平成30年12月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇15番(佐々木努君) いわて県民クラブの佐々木努です。
9度目の登壇になりますが、今回も、これまで欠かすことなく取り上げてまいりました少子化対策、子育て支援を中心に質問させていただきます。かわりばえない質問になりますが、思いを理解いただき、誠意ある御答弁をお願いいたします。
さて、この仕事をさせていただいてから7年が過ぎました。この間、我が家の子供たち3人は皆結婚し、孫も2人生まれました。ふだんつらいことや悲しいことがあっても、孫の顔を見るだけで癒されます。そんな存在が自分の身近にいることが、実は自分の一番の幸福ではないか、そんなことを最近よく思います。
しかし、虐待、貧困、いじめなどによって苦しんでいる子供たちが世の中にはたくさんおります。そんな子供たちのことを考えると、まるで自分のことのように思えて、不幸な感覚に襲われます。そのことからも、幸福とは、周りから大きな影響を受けるとても難しい概念であると感じます。
さて、県は、そのような県民の幸福を追求すべく、平成31年度から10年間の次期総合計画の策定を進めており、岩手では初めて幸福に関する指標を導入し、幸福を守り育てることを基本理念として、10の政策分野で事業を展開することとしています。
幸福に関する指標を取り入れることについては、議会でもさまざまな意見があり、議論が交わされてきましたが、いまだに幸福に関する指標を取り入れる意義がわかりづらいという意見が数多く聞かれます。
私個人としては幸福に関する指標を取り入れることに異論はありませんが、なぜ幸福に関する指標を取り入れる必要があるのか、そもそも県民の幸福とはどのようなものなのか、県が目指す幸福な県とはどういうものなのか、その目指す幸福県に到達することは可能なのか、私にもよく理解できていません。
昨日の一般質問でも知事からその説明がありましたが、いまだに全て理解するには至っておりませんので、改めて、幸福に関する指標を導入する意義と県が考える県民の幸福とはどのようなものなのかを、県民誰もが理解できるよう御説明をお願いいたします。
次期総合計画は、言うまでもなく県民のための計画です。つまり県民に理解される、県民が納得できる計画でなくてはなりません。これまでの議会との議論、市町村との協議、意見交換や県民への説明会、パブリックコメント等を経て現在の案になっているものと思いますが、それらを通じて県民の理解は進んだのか、特に計画に沿った施策を進めていく上で最も重要な市町村の理解は得られているのか、お考えを伺います。
壇上での質問は以上とし、以降の質問は質問席で行います。
〔15番佐々木努君質問席に移動〕
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 佐々木努議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、幸福に関する指標についてでありますが、幸福に関する指標を導入する意義については、岩手の幸福に関する指標研究会報告書等でも示されているように、物質的な豊かさに加え、経済的な尺度でははかることができない豊かさに着目すること、さまざまな要素から成る県民の幸福を把握できるツールとして施策の展開に活用すること、県民がみずからの幸福について考えるきっかけとすること等があるものと考えます。
また、幸福の捉え方については一人一人異なるものと考えますが、研究会報告書では、幸福の実感に関連する領域として、健康や仕事、コミュニティーなど12の領域が提言されており、次期総合計画では、この領域をもとに設定した健康・余暇から参画までの10の政策分野の取り組みを推進することで、いわて幸福関連指標の向上を図り、ひいては県民の幸福度も高まっていくと考えております。
次に、県民や市町村の理解についてでありますが、次期総合計画の基本目標に掲げる、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてを実現していくためには、地域社会を構成するあらゆる主体が、それぞれ主体性を持って、ともに支え合いながら、みんなで行動していくことが大切と考えております。
このため、長期ビジョンやアクションプラン策定の各公表段階におきまして、パブリックコメントや地域説明会等を実施し、県民フォーラムや幸福について考えるワークショップなどを開催しながら、次期総合計画の理念や取り組みの基本方向などについて県民と共有を図ってまいりました。
また、行政の役割を担う市町村との連携が特に重要となりますことから、パブリックコメントや地域説明会に加え、知事と市町村長との意見交換会も行っており、地域の特性を捉えていく必要がある、格差が生じないように取り組んでほしい、交流人口をふやしていくことが課題などの意見をいただいておりまして、こうした意見を踏まえながら、いわて幸福関連指標の設定や新しい時代を切り拓くプロジェクトの具体化などを行ってきたところであります。
今後も、毎年度開催している市町村長との意見交換会を初め、さまざまな機会を通じて、各首長との間で共通理解が得られるよう努めてまいります。
〇15番(佐々木努君) 幸福に関する指標の導入の意義として県が考える、知事が考えると言ったらいいでしょうか、幸福につきましては、今の答弁も含めて、策定までまだ時間がありますので、これから私なりに考えていきたいと思うのですが、一つだけ確認をさせてください。
これは10月5日付の朝日新聞の記事ですが、次期総合計画に幸福度を取り入れる意義について、県の担当者がこのようなコメントを出された。長期的に見れば、幸福の県として岩手が有名になって、人が集まり、ひいては岩手でお金が使われるという好循環にしたい。そのような記事が掲載されていました。もう一度言います。長期的に見れば、幸福の県として岩手が有名になって、人が集まり、ひいては岩手でお金が使われるという好循環にしたい。
これが、県が考える幸福な県の姿ということなのか、それを確認したいと思います。
〇知事(達増拓也君) 今の言葉については、今伺いましたけれども、今伺って感じたことは、ブータンという国は、もう幸福度、幸福指標で大変有名になり、それで世界中でさまざま交流の発展とか、またさまざま、観光、物産などの面でも効果が出ているのではないかと思います。
ちょっと前にも岩手県民会館でブータン展が開かれ、多くの県民の皆さんがそこを訪問し、ブータンのハーブを使った香りのスプレーや、また、ブータンカレンダー、ブータンのことわざなどを書いた本などが売れていたと記憶します。
〇15番(佐々木努君) そういう県を目指しているのかということの確認でした。いや、私はこれがいいか悪いかじゃなくて、そうやって人が集まって、そこでお金が動く、そういう県を、幸福を指標にすることでそういうものを目指しているという、この発言が県の総意なのかということを聞きたかった。
〇知事(達増拓也君) 次期総合計画の目指す姿、基本目標は、東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き、復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてです。
〇15番(佐々木努君) わかりました。わかりませんけれども、知事からそういう発言をいただいたということはわかりました。
県民の理解については、進んだとはさっきおっしゃいませんでした。意見交換をしてきましたという答弁でしたので、私は、県が必ずしも県民の理解が進んだと思っていないということは自覚されているのだと思いますし、私もそのとおりだと思います。
県民もこの次期総合計画については、新聞やテレビ等で取り上げられて、それを見た人はその言葉ぐらいはわかるかもしれませんが、多分内容までは詳しくはわからない。これは仕方のないことだと思うのですけれども、市町村は、やはりこの次期総合計画については、しっかりとした認識を持って、その計画をもとに、自分たちもそれぞれの市町村行政を頑張っていこうということにつなげていく必要があるのだと思いますが、私は、残念ながら市町村の理解は必ずしも進んでいるとは言えない状況だと思います。
先日、我が会派で県内33全市町村を回って、この次期総合計画についての意見交換を行ってきました。幸福の指標を導入することについてもいろいろな御意見をいただいてきたのですが、やっぱり多くの市町村長は、それは県の計画であり、県が考えてそういうものを導入するということなのだから、それはそれでいいのではないかと。ただ、幸福という概念は非常にわかりにくいので、非常に難しい判断といいますか評価になるだろうという話はされていましたし、それから、そういう幸福度を用いて計画をつくっていくということはもちろん大事だけれども、問題は中身で、もっと市町村の現状を見て、市町村が抱えているこういう悩みに県が一緒になって取り組んでいく、そういうものが示される計画にしてほしいということをおっしゃっていました。
そういうことですから、私は、必ずしも市町村が理解を示しているとは思っていませんので、これからぜひ県には、きのうの知事の答弁にもありましたが、1月にまた、市町村長との意見交換があるということですから、そういうことも含めながら、しっかりと理解が得られるような説明会なり意見交換を行っていってほしいと思います。
それから、これは通告していませんけれども、この計画を立案して、そして、事業を進めていく肝心の県職員が、この幸福の理念あるいはこの計画全体をしっかり理解しているのかということについてお聞きしたいと思います。聞くところによりますと、職員に対する説明会も開催しているということです。どの程度の職員の方がその説明会に出席されたのかお聞きいたします。
〇政策地域部長(白水伸英君) 議員御指摘のとおり、次期総合計画の策定に当たりましては、県職員の理解は必要不可欠と認識しており、まず、庁内会議等において、多くの職員との共有を図りながら作業を進めてきたところでございます。
また、計画の内容等につきまして広く理解の向上を図るため、長期ビジョン素案を公表した7月と中間案を公表いたしました10月に、それぞれ県内4地区におきまして、次期総合計画に係る職員の説明会を実施したところでございます。
さらに、計画策定業務に携わる職員等を対象に、外部講師による評価手法や評価指標等に係る庁内勉強会を開催いたしましたほか、次期総合計画の長期ビジョン等の策定段階ごとに、庁内掲示板において計画の周知を行うなど、職員の理解向上を図っているところでございます。
職員が何人ほど参加したかということでございますが、地区別の説明会におきましては合計508人が参加しております。
いずれにいたしましても、今後とも県職員の理解、共通認識の醸成にしっかりと取り組みながら、計画の策定を進めてまいりたいと考えております。
〇15番(佐々木努君) 五百何人というのは、全体の職員の何割になりますか。
〇政策地域部長(白水伸英君) ただいまの数字でございますけれども、庁内はもちろんいろいろな形でやっております。それ以外のいわゆる広域振興局単位の地域の職員に対しても説明しているということでこれが508人ということでございまして、庁内の職員は、もちろんいろいろな機会に説明しておりますので、全体の職員の何割というのはちょっと出しにくいところでございます。
〇15番(佐々木努君) 私も職員の方とよく話す機会があって、この幸福の指標を用いる意義とか県が考える幸福ってどんなのだろうという話をよくするのです。10人以上とはそういう話をしたのですけれども、どなたも首をかしげてしまうというか、的確な説明をしてくださる方がいなくて、これはやっぱり非常に難しいのだなと、職員の方にとってもなかなかイメージしづらい非常に難しいものなのだなということを感じました。
実は、私も当初、この幸福の指標を用いることについてどうかと思っていたのですけれども、今ちょっと考えを変えまして、どなたもわからないかもしれないけれども、しかし、幸福を求めるということは、知事がおっしゃるとおり誰もが願っていることであるとすれば、そこにこだわるよりも、もっと計画の中身とか、あるいは職員がこの計画に対してどのような意識を持って、あるいはどのような思いを持って取り組むか、そういうことについて私は議論していきたいと考えるようになりました。
そこで、これは部長にお伺いしますけれども、職員の方は、これからの10年間、この計画にのっとってこの岩手県がつくられていくという認識がしっかりとおありで、そういう思いを持ってこの計画をつくられ、頑張っていこうという意思を持たれているのか、そういうものが共有されていると御認識か、そのことについてお聞きしたいと思います。
〇政策地域部長(白水伸英君) これは全く議員御指摘のとおりだと私も考えておりまして、先ほども御答弁させていただきましたとおり、今策定中でございますので、その過程、過程においてきっちりと理解を得べく、庁内会議等でしっかりと説明していくことはもちろんですけれども、議員の皆様の御意見もいただいて、策定を終えた暁には、その策定の内容を改めてしっかりと理解をし、それから、やはり10年間の長期にわたる計画ですので、しっかりと取り組んでいくという決意のもとに、職員一丸となってこれを進めていくことが必要になってきますので、まさにそういった姿勢で取り組んでまいりたいと思っております。
〇15番(佐々木努君) 先ほど我が会派で県内全部の市町村を回ったというお話をしましたけれども、私も県北・沿岸地域の市町村中心に回らせていただきました。この計画についての意見聴取と、それから、県に対する要望についてもお聞きしたということですけれども、やはり市町村の首長さん方、職員の方々からは、もっと県が市町村の実情を見てほしいと。例えば防潮堤の建設が非常におくれている。それは、やっぱり県にスピード感がないのではないかということとか、あるいは三陸防災復興プロジェクトの話も実はされました。そういうものを沿岸地域でやってもらうのは非常にありがたいのだけれども、今、沿岸被災地では40代を超える方々の引きこもりが非常に大きな問題になっているということで、そういうものを県がきちんと理解しているのか。もっと現状を我々と一緒になって見てほしいという話もされました。
ですから、やはり計画を立てる中で、職員の方がそういう意識をしっかりと持ってこの10年間、市町村の職員と一緒になって頑張っていくのだという意識を県として一つにして、そういう意識をしっかりと持って計画策定に当たっていただきたいと私は思っておりますので、ぜひ、その辺のところも職員の方々にしっかりと啓発をしていただきたい。そういう声が市町村から上がってこないように、しっかり計画が理解されるように、ぜひそういう啓発をしていってほしいと思います。
次に、少子化対策、子育て支援について伺います。
初めに、子供の医療費助成の拡充についてお聞きしたいと思うのですが、県は、来年8月から、小学生までの医療費助成の現物給付を行うことに決めました。そのことは評価をするところではあるのですが、私はこれまでに何度も申し上げてきましたけれども、子供の医療費は、中学校卒業まで無償化にすべきだと思っています。このことは会派要望としても毎年県に求めてきています。
改めて、県全体で中学校卒業までの医療費無償化の実現に向けて、県の医療費助成の拡充に取り組むお考えはないか伺います。
〇保健福祉部長(八重樫幸治君) 子供の医療費助成についてでありますが、県では、総合的な子育て支援施策の一環として、厳しい財政状況にありますが、市町村等と協議の上、助成対象を小学生の入院まで拡大してきたほか、2019年8月からは、現物給付の対象を小学生まで拡大するなど、医療費助成制度の拡充に取り組んできているところであります。
子供の医療費助成は、本来、自治体の財政力の差などによらず、全国どこの地域においても同等な水準で行われるべきであり、本年6月に実施した県の政府予算提言、要望において、全国一律の制度を創設するよう要望したところであり、全国知事会からも同様の要望を行っています。
中学生を対象とした医療費助成は、現在、県内31市町村において行われており、さらに1市において、来年度からの実施方針が示されていることから、市町村に対する県の助成を中学生まで拡大したとしても、サービスの向上に直接つながる状況にはありません。
また、県の助成対象を中学生まで拡大する場合は、多額の財源を確保する必要があり、本県では、県立病院等事業会計負担金が多額になっているという事情もあることから、今後、国の動向を注視しながら、県の医療、福祉政策全体の中で総合的に検討する必要があると考えています。
〇15番(佐々木努君) 私は、県もしっかりと負担してほしいという気持ちもあるわけです。やっぱり県全体で市町村と一緒になってやるべきじゃないかと思うわけでありますが、これは議論が平行線になりますので、もうこれ以上はやめます。
次に、少子化対策の財源確保策について伺います。
私はこれまで、子育て支援に特化した事業の財源に充てるための新たな税制度として少子化対策県民税、子育て支援税と言ってもいいですが、この制度化を提案してまいりました。今回が、数えたら7回目になっていましたけれども、改めて内容はここで御説明いたしませんが、これまで県からは、100%無理だという意味の答弁をされてまいりました。
ただ、県民に対して新たな税負担を求めるということは、県としても非常にやりたくないものだと私は思うのですが、今なかなか少子化対策、子育て支援に使うお金が県もないわけでありまして、何とかやりくりをしてさまざまな事業を行っていますが、私は、多分これ以上は難しくなっている状況なのではないかと思います。
ですから、県民にその分の負担をお願いする、そして、本当に必要なところにそういうお金を使う、本当に必要な政策に使うという取り組みがあってもいいと思うのです。
それで、さっきも言いましたが、県としては非常に勇気の要ることだと思うのですが、これを全国に先駆けて岩手でぜひ行ってほしい。7回目になりますけれども、また同じことを要望したいと思うのですが、お考えはないか伺います。
〇保健福祉部長(八重樫幸治君) 少子化対策の財源確保策についてでありますが、県では、少子化対策や子供、子育て支援の取り組みを推進するための財源として、一般財源に加え地方消費税の一部を充てているほか、平成27年度から交付されている国の地域少子化対策重点推進交付金を活用して、結婚や妊娠、出産、子育てなどの環境づくりを進めているところであります。
また、来年10月には消費税率の10%への引き上げが実施される予定であり、国の新しい経済政策パッケージにおいて、増税分のおおむね半分は、幼児教育、保育の無償化などの社会保障の充実に充てられる方針となっています。
このような状況の中で、新たな県民税を導入することは、子育て世代も含めて県民生活に影響を及ぼすものであり、県民の十分な理解が必要であることから、受益と負担の関係など慎重な検討が必要であると考えているところです。
〇15番(佐々木努君) 私は、いつもはいわての森林づくり県民税を引き合いに出すのですけれども、私の地元の方は、いわての森林づくり県民税に払うよりも、むしろそちらに払いたいという人もおります。私はそのときに、いわての森林づくり県民税も大事だから、それはそれでお願いしたいし、こっちもお願いしたいという話をするのですが、そんなに県民の生活に大きな負担になるのでしょうか。先ほどの答弁はそういう答弁でしたけれども。いわての森林づくり県民税だって、皆さん、快くかどうかは別として、出していらっしゃる。これがどれほど負担になっているのかということを考えれば、そういう答弁にはならないと私は思います。
これも、これ以上聞いても何ともならないと思うのでこれでやめますけれども、ただ、私は、これは諦めないで、これからも実施していただけるように求めていきたいと思いますので、御検討をよろしくお願いします。
次に、次世代育成支援対策推進法による一般事業主行動計画について伺います。
これも毎度の提案でありますが、改めて説明しますと、企業の子育て支援計画とも言えるこの一般事業主行動計画は、次世代育成支援対策推進法で、常時雇用従業員101人以上の企業に対して一般事業主行動計画が義務づけられているものでありまして、県の101人以上の策定率は100%であります。これは当然のことでありますけれども。そして、100人以下の企業に対しても、県がさまざまな事業を行って、今、策定していただけるようにということで取り組みをしているわけでありますけれども、他県に比べればまだまだこの100人以下の企業の策定率は低いと私は認識しております。
それで、前回2月の代表質問の際にも同じ質問をしているのですけれども、知事からは、100人以下の企業の策定数は、当時は319で、宮城県、秋田県、山形県、青森県よりも多いけれども、これからももっとふやしていかなければならないという答弁をいただいています。私はその答弁を聞いて、東北で2番目だから県は頑張っている。だから今のままでいいのではないかとしか実は聞こえなくて、少しがっかりしました。
それで、他県にはもっともっと頑張っているところ、実績を上げているところがありますから、やはりそういうところを目標に頑張っていくべきではないかと思うのですが、そういう意味からも、他県でも行っている100人以下の事業所に対して、条例を制定して策定を義務づける、そういう取り組みをぜひ岩手県でもやってほしいのですが、いかがでしょうか。
〇保健福祉部長(八重樫幸治君) 次世代育成支援対策の条例化についてでありますが、県では、従来から岩手労働局と連携したセミナーの開催などにより、国の助成制度の利用促進を含む普及啓発を行うとともに、国に対し、助成制度の拡大について要望しながら、企業の一般事業主行動計画策定の支援拡大に努めているところであります。
また、いわて働き方改革推進運動において、従業員の適正な労働環境の確保のための取り組みに加え、子育て支援や女性活躍支援など個別のすぐれた取り組みを行う企業も表彰しているほか、一般事業主行動計画の策定を要件としている、いわて子育てにやさしい企業等認証制度の優遇措置を順次拡大しながら、一般事業主行動計画の策定を促しているところです。
中小企業に対する計画策定範囲の拡大については、法に定める計画策定義務の対象が301人以上から101人以上の企業へと順次拡大してきたところであり、条例化については、県民の理解を初め、企業等に対する影響等も勘案しながら研究していくべき課題であると考えております。
〇15番(佐々木努君) つまり、取り組むつもりはないという答弁なのでしょうか。
何度もお話をしていますけれども、富山県ではこれを実施しており、30人以上の企業に義務づけています。これは富山県だけではなくて、今は石川県も同様の取り組みを始めているのです。富山県で効果が上がっているということで、多分、これからどんどん広がっていくと私は思っています。ですから、他県に負けないように、岩手県もこういう取り組みをぜひ始めてほしいと思うのです。
聞くところによりますと、職員の方が富山県に行って勉強されてきたということですけれども、多分このことについても勉強されたと思います。持ち帰っていろいろ検討されたと思うのですが、それでもやっぱり岩手県は無理だという結論に至ったのでしょうか。岩手県ではできないという理由が何なのか、もし、それが今お示しできればお聞きをしたいと思います。
〇保健福祉部長(八重樫幸治君) 国の計画策定範囲の拡大に際して、101人以上の企業へとしたときに、一方で、拡大に際して中小企業の事務負担等を勘案して、101人以上の企業にのみ義務を課したとも聞いているところでありまして、その辺も含めて研究をしていきたいとお答え申し上げました。
県では、法の範囲内で企業の主体的な取り組みを促しながら、先ほど申し上げたような、いわて子育てにやさしい企業等認証などを通じて、企業の一般事業主行動計画の策定を促していきたいと考えております。
議員からお話のありました富山県の子育て施策等の取り組み、調査をしてまいりました。その中で、どのようなサービスあるいは施策が子育て支援等に有効なのかというところを、しっかりその辺は富山県の取り組み等をベンチマークしながら、次の本県の施策の策定につなげていきたいと考えているところでございます。
〇15番(佐々木努君) 実績が全然上がっていないと私は言っていないのです。さまざま成果が出ていると思うのですが、そのスピードです。私はゆっくり構えていればいいという状況ではないと理解しているのです。
県がことし7月から8月にかけて、企業・事業所行動調査というのを行っています。それによりますと、従業員の子育てに対する支援について、何の制度もないと答えた事業所が60.7%。平成26年の調査と比較すると、この4年間でわずか1.6ポイントしか伸びていないのです。いろんなことをされているとおっしゃっているし、実績が上がっているというのは私もわかるのですけれども、わすが1.6ポイントしか伸びていない。これでは本当に効果があるのか、実績が上がっているのかと聞かれれば、私はちょっと首をかしげたくなるような数字ではないかと思うのです。ですから、実態がそういうことだということをもっと担当課のほうで認識してほしい。これは別部局で調査したものだと思うのですけれども、認識してほしいと思います。
これも次回があれば、また取り上げたいと思います。
それからもう一つ、ことしの2月の代表質問で、次期総合計画に子育て環境日本一を掲げてほしいという要望をいたしました。知事も覚えていらっしゃると思いますが、知事はそのとき、こうおっしゃいました。
総合計画審議会が、平成26年に、今後の岩手県の政策に関する提言の中で、日本一子育てしやすい地域をつくるという提言が出された。次期総合計画策定に当たっても、その提言を踏まえ、その方向性を生かしていくような形で検討されると期待しているし、県としても、そういう方向で議論に参加していきたいと思うと述べられました。
私は、非常にそのとき、これは頑張ってくれるのだなということ、日本一を目指してくれるのだなと思って期待をしていました。その審議会の提言、そして知事のそのときの期待の答弁、これは次期総合計画のどこにどのように込められているのか、それをお示しください。
〇知事(達増拓也君) 県では、少子化対策、子育て支援は将来に関する問題であると同時に、今、目の前にある重要な問題であるという認識のもと、出産や子育てをめぐる現場の声に耳を傾け、個別の県民ニーズに対応するため、長期ビジョンにおいて家族・子育ての政策分野を設け、五つの大項目のもと、17の施策を展開する中で取り組むこととしたところであります。
具体的には、政策推進プラン(仮称)の家族・子育て分野において、いわて幸福関連指標として、全国平均を上回る合計特殊出生率や待機児童ゼロなどを掲げ、安心して子供を産み育てられる環境の整備、地域社会で児童生徒を育む環境づくり、仕事と生活を両立できる環境づくりなどを推進し、家族の形に応じたつながりや支え合いが生まれ、安心して子育てをすることができる岩手の実現を図るための具体的な推進方策を、17の項目のもとに約50掲げているところであります。
こうした取り組みが進展することで、岩手で子育てする県民が、それぞれの子育てに関する思いや工夫も加えて、子育て環境日本一、あるいは世界一などの実感を得ることができればと考えております。
〇15番(佐々木努君) びっくりしました、今の発言。それで本当に日本一、世界一を実感できるのですか。私は何度も計画案を見ましたけれども、県がそういう子育て日本一、世界一を実感できる子育て政策を進めていく、そういう計画にするということが、どこからも私はうかがい知ることができませんでした。
知事が今おっしゃったのは、今までも行ってきたこと、当然やるべきことを、今知事がおっしゃってそれが盛り込まれているだけだということです。私には理解できませんでした。何か、これから本当の意味で日本一を目指す、例えば鳥取県みたいに日本一子育て王国、全国で一番を目指すという旗を掲げてやるなら、それは理解できます。でも、何もそういうものも掲げないで、ただ計画の50の項目に何かを入れたと、それに関することを入れたと、だからそれをちゃんとやっていけば日本一になるのだという、私はそういう考えでは本当の意味で日本一は目指せないし、子育てしやすい環境だと県民は思わないと思います。やはり、この計画にしっかりとそういうことをうたってこそ、県は、だから、そういうものを目指すのであればこういう事業をやらなければだめだよねとか、こういうものに力を入れなければだめだよねとか、そういう事業をその計画に盛り込むことができるのです。そういう柱がなくて、今までと同様の取り組み、あるいは少し今までよりは進んでいることをやるかもしれませんけれども、そういうものでこれから劇的にこの岩手が、10年間で日本一の子育て県になるなんていうことは、絶対に私は不可能だと思います。ですから、非常に今の発言も残念だし、知事の2月定例会の私の質問に対するあの発言、あれは期待していただけに非常に残念に思いました。その程度の認識だということが今わかって、本当に残念です。
さっき鳥取県の話をしました。鳥取県は、子育て王国とっとりを掲げて、県全体でこの子育て支援に力を入れています。例えば、子供の医療費は、一部負担はあるとしても高校卒業まで、所得制限なし。それから保育料の第3子無償化。在宅育児世帯への月3万円給付。これは1人3万円です。そういうものにも取り組んでいる。そして平成20年に合計特殊出生率が1.43だったのが、平成28年には1.60まで回復している。そういうことまでしないと、これからの時代出生数なんていうのは伸びないのです。みんなどこの県も同じようなことをやっているのですから、県はそういうものも参考にしながら、もっと他県に負けないようにやらなければだめだという気持ちを持っていないと、ほかから若者を連れてきてそれで何とかしようとか、そういう程度の考えでは、人口減少に歯どめをかけることはできませんよ。私はそう思ってさっきの知事の答弁を聞いていました。
これ以上は愚痴になりますのでもうやめますけれども、もう少し知事には、この分野についてはしっかりと考えてほしいと思います。
次に行きます。女性の活躍支援について伺います。
県が国に先駆けて女性活躍支援を掲げて、ことしで4年目になるわけです。この施策は女性の生きにくさを解消するという知事の思いがこもった肝いりの政策だと私は理解していますが、知事のおっしゃる女性の生きにくさの解消はどれだけ進んだのか、この間の取り組みの成果を伺います。
〇環境生活部長(大友宏司君) 女性活躍支援の取り組みの成果についてでありますが、県では、企業等における女性の活躍の機運醸成を図ることが重要であることから、平成26年度に、官民が一体となっていわて女性の活躍促進連携会議を設置し、女性活躍のための経営者セミナーや女性のキャリアアップセミナーを開催しているほか、いわて働き方改革アワードでの女性活躍推進部門の企業表彰や、いわて女性活躍企業等認定制度、いわて子育てにやさしい企業等認証制度の普及など、女性の活躍支援の取り組みを実施してきたところです。
このような取り組みにより、県の平成30年度企業・事業所行動調査では、女性の積極的な採用、登用に取り組んでいる企業の割合や、男性社員の育児休業取得率が上昇しているほか、事業所内保育所数、いわて女性活躍企業等認定制度の認定企業数、いわて子育てにやさしい企業等認証制度の認証企業数、イクボス宣言企業数が順調に増加するなど、県内において、女性が働きやすい環境づくりが着実に進んできていると認識しております。
〇15番(佐々木努君) では、女性活躍支援を進めていく上で見えてきた課題は何だったのか、その課題を踏まえ、来年度の新たな事業も含めて、これからどのような事業展開をされるのか伺います。
〇環境生活部長(大友宏司君) 課題と今後の事業展開についてでありますが、女性活躍支援を進めていくためには、企業等のトップや管理職の意識啓発や、一般事業主行動計画の策定が義務づけられていない常時雇用する労働者が300人以下の企業における取り組みの促進、産業分野ごとの取り組みの充実などが課題と考えております。
今後は、いわて女性活躍推進員の活用により、女性登用などについて、300人以下の企業を中心に経営者等に直接働きかけ、いわて女性活躍企業等認定制度、いわて子育てにやさしい企業等認証制度のさらなる普及拡大を図ることとしております。
また、いわて女性の活躍促進連携会議に設置した防災や農山漁村など5部会において、人材の育成、意思決定への参画、担い手の確保などの課題に、関係部局と連携して取り組んでまいります。
〇15番(佐々木努君) 今、部長もおっしゃいましたけれども、一番の課題は、やはり社会がといいますか、企業の理解です。女性活躍支援に対する、女性の支援に対する理解だと私は思っているのですけれども、社会の理解あるいは企業の理解を進めるのに一番手っ取り早いのが企業の意識改革だということで、これは国もそういう考えで女性活躍推進法を制定して、さまざまな企業の取り組みを促しているのだと思います。
ただ、私は、これまでの県の取り組みというのは、そのような企業で働く人、あるいは企業ではなくても、働く女性の活躍を支援しようという方向に事業が進められていると理解しています。これは企業に対する研修会もそうだし、それから企業認証制度もそうですけれども、そういうものの実績が少しずつふえていって、それでこの事業効果が出ているとおっしゃっているのですけれども、部長にお伺いしますが、そもそもこの岩手県が進める女性活躍支援の女性というのは、誰のことを指すのでしょうか。
〇環境生活部長(大友宏司君) 県でつくっている計画でございますので、県内に住まわれている女性全般を支援しているというつもりでございますが、今、社会の要請上、やはり企業とかで働く女性の進出というのが求められておりますので、重点的にそういった分野の支援策が多くなっているのかなという印象を持っています。
〇15番(佐々木努君) 済みません。突然お聞きして申しわけありませんでした。そのとおりだと思います。だからさっき言ったように、女性の活躍支援を進めるのに手っ取り早いのは、企業による女性の活躍支援を進めることだというのは、これは当然のことで、それはそれでやっていただきたいと思うのですが、今、県の政策で足りないのは、働いていない女性、働いている人だけではなく、それ以外の全ての女性、それは家庭で育児をしている人もそうですし、学生、子供もそうです。それからリタイアして地域活動をしている女性も含めて、そういう方々の活躍、知事が言う、そういう方々が生きにくくない社会をつくるための女性の活躍支援を私はもっと進めてほしいと思っているのです。それをやっていないかと言えば、実はやっているといいますか、それは男女共同参画の取り組みだと思っているのですけれども、私はその取り組みが非常に甘いと思っているのです。
この女性の活躍支援で一番の障害になっているのは男性の意識です。男性の女性に対する意識、そういうものが、私は、男女共同参画が進められてきているにもかかわらず、全く進んでいないと思います。ですから、その部分、働く女性以外の女性、全ての女性が生きやすい社会にするための男女共同参画の推進も含めた意識改革をもっと県には頑張ってほしいと思うのです。
ちょっと時間がないのでこれ以上聞きませんけれども、例えば、今、男女共同参画の担当課長は女性です。これまでもずっと女性の方が─ずっとじゃなかったかもしれませんがやってきましたけれども、こういうものは男性がしっかり、みずから動いてこそ世の中を変えていくのだと思いますから、こういう人事も含めて県の取り組み方を私はもう一度見直してもらいたいし、女性向けの講座も結構ですけれども、男性をそういうところに引っ張り出す取り組みもぜひ進めてほしいと思います。答弁は要りません。
次に、地域医療についてお伺いをしたいと思います。
これはきのうも同様の質疑がありました。郷右近浩議員の質問とちょっと似通った質問になってしまいますが、改めて質問させていただきます。
産科医と同様に、県内において小児科医の不足が非常に深刻化していると認識していますが、初めに、県内各二次保健医療圏の小児科医療の現状について、県はどのように認識をされているのか伺います。
〇保健福祉部長(八重樫幸治君) 県内の小児科医療の現状についてでありますが、本県の小児科医師数は、人口当たり医師数で比較すると、県全体では全国平均を下回っているほか、二次保健医療圏で見ると、人口当たり医師数が最も多い盛岡保健医療圏と最も少ない胆江保健医療圏では2.7倍の開きがあるなど、医師不足と地域偏在が見られ、本県の小児医療体制は産科と同様に、厳しい状況にあると認識しております。
〇15番(佐々木努君) 今おっしゃられたように、私の住む地域は、県内9圏域の中で最も少ない小児科医師数なのです。加えて、胆江保健医療圏は、圏域内に、小児入院の地域医療センターがないという地域であります。そういう中で、これは県も御存じだし、きのうもそういう話がありましたが、奥州市内で、唯一、子供の入院を受けておりました奥州市総合水沢病院が11月末をもって、入院、外来とも受け入れを休止いたしました。
これは新聞記事で見たのですけれども、市としては、これからかわりの先生を探していきたいということですけれども、今、全国どこも小児科医の不足が深刻ですから、多分、なかなかすぐに来てくれるお医者さんは見つからないのではないかと思います。
そういうことで私は伺いたいのですけれども、胆江二次保健医療圏における子供の医療環境が今こういう状況になっている中で、今後の胆江保健医療圏の小児医療の体制の充実に向けて、県はどのような支援をしていかなければならないと考えているのか伺いたいと思います。
〇保健福祉部長(八重樫幸治君) 医療体制の充実に向けた支援についてでありますが、総合水沢病院の小児科の診療休止に伴い、県としては、当面、今後奥州市が進める近隣の小児医療機関への患者の受け入れ要請等に対し必要な支援を行うとともに、緊急時において隣接医療圏の小児地域医療センターがオンコールで患者を受け入れられる体制の確保など、同圏域における医療機関の機能分担と連携のあり方について、県と県内の小児科医で構成される小児医療体制を検討する委員会において協議をいただきながら、小児医療体制の維持に努めていく考えであります。その上で、総合水沢病院の医師確保等今後の見通しや圏域の医療資源の機能分担、機能連携について、市を初め関係機関との十分な意見交換を通じて、必要な助言等を行っていきたいと考えています。
〇15番(佐々木努君) 医療局にもお伺いしたいと思います。この胆江二次保健医療圏の基幹病院である県立胆沢病院は、これまでも、この地域の小児地域支援病院として一般小児医療を提供してこられたと認識しておりますけれども、今後の体制の充実をどのように取り組んでいかれるのか伺います。
〇医療局長(大槻英毅君) 県立胆沢病院の小児医療についてでございますが、議員御案内のとおり、県立胆沢病院は、胆江地域におきまして、地域の開業医の皆さんや、それから隣接圏域の小児地域医療センターと連携しながら、小児医療を提供してきたところでございます。二次保健医療圏における小児地域支援病院として、外来、それから日中を中心とした救急患者の受け入れなどの役割を担っているところでございます。
また、胆江地域の小児のうち、新生児につきましては、救急対応や入院医療の必要が生じた際には、胆江地域が含まれる県南の周産期医療圏における地域周産期母子医療センターであります県立中部病院、それから県立磐井病院と北上済生会病院が対応してきたところでございます。
今後におきましても、県立胆沢病院は小児医療遠隔支援システムなどのICTの活用とか、それから関係医療機関との連携強化の中で小児地域支援病院としての役割を担っていくこととしておりますが、現状、かなりの数のお子さんの救急対応もしていることもございまして、小児科の常勤医の確保や充実に向けまして、引き続き、関係大学への医師派遣の要請や即戦力医師の招聘などに取り組みまして、胆江地域の方々が子育てに不安を感じずに安心できるよう、小児医療の体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
〇15番(佐々木努君) 今回、総合水沢病院の話をいたしましたけれども、総合水沢病院の問題そして奥州市の問題だけではなくて、金ケ崎町も含めた医療圏の問題でありますし、何度もこういう話はよく聞くのですけれども、県民イコール市町村民という考え方とすれば、県としても同じぐらいの役割を持って、同じ気持ちで地域の小児医療を考えていく必要があるのではないかと思います。
総合水沢病院がこれからどうなるかは私もわかりませんけれども、それはそれとして、胆江二次保健医療圏には小児科の専門の病院がないと、救急あるいは高度な医療に対応する病院がないということは、これは現実でありますから、医療局の苦労そして県の担当部の苦労もよく私は承知していますけれども、今、胆江二次保健医療圏がこういう状況だということをぜひ御理解いただいて、一日も早く私は県立胆沢病院にそういう体制を構築してほしいと思うのです。これは総合水沢病院ともちろん話をしなければならない、奥州市、金ケ崎町あるいは医師会とも話をしなければならないかもしれませんけれども、そういう体制を構築して初めて地域住民に信頼される県立胆沢病院にしてほしいと思います。答弁は要りませんので、ぜひそのことをお考えいただきたいと思って、この質問は終わりにしたいと思います。
次に、海岸漂着物対策についてお伺いをいたします。
今、世界中で海洋ごみの大量発生が問題になっております。岩手県も広い三陸海岸を有しておりますから、大量の海洋ごみが発生していると認識しておりますけれども、現在どのように処理をされているのかお聞かせください。
〇県土整備部長(八重樫弘明君) 海洋ごみの処理状況についてでございますが、海岸に漂着した流木やごみ、いわゆる海洋ごみの処理については、小規模な場合には、通常の維持管理費により海岸管理者が処理を行っております。また、洪水や台風等により海洋ごみが大量となり、これを放置することで海岸保全施設の機能が阻害されるような場合には、国土交通省及び農林水産省が所管する災害関連緊急大規模漂着流木等処理対策事業を活用して処理を行うなどの対応をしております。
〇15番(佐々木努君) これまでも適正に処理をされてきたという認識だと思いますが、平成21年7月に海岸漂着物処理推進法が制定されまして、都道府県は、海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するために、必要があると認めたときは、国が定めた基本方針に基づいて、海岸漂着物対策を推進するための地域計画─これは海岸漂着物対策推進計画というものだそうですが、作成するものとされています。そして、国は、計画を策定した都道府県に処理費用を補助するとなっております。
実は、私も4年間、環境福祉委員会におりましたけれども、恥ずかしながら、そのような法律があるのを知ったのはつい最近でありました。
先日、農林水産委員会で三重県に行ったのですが、三重県で海岸漂着物対策を調査したところ、その際に、我が県がこの地域計画を作成していないということを聞いて、実は驚いて帰ってきました。海に面した都道府県で作成していないのは、被災地である岩手県と福島県のみだということでありますが、これは多分震災の関係もあるのだろうと思いますが、同じ被災県の宮城県が平成27年度に作成しています。しかし、岩手県がいまだ作成していないのはなぜなのでしょうか、その理由をお聞かせください。
〇県土整備部長(八重樫弘明君) 海岸漂着物対策の地域計画についてでございます。
海岸漂着物対策については、平成22年3月に閣議決定された国の基本方針において、海岸漂着物の発生の抑制や回収処理について、関係機関などが連携し総合的かつ効果的に進めていくよう、都道府県が地域計画の作成を検討することが望まれるとされているものでございます。
地域計画の作成に当たっては、海岸漂着物の発生状況や原因、海岸にかかわる自然的、社会的条件に関し、事前調査の実施やデータの収集が必要とされているところでございます。
本県では、地域計画の作成に向けて関係部局間での協議を進めていた中で東日本大震災津波が発生し、海岸の地形や背後の利用状況等が大きく変化することとなりまして、一時計画作成作業を見合わせたところでございます。現在は、市町村を含めた海岸管理者により、海岸漂着物の量や内容など発生状況について定期的に調査を行っておりまして、地域計画作成に必要なデータの収集に努めているところでございます。
〇15番(佐々木努君) 他県では、この海洋ごみの処理は、これまで計画を立てて国から補助をもらってやっていたわけですが、この間、県は、洪水等特別な事案がない限りは、これは自前でやってきたということですね。維持管理費でやってきたということは、そういうことですよね。国から補助金をもらわないで県の単費でやってきたということです。
これは、量が多い少ないではなくて、補助金をもらえるものをもらわないで自前でやってきたということは、本当はもらえる補助金があったのに、県民の税金を、それをその分充ててしまったということにつながりませんか。私は、そういう制度があって、国にそういう補助金があるということであれば、率先して計画をつくって、そういうものを受けて事業を行うというのが正しいやり方だ、当たり前のやり方だと思うのですが、非常に残念であります。
そして、先ほど宮城県は平成27年度に作成していると言いました。岩手県も宮城県も福島県も同じ東日本大震災津波の被災県です。でも、宮城県はもう既につくっている。結局、海洋ごみの多くは川から流れ出るごみなわけですよ。そういうごみをどう少なくしていくか、そして、どう処理していくかというのが、この計画の意義、趣旨でありますから、ごみを出さない取り組みも、この計画をつくることによって、そういう成果も上がっていくと私は理解しているのです。
岩手県には北上川が流れています。北上川からたくさんのごみや流木が多分流れていくのだと思います。それを処理する宮城県が策定していて、岩手県が知らんぷりというのは、これは宮城県に対して失礼だし、それから、環境保全を進めていくという意味でも、計画をつくらないでいたことが私は非常に残念でなりません。
そういう意味から、先ほど調査はされているとお聞きしましたけれども、早急に私はこの計画をつくるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇県土整備部長(八重樫弘明君) 地域計画の作成についてでございます。
先ほど御答弁申し上げたとおり、現在は、海岸への漂着物の発生状況の把握などに努めているところでございますが、今後、自然的、社会的条件に関し調査やデータの収集を進めていくとともに、発生源については、上流域の生活圏域など広域にわたることでもありますので、関係部局とも十分に連携しながら、地域計画の早期作成に向けて検討を進めていきたいと考えております。
〇15番(佐々木努君) もう一つ指摘させていただきますが、私は、県土整備部長が今の答弁をされるということが実はよく理解できていなくて、海洋ごみの問題については環境分野だと私は認識していますし、他県では全部環境分野の部署がこれに取り組んでいると思うのです。ですから、ちょっと驚きました。
震災からの経緯もあるとは認識しているのですが、これは環境生活部が担うべきだと思いますし、もしかしたら、こういうことで計画が策定されない、あるいは本来やるべきことがやられていない、そういうことがほかにもあるのではないかということで、今回あえてこの問題を取り上げさせていただきました。
これはどこの部署が担ってもきちんとやっていただければ文句はないのですけれども、仮にそういうものがうまく機能していない、部局間の連携が機能していないということがあってこういうことが起きているのだとしたら、そこはただしていってほしいし、もしほかにもこういう事案があるのだったら、早急に調査をして、適正な処理といいますか対応をしてほしいと思います。これについては要望だけにとどめておきますが、いずれにしろ早急な策定をお願いしたいと思います。
最後に、学校教育について伺います。
最初に、中学校の部活動についてお伺いいたします。
ここ数年、教員や子供たちの多忙化の観点から、部活動のあり方そのものが問われていると認識されています。
我が県では、ことし6月に県が部活動の在り方に関する方針を策定しまして、現在、県内の全市町村で県の方針にのっとった活動方針の策定が進められていると理解しています。
ただ、これで問題が全て解決するとは私は思っていません。以前にも問題提起をさせていただきました。現状、部活動とスポーツ少年団活動は、ほぼ同じメンバーで活動をされているわけでありまして、仮に学校がこの部活動のルールを決めたとしても、その分を今度はスポーツ少年団が補うような形になってしまったら、この計画を立てた意味が全くなくなるし、教員の負担は確かに軽減されるかもしれませんけれども、活動する子供、そして親の負担の軽減には全くつながっていかないという、これはこれからまた多分大きな問題になってくると私は思っていますし、実際にそのような状況だということを私は友人の教師から聞いております。
やはり、これはスポーツ少年団と一緒に考えていかなければならないということですが、スポーツ少年団は、御承知のとおり民間団体でありますから、県も深くは踏み込めないということは理解します。ですが、やはりスポーツ少年団等にしっかりとこういう話をされて、子供の部活動も含めたスポーツ活動のあり方についてしっかり議論して、あるべき姿を求めていく、そういうことをしていかなければならないと思うのですが、これまで県教育委員会として、スポーツ少年団本部とどのような話し合いを持たれたのか、どのような連携を図られてきたのかをお聞かせください。
〇教育長(高橋嘉行君) スポーツ少年団等の活動は、その活動にかかわる全ての皆さんの主体的な判断と合意形成のもとに行われているものであり、生徒の健全育成やスポーツ活動の充実という面で意義のある活動ではありますが、スポーツ少年団の一部には、活動時間、活動頻度等が生徒や教員、保護者の大きな負担になっているという声があることは、私も承知いたしております。
このような実態を踏まえまして、県教育委員会といたしましては、これまで、スポーツ少年団本部を置く県体育協会に対しまして、参加者が同じ場合等にあっては、部活動とスポーツ少年団等の活動を一連の活動として捉え、生徒の健康面や生活リズムに配慮した適切な活動となるよう要請を行ってきております。
特に、本年度におきましては、本県の部活動の在り方に関する方針の策定に向けた検討会議や、スポーツ・部活動連携推進会議という場を設けておりますけれども、この場で、県体育協会を初めとする関係団体と本県生徒の部活動やスポーツ少年団等のあり方をテーマに意見交換を行い、その合意形成を図ったところでありますが、今後におきましても、関係団体との十分な情報共有に努めながら、適切な休養日や活動時間の設定等が定着するように取り組んでいきたいと考えております。
〇15番(佐々木努君) スポーツ少年団本部と話し合いを持ってしっかり連携をしているという話でした。ありがとうございます。
ただ、それが末端まで伝わっているかどうかは別です。やはりさっきも申し上げましたが、私の知人のある教師は、徹底されていないと。結局は、学校が休みになれば、その分スポーツ少年団活動がカバーする状況になっていて、子供たちは全然休みがないよという話をされています。
教育委員会では、確かに部活動の活動方針をそれぞれ立てて、それを徹底させていっても、結局、スポーツ少年団活動があればそういうことになりかねませんので、ぜひ連携を強めていただきたいということと、これは私からの提案ですけれども、もう教育委員会として、1週間に休養日を必ず2日つくると。これは部活動だけではなく、スポーツ少年団も合わせて休養日を2日つくるんだということをしっかりスポーツ少年団本部にも申し入れて、合意を得て、全ての県内の中学生は週に2日必ず休める、体を休めることができるという岩手型の部活動なりスポーツのあり方、方針みたいなものを真剣になって教育委員会につくってもらいたいと思うのです。それが必ず子供のためになると私は思うのですが、いかがでしょうか。
〇教育長(高橋嘉行君) 本年6月に策定いたしました部活動の在り方に関する方針におきましては、中学校では週当たり2日以上の休養日を設けること、1日の活動時間は、長くとも平日では2時間程度、学校の休業日では3時間程度と示したことは、御案内のとおりでございます。
あわせて、生徒の実質的な休養日等を確保するために、本県独自のルールといたしまして、父母会、スポーツ少年団等において、部活動を補完する活動が行われている場合においては、部活動と合わせて基準を超えない活動とする旨も明記いたしまして、スポーツ関係団体や市町村教育委員会に対し、その浸透を強く要請しているところでございます。
今後におきましても、定期的な活動実態の把握に努めながら、基準を踏まえた適切な活動が定着するように取り組んでいきたいと考えています。
〇15番(佐々木努君) 私は、それをしっかりと明示して、もうスポーツ少年団活動も部活動も週5日、合わせて週5日だということをしっかりとスポーツ少年団に対しても、子供たちに対しても、学校に対してもそれを示すことが大事だと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
あわせて、今、県内の中学校の保護者の方から、岩手県だけ中学校の部活動はほぼ強制加入である、100%加入だという話をされて、他県のように入るも入らないも自由にすることができないのかという話も最近よく聞こえてくるわけであります。そのことに対してのお考えも含めて、今の部活動のあり方について県教育委員会はどのようにお考えでしょうか。
〇教育長(高橋嘉行君) 本県の中学校におきましては、これまで、異年齢集団による活動を通して、社会性や生涯にわたってスポーツ、文化に親しむ能力を育成する観点などから、部活動への加入を勧めてきており、その加入率は、他県等に比して高い割合となっております。
近年、部活動のあり方については、スポーツ、文化活動の多様化等に加え、生徒、教職員の負担軽減やスポーツ医・科学的指導の高い有用性など、さまざまな指摘等がなされておりますが、県教育委員会におきましては、部活動の在り方に関する方針と教職員働き方改革プランの策定に当たり、部活動は、生徒の自主的、自発的活動であることを改めて各学校に徹底することとしたところであります。
県内においては、本年度から、部活動の任意加入制を明示した中学校もありますので、今後におきましては、県内外のさまざまな取り組み事例などを市町村教育委員会を通じながら各学校に紹介するなど、部活動の本質を踏まえた見直しが推進されるように取り組んでいきます。
〇15番(佐々木努君) 私も自分の経験から、部活動は教育の分野で非常に大事な部分を占めるものだと思っていますので、今の岩手県の部活動のあり方は非常にいいと思うのです。ただ、そういう不満の声が出るのは、やはり行き過ぎた部活動が行われているからであって、そういうものを改善していけば、どの親御さん、保護者の方も、部活動を頑張ってやれよという応援する立場になってくれると思うので、ぜひ、先ほどの繰り返しになりますけれども、部活動のあり方については、しっかりと県が決めたルール、あるいは市町村が決めたルールを守っていただくような、子供たちにも、親にも、先生にも負担がない、そういう部活動にしていただけるように、指導、徹底をお願いしたいと思います。
次に、高校再編についてお伺いしたいと思います。
この高校再編は、県内の生徒の減少が引き金になって近年行われていますし、それから、これはやらなくてはならない非常に重要な課題だとは認識しています。ただ、今、地域の方々が心配しているように、今まで自分のまちにあった高校がなくなることで、地域の灯が消えてしまうのではないか、地域がますます衰退してしまうのではないかという心配の声があって、それで、何としても地域の高校を残してほしいという活動が、これは市町村長も今頑張っていらっしゃいますけれども、そういう活動が県内各地で行われていると思っています。私も、その思い、その考えに非常に賛成でありまして、できる限り、可能であれば地域の高校は残してもらいたいと思っていますし、議論は慎重に行うべきだと思います。
県もそういう立場でこれまでもこの再編計画を策定され、あるいは地域住民の方と議論をされてきたと思っておりますので、これは教育長にお聞きしませんが、この高校再編について知事はどのようにお考えなのか、知事のお考えをお伺いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 県立高校の再編についてでありますが、情報化やグローバル化の急速な進展など社会の激しい変化の中で、岩手の子供たちが主体的に生き抜くために必要な資質、能力を育成していくためには、身近な地域を含めた社会とのつながりの中で、生徒一人一人が、集団生活を通じて、他者と協働しながら学び、成長していくことが大切であります。
また、ふるさと振興を総合的に推進している中で、県民からは、高校において地域の産業や文化等への一層の理解を深めていくことが、地元定着や地域の活性化等にもつながるという大きな期待があると認識しておりまして、次期総合計画の長期ビジョン案においても、地域社会や地域の産業界等との交流、連携を推進し、学校の魅力を高めていくこととしているところです。
県教育委員会では、地域における高校の役割等も十分に考慮しながら、高校再編の推進に取り組むとともに、後期計画の策定に当たっては、地域との意見交換を丁寧に行い、教育の質の保証と教育の機会の保障の観点を重視しながら検討を進めていくと承知していますが、いずれ、中長期的かつ戦略的な視点にも立った検討を進めてほしいと思います。
〇15番(佐々木努君) 知事個人として、この地域の方々が何としても残してほしいという活動、運動について、どのように理解されていますか。そして、その姿を見て、知事はどのようにお感じになりますか。
〇知事(達増拓也君) ちょっと今の質問を全て把握できたかどうか自信がないところでありますけれども、地域の皆さんの地域振興に対する思いは、まち・ひと・しごと創生法に基づき、岩手ではふるさと振興という名前で総合戦略を立て、そして、県と市町村が一緒になって取り組んでいるところであり、人口減少対策ということ、ふるさとを消滅させてはならないということについては、岩手県の市町村それぞれ、行政も、また住民の皆さんも非常に熱心に、また、自分の家族、御先祖様が通った学校、働いている場所それぞれに、さまざまな思いを持ちながら取り組んでいると認識しています。
〇15番(佐々木努君) 最後に、総合教育会議についてお伺いします。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正によって総合教育会議が設置されてから4年がたちました。改めて、総合教育会議の設置の意義と知事の役割をどのように認識されているのか、知事に伺います。
〇知事(達増拓也君) 総合教育会議の設置の意義と知事の役割についてでありますが、総合教育会議は、知事と教育委員会が、教育のあるべき姿や課題を共有し、相互の連携を図りつつ、より一層民意を反映した教育行政を推進するために設置されたものでありますが、教育委員会は、引き続き執行機関としての教育に関する事務を担う一方で、知事は、総合教育会議を主宰し、重点的に講ずべき教育施策等について、知事と教育委員会との方向性を調整することなどが大きな役割であると認識しております。
また、県民の代表である知事が教育にかかわることは、教育を県民に対してより開かれたものにしていくことにつながるものと考えておりまして、平成27年度以来これまで、総合教育会議においては、いじめ問題への対応や新たな高校再編計画の策定、希望郷いわて国体に向けた競技力向上、次期総合計画における教育分野と新たな教育振興計画の協議など、その時々の重要テーマを議題として協議、調整を行ってきているところであります。
いずれ、知事と教育委員会が、それぞれの役割と責任をしっかりと果たしていくことで、より望ましい教育行政の実現につながることから、今後におきましても、総合教育会議の場などを活用しながら、教育委員会との連携のもとに、本県教育の充実と、この岩手の地で、岩手の地域地域、そして日本の次代を担う人材を育んでまいります。
〇15番(佐々木努君) 今、総合教育会議を通して教育委員会と知事の連携を図ってきたという答弁だったと思いますが、私はかなり異なる認識を持っています。これまで行われた総合教育会議の会議録を私は読ませていただきました。正直、失望いたしました。
会議はこれまで大体年2回、これは何かそのように決められているようでありますけれども、時間は、最近は1時間で終了です。4時から5時で終了。つまり、年2時間しかこの総合教育会議は行われていない。非常に重要な会議だと私は思っています。行政のトップである知事、それから、教育行政のトップである教育長、そして教育委員の方々と、こういう場で教育委員会がどういう教育をしていきたいのか、あるいは知事が教育にどういうことを期待するのか、行政としてどのように教育委員会に働きかけていくのか、そういうものをディスカッションする大事な場であるのに、年わずか2時間しか協議されていない。こういうことが本当にあるのでしょうか。
中身は、知事が司会進行をされて、教育委員一人一人に自由にといいますか、議題もあるようですけれども、感想を求めて、それに対して最後にコメントを述べるという議論、そういう会議の中身で本当に真剣に知事と教育委員会が一緒になって、これからの岩手の子供たちの大事な教育を話し合っているのかと。そういうことを考えると非常にがっかりですね。さっきも言いましたが、失望しました。
知事は、県民のために、県民のトップとしていろいろなことを常に考えていらっしゃると思います。教育というのは県行政で非常に大きなウエートを占めています。なぜなら、これからの県を背負っていく子供たちを育てていかなければならない、人材を育てていかなければならない、教育にはそういう使命があるわけですから。知事は、そういう教育に対して、自分はこう思っている、こういうことをやってほしいという思いが一つや二つあっていいのではないかと思うのです。
これは、知事の言うことが全部正しくて、それが全部通る、通らないは別です。最終的な執行権は教育委員会にありますから、知事が幾らこれをやってくれと言ったって、できないものはできないということになると思うけれども、それでも、知事部局のほうから、教育委員会にこうしてほしい、こういうことを変えてほしいということは結構あると思うのです。
例えば、先日の新聞に男女混合名簿を今度、教育委員会がしっかり小中学校にも働きかけていくという記事がありました。これは、男女共同参画の分野で、担当課が一生懸命取り組んできたことです。そういうものをそういう総合教育会議の場で、知事が、女性の活躍支援をやりたいから、こういうものにぜひ取り組んでくれよという話をすれば、もっと早くこういうことが進んだのではないかと思います。
それから、今、人口減少が非常に深刻化していまして、若者の県外流出が進んでいます。きょう質問しようと思いましたができなかったのですけれども、高校と地域の連携強化、これは国も進めようとしています。それはなぜかというと、若者がしっかり地元に残る、そういう若者をふやしていくために、この法律が改正されて、そういう取り組みをやれと国が言っているのですよ。
そうであれば、知事も、若い人に残ってほしい、定住してほしい、そして地域を支えていってほしい、そういう強い思いがあるのなら、もっと教育委員会にそういうものを頑張ってほしいということを、この総合教育会議を通してどんどん要請していくべきではないかと私は思うのです。
これから知事が、この総合教育会議でどのような考えを持って、御自身の考え、あるいは知事部局としての考えを教育委員会に伝えられていくのか、そのお考えを最後にお伺いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) まず、教育委員会は、執行機関として教育に関する事務を担うという大原則はあるわけでありますけれども、総合教育会議は、地方教育行政の組織運営に関する法律の一部改正により、大綱の策定、岩手県で言えば計画ですね、教育の条件整備など重点的に講ずべき施策、教育の条件整備という言葉は、伝統的には学校施設などのことを意味するものとして使われてきた経緯がありますが、児童生徒等の生命、身体の保護等緊急の場合に講ずべき措置、この三つについて行うこととされております。
先ほど述べましたように、計画、また高校再編、そして、いじめ対策といったことについて、総合教育会議で取り上げているところでありまして、引き続きそのように対応してまいりたいと思います。
〇15番(佐々木努君) 終わります。(拍手)
〇議長(佐々木順一君) 以上をもって、佐々木努君の一般質問を終わります。
〇議長(佐々木順一君) この際、暫時休憩いたします。
午後2時29分 休 憩
出席議員(46名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 千 葉 絢 子 君
3  番 ハクセル美穂子 君
4  番 菅野 ひろのり 君
5  番 柳 村   一 君
6  番 阿 部 盛 重 君
7  番 佐 藤 ケイ子 君
8  番 佐々木 宣 和 君
9  番 臼 澤   勉 君
10  番 川 村 伸 浩 君
11  番 田 村 勝 則 君
12  番 工 藤   誠 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 吉 田 敬 子 君
15  番 佐々木   努 君
16  番 千 葉   進 君
17  番 佐々木 朋 和 君
18  番 名須川   晋 君
19  番 軽 石 義 則 君
20  番 神 崎 浩 之 君
21  番 城内 よしひこ 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 佐々木 茂 光 君
24  番 高 橋 孝 眞 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 小 西 和 子 君
27  番 工 藤 勝 博 君
28  番 高 橋 但 馬 君
29  番 小 野   共 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 高 橋   元 君
32  番 関 根 敏 伸 君
33  番 岩 崎 友 一 君
34  番 中 平   均 君
35  番 五日市   王 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 小野寺   好 君
40  番 飯 澤   匡 君
41  番 佐々木 順 一 君
42  番 田 村   誠 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 工 藤 勝 子 君
45  番 柳 村 岩 見 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 大 輔 君
48  番 樋 下 正 信 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時49分再開
〇議長(佐々木順一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
日程第1、一般質問を継続いたします。軽石義則君。
〔19番軽石義則君登壇〕(拍手)

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