平成28年9月定例会 第6回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(小野寺好君) 公明党小野寺好です。
議案第1号平成28年度一般会計補正予算(第2号)について、これは、国庫支出金や県債その他で1、122億円余を追加し、主に8月30日に本県に上陸した台風第10号による甚大な被害への対応として700億円余を措置しようとするものですが、その内容を理解するため、7点お伺いいたします。
1、災害救助費ですが、応急仮設住宅の供与については、東日本大震災津波のとき、1、000億円用意されていながら欠陥だらけのものになってしまったという苦い経験がありますが、この経験がどのように生かされているのか伺います。追いだき機能のないお風呂、風除室、靴脱ぎ場、物干し場、物置、簡易舗装されていない通路、凍結しやすい水道、床下防風対策等、いかがでしょうか。
2、東日本大震災津波のとき、国内からの募金とは全く別に、海外の赤十字社から善意で被災家族に家電6点セットが提供されました。しかし、その後の各地の土砂災害やことしの熊本地震では、そのようなことは全くありませんでした。台風第10号による県内被災者は、東日本大震災津波のとき家電供与のことがあり、今回の応急仮設住宅へも家電品を期待していると聞いております。災害救助費では対応できないとのことで、県の協力で県社協がそのための募金を始めましたが、見通しはいかがでしょうか。
3、発災直後の水や食料、その他の緊急必需品の供与ですが、岩泉町についていえば、町役場からの道路が破壊されているため、ヘリで空中から投下せざるを得ない地域もありましたが、このような場合は、町役場中心に考えるのではなく、隣接自治体から輸送してもらうことはできないのでしょうか。
4、この災害で大勢の方が勤務先を失いましたが、今後の雇用見通しはいかがでしょうか。東日本大震災津波のときは、平成20年に麻生内閣が始めた緊急雇用創出事業で対応することができました。また、熊本地震の被災者に対しては、被災から300日間は休業手当などの8割が支給されると聞いておりますが、このたびの被災者の皆さんについてはどうでしょうか。事業主の負担はいかがでしょうか。
とりあえず地元を離れて働いた場合、そのまま戻ってこなくなることを心配しますが、2カ月経過し、どのような仕事をしているか、展望はどうか伺います。
5、具体例ですが、強い農業づくり交付金で岩泉町の乳製品加工施設の復旧を目指していますが、再開は来年の8月ではないかと報道されています。その間の離職と従業員の給与を心配しますが、見通しはいかがでしょうか。
6、被災者生活再建支援法による支援ですが、全壊と判定されなくても実際には解体して再建するしかない場合、解体費用と新築費用について、同法の適用、または行政による支援はどうなるのでしょうか。
最後7番、地域なりわい再生緊急対策交付金の具体的内容を伺います。
個人あるいは家族で商店を経営している場合、店舗あるいは店舗兼居宅に火災保険を掛けることはあっても、水害の保険は余り想定しないのではないかと思われます。保険による備えをせずに水害に見舞われた小規模商店が広範に及び、その廃業が懸念されますが、商店街の衰退防止対策を含め、支援策の内容を伺います。
〇県土整備部長(及川隆君) 応急仮設住宅についてでありますが、風呂の追いだきや風除室などの工事は、東日本大震災津波の際には、大量に住宅を供給する必要があり、一旦基本的な応急仮設住宅を整備した上で、後日、改修工事を実施して対応いたしました。一方、ことし8月の台風第10号の被害対応では、これらの経験を踏まえ、御指摘のありました設備については当初から十分考慮して整備を進めていきます。
〇政策地域部長(大平尚君) 応急仮設住宅への家電提供のための募金の見通しについてでありますが、応急仮設住宅への家電提供、いわゆる白物家電6点セットにつきましては、岩手県社会福祉協議会が窓口となって、民間企業等からの支援金を中心に家電セットの支給を行うこととしたところであります。岩手県社会福祉協議会によれば、現時点で所要額4、200万円程度に対し、現在、約1、800万円、4割程度が集まっていると伺っているところであります。県も協力しながら民間企業等に対し支援金の募集について広く呼びかけを行っており、現在、複数の企業から問い合わせをいただいていることから、最終的に入居者全員に供給できるよう継続して取り組んでまいります。
〇総務部長(風早正毅君) 岩泉町における物資の供給についてでありますが、台風第10号による河川氾濫や土砂崩れ等により、国道455号を初め、岩泉町と他の地域とを結ぶ幹線道路や岩泉町内の道路が多くの箇所で寸断されました。こうした中、県は、町からの要請に基づきまして、食料、生活必需品等の物資を町の物資集積拠点である町民会館を初め、小川支所、小本津波防災センターなどへ陸路で輸送したほか、県や自衛隊、緊急消防援助隊のヘリコプターにより、孤立した住民に救援物資を届けたところでございます。
また、岩泉町と隣接する市町村からも、岩泉町の小川支所や小本支所、避難所になった田野畑村アズビィホールなどに食料や生活必需品などが提供されたと聞いてございます。
〇商工労働観光部長(菊池哲君) まず、今後の雇用見通しについてでありますが、岩手労働局に確認したところ、被災以降、直近の雇用保険の資格喪失件数、すなわち離職者の状況ですが、岩泉町を含んだ宮古管内では202人、久慈管内では157人となっておりますが、台風被害の影響がどの程度のものとなっているかについては分析されていないとのことであります。
なお、参考までに、昨年の同時期の状況について見ますと、宮古管内では210人、久慈管内では165人となっているとのことでございます。
また、同局によりますと、台風第10号被害に関する相談件数は10月末までに594件ありまして、その主な相談内容は、雇用調整助成金に関することが345件で最も多く、次いで雇用保険に関することが85件となっているところでございます。
このようなことから、県といたしましては、国に対し、被災事業所の雇用を維持するため、雇用調整助成金の拡充などについて支援を要望してきたところでありまして、その結果、売り上げへの影響状況など事業活動を示す指標確認期間を直近3カ月から1カ月に短縮する支給要件の緩和や、休業等実施計画届の提出期間について遡及適用期間を設けるなどの特例措置が講じられまして、これまで岩手労働局において各地で説明会を実施してきた結果、現時点で計画届を提出した事業所は10社あると聞いております。
なお、その他の点で熊本県のような措置は講じられていない状況にございます。
被災事業所においては、復旧作業に従業員を当たらせることにより早期に事業再開を果たしたところもありますが、被害の大きかった事業所の中には相当期間休業せざるを得ないところもあることから、今後も雇用調整助成金の活用に向けた相談等が予想されるところでございます。こうしたことから、助成率の引き上げ、支給日数の延長など支援策の拡充について引き続き国に要望するとともに、岩手労働局と連携しながら、被災した事業者、労働者の支援に取り組んでまいります。
次に、地域なりわい再生緊急対策交付金の内容についてでございますが、激甚災害指定を受けた宮古市、久慈市、岩泉町においては、中心商店街の小規模事業者等が多数被害を受けるなど、台風災害における地域経済の影響が大きく、被災事業所等の早期復旧を図ることが必要となっております。今回提案した交付金では、商店街の広範な浸水被害による商店の什器、備品等も含む100万円未満の比較的少額の復旧経費や、商店街の共同施設等の復旧、整備、共同売り出し等の販売促進活動に要する経費なども対象とするとともに、交付決定前に実施した復旧工事等の費用についても遡及適用することとしておりまして、被害の実態に応じ、市町の判断と裁量により柔軟な対応ができるよう交付金の形態としているものでございます。
また、被災した商店等の事業者が設備資金及び運転資金を円滑に確保できるよう、一般的な制度資金に比べて貸付利率を低利に設定し、信用保証料については県が全額補給する中小企業災害復旧資金の取り扱いを開始し、今後の所要額の増を見込んだ補正予算案を本定例会に提案しております。
さらに、商店等小規模事業者の今後の事業展開や経営面に関する相談、指導を強化するため、商工会議所、商工会の人員配置等に要する経費の補助についても提案させていただいているところでございます。
県といたしましては、市町及び商工団体と連携しこれらの取り組みを進め、個々の事業者や商店街の復旧、事業再開を支援してまいります。
〇農林水産部長(紺野由夫君) 岩泉町の乳製品加工施設における従業員の雇用見通しについてでありますが、岩泉町の乳製品加工施設は被災により全面休止状態になっておりますが、現在、53名の従業員全員を雇用し続けておりまして、今後、雇用調整助成金を活用するなどして、施設の再稼動までの期間においても全員の雇用を継続すると伺っております。
〇保健福祉部長(佐々木信君) 被災者生活再建支援法による支援についてでありますが、今般の台風第10号による災害では、本県全域に被災者生活再建支援法が適用され、全壊及び大規模半壊の住家被害を受けた世帯に対し、同法に基づき支援金が支給されます。同法においては、半壊と判定された世帯であっても、当該住宅の倒壊等による危険を防止するため必要であるなどの理由によりやむを得ず解体した世帯に対しては全壊と同様に基礎支援金100万円が支給されるほか、住宅の再建方法に応じた加算支援金が支給されることとなっており、例えば、新たに住宅を建設、購入した場合、合わせて最大300万円が支給されます。
〇議長(田村誠君) これをもって質疑を終結いたします。
次に、お諮りいたします。認定第1号から認定第15号まで、議案第28号及び議案第29号、以上17件については、47人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(田村誠君) 御異議なしと認めます。よって、認定第1号から認定第15号まで、議案第28号及び議案第29号、以上17件については、47人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決定いたしました。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第6回県議会定例会 平成28年11月8日)
決算特別委員会
1 認定第1号
2 認定第2号
3 認定第3号
4 認定第4号
5 認定第5号
6 認定第6号
7 認定第7号
8 認定第8号
9 認定第9号
10 認定第10号
11 認定第11号
12 認定第12号
13 認定第13号
14 認定第14号
15 認定第15号
16 議案第28号
17 議案第29号
〇議長(田村誠君) お諮りいたします。ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、議長を除く全議員を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(田村誠君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしましたとおり、議長を除く全議員を決算特別委員に選任することに決定いたしました。
決算特別委員会は、委員長互選のため、11月14日午前10時に特別委員会室にこれを招集いたします。改めて招集通知を差し上げませんので、御了承願います。
次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第27号まで、及び議案第31号から議案第37号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第6回県議会定例会 平成28年11月8日)
 総務委員会
1 議案第1号
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
    歳出 第2款
       第3款第5項中復興局関係
       第9款
       第11款第1項第1目
       第14款
   第3条
2 議案第16号
3 議案第17号
4 議案第22号
環境福祉委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款第1項
          第3項
          第4項
          第5項中保健福祉部関係
       第4款
       第11款第2項
   第2条第2表中
    1追加中 1〜2
2 議案第2号
3 議案第14号
4 議案第15号
商工文教委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第5款
       第7款
       第10款
       第11款第1項
第2目中商工労働観光部関係
          第6項
   第2条第2表中
    1追加中 3〜4
2 議案第6号
3 議案第26号
4 議案第27号
農林水産委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款
       第11款第1項第2目中農林水産部関係
          第3項
   第2条第2表中
    1追加中 5
    2変更中 1〜7
2 議案第3号
3 議案第4号
4 議案第5号
5 議案第8号
6 議案第9号
7 議案第10号
8 議案第11号
9 議案第21号
10 議案第25号
11 議案第36号
12 議案第37号
県土整備委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第8款
       第11款第5項
   第2条第2表中
    1追加中 6〜12
    2変更中 8〜19
2 議案第7号
3 議案第12号
4 議案第13号
5 議案第18号
6 議案第19号
7 議案第20号
8 議案第23号
9 議案第24号
10 議案第31号
11 議案第32号
12 議案第33号
13 議案第34号
14 議案第35号
〇議長(田村誠君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後6時12分 散 会

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