平成30年9月定例会 決算特別委員会会議録

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決算特別委員会会議記録
(第 2 号)
平成30年10月3日(水)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 村 上 宏 治
議事管理担当課長 安 齊 和 男
主任主査 柳 原   悟
主任主査 金 戸 伸 幸
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 赤 坂 宏 紀
主査 戸 塚 教 仁
1説明員
知事 達 増 拓 也
副知事 千 葉 茂 樹
副知事 保   和 衛
企画理事 大 平   尚
会計管理者 高 橋 宏 弥
会計指導監 山 梨 康 紀

政策地域部長 白 水 伸 英
理事兼政策地域部
副部長兼
地域振興室長 鈴 木   敦
政策地域部副部長
兼政策推進室長
兼首席ふるさと
振興監 小 野   博

文化スポーツ
企画室企画課長 畠 山   剛

環境生活企画室
企画課長 高 橋 孝 嗣

保健福祉企画室
企画課長 中 野 文 男

商工企画室
企画課長 阿 部   博

農林水産企画室
企画課長 照 井 富 也

県土整備企画室
企画課長 嵯 峨 俊 幸

復興局長 佐々木   信
復興局副局長 森   達 也

経営管理課
総括課長 吉 田 陽 悦

教育企画室
特命参事兼
企画課長 鈴 木   優

議会事務局長 泉   裕 之
次長 千 田 利 之
参事兼総務課
総括課長 小 倉   茂
政策調査課長 佐々木 ユ カ

企画理事兼
総務部長 佐 藤   博
副部長兼総務室長 熊 谷 泰 樹
総合防災室長 佐々木   隆
参事兼管財課
総括課長 山 崎   隆
総務室管理課長 橋 場 友 司
特命参事兼
行政経営課長 松 村   達
入札課長 今   俊 晴
人事課総括課長 佐 藤 法 之
財政課総括課長 臼 井 智 彦
法務学事課
総括課長 松 本   淳
私学・情報
公開課長 武 蔵 百 合
税務課総括課長 横 道 栄 雄
防災危機管理監 西 島   敦
防災消防課長 栗 澤 孝 信
総務事務
センター所長 中 野 俊 也

秘書広報室長 高 橋 勝 重
副室長兼
首席調査監 上和野 里 美
首席調査監 千 葉 幸 也
総括調査監 小 國 大 作
調査監 加 藤 勝 章
秘書課総括課長 藤 澤   修
秘書課管理課長 藤 原 由喜江
広聴広報課
総括課長 佐々木 真 一
報道監 平 野 信 二

会計管理者兼
出納局長 高 橋 宏 弥
会計指導監 山 梨 康 紀
出納局管理課長 高 橋 栄 治
審査課長 佐々木 昭 司

人事委員会
事務局長 菊 池   透
参事兼
職員課総括課長 蛇 口 秀 人

監査委員 寺 沢   剛
監査委員 沼 田 由 子
監査委員事務局長 熊 谷 正 和
監査第一課
総括課長 千 葉 達 也
監査第二課
総括課長 小 守 健 一
〇名須川晋委員長 これより本日の会議を開きます。
これより議事に入ります。
認定第1号から認定第14号まで、並びに議案第38号及び議案第39号の以上16件を一括議題といたします。
本日は、昨日に引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部、秘書広報室、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
これより、昨日に引き続き総括説明に対する総括質疑を行います。木村幸弘委員。
〔木村幸弘委員質問者席に着く〕(拍手)
〇木村幸弘委員 社民党の木村幸弘でございます。
平成29年度の決算審査に当たりまして、通告しております事項についてお尋ねいたしたいと思います。
2009年12月に策定したいっしょに育む希望郷いわての実現に向けたいわて県民計画は、3期にわたるアクションプランと、2011年3月、未曾有の東日本大震災津波に見舞われた中で、あすへの希望を見失うことなく、確かな未来を築くために策定した東日本大震災津波復興計画とともに、地域社会に根差し、多様な主体の参画による復興を進め、人口減少に歯どめをかけることを目的としたふるさと振興総合戦略を連動させて取り組まれてまいりました。
仕事、暮らし、学び・こころという実現したい未来の目標を掲げ、第3期アクションプランを含めて一連の計画が最終年度を迎えている中で、この10カ年の県政の推移を今日段階でどう受けとめているのか、また、計画全体の評価について、10年前の県政課題との対比を含めて知事の所見を伺います。
また、震災復興に伴う取り組みを含めて、継続し発展させなければならない成果と課題について、次期総合計画へどうつなげるのか伺います。
〇達増知事 知事に就任しました当時、6、000人を超える人口の社会減や県民所得の低迷、厳しい雇用情勢や深刻さを増す地域医療などの危機に岩手県は直面しておりまして、こうした危機を克服し、県民が希望を持つことができる社会を実現すべく取り組みを進めてきたところであります。
いわて県民計画に基づくこれまでの取り組みにより、仕事の分野では、ものづくり産業の集積や正社員有効求人倍率の7年連続での上昇、農林水産業における認定農業者への農地集積や中核的漁業経営体の育成などの進展、金色の風や銀河のしずくに代表されるブランドの確立が図られています。
また、暮らしの分野では、人口10万人当たりの病院勤務医師数の増加のほか、10万人当たりの刑法犯認知件数の少なさが全国トップレベルであるなど、身近な安心・安全が保たれております。
さらに、学び・こころの分野では、平成23年の平泉と、平成27年の橋野鉄鉱山の世界遺産登録の実現に加え、文化芸術、スポーツの分野において、本県の才能豊かな人材が国内外で活躍しています。
このように、現行のいわて県民計画は多くの成果を挙げたものと考えております。
また、今後、復興道路や三陸鉄道の一貫経営、宮古─室蘭間の定期フェリー航路などの新しい交通ネットワークを活用した産業振興や交流人口の拡大、さらにILCの実現などの長期的な取り組みについて、次期総合計画において、市町村や国と一体となって切れ目なく推進するとともに、復興の先を見据えた地域振興にも取り組みながら、三陸のよりよい復興を実現していく考えであります。
〇木村幸弘委員 これまでの推移経過から見たさまざまな成果については、知事が今御答弁されたとおりだと思いますが、しかし、一方では、課題等も依然としてあるという状況です。次に、具体的な点として、第3期アクションプランの七つの政策の各指標の特徴的な課題について伺います。
42の政策項目がある中で、県民計画の進展の中でも常に懸案課題として、引き続き、あるいはさらに重視すべき課題と思われる点について、それぞれの所見を伺いたいと思います。
産業・雇用政策では、人材確保対策において、高卒者の県内就職率が達成度Bとなっています。県内企業の人手不足は深刻化し、県内就職率が全国順位37位であることや、離職率が全国平均より高い状況であることを特記事項で認識しているわけでありますが、計画目標値がそもそも低い上で達成度Bだとすれば、人材確保の重要度合いからして危機意識が不十分ではないかと思うのですが、設定目標と政策の重要性に対する認識を伺います。
〇保副知事 ただいまのお話は、今、人手不足、あるいは若年層の社会的な流出が続いている中で、県として、県内定着を積極的に、喫緊の課題として進めているにもかかわらず目標値が低いのではないかと、端的に言えばそのようなことかと受けとめております。
現在、高卒者の県内就職率については、平成30年度において66.5%、これはアクションプランの現行の目標値でございますが、昨今相次いでおります新規企業立地案件あるいは増設案件を考えますと、この現行の目標値の水準では、これらの人材需要には対応できないのではないかと認識しております。
さまざまな取り組みも行っているわけですけれども、次期総合計画のアクションプランにおきましては、昨日千葉絢子委員の御質問にもございましたが、なかなか関係者の方々の意識を変えていくのに時間がかかるといった懸念はございますが、この目標値自体を引き上げるように見直しをしていくという考え方でございます。
〇木村幸弘委員 農林水産業では、何と言っても基幹産業として第1次産業が本県の強みでありますが、さらに振興、発展を目指す意味で、担い手育成、経営体の充実強化策が大変重要であります。これまでも強化されていることは承知をしていますが、新規就農者、漁業就業者や林業技能者などでは一定の成果を見る一方で、相対的には、依然、高齢化の進展と就業者数の減少が続いており、なお厳しいと認識しておりますが、さらなる政策強化への方針について伺います。
〇保副知事 農林水産業の担い手育成等につきましては、昨日も佐々木朋和委員から御指摘をいただいておりますけれども、まずは地域の中核となる経営体の育成ということです。しっかり収入を上げられるような生産性の向上が非常に大事だということで、今後はICTやロボット等の先端技術の導入も積極的に行いながら、経営体の育成をしっかりやっていくということ。
もう一つは、意欲ある新規就業者の確保、育成ということになると思います。これまでも県内外で新規就農の相談会等を開催しておりましたけれども、県立農業大学校、いわて林業アカデミー、そして来年度の開講を予定しております(仮称)いわて水産アカデミー、これらを特に重視して取り組むことによりまして、新規希望者の参入に取り組んでまいります。
また、首都圏等の若者に向けて、岩手での仕事や暮らしなどを紹介する情報誌を発行するための経費について、今次の補正予算で御承認いただいたところでございますけれども、この情報誌は製造業ばかりではなく、農林水産業の分野についても魅力があるということを訴えながら、さらなる新規参入者の確保に努めていきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 医療・子育て・福祉では、最大の懸案事項は、やはり医師や看護師あるいは介護職を含む人材確保対策であります。特に、知事も御案内のように、医師不足によって診療科の維持、確保が困難になるなど、地域医療体制の偏在は10年前から県民生活に不安を与え続けています。奨学生養成医師の確保策については一定の成果を評価しつつも、果たして、今後、偏在が解消され、地域医療体制が確実に確保されるのか不透明であります。
8年ほど前に録画していた、医師求む。地域医療再生に向けてという民放番組を改めて見ました。そしてことし、違うメディアが取り上げた地域医療クライシスという放送を見比べて、勤務医の不足と偏在の問題提起は、8年前に取り上げられた当時の実情と何も変わっていないと痛感をいたしました。むしろ、今回放送されたある県立病院の医師は、このままではさらに診療サービスの縮小や診療所化もあり得るのではと不安を口にされています。
この間、県では、基幹病院において医師集約化を図り高度医療体制を充実することで、県民の命を守り、勤務医の過酷な労働条件を緩和することを掲げ、対策が進められている経過にあります。しかし、地域の病院の主体である盛岡医療圏以外の県立病院では、医師不足が慢性化する中で、長時間労働が常態化している実態があります。この10年間の取り組みや経過を踏まえて課題をどう認識され、今後の展望を見出そうとしているのか伺います。
〇千葉副知事 県立病院におけます医師の勤務時間等についてでございますけれども、平成21年度から平成29年度までの10年間におけます県立病院全体での医師数は44名の増となっておりますが、この10年の期間のうち、後半となります平成25年度以降につきましては、大学院等で専門医資格の取得を目指す医師の増加により、後期研修医の採用が計画人数を下回ったこと、医学部卒業生の都市部や大規模病院への志向等により、初期研修医を計画どおり確保できなかったことなどの理由によりまして、この5年間はほぼ横ばいで推移しているところでございます。
病院別に申し上げますと、県立中央病院を含みます県立の基幹病院では県立病院全体の44名の増のうち43名の増となっておりますが、地域病院では1名の増にとどまっているところでございます。
また、平成20年度に創設されました新たな奨学金制度によります養成医師の配置は、平成28年度から着手したところであり、地域病院までその効果が十分にはあらわれていない状況にございます。
こうした中で、県立病院医師1人当たりの超過勤務時間は、データがございます平成22年度の月平均57.7時間から平成29年度には46.5時間と減少傾向になっておりますが、依然として高い水準にございますので、これを低減、解消していくことが課題であると認識しております。
このため、まず医師総数の確保につきましては、関係大学等に対する医師派遣要請や即戦力医師の招聘活動などに努めてまいりましたところでございますけれども、医師の長時間労働による負担軽減に向けましては、医師以外でも対応可能な事務的作業を分担させる取り組みを実施してきたところでございまして、例えば平成19年度から配置を開始いたしました医療クラークは、平成21年度の100名から、平成30年3月現在で279名に順次増員してきたところでもございます。
現在、医療局で策定中でございます県立病院の次期経営計画におきましては、医師総数の増や、現在医師が行っています業務の他職種への移管などの内容も盛り込みまして平成31年度から推進することとしておりますが、本年度からの取り組みといたしましては、奨学金養成医師が早期に県立病院において義務履行ができるよう、県立病院に勤務しながら専門医資格が取得可能なプログラムの運用を開始したところでございます。県といたしましても、医師支援推進監によるきめ細かな面談の実施などにより、県内への医師の定着を図ってまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 医師偏在の解消に向けて、(仮称)地域医療基本法の制定を求める本県の取り組みについては評価をしております。
県はこの間の答弁で、この基本法をめぐる動きの中で、本県が提言した医師不足地域での勤務を医療機関の管理者要件とする制度を実現するとした厚生労働省の動向に対して、一定の評価をされていますが、改めてそのことの意味を伺います。あわせて、基本法の制定に向け、全国の知事や医療関係者の反応、連携の状況などを踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
また、医師偏在対策として、自由開業、自由標榜の見直しなども課題であると考えますが、国においてどのような議論が行われているのか伺います。
〇達増知事 国では、本年7月に医療法及び医師法の改正を行い、都道府県による医師確保計画の策定や医師少数区域等で勤務した医師を認定し評価する制度を創設いたしました。この制度は、本県が提言してきた医師不足地域での勤務を医療機関の管理者要件とするという考えが盛り込まれたものであり、一定程度評価できるものでありますが、依然として都道府県の取り組みが中心になっており、国を挙げて取り組む視点が不足しているものと考えます。
(仮称)地域医療基本法の制定に向けては、昨年及び本年の全国知事会議において、本県から基本法の必要性や医師の不足、偏在の解消に向けた取り組みの重要性を説明し、複数の県から賛同の意見が得られました。
また、全国の医療関係者に対しましては、本年1月に、全国自治体病院協議会のセミナーで知事講演を行うなど、制定に向け、理解を得るための取り組みを行っています。
県といたしましては、抜本的に医師の不足や偏在を解消し、地域医療のあるべき姿を実現するため、関係団体とのさらなる連携強化を図り、引き続き(仮称)地域医療基本法の実現に向けた取り組みを進めてまいります。
また、自由開業、自由標榜の見直しについては、国の検討会において議論が行われ、無床診療所の開設について制限を設けるべきという意見がある一方、憲法上の営業の自由との関係の整理等が必要との意見もあり、将来に向けた課題として取りまとめられたと承知しており、今後もこうした議論の動向を注視してまいります。
〇木村幸弘委員 安全・安心では、男女共同参画社会の推進について、女性の地位向上の取り組みと連動して、これまでの成果をどう評価しているのか伺います。
また、今後さらに働き方改革によって労働環境を一層改善するとともに、パワハラ、セクハラ問題についての県民意識の向上を高め、安全安心社会の充実に努めることについて伺います。
〇千葉副知事 男女共同参画社会の推進についてでございますけれども、平成28年度を初年度といたしますいわて男女共同参画プランにおきましては、男女がお互いに尊重し合い、ともに参画する社会の実現を目標に定めまして、女性の活躍支援、男女共同参画社会の実現に向けた基盤の整備、女性に対する暴力の根絶などを施策の柱に掲げ、取り組みを進めているところでございます。
県におきましては、同プランに掲げる施策に関するニーズ調査といたしまして、3年に一度県民意識調査を実施しておりまして、本年度が調査年度に該当し現在準備中でございますが、前回、平成27年度に行いました意識調査におきましては、男性のほうが優遇されているという男女の不平等感、あるいは女性が働きやすい労働条件が整っていないなどの意見が示されているところでございます。
これらを踏まえまして、女性の活躍支援の分野の中で、地位向上の取り組みといたしまして、政策方針決定過程への女性の参画拡大、女性の職業生活における活躍の推進、農林水産業、商工自営業における男女共同参画推進などに取り組んできているところでございます。
現在のところ、女性の経営者や専門的、技術的職業従事者が増加し、女性の年齢別労働人口の割合をグラフであらわしますいわゆるM字カーブの底が浅くなってきております。また、家族経営協定締結農家数が増加いたしますとともに、昨年10月に創設いたしましたいわて女性活躍企業等認定制度の認定企業数が現在19社へと順調に伸びておりますなど、女性の採用や登用に意欲を持つ企業が増加しており、これらの女性活躍支援の取り組みは着実に進んでいるものと考えております。
一方、国が平成29年に実施いたしました賃金構造基本統計調査によりますと、男女別所定内給与額が、女性は男性の8割に満たない状況にありますことや、先般の本会議において御指摘いただきました学校における男女混合名簿の導入が100%に至っていないことなど、引き続き関係者の意識改革も含め、具体的に取り組む課題があるものと認識しております。
次に、労働環境の改善につきましては、男女がともに働きやすい職場づくりを推進していくため、いわて働き方改革推進運動を展開する中で、企業経営者や担当職員を対象といたしますいわて働き方推進セミナーを開催いたしますとともに、優良事例となる企業につきましてはいわて働き方改革アワードとして顕彰しておりまして、アワードを創設いたしました平成28年度は7企業・団体、昨年度も7企業・団体が受賞しているところでございます。
また、職場のハラスメント対策につきましては、岩手労働局等の労働相談におけるいじめ、嫌がらせに関する労働件数が増加傾向にありまして、県といたしましても、広域振興局に配置しております就業支援員や、岩手県労働委員会によります個別相談等を通じて解決を図りますとともに、厚生労働省主催の職場のハラスメント防止に関するセミナー開催に協力するなど、県民の意識向上を図っているところでございます。
本年度におきましては、これまで申しました取り組みに加え、本庁に、新たにいわて女性活躍推進員を配置し、企業経営者に各種推進制度の活用を直接働きかけることを通して、女性が活躍しやすい環境づくりを支援しているところでございまして、また、先ほど申し上げましたが、今年度実施することとしています意識調査の結果も踏まえながら、来年度からスタートいたします次期総合計画の中で、さらなる具体的な取り組みも盛り込んでいきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 教育・文化では、文部科学省が状況調査項目から人の気持ちがわかる人間になりたいと思っている児童生徒の割合を削除したことに対し、豊かな心を育む教育という観点で、県の調査項目に新たにその割合を設けて調査をしたことについて、今後の幸福感との関係性の中で、その意義と活用方針を伺います。
〇千葉副知事 豊かな心を育む教育についてでございますけれども、県といたしましては、社会が多様化、複雑化し、地域や人のつながりなどの希薄化が懸念されている中で、学校教育におきましては、協調性や相手を思いやる気持ちなど、他者とともによりよく生きるための基盤となる道徳性を育むことが極めて重要であると認識しております。
国の全国学力・学習状況調査におけます児童生徒質問紙調査の項目につきましては、文部科学省において随時入れかえを行っておりまして、今般の削除理由につきましては明らかにされていないところでございますが、人の気持ちがわかる人間になりたいと思っている児童生徒の割合という指標は、県として引き続き必要なものと考えているところでございます。したがいまして、国の調査項目から削除された後におきましても、本県の学習定着度状況調査において継続してその状況を把握しながら、教員研修や研究指定校におきます実践研究の推進などにより、道徳教育の充実等を図ってきております。
今後におきましても、次期総合計画長期ビジョンの中間案において計画の理念としております県民一人一人がお互いに支え合いながら、幸福を追求していくことができる地域社会の実現に向けまして、社会形成の基盤となる学校教育において、人とかかわる上で必要となる親切や感謝の気持ち、寛容等の心を育む教育を充実させていくことが重要であると考えております。
次期総合計画政策プラン(仮称)におけます評価指標は現在検討中でございますが、県におきましては、他者への思いやりや相互理解にかかわる指標も検討しながら、道徳教育や体験活動等を通じた心の教育の充実を図り、児童生徒の豊かな人間性の育成に取り組んでいくこととしております。
〇木村幸弘委員 環境については、地球温暖化対策の推進が、今日相次いで発生する異常気象変動による自然災害の発生などを考えると、大変重要であります。
県の報告によると、温暖化に伴う影響への適応についての取り組みは、方針策定やセミナー開催等の啓発活動にとどまっているとの印象があります。再生可能エネルギーの取り組みは進んでいるものの、総合的な環境施策の展開による温暖化対策の具体的内容を示し、県民運動の充実強化が必要と思われますが、伺います。
〇千葉副知事 地球温暖化対策の推進についてでございますけれども、県におきましては、岩手県地球温暖化対策実行計画におきまして、温室効果ガスの排出削減目標の達成に向けた施策といたしまして3本の柱、具体的に申しますと、温室効果ガス排出抑制等の対策、再生可能エネルギーの導入促進、森林吸収源対策の柱を掲げまして、柱ごとの施策の推進方向に基づき、取り組みを進めているところでございます。
このうち、再生可能エネルギーにつきましては、太陽光を中心に順調に導入が進んでおりまして、再生可能エネルギーによります電力自給率は平成28年度末で23.6%と、着実に上昇しております。
また、森林吸収源対策につきましては、造林や間伐などの森林整備や、木質バイオマスの利用拡大などを推進しているところでございます。
一方、温室効果ガス排出抑制等の対策につきましては、温室効果ガスの排出量が、東日本大震災津波からの復興需要等によりまして、平成25年度以降、横ばい傾向で推移しております。
今後、復興の状況等も踏まえながら、県民、事業者、行政が一体となった、さらなる取り組みが必要であると考えております。
具体的に申し上げますと、家庭部門におきましては、節電の推進や高断熱、高気密住宅の普及促進などによりますエネルギー消費の少ないライフスタイルへの転換、産業部門におきましては、環境配慮と事業活動の両立を目指す環境経営の推進や、省エネ効果の高い設備、機器の導入促進などによります事業活動における低炭素化の推進、運輸部門におきましては、電気自動車等次世代自動車の導入促進や、公共交通機関の利用促進などによります自動車交通における環境負荷の低減に取り組むこととしております。
現在、これらの取り組みを効果的に進めるために、県内の産業、運輸、地域活動団体、行政等の全県的な団体で構成しております温暖化防止いわて県民会議を中心に、家庭や事業所におけます省エネの取り組みの促進を図っているところでございます。
今後とも、地球温暖化防止に向けて、事業者や県民の具体的な実践活動が展開されるよう、委員御指摘の県民運動的な取り組みをさらに広げてまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 社会資本・公共交通・情報基盤では、これらの政策遂行のかなめとなる広域連携を主体的にリードする組織体制として、4広域振興局体制やその活動のあり方について、いわて県民計画との並行的な経過をこの8年歩んできたことを踏まえて、今日に至るまでの広域振興局体制に対する検証を行う必要があると思います。その中では、各広域振興局がそれぞれの特性や地域情勢を踏まえてその役割をどう果たしてきたのか、事務事業の対応は本庁との関係性を含めて適切に機能していたのか、人員体制は十分か、市町村や各主体との連携などについて、今後の広域振興局体制を次期総合計画のもとでどのように位置づけるのかという議論を進めるためにも改めて伺います。
〇白水政策地域部長 広域振興局についてでございますけれども、産業振興によります地域経済の活性化を主眼といたしまして、地域ニーズに即した施策展開が一層可能となるよう、市町村本位の考え方で、市町村への支援、あるいは広域的、専門的なサービスの提供などを行うことを目的に設置したものでございます。
これまで、産業振興の面におきましては、広域振興局長のリーダーシップのもと、広域振興事業などの独自予算の活用によりまして、食産業やものづくり、観光などの分野におきまして広域的な連携組織を構築し、ビジネスマッチングの促進や産業人材の育成、広域的なイベントの開催など、地域の特性やニーズを踏まえた広域的な施策を展開してきたところでございます。
また、広域振興局体制の整備に当たりましては、業務の完結性を高め利便性の向上を図る観点から、本庁から広域振興局への事務移管を進めるとともに、全県的な調整を必要とする業務等につきましては本庁に集約し、県全体として効率的な業務の推進に努めているところでございます。
また、人員体制につきましても、限られた行財政資源を戦略的に集約、再配分し、東日本大震災津波からの復興の推進など、緊急性、重要性の高い業務への人員を確保しているところでございます。
このような広域振興局の行政経営に当たりましては、市町村を初め、さまざまな主体と連携した取り組みを展開することにより、現在の広域振興局体制が定着しているものと考えております。したがいまして、次期総合計画の中間案におきましても、四つの圏域ごとの特性を生かした地域振興を推進することとしておりますが、今後の復興の推移や各圏域を取り巻く社会経済情勢、地域課題を踏まえまして、新たな政策や課題に適切に対応できるよう、必要に応じて、広域振興局体制につきましては検討してまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 最後、知事にもう一度ちょっとお尋ねしたいのですけれども、(仮称)地域医療基本法の制定をめぐる一連の動きの中で、国の動向として、いわゆる自由開業、自由標榜への見直し、検討なども行われているという国の動向を答弁いただきました。改めて私は、この(仮称)地域医療基本法の制定を考えたときに、この自由開業、自由標榜の見直しの動きというのは、非常に今後の地方の医療の現状を考えたときに重要なポイントになるのではないかと認識しておりまして、知事としては、これらの国の動向を様子見をするだけではなくて、積極的に県として動きを起こしていくという考え方があるのかどうか、その点について改めて伺いたいと思います。
〇達増知事 医師の偏在解消に向けては、それぞれの都道府県の中だけでの調整では問題が解決しないわけでありまして、国を挙げて取り組む体制の中で、着実に医療を必要としている地域あるいは医療を必要としている人のところに必要な医療が提供されるような形を日本全体としてつくっていく必要があります。
憲法は、基本的人権の規定において職業選択の自由や居住、移転の自由なども定めているわけでありますけれども、その根本にあるのは、生命、自由、幸福追求の権利であります。特に生命という生存権が脅かされるようになってはほかの人権も保障できないわけでありますので、命を守り、その上にさまざまな自由、幸福の追求ができるという趣旨からも、地域医療の医師不足あるいは医師偏在が実質的に解消されるような法整備を国に求めてまいりたいと思います。
〇木村幸弘委員 終わります。(拍手)
〇名須川晋委員長 次に、小野寺好委員。
〔小野寺好委員質問者席に着く〕(拍手)
〇小野寺好委員 公明党の小野寺好です。
まず、防災、減災対策について伺います。
平成29年度は、東日本大震災津波からの復興計画の実施に加えて、岩泉町、久慈市、宮古市等における平成28年台風第10号豪雨災害からの本格復旧が行われましたが、公共施設、産業基盤、応急仮設住宅、災害公営住宅を含め、住民生活の復旧状況はいかがでしょうか。
〇佐々木復興局長 東日本大震災津波からの復旧状況についてでありますが、公共土木施設については、防潮堤等の海岸保全施設が計画延長76.8キロメートルのうち、昨年度末で56.8キロメートル、約74%が整備済みであるほか、復興道路等は新規事業化された全ての区間で着手しており、本年度中に東北横断自動車道釜石秋田線の全線開通が見込まれています。
産業基盤については、昨年4月には、陸前高田市のアバッセたかた、大船渡市のキャッセン大船渡といった大型商業施設がオープンしたところであり、被災事業所の再開状況は、本年8月時点で、一部再開も含め約84%となっています。
住民生活については、災害公営住宅が計画戸数5、562戸のうち、本年7月末で5、309戸、約96%が完成しているほか、被災した県立病院は昨年度末までに全て復旧し、沿岸部の医療提供施設は、東日本大震災津波前の340施設のうち、本年8月において306施設、約90%が再開したところであり、復興計画に掲げる事業は着実に進捗していると考えております。
〇白水政策地域部長 次に、平成28年台風第10号災害からの復旧状況についてでございますが、住民生活にかかわる道路等の公共土木施設の復旧状況は、1、891カ所の災害復旧事業のうち、本年8月末現在で1、795カ所が発注済みでございまして、発注率は94.9%、791カ所が完成をしてございまして、完成率は41.8%となってございます。
また、産業の復旧、復興につきましては、県が地域なりわい再生緊急対策交付金を創設いたしまして、各市、町を通じて、被災した商工業者等の早期復旧に取り組んでおりまして、昨年度まで537事業者への設備の修繕や営業再開等のための補助を行いましたほか、67件の観光施設の復旧事業を実施したところでございます。
応急仮設住宅につきましては、本年8月1日時点で、岩泉町で121世帯、久慈市で17世帯、宮古市で4世帯、野田村で1世帯、普代村で1世帯、合計で144世帯が応急仮設住宅に入居しているところでございますが、今年度中に恒久的な住宅への移行が困難な世帯につきましては、県単独事業で供与期間の延長を行うこととしてございます。このうち、応急仮設住宅への入居世帯数が最も多い岩泉町では、災害公営住宅64戸、被災者移転地17戸分の整備に着手したところでございまして、年度末に向け、恒久的な住宅への移行が大きく進むものと見込んでおります。
県といたしましては、引き続き現地の課題を的確に把握しながら、一日も早い被災地の復旧、復興に取り組んでまいります。
〇小野寺好委員 今年度は大阪府北部地震、西日本豪雨、北海道胆振東部地震等、全国的には言葉にならないほどの災害が続発しています。いかに被害を小さくとどめるかが重要であり、危険要素は事前に取り除くしかありません。海岸以外の川筋とか山裾に立地する学校、病院、福祉施設について、立地場所の調査はなされたことがあるかどうか伺います。
昭和53年の宮城県沖地震では、ブロック塀倒壊による犠牲者は18人に及びましたが、40年後のことしになって、本県も含め、やっと全国的に改善が進められるようになりました。学校におけるブロック塀等、危険要素の除去に関する成果と今後の取り組みについて伺います。
〇千葉副知事 学校におけます危険要素の除去に関するお尋ねについて私のほうから答弁させていただきます。
危険要素の除去に関する今後の取り組みについてでございますが、公立学校につきましては、これまで、耐震化を初めといたします学校施設の安全確保に取り組んできているところでございますが、耐震化につきましては、その計画的実施に努めてきたところでございまして、文部科学省調査によります本年4月1日現在の延べ床面積200平方メートル以上の施設の耐震化率は、小中学校で99.0%、高等学校で93.4%となっておりまして、小中学校につきましては、残る施設の耐震化の実施に向けまして、引き続き当該市町村への助言に努めますとともに、高等学校につきましては、2020年度までに100%とすることとしております。
また、ブロック塀につきましては、県内全ての学校のブロック塀等の安全点検を実施したところでございますが、安全性に問題が認められました幼稚園1園、小学校17校、中学校6校の計24校につきましては、市町村において、周囲の立入禁止措置などの応急措置を実施済みであり、さらに撤去、改修等の抜本対策に向けた具体的な検討が進められております。
県立学校につきましては、国が示す安全基準に抵触するものはないということが確認されておりますが、経年劣化が確認された箇所もございますことから、全てのブロック塀を撤去、改修することとし、先般、当該関係補正予算を議決していただいたところでございます。
私立学校につきましては、耐震補強や改築事業への補助制度を設けて支援しているところでありまして、また、ブロック塀につきましては、安全性に問題が認められました幼稚園6園、高等学校3校に対し、改善を図るよう要請を行ったところでございます。
学校施設の老朽化等に適切に対応していくことは、教育の質の確保の観点に加えまして、大規模災害が頻発する中、避難所として地域住民の安全確保を担う観点からも極めて重要な課題でありますことから、公立学校につきましては、施設の長寿命化改修など予防保全型の管理に努めますとともに、私立学校につきましても、補助制度等の活用を促すなど、今後とも、学校におけます一層の安全・安心の確保を図っていきたいと考えております。
〇佐藤企画理事兼総務部長 私からは、学校、病院、福祉施設の立地場所の調査についてお答え申し上げます。
昨年6月に水防法及び土砂災害防止法が改正されまして、洪水浸水想定区域内及び土砂災害警戒区域内にあります社会福祉施設、学校及び医療施設等は市町村の地域防災計画に位置づけられ、その施設の管理者は、避難確保計画を作成して市町村に提出すること等が義務づけられたところでございます。このことから、県では、対象となる施設を把握するため市町村に対し調査を行ったところ、本年4月1日現在の対象施設数は、社会福祉施設が658施設、学校が145施設、医療施設が357施設であり、その他の施設も含め、合計1、174施設となっております。このうち、避難確保計画を作成した施設数は196施設、16.7%にとどまっているところでございます。このため、県では、避難確保計画の策定を促進するため、今年度、計画未策定の社会福祉施設及び医療施設の管理者等を対象に、盛岡地方気象台の協力も得まして、県内4広域振興局で計6回の講習会を開催し、周知に努めたところです。
今後におきましても、市町村における計画策定の取り組みを促すとともに、計画策定の指導、助言を積極的に行うなど、計画策定の支援に努めてまいります。
〇小野寺好委員 先月の台風第21号による関西国際空港や北海道胆振東部地震災害による新千歳空港の閉鎖など、鉄道や道路の不通で被災地以外にも大きな影響が出ました。今後、首都直下型地震、南海トラフ巨大地震、北海道東部巨大地震等の発生が懸念されていますが、大災害発生後の物流やBCPに関し、県として昨年度はどのような検討、対策が講じられたか伺います。
〇佐藤企画理事兼総務部長 大災害発生後における県の対策についてでございますが、平成28年熊本地震、あるいは平成28年台風第10号災害におきましては、交通インフラにも甚大な被害が生じております。また、住民生活及び行政事務にも大きな影響が生じたことから、昨年度、岩手県地域防災計画におきまして、緊急輸送道路の見直しを行ったところでございます。
具体的には、新たな道路の整備や防災拠点の見直しを踏まえまして、災害時に、避難、救助を初め、物資供給等の応急活動が円滑に実施できるよう、三陸縦貫自動車道のインターチェンジ等の交通拠点等を追加で指定したところでございます。
また、岩手県災害備蓄指針に基づきまして、平成26年度から、広域防災拠点を構成する施設に5年間に分けて物資を配備することとしておりまして、昨年度は県北・葛巻エリアに配備し、今年度は県南・遠野エリアでの配備をもって備蓄が完了するところでございます。
さらに、大規模災害発生時における非常時優先業務などを定めた岩手県災害時業務継続計画、いわゆるBCPを策定しておりまして、これに基づき適切に対応することとしております。
今後におきましては、先般発生しました北海道胆振東部地震の対応状況も見きわめながら、ふだんから本県の地域防災計画等の内容を精査して、防災、減災に向け検討を進めていきたいと考えております。
〇小野寺好委員 電力確保について伺います。
先月の北海道胆振東部地震の際の北海道全域の停電は道民以外にも大きな衝撃を与えましたし、今回の台風第24号でも、大規模停電が各地で発生いたしました。病院が停電することによる患者さんへの影響、畜産、酪農、園芸等、農業への二次的被害は甚大で、一昨年の台風第10号による岩泉町における災害でも同様でした。停電で全ての住民の生活、交通、産業が停止いたします。
電気は国の責任でいつでも供給されるものと思っていましたが、そうではなく、事業者は万一のために自前で非常用電源を確保しなければならないとしたら、大変困難なことであります。県としての電力確保に関する基本的認識を伺います。
〇達増知事 電力確保についてでありますが、岩手県地域防災計画においては、大規模な災害が発生した場合、県の要請により電力等のライフライン施設の事業者は災害時における活動体制を確立するとともに、相互に連携を図りながら応急対策を実施し、ライフラインの確保を図ることとしています。
また、本県におきましては、東日本大震災津波の経験を踏まえ、自立、分散型エネルギー供給体制の構築に向けて、市町村庁舎、病院等の防災拠点や避難所、被災家屋等への太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を進め、災害対応力を強化しているところであります。
今後とも、災害発生時のライフラインの確保に向けて、国と関係事業者等との連携を図ってまいります。
〇小野寺好委員 本県の電力供給について伺います。
本県では、古くから水力発電事業を行ってきましたが、安い価格で東北電力に買い取られ、県民は東北電力から供給を受けるという仕組みになっていました。しかし、近年は、一般家庭への太陽光発電パネルの設置が普及し、電力の自家消費がふえてきています。県としても再生可能エネルギーの自給割合を高めようと、水力発電以外にも公共施設への太陽光発電パネルの設置、県企業局の大規模風力発電施設が稼働していますが、気になるのは、地熱発電と洋上風力発電です。大分県と並んで地熱発電の有望な本県の現状はいかがか。
何年も前から調査費がつけられてきた洋上風力発電の実用化の見通しについて、予算投入状況と成果を伺います。
〇千葉副知事 まず、地熱発電についてでございますけれども、本県におきましては、現在、全国初の商業用地熱発電所でございます松川地熱発電所と全国第2位の出力でございます葛根田地熱発電所の2施設が運転しておりまして、本県の発電出力の合計は、大分県に次ぐ103.5メガワットとなっているところでございます。本県の地熱発電のポテンシャルは、北海道に次いで全国第2位となっておりまして、今後、地熱発電導入の可能性が極めて高い地域であると認識しております。
現在、松尾八幡平地域では7メガワットの発電所の建設が進められ、今年度末に運転開始を予定しておりますほか、安比地域では14.9メガワットの発電所が計画され、来年度に着工予定となっております。
県におきましては、再生可能エネルギー導入支援マップを平成26年4月に公開いたしまして、地熱発電の有望地点を示し、発電事業者の参入を促しておりますほか、今年度は、地産地消の取り組みとして、温泉事業者等がみずから熱利用に取り組めるよう、温泉熱利用可能性調査を行いますとともに、県民の地熱発電への理解をさらに深めるため、地熱シンポジウムを開催することとしております。
今後とも、関係自治体と連携しながらこのような取り組みを進め、地熱発電の導入を促進してまいります。
次に、洋上風力発電についてでございますが、洋野町沖合は遠浅で風力ポテンシャルが高く、海底が岩盤質の海域でありますことから洋上風力発電の事業化が有望視されておりまして、県では、東日本大震災津波の発災後、地域のエネルギー確保の観点から、その具体的な調査検討を開始しているところでございます。
まず、平成23年度に、国からの要請を受けました国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構、いわゆるNEDOでございますが、直轄事業で当該エリアの調査を実施し、着床式洋上風力発電の事業化について可能性が高いということが示されたところでございます。このため、県では、平成24年度から平成26年度までの3カ年で約6、700万円の予算を措置いたしまして、海底地形や漁業海域の影響等の基礎調査を実施し、平成27年度から平成28年度にかけましては、環境省の適地調査事業、2カ年で合計9、200万円を受託いたしまして、風況や環境影響など実海域での調査を行い、洋野町沖合では、発電事業の採算ラインと言われております年間で平均秒速7メートル以上の風力ポテンシャルを広域で確保できるという調査結果を得たところでございます。
一方で、事業化に当たりましては、漁業者を初めといたします地元の理解が不可欠でありますことから、県では、平成29年度から洋野町とともに漁業者や商工業者も参画する協議会を設置し、具体的な効果や課題への対応などの検討を行いますとともに、町民フォーラムを開催いたしますなど、地域住民の方々の理解促進にも取り組んでいるところでございます。
このような状況を踏まえまして、現在、民間企業が事業化に向けて海底地形調査に着手し、具体的には海底ボーリング調査を進めているところでございまして、県といたしましても町と連携し、洋上風力発電の着実な事業化に向けまして協力してまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 本県では、林業や畜産業から発生する未利用資源や廃棄物を利用する木質バイオマス発電、畜産バイオマス発電も行われており、採算面で成り立つものかどうか心配していますが、発電能力を伺います。
売電が主目的なのか自家消費なのか、また、その割合はいかがでしょうか。
あわせて、一部事務組合等が行っている一般廃棄物、産業廃棄物焼却施設における発電の状況についても伺います。
〇保副知事 私からバイオマス発電についてお答え申し上げます。
まず、木質バイオマス発電施設についてでございますが、県内に5施設ございます。釜石市の新日鐵住金株式会社釜石製鐵所が14万9、000キロワット、宮古市の株式会社ウッティかわいが5、800キロワット、一戸町にございます株式会社一戸フォレストパワーが6、250キロワット、野田村の株式会社野田バイオパワーJPが1万4、000キロワット、花巻市の株式会社花巻バイオマスエナジーが6、250キロワットという出力でございます。これらはいずれも、その主目的が売電ということでございまして、県では、毎年度、燃料用原木等の調達状況や施設の稼働状況を確認しておりますけれども、これまでのところ、運営はおおむね順調と承知しております。
それから、次に畜産バイオマス発電の施設については3施設でございます。葛巻町の一般社団法人葛巻町畜産開発公社が37キロワットで、これは全て自家利用ということでございます。雫石町の株式会社バイオマスパワーしずくいしが250キロワットで、5割が売電、5割が自家利用でございます。軽米町の株式会社十文字チキンカンパニーバイオマス発電所が6、250キロワットで約8割が売電ということでございます。これらの施設では、家畜排泄物あるいは食品残渣などが原料となっておりますけれども、計画どおりに受け入れておりまして、運営状況はおおむね順調と承知してございます。
〇千葉副知事 私からは、一般廃棄物、産業廃棄物焼却施設におけます発電の状況についてお答え申し上げます。
まず、県内の一般廃棄物焼却施設5施設の発電出力は、盛岡市の盛岡市クリーンセンターが1、570キロワット、盛岡・紫波地区環境施設組合のごみ焼却施設が2、080キロワット、岩手沿岸南部広域環境組合の岩手沿岸南部クリーンセンターが2、450キロワット、滝沢・雫石環境組合の滝沢清掃センターが1、200キロワット、岩手中部広域行政組合の岩手中部クリーンセンターが4、100キロワットとなっております。また、産業廃棄物焼却施設の発電出力は、いわて県北クリーン株式会社のいわて第2クリーンセンターが840キロワットとなっております。これら6施設の発電出力は、合計で1万2、240キロワットとなっております。
これらの施設で発電された電力につきましては、廃棄物処理施設内の設備等で自家消費の上、余剰電力を売電していると承知しておりまして、県において売電量を把握しております合計といたしましては、約1、170万キロワットアワーと承知しております。
〇小野寺好委員 がん対策について伺います。
がんは2人に1人がかかるという、身近でなかなか厄介な病気であり、政府は、第3期がん対策推進基本計画をことし3月9日に閣議決定したところであります。
医療資源の偏在が言われていますが、本県では、県都盛岡市だけではなく医療圏ごとに体制を整えているとは思いますが、昨年度までのがん診療連携拠点病院における相談、治療等について、地域による格差はいかがであったか伺います。
〇千葉副知事 がん診療連携拠点病院におけます治療等における地域間格差についてでございますけれども、平成29年10月に県が取りまとめましたがん診療連携拠点病院現況報告書によりますと、リニアックなどの放射線治療機器や相談支援センターの整備など標準的な拠点病院の機能につきましては、都道府県がん診療連携拠点病院でございます岩手医科大学附属病院のほか、県内九つの地域がん診療連携拠点病院全てに整備されているところでございます。
一方、今申し上げた県内9地域拠点病院の平成28年診療実績の状況でございますが、手術件数を対入院がん患者数の比率で見ますと、各病院間で顕著な差は見られないものの、放射線治療件数では約2.5倍の差が見られているところでございまして、放射線科医の勤務実態の偏在がその要因として考えられるところでございます。
また、年間相談件数では、人口規模や患者数の差があり、一概には比較できないところでございますが、多いところでは4、298件、少ないところでは178件となっておりまして、病院間で最大20倍以上の開きが出ているところでございます。
県といたしましては、引き続き、がん診療連携拠点病院機能強化事業などを実施し、各医療圏において拠点病院が行いますがん医療従事者研修による人材育成、相談支援センターへの相談員の配置や、情報提供などの標準的な機能の確保や強化に向けた取り組みを支援してまいります。
〇小野寺好委員 がんとの共生が言われていますが、一部にはがん患者を忌避する向きもあります。社会連携に基づくがん患者支援、がん患者の就労問題等、がん全体に対する社会の認識、教育等の対策について、県としての取り組みを伺います。
〇千葉副知事 がん全体に対する社会の認識等についてでございますけれども、がんは生涯のうちに約2人に1人が罹患すると推計されておりまして、本県においては昭和59年から死因の第1位であり、がんは県民の生活と健康にとりまして重要な課題となっております。
がん医療の進歩によりまして、がん患者、経験者が長期生存し、働きながらがん治療を受けられる可能性が高まっておりますが、厚生労働省研究班の調査によりますと、がんにより離職した患者のうち、治療が開始されるまでの間に4割の方が退職されていると報告されているところでございます。
また、就労以外の社会的な問題といたしましては、後遺症に関する相談支援体制が構築されていないことなどが指摘されているところでございます。
このため、県におきましては、本年3月に策定いたしました第3次岩手県がん対策推進計画におきまして、がんとの共生や、それを支える基盤整備の項目を部門別施策として新たに位置づけ、がん患者の方々の社会的な問題に対して重点的に取り組むこととしたところでございます。
具体的には、岩手労働局など就労支援機関と連携した患者の仕事と治療の両立に向けた普及啓発や、がん診療連携拠点病院におけます相談体制の強化、患者の温泉入浴着の着用等に関する理解の促進、地域におけますがん患者への支援として在宅医療体制の構築の推進、学校におけますがん教育の実施やがん教育リーフレットの配布などに取り組むこととしております。
今後とも、医療を初め就労支援や教育機関などの関係者との連携のもと、がん対策推進計画の着実な推進を図りますとともに、県民へのがんに関する正しい知識の普及に努めながら、本県のがんとの共生の充実と、尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築に引き続き取り組んでまいります。
〇小野寺好委員 先日、日本肺癌学会主催による、肺がん医療・疾患啓発のための市民公開講座が盛岡市で開催され、席が足りなくなるほどの参加者となりました。
その直前に、国立がん研究センターが初めて3年生存率を発表し、前立腺がんや乳がんなどに比べ、肺がんは49%と非常に低いと報道されたことにもよるのかと感じた次第でありました。
このセミナーでは、肺癌学会理事長のほかに岩手医大附属病院の医師など6人の専門家が高度な講義を行っていましたし、聴衆からは、素人と思えない質問が飛び交っていました。
県庁や県議会には喫煙コーナーがあるなどして、私はおおらかに考えていましたが、意図的にみずからの肺を痛めつけている喫煙について、もっと深刻に考えていかなければならないと感じた次第であります。
肺がんに関する県の取り組み、県民の意識等についてどのように捉えているか伺います。
〇千葉副知事 肺がんに関する県の取り組み、県民の意識等についてでございますけれども、肺がんは喫煙との関連が非常に大きく、国の喫煙の健康影響に関する検討会報告書によりますと、たばこを吸う人が肺がんになるリスクは、吸わない人に比べて、男性で4.39倍、女性で2.79倍高いとされているところでございます。
県におきましては、第2次健康いわて21プランに基づきまして肺がん予防や早期発見の取り組みを進めてきたところでございまして、平成29年度におきましては、世界禁煙デーや禁煙週間に合わせた普及啓発や、学校、事業所等における禁煙教室、禁煙希望者に対する支援、市町村や関係団体、民間企業などと連携したがん検診受診率向上などに取り組んできたところでございます。
その結果、肺がん検診の受診率は、平成22年の32.5%に対しまして平成28年は56.6%となるなど、肺がんに対する県民の意識は着実に向上していると考えられますが、一方、成人の喫煙率は、平成22年の22.4%に対し、平成28年は22.6%と横ばいで推移しておりまして、必ずしも喫煙者の禁煙行動につながっていない状況にございます。
先般、健康増進法の一部が改正されまして新たな受動喫煙防止対策が進められることとなりましたことから、県におきましても、その取り組みを推進するため、9月補正予算に受動喫煙による健康影響についての正しい知識の普及や、各種施設の管理者等に求められる措置の周知などに要する経費を計上させていただいたところでございまして、今後は、こうした取り組みとあわせた効果的な喫煙対策などにより、肺がん防止に取り組んでまいります。
〇小野寺好委員 丁寧な御答弁をいただきました。どうもありがとうございます。終わります。(拍手)
〇名須川晋委員長 次に、樋下正信委員。
〔樋下正信委員質問者席に着く〕
〇樋下正信委員 無所属の樋下正信でございます。
最後の番でもあり、他の委員と質疑が重複する部分もありますが、私なりに県政重要課題と捉えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
まず、平成29年度決算についてでありますが、平成29年度決算における自主財源比率は46.2%と、昨年度と比べ横ばいで推移したものの、依然として、国庫支出金や地方交付税などの依存財源の割合が高い財政構造となっております。実質公債費比率は18.2%と、公債費負担適正化計画に基づき着実に減少傾向にあり、評価するところでありますが、経常収支比率は97.6%と、昨年度を0.7%上回る結果となり、財政状況が硬直化しているものと思われます。
こうした状況下において財源の確保は喫緊の課題でありますが、県税収入決算額を見ますと約1、313億円となっており、昨年度と比較し、約20億円の減収となっております。
そこでお聞きしますが、東北各県の県税収入決算額の状況は横ばいまたは増加となっている中、本県が減少傾向となった要因は何か。また、今後の税収の見通しはどうなっているのか、御所見をお伺いいたします。
〇佐藤企画理事兼総務部長 まず、県税収入決算額が減少した要因についてでございますが、個人県民税で11億円余の増となったものの、法人事業税におきましては、税率改正の影響により16億円余の減となったこと、地方消費税におきまして、国からの払込日の関係で平成28年度分の税収が膨らんだため、17億円余の反動減が生じたことなどによりまして、県税計では前年度に比べまして20億円余、1.5%の減となったところでございます。
次に、今後の税収の見通しについてでございますが、今年度からのたばこ税の税率の引き上げ、来年からの地方消費税の税率引き上げといった税制改正が行われる予定でございますので、こういったことから一定の増収が見込まれるものと捉えております。
〇樋下正信委員 ぜひ、税収確保にはしっかりと努めていただきたいと思います。
次に、文化財の指定状況についてであります。
私の地元に伝わる大宮さんさ、大宮神楽については県の無形民俗文化財として指定されているところでありますが、隣の仙北町で盛岡の夏の風物詩として開催される舟っ子流しが、平成25年度に盛岡市文化財保護審議会で県指定文化財の候補案件として採択したものの、いまだ県からの指定になっていない状況であると伺っております。
こうした文化財は各地域にたくさん眠っているものと思いますが、昨年度の県の文化財候補リストへの登載及び指定の状況はどうなっているのかお伺いいたします。
〇千葉副知事 文化財の指定状況についてでございますけれども、県指定文化財の候補リストへの登載につきましては、市町村教育委員会から県教育委員会に推薦された案件等について、登載の可否に係る県文化財保護審議会の審議の結果を踏まえまして県教育委員会が行っております。現在、候補リストには、委員からお話がございましたが、舟っこ流しを含め112件がリストに登載されているところでございます。
市町村教育委員会におきましては、この候補リストに登載された後、審議会の専門委員により行われます現地調査等に対応するための調査研究を継続的に行いまして、随時、その成果の説明を行っているところでございます。そのような取り組みの積み重ねによりまして、当該専門委員が、定められた指定基準を満たすと判断した段階で、県教育委員会が審議会に諮問いたしまして、その答申を得て文化財指定を行っているところでございます。
昨年におきましては、有形文化財4件、無形民俗文化財1件、天然記念物1件の計6件が新たに指定され、その結果、昨年度末現在の総指定件数は391件となっているところでございます。
〇樋下正信委員 次に、文化財の保存と継承についてでありますが、文化財は地域の歴史を理解する上で貴重な財産であり、地域の活性化の取り組みの核として、次世代への確実な保存、継承と積極的な活用が必要であると考えております。
国においても、過疎化、少子化などを背景に、文化財の滅失や散逸などの防止が緊急の課題として、地域における文化財の計画的な保存、活用の促進などを図るため文化財保護法を改正したところであります。
未指定を含めた文化財の保存、継承に向けどのような取り組みを行ってきたのか。また、国の法改正を受け、今後どのような取り組みを行っていくのか、御所見をお伺いいたします。
〇千葉副知事 文化財の保存、継承に向けました取り組みについてでございますけれども、県におきましては、これまで、文化財を次世代に保存、継承するため、指定文化財の所有者や所在する市町村に対しまして、適切な保存や保存修復に係る具体的な指導、助言とともに必要な財政支援を行ってきたところでございます。
なお、未指定の文化財につきましては、これまでは、まず指定を受けることが前提となっておりますことから、特段の対応は行ってこなかったところでございます。
今、委員からもお話がございましたが、今般の文化財保護法の改正におきましては、都道府県が文化財保存活用大綱を策定して、この大綱に基づき市町村が文化財保存活用地域計画を策定することによりまして、地域社会全体で文化財の保存、継承を確実に行うことが示されているところでございます。
また、地域に所在いたします未指定の文化財につきましても、地域の貴重な文化財として、まちづくりや観光などの分野とも連携し、総合的な保存、活用を推進するとされたところでございます。
県におきましては、この法改正に基づきまして、今年度中に示される予定となっております国のガイドラインを踏まえ、来年度において文化財保存活用大綱を策定いたしますとともに、市町村におけます文化財保存活用地域計画の策定や、これに伴う財政支援措置などについて、積極的な助言、情報提供に努めてまいります。
〇樋下正信委員 ぜひ、地域の熱い思いとか、保存する熱意を、登載、指定するという形で積極的に取り組むようお願いしたいと思います。
次に、三陸防災復興プロジェクト2019についてでありますが、東日本大震災津波への支援に対する感謝や復興する姿を内外にアピールする好機と捉え、開催を大成功に導いていきたいものだと思っておりますが、このイベントを、全ての方々に思いを伝える魂の入ったものとし、そして被災した沿岸部に多くの方々が訪れることにより、一人一人の支援が大きな力になると思っております。これまで訪れたことのない、あるいは訪れる機会が少なかった内陸の方々の一人でも多くの方々が行ってみたいと感じてもらえるようなプロジェクトになってほしいというのが私の願いであります。
このイベントを盛り上げて成功へ導くためには、市町村や関係機関と連携したオール岩手での取り組みが必要であると考えますが、これまでの取り組み状況はどのようになっているのか。また、イベントの開催によりどのような効果を期待しているのか、御所見をお伺いいたします。
〇達増知事 三陸防災復興プロジェクト2019については、平成30年3月に、全市町村や関係団体が参画した三陸防災復興プロジェクト2019実行委員会で決定した基本計画の具体化に向けて、実行委員会を構成する関係団体の実務者による専門部会等で検討を進めています。
また、全市町村を対象とした市町村連携会議や、個別催事の調整の場を通じて市町村から御意見を聞きながら連携を図るなど、オール岩手の力を結集して取り組んでいるところであります。
三陸防災復興プロジェクト2019の実施によって、復興に力強く取り組んでいる地域の姿を発信し、東日本大震災津波の風化を防ぐとともに、東日本大震災津波の記憶と教訓を伝え、日本国内や世界の防災力向上にも貢献していきたいと考えております。
さらに、三陸地域の多様な魅力を国内外に発信し、三陸地域への関心や認知度を高め、交流人口の拡大や地域経済の活性化を図り、復興を力強く推進し、新たな三陸の創造へとつなげていきたいと考えております。
〇樋下正信委員 いずれ、このプロジェクトの後にはラグビーワールドカップ2019が開催されることにもなっておりますので、必ず成功させるように御努力をお願いしたいと思います。
次に、岩手競馬についてでありますが、岩手県競馬組合は、平成18年11月に策定した新しい岩手県競馬組合改革計画に基づき、新たな赤字を出さないことを存続の条件として事業を運営してきたところであります。平成29年度の発売額は約290億円とピーク時の4割程度となりましたが、これほどの巨額の金を動かしている企業は県内にはなく、県内経済にも大きく寄与しているものと思っております。
現在は、平成29年度まで11期連続黒字を達成し、平成29年12月には、平成19年3月の構成団体融資の実施以来、初めて元金約7、600万円が返済されるまでとなりましたが、今後も予断を許さない状況であることに変わりはないものと考えております。
存続を決定してから11年が経過しましたが、改めて、当時、岩手競馬を継続することとした判断は正しかったのかどうか、御所見をお伺いいたします。
〇達増知事 岩手競馬は、収支均衡を条件に、県議会での議論も経て、構成団体から約330億円の融資を受けて事業継続が認められたものであります。
そのような背景のもと、岩手競馬を存続させる意義につきましては、競馬関係者の雇用を確保するとともに地域経済に貢献していくこと、その上で収益の確保を図り、構成団体に対し借入金を返済することと受けとめております。
平成30年4月1日現在、競馬組合等の職員や調教師、騎手など岩手競馬関係者の数は958人に上り、また、委員御指摘のとおり、11期連続で黒字を達成し、昨年度は借入金の返済が初めて実現したところであり、岩手競馬は与えられた命題に着実に応えてきたものと考えております。
今後とも、県民の皆様方の御理解をいただきながら、岩手競馬の継続に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。
〇樋下正信委員 今、知事から答弁をいただいたとおり、少しずつよくなってきているさなかに、皆さんも御承知のとおり、薬物事案が発生しております。組合関係者には、再発防止に向けて、もう二度とこういうことが起きないように強く再発防止をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
〇名須川晋委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。
これより各部局別の審査に入るわけでありますが、委員席の移動及び昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時25分休憩
午後1時3分再開
〇福井せいじ副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
これより各部局別の審査を行います。
質疑につきましては、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせのとおり、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑を行うこと、他の委員と重複した内容の質疑は極力避け、どうしても必要な場合には、関連質疑として短時間かつ簡潔に行うことを基本とすること、数値の確認のみの質疑や要望のみの発言は原則として行わないことについて御協力をお願いいたします。
また、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び執行部の答弁は簡潔明瞭に行い、この後、議会、総務部、秘書広報室、出納局、人事委員会、監査委員関係について延べ18人の質問者を予定しておりますので、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
初めに、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇泉議会事務局長 平成29年度の議会関係の決算について御説明を申し上げます。
便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、156ページをお開き願います。156ページから157ページにかけてですが、第1款議会費第1項議会費の支出済額は13億3、714万円余であります。内訳ですが、第1目議会費の支出済額は9億2、928万円余であり、これは、議員の報酬及び費用弁償等の議会運営に要した経費であります。次に、第2目事務局費の支出済額は3億8、867万円余であり、これは、事務局職員33名分の人件費及び事務費等、事務局の管理運営に要した経費であります。次に、第3目議員会館費の支出済額は1、918万円余であり、これは、議員会館の維持管理等の管理運営に要した経費であります。
以上で議会関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇福井せいじ副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木努委員 1点だけ、議会棟の受動喫煙対策についてお伺いをしたいと思います。
ことしの4月1日に健康増進法が一部改正されまして、受動喫煙対策が一層進められるということになっております。東京都でもオリンピックが近いということで、民間の飲食店などに対しましてもさまざまな規制をかけているという状況であります。そういう中で、これからは我々議員が仕事をする議会棟の受動喫煙対策も考えていかなければならないと思うのですが、参考までに、全国の都道府県議会の議会棟における禁煙あるいは分煙の状況を把握しておりましたらお聞かせいただきたいと思います。
〇泉議会事務局長 全国の都道府県議会におけます議会棟の現在の禁煙、分煙状況についてでありますが、本年8月に新潟県で調査いたしました全国調査によりますと、敷地内完全禁煙としている議会はありませんでした。建物内禁煙は18都府県議会、建物内分煙は20道県議会となっております。残る9県議会については、未回答及び未対策という状況になっております。
〇佐々木努委員 平成24年に青森県で実施した調査によると、建物内禁煙は、そのときは10都道府県でした。そこから6年たちましたか、今、18まで建物内禁煙という形で取り組みが進められていて、これはすばらしいことだと思うわけですけれども、今回の健康増進法の改正によって、行政機関の敷地内禁煙が来年の9月までに求められるということになっています。この議会棟はそれに該当するでしょうか。
〇泉議会事務局長 健康増進法の改正によります議会棟の取り扱いについてでありますが、厚生労働省に確認いたしましたところ、議会棟の取り扱いについては現在検討中であり、方針の通知等の時期についても未定であると聞いております。
〇佐々木努委員 はい、わかりました。これから方針が多分出てくるのだと思いますが、私の認識では、やはり議会棟は行政機関の一つではないかと思います。議員というのは身内に甘いとよく言われていますし、国会の取り扱いもこれから注目されてくると思うのですけれども、全国的にこういう法律を改正して受動喫煙を防ごうという取り組みをやっていかなければならないということですし、これは県としても、これからかなり力を入れて取り組んでいかなければならないということになると思います。私が事務局長にこれを何とかという話をしても、これは我々が決めることなのでどうしようもないと思いますけれども、いずれ、事務局の方々はそういう他県の状況などもぜひ我々にお知らせいただきたいと思いますし、さまざまな県民の意見があった際は我々にもお示しいただいて、しっかりと議論をする場をつくっていただけるようお願いして終わります。
〇斉藤信委員 今の佐々木努委員の質問、私は大変いい質問だと思います。私も全く同感であります。
行政機関が敷地内禁煙というのであれば、本来、議会というのは率先して実践しなければならない。例外になるべきではないと私は思います。ましてや、岩手県はラグビーワールドカップをやるわけです。健康増進法の改正の趣旨を踏まえて、国際的なレベルで岩手県が率先してやるべきです。議会事務局長に聞くわけにいかないので、今の佐々木努委員の質問を踏まえて、私はこれを議会で真剣に検討していくべきだと、このことを前置きして、次に海外行政視察についてお聞きします。
全国都道府県議会の海外行政視察の実施状況は、昨年度、今年度、どうなっているでしょうか。そして、実施していない議会の理由はどういうものでしょうか。
〇泉議会事務局長 平成29年度におけます全国の都道府県議会の海外行政視察の状況についてでありますが、実施が本県を含めまして32道府県、実施せずが15都府県となっております。
海外行政視察を実施していない15都府県の理由ですが、制度上の廃止が1県、制度上の休止が4府県、議員からの希望なしが7都県、その他当分の間自粛などが3県となっております。
次に、平成30年度における実施状況についてでありますが、実施が28府県、実施せずが7県、未定が12都道県となっております。
海外行政視察を実施していない7県の理由ですが、制度上の廃止が1県、制度上の休止が4県、その他議員からの希望なしなどが2県となっております。
〇斉藤信委員 昨年度は15都府県が実施しなかったと。かなりの比率だと思います。3分の1ですか。
私は、東日本大震災津波という戦後最大の被害を受けた岩手県で実施しているというのはいかがなものかと思います。特に県議会における海外行政視察というのは、県議会議員の特権とも言われているのです。議員になれば、4年に1回は視察ができると。今は1人当たりの経費が少し圧縮されましたけれども、それでも90万円です。そういう意味では、全国の実施状況を踏まえて見直す時期に来ているのではないか。今年度は岩手県議会も実施の予定はされていませんので、本当にここで改めて考え直す必要があるのではないか。
そこでお聞きしますが、本県議会の昨年度の海外行政視察の実施の状況、これまでの実施状況、1人当たりの費用を示してください。
〇泉議会事務局長 昨年度の実施状況でありますが、昨年度の派遣議員数は12名、実施費用につきましては、旅費、現地通訳料等で1、073万円余、1人当たりの派遣費用は89万円余となっております。〔斉藤信委員「これまでのと言った。平成28年度も」と呼ぶ〕
失礼いたしました。平成28年度の実施状況についてでありますが、派遣議員数は同じく12名、実施費用につきましては、旅費、現地通訳料の総額で939万円余、1人当たりの派遣費用は78万円余となっております。
〇斉藤信委員 2年間で24名が実施をしたと。昨年度は1人当たり89万4、000円余ですから、限度額ぎりぎりまでということになるのです。恐らく政務活動費を使った自主的な調査になれば、もっと圧縮された調査ができるはずです。これは実際に行った人の実績も私は聞いていますけれども、限度額が示されると、ぎりぎりそういうものを活用してやってしまうということも問題ではないのか。
そこで、次に政務活動費についてお聞きしますが、昨年度の実績、そして返還額はどうなっているでしょうか。
あわせて、全国の政務活動費の情報公開の状況について、領収書を含めたホームページでの公開の状況はどうなっているでしょうか。
〇泉議会事務局長 平成29年度の政務活動費についてでありますが、議員48人に対し1億7、577万円を交付し、そのうち1億4、294万円余が執行され、交付額に対する執行率は81.3%となっております。
返還が生じた議員の数は38人でございます。返還額は3、282万円余となっております。
次に、全国の政務活動費に係るホームページの公開状況でありますが、岩手県議会事務局において調べたところ、収支報告書については、本年9月30日現在、本県を含め39都府県において議会のホームページで公開しております。
また、領収書につきましては、本年9月30日現在、大阪府、兵庫県など、14都府県において議会のホームページで公開しております。
〇斉藤信委員 政務活動費は、私は県政推進のために積極的に活用すべきだと思いますが、あわせて、我々の活動の実態を県民に情報公開するというのも私たちの大事な仕事だと思います。
そこで、領収書を含めたホームページの公開というのは14都府県で実施されている。これは基本的には、公開されている資料であり情報なのです。しかし、ホームページに公開されないと、例えば紙で情報公開請求せざるを得ない。これは負担もかかるし、県民にとっては県議会の情報に対する障害になると思います。既に14都府県が実施して、東北でも宮城県が今年度から実施のようでありますけれども、私は岩手県も実施すべきだと。費用は余りかからないということを繰り返し私は聞いております。
以前は、岩手県というのは政務活動費を含めて議会改革の先頭に立ってきた。最近、どんどん議会改革の取り組みがおくれて停滞をしているというのが実態なのではないか。
あわせてお聞きをしますが、県内市町村で領収書のホームページが公開されているところはどのぐらいあるでしょうか。
〇泉議会事務局長 県内市町村の政務活動費に係るホームページの公開状況でありますが、岩手県議会事務局で調べたところでございますが、収支報告書につきましては、本年9月30日現在で、盛岡市、宮古市など、15市町において議会のホームページで公開しております。
また、領収書につきましては、本年9月30日現在で、盛岡市、大船渡市など、6市町において議会のホームページで公開しているところでございます。
〇斉藤信委員 これで最後にしますけれども、全国で14都府県、そして県内でも6市町が既にやっていると。そういうときに岩手県議会がまだ公開に二の足を踏んでいるということは、私は本当に議会改革の立ちおくれであり、これを実施するのに、私は何の障害もないのだと思います。これは局長に聞いてもしょうがないので、先ほどの受動喫煙防止対策も含めて、この領収書を含めた政務活動費の情報公開について、議会のしかるべきところで真剣な議論と改善が進むように強く皆さんに求めて私の質問を終わります。
〇福井せいじ副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇福井せいじ副委員長 質疑がないようでありますので、これで議会関係の質疑を終わります。
議会事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
総務部の審査に先立ち、本日配付しておりました総務部審査における席割について執行部席の一部に変更があり、変更後の席割を職員に配付させますので、御了承願います。
〔席割配付〕
〇福井せいじ副委員長 次に、企画理事兼総務部長に総務部関係の説明を求めます。
〇佐藤企画理事兼総務部長 平成29年度決算の概要につきましては、昨日、会計管理者から説明がありましたので、私からは、歳入歳出の構造、歳入全般及び総務部関係の決算の内容について御説明申し上げます。
まず、歳入の構造について御説明いたしますので、お手元の平成29年度歳入歳出決算説明書をごらんいただきたいと思います。
歳入歳出決算説明書46ページをお開き願います。第3表一般会計の財源別収入状況でありますが、県税、地方交付税等の一般財源収入の決算額は、この表の一番上の行に記載しておりますが、5、962億3、745万円であり、前年度と比較し223億9、269万円余、率にして3.6%の減となっております。また、国庫支出金、県債等の特定財源収入の決算額は、中段の行になりますが、4、956億152万円余と、前年度と比較し309億9、738万円余、5.9%の減となっております。
次に、これら歳入の内容について御説明申し上げます。便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
6ページをお開き願います。まず、第1款県税の収入済額は1、312億9、004万円余と、前年度と比較し20億2、101万円余、1.5%の減となっております。これは、法人事業税の税率改正等の影響により、事業税などが減少したことによるものであります。また、調定額に対する収入済額の割合となる徴収率は98.7%、前年度と比較し0.1ポイントの増、収入未済額は16億8、960万円余、前年度と比較し1億1、597万円余、6.4%の減となっております。この収入未済額の主なものは個人県民税であり、市町村民税と合わせて賦課徴収していることから、関係市町村とより一層の連携を図りながら徴収に努めてまいります。
次に、少し飛びまして、16ページをお開き願います。第2款地方消費税清算金でありますが、これは、都道府県間の消費相当額に応じて清算を行うものであり、収入済額は454億8、330万円余、前年度と比較し6.1%の増となっております。
次に、18ページをお開き願います。第3款地方譲与税の収入済額は218億9、340万円余、前年度と比較し2.7%の増となっております。これは、地方法人特別譲与税の増などによるものであります。
次に、20ページをお開き願います。第4款地方特例交付金の収入済額は3億5、906万円余、前年度と比較し12.7%の増となっております。
次に、22ページをお開き願います。第5款地方交付税の収入済額は2、898億3、106万円余、前年度と比較し6.5%の減となっております。
次に、24ページをお開き願います。第6款交通安全対策特別交付金の収入済額は3億8、902万円、前年度と比較し4.2%の減となっております。
次に、26ページをお開き願います。第7款分担金及び負担金の収入済額は52億1、829万円余、前年度と比較し24.3%の増となっております。
次に、少し飛びまして、30ページをお開き願います。第8款使用料及び手数料の収入済額は78億8、828万円余、前年度と比較し0.5%の減となっております。
次に、少し飛びまして、46ページをお開き願います。第9款国庫支出金の収入済額は1、985億2、178万円余、前年度と比較し4.6%の減となっております。
次に、飛びまして、98ページをお開き願います。第10款財産収入の収入済額は13億2、678万円余、前年度と比較し7.8%の減となっております。
次に、少し飛びまして、106ページをお開き願います。第11款寄附金の収入済額は51億1、182万円余、前年度と比較し518.3%の増となっております。
次に、108ページをお開き願います。第12款繰入金の収入済額は523億1、255万円余、前年度と比較し36.4%の減となっております。
次に、112ページをお開き願います。第13款繰越金の収入済額は1、164億7、147万円余、前年度と比較し4.7%の増となっております。
次に、114ページをお開き願います。第14款諸収入の収入済額は1、393億1、957万円余、前年度と比較し3.7%の減となっております。
次に、飛びまして、148ページをお開き願います。第15款県債の収入済額は764億2、249万円余、前年度と比較し0.2%の増となっております。
なお、平成29年度末の一般会計の県債残高は1兆2、826億3、180万円、前年度と比較し2.3%の減となっております。
次に、少し飛びまして、154ページをお開き願います。平成29年度の歳入合計は、予算現額1兆2、605億3、594万円余、調定額1兆1、165億6、173万円余、収入済額1兆918億3、897万円余となっております。また、収入済額は前年度と比較し533億9、007万円余、4.7%の減となっております。
なお、不納欠損として処理したものは、県税及び県税に係る延滞金、加算金について、地方税法の規定に基づき納入義務が消滅したものなどであります。
続きまして、歳出について御説明申し上げます。恐縮でございますが、先ほどの歳入歳出決算説明書にお戻りいただければと思います。
58ページをお開き願います。第8表一般会計性質別経費の決算額と一般財源充当状況について御説明申し上げます。
まず、歳出決算の性質別の状況であります。左側の区分のとおり、義務的経費の計は3、065億9、457万円余、右のページに参りまして、決算総額に占める割合である決算額構成比は30.5%、前年度と比較し0.2ポイントの増、決算額の対前年度増減率は1.5%の減となっております。
続いて、左のページの投資的経費の計は3、063億5、932万円、同様に構成比は30.4%、前年度と比較し1.9ポイントの増、決算額の対前年度増減率は4.5%の増となっております。
次に、総務部関係の決算について御説明を申し上げます。
最初に、総務部所管の事務事業に係る総合的な評価等について御説明申し上げます。
平成29年度の予算は、未来につなげる復興ふるさと振興予算として編成したところであり、東日本大震災津波からの復興と、平成28年台風第10号災害からの復旧、復興を最優先に進めるとともに、ふるさと振興を推進するため、財源確保や人的資源の確保に向け取り組んでまいりました。
部の重点施策としては、地域防災力の強化、岩手県立大学における教育、研究の充実及び特色ある私立学校の支援などの取り組みを推進してまいりました。
まず、地域防災力の強化につきましては、自助、共助、公助による災害対応力の向上を図るため、岩手県自主防災組織活性化検討会義を設置し、自主防災組織の組織化、活性化に向けた取り組みの推進、防災指導車防災そばっち号の整備、岩手山や栗駒山の火山防災対策の推進、平成28年台風第10号災害の教訓を踏まえた風水害対策支援チームによる市町村への支援など、より実効性のある防災対策の推進に向け取り組んでまいりました。
岩手県立大学における教育、研究の充実につきましては、平成29年度から平成34年度までの6年間を計画期間とする第3期中期目標及び中期計画の達成に向け取り組んでまいりました。
特色ある私立学校の支援につきましては、私立学校の教育環境の維持向上を図り、特色ある教育を推進するため、私立学校の運営費補助や授業料などの負担軽減を図るための補助など、私学教育の振興に取り組んでまいりました。
また、各部局の取り組みが効果的かつ効率的に実施できるよう、引き続き人材確保や職員研修の実施による能力向上など体制整備に取り組み、各部局等の後方支援を行いつつ、歳入の確保と歳出の重点化、将来負担の軽減などに努めながら、岩手県東日本大震災津波復興計画及びいわて県民計画に掲げる政策の着実な推進に貢献してまいりたいと考えております。
なお、平成30年度から、原発放射線影響対策に係る事務事業を環境生活部に移管しております。
続きまして、平成29年度総務部関係の決算につきまして御説明を申し上げます。
最初に、一般会計について御説明申し上げます。総務部の一般会計における支出済額の総額は1、982億4、403万円余であり、このうち174万円余が環境生活部への移管分となります。
それでは、当部の概要につきまして、便宜、歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。事項別明細書160ページをお開き願います。
なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明を申し上げますので、御了承願います。
第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、総務部関係の支出済額は、備考欄にありますとおり20億8、075万円余であり、その主なものは、総務室などの管理運営費や県営建設工事の入札関係費、外部監査費等であります。次に、第2目人事管理費は、職員の研修や退職手当、公務災害補償等に要した経費であります。次に、162ページをお開き願います。第3目文書費は、法規審査事務や文書の収受、発送、情報公開制度及び個人情報保護制度の推進等に要した経費でありまして、次の第4目財政管理費は、財政調整基金や東日本大震災津波復興基金への積立金などであります。次に、164ページをお開き願います。第6目財産管理費は、県庁舎や各地区合同庁舎、職員公舎の維持管理、県有資産所在市町村交付金の交付等に要した経費であります。次に、166ページをお開き願います。第8目県外事務所費は、東京事務所の管理運営に要した経費であり、第9目恩給及び退職年金費は、恩給の給付等に要した経費、次の第10目諸費のうち、総務部関係は備考欄に記載のとおり369万円余であり、公益認定等審査会等に要した経費などであります。
次に、少し飛びまして、172ページをお開き願います。第3項徴税費第1目税務総務費は、税務担当職員に係る人件費や県税の還付等に要した経費であり、次の第2目賦課徴収費は、県税の賦課徴収等に要した経費であります。
次に、少し飛びまして、180ページをお開き願います。第6項防災費第1目防災総務費は、防災担当職員の人件費や防災ヘリコプターの運航、防災指導車の整備等に要した経費であります。
なお、備考欄の一番下、放射線影響対策費は環境生活部への移管事業であります。
次に、182ページをお開き願います。次の第2目消防指導費は、危険物や産業保安業務の指導等に要した経費であります。
次に、大きく飛びまして、328ページをお開き願います。第10款教育費第1項教育総務費第4目教育指導費のうち、総務部関係は、備考欄に記載のとおり4万円余であり、いじめ防止対策の推進に要した経費であります。
次に、また少し飛びまして、346ページをお開き願います。第10款教育費第8項大学費第1目大学費は、公立大学法人岩手県立大学に対する運営費交付金や施設等整備費補助金であります。
次の第9項私立学校費第1目私立学校費は、私立学校に係る就学支援金交付金や運営費補助、被災児童生徒等に対する授業料の減免など、私学の振興に要した経費であります。
次に、また少し飛びまして、362ページをお開き願います。第12款公債費のうち、総務部関係の支出済額は、第1項公債費第1目元金1、176億5、904万円余のうち1、054億7、565万円余、次の第2目利子の117億7、799万円余、その次の第3目公債諸費の1億730万円余であり、これらは、県債償還のための公債管理特別会計への繰出金等であります。
次に、364ページをお開き願います。第13款諸支出金ですが、第4項地方消費税清算金は、都道府県間での地方消費税の清算に要した経費、次の第5項利子割交付金から、ページをおめくりいただきまして、366ページの第10項自動車取得税交付金は、市町村に対する地方税関係の交付金であります。
次の第11項利子割精算金は、都道府県間での県民税利子割の精算に要した経費であります。
次に、368ページをお開き願います。第14款予備費ですが、当初予算額3億円のうち2億8、227万円を充用したところであります。
なお、平成29年度から平成30年度に繰り越した総務部関係の繰越明許費は1億3、741万円余であり、職員公舎管理や地区合同庁舎施設等整備事業などについて、計画調整に不測の日数を要したことなどから繰り越したものであります。
また、事故繰越は8、878万円であり、地区合同庁舎管理について、工法等の検討に不測の日数を要したことから繰り越したものであります。
以上で一般会計の説明を終わります。
続きまして、総務部が所管する特別会計について御説明申し上げます。
418ページをお開き願います。公債管理特別会計でありますが、収入済額は1、798億6、356万円余であり、その主なものは、一般会計及び県債管理基金からの繰入金、借換債であります。次に、420ページをお開き願います。支出済額ですが、収入済額と同額となっており、その主なものは、県債償還元金及び利子、県債管理基金への積立金であります。
以上で説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇福祉せいじ副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇阿部盛重委員 私のほうから何点か質問をさせていただきます。
まず、シェルター整備の促進についてなのですが、災害時防災、減災につながる意味も含めまして、国民保護法に基づきまして都道府県知事が指定した避難施設は県内で1、518カ所あります。そのうち強度の高いコンクリート製の施設が739カ所という状況なのですが、県民の皆さんにはどのように告知等をされているのかお伺いします。
〇佐々木総合防災室長 県民の皆様への広報ということでございますが、県といたしましては、国が作成しました広報資料や国民保護法に基づく避難施設をホームページ等により周知いたしますとともに、住民への広報の充実等につきまして、各市町村及び消防本部に対し協力依頼を行っているところでございます。
〇阿部盛重委員 避難施設がどこにあるのか、有事のときにどう対応すればいいのか。また、深夜の場合、オフィス等はもう施錠されておりますので、いろいろと理解されていない方々が多いと聞いておりますので、その点の対応策というのは今後ありますでしょうか。
〇佐々木総合防災室長 避難施設につきましては、先ほどと重複して恐縮でございますけれども、ホームページの中で個別の施設を表示しているところでございまして、例えば身近にどういう施設があるかというのは、ホームページをごらんいただくことが重要かと思っているところでございます。
それから、国のほうでパンフレットをつくっておりますので、そういったものもホームページで見られるようになっておりますので、そういうのもごらんいただければありがたいと思っているところでございます。
〇阿部盛重委員 パソコンを持っていない御高齢の方々も結構いらっしゃるものですから、その点は理解しつつ、ぜひ地域の皆さんにわかるような告知をお考えいただければと思います。
それと、今後の増設と、オフィスビルやマンションの導入促進についての計画はどのようになっておりますでしょうか。
〇佐々木総合防災室長 国民保護法におきましては、避難施設の基準は、公園、広場、その他の公共施設または学校、公民館、駐車場、地下街、その他の公益的施設であること等と規定されているところでございます。また、避難施設を指定しようとするときには、当該施設の管理者の同意を得るということになっております。県では、この基準に沿いまして、市町村の意向に基づきまして公共施設を中心に避難施設を指定しているところでございます。この避難施設につきましては毎年度見直しを行っておりまして、住民の生命及び身体を守るために、地下も含めて適切な施設の指定ができるように市町村と調整を図ってまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 ぜひ有事の際には、県民の皆さんが十分活用できるような形でよろしく対応をお願いいたします。
次に、県の消防指導車について、平成27年度にリニューアルされた防災そばっち号についてお伺いします。
平成16年11月まで活躍したしんちゃんと比べてコンパクトになりましたが、どのような機能が強化されたのかお伺いします。
〇栗澤防災消防課長 防災指導車についてでございますが、旧防災指導車しんちゃんについては、導入から19年が経過し、修理部品の調達が困難となってきたことから、平成29年度末に防災そばっち号に更新したところでございます。
新車両の防災そばっち号については、東日本大震災津波や熊本地震などの再現地震を追加したほか、地震体験室内に大型ディスプレーを設置し、再現地震と連動して映像と効果音を発生させるとともに、4カ国語の音声によるナレーションを用意して、外国人の方も利用しやすいようにしているところでございます。
また、お話がありましたとおり、従来の車両の機能を維持しつつ、車両サイズを10トン車から3トン車にコンパクトにし、設営スペースや運転手の確保を容易にしているところでございます。
〇阿部盛重委員 機能がかなり充実されたということと、あと、震度7までも体験できるというお話でございました。ただ、県内に49万世帯が住んでいる中で、多くの県民にこの災害対策への備えの大切さを伝えていくことが大事だと思うのですが、今後どのような活動施策を推進されるのかお伺いいたします。
〇栗澤防災消防課長 ことしの5月以降9月末現在で25団体、1、924人に地震体験等で活用していただいており、今後も市町村や町内会等の防災訓練での利活用の予約が入っている状況でございます。
今後の活動としましては、県内の消防署等と連携しながら、小学校等への出前講座や県総合防災訓練、県内各地の消防演習等での利活用など、県民の防災意識の普及啓発を図る取り組みを推進していきたいと考えてございます。
〇阿部盛重委員 これは小学生以上が対象ですが、例えば園児とかに、今後活動を広げていくというのはあるのでしょうか。
〇栗澤防災消防課長 地震の震度によっては小さいお子様だとちょっと怖がるという部分があろうかと思いますけれども、小学生以上であれば、十分活用いただけるものと考えております。
〇阿部盛重委員 そうかもしれませんが、両親も一緒に体験されて、園児のうちから教育を受けさせるのも非常に大事かと思いますので、これはちょっといろいろとお考えいただければと思います。
次に、女性消防職員と女性消防団員についてお伺いいたします。
県内12消防本部で女性消防職員が40人在籍されております。消防庁では、女性の比率を5%まで引き上げるという状況で、県でも全国平均2.5%まで引き上げるとされていますけれども、女性消防職員の受験者増の取り組みについて、どのような施策をされるのかお伺いします。
〇栗澤防災消防課長 女性消防職員の受験者増の取り組みについてでございますが、平成30年度採用で、昨年行われました県内各消防本部の女性受験者数は34名、率にして5.2%であり、最終的な合格、採用者数は、女性は5名、率にして9.8%となっております。
なお、ことし4月1日現在の県内の女性消防吏員数はお話のとおり40名と、全消防吏員数に占める割合は2.5%となっております。
各消防本部の消防吏員の募集に当たりまして、女性の採用枠というのは設けておりませんので、女性消防吏員を一気にふやすことは難しいのかなと感じております。
県の取り組みとしましては、毎年開催しております市町村消防防災主管課長会議等において女性消防職員増加の協力をお願いするとともに、消防庁の支援を得まして、就職情報提供マッチング事業を行うマイナビが主催するインターンシップフェアに消防本部のブースを出展し、消防分野における女性活躍について周知するなど、学生の消防に対する理解促進に努めているところでございます。
今年度も12月に盛岡市で開催予定のインターンシップフェアへの出展に向けて、県内消防本部と協力して準備を進めているところでございます。
〇阿部盛重委員 女性枠がないという状況もあるようでございますが、社会的に、全国的に女性の職員が求められているのは事実ですし、警察官は女性職員の比率が高いものですから、そこまで比率を引き上げていかなければならないという方向性も強くあると思うのです。ただ、せっかく興味を持っている方々がいらっしゃる中で、どんな採用、試験内容か、また、特に体力検定の最低基準が何かとか、不明確さもあると思います。
また、受け入れ態勢の問題ですが、大きい署ならよいのですけれども、小さい署や出張所などは、お風呂や仮眠場所の整備をしなければならないなど、既存の建物の改修及び事業計画はどのようになっているか、お伺いいたします。
〇栗澤防災消防課長 採用の基準に関しましては男女一律の基準が一般的でございまして、女性採用については確かに不利な部分があろうかと思っております。
それから、女性職員を受け入れるための建物等の環境、整備でございますけれども、国の補助事業がございますので、その部分については一定程度進んでいると理解しております。
〇阿部盛重委員 消防学校について、非常に建物も古くなっているというのは以前からいろんな御指摘があったかと思うのですけれども、今後の改修及び建てかえ、及び女性の職員は寮に入っているようですけれども、かなり手狭になっているというお話もお聞きしていますので、その点の改善策はどのようにお考えでしょうか。
〇栗澤防災消防課長 ただいま委員からお話がありましたとおり、消防学校は築後44年経過して、かなり老朽化が進んでいる状況でございます。平成29年度に劣化度調査を実施しておりますが、躯体の部分はある程度強度は保たれているのですが、5年以内にある程度の措置をしなければならないという結果が出ております。それを受けまして、県としましては、消防本部等もメンバーに加えました消防学校の機能のあり方に関する研究会をこの7月に設置しております。その研究会の中でどのような機能を消防学校に持たせるべきか、あるいは整備手法はどのようなものがあるのか等も含めまして現在検討中でございますので、その検討を踏まえて、ある程度の方向性を打ち出していきたいと考えております。
〇阿部盛重委員 女性消防団員についてお伺いします。
平成29年度は490人の団員がおり、多岐にわたる活動が期待されているところですけれども、加入者増に向けた取り組みについてお伺いいたします。
〇栗澤防災消防課長 女性消防団員の加入者増に向けた取り組みでございます。
平成30年4月1日現在の県内の消防団員数は2万1、755人、うち女性は488人と、昨年と比べて若干減っております。団員に占める女性の割合は低いものの、年々増加傾向にはなっております。
消防団員活動の情報発信につきましては、昨年度もいわてグラフや県政番組のいわて!わんこ広報室で取り上げたほか、男女共同参画フェスティバルの分科会において、広島県内の消防団の女性消防隊長に御講演いただくとともに、女性消防団員の活躍に向けたパネルディスカッションなどのPRを行ってきたところでございます。
また、県が産業団体や経済団体等と連携して、女性活躍に向けた取り組みを行うことを目的として設置されているいわて女性の活躍促進連携会議に防災部会を設置しまして、女性消防団員や関係団体と意見交換を行ってきたところでございます。
さらに、岩手県立大学の学園祭において消防団のPR用のブースを出して活動を行うなど、県内の女性消防団員の活躍推進や加入促進に向けた取り組みを推進してきたところでございます。
そのほか、女性限定ということではないのですが、平成30年1月から岩手県内の消防団員の確保及び加入を促進するため、消防団を応援するいわて消防団応援の店登録事業を推進し、消防団員を対象に、特典や割引等のサービスを提供していただく店舗等を募集しているところでございます。9月末現在で、県内で193店舗が登録されているところでございます。
〇阿部盛重委員 ありがとうございます。いろいろと御苦労がよくわかります。
福利厚生面も含めた報酬とかもあるのですけれども、一番のメリットは地域の人たちと仲良くなれるということだと思います。共助の意識が高まるということでございますので、ぜひ加入促進のほうをよろしくお願いいたします。
次に、救急車が誰も搬送せずに引き返す不搬送について、最新データでは全国の出動件数が620万9、964件、うち不搬送が64万443件で、本県では出動件数が5万242件、うち不搬送が3、850件であります。この状況をどのように分析されているのか、お伺いいたします。
〇栗澤防災消防課長 救急車の不搬送の実績についてでございますが、今委員のお話にあったとおり、岩手県内の不搬送件数は3、850件、率にして7.7%となっております。
不搬送件数の主な理由としましては、既に死亡していることが確認されたものが863件、搬送を拒否されたものが830件、救急性がなかったものが483件で、そのほか誤報、いたずらも150件という状況でございます。
〇阿部盛重委員 不要不急の通報のために重傷者の搬送への影響、そして救急隊員の大変な御苦労というのがあると思うのですけれども、そのあたりの改善策というはどのようにお考えでしょうか。
〇栗澤防災消防課長 救急車の不搬送増加に対する影響及び改善策等についてでございますが、平成28年中の本県の救急搬送人員は4万6、838人であり、前年比で0.9%の増加となっております。うち、搬送者に占める入院加療を必要としない軽症者の割合は42.3%となっており、不搬送や軽傷者の利用が救急隊や医療機関の負担につながっていると認識しているところでございます。
重傷者搬送への影響については具体的なデータを持ち合わせておりませんが、消防庁がまとめている覚知から現場到着までの所要時間の調査の岩手県内の状況について、20分以内の到着率が94.1%、10分以上の到着率が5.1%でございまして、必ずしも重傷者搬送時間に特別大きな影響が出ているというデータとはなっていないところでございます。
改善策でございますけれども、県の関係部局と医療関係団体、産業関係団体初め学校、教育関係団体等で組織した県民みんなで支える岩手の地域医療推進運動の中で、地域医療に関する理解の促進、救急医療等の適正受診に関する啓発等の活動を展開しており、救急車の適正利用等についても県民に対して普及啓発を行うなど、引き続き円滑な救急搬送体制の構築に取り組んでいきたいと考えております。
〇阿部盛重委員 救える命を救えなかったことにならないように、よろしく御対応をお願いいたします。
最後に、ラグビーワールドカップ日本大会釜石開催での災害対策について、きめ細かい計画づくりと事前周知が必要と思います。多言語対策及び要配慮者に総合防災室として対応しなければならない計画についてお伺いいたします。
〇西島防災危機管理監 県では、開催地として必要な活動を行うため、ラグビーワールドカップ2019釜石開催実行委員会を平成29年4月21日に設立し、広報・イベント、それから交通輸送・宿泊、ボランティア・おもてなし、警備・消防・医療救護の四つの専門部会を設け、大会成功に向けて準備をしております。
この中で、平成30年4月12日に実行委員会が作成しました防災基本計画、こういったところで警備や防災の対応について定めており、現在、警備、消防、医療救護の具体的な計画を詰めているという段階であります。その中で、当然、要配慮者、外国人ですとか体の不自由な方への対応についても骨格のところをつくっておりまして、例えば8月19日に行われましたオープニングDAYなどで計画を検証し、さらにブラッシュアップするという形で計画を詰めているところでございます。
〇阿部盛重委員 いずれ、有事のときには1万6、000人という大勢の観戦客が安全に避難をするということで、大事な実施計画ですので、しっかりとよろしく対応をお願いいたします。
〇柳村岩見委員 岩手県公共施設総合管理計画についてお尋ねをいたします。
まず、県庁舎の現状についてお尋ねいたします。
たしか築後51年と記憶しておりますけれども、この現状についてお伺いします。
そして、今、内丸地域において岩手医科大学の矢巾町への移転、岩手医科大学附属病院の今後の矢巾町への移転、これらが動いております。内丸かいわいには県庁、それから県民会館、盛岡地区合同庁舎、あるいは盛岡市役所がございます。久しぶりに内丸かいわいにこういうまとまった面積の空白ができるということへの興味は、公共施設の総合管理上、興味のあることだと思います。
今、何をどうということでないにしても、この出来事が今後どういう展開になっていくのか。昨日、盛岡市長から、岩手医科大学附属病院の跡地は盛岡市役所の候補地になり得るというお話もあったようでありますが、このように大変興味深いものだと思うのです。今、岩手県庁が近々移転しなければならない状況にはないと私は思います。でも、岩手医科大学の移転という出来事は、県民会館、盛岡地区合同庁舎、盛岡市役所、県庁、これらが集中している内丸地域において、今、現実に起きております。
20年後とか、内丸に県庁の行き場がなかったら、もっと郊外に出なければいけません。それならそれの議論というものが必要でしょうし、そうでなければ、今起きている現状に対してかなり強い興味を持たざるを得ない。もちろん、岩手医科大学附属病院の跡地利用を考える検討会議はもう立ち上がっていて、盛岡市も岩手県も入っています。そういった活動も含めて、どういった心構えでこのことに対応しなければならないか。必ずしも気持ちが強ければいいとは申し上げませんけれども、弱くてもぐあいが悪い。誰もが興味がある跡地に対して、平等に、公平に、どういう対応をとるかということはとても大事なことだと思うのです。そのことについてお尋ねします。
〇山崎参事兼管財課総括課長 まず、県庁舎の現状についてでございますけれども、県庁舎は、昭和40年に竣工いたしまして、建築後50年が経過した平成27年度に劣化診断調査を実施しているところでございます。
その結果、電気、機械設備等の経年劣化は進んでいるものの、構造躯体はおおむね健全であること、長寿命化、老朽化対策等の実施により、さらに長期間の使用が可能なこと。一方で、震度6弱から6強程度の地震動では崩壊する危険性が低いものの、防災拠点施設として大地震発生後も継続的に機能を確保するために、電気、機械設備等含め耐震性の向上が必要であることが確認されているところでございます。
次に、岩手医科大学附属病院の矢巾町移転に伴う跡地の利活用についてでございます。
平成27年度に岩手医科大学、盛岡商工会議所、盛岡市、県─県は政策地域部でございますけれども─の4者による岩手医科大学附属病院跡地活用検討会議が設置されております。直近の第3回検討会議におきましては、平成30年度以降も、引き続きほかの事例の視察や中心市街地活性化計画の事例検証を行いながら、継続的に検討を行っていくこととしている旨を聞いているところでございます。
こうした状況等も注視しながら、総務部としての個別施設計画─これは、岩手県公共施設等総合管理計画に基づき平成32年度までに作成することにしておりますけれども─の策定に向けて検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇柳村岩見委員 県庁舎の耐用年数とか、部として検討に入っている、あるいは庁議の場にそのことが浮上してきているという事態とはかかわりなく世の中は動きます。今動いている内丸かいわいにおける現象は非常に奥深いものがございます。一つ一つ公共施設が押されていくというか、岩手医科大学附属病院の跡地に県庁が行けば、県庁の跡地に盛岡市役所が来て、盛岡市役所の跡地にどこが行ってという玉突きになるか、あるいはそこからどこかはみ出す。はみ出したところは、動かない限り外に行かざるを得ない。それは非常に難しい。今から語ればいいとか、語らなくていいとか、そういう性質を越えて、世の中と自分のところの施設の耐用年数、寿命とのマッチングというのはまことに難しいのです。
部長、ふだんの頭の体操も含めて、どう考えているのですか。盛岡市厨川以北に行きましょうとざくっと言える時代ならいざ知らず、今はそうではないと思うので、それを聞いて、終わります。
〇佐藤企画理事兼総務部長 今、柳村岩見委員から、将来、20年とかそういった先を見据えた御提案をいただきました。盛岡市内丸地区にある程度まとまった土地が出てくる。また、これは盛岡市の中心市街地の、ある意味では再開発の構想にも発展するような内容かと思います。
そういった意味で、基本的には岩手医科大学が矢巾町に移転して、その後、岩手医科大学がどのような形でこの地区を活用していくのか。あわせて、盛岡市が中心市街地のあり方、まちづくりをどのように考えていくか。その中に、こういった施設の所有、県庁舎であるとか、今、委員からお話があった県民会館、県の盛岡地区合同庁舎、公会堂もあります。施設の管理をしている立場としても、そういったまちづくりにかかわっていくのは当然でありますし、いろいろな検討の状況も常にきちんと把握しておく必要は当然あると思います。
今、委員からも御提案のあったようなさまざまなアイデアであるとか構想といったことを多くの方々がお持ちではないかと思います。私どもとしては、県庁舎が築後53年たって、頑丈な躯体なものですから、まだ使えるというようなことはありますけれども、盛岡地区合同庁舎につきましては、今度、耐震補強工事が始まりますが、盛岡地区合同庁舎が終われば、地区合同庁舎は全て耐震補強工事が終わって、残るは県庁舎という形になりますので、そういった意味でも検討していかなければならない時期に来ているといったことで、アンテナを高くして情報収集に努めながら、調査、研究を進めてまいりたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 私からは庁舎内保育所の平成29年度中に検討された内容と、その状況についてお伺いしたいと思います。
〇中野総務事務センター所長 平成29年度における庁舎内保育所の設置に関する取り組み状況でございますけれども、副部長級職員で構成する検討委員会と、委員会内にワーキンググループを設置しまして、若手職員から意見を聞くなどして庁内保育施設のあり方等について検討を進め、あわせて、庁内保育施設を設置している他都県の訪問調査等を実施してきたところでございます。
今年度は、庁内保育施設を整備する場合の保育内容の具体化に向けて継続して検討しており、年内には報告書を取りまとめる方向で検討しております。
〇ハクセル美穂子委員 着実に取り組みは進めてくださっているということはわかりました。
私が、県庁内だけではなくて、その周辺の企業の方々とお話しする際に、盛岡市内丸のエリアに企業内保育所というか、一時保育ができるような場所がほとんどないことは企業の方々も認識されていて、県庁の中に保育所を設置するのか、それだとスペースが足りないのであれば、例えば企業の中で空きスペースがあったりするというようなお話も聞くので、そういった企業との連携についても、さらにいろいろと検討していくべきではないかと思うのですが、そういった取り組みはされたのでしょうか、お伺いいたします。
〇中野総務事務センター所長 県庁周辺の企業との連携についてでございますけれども、平成28年度に職員ニーズ調査を実施した際に、あわせて、県庁舎内に店舗を有する法人につきまして、仮に庁舎内保育施設を設置するとした場合の共同設置の可否について御意見を伺ったところでございます。その回答内容でございますが、具体的な内容が明確になった時点で検討したいという回答を得ております。
〇ハクセル美穂子委員 今の御答弁は県庁舎の中に支店を有する企業の方々との連携の話で、県庁の近隣にビルがある企業の方々との連携については検討されたことがあるのでしょうか。
〇中野総務事務センター所長 県庁内の店舗だけでございまして、近隣の企業につきましては、まだ相談等はしておりません。
〇ハクセル美穂子委員 近隣の企業の中にも、ビルの中に空きスペースがあるのだよというような情報をくださる方々もいらっしゃいますので、そういった部分も、どう活用していくのかというのも含めて、今後、ぜひ検討を進めていっていただきたいと思います。要望で終わります。
〇田村勝則委員 私は、財政の効率化についてお聞きしたいと思います。
その前に、いろいろ災害が起きておるわけでございますけれども、総務部あるいは県庁職員においては、いろいろなところへ貴重な人材を派遣したりして、大変なところで頑張っておられるということで、感謝を申し上げておきたいと思います。
そこで、実はそういう災害とも関係してくるわけでございますけれども、きのうの総括質疑の中で知事は、佐々木朋和委員への答弁で、厳しい財政運営が続いている状況を直視する中で、今後も岩手県公共施設等総合管理計画や財政負担の平準化にしっかりと取り組んでいくというようなことを述べておられました。
平成29年度の決算を見ても、先ほど、樋下委員の質問にもありましたが、税収は前年度に比して1.5%減少、あるいは東北6県の中で比較しても決して多いほうではない。しかしながら、投資的経費については、災害復旧事業費が減少しているのに、道路、橋梁あるいは河川等の整備事業の増加による土木費の増額に伴い、歳出総額に占める割合が前年度に比べて1.9ポイント増加し、30.4%となっております。
そこで、平成27年度に策定して10年計画で取り組んでおります岩手県公共施設等総合管理計画の進捗状況について、まずお伺いしたいと思います。
〇山崎参事兼管財課総括課長 岩手県公共施設等総合管理計画の取り組み状況についてでございます。
県では、平成28年3月に策定いたしました岩手県公共施設等総合管理計画に基づきまして、インフラ施設を含む全ての公共施設等を対象に、維持管理や修繕、更新等に係る中長期的なコスト縮減や財政負担の平準化を図るなど、長期的な視点に立った全庁的な公共施設マネジメントの取り組みを開始し、平成32年度までに部局ごとに個別施設計画の策定を進めていくこととしております。
平成29年度においては、庁舎や道路等の22施設類型のうち、県営住宅などの7施設類型において個別施設計画が策定済みとなったところでございます。進捗率は31.8%となっております。
個別施設計画策定に向けた課題といたしましては、対象となる施設数が部局によってばらつきがあること、国からマニュアル等の示されていない庁舎等の施設類型については、策定作業がおくれることが見込まれること等がございますので、引き続き、総務部が中心となって各部局の支援を行っていきたいと考えております。
〇田村勝則委員 頑張っておられる中で、進捗率は31.8%ということで、さらに10年間の計画ですから、進んでいないというよりは、一生懸命取り組んでいる中で、このような数字になっていると私は理解するところです。公共施設あるいはインフラ施設、公営企業施設とあるわけですけれども、県が保有している公共施設は全部で6、500棟というのが私が持っている資料に書いてあります。
先般、総務省の大沢財政課長の講演を聞いたときにも感じたわけでございますけれども、これから、人口減少に対応して、どうしても施設の集約化とか複合化、もちろん長寿命化等が必要になってくる。そういう場合に一番大事なのは、やはり個別施設の計画をしっかりと立てていかなければいけないということをお話しされておりました。
私自身も非常に得心したわけでございますけれども、その点で、実際、個別施設計画を立てていくというのは、全庁的な取り組み体制と情報の共有というようなことも含めながら、難しいところもあると思うのですが、例えば岩手県公共施設等総合管理計画推進会議等ではどのような協議がなされているのかお伺いをしておきたいと思います。
〇山崎参事兼管財課総括課長 今、委員から、公共施設の集約化と複合化などの取り組みの重要性についてお話がございました。この取り組みにつきましては、総合管理計画の中に、具体的な取組方針としまして施設規模、総量の適正化と有効活用がうたわれておりまして、重要な事項として捉えているところでございます。
推進会議におきましては、このような重点的に取り組む部分につきましても、各部局と意識を共有しまして、今後、個別施設計画の策定に当たって、この考え方を念頭に取り組みを進めていくという方向で、今進めているところでございます。
〇田村勝則委員 例えば集約化とか複合化ということについては、過去議論になっている県営野球場などの施設もそういう考え方に当てはまってくるのかと私自身は感じているところなのです。
今、いろいろな取り組みというのがございました。七つの取り組み方針に基づいていろいろな取り組みを進めているわけですけれども、私は、この取り組みの7の総合的かつ計画的な管理を実現するための体制の構築方針というところにあります全庁的な取り組み体制の整備ということが、実は簡単そうで難しいのかなということを考えておりますけれども、その辺の今の考え方と、もう一つは、これからは民間活力の導入ということも、当然計画の中にもありますし、そういうこともしっかりと進めていく中で、地域の活力を高めていくということにもつながっていくのだろうと思いますが、そういう部分の取り組みについては、現在、どのような状況にあるのかお伺いいたします。
〇山崎参事兼管財課総括課長 全庁的な取り組みの場といたしまして、岩手県公共施設等総合管理計画推進会議を平成28年度に設置しております。これは、構成員が各部局の企画課長等総括課長級の職員で、総務部の副部長が座長をして行っておりまして、開催状況につきましては、年度ごとに2回程度、ことしは1回、開催しているところでございます。
今後、個別施設計画を策定していくに当たりまして、その中で情報を交換していくといったところ、問題点等が出た場合は総務部としても支援していくといったところを周知しているところでございます。
それから、御指摘のとおり、民間活力の導入ということでございますけれども、この計画の中にもPPP、PFIの活用といったところが記載されております。このPPP、PFIと申しますのは、ある程度のまとまった事業費とか大きな事業を当面は対象としているところで、今のところはそういうものはまだ出てきておりませんけれども、民間活力の導入というのは非常に重要なことと認識しておりますので、引き続き、これも進めてまいりたいと考えております。
〇田村勝則委員 人口が減っていくと、当然、厳しい予算編成も迫られていくと私は思うわけですが、そういう中で、今後30年間で、例えば公共施設の修繕、更新等にかかる経費というのは7、070億円、年平均で236億円が必要になるという試算があるわけです。そうしますと、一年一年しっかりと取り組んでいかないと、そのしわ寄せが将来に当然来るのだろうとも考えるところでございます。そういうことをしっかりと認識─当然されておられると思いますけれども─しつつ、今のような全庁的な取り組み体制の中で推進会議も設立しているわけでございますけれども、今後もしっかりと着実に成果を上げるように取り組んでいただきたいと思いますが、この件に関しては最後に部長にお聞きして、終わりたいと思います。
〇佐藤企画理事兼総務部長 一つには体制の構築、体制の整備という話もあって、企画課長等をメンバーとする推進会議も設置しております。また、例示として、今、委員から発言がありました県営野球場でございますが、これも盛岡市との共同での事業化に向けて、今、検討を進めている。こういったところは、知事を初め関係部局長でもってきちんと検討し、その意思決定をしているということで、そういった対応はきちんとさせていただいております。
こういった公共施設のあり方、特に県有施設も関係各部にまたがっているわけですので、さらに本県の課題としては、整備をしてかなり時間が経過している体育施設、文化施設がまとまって改修、更新の時期を迎えつつあるということで、全庁的な政策的判断でもって何を優先していくかということが、御指摘のとおり、本当に大事なことでありますので、将来に向けての本県の県有施設のあり方といったところについては、しっかり見きわめていきたいと思います。
そういった意味でも、中期財政見通しもスパンを長くして、そういった中で投資的経費も若干伸ばしつつ、必要な施設の整備についても優先度を判断しながら取り組んでまいりたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 2点、質問いたします。
一般会計歳入歳出決算総括表でありますけれども、国庫支出金が予算現額で3、519億円余、調定額で1、985億円余となっておりまして、計画よりも1、534億円の減額になっております。
この国庫支出金は、国庫負担金なり国からの補助金ということでありますけれども、なぜ減額になっているのかということであります。当初計画した事業が実施されなかったということなのでしょうか、お伺いいたします。
〇臼井財政課総括課長 平成29年度歳入決算における国庫支出金の予算現額と収入済額の差額についてでございます。
1、534億円の減額の内訳につきましては、平成30年度への繰越額が1、368億円、また、事業確定に伴う不用額が166億円となっております。
今年度への繰越額の主なものにつきましては、漁港災害復旧事業が352億円、河川等災害復旧事業が250億円、港湾災害復旧事業が108億円等でございます。繰り越しとなった理由は、国、市町村等との計画を調整したもの、また、設計、工法等を見直したこととなっております。
また、事業実績の確定に伴う不用額166億円の主なものでございますけれども、漁港災害復旧事業が96億円、中小企業等復旧・復興支援事業が26億円でございまして、その理由は、他事業との調整による事業計画の見直し、補助事業者が土地の利用規制等により事業を完了できなかったこととなっております。
特に震災事業について、工法や計画の見直し等により、平成29年度に実施できなかったことによる影響が大きいものと考えられますことから、復興に向け着実に事業の進捗が図られるよう、全庁的に取り組んでまいりたいと思っております。
〇高橋孝眞委員 今聞くと、災害復旧の関係での補助金が多いと思うわけです。災害復旧のほうが多く、1、200億円ほどになっております。その中で、災害復旧とは関係ない、特に農林水産業費補助金が220億円とか、畜産振興費が20億円、林業振興指導費が13億円、河川改良費が90億円の大幅な減額になっているわけです。
これについては、当初計画したものの事業が実施できなかったのではないかと私は思うわけです。災害復旧の場合はやむを得ない部分がいっぱいあるのかもしれませんけれども、それ以外は実施できたはずだと。にもかかわらず、このように残した─残したという言い方はおかしいわけですけれども、そういう意味合いでいきますと、10件の事業をやろうとしたけれども、5件しか事業実施できませんでしたというような内容はなかったのかどうか、その辺についてお伺いしたいと思います。
〇臼井財政課総括課長 ただいま御指摘のございました、例えば農林水産業費補助金で申しますと、この多くは経営体育成基盤整備事業であったり、海岸高潮対策事業であったり、漁港施設機能強化事業であったり、こういったものが繰り越しということで、217億円のうちの10億円程度が事業実績による減額で、それ以外は未収繰越財源となっております。
そういったことから考えますと、減額となったものの多くは繰り越しということで、今年度以降に実施するものかと思っております。その個別の事業の詳細につきましては、関係部局において事業を実施されているものと承知しておりますが、全体的な傾向としては、今御指摘のあった農林水産業費補助金で申しますと、繰り越しが多くなっているというのが現状でございます。
〇高橋孝眞委員 では、その辺は部局で聞きたいと思いますが、現予算の管理というのはどなたが最終的に行われるのでしょうか。
〇臼井財政課総括課長 予算の管理ということでございますけれども、財政課としては予算編成過程の中心になってやっておりますけれども、その事業の実施につきましては、基本的にそれぞれの部局が実施しておりまして、また、政策評価等の仕組みのもとで事業の実績等も管理して、今回、決算という形で御報告をさせていただくことかと思っております。
〇高橋孝眞委員 予算の全体の管理をしていかなければいけないと思うわけです。この事業はどうなっているか、それらは各部局に任せていますよということではおかしいのではないかと私は思うのです。そういう意味合いでは、ことしの計画の全体の内容等をしっかりと整理して、きっちりとどこかの部署で対応していくべきだと思うのですけれども、部長、どのように思いますか。
〇佐藤企画理事兼総務部長 今、高橋孝眞委員がおっしゃったとおり、総務部財政課は予算を調製するということで、当初予算、そして執行管理をしながら、年度の途中においては補正予算で整理すると。ですから、事業部局のほうから、事業の進捗に合わせて、その執行状況を踏まえた補正の予算をきちんと出していただいて、そして9月補正、あるいは最終的な2月補正予算を組んで、最終予算を組むという形で総務部のほうで調製はしております。
そういった中で、先ほど、財政課総括課長から答弁がありましたように、繰越事業は、年度途中でさまざまな要因があって事業が執行できなくなったときに、繰り越しの承認をとったり、場合によっては事故繰越をするというようなことで、やむを得ない理由によって事業が繰り越されて、個々の受け入れもそれに応じて減額あるいは入ってこないということもあり得ますし、基本的にはそういう形で管理しているものでございます。各事業部局の事業担当に全く任せているというわけではなくて、県の財政というのは、今、1兆円を切っておりますけれども、通常予算でも6、000億円から7、000億円といった中で、一つ一つの事業の進捗状況を把握し、それがきちんと予算編成に反映されて、最終的な予算として県議会に御提案させていただいていましたし、県民にもそういった形で説明させていただいているということで、基本的にはしっかり進捗管理をしながら予算を編成し、最終的には決算という形で今議会で認定議案として提案させていただいているものと承知しております。
〇高橋孝眞委員 わかりましたけれども、事業をやるということについてはお金がかかわるわけであります。収入があって支出があるわけでありまして、そういう意味合いでの予算の管理というものもしっかりやっていく必要があるのだと思いますので、お願いをいたします。
次に、2点目でありますけれども、行政監査がありまして、監査のテーマとしては、今回、公益法人の事業の適正な運営確保に資することを目的として公益法人の指導監査体制について実施をいたしております。県の所管する公益法人は、公益社団法人が48法人、公益財団法人が49法人、合計97法人あります。担当の職員は、法務学事課が4名、各室課で55名が当たっています。ただ、一時的な指導監督の実務は室課のほうで実施し、法務学事課が総括しているということでありますけれども、監査意見の中で、法務学事課が各室課の指導監督の事務の総括を行うという体制のもとで、制度的には、指導監督業務の中立性及び独立性は確保されていると認められるとなっています。しかしながら、公益法人指導監督責任者である各室課の長等が、所管する公益法人の役員に就任している事例があるほか、各室課の所管業務に係る一者随意契約による業務委託が18法人、補助金交付を受けているのが16法人ありますし、職員派遣などの関係が15法人認められるということであります。
これは、制度的には問題はないということでありますけれども、公益法人の指導監督に及ぼす影響がないように十分留意する必要があると意見で述べております。今後、組織体制の強化に向けて検討する必要があるとも書かれております。
私は、この指導監督については法務学事課で一括して行うべきではないかと思うわけでありますけれども、この点についてはどうなのでしょうか。
〇松本法務学事課総括課長 公益法人の指導監督の体制についてでございますが、本県ではいわゆる分散管理方式をとっておりまして、所管課が各法人を一義的に監督し、その監督の結果を法務学事課が取りまとめて、最終的には公益法人認定法の規定によりまして、第三者機関であります岩手県公益認定等審議会が公益法人の監督業務を行うという形にされております。
それで、当法務学事課で全体を持ったらいいのではないかという御指摘でございましたけれども、これは各県それぞれ考え方がございまして、方式は割れております。岩手県では、個別の法人の業務につきましては、所管課のほうがより密接にかかわって運営を支援できるという側面もありまして、今のところ分散管理方式をとっているところでございます。
〇高橋孝眞委員 各県それぞれ管理方式が違いますということでありますが、岩手県は今の方式をとっているからいいのではないかということではなくて、私は、変えていくべきではないかと思うわけです。特に、一者随意契約をしているところなり職員派遣をしているところを、その所管の人が管理するというのは、またなれ合いになってしまって、おかしいのではないかと思うわけでして、そういう意味合いでは考えていく必要があるのではないかと思います。
指導監督体制に係る各室課の意見の中でも、五つ回答があったということで、担当職員が経験年数が浅く、審査、指導に苦慮していると。書類審査については、法人認定に関する知識や過去の指導状況を理解している必要があり、適切な引き継ぎと一定の経験がないと難しいと考えられると、職員自体が非常に苦慮している内容でありまして、これに当たっている職員も経験年数が1.3年ということで、短いわけです。そうすると、毎年のようにかわってしまって、新たに最初から勉強していくというのは、みんな当たり前だと言えばそのとおりなのかもしれませんけれども、専門的な税務知識も必要なわけでありますし、そういう意味合いでは、専門化させていくということで、私は、分散管理というのではなくて、一元的に法務学事課で対応していく必要があるのではないかと考えるわけでありますけれども、部長はどのように思いますか。
〇佐藤企画理事兼総務部長 今回の監査結果の意見を拝見しますと、今、委員が御指摘のとおり、法務学事課の担当、各室課の担当職員の経験年数も書かれていまして、各室課は、今、御指摘のとおり1.3年、統括指導する法務学事課の職員でも平成29年度は2年という内容になっております。しかも、各室課等の意見を踏まえて、この意見では組織体制は必ずしも十分とは認められないというような意見も書かれております。そこは、私もかなり問題意識を持っておりまして、しかも、御指摘のあったとおり、税務であるとか簿記、会計、そういった専門的な知識も求められますので、そういった指導監督を専門的に担える職員をきちんと育てていかなければならないと思っております。また、近年、職員の採用を多くしておりますが、若い職員が多くなってきて、そういう若い職員にこういった公益法人の監督業務をやってもらっているというようなことで、やはり知識、経験もそう多くないのだと思います。
そういった中で、この意見に沿ってしっかり監督業務をしていく体制をつくっていかなければならないと認識しておりまして、各種研修会等だけでは、恐らく職員にとってもかなりの負荷がかかっていくのだろうと思いますので、そこは、この意見をいただいたところでございますから、しっかり検討させていただきたいと思います。
〇高橋孝眞委員 ぜひ、そのような方向で検討していただきたいと思います。いずれ、登記を忘れていたりとか、提出期限までに提出していなかったといういろいろなミスがございますので、一本化することによって人事的にも、費用的にと言うとおかしいわけですけれども、人的体制等につきましても削減できる部分もあるのではないかと思うわけでありまして、ぜひ、回答をいただいたように検討していただければと思います。終わります。
〇神崎浩之委員 大きく2点についてお伺いいたします。
財産管理は、さきの報道にもありましたので、あわせてお伺いいたしますが、県庁舎、地区合同庁舎の建築年、それらの更新計画、そして平成29年度の対応状況。予算書の中には公共施設マネジメント推進費というものがあるのですが、それらも含めて御説明をいただきたいと思います。
〇山崎参事兼管財課総括課長 県庁舎、地区合同庁舎の建築年についてでございますけれども、県庁舎は、先ほども御説明いたしましたが、昭和40年に竣工いたしまして、建築後53年が経過しているところでございます。
地区合同庁舎は14カ所ございますけれども、内訳は、昭和30年代が3件、昭和40年代が6件、昭和50年代が3件、平成が2件となっております。最も古いものは花巻地区合同庁舎でございまして、昭和38年竣工、建築後55年経過しております。最も新しいものが二戸地区合同庁舎で、平成15年竣工で、建築後15年経過しているところでございます。
県庁舎、合同庁舎等の更新計画は、現在ですと耐震工事の事業を進めているところでございますけれども、まず、地区合同庁舎につきましては、これまで、順次、耐震改修工事を進めてきておりまして、昨年、岩泉地区合同庁舎の改修を終了いたしまして、今般の9月補正には盛岡地区合同庁舎の耐震改修工事について盛り込んでいるところでございます。
残る県庁舎につきましては、さまざまな課題があるということでございますので、先ほども御説明いたしましたけれども、慎重に検討してまいりたいと考えているところでございます。
それから、公共施設マネジメント推進費との関係につきましては、公共施設マネジメント推進費は、岩手県公共施設等総合管理計画に基づきまして、各施設所管部局による個別施設計画の策定等の取り組みを支援する経費、事務費としまして220万円余でございます。そのほか、県庁舎や地区合同庁舎の維持管理や修繕等にかかる経費につきましては、別途、県庁舎管理費及び地区合同庁舎管理費等において措置しているところでございます。
〇神崎浩之委員 先日、盛岡地区合同庁舎の上で会議を行いました。参加者から、ここは耐震でひっかかったところだよねという話がちょっと出されました。報道で、岩手県庁舎知事部局棟、渡り廊下棟、議会棟、盛岡地区合同庁舎が既存不適格建築物ということでありました。違法ではないということであるのですが、これは我々県民もなかなかわかりづらい。不適格なのだけれども違法ではないということで、ただ、県民はそういうふうに心配しております。
そこで、それらの耐震診断の結果、指標等、それらに対応する今後の対応経費、対応方針についてお伺いしたいと思います。
〇山崎参事兼管財課総括課長 今、委員が御指摘のとおり、先般、耐震化の診断結果が県の建築住宅課と盛岡市から公表されたところでございます。その中で、地区合同庁舎の耐震化工事につきましては、先ほども御説明しましたとおり、9月補正で盛岡地区合同庁舎分を計上しているところですけれども、そのほかの地区につきましては、全て耐震化工事が終了しているところでございます。盛岡地区合同庁舎につきましては、今年度から平成32年度までの事業計画で実施する予定でございます。
残るのは県庁舎ということになりますけれども、県庁舎につきましては、先ほど御指摘がありましたとおり、三つに分かれておりまして、県庁舎と議会棟と、そこの中をつなぐ通路でございます。
先ほど、既存不適格建築物ということがございましたけれども、県庁舎は、先ほど御説明しましたとおり、昭和40年に竣工されておりますけれども、その当時の耐震基準には当然合致したつくりなわけでございますが、昭和57年に耐震基準が変更になりまして、それを踏まえた形で耐震化の診断をしたところ、基準には合致していないとなったところでございます。ただ、これは、先ほどもありましたとおり、違法ではないという扱いになっております。県庁舎につきましては、この前、知事の記者会見でもありましたとおり、東日本大震災津波の際も無事に乗り越えているということと、震度6弱から6強程度まで建物は大丈夫だというところもございます。ただ、県庁舎につきましては、老朽化とか、防災拠点の位置づけというものもありまして、今後、検討していかなければならない点がさまざまございます。
それから、費用も莫大にかかるということもありますので、今後、慎重に検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇神崎浩之委員 先ほどの柳村岩見委員の発言のとおりであって、いろいろと微妙なところでもある。躯体は大丈夫だということで、耐震、長寿命化で進んでいくということのようであります。
次に、今のことと関連してなのですけれども、広域振興局体制における今後の地区合同庁舎のあり方で、県の窓口が縮小されて、市町村への権限移譲があって、出先機関のニーズが減ったり役割が減ったりして、空きスペースも結構多いようであります。
それで、今後の出先の地区合同庁舎等の空きスペースの活用は、例えば、かつて一関市役所も一関地区合同庁舎を借りたとか、あとはほかの団体が入ったような活用の仕方もあると思うのですが、ほかに要望等が寄せられているのか。いずれ、あいているスペースの利活用、有効活用ということはよいのではないかと私は思うのですが、大きなことを言えば、広域振興局体制の中で地区合同庁舎をこれからどうやっていくのか。特に広域振興局の例えば奥州地区合同庁舎であったり、釜石地区合同庁舎であったり、古いです。狭いです。そういうこともあって、それらをどう考えているのかお伺いしたいと思います。
〇山崎参事兼管財課総括課長 広域振興局体制における今後の地区合同庁舎のあり方についてということでございますけれども、広域振興局の空きスペースの活用につきましては、地方自治法の規定に基づきまして庁舎管理者が行政財産の使用許可により許可を行っているということでございまして、平成29年度におきましては、市町村、団体に使用を許可しております。
今後につきましても、引き続き、利用予定のない事務室等の有効活用を図るとともに、岩手県公共施設等総合管理計画に掲げる施設規模、配置、機能等の適正化に取り組んでいくことといたしております。
奥州、釜石地区合同庁舎が古いということでございますけれども、実は、先ほども御説明したとおり、一番新しい庁舎が二戸地区合同庁舎で、平成15年度に竣工したものでございますけれども、それ以後、広域振興局の再編とかがございまして、一時、新しい庁舎を建てるのを中断していた時期がございまして、さらに、その後、東日本大震災津波の発災があったのを受けて、今度は復旧、復興のほうに優先的に当たるという形になっておりますので、現時点ではそちらのほうを優先する形で、地区合同庁舎の整備まではまだ検討に入っていないという状況でございます。
〇神崎浩之委員 先ほど言ったように、広域振興局の地区合同庁舎は古いだけではなくて狭い状況であります。
ちなみに二戸地区合同庁舎、久慈地区合同庁舎が新しいのですが、新築したのにどのぐらいの費用がかかったかわかりますか、参考までに。
〇福井せいじ副委員長 済みません、後ほどお知らせいたします。
〇神崎浩之委員 それでは、二つ目の質問ですが、災害時の他県への応援状況であります。
岩手県は、あれほど大きな震災、津波を体験した県であるということと、それに対する全国からの応援もいただいているということでありまして、自分のところの県民を守るのも重要でありますが、やはり恩返しという意味で、他県の災害には進んで応援すべきだと思っております。
そこで、平成29年度の実績についてお伺いしたいと思います。
〇佐々木総合防災室長 平成29年度の他県等への応援実績ということでございますが、昨年度につきましては、他県等で発生した災害への応援の実績はなかったところでございます。ただ、日ごろから他県等で災害が発生した場合の備えをしていたということがありますし、先ほど委員がおっしゃったとおり、恩返しという部分もふだんから考えているところでございますので、先月発生した北海道胆振東部地震におきましても迅速な支援が実施できたところでございます。
〇神崎浩之委員 応援要請というのはさまざまな部局、課にまたがっているわけであります。ただ、総合防災室というのは窓口で、他県で災害が発生した場合に、情報のハブ機関だと思っているのです。
そこで、他県からの応援要請に対して、庁内の組織体制はどうなっているのか、物資の依頼に対する対応はどうなっているのかということをお伺いしたいと思います。
いずれ、ライフラインが重要であります。水道とか電気とかガスとか道路とかあるのですけれども、それらは、例えば電気であれば民間同士でやるとかあると思います。水道であれば、市町村の職員、県の職員を派遣したりとか、消防だとか防災ヘリだとか、さまざまな関係団体にも、さまざまなところから要請があります。市町村から来る場合もあるし、国のほうからの要請があったりとか、姉妹都市同士で対応するとか、そんなことがあるのですが、それらはきちんと整理されているのか。
それから、物資も、私は保健福祉部でやっていると思いましたら、そうではないようなところもあるので、ちょっと整理してお答えいただきたいと思います。
〇佐々木総合防災室長 まず、他県からの応援要請に対します庁内の組織体制ということでございます。
県では、他の都道府県におきまして大規模災害が発生した場合に、被災地への支援を的確に実施するために、職員の派遣でありますとか義援物資を送付するスキームを定めました岩手県災害時受援応援計画を平成26年度に策定しております。この計画に基づき設置する応援本部につきましては、事務局を総合防災室に置きまして、総務部長が本部長となります。
具体の業務といたしましては、人的応援、物的応援並びに業務等の提供の要請の受付、それから、お話が出ました担当部との調整というのをやるということになっております。また、連絡調整員等の派遣による被災地における応援ニーズの把握でありますとか、実際の人的支援及び業務等の提供の決定、応援に係る市町村等との調整といったことを行うことになっているところでございます。
それから、物資というお話が出ました。他県への応援物資の対応体制でございます。被災した都道府県への物的支援につきましては、お話がございましたとおり、総合防災室が本部の窓口にはなるわけでございますが、物資ということで、商工労働観光部が応援本部と連携を図りながら調達を行うという体制になっております。
〇神崎浩之委員 例えば保健師の派遣もそうなのですが、県に依頼があって市町村の保健師に参集してもらうというのもあるし、厚生労働省から直接、県の保健師の派遣をということもあって、保健師という職種にしてもいろいろなルートからの依頼があるということ。あと、さまざまな支援チームがあります。例えば医療関係であれば、JRATといってリハビリテーションチームとか心のケアチーム、それから、DMATは皆さん御存じだと思いますが、災害派遣福祉チームもあるし、感染予防チームと、医療関係だけでもさまざまなチームがあります。そういうことも把握されていると思いますけれども、そんなところも把握しながら、支援の情報のハブ機関として情報を集めていただきたいと思います。
最後に、この前、一般質問でも紹介しましたけれども、東日本大震災津波を経験した県でありますが、実は担当者に当時の対応について問い合わせても、どう対応したかわからないというケースがあったわけであります。やはり県は組織が大きいので、職員の異動もありますし、配置転換もありますし、そのときに、その担当課に言ってもすぐ答えられないという場合があるのはわかるのですけれども、緊急の災害でさまざま例外的に対応したケースの問い合わせはあるでしょうし、物資もそのとおりなのです。水とかおむつとかというのはすぐ誰でも気づくのですけれども、それ以外の小さいところをどうしたのかということを、これも恐らく、異動があって転勤もありますから、すぐ問い合わせても答えられないと思うのです。我々は経験しています、そのノウハウを提供しますと言っても、実際、問い合わせに来たら、わからない、その当時の担当者に聞いてみますみたいなことがあっては、非常に恥ずかしいことだと思っておりますので、その辺もきちんと整理していただいて、小さいところ、対応というのをまとめて、自信を持って、災害が起きたときには進んで他県にノウハウを提供できる岩手県であっていただきたいと思うのですが、部長に聞いて、終わりたいと思います。
〇佐藤企画理事兼総務部長 ただいま神崎委員から御指摘がありました、本会議でも再質問のときにお答え申し上げましたけれども、やはりそういったノウハウの継承というのは非常に大事であると捉えておりまして、今回の北海道胆振東部地震の際のいろいろな応援は、委員がおっしゃったように、厚生労働省から直接保健福祉部のほうに入ってきて、私どもは応援本部の連絡調整会議というのを日に数回開催して、各部局のほうから情報を持ち寄って、総合防災室がいわゆるハブ組織として、ボードに記載して、どういう対応をしているか、それを情報共有する形で掲示して対応してきているところです。
そういった中で、連絡がちょっとうまくつながっていないということで、今回も実はそういったケースが何件かありました。その都度、本部でもっていろいろ調整をし、今回功を奏したのは、現地にリエゾンを派遣して、実際のニーズを聞きながら、そのニーズと情報が不整合のときに、なぜそうか、それをすぐバックアップして修正がきいたというのがあります。
実は、本会議のときの委員の御指摘がありましたので、今、北海道胆振東部地震への応援本部の対応について取りまとめをして、今回、初めて他県への応援を実施したので、その実績、あるいはどういったことが起きたのかといったものをきちんと継承していくために、記録をつくろうとして取りまとめをしております。初めて防災にかかわる担当者でも、それを一通り読めば、北海道胆振東部地震のときはこういう対応をしたのだということがきちんと継承されるということでありますので、これは消防、防災議員連盟の議員の皆様にもぜひ提供したいと考えております。
〇神崎浩之委員 人事異動があるということで、そういう担当になった方は、やったこともなくてわからない中で担当しなければならないというのもつらいことですし、そういう能力がない方に調整される現場のスタッフも大変だし、それで行った先も大変だと思うので、先ほど、高橋孝眞委員からもお話がありましたけれども、ただ回すだけではなくて、できる方にやっていただくということも、今後、いろいろな場面で必要なのではないかと思います。答弁は要りません。お願いします。
〇福井せいじ副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後3時9分 休 憩
午後3時27分再開
〇福井せいじ副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について延べ9人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇山崎参事兼管財課総括課長 先ほど神崎委員から質問のありました久慈、二戸地区合同庁舎の工事請負費についてお答えいたします。
工事請負費は、どちらも約40億円でございます。
〇福井せいじ副委員長 質疑を続行します。
〇臼澤勉委員 それでは、私からはまず初めに地域防災力の強化についてお伺いいたします。
まず、防災力に関する根拠法であります災害対策基本法によりますと、毎年都道府県地域防災計画に検討を加え、必要があると認めるときは修正しなければならないとされておりますが、平成29年度はどのような検討が加えられ、どのような修正が行われたのか。次の改定はどのようになっているのかお伺いいたします。
〇佐々木総合防災室長 平成29年度の岩手県地域防災計画の修正についてでございますが、昨年度は、国の防災基本計画におきまして、平成28年度の熊本地震及び台風第10号災害を踏まえた修正がありまして、これを受けて、被災者の生活環境の改善、応急的な住まいの確保や生活復興支援等について反映をしたところでございます。
また、県独自の修正といたしましては、昨年度、岩手山の火山避難計画を策定したということがございましたので、この内容や、新たに整備をされた道路、それから防災拠点等の見直しを踏まえまして、緊急輸送道路の見直し等についても反映したところでございます。
地域防災計画の修正に当たりましては、3月28日に、国、県、市町村、防災関係機関等が一堂に会しまして岩手県防災会議を開催し、その内容について合意をいただいたところでございます。
今年度につきましても、国の防災基本計画の修正を受けたもののほかに、関係機関の意見等を踏まえながら、その修正案について検討を進めることにしておりまして、年が明けまして平成31年3月に、岩手県防災会議を開催したいと考えているところでございます。
〇臼澤勉委員 それでは、市町村の地域防災計画の改定状況はどのようになっているでしょうか。
〇佐々木総合防災室長 市町村地域防災計画の改定状況についてでございますが、市町村では、災害対策基本法に基づきまして、毎年市町村地域防災計画に検討を加え、必要があると認めるときは市町村防災会議において修正をすることとされておりまして、その内容は、県の地域防災計画に抵触をしないこととされているところでございます。
平成28年度の県の地域防災計画の修正内容を踏まえまして、市町村地域防災計画の修正を行った市町村は、平成30年4月1日現在で23市町村となっております。
市町村地域防災計画の修正を行っていない市町村に対しましては、できるだけ早く適切な内容に修正をするよう、市町村防災主管課長会議等の場で引き続き働きかけてまいります。
〇臼澤勉委員 非常に大事なポイントだと思いますので、ぜひ市町村に対しましても支援をよろしくお願いしたいと思います。
次に、何よりも私は防災関係職員の育成、それから体制の拡充が重要なポイントだろうと思っております。
静岡大学が全国の自治体に調査した防災に関するアンケート報告書が出ております。これを見ますと、自治体に専従の職員が置かれていない、ゼロ人というのが約3割、それから1人というのが15%となっております。いろいろな規模があって兼務で対応しているという実態もあろうかと思うのですけれども、県及び市町村の防災専従職員の配置状況はどのようになっているのか、お伺いします。
〇佐々木総合防災室長 防災関係職員の配置体制ということでございます。
市町村におきまして防災を担当している職員が他の業務を兼務しているものがあると聞いているところでございますが、防災専従職員の人数は、市町村の規模に応じておおむね1名から10名程度と把握しているところでございます。また、八つの市町村におきましては、自衛隊のOBを防災専従職員として配置しておりましたり、消防職員が防災業務を兼務している市町村もあるところでございます。
〇臼澤勉委員 この専従職員は、災害が起きてから対応云々ということではなくて、防災教育だとか地域の安全・安心な暮らしの地域づくり、まちづくりのリーダーとして動いていく重要な役目が今後ますますふえていくと思います。そういった意味からも、県として、市町村の支援にどのように取り組むお考えか、お伺いします。
〇佐々木総合防災室長 この点につきましては、市町村の防災関係職員の資質向上ということにつながってくるかと思っております。県では、市町村の防災関係職員に対しまして、昨年度は、12市町村に出向きまして災害対応などの研修、それから図上訓練といったものを行ったところでございます。また、今年度におきましても、15市町村に出向いて同様の研修会を予定して、今実施中ということでございます。
〇臼澤勉委員 今後、防災対策も、各市町村独自のというよりは、広域的な取り組みというのも重要なポイントになろうかと思います。そういった意味からすれば、広域振興局なり県の機関も、支援といいますかサポートをしっかり日ごろから取り組むようなかかわりをぜひお願いしたいと思います。
先ほどの静岡大学のアンケートの報告書によれば、資質向上という意味からしても、職員の研修参加というのが非常に低い結果が読み取れます。一方で、このたび、我々県議会でも防災士の養成研修というものも実施して、資格取得に向けてこれから試験を受ける形になるのですけれども、防災士養成研修というのは、市町村のアンケートによると2割強が参加しているという状況でありますので、ぜひこれから自治体に対しても資質向上対策を含めて取り組むべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
〇佐々木総合防災室長 先ほど市町村に出向いて研修ということを申し上げましたけれども、中身を御説明いたしますと、市町村で直接防災を担当する職員のみならず、災害時に災害業務を担当する職員も対象に加えて、災害時に県、市町村、防災機関が情報を共有する災害情報システムの操作研修でありますとか、実災害を想定した図上訓練、そして防災気象情報の見方の学習といったものを内容としているものが一つございます。
それから、県の職員による市町村の職員への研修というものに加えまして、もう少し防災でありますとか危機管理に必要な知識、スキルを幅広く身につけて学ぶ機会というのが重要と考えているところでございます。
岩手大学におきましては、地方自治体でありますとか医療、学校関係者等を対象に、防災危機管理エキスパート養成講座というのを毎年開催しております。県もこの講座に講師として参加するなど、岩手大学と連携して、市町村の防災関係職員の資質向上を図っているところでございます。
〇臼澤勉委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
それから、県内の避難所の数、場所は適切になっているのかお伺いいたします。
東日本大震災津波の教訓として、避難所に逃げて亡くなられた方々も多くおります。万が一を想定して避難所の総点検をすべきと思いますが、対応はどのようになっておりますでしょうか。震災以降、避難所の見直し等が行われているのかお伺いいたします。
〇佐々木総合防災室長 県内の避難所についてでございますが、平成25年に災害対策基本法が改正されまして、災害等により危険が切迫した状況において、住民等の緊急避難先となります指定緊急避難場所というものがまず一つ。それからもう一つ、災害で避難した住民等が災害の危険性がなくなるまでの期間、滞在をするということを目的とした指定避難所というものがございます。この二つは、いずれも市町村長があらかじめ指定することが義務づけられたところでございます。
県内の指定避難所は平成30年9月1日現在で約1、700カ所、収容人数は約48万人分となっているところでございます。
指定避難所につきましては、想定される災害の影響が比較的少ないこと等が要件としてありまして、市町村は、基本的にはこのことを踏まえて指定しているものと認識しているところでございますが、過去に聞き取りをしたところによりますと、指定避難所は学校とか公民館、集会場になっているけれども、実際には地域に大きな公的施設がなかったり、あるいは洪水であるとか土砂災害等が発生する危険性がある区域に立地しているということで指定することができずにいる市町村もあるという話もお聞きしているところでございまして、県といたしましては、指定避難所の指定につきましては、災害発生の危険性等を考慮したものとなるよう、市町村に対して適切に助言をしていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 そこの避難所からの、また次の避難も含めた対応というのも必要になってこようかと思いますので、ぜひ、大所高所の見地からいろいろと御指導をお願いしたいと思います。
次に、人件費についてお伺いいたします。
平成29年度に精神疾患により療養している職員が52名ほどいるとお伺いしておりますが、平成21年度と比較して、どのような傾向にあるのかお伺いいたします。
〇中野総務事務センター所長 職員の精神疾患による療養者の状況についてでございますけれども、委員御指摘のとおり、平成29年度の療養者の実人員は52人でございました。平成21年度の45人と比較しまして、7人増となっております。ただし、この間、全体の職員数もふえておりますので、職員数に占める精神疾患による療養者の割合はほぼ横ばいとなっております。
〇臼澤勉委員 平成21年度に比べて7名増ということですが、震災直後の平成23年度と比較しますと約3割増、12名ほどふえているという現状にありまして、全国的に見ても、地方自治体あるいは国家公務員も含めて、精神疾患で療養されている方々は、全体的には増加の傾向にあるという状況にございます。
さまざまな理由はあろうかと思いますけれども、私は、まず職員を大事にする組織であってほしいと思いますし、そうであると信じております。
それで、年代や職種、男女に特徴は見られるのか、お伺いいたします。
〇中野総務事務センター所長 精神疾患による療養者の年代、職種、男女の特徴でございますけれども、年代別につきましては、近年、若年層の職員が増加しており、若年層における精神疾患の割合も増加している状況にございます。
男女別についてでございますけれども、これは職員数全体に占める精神疾患の割合は男女ともほぼ同様でございまして、男女別の大きな差異は見られないところです。
なお、職種別の状況につきましては把握しておりませんので御了承願います。
〇臼澤勉委員 全国的には40代、50代の職員の精神疾患の方々が多いという傾向にあるようでございます。そして一度精神疾患になったら、また2回、3回とかかるときには、再発までの期間が短くなってくる傾向にあるとも言われております。要因は、業務負荷とかさまざまあろうかと思いますが、県としてどう把握されているのか。そしてメンタルヘルス対策とかストレスチェックにどのように取り組んでいるのか、現状と今後の対応についてお伺いいたします。
〇中野総務事務センター所長 療養に係る要因の把握とメンタルヘルス対策など現状と今後の対応でございますけれども、要因につきましては、業務や対人関係の悩み、仕事関係の悩みとか、家庭や健康といった個人的な問題、あるいはこういったものが複合的になっている場合もあり、さまざまな要因が考えられるところでございます。
次に、対応ですけれども、特に東日本大震災津波の発災により精神疾患となる職員の増加が危惧されたことから、その対策としまして、発災直後の平成23年度から全職員を対象としたストレスチェックを実施しております。このチェックにおきまして、高ストレスと判定された職員のうち希望者に対しましては医師による面接指導を実施し、不調の未然防止を図っているところでございます。
また、若年層の療養者がやや増加していることから、今年度においては、アンガーマネジメント研修などセルフコントロールスキルの助長を主眼に置いたセミナーを開催するとともに、精神科嘱託医や臨床心理士の協力を得ながら、不調者や管理監督者が個別に相談する機会をふやし、早期に適切な対応ができるよう支援しているところでございます。
今後も各種セミナーの開催等により、職員のメンタルヘルスに対する理解を深めるとともに、職員の置かれた状況に応じて必要な対策をきめ細かく展開し、職員の健康管理に努めてまいりたいと思っております。
〇臼澤勉委員 県が今抱えているさまざまな課題、そして次期総合計画でもうたっておりますけれども、幸福というテーマで今議会でもいろいろ議論されております。私は県民の幸せ、幸福をいろいろお話しする以上は、県職員が、仕事にやりがい、そして幸せというか、仕事を通じた幸福度、満足度といいますか、そういったものを高めることが大事だろうと思うのであります。
仕事は厳しく、心は優しく、そして正しさよりも明るさ、これを大事にしながら、県の職員も、朝来て、おはようございます、帰るときも、お先します、ありがとうございましたという、そういう闊達な組織であってほしいと思いますが、部長、御所見をお伺いいたします。
〇佐藤企画理事兼総務部長 今、臼澤委員からお話がありましたけれども、ちょっとデータ的なところも触れさせていただくとすると、過去10年間の推移を見ていくと、29歳以下の若い方の精神疾患による療養がふえてきております。確かに採用者数がふえているからという面もあるのだろうと思いますけれども、せっかく県の職員になって、そして県民の福祉の向上そして幸福度を追求していく、高めていくということで頑張っていただいているのにもかかわらず、こういった残念なデータもあります。職員が仕事にやりがいを感じて県民のために仕事に打ち込んでいく、そして自分も当然県民の1人でありますから、幸せになって、ともに幸福度を高めていくということは当然のことだと思います。
そういった意味で、私ども総務部としても、職員の働きやすさ、働き方改革に取り組んでいくわけでございますけれども、いかに働きやすい職場づくりを進めていくか、そういったところを心して、そして若い職員、それから今回の地震対応でも、総合防災室の職員もほとんど連日、休日返上でしたし、また台風が来そうでございますが、県民の安全・安心のために尽力しているということもございます。そうした形で一生懸命仕事をしているという姿も見せながら、それを多くの若い職員も、私たちもやってやろうというようになってもらえればと思いますので、そういったことができるように、総務部としても努めてまいりたいと思います。
〇臼澤勉委員 ぜひお願いしたいと思います。実は精神疾患に病まれている教職員についても、平成26年から平成28年の3カ年で、東北で一番多い状況になっております。ですから、そういった意味でも、私は以前御提言したことがございますけれども、今後ますます県立大学での臨床心理士の養成だとかを一体となって取り組んでいただきながら、そこら辺の環境整備に取り組んでいただきたいと思います。
次に、平成29年度の主要財政指標に対する評価についてお伺いいたします。
公債費負担適正化計画について、今年度、改定版が公表されておりますけれども、実質公債費比率は平成29年度18.2%ということです。平成25年度に公債費負担適正化計画を策定以降、県ではさまざまな取り組みを行ってきていると承知しておりますが、改めて、計画の目標達成に向けてどのように取り組んできたのか、また、今後の実質公債費比率の見通しをどのようにお考えになっているのか、お伺いします。
〇臼井財政課総括課長 平成25年度に御指摘の公債費負担適正化計画を策定して以降、通常分の建設地方債等の県が管理可能な県債について、平成25年度、策定年度の発行規模である355億円程度に維持または抑制するように努めてきたところでございます。
また、県債残高を圧縮するため、震災特例として創設された補償金免除繰上償還制度を活用し、平成25年度に11億円の繰上償還を行い、1.2億円の利子負担軽減を図ったところでございます。
今後の実質公債費比率の見通しでございますが、先般お示しした公債費負担適正化計画でもございましたとおり、現在の標準財政規模等が維持されることを前提に、平成30年度決算において16.9%と、18%を下回る見込みでございまして、その後も着実に低下していくものと推計しております。
引き続き有利な地方債の活用や国庫財源の確保等により、実質公債費比率の抑制を図ってまいりたいと思っております。
〇臼澤勉委員 本県の基金残高の現状に対する評価をお伺いしたいと思います。
春先だったでしょうか、県政調査会での、総務省自治財政局の大沢財政課長の講演でも、一般論として、県の場合は標準財政規模の5%、市町村は20%を目安に財政調整基金に積んでいると伺っておりますけれども、平成29年度決算を踏まえて、どう対応する考えかお伺いします。
〇臼井財政課総括課長 平成29年度末時点における財政調整基金、県債管理基金、地域振興基金のいわゆる財源対策基金の残高は377億円でございました。平成28年度末と比較して、約77億円減少しているところでございます。
地方公共団体は国と異なりまして、赤字地方債の発行を原則として認められていない中、災害対応や今後の社会保障関係費の増に対応していくためには、一定の基金残高を確保する必要があると考えております。
そういった中で、9月28日に公表した岩手県中期財政見通しにおいては、2019年度以降に見込まれる収支ギャップを財源対策基金により賄うこととした場合、基金残高は2022年度末で46億円になるものと試算をしているところでございます。
今後、あらゆる事業での国費の有効活用と歳入の確保、また、事務事業の精査等の歳出の徹底した見直し、県有施設の適正な管理、財政負担の平準化により、持続可能な財政構造を構築してまいりたいと思っております。
〇臼澤勉委員 なぜそういうことを聞いたかといいますと、来年夏までに教育の無償化の対象範囲とか、国、地方の役割分担、負担のあり方が議論されると伺ってございます。消費税増税分の財源1.7兆円を充てることになる、ならないというお話もありますけれども、県の増収額をどのように試算して新たな行政施策に対応した財政運営を図るお考えなのか、お伺いいたします。
〇臼井財政課総括課長 来年、消費税が8%から10%に引き上げられることによる歳入への影響額についてでございますが、一定の仮定のもとで機械的に試算をいたしますと約120億円の増収となりまして、その半分は市町村への交付ということになりますので、実質的な県の増収額は、消費税に関するものとして60億円程度が見込まれるところでございます。
なお、この増収分により、交付税の算定にも一定の影響があるものと考えられますが、現時点でその影響額は不透明でございますので試算することは困難でございます。
消費税増税分の使途につきましては、基本的には社会保障と税の一体改革によりまして、原則、社会保障関係費に充当することとされておりましたが、御指摘のとおり、本年6月に公表された経済財政運営と改革の基本方針2018、いわゆる骨太の方針の中で、教育の無償化にも使途が拡大されることとなり、その具体的な内容について、国の来年度予算編成過程において決定されるものと承知をしております。
今後、その動向を県として注視しながら、総務部としても関係部局と連携しながら、国に対して必要な要望を行ってまいりたいと思っております。
〇臼澤勉委員 いずれにしましても、今後、国の施策だとか制度的な要因による負担だとか、あるいは公共施設の老朽化対策、災害対応とか、さまざまな行政課題に対応した施策を展開していかなければいけないと。将来に向けて備えをある程度積み立てていく必要もあろうかと思ってございますので、引き続き、行政改革あるいは歳出の抑制に努めながら取り組んでいただきたいと思います。
最後に、部長に御所見を聞いて終わりたいと思います。
〇佐藤企画理事兼総務部長 今後の財政運営に向けてということでございますが、先般お示ししました中期財政見通しでございますが、引き続き厳しい数字が出ております。これまで公債費負担適正化計画を掲げて取り組んできて、その成果として県債残高もかなり減ってきたということですが、私も平成15年のあたりから、かなり厳しい財政状況の中でここ十数年推移を見てきたところでございます。そういった中で、公債費のもととなっている県債残高の圧縮、縮減に努めてきたということと、それから、実質公債費比率が計画を2年早まって達成できると、そういったことから、今度は、ある意味では震災の復興需要の縮小に対応した形で通常分の公共事業も伸ばしていくというような形で、ある程度、今度はおくれているいろんな公共施設の整備も含めて社会資本の整備も手をかけていく、また、老朽化している施設の維持修繕にも当然多額の経費がかかってくる。社会保障費の増等もあって、本当に財政運営の厳しさは変わらないのですけれども、これまでの経緯を踏まえると、少しはよくなってきたのかなと。やはり取り組んだ成果が徐々に見えてきて、そして新しい総合計画のもとで県民の幸福度を高めていくといったところにしっかり取り組んでいけるような財政運営をしていかなければならないと考えております。
引き続き、議員各位の御理解のもとで、しっかりとした財政運営に努めていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 それでは最初に、決算額に対する震災復興分はどうなっているか。これまでの累計を含めて示してください。また、生活再建に係る震災復興分、これがわかれば示してください。
〇臼井財政課総括課長 平成29年度普通会計決算における歳出総額9、869億円余のうち、震災復旧、復興分の額は3、229億円余、総額に対する割合は32.7%でございます。また、これまでの累計は2兆7、720億円余となっているところでございます。
また、復興基本計画に基づく復興に向けた三つの原則の暮らしの再建のうち、生活・雇用の分野に係る決算額をお示しいたしますと、平成29年度決算額167億円余、これまでの累計は3、388億円余となっております。
〇斉藤信委員 わかりました。震災復興は、私たちは生活の再建が最大の柱だと思っていますので、その点で今の課題についてお聞きをしました。
次に、消費税の問題についてお聞きしますが、安倍内閣の最大の懸案は、来年10月の消費税増税だと思うのです。それで、消費税が8%に増税になった後の県民の負担額、1人当たり、1世帯当たり、総負担額はどうなったか。
もう一つは、来年もし10%に引き上がった場合には、1人当たり、1世帯当たり、県民全体の負担額は幾らに見込まれるか示してください。
あわせて、法人事業税の状況について、これは平成29年度でいいですが、赤字で法人事業税の対象にならなかった事業者はどのぐらいあるか示してください。
〇横道税務課総括課長 消費税の引き上げによる影響についてでございますが、まず、国、地方合わせて消費税率8%となったときの負担増についてでございますが、地方消費税に係る平成25年度と平成28年度の決算額に基づき推計いたしますと、県民1人当たり年間約5万2、000円、1世帯当たり年間約11万6、000円、県民総負担は年間約625億円と推計されるところでございます。
また、消費税率10%となったときの負担増でございますが、政府の試算をもとに推計いたしますと、軽減税率適用後で、県民1人当たり年間2万7、000円、1世帯当たり年間約6万2、000円、県民総負担は年間約335億円と推計されるところでございます。
次に、法人事業税の状況ですが、平成29年度でまいりますと、大企業は資本金1億円以上ですと外形標準課税がございますので100%課税になっております。中小企業は資本金1億円以下でございますと、課税になっている割合が42.1%ですので、58%ぐらいが赤字ということでございます。
〇斉藤信委員 今答弁があったように、大変な負担だったと。8%のときでも全体では625億円ですよ。1世帯当たり11万6、000円。さらに10%に上げられれば、1人当たり2万7、000円、1世帯当たり6万2、000円、県民の総負担は335億円。これを累計しますと1人当たり7万9、000円、1世帯当たり17万8、000円、総額960億円の負担増と。私は消費税が8%となった増税が日本の経済の停滞を招いているのだと思います。そういう中でさらにこういうことになったら、岩手の経済も、復興にも大きな影響、打撃を与えるのではないか。
中小企業の課税割合も聞きました。58%が赤字なのです。ところが消費税というのは、赤字の事業所にもかかるわけです。中小企業の経営にとっても、これは大変な重税になることは目に見えていると思うけれども、佐藤総務部長、これだけの負担増がかけられる、さらにかけられようとしていると。県民の暮らしにとっても、復興にとっても、地域経済にとっても、これは本当に軽視できない問題だと私は思うけれども、どう受けとめていますか。
〇佐藤企画理事兼総務部長 今、消費税率が8%に引き上げられた時の影響、それから10%に引き上げられた際の影響ということで、それぞれ1世帯当たり、1人当たり、それから県民総負担額ということでも、非常に多額の負担と御指摘があったところでございます。ただ、一方では、社会保障関係費の財源をということの観点もあって、国、地方を含めての財政運営という中での必要な税制改正ということもございます。そういった中で対応していくことが求められていくものと思いますし、また、税率が10%に引き上げられる際に軽減税率という制度が設けられると伺っております。そこで、飲食料品等いわゆる生活に直接影響する部分については軽減税率の導入も配慮されているということもありますので、そこはきちんと県民にも理解していただくよう努めていかなければならないと思っております。
〇斉藤信委員 県民の幸福をキーワードにしてやろうという部長が、この負担増についてそんな軽い話では私はだめだと思います。10%に増税となったら335億円の負担増だというんですよ。県と市を合わせて120億円の財源が来たってマイナスじゃないですか。それどころか、復興にしても中小企業にしても、私は本当にこれは大変なことだと。これはこれ以上論争しませんので、そういう大変過酷なものだと、これをやったら大変なことになるということだけ私は指摘をしておきます。
次に、公文書管理条例の制定の問題についてお聞きをいたします。
昨年来、国政の場で公文書を廃棄した、処分した、隠したと、あり得ないことが起きました。そして今地方自治体にとっても旧優生保護法などで、本人の同意もとらずに手術した、子供を産めなくなったということが今大きな社会問題になっている。当事者は国であり地方自治体です。過去のそういう証拠文書がないと。これは私は大問題だと思うのです。
そこで、公文書等の管理に関する法律ではこういう規定なのです。この法律は公文書を民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として位置づけ、公文書管理に関する基本的事項を定めると。そのことによって、国民に対する説明責任を全うすることを目的にしていると。民主主義の根幹だと、公文書の管理は。
そして、あわせて、地方自治体については、地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、保有文書の適正な管理に関する施策を策定し実施するよう努めなければならないと。
私は、これは条例の制定は義務づけていないけれども、条例の制定は真剣に検討すべき課題になっているのではないかと思いますが、この公文書管理法そして公文書管理条例について、今県はどう検討しているのか、していないのか、全国の条例化の取り組みはどうなのかを示してください。
〇武蔵私学・情報公開課長 公文書の管理と条例の制定についてでありますが、委員御指摘のとおり、地方公共団体は、公文書等の管理に関する法律におきまして、文書の適正な管理に必要な施策を策定し、これを実施するよう努めなければならないとされているところでございます。
本県では、知事部局、行政委員会等の定める規則等におきまして、処理内容等を正確かつ簡明に記録した行政文書を作成すること、行政文書の類型に基づいて保存期間を設定し、適切に保存しなければならないこと等を定め、運用しているところでございます。
条例の制定につきましては、現在、1都5県において制定されていると承知しておりますが、本県につきましては、規則等に基づきまして適正に管理し、法の趣旨に沿った運用が行われていると認識しておりまして、新たな条例の制定につきましては、現時点では検討しておりません。
なお、県が作成した公文書などにつきましては、県民が共有する知的資源として適正に管理し、その内容を将来に伝えていく必要があることから、文書管理事務の適正性を確保することが必要でありまして、文書管理事務の研修を行っているところであり、また、管理状況等の点検、評価等の実施について検討を行うこととしております。
〇斉藤信委員 公文書管理条例について真剣に検討していないという答弁でした。
公文書管理規則を読みましたけれども、ここで目的はどうなっているかというと、この規則は知事が保有する行政文書の管理に関し必要な事項を定めることにより、当該行政文書の適正な管理を図ることを目的とすると。ここには国民共有の財産、県民共有の知的財産という位置づけもないし、そして民主主義の根幹というものもないのですよ。行政が文書を管理するための規則になっているのですよ。この規則は、公文書管理法と全然違うのです。
例えば県内でも、さまざまな問題が出て、大槌町で震災検証のメモやデータを勝手に廃棄していたと。町長は後で謝罪の会見もやりましたけれども、こういうことが起こってはならない。公文書というのは、情報のいわばインフラなのですね。県民が県政や県の政策がどのような過程でつくられてきたのか、それが何をもたらしたのか、それを県民が検証する、そのことができるのが公文書なのです。率直に言って規則にはそういう立場、県民の立場は一つもありません。
これは部長に聞きますけれども、1都5県が既に条例制定をしていると。そして公文書管理法の規定から言っても、県は具体的に施策をやりなさいと言っているわけですから、県民の立場に立った、公文書管理法のレベルに立った条例化を検討するべきじゃないですか。
〇佐藤企画理事兼総務部長 条例化の検討につきましては、先ほど課長から答弁申し上げたところでございまして、現時点では検討していないということでございますが、ただ、今いろいろお話があったところでございますけれども、行政の透明性であるとか公正性を確保するという意味においては、文書管理が適正に行われなければならないというのは当然のことでございます。
そこで、今検討しているのは、2020年4月から導入を予定しております内部統制制度におきまして、文書事務も対象にしようと考えております。現段階におきまして、内部統制制度の中に文書事務も含めまして、そこにはメール等も含めて、そこで取り組んでいって、その取り組み状況を見きわめながらの検討と捉えております。
〇斉藤信委員 公文書管理法は公文書を国民の知的共有財産と位置づけて、国民の知る権利から打ち立てられた法律で、公文書を包括的、統一的に管理する方向を示しているのです。だから、単なる規則とは中身が違うので、法の趣旨に沿って県民の共有財産としての公文書の管理というふうにしないと私はいけないと思うし、ぜひ公文書館の設立なども視野に入れてこれは検討していただきたい。
次に、入札問題についてお聞きいたします。
昨年度、今年度の入札率の推移、そして入札不調、1者入札の状況はどうだったでしょうか。
もう一つ、この間、盛岡管内の県議会議員が建設業協会盛岡支部と繰り返し懇談をしてきました。そこで出された要望は、最低制限価格の導入と予定価格の事前公表制度の見直しなのです。この点について、私は、岩手県はある異端のところにあるのだと思うけれども、全国的な状況を示して、なぜ最低制限価格の導入と予定価格の事前公表性にこだわるのか示していただきたい。
〇今入札課長 まず、昨年度と今年度の入札の状況についてでございます。
県営建設工事における一般競争入札の平均落札率でございますが、平成29年度が92.1%、平成30年度が7月末時点でございますけれども、91.6%となっております。また、入札不調の割合でございますが、平成29年度が18.8%、平成30年度は8月末時点で13.3%となっております。
さらに、条件付一般競争入札における1者入札の割合についてでございますが、平成29年度は34.1%、平成30年度、今年度は7月末時点で21.9%となっているところでございます。
次に、最低制限価格制度と予定価格の公表時期に係る全国の状況についてのお尋ねでございました。
まずは最低制限価格制度に係る全国の状況についてでございますが、国の調査結果によりますと、平成29年3月31日現在の調査結果でございますが、最低制限価格制度を導入している都道府県が44、導入していない県が本県を含む3県となっております。
次に、予定価格の公表制度の状況でございますが、同じく平成29年3月31日現在、全国におきましては、予定価格の事前公表をしているところは本県を含む15都県、それから事後公表をしているところが17道府県、それから事前公表と事後公表を併用しているところが15府県となっております。
それから、本県における最低制限価格制度と予定価格の事前公表制度の取り扱いについてでございます。
最低制限価格制度につきましては、本県もかつて制度を導入していたことがございますけれども、平成19年7月の入札制度の見直しの際に、今後一般競争入札を本格的に実施していくところでの透明性を一層高めるためと、それから総合評価落札方式を導入していく、拡大していくという観点から、最低制限価格制度を廃止した経緯がございます。
一方、現時点で本県が運用しています低入札価格調査制度でございますが、調査基準価格を下回る入札があった場合でもすぐには失格とせず、その入札価格で適正な工事の施工が可能かどうかを審査する制度となっておりまして、不良不適格業者を排除しつつ、企業努力等が価格に反映され、より低廉で良質な調達が可能になる点で最低制限価格制度よりもメリットがあるということで導入してきたものでございます。
さらに、ダンピング防止のために、低入札価格調査制度の中で、一定の価格を下回った場合には自動的に失格とする基準を設けているところでございまして、こうした面で、最低制限価格制度と同様の効果も発揮できるという点で幅広く適用できることから、現在の方式をとっているというものでございます。
一方、予定価格の事前公表制度の見直しにつきましては、事前公表につきましては入札の透明性の向上、それから、発注者、受注者双方の事務効率の向上、さらには、予定価格に係る不正防止の観点から有効なものとして導入しているものでございます。
事前公表に当たりましては、国が求めている実施の適否の検証を行いながら運用してきているところでございまして、現時点では、例えば入札に伴ってくじ引きの件数が極端に多くなるとか、それから落札率が高どまりになるといったような事前公表による弊害も特に認められないということから、現行の制度で対応しているところでございます。
〇斉藤信委員 全国の動向から言っても、岩手のやり方というのは、決して先駆的というよりは異端的になっているのです。そして実際に入札に参加している建設業者が、矛盾があると言っているのです。私はしっかりこれを検証していただきたい。平成19年の入札改革というのは談合事件を契機にやった。だからそのときの経過があるのです。しかし、平成19年以来もう10年以上たっているのだから、それが今本当にどうなっているのかということを、もっと全国とも比べて、比較検証して改善に取り組んでいただきたい。
次に、米軍機のF16低空飛行訓練とオスプレイの飛行問題についてお聞きいたします。
米軍機のF16戦闘機が高森高原の県営の風力発電所の風車の間を低空飛行したと。これはみずからインターネットに公開して明らかになったのだけれども、とんでもないことですよ、これは。風車にぶつかったらとんでもない大事故になり得るし、もう一つは、最近オスプレイが奥州市衣川の上空を飛んでいたと。飛行のルートも通告もなかったと。こんな傍若無人な米軍のやり方を私は許していいのかと思います。
全国知事会は7月に、政府に対して極めて重要な申し入れを行いました。米軍基地負担に関する軽減で、日米地位協定の抜本的見直しを求めました。私はそういう点では毅然として、岩手県はこの問題について米軍や防衛省に対応すべきだと思いますけれども、いかがですか。
〇西島防災危機管理監 まず、米軍のF16戦闘機の超低空飛行に関してですけれども、委員御指摘のとおり、本年4月27日にインターネットに掲載されたという報道があり、それで事が明らかになりました。そのことで、速やかに米軍三沢基地の報道部長がそれを認めたというステートメントを発表しました。
県としましては、速やかに5月2日、防衛省、米軍三沢基地に対して、本県上空で米軍機が超低空飛行をしたことについての遺憾の意を文書で申し入れ、さらに5月9日、県、二戸市及び一戸町が東北防衛局を訪問して東北防衛局長に要請文書を直接手交し、強い遺憾の意を表するとともに、米軍に適切な対応を求めるよう要請いたしました。
東北防衛局長からは、今回の要請も米軍と共有し、引き続き米軍の飛行運用に際しては安全面に最大限配慮する、地域に与える影響を最小限にとどめるよう働きかけるという回答を得ましたので、その確実な実行について注目していくというものであります。
また、オスプレイの本県上空の飛行でありますけれども、7月17日に奥州市衣川の上空を飛行し、それが写真に撮られて新聞に掲載されました。過去には、平成27年9月にも、二戸市上空を飛行していたと発表されています。これにつきましては、常々オスプレイが導入された、あるいは訓練に参加するという発表がされたたびに、知事から要請をしております。
その内容は大きく二つでして、オスプレイの安全性の丁寧な説明による不安の払拭、二つ目は、オスプレイの飛行ルートなど具体的な飛行内容の事前説明ということでこれまでも申し入れてまいりましたけれども、東北防衛局は、それを米軍に働きかけるということは約束してくださっております。これはかなり働きかけていただいていると総務部としては認識しております。しかしながら、米軍の回答は、運用に関することについては答えられないということです。ただし、日本の国内法は遵守するという姿勢の中で、日米地位協定に定められたところは一応クリアして、地域に対する影響を最小限にしますということだけは言ってくださっているということですので、引き続き我々はこれを申し入れていくということで、厳重に監視していくという姿勢であります。
〇斉藤信委員 日米地位協定で、日本の航空法は、米軍機は除外になっているのです。ここがドイツやイタリアとの根本的違いで、ドイツやイタリアは、その国の航空法に基づいて、それぞれの軍隊の指揮管理のもとで米軍は動いているのです。日本だけですよ、米軍が勝手に飛行しても、ルートも何も示さない。落下してもすぐ飛行を再開する。本当にこれは異常な事態です。私が注目したのは、7月27日付で、全国知事会がついに日米地位協定の抜本的見直しを求めました。この立場で岩手県ももっと踏み込んだ対応をしていただきたい。
最後の質問でありますけれども、盛岡短期大学跡地の利活用の問題について、地元の期成同盟会が8月6日に第6回目の盛岡市長への陳情を行いました。そのときの市長の回答はこういう回答でございました。
西側の城南小学校の隣接部分を考えており、3、800平方メートルは確保したいと。県との協議で、盛岡市有地との等価交換での取得を考えている。等価交換は県知事にも話は伝わっているという話ですけれども、私は盛岡市もかなり具体的な構想を立てて、知事や副知事にもこの話は伝わっていると思いますけれども、県と市の協議はどうなっているのか。今後の見通しについても示してください。
〇橋場総務室管理課長 旧盛岡短期大学の跡地の利活用に係る県と市の協議の状況でございますが、委員今御指摘のとおり、盛岡市におきましては、地域住民からの要望を受けて、現在、同跡地への山王・児童老人福祉センターの移転、整備に向けた検討を行っている状況でございます。それで、市とは事務レベルでの話し合いを現在進めている状況でございます。しかしながら、市における活用につきましては、委員から御指摘もありましたとおり、同跡地の一部にとどまる見通しでございますことから、県としては、これ以外の部分の利活用について検討していく必要があると考えております。それからまた、旧校舎等を使用せず、仮に解体するとなりました場合に多額の費用も見込まれるところでございます。
このような課題はありますが、県としては、引き続き盛岡市と十分な調整を行いまして、跡地の利活用につきまして検討を進めてまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 大きく人件費についてお伺いしたいと思います。
まず1点目ですけれども、直営による守衛業務についてであります。
危機管理の面からも県議会議員とか県職員の方、それから来庁者の皆さんの安心、安全という重要な職務を担っております守衛の方、それから警備員の方々には敬意を表したいと思います。
そこで、守衛業務の継承について大変心配しておりますけれども、どのように捉えているのか。人員体制について昨年度、それから今年度の状況についてお伺いいたします。
〇山崎参事兼管財課総括課長 守衛業務の継承についてでございますけれども、業務手順及びこれまでの守衛の業務経験からの留意事項をまとめました守衛・警備業務マニュアルを整備し、業務に活用しながら継承に努めてきたところでございまして、今後においても、当該マニュアルの充実を図りながら業務継承を行ってまいりたいと考えているところでございます。
また、本年度から県庁舎警備業務委託を長期継続契約としまして、2年7カ月の契約期間で締結しております。長期間、継続的な業務を行うことが可能となり、守衛との連携により警備業務のノウハウの蓄積が期待されること、また、次期契約時に受託者が変更となった場合においても、1カ月の引き継ぎ期間を設定しておりまして、業務継承が図られるよう取り組んできたものでございます。
それから、人員体制でございますけれども、本年度は、守衛職員が1名となった中、県庁舎の秩序維持に資するため、県庁舎警備業務委託による警備員を1名増員しております。
また、配置警備員につきましては、施設警備業務検定2級取得者または警備員指導教育責任者を増員いたしまして、警備体制の強化を行っているところでございます。
〇小西和子委員 警備業務の委託契約を2年7カ月に延ばしたということでございます。再任用の職員が今年度は1人であるけれども、そういうことで継承を図っていきたいということでよろしいですね。
そして、3月で株式会社寿広との契約が切れて入札ということだったのですけれども、うまいぐあいに株式会社寿広が続けて受託したということで、大変なことにならなくてよかったと思っております。
では、前回お伺いしたときに、逮捕事案があったので警察との連携の強化について具体的に調整を進めているということでしたが、この点についてはどうなっていますか。
〇山崎参事兼管財課総括課長 警察との連携の強化についてでございますけれども、県庁舎の秩序維持、治安体制の強化に当たりまして、本年度、警察本部からの派遣職員2名を管財課に兼務発令しております。
あわせて、関係課において緊急通報体制の整備や有事の対応等について当該職員との打ち合わせ等を行いまして、連携体制を確認してきているところでございます。
〇小西和子委員 前回、警察頼みだけでなくて、庁舎管理者として守衛業務のあり方について捉え直し、体制について検討するということでしたが、どのような対策を講じたのかお伺いいたします。
〇山崎参事兼管財課総括課長 守衛業務に係る検討状況、対策についてでございますけれども、昨年、庁舎内で発生した公務執行妨害での逮捕事案等を踏まえして、守衛業務の体制強化について検討してまいりました。
先ほどの答弁と重複するところもございますけれども、業務マニュアルの整備、活用による業務情報の共有、県庁舎警備業務委託の長期継続契約によるノウハウの蓄積、連携強化、それから警察との連携強化等について進めてきたところでございます。
守衛業務につきましては、県庁舎の治安確保のためにも確実に継承していかなければならないと考えております。今後におきまして、さらに体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 体制の強化を図っているということでございます。
エレベーターに閉じ込められた事案がありました。それがなかなかスムーズに解決できなかったと聞いておりますが、そのことはどのように捉えていますか。
〇山崎参事兼管財課総括課長 1カ月か2カ月ぐらい前でしたか、エレベーターに閉じ込められたという報告が管財課にありまして、その際、守衛もそうですけれども、管財課職員も現地に参りました。エレベーターの運営会社と連携しながら、何とか事なきを得たという形になっております。いずれ、そういうときにも守衛の役割というのは大きいと十分考えておりますので、体制の充実の中で検討してまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 このように重要な役目を担っている守衛の業務の継承は、本当にこれからもおろそかにはできないのではないかと、私は、そのエレベーター閉じ込め事案の話を聞いて思いました。やはり任せられる人員の補充を行っていくべきだと考えますが、再度お伺いいたします。
〇山崎参事兼管財課総括課長 繰り返しになる部分もございますけれども、体制の充実という中で、人員の強化も含めまして、検討させていただければと思います。
〇小西和子委員 続きまして、運転技士の計画的な配置についてお伺いいたします。
運転技士の人数の推移について、まずお伺いいたします。
〇山崎参事兼管財課総括課長 これは2月議会での答弁とも重複いたしますけれども、平成13年度は21名体制でございましたけれども、平成19年度のピーク時には23名でありました。その後、職員の退職等によりまして、現在は17名となっております。
〇小西和子委員 昨年度よりは1人減ったということでございます。ピーク時から6人も減って、業務は別に減っているわけでも何でもないということなわけです。
西日本豪雨災害とか、北海道胆振東部地震とか、次々と発生する大型台風とかということで災害が続いております。前回もお話しさせていただいたのですけれども、突発的な災害などに素早く対応しなければならないのが、この運転技士の方々だと思います。災害時の運転業務、車両の稼働状況を把握することというような答弁が前回ありましたけれども、そこはどのようになっていますか。
〇山崎参事兼管財課総括課長 災害時の運転業務、車両の稼働状況についてでございますけれども、年間を通したデータ、稼働率の状況を見ますと、台風等の災害が発生した場合、例年11月から12月に災害査定が実施されるということで、そのときの対応時に公用車の稼働率が高まってくるという傾向は把握しているところでございます。
〇小西和子委員 その時点で稼働率が高まっているということでありますから、それだけの人員を確保しなければならないということになるかと思います。
人員配置を含めた運転技士のあり方について検討するということでしたけれども、検討内容を伺います。
〇山崎参事兼管財課総括課長 運転技士のあり方の検討内容でございますけれども、運転技士のスケジュール管理につきましては、各部からの業務要請に応えられるように、効率的な配車、運用に留意しているところでございます。
また、職員には、日々の公用車の点検整備や安全な運行を通じて業務遂行に大きく貢献してもらっていることを高く評価しているところでございます。
今後とも、適正な体制の確保が図られるよう努めてまいりたいと考えてございます。
〇小西和子委員 運転技士の皆様方も1年ずつ年をとっていくわけです。人数が少ないと、再任用されても、とても耐えられないということでやめたりもしているという話も聞いております。
正規職員での人員補充を要請いたしますが、いかがでしょうか。
〇山崎参事兼管財課総括課長 これも繰り返しになるかもしれませんけれども、当方でも運転技士の日ごろの活動については大いに評価しているところでございますので、適正な体制の確保が図られるように、引き続き努めてまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 私たちも議会の調査等でお世話になっております。やはり長距離を運転するととても疲れるのだと、50代の人たちからも話を伺ったりするわけですけれども、そういうことで、私たちの安全もお願いしているわけですので、正規職員の人員補充を要望したいと思います。部長に聞いて、終わりたいと思います。
〇佐藤企画理事兼総務部長 参事から答弁申し上げましたとおりでございますけれども、私もよく長距離の出張の際には運転をしていただき、安全に現地に届けていただいたり、帰りもきちんと予定どおり帰庁することができているということで、県の行政運営をしっかり支えていただいている職種であるということは重々承知してございます。
ただいま要望いただいた内容も受けとめまして、検討してまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 私からは、地域防災力の強化について幾つか質問いたします。
昨年、岩手県では自主防災組織の実態調査が行われました。その内容、特徴はどうなっているのか。また、県は、自主防災組織を強化するために自主防災組織活性化モデル事業に生かしていくというこれまでの答弁でありました。この実態調査を踏まえて、どのような事業、対応をしていこうとしているのか、まず県の対応について伺います。
〇栗澤防災消防課長 自主防災組織の実態調査結果を受けて、県はどのような対応をしていくかというお尋ねでございます。
まず、自主防災組織の実態調査結果について、かいつまんでお話ししたいと思います。
約9割の自主防災組織が自治会と同一組織となっていること、約7割の組織が防災に関する研修や訓練を実施し、約8割の組織が防災セミナー等に参加している一方、防災マップや活動マニュアルを作成している組織はそれぞれ約4割となっていること、県でさまざまな研修会を実施しているが、認識度は4割程度にとどまっていることなどが明らかになっております。
今年度、県では、新たな取り組みとして自主防災組織活性化モデル事業を進めております。この事業の概要について簡単にお話しします。
現在、事業を実施するモデル地区、3地区についてでございますが、岩手大学及び東北大学災害科学国際研究所と具体の内容を調整している段階でございますけれども、県内3地区として、二戸市、陸前高田市、矢巾町を選定して、事業の内容について調整を進めているところでございます。
大学、市町村等と連携してワークショップ等を開催しまして、地域住民が主体となって、まち歩き、防災マップづくりや防災訓練を行い、自主防災組織の立ち上げや活性化につなげるといったことを行おうとしているものでございます。
〇高田一郎委員 モデル事業については3地区を設定して、全県にその教訓を広げていくということだと思うのですけれども、今回の実態調査自体については、今、説明があったように、約9割が自治会組織と同一とか、約6割が防災マップをつくっていなかったとか、今まで、自主防災組織の組織率が86%で非常に高いということでいろいろ議論がありましたけれども、この実態調査を行って、いろいろな課題が浮き彫りになったと。そういう意味ではなかなかいい調査だったのではないかと思います。それを教訓に、実態調査を踏まえて自主防災組織のさらなる強化に向けてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
それで、西日本豪雨災害でも、ハザードマップを作成しても、実際、岡山県の真備地区については犠牲者が40人も出ると。被害想定されても、住民と行政とのギャップがある。これをどう埋めるかということが行政の、地域の課題ではないかと思うのです。
私は、この調査結果を踏まえていろいろ感じたのですけれども、ワークショップとか防災訓練などを繰り返し、繰り返し行うということが非常に大事ではないかと思いますし、検討委員会のメンバーの皆さんも共通して、そのためには地域のコミュニティーを強化しなければならないのだと。これは総合防災室だけで対応できる問題ではないと思いますけれども、地域のコミュニティーが強いところと弱いところでは、災害対応にも大きく影響してくるというのは、この間の各地の災害で起きている被害の実態からも明らかだと思うのです。
それで、県として、コミュニティーをどう強化していくのかという点が非常に大事だと思うのですけれども、この点について専門家もいろいろな指摘もされていますし、県として、どのような点について対応しようとしているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇栗澤防災消防課長 委員御指摘のとおり、自主防災組織の基本は地域のコミュニティーであると感じております。
私どもとしましては、コミュニティーづくりのさまざまな事業、活動の中で、防災とセットで取り組みができないかと考えておりまして、政策地域部のコミュニティー担当部門と連携して、今月開催します地域づくりフォーラムに防災の視点で自主防災組織の代表にも参加いただいて、事例発表等をしていただくことで調整を進めております。
〇高田一郎委員 地域に行きますと、コミュニティーが非常に弱くなっている中で、災害対応に取り組めば、弱くなったコミュニティーをもう一度強くすることができる。災害の話になると、命にかかわることなので、やはりみんなが集まってくる。そういう防災から仕掛けてコミュニティーを強くすれば、日常のお年寄りの見守りなどにもつながっていく。そういう意味ではコミュニティーの強化というのは非常に大事なことなのではないかと思います。
それで、今まで自主防災組織の組織率を高めるということにかなり力を入れてきたと思うのですけれども、さっきのコミュニティーを強化するという点で、自主防災組織を含めた防災訓練の参加状況が、どのようになっているのか、あるいはどれだけ地域の自主防災組織の皆さんがワークショップをしているのか。決算審議の資料ではただ単に組織率のことばかり数字が出るのですけれども、どれだけの県民がこういう活動に参加しているのかというものをしっかり県も把握して対応していくべきではないのかと思います。
もう一つお伺いしたいのは、今、地域の方々がどんどん高齢化しております。地域で支え合えと共助ということを強調されても、なかなか大変な面があります。地域にある事業所とか、中学生とか高校生とか、そういった方々がこういう活動に参加していく、こういう取り組みがあわせて必要ではないかと思いますし、高校生たちがそういう地域の防災力になっていくということで、地域の防災力のアップ、強化につながっていくと思いますので、その辺の視点が非常に大事なのではないかと思いますが、その点についても改めてお聞きしたいと思います。
〇栗澤防災消防課長 自主防災組織を含めました防災訓練等の参加状況についてでございます。
県内の自主防災組織が行う防災訓練等への学生や事業所の参加についてはデータ的には把握しておりませんが、例えば花巻市の松園4丁目地区ですとか、一関市の山目地区、陸前高田市の長部地区等で学生が参加した防災訓練が実施されているところでございます。
また、県では、地域や小、中、高等学校の要請に基づき地域防災サポーターを派遣し、地震、豪雨災害、土砂災害発生時の行動についてや、自分で自分の命を守ることについてなどの講演を行っており、平成29年度の県内の学校での開催実績は10校で734人の方々に聴講していただいております。
今後においても、各種の要請に対し地域防災サポーターの派遣を行うとともに、自主防災組織が行う訓練等への学生、企業等の参加について、市町村の担当者等が参加する会議において働きかけを行うなど、将来のリーダー候補となり得る学生等の育成に努めていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 自主防災組織の組織率だけではなくて、その中身をよく把握して対応するということが大事だと思います。
今、地域防災サポーターのお話も出ました。この点についてもお聞きしたいと思いますけれども、今後の災害対応を考えていくときに、地域防災サポーターの果たす役割というのが非常に大きいと思います。
今回の実態調査では、その認知度について、73.9%が知らないと。活用したことがないというのが87.4%ということです。これからますます役割が大事になっているときだと思うのですが、こういう状況になっているのはなぜなのか。岩手県には41人の地域防災サポーターがいて活動していますけれども、この活動状況についてどうなっているのか、その点について示していただきたいと思います。
〇栗澤防災消防課長 地域防災サポーターの認知度についてでありますが、地域防災サポーター制度は平成25年度から開始した取り組みでございます。初年度は派遣回数9回、受講者数695人でございましたが、昨年度は、実績として派遣回数が44回、受講者数は2、537人まで増加しているところでございます。
また、地域防災サポーターについては、県内において、防災に関する資格や経験を持つ自主防災組織のリーダーの方や防災士、消防職員OBを随時登録しているところでございます。
今、委員からお話がありましたとおり、認知度が低いという結果が出ているところでございますが、県の自主防災組織リーダー研修会や自主防災組織連絡会議等で出前講座の周知を図るとともに、サポーターの派遣申請を行う窓口となっております市町村担当課にも、積極的な活用について働きかけを行っていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 岩手の地域防災サポーターについては、今、説明があったように、年々、派遣回数も受講者もふえてはいます。ただ、今お話があったように、平成29年度の派遣回数は44回ですから、サポーターの人数が41人にしては、せっかくこういう制度があるにもかかわらず、1人年1回程度対応しているという状況であります。認知度を高めて、地域防災サポーターの人的体制も強化して、もっと活躍してもらえるような取り組みが必要ではないかと。実態調査でも、認知度も低いというのもありますけれども、そういった人たちがぜひ来て勉強したいのだという調査結果にもなっていますので、これをどう高めていくか、強化していくかということと、大きな災害になればなるほど自主防災組織の役割というのはこれから大変大きくなっていくと思いますので、自主防災組織一つには防災士が1人ぐらいいるような高い目標を掲げて取り組んでいく必要があるのではないか思うのですけれども、その点についていかがでしょうか。
〇佐々木総合防災室長 今、自主防災組織への防災士の配置のお話がございました。防災士につきましては、防災に係る一定の知識、技能を習得して高い意識を持っており、本県でも資格取得者が増加しているほか、日本防災士会岩手県支部が設けられていて、防災士同士のネットワーク化も図られているということがございまして、防災士の皆様に対しましては、地域主体の防災活動を推進する人材として期待しているところでございます。
このため、県では、先ほど来お話が出ております地域防災サポーターに県内の防災士20名の方に登録していただいておりまして、地域の要望に応じて派遣しているところでございます。今年度につきましては既に18回、防災士の方に地域の活動を支援していただいておりまして、本県における自主防災組織の活発化に大きな役割を担っていただいているところでございます。
また、今年度は、新たに日本防災士会岩手県支部に、11月に実施いたします県の総合防災訓練に参加いただくことで、今、調整を進めております。今後におきましても、市町村や日本防災士会岩手県支部等と連携を図りながら、住民への防災知識の普及や自主防災組織の活性化などにおきまして、防災士の皆さんと連携しながら地域の防災力を高めていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 今度の実態調査を終えて自主防災組織活性化検討会議が開かれて、その委員の発言などもここに載っております。むすびというところで三つの点をまとめておりまして、自主防災組織の活性化、二つ目は地域の人材の活用や情報の共有、三つ目は自主防災組織に対する財政支援、こういうことが大事だということが強調されております。ぜひ、来年度に向けて自主防災組織が元気に活動できるような、財政的な支援も含めた対応をしていただきたいと思います。
最後に、防災ヘリの安全対策、安全性について質問したいと思います。
岩手県の防災ヘリの運航会社が、この間、不適切な運航計画を行っていたということが内部調査で明らかになって、メディアでも報道されました。これは、8月に群馬県で防災ヘリが墜落した事案がありましたけれども、同じ会社だということも伺っております。
岩手県の防災ヘリというのは安全対策というのが本当に万全なのかということ。そして、他県の状況を見ますと、対地接近警報装置─近くに、目の前に山があれば、それを動画で、あるいは音声で発信して安全対策に結びつけるという安全装置をつけている自治体もふえていると伺っております。
岩手県にお伺いしますと、この装置は設置されていないということもお聞きいたしました。県として、安全対策を強化する上で、こういう装置も設置を検討すべきではないのかと思います。あわせて、岩手県の防災ヘリの運航状況はどうなっているのか、まとめてお聞きいたします。
〇栗澤防災消防課長 3点ほどお尋ねがございましたけれども、防災ヘリの運航状況について、最初にお話を申し上げます。
本県の防災ヘリひめかみの平成29年度の運航状況は、出動件数が264件で、運航時間は約270時間となっております。
その内訳としましては、火災出動や救助出動などの災害業務が100件で106時間、調査、撮影や訓練等防災業務が43件で43時間、他都道府県応援業務が4件で7時間等となっております。
それから、不適切な運航計画についてでございます。岩手県で委託しております東邦航空株式会社に確認しましたところ、不適切な飛行計画については、群馬県と同じような事例はあるという報告を受けております。
具体的な例としましては、航空法によりますと、離陸から着陸までをワンフライトとして飛行計画を通報する規定となっておりますが、例えば、救助の事案で要救助者を救助した後、付近の場外離着陸場に着陸して消防等に引き継ぐ場合での着陸、あるいは林野火災の事案で、現場指揮者を防災ヘリに搭乗させるため付近の離着陸場に着陸した事例などがございます。東邦航空によれば、着陸してもエンジンを切らない場合はワンフライトであると認識して処理をしていたものでございます。
県としましては、8月16日に消防庁から通知が出されておりまして、東邦航空に対しまして是正指導を行ったところでございます。
飛行計画につきましては、県防災航空センターの所長が最終確認する取り扱いに変更したところでございます。それ以外にも、8月22日に私どもが直接現場に立入検査を行いまして、18項目にわたる総合的な点検を実施しております。8月17日以降は、飛行計画についてはきちんと改善していることについて確認したところでございます。
最後でございますけれども、防災ヘリの安全対策で、対地接近警報装置の搭載についてでございます。
本県の防災ヘリについては、現時点で対地接近警報装置は搭載してない状況でございます。国が搭載を推進しているフライトレコーダーやボイスレコーダーについては搭載している状況でございます。
全国的には、静岡県や宮崎県などが対地接近警報装置を搭載している状況でございます。先日、死亡事故が発生しました長野県では、平成32年度に新たに整備する防災ヘリへの搭載を決定していると伺っているところでございます。
対地接近警報装置につきましては、夜間や霧などの見通しが悪い中での運航には有用性があると認識しているところでございます。一方で、本県の防災ヘリの場合は夜間飛行は行いませんので、有視界飛行のみの運航であることですとか、あるいは他県の防災ヘリの装備状況、国の財政支援等を踏まえながら、より安全な運航が可能となるような対策を検討してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 防災ヘリについては昨年度は264件、270時間で、平成27年度は305時間ですから、300件前後活動しているということです。これから、恐らく頻発する自然災害とか、登山者がどんどんふえる傾向にもありますし、緊急搬送とか、防災ヘリの果たす役割も大変大きいと思っているのです。
それで、過去10年間の自治体防災ヘリの事故を見ても、2009年に岐阜県、2010年には埼玉県、2017年には長野県、2018年には群馬県ということで、群馬県では9人が亡くなるという痛ましい事故でありました。航空法上は義務ではありませんけれども、こういった最近の事故を受けて、内部で検討して設置するという自治体もふえています。ですから、全国の経験にも学んで、内部でもぜひ検討していただきたいということをお願いしたいと思いますが、その点について部長から最後にお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
〇佐藤企画理事兼総務部長 防災ヘリの安全運航については、今回、群馬県の事故を受けまして、委託会社である東邦航空にも直ちに確認の手続をとりました。また、私のほうからも部長名で安全運航についての通知も発出し、さらに現地に行って立入検査等もしたということでございます。
今お話があった対地接近警報装置については、現在、搭載はしておりませんが、やはり防災ヘリの安全運航に向けていろいろと検討していかなければならないと思いますので、そこは他県等の動向等、先ほど課長から答弁した内容について、県としても検討してまいりたいと思います。
〇福井せいじ副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇福井せいじ副委員長 質疑がないようでありますので、これで総務部関係の質疑を終わります。
総務部の皆さんは退席されて結構です。ありがとうございました。
次に、秘書広報室長に秘書広報室関係の説明を求めます。
〇高橋秘書広報室長 平成29年度の秘書広報室関係の決算について説明申し上げます。
初めに、秘書広報室所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針について説明いたします。
当室においては、いわて県民計画及びふるさと振興総合戦略に基づく県の重要施策や、岩手県東日本大震災津波復興計画に基づく復興の取り組み等について、県民に適時的確にわかりやすく伝え、県民の理解や積極的な参画、協働を促進する、県民の安心と希望につながる広報に取り組みました。
また、復興支援に対する感謝や復興に取り組む岩手の姿、岩手の魅力を県外に向けて重点的に発信し、震災の風化防止や復興への継続的な支援、岩手のイメージアップと岩手ファンの拡大につなぐ広報に取り組みました。
今後の業務推進に当たりましては、主に県内に向けては、復興とふるさと振興を進める重要施策や、現在、策定に取り組む次期総合計画を丁寧に周知していくとともに、ILC─国際リニアコライダーなど、未来へ向けた岩手のさまざまな可能性を力強く発信してまいります。
また、県外に向けては、震災の風化防止、復興への継続的な支援につなげるため、引き続き、復興に取り組む岩手の姿や岩手の魅力を重点的に発信していくとともに、復興支援などを通じて育まれた多様なつながりを生かし、ラグビーワールドカップ2019釜石開催や三陸防災復興プロジェクト2019の成功と、岩手のイメージアップにつながるよう、各部局等と連携し、効果の高い広報を展開してまいります。
それでは、当室関係の決算について、歳入歳出決算書により説明申し上げます。
12ページをお開き願います。秘書広報室に係る決算は、2款総務費2項企画費の支出済額104億5、836万円余のうち4億9、454万円余であり、不用額は642万円余であります。
以下、決算の内容について、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により説明いたします。
なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に説明いたしますので、御了承願います。
歳入歳出決算事項別明細書の168ページをお開き願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費のうち、169ページ備考欄の秘書広報室の管理運営費は、人件費及び一般管理事務費です。次に、170ページにお進み願います。3目広聴広報費の主なものですが、右側、備考欄2行目の県政広報事業費は、県の重要な施策等について、いわてグラフなどさまざまな広報媒体を通じて広く県民に周知する県内向け広報に要した経費であります。3行目のいわて情報発信強化事業費は、復興に取り組む岩手の姿や岩手の魅力を県外に発信し、震災の風化防止や復興への継続的な支援につなげるとともに、岩手のイメージアップを図るため、PR用のポスター、動画の制作等に要した経費であります。4行目のいわて県民参画広報事業費は、県民が多様な視点で主体的に広報活動を行うことにより県全体の情報発信力を高め、岩手の魅力をより一層強力にPRするため、県民が制作した岩手のPR動画を表彰するいわて動画コンテストの実施やPR活動に対する補助に要した経費であります。また、5行目のいわての魅力重点発信事業費は、岩手県とつながりの深い東海地方をターゲットとして岩手ファンの一層の拡大につなげるため、ケーブルテレビ番組の制作やプレスツアーの実施など、集中的な情報発信活動に要した経費であります。
以上で秘書広報室関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇福井せいじ副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 それでは、知事のトップマネジメントを支える秘書広報室の取り組みについて。
次期総合計画の策定における知事の指示なり取り組みをどのように支援してきたかを示してください。
〇高橋秘書広報室長 次期総合計画について、庁内においては、政策地域部を中心に、知事との協議や業務説明、あるいは政策会議等での検討を重ねて策定を進めているところであります。
こうした過程において、秘書広報室においては、知事の意を踏まえまして、まず秘書部門では、政策的な優先度等を考慮し知事日程を調整しております。また調査部門では、知事の政策判断に資する情報の収集を初め、各部局が知事から受けた部局横断的に検討すべき事項などについて、改めての指示の伝達や情報提供等、庁内における情報の共有や部局間における連携が図られるようさまざま取り組んでいるところであります。
また、広聴広報部門においては、外部有識者からの意見聴取ですとか、通告をいただいておりましたが、県政懇談会で出席者からいただいた提言等について全庁に提供しているところであります。
今後におきましても、知事の意向等に即して機動的に対応し、各部局への伝達、調整等を迅速に行うなど、全庁的な政策、施策の形成、推進に寄与するよう努めてまいります。
〇斉藤信委員 次に、市町村長との対話、懇談の状況について毎回お聞きしていますが、昨年度、今年度の状況と特徴はどうなっていますか。
〇藤澤秘書課総括課長 知事と市町村長との懇談の実績についてでございますが、平成29年度は、秘書課として把握している分で13回、延べ16市町村長との懇談を行っておりまして、そのうち、例えば30分以上の懇談につきましては11回となっております。今年度はこれまでに11回、延べ21市町村長との懇談を行っておりまして、そのうち30分以上の懇談は6回となっております。
今後におきましても、引き続き関係部局と連携し、知事が出張等で市町村に出向いた場合や、市町村長が県庁に来られた場合などさまざまな機会を捉え市町村長との懇談の機会を設定するとともに、できるだけ多くの懇談時間を確保できるように配慮してまいります。
〇斉藤信委員 昨年は13回のうち11回は30分以上の懇談だったと。しかし、ことしに入ったら、11回のうち30分以上は6回、そして、11回のうち現地視察等で懇談したというのは6回なのです。せっかく副知事2人体制にしたのに、知事の市町村長とのこういう懇談が薄まっているというのはいかがなものかと。私は、現地視察のついでに説明、話を聞くというのではなくて、ひざ詰め合わせて、地方政治の最前線で苦労し、さまざまな問題意識を持っている首長との懇談というのは、もっと中身のあるものにすべきだと思いますけれども、室長、どうですか。
〇高橋秘書広報室長 知事からは、かねてより、市町村長との個別の意見交換の場についてはタイミングを見て設定するよう指示を受けておりまして、先ほど、秘書課総括課長が答弁したとおり、そういった機会の確保に努めてまいりたいと思います。
なお、先ほど、副知事2人体制についてのお話もいただきましたけれども、副知事につきましては、本年、これまでの実績として、副知事2人合わせ、54回を数える市町村長との懇談等の機会を設けておりますので、そういった分では、県トップと市町村長との忌憚のない意見交換が昨年より以上に行われていると考えております。
〇斉藤信委員 副知事2人で54回ですか。私は、それはそれで評価したいと思うけれども、知事と首長との懇談というのも、さらに一層濃密なものにしていただきたい。
次に、県政懇談会についてですけれども、昨年度、今年度の特徴と、それに対する県の対応、特に震災復興も8年目を迎えて、あと9年目、10年目と本当に大詰めを迎えている中で、被災者との懇談というのも設定されるべきではないのかと私は思いますが、いかがですか。
〇佐々木広聴広報課総括課長 初めに、特徴と県の対応状況についてでありますが、県政懇談会は、復興やふるさと振興、未来を切り拓く取り組みを主要テーマに、対象を一般と若者、女性、大学生等に分けて開催しております。
平成29年度は、東日本大震災津波や平成28年台風第10号災害からの復興の進捗状況を踏まえ、復興や復興の先を見据えた地域振興に取り組む意識の醸成が図られるよう懇談テーマや出席者を選定し、沿岸地域及び内陸地域で各6回、合わせて12回開催しております。
平成30年度につきましては、平成29年度の取り組みに加えまして、次期総合計画に関する県民の機運醸成につながるよう配意し、これまでに沿岸地域で5回、内陸地域で2回、合わせて7回開催しており、年度内に計12回開催することとしております。
出席者からは、進学や就職で地域外に出ていく若者に地元の魅力を認識してもらうような取り組みが必要であるとか、復興支援に来ていただいた方や移住希望者の宿泊場所や居住場所の確保が必要、震災で壊れてしまったコミュニティーづくりが大きな課題といったような提言が出されておりまして、平成29年度に寄せられました73件の提言中、提言に沿って措置したもの、実現に向けて努力しているものを合わせて72件、平成30年度につきましては、取りまとめが終わっている6月末現在で、15件の提言全てについて、提言に沿って措置または実現に向けて努力しているところです。
それから、被災者との懇談ということでございますが、主要テーマの一つに復興というものを掲げており、沿岸地域で開催する懇談会には、みずからが被災し、事業再建等に向けて取り組まれている方のほか、生活支援相談員など被災者支援を行っている方などにも出席いただき、被災地域全体の復興に向けた幅広い意見交換とするように取り組んでいるところでございます。
〇斉藤信委員 私は、被災地、被災者の現場できちんと声を聞く場も必要なのではないかという提起をしたので、受けとめて、ひとつ具体化をしていただきたい。
最後です。希望郷いわて国体、希望郷いわて大会ホームページに係るドロップキャッチについて。
実は、開催後1年を経過して、いわて国体のホームページのドメインが乗っ取られまして、いかがわしい画面が出てくるという状況が、残念ながら解決されないままに来ていると。聞きましたら、これは、最初は保健体育課ですか、今はスポーツ振興課の所管だというのだけれども、しかし、いわて国体のホームページということになると、岩手県そのものの広聴広報なわけです。なぜこういうことになったのか。県内部でのきちんとした情報交換、対策というのはとられてなかったのか、そのことをお聞きしたい。
〇佐々木広聴広報課総括課長 今回のケースにつきましては、県のホームページとは別に希望郷いわて国体・希望郷いわて大会実行委員会が開設しましたホームページに関する事案であり、同実行委員会がホームページを廃止し、県の情報セキュリティーポリシーに基づいてサーバーを適切に処理したものの、当該ホームページのドメインをある民間事業者が再取得し、いわて国体のホームページと誤解させるような体裁で、いわて国体とは無関係の情報を掲載しているものとなっております。
ドメイン取得者によりますホームページの掲載内容につきましては、例えば国体マスコットの無断使用などの問題がありまして、文化スポーツ部において弁護士とも相談の上で、ドメイン取得者に警告文を送付するとともに、県ホームページやツイッター等には、当該ホームページは岩手県帰属のものではない旨を掲載し、注意喚起を行ったところであります。
こうした県関連イベントで開設したホームページのドメインが、イベントの終了後に第三者に再取得され悪用されているということにつきましては、県の広報を担当する私どもとしても問題があると認識しており、今後、同種の問題が生じないように、庁内関係部局に今回の事例について情報提供を行うとともに、その予防と、事案が生じた場合の速やかな対応につきまして注意喚起してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は、この対応についてという文書をいただいたのだけれども、こう言っているのです。利用期間満了後、一定の期間を経過すれば誰でもドメインを再取得できるようになっており、別の者が再取得─ドロップキャッチの上、いわて国体のロゴやキャラクターをコピーし、公開しているということだと。
これは、こういう情報に詳しい人には常識なのです。利用期間を国体終了後わずか1年しかドメインを設定してなかったというのがミスです。大体5年とかでやるというのが常識で、本当にこれはお粗末な対応だったし、私は、専門家に指摘されて調べたのだけれども、これを本気で削除しようと思ったら100万円以上かかりますよと。専門家はそれなりの手だてをとってやるのです。幾ら著作権法違反と言ったって画面は消えないのですから。だから、そういう意味でいくと、私は、これは県政に大きな損害を与えた問題だと思います。所管の部や課には情報政策課もあるし広聴広報課─とりわけ全国的な意義を持つ大会のホームページですから、そういう点については、私は、今回の問題は、責任を明らかにして、処分しろとは言いません。しかし、そういうことはあってはならないことだから、はっきり責任も教訓も明らかにして、今後に生かしていただきたい。室長に最後に聞いて、終わります。
〇高橋秘書広報室長 こうした事案を防止するために、例えばドメインの登録有効期限の更新切れだったりとか、そういったものにはこれまでもきちっと注意が払われてきたかと思いますが、今回はホームページが廃止された後のことということで、なかなか注意が至らなかったとか、あるいは責任の所在が不明であるとか、さらには、今、有効手段がないといった状況かと思っております。
しかしながら、そういった悪用は県のマイナスイメージになるものですから、何とか対処しなければならないということで、この事案につきましては、今現在、担当部局のほうで弁護士等と相談して対応を進めているところですが、いずれ、こういったものを再発させないということで、先ほど委員からお話があったとおり、ドメイン、権利を全く放棄するのではなくて、5年間ほど保持するといったような対策も一般的にはあるわけですけれども、今回の場合、廃止後であっても、その維持に経費はかかるとか、そもそも実行委員会は廃止した組織になるものですから、その後どう引き継ぐのか。この問題に限らず同じような問題があって、どういった対応が県として合理的なのかということを、社会全体でのこういった案件に対する対処状況も見ながら、今後研究していく必要があると思っておりまして、先ほど、広聴広報課総括課長が答弁したとおり、注意喚起を図りながら、そういった対応についても関係部局等と研究してまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 関連。
今、斉藤委員から出ました部分について、関連して質問させていただきます。
ほかの自治体も同じようにドメインを乗っ取られて、市のサイトそっくりの観光案内が掲載されるというのもありました。
ちなみに、政府機関におけるドメインの移行方法については、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室のドメイン管理ガイドでは、旧ドメインを1年以上運用して新ドメインの案内を行って、少なくとも旧ドメインの運用停止後一定期間、旧ドメインの所有を行って、利用者が検索サイト等を経由して不正なウエブサイトに行かないようにするというのがあります。
それはそうなのですけれども、例えば.comであれば誰でも取れるわけで、公的機関しか取れないlg.jpへの移行も進めているところなのですけれども、その辺の考えはどうなのでしょうか。
〇佐々木広聴広報課総括課長 今回の岩手国体のホームページにつきましては、当該実行委員会により開設しましたホームページを廃止した後は、県のホームページの中に内容を移管しまして、こちらの新しいドメインに移行しているという案内はしておりました。
ただし、今、委員から御指摘がございましたような、1年間、旧ドメインを存置して、そういった対応をするということではなかったと承知しております。
〇高橋但馬委員 アクセス数が国体のときに多かったドメインというのは、今でもやはり高くて、開いたらすぐ、4番目ぐらいに出ている状況なので、今後、例えば北海道で地震の災害があって、そこのサイトに載せて義援金を募ってお金を取られるという詐欺の温床にもなると思いますので、その辺はしっかりと気をつけてやっていただきたいと思います。最後に、室長からよろしくお願いします。
〇高橋秘書広報室長 政府の対応について、そこまで承知しないで先ほど答弁しておりましたが、廃止時のドメインの管理ということに加えまして、今、委員からお話がありましたように、もともとのドメインの設定で、公的な団体のサブドメインであるとか、それでも検索しやすいような形での設定という工夫も必要かと思いますけれども、そういったこともあわせまして、今後の対応について研究、また各部局へ周知徹底してまいります。
〇福井せいじ副委員長 おおむね再開後2時間が経過いたしますので、この際、世話人会の申し合わせにより暫時休憩いたします。
午後5時28分 休 憩
午後5時52分再開
〇福井せいじ副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇飯澤匡委員 決算審査は、私たちは今任期は最後なので、当該委員でありますけれども、1点だけ確認をさせていただきたいと思います。
広聴活動費2、500万円余、いわて情報発信強化事業費についてお伺いします。
知事は、ニコニコ動画を採用して、長い間活用しております。それで、情報発信媒体として長期間継続しているわけですが、その理由─以下、ニコ動と言いますけれども、ニコ動に関する費用はどれぐらいかかっているのか、それを示していただきたいと思います。
〇高橋秘書広報室長 私からは、まず採用した経緯について答弁させていただきます。費用については、後ほど広聴広報課総括課長から答弁させます。
今、御案内がありました、インターネットでのニコニコサービスにいわて希望チャンネルの名称で県の公式チャンネルを開設しまして、平成25年11月から、ほぼ定期的に配信を行っているところであります。
当時、震災からの復旧、復興の状況や支援に対する感謝を伝えるとともに、また、今後の継続的な支援ですとか震災の風化防止、岩手のイメージアップに向けた新たな広報を構想する中で、インターネットを通じて、特に若者を対象に、復興に取り組む岩手の姿や岩手の魅力等を知事が直接情報発信することを狙って、その手法等について検討したものであります。
ニコニコ生放送、ニコ動のほか、同種のインターネットサービスも比較、検討しまして、一つとして、このニコニコサービスが視聴者との双方向のコミュニケーション機能を有していること、また、こうした機能が魅力でありました。二つ目として、相当規模のユーザーがあり、広く浸透が見られること、当時のニコニコサービスの一般会員は大体3、100万人以上というようなデータがあります。また、3点目として、インターネット環境があれば、配信側、受信側─視聴者側の双方において無料でサービスを利用できることなどといった点から、このニコニコサービスを採用することとしたものであります。
その後、継続している点につきましては、依然としてユーザーが相当を占めておるといったことですとか、あるいはこういった配信について担当課においても一定のノウハウを積んでいるということで、当面、配信内容の改善、工夫等に取り組みながら事業を継続していくといったような考えでおります。
〇佐々木広報広聴課総括課長 ニコニコ生放送を実施するに当たりまして、その経費ということについてのお尋ねでございますが、放送を開始するに当たりましては、先ほど室長からも答弁いたしましたが、いわて希望チャンネルという名称で県の公式チャンネルを開設しております。この開設経費は無料でございます。そしてまた、配信にかかる経費も無料になっております。
毎回の配信作業につきましては職員がみずから行っておりまして、また、パソコンなどの配信機材は既存の備品等を活用して放送を開始したところでございます。
現在、県庁からの定期放送の経常経費といたしましては、司会者の謝金のほかには、ゲストが出演する際の旅費がかかるということでございます。また、イベント等の県庁外からのインターネット配信に関しましては、別途、会場でのネットワーク回線の敷設費用等が必要となることもございまして、昨年度は6回のイベントで役務費5万円余、委託料82万円余を執行しております。それ以外の旅費とか機器の更新費用等を合わせ、平成29年度のニコニコ生放送の関連経費といたしましては244万円余となっております。
〇飯澤匡委員 全くいいことを随分並べていただきましたが、そのニコ動のユーザー3、100万人のうち、このいわて希望チャンネルの放送を見たという人は何人いるのですか。
〇佐々木広報広聴課総括課長 視聴者についてでございますが、定期放送での視聴者、これは来場者という言い方もいたしますけれども、放送初回から第10回までは最大で1、087人、最少で470人、平均で744人でございました。直近の10回の数字でございますと、最大で1、042人、最少で223人、平均で365人という数字になっております。
〇飯澤匡委員 その件は、来場者をカウントしたということですか。イベントの来場者はユーザーをカウントしたという意味ですか。
〇佐々木広報広聴課総括課長 済みません。ちょっとわかりにくい説明になってしまいましたが、ニコニコ生放送の中で、いわゆるライブでインターネット放送を視聴している方を称して来場者という言い方をしているものでございます。
〇飯澤匡委員 ただいまの数字はかなりの数字だと思いますが、いずれ、設備投資については無料だということでした。
どうなんですか、3、100万人と随分胸を張って言いましたけれども、この費用対効果についてはどう考えますか、室長。
〇高橋秘書広報室長 現在、いわて希望チャンネルでは、知事等が出演する月1回程度の定期放送と、県が行う各種イベントの生放送を随時実施しておりまして、平成29年度ですと、定期放送を10回、イベント会場からの配信を13回実施しております。
費用対効果というお尋ねですが、費用については、先ほど広聴広報課総括課長からの答弁のとおりでございます。
また、放送の内容等についてでありますが、まず、定期放送では、復興の状況を初めILC誘致等の県政の重要課題を取り上げるほか、いわて国体、いわて大会あるいは全国知事会議の開催等、全国に向けて県政情報のタイムリーな発信に努めてまいりました。
また、イベントの放送につきましては、イベント担当部局と調整しながら、例えば県内外で開催しましたいわて三陸復興フォーラムですとか、いわて若者文化祭などの模様を生放送し、会場に来場できない方へ視聴機会を提供しますとともに、イベントに連なる県の政策のPR等に努めたところでございます。
毎年、3月11日に開催されます合同追悼式も配信しておりまして、昨年度は銀座のいわて銀河プラザでも放映しまして、その場で黙祷を捧げる方もいらっしゃったなどの反響もあったと聞いております。
こうした取り組みに対して、先ほど申しましたとおり一定の視聴は得ておりまして、さらに、こういった取り組みを契機としまして、ニコニコサービスと連動しました全国的な大規模イベントに岩手県も出展しまして広くPRに努めておりますほか、このイベントの地域振興版イベントがこれまで県内3カ所で開催されておりまして、開催地では県内外からの誘客を得るなど波及効果が見られます。
こうした成果について、直接的な費用対効果ははかりがたいところでありますが、継続的な発信による本県への理解の促進など、県の広報媒体としての成果を上げているものと認識しております。
〇飯澤匡委員 問題意識を言う前に、東京での収録は、さっき言ったいわて銀河プラザだけですか。定期的な収録というのはどこでやっているのですか。
〇佐々木広報広聴課総括課長 定期放送につきましては、県庁内で放送を行っておりますので、基本的に県外等で定期放送を行うことはございません。
それから、イベントの配信につきましては、それぞれのイベントを行う会場に出向きまして、そこに回線を敷設して、そこから放送しているということですので、特に新たにスタジオでそういった収録をしているというものではございません。
〇飯澤匡委員 言いたいことはいっぱいあるのですけれども、問題意識として、まず、秘書広報室に関して、ニコ動を一つの例に挙げましたが、政策評価的なもの、指標的なものはないわけです。全くないのです。いわゆるアンタッチャブルになっているのです。
この件について、秘書広報室広聴広報課と秘書課は監査されていますが、おおむね何も問題はないと。ところが、今言った内容を聞いても、胸を張って効果は出ていると言うけど、実際問題、100人単位じゃないですか。双方向でやれるといったって、私が聞いた話によると、プレゼントの応募をして、きょうは知事さん、プレゼントの応募はありましたかと言ったら、全然来てませんという状況で、双方向でしていて、ゼロというのはどういうことですか。プレゼントを要らない人というのはいるのでしょうけれども。
こういうところに結果が出ていて、結局、要するに治外法権化されているわけです。今言った内容についてもほとんどの人はわからないし、ニコ動を見るというのは、ユーチューブよりいろいろな手続が煩雑で、今は大分よくなったけれども、ブラウザから検索して見ると、接続は結構面倒なのです。県庁のホームページに行けば別ですよ。だから、一定のトップマネジメントとしての広報媒体として本当に効果があって、それを逐次見直してやっているのかどうか。これは一旦採用したからよかろう、関係も築いてきてノウハウも蓄積したからよかろうと。でも、結果を見たら、そういう状況じゃないですか。これは、新たにしっかり検証してやらなきゃいかぬと思うわけです。本当はもっときつくやりたいところですけれども。
東京に行ったときも、皆さん方で設営するからというので、フェイスブックを見たら、ここにいらした方が随分いました。それだけ大挙して押しかけていく費用が本当に必要なのかどうかということも含めて、しっかり反省といいますか、検証して─室長は冒頭言いました、効果の高い広報と。これは、私が見た感じでは、そんなに効果が上がっているとは思えないから、ここで聞いているわけです。
今後の取り組み方について、どういう方策で自分たちを自己評価して、外部評価も入れながら、この広報媒体のあり方についてどういう作業をされる予定なのか。ずっとやるというならいいですよ、それでも。執行権の一つの範疇だと言われれば、そのとおりだけれども、いずれ、トップマネジメントを支えるということで、議会側もなかなか手を出せない。今の事業の中身についても、聞かないとわからない。資料としても出てこない。私も客観的な話から出して、きょう、質問しているわけだけれども、そこら辺は広報媒体として適切なのか。適時適切という話も出ました。その点に従ってやってもらう必要があると思うのですが、室長、今後の取り組みについて、どうしますか。
〇高橋秘書広報室長 県の広報としましては、県政広報誌のいわてグラフ、この前身は昭和24年11月からだったと思いますが、こういった紙媒体、県政番組いわて!わんこ広報室などの電波媒体、さらにはツイッター、フェイスブックなどさまざまな媒体を活用して広報を展開しておるところでありますが、こういった媒体の活用や発信内容については、そのままというのではなくて、当然、効果等も見きわめながら自己評価し、見直していくべきものと考えております。
ニコニコ生放送については、インターネットを活用した、特に若者を対象としたものとして、今持っている媒体では唯一のものでありますが、先ほど答弁したとおり、視聴者数は低下傾向にあるといったところも踏まえまして、発信内容ですとか、やはり工夫は重ねていかなければならないと思っております。
また、サービスの利用については、無料とは言いながら、発信に対して経費等がかかっているのではないかという御指摘については、そのとおりでありまして、私どもでも効率的な取り組みとなるよう、取り組みを見直していきたいと思っております。
〇福井せいじ副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇福井せいじ副委員長 質疑がないようでありますので、これで秘書広報室関係の質疑を終わります。
秘書広報室の皆さんは退席されて結構です。ありがとうございました。
次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。
〇高橋会計管理者兼出納局長 出納局関係の決算について御説明申し上げます。
便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
最初に、160ページをお開き願います。2款総務費1項総務管理費1目一般管理費のうち、出納局関係の支出済額は、161ページ備考欄の中ほどに記載のとおり、管理運営費として5億9、612万円余であり、これは、職員83名分の人件費であります。次に、162ページをお開き願います。一番下、5目会計管理費の支出済額は3億4、216万円余であり、これは、165ページの備考欄上段に記載の収入証紙売りさばき手数料、財務会計システム改修事業費などであります。
次に、ページを飛んでいただきまして、422ページをお開き願います。証紙収入整理特別会計の決算についてでありますが、収入済額の合計は、423ページ2列目下の39億1、125万円余であります。続いて、424ページをお開き願います。支出済額の合計は、425ページ左列下の38億4、119万円余であり、これは、県税並びに使用料及び手数料に係る一般会計への繰出金であります。
次に、449ページをお開き願います。証紙収入整理特別会計の実質収支についてでありますが、5の実質収支額は7、006万円であり、これは、翌年度に繰り越しをしているものでございます。
以上で出納局関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇福井せいじ副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇福井せいじ副委員長 質疑がないようでありますので、これで出納局関係の質疑を終わります。
出納局の皆さんは退席されて結構です。ありがとうございました。
次に、人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求めます。
〇菊池人事委員会事務局長 人事委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、190ページをお開き願います。第2款総務費のうち、9項人事委員会費でございます。予算現額1億5、894万円余に対しまして、支出総額は1億5、687万円余でございます。
内訳でございますが、1目委員会費の支出済額659万円余は、委員3名分の報酬など委員会の運営に要した経費でございます。次に、2目事務局費の支出済額は1億5、028万円余でございますが、これは、職員16名分の人件費及び事務局における任用関係事務、公平審査事務及び給与関係事務等の管理運営に要した経費でございます。
以上で人事委員会関係の決算の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇福井せいじ副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 県職員、教育委員会の教員、職員の超過勤務の実態はどうなっているでしょうか。
教育委員会ではことしからタイムカードなどで客観的な労働時間、出勤時間、退勤時間の把握がなされていますけれども、私は、知事部局も含めて、こうしたガイドラインに基づく労働時間の客観的な把握が必要ではないかと思いますが、人事委員会としてはどのような具体的な改善の指示、取り組みを行っているのでしょうか。
〇蛇口参事兼職員課総括課長 まず、県職員の超過勤務の実態についてでございます。
平成29年度の職員1人当たりの年間超過勤務時間数は195.7時間で、第71回国民体育大会等の業務が集中した平成28年度の219.7時間に比べまして減少したものの、平成27年度の193時間に比べると増加したところでございます。
なお、知事部局本庁におきましては272.4時間と、平成28年度よりも減少しており、教育委員会本庁は247.4時間と、平成28年度に比べれば増加したところでございます。なお、今年度の超過勤務時間数については調査中でございます。
また、二つ目の勤務時間の客観的な把握につきましては、厚生労働省のガイドラインにおいて、使用者の現認かタイムカード等の記録を原則とすることとされているところでございます。そういったことから、ことし8月に県立学校において、岩手県教職員働き方改革プランに基づいてタイムカードが導入されたところでございます。こういった状況を見ながら、当委員会としても、その状況について注視しているところでございます。
また、取り組みについてでございます。当委員会では、超過勤務時間の縮減につきましては、任命権者からの聞き取りや、労働基準監督機関として職権を有する全ての事業場、168事業場に対しまして調査を実施しております。昨年度は、超過勤務時間の多い48事業場と任命権者に対しまして、超過勤務時間の縮減対策について指導等を行ったところでございます。
また、厚生労働省のガイドラインの趣旨を踏まえました勤務時間管理の徹底に引き続き努めるように指導を行ったところでございます。
今後におきましては、ことし6月の労働安全衛生法の改正に伴いまして、職員の健康確保措置の観点から、タイムカード等の客観的な方法による勤務時間の把握が義務づけられましたことから、一層の指導に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 平成29年度の労働基準及び労働安全衛生に関する事業場調査結果の概要というのをいただいたのですけれども、これによると、特に教育職員の時間外勤務について、64事業場に対し文書による指導を行ったと。私がびっくりしたのは、1カ月に100時間を超えた教職員が多数おり、長時間勤務を行った職員に対する医師の面接指導が行われていないという指摘なのです。実際に教育職員の100時間を超える実態というのはどうなっていますか。
〇蛇口参事兼職員課総括課長 教育職員の時間外勤務の実態についてでございます。これにつきましては、当委員会では、労働基準監督機関として職権を有する全て事業場について、前年度の状況について調査しておりますので、最新のものになりますと、平成28年度の状況になろうかと思います。
平成28年度においては、教育職員の時間外勤務につきましては、県立78校に勤務する教育職員のうち、1カ月に100時間を超える時間外勤務を行った教育職員は64校で実数で749名、全体の22%に上るところでございます。
〇斉藤信委員 衝撃的な実態ですよね。749人、22%と、5人に1人以上、100時間以上の勤務があったと。そして、医師の面接指導がなし、100%。これはとんでもないことですよ、100%というのは。なしですから。
まさに無法地帯のような感じがしますが、文書で指導して、その後のフォロー、その改善の状況は把握されていますか。
〇蛇口参事兼職員課総括課長 このことにつきましては、先ほどお話ししたとおり事業場調査を行って、その後の状況につきましては、実際、現場に人事委員みずから赴いていただきまして意見交換を行ったり、また、任命権者とも意見交換を行うなどして、さらに実態を確認しているところでございます。
〇斉藤信委員 ぜひ、この異常な事態が本当に具体的に改善されるように、人事委員会としてもしっかりと、文書に対する指導だけではなくて、現場が改善されるまで指導と監督を強めていただきたい。
もう一つですけれども、職員の年次有給休暇の取得状況はどうなっているでしょうか。
〇蛇口参事兼職員課総括課長 年次有給休暇の取得状況についてでございます。
年次有給休暇の1人当たりの年間平均取得日数は、平成29年度11.6日となっており、平成28年度よりも0.7日増加したところでございます。
なお、主な任命権者別では、知事部局が11.8日、教育委員会が13.8日、警察本部が8.0日となっているところでございます。
〇斉藤信委員 全体で11.6日と、知事部局の本庁は9.8日ですし、警察は8日のみと。20日間の年次有給休暇が基本的にあると思うのですけれども、半分そこそこしか取得できないという労働実態というのは、私は異常ではないのかと思いますし、年次有給休暇は基本的に全て取得できる環境の改善を図るべきだと思いますが、この年次有給休暇の取得について、人事委員会は、この実態をどう受けとめ改善の指導を行っているでしょうか。
〇蛇口参事兼職員課総括課長 年次有給休暇の取得促進についてでございますけれども、まずは職員の給与等に関する報告及び勧告を通じまして、各任命権者に取り組みの強化を促しているところでございます。また、当委員会が労働基準監督機関として実施している事業場調査を通じまして、年次有給休暇の取得状況等の把握を行った上で、各任命権者、各事業場に対しまして、職員の安全衛生の確保について、指導、助言を行っているところでございます。
なお、本年6月に労働基準法が改正されまして、来年4月から年次有給休暇が10日以上付与されている民間労働者に対しましては、5日の年次有給休暇について時季を指定して付与することが義務づけられた状況を踏まえまして、各任命権者に、年次有給休暇の計画的な取得促進等の取り組みを一層強化するようにということで、引き続き働きかけてまいります。
〇斉藤信委員 これで最後にしますけれども、年次有給休暇が半分程度、またそれ以下しか取得できないというのは、やっぱり私は異常だと思います。労働時間というのは、人間の生活の土台なのです。私はそういう意味で超過勤務も─ヨーロッパは基本的に超過勤務がないのです。だからトヨタにしても日産にしても、ヨーロッパに進出したら午後5時過ぎで終わるのです。バカンスを全部とるのです。だからそういう意味で、岩手県で、日本で、年次有給休暇だってもう半分しかとれないという異常な事態を異常だと感じて、改善を図る必要があるのではないか。人員不足であればそこを改善するし、風土の問題であれば、それは上から考え方を正していくということが必要だと思いますけれども、最後にそのことを改めてお聞きして終わります。
〇菊池人事委員会事務局長 委員お話しのとおり、年次有給休暇の取得の促進ですとか、長時間勤務の抑制などの働きやすい職場づくり、環境づくりということは非常に大事な問題だと考えておりまして、現在、さまざまな取り組みが行われております。
任命権者別で申しますと、教育委員会では、岩手県教職員働き方改革プランを6月に策定、あとは、多忙化解消のモデル校を指定して実施しておりましたし、あとは、学校業務のスクラップ・アンド・ビルドのワーキンググループが先月から本格的な検討を始めております。
また、知事部局におきましても、ワーク・ライフ・バランスシートを全庁的に導入、今年度から行っておりますし、働き方推進員をことしの8月に設置して取り組みを始めました。
また、国の動きもいろいろございまして、先ほど労働安全衛生法のお話も申し上げましたが、労働時間の状況把握については、今、平成29年の厚生労働省のガイドラインがありますが、そのガイドラインの厚生労働省令への格上げのお話もあります。あと時間外勤務の上限規制。今、ガイドラインで年360時間、これは国家公務員でございますが、その規則化なども人事院では検討しておると聞いております。
また、教員のお話がありましたが、中央教育審議会の学校における働き方改革特別部会というのがございます。現在、時間外勤務抑制に向けた制度的措置のあり方についてということで、8月の末から検討を開始しております。
夏に部会長とお会いしたのですが、部会長は岩手町の沼宮内出身の方で、検討して年内に答申に持っていきたいと。来年の通常国会での法案改正も含めて検討したいとお話をしておりました。公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の改正とかまで踏み込めば50年来の改正になりますので、さまざまこういった動きがございますので、それらの状況も注視しながら、専門的な人事行政機関としての役割を人事委員会として果たしてまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 私は1点のみ、高齢層職員の処遇改善についてお伺いいたします。
改めまして、人事委員会の役割は何でしょうか、お伺いいたします。
〇蛇口参事兼職員課総括課長 人事委員会の役割についてでございます。人事委員会は、地方公務員法に基づきまして、大きく三つ役割がございます。
一つは、公正な人事行政を確保すること。二つ目は、適正な人事管理の推進を図る調査研究を行うこと。三つ目は、公務員の労働基本権制約の代償措置の機能を果たすこととされているところでございます。
当委員会では、こうした役割を踏まえまして適正な人事行政が確保されるよう、公務能率が増進されるよう努めているところでございます。
〇小西和子委員 そうですね。三つ目が大事だと思います。
給与制度の総合的見直しについて、どのように進んでいるのかお伺いいたします。
〇蛇口参事兼職員課総括課長 給与制度の総合的見直しについてでございますが、給与条例等を改正いたしまして、世代間の給与配分、地域間の給与配分、職務や勤務実績に応じた給与配分の見直しを行うために、平成28年4月から実施しているものでございます。若年層の給与水準を1%引き上げた一方で、高齢層職員の給与水準を1%から3%まで引き下げることにより、給与配分の適正化を図ったものでございます。
また、給与配分の見直しとあわせまして、地域手当、単身赴任手当、管理職員特別勤務手当等につきまして、支給割合や支給額等の引き上げを行ったところでございます。
なお、給与配分の見直しにより、給与水準が引き下げになった職員に対しましては、平成31年3月31日までの間、3年間、引き下げ前の給与水準を保障する激変緩和措置、いわゆる現給保障を行っているところでありまして、平成30年4月1日現在、公営企業職員及び現業職員を除いた職員1万7、660人のうち、現給保障対象者は2、653人、職員の15%となっているところでございます。
〇小西和子委員 私が持っている数字ですと2割残っているということになっています。先ほど職員課総括課長がお話をしましたように、来年の3月末で現給保障対象期間が終了いたします。この対象者が2割も残ってしまったことをどのように考えているのかお伺いいたします。
〇蛇口参事兼職員課総括課長 現給保障対象者についてでございますけれども、その主な内訳でございますが、行政職給料表適用者が435人、9.5%、県立学校の教育職員等の教育職給料表(1)の適用者が495人、14.7%、小中学校の教育職員等の教育職給料表(2)の適用者が1、449人、20.2%となっているところでございます。
委員御指摘のものは、小中学校の教育職員の部分と考えられるところでございます。
なお、この現給保障対象者についてでございますけれども、現給保障が終了する平成31年3月31日に定年退職する者が590人、55歳以上で昇給が停止されている者が1、683人、また、給料表の最高号級に到達いたしまして昇給できない者が162名おるところでございます。これらを除いた現給保障対象者は218名となっているところでございます。
なお、当委員会といたしましては、その他の大多数の職員は新給料表への移行がおおむね完了しているものと考えているところでございます。
〇小西和子委員 人数が何人とおっしゃいましたけれども、3年前からこれはわかっていることですから対策を講ずるべきではなかったのかと思いますけれども、見解を伺います。
〇蛇口参事兼職員課総括課長 現給保障対象者への対策についてでございますけれども、まず、給与配分の適正化を図るという給与制度の総合的見直しの趣旨や、国や各都道府県で既に同様の制度が実施されていること等を鑑みまして、まず条例どおり制度を完成させることが適当と考えているところでございます。
対策といたしましては、3年間ではありますけれども、条例の経過措置で激変緩和措置が既になされているところでございます。
さらに、今後のこととなりますと、確かに職員が東日本大震災津波からの復興業務等に日々精励しているといったことがございますので、当委員会といたしましては、そうした職員の努力に報いるとともに、職員がその能力を十分に発揮し、意欲を持って働くことができるように、勤務環境の整備に向けまして、引き続き任命権者とともに取り組んでいく必要があると考えております。
〇小西和子委員 何年前でしたか、退職金が400万円引き下げられましたね。それから賃金カットもありました。何年間もありました。悪いこともしていないのに賃金カットでした。また、平均78万円の退職金の引き下げがあります。というふうに、中高齢層職員、でも若い方もいらっしゃいます。前に座っている幹部職員の皆さん、皆様方のことです。高齢層職員は各職場の中心的役割を担い、人員不足の中、過重労働を強いなければならない、命令する側です。そういうことをしなければならない。それも、賃金が抑制されている中でです。モチベーションが低下するのは当たり前じゃないでしょうか。
最後、高齢層職員の勤務意欲確保をどのように考えているのかお伺いいたします。
〇菊池人事委員会事務局長 高齢層職員の勤務意欲の確保についてでございます。
委員御指摘のとおり、私も高齢層職員でございまして、勤務意欲の確保というのは大事な問題と認識しております。
制度完成は必要であるというのは先ほど蛇口参事から答弁申し上げたとおりでございますが、一方、委員御指摘のとおり、教育職員を初め、いまだ現給保障対象者が多いということで、高齢層職員の勤務意欲の確保というのは非常に重要な問題でございます。こうしたことから、給与上の処遇ではありませんが、例えば介護休暇とか看護休暇というのは、主に高齢層職員がターゲットとなるということで拡充してきております。なおかつ、高齢層職員の生活実態に配慮した制度見直しなども現在行っております。
今後も職員団体の話もよく聞きながら、勤務意欲確保を図るべく、さまざまな方策について検討していく必要があるものと人事委員会としては考えております。
〇福井せいじ副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇福井せいじ副委員長 質疑がないようでありますので、これで人事委員会関係の質疑を終わります。
人事委員会事務局の皆さんは退席されて結構です。ありがとうございました。
次に、監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求めます。
〇熊谷監査委員事務局長 監査委員関係の決算につきまして御説明申し上げます。
お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。190ページをお開き願います。第2款総務費のうち、10項監査委員費1目委員費の支出済額は2、532万円余でありますが、これは、監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要した経費であります。次に、192ページをお開き願います。2目事務局費の支出済額は2億2、010万円余でありますが、これは、事務局職員の人件費等事務局の管理運営に要した経費であります。
以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇福井せいじ副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋元委員 私からは、本会議初日に配付となりました住民監査請求について、その詳細と協議経過について伺いたいと思います。
まず初めに、監査委員事務局及び監査委員の皆様には、毎年330を超える執行機関、行政機関、出資法人等の予備監査、本監査業務、大変御苦労さまでございます。皆様方の御労苦に敬意を表する次第でございます。
いただいた通知でありますけれども、これは平成30年7月9日付、岩手県議会議長佐々木順一議長宛で住民監査請求についてという通知がありました。これは地方自治法の改正により、今議会から通知することになったというお話も伺っております。
この通知の中では、請求の要旨ということで、二級河川雪谷川筋小軽米地区ほか河道掘削工事で生じた残土、これらを個人が所有する農地に無償で運搬提供したという内容でございます。これは県単事業で平成29年3月31日から10月11日の工期でやられたということであります。
これらについてもう少し請求内容を説明いただきたいと思いますし、事実確認をどうされたのかということ。それから、監査請求をしなければならない問題があったのかどうか。そのほか、委員協議でさまざま議論されたと思いますけれども、その協議内容と、協議経過をもとに判断された結果及び措置等、これらについてお伺いいたします。
〇熊谷監査委員事務局長 まず、監査請求の内容について御説明申し上げます。
県北広域振興局が平成29年3月に契約しました二級河川雪谷川筋小軽米地区ほか河道掘削工事、この工事で生じた残土、これは河道掘削により発生した土砂等ということになりますが、この処理に関する監査請求でございまして、請求の要旨としましては2点ございました。
1点目でございますが、残土の処理に当たり、公売等の手続を踏まず、個人が所有する農地に無償で残土を運搬提供して農地改良造成工事を行い、当該費用を工事費の一部として支出したことは違法または不当である。
2点目でございますが、残土の処理に当たり、本県工事の施工業者が農地の所有者の代理として提出した農地等の現状変更届書の費用についても工事費の一部として支出しており、違法または不当であるということでございました。
その上で、これらのことから、県北広域振興局長に対し、本件工事により違法または不当に支出した本件農地の改良造成工事に係る費用を算定し、本件農地の所有者に対して当該費用相当額を請求することを求める内容でございます。これにつきましては、平成30年7月6日に請求を受け付けまして、同年7月17日に受理したところでございます。
次に、監査委員による協議経過について御説明いたします。
請求人の意見陳述の機会を設けるとともに、本件工事を所管する二戸土木センターを監査対象機関として職員による予備監査を行った後に、監査委員による現地調査を含む本監査を行いまして、その結果を踏まえまして、委員協議を行ったところであります。これは、地方自治法に定める手順に従い対応したところでございます。
次に、監査結果でございますが、本件工事で発生した残土の処理は農地改良造成を目的としたものではなく、工事費の支出において違法または不正な点は認められなかったことから、この請求を棄却し、8月31日に請求人に通知したところでございます。
〇高橋元委員 いろいろ予備監査をし、そして本監査ということで、監査委員が現地も見られたということで、そのことをもとに結論を出されたということでございます。そのことについては、私は特別、何も意見はございません。
ただ、私自身も河道掘削というのは災害防止上、非常に大事だということで議会でも取り上げさせていただいておりますし、河川内の立木の伐採等も進めるべきだということで、平成28年台風第10号の影響もあってこういう河道掘削が始まったなと非常に喜んでおりました。そういう中で、こういう住民監査請求が出るようなことがあるということは、どこかに何か手続的におかしいところがあったのか、誤解を与えるようなことがあったのかという思いもちょっとしておりまして、残念だなと思っております。
河道掘削については、排出された土砂利が資産なのかあるいは廃棄物なのか、そのところの捉え方によっては、資産であれば売却をしていく、そこから収入が得られる、それから廃棄物であれば、処理するのにお金もかかるし、あるいは必要なところにそれを運んでいくとか、いろいろな捉え方によって違うのかなという思いもちょっとしておりました。
民有地に運ぶということは、土地所有者とのそれなりの手続等があるやに思うわけでありますが、その辺は何か手続とか、書面等は予備監査とか本監査のときはなかったのですか。
〇熊谷監査委員事務局長 しゅんせつした土砂を民有地に運搬したわけでございますが、その際、軽米町の農業委員会に、先ほど御説明した農地の変更届出書を提出しておりまして、その手続は町の農業委員会に赴きまして適切に行われたということを確認しております。
〇高橋元委員 いずれ、今回初めて議会にもこういう住民監査請求の通知が来ましたので、これからも県民からさまざまな県行政に対する疑問も含めて住民監査請求が来るのではないかという思いもしております。また、それを我々議員も共有できるということになりますので、できればこの通知は、こういう文書が来たということだけではなしに、こういう措置をしたという結果もあわせて出していただければありがたいという思いもしておりました。
それから2点目ですが、寺沢代表監査委員は会計検査院の御経歴をお持ちでございまして、全国各地いろんな市町村も含めて監査をされておると思いますが、今回のこういう住民監査請求の案件についてはどういう所感をお持ちなのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
〇寺沢監査委員 監査結果につきましては、地方自治法の規定に基づきまして、適正に取りまとめたものと考えております。
〇福井せいじ副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇福井せいじ副委員長 質疑がないようでありますので、これで監査委員関係の質疑を終わります。
監査委員事務局の皆さんはありがとうございました。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後6時50分 散 会

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