っている、それが現実だと思います。そういう子供たちを1人でも少なくするには、なかなか家庭で教えづらい、学校に何とかと思っている親がたくさんいらっしゃいますから、そういうところをぜひ認識、理解をしていただきながら、県の性の指導に関する方針の見直しも含め、調査を経て見直しを含めた対策をこれから講じていただきたいと思いますが、教育長、所感があれば。
〇高橋教育長 ただいま委員から、家庭ではなかなか子供にそういう指導は難しいと。私も1人の親として、いまだにそういうことを家族の中で話し合うということは実際できておらず、多くの皆さんがそういう思いでいるのではないかと思っています。それだからこそ、教育の場において、適切な情報提供というのは極めて大事だと思います。ただ、一方で、一般的な理解を超えて、そして興味を惹起するような、その辺も客観的な情報としてしっかり伝えていくことが大事だと思っておりまして、ただいまいただいた御意見等も十分踏まえさせていただきながら、資料の改めての策定等を含めて検討させていただきたいと思っております。
〇佐々木努委員 次に、部活動についてまた今回も取り上げさせていただきたいと思います。
現在、県内の全部の中学校、高校で、部活の休養日が設定されると認識しているわけでありますけれども、各市町村における部活動方針の策定状況がどうなっているかも含めた、私は部活動改革とあえて言いますけれども、この取り組み状況についてお伺いをいたします。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 各市町村における部活動方針の策定状況と部活動改革の取り組み状況についてでございますが、部活動改革に向けましては、本年6月に策定しました本県における部活動のあり方に関する方針、いわゆる県の方針に基づきまして、部活動休養日や活動時間の徹底、自主的、自発的な部活動の推進、体罰の根絶の取り組みにより、子供たちが生涯にわたるスポーツ、文化芸術に親しむ基盤づくりを進めているところでございます。
各市町村の部活動方針の策定に向けた取り組み状況でありますが、本年9月現在で、13の市町村で策定済みとなっておるところでございます。そのほかの市町村につきましては、関係団体や保護者等との合意形成を図りながら、策定に向けて取り組みを進めているところと承知しているところでございます。
〇佐々木努委員 13市町村ですか、もう少し進んでいると思いましたが残念です。これは、県としては、いつまでに策定をしてほしいと市町村に話をしているのか教えてください。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 県の策定が6月でございまして、今10月でありますけれども、年内に策定を進めていただきまして、新年度からは学校がスタートできるような方向で進めていただきたいと考えております。
〇佐々木努委員 市町村がつくったら今度は学校がつくらなければならないということなので、これまた時間がかかりますので、ぜひ県としても、策定を急ぐようにということは指導していただきたいと思います。
それで、この部活動の休養日とか時間をしっかり守らせる、あるいはそのほかにも体罰とかそういうものが起きないようにということも部活動のあり方に関する方針にはうたわれているわけですけれども、そういうものをどのようにこれから県としてチェックしていくのか、それをお示しいただければと思います。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 部活動改革の取り組みの把握についてでありますけれども、県教育委員会とましては、各市町村教育委員会及び各学校の取り組み状況を把握することが必要であることから、定期的に調査を実施しまして、調査結果を踏まえた対応を継続的に行ってまいる所存でございます。
また、国のスポーツ庁におきましても、国のガイドライン、運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインに基づく全国的な運動部活動改革の取り組み状況について定期的にフォローアップを行うこととしておりますので、この動きにも注意しながら対応してまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 定期的に調査というのは、それは年に1回とか何年に1回とか、具体的に決まっているものはあるのでしょうか。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 国では1回、あと県でも1回と決めております。
〇佐々木努委員 私は、この部活動のあり方に関する方針を読ませていただきましたけれども、ここに休養日とかあるいは部活動のあり方をみんなで考えていくための部活動連絡会というのを学校に設けなさいと示されているわけでありますけれども、ここには教職員、保護者、部活動指導員、外部指導者、そういう方々でこの連絡会をつくりなさいとなっていますが、ここに子供たちが何で入らないのだろなと。実際に部活動をする当事者というのは子供たちのはずなのに、ただ、先生、学校、親、そういうものが決めたとおりに動かされなければならないのか。子供たちが部活動は何で必要なのかとか、どういうルールで部活動をやっていくかというものを認識しないままに、勝手にほかで決められた中で部活動をするということが、子供たちの主体性を育てることにつながるのかと私は非常に疑問に思うのですが、その辺の考え方はいかがでしょうか。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 部活動連絡会への生徒の出席についてでございますけれども、県教育委員会では、委員御指摘のとおり、県の方針におきまして、部活動の指導方針について、教職員、部活動指導員、保護者及び外部指導者等が共通理解を図ることを主な目的としまして、各学校において部活動連絡会を開催するよう要請してまいったところでございます。
その内容につきましては、各学校において適切に年次の計画ですることとしておりますけれども、委員御指摘のとおり、部活動運営に生徒を参画させるということは大変有意義なことだと考えられますので、今後におきましては、部活動連絡会に生徒の意見を聞く場面を設定したり、または生徒アンケートの結果を反映させたりするなどの事例を示すなどして、生徒の自主的、自発的な部活動の推進に向けて対応を検討してまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 そういう形でみんなが同じ認識を持てば、休養日とか時間といったものはきちっと守られるし、部活動は本来どういうものかという共通認識も図られると思うので、ぜひ、そういうものはしっかりと県が方針にうたって、徹底させてほしいと思います。
これから、多分、部活動の方針を、残念ながら守らないところが出てくるのではないかと。いろいろな事情が確かにあると思うのですけれども、そういうところが出てきた場合の県の対処というのはどのように考えていますか。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 学校や部に対する指導についてでありますけれども、部活動休養日や活動時間の徹底に向けまして、各調査におきまして実態の把握に努め、守らないところや課題があると見られるところにつきましては、市町村教育委員会と連携を図りながら、各学校に対して適切に指導してまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 私は、これははっきりペナルティーを設けるようにということをうたうべきだと思います。各学校に対して、そういうものを設けるべきだと思います。何のルールもペナルティーもなくて、ただ守れと言っても、私は、果たして本当に徹底するのかという疑問を持っています。そういうものをしっかりと、例えば何日間活動停止になるからちゃんと守らなきゃならないとか、何でもそうだと思うのですけれども、ルールを守らなければ、何かそれなりの罰則があるというのは社会において当然のことですから、そういうものをしっかり徹底させるということもこれからは考えてほしいと思います。
時間がないので、最後に、これは通告していませんでしたので、お答えできなければ、それで構いません。
クラブ活動とスポーツ少年団と同一メンバーで活動している割合というのを県教育委員会で把握されているのか。もしわかればですけれども、わからなければよろしいです。
それから、宮城県とか、ほか6県で朝練習を県の方針で禁止したというところもありますが、その検討をされたことがあるのか、そういうことを考えられているのか、そこもお答えできればお願いいたします。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 部活動を補完する保護者会とかスポーツ少年団が……済みません、今、ちょっと数字が見当たりません。
朝練習でございますけれども、県の方針を策定する際に、各関係団体の委員に集まっていただきまして、確かに朝練習を禁止しているという県もありましたので、本県についてはどのようにしたらいいかというところを議題としまして協議をした経緯がございます。
本県においては、人数が少ない中でも、その競技ではなくて、例えば駅伝練習をするために朝練習をして、放課後に自分の部活動をするというような形態もあるので、一概に朝練習を禁止するのはよくないのではないかという御意見もございまして、本県におきましては、朝練習につきましては、学校の判断により、1日の活動時間の2時間程度というところを守って活動してくださいということの合意形成を図ったところでございます。
〇佐々木努委員 思いつきで質問してしまいまして、申しわけありませんでした。
朝練習については、医学的にも子供たちの体にマイナスだというデータが出ていますし、生活のリズムも崩れる、家庭の対応も大変だということで、私は、いいことがほとんどないのではないかと思っていますので、多分、他県でもそういうものを心配して、子供本位でそういうことを徹底しようとしているのだと思います。いろいろな意見があると思いますけれども、今後の検討課題として、さまざまな委員の意見等も聞きながら、もし改善できれば、改善していっていただきたいと思います。終わります。
〇福井せいじ副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後3時8分 休 憩
午後3時28分再開
〇名須川晋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ10人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
質疑を続行します。
〇佐藤ケイ子委員 関連。先ほど、佐々木努委員の発言の中で、妊娠、出産の生徒の関係がございました。私も、妊娠生徒への対応について通告しておりますので、関連で質問させていただきたいと思います。
先ほどの質問、答弁の中で、私は、件数を聞き漏らしたといいますか、平成27年度、平成28年度で高校生の妊娠が11件だったでしょうか。自主退学が8人とおっしゃったのでしょうか。それは佐々木努委員の発言だったのですけれども、私が通告しておりましたのは、本県で妊娠した高校生のケースはあったのかどうか、どう対応したのか、今後の対応方針はどのようにするかという質問でございます。
文部科学省の調査では、平成27年度、平成28年度で、学校側が生徒の妊娠を把握した件数は2、098件ということを公表していますけれども、その中で、妊娠を継続して通学したケースが778件、本人または保護者の意思に基づいて自主退学したケースが642件、学校が退学を勧めた事案が32件とかありまして、学校が退学を勧めるというのはいかがなものかと思っております。
こういう事態で高校中退ということになりますと、その女性の多くがシングルマザーとなりまして、学歴もないので仕事もなかなか難しい。そして、結果的にはその子供も貧困に陥り、貧困の連鎖に陥るということで、学業を継続させるように支援していくべきではないかということが文部科学省でも出されたようですけれども、本県の実態について改めてお伺いいたしたいと思います。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 妊娠した生徒への対応についてでありますが、文部科学省が公表いたしました平成27年度、平成28年度の2カ年分の公立の高等学校における妊娠、退学に係る調査によりますと、本県の公立高等学校において、妊娠の事実を学校が把握したケースは11件となっております。また、学校が退学を勧告した生徒については、本県ではございませんでした。
各学校における対応につきましては、学業継続の意思がある場合には、本人または保護者の意向を踏まえつつ、母体の保護を最優先しながら、当該生徒の状況やニーズを踏まえた教育上必要な配慮を行っております。また、みずから退学を申し出る場合であっても、退学以外に休学、全日制から定時制や通信制への転学等、学業を継続するためのさまざまな方法があること等、必要な情報提供と指導を行っております。
なお、退学をせざるを得ないような場合であっても、高等学校卒業程度認定試験があることなどについて、当該生徒の進路に応じた必要な情報提供と指導を行っております。
〇佐藤ケイ子委員 これで最後にしますけれども、今、女子高生をめぐってさまざまなビジネスがあって、JKビジネスと言うようですけれども、女子高生とお散歩をすることによってお金が得られるアルバイトです。そのことによってどんどん深刻な事態になっていくとか、妊娠する、避妊するというような知識が余りないというか、私たちの時代などは全然なかったので困ったわけですけれども、今の若い人たちも、何で情報を得ているかというと、アダルトビデオを見て、暴力的な行為が正しいものなのだとか、一度のセックスだけでは妊娠しないとか、誤った情報が蔓延しているというか、そういうことなのだそうです。
それで、性教育をしっかりとやってもらいたいと思っておりますし、ましてや、ほかの県では、京都府の事例では、妊娠した女子高生に、体育の単位を取るのには持久走とかの実技をしなければだめだということで、退学に追い込まれたといった事例もあって、妊娠した生徒は本当に苦しいわけです。
結局、望まない妊娠をさせないための教育というのが非常に大事でありまして、中絶する率も本県の場合は年々下がっているのかと思いましたけれども、やはりこれも教育の成果なのかと思っているのです。文部科学省の学習指導要領だけではない、さらなる性教育を本当に充実してほしいと私は願っております。どうぞよろしくお願いいたします。見解がありましたら、お伺いいたしたいと思います。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 委員御指摘のとおり、京都府の妊娠生徒への対応ということから、先ほど紹介いたしました調査が全国的に行われたと認識しております。
先ほど、性教育ということでもお話をさせていただきましたが、県教育委員会といたしましては、各学校が、性に関して子供たちが正しく理解し適切な行動をとることができますよう、性に関する指導の実施について周知をしております。
また、妊娠した生徒等への学業継続に向けた考え方や具体的な支援にあり方については、先ほども触れましたが、妊娠による学業のおくれや進路変更が生じないということを前提としながら、適切な対応で取り組んでまいりたいと考えております。
〇工藤誠委員 私は、県立高校再編計画における総合学科高校のあり方ということについてお伺いしたいと思います。
私が住んでいると言ったほうがいいでしょうか、そういう過疎地では、今、大きな問題は、県立病院の存続と県立高校の存続ということがテーマとして挙げられております。
そこで、県立高校再編計画については、現在の小学4年生が高校に入学する2024年4月には、高校入学者数が1万人を割り込むだろうということが予想されております。県教育委員会においては、生徒数の減少に対応するために、平成28年3月に県立高校再編計画を策定したわけであります。
この再編計画は平成28年度から10年間の計画でありますけれども、先般、平成31年度の編制案も公表されました。2020年度までの5カ年間の前期計画も終盤に差しかかっているというところでありまして、そこで、これまでの再編計画の進捗状況、また、どのようにこの計画を評価されておられるのか、まず伺いたいと思います。
〇藤澤高校改革課長 再編計画の進捗状況についてでございますけれども、平成29年度は2校の学級減を、平成30年度は7校8学級の学科改編等を行いました。先般公表いたしました平成31年度の編制案においては、今議会で2校の専門高校の学科改編、新学科の設置について御承認いただいたところですけれども、9校9学級の学科改編等を行うことといたしました。一方で、葛巻高校などのように、幾つかの高校については、学級減などを延期ということにさせていただきました。
また、統合につきましては、2020年度に、遠野、宮古、久慈の3地区において、それぞれ2校を統合するという予定でございましたけれども、遠野、久慈地区については延期したところでございます。
こうした対応につきましては、再編計画を策定する際に、統合校のある市町村長や地域の皆様からいただいた御意見を踏まえまして、統合や学科改編、学級減を進めるに当たりましては、地方創生に向けた地域の取り組みや中学校卒業予定者数、各学校の入学者の状況などを十分に把握、検証いたしまして、関係者との意見交換をしながら進めてきたものでございます。
教育委員会としましては、計画の着実な実施が重要であると考える一方で、社会情勢の変化や地域の実情等も踏まえて、こういった判断も必要と考えたところでございまして、全体としてはおおむね計画に沿って再編を進めることができているものと考えております。
〇工藤誠委員 普通校もあれば、実業校もあれば、いろいろな学校があります。私は、前回の一般質問のときには実業校のあり方についても質問させていただいたのですが、この前期計画の中に総合学科高校についても触れられていると思います。総合学科高校の学科再編とか学級減について、この4年間に対象校とか系列の見直しがどのように行われたのかということについてお伺いします。
〇藤澤高校改革課長 再編計画における総合学科高校の学級減等についてでございますけれども、総合学科高校は、現在県内に6校ございます。このうち、今年度から一関第二高等学校について6学級を5学級に1学級減として、系列の見直しを行ったところでございます。同校は昨年度まで4系列でございましたけれども、商業分野を単独の系列として5系列に逆にふやすという形で改編いたしまして、系列の学習内容をよりわかりやすいように工夫したところでございます。
それから、平成31年度編制の関係ですけれども、岩谷堂高校につきましては、2年連続して50人を超える欠員が生じたということで、岩手県立高等学校の管理運営に関する規則に基づきまして、平成31年度から、5学級から4学級に学級減をすることとしております。同校の今後の系列のあり方につきましては、現状の学びを残すような方向で、同校を中心に、今、検討が進められているという状況でございます。
〇工藤誠委員 まず、全体計画の進捗、総合学科のほうも計画に沿っておおむね進められているのかと思います。地域の声を聞きながら、また、地方創生の取り組みを見ながら、そういうことで無理に計画どおりにということではないようであります。そういうことで、それはそれで今後も続けていただきたいのであります。
地元の話をするわけですけれども、私の出身地の一戸高校についても、総合学科高校なのですけれども、前期計画期間の最終年度の平成30年度に、3学級を2学級に減らすという計画が示されております。それで、一戸高校は平成17年度から総合学科高校に移行して、現在は四つの系列、具体的には、普通科目を中心とする人文・自然、介護・福祉、情報ビジネス、芸術や家庭を学ぶ生活・文化という4系列になっているのですけれども、学級減に伴って、この系列の見直しも、事実、検討されているということで、地元でやっているわけですが、これまでどのような話し合いが持たれてきたのか、その経緯等、内容についてお伺いしたいと思います。
〇藤澤高校改革課長 一戸高校の系列の見直しについてでございますけれども、現在、3学級の学校でございます。今後、再編計画による学級減によって2学級規模になるということでございまして、各系列の学びをどのように構成し、充実させていくかということが課題になってまいります。
こうしたことで、県教育委員会では、系列等のあり方につきまして、平成28年度から昨年度にかけまして、一戸町役場、町の教育長、PTA連合会、一戸町小中学校長会、同窓会、一戸町商工会、二戸市商工会など、地域の皆様方と4回にわたりまして、系列のあり方について意見交換を行ったところでございます。
意見交換の中では、系列のあり方につきまして、現在の人文・自然、情報ビジネス、生活・文化、介護・福祉の四つの系列をできる限り残してほしいという声、他方で、1講座当たりの選択生徒が少なくなりますと、生徒同士の切磋琢磨による相乗効果が望めず、教育効果が高まらないのではないかといった御意見もあったところです。また、地元の企業や団体等からの一戸高校卒業生の地域定着への期待が大きいということも伺っております。
また、意見交換会の参考として、町内の中学生、保護者に対しまして進路希望アンケート調査を実施したところですけれども、一般的に高校に期待することとして、大学等に進学するための学力を身につけることというのが一番多くて、次いで自分の進路希望や興味関心に応じた科目の選択ができることが挙げられたところでございます。
現在、こうした意見や意向を踏まえながら、系列のあり方や教育課程の検討などを進めているところでございます。
〇工藤誠委員 いろいろとお話をしながら、地元の意向に沿った形で進められているようなことでありますけれども、いずれにしても、急に志望人数がふえるということはなかなか考えにくいわけでありますので、学級減、それに伴った系列の変更ということは当然考えておかなければならないわけですが、系列が変更されるという場合に、一番心配されるのは進学を控えている中学生です。その子供たちに早くその状況を説明しなければならないのではないかと考えます。
そういうことから、地元ないしは管内といいますか、そういう中学校や地域への説明を今後どのようにやっていくか。2020年度ですので、予定でいけば、来年の8月ごろには決まるわけですから、そのあたりのスケジュール感をどのように持っているかということをお伺いしたいと思います。
〇藤澤高校改革課長 系列の検討のスケジュールということでございますけれども、2020年度から学科改編や系列の見直しなどを行う高校につきましては、今年度末、平成31年3月を目途に、各市町村、中学校に対しまして、例えば学科が統合される場合に、これまでの学びはおおむね維持されるといった内容につきまして、方向性をお知らせすることとしております。通知を差し上げることとしております。
その上で、来年度の7月ぐらいからの学校説明会や、学校が主催します体験入学などの場において、具体的な系列の内容について中学生や保護者等にお示しすることにしておりまして、それまでの間、どのような内容が系列としてふさわしいかということを、さらに検討を進めていくということにしております。
〇工藤誠委員 そのスケジュールはそのとおり早目に進めていただきたいと思っておりますけれども、今後、系列が見直されていくという場合に、一戸高校は私の母校で、昔の普通科とか農業科とか家政科とか、そういう流れの中にあるわけでありますけれども、総合学科高校は非常に多様な学びとか職業選択とか、そういうことに沿った学校であると思っています。それで、地域の方々の期待も非常に大きいということも聞いています。
特に、一戸高校の場合には、福祉関係の人材育成については非常に期待が大きいと実際に私も聞いております。それで、地域の介護、福祉施設の事業者団体といいますか、協議会みたいなところでも実際にアンケートをとって、一戸高校が系列再編をする場合にあっては必ず福祉系列を残してほしいというお話もあるようでございます。その辺のことについて、どういう御意見が交わされたか、そのことをお知らせいただきたいと思います。
〇藤澤高校改革課長 一戸高校の介護・福祉系列に対する地元の期待ということでございますけれども、実際に平成29年度にこの系列を卒業した生徒で6名ほど就職した方がいるのですけれども、5名が地元に就職しているということも聞いております。
一戸高校の介護・福祉系列につきましては、先ほど申し上げた地域の皆さんとの意見交換の場でも、同校の卒業生が地元の福祉施設に多く就職しているということで、今、数字を申し上げましたけれども、地元の福祉施設での介護実習など地域とのつながりを持ちながら福祉の学びを経験しているということが地域の人材育成につながっているということで、一戸高校に期待する御意見があったところでございます。
〇工藤誠委員 それで、これは通告していないのですけれども、例えば学級減になりました、コースも改編されましたという場合の加配です。今でも一戸高校は1名加配されているとはお聞きしているのですけれども、再編された場合も加配という制度は続くものでしょうか。そのあたりの御見解をお伺いしたいと思います。
〇梅津首席経営指導主事兼県立学校人事課長 高校の教員数は高校標準法(公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律)をもとに配置しているわけですけれども、もちろん学級減になれば標準法に従って教員数は減るわけですが、系列の見直しとか教育課程が正常に実施されて特色のある教育ができるように、加配であるとか、場合によっては非常勤講師の配置とかで、教育課程に示されている授業が正常に実施されるように教員の配置に努めていきたいと思います。
〇工藤誠委員 これからどうなっていくかということはおおよそわかるわけでありますので、改編されても、そういう教職員の配置等については万全を期していただきたいという思いはあります。
それで、私の場合は一戸高校の介護・福祉系列の話をしましたけれども、県内にも6校、総合学科高校があるということでありますが、今後の総合学科高校の見直し、系列の見直しも含めて、どのような考え方を持っているかということをお聞きしたいと思います。
〇藤澤高校改革課長 総合学科高校における系列の見直し等についてでございますけれども、総合学科高校におきましては、普通科目のほかに専門科目も含めた多様な教科、科目の中から、生徒がみずからの興味関心に基づいて、将来の進路選択を見据えながら系列の選択を行っていくということで、生徒の学習意欲の向上や進路意識の高揚にもつながっているものと承知しております。
そういった中で、再編計画の中で総合学科高校の特徴を生かした教育活動の充実を図るためには、原則的には3学級以上の規模を確保することとしておりますが、中には、生徒の減少によってその規模の維持が難しくなった場合には、学科の見直しも視野に入れて検討することにしております。
一戸高校につきましては、同校が総合学科として地域の皆さんから期待されておりまして、また、専門分野も担うような人材育成について重要な役割を担っているということがこれまでの意見交換の中でも出ております。したがいまして、学級減によって教員配置については一定の制約はあるものの、総合学科高校として、その系列のあり方等につきまして丁寧に検討を進めてまいりたいと考えております。
また、再編計画における総合学科高校全般につきましては、系列の内容等につきまして、今後、具体的な検討を進めるということになりますけれども、地域や産業界との連携を図りながら系列ごとの特色ある取り組みの充実を図るなど、生徒の進路実現に向けて、総合学科の特徴を生かしながら、教育内容の一層の充実に努めていきたいと考えております。
〇工藤誠委員 最後になります。教育委員会では、再編計画の後期計画にも間もなく着手されると思いますけれども、後期計画に向けては、先般、6月だったでしょうか、県内の首長の方々が県議会に集まって勉強会を開かれて、私たちもお招きをいただいて講演を聞いたこともあります。
今度、10月15日には、(仮称)岩手の高校教育を考える市町村長懇談会の発足式ということ、また研修会もあるわけですけれども、地域で県立高校に対して、今、実際にいろいろな動きが出始めました。そういうことで、今後、後期計画を策定するに当たって、こういう地域の声をどのように生かしていくのか。今後の5年間は、前期と違ってかなり厳しさが予想されると私は思っておりますし、大胆な再編とか統合が行われると思っています。そういう意味で、地元の声を、また、そういう首長の方々の声をどのように取り上げていくのか、このあたりを教育長から所見を伺って、終わりたいと思います。
〇高橋教育長 ただいま委員から市町村長の方々の懇談会についてのお話がございました。県教育委員会に対しましても、そのような機会があるのでぜひ聴講してほしいという御案内を頂戴いたしております。
第1回目の懇談会で意見が交わされた小規模校の意義でありますとか、県内それぞれの地域において教育の機会を保障していくことの重要性、さらには高校が地域の人材育成に大きな役割を果たしていること等については、多くの市町村の皆さん方の共通認識に立っているのではないかと認識いたします。
県教育委員会といたしましては、現在策定中の次期総合計画第1期アクションプランの素案におきましても、地方創生における地域の高校の役割等をさらに重視して高校再編を推進するという考えを示させていただいております。
また、後期計画の策定に当たりましては、全体計画の検討の際と同様に、県内各地域において地域の皆様との意見交換の場を設けて、地域の皆さんの声も十分にお聞きするとともに、今後開催される懇談会の状況等も参考にしながら、よりよい教育環境の整備や学校の魅力づくりに向けまして、社会情勢の変化等も十分に踏まえて多面的な検討を進めていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 関連。私も高校再編について通告しておりましたので、この場で質問をさせていただきたいと思います。
工藤誠委員の質問で大分お答えがあったのですけれども、来年度の高校再編において、例えば私の地元の水沢工業高校と前沢高校については、大幅な改善があったとして推移を見守っていくということであり、これには大変評価しておりました。
ところが、岩谷堂高校の総合学科でございますけれども、これについては2年連続して入学者が減少したということで、管理運営規則の規定に基づいて1学級減ということが打ち出されて、これに驚いております。
今の工藤誠委員の質問の中で、一戸高校は地域の皆さんと系列の変更等で4回意見交換をされているということでありますが、岩谷堂高校については、決定されたから、今、系列のあり方を岩谷堂高校を中心に検討中だという答弁がありまして、私は、それでますます驚きました。現在、5学級だから1学級ぐらいいいのじゃないかという見方もあるかもしれませんけれども、実は岩谷堂高校はことし創立100周年を迎えて、間もなく記念式典も行われる予定です。そういうときに学級減が打ち出されたものですから、同窓会初め本当に大変な騒ぎとなっております。
そういった意味で、この間、計画に名指しをされてこなかった学校でありますので、驚いているのはそのとおりでありますが、関係者には管理運営規則の規定で減ることもあるということがどの程度伝わっていたか、そして、岩谷堂高校についてはどのような説明がなされてきたか、その点をお聞きしたいと思います。
〇藤澤高校改革課長 平成31年度学校編制に係る岩谷堂高校の関係でございますけれども、平成28年3月に策定いたしました今の新たな県立高等学校再編計画では、前期計画の中で、2020年度までに、どういった学校について学級減をするか、学科改編するかといったこと、統合についてというのを具体的にお示ししているほかに、入学者で1学級定員以上の欠員が生じた場合には、今、委員から御紹介のございました岩手県立高等学校の管理運営規則に基づいて学級減を検討することがあるということをお示ししているところでございます。この内容につきましては、再編計画を公表する前後におきまして、県内各地において地域検討会議などを開催して、できる限りの周知を図りながら進めてきたところでございます。
岩谷堂高校につきましては、2年連続して50人を超える欠員があるということで、今後、胆江ブロック内の中学校卒業者数がさらに減少することが見込まれるということで、こういった判断をしたものでございます。
同校や地元奥州市との間では昨年度から意見交換を重ねてまいりまして、今年度の入学者数確定後にさらに入学者の状況等を分析しまして、また、社会情勢の変化も踏まえて、ブロック内の高校の学級数調整の方向についておおむね御理解いただいたものと思っております。
今後とも、再編計画の推進に当たりましては、地域における高校の役割も踏まえながら、また、社会情勢の変化ということで今回延期した高校もございますが、それぞれの地域と連携しながら、市町村等と丁寧な意見交換を行いながら対応してまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 昨年度から地元、高校等と意見交換をしてきた、そういうことがあるということをお知らせしてきたということだと思いますけれども、特に同窓会等に、そういう情報が入ってなかったところに非常に驚いております。
私は、総合学科というのは、先ほども議論がありましたけれども、どの方向に持っていくかということでさまざま検討されるべきだと思っています。ですから、岩谷堂高校が最終的にそうなるにしても、そういう検討がこの間きちんと行われてきて、そしてやむなしとみんなが思うような格好であれば本当によかったと思うわけですが、今、系列の見直し等については、これでよしという状況になっているのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
〇藤澤高校改革課長 系列の見直しにつきましては、学校を中心に教育委員会と協議しながら進めているところでございますけれども、岩谷堂高校につきましては一定の規模がございます。学級減になったとしても4学級の維持ということになりますので、ある程度、現在の系列を維持できるような方向で検討が進んでいると考えております。
その点も含めまして、これから、先ほど答弁で申し上げましたとおり、来年の3月には一定の方向性を中学生や保護者の皆さんにお知らせするということでございますので、それに向けて検討をさらに進めてまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 今の説明はわかりました。いずれ、単に生徒が50人以上減っているから学級減をするのだということではなくて、岩谷堂高校総合学科を本当に発展させていく、そういう意味での見直しの過程でこういうこともあったという感じにみんなが思えるように、そういう改編というか、系列の見直しをきちんとやっていただきたいと私は思っております。
もう一つですが、学校訪問というか、子供たちが夏に訪問したりします。それで、来年度もかなり減るような─開けてみないとわからないわけですけれども、どのような見通しを持っておられるか、その点をお聞きしたいと思います。
〇藤澤高校改革課長 胆江地区ないしは奥州市等の来年度の状況ということでございますが、胆江ブロック内の中学校卒業者数で言いますと、来年度に向けては60名を少し超える程度減少するということで、年度によって多少減り方が多い年、少ない年がございますけれども、5年先程度を見ますと、100名を超える減少が胆江ブロックの中ではあると見ております。
ただ、一方で、今現在、県南地区におきましては、企業進出等といった社会情勢の変化もございまして、水沢工業高校については学級減の延期をしたということでございます。生徒数の推計のみならず、そういった社会経済情勢の変化も十分精査しながら、再編計画を進めていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 私からは、特別支援学校の運営管理費のうち、特別支援学校小学部、中学部におけるスクールバスについて伺いたいと思います。
今現在、市町村立の小学校、中学校においては、徒歩や自転車等では通学が困難な遠方からの児童生徒については、距離を基準にスクールバスにより通学が補助されていると認識しております。
一方で、特別支援学校の小学部、中学部におけるスクールバスの設置基準はどうなっているのか伺いたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼特別支援教育課長 特別支援学校小学部及び中学部におけるスクールバスの運行についてですが、現在、県立特別支援学校においては、通学の利便性と保護者の負担軽減の観点から登下校のための通学バスを運行しております。また、保護者が送迎する場合につきましては、就学奨励費等を用いて支援しているところでございます。
通学バスの運行の有無や運行ルートなどにつきましては、各学校の設置位置、児童生徒の居住地や障がいの状況等を踏まえて対応しているところです。
また、児童生徒の体調を考慮し、長時間の乗車は負担が大きいことから、乗車時間につきましてはおよそ1時間以内になるように運行しているところでございます。
〇佐々木朋和委員 今、るる御説明をいただきました。スクールバスについては学校のほうでルート等も設定していると。また、通学の送り迎えをする親御さんには補助も出しているということでございましたけれども、今現在、社会情勢を見ますと、やはり共働きもふえていると。特別支援学校に通わせている親御さんの中には、子供の今後の自立、将来を思って、稼いで貯金をしたいといった思いの方々も多くいると認識しております。
そういった中で、私の問題意識としては、市町村立の小学校、中学校においては、下校については、今、福祉サービス等も整備されてきているので、それほど声は上がっておりませんが、朝、お父さん、お母さんの会社の始まる時刻と登校の時間が重なるという中で、苦労している親御さんも多いのではないかという認識でございました。
そういった中で、県として、平成29年度における特別支援学校の自転車、徒歩等での通学が困難な遠方からの児童生徒について、スクールバスを使用している児童生徒、やむを得ず親御さんの送迎で通っている児童生徒、また、障がいによりスクールバスでの通学が困難な児童生徒等の実数を、今、学校ごとにという話でありましたが、県教育委員会として把握されているのか伺いたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼特別支援教育課長 スクールバスによる通学が困難な児童生徒の人数についてでございますが、平成29年度、通学している児童生徒のうち通学バスを利用している児童生徒は、小学部、中学部を合わせて135名となっております。通学バスを利用していない児童生徒につきましては、特別支援学校全体で、小中学部児童生徒につきましては534名となっております。
障がい等により、通学バスの利用が困難な児童生徒につきましては、正確な数字は把握できかねておりますが、自家用車、あるいは先ほど委員のほうからお話がありました福祉サービスの利用等により通学している状況ということになります。
〇佐々木朋和委員 今の点で再質問をさせていただきたいと思いますけれども、534人の方がスクールバスを利用していないということでございました。特別支援学校は全小学校区にはないと認識しておりますし、市町村にとっては、ある意味では市町村をまたいだ形であると認識しておりますが、この534名のうち、どのぐらいの方がスクールバスの要望を出しているのか、そういったことは認識しているのでしょうか。
〇佐藤首席指導主事兼特別支援教育課長 534名のうち、スクールバスを要望している実数につきましては、大変申しわけございませんが、把握しておりませんが、特別支援学校PTA連合会等を通じて、通学バスの運行についてということで、要望等は上がってきているところでございます。
〇佐々木朋和委員 要望等が上がっているという中にありまして、全部の児童生徒のニーズ、要望に応えられないという理由はどこにあるのか教えていただけますか。
〇佐藤首席指導主事兼特別支援教育課長 特別支援学校の置かれている状況等もそれぞれ違っていることもあります。また、通学バスを運行する中では、予算を措置しなければならないというところもありますので、そちらも含めながら、今後、検討等をさせていただければと考えております。
〇佐々木朋和委員 予算の関係上ということもございました。また、私の耳には、普通のスクールバスであればバスを運行するだけでいいのですけれども、お子様を支援する支援員の方も乗っていかなければいけない、また、そういった支援にも学校の先生方が充てられているというようなお話もございました。私は、これは先生たちにとってもかわいそうだと思っておりまして、そうではなくて、やはり支援員の方をしっかりつける。市町村立の小学校、中学校ではスクールバスが保障されているのに、特別支援学校のお子さん、家族には保障されていないというのが大きな問題ではないかと私は思っております。この部分については、予算的な問題もあると言いながら、それで片づけてしまっていい問題ではないと認識しております。
先ほど、午前中の質疑でも関根委員からSDGsの話がございました。これから、教育長に御質問をさせていただきたいと思います。
来年度から我が県でも幸福を指標に、また、SDGsということで持続可能性、また、誰一人取り残されないということをメーンテーマとして県政の課題に向かっていくということでありますけれども、私は、こういった問題こそ目を向けてやっていかなければ、幸福指標というのはお題目になってしまうと認識しております。
そういった中にあって、県として、特別支援学校の生徒も含めて、義務教育である小学校、中学校の児童生徒の通学の保障というのをどのように考えていらっしゃるのか伺いたいと思います。
〇高橋教育長 先ほど担当の課長から、通学保障という観点につきましては、スクールバスもそうですし、就学奨励費という対応をしっかりとっているということはございますけれども、ただいま委員からさまざまな御意見等を頂戴しました。なるほどと思いながらお聞かせいただいたところです。
これは予算がかかるからといっても、必要なものについては重点的にそういう措置を講じていくということは極めて大事な視点だと思いますし、SDGsの考え方というのは、子供たちの数がどんどん減少して、岩手県の人口減少がどんどん進んでいるという中で、教育の保障というのはこれまで以上に重要になってくる。そういう中で、現行のスクールバスで、どのように工夫をすればより多くの人に対応できるかということもありますし、児童生徒の負担、新たな措置等、多面的な検討をさせていただきたいと思います。ただいまの御意見等を十分に踏まえまして検討課題とさせていただきたいと思います。
〇佐々木朋和委員 今、各学校がそれぞれPTAの皆さんのニーズを聞いてスクールバスの運行をやっているということでしたけれども、来年度から、そういった取り組みの初年度として、県教育委員会としても、そういったニーズの把握のために調査をしてみるというのはいかがでしょうか。
〇高橋教育長 ただいま頂戴いたしました御意見も含めまして、学校との意思疎通を図るというのは、学校も教育委員会の内部組織でございますので、十分な共通理解と情報共有をしながら、今後のあり方を検討させていただきたいと思います。
〇臼澤勉委員 私からは1点、児童生徒の自死予防に係る取り組みについてお伺いさせていただきます。
文部科学省のデータによりますと、平成28年度、全国で小学生12名、中学生93名、高校生214名の方々がみずから命を絶たれているということでございます。
本県の児童生徒の自死の現状と、もしその要因がわかれば、どのように把握して、傾向をどのように認識されているのかお伺いします。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 児童生徒の自殺者数の現状と傾向でございますが、文部科学省が公表しております児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によりますと、平成25年度以降、全国での自殺者数は200名を超えている状況と捉えております。
本県においても、毎年度、残念ながら、生徒の自死事案が複数回発生しており、平成27年度は中学生で1名、高等学校で2名の合計3名、平成28年度につきましては、中学校で1名、高等学校で1名の計2名という状況であり、重く受けとめておる状況でございます。
児童生徒の自殺の主な要因といたしましては、これは全国的な傾向でもございますが、不明がやはり最も多く、次いで家庭不和、進路の問題と続いておるところでございます。
〇臼澤勉委員 おおむね横ばいというか、毎年こういう案件が発生しているということは、私も重く受けとめております。
それで、平成29年6月7日付で児童生徒の自殺予防に係る取組についてという通知が文部科学省から各都道府県の教育委員会にも出ております。平成30年6月8日付でことしも通知が出ているかと思いますけれども、この通知を受けて、県としてどのような取り組みを行っているのか、行ってきたのかお伺いいたします。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 自殺予防の対策の取り組みでございますが、各学校に対しまして、アンケート調査や教育相談等により、悩みを抱える児童生徒の早期発見に向けた取り組みや保護者に対する家庭における見守りの促進など、児童生徒の自殺予防に向けた取り組みの実施について指導してきたところであります。
また、平成29年度から、いじめ問題対策の重点の一つとして自殺予防教育に取り組んでおり、校長会議や研修会等において、子供(後刻「教師」と訂正)が知っておきたい子供の自殺予防がより一層活用されるよう周知を図ってきたところでございます。
さらに、今年度から心とからだの健康観察を実施する際には、心のサポート授業ということで、子供たちのSOSの出し方に関するプログラムを取り入れ、つらいときや苦しいときに相談相手につなげるための取り組みということで行っております。
〇臼澤勉委員 さまざまな取り組みをやっているということでございますけれども、実効性のある対策というのがすごく求められていると私は思います。
自殺対策基本法の第17条第3項に、学校における取り組みの努力義務が規定されているのは御案内のとおりかと思います。ここでは大きく3点ありますけれども、中でも、困難な事態とか強い心理的負担を受けた場合、その対処の仕方を身につける教育といった部分に対しても、学校の現場でそれぞれしっかり取り組むような努力規定があります。
県内の各学校の自殺対策基本法に基づくこういった取り組みというのは、例えばパンフレットでの告知は、全国的には周知のみにとどまっている、啓発リーフレットを配布して終わっているというのが6割強あるという結果も出ておりますけれども、県内ではどのような状況になっているのか、もしおわかりになれば教えていただければと思います。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 配布の状況については、数的なものについては調査しておりませんので、ここではお話しすることはできませんが、本県では、平成23年に起こりました東日本大震災津波以降、心とからだの健康観察ということで、子供たちの状況をいち早くキャッチするという取り組みをしておりますが、その際、先ほど委員から御紹介もありましたSOSの出し方教育という部分を、自殺対策基本法等に基づきながら子供たちに指導しているところでございます。
なお、先ほど私は、子供が知っておきたい子供の実殺予防という表現をいたしましたが、大変失礼いたしました。教師が知っておきたい子供の自殺予防というものでございました。訂正させていただきます。
〇臼澤勉委員 私は、リーフレットの配布状況を聞きたかったわけではなくて、個別に各学校で、本県が抱えている現状を重く受けとめて、二度とみずから命を絶つことのないように、そういった防ぐ対策を、教育委員会のみならず、関係機関とも連携しながらやっていくべきだということで、そこを聞きたかったわけでございます。
生徒に対する指導も大事ですが、やはり教職員に対する指導も一方で大事になってくるかと思います。この取り組みについてはどのようになっているのかお伺いします。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 教職員に対する取り組みでございますが、県教育委員会といたしましては、教職員を対象とした研修として、本年度から6年をかけまして、県内全ての学校が対象となる悉皆研修である、いじめ問題への理解と対応研修講座で、─いじめにおいても自死事案がございますので、この講座におきまして、管理職や主任層約100名を対象といたしました自死等の重大事態に対応する研修を行っております。
また、今年度の8月には、児童生徒の自殺予防に関する普及啓発協議会を実施いたしまして、県内の教員や指導主事約130名が参加し、児童生徒に悩みを打ち明けられたときの対応や、自死事案が発生した場合の学校の組織的な対応等について研修を行っております。参加した方々については、校内や域内の校長会議、連絡会議等で研修内容を伝達することとしており、より多くの教員に普及することとしております。
〇臼澤勉委員 いじめ対策も重要ですが、個々の事案とか発生原因といった部分をやはり直視すべきだと思います。
本日も岩崎委員が県央の高校での部活動の生徒の自死の問題について取り上げられておりましたが、いじめだけではなくて、さまざまな要因、いろいろなケースがあるかと思うのですけれども、そういった個々の案件に対して、学校としてどう対応していくのかという、今、そこが問われているのだと私は思います。
先ほども、毎年、中学生で1人とか、高校生2人とか、こうやって発生しているこの現状をやはりゼロにしなければいけない、ゼロにするという覚悟を持って取り組んでいただきたいと思います。
それで、こちらに教育委員会で運営されている全国共通の子供SOSダイヤルのチラシがございます。これの利用実績とか課題についてもお伺いしたいのですが、この中の表現で、学校でのいじめに悩んだら、心配な友達がいたらいつでも話聞くよとあり、いじめに特定、限定しているのですけれども、子供たちはさまざまな理由で、いじめ以外にも、先ほど要因はわからないというようなお話もございましたが、私は、もっと広く、さまざまな要因に対して対応というか、窓口を開いて、子供たちのSOSのキャッチをする取り組みというのが必要になってくるかと思いますが、先ほどの子供SOSダイヤルの利用実績と課題等を踏まえてお伺いいたします。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 24時間子供SOSダイヤルの利用実績と課題についてでありますが、平成29年度における相談件数は284件でございました。本人または保護者からの相談が95%を占めておりまして、内容については、いじめが最も多く58%となっておりますが、そのほかには、進路の問題、個人的な問題、または保護者から子育ての問題等についても受け付けております。
校種別に見ますと、小学生が122件、中学生が71件、高校生が58件であり、いずれの校種でも、半数以上がいじめの相談というのが現状でございます。
相談件数につきましては、ここ数年ふえてはきているものの、年間で200件台ということですので、潜在的にはまだまだ相当数想定されておりますので、課題であると捉えております。
今後、子供たちに、確実にSOSを発信できるような相談窓口として、毎年5月に、県内国立、公立、私立全ての全児童生徒約13万人に対して、名刺サイズでございますが、24時間子供SOSダイヤルのカードを配布させていただいております。この裏面には、その他の相談窓口が記載されておりますので、引き続き学校訪問や会議の場等において、相談窓口が広く準備されているということについて周知してまいりたいと思います。
〇臼澤勉委員 利用実績が多いかどうかは別にしても、子供たち、児童生徒に対しては、相談先だとかチャンネルを開いていってほしい。保健福祉部でも言いましたけれども、SNSの利用によってチャンネルをつくっていくことも、これは保健福祉部とも連携しながら取り組んでいっていただきたいと思っております。
それで、児童生徒が抱える強い心理的ストレスの対処方法、相談体制というのは具体的にどう取り組んでいるのか。子供たちの目線での対処というのもあるのですけれども、先ほどの、教員が一方で与えてしまうというところもありますが、生徒あるいは教員に対するそこら辺の具体的な対策をお伺いしたいと思います。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 児童生徒が抱えますストレスへの対処に向けた取り組みでございますが、本県におきましては、毎年、夏休み明け以降の9月にかけて、県内全ての小学校から高等学校、特別支援学校において、心とからだの健康観察を実施し、その際には、こころのサポート授業ということで、子供たちがストレスについて自己分析をしながら対処方法を学ぶことで、児童生徒のストレスに対するセルフケアの力を高める取り組みを毎年実施させていただいております。
本年度は、こころのサポート授業に自殺対策基本法や関連通知により求められている、先ほど来御指摘いただいておりますSOSの出し方教育として、つらいときには、苦しいときには、誰かに相談してよいこと等を学んだり、学校の先生や家族、先ほど紹介いたしました24時間子供SOSダイヤル等に相談してよいことなどを学ぶ教育ということで、子供たちが苦しさを抱え込まずに相談できるということを積極的に行うよう、指導をしておるところでございます。
〇臼澤勉委員 先生のほうの与える側というか、ある場面では与える側になる、先生に対する指導というのはどのように取り組まれているのか、通告しておりませんがお伺いいたします。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 御質問については、先生が与える側とは、先生が相談をする窓口ということではなく……。
〇臼澤勉委員 もっと直接的に言えば、先ほども岩崎委員からもお話がありましたけれども、例えば部活動の場面においては、指導者と指導を受ける側というのは、もう絶対的な関係にございますね。私も経験がございますけれども、そこに対してはもう逃げられない、服従的な関係というのは出てくるわけでございます。私はおかげさまでいい指導者に恵まれておりますけれども、なかなか現実問題、さまざまな強い心理的ストレスを抱えている子供たちというのは多いのだと思います。ですから、それを発出する側の指導者、指導者の指導というのはどのように取り組まれているのかお伺いします。
〇永井教職員課総括課長 いわゆる教職員が生徒に与える心的ストレスの軽減、もしくはそれに対する対応の方法というお問い合わせかと思います。先ほどの県立学校事案の際にも若干触れましたが、アンガーマネジメントという研修を県教育委員会では5年前から始めております。基本的には、体罰を防止するためということで始めた研修でございますけれども、自分の気持ちのセルフコントロールという部分では非常に有効な研修であると思っておりまして、平成25年は100人規模で始めたものでございますけれども、毎年少しずつですが人数をふやしてきておりまして、今年度は300名余という規模で管理職を対象にしたり、幅広くやっております。
そういった研修なども活用しながら、教職員が子供たちに与える精神的なストレスの軽減の一部を、こういった研修でもカバーしてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 最後にいたしますけれども、例えばスポーツにしても、恐怖心を与える指導というのは、私はスキルは伸びないと思います。
アメリカとかにいたときに思ったのは、向こうは褒める文化ですね。一人一人の持っている力を認めて、才能あるいは伸びる個性のところを強調して、ぐっぐっと引っ張ってくれる。私はあれを見て、大きなカルチャーショックを実は受けた一人でございます。そういった意味からも、指導の仕方についてもぜひアンガーマネジメントという視点だけではなくて、基本的に教育あるいは部活動も含めて楽しいんだと。先ほどバレーが嫌いになったというところは、私はすごく残念な結果だと思うのです。そこをしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
教育長、最後に、今回の児童生徒の自死予防に係る取り組みの決意をお伺いして終わりたいと思います。
〇高橋教育長 子供たちの自死予防ということについては、委員から、これはゼロを目標にすべきだという強いお話がございました。実は本県で、原因が何にせよ、自殺が起きたということは、これを防止するということを特に感じたのが平成27年の事案でございました。ただ、あの事案の本質的な問題というのは、これは原因が何かということではなくて、子供たちの命を、岩手の学校教育もそうですし、地域を挙げて、そしてまた子供たち自身の思いとして命を大切にしようと、そこに本質を求めまして、各教室に大きなポスターを配布したりもしていましたし、それからさまざまな取り組みもやらせていただいているところでございます。
この事案が発生するたびに、本県からこういう事案を二度と繰り返してはならないという強い思いでございますので、できる限りの努力をしていきたいと思っております。
〇臼澤勉委員 岩手の教育として子供たちの生きる力、よく教育長がおっしゃっておりますけれども、そういう生きる力をぜひ伸ばしていただきながら、一人で悩まず、大きなみんなの力を借りながらもしっかり取り組んでいただきたいと思います。
〇阿部盛重委員 私のほうから岩手県高等学校総合体育大会総合開会式のあり方についてお伺いします。
県高等学校総合体育大会総合開会式のあり方については、2018年度を最後に廃止が検討されておりましたが、県高校総体開会式について協議が継続されており、賛成、反対といういろんな御意見があるのですけれども、この状況を教育委員会としてはどのように受けとめておるかお伺いします。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 県高校総体開会式のあり方につきましては、委員御指摘のとおり、反対、賛成、さまざまな御意見があるということは承知しております。基本的には、主催者であります県高等学校体育連盟において主体的に検討されるべきものとの前提のもとに申し上げますが、県教育委員会としましては、県内全ての高校が一堂に会する貴重な機会であり、かつ、生徒主体の行事として、長い歴史と伝統を築き上げてきた極めて高い教育的意義や価値を有する行事であると認識しております。ただし、その一方で、近年の猛暑の傾向によります熱中症等の懸念の高まりや、遠隔地から参加する学校の業務負担、また、式典にかかわる生徒の負担など、対応が必要なさまざまな課題も生じているものと認識しております。
〇阿部盛重委員 ということは、方向性は見えにくいというところなのでしょうか。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 今後の方向性についてですけれども、現在、県高等学校体育連盟では、今後の実施形態について、さまざまな観点から予断を持たずに検討を進めているものと承知しております。また、県高等学校体育連盟では、ことしの8月に県内の各高等学校の代表生徒を集めまして、生徒の意見を直接聞く場である情報交換会を行うなど丁寧な意見集約に努めており、これらの意見についても、十分に踏まえながら検討を進めていくものと聞いておるところでございます。
今後の方向性につきましては、県高等学校体育連盟におきまして、来年2月の中旬を目途に、一定の方向性を見出すように検討を進めていくものと聞いております。
〇阿部盛重委員 5月22日に開催された開会式においては、伝統のある高校の方々が、どうしても廃止は困るということでかなり訴えられたということであり、岩手県高等学校総合体育大会総合開会式のあり方検討委員会の方々も視察されたということでございますが、そういう方々の御意見等はどのようになっていますでしょうか。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 岩手県高等学校総合体育大会総合開会式のあり方検討委員会につきましては、県医師会とか関係団体の方にも参加いただいた委員会でございまして、有識者会議として開催しておるところでございます。
第1回検討委員会で、委員の皆様にも開会式を視察してもらって、それを踏まえた上での意見交換ということで、7月9日に第2回の検討委員会を開催しました。
その協議の中身につきましては、開会式の意義や教育的価値、熱中症等の生徒の健康面などについて専門的な立場からの意見交換が行われたほか、県内高校生との情報交換会の機会を設定することや、引き続き、できるだけさまざまな意見を集約しながら検討を進めていくことが必要であるということが協議されたものと聞いております。
〇阿部盛重委員 現役の方々、また、後輩の高校生の思いというのは非常に大事かと思うのですが、教育委員会の立場というのもあるかと思うのですけれども、ここで教育長に御所見及び本音をお伺いして終わります。
〇高橋教育長 本音と言われましたが、常に本音で私申し上げております。その点御了解いただきたいと思いますけれども、課長からさまざま答弁させていただきました。いずれ、現在、県高等学校体育連盟におきまして、開催の意義や課題等を多面的に考慮しながら、さまざまな選択肢を含めて慎重に検討を続けてきているところでございますけれども、このあり方につきましては、県教育委員会といたしましても、高校生を初め多くの県民の皆様から高い関心を寄せられている課題でもございますので、その検討に当たっては、これまでの経緯や教育的意義を十分踏まえるとともに、生徒及び教職員の意向等を適切に把握しながら、丁寧な合意形成に努めてほしい旨、県高等学校体育連盟に伝えているところでございます。
いずれ、この高校総体開会式は、他県にはない、本県の伝統的な大きな行事であるということや、生徒が主体となって取り組む教育的価値の高い行事であるという視点と、生徒の健康面や参加に向けた生徒、学校側のさまざまな負担等の調和を関係者の合意形成のもとに、どのように解決していくかということにこの課題解決の本質があると考えておりますので、慎重かつ多面的な検討をしてほしいと思っておりますし、県教育委員会といたしましても、主体的にその議論に参加していきたいと思っております。
〇高田一郎委員 それでは私から、まず最初に、教職員の働き方改革について幾つか質問いたします。
先週の人事委員会の部局審査で、県立高校の長時間勤務の実態について、超過勤務時間が100時間を超える教職員が22%になったという答弁がありました。一方、県教育委員会が調査をした働き方改革プランの中では、同じ平成28年度は7.6%という数字があって、大分乖離があると思います。これまで、県教育委員会は働き方改革について取り組んできましたけれども、この乖離、なかなか教職員の長時間勤務が解消されない。
まず教育長に聞きますけれども、この実態について、まず教育長としてどう受けとめているのか、その点について質問いたします。
〇高橋教育長 ただいま人事委員会の調査との関係、教育委員会の把握の関係についてお話がございましたけれども、それについては後ほど担当の課長から答弁させますので、御了承をお願いしたいと思います。
全体的な勤務実態の受けとめについてでございます。教育課題の複雑化や多様化に伴いまして、教職員に求められる役割が質、量ともに増大して、教職員の時間外勤務や心身の負担は看過できない実態にあると受けとめております。教員一人一人が、心身の健康を保ちながら教育の質を高め、子供たちにしっかりと向き合うことのできる環境を早急に整備することが必要であると考えております。
このような観点から、教育委員会におきましては、学校関係者等からの意見なども伺いながら、6月に本県の教職員働き方改革プランを策定したところでございまして、本年度からの3年間を集中的な取り組み期間とした上で、教職員の充実感の向上や長時間勤務者の割合の削減などを目標に、教職員の負担軽減、健康確保等を柱とした重点的取り組みを進めているところでございます。
このプランの推進に当たりましては、市町村教育委員会やPTA関係団体などともしっかりと連携しながら、県教育委員会における取り組みと学校現場における取り組み等を両輪に、具体的取り組みを着実に推進し、教職員の負担経験と教育の充実を図っていきたいと考えております。
〇永井教職員課総括課長 委員から御指摘のございました人事委員会調査の数値と教育委員会のプランに掲載した数値との相違についてでございますけれども、人事委員会が行った調査における数値は、12カ月のうち、1カ月でも月100時間を超える時間外勤務を行った実教員数の総教員数に対する比率割合を示したものでございます。これに対して、教育委員会の働き方改革プランで示しております数値は、毎月実施している時間外勤務の状況調査をもとにいたしまして、各月ごとの100時間を超える時間外勤務を行った教員の平均人数の総教員数に対する比率を示しているものでございまして、現状認識として、人事委員会と教育委員会が異なるものではございませんけれども、数値の把握ですとか集計の手法が異なっているため、その結果にもおのずと相違が生じているということでございます。
〇高田一郎委員 教育長から教員の長時間勤務の実態については看過できない事態で、関係者と連携して、しっかりと取り組んでいくという答弁がありました。それで今回の改革プランになったわけですけれども、私もこのプランを見て、一つは、長時間労働を速やかにゼロにして、超過勤務月100時間以上は来年度からなくしていくのだと。そして、タイムカードを導入して実態を把握していくのだと。そして、80時間以上の教職員については産業医に報告するという中身については、大変いいことだと思うのです。ただ、この具体的な業務改善の中身を見て、本当に目標を達成できる実行性のある中身なのかどうかということが問われていると思うのです。これまで、県教育委員会は働き方改革に取り組んできましたけれども、なかなか改革にならない。それはなぜそうなっているかということも踏まえて、本当に実効性のあるプランになっているのかどうか、この点についてお聞きしたいと思います。
あわせて、このプランの中身を見て気になったのは、心と体に不調を抱える教職員が、近年、増加傾向にあるという記述があります。具体的にはどういうことになっているのか。あわせて、教員の在職死というのですか現職死というのですか、それと、療養状況がどうなっているのか、この点も含めてまとめて答弁いただきたいと思います。
〇永井教職員課総括課長 まず、これまでの取り組みによる労働実態の改善の状況についてでございますけれども、これまでも、県教育委員会において設置した検討委員会の提言に基づく各所の取り組み、職員団体との協議の場を活用した負担軽減策の検討、実施など、継続的に取り組んでまいったところでございまして、一定の成果は上がってきているものと認識しておりますけれども、勤務実態の改善になかなかこれがつながらないという背景といたしましては、いじめや不登校などの教育課題の多様化、子供の貧困対策への対応など、学校や教職員に対する期待の高まりなどに加えまして、社会の急速な変容に対応していく必要性が増大しているといったものが背景にあろうかと考えております。
こういった背景に基づく勤務実態の改善には、チームとしての学校の推進、業務改善、あるいは御案内にありましたタイムカードなどを活用した勤務時間の適正管理など、さまざまな視点、方向性に基づく種々の取り組みを根気強く続けていくことが必要だと認識しているところでございまして、今般6月に策定いたしました働き方改革プランにおきましても、その実効性をあらしめるために、新旧合わせて22の取り組みをプランの項目としてリストアップいたしまして、着実に、かつ、確かな結果が出るように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
それから、御質問の二つ目でございます。職員の療養状況、いわゆる現職死亡ですとか、近年増加傾向にある健康状況のデータのところでございますが、現職死亡者数について御紹介をさせていただきますが、直近の年度で御紹介いたしますと、現職死亡者数は、平成28年度で18人、昨年度の平成29年度は6人、それから療養状況につきましては、引き続き14日以上療養した者が、平成28年度は303人、平成29年度は261人となっておりまして、これは年度ごとに若干の増減があるものでございます。
近年増加傾向にあると申し上げましたのは、健康診断の結果によりまして、注意や治療が必要とされる教職員の割合が近年増加傾向になっております。昨年度、平成29年度は58.3%がいわゆる有所見となっておりまして、これは平成28年度、前年度に比べて2.5ポイント上昇しているところでございます。
こういった職員の健康保持は、任命権者としてもしっかりと対応していく分野と認識しておりますので、精密検査の受診ですとか受診確認を行ったり、あるいは共済組合とも連携をして、効果的な健康診断態勢の整備をしていくということで、疾病予防あるいは重症化防止、健康意識の向上、管理意識の向上に努めていきたいと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 今の答弁を聞いて、本当に大変な、深刻な数字だと思います。だから働き方改革なのでしょうけれども、働き方改革というのは、単に教職員の長時間労働を減らすというだけではなくて、根本は教育の質の向上だと思うのです。そういうことにつながるような改革でなければ、本当の改革ではないと思います。特に学校が貧困対策に取り組むプラットホームになっていかなければならないという問題も、新しい課題だと思います。
それで、教育委員会として、子供と向き合う時間あるいは授業を準備する時間をどう保障していくのか、そういう時間をどうつくっていくのかということが問われていると思うのですけれども、この点について県教育委員会としての対応方針について伺いたいと思います。
〇永井教職員課総括課長 教育の質の向上のために子供に向き合う時間を確保するための取り組みということでございます。貧困問題を初めとする子供たちが抱える多様な問題に対応するため、県教育委員会では、児童生徒の福祉に係る専門的な知識を有するスクールソーシャルワーカーを教育事務所に配置するなど、子供たち一人一人に応じた教育相談体制の充実に努めるとともに、教員の業務負担の軽減を図ってきたところでございます。
さらに、再三の紹介で恐縮でございますが、教職員の働き方改革プランに基づきまして、少人数学級の推進、スクールサポートスタッフあるいは部活動指導員の配置、部活動休養日の確実な設定など、負担軽減策の実施にトータルで取り組んできたところでございますし、今後も推進してまいりたいと考えております。具体的な取り組みといたしましては、これら学校業務のスクラップ・アンド・ビルドを検討するワーキンググループを学校教職員からの推薦によって立ち上げたところでございまして、業務分掌のあり方ですとか業務削減などの検討を加速化してまいりたいと考えているところでございます。
こういった取り組みを通じまして、教員一人一人が健全な心身を保って、十分な自己研さんの時間を確保して、授業や準備活動の取り組みができるように、子供たち一人一人にしっかり向き合うことができる環境をつくってまいりたいと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 具体的に中身についてお聞きしたいと思います。
一つは、働き方改革プランの目標についてですけれども、目標自体は、超過勤務月80時間以上とか100時間以上をなくすという中身になっていますけれども、今、厚生労働省ですか文部科学省ですか、月45時間を上限にするような検討もなされています。このプランというのは、つまり、過労死ラインまで容認するような中身になっていないのかということです。ワーク・ライフ・バランスの視点からもそういう問題があるのではないかと思います。
あわせて、他県の状況を調べてみますと、神奈川県川崎市では、年次有給休暇取得について、3年間で全体の7割、8割まで取得を目指すとか、夜7時までの退庁時間を何割まで達成するとか、健康リスクについても3年間で100%にするとかの目標を掲げている。長時間労働だけなくすというのではなくて、もう少し、今言った視点で具体的な中身で目標をつくるということも検討すべきではないかと思います。
それから二つ目ですけれども、教職員の負担軽減、改善問題ですけれども、働き方改革プランの中身を見ると、例えばスクールサポーターの配置については、平成29年は13名ですけれども、今後については配置拡充を検討すると。また、スクールソーシャルワーカーあるいはスクールカウンセラーについても、引き続き配置をすると、そういう非常勤の専門スタッフについても、非常にばほっとした目標になっているのです。これでは業務改善にならない、長時間労働の是正にならない。やっぱり人材をしっかり確保しないと、目標を持って改革をしないとだめではないかと思うのですが、この点について具体的に考えを示していただきたいと思います。
〇永井教職員課総括課長 まず、働き方改革プランの目標値と他県の取り組み等についてでございますが、この超過勤務月80時間超え、あるいは100時間超えの人数を減らしていくというのは、このプランが、今教員が置かれている状況に鑑みて、緊急的に取り組むべき課題として、一丁目一番地と申しますか、達成すべき課題として代表的なものとして計上させていただいたものでございます。これの解消を図っていくためには、県内の教職員のみならず、児童生徒もそうですし保護者の皆様の御理解を得ながら着実に進めていくということで、これには一定の、3カ年程度はかかるだろうということで計上したものでございます。国の働き方改革法案で労働時間の上限が、45時間あるいは特例の場合には360時間というものもありますけれども、これを破ってそこまで認めるという趣旨ではなくて、あくまで長時間労働の深刻な実態を解消していくと、そういうプロセスの中で一つの目標としてこれを置いたということでございますから、労働時間短縮という世の中の動きに抗って目標を立てたものではございません。
また、他県の取り組みにおきましても、さまざま具体的なケースが出てございますけれども、本県のプランの場合は、目標としては、長時間勤務の縮減とそれから業務の充実感、それの動態を見てアンケートをとっていくわけですが、具体的な取り組みとして、ちょっと手前みそですが、先ほど申し上げた22の項目を出して、具体的な進行管理をやってKPI(重要業績評価指標)を設けて管理していくのだというプランは、他県には余りないのではないかと私ども思っているところでございます。
それから二つ目でございますけれども、スクールサポートスタッフですとかスクールカウンセラーとか、学校に向けたさまざまな職種の方々に学校の業務に力を貸していただくという取り組みにつきましては、現在、国の中央教育審議会の働き方改革特別部会のほうで、今年度の末をめどに最終的な取りまとめをしているということもございまして、いわば国のそういう動きも見ながら、こういう予算措置が必要なものについても、国の動向等も見ながら検討してまいりたいと思っているところでございます。
〇高田一郎委員 これは3年間の計画で、一気にそこまで行かないという話ですけれども、本気になって長時間労働をなくすというのであれば、この3年間でもこれだけ人材確保をするという決意を持ってやらないと、業務改善、役割分担を見直すというだけでは達成できない。人材をしっかり確保しないと達成できないということを指摘しておきたいと思います。
もう一つは、働き方改革にかかわって、部活動の問題についてもお聞きしたいと思います。
午前中に佐々木努委員からも質問がありました。同じ質問内容でしたので、同じ質問はいたしません。質問を聞いて私が感じたことを、二つ質問したいと思います。
一つは、部活動指導員を外部人材に広げて対応しようとしておりますが、指導員をふやすだけではなくて、質の確保が非常に大事ではないかと思います。部活動の見直しに関する方針を見ても、スポーツ医・科学の見地に立った指導、援助も必要ですし、生徒とのコミュニケーションとか先生との連携というのも必要になってきて、部活動の時間だけ学校に来るということではないと思うのです。それで、部活動をめぐって訴訟も起きている、さまざまな問題も起きているということになりますと、ただ外部人材を活用するということではなくて、質をどう確保するかが大事だと思います。
いただいた資料では、既に県立高校では21人配置し、市町村では9名が配置されていますが、教員免許取得者とか公認指導員の資格取得者もおりますが、圧倒的に多いのは学校長が適任と判断したと、学校長の判断で採用している方でありますから、この点も含めて質をどう確保していくかということが大事ではないかというのが一つです。
もう一つは、部活動については、本来、加入義務はないのですけれども、実態としては、岩手県の場合は加入義務になっているのではないかと思います。
これはちょっと前の数字ですけれども、2008年に東京大学が調査した資料を見ますと、岩手県は生徒の部活動加入を義務づけている学校は99.1%、全国では38.4%。つまり、全国平均では6割の学校が義務づけていないと。岩手県は全国でトップになっているのです。それで、これはちょっと前の数字ですけれども、今現在どういう状況になっているのか、この点について実態をお聞きしたいと思います。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 まず1点目の部活動指導員の質の確保につきましては、委員御指摘のとおり、教職員OBでありますとかスポーツ指導員の資格を持った方、あと、私もいろいろ市町村の教育委員会を回って教育長とお会いしましたけれども、例えばある教育長は、スクールサポートに入っている非常勤の職員に部活動指導員をやってもらっている。つまり、学校を理解して、生徒も理解してくれる方というところで校長が判断をして、部活動指導員に任用しているというケースもございますので、資格がなくても学校長の判断でやられているというところと、あと、任用につきましては研修をしなければならないということで、まずは校長のところでの研修、そして県のほうでも研修を開催して資質向上に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
あと、全員加入の御質問でございますけれども、県教育委員会としましては、部活動に関して、これまで学校に対して全員加入を強制したという経緯はございませんが、県内の中学校におきましては、慣例としまして、部活動全員加入を前提とした指導が行われているという実態があるという状況は把握しているところでございます。しかし、県の方針で示してありますように、部活動は生徒の自主的、自発的な活動であると、教育的な活動の一環であるということを踏まえましても、自主的、自発的な活動に資するようにしなければならないと捉えておりますし、平成29年度に行いました県教育課程編成・実施状況調査によりますと、生徒の主体的な選択による未加入を認めている学校は8校、また、全員加入を認めた部活動のあり方について、43%の中学校が今後検討を進めていくと捉えているところでございます。〔高田一郎委員「全員加入をしている学校と質問したのです。数字、わからないですか」と呼ぶ〕
〇佐野首席指導主事兼義務教育課長 昨年度の教育課程編成・実施状況調査によりますと、162校中8校が未加入を認めるということで、全員加入を原則としているのが97.5%と、158校ということになっております。
〇高田一郎委員 私が先ほど紹介したのは2008年の調査でありますから99.1%、それから10年たっても97.5%、ほとんど変わらない。全員加入を原則としているという、この根拠は何もないですね。2013年につくられた運動部活動での指導のガイドラインでは、生徒が主体的に自立して取り組む力の育成、この重要性が強調され、また指導要領でも自発的な参加がうたわれているわけです。ですから、児童生徒の自発性、自立性を尊重して対応すべきだと思います。これから部活動のあり方に対する検討も始まっていると思いますので、子供たちの立場に立って対応していただきたいと思います。
時間がないので最後にお伺いしたいのは、学校給食費の無償化にかかわる問題であります。
文部科学省が学校給食費の無償化の実態調査を実施して、この間公表されました。全国で82自治体、これは全国に広がっていると思います。これについて、県教育委員会として、この無償化の広がりについてどう受けとめているのか、あるいは無償化の必要性についてひとつ伺いたいと思います。
あわせて、岩手県内の実施状況はどうなっているのか、県内の実態についても答弁いただきたいと思います。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 平成29年度における学校給食費の無償化の状況につきましては、全国1、740の自治体のうち、文部科学省の調査でありますけれども、委員御指摘のとおり、小中学校とも無償化が76自治体、小学校のみの無償化が4自治体、中学校のみの無償化が2自治体であります。人口1万人未満の自治体を中心に取り組まれているものと認識しておるところでございます。また、東北では、10町村におきまして無償化が実施されていると承知しているところでございます。
なお、本県の実施状況につきましてですが、現時点におきましては、完全無償化を実施している町村はございませんが、5町村において一部を補助しているという状況でございます。
〇高田一郎委員 最後にしますけれども、国が調査を始めたというのは、国会の質問とかあるいは全国からの無償化を広げてほしいという声に応えて全国調査をしたと私は思うのです。今、子供の貧困問題とかいろいろありまして、いよいよ無償化をまじめに検討する時期に来ているのではないかと思います。教育の一環でもある学校給食、義務教育は無償という立場に立てば、そういう時期ではないかと思いますけれども、最後、無償化に向けた県としての対応、県としても支援して県内に広げていくべきだという立場でお聞きしたいと思います。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 県としての支援につきましてでございますが、学校給食費の無償化につきましては、保護者の負担軽減等のメリットがあるという一方で、保護者の食育への関心の低下が懸念されていると捉えてもおります。県教育委員会としましては、学校給食の主体は市町村でありますけれども、今後、学校給食の無償化に取り組もうとする市町村に対しまして、優良事例等の情報提供などを行ってまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 県立高校等へのエアコン設置と、いじめ、不登校についてお聞きをいたします。
まず、県立高校等へのエアコン設置に関連して、この間の県内県立学校における熱中症発生の実態と対応についてお聞きをいたします。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 県立学校における熱中症発生の実態と対応についてでありますが、県立学校におきましては、今年度も熱中症やその疑いのある事案が発生しましたが、幸いにも適切な応急手当てや関係機関等との連携によりまして、重篤に至った事案はございませんでした。
県教育委員会におきましては、毎年5月中旬と7月中旬に、市町村教育委員会及び県立学校等に対しまして、熱中症事故防止に向けて指導、要請を行ってきたところでございます。本年度は、特に災害と言われるような猛暑が続きまして、また、他県において熱中症による死亡事故が発生したことも踏まえまして、再三にわたりまして通知を発出し、その周知に努め、事故防止を要請したところでございます。
具体的には、運動部以外の部活動や屋内の授業等も含めまして、気温、湿度などの環境条件に配慮した学校活動を実施するとともに、必要に応じて中止、延期等の柔軟な対応を図ること、適切な水分、塩分補給や休憩の取得等、児童生徒の健康管理の徹底を図ること、さらには、熱中症の疑いが見られた場合の適切な応急手当ての実施等を強く指導、要請したところでございます。
また、来年度におきましても猛暑の到来が懸念されますので、適切な時期を捉えまして、熱中症事故防止対策の周知や安全教育に関する研修等を通じまして、熱中症事故防止の徹底に取り組んでまいりたいと思っております。
〇千田美津子委員 いろいろ対応していただいていることはわかりました。私の知り合いから電話が来まして、県北のある学校で、夏休み中にブラスバンドの練習をしていたのだそうですけれども、周辺の方から音がうるさいということで、窓を閉め切って練習をしていたために、ぐあいを悪くした子供たちが何人か出たと。ただ、そのときは、子供たちは我慢をして、翌日、とうとう我慢できなくて病院に行ったということでした。子供たちは我慢強いからこうしたのかもしれません。本当に重篤な状況にならなくてよかったのですけれども、子供たちのさまざまな環境、いろんな環境があるので、その都度、適切な対応をしていただくこと。
それから何よりも、こういうブラスバンドについては騒音公害とかあるわけですから、そういう人たちが使う部屋、特別教室とか、一気に80億円出せと言ってもなかなか難しいのはそのとおりだと思いますので、ぜひエアコンの設置については前向きにお願いをしたい。
それからもう一つ、夏休み中に試験を受けていた子が、目がちかちかするということで保健室に行ったのだそうです。それで、保健の先生の判断で、保護者に迎えに来てもらって帰そうとしたら、運転免許がないおばあちゃんだけだったのでタクシーで帰したと。それはそれでよかったのですが、答案用紙を出さないで帰ったために、担任の先生がそのことを知らないで、翌日、こんなことを繰り返したら1年生をもう一回やらせるぞと言ったという、ぬれぎぬと言えるような状況がありました。保健の先生がうまく連絡をしなかったためだと思うのですが、いずれ、熱中症と思われる事態がいろんなところで起きているということをぜひ考慮していただいて、エアコンの設置は前向きに対応していただきたいと思います。
それで、国では、小中学校全教室にエアコン設置をするということで、最大限の補正予算を組むということを表明しているわけでので、ぜひ県としても計画的な設置をお願いしたいわけですが、この点。
それから、先ほどの件はわかっているかどうかわかりませんが、その点、もしわかっていればお聞きをしたいと思います。ブラスバンドの。わかっていなければいいです。
〇佐藤特命参事兼学校施設課長 エアコンの計画的な設置についてでございますけれども、保健室へのエアコンの設置につきましては、熱中症対策としても急務の課題ということで認識しております。
県立高等学校では、本年9月1日現在、35室、52.2%が未設置となっておりまして、新たに盛岡北高校と大迫高校の保健室に、本年度中に設置することとして作業を進めているところでございます。
今後とも、必要な予算の確保に努めながら、さらに設置を進めてまいりたいと考えております。
教室につきましては、本年9月1日現在、空き教室などを除くと、高等学校でおよそ2、600室、特別支援学校でおよそ540室がエアコン未設置となっております。この学校施設の中でも、児童生徒が多くの時間を過ごし生活の場でもある普通教室では、高等学校でおよそ800室、特別支援学校でおよそ260室が未設置となっているところでございます。
高等学校につきましては、これまで夏季講習に活用する教室などへの設置を優先してきておりますほか、騒音対策ということで、花巻農業高校と大槌高校の普通教室などに設置され、本年度は杜陵高校の普通教室への設置が進められております。
猛暑対策として、一層の充実が喫緊の課題と認識してございますので、現在、エアコンの整備方式や財源、低コスト化、それから冷房以外の暖房や除湿への活用など、具体的な検討を行っているところでございます。
特別支援学校につきましては、これまで体温調節が難しい児童生徒が在籍する教室への整備に重点的に取り組んできたところでございまして、さらに整備を進めるため、国の学校施設環境改善交付金に対する要望として、普通教室150室などにエアコンを設置する事業計画書を文部科学省に提出しているところでございます。
〇千田美津子委員 引き続き設置を前に進めるようにお願いをいたします。
それでは、いじめ、不登校の問題について、通告したのは、いじめ、不登校の実態と、それへの対応の現状をということでしたが、時間もありませんので、問題行動、不登校と、生徒指導上の諸課題に関する調査票から、私が気になるところをピックアップして質問させていただきます。
一つは、いじめ防止対策推進法第28条第1項の重大事態の発生件数が平成28年度は19件あったようでありますけれども、これらがどのように解決をされたのかが1点です。
それから、いじめ発見のきっかけを見ましたところ、学校の教職員発見が63%と、結果としてなっておりましたけれども、内訳をよく見ましたら、最も多いのが校内で行っているアンケート、それから二つ目が本人からの訴え、3番目が保護者の訴えでありまして、学級担任とか教職員は4番目となっておりました。私はアンケートが非常に効果があるということで、これはこれで非常に評価をしたいのですが、担任の先生とか先生方もぜひアンテナを高くして、いじめ発見に貢献する必要があるのではないかと思いますので、その点をお聞きいたします。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 いじめの重大事態についてでございます。委員御指摘のとおり、平成28年度は19件ということでございましたが、その対応につきましては、重大事態の発生またはいじめの疑い等を含むということで、学校の調査組織においていじめであるか否かの判断をします。ただし、重大事態ということでございますので、該当するものが自殺であるとか、自殺未遂または不登校に至ったもの等が該当するわけですが、そのような状況につきましては、直ちに調査組織を設置いたしまして、学校の調査組織にも外部の方を何名か入れた形で進めるということにもなっておりますので、そのようなことで調査を進めるということになっております。
事実関係を明確にするための調査ということで、聞き取り調査であるとか周辺調査等を行いながら、また、調査の手法等につきましては、保護者の御意向等にも沿いながら調査を進め、学校の調査がまとまったものについては、保護者のほうに報告をするということでございます。
教育委員会といたしましても、重大事態が発生した場合については、教育委員会内で共有することはもちろんでございますが、知事へも発生した旨の報告をするということになっております。
平成28年度に発生いたしました重大事態につきましては19件ということでございましたが、保護者にその対応等を学校が説明し御理解を得たということで、その後、学校は、子供たち、被害、加害の子供の状態の解消であるとか、いじめの行為がやむことであるとか、子供がまた学校生活に前向きになれる状態を整えまして、御理解を得たと思っております。
また、いじめ発見ということでアンケート調査が重要だということは我々の調査でも出ておるところでございますが、先生方もいじめ発見のアンテナを高くするということで、今年度から特に6年間の悉皆研修ということで、小学校から高等学校を6年かけまして研修を進めるということでございますので、特に担任に当たる先生方が子供の状態を逐一把握できるような状況、または学校内で情報共有をし子供の状態を確かめながら、子供の状態をいち早く察知するということが、委員御指摘のとおり大切なことだと思っておりますので、研修の充実を図るとともに、各学校の管理職等にもその状況をお伝えしながら、担任等への指導を充実してまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 引き続きよろしくお願いいたします。
もう一点、不登校についてでありますけれども、不登校児童は小学生が183人、中学生が876人、高校が377人ということであります。その中でも、中学生の不登校が47人増加している、高校では38人、前年度に比較するとふえております。
文部科学省は、不登校対策も、ただ学校に行けばいいのだというのではなくて、今は社会的自立を目指すための個別の対応を求めると変わってきていると思います。そういった点で、特に中学校、高校でふえておりますが、これらに対してどのように今後対応していくか、その点お聞きをいたします。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 ただいま委員から数の部分の御指摘がございましたが、まさにそのとおりで、平成28年度の調査の状況では、小学生は減少ということではございましたが、中学校、高校では増加という傾向があらわれております。
今後の対策ということで、学校については、学校復帰ということを前提とした指導を行うわけですが、今現在は社会的な自立に向けて、例えば、各市町村で設置されている適応指導教室等を利用しながら学校復帰に向けた取り組みをすることであるとか、民間の施設である例えばフリースクール等を紹介し、子供たちが学ぶ意欲等を醸成する、また、気持ちを高めるなどの取り組みをしながら、子供たちがいち早く不登校を解消できるように取り組んでおるところでございます。
教育委員会といたしましても、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置いたしまして、効果的な活用を図りながら、教育相談の充実を図ってまいりたいと存じております。
〇千田美津子委員 引き続きよろしくお願いいたします。
最後にですが、暴力行為についてお聞きいたします。
暴力行為として、小学校では237件、中学校で110件、高校で31件という状況にあるようです。特にびっくりしたのは、小学校で前年度が100件だったのが237件と非常にふえていることですが、なぜこのような状況になっていると見ておられるかお聞きしたいと思います。
あと、対教師暴力─先生に対する暴力が小学生で84件と非常に多いのですけれども、子供たちの状況が荒れているというか、どういう状況でこういうことになっているか、その点をお聞きしたいと思います。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 暴力行為に関しまして、小学校は前年度が100件のものが、平成28年度は237件ということでございましたが、まず一つに、平成28年度からいじめの定義が変わりまして、けんかもいじめに含めるということになりました。いじめとけんか、暴力行為ということでございますが、認知件数がふえたことによって、暴力を伴ういじめも暴力行為の中でカウントされるようになったということもございますので、その点も一つ要因もあろうかと思っております。
また、平成28年度の特徴的な例ですが、暴力行為につきましては、ある特定の小学校で、1人のお子さんが1人に対して1回やると1件、次の日またやると1件というカウントの仕方でございます。1人のお子さんの行為が80件という形でカウントされたケースがございますので、特に小学校が大幅にふえたという要因の一つになっているのかと思います。調査の性格上、そのようなカウントをするので、そのような状況もあると捉えておるところでございます。
子供たちの中のコミュニケーションとか、子供たち同士のつながりという部分について、まさに力を入れて指導していかなければならないと思っておりますので、子供たちの居場所をきっちり確保し、子供たち同士のきずなづくりというところも視点に置きながら、暴力行為の減少、撲滅等に向けて取り組んでまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 確認ですけれども、そうすると、1人のお子さんが何十回も繰り返しているということも含めて件数が多くなっているのがそうだということなのですが、対教師暴力というのが学校の中で84件ということで、これはかなりの暴力なのか、それとも触れ合う程度の─暴力と言うとかなりあれなのですけれども、その辺の暴力の定義をお知らせいただければと思います。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 大変失礼いたしました。
以前のような非行に伴うような暴力という傾向ではここ最近はございませんが、先生に対して、例えば低学年の子であれば、だだっ子のような反応をしながら蹴ることをなかなかやめなかったりというようなこともございます。
それで、暴力についての定義でございますが、自校の児童生徒が故意に有形力、目に見えるような物理的な力を加える行為とされておりますので、何かの拍子で先生を蹴ったり、友達を蹴ったりなどということで、大きなけがをさせるような行為は起こってはおりませんが、そのようなことも先生方が早目にキャッチしながら発見して対応しておるところでございます。教師によるそのような指導が充実してまいったのかと思っております。
〇名須川晋委員長 ほかに質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇名須川晋委員長 質疑がないようでありますので、これで教育委員会関係の質疑を終わります。
教育委員会事務局の皆さんは御苦労さまでした。
おおむね再開後2時間が経過いたしますので、この際、世話人会の申し合わせにより暫時休憩いたします。
午後5時32分 休 憩
午後5時58分再開
〇福井せいじ副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、企業局長に企業局関係の説明を求めます。
〇藤澤企業局長 それでは、平成29年度の企業局関係の決算等について御説明申し上げます。
初めに、企業局の事業の総括的な取り組みと成果及び今後の取り組み方向について御説明を申し上げます。
平成29年度の事業運営に当たりましては、公営企業の経営の基本理念である経済性の発揮と公共の福祉の増進を踏まえながら、平成28年度から平成31年度までの4年間を対象とする第5次中期経営計画の2年目として、クリーンな電力と良質な工業用水の安定供給に取り組むとともに、施設の計画的な改良、修繕や業務コストの節減を図り、効率的な経営に努めてまいりました。
電気事業については、高森高原風力発電所では風車の組み立て工事などを進め、平成30年1月に運転を開始したほか、簗川発電所では、引き続き水圧鉄管の据えつけなどの現地工事行うなど新規の2発電所の建設を進めたほか、滝発電所の水車発電機更新工事などに取り組みました。
また、出水率が平年を上回ったことや高森高原風力発電所の運転が好調であったことなどにより、供給電力量は目標を達成するとともに、純利益も前年度に引き続き10億円台となりました。
一方、工業用水道事業につきましては、施設の改良、修繕を行いながら安定供給に努めたほか、配管の更新や耐震化を進めました。さらに、新たな水需要に対応するため施設の増強などに向けた検討を進めました。
営業収益は、前年度より作業に伴う給水停止日数が減少したことによる基本使用水量の増加や経費の効率的な執行に努めたことなどにより、純利益を確保することができました。
このほか、地域貢献の施策として、平成18年度から、市町村等が行う再生可能エネルギー導入の取り組みを支援しており、特に沿岸地域については、平成23年度から補助率を引き上げるなど支援の充実を図っております。
また、平成28年に発生した台風第10号災害の被災市町への支援にも引き続き取り組んでおります。さらに、本県の最重要課題である震災復興、ふるさと振興へ寄与するため、東北電力株式会社との共同の取り組みであるいわて復興パワーを創設し、平成30年1月から電気料金割引対象企業の募集を開始しております。
次に、今後の取り組み方向についてでございますが、第5次中期経営計画に基づき一層の安定供給と安定経営に努めてまいりたいと考えております。また、2020年度以降の長期経営方針及び中期経営計画の策定に向けて検討を進めてまいります。
電気事業では、主要な発電所において、運転開始後50年を経過することから、計画的な改良、修繕及び再開発の検討にも取り組むとともに、引き続き新規発電所の建設を進め、本県の電力自給率の向上に努めるほか、電力システム改革の動向や事業を取り巻く環境の変化に適切に対応してまいります。
工業用水道事業では、大手半導体企業の進出に伴う新たな水需要への対応等の経営環境の変化に適切に対応するため、新浄水場等の施設の建設、整備を進めるとともに、配管の更新など安定経営に向けた取り組みを進めてまいります。
地域貢献では、再生可能エネルギーの導入促進や水源涵養を目的とした植樹活動への支援などを継続しつつ、引き続きいわて復興パワーの取り組みを進めてまいります。
それでは、企業局の平成29年度決算等について御説明を申し上げます。
まず、認定第13号平成29年度岩手県電気事業会計決算の概要について御説明を申し上げます。
電気事業会計決算の1ページをお開き願います。
なお、決算報告書は、予算に対する決算という性格上、消費税を含めた金額で作成しておりますが、損益計算書及びその他の財務諸表は消費税抜きの金額で作成することとなっており、金額に相違がありますので、あらかじめ御承知願います。
それでは、(1)収益的収入及び支出でありますが、収入の第1款電気事業収益は、表の右から3列目に記載のとおり、決算額は59億7、340万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項営業収益52億898万円余は、胆沢第二発電所など16カ所の水力発電所に係る電力料収入等であり、第2項附帯事業収益4億9、041万円余は、稲庭高原風力発電所、高森高原風力発電所及び相去太陽光発電所に係る電力料収入であります。
次に、支出の第1款電気事業費用は、表の右から4列目に記載のとおり、決算額は41億9、591万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項営業費用37億7、749万円余は、水力発電所の運転及び管理運営に要した経費であり、第2項附帯事業費用2億8、308万円余は、稲庭高原風力発電所、高森高原風力発電所と相去太陽光発電所の運転及び管理運営に要した経費であります。
なお、第1項営業費用の翌年度繰越額105万円余は、北ノ又発電所修繕事業において、機器の調達に不測の日数を要し、年度内の完了が不可能となったため繰り越しとなったものであります。
次に、2ページをお開き願います。(2)資本的収入及び支出のうち収入の第1款資本的収入は、表の右から3列目に記載のとおり、決算額は16億9、429万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項企業債8億6、400万円は、高森高原風力発電所建設に係る企業債の借り入れであり、第2項長期貸付金償還金7億8、588万円余は、一般会計等からの長期貸付金に係る償還金であります。
次に、支出の第1款資本的支出は、表の右から6列目に記載のとおり、決算額は58億7、429万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項建設費40億5、847万円余は、高森高原風力発電所及び簗川発電所の建設にかかる工事費などの経費であり、第2項改良費14億7、256万円余は、発電所と管理施設等の改良や更新に要した経費であります。
なお、第1項建設費の翌年度繰越額3億5、124万円余は、高森高原風力発電所建設事業の工事費等の一部において、天候不順により工事が遅延したため繰り越しとなったものであります。また、資本的収入額が資本的支出額に対し不足しておりますが、欄外に記載しておりますとおり、減債積立金等で補填しております。
次に、3ページの損益計算書でありますが、営業利益は、一番右側の中ほどに記載のとおり13億1、005万円余となっております。経常利益は、右側下から4行目に記載のとおり13億7、253万円余となっており、当年度純利益は、経常利益と同額の13億7、253万円余であります。また、当年度未処分利益剰余金は、純利益にその他未処分利益剰余金変動額を加え、二重下線を付した20億6、605万円余であります。
次に、4ページをお開き願います。剰余金計算書でありますが、表の中段の当年度変動額及び下段の当年度末残高の主な項目について御説明申し上げます。
表の左から6列目に記載されております利益剰余金のうち減債積立金は、企業債の償還財源として3億1、284万円余を取り崩したため、当年度末残高は9億226万円余となっております。8列目に記載されております建設改良積立金は、建設改良事業の財源として2億1、851万円余を取り崩したため、当年度末残高は22億4、443万円余となっております。9列目に記載されております中小水力発電開発改良積立金は、水力発電施設の改良費の財源として1億6、216万円余を取り崩したため、当年度末残高は6億9、305万円余となっております。また、隣の欄の環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金は、地域貢献のための事業の財源として3、041万円余を取り崩したため、当年度末残高は1億5、622万円余となっております。さらに、二つ隣の欄の未処分利益剰余金は、当年度末残高が20億6、605万円余となり、利益剰余金の合計は、当年度末残高で64億31万円余となっております。表の右から2列目の評価差額等は、株式の時価評価差額で40億8、837万円余であり、資本金、剰余金を合わせた資本合計の当年度末残高は414億7、331万円余となっております。
なお、5ページにあります剰余金処分計算書は、未処分利益剰余金の処分案と重複しますので、説明を省略させていただきます。
また、6ページ以降の貸借対照表、事業報告書、附属書類につきましても、説明は省略させていただきます。
次に、議案第38号平成29年度岩手県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについて御説明申し上げます。
恐れ入りますが、議案その3により御説明申し上げますので、議案その3の1ページをお開き願います。平成29年度岩手県電気事業会計の未処分利益剰余金は20億6、605万円余でありますが、このうち6億9、351万円余を資本金に組み入れるとともに、11億1、253万円余を減債積立金に、2億6、000万円を震災復興・ふるさと振興パワー積立金に、それぞれ積み立てようとするものであります。
電気事業会計に関する説明は以上であります。
続きまして、認定第14号平成29年度岩手県工業用水道事業会計決算の概要について御説明を申し上げます。
工業用水道事業会計決算の1ページをお開き願います。1の決算報告書でありますが、(1)収益的収入及び支出のうち、収入の第1款工業用水道事業収益は、表の右から3列目に記載のとおり、決算額は9億7、563万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項営業収益9億472万円余は、工業用水の給水料金収入等であります。
次に、支出の第1款工業用水道事業費用は、表の右から4列目に記載のとおり、決算額が8億7、632万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項営業費用8億35万円余は、工業用水道施設の給水業務及び管理運営に要した経費であります。
次に、2ページをお開き願います。(2)資本的収入及び支出のうち、収入の第1款資本的収入は、表の右から3列目に記載のとおり、決算額は4億2、057万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項企業債3億6、600万円は、工業用水道施設の改良工事に係る企業債の借り入れであり、第2項補助金4、744万円余は、事業繰越をしていた改良工事の補助金であります。
次に、支出の第1款資本的支出は、表の右から6列目に記載のとおり、決算額は8億1、270万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項改良費4億1、890万円余は、工業用水道施設の改良や更新に要した経費であり、第2項企業債償還金3億577万円余は、工業用水道施設の建設改良事業のため、過年度に借り入れた企業債に係る償還金であります。
また、資本的収入額が資本的支出額に対し不足しておりますが、欄外に記載しておりますとおり、減債積立金等で補填しております。
次に、3ページの損益計算書でありますが、電気事業会計と同様に、営業利益は、一番右側の中ほどに記載のとおり5、766万円余となっております。経常利益は、右側下から4行目に記載のとおり7、169万円余となっており、当年度純利益は、経常利益と同額の7、169万円余であります。
また、当年度未処分利益剰余金は、純利益にその他未処分利益剰余金変動額を加え、二重下線を付した1億3、177万円余であります。
次に、4ページをお開き願います。剰余金計算書でありますが、表の中ごろの当年度変動額及び下段の当年度末残高の主な項目について説明申し上げます。
表の左から5列目に記載されております利益剰余金のうち減災積立金は、企業債の償還財源として6、008万円余を取り崩したため、当年度末残高はございません。
また、隣の欄の未処分利益剰余金は、当年度末残高が1億3、177万円余となり、利益剰余金の合計は、当年度末残高で未処分利益剰余金と同額となっております。
資本合計の当年度末残高は、表の一番右側に記載のとおり、資本金、剰余金を合わせた35億3、795万円余となっております。
なお、5ページにございます剰余金処分計算書は、未処分利益剰余金の処分案と重複しますので、説明を省略させていただきます。
また、6ページ以降の貸借対照表、事業報告書、附属書類につきましても、説明は省略させていただきます。
次に、議案第39号平成29年度岩手県工業用水道事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについて御説明申し上げます。
恐れ入りますが、議案その3により御説明いたしますので、議案その3の2ページをお開き願います。
平成29年度岩手県工業用水道事業会計の未処分利益剰余金は1億3、177万円余でありますが、このうち6、008万円余を資本金に組み入れるとともに、7、169万円余を減債積立金に積み立てようとするものであります。
以上で企業局関係の決算書について説明を終わらせていただきます。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇福井せいじ副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇飯澤匡委員 ただいま局長から今後の取り組みとしてお話があった工業用水道事業における新浄水場の建設についてお伺いします。
恐らくこれは常任委員会でいろいろ質疑が交わされたと思うのですが、東芝メモリが北上工業団地に進出するに当たって、それに呼応して、血液とも言われる工業用水を供給するために設備の拡張をするということでございます。新規にやるということでありますけれども、このような大規模な対応ができるのも企業局ならでは、そういう強みであると思っています。
東芝メモリの北上工業団地への進出については、私も三重県四日市市に住んでいる友人から、いろいろな期待感とか問題点もあると聞いておりますが、いずれにいたしましても、企業局がこれに呼応した形で建設を決めたということでございます。
これはこれで、岩手の産業がものづくり産業へ進んでいくということは歓迎すべきことでありますが、ただ、一方で、ちょっと懸念するのは、45年間という収支計画のスパンです。施設設備の平均的な法定耐用年数に応じてこのような事業費と収支計画を立てたということになっております。
御案内のように、半導体産業はグローバルに激動する業界でありまして、5年後はどうなっているかわからないといような状況でもあります。東芝メモリを含めて、今後の企業の動態について、企業局としてどのように把握してやるのかということも、少しリスクとしてそういうものも背負ってやっていかないとだめだという観点に立った質問なのですけれども、その点について、商工労働観光部だけでなくて、企業局としてどういう情報を得てこういう設備投資をしたのかということをお知らせ願います。
〇野崎業務課総括課長 まず、東芝メモリ株式会社の北上工業団地への進出でございますけれども、これは本県の産業振興や雇用確保などにとって非常に重要であり、そのために必要不可欠な産業インフラである工業用水につきましてもしっかりと供給していく必要があると認識しております。
このため、同社から提出を受けました今後の中期的な工業用水使用計画などをもとに、企業局におきましては、北上工業団地におけます将来の工業用水道の需要を予測し、2025年度までに日量6万立方メートルの給水能力を有する浄水場を新たに整備することとしたものでございます。
このような中、産業インフラとして新たに整備する工業用水の浄水場は平均耐用年数の45年という期間で収支計画を立てておりまして、長期的に有効に稼働していかなければならないことから、関係部局とともに、東芝メモリが将来にわたって北上工業団地を生産拠点として維持していくよう継続的に働きかけを行うとともに、状況に応じて同工業団地内への新たな工業用水利用企業の誘致などにつきましても取り組んでまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 今、中期的に東芝メモリが欲している水量というのはどれぐらいですか。日量6万立方メートルのうちの余力というのはどれぐらいあるのか答えてください。
〇野崎業務課総括課長 東芝メモリで要求している水量でございますけれども、最大で日量6万立方メートルとお聞きしております。
〇飯澤匡委員 まさにジャストフィットということなのでしょうけれども、今後の展開にも対応できるようにというお話でしたが、これについて私は反対とかという立場ではないのですけれども、やはり危機管理意識というのも企業局の中でしっかり持ってやっていかなければならない問題です。
特に東芝についてはいろいろ紆余曲折があって、こういうふうに固まったわけですが、今後どうなっていくかというのはかなり不透明な部分もありますから、そこら辺は企業局としてもしっかりウォッチしていく必要があるのだろうと思います。
県庁内関係部局では、これについて、わっしょいわっしょいと上げ潮ムードですけれども、企業が本当の利益を生み出す期間というのはある程度決まっていて、まさに半導体産業というのは生き馬の目を抜くような非常に厳しいコスト競争の中でやっているわけですから、そこら辺もしっかりと認識した上で、これからも東芝メモリとのいろいろな折衝があるでしょうから、その点についての姿勢を最後にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
〇藤澤企業局長 ただいま委員から浄水場建設に係る危機管理あるいはコスト管理についての御意見を伺いました。
東芝メモリ株式会社の進出は、本県の産業を支えるとともに雇用を進める上で大変重要なことと考えておりまして、企業局としても局を挙げて対応しなければならないことと認識しております。
45年間という期間で収支計画を立てることにつきましては、委員が御懸念されるようにさまざまな心配も考えられることではございますけれども、企業局としては、企業側と十分連携をとりつつ、また、庁内の関係機関とも十分連携をとりつつ、一緒になって進めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
〇工藤誠委員 私は、高森高原風力発電所の運転状況と危機管理対策についてお伺いいたします。
冒頭、局長からお話がありましたように、一戸町の星風の丘高森高原風力発電所は本年1月から稼働しております。9カ月が過ぎたわけでありますが、計画を上回っているというお話もありましたけれども、この9カ月間の運転実績はどのようになっているか。また、発電所で9カ月間にトラブルとかはなかったものかどうか。風車とか送電線、蓄電施設などの設備の関係についてトラブルの状況を伺いたいと思います。
〇村上電気課長 まず、高森高原風力発電所の運転実績についてでありますが、1月から9月までの販売電力量は目標の3、305万キロワットアワーに対し3、525万キロワットアワーであり、売電収入は、目標を上回る税抜き7億7、500万円余となっており、おおむね計画どおりの運転実績となっております。
次に、風車等の稼働状況についてでありますが、1月の運転開始後、風車システムの状況を検出するセンサー等に軽微なトラブルが発生しておりますが、重大な故障等は発生しておりません。また、7月に実施した1年点検においても、風車や送電線、蓄電池とも重大な故障等は確認されておらず、順調に稼働しております。
〇工藤誠委員 まずは好調なスタートを切ったという感じを持っております。夏のあたりはなかなか風がなくて風車がゆっくり回っていたりすることもあって、ちょっと心配していました。
次に、これも冒頭にお話がありましたが、天候不順で約3億5、000万円の繰越工事が出ているということでした。高森高原風力発電所の建設工事の一部でしょうけれども、附帯工事なのかどうか、その工事の内容と進捗状況をお知らせいただきたい。
これに関連してですけれども、高森高原風力発電所に行ってみたいけれども、看板がどこにあるのかよくわからないという声も聞くのですけれども、できればそのあたりも改良していただきたいと思っているのですが、それも含めてお伺いいしたいと思います。
〇村上電気課長 まず、繰越工事の内容についてでありますが、昨年度施工しました風車組み立て作業が強風や濃霧等により1カ月程度おくれたことや、例年より半月程度早く降雪があったことから、施工を繰り延べした風車周辺の緑化や管理用道路の舗装等の工事を本年度実施しております。
次に、繰越工事の進捗状況についてでありますが、風車周辺の管理用道路の舗装など主要な残工事につきましては、雪解け後の4月から工事を再開し、9月までに完了しております。
最後に案内板の設置についてでありますが、高森高原風力発電所への道路案内板は、国道4号から町道田子上小友線の入り口付近に2カ所と、発電所までの町道に3カ所設置する予定であります。この工事は繰越工事で施工するものであり、現在のところ、道路管理者や一戸町との協議を終え、年内に設置を完了する予定であります。
〇工藤誠委員 ぜひたくさんの方に来ていただいて見ていただけるように、しっかりとお願いしたいと思います。
それから、以前にも環境影響調査の関係でお話が出ていますけれども、工事が完了したということで、ノスリとかオオジシギという希少動物について、現時点で何か影響は出ているのでしょうか。また、何か対策を講じたようなことがあればお知らせください。
〇村上電気課長 環境保全措置についてでございますが、環境影響評価書に基づきまして、風力発電所運転開始後の事後調査として動植物に関する調査を1年程度行うこととしており、現在、調査を行っているところでございます。
これまでの調査で、鳥類のノスリにつきましては、過年度に設置した人工の巣で繁殖していることが確認されており、実施した環境保全措置に一定の効果があったものと考えております。
また、オオジシギにつきましては、飛翔が確認されておりますが、風車への衝突は発生しておらず、影響は出ていないものと考えております。
今後は、事後調査の結果を取りまとめ、報告書を公表することとなりますが、必要なものにつきましては学識経験者に意見を聞くなど、環境保全措置に取り組んでまいりたいと考えております。
〇工藤誠委員 引き続き、環境影響調査についてもしっかりと対応していただきたいと思います。
それから、以前の質疑でもいろいろと地域貢献のお話もさせていただいておりますけれども、高森高原風力発電所の開閉所に、見学者コーナーというものも設けられております。私も何度か行って見させていただきました。もうシーズンは終わっていると思いますけれども、ことしの春、夏の見学者の状況はどうなっているのかということと、地元の子供たちは、愛称の募集があったりして高森高原風力発電所に関心が高く、環境学習にも取り組みたいというお話もあるようでございます。その辺の状況はどうなっているかお知らせいただきたいと思います。
〇村上電気課長 まず、見学者の状況についてでありますが、今年度9月までの見学者数は、地元の方々を初めNPOや教育関係者など7件の申し込みがありまして、134名の方に見学をいただいているところでございます。
また、企業局が毎年夏に開催している施設見学会においても、今年度は、新たに高森高原風力発電所を見学コースに加えたところ、76名の方に参加いただき、これを加えた上期の合計は210名となっております。なお、10月は5件で計140名の申し込みを受け付けているところであり、見学案内が終了する10月末までの見学者数は合計で約350名となる見込みでございます。そのほか、県内外の自治体関係者等の業務視察へも随時対応しております。
風力発電所は温室効果ガスの排出を抑制する上で大きな役割を担っておりますので、今後も多くの方に見学いただけるよう積極的にPRに努めてまいりたいと考えております。
次に、環境学習の取り組みについてでございますが、企業局では、高森高原風力発電所を再生可能エネルギーを身近に感じることのできる施設として環境学習に積極的に利用してもらいたいと考えており、開閉所2階に発電の仕組みがかわる模型や工事記録映像等をごらんいただけるスペースを整備しております。
今年度は、一戸町教育委員会と環境学習の学習要領について打ち合わせを行い、来週の10月18日に町内の中学3年生を対象に企業局が環境学習を試行的に実施することとしております。
今後は、環境学習授業の参考として学習要領等の資料を一戸町教育委員会へ提供し活用していただくとともに、企業局でも風力発電設備の見学対応等の協力を行うこととしております。
〇工藤誠委員 思った以上に見学者が来ているという感じはしています。たくさんの人に今後も来ていただければと思います。地元の子供たちに限らず、近くにいわて子どもの森も観光天文台もありますので、訪れる方たちにもぜひそういうコーナーに立ち寄っていただけるような工夫もしていただければと思います。
それから、危機管理対策についてですけれども、御案内のとおり、ここ1カ月ぐらい、毎週のように台風が来ています。構造計算上は問題ないのでしょうけれども、兵庫県で風車が倒れてしまった事故もありました。風車とか送電線、蓄電施設など、倒れないとは思いますが、万が一のために危機管理対策はどのようになっているのか、具体的にお伺いしたいと思います。
〇村上電気課長 まず、台風による被害についてでありますが、今年度は9月と10月に大型の台風が岩手県を通過または接近いたしましたが、これまで風車等の発電設備や送電線などへの被害は発生しておりません。
次に、風車や送電線などの施設の危機管理対策についてでありますが、台風等による強風の場合、風速が毎秒25メートルを超えますと風車の羽根が風を逃がす位置に移動しまして、風車は自動的に停止いたします。このため強風で破損する可能性は低いものと考えております。
また、そのほかの送電線などの設備につきましては、台風の規模や風速等の情報を入手いたしまして、必要に応じて風車をあらかじめ保安停止させるなどの対策を講じているところでございます。
〇工藤誠委員 しっかりと危機管理対策をしていただいて、事故のないようにお願いしたいと思います。
最後になりますけれども、電気事業会計決算の審査意見書では、電気事業は順調に黒字を継続している一方で、施設の高経年化で老朽化対策など中長期的な視点を重視した経営と、運転年数100年実現に向けての対策等々がうたわれているわけでございます。基金もたくさんあるようでございますけれども、今後、審査意見書の内容を踏まえて、持続可能な経営をどう進めていくのか局長からお伺いして、終わりたいと思います。
〇藤澤企業局長 電気事業会計決算に対する審査意見への対応についてでございますけれども、今回の審査意見について、企業局としては安定経営を継続する上で三つの貴重な御意見をいただいたと受けとめているところでございます。
1点目につきましては、継続的な事業展開でございます。これにつきましては、第5次中期経営計画に基づき、設備等の更新あるいは改良工事を計画的に実施するとともに、発電施設の出力や電力量の増加などの再開発に取り組みまして、中長期的な安定供給に努めてまいりたいと考えております。
2点目でございますが、電力システム改革など環境の変化への対応でございます。これにつきましては、2020年度以降における売電方法の検討や、電気の使用量と発電量のバランスを保つための計画値同時同量への対応に取り組んでいるところでございまして、今後も国や関係機関の動向を踏まえながら、環境の変化に適切に対応してまいりたいと考えております。
3点目の地域貢献活動でございますけれども、企業局では、これをこれまで経営方針の重要な柱と位置づけて取り組んでまいりました。具体的には、市町村へのクリーンエネルギー導入支援事業、環境保全活動、そして被災地域への支援等に取り組んできたところでございますけれども、これらにつきましては、審査意見の中でも一定の評価をいただいているところでございます。今後も、企業局として、さまざまなニーズを捉えつつ、地域の活性化に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
企業局といたしましては、今後とも長期的に安定経営に努めるとともに、電力自給率の向上と地球温暖化防止に貢献しながら、地域に愛される地方公営企業として、地域経済の発展と県民福祉の向上に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 最初に、工業用水道事業についてお聞きします。
現在の給水能力と契約水量、契約率、給水余力はどうなっているでしょうか、この間の推移を含めて示してください。
〇野崎業務課総括課長 工業用水道事業におけます二つの事業区分ごとの本年4月1日時点の契約状況と最近の推移について御説明いたします。
まず、北上工業団地へ給水している第一北上中部工業用水道につきましては、日量3万7、293立方メートルの給水能力に対しまして、契約水量は日量2万5、970立方メートルであり、契約率としましては69.6%でございます。また、給水余力につきましては日量1万1、323立方メートルとなっております。この契約水量は事業開始から徐々に増量を重ねまして、平成22年度以降は現状で推移しているところでございます。
次に、金ケ崎町の岩手中部工業団地へ給水している第二北上中部工業用水道につきましては、日量1万7、205立方メートルの給水能力に対しまして、契約水量は日量1万3、261立方メートルであり、契約率は77.1%でございます。給水余力につきましては日量3、944立方メートルとなっております。
また、第二北上中部工業用水道では、既存ユーザーの撤退と新規ユーザーの進出に伴いまして、平成25年度に、それまでの日量1万6、061立方メートルの契約水量から減量し、現在に至っているところでございます。
〇斉藤信委員 第一北上中部工業用水道ですけれども、契約率が69.6%と。これは、当初の契約率の計画目標というのはどうだったのでしょうか。
〇野崎業務課総括課長 建設時での契約目標でございますけれども、施設を計画するに当たりましては、まず、ユーザーの皆様から必要な水量を全てお聞きいたします。その上で計画を立てるわけでございますけれども、その時点におきまして余力を見込んで計画を立てておりまして、これまでの経験上の数値から申しますと、大体8割の水量を見込んで給水能力を計画しております。
〇斉藤信委員 約8割ということであれば、約10%落ち込んでいるということになります。
それで、今度、東芝メモリが北上工業団地に進出すると工業用水の日量は6万立方メートルと。この6万立方メートルの根拠はどこにあるのか、東芝メモリとの協定書でもあるのか。
〇野崎業務課総括課長 まず、根拠でございますけれども、これは、東芝メモリから将来の工業用水の使用計画を提出していただいておりまして、それに基づいて日量6万立方メートルという給水能力で計画したものでございます。
それから、東芝メモリとの書面による約束といったものにつきましては、その計画につきまして東芝メモリと決め事をしてくのか、詳細については現在詰めておるところでございますので、現時点では詳しいことにつきましてはお話しできない状況でございます。
〇斉藤信委員 先ほども議論がありましたけれども、45年間の耐用年数とのかかわりで試算がされておりますけれども、147億3、000万円を投資して、45年間で21億7、000万円の利益で1年当たり4、800万円の黒字と。これだけの大規模な投資にしては1年当たりの黒字はそんなに大きくない、45年間ですから。
私は、これだけの大規模な投資をするには、それなりのきちんとした、口約束でない協定が必要だと思うけれども、そういうことで進めているのですか。
〇菊池次長兼経営総務室長 先ほど総括課長から答弁申し上げましたけれども、まずは企業から工業用水使用計画を出していただいています。その使用計画に基づきまして、北上工業団地における将来の工業用水の需要を予測しているものであり、新たに日量6万立方メートルの給水能力を有する施設の設置、整備に当たっては、ある程度企業からの情報と企業局の予測もあわせて、6万立方メートルという計画を出しております。
そういう状況を踏まえまして、今、委員から御指摘がありましたリスクという部分もございまして、使用計画のみならず、一歩踏み込んだ形での取り交わしということにつきまして現在進めているところでございます。
〇斉藤信委員 少し曖昧でしたね。
岩手東芝の時代もあった。今は分社化した子会社がありますけれども、岩手東芝に対する給水量はどのぐらいだったのですか。実績はわかりますか。
〇菊池次長兼経営総務室長 今御質問の件は調べまして、すぐお答えいたします。
〇斉藤信委員 私は、岩手東芝は45年ももってないと思うのだよね。何年もったのかね。先ほど飯澤委員からも、半導体産業というのは5年先の見通しも難しいという話がありましたけれども、それだけに、147億円の投資をしようというのであれば、私はきっちりした協定なり何なりをして、担保も取りながら進めることが必要ではないのかと思います。
それで、新浄水場の最大日量は6万立方メートルということですけれども、東芝メモリは、当初の雇用者数を1、000人規模、さらに2、000人規模という話をしています。これは2、000人規模になった段階で6万立方メートルになるということですか。
新聞報道を見ると、2022年度から一部給水を開始して、2025年度から全量給水すると言っているのです。全量ということは6万立方メートルでしょう。そうすると、2025年度までには2、000人規模の工場が整備されるということなのでしょうか。
〇菊池次長兼経営総務室長 委員御指摘のとおり、最後の時点で日量6万立方メートルという最大給水量を予測して整備をするということでございます。
〇斉藤信委員 曖昧ですね。確信を持った答弁でないね。
とすれば、2025年度までには、東芝メモリの雇用者数は2、000人規模で、工場も増設して本格的な生産体制に入ると、きちんと報告を受けているということですか。
〇朝岡技師長 東芝メモリからは、工業用水の使用計画が出されておりますが、2、000人の雇用規模とリンクしているかどうかという情報は私どものほうには届いておりません。第1棟だけですと、日量1万5、000立方メートルぐらいの給水が必要ということを考えますと、少なくとも、雇用者数もふえていくとは考えられますが、何人であるとかとは明確にお答えすることはできかねます。
〇斉藤信委員 設備計画では、2018年、2019年にかけて用地取得と手続を行って建設工事を段階的に進めると、こうなっているのです。だから、2025年度までには日量6万立方メートルの給水に対応する設備をつくるわけでしょう。だから、そういう意味では、東芝メモリの工場の整備計画とここが合わないと、2025年度に全量給水という計画だから、企業局の勝手な思惑でなくて、きちんと根拠のある計画にしていくべきだと思います。
それで、大体今の第一北上中部工業用水道は給水能力が日量3万7、293立方メートルですね。新たに日量6万立方メートルの設備を増設するとなったら、今の倍近くですね。そうすると、どれだけの人員が必要になってきますか。
もう一つは、恐らく北上川から水を確保すると思うけれども、水利権を新たに確保するという手続は今の時点でどのように見込んでいるのですか。
〇野崎業務課総括課長 まず、人員でございますけれども、人員につきましては─これは工場のほうの人員でございますね。〔斉藤信委員「いや、浄水場」と呼ぶ〕私どもの人員につきましては後ほど答弁させていただきたいと思います。
新浄水場の整備に当たって水利権の手続でございますが、将来の工業用水の需要予測に基づきまして、それに間に合うようにスケジュールを立て事業を進めておりまして、新浄水場からは、2022年度の一部給水開始、2025年度の全施設の完成を目指しておるところでございます。
なお、施設の整備につきましては、今後、用地取得や詳細設計を行いまして、段階的に建設工事を進める予定としております。これと並行しまして、必要な時期までに水利権を確保すべく、現在、河川管理者などの関係機関と調整を進めているところでございます。
このほかの工業用水道事業法を初めとした各種法手続きにつきましては確実に行い、2022年度からの給水開始に間に合うようにしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
〇菊池次長兼経営総務室長 組織体制でございますけれども、過去の工業用水道関係の建設や今回の高森高原風力発電所など新しい施設の建設の際の体制を考慮しまして、同程度と考えますと、大体5人から6人程度の職員で対応していくこととなり、かなり少ない人数でございますけれども、ほかの職員といろいろとカバーしながら、組織全体として整備を行っていくという体制でございます。
〇斉藤信委員 日量6万立方メートルという今の倍近い規模の増設になっても、人員は五、六人程度の増員で対応できるということですね。
あとは、水利権の確保の費用も147億円の中に入っているということですね……。わかりました。ぜひ積極的に取り組むと同時に、これだけの大規模な設備投資ですので、東芝メモリとしっかり協議して、口約束だけではなくて、協定書も作成しつつやっていただきたい。
次に、電気事業会計についてお聞きをしますが、高森高原風力発電事業の実績は先ほど答弁がありました。1月から9月までで税抜き7億7、500万円余の売電収入ということでした。
高森高原風力発電所は蓄電池を整備した風力発電所ということですが、この蓄電池というのは、実際にどういう形で機能を果たしているのかを示してください。
〇村上電気課長 蓄電池は、風車の発電電力が風向きや風速の変化等によって変動するため、電力会社からの要請により、急激な変動を緩和するために設置したものでございます。
運転開始からこれまでの活用状況といたしましては、蓄電池の設置により、出力が電力会社の定める変動範囲内に抑えられ、安定した電力を供給しており、十分に機能を果たしているところでございます。
〇斉藤信委員 それで、私は総務部の審査でも質問したけれども、米軍のF16戦闘機が高森高原風力発電所の風車の間を低空飛行したということで、これは、まかり間違って風車とぶつかっていたら大惨事です。そして、私たちは近隣住民の方々からも話を聞いたのですけれども、しょっちゅう飛んでいるということなのです。
企業局長は、総務部長と一緒に東北防衛局には抗議というか要請に行ったと思うけれども、日常的な監視体制をとってその都度抗議をする、低空飛行の中止を求めるということをやらないと、沖縄県を見たら、幾ら事故を起こしたってやっているのですから。夜間を含めて。本当に傍若無人なやり方というのは、絶対許してはならない。その点で企業局はどのように対応をしてきたか、これから対応しようとしているか示してください。
〇村上電気課長 米軍戦闘機による低空飛行訓練への企業局の対応についてでございますが、先ほど委員がおっしゃったとおり、企業局長が東北防衛局を訪問いたしまして、強い遺憾の意をあらわすとともに、米軍に適切な対応を求めるよう要請しております。
企業局といたしましては、米軍戦闘機の監視というものは現在は行っていないところでございます。
なお、発電設備に関する監視体制といたしましては、企業局や包括保守業務の受託者が随時監視を行っているほか、毎月1回の巡視点検で設備を確認しておりまして、機器の異常等を速やかに把握できる体制となっているところでございます。
〇斉藤信委員 全然監視体制が機能していなかったと思うのです。報道があるまであなた方は知らなかったでしょう。風車の間をF16戦闘機が低空飛行訓練をしていたなんていうことを知らなかったでしょう。あなた方は当事者なのですよ。こういうことがあったら、そういうことが二度とないような監視体制をとるというのが当たり前じゃないですか。そういうことを考えないとなめられますよ。本当に。性懲りないのだから、米軍というのは。
そしてオスプレイも飛んでいるのだから、今。米軍というのは、大体目標を決めて飛行訓練やるのです。昔は釜石湾が低空飛行の一つの目標になりました。今は岩手山が目標になっているのです。その途中なのです、高森高原風力発電所は。だから、一つの訓練ルートに入っていたと見ても私はおかしくないと思うのです。そういう意味で、わからなかったのだから、あなた方は、重大事態を。これを教訓にして、しっかり常時監視して、二度とこういう傍若無人な低空飛行訓練はやらせないと。少なくとも、風力発電所の近隣ではやらせないため、近隣住民とも連携をとりながら監視体制をとって、そういう動きがあったら絶えず、東北防衛局にも米軍にも通告し抗議をするということが必要だと思うけれども、局長に聞いて終わります。
〇藤澤企業局長 高森高原風力発電所は、約1万6、000世帯が1年間に使用する電力量を供給できる重要な施設でございまして、県の大切な財産でございます。
委員おっしゃったように私も東北防衛局に行ってまいりましたけれども、東北防衛局長からは、私どもの要請をきちんと受けとめていただいたと理解しておりまして、安全面に配慮する、住民に不安を与えないよう要請するということもおっしゃっていただきましたので、私どもといたしましては、今後、地域の方々に与える影響、あるいは高森高原風力発電所に与える影響を最小限にとどめていただくよう、引き続き要請をしていただくとともに、その確実な実行について注目をしていきたいと考えております。
〇福井せいじ副委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇菊池次長兼経営総務室長 先ほど飯澤委員から御質問がありました東芝メモリの使用水量につきまして、斉藤委員からの質問も同様でございますけれども、日量6万立方メートルの根拠については、東芝メモリから提出を受けました中期的な工業用水使用計画に基づきまして、企業局において今後の需要予測をした上で、現在の浄水場の余力も勘案して新たに整備が必要と考えた水量でございます。ジャストフィットということではなくて、いろいろなところを見込んで立てた計画でございますので、よろしくお願いいたします。
〇野崎業務課総括課長 先ほど斉藤委員から御質問がありました岩手東芝に対する給水の関係でございますけれども、岩手東芝につきましては、現在のジャパンセミコンダクターも含めまして、昭和53年から40年間にわたり給水をしているところでございます。
なお、個別の給水量につきましては、まことに申しわけございませんが、企業情報のため明らかにできないということを御了承のほどよろしくお願いいたします。
〇菊池次長兼経営総務室長 もう一点補足をさせていただきます。
先ほど斉藤委員から御指摘のあった東芝メモリとの文書の取り交わしでございますけれども、使用計画を出していただいて、その使用計画をふやしていく場合には、基本契約水量を変更するという形での文書の取り交わしを行ったところでございます。ある程度、こういう計画で水をふやしていくという内容についてはお伝えすることはできませんけれども、企業局とそういう形での文書での取り交わしはしたということでございますので、よろしくお願いいたします。
〔斉藤信委員「何年間」と呼ぶ〕
年数につきましてはございません。
〇福井せいじ副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇福井せいじ副委員長 質疑がないようでありますので、これで企業局関係の質疑を終わります。
企業局の皆さんは御苦労様でした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後7時4分 散 会

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