平成24年2月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(高田一郎君) 日本共産党の高田一郎でございます。
 平成23年度一般会計補正予算並びに第26号、第50号、第54号について質問いたします。
 一般会計補正予算1、307億円は、事業費の確定による財源調整を行うほか、国の3次、4次の補正を受け、被災地の復興を進めるものであります。
 知事に質問いたします。
 第1に、第10次を含め震災対応の予算がこの1年間で1兆2、000億円となりました。事業の再建、生活の再建など改善しつつありますが、スピード感がない、あるいは対応のおくれなどを指摘されています。知事は、どのようにこの声にこたえ復興を進めていくのでしょうか。
 第2に、復興交付金についてであります。今回の補正には350億円の基金造成がされました。効果促進事業は、被災者の生活再建やなりわいの再生に役立つもので積極的な活用が期待されております。しかし、被災地の計画がまとまった時点で随時提出するのではなくて、国の事務処理を理由に1月末、3月末を提出期限としています。これまでどのぐらい提出されたのでしょうか。緊急性を重視するとして絞り込まれたほか、自治体のマンパワー不足で必要な事業が申請できなかった等報道されていますが、この実態はどうなっているでしょうか。
 また、復興庁がワンストップで総合的な支援と言っておりますが、知事は、復興庁の現状をどう評価しているでしょうか。
 次に、関係部長に質問いたします。
 私立学校等災害復旧支援事業費3、074万円余は、私立学校などが施設の災害復旧を行う場合に経費を助成するものです。私立学校の被災状況と今回の補正でどれだけ再建されるでしょうか。私学の経営は大変です。耐震診断を実施しても耐震補強できない学校法人もあります。負担が難しくて再建できない学校があるのでしょうか。
 次に、再生可能エネルギー設備導入等推進基金139億9、720万円余は、災害に強い自立・分散型のエネルギー導入などを支援するための事業で、県は、この基金を活用して、公共、民間へ再生可能エネルギーを導入しようとしておりますが、しかし、被災地では、導入しようとしても、施設が流失しており、あるいは市町村の地域防災と位置づけた施設でも、民間施設では最大で2分の1となる問題があるのではないでしょうか。県内全域で活用できるものであり、手を上げる自治体が増大することが予想されるだけに公平な配分基準が必要です。その対応についてお伺いいたします。
 次に、福祉灯油について、今回の補正には2、659万2、000円が計上されています。被災地に限定した福祉灯油でありますが、県単独として対応されたことは大きな前進であると思います。
 第1に、被災地での仮設住宅などでの生活実態からすれば、助成対象、金額などを平成19年、20年に実施した内容と同様としたことは、被災地の生活実態からかけ離れており、拡充こそ必要ではないでしょうか。
 第2に、前回実施した平成20年度と対比しても、灯油価格は11月以降明らかに高騰しています。しかも高齢者、県民の可処分所得は確実に減少しており、被災地のみに限定するのではなくて全県に拡大すべきではないでしょうか。
 次に、介護保険安定化対策事業費1億5、970万円余は、介護保険財政の安定化を図るため、市町村等に交付するものであります。第5期の介護保険料は、県内では月額800円から1、500円の引き上げが行われるもので、高齢者の生活を直撃するもので耐えがたい値上げとなっています。厚生労働省は、都道府県の財政安定化基金は保険料の上昇抑制に活用できるとしております。県の安定化基金の残高はどのぐらいになっているでしょうか。そして、抑制のための基金の活用はどうなっているのかお伺いします。
 老人福祉施設等災害復旧事業費補助は、大震災津波で被害を受けた介護施設などを復旧する予算となっています。大震災から1年にもなるにもかかわらず、いまだに再建されていない施設もあり、内陸部の介護施設で入所を余儀なくされ、定員を超えて入所しており、施設関係者の苦労も大変なものであります。この再建状況はどうなっているでしょうか。
 同時に、減免されたホテルコスト、給食費は、この4月から有料となり、払えない利用者は行き場がなくなる、こういう不安の声も寄せられています。県はどのような対応をしようとしているのでしょうか。
 子宮頸がんワクチン等、ワクチン接種促進臨時特例基金5億339万円余は、子宮がん、ヒブ、小児用肺炎菌の予防接種を促進するための財源に充てる基金であります。国の第4次補正では1年延長が図られましたが、本来1年延長ではなくて、私は恒久的な制度にすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、地域医療再生等臨時特例基金積立金299億円を積み増しし、補正では被災病院の修繕、機材の取得、そして仮設病院整備などの財源に充てる基金であります。県は、国に先駆けて支援策を講じたことは評価しますが、国の対応のおくれなどからスピード感がないなどとさまざまな指摘もされております。今回の補正で病院の再建はどのぐらい進むのでしょうか。
 次に、被災求職者等雇用・人材育成事業7億7、283万円余は、企業と人材のマッチングを促進して、雇用の創出を図るため企業に委託する事業でありますが、この事業でどの程度の正規雇用が創出されると見ているのでしょうか。
 また、この1年間で実に24億円の基金からの委託事業を展開してきましたけれども、雇用対策にどれだけの貢献があったのか。また、今回の補正では雇用促進費が50億6、812万円余も減額補正されています。大幅減額補正の理由は何でしょうか。
 次に、議案第50号県立病院等事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例は、花泉診療センターを県立に移管するものであります。
 知事に質問いたします。医師の確保ができない中で、白光ありきで進め破綻となった責任は重大だと思います。破綻した責任を知事はどう考えているのでしょうか。知事がみずから説明責任を果たすべきだと地域から声が出ています。この声にどうこたえるでしょうか。
 賃貸料の滞納はどこまで進んでいるのでしょうか。入院施設の必要を認め、そして、県が公募して進めてきた経過からして、県は、少なくとも有床で責任を持つべきではないでしょうか。
 第2に、特養の今後の問題であります。社会福祉法人七星会は、事業継承主体の選定を一関市に要請しましたが、事業変更がある場合は、1カ月前に県及び広域行政組合に報告することになっています。入所者の人権や雇用を守る立場で対応すべきでありますが、現在の状況はどうなっているでしょうか。
 最後に、議案第26号、第54号は、県職員、教職員の管理職の給与の特別調整管理手当を削減する条例であります。一般職の給与は、民間給与実態の調査ができず、国の人事院勧告どおりに賃下げを行いました。県職員が、通常の仕事に加えて大震災での復旧、復興で超過勤務を強いられる中、残業代も満額支払われないことは、職員の労働意欲を減退させるとともに、県内経済にも少なくない影響が出てくるものです。今回の条例は、今年度に引き続き新年度も管理職手当を削減し賃下げを行うものであります。この削減額はどのぐらいになっているでしょうか。
 以上であります。答弁によっては再質問いたします。
〇知事(達増拓也君) 高田一郎議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、復興の推進についてでありますが、本県では、地域の被災状況に応じた復旧、復興の取り組みを早急に行うため、これまで、国の補正予算措置を先取りしながら、数次にわたる補正予算を編成し、復興計画に掲げる安全、暮らし、なりわいの基盤を復興するための取り組みを全力で推進してまいりました。
 また、甚大な被害を受けた沿岸12市町村において、昨年中に復興計画等が策定されたほか、国においても、補正予算等による復興財源の措置や、復興関連法案の成立、復興庁の設置など、復興への取り組みを本格化させる枠組みが整ったところであります。
 県としては、被災者一人一人に寄り添いつつ、全力を挙げて取り組むとの決意のもと、被災市町村における復興まちづくりの取り組みを支援するとともに、被災された方々が一日でも早く安心して生活が送れるよう、復興特区制度の積極的な活用を図りながら、安全で安心な防災都市・地域づくり、住環境の整備や雇用の確保、本県沿岸部の基幹産業の一つである水産業を初めとした産業の再生など、県の復興計画に掲げた取り組みを加速させてまいります。
 次に、復興交付金についてでありますが、県では、国から第1回目の提出期日とされた1月31日に、沿岸12市町村それぞれとの共同計画として、災害復興公営住宅の整備や道路整備などを盛り込んだ復興交付金事業計画を提出しました。その計画額は、12市町村と県の合計の事業費で約5、438億円。このうち、基幹事業は約5、269億円、効果促進事業が約169億円となっています。このほか、内陸部の一関市において、市単独で計画を提出したと承知しております。
 復興交付金を活用した事業は広範かつ多大なものが考えられますが、第1回目の申請においては、地域における調整状況等の熟度が高い事業について申請をいたしました。
 今後、一定期間ごとに復興交付金事業の提出期日が設定されると聞いており、市町村との連携のもとで、地域における調整を進めながら各事業の熟度を高め、県及び市町村の復興の実現に向け必要な復興交付金事業計画の提出を行う考えであります。
 また、復興庁は、復興に関する国の施策の基本的な方針などの企画や各省の施策の総合調整を行うとともに、地方公共団体への一元的な窓口と支援を行うために設置されたものであり、その役割に期待しております。
 次に、花泉診療所についてでありますが、民間移管前の旧花泉地域診療センターは、岩手県立病院等の新しい経営計画に基づき平成21年4月から休床としたところでありますが、入院ベッドが必要であるとの地域の強い意向に沿って、地元一関市の意見も聞きながら、民間事業者のノウハウに期待して移管を進めたものであります。
 花泉診療所は、一昨年7月に常勤医師が着任した以降は、入院患者が徐々に増加し地域の入院施設として定着しつつあったものと認識しておりましたが、昨年11月に、運営する医療法人から、現状の看護体制のまま有床診療所として運営することは難しいとの意向が示され、一関市とも協議の上、現在利用されている方々の今後の診療に支障がないよう県営の無床診療所を開設することとし、今定例会に設置条例改正案を提案したところでございます。
 花泉地域診療センターの開設や特別養護老人ホームの事業継承等について、現在、医療局が一関市と協議しているところであり、今後、医療局において地域に説明する機会を設けると聞いております。
 次に、賃貸料の滞納状況についてでありますが、医療法人白光については、現在の滞納額は1月納付分、2月納付分を合わせて274万1、378円、社会福祉法人七星会については、現在の滞納額は、1月納付分、2月納付分を合わせて211万575円となっています。
 現在、滞納賃貸料等の清算について、双方で弁護士を代理人として協議しているところであると聞いています。
 次に、花泉地域診療センターの有床診療所としての開設についてでありますが、民間移管前の旧花泉地域診療センターは、危機的な医師不足の中、限られた医療資源のもとで良質な医療を提供するために病床を休止することとしたものであり、こうした状況については、現在も変わらないものと認識しております。
 次に、特別養護老人ホームについてでありますが、特別養護老人ホームの事業継承先の選定について、2月17日に社会福祉法人から一関市に対して依頼があり、2月23日に両磐ブロック高齢者福祉協議会理事長会議が開催され、事業の継承先について協議がなされました。
 市としては、事業継承の意向がある法人の中から継承先を3月上旬までには決定したい意向であると聞いておりまして、引き続き、医療局において一関市と相談しながら対応していくこととしています。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〇総務部長(加藤主税君) 私立学校の被災状況と再建の状況についてでございますが、被災した私立学校等のうち、再建を図っているものが63校ありまして、そのうち、少額被害でございまして既に復旧を遂げているものが25校ございます。今回の私立学校等災害復旧支援事業費は、国の災害復旧事業等にかさ上げいたしまして補助を行うものでございますが、この事業により33校が本年度内に復旧し、合わせて58校が復旧するものと見込んでおります。
 また、残る5校につきましては、来年度復旧する予定でございます。
 今震災津波に係る学校施設の災害復旧につきましては、先ほど申し上げました補助に加えまして低利融資制度も用意されておりますので、国、県合わせまして、これまでにない法人負担の軽減が図られているものと考えております。
 次に、給料の特別調整額並びに管理職手当の削減額についてでございますが、今回提案しております減額措置による削減額は、普通会計ベースで年1億3、000万円程度と試算しているところでございます。
〇環境生活部長(工藤孝男君) 再生可能エネルギー設備導入等推進基金についてでありますが、公共施設等の被害が甚大な市町村であって施設の復旧計画が未策定な場合でありましても、一定の基準枠を配分するということで、復旧状況に応じた活用ができるよう配慮してまいります。
 民間施設への補助率についてでありますが、一般に、再生可能エネルギー設備自体は高額でありますものの、設置後の購入電力料や燃料調達コストが一定程度軽減されることを配慮いたしまして、国から補助率が示されているところでございます。
 なお、沿岸市町村など特定被災市町村につきましては2分の1補助、それ以外の市町村につきましては3分の1とされているところであります。
 市町村への配分についてでありますが、人口規模や防災施設、避難所等の数などを勘案いたしまして、市町村ごとに一定の基準額を設ける方向で検討しております。
 なお、沿岸被災市町村につきましては、防災力の強化の観点から、一定の配慮を行うことと考えてございます。
〇議長(佐々木博君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) まず、福祉灯油についてでありますが、被災世帯に対しましては、既に灯油購入費を含めた冬季の生活需要に対応しまして、12月に義援金の追加配分を行っております。
 今回は、これに加えまして、被災世帯を含め、社会生活を送る上で特に弱い立場に置かれていらっしゃる高齢者世帯や障がい者世帯等の方々を支援しようとするもので、助成対象及び金額については、市町村の意向や過去の実施状況を踏まえて決定したところでございます。
 また、助成対象地域につきましては、今年度の灯油価格が過去に事業実施を判断した水準までは高騰していないことなどから、甚大な被害を受け、財政事情が極めて厳しい中で、灯油購入費等を助成しようとする市町村が相当数ある沿岸部を重点的に支援する被災地福祉灯油等特別助成事業費補助として実施しようとするものでございます。
 次に、介護保険財政安定化対策費についてのお尋ねであります。2点ございます。
 1点目でありますが、介護保険財政安定化基金の残額についてでございますが、この基金は、市町村等の介護保険財政の不足に対し、交付または貸し付けを行うため、国、県、市町村が3分の1ずつ拠出し、各都道府県に設置しているものでございます。
 今般の2月補正予算におきまして、3保険者へ交付、2保険者へ貸し付けを行うこととし、合計1億6、000万円弱を計上したところでございまして、この結果、第4期介護保険事業計画期間の最終年度である今年度末の基金残額は39億8、000万円余となる見込みとなっております。
 次に、介護保険料抑制のための基金の活用状況でございますが、ただいま申し上げましたこの第4期末の基金残高40億円弱から、第5期介護保険事業計画期間であります平成24年度から平成26年度において貸し付け等に必要と見込まれる金額を差し引いた残りの金額について平成24年度に限り取り崩し、基金の拠出者である市町村、県、国に返還できるよう、昨年6月に介護保険法が改正されたところであります。
 取り崩し額のうち、市町村分については第5期の保険料の上昇緩和に充てるために交付することとされておりますが、本県におきましては、県分についても保険料の上昇緩和のため市町村に上乗せ交付することとして平成24年度の当初予算案に計上しているところであります。
 次に、老人福祉施設等災害復旧事業費補助についてのお尋ねであります。2点ございます。
 1点目は、被災地の介護施設の再建状況についてでありますが、県内405の入所、居住系の施設のうち117施設が被災しており、その多くが本事業を活用するなどして事業を再開しているところであります。2月末時点におきまして未再開の施設は8施設ありますが、用地、工事等の調整を行っている段階であり、調整が済み次第、再開に向けた取り組みを支援していくところと考えてございます。
 2点目でありますが、特別養護老人ホーム等の介護保険施設入所者の食費、居住費の軽減措置についてでありますが、避難所生活者と被災した介護保険施設入所者との均衡等を図る観点から災害時に特例措置として講じられたものであり、本年2月で終了とされているところでございます。
 4月以降でありますが、通常の介護保険制度に基づいて、低所得の方に対する食費、居住費の軽減措置として設けられている特定入所者介護サービス費を活用していただくことになると考えております。
 それから次に、子宮頸がん等ワクチン接種についてでありますが、本事業については、本来、平成23年度までの臨時的な措置とされていたものでありまして、県では、子宮頸がん、ヒブ、小児用肺炎球菌それぞれのワクチンについて、予防接種法に基づいて早期の定期接種化とその財源確保、また、早期の定期接種化が困難である場合の事業延長を国に要望してまいりました。
 今般、国の第4次補正予算において事業延長のための予算が措置されたわけでありますが、恒久的な制度として定期接種に位置づける法案は国会に提出されていない状況であることから、今後とも国の動向を注視し、法制化に向け必要な提言、要望を行ってまいります。
 次に、地域医療再生等臨時特例基金による医療機関の再建についてでありますが、この基金を財源として、被災地の医療提供体制の再建、さらには医師確保対策の事業などを盛り込んだ地域医療再生計画を作成するとともに、おおむね5年間で可能な限り速やかに順次歳出化を図り、事業を実施していくこととしております。
 なお、医療機関の復旧、復興につきましては、この地域医療再生計画の一環として、被災地医療確保対策事業費を予算措置し、公的及び民間の医療機関の仮設診療施設の設置や施設の修繕あるいは機器の再取得など、診療再開に対する支援を行っているところであります。こうした事業の実施によりまして医療機関の再建が進展していくものと考えておりますが、現在、県立3病院を含め仮設施設で診療を行っている医療機関が多数あり、また、再開の見通しが立っていない機関もありますことから、来年度以降も引き続き地域医療再生等臨時特例基金の活用を図りながら、医療機関の再建をさらに支援してまいりたいと考えております。
〇商工労働観光部長(齋藤淳夫君) まず、被災求職者等雇用・人材育成事業等についてでございます。
 本事業による1月末現在での雇用創出数は410人余であり、そのうち約6割の方が常用雇用に移行することを目指しております。
 次に、県委託事業の約24億円を活用した事業による全体雇用創出数は、目標1、050人に対して、1月現在の実績が約1、300余人となっております。
 なお、先ほど申し上げました被災求職者等雇用・人材育成事業等はこの県委託事業の中に含まれるものでございます。
 それから、雇用促進費約50億円の減額のうち、約40億円は雇用対策基金事業に係る市町村補助金の減であり、それ以外は県の事業等の確定の減でございます。
 市町村補助金の主な減の理由でございますが、発災当初、各市町村の緊急雇用創出事業計画の申請に伴って補助金の配分を行ったわけでございますが、その後、急速に復興需要などによって雇用情勢が改善いたしましたため、市町村のほうでは補助金が不要になったということでございまして、事業費の減額をしたものでございます。
 なお、この事業は基金によって実施されておりまして、不要になったものにつきましてはまた基金に積み増して来年度活用することとしております。
〇1番(高田一郎君) ちょっと時間が少ないので、二、三質問いたします。
 まず、福祉灯油でありますけれども、今回の福祉灯油の対応については、被災地の全世帯ではなくて、本当に低所得者、一部に限った対応であります。どのぐらいの世帯になるんでしょうか、その割合を示してください。
 仮設住宅での追いだき問題、昨日も議論されました。今、灯油もそうですけれども、ガス代も大変で、毎日ふろに入らない、あるいは入れない被災者も出ている状況です。広く対象にしなかったのはなぜなのかということであります。
 もう一つは、被災地のみに限定した理由に、先ほど部長が答弁したように、平成19年、平成20年の水準までには灯油価格が高騰していないというのが一つの理由でありました。しかし、現在の灯油価格というのは、1リットル90円前後、この価格が続けば─続いていますけれども─前回実施した灯油価格よりも高騰しているんです。やっぱり一時的な高騰ではなくて全体を見て政策判断をすべきだと思いますけれども、その点についてお伺いいたします。
 県立病院については、質問に対して答えがかなりありませんでした。知事の責任はないのかということです。医師の確保もできないままスタートしてしまった、この責任は重大だと思います。
 その責任と、さらに地域の皆さんは、地元に来てぜひ説明してほしいという思いがあります。これに対しても全く答えがありませんでした。ここについても知事から直接答弁いただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 花泉地域診療センターについては、県の医療計画に基づいてつくられた医療局の新しい経営計画の線に沿って、今回議会に提案しているような形で進めていくことが医療局の責任であり、また県の責任であると考えております。
 また、当初の計画にはなかった空きベッドを活用しての特養老人ホームの事業の継承については、これは非常に重要な局面でありますので、一関市と連携しながら責任を持って進めていくというふうにしたいと思います。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 福祉灯油に関連し、4点お尋ねがございました。
 まず、今回の世帯数は対象の市町村における全世帯のどれぐらいを占めるのかということでありますが、約1割程度と承知しております。
 それから、石油に限定した理由というふうにお尋ねがございましたが、灯油に限らずこれは使えるものと御理解をいただきたいと思います。
 それから、内陸を除外したという考え方の中で、平成19年度、平成20年度の灯油の金額との比較をした、そういうことで判断したという説明をさしあげているわけですが、議員からは、今、上がっているというようなことで、その比較から見ると高くなっているという説明がありました。私ども判断していますのは、平成19年度、平成20年度の際に、平成19年度は2月補正だったんですが、そのときに判断した基準としたのは1月の価格でありまして、1、788円でございました。平成20年度につきましては、12月補正予算だったんですが、9月にかなり灯油価格が高騰いたしまして、そのときに2、334円になっております。そういう非常に高騰している状況にかんがみて福祉灯油を出そうという判断を行ったものでございまして、現在、10月から2月までの平均を見ますと1、700円弱になっているという状況でございまして、そういうものと比較すると内陸のところまで出すレベルではないと。ただ、被災地において、沿岸において灯油を出そうという市町村がかなり相当数に及んでいるということもあって、被災地を支援するという観点から今回こういう判断をいたしたところでございます。
〇議長(佐々木博君) 次に、小野寺好君。

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