平成24年2月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(高田一郎君) 日本共産党を代表して、議案第25号、第54号、そして請願陳情受理番号第17号、第30号、第35号の不採択に対して反対討論を行います。
 議案第25号一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、一般職の管理職手当の削減を行うものであり、議案第54号市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例は、教職員の管理職手当を削減するものであります。
 今回の管理職手当の見直しで、総括課長級で年間13万円から、部長級で39万円の減額となり、1、070人に対して総額1億3、000万円もの減額になるものであります。既に県職員の給与削減は13年連続となり、総括課長級の給与削減は、この間、平均で165万6、000円にもなっております。大震災復興に、今、献身的に取り組んでいる中での2年連続の管理職手当削減は、地域経済へのマイナス波及効果となるとともに勤労意欲を後退させるものであり、賛成することはできません。
 次に、請願陳情受理番号第17号子ども・子育て新システムの導入に反対し、現行保育制度の拡充を求める意見書提出を求める請願の不採択は、保育の充実を求める父母の願いに逆行するものであります。
 東日本大震災では保育士は子供を誘導し、ゼロ歳児を抱きかかえて必死に避難いたしました。現行制度の配置基準では子供たちの大切な命を守れない、これは被災地での共通した声となっております。今、公的な保育の拡充が必要であって、市場原理で保育政策を後退させることがあってはならないと思います。
 子ども・子育て新システムの最大の問題は、児童福祉法24条に基づく市町村の保育実施義務がなくなるということであります。現行制度では、市町村が保育実施の義務を負い、待機児童を把握して、年度途中でも入所を決めていますが、新システムでは、保育費用の一部を給付するだけで、保護者が自己責任で保育所を探し、契約をするなど、公的責任が大幅に後退するものであります。
 今、不安定雇用の広がりなど格差と貧困が広がり、子供の貧困率が広がるもとで、セーフティネットとしての保育所の役割はますます大事になっております。今大事なことは、待機児童を解消し、保育の最低基準を改善するなど、子育て支援予算を拡大して子育てにかかわる経済的な軽減を図るなど、公的保育の拡充こそ必要であります。働く親の生活を支え、乳幼児の生活と成長の場である保育、幼児教育に市場原理を導入して、施設経営の不安定化、保育条件の低下、そして保育環境の格差をもたらす仕組みを導入するべきではありません。
 最後に、請願陳情受理番号第30号消費税率引き上げの中止を求める請願、第35号消費税増税に反対する請願の不採択についてであります。
 民主党野田政権が進める税と社会保障の一体改革と称して消費税を大増税することに、県内の世論調査でも6割を超える県民が反対しています。
 消費税大増税は、第1に、無駄遣いを続けたままの大増税であります。中止を約束した八ツ場ダムの建設再開、そして重大な欠陥が指摘されているF35次期戦闘機購入に1兆6、000億円、320億円に上る政党助成金を受け取り続け、その一方では、富裕層や大企業には年間1兆7、000億円もの新たな減税であります。こういう無駄遣いを続けながらの大増税はとても許せるものではありません。
 第2に、社会保障切り捨てと一体の増税計画となっていることであります。年金支給額の削減と支給開始年齢の先延ばし、医療費の窓口負担増と介護保険料の引き上げ、そして子ども手当の削減など、社会保障政策の切り捨てを行おうとしているではありませんか。国会審議でも、民主党の前原政調会長は、社会保障は無駄の宝庫だと生活保護の医療費扶助の切り捨てなどを公然と政府に求め、また、政府も、社会保障の切り込みが足りないと言われれば非常に反省しなければならないと述べており、税と社会保障の一体改革そのものであります。
 第3に、消費税増税は日本の経済を悪化させて、生活となりわいの再建に立ち上がろうという被災地にまで容赦なく襲いかかるものであり、大震災の復興に逆行するものであります。消費税が10%になると、岩手県全体の負担増は1、273億円となり、県民税、市町村民税の766億円の1.7倍、被災地に交付される義援金約457億円の2.8倍の大増税となります。被災地の中小企業は約6割再建されましたけれども、今、消費税が転嫁できない中小業者はたちまち破綻に追い込まれるのではないでしょうか。被災地まで容赦なく襲いかかる大増税を行うなどという常軌を逸した冷酷な政治と言わなければなりません。
 日本共産党は、消費税大増税ストップ、社会保障充実、財政危機打開の提言を発表していますが、今、消費税増税に頼らない無駄の一掃と、そして大企業、富裕層への応分の負担、国民の所得をふやす経済改革こそ、今、政治に求められていると思います。
 消費税増税に賛成をするということは、県民の願いに背を向け復興を妨げるものであり、被災県として明確に反対の声を上げることこそ、必要ではないでしょうか。
 以上が反対する理由であります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〇議長(佐々木博君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第17号子ども・子育て新システムの導入に反対し、現行保育制度の拡充を求める意見書提出を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第17号子ども・子育て新システムの導入に反対し、現行保育制度の拡充を求める意見書提出を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第30号消費税率引き上げの中止を求める請願及び受理番号第35号消費税増税に反対する請願を一括して採決いたします。
 各請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第30号消費税率引き上げの中止を求める請願及び受理番号第35号消費税増税に反対する請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第25号及び議案第54号を一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立多数であります。よって、議案第25号及び議案第54号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第22号から議案第24号まで、議案第26号、議案第33号、議案第38号から議案第41号まで、議案第43号、議案第44号、議案第46号、議案第47号、議案第50号から議案第53号まで、議案第55号から議案第63号まで、議案第106号、議案第108号、議案第109号及びただいま議決をいたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立全員であります。よって、議案第22号から議案第24号まで、議案第26号、議案第33号、議案第38号から議案第41号まで、議案第43号、議案第44号、議案第46号、議案第47号、議案第50号から議案第53号まで、議案第55号から議案第63号まで、議案第106号、議案第108号、議案第109号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   日程第69 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(佐々木博君) 次に、日程第69、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕
各委員会の閉会中の継続審査及び継続調査事件
1 継続審査
 総務委員会
  請願陳情受理番号第3号 東京電力福島第一原子力発電所事故の早急な収束と原子力発電からの撤退・再稼働中止及び自然エネルギーの本格的な導入を求める請願
  請願陳情受理番号第27号 久慈市川貫地内国道281号と市道川貫寺里線との丁字路への信号機の速やかな設置を求める請願
  請願陳情受理番号第36号 岩手県民の命と暮らしを守るための請願
  請願陳情受理番号第38号 放射能汚染対策を求める請願
 環境福祉委員会
  請願陳情受理番号第4号 東京電力福島第一原子力発電所事故の早急な収束と原子力発電からの撤退・再稼働中止及び自然エネルギーの本格的な導入を求める請願
  請願陳情受理番号第31号 「放射能を海に流さないこと」とする法律、放射能海洋放出規制法(仮称)の法律制定を求める請願
  請願陳情受理番号第32号 岩手県・国土を六ヶ所再処理工場の放射能汚染から守ることについての請願
  請願陳情受理番号第37号 岩手県民の命と暮らしを守るための請願
  請願陳情受理番号第39号 放射能汚染対策を求める請願
 商工文教委員会
  請願陳情受理番号第33号 平成24年度最低賃金引き上げに関する請願
 県土整備委員会
  請願陳情受理番号第16号 主要地方道紫波江繋線の自然保護地域内区間のルート変更を求める請願
2 継続調査
  総務委員会   ・交通管制センター等について
  環境福祉委員会 ・県立病院の被災後の状況と対応について
  商工文教委員会 ・三陸沿岸域における海洋再生可能エネルギーの導入と利活用について
  農林水産委員会 ・養殖業の復興について
  県土整備委員会 ・県土整備部における復旧・復興のロードマップについて
          ・復興道路を核とした道路施策の取組方針について
〇議長(佐々木博君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、各委員長からお手元に配付いたしてあるとおり、それぞれ申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木博君) 御異議なしと認めます。よって、本件は、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   日程第70 議案第110号教育委員会の委員の任命に関し同意を求めることについて
〇議長(佐々木博君) 次に、日程第70、議案第110号教育委員会の委員の任命に関し同意を求めることについてを議題といたします。
 提出者の説明を求めます。千葉副知事。
   〔副知事千葉茂樹君登壇〕
〇副知事(千葉茂樹君) ただいま議題とされました人事案件について御説明いたします。
 議案第110号は、教育委員会の委員であります菅野洋樹氏の任期が3月31日で満了となりますので、同氏を再任するため、議会の同意を求めようとするものであります。
 教育委員会の委員は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項の規定により、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有する者のうちから任命することとされております。
 菅野洋樹氏は、教育等に関するすぐれた識見を有し、平成23年4月、教育委員及び教育長を就任後、いわて県民計画における教育、文化分野の推進に当たり、児童生徒の学力向上や豊かな心をはぐくむ教育、教育振興運動の推進、並びに文化、芸術やスポーツライフの振興などに精力的に取り組んできており、本県の教育を推進する上で必要な者と存じております。
 よろしく御審議の上、原案に御同意くださるようお願いいたします。
〇議長(佐々木博君) お諮りいたします。ただいま議題となっております議案は、人事議案でありますので、会議規則第34条第3項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木博君) 御異議なしと認めます。よって、これより、議案第110号教育委員会の委員の任命に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第110号教育委員会の委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立全員であります。よって、議案第110号教育委員会の委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
   日程第71 発議案第2号消費税増税に慎重な対応を求める意見書から日程第85 発議案第16号求職者支援制度における訓練受講給付金の支給要件の改善を求める意見書まで
〇議長(佐々木博君) 次に、日程第71、発議案第2号から日程第85、発議案第16号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各交渉団体会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木博君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第2号及び発議案第3号を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立多数であります。よって、発議案第2号及び発議案第3号は、原案のとおり可決されました。
 次に、発議案第4号から発議案第16号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立全員であります。よって、発議案第4号から発議案第16号までは、原案のとおり可決されました。
   日程第86 議員派遣の件
〇議長(佐々木博君) 次に、日程第86、議員派遣の件を議題といたします。
〔参照〕
議事日程第8号中 日程第86 議員派遣の件の議員派遣一覧
派遣の目的派遣場所期 間派遣議員
平成24年度
「本音で語ろう県議会」
(前期)
岩手町平成24年4月24日渡 辺 幸 貫 議員
伊 藤 勢 至 議員
佐々木 順 一 議員
嵯 峨 壱 朗 議員
城 内 愛 彦 議員
神 崎 浩 之 議員
吉 田 敬 子 議員
平成24年度
「本音で語ろう県議会」
(前期)
平泉町平成24年4月24日工 藤 大 輔 議員
喜 多 正 敏 議員
高 橋   元 議員
柳 村 岩 見 議員
樋 下 正 信 議員
工 藤 勝 博 議員
久 保 孝 喜 議員
平成24年度
「本音で語ろう県議会」
(前期)
岩泉町平成24年4月26日五日市   王 議員
喜 多 正 敏 議員
小 野   共 議員
後 藤   完 議員
千 葉   伝 議員
小 西 和 子 議員
佐々木 茂 光 議員
平成24年度
「本音で語ろう県議会」
(前期)
軽米町平成24年4月26日及 川 幸 子 議員
軽 石 義 則 議員
佐々木 朋 和 議員
佐々木 大 和 議員
嵯 峨 壱 朗 議員
高 田 一 郎 議員
小野寺   好 議員

〇議長(佐々木博君) お諮りいたします。本件は、お手元に配付いたしました4件についてでありますが、会議規則第116条第1項の規定により議員を派遣したいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木博君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
〇議長(佐々木博君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって本日の会議を閉じ、第4回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
   午後4時5分 閉 会

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