平成29年9月定例会 決算特別委員会会議録

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決算特別委員会会議記録
(第 4 号)
平成29年10月16日(月)
1開会 午前10時3分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 村 上 宏 治
議事管理担当課長 中 村 佳 和
主任主査 安 齊 和 男
主任主査 柳 原   悟
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 菊 池   智
主査 戸 塚 教 仁
1説明員
保健福祉部長 八重樫 幸 治
副部長兼
保健福祉企画室長 熊 谷 泰 樹
副部長兼
医療政策室長 野 原   勝
医務担当技監 菅 原   智
参事兼障がい保健
福祉課総括課長 高 橋   進
保健福祉企画室
企画課長 中 野 文 男
保健福祉企画室
管理課長 菊 池 優 幸
健康国保課
総括課長 藤 原 寿 之
地域福祉課
総括課長 渡 辺 英 浩
長寿社会課
総括課長 近 藤 嘉 文
子ども子育て
支援課総括課長 後 藤 賢 弘
医務課長 福 士   昭
地域医療推進課長 高 橋 幸 代

医療局長 大 槻 英 毅
次長 千 葉 雅 弘
経営管理課
総括課長 小 原 重 幸
職員課総括課長 三田地 好 文
医事企画課
総括課長 鈴 木 吉 文
業務支援課
総括課長 小笠原 秀 俊
薬事指導監 菊 地 英 行
看護指導監 高 橋 明 美

医師支援推進室長 佐 野   淳
医師支援推進監 赤 坂 高 生

会計管理者 新 屋 浩 二
会計指導監 清 水 雅 典

監査委員 吉 田 政 司
監査委員事務局長 熊 谷 正 和
監査第一課
総括課長 千 葉 達 也
監査第二課
総括課長 村 上 博 和

財政課総括課長 小 原   勝
〇佐々木朋和委員長 これより本日の会議を開きます。
初めに、放送設備の不具合の件ですが、これまで皆様に御不便をおかけしておりましたが、復旧いたしましたことを御報告いたします。
これより議事に入ります。
認定第1号から認定第14号まで、並びに議案第35号及び議案第36号の以上16件を一括議題といたします。
本日は、保健福祉部及び医療局関係について、延べ17人の質問者を予定しておりますが、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
最初に、保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。
〇八重樫保健福祉部長 平成28年度の保健福祉部関係の決算について御説明いたします。
初めに、当部所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針について御説明いたします。
当部においては、いわて県民計画に掲げる岩手の未来をつくる7つの政策の一つである、医療・子育て・福祉、共に生きるいわての実現に向け、地域の保健医療体制の確立、家庭や子育てに希望をもち安心して子どもを生み育てられる環境の整備、福祉コミュニティの確立の3点を政策項目として掲げ、取り組んできたところであります。
まず、一つ目の地域の保健医療体制の確立についてであります。
県民一人一人がみずからの心身の健康づくりに主体的に取り組み、地域に必要な医師等が確保され、県民が必要な医療や健診等を適切に受けることができるとともに、感染症などによる健康被害を心配することなく安心して生活できる体制を確立するため、奨学金等による医師の養成や即戦力医師の招聘、病院勤務医の離職防止に向けた勤務環境改善などの医療を担う人づくりを初め、岩手県地域医療構想に基づく病床機能の分化と連携の推進等の実現に向けた取り組みや、ICTを活用した地域医療連携体制の推進、災害医療人材の育成、在宅医療と介護の連携体制の構築支援や医療機関の復旧支援などの質の高い医療が受けられる体制の整備、新型インフルエンザやウイルス性肝炎対策の推進などの感染症対策の推進、市町村など医療保険者による特定健診などの受診率向上の支援や民間団体と連携した啓発活動、被災地における保健活動の支援などの生活習慣病予防等の推進に取り組んでまいりました。
今後とも、地域における医療人材の確保、定着に取り組むとともに、質の高い医療サービスの提供に向けた医療機関の機能分担と連携の促進、被災市町村の新しいまちづくり計画や住民ニーズなどに対応した医療機関の復興支援に取り組んでまいります。
さらに、新型インフルエンザなどの感染拡大防止対策、生活習慣病予防のための健診受診率向上や健康づくりの普及啓発などの取り組みを推進してまいります。
次に、二つ目の家庭や子育てに希望をもち安心して子どもを生み育てられる環境の整備についてであります。
男女が希望する時期に結婚でき、安心して子供を産み育て、次代を担う子供たちが健やかに育つ環境を整備するため、“いきいき岩手”結婚サポートセンターの運営による結婚を望まれる方への支援などの、若者が家庭や子育てに希望を持てる環境の整備を初め、周産期医療体制の整備や親と子の健康支援、不妊に悩む夫婦への支援などの安全・安心な出産環境など親と子の健康づくりの充実、地域ニーズに対応した保育サービスの拡充や放課後児童対策、企業による子育て支援活動の促進などの子育て家庭への支援、子供の貧困対策や児童虐待防止、被災地における子供への各種支援などの子供の健全育成の支援に取り組んでまいりました。
その結果、いわて子育て応援の店の延べ協賛店舗数の増加については目標を達成し、また、保育を必要とする子供に係る利用定員の増員についても順調に進んでいるところであります。
また、結婚サポートセンターの会員成婚数については、成婚までには一定の交際期間が必要であることから目標を下回りましたが、平成29年度に入り順調に増加しています。
今後とも、結婚サポートセンターによる結婚支援や、周産期医療体制の整備など安全・安心な出産環境の充実、多様な地域ニーズに対応した保育サービスの充実、被災児童の支援や継続的な心のケア、児童虐待の防止、子供の貧困対策などを推進してまいります。
三つ目は、福祉コミュニティの確立についてであります。
県民誰もが、必要な福祉サービス等を利用しながら、住民相互の支え合いなどにより安心して生活できる福祉コミュニティーづくりを進めるため、地域の支え合い体制づくりの支援や福祉を担う人材の育成などの生活支援の仕組みづくり、介護予防や地域包括ケアシステムの構築などの、高齢者が住みなれた地域で安心して生活し続けることができる環境の構築、障がい者の地域生活移行と定着の促進や、被災地における障がい福祉サービス提供体制の復旧支援などの、障がい者が必要なサービスを利用しながら安心して生活ができる環境の構築、生活困窮者の自立支援や災害時における要配慮者の支援、被災地における見守り活動などの安全・安心のセーフティネットづくり、自殺対策を担う人材の育成や自殺リスクが高い方への支援体制づくりなどの自殺対策の推進、被災者の心のケアを行う体制づくりなどの心のケア活動の推進に取り組んでまいりました。
その結果、地域福祉計画を策定し、施策に取り組んでいる市町村数及び元気な高齢者の割合の増加、人口10万人当たりの自殺死亡率の減少については取り組みが順調に進んでおります。
一方、地域密着型サービス拠点数の増加については、市町村の公募に対し、建設費の高騰などの理由によりサービス事業者からの応募がなかったことなどのため、また、障がい者のグループホーム利用者数の増加については、グループホームの設置数が低調であったことから、いずれも目標に達しなかったところです。
今後とも、市町村地域福祉計画の策定や地域福祉活動コーディネーターの育成への支援などを通じて、地域の実情に応じた生活支援の仕組みづくりに取り組むとともに、被災地の福祉コミュニティーの復興支援、地域包括ケアシステムの構築に向けた介護サービス基盤の整備促進など介護サービスの充実、障がい者のグループホームなどの整備促進や、障がい者に対する不当な差別的取り扱いの禁止と合理的配慮の考え方についての普及啓発、災害派遣福祉チームの派遣体制整備や福祉避難所の設置支援など避難行動要支援者支援体制の構築、生活困窮者の自立支援などに取り組んでまいります。
引き続きまして、平成28年度保健福祉部関係の決算について御説明いたします。
お手元の平成28年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。当部関係の一般会計歳出決算は、3款民生費のうち、1項社会福祉費、3項児童福祉費及び4項生活保護費並びに5項災害救助費の一部で、文化スポーツ部への移管分9、196万円余を除いた、支出済額897億4、761万円余、4款衛生費のうち、2項環境衛生費を除いた支出済額190億1、496万円余、16ページに参りまして、11款災害復旧費のうち、2項保健福祉施設災害復旧費、支出済額8億1、760万円余、13款諸支出金のうち、1項公営企業貸付金、支出済額103億円、2項公営企業出資金、支出済額124万円余、3項公営企業負担金の一部で、支出済額212億9、428万円余であります。
当部関係の支出総額は、文化スポーツ部への移管分9、196万円余を除いた1、411億7、572万円余、翌年度繰越額は23億5、982万円余で、その主なものにつきましては、後ほど目別に御説明いたします。また、不用額は21億3、991万円余で、主なものは、県立病院再建事業費補助や市町村補助事業等で実績が見込みを下回ったことによるものであります。
以下、順次、項目ごとにその主なものにつきまして、便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明いたします。
なお、事業ごとの金額の読み上げは省略し、備考欄記載の主な事業の内容を中心に御説明いたします。
歳入歳出決算事項別明細書の190ページをお開き願います。3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費の主なものでありますが、まず、冒頭の管理運営費は人件費が主なものであり、上から八つ目の生活福祉資金貸付事業推進費補助は、岩手県社会福祉協議会が行った低所得者世帯等に対する生活福祉資金の貸し付けと相談援助の事業の支援に要した経費であります。
192ページに参りまして、2目障がい者福祉費の主なものでありますが、この目の上から六つ目の障がい者介護給付費等は、障害者総合支援法に基づく介護給付費等の障がい者自立支援給付について、市町村が支弁した一部を負担したものであります。その次の障がい者自立支援医療費は、精神障がい者の通院医療費の自己負担額の一部を負担したものであります。
下から二つ目の重度心身障がい者(児)医療助成費は、市町村が行った重度心身障がい者(児)医療費助成事業に要した費用の一部を補助した経費であります。
なお、繰越明許費2億208万円余は、障害者支援施設等整備費補助において、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
194ページに参りまして、3目老人福祉費の主なものでありますが、この目の中ほどよりやや上の介護給付費等負担金は、介護保険法に基づき、市町村が行った介護保険事業に係る介護給付及び予防給付に要した費用の一部を負担した経費であります。次に、五つ飛びまして、後期高齢者医療制度安定化推進費は、低所得者等に係る保険料の軽減相当額を、市町村が負担した費用の一部を負担した経費であります。二つ飛びまして、後期高齢者医療療養給付費負担金は、岩手県後期高齢者医療広域連合が、被保険者に対して支弁する医療給付費の一部を負担することにより、被保険者の適切な医療を図るための経費であります。
なお、繰越明許費11億3、370万円余の主なものでありますが、下から二つ目の介護施設等整備事業費などを、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
196ページに参りまして、5目国民健康保険指導費は、市町村の国民健康保険財政基盤の安定化に資するための負担金や積立金などであります。198ページに参りまして、6目婦人保護費は、婦人保護施設及び婦人保護一時保護所に保護しているDV被害者等の生活環境改善を図るための経費などであります。7目社会福祉施設費は、県立の社会福祉施設の管理運営に要した経費であります。
なお、繰越明許費9、173万円余は、みたけ学園・みたけの園整備事業費において、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
次に、少しページを飛んでいただきまして、204ページをお開き願います。3項児童福祉費1目児童福祉総務費の主なものでありますが、下から三つ目の施設型給付費等負担金は、特定保育施設・地域型保育事業の給付に要した経費の一部を負担した経費であります。一番下の地域子ども・子育て支援事業交付金は、市町村における子育て支援計画を推進するための事業に要した費用の一部を補助した経費であります。
なお、繰越明許費3、577万円余は、上から八つ目の児童福祉施設等整備費補助において、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
206ページに参りまして、2目児童措置費の主なものでありますが、この目の冒頭、児童保護措置費は、児童福祉施設に措置された児童等の入所に要した経費であります。3目母子福祉費の下から二つ目の児童扶養手当支給事業費は、父または母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の安定と自立の促進に寄与するため児童扶養手当を支給し、児童の福祉の増進を図るものであります。4目児童福祉施設費の主なものでありますが、209ページに参りまして、この目の一番下の療育センター整備事業費は、岩手県立療育センターの移転改築整備に要した経費であります。
なお、繰越明許費1億8、815万円余の主なものでありますが、療育センター整備事業費などを、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
208ページに参りまして、4項生活保護費1目生活保護総務費は、生活保護指導職員の人件費や生活保護給付事務、指定医療機関等に対する指導監査などに要した経費であります。
210ページに参りまして、5項災害救助費1目救助費の主なものでありますが、上から二つ目の救助費は、台風第10号災害や熊本地震の救助に要した経費であります。
212ページに参りまして、4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の主なものでありますが、上から二つ目の母子保健対策費は、小児慢性特定疾患治療研究事業、未熟児に対する養育医療給付、周産期医療対策などの実施に要した経費であります。
下から二つ目の被災市町村保健センター再建支援事業費補助は、東日本大震災津波により被災した沿岸市町村の保健センターの再建に係る費用の一部を補助した経費であります。
214ページに参りまして、3目予防費の主なものでありますが、上から三つ目の特定疾患対策費は、指定難病患者の医療費自己負担分の公費負担などに要した経費であります。216ページに参りまして、4目精神保健費の主なものでありますが、この目の一番下の被災地こころのケア対策事業費は、東日本大震災津波による被災者の精神的負担を軽減するため、長期にわたる継続した専門的ケアを実施するこころのケアセンター等の運営に要した経費であります。5目高齢者保健費の主なものでありますが、この目の上から二つ目の特定健康診査・保健指導事業費負担金は、市町村が行った特定健康診査及び保健指導事業に要した費用に対する負担金であります。
次に、ページを飛んでいただきまして、226ページをお開き願います。3項保健所費1目保健所費は、保健所職員の人件費等の管理運営などに要した経費であります。
4項医薬費1目医薬総務費は、人件費等の管理運営費がその主なものであります。228ページに参りまして、2目医務費の主なものでありますが、上から五つ目の救急医療対策費は、救急医療の確保充実を図るための救命救急センター運営やドクターヘリの運航に対する補助などに要した経費であります。230ページに参りまして、この目の上から八つ目の地域医療介護総合確保基金積立金は、医療、介護サービスの提供体制の改革を推進し、各地域において地域包括ケアシステムの構築を図るための基金の積み立てに要した経費であります。三つ飛びまして、県立病院再建支援事業費補助は、東日本大震災津波により被災した県立病院の再建に係る費用の一部を補助した経費であります。
なお、繰越明許費7億694万円余の主なものでありますが、下から四つ目の医療情報連携推進事業費などを、関係機関との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
次に、3目保健師等指導管理費は、この目の二つ目の看護教員確保対策費がその主なものであります。
ページを飛んでいただきまして、350ページをお開き願います。11款災害復旧費2項保健福祉施設災害復旧費1目社会福祉施設等災害復旧費の主なものでありますが、一番上の児童福祉施設災害復旧事業費補助は、東日本大震災津波で被災した保育所に対し、施設復旧支援に要した費用の一部を補助した経費であります。
なお、繰越明許費142万円余は、児童福祉施設災害復旧事業費補助において、関係機関との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
ページを飛んでいただきまして、364ページをお開き願います。13款諸支出金1項1目公営企業貸付金は、県立病院等事業会計への運営資金貸付金であります。
2項1目公営企業出資金は、県立病院等事業会計への運営資金出資金であります。
3項1目公営企業負担金のうち、当部の所管は、県立病院等事業会計への負担金212億9、428万円余であります。
以上で一般会計の説明を終わります。
引き続きまして、特別会計について御説明いたします。
ページを飛んでいただきまして、384ページをお開き願います。母子父子寡婦福祉資金特別会計の決算状況でありますが、収入済額は、387ページの収入済額欄の末尾、6億6、900万円余であり、その主なものは、384ページにお戻りいただき、2款の前年度からの繰越金、3款1項の貸付金元利収入及び1款の一般会計からの繰入金などであります。収入未済額は、387ページの収入未済額欄の末尾、1億6、617万円余で、その主なものは母子福祉資金償還金などであります。
次に、388ページに参りまして、支出済額は、389ページの支出済額欄の末尾、2億7、717万円余であり、その主なものは、母子及び父子世帯並びに寡婦に対する修学資金、修業資金及び技能習得資金などの貸し付けに要した経費であります。
以上で保健福祉部関係の説明を終わります。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
〇佐々木朋和委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇軽石義則委員 大きく2点について質問させていただきます。
1点目は難病支援についてお伺いいたします。
これまで、関係者の努力、また県当局の努力もありまして、制度改正を含めまして難病支援に取り組んでいただいておりますことには感謝申し上げたいと思いますけれども、いまだに家族を含めて不安や苦労が絶えない現状にあることも実態であります。
そのような中で、難病支援に対する取り組みの現状と課題についてまずお伺いいたします。
〇藤原健康国保課総括課長 難病支援の現状と課題についてであります。
これまで、県では、指定難病の患者に対し医療費の助成を行うとともに、難病患者の適時適切な入院施設の確保等を図るため、難病医療拠点病院である岩手医科大学附属病院に難病医療コーディネーターを配置し、関係機関との連絡調整や入院施設の紹介、あっせん、医療従事者への研修を行っているほか、患者等からの各種相談に応じているところであります。
また、在宅難病患者の安定した療養生活と、難病患者、家族の生活の質の向上を図るため県難病相談支援センターに難病相談支援員を配置し、各種相談支援、患者交流会や就労支援等を行うとともに、各保健所において難病患者を対象とした訪問相談や医療相談等を実施しているところであります。
しかしながら、難病患者は、その療養が長期に及ぶこと、就学や就労に当たって一定の制約を受ける場合もあることなど、多くの方が生活上の不安や悩みを抱えていることから、住みなれた地域において安心して暮らすことができるよう、難病患者を多方面から支えるネットワークの構築を図る必要があると考えているところであります。
〇軽石義則委員 これまでもかなりいろいろな課題解決に努力されてきているところは非常に感謝されていると聞いております。しかし、今お話しのとおり、まだまだやらなければならないこともあるという認識はあると思います。
これまでも私は何度も取り上げてまいりましたけれども、今、難病相談支援センターはふれあいランド岩手にあるわけですが、来所による相談件数も昨年度は1、808件ということです。あそこの難病相談支援センターに来所して入っていっても、スペースからいって、ゆっくり相談をするとか、詳しいお話ができるとか、そういう状況にないように思いますけれども、そのことは、これまでも改善できないのでしょうかというお願いはたび重ねてきたんですが、これまで、そのことについてどのように取り組んできたのでしょうか。
〇藤原健康国保課総括課長 難病相談支援センターにつきましては、スペースとか場所的な制約があり、そういった場所ということではなかなか改善できないのですけれども、難病相談支援センターの相談員の増員とか、相談会における弁護士等の専門職の方の増員とか、人員の配置等で改善を図ってきているところであります。
〇軽石義則委員 人員の配置もしていただいておりますけれども、来て相談するスペースもそこには必要になってくるわけです。人がふえればふえるだけ相談件数もふえていくわけですので、それらについては即対応できるかどうかということも含めて、今後、検討していただきたいと思います。
岩手医科大学との連携もしっかりやっていただいているという先ほどのお話でしたけれども、岩手医大が移転して、物理的にさらに距離ができるわけです。そういう場合に、患者や御家族の皆さんが気軽に利用できるような施設が必要だという話は、多分、毎回、県の団体からの要望の中にも入っていると思われます。これまで、そういう要望を受けてきて、実際にもう岩手医大は移転が決まり、これから順次その作業にも入っていくのですけれども、難病支援に関しての岩手医大移転に伴う環境整備の部分について、今考えていること、やっていることがあればお示し願いたいと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 そういった支援の新たなセンターの設置ということになりますと、用地の確保あるいは整備費の確保、運営費の確保といったいろいろな検討すべき課題が多いということで、今すぐに実現するということはちょっと難しいということでございますけれども、難病患者ができる限り早期に正しい診断を受けて、診断後は身近な医療機関で適切な医療を受けることができるような体制を整備するということで、県と難病医療拠点病院である岩手医大、協力病院で構成する難病医療連絡協議会を設置しております。その中で、難病医療の関係機関での連携のあり方、あるいは消化器系とか神経・筋疾患など難病分野もいろいろな分野がございますけれども、そういった各分野の連携のあり方について、現在、検討を進めているところであります。
〇軽石義則委員 検討していただいているということですので、やはり見えるように示してもらうことも大事だと思います。いつになったらどうなるのだろうという不安の中で暮らすことではなくて、ある程度、順次そういう対策が進んでいるのだなということを実感できるようにしてもらうことも一つ大事だと思いますけれども、今すぐそういうセンターをどうという話にはならないというお話です。
8月に議員連盟として北海道難病センターを調査いたしました。私は以前にも調査いたしましたけれども、北海道も、広い地域柄、各地から中心に集まってきて、難病センターの役割の大きさというものを改めてまた実感してきたわけです。そういうものが岩手にも必要ではないかと、参加された議員の皆さんも実感したのではないかと思うんですけれども、実際、岩手県として、北海道難病センターのようなところまでは行き着けないとしても、それに近いものを構想していくという思いはないのでしょうか。
〇藤原健康国保課総括課長 先ほどもお話ししましたけれども、実際、センターを設置するとなりますと、用地の確保、建設費の確保、運営費の確保、いろいろな大きな課題がありますので、今、そういった構想を持って検討を進めているという状況ではございません。ただ、先ほど言いましたように、なるべくその地域の中で適切な医療が受けられるような環境の整備、もう一つ、前から言っている話ではあるのですけれども、保健所に、医療、福祉、教育、雇用関係の団体等で構成する難病対策地域協議会─これは法律で努力義務であるのですけれども─を設置するということになっております。この設置につきまして、国では昨年までに、モデルケースというか、優良事例を示すというお話があったんですけれども、それがなかなか示されないということで、独自にいろいろと検討を重ねています。これについて、現在、保健所単位で地域ネットワークがあるのですけれども、保健所によって、一生懸命やっているところと、なかなか開催できないでいるところとございますので、構成員とか、課題の把握の仕方とか、どういったことを検討していけばいいかといった具体的なものを担当者会議で示して、各保健所でこういったものについてこれから進めていくということで、現在検討を進めているところですので、ソフト事業ではあるのですけれども、そういったものをいろいろと拡充しながら、難病の患者の方々が地域で生活していけるような体制を構築していきたいと思っております。
〇軽石義則委員 各保健所でも対応していただいているということでございます。保健所で対応していただいているとすれば、市町村ともしっかり連携をとっていくことが大事だと思います。この広い県土の中で、全て均等にとはなかなかなり得ないという思いもあるんですが、岩手県難病・疾病団体連絡協議会の皆さんから、市町村によってはある程度温度差を感じる地域もあるとお聞きしているわけですけれども、市町村との連携はどのように図っているのでしょうか。
〇藤原健康国保課総括課長 先ほど言った地域ネットワークが十分に機能しているところについては、市町村等との連携もうまくいっていると思うのですが、現在、そういったところが余り活発に行われていないところも現実としてはあるということで、先ほど言いました難病地域対策協議会を新たに設置するということになりました。この構成員の中には市町村も入るということで、市町村も、医療、保健、福祉、教育といった各関係分野の方を入れるようにということで示しておりますので、そういったことでこれからの連携を強化していきたいと思っております。
〇軽石義則委員 ぜひ、その取り組みも早急に全体的に広がるようにお願いしたいと思います。
北海道に行ったときも、広い北海道の中でも、各地域単位にネットワークの広がりによって全体をサポートできているというお話もお伺いしてまいりましたので、そのことはしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
相談員を増員するということで、先ほど難病相談支援センターのお話がありました。ただ、相談員も大分高齢化になってきて、後継者の育成というのが非常に不安であるというお話も聞いておりますけれども、支援員、相談員の後継者育成のためにどのような支援を行っているのでしょうか。
〇藤原健康国保課総括課長 後継者の育成ということとはちょっと違うのかもしれませんけれども、医療従事者の講習として国立保健医療科学院等の主催する研修会といったものに参加していただいて、資質の向上を図るようなことは取り組んでいるところであります。
〇軽石義則委員 それぞれ地域からわざわざ難病相談支援センターを訪ねてきて、その目的がしっかり達成できるかどうかというのも大事な点だと思いますので、さらに後継者がいないとすれば、相談事業そのものも回っていかないという現実もあるようでございます。しっかりと対応していただきたいと思います。
これらトータルとして、ふれあいランド岩手も大分時間が経過して、岩手医大の移転も含めて、内容、中身を見直さなければならない。今後の中で、先ほどは用地確保等非常に厳しい環境にあるというお答えでしたけれども、この点について、最後に部長に、今後のこと、それらをどう考えているのか、この点についてお聞きしたいと思います。
〇八重樫保健福祉部長 難病患者の方の生活上の不安だったり悩みについてしっかり相談ができるような体制、さらには難病の方々を多方面から支えるネットワークの構築ということで、先ほど、総括課長から御答弁申し上げたような難病相談支援センターの機能強化だったり難病対策地域協議会の設置等々でしっかりフォローしていきたいということと、今、委員から御指摘のあった難病相談支援センターの関係については現時点は極めて困難な状況ではありますけれども、今後も関係機関等と意見交換を行いながら、そのあり方について検討していきたいと考えております。
〇軽石義則委員 新しいセンターのみならず、そういうことで難病の皆さんにも、我々のこともしっかり対応していただいているなと実感できるよう、取り組みを見えるようにしていただきたいと思います。
次に移ります。障がい者福祉についてお伺いいたします。
近年、身体障がい者数は減少傾向、知的障がい者数は若干の増加、精神障がい者数は増加していると見ておりますけれども、これらの現状をどのように把握され、課題等あればお示し願いたいと思います。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 障がい区分の現状についてでございますけれども、手帳の取得者数で申し上げますと、身体障がいは平成24年度の5万5、867人が平成28年度は5万3、812人に、知的障がいは平成24年度の1万901人が平成28年度は1万1、701人に、精神障がいは平成24年度の7、412人が平成28年度は9、308人ということで、委員からお話がございましたとおり、身体障がいは減少傾向、知的障がい及び精神障がいは増加傾向となっているところでございます。
こういった現状でございますが、これは本県のみならず全国的にも同様の傾向でございまして、知的障がいや精神障がいと関係性の高い、人工呼吸器などの医療的ケアが必要な障がい児、いわゆる医療的ケア児や発達障がい、引きこもり、アルコール依存症などへの対策が課題となっていると認識しております。
国におきましては、医療的ケア児の支援体制の整備を図るための児童福祉法の改正、発達障がい児への教育支援等を充実するための発達障害者支援法の改正、アルコール健康障害対策基本法の制定、障害者雇用促進法に定める法定雇用率の算定対象に精神障がい者を追加するということで対応が図られてきているところでございます。
県といたしましても、こうした課題に対応するため、今年度から在宅超重症児(者)等短期入所受入体制支援事業を創設いたしましたほか、ひきこもり支援センターや発達障がい者支援センターの設置による相談支援員の人材育成をやっております。また、今年度、県のアルコール健康障害対策推進計画の策定に取りかかっておりますし、精神障がい者の就労促進などにも努めているところでございます。
なお、こうした取り組みを推進していくためには、保健、医療、福祉、教育、雇用等の各分野がそれぞれ関与するということがますます重要になってくると考えておりますので、今後とも関係機関が緊密に連携を図りながら総合的な支援に取り組んでまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 現状と課題、対策までお聞きしました。
昨年度、具体的に事業として実施した内容等があれば、お示し願いたいと思います。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 例えば重症心身障がい児・者の支援につきましては、地域において、相談支援から安心して生活できるような体制を組むために支援者の育成を図っておりまして、県内3カ所で研修を実施しております。この研修につきましては、3カ年計画で各地域で研修を実施してきておりまして、昨年度は看護職員向けの研修が合計12回で82人の受講、相談員向けの研修が同様に12回で92人の受講で、そういった取り組みを進めてきておるところでございます。
〇軽石義則委員 国全体でも障がい者の区分が大分変化してきているということで対策もとられてきておりますけれども、今後、さらにその変化の度合いは、精神障がい者についてはどのような見通しを立てているのかお示し願いたいと思います。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 知的障がいや精神障がいの方の数が増加していることにつきましては、以前に比べて、例えば知的障がいについては理解が進んでいるといったことがあると思いますし、精神障がいについてはメンタルヘルスケアの重要性が大分知られてきていて、精神科を受診しやすくなったということがございまして、障がいに対する認知度が高まって、手帳を取得する方が増加してきているという状況にあると考えております。
また、高齢化の進展といったものも一つの要因として考えられるのではないかと思っておりまして、こうした傾向は今後も続くものと考えておりますので、先ほど申し上げたような、それぞれの関係性の高い課題といったものがありますので、しっかり対応してまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 メンタルヘルス等を含めて、今後増加傾向にあるのではないかという見通しも立てられているようです。来年からは法定雇用率も改定されて、さらに職場に復帰する、社会に出ていくという機会を制度としては広げられておりますけれども、実態として、そこで受け入れる、入っていく方々も含めて、その対策というものはやっておられるのでしょうか。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 障がい者の雇用、就労の促進についてでございますけれども、岩手労働局や商工労働観光部におきまして、障がい者の雇用を進めるということで事業者に対して周知を図りますとともに、障がい者雇用に係る理解の促進や、雇用の場を確保するための商工団体あるいは経営者団体への要請活動、障がい者の職場定着に向けたセミナーの開催など、事業者による障がい者雇用の促進に取り組んでおります。
一方、福祉分野といたしましては、障害者総合支援法に基づきまして市町村が就労支援サービスを提供しておりますほか、県では、岩手労働局とも連携いたしまして、各圏域に障害者就業・生活支援センターを設置いたしまして、就業やこれに伴う日常生活、社会生活上の相談、支援を一体的に行うなど、障がい者の就労を支援しているところでございます。
〇軽石義則委員 これらの取り組みは今後大事な取り組みになっていくと思われますし、安心して暮らせるというところに、家族を含めてつながっていくことが大事だと思いますので、さらに充実した取り組みをお願いして、終わります。
〇城内よしひこ委員 私からは大きく3点についてお伺いします。
まず1点目は、看護師不足の状況についてであります。
これまでも看護師不足についてはたびたび取り上げさせていただきました。県でもしっかりと取り組んでいることを踏まえて、アクションプランの実績についてまずお伺いしたいと思います。
〇福士医務課長 いわて看護職員確保定着アクションプランの実績についてでありますが、県では、これまで、アクションプランに基づき、看護職員の養成、確保や定着に向けた取り組みを総合的に実施してきたところでございます。
平成28年度は、県内の医療機関に一定期間勤務した場合に償還を免除する看護職員修学資金を新規、継続分を合わせて345人に貸し付けするとともに、盛岡、東京等での就職相談会の開催に加え、看護学生の長期休暇に合わせて病院体験セミナーの開催期間を拡充して実施したところであり、あわせて県内の就業を呼びかけるいわてナースアクションといったテレビCMやポスター等による広報活動などを展開したところです。
こうした取り組みの積み重ねにより、昨年度末の県内養成施設卒業生の県内就業率が60.2%と、最も高かった前年度に次ぐ水準となるなど、県内の看護職員は着実に増加しており、成果があらわれているものと認識しております。
〇城内よしひこ委員 そこで、現状と課題はどのようになっているのかをあわせてお伺いします。
〇福士医務課長 現状と課題についてでありますけれども、2025年に向けて、高齢化の進展や医療の高度化等に伴う看護職員の需要の高まりが見込まれております。本県においても看護職員不足の状況が続くことが予想されるところです。
このことから、県では、県内の看護職員の確保、定着を進める上で、新卒者の県内就業率の向上と並んで看護職員が働き続けられる環境づくりが課題であると考えておりまして、離職の防止や、在家庭などとなっている潜在看護職員の再就業支援が重要であると認識しております。
県では、離職の防止に向けて、離職の傾向の高い新人看護職員を対象とした研修や、院内保育所の運営補助などの仕事と子育ての両立支援などに取り組んでおります。
また、離職した看護職員の就労促進については、県ナースセンターにおいて、看護職員の求人、求職登録や就職先のあっせん、就労相談に応じるなど、求職者のニーズに応じたきめ細かなマッチング支援を行っておりますほか、潜在看護職員を対象に、最新の看護の状況等について理解を深め、再就業への自信と意欲を促進するための復職研修等を実施するなど、円滑な復職に向けた支援にも取り組んでいるところでありまして、こうした取り組みを通じまして、看護職員の離職防止や再就業支援をさらに進めてまいります。
〇城内よしひこ委員 その辺の取り組みは私も実績報告書の中で見させていただきましたし、数字が改善されていると感じておるところであります。
そこで、順番を変えて質問しますが、そのような県の取り組みの中で、民間の医療機関に対する影響というのをこれまでも何度かお伺いしたんですけれども、調査の実績がないような話でしたが、県では、民間の医療機関に対する影響等については調査はしているのでしょうか、お伺いしたいと思います。
〇福士医務課長 民間病院等の看護職員の現状についてでございますけれども、県では、公民別に看護職員の需給状況といったものを調査した統計は持ち合わせてございませんので、詳細の把握は難しいところでございます。
ただ、一方で、県の直近の需給推計である第七次看護職員需給見通しでは、需要予測と供給実績との比較が可能な平成26年の結果を見ますと、需要見通しを上回るペースで県内に就業する看護職員がふえておりますけれども、平成26年の時点でなお649人が不足していると捉えているところでございまして、公民にかかわらず看護職員は不足しているという認識でございます。
〇城内よしひこ委員 今、医師が大変だということで、かかりつけ医をまず設定して、自分がふだんかかっているところから紹介状を書いてもらって県立病院に行くというような段階的に医療機関を受診しているわけであります。とすれば、民間の医療機関との連携というのも今後緊密にしていかなければならないのではないかと思っております。限られた医療資源を共有しながら、しっかりと県民の福祉の向上を図るという意味では大事な産業になると思います。そういった意味で、統計もないというのも、全体的に言うと不思議ではあるんですが、もちろん、皆さんは県の職員でありますから、県のことを考えていればいいということなんですけれども、やはり全体的なことを考えるべきではないかと私は思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
〇福士医務課長 看護職員の不足の見通しでございますけれども、現在、国においては、まさに2025年に向けて次の需給見通しといったものの作業の検討に入っているところでございまして、本県でも、来年度の作業になろうかと思いますが、本県の需給の状況というものを把握していくことになってまいりますので、そういった中で、民間の状況についてもきちんと把握なりに努めたいと思います。
また、民間の医療機関の看護職員の確保に向けましては、アクションプランの取り組みなどでも修学資金の貸し付け拡大などで民間の医療機関内の就業も大分進んでいるところでございます。また、ナースセンターで行っている再就業支援事業についても、主に民間への再就業の支援という形になっておりますので、こういった取り組みを続けまして、民間の看護職員の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 ぜひ積極的に、前向きに進めていただきたいと思います。
そこで、県で進めているというか、国で進めているというか、訪問看護の現状と課題についてお伺いしたいと思います。
〇野原副部長兼医療政策室長 訪問看護の現状、課題等についてでございます。
県内の訪問看護の実績については、平成28年9月の利用者数は5、006人でありまして、平成22年の同時期の約1.5倍となるなど年々増加しておりますが、人口当たりの利用者数で見ますと全国を下回る状況となっております。さらに、県内の地域によっては利用実績にその差も見られるところでございます。
また、人口当たり訪問看護ステーション数は全国と同水準であるものの、1施設当たりの看護師数で見ますと、平成28年度は4.2人と、全国の4.8人と比較して少なく、本県は小規模の事業所が多い傾向となっております。
このような現状の中、小規模事業所では、24時間、患者のニーズに対応することが難しい場合があること、病院等の医療機関と比較して新卒の看護師や潜在看護師の採用が困難であることなど、人材確保の課題があると認識してございます。
〇城内よしひこ委員 岩手県は広くて、人口の密集地というのは限られているわけです。訪問するにも、片道30分、1時間というのはざらにあるそうであります。そういった不採算─不採算と言い方をするとちょっと語弊があるかもしれませんが、そういう状況の中にあって、皆さんが一生懸命頑張る。県とすれば、それを積極的に支援することが必要だろうと思います。
また、一方で、人材が集まらないという現状もあるわけでありますので、ぜひ、その辺をしっかり取り組んでいただきたいと思いますが、その辺は、一言、野原副部長にお伺いしたいと思います。
〇野原副部長兼医療政策室長 今後、高齢者、特に85歳以上の超高齢者もまだまだ岩手、沿岸はふえてまいります。訪問看護、在宅医療といったものの基盤整備というのは非常に重要だと認識しておりますし、そのためには人材育成と関係機関のネットワークの両輪を進めていく必要があると考えております。
人材育成については、不断に、これまでの課題を踏まえて取り組みを進めてまいります。また、ネットワークづくりにつきましても、特に沿岸部などを中心に、ICTを活用しまして、医療と介護の関係者が患者の情報をきちっと共有してネットワークの中で対応していこうと。委員から御指摘いただいたとおり、岩手県は面積が広くて、どうしても移動時間もかかります。その部分はどうしてもコストがかかってしまうというハンデがありますけれども、ICTの技術なども活用しまして、そういったハンデも乗り越えて、本県における訪問看護、在宅医療の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 次に、インフルエンザについてお伺いします。
平成28年の実績と、どうだったのかということで、その所見をお伺いします。
〇野原副部長兼医療政策室長 インフルエンザの昨年度の実績等でございます。
まず、流行状況を申し上げますと、昨シーズンのインフルエンザの状況につきましては例年より早い11月上旬に流行いたしましたが、おおむね例年並みの2月初めに流行のピークを迎えまして、ピーク時の1医療機関当たりの患者数は24人でありまして、流行の規模はほぼ例年並みでございました。
また、昨シーズンのインフルエンザワクチンについてでございますけれども、昨シーズン、製造工場が熊本地震の影響を受けたことから不足の懸念もありましたが、6月には生産が復旧いたしまして、最終的には、全国で見ますと、昨年度のインフルエンザワクチンの使用量の2、642万本に対しまして2、784万本が製造されまして、十分な供給がなされたものでございます。
本県におきましても、市町村、医療機関等と連携しながら、供給体制の維持、確保に努めたところでございまして、ワクチンを必要とする方には十分に行き渡ったものと認識しております。
〇城内よしひこ委員 ことしも、ある学校では学級閉鎖がもう始まったということです。去年も私はこの件については取り上げさせていただきました。その際にも、沿岸部は復興工事等でいろいろな人が来たり行ったりする中で、インフルエンザの拡散もあると医療機関の方々がおっしゃっていましたので、多分、そういうことで沿岸部の学校が閉鎖になったのかと思っています。ことしの対応状況と、マスコミ等ではインフルエンザワクチンが足りないのではないかということも取り上げられていますが、本県の体制はどのように対応をとっていくところなのかお伺いしたいと思います。
〇野原副部長兼医療政策室長 今シーズンは全国的に例年より早い時期に流行が始まっておりまして、委員から御指摘いただいたとおり、本県でも昨年より約2週間早い10月12日に第1号の学級閉鎖の報告があったところでございます。そのため早目の対策が重要と認識しておりまして、今年度も本県のインフルエンザ対策実施要領に基づきまして手洗い、うがいの徹底といった予防法の普及啓発を行うとともに、学校等の施設閉鎖や患者数等の発生動向の把握及び公表等について、市町村及び関係機関と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
また、インフルエンザワクチンでございますけれども、委員から御指摘いただいたとおり、不足の報道などがなされているところでございます。これにつきましては、先般、厚生労働省から、今シーズンの製造量は現時点で昨シーズンの製造量を約114万本下回る2、528万本の見込みとなりますが、今後、適切な配給体制を整えることにより必要量を確保できるとの見通しが示されたところでございます。
これを受けて、厚生労働省から、昨シーズンと同程度の接種者数を確保することを目的に、13歳以上の方が接種を受ける場合は、医師が特に必要と認められる場合を除き、法令に基づき承認された用法である1回注射であることを改めて周知するなど、ワクチンの効率的な活用の徹底と円滑な流通についての通知が発出されたところでございます。
これを受けまして、県では、医師会、医薬品卸業協会、各市町村にこういった情報を周知するとともに、県内の流通状況等を関係機関で情報共有いたしまして、今シーズンも接種希望者に適切にワクチンが行き届くよう、関係者と連携した取り組みを進めていきたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 特にも御高齢の方々には早目に対応を促す啓蒙活動をしっかりと展開してほしいと思います。
次に移ります。松山荘についてでありますが、昨年、台風第10号で県立の松山荘が大きな被害を受けました。復旧するまで、いろいろな地域に利用者の方々が分散して利用したんですけれども、その辺の現状、復旧も含めて、どうなっているのかお伺いしたいと思います。
〇渡辺地域福祉課総括課長 台風第10号で被災した松山荘の被害の状況でございますが、昨年8月30日、台風第10号による床上浸水により、岩手県社会福祉事業団が運営いたします松山荘では、入所者及び職員に係る人的被害はなかったものの、浄化槽、ボイラーなどが使用不能になったほか、床下の土砂撤去及び床板、扉等の建具の修繕などが必要になるなど、施設が利用できなくなったところでございます。
こういったことを受けまして、入所者98名につきましては、同事業団の内陸の施設などに避難していただきまして、修繕工事が終了した翌年、本年2月26日に、入所者の方々が戻られて施設が再開したところでございます。
〇城内よしひこ委員 そこで、避難の今後のあり方についてお伺いするんですが、今、98人の利用者ということでありましたが、これまで、この地域というのは浸水をするような地域ではなかったのでありますが、今後、いろんな形で、爆弾低気圧も含めて、災害というのはいつ訪れるかわからない状況があるわけであります。利用者をどのように避難させるのか、その準備をちょっとお伺いしたいと思います。
〇渡辺地域福祉課総括課長 松山荘の避難のあり方についてでございますけれども、昨年の台風第10号の被害を契機といたしまして、社会福祉事業団では、これまで策定しておりました事業継続計画などに加えまして、水害時避難計画を策定いたしました。特にも松山荘につきましては、本年7月に、台風による水害発生を想定した避難移動模擬訓練などを実施して、防災対策の徹底を図っているところでございます。
本年9月18日の台風第18号の本県最接近に際しまして、宮古市が避難準備・高齢者等避難開始を発令したのでございますが、これを受けまして、あらかじめ避難をする際に協力の承諾をいただいていた地元のバス運行事業者からバスの提供を受けまして、避難所まで入所者の方全員を速やかに避難いたしたところでございます。また、事業団では、その入所者の健康面の管理についても万全を期したと聞いております。
〇城内よしひこ委員 そこで、避難を全員がするまでに2時間ほどかかったというんですね。2時間かけて避難するのがいいのかどうかというのもあるんですが、速やかに避難をするべきものだと思っています。そして、近隣には、新しく宮古警察署ができるわけでありますが、緊急的には、そういった場所にも避難できるように連携を図るべきではないかと思います。
あわせて、今回台風第18号の際に避難をしたというんですけれども、避難場所が中学校であります。中学校の体育館で、利用者の方々、ハンディキャップを持った方もたくさんいらっしゃるという中で、トイレが大変だったというんですね。そういう避難所を指定されている場所には一般市民の方も避難をしてきます。その避難を受け入れる態勢がしっかりと整っているのかという点も含めて、今後私は検討するべきではないかと思います。そういうことも今後の避難のあり方には検討課題にのったのでしょうか、それとも指導はされたのでしょうか、お伺いしたいと思います。
〇渡辺地域福祉課総括課長 今後の課題についてでございますが、松山荘の避難のあり方、今後の検討につきましては、第一義的には、松山荘を運営する社会福祉事業団で考えて対応するものと思っております。ただ、先ほど委員がおっしゃいました地域との連携ということに関して言えば、社会福祉事業団全ての施設において定期的に地域で協議会を開いておりまして、その場所でさまざまな御提案をいただいたり、また、お願いをしているところでございます。
松山荘につきましては、今おっしゃった新しい警察署ですとか、そういったところの活用などについても地域の消防団の方から御提言を受けたとも聞いておりますが、そういった提言が今後どう実現していくかというのは、まだ今後の検討かと思っております。
また、避難場所ですが、確かに今中学校が避難場所になっておりまして、宮古に限らず、障がいを持った方が普通の避難場所に行った場合、トイレですとか居場所に多々課題があるのは御指摘のとおりでございます。そういった点については、すぐには解決できないものとは思っておりますが、市町村と連携しながら、少しずつでも解決してまいりたいと思っております。
また、障がいを持った方については福祉避難所、これが県内各市町村に今指定されてございます。そういった方については、一般の避難所から福祉避難所のほうに移送するという形を今後徹底してまいりたいと思っております。
〇城内よしひこ委員 松山荘は建って10年くらい、立派になったんですけれども、平屋なんです。高台に逃げるとか、俗に言う垂直避難というのができない地域なので、そうであるならば、ソフト面でしっかりとカバーをするべき課題だと考えます。連携をする市町村に、そういうことが意見として上がってきたということを伝えていただいて、利用者が安心して暮らせるような環境をつくってほしいと思いますが、最後、お話をお伺いして終わりたいと思います。
〇渡辺地域福祉課総轄課長 今、御指摘いただきましたとおり、社会福祉施設が適切に運用するためには、地域の方の理解と御協力が不可欠でございます。そういった点は私どもも十分理解してございますので、関係市町村はもちろんでありますが、地域の方々、そして先ほど申しました消防団ですとか、そういった方々ともしっかりと連携して、お話をお伺いしながら適切に対応してまいりたいと思っております。
〇工藤勝博委員 私のほうからも2点ほどお伺いいたします。
先ほど城内委員から看護職員の確保あるいは育成ということで質問がありました。答弁もありましたけれども、重ならない部分でお聞きしたいと思います。
いろんなメニューを持ってこの事業が進んでいるわけですけれども、先ほどの課長の答弁では、増加しているということでもありました。そういう中で、3年前、私も決算特別委員会で質問させてもらいましたけれども、そのときに県立病院の看護師募集が定員に満たなかったということがありました。その後の状況はどうなっているのか、まずお聞きしたいと思います。
〇福士医務課長 県立病院における看護職員の充足についてでありますけれども、県立病院の看護職員数は県全体の約2割に上っておりまして、本県の地域医療において重要な位置を占めております。
県立病院の充足の状況でございますけれども、平成26年度末時点の推計でございますが、649人が県全体で不足しているという状況のもと、若干、年度の違い、ずれはございますが、県立病院の平成28年度の採用予定者数は181人と聞いておりまして、それに対して採用になったのが142人にとどまっていると聞いているところでございまして、県立病院においても看護職員の確保が厳しいものと受けとめております。
〇工藤勝博委員 そういう数字が出ますと、改善が進んでいないような感じがするんですけれども、この状況というのはどのように今後取り組まれるのか、お聞きしたいと思います。
〇福士医務課長 医療局におきましても、必要な看護職員を確保するために学生向けの説明会を開催したり、さまざまなPRの取り組みもされていると聞いているところでございます。
また、養成する側のお話を聞くと、全県を勤務とすることでなかなかその辺を気にされている、就業先としては気にされているという話も一部には聞いているところでございます。
そういったところも含めまして、医療局においてさまざまな取り組みを今進めているところでございます。県といたしましても、修学資金の貸し付けによりまして、県立病院の看護職員の安定的な確保に努めているところでございますし、看護学生向けの就業セミナー等でもそういったところを広く紹介しているところでございますので、こういった中で、県立病院の看護職員の確保につなげてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 特にも若い看護師の場合、働き方等もかなり改善しないとなかなか定着しないだろうと思いますけれども、そのような状況の中で、待遇改善にも取り組んではいると思いますが、その辺の状況についてお伺いしたいと思います。
〇福士医務課長 看護職員の待遇改善の取り組みなり課題についてでございますが、看護職員のみならず、ほかの医療従事者も含めてということになろうかと思いますけれども、個人の生活形態や価値観が多様化してきておりまして、看護職員等の確保、定着を図っていくためには、まずもって、各医療機関において、多様な勤務形態の導入ですとか、働きやすい職場環境づくりを推進していくことが肝要であると考えております。
県内におきましても、短時間勤務正規職員制度ですとかパートタイムでの任用、あるいは、連続、長期休暇の取得促進などワーク・ライフ・バランスを推進することによりまして、職員の業務負担の軽減ですとか離職の防止につながっている事例もあると聞いているところでございます。
県におきましては、保健福祉部内に設置しました県医療勤務環境改善支援センターにおきまして、広く県内の医療機関を対象といたしまして、個々の医療機関の課題に応じたアドバイザー等を派遣しております。また、働き続けられる職場環境づくり研修会などの開催も行っておりまして、引き続き、働きやすい職場環境づくりを支援してまいります。
〇工藤勝博委員 修学している皆さんから言わせると、県立病院に勤務したいという一つの大きな目標もあると思うんです。ところが、現場に行ってみると、これは大変だということもお聞きしています。県立病院より民間病院のほうがいいということで、そういう流れができてしまうと、先ほどの県立病院の看護師の確保というのはなかなか厳しいものがあるのではないかと思うんですけれども、民間との違いというのはどういうことで周知されるのか、その辺の具体策がないとなかなか確保に結びつかないような気がしますけれども、どうお考えなんでしょうか。
〇福士医務課長 先ほども県立病院の採用数の確保、増加に向けまして、県の医療局においてさまざまPRの取り組み等もされているという答弁を申し上げましたけれども、こういった勤務のいろんな処遇ですとかあるいは待遇の状況、あるいはキャリア形成のようなものですとか、あとは先輩職員のロールモデルになるようなものを示しながら、県立病院においても、医療局においても、県立病院の看護師確保に努めていると聞いているところでございます。こういった中で、県も医療局も一緒になって、県内の看護職員の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 看護職員の確保の一つの大きな柱になっています修学資金貸し付けの制度なんですけれども、この制度を活用した学生がどのような就職先といいますか、どういう状況になっているかお聞きしたいと思います。
〇福士医務課長 県の看護職員の修学資金の貸し付けを行いまして、昨年度末、平成29年3月に卒業した貸付者116人の動向についてでございますが、卒業後の就業状況につきましては、116人のうち県内に就業したのが100人、県外に就業したのが7人、進学したのが3人、その他が6人となっているところでございます。
〇工藤勝博委員 地元に就職するということは、制度自体が大変浸透しているという思いもしております。制度が始まったのが大分前ということでありますけれども、県単になってから急激に貸付人数もふやしているということは大変すばらしいと思います。
医療関係を学ぶ方は相当学費等もかかると思うんです。私の近くでそういう学生がおりました。ですが、この制度がわからなくて、一般の学資制度を使って月に5万円借りたと。年間60万円ですね。4年間で240万円の借金を持って卒業して勤めなければならない。ですから、県内の医療機関に就職すると返済に困るということで、首都圏の病院に内定したという話がありました。
ですから、せっかくいい制度をつくりながら、まだまだ周知されていない部分が多々あるのではないかと思います。その学生いわく、全然知らなかったと。そういう目的を持って進む学生には、高校の各学校にそういう制度をきちっと説明しないと、せっかくの制度をもっともっと活用できるようにするためにはその制度の周知を図っていかなければと思いますけれども、その辺の対応はどうなっているんでしょうか。
〇福士医務課長 この修学資金の周知についてでございますけれども、この修学資金の貸し付けに当たりましては、看護職員の養成施設に入学した後に、この施設において貸付者の募集、取りまとめを行った上で県に提出するような仕組みとなっておりまして、これまでも、県では、養成施設と密接に連携しながら対応してまいりました。また、県内で開催しております看護職員を目指す中高生向けの進学セミナーの場などでも、制度の周知にはこれまでも努めてきたところでございます。
一方で、県内の高校に対しましては、行き届かない部分もあったかもしれないと考えておりまして、これから県内で看護職を目指す若い人材の意識づけですとか動機づけにもつながることや、県外の大学に進学した場合の貸し付け等々にも対応可能になるということで、将来、岩手に戻って就業を希望する者の増加にもつながることが期待されますので、こういった高校向けの周知についても一層取り組んでまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 学校に入ってからこういう制度がありますというのでは、ちょっと生徒には気の毒だと思います。余裕を持って入る人もあるし、学資に困っている方も、ただ、目標は看護師になりたいというその思い。それぞれの高校、現場で、こういう制度もありますということを知らせないと、修学施設に入ってからこういう制度がありますからどうぞ使ってくださいというのでは、ちょっと遅いのではないかと思うんですけれども、それらも含めて一工夫必要ではないでしょうか。せっかくのこのような修学資金があって、県内定着率も高い、若いまさにこれからの岩手を背負って現場に立つ若い人を育てるという意味では、もっともっときめ細やかな対策をぜひしていただきたいと思います。
それともう一つ、先ほど統計が漏れているところもあるという話もありました。県民計画の報告書の中でも、隔年の調査ということがあるんですね。毎年調査をしていないということもちょっと手落ちではないか。これだけ今の医療も含めて、介護も含めて大変重要な課題だろうと思いますので、しっかり調査をしながらいろいろ分析していただくほうが施策に結びつくのではないかと思いますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
2点目ですけれども、同じような内容になりますけれども、介護人材の育成事業ということで、現状の成果を上げた部分と、さらにこれからこういうことが問題ですということがあればお聞きしたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 介護人材の確保、育成に係る平成28年度の成果と課題についてでありますが、人材確保に向けた主な取り組みといたしましては、まず、県内各地に7人の介護人材キャリア支援員を配置いたしまして、求人、求職のマッチング支援などを行い、新たに295人が県内の事業所に採用されているところでございます。また、介護分野のイメージアップを図るため、介護の仕事の魅力を発信するテレビ番組の制作、放送や、高等学校等の生徒へのフリーペーパー1万7、000部の配布。このフリーペーパーでは、魅力の紹介にあわせて、修学資金などの支援制度の紹介もいたしております。それにあわせまして、県の財政支援のもと、岩手県社会福祉協議会において、介護福祉士の養成施設の学生100人に修学資金の貸し付けを実施いたしました。
人材育成の取り組みといたしましては、介護職員の資質の向上に向けまして、介護職員初任者研修に係る受講料を6人分補助したほか、単独では研修の実施が難しい小規模事業所の合同研修会を27回開催いたしまして、合計424人の方々に参加いただいたところでございます。
さらに、介護職員の給与の増額等を促すため、事業者に対して、介護報酬上の介護職員処遇改善加算の活用を働きかけました結果、県内事業所における本年8月時点での同加算の届け出率は90.9%でありまして、前年同期比で2.9ポイント上昇しております。
このように、さまざまな取り組みを実施してきたところではありますが、本年7月の県内の有効求人倍率を見ますと、全産業の1.42倍に対し、介護職では2.38倍と高く、依然として人手不足が顕著な状況にありますことから、引き続き、重点的に介護人材の確保、育成に努めていく必要があると認識しております。
〇工藤勝博委員 現状はわかりました。しかし、介護人材を養成する学校の定員充足を見ると、半分ぐらいしか養成校に入っていないという状況でもあります。これから国では介護事業が成長産業とも言われている中で、現場を預かる資格を持った職員がこれだけ不足するということになると、この先大変だなと私自身も思います。なぜ人気がないのかということを改めてしっかり掘り下げていかないと、人材確保は難しいのではないかと思います。
先ほど総括課長が言われました求人倍率2倍ということで、先日、盛岡職業安定所で出している募集要項を見ました。介護職員の募集はたくさんあるんです。待遇を見ると、これは本当にこの金額でいいのかなと思うくらい低いです。13万円とか、15万円とか。これではとても、特に若い皆さんには魅力のある職場とは映らないなと改めて感じております。その辺も含めて待遇改善、これは県でできる部分と国の施策の中でやる部分とあると思うんですけれども、それらは今後どのような取り組みをなされるのかお伺いしたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 職員の待遇改善、処遇改善の関係でございますけれども、公益財団法人介護労働安定センターが実施しております平成28年度介護労働実態調査を見ますと、やはり人手が足りないとか賃金が低い、有給休暇がとりにくいなどの理由で離職している方が多いようでありますので、そういったマイナスの部分が新規就労を阻害している要因になっていると考えております。
また、賃金につきましても、同じく、介護労働安定センターが実施しております調査によりますと、平成28年度の実績で申しますと、岩手県の場合は介護職が20万2、000円少々になってございまして、県内の全産業と比較しますと3万5、000円ほど低い状態になってございます。これは平均年齢としては、40代前半あたりの方々の数字ということになっております。
こういうことで、委員からも御指摘のあったとおり、やはりどうしても賃金等も含めて待遇が厳しい、低い状況にあるということでありますので、ここ数年、国でも処遇改善加算の充実等を図っているところでありますし、そういった加算の活用をしっかり働きかけていきたいと思っております。また、国に対してもその充実を求めていきたいと思っております。
また、何と言っても、介護事業者のほうで職員の処遇を充実していかなければ解決しない話でありますので、事業者に対してもしっかり働きかけていきたいと思っております。
〇工藤勝博委員 2025年の問題もありますけれども、今現在でも施設の待機者が年々ふえているという状況の中で、この介護職員の確保ということは本当に近々の課題だろうと思います。そういうことも含めて、これからとれる対策というのはどうお考えなんでしょうか。
〇近藤長寿社会課総括課長 社会全般が人手不足の状況でございますので、その中で介護分野への就業を促すということで、どう魅力を高めていくかということかと思いますが、先ほど御答弁申し上げたような取り組みを引き続き粘り強く取り組んでいくということ、あるいは、事業者のほうでも、みずから死活にかかわる問題ですので、しっかり認識して対応してもらうということがありますが、これに加えて、介護ロボットですとかICTなどの活用による業務の効率化、あるいは外国人介護職員の受け入れといったような動向もございますので、そういったことも視野に入れながら、市町村や関係団体等と連携して人材確保に取り組んでいく必要があると考えております。
〇工藤勝博委員 先ほど看護職員の修学資金もありました。介護のほうでも介護福祉士等の修学資金貸付事業というのがありますけれども、それらの利用状況というのはどうなんでしょうか。また、活用した皆さんがどういう形で職についているのかもお伺いしたいと思います。
〇中野保健福祉企画室企画課長 介護福祉士等修学資金を活用した就職の状況についてでありますが、養成施設就学者に対しましては、平成21年度から平成28年度までに416名に対し貸し付けが行われ、本年4月1日現在、337人の方が県内の事業所に就業したところでございます。さらに、昨年11月から開始した再就職準備金につきましては、本年3月現在で、3名に対して貸し付けが行われ、全ての方について県内の事業所で就業に結びついたところでございます。
〇工藤勝博委員 この介護の福祉事業もかなり定着率が高いということは大変いいことだろうと思います。
最後ですけれども、6期の介護施設整備が終わって、来年度から7期目に入るわけですけれども、この待機者も含めて、先ほども申し上げました施設を維持するための介護職員、あるいはまたケアをする皆さんを確保することはイの一番に大事なことだろうと思いますけれども、第7期に向けての計画というのをもしお知らせできれば聞きたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 第7期の介護保険事業計画の策定に向けた取り組み等ということかと思いますけれども、まずは入所待機者のことから御答弁申し上げますが、平成29年4月1日時点で市町村が特別養護老人ホームへの早期の入所、これは今後1年程度で入所が必要となる見込みの方を含めた人数でありますが、早期入所が必要と判断した在宅の待機者は985人となっておりまして、ここ数年は1、000人前後で推移している状況でございます。
また、今後の高齢者人口等の見込みとしましては、国立社会保障・人口問題研究所が平成25年に行った人口推計によりますと、本県の65歳以上の高齢者人口は2020年をピークに減少するものの、要介護、要支援認定率が約6割と高い水準になっております85歳以上の人口は、2040年に向かってふえていく見込みでありますので、介護施設についても、全体として見れば、当面は増加する傾向にあるものと見込まれているところでございます。
こうした状況でありますので、引き続き、介護人材の確保については重点的に取り組んでいきたいと思っております。
それから、第7期の施設整備の計画の関係でありますが、現在、市町村など介護保険の各保険者のほうで平成30年度を初年度とする第7期計画の策定作業を進めておりまして、この中で、特別養護老人ホームを初めとする介護給付等、対象サービスの見込み量を定めることとなっております。
県といたしましては、この市町村等保険者の計画策定作業が円滑に進むように必要な支援を行うとともに、来年度以降、市町村が第7期の計画に基づいて行う特別養護老人ホームの整備等に対して補助を行うなどして、整備が着実に進むよう支援してまいりたいと考えています。
〇工藤勝博委員 最後にお聞きします。
今、人生100年という時代になりました。岩手で暮らす者として、安心して老後が暮らせるという施設整備、環境整備を図っていかなければならないだろうと思います。その辺も含めて、部長、何か御見解がありましたお聞きしたいと思います。
〇八重樫保健福祉部長 先ほど総括課長から答弁したとおり、本県の要介護認定者数は、介護保険が始まったときに比べますと今2.5倍ほどふえていますし、平成32年度には、本県の高齢者人口がピークを迎えると推計をされております。そのため、県民の方々が介護に不安を持つことなく、住みなれた地域でぜひ安心して生活していただきたいと考えておりまして、ちょうど今まさに計画の見直しということで第7期の介護の施設整備計画─市町村の積み上げたものでサービス量の見込みを定めることになるんですけれども、そうしたところに対しても支援を行いながら、市町村とともに施設整備を含めて着実な整備が進むように、ぜひ支援をしてまいりたいと考えているところでございます。
〇工藤誠委員 それでは、私のほうからも2点ほどお伺いさせていただきたいと思います。
まず1点目でございますけれども、認知症対策ということについてでございます。
この問題については非常に難しいことでもございますし、また、個人のプライバシーの問題もありますので、なかなか深く問題を突き詰めることは難しい部分もありますけれども、先ほど来お話がありますように、今後2025年問題、それから平均寿命も確実に延びていっている、また、人間100歳時代を迎えるという、ライフ・シフトという言葉もあるようでございますけれども、そういう長寿社会を迎えます。そしてまた、認知症の方がふえていくことによりまして、交通事故の増加とか、特殊詐欺事件ということにもつながっていくということなので、対応を今後しっかりやっていくべきではないかと考えているところでございます。
そこでまず、現在、県内における認知症高齢者数の現状、そして今後の見通し。そして、あわせて、若年性認知症というものもありますけれども、この発症者数がどのようになっているのかということについて最初に伺いたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 本県の認知症高齢者の人数等についてでありますが、要介護認定申請において添付されます主治医意見書によりますと、平成29年3月末時点で、日常生活を送る上で見守りや介護が必要な認知症高齢者は4万6、375人となっております。
今後の見通しといたしましては、要介護、要支援認定者における認知症高齢者の割合をもとに単純に推計いたしますと、2025年─平成37年には、現在よりも約1万人ふえて、5万6、000人程度になるものと見込まれます。
また、若年性認知症については、介護保険の第2号被保険者、これは40歳以上65歳未満の方々になりますが、この第2号被保険者で要介護認定申請を行った人のうち、平成29年3月末時点で、683人の方が認知症により日常生活に何らかの支障がある方とされております。
〇工藤誠委員 要介護認定を受けている方の数というのは大体お聞きしていたところですけれども、この若年性認知症の方の数もかなり多いんだなと、私も改めて感じたところでございます。
この対策についてはまたお聞きいたしますが、もう一点、数字的なことを確認させていただきたいのでありますけれども、私は仕事をしているときに、年に数回、高齢者の方々が家を出てもう戻ってこないということがございまして、地域の方々とか消防団の皆さんにお願いしたり、場合によっては、県の防災ヘリなどの出動もお願いして捜索したという経緯もございます。結果的には残念な結果に終わっておりましたけれども、また過去の報道では、認知症の女性が行方不明となって、7年ぶりに家族と再会したという報道などもありました。こういうことで、行方不明高齢者の実態というものはどういう状況にあるのかということについてお伺いしたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 認知症高齢者の実態についてでありますが、本県では、平成26年8月に制定いたしました認知症高齢者等の行方不明等に係る連絡調整事務取扱要領に基づき、関係機関が連携して捜索に当たっているところでございます。
具体的には、家族等から市町村や警察に依頼があった場合、両者が情報共有を図りながら、地域の徘徊・見守りSOSネットワークでありますとか、他の市町村などの協力を得て捜索活動を行っているところでありまして、おおむね地域において発見、解決が図られているものと認識しております。しかしながら、こうした地域での取り組みで発見に至らず、家族等から他の都道府県までエリアを広げて捜索してほしいと依頼があった場合には、市町村から県に依頼がありまして、県が窓口となって、他の都道府県に捜索協力依頼を行っております。
県に対する依頼については、要領制定から本年9月1日までに15件ございまして、うち4件が捜索依頼解除となり、現在、行方不明者は11名となっております。
〇工藤誠委員 いずれ、今後認知症高齢者の数もふえていくでしょうし、認知症の方もふえていく、また、場合によっては行方不明者の数もふえていくと思われます。そういうことで、国ではオレンジプランなり新オレンジプランということでいろんな対策も講じております。それで、こういうケースの相談窓口ということについては、まずは市町村の福祉部門ということで地域包括支援センターが第一線となっているわけでありますけれども、介護保険法の改正によりまして、平成30年4月までに認知症初期集中支援チームを市町村は設置しなければならないということになっております。それで、現在の設置状況またその役割、それからチーム設置によって把握されている課題、それはどういうことなのか。そして、そのチームで会議とかいろんなことがあると思うんですけれども、そういうことに対して県はどのようにかかわっているのかということについてお伺いしたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 認知症初期集中支援チームについてでありますが、このチームは、認知症サポート医の指導のもと、保健師や社会福祉士など複数の専門職が、認知症が疑われる人や認知症の人及びその家族を訪問して、初期段階の支援を包括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行う役割を担っているものであります。
平成29年6月1日時点で17市町が設置していますが、設置済みの市町村では、効果的なチーム運営やチーム員の資質の維持向上などが、また、未設置の16市町村では、医師を初めチーム設置に必要な専門職の確保がそれぞれ課題となっております。このため、県では、認知症サポート医不在市町村の医師がサポート医養成研修を受講する際の受講料や、チーム員が国の研修を受講する際の受講料を負担するとともに、認知症初期集中支援チーム運営等研修会を開催するなどして、チームの設置及び運営の両面から市町村の取り組みを支援しているところであります。
今後、平成30年度までに、全市町村がチームの設置を完了する予定でありますが、引き続き、先進事例の紹介や情報交換の機会を提供するなどして、チーム設置の所期の目的が達成されるように、市町村への支援に努めてまいります。
〇工藤誠委員 今伺って、半分の市町が設置して、まだ残り半分が設置していないということでございます。先ほどお話があったように、市町村によっては専門の職員がいないということもあります。それから認知症だけではなくて、いろんな業務も福祉部門では抱えているものですから、なかなか認知症だけの対応というのは難しいと思っています。ぜひ、県では積極的なかかわりをしていただきたいと思っておりますし、今後、的確なアドバイスもお願いしたいと思っています。
認知症の医学的な分野については、研究とか治療薬の開発など進んでいると思っています。地域での見守りということがよく言われております。そういう意味で見守り支援とか生活支援─過日、東京では、注文をまちがえる料理店という取り組み、期間限定で行われたようでございます。また、県も、このようなことで、小中学生、孫世代への理解教室の開催とか、私のまちでもオレンジカフェさくらというものなんですけれども、そういうものが6月から開催されております。
そういうことで、地域でも非常に理解を深めていただく活動を行っているわけですけれども、地域で見守る対策の取り組み状況は、県内はどういう状況になっているのかということについてお伺いしたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 認知症高齢者を地域で見守る体制についてでありますが、市町村においては、地域住民や警察、公共交通機関などと連携した徘徊・見守りSOSネットワークの構築や、認知症の方が所在不明となった場合を想定した徘徊模擬訓練の実施などの取り組みが進められておりまして、平成29年1月末時点で、21市町村においてこのSOSネットワークが整備されているところでございます。
また、こうしたネットワークの整備に加えて、認知症に関する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の方やその家族に対して、できる範囲で見守り支援を行うようなボランティアであります認知症サポーターの養成をしたり、また、委員から御紹介のありました小中学生を対象とした孫世代のための認知症講座の開催、あるいは認知症カフェの設置など、認知症の方を見守り支える取り組みが地域で進められているところでございます。
ちなみに、この認知症カフェにつきましては、平成29年6月時点で、20市町村で50カ所設置されていると聞いております。
県としても、こうした取り組みが各市町村で一層推進されるよう、県内外の先進事例等の情報を提供するなどして、支援に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤誠委員 確かに一生懸命地域でも見守っていただく、また、地域にいろんな経験を持っていらっしゃる方がございます。看護師をやっていらっしゃった方、また、保健師をやっていらっしゃった方、さまざまな方がいらっしゃいますし、また、いろいろな特技を持っている方もいらっしゃいますので、いろんな場面で見守りとかそういう支援をすることは可能だと思います。そういうことで、地域では頑張ってやっていくわけでございますけれども、この認知症というのは進んでいくという病気なようでございますので、家族また地域での対応については限界がいつかは来るのではないかと思っています。
そこで、必要になってくるのが介護施設なのでありますけれども、この介護施設の入所の関係ですが、県内の施設の整備状況それから入所の状況、そして、現在、入所待機者の数の実態というのはどのようになっているのか伺いたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 認知症の方が入所できる介護保険施設等の整備状況などについてでありますけれども、施設の種別によって入所要件となる要介護度等に若干の違いはございますが、主なものといたしましては、平成29年9月1日時点で、特別養護老人ホームが8、399床、老人保健施設が6、038床、認知症対応型グループホームが2、388床となっておりまして、時期、タイミングによっては空床が出る場合もありますが、ほぼ満床の状態であると認識しております。
それから、待機者の状況でありますが、特別養護老人ホームにつきましては従来から入所希望が非常に多いものですから、県が独自に毎年調査を実施し、国でも数年に一度調査を実施したりしておりましたが、直近の数字でいきますと、平成29年4月1日時点で早期入所を要する在宅の待機者は、特養待機者は985人ということになっております。ただ、特別養護老人ホーム以外の施設についてはそうした待機者調査を実施しておりませんで、県としては把握していないところでございます。
〇工藤誠委員 施設のほうもいろいろ整備していくのにはお金もかかるということもありますし、また、先ほど来の介護の人材不足などもありますので厳しい状況であると思いますが、認知症の方がふえていく実態が前提としてもありますし、今後確実にふえていくわけでありますので、最終的には施設のほうにお願いしなければならない部分がありますから、国にそういう制度の改正とか予算等の拡充についても要望するべきではないかと思っていますので、よろしくお願いしたいと思っています。
先ほどの話とまたちょっと関連しますけれども、統計によれば、これから高齢者の4人に1人が認知症になるとか、5人に1人がなるとかとも言われております。地域の見守りとか認知症サポーター制度、キャラバンメイトとかの対応策、それから施設整備や専門職員の養成ということで、いろいろな取り組みを強化していることは、私がいただいたいわていきいきプラン2017にもありました。この認知症対策の今後の課題についてでございますけれども、課題をどのように認識されているかということ、そして、県がその課題の解決にどのようにかかわっていくのか、これは大きな問題ではないかと思いますので、その辺の御見解をお願いしたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 認知症高齢者に係る今後の課題と県のかかわりについてでありますけれども、県では、これまで、認知症サポーターの養成等により認知症の正しい知識と理解の普及を図るとともに、専門医療や質の高い介護サービスの提供体制の整備などに取り組んできたところでございますけれども、今後、認知症高齢者の一層の増加が見込まれる中で、鑑別診断を行う認知症サポート医の地域偏在でありますとか、専門的なケアを担う人材の育成などが課題になっていると認識しております。このため、今後、専門的な医療相談や鑑別診断などに対応できる認知症疾患医療センターを1カ所追加指定して5カ所にふやす予定でありますほか、歯科医師、薬剤師等の医療従事者の認知症対応力向上研修や介護従事者向け研修等により、人材の育成を図っていくこととしております。
さらには、先ほど委員からもお話がありましたが、平成30年4月までに、全ての市町村が認知症初期集中支援チームの設置及び認知症地域支援推進員の配置を行い、認知症対策を強化するよう求められているところでありますので、認知症サポート医不在市町村の医師を対象とした研修受講への補助や推進員の養成研修を行うなどして、市町村が行う認知症施策に必要な人材の育成に取り組んでいきたいと考えております。
〇工藤誠委員 ぜひ、地域それから医療機関、それから関係自治体としっかり連携をとりながら進めていっていただきたいと思います。
2点目でございますけれども、障害者支援施設の入所者の高齢化に伴う対応ということについてお伺いをしたいと思います。
私が住んでおりますまちには、県立中山の園という施設もございますし、また、民間の施設ということで障がいを持つ方々が生活、入所している施設がございます。中山の園につきましては、既に建設から35年経過しておりまして、非常にスタートから地域の皆さんと一体となって交流を通じて頑張ってきたという経緯もございます。しかし、年月の経過とともに、入所されている障がい者の方々も高齢になってきているということでございます。
それで、県内の障害者支援施設における入所者の高齢化の状況について伺いたいわけでありますが、県内の障害者支援施設の数と入所者数はどのようになっているか。そして、それらの施設においては入所者の高齢化が進んでいるわけでありますが、高齢化の実態、状況をどのように把握されているかということについてお伺いしたいと思います。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 障害者支援施設における入所者の高齢化の状況についてでございますが、平成29年3月31日現在、県内の障がい者が入所している障害者支援施設は46施設ございまして、その入所者は2、122人となっております。入所者の年齢を見ますと、50歳以上が全体の56.4%、65歳以上が22.3
%となっておりまして、過去3年間の推移を見ると、徐々にその割合が高くなってきているといった状況でございます。
また、委員からお話のございました中山の園について申し上げますと、平成29年3月現在、50歳以上の方が145人で79.7%を占めておりまして、平均年齢が57歳、最高年齢は82歳ということで、中山の園については、入所者の高齢化という顕著な状況が見られております。
〇工藤誠委員 本当に今数字をお聞きして私も驚いておりますし、また、県内全体でも高齢化が進んできているということでございますが、こういう高齢化が進んできた場合に障がいを持つ入所者の方々のケアが非常に大変になってきているのではないかと思っています。従来の人的体制では対応できない状況にもなってきているのではないかと思っているんですが、こういう高齢の入所者に対応するようなケア等についてはどのような対応をされているのか、その実情についてお知らせください。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 高齢化に伴います施設での対応についてでございますが、例えば中山の園におきましては、入所者の高齢化に伴い心身の機能が低下し、日常生活のさまざまな場面で介助の度合いが高くなっているといったことがございますし、また、もとからの障がいに加えて、年齢とともに複数の疾患を有する入所者が多くなってきていると伺っております。具体的には、通院送迎や緊急受診の回数がふえているほか、服薬管理、嚥下障害に対応した食事の配慮といったようなことで、若年の障がい者にはない特別な配慮が必要となっていて、課題となっていると聞いております。
中山の園では、こうしたことから、入所者の日々の健康状態の把握に努め、医療との連携を密にしているとのことでございますし、委員からもお話がありましたが、国の基準よりも多くの職員を配置いたしておりますし、また、入所者個別の支援マニュアルや服薬支援マニュアルを作成して、個々の状態に応じた介護方法や支援技術を職員が身につけるといった対応力の向上も図りながら、入所者の機能低下の予防に努めていると伺っております。
〇工藤誠委員 そのとおりであると思いますが、いろいろお世話をするには限界も出てくるのではないかと私は思っています。先ほど、最高齢では82歳の方もいらっしゃるというお話もございました。そのような現状の施設の中で、そういう方の対応ができるのかということが一つ危惧されているところがございますし、また、入所者の高齢化がさらにこれから進んでいくと思われます。そうした場合に、本当に今の施設の中で最後までケアというか、介護みたいなものに対応されるのか。また、ある程度の年齢になれば新たな施設を整備してそちらのほうに移して、もっとしっかりとした対応をしていくべきではないかということも考えられるわけでございますけれども、県では、そういう状況をどのように認識されていて、今後対応されていくかということについてお伺いしたいと思います。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 高齢化した入所者に対応した施設のあり方についてでございますけれども、先ほど申し上げました施設の実態などから、高齢化した入所者への対策というものは今後必要性を増すだろうと考えております。しかしながら、現状では、障害者支援施設の入所者は介護保険制度の適用外となっておりまして、65歳以上の方は、障害者支援施設を退所して介護保険施設に移行するか、もしくは障害者支援施設に引き続き入所するのか、いずれかを選択することとなっておりますが、障害者支援施設のほうでは、入所者の高齢化に対応した報酬の加算というものはございませんし、介護保険施設のほうでは、障がい者に対応した加算というのがあることはありますが、なかなか十分ではないといったようなことで、制度的に十分に対応がされているということは言えない状況だろうと考えております。
入所者の高齢化対策の必要性については、県内だけではなくさまざまな場面で指摘されておりまして、国におきましても、例えば高齢知的障がい者の専門的な支援のあり方について研究をしているといった状況がございます。
県としても、そういった研究成果や今後予定されております障害者総合支援法の見直しの動向なども注視しながら、必要に応じて、委員からお話があった専用の施設といったことも含めて、国に対して制度的な対応策を提言、要望することを検討してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員長 工藤委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇工藤誠委員 では、最後にいたします。
先ほどの認知症の関係もそうでございますし、それから障がい者の高齢化の関係もございますけれども、これから確実にこの分野については進んでいくと、対策もしっかりとっていかなければならないという認識がございます。国に対する要望であるとか、制度設計であるとか、予算の確保であるとか、さまざまな対応が必要になると思いますので、最後に部長に、これらのことについての所見をお伺いして終わりたいと思います。
〇八重樫保健福祉部長 認知症高齢者の増加であったり、障害者施設入所者の高齢化というお話がございました。まさにサービスを必要とする県民の方に必要なサービスを提供して、住みなれた地域で安心して暮らしていただくためには、施設整備もそうですし、あるいは地域包括ケアシステムの推進を図って、委員からお話のあった地域の見守り力を高めるということが必要になってくると思いますので、市町村と一体となりまして、ぜひ、住みなれた地域で自分らしい暮らしを最後まで続けていくことができる地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組み等、関係者とも連携しながら、あるいは基盤整備については国に要望しながら、必要なシステムの構築を支援してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時6分 休 憩
午後1時3分再開
〇ハクセル美穂子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇千葉進委員 私からは、1点、奨学金養成医師についてお伺いさせていただきます。ただ、通告したのが金曜日ということで、その後ちょっと変化した部分もあるので、質問が追加になるかもしれません。
まず、奨学金養成医師について、これまでのその配置について、年次別あるいは診療科等について教えてください。
〇福士医務課長 奨学金養成医師の年次別の配置状況についてでありますが、県では、平成20年度から医師養成奨学金制度の拡充に取り組みまして、これまでに441名に奨学金の貸し付けを行い、医師の養成に取り組んでまいりました。
平成28年度には、いわゆる岩手医科大学地域枠の1期生を含む31名が配置対象となり、大学院進学などによる義務履行の猶予者を除く16名を県立の基幹病院に配置いたしました。本年4月には第2期生28名を加えた配置対象医師59名のうち、猶予者を除く25名を県立の基幹病院等に配置したところです。
なお、年次別の診療科の状況につきましては、配置医師と猶予者との間で多少の出入りがございますので、まず、本年度の配置対象医師59名について申し上げます。
専攻した診療科は全体で23科に及びまして、その内訳は、消化器内科が9人、循環器内科が8人、呼吸器内科、神経内科、小児科、泌尿器科及び整形外科が4人などとなっております。このうち、本年度配置された25名の診療科の状況につきましては全体で12科となっておりまして、その主な内訳は、循環器内科が5人、泌尿器科が4人、呼吸器内科が3人などとなっております。
〇千葉進委員 そういう形で配置した部分について、県としてはどのような認識を今持たれていて、課題としてはどのような形で捉えているか教えてください。
〇福士医務課長 これまで奨学金制度を活用しまして、順調にといいますか、医師の養成が進んできていると捉えておりまして、診療科におきましても、幅広く地域医療に従事できる医師などが養成されてきていると考えているところでございます。
ただ、一方で、若手医師でございますので、どうしても義務履行の時期と医師としてのキャリアを形成していく時期が重なりますので、猶予者が発生しているために、養成後すぐに全ては配置になっていないという状況にございます。
今後、こうした医師がキャリアを重ねながら専門的なキャリアを身につけまして、あるいは総合的な素養も身につけて、地域の基幹病院等に配置されていくわけでございますけれども、そういった中で地域医療を担う核となって活躍していただけるものと考えております。
少し先の話にはなりますが、いずれ、公的病院の必要医師数につきましても満たしていくという見通しでございます。
〇千葉進委員 わかりましたけれども、私が非常に気になっているのは産婦人科の部分なんです。先ほど、金曜日に通告してという話をしましたけれども、翌日の土曜日に教え子同士の結婚式に出席したんですが、若者が20名以上集まっていたので、いろいろ話をしてみました。今どういう仕事をしているのかとか、結婚しているのかという話だったんですけれども、二十七、八歳の若者たちでしたので、未婚の人もいますし、結婚している、あるいは子供も生まれているとさまざまありました。
仕事については、非正規という方もいた中で、では、これから子供をという話を聞いたところ、北上とか水沢に住んでいる若者たちはどちらかというと産みやすい環境にいると。それが、東磐井の場合ですと、民間の産婦人科等が少ない。そういった部分で、産む環境というのが非常に厳しいというような話等がありました。
そういう面で、今後、周産期医療という部分を考えたとき、今すぐにとは言えないにしても、見通しとしてはどのような感じで県全体でのそういった周産期医療を考えているのか教えてください。
〇福士医務課長 周産期医療体制の確立に向けた必要な医師の確保ということでございますけれども、特にこういった体制確立に必要な産婦人科ですとか小児科の医師が不足しておりまして、地域内で安心して出産、子育てができる医療体制の構築が困難な状況にあると認識しております。
こうした診療科の医師の確保に向けましては、奨学金養成医師を今後計画的に配置していくことが有効だと考えておりますけれども、一方で、現時点で対象となる養成医師は限られている状況でございます。
こうした医師につきましては、いずれ、今、大学等で専門の研修を行っているところでございまして、そういった医師が一定のキャリアを身につけた時点で、例えば県立病院等の地域の中核となる基幹病院に配置されていく見通しと考えておるところでございます。
こうしたことに対応するため、県といたしましては、周産期医療を担う医師の確保に取り組むという観点から、産婦人科等を専攻した養成医師につきましては所定の義務年限があるのですが、この期間中─全ての医師は基本的に共通する配置基本ルールがあるわけでございますけれども、そういった中で中小規模の病院に勤務しなければならない期間がございますが、その間につきましても、専門性とスキルを十分発揮してもらえる配置を行うような特例といったものを設けることを現在検討しているところでございまして、こうした内容につきまして、県、国民健康保険団体連合会、医療局、岩手医科大学で組織する配置調整会議の場等におきまして具体的な対応を協議してまいりたいと考えております。
〇千葉進委員 最後の言葉は非常にありがたいと思います。ぜひ、そういった部分を進めていっていただいて、それこそ今は少子化が進んでいるということが言われているわけですので、ぜひ、多くの若者たちが産み育てられる環境という部分の産む部分に、まず何とか力を入れていただきたいと思います。
そしてまた、こういうこともありました。その同じ日ですが、夜、ことし最後の千厩の夜市がありまして、そこでも教え子数人と会って話を聞いたところ、非正規である、あるいは給料が少ない。そういう中で結婚を決断しにくいという話等もありました。保育所で働いている女性ですと、手取りで十二、三万円、しかもその保育所に来ている親御さんを見ると、厳しい状況で、いろいろ無理してでもやっているというような話等もありました。それを見ていて、自分も厳しい状況にあり、また、親御さんたちも厳しい状況にある。そういう中で、なかなか結婚の決断もしにくい。いわんや子供を産むというのがなかなかという状況があるということでした。ここは通告していない部分もあるのであれですけれども、奨学金養成医師の養成を強めて、彼らが働きやすい環境にすると同時に、若者たちが安心して暮らせる、そして結婚、育児ができるような福祉的な部分のところを、今何か考えているのかどうかも含めお伺いしたいんですが、よろしくお願いします。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 ただいま、子育て支援の関係についての御質問等がございました。確かに、それぞれの地域に応じていろいろな子育て支援に取り組んでいるわけでございますけれども、安心して子供を産み育てることができるためには、先ほどのような医療の関係の確保、保健の関係あるいは福祉の関係といったものをいろいろあわせ取り進めなければならないとは思っております。
まず、結婚の関係につきましては、“いきいき岩手”結婚サポートセンター─i-サポを10月に奥州市に開設いたしまして、そういった結婚を望んでいる方ができるだけ結婚しやすいような環境を整えてきているところでございます
また、先ほど申し上げましたような、例えば働きやすい環境といった部分では、保育所の確保も必要かと思っております。これにつきましては、それぞれ市町村といろいろと協議をしながら進めているわけでございますけれども、そういった子育て支援の関係で、結婚から妊娠、出産、子育てに至るまで幅広い分野でそれらを切れ目なく支援していくことが必要だと考えておりますので、こういったものについて総合的にそれぞれ考えながら進めていきたいと思っております。
〇千葉進委員 もう一つ、非常に残念な話もありました。8月に教え子たちに呼んでいただいて焼き肉を食べながら話をするという機会があったんですが、大学に行っている若者たちは自分の将来に夢を持っていろいろ語ってくれたんですが、黙々と焼いている男性がいました。21歳で、なかなか話をしなかったんですけれども、おととい、教え子に、その子、9月に自死したよという話を聞きました。そのときの様子では非常に黙々と焼いてくれているなと思っていたんですけれども、理由はわからないそうです。将来の不安ということだけのようです。
そういう面で、先ほどから言っている、働くにしても非正規、結婚するにしても給料が少ない、子供を産んだとしてもどうなっていくのかと、さまざまな不安の中でそういうことになったようなんです。そういう面で、福祉関係についてはマイナス面だけが新聞なりいろいろな形で話が出ている部分があって、これだけのことをやっているよというのがなかなか出てこない。先ほどのように奨学金養成医師が将来的には特例で早目に各地域に入っていけるよというような形で、若者たちに知らしめていないのではないかという感じを非常に私は受けています。あるいは先ほど来話のある介護関係の若者たちも給料が少ないという中で苦しいというようなことも、国の責任は大分あるとは思うんですが、これも、結局、苦しい、ブラックだということしか宣伝されていない。やはり未来が明るくなるような、夢を持っていけるような形の政策をこうやるんだということをもっと大々的に打ち出して若者たちに夢を持ってもらう。そういう福祉に関するプラス面といったものもぜひやっていっていただきたいと思っているんですが、このことだけ部長にお伺いして、終わらせていただきます。
〇八重樫保健福祉部長 結婚しない理由といいますか、結婚できない理由の中にも、やはり経済的な不安ということを訴える方が多くなっておりますし、今、委員からの御指摘は労働環境であったり、そうしたところについて県内の若者たちにぜひ訴えて知らしめてほしいということでありました。
まさに、岩手県の若者たちが家庭であったり子育てに希望を持って安心して子供を産み育てられる岩手県にしていくということで、さまざまな政策を県としても行っていますけれども、その周知をしまして、子育て保障であったり、健康保障であったり、そういったところを県民の方に広く知らしめることによって、希望のある岩手県、ひいては若者たちがずっと暮らしていける岩手県をぜひつくっていきたいと考えております。
〇神崎浩之委員 障がい者福祉、特に視覚障がい者への支援について、就労支援と社会参加の観点から質問いたします。
マッサージ業における無資格者対策ということでありますけれども、あん摩マッサージ指圧師というのは、高校卒業後、3年間の養成学校で資格を取れるわけなんですが、視覚障がい者は中学校卒業後に盲学校で養成課程を受けられるということで、視覚障がい者に優しい制度になっております。
一方、今は無資格者が多いということで、これは何度も議会でも取り上げておりますけれども、県として、マッサージ業の無資格者について、どういう課題があって、危険性はどうなのか、そして保健所等では現在どういう対応をしているのかお聞きしたいと思います。
また、開設している事業者の中で、視覚障がい者の事業所はどのぐらいで、そのほかに、一般の晴眼者と言われる障がい者ではない方の開業の割合についてはどうなっているかお伺いいたします。
〇福士医務課長 マッサージ業における無資格者への県の対応についてでございますけれども、まず、マッサージなどは医業類似行為と言われますが、これにつきましては、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師法による免許を有する施術者以外が業としてはならないとされております。近年、無資格者等が行ういわゆるリラクゼーション等を標榜する業者が増加している中で、本来の施術とそうでないものとを区別する定義が法律上明確になっていないことから、全国的にも対応に苦慮している事例がふえていると聞いているところでございます。
県では、これまで、無資格者によるマッサージなどの医業類似行為の防止徹底に向けてホームページによる啓発を行っております。また、岩手県旅館ホテル生活衛生同業組合に対する文書指導なども行っておりまして、また、開設届を提出している施術所に対しましては、保健所による立入検査の実施、あるいは開設届証明書を施術所内に掲示するよう指導しているなどの対策を講じているところです。
また、無資格者の具体的な情報が寄せられた場合、保健所において任意の聞き取りを行うなど、事案により個別に対応しているところでございます。今後、健康被害など影響が多方面に及ぶことも想定されますことから、警察など関係機関との連携を図りながら適切に対処してまいりたいと考えております。
また、県内のこういった施術所の状況でございますけれども、事業所数についてはちょっと持ち合わせておりませんが、県内のあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師法による免許を有する施術者と、そのうちの障がい者の人数についてお答えいたします。
これは平成28年度の厚生労働省衛生行政報告例によるものでございまして、あん摩マッサージ指圧師が480人、このうち視覚障がい者が168人、はり師が587人で、うち視覚障がい者が125人、きゅう師が566人で、うち視覚障がい者が116人となっております。
この数は、1人で複数の資格を有する者が含まれておりますので、合計人数と有資格者の実数、あるいはその事業所数といったものが一致しておりません。
〇神崎浩之委員 全国では死亡事故なり、強くもむということで逆に悪化させるという例がありますので、厳しく監視していただきたい。
そういう無資格療法の資格取得のために公共施設を間違って貸し出している例というのもお話ししておりました。こういう点についても、常日ごろからさまざまな広告等を確認しながら対応していただきたい。
次に、視覚障がい者の就労支援ということで、今、訴訟が起こっております。マッサージの養成学校というのは、53年前から学校の新設を制限しているわけです。視覚障がい者がその資格を取って仕事をすることができるようにということで、あはき法といって、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の中で、視覚障がい者の生活が著しく困難にならないように、国は、障がいのない人のためのあん摩マッサージ師養成施設の新設を当分の間承認しないことができるということです。一般の方のマッサージの資格を取れる学校を、視覚障がい者のために当面新設しないということがあるのですが、今、大阪の学校法人から、この制限を外してくれという訴訟が出ております。これが通ると、ますます視覚障がい者の方の就労の場が奪われていくということであります。
先ほどの答弁で、480人の中に視覚障がい者が160人とか百何人ということがあって、既に視覚障がい者以上に一般の方がマッサージ業をやっているということで、視覚障がい者が大分仕事を奪われている面があるんですが、この辺のことについて県は捉えていらっしゃるのか。それから、障がい者の就労支援ということで、この件について所感があればお聞きしたいと思います。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 視覚障がい者の就労支援についてでございますけれども、本県の視覚障がい者の数は、視野障がいの方を含めて約4、000人となっておりまして、そのうち18歳から64歳までのいわゆる生産年齢人口に当たる方が約1、000人ということで把握しております。
視覚障がい者を含めた障がい者の就労につきましては、一般論ということにはなりますけれども、障害者総合支援法に基づき市町村が就労支援サービスを提供しておりますほか、県と労働局で連携して、各圏域に障害者就業・生活支援センターを設置していろいろ支援をしてきているところでございます。
一方、いわゆるあはきの施術につきましては、先ほど委員からもお話がございましたけれども、視覚障がい者に適した職業として、その自立更生に大きな役割を果たしており、これらの資格を取得する方も当然多いという状況でございますが、近年、障がいのない方の進出が多くなるに従いまして、資格を取得しながら自営や就職が困難な視覚障がい者の方も多くなってきているという指摘もされているところでございます。
こうしたことから、岩手県視覚障害者福祉協会におきましては、そうした方々の就労を継続するために、指定就労継続支援事業所岩手マッサージセンターを設置、運営するところとなっておりまして、現在でも13名の視覚障がい者の方の就労の場となっているところでございます。
県といたしましては、障がい者の就労につきまして、労働局や商工労働観光部あるいは市町村とも連携しまして、引き続き支援していくものでございますけれども、視覚障害者福祉協会を初め関係団体等からの御意見も伺いながら、視覚障がい者の特性に応じた就労に向けて必要な支援を検討してまいりたいと考えております。
〇神崎浩之委員 県としても、障がい者に寄り添った観点で見ているということを感じましたので、よろしくお願いいたします。
私も2回ほど仙台地方裁判所で裁判を傍聴いたしました。子供が少ないから、生徒確保のために専門学校が一生懸命枠を外せという背景の中でこういうことが行われているということで、注目してまいりたいと思います。
次に、視覚障がい者の社会参加という点でなんですが、ガイドヘルパーという制度があります。同行援護なんですが、これの周知が足りない、ニーズに対応できていないという話を聞きます。
そこで、視覚障がい者の同行援護、ガイドヘルパーの実績、全市町村にガイドヘルパーが配置されているのか、それの活用についても周知がきちんとされているのか、ヘルパーの報酬単価、通常のヘルパー業務とガイドヘルパーの単価、ガイドヘルパーの資格、ここまでお聞きしたいと思います。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 障害者総合支援法に基づく同行援護サービス事業所が視覚障がい者の外出を支援するために派遣するガイドヘルパーについてでございますが、平成28年10月現在で、県内全体で常勤で292人、非常勤で703人となっておりまして、各市町村にほぼいらっしゃるという状況でございます。
なお、このガイドヘルパーは居宅の生活介護をされるいわゆるヘルパーが資格を同時に持っていることが多いだろうと考えております。
一方、県内の同行援護サービスの指定事業所は現在47事業所となっておりますけれども、近年の実績で見ますと、1カ月当たりのサービスの利用者は80人前後となってございます。
一方、ガイドヘルパーにつきましては、県では、岩手県難病・疾病団体連絡協議会からガイドヘルパーの増員の要望を受けている状況もございます。
また、ガイドヘルパーの資格要件の関係でございますけれども、資格要件につきましては指定基準の改正があったわけですが、当面、国が定める養成研修の修了を要しないこととされている経過措置というものがあって、今やっているわけですけれども、その経過措置が平成30年3月で終了することとなっておりまして、昨年10月時点で県が調べたところ、先ほど申し上げたガイドヘルパーの方のうちの約3割の方が、このままだと要件を満たさなくなる状況にあると把握しているところでございます。
県では、ガイドヘルパーの養成研修の実施機関を2カ所登録しておりまして、各事業所に受講を勧奨して、その養成を図っております。また、要件を満たさなくなるガイドヘルパーにつきましては、資格を維持するよう通知をするなど、特に注意喚起をしているところでございます。
今年度、市町村におきまして、障がい福祉サービス等の見込み量を定める障害福祉計画を策定することとなっておりますので、県としても、市町村とも連携いたしまして、同行援護サービスの適正な見込み量を設定するとともに、ニーズに対応したサービスの供給ができるよう、引き続きガイドヘルパーの確保に努めていくこととしているところでございます。
また、同行援護に関する報酬単価でございますが、同行援護をするに当たって基本的に身体介護を伴う場合は、30分未満で256単位、金額で2、560円、3時間未満ということになると839単位、8、390円ということになっております。身体介護を伴わない場合につきましては、30分未満で105単位、1時間半までで278単位ということになっておりまして、先ほど、例えばガイドヘルパーはいわゆるヘルパーが兼ねている場合が多いというお話をさせていただきましたが、居宅介護のサービスと比べますと、居宅介護につきましては30分未満で245単位が、先ほど申し上げました身体介護を伴う場合のガイドヘルパー同行援護につきましては256単位と、若干報酬が多くなっている状況にございます。
〇神崎浩之委員 現在、80人が使っているということでありますが、もともと周知不足で、本来であれば、このぐらいの人数でおさまらないのではないかということを考えております。テレビの報道でも全国的に周知不足が言われているところであります。
そこで経過措置は3月で切れるということで、今、資格要件の猶予を受けている方が、来年4月以降、仕事ができるか。その80人が利用されているガイドヘルパーの中に、経過措置で無資格というか、猶予されている方がいて、障がい者が使えなくなるのではないかということを非常に心配しておられます。私も心配しております。
来年3月で切れてしまうので、県は、一人一人のガイドヘルパーとか事業所にもっと早くから働きかけるべきではなかったのかということを思っております。4月以降に国のほうも経過措置はやめますということを言っておりますので、非常に心配で、何で今までこんなに放っておいたのかという気持ちがありますが、これは答弁は求めません。後日、またやりたいと思いますので。来年3月までで、4月以降どうするかということは、一人一人の障がい者に合わせて再検討していただきたいと思います。
次に、介護保険についてですが、午前中、答弁がありました。私も、第6期介護保険事業計画の推進状況、特別養護老人ホームの入所待機者状況という質問通告をしておりましたが、数については先ほど提示いただきました。
そこで、施設整備について市町村にばらつきがあるのではないかと思いますので、そのあたりのこと、それから、9百数名の待機者の話も出ておりました。これも市町村についてばらつきがあるのかどうか、それらに対して県の対応はどうしているのかというところをまとめてお聞きしたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 市町村の第6期介護保険事業計画の関係、施設整備の関係でございますが、県全体として見ますと、第6期計画における施設サービスの進捗状況はおおむね順調なのでありますが、圏域別に見ますと、例えば特養で両磐、宮古、久慈の各圏域で実績値が計画での見込みを上回っている一方で、二戸圏域では92%台にとどまるなど、進捗状況に若干差がございます。県全体として見れば、見込んだ水準でもって推移しているということでございます。
これにつきましては、地域密着型の特別養護老人ホームは別として、広域型の特別養護老人ホームは市町村あるいは圏域を越えて入所できますので、そういったあたりで入所の調整もなされていると思います。また、現在、平成30年度からの介護事業計画を各市町村で策定作業中でございますけれども、そちらのほうで、施設整備が第6期でうまく進んでいなかった市町村においては、適切に需要を見込んで計画に盛り込むように指導、助言をしているところでございます。
それから、入所待機者の状況でございますが、平成29年4月1日時点で県全体で985人ということで先ほど答弁申し上げましたが、圏域別に見ますとやはり差はございまして、待機者の多いところを御紹介申し上げますと、一関地区広域行政組合で平成29年4月1日時点で140人、花巻市が127人、盛岡市が107人、奥州市が102人などとなってございます。
こうした待機者の多い市町村あるいは保険者に対しましては、先ほども申し上げましたが、今年度においても、今後、施設整備が相当数予定されておりますので、その整備が着実に進むように支援いたしますほか、来年度からの第7期計画でもって、そういった待機者の方々の状況も十分に踏まえて、必要なサービス量を見込んで計画的に整備をするように助言しているところでございます。
〇神崎浩之委員 介護保険事業計画というのはサービス見込み量で達成度をはかります。しかし、それとは別な施設整備はどうなのかというと、それは捉え方が違うので、計画のとおりうまくいっているようで、実は施設整備が進まなくて待機者が多いということもここで指摘させていただきたいと思います。
介護職員不足、確保についてでありますけれども、先ほど答弁もありました。そこで、第7期という話もありましたけれども、第7期介護保険事業計画策定の進捗状況は今現在どうなっているのか。
それから、私は広域型というものもふやすべきだと思っております。地域密着の小さい施設は、株式会社とか素人の法人が手を出して、その後、質的にどうかなということも私は感じておりますので、広域型は、どちらかというと歴史がある、ノウハウがある施設がやるということで、広域型についても推進していただきたい。
それから、多床室です。今、個室でありますから利用料金が高い。多床室を活用していただくと利用料が下がるということもありますので、その辺のことをお聞きしたいと思います。
また、来年4月から介護報酬が改定になりますけれども、その点の情報についてあれば、あわせてお聞きしたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 市町村の第7期介護保険事業計画の策定状況についてでございますけれども、今年度、みずからの地域を分析する見える化システムというものが国から配付されました。各保険者では当該システムを活用いたしまして、ほかの地域と自分の地域の違い等々も容易に把握できるシステムが導入されておりますので、こういったものを活用して地域分析を行うところから計画策定作業に着手しているところでございます。
現在は、その分析結果等を踏まえながら、高齢者数や要介護高齢者数の見込み、それに対応する各種介護サービスの見込み量の推計を行うなどの調整作業を、保険料の設定を見据えつつ行っているところでございます。
それから、第7期介護保険事業計画での施設整備の関係で、広域型の特別養護老人ホームも必要ではないかという御指摘でございましたが、確かに近年は、将来的に見ますと高齢者の人口も減る時代が参りますので、転院数が多いという事態になった場合になかなか調整しにくいというようなこと等もありまして、地域密着型特別養護老人ホームという定員29名以下の小規模な特別養護老人ホームを整備する傾向が強いわけでございますけれども、それにつきましても、広域型の特別養護老人ホームは介護に関する処遇の歴史がある、ノウハウ等もあるわけでございますので、そこら辺をどう調整をとっていくかというのは今後の課題だと認識しております。決して広域型のものが不要になるとか、そういう認識ではございません。
それから、多床室のお話もございました。現在は個室を基本としておりますが、中には利用料が高くなるということもございますので、多床室へのニーズも一定程度あると認識しております。施設整備に当たっては、多床室あるいは夫婦部屋のような場合もあるかと思いますけれども、そういったニーズに基づいた整備をしたいということであれば、柔軟に対応していきたいと考えております。
介護報酬の改定の関係でございます。平成30年度、来年4月からの介護報酬改定への対応についてでありますが、改定に向けましては、現在、国の社会保障審議会介護給付費分科会におきまして、各介護サービスに係る論点を設定して、事業者団体へのヒアリングなども行いながら議論が行われているところでございます。
今回の主な検討事項としては、特別養護老人ホームの施設内での医療ニーズやみとりに対応できるような仕組みの構築、あるいは新たに創設される介護医療院の報酬や基準、介護ロボット、ICT等を活用している事業所に対する介護報酬での評価のあり方などが挙げられていると聞いております。
これらの検討結果を踏まえた介護報酬改定案については年末に取りまとめが行われ、来年の1月から2月ごろに国に答申される見込みでありますので、県としては、こうした報酬改定の議論の状況を注視し情報収集に努めるとともに、改定がなされた後は、県内事業所等が円滑に対応できるように保険者等と連携して説明会を開催するなど、改定内容の周知の徹底を図っていきたいと考えております。
〇神崎浩之委員 来年度、4月の改定でありますけれども、大きい考え方が取り入れられるようであります。自立支援に向けた事業者へのインセンティブということでありまして、もともと介護保険は、なるべく自立にもっていく、悪化防止、よくするということだったんですが、報酬上は重度の方は高くて、そのまま重度にしておくと高い単価が続けられると。重度の方を軽くすると施設に入る利用料が逆に減ってしまうということで、なかなかインセンティブが働かなかったんですが、今回は、成功報酬というか、軽くすれば加算がつくみたいな制度がやっとできるようであります。
そこで、逆に、本人の意思がないのにぎりぎり軽くされるとか、これから施設入所を受け入れる場合に、前までは重度がよかったんですけれども、重度から改善される見込みのない人はうちは入れませんよみたいな感じで、この弊害が逆になるということを非常に心配しております。これらについて県はどう考えて、そうなった場合の対応はどう考えていくか。すばらしいことなんですけれども、現場ではなかなか混乱するのではないかとその辺の心配がありますので、聞いて、終わりにしたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 自立支援に向けた事業者へのインセンティブの対応についてでありますが、委員から御紹介がありましたとおり、現行の介護報酬制度では、利用者の要介護度が改善すると事業者が受け取る報酬が少なくなる仕組みになっておりまして、事業者のほうで頑張って利用者の状態を改善させた結果として、逆に事業所の収入が減少するという矛盾が生じているところでございます。こうした報酬体系が事業者の自立支援に向けた取り組みを阻害する要因になっているのではないかという指摘を受けて、現在、国の社会保障審議会介護給付費分科会において見直しが検討されているところでございます。
議論の中では、事業者へのインセンティブの付与によって介護職員のモチベーションの向上につながるという意見がある一方で、改善の見込みの有無によって高齢者の選別が行われたり、利用者の意に反して自立が強いられることへの懸念を出されております。また、インセンティブの導入に当たっては、判断基準が地域で異なることのないよう明確な基準の必要性を求める意見もあり、県としては、こうした国の検討状況を注視しているところでございます。
報酬改定の概要は来年1月ごろに判明すると見込まれますが、インセンティブの導入が決まった場合には、いろいろと懸念の声があることも踏まえまして、要介護高齢者が引き続き必要なサービスを受けられるよう、事業者に対して報酬改定の趣旨や適切な運用等について丁寧に説明を行ってまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 私からは4点の質問通告をいたしておりますので、なるべく簡潔にしたいと思っております。
保育所の状況について伺いたいわけです。待機児童ゼロということを目指して、政府は2017年度末までに待機児童ゼロということを打ち出したわけですけれども、それは絶望的だということで、その公約は先送りするという報道がなされております。
それで、県内の状況はどうなのかということなわけです。保育所とか認定こども園、小規模保育所などで保育所の定員増を図ってきたということでして、平成28年度の目標の3万379人に対して3万716人の定員となったので、達成度の評価はAという資料になっておりますけれども、その施設の状況はどうなのか。
それから、待機児童数です。平成28年10月の待機児童は710人、隠れ待機児童1、360人と、倍近く隠れ待機児童がいるわけですけれども、現在の待機児童の状況はどうなっているかお伺いいたします。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 2点お尋ねがございました。
まず1点目の保育の定員についてでございますけれども、市町村におきましては、こういった保育の受け皿の拡大にこれまで努めてきたところでございまして、保育を必要とする子供に係る利用定員は、平成29年4月1日現在で、先ほど委員からも御紹介がありましたとおり、3万716人となっておりまして、前年度に比べて624人増加したところでございます。
また、施設数につきましては、保育所が325カ所、認定こども園が63カ所、小規模保育事業所などの地域型保育事業施設が43カ所で、合計431カ所となっておりまして、前年度に比べまして23カ所増加したところでございます。
次に、待機児童についてでございますけれども、委員から御紹介のありました10月1日現在の待機児童数調査といいますのは、例年、国から10月の下旬ごろに通知がなされておりまして、その後に調査を行っておりますので、直近の平成29年4月1日現在の待機児童数について申し上げますと、10市町村で178人となっておりまして、昨年の4月1日現在の数と比較いたしますと、市町村数で一つ、人数で16人の減少となっているところでございます。
また、いわゆる隠れ待機児童でございますが、特定の保育所等を希望するなど保護者の私的な理由による方が507人、保護者が求職活動を休止している方が51人、また、育児休業中のため4月1日以降に利用を希望している方が4人となっておりまして、合計で562人となっております。これは昨年の4月1日現在と比べますと79人ほど増加しているという状況になっております。
〇佐藤ケイ子委員 隠れ待機児童は4月の時点では毎年解消されるというのが通常ですけれども、毎月の入所希望に応じられないという状況がこの間続いておりまして、年度末になると本当に深刻な状態になっている。また、育児休業を終えて職場復帰したいけれども、預けるところがないので育児休業を延長してくださいというようなことになってしまうというのが、この間、ずっとあるわけです。
政府は、待機児童ゼロと打ち出したわけですけれども、結局、保育の公定価格が低いということがあって保育士の給与が改善されない。処遇改善費は出されるわけですけれども、単年度ですので安定した雇用がつくれないということで、保育士確保が難しいという状況になっております。
それで、保育士確保の状況について、正職員数、臨時、非常勤数の状況はどうでしょうか。潜在保育士の再就職支援などさまざまな活動をされてきたと思いますけれども、どのような成果があったかお知らせいただきたいと思います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 保育士確保についてのお尋ねでございますけれども、本年7月に県内全ての保育所を対象といたしまして調査を行いましたが、平成29年4月1日現在、保育所で勤務している保育士数は5、101人となっております。そのうち正規職員は2、638人、非正規職員は2、463人となっておりまして、正規職員の割合が年々増加しているところでございます。
次に、平成28年度の処遇改善の状況につきましては、対象となります県内の民間保育所など全283施設におきまして処遇改善加算措置が適用され、賃金改善等が図られているものと承知しております。
また、潜在保育士の再就職支援につきましては、ふれあいランド岩手に設置しております岩手県保育士・保育所支援センターにおきまして、潜在保育士の掘り起しやマッチング支援、潜在保育士の円滑な就職に向けた保育所の現場見学会の開催、再就職した保育士との対話を行うなどの相談会、通称保育士カフェと呼んでおりますが、こういったものを開催するなど、いろいろきめ細やかな支援を行っているところでございます。
これまでのこのセンターによるマッチング実績は、平成27年度は102件、平成28年度は115件となっておりまして、一定の成果があったものと認識しております。
〇佐藤ケイ子委員 さまざまな取り組みをされているわけですけれども、非常勤職員の解消にはなかなかつながっていないという状況で、これからも保育士確保は大変な状況になると思っております。女性活躍推進もいいわけですし、多様な働き方を支援するということもいいわけですけれども、いずれ保育士が大変なわけです。そして、早朝とか延長保育とか、シフト制が本当に多くて、短時間保育士が求められておりまして、どうも、働きたい人と保育所が求める人材とちょっと違うというような状況もあります。これでは保育士の確保というのはなかなか難しいと思います。いずれ、国の制度改革というのが基本ですので、県、市町村それぞれ努力しているわけですけれども、国の制度改革についてはこれからも要望をしていただきたいと思っております。
次に、病児、病後児保育の状況について伺います。
病児、病後児保育は、国と県と市町村で3分の1ずつ負担しながら、実態的には市町村の負担が多いわけですけれども、そうやって運営しております。今の県内の箇所数、こういう病児、病後児保育をやっていない自治体はどの程度あるか伺いたいと思います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 病児保育事業等の実施状況についてでございますけれども、平成28年度の実施施設数は、病児対応型が7市町で10カ所、病後児対応型が8市町で11カ所、体調不良児対応型が10市町で34カ所となっておりまして、合計しますと、県内市町村の約6割に当たる20市町の55カ所で実施されまして、平成27年度と比べて、市町村数は同数、箇所数は1カ所の増となっております。平成28年度の未実施は13市町村となっております。
なお、今年度におきましては、新たに病児対応型が二つの市町で2カ所、病後児対応型が2市で2カ所、体調不良児対応型が3市町で5カ所が設置される予定となっておりまして、これを加えると21市町で64カ所となりまして、未実施は12市町村になる見込みでございます。
〇佐藤ケイ子委員 少しずつですけれども拡大している、働く方々を応援する体制が少しずつはできているのかと思いますけれども、結局、これはなかなか採算性がとれないというか、市町村の持ち出しが非常に大きくて、拡大しようにも難しい。看護師、保育士も置かなければならないので、やはり人的な問題もあって、本当に市町村では苦慮していると思っております。
特に広域対応も求められたりするわけですけれども、市町村の持ち出しのことを考えると、そう簡単にはいかない。結局、その中でも医師にお願いしているケースが結構ありますけれども、小児科とか病院で開設している病児、病後児保育のところは結構柔軟に対応してくださって、全額負担でも受け入れてくれるというところもあったりします。基本的に料金は2、000円とか3、000円でお預かりするのが普通ですけれども、通勤などの関係もあって、100%負担してもいいから預かってほしいというところに柔軟に対応するには、やはり医師の御協力がなければ難しいということで、これからふやすには、医師会、小児科医の御協力をお願いするという方向にならざるを得ないと思うんですけれども、そういう医師会との調整といいますか、連絡調整などではこういう話は出ているのでしょうか、どうでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 県と県医師会とは毎年いろいろな意見交換等を行っております。そういった公式な会合のほかに、また、医師会にそれぞれ理事等もおられ、母子保健の部会あるいは小児医療の部会といったものもございますので、そういった中ではさまざまな意見交換等を行っているわけでございます。病児、病後児保育の関係については、やはりこういったものが必要だというのは小児科の医師の方からも言われておりまして、そういったものにつきまして市町村と取り組みを進めるということで、いろいろ協議をしていく必要があるという話を伺っているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 では、次の質問に移ります。
がん患者への支援についてお伺いいたします。
がん治療を受けながら働いている方々はたくさんいらっしゃるわけでして、その際に、乳房補正具とかウイッグ、かつらとか、そういうものを購入して、外見上を普通にして働きたいと思うわけですけれども、そういう補正具が非常に高いわけです。頭髪補正とか乳房補正とか、緩和ケア用品の助成をやっている市町村はあるわけです。秋田県でも支援が始まったという情報なんですけれども、県内の状況はどうでしょうか。
〇高橋地域医療推進課長 県内の状況についてでございますけれども、県内で頭髪、乳房補正具等の購入費用に対する支援制度がある自治体は北上市のみとなっております。また、現時点で都道府県レベルで同様の制度がございますのは、秋田県のほか山形県、鳥取県の3県と承知しております。
〇佐藤ケイ子委員 意外に岩手県は進んでいないんだなということでびっくりいたしました。北上市だけだったんですね。
北上市は、昔、家族をがんで亡くされた家族が、市に、多分、そのときは100万円だったと思うんですけれども、がん基金で寄附されて、それから次々に寄附がされて1億円を超えることになったんですね。最初は利子分を還元しようという事業をやっていたんですけれども、利子分だけだと、低金利時代ですし、なかなかニーズに応えられないということで、今は元金を崩してでもやろうということで、例えば頭髪補正、かつらは3万円を限度に補助、乳房補正具などは2万円を限度に補助、それから3万円限度ですけれども緩和ケア用品の補助とか、レンタル経費の9割補助とか、ボランティア派遣とか、そういった形のものをやっております。これは市町村が実施できればいいわけですけれども、できないところもあるわけですので、さまざまな形で県全体で応援するんだよということで、金額の多少はあるかもしれませんが、岩手県でもそういう制度を創設するべきだと私は思いますけれども、いかがでしょうか。
〇高橋地域医療推進課長 北上市では、今委員から御指摘いただいたようにがん基金というものがございまして、県内では唯一のがんに関する基金でございまして、その基金を使って、今お話があったようなかつらとか乳房補正とか、あと、がん患者会の方々への活動の支援とか、幅広く支援をしているところでございます。
県といたしましては、このような北上市の先進的な取り組みも参考にしつつ、また、他県の取り組みも調査をしながら、関係者の皆さんとか患者団体と意見交換をしながら、ニーズの把握に努めてまいりたいと思っております。
〇佐藤ケイ子委員 応援の仕方はさまざまあるわけですけれども、これからはがんになるのは普通だという時代になるようですから、みんなで応援するという気持ちを出していく、そういう県民性というか県民運動というか、必要ではないかと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、母子父子寡婦福祉資金貸付について伺います。
貸し付けの状況、貸付金額が若干ですけれども増加傾向にあると決算書を見て思いましたが、貸し付けの件数それから種類、修学資金とか生活資金とか事業運営の資金などいろいろあるわけですけれども、そういう傾向はどうなっているでしょうか。
ひとり親家庭の貧困というのが非常に深刻になっておりまして、こういった制度があるということも本当に知っているのかなと私は思っているんですけれども、この貸し付けの状況について伺います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 まず貸し付けの状況についてでございますけれども、平成28年度の貸付件数は、母子福祉資金が329件、父子福祉資金が31件、寡婦福祉資金が4件の合計364件となっておりまして、過去の状況と比較いたしますと、各年度別の貸付件数は、平成25年度は344件、平成26年度が306件、平成27年度は325件と、平成28年度はわずかに増加している状況にございます。
これを資金種別の貸付件数を見ますと、件数順に修学資金、就学支度資金、修業資金の順となっておりまして、修学資金は前年度より29件の増、修業資金も前年度より10件の増となっておりまして、就学支度資金ではほぼ同程度となっているところでございます。
なお、平成22年度から開始された高校の授業料無償化以降、近年は、修学資金の貸付件数は減少傾向にあったところでございますが、昨年度、平成28年度から翌年の4月に、新たに修学または修業しようとする場合に、あらかじめこの資金の貸し付け決定を受けることができる、いわゆる予約貸付制度を行ったところでございまして、修学資金の貸付件数がこういったことも関連して増加したのではないかと考えているところでございます。
それから、ひとり親家庭の貧困問題との関連ということでもお尋ねがございましたが、先般発表されました国民生活基礎調査によりますと、ひとり親家庭の貧困率というのは、平成24年の54.6%から平成27年の50.8%へ、3.8ポイント改善しているところでございます。それと比較をいたしますと、貸付状況というのは横ばいまたは微増の状態にありますことから、ひとり親家庭の貧困問題との関連性というのは、余り見られないのではないかと考えているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 せっかく母子、父子、寡婦に対する貸付制度があるわけですから、そうしたものを有効に使っていただきたいと思いますので、周知方これからもよろしくお願いします。
それから、償還の状況についてなんですけれども、貸付金の償還の収入は微減ですね、少し減少しているようなので、収入未済がちょっと増加しているようですけれども、そうすると、未納件数はふえているのでしょうか。なかなか厳しい世帯が多いので、納付が困難な事例というのがたくさんあると思うのですが、収納委託ということもされているようですけれども、どういう状況になっているのか伺います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 償還の状況についてでございますけれども、平成28年度末時点の母子父子寡婦福祉資金の収入未済額は2万4、834件で、1億6、617万円余となっておりまして、平成27年度と比較いたしまして757件、約150万円の増となっているところでございます。
この納付困難事例の対応ということでございますけれども、委員から御紹介のありましたとおり、生活環境や家庭環境の変化など、償還が計画どおりに進まず滞っている方への対応につきましては、広域振興局で、直近の償還指導状況等を踏まえましていろいろと会議等を行いまして、今後の対応方針等を検討した上で、母子福祉資金等償還協力員のみならず、必要に応じて職員も自宅等を訪問いたしまして、債務者への相談ですとか指導等に当たるなど、組織的に対応しているところでございます。
また、収納委託の状況でございますけれども、債務者の支払い意思が確認できない場合ですとか、債務者が県外などの遠隔地にいるため職員による訪問が難しい等、債権回収が困難なケースにつきましては民間事業者へ収納業務を委託しておりますけれども、平成28年度の収納率は3.1%となっておりまして、前年度の3.3%とほぼ同程度となっているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 かなり返還が困難な事例はたくさんあると思いますけれども、私は返還できる実態にあるのかどうか、それから連絡がとれる状態にあるのかどうか、しっかりと調査をしていただいて、それで、もう絶対無理というのもあるわけです。行方がわからないと、連絡がとれないというのもあるわけですから、そういったものはもうしようがないと思うんです。不納欠損処理をするべきだと思います。県民のお金ですから、最後の最後まで納付してくださいというのが普通ですけれども、私は、人手を使っても回収がかなり難しい困難事例の滞納額をずっと積み上げていっても、かなり非効率的といいますか、モラルハザードの面では、心情的には許せないところもありますけれども、県行政とすれば、しっかりと調査をして、できないものはできないという判断をする時期もあるのではないかと思います。もう、思い切って不納欠損をできるくらいの、理由づけできるくらいの未納者の実態調査をしていただきたいと思います。見解があればお伺いいたします。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 今委員からお話のありましたとおり、この母子父子寡婦福祉資金の関係につきましては、ほかの公的債権と異なりまして私的債権になりますので、そういった不納欠損等のハードルがやや高いということもございますけれども、今委員からお話のありました、どうしてもなかなか回収が難しい事例もあるのは確かでございますので、1件ごとの状況の把握に努めまして、そういったことにつきましても検討は進めていきたいと考えております。
〇阿部盛重委員 私のほうから、放射線健康影響調査費の福島原発を起因とする放射線内部被曝についてお伺いいたします。
原子力発電所事故による汚染影響の件ですけれども、問題のある放射性物質が健康や環境への影響を与えているのが心配です。放射性セシウムについて、セシウム134は、放射性物質が半分に減少するまで物理学的半減期が約2年となっております。事故から6年7カ月経過しまして、これまでの対応もしっかりされていると聞きますが、お子さんたちへの影響がいまだ心配されている方々がおります。
そこで、体内に放射性物質が入った際の内部被曝の実態と、今後さらに健康を維持していくための対策についてお伺いいたします。
〇野原副部長兼医療政策室長 福島第一原発事故を起因といたします放射線内部被曝対策についてでございますが、県では、平成23年度から、比較的空間線量が高い県南部を中心として、放射線の影響を受けやすいとされる子供の健康を重視する観点から、子供を対象とする尿検査による放射線内部被曝健康影響調査を実施しております。これまで6回実施した結果につきましては、県の有識者会議から、放射性セシウムによる健康影響は極めて小さいと考えられるとの評価が得られているところでございます。
県では、こうした結果につきまして、リスクコミュニケーションの観点から、いわてグラフやホームページなどを活用いたしまして、県民への周知に努めているところでございます。
〇阿部盛重委員 次に、発がんリスクについてですが、提言は食事を含む生活習慣の改善が大きいと言われますが、実態と、これからも必要な対策はどのようになっているのかお伺いいたします。
〇野原副部長兼医療政策室長 発がんリスクの実態と対策についてでございます。
福島第一原発事故に係る放射線による住民の発がん等の健康影響につきまして、国際的な専門機関でありますWHOでは、福島県以外の地域のリスク増加は無視できる水準、同じく国連科学委員会は、放射線に起因する健康影響については増加が認められる見込みはないなどの報告を取りまとめていると承知しております。
また、先ほど答弁申し上げました県で実施した放射線内部被曝健康影響調査に基づく県有識者会議の評価では、放射線被曝防護を念頭に置いた特段の措置は不要であり、流通している食品の摂取に関しては全く問題がないこと、がんの要因の約60%は喫煙と食事にあると考えられており、現在の岩手県民の被曝レベルでの発がんリスクは、喫煙はもちろんのこと、高塩分食、野菜不足、高脂肪食等に比べてもはるかに低いこと、喫煙、過度の飲酒、過食、偏った栄養などを避けて、適度の運動をするなど、一般に健康によいと言われる生活習慣、食習慣を守ることに留意することといった助言をいただいているところでございます。
現在、県では、第3次岩手県がん対策推進計画の策定を進めておりまして、食事や運動といった生活習慣改善や喫煙対策などのがんの1次予防について、引き続き重点的に取り組みを進めていくこととしております。
〇阿部盛重委員 次に、児童虐待についてお伺いいたします。
2016年度の実情は、対応件数が942件で増加の一途をたどっております。相談を受けると、原則48時間以内の児童の安全確認のために児童福祉司が2人で対応されていますけれども、人員が足りない状況と伺っていますが、実情はどうなっておりますでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 児童虐待についてのお尋ねでございます。
児童虐待の件数につきましては先ほど委員からお話があったとおりでございまして、昨年度、平成28年度に児童相談所が対応した件数は942件と、大幅な増加をしているところでございます。それに対する人員体制でございますけれども、本県におきましては三つの児童相談所で、県北広域振興局への駐在も含めますと4カ所に職員を配置しておりまして、増加する児童虐待相談に対応するために、今年度、児童福祉司を2名増員して32名体制としたところでございます。
この児童相談所におきましては、児童福祉司を中心として、委員からも御紹介のありました虐待に専門的、機動的に対応できる虐待対応専門チームを設置いたしまして、初期対応の徹底を図っているところでございます。
〇阿部盛重委員 二次的にはそうかもしれませんが、継続案件の未処理の問題とか、新規の緊急対応に追われる場合も想定されるんですけれども、その点の人員増の計画というのはお考えなんでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 確かにこの児童虐待、特に昨年度も大幅に増加をいたしましたし、その前の年からもふえているところでございます。国でもこういった状況は把握しているところでございますし、全国的な傾向も同じような状況になっております。このために、国でも、昨年度の児童福祉法を改正いたしまして、急増する児童虐待の発生時に児童の安全を確保するための初期対応が確実に行われるよう、児童相談所の体制を強化することとしておりまして、平成31年度までに段階的に児童福祉司を増員することとされたところでございます。
本県におきましても、これまで児童福祉司は順次増員をしてきておりますが、先ほど申し上げましたとおり、平成29年度は2名を増員したところでございますし、これらの増員に加えまして、より一層の専門性を発揮するために、本年度から、弁護士4名を非常勤嘱託員として配置いたしましたほか、新たに児童福祉司任用前研修・任用後研修、あるいはスーパーバイザー研修といったものを実施いたしまして、専門性の向上も図っているところでございます。
今後の人員増ということでございますけれども、先ほどの児童福祉法の改正によりますと、平成31年度以降は、本県においても34人以上の児童福祉司の配置が必要とされておりますので、今後も社会福祉職を採用するなど、計画的な職員の確保に努めて必要な体制整備を図っていきたいと考えております。
〇阿部盛重委員 わかりました。いずれ命にかかわることですので、よろしく御対応をお願いいたします。
次に、岩手結婚サポートセンターについてお伺いいたします。
平成27年10月1日から開始された盛岡、宮古に続き、そして今月の10月1日、奥州に3カ所目が開設されました。とてもすばらしいことだと思っております。
そこでお伺いしますが、3カ所目の奥州はこれからだと思いますが、盛岡、宮古の事業運営を経験されたノウハウをどのように運営に生かされていくか、お伺いいたします。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 今年度、今委員からお話のありましたとおり、今月1日にi-サポ奥州を奥州市に設置したわけでございます。その設置に当たりましては、9月から職員を採用いたしましてi-サポ盛岡のほうで実務的な研修等も行ったところでございますし、実際に、10月1日にi-サポ奥州が開設した際には、盛岡から職員が2週間程度張りつきましていろいろな指導等を行っているところでございます。
各センターの状況を申し上げますと、10月13日現在で、i-サポ盛岡では入会登録者が1、040人、お見合い等が735件という形になっておりますし、検索も3、678件となっております。また、i-サポ宮古が入会登録者は270人ですが、検索が1、081件、お見合いは119件となっております。i-サポ奥州につきましては開設から2週間ということで、開設間もないこともありまして、入会登録者9人、それから検索21件、お見合い3件となっているところでございます。
こういった形で、それぞれのところで検索あるいは入会登録をする機会をふやしていきたいということでございまして、昨年度から実施しておりますようなおでかけi-サポといったようなものも、今年度新たに県北の二戸地区で実施するところでございます。県内各地でいろいろこういったものを、どこでもある程度利用が可能になるような体制の整備等を図っていきたいと思っているところでございます。
〇阿部盛重委員 当初入会された会員が継続時期に入っているかと思うんですが、そのあたりの具体的な対策というのはどのようになっておりますでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 2年間の会員期間が終了した会員への対応でございますけれども、今委員から御紹介のありましたとおり、平成27年度に入会した会員は今年度中に有効期間が終了することになります。このため、登録期間が終了する会員に対しましては、更新月の2カ月前までに、登録期間が終了することをお知らせいたしますとともに、更新手続の内容等を記載いたしました文書を郵送いたしまして、会員登録の更新を促しているところでございます。
i-サポ開設当初の2年前の10月1日から13日までの間に入会いたしまして、その登録期間の2年間が終了した会員というのは36人ほどおりますけれども、そのうち14人が更新手続を行ったところでございます。
〇阿部盛重委員 ちょっと2点だけ確認なんですが、成婚以外の方々はお見合い等まできっちり行かれていたのか、それとも、お見合いまでは行っているが交際まで至っていないのか、その点の分析はどのようになっておりますでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 お見合いと交際の関係でございますけれども、確かにお見合いをした方が全員交際まで行くかといいますと、そういうわけにはなかなか行かないのが現状でございまして、例えば平成28年度でございますと、お見合いした方は459件と申し上げましたが、そのうち、交際に発展した組が223組、平成28年度で言いますと、そのうちで、さらに成婚したのが昨年度は10組だったという状況になっておりまして、お見合いした方の約半数程度が、その後交際につながるという状況でございます。
〇阿部盛重委員 いずれ、お見合い等で、またその後のいろんな諸問題があるかと思うんですが、いろんな助言等はされているかと思いますが、本人への具体的な助言等をしっかりされているか確認で伺います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 お見合いした後の交際に至るまでの助言ということでございますが、中には、そういうことを余りしないでほしいという方もいらっしゃいますし、これは個人のそれぞれのお考えによるところもありますので、向こうからそういったものを求められた際にはということで基本的には対応しております。
〇阿部盛重委員 くれぐれもよろしくお願いいたします。
最後に、成婚をふやすために入会者をふやすしかないかと思うんですが、入会者の増員対策をどのような戦略でお考えか、伺って終わります。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 先ほども申し上げましたとおり、今年度はi-サポ奥州の開設ですとか二戸市で新たにおでかけi-サポを開始するなど、i-サポの会員確保、利用促進等の取り組みを強化したところでございまして、この効果として、今年度は110人の増加を見込んでいるところでございます。これにi-サポ盛岡、i-サポ宮古での新規登録者や更新者と合わせまして、今年度は600人程度の入会登録者を目標としております。
今後におきましても、県それから構成団体となっておる市町村等の広報紙、特に市町村の広報紙はかなり有効だと考えておりまして、こういった市町村への依頼、それから民間団体等の情報誌、ホームページなども活用しながら積極的な周知を図り、あるいは企業、団体等へも利用促進のお願いをいたしまして、こういった働きかけを強化していきたいと考えております。
〇阿部盛重委員 よろしくお願いいたします。終わります。
〇柳村一委員 児童福祉総務費の地域子育て活動推進事業費について、平成28年度の事業実績及び課題についてお伺いします。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 委員からお尋ねのございました地域子育て活動推進事業費についてでございますけれども、まずこの事業は子ども・子育て支援新制度におきまして、放課後児童クラブに必ず配置しなければならないとされた放課後児童支援員を養成する認定資格研修等に要した経費でございまして、平成28年度は278人が県内で受講したところでございます。
この研修と申しますのは、毎年県内四つの広域振興圏ごとに前期、後期各2日、計4日間実施しておりまして、研修修了のためには、4日間とも受講することが必要とされているところでございます。
こういった形で実施しておりまして、今後におきましても、引き続き実施をしていきたいと考えております。
〇柳村一委員 この研修は、県は他県に先駆けて実施されているということでありがたいと思うんですけれども、支援員というか、学童保育の指導員は公的資格制度がなくて、養成機関の整備とかが必要と考えられているんですけれども、県は、この研修会を開催することが養成機関の整備と考えているのか、新たに違うことをやって支援員の養成をしていこうというお考えなのか、そこら辺はどうでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 この放課後児童クラブの関係につきまして、国が定めた職員の配置基準におきましては、先ほど申し上げました放課後児童支援員を配置するということで、各放課後児童クラブに最低2人以上の職員を配置いたしまして、そのうち少なくとも1人は研修を修了した者を配置しなければならないとされております。したがいまして、この基準を満たすためには、これは平成31年度まで5年間の経過期間がございますので、その平成31年度までの経過措置期間中に、多くの研修修了者を確保する必要があると考えております。したがいまして、各クラブに最低でも1人、できるだけ2人以上の配置がなされるように、この研修そのものは県が直営でやっておりますけれども、この研修を実施して多くの研修修了者を確保していきたいと考えておりますし、これにつきましては、市町村等を通じて各クラブ等へ周知を行っておりますので、こういった周知も行いながら、円滑に職員の育成が図られるように努めていきたいと考えております。
〇柳村一委員 昨年度は278人と先ほどおっしゃっていましたけれども、県内にどれくらいの指導員の方がいらっしゃって、指導員の何%くらいが放課後児童支援員という資格を取られているのかお伺いします。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 この認定資格研修は平成27年度から実施をしておりますが、平成27年度に301人、平成28年度が278人、また、今年度252人の研修受講見込みとなっておりまして、今後の予定も含みますが、この3年間で830人程度の放課後児童支援員として研修を受講したという形になるわけでございます。クラブの数が大体今340から360くらいとなる見込みでございまして、それらのところに最低限2人という形ですと700人程度になりますけれども、ローテーション等もございますし、実際には長期休業中の開設あるいは土曜日の開設等もございますので、5人程度配置するとした場合には、1、800人程度の養成が必要という形になりますので、まだまだ今後も養成は続けていく必要があると考えております。
〇柳村一委員 あと2年間で1、000人ぐらいということは、結構厳しいハードルだと思いますけれども、一方で、指導員の7割くらいが年収150万円未満という、すごい厳しい環境の中で生活しているわけです。そうすると、指導員も定着しなくて、一、二年でやめられるということになるわけです。幾らこうやって支援員を養成しても、やめてまた資格をお持ちの方がいなくなるという悪循環になってくると思うんですが、学童保育で働く指導員の条件改善はとても急務だと思うんですけれども、県として何か手だて等は考えていらっしゃるのでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 今、委員から御指摘のありましたとおり、放課後児童クラブは、特に開設期間が平日ですと短いということもございまして、確かに年収等はどちらかというとかなり低いという形になっております。これは当然本県だけではなくて、全国的にそういう状況なわけでございます。これを踏まえまして、国でも、今年度から放課後児童支援員の経験等に応じて三つの段階に分けて処遇改善を図るわけでございますが、基本的に全員を対象にいたしまして年額12万4、000円を加算する、大体月額1万円程度でございます。これに経験年数がおおむね5年以上の方については月額プラス1万円、それから経験年数がおおむね10年以上の方についてはさらに1万円を増加いたしまして、月額3万円の増加ということで始めたところでございます。
今年度から各市町村を通じて、放課後児童クラブにこういった制度の周知をしているところでございますので、今後、徐々にではありますけれども、こういった処遇改善が図られていくものと承知をしております。
〇柳村一委員 国の制度でこの学童保育の負担は国が3分の1、県が3分の1、市町村が3分の1だということで、そうなってくると、この加算の部分で県も負担がふえていくと思いますけれども、処遇改善のためには必要なことだと思います。その3分の1を上乗せするくらいの気持ちがなければ指導員がますます大変になってくると思いますので、そこら辺をちょっと考えていただきたいと思います。
あと、学童保育の待機児童についてお伺いしたいんですけれども、待機児童の状況は現在どのようになっているのでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 放課後児童クラブにおける待機児童、いわゆる入所できなかった児童でございますけれども、これは毎年5月1日現在で調査をしておりまして、平成29年度分については今現在調査を行ってまとめている段階でございますので、もう少しお待ちいただきたいと思いますが、昨年度、平成28年度に入所できなかった待機児童につきましては、県内全体で58人となっております。
〇柳村一委員 実施主体が公的だったり私的だったりさまざまありますので、公的な部分で58人だと思うのですが、実際、潜在的な待機児童というのは全国で40万人から50万人いるのではないかと言われているので、本県にしてもかなりの数、潜在的な待機児童はいらっしゃると思います。その中で、学童保育の施設整備の部分で、毎年度5カ所ずつふやしていくということだったんですが、平成28年度は倍の10カ所ふやした努力に感謝しますけれども、その10カ所というのは待機児童がいるところをふやしていったのか、それとも、大規模の学童保育の部分をふやしていったのか、そこら辺はどのような形でふえていったんでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 まず、放課後児童クラブの整備の関係でございますけれども、いろいろ市町村と打ち合わせをしながらさせていただいておりますが、基本的に71人以上の大規模クラブの解消というのも一つはございますし、あとそれから、保育所から放課後児童クラブになかなか入れないところもあるという市町村もございますので、そういったところは新たにそれを設置する、あるいは今いるところを分けてもっと人数が多く入れるようにする、そういったそれぞれの市町村の状況に応じた取り組みがなされていると承知をしております。
〇柳村一委員 滝沢市も分割とかいろいろでお世話になってありがとうございました。
それで、基本的に小学校区に一つずつ学童保育はつくることになっているようでございますけれども、小学校区に学童保育が設置されていないのが幾つぐらいあるのか。もし設置されていない場合、学童保育を利用したい子供たちはどういう対応をされているのか、そこら辺をお伺いします。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 放課後児童クラブの数そのものは、例えば平成28年度で323カ所となっております。小学校区の数そのものは今持ち合わせてございませんが、全ての小学校区に設置されているわけではございませんで、設置をされていないところにつきましては、文部科学省でも、今放課後子ども教室というものの設置を促進しているところでございまして、文部科学省と厚生労働省でいろいろと協力をしまして、全小学校区にこういった公的居場所を確保するという形で考えております。例えば、放課後児童クラブがある小学校区、それから放課後児童クラブは設置されていないけれども放課後子ども教室というのを設置している小学校区、そういったものもございます。そういった形で、全ての小学校にこういった公的な居場所を確保するということを目標に進めておりまして、昨年度の場合ですと、このカバー率というのは93.1%で、小学校区にはいずれどちらかが設置をされているという状況になっております。
〇柳村一委員 2013年12月1日現在で、岩手県の場合は小学校区が360カ所、学童保育がその当時300カ所、学童保育の未設置が114カ所で、83.3%の設置率だということで、今90%ということなのでかなり改善されているものだと思います。
それで、放課後子ども教室は文部科学省です。学童保育は厚生労働省のほうなので、互いに連携をとっていかなければいけないと思いますし、学童保育はそもそも生活の場というイメージがとても大きいので、親御さんたちは、保育園が終わった場合は次は学童保育と考えるんですけれども、そういった意味で、入れない潜在的な待機児童ということが結構聞こえてくるんです。ですので、そこら辺をもう少ししっかりと把握してもらって、市町村と連携をとりながら学童保育の充実を図っていただきたいと思いますけれども、そこら辺、何かありましたお聞きして終わります。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員からもお話のありました教育委員会との関係につきましては、それぞれがお互いに協力いたしまして、会議等も年に2回ほど行っており、今後の進め方等についていろいろ打ち合わせをさせていただいているところでございます。これからも連携して進めたいと思っておりますし、それからまた、この放課後児童クラブの整備につきましては、全国的にも進める必要があるということで、国でも前倒しして進める形になっております。特に、整備費につきましては、市町村が設置する場合でございますけれども、前倒しする前につきましては、国、県、市町村の負担がそれぞれ3分の1だったわけでございますけれども、今現在、この整備を前倒しして進めるために国庫補助率のかさ上げが行われておりまして、国が3分の2、それから県、市町村が6分の1という状況になっております。これらを受けまして、各市町村から、実は昨年度から今年度にかけまして整備をしたいという希望は大分伺っておりまして、市町村とも協力しながらこの整備も進めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 それでは最初に、国民健康保険の過酷な実態と広域化の諸問題について質問します。
国保の現状ですけれども、岩手県の国保加入者の所得状況は、所得なしが28.7%、100万円未満が33.5%で、合わせて62.2%ということになります。こうした中で、1世帯当たりの国民健康保険税、そして課税所得の推移、負担率の推移はどうなっているでしょうか。
〇藤原健康国保課総括課長 国保税の現状についてであります。
1世帯当たりの国保税や負担率につきましては、国の公表データをもとに把握しているところであり、前年度の数値についてはまだ公表されていないことから、平成27年度の数値でお答えいたします。
平成27年度における本県の1世帯当たりの総所得金額は115万7、000円であり、この金額から基礎控除33万円を差し引いた課税所得額は82万7、000円、国保税額は13万6、000円となっており、1世帯当たりの課税所得に占める国保税の割合、いわゆる負担率は16.5%となっております。これを平成18年度と比較いたしますと、課税所得額は11万円の減少、国保税額は1、000円の減少、負担率は1.9ポイントの増加となっております。
〇斉藤信委員 今、10年前と比較をいたしましたけれども、課税所得が11万円減少しているのに、国保税は13万7、000円から13万6、000円なんですね。所得がこんなに減っているのに、なぜ国保税は下がらないんですか。
〇藤原健康国保課総括課長 医療の高度化とか高齢化の進展などにより、保険給付が増加している中で所得額が減少しているということで、負担額は増加しているということでございます。
〇斉藤信委員 今の答弁は間違いです。1人当たりの医療費は、10年前は37万5、800円でした。平成27年は36万3、090円なんです。いわば1人当たりの医療費が減っていて、国保税は6万7、464円から8万2、785円に上がっているんです。医療費は下がっているのに、何で国保税が上がるんですか。
〇藤原健康国保課総括課長 10年前の医療費なんですけれども、後期高齢者制度とかができまして、当時の、10年前と今とで医療費を単純に比較できないところがございます。平成18年当時と今とで、ちょっと仕組みが違うということでございます。
〇斉藤信委員 全然答弁になっていないです。10年前は後期高齢者も入っていたんでしょう。それで37万5、800円だから少し高いですよ。しかし、そのときの国保税は6万7、464円で安いんです。それが1人当たり36万3、090円になったのに8万2、785円ですから、1万5、000円も上がっているわけです。総括課長の答弁は全然根拠がないんじゃないですか。
〇藤原健康国保課総括課長 いずれ、医療費全体が非常に今高騰しているということでございまして、そういったことで、これは国保に限らず、社会保障費全体が伸びているということでございます。
後期高齢者医療制度ができたときの国保の1人当たりの医療費というのは28万4、000円ですので、そこから見ますと8万円ほどふえているということでございます。それに伴って、1人当たりの税率もふえております。
〇斉藤信委員 後期高齢者医療制度ができたときのいわば75歳以下の人たちの国保という意味ですね。そうですね。
それで、私はもう一つお聞きしたいんだけれども、協会けんぽ(全国健康保険協会)の場合、年収180万円、これは月収15万円のフリーターの場合、協会けんぽだと保険料が8万円から10万円なんです。札幌市の国保税は14万3、000円になるんですが、岩手県の場合、180万円のフリーターの国保税は幾らになりますか。
〇藤原健康国保課総括課長 ……。
〇斉藤信委員 出ないでしょう、試算してください。いずれ、低所得者が多い国保税、それが労働者の保険と比べると逆にばか高い、1.5倍から2倍になると。ここに私は国保税の構造的問題があると思うんです。いわば低所得者で高い国保税ですから、どういうことが起きるかというと、滞納がふえる。岩手県は平均して10%、盛岡市は16%。16%というと、6世帯に1世帯です。本当に払えない。こういう実態は昨年度の状況でどうなっていますか。滞納世帯、率、滞納額。そして、それに対する財産差し押さえの件数はどうなっているでしょうか。
〇藤原健康国保課総括課長 県内市町村における滞納世帯数でございますが、平成28年度の実績で2万617世帯、国保加入世帯に占める割合が10.9%となっております。それから、累積滞納額ですが66億円。差し押さえにつきましては、平成28年度の実績で2、783件で、約13億2、000万円となっております。(斉藤信委員「差し押さえ件数は」と呼ぶ)差し押さえ件数が2、783件で13億2、000万円。
〇斉藤信委員 実は、払えなくて滞納すると、二つのペナルティーがかけられます。一つは、今言った財産の差し押さえ、もう一つは保険証の取り上げです。実は財産の差し押さえ件数は、全国で岩手県はトップクラスなんです。私は、これは極めて重大だと思います。全国的な岩手県の状況がわかったら示してください。
それと、保険証が取り上げられると、資格証明書、短期保険証の発行ということになりますが、これはどれだけになっていますか。
〇藤原健康国保課総括課長 資格証明書、短期被保険者証の交付対象世帯でございますが、平成29年9月1日現在で、資格証明書が159世帯、短期被保険者証が5、531世帯となっています。
〇斉藤信委員 資格証明書の発行はこの間私も繰り返しやってきたので、これはかなり減ってきました。これは全国トップクラスです。これは改善されてきている。ただ、市町村ごとに若干の違いがありますから単純ではありませんけれども、しかし、短期保険証はちょっと軽視できないんですね。短期保険証は今お話があったように5、531世帯、これは交付になっているんですね。しかし、929世帯は未交付です。未交付の人数は1、222人。保険証がないから病院に行ったら全額負担です。こんな冷たいことは、私は絶対やっちゃならんと思うんです。実際に盛岡市は短期保険証も交付はたった5件です。盛岡市は、基本的に資格証明書、短期保険証の発行をやめたんです。盛岡がやっていることを私は全県的にやるべきだと思いますけれども、保険証をこんなに取り上げていいんですか。
〇藤原健康国保課総括課長 資格証明書、短期被保険者証の発行につきましては、国保税納税者の納付相談の機会を確保するために交付しているものでありまして、市町村に対しては、滞納者個々の実情に十分配慮したきめ細かな対応をするように要請しています。
また、滞納処分につきましては、やはり税負担に関する公平性を確保するために、担税能力がありながら納付していただけない方に対して、市町村において十分な調査を行った上で実施していただいているものと認識しております。
〇斉藤信委員 余りにも事務的で官僚的答弁でしたね。お金がなくて払えなくて、そういう方々は、市役所に相談に来いといっても行けないのですよ。行けない人には保険証を交付しないと、こんな悪代官みたいなやり方がありますか。だから私は盛岡市はやっていないじゃないかと言っているんですよ。盛岡市はやっていないんですよ。困っている人にちゃんと保険証は交付して、医療を受けられるようにして、相談に対応するのは当たり前じゃないですか。これは部長に聞きましょう。こんな冷たいやり方をやっていたら恥ずかしいですよ、私。
〇八重樫保健福祉部長 短期被保険者証については、市町村に対しても、滞納者個々の事情に十分配慮したきめ細やかな対応をするように要請をしています。ただ、担税能力がありながら納付していただけない方に対しては、十分な調査を行った上で滞納処分を実施しているところでありますので、委員から盛岡市の事例も御紹介いただきました。盛岡市は本当に払えない世帯かどうかという実態を見て交付をしていると伺っていますので、県全体としてもそうした取り組みを進めて、市町村が滞納者の生活実態をきめ細かく確認するようにしていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 この滞納者というのは、所得が少なくて高い保険税を払えない方々なんです。それに対して財産を差し押さえする、保険証を取り上げるという、こういうやり方は根本的に見直すべきだと。実際に盛岡市はそうやっているじゃないかと。一番人口の多い、被保険者の多いところがそうやっているのに、ほかのところができないわけないんだから。今、部長が言うように、本当に実態を把握して、私は心の通った国保行政を進めるべきだと思います。そういうことをしなかったら、国保の広域化は大変なことになります。
それで、余りにも高過ぎるので、一般会計から繰り入れをしていますが、どれだけの市町村がどれだけ繰り入れをしているでしょうか。
〇藤原健康国保課総括課長 一般会計からの繰り入れの状況でございます。
平成28年度におきまして、17市町村で総額8億8、000万円余となっております。
〇斉藤信委員 17市町村というのは、33市町村の半分弱が、いわば高過ぎてこれ以上、上げられないから一般会計から繰り入れをしている、これが実態です。
そこで私はお聞きをしたいんだけれども、国保税はこういう構造的問題を抱えていますが、この構造的問題をどう打開しようとしているか、まず示してください。
〇藤原健康国保課総括課長 国保税が抱える構造的問題ということでございます。
医療の高度化、高齢化の進展により保険給付費が増加している中で、国民健康保険の被保険者の課税所得額が減少していることから、県民の国民健康保険税に対する負担感は増加しているものと認識しております。
今般の制度改革におきまして、毎年、約3、700億円(後刻「3、400億円」と訂正)の財政支援の拡充ということで財政基盤の強化が図られます。保険税負担の伸びが一定程度の抑制が可能となりますが、一方、今後も医療費の増嵩が見込まれることから、県としては、国の財政責任のもと、将来にわたる持続可能な制度の確立や保険料の平準化に向けて、さらなる財政措置が必要と考えているところでございます。
済みません、毎年3、400億円でございます。
〇斉藤信委員 ことしの7月に全国知事会は、国民健康保険制度について四つの改善を提言していますが、わかりますか。
〇藤原健康国保課総括課長 ちょっと今手元にございません。
〇斉藤信委員 大事なことだから、そういうことぐらいはしっかりやってほしいんですね。
一つは、財政支援の拡充です。全国知事会は、国保の広域化の前提として1兆円の財政支援を求めたんです。それが3、400億円に値切られて、そういう意味で、この財政支援は本当の解決にならなかった。全国の一般会計からの繰り入れは3、800億円ですから。二つ目は、医療保険の公平、子供の医療費の無料化、これを言っていますね。そして、ペナルティーの全廃。現物給付に対するペナルティーの全廃、こうしたことが提起をされています。
私は国保の構造的問題を打開するには、全国知事会が言っているようなこういう方向で、特に均等割に子供が入ると。子供が多いところほど均等割で人頭税みたいにして国保税が高くなるのは見直すべきだと、全国知事会がこう言っています。こういうような改善をしっかりと図るべきできはないか。
それでもう一つお聞きしたい。国保の広域化で、私も皆さんの資料を読ませていただきました。医療費が高くなるから広域化をやっても値上げになると、こういうお話でありましたけれども、盛岡市は、平成27年度で1人当たりの医療費は37万1、980円でした。陸前高田市は37万963円、ほぼ同じと言っていいです。ところが、納めるべき国保税が1人当たり幾らになるかという試算をすると、盛岡市は11万5、199円、陸前高田市は15万1、989円と。陸前高田市は何でこんなに高くなるんですか、同じような医療費で。
〇藤原健康国保課総括課長 試算の関係ですけれども、これにつきましては、医療費指数とそれから所得指数というものがありまして、それに応じた配分ということになっております。それから、陸前高田市につきましては、特に沿岸市町村についてなんですけれども、震災後の医療費の増加分に対して国の特別調整交付金で措置された部分があると。その部分が減額されるということがありましたが、試算ではその分についても保険税で賄うということがありまして、陸前高田市のほうは高くなっているという状況になっております。
〇斉藤信委員 今言っていることは、余り合理性がないんです、残念ながら。私は平成27年度の医療費で言ったんです、1人当たり。盛岡市も約37万2、000円。陸前高田市は約37万1、000円。1人当たりの医療費はほとんど同じなんです。確かに陸前高田市はふえています。しかし、同じ医療費がかかっているのに、今度広域化で試算をすると盛岡市は約11万5、000円で、陸前高田市は約15万2、000円になるのはなぜですかと聞いているんです。
〇藤原健康国保課総括課長 一つに、一部負担金の減免分につきまして、今減免している部分があるんですけれども、その減免の分についても医療費として今積算されている状況になっております。それで減免しているところが高く出ているという実態がございます。ただ、これについては、今、国で見直しをするということで検討しておりますので、今後、一部負担金減免の部分を医療給付の中で見ないということになれば、陸前高田市の試算結果というのは低くなるものと思っております。
〇斉藤信委員 国保の広域化で新たな国保税を試算するときに、全国一律でやるわけです。結局、今、医療費がほぼ同じ場合、陸前高田市は安い国保税でやっているのに、広域化にすれば、こういうふうに1.5倍にも高くなると。私は、試算の仕方に大きな問題があるのだと思います。これはやはり実態に合ってないんじゃないかと。とりわけ沿岸地域は軒並み大幅な値上げです、釜石市も宮古市も大船渡市も。沿岸被災地がこういうふうに国の数式に基づいて試算すれば高くなるというのは根本的欠陥じゃないですか。私は、これを国にもしっかり問題提起しないと、激変緩和がされたとしても、激変緩和がなくなるんですから、そこをしっかり県は分析して、改善を提起すべきだと思いますが、いかがですか。
〇藤原健康国保課総括課長 特に本県の場合、国保制度改革での変更と東日本大震災津波による制度の見直しの部分がたまたま重なった部分があって、そこでいろいろひずみが出ているということがございます。
まず、国から来ている特別調整交付金について、できるだけ減らさないように先延ばしをしていただきたいということ、それから、先ほど言った医療費指数の見直しです。一部負担金減免の分を入れないような見直し、そういったものについて要請しておりますし、9月にも国に要請書を持って要請してきたところでございます。4月以降、統一の政府要望のときにも要求しておりますし、4月に東北・北海道ブロックの会議があったときにも、具体的な試算結果を示して国に説明しております。9月にも、もう一回、要望書を持ってお願いに行ってきているところでございます。
〇斉藤信委員 いずれにしても、私は皆さんの資料に基づいてきょうは質問しました。所得が低く、国保税は高く、そして10世帯に1世帯、盛岡市は6世帯に1世帯ぐらいが滞納していると。それに対して二つの厳しいペナルティーがかけられるというこの問題は、盛岡市がやっているようにぜひ解決していただきたい。
そして、国保の広域化については、沿岸被災地が1.3倍とか1.5倍とか国保税が上がるような試算の仕方に、根本的な欠陥があるのではないかと。全国一律でいいのかと。このことは、私は本当に制度として不完全なのではないかと思います。
私がお願いしたのがまだ出てこないかな、年収180万円の場合の試算は。
最後に聞きますが、激変緩和の方針を見ますと、6年間となっていますが、平成30年度は平成28年度並みに抑えると。私は、これはこれでいいと思います。しかし、6年間でまたもとに戻ったら、高い国保税を押しつけられるということになりますから、そういうこともあわせて改善の方向を検討すべきではないですか。
〇藤原健康国保課総括課長 激変緩和につきましては、今、国から示されている財源になるものについては6年間ということがありまして、その中で、激変緩和は講じられますけれども、それまでの間にはいろいろと状況も変わってくるとは思うのです。その後についても急激な増加にならないように、基本的には国が責任を持って財政措置を講じるべきだということはずっと要望してきていますし、これからもずっと要望し続けていくつもりです。
〇斉藤信委員 終わります。ただ、未回答があるので、あとでよろしく。
〇ハクセル美穂子副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後3時7分 休 憩
午後3時28分再開
〇佐々木朋和委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇藤原健康国保課総括課長 先ほど、斉藤委員からの質問がありました。年収180万円の場合の国保税の岩手県の試算ということですけれども、市町村によっていろいろ違いますので、盛岡市の場合の例ということで答弁させていただきたいと思います。
年収180万円の単身世帯で、所得割、均等割、平等割を合計しました税額は17万3、550円ということで、負担率は9.6%ということになります。
〇佐々木朋和委員長 質疑を続行します。
〇小西和子委員 最初に、児童虐待防止対策についてお伺いいたします。
一般質問のときにいただいた資料によりますと、昨年度の岩手県の児童虐待対応件数は1、477件で、身体的虐待が26.3%、性的虐待が1.8%、ネグレクトが20.5%、心理的虐待が何と51.4%となっております。
このように、昨年度は、その前もなんですけれども、2年連続で大幅に虐待対応件数が増加しております。今年度の現状をお伺いいたします。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 虐待対応件数の関係でございます。虐待相談への対応件数につきましては大体年度ごとに集計しておりますので、年度途中での集計というものがなかなか難しいわけでございますけれども、今年度の状況ということで、例えば統計的なところを申しますと、警察庁が、先月、全国の警察がことしの上半期の1月から6月までに児童相談所に通告した18歳未満の子供の数を公表しております。全国では前年同期比で5、751人増加いたしまして、3万262人に上ったというのが全国の警察が発表した状況でございます。
これに加えて、県内の児童相談所の職員に確認した限りにおいては、昨年度よりも件数はやや増加していると聞いているところでございます。
〇小西和子委員 またさらに増加しているということでございます。
このように対応件数が大幅に増加していることから、人員の拡充のみでは対応が追いつかないということが、誰が考えてもわかるわけでございます。
次の観点での対策をお伺いいたします。
私は、以前にも中核市である盛岡市との協議の場の設置ということを訴えております。昨年度はどうだったかわかりませんが、一昨年度ですと、中央児童相談所の対応件数の半数は盛岡市ということを盛岡市の担当職員からお伺いしております。そのことがまず1点です。
それから、市町村の児童福祉人材育成への支援強化というのが重要かと思います。市町村の担当の方というのは、そういう児童福祉について精通している人ばかりではありませんので、ぜひ、その育成への支援強化を行うべきだと思います。
先ほど、数値でも示しましたが、心理的虐待が51.4%というのは、警察からの通報である面前DVというのでふえているわけです。面前DVというのは、身体的なDVだけではなくて精神的なDVも含むと言われておりますし、何度もお話ししておりますとおり、子供の心に、脳に大きな傷を残すものであるので、絶対あってはならないわけです。DVの所管は環境生活部だと思いますので、そこは部局連携で取り組むべきと思います。
もう一点ですけれども、そのような対症療法というのでしょうか、ハイリスク対策の一辺倒で虐待は防げないわけですので、妊娠、出産、子育てに際して不安や悩みを抱えて孤立しがちな母親を支援するためにも、地域全体で子育てを応援するネットワークの強化こそ求められると思います。
これまでの質疑等でも話がありましたけれども、気仙地区が母子保健の充実に力を入れておりますので、そこに学ぶべきと考えております。
まず、この4点について、どのように対策を講じているのかお伺いしたいと思います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 4点ほどお尋ねがございました。
まず、最初の1点目の盛岡市との協議の関係でございます。確かに中核市も児童相談所を設置することができるとされておりまして、全国的にも中核市で設置しているのは2市のみという状況になっております。盛岡市との協議の場の設置につきましては、まず、国のほうでございますが、中核市等における児童相談所の設置促進を支援するという形にしておりまして、大分国庫補助事業等の拡充をしているところでございます。
県では、こうした情報を盛岡市に提供いたしますとともに、市の取り組み状況も確認しながら進めているわけでございますが、盛岡市におきましては、昨年の児童福祉法の改正により市町村に設置することとされております子ども家庭総合支援拠点の整備に向けて当面取り組みを進めると聞いておりまして、児童相談所の設置については継続して情報収集を行っている段階であると聞いているところでございます。
国でも、こうしたいろいろな地方の声を受けまして、平成30年度の概算要求におきましても、児童相談所の設置促進のための補助事業が拡充したところでございますので、引き続き、盛岡市にもこういった情報提供を行いながら、同じ自治体でございます盛岡市の意向も確認しながら、意見交換をいろいろしていきたいと思っているところでございます。
次に、市町村の児童福祉人材育成への支援という形になりますが、県では、市町村の対応力向上を図るために、平成28年度に市町村要保護児童対策地域協議会運営実務マニュアルを策定いたしまして、これを活用した研修を実施して、対応が困難なハイリスク事案への対応手法ですとか、当該地域協議会の運営方法についての実務研修を行っているところであります。
今年度につきましても、昨年の法改正によりまして新たに義務化された市町村の要保護児童対策地域協議会調整担当者研修を実施することとしておりまして、こうした取り組みを通じて、市町村の対応力ですとか専門性の向上に向けた支援を行っていきたいと考えております。
3点目の面前DVを減らすための部局連携でございます。委員からもありましたとおり、DV対策そのものは環境生活部で所管しておりまして、環境生活部におきましても、計画に基づきまして、一般県民を対象としたDV防止基礎セミナー、あるいはDV防止に関する出前講座を実施していると聞いておりますし、高校生や大学生等を対象にDV防止に係る研修会等を実施して、若年層への予防啓発を図るなどの教育、啓発を行っていると聞いております。
したがいまして、当部といたしましても、こうした取り組みに加えまして児童虐待防止フォーラムの開催、あるいは県政番組等を通じた児童虐待防止に向けた普及啓発に努めておりますほか、特に実父からの虐待が増加しているという事情もございますので、イクメンハンドブックの配布ですとか父親の子育て講座への参加促進等によりまして、男性の育児参加への意識啓発を図りながら虐待防止に向けた取り組みを進めているところでございまして、環境生活部ともいろいろ意見交換をしておりますので、こういった連携のもとに対策を総合的に進めながら、児童虐待の発生予防に取り組んでいきたいと考えております。
4点目の母子保健の関係でございますけれども、委員御紹介のとおり、気仙地区では大船渡保健所と管内の市町、県立病院、NPO法人等が連携して気仙地域版ママサポBOOKといったものを作成しながら、地域の母子保健関係者が連携して子育てを応援していくという形で進めているわけでございます。こうしたことも大切と認識しておりまして、児童虐待防止のアクションプランにも母子保健活動の充実が必要とうたっておりますので、こういった母子保健の取り組みが児童虐待の防止にも効果があるということを、今後、会議等の場において周知していきたいと考えております。
〇小西和子委員 通告していた最後の質問の、今後の人員拡充の道筋というのは、先ほどからお話がありましたけれども、2年後にはさらに2人増員ということでございますので、それは結構でございます。
先ほど出されましたママサポBOOKには、妊娠から出産、子育てまで幅広い情報を、母親から寄せられる意見も取り入れてわかりやすくまとめているということです。赤ちゃんの笑顔にはお母さんの笑顔が必要、お母さんの笑顔にはお父さんの笑顔が必要とも記されているということですので、それを全県に広めていただければと思います。
次に、発達障がい診療についてお伺いいたします。何度も話をしておりますので、保護者の方の思いとか学校現場がどうかということは割愛いたしまして、専門医の配置状況について、人数も含めてお伺いいたします。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 発達障がい診療に係る専門医の配置状況についてでございますが、発達障がい診療を専門とする医師につきましては認定資格等の制度的位置づけがないところでございますので、人数については把握できていないところでございますが、一方で、岩手県医師会におきましては、独自の基準で、発達障がい診療に係る医療機関として、一つは、精神科医または小児科医、臨床心理士などが配置され、発達障がいを確定診断するための検査が可能な専門医療機関について7カ所、一時的に発達障がいを診断し、専門医療機関で診断と治療方針が確定した後、専門医療機関との連携のもとで治療を行う協力支援医療機関につきましては、小児科が33カ所、精神科が4カ所、同じく協力支援医療機関でございますけれども、発達障がい児の受け入れを実施している眼科については24カ所、耳鼻咽喉科が15カ所という情報を公開しているところでございます。
〇小西和子委員 小児精神科医につきましてはなかなかふえない。むしろ減っているということを前回のときにお聞きしました。かかりつけ医等発達障がい対応力向上研修事業というものがありまして、実施状況報告書の中の78ページの中ごろにある発達障がい児等の支援者を養成する研修修了者数になるのかどうか、私もちょっとわからなかったんですけれども、かかりつけ医等発達障がい対応力向上研修事業の岩手県での進捗状況をお伺いいたします。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 かかりつけ医等発達障がい対応力向上研修事業についてでございますが、先ほど委員から御紹介のありました支援者研修とは別に、岩手県としては今年度から取り組んでいる事業でございます。県としては、発達障がい者の支援につきましては、地域において早期発見、早期支援につなげるため、最初に相談を受け、あるいは診療することの多い小児科医などの医療従事者の対応力を向上することが重要だと考えております。
このため、今年度から取り組んでおりますけれども、今年度、国が開催した3回の研修に医師など延べ6名を派遣したところでございまして、その伝達研修を、岩手県医師会と連携いたしまして、11月12日に1回目を開催する予定でございまして、今、受講者の募集をしている段階でございます。
〇小西和子委員 そういう対応ができる医師をどんどんふやしていくことが、発達障がい児と言われている子供たちの支援につながると思うんです。どう対応したらいいのかということを広く広報していかなければならないと思うんです。学校でもそうです。専門の方に来ていただいて、こういうふうに対応すれば落ちついて授業ができるんですよといったことを私も教えていただいたことがあります。私はアスペルガー症候群の子供を担任させていただいたんですけれども、そういうことをどこの学校でもわかるように広めていかなければならないと思います。そのために、そういう医師がいないとわからないわけで、理解が進まない医師に連れていったときに、保護者はしつけが悪いと叱られたりするんです。だから、そういうことのないように、今回、3回で6人の医師の方が研修を受けてこられて、さらに医師会で11月12日にそれをまた伝達する集会を開くということは大きな一歩だと私は思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、障害者差別解消法についてなんですが、10月1日の新聞に、内閣府の世論調査で、障害者差別があると思う人は83%という記事が載りました。障害者差別解消法の施行は知っているんだけれども、浸透していないという中身でした。
岩手県における現状というのはどう捉えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 県では、障害者差別解消法に規定する不当な差別的取り扱いや相談窓口に関しまして、県のホームページへの掲載や、市町村、関係団体、コンビニエンスストアへのリーフレットの配布により広く県民に周知を図っておりますほか、県や関係団体が主催するさまざまな研修等の機会を活用しまして普及啓発を行っているところでございます。
先ほど、委員から御紹介がございました、新聞記事で内閣府の調査の関係が出ておりましたが、あの結果につきましては、私どもとしても大変残念なことだと思っております。
一方、そういった調査をしたデータというものは本県の数字は持ち合わせてございませんけれども、障害者差別解消法施行以前から、障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例に基づきまして、市町村や市町村社会福祉協議会に不利益な取り扱いに関する相談窓口を設置しておりますけれども、どのような行為が不利益的な取り扱いなのか、あるいは差別に当たるのかといった見きわめが難しいといったこともございますのか、相談件数は年間数件程度にとどまっている状況がございます。そういったことも考えますと、障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例あるいは障害者差別解消法に関する理解、相談の仕組みが十分に浸透していないといった状況も見られるのかと考えられるところでございます。
このため、県で相談窓口の職員を対象とした研修会を実施しておりますが、今年度は実際の相談に対応できるよう事例検討を加える等の取り組みを行って好評いただいておりましたけれども、そういったことを通じまして適切に相談対応を行うよう体制の構築に努めております。
また、本年11月には、国や盛岡市との共催によりまして、障害を理由とする差別の解消に向けた地域フォーラムを開催することとしておりまして、こうしたことも含め、引き続き、不利益取り扱いや差別の禁止等について一層理解が深まるよう普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例を、障害者差別解消法の施行の何年も前から岩手県ではつくっているわけです。先ほど、普及啓発の強化についてお話がありましたけれども、さらに何かつけ足すことがあったならばお話ししていただきたいと思います。
以前にもお話ししましたが、障がいのある子供を持っている保護者の方たちは、学校というか、保育園、幼稚園もそうなんですけれども、子供たちが成長するそれぞれの年代ごとに嫌な思いをしてきているというんです。だから、県民全体に対しての理解ということを求めております。それは、本当に切実な願いでありました。どこに行っても差別を受けているというので、私も教育委員会にはそのことについては話をしておりますけれども、県民全体で障がいのある人たちに対する理解を深めていかなければならないと思います。
先ほど、いろいろこういうことをやっていますというお話がありましたけれども、何か、さらにつけ足すことがあったならばお伺いしたいと思います。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 条例の普及啓発の強化についてでございますけれども、先ほど申しました障害者差別解消法と同様に条例につきましても、パンフレットの配架とかラジオによる広報等々行ってきておりますし、各地域において民生委員、児童委員等に対して研修を行うなど、条例の普及啓発に努めてきているところでございます。
条例の理念や障がいに対する理解が、委員御指摘のとおり、県民に浸透していくことは極めて重要であり、一層啓発を強めていきたいと考えておりまして、県としては、これまでの県職員や福祉関係者に加えまして、研修の機会を民間事業者などにも提供しておりますし、今後も提供機会をふやしていきたいと考えております。先ほど申し上げた障害を理由とする差別の解消に向けた地域フォーラムにおきましても条例の周知を図るなどを予定しておりまして、理解の拡大に取り組んでまいります。
また、障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例推進協議会においては、障がい者などが相談しやすいよう、パンフレットにもう少し具体的な相談事例を入れるといった改善をしてはどうかという御意見を頂戴しております。そのために、今年度中にもパンフレットの内容を更新することも予定しているところでございます。
また、県では、現在、平成30年度を始期とします次期岩手県障がい者プランの策定作業を進めているところでございます。新たな障がい者プランの中におきましても条例の理念をしっかりと位置づけまして、さまざまな御意見も踏まえながら、機会を捉えて普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 私は、まず最初に社会福祉施設等の防災対策についてお聞きいたします。
土砂災害警戒区域及び洪水浸水想定区域における非常災害対策計画の策定状況及び避難訓練状況について、直近の数字をまず示してください。
〇中野保健福祉企画室企画課長 本年8月末現在の調査結果では、洪水浸水想定区域に立地する545施設のうち、十分な計画を策定している施設は418施設、その割合は76.7%でございます。また、同地域で避難訓練を実施済みの施設は369施設、その割合は67.7%でございます。
さらに、土砂災害警戒区域に立地する278施設のうち、十分な計画を策定している施設は206施設、その割合は74.1%でございます。また、同地域で避難訓練を実施済みの施設は203施設、その割合は73%でございます。
〇高田一郎委員 両方の区域で危険箇所に社会福祉施設が設置されているのが823カ所で、これ自体大変な数字だと思うんですけれども、今お話があったように、計画を策定した施設というのが76.7%、土砂災害警戒区域では74%で、4分の1の施設が計画をまだつくられていない。避難訓練についても4分の1程度です。
昨年の11月現在の数字と比較しましても、率は若干上がっているんですけれども、昨年の台風第10号災害を体験して1年以上がたった中で、こういう数字というのはどうなのかと。あのときの教訓を踏まえれば、100%に近い施設で計画が策定され、訓練もされているのが当たり前なのかと思うんですけれども、1年たってもなぜこういう状況になっているのか、その原因、県としての対応策、どういう対応、指導が行われたのか、この点について答弁いただきたいと思います。
〇中野保健福祉企画室企画課長 施設によりましては、計画の策定方法がわからないということなど、ちょっと意識が十分ではないところもあったところでございます。
社会福祉施設の防災体制の充実を図るためには、非常災害対策計画を策定の上、訓練を実施して、計画の改善について主体的に施設が取り組むということが重要と考えております。それらの取り組みがより実効性の高い防災体制の整備につながるものと考えているところでございます。
引き続き指導監査や、介護、障がい、児童等の各施設における事例の提供などを通じて、区域における全ての社会福祉施設で早期に計画の策定が実施されるよう、市町村等と連携して指導、支援してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 社会福祉施設が主体的に取り組むということは大事だけれども、私は、1年たっても、なぜ飛躍的に訓練とか整備計画がつくられていないのかということを聞いたので、その点についてお聞きしたいと思います。
岩泉町では、昨年、グループホームが被災して大変な被害を受けましたけれども、一方では、同じ岩泉町の中でも、地域の声かけなどもあって、避難を決断して助かったグループホームもあります。そして、午前中の質疑でも城内委員が、宮古の松山荘は避難に2時間もかかった、トイレの問題があったというお話をされました。訓練をして改善していく、地域と連携して対応していくということが必要だと思うんですけれども、いつ来るか分からない災害に備えて、そういったことが着手されない要因、何が原因かということを明らかにして、期日を決めて、そこに向けてしっかりと取り組んでいただけるような県としての姿勢というものも大事ではないのかと。社会福祉施設が主体的に取り組むというだけではなくて、県の姿勢、対応も求められるのではないかと思いますけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
〇中野保健福祉企画室企画課長 計画の策定が進んでいない理由についても、8月末のときの調査にあわせて確認したところでございますが、先ほど申し上げました、例えば計画の策定の方法がわからないということを言っている施設もございました。あと、さまざまなケースを想定して計画を立てていくという部分の難しさもあろうかと思いますので、その点については、先ほどの事例集の活用などをさらに進めていきたいと考えております。
先ほどお話ししたとおり、改善に取り組むためには、まず計画をつくってもらうということが大事ですし、訓練をやっていただくということが重ねて大事でございます。そういう部分について、施設のほうに私どもでも丁寧に説明、指導をしていきたいと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 主体的に取り組むということが基本だと思いますけれども、地域との連携とか、市町村との連携とか、そういったことがない限り、この計画というのは前に進まないと思いますので、早急に整備計画、訓練等ができるような支援に取り組んでいただきたいと思います。
次に、待機児童の解消と保育施設における事故防止対策等についてお聞きしたいと思います。
先ほどの質問の中でも待機児童の実態が明らかになりました。隠れ待機児童を含め4月1日現在で740人と、これは昨年と比べても増加しているということが明らかになりました。仕事に復帰できないとか、児童を預けるところがなくて退職せざるを得ないという状況が続いているということは大変なことだと思います。
本来、待機児童というのはあってはならないと私は思うんです。あってはならないという立場で対応していくべきだと思います。保育に欠ける子供がいれば行政の責任で措置する、これが児童福祉法の精神なんです。だから、県もそういう立場で、保育士が足りないからやむを得ないという立場ではなくて、まず基本は待機児童ゼロは当たり前、そういう視点でこの問題にかかわっていくべきだと思います。この点についてはいかがでしょうか。
そして、待機児童解消に向けた県の取り組みとして、今年度、待機児童が発生した10市町村と情報交換会を行って、助言等を行ったというような対応をしたようでありますけれども、どういう意見が出て、どういう助言を行ったのか、このことも含めて答弁いただきたいと思います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 待機児童の解消に向けた県の取り組みをというお話でございます。
まず最初に、本年度、確かに待機児童が発生している市町村はいろいろございますけれども、例えば委員の地元の一関市では、昨年度は待機児童が発生していたわけでございますけれども、いろいろな取り組みをしたことによって、今年度の4月1日時点では待機児童がいなくなったといったという例もございます。
県におきましては、先ほど委員からの話にもありました待機児童が発生している10市町村との情報交換会といった中で、例えば他の市町村の取り組み状況の好事例等については情報提供したところでございますし、そういった地域の課題に応じた取り組みを行うように助言などを行ったところでございます。
この中で、市町村からどういった話があったのかということでございますけれども、保育士の確保に向けて、例えば沿岸部の市町村でございますけれども、保育士の宿舎の借り上げ補助事業等を行っているところがございます。こういった事例もあるので、こういったことを検討してはどうかといったようなところ、それから、保育士の確保の関係がございましたが、定年退職者の方の再任用、臨時職員の賃金改善といったものについても、他市町村の取り組み等をいろいろと情報提供させていただいたところでございます。
県におきましても、待機児童の解消に向けまして、市町村が実施する施設整備に対しても財政支援等を行っているところでございますので、例えば来年度の整備予定等はあるかとか、そういったものもいろいろ聞きながら意見交換を行ったところでございます。また、保育士・保育所支援センターによる潜在保育士の掘り起しやマッチング支援、保育士修学資金貸付事業なども実施いたしまして、保育士の確保に努めているところでございます。
いずれ、こういったものを全て組み合わせながら、待機児童の解消に向けて市町村の取り組みを支援していきたいと考えております。
〇高田一郎委員 私が聞いたのは、待機児童ゼロというのは当たり前でないとだめなんだという立場で県もしっかりと取り組んでいかなければならないということを強調したかったんです。
今、衆議院議員選挙も行われていますけれども、幼児教育の無償化ということが議論されて、各党、これに反対する党はないと思いますけれども、そういう方向になると思います。所得制限が導入されるか、その制度設計はこれからですけれども、いずれ、無償化になったとしても、待機児童を解消しないと、逆に大きな問題が出てくる。これは一体的に解決しなければいけない問題だと思うんです。
私はこれまでも、待機児童解消のためには、民間任せにせず、公立保育所をつくって正規の保育士を確保すれば待機児童は解消できるのだということもやりましたけれども、国では今、公立保育所の施設整備費はなくて民間任せということで、公立保育所の整備に逆行しているようなやり方をしているんです。私は、国に対しても、制度設計、待機児童ゼロになるようなことをしっかりとやらないと、幼児教育の無償化といっても、逆に大きな問題が出てくると思いますので、ぜひ、そういう立場で取り組んでいただきたいと思います。
時間がないので、事故防止対策についてお伺いいたします。
今、全国各地で認可外保育施設での死亡事故が相次いで、昨年度は事故防止ガイドラインというものがつくられました。これは、5人以下の保育所でも指導監督をするということになっております。初めての対応だったと思いますけれども、昨年の立入調査の状況、指導状況、改善状況はどうなっているのか、まずその点についてお聞きいたします。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 認可外保育施設の立入調査、指導の関係についてのお尋ねでございますが、まず、県内の認可外保育施設数でございますけれども、平成29年3月31日現在で101施設となっております。
認可外保育施設への立入調査は、それぞれ所管しているところが幾つかございまして、まず、県と中核市、県から権限移譲している9市町村がございまして、それぞれが所管する施設に対して実施することとしております。対象としておりますのはそういった施設になりますが、国の認可外保育施設指導監督の指針において、努力義務とされている、保育する乳幼児の人数が1日に5人以下の施設、県の認可外保育施設指導監督等要領に基づきまして、毎年度実施している運営状況等の報告で問題がない施設や前年度において問題がない施設を除いて、年1回以上行うことを原則としております。
このうち、平成28年度に県が立入調査を行いました35施設について申し上げますと、健康管理、安全確保、保育に従事する者の数及び資格、非常災害に対する措置など79件の指摘を行いまして、このうち文書指摘38件につきましては、施設から改善報告を受けて、その改善状況を確認しているところでございます。
〇高田一郎委員 恐らく、これから、事業所内保育施設とか、企業主導型保育施設とか、規模の小さい保育所がたくさんつくられる方向だと思います。就学前の子供たちの1日の大半を過ごす施設でありますので、努力義務とはいっても、年に1度は立入調査をする。その結果については公表する。盛岡市では公表しているようですけれども、こういう対応が必要になってくるのではないかと私は思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 児童福祉施設の立入調査結果の公表についてでございますけれども、認可外保育施設につきましては、国が定める認可外保育施設指導監督の指針というものがございます。この中で、立入調査の結果、改善を求める必要がある場合には改善指導を行い、また、繰り返し改善指導したものの、改善の見通しがない場合については改善勧告を行うこととされておりまして、通常の改善指導の段階での公表というのは想定されていないところでございます。
ただ、通常の改善指導より一つ上の段階の、先ほど申し上げました改善勧告を行ったにもかかわらず改善が行われない場合につきましては、利用者に対して、改善勧告を行った勧告の内容及び改善が行われていない状況を周知しますとともに利用を控える等の勧奨を行う、その状況につきまして報道機関等を通じて公表するという形にされておりますので、こういった取り扱いに沿っているところでございます。
なお、保育所や認可外保育施設等におきまして、死亡事故ですとか30日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故があった場合には、国に対してその都度報告をして、国におきましてはその内容を公表しているところでございます。
〇高田一郎委員 繰り返しますけれども、就学前の子供たちが1日の大半を過ごす場でありますので、安全が何よりです。少なくても年に1回は調査に入れるように取り組んでいただきたいと思います。
次に、介護保険制度についてお聞きいたします。第6期介護保険事業計画の進捗状況、事業所の休止状況、介護施設の待機者の状況ということで通告しておりましたが、ほかの委員の皆さんの質問もありましたので、ここでは平成28年度の事業所の休廃止がどういう状況になっているのか。
また、この間、制度改正、見直しが行われましたけれども、補足給付の削減措置がどうなっているのか。また、現役並みの所得と言われる方々に対して、利用料が3割負担ということになりました。こういう相次ぐ負担増の実施に伴う影響はどうなっているのか、この点をまず伺います。
〇近藤長寿社会課総括課長 3点ほどお尋ねがございました。
まず、事業所の休廃止の状況についてでございます。
平成28年4月から平成29年3月までの1年間に県内で廃止、休止を届け出た介護事業所は139カ所でございますが、経営法人の変更など形式的な廃止もございましたので、それらを除く実質的な廃止、休止事業所は112カ所となっております。
次に、補足給付の見直しによる影響についてでありますが、平成28年8月施行の改正によりまして、補足給付の受給要件のうち、利用者負担の第2段階と第3段階を区分する年金収入額において、新たに障害年金、遺族年金等の非課税年金が所得として勘案されることになったところです。
市町村等の保険者にその影響を照会いたしましたところ、平成28年度に、制度改正により利用者負担段階が上がった県内の被保険者は3、406人でございました。
次に、介護サービス利用料の自己負担割合の引き上げについてでありますが、平成30年8月から現役並み所得の方の自己負担割合が3割とされる予定であり、国の試算によりますと、現在2割負担となっている方の約4分の1が負担増になると見込まれております。
本県では、平成29年7月時点で4、521人が2割負担となっておりますので、国が推計した割合を単純に当てはめた場合、負担増となる方は2割負担者の約4分の1の1、000人程度と推測されるところでございます。
〇高田一郎委員 第6期事業計画の進捗状況の資料もいただきました。一部ちょっと課題もありますけれども、基本的には予定通りの整備状況になるのかと思います。
しかし、そうは言っても、整備をしても待機者はふえるばかりと。介護保険料を真面目に払っても必要なサービスが受けられない。そして、この間、介護報酬が基本的に減って、事業所は休止、廃止に追い込まれる。112カ所という状況です。
そして、去年は特別養護老人ホーム入所者についても、要介護1は基本的に待機者に含めないと。要介護についても保険外しされました。これは、今まで制度を維持するためといって利用者に負担増を求めましたけれども、こういう形で、介護保険料を払っていても、一部サービスを対象から外すなどということは今まではやってこなかったわけです。
そういう意味では、高齢者世帯が物すごく増加して在宅介護も非常に困難になっている中で、高齢者をどう支えるかという制度設計を考えたときに、物すごく大きな課題が浮き彫りになっているのではないかと私は思うんです。
先ほど近藤総括課長は、介護報酬については1月、2月あたりに答申になったら円滑に対応できるように様子を見るような答弁だったんですけれども、介護施設の現場では、これ以上報酬を減らされたらやっていけないというのが共通した声です。そして、真面目に介護保険料を払っても必要なサービスが受けられない、対象から外すという、社会全体で支えるのだといった介護保険制度がここまで変質しているわけです。介護報酬の様子見ではなくて、しっかりと介護報酬を引き上げるとか、安心して高齢者がサービスを受けられるような制度設計をするように、県としてもしっかりと国に対して改善を求めていくべきではないかと思うんですけれども、今の介護保険制度の問題や課題について、国に対してどういう対応をしていくのか、どういうスタンスで要求していくのか、その点についてお聞きしたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 今後の介護保険制度のあり方等についてでありますけれども、本県の要介護認定者数は平成29年6月には7万7、868人ということで、介護保険制度発足の平成12年4月の3万965人から約2.5倍となっております。また、平成32年度には本県の高齢者人口がピークを迎えると予測されているような状況にございます。
このような状況において、サービスを必要とする方に適切なサービスを提供し、住みなれた地域で安心して暮らしていただくためには、これまで取り組んできている地域包括ケアシステムの深化、推進を図るとともに、介護保険制度の持続可能性を高めていくことが必要でございます。
その一環として、世代内、世代間の公平性を図りながら、負担能力のある方には応分の負担をしていただく、あるいは限られた資源を有効活用するというような観点から制度改正が順次導入されているわけでございますが、例えば介護報酬の減額などで現場が非常に苦しんでいるという声は県としても伺ってございまして、そういった状況を改善できるように、国に対して、毎年、適正な水準の介護報酬の設定をするように要望しているところでありますし、これからも、当然、引き続きそういう要望はしていくことといたします。
いずれ、委員からいろいろお話がありましたとおり、制度発足当時の想定とはかなり異なってきているところもございますので、この点につきましては、保険料を納める被保険者の方々、また、サービスを利用される方々に対して丁寧に説明して理解を求めていく必要があると考えておりますし、これは、国のみならず県、市町村、事業者それぞれがそれぞれの立場でやらなければいけないことだと思っております。
また、現在策定作業中の第7期介護保険事業計画におきましては、介護保険の理念である自立支援や重度化防止に向けた取り組みの充実と、それを実現するための保険者機能の強化がポイントとされておりますので、市町村など保険者の創意工夫により、限られた資源の中で効果的な取り組みが行われるように、県としても支援してまいりたいと思っております。
〇樋下正信委員 いわての学び希望基金未就学児童給付事業のところの寄附についてお伺いいたします。
9月10日から11日にかけて、花巻の渡り温泉でバイクの大会があって、全国から230台ぐらいが集まりました。第4回ビッグバイクの集い絆復興支援大会という表題で集まりました。この大会が終わりまして、二、三日前にお礼の手紙が届きました。私ももちろん参加しましたし、2日目の解散式のセレモニーに神崎委員にも参加していただいたわけでございますけれども、こういう文章でございます。仲秋の候、皆様にはますます御健勝のこととお喜び申し上げす。先日は第4回絆大会に御参加いただき、まことにありがとうございました。多数のオーナー様にお会いでき、また、楽しい時間を過ごすことができ、スタッフ一同大変うれしく思っております。おかげさまでいわての学び希望基金へ15万円寄附させていただきました。次回は富山県でまた大会があるわけでございますけれども、次回、皆様方と元気でお会いすることを願いましてお礼の挨拶にかえさせていただきます。ビッグバイクの集い絆復興支援大会実行委員長菅原義正という手紙が届きました。
この寄附について、県として、当然、感謝の意は表していると思いますけれども、どのような形で感謝の意を表しているのか教えていただきたいと思います。
〇熊谷副部長兼保健福祉企画室長 個別の件については承知していないところでございますけれども、一定金額をいただいたいわての学び希望基金、その他寄附につきましては、所管の部長、あるいはそのレベルによっては知事、副知事のほうから御礼を申し上げていると承知しております。
〇樋下正信委員 それぞれそれなりにということでございますけれども、いずれ、この会だけではなく多くの方々からいただいていると思います。引き続きそういう気持ちになるといいますか、こういう感謝の意をいただいたんだなということで、次もまたという気持ちになれるような対応をしていただきたいと思いますが。
〇熊谷副部長兼保健福祉企画室長 このような寄附は復興を進める上で非常にありがたいお話でございます。こういった御奉仕に対しましては、感謝の気持ちを忘れずに、またそれを伝えるとともに、しっかりと復興を進めていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 妊娠、出産包括支援の取り組みについてお伺いいたします。
平成26年度までは、市町村が妊娠・出産包括支援モデル事業に取り組むに当たって母子保健相談支援事業を実施し、母子保健コーディネーターを設置して事業をしていましたけれども、平成27年度からは、母子保健相談支援事業が廃止されて子育て世代包括支援センターがその機能を担っております。
県内では、現在、センターを設置していないが、同様の取り組みを行っている矢巾町も含めて7市町で子育て世代包括支援センターが設置されておりますけれども、妊娠、出産包括支援のこれまでの取り組みの成果と課題を県としてはどのように捉えているか。また、センターを設置している市町村の各センターの事業実績について、県はどのように評価しているかお伺いいたします。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 妊娠、出産包括支援、そういった母子保健の関係の取り組みということでございますけれども、それぞれ市町村で母子保健のコーディネーターの設置といった形でいろいろ進めてきたものが、今回、子育て世代包括支援センターの設置という形で、取り組みの内容、その他がいろいろ変わってきたということでございます。
それぞれ市町村では、例えば遠野市では助産院を設置いたしましたり、そういった形でいろいろと県内の中でも進んだ取り組みをしていたところでございまして、平成27年度から子育て世代包括支援センターの設置に変わった際にも、いち早く設置したのが遠野市、盛岡市であったところでございます。
子育て世代包括支援センターを平成28年度までに設置した盛岡市と遠野市の平成28年度の実績でございますけれども、盛岡市では、妊産婦や乳幼児2、242人を支援して、個人ごとにいろいろ支援するプランでございますが、この支援プランを策定した方が68人、遠野市におきましては、妊産婦や乳幼児1、119人を支援して、支援プランを策定した方が248人となっているところでございます。
このように、子育て世代包括支援センターの設置に伴いまして、支援が必要な妊産婦に対して支援プラン策定などの支援体制の強化が図られているものと認識しておりまして、県としては、引き続きこのセンターの設置が促進されるように市町村に働きかけていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 遠野市と盛岡市の実績についてお伺いいたしました。今回、子育て世代包括支援センターを設置することで、切れ目のない支援ということで国でも進めているんですけれども、県としてはある一定の成果を上げているという評価になっているのかと思います。
例えば盛岡市なんですけれども、まだまだ利用できるといいますか、当事者になる方々が子育て世代包括支援センターがあるということ自体を知らない人たちが本当に多くて、次の質問で取り上げる産前産後ケアを実施している一部のNPOのほうに相談をしたときに、やっとそういうものが盛岡市にもあるということを知るお母さんたちが多いと聞いております。
せっかくセンターは設置されてきているので、遠野市、盛岡市だけでなく、ほかの市町村にも広めていっていただきたいのですが、県には、各市町村にそういった告知といいますか、広報をもっと広くやっていただきたいです。国としては、平成32年度までには全国の各市町村につくるという方針を決めておりますけれども、今まだ7市町ということで、県としては、平成32年度までに、各市町村に設置できる段階であるのかお伺いいたします。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 子育て世代包括支援センターの設置に向けた周知という話でございますけれども、これまでも設置に向けた働きかけといったものは各市町村にしてきたわけでございますが、今年度もいろいろ研修会等を予定しております。例えば来月11月には本県で、東北、北海道地区の母子保健事業研修会というのも予定しておりまして、市町村の保健師、助産師、これは東北、北海道地区の方も含むわけでございますが、県内の市町村からも参加していただくことにしておりまして、この中で先進的に取り組んでいる県内外の事例、例えば福島県郡山市での取り組みでありますとか、県内でも花巻市あるいは遠野市の事例を市町村に紹介することとしております。その中で、今委員からお話のありましたセンター設置の周知についても働きかけて、やはりせっかく設置するわけでございますので、その利用促進が図られるように、お知らせなりをして数多くの利用につなげていくことが必要と考えておりますので、そういった取り組みをしていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 先日、1週間前に盛岡市のセンターを訪れた際も利用者が多かったです。まだまだ知らない人たちにぜひ告知をよろしくお願いいたします。
次に移りますけれども、今年度から地域で支える周産期保健医療支援事業が始まりまして、先ほどの妊娠・出産包括支援事業を助ける取り組みにもなるのかなという認識で私はおるんですけれども、産前産後ケアについての事業を実施しようとしている市町村がある中で、それを県としてコーディネートしていると伺っておりますが、現在の状況がどのようになっているか。また、周産期ガイドブック作成の進捗状況についてお伺いいたします。
〇高橋地域医療推進課長 今年度、地域で支える周産期保健医療支援事業を実施しておりますが、市町村における産前産後ケア等を支える、協力する潜在助産師について、今年度、県の助産師会に委託いたしましてリストアップしており、現時点で、19市町村で約30名程度リストアップされているところでございます。今後、11月ぐらいから人材育成研修を実施することとしております。
この事業は市町村に導入を働きかけるということなんですけれども、来年度、平成30年度以降に導入を予定しているような市町村を中心として、助産師会と一緒に支援していきたいと考えているところでございます。
周産期のガイドブックにつきましては、現在、他県の事例等を参考に内容を検討しているところでございまして、今後、県の産婦人科医会など関係団体の御意見をいただきながら、年度内をめどに作成をすることとしております。
〇吉田敬子委員 検討している市町村というのが、具体的に何市町村あるのかお伺いいたします。
〇高橋地域医療推進課長 子ども子育て支援課のほうで各市町村に調査をしたところ、平成30年度に産前・産後サポート事業とか、産後ケア事業の導入を予定している市町村が4市となっております。そのほかにも働きかけはしていきたいと思っております。
〇吉田敬子委員 周産期を取り巻く人材不足というのがありまして、ぜひ産前産後ケアの中で、そういったところを支える人たちがふえていくことを各市町村に望みますので、ぜひ引き続きよろしくお願いいたします。
次に移ります。医療的ケアを必要とする児の支援体制についてお伺いいたします。
総括質疑で行った際に、岩手医科大学には、今年度の4月から退院調整看護師を配置するということでありますけれども、現在の取り組み状況というのを県としてどのように評価しているのかお伺いいたします。
〇高橋地域医療推進課長 岩手医科大学の総合周産期母子医療センターに、ことし4月に、退院調整の専任の看護師が配置されておりまして、この看護師がNICU─新生児集中治療室を退院する子供が4月から9月まで34名ございましたけれども、この子供たち、家族、全てに支援を行ったと聞いております。
後方支援病院とか訪問看護ステーションなど、退院して地域の生活の場に戻るための市町村の保健師とのカンファレンス等を行っていると聞いておりまして、退院後においても、地域で必要な医療とか福祉的なケアが受けられるように対応していると伺っております。
〇吉田敬子委員 医療的ケア児がNICUを退院後に、自宅だったり社会に戻るときの支援というのがすごく少ないということを当事者の御家族からも聞いておりますので、引き続き、ぜひ県でも見守っていただきたいと思っております。
こちらは、現在は総合周産期母子医療センターに設置されているんですけれども、私は同様に、ほかの地域の周産期母子医療センターにもこのようなコーディネーターを行う方がいれば大変いいなと期待をしておりますが、県としての御所見を伺いたいと思います。
〇高橋地域医療推進課長 地域周産期母子医療センターにつきましては、医療的ケア児に特化した専任との退院調整ということではないのですが、全ての地域センターにおいて、病院全体の退院調整を行う看護師を配置しておりまして、その中で、医療的ケア児についても対応しているという状況でございます。
〇吉田敬子委員 退院直後もそうなんですけれども、一度退院してどこかの施設に入所できたり、自宅で在宅医療に入ったとしても、その子供の成長に応じてすごく不安や悩みがふえている御家族がたくさんいると聞いております。
総括質疑のときにもちょっと事例を挙げたんですけれども、岡山県の総合周産期母子医療センターにもなっている倉敷中央病院では、1、500グラム未満で産まれた子供を対象に、発育に最も重要な2歳から3歳までの1年間、2カ月置きに集まってもらい、遊びを通じて心身の発達を促す取り組みをしたり、1、000グラム未満で産まれた子供を対象に、少なくとも高校入学までの間、その子らしい充実した学校生活が送れているかということ、進路選択ができているかという確認をするんだそうです。低出生体重児がふえている現状ですので、岩手県でも同様の取り組みができないだろうかということを考えておりますが、県の見解をお伺いいたします。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 本県の総合周産期母子医療センターでございます岩手医科大学では、本県における周産期や小児科医療のネットワークを構築しておりまして、医療的ケア児の対応におきましても、何らかの形で継続的にかかわっていると聞いているところでございます。
一方、委員から今御提案いただきましたような取り組みにつきましては、知事が総括質疑で答弁申し上げたとおり、現在設置しております岩手県重症心身障がい児・者支援推進会議に、新たに保健、保育、教育などの関係者を加えて連携体制を整備することとしておりまして、医療的ケアが必要な児・者に対する具体的な支援策等の検討を進めていくこととしていますので、その中でどういった取り組みができるか、検討してまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 ぜひ積極的に、こういった他県の事例を踏まえて今後につなげていっていただきたいと思います。
在宅超重症児等が短期入所できる施設が県内で盛岡市と矢巾町のみ、あとは空き病床があれば受け入れますというところが3カ所あるんですけれども、県では新しく短期入所できる施設の支援というのを今年度始めたんですが、この支援をすることによってどの程度各市町村に受け入れ先がふえると見込んでいるのか、改めてお伺いしたいと思います。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 今委員からお話がございましたけれども、現在、県内に短期入所として在宅の常時医療的ケアを要するような超重症児等が利用できる施設は、県立療育センターを初めとして、県内6市町で6施設となっているところでございます。非常に少ないということでございますし、また、圏域によっては残念ながらそういった短期入所の施設がないところもあるという状況でございます。そのために、この10月から、在宅超重症児(者)等短期入所受入体制支援事業というものを開始したところでございまして、その中では、新たに短期入所を受け入れていただくために、医療機器の整備を図るとか、そういったことについても支援することとしております。
そうしたことで、超重症児の受け入れ等を行っていない短期入所事業所もあるわけですけれども、そちらにももちろんでございますけれども、例えば医療機関であるとか老人保健施設など、受け入れの可能性がある施設に対して強く働きかけてまいりたいと考えております。10月から始めておりますけれども、今のところ、新たに1カ所やっていただけるところが沿岸のほうにあり、現在その調整を図っている段階でございまして、引き続き働きかけてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 こういった医療的ケアが必要な障がい児を含めた全体像を把握することがこれからも必要だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
次に参ります。周産期医療体制について、これまで取り上げてきた事項も踏まえて、周産期医療を支える人材の確保は急務であると考えております。6月の一般質問でも取り上げましたけれども、奨学金養成医師には他県の事例のように、産科、小児科を選択する医師に対する優遇措置等をとっていくことが大事だと考えておりますが、改めて県の見解を伺いたいと思います。先ほど千葉進委員からも同じような質疑がありましたけれども、改めてお伺いいたします。
あわせて、来年度からの医療計画の中には、こういった人材育成の部分をどのように反映されているのか、お伺いいたします。
〇福士医務課長 奨学金養成医師への優遇措置でございますけれども、県では、全ての診療科で医師が不足しているという現状におきまして、診療科の制限を設けずに医師の養成をしているところでございます。養成した後は、診療科の専攻いかんにかかわらず、配置基本方針に基づきまして養成医師を公的医療機関の基幹病院と中小規模の地域病院に一定期間配置することとしております。
こうした配置に係る基本的な考え方を踏まえつつ、県内の周産期医療を担う医師の確保に取り組んでいく必要がありますことから、産婦人科等を専攻した養成医師につきましては、所定の義務年限中に、中小規模の地域病院に勤務しなければならないとされる期間があるわけでございますけれども、こうした期間につきましても、産婦人科等を専攻した医師が持つその専門性あるいはスキルといったものを十分に発揮してもらえるような配置、こういったことを特例として設けることを今検討しているところでございます。こういったことにつきまして、今後、配置調整会議の場において、具体的な対応について関係者と協議してまいりたいと考えております。
次に、医療計画への反映についてでございます。
現在、県では、次期医療計画の策定を進めておりまして、医師などの医療人材の確保に関する計画につきましても、国の基本方針を踏まえつつ、現状分析のもと、医師確保の中核を担う地域医療支援センター事業ですとか医師のキャリア形成プログラム、こういったものの必要な対応などを取りまとめた上で、平成30年3月の策定を目指しているところでございます。
〇吉田敬子委員 特に産科医を専攻する学生に対しては特例を設けることを検討されているということで、大変期待をしております。地域で安心して妊娠、出産できる環境というものを、まずは産科医、小児科医も含めて人材育成をしていくことが特にも大事だと思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
〇佐々木朋和委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 先ほどの吉田敬子委員の産前産後ケアに今後取り組む市町村の御質問がございまして、高橋地域医療推進課長のほうから30年度に向けて4市ということでお話をさせていただいたんですが、私のほうから、産前・産後サポート事業と、それから産後ケア事業に分けて、改めて御説明させていただきたいと思っております。
厚生労働省が、ことし5月に市町村に対して実施いたしました事業実施の見込み調査におきましては、産前・産後サポート事業につきましては、今年度までに5市町が実施をしておりますけれども、平成30年度に向けて検討中が2市、それから平成32年度以降の実施に向けて検討中が11市町村、未定が15市町村でございます。
また、産後ケア事業につきましては、今年度までに3市町が実施をしておりまして、平成30年度に向けて検討中が3市、それから平成32年度以降の実施に向けて検討中が13市町村、未定が14市町村という形でございます。
平成30年度に向けて検討中の市が2市と3市という形でございますけれども、一つダブっているところがございまして、合わせて4市となるものでございます。
〇臼澤勉委員 私からは、まず初めにがん対策についてお伺いいたします。
平成28年度までの取り組み実績を踏まえて、本県のがん対策の現状をどう分析し、評価されているのか。
75歳未満の年齢調整死亡率が全国的に減少している中、平成27年度は岩手県や秋田県は上昇に転じておりますが、本県の特筆すべき点や要因をどう考えているのか、お伺いいたします。
〇高橋地域医療推進課長 本県のがん対策の現状等についてでございますけれども、これまで、生活習慣の改善などによりますがん予防、がん検診によるがんの早期発見、全ての保健医療圏におけるがん診療連携拠点病院の整備や医療従事者の育成、それから、がんと診断されたときからの緩和ケアの推進、がん患者の就労支援、がん教育などに重点的に取り組んできたところでございまして、こうした取り組みによりまして、保健医療従事者に加えて、教育、労働関係機関やがん患者等の多様な関係者と連携したがん対策の推進が図られてきたものと認識しております。
また、本県の75歳未満の年齢調整死亡率は、委員御指摘のとおり、平成26年の79.5ポイントから直近の平成27年は81ポイントと増加いたしました。ただ、第1次がん計画を策定いたしました平成19年は85.1ポイントでございまして、その後、年により若干増減はいたしましたけれども、長期的に見ますと、全国と同様に減少傾向にございまして改善が図られていると考えております。
また、本県の特徴といたしましては、臓器別に見ますと大腸がんが全国に比べて高く、一方で、肝がんは低い傾向にあると認識しております。
〇臼澤勉委員 全国的には長野県とかが着々と減少しているような状況でありますし、本県の場合、気管、肺、乳房の関係が少し上昇に転じているような状況でございます。平成29年度は、最終年度の第2次がん対策推進計画の年になりますけれども、平成28年度までの取り組みをどう評価して、今後どう改善を図っていくのかお伺いします。
〇高橋地域医療推進課長 第2次がん対策推進計画についてでございますけれども、計画期間中、先ほども申し上げましたが、がん検診の受診率の向上や、全ての保健医療圏にがん診療連携拠点病院が整備されましたほか、新たに岩手労働局やNPO団体等と連携いたしましたがんと仕事の両立セミナー等の就労支援に係る啓発事業の実施、がん患者会、家族会を対象といたしました学習会や情報交換会の開催、それから、対がん協会や教育委員会等との連携によりますがん教育の実施などに重点的に取り組んできたところでございます。
こうした取り組みによりまして、先ほども申し上げたように、従前のがん予防とか医療の分野に加えて、新たに課題とし掲げましたがん患者の就労支援であるとかがん教育について、多様な関係機関と連携したがん対策が推進されてきておりまして、本県のがん計画について一定の進展が図られたものと考えております。
一方、課題といたしましては、計画に掲げております平成29年度までにがん年齢調整死亡率を20%減少させるという目標の達成は困難な状況にあるということから、今後は、がん検診後の適正受診であるとか、がんの早期発見を推進する取り組みなどの総合的ながん対策をさらに推進する必要があると考えております。
こうした視点につきまして、現在策定中の次期がん対策推進計画の中で反映させていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 今も答弁ありましたけれども、特に女性特有の乳がんとか子宮がんの検診率がなかなか伸びていないという状況が長年の課題であると認識しておりますが、具体的にこの受診率向上に向け、どう取り組みをされているのか、その点をお伺いいたします。
〇藤原健康国保課総括課長 本県の女性特有のがんの検診受診率は、乳がんが32%、子宮がんが30.3%となっております。一方で、全国のがんの検診受診率に比べますと、全国は乳がんが29.7%、子宮がんが28.3%ということで、全国よりは高い状況でございまして、順位的にも13位くらいという状況でございます。
がん検診の受診率の向上を図るためには、いわてピンクリボンの会と連携いたしまして、ピンクリボン運動月間等の機会を通じて、がんの正しい知識やがん検診、受診の重要性に関する普及啓発を実施しているほか、がん検診受診率向上プロジェクト協定の締結企業と連携した普及啓発のイベントの開催、受診勧奨、リーフレットの作成、配布を行うとともに、市町村、医療保険者等、関係者全体による課題検討会を開催いたしまして、受診環境の整備向上に引き続き取り組んでいくこととしております。
また、岩手県の生活習慣病検診等管理指導協議会に五つのがん部会がございます。ここで市町村が実施しているがん検診の受診率を含めた各指導の分析評価を行いまして、受診率が低い市町村に対しては改善に向けた個別の指導、助言を実施し、受診率の向上に取り組んでいくこととしております。
〇臼澤勉委員 先ほども答弁の中で、重点的な県の取り組みとして、働く世代や小児がん対策のお話もございましたが、私は特にも、AYA世代と言われております10代半ばから30代のがん患者に対して総合的な対策というのが重要になってくると思いますが、その取り組みの状況と課題、今後どう具体的に取り組んでいくのかお伺いします。
〇高橋地域医療推進課長 小児がんとAYA世代、いわゆる思春期世代と若年成人世代がAYA世代と呼ばれていますけれども、これらの世代の患者については、課題といたしましては、高齢世代に比べて患者数が極めて少ないので、がんの種類によっては標準的な治療のガイドラインが確立されていないということとか、あと、小児科と成人診療科との連携が必要であるという医療側の課題があります。そのほかに、AYA世代については、小児がんと同じように子供自体、思春期を経て成人になっていくというライフステージに応じた長期的なフォローアップ体制の確立が必要だと言われておりまして、ことし6月に国から次期がん対策の基本計画案が示されておりますけれども、この中でも、小児それからAYA世代に対して長期フォローアップに関する保育、教育、それから就労、自立に関する支援体制の整備を国が進めるとしておりますので、県といたしましては、これらの国の取り組みを踏まえながら、医療関係者を初めとして、教育や就労関係者と連携した取り組みを引き続き進めていきたいと思っております。
〇臼澤勉委員 特にこのAYA世代の中で、私は教育支援とか児童生徒への修学支援、あるいは高校生への教育的な対応というのがすごく重要になってくると思います。この点については、別途、教育委員会に改めて後日お伺いしたいと思うんですが、全国で40歳以上であれば介護保険を利用できるんですけれども、がん患者の若年化もありまして、40歳未満の若年がん患者に対しての行政補助を取り組み始めた自治体も出てきております。
具体的に言いますと、例えば兵庫県においては、2015年から若年末期がん患者への介護支援に取り組まれてございますし、あるいは全国の市町村、自治体においても、在宅ターミナルケアということで、平成27年ですと7市町村が、末期がんと診断された40歳未満の方々への住宅生活への支援及び介護に係る費用負担というものに取り組んで、平成29年には14市町村と倍にふえている状況にあります。岩手県として第3次の計画を今検討しておりますので、そこの点も踏まえて、一歩踏み込んだ対策を求められると思いますが、御所見をお伺いいたします。
〇高橋地域医療推進課長 今委員から御紹介がありましたように、がん患者を対象といたします介護サービスとか医療費助成制度については、40歳以上の患者さんには介護保険、それから20歳未満の患者さんについては小児慢性特定疾患による支援制度がございます。一方で、今御紹介があったように、20歳から40歳未満の患者さんに対する法令に基づいた支援制度がない状況になっておりまして、それが課題となっている状況でございます。
それらの世代に対する支援制度につきましては、今委員から御紹介いただいたように、神戸市とか横浜市という政令市を初めとした自治体で始まっているところでございますけれども、県といたしましては、このような先進的な取り組みの状況を調査いたしまして、県内の医療関係者等との意見交換を通じて、ニーズの把握に努めてまいりたいと思っております。
〇臼澤勉委員 ぜひ全国の事例等を調査研究していただいて、そこら辺の対策に取り組んでいただきたいと思います。
次に、緩和ケアの充実、推進についてお伺いします。
現計画において、がん看護専門看護師と認定看護師数を平成29年までに60名とする目標を立てて取り組んでいると認識しております。緩和ケア認定看護師について東北でも最多の37名が配置されていると伺っておりますが、達成の見通し、そして課題があれば今後どう取り組んでいくのかお伺いします。
〇高橋地域医療推進課長 がん関連の看護師数の状況でございますけれども、県では、これまで、岩手医科大学が実施いたします緩和ケア認定看護師の養成研修であるとか、認定看護師の教育課程を履修する際の授業料等の支援について行っておりまして、養成に取り組んできております。
直近の平成29年10月現在で、がん関連の専門看護師、認定看護師合わせて74名が養成されている状況でございまして、目標は達成されているということになっております。
県といたしましては、引き続き、緩和ケア認定看護師等の養成に努めることにしておりますし、また、緩和ケアにつきましては、がん診療にかかわる医師や看護師を初め薬剤師等、全ての医療従事者が緩和ケアの知識と技術を習得することが課題となっておりますので、引き続き、がん診療連携拠点病院が行う緩和ケア研修会の取り組みを支援しながら、県内の緩和ケアに関する幅広い人材の育成に取り組んでまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 私も先日、岩手医科大学の先生や患者会の皆様方ともいろいろ意見交換とかさせていただきました。先生のほうからも、患者からの相談内容が、最近は緩和以外にも、家族ケアだとか症状の精神的なサポートの相談とかが非常に伸びていると。一方で、看護師の方々の負担が大きくなってきて、なかなか資格を更新しない方とか、あるいは退職された方などもいるということでございます。目標は達成されているということで、まずそこは評価いたしますが、引き続き、そこら辺のサポートを関係機関と連携しながら取り組んでいただければと思います。よろしくお願いします。
次に、障がい者の就労支援についてお伺いいたします。
法定雇用率が30年4月から、2.0%から2.2%に引き上げられますけれども、障がい者雇用の実態と課題をどう捉えて、保健福祉部としてどう取り組むのかお伺いいたします。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 障がい者の法定雇用率につきましては、岩手労働局や商工労働観光部におきまして、事業者に対する周知であるとか理解の促進といったようなこと、また、障がい者の就職、職場定着に向けたセミナーを開催するといったことで、事業者の障がい者雇用の促進に取り組んでいるところでございます。
保健福祉部といたしましては、市町村による就労支援サービスの提供のほか、各圏域に障害者就業・生活支援センターを設置して支援しておりまして、障がい者側の就労を支援することにより、法定雇用率の達成に向けた取り組みを行っているところでございます。
こうした取り組みによりまして、岩手労働局が昨年12月に発表した調査結果によりますと、平成28年6月1日現在の県内民間企業による障がい者雇用率は2.07
%となっておりまして、前年比で0.08ポイント上昇、障者者雇用促進法に定める法定雇用率2.0%を上回るとともに、全国平均の1.92%を大きく上回っているような状況でございます。
今、委員から御指摘がございました平成30年、来年の4月から法定雇用率が2.0%から2.2%に引き上げられますが、今後、障がいに関する企業や事業所等の理解の促進と、障がい者の能力や特性に応じた就労支援体制の充実というものがますます重要になると考えておりまして、引き続き、労働、教育等の分野と連携しながら、障がい者の就労支援に取り組んでいく考えでございます。
〇佐々木朋和委員長 この際、進行に御協力を願うため、質疑、答弁は簡潔にお願いいたします。
〇臼澤勉委員 私は、障がい者の経済的自立に向けて工賃の引き上げの取り組みが非常に重要との認識を持っております。県でも、これまで、倍増の5カ年計画であったり、現在の工賃向上計画に基づいて取り組まれていると思いますが、現在の取り組みの状況をどのように評価されていて今後取り組む御予定なのかお伺いします。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 平成28年度の県内の就労継続支援B型事業所155カ所の平均工賃実績は、月額1万8、808円となっておりまして、前年比で95円増と近年は増加傾向にございますけれども、県の工賃向上計画で定める目標工賃1万9、500円には届かなかったところでございます。
その実績を分析してみますと、時間額単位の工賃は順調に増加しているものの、サービスを利用する障がい者の増加がございまして、それに伴って1人当たりの就労時間が減少したといったような状況で、月額単位の工賃の伸び悩みにつながっている状況が見られます。そうしたことから、事業所の売り上げを拡大することによって、全体の作業量を増加させ、1人当たりの就労時間を伸ばすことが必要だと考えているところでございます。
このため、県としては、引き続き商工部門、農林水産部門とも連携いたしまして就労機会の拡大を図るとともに、共同受注センターの周知や活用の促進、工賃向上支援セミナーの開催などにより、商品開発や販路開拓を支援し、事業所の売り上げ拡大を図り、工賃向上につなげてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 就労支援事業所が希望する支援策に挙げられているものの最も多いのが受注販路の拡大、あるいは官公需の関係が挙げられております。一方、社会福祉協議会のほうでは、共同受注センターがホームページ等で各製品をアップしながら取り組んでおりますけれども、共同受注センターの受注実績あるいは販路対策、周知対策を今後どう指導していくお考えなのかお伺いします。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 県社会福祉協議会がみずから設置しております共同受注センターは、平成27年度において、加入事業所が49カ所、受注実績である売り上げは2、350万円余となっております。平成28年度には、加入事業所が74カ所、売り上げは3、190万円余となっておりまして、順調に実績を伸ばしているところでございます。
先ほど委員からもお話がございましたが、共同受注センターでは、加入している障がい者施設で受注可能な商品、役務の紹介や販売を行うホームページを開設しているほか、センターの職員が、直接、企業や官公庁に売り込みに行くなど販路の拡大を図っておりまして、県におきましても、物品や役務を調達する際に共同受注センターを活用するよう周知するなど、協力をしております。
こうした取り組みによりまして、共同受注センターは順調に実績を伸ばしている状況にあるものと認識しております。県としては、その事業展開に対しましては、当面、必要に応じて助言をしていくといったことで考えておりまして、センターとも連携を図りながら、障がい者の就労支援や工賃向上にしっかり取り組んでまいります。
〇臼澤勉委員 これからラグビーワールドカップの開催とか多くの観光客の方々が県外から参りますので、官公需以外にも、あるいは民間企業の交通事業者とか、あるいは引き出物とか、そういった部分への販路の拡大対策、あるいは盛岡市が取り組んでいるようなブランド化、ああいったものを岩手全体としてもひとつデザインしながらコーディネートしていただければと思います。
最後に、療育センターについてお伺いします。
専門スタッフの確保対策の見通しと、それから課題として、療育センターに入所している児童の新施設への安全な移送、あるいはストレスの軽減対策が重要と思いますが、今後の対応の見通し、対応のお考えをお伺いして終わります。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 2点の御質問でございます。
まず、療育センターの専門スタッフの確保についてでございますけれども、今回新築に当たりまして診療科を3科増設する予定でございまして、その増設する診療科の医師につきましては、岩手医科大学に派遣を要請しておりまして、前向きに対応をいただいております。現在、診療回数や派遣の形態について検討、調整を進めているところでございます。
一方、看護師等につきましては、療育センター整備基本計画における職員配置計画上、療育センター全体で、現員も含めてですが、看護師55名、理学療法士等で11名を配置する計画としていたところでございまして、今般、理学療法士1名の採用が決まりまして、理学療法士等は必要人員を確保できる見通しとなったところでございます。
一方、看護師につきましては、なお7名の確保が必要な状況でございまして、引き続き看護協会への働きかけとか、あるいは指定管理者である事業団が運営する他の施設と共同での確保へ向けた取り組みを行うなど、予定人員の確保に努めていくこととしているところでございます。
次に、新施設への安全な移行についてでございますが、療育センターに入所している児童の新施設への移送につきましては、安全かつ迅速な移送経路や移送手順の検討を進めておりまして、1月5日の移送に向けて移送リハーサルを行うなど、入所児やその家族等に負担がかからないよう対応していくこととしております。また、移転後につきましても、入所環境の変化に最大限配慮いたしまして、入所児の状態が落ちつくまでの間、臨時的に補助員を配置いたしまして、入所児に対する見守り等の支援を強化することとしているところでございます。
〇佐々木朋和委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木朋和委員長 質疑がないようでありますので、保健福祉部関係の質疑をこれで終わります。
保健福祉部の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
次に、医療局長に医療局関係の説明を求めます。
〇大槻医療局長 認定第12号平成28年度岩手県立病院等事業会計決算につきまして御説明を申し上げます。
県立病院等事業の運営に当たりましては、地方公営企業法第3条に規定する経営の基本原則並びに県立病院等の設置の本旨、県議会での御審議を通じての御意見及び監査委員の御意見の趣旨を踏まえまして、まことに厳しい医療環境ではございますが、事業の効率的な運営と経営の健全性に配意しながら、公的医療機関としての使命である地域医療の確保と保健衛生の向上に努めてきたところでございます。
平成28年度におきましても、良質で効率的な医療供給体制と、これを支える安定した経営基盤の確立のため、平成25年12月に策定した経営計画のもとにさまざまな取り組みを展開してきたところでございます。
まず、沿岸の被災した3病院の再建につきましては、大槌病院は平成28年5月に、山田病院は平成28年9月に新病院を開設したほか、高田病院においては今年度中の開院に向け工事を進めているところでございます。
次に、医師確保につきましては、本県出身医師等の協力を得ながらの個別訪問や関係大学への要請などによる招聘に努めるとともに、奨学資金貸付制度の運用による医師の確保に努め、16名の奨学金養成医師を第1期生として県立病院に配置したところでございます。また、臨床研修医師の積極的な受け入れに取り組んだ結果、平成28年度は初期研修医が117名となり、後期研修医は57名を勤務医として迎えたところでございます。また、女性医師支援のための総合的な施策であります岩手JOYサポートプロジェクトの推進や電子カルテの導入拡大などによりまして、医師の勤務環境の改善に取り組み、県民医療に必要な医師の確保と定着に努めてきたところでございます。
次に、病院機能の明確化等につきましては、宮古病院が新たに地域医療支援病院として承認を受けるなど、中央病院や各圏域の基幹病院を中心に地域医療を支える体制づくりを進めるとともに、地域連携クリニカルパスの活用を推進するなど、他の医療機関を含めた医療機能の分担と連携の推進に努めてきたところでございます。
このほか、医療サービスの提供におきましては、より良質な医療を提供できる体制の整備を図るため、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等の医療技術職員の増員を行い、医療の質の向上に努めてきたところでございます。
また、これらの取り組みにあわせまして、退院支援にかかわる加算など新規、上位施設基準の取得等による診療単価のアップなど、収益の確保に努めてきたところでございます。
一方、費用面では、職員の適正配置、後発医薬品の使用拡大、物品管理システムデータを活用した診療材料の整理統一による廉価購入等により費用の抑制を図るなど、総合的な経営改善に努めてきたところでございます。
以上、事業の概要を申し上げましたが、先ほど申し上げましたとおり、被災病院の再建を初め地域医療の確保に取り組んでおりますが、医療提供体制の中核であります医師につきましては、絶対数の不足はもとより、地域偏在、診療科偏在があるなど、引き続き厳しい経営環境に置かれているところでございます。こうした状況のもとではございますが、今後におきましても、経営計画の目標の達成に向け、収益の確保や効率的な費用の執行など各種取り組みを進め、安定した経営基盤の確立を図りながら、県民に良質な医療を持続的に提供できるよう努めていきたいと考えております。
それでは、お手元の決算書に基づきましてその概要を御説明いたしますが、決算報告書は、予算に対する決算という性格上、消費税及び地方消費税相当額を含めた金額で作成するものであるのに対しまして、損益計算書及びその他の財務諸表は、消費税及び地方消費税相当額を除いた金額で作成することとされてございまして、金額に相違がございますので、あらかじめ御承知置き願います。
決算書の1ページをお開き願います。まず、決算報告書の収益的収入及び支出でございますが、収入の第1款病院事業収益は、予算額、合計欄でございますが、1、036億3、500万円余に対しまして、決算額は1、032億7、900万円余でございます。
次に、支出でございますが、第1款病院事業費用は、予算額、これも合計欄でございますが、1、047億4、700万円余に対しまして、決算額は1、041億900万円余でございます。
おめくりいただきまして、2ページに参りまして、資本的収入及び支出でございますが、収入の第1款資本的収入は、予算額、合計欄でございますが、165億7、200万円余に対しまして、決算額は160億5、300万円余で、その主なものといたしましては、第1項企業債64億4、100万円、第3項負担金65億4、000万円余、第4項補助金29億4、800万円余などでございます。
3ページに参りまして、支出の第1款資本的支出は、予算額、こちらも合計欄でございますが、242億9、300万円余に対しまして、決算額は231億9、200万円余、繰越額は4億5、600万円余で、決算額の主なものといたしましては、第1項建設改良費は91億3、400万円余で、山田病院新築工事、並びに磐井病院への超電導磁気共鳴画像診断装置、いわゆるMRIでございますが、この整備等に要した費用でございます。
第2項企業債償還金は126億7、800万円余で、施設の整備等のために借り入れた企業債の償還金でございます。
なお、資本的収入額が資本的支出額に不足する額76億2、000万円余につきましては、これは欄外に注記しておりますが、消費税及び地方消費税資本的収支調整額300万円余及び過年度分損益勘定留保資金74億5、000万円余で補填をして、残りの1億6、600万円は、当該年度許可済未発行企業債で措置するものでございます。
次に、損益計算書について御説明を申し上げます。
4ページをお開き願います。医業収益は878億9、800万円余で、その主なものといたしましては、入院収益555億7、600万円余と外来収益263億5、900万円余でございます。
次に、医業費用は970億2、000万円余で、その主なものといたしましては、給与費556億5、700万円余、薬品などの材料費が231億4、900万円余、光熱水費、賃借料及び委託料等の経費でございますが130億1、600万円余、減価償却費45億7、100万円余などでございます。
また、医業外収益は148億2、500万円余で、その主なものといたしましては、一般会計繰入金のうち、医業外収益として繰り入れました負担金交付金121億4、000万円余などでございます。
5ページに参りまして、医業外費用は58億8、100万円余で、その主なものといたしましては、支払い利息及び企業債取扱諸費20億7、600万円余、仕入れ控除できない消費税及び地方消費税28億9、100万円余を含む雑損失35億1、000万円余などでございます。
この結果、経常損益では1億7、800万円余の損失が生じたところでございます。
次に、特別利益3億7、200万円余は、旧花巻厚生病院跡地の売却でございます。
特別損失10億2、800万円余は、旧花巻厚生病院の解体工事費などでございます。
この結果、平成28年度岩手県立病院等事業会計の損益は8億3、400万円余の純損失が生じ、赤字決算となったものでございます。このことによりまして、当年度末累積欠損金は459億7、900万円余となるものでございます。
以上、決算報告書及び損益計算書について御説明を申し上げましたが、6ページ以降の剰余金計算書それから貸借対照表、その他の事項につきましては、説明を省略させていただきたいと存じます。
以上で医療局関係の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇佐々木朋和委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
おおむね再開後2時間が経過いたしておりますが、質疑を表明している委員があと2人となっていることから、質疑を続行したいと思いますので、御了承願います。
〇神崎浩之委員 私は医師確保対策1点のみであります。
県立病院における奨学金養成医師の配置状況についてでありますが、これは保健福祉部が所管しているわけでありますけれども、今は就職先がイコール県立病院となっておりますが、今後は自治体病院に流れる、それから行政に流れる等々、それからあとは猶予ということで、最悪の場合は返還して他の病院に行ってしまうということがあって、ぜひ医療局として、県立病院として、今後この奨学金養成医師を確保していただきたいということで、県立病院におけるという点で質問させていただきたいと思います。
最初に、平成28年度、平成29年度の県立病院の奨学金養成医師の配置ということで通告を出しておりましたが、午前中の説明で、奨学金養成医師は県立病院のほうに行っているという説明がありました。
そこでお聞きするわけなんですけれども、配置1期生が30人の対象に対して15人と、半分にとどまっている。それから第2期生は29人に対して減って10人、義務履行のほうが19人ということで多いわけです。実際は県立病院に配置していただきたいわけなんですが、今こういう数字になっているということで、まずは奨学金養成医師の制度の効果について、県立病院としてはどう考えているのかということ。
それから、実際の配置対象者に対して半分ぐらい減っているということについて、どういう御所見をお持ちなのかお聞きしたいと思います。
〇赤坂医師支援推進監 平成27年度末の県立病院勤務医師数と平成28年度末を比べますと、勤務医師は15名増加しているところであり、配置調整会議に基づいて奨学金養成医師が配置されたことが大きな要因になっていると認識しているところでございます。
しかしながら、初期臨床研修終了後に引き続き県立病院に勤務する医師数の推移について、新制度の奨学金養成医師が配置される前後で比較しますと、平成27年度24名であったものが、平成28年度は33名と増加したものの、平成29年度は再び24名になるなど、必ずしも増加傾向は示していないところではございます。
ただ、これにつきましては、初期臨床研修後直ちに後期研修として県立病院に勤務する方がいる一方で、診療科の専門性ですとかキャリアアップのために大学の医局に入局し、いわゆる医局人事で県立病院に配置される場合もございますので、奨学金養成医師の増加が直ちに県立病院の勤務医師数の増加につながりにくくなっているという現状はございますけれども、さきに申し上げましたとおり、大きな役割を果たしていただいていると認識しております。
〇神崎浩之委員 悩ましいところもあるわけですが、キャリアアップという考えもあるということであります。
59人が各診療科に行っている。実際は25人が配置されているということでありますが、25人の地域の偏在、診療科の偏在はないのかどうか。特に産科が足りないと言われておりますけれども、県立病院に入った方々の診療科の偏在と、あわせて、県立病院の平成30年度の配置状況の見通しについて、そういう動きがあれば教えていただきたいと思います。
〇赤坂医師支援推進監 二つの質問がございました。
まず初めに、地域別の配置状況のお話をさせていただきたいと思います。
平成29年度におきましては、釜石圏域を除く8圏域に配置されたところでございます。
また、診療科の状況ですけれども、専攻の希望について、猶予中の者を含む59人について見ますと、消化器内科が9名、循環器内科が8名、呼吸器内科、神経内科、小児科、泌尿器科、整形外科それぞれ4名など、23の診療科にわたっているところでございます。
それから、産科、小児科についてのお話でございますけれども、周産期医療を担う医師確保の取り組みにつきましては、産婦人科等を専攻した奨学金養成医師について、中小規模の地域病院に勤務しなければならない期間について、県として、その専門性とスキルを十分に発揮してもらえるような配置の特例を設けることを検討中であると午前中にも保健福祉部から説明があったところでございまして、今後、これを、県、国民健康保険団体連合会、医療局、岩手医科大学で組織する配置調整会議の場において具体的な対応を協議することとしておりますので、ここの場において意見を述べてまいりたいと思います。
また、産科、小児科につきましては女性医師の比率が高くなっておりまして、医療局としましては、そういう医師に対して、仕事と家庭の両立のためにさまざまな制度を設けて支援に努めてきているところでございます。
次の平成30年度の配置状況の見通しについてということですけれども、来年度の配置につきましては、先ほど申し上げました4者を構成員とする岩手県奨学金養成医師配置調整会議において、今後調整が行われる予定となっているところでございます。
医療局といたしましては、来年度から開始される新たな専門医制度を機に、奨学金養成医師が県立病院に勤務しながら専攻医としてキャリアアップができるように、県立病院が連携して研修プログラムを策定したところでございまして、これにより、県立病院への勤務を促していきたいと考えております。
〇神崎浩之委員 59人の中に産婦人科医が1名いるということでありますが、これは義務履行猶予中の方も含めということなので、実際、25人のほうには産科はいないということであります。
県政の課題として、周産期ということで胆江地区、県北地区とよく議会の中でも話題になっているわけなんですが、実際に各県立病院から医師や奨学金養成医師の派遣の依頼、ニーズ、希望というものはどういうルートでこの関係に結びついていくのか。奨学金養成医師配置調整会議というものがあるわけですけれども、そこに、例えば各県立病院のニーズが病院長を通して行くとか、医療局でまとめて行くとか、具体的に各病院、現場での要望というのは、派遣調整の中でどう上がっていくのか、これについてお伺いしたいと思います。
〇赤坂医師支援推進監 各県立病院からの医師や奨学金養成医師の派遣や配置へのニーズがどのようなルートで要望されていくかということについてでございます。
医師の派遣要請につきましては、医療局が各県立病院から診療科ごとの派遣要請医師数を取りまとめまして、医師全体の必要数について、県から事業委託されている岩手医科大学地域医療支援委員会に対して派遣要請を行っているところでございます。
奨学金養成医師の配置につきましては、来年度から基幹病院に2年勤務後の地域病院配置が始まることから、奨学金養成医師のキャリア形成にも十分配意しながら、円滑な地域病院勤務が図られるように医療局としても配置調整会議の場で意見を述べていくこととしております。
医療局といたしましては、新専門医制度の開始を機に、先ほども申し上げましたが、奨学金養成医師が県立病院に勤務しながら専攻医としてキャリアアップができますように、県立病院が連携して研修プログラムを策定したところであり、これにより、県立病院の勤務を促していきたいと考えてございます。
〇神崎浩之委員 実際の現場からはなかなか遠いような話も聞いておりますけれども、最後に、医療局長からは、次の課題とあわせて所感を伺うわけであります。
次に、県立病院の医師の定着支援の取り組みについてお伺いしたいと思います。
〇赤坂医師支援推進監 県立病院におけます医師の定着支援の取り組みについてでございます。
これまで、医師の定着支援プロジェクトチームを設置するなど、岩手県立病院で勤務する医師の声を伺いながら、処遇改善や勤務環境の改善、医療クラークの充実ですとか助産師外来や院内助産システムの拡大等による医師の業務負担の軽減、招聘した医師に対しましてはフォローアップ面談、女性医師に対しましての支援策等、定着支援の強化を図ってまいったところでございます。
処遇改善におきまして、一番新しいところでは、本年4月から診療時間外における緊急の手術等に対して手当を支給する時間外手術等加算額を創設したところでございます。
勤務環境の改善といたしましては、特に子育て中の女性医師につきまして、仕事と育児の両立を支援する育児短時間勤務制度の拡充等に努めながら、より多くの医師が県立病院で活躍し続けられるよう取り組んできているところでございまして、こうした取り組みを通じまして、県立病院の全ての勤務医にとって働きやすい職場づくりにつなげて、医師の定着につなげてまいりたいと考えております。
〇神崎浩之委員 医療クラークも大分ふえているということは調べさせていただきました。
次に、県立病院における女性医師の現状と課題ということでありますが、資料を調べますと、女性勤務医はここ10年で大きくふえています。平成19年は36人だったものが今は81人ということで、7.4%から14.7%と倍にふえているし、トータルの中でも多いと思っております。
こういうことを踏まえて、女性医師の効果と言うのは大変失礼なんですけれども、役割、現状、また課題についてお伺いしたいと思います。
〇赤坂医師支援推進監 女性医師についてでございます。今、委員のほうから年度末の数字の御説明もございましたけれども、まず、直近の平成29年8月1日現在の状況をお知らせしたいと思います。
女性医師である正規職員数は、全医師数568名の中で78名となっております。全体に占める割合としましては13.7%となっておりまして、これは、委員もおっしゃっておりますとおり、今後もさらに増加することが見込まれているところでございます。
課題についてでありますけれども、女性医師につきましては、結婚、出産、育児といったライフイベントがございます。それを契機に離職を余儀なくされる場面も見受けられます。在家庭となった後は所在の把握が困難になるために、復職に向けた支援の手を差し伸べにくい状況になりますことから、女性医師がライフステージに応じてキャリア形成を図りつつ、引き続き県立病院で勤務していただけるように、仕事と育児の両立のための支援ですとか、一時的に病院現場を離れた女性医師の県立病院での再就業の機会の創出が課題になっていると認識しております。
〇神崎浩之委員 せっかくふえた数字を言ったんですが、3名減っているということで、それでは、この3名は満了で退職なされたのか、その前になされたのか、わかれば教えていただきたいですし、あわせて、県立病院における女性医師への支援策についてお伺いしたいと思います。
〇赤坂医師支援推進監 3名の内訳につきましては、その事情については今この場でお答えしかねますので、御勘弁のほどお願いしたいと思います。
女性医師の支援についてでございますけれども、これまで、特に結婚、出産、育児といったライフイベントを経験する時期に当たっている若手の女性医師に対しまして、仕事と育児の両立のためのさまざまな制度を設けて支援に努めてきたところでございます。
育児のための休業や勤務時間等につきましては、法令の規定の範囲にとどまらず、医療局独自の取り組みとしてさらに充実を図りまして、医師についてのみ、部分休業や育児短時間制度の取得対象を小学3年生まで拡大しているところでございます。
保育サービスにつきましても、広域基幹病院の従業員で院内24時間保育及び病後児保育を実施していますほか、小学校入学後の学童保育制度を導入するなど、きめ細かな支援に努めてまいります。
このほかにも、院内保育所以外の幼稚園等に就園を希望する者に対して送迎サービスを提供する幼児等保育送迎サポート事業を導入いたしましたし、育児休業中の医師に係る専門スキル維持の支援といたしまして、所属学会開催に係る参加費の補助とか、教育講座eラーニング等で在宅受講なさるときの経費への支援金交付事業を導入してきたところでございます。
ハード面につきましては、女性医師に配慮した職場環境づくりに努めてまいってきておりまして、女性専用休憩室の整備などについてもこれまで取り組んできたところでございます。
〇神崎浩之委員 最後に、まとめて医療局長から所感を求めていきたいと思います。
まず一つは、県立病院として、奨学金養成医師の半数が実際についていないということに対して、どうアプローチなさっていくのかということ。
それから、県立病院の女性医師への支援ということであります。実際に女医サポートガイドブックを見せていただきまして、何人かの女性医師が活躍していると。結婚、出産を踏まえてということで、何人かの方々の紹介がありました。現場の声を聞いていただいて制度をつくっていったという話もされております。
実は、これを見ると、一つは、結婚、出産、育児という中で、それでもやはり自分たちの知識、技術、経験を生かしていきたい、キャリアアップしていきたいという強い思いがあるということ、それを支援していただきたいと。
もう一つは、診療科によって結婚、出産、育児ができやすい科もあるし、なかなか難しい科もある。長引く手術をする外科とか、そういう方は、皆さんがつくり上げた制度ではなかなか対応できないような─短時間勤務ができる診療科ならいいですけれども、そうではない科もあるということを、この方たちを見て感じました。
さまざまな勤務体制の両立支援制度があり、選択できるということもありますが、選択できても、あとは変えられないということもあって、フレキシブルな対応をしていかないと、なかなか難しいのかなと。Aパターン、Bパターン、Cパターン、Dパターンというものはあるんですけれども、フレキシブルにやっていかないと、子育てでありますから、そういうことをこれを見ながら感じたところであります。そういうことも今後は対応していただきたいということが二つ目であります。
最後に、三つ目なんですけれども、病院長方が、今、労働基準監督署が厳しくて大変だと言われておりました。私たちだって休みたいんですよと。だけれど、休んだら県民の皆様が困るでしょうということで、この前、院長方は労働基準監督署が厳しくて困った、これをどうしていくかと。全国的なこともあるんですけれども、それらの三つについて局長から所感を求めて、終わりたいと思います。
〇大槻医療局長 3点ほどお話を伺いました。
若干まとめてお答えさせていただきたいと思いますが、まず、養成医師の関係でございます。
養成医師につきましては、先ほど、養成医師に対する現場からの要望をどこの機関にかけて、どこから判断するのかという話は、医師支援推進監が答弁したとおりのルートではありますが、これに加えまして、各病院の院長の方々は、独自に各教室を回って病院の窮状をいろいろ訴えているというところもございます。
そういった話はこれまでもやってきているんですが、養成医師が思ったようにふえなかった原因の一つが、私は、新しい専門医制度のスタートの際に、指導医の数の関係などがありまして、大病院あるいは大学病院が有利なのではないかというような憶測が流れたことが大きかったのではないかと思っています。
実際に平成30年度に向けて、私どものほうからのいろいろな要望なども含めましてかなりハードルが下がって、各地域病院でもちゃんと専門医の資格が取れますよという格好になっておりますので、これに合わせた格好で私どものほうで18ほどのプログラムをつくったところでございます。できましたならば、これはそれぞれの医師の方々の進路の話でございますので、例えば奨学金で縛っているからどうのこうのと言うのもはばかられるところでございます。私どもの県立病院にいながらちゃんと専門医が取れますということを事前に皆さんにお伝えして、そうすると、義務履行年限も終わりますので、そういった有利な部分がありますよということを伝えて、私どものほうにとどまっていただくことを進めていきたいと思っております。
それから、女性医師の支援の関係ですが、そもそも医師というのは資格職でございますので、資格があればきちっとした仕事につけるということで、今に始まった話ではなくて、女性がどんどんふえてきている職場だと思っています。なので、女性医師の支援をすることが、言ってみれば、県立病院の医師の確保に大きくつながってくるものだと私自身も認識しておりまして、特に委員からお話のございました産科、小児科系については女性医師の比率も高い分野でございます。女性医師の支援が、産科、小児科が少ないというところにもつながっていく話だと考えておりますので、ここは一生懸命やらせていただきたいと思っております。
それから、委員がおっしゃいました診療科によっては長い手術があってという部分もございまして、これは職場の理解が必要なのだろうと思っております。外来中心に回っていただくとか、そういう分け方をして職場の中でやっていく必要があるのかと考えております。
最後に、労働基準監督署の話でございますが、これは、私どものところだけではなくて全国的に、特に都市部ではなく地方の都道府県、市町村でいろいろ課題になっております。これをそのとおりやったならば、それこそ今の医師数ではとてもやっていけないという声が、全国自治体病院協議会の場でもいろいろと話が出ているところでございますけれども、医師には応招義務というものがございまして、患者を診なければならないということがあるものですから、そういう話になっておりますが、私どものほうでできることといえば何だろうということで考えて、仕事のやり方を変えていく必要があるのだろうと考えております。
医師の方々は非常に勉強熱心なものですから、検討委員会等々で非常に多忙な中でやっておりますけれども、そういった部分の簡略化をするとか、患者と向き合う時間を除いたいろいろな事務仕事の部分を軽減していくということがまず必要なのだろうと思っておりまして、このやり方につきましては、働き方改革の中でも、医師については5年の猶予がございましたものですから、この間に私どものほうでも一生懸命考えさせていただきまして、なかなか大変な中ではございますが、医師もきちっとしたワーク・ライフ・バランスがとれた生活ができるような方向で何とかもっていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 できるだけ簡潔にやります。
地域医療構想と県立病院の位置づけ、役割はどうなっていますか。
〇小原経営管理課総括課長 地域医療構想と県立病院の位置づけ、役割についてでございますが、まず、岩手県地域医療構想におきましては、公的病院の役割といたしまして、公立病院を初めとする公的病院が、広い県土の中で医療提供体制の確保に大きな役割を果たしていることとしているところでございます。
医療局といたしましては、地域医療構想の構想区域ごとに設置しております地域医療構想調整会議に各県立病院長が参画しておりますので、その中で、区域内の他の病院の病院長とか、市町村や社会福祉関係者などから意見を伺っているところでございまして、地域の目指すべき医療提供体制について十分に理解し、地域医療構想に対応していきたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 次に、医師確保の状況と対策についてお聞きします。
経営計画に基づいて医師の確保の状況はどうなっているか。奨学金養成医師の配置状況については、59人中25人の配置となっていますが、猶予されている方々は2年、3年の猶予なのかどうか、そこを示してください。
そして、一番心配していた専門医制度については、県立病院の連携で対応するということで、私は大変よかったと思っていますが、指導医の医師を含めて、これは新たな医師の負担の増加になるのではないかということも含めて、どういう対応をされるか示していただきたい。
〇赤坂医師支援推進監 3点のお尋ねでございます。
まず、医師確保の状況についてであります。
県立病院等の経営計画では、各年度末時点での医師数を計画数としておりまして、平成26年度から平成30年度までの5カ年で109名の増員を計画したところであります。これまでの計画に対する実績につきましては、平成26年度からの3カ年で75名の増員を計画していたところ、平成28年度末時点では当初の現員数と同数でございまして、増員に至っていないことから、大変厳しい状況になっているところでございます。
次に、奨学金養成医師の猶予についてのお話でございました。猶予期間につきましては6年の猶予が認められておりまして、その間に、中断しながら大学院とか専門のほうに進まれたりしながら、県立病院で義務を果たしていただくような仕組みになっております。
最後の新専門医制度の関係でございますけれども、先ほど局長が御説明申し上げましたとおり、当初の新専門医制度の開始に向けまして、日本専門医機構が各方面からの要望等を受けて制度実施を1年延期いたしました。その中で、先ほど申し上げましたとおり、大学病院以外の医療機関も基幹病院として認定されるように基準が緩和されたところでございまして、県立病院としても専攻医の養成が行えるようになったことから、診療領域ごとに県立病院が連携して研修プログラムを策定したところであります。
それから、負担の増加がないかということにつきましては、このプログラムによって県立病院に臨床研修医等を確保できれば、それぞれの医師の負担は減っていくものと思っておるところでございます。
〇斉藤信委員 答弁になってないけれども、この際、次に進みます。
看護師の確保についても経営計画に対する確保の状況を示してください。
9日夜勤の実態、年休取得の状況はどうか。これは改善をどう図るのか。普通退職の状況とその年代、新採用の定員と応募者数、合格者数について示してください。
〇三田地職員課総括課長 最初に、看護職員の確保の状況についてでございますが、現在の経営計画の中の職員配置計画におきましては、初年度の平成26年度から平成29年度までに常勤の看護職員の定数を128人増員する計画としておりますが、これまでの実績では、計画を10人上回る138人を確保したところでございます。
続きまして、看護職員の夜勤、年次有給休暇の状況についてでございますが、月8回を超える夜勤に従事した看護職員の数は、平成28年度においては12病院で延べ782人となっておりまして、平成27年度と比較して1病院、延べ213人増加しているところでございます。
また、平成29年度第1・四半期の4月から6月までの実績では、11病院で延べ420人となっておりまして、平成28年度の同時期に比較しまして140人増加しているところでございます。
次に、看護職員の平成28年の年次有給休暇の1人当たりの平均取得日数につきましては7.9日となっておりまして、平成27年に比較いたしまして0.1日増加しているところでございます。
続きまして、看護職員の普通退職の状況でございますが、平成28年度の普通退職者は93名となっておりまして、年代別では20代が33名、30代が31名、40代以上が29名となっております。
また、平成29年度の看護職員の採用試験の状況についてでございますが、5月に実施した職員採用選考試験特別募集におきましては、27名の採用予定に対して16名が応募、最終的には11名を採用したところです。7月に実施いたしました通常試験におきましては、168名の採用予定人員に対しまして、164名の応募、最終的に124名に採用内定を行ったところでございます。
これらに対する対策というところでございますが、看護職員の体制確保に向けましては、これまでも産前産後休暇、育児休業などの職員の補充を充実させることを進めてきておりますし、引き続き、病棟数、夜勤体制などの適正化も進めるとともに、職員のライフスタイルにお応えする多様な勤務形態の実施を初めとする勤務環境の改善対策を推進することによりまして、在職者の離職防止、新規採用職員の確保を推進しまして、さらには県立病院間でのスケールメリットを生かした相互の応援も行うことで、総合的に必要な体制の確保に努めていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 今の答弁で、経営計画の計画を上回る増員はしているんだけれども、それでも9日夜勤が昨年度は782人、前年度と比べて213人もふえたと。ことしの第1・四半期も420人で、前年度と比べて既に140人を超えていると。夜勤8日以内というのは、今までの看護師の歴史的な戦いの到達点なんです。それが、今、崩されているということは、私は本当に大変な事態だと思います。これは、本当になくさなければならない。そのための手だてをしっかり考えていただきたい。
そして、看護師の一番切実な要望は何かというと、年次休暇をとりたいということです。今、平均で7.9日というのがありましたけれども、中央病院の場合は6.4日、磐井病院は6.3日、胆沢病院は6.9日。1年間で6日ぐらいしかとれてないんです。3交代勤務しながらですよ。年休が自由にとれて、子供たちの運動会とかいろいろな行事に参加できるような改善を図っていかないと、これから看護師を確保できない。
今、平成29年度の採用試験の状況の話がありましたけれども、例えば昨年の通常試験は採用予定181人に対して169人の応募で、122人の採用です。67%しか採用できなかったんです。これは本当に深刻で、その結果どういうことになっているかというと、普通退職というのは定年前にやめる方々で、20代、30代は年間64人やめて、これは68.8%です。悪循環なんです。何ぼ採用しても、若いこれからの看護師がやめていったら、本当に県立病院は維持できない。
これは最後だから、局長に聞いて終わります。
看護師の確保に、現状打開に思い切った手だてをとっていただきたい。
そして、消費税の10%増税が言われているけれども、これは答えを言っておきましょう。昨年度で4億7、357万円の自腹です。総額178億円、県立病院が自腹を切っているんです。こんなときに消費税10%増税になったら、県立病院が本当に大変な被害を受けるのではないか、局長に聞いて、終わります。
〇大槻医療局長 消費税の関係につきましては私どもも頭を痛めておりまして、その中で、県からもそれに対応した繰り入れもいただいているところではございますが、そうは言いましても、こういう経営状態の中でなかなか大変だと思っております。
看護師の関係につきましては、全国的に看護師はかなり足りないという状況にはなっておりますが、私どもとしても、いわゆる仕事を覚えたベテランの看護師がやめていくというのは非常に痛手だと考えておりますし、それが口づてに広まって、県立病院はなかなか大変だから行きたくないというような話になっても、これはまた募集人員に関係してくる話でございますので、それは悪循環になっていくというのは、委員のおっしゃるとおりだと思っております。
看護師の生活、特に女性の多い職場なものですから、まさに働き方改革といいますか、ライフスタイルというか、そういったものに合わせたような格好での形を考えていかなければならないと思っております。
いわゆる8回以上の夜勤の話もございますが、仕事柄、緊急の患者に対応する場合に、どうしてもそういったことが出てくることもあろうかと思いますが、それが常態化しているということは問題だと思っております。
そういった中で、例えば看護師の方々から話を聞きますと、救急指定病院以外のところでは、逆に3交代だけではなく2交代のほうがやりやすいとおっしゃる看護師もいらっしゃいます。そういったいろいろなケースがありますので、それぞれの職員のライフスタイルというものをよく考えて、お話を聞いて、いずれ、夜勤の回数が多いというのは健康によくないので、そういった部分というものの改善を図っていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木朋和委員長 質疑がないようでありますので、医療局関係の質疑をこれで終わります。
医療局の皆さんは大変お疲れさまでした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後6時6分 散 会

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