平成28年2月定例会 予算特別委員会会議録

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予算特別委員会会議記録
(第 3 号)
平成28年3月9日(水)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 菊 池   満
議事管理担当課長 渡 辺 謙 一
主任主査 中 村 佳 和
主任主査 藤 澤 壮 仁
主査 柳 原   悟
主査 田 内 慎 也
主査 菊 地 友 和
主査 菊 池   智
1説明員
秘書広報室長 木 村 卓 也
理事兼副室長兼
首席調査監 保   和 衛
調査監 千 葉 幸 也
秘書課総括課長 八重樫 浩 文
秘書課管理課長 藤 本 さとえ
特命参事兼
行幸啓課長 蛇 口 秀 人
広聴広報課
総括課長 上和野 里 美
報道監 藤 澤   修

政策地域部長 大 平   尚
副部長兼政策推進
室長兼首席
ふるさと振興監 大 槻 英 毅
副部長兼
地域振興室長 宮 野 孝 志
科学ILC
推進室長 佐々木   淳
政策監兼
ふるさと振興監 高 橋 勝 重
評価課長 小 野   博
調整監 森   達 也
政策推進室
管理課長 高 橋 雅 彦
市町村課総括課長 佐 藤 隆 浩
調査統計課
総括課長 佐 藤 和 彦
情報政策課
総括課長 古 舘 慶 之
県北沿岸・定住
交流課長 菅 原 健 司
交通課長 大 坊 哲 央
地域連携推進監 高 橋 浩 進
ILC推進課長 宮   昌 隆

国体・障がい者
スポーツ大会局長 岩 間   隆
副局長兼
総務課総括課長 小 友 善 衛
副局長 泉   裕 之
施設課総括課長 安 部 光 一
競技式典課
総括課長 藤 澤 敦 子
競技式典課
首席指導主事
兼特命参事 中 島   新
障がい者スポーツ
大会課総括課長 工 藤 啓一郎

会計管理者兼
出納局長 紺 野 由 夫
出納指導監兼
管理課長 田 中 耕 平
指導審査課長 千 葉 達 也

人事委員会
事務局長 佐 藤   新
職員課総括課長 坊 良 英 樹

監査委員事務局長 菊 池   寛
監査第一課
総括課長 小 倉   茂
監査第二課
総括課長 村 上 博 和

財政課総括課長 熊 谷 泰 樹
〇高橋但馬委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
議案第7号から議案第25号まで、議案第27号、議案第40号から議案第50号まで、議案第54号、議案第60号、議案第61号、議案第63号、議案第64号及び議案第138号の以上37件を一括議題といたします。
本日は、秘書広報室、政策地域部、国体・障がい者スポーツ大会局、出納局、人事委員会及び監査委員関係について、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
最初に、秘書広報室長に秘書広報室関係の説明を求めます。
〇木村秘書広報室長 平成28年度の秘書広報室関係予算について御説明申し上げます。
初めに、当室における重点事項について御説明いたします。
秘書広報室は、知事、副知事の日常的な活動と直接かかわる秘書、調査と、県民参画による県政推進のために重要な広聴広報を担当しております。
また、平成28年度は、これらに加え、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の開催に当たり、御来県予定の天皇、皇后両陛下を初めとする皇室の方々をお迎えする態勢を、市町村、関係団体等とともに構築いたします。
事業の中心となる広聴広報関係につきましては、県政懇談会などを通じて県政に関する意見、提言を収集し、県施策への反映に努めるとともに、県政番組などを通じて、県民の皆様に県の重要施策や復興の歩みを適時的確に伝えるほか、県外に向けては、震災からの復興状況や岩手の魅力を発信し、震災の記憶を風化させず、復興への継続的な支援につなげられるよう取り組んでまいります。
それでは、当室関係の歳出予算について御説明申し上げます。
議案その2の6ページをお開き願います。秘書広報室所管の歳出予算は、2款総務費2項企画費26億7、329万円余のうち8億9、023万円余であります。
その内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
なお、金額の読み上げは省略させていただき、主要な事業を中心に御説明申し上げます。
予算に関する説明書の89ページをお開き願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費の説明欄の秘書広報室管理運営費は、人件費及び一般管理事務費です。次の行幸啓等事務費は、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の開催に当たり、御来県予定の天皇、皇后両陛下を初めとする多くの皇室の方々をお迎えするため、昨年10月1日に全庁組織として設置した行幸啓本部を中心に、市町村、関係団体等と連携し、万全の態勢を構築しようとするものであります。次のページに参りまして、3目広聴広報費ですが、まず、広聴活動費は、県民の県政に関する意見、提言等を把握するため、広聴活動を行おうとするものです。次の県政広報事業費は、県の重要な施策や復興、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会等の情報を、県政広報誌いわてグラフやテレビ、ラジオ、新聞などにより、県民の皆様に適時的確に、わかりやすくお知らせし、県民の皆様の安心や希望につながる広報に取り組むとともに、県政への県民の皆様の理解や参画と協働を促進しようとするものであります。次のいわて情報発信強化事業費は、県外に向け、復興にひたむきに取り組む岩手の姿、震災を経ても変わらない岩手の魅力や新たな岩手の魅力を発信し、震災の記憶を風化させず、復興への継続的な支援、岩手のイメージアップや岩手ファンの拡大を図ろうとするものであります。次のいわて県民参画広報事業費は、県等が主に取り組んでまいりました岩手の魅力の発信に加えて、県民の多様な視点で発見、創造した岩手の魅力を県民みずからが発信する取り組みを支援するもので、県全体としての情報発信力を高めていこうとするものであります。
以上で秘書広報室の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇高橋但馬委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇阿部盛重委員 県政広報事業費のいわてグラフの件についてお伺いいたします。
昨年度より380万円ほど予算が増になっておりますけれども、掲載内容も部数もかなり充実されてくると思いますが、発行も、現在、年5回で、相当な部数を配布されているようですが、掲載の記事についてはどのような内容を重点に採用基準を決定されているのでしょうか、お伺いいたします。
〇上和野広聴広報課総括課長 いわてグラフの記事の掲載につきましてでございますが、特集記事につきましては、県政の重要事項につきまして、各部局の年間の重点広報事項を勘案の上、選定しているところでございます。
また、インフォメーションコーナーにつきましては、いわてグラフ発行の都度、各部局からの広報希望に基づき、周知の期間あるいは分野のバランスにも留意しながら、県の各種事業のほか広く県民に周知すべき制度や生活関連情報、県立施設等のイベント情報を掲載しているところでございます。
〇阿部盛重委員 掲載記事申し込み数はかなり多いということでございますが、現段階ではページ数が12ページということで、非常に少ないのではないかと思っております。それを1ページふやすことによって16ページになるということでございますし、あとは、2カ月に1回の発行に戻すといいますか、そういう流れ、そして、まちの話題から暮らしの情報、県の情報が掲載されているフリーマガジンですから、県民からは、毎回楽しみに待っているという方が多いと聞いております。それに対しまして御所見はいかがでしょうか。
〇上和野広聴広報課総括課長 まず、いわてグラフの発行でございますけれども、平成28年度は予算額を385万円余増額しているところでございます。これにつきましては、紙代の値上げに対応するものでございまして、限られた予算の中で年5回の発行を確保していくということが今の状況でございます。
また、ページ数の増につきましては、限られた予算の中では、現時点では困難と考えております。
発行部数でございますけれども、県内の世帯数が増加していることに伴いまして、今年度より500部増の51万8、000部を発行することとしておりますが、ページ数の増、発行部数の増には現状では対応はなかなか困難というところでございます。
それから、各種記事の掲載につきましては、現在、いわてグラフは、来年度に向けて、新たな契約の締結の準備をしているところでございます。特集記事、インフォメーションコーナー以外の記事掲載につきましては、今後、委託業者と調整を図っていきたいと考えております。
〇阿部盛重委員 いろいろな難題はあるかと思うのですが、県民の皆さんが楽しみにしているということでございますので、いろいろと御配慮いただきながら、御検討いただければと思います。
それから、配布先なんですが、今現在、どのような流れになっておりますでしょうか。
〇上和野広聴広報課総括課長 いわてグラフの配布先ですけれども、県内の全世帯のほか、県内では、各広域振興局、公立図書館などにお送りしております。県外につきましては、県外事務所、また県でお願いしております希望郷いわて文化大使の方々などにお送りしているところでございます。
〇阿部盛重委員 そうしますと、全国に岩手県人会がありますが、そこの方々の三役及び役員等に郵送なりメール等でぜひ届けておくべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇上和野広聴広報課総括課長 いわてグラフにつきましては、なかなか余部が少ない状況ではございますけれども、現在、海外の県人会へは、6カ国、13団体に送付しているところでございます。
この後、来年度に向けまして、送付先については精査していきたいと考えております。
〇阿部盛重委員 岩手県出身で海外に在住で活躍されている方々及び、今、希望郷いわて文化大使が145名、親善大使を含めると相当な人数になるかと思いますけれども、そういう方々のネットワークを活用いただきながら、Uターン及び観光誘致というあたりにもつながってくるかと思いますが、そのあたりの御所見を伺って、御質問を終わります。
〇上和野広聴広報課総括課長 いわてグラフにつきましては、ホームページに同記事の内容のPDFファイルも添付して、ごらんいただける状況にはなっているところでございますけれども、先ほども申し上げましたが、限られた部数ではございますけれども、送付先については改めて精査してまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、いわて情報発信強化事業費について御質問したいと思います。
これまでも行われてきた発信強化の事業なんですけれども、これまでに行ってきた情報発信がどの程度認識されてきたのか、どのような効果が見られたのかといった部分の状況と、見られた効果の分析をどのように検証して今後に生かしていこうと平成28年度の予算をつくられたのかについてお伺いいたします。
〇上和野広聴広報課総括課長 まず、本年度の県外広報についてでございますけれども、今年度は、震災の記憶を風化させず継続的な支援につなげるため、復興に関するポスター6点と動画3本を制作いたしました。このほか、岩手の魅力を発信するためお願いしておりますPR特使のいわて☆はまらいん特使、本県出身俳優の村上弘明氏に御出演をいただいたポスター4点と動画2本を制作したところでございます。
復興に関するポスターにつきましては、9月に都営地下鉄全線での中づり広告などを実施しております。村上特使のポスターにつきましては、10月に都営地下鉄全線での中づり広告、雑誌への広告掲載、また、特使御出演によりまして県内外イベントでの情報発信を行ったところでございます。これらに加えまして、3月には復興に関する新たなポスター2点と動画1本を制作し、都営地下鉄全線での中づり広告のほか、今年度初めての取り組みとして、関西圏におきまして、現在、大阪駅構内でポスターの掲出をしているほか、3月11日からJR西日本関西エリアでの鉄道車両での中づり広告を予定しているところでございます。
効果につきましては、数値の評価がなかなか難しいところではございますが、例えば復興に関する動画と村上特使の動画の今年度の再生回数は14万8、000回となっております。昨年度の2万2、000回に比べて増加しておりまして、PRの取り組みが徐々に浸透してきているのではないかと考えているところでございます。
また、都営地下鉄全線でのポスターの中づり広告につきましては、都営地下鉄の利用者が1日平均251万人であることから、相当の方々に対する復興の取り組み、岩手の魅力のPRにつながったのではないかと考えております。加えて、大阪駅での駅張り広告ですが、大阪駅の利用者が1日平均約42万人ということで、多くの方々に目にしていただけるのではないかと考えているところでございます。
このほか、フォロワー数が東北1位の本県の公式ツイッターでございますけれども、3月1日時点で、昨年4月からのフォロワーが3、000人以上増加しておりまして、岩手ファンの拡大につながっているものと考えております。
このような状況を踏まえまして、平成28年度の事業でございますが、復興及び岩手の魅力の情報発信を引き続き実施していくほか、さらに、東日本大震災津波の風化防止と被災者の心の復興を実現するため、復興庁所管の被災者支援総合交付金を活用いたしまして、被災者等の参画による映画の制作、公開の経費を予算計上しているところでございまして、現在、その事業の採択の可否につきまして復興庁と協議をしているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 今までの取り組みの目的は、震災があった岩手県を忘れないようにというか、皆さんの記憶に残すためという目的が主だということでよろしいですか。
〇上和野広聴広報課総括課長 事業の主目的は、ただいま委員から御指摘のありました震災の風化防止ということのほかに、岩手の魅力の発信ということで、村上特使にいろいろな活動をしていただいているということでございます。
〇ハクセル美穂子委員 今後の取り組みの中で考えていただきたいと思う点があるのですが、情報発信をして、発信したことに満足するだけでなくて、どういう形でフィードバックを得て、それを次につなげるかというところもしっかりと設計した上で情報発信をするということは重要なことなのではないかと。例えばポスターを関西と東京に掲示するようになって、それから、では、大阪とか関西圏からの旅行者がふえたのかどうかとか、具体的にすぐわかるものではないのですけれども、どうやって検証していくかというものもちゃんと考えた上で、情報発信というのはやっていったほうが発展的な事業になるのではないかと思いますが、その点については、今後、何かお考えがあったら教えてください。
〇上和野広聴広報課総括課長 委員御指摘のとおり、評価は考えていかなければならない部分だと思いますけれども、なかなか直接的に数字で把握することが困難ではございますが、ただいまの御指摘を踏まえまして、今後、研究を進めていきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 ポスターと動画とSNSを組み合わせて、SNSのフォロワーがふえたりとか、ツイッターのフォロワーがふえているということなんですけれども、どこからどういうふうに情報が回ってこのツイッターにつながっているのかというところも分析していくというのは重要なところだと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。意見、提言で終わります。
〇斉藤信委員 最初に、秘書広報室の一番の大きな仕事は、知事、副知事のトップマネジメントを支えるということでしょうから、今年度、どういうトップマネジメントが発揮されたのか、来年度の方針を含めて示してください。
〇木村秘書広報室長 知事のトップマネジメントについてでございます。
東日本大震災津波からの復旧、復興はもとより、今年度におきましては、まず、いわて県民計画の最後の実施計画となります第3期アクションプランを策定したほか、ふるさと振興を進める取り組みとして、総合戦略の策定、若者の就労支援を推進するいわてで働こう推進協議会の設立、“いきいき岩手”結婚サポートセンター─i-サポの開設、そして、希望郷いわて国体冬季大会の成功と希望郷いわて国体、希望郷いわて大会に向けた準備や、釜石の橋野鉄鉱山の世界遺産登録を契機とした、平泉の文化遺産とあわせた二つの世界遺産を核とした岩手の魅力発信や交流拡大を図る取り組み、さらには、県オリジナル水稲新品種銀河のしずくと岩手118号に係るいわてオリジナル品種ブランド化戦略の策定などの取り組みについて、知事が先頭に立ち、推進してきているところでございます。
このような知事のトップマネジメントの発揮を補佐するため、当室として、各部局への知事の意図や指示等の速やかな伝達、指示を受けての調査や分析、さまざまな情報の収集や各部局への提供、さらには、政策的な優先度や日程上の効率性等を考慮した知事の行動日程を調整するなど、知事の政策判断や政策推進が円滑に進められる環境づくりに努めているところでございます。
来年度の基本方針についてでございますが、まず、本格復興とふるさと振興が県政の最重要課題であります。そして、いわて県民計画第3期アクションプランやふるさと振興総合戦略に基づく取り組みを着実に軌道に乗せていくことが重要と考えてございます。
また、来年度は、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会を開催する特別な年でございますので、オール岩手の力を結集して両大会を成功に導くことが必要であると考えております。
これに加えまして、復興後を見据えた三陸地域の総合的な振興を担う推進体制の整備や、平泉世界遺産登録5周年を記念した遺産の価値や意義の共有を図る取り組みなど、山積する県政課題に適切に対応いたしまして、それらが円滑に進むよう、来年度におきましても、知事の意図や指示に即して機動的に対応し、情報収集、指示等の伝達、調整を迅速に行うなど、知事の県政運営を補佐してまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 昨年は知事選挙があって、無競争当選ということでありました。選挙後、知事から新たな指示なり、そういうことがあったのかどうか。
もう一つは、私は、トップマネジメントの一つとして、企業誘致、企業訪問というものがあると思うけれども、この間調べたら、副知事が1人体制になって、知事、副知事の企業訪問が激減しているんです。そういう点をどう支えていくのか、その点は、実情がわかれば、実情も含めて今後の対応策を示していただきたい。
〇木村秘書広報室長 まず、選挙後の知事からの御指示ということでございますが、特にこれこれこういうふうにしてくれという御指示はございませんでしたが、希望郷マニフェストを掲げて3期目の知事就任ということでございますので、そういう状況を踏まえまして、先ほども申し上げました本格復興、ふるさと振興が最重要課題ということで、知事の意をいろいろ酌み取りながら県政運営を補佐していきたいと考えてございます。
それから、企業訪問の関係でございますが、企業訪問につきましても、商工労働観光部等と連携をとりながら、知事の県外出張等の際には、極力日程を組むような形で日程調整等を進めているところでございますが、副知事とあわせまして、その辺につきましては、またさらに商工労働観光部ともいろいろ協議、連携を深めながら、速やかな企業誘致等、あとは企業のフォローにつなげていくような形での日程調整等に努めていきたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 知事というのは岩手県民の代表なので、私は、特に県外で岩手のさまざまな取り組みや課題を大いに発信して、今まで以上に発信していただきたいし、それを強力に支えていただきたい。
二つ目ですけれども、東日本大震災津波からの復興が県政最大の課題で、私は、丸5年を経過して、本当に被災者の命を守るという点でも、住宅の再建という点でも、まちづくり、商店街の再生という点でも正念場を迎えていると思います。
その点で、知事と被災自治体の首長との連携強化、懇談の状況を示していただきたい。挨拶程度のものではなくて、じっくり、せめて30分以上は話を聞いたという状況はどうだったのか。副知事を含めて、副知事もそういう被災地首長との訪問、懇談をしているのかどうか、実情を示してください。
〇八重樫秘書課総括課長 知事、副知事と沿岸被災自治体の市町村長との連携、懇談の件でございます。
まず、知事ですけれども、これまでも、県政懇談会あるいは各種行事、イベントで被災地に出向く際には、なるべく市町村長側との都合を合わせまして、可能な限り懇談する機会を設けるように努めてきたところでございます。
今年度におきましては、秘書課として把握している分でも、これまでに知事は12回、被災沿岸自治体の首長と懇談を行っておりまして、その中でも30分以上の懇談というのは5回実施してございます。
副知事でございますが、副知事の場合は、市町村長のほかに副市町村長との懇談という場合もございますけれども、今年度におきましては14回の懇談を行っておりまして、そのうち30分以上の時間というのは4回行ってございます。
〇斉藤信委員 丸5年を経過して、復興の過程というのは、事態も進展し、新しい課題がどんどん出ているのです。
私も、この間、首長とずっと懇談してきましたけれども、大体1時間ですよ、やっぱり話を聞くといえば。1時間でも足りないぐらいなんです。ただ、それ以上首長を拘束すると、これは本当に仕事に支障になるので、私は、ぎりぎり1時間、しっかり聞くようにこの間もしてきましたけれども、知事は30分以上がわずか5回でしょう。やっぱり被災地の首長というのは、いろいろな意味で新しい課題も困難も、また相談事も抱えているわけです。沿岸に12市町村あるけれども、時間をとってよく聞くということだけでも復興の力になっていく。ぜひこの点を来年度はさらに改善するように、皆さんがスケジュールを組むわけだから、じっくり被災地首長の意見、要望をしっかり受けとめるようなトップマネジメントを支援していただきたい。
三つ目でありますけれども、県政懇談会の開催状況、特にことしは若者、女性との懇談が多かったように思いますが、この特徴、内容について示していただきたい。
〇上和野広聴広報課総括課長 平成27年度の県政懇談会でございますが、本格復興邁進年といたしまして、震災からの本格復興や地域振興、岩手の未来を切り開く取り組みを主要テーマに、県政懇談会、がんばろう!岩手意見交換会といたしまして、合わせて10回開催したところでございます。このうち、若者、女性及び学生を対象とした懇談会は、合わせて4回の開催となっております。
復興とふるさと振興には若者と女性の活躍が不可欠であることから、若者や女性を対象として意見を伺い、県政に反映させることで、希望郷いわての実現を目指そうとして実施しているものでございます。
沿岸で開催いたしました懇談会では、復興や復興支援について、内陸の開催では、若者の地元定着と活躍できる環境づくりや大学生の地域貢献について懇談をしたところでございます。
〇斉藤信委員 私がいただいた資料では、高校生を含めると5回ということになります。若者、女性、高校生。
私は、若者、女性の声を聞くというのは大変いいことだと思います。これからの復興を担うのはまさに若者であり、そして、女性の実態や意見というのは本当に不可欠の課題だと思うのですけれども、どういう形でこれは県政に反映しているのか、反映させようとしているのか、その点はどうでしょうか。
〇上和野広聴広報課総括課長 若者、女性の懇談会で出された意見につきましては、整理いたしまして、各部局で県政に反映させるよう検討しているところでございます。
今年度の提言の中で特徴的なものといたしまして、若者、女性との懇談会で出された提言でございますけれども、いわて復興応援隊の任期終了後、岩手に定住するには定住のためのサポートに力を入れることが必要であるという御意見を頂戴いたしました。こちらの意見を受けまして、今年度、特に県内で活動していただいております外部人材のネットワーク構築を目的とした研修会の開催でありますとか、いわて復興応援隊の活動終了後を見据えたスキルアップ研修情報の提供ですとか就職サポートなどの取り組みを進めていくことを部局で検討しているところでございます。
〇斉藤信委員 わかりました。今お話があったように、復興応援隊として全国から意欲のある若者が来て、被災地に定住するという取り組みをしていると、私も復興の講座でもお聞きしました。ぜひ若者に引き続き力を入れて、ただ聞くだけではなく、本当にそれが県政に、復興に生かされるようにしていただきたい。
最後に、予算に絡んで追加してお聞きしますが、先ほども議論のあったいわて情報発信強化事業費なんですけれども、これは、震災分が実は6、800万円増額になっているのです。先ほどは映画の制作ということがありましたけれども、この6、800万円増額の中身は何なのか。
もう一つは、行幸啓等事務費は、ことしの国体で天皇、皇后が来られるということだと思います。実は、天皇、皇后は、3月の大震災の5年目に宮城県、福島県は訪問すると。岩手は国体のときという形で報道されています。恐らく国体とあわせて被災地にも足を運ばれるのではないかと思いますが、行幸啓経費、言えることと言えないことがあると思うのですけれども、どういう形で天皇、皇后を岩手に迎えるのか、被災地、被災者との関係はどうなのか、話せる範囲で示してください。
〇上和野広聴広報課総括課長 いわて情報発信強化事業費の増額分でございますけれども、6、800万円の増額は、先ほど御説明いたしました映画の制作、公開に関する経費の増でございます。
〇蛇口特命参事兼行幸啓課長 天皇、皇后両陛下の行幸啓についてでございます。
現在、宮内庁と協議をいたしておるところでございますけれども、天皇、皇后両陛下は、被災地についてはやはりかなり気にしておられまして、その点を含めまして、今後、宮内庁と内容については詰めていくこととなっております。
〇飯澤匡委員 関連質問を一つします。
知事の企業訪問についてですけれども、トヨタ自動車の生産体制集中化、集約化は東北にもかなり影響があるのですが、それを発表してから、知事はトヨタ社への訪問、首脳陣との面談はあったのでしょうか。
〇八重樫秘書課総括課長 知事のトヨタ社への訪問の件ですが、名古屋出張の件は秘書課でも押さえていますが、その細かい内容につきましては、申しわけございませんけれども、担当部局に確認した上で、お答えしたいと思います。
〇飯澤匡委員 ちょっとそれはおかしいんじゃないですか。突然の質問で恐縮なんですけれども、岩手県の産業に大きく影響の出る話です、トヨタ社の戦略変更は。その点について、どういうトップマネジメントをあなた方はしてきたのですか。
〇木村秘書広報室長 自動車産業は、委員御承知のとおり、本県の産業振興の中核を担うということでございます。トヨタ自動車東日本が県内にございますので、特に、今回の来年度に向けての県の組織再編でも、また体制を強化することにしてございます。そういう意味で、知事の産業振興、特に自動車産業、トヨタ社に関するトップマネジメントは非常に重要なことだと考えてございます。
当室といたしましても、トヨタ社を含めまして、企業訪問に当たりましては、そういうことを踏まえて、商工労働観光部とも十分連携をとりながら日程調整等をしているところでございますし、今後ともそういう考え方でやっていきたいと考えてございます。
〇八重樫秘書課総括課長 トヨタ社の件でございますけれども、知事は、2月の上旬にまとまった日にちで出張しておりまして、そういう関連企業にも訪問しております。ただ、その中身につきましては、やはり担当部局で掌握して調整しているということになります。
〇飯澤匡委員 余り長くやりませんけれども、要は、私は宮城県境の近くに住んでいますから、宮城の県紙とも呼ばれる新聞も読んでいますが、隣の知事は随分行っています。そして、今回、旧関東自動車の金ケ崎工場は随分期待が持たれているようですけれども、これは、ぼやぼやしていると大変なことになります。やはり競争ですから、本当に県民のために─確かに小型のハイブリッド車はトヨタ自動車東日本で集中的にやるということけれども、これは2019年で終わりですから、その後どうなるか、そのことまでしっかりつないでいかなければならない。その戦略をどこの課でやるか。あなた方は、日程調整するだけでなくて、やはり広聴広報もしながらアンテナを高く持っていなければだめでしょう。戦略性の発揮というのはどこでやるわけですか、あなた方がやるんですか、どういうような職務の範囲になっているのでしょうか。私は、そこが秘書広報室に与えられた一番重要な役目だと思っているのです。だから、組織改編があったときも、それならばよしということで賛成した経緯もあるのですけれども、そこら辺はどういう意識を持ってやっているのでしょうか、お知らせ願います。
〇木村秘書広報室長 自動車産業振興についての基本的な戦略というのは、商工労働観光部で、トップマネジメントも含めて戦略を立ててやっているということでございますが、当室も、まさにそういうトップマネジメントを補佐する立場にございますので、今までもできる限りそういう戦略を念頭に置きながら、その日程調整等ということの対応をしてきたところでございます。ただいまの委員の御意見は、まさにそのとおりと考えてございますので、今後は、日程調整等をやるに当たりましては、その戦略とトップマネジメントは表裏一体というか、そういうことを念頭に置きながら対応していきたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員 私は代表質問で副知事の2人制を唱えました。結局は企業訪問並びに被災地に足を運ぶのがかなり減っているという状況から、そういう提言をしたわけであります。
そういう中において、これは知事の専権事項なのかもしれませんけれども、副知事の2人体制になれば知事にも余裕ができ、今の千葉副知事にも余裕ができるのではないかと思うのです。そうすると、今のような企業訪問並びに今の被災地の現状をもっと見ていくためにも、そういう体制というのは大事ではないかと思うのですけれども、秘書広報室ではこの2人体制についてどう考えているのかお聞きいたします。
〇木村秘書広報室長 副知事の2人体制につきましては、委員がおっしゃるとおり、まさに知事の専権事項でございますので、当室としてコメントする立場にはないと考えてございます。
〇工藤勝子委員 確かに知事の専権事項なのかもしれませんけれども、秘書広報室で知事とか副知事をいろいろな現地に計画的に回すということも考えれば、結局は、みずから知事に提言するということも大事ではないかと私は思うのですけれども、所感をお伺いいたします。
〇木村秘書広報室長 当室とすれば、現体制、知事、副知事がお一人ということでございますが、そういう体制の中で、知事、副知事のトップマネジメントが最大限発揮されるような形でトップマネジメントを補佐するという職務を今後とも全うしていきたいと考えてございます。
〇高橋但馬委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬委員長 質疑がないようでありますので、これで秘書広報室関係の質疑を終わります。
秘書広報室の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、政策地域部長に政策地域部関係の説明を求めます。
〇大平政策地域部長 平成28年度の政策地域部関係の歳出予算等について御説明申し上げます。
最初に、当部の予算編成に当たっての基本的な考え方でありますが、平成28年度は、第2期復興実施計画の最終年度として、実施計画に掲げた事業を確実になし遂げるとともにふるさと振興を進め、さきに策定いたしましたいわて県民計画第3期アクションプランのもと、県民一人一人が希望を持てる希望郷いわての実現を目指し、全力を挙げて取り組んでまいります。
このような考え方のもと、特に重点的な事項を申し上げますと、初めに、復興計画関係でありますが、被災地域を運行するバス路線の維持を図るための支援や、鉄道資源等を活用した沿線地域のにぎわいの創出に取り組むほか、JR山田線の早期運行再開や、JR大船渡線BRTの利便性の向上に向けた取り組みについて、沿線市町と連携しながら進めてまいります。
また、県内外団体による復興支援活動を促進するためのネットワーク強化や、被災市町村の復興人材の確保に向けた支援に取り組んでまいります。
次に、三陸創造プロジェクトでありますが、三陸ジオパークの推進、ILC(国際リニアコライダー)の実現に向けた取り組みのほか、国際的海洋エネルギー研究拠点の構築等に取り組んでまいります。
次に、いわて県民計画関係でありますが、ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催に向けた準備、平泉世界遺産登録5周年事業を実施するほか、広域振興圏の振興のため、市町村や県民と連携し、地域特性を生かした特色ある取り組みを進め、各圏域が目指す将来像の実現に向けて取り組んでまいります。特に、県北・沿岸圏域につきましては、県政の重要課題として、引き続きその振興に取り組んでまいります。
また、科学技術イノベーションの創出に向け、地域資源を活用した新たな価値創造や次代を担う人材の育成等を推進するほか、定住、交流人口の拡大に向けた推進体制の整備や相談窓口の充実、県内大学と連携した共同研究等に取り組んでまいります。
公共交通、情報基盤分野においては、市町村等と協力し、持続可能な交通体系の構築と公共交通の利用促進を図っていくとともに、ICT利活用の促進や携帯電話利用可能地域の拡大等に取り組んでまいります。
また、国体・大会プラスとして、さまざまなイベントと連動した新機軸の取り組みも展開し、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会のさらなる盛り上げを図ってまいります。
それでは、歳出予算について御説明申し上げます。
お手元の議案その2、6ページをお開き願います。政策地域部関係の予算は、2款総務費のうち、1項総務管理費の一部15億4、900万円余、2項企画費の一部6億6、300万円余、4項地域振興費の51億2、000万円余、5項選挙費の8億8、600万円余、7項統計調査費の3
億9、100万円余、総額86億1、000万円余であります。これを平成27年度予算と比較いたしますと、6億6、100万円余、約7.1%の減となっておりますが、その主なものは、生活統計調査費のうち、国勢調査関係経費6億2、000万円余の減によるものであります。
それでは、予算の内容につきまして、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
なお、重点事項等主な事業の内容について御説明し、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきます。
予算に関する説明書の87ページをお開き願います。2款総務費1項総務管理費7目情報システム管理費15億4、900万円余は、財務会計や税業務など庁内行政情報システムの管理に要する経費であります。
89ページをお開き願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費の当部所管4億1、900万円余のうち、主なものについて御説明いたします。右側の説明欄をごらんください。
まず、2行目、いわて三陸復興のかけ橋推進事業費は、県内外からの復興支援活動を促進するため、ポータルサイト等を活用した復興支援マッチングや情報発信等を行うものであります。二つ飛びまして、ラグビーワールドカップ2019開催準備費は、大会の成功に向け、釜石市と連携し、開催機運の醸成や必要な準備を行うものであります。次の高等教育機関連携推進費は、県と県内大学の連携により、市町村の地方創生総合戦略の推進支援や地元中小企業との共同研究等を行うものであります。次の拡張国体・大会推進大作戦は、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の開催を契機とした県民総参加による盛り上がりの醸成や地域活性化を図る取り組みに対する支援等を行うものであります。次のスポーツ交流推進事業費は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会等の開催機運の醸成や、事前合宿誘致に向けた取り組み等を行うものであります。90ページをお開き願います。2目計画調査費の当部所管2、300万円余のうち、2行目、戦略的政策形成調査費は、新たな県政課題等に対応した調査、検討等を行うものであります。91ページに参りまして、4目科学技術振興費2億2、000万円余のうち、主なものでありますが、まず、上から4行目、科学技術イノベーション創出促進事業費は、産学官金の連携により、地域資源を活用した新たな価値の創造、次世代の科学技術を担う人材の育成を推進するものであります。少し飛びまして、下から3行目、三陸海洋エネルギー研究開発促進事業費は、海洋エネルギー産業の創出に向け、県内企業が取り組む研究開発や技術取得に対する支援を行うものであります。次の洋上ウィンドファーム事業化促進事業費は、県北沿岸地域の洋上風力発電事業化に向けた研究会の開催、調査等を行うものであります。次のプロジェクト研究調査事業費は、ILCの実現に向け、国内外への情報発信や立地環境等に関する調査研究を行うものであります。
94ページをお開き願います。2款総務費4項地域振興費1目地域振興総務費36億1、100万円余のうち、主なものについて御説明いたします。まず、上から4行目、地域経営推進費は、広域振興局が市町村等と連携し、各圏域が目指す将来像の実現に向けた取り組みや支援等を行うものであります。次の世界遺産平泉理念普及事業費は、復興の象徴である世界遺産平泉の理念を国内外に発信するとともに、世界遺産登録5周年事業を実施するものであります。次に、一つ飛びまして、携帯電話等エリア整備事業費補助は、携帯電話の利用可能地域の拡大を図るため、市町村が行う整備事業に要する経費を補助するものであります。次に、一つ飛びまして、県北・沿岸振興費は、地域資源の活用による交流人口の拡大等、県北・沿岸圏域の振興に向けた戦略的な対策を講じようとするものであります。次の県北地域重点活性化事業費は、食やアパレル等の地域資源を活用した産業の振興と、雇用機会の創出に向けた取り組みを行うものであります。次の三陸総合振興推進費は、三陸地域の交流人口の拡大等による地域振興を図るため、地域資源を生かした観光等の産業振興や、三陸ブランドの強化等に係る事業を総合的に展開しようとするものであります。次の三陸ジオパーク推進費は、三陸ジオパークの推進を図るため、観光、教育分野での活用や情報発信等を行うものであります。次のいわてへの定住・交流促進事業費は、被災地の復興や過疎地の活性化を担ういわて復興応援隊の受け入れ等を行うものであります。一つ飛びまして、ふるさとづくり推進事業費は、定住、交流人口の拡大を促進するため、全県的な移住推進体制の整備や相談窓口体制の充実等を行うものであります。一つ飛びまして、北いわて若者・女性活躍支援事業費は、県北広域振興局が企画立案した広域振興事業でありますが、県北地域における若者の地元就職、定着促進に向けた取り組みや、若者、女性による魅力ある地域づくりを支援するものであります。95ページに参りまして、2目市町村振興費8億9、800万円余のうち、主なものでありますが、まず、市町村行財政事務調査費は、被災市町村における復興人材の確保や派遣職員のメンタルヘルスケア対策等を行うものであります。一番下、市町村振興宝くじ交付金は、市町村への貸し付けの原資や交付資金として活用するため、公益財団法人岩手県市町村振興協会に対し、市町村振興宝くじの発売収益金を交付するものであります。次に、3目交通対策費6億1、100万円余のうち、主なものは、まず、上から3行目、三陸鉄道運営支援事業費のうち三陸鉄道運営費補助は、三陸鉄道の持続的運営に必要な設備維持経費に対して、県と市町村が連携し補助するものであります。次の三陸鉄道安全輸送設備等整備事業費補助は、三陸鉄道の安全性向上に資する設備投資経費に対して、県と市町村が連携し補助するものであります。次の並行在来線対策事業費のうち、いわて銀河鉄道経営安定化基金積立金は、県と沿線市町が連携し、車両更新に要する経費等について、いわて銀河鉄道経営安定化基金に積み立てるものであります。次のバス運行対策費は、国庫補助制度に基づき、バス事業者に対して運行欠損額を補助するものであります。一つ飛びまして、地域公共交通活性化推進事業費補助は、市町村の公共交通ネットワークの再編や、既存路線の利用促進等に要する経費を補助するものであります。
97ページをお開き願います。2款総務費5項選挙費でありますが、1目は、選挙管理委員会費として5、100万円余、2目は、選挙啓発費として230万円余、98ページに参りまして、3目は、参議院議員通常選挙に要する経費として8億700万円余、4目は、海区漁業調整委員会委員の選挙に要する経費として2、500万円余をそれぞれ計上しております。
102ページをお開き願います。2款総務費7項統計調査費1目統計調査総務費2億2、900万円余は、統計調査業務に係る人件費及び一般管理事務費であります。2目地方統計調査費590万円余は、県単独で実施する統計調査に要する経費であります。103ページに参りまして、3目委託統計調査費1億5、500万円余は、国の委託により実施する統計調査に要する経費であります。
以上で政策地域部関係の歳出予算について説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇高橋但馬委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木順一委員 まず、JR山田線の状況についてお伺いします。
去年の12月11日にJR山田線の松草-平津戸間で発生した土砂流入についてであります、宮古-釜石間ではなくて。
現状はどうなっているのか。3カ月がたちましたが、まず、その現状をお聞かせいただきたいと思います。
〇大坊交通課長 JR山田線の盛岡-宮古間の現在の状況についてでございますが、昨年12月に土砂崩落が発生したことから、現在、松草-平津戸間は区間運休となっておりまして、盛岡-上米内間、宮古-川内間で列車の区間運行が行われている状況でございます。
運休区間につきましては、当面、バス輸送となっておりますが、JR東日本におきましては、土砂崩落現場の上方に亀裂が生じておりまして、二次災害の可能性があることから、崩落現場全体の地盤の挙動、地質の状況などを把握し、適切な安全工事を施した上で、線路部分の復旧に当たることとしております。
このことから、現在、JR東日本では、土砂崩落箇所にボーリング等を行いまして関係データを収集するとともに、3月4日に、県、宮古市、県警、東北森林管理局、JR東日本で構成いたします山田線土砂崩壊に関する斜面防災協議会を設置いたしまして、そのデータの分析と今後の安全工事に向けての技術的検討を行っている状況でございます。
〇佐々木順一委員 それで、念のためですが、災害とJR東日本の関係について、岩手県の鉄道の関係を振り返ってみますと、JR岩泉線もしかりであります。東日本大震災ではJR山田線、釜石-宮古間もしかりであります。JR大船渡線、JR気仙沼線はBRT化しておりますが、いずれにしろ、災害が発生すれば鉄路での復旧は諦める、やめるというのが、大体JR東日本の直近の対応でありました。
念のため確認ですが、鉄路の復旧の確約はとったわけでしょうか。
〇大坊交通課長 鉄路の復旧の確約というお話でございましたが、昨年12月25日に副知事がJR東日本の本社を訪問いたしまして、役員、具体的には常務取締役になりますが、山田線の早期復旧の要望を行いました。その際、先方からは、復旧に向けては全力を尽くしていくというお話をいただいております。また、3月2日、JR東日本の定例記者会見におきまして、社長から、このJR山田線につきまして、復旧にできるだけ早く取りかかれるよう努めたいという話がございました。JR東日本におきましては、定期的に亀裂やボーリング調査などの状況、あるいは今後の予定など、関係者にきめ細かく情報提供をしておりまして、あわせて、記者発表などを通じて県民にも明らかにしてございます。
また、災害発生直後、具体的には12月11日に発災して、次の日から早速区間運行を再開しているという状況を見ますと、JR東日本としましては、JR山田線の公共交通としての重要性、あるいは路線復旧に向けた認識を持って取り組んでいるのではないかと考えております。
〇佐々木順一委員 いずれクラックですか、亀裂とかがあって、難工事であることは今お伺いしましたが、今後、いろんな調査をやって鉄路の復旧を目指すことになるわけでありますが、おおむねの作業工程と言ったらいいのでしょうか、そちらで把握している状況で結構でありますので、調査にどのくらいの時間を費やすのかなどを含めて、おおむねの復旧のめどの時期がわかるのであれば御紹介していただきたいと思います。
〇大坊交通課長 ただいまのお尋ねは全体の見通しというお話かと思いますが、JR東日本といたしましては、まずは土砂崩落斜面の安全工事を最優先にして、その工事方法などを判断するために、地盤の動きなどの解析を進めたいという意向を持っております。そこの状況がわかった上で工事方法を決定いたしまして、その工事を施工すると。上の山の斜面の安全が確保された上で、線路上の車両はまだ残っておりますが、これの撤去にかかる。さらに車両の撤去の後に、線路復旧工事にかかり、開通という作業工程と聞いております。
ただ、その見通しにつきましては、先ほどお話をした3月4日の協議会に私も出てまいりましたが、見通しを尋ねましたが、融雪期でありまして、地盤の動きに影響を与えまして、そこが不明確になるということで、データの収集、解析に一定の時間を要するというお話。あと、その後に予定されている安全工事の方法もそれを見てからとなるということで、JR東日本でも具体的な見通しは持ち得ていないというのが現状でございます。
〇佐々木順一委員 状況はわかりましたので、いずれにしろ、本県ではいろんな行事を抱えておりますから、公共交通機関でありますので、難工事であるのはわかりますが、県も強く、今まである程度JR東日本の言いなりになってきたところがありますから、今度は強い態度で対応していただきたいと思います。
次に、岩手県の世界遺産事業推進本部についてお伺いをいたします。
明年度のこの本部の事業はどういったものがあるのか、改めてお伺いしますし、どういった効果を期待しているのか、お願いを申し上げます。
〇森調整監 岩手県世界遺産事業推進本部におきましては、平泉の文化遺産ですとか橋野鉄鉱山に係る県の事業について一元的に取りまとめまして、それで効果的な事業になるように調整等を行っているところでございます。
来年度におきましては、シンポジウムの開催を予定しておりますほか、平泉の世界文化遺産が5周年になりますので、全国的な規模の大会でございます第3回の世界遺産サミットの開催を計画してございます。その中におきまして、平泉、橋野鉄鉱山に加えまして、今、世界遺産の登録を目指しております一戸町の御所野遺跡の現地におきましても、説明会、視察会を開催いたしまして、広く情報発信をしようとしているところでございます。
これらの取り組みによりまして、本県の文化遺産が持つ価値について、国内外への情報発信をより一層強化していきたいと考えてございます。
〇佐々木順一委員 世界遺産は、平泉の文化遺産それから橋野鉄鉱山と、この二つがあります。世界遺産というものには当たらないわけでありますが、それに同等もしくは準ずるものとすれば、ユネスコの無形文化遺産の早池峰神楽がありますが、これは世界遺産ということにはならないわけであります。同等と言っても私はいいと思いますが、これがなぜ世界遺産事業推進本部の設置要綱に入っていないのか、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
〇森調整監 設置要綱についてでございますけれども、現在の推進本部につきましては、平泉の文化遺産が持つ価値の普及の取り組みを強化するために平成23年度に設置したものでございまして、昨年の明治日本の産業革命遺産、この世界遺産登録を踏まえまして橋野鉄鉱山を対象に加えたところでございます。これまでは、世界文化遺産及び自然遺産のほうに関する条約、いわゆる世界遺産条約に基づいて登録された遺産を対象としてきたところでございます。
〇佐々木順一委員 それはわかります。世界遺産条約に基づく二つの遺産でありますし、それから早池峰神楽は無形文化遺産の保護条約を根拠にしていると思います。いずれにしろ、よって立つ条約は違うわけでありますが、一般的な価値ということになれば、将来に向けてこれを保存していかなければならないということは県民共通の責任と言ったらいいのでしょうか、役割だと私は思うのです。だから、この世界遺産というこれだけにくくるのではなく、これに準ずる価値のある遺産であることはどなたも認めるところであると思いますから、ぜひ推進本部の設置要綱に─これまでも設置要綱は平成23年2月から平成26年4月、平成27年10月と、このように要綱を変えてきておりますから、本部の総会を開いていただいて、これを加えるかどうか、ぜひ検討していただきたいと思いますが、部長、いかがでしょうか。
〇大平政策地域部長 これまでの取り組みは、今、調整監からお話をしたとおりで、我々の考えとすれば、世界遺産条約のものでやってきたわけでありますが、委員御指摘のものもございまして、今度、スネカも新たになるということもありますが、あくまでも設置要綱は県内部の要綱であります。その辺は柔軟に考えることができると思いますので、関係部局とも相談させていただきます。
〇佐々木順一委員 前向きに捉えていいんですか。
〇大平政策地域部長 この議論があったことを伝え、真剣に考えます。
〇佐々木順一委員 では、この早池峰神楽がここに加えることができない理由は何ですか、逆に聞きますが。
〇大平政策地域部長 できないということはございません。私は本部長ではないので、本部長とも相談しなければいけないということもありますが、前向きに捉えております。
〇佐々木順一委員 本部長は知事でありますから、わかっています。だから、形式的なことです、私が言うのは。世界遺産等事業推進本部にして、目的のところに早池峰神楽を入れれば、あとは規約上は問題がないわけです。だから、実態的にどうするかということはこれから問題があると思いますので、いずれにしろ、どなたから聞いても、恐らく県民の世論調査をすれば、入れる必要はないという答えは絶対出てこないと思うのです。この委員会でもし諮れば、入れろとなると思いますから、私はそこまで委員長に求めませんが、ぜひ空気を感じていただいて、私の気持ちも酌んでいただいて、期待に沿うように取り組んでいただきたいと思いますが、もう一回お願いします。
〇大平政策地域部長 空気は十分感じましたので、この場でそのような確約はできませんが、前向きに捉えたいと思います。
〇佐々木順一委員 それでは次に、TPP問題についてお伺いいたします。
TPP協定対策本部の事務局は、農林水産部と政策地域部との共管となっております。何で共管になっているか、それから任務はどういうものがあるのか、それをまずお聞かせいただきたいと思います。
〇高橋政策監 まず、対策本部の所管部局についてでありますが、TPP協定については交渉分野が多岐にわたることなどから、これまで、総括的な情報収集については主として総合的な施策の推進を担います政策地域部が担当し、全庁で情報を共有する体制とし、また、並行して、関係省庁による個別の動向には、いわゆる縦割りの流れで担当部局も対応してきたところであります。
昨年10月のいわゆる大筋合意を受けまして、全庁的な情報共有と総合的な対応を図るため、県TPP協定対策本部を設置するに当たりましては、当部に加えまして、特に大きな影響が懸念される農林水産業を所管する農林水産部が、対策本部の庶務を共管することとしたものであります。
次に、対策本部の所掌事項についてでありますが、TPP協定に係る情報の共有を初め、影響の調査、分析、対応、その他重要事項に関することの4点とされておりまして、当部としましては、全庁的な政策推進の観点から、特に全体的な状況の把握、部局間の連絡調整等に努めているところであります。
〇佐々木順一委員 きのうですか、政府は閣議決定をして、関連する議案を国会に提出したと。一方において、アメリカの大統領選挙は今予備選をやっておりますが、共和党も民主党も、有力候補はTPPには反対ということのようでありますから、漂流するTPP協定という状況も現実味を帯びてきたわけであります。それはそれとして、この設置要綱の中にTPP協定に係る影響の調査、分析とありますから、大筋合意以降、政策地域部ではこの影響の調査、分析をおやりになったことがあるのか、まず、それを確認したいと思います。
〇高橋政策監 政策地域部として全庁的な状況を把握しておりまして、お尋ねの調査、分析については、農林水産部での取り組みについて把握しております。
まず、大筋合意後、農林水産省が10月に公表した品目ごとの農林水産物への影響について等に基づいて、農林水産分野について本県で想定される当面の影響を分析し、米、牛肉及び豚肉について、輸入が増大した場合には、価格の下落が懸念されることなどを昨年12月9日に公表しております。
続いて、国が12月に公表しましたTPP協定の経済効果分析において、農林水産省が33の個別品目ごとに精査し、積み上げました生産量及び生産額の見込みをもとに、本年1月になりますが、本県において影響が見込まれる農林水産物19品目への影響額を国の算出方法で機械的に求めた結果について、実際の本県への影響額はこれより大きくなるものとの想定を付して公表したところでございます。
〇佐々木順一委員 そこまでは、この前の25日の私の一般質問に知事が答えたわけでありますから、それはわかっています。だけれども、知事は、それでは十分ではないというニュアンスで答弁しているわけです。
ここに写しがありますが、他県でも、農業団体等を中心に独自手段で試算をやっている県もあります。試算をやっているところは結構、複数どころではない、十何県に上っています。
条件つきながら、知事は、影響額は試算の前提条件により大きく異なるが、農業団体の意向も踏まえながら今後検討すると、こう言っているわけであります。農業団体の意向もですから、もだから、それでは農業団体は現段階ではどういう意向でしょうか、確認はしているわけでしょうか。
〇高橋政策監 委員御案内のとおり、福島県など一部の全国農業協同組合中央会では、国が何ら対策を講じなかった場合等の影響額を試算しておりますが、岩手県農業協同組合中央会では、農林水産物の生産額への影響額は、試算の前提条件により大きく異なりますことから、現時点では、試算に取り組む予定はないものと農林水産部を通じて伺っております。
〇佐々木順一委員 JA岩手県中央会は、必要性はないということですね。影響試算は独自にやる必要は現段階ではないという認識だということですね、今のは。
〇高橋政策監 試算の前提条件により大きく異なってくることから、具体に取り組めないと聞いておりますけれども、ちょっと詳細については伺っておりません。
〇佐々木順一委員 わかりました。では、それでいいですか、政策地域部としては。TPP協定対策本部を農林水産部とともに共管するわけですから、それでいいかどうかです。JA岩手県中央会はそういう意向だということを農林水産部を通じて聞いているということを今答弁されましたが、それでは、農協は必要がないということであれば、県独自でやるつもりはあるのかどうか。
〇高橋政策監 そういった試算の前提に関してですが、輸入品と競合する国産品がどの程度置きかわるかなど不確定要素も多く、いろいろ試算に当たっての情報収集を進めているという段階と受けとめておりますけれども、引き続き情報収集に努めながら、さまざまな角度から農林水産物の生産額への影響の分析を進めていくよう、担当部局と検討を進めてまいりたいと考えます。
〇佐々木順一委員 いずれ国の試算では、本県の場合、生産額が約40億円から73億円減少すると。簡単に言いますと、いろいろ対策を打つので、ほとんど影響はないということを政府が言っております。ただし、何もしないということ、手を施さない場合という前提条件では数年前やっていただいたわけでありますから、今度、関税の削減の割合というのはわかっているわけでありますので、政府が何もしないという前提でやることは可能だと思うし、他の都道府県も農協もやっているわけでありますから、前提条件のいろいろ置き方によって変わることはそのとおりなのですが、いずれにしろ、実態がどうなのかということをまず把握しないと、政府に対して、TPPについてこういうことを要望しますと仮に書き物を持っていっても説得力がないわけでありますので、やっぱり客観的数値を示すためにも、県独自の影響額の試算というのはやっぱりやるべきだと思います。でないと、現段階でTPP協定の議案が国会にかかる前から、もう補正予算化されているわけです。筋論的にいけば、まだ国会を通っていないのに予算化するというのは、本来はおかしいわけでありますから、だけれども、岩手県議会も2月定例会の補正予算で、TPP関連をあえて議案を提案して我々も可決したわけでありますから、余り強いことは言えないわけでありますが、いずれにしろ、農林水産業の従事者たちは、実態がどうなるのか、まずそれを教えてくれと。いろんな情報があるけれども、一番真実に、実態に近い、客観的な数字、影響額をまず示してくれというのは偽らざる気持ちだと思いますので、ぜひ部長、農協が協力しないというのであれば、県独自で一定の前提を責任を持って置いて、それに基づいて試算をして、その試算に基づいてさまざまな政府に対する要望が出てくるわけでありますから、これはぜひ試みていただきたいと思います。
TPP協定対策本部を共管する政策地域部長の前向きな見解をいただければもう質問をやめますから。
〇大平政策地域部長 委員御案内の40億円から73億円というのは国のやり方で求めたもので、そのやり方は、生産額は減少するけれども売れるものは変わらないという試算でありますので、その試算についての問題というのは承知しておりますが、しからば、どの程度影響があるかというのはさまざまな前提条件で変わりますので、他県の状況の試算の合理性とか、そういうものを見ながら判断すべきものと思います。
農林水産部が中心になって検討してございますので、それについて農林水産部と相談しなから検討してまいります。
〇佐々木順一委員 知事は検討すると言っておりました。政治家が検討する、達増知事の場合は、知事語録から推しはかれば、過去の例をひもとけば、検討するというのはやるということなんです。霞が関の官僚の場合は、検討すると言った場合はやらないということなんです。だけれども、岩手県職員の場合は、知事が検討するということは、もうそれは推しはかっているわけでありますから、誠実な県職員でありますので、ぜひ速やかに農林水産部で協議をしていただいて、影響額、純粋な影響額を試算していただきますことを御期待を申し上げたいと思っております。
なお、農林水産部でも、私、当該委員でありますから直接的な質疑は控えて最後にやりたいと思っておりますが、農林水産部のほうにも、きょう、そういう質疑があったことをぜひお伝えしていただいて、心の準備をしていただくようにお伝えしていただきたいと思います。
〇伊藤勢至委員 ただいまのJR山田線に関連してお伺いしたいと思います。
非常にタイミングの悪い時期に土砂崩落が起こってしまったと実は思っているところでありますが、今のところ、JR東日本は復旧に前向きなようにとられているのかなとも思ったりしていますが、これ、とても余り当てにならないと思っています。
まず、そもそも、東日本大震災で沿岸の鉄路が壊滅的な被害を受けましたが、いち早くJR八戸線は復旧をしました。そして宮古駅、釜石駅のリニューアルもしました。そして、当時のJR東日本の冨田社長は、岩手県選出の国会議員団を歩いて、三陸鉄道との関係もありますのでJR東日本で全部修理をいたしますというのを明言したようでありますが、それがいつの間にかBRTにすりかわってまいりまして─現地の気持ちはわかります。陸前高田市、大船渡市、公共交通機関が全くなくなりましたから、そこにあくまでも仮です、仮の工事ですと言いながらBRTを延ばしていった結果、それが本物になってしまったという話であります。
そして、今、JR山田線の話が来ていますが、沿岸の鉄路は最終的には三陸鉄道が全部面倒を見るような形になる。そうすると、近い将来、このJR山田線も、何かそういうにおいがしはしないかということも考えざるを得ないのかなと。
宮古-盛岡間の復興支援道路が完成をいたしますと、70分で結ばれます。ですけれども、鉄路のほうは相変わらず2時間10分というコースでありますから、どうもその辺が心配だなと思います。
恐らく、そういったときの理屈は、三鉄とJR山田線をくっつけてしまえばいわて銀河鉄道ともつながるじゃないかと。もし、そういう話が来たときに、実は東北新幹線盛岡以北の際には、岩手県も青森県も秋田県も1、000億円ずつ負担をしているということがあるのですから、そういう条件が来たら、二戸と久慈を鉄路で結んでくれたらば三鉄で受ける、いわて銀河鉄道で受ける、そういう大きな話をしないと、このやりとりには負けてしまうと思ったりするのですが、いかがお考えでしょうか。
〇大坊交通課長 今、JR山田線の、我々俗に陸山田と言っておりますけれども、その復旧に関する御懸念のお話かと思いますが、繰り返しになりますが、私どもJR東日本といろいろと打ち合わせをしていく中では、この復旧については、支社も本社も前向きに当たっているという感触を得ております。
本県、交通骨格といたしましては、縦軸は非常に強い。つまり、縦についてはIGR、三鉄あるいは新幹線がしっかりしているのですが、横軸については、道路は比較的整備が進んでいるのですが、鉄路で比較的弱い部分がある。今、不通になっているJR山田線が、本県の観光あるいは交流人口、あるいは生活圏での移動、これに果たす役割というのは、JR東日本は多分、十分に認識していると思います。仮にこれを廃線にするということになりましたら、JR東日本は公共交通事業者としての責任を問われかねない形になろうと思いますので、そういったことも含めますと、JR東日本におきましては、責任を持って復旧してもらえるものと今の段階では考えております。
〇伊藤勢至委員 通常の場合の対外約束というのは、当然、人を信じて相手を信じて交渉するものだと思いますが、今は戦国時代でもないのに、JR東日本に対しては、今の真田丸という映画みたいな状況にあるのではないか。真田が上杉を相手にしたり、あるいは徳川を相手にしたり、今川を相手にしたり、どこにくっつくかによって相当変わっていくということです。
そういう中で、岩手県には、県北・沿岸振興という大きな命題があるわけでありますので、もし何かの場合には、それを逆手にとって言える立場を持っているはずですから、青森県、秋田県、岩手県は1、000億円ずつの負担をしているのですから、1、000億円をかけて二戸と久慈を結んだら受け取りましょうというくらいの議論を考えておくべきだと思います。
大坊交通課長、あなたも10年も20年もそのポジションにおらないでしょうけれども、随分、人がかわるたびにやりとりが変わっていくような気がしておりますので、相手もそうですけれども、岩手県としての本当のスタンスを変えないという大きなものを持ちながら、仮に人がかわってもそれを継承してやり続けていただきませんと─JR東日本はまさに民間会社です。営利追求の会社になっていまして、公共交通の責任感というのがあるようには言っていますけれども、現実、いざ鎌倉となるとないように思います。
品川駅とどこか隣の駅に、JR東日本は3、500億円をかけて新駅をつくるという話ですよ。そういう中で、400億円かそこらの復旧工事をやらないという話は本来あり得ないと思います。ですから、そういうところを考えて、あるいは、そもそも山田線というと原敬の時代までさかのぼりますけれども、そういう歴史も踏まえながら、相手に見くびられることがないように交渉に臨むべきだと思いますし、そうあってほしいと思っていますので、次に残す岩手県の大きな財産として、自分たちの代に変な妥協することがないようにぜひしていただきたいと思います。
大平部長、一言ひとつ。
〇大平政策地域部長 12月の土砂崩落直後に、私もJR東日本の支社長に直接お会いして、復旧について要望をいたしました。先ほどから大坊交通課長が答弁申し上げているとおり、JR東日本は前向きと考えてございます。いずれ、今までの歴史的な経過、あるいは戦後のカザリン、アイオン台風のときも大分被災したわけでありますけれども、それでも山田線は復旧してきたという経過も踏まえて、岩手県に根づいているJR線だということを強調しながら、必ずや復興に向けて取り組んでまいります。
〇高橋孝眞委員 IGRいわて銀河鉄道株式会社についてお伺いをいたします。
岩手県は筆頭株主として54.06%、県内の市町村も含めますと90%以上の株式を持っておりまして、岩手県民が所有すると言ってもいい第三セクターであると思います。沿線市町村、岩手県民にとり、大変関心のある重要な株式会社でもあります。
寝台特急北斗星の定期運転が取りやめとなり、大幅な収入の減少と聞いておりますし、また、人口減社会を迎え乗客数の減少が予想されますけれども、筆頭株主として、IGRいわて銀河鉄道の課題をどう捉え支援していく考えか、お伺いをいたします。
また、平成27年度の経営状況、収支見通しはどうでしょうか。あわせて、岩手県の平成28年度予算に補助金、助成金、基金への積み立て、それぞれ幾ら計上されているか。開業当時、10億円余の改修費等を含めて基金があったと聞きましたけれども、現在幾らになっているのかも教えていただきたいと思います。
〇大坊交通課長 何点がお尋ねがございました。
まず1点目、県といたしまして、このいわて銀河鉄道、どういう課題認識を持っているかというお尋ねかと思います。大きく二つの視点があろうかと思います。
まず、経営上の課題という視点があるかと思います。
経営上の課題といたしましては、沿線人口の減少あるいは少子高齢化を背景とした利用者の減少に向けてどう対応していくか、これが一つ。もう一つは、施設設備の老朽化への計画的な設備投資、これが挙げられるところだと考えております。
また、もう一つの視点は、並行在来線としての課題というのが挙げられると思います。
これもまた二つございまして、貨物線路使用料を将来にわたって確保していくというのが一つ。二つ目は、並行在来線運営会社、これは地方の三セクでございますので、国の財政支援制度などの拡充を求めていくという部分が課題に挙げられるかと思います。
これに対しまして、支援の方策というお話がございました。まず、経営上の課題、利用者減につきましては、沿線市町と連携いたしながら、いわて銀河鉄道利用促進協議会等を通じまして、着地型旅行商品の造成、青山駅南口開設に係るPR活動等の支援を行いまして、今後も利用促進に向けた取り組みを支援していくということと、あと、設備の老朽化につきましては、車両設備の老朽化に備えまして、車両更新に係る基金造成を行っております。
また、並行在来線としての課題に対しましては、並行在来線関係道県協議会というのを組織しておりまして、国に対して、並行在来線会社の安定的な維持存続に向けた財政支援制度の創設、拡充を求めております。
今後とも、関係道県と連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。
3点目は、平成27年度の経営の動向、決算見込みについてのお尋ねかと思います。
昨年の12月にIGRで取締役会が開催されております。IGRの平成27年度の決算見込みによりますと、営業収入は43億6、600万円、営業経費は42億7、200万円を見込んでおりまして、当期損益5、700万円の黒字の見込みでございます。
基金につきましてのお尋ねでございます。基金の残高につきましては、平成28年3月末、2億5、100万円余の残高を予定してございます。
最後に、平成28年度予算での支援、補助金等についてでございます。補助金につきましては、IGR線に災害が発生した場合における復旧経費の支援といたしまして、1、873万円余の予算を計上してございます。また、直接のことしの補助金ではございませんけれども、将来の車両更新に要する経費の支援といたしまして、県が6、250万円、沿線市町が3、750万円を拠出し合いまして、計1億円をいわて銀河鉄道経営安定化基金に積み立てる予定としてございます。
〇高橋孝眞委員 平成27年度は黒字見通しだということでいいことだと思いますが、第三セクターでありますけれども、IGRが万一の場合、不測の事態に陥って大幅な赤字となった場合は、負担はどうなるのでしょうか。
また、経営破綻の場合、岩手県に責任があると考えられるのでしょうか。IGRと岩手県の関係は、過去の答弁で、出資者としての立場であると回答されております。一般企業と同様との考えなら、出資の範囲、投資の範囲といいますか、これの範囲内で負担ということになると思いますけれども、この考え方でよろしいのでしょうか、お伺いします。
〇大坊交通課長 ただいまお尋ねのありました不測の事態の対応ということでございますが、IGRは、先ほど言ったように、将来的には沿線人口が減少するとか設備が老朽化するということで、非常に厳しい経営環境にはございます。こういったものに対しまして、県と沿線の市町が協力して支援体制を組んでいるということで、例えば経営が急速に悪化する、俗に言う倒産しそうだという事態を招かないように、今後とも十分に支援をしていきたいと思っております。
また、出資者としての立場、仮にそういう経営悪化の場合、どういう責任というようなお尋ねがございましたが、私ども取締役として経営に参画しているという部分もございますので、もし仮にそういうことになれば、それは経営の部分で我々の監督が及ばないところがあるのかもしれません。ただ、繰り返しになりますが、そのような事態にならないように、経営に県と市町で協力して当たっていきたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 私もそのとおり思います。いずれにしろ、岩手県が特にも筆頭株主でありますから、破綻しないようにするということが一番大事なんだろうと思います。
そういう思いで次の質問をしますけれども、岩手県から取締役がIGRに、岩手県の推薦ということなんだろうと思いますけれども出ております。部長が取締役になっているわけでありますけれども、筆頭株主として何を期待されて部長は取締役になられているのか。そして、社外取締役という立場なんでしょうか、社内というとおかしいのかもしれませんが、どういう立場で取締役に就任されているのか、部長からお聞きします。
〇大平政策地域部長 IGRの取締役の立場でございますが、政策地域部長としては、出資者の立場として会社の業務執行について把握する必要があると。あと、筆頭株主として、その適切な運営の確保を監督する必要があるという立場で参加しております。
社外かどうかというのは、会社法の定義がありますが、IGRでは社外取締役、社内取締役ということで選定しているわけではございません。ちょっと会社法の解釈については私も不明なところがございますので、条文を見ましても、県、公が入るということは余り想定していない文脈でもありますので、いずれ社外か社内かということにかかわらず、まずは取締役としての立場からすれば、経営方針、それについて正しいかどうか、あるいはそれが適切かどうかなどについて議決権の行使ができるということで意思決定に参画するということがございます。
あと、第三セクターであることを見据えますと、会社運営が一般の会社よりも、より厳しい執行が県民の目から求められますので、そういうことが適切に執行されるよう、社内のガバナンスとかコンプライアンス、法令遵守などからも、経営全般に目配りをしてまいるという立場でございます。
〇高橋孝眞委員 今、取締役の考え方について聞きましたけれども、不祥事等を起こさないように、それから会社運営等についてはきっちりと見ていくのだというお話でありましたけれども、今回、IGRの社長に対しましての投書といいますか、それらが話題になっておりますけれども、これにつきましては、部長はどういう対応をされたのかということをお聞きしたいと思います。
IGRの社長の交際費は歴代の4倍になっている、投書によっての話でありますけれども、特に大阪、東京、富山地方が多く、業務に関係のない社員と一緒での、業務と関係のない内容だと、こういううわさでありますが、本当に交際費は4倍になったのでしょうか。業務に関係のない出張だったのでしょうか、確認をしたのかどうかについてお伺いをしますし、取締役会としてどのような発言をされたのか。
取締役会でありますけれども、平成27年12月28日開催されております。当然、このときには、これら投書の関係についても知っておったと思いますので、発言を当然されたと思いますけれども、どのような発言をし、どういう回答だったんでしょうか、お願いをいたします。
〇大平政策地域部長 一般質問でも知事からお答えしてございます。昨年10月13日に届きました岩手県議会事務局内、岩手県知事という宛名で届いた書簡の内容については、差出人が不明である、あるいは送付された意図についても不明であるので、届いた書簡の内容については言及することは差し控えさせていただきますが、私がとった行動ということであれば、その10月に届いた後に、IGRに派遣している職員を通じてその内容について確認させました。
具体的な内容については差し控えますが、社内の手続あるいは監査の手続などから、問題があったとは承知してございません。
なお、12月の取締役会では、このことについてはどなたからも発言はございませんでした。
〇高橋孝眞委員 私が言っているのは、その中身について、部長として、取締役としてどう発言をし、自分自身でどう確認をしたかということなんです。
最終的に赤字になったときは岩手県からも支援しなければいけない、そういう意味合いであると、倒産させるわけにはいかないということでありますし、しっかりと監視をしなければいけない立場でありますので、そのことは一番部長に求められている話だと思うのです。そういう意味合いでは、どのようにして確認をしたか、それを内容的に我々に教えられないということであれば、今回予算計上していること自体がおかしいことになってしまうのではないかと私は思うのですけれども、疑問の持たれるような会社への予算計上というのはあり得ないんじゃないでしょうか。部長、どうでしょうか。
〇大平政策地域部長 一般論で申し上げると、投書が、会社の人から公益通報という形で行われたものであればそれなりの対応をいたしますが、先ほど申しましたように、差出人の意図が不明であるということからすれば、それを確認し、仮に知っていても、それをこの場で公表するということは差し控えさせていただくということで御理解いただきたいと思います。私が確認していないということではございません。
〇高橋孝眞委員 いずれ、確認をしたのであれば、内容がどうのこうのよりは、交際費は4倍になりましたということが正しいかどうかをここで公表したってよろしいんじゃないですか。誰がどうのこうの、投書の内容があるから、ないからということではないと思います。どなたであろうと、投書の内容が正しかったかどうかを私は聞いているだけですから、それを取締役会でどう話をして、どう回答を受けましたか、あなたは確認をしましたかということを言っているんです。お願いします。
〇大平政策地域部長 金額の多寡ということではなく、その使途が仮に前年度よりもふえていても、それが会社の経営方針なりに従って積極的な経営を行っているということであれば、それは金額が多いから不適切だということではございませんので、そういう意味から、社内の手続もきちんとしているし、監査も得ているということで、適切に運営されていると判断してございます。
〇高橋孝眞委員 いや、不適切な利用をしているとか、そういうことを言っているわけではないんです。適切に交際費を使用しましたねと、それはそれでいいですと言っているのです。4倍になっているのかどうかということを私は聞いているのです。それはどうなんですか。
〇宮野副部長兼地域振興室長 昨日、予算特別委員会総括質疑においても話題になりました投書、これが名誉毀損ということで、今、告訴されている事案だということもございまして、知事からも、これに関することについては言及いたしかねるという答弁がございましたので、私どもにおいても、これについて、それがそうであった、なかったといったようなことは、ちょっと申し上げにくいということがございます。
あと、交際費についての御質問でございましたけれども、2月1日に総務委員会がIGR本社のほうに出向きましてIGRに対する調査が行われました。そのときにIGRの社長から、交際費につきまして御説明がありましたので若干そこを御紹介しますが、交際費については、社長就任以来、地域との関係を重視するよう指示しており、沿線市町村等地域からの行事、会合等の御案内については極力手分けをして対応するよう、職員にも指示をしている。また、営業活動も積極的に行うよう指示しており、その結果、就任後の平成25年度の総額は前年度より多くなっている、そういう御説明があったということはお話をしておきます。
〇高橋孝眞委員 告訴しているかどうかというのはそちらの問題であって、県議会には関係ない話です。IGRの問題であります。それはそちらの問題であって、県議会としては全然関係ない話でありまして、我々はその部分、事実をどう確認しているかということを言っているわけであります。知事が答弁していることとはまた違う問題と思って─聞いたってどうしようもないでしょうから聞きませんけれども、そういう疑問のある会社であるということなのです。そこだけはまずはっきりしていることだと思います。
取締役会の復命書をいただきましたけれども、ほとんど黒塗りなわけであります。平成27年10月14日開催の取締役会に、取締役である部長は出席をしておりません。理由は何なんでしょうか。職員がオブザーバーとして出席をしておりますけれども、オブザーバー出席は県が要請したのでしょうか、それともIGRから要請があっての出席なのでしょうか。
〇大坊交通課長 ただいま取締役会への出席のお話がございました。当該取締役会におきましては、取締役である知事と私どもの部長は欠席しております。そのかわりに、当部副部長がオブザーバーという形で出席しておりますが、知事につきましては、和歌山国体の業務で出張ということで対応できなかったということでございます。部長につきましては他用務があり、業務の都合で出席できなかったと。
副部長につきましては、当方からぜひオブザーバーとして出席させてもらえないかという話をし、なおかつ、IGRからも出ていただきたいということで、議決権はないものの、同席したという状況になっております。
〇宮野副部長兼地域振興室長 やや補足をさせていただきますが、IGRの株主総会への出席ということについては、規定上、代理出席ができるということになっておりますので、これまでも、知事なりが出席ができない場合は代理という形で出席をしておりますが、取締役会については、規定上、代理という制度がございません。したがって、代理出席という形ではなくて一応オブザーバーという形で出席をして、その議事内容を確認したということでございます。
〇高橋孝眞委員 いずれ、取締役でない人間が取締役会に入る、オブザーバーだからどうのこうのという話は一切ないと思います。変な会社なんですけれども、それが一般企業と同等ですよと回答されると、何か変なことだと私は思います。
時間でしょうから、先ほどのように全然疑惑の解明が我々にはなされていません。我々というとおかしいので、私には説明がないのでありますけれども、いずれにしろ、そういう疑惑を持たれているような会社に、先ほども言いましたけれども、予算計上をするということについては私はおかしいと思いますし、そして、しっかりと監視をしていないのではないか、取締役としての責任を果たしていないのではないかと思うわけです。IGRの社長そのものが、投書に書かれているような資質に問題があるとすれば、私は筆頭株主であり、過半数以上の株主である岩手県としては社長解任をすることができるわけですから、そういう思いで私はIGRを見ていかないと大変なことになりますねということを言いたいわけです。この点について、部長はどのように考えますか。
〇大平政策地域部長 投書がどうこうということではなくて、それから判断するべきではないと思っておりますので、IGRの経営全般、あるいは先ほど申しましたような社内でのガバナンスとかコンプライアンス、そういうもので問題があるということであれば、当然社長の資質ということにもなろうかと思いますが、それは投書から判断するものではなくて、全体的なものを見て判断されるべきものが一般的だと思ってございます。現時点では、そのような問題があるとは思ってございません。
それで、こういうようなものが出てくることが会社にはいい影響がないので、投書の直後には、コンプライアンスの徹底、法令遵守については社長と直接お話いたしました。
また、昨日、一昨日も、議会でもこういう議論が出ているので、自分の身辺、コンプライアンスについては、一層注意してくださいということは直接申し上げました。
〇高橋孝眞委員 そういうふうに話をしているということであれば、これをしっかり監視をしていただきたいし、特にも取締役会に出ないということでなくて、オブザーバー出席─知事は当然出られないのはわかりますけれども、部長は当然取締役会に出て、こういう点について、あらゆる面できっちりと監視をしていただきたい。そうしなければ、私はこの基金造成をするということについては問題があるし、反対をしなければいけないのではないかと考えますので、よろしくお願いをして終わります。
〇柳村一委員 昨日の新聞報道で、岩手医科大学が矢巾町に移転する際のIGRの盛岡以南の延伸の話題が載っていましたけれども、経営の安定から考えると、今でも朝の通勤、通学時に何本か相互乗り入れしております。IGRを利用する側としても、JRを利用する側としても、盛岡で1回区切られているために、県北からの県南へのアクセス、県南からの県北へのアクセスというのが盛岡で1回とまってしまうということで、この新聞報道の件を含めて、相互で乗り入れることは、広域的な経済の発展にもすごくよくなるのではないかと思うのですが、この件に関して県の考え方と、IGRの経営について、取り組みが行われるのかどうかお伺いします。
〇大坊交通課長 先日の報道、記憶しているところでは、矢巾町議会のほうで町長が御発言になった件かと思います。
これにつきましては、矢巾に医大が移転するということで非常に大きな出来事がございます。当然そこに通院される利用者の方も多数いると思います。そういったものに対しまして、実はIGRは、自分の線路内では医療ラインという割引制度を持っておりまして、県北の二戸とかそういうところから盛岡の中央病院あるいは今の医大に通う方に対しまして、乗車運賃を割引するとともに、そこからタクシーで直接病院に行く分、これについても非常に低い額であっせんするという制度を持っています。多分、町長の御発言は、それをさらに南に延ばして、医大も移転するのであるから、医大にも医療ラインを引いてほしいという御発案だと思います。
利用者の利便性にとりましては非常に一考に価する話だと思いますので、これについてはIGRのほうには前向きに検討するようにというような話をしたいと思いますが、一方では、JR線に入っていくという部分で、JRの車両とのダイヤの調整とか、あるいはJR路線に入ると、IGRが線路使用料みたいなものを払わなければならない部分が出てきますので、後段お話のありました経営の観点から、実は乗り入れるとIGRが赤字になるという可能性もありますので、そこは実際どのようなシミュレーションになるのかを慎重に見ながら、なおかつ、利用者の利便性を第一に検討してまいりたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 簡単なことです。いろいろ議論があったのですけれども、この投書がどうこうというよりも、ただ単に、これが事実なのかという部分を聞いている。さっきの4倍、5倍。交際費とか何とかが4倍とか、そうだったのかと聞いているだけの話です。
それで、私が確認したいのは、県が出資しているという言い方していますね。その場合の県という位置づけはどう捉えればいいのですか。我々県民が出資しているということですか。議会はどうかかわっているのですか。どういう捉え方をすればいいのか、その辺ちょっとお聞かせ願いたい。
〇大坊交通課長 IGRへの出資の件でございますけれども、県が出資しているというのは、県という法人格を持つ団体が出資しているという部分が一つございます。そういう外形的なお話はさることながら、委員お尋ねの趣旨は県民鉄道であると、その出資金についても、県民のお金で出資されているという部分では、まさにそのとおりだと私どもも認識しております。
〇嵯峨壱朗委員 何で聞いているかというと、我々議員は県民ですか。出資しているということについては、議員はどういうかかわりになるのですか。その辺もお聞かせ願いたい。なぜかというと、皆さん方の姿勢を見ていると、出資がどういう意味合いなのかよく理解できなくなる。
例えば、調査の段階で資料提供してもらいたいといった場合でも、法人の何とかにかかわるからできないとか。我々はどういう立場なのか、かかわりなのかということをこの際はっきりとお聞かせ願いたい。IGRだけじゃないのかもしれないけれども。県が出資しているという、その県というのは何なんですかということ。
〇大坊交通課長 繰り返しになりますけれども、県というのは二つありまして、一つはIGR、当該会社に出資している法人格を持つ団体という立場がありますし、県民鉄道ということで、その出資金というのは県民のお金を使っているわけですから、そういう認識があるということが一つございます。
あと、議会とのかかわりのお話がございましたが、当然、出資する際にはそれを予算立ていたしまして、議会の議決を得ておりますので、そういったような部分でのかかわりはあろうかと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 大坊交通課長の答弁だと、私が確認したいことがよくわからない。つまり、我々も県民の代表として出ているわけですし、そして、こういう情報を知りたいといった場合、しかも54.何%の出資をしているということは、県民の鉄道という捉え方でいいわけでしょう、今の説明でいうと。そうであれば、県民の1人として、そういうことを知りたいといった場合に答えられないということは、県民の鉄道じゃないから答えられないのだと理解します、私は。
〇宮野副部長兼地域振興室長 県議会の皆様におきましては言わずもがなでございますけれども、県民を代表して県の各種議案等の審査を的確に行って、言ってみれば、県民の幸福を実現するということだろうと思います。
そういう中で、今お尋ねがあった件でございますけれども、したがって、議案審査等のために資する資料を提供するということは基本的な原則だと考えております。その資料の提供等につきましては、いわゆる県の情報公開条例、この考え方に基づいて提供するということでございますので、その中にはいわゆる条例で言うところの非開示情報といいますか、そういったものに該当するものがあればお出しをできない場合も出てくると、そういう考え方でございます。
〇嵯峨壱朗委員 ということは、このIGRにかかわったさまざまな情報を求めているわけですが、それは決算情報も含めて今言った条例に該当すると。前にも聞いた記憶があるけれども、該当するという判断ですね、県とすれば。
〇宮野副部長兼地域振興室長 IGRにおきましては、地方自治法あるいは県の情報公開条例に基づきまして、さまざま経営状況説明書であったり、あるいは出資法人運営評価レポートであったり、それから情報公開条例に基づく要綱に基づいて県の行政情報センターあるいはIGR、会社ですね、そういったところで各種事業報告あるいは財務諸表の公開等もしております。したがって、法令に定められた通常の情報提供というものはいたしていると考えております。その上で、そこに出ていない情報の提供ということになりますと、個別に判断をしていくということになるわけでありまして、求められたような情報につきましては、結果として、非開示情報に該当すると考えております。
〇伊藤勢至委員 今の件について仄聞しますに、IGRの社長は名誉毀損で提訴して、警察はこれを受理したということでありますので、今やこれは民事訴訟(後刻「刑事訴訟」と訂正)に入っていくのではないか。したがいまして、当局がそれ以上持っているあるいは持っていないにせよ、情報公開をすることは捜査の妨げになる、したがって、言えない、こういうことになれば、我々が議会議員であっても、我々が調査、監督する権限を超えてしまっているのではないか。これは民訴(後刻「刑訴」と訂正)に預けるしかないのではないかと私は思っております。
自分自身も民事訴訟法(後刻「刑事訴訟法」と訂正)の経験がありまして、弁護士同士でやりとりをしてもらうしかないと。私は勝訴した経験がありますけれども、私のときも名誉毀損でありましたが、そうなってしまった以上、これは民訴(後刻「刑訴」と訂正)に預けるしかないと、私はこのように思うので、我々は離れた立場で様子を見ているしかないのではないかと思います。委員長、いかがでしょうか。─聞き方が悪い。この議論にはエンドがなくて、やること自体がここの場では無意味だと私は思うので、私の意見を言わせてもらいましたということでございます。
〇高橋但馬委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時10分 休 憩
午後1時2分 再開
〇佐々木努副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ10人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
質疑を続行いたします。
〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇伊藤勢至委員 私の午前中最後の発言で、民事訴訟法、民訴ということを申し上げましたが、これは刑事訴訟法、刑訴の間違いでありましたので、発言を訂正いたしたいと思います。議事録につきましてもよろしくお願いいたします。
〇佐々木努副委員長 了承いたしました。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、ILCのプロジェクト研究調査事業についてお伺いしたいと思います。
ILCの実現は、経済的な効果のみならず教育水準とか文化水準、県のそういった水準の向上に寄与するすばらしい事業だと思っております。子供たちの将来にとっても本当に重要な位置づけのある事業であると考えておりますが、これまで2年間、ワーキンググループをつくっていろいろ検討したり、調査したり、研究したりしていらっしゃいました。3年目の平成28年度、この2年間の取り組みを踏まえて、どのような形でILCの実現に向かってやっていきたいというお考えなのか、その辺についてお伺いいたします。
〇宮ILC推進課長 ただいま、平成28年度におけるILC関係の活動のお尋ねでございました。
一つは、やはり国内外へその意義を発信していく情報発信ということが重要でございますので、県内あるいは県外、海外におきましても情報発信をしっかり進めていくということがございます。
さらに、県内の外国人の受け入れ環境の整備が重要でございますので、これまでワーキンググループを通じて検討を続けてまいりました。ワーキンググループの成果といたしましては、例えば産業振興につきましては、加速器関連産業の研究会を立ち上げるなどの取り組みをしてございます。
また、受け入れにつきましても、医療、子弟の教育、まちづくり、インフラということでワーキングの取り組みを進めてまいりました。
具体的には、まちづくりにつきましては、今年度から2県3市によりますまちづくり検討会で、さらに広域的な視点を持って検討を進めているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 国内外の情報発信という点で、私はちょっと気にしているというか、気になる部分がありまして再度質問したいと思います。
実は、子供たちに向けてというような情報発信も漫画をつくってやっていらっしゃるのは私も存じております。私の息子も科学好きなもので、子ども科学館からその冊子を持って帰ってまいりました。そして、息子が私にその漫画本を読んでほしいと言うわけです。私の息子は小学校3年生ですから、ある程度の漢字も読めまして、漫画をなぜ私に読んでほしいと言うのかなとけげんに思いまして、その冊子を開いたら、衝突型加速器とか、結構難しい漢字があるのだけれども、振り仮名が振られていなかったんです。小学生に向けてのそういう漫画であれば、小学生の目線に立って、この漢字が読めるのかどうかというものをきちんと検討して情報発信をしないと、出して満足するということで終わってしまうのでないかと私は感じております。
それも踏まえまして、科学技術普及啓発推進事業のほうでサイエンスシンポジウムをやられるということも載っていますけれども、国外に対しては、研究者の方がこの岩手に来てもらうというような目的を持って情報発信をする。県内の方々には、ILCという事業の目的というか、県内に来ることによってどういうような波及効果があって、子供たちにとってもこんなに夢のある事業なんだということをしっかり発信していかないと、受け入れる側の理解も得られないということになると思います。2年間いろいろ検討してこられたので、平成28年度についてはしっかりと受け手目線の情報発信に努めていただきたいと思っておりますが、お考えをお伺いいたします。
〇宮ILC推進課長 御指摘いただきましたコミックにつきましてですけれども、これは小学校の高学年から中学生を対象にしてございましたが、やはり難しい漢字があって、用語解説のところではルビなども振っておりましたが、中にはそういうところがございまして、御迷惑をおかけしているところがあろうかと思います。
なお、御指摘いただきましたとおり、県内におきましての普及啓発をしっかりやっていく必要がございます。小学生につきましては、先ほどお話がありました科学シンポジウムのイベントを通じて、あるいは中学生に向けては出前授業などを通じて、高校生、大学生に向けては平成基礎科学財団の講演会を開催する、あるいは各地域におきましては、チームを編成してILCキャラバンを実施する。これは公民館単位とか、小さな単位のところでの普及啓発を続けていきたいと考えております。このように各層に対しまして具体的に働きかけを進めてまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 いろいろなアプローチの仕方があると思います。小学生だったら、素粒子物理学という観点ではなくて、宇宙が好きな子だとILCに興味を持ったりしますので、そこの兼ね合いとか、その年その年、親御さんも引き連れていろいろなイベントに行けるような取り組みにぜひつなげていっていただきたいと思います。
ILCに関してもう一つ、受け入れの状況として、インターナショナルスクールの検討の状況というのは、今後どういう形でやるのかについてお伺いしたいと思います。
〇宮ILC推進課長 インターナショナルスクール、子弟の教育につきましては、現在、県庁内でワーキンググループをつくりまして、教育委員会の関係者等と一緒に検討を進めているところでございます。その中で、公立学校への国際学級等をつくって受け入れをするだけでなくて、インターナショナルスクールも検討していくことが必要だということになってございます。
現在、その内容につきまして取りまとめも進めているところでございまして、今年度中には一定の取りまとめをお示しできることになってございます。
〇ハクセル美穂子委員 私は、夫が外国人だという点もあって、インターナショナルスクールをどこにもっていくかということによって、研究者の皆さんの御家族がどこに住むかというのが決まってしまうのでないかと思っております。
仙台には、今、インターナショナルスクールがありまして、ILCでいらっしゃる研究者の御家族、御子弟の方々も入れられるようなキャパシティーがあるという話もありますけれども、そうすると、御家族の方がみんな仙台近郊に住まわれて、研究施設だけが岩手県にあるというような状況になりかねないとちょっと危惧している部分があります。そして、世界的な研究者の皆さんですから、子弟の教育という部分についてはかなり思いがある方がいらっしゃると。そうすると、その期間だけ、3年間、日本語教育にしますかといっても、そうはいかないという思いがあると思いますので、世界的なレベルでしっかりとした英語教育というか、インターナショナルスクールで勉強できるような環境を岩手県内につくり、研究者の皆さんを岩手県内に在住させて、そして研究に打ち込めるというような環境をつくってあげることが本当に重要なのではないかと考えております。
岩手県の里山文化を生かした、日本ならではの研究都市というか研究施設になるのではないかと思っておりますので、その点についても、今後、ぜひ留意して取り組んでいただきたいと思います。
では、意気込みをお聞せ願います。
〇佐々木科学ILC推進室長 委員御指摘の点は非常に大事な部分だと我々も思っております。宮城県、東北との連携も大事であります。そういったことも踏まえながら、岩手県で研究者あるいは家族の方が安心して生活し、また研究ができる、そういう環境整備が極めて重要だと認識しております。
ただいま、子供の学校の環境についていろいろな議論がありますが、いろいろな選択肢もあります。いろいろな関係者もあります。皆さんと知恵を出して、岩手らしい、子供たちを受け入れられるような環境をつくっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 2点目で、事務事業評価に関することで御質問したいと思います。
平成27年度の政策評価結果等の政策等への反映状況報告書というものが予算書と一緒に渡されまして、平成28年度の予算にもこういった事務事業評価が反映されて予算を組み立てられたのではないかと思っております。
その事務事業評価の中で、活動指標がaで、成果指標もaで、そして継続というような─解説を見ますと、aということは100%達成しているということでありまして、指標を100%達成して、成果も100%達成して、なぜ継続する必要があるのだろうかと私は純粋に感じた部分があります。その点について、まず見解をお聞かせください。
〇小野評価課長 事務事業評価と反映状況の考え方でございます。
今、委員のほうからお話がございました事務事業評価について、それぞれ反映状況報告書の中にございますように、評価結果について、活動指標、成果指標のどちらもaになっているではないか、なのに、どうして引き続き継続なのかということでございますけれども、実は、今回、評価を行いましたものにつきましては、第2期アクションプランの最終年度に係る構成事業についての評価となっております。
それらについて、引き続き、平成27年度からは4年間の第3期アクションプランの期間に入ります。どういうふうに引き継いでいくかといったことでございますけれども、それぞれ第3期アクションプランについて新たな指標が設定されまして、それを実施するために、次のレベルとしての事務事業がくっついていくということになりますので、今回、第2期の最終年度として、それぞれ活動指標についてはaとなっている。この事務事業につきましては単年度の目標になってございますので、それらについて、まず1年で達成いたしました、では次の段階をどうするかというのは、一つには4年間のアクションプラン、その下に構成事業として張りついてまいりますそれぞれの事業について、また新たな1年間の事業の目標を立てて事業を進めていくということがございますので、a、aとなっていても、継続といったものもあるかと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 その部分については、説明のとおりそうなんだなと思うんですが、この事務事業評価というものには、もしかして考え方が二つあって、私は、おっしゃった考え方とはちょっと違う考え方なのかと。
一つは、おっしゃるとおり、事業一つ一つをまず単体で捉えて、事業の指標がこれで、それの達成について評価するというやり方。もう一つは、政策目標を達成するということに主眼を置いて、その主眼とした目標を達成するためのアプローチとしての位置づけを事業に持っていく、そして評価するパターンで、実際に政策目標がa、aの達成状況だと、どこまで達成されているのかというのがちょっと見えないのではないかという点がありまして、こういう御質問をしているのですが、私としては、政策目標を達成するために事業があるのであれば、達成した事業というのは、継続しないで次のステップの新しい事業に変えるようにして、大きな政策目標を達成するために進んでいくというやり方でないと、一体どれがどれだけ進んでいるのかという点が見えないのではないかと思っているのですが、今後、そういったポイントを踏まえて事務事業評価を行っていくというお考えがあるかどうか、お伺いしたいと思います。
〇小野評価課長 ただいま、個別の事務事業評価というものは一つあるとして、それに加えて政策体系の全体の中で評価すべきというお話でございます。
私どものほうで政策評価レポートを毎年度取りまとめて議会にも御報告しておりますけれども、政策評価レポートの中では、県民計画のアクションプランの42の政策項目に基づきまして、その下にそれぞれ具体的な推進方策目標、さらにそれを構成する事業について、42の政策項目ごとに、政策体系、パッケージの中で評価を行っているものでございます。
そういうことでございますので、今、まさに委員がお話しになられました政策体系全体の中での評価につきましては、レポートの中で、個別の事業ではなくて、それぞれの事業が何のために、一つ上のランクでそれらのそれぞれの事業を達成することによって、その一つ上の目標が達成できる、そういったロジックをきちっと組み上げた中で評価するように心がけております。
一方で、今回、2月に御報告いたしました事務事業評価の反映状況につきましては、それぞれの個別の事務事業が、個々の選択と集中といった観点もあると思いますので、そういった観点からどのように評価されて、それが翌年度の予算等にどういうふうに反映されているかという観点から取りまとめて御報告するものでございます。
〇ハクセル美穂子委員 実は、この反映状況の報告書の中には、私が言ったようなパターンでやられている事業もあるわけです。a、aで終了、そして次の事業に行きますというものもある。そうではないものもある。なので、指標をつくる段階で、統一的な考え方というものをもうちょっと吟味して、各部ごとの考え方で、ここはa、aでも継続、ここはa、aで終了して次の事業になるというようなものではなくて、その辺のところをもうちょっと力を入れていっていただきたいというか、指標自体も、これを開催しました、4回やりましたから100%というようなものも確かに過去にあったなというものがあって、そういうものではなくて、成果目標というか、成果の指標をしっかりと把握してやっていただきたいと思いますので、最後にもう一回お願いします。
〇小野評価課長 事務事業につきましては、それぞれ継続することによってそこから効果が得られるもの、あるいはある一定期間の中でプロジェクト型の事業を行い成果を得るものといったさまざまな事業があるかと思いますので、それぞれの各年度ごとの目標値についてa、a、あるいはそうでなかったから終わり、あるいは継続というのは、なかなか一概に申し上げることができないといったこともございます。
一方で、委員がお話しのように、そもそも目標値の設定の仕方、アウトプットではなくてアウトカムという形で設定することによって、そこはある程度クリアできることもあると思います。
議会の中でも、目標、指標の設定につきましてはさまざま御意見等をいただいているところでございますので、私どもといたしましても、適切な指標、その目標水準の設定が図られていくように引き続き努力してまいりたいと考えます。
〇中平均委員 私からは2点お伺いします。
最初に、県民協働型評価推進事業についてお伺いいたします。たしか、アクションプランでしたか、前段のほうに、この事業を活用してさらに県民の声を受け入れていきながら、アクションプランをより充実させていくのだという記載もございました。
そこで、事業の内容といいますか、私もある程度調べさせてはいただいたんですけれども、改めて、この応募資格の評価を─応募するのはNPO等の法人、その他団体、法人格を含まない、法人格がなくてもいいということです。そして、年間3件程度で、ことしは、いわて県民計画または東日本大震災津波の復興計画に位置づけられている事業に関しての評価を委託したいということで、募集期限がきょうまでという事業でございますけれども、この点につきまして、より具体的な内容と、きょうが期限ですが、きょうまでの間にどれぐらい応募が来ているものかという点をまずお伺いします。
〇小野評価課長 県民協働型評価推進事業についてでございますが、NPO等との協働による政策形成の実現、県の政策評価の客観性、施策や事務事業の質の向上などを目的といたしまして、NPO、大学等の民間の方々に、県が行う内部評価とは異なる視点あるいは仕組みで、アクションプランの具体的推進方策、復興計画の取り組み項目に関する評価、提言を行っていただこうとするものでございます。
成果につきましてですけれども、平成17年度以降、震災の年を除きまして、産業振興施策でありますとか若者支援策などにつきまして、37のテーマを対象に評価、提言をいただいております。それを踏まえまして施策や事務事業の立案、改善につなげているところでございます。
例えば今年度でございますけれども、農林水産業におけるさらなる6次産業化等の取り組みをテーマに、地域ぐるみの取り組みの重要性について提言がございましたことから、提言の中身を踏まえまして既存事業を見直し、さらに、新たにいわて地域ぐるみ6次産業化支援事業において、生産者、商工業者等が連携して行う特産品開発等の取り組みを支援することとしたといった例もございます。
今後とも、本事業を活用いたしまして、引き続き、県民の皆様の視点を通じて事務事業の質の向上を進めてまいりたいと思っております。
なお、今年度は本日午後5時が締め切りでございまして、まだ少々お時間がありますけれども、今のところ、4件の応募があったところでございます。
〇中平均委員 了解しました。
これまでの評価テーマを、今、私も聞こうかと思っていたのですけれども、産業、雇用、農林水産、医療、子育て、各分野において毎年度テーマを設定してやってきていると。実績として、今回の予算にかかっている6次産業化の関係でもそういうふうに反映しているということでございます。
そこで、今回、4件の募集が来ているということですけれども、平成17年度からやって、やはり県内の団体が多いとは思うのですけれども、そこの状況と、あと、とった団体の固有名詞とかは別に要りませんので、例えばずっと同じ団体だけがとっているとか、そういうことではなくて、大学だったら各大学がある程度循環しているものなのかという点をお聞きしたいということと、年間3件程度で、予算が1件当たり75万円が上限ということですけれども、その際の審査基準といいますか、どういうところをもって、この団体にこのテーマでお願いしようとしているのか。今回の評価対象のテーマも県民計画というばふっとした中で、各団体によって、ここをこうというものがあると思うんです。そこをどういう基準でもって選んでいるのかという点をお聞かせください。
〇小野評価課長 私どもは、委託事業としてNPOあるいは大学等のグループに対して出しておりますけれども、これまで、平成17年度以降受託いただきました団体、グループを見ますと、政策評価といったテーマでございますので、団体は若干限られている傾向にございます。
ただ、この事業は、実は県民の視点から評価をしていただくための裾野を広げていきたいといったような思いも込めた事業でございまして、2月には、今年度お願いしました3件の報告につきまして公開の形で報告会を行ったところでございます。そういったところにさまざまな団体等も参加いただきまして、今回も新たな団体から応募いただいているといった状況もございますので、引き続き、裾野を広げながら、この取り組みを進めてまいりたいと考えております。
審査の基準につきましては、実は県民協働型を標榜しているといったこともございますので、例えばアンケート、ワークショップ、先進地域の視察等により、できるだけ県民の皆様を巻き込んだり、新たな事例を把握しながら、外部の立場から評価、提言を行っていただこうという事業でございまして、そういった内容をできるだけきちっと盛り込んでいただいているところに対してお願いしたいと考えているところでございます。
〇中平均委員 せっかく平成17年度からやられて、もう11年目と。震災の年はやっていないので10年ということですけれども、さまざまな提言等があるかと思うんです。その中できちんと形に反映できるものがあれば、やはりそうでないものもあるかと思うんですが、そこをちゃんと受けて、どう返していって、その上でこれからどうしていくんだという、言わずもがなのことではありますけれども、そこをさらに徹底していただきたいという点、あとは、県内、県民の皆さんに広くということでございますし、そういった中において、例えば各施策の中で、議会等の質疑等も聞いていて、県庁の皆さんも、県の中で、ここが得意な面といえばあれですけれども、施策的にやっていて若干弱いという面等、いろいろやっていく中でも出てくると思うんです。可能であれば、そういった点をテーマ等に挙げていきながら、その上で施策をより充実させていくといった方向もまた必要なのかと思っております。
あとは、県民ということで、県内の団体ということですけれども、3件が3件全部と言わず、予算が75万円掛ける3の予算規模しかとっていないということではあると思うんですが、例えば1件別枠で、もっと別の、岩手県ではない地域のそういう評価等があっても、またこれはいいのではないかと思って、今後の検討に上げてもらえればと思っております。
そういった点について、きょうが締め切りで、これから審査ということだと思いますので、せっかく県民協働型、しかもアクションプランの前段でこれをきっちり活用していくんだと言っていることでありますので、今後のことをきちんとやっていっていただきたいということを申し上げさせていただきます。
もう一点、携帯電話の関係についてお伺いします。
きのうの総務部の審査でも触れたんですけれども、今回、エリア整備事業費ということで出ております。今、岩手県の中で携帯電話の不感地域のエリア数はどれぐらいあると認識しているのでしょうか。また、今回の予算措置は、市町村のかさ上げ補助になるのですか、それでどれぐらい解消していくことになっているのか、その点を最初にお伺いします。
〇古舘情報政策課総括課長 現在の不感地域のエリア数でございますが、平成27年3月末現在でございますが、市町村から要望がありまして、不感地域となっている地域が95地域ございます。平成28年度の予算では、このうち遠野市の2地域が解消される見込みとなっております。
〇中平均委員 これは毎年度予算化されて、少しずつではあるが着々と進んでいるということでございますが、今の整備の感じでいくと、多い年、少ない年もあると思うんですが、大体どれぐらいかかって岩手県内は不感地域はなくなると見越しているのでしょうか。
〇古舘情報政策課総括課長 この事業の実施に当たりして、事前に通信事業者の同意が必要とされております。ここ数年では2カ所から4カ所程度を、通信事業者から同意を得て事業を実施している状況でございます。
通信事業者の立場もございますので、なかなか予測が難しい状況でございまして、何年までに解消できるかというのは、ちょっと御答弁は難しいかと考えております。
〇中平均委員 各通信事業者の意向だということでございますけれども、どうなんでしょうか、県として、各通信事業者のほうに、岩手県の不感地域の広いところを何とかしていかなければならないと。例えば国道沿いでも入らないところもたくさんあるわけです。そういった点の解消を図っていくことが、通信の利便性もそうですけれども、防災の観点からも、これからの県の観光等のさまざまな観点からも必要だということで、そういう依頼なり要請なりというのはどんな形でやっているのでしょうか。
〇古舘情報政策課総括課長 現在、市町村から平成29年度に向けました要望箇所というものを調査させていただいております。3月末までにその要望の状況を取りまとめまして、それにさらに地域の人口とか光ファイバーの整備状況等の資料をまとめまして、4月に入りましたならば、仙台にあります通信事業者の設備部門を訪問させていただきまして、そこで、こういう地域で整備をしてほしいということを通信事業者にお伝えして、整備の検討を要請するという形で進めさせていただいているものでございます。
〇中平均委員 それはそうなんだと思うんですけれども、震災以降、各社のほうでいろいろ整備をしていただいているということもあるのですが、県でもう少し積極的に言ってもいいのではないかと。というのは、通信事業者と話をしていると聞くわけです、やっぱり岩手県はおとなしいよねと。ほかの県だと、もっと何とかここをやってくれとか、行政だけではなくて住民からも、何でここが入らないんだということで直接来て、会社として、ではやらなければならないというほうに行くんだけれども、やはり岩手県はそういうところが少し少ないですよという話は受けたりするんです。そういった面を含めて取りまとめて、国の予算をつけて、その予算で市町村が事業主体となってやっていくということでありまして、それで進めていくというのはそのとおりですし、きのうも言いましたけれども、私どもの会派の発議案でも、それをもっと充実することと出していますけれども、それはそれでやっていただいて、そのほかにもいろいろな機会を見つけて、知事のトップセールスとまでは言いませんけれども、仙台もそうですし、東京に行かれる機会もあるということだと思いますので、そういった点でのより積極的なやり方をしていかなければならないのではないかと今思うのですが、その点についてお伺いして、質問を終わります。
〇古舘情報政策課総括課長 これまでも市町村の方と一緒に仙台を訪問したり、そこで、住民の方々の御意見としてこういうものがあるということを御理解いただくように努力したりしておりまして、今後も、市町村と協力しながら、通信事業者に建設の必要性を訴えかけていって、この事業につなげていきたいと思います。
〇軽石義則委員 それでは、大きく1点、情報システム管理について質問させていただきます。
先ごろ、2015年の日本を標的にしたサイバー攻撃が545億件で、2014年の256億6、000万件からはほぼ倍の状況であると報道されておりますが、セキュリティー対策は非常に大事な時期で、既にやっておられると思いますけれども、岩手県におけるそれら攻撃などを含めての現状をどのように把握されているのかお聞きいたします。
〇古舘情報政策課総括課長 県の情報資産を守るために、県では、まず外部からの攻撃を遮断するための仕組みをつくっているというのが現状でございます。ハードだけではなかなか守り切れない部分もございますので、職員が守るべきルールといたしまして、岩手県情報セキュリティポリシーというものをつくりまして、それを職員に浸透させまして、情報セキュリティーの重要性というものの共通認識を持てるように徹底を図っているところでございます。
〇軽石義則委員 取り組みについてはわかりましたけれども、やはり実態を正確に把握した上で、後の対策というものが生きてくると思います。そういう意味で、国の機関であります情報通信研究機構が、先ほど言ったサイバー攻撃の状況などを調査し、報告しているわけでありますけれども、それら研究機関との連携といいますか、そういう情報の収集などについてはやられているのでしょうか。
〇古舘情報政策課総括課長 国からのさまざまな情報の提供を受けたり、地方公共団体間におきましても不審なメール等の情報交換をさせていただいておりまして、県、団体等について、今、こういう攻撃メールが送られてきているという状況については情報交換させていただいているところでございます。
〇軽石義則委員 しっかりとさらに連携を深めていただいて、まさに正確な情報収集をすることが大事だと思います。
発信元などを見ますと、コンピューターに加えインターネットに接続される防犯カメラなども最近はふえてきている。いわゆるインターネットに接続される電子回路を備えているものはウイルスに感染され、それが乗っ取られますと、それが踏み台になってさらに攻撃を広げるということも報道されているようでありますし、これが医療機器などにも広がっていけば、生命の危機にも通じてくることになるのではないかという想定もされるわけであります。
これらの対策については特効薬もないということも一説あるわけですけれども、しかし、最悪の事態に備えておくことによって、ある程度その攻撃を防御できるという説もあります。今後、どのような最悪の事態を想定しての備えなどを進めているのかお尋ねいたします。
〇古舘情報政策課総括課長 情報セキュリティー対策を進めるに当たっては、何の情報が守るべき情報なのかということを明らかにすることが必要だと考えておりまして、その情報をしっかり守る仕組みをつくることが大切だと思っております。
県といたしましては、平成28年度の事業で、例えば今はマイナンバーが非常に重要な状況になっておりますので、県の事務の中でも守るべき情報についてはしっかり守れるような形で情報セキュリティー対策の強化を図っていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 今、マイナンバーのお話もいただきましたけれども、マイナンバー制度導入に当たって、今まで具体的にどのような取り組みをしてきているのかお示し願いたいと思います。
〇古舘情報政策課総括課長 マイナンバー制度の取り組みでございますが、マイナンバー制度につきましては、今年度、個別業務システムの対応と、平成29年7月からですが、団体内統合宛名システムと言われます、全国の市町村と情報連携するためのシステムを構築いたしております。あとは、そのシステムと団体内のシステム間の情報連携テストを実施しているところでございます。
〇軽石義則委員 システムそのものの防御のための対策というものなども必要だと思いますし、わかる人だけがわかっていて、わからない人はそれすらできないとなれば、防御なりの方法が甘くなってくるのではないかと思いますけれども、そういうことをしっかり全体に周知するような対応というのはされているのでしょうか。
〇古舘情報政策課総括課長 職員が守るべきルールに関しましては、岩手県情報セキュリティポリシーを定めて職員に徹底を図っておりますほかに、マイナンバーに関しましては、それぞれの取り扱いについて手順を決めておりまして、その手順を各担当者が守るという形で進めていくことにしております。
〇軽石義則委員 マイナンバーについては、そのような対応だということであります。県には、それぞれ担当する部署もあると思いますが、多くのシステムが導入され、それぞれいろいろな各部局単位なりで対応していることもあると思います。そういう横の連携といいますか、情報の共有化は図られているのでしょうか。
〇古舘情報政策課総括課長 それぞれのシステムの例えば脆弱性についての情報などは私どものところに集まりやすい状況にございますので、そういう情報を入手した際には、それぞれのシステムを管理している部局に対して情報提供して対応するように依頼しているものでございます。
〇軽石義則委員 さらに、そのことについては、先ほども話をしましたけれども、最悪の事態に備えておくことが防御することにもなっていますので、いろいろな事例があると思います。これからは予測以上のこともあるかもしれませんけれども、それにしっかりと対応するための体制の強化もしておくべきだと思うんです。専門的な知識がなければ対応できないこともありますし、関係する専門的な機関との連携を図るためには、ある程度そこに専門家を設けておかなければならないと思いますが、そのことについてどのようにお考えでしょうか。
〇古舘情報政策課総括課長 来年度整備する予定にしております、インターネットを市町村と一本化する情報セキュリティクラウドという仕組みをつくろうと思っておりますけれども、その中では、セキュリティーの専門家に24時間監視を依頼しまして、万が一事故があった場合については、私どものほう、または市町村にすぐ連絡が来て、その一時的な対処についても指導していただけるような体制をつくっていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひ、そういう専門的な部分も活用した上で、さらにサイバー攻撃からしっかりとシステムを守り、ひいては県民サービスの向上にもつながっていくものと思いますし、安全・安心ということもあると思います。
加えて、県民の皆さんにも、そういうことがあった際には、相談する窓口を行政のほうでも示しておくことも一つ大事だと思いますし、企業はさらに進んだ対応をしているところもあると思いますので、それら各企業との情報交換などの場もしっかりとつくっていくことが大事だと思います。それらの部分について、具体的に人をつけたり、対策費用をとったりということも今後はやらなければならないと思いますが、部長に、最後にそのことについての意気込みを聞いて、終わります。
〇大平政策地域部長 情報セキュリティーに関しましては、昨今の事案を見ますと、非常に重要になってきます。総括課長のほうからもお話し申し上げましたが、基本的な考え方とすれば、インターネットと基幹システムを遮断する、別なものにするというのがまず基本であります。メールサーバーなどはクラウド関係で専門家がシステムで監視することとしております。
それに伴いまして業務量もふえているということもありますので、情報システムに関しては、来年度も人員を増員することとしております。
2月補正予算でも、国の予算もいただきましてセキュリティー関係の強化もすることとしておりますし、来年度も所要の額を積み増ししてございます。これは、県だけではなくて市町村も一体的にやらなければいけない問題でありますので、クラウド関係は県がシステムをつくって、運用は市町村と一緒に行うこととしてございます。
一旦出てしまうと、問題が非常に大きくなるということが、昨今の年金機構あるいは松本市の事案などからもうかがえますので、それについては万全を期してまいりたいと思います。
〇福井せいじ委員 まず、ふるさと振興総合戦略についてお伺いします。
県では、岩手で働く、岩手で育てる、岩手で暮らすという三つの施策推進目標を掲げて、その中で、社会減ゼロ、出生率向上の目標を設定しておりまして、何とか人口減少に立ち向かうとされております。県全体の社会減ゼロ、出生率向上の目標達成は、県内市町村の取り組みの積み上げの結果となるのではないかと私は考えております。
そこでお伺いいたしますが、この目標設定に当たり、県内市町村といかなる協議の上でこの数字を設定したのか、その根拠などについてお聞かせいただきたいと思います。また、目標達成に関しどのような連携を図り、取り組んでいくのかもあわせてお聞かせください。
〇高橋政策監 ふるさと振興総合戦略に係る市町村との連携状況について、まず、目標設定に関する協議状況でございますが、県では、国の総合戦略に掲げられました東京圏の人口の転入超過10万人の解消や、若い世代の結婚、出産、子育ての希望の実現などの基本目標に呼応しまして、まず、委員御案内のとおり、社会減ゼロ、出生率の向上の達成を目指す県人口ビジョンの案を昨年6月に作成いたしました。
このビジョンの考え方を踏まえました総合戦略の策定に当たっては、県・市町村人口問題連絡会議を初め広域振興圏ごとに説明会の場を設けまして、市町村と共通認識を図るとともに意見交換を行いまして、いただいた意見を十分に反映しながら、昨年10月に向けて成案化を進めてまいりました。
次に、市町村との連携についてになりますが、総合戦略の目標達成に向けましては、地域づくりを主体的に担う市町村との連携が非常に重要なことですから、引き続き、先ほど申し上げました県・市町村人口問題連絡会議などの場を活用した意見交換等を幅広く行っていきますとともに、広域振興局に配置しております、市町村の窓口になりますふるさと振興監を中心に、個別の相談対応等を図っていきたいと考えております。
さらに、首都圏における全県的な移住情報の発信を初めとしました移住、定住の促進ですとか、結婚を望む方々のマッチング支援を初めとした出会い、結婚支援など、県、市町村の総合戦略に掲げる取り組みの効果が相乗的に発揮されていくことが大変重要かと考えております。
本年度中に総合戦略が出そろいまして、実質、来年度が初年度となるところです。事業実施に当たりましては、さらに十分に連携を図りながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 ことしの10月に各市町村の計画が出そろうということでありますが、この計画が出そろった時点で、こういった目標を実現するためにはいろいろな方法が考えられると思いますが、県の県民計画等の実現についてはアクションプランというものがあって、このアクションプランを通してその実現を図っていこうといったシステムになっておりますけれども、今回、ふるさと振興総合戦略を県内各市町村がつくって、それを県自体が県全体で進めていく場合に、こういったアクションプランみたいなものを全体でつくるとか、そういった実現するための方策というのは何かあるわけですか。先ほど、人口問題連絡会議等で会議をしながら連携を図っていくという話がありましたが、実際に何かシステムをつくって、この目標実現に対して取り組んでいくというようなお考えはあるのでしょうか。
〇高橋政策監 まち・ひと・しごと創生法に基づく県、市町村それぞれの総合戦略となりますが、県も各市町村も、法律に基づいて国の要請に従って手引き等を活用してつくったということでありますので、それに重ねて県全体としてのアクションプランなりにまとめ上げるということまでは今は考えておりません。
いずれ、それぞれ自主的に策定したものでありますし、そういったものを尊重するとともに、県、市町村も同じ方向を向いて取り組んでいくわけですので、それぞれの取り組みがうまく絡み合って効果を上げていくようにということで、いろいろ意見交換等を通じてそれぞれの取り組みの連携を深めていくと申しますか、工夫を重ねていくといったような形で、まずは進めていきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 それぞれの市町村の自主性というものはもちろん尊重しなければいけないと思うのでありますが、今、人口減少という問題は非常に喫緊の課題であって、県の状況を左右する、浮沈の鍵を握る戦略であると思いますので、ぜひとも市町村との連携を密に図りながら、県としてもその数字に責任を持って取り組んでいただきたいと思うのであります。
特に社会減ゼロという目標を掲げております。5年間でゼロにするというこの実現性については県としてはどのようにお考えでありますか、それについてお聞かせいただきたいと思います。
〇高橋政策監 5年間で社会減ゼロを目指していくことについて、ここ2年、社会減が拡大傾向にもある中で、非常にハードルの高い目標と思っております。この目標の根拠となりますのは、本県の人口を将来的に展望した場合に、社会減をとめなければ人口はずっと減少し続けるのだというところがあります。
そういったところで、5年間の目標は、先ほど、非常にハードルが高いとは申しましたけれども、かつては本県の社会減が300人程度という年もございます。そういった地方の社会減、人口移動は国の経済財政政策なりの影響も大きく受けるわけですけれども、そういった地方創生に資する政策の実現を国に働きかけていくとともに、まず、県、市町村ができることをきちっとやりながら目標の達成を目指して進めていきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 今、まさに高橋政策監がおっしゃったとおり、実は、1995年─平成7年には岩手県は社会減が329人ということで、ゼロに限りなく近いところまで来ているわけであります。私は、こういった過去の背景を振り返る必要があると思うのであります。
このときには、一体、社会背景がどのようなものであったかというと、私も、多分、政策監もそうだと思うのですけれども、バブルがはじけて、その後7年たって、さまざまな企業が雇用を控えるという状況になってきて、東京の雇用が非常に厳しくなっている状況があったと。それに呼応して、今度は県内の企業が、何とかこの不況を乗り越えようとして新しい人材を雇用したと。そういった国の状況と地方の状況の相関関係が非常に強いのではないかと思うのであります。
そういった意味では、国が東京一極集中を何とか防止していく、避けていくということを強く進めながら、地方もそれに呼応した形で雇用をふやしていくということが必要だと思うのであります。国は転入超過10万人の東京一極集中を避けていくということを宣言しているわけですけれども、それに対して県から国に対して強力な、あるいは具体的な提案をしていかなければ、私は、このゼロというものは達成しないと思うのでありますが、国との関係においては、県としては今後何か取り組んでいくことを考えているのでしょうか。
〇高橋政策監 今般のまち・ひと・しごと創生法に基づく国、市町村の動向に関して、識者などからは、例えば少子化対策といったものは国が一律できちっと進めるべきではないかといったようなことも聞かれるわけですけれども、私どもは、かねてから子供の医療費の問題ですとか、あるいは保育料の問題ですとか、どうしても市町村が、財源に余裕があるところがサービスを拡充して、そういったところで差が出てくるというのはどうかということで、そういったことは全国一律で取り組んでいただきたいということをかねがね国のほうに要望しているわけですけれども、そういったことを中心に働きかけていきますし、社会減の解消に向けて、東京から地方に人を呼び込むような政策、経済財政対策なりの実現というものについても、私どもも研究しながら、できるだけ具体的な形になるように国に向けて発信していきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 政策監が今おっしゃったように、社会福祉政策については、それぞれの県、そして国が一体となって均一な形で、その地方に住みたい、暮らしたいといった環境を整えていくことは大切だと思います。
しかし、雇用環境あるいは経済の状況というものは、県一つ、地方ではなかなかつくれないと私は思っております。こういった観点においては、国と地方が一体となって本気になって取り組んでいかなければいけないと思っております。社会減ゼロを目指すために、こういうことをやった、やっただけではなくて、実績としてゼロを目指すというような施策にこれからもぜひとも取り組んでいただきたいと思います。
そういった観点において、実は国からの交付金は、これからさまざまな施策をつくっていく上では大きな推進力になると私も考えております。
それで、平成27年度は地方創生加速化交付金、また、平成28年度は地方創生推進交付金が設けられておりますが、実は、残念なことに県内市町村からは、おのおのの事業に対する交付金については、いわゆるひもつき交付金となっておりまして、使い勝手が悪いという意見を私も伺っております。
そこで、県当局にお伺いしたいんですが、ふるさと振興総合戦略を推進するためには、今ここで話し合ったような形の中からどのような制度が必要であり、また、交付金のあり方がどのような形であるべきか、それについて県としての御意見があれば、私にもお聞かせいただきたいんですが、いかがでしょうか。
〇高橋政策監 交付金に関して、総合戦略推進のための制度ということについてでありますが、委員からもいろいろ御指摘があったとおり、人口減少の要因とか課題は地域ごとに大きく異なるものですから、地域の実情に応じて、地方の責任と創意による対策を講じることというものが求められております。
こうした対策について、地方が財源の心配をすることなく、自主性ですとか主体性を最大限発揮していくことができるように十分な財源措置が必要と考えております。また、こういった対策については、短期間での取り組みでは解決することが困難でありますので、安定した財源が継続的に確保されることが必要と考えております。
次に、交付金のあり方についてですが、特に、今お話がありました新型交付金について、国の財政支援の一つとして県や市町村にとって貴重な財源となるものでありますが、これまでの補助金の枠組みにとどまらず、個々の地域が抱える課題に対応できる自由度の高い制度設計がなされることが望ましいと考えております。
こうした観点から、全国知事会議におきましても、先ほど御指摘があったように、既存の補助金の振りかえですとか、あるいは縦割りの個別補助ではない包括的なものにすることですとか、あるいは対象分野ですとか、対象経費の制約をできるだけ排除した弾力的なものとすることについて議論がなされまして、地方創生担当大臣に直接提言がなされているところであります。
こうしたことも踏まえまして、県としても、自主性の高い制度設計を働きかけていきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 5年間というスパンがありますから、単年度ではなくて、先ほど政策監がおっしゃったように短期間ではなく、安定的にその目標が達成できるような形の財源確保とか、あるいは施策に応じた交付金のつけ方とか、そういったものを私どもも考えながら施策提案をしていきたいと思います。
最後に、幸福度の指標導入についてお伺いをしていきます。
この幸福度、幸福量の導入の意義について、まずお聞かせいただきたいということが一つ。そしてまた、幸福指標と第3期アクションプランとの関連がどのようなものかということが2点目。そして、幸福度等に関する、これは県民に対するアピールもあると思うのですけれども、そういった意識醸成の取り組みについてどのようなものがあるか、お聞かせいただきたいと思います。
〇高橋政策監 第3期アクションプランとの関連についてまず私から御答弁申し上げまして、残りのお尋ねについては評価課長から答弁いたします。
アクションプランとの関連について、希望郷いわての実現をより確かなものとするために、岩手ならではの豊かさというものに着目して、これまでの政策評価に新たな視点として幸福に関する指標を導入しまして、施策の展開に生かしていくことが必要であると考えているところであります。このため、次期総合計画での本格導入に向けまして、今般策定しました第3期アクションプランの施策体系も踏まえ、試行的に幸福に関する指標の導入と評価等への活用を図ろうとしているものであります。
〇小野評価課長 幸福度等の導入の意義についてでございますけれども、幸福度、幸福量につきましては、経済的な豊かさのみならず、個人の主観的な満足度等も含めて、県民が実感している幸福感、満足感の現状を示すものとされております。こうしたことから、その導入によりまして、一つには、幸福に関する主観的な指標、それから関連する客観的な指標などの分析を行うことを通じまして、施策の見直しにつなげることが考えられます。それからもう一つといたしまして、幸福に関する指標を視点といたしまして、県民の皆様がどのような地域を目指すかを考える上での一つの参考、材料としていただくことが意義として考えられます。
続きまして、その幸福度に関する県民の意識醸成の取り組みについてでございますけれども、幸福に関する指標の導入に当たりましては、どのようなときに幸福に感じるのか、何がそれぞれにとって幸福かなどといったことにつきまして、県民の皆様と一緒に考えていくことが重要と考えております。それを通じて、地域社会のあり方、あるいは施策の方向性などについて考えていくきっかけになると考えております。
こうしたことから、県民の皆様に御理解いただきまして、一緒に考えていくための具体的な手法についてでございますけれども、これにつきましては、今後、幸福度等の検討とあわせて、具体的な検討を進めていくことにはなりますけれども、例えば地域の課題を把握、共有し、一人一人それから身近な方々、地域の幸福について考えていく機会とするための指標をテーマに、ワークショップ、講演会、さまざまなフォーラム等を開催することを通じて、県民の皆様の参画を得て、一緒に考えていく機会などをつくっていくことが必要であると考えております。
いずれ、今後、幸福度につきましては、有識者の皆様などの意見も踏まえながら具体化を進めてまいりたいと思いますので、そのときにあわせて、県民の皆様の意識醸成等の具体策についても考えてまいりたいと思います。
〇福井せいじ委員 幸福度、幸福量というと、何かと非常に難しいものと考えられがちだと私は思います。いろいろ今までの一般質問等でもありましたが、それぞれによって幸せは違うんだとか、あるいは幸せを実感するレベルが違うんだとか、いろいろあると思うのですけれども、今お話を伺っていて、それを政策に生かしていこうという視点としては私も一つあっていいものだと思っています。人々が幸福を感じるためには何が必要なのか、あるいはどういった施策があればそれを、満足とまではいきませんけれども、どういったものがあれば幸福に対して役立つものかという、そういった政策に対する一つの視点という意味では、私はあってしかるべきだと思います。
そしてまた、幸福というものを県民と一緒に考えていく上で、岩手で暮らす満足度というものも高まっていくと、私も何となくそういうものはあるのかなと感じますので、ぜひとも、大きな目でもってこういった指標導入に取り組んでいただきたいし、もう一つ、先ほど課長がおっしゃった県民と一緒に考えるということでは、ワークショップをやったりフォーラムをやったり、ただただ専門家の方々に委ねるのではなく、県民と一緒に、幸福とは何か、幸福量というものは何かということを考えていただきたいと思っております。
ぜひともまじめに、そしてまた楽しく、緩やかに、この幸福指標を導入していただきたいと思います。
最後は、私の思いをお伝えして質問を終わらせていただきます。
〇佐々木朋和委員 私から2点、バス路線補助についてと、ILC誘致に向けた取り組みについて伺いたいと思います。
まず、バス路線補助の現状についてお伺いをしたいと思います。
本年度、被災地特例が限定的に継続されるということで、9月定例会で答弁をいただきました。本年度までは国庫補助を受ける53路線全てにおいて、1日平均15人以上の乗車密度の要件なしに、赤字分全額を国から補助を受けていましたけれども、平成28年度からは、その継続は沿岸の応急仮設住宅を通る8路線に限定、そのほか45路線が、15人の要件緩和はあるものの、運行費用の20分の9を上限とした補助ということで、震災前の補助に戻るということになりまして、事業者の負担増が考えられております。
また、応急仮設住宅を通る被災地特例継続路線が5年、そのほかの激変緩和措置路線が3年という要件緩和の期間も決められているというところでありまして、このまま乗車密度が改善されなければ、3年後、5年後には国庫補助が受けられない路線が出てきて、さらに事業者の負担が増して路線の維持が難しくなるのではないか。また、それを受けて、市、県においては、支援のための財政がさらに逼迫するのではないか、そういった懸念をしております。
現状のまま特例期間を終えれば、要件を満たさない路線が何路線あるのかお示しをいただきたいと思いますし、まとめて聞いてしまいますけれども、この被災地特例が本年度で終了するということだったので、平成25年度から平成27年度までのこの3年間で何とかしなければいけないということで、これまで、国、県、市町村、識者、事業者によるバス補助路線の今後のあり方検討委員会を開催して、私が数えたので間違っているかもしれませんが、24路線で対応方針を決定し、うち12路線で対応策を実行に移してきたと聞いております。その方策と効果を示していただきたいのと、また、検討路線の選定方針を示していただきたいと思います。
〇大坊交通課長 被災地特例の件についてでございます。ただいま委員御指摘のとおり、ある一定の期間、特例をやるという決まりになっておりまして、それが3年から5年で終わるとこの特例措置はなくなるということでございます。
路線の要件を満たさない路線数がどのくらいかということでございますが、何分3年から5年後ということでございますので、経営環境や乗車人員を予測するということはなかなか困難ではございます。
一つの目安といたしますれば、ことし平成27年度の運行実績のほうで言えば、国庫補助要件を満たさない路線は全54路線のうち16路線、また来年度、平成28年度の計画では、全53路線のうち14路線というボリューム感になっております。
二つ目でございます。バス路線の今後のあり方検討会といったようなものでございます。これにつきましては、収支採算が悪化するようなバス路線の改善を行って、補助が受けられない水準から補助が受けられる水準に持ち直そうという改善の検討会でございますが、例えば平成26年度、県央部の路線につきまして住民説明会を実施して、この路線はこんなに収支が悪いという現状を住民の方々と語り合い、共有しました。そして改善策を検討いたしまして、翌年度、本年度ですが、平成27年度から運行経路や運行ダイヤの改善などを行いました。その結果、輸送量が対前年比の2.7%増加ということで収支が改善したと。このような短期間で、わずか1年ぐらいで補助要件を満たす路線に回復させたという事例がございます。
今後のあり方検討会におきましては、こういう成功事例を水平展開しながら、ほかの路線の活性化につなげていきたいと考えております。
また、検討路線の選定方針についてでありますが、まず基本といたしましては、国の補助が受けられなくなるような路線、あるいは前年度に検討会をしたけれども、なかなか改善のアイデアが浮かばなかったようなところを引き続き検討路線としてピックアップしております。さらに、そこまでは至らないけれども、バス事業者あるいは市町村から、ここは危ないと指摘が出された路線につきましても対象としております。
今後、できるだけ早期に、幅広く、前もって危ない路線を拾い上げていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 これまで3年間、それ以前からでありましょうけれども、取り組みについては敬意を表したいところであります。しかしながら、今年度からまた3年、5年というお尻が決められて、さらに検討を加速していかなければいけないと思っております。もし、本当に被災地特例が全面的に終わるとすれば、ことしから来年度への負担感よりもさらに大きな負担感が一気に来るということでありますから、これは何とかしなければいけないと思っているところでありまして、県でも赤字補填という考えから、利用促進策を打っていくという攻めの方向に私は今年度から変わらなければいけないのではないかと思っているところであります。
そこで、平成28年度の取り組みなんですけれども、しかしながら、先ほどおっしゃっていただいた検討会の費用、公共交通利用推進事業費は昨年からマイナス10万円の100万円、また試験的な取り組みを行う公共交通活性化推進事業費補助は、昨年同額の1、500万円というところでありまして、なかなか昨年と規模的には変わらない事業になるのではないかと思っておりまして、政策の転換また危機感というのがもう少し感じられたらよかったなと思っているところであります。
そのような中で質問をさせていただくんですけれども、県は、公共交通の利用促進についてどのような役割を果たしていかれるのか。また、平成28年度の利用促進に向けた取り組み、また、3年、5年というお尻があるのですから、単年度ごとにやっていくというのはそのとおりなのですが、数年間にわたる計画を立てて、計画的に促進策を進めていかなければならないと思うのですけれども、こういった計画をつくる予定があるのかどうか、この辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
〇大坊交通課長 バス路線の利用促進、いわゆる攻めの政策に出るべきでないかという御指摘でございます。まさにそのとおりと考えております。
私どもは、利用促進のためには、まず、利用者に支持されるバス事業にするために、その商品力を向上させていくという取り組みが重要だと考えております。具体的には、使いやすい路線、ダイヤ、運賃、割引サービス、車両であったりバス停といったお客様が使うような、直接触れるような部分、これを商品に見立てて、この改善が必要だと考えております。
また、県民や地域の利用、議論を喚起していくということも重要でありまして、必要な情報提供あるいはイベントの実施などで啓発を図るほか、モビリティー・マネジメントのような行動変容の取り組み、また、公共交通の維持、改善に向けて参加できる場面づくりをしていくということが必要であると考えております。
このことから、県といたしましては、バスの商品力を向上させていくための取り組み、あるいは事業者への支援を行うとともに、県民の公共交通利用に向けての行動変容、あるいは維持、改善に向けてさまざまな関係者への働きかけ、連携を進める役割を担いたいと思っております。
具体的な平成28年度の事業についてですが、商品力の向上といたしまして、先ほど来ありますバス補助路線の今後のあり方検討会、これで路線やダイヤの改善を図る、さらに運輸事業振興費という補助事業がございます。これによりますハイグレードバス停の整備など、利用環境の整備も支援していく予定でございます。
また、県民、地域の利用、議論を喚起するという点につきましては、全県的な利用促進キャンペーンでありますかしこい交通ライフチャレンジウィークというものを例年10月に実施しておりますが、こういう県民運動的な動きであるとか、バスの日まつりのようなものの実施支援、また、市町村の公共交通会議というのがありますが、これが今限られた関係者だけで入っていますが、これにぜひ県民の方も参加してもらう、あるいは傍聴していただく、意見を公募などでも述べていただくというような活性化を促しまして、利用者みずからがかかわる公共交通の仕組みづくりといったものを進めていきたいと思います。
また、激変緩和が終わるまでに計画を策定して取り組むべきという御指摘でございます。これにつきましては、まず激変緩和の期間、5年なら5年という期間がありますので、その期間で各路線の収支改善を具体的にやっていくというのが、まず最初ではないかと思います。
そういったものを踏まえまして、計画的な対応というのはもちろん必要なことでありますので、その対応に計画をつくって当たるべきなのか、あるいは違う手があるのか、こういったものは市町村、事業者を交えた全県的な生活交通のあり方を協議する岩手県生活交通対策協議会で検討してまいりたいと思います。
〇佐々木朋和委員 網羅的に説明をしていただきまして、次に聞くことがなくなるようですけれども、時間がないのでまとめて聞きたいと思います。
今、紹介をいただいた取り組みの中で、かしこい交通ライフ、昨年は減クルマチャレンジという名前から、名前を変えて、しかも、期間も長くしてという取り組みでよろしいと思うんですけれども、どうしてもエコのためということが前面に出ているのではないかと思っております。エコも大事なことですし、また、バスを使っていただける理由づけにはなると思うんですけれども、他県を見ると、生活の足だから守っていきましょうということを前面に出してキャンペーンを張っているところもありますので、これについては訴え方を検討いただければと思います。参加していただく企業のメッセージを見ても、エコのためというのが多いような気がします。県庁は公共交通を守るためというメッセージが出ていますけれども、この辺は検討いただければと思います。
あと、観光客を取り込むということも重要だと思っておりまして、それにはダイヤの見える化というのが重要であると。また、乗りかえの検索のアプリなんかもありまして、そういったものに乗るか乗らないかで全然違うと思いますし、東北観光ルートも、外国人の方が公共交通を使って回るために、そういった検索をするようなものを考えているとも聞いていますから、この辺の情報提供が我が県ではどの程度進んでいるのか、これも示していただきたいと思います。
〇大坊交通課長 2点ございました。一つはかしこい交通ライフチャレンジウィークということでございまして、もちろんエコも一つの目的ではございますが、私どもとしては、乗っていただくというのも一つの目的でございます。これにつきましては、まずは足元の県職員もこれに多く参加しておりますので、まず県職員がその日、その週間乗るという部分、力を込めて範を示すと。そうした上で各企業にも、短い期間ですので、全部その期間乗っていただくということではなくて、1日でもあるいは1回でもという取り組みを図ってもらうよう、具体的なプログラムを工夫してまいりたいと思います。
また、2点目、乗りかえ案内サービスの件でございますが、本県の主な路線バス事業者につきましてはインターネットで検索できるシステム、ちょっと具体名は言えませんが、それには参加しているということだそうです。このシステムへの参加については無料ということでありまして、利用者の利便性の向上にもつながっていると認識してございます。ただ、バス事業者は人手が足りなくて、このシステムへの情報の登録とか更新というのがなかなかできないという問題点を抱えておるようございますが、事業者的にも、将来的にはこのインターネットでの乗りかえシステムをどんどん広げていきたいという、いわゆる利用の底上げに非常につながるシステムだと評価しておるようですので、県としても支援をしていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 バス路線の最後に、もう一つ提案というか質問をさせていただきたいと思います。
今年度の補正予算にもビッグデータを活用するリーサス(地域経済分析システム)の導入についての予算が組まれておりましたけれども、このビッグデータを使った路線検討について、どの程度議論が進んでいるのか。
事例として、埼玉県にイーグルバスというところがありまして、そこでは、赤外線を使ったセンサーで人の乗りおりをカウントして、路線ごとの赤字ではなくて、1分ごとまたは1キロメートルごとの赤字をしっかりと把握して、どこが路線の中でも区間が赤字なのか、そういったことをしっかりとデータで捉えて、赤字路線の解消につながったという事例があると聞いております。
そういった中で、私は赤字路線解消には、よりデータを使った施策というのも必要だと思いますが、かなりお金のかかることだと思います。しかしながら、ここで今手を打っておかないと、さらに後になると赤字路線がふえて、また県の財政も圧迫されるということもありますから、今こそ、こういったことに補助を出すべきではないかと思いますけれども、御所見を課長に伺いたいところですが、財政的なところなので部長にお願いをしたいと思います。
〇大平政策地域部長 リーサス、ビッグデータの活用でございますが、基本的にデータがあるかというのが一番大きな問題になります。例えば首都圏などでは、PASMOとかSuicaとか、そういうものでデータの収集というのが可能かと思いますが、残念ながら、県内のバス事業者はそういう取り組みが行われておりませんので、整理券とか定期券とかそういう状況で、そのデータを集めるというのは非常に困難なことだと思われます。
では、それを集められるような仕組みができるかというと、現状のバス事業者の体力では難しいし、県としても、それを整備するのに補助するというのはなかなか難しいと思います。ただ、さまざまなデータが割引サービスをやる場合でも必要となっているとか、現状を捉えるというときには必要なものであって、これはリーサスのデータにはないものでありますので、どういうものが考えられるかというのは、研究は重ねてまいります。その中で、先行事例、先進事例で、県でも取り入れられるものがあれば、具体的に現在は申し上げる段階にはございませんが、それについては検討してまいりたいと思います。
〇佐々木朋和委員 やりますということではありませんけれども、ぜひ検討していただきたいし、私は観光についても、岩手県の二次交通が弱いと言われている中で、無線LANの補助もやっているという中で、そういった環境が整っても、実際に携帯電話からバス路線の乗りかえ情報が出ないであるとか、また、それに合った路線が組まれていないというのでは片手落ちだと思います。私はそういった観光面の予算も使いながら、ぜひとも整備に向けた予算を確保していただきたいと思います。
続いて、ILCについて簡潔にお聞きをしたいと思います。
2017年末ごろに、国のILC有識者会議が最終報告をまとめて、これを受けての政府の判断時期は2018年ごろと見込まれているところでございます。政府判断時期までのILC誘致に向けた取り組みについては、これまで以上にスピード感を持って計画的に進めていくべきと考えております。その中で、先ほどハクセル委員から御質問もありましたけれども、平成28年度に加えて平成29年度は、県として、何を、どの程度まで、どのようにして進めていこうと考えているのかお伺いをしたいと思います。
〇宮ILC推進課長 今後、この一、二年の間は、政府の誘致表明に向けて非常に重要な時期であると認識してございます。
県としましては、県の国際リニアコライダー推進協議会や東北ILC推進協議会など、関係団体と連携した国への要望活動を初め、国の誘致表明の後押しともなりますよう、全国の皆様に関心を持っていただけるような取り組み、そして、建設候補地としての受け入れ環境の整備を進めていきたいと考えてございます。
具体的には、国内外への情報発信の強化としましては、首都圏で開催されるイベントへの出展、東北ILC推進協議会と連携したシンポジウム、全国の産学官で構成される先端加速器科学技術推進協議会と連携したケーブルテレビやユーチューブによる動画配信等を進めてまいります。
また、海外に向けましては、今年度創刊した海外版英語広報誌、THE KITAKAMI TIMESの継続的な発行、そして高エネルギー加速器研究機構─KEKと連携した情報発信や、本年12月に盛岡で開催されますILCの国際的な会議の場の活用などに取り組むこととしてございます。
さらに、研究者と連携した水系など立地環境等に関する調査研究、そして外国人研究者等の受け入れ環境の検討などを行う考えでございます。さらに、あわせまして、東北として、ILCの受け入れ準備のための体制の整備も進めていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 情報発信ということに力を入れてやっていただけるという答弁が冒頭ありましたけれども、私は一番の情報発信は、この地元がこういった形でILCを受け入れるんだ、また、その体制がこのようにできましたということを発表することが一番早い、一番強い情報発信ではないかと思っているところであります。
その中で、ILCまちづくり検討会を2県3市でつくっておりますけれども、これの検討を進めているということで前回の質問で伺いましたけれども、これらの検討結果について、いつごろ、どのような形で県民に示される御予定なのか伺いたいと思いますし、東北ILC推進協議会が、研究所の受け入れに向けた準備室を2016年度に設置すると報道されておりましたけれども、岩手県はこの準備室でどのような役割を担っていくのか、また、奥州市、一関市には、何を期待されているのか伺いたいと思います。
〇宮ILC推進課長 2県3市のまちづくり検討会は、県境を越えた広域的な視点からのまちづくりを検討するために、今年度から、毎月検討を重ねてまいりました。その中で、交通分野では、広域連携による交通システムの整備や新たな交通の導入の可能性と既存交通との連携、観光分野では、広域連携による地域ブランドの構築やインバウンドに対応した環境整備、海外への情報発信等、東北の新しいまちづくりに向け、さまざまな意見が出ているところでございます。
本検討会は、今後の東北全体のまちづくりプランに反映させていく目的で議論を進めているところでありまして、今年度の検討内容につきまして一定の取りまとめを行いまして、県内の自治体等と共有しまして議論を深めていきたいと考えております。
次に、準備室のお尋ねでございますが、東北が一体となって受け入れの準備を進めていく必要があるとの考えによりまして、東北ILC推進協議会が中心となって、その体制について、現在、検討を進めているところでございます。
その組織や検討内容等につきましては調整中でございますが、本県もメンバーとして参加いたしまして、建設候補地として、ILCの国内外への情報発信、あるいは外国人の受け入れ環境の整備、産業振興などにかかわる見込みでございます。
引き続き、情報共有を進めまして、一体となった準備体制を確立していきたいと考えてございます。
最後に、市町村の関係でございます。現在、市町村の役割につきましては未定でございますが、市町村におきましては、やはり住民に身近な自治体として、住宅や医療あるいは水道や道路など、まちづくりやインフラ整備についての対応が求められると考えられております。
県としては、引き続き、関係市町村と連携を密にしまして、今申し上げた市町村の取り組みを準備室に反映させるように進めながら、関係者が一丸となってILC実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 済みません、聞き逃していたら申しわけないんですけれども、ILCまちづくり検討会の検討した内容、検討結果について市町村と共有すると。県民には示さないということですか。
〇宮ILC推進課長 現段階で、2県3市の中での検討におきましては、取りまとめた内容を自治体で共有をしてやっていく。その内容につきましては、東北全体のまちづくりプランに反映させて、その中で広くお示しされると考えてございます。
〇佐々木朋和委員 了解しました。あとは東北ILC推進協議会の準備室の中でもかかわっていくという表現がございましたけれども、もう少しリーダーシップを持ってやっていただきたいという思いがございます。
また、情報発信についてはもう一つ、ILC誘致における懸念材料について、どのように情報発信をしていくかということも大事だと思っております。
ILC誘致における懸念材料として、ILC建設工事の環境への影響でありますとか、実験後のトンネルの使われ方、また、トンネル掘削工事の環境への影響などを指摘する言論、出版、報道が一部で見受けられるところであります。国民的な理解を得るためには、これまで以上に丁寧に説明をしていかなければいけないと思っておりますが、県としては、ILC誘致に関する懸念材料としてどのようなものがあると考えていらっしゃるのか。
また、もう一つ、新聞報道では、2月27日に一関市で開催されたILC学習講演会において、ILC誘致における懸念材料として、トンネル工事における残土処理、廃熱の農業、生態系に与える影響などが挙げられるとのことでありましたけれども、県としては、こうした懸念材料に対する県民への積極的な説明をしていくべきだと思いますが、あわせて伺いたいと思います。
〇宮ILC推進課長 ILCの建設工事に当たりまして、環境への配慮が重要であるということから、平成25年度及び平成26年度には、猛禽類や植生など、自然環境の影響を把握するための調査を実施したところでございまして、今後は、これらのデータをもとに研究者等と連携し、詳細な調査を行うこととしてございます。
また、トンネル工事は水への影響も考えられることから、平成28年度には、周辺の水系や地下水などに関する調査を実施する予定でございます。
今後、ILCの建設に伴いまして、トンネルへの取付道路の工事、あるいは400万立方メートル以上とも言われるトンネルのズリの搬出や運搬道路の整備、そして土捨て場や仮置き場の選定など、さまざまな課題も出てまいります。そして、これに伴う工事車両の増加によって、交通安全などの検討も必要になってくると考えております。
また、講演会等では、放射線の話題もあるところでございますが、先端加速器科学推進協議会のホームページにあります、よくある質問の中では、ILCの加速器トンネル内は、加速器の運転中は電子線の加速に伴いエックス線等の放射線が放出されるため、放射線管理区域として管理される予定である。ただし、放射線の発生は、加速器の運転停止とともに停止するという内容が掲載されてございます。
県としても、このようにしっかり管理をされるものと考えております。
さらに、新聞による報道の話でございますが、さまざまな情報が報道されておりますが、これは県のホームページ、あるいは先ほど申し上げました先端加速器科学技術推進協議会や、一関市や奥州市のホームページにQ&Aがございまして、その中でさまざまな情報を掲載し、さまざまそのような疑問にお答えしているところでございます。
また、講演会等におきましても、ILCに関する効果や影響について話をしており、引き続き、このようなあらゆる機会を通じて丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 それでは、最初にJR大船渡線の復旧問題についてお聞きします。
私は、昨年の決算特別委員会でもこの問題を取り上げましたけれども、昨年の12月25日の沿線自治体首長会議で、JR東日本から、BRTによる本格復旧というのが提起をされて、こういう方向で決まったとされております。
私は、自治体首長会議での議論と経過についてお聞きしたいのですが、新聞報道では、陸前高田市長は、陸前高田までの鉄路の復旧を求めたが、JR東日本からは拒否されたと。やむなくBRTに同意をしたという印象を受けたのでありますが、どういう議論がなされたのでしょうか。
〇大坊交通課長 JR大船渡線のBRT導入に係るお尋ねでございます。
昨年12月に、第3回の大船渡線沿線自治体首長会議が東京で開催されましたが、この際、沿線自治体、具体的には大船渡市、陸前高田市、気仙沼市といったところになりますが、JR東日本に対しまして、住民の意見集約の結果を報告した上で協議を行いまして、最終的にBRTによる本格復旧を受け入れるということになりました。
なお、この会議におきまして、陸前高田市長から、被災が少ない気仙沼-陸前高田間の鉄道復旧を求める意見が出されました。JR東日本からは、鉄道では十分な運行頻度の提供が困難となり、利便性が大きく低下する。駅の設置やルートの変更など、柔軟な対応が困難になるといったようなことが示されまして、この一部区間の鉄道復旧は考えていないという説明がございました。
沿線自治体におきましては、これを踏まえ、また、復興まちづくりの進展、人口と利用者の減少する地方の公共交通が置かれている状況、そして今後の持続可能性等を勘案いたしまして、BRTによる本格復旧はやむなしとして、受け入れに合意したものと認識してございます。
〇斉藤信委員 私はこの間の経過というのは極めて問題だったと思います。
大震災直後の4月に、当時の清野社長が全線の復旧を言明した。しかし、その後、何ら復旧の方針を示さなかった。その結果、昨年の7月24日の第2回の沿線自治体首長会議で、JR東日本から、BRTでの本格復旧というのが計画されたと。4年7カ月も過ぎているんですよ。私は本当に考えられないと思います。震災復興から4年以上もたって、出されたものはBRTの本格復旧。BRTというのは、仮復旧ということで始まったんだけれども、結局は既成事実化して、そして被害の少ない陸前高田までの鉄路の延長も拒否すると。だからBRTしかなかったんですよ、この結論は。私は、最初から、もう鉄路をなくしてしまうという計画だったのではないかと。
私は昨年も指摘しましたけれども、大船渡線というのは全線が通って80年ですよ。80年の歴史を逆転させるようなやり方だったと。鉄路がつながらないということは、私は本当に将来に禍根を残すことになりかねないのではないかと思いますが、そこでお聞きしますけれども、八戸線は海岸線で1年で復旧したと。その他も海岸線で復旧したところがあるでしょう。県はどう把握していますか。海岸線で被災した鉄路が復旧したところはどのぐらいありますか。
〇大坊交通課長 ただいまのお尋ねについてでありますが、東日本大震災津波により被災したJR東日本の7路線のうち、全線運行再開を果たしたのはJR八戸線、JR石巻線、JR仙石線の3路線と承知してございます。これらは、いずれも防潮堤等の津波防護施設や避難路の整備、ルート変更などによりまして、運行の安全確保を図った上で復旧がなされたものと聞いております。
〇斉藤信委員 正確に答えないんだけれども、結局、大船渡線の気仙沼-盛間も防潮堤が整備されるのですよ。現ルートで復旧できたんですよ。それを山側ルートでなければならないということで400億円吹っかけて、二百数十億円の地元負担がなければやりませんと、国も支援しませんと、こうなったんですよ。私は、こんな最初からやる気のない、途方もない負担を被災自治体に押しつけて諦めさせるという、こういう手法も私は厳しく批判をされなければならないと思いますが、部長、この間の経過をどう受けとめていますか。
〇大平政策地域部長 被災後、しばらく何もなかったというのはそのとおりかと思います。復興調整会議などで、再三、県からも復旧方針を示すようにということを申し上げて、昨年ようやく首長会議が開催されたと。首長会議の2回目で、BRTでの本格復興が提案されたということになってございます。
JR東日本に対しては、申し上げたいことはさまざまございますけれども、一方で、BRTやむなしという地元の声もありますし、あるいはBRTによって便数がふえたとか、便利になったとか、そういうこともありましたので、県としては、地元の声を尊重し、県としてもそれに同意したということでございます。
〇斉藤信委員 JR東日本に言いたいことはたくさんあるという話でしたから、気持ちはわかりますが、結局地元が受け入れたと言っても、受け入れざるを得なかったのです。選択肢がなかったのです。私は本当にこうしたやり方というのは厳しく指摘されなければならないと思います。
そこで、BRTの本格復旧というけれども、これは、例えば被災した自治体鉄路で、このBRTで復旧した経験というのは全国にあるのでしょうか。
〇大坊交通課長 ただいま御指摘のありました被災した区間で、BRTで復旧した区間というのは具体的には承知してございません。ただ、鉄道の廃止に伴いましてBRTを導入した事例というのが、例えば鹿島鉄道線の後を引き継ぎましたかしてつバス、日立電鉄線の後を引き継いだひたちBRTなどがあるということは承知してございます。
〇斉藤信委員 今、二つ例が挙げられましたけれども、これはうまくいっているんでしょうか。
そして、あわせて聞きますが、今回JR東日本は、今後の協議も含めて5項目の本格復旧の中身を出しました。具体的に、BRTでこれまで以上によくなるという具体的な提案があったんでしょうか。
〇大坊交通課長 まず1点目ですが、先ほど御答弁申し上げましたかしてつバスあるいはひたちBRTといった路線につきましては、鉄道の線路敷き、これをバス専用道として全面活用することによりまして、定時性、速達性を高めまして、地域の基幹路線として役割を現に担っているものと聞いております。
あと一つは、JR東日本からの5項目の提案についてのお話がございまして、このBRTをどう活用していくかということでございますが、JR東日本側といたしましては、このBRTを地域の基幹的な交通と位置づけまして、今までと同様に、新駅の要望があれば新駅も設置する、あるいはBRTの特性であります自由にルートなどを設定できるという部分があれば、これも要望に沿いましてしっかりと対応すると。さらに地元では、BRTの導入自体が全国的に珍しいので、これを観光に利用してはどうかという要望もあります。こういった部分も柔軟に対応するという、地域振興における協力も表明されているところでございます。
〇斉藤信委員 BRTはもう既にやられていますけれども、今一番問題になっているのは通学時です。大量輸送に対応できないんですね。だからすし詰めで、それでも乗れないような生徒も出ていると。
もう一つは、気仙沼から陸前高田というのは国道45号を通るのです。全然意味がないんです。私はそういう意味でいくと、何で陸前高田まで通さないのかと思います。まちなかだけBRTでやるというのであれば、まだそれなりの合理性がありますけれども、国道45号を通るような、専用道で山を通るんでしょうか、恐らくそうでないでしょう。私はそういう意味でいけば、かなり矛盾に満ちた方法ではないか。
そしてもう一つ、既存のバス路線、地元バス会社と競合するんです。下手すれば、どちらも共倒れということになります。やればやるほど─これは県交通に実際は委託するんでしょうから、県交通はそれで利益が上げられれば既存の交通はどんどん衰退すると。深刻な矛盾を私は抱えるんじゃないかと思いますが、そういう問題意識を県は持っているでしょうか。
〇大坊交通課長 ただいま御指摘ございました既存のバス路線との競合の件でございますけれども、これは地域の公共交通ネットワーク全体の問題になろうかと思いますが、今、地元ではBRTでの本格復旧ということで、これを基幹路線と位置づけまして、これをさらに活用するために、路線バスとの提携といったものは視野に入ってございます。柔軟なルート、ダイヤの設定が可能といった、一般道を走る路線バスの特性を生かしながら、BRTとともに公共交通としての持続的な役割を果たすよう、県としても必要な支援をしていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 大変矛盾に満ちた問題を抱えたBRTの本格復旧だと私は思います。そして、大船渡市も陸前高田市も鉄路の駅舎を想定したまちづくりの計画で進んでいるんです。今度は鉄路ではない、BRTの駅舎でまちづくりをしなければならない。私はこの点も大変大きなデメリットになるのではないか、これは指摘だけにとどめて、二つ目の問題で、先ほども議論になった土砂崩落を起こしたJR山田線の復旧問題についてお聞きをします。
3月4日に山田線土砂崩壊に関する斜面防災協議会というのが開催されたようですが、この協議会はJR山田線の復旧ということが目的になっているのかどうか、どういう目的でこれは開催されたのか、そのことをまずお聞きしたい。
〇大坊交通課長 斜面協議会の件でございます。3月4日に初回の会合が開催されまして、私も参加してまいりました。その際、設置の目的等も示されておりましたが、主には崩落斜面の各種データの共有、分析、技術的な検討を行うということでございまして、この目的の部分を私ども県と宮古市が見まして、ぜひ目的部分に鉄路の復旧を明示してほしいという要請をいたしました。会議の場でそういう要請を受けまして、JR東日本のほうでは検討するということで、次回までに目的、要領を整理するという動きになっております。
〇斉藤信委員 最初から復旧が目的に出ていなかったと。県と宮古市がそのことを求めて、そこでも決着がつかずに次回ということですから、ここが一番の問題なんです。何のための協議会なのか。技術的検討というのも、復旧のためでなければ意味がない。かなり大変だからやめましたということになったら、何の協議会にもならないですよ。これは県、宮古市も決意を新たに、JR東日本の手練手管に負けないように早期復旧の取り組みを強めていただきたい。
三つ目です。特定被災地域交通調査事業、これは先ほど佐々木朋和委員も取り上げました。来年度まで継続になったというのは私は評価をしたい。しかし、国会の議論でも、仮設団地を経由するものに限られるんだと、こういう答弁にとどまっているんです。仮設団地はどんどん縮小するんです。そして高台移転とか復興公営住宅がつくられるんです。だから、高台移転とか復興公営住宅を通る路線でなかったら、これは全く意味をなさなくなってしまう。その点で、復興住宅や高台移転地も回るような交通網の確保をしなければならないと私は思いますが、県はどのように対応して、国からはどういう回答いただいているんでしょうか。
〇大坊交通課長 国の交通調査事業についてのお尋ねでございます。
これにつきましては、本年度、平成27年度までの補助事業ということで、これもことしで終わりという話でしたが、私どもは国に対して要望を続けまして、来年度も継続するということになりました。ただ、委員御指摘のとおり、復興まちづくりが進んでまいりまして、仮設住宅がどんどんなくなりまして、次のステージ、高台であるとか災害公営住宅に移っているということで、この制度スキームそのものが、まちづくりの実態に合っていない部分が出てきているというのは私どもも認識してございます。当面はこの事業、来年度使いまして、デマンドであるとかコミュニティーバスといったようなもので今ある高台、災害公営住宅をつなぐということはできますが、もっと先を見通して、この制度の見直し、改善、継続といったものを国に提案していきたいと考えてございます。
今後の動向も見きめながら、そういった要望などについても検討していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は今度の津波災害の特徴で、高台に団地を形成する、災害公営住宅も基本的には高台なんですね。またかさ上げをした区画の中ですよね。大部分がそこなんです。そこをつなぐネットワークがなかったら、新しいまちづくりを私は支えられないんだと思いますが、平成26年度の実績で、どのぐらいの市町村、どのぐらいの路線が維持されたのか。来年度は大体同じ形でこれは進めることができるのか、このことを示してください。
〇大坊交通課長 ただいまの調査事業の平成26年度の実績でございますが、本県におきましては、平成26年度は、10市町村に対しまして約3億3、300万円が支払われております。これは国の直轄の事業でありまして、10分の10補助ということになります。
路線数につきましては、平成26年度89路線程度がこれによって賄われているということでございます。
来年度につきましては、これから事業のエントリーが始まるところでまだ見通せない部分がございますが、国の予算額を見ますと、平成27年度が20億5、900万円、平成28年度が14億8、700万円と5億円ぐらい減っておりますが、これは被災地のバス特例の部分の減額分でありまして、調査事業については平成28年度も同様の規模で実施されるものと認識してございます。
〇斉藤信委員 先日、県立大槌病院の仮設診療所に行ってきました。今、県立大槌病院の仮設診療所も、通っているのは町民バスなんです。いわば岩手県交通の路線バスは通っていない。高台に今度新しい病院ができるんだけれども、私は大槌町に確認したら、これは町民バスを通したいと。いわば肝心な新しい県立病院のバス路線も、国道から外れると既存のバス路線は行かないというんですよ。これは1年、2年やればいいという話じゃなくて、役場とか病院とか、一番住民が行かなければならないその基本のルートを今支えているのは、実は町民バスなんですね。私はそういう意味では、そういう実態を踏まえて─調査事業ですからこれは期間限定だと思うんですけれども、被災地が復興する上で被災地の高台とか、そういう分散型になっている新しいまちづくりの必要な財源確保、交通網の確保というのが必要になってくると思います。その点でしっかり県に対処してほしいと思うけれども、いかがでしょうか。
〇大坊交通課長 まさに今委員御指摘のとおりでありまして、復興まちづくりが進む中で、まちづくりに合わせて公共交通網を柔軟に設定していく、そしてまたそれを持続的に動かしていくという部分でありまして、当然、採算がとれるものではございませんので、そういった公的な財政支援といったようなものが必要なのではないかと思っております。この財源をどこに求めるかということも含めまして、しっかりと検討を進めていきたいと思います。
〇斉藤信委員 次に、ふるさと創生の大変重要な戦略は、若い世代を岩手に呼び込むことだと思います。特に定住、移住の取り組みを他県に負けないで取り組む必要があると思うけれども、定住、移住のこれまでの実績とその推移、その内訳を示してください。
〇菅原県北沿岸・定住交流課長 これまでの実績と推移につきまして、移住、定住者数ということで申し上げますと、平成24年度が1、021人、平成25年度が1、098人、平成26年度が1、107人となってございます。
この内訳といたしましては、Uターンを含む就職あるいは新規就農者、そして市町村の移住相談窓口等を通じて移住された方を積み上げて集計したものでございます。
〇斉藤信委員 各県で移住者の数の把握の基準が違っていて、岩手県の今の数はかなり高く評価されているんです。しかし、岩手に就職したということまでみんな含めているのかどうか、これはハローワークの資料なんでしょう。私はそういう意味でいくと、純粋に見れば、移住した方々というのは平成26年で301人ということです。限定して言えばそういうことになるんじゃないか。この概念というのは全国的に統一されていないんだと思うけれども。それで、この岩手を選んで移住した方々、私はこうした方々の岩手を選んだ理由、来た実感や、また、要望、問題点、県はどう把握していますか。
〇菅原県北沿岸・定住交流課長 委員から御紹介のありました301名といいますのは、市町村の窓口を通じて移住された方と把握してございます。
移住者の声ということでございますけれども、今年度、移住者の方に精力的にインタビューを実施しておりまして、そういったインタビューでありますとか、これまでの意見交換を通じた中といたしましては、岩手に移住した理由ということでございますけれども、東日本大震災津波をきっかけとしましてUターン、あるいは復興支援のために移住された方、そして自然環境や子育て環境に引かれて移住された方、あるいは定年後、田舎暮らしに憧れて移住された方ということで、特定のパターンというよりは、さまざまな移住パターンがあるものと承知しております。
移住者の声といたしましては、岩手暮らしや人のよさなど、本県の魅力を大いにアピールしてほしいといった意見のほか、移住者相互の交流、ネットワークづくりが必要である、あるいは移住者の受け入れ、フォロー体制の整備が必要といったような意見が寄せられているところでございます。このため、ホームページやPR動画によります本県の魅力の発信に加えまして、来年度は、移住者の受け入れ環境の向上を図るため、NPOや地域団体の移住、交流の取り組みを支援することとしてございます。
また、今年度は、移住された方をコーディネーターといたしました移住体験モニターツアーを実施するなど、移住者と連携した取り組みを積極的に展開しているところでございまして、今後におきましても、実際に移住し活動されている方々の生の声を聞きながら、移住、定住の積極的な推進に努めていきたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 特に私は若い世代を岩手に呼び込む、そういう特別の手だて、住居の確保だとか、あと子育てしやすいというけれども、岩手県は子育て支援がおくれているので、これをもっと拡充するとか、そういう対策も打ち出してぜひこれは進めていただきたい。
最後です。実はきょうのニュースでびっくりしましたけれども、大船渡市に派遣をされた県の任期付職員が、自殺をされたと、こういう本当にショッキングな報道でした。これは県にどういう報告があったのか。
もう一つは、大震災で犠牲になった市町村職員、これは臨時職員を含めてどう把握されているか。臨時職員を含めて、これは公務災害と同様の補償をするように条例が全てで制定されていますが、きちんとそういう措置がされていると把握しているでしょうか。
〇佐藤市町村課総括課長 けさの新聞報道の件でございますけれども、当該職員は県の任期付職員ということでございまして、県職員の人事管理は人事課の所掌ということになってございますけれども、市町村への派遣職員ということでもありますことから、市町村課としても人事課と情報共有してございまして、当方で把握している内容について、お答えできる範囲で答弁させていただきます。
本件につきましては、本県で採用いたしました任期付職員で、30代の土木職の職員ということになってございますけれども、大船渡市のほうから3月7日の朝に出勤をしないということで、連絡がとれないので市の同僚職員が宿舎である仮設住宅を訪問し、そこで死亡しているのを発見したという情報提供を受けてございます。
それから、東日本大震災で犠牲になった職員の関係でございますけれども、市町村の正職員は108名と把握してございます。
内訳は、陸前高田市が68名、大槌町は町長を含む33名、それから釜石市が4名、山田町が2名、大船渡市1名となってございます。
それから、市町村の臨時職員の犠牲者でございますけれども、19名と把握してございまして、その内訳でございますが、陸前高田市が10名、大槌町が6名、釜石市が3名という形になってございます。
公務災害の関係でございますけれども、それぞれ職種といいますか、採用によりまして根拠が決まってございますけれども、臨時職員につきましては、地方公務員災害補償法に基づく条例ということになってございまして、これについては全部の市町村で条例制定になっている状況でございます。
〇佐々木努副委員長 斉藤信委員に申し上げます……。
〇斉藤信委員 これで終わるから。一言だけ。
実は、私も今の資料もいただいたんですけれども、陸前高田市は、正職員68名、臨時職員10名になっているんです。陸前高田市の検証報告書では111人が、臨時職員を含めて犠牲になったと。ちょっとその差があるので、その差がなぜなのか、わかれば答えてほしいし、わからなかったら後で答えていただきたい。
〇佐藤市町村課総括課長 手元に今そちらの資料がございませんので、後ほど調べて御返答したいと思います。
〇佐々木努副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後3時6分 休 憩
午後3時27分 再開
〇高橋但馬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇佐藤市町村課総括課長 先ほど、斉藤委員の質疑の中で、東日本大震災の津波で亡くなった陸前高田市の職員の御質問がございました。
正職員が68名、臨時職員が10名とお答えいたしました。陸前高田市の報告書は、正職員が68名と、臨時職員と嘱託職員というくくりになってございます。当方では臨時職員という聞き方をいたしましたので、10名という回答になったところでございましたけれども、報告書には、短時間勤務の非常勤職員等の嘱託職員の分が含まれているということで、御了解いただきたいと思います。
〇高橋但馬委員長 質疑を続行いたします。
〇臼澤勉委員 それでは、私のほうから何点か御質問させていただきます。
まず、地域経営の枠組みのベースになります広域振興圏についてお尋ねいたします。
昨日の総括質疑の中でも広域振興局についてお尋ねいたしましたけれども、広域振興圏は、産業の類似性を初めとした各地域の特性を最大限に発揮する仕組みと考えられる圏域、つまり生活圏でなく経済圏をベースに設置されてございますが、現在の広域振興圏の圏域について、当初との変化をどう評価されているのか、そして、今後、広域振興圏の見直しをするお考えはあるのかお伺いします。
〇森調整監 広域振興圏につきましては、産業の類似性ですとか産業構造等を踏まえまして平成18年に制定したものでございまして、いわて県民計画におきましては、広域振興圏ごとに目指す将来像を定めまして取り組みを進めてきたところでございます。
そうした目的に沿ったものといたしまして、現在の広域振興圏域を基本といたします広域振興局の取り組みを展開しているわけでございますが、それらが一定の定着を見ているものと考えてございます。ただ、平成23年の東日本大震災津波の発生によりまして、特に沿岸広域振興圏ですとか県北広域振興圏が甚大な被害を受けたところでございまして、現在、復興計画等に基づきまして地域産業の再生を目指して取り組みを進めているという段階でございます。
それから、圏域の見直しについてでございますけれども、沿岸広域振興圏におきましては、現在、本格復興の取り組みを進めている最中でございます。また、それぞれの圏域が抱える課題を、ことし2月に策定いたしました第3期アクションプランの地域編において掲げまして、各局で取り組みを進めている段階でございます。
今後、復興道路ですとか復興支援道路の完成等、復興の進捗状況、社会状況の変化を踏まえながら、各広域振興圏が実施する圏域懇談会等の場を活用して御意見を伺った上で、検討していきたいと考えてございます。
〇臼澤勉委員 今、本当に復興事業が進んで、社会インフラも、縦貫道あるいは横断道の整備が進み、それぞれその当時の圏域みたいな考えも少し変わってきているのかなというような印象を持っております。
また、捉え方によっては、例えば私が観光のほうのお仕事をしていれば、わんこきょうだいは、5人といいますか、おりまして、それぞれの彼らの、生活圏という言い方が適しているかどうかは別にしましても、さまざまなくくりみたいなものがあろうかと思いますので、そういった意味合いで、今後、ここら辺の今の岩手の現状に合わせて適時適切な見直し、検討を進めていただければと思います。
次に、地域経営推進費といいますか、地方創生についてお伺いいたします。
県財政も硬直化して予算が制約されている中、生きにくさ、住みにくさを感じている方々を、生きやすさ、住みやすさに転換させていくというようなことでいろいろと対策を挙げているわけですが、その中でも、ある程度重点的に施策を絞り込むというか、対象者を絞った施策展開というものも必要かと思うんですけれども、主にどういった方々をイメージに重点施策を展開する予定なのか、御所見をお伺いします。
〇高橋政策監 本県の人口減少は、平成12年以降、社会減と自然減が相まって進行しておりまして、社会減について、その主な要因は、18歳の進学、就職期、22歳前後の就職期の若者の県外転出でありまして、これは、全国の経済、雇用情勢との関係が大きいものと分析しております。
また、自然減については、若年女性の減少と出生率の低迷が主な要因でありまして、その背景には、子育てと仕事の両立が困難であることを初め、未婚化、晩婚化の進行、子育て世代の所得の減少などが考えられております。
こうした要因を踏まえまして、人口減少に歯どめをかけるため、総合戦略では、若者がやりがいと生活を支える所得が得られる仕事の創出ですとか、若い世代の就労、結婚から子育てのライフステージに応じた支援に重点を置きつつ、医療、福祉や文化、教育など、子供から高齢者まで地域で暮らす人々の生活基盤の強化を図り、地域の魅力を高めるよう総合的に取り組んでいくこととしております。
また、事業の実施に当たりましては、厳しい財政状況の折、地方創生のための新型交付金を初めとした新たな財源等を有効に活用していくとともに、いわゆるPDCAサイクルによる進捗管理や見直しを適切に行いまして、総合戦略を着実に進めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 私は、特にもひとり親世帯とか障がい児あるいは子供の貧困対策がいろいろと叫ばれている中、これは保健福祉部のほうの所管になるかと思いますけれども、ある程度そういった方々に目配りし、重点的に対策をとっていく必要があろうかと考えてございます。
それで、今、新型交付金のお話がございました。地方創生加速化交付金の現在の申請状況、内諾状況はどのようになっているのかお伺いいたします。
これは、実は内閣府の先行型の事業で、岩手県の採択の件数が他県に比べて非常に低かったということがございます。岩手県は先行型のときは9件にとどまっておりました。青森県、宮城県、山形県では、2倍というか3倍、29件というか20件台という中で、岩手県の数がちょっと少なかったという印象があります。今の地方創生加速化交付金の状況についてお伺いします。
〇佐藤市町村課総括課長 地方創生に関する交付金についてのお尋ねでございます。
地方創生に関する交付金につきましては、平成26年度の国の補正予算におきまして、総合戦略の策定経費や総合戦略に位置づける見込みの事業を対象といたしました地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金という制度が創設されました。現在、平成27年度の国の補正予算におきまして、総合戦略に位置づけられた事業を対象といたします地方創生加速化交付金は1、000億円の規模でございますし、平成28年度に地方創生推進交付金1、000億円が措置される予定となってございます。
今年度の補正予算で措置されました地方創生加速化交付金についてでございますけれども、県内の30市町村におきまして59事業、約17億円分の事業を国に申請しているところでございます。現在、国におきまして事業採択に向けた審査が行われているところでございます。
県といたしましては、市町村が地域の実情に合わせて交付金を有効に活用し、地方創生に取り組むことができるよう支援してまいりたいと思ってございます。
〇臼澤勉委員 県財政もなかなか厳しい中、市町村財政もそのとおりなんですけれども、こういう事業を有効に活用していただいて、市町村をぜひバックアップしていただきながら、特に広域振興局の皆様も一緒になってそこを支援していただければと思っております。私の知っている市町村でも、そういう期待を県に非常に強く持っているということで、ぜひ、そこら辺をお願いしたいと思います。
次に、移住促進対策について、先ほども斉藤委員のほうからもお話がございました。まさに私も同じような思いでこの移住対策を問題認識しております。
実は、京都府で、今回の2月議会に空家及び耕作放棄地の活用による移住の促進に関する条例が上がっております。これはどういったものかといいますと、関係機関と連携しながら、不動産取得税の特例措置であったり、あるいは空き家を改修する補助金、そして空き家や農地等の取得の際の金利負担の軽減、そういった政策を総合的に実施することで、移住の促進あるいは耕作放棄地の解消、農地の活用というような対策を打ってございます。
特にも、ここのポイントは、市町村長の申し出に基づいて、そういった移住促進特別区域設定をしながら対策に取り組んでいるということでございまして、こういった取り組みについてどうお考えか、御所見をお願いします。
〇菅原県北沿岸・定住交流課長 ただいま委員から御紹介いただきましたけれども、京都府の移住促進に関する条例につきましては、農山村などの人口の少ない地域を移住促進特別区域として指定しまして、区域内において、移住者などが空き家の取得と改修、農地の取得を、税の軽減、補助金の交付、金利負担の軽減のパッケージで支援するという大変先進的な取り組みであると伺っております。
県といたしましては、首都圏での相談窓口を含めた移住推進体制の整備や、本県の魅力や、仕事、住居、支援施策などの移住情報の一元的な発信を重点的に取り組んでございまして、移住者に対する個別の支援につきましては、主に市町村の役割として、県、市町村、関係団体の連携を強化しながら、移住、定住の促進に取り組んでいるところでございます。
県内市町村におきましては、既に策定したところもありますけれども、年度内に策定する総合戦略に移住、定住の取り組みを位置づけ、移住者の空き家改修等の支援など移住施策を強化しているところでございますけれども、県といたしましても、首都圏の相談窓口でありますふるさと回帰支援センターに、商工労働観光部と連携いたしましてキャリアカウンセラーを配置いたしまして、移住と就職の一元的な相談対応ができる体制の整備でありますとか、NPOや地域団体が行う移住、交流促進の取り組みへの支援制度の創設など、移住促進の取り組みを強化することとしてございます。
今後におきましても、京都府の移住促進に関する条例の運用状況、あるいは他県における移住者への支援施策の動向を見ながら、引き続き効果的な移住施策について研究してまいりたいと考えてございます。
〇臼澤勉委員 この前、国で国土形成計画を策定し、そして、国土利用計画の県計画を今─この前も国土利用計画審議会を私も傍聴させていただきましたけれども、そういう土地利用の意味からも、こういう総合的な取り組みというのは非常に重要だと思ってお聞きしたところでございます。
特にも岩手の場合、例えば矢巾町も都市部と農村部があって、昔の合併する前の旧町村部、農村集落といいますか、そういったところも非常に人口も減ってきて、既存集落の維持というか、そういったところがこういった対策によってまた盛り返すというか、新たにそういう人口を呼び込んで地域を活性化する一つの方策なのかということで、政策地域部の方々に、そういう部局横断の総合パッケージの対策をぜひリードしていただいて政策提案していただければということをお願いして、次に移ります。
地域おこし協力隊について、この取り組みの成果、取り組み方針、市町村の支援の取り組み状況をお伺いしたいと思います。そして、人材募集とかマッチングの際、東京事務所を初めとする県外事務所のネットワークなども活用しながら、ぜひ、地域で必要な人材のマッチング支援をお願いしたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
〇菅原県北沿岸・定住交流課長 地域おこし協力隊制度でございますけれども、若者を中心に都市部からの移住を促進し、過疎地などの地域活性化につなげる有効な手段の一つと考えてございまして、県では、これまで、市町村に対しまして、研修会等において、県内外で活躍している隊員の具体的な活動を広く紹介するなど、本制度の積極的な活用を促してきたところでございます。
この結果、本県の地域おこし協力隊につきましては、平成27年12月1日現在で11市町村38人に拡大しておりまして、いわゆるよそ者、若者の視点による地域活性化の取り組みが活発に展開されてきているところでございます。
さらに、隊員の任期終了後も引き続き定住する事例もありますことから、今後におきましてもこの制度の積極的な活用を促進し、県外から若者を地域に呼び込むとともに、市町村、関係機関と連携を図りながら、活動終了後の定住も視野に置いた取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えてございます。
また、人材の募集に際してでございますけれども、U・Iターンのホームページあるいは東京のふるさと回帰支援センターにおきまして募集情報を提供してございまして、実際に、ふるさと回帰支援センターの移住相談窓口を通じまして、花巻市の地域おこし協力隊の採用につながった事例もあるところでございます。
今後とも、ふるさと回帰支援センターや県外事務所等のネットワークを活用しながら、市町村における必要な人材の確保に向けた支援を行ってまいりたいと考えてございます。
〇臼澤勉委員 これも地元自治体の市町村は非常に期待しているところでございます。県の支援もぜひお願いしたいと思います。県にそのつなぐ役を御期待して、最後の質問に入ります。
派遣職員のメンタルヘルスケア事業について、最後にお尋ねいたします。
被災市町村へ県内外から多くの職員が派遣されておりまして、私は本当に頭の下がる思いですし、私も、県外の皆さんと一緒に仕事をした仲間として、この5年間、多くの復興事業に携わっていた仲間に本当に感謝と敬意を表したいと思っております。
それで、まずお尋ねいたしますのは、被災市町村の派遣職員等の人材確保の状況について、現在の確保状況と平成28年度の確保見込みについてお伺いいたします。
〇佐藤市町村課総括課長 被災市町村の人材確保の状況でございますけれども、3月1日現在の応援職員の確保状況は、必要数が777名に対しまして確保数は715名となってございます。充足率は92%、62名の不足という状況でございます。
マンパワーの確保に向けましては、総務省を通じました全国の自治体への派遣要請、被災3県によります全国の自治体への合同訪問要請、県内内陸市町村への派遣要請等を行ってきましたほか、県の任期付職員の派遣など、被災市町村の人材確保に向けた取り組みを行ってきたところでございます。
来年度の確保見込みでございますけれども、3月1日時点の状況を取りまとめさせていただきました。年度当初の必要数といたしましては、震災後初めて減少に転じまして731名となってございますけれども、確保の見込み数は661名となってございまして、充足率は90.4%、70人の不足見込みとなってございます。追加で派遣するという打診もあると聞いてございますので、4月1日までに確保数の若干の積み増しの可能性もあると考えてございますけれども、依然として厳しい状況と認識してございます。
県といたしましては、引き続き被災市町村や国など関係機関と連携いたしまして、全国の自治体への派遣の働きかけなど、これまでの取り組みを継続しつつ、復興の推進に必要な人材の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
〇臼澤勉委員 まだまだ不足していると。特にも技術職の確保といったところが、現場のほうは一日も早い事業の推進のために頑張っている中で足りていない。
そういった中で、先ほども斉藤委員からお話がありましたけれども、非常に悲しい出来事が今回あったと。私が行っていたときもそういう事案がありましたが、まず、メンタルヘルスケア事業は心のケアが何よりも大事でございます。応援職員の方々は、ふるさとに家族を置いて単身で来られたり、いろいろな事由で、仮設住宅に住むなど、一人で復興現場で頑張ってやっている。ここの心のケアはぜひ対策をしっかりとって取り組んでいただきたいと思っているのですが、現在のメンタルヘルスケアの取り組み状況と事業評価、今後の対応方針についてお伺いいたします。
〇佐藤市町村課総括課長 派遣職員のメンタルヘルスケアについてでございますけれども、県といたしましては、派遣職員のメンタルヘルスケアについては十分な配慮が必要と認識してございまして、平成23年度から被災市町村を訪問いたしまして、派遣職員等に対する面談を実施してございます。今年度は2回実施してございます。
また、平成25年度からは、派遣職員等を対象といたしましたメンタルヘルスケア研修を年3回開催してございまして、これまでに計9回、延べ1、275名の方に参加いただいてございます。
実施に当たりましては、参加者からのアンケートの結果あるいは関係機関等の意見を踏まえまして、今年度は、メンタルヘルスに加えまして日常の食事とか栄養管理の内容も盛り込むなど、内容の充実に努めてきているところでございます。このほか、電話やメールによります相談窓口の設置、派遣職員等を紹介する情報誌を年8回発行するなど、派遣職員の心身のケアに取り組んできたところでございます。
先ほども答弁いたしましたが、復興業務に携わる職員が亡くなるという非常に残念な結果が発生いたしました。派遣職員が元気に業務に取り組んでいただけるような環境をつくっていくというのは何よりも大切なことだと思ってございます。
今回の事案を含めての対応といいますのは、人事課も含めて検討していきたいと思ってございますけれども、今後も、こうした取り組みを継続して実施してまいりますとともに、被災市町村、関係機関と連携いたしまして、さまざま改善を加えながら、派遣職員が心身の健康を維持し、安心して業務に専念できる環境の整備に努めてまいりたいと思ってございます。
〇高橋但馬委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬委員長 質疑がないようでありますので、これで政策地域部関係の質疑を終わります。
政策地域部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、国体・障がい者スポーツ大会局長に国体・障がい者スポーツ大会局関係の説明を求めます。
〇岩間国体・障がい者スポーツ大会局長 平成28年度の国体・障がい者スポーツ大会局関係の歳出予算につきまして御説明を申し上げます。
まずもって、先般開催いたしました国体冬季大会につきましては、競技関係者、市町村、県議会の皆様を初めとする大会役員、関係機関、団体の方々などの御協力を得まして無事終了することができました。改めて御礼を申し上げます。
国体本大会まであと206日、全国障害者スポーツ大会まで227日となりました。復興のシンボルとして開催する希望郷いわて国体及び希望郷いわて大会が復興の大きな力となるように、県民の皆様を初め市町村、関係機関、団体と力を合わせて、オール岩手で取り組んでまいります。
それでは、初めに、予算編成に当たりましての基本的な考え方及び取り組みの概要について御説明を申し上げます。
平成28年度は、国体本大会及び全国障害者スポーツ大会が本番を迎えますことから、運営体制の構築や競技、式典、輸送等の各分野の最終的な詰めを行うとともに、両大会を県民総参加で盛り上げていくため、市町村や関係機関、団体等と緊密に連携を図りながら、両大会の運営に万全を期してまいります。
まず、国体本大会の開催につきましては、その運営を円滑に進めるため、大会実施本部、記録本部、プレスセンター、配宿センターなどを順次設置、運営するほか、総合開閉会式の運営、式典会場の整備、宿泊、輸送の確保、警備、消防防災業務、衛生対策、医療、救護業務など各部門の準備を加速してまいります。
次に、全国障害者スポーツ大会の開催につきましては、大会実施本部の設置、運営、式典会場等の整備、宿泊、輸送の確保など国体と同様に取り組みますほか、情報支援ボランティア、選手団サポートボランティアの養成、選手団宿舎への宿泊支援用具の配備などに取り組んでまいります。
また、両大会を県民総参加で盛り上げていくため、国体・大会ニュースの発行による情報発信、県内各地での花いっぱい運動、国体・大会に係る運営ボランティアの養成及びPRイベント等を通じた各団体への協力の働きかけなど、広報、県民運動を積極的に展開してまいります。
さらに、県内各地での文化プログラムの実施による本県の文化、芸術の情報発信、開閉会式での都道府県応援団や沿岸地域の小中学生によります復興支援感謝団などの活動を通じまして、岩手の魅力や感謝の気持ちを伝えるとともに、さらなる意識の醸成と両大会の盛り上げを図るよう、市町村とも十分に連携を図りながら取り組んでまいります。
以上が平成28年度予算編成に当たりましての国体・障がい者スポーツ大会局の基本的な考え方及び取り組みの概要でございます。
続きまして、歳出予算について御説明を申し上げます。
お手元の議案その2の6ページをお開き願います。当局関係は、2款総務費のうち、10項国体・障がい者スポーツ大会費の78億6、900万円余でございます。
それでは、予算の内容につきまして、予算に関する説明書により御説明を申し上げます。
恐れ入りますが、予算に関する説明書の108ページをお開き願います。2款総務費10項国体・障がい者スポーツ大会費1目事務局費ですが、右側の説明欄をごらんいただきたいと思います。まず、1行目の管理運営費は、職員の人件費でございます。次の第71回国民体育大会・第16回全国障害者スポーツ大会開催準備費は、両大会の開催に向け必要な準備を行うものであり、その主な内訳といたしましては、県実行委員会への負担金は、本大会が30億1、500万円余、全国障害者スポーツ大会が15億9、900万円余、合計で46億1、400万円余、市町村等が行う競技施設整備に対する補助が8億2、300万円余、市町村等が行う競技別リハーサル大会への補助が4、700万円余、本大会の競技会運営に対する交付金が17億7、400万円余等であります。
次に、ただいま申し上げました各事業につきまして具体的に申し上げます。
両大会の県実行委員会への負担金に係る主な取り組みといたしましては、大会実施本部の設置、運営、国体・大会ニュースの発行や花いっぱい運動などの広報、県民運動、運営ボランティアの養成や希望郷いわて復興写真館などの文化プログラム事業などであります。
また、本大会につきましては、総合開閉会式の企画、運営や炬火台の整備、記録本部、プレスセンターの設置、運営、総合開閉会式会場の整備や警備、消防防災業務、輸送業務や宿泊業務、衛生対策、医療、救護業務などを行ってまいります。
さらに、全国障害者スポーツ大会につきましては、国体と同様、大会実施本部の運営や運営ボランティアの養成を行うほか、情報支援ボランティアや選手団サポートボランティアの養成、競技団体や市町村と連携した競技運営、開閉会式会場及び競技会場の整備や輸送業務、宿泊、輸送センターの運営、衛生対策、医療、救護業務などを行ってまいります。
また、市町村の競技施設整備に対しましては、8市町14施設について補助を行う予定でございます。さらには、会場地市町村が行います競技別リハーサル大会及び本大会の競技会運営等に要する経費に対し、引き続き補助を行うこととしております。
以上で国体・障がい者スポーツ大会局関係の歳出予算につきまして説明を終わります。
よろしく御審議を賜りますようお願いを申し上げます。
〇高橋但馬委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇軽石義則委員 1点、質問させていただきます。
全国障害者スポーツ大会の準備状況についてお伺いいたします。
先ほど、局長から御礼の言葉がございましたが、冬季大会の成功について非常に御苦労いただいたことを、私からも感謝申し上げたいと思います。
いよいよ本番に向けてさらに準備を進めなければならないと考えておりますけれども、特に全国障害者スポーツ大会におきましてはいろいろな課題も多くあると思っております。冬季大会を経て本大会に向けて国体の状況は進んできたわけですけれども、それら経験を踏まえた上で、全国障害者スポーツ大会に向けての準備で課題等あれば、お示し願いたいと思います。
〇工藤障がい者スポーツ大会課総括課長 準備状況における課題ということでございますが、全国障害者スポーツ大会の準備につきましては、現時点ではおおむね順調と考えているものの、今後を見据えますと幾つか注力すべき事項があると考えているところでございます。
まず一つ目ですが、大会運営を企画、運営する県と、実際に競技を行う競技運営主管団体、そして競技開催地市町の3者による緊密な連携体制が重要と考えております。
二つ目ですが、これまで準備を進めてきたそれぞれの関係分野、セクションが円滑に連動するかがポイントと考えております。
こうした事項に対応するため、本年6月に本番と同じ競技会場や実施体制で希望郷いわて大会のリハーサル大会を開催することとしております。
目的としている競技運営や審判の技術向上とともに、関係者それぞれの連携、協力体制に特に配意しながら、希望郷いわて大会の成功に向け万全の体制で準備を進めてまいりたいと思っております。
〇軽石義則委員 しっかりと準備を進められているということでありますけれども、これまでも各地で全国障害者スポーツ大会が開催されてきた経験などもあると思います。それらを参考にしていると思いますが、特に岩手県として特徴また力を入れている点等あれば、お示し願いたいと思います。
〇工藤障がい者スポーツ大会課総括課長 岩手県として特に力を入れていることというお尋ねでございます。
全国障害者スポーツ大会につきましては、国体、大会開催年の総仕上げとして、復興のシンボル、原動力となるよう県民の総力を結集することを目指しております。
競技数が少ないことから内陸部の5市3町での競技開催とはなりますが、開催地となっていない地域からも競技観戦やボランティアとして参画していただくなど、全県が一体となって開催する方向で取り組みを進めております。
具体的には、沿岸部や内陸部の児童生徒で復興支援感謝団や都道府県応援団を結成し、感謝の思いを込めて開閉会式において声援を送ることですとか、開催地以外の市町村職員等による競技会運営に対する人的な協力、あるいは沿岸部の市町村等による住民に対する競技会観戦の支援等に取り組むこととしております。
こうしたことを通じ、オール岩手での取り組み、また全国に感謝を伝えることに十分に意を用いながら、しっかりと準備を進めてまいります。
〇軽石義則委員 オール岩手でしっかりと体制をとっていただくことは大事だと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
ただ、全国障害者スポーツ大会ということになると、健常者のみならず障がいを持った皆さんも開催地以外から観戦するとか、参加できなくても同じような気持ちをその場に行って実体験をすることも大事だと思いますが、参加できる人は、そういう意味では非常にいい経験ができる。しかし、参加したい意欲があっても、物理的にとか、いわゆる支援がなければその場所に行けないという現実もあると思うのですが、それらの方々に対する支援も含めての考え方なのでしょうか。
〇工藤障がい者スポーツ大会課総括課長 大会に参加する方々、あるいは参加できない方々への支援ということでございますが、大会に参加する方々につきましては、障がい者スポーツという単独性から、例えば看護、福祉系の大学や専門学校の協力を得まして、学生を選手団サポートボランティアとして配置し、選手の介助、誘導等を行う計画としております。
加えて、参加できない方も含めてでございますけれども、県や市町村の社会福祉協議会あるいは福祉関係団体等と連携いたしまして、大会オリジナル商品を開発、販売したり、展示や物産販売を行うわんこ広場という場所を設置いたしますけれども、そちらに出店していただいたり、あるいは障がい者スポーツのDVD制作に参画していただいたり、大会へのボランティアとして参画あるいは競技観戦としての参画という形で、さまざまな取り組みに協力をお願いしているところでございます。
こうした関係団体、支援団体と連携いたしまして、できるだけさまざまな形での参画を広げるとともに、大会期間中は競技会運営や会場管理を行う開催地市町とも連携を図っていく考えでございます。
〇軽石義則委員 障がいを持った皆さんも参加できるような支援体制づくりということが大事だと思いますので、こういう機会が岩手で、次にいつ自分たちが参加できるかという環境もあると思いますし、参加することによって、生きがいや喜びを感じることも多くあると思いますので、関係団体また支援団体を含めて、しっかりと現状の把握なり意見を聞いた上で対策をとっていただくことをお願いしたいと思います。
大会日程が10月22日から24日ということで、岩手で言えば、幾ら天気がよくても、日暮れが早く、日が陰ってくると気温も大分下がってきて、屋外での対応というのは非常に厳しいものがあると思います。そういう意味では、その寒さ対策も必要だというのを聞いておりますけれども、それらについては、今、どのような対策を考えていらっしゃるのでしょうか。
〇工藤障がい者スポーツ大会課総括課長 寒さ対策についてでございますが、基本的な考え方といたしまして、屋外の競技を重点的に行いたいと考えております。それから、選手、選手団に対する寒さ対策についても重点的に行いたいということで、具体的に申し上げますと、設備の面で言いますと、選手団の控え所となりますテントにおきましては断熱シートを底に置くとか、あるいはテントの周りに防風シートをめぐらせる、あるいは暖をとるブルーヒーター等を設置するといったものを考えております。そのほか毛布、カイロあるいは防寒シートといったものを準備したいと考えております。
それでもやはり外ということで限界がございますので、事前に選手団に対しましては、自分たちでの寒さ対策も準備してきてくださいというような周知を既に3月ぐらいから文書で始めているところでございますし、先ほど申し上げましたサポートボランティアがおりますので、サポートボランティアによる寒さ対策支援といった部分も予定しているところでございます。
〇軽石義則委員 既に南のほうでも開催されて、南でさえ寒いということが言われております。岩手はより厳しいと思いますので、準備については、もし仮に使用することがなくても、そういう状況にいつ天候が変化するかわからない時期ですので、しっかりと対応をお願いしたいと思います。
ボランティアのお話もありました。ボランティアの状況については順調に進んでいると思いますけれども、決算特別委員会のときに局長から、新たなボランティア参加の形態というものも、国体の本大会を含めて検討したいというお話をいただいておりましたが、冬季大会を含めて、全国障害者スポーツ大会は特にも特殊なサービスを提供するボランティアの人たちも必要になってくると思うのですが、その部分に対する検討状況をお示し願いたいと思います。
〇小友副局長兼総務課総括課長 決算特別委員会の際に軽石委員から御意見をいただきましたボランティアの拡張ということで、現在検討を進めてございまして、本大会及び全国障害者スポーツ大会の開会式におきまして親子ボランティアということを考えております。これは、小学校5、6年生ぐらいを対象に、親子でボランティアに申し込んでいただいて、余りいっぱいはちょっと無理なんですけれども、ほかのボランティアと一緒に親子で活動いただいて、できれば開会式もその後ごらんいただくといようなことで行いたいと考えております。
〇工藤障がい者スポーツ大会課総括課長 全国障害者スポーツ大会に係るボランティアでございますが、大きく3種類に分けられます。
聴覚障がい者に対しまして、手話、要約筆記、筆談を行う情報支援ボランティアにつきましては、600人の募集に対して657人の応募があり、平成27年度は県内5市で104回の養成講座を実施しているところでございます。
次に、選手団に対し、来県から離県まで介助、支援を行う選手団サポートボランティアにつきましては、800人の計画に対し、全17の養成協力校において1、270人の養成を見込んでおりまして、平成27年度は7校で養成講座を開講しているところでございます。
そして、開閉会式や競技会場で受付、案内、ドリンクサービス、会場美化等々の業務を行う運営ボランティアにつきましては、3、500人の募集に対し、本年2月末現在で3、399人、約97%の応募があったところでございまして、平成27年度は県内8カ所で基礎研修会を開催しているところでございます。
〇軽石義則委員 順調に進んでいるようでありますし、そのボランティアの皆さんが、参加したことに意義を持てるように、次につながるようにつなげていただきたいと思いますし、当然、大会に参加する選手の皆さんが十分力を発揮できるような体制というのも万全にしていただきたいと思います。
民間の企業にはボランティア休暇等の要請などもお願いするという話もしておりましたが、その点についてはどのような取り組みになっていたでしょうか。
〇小友副局長兼総務課総括課長 国体、全国障害者スポーツ大会のボランティア養成につきましては、各企業を訪問いたしまして、組織としてのボランティアへの対応、社員の方々が個人で出る場合の対応等を要請してきているところでございます。
その際に、あわせて休暇制度とか、休暇制度がない場合でも便宜を図っていただくようにお願いしているところでございまして、あとは、個々具体の会社、団体の取り扱いということになるかと考えてございます。
〇軽石義則委員 ぜひ、それらについても引き続き取り組みを進めていただきまして、オール岩手としての全体の成功に結びつけていただきたいと思います。
この全国障害者スポーツ大会が成功することによって、障がい者における世界大会も各種開催されておりますから、岩手でも障がい者の世界大会が開催できるのだという発信につなげていくべきだと私は考えておりますし、ぜひ、そうしていっていただきたい、その思いがあります。
最後に、局長からそれらに対する取り組みも含めて、今後の意気込みを聞いて終わります。
〇岩間国体・障がい者スポーツ大会局長 全国障害者スポーツ大会は本県で初めての開催でございます。なおかつ、国体・大会イヤーの最後を飾る総仕上げで、全県で取り組んでいきたいという話は先ほども申し上げました。
いずれ、全国障害者スポーツ大会は、選手はもちろんですが、その選手をサポートするボランティアの大会と言われるように、選手、役員と同じぐらいのボランティアの方々が参加いただきます。
非常に象徴的なのは、選手団が来県されて離県するまで6日間ぐらいなのですが、帯同といいますか、同行していろいろサポートをいたします。別れるときに非常に感激されて涙を流されるという場面も、先催県でも多数見受けられておりました。
したがいまして、選手だけではなくて参加するボランティアの方々も、終わってからも非常に印象に残るといいますか、経験として非常に有意義なものとなっていくというさまざま話は聞いております。
そういうことで、全県でしっかりと取り組んでまいりたいと考えておりますし、これを開催して終わりということではなくて、国体もそうでございますが、その後に続くスポーツ振興ですとか、あるいは岩手の未来の地域づくりにも十分つなげていくことを期待して開催するということで周知しております。
障がい者スポーツの世界大会ということについては、またいろいろと検討させていただきたいと思いますが、そういうものにも通ずるような土台、土壌づくりが開催を通じてできればとは考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 関連。簡単に。
気になったことなんですけれども、全国障害者スポーツ大会という障害の字なんですけれども、この大会は障害者と害を漢字で書いています。これは前に議論になっていたらごめんなさい。例えば国体・障がい者スポーツ大会局のがいは平仮名ですよね。これはどういうかかわりかなと思って。
〇工藤障がい者スポーツ大会課総括課長 岩手県におきましては、障がいのがいの字は平仮名を使用しております。ただ、全国障害者スポーツ大会といった場合に、国のほうといいますか、日本障害者スポーツ協会のほうで、基準要綱という形で漢字のほうの害を使用しておりますので、そのまま使用せざるを得ないということで、全国障害者スポーツ大会という表現を使う場合には漢字を使用させていただいております。
〇嵯峨壱朗委員 どちらが普通なのかわからないんですけれども、岩手県ではがいを平仮名で使って、大概のものは福祉のほうでも平仮名を使っています。だとすれば、それこそ協会のほうに、平仮名を使ったほうがいいのではないかとか、言えるものなのかわからないけれども、そっちのほうが何かいいように感じました。ささいなことですけれども、済みませんが、その辺を。
〇工藤障がい者スポーツ大会課総括課長 委員御指摘のとおり、一度そういった協議をさせていただいたことがございます。ただ、たしか全国障害者スポーツ大会という言葉は法令にも使われているというお話がございまして、なかなか改正が難しいというお話を聞いたことがございます。いずれ、お話のあったことについては、再度お伝えしていきたいと思います。
〇千葉絢子委員 まずは希望郷いわて国体、いわて大会の広報のあり方、県民運動の醸成について質問をさせていただきます。
まず、イメージソングで使われています臼澤みさきさんの笑顔の賛歌についてなのですけれども、これは学校関係には配付されて、子供たちも歌ったり、または知事も参加して不来方高校の音楽部と一緒に収録をしてというようなこともありまして、学校関係者の間には周知されているようです。
ただ、一般の県民に対する広報につきましては、メディア等におきまして使用に制限が設けられているということを伺っております。その意図しているところと、その理由についてお聞かせいただきたいと思います。
〇小友副局長兼総務課総括課長 イメージソング笑顔の賛歌でございますが、今、委員から御紹介があったように、歌唱者は、当時大槌町在住の臼澤みさきさんにお願いして歌っていただいているところでございますが、この笑顔の賛歌は、作詞は臼澤みさきさん御本人に、作曲は岩手県ゆかりのアーティストにお願いして制作いただいたという経緯がございます。これは、平成25年10月の開催決定イベントでのお披露目を経まして、さまざまなイベントであるとか、当方が主催している会議、外部の会議でもお願いしてその場のPRであるとか、盛岡駅とか商店街、県庁舎などでの放送、冬季大会さらにはリハーサル大会などで使用いたしまして、イメージソングが耳に入る機会を広めてきたところでございます。
また、最近では、テレビ、ラジオ、民放各局で月20回程度、両大会を盛り上げるコマーシャルを流していただいているわけですけれども、この際にも使用してございますほか、各テレビ局の国体、大会の報道でもイメージソングを使用いただいているところでございます。
イメージソングの笑顔の賛歌は、CD等での販売がなされてございまして、国体、大会にかかわる使用に関しては、契約上、包括的に著作権の無償使用の承諾を得ているということがございます。あわせて、その承諾の中には、報道機関が、広報であるとか報道、さらには特集のドキュメンタリー番組を制作する際にも使用いただけるというようなことで、各メディアのほうにもそのことは御紹介しているところでございます。
ただ、番組等で視聴者の方々からリクエストをいただいて曲を放送するという場合は、御紹介いただいたような無償使用の承諾の契約範囲を外れてございまして、通常の楽曲と同様に著作権料の支払いが生ずるということとなるものでございます。
〇千葉絢子委員 リクエスト等でかけられないということが障害になっているということも関係者から耳にしたことがあります。
なぜ、それが無償提供のところに含まれていないというか、契約した時点でそういう契約になっていなかったのかというところを、理由があったら教えていただきたいのですけれども。
〇小友副局長兼総務課総括課長 著作権を全て県のほうで買い取ればそういったことも可能かとは存じますが、経費負担の関係と、それ以外の、御紹介したような手だてでの使用、活用ということを勘案いたしまして、今とっているような判断をいたしたところでございます。
繰り返しになりますけれども、決してリクエストによって曲を流すことができないということではなくて、ほかの曲の使用と同様に、放送した際の著作権料の負担が生ずることがあるということでございます。
〇千葉絢子委員 実際はかけないでほしいというような要請も県のほうからあったようだと伺っています。ちょっと誤解が生じている部分があるのかと思うのですけれども、そういったことをメディアに、国体関連の話題以外での曲の使用については控えてほしいというような要請をもししたのであれば、その事実関係をお聞きしたいと思っております。
〇小友副局長兼総務課総括課長 私は平成25年からこの業務に従事しておりますけれども、少なくても、私の段階ではそういった説明をメディアのほうにした記憶はございませんが、そういった誤解がメディアのほうであるのであれば、改めて、そこら辺については御説明をしたいと考えます。
〇千葉絢子委員 次の質問に移りたいと思います。
秋の本大会におきまして、水泳競技、陸上競技など人気競技や人気選手がオリンピックの直後の大会ということで来県し、たくさんの観戦者が岩手県にも訪れるということが予想されます。その観戦する機会がきちんと県民にも確保されるために、現在どのような方法を考えているのかお聞きしたいと思います。
実は、冬季国体では、アイスホッケー競技で成年男子の決勝が、施設の破損等もありまして、急遽、収容人員の少ない盛岡市アイスリンクで行われたということがありまして、私も、東京都の試合をぜひ見たいなと思って観戦に行ったのですけれども、もう中はいっぱいで入れませんということで、諦めて帰ったお客さんも、私たち以外にもたくさんいらしたと思います。
会場運営上はいたし方がない理由だとは知っても、やはり観戦の機会がきちんと確保されないのではないかと。特に盛岡市の総合プールは観客席も少ないので、きっと大会関係者だけで席が埋まってしまうのではないかといった不安も、その競技に従事している一般の県民から寄せられています。なので、最初からそういった人気競技の観戦は、ボランティアに応募して採用されないと見られないのではないかといった不安も県民の間にあるようです。この不安を解消するためにどのような方法を考えているのかお聞かせいただきたいです。
〇小友副局長兼総務課総括課長 アイスホッケー成年男子の決勝戦の関係でございますが、今、委員から状況の御説明がありました。それで、盛岡市アイスリンクの観覧者の収容能力は、仮設を含めて約300人と非常に少なく、成年男子の決勝がそちらに急遽変わったということで、前の試合の観覧者の入れかえで、一時入場規制があって行列ができたということは、盛岡市のほうから聞いているところでございます。
希望郷いわて国体・希望郷いわて大会における競技会場の観覧者席の確保でございますけれども、既存施設をまずは最大限活用した上で、常設席で不足する場合には、仮設席を設置するということになります。さらに、会場内への収容が困難な場合には、先催県でも行っているんですが、入場の入れかえ制をとるとか、パブリックビューイングの実施といった工夫が、これは開催地市町村においてまずは検討されると承知してございます。
この中で、お尋ねのございました水泳競技でございますけれども、先催県における観覧者の状況等も踏まえまして、まず飛び込みプールは観覧席がございませんので、仮設スタンドを設けると聞いてございます。それから、パブリックビューイングによる観覧機会の提供も検討していると伺っているところでございます。
もう一つ例が出ました陸上競技につきましては、北上陸上競技場は総合開会式も行われるということで、仮設を含めて約1万5、000席程度が確保されますので、こちらについてはぜひ多くの方々に観戦をいただきたいと考えてございます。
委員からもお話がありましたように、今後、リオデジャネイロオリンピックに出場した著名アスリートの出場が実現するなど、相当多数の観覧者が予想されることとなった場合は、関係市町村からよく事情を聞きまして、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇千葉絢子委員 ぜひ多くの県民、そして子供たちにも、観覧の機会を多く与えてくださるようにお願いをしたいと思います。
あと、もう一点なんですけれども、これは通告はしておりませんでしたが、けさ問い合わせをした件につきましてお伺いしたいと思います。
市町村競技施設整備費補助ということで、8億2、400万円が計上されているわけですけれども、先ほど伺いましたら、8市町14施設に補助をするということでした。このうち、盛岡市の県営運動公園の中にあるボルダリングウォール、これは仮設で、1億円の補助をして来年度つくるということで伺っております。この補助率を見ますと10分の10で、1億円全額を補助すると聞いていますけれども、補助率2分の1、3分の2、10分の10のそれぞれ目的というのが、何に使われればこの補助率になるのか、まずそこを御説明いただきたいと思います。
〇安部施設課総括課長 市町村競技施設整備費補助の補助率でございますが、10分の10、3分の2、2分の1がございます。
10分の10は、仮設で競技施設を整備しなければ競技を行えないといったような、特殊な競技施設の場合に、県で10分の10を補助いたします。
3分の2の補助につきましては、特殊あるいは県内に一つしか競技会場がないといった場合に、国体の基準に合わせて改修を行わなければならない場合に、3分の2の補助を実施いたします。
2分の1の補助につきましては、その他の体育館ですとかグラウンド、サッカー場、そういった国体の開催のために必要な競技施設の改修に対して補助する補助率でございます。
〇千葉絢子委員 このうち、盛岡市には、国体の競技に使える要件を満たしたボルダリングウォールがなかったがために、1億円で仮設のものをつくることにしたと。ただ、これが、聞くところによりますと、練習にも使うことができないと。その理由は汚れるからと。そして終わったら壊す方針だということで、競技団体から少し苦情のようなものも出ているということです。盛岡市に対して1億円を補助する、この額は決して大きくないわけではないと思うのですけれども、壊すという前提であることも承知の上で補助をするということになるんでしょうか。
〇安部施設課総括課長 競技施設整備の仮設につきましては、あくまで国体のために整備して、終わりましたら撤去するという前提で整備し、補助するものでございます。
盛岡市のボルダリング競技会場は県営運動公園に整備いたしますが、既設の屋内ボルダリング場がございますけれども、小さくて国体の基準に合致しないと。さらに、それを改修するようなスペースもないということで、今回、国体の基準に合致するようなボルダリングウォールを設置するために会場を整備するというものでございます。
〇千葉絢子委員 近年、このボルダリングの競技では、県内からも国内トップクラスの選手が出ていますし、利用者に対する人気度も認知度も上がっていて、利用を希望する人は多いということです。それで、現状では、利用者もふえているのですけれども、施設は老朽化をしていてこの既存の施設自体も利用制限がかかっている状態だと伺いました。国体の基準を満たす施設がないからつくった。では、終わったら壊します。そしたら、国体後の選手の養成、国体の基準で練習する施設というのは必要ないのでしょうか。
〇安部施設課総括課長 確かにボルダリング競技は、近年、人気も出ておりまして、県内にそういった競技会を開催できる競技施設があれば、確かに非常にすばらしいことだと考えてございます。
今回の整備に関しましては、平成21年度から競技団体と盛岡市と協議をして、どうやって整備するかを検討してまいりました。平成23年2月に第1次の競技施設整備計画を策定いたしまして、その際に、仮設で整備するということに決定したものでございます。
ボルダリング競技会場は、まず、リード競技場のそばになければならないということと、それから常設のためには体育館程度の建物の中に設置しなければならない、広さとすれば武道館ぐらいの施設が必要になります。すると、相当多額の経費がかかると。それから、これまでの開催県でも、ボルダリング競技会場は仮設で整備して対応してまいりました。そういった状況を勘案して、仮設で整備するとしたものでございます。
〇千葉絢子委員 競技団体である山岳協会のほうからは、施設を残して常設にして、利用者から利用料を取るなど、提案というかお願いの文書が県にも寄せられていると伺いましたが、これに対して、県からは特に何の返答もないと伺いました。それはなぜ返答していないのか。そして、どういう方向性を考えているのか、お聞きしたいと思います。
〇安部施設課総括課長 今、委員お話の県に対する提案というのは、国体局のほうに来ているものではないと思います。これは県教育委員会のほうに確認しなければなりませんけれども、いずれ、国体局でそういった競技団体からの要望を受けた経緯はございません。
〇千葉絢子委員 山岳協会では、署名が必要だということになれば、署名も考えているというお話も伺いました。
前回の昭和40年代の国体のときには、例えば社会資本の整備につながったとか、あとは、達成感と自信につながったという成果があったと知事もおっしゃっていましたけれども、今回の国体を契機に、遺産として国体局ではどういうことを残そうとしているのか、それにこれはつながってくると思うのです。単に国体の開催が成功に終わったということだけを成果と見るのではなく、その後の選手の育成についても、明確な方針を示してスポーツ振興につなげていかなくてはいけないと思っております。なので、地域スポーツの振興のかなめとなるように市町村に対する整備補助を実現したものに関しては、その地域のスポーツの拠点として、今後、さらに利用していけるような方法を、8市町とともに、何らかの話し合いのようなものを持って、今後も維持していけるものはしていくような方法が必要だと思うのですけれども、今回の盛岡市のボルダリングウォールのように、国体が終わってからもう取り壊すというものが決まっているものは、14施設のうちどれぐらいあるのでしょうか。
〇安部施設課総括課長 仮設もいろいろございまして、ボルダリング競技場のような大規模な仮設もございますし、それからカヌー競技、セーリング競技のように、水面にコースを設置するといった仮設もございます。水面にコースを設置するような仮設につきましては、競技の前にコースを仮設で設置して、終われば取り外すと、そういった仮設に対して補助するということですから、これについては取り壊すとかそういった意味合いではないと思います。
大規模な仮設につきましては、今お話のボルダリング競技会場、それから水泳の飛び込みプールがございますが、飛び込みプールは選手の寒さと安全対策上、プールを覆わなければならないということで、それも仮設で覆うことにしております。ただし、あくまでも仮の施設でございますので、国体が終わればそれを取り外すということにしてございます。
〇千葉絢子委員 飛び込みプールの覆いについては、以前からも競技関係者からは必要性が訴えられていたものと認識しています。国体を開催して終わりではなくて、その後の選手の育成、スポーツ振興についてどのように国体局では考えているのか。今回市町村に整備して、そっちのほうにお任せしますということではなくて、国体をきっかけに、国体局が中心となってこの機運を盛り上げている役目から考えれば、今後の育成について何らかの思いがあってしかるべきと思うのですけれども、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
〇安部施設課総括課長 確かに仮設で整備するものについてはやむを得ず撤去いたしますが、そのほかに、例えば今回の国体を契機に、岩手町のホッケー場は人工芝コートが2面整備されましたし、本格的な夜間照明設備が整備されました。ホッケーの拠点として、今後、選手育成に貢献できると思っております。
それから、紫波町の自転車競技場も大規模な改修を行い、ロードレースコースもフィニッシュ地点が整備されるなど、自転車競技の拠点ということで、これも今後のスポーツ振興に大いに役立つと思っております。
そのほか、テニス会場となる盛岡市の太田テニスコートですとか、北上市の和賀川グリーンパークテニスコートにも、インドアコートですとか夜間照明設備ができました。これについても、身近な地域のスポーツ拠点としてあるいは選手強化として、今後のスポーツ振興に寄与するものと考えてございます。
〇千葉絢子委員 こういったスポーツ施設というのは特に大がかりなものにもなりますので、県が単独で用意していくというのは、だんだん現実的ではなくなってきていると思うんです。今回のような国体を契機にした大きい国単位のスポーツ大会などに合わせて、開催される市町村と力を合わせて施設整備をしていく方向性というのは、今後も模索していかなければいけないと思います。このことについて、ぜひ岩間局長からもちょっと見解をお聞きしたいと思います。
〇岩間国体・障がい者スポーツ大会局長 国体終了後のスポーツ振興と選手強化という観点でのお尋ねだと思います。
確かに、これまでも各会場地市町村でありますとか競技団体と十分な議論を重ねながら、さまざまな施設整備計画ですとか競技用具の整備計画等を策定して、その計画に基づいて整備をしてきたという経緯がございます。ただ、財政事情も厳しい中での国体の開催でございますので、ハードを残すというのはなかなか前回のようにいかないということは、これは御案内のとおりでございます。その中で、私どものほうでも、せっかく国体、全国障害者スポーツ大会を開催いたしますので、その財産といいますか、そういったものを残したいということは考えてございます。その中の一つとして、国体を契機に、これだけ県の選手団が頑張って、冬季大会でもあれだけのすばらしい成績をおさめたということがありますし、わかやま国体でも非常にすばらしい成績をおさめたという、競技力も国体を契機に上がってきているということは言えようかと思います。この流れを国体や全国障害者スポーツ大会終了後も、ある程度遺産といいますか財産として残していくことが必要なのではないかと考えてございます。ただ、国体局がということではなくて、今後の議論を行うためには、まさに選手強化を所管する県教育委員会でありますとか、あるいは各施設を所管する市町村でありますとか、広域というお話が先ほどございましたが、そういった関係機関、関係者と、今後どういうふうにスポーツ振興を図っていくべきか、あるいは施設整備の考え方を整理していくべきかということは、議論されるべきだとは考えてございます。ただ、現時点では、国体と全国障害者スポーツ大会、目の前にあるものをしっかりと成功させるということがまず前提になりますので、そこにまずは注力をさせていただいて、それを踏まえて、さまざまな状況を勘案しながら、関係者が今後のスポーツ振興のあり方を検討していくということになろうかと思っております。
〇千葉絢子委員 国体の開催のためにいろいろ皆さんが御尽力されて、あと206日というところまでこぎつけたということに、本当に感謝を申し上げたいと思います。
国体開催で浮かび上がってきた施設改修の必要性ですとか、あとは選手の今後の強化のあり方、ぜひ国体後に県教育委員会にも引き継いでいただいて、たゆまぬ岩手の振興につながっていけばと思っておりますので、これをお願いいたしまして質問を終わります。
〇阿部盛重委員 私からも全国障害者スポーツ大会についてお伺いいたします。
今回の大会は、御存じのとおり、競技技術の向上と大会に対する県民の理解を深め、関心を高めるためということで、とても大事な大会と思っております。そして、競技に出られる方々が身体障がい者の方々、知的障がい者、そして精神障がい者の方々でございます。開閉会式及び競技運営、輸送、宿泊、受け入れ準備体制が着々と進んでいるということで安心しておりますが、私から1点だけ御質問します。
コンディショニングルームでの選手団へのサポート体制はどのようになっているのか。また、必要な器具等も準備されているのか。また、サポート体制の人数的なバランスは大丈夫なのか、お伺いいたします。
〇安部施設課総括課長 コンディショニングルームの運営についてお答えいたします。
全国障害者スポーツ大会の11の競技会場には、選手に対しまして、マッサージやストレッチ等のサービスを提供するコンディショニングルームを設置することとしております。その運営に必要な従事者数は、11会場で延べ250人と見込んでございます。
このコンディショニングルームの運営につきまして、昨年、理学療法士会、作業療法士会、鍼灸マッサージ師会、鍼灸師会及び柔道整復師会の5団体を訪問して、ボランティアによる協力をお願いいたしました。5団体とも、快くお引き受けをいただいたところでございます。
現在、運営体制の細かい点、それぞれの団体で何人派遣していただけるか、あるいはどういった備品が必要か、備品については県実行委員会で準備いたしますが、細かい運営体制を今後各団体と協議して固めることとしておりまして、各団体と連携して、設置に向けた具体的な準備を進めてまいります。
〇阿部盛重委員 各協会とも念入りな打ち合わせがまたさらに必要かと思いますし、また、非常に大事な内容でもあるし、事故がないように進めていただければと思います。
〇高橋但馬委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬委員長 質疑がないようでありますので、これで国体・障がい者スポーツ大会局の質疑を終わります。
国体・障がい者スポーツ大会局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。
〇紺野会計管理者兼出納局長 出納局関係の予算について御説明申し上げます。
予算の内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、予算に関する説明書の83ページをお開き願います。2款総務費1項総務管理費1目一般管理費のうち、出納局関係は、説明欄の中ほどにあります2億3、842万円余であり、出納局職員の人件費であります。次に、85ページをお開き願います。5目会計管理費5億3、857万円余でありますが、これは、管理運営に要する経費及び財務会計システム改修事業費等でございます。
次に、少し飛んでいただきまして373ページをお開き願います。証紙収入整理特別会計でありますが、歳入歳出予算額は39億1、354万円余であります。
歳入の主なものは、375ページにありますように、県税に係る証紙収入17億6、127万円余、また、使用料及び手数料に係る証紙収入21億5、227万円であります。
次に、377ページをお開き願います。歳出でありますが、これは、県税、使用料及び手数料に係る証紙収入同額を一般会計に繰り出すものであります。
以上で説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇高橋但馬委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬委員長 質疑がないようでありますので、これで出納局関係の質疑を終わります。
出納局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求めます。
〇佐藤人事委員会事務局長 人事委員会関係の予算につきまして御説明申し上げます。
便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、予算に関する説明書104ページをお開き願います。2款総務費8項人事委員会費のうち、1目委員会費の693万5、000円は、委員3人分の報酬、その他、委員会の運営に要する経費でございます。次に、2目事務局費の1億7、010万円余は、事務局16人分の人件費、事務費など事務局の任用関係事務、公平審査事務及び給与関係事務等の管理運営に要する経費でございます。
以上で人事委員会関係の予算の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇高橋但馬委員長 ただいま説明に対し質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬委員長 質疑がないようでありますので、これで人事委員会関係の質疑を終わります。
人事委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求めます。
〇菊池監査委員事務局長 監査委員関係の予算について御説明を申し上げます。
お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げます。106ページをお開き願います。2款総務費9項監査委員費のうち、1目委員費の予算額1、980万2、000円は、監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要する経費でございます。次に、2目事務局費でございますが、予算額2億1、538万4、000円は、事務局職員21名に係る人件費等事務局の管理運営に要する経費でございます。
以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議お願い申し上げます。
〇高橋但馬委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬委員長 質疑がないようでありますので、これで監査委員関係の質疑を終わります。
監査委員事務局の皆さんは御苦労さまでした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後4時58分 散 会

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