平成28年2月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇30番(郷右近浩君) 改革岩手の郷右近浩でございます。
質問に先立ち、あの東日本大震災津波から間もなく5年を迎えようとしている中、いまだに不自由な生活を余儀なくされている被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。また、今月6日に台湾南部で発生した地震により、とうとい命を落とされた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。
それでは、登壇の機会をくださった先輩、同僚議員に感謝し、通告に従い順次質問させていただきます。
最初に、平成28年度当初予算について伺います。
厳しい財政状況の中にあって、選択と集中を図りながらの予算編成には御苦労があったものと思われますが、知事として3期目をスタートするにふさわしい政策展開が図られており、まさに希望郷いわてを実現するとの思いで編成された予算であると感じております。
そこで、第1に、予算編成に対する知事の思いについて何点か伺います。
知事は、昨年の知事選挙において、希望が持てる暮らし、希望が持てる仕事、希望が持てる地域を実現しますとのフレーズを用い、希望マニフェストを掲げました。そして、その中で本格復興の推進とその先の三陸振興、若者女性活躍支援と生きにくさの解消など八つの政策を具体的に示されたところです。
そこで、質問の一つ目は、知事のマニフェストの実現に向けて予算が十分に盛り込まれたのか、知事の所感をお示し願います。
二つ目は、マニフェストの8番目に掲げた希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の成功、そして、2019年ラグビーワールドカップ岩手県釜石市開催の成功についてであります。
まさに冬季大会が開催され、本県選手の連日の活躍もあって大きな盛り上がりとなったところです。さきの関根議員の質問に対し、知事から御説明のあった国体・大会プラスによる各分野での取り組みも加わり、県全体がさらに盛り上がっていくとともに、全国からの注目がより高まることが期待されますが、情報発信においても効果を高める工夫をしていく必要があります。
震災後、被災地初となる国体・大会は、日本国内はもとより、世界各国に至る多くの方々から多大な支援を受けたことに、両大会を通じて感謝の意を伝えるとともに、復興途上にはあるものの、復興に邁進し懸命に努力している県民の姿を広く発信していく機会でもあると思います。
国体・大会における情報発信は、実行委員会の中心である県だけではなく、広く民間企業や著名人、ミュージシャン、アスリートなど、さまざまな分野からの支援、協力も考えられ、そうした民間とのコラボレーションをうまくプロデュースすることも重要であると考えますが、何か具体的な取り組みは予定されているのでしょうか。この国体・大会の機会を捉え積極的に協力を求めていくべきと考えますが、知事の御所見を伺います。
三つ目は、マニフェストにある県勢発展のかなめは人。人がつくる岩手、人をつくる岩手です。に係る取り組みについてであります。
知事は、ふるさと振興総合戦略において、ふるさとの未来を担う人づくりプロジェクトを掲げ施策展開を図られているところですが、平成28年度は、岩手の未来を担う人づくりについて、どのような具体的な取り組みをされるのかお伺いします。
次に、オール岩手でのふるさと振興について伺います。
知事は、先ほど述べました希望マニフェストで、復興とふるさと振興、オール岩手で希望郷いわてを実現しましょうと県民に対し呼びかけました。知事が常々言われるオール岩手を結集してとは、被災地の復興はもとより、被災地の復興を支える内陸地域の振興、活性化を図ること、オール岩手での復興、ふるさと振興を進めるということに象徴されるものであると考えます。
その観点から、初めに、被災地の復興を支える内陸地域の振興、活性化としてのものづくり振興について伺います。
自動車産業を初め、内陸地域には中核となるものづくり企業が集積しており、部品の供給や設備のメンテナンスなど、さまざまな形で地元の企業、経済がかかわりを持っているところです。自動車産業をとっても、関東自動車工業が金ケ崎町に立地した当初は、あわせて進出した部品メーカーを除くと、地元調達は非常に少なかったと記憶しております。その後、県、市町や産業支援機関などの積極的な取り組みにより、県内企業からの調達が大きく伸びてきているところであり、活性化に大きくつながってきているものと考えます。
一方で、企業も技術力や生産管理能力などの競争力をつけていかなければ、さらなる参入の機会は難しいものであります。
地元企業を支援する施策を県では新年度予算にどのように反映させ、進めていこうとしているのかお伺いいたします。
次に、ILCの推進について伺います。
昨年11月、岩手県立大学の鈴木厚人学長が、基礎物理学ブレークスルー賞を受賞されました。2012年の基礎物理学賞設立以来、日本人では初の受賞となる快挙であり、また、本県へのILC誘致実現に向けて大きな力となることは間違いありません。
現在、国の有識者会議の議論も進められ、最も早いスケジュールでは、2017年に日本誘致の判断がなされる可能性もあり、今月には、昨年に続き超党派の国会議員連盟が訪米し、日米の協力関係を構築する場が開催されるなど、ILCの実現に向けて大きな成果が生まれております。
また、ことし12月にはILC研究者の国際組織であるリニアコライダー・コラボレーションの主催による国際会議が盛岡市を会場に開催される予定であり、岩手の魅力を世界に発信する機会となり、機運醸成にもつながるものと考えます。その機会を捉え、鈴木学長の受賞記念パーティーに見られた多くの被災者の熱い思いを、さらに発展させていかなければならないと考えます。
そこで伺いますが、平成25年度の国内候補地一本化決定以降、これまでのILC実現に向けた取り組みの成果についてお伺いいたします。あわせて、平成28年度当初予算における取り組み内容と平成29年度以降の見通しについてお示し願います。
また、民間団体等の協力関係、関係市との連携、協力による誘致推進に向けた取り組みが、どのような状況なのかお伺いいたします。
さらには、関連産業の集積拠点の形成に向けた取り組みの状況についても、あわせてお示しください。
ILCの実現に向けては、これまでもさまざまな観点から取り組みが進められてきているところですが、今後増加が見込まれる外国人の方々が、いかに安心して生活できるかということは、地域にとって重要な課題であり、とりわけ医療分野については、研究者の関心も高いところであります。
奥州市では、国際交流協会が中心になり、医療通訳派遣の取り組みを開始するなど具体的な動きがありますが、今後、外国人研究者やその家族の方々が安心して医療サービスを受けられる環境整備に関する取り組みの状況をお伺いいたします。
次に、安心して子供を産み、育てることができる環境の整備について伺います。
達増知事は、マニフェストの二つ目に、若者女性活躍支援と生きにくさの解消を挙げています。次の質問は、このうち、子供を産むという点に焦点を当てて伺います。
県のふるさと振興総合戦略、岩手で育てるでは、社会全体で子育てを支援し、出生率の向上を目指す就労、出会い、結婚、妊娠・出産まるごと支援プロジェクトを立ち上げて各種施策を展開することとされています。マニフェストを実現させるべく、知事が先頭に立って施策推進を加速し、生きにくさを生きやすさに転換し、岩手における人口減少などの諸課題の解決につなげていくことを期待しております。
そのような中、奥州市では、昨年、民間の産婦人科の1軒が産科を取りやめました。地元だけではなく、里帰り出産をする人も多い中で、貴重な存在であった出産を扱う医療機関がまた減ったことで、妊婦さんの不安はもちろん、他の医療機関への負担増が懸念されています。閉鎖がさらなる閉鎖へとつながることで出産難民が出かねないと、負の連鎖が起きることを心配する声も少なくありません。
新年度予算では周産期医療対策費として3億円が計上されておりますが、御案内のとおり、岩手県内では、医師不足の中でも特に産科の医師不足が深刻で、それが妊婦にも現場の医師にも負担になっていく悪循環が続いており、この解決こそが、生きにくさ解消の一丁目一番地であるとも考えております。
そこで、現状の周産期医療に対する認識と、かなめである医師確保の見通しについて伺います。
過日、この4月から岩手医大に生殖医療専門医が着任するとの報道がなされ、私は、岩手でも不妊治療が充実していくという期待に胸を膨らませております。
このような中、県では、平成28年度当初予算において、出生率を上げる具体策として、不妊治療への負担軽減策の対象範囲を、女性だけでなく男性にも拡大したことなどは評価いたします。しかし、不妊治療は、経済的負担のみならず精神的負担も大きいのが実態であり、社会的な理解が十分進んでいないことも事実ではないでしょうか。
子供を望む人にとって、経済的な問題もさることながら、子供はまだか、子供もできないのかなどとの周囲の声や、治療を進めていく上で、勤めている職場で公休をとりづらいなど、社会的に押しつぶされてしまうケースも少なくないと聞いております。こうした点にも社会への理解を進める取り組みが必要と感じますが、御所見をお伺いいたします。
また、出生率を上げるためには、安心して子供を育てることのできる環境整備も必要と考えますが、子供を産み、育てるための環境整備に対する知事の御所見を伺います。
次に、スポーツ振興について伺います。
まずは、冬季国体の選手、役員、また大会関係者、そして応援に行った皆様、御苦労さまでございました。
大会参加の選手、関係者から評価の高かったスケート競技開始式から、あっという間の冬季国体でありましたが、県選手団も総合4位というすばらしい結果を残し、県民に感動と元気を与えてくれたものと感じております。このすばらしい結果を、ぜひ秋の本国体へとつないでいっていただきたいと思います。
秋の国体には、より多くの選手、役員、大会関係者が来県いたします。来県した皆様にすばらしい思いを持ち帰っていただけるような国体にしていきたいと考えますが、県は、冬季国体の運営における成果や改善点をどのように捉えているのかお伺いいたします。
そして、知事演述の結びでは、昭和45年の大会を契機に本県の基盤整備が加速し、地域経済発展の基盤となったとのことでしたが、このことは誰しもが認めるところであり、今国体及び大会の取り組みが、地方が主役になる地域振興のモデルとなり、さらには、将来に引き継ぐべき財産としていくことが重要と考えます。
そこで質問いたしますが、前回の国体で財産として残されたものが岩手の発展の原動力となったことを踏まえ、今国体及び大会の後、何を財産として残すべきとお考えなのか、お示しいただければと思います。その何かが県民や我々議員の中でしっかり共有されれば、オール岩手としてまとまり、大会を成功に導き、より大きな財産になるものと思います。
次に、スポーツ医・科学サポートへの取り組みについて伺います。
県では、スーパーキッズを育成し、競技力向上に取り組み、今国体冬季大会でもその成果があらわれたところでありますし、今後の2018平昌冬季オリンピックや2020東京オリンピックでも活躍が期待されるところであります。
スーパーキッズ育成に当たっては、スポーツ医・科学サポートを取り入れた育成プログラムを実施していますが、今後の競技力向上に生かすことはもちろん、スポーツに親しむ県民にも広め、地域のスポーツ振興につなげていけるよう、その機能の充実強化が必要と考えますが、県は今後どのように対応していくお考えかお伺いします。あわせて、継続的にサポートできる拠点について、今後、スポーツ施設を新築、改築する際に併設することが、県民の利便性の向上につながると考えますが、県の見解をお伺いいたします。
次に、国体を契機とした合宿誘致について伺います。
東京オリンピックの事前合宿誘致については以前も質問したところですが、県民にスポーツへの関心が高まっている中、世界のアスリートを身近に見ること、交流することが、青少年を初め、多くの県民に夢と感動を与えてくれるとともに、地域を盛り上げることに寄与するものと考えます。
既に他県の市町では協定を締結したという新聞報道もあるところですが、県の現在の取り組み状況と県内の候補地についてお伺いいたします。
次に、TPPへの対応について伺います。
TPPについて、今月2日付の東京新聞は刺激的な記事を一面で掲載いたしました。記事は、民間の研究者や弁護士らが5、500ページにわたる英文の協定書を翻訳し、分析した内容をもとに書かれておりますが、米や牛肉など、いわゆる重要5品目について、関税撤廃の除外規定がないとされております。それどころか、逆にアメリカやオーストラリアなどの要求があれば、TPPの発効7年後には、日本の全ての関税に関して再協議する規定があるとしています。
これは、聖域は守ったとする政府の説明とは異なり、聖域なき関税撤廃を掲げたTPPの基本原則が協定書では貫かれていることが明確になっていることから、全ての農産品の関税が撤廃されるおそれがあるということを示したものであります。
しかも、7年間しか関税の維持の猶予がなく、その後は加盟国のさらなる撤廃圧力が強まるのは確実と言える内容であります。事実、東京新聞の取材に対して、外務省も、TPPの協定書には関税の除外規定がないことを認めております。
これは大変な問題であります。国は、今回のTPPの大筋合意による影響額を試算しているのでしょうか。これまでの試算は全く根拠がない数字ということにはならないでしょうか。現実には関税撤廃を前提にした数字が最も信用できるもので、岩手県では、今回試算した最大73億円ではなく、1、400億円を超えるというのが本当の影響額ではないかと懸念を覚えるものです。
国はいまだに協定文書の全文を明らかにしないまま、TPP対策費を盛り込んだ予算編成を推進しようとしておりますが、このままでは、とりわけ岩手のような地方農業県の打撃は、はかり知れないものであります。
政府は十分な情報公開に努めるべきであり、その上できちんと議論をして比準すべきかどうか決めるべきですが、県として、7年後に関税が撤廃されるとの報道を受けて、どう対応していくのかお伺いいたします。
次に、農業振興について伺います。
岩手県の米の販売戦略については、他県との競争が激化する中、県産オリジナル品種の開発により、いよいよ乾坤一てきの勝負をするときを迎えており、品種ごとに適地適作を徹底するとともに、確かな栽培技術に裏打ちされた極めて高品質の米を生産することで、高値販売とブランドイメージの確立につなげる戦略が必要であります。
まずは、あきたこまちやひとめぼれにかわるブランド米対策として、県中部を中心に作付が見込まれる銀河のしずくがことしの秋に市場にデビューしますが、きのう日本穀物検定協会が発表した2015年産米の食味ランキングにおいて、参考品種として出品された銀河のしずくが、本県オリジナル品種初の特Aとの評価を受けたことは、開発にかかわってきた県内の生産、流通関係者の取り組みが実を結んだ結果であり、まずは、関係者に心よりお祝いを申し上げたいと思います。
しかし、これからが本番であり、県では、銀河のしずくの栽培適地の設定、生産販売計画の策定、販売ターゲットの絞り込みなど、ブランド化に向けてどのように取り組んでいくのかお伺いします。
そして、平成29年には、県南で作付予定の新潟産コシヒカリを超える品種として開発されている岩手118号がデビューを予定しております。岩手の米の最上位に位置づけられるフラッグシップ米と言うべきものと理解いたしますが、まず、栽培において高品質をどう担保するかが課題であると思います。
既に栽培手法に着目して販売されているひとめぼれのプレミアムブランド米については、農薬使用は慣行栽培の4分の1の4成分、粒の大きさは通常より0.1ミリメートル大きい2.0ミリメートル以上、栽培管理として岩手県版の農業生産工程管理、いわゆるGAPに取り組むなどとした上で、食味に関しても食味値による選抜基準が設定されており、こうした基準が首都圏での高値有利販売につながっております。
一方、岩手118号の栽培に挑戦したい意欲的な農家が多いところですが、デビュー時に予定されている100ヘクタールでは、農家は希望どおりに作付ができないと見込まれます。しかし、将来的には、品質を維持向上したままで栽培面積を広げることは、ブランド力の向上を目指すために不可欠であります。
〔議長着席、副議長退席〕
岩手118号については、来年のデビューに向けこの1年が大切なときでありますが、品質を担保する基準の設定、栽培適地や作付農家の選定、さらには現地試験の取り組みなど、具体的にどのような生産体制を講じていくのかお伺いします。
次に、販売対策のうち、川下部分についてお伺いします。岩手118号の場合、高品質で高価格帯、特にも価格は日本有数の米にしたいとのことですが、そうなれば、売り込み先やターゲット、売り方をこれまでと変える必要があるのではないかと考えます。デビュー当初は、市場規模に対する供給量が極めて少ないことを利用して、アッパークラスにターゲットを絞るとか、こだわりの米を扱う米屋や料理店との取引にするなどし、高級ブランドのイメージを形成するところかと思われます。
先般、県では、いわてオリジナル品種ブランド化戦略を策定したところですが、価格ポジションや販売ターゲットの設定などにどのように取り組んでいくのかお伺いします。
また、米の販売戦略ということでは、過日2月1日、シンガポールで、現地の飲食店や小売店関係者等45名の参加のもと、岩手県産米セミナーが初めて開催され、県産米の特徴や魅力を伝えるとともに、県産食材の試食等を通じた県産農林水産物をPRしたということであります。言うまでもなく、シンガポールは県産米の最大の輸出先であり、平成22年度の103.5トンから平成26年度は179.4トンと順調に数量を伸ばしており、県産輸出米の78%を占めております。
今回は、県からも小原農林水産部長を初め5名の職員の方が訪問団として行かれたということですが、成果と課題をどのように捉えているのかお伺いします。
また、他県との競合、競争も多いであろうシンガポールにおいて確実に売り上げを伸ばしている販売戦略は、国内においても一つのヒントとなるものではないかと考えますが、御所見をお伺いします。
次に、畜産振興について伺います。
岩手県は全国有数の生産額を誇る畜産県であり、肉用牛の生産額は全国6位、東京食肉市場への上場頭数で見れば長年1位の座を占めてきたことは、御案内のとおりであります。しかし、肉用牛の生産は足元で揺らいでいるのが実態であり、特にも子牛の需給バランスの変化により、肥育農家の置かれている環境は厳しいままであります。
子牛市場の価格は上昇を続け、取引価格は現在、平均76万円を超え、いわゆる肉用子牛補給金の発動ラインのほぼ2倍となっております。一方、肥育農家は、赤身肉や熟成肉ブームも手伝って、これに適するA3、A4ランクが価格を押し上げており、最高級とされるA5も上昇基調にはありますが、素牛価格や飼料価格の高騰により厳しい経営環境となっております。
実際、こうしたことを背景に肥育農家数は減少の一途をたどっており、地域ブランドとしての必要なロットとされる年間1、000頭の出荷頭数を確保している銘柄牛は、県内においては、いわて奥州牛といわて南牛だけであり、前沢牛ですら既に大台を割り込み、市場に対する訴求力は低下している現状にあります。
繁殖農家にとっても、これ以上地元の肥育農家が減少することは、将来価格の暴落につながりかねないと、高値相場の中にも先行きに不安の声が出ております。繁殖農家にとっても肥育農家にとっても、共存共栄できることが最も大切であり、この解決には、子牛の供給体制を充実させ、頭数の維持、増頭が欠かせないと考えますが、繁殖農家の現状をどう把握しているのかお伺いします。
また、昨年の補正予算に続き、当初予算においても、生産者団体と連携し、1頭5万円の肥育素牛導入補助を予算化していることは評価いたしますが、あくまでも対症療法であり、早急に根本的な解決方法を考えなくてはならないと思われます。
素牛の価格高どまりの背景には、繁殖農家の高齢化などを理由とした頭数の減少が大きな要因として挙げられ、繁殖農家の養成や独自の子牛供給体制の構築を考えるべきと思いますが、御所見を伺います。
最後に、暴風雪による被害対策について伺います。
先月18日から22日にかけて本県に接近した低気圧の影響で、漁港などを中心に70億円を超える被害が発生しました。被害に遭われた皆様に、改めてお見舞いを申し上げます。
生活の党岩手県連では、2月12日、県の被害まとめの発表に先立って、沿岸と内陸の被害についてそれぞれ調査を行いました。
陸前高田市の広田湾漁協では復興途上の養殖施設が被害を受け、ホタテやワカメ、カキの落下などが報告されております。ことし出荷分については共済もありますが、来年のホタテの出荷見通しがなく、収入が絶たれるなど、歯を食いしばって復興を目指している漁家にとっては厳しい現実が降りかかっておりますが、誰ひとりとして、今回の災害で漁業をやめることはなく、頑張っていくとの決意を聞くことができたことに、一筋の光と矜持を見た思いがします。
一方で、内陸一関市では、季節外れの湿った重い雪で121棟のビニールハウスに被害が出ております。ホウレンソウ栽培をしていた10棟が一気に倒壊した農家、地域の100ヘクタール分の稲の育苗を担っていた共同施設、介護が必要な高齢の両親を抱えて所有する3分の2がだめになったトマト農家などから声をお聞きしております。
農業を行っていくには条件が不利な山間の地で生きていくためにと、施設園芸に転換して頑張ってきたところが打撃を受けたわけであります。雪のために撤去作業がままならず、春からの作業のめどが立たないところも多く、支援を求める声が相次いでおります。農業を持続し、集落を維持できるかの瀬戸際のところもあります。
この際、農家が経営継続に向けて安心して取り組めるよう、県としてのお考えをお示しください。
また、この暴風雪被害では、東日本大震災津波により被災し、復旧が完了した漁港や復旧途中の漁港においても、高波による防波堤の倒壊や、釜石等においては、波浪による事業所への甚大な被害など、55億円を超える大きな被害が生じています。震災で被害を受けた防波堤や岸壁など漁港施設の復旧が終わり、やっと安全に漁船が係留できるようになった、やっと安心して漁獲物の陸揚げが行えるようになったと思っていた矢先に、このような被害を受け、漁業者の落胆はさぞ大きなものと御推察いたします。
震災津波からやっとの思いで立ち上がった漁業者の御心痛に鑑み、一日も早い復旧を願うものでありますが、今般の暴風雪の高波による漁港施設の被災状況と早期復旧に向けた今後の対応についてお伺いいたします。
以上、登壇しての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(田村誠君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 郷右近浩議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、希望マニフェストと予算編成についてでありますが、昨年の知事選において掲げました希望マニフェストでお示しした八つの政策については、先般策定したいわて県民計画第3期アクションプランに具体的な施策として盛り込み、プランの実質的な初年度となる平成28年度当初予算案に関連する予算を計上したところであります。
具体的には、まず、本格復興の推進とその先の三陸振興について、防潮堤、水門等の復旧、整備、災害公営住宅の整備、漁港施設等の復旧など、復興計画に掲げる三つの原則に沿った取り組みを盛り込み、あわせて、復興後を見据えた三陸地域の総合的な振興を担う体制整備についても盛り込んだところであります。
また、若者、女性活躍支援と生きにくさの解消について、今月設立したいわてで働こう推進協議会を中心に、官民を挙げて若者の県内就職や創業の支援、働き方の改善を図る取り組みを盛り込んだほか、若者の婚活の後押し、不妊に悩む方々への支援の拡充などを盛り込んだところであります。
このほか、医師の確保、定着やドクターヘリの安全、円滑な運航など地域医療の充実、農林水産物の高付加価値化や観光の振興など地域資源を生かした産業の振興、ILCの実現に向けた情報発信及び調査研究など、予算に盛り込んだところであります。
次に、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会を通じての情報発信における民間とのコラボレーションについてでありますが、これまで、著名アスリートによる沿岸地域でのバレーボールや柔道などのスポーツ教室の開催や、やはり著名アスリートによる県ホームページでの応援メッセージの公開などを行ってまいりました。また、被災地支援を続けてきたトヨタ自動車による両大会の応援イベントが東京で開催されるなど、被災地で初めて開催される両大会の情報発信に努めてまいりました。引き続き、民間との協働にも意を用いてまいります。
また、全国から多くの選手や観覧者が集まる両大会の開閉会式は、復興支援に対する感謝の気持ちや、復興に取り組む姿、さらに、本県の魅力を伝える絶好の機会であり、こうしたことを効果的に伝えるため、式典演技やミニコンサート、ビデオメッセージへの本県ゆかりの芸能人や著名アスリートの出演、全国から支援を受けて活動を再開した郷土芸能や高校生による大漁旗を用いた応援、そして、岩手、宮城、福島被災3県の合同合唱団による復興ソングなどを計画しております。
これらを含めて、式典アドバイザーであります本県出身映画監督の助言を式典全般の演出に生かすこととしておりまして、著名人、さらには、世代や地域を超えたさまざまな出演者の協力を得て、復興に向けて力強く前進する姿や岩手の文化芸術の魅力を広く全国に発信してまいります。
次に、ふるさとの未来を担う人づくりについてでありますが、ふるさと岩手の発展に人材育成は不可欠であり、岩手県ふるさと振興総合戦略では、10のプロジェクトの一つとしてふるさとの未来を担う人づくりプロジェクトを掲げました。平成28年度におきましては、このプロジェクトに基づいて、子供たちの教育や高等教育機関等との連携による若者の育成、地域づくり人材や産業人材の育成などを推進してまいります。
具体的には、子供たちの教育については、防災教育を核とした復興教育の推進、地域社会の担い手となる国際的教養を身につけたグローバル人材の育成、障がい児の自立と社会参加に向けた実践的な教育などを通じまして岩手の未来を担う子供たちの育成を図ります。
また、高等教育機関との連携による若者の育成につきましては、岩手大学や県立大学を初め、県内七つの教育機関と連携した地域産業の活性化と雇用創出に向けた共同研究で、地域での起業を志す学生に向けた実務教育に取り組みます。
さらに、地域づくり人材や産業人材の育成については、中学、高校における企業と連携したキャリア教育の充実、ものづくりネットワークを基盤としたものづくり人材の育成、3Dプリンターなど高付加価値製品の生産に向けた高度人材の育成などに取り組んでまいります。
これらの取り組みを産学官金初め関係団体等とも連携をしながら展開し、ふるさと岩手発展の基盤となる人材の育成を進めてまいります。
次に、子供を産み育てる環境の整備についてでありますが、本県では、県民が安心して子供を産み育てることができる環境の整備を図り、一人一人の子供を健やかに育むことができる社会の実現に寄与することを目的として、昨年4月、いわての子どもを健やかに育む条例を施行いたしました。この条例に定める基本計画であるいわて子どもプランにおきましては、施策の基本方向として、若者が家庭や子育てに希望を持てる環境の整備、子育て家庭への支援、子供の健全育成の支援の三つを掲げております。
具体的には、“いきいき岩手”結婚サポートセンター―i-サポによる出会いの場の創出、不妊に悩む方への支援や周産期医療の確保に取り組みますとともに、子供の医療費助成や多様な保育サービス等の充実、放課後児童クラブへの支援などに努めているところであります。
今後とも、条例の基本理念に基づいて、市町村、事業主、関係機関等との適切な役割分担のもと、相互に連携、協力しながら、結婚から妊娠、出産、子育てまでのライフステージに応じた切れ目のない支援の充実を図ってまいります。
次に、希望郷いわて国体及び希望郷いわて大会の財産についてでありますが、今回の国体、大会は、東日本大震災津波からの復興を進める中、夢と感動をもたらし、復興のシンボルとなる大会を目指しており、両大会の開催が復興の力となるとともに、さまざまな効果が後に残されることが期待されております。
具体的には、スポーツ医・科学も取り入れた競技力の向上、スポーツへの関心の高まりと県民の健康増進、文化プログラムや国体・大会プラスなどの取り組みなどによる地方文化芸術の振興や地域振興、岩手の魅力の発信や、岩手ならではのおもてなしによる岩手ファンやリピーターの増加、競技会場や宿泊施設のバリアフリー化によるユニバーサルデザインの進展などが挙げられます。こうしたこととあわせ、両大会を経験することで生まれる自信や地域への誇りなど、県民意識の高まりが岩手の未来をつくる財産となると考えております。
次に、TPPについてでありますが、TPP協定は、本県の基幹産業である農林水産業を初め、県民生活や経済活動の幅広い分野に大きな影響を及ぼすことが懸念されていますことから、県ではこれまで、国に対して、十分な情報開示と説明を行って、国民的議論を尽くした上で慎重に判断することなどを繰り返し要請してきたところであります。
協定では、アメリカなどからの要請があった場合に、関税率やセーフガードの適用などについて、協定発効から7年経過後に再度協議するとされているのはそのとおりでありまして、この条項も念頭に置きながら、国会を中心に十分な国民的議論に付されるよう引き続き国に求めていくとともに、農業者等が安心して経営を継続できるよう、国の万全な対応を求めてまいりたいと思います。
その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔商工労働観光部長菅原和弘君登壇〕
〇商工労働観光部長(菅原和弘君) ものづくり振興についてでありますが、これまで自動車関連産業においては、大手部品メーカーなど誘致企業の協力も得ながら、地元企業を対象に、生産体制強化や人材育成などの各種支援を重点的、集中的に実施してきたところであり、これらの取り組みを通じてさらなる参入促進とサプライチェーンの構築を進め、地元企業の着実な取引拡大や成長を図ってきたところでございます。
今後においては、このような自動車関連産業で培ってきたノウハウを生かし、半導体、医療機器、その他成長が期待される分野において、地元の企業の育成を図っていくこととしております。
なお、新年度予算においては、特に、生産現場のカイゼン指導や設備導入への補助、新技術、新工法の開発を初めとする技術革新への対応促進、三次元設計開発に従事する高度技術者の育成などの支援を重点的に実施することにより、地元企業の競争力の一層の強化を図り、本県ものづくり産業の持続的な成長発展につなげていく考えであります。
〔政策地域部長大平尚君登壇〕
〇政策地域部長(大平尚君) ILC実現に向けた取り組みについてでありますが、平成25年度から今年度までの取り組みの成果として主なものを挙げますと、LCC―リニアコライダー・コラボレーションなど世界各国のILC研究者の現地視察に対応し、北上サイト周辺の都市や物流基盤等の紹介により、本県のインフラの状況等をアピールできたことがあります。また、ILC建設に向けた条件整備を進めるため、地質調査に加えて自然環境への影響調査等を行うとともに、県内企業の加速器関連産業への参入を支援するため、今年度、いわて加速器関連産業研究会を立ち上げたことなどがあります。
平成28年度当初予算案については、東北ILC推進協議会等関係団体と連携した要望活動、講演会や首都圏イベント等による国内外への情報発信、県内在住外国人の方々によるILC講演、英語によるTHE KITAKAMI TIMESの発行や英語版コミック誌の作成、東北大学と連携した地質や地下水の状況など立地環境等に関する調査研究、最新の国際動向に関する調査、県内企業の加速器関連産業への参入支援などを盛り込んだところであります。
平成29年度以降の見通しといたしましては、国の有識者会議の提言を踏まえると、政府のILCについての判断は平成29年から平成30年にも想定されることから、東北ILC推進協議会と連携し、東北としてILC受け入れ準備のための体制整備を進めてまいります。
次に、民間団体や関係市との連携、協力等についてでありますが、県内民間団体等については、県商工会議所連合会を初め、商工団体等が中心となって発足いたしました岩手県国際リニアコライダー推進協議会が地元の情報発信の窓口機能を担うとともに、提言活動や機運醸成など幅広い活動を実施しております。このたびの国会議員連盟の訪米に際しては、谷村会長が同行し、岩手の取り組みなどをアピールいただいたところであります。
東北地域については、東北大学の里見総長と東北経済連合会の高橋会長が共同代表となっている東北ILC推進協議会が中心となり、宮城県などとも連携し、国や中央の経済団体への要望活動などを行っているところであります。
また、行政につきましては、2県3市のまちづくり検討会を設置し、大学も交え、地域課題、情報発信等について定期的に情報交換を行っております。
いずれの活動においても、県が積極的に関与し、民間団体や関係市等が統一的な活動となるよう連携を密にしているところであります。
次に、加速器関連産業の集積についてでありますが、県内企業の加速器関連産業への参入を促進するため、コーディネーターを配置するとともに、先ほど申し上げましたいわて加速器関連産業研究会において、企業向けセミナーや視察会、若手技術者向けの勉強会を実施しております。
これらの取り組みを通じ、県内企業と高エネルギー加速器研究機構とのマッチングが行われ、今年度は3社の企業が県の研究開発制度を利用してKEKの指導のもと研究を開始したところであります。引き続き、このような活動を積み重ね、県内企業の加速器関連産業への参入拡大を図ってまいります。
次に、外国人研究者等への医療サービスについてでありますが、県では、ILCの実現により増加が見込まれる外国人に対応するため、庁内に医療に関するワーキンググループを設置し、検討を行っているところであります。ワーキンググループでは、主に、外国語対応医療機関情報の提供、医療通訳システムの整備、薬局における医薬品の名称等の英語表記などを課題とし、対応策について議論を深めているところであります。
議員御指摘のとおり、奥州市では、市国際交流協会が主体となって、奥州市総合水沢病院及び県立胆沢病院においてボランティアの医療通訳の取り組みが動き出したことから、このような先行する取り組みについて、その効果や課題等を共有しながら、関係部局等と連携して検討を進めてまいります。
次に、東京オリンピックの事前合宿誘致についてでありますが、県内で東京オリンピックに参加する海外選手団の事前合宿が行われることは、復興支援に対する感謝のメッセージと、復興の姿を世界に向けて発信する機会となるのみならず、スポーツを通じた国際交流の拡大や地域の活性化等多くの効果が期待されることから、県としても積極的に誘致を図っていく考えであります。
県ではこれまでに、市町村、競技団体等を対象とした会議や振興局単位での市町村説明会等により、誘致に関する応募手続の説明や情報提供に努めてきたところであります。
今月行った意向確認結果によれば、16市町が事前合宿誘致の取り組みを検討するとしており、ことし8月のリオ五輪以降、誘致活動の本格化が期待されるところです。県としては、今後、誘致意向のある市町村の競技施設の情報を掲載した多言語のPRパンフレットを作成し、国、組織委員会、東京都等とも連携、協力をいただきながら、市町村と一体となって誘致活動を実施してまいります。また、過去の誘致実績や姉妹都市のつながりなどをもとにした誘致活動も効果的と考えられることから、各市町村の個別の取り組みについても積極的に支援してまいります。
〔保健福祉部長佐々木信君登壇〕
〇保健福祉部長(佐々木信君) まず、周産期医療に対する認識と産科の医師確保についてでありますが、近年、地域の分娩を取り扱う診療所が減少していることや、低出生体重児等のハイリスク出産の割合が増加傾向にあるなど、本県の周産期医療は非常に厳しい現状にあると認識しております。このため県では、県内四つの周産期医療圏を設定し、医療機関の機能分担と連携のもと、分娩リスクに応じた適切な医療提供体制の確保を図っているところです。
医師確保については、本県では産科や小児科を含めた全ての診療科で医師が不足しており、まずは医師の絶対数の確保のため、即戦力医師の招聘や奨学金による医師の養成などに取り組んできたところです。ことし4月には奨学金養成医師の配置が始まり、将来的には医師不足の解消に向かっていく見通しでありますが、個々の養成医師が将来どの診療科を選択するかについて現時点で申し上げることは難しく、全国的な産科医不足の中、当分の間は厳しい状況が続くものと認識しております。
次に、不妊治療の負担軽減についてでありますが、本県では、岩手医科大学に不妊専門相談センターを委託設置するとともに、各保健所に女性健康支援センターを設置し、検査や治療に関する相談のほか、職場や家族の理解に関する相談も受けているところです。また、不妊の原因などに関する正しい知識の普及啓発や、不妊治療に対する社会的な理解の促進を目的として、パンフレットを県内の産婦人科、市町村及び保健所に配付するとともに、テレビやラジオなどの広報媒体を活用した周知に努めております。
本年1月には、本県の不妊治療の課題を共有し、課題解決のための取り組みの方向性を検討するため、専門医師等による不妊治療協議会を設置したところであり、今後とも、専門家の御意見を伺いながら、不妊に悩む方への相談支援の充実や、不妊に関する知識の普及啓発、社会的な理解の促進のための取り組みを進めてまいります。
〔国体・障がい者スポーツ大会局長岩間隆君登壇〕
〇国体・障がい者スポーツ大会局長(岩間隆君) 国体冬季大会の運営についてでありますが、降雨などによる悪条件の中、スキー競技のコース整備に大変な御尽力をいただき、全ての競技を無事実施することができたこと、また、式典会場や各競技会場での選手団の応援や振る舞い等のおもてなしに多くの方々に御参画をいただくなど、今回の冬季大会は盛り上がりを見せたものと考えてございます。
競技運営につきましては、天候の関係や施設の一部破損などによりやむを得ず競技の開始、終了時間や会場を変更せざるを得ない事態も生じましたが、大きなトラブルとなることもなく、式典、輸送、交通、会場整備、宿泊などを含め、大会運営は総じて円滑に進めることができたと考えております。
今回の大会運営を通じまして、とりわけ競技会運営を行う会場地市町村や競技団体など関係機関との情報共有や緊密な連携の重要性、さらには、今回の冬季大会がそうでありましたように、大会の盛り上げには県民の方々の積極的な参加が鍵となることを改めて認識したところでございまして、各分野の細部にわたる改善点を含め、秋に開催される国体本大会、全国障害者スポーツ大会に生かしてまいります。
〔農林水産部長小原敏文君登壇〕
〇農林水産部長(小原敏文君) まず、銀河のしずくのブランド化の取り組みについてでありますが、銀河のしずくは、昨日発表されました米の食味ランキングで県オリジナル水稲品種では初の特A評価をいただき、生産者を初め、消費者からの期待も大いに高まっております。
県では、本年2月に策定しましたいわてオリジナル品種ブランド化戦略に基づき、来年の市場デビューを予定しております岩手118号と一体的にブランド化に取り組むこととしておりまして、特A評価の食味を維持できるよう、栽培適地である県中央部を中心に作付基準を満たす生産者を選定し、平成32年には1万ヘクタール、5万トンまで生産を拡大する計画としております。
販売ターゲットは、白くて、軽やかな食感のお米を求める消費者とし、安定した需要を確保するため、マスメディア等を活用した情報発信を強化しながら、洗練されたおしゃれなお米というブランドイメージを定着させ、首都圏の米穀専門店やお米にこだわる飲食店等の開拓に取り組んでまいります。
次に、岩手118号の生産対策についてでありますが、岩手118号は、全国最高水準の品質と食味の実現に向け、平成28年度は、県南特Aひとめぼれ栽培地域8カ所で現地試験を実施し、その結果を踏まえまして栽培適地や作付農家の選定基準を決定しますとともに、品質目標と、品種の特徴が最大限に発揮できる栽培方法を内容とした栽培マニュアルを作成することとしております。
また、平成29年の市場デビューに向けまして、栽培研究会の活動などを通じ作付農家に栽培マニュアルの徹底を図るとともに、食味計を活用した品質管理により、品質目標を達成した米のみを出荷する体制づくりを進めることとしております。
次に、岩手118号のブランド化の取り組みについてでありますが、岩手118号は、全国に誇る最高級プレミアム米として、おいしい御飯にこだわる人から愛され続けるお米として、全国5位以内の相対取引価格を目指しております。
販売ターゲットは、全国の最高級ブランド等のお米を求める消費者とし、最高級でぜいたくなお米というブランドイメージを定着させ、ネーミングやロゴマークの作成、食味成分などおいしさの見える化等により認知度を高めますとともに、知事や農業団体の代表等によりますデビュー時からのトップセールスのほか、百貨店や高級料理店への販路開拓など、県産米の生産、流通、消費にかかわる機関、団体等が一丸となって早期ブランド化に取り組んでまいります。
次に、米の海外での販売戦略についてでありますが、少子高齢化等により国内市場が縮小している中、県産米の輸出による新たな販路の拡大は、生産者の所得確保などにつながる重要な取り組みであります。このため、県では、県産米の最大の輸出先でありますシンガポールへの一層の輸出拡大を目指し、現地の飲食店関係者等を対象に岩手県産米セミナーを初めて開催したところでありまして、多くの参加者からは、岩手県産米への理解を深めることができた等の声をいただき、今後の取引拡大に期待が持てる結果となりました。
一方、お米の仕入れでは、味とあわせて価格を重視する声が最も多かったことから、こうしたニーズに対応するため、今後は、業務用の需要にも対応できる品種も含めまして、産地と流通関係者が一体となりながらシンガポールでの取引先を拡大していくこととしております。
国内におきましても、いわての美味しいお米生産・販売戦略に基づき、ニーズに応じた良食味米の安定生産を基本とし、米卸売業者等との信頼関係を強化しながら安定的な需要を確保することとしております。
次に、肉用牛の繁殖農家の現状についてでありますが、本県の肉用牛繁殖農家は年々減少してきておりまして、平成27年2月現在、4、860戸となっております。これを規模別に見ますと、10頭未満の農家が8割以上を占めておりますものの、20頭以上の農家の割合は年々増加してきております。また、飼養頭数は、平成21年から平成24年までは5万2、000頭前後で推移してきておりましたが、平成25年以降大きく減少し、平成27年2月現在では4万3、500頭となっております。
これらの減少要因でございますが、小規模農家を中心とした高齢化や後継者不足、配合飼料価格の高どまりによる収益性の悪化に加えまして、東京電力原子力発電所事故に起因する放射性物質の影響等もあると考えております。
次に、肥育素牛についてでありますが、本県の肉用牛繁殖農家は、全国に比べ経営規模が小さく、生産コストも高いことから、規模拡大を志向する担い手に対しまして、畜舎、堆肥舎等の整備や優良繁殖雌牛の導入を集中的に支援しますとともに、小規模農家に対しましては、キャトルセンターと公共牧場との一体的活用を促進しております。
また、県内10地域に組織しています肉用牛サポートチームの巡回指導により、分娩間隔の短縮や子牛の事故防止などの生産性向上対策も強力に進めておりまして、若手、女性生産者を対象とした研修会の開催などとあわせ、引き続き繁殖農家の育成に努めてまいります。
さらに、子牛の供給体制でございますが、県等との連携のもとに、農業団体において、国の補助事業により整備を進めております哺育・育成施設を活用し、乳牛への受精卵移植により生産された和牛子牛を、来年度から肥育農家に適正価格で譲渡することとしておりまして、こうした取り組みなどによりまして子牛の安定供給を図ってまいります。
次に、暴風雪による被災農家の支援についてでありますが、本年1月の暴風雪により、農業関係では、県南、沿岸部を中心に園芸用パイプハウスの損壊など、12市町村で約1億2、000万円の被害が発生しております。
県では、被災農家の営農再開に向けまして、農業共済金の早期支払いの要請を行いますとともに、農業改良普及センター等による経営相談などを行っておりまして、低利融資制度を活用した運転資金の融通や国が支援対象として先般公表しました国の補助事業を活用した生産力強化に向けた施設整備など、被災農家の声を伺いながら、きめ細かな支援を行ってまいります。
次に、漁港施設の被害についてでありますが、本年1月の暴風雪等による高波被害は、山田町を除く沿岸11市町村において、釜石市鵜住居地区の白浜漁港など61漁港で防波堤が倒壊するなど、漁港施設の被害額は55億3、600万円余となっております。
県や市町村では、これまで、水中部を含む詳細な被害状況調査等を実施してきたほか、国の災害査定を来年度早々に実施することで、現在、国との協議を進めております。
今後、復旧工法の検討などを進めていきますとともに、災害査定終了後、速やかに復旧工事を発注し、平成28年度内に完了するよう取り組んでまいります。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) スポーツ医・科学サポートについてでありますが、県教委におきましては、平成25年度から、アスレティックトレーナーによるトレーニング指導やコンディショニングづくり等の支援の充実を図るため、スポーツ医・科学サポート事業を推進してきているところでありますが、これらの取り組みは、昨年の紀の国わかやま国体や先般終了した希望郷いわて国体冬季大会における好成績に貢献するなど、本県の競技力向上に大きな役割を果たすとともに、県内各地域における指導者を対象としたトレーニング講習会の実施などを通じて、地域スポーツを支援する活動も行ってきております。
スーパーキッズの育成に関しましては、スポーツ医・科学を活用したプログラムを実施しており、スキージャンプ競技ワールドカップ出場の小林陵侑選手や陸上競技ジュニア日本代表の佐々木愛斗選手のように国際大会で活躍する選手も輩出してきており、また、先般の冬季国体には7名の修了生が出場し、県勢の躍進に大きく貢献するなど、着実にその成果が上がってきております。
このようなスーパーキッズや本県選手の活躍は、多くの県民の皆様に感動と夢を与えておりますので、今後におきましても、これらの機能の充実を図っていきたいと考えております。
スポーツ医・科学サポートの拠点につきましては、現在、県営スケート場の一部を活用しこれらの事業を進めてきておりますが、県民の利便性の向上やこれまで以上に幅広いサポートを実現するための拠点のあり方につきましては、県営体育施設の総合的なあり方の方向性を定めていく中で、議員御提言の趣旨等も踏まえ検討してまいります。
〇30番(郷右近浩君) 何点か再質問させていただきます。
まず、本当に皆さん御丁寧な御答弁にありがとうございました。ただ、その中で、順番等も変わるかもしれませんが、米、そして農業について。
実は、今回のシンガポールについては、関係者、一緒に行った方々、全農であり、皆様方が、今回は本当にすごい成果があったといったような感触を持って帰ってきたと聞いております。やはり、これで今までやってきたこと、そして、それをこれからもつなげていくということに自信を持って帰ってきたかのようなことをるる耳に挟んでおりました。
ただ、御同行された部長から、もっと私たちも心が沸き立つような部分が聞けるかといったような思いを持ってお聞きしていた中にあっては、ちょっと何か心細かったかなというような感触で聞かせていただきました。
今回は本当に、銀河のしずくであったり、岩手118号であったり、この岩手の米についても、本当に今、大きなターニングポイントに来ている中で、全ていい循環というか、そうしたものをぜひつくっていっていただきたい思いで質問させていただいております。ぜひ、部長から再度答弁をいただければと思います。
また、農林水産部についてですが、今回の大雪、暴風雪による被害についてであります。私自身、もちろん今回のこの対策というか対応について、国からなかなか新しいメニューでどうこうということができないといった部分は理解いたします。しかしながら、何を求めているかというと、やはり、こうした県民の皆様方、本当に今、心を痛めている皆様方に対して県が寄り添うといったような姿勢、それは、すなわち今あるメニューであったり、そうしたものをなるべく本当に多く適用できるような、そして、しかもそれを迅速にやるといったような県の気持ちというか思いをぜひとも聞きたいと思っていたものでもあります。ですので、今現在、今回の暴風雪により被害を受けた方々に寄り添う、そうした思いをぜひとも聞かせていただきたいと思うわけでありますが、よろしくお願いいたします。
さらに、ものづくり人材の確保についてお伺いさせていただきます。
先ほど部長からは、企業競争力向上になお一層寄与できるような支援をしていくといったお話がありました。しかしながら、企業の競争力向上につきましては、すぐれた人材の確保であったり育成が不可欠でありますし、これは、今回の県としての方向性、人材を育成していくという中で、やはり、ものづくり企業だけでなく、あらゆる分野で必要なものであると思っております。岩手で育てた人材を、岩手で活躍できる魅力的な企業があるということをPRして、若者の県内就職を支援していく必要もあると考えます。
ただ、一方で、中小企業では体系的な人材育成は難しいと思われることから、こうした状況に県はどのように取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。
そして、いわてで働こう推進協議会、本日、関根敏伸議員からも質問がありました、この協議会自体が、この人材育成であったり、これからの岩手の人をつくっていく上で、そこにどのような形で絡んでいくのかについても、取り組みとあわせてお伺いしたいと思います。
また、ILCで質問させていただきましたが、外国人研究者等への医療サービスといったような観点で先ほど聞かせていただきました。今回、ILC関連の事業として、在県の外国人の方々に情報提供であったり、さまざまな広報活動もあるということで受け取らせていただきました。でも、そうだとすると、生活や医療の分野での県内に在住している外国人の方々の口コミというのは、さらに安心感を与えていくものであると考えております。
県内には5、800人ほどの外国人の方がいらっしゃって、中でも胆沢病院のある奥州市には、100名を超える技能実習の方々を含め477人の方が生活されており、その数は県内2位となっております。その方々に、まさに生活している中でアピールできることこそが、県が進めようとしている方向と合致するものであり、年々増加している県内の外国人や、今、岩手が取り組んでいる海外からの観光客誘致に対してもアピールすることになると考えるものであります。
ですので、県として、まずは胆沢病院での医療通訳を、関係団体と連携を図りながら、試験的ではあっても恒常的に行っていく価値があると考えますが、この辺については知事の御所見を伺いたいと思います。なかなかこの部分については、県についても、医療局、保健福祉部、そして、県立病院のドクター、また、さらにそれをILCの取り組みということでやるにしても、さまざまな部局にまたがっております。いろいろ関係する中で、そうした事業をどのように進めていくかということに対しては、やはり県としての方向性が必要であると考えることから、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
また、今、周産期医療について聞かせていただきましたが、県としての現在の周産期医療の提供体制は、先ほど県内四つの医療圏といったようなお話がありました。常にブロック単位での対応となっているという中で、胆江圏域だけは、県立病院ですら分娩を扱えない地域となっております。
妊婦が安心して出産できるように、この周産期医療体制をさらに見直しながら進めていくなどの対策を講じる必要があると思いますが、県の見解をお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 外国人研究者等への医療サービスについてでありますが、先ほど部長から、庁内の医療に関するワーキンググループにおいて、外国語対応医療機関情報の提供や医療通訳システムの整備、薬局における医薬品の名称等の英語表記、これらについて検討していると述べましたが、外国人研究者等への医療サービスについては、ILC実現に向けて重要な課題と捉えております。
胆沢病院の取り組みにつきましては、大変有意義な取り組みであると考えますので、奥州市国際交流協会やボランティアの参画を得て、県としても必要な連携をしていきたいと思います。
〇農林水産部長(小原敏文君) 初めに、米の件でございますけれども、シンガポールにおきましては、県産米の特徴や魅力の紹介、さらには炊飯方法―炊き方、米の研ぎ方、炊き方、蒸らし時間などについて、試食交流会などを通じて丁寧に説明してきたところでございます。こういったような取り組みは今までになかった取り組みであるということで、好評の声を多くいただいたところでございます。
しかしながら、一方で、日本の他産地からの競争も非常に激しくなってきていると。その中で、やはり価格の高いことをどう消費者に説明するのか、この辺のもっとわかりやすい説明が欲しいや他産地との差別化の説明が欲しいといったような意見もいただいたところでございます。
したがいまして、好評ではございましたけれども、気を緩めることなく輸出拡大に取り組んでまいりたいと考えてございます。
また、銀河のしずくにつきましては、おかげさまで特A取得に至りましたので、これを契機に一層のブランド化に取り組んでいくこととしております。
次に、大雪の災害への対応でございますが、国におきましては、基本的に、いわゆる共済による対応が原則であると。それが大規模である場合については、国による補填ということが今までの流れでございます。
今回につきましては、国のほうで、先ほど御紹介を申し上げました対策については一応出しておりますが、ただ、それについては、いわゆる既存の事業の振りかえというもので、目新しいものはございません。
この大雪によるパイプハウスの災害は、毎年繰り返されるものでございますので、共済加入者との公平感の問題、あるいは、いわゆる災害に強い施設団地の形成といったようなものも含めながら、これについては繰り返し起こるものでございますので、どういったものが考えられるのか、農家の声に耳を傾けながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。
〇商工労働観光部長(菅原和弘君) 産業人材の育成確保といったお尋ねでございましたが、ものづくりを中心にお答えさせていただきたいと思います。
県内のものづくり産業に興味を持っていただいて、そして就職へと結びつけていくためには、小学校から高校までの各段階に応じたものづくり教育とかキャリア教育が重要であると思っております。
今年度におきましては、これまでも工場見学とか出前授業などをやってございますけれども、それに加えて、ものづくりや地元企業の魅力を紹介するDVDとパンフレットを作成いたしまして、小・中・高の各公立学校に配布いたしましたほか、県の就職情報サイトに企業情報を掲載するなどの取り組みを行っているところでございます。
来年度以降も引き続きこれらの取り組みを進めまして、持続的なものづくり人材の確保につなげてまいりたいと思っております。
また、中小企業での人材育成の支援ということでございますが、県では、産業支援機関などと連携しまして、技術とか経営に関する講習会、あるいは三次元設計開発など、最新技術に関する研修会などを開催してまいりました。また、企業側のニーズに応じて即戦力を育成する、いわゆるオーダーメード型の研修を行うなどによりまして、人材育成の取り組みを支援しているところであります。
加えまして、来年度からになりますが、企業の生産性向上を図るための管理能力、それから、各種基盤技術の高度化を推進する総合的な研修を実施することにしておりまして、本県の中小企業の競争力を高めて、着実に成長できるように取り組んでまいりたいと思います。
最後に、いわてで働こう推進協議会につきましては、本県の産業振興と人口減少の歯どめに資することを目的に設立したところでございまして、産業界や金融機関、教育機関などと連携しまして、若者や女性のU・Iターンを含めた県内就業の促進あるいは働き方の改善に関する協議、情報共有、啓発事業等を展開することとしてございます。
〇保健福祉部長(佐々木信君) 周産期医療の提供体制の見直しについてでありますが、現在、県内四つの周産期医療圏を設定している中、胆江地域については、県南圏域において、医療機関の機能分担と連携のもと、分娩リスクに応じた適切な医療提供体制の確保に努めているところです。
その見直しに関しまして、現在、国では、周産期医療のあり方に関する検討会を設置して検討を進めており、本年夏までには指針を出す予定であると聞いております。
県といたしましては、その指針に基づいて次期の周産期医療体制整備計画を策定していく中で、関係者の意見を伺いながら、持続可能な周産期医療提供体制のあり方の検討を行い、安心して出産できる環境づくりに努めていく考えであります。
〇30番(郷右近浩君) 1点だけ、また質問させていただきたいと思います。
小原部長、わかりました。小原部長のお話はわかります。本当にできることが限られている中で、おっしゃられるとおりだと思います。常に災害はあって、その対応をそれぞれ個別に云々という話ではないというのもわかります。しかしながら、東日本大震災津波発災以降、また、この岩手でもさまざまな災害があり、その被害に遭われて、それぞれの生活基盤であったり産業基盤が大変な状況になっているといった中で、私自身としては、そうした時々に、きちんと県として寄り添うといったような思いをしっかりと示すことが、何より肝要だと思っているところであります。
できるメニューが少なくても、とにかくメニューを探す、そして、それをどのようにして困っている方々に提供できるかを考えていけば、その思いで、苦しんでいる方々が救われるものがあると思っております。
ですので、今回のこの暴風雪被害につきましても、なるべく早く、本当にきちんと皆さんに対処していただきたいと。もちろん、これは農家のみならず、漁家の方々であったり、そうした方々にも対応していただきたいと思いますが、そうした考え方について、知事から御所見をいただければと思います。
〇知事(達増拓也君) 今回の暴風雪は全国的な災害でありますけれども、国としては、既存事業の振りかえということで産地パワーアップ事業を活用せよということではあるのですけれども、一方、産地パワーアップ事業の予算がふえたわけではありませんので、なかなか大変な状況ではあるのですが、まず、県としても諦めずに国と調整を図り、産地パワーアップ事業の活用も含めて対応を検討していきたいと思います。
日程第2 議案第84号平成27年度岩手県一般会計補正予算(第5号)から日程第56 議案第138号岩手県県税条例の一部を改正する条例まで
〇議長(田村誠君) 次に、日程第2、議案第84号から日程第56、議案第138号までを一括議題といたします。
提出者の説明を求めます。風早総務部長。
〔総務部長風早正毅君登壇〕
〇総務部長(風早正毅君) ただいま議題とされました各案件について御説明申し上げます。
議案第84号は、平成27年度岩手県一般会計補正予算(第5号)であります。
これは、国の補正予算に呼応し、一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策、TPP関連政策大綱実現に向けた施策等を推進するための補正予算を計上するとともに、県税等の歳入の最終見込みや事業費の確定等に伴う所要の整理を行うものであり、総額637億7、700万円余の減額補正をするものであります。
補正の主なものは、いわてまるごとプロモーション推進事業費3、700万円余、第71回国民体育大会・第16回全国障害者スポーツ大会開催準備費21億800万円余、社会福祉士及び介護福祉士修学資金貸付事業費補助3億7、300万円余、いわて創生人材育成・魅力発信事業費5、800万円余、経営体育成基盤整備事業費7億4、800万円余、地域産業重点強化加速支援事業費2億6、500万円余、いわて花巻空港利用促進事業費1億2、200万円余、障がい児希望実現推進事業費2、200万円余等であります。
次に、繰越明許費の追加は、東北自治総合研修センター大規模修繕工事費負担金ほか174事業に係る予算を翌年度に繰り越しして使用しようとするものであります。
次に、債務負担行為の追加及び変更は、治山事業ほか11件を新たに追加するとともに、13件について期間及び限度額の変更を行おうとするものであります。
また、地方債の追加及び変更は、情報システム整備及び耐冷性検査ほ場施設整備事業について新たに追加するとともに、8件について起債の限度額を変更しようとするものであります。
議案第85号から議案第98号までは、平成27年度岩手県母子父子寡婦福祉資金特別会計ほか10特別会計及び3企業会計の各補正予算でありますが、これらは、それぞれの事業費の執行見込みに基づき所要額を補正しようとするものであります。
議案第99号から議案第102号までの4件は、建設事業に要する経費の一部負担及び一部負担の変更に関して、それぞれ議決を求めようとするものであります。
議案第103号から議案第106号までと議案第138号の5件は、条例議案でありますが、これは、国民健康保険財政安定化基金条例を新たに制定するとともに、自治振興基金条例など、4条例の一部をそれぞれ改正しようとするものであります。
議案第107号から議案第133号までの27件は、災害復旧工事などの請負契約6件及び変更請負契約21件の締結に関し、それぞれ議決を求めようとするものであります。
議案第134号から議案第137号までの4件は、災害公営住宅の用に供する財産の取得に関し、それぞれ議決を求めようとするものであります。
以上でありますので、よろしく御審議の上、原案に御賛成くださいますようお願い申し上げます。
〇議長(田村誠君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時44分 散 会

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