平成30年12月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
議案第45号、第46号、第49号、第50号に反対の討論を行います。
議案第45号、第46号、第49号は、県民活動交流センター、県立視聴覚障がい者情報センターの指定管理者の指定、県立図書館の維持管理業務の指定管理者の指定に関し議決を求めるものであります。
指定管理者は、5者による結グループであります。反対する第1の理由は、応募団体が1グループだけであり、競争性が確保されていないことであります。
第2に、指定管理者結グループの職員の労働条件が劣悪なことであります。職員86人のうち、正規職員はわずかに17人、非正規職員は69人で8割を占めます。非正規の清掃員の時給は、最低賃金ぎりぎりの780円となっています。正規の警備員の場合も、月給制ですが、時給換算で900円台にとどまっています。岩手県の事業でワーキングプアを大量につくることはあってはならないことであります。指定管理者制度の必要性とあり方を根本から検証し、見直すべきであります。
議案第50号は、岩手県立図書館の運営業務の指定管理者を指定することに関し議決を求めるものであります。
そもそも県立図書館に指定管理者制度の導入を行うこと自身が問われています。公益財団法人日本図書館協会は、昨年3月、図書館への指定管理者制度の導入はなじまないとの見解を出しています。その理由は、図書館というのは、憲法、教育基本法、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、社会教育法、図書館法という法体系の中に位置づけられる教育機関だからであります。
教育機関として機能するためには、一つ、政治的な価値判断に左右されることがない政治的中立性、二つ、教育を担う者としての専門性、三つ、安定的で長期的な運営方針による安定性、継続性の確保が求められるものであります。
指定管理者制度は、指定期間が5年間で、次回も指定されるとは限らず、職員の安定した雇用の確保も専門性の確保も保障されないものであります。図書館利用は無料が原則となっていることから、事業収入も見込めないものであります。また、政策決定と運営主体との分離は、図書館運営の維持、発展を大きく阻害するものであります。さらに、他機関による指定管理では、市町村図書館との密接な連携を図ることも、そのための専門職員を配置することも困難であります。指定管理者制度は本来の図書館のあり方に反するものと言わなければなりません。
今回、県が指定しようとする指定管理者の株式会社図書館流通センターの実態は、職員配置している47人中、正規職員は13人、非正規が34人で72%となっています。
株式会社図書館流通センターの企画提案書では、県立図書館の設置の目的及び運営の基本的考え方として、次の100年に向けて県立図書館に公文書館の機能を持たせることを提案しています。指定管理者には図書館の運営方針を決める権限はありません。次の100年を構想する権限も、公文書館のあり方を検討する権限もありません。県立図書館の運営方針は、指定管理者ではなく、岩手県が派遣している館長、副館長等9人の県職員で決定するものであります。
今回の指定管理者の申請者の企画提案の内容は、指定管理者の逸脱と教育委員会の指定管理者に対する丸投げという深刻な実態を示すものであります。この内容の企画提案書が選定委員会でも全く審議されていないことも重大であります。公文書の管理は、教育委員会ではなく県庁知事部局が本来検討すべき課題であります。
実際、都道府県立図書館で指定管理者制度を導入しているのは4府県5施設にとどまっています。運営業務まで指定管理者を導入しているのは岩手県のみであります。全国の図書館の指定管理者制度の導入状況は、2015年の総務省の調査では15.2%にとどまっています。全国的な状況をしっかり踏まえて、県立図書館運営のあり方、指定管理者制度のあり方について根本から見直すべきであります。
以上申し上げ、議案第45号、第46号、第49号、第50号に対する反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(佐々木順一君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
これより、請願陳情中、受理番号第79号米軍基地負担の軽減と日米地位協定の見直しを求める請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第79号米軍基地負担の軽減と日米地位協定の見直しを求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第45号、議案第46号、議案第49号及び議案第50号を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立多数であります。よって、議案第45号、議案第46号、議案第49号及び議案第50号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第27号及び議案第35号を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立全員であります。よって、議案第27号及び議案第35号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第1号から議案第26号まで、議案第28号から議案第34号まで、議案第36号から議案第44号まで、議案第47号、議案第48号、議案第51号から議案第54号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第26号まで、議案第28号から議案第34号まで、議案第36号から議案第44号まで、議案第47号、議案第48号、議案第51号から議案第54号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
日程第56 委員会の閉会中の継続調査の件
〇議長(佐々木順一君) 次に、日程第56、委員会の閉会中の継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕
各委員会の閉会中の継続調査事件
1 継続調査
総務委員会 ・ILCの最近の情勢について
環境福祉委員会 ・
岩手県立療育センターの取組について
商工文教委員会 ・
ラグビーワールドカップ2019TM釜石開催について
農林水産委員会 ・
滝沢森林公園の管理運営状況について
県土整備委員会 ・土砂災害対策の取組について
〇議長(佐々木順一君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続調査の件につきましては、各委員長から、お手元に配付いたしてあるとおり、それぞれ申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木順一君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することに決定いたしました。
日程第57 議案第55号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについて
〇議長(佐々木順一君) 次に、日程第57、議案第55号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについてを議題といたします。
提出者の説明を求めます。千葉副知事。
〔副知事千葉茂樹君登壇〕
〇副知事(千葉茂樹君) ただいま議題とされました人事案件について御説明いたします。
議案第55号は、収用委員会の委員であります八木橋伸之氏、須山通治氏のお二人の任期が12月24日で満了となりますので、両氏を再任するとともに、同委員会の予備委員であります菅原葉子氏の任期が12月24日で満了となりますので、同氏を再任するため、議会の同意を求めようとするものであります。
収用委員会の委員及び予備委員は、土地収用法第52条第3項の規定により、法律、経済又は行政に関してすぐれた経験と知識を有し、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者から任命することとされており、八木橋伸之氏は、法律分野の委員として、これまでの在任において、法律に関する専門知識に基づき的確な裁決に導くなど、すぐれた経験、知識を有しており、震災復興事業に関連する収用委員会係属事案が数多くある中で、収用委員会の適切な運営に必要不可欠な方と存じております。
須山通治氏は、法律分野の委員として、これまでの在任において、法律に関する専門知識に基づき的確な裁決を導くなど、すぐれた経験、知識を有しており、今申し上げました係属事案が数多くある中で、収用委員会の適切な運営に必要不可欠な方と存じております。
菅原葉子氏は、法律分野の予備委員として、不動産の所有や権利関係に係る民事法や登記事務に精通する司法書士として活躍されており、専門知識に基づく適正な職務遂行が期待できる方と存じております。
よろしく御審議の上、原案に御同意くださいますようお願い申し上げます。
〇議長(佐々木順一君) お諮りいたします。ただいま議題となっております議案は、人事案件でありますので、会議規則第34条第3項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木順一君) 御異議なしと認めます。よって、これより、議案第55号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについてを採決いたします。
ただいま議題となっております議案第55号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立全員であります。よって、議案第55号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
日程第58 発議案第1号米軍基地負担の軽減と日米地位協定の見直しを求める意見書
〇議長(佐々木順一君) 次に、日程第58、発議案第1号米軍基地負担の軽減と日米地位協定の見直しを求める意見書を議題といたします。
提出者の説明を求めます。軽石総務委員長
〔総務委員長軽石義則君登壇〕
〇総務委員長(軽石義則君) 発議案第1号につきまして、総務委員会提案でありますので、委員長であります私から提案理由の説明を行います。
発議案第1号米軍基地負担の軽減と日米地位協定の見直しを求める意見書でありますが、今期定例会において、請願陳情受理番号第79号米軍基地負担の軽減と日米地位協定の見直しを求める請願が総務委員会に付託され、採択と決定したことに伴い、意見書を提案するものであります。
その趣旨を御説明いたしますと、全国知事会は、沖縄県を初めとする在日米軍基地に係る基地負担の状況を基地等の所在の有無にかかわらず広く理解し、都道府県の共通理解を深めることを目的として、平成28年11月に米軍基地負担に関する研究会を設置し、6回にわたる会議において、日米安全保障体制と日本を取り巻く課題、米軍基地負担の現状と負担軽減及び日米地位協定をテーマに意見交換を行い、現状や改善すべき課題について確認し、米軍基地負担に関する提言を取りまとめ、平成30年7月27日に開催された全国知事会議においてこれを決議しています。
この提言では、米軍基地は防衛に関する事項であることは十分認識しつつも、各自治体住民の生活に直結する重要な問題であることから、1、米軍機による低空飛行訓練等については、国の責任で騒音測定器をふやすなど必要な実態調査を行うとともに、訓練ルートや訓練が行われる時期について速やかな事前情報提供を必ず行い、関係自治体や地域住民の不安を払拭した上で実施されるよう十分な配慮を行うこと。2、日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させることや、事件、事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立ち入りの保障などを明記すること。3、米軍人等による事件、事故に対し、具体的かつ実効的な防止策を提示し、継続的に取り組みを進めること。また、飛行場周辺における航空機騒音規制措置については、周辺住民の実質的な負担軽減が図られるための運用を行うとともに、同措置の実施に伴う効果について検証を行うこと。4、施設ごとに必要性や使用状況等を点検した上で、基地の整理、縮小、返還を積極的に促進することの4項目について、国において一層積極的に取り組むよう提言しています。
本県においても、本年、日米合同委員会の合意に沿わない米軍機の低空飛行訓練が実施され、県民に大きな不安を与えたところであります。
以上のことから、本意見書案においては、国においては、国民の生命、財産や領土、領海等を守る立場から、米軍基地負担の軽減と日米地位協定の見直しを求めて、全国知事会が平成30年7月27日に取りまとめた米軍基地負担に関する提言について、国として速やかに検討し、実効ある措置をとるよう国に要望するものであります。
議員各位の御理解と御賛同を賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。
〇議長(佐々木順一君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
ただいま議題となっております発議案第1号米軍基地負担の軽減と日米地位協定の見直しを求める意見書は、委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定により、委員会の付託を省略いたします。
これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
これより、発議案第1号米軍基地負担の軽減と日米地位協定の見直しを求める意見書を採決いたします。
本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立多数であります。よって、発議案第1号米軍基地負担の軽減と日米地位協定の見直しを求める意見書は、原案のとおり可決されました。
日程第59 発議案第2号私学助成制度の充実を求める意見書から日程第65 発議案第8号東日本大震災津波被災地の子どもと被災者の心のケア対策の継続的な財政支援を求める意見書まで
〇議長(佐々木順一君) 次に、日程第59、発議案第2号から日程第65、発議案第8号までを一括議題といたします。
お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各交渉団体会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木順一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
これより発議案第2号から発議案第8号までを一括して採決いたします。
各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立全員であります。よって、発議案第2号から発議案第8号までは、原案のとおり可決されました。
日程第66 議員派遣の件
〇議長(佐々木順一君) 次に、日程第66、議員派遣の件を議題といたします。
〔参照〕
議事日程第5号中 日程第66 議員派遣の件の議員派遣一覧
派遣の目的派遣場所期間派遣議員
平成30年度「県民と県議会との意見交換会」釜石市平成30年12月18日伊 藤 勢 至 議員
田 村   誠 議員
阿 部 盛 重 議員
岩 崎 友 一 議員
城内 よしひこ 議員
田 村 勝 則 議員
高 田 一 郎 議員
小野寺   好 議員
平成30年度「県民と県議会との意見交換会」八幡平市平成30年12月18日佐 藤 ケイ子 議員
工 藤 勝 子 議員
ハクセル美穂子 議員
千 葉 絢 子 議員
千 田 美津子 議員
小 西 和 子 議員
吉 田 敬 子 議員

〇議長(佐々木順一君) お諮りいたします。本件は、お手元に配付いたしました2件についてでありますが、会議規則第116条第1項の規定により議員を派遣いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木順一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
閉 会
〇議長(佐々木順一君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
これをもって本日の会議を閉じ、第15回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
午後5時31分 閉 会

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