平成28年2月定例会 予算特別委員会会議録

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予算特別委員会会議記録
(第 5 号)
平成28年3月14日(月)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 菊 池   満
主任主査 中 村 佳 和
主任主査 藤 澤 壮 仁
主査 柳 原   悟
主査 田 内 慎 也
主査 菊 地 友 和
主査 菊 池   智
1説明員
保健福祉部長 佐々木   信
副部長兼
保健福祉企画室長 細 川 倫 史
副部長兼
医療政策室長 野 原   勝
医務担当技監 菅 原   智
参事兼長寿社会課
総括課長 中 居 哲 弥
保健福祉企画室
企画課長 小 川   修
保健福祉企画室
管理課長 菊 池 優 幸
健康国保課
総括課長 五日市   治
地域福祉課
総括課長 藤 原 寿 之
障がい保健福祉課
総括課長 伊 藤 信 一
子ども子育て
支援課総括課長 南   敏 幸
子ども子育て
支援課特命参事 朽 木 正 彦
医務課長 葛 尾 淳 哉
地域医療推進課長 高 橋 幸 代

医療局長 八重樫 幸 治
次長 金 田   学
経営管理課
総括課長 小 原   勝
職員課総括課長 小笠原 一 行
業務支援課
総括課長 三田地 好 文
薬事指導監 本 庄 伸 輔
看護指導監 高 橋 明 美

医師支援推進室長 佐 野   淳
医師支援推進監 佐々木 勝 広

財政課総括課長 熊 谷 泰 樹
〇高橋但馬委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
議案第7号から議案第25号まで、議案第27号、議案第40号から議案第50号まで、議案第54号、議案第60号、議案第61号、議案第63号、議案第64号及び議案第138号の以上37件を一括議題といたします。
本日は、保健福祉部及び医療局関係について、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
最初に、保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。
〇佐々木保健福祉部長 平成28年度保健福祉部関係の当初予算及び予算関連議案について御説明申し上げます。
最初に、平成28年度予算編成に当たっての当部の基本的な考え方でありますが、岩手県東日本大震災津波復興計画の本格復興完遂に向けた取り組みを進めるとともに、いわて県民計画に掲げる希望郷いわての実現に向けた施策を着実に推進する予算として編成したところです。
まず、復興計画の取り組みの推進につきまして、被災者の生活の安定と住環境の再建等への支援については、国民健康保険等における一部負担金及び利用料の免除に対する支援などに引き続き取り組んでまいります。
災害に強く、質の高い保健・医療・福祉提供体制の整備については、医療施設や社会福祉施設等の機能回復や移転、新築への補助、医療従事者や介護人材の確保に向けた支援を初め、障がい児・者の福祉サービス等の利用支援、保育所等の利用者に対する支援、介護予防等の提供体制への支援、診療情報の共有や遠隔医療の推進を図るための医療情報連携システムの整備などに取り組んでまいります。
健康の維持・増進、こころのケアの推進や要保護児童等への支援については、県こころのケアセンターやいわてこどもケアセンターを運営するとともに、被災地の脳卒中を予防するための生活習慣の調査や健康相談、保健指導等の実施、被災市町村の保健活動や住民の自主的な健康づくり活動などへの支援、原発事故由来による内部被曝状況の把握や健康相談などに取り組んでまいります。
地域コミュニティーの再生・活性化については、高齢者や障がい者等を住民相互で支え合う福祉コミュニティーの体制づくりのため、応急仮設住宅や災害公営住宅等において必要な見守りを行う生活支援相談員の配置などに引き続き取り組んでまいります。
次に、いわて県民計画に掲げる医療・子育て・福祉、共に生きるいわての実現に向けた施策の着実な推進につきまして、政策項目の一つ目、地域の保健医療体制の確立については、奨学金等による計画的な医師の養成、臨床研修医の確保、定着の促進及び病院勤務医の負担軽減などの取り組みを支援するとともに、県地域医療支援センターを活用し、地域医療に従事する医師の確保、定着を図るほか、看護職員の養成や地元定着、勤務環境の改善等による離職防止などに取り組んでまいります。
また、ドクターヘリの運航等により救急医療体制の充実を図るとともに、周産期医療体制の整備を促進するほか、がん診療連携拠点病院の機能強化や、地域の実情に応じた在宅医療介護提供体制の構築、大規模災害時等の医療を確保するための人材育成などに取り組んでまいります。
また、県民が一体となった健康づくりを進めるため、第2次健康いわて21プランの推進や口腔保健支援センターの設置による普及啓発活動等の実施、がんや脳卒中などの生活習慣病予防に取り組むほか、新型インフルエンザなどの感染症対策、危険ドラッグなどの薬物の危険性に関する普及啓発などを実施し、県民の健康づくりに取り組んでまいります。
政策項目の二つ目、家庭や子育てに希望を持ち安心して子どもを生み育てられる環境の整備については、地域における子ども・子育て支援体制の充実を図るため、保育所の整備や保育士等の人材確保、放課後児童クラブ等の運営支援など、子育てに優しい環境づくりを進めてまいります。
また、“いきいき岩手”結婚サポートセンター─i-サポの運営を通じた結婚支援や特定不妊治療費助成及び男性不妊治療費助成の拡充、さらには、本年8月からの未就学児及び妊産婦の医療費助成の現物給付化など、結婚、妊娠、出産、子育ての各ライフステージに応じた支援を実施し、若者が家庭や子育てに希望を持てる環境の整備を進めてまいります。
また、児童虐待の未然防止、早期発見のための体制強化など児童虐待防止対策を推進するほか、貧困状況にある子供、家庭の実態把握と支援体制の整備、障がい児療育の拠点となる県立療育センターの整備に取り組んでまいります。
政策項目の三つ目、福祉コミュニティーの確立については、地域福祉活動コーディネーターの育成などの住民参加による生活支援の仕組みづくりなどを推進してまいります。
また、引き続き認知症疾患医療センターによる専門的な医療の提供、本人、家族への相談支援、市町村が行う地域包括ケアシステム構築の取り組みへの支援などにより、高齢者が住みなれた地域で安心して生活し続けることができる環境の構築に取り組むとともに、障がい者が希望する地域で安全・安心に暮らし、その経済的基盤を確立できるよう、障がい者就労支援事業所の工賃向上に向けた取り組みや、障がい者の地域生活の支援など、障がい者が必要なサービスを利用しながら安心して生活できる環境の構築に取り組んでまいります。
また、災害派遣福祉チームの体制強化や、同チームの派遣主体となる岩手県災害福祉広域支援推進機構の運営、市町村の避難行動要支援者対策への支援を行うとともに、生活困窮者の自立を支援するため、包括的かつ継続的な相談支援などに取り組んでまいります。
また、自殺対策を総合的に推進するため、自殺対策アクションプランに基づき、相談支援体制の整備、人材養成、普及啓発などに引き続き取り組んでまいります。
以上が平成28年度予算編成に当たりましての当部の基本的な考え方でございます。
続きまして、当部関係の議案について御説明申し上げます。
まず、議案第7号平成28年度岩手県一般会計予算でございますが、お手元の議案その2の6ページをお開き願います。
当部関係の一般会計歳出予算は、3款民生費998億5、086万円余のうち、2項県民生活費と5項災害救助費の一部を除く885億9、330万円余と、次の7ページの4款衛生費279億9、872万円余のうち、2項環境衛生費を除く188億6、098万円余と、9ページに参りまして、11款災害復旧費2項保健福祉施設災害復旧費6億8、037万円余と、13款諸支出金1項公営企業貸付金から3項公営企業負担金までのうち、3項公営企業負担金の一部を除く293億6、470万円余であり、合計で1、374億9、936万円余の予算額となっております。これを平成27年度当初予算と比較しますと6億2、088万円余の減、率にいたしまして0.45%の減となっています。
以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、お手元の予算に関する説明書の109ページをお開き願います。
なお、説明欄に記載の主な事業の内容を中心に御説明申し上げ、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきます。
3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費のうち、上から8番目、生活福祉資金貸付事業推進費補助は、岩手県社会福祉協議会が行う低所得世帯等に対する生活福祉資金貸付事業と生活支援相談員による相談支援の取り組みに対し補助しようとするものであります。110ページに参りまして、上から6番目、生活困窮者自立支援事業費は、生活困窮者の自立を支援するため相談窓口を設置し、包括的な支援を行うとともに、住居確保給付金の支給等を行おうとするものです。一つ飛びまして、地域支え合い体制づくり事業費のうち、高齢者サポート拠点等設置運営費補助は、応急仮設住宅等におけるサポート拠点の運営に要する経費など、必要な介護サービス等の提供体制の確保を支援しようとするものであります。2目障がい者福祉費に参りまして、111ページの上から2番目、障がい者文化芸術振興事業費は、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の開催を契機に、障がい者の芸術活動の紹介、作品の展示等の機会を設け、障がい者の文化芸術振興を支援しようとするものです。一つ飛びまして、障がい福祉サービス等利用者負担特例措置支援事業費補助は、被災者の生活の安定を図るため、市町村が被災者の障がい福祉サービス等の利用者負担額免除を継続できるよう、免除に要する経費を補助しようとするものであります。3目老人福祉費に参りまして、この目の上から10番目、認知症対策等総合支援事業費は、認知症疾患医療センターを中核とした専門的な医療提供体制を充実するとともに、本人及び家族への相談支援、かかりつけ医等を対象にした研修の実施など、総合的な支援体制を構築しようとするものであります。112ページの上から5番目、地域包括ケアシステム基盤確立事業費は、地域包括ケアシステムの構築に向けた新たな制度の円滑な実施と安定的な運営を確保するため、認知症初期集中支援チームの設置等に係る研修の実施、生活支援コーディネーターの養成など、市町村等の取り組みへの支援を行おうとするものであります。この目の下から4番目、介護保険サービス利用者負担特例措置支援事業費補助及び次の後期高齢者医療制度一部負担金特例措置支援事業費補助は、被災者の生活の安定を図るため、市町村等が利用料または一部負担金の免除を継続できるよう、免除に要する経費を補助しようとするものです。113ページの5目国民健康保険指導費のうち、この目の下から2番目、国民健康保険財政安定化基金積立金は、平成30年度から都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となることに伴い、国民健康保険の財政の安定化を図るための事業の財源に充てるため、当該基金に積み立てを行おうとするものであります。次の国民健康保険一部負担金特例措置支援事業費補助は、被災者の生活の安定を図るため、市町村が国民健康保険の一部負担金免除を継続できるよう、免除に要する経費を補助しようとするものであります。
少しページを進んでいただきまして、118ページをお開き願います。3項児童福祉費1目児童福祉総務費のうち、上から10番目、保育対策総合支援事業費は、地域の実情に応じた多様な保育需要に対応するため、保育の受け皿の確保や保育を支える保育士の確保に必要な措置を総合的に講じることで待機児童の解消を図るとともに、子供を安心して育てることができる環境整備を行おうとするものです。一つ飛びまして、子ども、妊産婦医療助成費は、子供、妊産婦に対する医療費の助成であり、本年8月から、未就学児及び妊産婦について現物給付を導入しようとするものであります。このページの下から2番目、児童養育支援ネットワーク事業費は、児童虐待の未然防止や早期発見などへの取り組みや、職員研修や対応力向上のための体制強化を図るとともに、被災児童の心の健康の回復を図るため、いわてこどもケアセンターを運営し、継続して子供の心の専門的ケアを実施しようとするものです。119ページの上から6番目、いわての子どもスマイル推進事業費は、“いきいき岩手”結婚サポートセンター─i-サポの運営等に要する経費であり、次のいわてで家族になろうよ未来応援事業費は、結婚に関する情報発信や市町村の結婚に対する取り組みへの支援を実施しようとするものであります。その次の子どもの未来応援地域ネットワーク形成支援事業費は、貧困の状況にある子供とその家庭に対する支援体制を構築するため、その実態と支援ニーズを把握し、支援計画の策定等を行う市町村に対し補助しようとするものです。120ページに参りまして、4目児童福祉施設費のうち、一番下、療育センター整備事業費は、障がい児のニーズに対応した質の高い療育が受けられるよう、障がい児療育の拠点となる県立療育センターの整備を行おうとするものであります。
122ページに参りまして、4項生活保護費2目扶助費は、生活保護世帯に対する生活扶助などの給付に要する経費です。
少しページを進んでいただきまして、126ページをお開き願います。4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費のうち、上から2番目、母子保健対策費は、特定不妊治療費助成や小児慢性特定疾病児等に対する医療給付などを行うほか、周産期母子医療センターの運営に要する経費の助成や、周産期医療情報ネットワークの活用等に取り組もうとするものであります。このページの下から7番目、脳卒中予防緊急対策事業費は、本県の健康課題である脳卒中死亡率を緊急かつ迅速に改善するため、食生活改善や健康運動、禁煙などのキャンペーンを実施し、県民が一体となった取り組みを推進しようとするものです。一つ飛びまして、被災地健康相談支援事業費は、被災者の健康状態の悪化を防ぐため、応急仮設住宅の集会所や談話室等を定期的に巡回し、健康相談、保健指導及び口腔ケア等を実施しようとするものであります。一番下、被災市町村保健センター再建支援事業費補助は、東日本大震災津波により被災した沿岸市町村保健センターの移転、新築に要する経費を補助しようとするものです。127ページ、3目予防費のうち、この目の上から3番目、特定疾患対策費は、難病患者の医療費の負担を軽減するため、医療費助成を行おうとするものです。下から3番目、肝炎総合対策推進事業費は、肝炎に関する正しい知識の普及や検査体制の充実を図るとともに、肝炎患者の医療費の負担を軽減するため、医療費助成を行おうとするものであります。128ページに参りまして、4目精神保健費のうち、上から5番目、精神科救急医療体制整備事業費は、精神科救急医療施設を指定するとともに、精神科救急情報センターで24時間対応の相談等を行うことにより、精神科救急医療体制の充実を図ろうとするものです。下から3番目、自殺対策緊急強化事業費は、自殺対策を総合的に推進するため、相談支援体制の整備、人材養成、普及啓発などを実施しようとするものであります。一番下の被災地こころのケア対策事業費は、被災者の精神的負担を軽減するため、県こころのケアセンター及び地域こころのケアセンターを運営し、長期にわたる継続した専門的ケアを実施しようとするものであります。129ページ、5目高齢者保健費のうち、上から4番目、地域リハビリテーション支援体制整備推進事業費は、脳卒中の既往のある者等に対し、住みなれた地域で、さまざまな状況に応じたリハビリテーションが適切かつ円滑に提供される地域リハビリテーション体制の整備を推進しようとするものです。
少しページを飛んでいただきまして、137ページをお開き願います。4項医薬費2目医務費のうち、138ページに参りまして、上から3番目、医師確保対策費は、医学部進学者に対する修学資金の貸し付けや臨床研修医の確保、定着の促進、病院勤務医の勤務環境向上や処遇改善、中核病院に対して開業医が診療応援を行う取り組みなどを支援するとともに、県地域医療支援センターを活用し、地域医療に従事する医師の確保、定着を図るなど、総合的な医師確保対策を行おうとするものであります。次の救急医療対策費は、高度救命救急センターの運営費の助成や救急医療を行う病院の耐震化整備の支援、ドクターヘリの運航などにより、本県の救急医療体制の充実に取り組もうとするものであります。139ページの一番上、がん対策推進費は、がん診療連携拠点病院が行う医療従事者研修や相談などの取り組みを支援するとともに、がん患者や家族に対する情報提供、がんに関する理解の促進に向けた普及啓発などを実施しようとするものです。140ページに参りまして、上から3番目、被災地医療施設復興支援事業費は、被災地の医療施設の復興を支援するため、民間医療施設の移転、新築等に要する経費を補助しようとするものです。一つ飛びまして、県立病院再建支援事業費補助は、被災した県立高田病院、大槌病院及び山田病院の移転、新築に要する経費を補助しようとするものであります。さらに一つ飛びまして、医療情報連携推進事業費は、被災した沿岸地域の医療の復興を図るため、岩手医科大学と沿岸地域の中核病院を結ぶ医療情報連携システムの整備に取り組もうとするものです。3目保健師等指導管理費のうち、上から2番目、看護職員確保対策費は、看護職員養成施設の在学生に対して修学資金の貸し付けを行うとともに、看護の質の向上や医療安全の確保、看護職員の早期離職を防止するための新人看護職員研修体制の整備などに総合的に取り組もうとするものであります。141ページの4目薬務費のうち、一番下、被災地薬剤師確保事業費は、被災地の医療体制の復興を支援するため、調剤業務などを行う薬剤師を確保するための取り組みを実施しようとするものです。
次に、ページを大きく飛んでいただきまして、230ページをお開き願います。11款災害復旧費2項保健福祉施設災害復旧費1目社会福祉施設等災害復旧費は、被災した保育所及び児童厚生施設等の災害復旧事業に要する経費を補助しようとするものであります。
ページを少し飛んでいただきまして、240ページをお開き願います。13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の県立病院等事業会計運営資金貸付金は、県立病院等事業会計に対し運営資金の貸し付けを行おうとするものです。
241ページの2項公営企業出資金1目公営企業出資金の県立病院等事業会計出資金は、県立病院等事業会計に対して出資を行おうとするものであります。
242ページに参りまして、3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、県立病院等事業会計負担金は、県立病院等事業会計に対し負担を行おうとするものであります。
次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
議案その2に戻っていただきまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、保健福祉部所管の事業は、3みたけ学園みたけの園整備で、老朽が著しいみたけ学園及びみたけの園の改築整備に関し設計業務が翌年度にわたることから、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものです。
次の4救急医療対策は、県立中央病院へのドクターヘリヘリポート整備が翌年度にわたることから、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
以上で一般会計についての説明を終わります。
次に、議案第8号平成28年度岩手県母子父子寡婦福祉資金特別会計予算について御説明申し上げます。便宜、予算に関する説明書により説明いたします。
予算に関する説明書の298ページをお開き願います。歳入合計及び次の299ページの歳出合計の予算総額は、それぞれ3億4、090万円余であります。300ページから304ページにかけての歳入は、一般会計からの繰入金、繰越金及び諸収入です。次の305ページから307ページにかけての歳出は、母子家庭及び父子家庭、寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童福祉の増進などを図るために必要な資金の貸し付けに要する経費であります。
以上で、母子父子寡婦福祉資金特別会計についての説明を終わります。
引き続きまして、予算に関連する議案について御説明いたします。
議案その3の157ページをお開き願います。議案第42号社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例の一部を改正する条例につきましては、社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例の有効期限を平成29年3月31日まで延期しようとするものです。
次の158ページの議案第43号地域医療再生等臨時特例基金条例の一部を改正する条例につきましても、同様に、基金条例の有効期限を記載のとおり延期しようとするものであります。
159ページの議案第44号後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例でありますが、この条例は、後期高齢者医療広域連合から徴収する拠出金の算定に用いる拠出率を引き下げようとするものです。
次に、163ページに飛んでいただきまして、議案第48号看護師養成所授業料等条例の一部を改正する条例でありますが、この条例は、県立一関高等看護学院寄宿舎の建てかえに伴い、居室1室当たりの定員が2名以上となる寄宿舎がなくなったことから、これに係る寄宿舎料を廃止しようとするものであります。
次に、165ページの議案第50号岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうち、別表第4、保健福祉事務関係手数料についてでありますが、次の166ページの歯科技工士国家試験合格証明書交付手数料等は、歯科技工士法施行規則の一部を改正する省令の一部改正に伴い、廃止しようとするものです。
次の167ページから169ページ及び少し飛んでいただき、209ページの別表第4、保健福祉事務手数料に掲げております介護支援専門員の研修の実施に係る手数料につきましては、国が定める基準の改正に伴い、研修時間数等を見直したことから実施に係る手数料の額を増額し、新たに設けられた主任介護支援専門員更新研修の手数料を徴収しようとするものであります。
次に、215ページの議案第54号福祉交流施設条例の一部を改正する条例についてでありますが、この条例は、盛岡市三本柳にありますふれあいランド岩手の一般利用を可能とする施設に第3研修室を加えるとともに、その利用料金の上限額について定めようとするものであります。
以上で保健福祉部関係の議案の説明を終わります。よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
〇高橋但馬委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇郷右近浩委員 きょうは、結構たくさん手を挙げているので、私からは簡潔に質問してまいりたいと思います。
まず最初に、保育の現状とその人材確保策についてお伺いしてまいりたいと思います。
最近、保育園落ちた日本死ねというブログからさまざまな形で、岩手県の地方紙でも毎日のように、論評などが載っております。その中で、岩手県の待機児童については、これまでも私自身、一般質問であったりさまざまな機会に質問させていただいてまいりましたが、待機児童数の現状はどのようになっているか、推移をあわせてお知らせいただきたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 現在の待機児童数についてでございますが、県内の昨年4月1日の待機児童数は、13市町村、128人と、前年度に比べ市町村数は5カ所の増となったものの、待機児童数は65人の減となったところでありますが、昨年10月1日現在においては、18市町村、732人と、4月1日現在に比べ、5市町村、604人の増となっているところでございます。
〇郷右近浩委員 今お話があったとおり、年度当初は、きちんと保育園や幼稚園を、市町村も頑張って施設整備する中で何とか埋まっているが、年度途中から、保育園、保育所に預けられない人数というのが、毎年同じような形でふえる傾向があるというのは承知しておりますけれども、今回これだけ多くなった部分について、県としては要因をどのように捉えているか、お伺いいたしたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 今回待機児童数が増加した要因として、今、県として考えておりますのは、平成27年度において、いわゆる子ども・子育て支援新制度が本格施行されたわけでありまして、待機児童数の定義の仕方が、平成26年度までと平成27年度以降でちょっと変わってきてございます。
従前は、フルタイムで働いている方しか対象にならなかったわけでありますが、新制度に移行してからは、フルタイムの勤務のみならず、パートタイムなどについても保育を必要とする方々が対象になってきたということ、あるいは新制度においては、休職中の方につきましても、保育を必要とする方の対象として含まれたという形で、保育を必要とする方々の対象者が拡大したということもあって、待機児童数の増加につながっているのではないかと考えております。
〇郷右近浩委員 今、県としての分析をお聞きしたわけでありますけれども、私自身もそうした意味では、逆に、今回出された数字のほうが、本来の数を示していると考えるものであります。というのも、今までもそれぞれ市町村で待機児童がいても、親御さんが働いていないと、なかなか幼稚園、保育園のほうで引き受けられないといった部分の数字であったり、これから働きたいという方々のニーズがきちんと反映されていることが、今回、改めて数字として出てきたと考えているところであります。
その中で、これまで国において、平成25年には、待機児童解消加速化プランを策定して、保育施設の定員の拡充や、認定こども園の設置で幼稚園での預かり時間の拡大等、子ども・子育て関連3法の成立を受け、幼児教育、保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進するとして、消費税の引き上げにより確保する7、000億円程度を含め1兆円程度の恒久財源を確保して、全ての子供、子育て家庭を対象に、幼児教育、保育、地域の子ども・子育て支援の拡充を図るとして内閣府に子ども・子育て本部を設置して、政府の推進体制を整備し、今回、平成27年4月から、子ども・子育て支援新制度の本格施行を開始したところであるということは知っております。
また、あわせて、県では、それに呼応するようにして、昨年3月にいわて子どもプランを改定して、そして男女がともに家庭や子育てに希望を持ち、次代を担う子供たちが健やかに育つ環境づくりを基本方針として、若者が家庭や子育てに希望が持てる環境を整備する。またさらには、子育て家庭を支援する、子供の健全育成を支援するという三つの基本方針を挙げて子ども・子育て支援を推進していく内容で進めていると思っております。
しかしながら、こうした国そして県の動きでありますけれども、子ども・子育て支援新制度のポイントの一つである認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付であります施設型給付や小規模保育事業等の地域型保育給付において、早期の保育所待機児童の解消や保育士配置の充実などによる教育、保育環境の向上を図っていくためには、保育士の確保こそが何よりの課題であると考えるわけでありますけれども、これまで、県はどのように保育士確保に取り組んできたのか、また、今後の課題と取り組みの方針についてお伺いいたしたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 まず、これまでの保育士確保の取り組みについてでございますが、本県では、いわて子どもプランにおいて、待機児童の解消を初めとする子育て家庭への支援などを施策の基本方向として掲げており、保育士の労働環境の整備や潜在保育士の再就職の支援等により、人材確保に努めることといたしております。
具体的には、保育士の人材確保のため、保育士等の賃金改善に係る処遇改善加算措置について周知してきたほか、保育士資格取得を目指す者に対する支援や、岩手県保育士・保育所支援センターによる潜在保育士の掘り起こしやマッチング、保育士や保育所に対する相談支援等を実施してきたところでございます。
次に、今後の課題と取り組み方針についてでございますが、子ども・子育て支援新制度は昨年4月に発足し、6月には市町村等の担当者を対象として、内閣府の職員を招いて意見交換会を実施しましたが、出された意見等を聞きますと、保育士の確保対策を初めとする新制度への理解が必ずしも十分に浸透しているとは言いがたい面も見受けられたところでして、今後においても、一層の制度の周知が必要と考えているところでございます。
平成28年度におきましては、これまでの取り組みに加え、新たに保育士の負担軽減を図るため、保育補助者等の配置による環境整備や、事務の省力化のためのICT化に対する補助を行うほか、潜在保育士に対する就職準備金の貸し付けに取り組むこととしているところでございます。
県におきましては、保育士確保に加え、市町村等が実施するこれら事業の効果的な実施に向けた必要な助言等を行っているところでありまして、今後とも、こうした取り組みを通じて、待機児童の解消に向けて、保育の実施主体である市町村を支援してまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 今の答弁の中で保育補助者とありました。現在の保育士の取り巻く環境は、もともと賃金が低いということと、もう一つ労働環境で、それぞれの幼稚園、保育園の体力にもよりますけれども、先生方が見なければいけない子供たちの数であったり、もちろん、その中で時間の制約等が、結局、勤務時間が長くなっていくといった部分、そして給料の部分で、今回、公定価格を上げるということで、2015年度から3%ほど引き上げになっておりますし、これは恒久財源をつくるという話でありますけれども、冒頭で話をしたブログに対する対応ということで、また2%上げるという話です。これは当初からもともと予定していた5%の引き上げという動きであるとは思うのですけれども、しかしながら、5%上げて、例えば今保育士の平均給与で21万円ぐらいに対して5%上げたとしても、これが即効性があるものなのか、待遇改善につながっていくのか。またさらには、それ自体がきちんと職場環境を整えていくことにつながるのかといったことを考えると、先ほどお話があった保育補助者というのは、私は非常に有効な手段と思うわけでありますけれども、この保育補助者をどのような形で配置していくのか、考えをお知らせいただきたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 保育補助者の配置の考え方につきましてですが、この保育補助者の配置については、基本的に保育の実施主体である市町村が補助する形になっていますので、これに対する国、県の支援措置ということになります。したがいまして、最終的には、保育所において、この制度を活用するか否かは、いわゆる事業者である保育所側のほうで定めることとなりますので、今現在、保育補助者の事業といたしましては、新年度の事業として保育体制強化事業費補助ということで、地域住民あるいは子育て経験者などの地域の多様な人材を活用して保育士の負担軽減に充てる事業、そしてまた、保育補助者雇上強化事業費補助ということで、ただいま申し上げた、短時間勤務の保育補助者の雇い上げをする費用を計上しているところでありますが、それぞれ来年度におきましては、9保育所ずつがこの事業を活用するということで、現在予算に計上させていただいているところでございます。
〇郷右近浩委員 よくわかったような、わからないようなあれですけれども、市町村が事業主体ということであれば、ぜひとも県としても、今後きちんと制度の活用であったり、いろんな形で一緒になって取り組むことを考えていただきたいと思います。
ただ、保育補助者がどこまで権限があるのかといったことについては、実際問題として、今現在、保育園でのニーズが高いのが3歳児未満だと思います。ただ、それぞれの保育園の現状をお聞きしますと、配置基準を考えると、保育士1人に対して3人までしか入れられないという状況で、さらなる保育士を拡充しなければならないということで、どこに聞いても、対応するのが難しいという話が聞こえてまいります。そうであれば、保育士になりたいという方々、もしくは保育士の資格を取った方々がきちんと続けられるような、また、続けたいと思うような、そして、一回何かの形で現場を離れた方々が戻ってこられるような形をきちんとつくり上げるべきだと思いますし、それこそが出生率を上げるため、岩手でも言っている子育てしやすい環境の整備という、肝になるものだと思うわけでありますけれども、その点について部長から所見を頂戴したいと思います。
〇佐々木保健福祉部長 岩手県において子供を産み育てられる環境づくりの中で、保育というのは大きな役割を持っていると承知しております。
保育士確保対策につきましては、これまでも支援センターを設けてマッチングに努めてきたところでありますし、それから国におきまして、平成27年度の補正予算において、ただいま委員から御紹介のありました保育補助者の雇い上げの制度を新たに設けたり、それから、総括課長から答弁申し上げましたけれども、事務の省力化のためのICT化、これも保育士の負担軽減策の一環として創設が予定されているものであります。県では、こうした国の施策に呼応して、平成28年度当初予算案に必要な予算を計上したところでございますので、まずは、これらの事業の着実な実行を図っていきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 適切な執行というのはそのとおりだと思いますし、国の制度の中で動いている部分でありますし、県として独自でやるというのは非常に難しいということも理解はしております。
例えば、県として、保育士の方々の給料をどのように引き上げていくかということも、実際問題なかなかやりづらいということも理解はしておりますけれども、しかしながら、岩手県としてどのようにしていくか。それこそが今回改定したいわて子どもプランの、社会全体で子供たちを育てていこうという大きなくくりの中での考え方につながっていくものだと思いますので、岩手県として何ができるか。国一律の制度の中で、国の考えが進まないから云々という話ではなくて、そのことをぜひとも今後とも積極的に考えていただきたいと思うわけでありますけれども、部長から再度御答弁を頂戴したいと思います。
〇佐々木保健福祉部長 先週末の報道によりますと、国におきましても、この保育対策について、待機児童の解消に向けた具体策を緊急にこの月内に対策をまとめたいということ、自民党がそうまとめる考え方であるという報道がございました。あわせて、厚生労働大臣が11日の国会の委員会において、保育所を探すいわゆる保活の実態や改善点を調べるため、厚生労働省のホームページで意見を募集する考え方を示したとも聞いております。
我々といたしましては、岩手県における保育士の確保の上で何が一番ネックになっているのか、給与の問題なのか勤務環境の問題なのか、あるいは働きがいといった問題なのか、そこら辺はよくよく分析する必要があると考えております。
保育士、保育所のマッチングを行っている岩手県保育士・保育所支援センターにおきまして、保育所の何がネックになっているのかということを聞くなり、それから、実際に休職している保育士さんに、なぜ一旦やめたのかとか、そういった事情をお聞きした上で、ネックになっている部分をしっかり把握した上で、その対策を考えていく必要があろうかと思っております。
〇郷右近浩委員 ぜひ頑張っていただきたいと思いますし、政府・自民党のほうで、いろんな対策を今練っているということでもありますので、恐らく選挙前ですのですごくいい話が出てくるのかと思って、私自身も期待をしているところでありますけれども、その推移を見ながらでありますが、これまでもさまざまな形で国に対して、県として提言をしているというのはお聞きしておりますので、あわせて国に対して、ぜひ今のこの現状をどうするかといったことを伝えていただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、介護人材の確保という点でお伺いしたいと思います。
先ほどの保育士もそうなのですけれども、介護人材も、離職する方々を含め、そして介護の現場というのは、今現在、施設自体が少しずつさらにふえていく中で、どうしても介護人材がいないということで、介護施設をオープンしていても、逆にそこの中で定員数を減らさざるを得なかったり、またさらには、新しく施設ができるときに、引き抜きと言ったらあれですけれども、人が流れていく状況で、非常に不安定になっているものと私自身は思っております。
またさらに、そうした中で、平成30年に医療と介護の同時改定があり、今現在、それぞれ財務省と厚生労働省で検討しているということでありますけれども、財務省の考え方からすれば、要介護1または2であったり、要支援者の方々については、もう市町村に移管していいのではないか、またさらには、自己負担額を2割にしたほうがいいのではないかといったような、国の財政という観点からの案が出ているとお伺いしております。これは県のほうでまだまだきちんとした成案ができていない中で、どのような形で国に対して話をしていくのかといったことはありますが、しかしながら、そもそも介護が必要な方々をきちんと見ていくというのは、県としても地域に安全・安心を届けるために必要なことであると思いますし、そのことをどのようにつくり上げていくかといったことについては、介護に携わる人材を何としても確保していかなければいけないと思っています。
この間、国でも、介護職員の処遇改善加算ということで1万5、000円ほど出ておりますし、ただ、これ自体が給料に加算するのか、ボーナスに加算していいのか、どこに加算するのかといったようなことで、ストレートに加算が目に見える形になっているかどうかということもありますけれども、しかしながら、少なくともこの1万5、000円が加算になったことは評価するものであります。ただ、それでも初任給が13万円とか14万円という今の介護現場であって、1万5、000円が加算になったことがどれほどの効果があるのかということに関しては、非常に私は懐疑的に見ているところであります。
またさらに、一億総活躍ということで、プラス加算で拡大していくという話もありますけれども、県として、この介護の人材確保に関してどのように取り組んでいくのか、ぜひその部分についてお伺いしたいと思います。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 本年1月の県内の有効求人倍率では、全産業の1.25倍に対しまして、介護職は1.93倍となっております。
委員御指摘のように、介護人材の確保に各事業所で非常に苦労されているようでございまして、事業者からは、現状でどうにか対応しているが、もう少し人が欲しい、あるいは、介護のイメージ低下のため、人材確保が困難という声が聞こえております。また、ただいま委員から御指摘がありましたように、一時的に本来の定員よりも少ない入所者で運営せざるを得ない施設があるところでございます。
介護人材の確保に向けましては、賃金等を含めました処遇改善を図るということも非常に大事であると考えておりますので、国に対しまして、毎年適切な介護報酬の設定をするように要望しているところでございますし、また、労働環境、処遇の改善に向けましたセミナーの開催なども行っているところでございます。
また、介護人材の確保につきましては、県内各地に配置した介護人材キャリア支援員7名によるマッチング支援ですとか、現在、今後の本県の介護を担う若者とその親世代をターゲットといたしまして、介護の仕事の魅力を発信するテレビ番組、介護deまんがの放映をして、いろいろとイメージアップのための取り組みをしているところでございます。
平成28年度におきましても、引き続きマッチング支援等を継続してまいりますほか、関係団体や市町村等の提案を踏まえまして、生徒や住民の方々を対象といたしました介護の理解促進事業、あるいは事業所の中堅職員等を対象といたしまして、新人介護職員指導者支援事業などの新しい取り組みも予定しているところでございます。
今後とも、市町村や関係団体と連携しながら、介護人材の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇郷右近浩委員 介護人材確保事業であったり、介護の仕事の理解促進事業であったりと、さまざまな事業をやられているということをお聞きしておりますし、理解もしております。しかし、それらをどのように生かして、現場で働いている方々に対する待遇をきちんとしていかないと、その職場から離れてしまったり、少ない従事者の方々をそれぞれの施設が奪い合う形になっていると見受けられます。
例えば、岩手県として新しく施設を開所するときには、申請の段階から、どれだけの職員の見込みがあるというのは書類として出しているとは思うのですけれども、よそから人材を持ってこないとか、きちんと手当てできるのかといったようなものまである程度義務づけるというか、そういうことをきちんと聞き取りしながらでなければ新しい事業所をつくれないようにするとか、ちょっとこれは矛盾しているのですが、介護の場所は欲しいが、なかなか人材がそれぞれ奪い合いになっては困るという側面がありますが、そうしたことを考えることはできないものでしょうか、お伺いしたいと思います。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 新しい施設をつくるときに、県から補助金ということで支援するわけでございますけれども、お話を聞かせていただく際には、どのような形で職員を採用しようとしているのか、あるいは全くもって全員が新規の採用になるのか、あるいは大きな法人ですと何カ所か運営しておりますので、その中からこちらの人を移すとか、どのような形で職員を確保するのかといったこともいろいろとお話を伺います。それでまだ苦労しているようであれば、先ほど申しました介護人材のマッチング支援の職員もおりますので、そういった職員を紹介するなどして、人員の確保に努めるということで事業所には助言しているところでございます。
〇郷右近浩委員 かなり長くなってしまいました。申しわけありません、最後にいたします。
それをやっていただいているのもわかっておりますが、しかしながら、現実には、その前の段階で引き抜きであったり、もうパイは決まっているわけですので、その中でどうしても、そのときの報酬による形での引き抜きやハローワーク等を通じて金額が提示されますが、それはそれで全体論としては介護職につかれている方々の賃金が上がる。全体が上がるということですから、決して全てが悪い話ではないと思うわけでありますけれども、しかしながら、これまできちんと頑張って運営してきたところから人が抜けていく、それによって施設がなかなか運営できなくなるというのも、これまた本末転倒だと思いますので、そうした部分についてきちんと目を向けていただきながら、ぜひ介護人材の確保というか、新しい方々がやりがいを持って、自分たちの生活もきちんとしながら続けられる介護人材をつくっていくということを、ぜひ県としても考えていただきたいと思うわけでありますが、部長からその点について御所見を頂戴したいと思います。
〇佐々木保健福祉部長 介護人材の確保につきましても重要な問題でありまして、新たに施設をつくるときにほかから持ってくるのは一切だめというのも、なかなか営業の自由、職業選択の自由がある中では難しいとは思います。既にやっている事業所においては、自分のところで職員が流出しないように、給与の面ややりがいですとか、それから研修など、育成する体制がいかにとられているかとか、そういったことを充実させていただきながら確保していただくとして、ただ新しく施設ができるときに、新しいところで自分の力を試したいという方もいらっしゃるかと思います。そういったそれぞれの介護に携わる人材の育成、確保を総合的に図りながら、県全体でうまく回るようにできればいいし、そういう方向に持っていきたいということで、関係団体ともいろいろ意見交換しながら考えていきたいと思っております。
〇柳村岩見委員 障害福祉サービス認定調査員の研修を、今年度はいつやりましたか。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 本年は1月19日に開催してございます。
〇柳村岩見委員 1月19日と言えば、もう2カ月と10日ほどで今年度が終わります。いわゆるこの制度は、障害者手帳を持っている人が基本的に介護保険を受ける場合に、─その範疇でというのが基本ですが、障がい者であるがゆえに飛び越えるといいますか、はみ出てしまうということについて、今度は障害者自立支援法に基づいて自立支援給付を受ける。これは市町村の保健福祉部門に調査員がいて、これを確認するのです。超えているか、超えていないか、超えるかということを。それは岩手県が主催する研修を受ければ認定員になるわけです。それがこんなに年度末、年が明けて、もう数カ月、2カ月10日ほどしか残っていないときにおやりになられたら、申請者、サービスを受けようとする者、サービスをしている者、どちらにしても不幸です。行政だけがいい。いわゆる昔から言われる措置費を払わなくていいから。ところが、これは法律に基づいたセーフティーネットなのです。それをきちっとおできにならないある市町村においては、申請の際並んで待って滞った。本当にサービスを受ける側もサービスする側も、3カ月、4カ月、半年待つといったらこの期間をどう感じますか。大変長く感じると思うのです。今後どうしますか。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 セーフティーネットの確立の御質問でございますが、障害支援区分の認定につきましては、障がい者の多様な特性、その他心身の状況に応じまして、必要とされる標準的な支援の度合いを総合的に判定するものでございます。このため、これまで、県といたしましても、それに携わります調査員の研修につきましては、昨年度は10月に行いまして、今年度は委員御指摘のとおり1月ということでおくれてございますが、いずれ、引き続きやってまいりたいと思ってございますが、研修効果を早期に発揮させるというためにも、できる限り早い時期に研修をすることが望ましいと県でも認識してございますので、来年度の研修の実施に当たりましては、講師などとも時期を調整いたしまして、早期の実施に向けて取り組んでまいります。
〇柳村岩見委員 これから質問するところまで答えられたら、やりづらいじゃないですか。流れがあるのですから。
いずれ、その年度の後半におやりになられたら、物によっては大変です。いわゆるセーフティーネットですから、きちっと備えて、申請に対して構えているというのが本来の姿なんですよ、だから、いつも10月なので早くやっておく。ことしは1月19日だと聞いています。講師の都合がどうのこうのというのもありますが、私は県の担当者に言いました。1年間に1回の研修を、岩手県に1人だけ研修する人がいて、その人が都合が悪かったら研修会ができないというのはちょっとおかしくありませんかと。もう少し幅広に考えて、早目に取りかかって、少なくとも6月にはもう終って、そして、市町村に調査員が張りついてその審査をしているという姿がセーフティーネットではありませんか。
こういうところが、岩手県と他県と比較したときに、歯を食いしばってやっておかないと、人口減少だとか流出だとか、来てほしいと言ったって、全然理論が成立しないのです。いわゆるセーフティーネットをきちっとしている岩手県であると示すことは大変なのです。やればやるほどお金がかかっていくのですから。法律が根拠になっていますから、それに対しての通知や通達もきちんと入っているわけです。ホームページを開けば、みんな載っているわけです。それをおやりにならないというのは、事務が滞って、サービスを受ける人も、サービスをする人にも問題が生じていたということがよくない。そこで本当はセーフティーネットの決意について述べていただきたいのですが、部長、いかがですか。
〇佐々木保健福祉部長 今年度の研修時期がおくれたことは、関係する方々に御迷惑をおかけし、大変申しわけなく思っております。
現在、講師を務めていただいている方は、平成26年1月に国が実施した指導者研修に参加した方を講師にお願いしているということで、現在、2名であります。やはり2名では、委員御指摘のとおり、足りないということもあって、県では、国に対して、この指導者研修をまた実施してほしいということをお願いしております。平成27年度に、国のほうでそういう動きもあるという情報もあって、ちょっとその様子を見ていたということもございまして、今年度は、実際の調査員研修がおくれてしまったということであります。
結果的に、国では今年度は指導者研修は実施しなかったわけですけれども、いずれにいたしましても、いろいろな研修というのは、その効果を早期に発現するためには、できるだけ早い時期に開催する必要があるというふうに考えておりますので、いろいろ日程調整をした上で、今後は早い時期に開催できるように考えていきたいと思います。
〇工藤勝博委員 1点についてお伺いいたします。
第4期障がい福祉計画についてでありますけれども、本計画は、平成27年度から平成28年度、平成29年度ということで3年間でありますが、平成28年度は中間年ということもあります。平成27年度の実施状況が注目されるところでもありますが、共に生きる岩手の実現を目指す中で、福祉サービスの提供は大変多岐にわたりますけれども、そのうちの障がい者が必要なサービスを利用しながら、地域で安心して生活ができるサービスの確保の進捗状況についてお伺いいたします。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 第4期障がい福祉計画の進捗状況についてでございますが、障がい者が地域で安心して生活ができるようにするため、第4期障がい福祉計画においては、計画の最終年である平成29年度までの障がい福祉サービスの見込み量を定めております。
計画初年度であります平成27年度の主なサービスの状況につきましては、居宅介護等サービスが、月間見込み量1、453人に対し、平成27年4月から8月までに提供されたサービスの月平均値が1、321人、同じく短期入所が、見込み量905人に対し383人、就労継続支援が、A型とB型を合わせて見込み量4、524人に対し4、422人という実績となっており、それぞれの月間見込み量をおおむね達成していると考えてございます。
計画におきましては、各年度において、今申し上げましたサービス見込み量のほか、障がい者の地域生活への意向や一般就労への意向等に係る成果目標、活動指標について実績を把握して分析評価を行うこととしております。
平成27年度の実績につきましては、本年9月ごろまでに市町村において進捗状況の評価を行い、次年度の事業に反映させるPDCAサイクルを確立することによりまして、見込み量の達成を図ってまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝博委員 その見込みに対しての実績も大分高いという評価をされているようですけれども、それらを達成するためには、先ほども介護あるいはまた医療関係の看護師の人材育成という話がありました。障がい者等に対する適切なサービスを提供するためのそういう人材の育成、確保でありますけれども、責任者及び専門職員の養成等についてのサービス提供に直接必要な担い手の確保はどのような形で取り組んでいるのか、お伺いいたします。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 人材育成、確保についてでございますが、県では、サービス提供に係る専門職員を養成するため、今年度は、230人に対しましてサービス管理責任者等研修を、87人に対しまして相談支援従事者初任者研修等を実施したほか、経験年数に応じたフォローアップ研修等によりまして専門職員のスキルアップを図るため、61人に対しまして相談支援従事者現任研修を実施しております。また、行動障がいを有する方の特性に応じた支援を一貫性を持って実施できるように、施設従事者、居宅介護従事者等96人に対しまして強度行動障害支援者養成研修を実施したところでございます。
次に、このサービス提供に直接必要な担い手の確保といたしましては、県が指定いたします民間事業者が行う重度訪問介護従事者研修などによりまして居宅介護従事者を延べ237人養成するとともに、喀たん吸引等の業務を行うことができる人材を615人養成したところでございます。
そのほか、福祉人材センターにおきまして無料職業紹介事業等を行っておりまして、今年度は1月末現在で178件の就職があり、このうち17名が障がい福祉サービス関係に就職したとの報告を受けております。
今後とも、障がい者に適切なサービス提供が行えますよう、人材の育成、確保に努めてまいります。
〇工藤勝博委員 そういう支援メニューの中で、特に近年ふえていると言われております特別支援学校の児童生徒に対する放課後の支援状況についてお伺いいたします。
特別支援学校に通学する児童生徒の中には、授業終了後、親御さんが帰宅するまでの間、特に放課後等のデイサービスを活用するケースが大変ふえていると聞いております。少子化により児童生徒数全体が減少傾向にある中でも、特別支援学校の児童生徒は逆に増加傾向にあります。今後、放課後等のデイサービスの充実は不可欠であろうと思います。放課後デイサービスについての利用見込み等、また、利用者の必要なサービスの状況、確保はどのようになっているかお伺いいたします。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 放課後等デイサービスについてでございますが、第4期障がい福祉計画におきまして、放課後等デイサービスの月間見込み量を、平成27年度は1、202人、平成28年度は1、286人、平成29年度は1、372人としているところでございます。
サービスを提供する主体でございます市町村では、第4期障がい福祉計画の策定に当たりまして、関係者からの意見聴取ですとかパブリックコメントなどを行い、必要なサービス見込み量等の検討を行った上で、計画期間の各年度においてサービス見込み量をふやす計画としております。
しかしながら、平成27年4月から8月までに提供されたサービスの月平均値は1、025人となっており、平成27年度の見込み量を若干下回っている状況にありまして、県といたしましても、市町村と連携して課題等を把握する必要があると考えているところでございます。
今後、県では、地域の自立支援協議会におきまして、関係者間でニーズや課題の共有を図りながら、市町村のサービス見込み量が確保されるよう必要な助言を行っていくとともに、事業者に対しましては、事業所の運営に当たるサービス管理責任者等の育成や社会福祉施設等施設整備費補助金による整備の取り組みを支援してまいります。
〇工藤勝博委員 大変充実した内容で取り組むということであります。これは、平成27年度からのサービス事業のようですけれども、それ以前も含めて、今後、事業者の取り組みというのはどのように把握しているのかお伺いしたいと思います。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 放課後等デイサービスにつきましては、これまで児童福祉の範疇でサービスを提供しておりまして、今回の障がい福祉計画には、平成27年度から新たに入ってきたものでございます。
これの実施につきましては、本県におきましては、まだ放課後等デイサービスがない地域もございまして、養護学校に通っていらっしゃる子供で、放課後、こういったサービスを使いたいという要望もございます。
そうした観点から、こういった整備につきましては、御相談があれば、その地域の自立支援協議会等でのさまざまな議論を経まして事業に結びつけ、それを県が支援していきたいと考えてございます。
〇工藤勝博委員 国のほうでも事業者に対する支援も大変充実しているようでございますけれども、末端でまだ認知されないといいますか、理解されていないところもあろうかと思います。その辺をしっかりと周知するような形で、さらに充実した支援を望みたいと思いますけれども、その辺は今後どのような形でなされるかお伺いして、終わります。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 こういった放課後等デイサービスの整備につきましては、一つは、事業者の方々がこういった事業に取り組みやすくするというのも大変重要でございまして、そのためには、運営に関します国の報酬の引き上げですとか、あるいは施設の整備費といったようなところもございますが、これに加えまして、人材の確保といった面も大変重要でございますので、その三つの点につきまして、県としても重点的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇軽石義則委員 1点、お聞きいたします。
家族介護支援事業に関連する部分でありますけれども、新しい地域支援事業の中で、任意事業として家族介護支援事業というものが取り入れられております。最近、高齢者の行方不明ということが、徘回を含めて非常に課題になっておりますけれども、県として、今、それらにどのような取り組みをされているのかお聞きいたします。
捜索の協力依頼や発見に対する支援とか、現状、課題がいろいろあると思いますので、それらについてお示し願いたいと思います。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 行方不明高齢者への対応でございますけれども、県では、平成26年9月に制定いたしました認知症高齢者等の行方不明等に係る連絡調整事務取扱要領に基づきまして、家族の方から市町村に捜索協力の御依頼があった場合に対応しているところでございます。
また、県内だけでなくて他県にも幅広く情報提供いたしまして、行方不明者の捜索に対応しているところでございます。
要領制定から本年2月1日までに、県内の市町村から15件の捜索協力要請がございまして、うち3件が捜索依頼解除になっておりますので、現在、行方不明となられている方々は12名となっております。
この捜索依頼解除の3件の内訳でございますけれども、お一人は警察で保護していただいたということでございますが、残念ながら、お二方は御遺体で発見されたところでございます。
平成26年度に要領を作成いたしましたので、平成26年度には、その以前から行方不明になられた方々も含めまして13件の捜索協力要請があったところでございますけれども、今年度は2件にとどまっているところでございます。
もし、家族の方から報道機関への情報提供もして幅広くいろいろ捜したいという御要望がありました場合には、県におきまして報道機関とも調整をすることとしておりますけれども、現在のところ、そのような申し入れを受けた例はございません。
〇軽石義則委員 15件ということで、3件がそういう意味では発見につながっているということですけれども、先日、県警本部の状況を聞きますと、人数はかなり多くいるようですが、さらに県のほうともしっかり連携が図られていれば、もっと多くの方々が未然に防げたり発見できたりということにつながってきているような気がしますけれども、相談された家族の皆さんへはどのような対応をされているのでしょうか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 県で、直接御家族からそういった捜索協力の依頼を受けるといったことではございません。基本的には市町村で、認知症で行方不明になった方々のお話をいろいろ伺って、御家族の方々に、例えば市町村からこういった県の取扱要領などを説明していただいて、さらに、もっと広域に広げて捜索をお願いしたいということがあれば、市町村から直接私どものほうに要請が参ります。家族の方々と我々が直接対峙するわけではございません。申し入れがあった場合には、捜索能力といいますか、一番機動的に動けるのが警察でございますので、まず、警察署に届け出を出しているのかといったことを、市町村に確認していただきまして、警察署と連携しながらやっていく中で、さらに幅広く情報提供しながら捜索したいという場合には、市町村から県に要請が来るといった流れになっているところでございます。
〇軽石義則委員 市町村のほうが主体的に取り組むということは、先ほどお話があった要領によって取り扱われているものと思いますけれども、そういう意味で、御家族が警察のほうに届け出をして捜索をお願いするというのは大体一般的に考えられることだと思います。市町村の窓口に行って相談をしていくということが基本だとは思いますけれども、県警察との連携も図れていると思うのですが、相談件数がないということは、その連携が図られていない可能性も多くあるのではないかとも推察されるわけです。市町村との連携についてはどのようになっているのでしょうか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 県といたしましては、市町村認知症連絡会を毎年度開催しておりますので、そういった席上におきまして、このような要領に基づく基本的対応について周知を図るなど、市町村と連携した取り組みを進めているところでございます。
また、徘回SOSネットワークが組織されているわけでございますけれども、現在、20市町で12のネットワークが整備されておりますけれども、運営主体は市町村あるいは警察署ということで、警察署が主体的に運営するネットワークが一番多くの市町村をカバーしているような格好になるわけでございますが、広域振興局でも運営主体となっているという例はございますので、そういった意味におきますと、当然、市町村が主体となって動く、あるいは警察署が主体となって動くという場合でも、地元の広域振興局等では、そちらのほうと一緒に連携をとりながら進んでいくという格好になっていると思っております。
より多くの方々がこういったネットワークの機関に参加していただきますことですとか、あるいはまだ整備されていない市町村の解消というのが課題になっていると思います。県では、認知症地域推進員を養成していくということになっておりますけれども、こういった推進員によりますいろいろな見守りのシステムの企画、運営の事例なども紹介しながら、そういった推進員の養成の中で、ネットワークの充実ですとか早期整備が図られるように、市町村にも働きかけてまいりたいと考えているところでございます。
〇軽石義則委員 市町村の中では、まだSOSネットワークが整備されていないところもあるということで、それは、組織する上では財政的な裏づけもあって活動もできると思いますので、それらについては市町村を支援されていると思いますが、早期に全県的なネットワークができるようにしていくのが大事ではないかと思います。その部分については、全県的につなぐような指導といいますか、市町村との連携というのはどうなっているのでしょうか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 それぞれのネットワークを全県的につなぐといったことにつきましては今後検討してまいりたいと思っておりますけれども、例えば県に市町村から捜索要請があった場合ですとか、あるいは家族の方からの捜索要請に基づいて近隣の市町村に捜索の協力を依頼するといったような場合に、実際に動くのは、警察はもちろんでございますけれども、こういったネットワークが中心になって動いていただくこともあろうかと思いますので、活動とすれば、このような要請があれば、必然的にネットワークが中心になって連携をとりながら動いていくことになろうかと思います。
いずれ、ただいま御指摘がありましたネットワークとの連携につきましては、まずは全市町村で整備できるのが第一でございますけれども、次にはネットワーク同士の連携といったことも、警察などとも相談しながら考えてまいりたいと思っております。
〇軽石義則委員 範囲が広がれば広がるほど発見される率も高まると思いますので、ぜひ早急にお願いいたします。
高齢者、認知症の対策については、今お話を聞いたような対応で、市町村にも窓口は設置されていて対応されているとお聞きしましたが、精神障がいと若年者の認知症等を含めて記憶障がいなどがあると思うのですが、それらの対応については今はどのようになっているのでしょうか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 若年性認知症の方でございますけれども、先ほど、認知症高齢者等の行方不明に係る連絡調整会議と申しましたが、認知症高齢者等の等には若年性の認知症の方も入っております。説明不足で申しわけございませんでした。
なお、15件の捜索要請依頼につきましては、若年性認知症の方は含まれておりません。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 精神障がい者への対応についてでございますが、精神障がい者の行方不明者につきましては各保健所が主に対応してございまして、平成26年度から平成27年度の2年間では県央保健所の対応が10件と最も多く、その他の保健所ではゼロから2件程度といった状況となってございます。
家族からの行方不明の御相談がありました場合には、警察署へ捜索願を提出するよう助言、指導しているところでございます。また、警察による捜索に当たりまして、行方不明者の情報提供依頼があった場合は、保健所が把握している情報を適時提供いたしますとともに、あらかじめ発見後の医療機関受診に係る調整等を行うなど、情報共有や連携がなされているところでございまして、引き続き、警察署や医療機関等と連携して、精神障がい者の発見、保護を支援してまいります。
〇軽石義則委員 保健所が主体だということで、そこには市町村との連携がつながっていないようですが、認知症高齢者等ということもありますけれども、障がい者の方も、仮にそういうことがあった際には、いろいろな意味でネットワークが広いほうが発見も早期になるでしょうし、取り組みもできやすい体制ができると思うのですけれども、その部分での市町村との連携というのは現状はどうなっているのでしょうか。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 精神障がい者の行方不明につきましては、例えば国のほうで、こういう仕組みをつくりなさいといったものが現在ございませんので、個別に保健所が中心になりまして対応しているところでございますが、市町村から必要な情報をいただきたい場合には、市町村の保健センターなどからの情報をいただくなどして連携してやっているというのが実態でございます。
〇軽石義則委員 今は国の方針もないということでありますけれども、ないからしないではなくて、必要な取り組みでありますし、それらについては、岩手県としても市町村を含めてしっかり連携を図っていくことが大事だと思っております。市町村、県警察、いろいろな団体、病院等を含めてあると思います。それらについて、今後連携をとっていくような考え方があるのかどうか。
今後の取り組みについて、相談する家族の立場に立ちますと、ここは高齢者です、障がい者の方は向こうに行って相談してくださいでは、非常に不安にある中で、さらに不安が高まっていくと思いますし、警察には、なかなか行きづらいような思いを持っている家族もいるかもしれませんので、そういう意味では、相談しやすい体制、特にワンストップで全てがつながっていくような連携をとっていくことが大事だと思いますけれども、これらを今後どのように進めていくのかお示し願いたいと思います。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 精神障がい者の行方不明に係る今後の取り組みについてでございますが、まず、精神障がい者の行方不明事案につきましては、警察署に相談することが基本となってございますので、家族会等を通じまして、相談先や捜索願の提出などについて、情報を提供するなどの周知に努めてまいりたいと考えてございます。
また、障がいの特性上、未然に防止することはなかなか難しいところではございますが、引き続き、警察署や医療機関等と連携いたしまして、早期の発見、保護を支援してまいりたいと考えてございます。
また、市町村との関係につきましては、さまざまな機会を通じまして現状等をお聞きしながら取り組んでまいりたいと思います。
〇軽石義則委員 お聞きしながら対応してもらうのも大事と思いますけれども、やはり早期にそういう体制確立というものをしていくことが大事だと思います。
具体的に相談件数が少ないのは、そういう相談機能を県で持っていることや市町村にも行って相談できるということが、もしかして県民の皆さんに対する周知が不足していることがあって、警察に行くことがまず第一だというところでとまっているかもしれませんので、そういう意味では、さらに相談しやすい体制づくりというものが大事だと思います。
部長に、最後にワンストップ体制─各部局を含めて、警察も含めて連携をとって、市町村とのつながりが強くなっていくことが大事だと思っておりますが、それらについての取り組みをどうしていきたいかというところをお聞きして、終わります。
〇佐々木保健福祉部長 ただいま、認知症の方々あるいは精神障がい者の方々の行方不明者についての対応ということで、県、市町村、警察が連携をとりながら情報共有して早期発見に結びつけていくというのは重要な観点かと思います。
特に、精神障がいの場合ですと、病気に係る部分もあって専門性もある。小規模市町村になると対応が難しい面もあろうかと思います。そういった場合は、専門的な県の機関あるいは保健所のほうに連絡いただくとして、まずは、どこに相談しても、それが必要な部署につながるようなネットワークを組むということは大事だと思いますので、関係機関といろいろ協議を重ねて、そういった体制づくりに取り組んでまいりたいと思います。
〇城内よしひこ委員 私からは3点ほどお伺いしたいと思います。
放課後児童クラブについてであります。
先ほど来話題に出ていますけれども、働くお母さん方、あるいはそういった方々を支援する上で大変有意義な制度だと思っておりますが、制度が変わって、これまで3年生までしか預かれなかったのが、4年生まで預かれるようになったということで、この現状と利用状況をお伺いしたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 放課後児童クラブの現状と利用状況についてでございますが、平成27年5月1日現在で313クラブが設置されており、登録児童数は全体で1万2、707人、学年別では、小学1年生から3年生までが9、586人、小学校4年生から6年生までが3、121人となっています。
規模別の施設数は、国の基準ではおおむね40人程度が標準とされていますが、登録児童数が40人までのクラブが169、41人から70人までのクラブが120、71人以上のクラブが24となっているところです。
また、運営主体別に見ますと、社会福祉法人が92クラブと最も多く、次いで父母会が74クラブとなっているところでございます。
〇城内よしひこ委員 そこでお伺いするわけですけれども、社会福祉法人等はそこそこ体力的にもあるわけですけれども、いろいろな事業主体があってやっている中にあって、その規模にもよるのでしょうけれども、今、子供たちを預かるスペースが手狭になっているということでありました。国のほうでもいろいろな制度、支援事業があるようでありますけれども、土地の問題であったり、今日の資材高騰など、いろいろな問題があって、なかなかスペースをふやせないという状況があるようであります。そういったことに対する対策、支援も含めて、県とすればどのような方策をおとりになっているのかお伺いしたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 手狭になっている放課後児童クラブへの支援の状況ですが、基本的には各市町村におきまして地域の実情を踏まえながら対応を検討していくことになりますけれども、新たにクラブを創設したり、大規模クラブを分割する場合の施設整備に係る補助について、補助基準額が平成26年度の2、355万円余から平成27年度は2、442万円余へと3.7%の増となりますが、こういった拡充がなされています。
また、学校の余裕教室等を活用してもなお不足するために、民家等を賃貸借する場合には、平成27年度から新たに補助制度が創設されております。
こういった補助制度を活用いたしまして環境の改善が図られますよう、市町村に対して今後とも支援をしてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 事業の支援と流れについてはわかりました。
そこで、大事なのは子供を預かる際のスタッフ、いろいろな意味で先生という位置づけなのか、資格を持った方もいらっしゃるようですけれども、そういった方々の不足状況もあるようであります。そういうことは、県とすれば、不足する人員に対する支援策はあるのでしょうか。
〇南子ども子育て支援課総括課長 今般の子ども・子育て支援新制度におきましては、従来はガイドラインにより指導員という位置づけでありましたが、今般、子ども子育て支援員(後刻「放課後児童支援員」と訂正)という新たな資格が必要とされたものであります。この子ども子育て支援員(後刻「放課後児童支援員」と訂正)の資質向上を図るために認定資格制度が設けられたところでありまして、都道府県が研修を実施することとされております。
本県におきましては、今年度から教育委員会と連携を図りまして、県内4カ所で開催し、300名が受講いたしたところでございます。来年度におきましても、今年度と同様に、県内4カ所において計400名の受講を見込み、当初予算案に計上させていただいたところです。
なお、有資格支援員の配置につきましては、平成31年度までの経過措置が設けられておりまして、この期間中に全ての指導員が受講できるように配慮してまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、その体制づくりもしっかりお願いしたいところであります。
なかなか預かるほうも大変で、急に子供の数もふえたし、支援員もなかなか集まらないという状況もあるようでありますので、しっかりとした支援員の掘り起こしと、これから後の支援策も継続して考えていただければというところであります。
次の質問に移ります。看護職員確保定着推進事業についてお伺いしたいと思います。
最近、ラジオ等でもナースアクションの募集等で一生懸命やっているというのは理解しているところですが、看護師の不足は依然としてあるようであります。
そこで、看護師の不足の状況について、また、修学資金貸付金という事業もやっているようですが、その現状についてお伺いしたいと思います。
〇葛尾医務課長 看護職員の不足の状況についてでありますけれども、平成22年に策定した第七次看護職員需給見通しでは、平成27年末の本県の看護職員の需要数を1万7、170人、供給数を1万6、433人と推計しておりまして、737人が不足すると見込んでおります。
これまで、県では、いわて看護職員確保定着アクションプランを策定し、看護職員の確保、定着に取り組んできており、特に、看護職員修学資金貸付制度におきましては、平成23年度までに貸付額の増額や新規貸付枠を大幅に拡大するとともに、返還免除となります医療機関の要件の緩和などに取り組むなど、看護職員の養成と定着を推進してきたところでございます。
〇城内よしひこ委員 そこで、定着状況というものをお伺いしたいと思うのですけれども、先ほどの返還免除等いろいろと支援策を行っているようですが、県内の養成機関を卒業されて、なかなか県内にとどまらない看護師もいらっしゃるようです。そういった状況も踏まえて、皆さんがやっている事業の状況もあるでしょうけれども、その定着状況はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。
〇葛尾医務課長 看護職員の定着状況についてでありますけれども、看護職員修学資金の新規貸付者は、近年、120名から130名で推移しており、その結果、看護職員養成施設卒業生の県内就業率は、最も低かった平成22年度の42.6%から、平成27年度の県内就業率は59.8%と、統計が整っている平成10年度以降最も高くなっております。また、全国と比較しますと、本県の県内就業率59.8%は、全国平均の64.5%よりは低いものの、東北平均の57.6%よりは高い値となっているところでございます。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、岩手の人材を岩手に、そういったことを今後も推し進めていっていただきたいと思っております。
以前、高等看護学院にお伺いして生徒たちからお話を聞きました。どうしても都会に一度は行ってみたいという思いは持っていらっしゃるようであります。もちろん高度な医療技術を身につけるというのもあるようでありますけれども、岩手の暮らしやすさをもう少しPRすればいいのかもしれませんし、また、岩手の医療体制をもう少し充実させる必要があるのかと思っております。
そこで、今後、そういったことの課題はあるのか、また、どういうふうに捉えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。
〇葛尾医務課長 今後の課題についてでございますが、これまでの取り組みによって本県の看護職員はおおむね需給見通しどおり毎年増加しておりますが、今後も、高齢化の進展などによる需要の増加に伴い、看護職員の不足の状況は続くものと見込まれておりますので、離職した看護職員と潜在看護職員の再就業の促進などが課題になってくると考えております。
県としましては、これまでの看護職員の確保、定着対策に加えまして、昨年10月に開始されました離職した看護師等の届け出制度の活用や、いわてナースアクションのキャッチコピーを活用したテレビ、ラジオによる広報などにより、潜在看護職員の再就業支援に注力するなど、看護職員の確保をさらに進めていきたいと考えております。
また、本年4月に看護師養成施設が1校、盛岡市に開校しますほか、平成29年4月の開学を目指し、二つの大学が、今、準備を進めているという状況から、今後は、これら学校とも連携しながら看護職員の養成と県内就業率の向上に努めていきたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 そこで、ナースアクションのCMをラジオなどで一生懸命やっているのですけれども、届け出制ということなのですが、その届け出制度に応じている看護師はどれぐらいいらっしゃるのか、また、それをどういった形でアプローチして掘り起こし、現場に復帰させるのか、そういったことをお伺いしたいと思います。
〇葛尾医務課長 離職した看護師の届け出制度の登録者ですけれども、昨年10月1日に制度ができまして、これまで、市町村広報ですとかさまざまな媒体を使って広報しております。その結果、2月18日現在の数字ですけれども、届け出数は147ということになっております。今後、年度末に向かい、離職する看護師数がふえることに伴って届け出もふえるものと考えておりますが、県では、ナースセンターに事業を委託していることから、ナースセンターの運営体制を強化するなどで、直接届け出があった看護職員に情報提供したり、あるいは病院とのマッチングをしたりというような取り組みを行う予定としております。
〇城内よしひこ委員 そこで伺うのは民間病院の状況です。県では、かかりつけ医制度ということで、なるべく公の県立病院等の負担が平準化されるような形をとるために、通常、いきなり県立病院に行くのではなくて、ふだん診てくれるかかりつけ医の先生方と連携をとるということでやっています。
そういったことを支援する上でも、民間の看護師も不足しているということでありますが、そういった状況は捉えていらっしゃるのでしょうか、お伺いしたいと思います。
〇葛尾医務課長 民間病院の状況についてでございますが、国が2年ごとに公表しております衛生行政報告例によりますと、本県の平成26年12月末の看護職員は1万6、378人となっておりまして、平成22年度と比較し674人、4.3%増加しております。
この調査では、公、民間の区別はされていませんが、医療局の看護職員の増加の状況を見ますと、同じ平成22年度からの4年間で49人、率で1.4%の増加となっておりまして、医療局の増加率に比べて、民間病院を含む全県の増加率が高い状況となっております。
国では、看護職員の定着、離職防止を図るために、昨年度、勤務環境改善に関する規定を医療法に盛り込んだところでありまして、県としては、これを受け、例えば宮古山口病院など主に民間病院を対象に、勤務環境改善に関する経費の補助ですとか、職員研修への講師派遣などを開始したところでございます。
〇城内よしひこ委員 いずれ、看護師の仕事も大変だということであります。仕事の平準化というのはなかなか難しいでしょう。それは現場で抱える医療技術であったり、いろいろなものがあると認識しておりますが、これから高齢化が進んでいく中にあって、看護師もいろいろな意味で医療の資源でありますので、その確保と掘り起こし、また育成というのは手を休めてはいけないものだと思っています。それは、多分、共通の認識だと思っているのですが、今後、医師の確保はめどが立ったという言い方は変ですけれども、奨学金制度もあってめどが立ったのですが、今後、看護師の育成も含めて、そういった先ほど来の170人の不足が見込まれるということに対するめどというのはどのようにお考えなのかお伺いしたいと思います。
〇葛尾医務課長 看護職員の需給見通しについては、これまで第七次看護職員需給見通しで数字を押さえていたのですけれども、第八次看護職員需給見通しについては、国の方針で平成30年からの需給見通しを作成することになっておりまして、現在、厚生労働省では、その見通し策定のあり方について検討中でございまして、年内に各都道府県に策定の方針が示される予定となっております。
県としては、示されました指針をもとに新たな需給見通しを立てて確保対策に取り組んでまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、しっかり頑張っていただきたいと思います。
次に移ります。第16回全国障害者スポーツ大会選手強化費についてであります。本大会に向けた準備の状況と課題はどのように捉えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 希望郷いわて大会に向けました準備状況と課題についてでございますが、全競技への本県選手の参加と上位進出を目指しまして選手育成強化推進委員会を設置し、競技関係団体や障がい者団体等と連携いたしまして、選手の確保と育成強化に取り組んできたところでございます。
今年度におきましては、個人競技について、過去の大会記録をもとに入賞の可能性の高い記録を持つ選手を強化指定選手に選抜し、陸上、水泳など競技ごとに競技別専門委員会において練習計画を定めまして、強化練習を実施してきたところでございます。
団体競技につきましても、強化練習を実施しているほか、県外への遠征試合やプロスポーツ団体からの指導などを受け強化に取り組んでいるところでございます。
課題といたしましては、個人競技については、陸上、水泳の個人競技で強化指定選手の確保ができていない種目がありますことから、本年6月にリハーサル大会として開催いたします県障がい者スポーツ大会において選抜を行うこととしております。
また、団体競技につきましては、各競技に出場するチームは編成できたものの、競技力が不足しているチームもございますので、上位進出を目指し、新年度においても、今年度を上回るペースで強化練習、遠征を行う予定としております。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、選手の皆さんに刺激のある有意義な遠征であったり練習ができるような環境を整えてほしいと思います。有意義な質の高い相手と練習したり、そういう環境に身を置けば、間違いなく選手の皆さんの力は十二分に発揮できるものと私は思っております。ぜひ、そういうブラッシュアップをお願いしたいと思います。
そこで、本大会の岩手県としての目標順位を確認したいと思いますが、まさか8位以上とかという曖昧なことではないと思いますが、よろしくお願いします。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 大会の目標順位についてでございますが、全国障害者スポーツ大会は、障がい者の社会参加の推進や障がいに対する理解を深めることを目的に開催されておりまして、国体のような総合順位は設けられておりません。メダル獲得が目的ではないということでございますが、昨年の和歌山大会では、金14個、銀13個、銅8個の計35個のメダルを獲得いたしまして、過去最高の成績となったことから、希望郷いわて大会に向け、本県選手団の士気は高まっているところでございます。
開催県として、各競技とも昨年を上回る好成績を上げることが、県民に希望と勇気を与えることにつながりますことから、10月の大会開催に向け選手強化に取り組んでまいります。
〇高橋但馬委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時53分 休 憩
午後1時1分 再開
〇佐々木努副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について延べ15人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇南子ども子育て支援課総括課長 午前中の城内よしひこ委員の放課後児童クラブの質問に対する私の答弁の中で、放課後児童クラブに勤務する支援員の資格につきまして子ども・子育て支援員と答弁申し上げたところでありますが、正しくは、放課後児童支援員でございましたので、訂正させていただきます。
〇佐々木努副委員長 質疑を続行いたします。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、地域子ども・子育て支援事業についてまずお伺いしたいと思います。
子ども・子育て支援新制度では、地域型保育事業として多様な主体が保育事業に参加できるような仕組みがとられております。その中で、事業所内保育について、今年度、地域子ども・子育て支援事業において支援した施設の状況と、それから、平成28年度新規で事業所内保育施設を設置する予定がどの程度見込まれるのか、また、今後の県の支援の体制についてお伺いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 事業所内保育事業に対する支援でございますが、まずは、市町村の認可を受けた事業所内保育事業につきましては、子ども・子育て支援新制度の地域型保育給付の対象となるものでありまして、県においては、その経費の一部を負担することといたしております。
今年度は、平成28年1月に新たに事業所内保育事業が立ち上がりまして、これまで対象となっている事業はございませんでしたが、今回初めて、この1カ所が県内で対象となったところです。
今後の予定につきましては、現在のところ、この1カ所のみということで見込んでおりまして、今後の支援の体制等につきましては、国の地域型保育給付の対象となる公定価格でもって、国、県、市町村挙げての財政支援を行ってまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 女性のさらなる活躍の推進とか、共働き家庭、ひとり親家庭に対する支援というのは本当に必要ですが、実現はとても難しい部分があるということを、今年度1件だけという結果で感じております。ただ、この事業所内の保育施設というのは、これからもっと必要になってくる事業だと思っております。特にも、女性が子育てしながら働くという状況で、仕事が終わったときに、仕事場の近くの施設に子供がいるということですぐに帰れる。市町村単位で事業を行っていると、働いている場所から自宅までの距離があればあるほど、早目に家を出てそして間に合うように帰らなければいけないという現実がありますので、共働きというか働く女性がふえればふえるほど、この事業所内保育施設の設置というのは、事業主としてもしっかり考えていかなくてはいけない事業の一つではないかと思っております。
この事業所内保育施設設置運営ですが、岩手労働局雇用均等室でも、事業所内保育施設設置・運営等支援助成金というのがありまして、事業所内保育施設の普及にそちらでも力を入れていますが、これは普及はするのだけれども、促進する事業というわけではなくて、設置した事業所に対して設置費用とか運営費に助成するというものなので、事業所内保育施設をつくりたいという事業所が、どこにどのように相談すればいいのかという窓口みたいなものが、見えていないような状態なのかと思っております。地域子ども・子育て支援事業交付金は、多様な主体が本制度に参加することを促進するための事業ということで、こういった事業所内保育施設の設置を促進するために支援をする事業としてこういったものは活用できるのかどうか、その辺はどのようにお考えなのかお伺いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 この地域子ども・子育て支援事業でありますけれども、いわゆる13事業と呼ばれている事業であります。この中で、事業所内保育事業との兼ね合いでいきますと、これは地域型保育給付となるわけでありますが、地域子ども・子育て支援事業の中で利用者支援事業という事業がございますので、これは市町村がさまざまな子育て家庭の親御さん、あるいはさまざまな不安、悩みを抱えている方からのいろいろな相談を受け、そして、そこをさまざまな施設とかにつないでいくコーディネーター的な部分があるわけですが、場合によっては、事業所内保育に関する相談等があった場合には、そういうところで相談をお受けするということは可能かと考えてございます。
〇ハクセル美穂子委員 私もこれまでいろいろと質問させていただきましたが、この事業所内保育施設の事業は岩手労働局でやっていて、どちらかというと商工労働観光部の管轄で分けられていまして、ただ、推進する側は地域子ども・子育て支援事業のほうに予算がついていて、設置するのは岩手労働局の雇用均等室で、この要件についても、一般事業主行動計画を策定した事業所が共同で事業主としてやれるとか、いろいろな制度としてこれは活用できるというのがありますが、ただ、私は違う部にあるがために、部局間での調整というのが行われていないような感じを受けるのですけれども、この事業所内保育について部局横断的に取り組むようなお考えがあるのかどうか、その辺のところをお伺いしたと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員からお話のありました事業所内保育につきましては、基本的には岩手労働局が窓口となって対応しているところでありまして、商工労働観光部サイドでも、私どもでも、基本的には、申請あるいは相談といった形に対応している現状には現在のところはございません。
ただ、そういったことも背景にはあろうかと思うのですけれども、国が一括して事業所内保育事業についてはやってきたが、それだけではなかなか進まないということであって、労働局が所管する事業所内保育事業の一定の枠、いわゆる地域枠と申しますが、その中に従業員の子供をお預かりする枠以外に、地域の子供をお預かりする枠を設けた場合にあっては、今般の子ども・子育て支援新制度の給付の対象としますという形で今回変わってきたものであります。加えて、今般新たに国におきましては、平成28年度において、新たに事業所内保育事業の充実を図ることといたしまして、事業所内保育の施設整備費や運営費に対する補助事業を企業主導型保育事業という形で創設いたしまして、複数企業による共同利用など、柔軟な実施を可能とした企業主導型の多様な保育サービスの拡大を支援するということとなっております。
現在のところ、これは内閣府の所管となっておりますけれども、詳細についてはまだ4月以降でないと示されてこないということもあり、私どもも、これについては今後情報収集に努め、必要に応じて市町村等に対しても情報提供してまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 実は事業所内保育所保育施設設置運営等について、厚生労働省から出されているQ&Aの中には、子ども・子育て支援新制度の地域型保育の事業所内保育事業と、本助成金はどういう関係にあるのですかという問いに対して、地域の保育を必要とする子供も一定程度受け入れるものは、自治体の認可を受けることにより地域型保育給付対象となる予定ですと、今おっしゃったような形で書かれています。ということは、事業所内だけの子供ではなくて、地域の子供も受け入れられるような施設であれば、午前中に質疑があった待機児童の解消のためにも役立てる事業になるのではないかと思いますので、ここは商工労働観光部、岩手労働局、保健福祉部といった部局ごとの枠を超えて一体になって推進していかなくてはいけない事業なのではないかと感じるのですけれども、これからいろいろまた新たなメニューが出るということなので、部局横断的に子育て支援というのはやっていただきたいと私は本当に強く思っておりますので、その辺のところの所感を部長にお伺いいたしたいと思います。
〇佐々木保健福祉部長 我々も、いわての子どもを健やかに育む条例をつくっておりますし、その基本計画となるいわて子どもプランも策定しております。その策定に当たっては、関係部局が連携して策定し、施策についても連携して取り組むということにしておりますので、商工労働観光部それから岩手労働局など、あるいは教育委員会とか、関係するところと今後とも連携をとりながら、各種施策を進めていく考えです。
〇ハクセル美穂子委員 ぜひ事業所内保育というやり方もあるということを市町村や事業者のほうに、どのようにお伝えすればこういった多様な主体が保育事業に参入できるような仕組みが普及していくのか検討いただき、これからも頑張っていただきたいと思います。
では、次の質問に移らせていただきます。保育対策総合支援事業についてお伺いいたします。
保育対策総合支援事業で設置されています保育士・保育所支援センターは県で実施しておりますが、この支援センターは、潜在保育士等が保育所で働きやすい環境を整える調整役になり、保育士の人材確保を推進するということが事業の目的であるようですけれども、この支援センターでは、病児保育事業の中の一般の保育所でも行える体調不良児対応型を実施する場合に必要とされる看護師の確保に対する支援なども行うのかどうか、お伺いしたいと思います。
また、あわせて、平成28年度の病児保育所の増加見込み数と、今後の病児保育事業の周知促進の方向性についてもお伺いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 まず、保育士・保育所支援センターにおける看護師確保に対する支援についてでありますが、県が設置する保育士・保育所支援センターにつきましては、国の補助事業の実施要綱に基づき、保育所等を対象といたしまして、潜在保育士の再就職支援等に係る事業を行っているものでありまして、看護師を対象とした支援とはなっていないものであります。
現在、保育所における看護師につきましては、ハローワークを通じての求人、求職を行っているほか、岩手県ナースセンターにおきまして再就業支援などの事業を行っておりまして、平成26年度におきましては、保育所の求人6件に対しまして2件の就業がなされているところであり、引き続き関係機関との連携を図りながら、必要な看護師の確保ができるよう支援をしてまいりたいと考えております。
次に、平成28年度の病児保育事業についてでありますけれども、今年度の実施施設は、病児対応型が7市町、10カ所、病後児対応型が8市町、11カ所、体調不良児対応型が10市町、33カ所、合計20市町、54カ所となりまして、前年度より3市町、10カ所増加したところであります。
来年度、平成28年度におきましては、昨年12月に市町村に照会をしたところ、今年度と同様に実施する予定となっていると伺っているところであります。
病児保育事業を初め子ども・子育て支援新制度につきましては、これまで、国からの情報は、入手次第直ちに市町村に情報提供してきたほか、国の職員を招いての説明会、あるいは県内4ブロックでの情報交換会を開催いたしまして、さらには、市町村からの疑義照会に対しても、国に確認を行いながら対応をしてきたところでございます。
県といたしましては、市町村が地域のニーズに対応した病児保育事業を実施できるよう、引き続き、市町村の担当者会議などあらゆる機会を通じて制度の周知を図るとともに、必要な情報提供、財政支援を行ってまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 看護師については、県のナースセンターで再就業などを支援されているということをお聞きしまして、ちょっと安心したところでございます。私は、病児保育事業を12月の一般質問でも質問させていただきましたけれども、基本的には、市町村事業であるということをいつも言われておりますが、ただ、働く場所が居住している市町村と異なる場合、仕事を終えた後に保育事業所の閉所時間までに迎えに行けるかどうかというのは、結構働くお母さん、お父さんにとっては、深刻で、重要な問題であると思っています。特にも、子供が病気になったときに、何か病状が悪化したときにすぐ駆けつけられるようなところに病児保育事業というのはあるべきなのではないかと私は考えていますので、現代は車で隣のまち、隣の隣のまちまで仕事に出ていき、お父さんも違うほうに出ていくといったときに、では、子供たちはどこで病児保育事業を受けるべきなのか。市町村の枠で考えてしまうと市町村の中だけで終わってしまいますけれども、もう広域的にいろいろ考えていかなくてはいけないような状況になっていますので、そういった主導的なところは県が広域的な目で、盛岡市にこれだけの就業人口がある、日中にこれだけの家族とかお母さん、お父さんが働きに来ているのであれば、その位置にどれだけの病児保育が必要なのかといったような見方もこれからはやってもらい、この事業を県もかかわって推進していただきたいと思っております。
そして、ほかの県では、県のホームページに、県内の病児保育事業所の一覧表というのが載っていますので、病児保育事業、病児保育の場所、保育所というふうに検索すると、県のホームページが一番上に来て、そこでPDFファイルをクリックすると、大体どの位置にどういう病児保育所があるのかということを見ることができる県も兵庫県とか山形県とか結構あります。ただ、今、岩手県では、そのPDFファイルもまだ掲示されていないような状況なので、病児保育所もふえてきましたので、県内のどの位置に、どういう場所に病児保育事業所があるのか、県民の皆さんに見て活用していただくためにも、そういった形で周知をしていただきたいと思います。これは要望ということで終わらせていただきます。
そして、次の質問に移りたいと思います。3点目は予防接種事業についてお伺いいたします。
さきの12月の一般質問でも私がお伺いしたのですが、定期予防接種事業の広域的な取り組みに対する平成28年度の県の支援の状況について、まずお伺いしたいと思います。
〇野原副部長兼医療政策室長 予防接種事業の広域的な対応についてでございます。
本県では、多くの市町村で、近隣市町村の医療機関での予防接種を可能とし、その手続の簡素化も図っているところでございますけれども、こうした広域的な対応については、市町村によってばらつきがある状況と認識をしてございます。
県では、これまでも、広域的な連携の支援の観点から、予防接種法上の実施主体である市町村に対し助言をしてきたところでございますが、改めて、平成28年1月15日付けで体制の整備について通知をしたところでございます。
県としては、平成28年度におきましても、市町村や岩手県医師会等の関係団体を通じて、予防接種に係る課題の把握に努めながら、関係機関との連絡会議を開催するなど、広域的な予防接種も含めて、より円滑な実施体制の構築が図られるよう、市町村を支援してまいります。
〇ハクセル美穂子委員 いろいろと郡市医師会とか県医師会の皆さんと一緒にやっていらっしゃるということは今の答弁からもわかりますし、ほかのほうからもお聞きしております。来年度、盛岡広域圏の中で試験的に実施することができるかどうかのところまでお話があるということもちょっとお聞きしましたので、これからもこの予防接種事業については、県が間に入って、クッション役になって医師会と市町村との調整をしていただきたいと思っておりますので、その点は今後もよろしくお願いいたします。
それでは最後に、いわて子どもの森の管理運営費についてお伺いいたします。
平成28年度で開設から12年目を迎えると思うのですけれども、いわて子どもの森という児童館があります。現在の取り組みの状況と今後の課題について、現時点で県ではどのようにお考えかというところをお伺いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 いわて子どもの森に関する現在の状況、そして今後の課題でありますが、いわて子どもの森は、県立の大型児童館といたしまして、県内の児童健全育成活動を支援する中核的な施設として整備をし、平成15年5月に開所したところであります。平成15年開所以来、入館者数は若干減ってきたところでありますが、平成21年に施設をリニューアルした後、また、利用者数の増加に転じてきたところでありまして、昨年度、平成26年度においては、21万1、710人のお客様をお迎えしたところでございます。
今後の課題といたしましては、開設から12年を経過したということもございまして、施設本体そしてまた屋外施設等の老朽化も問題となってきておりまして、今後、計画的な施設修繕、設備整備、そういったものに取り組んでいく必要があろうかと考えてございます。
〇ハクセル美穂子委員 私がいわて子どもの森の管理運営状況評価シートというものを拝見させていただきましたら、整備当時の利用者目標が11万人ということで、それよりも平成26年度は21万1、710人の利用があると今お話をいただきましたが、実は平成25年度は21万7、004人の利用者で、平成24年度では22万1、315人ということで、2年間のうちに1万人ぐらい利用者が減っているというのが実情ではないのかと思いますが、この2年間で1万人の利用者の減をどのように受けとめて、本当に利用者拡大に向けて現在も取り組んでいらっしゃるのか。取り組んでいるのであれば、具体的な取り組みのところをもうちょっとお聞きしたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 委員御指摘のとおり、平成24年度、平成25年度、そして平成26年度と、少しずつ利用者数が減ってきております。
これについては、明確にその分析までは至っておりませんが、各年度において、天候による利用者数の動きというのもございます。そういったことなども勘案しながら、これまでも利用者の増加に向けてさまざまな啓発活動、PR活動に取り組んできたところでございます。特に、地域の方々あるいは学識者等からなるいわて子どもの森運営委員会を設置して、今後、このいわて子どもの森をどのような形で運営していくのかということをさまざまな観点から御意見を頂戴しているわけでありまして、そういった方々からの御意見を含めながら、周知、広報啓発活動に取り組んできたところであります。
また、いわて子どもの森自体におきましても、毎年度、子供たちに興味、関心を持っていただけるような遊びでありますとか、毎年創意工夫を凝らしながら取り組みを進めてきているところでありまして、特に平成26年度においては、カプラという積み木のような、いわゆるフランスカラマツを材料とした積み木のようなものですが、それを新たに導入いたしまして、子供たちのさまざまな興味、関心を引くような取り組みに努めているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 答弁された形でいろいろと取り組んでいらっしゃるようですけれども、私も実はいわて子どもの森はよく行く場所でございまして、施設の利用状況を見ますと、冬期間に利用者がかなり減るという状況であります。施設自体は大きいのに、何で冬場に利用者が減るのだろうなと感じました。
行ってみるとわかるのですけれども、子どもの森の周りにある自然とかじゃぶじゃぶ池とか、外で遊ぶのに快適な、最適な場所であることもわかりますので、夏にたくさん御家族がいらっしゃるというのもわかりますが、あれだけの大きな施設で、冬場に伸び伸びと遊べない子供が、本当は伸び伸びともっと利用してもらってもいい施設なのではないかと思います。使っている身としては、施設の中のおもちゃの数がどんどん少なくなってきているような感じがします。おもちゃ湯というおもちゃがあるエリアがありますけれども、子供たちはいっぱい来るんだけれども、そのおもちゃの数が少ないので結構遊べないということもあります。それから、子供1人であればいいのですが、2人とか3人がいる御家庭で、上の子供が高学年になったときに、下の子供を連れて、両方連れて遊びに来たときに、高学年の子が遊べるようなものがちょっと少ないのではないかというのが私が感じたところです。児童施設ですから、小学校の5、6年生まで、学童のほうでも、施設を利用するような県の施設でございますので、小学校6年生の子でも……。
〇佐々木努副委員長 質問は簡潔明瞭にお願いします。
〇ハクセル美穂子委員(続) はい。遊べるような施設にするように、これからももうちょっと点検していただけたらと思っております。
また、県産の木材を使うとか、これからもう一回リニューアルして、他県の児童施設の状況なども研究しながら改善をしていただきたいと思いますが、最後に、今後どういった形で、子供たちの意見も入れるのかどうかとかいろいろあると思いますが、その辺のところを最後に聞いて終わりたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 今後におけるいわて子どもの森の運営のあり方でありますが、冒頭お話がありましたように、確かに、冬期間においては利用者数が減ってまいります。ただ、これにつきましては、冬期間における、例えばクリスマス、正月、節分、そういった季節行事に合わせたイベントの実施などもやってまいりましたし、また、屋外でなければできない雪遊びのための特設会場、こういったものにも取り組んできたところでございます。こういったことの取り組みに加えまして、来年度におきましては、新たに全国の博物館等と共催をいたしまして、冬をテーマとしたイベントの実施を検討しているところでありまして、今後におきましても、先ほど申し上げました運営委員会からの意見もいただきながら、より多くの方々に利用していただけるよう、事業内容の見直しを図ってまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 私からはなるべく簡潔に質問するように心がけたいと思います。
保育所の待機児童問題については、午前からそして先ほどもありましたので、なるべく重複しないように質問したいのですけれども、まず、保育園それから認定こども園、小規模保育所などいろいろな施設があるわけですけれども、新年度の定員拡大の見込みはどうなっているでしょうか。午前中でも、10月現在の待機児童732人という数字が出ておりますので、見込みについてお伺いします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 保育所、認定こども園、小規模保育事業に係る定員の拡大の見込みについてでございますが、市町村におきましては、待機児童の解消等のため、昨年度、平成27年度から平成31年度までの5年間の保育ニーズ等を踏まえた市町村子ども・子育て支援事業計画を策定したところでございます。
県におきましては、市町村計画を踏まえ、岩手県子ども・子育て支援事業支援計画を策定したところでございますが、保育所、認定こども園、小規模保育事業を初めとする新制度の施設型給付と地域型保育給付の利用の対象となる、いわゆる保育を必要とする子供に係る利用定員につきましては、今年度、平成27年度が2万9、800人、そして来年度においては、3万379人という形で利用定員の拡大が図られる予定となっております。
〇佐藤ケイ子委員 若干ですよね。これだけ待機児童問題がずっと言われておりますけれども、なかなか拡大ができない。この要因をどう考えているかということですけれども、保育士が確保できないということもそうですし、私はこの制度自体が非常に矛盾を多く抱えていると思います。これは国全体の制度改革が必要でして、特に数年前、10年前くらいからですか、公立保育所がどんどん民営化されるようになった。昔は措置費で、見える形で国から予算が来ていたのが、全部交付税算入になって、見えない形になって、それで公立はなかなか運営ができない、財政的にも厳しいので民間にどんどんお願いするような形になると、政策的にやらなければならないという思いはあっても、現実的には拡大できないという状況にあると思っています。それで、国にこの制度の抜本改正を求めていかなければならないのではないかと思いますので、その見解をお伺いしたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 今般の子ども・子育て支援新制度につきましては、まず国が消費税増税分の7、000億円という恒久的な財源をまず確保したこと、そして、これまで縦割りであった幼稚園、保育所等が一つの公定価格という施設型給付費の中に組み入れられて、同じ水準のサービスが提供できるようになったこと、そしてまた、単なる施設型給付だけではなくて、その地域における小規模保育事業も認可事業として幅広くさまざまなサービスを提供できるような形で今回の新制度というものが成り立ったものと考えてございます。そうした国の考え方に基づきまして、財源がきちんと確保され、そして、制度の内容についても大分大幅な改正でありましたので、現在のところ、市町村におきましては、まだその制度の中身まで十分熟知できているような状況にまで至っていない部分も多々あろうかと思います。そういったことを考えますと、まずは私どもとすれば、その制度の内容を市町村に御理解いただけるようにきちんと支援をしていかなければならないと思いますし、そういったことを進めていく中で、抜本的に制度の見直しが必要な部分については、きちんとこれは国に対しても要望していくということが必要であろうと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 そういうことなのですけれども、現実的にはなかなか認定こども園も拡大しません。それから小規模保育については、大分拡大されるのではないかとは思いますが、保育の質というものについては問題があると思います。資格のない方々にもどんどん働いてもらうのもある程度わかりますけれども、保育の質が心配です。事業所内保育所もどんどん拡大してもらうことになっていますが、事業所の整備負担がすごく大きいのですね。なかなかこれでは進まないというのが現状です。こうしたことが改善されないと、女性活躍推進とか一億総活躍とか言われても、全然活躍できないというのが今社会問題になっていて、そのとおりでございます。
それでは、保育士確保のことについてですが、午前中も郷右近委員から質疑があったところですけれども、保育士の処遇、給与が低いということで処遇改善はされておりますけれども、それでも全然低い。保育士にお聞きすると、これで処遇改善になっているのでしょうか、全然実感がありませんと言われるのが実態です。
実際は、関東圏とかでは、独自の処遇改善に加算をしています。住宅の借り上げですとか、それから処遇改善費もさらに1万円、2万円アップさせて改善をしている。そうすると、保育士がこちらで資格を取っても、どんどん関東圏に行くということで、なかなか地方の保育士確保は難しいという状況ですけれども、午前中も郷右近委員が独自の保育士確保策と処遇改善策を検討しなればならないのではないかとおっしゃっていましたけれども、私も本当にそう思いますが、その所見について再度お伺いします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 保育士の処遇改善についてでございますが、国におきましては、これまでも保育士の確保対策について充実を図ってきたところでありまして、今般、平成27年度の補正予算においても、新たに保育士の負担軽減策を講じたほか、平成28年度においては、公定価格に新たな加算を創設するなど、保育士の処遇改善に係る施策は、一層拡充されてきているところと認識いたしております。
県といたしましては、こうした国の施策に呼応いたしまして、平成28年度当初予算案に必要な予算を計上したところであり、まずは、これらの事業の着実な実行を図ってまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 なかなか難しい答弁ですね。
保育士の資格を取っても、非常勤での仕事しかないというのが仕事を続けられない一番大きい問題だと思います。そうした制度的なたくさんの課題を持っているということですので、さらに独自の施策を検討していただきたいと思います。
国の政策、国の補助金を当てにしなければならないような状況もわかりますけれども、ここは一つ踏ん張っていただければと思っております。
それから、次の質問ですけれども、子供の貧困対策の関係ですけれども、ひとり親家庭のセルフサポート事業というのも今度展開されるということですけれども、今までも、いろいろひとり親家庭の資格取得については補助制度があったわけですけれども、現実的にはなかなか実を結ばなかった、効果が限定的だったという状況でした。この制度改善がどのようにされるのか、新年度の取り組みについて伺います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 ひとり親家庭等セルフサポート事業の内容についてでございますが、ひとり親家庭等就業・自立支援センター事業といたしまして、母子・父子福祉団体等に委託設置し、就業相談員による就業支援を行っているほか、ひとり親家庭の親が教育訓練講座を受講した場合の受講費用の助成として自立支援教育訓練給付金や、資格取得のために養成機関で修業する場合、その修業期間中に生活費支援として高等職業訓練促進給付金を支給しているものでございます。
来年度は、自立支援教育訓練給付金の受講費用の助成割合を、現行2割から6割に引き上げるほか、高等職業訓練促進給付金の給付期間を2年から3年に延長するなどの制度の拡充を図ることとしております。
また、高等職業訓練促進給付金の支給対象者に対しましては、5年間の就業継続によりまして返還免除となる就職準備金等の貸付事業を新たに行うことといたしております。
さらに、ひとり親家庭の親や子供の学び直しを支援するために、高等学校卒業程度認定試験合格支援事業といたしまして、高卒認定試験合格のための講座受講費用の助成にも新たに取り組むことといたしております。
〇佐藤ケイ子委員 ひとり親家庭の就業自立支援に向けては、かなりいろんなメニューが出てくると思って期待をしたいところですけれども、本当にこういう事業を活用できる状況なのかと心配になります。
これまで、自立支援センターの事業を一般社団法人岩手県母子寡婦福祉連合会に委託をしているわけですけれども、同連合会に入っている会員もかなり少なくなってきており、会員もかなり高齢になっておりまして、実際必要な方々に届くのかというのもちょっと心配なところです。周知についても特段の配慮をいただきたいと思いますが、その周知の方法については、どのようになされますでしょうか。
〇南子ども子育て支援課総括課長 制度の周知の状況でありますが、これまで活用状況が委員御指摘のとおり、必ずしも十分とは言えない状況がございました。その背景には、ひとり親家庭に対する各種制度の周知が十分ではないことも要因の一つとして考えられることから、今年度は、広域振興局の母子・父子自立支援員が児童扶養手当の現況届の提出期間中に市町村に出向きまして、新たに出張相談会を実施したほか、現在、ひとり親家庭に対する支援策をまとめたハンドブックを作成しているところでございます。
来年度は、このハンドブックを活用いたしまして、出張相談会で配布するなどによりまして、幅広い相談対応そして制度の周知に努めるとともに、制度の活用を促しながら、ひとり親家庭の親の自立支援に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 それでは、生活困窮者支援事業の取り組みの状況と課題について伺いたいと思います。
いろいろな事業をそれぞれの団体が小さくやっていたり、社会福祉協議会や市町村でも取り組まなければならないとは思っているわけです。子ども食堂とか勉強会をやらなければならないと思っておりますし、生活協同組合でも、その事業は大事だし補助事業もあるということもおっしゃっていたのですが、それぞれが思いだけはあるけれども、なかなか実現は難しい。ですから、ネットワーク化が必要ではないかと私は思うのです。いろいろな団体が、気持ちはある、少しずつのお金はある、少しずつの人手はある。そうした方々をつないで、あちこちでそういった事業ができるような体制ができないでしょうか、伺います。
〇藤原地域福祉課総括課長 生活困窮者支援事業の取り組み状況と課題でございます。
昨年4月に施行されました生活困窮者自立支援法に基づきまして、事業の実施主体である市、それから町村部を所管する県、それぞれ必須事業として、生活困窮者からの相談に対応する自立相談支援事業を実施しているほか、地域におきまして、任意事業である子供の学習支援事業、それから就労準備支援事業、家計相談支援事業等に取り組んでいるところでございます。
課題といたしまして、要支援者の早期発見、それから支援メニューの拡充が必要であると考えておりまして、制度の周知、それから民生委員、社会福祉協議会、ハローワーク、そういった関係団体とのネットワークの構築、やはりこれが一番重要かと思っておりましたので、ネットワークを構築して要支援者の把握に努めること、それから任意事業の実施とか就労の場の確保、そういったことの支援メニューの拡充を図っていきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 ぜひ、こうした取り組みがどんどん周知されるように、広がりを持てるように、さらなる取り組みをお願いしたいと思います。
それでは、次の介護環境の改善について、質問いたします。
これも午前中に郷右近委員も取り上げておりますけれども、特別養護老人ホームなどの待機者の状況、それから新年度に向けた施設整備の見込みはどうでしょうか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 まず、特別養護老人ホームの入所待機者でございますけれども、毎年度行っております調査によりますと、平成27年4月1日現在、在宅で早期入所が必要とされる待機者は958人となっております。
なお、特別養護老人ホームにつきましては、平成27年度には、広域型9施設、75床、地域密着型施設5施設、135床、合計210床が新たに開設される見込みでございます。また、平成28年度は、地域密着型の7施設、203床が整備される予定ということで、今議会の予算に提案しているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 新たに整備される210床、203床ということはそうなのですけれども、実際の待機者の状況というのは、本当はもっともっとこの何倍にも及ぶものだろうとお聞きしています。要介護3以上の方々がこの対象になっている、さらには、今は在宅の方もいるということがあるので、この人数はかなり限定的な待機者の人数だろうとお聞きしたところでございます。
介護人材の確保がかなり問題になっておりまして、介護施設の処遇が厳しいというのはそのとおりでございます。
それで、人材確保の部分も通告はしていましたが、午前中にやりとりされたので飛ばしまして、介護施設の厳しい職場環境、高齢者に対する虐待など、いろいろな問題があるわけで、抜き打ち指導をしなければならないと新聞でも報道になり、厚生労働省からも通知があったと思うのですけれど、どのように取り組むのか、お伺いしたいと思います。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 介護事業所に対します実地指導でございますけれども、これまで国の指針によりまして、事前に文書で通告するということでやっておりましたけれども、ただいま委員からお話がございましたように、今月開催されました厚生労働省主催の全国会議におきまして、高齢者虐待が疑われる場合などは事前に通告することなく実地指導ができるように、国の介護保険施設等指導指針の改正を行うということが示されたところでございます。
県では、この国の指針の改正を受けまして、事前に通告することなく実地指導が実施できるよう、介護保険施設等指導実施要綱等の改正を行う予定でございますけれども、あわせまして、地域密着型施設につきましては、市町村がそのような指導を担っておりますので、市町村に対しましても適切に対応するように助言してまいりたいと思っております。
〇佐藤ケイ子委員 現地で指導するわけですけれども、実際は経営の問題などもあって、なかなか強く改善要求をできないという状況だとお聞きしております。
それから、今、立入調査の対象になっていない、いわゆるお泊まりデイサービスとか介護保険対象外の施設もあちこちに見られるようになりまして、その問題も抱えているわけですけれども、そういうお泊まりデイサービスの把握や立入調査はどうなっていくのでしょうか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 介護保険のデイサービスで泊まりまで延長してやるいわゆるお泊まりデイサービスでございますけれども、これらにつきましても県に届けを出してやっております。現在は54施設につきまして把握しているところでございますが、これらにつきましても、状況について確認してまいりたいと思っております。
〇佐藤ケイ子委員 お泊まりデイサービスについても抜き打ち調査の対象ですか。調査の権限は県または市町村のどちらですか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 まだ国の指針が来ておりませんので、国でどの程度の範囲までするかというのは確認はできておりませんけれども、状況を見ながら対応してまいりたいと思っております。
〇佐藤ケイ子委員 なかなか難しいですね。
県も市町村も、介護施設も、地域包括支援センターも、それぞれ大変というか、働いている方々が大変な状況でして、なかなかこういった問題を抜本的に改正されないと難しいと感じます。これも国の大きな制度改正がなければ、末端では大変な思いをします。利用者もそうですし、市町村も県も事業所も、それぞれ悩ましい状況でございますので、これも事あるごとに国に制度の充実について要望していただきたいと思っております。
それでは次に行きます。高齢者の社会活動推進について伺います。
これは老人クラブのことですが、老人クラブは会員数がだんだん減ってきていますし、地域での見守り活動とか社会活動は結構どんどんふえているという状況の中で、老人クラブの会員数が少なくなってくる。会員数の動向と課題をどう捉えておられるか伺います。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 ただいまお話のございましたように、県内の老人クラブ数、会員数とも、年々減少傾向で推移しておるところでございます。
福祉行政報告例によりますと、平成26年度末現在で、クラブ数は1、860クラブ、会員数は約8万人となっております。
県老人クラブ連合会でも、会員の増加に取り組んでおりますが、毎年3、000人程度の新加入者がある一方で、会員の高齢化等により、新規加入者を上回る退会者が発生しておりまして、減少傾向が続いているという状況でございます。
老人クラブは、高齢者の生きがいづくりですとか、あるいは見守りなどの社会参加活動の先導役としての役割を担うことも期待されておるところでございますけれども、会員数の減少といったものが一番の課題になっていると考えております。
〇佐藤ケイ子委員 今おっしゃったとおり、地域見守り活動、清掃活動、スポーツ活動、いろいろな親睦活動とか、かなりのメニューをこなしているわけですけれども、その老人クラブの運営を担っているのは、会費とそれから補助金というのがあるわけですが、この補助金がかなり遅い時期にしか交付されない。新年度、4月から事業をやって、2月に前金払い、そして5月に精算ということになる。4月、5月で精算ということになるのですけれども、どうやって運営をしていると思っていらっしゃるでしょうか。実態は、老人クラブ連合会の役員はずっと無報酬、それから事務局職員も、その補助金が来るまで事務局手当を受け取らないで働いているというのが実態です。この補助金を早期支払いに改善はできないでしょうか。県とそれから国、市町村、老人クラブと四者絡んでいるわけですけれども、本当にこの補助金の支給時期が遅くて困るというのが現場の声でございますが、どうでしょうか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 確かに老人クラブにおきましては、運営資産というのがあるわけではございませんので、非常に補助金がおくれると大変だろうということは重々承知しております。
この老人クラブ等に対します補助金につきましては、国、県、市町村がそれぞれ3分の1ずつ負担して補助しているわけでございますが、例年ですと6月に国から通知が参りまして、県では、市町村からの要望等を取りまとめまして、7月に国庫補助の協議を行っておりますが、補助の内示が10月下旬から11月ごろということで、最終的な交付決定は2月上旬という流れになっております。
県では、市町村の交付事務ができるだけ早期に行われますよう、内示を受けた段階で、11月には各広域振興局に予算を令達いたしまして、交付事務が進められるようにしているところでございますけれども、市町村からそれぞれの老人クラブに対する補助金の支払いは県の交付決定後になることから、年末あるいは年明けとなっているかと思います。これはどうしても国庫補助制度の関係がございますけれども、国に対しまして、補助金の手続につきまして早期にスタートするように、今後も働きかけてまいりたいと思っているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 県の交付決定は12月ですけれども、その前に、7月に国と協議、10月ごろに内示というのがあるわけですね。その段階で事務を進めて前金払いとか内金払いとか、そういった手法はないのでしょうか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 県から市町村に対します内示につきましては10月に行っているわけでございますので─失礼しました。国の内示が10月に来たときに、直ちに市町村に交付決定するように交付事務を進める手続を行っているわけですけれども、それぞれ老人クラブに対して前金払いなどで対応するかどうかというのは、それぞれの市町村の考え方になろうかと思いますが、早期に補助金事務が交付できますように、こちらとしては事務手続は当然早くしますけれども、改めて申しますが、国にそもそものスタートを早くするように働きかけるようにしてまいりたいと思っております。
〇神崎浩之委員 放課後児童クラブについて、城内委員の質問に続き質問させていただきます。
先ほど313カ所、1万2、707人の利用ということでありましたが、今の待機者というのはどのぐらいの人数であるのかということと、それから二つ目として、4年生以上も対象になったということですが、4年生から6年生までを対応している施設の数についてお聞きしたいと思います。
それから、あわせて、これは小1の壁と言われておりますけれども、保育園では時間延長で預けてもらったのですが、放課後児童クラブになると、小学校に入ると時間が短くなるということで、6時半以降も今度は対象にするということになってきているわけですが、これを実施している施設数と、その運営状況についてお伺いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 放課後児童クラブの運営状況でありますけれども、待機児童の人数でありますが、本年の5月1日現在で、入所利用希望であった者のうち利用できなかった児童数が97人となっております。
また、4年生から6年生を受け入れている施設でありますけれども、全体で313クラブのうち、4年生以上を受け入れているクラブは264カ所でございます。
また、6時半以降開所している施設につきましては、全体で313カ所のうち156施設でございます。
〇神崎浩之委員 待機者がまだいるということと、時間延長については半分を超えるぐらいということであります。
今回の目的ですけれども、子育て支援も力を入れるという中で、保育園、認定こども園は制度を充実させておりますけれども、放課後児童クラブについても国のほうはさまざまなメニューを新設して、平成27年度も平成28年度もさらにメニューをふやして充実させようとしているわけですが、この目的について、課題があるから目的があって支援策をつくっていると思いますけれども、その辺について確認させていただきたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 放課後児童クラブにつきましては、平成27年度から子ども・子育て支援新制度の1事業として位置づけされたところでございます。これによりまして、恒久的な財源のもとに公費できちんと支払いができるという制度となったわけでありますが、今般の子ども・子育て支援新制度におきましては、保育を必要とする方々に対するサービスの提供はもちろん、在宅あるいは保育を必要としない一般の子供たちに対するサービスというものも、その新制度の中に取り込んだものであります。
これは、例えば保育所等に子供を預けていなくても、家庭で養育している子供の養育相談であるといったものについても、相談をする場面というものができたわけであります。
そういった観点からも、放課後児童クラブにつきましても、新制度といえば就学前の子供を対象とした制度と見られがちではありますけれども、就学期の子供に対する支援制度ということで、新たな制度の中に盛り込まれたところです。
放課後児童クラブにつきましても、基本的には、クラブの単位とすればおおむね40人程度というのが今の各市町村の条例で基準が定められたわけでありますが、依然としてまだその40人を超えたクラブというものも残っておりますので、やはり適正規模のクラブに徐々に移行していくことが必要ではないかと考えてございます。
〇神崎浩之委員 先ほど、城内委員への答弁の中に、313の放課後児童クラブの運営主体のうち、運営委員会であったり父母会であったりというのが124ということで、運営主体が弱いという中で、職員の処遇、職員の職場環境、子供たちの環境がなかなか整備されないことから、国は、15ぐらいメニューをつくって支援しようということであります。
300ぐらいのクラブのうち、100のクラブが手を挙げている事業もありますが、そういう食いつきがある事業もあるのですけれども、事業によっては、300のうち6カ所とか、3カ所とか、ゼロ箇所だとか、そういう1桁台の手挙げ状況ということもあるのですが、これについて、県ではどういう課題であると考えているでしょうか。
〇南子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員から御指摘がありましたように、国においては新たな支援策を出してきております。しかしながら、その活用状況を見ますと、まだまだ十分とは言えないというのが現状であろうかと思います。
その背景といたしましては、今般の新制度の改正内容が余りにも大幅であったがゆえに、市町村において、その制度全般について、特に放課後児童クラブについてもそうでありますが、十分に熟知、理解がまだまだされていないといったことも大きな要因の一つだろうと考えております。
したがいまして、私どもといたしましては、市町村が、そういう地域の多様なニーズに対応いたしまして必要な支援が行き渡るよう、引き続き、市町村の担当者会議などあらゆる機会を通じながら制度の周知を図るとともに、必要な情報提供、そしてまた財政支援というものを行ってまいりたいと考えております。
〇神崎浩之委員 さまざまな職員の処遇の関係ですが、ボランティアの気持ちで子供たちの面倒を見ているという方々が多いような状況でありまして、国は、それに対していろいろと処遇向上や、環境改善のサービスメニューを用意していますけれども、なかなか手を挙げる自治体や施設がない。1桁台のメニューもあるということで、市町村からすれば、保育園の制度、認定こども園の制度で手いっぱいで、時間も、人手も、エネルギーもという状況で、放課後児童クラブが取り残されていっている状況ではないのかということは私も察するところであります。
それを支援するということで、財源の話になりますけれども、先ほど、郷右近委員への答弁の中にも、子育て支援策については消費税増税分の7、000億円で対応するということもありましたけれども、もう一度確認させていただきますが、平成27年度から、子育て支援政策として、保育園、認定こども園も含め放課後児童クラブもやっていますけれども、消費税増税に伴う財源で賄っているのかどうかということを確認させていただきたいと思いますし、まだ消費税は上がっていないのですが、15にもわたるさまざまなメニューについて、この財源については、消費税増税を視野に入れた財源の根拠があるのか、平成27年度や、平成28年度の状況について財源の観点からお聞きしたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 新制度の財源の関係でございますが、先ほど来お話し申し上げておりますように、今般の新制度においては、消費増税10%引き上げの財源を見込み、そのうち7、000億円についてはこの新制度に充てるということで、これまで進められてきたものでございます。しかしながら、当初の平成28年10月の消費増税の引き上げが引き延ばしになったことから、7、000億円が税収として入ってくるのが、満年度化するのが、平成28年10月の場合であれば平成29年度末でありましたので、平成29年度末で7、000億円が担保される予定でございました。
しかしながら、今般、消費増税の引き上げがまた延期されたことよりまして満年度化する時期はずれていくわけでありますが、それとは別に、今般、平成28年度の国の概算要求の中では6、000億円の財源を確保した上で、質の向上等に充てていると伺っております。
〇神崎浩之委員 子供たちの環境、職員の環境向上のために国が手当てしたメニューでありますので、ぜひ市町村のほうに再度働きかけていただきたいと思っております。
次に、介護施設整備と介護職員の確保についてであります。
さまざまな議論が出ておりましたけれども、実際に介護施設をつくると、職員の奪い合いだという議論が先ほどありました。国は、介護離職ゼロということで声を上げておりますけれども、実際、今、国のほうから介護離職をしないように、施設整備の前倒しなどについての働きかけが来ているのかどうかお伺いしたいと思います。
あわせて、それに対する市町村の施設整備の対応や感触についてもわかれば教えていただきたいと思います。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 国では、介護離職ゼロの実現に向けまして、平成27年度の補正予算において、その財源となります地域医療介護総合確保基金の積み増しを行ったところでございます。その際に県に説明があった内容といたしましては、介護施設の整備に当たりましては、第6期介護保険事業計画の利用者見込み数、要は目標値を超えても差し支えない、いわゆる上乗せの整備も差し支えないとの説明がされたところでございます。
これを受けまして、各市町村に対して、国から上乗せ整備も可能であるということであるのだけれども、実際、上乗せの整備について検討しているかどうかを確認しましたところ、市町村では、上乗せの整備について検討しているというところはございませんでしたので、各市町村におきましては、今回の第6期介護保険事業計画の目標値に向けまして整備を着実に進めていくということで対応していると考えております。
〇神崎浩之委員 住民からすれば、待機者が多いということですけれども、保険者、事業者についても、働く人間を確保できていない。ですから、上乗せどころか、来年度、第6期介護保険事業計画が計画どおり行くのかどうかというところは危うい状況であるという中で、県もさまざまなメニューを利用して介護人材の確保をしておる。介護人材マッチング支援事業というものもやっているということですが、この成果、実績だけ数字を教えていただきたい。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 平成27年度におきましては、4月から1月までの県内の総実績で、キャリア支援員が中に入って就職に結びついているのは168人という実績がございます。
〇神崎浩之委員 さまざまなメニューをつくってやっておるようですが、先ほどの話のとおりであります。
処遇改善加算も今年度はどうなっていくかということがありますが、やはり給料が安いと言われている中にあって、前は職場定着支援助成金で、会社の従業員がやめないようにということで補助金を出しておりました。今回、厚生労働省の雇用保険特別会計のほうから、定期昇給制度を導入した介護事業所に対する助成金を4月から設けることになり、離職率が下がった企業には最大200万円を助成するということで、厚生サイドではなくて労働サイド、雇用対策のほうから介護の処遇改善の支援策が出されておりますが、こういうことを保健福祉部では理解されているのか、また、この事業を、人材確保で困っている市町村、事業者に説明したり、活用を促しているのかどうか確認したいと思います。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 委員御指摘のように、この事業は雇用保険特別会計を使っておりますので労働サイドの事業でございますが、新聞報道されたときに、岩手労働局に、どのような制度設計になるだろうかということを確認しましたところ、まだ詳細な情報はないということでございました。
ただ、その後に高齢者福祉協議会と意見交換した際に、まだ制度の詳細はわからないけれども、来年度、定期昇給に向けた事業が導入されるようなので、そういったものにアンテナを高くして情報をとって使っていただきたいという話はしたところでございます。
そのような内容がわかり次第、各事業者団体ですとか市町村にも情報提供していきまして、できるだけ活用していただいて処遇改善につなげていただくように働きかけてまいりたいと思っております。
〇神崎浩之委員 アンテナを高くしてという話がありましたけれども、措置費が低いとか支援費が安い、介護報酬が低いばかりではなくて、それ以外に国もさまざまなメニューを用意しておりますし、部局を越えた支援制度があるので、ぜひアンテナを高くしていただいて、それを周知、活用していただくように県のほうも働きかけていただきたいと思います。
最後の項目で、障害者差別解消法が4月1日から始まります。いよいよ来月からということですが、岩手県は、先駆けて岩手県議会で、障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例というものを5年前につくっております。この条例と今回の障害者差別解消法は同じ内容なのか県はどう位置づけているのかお伺いしたいと思います。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 県の条例と障害者差別解消法の相違点についてでございますが、条例と法とでは、内容は同じなのですが、対象が若干異なっておりまして、具体的に申しますと、不当な差別的取り扱いの禁止につきまして、条例では、何人も障がいがある人に対して不利益な取り扱いをしてはならないとなってございますが、障害者差別解消法では、その対象が、行政機関と事業者を対象にしているといった点が違ってございます。
〇神崎浩之委員 今回、4月1日からスタートするということで、まさに国体があったり、全国障害者スポーツ大会があったりする年なのです。これが4月1日からスタートするのに伴いまして、県とすれば、対外的にはどう周知させていこうとしているのかお伺いしたいと思います。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 障害者差別解消法の準備についてでございますけれども、これまでも、市町村に対しましては法施行に関する情報提供を行ってきたところでございますが、昨年11月に開催されました国の会議を受け、昨年12月に市町村を対象とした会議を開催し、障がいを理由とする差別に関する障がい者等からの相談等に的確に対応するための相談窓口の設置や、市町村職員の対応要領の策定等の必要性について説明を行いましたほか、市町村広報等を活用いたしました周知について協力を依頼しているところでございます。
また、現在、県のホームページを活用いたしまして県民への周知を行っておりますほか、今後、市町村、障がい者関係団体、障がい福祉サービス事業者、商工団体等を中心といたしまして、わかりやすい内容のパンフレットの配布を予定しているところでございます。
また、来年度の希望郷いわて大会を契機にいたしまして障がいに対する理解がさらに進むことが期待されますので、障がい者に対する不当な差別的取り扱いの禁止、合理的配慮の提供につきまして、広く県民に御理解いただく好機と捉えまして、福祉関係者に限らず、広く企業や多くの県民への普及啓発を進めてまいりたいと考えております。
〇神崎浩之委員 福祉関係者にかかわらずというところが一番大切なところであります。先ほどの市町村に対する説明会というのは、保健福祉部局の担当者が来たのかどうかということもあるのですが、今度は県職員の意識改革というか、環境整備というのはどうなっているのか。これは、保健福祉部の職員だけ意識しても全く別な話でありますので、他部局も含めて、これらの周知徹底についてはどうされているのかお伺いしたいと思います。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 県職員の意識改革、環境整備への対応についてでございますが、知事部局では、法の施行に向けまして、障がいを理由とする差別の解消の推進に関する対応要領を策定いたしまして、管理監督者が部下職員に、障がいを理由とする差別の解消に関する認識を深めさせることなどを定めております。この要領に基づきまして、各部署において、障がいに対する理解の促進、合理的配慮の提供などを進めることとしております。
具体的には、対応要領におきまして、筆談、読み上げ、拡大文字等障がい特性に合わせたコミュニケーション手段を用いることですとか、会議の進行について障がいの特性に合ったサポートを行うことなど、合理的配慮の例を挙げて職員が取り組みやすくしております。
また、環境整備につきましては、平成8年4月施行のひとにやさしいまちづくり条例や、平成18年12月施行の高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に対応し、県庁及び全ての各地区合同庁舎におきまして、玄関前車椅子用スロープ、正面玄関等の自動ドア、多機能トイレを設置するなどユニバーサルデザイン化に努めてきたところでございまして、今後とも障害者差別解消法の趣旨を踏まえまして合理的配慮の提供に努めてまいります。
〇神崎浩之委員 これで終わりにしますけれども、役所に車椅子駐車場があって、段差がなく玄関に入って洋式トイレがある。それからコミュニケーションがとれる。身体障がいだけでなくて知的障がい、精神障がいの方にも配慮していただきたい。
昨年は、いろいろな福祉計画の改訂がありましたが、名前だけ障がい者を名簿に入れて、実際の会議では説明や意見を聞けない、自分の意見を言えないというような会議の進め方がありましたけれども、障がい者をきちんと会議に入れて、障がい者の意見を反映できるようないろいろな仕掛けをする配慮も必要ですし、特に行政に対しては厳しい法律でありますので、しっかりやっていただきたいと思います。
最後に部長にお伺いしますけれども、ことしは、障がい者スポーツ大会があるのはもちろんですが、国体でも障がい者が来るわけです。これから観光バリアフリーというものもどんどん進めていただきたいと思います。ことしは国体や障がい者スポーツ大会があるということで、全国から多くの方が来て、岩手が試される年だと思いますが、部長の意気込みについてお聞きしたいと思います。
〇佐々木保健福祉部長 ただいま委員から御指摘のありましたとおり、ことしは岩手にとって全国にアピールする絶好の機会だと思っております。希望郷いわて大会のみならず、国体におきましても、たくさんの選手、関係者、そして観客等いらっしゃると思います。
こういった中で、県民がおもてなしの心を持ち、障がい者の方々に対して不当な差別的な取り扱いをせず、合理的な配慮を提供できる、そういったことをぜひ進めていく必要があると考えております。先ほど申し上げましたとおり、県職員については、知事部局における対応要領を策定して、現在、各部局に対して周知をお願いしているところでありますし、職員に対する研修の中でも、障害者差別解消法の考え方に基づく取り組みについて周知していくことにしております。
また、県民の皆様方、特に事業者の方々でありますけれども、各省庁が関係する事業者向けのガイドラインをつくっておりますので、それを周知することによって、各事業者の方々もそういった対応をとっていただけるよう、関係部局と連携しながら進めていきたいと思っております。
〇柳村一委員 6事業の3点について伺います。
まず1点目ですけれども、仮設介護・福祉サービス拠点づくり事業費の高齢者等のサポート拠点の運営状況について、もう一つは、被災地サポート拠点職員資格取得促進事業の中で、サポート拠点での人材確保と資格取得の状況についてお伺いします。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 まず、高齢者等サポート拠点の運営状況についてでございます。
この施設につきましては、市町村が平成23年度から整備してきているところでございますけれども、現在は9市町村で27カ所が設置されております。このうち25カ所に支援員等が112人配置されておりまして、総合相談事業の支援ですとか地域交流サロンのほか、デイサービスとか生活支援サービス等を提供しているところでございます。応急仮設住宅の廃止ですとか縮小に伴いまして、今年度末で大槌町と野田村の施設が終了する見込みでございますことから、平成28年度には8市町で24カ所の運営となる見込みでございます。
今後、災害公営住宅への移行の本格化ですとか応急仮設住宅の集約などが進んでいくことになるわけでございますが、それに伴いましてサポート拠点というものもいろいろと再編されることと思いますが、市町村の意向も踏まえながら、引き続き高齢者等のサポート拠点の運営に要する経費に対して補助することによりまして、応急仮設住宅内での見守りですとかコミュニティー形成の支援等を続けてまいりたいと思っております。
次に、高齢者サポート拠点等の人材についてでございますけれども、これにつきましては、運営主体であります市町村ですとか市町村社会福祉協議会、社会福祉法人等が求人を行って採用しているわけでございますけれども、先ほど申しましたように、今、112名がおります。このうち常勤が77名、非常勤は35名という状況になっているところでございます。
高齢者サポート拠点の職員の資格取得につきましては、高齢者等へのサポート業務の質の向上を図りますとともに、将来的にサポート拠点が縮小なり廃止されましてサポート業務を離れた後に、非常に人材不足ということもございますので、職員がそれまで培った経験を介護分野で生かしてもらうよう、サポート拠点の職員と同様の活動をしております生活支援相談員を対象といたしまして、平成26年度から介護職員初任者研修をしているところでございます。平成26年度にはその研修を12名が受講いたしましたし、平成27年度も7名が受講したところでございます。平成28年度におきましても受講希望を募りまして、今度の予算に計上させていただいたところでございます。
〇柳村一委員 まず、仮設介護・福祉サービス拠点づくり事業の高齢者サポート拠点ですけれども、補助率10分の10ということは、施設をつくるときの県の補助率が10分の10なのか。今の説明ですと、市町村が運営主体だということでしたので、そこを確認させていただきたいと思います。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 失礼いたしました。設置するときも10分の10でしたし、今の運営のほうも10分の10で助成しております。
〇柳村一委員 では、県が運営や施設に補助を出しておいて、その中の運営を市町村に任せているという解釈でよろしいですね。
そうしますと、ここで職員も研修をしてどんどん培われていくときに、今度は応急仮設住宅から災害公営住宅に移ったりとか、応急仮設住宅の高齢者の方々に動きが出てくるわけです。その場合、既存の福祉施設の職員で、資格を取ったりとか高齢者のお世話をした人たちの処遇が問題になってくると思いますけれども、そこら辺はどのような考えでしょうか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 今、サポート拠点で従事している職員は、市町村から運営を委託されておりますのが、例えば社会福祉協議会ですとか社会福祉法人あるいは介護事業者でございますので、そういった委託されたほうで職員を採用しているわけでございます。
このサポート拠点が終了した後に、今働いている方々がどのような勤務を望むかということもございますけれども、できる限り、引き続きサポート拠点のほうから介護施設なりで働いていただけるようなきっかけになるように資格取得の事業をしているわけでございます。
実は、サポート拠点の職員ですとか、あるいは市町村でやっております生活支援相談員につきまして、今後、例えば資格取得など、どのような形で、やっていきたいかというようなアンケート調査を、岩手、宮城、福島の3県を対象といたしまして一般財団法人高齢者住宅財団で行っておりまして、今、その結果を取りまとめているところでございます。
その途中経過を見ますと、引き続き被災者を支援したいとか地域の役に立ちたいと考えていらっしゃる方々も70%程度はいるようでございます。そういった方々がどのような形で資格を取得して、具体の職業に結びつけていくのかといったこともあわせて調査しておりますので、そういった希望、ニーズも把握しながら、引き続き支援してまいりたいと思っております。
〇柳村一委員 私も被災地の大槌町で携わったことがありますけれども、ここのサポート拠点にいらしている高齢者の方というのは、その雰囲気自体がいいということで、応急仮設住宅等がなくなって、今度は行き場所がなくなってきたときの対応が非常に大変だと思っております。
このサポート拠点については、民間の福祉施設の職員がお手伝いに入ったり、交流もあるようですので、今、お年寄りが介護を安心して受けている状態を壊さないような手厚い手だてをして進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
次に、被災地要援護高齢者支援事業の被災市町村の地域包括支援センターの状況についてと、地域包括ケアシステム基盤確立事業費の市町村等への支援の内容についてお伺いします。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 被災いたしました沿岸12市町村の地域包括支援センターにおきましては、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員の3職種の充足率が、平成22年4月段階では80%でございましたが、平成27年4月には83.3%まで上がっておりますので、人数的には震災前を上回っているという格好になると思います。
しかしながら、地域包括支援センターの職員自身が被災した市町村などにおきましては、依然として他県等からの応援職員ですとか震災後に採用された経験の比較的まだ浅い職員が配置されているといったこともございまして、特に被害が甚大でありました陸前高田市とか大槌町、さらに、かなり壊滅的な打撃を受けました山田町につきましては、まだ経験の浅い職員等も多いということで、相談支援の業務などがかなり負担になっているところもあろうかと思いますので、県におきまして、引き続き専門職等を派遣いたしまして、業務支援を行ってまいりたいと思っております。
これらにつきましては、被災市町村に毎週職員が行っておりますので、実際、現地の状況を見たりとか、あるいは市町村なり応急仮設住宅に入っている方々からもお話を聞きながら、どのような支援が必要なのかといったことも含めて対応してまいりたいと思っておるところでございます。
次に、地域包括ケアシステム基盤確立事業におけます市町村への支援でございますけれども、直接的な市町村支援では、市町村で開催しております地域ケア会議へ、例えば弁護士ですとか社会福祉士等の専門職の方を県の負担で派遣するという支援をしております。また、認知症高齢者御本人ですとかその家族を支える認知症地域支援推進員、あるいは日常生活を支えるサービスの開発ですとかネットワークを構築する生活支援コーディネーターの養成、地域の介護予防活動とリハビリテーション専門職の連携を強化するための研修の実施等、あるいは市町村職員ですとか医療、介護関係者における地域包括ケアシステムの理解を進めるための公開講座の開催などが直接的な市町村への支援ということになっております。
〇柳村一委員 地域包括ケアシステムとか地域包括支援センターというのは、地域が高齢者をどのような形で見守ってやるかということなので、被災地の特別事情があるとは思います。今、県が派遣して3職種でお手伝いしているということですが、それが、そろそろ5年にもなってくると、被災地の地域事情をわかる人に変えていくようなことをやっていかないと、地域包括ケアシステムというものの根本がおかしくなると思いますけれども、そこら辺の取り組みについて、今後どのような考えでしょうか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 被災地では、市町村によって、被災の状況が大きく変わってくると復興の状況も変わってまいります。同じ市町村の中でも、地域によって大分違いが出てくるということもあろうかと思いますので、今後の状況といったものを見きわめながら、また、市町村にもいろいろと意見をお伺いし、要望を踏まえながら、さまざまな支援の形というものを考えてまいりたいと思っております。
また、介護予防につきましては、今、生活不活発病を防止するために、災害公営住宅などを中心に、介護予防教室ですとかいろいろなレクリエーション、運動的なものを盛んとやっておりますけれども、今回、改正介護保険法の中でも、そういった生活支援サービス的なものは、通いの介護の場で地域住民が主体となって運営するというようなことがありますので、ただと言ったら失礼ですが、介護予防教室をやるだけでなくて、今後、地元で介護予防教室のリーダーとなっていただけるような方々の養成というのを含めながら事業を展開するなど、復興の進捗に合わせまして、市町村等の状況も見ながら取り組んでまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 介護保険法で、地域包括支援センター、地域包括ケアシステムというのは自治体が推進していくことになっておりますので、今、総括課長がおっしゃられたように、本当は温度差があってはだめなのです。市町村によっては法人に丸投げしているところもあったりするのですけれども、そこら辺の指導をしっかり県がしていかないと、今度は、高齢者の方々の地域差が出てくると思いますけれども、そこら辺はどのようにお考えでしょうか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 地域包括ケアシステムは、それぞれの市町村において、人的資源ですとか医療、介護資源の違いというものはございますので、それらを、全県一律に同じように構築するというわけにはなかなかいかないとは思いますが、それぞれの地域において、地域の実情を踏まえた形で地域包括ケアシステムを構築していかなければならないと思っております。
市町村の職員でも、どのようにして人間関係を築くかとか、ネットワークをつくるのかといったノウハウがないということもございますので、県では、いろいろな先行事例や優良事例も参考にしながら、市町村職員の方々に対する研修また、認知症の地域支援推進員や生活支援コーディネーターのような地域包括ケアシステムを担っていただくような方々の養成など、人材養成について取り組んでいって、各市町村でそれぞれの地域の実情に合った地域包括ケアシステムが構築されるように支援してまいりたいと思っておるところでございます。
〇柳村一委員 優秀な人材とか、その地域に合った方々というのもいらっしゃるでしょうけれども、お年寄りにとって本当に頼れるというのは人柄だと思いますので、県は、いろいろな研修や支援を行いながら人を育てていってほしいと思います。虐待とかいろいろな事件がありますけれども、今の世の中、どうしてもゆとりがないということで、お年寄りというのは、若い人の倍の時間がかかります。話をしていて、若い人がぱっと話したことを、一瞬わからなくなるということもありますので、そういうお年寄りに寄り添った研修等々もしっかり行って、地域包括支援センター、地域包括ケアシステムに取り組んでいってもらいたいと思います。
次に、在宅医療体制支援事業費補助の内容と、在宅医療推進事業の減額の理由についてお伺いします。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 まず、在宅医療体制支援事業費補助の内容でございますけれども、これは、県内各地に在宅医療を広めるために、岩手県医師会が、在宅療養者に医療サービスが切れ目なく提供される仕組みづくりを検討しているところですので、それにつきまして今年度より支援しているものでございます。
具体的には、在宅医療の現状や課題の抽出、あるいは課題の解決に向けた方策を検討するため、その企画や関係機関との調整を担う職員の配置に要する経費等、あるいは協議会等で検討する際に要する経費等について補助しているものでございまして、平成28年度も同様に補助してまいりたいと思っております。
次に、在宅医療推進事業費の減額でございますけれども、これまで、在宅医療連携拠点の設置運営、あるいは拠点の設置に向けた協議などのモデル的な取り組みに対し、地域医療再生基金を財源といたしまして、県から10分の10の補助を行ってきたところでございます。
ただ、平成27年度をもちましてこの基金の活用期間が終了いたしまして、改正介護保険法におきまして、平成28年度からは介護保険による市町村の地域支援事業として取り組むこととなりましたことから、大幅な減額になっているものでございます。
なお、この地域支援事業に係ります県負担分の予算につきましては、別途、地域支援事業交付金に計上しているところでございます。
〇柳村一委員 岩手県医師会のほうと在宅医療体制支援事業をやっているということですけれども、業務内容の中に、地域包括ケアシステムの構築のために在宅医療に従事する医師の休日等を確保するということについて、医師会と地域包括支援センターとのかかわりというのをどのような形で県は指導しているのかという点をお伺いします。
あと、在宅医療推進事業費が一部新規となっているものがありますけれども、その一部新規というものは何なのかお伺いします
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 医療と介護の連携が必要だということは前々から言われているところでもございます。
平成26年度の改正介護保険法におきまして、地域包括ケアシステムの中にも在宅医療と介護との連携というものがより強く打ち出されてきたところでございまして、各医師会におきましても、在宅医療ですとか、介護との連携ということをかなり意識していただいているところでございます。
そういうこともありまして、各医師会に、在宅医療ですとか、医療と介護の連携におきまして、それぞれの郡市医師会ごとにいろいろと研修していただくといったことがございます。平成26年度は盛岡市医師会のみで取り組んでいただいたところでございますけれども、平成27年度は五つの医師会でいろいろ取り組んでいただいております。平成28年度は全部の郡市医師会で取り組んでいただきまして、在宅医療とか、医療と介護の連携について、関係者が一体となっていろいろ勉強会を行っていただく中で、医療と介護の顔の見える関係といったものが構築されていくことが非常に大事だろうと思っております。そういった取り組みにつきましてどんどん進んでいくように、我々としてもいろいろと支援してまいりたいと思っておるところでございます。
2点目の在宅医療推進事業の一部新規でございますけれども、市町村におきましては、これまで在宅医療に余り取り組んでこなかったと言うと失礼な言い方ですが、介護は、介護保険制度がありますので市町村も取り組んでいますが、医療のほうにまではなかなか踏み込んで来れないということがございます。具体的にどういった医療と介護の連携が必要なのか、その際にどういった調整が必要なのかというのがなかなかイメージが湧かないところもあると聞いておりますので、医療と介護の両方の現場に立ち会う機会のある訪問看護ステーション協議会にお願いいたしまして、各市町村を回っていただいて、調整の仕方ですとか、個別ケースなどがあった場合には、これはこういった形で調整して、こういった関係機関とか関係者が集まってやればいいのだということをいろいろ実地で指導していただくような事業も来年度は考えておりますので、そういったものを一部新規という形でこの事業の中に計上しているところでございます。
〇柳村一委員 最後にしますけれども、地域包括ケアシステムのかじ取りはやはりお医者さんではないかと言われているのです。高齢者の方々はどういう介護がいいのか、どういう医療がいいのか、どういう見守りがいいのかというものの基本をつくってくれるのは、多分、お医者さんだということで、そのお医者さんをかじ取りにして、自治体側は支援の基盤をしっかりつくるということによって地域包括ケアシステムというものは成り立っていくと思うのであります。
それで、今、医療、介護の支援だけ脚光を浴びていますけれども、本当は地域で見守りをしていかないと、このシステムというのは成り立っていかないわけでございまして、そのためには市町村並びに県がどのような高齢者施策をやっていくかというのをしっかり捉えて進めていかないことには、介護保険制度が変わるたびに、相談する側もどこに行っていいかというのがわからないような状況になります。今は6期の計画、次は7期の計画になりますけれども、地域包括ケアシステムというのはまた進んでいくと思いますので、県としてどのような取り組みを行っていけばいいのかということについて、医療、介護、福祉、地域のコミュニティーを含めた取り組みについてお伺いして、終わりにします。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 委員から御指摘がありましたように、地域包括ケアシステムのかじ取りはお医者さんだということでございまして、今までも介護の側から医療の側に働きかけるというのはちょっと敷居が高いのではないかと言われているところもございましたので、逆にお医者さんのほうから声をかけていただければ非常に入りやすいという実例もあるようでございます。
今、医師会を初めお医者さんのほうでも、そういったことにかなり積極的に関与しようといった機運もございまして、実際動いている例もございますので、そういった例をいろいろ広めていきながら、医療と介護の連携といいますか、そういった形に広げるようにしてまいりたいと思っているところであります。
また、医療と介護の連携を中心にお話ししたわけでございますけれども、今回いろいろやる中で、住民の方々も一番不安に思っていることに、医療あるいは介護サービスが本当に自分が欲しいときに提供されるのだろうかということがあろうかと思います。そのときに一番大きな問題になってくるのが、医療と介護の連携であろうということで、今、我々としては重点的にいろいろな事業に取り組んでいるわけでございますけれども、委員から御指摘があったように、地域包括ケアシステムを大きく見れば、例えば見守りですとか生活支援サービスといったようなことも、当然、それがあって初めてこのサービスがあるわけでございますので、そういったことも意識しているわけでございます。
そういった担い手につきましては、見守りですとか生活支援のサービス、直接的な身体介護でないようなサービスにつきましては、地域住民の方々ですとか、先ほど、佐藤ケイ子委員からもお話がございましたけれども、老人クラブの取り組みといったものもやっていただく必要もあろうかと思います。そういった幅広い主体が参加できるように、市町村に対して、医療とか介護の関係者だけではなくて、民生委員とか老人クラブ、多様な担い手の方々も一緒に参加していただけるような形で地域包括ケアの会議を開いて、地域をどのようにしていくのかということを議論していただくように、幅広く参加を求めて検討するようにということは話しているところでございますけれども、また、機会があるたびに、そういったことが実際どのような形でなされているかというものも確認しながら、引き続き、市町村には呼びかけてまいりたいと思っております。
〇菅野ひろのり委員 私のほうからは、先ほど、地域包括ケアシステムの御質問がありましたので、それは割愛して、御質問させていただきます。
佐藤ケイ子委員からもありましたが、ひとり親家庭についてでございます。
今、私の身近でも感覚的にひとり親がふえていると感じています。土日のスポーツ少年団活動の送り迎えさえ難しいし、その中でも費用もなかなか負担できないというような声も聞こえてきます。
まず、平成25年度に岩手県母子世帯等実態調査が行われました。その中では、ひとり親家庭の数が1万3、546人、所得は、一番多いところの4割で180万円未満、養育費も現時点でもらっていないが74%ということで、経済的に非常に厳しい状況だというのがあらわれていると思っておりますが、岩手県のひとり親世帯の特徴、傾向をどのように分析されているか、まずお聞きします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 ひとり親家庭の特徴と傾向についてですが、県が平成25年度に実施いたしました岩手県母子世帯等実態調査の結果によりますと、まず、就労形態につきましては、母子家庭の母は、常勤勤労者の割合が最も高く45.8%、次いで臨時、パートの割合が37.0%であり、父子家庭の父は、常勤勤労者の割合が最も高く71.3%、次いで臨時、パートの割合が9.2%であり、母子家庭の母の就労形態は父子家庭の父に比べて常勤勤労者の割合が低くなっているところでございます。
また、就労収入につきましては、母子家庭の母の就労収入は10万円以上15万円未満の割合が最も高く40.7%、父子家庭の父の就労収入は15万円以上20万円未満の割合が最も高く43.7%であり、母子家庭の母の就労収入は父子家庭の父の就労収入に比べて低くなっているところでございます。
また、住居の状況についてでありますが、母子家庭は親族等と同居が最も多く、父子家庭は持ち家が最も高くなっている状況にございます。
〇菅野ひろのり委員 そうなりますと、先ほど、正規雇用が一番多いということをおっしゃっておりましたが、いろいろなものを合計しますと、非正規雇用も4割ぐらいあるのではないかと私は実態調査の中で見ております。そうなりますと、経済的に厳しい状況で非正規雇用になっています。
ひとり親家庭に関する過去の答弁を見ると、ひとり親家庭等自立促進計画の中で就業支援や子育て、生活支援に取り組まれておりますが、その計画に基づいて取り組んできた結果、ひとり親家庭の自立という観点から、その取り組みの成果がどのようにあったのか、今後の課題というものをどのように捉えているかお聞かせいただきたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 岩手県ひとり親家庭等自立促進計画の成果と課題についてですが、これまで、計画に基づきまして就業支援対策の充実に取り組んでまいりました結果、平成25年度に実施した岩手県母子世帯等実態調査によりますと、例えば母子家庭の母と父子家庭の父は、平成20年度の前回調査に比べて常勤勤労者の割合がともに増加しており、また、就労収入の状況を見ましても、ともに20万円以上の割合が前回調査に比べてそれぞれ増加しているところでございます。
課題といたしましては、母子家庭の母につきましては、父子家庭の父に比べ、依然として臨時、パートの割合が高く、就労収入は低い傾向にあること、また、経済的なことで悩んでいる家庭が多いこと、さらには、ひとり親世帯に係る福祉制度の認知度や利用度が低いことなどが挙げられるところでございます。
〇菅野ひろのり委員 取り組みの成果があらわれてきているということでございました。先ほど、佐藤ケイ子委員のひとり親家庭等セルフサポート事業の御質問の中でも、メニューの拡充も広がってきて、そういうものもふえてきています、そして解決してきていますということなので、恐らくいい傾向であるのだろうとは感じています。
しかし、実態として、ひとり親家庭がまだ約1万3、000人おります。そして、一番多い所得が180万円未満という実態を考えますと、非正規であれ、正規雇用であれ、この実態は実は解決してきてないのではないかと私自身は推測しております。といいますのも、実態調査の中でも、例えば、今後の取得を希望する資格という項目がありました。その中の上位は、職業で言いますと、介護福祉士、調理師、ホームヘルパーで、これはいずれも介護報酬が低かったりという問題があったり、時間の制約があるシフトになっていたり、土日の休みがある仕事がなかなか少ないとなると、子供のサポートも含めて、時間的な制約というのはまだまだあるのではないかと考えています。何を言いたいかというと、働く側の支援をするというメニューは拡充してきて解決している傾向にありますが、これは商工労働サイドになるかもしれませんが、雇用する側の環境をしっかりと変えていかなければ根本的な解決にならないのではないかと私自身は考えております。
ちなみに、厚生労働省は平成28年度からひとり親の就労支援というものを強化されるそうです。具体的には、ひとり親を雇う企業に1人当たり最大15万円を支払う奨励金等、無期雇用する企業に最大60万円を支給する助成金、自立支援教育訓練給付金との併用を認めるということだそうです。すなわち、これは働く側のひとり親の方も、そして企業も両方から支えないとだめだという国の方向性であると私は認識しております。
ひとり親家庭等自立促進計画は、岩手の中にも、市町村、公共職業安定所、商工関係団体と連携すると明記があります。先ほどからハクセル委員からも部局横断という声が出ておりました。この点の取り組みについてどのような御所見を持っているかお伺いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員から御指摘のありました部局横断的な連携システム、組織という形での取り組みが必要であろうというお話でございました。
実は、ひとり親家庭等自立促進計画についてもそうですし、ひとり親となりますと、低所得世帯あるいは貧困の問題も絡んでまいりますので、今、全庁的な連携のもとに策定を進めております子どもの貧困対策計画の中にも触れておりますけれども、それぞれ関係する部局が全庁的に一丸となって総合的、計画的にこの計画を進めていこうという観点から、やはり連携というものは重要であるという認識を持っております。
これまでも連携ということを十分意識しながら、この計画の達成に向け努力をしてきたところではありますが、ただいまの御意見等を踏まえながら、今後とも連携というものを強化していけるよう努めてまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 時間もありますから簡潔にお話ししたいと思いますが、本県のひとり親家庭の実態、その生活が改善していくということが、根本的に目標数値であったり望む姿だと思います。その中で連携を強化するということをおっしゃっておりましたので、ぜひ期待しております。
そういった中で、先ほどお話にもありましたひとり親家庭の貧困、大人が1人の場合の世帯の貧困率というのは、全国的に見ても54.6%と半分を占めると国民生活基礎調査に書かれておりました。すなわち、ひとり親の課題を解決していくということが本県にとって非常にいいことではないかと思っています。
その上で、最後に部長に御所見お伺いして終わりにしたいのですが、他県の例で子供の貧困対策─長野県で、都市部のひとり親家庭を対象に転入費用、簡単に言うと引っ越し費用と就職支援、要は他県から移住してきて、その移住費用、仕事につく費用を出すというような施策があります。岩手においても、そういった女性の方やひとり親が働きやすい、仕事ができやすい環境にあって、他県からも岩手に来ると、そういったひとり親の方も住みやすいよということができていきますと人口減少対策にもつながると思っておりますし、女性の割合というものもふえていくのではないかと私は考えておりますが、最後に、子供の貧困対策も含めて部長の御所見をお伺いして、終わりにいたします。
〇佐々木保健福祉部長 子供の貧困対策の推進でありますけれども、国の大綱を受けて、本県におきましても、現在、いわて子どもの貧困対策推進計画の策定に取り組んでおります。今年度中にこれを策定した上で、来年度からこの計画に基づくいろいろな施策を関係部局が連携して取り組むこととしております。
委員から御紹介のあった他県の事例については私は詳しく承知していないものですから、本県としてどうすべきかというのはちょっとこの場では申し上げられないのですが、まずは計画に盛り込んでおります施策を着実に推進しつつ、関係機関、市町村、実際のひとり親家庭の方とか生活困窮世帯の方々からお話を聞く機会も設けて、関係団体からもお話を聞くなりして、今後の施策に反映させていきたいと考えております。
〇佐々木努副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間程度休憩いたします。
午後3時4分 休 憩
午後3時22分 再開
〇高橋但馬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について延べ10人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
質疑を続行いたします。
〇斉藤信委員 それでは最初に、地域医療構想の案についてお聞きをいたします。
地域医療構想では、病床機能ごとにどういう計画となっているのでしょうか。パブリックコメントを受けて、この病床機能ごとのベッド数というのは変更があったのでしょうか。
あわせて、各地域、各関係団体からの意見、パブリックコメントでの主な意見、それへの対応はどうなったでしょうか。
〇野原副部長兼医療政策室長 地域医療構想における病床についてでございますが、構想で策定をいたします構想区域ごとに、将来の必要病床数と病床機能報告により報告された病床数を比較することで、将来不足する病床機能と過剰となる病床機能の方向性を示すものでございます。
現在、策定を進めております最終案では、全県単位で見れば、急性期機能や慢性期機能の病床が過剰となり、回復期機能の病床が不足する傾向にあることから、急性期や慢性期の病床機能を回復期機能に転換していくことや、在宅医療等の体制整備に医療資源を活用していく必要があるとしているところでございます。
なお、この病床の算定に当たりましては、厚生労働省令の告示に基づく算定式で求めることが必要であることから、この病床数については、国から示された算定式どおりお示しをし、そして医療計画部会で審議をし設定したものであり、パブリックコメント等の意見を踏まえての変更はなかったものでございます。
次に、パブリックコメント等での主な意見でございます。
地域医療構想の素案をお示しし、二次保健医療圏や関係団体からの意見聴取やパブリックコメントを行った結果、地域の実情に応じた在宅医療の体制整備の必要性や、医師を初めとする人材確保の重要性に関する意見のほか、病床を削減しないでほしいなどの意見もあったところでございます。これらの意見も踏まえまして、最終案では、高齢化や医療、介護資源の状況が異なるなどの地域の実情を踏まえて、在宅医療等の体制整備に取り組んでいくこととしたほか、医師を初めとする医療従事者の確保等に重点的に取り組むこととしております。
〇斉藤信委員 リアリズムに欠ける答弁で残念だけれども、高度急性期は1、053床が過剰、急性期は2、580床が過剰、回復期は1、788床が不足、慢性期は1、061床が過剰で、無回答というもがあったようです。それで、最終案は3、164床が過剰となっているわけです。そして私は聞いたけれども、各関係団体やパブリックコメントをやったけれども、厚生労働省の算式で出されたベッド数というのは変更がなかったということですが、何のために関係団体から意見を聞いたか、さっぱりわからないじゃないですか。私は、こんな押しつけ的な、ベッド削減ありきの地域医療構想というのは大問題なんだと思うし、全国一律の基準で広大な面積の岩手、人口減少、高齢者の多いこの岩手で、東京と同じ基準でいいのかと私は思います。
そこでお聞きをしますが、高度急性期というのは、今までの高度急性期と何が違うのか。
計画では、九つの圏域ごとに過不足が出ています。しかし、皆さんの案では、これは三次医療圏で対応するということも書いています。だったら、何で各医療圏ごとに高度急性期の不足数が出るんですか。余り根拠がないのではないですか。
もう一つは、在宅医療に移行し、療養病床の医療区分1は70%在宅に移行する。これが基準、前提です。これは何か根拠があるのでしょうか。そして、平成25年度の、在宅医療の医療需要は1万1、202人となっていますが、これはどういう根拠で出た数なのでしょうか。
〇野原副部長兼医療政策室長 まず、地域医療構想の病床についてでございますけれども、これは強制的に削減するためのものではなく、将来の医療需要に応じる、あるべき医療提供体制を検討するためのものであり、構想区域ごとの協議の場において、これらの意見についても参考にしながら、地域における病床機能の分化と連携や、在宅医療等の体制整備の基本について協議をしていくものでございます。
そして、高度急性期についてでございます。この機能については、岩手県保健医療計画では、全県を範囲とする三次医療圏を単位として医療提供体制を確保することとしており、また、国の地域医療構想策定ガイドラインにおきましても、必ずしも構想区域で完結することを求めているものではないとされていることから、最終案では、高度救命救急センターが整備された盛岡構想区域を中心とした連携体制を引き続き確保する必要があるとしているものでございます。
なお、この前提となる病床機能報告ですが、病床単位で主な病床機能を報告する制度でございます。病床単位で見ると、高度急性期の医療が行われていても、高度急性期機能として報告されていないケースがあり、実際には、構想区域の基幹病院等において、一定程度高度急性期の医療が行われているものと理解をしてございます。
また、在宅医療の移行の根拠につきましては、これは先ほども御答弁申し上げた厚生労働省令の告示に基づいて、そちらを根拠に算出しているものでございます。(斉藤信委員「在宅の根拠」と呼ぶ)
在宅医療の移行、医療区分1の方の7割を在宅に移行することを見込むことも国の根拠で施策的にこの数字を当てはめるという形で厚生労働省令の告示を根拠に決められているものでございます。(斉藤信委員「1万1、200人の数は、ちゃんと聞いたんだよ」と呼ぶ)
1万1、200人の根拠でございますけれども、現在の在宅医療等に関しましては、1日当たりの在宅医療を受けている方のほかにも、特別養護老人ホームでありますとか介護老人保健施設、そういった福祉系の施設で在宅サービスを受けている方々も入ってございます。そのほか、先ほど御答弁申し上げた療養病床の医療区分1の方々の7割が移行するという前提のものや、先ほど申し上げたとおり、現在、在宅医療等で医療を受けている方が算定式の根拠になっていると理解をしてございます。
〇斉藤信委員 もう少し正確に答えてください。1万1、202人というのは、平成25年度の在宅医療の医療需要数です。この根拠を示してください。平成25年度というのは現況ですから。平成37年度に1万3、780人の需要になるということです。
それと、今、療養病床の医療区分1が、なぜ7割なのかという質問をしたら、答えがありませんでした。政府が勝手に決めたという答えでしょう。もう、病院から在宅に出しますということ以外に、何か医学的、医療的根拠があるのか、私はまずそこのことをお聞きをしたい。
〇野原副部長兼医療政策室長 先ほど御答弁申し上げたとおり、こちらの根拠については厚生労働省令から示されたものですけれども、医療区分1の患者に関しては、医療的なケアというよりも、福祉的なケアのほうがニーズが高いであろうといったような国のデータが根拠となって、7割という数字が出てきたものと理解をしているところでございます。
また繰り返しになりますけれども……(斉藤信委員「その数が何ぼかと聞いたんだ」と呼ぶ)その数につきましては、少し確認のお時間をいただきたいと思います。
〇斉藤信委員 私はパブリックコメントの意見も全部見させていただきました。その中にこういう意見がありました。
本当に住民が在宅を希望しているか考える必要がある。経済力がないと在宅は選択肢にならない。体制を整えても住民が望むかどうかは別。在宅は理想的だが、希望できる住民は少ないと思われる。経済力がないと在宅には移行できず、希望できる住民は限られるのではないか。
これに対して、県の回答は、地域医療構想の策定後は、構想区域ごとの協議の場において住民の状況やニーズを含め、地域の実情も踏まえて、地域における病床機能の分化と連携について協議していく。県で決めたら、あとは圏域ごとに協議してくださいと、結論が先にありきで、こんなばかな話はないと思います。
それで、私はこの地域医療構想の最大の問題は、こういう地域医療構想にした場合に、どれだけの医師が必要なのか。例えば、平成37年度に1万3、780人も在宅移行が必要だというなら、どれだけ在宅医療の医師が必要なのですか。そのことを出さなかったら、これは移行できません。地方に行けば行くほど、在宅医療が成り立たない。対象者は少ないし、移動距離は長いし、経済的にも困難だし、私はそういうことが真剣に検討されたのかということを感じますが、いかがですか。
〇野原副部長兼医療政策室長 委員御指摘のとおり、在宅移行に当たりましては、地域の医療資源、また、地域に置かれている状況、今後の高齢化の進展、さまざま異なりますので、それに合わせた検討が必要だと理解してございます。
また、この構想の実現に当たりましては、我々は病床削減ありきではなくて、不足している機能を、例えば回復期の機能をどのように今後地域で確保していくのか、在宅移行をどのように進めていくのかというのを10年かけてきちっと進めていこうという考え方だと理解してございます。したがいまして、在宅への移行に当たっては、限られた医療、介護資源の中で住民が安心して地域医療を受けられるよう、その整備が先行した上でその移行を進めることが必要であり、その旨、計画の中にも記載をさせていただいているところでございます。
また、在宅が必要な医師数に関しましては、現在、国において、医療従事者の需給に関する検討会で議論してございます。地域医療構想の四つの医療区分ごとに、それぞれ必要な医師数をどのように算定したら妥当かという議論が今まさに国で行われてございまして、今後、そういった国の議論の中で在宅医療等、また、それぞれの機能に応じて、どれくらい将来医師が必要なのかというのが示されてくるものと理解してございます。
〇斉藤信委員 今のは重大な答弁です。厚生労働省が今四つの医療区分でどのぐらい医師が必要か検討している。一番肝心なことが示されないで、ベッド数の削減だけ決まるのです。医療政策室長が強制しないと言っても、ベッド数削減の計画を立てたら、自主的にそこの方向に向かうのです。そんな根拠のない話はないでしょう。
例えば、療養病床の1区分は療養病床の中で医療度の低い方々です。なぜ療養病床に入っているか。在宅で見られないからです。在宅で見られないから入っているのです。その人を在宅で帰したらどうなりますか。療養病床というのは、岩手は決して多くないけれども、そういう実態なのです。私はそういう意味で、本当にベッド数の削減が先にありきで、肝心な医師をどう確保するのか、本当に在宅を使える人がどれぐらいあるのか、そういう大事なこともなしに、在宅に移行する数だけは決まり、ベッドが減らされる数だけが決まるとなれば、驚くべき計画ですよ。これは一緒になって決めるべき問題ではないでしょうか。
そこで、地域医療構想の中で、県立病院はどう位置づけられるのでしょうか。民間にはベッド数削減を押しつけられない。だったら、県立病院でこれを縮小するということにしかならないのではないですか。その点、県立病院の位置づけ、県立病院はきっちり地域の医療の拠点として守られるのかどうか、まずお聞きをします。
〇野原副部長兼医療政策室長 地域医療構想における県立病院の位置づけでございます。
県立病院は、民間医療機関による提供が困難な政策的な医療を担うなど、地域に必要な医療を提供していくことがその役割であると認識をしてございます。
地域医療構想の実現に向けては、医療関係者等の協議に基づく自主的な取り組みが基本であることから、県立病院においても、地域医療構想の内容を踏まえた新公立病院改革プランや構想区域ごとの協議の場における協議を通じて、民間医療機関との役割分担や今後の連携のあり方を明確にし、将来の医療需要に応じた医療提供体制の構築に向けて、積極的にその役割を果たしていくことが求められるものと考えてございます。
なお、先ほども申し上げましたとおり、地域医療構想で定める必要病床数はそれに向けて直ちに病床削減するものではなく、医療関係者等の協議に基づく自主的な取り組みを通じて、将来の医療需要に応じたあるべき医療提供体制を目指す上での方向性を示すものでございます。
〇斉藤信委員 私が明らかにしたように、県民の意見を聞いても厚生労働省の試算は少しも変わらなかった。もう、厚生労働省の試算として、国の方針でベッド数削減は決まっているのです。まさにベッド数削減の計画を決めて、それに必要な医師や体制は圏域ごとに協議してもらう。ましてや、県立病院の役割─自主的にそこに向かうのだ。言葉だけですよ、そんなことは。削減の数が決まったら、そこに向かってどうしますか。民間に押しつけられなかったら、県立病院がやるということにしかならないのではないですか。私はそういうことも含めて、これは本当に関係者が納得するようなものにしないとだめです。国の方針に基づいて決めたという形でこれを決めることがあってはならない。こんな国の一方的な押しつけの計画というのは、私はないと思います。
皆さんの回答をずっと見ると、これは医療計画の一部だと言っています。ところが、医療計画の一部でベッド数全体が決まってしまうのですよ。いわば、これは全体を決めるような計画です。
パブリックコメントはたくさん意見が出ていました。しかし、みんなD。Dというのは、参考にするというだけで、反映しないという意味です。みんなDです。何のために関係者から、県民から意見を聞いたかわからない計画になってしまったのではないか。これはそういうことで指摘をしておきます。
二つ目の問題として、介護保険の改悪の影響がどう岩手の介護の現場に出ているかも改めてお聞きをしますが、介護保険の改悪によって、補足給付が削減された高齢者はどうなっているでしょうか。そのために施設を退所した例、また、休止、廃止となった介護事業所はどうなったでしょうか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 まず、制度改正に伴う影響でございます。
昨年8月末までに施設入所者の食費、居住費に係る補足給付の申請を行った約1万5、000人のうち約500人が、資産要件や世帯分離をしている配偶者の住民税課税という新たな要件により、対象外となっております。
なお、このことを理由に施設を退所した事例というのは承知しておりません。
それから、休止、廃止となった介護事業所につきましては、平成27年4月から12月までの間に、休止39、廃止37で、合計76事業所となっております。
〇斉藤信委員 これは1万5、000人の申請で500人ということでした。最初から申請しなかった人もいると思います。それはわかりますか。1年前と比べて、補足給付の数がどのぐらい減っていますか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 申しわけありません。1年前との比較につきましては、手元に数字がございません。
〇斉藤信委員 私は1年前と比較するほうがもっと正確に実態が出てくると思うので、後で示してください。
それで、2割負担となった高齢者の実態について、全国的にはこういう調査もあります。2割負担になったために、4割の方々が介護サービスを削減した。この実態について、岩手ではどうなっているでしょうか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 昨年8月1日時点の市町村データによりますと、約4、500人でございます。2割負担者が1カ月当たりの利用者負担限度額の上限に達しまして、高額介護サービス費の対象となる事例がふえていると聞いております。ただ、2割負担に起因するサービス量の変化につきましては、当方では把握してございません。
〇斉藤信委員 補足給付が削減され、そして年金が280万円です。高額所得者と言えないような高齢者が2割負担になっています。全国的な調査では、4割の方々が、今まで受けていた介護サービスを減らしたということです。私は実態を、全県でなくても、個別にでもこういうのを調べてやっていただきたい。
介護保険の改悪の中では、要支援の高齢者の介護保険サービスからの切り捨てというのがありました。来年度までは暫定措置があるわけですけれども、これは全て要支援の場合には市町村の総合事業に移行します。既に移行したところで、介護サービスの切り捨てという実態はあるのかないのか。全国の先行事例では、要支援の介護サービスを受けていた人たちが、卒業といって、あなたは改善したから介護サービスそのものを受けられなくなって、毎週受けていたサービスが月1回になって介護度が重度化してしまったという実態でありますけれども、この要支援者の介護サービスの実態はどうなっているでしょうか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 今年度、新たな総合事業に移行したのが4市町でございます。これら4市町におきましては、従来の介護予防給付と同様の訪問、通所のサービスが提供されておりますほか、2町では、栄養改善を目的とした配食なども実施されております。
いわゆる卒業ということでございますけれども、県内におきましては、陸前高田市1カ所で、そういった形で、要支援ではなくなった方に対して出しているようでございますけれども、それに当たりましては、担当のケアマネジャーの御意見等も聞きながら対応しているということでございますので、切り捨てというようなことにはならないかと思っております。
〇斉藤信委員 岩手の場合は住田町とか西和賀町とか、こういうところが先行して市町村総合事業に移行しましたが、幸い地元の介護事業所に委託をされました。介護事業所というのは、別なメニューでやれないのです。要介護の方々のデイサービスと別なメニューではやれないのです。同じメニューでやるから、基本的には同じ介護サービスが受けられる。私は今の段階はそうなっていると思います。ただ、これは中身や意図は違います。そして総合事業というのは、もう予算が決まっていますから、高齢者がふえれば予算がふえるというシステムではないので、要支援の方々の介護サービスの切り捨てというのは、私は本当に許されないと思います。
ところが、安倍内閣は、今度は要介護1及び2を介護サービスから外そうとしています。保険料は上がって、受けられる介護サービスはどんどん削減される。許されないことです。
そこで、要介護1及び2の高齢者というのは、全体の要介護認定の中でどのぐらい占めるのか、この人数を示してください。一番多い方々です。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 昨年12月末時点のデータによりますと、65歳以上の第1号被保険者で要介護、要支援の認定を受けている方は約7万5、000人でございますけれども、そのうち、要介護1、2と認定されている方は約2万8、000人でございまして、認定者の約38%となっております。
〇斉藤信委員 今度38%の方が介護サービスから切り捨てられたら、私は介護保険制度が成り立たないと思います。そして、介護事業者がばたばた倒産してしまう。こんなことを私は許してはならないと、自民党のほうに向かってちょっと言っておきたい。
それで、介護保険の問題で、特別養護老人ホームの待機者の解消問題についてお聞きをいたします。
先ほど、特養の早期入所が必要な在宅の方は958人と言いました。毎年毎年出しているのだけれども、ほとんど待機者が変わらない。第5期計画でどのぐらい特養が整備をされて、待機者はどうなりましたか。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 特別養護老人ホームの入所待機者につきましては、今年度から4月1日時点での数を把握することになりましたので、平成28年4月1日時点での数字は把握してまいりたいと思っております。
それと、第6期計画におきましては、991床相当の開設が見込まれているわけでございますけれども、今年度は210床が開設する見込みとなっております。また、平成28年度は203床が整備される予定となっております。
〇斉藤信委員 私が聞いたのは、では、第5期計画でどのぐらい整備されたか、その結果、待機者は減ったのか。減っていないと思います。本当に待機者を解消する計画を立てなかったら、これは詐欺です。保険料を取って、必要な特養に入れないというのだから。保険あって介護なし。私は今までの実績からしっかりと見る必要があると思います。どうですか、第5期計画でどのぐらい整備されて、待機者は減ったのか、減らないのか示してください。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 第5期計画におきましては、1、303床が整備されたところでございます。それから、特別養護老人ホームの待機者でございますけれども、平成26年3月末におきましては、早期入所が必要な方、これは今年度といたしましては要介護3以上でございますが、1、054人でございましたが、平成27年4月1日には958人になっております。
〇高橋但馬委員長 斉藤信委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう議事の進行に御協力願います。
〇斉藤信委員 今あったように、1、303床を第5期計画で整備したけれども、ほとんど待機者が変わらなかった。私は待機者を解消する計画をしなかったら、保険料だけ上げて、年金から差っ引いて、こんなやり方はないと思います。そこを真剣に私は考えるべきだと思います。
それで時間がなくなったので、あとの二つの問題をまとめて聞きます。
医師確保の問題に関して、千田美津子委員が総括質疑で聞きました。県立病院は増員計画がありましたけれども、11人マイナスになった。私はショックを受けました。増員計画なのにマイナス11ですから。なぜマイナスになったのか。どこで減ったのか。
岩手医科大学は、公的病院にどれだけこの間派遣しているのか。それは減っていないのか、示していただきたい。
そして、岩手医科大学の今年度、来年度の県からの補助金はどうなっているのか。
覚醒剤疑惑の調査委員会はどうなったのか、答えてください。
そして最後ですが、障がい児対策について。精神障がい者のバス運賃の割引が実現しました。これは本当によかったと思います。岩手県と大分県だけでしたから。私は皆さんの努力を可としたい。同時に、この間、議論もされていましたが、重度障がい児・者の対策というのは、県のアンケートでも一時預かり、デイサービスが不足しているという具体的な実態調査で出たわけですから、これは実際にどうやって改善するのか、具体的方策を示すべきであり、このことを最後にお聞きして終わります。
〇葛尾医務課長 病院勤務医と岩手医科大学の公的病院への派遣についてでありますが、まず、病院勤務医師数については、厚生労働省が2年に1度行う、医師・歯科医師・薬剤師調査で、平成26年12月1日現在の県内の医療施設従事医師数は2、465人となっており、内訳を見ますと、病院従事者は、前回調査から11人増の1、635人と増加傾向にあります。診療所従事者は、前回から17人減の830人と減少傾向になっております。
続いて、岩手医科大学の公的病院への派遣については、大学の報告によりますと、平成27年5月1日現在で334人となっており、ここ数年、横ばいで推移をしております。
〇野原副部長兼医療政策室長 先ほど斉藤委員から御質問があった在宅移行への内訳の数でございます。先ほど答弁しましたとおり、厚生労働省令を根拠に医療区分1の70%、介護保険の入所実数、また、平成25年の訪問診療の実績に基づく訪問診療の実績を根拠としてございますが、この国のツールに基づいて算定してございますが、内訳については非公表となってございまして、内訳については我々も知らされていないところでございます。
次に、岩手医科大学への県補助についてでございます。平成28年度当初予算では、総合周産期母子医療センターや高度救命救急センターの運営費助成など、地域医療の確保を図るため、約9億5、000万円を計上してございます。平成27年度当初予算と比較しますと、約8億5、000万円の減となっておりますが、これは平成27年度において、震災対応分として、災害時において電力確保を図り、災害拠点病院として継続的な医療体制を維持するためのエネルギー施設整備に対して約7億6、000万円を助成することとしており、この事業が平成27年度で完了するため、予算額が減少したものでございます。
次に、岩手医科大学の元教授に関する調査でございますが、岩手医科大学に確認したところ、調査委員会の調査に関しては外部に公表していないとのことであり、県としては承知していないところでございます。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 まず、精神障がい者のバス運賃割引についてでございますが、精神障がい者の方の通院など、日常生活の支援や社会参加の促進の観点から、移動手段の確保は大変重要でございます。県でも、精神障がい者に対するバス運賃割引の実施につきましては、岩手県バス協会及び県内の主要バス事業者を訪問いたしまして、重ねてバス運賃の割引の実施を要請してきたところでございます。
バス事業者におかれまして、これまでの障がい者団体や県等からの要請、また、本年開催されます希望郷いわて大会に多くの障がい者の方々が来県されることなども踏まえ、精神障がい者に対するバス運賃割引を実現されたものと考えてございます。
次に、重症心身障がい児・者の対策についてでございますが、今回のアンケート調査では、重症心身障がい児・者御本人の御家族など、376人から御回答をいただいてございます。そのうち、24.5%の方々が経管栄養などの医療ケアを受けていること、また、ニーズとして短期入所の充実を求める声が最も多いという状況でございました。
重症心身障がい児・者が利用可能な短期入所事業所は、本年2月現在、県内で28事業所となっており、重症心身障がい児・者の御家族の団体からは、重症心身障がい児・者の多い盛岡地域を中心に、利用できる事業所の確保について御要望をいただいているところでございます。
在宅サービスの充実につきましては、必要なサービス量の確保、医療的ケアに対応できる専門的知識を有する人材の確保などが課題となっているところでございます。
県といたしましては、重症心身障がい児・者の支援に多くの事業者の方々が取り組みやすいよう、障害福祉サービス報酬の引き上げ、施設整備補助に係る予算の充実等について継続して国に要望してまいります。
また、本年2月から、看護師や相談員等を対象に、重症心身障がい児・者への看護や支援方法等に関する研修を実施いたしまして、人材の育成に取り組んでいるところでございます。
〇小西和子委員 最初に私は、発達障がい診療等についてお伺いしたいと思います。
まず、本県における発達障がいの現状をどのように捉えているのかお伺いいたします。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 まず、発達障がいについてでございますが、県では、発達障がい者の自立や社会参加に向けた適切な支援の推進を図るため、教育委員会と連携して、教育、医療、保健福祉、労働関係者及び保護者で構成されます岩手県発達障がい者支援体制整備検討委員会・広域特別支援連携協議会を設置し、関係機関との連携体制の構築を図りますとともに、岩手県発達障がい者支援センターを設置し、児童精神科医によります診療や相談支援を行うなど、その支援体制を整備してきたところでございます。
また、発達障がい者の支援について、各ライフステージに対応した支援が重要でありますので、乳幼児期、学童期、青年期及び成人期における支援並びに普及啓発と地域療育ネットワークづくりに向けた取り組みを重点事項に掲げ、取り組んできたところでございますが、発達障がい者への支援につきましては、早期発見と早期療育の取り組み、地域で支援できる体制、そして教育と福祉との連携の確保の充実が課題となっているところでございます。このため、県といたしましては、早期療育や人材確保を図るためのペアレントメンターの養成やペアレントトレーニングの実践、さらに本年2月からは、発達障がい支援者育成研修に取り組みますとともに、地域の支援体制づくりを支援するため、岩手県発達障がい者支援センターによります専門的な助言を通じて、市町村等の障がい者自立支援協議会における医療、福祉、教育等のネットワーク構築への支援を図っていくこととしてございます。
〇小西和子委員 それでは、児童精神科医、専門医の配置状況はどのようになっているでしょうか。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 専門医の配置状況についてでございますが、岩手県医師会によりますと、精神科医または小児科医、臨床心理士などが配置され、発達障がいの確定診断をするための検査が可能な発達障がい児専門医療機関といたしまして、盛岡市では岩手県立療育センター、県立中央病院、盛岡こども病院の3医療機関、矢巾町のみちのく療育園、花巻市の国立病院機構花巻病院、一関市の県立南光病院、一戸町の県立一戸病院となっており、県内では7医療機関となってございます。
〇小西和子委員 専門医に会うまでに、二、三カ月もかかるということを学校現場から聞いておりますが、その専門医が少ないと捉えてよろしいわけですか。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 児童精神科の医師につきましては、なかなか確保が難しいという現状になってございますので、診察に時間を要するといった状況にございます。
〇小西和子委員 療育センターではお二人いらしたんですが、お一人帰られたというので、たったお一人だということを聞いております。何とか専門医の確保をお願いしたいと思っております。
厚生労働省は、かかりつけ医から専門医への橋渡しの対応ができる仕組みをつくる方針を打ち出しましたけれども、本県の2016年度の取り組みはどのようになっているでしょうか。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 専門医への橋渡しの対応ができる取り組みについてでございますが、厚生労働省が平成28年度に新たに実施いたします、かかりつけ医等発達障害対応力向上研修事業におきましては、どの事業、どの地域におきましても、一定水準の発達障がいへの対応を可能とすることを目標といたしまして、発達障がい者等が日ごろから受診している主治医等の医療従事者を対象とした研修を地域で実施するものとなってございます。しかしながら、現段階では、国から事業の詳細がまだ示されていないということもあり、今後、国から示される詳細な事業の内容を見た上で、研修を受講する医師の確保が可能であるかなど、本県における研修の実現性について検討してまいりたいと考えてございます。
〇小西和子委員 かかりつけ医が発達障がいについて無理解だったりすると、かえって通院を嫌がったりということもあるとも聞いております。ぜひ、かかりつけ医も研修を行って、専門医につなぐような体制をとるために─研修の費用は国と自治体で半分ずつ負担ということになっており、このあたりがネックかと思いますが、前向きに取り組んでいただければと思います。
続きまして、2012年度から被災地発達障がい児支援体制整備事業というのを行っているようですけれども、この実績についてお伺いしたいと思います。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 被災地の発達障がい児のための支援体制についてでございますが、平成24年度に発達障がい沿岸センターを釜石市に設置いたしまして、沿岸地域の発達障がい児・者や、その支援を行います相談支援事業者等を支援しているところでございます。
具体的には、発達支援コーディネーターなど4名の職員を配置いたしまして、個別の相談支援のほか、沿岸地域の保育所等におけるペアレントプログラムの指導、また、保護者を対象といたしましたサロン等の開催を通じた専門的な助言を実施してきたところでございます。
平成26年度の実績といたしましては、個別支援が648件、研修の企画または共催が36件、関係施設、関係機関等の連携に係る活動が76件といったような活動になってございます。
平成28年度につきましても、引き続き、市町村や地域の相談支援事業所等の支援員の育成を重点的に行いながら、支援体制の充実を図る取り組みを推進してまいります。
〇小西和子委員 専門家によりますと、厳しい環境に置かれたり、それから虐待の被害を受けたりすることで発達障がいになるということも報告されておりますので、ぜひ被災地の発達障がい児に寄り沿った取り組みを強化していただきたいと思います。
次に、児童虐待対策についてお伺いしますが、虐待が子供たちの脳を傷つけ、その後の人生に大きな影響を落とすということは、皆様方も御存じだと思います。2015年度の児童虐待対応件数、虐待種別をお伺いします。あわせて、どのような対策を講じたかもお願いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 平成27年度の児童虐待対応件数についてでありますが、市町村が対応した件数につきましては年度ごとの集計でございますことから、平成27年度途中で把握ができないため、児童相談所が対応した件数について述べますと、平成27年4月から平成28年1月までの児童相談所における児童虐待対応件数の速報値では345件でありまして、前年度同時期の222件と比べ123件、約55%増加したところです。
次に、虐待種別についてでありますが、心理的虐待が149件で最も多く、次いで身体的虐待が105件、ネグレクトが84件、性的虐待が7件となっているところでございます。これを前年度同時期と比べますと、心理的虐待は65件、約77%の増、身体的虐待は31件、約42%の増、ネグレクトは28件、50%の増、性的虐待が1件、約13%の減となっているところです。
次に、児童虐待防止に向けた対策についてでありますが、県では、市町村や関係機関と連携して、児童虐待防止アクションプランに基づき、総合的な取り組みを推進しているところであり、毎年11月の児童虐待防止推進月間におけるオレンジリボン街頭キャンペーンの実施や、駅構内でのポスター掲示、子どもの虐待防止フォーラムの開催などを通じまして、県民への意識啓発を図ってきたところです。
また、保育所職員や医療従事者に対する研修会を実施してきたほか、市町村における要保護児童対策地域協議会に児童相談所の職員が参画するなど、市町村支援にも取り組んできたところです。
特に、今年度におきましては、児童虐待防止アクションプランの改定に取り組んでいるほか、市町村要保後児童対策地域協議会の活性化を図るため、運営実務マニュアルを作成したところであり、来年度はこのマニュアルを活用した市町村職員研修を行い、市町村の虐待対応力のさらなる向上のため、支援をしていくことといたしております。
〇小西和子委員 55%増ということで、本当に驚きました。数年前から面前DVも心理的虐待にカウントするようになって、またまたふえたということで、大変なことだと思います。
それでは、沿岸部の子供が置かれている状況をどのように捉えているのか、さらには、児童虐待の実態はどうなのかお伺いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 沿岸部の子供が置かれている状況についてでありますが、震災による転居や応急仮設住宅等での生活の長期化など、震災後5年を迎える中においても、大きく変化した生活環境などにより、不安やストレスを抱えている子供が多くいるものと認識いたしております。
次に、児童虐待の実態についてですが、平成26年度の児童相談所における児童虐待対応件数のうち、沿岸12市町村は63件であり、平成25年度の69件に比較して6件減少したところです。
また、平成27年4月から平成28年1月までの児童相談所における虐待対応件数のうち、沿岸12市町村は84件であり、平成26年度の同時期の44件に比較いたしまして40件増加しているところです。
沿岸地域では、震災後の生活環境の変化に伴う家庭へのさまざまなストレスが虐待につながることが懸念されますことから、市町村と連携を図りながら、児童虐待の発生予防、早期発見、早期対応に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 すごく虐待件数が増加していることは、非常に心が痛むわけです。そのために、児童福祉司を2人増員するというお話であったわけですけれども、1.55倍にも及ぶこういう相談の対応等で、今までの体制プラス2人で大丈夫だろうかと思いますし、お亡くなりになった方がお一人いらっしゃいました。それから、休んでいる職員方もいて、臨時職員の方々が何人か入っていらっしゃる。即対応するというときは正規職員の方たちが動くということは、正規職員の方たちにかなりの負担がかかっていますし、兼務発令でありますから、現場にいて対応できない方も何人かいらっしゃるというのが現状だと思います。さらには、一関市と宮古市にある児童相談所には大阪府と埼玉県から応援職員が入っていらっしゃいますので、この職員がいつまで応援にいてくださるのかということで、次年度はどうなのかというあたりもお伺いしたいと思いますし、あとは、児童相談所設置の実態調査というのがありまして、虐待児の聴取につきまして、専門職員が虐待を受けた様子について聴取しているかどうかということの調査では、岩手県は残念ながらそういう対応にはなっていないということです。東北では秋田県もそうですけれども、これも十分な職員がいないために研修等に出かける、そういう余裕もなく動いているという思いをしております。
そこで、児童相談所の人的体制をどのように捉えているのかということと、あと、中核市にも児童相談所を設置できるといったこととか、介入は児童相談所がやるけれども、そのほかのことは市町村でやるという厚生労働省の報告もございます。そのあたりも含めてお答えをお願いします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 まず、児童相談所の人的体制についてでありますが、これまで、児童虐待対応に専門的、機動的に対応できる虐待対応専門チームを整備するとともに、児童福祉司については、順次増員を図るなどの体制整備に努めてきたところです。
児童相談所では、児童虐待相談が増加し、相談内容も複雑、多様化している状況にあり、これに適切に対応していく必要があることから、先ほど委員からもお話がありましたように、来年度において児童福祉司2名を増員し、体制のさらなる充実を図るとともに、引き続き国の専門研修等に職員を派遣するなど、専門性の向上に努めていくこととしております。
今後とも、児童相談所の体制につきましては、適材適所の人事配置等をもとに、不断の見直しをしながら適切に対応してまいりたいと考えております。
また、次に、中核市への児童相談所の設置等についてでありますが、現在、国におきましては、児童福祉法上は、中核市においても児童相談所を設置することができる規定が設けられておりますが、全国の中核市のうち、現在、児童相談所を設けているのが2市だけでございます。こういったことも踏まえ、今般、国においては、まずは東京23区に設置を認める児童福祉法の改正をする予定で現在準備を進めておりますし、あわせて、中核市にも設置を促すためのさまざまな支援体制を今回講ずると情報をいただいているところであります。
また、あわせて、児童相談所と市町村との役割分担ということで、児童相談所は、児童虐待に対するいわゆる介入の部分に関する機能に特化し、市町村は、親への支援といったような部分に役割分担をするといった内容で、今般、児童福祉法の改正を見込んで現在準備を進め、できれば、今国会に提案をしたいと情報として伺っているところでございます。
〇小西和子委員 本当にフル回転で業務を行っているということも聞いております。
そこで、その場で相談の受付はできてもその後の専門的な対応に手が回らない状況ではないかと思います。その結果、児童虐待の世代間連鎖をより悪化させかねないのではないか。虐待を受けている子供への対応を十分にし切れない場合に、その子供が大人になった際に、加害者の大人になってしまうことも危惧されると言われておりますので、年次計画で児童福祉司の増員等、体制強化等を考えていただきたいと思います。
次に、岩手の助産活動の均てんについて、しつこいようですがまたお伺いいたします。
前にお伺いしたときには、平成26年度末現在の就業助産師数は370人であること、助産師の活動は、本県の厳しい周産期医療提供体制の中で、妊産婦のケア、または医師の負担軽減という点においても重要な役割を担っているものと答弁していただいております。
人口減少対策につきましても、ふるさと振興総合戦略におきましても、周産期医療提供体制の整備を人口減少対策の一つとして位置づけておるので、研修の充実強化等による専門性向上の支援に努め、安心して子供を産み育てることができる環境の整備に努めていくという答弁をいただいております。
私は、助産師の能力の活用こそが人口減少対策の一つにつながると考えておりますけれども、改めてお伺いしたいと思います。
〇高橋地域医療推進課長 助産師の活動と人口減少対策についてでございますけれども、助産師の活動は、妊産婦の不安の解消や医師の負担軽減にもつながることから、重要な役割を担っておりまして、その活動は人口減少対策につながるものと考えております。
県では、昨年10月に策定いたしましたふるさと振興総合戦略におきまして、周産期医療提供体制の整備を人口減少対策の一つと位置づけております。
今後も、助産師外来や院内助産システムの取り組み、研修の充実強化等によりまして専門性の向上の支援に努め、安心して子供を産み育てることができる環境の整備に努めてまいります。
〇小西和子委員 研修の充実強化等による専門性向上の支援に努めるということで、支援はなかったのですけれども、アドバンス助産師について前回質問したときに、なかなか県では支援ということまでにはいかないという答弁をいただきましたが、55人がアドバンス助産師と認定されました。これは就業助産師の14.9%でございます。ですから、リスクの低い出産であれば助産師が診て、非常にリクスの高いものであれば医師が診るというふうにして、分業すればいいのではないかということを全国で訴えているわけです。医師からすれば、助産師の能力に対する心配があると思いますけれども、このようにアドバンス助産師と認定された助産師がいるのですから、正常な分娩は助産師に、異常分娩は医師が行うという形にしていかないと、医師の負担が非常に大きくなってしまって、医師不足の中で疲弊していくだけ、正常な分娩を助産師が担えるようにしていくべきだと考えます。
長野県では、県と市町村が一緒に分娩や周産期の対応について計画し、助産師の能力を上手に活用できるプランをつくるという話をしていると聞いております。
そこで、助産師能力認定制度について動向を注視し、県の支援のあり方を検討していくということでありましたけれども、その後の見解と、今話をしたような周産期の全体の見通しやあり方について、部長にお伺いしたいと思います。
〇佐々木保健福祉部長 アドバンス助産師の御質問であります。一般財団法人日本助産評価機構が今年度開始した助産実践能力認証制度による合格者、いわゆるアドバンス助産師、昨年12月に発表され、委員からお話しされましたとおり、本県では55名の助産師が認証されたところでございます。
この認証基準の一つとなっております新生児の蘇生法講習会について、県では、従前から県内の産科医、小児科医で組織される岩手周産期研究会に委託して実施しているところでありますが、認証に当たっての要件として、分娩介助100例以上あるいは妊婦健診200例以上などの実務経験も求められているところであります。
認証制度は、助産師の能力向上に寄与するものでありまして、今後、地域においてアドバンス助産師の活用が期待されます。
現在、国において、助産師の活用も含めた周産期医療のあり方について検討が行われておりまして、本年夏ごろに指針を示す予定と聞いております。それを踏まえまして、今後、本県におきましても関係者の意見を伺いながら、どのような支援が可能であるか検討してまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 先ほど、斉藤委員の御質問の中の補足給付の申請者数について、1年前と比べるべきではないかといったようなお話がございました。
平成26年7月現在で1万4、778人、平成27年8月現在で1万3、319人ということで、1、459人減っておるという数字になっております。
〇高田一郎委員 私からは、ひとり親家庭の支援策についてお伺いいたします。重複しない程度に質問いたします。
先ほど、南子ども子育て支援課総括課長から母子世帯等の実態調査について説明をいただきました。ひとり親家庭については、県内で1万3、546世帯、月平均収入は10万円から15万円未満が40.7%となっており、この数字を聞いて大変驚きました。つまり10万円から15万円が40.7%ですから、恐らく10万円未満というのもあるわけです。この10万円未満も含めると、恐らく60%、70%になっていくのではないかと思いますけれども、そういったことが今後どうなるのかということです。つまりひとり親家庭の中で82%の方々が就労しているが、恐らく6割、7割の人たちが15万円以下で生活せざるを得ない。私は、生活保護以下の生活実態ではないかと思います。私の知り合いにもダブルワークをしている方もいらっしゃいます。トリプルワークをしている方もいます。夜も仕事ですから、子供と会話ができない。本当に必死になって子育てをしているという状況です。
そこで、部長に聞きますけれども、こういった実態というのは異常な事態だと認識して対応してくべきだと思いますし、もう一つ、この生活実態というのは生活保護以下で子育てをしているということですけれども、なぜ、こういった方々が生活保護を受けて子育てができないのか、その実態について、わかれば答弁していただきたいと思います。
〇佐々木保健福祉部長 ひとり親家庭の収入の状況でございますが、母子家庭におきましては、10万円から15万円未満の割合が25.5%(後刻「40.7%」と訂正)で、それ以下、10万円未満の方々の割合は7.0%(後刻「25.3%」と訂正)であります。したがって、15万円未満の方々の計は32.5%(後刻「66.0%」と訂正)ということになります。父子家庭におきましては、15万円未満の方々は計で8.0%の割合ということであります。
県としては、こうした実態を踏まえて、今後のひとり親家庭に対する支援策を考えていきたいと思っております。
〇藤原地域福祉課総括課長 ひとり親家庭への生活保護の適用の関係でございます。生活保護が必要な方につきましては、適切に制度につながりますように、国、県、市のホームページで制度の周知を行うほか、民生委員や生活困窮者自立支援制度における相談窓口などと連携して生活に困窮している方の把握に努めて、福祉事務所への相談を助言するなど対応に努めているところであります。
〇佐々木保健福祉部長 先ほど申し上げた数字でありますが、失礼いたしました。
就労の月平均で申し上げますと、母子世帯の母本人の収入で申し上げますと、10万円から15万円未満の方が40.7%、10万円未満の方が25.3%ということでございますので、これを合計しますと、15万円未満の方は66.0%となります。
〇高田一郎委員 ひとり親家庭、とりわけ母子世帯の方は66%が15万円以下で生活せざるを得ないということです。これは、私は、異常な事態だという認識のもとに、ひとり親世帯に対する支援策を強めていくべきだと思いますけれども、その点をお聞きしたのであって、その点について再度答弁いただきたい。
それで、なぜ、生活保護を受けながら子育てすることができないのかということです。これについても答弁がありませんでしたけれども、実態からすれば、生活保護を受けて子育てして、子供と接して安心して子育てができるという環境をつくっていかなければならないと思います。
ネックになっているのは自動車の利用ができないということです。私も相談を受けて、いろいろかけ合ったことがありますけれども、自動車の利用が原則できない。子育てするには、子供の送り迎えとかいろいろ必要ですから、利用ができないということで諦めてしまう。だから、こういう10万円以下とか15万円以下とか、本当に少ない収入の中で子育てせざるを得ないということになっていると私は思いますけれども、なぜ、生活保護を受けながら子育てができないのか、その原因について答弁いただきたい。
〇南子ども子育て支援課総括課長 ひとり親家庭への就労支援策についてでございますが、過去5年間の推移を見ますと、自立支援教育訓練給付金については、年度によって異なりますけれども、ゼロから3人程度、高等職業訓練促進給付金についてはおおむね10人程度で推移いたしております。
〇佐々木保健福祉部長 先ほどの母子世帯の母の収入15万円未満の方が66%を占めているということで、これが、何をもって異常な事態と言うかというのはちょっと私も判断がつきかねますが、いずれ、こういう3分の2の世帯が収入が低い中で暮らしているということを踏まえて、各種の施策を講じていきたいと考えております。
〇藤原地域福祉課総括課長 生活保護を受けながらなぜ子育てをできないのかということでございますが、先ほども御答弁いたしましたとおり、生活保護については申請ですので、申請があって、利用が適切な方については、利用がちゃんとできるように制度の周知に努めているところでございます。
それから、自動車の使用についてですが、生活保護制度上、公共交通機関の利用が著しく困難な地域に居住する方が通勤に使用する場合とか、障がい者の方が通院等に使用する場合など、一定の要件を満たすときにしか保有が認められていません。ただ、そういう場合については、国で示している要件に合致する場合には保有を認めているところでございます。
いずれ、生活保護につきましては、全国一律の国の制度ということで、自動車の保有要件につきましても国で定めているものでございまして、県では、国が定めた一定の要件に基づいて、個々の世帯についての自動車の保有の可否について適正に判断するよう福祉事務所を指導しているところでございます。
〇高田一郎委員 自動車の利用については、機械的に認めないということではなくて、要件がある程度認められれば対応できるということですから、そこも現場ではなかなかそうなっていないという現状がありますので、生活保護以下の収入で生活しなければならないという現状の中で、そういった方々にも生活保護を受けて子育てができるような状況にしていただきたいと思います。
それで、消費税が5%から8%に引き上げられた際に、低所得者対策として簡素な給付措置を実施いたしました。住民税非課税世帯には1人1万円とか、子育て世帯には1人1万円とかやられましたけれども、今年度も、また来年度も減額されるということです。
1年後からは消費税増税というものが予定されていますけれども、こういった状況を見ますと、ひとり親世帯の生活がますます大変になっていく、子育て環境はますます大変になっていくと見るべきではないかと思いますが、この辺はいかがでしょうか。
〇南子ども子育て支援課総括課長 子育て世帯臨時特例給付金の廃止によるひとり親世帯への影響についてでございますが、子育て世帯臨時特例給付金は、平成26年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられる際に、子育て世帯の家計への影響等を踏まえて、臨時特例的な給付措置として平成26年度に創設されたものです。
平成28年度以降廃止されますこの給付金は、国によりますと、もともと消費税率引き上げの影響を緩和するための1回限りの臨時的な措置として実施されたものと伺っておりますが、給付金の廃止や消費税率の引き上げによりまして、この給付金の対象となっているひとり親家庭にとっては、経済的な面での影響はあるものと認識いたしております。
県では、ひとり親家庭に対しまして児童扶養手当の支給による支援を行っておりますけれども、平成26年12月から公的年金との併給が可能とされたところであり、さらには、平成28年8月から第2子加算、第3子以降加算額が増額される予定です。
このほか、来年度は新たにひとり親家庭の親に対して5年間の就業継続による返還が免除される貸付事業を行う予定といたしております。
これらの経済的支援のほか、ひとり親家庭への就業支援や、平成28年度から新たに行うこととしている学び直しの支援等によりまして、ひとり親家庭の生活の安定が図られるよう取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 簡素な給付措置の見直しによって経済的には大変になるというお話でありましたけれども、一方では、平成28年度からのいろいろな制度で第2子、第3子も児童扶養手当を加算するというお話がありました。しかし、第2子、第3子ですから、ひとり親家庭の子供の数というのは7割ぐらいは一人っ子です。一人っ子の場合は減額の一方です。そういう意味では、子育てに対しては相当経済的な影響が出るということを言わざるを得ないと思います。
それで、家庭の経済的な問題で子供の将来が左右されてはならないということで、生活困窮者自立支援法などもつくられていろいろと展開されていますけれども、ひとり親家庭あるいは生活困窮者に対する学習支援とか、あるいは給付制奨学金の拡充とか、最大限対応していただきたいと思います。学習支援については、県内の一部地域で対応されていますけれども、これをさらに広げるとか、そういった努力をすべきだと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
〇藤原地域福祉課総括課長 ひとり親家庭に対する学習支援についてでございますけれども、生活困窮者自立支援制度に基づく子供学習支援事業といたしまして、生活保護世帯や生活困窮世帯の子供を対象に、本年度は、盛岡市、宮古市、滝沢市、盛岡広域振興局管内の5町、合計8市町において、支援スタッフ等を配置して学習の場を提供して、ひとり親家庭を含む貧困の状況にある子供の学習支援に努めてきたところであります。この事業につきましては、来年度は新たに花巻市が実施するということを聞いております。そういうことで、対象地域の拡大が図られる見込みですし、今年度実施いたしました地域におきましても、盛岡広域振興局管内の5町では定員の拡大を予定しておりますし、3市でも開催日数の増加とか参加生徒の増員などに取り組んでいくことを検討しております。
県といたしましては、今後とも、支援の拡大に向けて、県の所轄分については県として検討を行うとともに、各市についても、優良事例等を紹介しながら、取り組みが進むように働きかけていきたいと思っております。
〇高田一郎委員 ぜひ広げてもらうように、県としてもいろいろな支援をしていただきたいと思います。
次に、国民健康保険税の問題についてお伺いいたします。
まず、国保税の現状ですけれども、1人当たりの国保税額と負担率、そして一般会計からの繰り入れ状況、また、滞納状況がどうなっているのかお聞きいたします。
国保税をめぐっては、都道府県化について、全国知事会、地方6団体が、国保の構造問題を温存したまま広域化するということは問題だということで、そういった運動もあって、この間、財政支援が行われました。今年度は、全国レベルで1、700億円を財政支援するようでありますけれども、これによって市町村の国保財政がどうなったのか、あるいは保険料が引き下げられたのかどうか、この点についてまとめてお伺いいたします。
〇五日市健康国保課総括課長 まず、国保の現状についてでございますが、1世帯当たりの国保税や負担率につきましては国の公表データをもとに把握しているところであり、平成26年度の数値についてお答えいたします。
平成26年度における本県の1世帯当たりの総所得金額は122万5、000円であり、この金額から基礎控除33万円を差し引いた課税所得額は89万5、000円、国保税額は14万7、000円となっており、1世帯当たりの課税所得額に占める国保税の割合、いわゆる負担率は16.4%となってございます。
次に、平成26年度における一般会計からの法定外繰り入れについてでございますけれども、14市町村で総額9億7、000万円余となってございます。ちなみに平成25年度は9市町村で9億3、000万円余ということでございますので、平成26年度においては法定外繰り入れを行っている市町村が増加したということでございます。
次に、国保税の滞納状況についてでございますけれども、平成26年度決算時の滞納世帯数は2万1、409世帯、平成25年度と比較しまして2、644世帯、10.99%減少しているところでございます。累積滞納額は84億円余でございまして、平成25年度と比較し、約9億2、000万円、9.88%減少となってございます。
次に、市町村国保の財政状況の関係についてでございますけれども、今般の国民健康保険制度改革の一環としまして、平成27年度から実施されている1、700億円の公費拡充は、低所得者が多い市町村国保の財政基盤を強化するため、低所得者数に応じ、保険税額の一定割合を公費で支援するものとなってございます。
新たに投入された公費の使途や国保税額は、市町村の財政状況に応じ、それぞれの市町村が判断し決定するものでございまして、平成27年度において国保税の税率を引き下げたのは3市町となってございます。
〇高田一郎委員 いずれ、国民健康保険税は、住民からすれば税金の中でも一番重税感がある税だと思います。均等割がある世帯については、子供が多いほど負担が重く、少子化対策に逆行するような矛盾に満ちた制度だと私は思っております。負担率が16.4%と大変な負担であって、14市町村が10億円近いお金を一般財源から繰り入れながらやらざるを得ないという状況だと思います。
それで、国からの1、700億円ですけれども、平成28年度までには3、400億円というような数字も出ていますけれども、この程度で市町村の国保財政がやっていけるのかどうかということです。当初、全国知事会は1兆円というような要求もしていましたけれども、こういう形になったわけです。私は、国保の構造的な問題を解決しないまま広域化になっても、問題は根本的に解決しないと思います。さらなる要求を国に求めていくべきだと思いますけれども、その状況、国の対応はどうなっているのか示してください。
〇五日市健康国保課総括課長 国保制度改革における国の財政支援の関係ということでございますけれども、今回の国保制度改革によりまして約3、400億円の財政支援が毎年行われることになったということで、今後も医療費の増嵩が見込まれるということもございます。医療費は伸び続けているということもありますので、それに耐え得る財政基盤を確立するということが課題ではないかと考えているところでございます。
県といたしましては、将来にわたる国民健康保険制度の安定的運営を図るため、国庫負担率の引き上げなどさまざまな財政支援の方策を講じ、今後の医療費の増嵩に耐え得る財政基盤を確立するよう、全国知事会を通じて国に働きかけているところでございます。
〇高田一郎委員 国に強力に働きかけて取り組んでいただきたいと思います。
国保の広域化についてですけれども、今議会に、財政安定化基金を設置するということで議案が提案されました。これは、一般会計からの繰り入れをさせない仕掛けになってはいないかということがちょっと心配されるわけであります。これは、保険財政が逼迫する中で、市町村に対して臨時的な貸し付けを行って、その返還は保険財政から行わせるという仕組みになっております。こういう財源があるから公費の繰り入れは必要ないということにならないのかとか、保険財源の不足は保険料の引き上げで穴埋めしなさい、一般会計から繰り入れしないでこの基金を活用しなさいというようなことにならないかという心配があるわけですけれども、この点についてはいかがですか。
〇五日市健康国保課総括課長 一般会計からの繰り入れについてでございますけれども、今回提案しております財政安定化基金条例の財政安定化基金は、都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となることに伴い、国民健康保険の財政の安定化を図るため、給付増や市町村の保険料収納不足により財源不足となった場合に備え、一般財源から財政補填等を行う必要がないよう都道府県に設置するとされたものです。
本基金につきましては、平成30年度以降、保険料の収納が不足する市町村への貸し付けや、災害など特別な事情により収納不足となった場合には交付を行う事業のほか、都道府県の国民健康保険に係る特別会計において、給付増により財源不足が生じた場合の繰り入れに活用することとされているところです。
国保制度改革後における市町村一般会計からの繰り入れについてでございますけれども、昨年5月の参議院厚生労働委員会におきまして、厚生労働省保険局長が、市町村で判断いただくことであり、制度によって禁止することはできないが、できるだけ国民健康保険財政の健全な確保をお願いしたい旨の答弁をしているところでございます。
〇高田一郎委員 国保が広域化になっても、市町村はそれぞれ一般財源から繰り入れすることは可能だという答弁でありましたので、了解いたしました。
次に、保育所の待機児童問題の解消についてお伺いいたします。これも、先ほど何人かの委員の皆さんから質問がありました。これも重複しない形で質問したいと思います。
これまで、待機児童の解消のためにそれぞれの市町村がニーズ調査、実態調査を踏まえて子育て支援事業計画を作成して取り組んできました。待機児童は732人という答弁でありましたけれども、私は、今は、それ以上に増加傾向にあるのではないかと思っています。
先ほど、増加している要因は何かという質問に対して、厚生労働省の定義が変わったからだという話がありました。しかし、これだけなのでしょうか。もっとほかにその要因があるのではないかと思うのですが、この点についてお聞きいたします。
あわせて、まとめてお聞きいたします。
保育士の確保対策ですけれども、現在、岩手県内の潜在的保育士の実態はどうなっているのかということと、これまで行ってきた保育士の確保対策の成果ですが、先ほど、保育士・保育所支援センターで掘り起こしを行ってマッチングをしたり、あるいは賃金改善に取り組んでいるというお話でしたが、具体的にどのような効果が上がったのかということをお聞きしたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 待機児童の増加要因についてでありますけれども、先ほど、保育の必要性の認定の定義が変わったというお話を申し上げたわけでありますが、それ以外にも、当然、共稼ぎの方々の率が高まっていったことも背景にあろうかと思います。その中でも、特に今般、4月1日現在の128人から10月1日現在の732人にふえた大きな要因といたしましては、市町村に聞き取りをいたしましたところ、ある特定の市ではありますが、大規模な誘致企業の操業開始等によりまして、保育に対する需要がこれまで以上が高まったことなどが主な要因となっているところです。
次に、潜在保育士の実態と保育士確保対策の成果等についてでございますが、潜在保育士に関する調査はなされていないところですが、仮に、これまでの保育士登録数から、現在、保育所に就業している保育士数を差し引いた人数を潜在保育士として計算いたしますと、平成27年4月1日現在で保育士登録数が1万3、461人、保育所に就業している保育士数が5、194人であることから、差し引き8、267人が潜在保育士なるものと考えられます。
また、保育士確保対策についてですが、県においては、これまで、保育士の人材確保のため、保育士等の賃金改善に係る処遇改善加算措置について周知してきたほか、保育士資格取得を目指す者に対する支援、あるいは保育士・保育所支援センターによる潜在保育士の掘り起こしやマッチング、相談支援等を実施してきたところです。
その結果、私立保育所における保育士等の賃金改善に係る処遇改善加算の実施施設数の割合は、平成26年度が95%、平成27年度は100%となる見込みです。
また、県の補助事業を活用して保育士資格を取得し、保育所等に就業した者は4人、平成25年10月に設置した保育士・保育所支援センターにおけるマッチング実績は、平成25年度が、6カ月間となりますが11人、平成26年度は60人、平成27年度は、平成28年1月末現在で76人となったところであり、これらの取り組みにより、保育士の人材確保、それに伴う待機児童の解消には一定の効果があったものと認識いたしております。
〇高橋但馬委員長 高田一郎委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう議事の進行に御協力願います。
〇高田一郎委員 一関市の担当課にちょっとお伺いしたところ、昨年の10月1日現在での待機児童というのは66人ですが、直近の今一番の新しい数字というのは73人と伺ってきました。しかも、保護者の勤務する関係でお願いしたけれども、だめだったという、いわゆる保護者の都合で待機になっている子も含めると173人ということでした。5年間で130人の定員をふやしたにもかかわらず、待機児童は、減らないどころかふえているという状況です。それによって仕事を奪われて生活が大変になるという状況になっているわけです。
児童福祉法では保育に欠ける子供がいれば自治体が責任を持って保育するということは、新しい制度ができても児童福祉法の考え方というのは変わっていないわけです。行政の責任でこれをやっていくべきだ、公立保育所を増設して対応していくべきだと思います。
私は、さまざまな民間の社会福祉法人などにお邪魔しましたけれども、施設整備、将来の経営のことも考えると、なかなか大変であり、保育士も確保できない。行政にきちっとやってもらわないと、この問題は解決しないのだという話をされました。公立保育所の増設をやっていくべきだと思います。
最後に、保育士の確保についても、奨学金制度とか、あるいは潜在的保育士が保育の現場で働く場合には準備金を貸し付けるという新しい制度の予算が措置されました。貸付制度ではなくて、一定程度仕事をしたら給付するというぐらいの大胆な対応をして潜在保育士を確保するとか、そういう対応をやっていくべきだと思いますけれども、その辺についてどうお考えなのか答弁をいただきたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 まずは、冒頭お話がありましたように、児童福祉法に基づき保育の実施責任は市町村にあります。一方では、公立でそういう施設整備をしていくといったお話もあったわけでありますが、最終的には保育の実施責任がある市町村が、地域の保育ニーズでありますとか地域の実情といったものを踏まえて、今後の5年間のニーズ、それに提供するための方策といったものを、さまざまな調査あるいは御意見をいただきながらまとめたものが、今回の市町村の支援事業計画です。
その中には、当然、地域の方々の御意見、市町村の子ども・子育て会議の御意見等も反映しながらつくられた計画でありますので、まずはその計画にのっとって、今現在、市町村が着実な推進に努めているものと認識いたしております。
また、保育士の確保対策につきましては、今般、潜在保育士の貸付制度についても当初予算案に計上させていただいているところでありますが、一定期間の就業継続をいたしますと償還が免除となるという形の制度となっております。
〇吉田敬子委員 児童養護施設等に入所する児童への支援について、まずお伺いいたします。
これまでも児童養護施設等に入所する児童の学習や生活環境の支援の強化等を取り上げてまいりましたが、現在の児童数の推移、また入所理由、学習、生活の現状と退所後の現状等を県としてはどのように捉え、課題等についてはどのように改善されてきたかお伺いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 児童養護施設の子供の現状と改善点についてですが、県内6カ所の児童養護施設の入所児童数は、平成27年4月1日現在で263人でありまして、平成26年4月1日現在の267人と比較して4人減少したところです。
また、平成27年4月1日現在の入所児童については、虐待を受けたことが主な理由である児童が57.8%と過半数を占めているところでございます。
入所児童に対する学習支援の状況につきましては、それぞれの児童養護施設において、職員やボランティアによる学習会の実施や学習塾の利用などにより行われています。
就職や進学により施設を退所した児童に対するケアにつきましては、各児童養護施設において、訪問や電話による相談対応、助言による支援に努めているところす。
その後の改善点の関係ですが、入所児童の生活環境につきましては、施設における小規模グループケアのグループ数が、平成24年度の9グループから平成27年度は16グループに増加するなど、施設の小規模化が進み、より家庭的な環境への改善が図られてきたところであり、これに応じて自室内での学習が可能となるなど、学習環境の改善も図られてきたところです。
また、平成27年度から高校生が塾に通う費用を公費により支援しているほか、児童が自由に使用できるパソコンの設置を進め、学習環境のさらなる充実に努めているところでございます。
〇吉田敬子委員 子供の貧困等、先ほど来ひとり親家庭の話が出ていますけれども、これまでも児童養護施設等に入所している子供の過半数以上が虐待を受けた子供という答弁もありました。養護施設等に入所している児童への学習支援、生活支援というのは大事だと思っておりまして、小規模化が図られたことだとか、今年度は高校生の塾への支援も始まったということで大変評価しております。
そして、来年度から新規で自立支援資金貸付事業が始まります。これについても大変評価しておりますが、これまでの退所児童の就職率、大学等進学率がどのような推移であるか、そしてまた、この支援策によってどのような効果を見込んでいるのかお伺いいたします。
この支援策についてですけれども、既に退所した児童も対象になるのかもお伺いしたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 児童養護施設退所者等自立支援資金貸付事業についてでありますが、この事業は、児童養護施設等を退所した者を対象として、就職する場合は家賃の貸し付けを、進学する場合は家賃と生活費の貸し付けを行うほか、児童養護施設等に入所中の者等を対象として就職に必要な資格取得のための費用の貸し付けを行うものであり、一定期間の就業継続により返還が免除されるものです。
児童養護施設の退所児童の高校等卒業後の就職率については平成27年4月現在で77.8%であり、平成26年4月現在の66.7%に比較して11.1ポイント高くなっております。
また、短期大学や専門学校を含む大学等進学率については平成27年4月現在で11.1%であり、平成26年4月現在の20.8%に比較して9.7ポイントと低くなっております。
この貸付事業の実施によりまして、児童養護施設を退所して就職や進学する子供の安定した自立が一層促され、就職や進学を希望する子供が、その希望を実現するための一助となるものと期待いたしております。
また、今般の自立支援資金貸付事業につきましては、既に退所した児童も対象になるかというお尋ねにつきましては、今、調べさせていただきまして御答弁申し上げたいと思いますので、少しお時間をいただきたいと存じます。
〇吉田敬子委員 これまで取り上げてきた経緯は、児童養護施設を出て、今は岩手大学に通っている子からいろいろ聞き取り調査をさせていただいたときに、就職率は上がっているということですが、大学への進学率というものが、先ほどは、専門学校も含めると11.1%ということですけれども、大学進学に限ってしまうと3.7%とすごく低くなっていて、これは児童養護施設に限ったことではなく、岩手県全体の高校生の半分ぐらいしか大学に行っていないというところもあります。けれども、そういった児童養護施設に入っている子供たちが大学に行きたくても、一番行けない理由が、学力というよりも経済力で諦めている子供たちが多いと聞いておりましたので、今回の新しい事業によって、ぜひ、児童養護施設に入っている子供たちも進んで大学等に進学していけるような取り組みになっていければと大変期待しております。
今回、これは、例えば5年間就業等、学業も含めて継続すると返還が免除になるということで、その都度、貸し付け等をする際に、生徒等に対して、ぜひ貧困に陥らないように、ただ補助だけではなく、いろいろな相談を受ける機会というのはちょっと難しいかもしれないのですが、今回、新たに継続していくためには、これを受ける子供たちからもいろいろな調査も必要だと思いますので、そういったところも含めて、ぜひやっていっていただきたいと思います。
次の質問に移りますが、特定不妊治療費助成の取り組みについてお伺いいたします。
特定不妊治療の助成を開始してから、これまでの受給者数の推移、年代別、県内外の受診病院の割合などから、県としては課題をどのように捉えているのかお伺いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 不妊治療費助成の推移と本県の課題についてでありますが、平成16年度に制度が創設されて以来、県全体の年間助成延べ件数は、平成16年度に121件であったのが、5年後の平成21年度には564件、10年後の平成26年度には940件まで増加しており、平成26年度の1人当たりの平均助成件数は1.6件となっています。
また、年代別では、平成26年度の年間助成延べ件数940件のうち、30代の助成延べ件数が623件で、全体に占める割合が66.3%となっているほか、県内外の医療機関別の受診割合では、県内での受診が420件で44.7%、県外での受診が520件で55.3%となっています。
このように、本県では県外の受診件数が県内の受診件数を上回っておりますが、これは、特定不妊治療を受けられる指定医療機関が県内では2カ所に限られていることが影響しているものと考えられます。
また、本年度から、県独自の施策として男性不妊治療費助成事業を開始したところですが、男性不妊治療を実施している医療機関がないことも課題の一つとして認識しているところです。
本年1月には、本県の不妊治療の課題を共有し、課題解決のための取り組みの方向性を検討するため、専門医師等による不妊治療協議会を設置したところであり、今後は、こうした課題も含め、不妊治療協議会の御意見を伺いながら、本県の不妊治療の課題解決に向け、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 来年度から助成額が拡充されるということで、これに対しても大変評価、期待しております。
ことしの1月に不妊治療課題解決協議会ができまして、また、先日の郷右近委員の一般質問での答弁の中で、県としてパンフレットを作成されたということを伺いましたけれども、このパンフレットというのは社会的理解の促進ということでありましたが、今後、具体的にどう利活用されていくのか。そしてまた、先ほど、課題として男性不妊治療を受けられるところがないということで、医師の確保等も課題としてあると思いますけれども、来年度はどのように具体的に取り組んでいくのかお伺いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 社会的理解を深めるためのパンフレットの作成、配布についてでありますが、これについては、今年度、さらに増刷を図って配布する計画としているところです。
配布先といたしましては、産科医療機関、保健所などとなっているところです。そのパンフレットの活用によりまして、不妊治療を受けやすい環境づくりの機運醸成に努めてまいりたいと考えてございます。
今年度の取り組みの関係でありますが、本県では、平成27年度における国の補正予算に対応いたしまして、不妊に悩む夫婦の早期の受診を促すため、特定不妊治療費助成に係る初回助成の上限額を15万円から30万円に引き上げるほか、男性不妊治療の助成対象等の拡充を図ったところです。
体外受精につきましては、一般的に1回の治療につき30万円から40万円程度の治療費がかかると言われておりますが、助成制度の拡充によりまして、これまで経済的な理由で特定不妊治療を決断しかねていた御夫婦が早期に開始しやすくなるなどの効果があるものと考えております。
不妊治療協議会につきましては、今回、1月に開催し、さまざまな御意見を頂戴したところでありまして、その内容を整理して、来年度、改めてそれらを御議論いただけるような内容にしてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 そのパンフレットというのは増刷ということで、中身は特に変わらないということでよかったのでしょうか。というのは、ことしの4月から助成される年齢だとか、そういったものも変わっていくかと思いますけれども、それについての周知だとか、先ほど、総括課長が答弁されたように、20代であっても不妊治療を受ける人たちが実際ふえているというところもあって、もうちょっと広範囲にいろいろな角度から不妊治療に対しての啓発というものをしていかなければならないと思っております。
もう一つは、協議会等でもこういった議論があるかどうか。例えば不妊治療を受けている女性の場合、経済的ではなくて時間的にすごく拘束されてしまって、仕事もなかなか休みづらかったり、子供がいなくても、こういった不妊治療を受けていると、休みを申し出づらいだとか、特に職場の理解が得られないというか、休みづらいということで、結局は仕事をやめてしまう人たちも実際いると聞いていますけれども、そういった意味でパンフレットを作成して、具体的にはどのようなところに配布等されていくのか。また、休暇がとりづらいといったことについての認識というものを県としても把握されているのかも含めてお伺いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 まず、パンフレットにつきましては、先ほど、今年度は、社会的理解を深めるためのパンフレットを増刷するとお話し申し上げましたが、それとは別に、今般の制度改正や特定不妊治療の制度全般に関するパンフレットを作成しているところでありまして、パンフレットの作成目的がそれぞれ別々となっております。そういう形で双方パンフレットにより普及啓発や周知を図っていきたいと思います。
配布先となりますと、基本的には産科医療機関、保健所、市町村といったところが対象となってくるかと思っております。
また、社会的な理解促進の関係にもなってくるかと思いますが、不妊治療を受けておりますとなかなか休みづらいといったようなお話もございました。これにつきましては、1月に開催いたしました不妊治療協議会の議論の中でも御意見を頂戴しているわけですが、やはり不妊治療で重要なのはカウンセリングや相談外来といったお話がございます。そういう職場の理解、社会の理解をなかなか得られないといったような不安、悩みといったものを抱えている方々もたくさんいらっしゃるということで、不妊治療を進める上でのカウンセリングというのは非常に重要だといった御意見を頂戴しておりますので、来年度予定しております次回の不妊治療協議会の中では、そういったことへの解決策も含めて幅広く議論をしていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 先ほど御答弁がありましたとおり、職場の環境というのも大事だと思います。
先日、岩手医科大学の産婦人科の先生で、県外に不妊治療の勉強に行かれているという方にお会いしたのですけれども、岩手県は、不妊治療の技術といいますか、そういったものもまだまだおくれているということで、他県に行って自分で勉強しているというお話も伺いましたので、ぜひ、医師確保の部分も引き続きやっていただきたいです。
私は、岩手県内のさくらウィメンズクリニックに行ったことがないのでわからないのですが、病院に行かれた方から何人かに伺うと、病院の雰囲気というのは大事だと思うのですけれども、そちらだとなかなか受けづらいというか、私もちょっと、うまく表現しづらいのですけれども、ただ、病院を県外に─その方は仙台だったのですけれども─変えると、全く雰囲気が違って、それだけでも、受ける心配、不安事が解消されたというお話も伺いましたので、そういったところも、協議会の中でも努めてぜひお話ししていただければと思います。
最後に、周産期医療体制と産前産後ケアの取り組みについてお伺いいたしますが、先ほど、小西委員からアドバンス助産師のお話がありましたので、割愛しながら、まとめてお伺いいたします。
私も、これまで産科医師の確保や助産師の技術力向上など、県外どこでも出産しやすい環境整備が必要だということをお話しさせていただきました。最近だとハイリスク出産が増加傾向にあるということで、来年度は周産期医療体制の強化について、国の動向を見ながらアドバンス助産師も含めて考えていきたいということでありました。具体的に助産師外来や院内助産というものを、例えば数としてこのぐらいふやしていきたいとか、岩手県内の医療圏内で分娩施設が少なかったり、ないところがある中で、具体的に来年度はこうしていくという、そこまでの踏み込んだ御答弁をいただけませんでしたので、その件についてまとめてお伺いいたします。
〇高橋地域医療推進課長 周産期医療体制の強化についてでございますけれども、今、委員から御指摘のありました院内助産とか助産師外来の数をふやしていくというような取り組みにつきましては、今のところ、来年度の具体の数字というものはまだ決めていないところです。
県では、今まで、分娩リスクに応じた適切な医療提供体制の確保に向けまして、平成24年度以降、超音波画像によります医療機関相互の連携診断体制を構築するため、周産期母子医療センター12カ所、民間の産科病院、診療所25カ所に対しまして、胎児の先天性心疾患の診断に有効な超音波画像診断装置の整備を支援してきたところです。
また、今年度におきましては、胎児の心拍の動画を同時に見ながら、岩手医科大学附属病院などの専門医から遠隔で助言を受けることが可能な超音波画像伝送システムを、岩手医科大学附属病院と各地域周産期母子医療センター等に導入するなど、ICTを活用した医療連携に取り組んできたところです。
先ほど、委員からも御指摘がありましたが、今年度、夏までに国で周産期医療体制のあり方についての指針を示す予定と聞いておりますので、院内助産、助産師外来、アドバンス助産師等の助産師の活動につきましても、その点も含めまして、国の指針に基づいて次期の周産期医療体制整備計画を策定していく中で、関係者の御意見を伺いながら、本県における周産期医療体制のあり方を検討していきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 国の検討を踏まえてということですけれども、先ほど、小西委員からもありましたが、私も、医師確保が難しい中で、アドバンス助産師が55人ということですけれども、こういった方々に産科医を担ってもらえるぐらいの技術の向上というものを図っていただいて、県内各地どこにいても出産しやすい環境の整備というものが必要だと思っています。
なぜ助産師かというと、前回の決算特別委員会のときにも総括質疑で取り上げましたけれども、助産師が出産前から一緒にいてもらうことで産前産後のケアの取り組みにもつながる、助産師がもっとこういったところに入っていくことで、産後鬱、児童虐待の防止になると私は思っております。助産婦の方々が中心となって妊産婦ケアに取り組んでいる団体が岩手県内で活動されている取り組みに対して、副知事からは、その団体や民間とも連携していきたいというお話をいただきましたので、ぜひ、来年度、もっと積極的に助産師を含めた医療体制の強化を図っていただきたいと思いますが、その御所見を伺って、終わりたいと思います。
〇高橋地域医療推進課長 今、委員から御指摘がございましたように、県内どこにいても安心して出産、子育てができるように、アドバンス助産師の活動支援も含めまして、これからあり方を検討していきたいと思っております。
〇高橋但馬委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇南子ども子育て支援課総括課長 先ほど吉田敬子委員から、児童養護施設を退所した子供に対する自立支援資金貸付事業の対象者についてのお尋ねがありました。
就職者と大学進学者と二つございますけれども、就職者につきましては、この事業は本年4月から適用される事業で、事業開始の2年前にさかのぼって対象となります。すなわち、平成26年4月以降に就職のため退所した児童から対象となるものでございます。
一方、大学等進学者につきましては、平成28年4月以降新規に退所する児童はもちろんでありますが、県が事業開始時点、すなわち平成28年4月時点で大学等に在学中の者も対象となるものでございます。
〇高橋但馬委員長 再開後、おおむね2時間が経過いたしましたが、保健福祉部関係の審査終了後、休憩したいと思いますので、御了承願います。
質疑を続行します。
〇臼澤勉委員 私のほうからは、重複しないように気をつけながら短時間で行いたいと思います。
まず、介護離職ゼロに向けての取り組みについてお伺いします。
現在の介護離職者数と、介護職離職者数の現状をどう把握し、増加している要因はどのようにお考えかお伺いいたします。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 国が毎年実施しております雇用動向調査によりますと、平成26年中に離職いたしました常用労働者は全国で約713万4、000人、うち介護、看護を離職理由とする者は1.2%となっております。
同調査における本県の離職者は約8万6、000人であり、離職理由が全国と同様の傾向だとすれば、介護、看護を理由とする本県の離職者は約1、000人になると推計されます。介護、看護を理由とする離職者が増加している傾向とすれば、親の介護で離職を余儀なくされるケースが多いものと推察しております。
次に、いわゆる介護従事者の離職についてでございますけれども、公益財団法人介護労働安定センターが実施いたしました平成26年度介護労働実態調査によりますと、介護従事者の離職率は、全国平均が約16.5%であるのに対しまして、本県の離職率は10.8%となっております。
この調査によりますと、介護職員の離職率は、全国、本県ともにこの数年横ばい傾向にございます。直前の介護の仕事をやめた理由といたしましては、職場の人間関係に問題があったためというのが最も多く、続きまして、法人、事業所の理念や運営のあり方に不満があった、ほかによい職場、よい仕事があったためというものが続いております。
〇臼澤勉委員 岩手県のほうでも非常に多い実態だなということを確認いたしました。
先ほど来、介護人材の育成、確保、処遇改善というお話もございました。私はこの介護職の離職に歯どめをかけなければならない一方で、離職した介護職員の再就職の支援というのも、大変重要と思っておりました。先ほど、職場の人間関係に不満があったりといった組織的なところでやめざるを得ないという実態があるとお伺いしました。離職された方が、再度就職するような支援というものも重要になってくると思いますが、そこら辺も含めまして、今後の取り組みをどのようにお考えか、お伺いします。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 現段階ですと、今、介護現場を離職された方の把握につきましてはなかなかやりづらいところもございまして、いろいろ情報等を得ながら、先ほど来申しておりますキャリア支援のほうで行っていろいろ発掘しているところでございます。来年度には、国におきまして、介護人材の離職時登録システムを構築するということが予定されておりますので、このシステムを活用することにより、一旦離職した方々が登録制となりますので、介護分野のほうにまた再就職していただけるように働きかけがしやすくなるものと思っております。
〇臼澤勉委員 次に、子供の貧困対策について、先ほど来各委員からお話がありました。特にも先ほど菅野委員から県内の実態のお話がありました。本県の特徴として、ひとり親世帯の割合は圧倒的に母子世帯が多い。8対2の割合で母子世帯が多いと思います。
それで、注目すべき点は、この母子世帯の失業割合が、特に沿岸地域が高い傾向にあるということ、先だってNPOのセミナー等でも理事長からお話をお伺いしておりました。沿岸のほうで、母子世帯の失業割合が高い傾向にある。特に小学校の高学年の11歳から2桁台に上がってくるということで、子供がこれから小学校の高学年、中学校に入るという過程において、特に沿岸地域で多いという特徴があるということで、まさに貧困対策と復興が、これから正念場を迎える時期にあると思っております。この辺の現状を踏まえて、来年度、県のほうでも各種対策に取り組まれるということで予算計上されております。また、あわせて、中期的な対策も含めて、今後どう取り組んでいくのか、お伺いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 来年度の具体的な取り組みについてでありますが、ひとり親家庭の親の就職に有利となる資格取得を支援する高等職業訓練促進給付金の給付期間を2年から3年に延長するとともに、給付対象となる方に対しては、5年間の就業を継続した場合に返還を免除する就職準備金等の貸付事業を新たに行うほか、自立支援教育訓練給付金の助成割合を2割から6割に引き上げることといたしております。
また、ひとり親家庭の親や子供の学び直しを支援するために、高卒認定試験合格のための講座受講費用の助成を新たに行うことといたしております。また、さらに、平成28年8月から、児童扶養手当の第2子加算、第3子以降加算額の増額を予定しているところです。
今年度は、いわての子どもの貧困対策推進計画を策定することとしておりまして、今後も、この計画に基づき、そして、特に沿岸部における母子世帯が多いとの御指摘を賜りましたが、この計画の中におきましても、国の貧困対策大綱に定める四つの柱に加えて、本県独自の柱といたしまして、被災地における子供への支援という項目を立てて取り組むこととしておりますので、こうした取り組みも含め、関係部局と連携を図りながら、ひとり親家庭の支援も含めて、貧困対策を総合的に推進してまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 しっかりと対策を打っていただきたいと思います。
次に、脳卒中の予防緊急対策事業費についてお伺いいたします。
脳卒中予防は、私も頭では減塩への取り組みということはわかってはいるのですけれども、なかなか生活習慣を変えることは難しい。そういった中で、現在私が住んでいる地元の矢巾町で、ナト・カリ食品をキーワードにした高血圧、脳卒中予防に取り組んでおります。
日本高血圧学会では、食品ナトリウム20%以上減少した食品を減塩食品として認定しておりますけれども、これをカリウムに置きかえて、味は変えない、おいしく20%の減塩をするという取り組みがまさにみそでございます。しかも、事業効果として脳卒中、高血圧関連の医療費5%を減少すると、国内でも2、000億円もの削減効果があらわれるという試算もございます。
それで、現在、矢巾町では、大学あるいは生活習慣病予防研究センターを加えて、町内外の企業が参加してプロジェクトに取り組んでおりまして、まさにそういった減塩食品を企業と開発して、企業育成、雇用創出、農業の6次化、これを強力に推進しております。
脳卒中死亡率ワーストワンからの脱却の切り札として、まさに新たに重要な取り組みかと思いますけれども、脳卒中予防緊急対策を所管する保健福祉部の御所見、今後の取り組みについてお伺いいたします。
〇五日市健康国保課総括課長 脳卒中予防のためには、高血圧の予防と対策が必要でありますが、その一つとして、塩分の過剰摂取を控えることが必要とされており、平成27年7月から、毎月28日をいわて減塩・適塩の日とする取り組みなど、県民に対する減塩を含めた食生活改善を働きかけているところです。
矢巾町で進めている塩彩プロジェクトにつきましては、減塩とカリウム摂取の増を図るという、血圧への二重の効果を期待する点から、非常に有望な取り組みと認識しているところです。
また、各圏域におきましても、減塩を初めとする食生活改善が行われていることから、今後は、脳卒中予防県民会議やいわて減塩・適塩の日などとの連携についても、検討してまいりたいと考えております。
また、平成28年度の脳卒中予防緊急対策事業においては、保健所による減塩・野菜たっぷりヘルシーメニュー推進事業や、管理栄養士等を対象とした減塩リーダー養成講習会等の食生活改善のほか、健康運動出前講座等の健康運動、検診機関などによる禁煙サポート推進事業等の禁煙支援、沿岸広域振興局による脳卒中発症要因等調査などの事業について、引き続き取り組むこととしております。
〇臼澤勉委員 ここのポイントが、なれ親しんだ味を変えずに減塩対策というか高血圧対策に取り組むということで、一方で、商工労働観光部にも関係してくるのですけれども、企業の育成といった部分が出て経済効果も高いと見ておりますので、ぜひこの辺を脳卒中予防対策の取り組みとして広げていただきたいし、一緒に支援していただければと思います。
次に、認知症の話で、先ほど来、地域包括ケアシステムとかいろいろと御指摘がございました。
私のほうからは1点、先日、東京で認知症の私と輝く大賞2016という表彰がありまして、実は全国で5団体受賞したうちに、わんわんパトロールということで矢巾町の取り組みがございました。私の愛犬も、このわんわんパトロール隊員として登録されていますけれども、地域住民が余り負担感を持たずに、日常の散歩をしながら見守り、支援を行うというところがポイントでございまして、あまり背伸びをせずに、地域の方々を巻き込んで行う見守りという取り組みが重要と思っています。実績として、地域包括支援センターや警察に連絡して保護できた例があると伺ってございます。まさにみずからできることを試みる、他人事から自分事、そして地域事につなげていく取り組み、これが重要かと思いますけれども、県の御所見をお伺いいたします。
〇中居参事兼長寿社会課総括課長 地域包括ケアシステムを構築していく上で、高齢者の見守りですとか生活支援といったようものを地域の方々に担っていただくということ、これは非常に大きいところだと思っております。
このわんわんパトロールにつきましては、認知症高齢者を支える、地域の特徴を生かした先進的な取り組みであると、私どもも捉えているところです。
県では、そういった地域の事例といったものを広く紹介することとしており、このわんわんパトロールの取り組みにつきましても、地域包括ケア情報紙ちいきで包むというのを発行しておりますが、平成26年8月に、各市町村等にこの情報紙を通じまして紹介しているところです。
各地域におきまして、地域の特徴を生かしたさまざまな取り組みがなされていると思いますが、引き続きこうした取り組みの事例の把握に努めまして、研修の場ですとか情報紙などを通じて、幅広く情報提供していきたいと思っております。
〇臼澤勉委員 最後にいたしますが、発達障がいへの取り組みや対応について、先ほど小西委員からも御質問がありましたので課題認識等は省略いたしますが、ペアレントトレーニングが非常に有効ということで、私も、今、その団体と一緒になって取り組みをやっています。県からも委託を受けてこういった研修事業を行っていますけれども、その中で発達障がいを早期に発見する、ここが非常に重要なポイントになると見ております。
例えば、現在就学前に行っている就学前健診を前倒しすることも一つの有効な手段なのかと思います。要は、そこで保護者にとって早期に発見されることで若干の時間的余裕、あるいは福祉や教育機関へ相談する時間ができてきて、関係者との結びつきの時間的な余裕が出てくると思いますけれども、この辺の御所見を最後に伺って終わります。
〇伊藤障がい保健福祉課総括課長 発達障がいの早期発見の取り組みについてでございますが、発達障がいの早期発見が重要でありますことから、市町村が実施する乳幼児健診の場におきまして活用いたします発達障がいチェックリストの配布ですとか、巡回相談、保育所等において活用できます支援マニュアルの作成などを行ってきたところです。
お尋ねのございました5歳児を対象とした健診につきましては、早期に発達障がいに気づくことを目的に、県内では5市町村で実施されております。早期の親の気づきや3歳児健診では評価できないなど、社会性の評価、幼児教室などへの支援につなぐことなどの効果があると伺っております。
県といたしましては、市町村担当者等を対象といたしました地域障がい児支援情報交換会等を通じまして、こうした先駆的な取り組みにつきまして、引き続き情報提供を行ってまいりたいと考えてございます。
〇高橋但馬委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬委員長 質疑がないようでありますので、これで保健福祉部関係の質疑を終わります。
保健福祉部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後5時38分 休 憩
午後5時57分 再開
〇佐々木努副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、医療局関係の質疑を行います。
なお、村田医事企画課総括課長は欠席となりますので、あらかじめ御了承願います。
それでは、医療局長に医療局関係の説明を求めます。
〇八重樫医療局長 平成28年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明を申し上げます。
まず、予算の説明に入ります前に、事業運営に当たっての基本的な考え方について御説明いたします。
平成28年4月の診療報酬改定は、診療報酬全体で0.84%のマイナス改定であり、平成20年度以来、8年ぶりのマイナス改定となるものです。また、医療提供体制の中核であります医師につきましては、絶対数の不足はもとより、地域偏在、診療科偏在があるなど、医療を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。
本県の県立病院等事業におきましても例外ではなく、医師の確保や定着支援の取り組みを行っているものの、医師の絶対数の不足などにより、診療体制は当面厳しい状況が続くと見込まれます。
一方、病棟薬剤業務実施加算など、診療報酬の上位の施設基準取得や基幹病院での診断群分類別包括支払方式、いわゆるDPCの効果的な運用などの取り組みにより、患者1人1日当たりの収益が増加傾向にあるなど、経費節減の取り組みとあわせ、安定した経営基盤の確立に向け、重点的に取り組んでいるところです。
こうした状況のもと、平成28年度の事業運営に当たりましては、東日本大震災津波からの本格復興に向けた取り組みや、岩手県立病院等の経営計画を着実に推進することにより、県立病院が県民に信頼され、今後とも良質な医療を持続的に提供できるよう、全職員が一丸となってさまざまな取り組みを進めることとしております。
具体的な計画の推進に当たっては、医師の確保、定着に向けた取り組みとして、関係大学への派遣要請や即戦力医師の招聘活動、臨床研修医の積極的な受け入れを継続して取り組むとともに、育児短時間勤務女性医師、いわゆるママドクターの募集等を初めとする女性医師支援のための総合的な施策の推進や、県奨学金養成医師の計画的な配置などに引き続き取り組んでまいります。
また、医療の質や患者サービスの向上を図るため、職員の効率的な配置等による圏域内の一体的な運営を行うととともに、ワーク・ライフ・バランスを考慮した多様な勤務形態の導入に向けた取り組みを行うなど、職員の資質向上や離職防止を図ってまいります。
さらに、沿岸被災3病院の再建については、大槌、山田病院の円滑な開院及び高田病院の早期工事着手に向け、関係機関と連携して取り組んでまいります。
こうした取り組みを進めながら、県立病院間はもとより、他の医療機関との役割分担と連携をより一層図り、医療を取り巻く環境が大きく変化する中でも、安定した経営基盤のもと、県民に良質な医療を持続的に提供できるよう努めてまいります。
それでは、議案の説明に入らせていただきます。
議案その2の52ページをお開き願います。議案第18号平成28年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
まず、第2条の業務の予定量ですが、収益的収入及び支出につきましては、病床数を5、111床と定め、年間延べ患者数を、入院では131万6、000人、外来では195万4、000人と見込むものでございます。
次に、資本的収入及び支出でありますが、病院建築工事のうち、新築工事では、高田病院の新築工事に係る用地取得費及び基本実施設計料ほかを計上するものであり、平成28年秋ごろをめどに、建築工事に着手する予定としているものです。その他の工事では、磐井病院の増改築や大船渡病院の附帯設備改修、胆沢病院のヘリポート整備に係る所要の事業費を計上するものです。また、医療器械につきましては、宮古病院に整備する据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置の購入が主なものです。
次のページに参りまして、第3条の収益的収入及び支出と、第4条の資本的収入及び支出の具体的な内容につきましては、後ほど予算に関する説明書により御説明申し上げます。
54ページをお開き願います。第5条の債務負担行為ですが、これは、期間が平成29年度以降にわたります高田病院新築工事や大船渡病院附帯設備改修工事等について、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものです。
第6条の企業債は、病院建築、医療器械整備及び旧花巻厚生病院建物解体の財源となる企業債の限度額を79億5、000万円とするとともに、その償還方法等を定めようとするものです。
第7条は、一時借入金の限度額を143億円と定めようとするものです。
次のページに参りまして、第8条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めようとするものです。
第9条は、薬品、診療材料等の棚卸資産購入限度額を定めようとするものであり、第10条重要な資産の取得は、購入予定価格が1件7、000万円以上の医療器械等を掲げているものでございます。
それでは、次に、予算に関する説明書の416ページをお開き願います。平成28年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画につきまして御説明申し上げます。
初めに、収益的収入及び支出につきまして、まず収入ですが、第1款病院事業収益は1、040億8、900万円余で、平成27年度の最終予算と比較しますと、およそ3.8%の増加を見込んでいるものであります。
第1項医業収益は889億円余で、1目入院収益は568億2、900万円余、2目外来収益は259億6、700万円余でございます。3目その他医業収益は61億300万円余で、その主なものといたしましては、健康診断等の公衆衛生活動の収益等であります。
第2項医業外収益は148億8、300万円余で、その主なものといたしまして、2目補助金8億9、500万円余は、救命救急センター運営事業費等に係る補助金でございます。3目負担金交付金119億7、000万円余は、結核病床や精神病床及び高度医療等の不採算経費に係る一般会計繰入金です。5目長期前受金戻入12億6、000万円余は、固定資産の取得財源として受け入れた長期前受金の戻入収益です。
417ページに参りまして、6目その他医業外収益7億3、900万円余は、不動産貸付料等でございます。
次に、支出について、第1款病院事業費用は1、051億8、300万円余で、平成27年度の最終予算と比較しますと、およそ2.4%の増加を見込んでいるものであります。
第1項医業費用は1、007億3、900万円余で、その主なものといたしましては、1目給与費554億6、400万円余、2目材料費252億2、500万円余、3目経費145億9、900万円余、5目減価償却費46億7、200万円余などであります。
418ページをお開き願いまして、第2項医業外費用は31億7、500万円余で、その主なものといたしましては、1目支払利息及び企業債取扱諸費20億9、300万円余、4目雑損失6億7、600万円余などであります。
第3項特別損失11億6、800万円余は、旧花巻厚生病院建物解体費等であります。
この結果、収入計と支出計の差し引きで10億9、400万円余の純損失を見込み、特別利益及び特別損失額を除いた経常損益では、2億3、100万円余の赤字を見込むものでございます。
419ページに参りまして、資本的収入及び支出につきまして御説明申し上げます。
まず、収入ですが、その総額は134億900万円余で、その主なものといたしまして、第1款資本的収入の第1項企業債71億4、600万円は、磐井病院の増改築及び医療器械整備等に充てるためのものであります。
第3項負担金44億5、400万円余は、施設整備等に係る一般会計からの繰入金です。
第4項補助金18億700万円余は、さきに業務の予定量で御説明申し上げました高田病院の新築工事等に対する地域医療再生基金を活用した補助金でございます。
次に、420ページをお開き願います。支出総額は231億9、600万円余で、その主なものといたしましては、第1款資本的支出の第1項建設改良費91億600万円余の主な内訳は、1目土地費11億9、000万円余、2目建物費20億600万円余、3目医療器械費37億5、500万円余などであります。
第2項企業債償還金は126億9、100万円余であります。
第3項他会計からの長期借入金償還金10億円は、一般会計から借り入れた借入金の一部を償還するものでございます。
なお、422ページから456ページまでの予定キャッシュ・フロー計算書、給与費明細書、債務負担行為に関する調書、予定貸借対照表、予定損益計算書及び注記につきましては、これまで御説明を申し上げた予算の明細等でありますので、説明を省略させていただきます。
以上で説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇佐々木努副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇軽石義則委員 1点質問させていただきます。
今ほど局長の説明にもありました平成28年度の診療報酬改定についてお聞きいたします。
今回の診療報酬改定におきましては、厚生労働省の基本方針に、三つの基本認識に基づいた上で、昨年12月に決定された内容であります。診療報酬本体プラス0.49%ということでありますけれども、全体を見ますとマイナス0.84%ということで、平成20年度以来8年ぶりのマイナス改定という説明もありました。これらを踏まえた上で、現状、課題はどのようになっているのか。特にも、県立病院への影響はどのように見込んでいるのか、お示しを願いたいと思います。
〇金田医療局次長 平成28年度診療報酬改定による現状と課題についてでございますが、委員がただいまおっしゃられたとおり、診療報酬の改定、本体では0.49%のプラス改定ではございますけれども、診療報酬全体ではマイナス0.84%ということでございます。
それで、今回の診療報酬改定で、国で四つの基本的視点というのを示してございます。一つが、地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化、強化、連携に関する視点。二つ目、患者にとって安心・安全で納得できる効果的、効率的で質が高い医療を実現する視点。三つ目、重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点。最後、四つ目、効率化、適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点ということでございます。
それで、今回の影響でございますけれども、特に本体部分の診療報酬の改定については、例えば施設基準において専門的な資格を有する人員を配置する必要があるとか、他の医療機関や介護施設との連携の実績が必要である等、一定の要件を満たさなければならないということでございます。そして、新設された項目を直ちに県立病院で算定できるかどうかというのは、なかなか現時点で判断が難しいところがございます。詳細な試算は難しいのですけれども、平成27年度の決算見込みの入院、外来収益に改定率を乗じて単純に試算した年間影響額は、6億8、000万円余の減収になると見込んでいるものでございます。
〇軽石義則委員 減収ということでありますけれども、その部分について、先ほど四つの視点の説明もありましたが、その中で、薬価の診療報酬の改定などについてはマイナス1.22%ということで、国民の総医療費の抑制、また、安価な後発医薬品の使用などを促進することが盛り込まれている視点でありますけれども、現状、県立病院における後発医薬品の使用促進状況はどのようになっているのか。また、後発医薬品による薬品費削減効果などについてはどのように捉えているのか、お示しを願いたいと思いますし、加えて、他の公立病院などに比較して、どのようになっているのかもお伺いをいたします。
〇本庄薬事指導監 後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品の使用状況についてでございますが、県立病院におきましては、平成14年から患者の薬剤費の負担軽減や医療保険財政の健全化、さらには県立病院の薬品費の縮減及び収益の確保に資するため、後発医薬品の使用促進に取り組んでおります。県立病院全体で一定の選定基準に従って推奨後発医薬品を選定し、各病院が積極的にこれを使用することで、使用割合を高めてきたところでございます。
県立病院全体の後発医薬品の使用割合でございますが、平成27年度上半期において、数量ベースで76.8%となっており、平成29年度に70%以上にするとした政府目標を既に上回っております。
また、後発医薬品の使用による薬品費の縮減効果でございますが、平成26年度で13億4、400万円余となっております。
次に、他の公立病院との比較につきましては、公立病院に特化した統計等はありませんが、厚生労働省が公表している最近の調剤医療費の動向における都道府県別の統計によりますと、平成27年度上半期では、数量ベースで、全国平均が58.8%であるのに対し、県立病院を含む岩手県が65.1%と上回り、沖縄県、鹿児島県に次いで、全国第3位となっております。
〇軽石義則委員 取り組みをしっかりとされているという、具体的な数字も出ているわけでありますけれども、しかしながら、今回の診療報酬の改定における影響というものは少なからずあるものと思われておりますし、今回の診療報酬の改定は、医療保険制度の持続可能性を確保するということ、また、地域包括ケアシステムの構築を見据えたものとなっていると考えております。そういう上に立って、報道でもありましたけれども、民間におきましては、既に県内の金融機関が、病院、診療所の開業者の皆さんを対象に、診療報酬改定に備えた経営戦略と、医療と介護の連携方法などについてセミナーなども開かれているようでございます。医療局として、県民に対して安心できる医療制度をしっかりと確保し、その理解も県民からももらっていかなければならないと思っておりますが、こういう状況を踏まえた上で、今後、具体的にすることも多くあると思いますが、局長の意気込みをお聞きして終わりたいと思います。
〇八重樫医療局長 診療報酬改定の受けとめと医療局の対応についてでありますが、平成28年度診療報酬改定では、委員から御指摘のありました地域包括ケアシステム推進のための取り組みや、医療機能の分化、連携、がん医療や認知症及び救急医療等の重点的な対応が求められる項目に評価がされたものと受けとめております。
医療局といたしましても、各圏域内のニーズを十分に把握して、関係機関との連携強化を進めながら、県立病院に求められる機能を発揮できるように、新規及び上位施設基準の早期算定、先ほど薬事指導監から御説明申し上げました後発医薬品の使用拡大など、適時適切に対応していきたいと考えております。
患者数の減少やマンパワーの確保など、県立病院を取り巻く環境は厳しさを増しておりますけれども、県民、患者、職員、それぞれにとって魅力ある県立病院を目指して、経営改善に向けて全職員が一丸となって取り組みを進めてまいります。
〇高橋孝眞委員 二、三質問いたします。
平成27年度予定損益計算書を見ますと、当初計画では3億1、900万円の黒字の計画が、25億6、000万円ほどの赤字の予想であります。また、平成28年度計画が、経常損益で2億3、100万円ほどの赤字の計画であります。私は、当初計画から赤字での計画をするということはいかがかと思うわけであります。事業にかかわる者全員が、何としても、収支均衡にしなければいけないということで本来取り組むべきではないかと思うわけであります。このままでは、3期連続の赤字になってしまうのではないかと思いますが、赤字の計画としなければいけなかった、赤字の計画としかならなかった要因は、簡単に言うとどこにあるのでしょうか、お伺いします。
〇小原経営管理課総括課長 平成28年度当初予算につきましては、収益は、前年度当初予算と比較いたしまて35億8、000万円余の増加を見込んでおります。うち、入院、外来収益では、大槌及び山田病院の病棟再開などによりまして、入院患者数は増加する。それから紹介、逆紹介など医療連携の推進によりまして、外来患者数は減少する。一方で、診療内容の充実などによりまして、患者1人1日当たりの平均単価が増加することから、入院、外来収益全体では増収を見込んでいるものでございます。
また、費用は、前年度当初予算と比較いたしまして42億3、000万円余の増加を見込んでおりまして、その内訳として、山田病院の病棟再開に伴う職員の増員や給与改定等に伴います給与費の増、それから医療技術の高度化に伴う薬品費の増加などによりまして材料費の増、それから、大槌、山田病院の開院に伴う給食業務、医事業務の委託料の増などによりまして、経費の増も見込んでいるところでございます。
この結果、費用の増加が収益の増加を上回ることから、経常損益ベースでは2億3、000万円余の赤字を見込むものでございます。
〇高橋孝眞委員 収入より支出が多いから赤字になるという回答ですけれども、県立病院は、地域医療の確保のため重要な役割を果たしていますが、私は、事業に携わる者として、いかなる理由があろうとも、黒字にしなければいけないということで運営すべきだと思います。そのためには、未利用資産の処分計画もありますけれども、未利用資産全てを処分するという気持ち、また、材料費252億円を1%安く購入することで、単年度、収支黒字経営となります。そういう意識で取り組むことが必要であると思うわけでありますけれども、局長はどのように考えますか。
〇八重樫医療局長 事業運営に当たりまして、当然このまま赤字経営をよしとしているものではありません。今、委員からお話がありましたように、一層の経費の縮減だったり、先ほども御説明しましたが、上位施設基準を適切に取得するなどしまして、収支均衡を目指していきたいと考えております。一方、公営企業会計予算につきましては、予算編成に当たって、収入、支出の予定につきまして、的確な見積もりを行わなければならないとされているものでありまして、先ほど御説明した診療報酬改定は、予算を出す時点ではまだ判明していないため、そうした診療報酬改定の影響等も盛り込まれておりませんので、その上位施設基準等の適切な取得などを行いながら、収支均衡に向かって努力していきたいと考えているものでございます。
〇高橋孝眞委員 いずれ、赤字計画というのは私はあり得ないと思います。
次に、キャッシュ・フローについてお伺いします。
平成28年度の決算見通しによりますと、キャッシュ・フロー計算書で、期首で65億円が期末で20億円と、約45億円の減少となります。今後の運営に支障が出ないのでしょうか。固定資産の取得は123億円の計画です。企業債によっての収入が約80億円、資金運営を考えますと、取得方法に問題があるのではないかと思いますけれども、どうでしょうか。
企業債の償還でありますけれども124億円となっておりしまして、このままでは、平成29年度に資金不足に陥るのではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
〇小原経営管理課総括課長 委員御指摘のように、今年度中に資金残高は1事業年度で45億円減少するものと見込んでおります。主な要因といたしましては、収益的収支の損益がマイナスになること、また、資本的支出におきまして、平成21年度に開院した中部病院の建設を初めとした企業債元金償還金が増加しているものでございます。
事業運営に当たりましては、診療報酬が収益計上月の2カ月後に入金されるという、このタイムラグを補填する目的で、毎年度、一般会計から一時借入金として100億円余を4月に借り入れ、3月に償還を行っているものでございます。直ちに事業運営に支障が生じるというものではございませんけれども、キャッシュ・フローを好転させるためには、何より収益的収支の改善が必要でありますので、先ほど申し上げたように、上位施設基準の取得、費用の効率的執行で、収支均衡に向けて取り組みをしっかり進めてまいりたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 最終的には年度末にお金を返すわけですから、年度末になると、資金不足になるのではないか。ならないという回答でありますけれども、私はなるのではないかと思います。
次に進みまして、減損処理についてお伺いをします。
セグメント情報の開示の注意事項で示しておりますけれども、20の県立病院別に見ますと、損益の赤字、黒字があります。赤字の続いている病院は減損処理をすべきと考えますが、どのように考えているかお伺いをいたします。
〇小原経営管理課総括課長 平成26年度の会計基準の見直しによりまして、地方公営企業におきましても、業務活動から生じる損益が連続してマイナスとなる場合には、減損処理をするものとされておりますが、公営企業全体、すなわち、公立病院群全体の中で損益収支の均衡を予定している場合には資産グループ単位、すなわち、個別の病院単位でマイナスが生じたとしても、必ずしも減損処理を要しないものとされてございます。
現在のところ、県立病院全体では、減損の兆候が見られないところでありますけれども、今後、事業全体で損益収支の均衡が図られるように、一層の経営効率化に努めてまいります。
〇高橋孝眞委員 今のは総務省の見解でありまして、必ずしもそうしなくてもいいわけであります。逆に言いますと、減損処理をしてもよろしいと捉えてもいいことだと私は思います。今のような回答であれば、私はセグメント情報の開示の必要性がないのではないかと思うわけであります。そういう意味合いから見ましても、もう少し配分の仕方といいますか、そういうものを考えてもよいのではないかと思うわけであります。
会計基準でセグメント情報の測定方法ということがありまして、合理的な基準による配分とあります。
費用には各事業セグメントに直接配分できる費用と、直接配分できない費用がある。直接配分できない営業費用は、その費用発生により、便益を受ける程度に応じ合理的基準によって配分をするとあります。そういう意味合いでは、この20の県立病院それぞれ違いがあると思います。毎年度変えていいというものではありませんけれども、配分の仕方というのを見直してもよいのではないかと思うところであります。
また、過去に過大な投資があったことが今回のこのような赤字の原因ということであれば、減損処理をして、ゼロからのスタートで、そこに働く人たちが赤字で当然だということではなく、働くことによって単年度黒字になる、そういう意識改革をしていく必要があるのではないかと思いますけれども、この点も局長にお伺いをいたします。
〇八重樫医療局長 先ほど総括課長が御答弁申し上げましたとおり、減損処理は、減損の兆候があると判断されるものについて行うということで、県立病院群全体の中では、均衡を予定しているということで減損処理をしないものでありますけれども、委員から今お話のありましたとおり、合理的な基準によって配分をするということで、それぞれの20病院について配分をしているところでありますし、それぞれの病院ごとに各年度の収支をしっかりとチェックいたしまして、3年連続で損益がマイナスになっているような病院がないか、まさにあと2年連続でマイナスとなって減損の兆候が見られるようなところはないかというチェックをしながら、セグメントを行っているところでございます。
過去の投資で過大なものがあったのではないかという御指摘もありましたが、まさに、先ほども御説明しましたとおり、キャッシュ・フローの減少の中に企業債の償還が多額に上っているものがありますけれども、医療局としては、それらを含めた上で、収支均衡を目指して来年度に向かっていくということでございますので、総括課長が説明しましたとおり、平成28年度においての減損処理は、今御提案している形で行いたいと考えているところでございます。
〇高橋孝眞委員 私は、もう一回考えてみてもいいのではないかと言っただけであります。
いずれ、減損処理でもう一つ言いますけれども、平成27年度減損、将来利用が見込まれない遊休資産として病院ごとの分類に含めず、個別のグループとして2カ所の減損、損失をする内容でありますけれども、この施設はなぜ、平成26年度に減損の処理とならなかったのか。平成26年度は利用の見込みであったということなのでしょうか。突然利用しなくなって、こういうことになったのか、理由をお聞かせください。
そして、平成28年度の関係ですけれども、遊休資産は、このようなことは発生しないのかについてもあわせてお願いします。
〇小原経営管理課総括課長 平成27年度に行います減損処理についてでございますけれども、さきに議決をいただきました補正予算第2号におきまして、職員研修及び福利厚生施設でありますぬくもりの里NCUと未利用公舎の、合わせて2件につきまして減損処理を行おうとするものでございます。
減損会計制度は、改めて申し上げますが、固定資産の収益性が低下して、その資産への投資が回収できる見込みがなくなったときに行うものでございまして、県立病院事業会計では、今後の活用の見込みがなく売却等を行うと決定した際に、その資産価値を判定して、その際、必要に応じて減損処理を行うこととしているものでございます。
ぬくもりの里NCUにつきましては、平成26年度中は廃止をするかどうかについての検討を行っている最中でございまして、平成27年度に入りましてから、施設が老朽化した等の理由によりまして、平成27年度末をもって廃止、売却をする方針と決定したものでございます。
また、遠野市にあります未利用公舎用地につきましても、平成27年度中に売却の方針を決定しまして、売却に向けて鑑定評価を行ったところ、帳簿価格から50%以上の下落が認められたことから、本年度の減損処理を行うものでございます。
平成28年度につきましても、これは未利用資産とするかどうか、売却をするかどうかにつきましては、随時検討を行っているところでございまして、これは病院側と、利用の可能性についてあるかどうかというのを確認しながら検討を進めているところでございますので、結果によりましては、それで資産価値が下がっているということが判明すれば、年度内にまた決定をして、減損処理を行う可能性はあるものでございます。
〇高橋孝眞委員 減損処理というのは、その年度その年度で十分検討し、そして廃止をするかしないかについて検討しているといったら、その時点では減損処理をすべき事項であると私は思っております。
いずれ、そういう意味合いでは、遊休資産等について十分、利用するのかしないのか、その時点その時点ではっきりさせていくべきであると思いますし、利用するとしても、減損処理というのはあるわけでありますから、そのように考えていただきたいと思います。
繰越欠損金の解消についてお伺いをいたします。
平成27年度末では、欠損金が463億円という金額になります。平成28年度末でさらに増加をいたします。病院経営の長期見通しと繰越欠損金の解消をどのように考えているか、お伺いをいたします。
〇小原経営管理課総括課長 まず、病院経営の長期見通しについてでございますけれども、平成26年度から平成30年度までを計画期間といたします現在の経営計画におきましては、経常黒字を達成しながら、安定した経営基盤を確立していくこととしておりますが、これまで、医師不足あるいは在院日数の短縮などによりまして、入院、外来とも、患者数が想定以上に減少するなど、県立病院の経営を取り巻く環境は大きく変化してございます。御案内のとおり、平成27年度、平成28年度も経常赤字が見込まれております。このことから、来年度、収支計画の点検を含めて、経営計画の見直しを行う予定でございます。
繰越欠損金の解消についてでございますけれども、改めて申し上げますが、上位の施設基準の取得、未利用資産の売却など具体的な収支改善策の検討を行い、実行可能なものについては本年度から前倒しで実施しているところでございます。
来年度以降も、こうした取り組みを全庁的に着実に進めまして、収支が均衡した健全な経営を取り戻して、計画的に繰越金を縮減していかなければならないと考えております。
〇高橋孝眞委員 少しずつ考えていくということだろうと思いますけれども、新公立病院の改革ガイドラインによりますと、公立病院といえども、赤字を放置すれば将来的には当該公立病院を維持することは困難になる、地域医療の中で適切な役割を果たすことも、良質な医療を提供することも困難になることから、経常黒字を目指すことが適当である。仮に経常黒字を早期に達成することが難しく、著しく困難な場合には、経常黒字化を目指す時期及びその道筋を改革プランにおいて明らかにすべきであるとうたっております。
いずれ、一般会計からの負担ということも十分考えていかなければいけないだろうと思いますし、そういう意味合いを含めて、単年度黒字化ということで取り組んでいただきたいと思うところでありますが、所感がありましたら局長にお願いして終わります。
〇八重樫医療局長 新公立病院改革ガイドラインに基づきます改革プランにつきまして、平成28年度に収支計画の点検も含めて、経営計画の見直しを行ってプランを作成したいと考えております。まさに経常黒字を目指して、今、医療局では、さまざまな収支改善策について、病院現場とともに、できるものから順次実施に移しているところでありますので、ぜひそうした取り組みを不断の取り組みとして継続して実施しまして、収支均衡に向けて最善を尽くしてまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
〇飯澤匡委員 それでは最初に、今後の医師の確保、養成、招聘についてお聞きします。
第3期アクションプランによれば、平成28年以降は、医師養成、招聘等による医師確保数は、平成28年が60人、平成29年も60人、平成30年も60人が目標でございますが、うち、奨学金養成医師の予定数と割合はいかほど見込んでおりますか、お知らせください。
あわせて、県立病院の年度ごとの退職見込みの医師数はどうなるのか、お知らせください。
そして、即戦力医師の招聘状況はどう予定をしているでしょうか。
そして、来年度から東北医科薬科大学の教員採用に係る医療局の県立病院の影響はどのようになっているのか、まとめてお聞きします。
〇佐々木医師支援推進監 まず初めに、奨学金養成医師の今後の見込みについてですが、第3期アクションプランにおける平成28年度から平成30年度までの毎年度の医師確保目標60人のうち、自治医科大学を含む奨学金による養成医師数は、毎年度目標数の約8割を見込んでいるところでございます。
次に、退職が見込まれる医師数についてでありますが、県の第3期アクションプランに掲げる医師数につきましては、奨学金による医師養成や即戦力医師の招聘などにより、新たに養成、確保された純増分のみを計上したものでありまして、県立病院に現在勤務する医師の退職者は考慮されておりません。
ちなみに、県立病院における定年年齢でございますが、65歳を迎える医師につきましては、平成28年度7名、平成29年度7名、そして平成30年度も7名を見込んでいるところでございます。
次に、即戦力医師の招聘状況についてでございます。平成18年度に専任組織を設置して以来、平成28年2月1日時点での累計で、県立病院で104名、市町村等で15名の計119名の即戦力医師を招聘したところでございます。
第3期アクションプランにおける新規医師招聘数につきましては、毎年度10名を目標数としているところでございます。
続きまして、東北薬科大学の教員採用における県立病院への影響についてでありますが、東北薬科大学の教員採用の状況につきましては、昨年9月の新聞報道のとおりと承知しておりまして、本県からは、県立病院の医師1名が教員として採用される予定でございますが、後任の医師を確保できる見通しとなっておりまして、教員採用に伴う県立病院への直接的な影響はないものと考えております。
〇飯澤匡委員 大体60人の80%を見込んでいるというと、六八、四十八ですから、かなりの人数だと思いますが、ことしは長期研修を終えた31人のうち16人の配置先が決定したとなっています。そうすると、即戦力医師は10人となると、ちょっと足し算が合わないのですけれども、どういうことになりますか。
〇佐々木医師支援推進監 アクションプランにおける奨学金養成医師の今後の見込みの部分の数字でございますが、奨学金養成医師は、免許取得後に2年間の初期臨床研修がございますので、直ちに義務履行を開始するということではございませんので医師の養成数ということでございます。
〇飯澤匡委員 わかりました。それでは、アクションプランに沿って招聘、確保していただくように、願うばかりであります。
それで、先ほど申し上げました義務履行を終えた奨学金養成医師ですが、ことしから、これは医療局も参加して配置調整会議を設置して、この中で県立病院に配置する数を大体決めるとのことですがこの配置の権限というのはどの程度のものを持っているのか。
それから、奨学金養成医師の配置後のフォローアップが最も大事だと思いますけれども、これは、どの機関でどのようになされていくのか、その点をお伺いします。
〇佐々木医師支援推進監 配置調整会議での配置権限についてでありますが、奨学金養成医師配置調整会議は、奨学金制度を運用する三つの主体と大学で組織しておりまして、医療局もこれに参画しているところでございます。
配置調整に当たっては、奨学金養成医師のキャリア形成を十分考慮することとし、三つの運用主体と医師支援調整監が共同で個別面談による意向確認等を行いながら、義務履行に向けたキャリア形成の支援に取り組んできたところでございます。
配置調整会議では、面談結果や後期研修を行う病院の希望、診療科の選択等を踏まえつつ、配置基本ルールに基づいて、新たに義務履行を開始する養成医師の配置調整案について協議を重ねてきたところでありまして、このほど決定した配置調整案により、4月以降、16名の奨学金養成医師が県立病院に配置となるものでございます。
今後におきましても、奨学金養成医師の効果的な配置調整を進める上で配置後のフォローアップが重要であると考えておりまして、医療局としても、他の運用主体及び医師支援調整監と密接に連携を図りながら、養成医師が希望するキャリアと義務履行との両立が図られるように努めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 その後段の部分がシステムとしてうまく機能できるように、しっかりとした体制を組んでいただきたいと思います。
そこで、今お話があった医師のキャリア形成のため、まさしく新人の医師はいろいろな経験を積む、また、新しいいろいろな臨床を経験するという意味では、基幹病院への配置というのはどうしてもやむを得ないと思いますが、あわせて、すぐさま地域病院に行かせろという話ではないのですけれども、地域病院のあり方も含めて、これから総合医という形で養成も必要となるというような状況にもありますので、どのような方針で医療局では医師の配置というものを考えていくのか、その点をお聞きします。
〇佐々木医師支援推進監 養成医師の配置に当たっては、配置調整に関する基本方針に基づきまして、義務履行対象施設等の意見を聞きながら、県内の医師不足の状況も考慮しつつ、基幹病院と地域病院にそれぞれ一定期間配置することとしております。
地域病院への配置につきましては、配置基本ルールに基づきまして、初めに基幹病院に勤務した後、医療局及び国保連の奨学金養成医師が3年目から、地域枠の奨学金養成医師が5年目から、それぞれ地域病院に勤務することとしております。
一方で、深刻な医師不足が続く中、特に地域病院につきましては医師の体制が厳しい状況に置かれていることから、奨学金養成医師の配置が可能となるまでの間は基幹病院に医師を重点的に配置し、県立病院群の一体的運営により地域病院への応援体制を確保してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 わかりました。いずれ、これは病床削減のいろいろな議論があって、サテライト化といいますか、地域病院を無床化にするときも、基幹病院と地域病院との連携というのは叫ばれて久しいのですけれども、それが100%うまくいっているかというと、そうでもありませんので、この機会にいろいろなこともレビューしていただいて、前に進めていただきたいと思います。
それに関連して、実はこれは保健福祉部で聞いていただきたいという話ですが、あえて医療局のほうでお聞きしたいと思います。
先ほど来お話が出ている地域包括ケアシステムの構築についてですが、先ほど御説明があったように、県立病院についても、これから進めていく非常に大きなテーマとなるというお話を伺いました。地域病院では、特に自治医科大学を卒業された先生は、この部分には非常に関心を寄せて実践しているという院長がふえています。これは歓迎すべき事象であると私は思います。
しかし、地域包括ケアシステムも叫ばれて久しいのですが、実際のところ、先ほどの保健福祉部の審査においても、県の役割は何かと言ったら、助言であるとか、支援であるとか、いろいろな形をつくるための一つの助力をするというところにとどまっている。やはり医師が率先してその現場で地域包括ケアシステムを進めていくというのが一番現実的で、これも成功例であると思います。
そこで、マンパワーの増強であるとか予算面での配慮は、まさしく医療局だけではなくて地域医療政策としてやっていかなければならない重要な命題だと思いますけれども、これから保健福祉部とどのような連携をされていくつもりなのか。特に自治体との連携─保健福祉部門は自治体が中心となるようですから、県立病院となると少し敷居が高くなって、なかなか連携がうまくいっていない例が多い。この点をどうやって埋めていくのか。これは、あえて医療局のほうにお聞きして、こういう体制でやりたい、ついてはいろいろな面で課題があればこうしていきたいというような課題認識も含めてお知らせいただきたいと思います。
〇小原経営管理課総括課長 県立病院における地域包括ケア体制の充実強化についてでございますけれども、現経営計画にも掲げておりますように、高齢化が進行している状況におきまして、高齢者等が住みなれた地域で安心して生活し続けることができるよう各市町村で地域包括ケアシステムを構築し、在宅医療の推進を初めとする医療と介護の連携体制を構築することが急務となっていると、記載してありますことから、そういう認識でおります。
県立病院におきましては、地域の医療を担う一員といたしまして、各地域の実情に応じまして、在宅医療の提供や地域のケアマネジャーとの連携、在宅療養患者の急変時の受け入れなどを取り組んでいるところでございまして、また、安全・安心な医療を継続できますように、そうした調整を支援する担当者の配置などの職員の増員も行ってきたところでございます。
保健福祉部におきましては、地域の医療機関と介護事業者をつなぐ情報連携ネットワークの構築など、市町村が進める地域包括ケアシステムの取り組みを支援するとしておりまして、県立病院におきましても、そうした取り組みの一環であります地域ケア会議などにしっかりと参画いたしまして、保健福祉部などとも連携した取り組みを今後とも進めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 何回もこのことについては質問していますが、なかなか形となってあらわれてこない。少しずつは前進している感はありますけれども、どこかの病院をモデル的に示していただいて、ある程度の成功事例をしっかり立ててやっていく必要もあるのではないかと、これは提言を申し上げたいと思います。
地域医療構想の中で地域医療を考える会議を両磐医療圏でも私も何回か傍聴させていただきましたが、開業医の先生方は非常に一生懸命で、これを、単なる国の政策でなく、地域医療構想を一つのてこにして何とかこの連携を図れないかというような動きが出つつある中で、残念ながら、県立病院の先生方の発言を聞きますと、何といいますか、どうしても守備範囲を自分でつくってしまって、そこの中から、どうしましょうかということにはなかなかなっていない。そういう前向きな先生もいらっしゃるけれども、その中で医療局と保健福祉部との温度差というのは感じざるを得ないわけでございます。したがって、何度も局長も申し上げて、これから、医療局の中でも一つの大きな課題として挙げておるのであれば、わかりやすいように、進捗管理もしながら推進していただきたいと思います。
最後に、先ほど言った地域医療を考える会議については保健所の方が中心となってやっているわけですが、それと対をなすような県立病院運営協議会は、何年も参加させていただいていますが、メンバーも大体固定化して中身が形骸化しつつあるのではないかという危惧を持っています。もう少し地域の声を反映させるような、中身をよりよくした会議にすべきと私は思いますが、この工夫方について御所見があれば、よろしくお願いします。
〇小原経営管理課総括課長 県立病院運営協議会は、各県立病院の現状と課題、連携と機能分担の状況につきまして、市町村や医療、福祉関係団体などに理解していただくために、病院運営に関して意見交換を行いまして、今後の円滑な運営に資することを目的に、各圏域の基幹病院が主催して年1回程度開催しているところでございます。
会議では、各病院の運営状況を説明するほか、例えば救急外来の適正受診や専門医制度など各圏域における課題などについて参考とすべき意見も出され、そうした話し合いも行われているところでございますけれども、今後、意見交換の時間を多くとるなど、進行のあり方を初め協議会の持ち方については、主催する病院側とともに工夫をしてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 院長先生が用意する資料はかなりステップアップして非常にわかりやすく、課題も的確に地域の方に示していると思います。
先ほど、小原総括課長からお話があったように、話をする時間がどうしても少ない。特に両磐は、南光病院を入れると四つですから、大体説明を聞くと、それなりの時間が経過してしまう。司会者が水を向けて何とか発言するということではいかぬと思うので、不断に努力していただいて、よりよき運営協議会になるように─一方で、先ほど言った地域医療を考える会とメンバーが大体一緒になって、どちらも必要ですけれども、医療局は医療局で県立病院のあり方というものをもっと深く追求して、そういう工夫をしていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 私は、最初に、県立病院の医師確保の問題についてお聞きしたいと思います。
県立病院の経営計画で、医師、看護師を5年間で322人ふやすという計画でしたが、平成26年度、平成27年度の計画に対して実績がどうなっているのか示してください。
〇佐々木医師支援推進監 経営計画に対する医師の増員計画でございますが、平成26年度と平成27年度で51名の増員計画に対しまして、逆に11名減少したということでございます。
〇斉藤信委員 計画は立派だったけれども、この2年間を見ると、ふえるどころかマイナス11人であり、計画から比べるとマイナス62人です。私は、これは異常事態というか、非常事態だと思います。医師がふえてこそ、県立病院の経営も安定するし、医療も充実するわけです。増員計画を立てながら、結果として、なぜマイナス11人ということになったのか、具体的な要因、どこでどう減ったのかということを示してください。
〇佐々木医師支援推進監 経営計画における増員計画に対しまして減員となった理由でございます。
一つは、大学院等で専門医資格の取得を目指す医師の増加により後期研修医の採用が計画人数を下回ってしまったところで、マイナスの20名ということです。それから、医学部卒業生の都市部や大規模病院志向等によりまして、初期研修医を計画どおりに確保できなかったこと、こちらのほうはマイナスの18名。当初は見込んでいなかった招聘医師の退職者が相当数発生したこと、こちらのほうはマイナスの16名。そして、医師の派遣元である関係大学医局自体においても医師の絶対数が不足していることなどの要因により、こちらのほうはマイナスの9名という内容でございます。
また、病院別ですが、基幹病院、地域病院ともに減少しておりまして、地域別では県北・沿岸地域の病院において減少しているという状況でございます。
〇斉藤信委員 今、リアルに聞きました。皆さん、本当に努力しているのだと思います。全国を駆け回って、招聘医師の確保だとか大学病院訪問をやっていると思うけれども、結果として、ふえるどころかマイナス11名。計画比はマイナス62名ですから。
これは、計画どおり増員に転換させるという点で、医療局長としてはどういうことを考えて、どうやろうとしているのか。来年度、また減るのか、増に転換するのか、そのことも示してください。
〇八重樫医療局長 経営計画における医師の増員計画というのは、今後の県立病院の医療提供体制に必要な医師数として計画したものでありますけれども、先ほど医師支援推進監から御説明したとおり、計画に対して逆に減少しているという状況であります。
今後におきましては、招聘医師の定着支援を図るためのフォローアップ面談を実施するですとか、先ほど御説明しました内訳で、初期研修医と後期研修医の減少が非常に大きい数字でありますので、そうした研修医の受け入れ体制の充実、研修プログラムのPR強化等によりまして、必要な医師数の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 来年度は、ふえる、減らないと言いませんでしたね。来年度はどういう見込みですか。
〇佐々木医師支援推進監 現在、年度末を迎えておりまして、関係大学等の人事異動の部分の情報収集中でございまして、現段階におきまして、4月1日現在の状況ははっきりここで申し上げられない状況でございます。
〇斉藤信委員 もう人事異動が決まって、発表したでしょう。では、今の段階での4月1日の医師数というのは出ているではないですか。その後、変動があったとしても、もう人事異動を発表しているのだから、隠さないで率直に言ったらいいのですよ。
〇佐々木医師支援推進監 大学医局の人事異動というのは定期的にはしていないので、年度末に向けて随時情報が入ってくる状況でございます。
〇斉藤信委員 私は、来年度予算の関係で職員をどう見込んでいるか聞きました。これは正確かどうかわからないけれども、そのときに、平成28年度は予算積算上の職員数は5、121人、全体として89人ふやすとなっているけれども、医師はマイナス4人、看護師はプラス49人、医療技術員はプラス40人。これは、来年度予算の職員の積算の数です。現行では大体そういう見込みで、これから大学といろいろ交渉して、これがプラスに転じる可能性はあると思いますけれども、それがリアリズムではないのですか。違いますか。この数は根拠がなかったですか。
〇佐々木医師支援推進監 今後、2週間ほどある中で、大学医局とも交渉しながら、新たな招聘医師のことも年度間を通じてやっておりますので、そういったところの活動に力を入れていきたいと思います。
〇斉藤信委員 私は、皆さんの努力は認めた上で、しかし、結果として県立病院の医師が減った。私は、今、極めて重要な転換点だと思うのです。今までの努力の延長線上ではなくて、さらに抜本的な対策を講じる局面ではないのか。そういうことで問題提起をしているので、ぜひこの局面を打開して、医師がふえてこそ、この新しい経営計画というものは成り立つわけだから、そのことをしっかり踏まえて、知恵も出して、総力を挙げてこの課題は取り組んでいただきたい。
二つ目に、看護師の確保と労働条件の改善についてお聞きいたします。
これまでの増員実績、来年度の増員の見通し、退職者の状況と採用試験の応募状況を示してください。
〇小笠原職員課総括課長 これまでの看護師の増員実績と来年度の見通しについてでございますけれども、増員実績につきましては、被災病院の再建、7対1入院基本料に係る施設基準の維持、退院調整や看護職員の教育などに携わる看護師の専従配置などのほか、勤務環境の改善などに向け、産前産後休暇や育児休業等の取得者に係る代替職員の配置の見直しなどを行い、平成26年度からの2カ年で72名の増員計画に対し、これまでに計画を上回る98名を増員したところであります。
来年度につきましては、山田病院の入院再開のため25名、7対1の入院基本料に係る施設基準の維持のために16名、産育休を取得する職員の増加への対応ということでの代替職員を20名程度増員することとあわせて、入院患者の減少等に応じた病棟再編により、22名をその増員分に充てることなどによりまして、38名の増員計画に対して、全体で45名ほどの増員を見込んでいるところでございます。
次に、退職者の状況と採用試験の応募状況ということでありますけれども、退職者の状況につきましては、1月末時点で定年退職者が30名、勧奨退職者が25名、普通退職者が87名の合計142名の見込みとなってございまして、平成26年度の125名と比較しまして17名の増加となっております。
次に、採用試験についてでございますが、平成27年度の採用試験通常募集におきましては、採用予定人員177名に対しまして175名の応募者がありまして、最終的に161名の採用内定を行っております。
また、11月に実施しました特別募集においては、採用予定数9名に対して22名の応募がありまして、15名の採用内定を行ったところであり、通常募集と合わせて176名の採用内定を行ったものであります。
〇斉藤信委員 看護師の確保については、この間、計画を上回って増員されており、これは、私は率直に評価したいと思います。
同時に、今、答弁があったように、途中退職者が87名です。大変多いです。途中退職は20代、30代が多いです。県立病院の厳しさで、早く諦めてしまうというか、こういう傾向が今の実態を反映しているのではないか。
それで、9日夜勤、年次休暇の取得状況はどうなっているでしょうか。
〇小笠原職員課総括課長 看護師の夜勤回数と年次休暇の取得の状況ということについてでありますけれども、月に8日を超えた夜勤の状況につきましては、平成27年度の第3・四半期までの実績では、11病院、延べ437人となっております。平成26年度の同時期と比較しまして4病院の減少にはなっておりますが、新卒採用者の増加に伴い、当該職員が夜勤に携わることができない年度初めの時期に、こうした8日を超える夜勤が多く発生して、83人の増となってございます。
年次休暇につきましては、前年度と同じように、県立病院平均で7.8日となっている状況でございます。
〇斉藤信委員 月8日夜勤というのが原則だったのですが、それが今や9日夜勤。それが昨年の12月までで既に437名。去年1年間で延べ425名です。去年を超えてしまっている。特に二戸病院は133人、久慈病院は92人、胆沢病院は44人、大船渡病院は57人と、本当に深刻な状況です。私は、これはあってはならないという立場で対応すべきだと思います。
もう一つは、年次休暇が平均7.8日で、私は、毎回、中央病院の看護師からお話を聞くのだけれども、中央病院は年間5.6日です。ほとんどとれない。これだったらやめてしまいます。ハローワークで、今、何と言われているかというと、中央病院はブラック企業ではないかと、こういう話もささやかれるような状況になっているのです。この事態を深刻に受けとめて打開しようとしていますか、どういう対策をやろうとしていますか。
〇小笠原職員課総括課長 まず、8回超えの夜勤についてでございますが、産育休の対応としまして、ルールを見直ししまして、これをさらに病院と緊密に連絡をとりながら、お仕事をされる方々の人数が減らないようにしたいと思います。
ただ、特にも今年度におきまして、今、委員がおっしゃられましたとおり、大船渡病院であるとか胆沢病院で、どうしても新採用の職員が多く配属になってございます。そういう部分がありまして、職員のほうには、そういった形で御苦労をおかけしているところですが、そういう病院との情報交換等を緊密にしながら、まず、そういったものの解決に向けて頑張っていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 今の答弁だと、率直に言って、打開できないという雰囲気です。今までの延長線上でしかないと思います。
私が聞いてきたことをもうちょっとリアルに紹介しましょう。これは中央病院の看護師です。
昨年の年次は1日のみ、年次残日数39日、勤務へのモチベーションが出てこない、もっと働ける人員をふやしてほしい、7対1看護体制と引きかえに希望の休みがもらえない、日勤が終わって帰宅したのは23時、子供も夫もみんな眠っていて部屋は真っ暗、台所は洗い物の山、とてもむなしい、こんな生活はあり得ない。これは一部の人ではないのです。そして、年次がとれないというのは共通した声です。私は、ここが改善されなかったら、本当に誇りを持って、希望を持って看護師は働けないのだと思う。県立大学の看護学生がここで実習する。中央病院だけには行きたくない、こう思って帰っていくのです。
医療局長も実態を知らないわけではないと思うけれども、増員はしているけれども、今言ったような異常な事態を打開しないと、県立病院の看護師は選ばれないと思います。
先ほど、採用試験のことも聞いたけれども、応募定数ぎりぎりです。私は、どんどん減っていくと思います。だから、本当に県立病院で働きたいという職場に労働環境を改善しないとだめだと思うけれども、医療局長の決意をお聞きしたい。
〇八重樫医療局長 先ほど総括課長から御説明した産休や育休取得者が見込みより多かったということも、夜勤がふえた原因の一つでありますので、その産前産後休暇や育児休業等の取得者に係る代替職員を可能な限り正規職員で補充するということを行っておりますし、平成28年度もこの取り組みを進めていきます。さらには、中央病院に関して言えば、7対1看護体制の維持ということが出てまいりますので、平成28年度におきましては、中央病院の看護師について、その維持のための9名の増員ということも行います。
委員御指摘のとおり、そうした増員だけではなくて、勤務環境の改善、年次をとりやすい環境なり、そうしたところも看護師確保対策検討委員会の中で話し合っている中身について実現していくことで、看護師の方々の勤務環境の改善はぜひ図っていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 もう一つ、看護師が共通して言っているのはこういうことです。休みが欲しい、年次が欲しい、7対1で年次もとれないので忙しい、形だけの7対1はやめませんかとということで実は、7対1の看護体制が休みがとれない最大の理由になっています。この3月に中央病院はどうなっているか。久慈病院から3人、遠野病院から1人、釜石病院から1人、応援に入っています。天下の中央病院が久慈病院から3人も応援されないと7対1看護体制が維持できない。私は、おかしいと思います。こういうことをしなければ7対1が維持できないというのだったら、絶対的に最初から不足ではないかと言わざるを得ないと思うけれども、7対1をやるのだったら、せめて中央病院がほかの病院から応援を受けることがないような抜本的な増員が必要なのではないでしょうか。
〇小笠原職員課総括課長 中央病院への看護師の業務応援についてであります。委員御指摘のとおり、中央病院におきましては、7対1の看護体制を維持するために、9月、11月、3月とほかの県立病院から看護師の業務応援を受けたところであります。
これに関しての主な原因といいますのは、産前産後休暇や育児休業等を取得する職員が想定を大きく上回った一方で、育児休業からの復職予定者の休業延長、職員の年度中途での退職が重なった等によるものでありまして、応援に出向く看護師の負担に関しては、できるだけ軽くするように配慮しながら進めてきたところであります。
県立病院といたしましては、職員配置等も含めて、それぞれの病院で完結するのが望ましいと考えているところではあるのですが、このような想定を大きく上回るような職員のお休みが急遽できたというような不測の事態が生じた場合にありましては、20病院、6地域診療センターが一丸となって、医師を初めとする職員の応援体制が構築できるというのも県立病院の大きな強みであろうとも考えております。
なお、先ほど局長のほうからもお話がありましたが、来年度につきましては、こうした産育休の取得者に関する代替職員が不足しないように、各病院との連携を密にしながら、中央病院におきましては、7対1看護体制の維持のために9名の増員、産育休取得予定者の増員等に対応して、今年度との比較で11名の増員を予定しているところであります。
〇斉藤信委員 増員はいいのだけれども、その程度でどこまで改善されるか。私は、かなりリアルに現場の実態と切実な声をお話ししたので、それを踏まえて、ぜひ対応していただきたい。
次に、まとめて聞いて終わりますが、地域医療構想と県立病院のあり方について伺います。
県立病院の経営委員会の資料を見ると、地域医療構想の要請を踏まえて経営改善に取り組むとなっています。地域医療構想はとんでもない国の一方的なベッド削減だけれども、これはどういうことなのか。三千数百床のベッド削減というのが出されているのです。そういう中で、この要請を踏まえて県立病院の経営を考えるというのはどういうことなのか。高度急性期、特に急性期は大幅に減るというものなのです。これは、具体的に医療局はどう対応しようとしているか示してください。
診療報酬の改定については、先ほど質問があって、6億8、000万円のマイナスの影響があるが、予算に反映してないということでした。そうすると、このとおり行けば赤字がさらにふえるということになります。私は、これはかなり深刻で、悪政の象徴だと思います。
それで、もう一つの悪政が消費税増税です。消費税が8%になって、転嫁できない負担増は幾らなのか。来年4月からは10%です。10%になったら何ぼの負担増になるのか。私は、こんな増税は絶対させてはならないと思うけれども、そのことを示してください。
〇小原経営管理課総括課長 地域医療構想に対する県立病院の対応についてでございますけれども、地域医療構想の実施に向けた取り決めにつきましては、2025年を見据え、今後10年程度をかけて、地域の実際の病床の状況と、構想で定める目指すべき医療体制が関係者の話し合いを重ねることで次第に収れんされ、不足する機能の解消や患者ニーズとの整合が図られていくように取り組んでいくものでありまして、直ちに急激な病床削減を行うものではないと承知しているところでございます。
岩手県地域医療構想は今年度中に策定されまして、来年度以降は、構想区域ごとに設置する協議の場におきまして、病床機能の分化と連携、医療と介護の連携などについて協議されることとされておりますが、各県立病院長もこの協議の場へ参加して意見を述べることとしてございます。
医療局といたしましては、病床規模や機能につきまして、地域の医療ニーズをしっかりと把握するため、病院長を初め各病院から意見を十分に聞くとともに、外部の有識者による経営委員会や地元からも御意見を伺いながら、この地域医療構想に対応してまいりたいと考えております。
次に、消費税増税の影響についてでありますが、平成28年度の当初予算をもとに消費税負担額を試算いたしますと、仕入れ控除できない消費税の負担額、及び固定資産を取得する際に負担した消費税を取得の翌年度以降に費用処理いたします長期前払消費税の償却額の合計は33億8、000万円余と見込んでおります。このうち、3%増税の影響額は11億6、000万円余と見込んでおります。
これに対しまして、診療報酬の引き上げによって補填されたと推計される額、一般会計から地方消費税相当分として繰り入れをしております合計額は30億8、000万円余で、県立病院事業の実質的な負担額は2億9、000万円余と見込んでいるところでございます。
〇臼澤勉委員 私からは、医療従事者の確保については、先ほど、飯澤委員、斉藤委員からお話がありましたので、1点のみ、岩手医科大学移転に伴う県立中央病院の受け入れ体制についてお伺いいたします。
1月に開催された盛岡地域の県立病院運営協議会でも議論がありましたけれども、矢巾町に岩手医科大学が移転されます。それで、救急医療最大の問題として、医大で受診されていた初期救急患者をどこで誰が診るのかといったところが大きな議論になりました。
移転に伴いまして、中央病院のほうに一定程度初期救急患者が流れることが想定されます。今でも医師がぎりぎりのところで対応されているかと思いますけれども、今後の中央病院の経営計画の大きな環境変化の一つになるかと思いますので、そこの受け入れ体制等の検討状況について、お伺いして、終わります。
〇金田医療局次長 平成31年に予定されております岩手医科大学附属病院の矢巾町移転に伴う盛岡保健医療圏の救急体制につきましては、岩手医科大学、二次救急を担っている医療施設及び医療関係機関で構成されます盛岡市医師会主催の盛岡地区二次救急医療対策委員会において検討が行われております。そこには中央病院ももちろん参画しているところでございます。
この対策委員会では、岩手医科大学を救急等で受診していた年間約2万人の初期、二次救急の患者がそのまま中央病院に集中することになれば、現行の救急体制に大きな支障を来すおそれがあるので、この対応をどうするかということについて、現在、協議が進められているところでございます。これからも、その協議は続いておりますので、移転に伴って整備する予定でございます内丸メディカルセンターの診療体制、機能をどうするのか、盛岡市夜間急患診療所など他の救急医療機関との連携体制をどうするかというような検討などを通じまして、軽症患者が中央病院に集中することのないような救急医療体制の構築について協議を進めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 先ほども医療従事者の確保とか、安全・安心な公立病院としての地域医療を担う体制づくり、重要なポイント、課題をはらんでいるかと思いますので、ぜひ、民間の医療機関とも連携をとりながら、しっかりとそこら辺は対応していただければと思います。
〇佐々木努副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木努副委員長 質疑がないようでありますので、これで医療局関係の質疑を終わります。
医療局の皆さんはお疲れさまでした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後7時29分 散 会

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