平成24年2月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇14番(木村幸弘君) 社民党の木村幸弘です。
 議案第1号平成24年度岩手県一般会計予算について、委員長報告に対する意見を申し添えた上で、賛成討論といたします。
 本予算案は、報告にありましたように附帯意見が付されました。この意見は、予算執行に当たり、被災地の早期復旧、復興の施策推進と放射性物質汚染対策の強化を図り、国の適切な支援を求めるとともに、県土の均衡ある発展、厳しさを増す行財政運営の実行に努めることなどを求めるものでありました。
 これらの意見は、二元代表制の一翼を担う県議会の合議制に基づく意思を内外に示すものとして重要なものであると考えます。その際に、こうした意見の集約については、まさに岩手県議会基本条例に定めた理念、すなわち、合議制の機関として、多様な民意を反映し得る議会の役割、仕組みを明らかにし、議会改革に継続的に取り組み、議会のあり方を不断に追求するとの基本を踏まえた対応が求められます。
 しかし、これまで、議会運営及び一連の特別委員会審査手法では、交渉団体会派中心の旧態依然の仕組みと慣例にとらわれた運営に終始しております。つまり、民意に基づく議員構成に対して、議会運営上において構成された交渉団体会派中心の仕組みが、民意に対するバランスを欠いた体制として形成され、合議制のもとの多様な民意を反映させるとの議会基本条例の理念が生かされず、改革への取り組みもおざなりの状態となっています。
 基本条例前文の基本理念のもとに定めた第2条第1項の5、合議体としての適正かつ効率的な運営管理。第2項の1、議会活動の透明性を高めること。同項の3、県民の意向を的確に把握し、反映させること。同項の7、県民の負託にこたえる議会のあり方を不断に追求し、議会の改革に継続的に取り組むこと。第13条第6項、議員相互間の討議を積極的に推進し、論点、争点を明確にし、合意形成の方向性を見出すなど、合議制の機関として期待される機能の発揮を図ること。これらの条項が適切に生かされることなく、閉ざされた世話人会運営によって、意見調整の経緯や内容は非公開扱いであったために、取りまとめに要した経過を含めて説明責任も果たされず、県民の不信を招くこととなりました。
 さらに、多くの時間を費やす中で、結果的に、世話人会内の限定的な意見集約を前提とした対応によって、予算委員会審査を通じてだれもが共通の認識に立ったであろう、原発事故に伴う影響の象徴的事態として加えようとした瓦れき処理のおくれの問題や、予算特別委員会審査後に開かれた復興特別委員会において指摘された、数値上の取り組みの成果とかけ離れた被災者や被災地の実感との乖離という問題は、まさに復興への歩みに対する県民意識として実感できるものとはなっていないとの指摘事項と同義であり、意見に付す必要性があったのではないでしょうか。
 そして、先が見えない不安のもとに、放射性物質被害に対する東京電力への損害賠償請求についても、支払いに対する対応のおくれなど、本県にとって切実な問題であると認識すれば、その意志を強く打ち出す意味において追加明記されるべきであったと思います。
 私どもは、まさに基本条例の求める議会の役割として、県民の意向を的確に反映するという観点から附帯意見への追加意見を申し上げ、県民の負託にこたえる適切な議会のあり方についても不断に追求するとの立場から、この間、機会をとらえて検討を求めてまいりました。しかしながら、こうした基本条例の理念が生かされない結果となっていることは大変遺憾であります。
 昨年10月、私たちは、未曾有の大震災津波災害に見舞われた中で、困難なときだからこそ、県民一丸となって復興に向けて邁進してほしいとの思いを胸に、県民の負託を受けて、改選により新たな県議会構成の中でスタートいたしました。つきましては、改選後、今日に至るまでの経過と、今般の予算特別委員会審査等を初めとする議会運営については、知事と議会が対等にして切磋琢磨の関係にある二元代表制のもとに、議会基本条例を適切に遂行し、議会改革と県民の負託にこたえるための議会のあり方を不断に追求することを実行するとともに、真に県民の総意を結集する中で、本予算の確実な執行のもとに、一日も早い復旧、復興に取り組み、岩手、東北、そして日本の再生へと力強く踏み出していくことを委員長報告に対する我が会派の意見として申し上げ、賛成討論といたします。
 御清聴いただきありがとうございました。(拍手)
〇議長(佐々木博君) 次に、飯澤匡君。
   〔27番飯澤匡君登壇〕

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