平成24年2月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇27番(飯澤匡君) 地域政党いわての飯澤匡でございます。
 ただいま議題となっております議案第1号平成24年度岩手県一般会計予算に対し、意見を付した上で、賛成の立場から討論を行います。
 本議案は、東日本大震災からの復興元年予算と位置づけられた、過去に例を見ない予算規模で編成されたものです。人口減少という人類がかつてない課題を背負った中で、余りに甚大な被災から立ち上がるには、まだまだ道のりは果てしなく遠く感じますが、今予算により機能的に力を発揮して課題を一つ一つ解決していくと同時に、創造的な復興を果たすためには県民の総力を挙げていかなければなりません。とりもなおさず、予算に裏づけられた県行政の実行力が問われることになります。
 復旧、復興の最大の喫緊の課題である瓦れき処理問題は、3年以内という期限が設定された中で、435万トンの処理計画を不断に見直し、期限内よりどれだけ早く処理をする方策を検討すべきであります。課題となっている広域処理問題解決のためには、知事の発信力の強化はもとより、受け入れ先自治体や住民の理解を円滑に進めるために、試験焼却の手順や放射線測定の結果を互いの発信媒体で共通のホームで発信する等、考えられる手段を総動員で講ずる必要があります。
 また、喫緊のもう一つの課題である、県南地区を中心に、いまだ苦悩から抜け出せない福島原発事故による放射線被害問題においては、東京電力への賠償根拠を明らかにした上で、農林水産業部門、特にも畜産、酪農、林業、シイタケの再生産が可能になるよう、迅速な対応が求められます。
 今回方針が決定した県南広域振興局にワンストップで対応窓口を設置することは、我々が昨年から提案してきており、遅きに失した感がありますが、今までのおくれを取り戻すべく、生産者の不安を取り除く体制整備が不可欠です。これからの東京電力からの賠償実績が産業再起動の大きなかぎとなっており、本議案の基本中の基本となるものです。
 しかし、喫緊の課題として指摘した2点は、予算特別委員会で附帯意見として我々が主張したにも加筆されず、予算執行を託す議会の立場として画竜点睛を欠いた結果となりました。何より議会が合議制の機関として機能したのかどうか疑問が残ります。意見形成のあり方に不備があったことを指摘せざるを得ません。
 当会派は、交渉団体会派2会派で構成された世話人会でまとめられた附帯意見案を議会事務局職員を通じ知らされました。附帯意見に加筆したい部分がある。世話人会のオブザーバー参加が認められないのなら、予算委員会の中で我々の主張をする以外に県民に対して説明する場面がない。
 ついては、正副委員長に申し入れしたいと、19時前後に事務局職員に伝達したところです。その10分程度後に、会派室に訪れた正副委員長に対して、予算特別委員会を即時即刻再開してほしい。その場で、会派として加筆に関する意見を申し上げると伝達しましたが、委員会再開まで世話人会の協議経過等の報告もなく、委員会再開まで3時間以上を浪費したところであります。結局、世話人会における協議内容はブラックボックスにおさまったままなのであります。
 岩手県議会は、議員みずからの手で岩手県議会基本条例をつくり、全会一致で可決し制定しました。前文に、こう書き記しています。
 本県議会は、知事と議会が対等で切磋琢磨の関係にある二元代表制のもと、合議制の機関として多様な民意を反映し得る議会の役割及び議員の活動規範並びに県民主権の実現に向けた実効ある仕組みをここに明らかにし、県民参加のもとで地方議会政治を成熟させていくとともに、議会改革に継続的に取り組み、県民の負託にこたえる議会のあり方を不断に追求していくことこそが、真の地方自治に結びつくものと確信する。
 ここに本県議会は、県民から選ばれた県民全体の奉仕者であることの誇りと、果たすべき役割を自覚し、県民の意向を的確に反映し、県民に開かれた議会、県民に信頼される議会を構築することにより、県民福祉の向上及び県勢の発展に寄与することを決意し、この条例を制定するとしています。
 そして、第2条、議会は、県民を代表する合議制の機関として、次に掲げる役割を担うものとする。その(5)合議体としての議会を適正かつ効率的に運営し、及び管理すること。また、第3条、議員は、県民全体の奉仕者、県民から選挙により選出される代表者及び合議体の構成員として、次に掲げる活動を行うものとする。(5)議会の適正かつ効率的な運営及び管理を確保すること。ここに、合議制の機関として多様な民意を反映し得る議会の役割、合議体としての議会の適正かつ効率的な運営及び管理の確保、これらみずからの規範を示した魂は一体どこへ行ったのでしょうか。
 私は、議会基本条例策定にかかわった一人として、この現状を心から憂えるものです。議会が県民の負託にこたえるべく正常に機能し、被災前よりも、より実のある岩手の復興を願って賛成討論といたします。(拍手)
〇議長(佐々木博君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、議案第1号、議案第13号及び議案第31号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立多数であります。よって、議案第1号、議案第13号及び議案第31号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第2号から議案第12号まで、議案第14号から議案第21号まで、議案第27号から議案第30号まで、議案第32号、議案第34号から議案第37号まで、議案第42号、議案第45号、議案第48号及び議案第49号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立全員であります。よって、議案第2号から議案第12号まで、議案第14号から議案第21号まで、議案第27号から議案第30号まで、議案第32号、議案第34号から議案第37号まで、議案第42号、議案第45号、議案第48号及び議案第49号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   日程第36 議案第22号岩手県障害者介護給付費等不服審査会条例の一部を改正する条例から日程第68 請願陳情まで
〇議長(佐々木博君) 次に、日程第36、議案第22号から日程第68、請願陳情までを一括議題といたします。
 議案第108号、議案第109号及び報告第3号について提出者の説明を求めます。加藤総務部長。
   〔総務部長加藤主税君登壇〕
〇総務部長(加藤主税君) ただいま議題とされました案件のうち、本日追加で提出した議案等について説明申し上げます。
 議案第108号は、平成23年度岩手県一般会計補正予算(第11号)であります。これは、平成23年度における東日本大震災復興交付金の交付可能額の確定に伴い所要の補正を行うものであり、総額118億1、400万円余の増額補正をするものであります。
 補正の内容は、東日本大震災復興交付金基金積立金118億1、400万円余であります。
 議案第109号は、平成24年度岩手県一般会計補正予算(第1号)であります。これは、放射性物質による被害を受けた原木シイタケに対する追加対策として、集出荷団体等と協調して、今後のシイタケ栽培再開に必要な資金を供給するとともに、規制値を超えた原木等の処分に要する経費などについて所要の補正を行うものであり、総額14億9、400万円余の増額補正をするものであります。
 補正の内容は、しいたけ等原木安定供給促進資金貸付金1億900万円、原木しいたけ経営緊急支援事業費13億8、500万円余であります。
 報告第3号は、岩手県信用保証協会が行う保証債務に係る求償権の放棄等の承認に関し報告するものであります。
 以上でありますので、よろしく御審議の上、原案に御賛成くださいますようお願い申し上げます。
〇議長(佐々木博君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 次に、ただいま議題となっております議案第108号及び議案第109号は、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第4回県議会定例会 平成24年3月21日)
総務委員会
1 議案第108号
2 議案第109号
第1条第1項
第1条第2項第1表中
 歳入
農林水産委員会
1 議案第109号
第1条第2項第1表中
 歳出
〇議長(佐々木博君) この際、暫時休憩いたします。
   午後1時40分 休 憩
出席議員(48名)
1  番 高 田 一 郎 君
2  番 佐々木 茂 光 君
3  番 小 泉 光 男 君
4  番 清 水 恭 一 君
5  番 佐々木 朋 和 君
6  番 名須川   晋 君
7  番 佐々木   努 君
8  番 軽 石 義 則 君
9  番 後 藤   完 君
10  番 神 崎 浩 之 君
11  番 城 内 愛 彦 君
12  番 福 井 せいじ 君
13  番 吉 田 敬 子 君
14  番 木 村 幸 弘 君
15  番 久 保 孝 喜 君
16  番 小 西 和 子 君
17  番 高 橋 但 馬 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 小 野   共 君
20  番 郷右近   浩 君
21  番 高 橋   元 君
22  番 喜 多 正 敏 君
23  番 高 橋 孝 眞 君
24  番 岩 崎 友 一 君
25  番 工 藤 勝 博 君
26  番 及 川 あつし 君
27  番 飯 澤   匡 君
28  番 高 橋 昌 造 君
29  番 五日市   王 君
30  番 関 根 敏 伸 君
31  番 小田島 峰 雄 君
32  番 大 宮 惇 幸 君
33  番 工 藤 大 輔 君
34  番 熊 谷   泉 君
35  番 嵯 峨 壱 朗 君
36  番 工 藤 勝 子 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 小野寺   好 君
39  番 佐々木 順 一 君
40  番 佐々木   博 君
41  番 田 村   誠 君
42  番 及 川 幸 子 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 渡 辺 幸 貫 君
45  番 樋 下 正 信 君
46  番 柳 村 岩 見 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 佐々木 大 和 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後3時2分 再開
〇議長(佐々木博君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
報告
〇議長(佐々木博君) 総務委員長及び農林水産委員長から、それぞれ委員会報告書が提出されておりますが、後刻詳細に報告を求めますので、朗読を省略いたします。
   日程第36 議案第22号岩手県障害者介護給付費等不服審査会条例の一部を改正する条例から日程第66 議案第109号平成24年度岩手県一般会計補正予算(第1号)まで及び日程第68 請願陳情(続)
〇議長(佐々木博君) 日程第36、議案第22号から日程第66、議案第109号まで及び日程第68、請願陳情の議事を継続いたします。
 各案件に関し、委員長の報告を求めます。五日市総務委員長。
   〔総務委員長五日市王君登壇〕

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