平成24年2月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇38番(小野寺好君) 公明党の小野寺好であります。
 間もなくあの巨大で悲惨な東日本大震災発生から1年が経過しようとしていますが、現地の復旧は遅々として進まず、復興はまだまだ先のことであります。
 今、改めて、犠牲になられました皆様の御冥福をお祈りするとともに、被災されました皆様に、心からお見舞い申し上げます。
 我が国経済は停滞したままで、少子高齢化が加速する中での大震災、こうした困難な状況下で、達増知事は、昨年9月に2期目をスタートいたしました。いろいろと注文はありますが、県民にこたえる県政運営を大いに期待しながら、通告しておりました県政課題について、順次お伺いいたします。
 最初に、政権交代による県政、県民生活への影響について伺います。
 私どもすべての県民の日常生活及び県や市町村の行政が、政府の打ち出す政策に大きく左右されることは、各位御承知のとおりであります。
 自民、公明の地道な政権が否定されて3年になりますが、民主党政権は、たび重なるつまずきで信頼を失い続け、今、再び政権がひっくり返るのではないかと危惧されております。
 かつての自公政権当時、我が党は、例えば児童手当を拡充するため、自民党の理解を得て暫定税率を段階的に解消して財源を捻出し、あるいは大都市の大きな購買力で地方における消費拡大を手伝ってもらうために、高速料金の割引やエコカー補助金制度を創設いたしました。決して無定見なばらまきではないにもかかわらず、マスコミ、評論家から猛烈な批判を受けました。
 ところが民主党は、そのはるか上を行く大衆受けをねらったマニフェストを誇示し、特別会計を含めた予算の組みかえで財源は何とでもなると豪語し、政権を獲得したのであります。
 ガソリン等に上乗せされていた暫定税率が一時停止したとき、政治の力で生活が大きく変わることを多くの国民が実感したようです。翌年、平成21年の衆院選で、暫定税率の廃止、後期高齢者医療制度の廃止、高速道路無料化、毎年5兆円の財源を必要とする月額2万6、000円の子ども手当、公立高校無償化、年金制度の一元化と消費税で財源を賄う月額7万円の最低保障年金、農家戸別所得補償、普天間基地の移設等々に有権者の多くが期待し、政権交代の4文字が巷間激しく飛び交い、これが実現したわけであります。
 それまでの過度な自由競争経済、強い日本経済のもとでの所得格差の拡大という状況下で、多くの庶民の切ない思い、財源の裏づけがないと知りながらも、このうちの一つでも実現してもらえばとの思いがもたらした結果とも思われます。
 しかし、しょせん財源に裏打ちされていない無理な話で、昨年の通常国会終盤において、8月9日の3党合意で民主党執行部は政権交代の看板政策を簡単に引っ込めてしまい、国民を唖然とさせました。
 今、3年目にもなり、マニフェストは無残に色あせ、各種世論調査によるまでもなく、有権者は民主党政権を見放しておりますが、次期政権の姿を思い描くことはできず、閉塞感が漂ったままとなっております。
 岩波書店から、政権交代とは何だったのかという新書が出ていますが、中道左派政党による政権交代の実現を志向しつつ、民主党による政権交代をあおった学者の一人でもあるこの著者は、たった一度の政権交代ですべてが変わるなどと考えるほうが非現実的な夢想である。国民は、悪さかげんの選択という基準で、今の民主党政権と次に出てくる政権とどちらがより悪くないかと考えるべきだと、国民生活の混乱を心配せずして平然と締めくくっております。
 学者、評論家と違い、県民の生活を預かる責任ある政治家、達増知事は、政権交代によって県行政と県民生活が翻弄されないようにするため、どのように県政を運営していくか、基本方針を伺います。
 次に、達増県政2期目の展望と岩手の将来像について伺います。
 かつて、大きいことはいいことだというフレーズが流行しましたが、一般的に、規模拡大が勝利、幸福で、縮小は敗北であり不幸だとの認識もありますが、拡大しない経済、人口減少期に入った日本及び岩手について、知事はいかがお考えでしょうか。
 戦後のベビーブームと言われたころ、本県の年間出生者数が5万人近くという状況が数年続き、これにより学校や病院等の新設や増設、昭和40年代の新たな住宅団地の造成等、社会、経済が膨張し勢いがありました。ピーク時は145万人ほどでありました本県の人口は、多少の増減の後、平成9年から減少し続け、平成22年の国勢調査では133万人になりました。
 国立社会保障・人口問題研究所によると、はるか48年後、平成72年の我が国の推計人口は8、674万人とされています。この資料では、本県人口は23年後の平成47年には現在より27万人ほど減少し104万人、うち19歳以下が14万人で、65歳以上が39万人、全体の37.5%になるのではないかと推計されております。
 以上のことをもとに伺いますが、1、ここ数年の県内人口の推移における少子化傾向への懸念と対策はいかがでしょうか。生産年齢人口減による県内総生産、消費動向はどうなっていくのか。
 2、65歳以上人口の一貫した増加、超高齢社会が進行していますが、独居老人の現状、住宅問題、高齢者医療、介護等、高齢者が安心して生活できるような対策はいかがでしょうか。
 3、小規模町村ほど少子高齢化が顕著になりますが、出産、育児体制、充実した学校教育、高齢者福祉サービス等が心配になりますが、既に市町村合併の動きは終わり、県としては、今後の小規模町村の行政サービスをどのように見るか伺います。
 4、東日本大震災による県内外への人口流出はいかがでしょうか。平成18年3月の一般質問で、地域格差の拡大で内陸部への過度の人口移動の懸念を指摘したところ、平成42年に県人口の約8割が県央、県南に集中すると予測されるとの答弁がありました。今回の大震災でさらに状況が厳しくなったと思いますが、沿岸からの人口移動実態はいかがでしょうか。
 発災から間もなく1年ですが、一度被災地を離れた方が、またもとの地に戻るということを希望した場合、仮設を含め住宅への対応や雇用に関して特段の扱いがあるかどうか伺います。
 次に、エネルギー対策について伺います。
 今、国内で稼働している原発2基も4月末にはすべて停止すると見込まれ、我が国の電力供給は危機を迎えております。 
 このたびの知事演述で、電力供給の制約が企業活動や県民生活に大きな影響を及ぼしているとし、再生可能エネルギー分野における取り組みを掲げました。再生可能エネルギー推進本部を設置し、公共施設や一般住宅への太陽光発電設備設置の支援、大規模太陽光・風力発電設備設置への低利融資制度、地熱発電の立地促進、木質バイオマスエネルギーの新規需要開拓、農業用水利施設を活用した小水力発電の導入可能性調査等に言及しております。単なる希望項目の羅列ではなく、すべて真剣に取り組んだ場合、大きな成果が上がると期待いたします。
 そこで伺いますが、1、曇りの日でも冬でもある程度の電力を獲得できるクリーンな太陽光発電設備は、一般家庭にこそ普及させる意味があると確信し、平成8年9月定例会の一般質問以来、大幅な県の補助制度をと何度も提言してまいりました。当時、国はNEDOを通して半額補助をしていましたが、それでも自己負担が高額となるため、なかなか進みませんでした。
 平成21年3月の一般質問で取り上げた際は、国の補助が1キロワット当たり7万円、県の補助は1件2万円という状態でしたが、それ以降、国の補助金のほかに、県や市区町村の補助金も合わせて支給するところがふえて、普及が進んでいるようであります。
 最近の太陽光発電設備本体のキロワット当たりの単価、国の補助、県や県内市町村のかかわり、戸数、発電実績等、その後の経緯を伺います。水素ボンベあるいは都市ガスを使った燃料電池の一般住宅への普及状況はいかがでしょうか、あわせてお伺いいたします。
   〔議長退席、副議長着席〕
 2、企業局の努力で水力、風力発電量が増加しているものの、県内で消費する必要量には全く届かないと聞きます。民間からの供給も含めた本県の電力自給率はいかがでしょうか。電力会社が一般家庭の太陽光発電から買い取る電力量はどの程度になっているか、また、今後の見通しはいかがでしょうか。
 3、部分的な計画停電で済めばいいのですが、全部停電という深刻な事態に陥る前に、省エネ、節電、新エネ開発が最優先の県政課題になります。他の電力会社から融通してもらえない事態となれば、事業所、県民に大きな影響が発生いたします。
 これからの県としての具体的な電力供給量の目標、省エネ、節電目標はいかがでしょうか。電力供給は国の責任において行われるべきものではありますが、今や深刻な県政課題になっておりますので、現在考えている方策を伺います。
 4、隣県、青森、宮城では、数年前からメガソーラー誘致に力を入れてきていますが、本県はいかがお考えでしょうか。
 5、木質バイオマス発電、瓦れき焼却バイオマス発電に対する支援策はいかがでしょうか。宮古市や紫波町での計画のほか、八幡平市でも計画があると聞きますが、これまでの県内実績をもとに今後の展望を伺います。
 6、洋上風力発電についても有力視されていますが、具体的見通しを伺います。
 7、地熱発電については、県は、特に雫石町内において重点的に取り組んできましたが、費用対効果及び自然環境への影響はいかがでしょうか。
 8、東北電力は、東北全体の電力安定供給を目的に、青森県七戸町から盛岡市を経由して宮城県加美町の宮城変電所までの300キロに50万ボルト送電線を完成させましたが、災害等非常時には、本県にどのような効果が期待できるものでしょうか。
 9、東北電力の送配電網に新たに受け入れる風力発電を募集したところ、30万キロワットの募集枠に10倍以上の324万キロワットの応募があったと報じられました。岩手県からは20件、82万キロワットとなっております。
 このことに関連し、電力の地産地消、電力会社を経由しないでの売電は可能かどうか伺います。再生可能エネルギー特別措置法がことし7月に施行予定ですが、全量買い取り義務により本県にはどのような影響が出るか伺います。
 10、省エネ対策も重要となりますが、県の重立った取り組みを伺います。
 次に、応急仮設住宅について伺います。
 3.11の大震災直後、体育館等緊急避難施設からの移転先として、大量の応急仮設住宅の建設、公営住宅及び民間借り上げのみなし仮設住宅の確保が急がれました。1週間後、陸前高田市では、市立第一中学校の校庭にプレハブ応急仮設住宅の建設が始まり、手際のよさに驚きました。
 応急仮設住宅の予算措置は、昨年4月27日の臨時会で補正予算第2号として1、000億円余が措置され、当時1万8、000戸ほど用意される計画と聞きましたので、1戸当たり550万円でしょうか。これだとかなり頑丈、堅固な構造の仮設住宅になるのかなと思っておりました。
 しかし、完成後に供給されたプレハブ応急仮設住宅に関しては、他県より早く完成しているものの、いまだに入居者からの苦情が絶えません。今、生活している皆さんの不便解消にはどのような補修で対応するのか、また、次に建設される災害公営住宅のためにもしっかり検証しておくべきではないかと思い、質問いたします。
 県は、直ちに社団法人プレハブ建築協会に発注しましたが、完成後に寄せられた800件余りの苦情は、すべてこの県外業者の手によるものであったとの報道を知り、なぜ県内業者を優先させなかったのか、発災直後から道路の交通確保に尽力したのは県内建設業者であったという恩を思うと、二重に残念であります。
 仮設住宅建設に携わった工事関係者は、これでは人間が何カ月も生活するには不便な建物だと知っていても、余計なことを考えず契約どおりに仕事をするしかなかったと思われます。発注した県職員は、恐らく国の基準にのっとった仕様だからと釈明するでしょう。一般に、マイホームの新築なら、建主は毎日現場を確認しますが、見知らぬだれかの仮住まいだからというわけでもないでしょうが、不都合が幾つも見過ごされました。人間が生活する場という視点が欠落していたと思われますが、以下、生活者の視点を欠いた仮設住宅の問題点の解決策を伺います。
 1、最初のプレハブ建築協会への大量一括発注は、どの部署で協議され、だれの判断によるものであったのか。県内で対応できる戸数はいかほどであったのか。
 2、本来の住宅用地ではないのだから、少しの雨でも足元が悪くなるのは当然で、なぜ事前に、苦情が出る前に通路を簡易舗装しなかったのか。工事費はいかほどか。
 3、狭い容積で何度かの夏と冬を過ごすには、当然、物置が必要となります。季節外れの日用品はどこに収納するのでしょうか。
 4、靴脱ぎ場がない、風除室が欲しいとの要望で、後になって全戸に風除室をつけましたが、その前に自主的に設置した世帯に対しては、県は費用弁償を拒否していますが、なぜでしょうか。被災者のために遡及適用の例が幾つもあるのに、これは公平を欠くと思いますが、いかがでしょうか。
 5、窓のひさしがほんの形ばかりで全く実用的ではありません。洗濯物の干し場は十分と考えているのでしょうか。
 6、プレハブ仮設住宅は、内外の温度差が著しいとき室内の水分がまともに結露してしまいますが、当初どのような対策を考えていたのか、これからできる対応はいかがでしょうか。
 7、追いだき機能のないふろについて、発注前にだれも異を唱えなかったのでしょうか。ビジネスホテルに1泊するのとはわけが違います。撤去費用まで含め1戸平均500万円以上もする仮設住宅にあって、ふろ設置の代金は、追いだき機能を外して一体幾らの節約になるというのでしょうか。
 8、基礎に固定されていないプレハブの床は、地面との空間が閉鎖されていないと冬場の寒さは想像にかたくありません。本当にだれも気がつかなかったのでしょうか。
 9、仮設住宅の水道凍結が相次ぎましたが、1月22日の新聞報道では、知事は、約1万4、000戸の全仮設住宅の修繕工事を指示したとあります。県土整備常任委員会では、水道管がむき出しになっていて、冬場の凍結の危険性がしつこいほど指摘されました。部長は委員会の議論をどのように受けとめたのでしょうか。
 10、2月11日、大槌町の小鎚第20仮設団地における水道管ヒーターからの出火を報道したテレビ画面では、水道管凍結防止用ヒーターが長過ぎたらしく、余分な長さを束ねてありました。発熱線を束ねて電気を通せば過度の発熱は当然のことであります。県は、この施工業者の手がけた500戸の点検を指示したと報道されていましたが、このことを含め、応急仮設住宅全体について、県土整備部長はどのように責任を感じているのでしょうか。
 次に、災害対策について伺います。
 このたびの東日本大震災では、想定外という言葉で責任回避していることへの批判が相次ぎましたが、一応の基準となる過去の災害は、どれだけの年数をさかのぼって策定するものか伺います。
 学者、研究者によれば、今回のマグニチュード9.0の巨大地震大津波が、警戒していた宮城県沖地震とは別ものであったとすると、直ちに次への備えをしなければなりませんが、湾口防波堤、防潮堤の再築は従来の規模と比べどうあるべきか、土木工学ではなく、費用対効果や景観、安全といった行政判断はいかがでしょうか。
 平成17年3月の一般質問で、県内3カ所の活断層の今後の懸念を指摘いたしましたが、国は30年間の発生確率が0%と発表しているとの答弁でありました。しかし、3年後、平成20年6月に、突如、重力加速度の4倍、マグニチュード7.2、最大震度6強の岩手・宮城内陸地震が発生しております。常に最悪の状況を想定した備えをしなければなりませんが、地震と火山噴火防災について伺います。
 1、水道、ガス、電気、電話等のライフラインでありますが、現在まで各地で進められてきました共同溝による地中化は、地震災害等に有効かどうか。
 また、非常時の雑用水確保のため、学校や公共施設に井戸を掘っておくべきではないかとかなり前に提言いたしておりましたが、検討結果はいかがでしょうか。
 2、自公政権下で自治体負担を極力少なくした公立学校の耐震化をかなり推進しましたが、政権交代で、平成21年後半は予算凍結という不都合を経験いたしました。学びの場は避難場所でもあり、高い基準の耐震化が求められますが、県内の状況を伺います。
 3、想定できない災害規模に対し、非常食、毛布等の備蓄量、救援までの備えはどうあるべきでしょうか。
 4、乳児のミルクの種類選定から避難所生活まで、女性ならではの視点がありますが、これを重視した女性防災会議とも言うべきものを県及び市町村に設置すべきではと考えますが、県の判断を伺います。
 5、大槌町のある町内会では、行政ではなく町内会で作成したハザードマップのほうが有効であったと震災後教えられました。防災意識の啓発も含め自治会との連携はどのように進めるべきか伺います。
 6、警察の役割ですが、将来の岩手山による災害の際は、警察官約2、000人のうち半分を火山被害対策に向けると伺いましたが、今回の大震災では、県警察本部で対応できた割合、他県警察から支援された規模はいかほどでしょうか。今後強化すべき警察力に関しては、どのような所見をお持ちでしょうか。
 海外では、災害に乗じた暴動もなく、日本の国民性を高く評価すると報道していたようですが、一部心ない犯罪行為もあったようであります。警察力を超えた事態に対する警察の対応を伺います。
 7、阪神・淡路大震災後に創設されました緊急消防援助隊ですが、平成20年の岩手・宮城内陸地震のときとは比べようのないほど今回は他県のお世話になりました。出動いただいた概要と本県の今後の強化方針を伺います。
 最近普及し始めたタブレット型端末ですが、非常に実用的だとの評判であります。救急車等緊急車両への配備についていかがお考えでしょうか。
 8、道路、橋梁等、高度経済成長期に整備された社会基盤は、今やかなり老朽化しておりますが、この大震災を機に、一斉に補修、強化し災害に備えるべきですが、今後の計画を伺います。
 9、将来ある子供さんが災害の犠牲になるのは、殊のほか悲しみが増幅いたします。このため、国は、実践的防災教育総合支援事業を考えていますが、県の取り組みを伺います。
 次に、中小企業支援について伺います。
 台風、水害、地震や疫病の蔓延等、中小企業が不測の災害で被害を受けた場合、大企業は別として、中小零細企業は、行政による特別相談窓口、災害からの復旧のための各種貸付制度、税の減免制度等にお世話になることがあります。しかし、最も効果的な災害対策は、それぞれの中小企業が、事前の万一の場合の備えを講じておくことにあると言われます。
 既に、欧米では事業継続計画、ビジネス・コンティニュイティー・プラン、略称BCPが広く普及していると言われ、我が国でも、経済産業省中小企業庁では中小企業BCP策定運用指針を公開しております。
 本県のホームページには、大震災前の平成23年1月31日の日付で事業継続計画策定支援(経営支援施策ガイド)として掲載がありますが、大震災前に効果的に普及啓発に努められていたかどうか、計画を策定した中小企業がどれほどあったか伺います。進んでいないとした場合、どのような理由によるものか、今後の対応策はいかがでしょうか。
 次の宮城県沖地震や最大震度7と想定されている首都直下型地震、原発停止により、ことしの夏の電力不足による企業の生産活動の変化などにより、県内中小企業の経済活動への甚大な影響が懸念されますが、BCP策定に関する県の支援方針を伺います。
 また、大震災により被災した中小企業の二重ローン対策ですが、岩手産業復興機構が被災中小企業の債権を買い取って再建を促進することができることになっていますが、これまでの実績はいかがでしょうか。
 これとは別に、昨年11月21日に参議院の自民、公明などにより、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法が議員立法として成立し、同月28日公布されており、この3月5日に業務が開始されます。これは、いわゆる二重ローン・リース救済法でありますが、産業復興機構の債権買い取り規模が2、000億円、うち本県に対しては500億円であるのに対し、こちらは全体で5、000億円と大規模で、債務の負担を軽減し再生を支援する法律です。
 この法律の運用に関し、中小企業者のために県はどのようにかかわっていく予定であるか伺います。
 最後に、若年者雇用について伺います。
 6年前の金融危機や4年前のリーマンショック以来、若年者雇用は特に厳しい状況に置かれております。非正規雇用は、毎月の生活が安定せず、結婚や住宅ローンなど将来展望が描けないという点で、国全体の損失になっています。
 緊急人材育成支援事業等、いろいろな対策が講じられてきましたが、国は、昨年10月から、雇用保険に加入できなかったり雇用保険受給中に再就職できなかったなどという場合に、給付金を受けながら職業訓練を受講できる求職者支援制度をスタートさせました。以前からの全国的にも厳しい若年者雇用に、急激な円高による製造業の不振と大震災被害による失職も重なり、この制度は非常に貴重なものとなっています。
 これまでの活用状況、4月からの新たな展開、どのような分野に、どれだけ応募し、実質的な雇用に幾ら反映できたかなど、現在までの運用状況を把握しておりましたらお知らせください。
 既卒3年間は新卒扱いにするという流れですが、学生はネットの就職支援サイトを多用しているのに、中小企業はハローワーク頼みというミスマッチ、職業訓練と地域中小企業求人のミスマッチ、老朽化した訓練施設によるミスマッチ等も懸念されますが、中小企業に関する積極的な情報提供、現場で実習訓練を実施している中小企業に対する助成金制度の拡充、学生と中小企業の接点強化、新入社員の職業訓練、能力開発など、本県では十分な支援体制になっているかどうか伺います。
 なお、農業県として新規就農総合支援事業が気になりますが、今後どのように取り組むのか、また、青年就農給付金はどのような状況にあるか伺います。
 以上、登壇しての質問を終わります。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 小野寺好議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、政権交代における県政運営についてでありますが、選挙の結果は、その時々の民意のあらわれであり、中でも衆議院選挙は政権選択選挙と位置づけられることから、そこで示された民意は重いものと考えます。平成21年の衆議院選挙においては、経済社会のグローバル化が進む中、中央と地方の格差拡大、さらには格差社会や貧困の問題が深刻化し、生活の保障を求める庶民の切ない思いが政権交代につながったものであり、為政者はかかる民意を尊重しなければなりません。
 県政の基本方針は、雇用環境、県民所得、地域医療、人口という課題に取り組むことを重点としつつ、県民の仕事、暮らし、学び・こころを守ることを基本とし、そして、何よりも東日本大震災津波からの復興をなし遂げることであり、この路線をしっかり進んでまいります。
 政権交代とは、単に権力者が入れかわることではなく、冷戦構造に過剰対応した国の仕組みを抜本的に変えて、ポスト冷戦、21世紀の世界にふさわしい日本を実現することでなければなりません。今、復興の現場に日本経済のあるべき姿、日本社会のあるべき姿が見えていると感じます。岩手県民が復興にきちんと取り組んでいくことが、日本政治の混乱をただすことにもつながると考えます。
 次に、少子化傾向への懸念と対策についてでありますが、本県においても、出生数の減少が続くなど少子化が進んでいますが、平成19年の国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、本県の合計特殊出生率は、平成47年も現在と同じ1.39と推計されています。しかしながら、全体の人口が減少し、母親となる若い世代の女性人口が減少する中では、依然として少子化傾向の解消にはつながらず、15歳未満の年少人口も減少していくものと見込まれております。このため、県としては、家庭や子育てに夢を持ち、安心して子供を産み育てられる環境の整備に取り組むことが必要であり、具体的には、少子化対策としての期待度の高い、子育てと仕事の両立に向けた子育てに優しい職場環境づくりや、乳幼児、妊産婦に対する医療費助成の実施等による子育て家庭の経済的負担の軽減などに取り組んでいきたいと考えております。
 次に、メガソーラーの誘致についてでありますが、本県では、これまでも、メガソーラーも視野に入れながら、地域特性を生かした再生可能エネルギーの積極的な導入に取り組んでまいりました。メガソーラーは、これまで、設置コストが高く、事業採算面で課題があり、立地が進んでおりませんでしたが、国の余剰電力買取制度などによる太陽光発電設備の大幅な普及により設置コストが低下しており、また、ことし7月に施行される固定価格買取制度への期待も相まって、メガソーラーの立地に向けた環境が整いつつあると認識しております。
 県では、こうした状況を踏まえ、昨年11月に他県に先駆けてメガソーラーの適地を公表したところであり、引き続き、市町村とも連携しながら、メガソーラーなど大規模発電施設の立地に積極的に取り組む考えであります。
 その他のお尋ねにつきましては副知事及び関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔副知事千葉茂樹君登壇〕
〇副知事(千葉茂樹君) まず、生産年齢人口の減少による県内総生産等への影響についてでありますが、県内の生産年齢人口の減少は、生産面では生産に必要な労働力に、支出面では民間最終消費支出等の消費の動向に影響を与えることが考えられるところでございます。一方、1人当たりの労働生産性の向上、高齢者や現在未就業の女性の就業機会の拡大などによりまして、生産年齢人口や消費支出の減少を補うことも考えられますので、生産年齢人口の減少をもちまして、今後の県内総生産や消費の動向を見通すことは困難なところでございます。
 なお、過去の例を見ますと、県内の生産年齢人口は、昭和60年の95万5、425人をピークに一貫して減少しておりますが、現行の計算方法による平成8年度以降の県内総生産や民間最終消費支出は増減を繰り返しておりまして、生産年齢人口の動向と、県内総生産や消費の動向とは必ずしも一致していない状況にございます。
 次に、小規模町村におきます行政サービスの提供についてでありますが、それぞれの市町村においては、これまで、少子高齢化の進展や複雑多様化する行政需要に的確に対応できるよう、合併するか否かの選択も含め、地域における議論を深めてきたところでありまして、その結果、将来にわたる行政サービスを提供できる体制として、現在の市町村の姿は形づくられているものと受けとめております。しかしながら、今後、市町村を取り巻く環境がさらに変化することも考えられますことから、県といたしましては、必要な行政サービスを提供できる基礎的自治体の体制については、住民の意向を踏まえながら、それぞれの地域が定めるとの基本的な考え方のもと、市町村の動きを踏まえながら、地域の自主的な取り組みを支援してまいります。
 次に、東日本大震災津波に伴う人口移動についてでありますが、本県におきましては月ごとに人口移動の状況を把握し、毎月1日現在の推計人口を公表しているところでございます。これは、市町村への転入、転出の届け出数等によるものでありますことから、移動の理由につきましては統計データを有しておりませんが、震災以降の人口移動の状況ということでは、昨年3月1日から同年12月31日までの10カ月におけます本県の県内から県外への転出者は2万770人でありまして、県外から県内への転入者は1万7、449人であり、差し引きでは3、321人の社会減となっているところであります。なお、これは、1年前の同期に比較いたしますと、社会減は686人減少しているところでございます。
 次に、沿岸12市町村の人口移動の状況につきましては、同じく昨年3月から12月までの10カ月間におきまして、内陸市町村に3、419人の転出超過、県外に2、224人の転出超過でありまして、合計で5、643人の社会減となっております。なお、これを1年前の同期と比較いたしますと、社会減は4、178人拡大しております。その内訳といたしましては、内陸市町村への移動に係る分が2、779人、県外への移動に係る分が1、399人となっております。
   〔保健福祉部長小田島智弥君登壇〕
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 超高齢社会への対応についてでありますが、本県の65歳以上のひとり暮らし高齢者世帯は、平成22年の4万4、000世帯から、20年後の平成42年には6万3、000世帯と約4割増加し、孤立化のおそれのあるひとり暮らし、高齢夫婦世帯や認知症を有する高齢者、医療ニーズが高い高齢者、重度の要介護者などの増加が予想されるところでございます。このため、今後、高齢化が本格化する平成27年度以降を見据え、住宅政策や医療政策と有機的に連携した質の高い介護サービスの確保など、可能な限り住みなれた地域で安心して暮らすことができる環境づくりを行っていく必要があります。こうしたことから、地域の実情に応じて、県と市町村が連携を図りながら、できる限り要介護状態とならないよう介護予防を推進するとともに、在宅医療や訪問看護、リハビリテーションなどの医療との連携のもとに、高齢者の自立や介護に配慮した居住環境の整備や地域密着型の小規模多機能サービス、さらには認知症高齢者グループホームや小規模特別養護老人ホームなどの介護サービス基盤の整備、充実を図り、高齢者を地域全体で支える地域包括ケアシステムの構築を進めてまいります。
   〔理事廣田淳君登壇〕
〇理事(廣田淳君) 一度被災地を離れた方への住宅への対応についてでありますが、被災地を離れて避難された被災者が地元に戻りたいと希望した場合に、応急仮設住宅に空き住戸がある場合には、それぞれの市町村において、空き住戸の状況等を勘案して入居を認めているところであります。また、空き住戸がない場合においては、近隣市町村の空き住戸の活用等をお願いしているところであります。
 県では、昨年10月に岩手県住宅復興の基本方針を策定し、災害復興公営住宅などの建設や、民間持ち家住宅の建設支援など、地元における住宅再建を進めることとしており、今後とも、被災者の地元における住宅再建を支援していく考えであります。
   〔商工労働観光部長齋藤淳夫君登壇〕
〇商工労働観光部長(齋藤淳夫君) まず、被災地へ戻りたい方への雇用の対応についてでありますが、県では、これまで、被災地の再建支援、緊急雇用創出事業による短期的なつなぎ雇用による下支え、被災者に対する生活・就業支援相談窓口の設置、就職面接会によるマッチング支援の促進などの施策に取り組んでまいりました。被災地での求人に関する情報は、被災地を離れた方が、全国どこにいてもハローワークの情報にアクセスできる状態になっており、被災した離職者の方々に対して便宜を図っているところでございます。
 次に、洋上風力発電についてでございます。本県沿岸域は、安定した強い風に恵まれているところから、昨年9月には新エネルギー・産業技術総合開発機構の沿岸北部における着床式洋上風力発電事業の可能性調査を実施いたしました。本年1月には、環境省の釜石市沖合い海域における浮体式洋上風力発電事業の可能性調査を誘致し、それぞれ、現在、調査が継続されています。来年度中には、本調査により、採算性や環境への影響の度合い、送電網への接続など事業化へ向けての課題が整理される見込みです。県としては、地元関係者や市町村、研究機関などと情報を共有しながら、地域の受け入れ環境整備のほか必要な支援を国に要望するなど、洋上風力発電の事業化を促進してまいります。
 次に、中小企業の事業継続計画、いわゆるBCPについてでありますが、震災前の策定企業の割合は、平成22年7月の調査で回答のあった633社のうち19.4%と、平成20年調査時と比べ8.4ポイント増加しており、その取り組みは進んでいるところです。一方で、約半数の企業は具体的な取り組みを行っていない状況にあり、その要因といたしましては、ノウハウの不足や必要性が企業に十分に認識されていないことなどが挙げられます。県では、これまでも支援機関と連携し、セミナーの開催や窓口での相談対応を通じ企業の取り組みの支援をしてきたところでございますが、今般の震災を受け国や企業の関心も高まってきており、引き続き、普及啓発やノウハウの提供などに努めてまいります。
 次に、中小企業の二重ローン対策についてであります。岩手産業復興機構では、現在のところ、2社の債権買い取りを決定しております。また、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法に関しましては、同法に基づき2月22日に新たな機構が設立されたところですが、さきに設置されました産業復興機構と相互補完しながら、二重債務を抱える事業者を幅広く支援することとされております。現時点ではその詳細が示されておりませんが、県としては、被災事業者の事業再生が円滑に促進されるよう連携、協力に努めていきたいと考えております。
 次に、求職者支援訓練の実施状況についてであります。直近の2月7日現在では57コース、924名の定員に対し565名が受講しており、分野別では、情報系133名、介護福祉系61名、医療事務系31名などのほか、震災特別コース78名と岩手労働局から伺っております。なお、就職状況については、現在、就職支援期間中であり、現時点ではまだ確定していないと伺っております。
 次に、中小企業と学生に対する就職支援についてでありますが、県では、若者の県内企業に対する理解が深まるよう、企業で働く人を冊子やウエブで紹介し、県内企業の魅力を発信するほか、さまざまな業種等を紹介するイベントも定期的に開催しております。また、学生と中小企業との接点強化のため就職面接会等の開催などマッチングの場を提供するほか、岩手大学と岩手県立大学では、学生が企業の経営者から直接経験談などを聞くことができる地場産業企業論というものも開催してございます。さらに、受け入れ側の県内企業に対しては、ハローワーク等と連携して、試行雇用期間に奨励金が支払われるトライアル雇用制度や、既卒3年の新卒者の雇用を対象とした助成制度の周知を図っているほか、新入社員に対して、合同で社会人基礎力向上セミナー等の研修や在職者訓練を企業が合同で実施するなど、人材育成、職場定着の事業も実施しているところであります。
   〔環境生活部長工藤孝男君登壇〕
〇環境生活部長(工藤孝男君) まず、太陽光発電設備設置に対する補助についてでありますが、平成21年1月から開始された国の住宅用太陽光発電の補助制度における1キロワット当たりの設置コストと、これに対する補助額は、平成20年、21年度は、設置コスト70万円以下の場合、補助単価が7万円であります。以下、平成22年度は、65万円以下の場合、7万円、平成23年度、今年度は、設置コスト60万円以下の場合、4万8、000円となっております。
 県では、平成21年度に設置補助を実施したほか、国の補助制度の周知、モニター調査結果の公表、各種イベントを通じた普及啓発などを行いながら導入促進に取り組んできたところであります。また、市町村では、今年度、12市町において設置補助を実施しているものと承知しております。これらの支援を通じた県内一般住宅への導入実績は、平成20年度末で4、594戸、平成22年度末で8、471戸と大幅に増加しております。発電実績は、1戸当たり4キロワットの設備で、その年間発電量を4、000キロワットアワーとして算定いたしますと、8、471戸で3、400万キロワットアワー程度と見込まれます。
 燃料電池の普及状況は、平成21年度から平成23年度の民生用燃料電池導入支援補助金の実績によりますと、県内で52台となっており、その約9割が一般住宅用と考えられております。
 次に、本県の電力自給率についてでありますが、平成22年度の実績は、再生可能エネルギーでは18.1%、火力も含めた全体では24.6%となっております。また、太陽光発電からの買い取り量は、東北電力によりますと、事業所等を含めて平成22年分で1、490万キロワットアワーとなっております。
 今後の見通しでありますが、再生可能エネルギーの導入を進めることにより本県の電力自給率が向上するとともに、余剰電力買取制度や国の補助制度の活用などにより、家庭用の太陽光発電設備についても着実に増加していくものと考えております。
 次に、安定的な電力供給についてでありますが、今議会に提案している岩手県地球温暖化対策実行計画素案において、再生可能エネルギー電力の導入目標を、出力ベースで現状の48万2、000キロワットから2.4倍の115万7、000キロワットにふやすこととし、地域の防災拠点施設や住宅、事業所等への導入、太陽光、風力などの大規模発電施設の立地を促進することとしております。
 省エネ、節電目標につきましては、電力の需給状況に応じて設定することとし、昨年の夏はピーク時電力の15%削減を掲げ、率先して日中の消灯や室内冷房の抑制に取り組むとともに、国や市町村等とも連携しながら広く節電の取り組みを呼びかけた結果、県施設全体で21.9%、全県では19.8%の削減が図られたところであります。ことしも厳しい需給状況にありますことから、引き続き省エネ、節電に取り組んでまいります。
 次に、地熱発電についてでありますが、再生可能エネルギーの中でも発電効率が高く、安定的な電源であり、本県は全国で2番目の発電量となっております。地熱発電は、資源調査や発電施設、送電線の整備などに多額の投資が必要となることや、運転まで長期間を要するなど一定の開発リスクを伴うものの、固定価格買取制度の実施により採算性が向上し、本県において新たな開発が進むことが期待されております。
 自然環境への影響についてでありますが、県内2カ所の地熱発電施設では、県や関係自治体、開発事業者による環境保全協定を締結し、定期的な環境測定等を実施しており、特に問題は生じていないものと承知しております。
 次に、東北電力が整備した送電線の災害時、非常時の効果についてでありますが、東日本大震災津波に伴い広域的な停電が発生したことから、再発を防止するため、十和田幹線と北上幹線の運用開始時期を平成25年10月から平成23年6月に前倒しすることにより、送電線の強化を図ったと伺っております。この50万ボルトの送電線により、本県のみならず広域的な電力系統の運用が可能となり、災害時における電力供給の信頼性が向上すると伺っております。
 次に、電力の売電についてでありますが、電力会社の送配電網を利用せずに売電を行うためには国の許可が必要であることや、みずから送配電網を整備して需要に応じた供給を行う必要があることなど、実現に向けては多くの課題があります。一方、全量買取制度は、安定供給に支障が生じるなど合理的な理由がある場合を除き買い取りが義務づけられていますことから、再生可能エネルギー発電の立地がより一層進み、本県電力自給率の向上や防災のまちづくりにつながるものと考えております。
 次に、省エネ対策についてでありますが、県では、今議会に提案している岩手県地球温暖化対策実行計画素案において、省エネルギー対策を主要な柱の一つとして施策を展開することとしております。具体的には、エネルギー使用量が基準年比で依然として高い家庭や業務部門を中心に、家庭ごとの省エネ対策を提案するうちエコ診断や節電の取り組み、国の住宅エコポイント制度を活用した住宅の省エネ対策を促進するほか、事業者の省エネ活動を促すいわて地球環境にやさしい事業所認定や、条例に基づく地球温暖化対策計画書の作成促進などに取り組んでいくこととしております。
 次に、雑用水の確保のための井戸の整備についてでありますが、平成7年9月定例会におきまして、生活用水を水道水のみに頼るのではなく、井戸や雨水も利活用すべきとの御提言をいただいたところであります。平成8年3月に策定した新岩手県水需給計画において、御提言の趣旨も踏まえ、安定的な水資源の確保のため、ダム等水資源の計画的、効率的開発に加えて、地下水の適正な利用、雨水等の雑用水利用に努めることとしたところであります。
 地下水につきましては、飲用水などとして適正な利用が可能となるよう、毎年、200本前後の井戸について水質調査を実施しているところであります。また、雨水の雑用水利用につきましては、近年、学校や公共施設、一般住宅へ徐々に普及が進んでいるところであります。井戸につきましては、大震災津波による断水の際に有効であったとの報告もありますことから、今後、地域防災計画を担う市町村に対して必要な情報を提供してまいりたいと考えております。
   〔農林水産部長東大野潤一君登壇〕
〇農林水産部長(東大野潤一君) まず、木質バイオマス発電についてでありますが、本県では、宮古市の木材加工会社が、工場から発生する廃材と木質系瓦れきを合わせて燃料として利用する発電施設の整備を計画しており、県は、当該事業に対する助成について国に事業要望をしておりますが、木質燃料を利用した発電施設の整備の県内での事例は数例です。
 県といたしましては、木質バイオマス発電は、震災廃棄物の処理だけでなく、間伐材等の有効利用にもつながり、林業振興を図る上からも重要な取り組みと考えており、木質燃料の安定供給や事業収益の確保などの課題解決を図りながら、木質バイオマス発電の取り組みを支援していく考えです。
 次に、新規就農総合支援事業についてでありますが、この事業は、国の平成24年度当初予算案に盛り込まれているもので、これまでの雇用就農を支援する農の雇用事業と自営就農の所得確保のための青年就農給付金を給付する新たな事業等で構成されるものです。
 そのうち、青年就農給付金は、就農後の定着に大きな効果が期待されることから、現在、国からの情報収集や市町村等への情報提供など、円滑に事業を導入するための体制づくりを進めております。
 今後は、この青年就農給付金の活用とあわせ、これまでの国の農の雇用事業や県単独事業による先進農家等での実践研修、農業機械、施設導入への支援などに取り組み、新たな担い手の確保、育成や早期の経営安定を支援してまいります。
   〔県土整備部長若林治男君登壇〕
〇県土整備部長(若林治男君) まず、応急仮設住宅の発注についてでありますが、阪神・淡路大震災後にプレハブ建築協会との災害協定を平成7年11月に締結したものでありまして、今回、早急かつ大量の住宅が必要となることから、保健福祉部と県土整備部で協議いたしまして、この協定に基づきまして一括発注を行ったものであります。
 その後、5月には地元工務店等の協力を得ることも必要と考えまして、建設事業者の公募を行いますとともに、約2、500戸の仮設住宅の供給が県内の事業者によって行われております。
 当初、被災者を避難所から一刻も早く仮設へという大命題で早期入居を第一に住宅建設を行いましたが、その後、居住環境の改善を図るため団地内通路の舗装等の追加工事を順次行っております。団地内通路舗装の工事費は合計で約9億円となっております。
 床面積につきましては、国の基準で定められているため、収納については、風除室や空き室の有効活用をお願いしております。
 風除室の設置につきましては、災害救助法では、県や市町村が設置したものに限り補助するものとされており、個人への補助はできない制度となっております。
 また、ひさしにつきましては、屋根の雪解け水や雨水が洗濯物にかかるのを防ぐために設置いたしております。
 結露につきましては、断熱材の追加工事を実施しており、また、入居者には、換気の必要性などについて周知してきたところであり、今後も必要な対応を行ってまいります。
 おふろの追いだきは、災害救助法の適用とされておらず設置しなかったものでありますので、御理解をお願いいたします。
 なお、追いだき機能の有無の単価差は1戸当たり10万円となっておりまして、全体で約14億円となります。
 床下の防風対策につきましては、断熱工事や風除室の設置がおおむね完了した12月から実施いたしましたが、資材や人員の確保の関係から、1月の厳冬期までの完了に至らなかったものであります。
 水道管につきましては、委員会での御指摘もありまして、配管の断熱被覆の確認はしておりましたが、十分な配管勾配がとれていない住宅が一部で生じ、水が抜け切れずに凍結したものであります。
 火災の発生につきましては、水道管凍結防止ヒーターの施工不良が原因であり、あってはならないことと考えておりまして、早急に各住戸の施工状況を確認し、安全の確保を徹底することといたしております。
 このように、仮設住宅のさまざまなふぐあいにつきましては、入居者の皆様に不安や御迷惑をおかけいたしましたことに、改めておわびを申し上げます。しっかりと反省点を踏まえて、今後の対応に生かしてまいります。
 次に、湾口防波堤、防潮堤の再築の考え方についてですが、県では、岩手県津波防災技術専門委員会を設置し、政府の中央防災会議から示された基本的な考え方や市町村からの意見及び国との協議を踏まえ、科学的、技術的な知見に立脚した津波対策の方向性や整備目標について検討を重ねてまいりました。
 津波に対する安全確保につきましては、数十年から百数十年の比較的頻度の高い津波に対しては、防潮堤等により人命と財産を守ることといたしまして、最大クラスの津波に対しては、住民の避難を軸に、土地利用、避難施設の整備などを総動員する多重防災の考え方で減災することといたしました。
 施設の規模につきましては、防潮堤は、津波の競り上がり高さや地震による地盤沈下を考慮いたしまして、従前に比べ最大で8.1メートル高くなるものもあります。
 また、湾口防波堤につきましては、久慈港、釜石港は従前と同様、大船渡港は従前に比べ6.2メートル高くなるものであります。
 被災した施設につきましては、災害復旧事業による整備を基本としており、社会的影響、経済性、まちづくりの観点などを踏まえて整備を進めることといたしております。
 景観につきましては、岩手県河川・海岸構造物の復旧等における環境・景観検討委員会を設置し、環境、景観配慮に向けた基本的な考え方を取りまとめ、今後の設計及び施工に生かしてまいります。
 次に、共同溝による地中化の効果についてでありますが、本県では、一部地域において、電力線、通信線を収容する電線共同溝を整備しております。今回の東日本大震災津波において、浸水地域では被害があったものの、地震そのものによる大きな損傷はなかったことから、地震災害には有効な施設と考えております。
 なお、阪神・淡路大震災においては、水道、ガスも含めた共同溝は、ほとんど損傷を受けず、安全性が確認されております。
 次に、老朽化した道路、橋梁の計画的な整備についてでありますが、橋梁の補修につきましては、平成21年度に15メートル以上の橋梁を、今年度には15メートル未満の橋梁長寿命化修繕計画を策定いたしまして、損傷が著しく早期に修繕が必要な98橋については、平成25年度までに対策を終えることとしております。
 あわせて、橋梁の耐震化につきましても計画的に進めておりまして、緊急輸送道路は平成25年度までに203橋、復興道路、復興支援道路及び復興関連道路につきましては、平成30年度までに残る93橋の対策を終えることとしております。
 また、トンネルや舗装など、その他の施設につきましても、点検を行いながら、計画的な補修に努めてまいります。
   〔総務部長加藤主税君登壇〕
〇総務部長(加藤主税君) まず、防災対策上の災害想定についてでございますが、これまで、各種の調査、観測データなどの科学的知見を踏まえ、さまざまな災害を想定し、対策を講じてきたところでございます。
 地震、津波につきましても、過去数百年間の資料から再現できるものを想定してきましたが、その結果、今回の東日本大震災津波を想定できなかったわけでございまして、想定方法を見直す必要があります。
 このため、今後は、できるだけ過去にさかのぼった地震、津波の調査などの科学的知見を踏まえ、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震、津波を想定し、その想定結果に基づいて対策を推進することとしております。
 次に、備蓄の考え方についてでございますが、東日本大震災津波では、燃料不足等によりまして円滑な物資供給ができなかった面もあったことから、地域防災計画に、指定避難所等への分散備蓄につきまして盛り込むこととしております。
 また、自助の観点から、各家庭における3日分程度の備蓄が重要と認識しておりまして、県民に対する周知を徹底してまいります。
 次に、女性防災会議の設置についてでございますが、県の地域防災計画の見直しに当たりましては、今回の災害対応の中で指摘された事項を含め、できる限り女性のニーズに配慮するよう努めてきたところでございます。
 今後も、さまざまな機会をとらえまして、女性の意見の把握に努め、女性の視点も踏まえた防災対策の推進を図ってまいります。
 次に、自治会との連携についてでございます。
 自治会が中心となって組織されます自主防災組織は、避難誘導や避難所運営など、災害発生時におきまして重要な役割を担っておりまして、自主防災組織による防災訓練等の活動を通じて住民の防災意識の向上を図っていく必要がございます。
 このため、県では、自主防災組織のリーダーを対象とする講習会でございますとか、住民参加型図上訓練への職員派遣などによりまして組織の育成強化を図ってきたところでございます。
 今後も、市町村と連携しまして、実践的な避難訓練の実施を促すなど、より効果的な自主防災組織の支援策を講じていく考えでございます。
 次に、緊急消防援助隊の出動状況と本県の今後の強化方針についてでございますが、今回の大震災におきましては、発災から5月19日までの70日間に、28都道府県から延べ4、770部隊、1万7、701人の支援をいただいたところでございます。
 現在、消防庁におきましては、今回の災害対応を踏まえまして、緊急消防援助隊の強化、拡充を検討しておりまして、いずれ全国の消防本部に対しまして、登録上積みの要請が行われるものと想定されます。
 本県では、現在58隊が登録されておりますが、各消防本部の協力も得まして、できる限り要請にこたえる方向で、さらなる登録を検討してまいります。
 最後に、緊急車両へのタブレット型端末の配備についてでございます。
 緊急車両につきましては、消防救急無線、通常の通信機能は既に配備されておりますが、これに加えましてということでございます。現在、県内の消防機関の緊急車両にタブレット型端末を配備している事例はございません。他県におきましては、日常の救急搬送を迅速、円滑に行うために導入している事例もございます。
 今後、導入事例の費用対効果でございますとか、その実績を十分に把握、研究した上で、各消防本部と協力し、検討してまいりたいと考えております。
   〔教育長菅野洋樹君登壇〕
〇教育長(菅野洋樹君) まず、公立学校の耐震化についてでありますが、県内の耐震化率の状況は、平成22年4月1日現在、文部科学省の耐震改修状況調査結果では、小中学校が73.1%、高等学校が73.4%となっております。
 県といたしましては、小中学校施設の早期耐震化の完了に向けて、国庫補助制度の活用を含め、引き続き市町村を支援してまいります。
 県立学校につきましては、岩手県耐震改修促進計画に基づき、平成27年度末までに耐震化率100%を目標に取り組んでまいります。
 次に、実践的防災教育総合支援事業についてでありますが、この事業は、東日本大震災津波の教訓を踏まえた新たな防災教育の指導方法や教育手法の開発、普及等を行う平成24年度の国の新規事業でございまして、これから具体的な実施要項等が示されると聞いております。
 震災津波を経験した本県にとりましては、防災教育の充実は非常に大きな課題と考えておりますので、引き続き情報収集に努め、適切に対応してまいります。
   〔警察本部長高木紳一郎君登壇〕
〇警察本部長(高木紳一郎君) 県警察では、大震災発災後、直ちに警察本部及び各警察署に災害警備本部を設置し、警察職員の約半数の1、100人余の体制のもとに災害警備活動に当たってきたところであります。
 また、発災直後から、広域緊急援助隊を初めとする県外部隊の応援を得て災害警備活動に当たり、最大時1、460人、延べ約26万人の部隊員の応援をいただき、県内部隊とともに一体となって被災地の安全・安心の確保に努めてきたところであります。
 本年2月からは、緊急増員による特別出向の警察官130人が、管轄警察署員とともに被災地における治安の確保に当たっております。
 次に、警察力の強化についてでありますが、大規模な災害に当たっては、広域緊急援助隊など、他県部隊の速やかな応援のもとに、一体となった災害警備活動を行うとともに、あわせて、自治体や消防など関係機関、団体との緊密な連携や災害警備訓練による対処能力の向上、装備資機材の充実整備などに努め、災害警備の万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、警察力を超えた事態への対応についてでありますけれども、被災地では、発災直後にはATM機から現金が窃取される事案などが発生したことから、パトカーや徒歩による警戒警ら活動を実施して、犯罪の抑止、未然防止に努めてきたところであります。
 復旧、復興に伴い、犯罪や交通事故の発生が予想されることから、緊急増員された警察官とともに、被災地の実態に応じた的確な警察活動を展開し、また、自治体や地域住民と連携した協力体制を確保して、犯罪の未然防止など良好な治安の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇38番(小野寺好君) いろいろ御答弁ありがとうございました。
 少し質問したいと思うんですけれども、最初に、木質バイオマスの関係で、間伐材の活用なんかで非常にいいと、そこまではいいんですけれども、宮古は応援するけれども、ほかはどうなのかと。八幡平市役所のほうから、うちの市は一蹴されてしまった、全く検討の余地がないということでけられてしまったということなんですが、八幡平市はなぜなんでしょうか。その辺をお聞きしたいと思います。
 あと、応急仮設住宅の関係ですけれども、まず、ちょっと確認しておきたいんですが、日赤からの家電6点セット、これは海外から160億円ほど来た義援金であてがったと。これは全部いただいたものと判断していますけれども、後に、災害救助法から暖房器具が支給になっていますが、これはもらったものと解釈していいものか、借りたものと解釈すべきなのか確認したいと思います。中には、これは仮設住宅から出るとき返してくれと言われたからといって、壊したらちょっと大変だから手をつけないといった事例も聞きましたので、これはどっちなのか、ちょっと確認しておきたいと思います。
 あと、風除室の関係ですが、県の設置したものに限るという答弁だったんですけれども、そうじゃなくて、私は、建築住宅課へ直接行ったら全く軽くあしらわれたんですが、自分で負担するからこの仮設住宅に風除室をつけてくれと県の判断の前にやった方、そういった方たちに対して、どっちみち後でなっているんだから、おれたちがやった分、1戸当たり2万円らしいんですが、それを戻してちょうだいよと。そんなのだめです、勝手にやったことでしょう、こういう冷たい話であったので、これはどうなんだと、さかのぼって適用してもいいじゃないか、そういうお話だったんですが、いかがでしょうか、再度お聞きしたいと思います。
 あと、追いだき機能のないふろ、全体で14億円だと。1、000億円のうち14億円節約してどうなんですか。災害救助法でそうなっているからと。これは、今までにこの積雪寒冷地でこういった大規模なことはなかったわけですよ。担当者は、これはおかしいな、知事どうしましょうか、国のほうと協議していただけませんかとか、何でだれもそう言わなかったのか。
 さっき、私は登壇して、職員の人たちは、ただ言われたとおりにやるだけが仕事なんですか、おかしいと思ったら何で上に上げないんですかと。まして、岩手県は国政に非常に影響力のあるような県政ですので、意見が通りやすいのではないかなと。復興大臣も今、我が県出身ですのでね。そういった非常にいいポジションにあるわけなので、決まりだからそうなんだじゃなくて、改善するようなことができなかったのか。それは知事の判断でしょうか。
 今回、この一般質問で、24日には及川幸子議員が、この仮設住宅について言及しています。27日には岩崎議員、また、関連して嵯峨議員もいろいろ質問しています。問題なのは、及川幸子議員は前に県土整備常任委員会にいましたし、その委員長も務めた。嵯峨議員に至っては、今、委員長なわけです。本当は、県土整備常任委員会に所属していれば、電話なり何なりですぐ担当者と連携をとって聞くことができる。わざわざこの一般質問で取り上げなくてはならない、その辺が深刻だと思うんですけれども、知事はいかがでしょうか。
 その際に、配管のつなぎ方がどうのとか、勾配がどうの、そういうことを聞いているのではなくて、今、目先の困っていることを何とかしてちょうだい、こう言っているわけです。なかなかその辺が理解できていない。できないことの理由ばかり羅列しても何の意味もない。
 知事は、このような悲惨な出来事は今回で終わりにしたい、被災者に寄り添った施策を展開したい、こう言っているわけなんですが、担当する皆さんが、できないことばかり、こういう決まりだから、これでは血の通った行政じゃない。被災者の方にとっては、ああ、ここまで配慮してくれているのか、ここまでやってくれているのか、こういう思いがあれば、少しぐらいふぐあいがあっても我慢するのではないかなと。それが、できないことばかり、要望を拒否する、こういう姿勢では本当に不信感しか残らない。この辺について知事のお考えをお聞きしたいなと。
 あわせて、住宅政策、これは、むしろ福祉とか生活、こういった部門で保健福祉部とか環境生活部、こっちのほうに所管を移したほうがいいのではないかなと。建設は確かに県土整備部の専門かもしれませんけれども、その後の運用とかについては、むしろ福祉面、そういったほうで対応すべきじゃないかと思いますが、今のようなできないことばかりの羅列とか拒否、こういうものでは非常に心もとない。この際、所管事務を移すべきではないかと思いますが、知事のお考えをお聞きしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 応急仮設住宅についてでありますけれども、およそ1万3、000世帯もの皆さんが、それまでは避難所の中に生活をしておられて、大変、衛生面、また、その関係で健康にも非常に危機的な状況、また、特に当時、思い出しますのは夏の暑さであります。涼しい、冷房がきくところ、あるいは日陰を確保し風通しが得られるようなところに、避難所に入っていた5万人を超えるような皆さんを一日も早く移そうということで、県としても、まず、一日も早くこの仮設住宅を建設するということで、どこよりも早く、陸前高田市、高田一中前の敷地に着工し、そして、完成、移っていただくところから始めたわけであります。
 そこは、県の建設、土木担当と市町村の担当が力を合わせて用地確保、そして、早急に建設、デザインをして、資材を集めて、建てて、そして避難所からどんどん移っていただくということをやっていたわけであります。
 また、その間、岩手県だけで1万3、000戸以上の仮設住宅を建てるという中で、プレハブ建築協会のほうに一括して注文するということを基本としたわけでありますが、当時、部品の不足、断熱材もそうでありますし、さまざまなメーター類、プレハブの建物の枠にさまざま附属させていく水回りのものも大きく不足していたと記憶しております。当時の国土交通大臣が、強くその関係の設備業界に働きかけて、何とかお盆までには全戸建設できるような形で部品が集まったということを記憶しております。
 一日も早く建設するという目的のためには、それなりに県としても動いたと思っておりますが、避難所から仮設住宅に移っていただいた後は、その仮設住宅において、今度は安全と健康を守るということをきちっとやっていかなければなりません。そういう意味で、福祉関係の部局ともしっかり連携をし、見回り、見守り、そしてケアセンターなどでのケア、そうした福祉的なところと、住環境も、お盆の全戸完成以降も随時さまざまな改良工事を進めてきたところでありまして、居住環境の改善ということと福祉的な一人一人の安全と健康のケアということを組み合わせながら、現場に密着しながら、さらに工夫、努力を重ねていかなければと考えます。
〇農林水産部長(東大野潤一君) 木質バイオマス発電施設の整備の関係のお尋ねですが、木質バイオマス発電の事業について検討する際に、事業採算性なり、あと燃料の供給の見通し等、さまざまな点から検討が加えられます。特に事業採算性、あるいは燃料供給といったところがポイントになりますが、そういった点に再考の余地があったと考えられます。
〇理事(廣田淳君) 暖房器具についての御質問でございますけれども、災害救助法によって仮設住宅の設備、備品として、後から国のほうで認めていただきました。それは、仮設住宅に備えつけのものということで、基本的には、備品ということで御理解をお願いしたいので、その中で使っていただくということで、最終的には、出るときには、そこにあったまま出てもらう、置いておくということでございます。
〇38番(小野寺好君) 今のことで、要するに借りたもの、壊したらば、きちんともとの状態に戻して返せという理解なんでしょうか。
 風除室の1戸2万円についてはどうだったんでしょうか。
〇県土整備部長(若林治男君) 災害救助法の趣旨が、個人にはお金はやらないという趣旨なんです。現物供給が基本なんであります。よって、それぞれの県とか市町村がやる部分については、風除室は補助しますよ、きちっと対応しますよと。個人がやったものについて、そこまで、何というんですか、補助対象としては認めてくれないというのが国の見解でありまして、我々もそういうお願いはした経緯はあります。実は、ほかにもその話はいただいていました。どうしても、要望を受けてから国と相談して、それではやりましょうよという意思決定というか、連絡が来る前に、住民の方々はある程度先行してやられた例があります。そこについて何とかなりませんかというお願いはしてまいりました。でも、国のほうでは、それはできないというお話でありましたので、我々としてもそこに従わざるを得なかったというところであります。物言いは、確かにいろいろ問題はあったと伺っておりますけれども、そういう状況であります。
 それから、追いだきでありますが、当初から追いだきの機能をつけてくれというお願いはしておりませんでしたけれども、皆さんからの要望があって、そういうものはどうでしょうかという話をしても、一般的なものですべてに追いだきがあるのであれば、それは対応できますけれども、一般の住居もすべてが追いだきがあるわけではないわけで、それでもって追いだきは標準仕様にはならぬというお話をいただいていましたので、もし独自でやるとすれば補助対象とならず、県独自の14億円の持ち出しという形になって、これは非常に困難であるという判断をいたしたところであります。
〇38番(小野寺好君) ですから、現場の判断が、これはおかしいな、運用を見直してもらいたいと、何で上に、知事に、また知事は国にという、そういう手順を踏まなかったのか。この辺、知事は聞いてなかったのでしょうか、こういう話は。実際に仮設住宅に1泊なさったらしいんですけれども、どうでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 実は知事公舎も追いだきはできない機能になっておりまして、仮設住宅と同じ、50度とか55度とか熱めに設定して、ふろのお湯を熱めに張っておくということでありまして、なれないと、確かにこれは非常に使いにくいのでありますけれども、私もアパートでひとり暮らしをしていたときには、やはりそういう追いだきができないふろの設備でありましたし、私が釜石の仮設住宅に泊まったときも、やはり思ったのは、一日も早く公営復興住宅をつくらなければならない、また、高台移転などで本格的な持ち家に住んでいただけるようにしていかなければならないということでありました。安全と健康を守るための機能は装備された復興の前進基地ではあるんですけれども、やはりそこは恒久的な良質な住宅とは違うのが仮設住宅でありますので、県としては、一日も早くついの住みかに移っていただけるよう頑張っていきたいと思います。
〇副議長(柳村岩見君) この際、暫時休憩いたします。
   午後4時21分 休 憩
出席議員(47名)
1  番 高 田 一 郎 君
2  番 佐々木 茂 光 君
3  番 小 泉 光 男 君
4  番 清 水 恭 一 君
5  番 佐々木 朋 和 君
6  番 名須川   晋 君
7  番 佐々木   努 君
8  番 軽 石 義 則 君
9  番 後 藤   完 君
10  番 神 崎 浩 之 君
11  番 城 内 愛 彦 君
12  番 福 井 せいじ 君
13  番 吉 田 敬 子 君
14  番 木 村 幸 弘 君
15  番 久 保 孝 喜 君
16  番 小 西 和 子 君
17  番 高 橋 但 馬 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 小 野   共 君
20  番 郷右近   浩 君
21  番 高 橋   元 君
22  番 喜 多 正 敏 君
23  番 高 橋 孝 眞 君
24  番 岩 崎 友 一 君
25  番 工 藤 勝 博 君
26  番 及 川 あつし 君
27  番 飯 澤   匡 君
28  番 高 橋 昌 造 君
29  番 五日市   王 君
30  番 関 根 敏 伸 君
31  番 小田島 峰 雄 君
32  番 大 宮 惇 幸 君
33  番 工 藤 大 輔 君
34  番 熊 谷   泉 君
35  番 嵯 峨 壱 朗 君
36  番 工 藤 勝 子 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 小野寺   好 君
39  番 佐々木 順 一 君
40  番 佐々木   博 君
41  番 田 村   誠 君
42  番 及 川 幸 子 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 渡 辺 幸 貫 君
45  番 樋 下 正 信 君
46  番 柳 村 岩 見 君
48  番 佐々木 大 和 君
欠席議員(1名)
47  番 千 葉   伝 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後4時38分 再開
〇副議長(柳村岩見君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。
〇副議長(柳村岩見君) なお、本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
〇副議長(柳村岩見君) 清水恭一君。
   〔4番清水恭一君登壇〕(拍手)

前へ 次へ