平成30年6月定例会 第13回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
議案第5号、第7号、第9号、第10号について質問いたします。
議案第5号は、岩手県県税条例等の一部を改正する条例であります。これは地方税法の一部改正に伴うものであります。
一つ、県民税の関係では、給与所得控除から基礎控除への10万円の振りかえは、働き方の多様化を踏まえ、さまざまな形で働く人を応援し、働き方改革を後押しすることを理由に、二つの控除を意義の違いを無視して、労働力維持の費用である給与所得控除を引き下げ、基礎控除に振りかえたものであります。
さらに、給与所得控除の上限の引き下げ─給与収入1、000万円から850万円─は、勤労世帯、中間層への増税となるものであります。
県民にとって、今回の改正によるメリット、デメリットを示してください。
二つ、国及び地方のたばこ税が、財源確保や国民の健康の観点から引き上げられます。今回の引き上げによる税収増は、県、県内市町村の場合、どれだけの増税、税収増が見込まれるのでしょうか。国民の健康確保の観点から、たばこ税の引き上げによって税収はこの間増加しているのでしょうか。また、県民の喫煙率はどう推移しているのでしょうか。
議案第7号は、県営住宅等条例の一部を改正する条例であります。この中では、大槌町に整備する災害公営住宅、本町住宅を県営住宅に加えるとしています。
一つ、これまでに整備された県営災害公営住宅の実績はどうなっているでしょうか。これから整備される災害公営住宅の具体的な見通しを含めて示してください。
二つ、災害公営住宅の入居状況と入居率はどうなっているでしょうか。空き室の具体的な要因はどうなっているでしょうか。
三つ、災害公営住宅家賃の国の特例減免の対象者、率と県の独自減免制度の対象者の状況はどうなっているでしょうか。家賃の滞納者の状況はどうなっているでしょうか。その要因と県の対応を示してください。
議案第9号は、一般県道大ケ生徳田線(仮称)徳田橋(下部工)(第2工区)工事の請負契約の締結に関し議決を求めるものであります。
一つ、契約金額が6億8、958万円で、1者入札、落札率は99.9%であります。客観的に談合が疑われるものであります。なぜ1者だけの入札となったのか。
二つ、下部工工事(その1)は2者入札で、落札率は90.89%でありました。入札対象事業者はどれほどあったのか示してください。
三つ、徳田橋の工事自身は、岩手医科大学にアクセスする重要な橋であります。一般県道大ケ生徳田線の工事の総事業費と進捗状況、工事完成の見通しはどうなっているか示してください。
議案第10号は、主要地方道大船渡広田陸前高田線船河原地区道路改良舗装工事の請負契約の締結に関し議決を求めるものであります。細浦地区の海岸線の県道が津波で浸水したために、復興関連道路として山側に道路を新設するものであります。
施工延長876メートル、契約金額10億2、060万円、落札率は88.82%、低入札でありました。工期は556日間、平成30年度から平成31年度となっています。総事業費と工事完成の見通しはどうなっているでしょうか。
以上でありますが、答弁によっては再質問いたします。
〇企画理事兼総務部長(佐藤博君) 県民税関係の改正についてでありますが、個人の県民税に係る非課税限度額の引き上げにつきましては、給与所得控除額の引き下げに伴い、合計所得金額などが増加することに対応するものでありまして、給与所得控除から基礎控除へ振りかえたものであります。改正前後において税負担の増減は生じないものでございます。ただし、給与収入が850万円を超える給与所得者につきましては、一部負担増となることが見込まれます。ただし、子育て世帯等には負担が生じないよう措置が講じられておりまして、本県の県民にとっては、大きな影響はないものと捉えてございます。
次に、地方のたばこ税の税率の引き上げについてでございますが、平成30年10月1日から段階的に引き上げとなりますが、初年度の平成30年度におきましては、県たばこ税は3、000万円程度、県内市町村のたばこ税は1億8、000万円程度、合わせて2億円ほどの増収を見込んでいるところでございます。
平年度ベースになりますと、県たばこ税は1億7、000万円、県内市町村のたばこ税は10億4、000万円、合わせて12億円ほどの増収になると見込んでいるところでございます。
ちなみに、20本入り1箱当たりのたばこの増税額についてですが、国及び地方合わせまして20円ずつ3段階で引き上げとなりまして、現在の価格から60円ほど増額になります。
また、前回の地方のたばこ税率の引き上げは平成22年10月1日に行われておりまして、県及び県内市町村のたばこ税の税収は、合計ですと、平成21年度は97億7、000万円、これに対しまして平成28年度は108億9、000万円となっておりまして、11億2、000万円、11.5%の増となっているところでございます。
次に、一般県道大ケ生徳田線(仮称)徳田橋の下部工第2工区の工事の入札についてでありますが、県営建設工事の入札につきましては、入札参加資格要件設定の際に、施工実績等から参加可能者数を見込んだ上で手続をして進めているところでございまして、本工事につきましては、技術的難度が高く、かつ設計額が2億円以上の土木構造物の工事でありますことから、特定共同企業体による施工形態とし、その参入可能者数を検討した結果、一定数の参入が見込まれると判断し、入札を行ったものでございます。入札結果としましては、その参加者は1者のみであったというものでございます。
また、昨年度入札を行った徳田橋下部工の第1工区の工事につきましては、今回の第2工区の工事と同様の入札参加資格要件を設定しておりまして、この際の入札参加可能者数を20者以上と見込んでいたところでございます。
〇保健福祉部長(八重樫幸治君) 県民の喫煙率の推移についてでありますが、厚生労働省が3年ごとに実施しています国民生活基礎調査によりますと、平成19年の本県の喫煙率が25.7%であったのに対し、前回のたばこ税増税が実施された平成22年には22.4%と3.3ポイント低下したものの、平成25年は23.4%、平成28年は22.6%と、ほぼ横ばいで推移しているところであります。
〇県土整備部長(八重樫弘明君) まず、県営災害公営住宅の整備状況等についてでありますが、5月末時点の整備状況は、内陸部に建設を予定している災害公営住宅251戸を含む建設予定戸数2、846戸に対して、工事完成が2、550戸で89.6%、工事中が117戸で4.1%となってございます。
また、今後の見通しについてでございますが、沿岸部においては、大槌町の3地区、安渡、大町、本町の69戸が今年度中に完成し、県整備分が全て完了する予定でございます。また、内陸部の4市、盛岡市、北上市、奥州市、一関市で整備を進めている251戸については、2019年度内の完成を予定しております。
次に、県営災害公営住宅の入居状況及び入居率についてでございますが、平成30年5月末現在で供用開始されている災害公営住宅1、483戸に対しまして、入居戸数が1、339戸となっており、入居率は90.3%となっています。
入居前に空き室が生じる具体的な要因についてでございますが、災害公営住宅に入居を希望したものの、持ち家再建を検討していることや、新たな家賃が発生することへの不安などがあるものと考えております。
次に、国の家賃特別低減事業の対象者及び県の減免制度の対象者の状況についてでありますが、平成30年3月末現在の国の家賃特別低減事業の対象世帯は968世帯で、同じく3月末時点での全入居者世帯1、341世帯における割合は72.2%となっており、このうち県の減免制度に移行が可能な世帯は929世帯で、同じく69.3%となってございます。
また、県営災害公営住宅の家賃滞納率は、平成26年度1.2%、平成27年度2.3%、平成28年度2.1%と推移しており、平成29年度は3.3%となっております。
家賃の滞納が発生する要因としては、例えば、応急仮設住宅から災害公営住宅に転居することで家賃が発生することや、収入が減った、病気で医療費が必要となった、介護費用が必要となったなど、それぞれの世帯にとってさまざまな事情があり、結果として家賃の滞納につながっているものと考えてございます。
県としては、他の入居者との公平性の観点からも、家賃の滞納があった場合、臨戸訪問等により滞納の解消に努めておりますが、それぞれの世帯の事情に応じて、減免制度の活用の周知や福祉部局と連携した対応を図ってまいります。
次に、一般県道大ケ生徳田線(仮称)徳田橋工区の進捗状況と見通しについてでありますが、橋梁かけかえ事業における総事業費は約65億円を見込んでおります。平成29年度に橋脚工事に着手し、平成29年度末までの進捗率は、事業費ベースで約33%となってございます。
橋梁の完成の見通しですが、今回提案している橋脚3基の工事に引き続き、今後、橋台2基や上部工、橋前後の道路の改良舗装工事を進め、おおむね4年から5年後の供用開始を目指しているところです。
次に、主要地方道大船渡広田陸前高田線船河原工区の進捗と見通しについてでありますが、当該工区の事業費は約43億円を見込んでいるところです。
今回の工事は、平成28年度末に発注した改良工事区間の南側延長約0.9キロメートルの改良舗装工事を行うものです。残る延長約1.0キロメートル区間についても、今年度工事に着手する予定としており、2020年度内の供用開始を目指しているところでございます。
〇38番(斉藤信君) 県税条例の一部改正にかかわって、特にたばこ税のところで、税収の確保と国民の健康がたばこ税引き上げの理由ですけれども、保健福祉部長の答弁を聞いたら、喫煙率は下がっていないと。残念ながら喫煙率の低下にはつながっていないと。
そこでお聞きしますけれども、たばこ税というのは本数にかかるのですね。喫煙率は下がっていないけれども、吸う本数はかなり減っているのではないかと思いますが、その推移について示していただきたい。
それと、一般県道大ケ生徳田線(仮称)徳田橋下部工の第2工区の工事でありますけれども、1者入札で99.99%。大体、予定価格が公表されて入札されるのですよ。99.99%ということは、最初から競争がないということがわかっていて札を入れたということですよ。そして、県当局は20者以上の参入見込みがあったと言っていますよね。私は、これは極めて重大だと思いますよ。
第1工区の下部工は同じ業者が落札しているのですけれども、これは2者入札で、それでも競争になれば落札率は90.89%です。99.99%というのは異常ですよ。これは本当に許しがたい入札結果ではないのかと。こういうものを防止する適切な競争入札の実施に県はもっと真剣に取り組む必要があると思うけれども、そのことについてお答えください。
〇企画理事兼総務部長(佐藤博君) まず、たばこの売り渡し本数の推移でございますけれども、平成21年の場合ですと、本数換算でいきますと22億7、400万本です。その後、平成23年度には19億5、900万本ということで、震災があったことからかと思われますが、そこから減っております。その後、若干戻しましたが、それ以降の推移を見ますと、直近の平成28年度ですと18億3、200万本で、こちらは逓減傾向にあるということございます。
それから、一般県道大ケ生徳田線の徳田橋工区の1者入札の関係でございますけれども、1者入札につきましては、この復旧、復興工事につきまして、進捗のおくれが生じないよう最優先で取り組んできておりまして、また、入札制度につきましては、電子入札制度によって実施しております。入札参加者は、他の参加者の状況はわからない状況になっておりまして、一定の競争性が確保されていると捉えております。1者入札であっても有効であると捉えております。
また、落札率につきましては、入札参加者があらかじめ他の入札者の参加状況を把握することはできませんので、応札者数と落札率については、直接の関連はないものと捉えております。
いずれ今回の入札手続につきましては、公告から落札決定に至るまで、適正な入札手続により進めているところでございまして、特に問題はないと捉えております。
〇38番(斉藤信君) 特に問題ないでは済まされないと私は思いますよ。例えば、先ほど私は主要地方道大船渡広田陸前高田線の工事を紹介しました。これは私も相談を受けたところで、工事が遅かったなと思うぐらいのことですが、これは低入札で88.82%ですよ。今、沿岸部といっても、工事によっては本当に仕事の取り合いになりつつあるんですよ。
しかし、内陸のこの徳田橋の工事は、県自身が20者以上の参入見込み数があって入札にかけているんですよ。それが、結果的には1者入札で99.99%で落ちた。ということは、私は、県がかかわっているとは全く思いませんよ。談合というのは企業間でやるのだから。そういうことが疑われる入札になったのではないかと私は指摘しているのですよ。
だから、そういう意味で、それは、本当に大震災直後は、1者入札でも仕方がないという状況がしばらくありました。しかし、もう7年半たって、内陸部でこういう事態というのは、やはり適切ではないと。だから、そういう点で、そうならないような手だて、対策を考えるべきではないかと聞いたのですよ。居直らないで、まじめに答弁してください。
〇企画理事兼総務部長(佐藤博君) 手続等については、先ほど答弁申し上げましたとおり、これは適正な手続によって進められたと捉えておりますし、それぞれの案件によりまして、それぞれあろうかと思います。いずれ、1者になった要因等についてもいろいろ考えられますが、そういったこと等も、これまでの復旧、復興を最優先という中で対応してきたところでございます。
いずれ、先ほど答弁した内容と全く同じ答弁の内容になりますので、繰り返しということになりますが、御理解いただきたいと思います。
〇議長(佐々木順一君) これをもって質疑を終結いたします。
次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第15号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第13回県議会定例会 平成30年7月2日)
総務委員会
1 議案第2号
2 議案第3号
3 議案第4号
4 議案第5号
5 議案第6号
6 議案第14号
7 議案第15号
商工文教委員会
1 議案第1号
2 議案第8号
農林水産委員会
1 議案第12号
県土整備委員会
1 議案第7号
2 議案第9号
3 議案第10号
4 議案第11号
5 議案第13号
〇議長(佐々木順一君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時10分 散 会

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