平成30年9月定例会 決算特別委員会会議録

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決算特別委員会会議記録
(第 5 号)
平成30年10月9日(火)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 村 上 宏 治
議事管理担当課長 安 齊 和 男
主任主査 柳 原   悟
主任主査 金 戸 伸 幸
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 赤 坂 宏 紀
主査 戸 塚 教 仁
1説明員
環境生活部長 大 友 宏 司
副部長兼
環境生活企画室長 高 橋 達 也
環境担当技監兼
廃棄物特別
対策室長 田 村 輝 彦
若者女性協働
推進室長 古 舘 慶 之
参事兼環境保全課
総括課長 小 島   純
技術参事兼県民
くらしの安全課
総括課長 稲 森 久 展
環境生活企画室
特命参事 小野寺 利 幸
環境生活企画室
企画課長 高 橋 孝 嗣
環境生活企画室
管理課長 藤 村   朗
温暖化・エネルギ
ー対策課長 高 橋 久 代
放射線影響
対策課長 八重樫   学
資源循環推進課
総括課長 佐々木 健 司
自然保護課
総括課長 高 橋 一 志
食の安全安心課長 前 田 敬 之
県民生活安全課長 浅 沼 玉 樹
消費生活課長 高 橋 雅 彦
再生・整備課長 佐々木 秀 幸
廃棄物施設
整備課長 田 村 良 彦
青少年・男女共同
参画課長 工 藤 祝 子
NPO・協働課長 四 戸 克 枝

労働委員会
事務局長 井 上   馨
審査調整課
総括課長 小笠原 隆 行

商工労働観光部長 戸 舘 弘 幸
副部長兼
商工企画室長 佐 藤 一 男
雇用対策・労働
室長 八重樫 浩 文
ものづくり自動車
産業振興室長 瀬 川 浩 昭
参事兼観光課
総括課長 平 井 省 三
商工企画室
企画課長 阿 部   博
商工企画室
管理課長 澤 田 彰 弘
経営支援課
総括課長 熊 谷 正 則
産業経済交流課
総括課長 菊 池   孝
地域産業課長 高 橋 孝 政
観光課特命参事 浅 沼 秀 行
雇用対策課長 西 野 文 香
労働課長 鎌 田 徳 幸
特命参事兼
ものづくり産業
振興課長 伊 藤 浩 司
自動車産業
振興課長 小 野 和 紀
産業集積推進課長 熊 谷 克 行

会計管理者 高 橋 宏 弥

監査委員 寺 沢   剛
監査委員 沼 田 由 子
監査委員事務局長 熊 谷 正 和
監査第一課
総括課長 千 葉 達 也
監査第二課
総括課長 小 守 健 一

財政課総括課長 臼 井 智 彦
〇名須川晋委員長 これより本日の会議を開きます。
山梨会計指導監は、本日から12日まで所要のため欠席とのことでありますので、御了承願います。
これより議事に入ります。
認定第1号から認定第14号まで、並びに議案第38号及び議案第39号の以上16件を一括議題といたします。
本日は、環境生活部、労働委員会及び商工労働観光部関係について、延べ29人の質問者を予定しておりますが、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
初めに、環境生活部長に環境生活部関係の説明を求めます。
〇大友環境生活部長 平成29年度の環境生活部の決算について御説明申し上げます。
なお、本年4月の組織改編に伴い、総務部から移管された放射線影響対策業務及び政策地域部から移管されたジオパーク推進業務につきましても、現在所管している当部から御説明申し上げますので、御了承願います。
初めに、当部所管の事務事業に係る取り組みと成果及び今後の取り組み方針について総括的に御説明いたします。
当部では、東日本大震災津波からの復旧、復興への取り組みを最優先課題とし、あわせて、いわて県民計画の七つの政策分野のうち、環境王国いわての実現、安心して、心豊かに暮らせるいわての実現を目指し、取り組んでまいりました。
まず、東日本大震災津波からの復旧、復興についてでありますが、防災拠点や被災家屋への再生可能エネルギーの積極的な導入を進めてまいりました。
また、放射性物質の影響対策として、県民の安全・安心を確保するため、環境放射能のモニタリングや測定結果の情報発信等を行ったほか、東京電力による損害賠償の実現に向けた取り組みを進めてまいりました。
さらに、NPO等による復興支援活動を促進するため、NPO等の運営基盤強化に向けた取り組みを進めるとともに、若者や女性が将来に向けて明るい希望を描くことができるよう、いわて若者会議やいわて女性の活躍促進連携会議の開催など、若者や女性が活躍する地域づくりに取り組んでまいりました。
また、三陸ジオパークに関する理解促進や三陸ジオパークを核とした交流人口の拡大を図るため、来訪者の受け入れ態勢の整備などにも取り組んだところであります。
次に、環境王国いわての実現についてでありますが、地球温暖化対策の推進として、温室効果ガス排出量の削減に向け、家庭や地域、そして事業者へのさまざまな意識啓発を行うとともに、再生可能エネルギー導入促進のための補助及びセミナーの開催などを行ってまいりました。
また、循環型地域社会の形成に向けて、廃棄物の発生抑制のための3Rの推進、産業廃棄物の不適正処理の未然防止及び青森県境の産業廃棄物不法投棄事案の原状回復などに取り組んできたところであります。
さらに、多様で豊かな環境の保全に向けて、希少野生動植物の生息環境の保全や鹿等の野生動物による被害防止対策の推進、自然公園施設の整備を進めたほか、環境学習交流センターによる講座の開催などにより、県民の環境学習を推進してまいりました。
次に、安心して、心豊かに暮らせるいわての実現についてでありますが、安全・安心なまちづくりの推進に向けて、県民の防犯意識の高揚のための意識啓発や高齢者及び子供の交通事故防止、消費生活相談体制の充実などの取り組みを実施したほか、食の安全・安心の確保に向けて、事業者への監視、指導、岩手版HACCPの導入などに取り組んできたところであります。
また、青少年の健全育成に向けて、次代を担う青少年の健全育成や若年無業者等の若者の自立を支援したほか、男女共同参画の推進に向けて、男女共同参画センターを拠点とした学習機会の提供や人材育成などに取り組んでまいりました。
今後におきましても、低炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギーの導入促進や、若者や女性が活躍する地域づくりに向けた若者、女性の活躍促進、すぐれた自然との共生に向けた三陸ジオパークの推進などに重点的に取り組むとともに、新たな産業廃棄物最終処分場の整備、動物愛護の意識を高める取り組み、多様な主体の連携を担うNPO等への支援などについても推進してまいります。
続きまして、平成29年度環境生活部の決算について御説明申し上げます。
お手元の平成29年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。環境生活部関係の決算は、2款総務費4項地域振興費の一部と2款総務費6項防災費の一部、3款民生費2項県民生活費と4款衛生費2項環境衛生費、16ページに参りまして、13款諸支出金3項公営企業負担金の一部であり、予算現額の総額は106億8、717万円余、これに対する支出済額の総額は98億360万円余であります。
12ページにお戻りいただきまして、平成30年度への繰越額は、環境衛生費の6億2、372万円余であります。
それでは、決算の内容につきまして、平成29年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただき、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
お手元の歳入歳出決算事項別明細書の174ページをお開き願います。2款総務費4項地域振興費1目地域振興総務費でありますが、175ページに参りまして、備考欄下から6行目の三陸ジオパーク活用強化事業費は、三陸ジオパークの普及活動や推進活動、来訪者の受け入れ態勢の整備などに要した経費であります。
180ページをお開き願います。2款総務費6項防災費1目防災総務費でありますが、181ページに参りまして、一番下の放射線影響対策費は、放射線影響対策に関する情報発信や、東京電力による損害賠償の実現に向けた取り組みに要した経費であります。
202ページをお開き願います。3款民生費2項県民生活費1目県民生活総務費でありますが、203ページに参りまして、備考欄下から5行目の消費者行政活性化推進事業費は、県及び市町村の消費生活相談窓口の機能強化等に要した経費であります。一番下の犯罪のない安全・安心まちづくり推進事業費は、県民の防災意識の高揚や地域における防犯活動の促進、犯罪被害者等への支援に要した経費であります。205ページをお開きいただきまして、上から2行目のNPO等による復興支援事業費は、復興支援活動を行うNPO等への助成や運営基盤強化を図るための取り組みに要した経費であります。次に、NPO活動交流センター管理運営費は、NPO活動交流センターの管理、運営と、NPOやボランティア活動の普及啓発等の取り組みに要した経費であります。次のいわて県民情報交流センター管理運営費は、県民の交流や活動の拠点であるアイーナの管理、運営や施設の修繕等に要した経費であります。2目交通安全対策費でありますが、1行目、交通安全指導費は、正しい交通ルールを守る県民運動の推進や、市町村交通指導員の設置に対する補助などに要した経費であります。3目青少年女性対策費でありますが、上から5行目、いわて青少年育成プラン推進事業費は、青少年活動交流センターが行ったいわて希望塾など、青少年の活動支援や交流促進などの事業の実施に要した経費であります。一つ飛びまして、いわて男女共同参画プラン推進事業費は、男女共同参画センターが行った意識啓発や、男女共同参画を推進するサポーターの養成などに要した経費であります。一つ飛びまして、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援体制整備事業費は、性犯罪等被害者に対する医療や相談等の総合的支援体制の整備に要した経費であります。次のいわて若者活躍支援事業費は、若者の主体的な活動を促進するため、交流の輪を広げるネットワークの構築や、活動する意欲のある若者の支援に要した経費であります。次のいわて女性活躍支援事業費は、女性の活躍を支援し、周囲の理解と協力を促進するための各種セミナーの開催や普及啓発等に要した経費であります。
次に、少し飛びまして、220ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費でありますが、221ページに参りまして、一番下の環境学習交流センター管理運営費は、環境学習交流センターが行った県民の環境に対する理解を深めるための情報提供や、地域で行われる環境学習などへの支援に要した経費であります。223ページをお開きいただきまして、上から3行目の循環型地域社会形成推進事業費は、事業者による廃棄物の排出抑制やリサイクル等のための技術研究開発、製品製造に対する補助等に要した経費であります。下から5行目の地球温暖化対策事業費は、いわて温暖化防止フェアの開催など、地球温暖化防止に向けた普及啓発などに要した経費であります。続いて、再生可能エネルギー導入促進事業費は、被災家屋等への太陽光発電設備の設置に対する支援や、発電施設の立地を促進するための環境整備の取り組みに要した経費であります。次の再生可能エネルギー利用発電設備導入促進資金貸付金は、省エネルギー設備や再生可能エネルギー設備を導入する事業者への設置費用や運転資金の貸し付けに要した経費であります。続いて、防災拠点等再生可能エネルギー導入事業費は、再生可能エネルギー設備導入等推進基金を活用し、防災拠点となる公共施設等への太陽光発電などの再生可能エネルギー設備の導入等に要した経費であります。次の水素活用による再生可能エネルギー推進事業費は、再生可能エネルギー由来の水素の利活用に関する可能性調査の実施等に要した経費であります。
なお、繰越額がございます。繰越明許費2、991万円余は、公共施設再生可能エネルギー等導入事業費補助におきまして、補助事業者の事業実施が遅延したことにより繰り越したものであります。
2目食品衛生指導費でありますが、上から2行目乳肉衛生指導取締費は、食肉の衛生確保を図るために必要な屠畜検査及び残留有害物質検査や屠畜場の衛生指導等に要した経費であります。224ページをお開き願います。3目環境衛生指導費でありますが、225ページに参りまして、9行目、水道施設耐震化等推進事業費は、市町村が実施する水道施設の耐震化や老朽化対策、広域化等の取り組みの支援に要した経費であります。一つ飛びまして、廃棄物適正処理監視等推進費は、産廃Gメンの配置など廃棄物適正処理の監視、指導等に要した経費であります。下から5行目、県境不法投棄現場環境再生事業費は、青森県境に不法投棄された廃棄物について、行政代執行による汚染土壌の浄化及び原因者等の責任追及などに要した経費であります。一番下の産業廃棄物処理施設整備事業促進費は、いわてクリーンセンターの後継となる産業廃棄物最終処分場の整備のため、事業主体である一般財団法人クリーンいわて事業団への施設整備資金の貸し付けなどに要した経費であります。
なお、繰越額がございます。繰越明許費2億1、851万円余は、水道施設耐震化等推進事業費におきまして、補助事業者の事業実施が遅延したこと、及び廃棄物適正処理監視等推進におきまして、備品の年度内納入が困難となったことにより繰り越したものであります。
4目環境保全費でありますが、一番下の休廃止鉱山鉱害防止事業費は、旧松尾鉱山の坑廃水処理に要した経費であります。227ページをお開きいただきまして、上から5行目の大気汚染防止対策費及び次の水質保全対策費は、県内の大気及び水質の保全を図るため、事業場への立入検査及び各種の調査、測定に要した経費であります。
なお、繰越額がございます。225ページにお戻りいただきまして、繰越明許費5、859万円余は、休廃止鉱山鉱害防止事業におきまして、計画調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
再度227ページをお開きいただきまして、5目自然保護費でありますが、3行目、自然公園等保護管理費は、自然公園保護管理員の設置などに要した経費であります。続いて、国定公園等施設整備事業費及び自然公園施設整備事業費は、国定公園等の自然公園における登山道、標識などの整備に要した経費であります。
なお、繰越額がございます。繰越明許費1億3、029万円余は、国定公園等施設整備事業におきまして、設計、工法の検討に不測の日数を要したこと、及び自然公園施設整備事業におきまして、計画調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。また、事故繰越1億8、640万円余は、自然公園施設整備事業におきまして、工法の見直しにより工事が遅延したことにより繰り越したものであります。
6目鳥獣保護費でありますが、229ページに参りまして、上から2行目、指定管理鳥獣捕獲等事業費は、本県の鹿生息数を適正な水準にするための捕獲及び新規狩猟者の確保、定着を促進する取り組みに要した経費であります。一つ飛びまして、希少野生動植物保護対策事業費は、県内の希少野生動植物の生息状況調査等に要した経費であります。次の野生動物との共生推進事業費は、ツキノワグマ等の生息数調査及び被害防止のための啓発活動などに要した経費であります。次に、7目環境保健研究センター費でありますが、施設の管理運営及び試験研究に要した経費であります。
次に、飛びまして、364ページをお開き願います。13款諸支出金3項公営企業負担金1目公営企業負担金でありますが、365ページに参りまして、電気事業会計負担金及び工業用水道事業会計負担金のうち、環境生活部所管分150万円余は、地方公営企業職員に係る児童手当の一部等について、それぞれの会計に対し負担したものであります。
以上で環境生活部関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇名須川晋委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行うとともに、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑を行うこと、他の委員と重複した内容の質疑は極力避け、どうしても必要な場合には、関連質疑として短時間かつ簡潔に行うことを基本とすること、数値の確認のみの質疑や要望のみの発言は原則として行わないこととし、議事進行に特段の御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 前略。
平成29年度は熊の人的被害はなかったものと思いますけれども、農作物被害は相変わらずあったものと思います。その一番の原因は、山と民家の境界が近づいてきたことにあると思います。動物が自分の体を隠すのは山の部分ですから、民家は動いていないけれども山が下ってきた。この原因はいろいろありますけれども、そういう議論ではなく、防護柵とか、人的被害がないうちに手を打っていかなければならないのではないかと思っています。お盆明けごろに市内のカントリークラブでゴルフをやる機会がありましたが、何番ホールかに、あれは確かに熊のおりだと思うのですが、そういうものが設置してありました。そういうところまでもう来ているのか、人的被害がなければいいがと思っておるところであります。
そういう中で、一つの参考ですが、千葉県のJA木更津ではスーパーモンスターウルフというオオカミ型のロボットというものをつくって設置したと。これは、オオカミの声をオオカミの形をしたロボットから発信する。これを設置したところ、猿はすぐ逃げた。イノシシも逃げた。熊にも効くのではないかと言われているようでありますが、ロボットは前方を向いて一方向にしか声が出ないものですから、声の出ない後ろの畑に回ってきたイノシシの被害があったということで、今、改良をしていると思います。
これは北海道の太田精器の製品ですけれども、検索すればすぐ出てきます。こういったものを、人的被害が出る前に、サンプルでも何でもいいですから、まず一つ取り寄せてみて設置する。そういう効果があるとなったら岩手大学の工学部あたりにもっと優秀なものをつくってくれという頼み方をする、そういう前向きのスタイルがあっていいと思うのですが、これについていかがお考えかお伺いします。
〇高橋自然保護課総括課長 熊の被害軽減策の研究についての御質問でございます。
熊の研究につきましては県環境保健研究センターが中心となって行っているところでありまして、必要に応じて岩手大学からも助言をいただいているところでございます。
御紹介のありました熊の追い払い機につきましては、農協等が問い合わせしているといった報道もございまして、地域の要望、大学、関係部局とも情報交換を行っていきたいと考えております。
また、熊の被害軽減策につきましては、県の広域振興局と岩手大学農学部が連携して、北上地域において、刈り払い等による熊が出没しにくい環境整備が必要なことなどを普及啓発する取り組みを行っており、今後も大学等関係機関と協力しながら対策を図っていきたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 私は一方向しか向いていないマイクしか持っていないものですから、さっぱり改良点がなければ、何回もこれは叫んでいくしかないということをしゃべって終わります。
〇工藤勝子委員 早池峰山にニホンジカが入ってからもう数年がたっていると思っております。そういう中におきまして、希少植物の現在の生息状況並びにハヤチネウスユキソウの個体数が表示されておりました。706株の目標値に対しまして660株になっておりまして、つまり減少傾向にあると思っております。この状況をどう捉えているかお伺いいたします。
〇高橋自然保護課総括課長 早池峰山における希少野生植物の生息状況についてでありますが、早池峰地域は、ハヤチネウスユキソウやナンブトラノオなど高山植物の宝庫であり、地域の植物のうち11種について、岩手県希少野生動植物の保護に関する条例の指定希少野生動植物に指定しているところでございます。
一方で、登山者の踏み入れによる登山道周辺の裸地化や高山植物の盗採などの問題がありますことから、県では、自然公園法などによる保護措置を講じているほか、自然公園保護管理員やシカ監視員、ボランティアなどによる監視、関係機関による高山植物盗採パトロールを行っております。
また、東北森林管理局によるニホンジカの生息状況等の調査によりますと、ニホンジカの生息密度が平成23年度から平成29年度の間に5.5倍となっており、ニホンジカによる植生の摂食が見られ、希少野生植物につきましても一部食害が認められますことから、今後の被害拡大が懸念されるところでございます。
ハヤチネウスユキソウについては、毎年度、県におきまして株数の調査を行っておりまして、10年前に比べますと、以前は900株から1、000株近くございましたけれども、現在は委員の御指摘のとおり700株から800株とやや減少しているところでございます。こういった取り組みを続けながら、モニタリングなどの対応を引き続き行っていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 やはり早池峰山は、本当に希少な植物の宝庫であります。そういう中におきまして、南アルプスのほうに調査に出かけて防護柵の設置を検討され、8月に1カ所設置されたとお話を伺っております。成果と今後の課題についてお伺いいたします。
〇高橋自然保護課総括課長 防護柵の設置の現状と今後の進め方についてでありますが、早池峰地域保全対策事業推進協議会シカ対策部会の委員からの提案を踏まえ、ことし7月に同部会の構成員等により早池峰山の現地調査を実施し、8月に河原の坊登山道沿いに高山植物の鹿食害対策の一環として防鹿柵を設置したところでございます。設置に当たりましては、河原の坊登山口から登りまして15分、30分、45分のそれぞれの場所に高さ1.8メートルの支柱を立てまして、周囲それぞれ15メートル、35メートル、50メートルの範囲を網で囲って植物を保護することといたしました。設置後は、9月中旬及び10月中旬に柵内の植物の生育状況等を観察し、降雪による柵の被害を防ぐため、10月下旬には撤去作業を行うこととしております。
今後、当部会の委員や有識者の意見を伺いながら、食害防止効果の有無、耐久性、設置期間や設置場所等について検討することとしております。
〇工藤勝子委員 少しずつでもこうやって守っていかなければ、必ずなくなってしまう植物ではないかと思っております。今回は1カ所に設置したわけですけれども、岩手県の早池峰山だけではないわけで、今後、こういう形の中で防護柵を設置しなければならないと思う箇所というのはどのくらいあるものなのでしょうか。
そして、それに対する予算等もかなり必要になってくると思いますけれども、ぜひ計画的に進めていってほしいわけですが、その点についてお伺いして終わりたいと思います。
〇高橋自然保護課総括課長 今後の設置計画についてでございますが、県内で現在、高山植物につきまして、いわてレッドデータブック等に掲載されている希少植物の被害が鹿により生じているところはないものと考えております。今後、早池峰山における防鹿柵の効果の検証を行いまして、その他今後活用できるところがあるかどうかにつきましても引き続き検討していきたいと考えております。
〇柳村一委員 関連。私からも防鹿柵について。3カ所設置したということですが、河原の坊の登山道は崩落しているわけでして、登山者が通らないために鹿がふえたのか、それとも鹿の生息域が変わってふえたのか、そこのところを確認したいと思います。
〇高橋自然保護課総括課長 平成28年に河原の坊登山道が崩落を起こしまして、それ以降、河原の坊登山道は閉鎖の措置としております。その間、平成23年から平成29年までの鹿の増加についての調査がございますけれども、登山道沿いの鹿の数につきましては詳しい把握をしていないところでございます。ただし、登山する方がいないことから閉鎖した登山道付近に鹿が上がっているということがシカ監視員の報告から出てございますので、こういったところを利用しまして、調査研究を行って有効な方策につなげていきたいと考えております。
〇柳村一委員 今回は設置をしているわけですけれども、登山道ではないところにもハヤチネウスユキソウなどがあるわけでして、この効果が得られた場合はそちらのほうにも対策をやっていくのかどうかお伺いして終わります。
〇高橋自然保護課総括課長 柵の設置につきましては、先ほど申し上げましたシカ部会の中で共同で調査研究を行っておりまして、実際に東北森林管理局でも同じ登山道沿いに4カ所の柵を張ることにしております。来年度以降、次年度以降の効果を見きわめた上で、今後の数の調整につきましてシカ部会の中で検討してまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 関連。先ほどハヤチネウスユキソウの被害の話もありました。改めて確認いたしますが、県として、希少種、固有種の被害状況をどのように捉えているかお伺いいたします。
〇高橋自然保護課総括課長 早池峰山周辺地域における希少種、固有種への影響についてでございますが、早池峰地域の食害の状況につきましては、県立博物館の学芸員の調査によりますと、食痕が認められました植物の中でレッドデータブック等に掲載されている絶滅危惧種は1種のみとなっております。なお、早池峰山の固有種などは含まれていないという結果となっております。
早池峰地域では、ハヤチネウスユキソウやナンブトラノオなど植物の11種につきまして岩手県の希少野生動植物に指定しているところでありまして、これら希少種等への鹿被害による生態系への影響について今後も注視してまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 私も先般、早池峰山に登って現場を確認してきました。指導員からも聞いておりますし、先般、学芸員からの報告会では絶滅危惧種1種のみというお話がありましたが、現場での声でいけば、ナンブトウウチソウとかナンブイヌナズナといういわてレッドデータのAランクであり絶滅危惧1B類といったものもさまざま被害が確認されている。あるいは希少種以外の被害状況についても、二十数種とか大幅に被害状況が確認されているという報告を受けておりますけれども、今の答弁とちょっと……。もう一度確認させていただきたいのですが、県の認識はいかがでしょうか。
〇高橋自然保護課総括課長 御指摘のありました報告会での内容につきましては、改めて精査させていただいて確認したいと考えております。現在の県の認識としましては、先ほど申し上げたとおり、レッドデータブックに載っているものは1種類、固有種等への大きな被害はないということで聞いております。
ただし、鹿の食害が進んでまいりますと今まで食べなかったものについても食べ始める。なくなれば次のものを食べ始めるといったお話も学芸員からは伺っておりますので、そのあたりの状況、現在の状況につきまして調査をしていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 現場サイドではもう本当に危機的な状況になっていると私も伺っておりますし、岩手県の固有種にも相当の被害が出ているということでございます。聞いていないわけがないと思いますので、しっかりそこの対策をお願いしたいと思います。
先ほども防護柵の質問がありました。ここは、国の指定区域、環境省や文化庁や県からさまざまな指定をされさまざまな網がかかっている地域でございまして、改めてお伺いいたしますが、県が設置する部分の防護柵と森林管理署が独自で設置する防護柵、この全体のグランドデザインというかそこの調整というのは、県としてどのように対症療法を描きながら指導していくのかお伺いいたします。
〇高橋自然保護課総括課長 早池峰山地域の環境保全等に係る指定状況についてでありますが、早池峰山とその周辺地域は、昭和57年に国定公園に指定されております。また、早池峰地域は、昭和3年に国の天然記念物指定を経まして昭和32年に国の特別天然記念物の指定を受け、昭和49年及び平成2年にはその地域を拡張して指定されております。また、昭和50年には早池峰山の北部側につきまして国から早池峰自然環境保全地域に指定されたほか、早池峰山から向かいの薬師岳にかけましては平成5年に国から森林生態系保護地域に指定されております。
委員御指摘のとおり、さまざまな指定がかかりまして自然保護についての対策が立てられているわけでございますけれども、現在の防鹿柵の設置状況につきましては、県で3カ所、森林管理局で4カ所という状況で、まずは大きな制限のない地域から始めておりまして、一部、申し上げました天然記念物指定地域にも森林管理局では柵を設置しているところでございます。
今後の柵の設置の場所につきましては、本年度の効果等を検証しまして、シカ部会の中でも検討して進めていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 世界自然遺産登録の候補地にもなっている地域で国宝級の価値のある地域でもありますので、ぜひ県として行動力、調整力を持って取り組んでいただきたいと思います。
〇飯澤匡委員 大きく3点あります。まとめて聞きますので、お答え願います。
最初に、再生可能エネルギー導入目標の達成度について。
2年前に確認しましたが、平成32年度に再生可能エネルギーによる電力自給率35%が達成される見込みと答弁されていますけれども、現状、平成29年度末はどうなっているのか。
2点目、目標達成のために送電線の接続制約が隘路となっているとの課題が示されましたが、その克服はどのようされたか。
3点目、再生可能エネルギーのポテンシャルを有している地域と、地域振興を切望している地域は関連性が非常に高いと思われますが、地域振興策の展開について、当該部はどのような意識を持って取り組まれたか、この3点、まとめてお聞きします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 まず、再生可能エネルギーによる電力自給率の現状についてでありますが、本県の再生可能エネルギーの導入量は、直近の平成29年12月末現在で1、012メガワットとなっており、その内訳は、太陽光発電が522メガワット、水力発電が276メガワット、地熱発電が104メガワット等となっております。
また、再生可能エネルギーによる電力自給率は、データが把握できる平成28年度末で23.6%となっておりまして、いわて県民計画第3期アクションプランの平成28年度目標値であります20%をクリアして、今のところ順調に導入が進んでおります。
県内で計画されている再生可能エネルギー発電事業が今後も予定どおり導入された場合には、2020年度に再生可能エネルギーによる電力自給率35%という目標は達成できるものと見込んでおります。
2点目の御質問についてでございますが、ただいま申し上げました達成見込みにつきましては、送電線の接続契約がとれているものということでの見込みでございます。ただ、送電線の接続制約はある状況でありまして、本県における再生可能エネルギーのさらなる導入促進を図るためには、接続可能量拡大に向けた送配電網の強化が不可欠であると認識しております。
このため、県といたしましては、送配電網を新たに整備する費用を事業者が共同負担する募集手続であります募集プロセスの早期完了や、既存の送配電網を活用して、一定の条件下で接続を認める制度の日本版コネクト&マネージの推進について、国に対し要望を行ってきたところでございます。
現在、募集プロセスにつきましては、電力広域的運営推進機関におきまして来年4月から5月ごろの完了に向けて入札手続が進められておりますほか、日本版コネクト&マネージにつきましては、国におきまして、接続可能量拡大に向けた運用の見直し、例えば実際の発電実績に沿って空き容量を拡大する取り組みなどが検討されておりまして、調整が整いました電力会社から適用が順次開始されているところでございます。
今後も、送配電網の接続制約について、国に対し要望を行うなどの働きかけを継続してまいります。
3点目の御質問の地域振興策の展開についてでございます。
県では、全国的にも優位なポテンシャルを有する風力と地熱について重点的に推進することとしておりまして、これまで、岩手県風力発電導入構想において、風況や土地利用規制等を考慮した有望地区を選定いたしまして発電事業の具体化に向けた取り組みを促進してきたところでございます。
また、再生可能エネルギーの導入を地域振興につなげることを目的に、昨年9月には風力発電関連産業研究会を立ち上げまして、県内企業や金融機関、市町村等を対象といたしましたセミナーを開催し、メンテナンス業務などの関連産業や発電事業への県内企業の参入を促してきたところでございます。また、地熱、温泉熱利用につきましては、昨年度、温泉事業者がバイナリー発電や熱利用に取り組んでいくことを目指しまして、勉強会や先進事例調査、有識者をアドバイザーとして派遣する取り組みを実施してきたところでございます。
今年度は、風力発電のメンテナンスセミナーを開催し、引き続き再生可能エネルギーの産業化に向けた取り組みを進めるほか、温泉熱利用の可能性調査などを行うこととしておりまして、今後も地域の活性化につながる取り組みを進めてまいります。
〇飯澤匡委員 おととし聞いた太陽光発電、水力発電、地熱発電。水力発電、地熱発電は値がほぼ同じで、伸びたのは太陽光発電なのですね。約200メガワット、正確には198メガワット。ところが、少し問題となっております。
次の質問に入りますが、太陽光発電の導入については、御案内のとおり固定価格買取制度が追い風となって、県内でも急激に伸びている。まさしく今、御紹介のあったとおりであります。でありますけれども、森林の伐採による自然破壊や自然災害などの問題も生じております。さきの台風被害などでもそういう問題が惹起されました。県内ではこのような事例は把握しているのか。
また、国では環境省の太陽光アセスメント導入への動きが随分加速しておりますけれども、その動きに呼応した、ただいま紹介した自然災害などの問題等を含んだ─他の県では取り組んでおられますが─独自の条例についての考え方、制定するつもりなのかどうかまとめてお伺いします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 太陽光発電施設による影響についてでありますが、森林法所管部局からは、県内においては、太陽光発電施設の建設に伴う森林伐採により行政指導が行われた事案はあるものの、自然破壊や自然災害などにつながった事案はないと聞いているところでございます。
〇小島参事兼環境保全課総括課長 太陽光発電施設を条例アセスメントの対象にすることについてでございますけれども、県では、国が太陽光発電施設を法アセスメントの対象としておりませんことから、法に準じる形で条例アセスメントの対象とはしてこなかったところでございます。また、これまで県内の太陽光発電施設が環境に大きな影響を与えたという事例も把握してございませんことから、条例アセスメントの対象とは想定してこなかったところでございます。
一方、国では、委員御指摘のとおり、本年8月に太陽光発電施設等に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会を立ち上げまして、大規模太陽光発電施設を環境影響評価法の対象事業に追加すべきか、来年3月までに検討するとしております。
また、県外では太陽光発電施設が環境に影響を与える事例も発生している状況にありますことから、太陽光発電施設を条例アセスメントの対象とすることにつきましては、国の検討状況も踏まえつつ、また、太陽光発電施設を独自に条例アセスメントの対象としている他県等の例も参考にしながら本県のあり方について検討してまいります。
〇飯澤匡委員 そこで、私は、多くの地域の方々から─これは私の聞き取り調査によるところですから特定して誰とは言えませんけれども、景観上問題になっているところもあると。確かに当該部においては、地域の振興と、またいろいろな管理という部分で両面性を背負ってやらなければならない部分があると思うのですが、私も執行部からお聞きして、このアセスメントというのは、住民との対立ではなく、いろいろな意見の調和を持って進んでいくと。国が今進めているのはメガソーラーの話ですよね。でありますから、もう少し注意をしなければならない段階に来ているのではないか。今、追い風になって随分やっていますが、きょうのニュースでもやはり太陽光発電は安定した電力供給ができないシステムになっていますので、そこら辺も十分勘案しながら、国の動向を見ながら県も考えていく必要があるのではないかと思うのですが、最後に部長にその見解を聞いて終わります。
〇大友環境生活部長 ただいま御質問のありました今後の再生可能エネルギーの導入促進の進め方についてでありますけれども、やはり再生可能エネルギーの自給率の数字を単に引き上げればいいというものではないと私のほうとしても考えておりまして、その際には、環境への配慮、あるいは地域経済への波及が非常に大切なことだと考えております。
先ほど答弁申し上げましたとおり、国では太陽光発電につきまして法アセスメントの対象とするかどうかについて今、検討が進められておりますけれども、県内の市町村からも太陽光発電施設について条例での規制の対象にすべきではないかという要望も上がってきております。そういった状況もありますので、国の検討の状況、それから市町村に対して県として一律にそういった規制がいいのか、あるいは地域ごとの状況をもう少し勘案したほうがいいのか、そういった事情もあると思いますので、今後、対応について検討していく必要があると考えております。
また、地域経済への波及に関しましては、岩手が再生可能エネルギーのポテンシャルが高いといいましても、ただ場所貸しするだけにとどまってはいけないと感じております。現在、さまざま地元企業の事業への参入を目指してセミナー等を開催しておりますけれども、今後も県内の企業の関連事業への参入が進むよう、取り組みを強化してまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 私も再生可能エネルギーのことを通告しておりましたが、飯澤匡委員から質問のあった実績、課題、対策、地域活性化に向けた取り組み、全てダブっておりますので、ここは割愛させていただいて、ただ、一部重複しながら聞かせていただく部分もあろうかと思っております。
今、部長の答弁にもありましたが、再生可能エネルギーの今後のことですけれども、2020年度の目標はほぼ達成できるだろうと思っておりますし、ポテンシャルも非常に高い、全くそのとおりだと思っております。ただ単にこれを引き上げればいいというものではないというのはそうだと思うのですが、ただ、私は、もっともっと引き上げてもよいという立場で以前一般質問でも聞いたことがあります。通告はしておりませんが、極端に言えば県内の電力自給率を100%にする、これぐらいの大きな目標を立てても岩手の場合はいいのではないかと思うのですが、これについてどのようにお考えですか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 ただいまの、県内におけます再生可能エネルギーによる電力自給率100%の目標を掲げてもいいのではないかという御質問についてでございますが、現在、岩手県地球温暖化対策実行計画によりまして、2020年度までに電力自給率を35%まで高めるという目標を出しております。まずはこれに向かいまして、確実に導入が進むよう支援してまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 通告しておりませんでしたけれども、それぐらいの気持ちで取り組んでいただきたいという意味であります。
さきの地域活性化の動きについて以前私も質問させていただいて、研究会ができたり、いろいろなポテンシャルを生かすための構想ができたり、具体の動きができているということはうれしく思っております。ただ、さっき部長が言ったように場所貸しであってはならないというのは、本当にそうだと思っております。
その関連で聞きますが、再生可能エネルギーの電力別の状況は聞きましたが、わかれば広域振興圏別の状況を教えていただきたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 再生可能エネルギーの広域振興圏別の導入実績についてでございますが、平成28年度末のデータとなりますけれども、盛岡広域振興圏につきましては356メガワット、沿岸広域振興圏につきましては147メガワット、県南広域振興圏につきましては303メガワット、県北広域振興圏につきましては99メガワットとなっております。各エネルギー種別合計の数値でございます。
〇関根敏伸委員 ちょっと意外な数字だったのですけれども、なるほど、わかりました。
そこで、地域活性化にも関連しますけれども、再生可能エネルギーの可能性が地域活性化に結びつくという道筋がなかなか見えづらいという現状があります。その中でさんりくエコタウン形成プロジェクトがありましたが、これは次期総合計画にどのように引き継がれていくのか、そこを教えていただきたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 さんりくエコタウン形成プロジェクトの評価と次期総合計画への反映についてでございます。
さんりくエコタウン形成プロジェクトは、県の東日本大震災津波復興計画におきまして、三陸の地域資源を活用した再生可能エネルギーや省エネルギー技術の導入を促進し、災害にも対応できる自立、分散型のエネルギー供給体制を構築することによりまして、環境と共生したエコタウンの実現を目指して掲げられたプロジェクトでございます。再生可能エネルギーの導入促進、電気自動車の普及や充電インフラ等の整備、また、スマートコミュニティーの形成などの取り組みを進めてきたところでございます。
このうち、再生可能エネルギーの導入促進につきしましては、平成29年度までの合計で、被災家屋への太陽光発電の導入補助件数につきましては2、221件、導入量で合計約10メガワットとなっておりますし、防災拠点への再生可能エネルギーの導入件数につきましては449件、導入量合計で約3メガワットとなっているなど、着実に導入が進んできたところでございます。
また、岩手県次世代自動車インフラ整備ビジョンを策定いたしまして、国の補助事業の活用などにより充電インフラの整備が進みますとともに電気自動車の普及も進んできたところでございます。さらに、スマートコミュニティーの形成につきましては、国の補助事業や、県が行う市町村等の計画策定の支援などによりまして、宮古市など市町村の取り組みが進んできたところでございます。
東日本大震災津波の経験を踏まえたこうした再生可能エネルギーの導入促進や省エネルギーの促進の取り組みにつきましては、現在策定中の次期総合計画長期ビジョンの中間案におきまして、災害時にも対応できる自立、分散型エネルギー供給体制の構築として盛り込んでいるところでございます。
〇関根敏伸委員 それに加えて、今度、次期総合計画の中に水素利活用のプロジェクトが新たに加えられる予定と聞いておりますが、これに関しましては水素利活用構想の策定ということも触れられているようですけれども、この策定作業の状況、概要等について教えていただきたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 水素利活用推進についてでございますが、水素利活用構想につきましては、外部有識者で構成いたします委員会をこれまで2回開催してきておりまして、御意見をいただきながら策定を進めているところであります。その構想素案の概要といたしましては、想定年次を2030年ごろとすることや、取り組みの方向性といたしまして、再生可能エネルギー由来の水素の製造、電気や熱としての利活用の推進、水素ステーションや燃料電池自動車等の普及、新たな水素関連ビジネスの創出、育成などを検討しているところでございます。
また、水素利活用推進プロジェクトにつきましては、次期総合計画長期ビジョンの中間案における新しい次代を切り拓くプロジェクトの一つに掲げているところでございまして、今後、関係者と十分連携しながら、本県の地域特性を踏まえた利活用策の具体化に取り組んでいくこととしております。
〇関根敏伸委員 再生可能エネルギーの導入をどんどん進めてきましたと。エコタウンプロジェクトも一定程度進んできましたと。その中で今度、新たに水素活用のプロジェクトが出てきました。こういう流れの中で、これは非常に歓迎するわけであります。さきの話に触れるのですが、やはり地域活性化にいかにこれを有効に結びつけていくのかという観点がこれから本当に必要になってくるのではないかという考えを持っております。
次期総合計画の中に県北圏域を想定してプラチナ構想のことも触れられているわけでありますが、プラチナ社会の必須条件というのを見たのですけれども、資源の心配がないと。小宮山先生の本によりますと、省エネルギー、新エネルギー、第1次産業、循環型社会、それから雇用がある、エコロジーがある、自然共生社会である、こういったことが書かれていますが、その中で一つないのが、やはり再生可能エネルギー由来の雇用が見えてこないという部分だと思います。雇用がある、自然共生の中からビジネスの創造が生まれる、こういった部分を環境生活部の中で再生可能エネルギーや水素利活用のプロジェクトを進める中で明確にうたっていく。これがこれからの県北や沿岸の振興策に結びついてくるということをこの水素利活用のプロジェクトで書くのか、あるいは広域振興圏の構想の中で書いていくのか、温暖化対策計画の次の計画で示していくのか、非常に重要になってくるのではないかと思います。
先般、課長も一緒に九州に行って、水素利活用の壮大な現状を見てまいりました。残念ながら岩手は周回おくれかなというふうに私は思って、水素利活用を2年前から言い始めたときに、これからこれを具体的な岩手の可能性にどう結びつけていくのかちょっと心配していました。そういった部分も含めて可能性としてはあるわけでありますが、この辺の大きな考え方、構想の着目点、地域産業化あるいは持続可能な地域社会の実現に向けたエネルギーの利活用、この辺についてのお考えをお聞きして終わりたいと思います。
〇大友環境生活部長 ただいま水素利活用の関係の御質問を頂戴いたしました。私も4月から環境生活部に参りまして、最初、水素というと非常になじみの薄いものでありまして、なぜ水素なのかと、正直そういう疑問を持ちながら今の業務についたわけですけれども、今後、これからの開発が見込まれます本県の再生可能エネルギーから発生する電気を利用しまして、水素を活用し、またそれを蓄積して活用していくということで、本県にとって非常に有望なものだということを確認して今、取り組んでいるところでございます。
地域産業への活用ということですが、先ほど御答弁申し上げましたとおり、今回の構想の中では、新たな水素関連ビジネスの創出、育成を一つの柱と掲げておりますので、必ずビジネスとして地元の企業がかかわれるよう、また、さまざまメンテナンスなどでもかかわる機会が多く発生すると見込まれますので、そういった面も基本としながら検討を進めていきたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 私も、再生可能エネルギーについてでありますけれども、太陽光発電について質問いたします。
国の2030年時点の電源構成として、太陽光発電を初めとする再生可能エネルギーの比率を2016年の15%から22から24%にする目標で進められております。
目標達成の一つとして、住宅、ビルの徹底した省エネルギーの推進、住宅のゼロエネルギー化の促進として、2020年までにハウスメーカー、工務店等の新築注文戸建て住宅の過半数に普及させる取り組みをしております。2030年までには、新築住宅ないしは新築の公共建築物等の平均でゼロエネルギー化を進めているわけであります。
県も導入について補助をしながら進めているところでありますけれども、熊本地震なり大雨等の土砂災害での損壊パネルで感電の事故が発生していると聞いております。一般住宅ないしは原野なり山林開発をしまして太陽光パネルが設置されているわけでありますけれども、県内のパネル設置箇所はどのように把握されているのか、売電を目的として設置している事業者数、一般住宅での設置している戸数を捉えているのであれば教えていただきたいと思います。
また、設置されている土地、建物には、現在、土砂災害警戒区域に指定されている土地への設置があるのかもお伺いいたします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 太陽光発電設備の県内への設置箇所数についてでございますが、国で公表しております固定価格買取制度の情報では、事業者、一般家庭別のデータの公表はないことから、事業用が多いと思われる10キロワット以上になりますが、平成29年12月末現在で3、432件でございます。
また、一般家庭につきましては、余剰分を売電するという仕組みをとられているところが多いかと思われますので、固定価格買取制度のということになりますが、一般家庭用が多いと思われます10キロワット未満につきましては2万5、138件となっております。
2点目の御質問でございます土砂災害警戒区域への設置についてでございますが、土砂災害防止法所管部局からは、土砂災害警戒区域への太陽光発電施設の設置は規制の対象となっていないため、その設置状況につきましては、把握していないと聞いております。
〇高橋孝眞委員 土砂災害警戒区域の関係については、私は、山林等いろいろ開発されて設置されておりますので、今後、十分調査をしながら対応していくべきではないかと思います。
次に、総務省は、昨年9月に太陽光発電設備の廃棄処分等に関する実態調査を実施し、その結果として、必要な改善措置について勧告をしております。
太陽光パネルは、災害で損壊しても日光が当たる限り発電するため、接触すれば感電するおそれがあること、また、有害物質が流出するおそれがあり、地域住民への注意を求めております。
使用済みないしは破損したパネル撤去等の際、感電防止など県民への説明はどうなっているのかお伺いいたします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 太陽光発電設備の感電防止についてでございますが、太陽光パネルは、委員御指摘のとおり、風水害等で破損した場合におきましても、光が当たれば発電をすることから、感電や割れたガラスによるけがの危険があるところでございます。
このため、国や業界団体におきましては、災害が発生した場合の太陽光パネルによる感電防止につきまして、ホームページ等で周知を行っているところでございます。
県におきましても、この内容につきまして、県のホームページを通じて注意喚起を行っているところでございます。
〇高橋孝眞委員 具体的に言いますと、県からのお知らせという部分で知らせているといえば、そのとおり知らせているのかもしれませんけれども、私はこれをいただいたわけではございませんで、設置をしている人に対して、それから、これから設置しようとしている人たちに対して十分説明はしておられるのかなと感じたわけでありますが、設置していない人、周りの住民の方々に、感電防止と有害物質等の流出のおそれがあることを十分知らせるべきではないかと思うわけですよ。知らないでさわって感電をしたなどということがないような仕組みを考えていくべきだと思います。ただホームページで公表しておりますということだけでは、地域住民全員が知ることは難しいのではないかと思うのですけれども、この点はどのように考えておられますか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 地域住民への周知についてでございますが、現在、県のホームページで周知していることはそのとおりでございますけれども、県におきましても、地球温暖化防止に関するさまざまなイベントですとか勉強会、研修会等をいろいろな場で開催しておりまして、こういった場を通じて、県民、一般住民の方々に、太陽光発電の風水害等で破損した場合の注意喚起などにつきましても、周知を図っていきたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 そういう内容で注意喚起をする、そのことはそのことでいいのだろうとは思いますけれども、私は、もっと広く地域住民に、県民に知らせておくべきではないか、知らせるべきではないかと思うわけでありまして、そういう分については、これから十分検討していただければと思います。
使用済み太陽光パネルの処理でありますけれども、有害物質、鉛なりセレンなりカドミウムなどが入っていると言われているわけでありますが、現状はどうなっているのかについてお伺いいたします。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 太陽光パネルに含まれる有害物質の現状についてですが、国におきまして、業界団体に対し情報開示するよう要請し、徐々に情報が開示されている状況と承知しております。
現在のところ、有害物質が含まれている太陽光パネルの情報は公開されておりません。そういうことで、現在のところは適正に処理されているという認識でございます。
〇高橋孝眞委員 実際、国の資料等を見ますと、入っているおそれがあると言っているのかもしれませんが、情報を公開していない部分もあるわけでありまして、それについてはきっちりと調査をして処分をする、私はそういう指導が必要ではないかと思いますので、検討していただければと思います。
今まで大量に太陽光パネルが設置されてきておりますので、これから大量に廃棄処理をしなければいけない、処分していかなければいけないと思うのでありますけれども、今、県が進めている産業廃棄物最終処分場については、進捗状況はどのようになっているのでしょうか。また、この太陽光パネルについても、今後、処理の対応が可能なのかについてもお伺いいたします。
〇田村廃棄物施設整備課長 次期処分場整備の進捗状況についてでありますが、事業主体である一般財団法人クリーンいわて事業団におきまして、現在、実施設計、環境影響評価及び事業場用地の取得に取り組んでいるところでございます。このうち、実施設計につきましては今年度中に終了することとしており、おおむね計画どおり進んでいるところでございます。
また、太陽光パネルの処理の対応についてでありますが、先ほど資源循環推進課総括課長が答弁したとおり、廃棄される太陽光パネルは、できる限り分別され、性状に応じてリサイクル等されるものと認識しております。
今後におきましても、またリサイクル技術の進展などが見込まれますことから、次期処分場におきましても十分対応が可能と考えているところでございます。
〇高橋孝眞委員 そういうふうに回答すればそのとおりなのかもしれませんけれども、いずれ、今、国そのものもリサイクルを考えているわけでありますが、私は、処分場そのものにつきましても十分考えて対応する必要があるのではないかと思います。
最終処分場と、また民間での処分場もあるわけでありますので、それらを含めながら、全体的にどうなっていくのかについて、100%リサイクルで使えれば十分なのだろうかと思いますけれども、そういうことは、今後大量に発生する太陽光パネルから考えますと、ガラスなりいろいろなことを考えますとそう簡単ではないと思いますので、全体的な処分をこれから考えていただければとお願いして、質問を終わります。
〇工藤勝博委員 私からは、大きく3点お願いします。
まず初めに、北上川の清流化対策についてでありますけれども、この清流化に向けては、排出元である旧松尾鉱山は、戦前戦後、昭和30年代までは東洋一と言われる硫黄鉱山であったわけですが、その負の遺産が残っているわけです。
それに関して、鉱毒水の処理に関しては国の関与もかなり強いわけですけれども、この財源対策について、恒久的な財源対策はどうしても必要だろうと思います。特に365日24時間中和処理をしていかなければならないという状況の中で、その財源について今の状況をお伺いしたいと思います。
〇小島参事兼環境保全課総括課長 恒久的財源対策の状況についてでありますけれども、本県では、国の補助を受けまして、御案内のとおり、昭和57年から新中和処理施設の維持管理を実施しております。
これまで、放流水質を遵守し北上川の清流を守ってまいりましたが、恒久的な制度確立あるいは不測の事態における対策など、国の責任において解決すべき事項が残されておりますため、昭和57年から毎年、政府予算要望を続けております。
恒久的財源対策につきましては、これまで政策提言も行っているところでございますけれども、国は、補助率4分の3の国庫補助と特別交付税措置による財源の維持で対応してきたところでございます。
今後も、毎年度開催しております5省庁連絡会などの機会も捉えながら、国による恒久的で安定した財政制度の確立を求めてまいります。
〇工藤勝博委員 国では、全国の休止鉱山の鉱害防止対策で大枠があるわけですけれども、ほぼ要求どおりの予算枠は確保しているということは伺っておりますが、例えば、これから想定される大きな事業があったとして、そういう対策の事業費の確保は従来以上に強く要求していかなければならないと思いますが、その辺の各地の状況も踏まえて、旧松尾鉱山の鉱毒水の対策についてはどうお考えでしょうか。
〇小島参事兼環境保全課総括課長 まず、国費における本県の状況でございますけれども、これまで、ほぼ県の要望どおり国から措置されているところでございます。
国の全国枠、国費の状況でございますけれども、年度によって多少の増減がございますが、おおむね同一レベルの額が確保されてきているところでございます。
現在、中和処理とは別に耐震化工事も行っておりますけれども、そういった部分、あるいは義務者が存在する鉱山も県内にございますが、そういった部分も含めまして、必要な額を措置していただけるよう要求はしているところでございますし、そのような形で国からも対応していただいている状況にございます。
〇工藤勝博委員 この恒久化対策は、バクテリアと石灰で中和して強酸性水を水質基準まで下げて放流されてはいますけれども、それらも含めて、次の一番大きな課題となっておるのが3メートル坑の安全対策だと思います。坑内には数百万トンの坑廃水が眠っていると言われておりますけれども、その3メートル坑を閉鎖しているプラグが、やっぱり年数ごとに劣化していると。
先ほど安全対策は施していると言われておりますが、7年半以上前の東日本大震災津波の震度7、そしてまた、9月6日の北海道胆振東部地震でも震度7、幸い旧松尾鉱山にはそんなに影響はなかったわけですけれども、これはまた、いつ、どこでそういう大きな地震があるかわからないわけです。その辺の耐震化についてはどのようにお考えでしょうか。
〇小島参事兼環境保全課総括課長 御指摘のございました地震への対応という観点でございますけれども、先ほどもちょっと触れましたが、耐震診断に基づいて、順次、耐震化工事に着手しております。坑廃水を通常処理するために必要な2系列につきましては、耐震補強工事が完了しております。大規模地震時におきましても、通常どおりの処理を継続することが可能となっている状況にございます。
〇工藤勝博委員 ぜひとも安全対策には万全を期していただきたいと思います。
また、この北上川の下流域では、今定例会でも提案され、承認されましたけれども、新たな工業用水の取水工事が始まるということで、大規模な用水がまた利用されるわけですが、北上川全体も含めて、取水に対する安全対策はどのようにお考えでしょうか。
〇小島参事兼環境保全課総括課長 下流域での工業用水取得の安全対策についてでございますけれども、新中和処理施設では、5省庁会議の了解事項として定められました放流水質を遵守しておりまして、昭和57年に施設を本格稼働して以降、北上川本流の水質は環境基準を達成しているところでございます。
適切な坑廃水処理はもとより、日常的な保守点検ですとか、あるいは施設補修とあわせまして、定期的な災害対応訓練の実施などによりまして、今後とも北上川の水質確保に取り組んでまいります。
〇工藤勝博委員 ぜひともお願いしたいと思います。私の小さいころは、死の川といいますか、旧松尾鉱山から出てくる川の流れは赤い川でした。恐らく盛岡市の開運橋あたりまでも赤い川だったと思います。そういう状況がまた繰り返されないように、ぜひとも万全な対策に努めていただきたいと思います。(「あれは人工清流だからな」と呼ぶ者あり)はい。お金がかかっているということですけれども、それがやっぱり岩手の環境を大きく守っているあかしだろうと思います。
2番目ですけれども、先ほど高橋孝眞委員からもお話がありました公共型関与次期産業廃棄物処理場の整備ということで、答弁では順調に進んでいるというお話でありましたけれども、現クリーンセンターが予定では2022年、2023年で終了するということで、順次その次期処分場も進んでいるわけですが、先ほどちょっと問題を感じたのは、太陽光パネルの処分、当初はそういう処分は考えていなかったと思うのですが、この処分場への持ち込みの問題は、ほとんど建築物の不燃物が7割、8割を占めるという話がありました。その辺の新たな産業廃棄物の処分についてはどのようにお考えでしょうか。
〇田村廃棄物施設整備課長 基本的に、構造物が使用済みとなり廃棄される場合ですけれども、そのまま全量が最終処分されることにはならないわけでございます。再使用ですとか再生利用するために適切に分別することで、単に埋立処分する廃棄物量を可能な限り減らしていくことになります。
次期処分場の計画埋立量を検討する際に、廃棄される太陽光パネルの将来発生量を正確に分析して推計しているものではございませんけれども、先ほど申しましたとおり、今後適切に分別がされること、さらに、国におきましてもリサイクルシステムの構築などについて検討が進んでいることなどを踏まえまして、現時点では、次期処分場の埋立計画に特に支障を及ぼすようなものとは考えておりません。
〇工藤勝博委員 そういう中でも、有害物質とかがもし入るということになると、当初の、前段の段階での住民との合意に大きなそごが出てくると思うので、それらはしっかりと対応はとっていただかなければならないと思います。
最後ですけれども、産業廃棄物の適正処理化ですが、特に世界的に問題になっております産業廃プラスチックの処分が、まずは自県内での処理がどの程度行われているか伺いたいと思います。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 県内での産業廃棄物である廃プラスチック類の処理状況についてでございますが、本県が行った平成28年度における産業廃棄物の処理実績の調査におきまして、本県内で発生した廃プラスチック類約5万9、000トンの約9割に当たる約5万2、000トンが、自県内で処理されている状況でございます。
また、廃プラスチック類の再生利用量は約4万1、000トンになりまして、排出量の約7割を再生利用している、リサイクルされていると認識しております。
〇工藤勝博委員 自県内処理が大分進んでいることは大変すばらしいと思いますけれども、今大きな課題となっております廃プラスチックを海外で処理してもらうということが従来あったわけですが、県内での処理がうまく進んだという実態だと思います。
大きな受け手であった中国がもう輸入を全部禁止すると。恐らくこれから東南アジア各国でも、やっぱり処理はもうだめよということになってくる可能性があると思うのですけれども、そういうことになると、やっぱり廃プラスチックも相当なコストをかけて処理しないと、不法投棄といいますか大変な事態になることも予想されるのですね。
それらも含めて、今後の廃プラスチックあるいは再生も含めて、その処理をどのようにお考えなのかお伺いします。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 今後の廃プラスチックの処理でございますが、委員からお話がありましたけれども、県内で再生利用されている状況ですが、現在のところ、廃プラスチックが排出され産業廃棄物の処理施設で細かく破砕されて、あとは有価物として、例えば大きな工場で重油などの代替燃料として使われる状況が大きな利用ということでもあります。また一方、委員御指摘のとおりの、廃プラスチックを有価物として買った業者が、中国などに輸出している実態もあろうかと思います。
今後は、やはり国内でそういう再生利用をどんどん進めていくことも必要でございますので、環境省におきましても、そのような廃プラスチック類の再生利用の設備に補助金を出したりですとか、県といたしましても、事業者への補助金である地域産業ゼロエミッション事業というものがございますので、そういったものを通じて、県内で廃プラスチック類の再生利用が進むように取り組んでいきたいと考えています。
〇工藤勝博委員 最後です。環境王国いわてを目指しているわけですけれども、先ほど再生可能エネルギーの問題、そして、この産業廃棄物処理の問題、全て日常生活にかかわる問題だと思います。部長から、環境王国いわてのこれからの目指す姿をお聞きして、終わります。
〇大友環境生活部長 環境王国いわての目指す姿ということでございますが、今、廃プラスチックの処理状況ということで、県内の処理率は9割と高い割合にありますので、本県がきちっとした対応をしていくことが、結果として環境王国いわてにつながるかと思っております。
いずれ、関係法令に基づいた適正な処理をしっかり推進していくことを心がけてまいりたいと考えてございます。
〇軽石義則委員 消費者行政推進費の関係について1点質問をさせていただきます。
消費者行政の推進は、消費者の保護ということで大事な役割の一つだと思いますけれども、現状の推進体制、推進状況、また相談もかなり来ていると思いますが、その相談件数や内容はどのようなものになっているのかお聞きいたします。
〇高橋消費生活課長 消費者行政の推進体制などについてでありますが、県民生活センターでは、職員9名、そして県民の皆さんからの相談に対応する消費生活相談員7名に加えまして、商品テストの専門員など3名を配置し、土曜日、日曜日も職員や相談員が交代で相談に対応しているところでございます。
主な業務としては、県民の皆さんからの消費生活相談に対応するほか、老人クラブなどへの出前講座、消費生活相談員向けの講習会、メディアを活用した広報、啓発、製品事故情報などの提供を行っているところでございます。
その件数や内容等でございますが、県民生活センターでは、平成29年度に2、861件の相談を受理しておりまして、その主な内訳は、インターネット利用に係る架空請求などの運輸、通信分野が798件で27.9%、借金などの金融、保険分野が396件で13.8%、はがきによる架空請求など商品一般の分野が218件で7.6%、教養娯楽品、これは携帯電話や新聞、パソコンなどでございますが、その分野が148件で5.2%などとなっております。
〇軽石義則委員 かなりの相談件数を土日も含めて対応していただいているということでありますけれども、県民もそういう相談する場所があるということは安心にかなりつながっていると思うのですが、それらの活動の成果をどのように捉えているか、また、課題などについてはどのように把握されているのでしょうか。
〇高橋消費生活課長 県民生活センターの取り組みの成果についてでありますが、県民生活センターに寄せられた相談のうち、その95%以上が相談に直接関係する機関への紹介なども含めまして解決に至っているところでございます。これは、研修による消費生活相談員の資質の向上や弁護士相談の実施などの取り組みの効果があらわれているものと考えております。
次に、課題でございますが、県民生活センターに寄せられる相談件数が、平成24年度以降は3、000件前後で推移しております。相談内容は、先ほど申し上げた運輸、通信部門が相変わらず上位でございまして、また、相談者は高齢者が多くなっております。
また、ことしの民法の改正によりまして、2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げられることから、若年層に対する消費者教育の充実が求められており、これらのことが課題と捉えております。
〇軽石義則委員 今までは、そういう意味では消費者のサイドに立って法的なことも含めて対応するのが消費者行政だったわけでありますけれども、最近は、悪質クレーム、いわゆる度を超えたクレームの件数がサービスを提供する側にかなり多くなってきておりまして、国に対しても、そこに対策が必要だという現場の皆さんからの声が176万筆寄せられて、厚生労働省に要請している状況であります。
やはり消費する側を守ることは大事ですけれども、サービスを提供する側にも、それなりのしっかりとした対応は当然していただかなければなりません。ただ、度を超したものの対応は、やはり、対等な立場というのはなかなか難しいとは思いますが、そういう倫理的消費行動を促すための啓発教育は、今後さらに必要になっていくのではないかと考えているところです。
今後の取り組みと、今、私がお話をしたような、いわゆるサービスを提供する側も、どういう立場で保護していかなければならないかという部分も含めて、お聞きしたいと思います。
〇高橋消費生活課長 厚生労働省で団体からの要請を受けて悪質クレームの実態把握を進めるということは、私どもも聞いております。
一方で、消費者庁で次の消費者基本計画の検討会を進めている中で、ある委員から、委員がおっしゃったような消費者の迷惑行為をなくすためには、消費者への啓発活動が必要だというような意見も出されていることを承知しております。
私どもとしましても、今後の消費者庁におけます次期消費者基本計画のあり方についての検討動向なども、注視してまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 これから岩手県はいろいろな形で働き手を多く求める企業がふえてきて、そうすることによって、岩手で暮らすということで来る方々もふえると思いますし、ILCを含めて国際的にも多くの交流人口が増加していくと思います。そういう意味では、岩手県は住みやすい、働きやすいという共通認識が持てるように、お互いの立場を尊重していくことを県としても、消費行動、特にサービス業がなければ、生活をする上で非常に不便を感じるわけですし、そこに働き手がいなくなるような状況であってはならないと。
この働き方改革は、後段の商工労働観光部でも取り上げたいと思いますけれども、やはり啓発するのは皆さんのほうでしていただくこと、消費者としての考えるべきこととか守るべきものなどを含めてやるべきだと思いますが、最後に、部長から所見を聞いて終わります。
〇大友環境生活部長 さまざま今の御質問のクレームの対応とか、それに対応する消費者教育の必要性等についてでございますけれども、これまでの消費者行政は、消費者が被害者とならないための対策を基本として対応してきたものであります。今御指摘のあった件につきましては、利用者が加害者とならないためにはどうしていくかという問題で、これは、今までの県民生活センターの対応とは違った面のことがありますので、こういった教育をしていくことに現場の戸惑いもあることは、私どもも持っております。
現在、国でこれらの扱いについての検討がなされていると聞いておりますので、こういった検討状況も見た上で、県としての必要な対応を今後検討してまいりたいと考えてございます。
〇城内よしひこ委員 私からも質問させていただきます。LED事業の取り組みについてお伺いしたいと思います。
省エネルギーの観点から、この事業は進めなければならない事業ではないかと思いますが、事業の実績と今後の見通しについてお伺いします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 LED照明の普及に向けた取り組み状況についてでございますが、県では、岩手県地球温暖化対策実行計画に基づきまして、二酸化炭素の排出抑制対策の取り組みの一つといたしまして、家庭や事業所におけるLED照明などの高効率照明機器の導入促進を図ってきたところでございます。
具体的な取り組みとしましては、これまで、県地球温暖化防止活動推進センターやいわて温暖化防止フェアなどにおけますLED照明の導入効果などの情報発信ですとか、温暖化防止いわて県民会議でのLED照明等への買いかえの省エネルギー一斉行動の実施、また、LED照明の導入に係る国の補助制度の周知や活用促進を図ってまいりましたほか、県単独の中小企業向けLED照明導入補助を創設するなど、LED照明の導入促進に取り組んできたところでございます。
消費電力の少ないLED照明は二酸化炭素の排出抑制対策として有効でございますので、今後とも、設備導入によります省エネルギー効果の情報提供ですとか各種導入支援制度の周知、活用促進などにより、普及を図ってまいりたいと思います。
〇城内よしひこ委員 県全体ということであればそのとおりだと思いますけれども、まずは隗より始めよということで、岩手県の事業として、本来であれば計画を持って着実にこれを進めていくべきものではないかと思います。具体的なものを言うならば、例えば国道106号線で毎日通っていますけれども、トンネルが暗かったり、ぽつぽつとは直ってきていますし、中には真っ暗いトンネルも主要地方道の中にはあったりするわけですが、そういったところこそ導入することが大事だと思います。
まず、そういうことも進める上で、環境生活部が中心になって計画を立てて進めるべきではないかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 岩手県のLED照明に係ります目標につきましては、現在、岩手県地球温暖化対策実行計画におきましても、全体の目標値は定めておりませんが、一部的に、例えば県内の信号機のLED化率につきまして、警察本部が中心になり目標を定めており、現在、平成29年度につきましては51.5%に上昇しているような状況でございます。
LED照明の普及については、国におきまして、第5次エネルギー基本計画において、LED照明を含む高効率照明については、2020年までにフローで100%、2030年までにストックで100%の普及を目指すことを掲げているところでございます。
県といたしましては、県の率先事項の取り組みでございます地球温暖化対策第4次岩手県率先実行計画を定めておりますが、この中で、県の事務事業における省エネルギー対策の一つといたしまして、さまざまな省エネルギー設備の導入、省エネルギーの取り組みなどを進めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 私は、目標数値を設定して進めていくべき案件、課題だと思いますので、ぜひ、そういう取り組みの方向でお願いしたいと思います。
次に移ります。鹿対策についてであります。
有害駆除はこれまで進めていただいたのですけれども、鹿が県内各地に拡散しています。その被害が蔓延している状況でありますので、まず、捕獲数と今後の課題をお伺いしたいと思います。
〇高橋自然保護課総括課長 本県の鹿の個体数につきましては、環境省の調査によりますと、平成24年度末で約4万頭という推計がございます。その生息域は、ほぼ全県に拡大しているところでございます。
このため県では、環境省の調査結果やこれまでの知見により鹿の繁殖率が25%前後とされておりますことから、2023年度末までに個体数を半減させることを目標といたしまして、年間1万頭以上の捕獲に取り組んでいるところでございます。
〇城内よしひこ委員 本来いなかった地域に鹿が今拡散しているわけですので、その1万頭の目標を上回るペースでこれを進めていかないと鹿は絶対に減っていかない。地球温暖化の中で、越冬しやすい環境が今整っているそうなので、ぜひしっかりと対策をとっていただけるように、これは要望しておきます。
関係する猟友会だったりいろいろな方々との連携は必要でありますし、許可を出す警察当局ともしっかり審査がスムーズに進むような進め方もしていただかなければ、全体としての対策にはつながらないと思います。環境省が出す数字が果たして本当に合っている数字なのかというのは、これまでも言ってきたところであります。ぜひ、実態を皆さんも感じつつ対策をとっていただきたいと思います。
それで、次に移ります。イノシシについてであります。
このイノシシも岩手県にはいなかった動物だと私は思っていますが、イノシシの生息状況と農業被害状況をどのように捉えているか、そして、今後対策をどのようにとっていくかお伺いします。
〇高橋自然保護課総括課長 イノシシの生息状況についての御質問でございます。
環境省の調査によりますと、平成24年度末で岩手県、宮城県及び福島県、この3県合計での個体数は約10万5、000頭と推定されてございます。
本県のイノシシにつきましては、平成23年度に一関市で捕獲されて以降、徐々に生息域が拡大してきておりますことから、可能な限り捕獲に取り組んでいるところでございます。
県内のイノシシによる農林業の被害状況でございますけれども、平成29年度の農業被害額は、水稲、飼料作物などで約1、000万円となっております。
〇城内よしひこ委員 このイノシシについても、しっかりと捕獲、駆除対策をとっていくべきものです。そうでないと、農林水産業については、中山間のそれこそ猫の額ほどの田んぼに鹿やイノシシが来て食っていく。これでは農業を一生懸命頑張っている方々の心をくじくようなことになりますので、ぜひ対策をとっていただきたいと思います。その辺はいかがでしょうか。
〇高橋自然保護課総括課長 各広域振興局では、農林水産部を中心といたしまして地域鳥獣被害対策防止連絡会、市町村では、鳥獣被害対策実施隊の設置といったことを進めていただいております。こういった体制整備のほか、被害防止対策の指導員育成研修、侵入防止柵設置の指導者育成研修と人材育成等を並行して進めていると伺っております。
先ほど申し上げました県による捕獲とあわせまして、地域ぐるみの被害防止対策を今後進めるように、県としても対策を講じていきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 私からは、女性活躍支援について伺いたいと思います。
女性活躍行動計画策定事業所というものがありまして、厚生労働省では、えるぼし認定企業を認定しているほか300名以上の企業に一般事業主行動計画を義務づけておりますし、また、県は、県独自でいわて女性活躍企業等認定制度ということで取り組みを進めておられます。
一生懸命やっていただいておりますけれども、なかなか実感としては難しいなと思うことばかりでして、意識調査をしても、6割の女性が進んでいないと思っているというような調査があるようです。
それで、本県の状況はどうかということですけれども、昨年お聞きしましたところは、平成29年12月末では137の企業、団体が、このえるぼし企業等に認定されている。それから、いわて女性活躍企業等認定制度も、最近、認定企業がすごく進んでいるように情報を得たのですけれども、その状況について伺いたいと思います。
それで、一般事業主行動計画の中でこれが公表されることになっているのですけれども、なかなか情報公開を見ても余りなくて、じゃ、岩手県はどうなっているのだということで県職員のところを調べたいと思ったのですが、ホームページでも公表されているようですが、県の総務部からも情報をいただきました。
それで、年々上昇しているということで、例えば、県職員の女性の割合はまだ24%ぐらいにしかなっていないのですけれども、採用も最近は42%になってきた、上昇してきたとか、管理職の女性も毎年少しずつ上がって、平成30年度は6.2%に上がってきた。目標は9%で、まだまだですし、目標自体もどうかなと思うところもあるのですけれども、そうやって少しずつ成果は上がっているように見えております。
そこで、県内の女性活躍支援の状況についてお伺いしたいと思います。
〇工藤青少年・男女共同参画課長 女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画策定事業所の本県の状況等について説明いたします。
一般事業主行動計画策定事業に関しましては、策定、届け出が努力義務となっている常時雇用する労働者数が300人以下の企業では、9月30日現在、45社が計画を策定し、岩手労働局への届け出を行っているところでございます。
先ほど委員がおっしゃいました昨年度、前回御回答したということで137社ということになっておりますが、これは300人以上の企業と合わせてということで137社でありました。それで、現在は結果的に155社ということになります。300人以上の企業につきましては110社でございますので、先ほど申しました45社と合わせて155社となります。
また、厚生労働大臣が認定するえるぼしの認定企業数は、現在9社となっております。
昨年10月に創設いたしました県独自のいわて女性活躍企業等認定制度による認定企業数につきましては、9月末までに19社となっております。
〇佐藤ケイ子委員 それで、ことしから女性活躍推進員を設置して取り組んでいるようですけれども、最近、ホームページでその資料を見ましたら、かなり認定企業がふえている。本当にことしになってどんどんふえていると思ったわけです。それで、女性活躍推進員は実際にどのような活動を行っているのか。
もう一つ、まとめてお聞きしますけれども、ワーク・ライフ・バランスの取り組みということで、イクボス宣言をしてもらうように普及活動もしているわけですが、そういう状況はどうなっているのか。
本県は、全国に比べて低賃金ですし、長時間労働ということの統計結果になっているわけですけれども、こういう企業の皆さんに、女性活躍推進員が回ってみてどんな感触を得ていらっしゃるのか。皮膚感覚でもいいですけれども、取り組みの実感をお聞きいたしたいと思います。
〇工藤青少年・男女共同参画課長 いわて女性活躍推進員の活動状況でありますが、県では、県内の企業、団体における女性活躍を促進するため、いわて女性活躍推進員を5月に配置し、県内の企業、団体を訪問して、いわて女性活躍企業等認定制度やイクボスの趣旨、働き方改革、子育て支援に関する制度を説明して、その利用を通じて女性の活躍しやすい環境づくりを支援しているところでございます。
これまでに女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定している企業、団体や女性従業員の割合が多い企業、団体など、5カ月間で127社を訪問し、直接働きかけを行ったほか、岩手県商工会議所連合会への女性活躍に向けた要請活動、産業団体の総会やいわて働き方改革運動地域情報交換会における女性活躍関連制度のPRなどを実施しております。
また、今後、企業、団体の女性活躍やワーク・ライフ・バランスをテーマとした職員研修会における講演やコーディネートなども予定してございます。
イクボス宣言の状況についてでありますが、平成29年1月には、知事と県内企業34社によるイクボス共同宣言、7月に雫石町長と町内企業5社によるイクボス共同宣言をしておりまして、現在52社となっております。
今年度、いわて女性活躍推進員が企業、団体を訪問して、今申し上げたとおりのようなイクボスの趣旨ですとかメリットなどについて働きかけを行った結果、それらを含めて新たに12社のトップがイクボス宣言をするなど、働き方改革やワーク・ライフ・バランスの推進に取り組む企業がふえてきているところでございます。
これまで、いわて女性活躍推進員が訪問した企業においては、今後、イクボス宣言やいわて女性活躍企業等認定制度の活用を検討したいとするようなところも多く、企業のトップのワーク・ライフ・バランスや女性の活躍への意識は、高まってきていると考えております。
〇佐藤ケイ子委員 なかなか見えにくい活動ですけれども、やはり下支えしていく企業が伸びるにも、それから、女性の皆さんが働き続けていく、キャリアを積んでいくためにも、こうした本当に地道な活動が大事だと思っておりますので、ぜひお願いしたいと思います。
やはり企業のトップ、それから管理職の意識が変わらないと世の中は変わらない。家庭と職場の両方で意識改革をすることが大事だと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
〇名須川晋委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時56分 休 憩
午後1時2分再開
〇福井せいじ副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
本日配付しておりました労働委員会審査における席割りについて、執行部席の一部に誤りがあったことから、訂正後の席割りをお手元に配付いたしておりますので、御了承願います。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日、審査を予定している部局について、延べ19人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
質疑を続行します。
〇臼澤勉委員 私からは、鳥獣保護管理の担い手対策についてお伺いいたします。
これまでの取り組みの実績を踏まえて、現状と課題をどのように捉えているかお伺いします。
〇高橋自然保護課総括課長 鳥獣保護管理の担い手の現状についてでございますが、県内の狩猟免許所持者数は、平成元年度の5、384人から平成29年度は3、146人と減少しているものの、平成20年度を最後に3、000人を切り2、000人台で推移しておりましたところ、平成29年度には初めて3、000人を超えるなど、減少傾向に一定の歯どめがかかっているところでございます。
また、狩猟免許所持者における60歳以上の割合は、平成元年度の約17%から平成29年度は約62%と高齢化が進んでおります。近年、40歳未満の割合が平成27年度に10%を超えて平成29年度は約14%になるなど、こちらも一定の若返りが図られているところでございます。
〇臼澤勉委員 今もお話ありましたとおり、大分高齢化が進んで若手の担い手対策が重要になってくると思います。若手のハンター、私の地元にも女性のハンターの方もおりまして、新しいそういった方々もふえていると思いますが、確保に向けた取り組みをどのようにお考えかお伺いします。
〇高橋自然保護課総括課長 若手ハンターの確保に向けた取り組みについてでございますが、県では、広く県民を対象といたしました狩猟の担い手研修会や新人狩猟者の技能向上のための研修会を県内各地で開催するとともに、狩猟免許試験の予備講習会を年3回開催するなど、狩猟者の確保と育成に取り組んでございます。
また、公益社団法人岩手県猟友会青年部と連携いたしまして、若手狩猟者を講師とした研修会や、県内イベントでハンターブースの出展を実施することなどにより若手ハンターの確保に取り組んでおります。
さらに、免許の更新手続を土曜日、日曜日に実施するとともに、有害鳥獣捕獲に従事する場合の狩猟税の減免措置を講じるなど、狩猟者が継続して捕獲に取り組めるよう努めております。
〇臼澤勉委員 一方で、狩猟事故はある程度一定の件数が毎年起きているやにも伺っておりまして、例えば高齢化と事故の因果関係というか相関関係があるのかどうかは、なかなかつかみにくいところでございます。
そこで、技術力向上に向けて、ハードあるいはソフト対策がこれから重要になってくると思いますが、これまでの取り組み実績と成果、そして今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
〇高橋自然保護課総括課長 鳥獣保護管理の担い手対策についてでございますが、県では、狩猟免許取得からの3年以内の方を対象に県内各地でスキルアップ研修会などを開催し、適切なわなの設置方法や安全な銃の取り扱い及び射撃技術、捕獲個体の解体方法などを学ぶ機会を設けております。また、イノシシの捕獲技術向上を目的としました研修会の開催や、狩猟者に対して事故防止研修会を開催し、狩猟のマナー、猟銃の取り扱い、関係法令の遵守などについて講習を行っております。申し上げましたスキルアップ研修会は平成26年度から開催しておりまして、平成29年度の参加者は約40名、翌平成27年度からはイノシシ捕獲技術研修会を開催しておりまして、昨年度は150名が参加しております。
本年度も、6月に奥州市でイノシシの捕獲技術研修会を開催し、12月にはスキルアップ研修会を開催する予定としておりまして、次年度以降についても、同様の研修会を開催するなどにより担い手の育成に努めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ソフト対策以外にも、やはりハード対策といいますか、実際に射撃訓練や、そういった環境整備というのはこれから今後ますます重要になってくると思います。私が聞くところによりますと、盛岡広域の関係自治体でも連携しながらそういった検討を進めているようでございますので、ぜひ県としても、今後の担い手対策、鳥獣被害対策に向けてしっかり取り組んでいただきたいということをお願いして終わります。
〇阿部盛重委員 再生可能エネルギーについてですが、自然環境に対する影響、開発と環境汚染の関係、それから環境アセスメント、使用済み太陽光パネルの処理対応に関しましては飯澤委員、高橋孝眞委員から御質問がありましたので、そこは省いて、私のほうからは、太陽光発電の設備に関するところで1点お伺いいたします。
太陽光パネルの発電施設に第三者が立ち入るおそれがありまして、設備が壊されるのではないかと思っている方もおりますけれども、県ではどのような対策をされていくのかお伺いいたします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 太陽光発電設備の被害対策についてでありますが、平成29年4月に施行されました改正FIT法では、事業計画策定ガイドラインにおきまして、太陽光発電を含む各発電設備について、柵、塀の設置等により、第三者が構内に立ち入ることができないような措置を講じることとされておりまして、事業者において対策が講じられるものと認識しております。
〇阿部盛重委員 じゃ、今後はこういうおそれがないということでの認識でよろしいのでございますね。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 国等が策定しております事業計画策定ガイドラインによりまして適切な指導が事業者に対して行われるものと認識しております。
〇阿部盛重委員 次に移ります。
水素の利活用についてですが、先ほど水素の利活用の構想に関しましては関根委員からもお話がありましたので、そこは省かせていただきます。
次に移りまして、水素関連製品の導入事例についての勉強会をいろいろされていたようですけれども、どのような成果を生んだのかお伺いいたします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 水素関連製品の導入事例勉強会の成果についてでありますが、勉強会には、水素の利活用に関心を示す建設、電気関係の事業者のほか、金融機関など多くの方々に参加していただいて実施したところでございまして、水素利活用の理解増進や機運醸成が図られたものと認識しております。
〇阿部盛重委員 国の関係機関を含めて産学官民金の会合も設けられたということですが、そこと先ほどの答弁は同じ内容ということでよろしいですか、それともまた別な内容ということでしょうか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 産学官民金の会合で得ました内容の活用についてでございますが、先ほど答弁しましたとおり、今年度、水素利活用構想を策定することとしておりまして、本県の地域特性を踏まえた利活用策の具体化に活用して取り組んでいくということでございます。
〇阿部盛重委員 最後になりますけれども、県民の理解をいただくことも非常に大事だと思うのですが、県民の理解促進活動をどのように今後されていくのかお伺いして終わります。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 県民の理解促進活動につきましては、今年度、水素利活用構想について委員会を設置して取り組んでいるほか、水素の利活用に関するセミナーあるいは先進地調査、また、地球温暖化対策のイベントでありますいわて温暖化防止フェアにおきまして、燃料電池自動車の展示等、また、今年度新規事業で実施しました次世代自動車のフェアにおいても次世代自動車の展示、試乗等を行っておりまして、こういったことも含め水素の利活用が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木宣和委員 私からは、ツキノワグマ対策について伺いたいと思います。午前中、伊藤勢至委員からも質疑がありましたけれども、質問させていただきます。
まず、平成29年度の人身被害の状況と、その特徴、傾向を伺いたいと思います。
〇高橋自然保護課総括課長 平成29年度の人身被害の状況、特徴、傾向についてでございますが、平成29年度は16件17名の方が熊による人身被害に遭われており、内訳は、50歳代以下が3名、60代が5名、70代が8名、80代が1名となっております。死亡者はおりませんでしたが、重傷の方が10名、軽傷の方が7名となっております。
特徴といたしましては、日中に山菜とり等で山林に入った際に起きる傾向が高くなっており、その際、熊鈴などの予防対策をしていないといった場合が多くなっております。
前年度に対し1件2名の減となっておりますが、引き続き高水準となったことから、昨年6月にはツキノワグマの出没に関する注意報を発表するなど、県民への一層の注意喚起を行ったところであります。
〇佐々木宣和委員 16件と。そして10件は非常に大きな被害だったところでございます。平成29年度のツキノワグマ管理計画の中で、その前のデータもありますけれども、軒並み10件以上の人身被害があるというような傾向かと思っています。
そこで、捕獲上限数の設定の裏づけと市町村への配分の考え方。そのもとデータになる生息頭数の出し方と、それはいつのデータをもとにして生息頭数を出しているのかということを伺いたいと思います。
〇高橋自然保護課総括課長 熊の捕獲上限数と市町村への配分の考え方についてでありますが、捕獲上限数につきましては、県の第4次ツキノワグマ管理計画に基づきまして、今年度の推定生息数と次年度の生息予測数を勘案して設定し、ツキノワグマ管理検討委員会において諮った上で決定しております。
また、市町村への捕獲頭数配分につきましては、捕獲の上限数、生息状況、前年度までの当該地域の捕獲許可実績等を総合的に勘案して設定しております。
次に、生息頭数の出し方についてでありますが、県では、平成21年から平成24年に実施した大規模ヘアトラップによる個体識別調査を行っております。北上高地と北奥羽山脈の地域個体群に分けて実施し、その結果をもとに個体数推計した結果、平成24年度末時点で3、400頭と推定しており、この時点の頭数を生息数として使用しております。
〇佐々木宣和委員 北上川を挟んで右と左で生息頭数を出し、それを市町村に配分してということかと思いますけれども、この捕獲上限数を上回っているケースはあるか伺いたいと思います。これは通告していなかったのですけれども、お願いします。
〇高橋自然保護課総括課長 年度途中におきまして捕獲上限数に達するケースは過去にもありまして、その場合には、捕獲上限数の見直しを改めて年度途中に行って対応しております。
〇佐々木宣和委員 次に、先ほど申し上げましたとおり、生息頭数の出し方も、北上川を挟んで右と左で分けていると。左側の奥羽山脈のほうで考えますと、秋田県とのかかわりも出てくる、広域連携の重要性もあるのかなと考えているところでございます。秋田県の取り組みと、それに対する所感を伺いたいと思います。
〇高橋自然保護課総括課長 秋田県の取り組みとそれに対する所感についてでありますが、秋田県では、昨年度の熊の捕獲数が大きく増加したと聞いております。昨年、一昨年、熊による死亡事故が発生したことによる影響で有害捕獲数が増加したものと聞いております。秋田県の諸事情により、総合的な判断として対応されたものと考えております。
〇佐々木宣和委員 死亡事故があったということで、私が持っているデータでは、生息頭数を1、000頭と設定して500頭とっているのが現状でございます。岩手県の感覚からいうと、かなりの数を秋田県はとっているというイメージかと思います。
そこで、もとの質問に戻るような話になりますけれども、捕獲上限数に達した場合は、またその数を考え直してやっているということだったと思うのですが、要は、生息域、緩衝域、生活域というところで、結局、町場まで熊がおりてきているのが現実と思います。私も岩泉町に住んでいますが、山際に住む人がかなり減っているので、そこから先のところまで熊が出てくるようになる。
考え方ですが、要は、人間が住んでいるところに来たものはきちっと捕獲していかなければいけないのは当たり前だと思うのですけれども、私が市町村で要望を伺った話ですと、事前配分頭数を超えた場合は県に申請しなければならないと。その申請がおりるのに1日、2日かかってしまうケースもあるということを伺っていますけれども、人間が生活しているエリアに出てきたものを駆除できないケースがあることに関してどう考えられているのか伺いたいと思います。
〇高橋自然保護課総括課長 生息域、生活域の考え方等についてでありますが、第4次ツキノワグマ管理計画におきましては、本来熊が生息すべき森林等の区域を熊の生息域とし、集落や農耕地等の人間活動を優先させる区域を人の生活域とし、その二つの区域の境界を緩衝域としております。中山間地域の人口減少、高齢化等によりまして緩衝域としての機能がなかなか発せられなくなってきており、熊と人とのすみ分けがされにくい状況にあるという認識はしております。
一方で、熊の捕獲について、市町村には、人身に被害が及ぶ場合等については市町村がみずから許可をおろすことができるといったことで一部を権限移譲しており、そのほかに一定数を市町村の年間の枠配分として許可の移譲をしているところでございます。年間の配分数がなくなった場合につきましても、県と市町村が連携して、時間がかかることのないよう、平常時から関係機関の連携を図るなど、迅速な対応に努めていくことが重要と考えております。
〇佐々木宣和委員 結局、危ないと思ってもすぐ捕獲できないというのは少しどうなのかなと思ったところです。ツキノワグマ管理検討委員会の議事録の中でも、地区管理協議会で調整することも必要ではないかという意見も出されていると思います。枠を超えた場合、要は数字をエスカレーションしているのが県であれば、その枠の状況がどうなっているのかを市町村に連絡するのも県の責任だと思いますので、きちんと取り組んでいただきたいと思います。これは質問ではないのですけれども、結局、県の役割として地域の方々が期待している部分というのは、正直なところは個体数管理というよりも人身被害防止対策だと思っていますので、きちんとその点を対応していただきたいと思います。
次に、SDGsに関して伺いたいと思います。
2015年9月の国連サミットで全会一致で採択されたもので、誰一人取り残さない、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、2030年を年限とする17の国際目標を決めたところでございまして、次期総合計画の中にも資料として入っているものでもございます。
このSDGsに関しての捉え方と政策への反映状況、環境生活部としてやられていることにかなり重なる部分があると思いますけれども、これをどう捉えているのか伺いたいと思います。
〇高橋環境生活企画室企画課長 SDGsの考え方の環境施策への反映についてでございますけれども、今、委員がおっしゃったとおり、2015年の国連サミットにおきまして採択された15年間の国際目標でございます。誰一人として取り残さないという理念は、次期総合計画における幸福を守り育てようとする考え方に相通じるものでありまして、幸福を次世代に引き継ぎ、持続可能な社会とする取り組みを本県から広げていくことが必要であるという認識でございます。
本県におきましては、平成22年に策定いたしました岩手県環境基本計画におきましても、みんなの力で次世代へ引き継ぐいわてのゆたかさという基本目標を掲げまして、持続的発展が可能な社会を目指してこれまで各般の環境施策を推進してきたところでございます。
現在策定中の次期総合計画の中間案に、SDGsの考え方に対応して、良好な自然環境の保全、循環型地域社会の形成、低炭素社会の形成などの環境施策を盛り込んでおりまして、一人一人が恵まれた自然環境を守り、自然の豊かさとともに暮らすことができる岩手の実現を目指してまいりたいと思います。
〇佐々木宣和委員 SDGsをうまくチャンスとして使っていくというようなことかと思っているのですけれども、17の目標で169のターゲット、232指標というところで、それを全部きちんとやれればいいと思うのですが、結局これは、メニューが全部整っているという話になるというよりは、このSDGsの考え方というのは、統合的に取り組むところと役割分担をきっちりしていくというところもあると思うのです。今まで取り組んできたもので強いところをきちんとフォローしてやっていくというような発想で考えていただきたいということで、どうしても行政ですとメニューを全部そろえて、国が考えたものを一つずつ応えていくみたいなこともあると思うのですけれども、岩手なりの、弱点をなくすような発想ではなく強い部分を強化していくような、きょうは再生可能エネルギーの話もあったと思いますけれども、そういう発想で取り組んでいただきたいと思っております。
〇柳村一委員 生物多様性推進事業費についてお伺いします。
自然環境保全や外来種駆除等の平成29年度の事業実績をお伺いします。
〇高橋自然保護課総括課長 自然環境保全や外来種駆除等の事業内容と実績についてでありますが、生物多様性保全のため、県では、岩手県グリーンボランティア研修会など年10回の研修会等を開催するとともに、十和田八幡平国立公園や早池峰地域等におきまして、環境省、県、市、団体等がそれぞれ主体となり、オオハンゴウソウ等の外来植物駆除が行われております。
〇柳村一委員 環境省によると平成28年度から外来種のオオハンゴンソウの駆除活動を行っているようであります。その駆除については盛岡森林管理署、岩手県、雫石町観光協会等々が参加しているようですけれども、県独自の駆除事業みたいなものはなかったのでしょうか。
〇高橋自然保護課総括課長 県独自の外来種防除の関係でありますけれども、早池峰地域におきまして、県南広域振興局がオオバコ、セイヨウタンポポ、オオハンゴウソウ等の駆除を2回にわたって実施しております。その他、環境省、滝沢市、民間団体等が実施したものがございます。
〇柳村一委員 環境生活部関係になってくるとどうしても国立公園、国定公園などの自然地域が主体となると思うのですけれども、実際、外来種は人里にすごい数があるわけでして、車などによって持ち込まれる可能性があるので、山や自然の地域の駆除だけでは到底、今後、太刀打ちできないと思いますので、人里の地域や近くの沿線の地域での駆除活動等々に力を入れてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
〇高橋自然保護課総括課長 人里での外来種の駆除についてでございますが、オオハンゴウソウ等の外来植物の駆除は、現在、マンパワー確保の点などから委員御指摘のとおり国立公園や国定公園などの重要な地域を中心に行われておりますが、生物多様性の重要性を広く浸透させ、より多くの県民が参加できるよう一層の周知を図ってまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 よろしくお願いします。
次に、指定管理鳥獣保護等の事業ですが、先ほど来皆様からありましたので、私からは重複しないように。
ニホンジカはどちらかというと沿岸の南のほうから北に向かっているような感じですし、イノシシですと奥羽山脈沿いに上がってきている。県の計画等々を見ているとそういう感じがうかがえるのですけれども、県境地域、例えば宮城県と岩手県にまたがっている地域とか秋田県と岩手県にまたがっている地域、そこら辺での捕獲の状況と、連携みたいなものはあるのでしょうか。
〇高橋自然保護課総括課長 県境地域の捕獲状況と他県との連携についてでありますが、ニホンジカの捕獲につきましては、青森県境の二戸市、八幡平市、軽米町及び洋野町で142頭、宮城県境の一関市及び陸前高田市で1、773頭、秋田県境の一関市、八幡平市、奥州市、雫石町及び西和賀町で852頭となっております。一方、イノシシの捕獲につきましては、宮城県境の一関市及び陸前高田市で27頭、秋田県境の一関市、八幡平市、奥州市、雫石町及び西和賀町で49頭となっております。
本県では、北海道・東北自然保護主管課長会議や北東北鳥獣及び狩猟行政担当者連絡会議等の場におきまして、野生鳥獣の保護管理について他県との情報交換等を定期的に行っているところでございます。また、隣県とは、課題への対応など、日ごろから連携を図っているところでございます。
〇柳村一委員 結構連携されていると今聞いてわかりましたけれども、認定鳥獣捕獲等業者一覧表というのが環境省から出ておりまして、青森県、岩手県は1団体─猟友会ですけれども、宮城県と福島県は3事業者ということで、その中にアルソック宮城、アルソック福島みたいな民間も入っていらっしゃるようです。対して秋田県と山形県は業者がいないということで、そこら辺、県境での連携がしっかりとれているのか疑問だったのですけれども、実際秋田県とは連携してやっていらっしゃるようなので安心しました。
ただ、今後、岩手県猟友会1事業者だけで捕獲作業が間に合っていくのかということで、他県などを見ますといろいろな団体を入れて対策をしているようですけれども、そこら辺の考え方はいかがでしょうか。
〇高橋自然保護課総括課長 認定鳥獣捕獲等事業者につきましては、現在、岩手県の場合は県の猟友会が全県を網羅してニホンジカ等の捕獲に対応していただいているところでございます。他県の状況につきましても御案内があったところでございますけれども、岩手県におきましてはアルソックなど民間団体という話はまだ来ておりませんが、今後の捕獲の必要性に応じて、そういった団体の申し出があれば対応してまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 よろしくお願いします。
次に、環境省で、都道府県鳥獣行政担当部局内における鳥獣の保護及び管理に関する専門的な知見を有する職員の配置についてという報道発表がありました。専門的知見を有する職員の県の配置についての考えをお伺いしたいと思います。
〇高橋自然保護課総括課長 専門的知見を有する職員の配置についてでありますが、本県では、鳥獣保護管理に関する学位を有する職員2名を環境保健研究センターに配置し、専門的な知見が必要なイヌワシやツキノワグマ、ニホンジカなどの生息状況の調査などを行っているところであります。県としましては、引き続き専門的な知見を有する職員の配置をしたいと考えております。
〇柳村一委員 ほかの県などを見ると専門的な知見を有する職員がいない県も結構ありますので、岩手県は一生懸命取り組んでいただいていると思います。
その見識のある方々の意見を聞くのもそうですけれども、今後、環境省からは見識を有する職員を必ず配置するようにという通知等、来そうな感じがするのかどうかだけお伺いします。
〇高橋自然保護課総括課長 全都道府県で見ますと、37都道府県に148人が平成30年4月1日現在で配置されている状況にあり、中には、配置していない県、あるいは常勤ではなく非常勤で置いているといった県もございます。当面配置する予定はないという県におきましても、審議会などでの有識者の意見をそのかわりに使っているとかいろいろな対応があるようでございますので、各都道府県の状況を見ながら環境省で対応されるものと考えております。
〇柳村一委員 次に、地球温暖化対策の推進についてお伺いします。
先ほど来、再生可能エネルギー等々質疑されていましたけれども、私からは、平成32年に温室効果ガス排出を平成2年比で25%削減するという中で、排出削減対策で13%、再生可能エネルギー導入で4%、森林吸収量で8%、合わせて25%削減ということですが、平成29年度の段階で、どの水準まで県は来ているのか、そこら辺をお伺いしたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 地球温暖化対策実行計画の実績についてでありますが、統計データの都合上、現時点の最新値で申し上げますと、温室効果ガス排出削減割合につきましては、基準年である平成2年と比較しまして、削減対策13%のところ、平成27年度は0.1%の減少とほぼ横ばいとなっておりますが、これは復興需要等の影響によるものと考えております。
また、再生可能エネルギーによる電力自給率につきましては、先ほど来申し上げておりますように35%の目標達成に向けて今のところ順調に推移しているところでございますが、実行計画に掲げる4%見合いにつきましては、平成27年度再生可能エネルギーによる削減効果で0.2%削減されたという数値でございますし、また、森林吸収量については、同じく平成27年度につきましては174万2、000トンCO2削減で12.4%の減でございまして、25%削減の目標に対しまして、平成27年度実績で申し上げますと合計12.7%の減でございます。
〇柳村一委員 ということは半分いっていない状況ですけれども、今後2020年までにこの目標を達成することが可能かどうかお伺いして終わります。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 2020年度25%削減に向けての実効性ということでございますが、まずは県民あるいは事業者に向けての取り組みということで、地球温暖化に関する総合的な情報発信を行ういわて温暖化防止フェアの開催や、夏季、冬季に行っております省エネや節電を促すキャンペーンの実施、また、県内で委嘱しております地球温暖化防止活動推進員を活用しての研修会の開催や、新たに昨年度、家庭の省エネの成果を見える化しますいわてわんこ節電所をホームページ上に開設しまして、参加、取り組みをいただいているところでございます。
また、事業者に対しましては、中小企業向けのLED照明導入補助の実施や、二酸化炭素排出抑制に積極的に取り組む事業者をいわて地球環境にやさしい事業所として認定するほか、運輸部門での二酸化炭素排出削減を進めるためエコドライブ講習会などの取り組みを実施しているところでございまして、こういった取り組みを進め、25%削減の目標達成に向けまして鋭意取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 それでは、県央ブロックごみ処理広域化計画についてお聞きいたします。
まず第1に、進捗状況はどうなっているのでしょうか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 盛岡広域のごみ処理広域化計画の進捗状況についてでありますが、盛岡広域のごみ処理広域化は、構成8市町の首長で構成する県央ブロックごみ・し尿処理広域化推進協議会により検討が進められておりまして、平成27年1月に基本構想が策定されたところでございます。その後、当該推進協議会が設置したごみ処理施設整備候補地検討委員会が報告書を提出し、平成29年5月の推進協議会を経て4カ所の整備候補地が選定されたところでございます。さらに、本年8月、整備候補地4カ所のうち、都南工業団地付近及び盛岡インターンチェンジ付近の二つについて優先して協議を進めることとされたと聞いております。
〇斉藤信委員 ことしの8月に建設予定地が2カ所に絞られたと。
二つお聞きします。
一つは、2カ所に絞られた具体的理由は何か。
二つ目は、実は、昨年5月に4カ所に絞られた。このときは県央ブロックごみ処理施設整備候補地検討委員会が4カ所に絞ったのですね。2カ所に絞ったのはどこですか。検討委員会が開催された形跡はないけれども、どこが2カ所に絞ったのか、この2点をお聞きします。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 建設予定地についてでありますが、各整備候補地において住民説明会が開催されてきたところでございますが、反対が根強い地域があることから、2カ所について優先して協議を進めることとされたと聞いております。
また、2カ所に絞ったのはどこかということでございますけれども、県央ブロックごみ・し尿処理広域化推進協議会の事務局である盛岡市が市議会議員全員協議会において2カ所を優先して協議を進める旨を説明したことは承知しておりますが、推進協議会においてどのような意思決定がされたかについては承知しておりません。
〇斉藤信委員 県が承知していない。私は、不明朗な形で2カ所が絞られたのではないかと。
2カ所に絞られた理由は、その他の2カ所では根強い反対運動があったということですね。では、絞られた2カ所は反対がないのかというと、決してそうではない。例えば、本命と言われる上厨川地区は土地区画整理事業が失敗したところです。ここは、実は昨年の10月に地域住民が反対の要望書を提出しています。もう一つは都南工業団地付近ですけれども、8月30日付の新聞報道では、周辺の自治会が住民説明会を6月に求めていたにもかかわらず、説明会を開かずに、8月に盛岡市が市議会全員協議会で都南工業団地付近も含めて2カ所に絞ったと。これはかんかんがくがく、怒っているのです。説明会を要望したのに、開かない。ですから、その後、反対のための運動もさらに広がっている。絞られた2カ所も明確な反対の声が広がっているのに、ここは無視されているということですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 整備候補地の選定についてでございますが、盛岡市において引き続き適切に対応されていくものと考えております。
〇斉藤信委員 盛岡市が適切にやっていないからここで聞いているのでね。
実は、本命と言われているのは上厨川地域です。こういう経過がありました。昨年7月に、市が提案して、区画整理事業は見通しがないから解散しなさいと。こういうふうに提案して、市の側からごみ焼却施設の誘致を核とする土地利用を提案して了承を取りつけたと。市が提案しているんですよ、これ。ごみ処理施設を核とする土地利用計画。そしてこの直後に、8月に二つの町内会長の連名で誘致の要望書が出された。しかし、この二つの町内会は実体はありません。一つの町内会は、地域住民が反対して、この町内会長は辞任しました。町内会長2人の連名だけれども、町内会の総意でも何でもない。一部の地権者が、何としても土地を売りたい、失敗した区画整理事業の決着をつけたいということでやったのではないか。これだったら市の自作自演じゃないかと言われているのです。
私は、2カ所が排除された理由は住民の根強い反対だと、これは当然だと思います。谷藤市長は住民合意を前提にやると言明してきた。しかし、絞られた2カ所、ここでも住民の反対の声が明確に上がっている。結果、適地がないということになるのではないか。その点について県はどういうふうに把握していますか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 ごみ処理施設の広域化における整備候補地の決定過程については、市町村からその都度報告を受けるという制度にはなっておりませんので、詳細は承知しておりません。
〇斉藤信委員 都合の悪いことは承知しないと。
しかし、これを推進する最大の理由は、県が立てた県央ブロックごみ処理広域化計画なのです。県が立てた計画が最大の根拠になって、そして、1カ所に集中しなければ交付金が出ないという事実に基づかない県のミスリードによって、1カ所集中処理するのは仕方がないのではないのではないかとなっている。私は、県は責任回避できないと思いますよ。谷藤市長が言うように住民の合意を貫くというのであれば、絞られた2カ所も適地ではなくなる。
そもそも3市5町のごみの量というのは、県内全域の4割を占めます。この4割をも占めるごみを1カ所に集中処理するというやり方自身が私は矛盾に満ちている、間違っていると思います。本当に今、再検討が必要な時期だと思います。
私は上厨川地域について言いたいけれども、これが何で4カ所の候補地に入ったのか不思議でならない。あそこにはイオンモール盛岡が出店しています。一大商業地域です。イオンモール盛岡が出店するときにどんな議論があったのか。交通渋滞が発生するというので、けんけんがくがく議論して、道幅を広げたり、前潟に回る道路、右折のレーンを2車線とったのですよ。そういう形であそこはイオンモール盛岡の出店が認められた。そんなところに8市町村のごみを集中させるなんてことになったらどういうことになるのか。私は、交通問題が最大のネックの一つになると思います。そういうことが検討された結果、これが候補地に挙がったのかどうか県は承知していますか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 そういったいろいろな条件を含めて市の整備候補地検討委員会で協議された結果だと思いますので、そこは盛岡市が適切に候補地として挙げたものと考えております。
〇斉藤信委員 私が聞いたのは、そういう交通渋滞の問題を含めて専門的な検討がなされて候補地になったのかと聞いているのです。あそこは前例があるのですから。イオンモール盛岡が出店するときにそういう議論があって、国道を拡幅して、そしてあそこのイオンモール盛岡の出店が認められた経緯があるのです。そういう地域なのです。
私は選定のやり方を聞きましたけれども、まともに交通問題が検討された経緯はありません。どういうことが検討されたかというと、交通アクセス。交通アクセスはいいですよ、盛岡インターチェンジの近くなのですから。交通アクセスがいいから渋滞が起こるのです。大体、今でも行楽シーズンだと渋滞ですよ。まともな専門家による検討はなされなかったと思うのです。幾つかの条件で、平場でいいとか交通アクセスがいいとか、土地区画整理事業が失敗していますから、一定の規模で改変せずにそこが利用できるとか、いいことずくめなのです。しかし、そのことによって発生する問題というのは検討された経緯がない、率直に言って。
私は、県のごみ処理広域化計画がそもそもの出発点ですから、こういう住民の反対運動も起きている、そして上厨川地域はそういう一大商業地域で、国道46号を拡幅までしてショッピングセンターを誘致した経過から見て、そういうところが適地なのかということをやっぱり県がしっかり市からも聞き取ることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
あわせて、循環型社会形成推進地域計画をつくらないと交付金の対象にならないというので、ことしの3月に盛岡市はこの地域計画をつくったと言われていますが、県には報告がありましたか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 まず1点目、ごみ処理施設の選定過程につきましては、ごみ処理の事業主体である盛岡市なり8市町で十分協議されていくものと考えております。
二つ目の地域計画の案についてでございますが、県には提出されておりません。
〇斉藤信委員 これは県の計画に基づく地域計画ですから、私はもちろん県を通じて国に行くのだと思いますけれども、県に来ていないということは、国にも提出されていないということですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 地域計画は県を通して環境省に提出されることになっておりますので、提出されていないものと考えております。
〇斉藤信委員 実は、この地域計画がつくられたということを前提に9月の盛岡市議会で議論がされていました。だとすれば、これは大問題だと思いますよ。県にも報告されていない、それが何かできた計画のように交付金をもらう前提として市議会で議論されていたとすれば、これ自身重大だと。
私は、そういう意味で、大変問題を抱えたこの県央ブロックのごみ処理広域化計画がいよいよ行き詰まってきたと。このことは率直に指摘して、盛岡市広域ブロックから県がよく聞き取りをして、こういうときこそ適切な指導をしてください。こういうときこそ。ミスリードしないで。
次に、メガソーラー、風力発電、環境保全の問題についてお聞きします。
これは、かなりこの間、議論がありました。今の現状で1、012メガワット、ここまで来ていると。問題は、今、認可された、認可されたけれどもまだ事業化していない、整備中のものがかなりあるのではないか。その状況はどうなっているでしょうか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 再生可能エネルギーの認定はされているけれども稼働していない事業の件数についてでございますが、手元にあります情報としまして太陽光発電について紹介させていただきますが、現在、太陽光発電につきましては、認定件数が10キロワット未満、以上を合わせまして3万2、020件のところ、稼働件数につきましては2万8、570件という状況でございます。
〇斉藤信委員 認定されたけれども稼働していない、この発電量はわかりますか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 手元にあります情報ですぐお答えできるものはございませんが、大規模なものといたしまして1、000キロワット以上のものは認定件数182件、稼働件数89件という状況でございますが、設備容量合計数値につきましては、この場で今すぐの情報提供はできないところでございます。
〇斉藤信委員 私が心配しているのは、軽米町におけるメガソーラーです。軽米町は運転中がわずか一つで、2メガワットだけです。ところが、軽米西ソーラー発電所48メガワット、軽米東ソーラー発電所70メガワット、軽米太陽光発電所40メガワット、これが今、建設中です。軽米高家太陽光発電所36メガワット。軽米町だけで196メガワットの計画です。
軽米町のメガソーラーが問題なのは、森林を伐採して太陽光発電をつくるという、先ほど来大問題になっているものなのですね。森林を伐採して、例えば軽米西ソーラー発電所は156ヘクタール、軽米東ソーラー発電所は302ヘクタール、合わせて457ヘクタール、一つの山内地区の森林を伐採する。これは本当に大変なことになりはしないかと。今、異常気象で集中豪雨が毎年のように来るという中で、私は本当にこういう……。
ところが、これは言われたように、環境アセスメントなしなのです。ましてや、軽米町は協議会をつくって町が主導でやっている。私は二重にチェック機能が全く働かないのではないかと思いますけれども、どのように受けとめておりますか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 軽米町の太陽光発電施設についてですが、本件につきましては、森林法に基づく林地開発条件と異なる開発が行われ、現在、行政指導が行われていることは承知しております。森林法所管部局からは、現在、行政指導により工事が中断され、事業者により、例えば洪水調整池の容量確保のための波板設置等の応急措置が実施されていると伺っております。
いずれにしましても、再生可能エネルギーの導入促進につきましては関係法令の規定を遵守することが大前提と考えておりますので、関係法令所管部局におきましての適切な指導、あるいは、それを含めまして、国等におけるFIT法に基づく改善指導等が、必要な場合、行われていくものと考えてございます。
〇斉藤信委員 今、工事が中断しているところはどこかお知らせください。
実は、軽米町が協議会をつくって一括して推進しているのです。協議会の議事録を見ると、県の林業振興課の課長だと思うけれども、懸念を表明しているのです。懸念を表明しているけれども、議長の町長がその問題をまともに検討せずにどんどん進める、こういう経過も議事録では明らかになって、歯どめがかからないと。規制するアセスメントの義務づけもない。町長が先頭になってこれを進めている。二重の意味で、まさにブレーキなしで進んでいる。私は、これは国のルールでもやっと検討が始まったというけれども、環境アセスメントの対象にしないというのは絶対だめだし、国待ちにならないで、県の条例化も、検討して具体化しなければだめだと思いますが、最後に部長に聞きましょう。
〇大友環境生活部長 条例アセスメントの関係で、午前中にも答弁いたしましたのでそのとおりでございますけれども、現在、全国的に太陽光発電の関係で問題となっている事例もあることから環境省のほうで検討しておりますので、その状況も見ながら、また県の条例についても、市町村のさまざまな御意見もいただきながら検討してまいりたいと考えております。(斉藤信委員「工事が中断しているのはどこなんですか」と呼ぶ)
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 軽米町の太陽光発電につきまして工事が中断されているということについてでございますが、現在、森林法に基づく林地開発を行う場所につきまして、許可を受けていない内容で実施している場所につきまして工事を中断していると。
設備名称につきましては、軽米東ソーラー発電所、70メガワットの建設地区ということでございます。
〇小西和子委員 私からは大きく1点、男女が互いに尊重し合い、共に参画する社会の実現についてお伺いいたします。
個人の尊厳と法のもとの平等が日本国憲法にうたわれ、男女平等の実現に向け、男女共同参画社会基本法の推進など、さまざまな取り組みが行われております。しかしながら、配偶者からの暴力が大きな社会問題となっており、人権の擁護と男女平等の実現にとって大きな妨げとなっております。
そこで、DV被害者支援に向けての課題と取り組みについてお伺いいたします。
〇工藤青少年・男女共同参画課長 DV被害者支援についてでありますが、平成29年度において、配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談件数は1、780件であり、警察への相談件数については403件でした。
また、DVにより一時保護された女性の人数は21名となっております。
この一時保護の件数は、統計のある平成15年以降最も少なくなっておりますが、相談件数については依然として多い状況です。
今年度の取り組みとしましては、一般県民を対象としたDV防止基礎セミナーやDV防止啓発コンサートなどを通じて、DVについての理解促進を図っているところでございます。
また、これから子供を育てる年代である中学生や高校生などを対象とした出前講座の開催などにより、配偶者等暴力の防止に向けた教育、啓発も行っております。
そのほか、被害者の安全が確保できる一時保護所での保護や、夜間、休日に避難してきた被害者等が、緊急避難するための宿泊場所の提供などを行っております。
〇小西和子委員 今もお話がありましたけれども、DVは、被害者の心身に深い傷を残すとともに、加害者の心にも深い傷を残します。ですから、若い人たちが、将来にわたって加害者にも被害者にもならないための予防啓発が重要と私も考えております。
続きまして、復興における女性参画についてですけれども、被災地の女性が置かれている環境と課題についてお伺いいたします。
〇工藤青少年・男女共同参画課長 被災地の女性が置かれている環境と課題についてでございますが、平成29年度の県東日本大震災津波復興委員会の女性参画専門委員会による現地調査では、委員から、被災地で女性の活躍が地に足がついてきたという印象という意見があったものの、地域全体で女性が活躍できるまちにならないと本当の意味での復興にはならないとか、女性の活動の形態はさまざまであり、多様な枠組みの支援が必要などという意見が出されたと伺っております。
また、被災地における女性の悩みや不安についての相談を受け付けている内閣府主催の女性の心のケアホットライン・いわてにおける平成29年度の相談件数は55件となっており、生き方や心理的問題、家族関係の悩みなどに関する相談が寄せられるなど、依然として被災地の女性は、さまざまな悩みや不安を抱えているものと認識しております。
〇小西和子委員 安心して話せる場とか正しい情報を伝えることとか、ともに考える存在として、先ほどお話がありましたが、女性の心のケアホットライン・いわて、そういうところが機能するといいのではないかと思っております。まず、常に、いつでも相談していいのだよ、みんなつながっているのだよという安心感を皆さんに与えることが重要かと思っております。
続きまして、復興や防災の現場で政策方針決定の場に必ず女性が参画すべきと男女共同参画プランに位置づけておりますけれども、実態はどうでしょうか。県としての働きかけと今後の取り組みについて伺います。
〇工藤青少年・男女共同参画課長 復興や防災の現場における女性参画についてですが、現在、東日本大震災津波復興委員会に4名の女性が登用され、女性委員13名で構成される復興委員会女性参画推進専門委員会からの提言等が、復興計画や施策に反映されているところでございます。
また、岩手県防災会議に8名の女性が登用されているなど、復興や防災の政策、方針決定の場における女性の参画は、一定程度進んでいると考えております。
市町村防災会議については、平成30年度において、前年度より女性委員が全県で14名増加し、合計で98名となっております。
県としましては、いわて男女共同参画プランにおいて、平成32年度までに女性が参画する市町村防災会議の割合を100%とする目標を掲げているところであり、引き続き、女性の参画促進について市町村に対し要請してまいります。
〇小西和子委員 市町村の防災会議に女性委員がふえたということは、すごく明るい情報だなと思っております。うれしいです。2020年の目標が100%ということですので、女性委員ゼロの町村がありますね、さらに働きかけていただければと思います。
続きまして、男女の地位の平等感を高めるため、男女共同参画センターを拠点として、市町村や関係機関と連携しながら、男女共同参画意識の向上に取り組んでいくと答弁していただいておりました。取り組みの内容、成果と課題をお伺いいたします。
〇工藤青少年・男女共同参画課長 男女の地位の平等感を高めるための取り組みについてでありますが、県では、平成18年に岩手県男女共同参画センターを設置し、男女共同参画推進の取り組みの拠点と位置づけ、県民への情報提供、学習機会の提供、相談機能、交流機会の四つを柱に事業を行っているところでございます。
センターでは、市町村や関係団体の協力を得ながら、毎年6月には岩手県男女共同参画フェスティバルを開催し、県民への意識啓発を行うほか、毎年、男女共同参画サポーター養成講座を開催し、これまで939名をサポーターとして認定しているところでございます。
平成29年度には、市町村と男女共同参画サポーターとの協働事業により、滝沢市、大船渡市、釜石市において研修会やフォーラムが開催されるなど、啓発活動が市町村にも広がっていると認識しております。
一方、平成27年度の県民意識調査によりますと、男女の不平等感や性別役割分担意識が依然として存在することから、今後も男女共同参画意識の向上に取り組んでいく必要があると考えております。
〇小西和子委員 私は、この指標がちょっと気になっておりました。主要施策の成果に関する説明書の例えば審議会等の割合、これはいいと思います。ところが、男女共同参画年次報告書にありますいわて男女共同参画プランの主要指標のところには、研修出席者数とかセミナーの出席者数というような指標があります。
男女共同参画社会を目指す議員協議会で北海道に調査に行ったときに、計画推進の指標項目が目につきました。そこには参加者数というものは1項目もございませんでした。例えば、ファミリーサポートセンターの設置市町村とか、地域子育て支援拠点の事業の実施数とか、放課後児童クラブの設置数、つまり女性が働きやすい環境をつくるには、こういうことをとにかく進めていけばいいのだという内容のものがほとんどであります。
そこでお伺いいたします。この指標の見直しにつきまして、どのような見解をお持ちなのでしょうか。
〇古舘若者女性協働推進室長 いわて男女共同参画プランの指標の見直しについてでございますけれども、現在のいわて男女共同参画プランの指標につきましては、平成28年3月に、東日本大震災津波や女性の活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)、それからDV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)等、さまざまな社会状況の変化がございまして、その課題に対応するために改定を行い、指標についても見直したところでございます。
ただいま委員から御指摘がありましたとおり、この指標につきましては、その考え方が、県が目標として定めた施策として取り組むものの目標としていたところでありまして、実際にセミナーの参加者数とか研修の参加者数という具体的な数字も目標に掲げさせていただいたところでございまして、実際に事業の進捗を図るような指標が多かったと考えております。
今後、男女共同参画プランの見直しといいますか、現計画が2020年までの計画となっております。2020年にはその改定について検討することとなっておりますので、そのプランの改定に向け、他県のさまざまな指標等も参考にさせていただきながら、指標について検討していきたいと考えております。
〇小西和子委員 ぜひ検討をお願いいたします。
何だ岩手県はマイナス面ばかりかとお思いでしょうけれども、そうではないことがあります。都道府県議会における女性議員の比率は、昨年12月31日現在ですから、そのときの議員数が47人でしたので、47人中7人、14.9%で、全国第4位です。これは知らない人もいたと思いますけれども、高いのです。
それから、最近、私、情報をキャッチしたのですけれども、平成30年度男女混合名簿の使用状況について、小学校、中学校はまだまだ全国でも一番ビリのほうからついていっているのですが、高等学校の全日制が79.4%になりまして、約80%になったということは大きな前進だなと思います。これは、県教育委員会もそうですし、現場もそうですし、地域全体としても推し進めた結果だなと思っております。
そこで、男性も女性もですけれども、意識調査で7割の方が男性優位の県であると答えているのですね。毎年毎年そうなのですけれども。ですから、この割合を少しでも低くするような、男女平等の県であるという意識を持てるような取り組みを強化していくことを要望して、終わります。
〇高田一郎委員 私からは、再生可能エネルギーの課題についてお聞きいたします。この間、多くの委員の皆さんから質問もありました。自給率の達成状況とかアセスメント規制、それから、送電の接続制約にかかわるさまざまな課題について議論されました。私も重複しないように質問したいと思います。
先ほど大友部長から、再生可能エネルギーの問題については場所貸しだけではだめなのだ、環境に配慮して、そして地域経済に貢献するものでなければならないと答弁されました。私ももっともだなと思います。そういう立場で幾つか質問したいと思います。
太陽光発電についてですけれども、現在、県内にある太陽光発電の設置主体はどうなっているのか。県外資本、県内資本、地元、面積も含めて、どのような設置状況になっているのか示していただきたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 太陽光発電の設置主体についてでございますが、国で公表しております固定価格買取制度の事業計画認定情報では、発電事業者の資本情報までは公表されていないため、県外事業者か県内事業者かについてはわかりかねるところでございます。
〇高田一郎委員 県では把握できないという話でありました。私もいろいろ調べてみたのですけれども、NPO法人環境エネルギー政策研究所の経済産業省の工場立地動向調査に基づいた試算によりますと、首都圏では42%、県内21%、地元19%となって、本当に地元に密着した形で設置されているものが面積ベースで2割にも満たないという状況です。
しかし、私は一関市に住んでいるのですけれども、こういう実感が全くないのですね。かなり外国資本、首都圏の大手資本が次々と参加しているということです。これが悪いというわけではありませんけれども、再生可能エネルギーが果たす役割、本当に地域の振興につながっているのかと。やっぱりその地域に住んでいる人たちが、本当に恩恵を受けるような再生可能エネルギーでなければならないと思うのです。
その点について、今、県内にある再生可能エネルギーが、どれだけ地域に密着して、地域に貢献をして雇用が生まれているかとか、そういった検証といいますか評価といいますか、どのような評価をされているのか、この点についてお聞きしたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 再生可能エネルギー導入によります地域への経済効果の状況についてでございますが、県内全域につきまして、経済効果につきまして全て把握している状況ではございませんが、一例で申し上げますと、例えば、風力発電導入に伴いまして、やはり風力発電につきましてはメンテナンスが必要となっておりますことから、メンテナンス業務への参入が地元におきまして現在実施されていることのほかに、もちろん建設工事に伴いまして、地元事業者を建設工事で使うというような事例、また、県北のほうになりますが、木質バイオマス熱エネルギーを利用しまして地産地消の取り組みを行い、今年度、農林水産大臣賞を受賞するなど、すぐれた取り組みをしているところもあると認識しているところでございます。
〇高田一郎委員 さっき聞き忘れたのですけれども、この太陽光発電の設置主体について把握されていないということですが、この把握はなかなか難しいのでしょうか。
そして、先ほど、国もアセスメント規制を検討していると。いろいろ調べてみますと、来年秋にも規制を始めたいという報道もありますけれども、アセスメント規制などが始まれば正確な実態が把握されるのかどうか、この点についても伺いたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 太陽光発電の設置主体についてでございますが、国で公表しております認定情報では、事業者の名称でありますとか所在地につきましては記載がありますが、それが仮に県内の住所ということでありましても、県外資本か県内資本かというようなことがわからないこともございまして、そこまでの情報につきましては把握できないということでございます。
〇小島参事兼環境保全課総括課長 仮に太陽光発電の施設が環境アセスメントの対象になった場合につきましては、事業者が廃業した段階から順次手続を進めてまいりますので、設置主体その他については、規模によって対象になる、ならないは出てくると思いますが、そういう意味で、対象となった規模のものについては、事業者について確認できると考えております。
〇高田一郎委員 仮にアセスメント規制となれば、規模の大きいものについては把握できるという話でしたけれども、いずれ再生可能エネルギーというのは、他県につくられるわけではないので、岩手県内につくられるわけですから、これは把握できると思うし、把握しなければならないと思うのですね。
それで、先ほどこの再生可能エネルギーについての地域貢献、地産地消の問題について答弁がありました。全てを把握していないということで、幾つかの先進事例についてお話をされました。しかし、実態としては、なかなか地産地消といいますか、地域に住んでいる人たちが本当に恩恵を受けているような、地域で支えるような再生可能エネルギーという点では、まだまだ事例は少ないのではないかと。
自治体によっては、この地域に住んでいる人たちが恩恵を受けられるような再生可能エネルギーについて導入をどんどんふやして、そこに自治体も投資するという条例をつくられている自治体もあると聞いております。
そこで、私はそういったところにもやっぱり予算を割いて、地域密着型の再生可能エネルギーの導入を飛躍的にふやしていく必要があるのではないかと。自給率の目標もありますけれども、これを達成することも大事ですが、その中身も非常に大事ではないかと思います。
幾つかちょっと紹介したいと思いますけれども、岐阜県の飛騨地区にある58戸の住民が、株式会社を立ち上げて小水力発電を設置したということです。これはJAと県が補助金を導入して、地域で運営されているようです。年間1、000万円の売電収入で、そのうち半分がJAへ設備投資の返済、残りの500万円を地域で活用して、耕作放棄地6ヘクタールを再生すると。エゴマやタケノコ栽培、そして祭りの復活、そして、新規就農者の呼び込みも始める。売電収入をそういう地域の活性化に役立てているということなのですね。再生可能エネルギーというのは初期投資がかなり膨大ですから、その設備投資に県とJAが出したというんです。
恐らく融資制度も、かなり大手の企業が活用していると思いますけれども、融資制度だけではなくて、やっぱり直接こういった地域密着型の再生可能エネルギーについても支援をして、自給率の向上だけではなくて、中身もいいものにして誘導していくべきではないかと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 再生可能エネルギーの地域密着型の導入促進を進めていくべきではないかというような御質問でございます。
再生可能エネルギーの導入につきましては、もちろん電力自給率の向上に向けて取り組んでいくところでございますが、地域密着型あるいは地産地消、地域に経済が循環するような仕組みづくりといったものは非常に大切であると認識しております。
県におきましては、他県の先進事例をセミナー等で紹介して、それに参入する事業者の機運を醸成するような取り組みを行っておりますほか、地域密着型の取り組みを検討している市町村に対して、県としても可能な範囲内で助言、支援等を行っていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 地産地消、地域密着型の再生可能エネルギーについては、先進事例を紹介して、助言、支援していくということですけれども、口だけではなくて、財源的にも、融資だけではなくて、先ほど飛騨のことを紹介しましたが、県とJAで半分出して、そして売電収入で活動している、これは一つの例だと思うのですが、やっぱり直接支援をしていくことが非常に大事だと思います。ぜひそういったことも含めて検討して、対応していただきたいと思います。
それで、送電線の接続制約についてお聞きしたいと思います。
これは、昨年5月に送電線の容量が満杯になったとして、東北電力が、停電のおそれがある、今後、接続の整備については直接負担をしなさいということで、いわゆる東北電力ショックということで大変大きな問題になりました。
先ほどの答弁では、この問題について、やはり国に要望し、働きかけていくという話がありました。具体的にどういう対応といいますか要望をされるのか、この点について、要望内容について示してください。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 送電線の接続制約についてでございますが、県においては、これまでも政府予算要望等の機会を使いまして、電力系統への連係可能量拡大に向けた送配電網増強施策等の展開について要望を行っているところでございます。
具体的には、連係可能量を拡大するため、一定の条件つきでの連係を認める制度の推進─これは既存系統を利用してということになります─でありますとか、委員御案内のとおり、東北北部エリアの基幹系統の増強に向けまして、現在進められております電源接続案件募集プロセスの早期完了と、その後予定しております基幹系統増強工事の工期短縮といったことについて、国に要望を行っているところでございます。
〇高田一郎委員 送電線の容量が満杯になったということで停電のおそれがあるということですけれども、これも国会で大問題になったのですが、結局満杯ではなくて、今稼働していない女川原発、それから建設中の東通原発、あるいは大間原発ですか、これらはまだ実際稼働していないわけですけれども、これらが稼働したということを前提にして、いわゆる空押さえをしているわけですね。ここがやっぱり問題だと思うのですよ。
だから、結局、国の第5次エネルギー基本計画について計画が示されましたけれども、原発については20%から22%と、この前の計画とほとんど変わらない。やはり再稼働を前提にした基本計画になっているから、送電線の容量が満杯になったというような空押さえが起きるのですね。
だから、この基本計画そのものをやはり見直ししなければならないし、再生可能エネルギーを本当に飛躍的に拡大していくには、この計画の見直しとか、あるいは送電線への再生可能エネルギーの優先的な対応をするという視点で国に求めていくべきではないかと私は思うのですけれども、この件についていかがでしょうか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 国のエネルギー基本計画につきましては、国の総合資源エネルギー調査会などにおけるさまざまな議論を経まして、エネルギーミックスにつきましても出された結論と承知してございます。
送電線への優先的な再生可能エネルギーの接続につきましても、引き続き国に対して要望してまいります。
〇高田一郎委員 よろしくお願いいたします。最優先の問題として、ぜひ対応していただきたいと思います。
それで、その再生可能エネルギーの使用した後の処理の問題ですけれども、先ほど産業廃棄物の問題でも議論がありました。分別してしっかりと対応していくということでありますけれども、そもそもこの廃棄費用の問題ですね。この費用については、この間、国の動きもありまして、7月23日から事業者が廃棄費用について、撤去及び処分費用について積み立てをして、その状況を国に報告する、これが義務化になりました。これは大きな前進だと思いますけれども、これが本当に実効性あるものになるのかどうか。
この廃棄費用の報告制度についての県の考え方といいますか、本当に実効性あるものになるのかどうか。それで、我々住民に対しては公開されるのかどうか。そして、もしこの事業者が廃業された場合に、こういったものはどうなるのか。この点についてお伺いしたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 廃棄費用に関する報告の義務化についてでございますが、国におきましては、委員お話しのとおり、本年7月から、廃棄物の処理の実効性を担保するため、廃棄費用の積み立て状況につきまして、発電事業者が国に対して毎年報告することが義務づけられたところでございまして、FIT法を所管する国におきまして適正な指導が行われていくものと考えており、実効性は担保されるものと考えております。
また、その情報が公開されるかどうかにつきましては、承知しておりません。
また、事業者が廃業した場合の取り扱いについてでございますが、再生可能エネルギー発電設備につきましては、改正FIT法におきまして、発電設備に事業者名、発電の規模、所在地、緊急連絡先等を表示することとされ事業者が廃業した場合に、適切に撤去されていないときは、表示された連絡先から国等に報告する、国等の指導を仰ぐこともあろうかと考えております。
〇高田一郎委員 わかりました。
最後に、浄水場の防災対策についてお聞きいたします。
北海道の地震や豪雨災害で、浄水場に土砂が流れ込んで給水がとまったケースがあったことから、厚生労働省が浄水場などの水道施設の防災対策について、全国調査をするということで新聞でも報道されました。
それで、全国調査の対象は絞って行うということのようでありますけれども、そもそも岩手県における浄水場の施設はどの程度あるのか、絞って調査をするという意味はどう捉えたらいいのかということが一つです。
もう一つは、全国調査を行って今後の浄水場の防災対策に生かしていくということだと思うのですけれども、やはり浄水場が被災しますと、それが再開するには1カ月とか、長いところでそれ以上かかるところもあります。そういう意味では、日常の安全対策あるいは耐震調査とか、不断のそういう努力も必要だと思いますし、被災した場合の対策も準備していかなければならないと思いますけれども、そのことを含めて、あわせてお聞きしたいと思います。
〇稲森技術参事兼県民くらしの安全課総括課長 まず、県内の浄水施設数でございますけれども、直近のデータは平成27年度末のものとなりますが、上水道事業の浄水施設につきましては139施設、それから、簡易水道事業の浄水施設につきましては151施設ということで、合計290施設となっております。
それから、調査についてでございます。新聞報道につきましては、委員御指摘のとおり、対象を絞ってということで報道されているところでございますけれども、国から私どもに調査依頼が来ておりますが、災害時に重要な拠点となる病院あるいは避難所といったところなどに優先的に給水がされるよう、優先度の高い施設に対して、その上流の部分のルート、浄水施設だけではなくて、取水施設あるいは配水池等、あるいは管路も含めまして対象として調査することとなっております。そういうことで、あくまでも国の示したものとしては緊急点検という考え方で、重要な施設に対する上流の施設を対象とするということでの調査となっております。
あと、今後の対策ということでございますけれども、今回、緊急点検ということでございますが、県といたしましては、緊急点検の対象となっていない施設等も含めまして、必要な停電対策あるいは土砂災害対策が講じられているかどうかは非常に重要なことだと考えております。そういったところの点検が当然望ましいわけでございますので、市町村等水道事業者に対しまして、必要な点検などを促してまいりたいと考えております。
〇福井せいじ副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 先ほど斉藤委員から、認定されているが未稼働の設置容量についての御質問がございました。
太陽光発電1、000キロワット以上、1メガワット以上ということになりますが、認定件数182件と申しましたが、合計設備容量で1、799メガワットに対しまして、導入件数89件で、合計の設備容量246メガワットという状況でございます。
〇福井せいじ副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇福井せいじ副委員長 質疑がないようでありますので、これで環境生活部関係の質疑を終わります。
環境生活部の皆さんは退席されて結構です。
次に、労働委員会事務局長に労働委員会関係の説明を求めます。
〇井上労働委員会事務局長 労働委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。242ページをお開き願います。第5款労働費のうち、3項労働委員会費が当委員会が所管するものでございます。予算現額の計1億1、792万2、000円に対し、支出済額は1億1、579万6、000円余となっております。
支出の内訳でありますが、1目委員会費3、055万9、000円余は、労使紛争の解決を図るため設置されている労働委員会の運営に要した経費であり、委員15名に対する報酬及び旅費等の事務費でございます。2目事務局費8、523万7、000円余は、事務局の管理運営に要した経費であり、事務局職員の人件費、旅費、需用費等の事務費でございます。
以上で労働委員会関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇福井せいじ副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇福井せいじ副委員長 質疑がないようでありますので、これで労働委員会関係の質疑を終わります。
午後3時までにはまだ若干時間がありますが、区切りの関係から、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後2時47分 休 憩
午後3時3分再開
〇名須川晋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求めます。
〇戸舘商工労働観光部長 それでは、平成29年度の商工労働観光部関係の決算について御説明申し上げます。
初めに、当部の所管事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方向等について御説明申し上げます。
平成29年度は、東日本大震災津波復興計画に掲げる暮らしの再建となりわいの再生に向けて取り組んだところであります。
さらに、いわて県民計画に掲げる産業創造県いわての実現に向けて、八つの政策項目について、復興計画と一体的に取り組んでまいりました。
まず1点目は、ものづくり産業の振興であります。
ものづくり産業の中核である自動車、半導体関連産業については、地場企業の技術力、競争力を高めるとともに、サプライチェーンの拡大や企業誘致による産業集積の一層の促進、産業人材の育成と定着、ものづくり革新への対応など、産業基盤の強化に取り組んでまいりました。これらの取り組みにより、株式会社デンソー岩手の大型増設や東芝メモリ株式会社の新規拠点設置などが決定し、自動車、半導体関連企業の立地や地場企業の増設の動きが活発化するなど、北上川流域地域において最先端のものづくり産業の集積が加速しているところであります。
今後におきましても、一層の集積促進と競争力の強化、県内各地域のものづくり企業の成長や新産業の創出等を支援するとともに、すぐれたものづくり人材の育成と地元定着を促進してまいります。
2点目は、食産業の振興であります。
本県の重要産業の一つである食産業につきましては、企業や生産者、金融機関等との協働体制でありますフード・コミュニケーション・プロジェクト岩手ブランチによる農商工連携や企業間連携を支援するとともに、売れる商品づくりや工程改善への支援に注力してまいりました。これらの取り組みにより、支援企業の販路開拓や生産性の向上につながったところであります。
今後、さらに企業の新事業活動や連携を促進するとともに、沿岸地域の雇用を支える水産加工業の経営の安定に向け、きめ細かに支援してまいります。
3点目は、観光産業の振興であります。
本県への観光客の誘客拡大については、二つの世界遺産や二つの国立公園などの観光資源を活用しながら、沿岸への二次交通の充実や地域資源の発掘、磨き上げの支援、教育旅行や企業の防災研修の誘致を図るプラットフォームの構築等に取り組んでまいりました。
また、国際観光につきましては、東北観光推進機構等と連携し、旅行博等への出展、メディア、旅行エージェントの招請による旅行商品の造成、販売促進などの取り組みに加え、多言語コールセンターの運営や観光関係事業者のWi-Fi環境整備等を支援するなど、外国人観光客の受け入れ態勢の充実に努めたところであります。これらの取り組みによりまして、観光入り込み客数は引き続き回復基調にあるほか、外国人延べ宿泊者数は過去最高を記録いたしました。
今後も、世界遺産や国立公園、さらには御所野遺跡や三陸ジオパークなどの多様な観光資源や、宮古─室蘭間のフェリー航路の開設、いわて花巻空港への国際定期便の就航、復興道路の整備、三陸鉄道リアス線の開通などの新たな交通網を生かし、三陸防災復興プロジェクト2019やラグビーワールドカップ2019釜石開催に向けた観光キャンペーンの展開や、沿岸地域を初めとする教育旅行等の誘致、国の東北観光復興対策交付金を活用した外国人観光客の誘客などに取り組んでまいります。
4点目は、地場産業の振興であります。
伝統的工芸品を初めとした県産品については、その魅力を生かした新たなライフスタイルを提案する展示販売会の開催や、県外アンテナショップ等の活用による情報発信など、新規需要の開拓や新商品の開発支援等に取り組み、地場産業の販路拡大につなげてきたところであります。
今後も、伝統的工芸品を初めとした県産品の魅力を県内外に広く発信するとともに、新商品の開発や販路拡大、担い手確保の支援に引き続き取り組んでまいります。
5点目の新たな産業の育成でありますが、岩手県工業技術センターに、東北地方の公設試験研究機関では初となります10メートル法EMI測定に対応した電波暗室などを備えたものづくりイノベーションセンターを整備し、新産業創出及びものづくり技術の高度化等への支援の環境整備に取り組みました。
今後も、この施設の活用などを通じて、新産業の創出に向けた企業の取り組みを支援してまいります。
6点目は、商業、サービス業の振興並びに中小企業の経営力の向上であります。
被災した中小企業者への支援については、県単融資制度やグループ補助金の活用促進、岩手県産業復興相談センターによる二重債務問題へのワンストップでの相談対応を通じて債権買い取り等の金融支援に取り組んだ結果、沿岸地域における被災企業の事業再開が8割を超え、にぎわいの拠点となる大型商業施設の開業、創業や新規事業への取り組みも進んできているところであります。
また、中小企業者の経営革新計画や経営力向上計画の策定支援に取り組むとともに、商工指導団体や金融機関等と連携して円滑な事業承継に向けた取り組みを強化してきたところであります。
今後とも、被災した中小企業の本設移行も含め復旧、復興を支援するとともに、経営力向上や円滑な事業承継に向けた取り組みなどを進めるほか、市町村や商店街を初めとする多様な主体の連携によるまちのにぎわい創出に向けた取り組みを引き続き支援してまいります。
7点目は、海外市場への展開であります。
加工食品や日本酒、工芸品等の県産品の販路拡大や県内企業の海外ビジネス展開への支援については、経済発展により購買力の高まっている東アジア地域を中心に商談会や物産フェアを開催し、販路の開拓に取り組んでまいりました。これらの取り組みによりまして、東アジア地域への県産品輸出額は東日本大震災津波直後の大幅な減少から着実に回復してきているほか、海外展開企業の支援件数や商談会等における県産品の取引成約件数も増加してきているところであります。
今後とも、海外事務所やこれまでの取り組みにより培ったビジネスパートナーとの関係を強化、活用しながら、県産品輸出の一層の促進を初め、事業者の海外ビジネスの展開を支援してまいります。
8点目は、雇用、労働環境の整備であります。
平成29年度の有効求人倍率は年平均1.42倍と引き続き高い水準となっており、中小企業を中心に人材確保が課題となっています。また、北上川流域地域における最先端ものづくり産業の集積に伴う人材確保も急務となっています。このため、いわてで働こう推進協議会を核として、オール岩手の体制で県内産業を支える人材確保の取り組みを充実させてきているところですが、今年度設置いたしました岩手U・Iターンクラブによりまして学生のU・Iターン就職の拡大を図りますとともに、同じく今年度設置いたしました岩手県地域産業高度化支援センターにおきまして、県内外からのものづくり人材の確保、定着や高度技術者等の育成を図ってまいります。
以上、平成29年度の総括的な取り組みと成果及び今後の取り組み方向等について御説明申し上げました。
続きまして、決算の概要について御説明申し上げます。
平成29年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。一般会計歳出における商工労働観光部の決算は、5款労働費のうち、1項労政費、2項職業訓練費、14ページに参りまして、7款商工費1項商工業費、2項観光費、さらに16ページに参りまして、11款災害復旧費のうち、1項庁舎等施設災害復旧費の一部と4項商工労働観光施設災害復旧費と13款諸支出金のうち、3項公営企業負担金の一部であります。これらの予算現額は1、389億9、701万円余、これに対する支出済額は1、303億7、622万円余、翌年度繰越額は36億3、469万円余、不用額は49億8、608万円余となっております。
以下、個々の内容につきまして、お手元の平成29年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただき、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
それでは、平成29年度歳入歳出決算事項別明細書の238ページをお開き願います。5款労働費1項労政費1目労政総務費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、本庁の雇用対策や労働部門の職員人件費及び平成28年度で終了いたしました震災等対応雇用支援事業の精算等に伴う余剰金の国への返還金等であります。2目労働教育費でありますが、備考欄の各種労働講座開設費は、企業の経営者や労働者などを対象とした雇用・労働フォーラムの開催などに要した経費であります。3目労働福祉費でありますが、備考欄一番上の労働者等生活安定支援資金貸付金は、育児休業や介護休業を取得した者に対する休業期間の生活資金の貸し付けなどに要した経費であります。4目雇用促進費でありますが、241ページに参りまして、備考欄中ほどのいわてしごと人材創生事業費は、企業の人手不足に対応するため、求職者への就職、職場定着の支援、首都圏の大学生等を対象としたインターンシップの支援等に要した経費であります。その下のいわて働き方改革等推進事業費は、長時間労働の是正などの働き方改革を推進するとともに、正規雇用の拡大等を図るため、優良な取り組み事例の紹介、助成、支援制度の普及啓発等の実施に要した経費であります。その下の事業復興型雇用支援事業費は、被災地の安定的な雇用を創出することを目的として、被災者の雇い入れに係る費用の助成等に要した経費であります。
次に、2項職業訓練費1目職業訓練総務費でありますが、備考欄上から三つ目の認定職業訓練費は、職業訓練法人による認定職業訓練に対する補助などに要した経費であります。次に、242ページに参りまして、2目職業訓練校費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、県立産業技術短期大学校を初めとする県立職業能力開発施設の職員人件費であります。備考欄下から二つ目の就職支援能力開発費は、離職者等の職業能力開発による円滑な再就職の支援などに要した経費であります。
次に、ページを飛んでいただきまして、288ページをお開き願います。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、本庁及び県外事務所等の商工部門の職員人件費等、管理運営に要した経費であります。備考欄中ほどのいわて産業人材奨学金返還支援基金出捐金は、ものづくり産業等の持続的発展に不可欠な人材の確保及び定着を図るため、県内の事業所に就業する大学生等の奨学金返還の助成を目的として公益財団法人いわて産業振興センターに設置した基金に企業からの寄附金等を出捐したものであります。その下の運輸事業振興費補助は、公益社団法人岩手県トラック協会が実施する輸送サービスの改善等の事業に対する補助に要した経費であります。備考欄下から六つ目の雲南省交流・連携推進事業費は、雲南省との幅広い交流を推進するため、南アジア博覧会への出展や岩手県雲南事務所の開設準備に要した経費であります。次に、290ページに参りまして、2目中小企業振興費でありますが、備考欄上から三つ目の商工観光振興資金貸付金は、設備投資や事業の拡大を行う中小企業者に対する設備及び運転資金の貸し付けに要した経費であります。その六つ下の中小企業東日本大震災復興資金貸付金は、県内の被災中小企業者に対する設備及び運転資金の貸し付けに要した経費であります。備考欄下から五つ目の中小企業被災資産復旧事業費補助は、市町村が行う被災中小企業の復旧に対する補助事業への補助に要した経費であります。
なお、翌年度繰越額欄の繰越明許費461万円余は、この中小企業被災資産復旧事業費補助の一部を、補助事業者の事業実施が遅延したことにより繰り越したものであります。
次に、293ページに参りまして、備考欄中ほどの産業競争力強化支援拠点整備費補助は、ものづくり産業の国際規格への対応や、競争力強化を図るため、電子機器の性能評価を行う電波暗室等の整備の補助に要した経費であります。3目企業立地対策費でありますが、294ページに参りまして、備考欄上から二つ目の企業立地促進資金貸付金は、立地企業が行う設備投資に対する貸し付けに要した経費であり、その下の企業立地促進奨励事業費補助は、市町村による誘致企業への助成事業に対する補助に要した経費であります。4目中小企業経営指導費でありますが、備考欄上から二つ目の中小企業ベンチャー支援事業費は、公益財団法人いわて産業振興センターが実施した経営相談や専門家派遣事業等への補助などに要した経費であります。5目貿易振興費でありますが、備考欄の貿易振興団体助成費は、海外販路拡大の支援基盤整備のための独立行政法人日本貿易振興機構、いわゆるジェトロ盛岡貿易情報センターへの負担金であります。6目工業技術センター費でありますが、備考欄一番上の地方独立行政法人岩手県工業技術センター運営費交付金は、同センターの運営費に係る交付金であります。
次に、2項観光費1目観光総務費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、観光部門の職員人件費等、管理運営に要した経費であります。次に、297ページに参りまして、備考欄中ほどのいわてインバウンド新時代戦略事業費は、ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催等を見据え、外国人観光客の誘客拡大を図るためのプロモーションの実施、受け入れ環境の整備を実施した観光事業者等への補助等に要した経費であります。2目観光施設費でありますが、備考欄の観光施設機能強化事業費は、県が整備した観光施設の設備の修繕に要した経費であります。
次に、ページを飛んでいただきまして、350ページをお開き願います。11款災害復旧費1項庁舎等施設災害復旧費2目庁公舎等災害復旧費でありますが、備考欄の公共職業能力開発施設災害復旧事業費は、平成28年台風第10号による浸水の被害を受けた県立宮古高等技術専門校の施設の復旧等に要した経費であります。
次に、356ページをお開き願います。4項商工労働観光施設災害復旧費1目商工観光施設災害復旧費でありますが、備考欄の中小企業等復旧・復興支援事業費は、被災した中小企業等が一体となって復旧、復興を行った場合の施設設備の復旧、整備の補助に要した経費であります。
なお、翌年度繰越額欄の繰越明許費23億464万円余は、この中小企業等復旧・復興支援事業費補助の一部を補助事業者の事業実施が遅延したことにより繰り越したものであります。また、事故繰越13億2、543万円余につきましても、この中小企業等復旧・復興支援事業費補助の一部を補助事業者の事業実施が遅延したことにより繰り越したものであります。
次に、ページを飛んでいただきまして、364ページをお開き願います。13款諸支出金3項公営企業負担金1目公営企業負担金でありますが、当部所管は、備考欄三つ目の工業用水道事業会計負担金のうち2、773万円余であり、企業立地の推進等を図るため、第二北上中部工業用水道における金ケ崎ろ過施設第2期の維持に係る経費について、その一部を負担したものであります。
以上で一般会計決算の説明を終わります。
次に、中小企業振興資金特別会計の決算について御説明申し上げます。
408ページをお開き願います。この特別会計の予算現額は、410ページと412ページに記載しておりますが、歳入歳出それぞれ9億5、885万円余であります。
まず、歳入につきましては、411ページにお戻りいただきまして、収入済額が総額9億4、881万円余であり、その主なものは、貸付先企業等からの元利償還金等の諸収入及び貸付金の原資として借り入れた地方債であります。
次に、歳出につきましては、412ページから413ページに記載しておりますが、支出済額が総額6億7、138万円余であります。
1款小規模企業者等設備導入資金貸付費1項貸付費は、高度化資金貸付金の貸し付けなどに要した経費であります。
2項貸付事務費は、ただいまの貸付金の貸し付け及び回収に要した事務経費であります。
以上で商工労働観光部関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。
〇名須川晋委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇関根敏伸委員 数点通告しておりましたので、順番に質問させていただきます。
まず1点目は、県としては、県内企業、県内産業の労働生産性の現状をどのように把握しているのか。課題、解決策についてあわせてお伺いいたします。
〇伊藤特命参事兼ものづくり産業振興課長 製造業についてお答え申し上げます。
本県において、県内企業の生産性は、経済産業省の工業統計調査によりますと、近年上昇傾向にはありますが、平成28年の従業員1人当たりの製造品出荷額は2、781万円で全国38位、従業員1人当たりの付加価値額は787万円で全国43位となっております。これは、本県における製造業に占める中小企業者の割合が98.1%と高くなっておりまして、多くは付加価値の低い下請型や加工組み立て型にとどまっていることが原因と認識しております。
近年、大手企業においては、部品の工程ごとの発注ではなく、設計から一部組み立てまでの一貫生産で発注する手法がふえてきております。この動きに対応するためには、高度ものづくり人材の育成、IoTやAIなどの第4次産業革命技術の導入が不可欠であり、さらに、その基盤となります三次元化は必須となっているところであります。
これまで県におきましては、県内企業の生産性の向上に向けて、IoT、AIやロボットなどの導入を促進するためのセミナーの開催、各種補助金の活用や三次元設計開発人材の育成などに取り組んでいるところでございます。
今後におきましても、産業支援機関や大学等の関係機関と連携し、第4次産業革命技術の導入促進、三次元設計開発を初めとする高度ものづくり人材の育成など、誘致企業の業容拡大に伴う地元調達などのチャンスを生かせるよう、生産性の向上に向けてさまざまな取り組みをしてまいりたいと考えております。
〇熊谷経営支援課総括課長 製造業以外の生産性についてでありますが、生産性をあらわす統計の一つである就業者1人当たりの県内総生産の卸売、小売業を見ますと、平成25年度が506万7、000円、平成26年度が502万円、平成27年度が490万2、000円と減少傾向となっており、活力ある地域経済を維持し、持続的に発展させていくためには、企業の生産性を高めていく取り組みが必要と考えております。
また、卸売、小売業を初めとした、大半を占めます小規模事業者におきましては人材面や資金面などの経営資源に制約があることや、価格競争力などが十分でないことが課題と認識しております。
これらの課題解決に向け、商工指導団体による、企業に密着し継続的にサポートする支援、いわゆる伴走型支援を行う体制を整備して、中小、小規模事業者の経営革新の取り組み、あるいは経営力向上に向けた取り組みなどの生産性向上の取り組みを支援しているところでございます。
〇関根敏伸委員 今、課長からも触れられましたが、中小企業や小規模事業者等への経営革新、経営力向上に向けた取り組み、生産性の向上に向けた取り組み等、伴走型支援の現状と課題について改めて詳細をお聞きいたします。
〇熊谷経営支援課総括課長 伴走型支援の現状と課題でございますが、平成29年度の商工会、商工会議所の経営指導員によります巡回指導の実企業数は合計1万889企業となっております。これは、前年度より159企業、率にしまして1.5%ほど増加しております。これによりまして、経営革新計画の承認件数は平成29年度41件、経営力向上計画の認定件数は平成29年度378件となっているところでございます。
伴走型支援によりまして、中小、小規模事業者が新商品、サービスの開発、あるいは生産や新たな提供などの新たな事業活動に取り組むことや、経営資源を高度に利用することによって経営力強化を図るためには、事業者の多様化あるいは高度化する支援ニーズにいかに適切に対応していくかが課題であると認識しております。
〇関根敏伸委員 今、二つ質問させていただきましたが、その上で改めてお聞きします。
製造業については、1人当たり付加価値額という労働生産性を中心に県は実態を把握されているわけでありますが、県民計画の中でも、卸売、小売業とか小規模事業者は1人当たりの生産額という形で把握しているわけです。
今も生産性はどうかということに関してお答えはなかったわけでありますが、やはり、1人当たりの売り上げはもちろんでありますが、中身─特に小規模事業者、中小企業は、働き方改革も強く求められております。人手の確保を考えたときには、生産性を高めて質のいい雇用を確保することが急務でありますが、そういった場合においては、やはり労働生産性という形で全産業の実態を捉える必要があるのではないかと考えます。
加えて、先ほど製造業の順位が43位と示されました。ただ、これも、大企業、中規模企業、小規模企業では、相当生産性の格差があるのではないかと認識しております。小規模企業であれば恐らく大規模企業の4割以下という実態ではないかと思っておりますし、岩手の場合は、これらも含めて相当今、低位置にある。東北では最下位の状況ではないかと認識しておりますが、この辺の製造業以外の生産性への認識、あるいは規模別の格差縮小に向けた取り組みへの認識についてお答えをいただきたいと思います。
〇熊谷経営支援課総括課長 卸売、小売業あるいは商業、サービス業などの製造業以外についての生産性でありますけれども、労働集約型産業でありますので、生産性向上には、例えばITの導入、カイゼン、改革による業務効率化など、売り上げが伸びない中で、あるいは人手不足の中で収益をいかに確保していくかが課題であります。
一方で、規模が小さくなるほど設備投資の費用あるいは人材面が乏しい面がありますので、その辺は商工指導団体などが重点的に支援しながら、例えば国、県の補助制度を活用しながらより一層の支援をしていく必要があると考えております。
〇関根敏伸委員 今の課長の答弁のとおりだと思います。製造業であれば設備投資やIoTやAIなど技術革新に向けた取り組みができますが、これが卸売業、商業あるいは小規模事業者の場合は、実態的にはこういう形での生産性向上は難しいわけです。
その中で、先般、議員連盟と県内の商工団体の役員あるいは連合会の職員の皆様と懇談いたしました。副部長以下、課長の方々も出席されていました。その中で、私、非常にいい資料をいただいたと思って見ていましたが、先ほど県内の経営革新計画の認定件数が発表されました。これは、聞くところによると東北で第1位ということであります。
加えて、この認定を受けた企業がどうなったかというその後の調査も載っておりましたが、経営革新計画をつくった企業のうち、岩手であれば、61%以上が経常利益率が1%、かつ1人当たりの付加価値額が3%以上向上しているといった実態がその資料の中で示されておりまして、まさに小規模事業、中小企業の場合は、まずは経営革新、いわば足元をしっかり見詰めると。経営者の経営能力の向上に趣旨を置いた活動にしっかりと特化していくべきではないか。その上で全産業の生産性を追跡調査していくべきではないか、こんなふうに考えております。
その辺の認識と、あわせて、この経営革新計画のうちの9割が商工会の主導で行われたと。県内には商工会議所という団体もありますが、残念ながらこういった団体での認定がなかなか進んでいないということもあるようですが、この辺の認識、必要性についてよろしくお願いしたいと思います。
〇熊谷経営支援課総括課長 ただいま委員から御紹介がありましたとおり、経営革新計画につきましては、平成27年度から3年間、東北で件数的に一番多い状況であります。経営革新計画の場合は、その計画の中で付加価値額が年率3%以上伸びるようにどうやっていくかという計画を立てるわけですので、それがひいては中小企業、小規模事業者の持続的な発展につながるのではないかと思います。
先ほどお話がありましたとおり、経営革新計画の認定につきましては商工会の割合が多いわけですが、商工会議所においてもこれらの経営革新計画を進めることで小規模企業への支援がより進むと思いますので、その辺は、商工会、商工会議所ともこういった経営革新計画の取り組みが進むようにやっていければと考えております。
〇関根敏伸委員 ぜひそこはもっと進めていっていただきたい。やっぱり実績を示していくのが一番だと思っております。その上で、商工会や商工会議所のあるべき姿ということであります。
まさに高度化に対応していかなければならないという先ほどのお話でありましたが、高度化に対応して、専門的な職員をしっかりと育成して、事業者の信頼を得るような職員でなければ、やはり事業者は、みずからのさまざまな経営の部分をさらけ出して革新計画に踏み出すのはなかなかできないだろうと思います。
そういった意味で、組織体制のあり方、商工会、商工会議所のあるべき姿、資質向上に向けた予算確保等についてさまざまな要望も受けていると思います。今、小規模事業者数を一定の規模にして人件費補助が行われているわけでありますが、こういった実態も踏まえて、これからの商工会議所あるいは商工会の組織体制、組織向上に向けた取り組み、あるべき姿に対しての県の関与のあり方をよろしくお願いしたいと思います。
〇熊谷経営支援課総括課長 商工会、商工会議所に期待される役割ということでございましたが、商工会、商工会議所は、人口減少や経営者の高齢化あるいは後継者不足など、小規模事業者を取り巻く厳しい環境の中で、経営指導員の日々の巡回指導を通じて、中小、小規模事業者にとって最も身近な相談相手として、また、支援ニーズの掘り起こしや専門的な支援機関への取り次ぎといった役割が期待されているものと思います。
この経営支援体制につきましては、限られた予算の範囲の中で、できるだけ効果的で効率的な経営支援体制を構築していくことが重要であると思っております。
県としましては、引き続き、商工指導団体の経営指導員個々の支援能力やコーディネート力などの向上、あるいは人材育成を支援していくとともに、伴走型支援に必要な体制の確保につきまして、商工指導団体と意見交換を重ねながら検討していきたいと考えております。
〇関根敏伸委員 よろしくお願いします。今、庁内では議論が進んでいるという話も聞いております。来年に向けて、専門性をどう確保していくのか、予算、職員体制のあり方も含め、ぜひ議論を深めていただきたいと思っております。
あわせて、これは通告していなかったのですが、商工団体からは中小企業振興条例の必要性を強く訴えられております。残念ながら、県内市町村では、商工会がある市町村においては二つの市町のみ制定されている。全国では28%制定されているようでありますが、国、県、市町村一体となった、振興に向けた条例化も含めた取り組みが必要と思いますが、この辺についてはいかがでしょうか。
〇熊谷経営支援課総括課長 中小企業振興条例についてです。
先ほど委員からも御紹介ありましたとおり、条例の制定市町村は遠野市と矢巾町の2市町と承知しております。この中小企業振興計画につきましては法定義務のある計画ではありません。市町村の判断で計画を策定するものでありますが、県としましては、県の中小企業振興計画を推進する上で市町村の協力は欠かせないものでありますので、県の振興計画の内容や取り組みについて十分市町村の皆さんにも御紹介、共有しながら中小企業の振興を進めてまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 次の質問に移ります。
緊急雇用創出事業臨時特例基金についてお伺いいたします。
この残高が平成29年度末に相当多額になっているという認識を持って資料をいただいていたのですが、基金残高と、この基金を使った事業の終了年度─尻が決まっていると思うのですが、これは後から通告のファクスを入れていましたが、見ていませんでしたかね。お願いします。
〇西野雇用対策課長 緊急雇用創出事業臨時特例基金についてお答えをさせていただきます。
まず、基金残高でございますが、平成30年9月末現在の基金残高は85億8、400万円余となっております。これに、今回、9月補正予算による基金への積み戻し5、400万円余を加え、またさらに平成30年度事業で活用する資金について取り崩す予定が5億2、800万円余ございます。その結果、平成30年度末の基金残高は81億900万円余となる見込みでございます。
現在、基金事業といたしましては、事業復興型雇用創出事業、事業復興型雇用確保事業の2事業を実施しておりまして、現在のところ最終年度は2021年度となっているところでございます。
〇関根敏伸委員 これとも関連するのですが、今、やはり沿岸地域でも非常に水産業を中心として人手不足が言われておりまして、この基金を使った事業ができればいいのでしょうが、なかなか要件が厳しいといったことも指摘されております。この事業を使った平成29年度の雇用者が87名ということで、なかなか進んでいない実態があります。
加えて、今、県南地域では、先ほどの東芝メモリやデンソー岩手や半導体などさまざまな企業を中心に、これもやはり空前の人手不足という状況にあります。この辺の県南地域の雇用情勢の現状認識、あるいは地場企業への労働移動の実態などの認識、県がとり得るべき対応についての認識、これをお伺いしたいと思います。
〇熊谷産業集積推進課長 県南地域での雇用状況の現状把握と地場企業の雇用対策についてでありますが、本県の有効求人倍率は、平成30年8月で1.49倍と、64カ月連続して1倍を超える状況が続いております。県南地域については、花巻が1.66倍、北上が1.89倍、水沢が1.58倍、一関が1.39倍となっており、北上では県全体の有効求人倍率を大きく上回っている状況にございます。
また、大手誘致企業が進出し、県内での求人活動を始めて以来、地場企業から誘致企業への転職が出てきていることは認識しております。そのような状況におきまして地場企業が人材を確保していくためには、新規取引の拡大や生産性の向上などによりまして収益を高めるとともに、より働きやすく安心して働ける労働環境の整備を進めることが必要と認識しております。
県といたしましては、経営革新、経営力向上の支援事業などによる生産性向上を支援する取り組み、また雇用面においては、企業情報の発信を初め、雇用拡大への各種支援事業や働き方改革の推進に係るさまざまな支援などを行ってきておりまして、引き続きこれらの取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 最後にしたいと思いますが、今、県南において地場企業からの労働移動も散見し始めているというお話がありました。あるいは沿岸地域から、道路網がどんどん整備されていきますと地域間の移動も恐らく今後相当出てくるのではないかと思っております。県南にとっては非常にありがたいことではありますが、同時に、地域への影響、地場産業への影響といったものがマイナス面として表面化していない部分もあるのではないか、今後あるいは出てくるのではないかということも予想されます。
そういった意味では、全体的な表面的な現状認識だけではなく、実態調査的なものを行いながら、県がとり得る対策があるのかどうか。あるとすればどういったものがとれるのか、こういったことも含めてこれから検討していく必要があるのではないかと思っております。先ほどの事業復興型の雇用創出事業、雇用確保事業についても、要件緩和も含めて沿岸地域によりよい雇用をつくっていけば、労働移動の問題、地域間移動の問題も少なくなってくると思いますので、この基金の活用と現状認識を含めた実態調査について、県の認識をお伺いして終わりたいと思います。
〇西野雇用対策課長 基金の今後の活用促進策でございます。
先ほど委員の御指摘もありましたとおり、これは国の交付金交付要綱によりまして基金の事業が定められておりまして、実施する事業の内容、終期についても国から示されるそれぞれの要領に基づいて要件が定められております。そのため、例えば雇い入れ助成費など、震災当時、本県や宮城県、福島県に勤務、または居住していた方が助成対象に限定されているという状況もありまして、沿岸の人材確保を進める上で若干活用しにくいという状況もございます。ですので、宮城県、福島県とも連携しながら国に対して要件緩和を要望していきたいと思っておりますし、今後、沿岸地域の産業と雇用、復興を図る上で重要な事業と考えておりますので、国への要望とあわせて、市町村や関係団体と協力しながら積極的に事業の周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇八重樫雇用対策・労働室長 実態調査の件でございます。
現在、各地域に就業支援員という専門職を配置いたしまして、企業あるいは高校を回りながら実態については把握に努めているところでございます。そういった沿岸部から内陸部への移動という情報も、あればそういった実態を把握しつつ働き方改革を一層進めるとか、そういった対応をしていくように助言しております。
そのほかに、定量的、定性的な調査とすれば、2年前に若年者雇用動向調査ということで、特に若者の県内における雇用の動向調査をやっておりますし、これも昨年度公表いたしました、働き方改革と職場に関するワーク・ライフ・バランスに関する調査というものでも各地域における雇用の動向もあわせて分析できる部分もございます。そういったこともあわせまして、どういう形で実態を把握していくかをまた今後検討していきたいと思います。
〇工藤勝子委員 観光産業振興についてお伺いいたします。
東日本大震災津波や平成28年台風第10号によって被災されました宿泊施設の復旧状況、そして、営業再開状況についてお伺いいたします。再開がおくれているとするならば、おくれている原因と再開に向けた県の支援等についてお聞きしたいと思います。
〇平井参事兼観光課総括課長 東日本大震災津波や平成28年台風第10号により被災した宿泊施設の復旧と営業再開状況についてでございますが、震災と台風により被災した施設は合わせて140施設ございます。この140施設のうち、両方の災害によって被災した施設は3施設ございます。そのうち、営業再開した施設が83施設、被災により廃業した施設が28施設、休業中で再開の意向がある施設が1施設、休業中で再開の意向が不明である施設が28施設となっております。また、先ほど営業再開した施設が83施設と申し上げましたが、このうち、復旧、再開後に何らかの事情によってまた休業、廃止した施設が7施設ございます。となりますと、現在営業している施設は76施設という状況でございます。
また、再開のスピードと県の支援についてでございますが、県では、ハード、ソフト両面におきまして再開の支援をさせていただいております。例えば東日本大震災津波でございますと、中小企業等グループ補助金などさまざまな補助、それから平成28年台風第10号により被災した宿泊施設に対しましては、地域なりわい再生緊急対策交付金による補助などで施設や設備の復旧等の支援をしております。また、ソフト面におきましては、商工団体等支援機関と連携いたしまして、相談事業や専門家の派遣事業の支援を行っているところでございます。
先ほど委員からもお話がございましたが、現在、被災した施設の中には、まだ再開に向けて頑張っていらっしゃる施設もございます。今後におきましても、我々のこういう補助制度、支援制度を活用いたしまして再開を促すとともに、再開した宿泊施設につきましては、経営の安定が図られるよう引き続き支援を行っていく考えでございます。
〇工藤勝子委員 結局、再開に向けてなかなか難しい状況があるのだろうと思っていますけれども、やはり沿岸地域における宿泊者数が減少していることもあるのではないかと思っております。そういう中において、今後、三陸防災復興プロジェクトなりラグビーワールドカップ等も開催されるわけであります。それに向けて、インバウンド─海外からのお客様、それから国内からも多くのラグビーファンの方々がいらっしゃるだろうと思っていますけれども、今の現状で、多分、沿岸地域だけではこのお客様を受け入れるのは無理だろうと思っております。私たちが国にラグビーワールドカップの招致の要望に行きましたとき一番に言われましたのは、釜石でラグビーワールドカップをやることはいい、復興にもなるという話をされました。でも、宿泊施設が間に合いますかと言われました。多分仙台まで宿泊を賄うような形にならないと間に合わないのではないかという話もされました。
外国人の観光客を受け入れている施設は、データによりますと121施設となっておりますが、いかがでしょうか、岩手県内で賄えるのでしょうか。また、選手、お客様たちが移動する時間はせいぜい1時間程度という話であればもしかすると花巻温泉あたりまでではないかと思うのですけれども、その辺の検討はされていらっしゃいますでしょうか。
〇平井参事兼観光課総括課長 まず、ラグビーワールドカップにおけます外国人─選手、役員の方は別として─観光客の受け入れですけれども、確かに委員がおっしゃいましたとおり、釜石市、大槌町、いわゆる会場地区の宿泊受け入れ、収容能力からいたしますと、これはかなりそれを下回っている状況でございまして、県内の宿泊施設を総動員してやる場合には受け入れは可能と考えています。
ただし、先ほども委員からお話がございましたとおり、外国人観光客を受け入れる施設をふやしていくことが急務でございまして、私どもでは、外国人受け入れ環境を整えるため、例えば宿泊、観光施設における無料公衆無線LANとか、海外のお客様はカード決済をなさいますのでカード決済システムの導入、また、いろいろな館内表示の多言語化、トイレの洋式化につきまして、現在、2分の1の補助のスキームを設けまして、これからラグビーワールドカップや東京オリンピック、パラリンピックに向けて宿泊施設の拡大を目指しているところでございます。
また、お客様にすれば、県内の宿泊施設を総動員いたしますと、やはり広域移動が不可欠となります。したがいまして私どもでは、現在、県内の鉄道やバスなどが一定額で一定期間乗り放題となるインバウンド向けの県内周遊パスの実証実験をことし行うこととしてございます。
また、これは国内観光客もあわせてですが、内陸と三陸を結ぶバスツアーにつきましても補助制度を設けまして補助金を出させていただいておりまして、こういう形によって、県内の広域移動を前提とした宿泊の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 いろいろな対策もとられているようでありますが、それでは、現在、外国人観光客を受け入れている施設が121施設あるわけですけれども、今後、2分の1の補助金を受けて受け入れようとする施設はどのくらいあるのでしょうか。検討されていますでしょうか。この補助を使っている施設はありますでしょうか。
〇平井参事兼観光課総括課長 施設数につきましては具体的な目標を定めているものではございません。ただし、先ほど申し上げましたとおり、いずれ県内の宿泊施設におきまして、外国人観光客を受け入れるための補助スキームを設けまして、そういう形でどんどん拡大していくということを考えております。
〇工藤勝子委員 こちらに来る観光客というか応援に来る人たちは、多分新幹線で盛岡駅まで来るか新花巻駅におりるか、さらには花巻空港におりるかということになります。そうすると、一番大事になってくるのは二次交通ネットワークをつくることだと。新幹線からすぐバスで釜石に直行できる態勢とか盛岡からも行ける態勢、空港からも釜石に行けるという形、そういうネットワークを構築していくことが非常に大事になってくるのではないかと思っていますけれども、二次交通ネットワークの構築に対してはどのような考えがございますか。
〇平井参事兼観光課総括課長 二次交通ネットワークにつきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、例えば内陸の宿泊施設にお泊りいただくということも想定されます。私どもといたしましては、ラグビーワールドカップにおける経済効果を高めるためには、やはり県内にたくさん宿泊していただく、それから県内のいろいろな箇所を回っていただくことが一番大事と考えておりまして、県内周遊パスの取り組み。特にバスにつきましては、バス会社に対して、県内陸と三陸を結ぶ交通ネットワークが一番大事でございますので、そこについていろいろなツアーを組むように、造成するように、今までも助成スキームを設けて行っていますが、そういう形でつなげていく。それから、三陸鉄道がいよいよ全線開業いたします。そういうものも含めて、鉄道、バス、それから、今、外国の方はレンタカーも御利用になるという傾向にございますので、例えば花巻空港からのレンタカー利用などについていろいろ研究しながら周遊のしやすさを確保してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 通告しておりましたけれども、観光キャンペーン等を行っておりまして、首都圏、中部、関西の企業等に誘致活動をやっております。しかし、平成29年度の観光入り込み客数は2、759万4、000人という形の中で、宿泊者総数も16万5、000人ぐらい減少しているわけであります。この成果と課題をどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。
〇平井参事兼観光課総括課長 まず、成果と課題についてでございますが、さまざまな観光キャンペーン、誘客活動を行っているわけでございます。特に沿岸地域におきましては、震災により大きく落ち込んだ入り込み客数からの回復がなかなかない。それからもう一つは、宿泊者につきましては、震災の復興事業関係者の方々が宿泊いたしまして、それが非常に伸びたところがありますが、復興が進むにつれてそちらがだんだん減少しているという状況にございます。
このため、特に課題といたしましては、1人でいらっしゃるお客様に県内をたくさん回っていただいて、さらに宿泊もしていただくという県内広域周遊、そして滞在するような観光旅行商品をたくさん造成して売り込んでいかなければならないと考えておりまして、現在、さまざま旅行会社に提案をしたり、それから、立ち寄るコンテンツをたくさんつくっていかなければなりませんので、三陸DMOセンターと共同しながらそういうコンテンツづくりに努めているところでございます。
〇工藤勝子委員 いろいろと、施設の充実もそうですし、さらには観光ガイドも非常に重要な要素になってくるのではないかと思っています。特にも外国人に対応できる観光ガイドの養成は必ず必要になってくるのではないかと思っていますけれども、その養成状況をお聞きしたいと思います。
〇浅沼観光課特命参事 外国人向けガイドの養成状況についてでございますけれども、県ではこれまで、県独自の取り組みといたしまして、県内に限定してガイドを行う地域通訳案内士の登録制度を活用するなどして外国人向けガイドを養成してきております。
平成30年9月30日現在、本県での登録者数は、全国通訳案内士─全国どこでも通訳できるガイド48名、県内に限り通訳ができる地域通訳案内士39名、合計87名が登録されております。地域案内通訳士につきましては、東北では本県と福島県のみがそういった登録制度をとっているところでございます。
〇工藤勝子委員 どうぞよろしくお願いしたいと思います。やはり人と人との交流の中で、一番大事な役割を果たしていくのではないかと思っているところであります。いろいろなお店に行ったときもこの人たちが商品の紹介をするとか、そのおいしさをうまく表現しながら伝えるということも非常に大事な要素になってくるのではないかと思っています。
最後に、部長にお聞きしたいと思いますけれども、観光産業は岩手県の経済に非常に大きい影響を与えると思っております。そういう中において東北各県との連携も必要になってくるとは思いますけれども、ぜひ、今後この観光客の方向性と申しましょうか、岩手県としてどういうあるべき姿を持ってPRしていったらいいと思っているか、それを最後に伺って、終わりたいと思います。
〇戸舘商工労働観光部長 観光課の総括課長からるる答弁申し上げたとおりでありますが、道路環境もこの震災を機に大幅に整備が進んでおりますし、それから、つらい経験ではあったわけですけれども、教育旅行、震災学習といったような新しい観光の目的も出てきて、実際に教育旅行あるいは企業研修といった形で沿岸部に来ていらっしゃる方もいらっしゃいます。
そして、さらには、ラグビーワールドカップ、三陸防災復興プロジェクトということで、誘客の大きなイベントも準備しているわけであります。これらを生かしながら、観光は、宿泊施設は言うに及ばずでありますけれども、農林水産業や製造業など、さまざまな産業に波及効果を持つ産業だと捉えておりますので、来ていただいたお客様にできるだけ消費活動もしていただいて、県内の産業に好影響を与えていただけるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 関連。工藤勝子委員の御質問とかぶる部分が多くありましたので、短く関連質問をさせていただきたいと思います。
先ほど工藤勝子委員から、インバウンドの数値は伸びているのですけれども、全体の観光客数また宿泊客数についてはD評価であるという指摘がありました。私も、この点について、もととなる宿泊の数等とは違うというのは重々承知しているのですけれども、政府が東北6県の外国人宿泊数を2020年までに3倍にするという大きな目標を掲げている中で、我が県のこの指数、目標値が妥当なのかというところもあります。
そういった中で、今後の方向性として、国内の人口減に鑑みて、それをカバーするという意味でインバウンドについて高い目標設定とそのための施策を今後どうしていくのか。また一方で、やはり国内減に歯どめをかけるという意味では、今、県の観光課の職員が三陸DMOセンターの業務にも携わることで、観光まちづくり、稼ぐ観光の考え方が身についております。次期総合計画第1期アクションプランにおいても、その新しい指数として観光消費額が記されていたり、また、具体的な推進方法に観光の総合産業化による観光で稼ぐ地域づくりの推進が盛り込まれていることを大いに評価しておりますし、期待をしているところであります。
そのような、これまでインバウンドに注力してきたマーケティングあるいはビッグデータの活用等を国内向けにも生かして、国内の客を獲得していくのか、この戦略の方向性について伺いたいと思います。
〇平井参事兼観光課総括課長 観光振興の今後の方向性についてでございますが、まず、インバウンド、いわゆる外国人観光客については、特に先ほど委員からお話がございましたが、観光消費という面で見ますと非常に高い観光消費額が期待できることから、海外はそれぞれ国によってニーズ等に違いがございますが、そういうものをよく見定めて現地でのプロモーションを展開するなど、引き続き誘客拡大に努めてまいりたいと考えております。
また、国内の観光客につきましては、特に沿岸地域におきまして、東日本大震災津波の発災による大きな入り込み客の落ち込みから、まだ回復途上の状況でございます。また、沿岸地域以外につきましても、先ほども御指摘ございましたが、なかなか伸びていない、横ばいであるという状況であります。やはりここは、国内、海外ともに、いらっしゃった方には、1人の方に県内を広く周遊していただき、また、やはり宿泊をして長期滞在していただくことが、一番観光消費行動を伴う誘客となるところから、広域周遊の滞在型観光を売っていきたいと考えております。
このため、例えば、先ほどもお話がございましたが、地域の観光地づくりを行うDMOのようなものの整備、活動、それから、さまざまなメニュー、そして観光消費という面でいきますと、やはり付加価値の高い旅行商品をインバウンド向け、国内向けで造成していくような形での取り組みを中心に、国内のほうも誘客拡大、そして消費拡大という視点で取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 外国人観光客の皆さんも、最近は団体からFIT、個人のお客様がふえてきて、県も、そういったことでさまざまな対応をしていただいていると思っております。
一方で、国内のお客様は、より個人客が多くなっていると認識しておりまして、そういった意味では、やはり国外で培ったFIT向けの情報発信の仕方などを国内にも向けて、修学旅行や団体客以外のお客様にアピールする岩手であってほしいと思います。ぜひとも、その点もよろしくお願いしたいと思います。
そういった中で、一般のお客様が多くなってくると、やはり先ほど来議論になっております二次交通、あるいは外国人受け入れ態勢についても、ツアーコンダクター等がついていかない中で、どうやっておもてなしをするか、また情報発信をするかが大きくかかわってくると思います。
2点、二次交通についてと外国人受け入れ態勢についてお聞きしたかったのですが、先ほどの答弁で、ラグビーワールドカップ、三陸防災復興プロジェクトの周遊等の二次交通については、インバウンド向けに県内のバスの周遊パスの実験をやっている、または内陸からのバスツアーも企画しているということでありました。
これについては了としたいと思うのですけれども、一つ、今、県としては陸前高田市の伝承館、また三陸復興国立公園を大きな三陸観光のゲートウェーとして捉えて生かしていこうとしているわけですが、じゃ、そこにどうやってアクセスさせようとしているのかが私はなかなか見えてこないと思うのです。この伝承館に対するアクセスをどのように想定しているのか伺いたいと思います。
〇平井参事兼観光課総括課長 伝承館へのアクセスでございますが、現在の伝承館建設予定位置から申しますと、こちらは国道45号でありますとか、現在の大船渡線BRTの運行ルートに近いということで、基本的には、自家用自動車やBRTによるアクセスが想定されます。先ほども御答弁申し上げましたが、県ではこれまで、内陸から三陸の観光地点に向けての、これを結ぶバスツアーの造成を支援してきており、伝承館につきましても、当然その検討の対象に入るということで、今後そこは検討していこうと考えております。
〇佐々木朋和委員 バスツアーもいいですし、BRT、国道45号線もいいのですけれども、やはりそこに、公共交通あるいは最寄りの新幹線の一ノ関駅からどうやって来るのか、あるいは仙台空港からどうやって来るのかといったところを視野に入れながらやっていかないと、外国から来るとすれば、もう今は、東京におりて新幹線で来るか、花巻空港か仙台空港かだと思います。そこからどうやってアクセスをするのかといったところも考えながらやっていかないと、そこからまた先の周遊ということも、二次交通を考えれば大変なわけですから、ぜひともその視点を持ってやっていただきたいと思います。そのためには、新笹ノ田トンネルが必要だということを、今度、県土整備部で言いたいと思っております。
最後に、外国人受け入れ態勢の整備について、先ほど来の補助金をつけていただいているというのはそのとおりなのですけれども、その財源となっている東北観光復興対策交付金について、私は来年が沿岸地域のインバウンド元年だと思っておりますので、これから整備をしていかなければいけないというときに財源の確保が重要だと思います。この交付金の今後の見通しはどうなっているのか伺いたいと思います。
〇浅沼観光課特命参事 東北観光復興対策交付金の見込みでございますけれども、官公庁の2019年当初予算概算要求におきましては、本年度と同額の32億6、500万円が要求されたところでございます。
本年度、本県におきましても、これから予算編成作業が本格化していくわけですけれども、それと並行いたしまして、必要な予算の確保ができるよう国にも働きかけますし、予算確保に向けて我々も努力してまいりたいと思います。
〇工藤勝博委員 私も、岩手県の産業基盤の中で、これから大きな柱になると見ます観光振興についてお伺いいたします。
いろいろ議論が出ておりますけれども、環境省では2年前ですか、全国の国立公園34カ所のうち8カ所を国立公園満喫プロジェクトという形で、インバウンド対応のいろいろな事業を提案しております。そういう中で、まず最初に、岩手県の十和田八幡平国立公園の満喫プロジェクトの事業成果をお知らせいただきたいと思います。
〇平井参事兼観光課総括課長 国立公園満喫プロジェクトの十和田八幡平国立公園におきますプロジェクトの進捗、成果状況でございますけれども、こちらは、先ほども委員からお話がございましたとおり、外国人利用者の拡大を目的としております。
そのプロジェクトを進めるに当たりましては、国、県、市町及び民間団体によります地域協議会を設置いたしまして、平成28年12月に十和田八幡平国立公園ステップアッププログラム2020を策定いたしまして、これに基づきまして、先ほど申し上げましたその構成員が、それぞれの役割分担をしながら、そのもとでアクセスルートの景観向上とか案内誘導の強化、情報発信やプロモーション等に取り組んできたところでございます。
それぞれの団体におけるこれまでの取り組みでございますが、まず、環境省におきましては、海外向けの情報発信に取り組んでおります。また、県では、松尾八幡平ビジターセンターの映像コンテンツの多言語化でありますとか、域内の市町における宿泊観光施設への無料公衆無線LANにつきましては延べ11件の補助支援をさせていただいております。また、八幡平市におきましては、見返峠の廃屋の撤去でありますとか、雫石町におきましては、解説標識の多言語化等を実施しております。
また、このような取り組みを進める中で、同国立公園を岩手県側で構成いたします八幡平市、滝沢市及び雫石町の外国人観光客の入り込み数、これは全体ではございますが、平成27年は3万4、631人回でございましたが、平成29年には8万2、195人回と約2.4倍になっているところでございます。
〇工藤勝博委員 この満喫プロジェクトは、環境省の調査では2017年度に600万人が各地の観光地に来ているわけですけれども、日本に来ている観光客全体の約2割強という人数が国立公園に来ています。特に多いところは、富士箱根とか、阿蘇九重、九州方面ですね。北海道も100万人近い観光客が来ています。
その観光客を受け入れる側が提案しているメニューは、観光客がただ見るだけじゃない、体験する、そしてまた、その土地土地で食べるものが呼び寄せる大きな力になっているということですけれども、私は、この十和田八幡平は、まだまだそこまでは行っていない実態ではないかと感じています。その辺、今後どういう対策を講じて、より多くの観光客を呼び寄せるかが重要になってくると思うので、もしお考えがあればお聞きしたいと思います。
〇平井参事兼観光課総括課長 今後の国立公園への誘客、特にインバウンド向けの考え方でございますが、先ほど委員からお話がございましたとおり、まず、国立公園も、自然散策をするなり、トレッキングするなり、外国人の方、特に個人旅行でいらっしゃる方々は、そういう嗜好がございます。こちらで、そのコンテンツを表に出しまして誘客するのはもちろんでございますが、やはりそこに食でありますとか、ほかの体験プログラム、それから、例えば新たな特産品とか土産物を購入していただくような仕掛けをつくっていくことと、それから、やはり宿泊施設と共同いたしまして、できるだけ長い滞在プログラムを組んでいただくような組み合わせを仕掛けていきまして、より観光消費、たくさんお金を落としていただくような形の誘客促進をしたいと考えております。
〇工藤勝博委員 次に、二次交通に関しては、先ほど工藤勝子委員、そしてまた、佐々木朋和委員からお話がありましたので割愛させていただきます。
二つ目ですけれども、グリーンシーズンの観光は、そのとおり、もう着々と進んでおりますが、冬季の観光をどう進めるかも岩手の観光受け入れ態勢の重要な視点ではないかと思います。
北海道ニセコスキー場は、オーストラリアのスキー客がもうそこに居ついている、住み着いているという状況でもあります。ニセコがもうある程度キャパシティーが埋まったということで、今は長野県の白馬。ことし1月の講演会で荻原健司さんが来て話がありましたが、次は岩手だよと。白馬ももう満杯だ。次は岩手しかないよということを伺っております。
そういうことも含めて、冬季観光をこれからどう進めていくのかお聞きしたいと思います。
〇浅沼観光課特命参事 冬季観光の情報発信等のお尋ねでございますけれども、現在、スキー等のウインタースポーツにつきましては、これまでスキーツアーの実績がございますオーストラリア、韓国、あるいはスキーへの関心が高まっています台湾など、また、2022年の北京での冬季オリンピック開催に向けてスキー人気が徐々に高まってきております中国に対しまして、旅行会社あるいはメディア等を招請いたしましてPRを行っておりますほか、現地での旅行博等に出展しながら岩手県のPRをさせていただいております。
また、東南アジアなど雪の降らない地域につきましては、雪というものは非常に有力な観光資源であるということでございますので、雪と冬の食を組み合わせた周遊、滞在型ツアーの造成、販売の働きかけをさせていただいております。
〇工藤勝博委員 やっぱりさまざまなメニューを提案しながらプロモーションをしたり、あと、岩手に来なければ雪のすばらしさを体感できないというメニューも必要かと思います。特に、八幡平スキー場が閉鎖してから、スキー場でバックカントリーといいますか、誰も滑ったことのない場所にみずから行ってスキーをする、それが結構評価されています。結構外国人が来てバックカントリーをやっているという状況でもあります。これは大きな岩手ではの魅力だろうと思います。
そしてまた、樹氷を見られるのも、この温暖化が進めば、恐らく八甲田と八幡平しかなくなるのではないかと言われております。それらも含めて魅力発信をどんどん続けていただければと思います。
次に、観光とスポーツという観点から、これからどう提案していくかということもお聞きしたいと思います。
実は、ことしの9月2日ですけれども、かねてから計画しておりました八幡平のアスピーテラインを使ったヒルクライムがようやく実現しました。10年越しで、何とか県警察の許可も得ながらやることができましたけれども、やはりスポーツの魅力というのでしょうか、やっている当事者以上に見ているほうも感激しました。そういうことも含めて、環境が整えばスポーツ観光をぜひとも進めていただきたいと思います。
県内でもそういう部分では、夏油高原とか大槌町でヒルクライム、また、釜石市でもトライアスロンとか、多くの皆さんが来てくれるというのは大きな魅力だし、その力が観光産業にもつながっていくだろうと思います。その辺の取り組みのこれからのことを聞きたいと思います。
〇浅沼観光課特命参事 観光とスポーツの取り組み状況についてでございますが、ラグビーワールドカップ2019あるいは東京2020オリンピック、パラリンピックの開催によって、多くの観戦目的の外国人観光客の訪日が見込まれておりますし、近年では、日本のさまざまな大会へ出場される訪日外国人が増加しているということで、こうしたスポーツを活用した外国人観光客誘客の取り組みが非常に重要だということは認識しております。
そのため、先ほど委員からもお話がありましたウインタースポーツ、特にスキーについては、これまでもオーストラリア、韓国、中国などに対してPRをさまざまやっておりました。また、ゴルフにつきましても、これまで韓国ですとか中国などでプロモーションをしてきております。
また、委員からお話のありましたサイクリングにつきましても、平成28年度、平成27年度につきまして、ツール・ド・東北、ツール・ド・三陸の開催にあわせて台湾の旅行会社やメディアを招請いたしました。また、平成28年度につきましては、宮城県と連携いたしまして、本県と宮城県両県にまたがる六つのサイクリングコースを、台湾向けのサイクルマップとして作成して、お配りしているところでございます。
また、平成28年度から、今度、サイクリングに関心の高いタイの皆様にも、旅行会社ですとかメディアの方、あるいはブロガーを招請いたしまして、直接タイでの情報発信に努めております。そうした中で、平成29年度におきましては、タイの旅行会社がサイクリングの旅行商品を造成してくださいまして、実際に八幡平のアスピーテラインを走られたりしております。
今年度におきましては、三陸鉄道が、サイクリストを対象にして、折り畳まずに車内に持ち込めるようなサイクルトレインという列車を走らせるような取り組みも始めております。委員もかかわっていらっしゃいます八幡平ヒルクライムといったもの、あるいは大槌町のヒルクライムなど、各市町村でそういったいろいろなスポーツに取り組まれているということでございますので、これと観光をうまく融合させたプロモーションなども展開してまいりたいと思っております。
〇工藤勝博委員 インバウンドの中で、従来、台湾をメーンにしていろいろな形で知事初めトップセールスをしてきておりますけれども、やはり台湾自体の人口は2、500万人弱ですので、幾ら頑張っても、現状からそんなに伸びるとは私は思えないのですよ。
それで、次のターゲットは、やっぱり何といっても人口が最大の中国を狙わないと、いつまでも観光の振興には結びつかないのかなという思いもしております。中国には大連経済事務所、そしてまた、ことし雲南省にも事務所を構えたということで、もう少しその辺のことも含めて頑張っていただければと思います。
それから、最後ですけれども、今は紅葉シーズン真っ盛りです。岩手の紅葉で一番すばらしいのは、私は三ツ石山周辺のまさに錦絵を見るような状況だと思います。その中で、雫石網張から八幡平の松川まで歩く県道があるわけですけれども、あれも観光資源の最たるものかなという思いもしています。歩かなければ頂上まで行けない、車では見られないすばらしさがあるわけです。
そういう埋もれている資源も含めて、これからどうあそこの裏岩手といいますか岩手県のすばらしい場所を提案していくか、その辺をお伺いして、終わりたいと思います。
〇平井参事兼観光課総括課長 まず、自然をコンテンツといたしました観光資源の中で、特にトレッキング、登山、歩いてということでございますが、委員からもお話がございました雫石東八幡平線につきましては、平成19年から登山ルートとして歩行者に開放されておりまして、これは平成28年度の数値でございますが、約1、300人の方に御利用いただいているということで、登山ルート、トレッキングルートとしてある程度定着しているものと考えてございます。
こちらの登山道につきましては、当面は登山道として活用していくという取り組みではございますが、いずれ、先ほども申し上げました自然散策、トレッキングというものと、それから、食でありますとか、そういうコンテンツ、さらに宿泊を組み合わせてトータルで売り込む中で、やはり岩手ならではというものでございますが、委員おっしゃったとおり、紅葉でありますとか自然の雄大さでありますとか、そういうものを前面に出しながら、観光消費を促すような売り込み方、それからコンテンツのつくり方に取り組んでいきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 最後です。この道路関係、道路整備に関しては県土整備部で議論したいと思いますけれども、最後に、戸舘部長は、以前は観光課総括課長もなされて、方々の現場で大変有効な発信をしてきたと思いますが、今後の岩手の観光振興をどのような方向で持っていくつもりなのかお聞きして、終わりたいと思います。
〇戸舘商工労働観光部長 非常に幅の広い御質問で、どの辺からお答えしたらいいかという感じではありますけれども、先ほど申し上げましたように、観光というものをどう広く産業界に影響を及ぼす産業として育てていくかだと思っています。なおかつ、今はあらゆる産業界の方々にとって、観光を切り口としたチャンスが大いに広がってきていると思いますので、私どもとしては、そこをしっかりとお伝えして、観光で自分たちがどう稼いでいくかという視点で、それぞれ事業を営まれる皆さんが、一生懸命取り組んでいただける取り組みを進めていきたいと思っております。
〇高橋但馬委員 私は、平成29年度いわて県民計画実施状況報告書にのっとって、順次質問させていただきたいと思います。
18ページ、観光ホームページアクセス件数は、実績値が233万件と目標値に29万件足りずに、達成度はDとなっています。観光ホームページアクセス件数の推移を見ると、平成27年度はふるさと旅行券の配布があったときでありまして、日本語版のアクセス数が55万6、000件増となっています。外国語版のアクセス数が年々伸びている反面、日本語版は、平成29年度は前年同37万2、000件減となっている状況。アクセス数が上がらなくても、私としては観光入り込み客数が上がれば問題ないと思っているのですけれども、実はそちらも減ってきていると。
平成27年度は震災復興支援や旅行券等で上がりましたが、人口減少で国内旅行のパイがどんどん減ってきている中で、今までの国内観光政策を見直す時期に来ていると思いますが、その考えをお示しください。
〇平井参事兼観光課総括課長 観光施策の見直しということでございますが、委員からお話がございましたとおり、これまでのいわて県民計画アクションプランにおきましては、観光客の入り込み数、お客様の数を中心に目標等を設定しているものでございますが、今後におきましては、やはり観光で稼ぐということに重点を置きまして、観光消費の拡大に着目して取り組もうと考えているものでございます。
そのための方策といたしまして、まず、観光消費を促す売れる観光地づくりを行うDMOなどの地域観光地づくり組織の整備、活動の支援、人材の育成、それから、消費を拡大するための土産物でありますとか、体験プログラムでありますとか、岩手ならではのそういう地域資源を活用した付加価値の高い商品の売り込み、それから宿泊、こちらが一番観光消費を促しますので、宿泊を誘引するような旅行商品の開発と売り込みというものに取り組んでいきたいと考えております。
〇高橋但馬委員 地域のDMOであるとか、国からの予算も入ってくるという話でありますので、その辺は、県の観光課がしっかり見てあげなければいけないと思いますし、取り組んでいただきたいと思います。
次に、目指す姿指標の観光入り込み客数と観光宿泊数が達成度Dとなっています。先ほども申し上げましたけれども、旅行券を配布した平成27年度は観光入り込み客数の達成度がAであるのですが、観光宿泊者数の達成度がDということで伸びていません。これは、このくくりが、従業員が10人以上、かつ、観光目的の宿泊者数が50%以上の施設ということで、温泉旅館やリゾートホテルではなく、町なかのビジネスホテルを利用するケースが増加していると考えます。
このような現状を踏まえて、今後の観光振興をどのように考えているのかお知らせください。
〇平井参事兼観光課総括課長 今後の施策の展開についてでございますが、今、委員に御指摘いただきましたとおり、近年、ビジネスホテル等に観光目的で宿泊する観光客が増加傾向にあると考えております。このように、観光客のそれぞれの宿泊の仕方でありますとか楽しみ方でありますとかというニーズが非常に多様化しております。これを踏まえた、特に宿泊を確保していく、宿泊を推進していく観光の促進は重要と考えております。
このために、まず、先ほどお話がございました温泉旅館とかリゾートホテルへの宿泊の促進を図るためには、やはり宿泊施設とその周辺の観光コンテンツ、例えば、先ほどもお話がございました冬のスポーツでありますスキーとかを組み合わせる、それから、温泉旅館におきますサービスそのものの付加価値を高めて消費を促すようなものの支援でありますとか、また、高い観光消費が期待できます外国人観光客が宿泊するような受け入れ環境の支援が必要でございます。そういうものに取り組みまして、温泉旅館、リゾートホテルの宿泊促進に取り組んでいきたいと考えております。
〇高橋但馬委員 盛岡市内の民泊にも外国人専用の民泊があるという話も聞いていますし、いずれ国内観光を進めると同時に、外国人観光客がふえていることも考えながら、そこの方々を取り込む施策も同時に考えていただきたいと思います。
それで、今出ました外国人観光客受け入れ態勢の部分ですけれども、態勢整備の施設数の達成度が、外国人観光客がふえている関係からAとなっています。
外国人観光客等受入促進環境整備事業の補助金を平成27年度より交付しているわけですけれども、来年はラグビーワールドカップ2019とか、その次は東京2020オリンピック、パラリンピックを控えているわけで、外国人観光客を受け入れるためのいろいろな課題があったと思うのですけれども、観光事業者、交通事業者、飲食店事業者が、いかに活用しやすいようにそれを見直してきているのか教えてください。
〇浅沼観光課特命参事 外国人観光客等受入促進環境整備事業のこれまでの見直しについてでございますけれども、平成27年度の制度創設以来、補助対象事業者を当初につきましては宿泊、観光事業者のみとしておりましたけれども、年度途中に新たに飲食店事業者を加えた見直しを平成27年度には行っております。
また、補助対象経費につきましては、当初は無料公衆無線LAN、いわゆるWi-Fi、海外カード決済システム整備、ホームページや看板などの多言語化に要する経費を補助対象経費としておりましたけれども、平成28年度にはトイレの洋式化、平成29年度には客室の和洋室化、平成30年度には海外モバイル決済システムの整備に要する経費を追加してきております。
また、補助金の申請期間につきましても、平成29年度までは、まずは2カ月間の申請期間を設けまして、1事業者1回のみの申請、その後、補助金の交付状況に応じまして、2回目以降の申請期間を設けながら申請を受け付けしてきております。そこにつきましては、今年度からは申請期間を5カ月間と長くしまして、期間内であれば複数回の申請も受け付けることを可能にしたものでございます。
この事業の見直しにつきましては、財源に国からの交付金を充てておりますことから、運用については国との協議を行う必要がございます。事業者等の御意見をお伺いしながら、より使いやすい、あるいは効果的なものになるように、必要に応じてさらなる工夫は検討してまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 いずれ、いろいろな観光施設から県に対して要望が上がっていると思います。それで、その都度対応していただいて、国と交渉していただいているのは理解しているところであります。
ただ、いまだ、前の質問でも話しましたけれども、トイレの洋式便所は、もう既にほとんどのホテル、旅館が整備しているものでありますし、そういう部分もしっかり考えて外国人の受け入れをしやすい環境を整えていくことが、さらに飛躍的に観光客が上がる部分であると思いますので、その辺を要望して、終わりたいと思います。
〇川村伸浩委員 私も、観光振興についてお伺いしたいと思います。工藤勝子委員あるいは佐々木朋和委員等と重複いたしますが、私なりに質問させていただきたいと思います。
国では、観光立国推進基本計画ということで、2020年度の目標をインバウンド4、000万人としております。この基本計画の中で、東北の観光についても特に進めようという一文があるわけでありますけれども、宿泊者数で150万人を目標としております。それに対して、岩手県の実績と、それから150万人に対する岩手県の目標値についてお伺いしたいと思います。
〇浅沼観光課特命参事 岩手県の外国人宿泊者数でございますけれども、平成29年におきましては、宿泊者数につきましては18万7、930人泊となっておるところでございます。
目標につきましては、少々お時間をください。
後ほど。すみません、お答えします。
〇川村伸浩委員 後でお願いいたします。
最近のインバウンド、外国人観光客の数は非常にふえておりまして、非常にいいことだと思っております。伸び率も59.5%という数字もいただいておりまして、非常に頑張っているな、あるいは海外からの関心がいよいよ岩手あるいは東北のほうに向いてきているのかなと思っているところであります。
インバウンド対策として一つ、冬のアクティビティーという部分で聞きたいと思っていましたが、先ほど工藤勝博委員からも話がございました。スキーのみならず、冬のさまざまなアクティビティーというものが、訪日外国人には非常に人気があるとお伺いしておりまして、その現状がどうなっているのかという部分についてお伺いいたします。
それからもう一つ、今、高橋但馬委員からもお話がございました受け入れ態勢の整備の関係であります。さまざまな施設整備があるかと思いますが、やっぱり指数となるものが、いわゆる通信設備ではないかと。通信環境の整備促進が一つのポイントになってくるかと思いますが、その整備状況についてお伺いいたします。
〇浅沼観光課特命参事 冬の観光客の入り込みの関係でございますけれども、平成29年12月から平成30年3月までの冬期間に限りますと、本県の冬期間の外国人宿泊者数につきましては7万6、920人泊となっておりまして、前年同期と比べますと71%増となっております。これは、全国平均が10.4%増でございますので、大きな伸びを示しているところでございます。
また、Wi-Fiの整備状況でございますけれども、平成27年度からの施設の整備につきましては、3カ年で70施設、73件のWi-Fiの施設整備が行われたところでございます。
先ほどの目標数でございますけれども、2020年までに29万5、000人泊が目標でございます。大変失礼いたしました。
〇川村伸浩委員 目標が29万5、000人ということで、順調に進めば、この数字も達成できるのではないかと思っております。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
それから、冬期間についても非常に大きな伸びを示しているということで、やはり特に東アジアの訪日の方々は、冬という部分に非常に関心があるといいますか、憧れがあるといいますか、そういった部分で非常にふえているかと思っております。ぜひともこの部分についても、特に、スキーのみならず、いろいろな冬のアクティビティーがあると思うので、観光業の方々ともじっくりと検討されて、そういうメニューをふやしていただければと思っております。
次に、9月19日のインターネットのニュースで見たのですが、上海─花巻の路線を中国東方航空が12月から開設したいということで載っておりました。その部分については交通政策室のほうかとは思いますが、観光サイドでのこの上海─花巻路線についての所感がございましたら、お願いしたいと思います。
〇浅沼観光課特命参事 今、委員からお話がありましたインターネットニュースで上海─花巻便が中国当局に申請されたというのは承知しておりますが、その詳細につきましては、現在、情報収集に努めているところで、大変申しわけございませんが、わからない状況でございます。
ただ、中国からの誘客につきましては、これまでも現地旅行博ですとか商談会の開催、旅行会社やメディア等の招請など、本県の魅力の情報発信、旅行商品の造成促進に取り組んできておりますし、中国の市場が非常に大きな市場であるということで、非常に重要な市場であるという認識に立ってこれまでもプロモーションを展開してきております。
本年8月におきましては、東北観光推進機構主催の大連のトップセールスに参画いたしまして、中国の政府機関あるいは観光業界、一般消費者に対して、本県の魅力をPRしたところでございます。
また、先ほど来申し上げていますが、2022年の北京冬季オリンピックの開催に向けて、東北各県とも連携しまして、北京のスキー博への出展などによりまして、冬の観光あるいは広域周遊、滞在型の観光のプロモーションを展開しております。
今後におきましても、中国の観光客のニーズを踏まえまして、プロモーションを強化して取り組んでまいりたいと考えております。
〇川村伸浩委員 中国につきましては、岩手県でも大連あるいは雲南に事務所を開設しておりまして、そういった部分でも、現在以上に力を入れて、中国からの誘客という部分について取り組んでいただきたいと思います。
最後になりますけれども、北海道胆振東部地震で北海道の観光、宿泊のキャンセルが94万人、それから、観光被害が292億円という報道がございました。それを受けまして、政府では北海道ふっこう割というもので、北海道の観光を支援といいますか復興を図ろうということで現在取り組んでいるようでございます。
一つは、この地震における岩手県の観光業への影響はどうだったのかということ、もう一つは、北海道ふっこう割が導入されているわけでありますけれども、岩手県の観光業への影響について、この2点についてお伺いします。
〇平井参事兼観光課総括課長 まず、北海道胆振東部地震におけます本県観光業への影響でございますが、岩手県旅館ホテル生活衛生同業組合の組合員であります県内の旅館、ホテル20施設に電話で聞き取りを行いましたところ、そのうち10施設からは、飛行機の欠航など交通機関の乱れによりまして、宿泊のキャンセルでありますとか、また逆に、岩手県に宿泊されて北海道に帰る予定であったお客様が、北海道に行けなくなったことによりまして宿泊の延長、こういうものの影響があったところがございました。
次に、北海道ふっこう割につきましては、先ほども委員からお話がございましたが、北海道胆振東部地震での風評被害を払拭いたしまして、北海道への観光需要を喚起することを目的に、北海道内でありますとか国内、海外の旅行客を対象といたしました旅行商品や宿泊料金の割引券を販売いたしまして、またそのプロモーションなどを行うものでありまして、割引券につきましては、今月1日から発売が開始されたところでございます。
本県におきましては、これまでも北海道と本県との相互の交流の拡大でありますとか、首都圏や海外のお客様をターゲットといたしまして、北海道と本県を大きく北日本広域という形で周遊していくルートの売り込みなどに取り組んでいるところでございます。今後におきましても、宮古─室蘭間フェリーでありますとか北海道新幹線でありますとか、そういう新たな交通ネットワークがございます。こういうものも活用いたしまして、北海道と連携しながら、北日本全体の誘客拡大ということで、本県の誘客拡大にもつながるような取り組みをしていきたいと考えております。
〇川村伸浩委員 いずれ、北海道は地震の被害と、それによる風評被害ということで大変な打撃を受けているわけでありまして、そういった部分でも、今、課長から御答弁いただきましたけれども、岩手からも観光の部分で支援をしていくのだという形で、ぜひ今後も取り組んでいただきたいと思います。
〇名須川晋委員長 再開後おおむね2時間が経過いたしますので、この際、世話人会の申し合わせにより暫時休憩いたします。
午後4時52分 休 憩
午後5時17分再開
〇福井せいじ副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日、6人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
質疑を続行します。
〇軽石義則委員 1点、いわて働き方改革等推進事業費について関連してお伺いいたします。
労働力確保のためには、やはり働き方改革も欠かせない対策の一つでありますし、岩手で働こうという方々を多くふやすにも大事な取り組みだと思っております。これまでの取り組みについての現状、そして成果、課題についてどのように把握されているのかお伺いいたします。
〇鎌田労働課長 いわて働き方改革等推進事業についてでありますけれども、まず県では、県内企業における長時間労働の是正や年次有給休暇取得促進等につながる働き方改革の取り組みの推進を図るため、平成28年度からいわて働き方改革推進運動を展開するとともに、ジョブカフェいわて内に設置したいわて働き方改革サポートデスクにおける県内企業の働き方改革の取り組み支援、それからいわて働き方改革アワードにおいて企業のすぐれた事例の表彰を行ったほか、モデル企業の創出、事例の作成等によりまして県内企業の取り組みを促進してきたところでございます。
成果につきましては、今申し上げました運動に参加していただいている企業数は、平成28年度は90社でしたが、平成29年度には128社、平成30年9月末時点で176社で、県内に働き方改革の取り組みが広がっていると考えております。
また、いわて働き方改革アワードの受賞企業におきましては、柔軟な勤務形態や法定以上の独自の休暇制度を設けるなどの事例も出てきておりまして、これらの取り組みにつきましては全国規模の表彰につながるところも出てきており、全国的に見ても先進的なところが出てきていると考えております。
課題につきましては、昨年度公表いたしました働き方改革及びワーク・ライフ・バランスに関する調査の結果、働き方改革の取り組みというのは喫緊の課題ではないと考えている企業が全体の6割ぐらいを占めております。特に事業所規模が小さいほどその傾向は強くなっております。あと、いわて働き方改革推進運動の参加企業につきましても、地域的なバランスは、具体的に申しますと沿岸、県北がやや低いところでございますので、そういう課題があると考えております。
このため、平成30年度におきましては、中小企業経営者の意識を高めるため、県北・沿岸地域におけるキックオフセミナーの開催や働き方改革モデル事業の取り組みを展開いたしまして、全県的な取り組みが広がるように努めているところでございます。
〇軽石義則委員 一定の成果は出ていると。ただ、課題として、岩手の場合は中小企業が90%を超えますので、ほとんど広がっていないという答えのようにも聞こえるのですけれども、その部分、もう少し詳しく教えていただけませんか。
〇鎌田労働課長 いわて働き方改革推進運動の参加についてでありますけれども、平成30年9月末現在の地域的な内訳を申し上げますと、全県で176社と申し上げましたが、そのうち94社は県の中央部、そして県南が52社、県北が14社、沿岸が16社という状況となっております。
〇軽石義則委員 地域的に大分まばらだと。それは、復興途上というところもありますし、雇用条件も、差が開いていることが原因ということも含めてあると思います。当然、働き方改革を進めるだけでは成り立たないと思っておりますので、いわてで働こう推進協議会も取り組みをされておりまして、そこと連動していくことが大事だと思うのですけれども、いわてで働こう推進協議会と働き方改革推進のところはどのようにかかわりを持って取り組みをされているのかお示し願います。
〇鎌田労働課長 いわてで働こう推進協議会とのかかわりでございますけれども、いわてで働こう推進協議会では、働き方改革の推進、それから処遇の改善を含む七つの取り組み目標を掲げて活動しております。
働き方改革の推進につきましては、働き方改革による企業の魅力アップ、それから労働生産性の向上のため、同協議会を核にいたしまして先ほど申し上げました運動を展開しているところでありますし、処遇の改善につきましては、非正規労働者の正社員転換、待遇改善に関するセミナーなども開催しているところでございます。
これらの取り組みに加えまして、今年度、県内企業の長時間労働の是正などの働き方改革を推進するため、この協議会に働き方改革推進ワーキンググループを設置いたしまして、働き方改革推進運動を全県的に展開する具体的な取り組み方策や、県内の各団体、企業において自律的、計画的な取り組みを促進する方策の検討を開始したところでございます。また、構成団体それぞれにおいても、働き方改革をテーマとした勉強会や専門家派遣などにも取り組んでいただいているところでございます。
今後とも、いわてで働こう推進協議会と連携いたしまして、いわて働き方改革推進運動を展開いたしまして、長時間労働是正などの労働環境の改善に取り組んでまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 それら連動して取り組みをしていただいて雇用の確保なり働き方改革なりということは進められていると思うのですが、そうは言いながらも、実際、就職をしても、なかなかそこになじめなかったり条件が整わなかったりでやめていく方々もいるということで、そちらの対策もしっかりやらなければならないと思うのですが、現状、離職率、県内の離職者数など、どのような理由で離職がふえているかという部分を、どのように分析されているのでしょうか。
〇西野雇用対策課長 離職率、離職者数の現状、その要因でございますが、就職してもなかなかなじめないということで、ここで新卒者の3年以内の離職状況について御紹介させていただきます。平成26年3月の卒業者で申し上げますと、高卒者は、就職者数2、358人に対しまして離職者数974人、離職率41.3%、また、大卒者に関しましては、就職者数1、691人に対し離職者数676人で、離職率40.0%となっているところでございます。これは岩手労働局が雇用保険の取得状況から推計しているものでございますが、これの要因分析といたしましては、昨年6月にいわてで働こう推進協議会が公表しました若年者雇用動向調査の結果から申し上げますと、初めて働いた企業をやめた理由は、仕事上のストレスが最も多く、次に人間関係がよくなかったという答えが多うございました。先ほど申し上げた数字は3年離職率ですが、その中でも1年未満でやめた方の回答を分析しますと、仕事が自分に合わないと答えた割合が多くなっているところでございます。
就職時に仕事の内容や職種を重視したと答えた方にあっても、1年未満でやめた理由として仕事が自分に合わないと答えた方が多くなっておりますので、こうした状況を踏まえますと、仕事の内容、仕事の実態の情報が若者に十分に理解されていないということ、また、企業側においても人材育成体制が十分にとれていないことなどが要因にあるのではないかと分析しているところでございます。
〇軽石義則委員 かなりの離職率ですのでそれぞれ対策をとって進めているとは思いますけれども、やはり労働環境が整備されていないところも原因の一つにつながっているのではないかと思います。労働環境整備は、本来、労働局が監督業務をする部分も多いのですけれども、ただ、そうは言いながらも、中小企業の支援の中で、それらについてしっかり支えていかなければ労働環境の整備ができないというのも現実だと思っておりますので、その部分についてはどのような対策をされているのでしょうか。
〇鎌田労働課長 岩手県の労働環境につきましては、労働時間の関係あるいは給与の面からいくと、やはり低いと認識せざるを得ない状況にございます。そのため、先ほど申し上げましたけれども、いわて働き方改革推進運動を展開する中で、特にジョブカフェいわてに設置しておりますいわて働き方改革サポートデスクでは、県内企業から例えばこういった取り組みをしたいといった相談を受けて、場合によっては現地に赴いて指導もするという取り組みをしておりますし、いわて働き方改革アワードでは、すぐれた取り組み事例を表彰して、それを優良事例ということで冊子を作成いたしまして、県内各企業の意識啓発、意識改善につなげたいと考えているところでございます。
育児、介護休業につきましては、仕事と子育ての両立支援の取り組み企業を対象としたいわて子育てにやさしい企業認証制度や女性活躍の一層の推進を図ることを目的としたいわて女性活躍企業等認証制度なども設けておりまして、そちらも女性が働きやすいという環境づくりにつながってくるものと考えております。
今後におきましても、働く意欲のある方々が持てる力を発揮いたしまして、それぞれ生活の状況に合わせた形できちんと働くことができるように、ひいては各企業が人材確保もできるように、雇用、労働環境の整備につきましては一層努めていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 一つずつ現場の状況を把握した上で、対策を積み重ねていくことによって結果が出てくる─これまでも出されておりますけれども。さらに働きやすい岩手と皆さんに認識を持っていただけるようになることが大事だと思っています。
先ほど離職の要因分析の中の1位がストレスということでしたけれども、これは、職場内におけるストレスもありますけれども─先ほど環境生活部でも私、質疑いたしましたが─、小売業、サービス業、流通業を含めて、その現場における理不尽な要求─悪質クレームと今は表現されておりますけれども、それらが離職率にかなり影響が出ているのではないかと、実際調査していないわけですが、想像できます。
国に対して、そういう流通業、サービス業、小売業の現場で働く仲間の皆さんたちが176万筆以上の署名を集めて、同時にアンケートも実施して、アンケートは5万3、000件を超える回答が寄せられております。その中で、働く皆さんの7割以上が顧客や取引先からの、簡単に言えばプレッシャーや道理に合わないような要求をされることによって非常にストレスを強く感じているというアンケート結果も出されておりまして、国としても今、調査を開始しているところであります。職場内、いわゆる企業内のパワーハラスメントについては、会社なり職場内の対策がこれまでもやられてきたと思いますけれども、これからは顧客や取引先との関係にかかわるものもパワーハラスメントになるのではないかということで、欧米では既にその対策も進められているようでありますけれども、法の整備はまだ整っておりません。
消費者優先、いわゆる消費者保護が基準になっている法体系ですので、働く側サイドをどう守っていくかというのは具体的にはこれからだと思うのですが、岩手で働き続けたい、岩手で働きたいという環境整備をするためには、ぜひそこに、現場に近い県なり市町村が連携して、岩手労働局は当然そこにかかわっていただかなければなりませんから、そこと連動した取り組みを進めるべきだと私は考えているのですけれども、この部分について、悪質クレームの認識なり現状、そしてこれからの取り組みをどのように考えているかお聞かせ願います。
〇鎌田労働課長 今、お尋ねのありました悪質クレームの認識についてでございますけれども、繰り返しになりますけれども、国の労働政策審議会の雇用環境・均等分科会で、職場のパワーハラスメントになり得るということで、今、防止対策が検討されております。この中で顧客や取引先からの著しい迷惑行為も課題として取り上げられているところでございまして、現在、具体的な内容、対応状況、体制等について情報収集を進めていることは認識しております。
県といたしましては、労働相談という枠組みになりますけれども、広域振興局に配置しております就業支援員からそういった情報がございましたら、的確に対応して、例えば岩手労働局と連携を図りながら助言していくとか、そういったことできちんと取り組んでいきたいと考えております。
また、これからの取り組みですけれども、顧客等からの著しい迷惑行為は、実は、顧客には就業規則などの法規範的なものの影響が及ばないので、実効性があるのかどうかというところ。あと、顧客への対応業務あるいは取引先とおつき合いする場合、やはりストレスが多少なりともある。パワーハラスメントであればあってはならないという立場ですけれども、こういったクレームについてはある程度発生することは予見されているところでございますので、そこら辺、職場のハラスメントという枠組みで一概に捉えて、対策をどう考えていくかということはちょっと難しいところかなと考えております。
引き続き、国の分科会でこれからさらにこういった悪質クレームにつきまして検討の枠組みも示されていくと考えておりますので、そちらと、あとは実態を踏まえながら適切に対応していきたいと考えております。
〇軽石義則委員 認識はされているようでありますので、その部分は、具体的には就業支援員を含めていろいろ連携をとるということです。刑事事件につながるものについては当然警察がそこに関与できますけれども、刑事事件にならないもののほうがかなり多くあって、現場では、クレームの処理の対応を含めて非常に精神的に重圧を感じているという声も聞いているところであります。そういう意味では相談窓口も消費者センターではなかなかこれは扱えないとすれば、労働委員会という制度の中で扱えるものなのか。例えば、いわてで働こう推進協議会の中で第三者も含めて労使共通の認識に立っていけるようにしていくことができるのかどうか、いろいろ対策を重ねていくことが大事だと思っております。要は、そこで困って泣き寝入りして、結局は職場をやめる、仕事ができなくなる、そういうことにならないようにしていくのが一番大事だと思っております。
国がどういう方向を出すかを待っているうちにこの岩手で働けなくなったり岩手から出て違うところに労働力が流出したりということにつながらないように対策を早急にしていくべきだと思いますが、部長、どうでしょうか、ぜひそれらを考えていただけないでしょうか。
〇戸舘商工労働観光部長 県内におきましては、岩手労働局に総合労働相談コーナーというものがありまして、そこで個別の相談に応じているわけでありますけれども、個別の労働紛争相談全体の件数が年間約3、000件程度あるようであります。委員お尋ねの悪質クレームに関する相談件数も、ごくわずかではありますけれども、あるという実態は把握しております。
国の動向も見ながらということでありますけれども、労働局ともよく協議しながら、適切な対策が打てるように取り組んでまいりたいと思います。
〇臼澤勉委員 それでは私からは、商工業小規模事業経営支援事業についてお伺いいたします。
決算13億1、550万円余でございますけれども、さきに関根委員からも、労働生産性を高める中小企業、小規模事業者の取り組みについてお話がありました。重複するところは割愛いたしまして、まず私からは、商工会、商工会議所、そういった小規模事業者の経営支援体制について、岩手県で市町村合併も進みながら広域的な支援体制を確立しながら取り組んできていると思いますが、他県と比較して特筆すべき取り組み等があればお伺いいたします。
〇熊谷経営支援課総括課長 本県の小規模事業者への支援の特徴的なところでございます。
本県独自の取り組みといたしましては、平成24年度からプロジェクトマネジャー養成研修、これは経営指導員を対象にして商工会と商工会議所合同でやっている研修でありますが、こちらを開催しまして、経営革新に取り組む事業者の掘り起こしから計画実行まで一貫して支援できる人材の育成を図ってまいりました。また、平成27年度からはビジネス・イノベーションアワードを開催しまして、優良取り組み事例に係る事業者あるいは経営指導員の事例発表、表彰を行ってきたところであります。
こういった取り組みもありまして、先ほど関根委員の質疑の際も御紹介したとおり、経営革新計画の承認実績では東北上位にあると考えております。
〇臼澤勉委員 先ほども、経営革新計画、非常に商工会、商工会連合会を中心として実績も上げているということでございました。ぜひ商工会議所におきましてもしっかりと取り組みながら、商工会議所は市に、基本的には商工会議所法に基づいて設置されておりますので、そういった会員企業、小規模事業者のニーズにもしっかりと取り組んでいっていただきたい。
13億円の決算額ということで、私が知る限りでは以前は20億円近くのこういった小規模事業者支援の予算もあったと思うのですが、マスタープラン等によって大分改革が進められてきていると思います。ここら辺の商工会、商工会議所における改革の取り組みの成果をどう評価しているのかお伺いします。
〇熊谷経営支援課総括課長 マスタープランは、平成15年3月に策定した経営改善普及事業の広域的実施体制等に関する基本的方向について定めたものであります。県と商工会連合会、商工会議所連合会が協議しながら今後の基本方向を取りまとめたものでございまして、このマスタープランに基づいて改善普及事業の内容の見直しを進めてきたところでございます。
その結果、一市町村一商工団体の原則を掲げて合併にも取り組んできたところであり、マスタープランの策定前は62団体あった商工会、商工会議所は、現在、商工会が25、商工会議所が9、合計で34団体となっております。また、補助対象職員については、マスタープラン策定前は、平成13年度の数字で見ますと384名が補助対象になっておりましたが、平成30年度は276名となっております。
また、県の事業費につきましては、平成30年度は御案内ありましたとおり13億4、000万円ほどでありますが、平成16年度当初─これは合併が本格化する前であります、このときの事業費はおおむね21億円程度でありましたから、事業費では約8億円ほど減少してきている状況にあります。
〇臼澤勉委員 予算規模も4割ぐらい縮小しながら岩手県の中小企業の小規模事業体制を確立していると。恐らく他県と比べても、平成の市町村合併が進んだ中において岩手県ほど商工会、商工会議所の合併が促進されている県はないと。まさに削るところは削りながらも、法律に基づいた、一市町村一商工団体という商工会議所法に基づく、そういったところをベースに取り組んできているのかなと思います。
ただ一方で、会員の減少とか、あるいは岩手においては被災地におけるなりわいの再生という部分がまだ進んでおりません。例えば経営指導員の配置基準あるいは事務局長設置も含めて、さまざま配慮すべき取り組みはあろうかと思います。持続可能な小規模企業経営支援体制を構築するために県はどのように取り組んでいくお考えかお伺いいたします。
〇熊谷経営支援課総括課長 持続可能な小規模企業経営支援体制の構築についてでありますが、商工会、商工会議所におきましては、今、御案内ありましたとおり、被災事業者の復旧、復興に向けた経営支援あるいは伴走型支援、事業承継など、経営戦略に踏み込んだ新たな支援など多様なニーズへの対応が求められてきている中、限られた予算の範囲の中で、できるだけ効果的で効率的な経営支援体制としていくことが重要と認識しております。
県では、このような体制整備を進める上で、小規模事業者の支援ニーズの高度化に対応した支援能力やコーディネート能力の向上がますます重要になってきていると考えております。経営指導員の能力向上に取り組むとともに、伴走型支援に必要な体制を確保しながら、地域経済の担い手であります小規模事業者の振興を図っていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に、いわて観光キャンペーン推進協議会負担金についてお伺いいたします。
ことしのキャンペーンに向けて─平成29年度の決算でございますので─今年度の取り組みに対する事前の準備に基づく活動に使われてきたと思いますが、いわて三陸復興・絆・観光キャンペーンの事業成果、課題、そして来年以降、その課題を踏まえてどのように取り組んでいくお考えかお伺いいたします。
〇平井参事兼観光課総括課長 いわて三陸復興・絆・観光キャンペーンの成果と課題、来年度の取り組みについてでございますが、このキャンペーンは、来年3月にいよいよ三陸鉄道リアス線が開通いたします。これを見据えまして、沿岸地域を初めとした全県周遊と滞在型観光の促進を図るため、ことし5月19日から8月26日までを期間といたしまして展開したキャンペーンでございます。内容は、北海道キャラバンなどによる宮古─室蘭フェリー開設のPR、三陸鉄道と連携したイベントの開催、東北絆まつり2018盛岡開催における全県の観光PR、県内を周遊するバスツアーの旅行商品造成を実施したものでございます。
このキャンペーンの実施によりまして、特に内陸から沿岸に向かうバスツアー等の74本の造成支援、三陸の食や三陸ジオパーク、みちのく潮風トレイルなどをテーマとした三陸鉄道企画列車、こういうものが造成されておりまして、この企画列車は各列車ともおおむね満員となるなど、特に来年の三陸鉄道リアス線全線開通に向けて沿岸地域の誘客につながる取り組みが進んだものと捉えております。
今後の課題といたしましては、三陸観光の復興とさらなる振興につながる取り組みを一層進めていく必要があると考えております。来年度の取り組みでございますが、来年は特に三陸地域におきましてさまざまな大型イベントが予定されていることから、沿岸を初め広く県内を周遊し、長く滞在する旅行商品を売り込んでいくため、特にこのような旅行ニーズが高いと思われます首都圏の国内観光客やインバウンド、いわゆる外国人観光客をターゲットとして取り込んでいく観光キャンペーンを来年は展開していこうという計画でございます。
具体的には、首都圏や海外でのイベント、それから、先ほども答弁で申し上げましたが、特に団体旅行から個人旅行に移行しているということで、SNSなども活用した情報発信の強化をしていきたいと考えておりまして、現在、来年に向けて、JR東日本などの関係機関と連携いたしまして、来年の観光キャンペーンの準備段階に入っているところでございます。
〇臼澤勉委員 ぜひ平成29年度の決算実績を踏まえて、今年度の取り組み、そして来年へのつながり、取り組みを行っていただきたい。
個人旅行─FITもさることながら、次に教育旅行についてお伺いいたしますが、平成29年度の取り組み実績と成果。まとめてお伺いいたしますが、教育プログラムの開発やガイドの養成、受け入れ態勢を今後どのように強化して取り組んでいくお考えかお伺いして終わります。
〇平井参事兼観光課総括課長 教育旅行についてでございますが、まず、取り組み実績と成果でございます。
県では、教育旅行の本県への入り込みが多い北海道や東京、大阪における修学旅行担当教諭や旅行会社を対象とした訪問活動や説明会の開催、教育旅行の事前学習等への震災語り部の派遣などによりまして教育旅行の誘致拡大を図ってきたところでございます。
この結果、平成29年の本県への教育旅行入り込みは児童生徒数で21万7、565人回となりまして、児童生徒数では前年比9.1%の増加。なお、この数値は、震災以降では最多の数値となっております。
今後におきましても、本県への入り込みが最も多く、北海道新幹線やフェリー航路の開設などによりアクセスが向上いたしました北海道、それから、市場規模が大きく入り込みの増加が堅調な首都圏などの大都市圏を中心に教育旅行誘致に取り組んでまいります。
プロモーションについてはこのような形で取り組んでまいりますが、次の御質問にございました教育プログラムの開発、受け入れ態勢についてでございますが、教育プログラムの開発につきましては、地域においてコンテンツづくりを行う地域DMOの整備や活動を支援するとともに、いわて観光キャンペーン推進協議会に設置しております観光コーディネーターや三陸DMOセンターに設置しております観光プロデューサーによります地域におけるプログラム開発への支援に取り組んでいくものでございます。
ガイド養成につきましては、引き続き、三陸ジオパークガイド、震災語り部ガイド、県内各地でのボランティアガイドの育成、ガイド団体のネットワーク化の強化に取り組んでまいります。
また、受け入れ態勢につきましては、二次交通の問題がございます。県内広うございます。県内での宿泊を伴う教育旅行に対するバス料金の一部助成や、震災学習、沿岸への教育旅行の誘致に係ります問い合わせに対する総合窓口の三陸鉄道への設置、それから、コンテンツそのものの魅力アップのために、例えば橋野鉄鉱山におけますAR─拡張現実を組み込んだ学習アプリや、画像を活用した震災学習のアプリ開発への支援をしております。
今後とも、関係機関と連携しながら受け入れ態勢の充実を図っていく考えでございます。
〇佐藤ケイ子委員 私は、県産品輸出と働き方改革の2項目ありますけれども、働き方改革については先ほど軽石委員が質疑したものと重複しておりますので、それは後で部長の決意だけお伺いすることにいたします。
県産品輸出についてですが、2017年貿易等実態調査の速報値が発表されまして、輸出額が大きく伸びた。1、688億円、前年比74%増、2008年以降最高の実績だったということであります。
そこで三つまとめて質問しますけれども、大幅に増加した要因、どのような取り組みを行ったのか、どのように評価しているか。
それから、輸出先のエリアの特徴、それから輸出品目の特徴などはどういうふうに捉えているか。
それから、今後、拡大の要素はあるのかどうか。今はものづくり分野が牽引したということで、今後も増加を予想している会社は37%以上ということですけれども、他社やほかの業種への拡大の可能性や取り組みをどのように行おうとしているのかお伺いいたします。
〇菊池産業経済交流課総括課長 県内の輸出の動向に関するお尋ねでございます。
お答えする前に、新聞の報道にもございますけれども、この調査はアンケート調査でございまして、国の貿易統計のように税関ベースでしっかりとった数字ともまた異なりますので、その点御理解いただければと思います。
2017年─平成29年の輸出額、県全体では、御質問にもありましたとおり1、688億円、74.2%の増。うち、農林水産物、食品、工芸品等のいわゆる地場産品も前年比11.6%の約36.2億円となったところでございます。
輸出の中で大きなウエートを占めておりますのが機械、電子、鉄鋼等でございますけれども、その多くが大手企業の県内拠点でございまして、昨年のアンケートの傾向から見ますと、各地の取引先から旺盛な需要があったことが要因と承知しているところでございます。
地場産品につきましては、県としてもその輸出拡大に向けて、現地での商談会等の開催、バイヤーの招聘といったことで販路の拡大を図ってきたところでございまして、新興市場の経済水準の高まり、あるいは昨今の和食ブームなどとも相まって、ジェトロを含めた行政の支援、それから事業主個々の努力による取り組みが実った成果と承知しております。
次に、エリア別の特徴でございますけれども、輸出額の大きい順に申し上げますと、北米向けが前年比約2.3倍伸びておりますが、工作機械、農業機械、鉄鋼製品が大きく伸びました。地場産品では米、牛肉などが好調でございます。
中国、香港向けでは、中国向けは鉄鋼製品の大幅な増加、香港向けにはホタテ、牛肉などが堅調。
中国、香港以外のアジアでは、半導体関連などの部品が好調。そのほか、米、リンゴ、牛肉、ホタテなどが堅調だったということでございます。
ヨーロッパにつきましては、工作機械が大きく伸びたことが影響しております。
各市場に共通して日本酒が堅調な伸びでございまして、トータル、前年約1.4億円から48.9%増の約2.1億円というような傾向となっております。
三つ目のお尋ね、拡大要素でございますけれども、県として輸出拡大に取り組んでおります地場産品について申し上げますと、新興市場の所得水準の高まりや日本の高品質な産物への関心の高まりなどから引き続き市場拡大の可能性が高いと認識しておりまして、輸出への取り組みにつきましても県内事業者に拡大していくのではないかと見込んでいるところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 今後とも海外との取引を伸ばせるようにお願いしたいと思うわけですけれども、県内の物流ルートはどうなっているか、県内の港湾が活用されているのかどうかということです。資料によると、京浜港が1番で、その次が釜石港、あとは成田空港といった状況のようです。県内の港湾をもっと活用できるような取り組みはできないのかということが私の狙いですけれども、例えばトヨタ自動車東日本などでも、製品などは仙台港を利用しているわけです。宮城県の大衡工場と一緒になって仙台港を利用しているわけですけれども、県内で生産しても岩手県の輸出にならないといった課題もあるので、県内の港湾の活用をどうしていくのか。それから、今後の課題をどういうふうに捉えているのかお伺いしたいと思います。
〇菊池産業経済交流課総括課長 輸出の物流のルート、それから県内の港湾の活用でございますけれども、まず輸出の物流ルートですが、これは、物の特性、大きい、小さい、軽い、重い、それから仕向け地、どちら方面に出すか、それから運賃、あるいは納期を勘案して、輸送に要する時間。あるいは、場合によってはグループ各社で荷物をまとめてどこかから出すということもあります。そういったもろもろの事情がございまして、これは輸出するサイドにおいて最適なルートを選定しているものと承知しております。
おっしゃったとおり、これまでの傾向では、船便ですと京浜港、空輸ですと成田空港が利用されるケースが多かったと思っております。
一方で、県内の港湾の整備が進んでおりますし、外航コンテナの誘致なども県土整備部サイドで進めておるところでございまして、私どもとしても、使えるものであればやはり県内の港湾をより使っていただきたいと思っているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 今後の海外展開の取り組みの課題といいますか決意といいますか、お伺いしたいと思います。
〇菊池産業経済交流課総括課長 先ほどの物流ルートの話で、課題の答弁を私、飛ばしておりまして、課題といたしますと、やはり多様な仕向け地にどう対応できるか、あるいは輸送頻度の問題といったものがあろうかと思います。
次のお尋ね、今後の課題でございます。
私どもで関与しております地場産品について申し上げますと、やはり少子化等で国内市場はどうしても今後の伸びが見込めないところでございまして、私ども、県内の企業にも海外の市場に販路を一層求めていただきたいと思っているところでございます。
一方、言語も違いますし商習慣も違いますし、輸出は国内取引よりも難しゅうございまして、これに挑む事業主の意欲の喚起や企業力の強化が課題と思っております。
私ども、県が主催する商談会などで企業からお問い合わせを頂戴すると、なるべく職員が行くようにしております。詳しくお話を伺ってみると、やっぱり電話だけではわからないこととかいろいろお互いあるので、そういったお話をよく聞いた上で、いい展示会に出展なるように、ジェトロなど支援機関とも協力しながら引き続き輸出の拡大を図ってまいりたいと考えているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 次に、働き方改革についてですが、岩手統計白書が毎年出ているわけですけれども、毎年、全国平均を大きく下回る賃金水準、それから男女間の給与格差、労働時間の長さというのは数年間余り変動がないと思って数字を見ました。また、労働委員会への労働相談も451件とずっと高水準ということで、なかなか県内の企業の体質は難しいと思っているわけですけれども、若者に県内に定着してもらうには、やはり労働環境をよくしていかなければ地元に残っていくのは難しいと思っておりまして、経営者団体の皆さんにも、何とか若者定着に協力いただけるような改革を進めていただけないかと思っているところでございます。
そういった意味で、労働環境改善に向けた啓発活動、対策などについて部長の見解をお伺いしたいと思います。
〇戸舘商工労働観光部長 働き方改革の推進に関しましては、県内企業、そして経営者団体に対しましても毎年要請活動を行っているわけでありますけれども、委員御指摘のとおり、これは昨今大きな課題になっております人材確保の意味でも重要なことだと思っています。
人材がきちんと確保されて地元の企業に定着するためには、企業それぞれが生産性を上げて、きちんとした収益を確保して、そして待遇を上げていくことが必要になりますし、それから、労働時間あるいは休暇がとりやすいような、生き生きと働けるような環境を整備することも大事なことであります。それによっていい人材が確保され定着するということで、企業としてもますます生産性が上がることになります。
これは相互に関連する、お互いにいい循環に持っていけるかどうかということだと思いますので、この働き方改革推進運動に関しましても、さまざまな構成団体がありますので、足並みをそろえてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 私からは、2点通告していました観光産業と伝統工芸品についてでございます。
観光産業については、非常に多く質問が出ましたので割愛します。伝統産業について質問いたします。
事前に製造品の出荷額について伺っておりました。東日本大震災津波のあった平成23年に伝統的工芸品の製造品出荷額が一番下がったわけでございますが、そこから5年間、連続で右肩上がり。その中、平成28年度最新の数字をいただきましたところ、その6年間の中で初めて数字が下がったと。
具体的に言いますと、平成27年は約33億円。これは、南部鉄器、岩谷堂箪笥、秀衡塗、浄法寺塗の合計が33億円であったのが、平成28年31億円に2億円減っている。その大きな要因は、南部鉄器が2億3、000万円減少しているという状況でございますが、県は、この伝統工芸品の実績の成果と評価をどのように分析されているかお聞きしたいと思います。
〇高橋地域産業課長 伝統工芸品の製造品出荷額についてでございますけれども、今、委員からお話がございましたとおり、一時、震災まで減少傾向でございましたけれども、平成27年度まで増加傾向で、今、御指摘のとおり、平成27年度は約33億円という金額でございます。
この伝統的工芸品の出荷額のうち今お話ありました南部鉄器につきましては全体の約8割を占めるという傾向がございまして、そもそも南部鉄器そのものが、これまで、平成22年の上海万博を機に海外で非常に人気が高まりまして、一時、輸出がどんどん伸びておりました。平成27年度につきましては約27億円ということで先ほどのお話のとおりでございますが、これらは、そういった海外の人気が落ち着いたといいますか、需要が平年ベースに戻ったというところもございまして、大きく南部鉄器の海外需要が落ち着いたということがあり、製造品出荷額についても先ほどの31億円という金額になったものと思われます。
県としての評価につきましては、これまでもさまざま首都圏におけます伝統的工芸品の展示販売会やいわて産業振興センター、岩手県産株式会社と連携した県単独の物産展の開催など引き続き販売機会の創出や、消費者の評価が必要ということで、さまざまな情報発信の取り組みなどにつきましてもこれからも続けて支援していきたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 先日、雲南事務所に行かせていただいて、その際も南部鉄器の展開を非常に強くされていたので南部鉄器も非常に上がっているのかと期待していたところでしたが、数字を拝見したときに若干下がっていると。これはぜひ、雲南事務所を開設したところでございますので、これからも継続的に売り上げが上がるように期待したいところでございます。
もう一つですが、岩谷堂箪笥を継続的に私も取り上げさせていただいておりますが、売り上げが昨年と比べて8、000万円伸びているということで、非常にうれしい内容だと拝見しておりました。
一方で、先ほど課長からも御答弁いただきましたが、岩手県産株式会社の実績もいただきました。全体は約8、000万円、昨年に比べて伸びているという内容でございましたが、岩手県産株式会社の売り上げは、平成27年に3.2億円、そして平成28年には2.2億円と1億円減少している。さらには、ずっと下降で、平成30年─今年度、5カ月の実績でありますが6、000万円。単純に倍にしても1.2億円ということで、先ほどの過去6年間の製造品出荷額とは大きくかけ離れているというふうに見てとれます。この点はどのように評価しておりますでしょうか。
〇高橋地域産業課長 岩谷堂箪笥の販売状況につきましては、今、委員からお話があった金額のとおり、岩手県産株式会社の販売状況につきましては、ここ数年減少傾向でございます。
それから、先ほど岩谷堂箪笥の伸びというところでございますけれども、製造品出荷額の統計につきまして、岩谷堂箪笥につきましては、便宜、経済産業省の工業統計を利用させていただいておりますけれども、こちらのほうになりますと漆器製家具ということで、岩谷堂箪笥以外のものも含まれるところでございます。
岩手県産株式会社の減少というところがございますけれども、そのほかに岩谷堂箪笥生産協同組合のほうでさまざま直販の取り組みもしておりまして、平成29年度の岩谷堂箪笥生産協同組合の事業報告を見ますと、最近ではふるさと納税のお返し品という格好で出荷額が大きく伸びているのが一つございます。それから、岩谷堂箪笥を現代風にデザインした非常に軽目の─昨年も委員の御質問にお答えしたものでありますけれども、こういった岩谷堂くらしなシリーズも非常に好調でございまして、リピーターも多くなっているというのが一つございます。それからもう一つ、組合の直接販売として岩谷堂箪笥まつりということで組合が毎年3月にえさし藤原の郷で開催しているもので、私もそちらのまつりに行きましたけれども、新たないろいろな商品に対して若い方も関心を持って見にこられているという背景もございまして、そういったところも要因としてあると思われます。
〇菅野ひろのり委員 岩手県産株式会社の状況について、出資等法人運営評価レポートの最後のところにそれぞれの法人の評価が載っているわけでございます。黒字ではありますが財務の評価がBということ、そしてマネジメント評価として非常に厳しい数字がたくさん載っているわけでございます。例えば、目的に関して90点とか100点が多い中、80点。事業管理、これも一番下のほうの73点。組織管理に関しては、一番最下位の52点。ほかは大体70点とか80点、90点という中で、非常に実態が─これだけだと具体的に私は中身はわかりませんけれども─ほかの法人に比べて組織として課題があるのかなとちょっと思ったところでございました。
そこで、きょう御質問したい内容として、拡大販売を何とか、岩手県産株式会社にいっぱい岩谷堂箪笥を買って売ってくださいという視点は持っていますけれども、一方で、これは県の出資法人でありますから、そういった観点において岩谷堂箪笥の在庫が経営を圧迫していないかどうか、この状況についてお伺いしたいと思います。
〇高橋地域産業課長 岩手県産株式会社の岩谷堂箪笥の在庫が経営に及ぼす影響ということでございます。
売り上げについては先ほどの数字のとおりでございますけれども、在庫状況を示す棚卸しの額の状況で申し上げますと、ここ3カ年、平成27年度末は約1億5、000万円、平成28年度末は約1億7、000万円、平成29年度末は約1億5、000万円で、ほぼ横ばい傾向にあるところでございます。
岩手県産株式会社の経営状況につきましては、平成29年度決算では売上高約52億600万円と前年度実績を約9、100万円上回り、経常利益は約1、300万円、当期純利益は約500万円と、黒字決算となったところでございます。
この主な要因といたしましては、先ほど出資法人の評価がございましたけれども、岩手県産株式会社として、さまざま活動エリアのブロック化による営業の強化、それからPB商品、御存じのとおりサヴァ缶が非常に好調でございまして、そちらがテレビ番組の放送を機に昨年度は非常に伸びたところが要因にございます。
岩谷堂箪笥の状況、先ほど申し上げましたとおり、売上額が減少傾向にあり、在庫を多く抱えているということでございまして、岩手県産株式会社の経営に大きく影響を与えているという状況にございます。
県といたしましても、岩手県産株式会社や岩谷堂箪笥生産協同組合と連携しながら、先ほど申し上げたくらしなシリーズもそうですけれども、現代のライフスタイルに合った新商品の開発や販路拡大に向けた取り組みということで、特に来年度、こういった伝統工芸につきましては岩手開催の全国大会もございますので、そういった取り組みを機に、ますますこういった業界の取り組みについては県としても支援してまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 先ほど在庫の金額を言っていただきました。約1.5億円がずっと続いているということでございます。戻りますが、一方で売り上げは3.2億円、2.2億円、1.7億円、ことしは6、000万円、年間恐らく1.2億円と。そういう中で、過去は在庫が2回転していました。今は在庫が1回転しないのではないかという状況になっています。そして、平成28年度に計画発注の数字が減少した中において、このままいったら今後どういうふうになるのか。売り上げがどんどん減少していく中、1.5億円をずっと維持していくのか。
この在庫と売り上げの関係、これは通告していませんでしたのでなかなかお答えしづらいかもしれませんけれども、今後の見通しも含めてどういうふうにお考えかお聞きしたいと思います。
〇高橋地域産業課長 岩谷堂箪笥の販売と在庫についてと今後の見通しでございますけれども、岩谷堂箪笥の販売につきましては、昨年度、製造元会社が倒産するという厳しい状況もありまして、昨年度の決算特別委員会でも御答弁申し上げましたけれども、やはり岩手県産株式会社だけの取り組みではなく、関係者が一体となって、県、市、販売元である組合、そういったところが一体となった取り組みを進めていく必要があるという状況でございます。
特に岩手県産株式会社につきましては、毎年度の経営計画を出しながら、例えば岩谷堂箪笥につきましても、新規の取引先を何件ふやしていきましょうとか、それから新しいデザインで商品開発を何件しましょうという年度計画のほか、今年度中に2019年度から2021年度までの中期計画を策定予定でございますので、そういった岩手県産株式会社とのいろいろな協議なり、今後の連携した取り組みも進めながら、先ほどの在庫を今後どうするかは数字的にはまだ把握しておりませんけれども、それらさまざまな取り組みを協議する中で、岩谷堂箪笥の販売についても力を入れてまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 県民計画の実施状況報告を見ましても、課長が担当していただいているこの指標はほとんどA評価が多いということで、県としては、フェアの展開であったりとか、そういうものを全力的に支援いただいているのだなという様子が見てとれます。
そして、部長に最後にお伺いしたいのですが、やはり今の取り組み状況、在庫、また岩谷堂箪笥生産協同組合が求めること、または県のほぼ100%買い取りの中、なかなか売りづらいものもしっかり背負っていただいて販売していただいている岩手県産株式会社の役割という、時代と責任、役割というものが、この人口減少または消費のニーズが変わってきている中、求められるものが変わってきているのではないかと。
先ほど課長の答弁の中で、関係者と協議しながら検討していくと、本当にそのとおりだと思うのですが、部長にそこでお聞きしたいのが、これから伝統工芸品の振興といった課題はほかにも当然あると思うのですが、どう振興に努めていくお考えなのか、最後にお伺いして、終わりたいと思います。
〇戸舘商工労働観光部長 特に岩谷堂箪笥につきましては、岩手県産株式会社が総販売元として、さまざまな消費者の動向も把握しながら販売をしておりますので、そういった情報と、地元の岩谷堂箪笥製造事業者の古くから培っている技術、技法をしっかり組み合わせて、消費者のニーズにかなうような新商品を開発するのも一つの道だと思います。そして、そういう中で岩谷堂箪笥のブランド力を高めながら、関係者一体となって販売拡大に努めていきたいと思います。
県産品全体についても同様のことは言えるのではないかと思っておりまして、そのものが本来持っている県産品としての価値に気づいてもらうことも大事でありますし、また、一方では、消費者のニーズに合った形で商品展開をしていくことも大事なことであります。これは、やっぱり両にらみでやっていく必要があろうかと考えております。
〇高田一郎委員 いわてで働こう推進協議会についての成果については、先ほど軽石委員から質問がありました。同じ質問はいたしません。
先ほどの議論を聞いていまして、課題のところで、調査で働き方改革については喫緊の課題ではないというのが6割になったということであります。それで、やはりいい職場環境をつくっていくことが、いい人材確保につながるのだと先ほど戸舘部長がお話をいたしました。本当にまさにそうだと思います。いい職場環境をつくっていくことが生産性の向上につながる、そういう好循環になると思うのですけれども、働き方改革は喫緊の課題ではないという調査結果、これはさまざまな意味が込められているのではないかと思うのです。県として、これはどのように見ているのか。
あわせて、このいわてで働こう推進協議会は、いわば県民運動であって、みんなで働き方改革をしていこうということなのですが、先ほど176社、これは結成してから3年目で多いかどうかとありますけれども、県民運動としては、まだまだ参加が少ないのではないかと思うのです。さっきもちょっと触れられましたが、ここを経営者の意識をどう変えて県民運動にしていくかという点で、もっともっと参加をふやしていく必要があるのではないかと思うのですけれども、その辺のところをまずお聞きします。
〇八重樫雇用対策・労働室長 いわてで働こう推進協議会の取り組みの件、特に働き方改革についてのお尋ねでございます。
アンケートというか調査によりまして、働き方改革は喫緊の課題ではないという、特に規模の小さな企業についてはそういう回答が多かったということでございまして、いずれ、働き方改革運動については平成28年度から本格的にやっております。先ほどの取り組みについては、課長からるる申し上げましたとおり、働き方改革アワードという先進事例を表彰して広く県内に紹介する取り組み、あるいは専門家を派遣して個別企業への指導を行うとか、さまざまな取り組みをしております。
そうした中で、テレビとかでも紹介しているのですけれども、県内の中小企業の経営者の方にもその重要性を認識していただいて、これが本当に全県的な運動につながっていくように、我々もさらに運動に力を入れていきたいと考えております。
今年度9月末時点で176社で、これについては、我々ももっとふやしていかなければならないと考えております。やはり先ほど部長も言いましたとおり、いい人材を確保するためには、職場環境、労働環境の改善が必要です。あと、生産性の向上を両輪として、その中で好循環をつくっていくことが大切であると考えております。
今度この協議会の中に働き方改革推進ワーキンググループもつくりました。この中で、この運動を全県的にさらに広く展開していくことも今協議をしております。そういった中で、全県的な運動になるような機運の醸成に取り組みながら、さらに参加企業をふやしていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 いわての働き方改革の中で大事な柱の一つになるのが、非正規雇用の正社員化だと思うのですね。これは、今日の貧困と格差をつくる大きな要因になっております。
それで、先ほど有効求人倍率が1.49ですか、64カ月連続1.0を超えているというお話がありました。しかし、新規求人数に占める求人割合は41%になっています。しかも、最近の就業構造基本調査などを調べてみましたが、岩手県の場合は、正規雇用を望んでいるにもかかわらず、やむなく非正規になっているのが15.9%で、高いほうから全国7位になっているんですね。これは本当に解決しなければならない問題だと思いますけれども、改めて、県の取り組みについてまず伺いたいと思います。
〇西野雇用対策課長 非正規雇用の正規化への取り組み状況でございますが、県では、まず、これまで岩手労働局が主体となって設置しております岩手県正社員転換・待遇改善等実現本部に参画いたしまして、関係団体への要請活動を行うとともに、処遇改善セミナーを初めとする各種セミナー、講演会等によりまして、企業への普及啓発に取り組んでいるのとあわせまして、県内各地に配置している就業支援員、また労働委員会における労使双方からの相談対応などを行ってきているところでございます。
また、無期転換ルール、御案内のところ、有期の労働契約が更新されて通算5年を超えた時点で、労働者の方の申し込みによって期間の定めのない労働契約に転換できるというルールにより、ことしの4月からそのような権利を持つ方々が発生するということで、そのような周知を国の労働局とも行っていました。あわせまして、今年度は、働き方改革及びワーク・ライフ・バランスに関する調査を実施し、その無期転換ルールへの対応状況を把握することとしております。その結果につきましては、いわてで働こう推進協議会で共有し、今後、構成団体と協力しながら、より一層、非正規雇用労働者の正規雇用への転換につなげていきたいと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 労働者派遣法改正から3年となり、いわゆる雇いどめについては大きな問題になっていますので、これはしっかりと対応していただきたいと思います。
それで、非正規雇用の正社員化については、先ほどセミナーとか企業の啓発活動、あるいはキャリアアップ助成金とかさまざまな支援がありますけれども、しかし、これだけでは非正規雇用から正社員への転換はなかなか簡単ではないのではないかと思います。
岩手県は、特に有効求人倍率が先ほど紹介した1.49となっていますけれども、求職者のうちの半分は在職者になっているのですね。それだけ、やっぱり非正規雇用のもとで劣悪な雇用環境になっているからではないかと思います。
それで、この問題を解決するには、非正規雇用を拡大している労働者派遣法そのものを見直し、転換、やっぱり蛇口から締めていかないと、これはなかなか解決しないのではないかと思います。派遣事業は、そもそも人貸し業だということで法律で禁じられたものを、1986年に合法化になって、それがどんどん拡大されていった。この問題を解決しない限りには、やっぱり根本的な解決にはならないのではないかと思うのですけれども、その点についていかがですか。
〇西野雇用対策課長 今、委員の御指摘にありました労働者派遣法でございますが、平成27年の改正によりまして、派遣元事業者に対して、同一の事業所に継続して3年間派遣される見込みがある方がいる場合、派遣先への直接雇用の依頼でありますとか、新たな派遣先の提供、派遣元での派遣労働者以外としての無期雇用、その他、安定した雇用の継続を図るための措置を講じる義務が課せられたところでございます。
このことにつきましては、県内の派遣元事業主に関しまして指導権限が一義的にあります岩手労働局においても、この派遣事業の許可の取り消しを含めた厳正な指導をしていきたいと伺っているところでございまして、実際に通知などを発出して適切な運用を促しているところでございます。
県といたしましては、先ほど非正規雇用のところでも御答弁させていただいた取り組みと同様になりますが、やはり各種セミナーや講演会等、機会を捉えてこの取り組み、円滑な法の運用の確保に努めていきたいと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 わかりました。それで、私が質問したのは、セミナーとか企業啓発とか、キャリアアップ助成金とかさまざまやっても、労働者の3人に1人とか、こういった状況はなかなか変わらない。今の労働者派遣法そのものを見直して、正社員が当たり前のような社会をつくっていかなければならないと私は思うのですね。そのことを聞きましたので、県として、この辺についてお伺いしたいと思います。
〇西野雇用対策課長 大変申しわけありませんでした。
派遣労働という働き方は、やはり労働需給の逼迫した状況において、労働力の需給を担保するための措置として有効な部分がある一方、派遣が固定化されることによって、その方のキャリアアップであるとか雇用の安定というところでは非常に危惧される要素も抱えているということで、今回の改正法が実施されているところでございます。
この法律の趣旨、派遣労働という働き方は、そもそも臨時的、一時的なものである。また、その利用についても常用代替するものではないという理念に基づいて適切な運用─派遣自体に関しては、さまざまな本人の生活環境などによって、その働き方を選択する可能性を持っている方もいらっしゃると思います。そういう方々の意向に沿った、ただ、雇用の安定、キャリアアップという点で、阻害要因というか悪影響が出ないような運用を図っていくことが必要だと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 そもそも労働者派遣法が最初始まったときには、今お話があったように、臨時的、一時的で、本当に一部の業種で始まったのですね。それがどんどん広がって、今日の非正規雇用が3割とか4割という状況になりましたので、やっぱりこのところを根本から変えて、正社員が当たり前のような社会にしていかなければならないと私は思います。
次に、東芝メモリ、デンソー岩手などの問題ですけれども、それに伴う地場の企業の増設などによって、人材確保が大きな県政の課題になっております。この間、県議会でも5年間で5、000人の新たな雇用が必要なのだという見込みを県も示しております。この点に対する人材確保の対応状況がどうなっているのか、また、それに伴う中小地場企業への影響も当然考えられる懸念材料ではないかと思いますけれども、その辺のことを含めて現状を示していただきたいと思います。
〇熊谷産業集積推進課長 県ではこれまで、県内就職率の向上に向けて、産業界、教育機関、市町村等関係団体等と協力いたしまして、小学校から高等教育機関までの各段階に応じた、工場見学でありますとか就業支援員による県内就職の支援、高校生と県内企業の若手社員等との交流会、はたまた保護者向けのガイダンスでありますとか教員向け工場見学会、いわてで働こう総合イベント、いわてとワタシゴト展などを開催するなどいたしまして、県内企業の認知度向上や岩手で働く魅力を伝える取り組みを強化するとともに、いわてで働こう推進協議会を核といたしましたいわて働き方改革推進運動を展開し、雇用、労働環境の整備を促進させることにより、県内就職率の向上に注力しているところでございます。
東芝メモリ岩手等の状況でございますけれども、10月時点で東芝メモリ岩手に確認いたしましたところ、採用内定数が求人数に達してはいないものの、四日市工場からの出向者や中途採用で調整が可能であり、また、デンソー岩手についても、必要な人材の確保は順調に進んでおり、いずれも新工場の稼働には特に支障がないと伺っております。
県では、新卒者の県内就職の促進とU・Iターン就職による人材確保の取り組みを引き続き強力に推進することによりまして、岩手で働き、暮らすことを望む人たちの希望に応えるよう取り組んでまいりたいと考えております。
中小企業が人材確保をしていくに当たりましては、新規取引の拡大や生産性の向上などにより収益を高めるとともに、より働きやすく安心して働ける労働環境を整備するなどの対応を図っていく必要があると認識しております。
今後におきましても、県内ものづくり産業における人材の確保に向け、生産性向上と働き方改革を両輪とする魅力ある企業づくりに努めていくことができるよう支援してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 中小企業への支援はわかるのですけれども、今、東芝メモリとかデンソー岩手の人材確保については、問題なく順調に対応されているという話がありました。私が聞いたのは、それに伴って、地元の中小企業の雇用への影響も心配されるのではないかと思って、そのことの影響と対応について伺ったので、その点についての答弁がありませんでした。
私はこの間、県内のいろいろな工業高校とかハローワークとかをそれぞれ回ってきて感じたのですけれども、やっぱり工業高校では、長年培った首都圏の企業との関係があって、どうしても首都圏の企業に行ってしまうのだと。ハローワークに行っても、どことは言いませんけれども、今の若い人は都会志向が強いのだということで、何か本当にオール岩手で県内の就職率を高めようという本気度が伝わってこなかったのですね。私はそういう思いをいたしました。
これは、やはり今、岩手の高校卒業生の県内就職への希望が7割になっているのにもかかわらず、目標自体が65とか66%とかという状況になっていることにもよるのかなという思いをしております。それで、そういう状況になっているのではないかということで、本気度がいま一つオール岩手で認識されていないのではないかという思いをしておりますが、この点についていかがでしょうか。
この目標自体も、県議会でもたびたび質問、要求されていますけれども、県として、この目標設定について現時点でどのように考えているのか、いつごろ目標設定を打ち出すのか、この点についてもお伺いしたいと思います。
〇西野雇用対策課長 県内就職率向上に向けての本気度というところでございますが、まさにそこは、私どもも非常に大事なところで、これから高めていかなければならないと感じています。
まず、本県では、かつて就業の場が限られていて、岩手には仕事がないよということで、若者中心に県外への人材流出が続いている状態でございました。それが、この近年の企業集積が進んだことによって、県内にもさまざまな産業、また、ものづくり産業の集積の効果で、その他の産業にも波及し、多種多様な職場、就業の場が創出されているという認識でございます。
その多種多様な就業の場ができてきているのだよということを高校生、現在の若い人たちに伝えていかなければならないと思って取り組みを進めているところですが、先ほど御指摘いただいたとおり、まだ、高校生であるとか大学生、または就職に関係する方々の意識や関心が、十分県内企業に向いていないという状況があり、まさにそこを何とかしていかなければならないと考えているところでございます。
そして、そのための県内就職率の目標でございますが、今までのアクションプランで設定した目標水準は、さまざま御指摘いただいておりましたが、最近の産業の集積によって人材需要が急激に増加している状況には対応できていないと認識しております。今後、取り組みの強力な推進とあわせて、県民の理解と参画のもとに人材の県内定着が図られるよう、次期総合計画のアクションプランにおいては、目標値を検討していきたいと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 もう一つは、若い人たちの人材確保を図る上で、あるいはIターン、Uターン対策を進める上でも、若い人たちの住宅確保が非常に大事な課題ではないかと思います。
家賃補助を行うとかという多様な福利厚生への支援が必要だと思います。この点については、県としてどのような対応をされるのでしょうか。
〇熊谷産業集積推進課長 家賃補助などの福利厚生への取り組みについてでございますけれども、各企業の福利厚生の充実は、委員御指摘のとおり、人材確保にとって重要な課題と認識しております。
御指摘のありました従業員の住環境に係る福利厚生につきましては、今後、県南地域におきましては、アパート等の賃貸住宅の不足も懸念されております。県といたしましては、今後の民間投資の動きを注視しながら、賃貸住宅の整備が促進され、企業の従業員向け住宅の確保がしっかりと図られていくように、市町村等と連携いたしまして支援を検討していきたいと考えております。
〇高田一郎委員 最後にいたしますが、小規模事業者持続化補助金あるいは農商工連携補助金などについてお伺いいたします。
先ほども小規模事業者の経営支援事業についての議論がありましたけれども、やはり小規模な事業者が本当に元気に事業を展開することが非常に大事であって、小規模事業者を直接支援する今紹介した事業は非常に大事だと思います。平成28年台風第10号災害でも、激甚災害対応ということで大きな役割を果たしてきました。県として、この事業の成果と評価について伺いたいと思います。
あわせて、この事業は、それぞれ商工会議所などが経営計画を作成して、そして、さまざまな支援をするのですけれども、やっぱり経営力の向上にもつながる大変すばらしい事業だと私は思います。
しかし、これは国の二次補正予算で、1年限りの事業が毎年毎年継続してきたということで、恒久的な財源になっていないのですね。これはやっぱりしっかりとした恒久的な財源、支援になるように、県としてもしっかりと国に要請、要望すべき事業ではないかと思いますけれども、この点についてお聞きしたいと思います。
〇熊谷経営支援課総括課長 小規模事業者持続化補助金についてでありますが、この補助金は、小規模事業者が、商工会議所、商工会の助言等を受けて経営計画を作成し、その計画に沿って販路開拓に取り組む費用を助成します国の制度でございまして、日本商工会議所と全国商工会連合会が事務局となり、直接事業者へ交付されるスキームとなっております。
平成29年度におけます本県事業者の採択数は261件でありまして、この事業によりまして売り上げ増加に向けた展示会出展料、広報費を初めとした販路開拓などの取り組みに広く活用されているところでございます。
これまで、平成25年度からになりますが、総計で1、626件の採択ということで、事業者にとっても使い勝手がいいもので、高い評価があるものと考えております。
〇菊池産業経済交流課総括課長 お尋ねの農商工連携に関する部分でございますけれども、農商工連携に対する助成でございますが、これは国の制度を活用しまして、国、県、地元金融機関の出資によりまして、平成21年3月に総額29.1億円のいわて農商工連携ファンドを組成し、これを運用財団でございます公益財団法人いわて産業振興センターが債権で運用しまして、その運用益をもちまして、県内の中小企業者と農林水産業者の連携による新商品の開発あるいは販路開拓などを行う事業でございます。
助成事業実施の10年間でございますが、いわて産業振興センターがその状況を調査したところでは、現在までにファンドを利用して開発した商品、製品、サービス等が市場で販売された件数、いわゆる事業化の割合でございますけれども、約83%と、新たな事業活動の展開などに一定の効果があったと認識しておるところでございます。
〇熊谷経営支援課総括課長 先ほどの答弁で国への要望状況が抜けておりましたので、追加で答弁させていただきます。
国については、この小規模事業者持続化補助金について、毎年の要望の際にも項目として入れておりまして、使い勝手のよい制度で多くの事業者が活用しているということで、制度の継続について国に要望したところでございまして、概算要求の資料におきましても、来年度、平成31年度予算に計上される見込みでございます。
〇千田美津子委員 何点か質問をしたいと思います。
まず、復興に関連してですが、商業者の仮設施設から本設移行についての考え方をお聞きしたいと思います。
第12回被災事業所復興状況調査では、本設再開をしないと答えられた事業所のうち、仮設施設での営業を希望する事業所が17事業所、32.7%を占めておりました。私はそれらを見るときに、陸前高田市で実施しているように、希望する仮設施設については、無償譲渡するとかという対策が必要ではないかと考えますので、その点、お聞きいたします。
〇熊谷経営支援課総括課長 仮設施設の事業者への譲渡についてであります。
仮設施設は、市町村が独自に整備したものもありますが、大半が中小企業基盤整備機構が整備をして、それを市町村に既に譲渡しているということでございます。事業者への譲渡につきましては、仮設施設の入居者や仮設施設の土地所有者の意向を踏まえて、各市町村が実情に応じて判断できるものと考えております。
また、本設再開に向けては、無償譲渡なども一つの有効な手段でありますが、その際には、経費的には本設再開よりは費用がかからない可能性はありますが、一方で、民有地でありますので、地主との調整や建築基準法を満たすための改善、改修費用がかかる可能性もあること、あるいは共同店舗の現在建っている土地が、商業地として果たして商売が成り立つような場所なのかといったあたりも検討する必要があります。その辺は、県も専門家やアドバイザーも派遣しながら、市町村と連携しながら支援していきたいと考えております。
譲渡につきましては、陸前高田市が進めているほか、大船渡市においても、平成29年度から既に実施しております。
県としましては、このような先行している事例なども各被災市町村で情報共有を図りながら、円滑な本設移行を支援していきたいと考えております。
〇千田美津子委員 いろいろな課題、調整もあると伺いました。ただ、やっぱり本設展開はできないという方々については、そういうことも含めて事情に合った対応を、最後まできめ細かな対応をするという点では、ぜひ県も市町村と一緒になって対応をしていただきたいと思います。これは要望です。
それでは、二つ目、震災復興に係る中小企業支援について、4点まとめてお聞きいたします。
一つ目は、中小企業東日本大震災復興資金貸付金についてでございます。これは、事業活動に支障を来している被災事業者に対して所要資金を貸し付けるための原資の一部を金融機関に預託し、中小企業者の早急な事業活動の再開を支援しようとしたもので、使途は設備資金とか運転資金とかあるわけですが、ただ、主要施策の成果に関する説明書ではC評価となっております。この状況、それから、平成29年度のみならず、この間の事業実績についてお知らせいただきたいと思います。
二つ目は、中小企業東日本大震災復興資金保証料補給補助についてお聞きいたします。これも直接被害を受けられた事業者が、先ほどの1番目に言った中小企業東日本大震災復興資金貸付金を利用する場合に、保証料の補給を行うということで、これも事業再開を大きく支援しようとするものであります。これについても、この間の実績をお知らせいただきたいと思います。
三つ目は、岩手産業復興機構出資金、これはA評価となっておりますけれども、いわゆる二重ローン問題の解決のための出資金になりますが、債権買い取り支援を行うこの機構に出資し、事業者の早期の復旧、復興を支援するものでありますが、これについても、この間の実績をお知らせいただきたいと思います。
それから、四つ目は、中小企業被災資産復旧事業費補助でございます。これはB評価となっておりますけれども、これについては、沿岸市町村の産業復興を促進するために、市町村が行う被災事業所の施設等の復旧に対する補助事業に要する経費を、県も一緒になって4分の1ずつ補助しようとするものでありますけれども、この事業についても非常に大事な事業でありますが、この間の実績についてお知らせいただきたいと思います。
〇熊谷経営支援課総括課長 初めに、中小企業東日本大震災復興資金貸付金につきましては、融資実績は、これまで延べ1万6、590件で、金額計3、272億円となっております。
また、中小企業東日本大震災復興資金保証料補給補助は、岩手県信用保証協会への補助実績で、総額63億6、500万円となっております。
次に、岩手産業復興機構出資金の実績については、債権買い取り等決定件数の実績になりますが、延べ243件、相談件数では延べで1、344件となっております。
次に、中小企業被災資産復旧事業費補助、これは、グループ補助はグループで復旧を目指すものに対して、単独で復旧を希望される方の補助制度でありますが、こちらの交付決定企業数の実績は延べ378者、交付決定額13億5、800万円となっております。
いずれも、復興の進展によりまして件数等は減少傾向にはありますものの、今も一定の利用実績があり、復旧、復興に向けては必要な制度であると考えております。
〇千田美津子委員 まず一つ目の中小企業東日本大震災復興資金貸付金についてでありますけれども、今の御説明で件数等はわかりました。私は、必要な中小企業に対して十分に支援できたのか、これが大事だと考えておりますが、その点、もう一度お聞きしたいと思います。
それから、二つ目の保証料の補給補助、これは県の単独融資制度の実施でありますので、平成23年度以降、7年間で63億6、500万円の保証料の補助を行ってきたというのは、本当にすごく重要な事業をしてきたなと思います。それで、これについても、全てにおいて今後も重要だということなのかもしれませんが、特に県単の部分でありますので、今後の見通しについてもう一度お聞きしたいと思います。
それから、三つ目の二重ローン解消のための岩手産業復興機構出資金についてでありますけれども、これも7年間で243件の決定を行うことができたということで、非常に大事な事業だと思います。それで、債権買い取りだけではなくて、返済条件の変更や償還猶予、そして、新規融資もあるやに書かれていますけれども、それらの内訳について、一つはお聞きしたいと思います。
それから、さらに買い取り金額がどのぐらいになっているのか、その点もお聞きしたいと思いますし、さらに、二重ローンへの対応という点では、岩手産業復興機構のみならず、東日本大震災事業者再生支援機構もあるわけでありますので、そちらの相談件数と解決実績がわかれば、それについてお知らせいただきたいと思います。
〇熊谷経営支援課総括課長 まず、東日本大震災復興資金貸付金につきましては、やはり金融支援の中でも一番の基幹的な事業でありますし、金融機関と協調しての取り組みになります。それぞれメーン銀行となる金融機関を持っているわけですので、そことの連携というか協調によりまして、こちらの貸付金を利用したり、あるいは金融機関のプロパー融資も活用するなど、その再建計画に基づきながら、事業者にとって一番いい資金計画を立てながら本設再開を支援していくといったような資金でありますので、件数的には減ってきているものの、重要性は高いものと考えております。
次に、保証料補給の関係は、今、委員からもありましたとおり、こちらは県単の予算を使っております。ですので、今後の復興の進捗状況や利用実績も踏まえながら、毎年の予算要求の過程で見直しをしていく必要があるかと考えております。
それと、二重ローンの関係の実績についてでありますが、まず、国の東日本大震災事業者再生支援機構、こちらは国が設置した買い取り機構であります。こちらの実績は、相談件数で509件、支援決定件数で166件となっております。
あと、支援件数の内訳でございますが、産業復興相談センターの場合、例えばでありますが、債権買い取り決定が248件のうち110件、長期返済の猶予をしたのが113件、新規融資が25件といったような形になっております。
買い取り額については公表されておりませんので、御了承をお願いいたします。
〇千田美津子委員 二つ目の保証料の補給については、毎年度予算要求の中で検討されるということでありますが、例えば、今年度でも10億円を超える金額になっているわけですね。それで、先ほども言いましたように、事業者の皆さんが本当に頑張ってやれる状況をつくることが非常に大事になりますので、そういった点でぜひお願いしたいと思います。
私は四つの事業をお話ししましたけれども、これらを通じて、今、事業者の方々がどういう状況に、頑張っているのだと思いますけれども、この事業者の方々の現状について、それから、あわせて全体の事業の今後の進め方なりについて、改めてお聞きしたいと思います。
〇熊谷経営支援課総括課長 グループ補助などを使いながら本設再開した事業者も1、500者ぐらいになってきたわけですが、ただ、事業再開した後も、計画どおりに売り上げが伸びない事業者も多いものと承知しております。ですので、本設再開がまだの方には、グループ補助と金融支援を使いながら、本設再開を一人一人に寄り添って進めることと、本設再開した後のフォローアップのところも、今後大事になるかと思っております。
今年度は広域振興局に、臨時職員ですけれどもフォローアップのための職員も配置しながら、定期的に、グループ補助を使った事業者を訪問しながら、御用聞きみたいな形で相談相手になりまして、専門機関につなぐような取り組みも始めました。今後は、そのように、本設再開後のフォローアップにも力を入れていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 それでは、引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、最後の質問項目になりますけれども、先ほど派遣労働についてお話がありましたが、私は、無期転換ルールについてお聞きしたいと思います。
私も、本来であれば正規雇用であるべきだと思いますが、それを前段にお話をして、無期転換ルールが、平成25年4月1日以降の有期労働契約期間が同一の事業主との間で更新されて、通算5年を超えた有期雇用労働者が、期間の定めのない労働契約への申し込みをした場合に、事業主はこれを承諾したものと見なされて、無期労働契約に転換されるというものであります。
このルールでことしの4月1日から労働者の皆さんには申し込み権が発生しているのですけれども、実はそれを回避するための雇いどめが全国的には、私に言わせれば多発していると言わなければならないと思います。私はこういう状況は大変な問題だと思いますので、岩手県内ではこのような雇いどめトラブルが発生していないかどうか、その状況についてお聞きしたいと思います。
〇八重樫雇用対策・労働室長 無期転換ルールのお尋ねでございます。
まず、岩手労働局でこの制度が4月1日から適用になるということで、ことし2月から、特別相談窓口と相談ダイヤルを開設して対応を行っております。それは国の対応ということでございまして、岩手労働局に先日、状況をお聞きしましたところですが、大半は、無期転換ルールの制度の内容に関する問い合わせ的なものであったと。例えば、使用者、経営者側から、有期契約の更新がそのままできるかどうかというような相談が大半でございまして、労働者側から、このルールの適用前の雇いどめについての相談は、聞いたところ、非常に少ないということでございました。
ただ、件数とか個別の内容については、岩手労働局では公表できないということでございました。
なお、県におきましても、先ほど来の就業支援員が各地域におりますし、あと、労働委員会でも個別の労働相談に応じております。こちらについても確認しましたけれども、今のところ、この無期転換ルールが適用になることに伴って、関連した雇いどめという相談は特に受けていないという報告を得ております。
〇千田美津子委員 岩手労働局が中心となって相談に対応している。そして、県内ではそういう情報は入ってきていない、県にもそういう相談もないということで、あってはほしくないわけですけれども、ただ、宮城県は、大学の関係者とかいろいろなところで、経験豊かな方々が雇いどめをされた例がかなりありますので、ぜひ、そういうものは注意していく必要があると思います。
それで、私は、特に岩手県は被災地だということもありまして、4月1日からとは限らないわけですね。例えば、生活支援相談員とかも間もなく、既になった人もいるかもしれませんが、これからなる方々もいらっしゃいます。そういう方々の中で、実は情報として、最後の確認がとれなかったのですけれども、ある社会福祉協議会で雇いどめをしたのではないかという情報が入って、関係者を通じて聞いてもらいましたが、なかなかそうですよと明らかにする人はいないわけです。
私は、例えば、もしそういう相談とか情報があった場合、特に生活支援相談員で経験を踏んだ方を雇いどめするとか、それから、被災者の方でそういう相談員を務められている方もいるわけですので、そういう方々を雇いどめすることは大変なことだと思います。
この間の契約は1年契約でやってきていたのはわかるのですけれども、そういう場合は、県も間に入って、雇いどめが被災地の岩手県で起こらないように、特にも大事な生活支援相談員の方々が雇いどめされることがないように、私はぜひそういう立場で取り組んでいただきたいと思うわけですが、お聞きいたします。
〇八重樫雇用対策・労働室長 この無期転換ルールは、本来的に労働者の権利を守るための制度だと思っています。いずれ、今、委員からお話があった社会福祉協議会も、いわてで働こう推進協議会のメンバーでございます。推進協議会としても、この無期転換ルールについては適正な運用をしていかなければならないということで、団体から構成員の各事業所にも周知するという依頼を県からもしております。労働局からもしております。そういうことで、本来のこの制度の趣旨に沿った適正な運用が図られるように、県としても努力をしていきたいと思います。
あと、先ほど課長から答弁がありましたが、働き方改革及びワーク・ライフ・バランスに関する調査を今年度もやるのですけれども、その中で、県内企業に、この無期転換ルールへの対応状況どうなっていますかという調査もやります。こちらの結果については、いわてで働こう推進協議会で共有するとともに、分析をしていきたいと考えております。
〇福井せいじ副委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇熊谷経営支援課総括課長 先ほどの高田一郎委員の中で、小規模事業者持続化補助金の関係で補足して御説明させていただきます。
先ほど委員からも御紹介がありましたとおり、この小規模事業者持続化補助金については、国の補正予算でずっと予算計上されてきまして、先ほどの来年度の概算要求でついたというものは、地方公共団体による小規模事業者支援推進事業というものが10億円新規事業でついたものでありまして、この小規模事業者持続化補助金と同様のスキームで事業イメージが公表されております。
詳細は不明ですので、今後、情報収集しながら、活用可能か検討してまいりたいと思います。そういうことで、現行の制度の小規模事業者持続化補助金については、平成29年度も補正予算の可能性が高いというところでございます。
訂正したいと思います。
〇福井せいじ副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇福井せいじ副委員長 質疑がないようでありますので、これで商工労働観光部関係の質疑を終わります。
商工労働観光部の皆さん、ありがとうございました。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後7時12分 散 会

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