平成24年2月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇4番(清水恭一君) 清水恭一でございます。県議会議員として初めての一般質問の機会をいただきましたことに感謝申し上げます。
 早いもので、あの3月11日、東日本大震災から1年がたとうとしております。改めて、亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災されました皆様方に心からお見舞い申し上げます。
 壊滅的な被害を受けた三陸沿岸の市町村、そして地域住民の皆様は、大変につらく厳しい生活環境の中で、心の底から一日も早い復旧を望んでおり、そして一生懸命に前に進もうとお互いに支え合い、頑張っております。しかし、残念ながら、今のふるさと岩手に夢を持ち、未来への希望を抱き続けることができる人が何人いらっしゃるのでしょうか。余りにも復興への道のりが遠く、被災された方の多くは希望を失いかけております。今、県民が求める政治、行政の役割とは何か。それは生きる力を与えることであり、必ずよくなるという希望を示し、ふるさと岩手の未来を描く道筋を見せることにほかなりません。そしてそれは、未曾有の大震災後の再生岩手をつくろうと決意をして、昨年9月に県民の大きな負託を受けた達増知事を先頭にし、僣越ながら、ここにおられる県議会議員の使命であります。
 また、発災以来、失ったふるさとを取り戻すために、昼夜を問わず懸命の努力を傾注している県職員の皆さんと力を合わせ、腹をくくり、100年の岩手づくりに全魂込めて取り組んでいかなければなりません。まさに山積する県政課題について順次質問をさせていただきますが、あすの岩手に確かな希望を感じられる答弁をお願いいたします。
 まず、再生可能エネルギーの活用についてお伺いします。
 昨年4月、環境省は再生可能エネルギーポテンシャルマップを発表いたしました。それによりますと、岩手県の三陸沿岸一帯の地域は陸上及び洋上の風力が極めて強く、風力発電の適地であるとしております。また、NEDOや気象庁のデータから日照時間が長く、特にも冬季の晴天率が高いのも特徴的で、太陽光発電も有望であると言われております。また、内陸部では火山性の温泉が多く存在し、地熱発電がより有力視されており、さらに本県は森林面積が広く、ブロイラーや牛の生産、養豚などの畜産業が盛んな農業大県であり、バイオマス発電などの利活用も考えられております。すなわち、岩手県こそ再生可能エネルギーの宝庫であり、原子力発電にかわり得るエネルギー生産の基地になると思います。
 ことしの1月22日、知事を本部長とする再生可能エネルギー推進本部が立ち上がり、県民は大きな関心を持っております。また、県内各市町村においても検討が進んでいると思われ、例えば、私の地元であります久慈市でも久慈風力発電プロジェクトが環境省の応援を得て立ち上がりました。久慈市の二つの地域で風況調査を初め環境基礎調査が行われます。県北広域振興局、岩手大学等とも連携をしながら進めているようです。データもよく、順調にこの調査が進み、民間事業者が発電施設を事業化できるならば、北三陸の地域で初めての大型の発電施設ができることになり、大変にうれしいことだと思います。
 しかし、県内での風力発電やソーラー発電が目前で稼働している住民の方からは、風力発電施設が目の前にあるのに、一昨年の年末の大雪で数日間、電気がとまったとか、3月11日大地震でしばらくの間、電気が来なかった、また、小学校の体育館にソーラーパネルが乗っているのに、どうして電気が来ないのといった素朴な声が聞こえてきます。目の前で発電しているのに電気が来ないのは理解できないというのは当然で、緊急時こそ電気を使えるようにしてほしいという当然の要望です。
 そこでお伺いしますが、再生可能エネルギー等導入地方公共団体支援基金を使って、緊急時や災害時に県民の皆様を守るために必要なライフラインや県の施設、市町村役場、警察、消防、病院等をネットワーク化する自前線、自営線を引くことは可能でしょうか、お知らせ願います。
 それぞれの発電施設からの電気を必要なところに融通し合うことが大事であります。すなわち地域にある電源を融通し合うスマートコミュニティが不可欠であると思います。また、達増知事の掲げる希望郷いわての実現に向けても、再生可能エネルギー事業のすべてが、新しい岩手、新しいまちづくりの基本になってくることだと思います。この事業の環境省の予算が840億円で、うち本県に配分されるのが140億円とされておりますが、この事業の目的、概要、さらには本県における今後の展開について知事にお伺いします。
 次に、東日本大震災津波により浮かび上がった消防団員への情報伝達の課題についてお伺いします。
 今回の災害においては、消防団員を初め多くの方々が、みずからの危険をも省みず、地元を守るという崇高な精神のもと、救助活動を初めさまざまな活動に従事されました。まことに頭が下がる思いであり、深い敬意と感謝を表する次第であります。
 しかしながら、大津波警報が発令され、多くの消防団員がその危険性を十分知りつつも、約4割の団員は肝心の津波到達時刻に関する情報を知らず、さらには、予想される津波の高さなどの極めて重要な情報が伝わっていなかったと言われております。消防団員の置かれた不安な状況が浮き彫りにされたわけですが、これでは、住民の安全を守るべく活動する消防団員の活動自体が危ぶまれる状況であり、極めて憂慮すべき事態と考えます。危険の多い活動に果敢に取り組んでいる消防団員に対する情報伝達のあり方について早急に見直し、改善の取り組みを進めるべきと考えますが、今後の対応についてお示し願います。
 また、今回の大震災津波で、水門閉鎖、避難誘導、安否確認などの活動中に津波に巻き込まれ、死亡、行方不明となった消防団員は被災3県で254名にも上り、また、遺体搬送等の過酷な業務にも真摯に従事されております。もとより、消防団員の方々は、会社員や農林漁業など本業の傍ら、公共のために活動されているものであり、敬服の念にたえません。
 しかし、今回多くの犠牲者を出した岩手、宮城、福島の3県沿岸の消防団の29%の方々がやめたいとも考えているようであります。今回の災害の大きさ、悲惨さ、さらには、活動に当たった団員の方々の想像を絶する現場での御労苦を考えると、そのようなお考えも無理ないことと感ずるところでもあります。震災後も消防団員のさまざまな役割には厳しいものがあり、被災の大きい地域では団員補充の見通しも立っておりません。消防団員の安全対策に万全を期することはもちろんでありますが、その処遇や組織体制の改善も含め、多くの方々がより消防団活動に従事しやすくする環境づくりが必要であると考えますが、県としてどのような対応を考えているのかお示し願います。
 次に、合板工場の誘致や雪害木の有効活用等について伺います。
 今回被災した県内の合板工場の中には、いまだ復旧できず、また、再開の見通しも立たずにいる工場もあるため、山林経営者や木材業者の経営が悪化してきております。これは、事業再開を断念した工場にかわる出荷先が見当たらないことが主な原因と考えられます。柱などの住宅資材は復興需要で引き合いがふえ、今後、1万6、000戸以上の住宅供給が計画されているようでありますが、住宅資材にできない部位が使われる、合板加工機能が回復し、切り出した木のほとんどの部分が活用できる状況にならなければ、山から木を切り出せないのが実態であります。今後、復旧、復興が進むにつれ、県内においても本格的な木材需要が見込まれるところであり、その需要にこたえるためにも、林業関係者からは新たな合板工場の誘致等が求められているところであり、思い切った資材供給体制づくりが必要と考えますが、県としての対策をお示し願います。
 加えて、工場の誘致と関連し、雪害木の有効活用についてお伺いします。
 1年前の年末年始の大雪災害により、県内各地の山林が大きな被害を受け、雪害木が多く発生しましたが、いまだに有効に活用されず、そのまま放置されているのが実態であります。森林は人に優しいわけですが、人は森林に対して余り優しくはありません。自然環境を大切にする岩手県として、このままでいいのでしょうか。資源の有効活用や森林の健全な保全の上からも早急に対策を講じ、活用を図るべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、放射能被害で出荷が停止している干しシイタケについて伺います。
 県は、農家に安心して安全な農作物を生産してもらうため、放射性物質影響防止のため生産管理マニュアルを作成しましたが、対応が遅く、関係者の中には、放射性セシウムに関して早期の検査を国や県に対応を求めてきたが、取り合ってもらえなかったという声もあります。干しシイタケについては、国からの明確な検査基準が示されていなかったとも聞いておりますが、やっと2月上旬に検査が実施され、各関係者が心配していたとおり、最悪の結果が出てしまい、まことに残念でなりません。県内で干しシイタケを扱っている農家は1、000戸ほどで、出荷自粛による風評被害などで価格が下落し、本当にこのまま生産を続けていいのかと、廃業を検討したりする農家が出始めたほど深刻な状態の中にあります。
   〔副議長退席、議長着席〕
 来年度から新しい暫定規制値、正式な検査方法が示されるから、それに従って検査するとか、東京電力が損害賠償の意向とか、それらも大事なことではありますが、生産者は収入源が断たれ、今、全く見通しが立たない現状の中で、農家の生産意欲がなくならないように、とにかく急いで対策を示すべきと考えますが、御所見を伺います。
 次に、漁場の瓦れき撤去と水産業に関する復興計画についてお伺いします。
 東日本大震災津波により瓦れきが海域に流れ込み、漁業再開の支障となり、特にも漁港内に大量の瓦れきが堆積したことから、沖に逃げた漁船が漁港に戻れないという事態も生じたところであります。本県においては、発災後から漁業の早期再開と漁船の安全な航行、泊地の確保に向け、漁港周辺の海中瓦れき撤去が進められ、現在、県内すべての漁港において漁船や作業船の利用が可能となっておりますが、ベテランの漁師さんは、沖合いでは網の中に魚とともに流出した木材など瓦れきの山がひっかかることもあると言っております。今後は、一刻も早い水産業の復旧、復興を目指すべく、定置網や養殖施設などを設置する漁場の瓦れき撤去作業を急ぐべきと考えますが、これまでの取り組みと作業完了見込みについてお知らせ願います。
 また、本県の水産業は、秋サケに代表される定置網などの沿岸漁業と、加工を含むワカメ、昆布、カキ、ホタテといった養殖業の生産額が全体の8割を占め、経営は個人主体の小規模なものが中心となっております。このような状況のもと、定置網や養殖棚、荷さばき場、製氷施設の整備など、漁協が水産業の振興に大きな役割を果たしてきたものと考えますが、甚大な被害を受けた県内漁協は、震災特別損失を総額約70億円計上し、今まさに復興に向けた正念場に直面している状態です。県では、漁協を核とした水産業の再生を掲げ、その復興を図っているところでありますが、現場はまだまだ大変な状況にあります。
 1月下旬に築地市場を視察してきましたが、私たちの想像以上に三陸産、岩手産の魚介類は全く市場には見当たりませんでした。通常であれば、所狭しと並んでいるカキなどは、ぽつんと山田産が3箱あるだけでした。早く普通に漁ができるようにすること、そして、水産物の水揚げ高の回復はもちろん、加工場などの再建や漁協の体制強化といった戦略的な取り組みが必要であります。また、早急な復旧、復興をなし遂げるためには、計画の具体的な内容を明らかにし、関係者の合意と協力のもと進めることが何より肝要であると考えます。県は、復興計画の中でどのように水産業を再生していこうとしているのかお示し願います。
 次に、被災地における高台への集団移転について伺います。
 大震災津波で大きな被害を受けた市町村においても、その復興に向け本格的な動きが始まり、高台への集団移転等を盛り込んだ具体的な計画策定に向け、住民との協議が始まったところと認識しております。復興には住宅再建が大きなテーマであります。普通の生活を取り戻すには、住む場所、当然のことながら住宅がすべての基礎となるわけです。一日も早く我が家を取り戻したいということは被災者に共通する切なる思いでありますが、自力再建には大きな壁があります。集団移転については、移転先の用地選定を経て、国からの復興交付金等を得て平成27年度末に工事を終えるよう進めなければならず、被災者の方々は、今まさにどうするのか、ふるさとの外に出ていくのか、地域に住めるのか、決断をしなければならない状況に立たされております。
 今やっと、被災した沿岸市町村で県による土地の一括鑑定評価が始まりました。移転を考えるにしても、被災した土地の買い上げ価格が具体的に提示されなければ、検討を進めることができません。土地の鑑定評価は復興に向けて最も必要な基礎的資料であり、県は、評価結果を可能な限り早く市町村に伝え、復興への動きを加速させてほしいと考えます。いまだ国はしっかりとした明確な方向を出せずにいます。また、市町村は独自の判断をできずに戸惑っております。震災後、沿岸部の人口は減り続けているようです。人々が再びそこに住まなければ、ふるさとは戻りません。そして復興は遠ざかります。コスト優先ではなく、コミュニティの維持を前提としたまちづくりが必要です。県としても、被災者の的確な判断を促す上からも、集団移転の推進に係る市町村への支援を強化すべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、商工会、商工会議所に対する支援の充実についてお伺いします。
 大災害により疲弊した地域経済を再び活性化させるためには、何よりも各地域の商工業者の再生、育成が不可欠であり、厳しい経営環境に置かれている事業所を総合的に支援できる商工会等の相談機能が重要な役割を担っているところであります。今回の大震災津波においても被災地での活動には目を見張るものがあり、地域の商工業者からも高く評価され、感謝されているところでもあります。しかしながら、いずれの商工会、商工会議所においても、厳しい経済、財政状況のもと、でき得る限りの経費の節減に努め、自主財源の捻出に工夫を凝らしているものの、事業の実施体制の維持に限界を感じているところであります。つきましては、被災地域経済の活性化の上からも商工業小規模事業経営支援事業費補助を維持、充実させ、減額されることのないよう特段の措置を講ずるべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、中小企業被災資産復旧事業費補助についてお伺いします。
 この事業は、東日本大震災津波により事業用資産が滅失したにもかかわらず、沿岸市町村で再開しようとする中小企業者を対象として、事業再開に不可欠な建物、その附属施設など、復旧に要する経費を補助しようとするものでありますが、県と市町村が協力して実施されるこの補助金は、グループ補助金の対象となりにくい中小企業者を対象とする施策でもあり、まことに時宜を得たものと評価しております。この事業は、地域の復興状況に応じて今後も徐々に需要がふえていくものと考えられ、中長期にわたり実施すべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 加えて、地域産業の再生と相まって市町村復興計画と連動した中心市街地を含めたまちづくりの方向性について、陸前高田市、大槌町、山田町、野田村の各商工会と商工会連合会からそれぞれ各市町村に対し提案を行っているところでありますが、中心市街地の早期再生のためには、新たに国や県による施設整備補助金を創設し、強力に推進していく必要があると考えますが、御所見をお伺いします。
 また、浸水地域の区画整理事業の実施に当たっては、地権者との連絡がとれないケースも多々発生すると見込まれることから、復興特別区域法を活用した手続の特例や簡素化等ができるよう、整備計画の一刻も早い策定に向け市町村を支援すべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、消費税増税に係る企業経営への影響についてお伺いします。
 政府において消費税増税の検討が進められているところでありますが、消費税を負担するのは消費者であっても、実際に税金を納めるのは個々の企業であるというところに問題の一つがあると考えます。消費税増税分を店頭価格に上乗せできないような小さな企業では、実質的に増税分を企業が肩がわりをしなければならないようなケースも発生しかねません。競争力の高い企業であれば上乗せすることが可能でしょうが、日ごろ苦しい競争にさらされている零細企業は常に値下げ圧力を受けているのと同じ状況であり、増税されれば、みずからの利益分と相殺しなければならないということも考えられ、その影響は、競争力の弱い、規模の小さい企業ほど大きいと考えられます。国の政策で決めることとも言えますが、もっと地方からも反対の声を上げるべきだと思います。今、この国の一大事、国民みんなが大震災からの復旧、復興に立ち向かうときに、消費税増税には慎重であるべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、少子化や過疎化に伴い休廃校となった学校施設の利活用についてお伺いします。
 文部科学省において、休廃校となった学校施設の実態と活用状況を把握するため、毎年調査を実施しているところであり、今般、平成23年5月1日現在の状況を取りまとめた結果が文部科学省より公表されました。岩手県、宮城県、福島県の被災3県は、平成22年5月1日現在の状況でありますが、廃校数を都道府県別に見ていくと、最も多いのが北海道の706校、次に東京都の374校、新潟県の294校、青森県264校と続き、5番目に岩手県の222校となっております。
 廃校の主な活用事例としては、社会体育、教育施設、文化施設、保育所や老人、児童福祉施設、さらには民間企業の工場などにも利用されております。また、調査の中で、災害時に避難所となる廃校施設は、回答した2、443校のうち1、262校、51.7%で、約半数に達しており、防災拠点として重要な役割を果たしております。また、昨今、廃校サミットやフォーラムなどの開催を通して、活用のために廃校ネットワークがスタートしたと聞いています。古い校舎は何も語りませんが、その場所に積み重なっている歴史が、私たちのえにしのありがたさや地域のきずなを感じさせてくれます。
 このたびの震災後はっきりしたのは、全国公立学校の9割が災害時の避難所に指定されていることであり、さらには、地域住民にとって、近くの小中学校は最も思いの深い地域コミュニティの核であります。改めて、これだけの数の施設を十分に活用しないまま放置しておくことは、地域活性化の観点からももったいないことと考えますが、これらの現存している廃校施設の活用状況と今後の活用策をお知らせ願います。
 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 清水恭一議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、再生可能エネルギー等導入地方公共団体支援基金についてでありますが、本基金は、東日本大震災津波復興計画に掲げる再生可能エネルギーによる自立・分散型のエネルギー体制の構築を具体的に推進するため、国に対して早い時期から働きかけを行った結果、国の第3次補正予算に措置され、実現したものであります。
 県では、この基金を活用して地域の防災拠点施設に再生可能エネルギー設備を導入し、災害時における防災機能を確保し、迅速な復旧活動や被災者の避難生活の維持に必要な一定のエネルギーが賄えるようにしようとするものであります。導入を進める施設は、防災拠点となる県、市町村の庁舎や民間を含めた医療施設、福祉施設、学校などであり、災害時においても一定のエネルギーが賄えるよう、太陽光などの発電設備や蓄電池、木質バイオマス、地中熱等の熱供給設備の導入を進めることにしています。
 基金事業の実施期間は平成27年度までの4年間としており、被災した沿岸市町村に配慮しながら、県全域で再生可能エネルギーによる防災力の強化を図ってまいります。
 なお、本基金は、国から示された対象事業の考え方をもとに、風力発電や地熱発電施設を設置する事業者への利子補給に加え、地熱発電のための探査事業も補助対象としており、来年度実施する低利融資制度とあわせ、大規模発電施設の立地の促進に活用していく考えであります。
 次に、災害時における消防団員に対する情報伝達についてでありますが、県では、東日本大震災津波における災害対応の検証を行いましたが、この中でも、消防団員に対する確実な情報伝達の重要性が認識されました。
 また、実際に災害対応に当たった消防団の関係者の方々からも、情報手段の確保が重要との切実な声が多数上がっています。
 このため、県では、消防団における情報伝達機能を高めるため、当面、トランシーバー等の簡易な機器の配備を図ることとし、市町村に対し、国庫補助事業を活用した速やかな整備を働きかけております。
 これらに加え、平成28年度を目途とする消防救急無線のデジタル化を進める中で、市町村と連携し、情報収集や団員の活動調整に資するよう、消防団無線の改善、機能強化に取り組んでまいります。
 次に、水産業の具体的な復興計画についてでありますが、復興計画で、水産業の復興については、地域に根差した水産業を再生するため、漁業協同組合を核とした漁業、養殖業の構築と産地魚市場を核とした流通、加工体制の構築を一体的に進めることとあわせ、生産、生活の場となる漁港等の整備に取り組むこととしております。
 このうち、生産及び流通、加工について、まず、生産の早期再開を図るため、緊急的な取り組みとして、秋サケ定置網やワカメ養殖などの再開に向け、漁船や定置網、養殖施設など生産基盤の再整備を支援することとし、発災からこれまでの間、鋭意取り組んできたところであります。
 また、おおむね3年以内を目途に、生産量を回復していくための取り組みとして、漁船や養殖施設など生産基盤のさらなる整備、共同利用施設やサケふ化場、アワビ等種苗生産施設の本格的な復旧、整備を進めることにより、つくり育てる漁業の再生を図っていくこととしております。
 さらに、並行して、おおむね6年以内を目途とする中期的な取り組みとして、加工機能の集積等による高生産性、高付加価値化を実現する流通、加工体制の構築などに取り組むこととしており、今後とも、意欲と希望を持てる水産業の早期復興を目指して、関係団体、市町村と連携しながら、復興計画に掲げる取り組みの着実な推進に努めてまいります。
 次に、集団移転の推進に係る市町村への支援についてでありますが、集団移転は、津波被害に対し安全な地域で住宅を再建し、将来にわたって人命や財産の安全を確保するための有効な施策でありますが、居住環境が大きく変わることから、住民の意向を尊重しながら丁寧に進める必要がございます。
 集団移転の事業は市町村が主体となって進めており、県としては、計画策定の段階から国土交通省の直轄調査と連携して、事業制度の周知や計画策定の助言などの技術的な支援を行ってまいりました。
 被災地の土地の評価については、岩手県不動産鑑定士協会に一括して委託し不動産鑑定評価を実施しております。この鑑定結果は3月末までに市町村に提示することとしておりますが、市町村が早期提示を希望する箇所については、優先的に鑑定を進めております。
 また、事業の実施に当たっては、市町村における人材不足が懸念されますので、国に対し技術職員の確保を要請しており、全国自治体からの人材派遣に向けて調整を進めております。
 県としては、今後とも市町村の集団移転等への取り組みと進捗状況に十分配慮し、国、県、市町村で構成する防災集団移転促進事業連絡会議での情報共有や復興まちづくりアドバイザーの派遣など、きめ細かな支援を進めることとしております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁をさせますので、御了承をお願いします。
   〔環境生活部長工藤孝男君登壇〕
〇環境生活部長(工藤孝男君) 基金を活用した自営線の設置についてでありますが、再生可能エネルギー設備導入等推進基金は、災害時等においても、復旧活動や被災者支援活動にできるだけ支障が生じないように、地域の防災拠点となる県や市町村、民間施設に太陽光発電などの設備を導入しようとするものであり、現状では、自営線等の敷設は、本基金事業の対象とはならないものであります。
 地域内で発生した電力を災害時等において地域内で利用するためには、御提言の自営線の設置も含めた、いわゆるスマートコミュニティの形成が不可欠であり、県においても、復興計画にさんりくエコタウン形成プロジェクトを掲げ、その実現に取り組むこととしております。
 今後、市町村とも連携を図りながら、スマートコミュニティの形成に向けた課題について検討し、国などに対して、必要な提案、要望を行ってまいります。
   〔総務部長加藤主税君登壇〕
〇総務部長(加藤主税君) 消防団員の処遇や組織体制の改善についてでございます。
 消防団員の処遇につきましては、市町村に対しまして、毎年度、交付税措置の内容を踏まえ、報酬や手当の改善を促しているところでございます。
 今後は、団員確保につながりますよう、一般団員の階層における処遇の引き上げに着目して助言を行うなど、よりきめ細かな対応にも努めてまいります。
 組織体制につきましては、機能別団員制度の導入でございますとか女性消防団員の積極的な加入を図るなど、先進的な取り組みが各地で見られますことから、こうした事例を市町村に紹介するよう努めまして、組織活性化の取り組みを支援してまいります。
 このほか、消防団協力事業所表示制度の普及などを通じ、企業や各種団体の消防団活動に対する理解を深めることによりまして、消防団員が活動しやすい社会環境の醸成を図っていく考えでございます。
   〔農林水産部長東大野潤一君登壇〕
〇農林水産部長(東大野潤一君) まず、合板工場の誘致等についてでありますが、本県沿岸部に立地していた合板工場は、すべてが津波の被害を受け、生産停止を余儀なくされましたが、宮古地区の工場は、国の1次補正予算事業により早期に復旧が進み、既に一部生産を再開しております。
 一方で、大船渡地区の合板工場が事業再開を断念したことから、原木流通への影響が長期化することが懸念されており、新たな合板工場の立地など、停滞している原木流通の回復が必要と認識しております。
 合板工場等の新設には多額の投資を伴うことから、立地企業の事業戦略や財務状況を踏まえた経営判断によるものですが、林業関係団体とも連携しながら、合板工場の立地等により原木の安定した供給先が確保できるよう取り組んでまいります。
 次に、雪害木の有効活用についてでありますが、一昨年の年末年始の大雪による雪害木の処理につきましては、国の補助事業や、いわて環境の森整備事業などの活用を促してまいりましたが、作業経費がかかり増しとなる上、雪害木そのものも一般用材として利用できないことから、森林所有者の負担が大きく、処理が進まない状況にあります。
 今後におきましては、森林組合等に対し、森林所有者の負担がより軽減されるいわて環境の森整備事業の活用を改めて周知するとともに、雪害木の有効活用については、林業関係団体と連携しながら、木質燃料などとしての利用を検討してまいりたいと考えております。
 次に、干しシイタケの放射性セシウム問題についてでありますが、産地としての信頼を回復し再生産を可能としていくためには、生産、出荷されるシイタケの安全性を確認する取り組みとあわせて、国の指標を超える原木、ほだ木の更新による安全の確保や、ほだ木更新に係る生産者への支援が課題であると考えております。
 これらに要する経費等について、東京電力への損害賠償請求に向けた取り組みを支援するとともに、国に対して、原木の新たな指標値の早期提示や新規ほだ木造成への支援などの対策を講じるよう要請しております。
 関係団体とは、検査の仕組みや進め方、損害賠償に対する考え方などの検討を進めておりますが、対策の具体化には、新たな指標値や国が定める検査の仕組みなどが明らかになることが必要なことから、引き続き、国に早期提示を要請するとともに、提示後には速やかに対応できるよう、できる限りの準備を進めてまいります。
 次に、漁場の瓦れき撤去の見通しについてでありますが、定置網や養殖等の漁業再開のため、漁場に堆積している瓦れきを早急に撤去することは、水産業の復旧、復興を図る上で重要なことと認識しております。
 県は、発災後に実施した海底調査結果を踏まえ、撤去作業の優先度や撤去の必要性などを関係漁協と協議しながら、昨年7月から、クレーンつき台船等を用いて、ワカメ等の養殖漁場や定置網漁場などに堆積した損壊車両、養殖資材などの瓦れき撤去を進めてきております。
 引き続き作業を進め、年度末までには漁業活動の支障となる瓦れきの撤去を終えるよう努めてまいります。
   〔商工労働観光部長齋藤淳夫君登壇〕
〇商工労働観光部長(齋藤淳夫君) まず、商工会、商工会議所に対する支援の充実についてでありますが、今般の震災では、商工団体みずからも被災する中、被災事業者への対応に当たってこられたところであり、県では、今年度、商工団体に対する補助要件の緩和や人件費の追加配分などを行ってまいりました。
 平成24年度においては、商工会、商工会議所等の支援機関が連携して、被災企業への重層的な支援が行えるよう、新規の補助制度を創設し、商工会連合会に専門経営指導員を新たに配置するなど商工団体に対する支援を行うとともに、引き続き、小規模補助事業の柔軟な運用を行ってまいります。
 さらに、商工団体の経営状況とその見通しを把握し、各団体の実情に応じた課題への対応について検討を行うとともに、特に、被災した商工団体につきましては、その活動が停滞することがないよう支援の充実に意を用いてまいります。
 次に、中小企業被災資産復旧事業費補助についてでありますが、このような制度は、事業所の速やかな復旧、復興を支援することにより、地域経済の再生と雇用の場の回復を促進する性格のものであることから、できるだけ短期に実施し、早期に効果の発現を図ることが望ましいと考えております。
 しかしながら、復旧、復興に際しては、市町村の土地利用計画や防災計画などと整合を図ることも求められ、とりわけ中心市街地を構成する商業やサービス業の復興は、新たなまちづくりと連携しながら進めていくことが必要であると考えております。
 各市町村の復興はできるだけ速やかに進むことが望ましいと考えておりますが、被害が甚大であった地域については、土地利用の調整などに時間を要することが見込まれることから、こうした助成措置については、地域の復興状況を勘案しながら、柔軟な対応を検討していく必要があるものと考えております。
 次に、新たなまちづくり施設整備補助金の創設についてでありますが、中心市街地を構成する商店街の復旧、復興を支援するため、中小企業グループに対する支援の継続や、個別の被災事業者に対しても新たに施設設備の復旧経費を助成することとしておりますが、先ほど申し上げましたとおり、土地利用の調整などに時間を要することが予想されることから、今後も、地域の復興の状況に応じて柔軟に対応できるよう、支援制度の整備を国などに働きかけてまいります。
 次に、消費税増税に係る企業経営への影響についてでありますが、昨日、知事のほうから答弁申し上げましたとおり、税のあり方を含め、増税については、被災者の負担増加を招かないか、ひいては被災地の復興の妨げとならないかなどといった点を十分考慮しながら、国民的な議論を経て、今後判断されるべきものと考えております。
   〔理事平井節生君登壇〕
〇理事(平井節生君) 土地区画整理事業の実施に当たっての復興特別区域法に基づく復興整備計画の作成についてでありますが、復興特別区域法では、復興整備計画に記載された事業について、土地所有者が不明な場合の特例として、事業の実施主体による筆界特定の申請が可能になったり、あるいは、あらかじめ市町村の許可を得ることで土地への立ち入り等が可能となるなどの特例が規定されたところであります。
 現在、県内市町村では9市町村が復興整備計画の作成を予定しているほか、陸前高田市など、従来の個別法による手続を先行させつつ整備計画の手続を進めるなど、既に取り組みが始まっているところであります。
 県といたしましては、復興整備計画作成マニュアルの説明会の開催や許認可等の協議、同意を得るための協議会の開催に向けた調整など、市町村の復興整備計画の作成に向けた支援を行っているところであります。
 今後とも、市町村の都市計画事業の計画等の進展に合わせて特例が適用可能となるよう、復興整備計画の作成を支援してまいります。
   〔教育長菅野洋樹君登壇〕
〇教育長(菅野洋樹君) 休廃校となりました学校施設の実態と今後の活用についてでありますが、文部科学省の実態調査における数値は、平成4年度以降の廃校数を単純に累計したものでありまして、平成22年5月1日現在において現存している廃校数は、小中学校115校、高等学校等28校、計143校と把握いたしております。
 小中学校の廃校115校のうち72校が、社会教育・体育施設、文化施設、学校施設、研修・体験施設等、多様な施設として活用されております。
 また、高等学校等の廃校28校のうち21校が、統合後の学校や中学校、郷土資料館、研修施設として有効活用されております。
 未利用の施設につきましては、東日本大震災津波を受け、被災学校の仮校舎、ボランティア拠点施設、支援物資保管場所及び仮設住宅建設用地等として活用されているものもございますが、今後におきましても、廃校施設の有効活用が一層図られますよう、市町村ともども努力してまいりたいと考えております。
〇4番(清水恭一君) 何点か再質問をさせていただきますが、まず、再生可能エネルギーの自前線といいますか、難しいということでありますが、被災県であるわけですし、今、脱原発といいますか、いわゆるクリーンなエネルギーを生産するということで、さまざまな企業も提案をしたり、この被災3県に入ってきているわけでございますが、自分たちのそこでできているエネルギーを使えないということは、やはり大きな問題があると思いますので、ぜひ東北電力等と何とか知恵を絞りながら交渉を進めたり、国の電力に関する規制が壁になっているのであれば、知事が国に強く要望し、必要があれば電力の復興特区等を提案していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、消防団員の活動については、岩手県は、避難優先のルールがあっても、ほとんどの団員が、この非常時には、特にも海のほうでは、急ぎ水門閉鎖を行うということは当然の業務であると受けとめているわけでございます。そしてまた、現場に向かえと指示を出す分団長もいらっしゃるわけです。悲惨な災害の中で、今なお、指示を出した分団長は、自分の判断に苦しんでおられます。
 消防団の任務は、救助活動など、極めて緊急性の高いものが多く、危険な場所や海に近づくことをなくするということは難しいわけでございますが、非常時にあって、現地で指揮する人たちに、もっと強力な権限を与えてはいかがでしょうか。強制的に避難を命令できるような権限、あるいは立入禁止区域を自分たちの判断でできる、そしてまた、確実なそういった情報を周知する方法を徹底するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、商工関係のほうでございますが、これは、中心市街地の再開発をそれぞれの自治体が計画しているわけでございます。その柱の一つとして土地区画整理事業があるわけですが、先ほどの御答弁では、権利の調整やさまざまな条件をクリアするのに時間がかかる、公募でも大変な長い年月を要したと聞いておりますが、被災地の商工業者は、今回の被災で大変大きな痛手を受けておるわけでございますので、事業が完了するまで体力が続く仲間がどれだけいるのか、大変な不安を抱いている人たちも多くいると聞いております。
 このような中で、陸前高田市の商工会などでは、前に進もうと公設の商業モール施設などを盛り込んだ独自の復興ビジョンを市に提案しております。既存の補助制度ではこれらの提案を実現することが難しいと思われますが、いわゆる非常時でございます。これまでの制度の枠を超えて新しいまちづくりの手法、選択肢をふやしていかなければならないと考えますが、対応策があればお示しを願いたいと思います。
 もう一つ、休廃校となった学校施設の活用状況についてでありますが、これは、政策地域という視点から、千葉副知事にお伺いいたします。
 学校は、当然、教育財産であるわけですが、それを、いわゆる行政といいますか、普通財産のほうに変えて、さらに利用しやすくしていただきたいと私は思うわけです。例えば、道の駅に利用しているところがあるなど、せっかくあるハードを生かすために、それぞれの地域と一緒に、そこに必要なソフトをつくり、取り組めば、さらにその学校などの施設機能が生かされるのではないかと思うわけですが、活用策など、お考えがあればお示しいただきたいと思います。
〇副知事(千葉茂樹君) 廃校施設の地域振興の観点からの活用についてというお尋ねだと思います。
 ただいま教育長から御答弁申し上げたのは、廃校施設については、社会教育施設や、あるいは今回の復旧、復興のためのボランティア施設の拠点としての施設として活用されているというお話が一つございました。
 いずれ廃校施設は、かつては学校施設として、いわば地域コミュニティの中心、中核となった存在であったと思います。住民の皆様が、廃校になった後においてもその施設に寄せる思いというのは極めて大きいものがあると考えておりまして、いわば地域資源、地域の宝としての存在として位置づけるものであるとも考えております。
 今、議員からは道の駅というお話もございました。また、産直施設として活用されているような施設もあろうかと思っております。
 また、現在、介護基盤の整備のために、国からの交付金を基金造成いたしまして老人福祉施設等の整備助成に活用しておりますが、かつて県議会におきまして、いわゆる小規模の特別養護老人ホーム等の施設の整備について、コスト面等から、この廃校施設を活用したらどうだという御提言もちょうだいいたしました。この点につきましては、国に確認いたしましたところ、県の判断だという御返事をちょうだいしましたので、県の判断として、県の要綱の中で、廃校施設の改修による小規模福祉施設の整備も対象としたところでございます。
 また、実際に廃校施設をグループホームとして活用されているという例も承知しております。
 今、御説明しましたとおり、さまざまな活用方策があるのではないかと考えております。地域振興に結びつくように、県といたしましても、市町村のお考えを十分お聞きして、さまざまな支援をしてまいりたいと考えております。
〇環境生活部長(工藤孝男君) まず、自前線の関係でございます。
 地域が、地産地消のエネルギーに基づくエネルギーの一定の自立・分散型の供給体制を構築するためには、自前線のほかに、基本的には、東北電力から切り離された一つの電力体系、電力網の送配電線をつくる必要があります。
 それには、当然、自前の送電線、自前線というものが不可欠でございます。そのほかに、切り離すための開閉器でありますとか、もちろん風力発電でありますとか、あるいは太陽光、メガソーラーでありますとか、大規模な電源供給施設、そして、それ全体を最適制御するための制御センター的なものなどが必要となってまいりまして、それらをいわゆるスマート技術でトータルでコントロールするための、いわゆるスマートコミュニティというものをつくっていくことが必要になると考えてございます。
 そのため、県におきましては、今、久慈市ほか沿岸の各市町村でこういった体制の構築に向けた調査研究を進めているわけですが、県も、さんりくエコタウンプロジェクトの構築ということで、調査研究事業を進めまして、課題等を明らかにしながら、今後、自立・分散型のエネルギーの供給体制の構築というものを進めてまいりたいと考えてございます。
 そのため、特区のお話がございましたが、まずは、大規模電源施設の本県立地を進めることが重要だということでありますので、その特区につきましては、まず、大規模電源施設立地の隘路となっております土地利用についての規制緩和などにつきまして、速やかに国との協議に入れるように、現在、準備を進めているところでございます。
 その上で、先ほど申し上げましたように、スマートグリッドの技術を活用した自立・分散型の供給体制の構築に向けた次の調査研究の結果に基づく課題等を明らかにした上で、次の御提案なりをしたいと考えているものでございます。
 そうした取り組みを通じまして、再生可能エネルギーが、本県復興の柱の一つとなるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇総務部長(加藤主税君) 消防団員の安全対策についてでございます。
 消防団員が安全に活動するためには、確実な情報伝達の徹底でございますとか退避ルールの明確化が重要でございます。今回の災害事案にかんがみましても、これを痛感いたしております。これらに加えまして、災害態様に応じました現場指揮のありようについても十分検討していく必要があると考えております。
 災害の現場における権限、あるいはその指揮権でございますが、特に、配下の団員に対する権限につきましては既に備わっているわけでございますが、これを具体的にどういう場面で、どういう形で使うかといったことにつきまして十分検討していく必要があると考えております。
 現在、県の消防協会と協力いたしまして、消防団員の活動に係る安全対策の検討を具体的に進めております。この中で、現場の意見、問題意識も伺いながら、実効性のある安全対策を生み出すよう努めていきたいと考えております。
〇商工労働観光部長(齋藤淳夫君) 既存の制度を超えたまちづくりの促進についてであります。
 御案内のありましたとおり、陸前高田市の商工会が中心になってビジョンをおつくりになって、いろいろな提案をなさっているということは、大変結構なことだと思います。
 残念ながら、この陸前高田市を初め、被害が甚大であった地域におきましては、先ほども答弁申し上げましたとおり、土地利用の調整にやはり時間を要するであろうということを想定しております。これにつきましては、私たち、実情については国にも頻繁にお伝えしております。やはり既存の、今までとは違います、時間がかかりますということについては、よくお伝えしていますし、わかっていただいております。
 そうした意味で、今後、地元の声をよく聞きながら、県としてどういう支援ができるか検討していきたいと思いますし、それから、この地域の復興状況に応じまして柔軟に対応できるような支援制度の整備につきましても、国に積極的に働きかけてまいりたいと思っております。
〇4番(清水恭一君) 消防関係だけ、一つだけ確認をさせていただきたいと思うんですが、その指示といいますか、非常時に、いわゆるそれぞれの消防団の方が出て、避難してください、あるいは市町村の防災無線もそうです、避難してください、ちょっと住民もとらえ方が、非常時が伝わってこないような言い回しになることが多いわけでございますので、逃げろっ、要するに、非常時だということをきっちり伝えるような、そういった指示命令系統も必要ではないかと思っております。
 特にも、自治消防の方々は、これは何度も申し上げますが、皆さん御承知のとおりでありますが、本当にとうとい命を犠牲にして、同じような繰り返しがあってはならないわけでございますので、情報の伝達のありようをきちんとマニュアル化して、徹底していただきたいと思います。よろしくお願いします。
〇議長(佐々木博君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時42分 散 会
第4回岩手県議会定例会会議録(第6号)

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