平成30年9月定例会 第14回岩手県議会定例会会議録

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〇26番(小西和子君) 社民党の小西和子でございます。
通告に従い、順次質問をいたします。
初めに、安倍政権の政策と県政について伺います。
安倍首相は、憲法改正を実現する年と述べ、9月の自民党総裁選の争点として9条改憲を掲げており、この秋の臨時国会において、自民党として改憲案を提出すると明言しています。
既に自民党改憲草案では、9条に自衛隊を明記する加憲案を提起しており、集団的自衛権の行使の容認のもと、2015年9月に与党が強行可決させた安全保障関連法の合憲化を狙うものであることから、全国で9条改憲阻止の取り組みが見られます。
5月3日の憲法記念日を前に各メディアが憲法について世論調査を発表しました。朝日新聞が行った調査では、安倍政権のもとで憲法改正を実現することに賛成か反対かとの質問に、反対は58%、賛成は30%でした。NHKが4月に行った調査では、憲法第9条をどう評価するかとの質問に、非常に評価する28%、ある程度評価する42%を合わせると、評価するが70%に上りました。
そこで知事に伺います。7割の国民が憲法第9条を評価すると回答しているにもかかわらず、民意を無視し、9条に自衛隊を明記する自民党改憲案を国会に提出し、国会発議、国民投票と推し進めようとする姿勢に対し、どのような見解をお持ちでしょうか。県民に与える影響もお示しください。
6月29日、与党は、参議院本会議で、長時間労働を助長し過労死を促進する高度プロフェッショナル制度の創設を含む働き方改革関連法案の採決を、働く者や過労死遺族の反対を押し切って強行しました。働き方改革関連法案は、性質の違う法案が一括法案とされたこともあり、論点は多岐にわたり、細部の論議は全く深まっていませんでした。
高度プロフェッショナル制度の必要性について、当初、安倍首相は、労働者のニーズに応えるものと強調していました。ところが、高度プロフェッショナル制度について厚生労働省がヒアリングしたのはたった5社12人の手抜き調査であり、うち9人は、ことし1月の加藤厚生労働大臣の答弁後にあわてて行われたというアリバイづくりの後づけ調査であることが明らかとなりました。
残業時間の罰則つき上限規制も極めて不十分な水準であり、過労死ラインの残業を容認したのと同じと言わざるを得ませんし、適用除外業種も多いことも問題です。まさに使用者のための働き方改革となっていることは、大きな問題です。
昨年の岩手県の事業所規模5人以上の1カ月の現金給与総額は27万7、009円で全国平均よりもおよそ4万円低く、全国39位となっています。事業所規模5人以上の総実労働時間は月154.9時間で、全国平均よりも11.5時間も長く働いており、全国で2番目に長時間労働となっています。違法時間外労働が124事業所、44.6%で確認されました。このうち過労死ラインとされる月100時間を超えたのは61事業所、21.9%に上りました。企業の人手不足が背景にあったと見られています。
知事に伺います。国の働き方改革は、新たな過労死を生む、地方にそぐわない法と言われています。岩手の労働者を守るために、全ての労働者が、健康とワーク・ライフ・バランスを確保しながら、尊厳を持って働き続けられるための実効性ある法整備を行うべきと国に対して進言すべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、東日本大震災津波と2016年の台風第10号災害からの復旧、復興について伺います。
このたびの平成30年北海道胆振東部地震や西日本豪雨を初めとする自然災害により被災されました皆様に、お見舞い申し上げますとともに、一刻も早い復旧、復興を心からお祈り申し上げます。
多くの命を奪い、ふるさとが失われた東日本大震災津波から7年半が経過しました。高台整備や災害公営住宅の完成に伴い、応急仮設住宅の撤去が進むなど、多くの方々の住環境が改善されているという声がある一方、再建後の生活面の不安や応急仮設住宅に残された方への心配の声もあります。
今なお応急仮設住宅等に4、143人が入居しております。県職員を初め関係の方々は身を粉にして復興に奮闘しておりますが、マンパワーの不足、財源問題など、今も多くの課題を抱えています。
さらに、県では、今年度を震災復興の先を見据えた地域振興、2016年の台風第10号災害に係る復旧業務がピークとなるほか、2019年の三陸復興防災プロジェクト推進に向けた準備、県の次期総合計画の策定など、新たな行政課題への対応を進めるとしています。
しかし、これらの業務遂行に係る人員体制が追いつかず、大規模欠員が解消されなければ、職員の過重労働が恒常化するとともに、職員のモチベーションが大きく低下します。
本年4月1日時点の県職員の欠員数は93人です。特別募集とともに任期付職員の採用及び他県応援職員の確保に努めた結果、8月1日現在での欠員数は70人となりました。しかし、震災前の欠員規模までの回復には至らず、依然として厳しい状況にあります。
そこで知事に伺いますが、今般の台風災害や地震災害の教訓を踏まえ、改めて、災害対策を想定しつつ業務を円滑に遂行できる人員体制の確保を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
昨年の一般質問の際、将来の大規模災害に備えては、地方自治体間が連携した水平補完による災害対応支援活動の制度的枠組みの創設が重要であり、国に対しても、機会を捉え、必要な職員を確保する仕組みの構築等について要望しているとのことでしたが、その後の経過も伺います。
あわせて、児童福祉や土木の分野などで人材不足となっており、欠員の解消に向けてさらなる方策が必要と考えますが、どのような道筋で取り組んでいくのか伺います。
また、専門職種の人材確保も喫緊の課題です。特に、獣医師、土木技術職など専門知識を持った職員は、募集しても応募が少ない状況です。獣医師を初め専門職員の処遇改善を含む具体的な確保方策に関し具体的な対応を求める声が高まっていますが、今後の取り組みについて伺います。
次に、会計年度任用職員制度について伺います。
知事部局における臨時、非常勤職員の配置状況は、本年4月時点で、臨時的任用職員が553人、非常勤職員が1、573人、合わせて2、126人と聞いており、臨時、非常勤職員は、今や県の行政を進める上で欠かすことのできない存在となっています。
そこで、2020年度からスタートする会計年度任用職員制度は、その趣旨が、特別非常勤職員と臨時的任用職員の任用要件の厳格化を目的とする一方で、初めて、期末手当の支給を可能とするなどの処遇改善も大きな目的であると認識しております。
本県においても、新制度導入を機に、処遇改善や雇用の安定を図るための制度設計が必要であると考えます。総務省では、単に勤務条件の確保等に伴う財政上の制約を理由として会計年度任用職員制度への必要な移行について抑制を図ることは、改正法の趣旨に合わないとしていますが、地方交付税措置を初めとした財政上の措置がしっかりと担保される財源確保は不可欠であり、国における財源確保対策にしっかりと取り組む必要があります。
そこで、県として、新制度導入に当たって処遇改善に向けた必要な財源措置について、国に対してどのように要望しているのか伺います。あわせて、新制度導入に当たっては、職場でともに業務に取り組んでいる正規職員、その代表である職員団体との十分な協議が図られ、労使合意前提のもとに制度構築なされるべきと考えますが、職員団体との労使協議に向かう姿勢を伺います。
災害公営住宅の入居者は、65歳以上の高齢者が約4割を占め、県全体の高齢化率を上回ります。多くは厚い壁で仕切られた集合住宅で、異変が起きても気づきにくいと言われています。ひとり暮らしで、住宅で亡くなった状態で発見された人は、2013年1人、2014年2人、2015年3人、2016年4人、2017年6人と増加傾向にあり、累計で16人が孤独死しています。
そこで、災害公営住宅や応急仮設住宅の高齢者の見守りや、交流活動支援についての実態と、財政を含めた今後の見通しについて伺います。
次に、豊かな教育の実現について伺います。
文部科学省は2月、学校における働き方改革に関する事務次官通知を発出しました。これは、昨年12月の中央教育審議会の中間まとめ、文部科学省の学校における働き方改革に関する緊急対策に基づき、学校における働き方改革の推進を教育委員会に求めるものです。
6月、県教育委員会は、岩手県教職員働き方改革プラン〜持続可能な教育環境の実現に向けて〜を発表しました。2018年度からの3年間で、目標を業務に対する充実感、健康に対する安心感の向上とし、月100時間以上の時間外勤務従事者を3年間でゼロに、80時間以上については半数以下にすることを数値目標として掲げています。
県教育委員会では、教職員のワーキンググループによる業務のスクラップ・アンド・ビルドの検討を行い、市町村教育委員会にも同様の取り組みを促すことになりました。多忙化解消の三つの要素、多忙化解消の制度や仕組みを整えること、人をふやすこと、業務を減らすことが三位一体として機能することが重要です。
そこで、教職員の負担軽減と教育の充実の実現に向け、岩手県教職員働き方改革プランを実効あるものにするための決意を伺います。地域においては、学校のあり方、教職員の働き方への理解を広める啓発に努めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
人事委員会委員長に伺います。昨年の一般質問において、人事委員会では、職員の給与等に関する報告及び勧告において、教育職員の長時間勤務の解消に向けた実効性のある取り組みの必要性について言及した。また、労働基準監督機関として、教育職員の勤務負担軽減に向けた取り組みの実施について、教育委員会に対して促していく。とのことでしたが、その後の取り組み状況について伺います。
近年、学校統廃合は、児童生徒数の減少などから、岩手県でもその数は急増しています。統廃合は、学校の適正規模から歓迎される一方、地域の拠点の喪失などの問題も生じさせています。その中で、地域の伝統である民俗芸能の取り組みも変更や廃止の危機に直面していると言われています。人口減少が叫ばれる中で、学校で伝統芸能を継承し、地域で育ったという思いが、地域に残ること、地域に戻ることにつながると考えます。
子供たちが地域で学ぶためには、選択できる学びの場である高校がなければなりません。さらに、働く場が保障されていなければなりません。
知事に伺います。安易な適正規模や経済効率で学校の統廃合を検討するのではなく、学校と地域がつくり出す地域のよさを守ることが教育の中での幸福度につながると考えますが、いかがでしょうか。
毎日のように児童虐待、体罰、障がい者差別、いじめ、不登校が報じられています。子供たちが現在置かれている状況を安心して育つ状況に変えるために、岩手県子どもの権利条例策定の議論を始めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
不登校は、いじめ、友人関係、競争教育などの原因が考えられると言われています。不登校が長引けば、引きこもりになります。現在、50代、40代の引きこもりの方が、高齢の親と、経済的、精神的に追い詰められ、社会的な問題となっています。
〔副議長退席、議長着席〕
引きこもりについて実態調査を行いまとめているとのことですが、50代、40代の引きこもりの実態はどのような状況で、今後どのような取り組みを行おうとしているのか、スケジュールもあわせて伺います。
次に、児童虐待防止対策の充実について伺います。
児童虐待は、子供の心身の成長及び人格の形成に重要な影響を与えるばかりでなく、次の世代に引き継がれるおそれのあるものです。
岩手県の児童相談所の昨年度の児童虐待対応件数は1、088件で、その内訳は、心理的虐待57.0%、身体的虐待21.7%、ネグレクト19.6%、性的虐待1.7%です。配偶者への暴力で子供がストレスを受ける面前DVが心理的虐待と認知され、通報を受けた警察が児童相談所に通告を徹底していることを反映しています。児童虐待対応件数1、088件の3分の1は面前DVによるものと言われています。
問題は、深刻な児童相談所の人員不足です。盛岡市、一関市、宮古市の3カ所の児童相談所に37人の児童福祉司が配置されています。今年度は児童福祉司など8人を増員させたものの、対応件数は伸び続け、現場からは、その場しのぎで個々に丁寧に対応できないという声が聞こえてきます。
若い職員、経験年数の少ない職員が多いことから、研修や質の向上にも取り組んでいる、児童相談所に虐待対応専門チームを設置して体制強化を図っているとのことでしたが、今後の児童相談所の相談体制強化の具体を伺います。
市町村の要保護児童対策地域協議会調整担当者研修を実施し、市町村の対応力及び専門性の向上に向けた支援を行っていますが、実際の対応力向上の成果を伺います。あわせて、面前DVを減らすための部局連携の取り組みも伺います。
北上市で、1歳男児が十分な食事を与えられず死亡しました。この事案発生後、県は、市町村や保育施設に対し注意喚起の通知を発出しました。さらに、問題点、課題を整理し、検証を実施しているところであり、9月18日には、児童相談所と警察の相互連携に係る協定を締結し、児童虐待への連携体制の充実を図っているとのことですが、締結した協定の内容と連携に向けた意気込みを警察本部長に伺います。
盛岡市では、本年4月から子育て世代包括支援センターと設置が求められている市区町村子ども家庭総合支援拠点の機能をあわせ持つ子ども未来ステーションを設置し、児童虐待対応の体制を充実させました。今年度4月から7月までの相談対応件数は1、835件で、ほとんどが虐待についてでした。前年度の805件の2.3倍に当たります。昨年度までは、福祉総合相談センターの相談対応件数のほぼ半数は盛岡市からの相談でした。
そこで、今年度4月から7月までの福祉総合相談センターの全体の相談対応件数と盛岡市からの相談対応件数を伺います。あわせて、中核市である盛岡市への児童相談所設置の要請の進捗状況を伺います。
妊産婦死亡、自殺が最多、産後うつ原因かとの報道がありました。県が行っている地域で支える周産期保健医療支援事業は、地域の助産師等を活用して、地域で安心して妊娠、出産、子育てができる体制づくりを目指しています。昨年度は花巻市の例がありましたし、長年行われている気仙地区の母子保健の充実もあります。
地域で支える周産期保健医療支援事業の今年度の実施状況と今後の事業拡大について伺います。
次に、男女が互いに尊重し合い、共に参画する社会について伺います。
昨年11月2日、世界経済フォーラムは、政治、経済、健康、教育の4分野での性別格差を評価した国別ランキングを発表しました。日本は144カ国中114位で、前年から4位後退しました。日本は2015年101位、2016年111位、2017年114位とどんどん順位を落としております。先進8カ国の中で最下位です。
日本の評価は、項目ごとに優劣がはっきりしています。教育や平均余命の分野では男女間に不平等は見られないという評価で、昨年同様世界1位のランクの一方、労働賃金、政治家・経営管理職、教授・専門職、高等教育、国会議員数では、男女間に差が大きいとの評価で、世界ランクがいずれも100位以下。その中でも最も低いのが国会議員数で、世界129位です。
知事は、職員団体との意見交換の場において、仕事と育児等の両立支援について、昨年度、県南広域振興局で行っていたワーク・ライフ・バランスシートを今年度から全県に拡大した。結婚、出産などの働き方との関係で所属長に配慮してほしい点を伝える仕組みが必要と考えた。イクボス宣言でも、所属長などの責任者に趣旨を浸透させて、組織全体でワーク・ライフ・バランス、特に子育てに優しい働き方を進める必要があると述べられております。
ワーク・ライフ・バランスシートの取り組みを含め、長時間労働や休暇を取得しにくい環境の改善に向け、どう取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。あわせて、県職員が男女を問わず育児休業、介護休暇等を取得しやすい環境づくりを知事のリーダーシップにより推進していくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
性的少数者LGBTへの差別や暴力の解消に取り組む市民団体いわてレインボーマーチは、9月1日、自由で平等な社会の実現を訴えるプライドパレードを本県で初めて盛岡市で行い、約160人が参加しました。誰もが生きることをエンジョイできる岩手を目標に、いまだにあるLGBTへの偏見や差別をなくし、関心と理解を深めて、性のあり方にとらわれない地域社会を実現しようと実施しました。
電通が2015年に約7万人を対象に行った調査では、LGBTを自認する人は7.6%で、左ききやAB型とほぼ同じ割合です。2013年にいわて思春期研究会が行った調査では、岩手県では高校生の10人に1人がLGBTという結果が報告されています。
岩手県として、相談支援のみならず、LGBTが生きやすい社会づくりの取り組みを行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
文部科学省は2015年、性的マイノリティーの子供が悩みを相談できる教職員らを配置するよう、全国の教育委員会などに通知しました。自認する性別の制服、体操着の着用や多目的トイレの使用を認めるなど、各校で実施されている配慮事項を紹介しました。また、男女混合名簿やさんづけ呼称の導入など、性別による区分を避けることは、多くの自治体では既に取り組まれていることです。通知をしたものの、実際の対応は現場任せになっていることがわかりました。
そこで、県教育委員会として、この通知を受けて具体的にどのような支援を行っているのか伺います。
性別で分けない男女混合名簿の本県の昨年度の使用割合は、小学校37.8%、中学校18.7%、高等学校全日制60.9%、定時制88.9%、通信制100%、特別支援学校100%です。全国平均が8割とのマスコミ報道がある中、岩手県の小学校、中学校の使用割合は全国の最下位グループです。
そこで、人権教育、男女平等教育を推進するためにも、性的マイノリティーの子供の悩みを受けとめるためにも、性別で分けない男女混合名簿の導入がいかに重要な取り組みかについて、各市町村教育委員会に働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。
県内の学校で、男女の定員を40人ずつとしているのが県立一関第一高等学校附属中学校です。地域からは、なぜ男女で人数を分けなければならないのか、女子児童が差別されているのではないかとの声が届けられました。
そこで、改めて伺います。県立一関第一高等学校附属中学校の募集定員を男子40人、女子40人にしている理由と根拠をお示しください。性別で合格人数を定めることは、岩手県男女共同参画推進条例の理念に反することと考えますが、いかがでしょうか。
最後に、障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例について伺います。
8月28日、中央省庁での障がい者雇用の水増し問題について、厚生労働省が調査結果を公表し、27機関で3、460人の水増しがあり、実際の雇用率は法定率を大きく下回り1.19%であったことが明らかになりました。率先して障がい者の働く場を広げる立場にある中央省庁が、みずからルール違反をして組織的な不正を行っていた事態は、国政に対する信頼を大きく失墜させるものであり、断じて許されるものではありません。
岩手県の6月1日現在の障がい者雇用状況を見ると、知事部局の雇用人数は81人で、法定雇用率2.5%を上回る2.52%の雇用率です。
教育委員会は、再度の確認で、障害者手帳を所持していない方4人、障害者手帳を所持しているが等級を誤報告していた方1人が確認され訂正していますが、雇用人数は160人で、法定雇用率2.4%を上回る2.42%の雇用率です。
また、岩手県警の雇用人数は8人、医療局の雇用人数は59人で、それぞれ法定雇用率2.5%の基準に達しています。
企業局の雇用人数は1人、雇用率は1.19%で、法定雇用率2.5%に達していない状況ですが、雇用状況を適切に報告しています。
障がい者の雇用拡大に向け、一部の自治体は、庁内業務を見直し、障がい者が働きやすい環境整備を進めています。
千葉県は、知的障がい者と精神障がい者の雇用をふやそうと、各部署の簡易なデータ入力や文書の封入作業などを集約したチャレンジドオフィスを2007年に開始しています。担当業務を拡大し、雇用数は当初の5人から現在は12人にふえました。三重県の知事は、働きたい障がい者はまだ多くいる。働く場の環境づくりが足りないだけで、確保が難しいということではないと指摘しています。
そこで知事に伺います。岩手県として、今後、障がい者の雇用拡大に向け、障がい者が働きやすい環境整備をどのように進めていこうとしているのか伺います。
岩手県は国に先駆け、2011年7月1日より、障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例が施行されています。
この条例に基づき、障がいのある人に対する不利益な取り扱いに係る相談を県内の市町村または市町村の社会福祉協議会で受け付けていますが、岩手県の実態と、どのような防止策を講じているのか伺います。
また、働く障がい者への虐待は労働局でも受け付けています。2017年度に職場で雇用主や上司から虐待された障がい者は全国で1、308人、前年度より34.6%もふえました。そこで、障がい者雇用の経験が少なく、障がい者が働きやすい職場づくりへの認識が乏しい企業もあると考えられますが、本県民間企業での障がい者の雇用拡大に向け、今後どのような取り組みを行っていくのか伺います。
以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(佐々木順一君) 本日の会議時間は、議事の都合よりあらかじめ延長いたします。
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 小西和子議員の御質問にお答え申し上げます。
今回の自民党総裁選で当選した安倍晋三総裁に対して私が望みますのは、東日本大震災からの復興やふるさと振興、ILCの東北への建設実現などの重要課題について、地方の声に耳を傾けながら、力強く推進していただきたいということであります。
議員御指摘のとおり、各種世論調査の結果からは、日本国民は憲法第9条の改正について積極的とは言えず、そのような民意は、石破茂総裁候補が約45%の地方票を獲得したことにもあらわれていると思います。安倍晋三総裁におかれては、岩手県民のためにも、地方の経済社会が改善し、人口の東京一極集中が是正されるような政策を迅速に推進していただきたいです。
次に、働き方改革についてでありますが、労働基準法第1条に、労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならないとあることも踏まえ、全ての働く方々が健康で生き生きと働くことができる魅力ある労働環境を整備するため、長時間労働などを是正する働き方改革が重要であると認識しています。
このため県では、いわてで働こう推進協議会を核として、産業界、労働界、市町村等と協力しながら全県的ないわて働き方改革推進運動を展開し、専門家による個別企業への指導支援や働き方改革のモデル事例の創出などに取り組むとともに、すぐれた企業の取り組みを表彰し広く紹介するいわて働き方改革アワードを実施するなど、県内企業における働き方改革を促進しているところであります。
また、県では、これまでも国に対し、長時間労働の是正や休暇取得の促進のための制度整備の推進や労働法令等の遵守に向けた岩手労働局の監視機能の強化等を要望してきたところであります。
今般、働き方改革推進関連法が成立したところでありますが、県といたしましては、岩手労働局が設置した岩手県働き方改革推進支援センターと連携し、県内就業者の適正な労働条件が確保され、よりよい労働環境のもとで働き、暮らすことができるよう努めてまいります。国に対しても、働く方々の労働環境のさらなる向上に資するよう、適時適切に要望してまいります。
次に、人員体制の確保についてでありますが、さまざまな行政需要や新しい行政ニーズに対応していくためにはマンパワーの確保が必要であり、あわせて、施策の優先度を見きわめ、重要な課題に財源や人的資源を配分し、効果的、効率的に取り組み、成果を上げていく視点も必要であると考えております。
これまで、震災復興や台風災害、ふるさと振興などの県政課題に対応するため、特別募集を含め新規採用職員を大幅にふやしてきたほか、任期付職員や再任用職員の採用、全国の都道府県等からの応援職員の受け入れ、任期付職員経験者の任期の定めのない職員への採用など、多様な方策により人材の確保に取り組んできたところであり、知事部局においては、震災発災以前の体制から400人を上回る増員を行い、一定程度欠員の縮小が図られたところであります。
また、平成30年7月豪雨及び平成30年北海道胆振東部地震への対応に当たりましては、全国の地方自治体から応援職員を派遣する被災市区町村応援職員確保システムの運用により、本県から西日本の3県と北海道に職員を派遣したところであります。
今後とも、こうした地方自治体間が連携した水平補完による職員確保を含めた人材確保の取り組みを推進し、新たな県政課題に柔軟かつ適切に対応できる体制を構築してまいります。
次に、高校と地域のかかわりについてでありますが、本県の学校教育においては、岩手の子供たちが、情報化やグローバル化の一層の進展などにより変容するこれからの時代において、新たな社会をつくり、生き抜いていく力を育むため、子供たち一人一人に確かな学力、豊かな心、健やかな体の知、徳、体をバランスよく身につけてもらうことが大切であります。また、ふるさと振興を総合的に推進している中で、県民からは、高校において地域の産業や文化等への一層の理解を深めていくことが地元定着や地域の活性化等にもつながるという大きな期待があると認識しておりまして、次期総合計画長期ビジョンの中間案において、地域社会や地域の産業界等との交流、連携を推進し、学校の魅力を高めていくこととしています。
教育委員会においては、現在、高校再編計画の後期再編プログラムの策定に着手していますが、その具体的な検討に当たっては、地域を含めた社会とのつながりの中で、これからのよりよい社会と幸福な人生をつくっていく力を高校教育で育んでいくため、中長期的かつ戦略的な視点にも立って高校のあり方を検討してほしいと考えております。
次に、職員のワーク・ライフ・バランスの推進についてでありますが、県では、県民がみずからの希望に応じて、仕事と生活の調和を大切にしながら充実した生活を送ることができるよう、県内の企業や団体の参画を得て働き方改革の取り組みを進めているところであり、庁内におきましても、職員のワーク・ライフ・バランスを重視した働き方改革を推進していくことが重要であります。
このため、これまで、各所属で策定する業務方針に仕事と生活の両立のための具体的な方策を記載し、所属の実情に応じた働き方の見直しに取り組みましたほか、今年度からは、議員から御紹介のあったワーク・ライフ・バランスシートを全庁展開したところであります。さらに、8月からは、長時間勤務の縮減に向けた業務の見直しや繁閑調整、休暇取得などを促進するため、部局ごとに働き方改革推進員を指名するとともに、働き方改革の取り組みを全庁で集中的に実施する強化月間を設定するなど、取り組みの強化を図ったところであります。
育児休業や介護休暇等を取得しやすい環境づくりについては、次世代育成支援及び女性活躍推進のための特定事業主行動計画に基づいて、所属長のリーダーシップのもと、男女を問わず出生予定がある職員に対する休暇取得や勤務時間等の希望を踏まえた支援のほか、子の看護や家族の介護に係る休暇の拡充等を進めてまいりました。
今後におきましても、ワーク・ライフ・バランスシートなどを活用して、所属長が育児や介護等の職員の個別事情を丁寧に把握しながら、超過勤務の縮減や育児休業、介護休暇などを取得しやすい環境づくりに努め、職員の健康保持や仕事と生活の両立に向けた働き方改革に取り組んでまいります。
次に、県の障がい者の雇用拡大に向けた環境整備についてでありますが、障がいのある人と障がいのない人とが互いに権利を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指し、県の職場においてもこうした共生社会を推進していくことが重要であります。
県では、これまで、法定雇用率の段階的な引き上げを見据えて計画的に障がい者の採用に取り組むとともに、障がい者の募集や採用等に当たっては、点字や音声、手話等による試験の実施、職場内で移動する際の負担軽減など、厚生労働省が定める障害者差別禁止指針及び合理的配慮指針に基づき、適切に対応してまいりました。こうした取り組みにより県の障がい者雇用率は着実に向上してまいりましたが、一方で、障がいの特性に配慮した業務の割り当てや指導する職員の確保等の課題もあるところであります。
このため、県としては、今後においても計画的な障がい者の採用や障がいのある職員が働きやすい環境づくりを進めるとともに、さらなる雇用の拡大に向けて、他県の事例も参考としながら取り組んでまいります。
その他のお尋ねにつきましては企画理事及び関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔復興局長佐々木信君登壇〕
〇復興局長(佐々木信君) 災害公営住宅等の高齢者の見守りや交流活動支援についてでありますが、国の被災者支援総合交付金を活用し、社会福祉協議会で設置している生活支援相談員や市町村で設置している支援員などが災害公営住宅や応急仮設住宅等を個々の世帯の状況に応じて戸別に訪問し、見守りや相談支援などを行っています。地域によっては、老人クラブによる見守り等、住民が主体となった活動も行われております。また、生活支援相談員は、地域における住民同士の交流機会をつくるためのイベント開催やサロン活動などにも協力しています。
県といたしましては、災害公営住宅等における高齢者等の見守りなどの取り組みを継続して実施していく必要があると考えており、そのための財政措置を継続するよう国に要望しているところです。
今後も、被災者が安心して暮らすことができるよう、被災者一人一人に寄り添ったきめ細かな支援に努めてまいります。
〔企画理事兼総務部長佐藤博君登壇〕
〇企画理事兼総務部長(佐藤博君) まず、災害時の職員確保の仕組みに係る要望についてでありますが、地方自治体間が連携した水平補完による災害対応支援活動の制度的枠組みの創設については、平成27年3月に開催された第3回国連防災世界会議において防災・復興に関する岩手県からの提言を行い、以後、毎年度、政府予算要望において、必要な職員を確実に確保する仕組みの構築について要望を行ってきたところです。その結果、平成30年3月に国において被災市区町村応援職員確保システムとして災害発生の初期段階における短期の派遣を対象とした仕組みが整備され、今回、西日本豪雨の被災3県と地震災害の北海道に本県職員を派遣したところです。一方で、中長期の派遣を対象とした仕組みについてはまだ構築されていないことから、引き続き国に対して要望してまいります。
次に、欠員解消に向けた方策についてでありますが、今年度も昨年度に引き続き特別募集を実施し、8月1日付で34人の職員を採用したところであり、同日現在での欠員数は70人となり、ピーク時の145人から一定程度の縮小が図られたところであります。また、来年度に向けては、新規採用職員数を本年度の採用数170人と同程度と見込んでいるほか、任期付職員や再任用職員の採用、都道府県等からの応援職員の受け入れ、任期付職員経験者の任期の定めのない職員への採用など、あらゆる手段を講じて必要な人員の確保に取り組んでいるところです。
受験者の確保に向けては、インターンシップの実施、県内外の大学生や保護者に対する説明会の開催、U・Iターンを希望する方への採用情報の提供などに取り組んでいるところであり、特に大学生のインターンシップについては今年度77人の受け入れを行っており、引き続き受け入れの拡大に力を入れていきたいと考えております。
今後も、震災復興に加え、新たな行政需要に対応していくため人材確保に向けた取り組みを継続するとともに、事業の効率化や重点化などにも十分配意しながら引き続き欠員解消に向けて努めてまいります。
次に、専門職種の人材確保についてでありますが、獣医師及び総合土木職などの専門職員は、それぞれ専門的な資格を必要とする行政分野において欠かせない人材であり、その確保は重要な課題であると認識しているところです。
そのため、まず、獣医師の確保に向けては、主に新卒者等を対象とした通常の採用選考に加え、免許を有する者の通年募集や、昨年度初めて都道府県等での職務経験者を対象とした任期付職員の採用選考を実施し幅広い採用に努めているほか、修学資金の貸し付け、初任給の引き上げや手当の増額等を実施してきたところです。また、総合土木職の確保に向けては、民間等経験者のための採用枠を設けて幅広く募集してきたところでございますが、近年、新卒者を含め応募者数が減少していることから、インターンシップの実施や大学の訪問等を通じて採用試験受験者の確保を強化しているところです。
今後におきましても、所管部局や人事委員会と連携しながら計画的に採用を行うなど、専門職種の人材確保のための取り組みを進めてまいります。
次に、会計年度任用職員制度の財源措置についてでありますが、今回の法改正における国会審議の中で、政府から地方財政措置についてしっかりと検討していくと答弁されたものと承知しております。また、本年7月に開催された全国知事会議において、国に対する地方税財源の確保・充実等に関する提言が取りまとめられ、この中に、会計年度任用職員の導入に向け、期末手当の支給など制度改正に伴う適正な勤務条件の確保に必要となる地方団体の財政需要の増加について地方財政計画の歳出に確実に計上すべきであるとの内容が新たに盛り込まれたところです。
県といたしましては、今後、こうした全国知事会による国への提言のほか、政府予算要望などを通じて、国に対し必要な財源措置が図られるよう対応を求めてまいります。
次に、職員団体との協議についてでありますが、会計年度任用職員制度の適正かつ円滑な実施を確保するため、昨年8月に国から事務処理マニュアルが通知されているところです。このマニュアルの中で、会計年度任用職員の勤務条件については職員団体との交渉の対象となること、職員団体との間で適宜必要な協議を行うことなどが示されております。県といたしましては、こうしたマニュアルの内容も踏まえつつ、職員団体に対して丁寧な説明を行い、必要な協議を重ねていきたいと考えております。
〔保健福祉部長八重樫幸治君登壇〕
〇保健福祉部長(八重樫幸治君) まず、岩手県子どもの権利条例の策定についてでありますが、本県では、県民が安心して子供を産み育てることができる環境の整備を図り、一人一人の子供を健やかに育むことができる社会の実現に寄与することを目指し、いわての子どもを健やかに育む条例を平成27年4月に策定しています。この条例は、本県を取り巻くさまざまな状況、課題等を総合的に勘案し、子供と子育てを支援することを目的として制定していますが、基本理念として、子供の支援に当たっては、子供の権利を尊重し、その最善の利益を考慮することを盛り込んでいます。また、本条例に基づく基本計画であるいわて子どもプランにおいて、子供の生きる力を育むための教育環境の整備や児童虐待防止の充実など、子供の権利を守り、向上させる施策を推進しており、教育委員会や警察などの関係部局が一体となって取り組んでいるところであります。条例制定からいまだ4年目であり、本条例に基づくいわて子どもプランの施策を着実に実施しながら、子供の権利の尊重や権利擁護の取り組みを推進していく考えであります。
次に、ひきこもりについての取り組みについてでありますが、県ではこれまで全県のひきこもりの状況を把握していませんでしたが、平成27年度に釜石保健所が実施した管内のひきこもり実態調査によると、ひきこもり状態の方のうち、50代が11.5%、40代が38.5%と、50代、40代が全体の半数を占めており、ひきこもり者の高齢化やひきこもり期間の長期化が懸念されるところであります。今年度、県が実施している全県を対象とした地域住民の社会参加活動に関する実態調査については、現在、回答を回収しつつ集計作業を行っているところであり、おおむね11月までに集計結果の速報値を取りまとめたいと考えています。
今後、調査結果を分析の上、県ひきこもり支援センター等における相談対応や当事者の居場所づくり、家族教室、支援者向け研修会等の支援に生かすとともに、市町村や社会福祉協議会などに情報提供し、訪問支援や広報、啓発活動、生活困窮者自立相談支援機関による相談支援等、それぞれの分野における取り組みの強化につなげていくほか、関係機関等と連携しながら新たな対応策についても検討してまいります。
次に、今後の児童相談所の相談体制の強化についてでありますが、これまで、児童相談所に虐待対応チームを設置し、児童福祉司等専門職員を順次増員するなど相談体制の強化を図ってきたところであり、増員した専門職員に相談対応スキル等を獲得させ、児童虐待対応の専門性を確保するため、児童福祉司任用後研修等、組織的に教育訓練を行い、児童虐待対応力の充実強化に努めているところであります。
現在、人口5万人に1人の基準で配置している児童福祉司の配置基準が来年度からは4万人に1人となることから、この基準を満たすよう相談体制の強化を図っていくほか、児童心理司等の他の専門職員についても、児童相談所運営方針等の基準に基づき配置に努めていきます。
また、7月20日に公表した政府の児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策に、2019年度から2022年度までに全国で2、000人規模の児童福祉司の増員などを盛り込んだ児童虐待防止対策体制総合強化プランの骨子が示されたところであり、国の検討状況を情報収集しながら、今後とも児童相談所の相談体制の強化を図っていきます。
次に、市町村の対応力向上の成果についてでありますが、県では、平成28年改正児童福祉法により新たに義務化された市町村の要保護児童対策地域協議会調整担当者研修を昨年度から実施しています。この研修においては、子供の権利を守ることを最優先の目的としたソーシャルワークを実践し、その一環として、関係機関の連携を促進し、役割分担の依頼、調整をすることができることを到達目標とし、講義や演習を行っているところであります。参加した市町村職員からは、演習を通じて子供や保護者へのかかわり方を学んだことにより対人面接技術のスキルアップが図られた等の意見があり、研修を通じて実践的な対応力強化についての理解は深まっているものと認識しています。市町村の調整担当者は、要保護児童等への支援の状況を的確に把握し、関係機関との連絡調整を行う重要な任務を担っており、専門性の向上は欠かせないものであることから、今後も市町村研修等を通じて支援してまいります。
次に、面前DVを減らすための部局連携の取り組みについてでありますが、DVの防止及び被害者の保護に関し、関係機関、団体等の緊密な連携及び総合的かつ効果的な施策の推進を図るため設置している岩手県DV防止対策連絡協議会において、環境生活部、保健福祉部や教育委員会事務局、警察本部、福祉総合相談センターといった県の機関のほか、関係団体等が協働し、いわて配偶者暴力防止対策推進計画の推進やDV防止対策に関する相互の連絡調整及び情報交換等を行っているところであります。また、広域振興局保健福祉環境部においては、11月の児童虐待防止推進月間の取り組みとしてのオレンジリボンキャンペーンと連動して女性に対する暴力をなくす運動としてのパープルリボンキャンペーンを実施しており、今後とも関係部局と連携し、面前DVを含む児童虐待の発生予防に取り組んでいきます。
次に、福祉総合相談センターの児童虐待相談対応についてでありますが、今年度4月から7月までの福祉総合相談センターにおける児童虐待通告件数は速報値で240件程度であり、そのうち盛岡市の件数は110件程度となっています。盛岡市では、本年4月に子育て世代包括支援センターと市町村子ども家庭総合支援拠点の機能をあわせ持つ子ども未来ステーションを設置し児童虐待対応の体制を充実させたところであり、児童相談所の設置については、継続して情報収集等を行っている状況と聞いています。
盛岡市とは、福祉総合相談センターが日常的に児童虐待を含めた養護相談に係る助言、指導を行っているほか、児童虐待防止アクションプランのヒアリングの機会を通じて意見交換するなど連携して取り組んでいるところであり、県としては、今後も引き続き盛岡市の意向を確認しながら、必要に応じて国の児童相談所の設置促進施策等についての情報提供や意見交換を行っていきたいと考えています。
次に、地域で支える周産期保健医療支援事業についてでありますが、県では、地域で安心して妊娠、出産、子育てができる環境を整備するため、県助産師会等と連携し、助産師等を活用して地域で妊産婦を支える体制づくりに平成29年度から取り組んでおり、昨年度は、潜在助産師の掘り起こしや人材育成研修、妊産婦向けの周産期医療ガイドブックの作成、配布などを行ったところです。
今年度においても、産前・産後サポート事業や産後ケア事業の実施を検討している市町村を支援するため、県助産師会と連携し、昨年度取りまとめた潜在助産師リストの更新や助産師等を対象とした人材育成研修のほか、市町村と事業協力助産師との事業実施に向けた具体的な調整を行っています。市町村が実施する産前・産後サポート事業等の助産師が行う寄り添い型の妊産婦支援は産後鬱の予防や児童虐待の未然防止の効果も期待されるものであり、県としては、今後も引き続き本事業を推進し、市町村が実施する妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援の実施につなげ、地域で安心して妊娠、出産、子育てができる体制づくりに一層努めていく考えであります。
次に、障がいのある人に対する不利益な取り扱いの実態と防止策についてでありますが、障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例に基づき、県及び市町村社会福祉協議会が受け付けた不利益な取り扱いに係る相談件数は、平成28年度の6件から平成29年度は19件と増加しており、その理由として、障害者差別解消法施行から2年が経過し、徐々に相談窓口が周知されてきたことなどが考えられます。
県では、障がい者に対する不利益な取り扱いの防止策として、リーフレットの作成、配布、各種広報媒体の活用、福祉事業者や民生・児童委員等を対象とした研修の実施等により県民に対する普及啓発を行ってきたところであります。平成29年度においては、内閣府及び盛岡市との共催により、障がいを理由とする差別の解消に向けた地域フォーラムを開催したほか、今年度においては、新たに新聞広告や民間事業者に対する個別の啓発なども行うこととしており、障がい者に対する不利益な取り扱いの解消に向けた取り組みを一層推進していきます。
〔環境生活部長大友宏司君登壇〕
〇環境生活部長(大友宏司君) LGBTが生きやすい社会づくりについてでありますが、個人の尊厳や基本的人権を守るという観点から、LGBTへの理解を深め、誰もが生きやすい社会となることが重要であり、県では、平成28年度から岩手県男女共同参画センターにLGBTに関する相談窓口を設置するとともに、LGBTについての研修や出前講座を実施するなど、県民の皆さんに理解を深めていただくための取り組みを行ってきたところです。
今年度は、県内各地域で広く啓発活動が展開できるよう、LGBTへの理解促進のためのイベント用貸し出しパネルを新たに作成し、各学校や団体等の行事などで活用いただくこととしております。
不安や悩みを抱えている誰もが、安心して暮らせる環境づくりが必要であることから、LGBTに対しての理解を深め、偏見をなくすため、普及啓発などの取り組みをさらに推進してまいります。
〔商工労働観光部長戸舘弘幸君登壇〕
〇商工労働観光部長(戸舘弘幸君) 民間企業での障がい者の雇用拡大に向けた取り組みについてでありますが、本県の法定雇用率達成企業は、平成29年6月1日時点で939社中540社と、達成割合は57.5%となっております。
県では、岩手労働局等と連携し、企業による障がい者雇用の一層の促進と障がい者の働きやすい職場づくりへの意識啓発を図るため、商工団体や経営者団体に対する要請活動、優良事業所等の表彰、取り組み企業において雇用に際して工夫している点や働いている方のコメントの紹介、広報などを行っておりまして、障がい者を受け入れやすい労働環境の整備等にも配慮してきたところであります。
また、昨年度からは、企業の担当者等が、社内の合意形成や環境整備、業務の選定方法等といった雇用のポイントを先進企業の取り組み例を通じて学ぶセミナーを開催し、障がい者雇用に対する企業の理解促進を図っているところであります。
さらに、企業への支援を行う障害者就業・生活支援センター等の就労支援機関の職員に対して、本年度から新たに雇用義務の対象となった精神障がい者や近年多いと言われている発達障がい者に係る研修を行い、スキルアップを図っているところであります。
今後とも、これらの取り組みを一層強化し、障がい者の方が、安心して気持ちよく働けるような職場環境づくりの支援と雇用の拡大に努めてまいります。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) まず、教職員働き方改革プランについてでありますが、急速な社会の変化に伴い、予測困難な未来社会の到来が指摘される中、子供たちがその変化を前向きに受けとめ、これからの社会をつくり、生き抜く力を身につけていくことが、学校教育には求められていると認識いたしております。
一方で、教育課題の複雑化、多様化に伴い、教職員に求められる役割が質、量ともに増大しており、教職員の時間外勤務や心身の負担は本県においても看過できない実態にあることに加え、教育の質を高め、子供たちに必要な資質や能力を身につけてもらうためには、教員一人一人が、健全な心身を保ち、授業やその準備活動、さらには十分な自己研さん等の時間を確保し、子供たちにしっかりと向き合うことができる環境を早急に確立することが重要であります。
このような認識のもと、本県におきましては、6月に、学校関係者の理解と協力のもとに、他県に先駆けて教職員働き方改革プランを策定いたしましたが、このプランは、教職員の健康確保などの人事管理上の課題の解決や、教育の充実にとって必要不可欠な改善目標や改善項目を示したものでありますので、その実行に当たっては、PTA、職員団体などの関係団体とも十分に連携して、毎年度、その進行管理、検証をしっかりと行い、力を入れて取り組みの着実な推進を図ってまいります。
また、このプランの推進に当たっては、議員御案内のとおり、地域からの理解の醸成は極めて重要でありますので、市町村教育委員会等とも十分に連携しつつ、さまざまな諸会議や広報媒体なども活用した啓発活動にも努め、家庭、地域を含めた多くの皆様の御理解、御協力のもとに取り組んでまいります。
次に、性的マイノリティーの子供への支援についてでありますが、学校教育においては、性的マイノリティーの児童生徒の悩みを受けとめ、いじめや差別から守るため、個別の事案に応じ、児童生徒の心情等に配慮したきめ細かな支援に努めることが重要であると認識しております。
県教育委員会におきましては、文部科学省からの通知を受け、学校における組織的な支援の推進や医療機関との連携の重要性などを県立学校、市町村教育委員会に周知するとともに、教職員が、性同一性障がいやLGBT等への理解を深め、性的マイノリティーに悩む児童生徒に寄り添った個別の支援を行うことができるようにするため、保健担当教員を対象とした研修会を平成27年度から毎年実施してきております。
また、本年度から2年間の期間で、県央の中学校を研究校として指定し、性的マイノリティーを含めた人権教育の研究を推進しており、今後、その成果を全県に普及することといたしております。
今後におきましても、教職員等の一層の理解促進や学校における教育相談体制の充実などを通じ、一人一人の子供たちの人権の確保や生き生きとした学校生活の実現に向け取り組んでまいります。
次に、男女混合名簿についてでありますが、本県においては、男女が互いに尊重し合い、共に参画する社会を基本目標とした、いわて男女共同参画プラン等に基づき社会情勢に対応した各種施策を実施してきておりますが、学校教育は、その基盤として、教育活動全体を通じ、人権尊重や男女平等などに関する理解を深めるために重要な役割を果たしていると認識いたしております。
男女混合名簿については、これまで毎年度、学校における使用状況の調査を行い、その結果を市町村教育委員会と各学校へ提供しており、県立学校、市町村立学校ともに使用が進んできておりますが、一層の加速化に向けて、昨年度末に、岩手県男女共同参画調整委員から県教育委員会に対し、男女混合名簿の使用に関する2度目の勧告を受けたところでございます。
県教育委員会といたしましては、この勧告を受けて、市町村教育委員会に対しても御理解をいただくように通知を発出し、本年度当初に開催した教育長会議の場等において、男女混合名簿の使用意義への理解や導入を前提とした積極的な検討の働きかけを行ったほか、ブロックごとに開催した全ての小中学校長を対象とした会議の場においても、同様の働きかけを行ったところであります。
今後におきましても、男女平等の意識を高める教育の推進に向け、男女混合名簿の使用意義の理解促進や、既に導入している学校の取り組みの情報提供等を通じ、男女混合名簿の導入の拡大に取り組んでまいります。
次に、一関第一高等学校附属中学校の募集定員についてでありますが、募集定員については、附属中学校の開校に向けて設置した検討委員会から、男女が互いの違いを見詰めつつ、個人として尊重される男女両性の本質的平等の理念を生徒に理解させ、具現化を図るためには、男女比が大きく偏らない学習環境が大切であることから、定員については男女同数とすることが適当である旨の最終報告を受け、教育委員会において、男女同数の募集定員として定め、現在に至っているものであります。
このような経緯がありますが、一方では、男女共同参画に向けた県民の意識の高まりやさまざまな障壁が解消されてきている中で、男女共同参画を推進する趣旨で導入したルールが、受検者数の相違等から、逆にその趣旨に反することとなっているのではないかとの疑問の声もありますし、また、東北各県で県立中学校の定員を男女同数として定めているのは本県だけであるということもありますので、これまでの経緯等を改めて検証しつつ、議員の御指摘等も踏まえながら、募集定員のあり方について具体的な検討をしたいと考えております。
〔人事委員会委員長熊谷隆司君登壇〕
〇人事委員会委員長(熊谷隆司君) 教育職員の勤務負担軽減に向けた取り組み状況についてでありますが、長時間勤務の解消は喫緊の課題と認識しており、昨年の職員の給与等に関する報告及び勧告において、マネジメントの強化や職員の意識改革、さらなる業務削減、合理化等の推進により、教育職員を含む職員の長時間勤務の解消に向けた取り組みを一層進めるよう言及しました。
また、昨年度におきましては、本委員会が労働基準監督機関として実施している事業場調査において、教育職員の勤務時間数が特に多い県立学校に、事務局職員が赴き、長時間勤務の状況や要因、解消に向けた取り組み等について実態確認を行いました。
その結果を踏まえて、県立学校及び教育委員会に対し、長時間勤務の解消や過重労働の防止に向けた取り組みの推進、勤務時間管理の徹底等について、文書により指導、助言を行ったところであります。
今年度におきましては、人事委員全員が特別支援学校の本校と分教室に赴き、長時間勤務の実情等について教育職員と意見交換を行うとともに、岩手県教職員働き方改革プランに基づき、県立学校に8月から導入されたタイムカードによる勤務時間管理の状況等について確認しました。
本委員会としましては、今後も引き続き、職員が健康で意欲を持って勤務できる環境が整備されるよう、長時間勤務の解消に向けた取り組みを進めてまいります。
〔警察本部長島村英君登壇〕
〇警察本部長(島村英君) まず、県保健福祉部と締結した協定の内容についてでありますが、この協定は、相互の連絡会議や合同研修などに加え、双方が把握する児童虐待情報を新たに全件共有することを定めたものであります。
具体的には、ネグレクトや性的虐待があると考えられる事案や、通告から48時間以内に児童の安全確保ができない事案などの緊急を要する事案については遅延なく、それ以外の事案についても、一定の期間ごとに児童相談所から警察に情報提供されることとなりました。
これによりまして、警察は、これまで認知していなかった事案について、危険性を判断できるほか、児童相談所では対応困難な事案について、連携して対処できるようになります。
県警察といたしましては、今後とも、児童相談所など関係機関と一層連携を密にして、再びこのような痛ましい事件が起こらぬよう、児童の安全確保に万全を期す所存であります。
〇26番(小西和子君) 御答弁ありがとうございました。それでは、3点ほど再質問させていただきます。
まず、会計年度任用職員の配置規模のあり方についてでございます。
今回の新制度の開始に伴い、ただでさえ欠員などにより労働過重が進む正規職員の実態を無視して、正規から会計年度任用職員への置きかえが安易に進むようなことはあってはならないと考えますが、いかがでしょうか。
総務省では、公務運営に当たり、任期の定めのない常勤職員を中心とするという原則を前提とし、会計年度任用職員の制度導入に当たり、これまでの臨時、非常勤職員の中に常勤職員が行うべき業務に従事する職が存在することが明らかとなった場合には、任期の定めのない常勤職員の活用等について検討が必要との姿勢を示しています。
総務省が示した基本姿勢をもとに、常勤職員の確保を基本とし、会計年度任用職員の配置規模のあり方については、今後の行政需要を踏まえつつ、非正規労働者の増加を抑制する観点からも慎重な検討をすべきだと考えますが、県の姿勢をお尋ねします。
次に、教育長にお尋ねします。私は8月19日の釜石鵜住居復興スタジアムオープンイベントに行ってきたのですが、その際、釜石東中学校の生徒が中心になって、エグザイルと一緒にグラウンドいっぱいにダンスを披露して、満場の拍手をもらいました。全員が精いっぱい踊っていました。かなり練習したのだろうなと私は思いました。これまでに仕上げるにはどれほどの期間、授業時数でいうと何時間かけたのかが気になりました。教科とか時数、それから、教育長の所感をまず伺います。
生徒たちは、教職員と同様に忙しい日々を送っております。心配なのは、2019年の三陸復興防災プロジェクトの24のイベントに子供たちがどうかかわるのかです。東日本大震災津波以降、沿岸の子供たちは、ずうっとこの7年半、イベント参加を要請されてきました。落ちついて勉強させたいという声が届けられています。
再度伺います。地域においては学校のあり方、教職員の働き方への理解を広めるため、具体的にどのような取り組みを行うのでしょうか、お伺いいたします。
三つ目です。先ほど保健福祉部長は、いわての子どもを健やかに育む条例が、岩手の子ども権利条例と同じなのだというような答弁をされましたけれども、まず、いわての子どもを健やかに育む条例を制定するときに、国連子どもの権利条約をベースにして制定というような答弁がありましたし、報道もありましたので、大変うれしく思いました。
ところが、国連子どもの権利条約をベースにした自治体の条例の一覧というものがあるのですけれども、そこには、遠野市と奥州市の条例のみの掲載でありました。
子どもの権利条約というのは、子供にとって一番いいことをしようという国同士の約束事である国連子どもの権利条約であり1989年に全会一致で採択されました。日本は1994年に批准して158番目の締結国となりました。
子どもの権利条約には、国がこの条約を実施していかなければならないことが義務として定められています。子どもの権利条例を策定することによって、子供たちの未来に大人たちが責任を持つことにつながります。子供にとって一番よいことを提供すること。差別がないこと。住んでいる地域や性別、年齢などによって損をしたり、差別をされたりしないこと。子供の命と健康を守るためのプログラムに力を入れること。子供の意見や考えを生かし、いろいろな面で子供が参加できるようにすること。この4点が柱と捉えております。
子どもの権利条約は、未来を担う世界の子供が、ひとしく心身ともに健やかに育つようさまざまな権利を保障しており、子供を権利主体と認め-子供がどうかということです-子供に意見表明権を保障しています。
きょうの質疑でも問題になりました児童虐待やいじめ、不登校、それから、体罰、暴言など子供が苦しんでいる事例が多数報告されています。
7年6カ月前に東日本大震災津波によって子供たちは多くの自分を支えてくれた人たちを奪われ、遊び場や学校、居場所も同時に失いました。私たちは、こうした苦しい状況下でも、子供の声をしっかり受けとめ、復興に向けて子供たち自身が一歩でも参加していく取り組みを進めていかなければならないと、この間努力してきました。
あれから7年6カ月経過しましたけれども、沿岸部の市町村で、まちづくりに子供の声を取り入れようとする動きがありました。さらに、被災した地域の7割の子供たちは、復興にかかわりたいと答えています。
子どもの権利条例を策定することによって、子供たちの未来に大人たちが責任を持つことにつながります。虐待防止や子育て支援などの領域を狭めたものではなく、子どもの権利条約を柱とした総合的な条例として、岩手県子どもの権利条例の策定に向け議論を始めていくことを要望いたします。
〇企画理事兼総務部長(佐藤博君) 会計年度任用職員の配置規模のあり方についてでございますが、県ではこれまでも、公務の上においては、任期の定めのない常勤職員が中心となって行うことを原則として、職員体制を構築してきたところでございます。
会計年度任用職員制度の導入後も、この原則を前提としまして、今後の行政需要等を把握しながら、会計年度任用職員を含む職員の適正な配置に向け、検討を進めていく考えです。
〇教育長(高橋嘉行君) 釜石鵜住居復興スタジアムのオープニングイベントで行われた釜石東中学校の生徒のパフォーマンス等についてでございますけれども、これは、復興のシンボルとして新たに完成したスタジアムの竣工を記念して、釜石市のラグビーワールドカップ2019推進本部からの要請を受けて、開催地の学校として、復興に進む地域の元気な姿を全国に発信するということでありますとか、ラグビーワールドカップの成功に向けた機運醸成の趣旨等から積極的に協力したものでありまして、同校の生徒と、それから、福島県の生徒も参加していて、熱のこもったパフォーマンスは、イベントを大いに沸かせて、生徒にとって大きな自信につながったということを学校から聞いております。
私もその会場におりました。非常にすばらしかったと。そして、生徒の生き生きとした姿と、それから教員の指導というものは、その開催前の練習会場にも行ってみましたけれども、すばらしいなと。私の所感としては、そう感じたところでございます。
この行事に向けた練習につきましては、基本的には体育の授業の時間内に行うこととして、生徒、それから教員の負担にも配慮しながら行われたというように聞いております。
また、来年の三陸防災復興プロジェクトにつきましては、多くの県民の皆様や学校等の参加と協力のもとに盛大に開催されるものと承知しておりますけれども、その具体については、今後その詳細が詰められていくと承知いたしております。
いずれにいたしましても、これは絶好の機会だと思いますので、積極的に学校も協力するということですけれども、教職員、それから生徒の負担も考慮しながら、適切な対応を図っていくことを考えております。
〇保健福祉部長(八重樫幸治君) 議員から御紹介のありました子どもの権利条約は、世界的な視野から、子供の人権の尊重、保護の促進を目指したものであり、子供の権利があらゆる場で実現されることを求めたものであると認識しています。
特に、議員からお話のありましたとおり、子供が保護の対象ではなくて、権利の主体として認められているのが特徴でありまして、生きる権利や育つ権利など四つの子供の権利が定められていると承知しています。
子供の権利の尊重や権利擁護については、子供の権利のみならず、子供をめぐるあらゆる課題についての県の基本的な考え方を示すということで、現在のいわての子どもを健やかに育む条例を制定したものでありまして、いわて子どもプランの施策を着実に実施しながら、子供の権利の尊重や権利擁護の取り組みを推進していく考えであります。
〇26番(小西和子君) 教育長の御答弁、元気な姿、はい、確かに元気な姿でしたし、体育の授業の時間ということで、ほかの体育の授業でも、どの分野をどのぐらい、何時間やると年間計画が決まっているのですけれども、恐らくダンスの時間が大幅に多くなったのだろうと思います。
先ほどの三陸防災復興プロジェクトというイベントも、大変いい機会だという御答弁がありました。沿岸の子供たちは、この7年半、いい機会だ、いい機会だとずっと、ずっとそういうイベントに参加要請されてやってきました。もう内陸の子供たちと同じようにじっくりと勉強をしたい、そういう声が聞こえてきます。
程度がありますけれども、今、スクラップ・アンド・ビルド、検討を始めようというときに、地域からさまざまな要請があります。議会からも、あれやれ、これやれ、そういう声もあります。じゃ、どうやって今の教職員の働き方を変えていくのですか。
学校現場の、元県教育委員会にいたある校長はこう言いました。もう乾いた雑巾、その状態だ。何ぼ絞ったって一滴も水は出ません。これ以上は業務を縮減できないぐらい削減しているのですと言っています。そして、残念なことに、また40代前半の方が現職死亡しました。そういう事実があるのですよ。
地域の要請、確かにあります。あれも、これも、あれも、これもとあります。それを全部受け入れていったならば子供たちはどうなりますか。先生たちはどうなりますか。そういうことです。
教職員がどのくらい大変な生活をしているかというのは、議員の中でもわからない人が多いのだと思いますけれども、本当に命がけで仕事をしているということですね。そこを何とかしようというのが、岩手県教職員働き方改革プランなわけですけれども、本当に実効あるものにするには、地域の要請に対しても、どのように応えていくかということまでぜひ話し合っていただきたいと思います。
私は、県営スケート場の近くの学校に勤務したときに、国体の応援に行ってくれと割り当てられるわけですね。低学年を担任していました。当日は吹雪でした。でも、そのときの校長は英断しました。いいから、行くことはない、いつもと同じように学校で勉強していなさいと言ってくれました。そういうふうに言える校長がどのくらいいますか。そういうことです。
国体でバルーンスティックをばーっと打ち鳴らす姿が各県の参加者から大変好評を博しました。あの子供たちは、朝何時に家を出て何時に家に帰ったのでしょうか。とても無理ですと言ったならば、教育長からじきじきにあなたの学校だけですよ、参加しないのは、こういうふうな電話もあった、そういうことも聞きました。確かに見ばえはいいです。でも、そこまで行き着くまでに、子供たちが、教職員がどんな思いをしているのか。確かにいい機会だとは思いますけれども、そこを今後検討していっていただきたいと思います。
何かありましたらお願いします。
〇教育長(高橋嘉行君) 小西議員から、今さまざまな御意見があるという個別のお話を頂戴いたしました。ただ一方で、学校も岩手県の各地域、地域の中にあるということで、大きく貢献したいというような子供たちも保護者もおります。ただ、一方で大変だという声もありますので、しっかりと学校の置かれた状況を見きわめながら、そしてできる限りの協力をしていく姿勢が大事だと思います。
教職員働き方改革プランにつきましては、これは、できる限り教員の健康増進につなげたい。もって教育の充実を図っていきたいということでございますので、そういう視点を十分に踏まえながら、そしてまた、岩手の地域を未来に向かってどのように生き生きと残していくか、そしてつくっていくかというような視点も含めながら、各市町村教育委員会、学校とも十分な話し合いのもとに進めていきたいというように思っております。
〇議長(佐々木順一君) 以上をもって一般質問を終結いたします。
日程第2 認定第1号平成29年度岩手県一般会計歳入歳出決算から日程第55 議案第40号財産の取得に関し議決を求めることについてまで
〇議長(佐々木順一君) この際、日程第2、認定第1号から日程第55、議案第40号までを一括議題といたします。
議案第40号について、提出者の説明を求めます。佐藤企画理事兼総務部長。
〔企画理事兼総務部長佐藤博君登壇〕
〇企画理事兼総務部長(佐藤博君) ただいま議題とされました案件について説明申し上げます。
議案第40号は、財産の取得に関し議決を求めようとするものであります。
よろしく御審議の上、原案に御賛成くださいますようお願い申し上げます。
〇議長(佐々木順一君) これより質疑に入ります。
質疑の通告がありますので、発言を許します。高田一郎君。

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