平成24年2月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇37番(斉藤信君) 私は、日本共産党を代表して達増知事に質問いたします。
 東日本大震災津波から1年近くがたちました。2月24日現在、死者4、670人、行方不明者1、310人、合わせて5、980人となる戦後最大の大災害となりました。改めて犠牲となられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
 大震災津波からの救援復興の課題は、県政の最大の課題です。第1に、被災者の命と暮らしを守る緊急課題について質問いたします。津波で助かった命を再び犠牲にしては絶対になりません。必要なあらゆる対策を講じるべきであります。
 一つ、昨年6月から12月までの震災関連の自殺は17人となっていますが、孤独死の事例はないという答弁がありました。被災地での高齢者のうち、独居者の変死は80人に及んでいるのではないでしょうか。自殺、孤独死を防止する対策を含めて示していただきたい。
 二つ、仮設住宅はもとより、民間住宅の借り上げなど、みなし仮設住宅、在宅被災者、県内、県外への避難者の全体をどう把握しているでしょうか。すべての被災者に対する支援は行き届いているでしょうか。
 三つ、被災者の医療費、介護保険料、利用料の減免措置が行われています。9月末まで継続されると聞いていますが、新たな負担を含め、その中身はどうなっているでしょうか。もし9月末で減免が切られてしまうと、必要な医療が受けられない、介護施設から仮設住宅に出ていかなければならない事態も考えられます。減免措置の継続を強く求めるべきと考えますが、どう対応しているでしょうか。
 四つ、仮設住宅のふろの追いだき機能の設置は切実な課題です。断熱カーテンの設置とともに国に要望し、県としても独自に設置すべきではないでしょうか。
 五つ、厳しい寒さの中で暖房費がかさんでいます。2月補正予算で、被災地の低所得者、非課税世帯の一部に限った福祉灯油、1世帯5、000円の補助、半額補助で総額2、659万円が示されました。約1万世帯が対象となりますが、せめてすべての非課税世帯の低所得者を対象にすべきではないでしょうか。被災地から盛岡市に約500世帯、1、100人余がみなし仮設住宅などで生活していますが、こうした被災者も対象となるのでしょうか。
 六つ、障がい者や介護が必要な高齢者が住める仮設住宅への改修が必要ではないでしょうか。仮設住宅の整備は今年度までとされていますが、必要な改修、整備は今後とも実施すべきではないでしょうか。
 第2に、仕事の確保と被災事業者の再建の課題であります。
 大震災で12万人が失業したとされていますが、岩手の場合の失業者と再就職の実態はどうなっているでしょうか。1月から失業保険が切れ始めています。家族の生活を支える安定した仕事と収入の確保は待ったなしであります。具体的な対策を講じるべきですが、どうなっているでしょうか。
 同時に、被災した中小企業、事業者の早期の再建は、雇用の確保にとっても地域経済の再建にとっても緊急の課題であります。事業者の再建と雇用確保の状況はどうなっているでしょうか。
 グループ補助は大きな役割を果たしていますが、申請事業者、事業費に対してどれだけの実績となっているでしょうか。希望するすべての事業者に適用できるように拡充すべきではないでしょうか。
 事業復興型雇用創出事業の今年度末の実績見込みはどうでしょうか。11月20日以前に早く再建した事業者にも適用となるように改善を図るべきではないでしょうか。
 県は、全壊、流出した店舗に最大300万円、工場、宿泊業の再建などに対しては最大2、000万円の補助を実施する事業を示しました。大いに評価するものでありますが、全壊、流出した場合の再建は、現在地での一部改修と違って新たな用地の確保や土地のかさ上げなどが必要となり、単年度ではなく数年の規模の事業とすべきではないでしょうか。
 二重ローン対策の新たな制度として岩手産業復興機構が昨年11月に設置されました。3月には東日本大震災事業者再生支援機構も設置される予定であります。ところが、産業復興機構への債権買い取り要請等を行う岩手県産業復興相談センターの相談件数が1月27日までに216社、債権の買い取りはわずか2件にとどまっています。活用されていない課題は何でしょうか。
 第3に、漁業、水産業の復興の課題です。
 最大の課題は船の確保であります。今年度6、800隻確保の目標に対して1月末で3、012隻と聞いていますが、改善策はどうなっているでしょうか。
 ワカメの収穫が始まりますが、養殖施設はどこまで整備されたのでしょうか。
 漁港、荷揚げ岸壁などの改修工事がおくれ、船も係留できない状況であります。漁港、荷揚げ岸壁の改修工事の状況はどうなっているでしょうか。
 サケのふ化放流、アワビ、ウニの種苗確保の見通しはどうなっているでしょうか。
 水産加工業の再開の状況は具体的にどこまで回復しているでしょうか。
 第4に、住宅の確保は被災者の最も切実な課題であります。今回、住宅の新築、購入に100万円の補助、さらにバリアフリー、県産材の活用で最大130万円の補助が示されました。これは被災者を励ましています。
 陸前高田市では、自力で高台移転する場合、水道管の敷設費として最大200万円の補助を行うとしています。被災者生活再建支援金の拡充を国に求めつつ、さらなる支援策を講じるべきではないでしょうか。
 時期がたつにつれて災害公営住宅への希望が増加しています。災害公営住宅については希望者が全員入居できるようにすべきでありますが、いかがでしょうか。
 住宅が確保されるまで、仮設住宅もみなし仮設住宅も入居期間が延長されるべきですが、県としてどう対応しているでしょうか。
 第5に、JR大船渡線、山田線の早期の復旧の問題であります。
 既に被災自治体ではJRの復旧の復興計画を決めています。JR大船渡線、山田線の復旧は市街地の再生の柱であり、通院、通学、通勤など交通の確保とともに、観光の生命線とも言うべきものであります。三陸鉄道と結んでこそ鉄路の効果を発揮します。ところが、JR東日本は早期復旧の方針を示さず、岩手県や沿岸市町村の復興計画と要望に背を向けて、高速輸送バス─BRTへの転換を示唆していることは重大な問題であります。JR東日本は、2011年3月期末決算では経常利益が2、545億円、内部留保は2兆3、499億円に及んでいます。岩手県、宮城県、福島県のJRの復旧事業費は約1、000億円と言われており、十分な利益と体力があるJRの姿勢は極めて問題であります。民主党政権も、かさ上げやルート変更の負担分について地元自治体の負担とならないよう支援すべきであります。JRと国に対して、知事を先頭に、地元国会議員の力も総動員して強力に繰り返し働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第6に、被災した県立病院の早期再建の問題です。
 県立高田病院の仮設診療所に41床の入院病床が整備されたことは大いに評価をしたいと思います。既に高田病院も山田病院も1日当たりの外来患者数は255人、110人で、震災前の数を超えています。仮設診療所は2年ないし3年程度と言われていますから、今から病院の再建を目指して取り組んでも2年から3年はかかります。高田、大槌、山田、大東の各県立病院の再建を目指し、関係市町村と協力して優先的に用地を確保し、病院の再建に取り組むべきではないでしょうか。
 第7に、大船渡市の湾口防波堤と宮古市の水門の問題です。
 大船渡湾の湾口防波堤は、県警ヘリの映像で、津波の第1波でわずか数分で破壊されました。さらに大きな第2波、第3波の津波には全く無力だったのではないでしょうか。これまでの湾内の水質の悪化も漁民の切実な課題となっており、徹底した検証を行い、地域住民の協議を踏まえて再検討すべき課題ではないでしょうか。
 宮古湾の閉伊川河口への水門設置問題も、県が宮古市議会と地域住民への説明も納得もなしに一方的に決めたことは大問題であります。水門設置によって新たな浸水地域となる住民がふえるのではないでしょうか。水門に高架道路を整備する目的と事業費はどうなっているでしょうか。閉伊川河口付近は今回の津波でも大きな被害はなく、川幅も水量もあり、多くの漁船も係留しています。地域住民、宮古市議会との協議と合意を踏まえて総合的に検討すべき問題ではないでしょうか。
 次に、東京電力福島第一原発事故による放射能汚染問題について質問いたします。
 放射能汚染問題は、岩手県内においても深刻な影響と不安を広げています。第1に、汚染の実態について質問します。
 県と市町村による放射線量の測定で、毎時1マイクロシーベルトを超えて除染した学校、保育園、幼稚園、公園等は何市町村何カ所となっているでしょうか。
 汚染された稲わら、牧草の実態とその後の処理はどうなっているでしょうか。
 原木シイタケ、ほだ木の放射性物質の濃度と処理はどうなっているでしょうか。
 第2に、食品の安全基準が4月から見直されます。これまでの測定で、新基準に照らして規制値を超えるものがあるのではないでしょうか。
 学校給食の検査機器の設置と検査体制はどうなっているでしょうか。
 第3に、農産物についてはこれまでに47億8、000万円の損害賠償請求がなされていますが、支払いは19億2、000万円にとどまっています。全面的な賠償を毎月行うように求めるべきですが、どう取り組まれているでしょうか。
 第4に、子供たちの健康が一番心配されます。県が行った子供の健康調査にどれだけの応募があったのでしょうか。結果次第ではさらなる健康調査が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 第5に、東京電力福島第一原発事故がもたらした甚大被害と影響について、知事はどう受けとめているでしょうか。福島県では16万人が避難を強いられ、6万人余が県外に避難生活をしています。岩手県内にも600人余が福島県から避難をしています。安全神話は完全に崩壊しました。世界有数の地震国、津波国である日本で原発推進政策は根本的に見直し、原発からの撤退を求めるべきではないでしょうか。そうしてこそ自然エネルギー、再生可能エネルギーの本格的な導入を進めることができるのではないでしょうか。
 再生可能エネルギーの導入に当たっては、地産地消、地域主体の開発を進めるべきであります。そのための思い切った支援策が必要と考えますが、その中身を示していただきたい。
   〔副議長退席、議長着席〕
 東日本大震災津波の教訓を踏まえて、福祉と防災のまちづくりを進めることが必要であります。県民の命と暮らしを守る温かい県政こそ災害にも強い県政であります。県民の切実な課題に絞って質問いたします。
 第1に、子供の医療費の無料化を小学校卒業まで拡充する問題であります。
 大震災津波の被害を受けたときだからこそ、未来を担う子供たちの命と健康を守る医療費の無料化を拡充すべきではないでしょうか。福島県では、県独自に18歳までの医療費無料化を実施しようとしています。隣の秋田県でも小学校卒業までの医療費助成を決めました。岩手県で、現行の助成制度をせめて小学校卒業まで実施するのに必要な財源は約4億円程度ではないでしょうか。既に県内でも、10町村が中学校卒業まで、8市町村が小学校卒業までに拡充しています。さらに来年度は、被災地の陸前高田市でも大槌町でも拡充しようとしています。
 また、窓口負担無料の現物給付に戻すべきであります。全国で償還払いとしているのはわずか11道県であります。東北では岩手県だけであります。安心して子供たちが必要な医療を受けられるように、子供を大切にする県政への転換を今こそ進めるべきではないでしょうか。
 第2に、高過ぎる国保税の引き下げと保険証の取り上げを中止する問題であります。
 一昨年度の国保税は、県平均で課税所得92万1、000円に対し国保税は15万4、000円、負担率16.72%となっています。国保税加入者の所得が減少しているのに、国保税が引き上げられています。滞納者とその率、財産の差し押さえを含め、この10年間の推移を示していただきたい。
 耐えがたい国保の値上げを抑えるために各市町村が一般会計から繰り入れを行っていますが、その実態はどうなっているでしょうか。民主党政権は国保の広域化を進めようとしています。それは、各市町村が独自の繰り入れができないようにするということであります。県単位に国保の広域化をしても、国保の危機を打開することには絶対なりません。国保に対する国の負担をふやし、国保税の引き下げこそ実現すべきではないでしょうか。国保の広域化に反対すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 全日本民医連は2月20日、無保険など受診のおくれで1年間に67人が死亡したと発表しました。全国の医療機関で推計すれば5、500人に及ぶ深刻な事態であります。67人のうち42人、63%が国保の滞納によって無保険、資格証明書や短期保険証となっている方でありました。保険証の取り上げは医療の取り上げ、命の取り上げとなってしまいます。県内では2月1日現在、資格証明書の発行が515世帯、短期保険証の発行が1万1、449世帯、うち未交付が1、798世帯となっています。盛岡市は、今年度から資格証明書、短期保険証の発行を基本的に中止しました。資格証明書の発行、短期保険証の発行は中止すべきではないでしょうか。
 第3に、雇用対策の問題であります。
 大企業に社会的責任を果たさせることが重要であります。県内最大の誘致企業である関東自動車は、小型ハイブリッド車アクアの生産で、今、フル操業を行っています。ところが、正社員の数をふやしていません。使い捨ての期間工は900人、リーマンショックのときに切り捨てた派遣社員を新たに150人まで採用しています。正社員の採用をふやし、期間工を正社員に登用するよう強く求めるべきではないでしょうか。この間の実績を含め示していただきたい。
 リーマンショック後、50人以上の首切り、合理化を進めた企業と解雇者数はどうなっているでしょうか。
 第4に、大震災津波の教訓を踏まえ、防災のまちづくりを進めることが重要であります。
 津波対策で何よりも大事なことは避難であります。釜石の奇跡と評価されている学校での防災教育とその効果は全県でいかんなく発揮されました。その一方で、5、900人を超える犠牲者を出したことも事実であります。群馬大学による釜石市の調査によれば、犠牲者のうち36.3%が自宅で被災したとなっています。大きな犠牲者を出したことについて県ではどのように検証しているでしょうか。
 私は2月7日に、陸前高田市の全壊、浸水した二つの保育園を訪問しました。月2回避難訓練を行っている、保育園の裏側に避難道を整備したとのことでありました。避難対策こそ最大の津波対策だと考えますが、避難道、避難場所、避難施設の整備こそ直ちに行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、学校の体育館など避難場所に暖房設備と必要な資材備蓄を行うべきと考えますが、どう取り組まれているでしょうか。
 災害対策の中心部隊は消防職員であります。消防団員であります。基準人員から消防職員は1、061人も少ない。大幅な増員を図るべきではないでしょうか。
 献身的に奮闘された消防団員の待遇と安全対策をどう検討されているでしょうか。
 第5に、子供と教育の問題であります。
 今回の大震災津波は、子供と教育にとっても大きな根本的な課題を提起いたしました。
 八重樫県教育委員長に質問します。
 一つ、被災地の学校ではこの間の防災教育と避難訓練の成果が発揮され、釜石の奇跡とも紹介されています。私は、岩手の奇跡と言ってもいいものだったと思います。
 一方で、子供たちも教職員も家族を失い、住む家や仕事を失うなど深い傷を負っています。子供たちや教職員に寄り添った心のケアの取り組みが求められています。実態を含めて、どう受けとめ、取り組まれているのでしょうか。
 二つ、被災地でこそ行き届いた教育が求められています。先行して少人数学級を実施するとか、教員の大幅な配置を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 学校施設が大きな被害を受けたことから、小中学校の統廃合計画も出されています。私は、あくまで地域住民の十分な協議と合意を大前提にすべきと思いますが、いかがでしょうか。
 四つ、県内の一部に小中一貫校の取り組みも見られます。これは全国で広がりつつある問題ですが、4、3、2体制のもとで、小学校5年生、6年生と中学校1年生を一つの教育課程として、小学校に教科担任制を持ち込むなど、中学校の競争主義的教育を小学校にまで持ち込むなど、これまでの小学校教育をゆがめかねない問題が指摘されているものであります。小中一貫校の取り組みは慎重に検討し、見直すべきではないでしょうか。
 岩手の教育の最大の問題は、目標達成型の学校経営の名のもとに、教育に数値目標を導入し、PDCAサイクルで検証を繰り返す市場原理主義を導入していることであります。教育の目標は、子供の成長と発達を支えることであります。子供たち一人一人に寄り添った教育こそ求められているのではないでしょうか。
 そのための最大の保障は少人数学級の実現であります。大幅な教員の増員による行き届いた教育を進めることであります。しかし実態は、小中学校の教員の場合、1日の勤務時間が10時間を超え、月42時間の残業が強いられています。一方で、肝心の授業の準備は1日1時間にも満たないという異常な状況であります。県教委は教師の多忙化を解消する提言を出していますが、全く改善されていないのではないでしょうか。
 また、子供たちは、全国学力テスト、県のテスト、市町村教委のテストなどテスト漬けとなっており、最近ではテストの点数を引き上げることが学校の目標となり、過去問題のドリルも行われるようになっています。学校と教育の実態をどう認識されているでしょうか。これは、国連子どもの権利委員会が日本政府に対して3回にもわたる勧告で指摘された高度の競争主義的な学校環境そのものではないでしょうか。
 教育長に質問します。
 35人学級が来年度から中学校1年生で完全実施されることは評価したいと思います。さらに小学校全学年に早急に拡充すべきと考えますが、これまでの少人数学級の成果と全学年に広げるための教員増、経費を示していただきたい。
 次に、日本の進路、岩手の死活にかかわる消費税大増税、TPP問題について知事の姿勢をお聞きいたします。
 野田内閣は2月17日、消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革大綱を閣議決定しました。野田内閣の消費税大増税計画には三つの大問題があります。第1に、八ツ場ダムや東京外郭環状道路、1機99億円もするF35戦闘機の購入など無駄遣いを続けたままの大増税だということであります。第2に、年金の引き下げ、医療費、介護保険料の引き上げなど社会保障の切り捨てと一体の大増税だということであります。第3に、日本経済をどん底に突き落とし、財政破綻も一層ひどくする大増税だということであります。
 特に、被災地の復興に逆行する大増税であります。消費税が10%になると岩手県民全体の負担増は1、273億円となります。県民税、市町村民税の総額は766億円であり、1.7倍近い大増税であります。この間、被災者に交付される義援金は約457億円であり、その2.8倍の大増税ともなります。被災地の中小企業は約6割程度再建しましたが、消費購買力が落ち込んだ中で消費税が大増税となるなら、たちまち破綻に追い込まれかねないことになります。こうした一片の道理もない最悪の消費税大増税に被災地の知事として強く反対すべきと考えますが、知事はどう受けとめているでしょうか。
 日本共産党は2月7日、消費税大増税ストップ!社会保障充実、財政危機打開の提言を発表いたしました。充実した提言で、今、各界にお届けしているところであります。徹底した無駄と浪費の一掃、富裕層、大企業への応分の負担で、消費税増税抜きに社会保障の再生と充実を図る財源を示した提言であります。知事の感想を含めてお答えをいただきたいと思います。
 TPP問題への参加問題も、日本と岩手の農林水産業はもとより、地域経済の死活にかかわる大問題であります。2月7日に行われた日米協議で、日本政府は、すべての品目を自由化交渉の対象にする、関税以外の21分野に対応する用意があると約束しました。これでは、農林水産省や県の試算どおりに農林水産業に壊滅的な打撃となることは明らかであります。アメリカは、関税の撤廃だけでなく、漁業に対する補助金も認めないとしています。漁業、水産業の復興に逆行するものだと言わなければなりません。知事として断固として反対を表明し、野田政権の売国的な暴走をとめるために行動を起こすべきではないでしょうか。
 最後に、大震災津波と県警本部の取り組みについて質問いたします。
 大震災津波の救援と遺体の捜索、交通の確保や安全対策などに全国の応援を受けながら取り組まれたことに心から敬意を表します。現在も、津波から1年を前にして、釜石市や大槌町などの被災地で集中的な遺体の捜索活動が行われています。
 県公安委員長に質問します。
 県警察のこれまでの取り組みをどのように把握し、認識しているでしょうか。
 これだけ頑張っている警察官や県職員に対して、昨年12月定例会で日本共産党だけの反対で賃金引き下げという給与改定が行われました。私は、せめて警察官の残業については100%残業手当が支給されるべきと考えますが、昨年度の残業手当の支給実績、今年度の支給見込みはどうなっているでしょうか。時間単位を含めて示していただきたい。
 また、公安委員長は、この間、被災地の警察官の取り組みをどれだけ直接訪問し、激励してきたでしょうか。
 警察本部長に質問いたします。
 着任したばかりですが、被災地を回られてきたでしょうか。被災地の状況、被災地で仕事に取り組む警察官への思いを示していただきたい。
 私の質問は以上でありますが、答弁によっては再質問をいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(佐々木博君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、被災者の自殺及び孤独死についてでありますが、本県の震災関連の自殺者は、内閣府の公表によれば、昨年6月から12月までで17人となっており、その対策として、これまで、こころのケアチームによる活動を中心に行ってきたところでありますが、今後は、こころのケアセンターを核とする中長期的な心のケア体制を構築し、自殺の防止に努めていきます。
 また、いわゆる孤独死については、本県の仮設住宅においてはそのような事例はないものと承知しておりますが、被災者の孤立を防ぐため、民生委員や生活支援相談員による安否確認や見守り、被災者の相談に応じた保健医療や福祉サービスへの橋渡し等のほか、仮設住宅におけるサロン活動などの取り組みを行っているところであります。
 次に、避難者の実態把握と支援の現状についてでありますが、被災者の実態は2月17日現在、応急仮設住宅入居者は3万1、145人、民間賃貸住宅、公営住宅等のみなし仮設住宅入居者は1万1、478人となっています。また、自宅で暮らす被災者は1万1、336人、内陸の親戚宅で暮らす被災者は2、890人、県外へ移った被災者は1、660人となっています。
 次に、被災者の支援については、生活支援相談員などが被災者を巡回訪問し、引き続き実態把握に努めるとともに、生活相談、見守りなどを行っています。県としても、被災者相談支援センターを沿岸4地区に設置し、常時相談に対応しています。
 また、県外に避難している被災者に対しては、避難元市町村からの情報提供のほか、避難先の県とも連携した相談会などを実施しています。
 今後とも、市町村など関係機関との情報共有を進め、連携を促進しながら、被災者に対する支援の充実を図ってまいります。
 次に、被災者の医療費、介護保険料や利用料の減免措置についてでありますが、発災以降、医療費の窓口負担、介護保険料や利用料に加え、入院患者や施設入所者の食費、居住費が減免されてきました。避難所生活との均衡等を図る観点から講じられた食費、居住費の減免措置は本年2月で終了となりますが、医療費の窓口負担、介護保険料及び利用料については、9月まで継続されると聞いております。
 県としては、被災地の復興状況等を踏まえ、医療費の窓口負担、保険料等の減免措置の継続等、必要な措置を国に求めてまいります。
 次に、福祉灯油についてでありますが、今般の大震災津波により甚大な被害を受け、財政事情が極めて厳しい中で、灯油購入費等を助成しようとする沿岸部の市町村が相当数に上っていることから、これらの市町村に対して補助を実施しようとするものであります。
 補助事業の対象世帯については、過去に実施した事業をもとに、特に支援が必要とされる高齢者世帯等の市町村民税非課税世帯や生活保護世帯を補助の対象としているところです。
 内陸部のみなし仮設住宅で生活する被災者については、実施主体である沿岸部の市町村が助成対象とした場合には、県の補助についても対象とする考えであります。
 次に、失業者と再就職の実態と対策等についてでありますが、県では、震災による失業者は、有効求職者ベースでとらえると1万3、000人増加したと推測しています。その後、復興需要や緊急雇用創出事業等による雇用創出の取り組みにより、12月末では約7、000人減少したものととらえています。
 求職者からは、長期かつ安定的な雇用の場の拡大が望まれていることから、今後は、産業振興と雇用の創出を一体として支援する事業復興型雇用創出事業にも取り組んでまいります。
 また、被災事業者の再建状況については、沿岸の商工団体の調査によると、仮設事業所の操業も含め、会員事業所の約6割強が事業を再開しており、引き続きグループ補助金や個別企業への助成で再建を支援してまいります。
 次に、グループ補助金の実績についてでありますが、現在30グループ、295社、436億円を交付決定しています。
 申請状況については、3次にわたる公募を行ったため、同一の事業者が複数回申請している場合もあり、重複を除くと、事業者、申請額の7割強をカバーしています。
 グループ補助金については、今後も必要な額について引き続き国に要望していきます。
 次に、事業復興型雇用創出事業についてでありますが、今年度の雇用創出数は1、250人と見込んでいます。
 事業の遡及適用については、県としても3月11日の震災後に雇用したものすべてを対象とするよう、昨年来、国に対して強く申し入れをしてきたところであります。
 次に、中小企業被災資産復旧事業費補助についてでありますが、この補助金は、平成23年度及び平成24年度限りとして措置したものでありますが、被害が甚大であった地域では、土地利用の調整などに時間を要することが見込まれることから、今後、地域の復興状況を勘案しながら、柔軟に対応を検討してまいりたいと思います。
 次に、債権の買い取り状況についてでありますが、岩手産業復興機構による債権買い取りは、被災事業者の相談窓口を担う岩手県産業復興相談センターと連携し、両者が一体となって進めています。1月末において、産業復興機構による債権買い取りが2社、産業復興相談センターの支援による返済猶予が1社にとどまっていますが、現在、相談センターにおいては、約30社について、金融機関との調整や再生計画の作成支援など、事業者の財務改善を図る作業に鋭意取り組んでおり、今後買い取りが進むものと考えております。
 次に、JR大船渡線、山田線の早期復旧についてでありますが、県としましては、沿線市町の意向を踏まえ、また、三陸鉄道とつながることでさまざまな面で相乗効果が発揮されることから、鉄道の早期復旧が必要であると考えています。
 復旧に係る費用負担は、第一義的にはJR東日本が負うべきものと考えますが、まちづくりに合わせたルート変更やかさ上げなどの費用については、JR東日本は国に対し財政支援を求めており、県としても、これらの費用が自治体の負担となることがないよう、国に対し財政支援を求めていく必要があると考えています。このため、昨年末に、宮城県、福島県と被災3県合同で、国に対し、鉄道の早期復旧に向けた財政支援の要望を行ったところであり、また、先日、沿線市町とともに、JR東日本に対し鉄道の早期復旧を、国に対しJR東日本への財政支援等の要望をそれぞれ行ったところであります。
 今後も沿線市町等と連携しながら、JR東日本や国に対し、引き続き強力に要望してまいります。
 次に、被災した県立病院の再建についてでありますが、被災した沿岸部の地元3市町においては、現在、具体的な土地利用計画等について検討しているところであり、また、各二次保健医療圏においては、保健所を中心に医療再生に向けた医療関係者等による専門的な検討を始めたところです。
 県としては、地域医療提供体制の再構築に向け、平成24年度中には具体的な方向性を確立する必要があると考えており、被災した県立病院についても、圏域における議論や次期保健医療計画の検討状況を踏まえ、地元市町とも十分に意見交換を行いながら検討を進めていきます。
 また、大東病院については、先般、両磐保健医療圏の地域医療を守る懇談会等において、一定程度の病床が必要であるなどの意見が出されたところであり、今後、こうした意見も踏まえ、平成24年度前半を目途に整備に向けた取り組みを進めてまいります。
 次に、大船渡港の湾口防波堤についてでありますが、ビデオ映像では、倒壊まで一定時間機能したことがわかっており、また、今回の湾奥における津波の痕跡が9.5メートルであったのに対し、湾口防波堤が被災した現状におけるシミュレーションによる浸水高は11.1メートルであり、1.6メートルの低減効果があったとされています。
 また、国では、設計以上の高さの津波に対しても減災効果を発揮する粘り強い構造を採用するとともに、現在、有識者や漁業関係者等による検討会を開催し、湾内の水質環境の保全への配慮を検討しています。
 次に、閉伊川河口水門についてでありますが、閉伊川河口付近の市中心部においては、今回の津波により176棟の家屋が全壊するなど大きな被害を受けており、津波対策が必要であると認識しております。
 河口部における津波対策には水門方式と堤防方式があり、社会的な影響、経済性、まちづくりの観点等について宮古市と協議しながら総合的に検討し、水門方式に決定したものであります。宮古市の要請に応じて宮古市議会や住民への説明を行ったところでありますが、今後とも、宮古市と連携して、地域の理解を得られるよう努めてまいります。
 次に、原発事故による放射能汚染問題と再生可能エネルギーへの支援についてでありますが、原発事故は広範囲に深刻な放射能汚染をもたらし、国民の安全性への信頼を大きく揺るがしたものと認識しております。
 今後の原発のあり方については、国において事故の検証をしっかりと行い、幅広い国民の議論に基づき、適切に判断されるべきものと考えます。
 再生可能エネルギーについては、基金を活用し、防災拠点への導入を支援するほか、新たな低利融資制度を創設し、資金力の乏しい県内企業が大規模発電事業等に参入しやすいよう、環境整備を進めます。
 次に、子供の医療費の無料化についてでありますが、現在の就学前までの対象を小学校卒業まで無料化を拡充するためには、多額の県費負担が見込まれるところであり、近年の社会保障関係経費等の増嵩により、県予算における新たな政策的経費の確保は大変厳しい状況となっていることから、直ちに実施することは困難であると考えています。
 また、現物給付とした場合、市町村の国民健康保険に対する国庫支出金が減額されることから、市町村等と協議をした上で償還払いとしているものであります。県としては、引き続き国に対して、この減額措置の撤廃を要望してまいります。
 次に、滞納及び国保税の引き下げについてでありますが、所得に対する国保税の負担割合は年々増加する状況にありますが、平成22年度の滞納世帯数は3万3、171世帯、滞納世帯数の割合は15.56%となっており、滞納世帯数及び滞納世帯数の割合は過去5年間、ほぼ横ばいの状況となっています。
 また、平成22年度の差し押さえ件数は3、839件、差し押さえ金額は約11億1、000万円となっており、差し押さえ件数及び差し押さえ金額は、過去5年間、ほぼ横ばいの状況となっています。
 また、各市町村の一般会計からの法定外繰り入れの実態は、平成22年度、8市町村、計9億6、000万円余となっています。
 県としては、医療保険制度などの社会保障については、基本的に国が責任を持って行うべきものと考えており、国に対して、国の定率負担の引き上げなど、一層の財政責任を果たすよう要請しているところであります。
 また、国保の広域化についても、国の財政責任を明確にしながら十分な議論を尽くすよう、全国知事会等を通じて国に要請しているところであります。
 次に、東日本大震災津波の検証についてでありますが、県では、市町村及び防災関係機関へのアンケートや現地調査などを通じて検証を実施してきたところであります。この結果、多くの犠牲者を出した要因は、津波規模の過小評価、防潮堤等の効果を過信したことによる避難開始のおくれ等であると分析しています。このため、県の地域防災計画においては、防潮堤の設置状況等の地域の実情を踏まえつつも、最大クラスの津波を想定し、避難を軸とした行動をとるよう打ち出すこととしています。
 今後は、市町村との連携を強化しながら、迅速な避難の重要性を含めた住民の防災意識の徹底と高揚が図られるよう、住民向けの啓発活動を積極的に展開してまいります。
 次に、消費税の増税についてでありますが、消費税のあり方を含め、これからの税制をどうするかについては、社会構造の変化を分析の上、現実の経済状況等を十分に踏まえ、国民的な議論を経て慎重に判断すべきものと考えます。その際、被災地である岩手県としては、消費税によって被災者の負担増加を招かないか、消費の減退により、日本経済へマイナスの影響を与えないか、ひいては被災地の復興の妨げとならないかといった点を十分考慮すべきと考えております。
 次に、日本共産党の提言についてでありますが、社会保障制度とその財源ついては、現在、国において社会保障・税一体改革として議論が行われていると承知しております。
 議論に当たっては、特にも、さきの答弁で申し上げたとおり、税制抜本改革の主要な項目である消費税のあり方について、復興の足かせとならないかといった点を十分考慮し、国会はもとより、広く国民の間で活発な議論を経て慎重に判断すべきものと考えます。
 次に、TPPへの参加問題についてでありますが、TPP協定については、農林水産分野を初めとした国民生活のあらゆる分野、特にも、大震災津波からの復興に向けた取り組みに大きな影響を与えることが予想されるにもかかわらず、国民に対する情報提供が不十分であり、国民的議論が進んでいない状況の中で、国がTPP交渉への参加に係る方針を表明し、参加に向けた事前協議を始めたことは問題があると思っております。
 国において、成長戦略上TPP協定をどう位置づけるのか、関税撤廃がどのような効果を有するのか、農林水産業を初めとした必要な国内対応策をどう講じるのかなど、交渉に参加する前に行われるべき基本的な検討、議論が十分に行われていない現時点では、TPP交渉への参加には反対であると、さきの県議会の場においても申し上げたところであります。
 県においては、大震災津波からの復興を見据え、国におけるTPP交渉の動向を注視しながら、関係部局が十分連携し、各分野における本県社会経済の影響を的確に把握していくとともに、県民や関係者の意見が反映されるしっかりとした検討が進められるよう、必要に応じ、国に対して提言等を行ってまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁をさせますので御了承をお願いします。
   〔県土整備部長若林治男君登壇〕
〇県土整備部長(若林治男君) まず、仮設住宅についてでありますが、県では、完成後においても、要請に応じまして必要な居住環境の改善を進めてきたところであります。
 おふろの追いだき機能につきましては、災害救助法の適用とされておりませんで、多額の改修費用が必要となりますので、設置は予定しておりません。給湯器の温度設定等の調整での対応をお願いいたしております。
 また、カーテンにつきましては、各住戸に厚手のカーテンを設置しておりまして、一定程度の断熱効果があるものと考えておりますので、御理解をお願い申し上げます。
 次に、障がい者や介護が必要な高齢者の方への対応につきましては、要望に応じて手すりやスロープの追加設置を行ってまいりましたが、さらに、市町村や広域振興局の福祉部局が窓口になりまして、障がい者などの個別の事情に対応して必要な改修工事を行っております。
 仮設住宅の追加工事はおおむね今年度中に終了いたしますが、必要な改善につきましては、来年度においても対応してまいります。
 次に、災害公営住宅についてですが、被災者に対するアンケート結果や市町村の意向を踏まえまして、県内で4、000戸から5、000戸程度の被災者向けの公営住宅を供給する方針としております。
 災害公営住宅は、県と市町村において整備いたしますが、今後、市町村と連携しながら、希望される方ができる限り入居できるよう建設を進めてまいります。
 次に、閉伊川河口水門の高架道路についてでありますが、水門管理橋を拡幅して通行できないかという要望を宮古市からいただいておりますが、その整備につきましては、今後、市とともに調整、検討していくことといたしております。
 また、事業費につきましては、166億円と算定しております。
   〔農林水産部長東大野潤一君登壇〕
〇農林水産部長(東大野潤一君) まず、漁業、水産業の復興の課題についてでありますが、漁船の確保につきましては、造船メーカーの供給力増強を国に要望しているほか、被災した県内の造船所の復旧につきましても支援しており、引き続き、早期確保が図られるよう努めてまいります。
 養殖施設の整備につきましては、ワカメ、コンブ養殖を中心に約1万1、000台の整備を進めており、1月末現在、9、300台余の整備が完了しております。
 漁港、荷揚げ岸壁の改修につきましては、全漁港で荷揚げ作業が可能となっておりますが、潮位の高低に左右されず、荷揚げ作業が可能な漁港は全体の約3割まで復旧しております。また、漁港につきましては、全漁港が、荒天時を除き、漁船の係留は可能となっておりますが、引き続き、防波堤等の復旧、整備を進めてまいります。
 サケふ化場につきましては、今年度は18ふ化場で稚魚の生産を行い、この春に約2億9、000万尾の稚魚が放流される見通しであり、また、ウニ種苗は平成24年に100万個を、アワビ種苗は平成25年に約20万個を放流できる見通しであります。
 水産加工業の再開の状況につきましては、沿岸地域に立地している156事業所を調査したところ、被害を受けた事業所は138事業所で、このうち昨年12月末までに64事業所が事業を再開しております。
 次に、汚染された稲わら等の実態と処理についてでありますが、稲わらにつきましては、18市町で約600トンが保管されておりましたが、焼却や埋却等の処分も行われ、現在の保管数量は、13市町で約470トンです。
 牧草につきましては、1月末現在、6市町で約7、800トンが保管されており、焼却処理も進められておりますが、今般の飼料の暫定許容値の見直しにより増加も見込まれますので、処分が進むよう、関係市町村と連携し取り組んでまいります。
 また、原木シイタケ、ほだ木の放射性物質の濃度と処理についてでありますが、原木シイタケにつきましては、干しシイタケは9検体を乾燥状態で測定した結果、5検体が暫定許容値を超過したため、3市1町で生産されたものにつきまして出荷自粛と自主回収を要請しております。また、生シイタケはこれまで16検体を測定実施しましたが、いずれも暫定許容値を下回っております。
 ほだ木につきましては、これまで調査した23検体のうち4検体が指標値を超過したことから、指標値超過のほだ木は使用しないよう生産者に要請しており、このほだ木は、いずれも8、000ベクレルを下回っておりますので、一般廃棄物として処理されます。
 次に、これまでの測定で新基準値を超過した県産農林水産物についてでありますが、これまで、県産農林水産物の放射性物質濃度の測定値が100ベクレルを超過した例のある品目は、牛肉、原木シイタケ、ブリ及びウグイ等の一部の川魚です。
 次に、農産物の損害賠償請求への取り組みについてでありますが、JA等で構成される損害賠償対策岩手県協議会にアドバイザーとして参画し、助言や市町村、関係団体との連絡調整を行うとともに、東京電力及び国に対し、賠償金が早期かつ確実に支払われるよう強く要請を行ってきたところであり、引き続きこうした取り組みを続けてまいります。
   〔理事廣田淳君登壇〕
〇理事(廣田淳君) 被災者生活再建支援金の拡充等についてでありますが、現行では、基礎支援金と加算支援金の合計で300万円の支給であり、住宅再建には不十分でありますことから、国に対し、繰り返しその増額を要望しているところであります。現時点ではその増額が難しいことから、今般、県独自の支援策として、持ち家再建を支援する被災者住宅再建支援事業を提案しているところであります。
 このほか、平成24年度当初予算において、利子補給、バリアフリー等の補助などを盛り込んでいるところであり、これらの事業によりまして、被災者の持ち家による住宅再建を支援していきたいと考えております。
 応急仮設住宅の入居期間の延長についてでありますが、建設した応急仮設住宅については、建築基準法による存続期間の1年ごとの延長が可能となりましたことから、国と協議しながら延長を求めていくこととしております。
 一方、民間賃貸住宅の供与期間は2年間とされておりますが、平成23年10月6日には厚生労働大臣、平成24年1月10日には野田内閣総理大臣あて延長を要望したところでありますが、国からは、応急仮設住宅の提供期間は原則として2年以内であるが、必要があれば、その期間の延長をすることを考えているとの回答しかいただいていないところであります。
 県としましては、3月早々にも、改めて国に対して要望することとしており、今後とも、その実現に向けて国に強く要望してまいりたいと考えております。
   〔環境生活部長工藤孝男君登壇〕
〇環境生活部長(工藤孝男君) 学校等の除染を実施した市町村数と箇所数についてでありますが、毎時1マイクロシーベルト以上の箇所は、県内12市町村の学校等が251施設、公園等の不特定多数が利用する施設が417施設であり、これらの除染はすべて終了したとの報告を受けております。
 また、県立学校につきましても、毎時1マイクロシーベルト以上の箇所があった県南10校の除染作業を既に終了しております。
 来年度も引き続き、子供の生活圏を中心に除染を進めてまいります。
   〔保健福祉部長小田島智弥君登壇〕
〇保健福祉部長(小田島智弥君) まず、子供の健康調査についてでありますが、この調査は、主に県南地域の15歳以下の小児132人を対象に実施しているところでありますが、この調査に対しては、5市町合わせて3、300人余の応募があったと聞いております。
 この測定結果につきましては、岩手県放射線内部被ばく健康影響調査有識者会議において評価を実施した上で、3月上旬をめどに結果を公表する予定であり、さらなる健康調査については、この有識者会議において、測定結果を踏まえた調査の継続実施や追加検査の必要性等についても御意見を伺う予定としておりますので、これらを踏まえて検討してまいります。
 次に、資格証明書、短期被保険者証についてでありますが、資格証明書、短期被保険者証の発行は、市町村が滞納者と接触し、納付相談の機会を確保することを目的としているものであり、滞納者の生活実態など、状況をきめ細かく把握した上で交付しているところであります。
 盛岡市では、今年度、短期被保険者証や資格証明書の発行を、納税相談に応じない者や悪質な滞納者へ交付することとし、戸別訪問によりその実態を把握した上で実施したところ、発行数が減少したと伺っております。
 県におきましては、市町村に対し、滞納者個々の実態を十分把握した上で細やかな対応をするよう通知し、また、会議等の場でも、この基本的な考え方に沿って適切に運用するよう要請しているところであります。
   〔商工労働観光部長齋藤淳夫君登壇〕
〇商工労働観光部長(齋藤淳夫君) 関東自動車工業岩手工場の正社員化の取り組みについてでありますが、関東自動車工業岩手工場では、平成18年度46人、平成19年度71人、平成20年度106人、平成21年度10人、平成22年度15人、計248人を期間社員から正規社員に登用しており、平成23年度も前向きに取り組むと聞いております。
 県といたしましては、今まで正社員の登用について要請してきたところでございますが、引き続き機会をとらえて要請してまいります。
 また、リーマンショックのあった平成20年度以降に縮小、撤退した誘致企業数は17社、これに係る従業員の削減数は3、300人余となっております。
   〔総務部長加藤主税君登壇〕
〇総務部長(加藤主税君) まず、避難路、避難場所等の整備と資材等の備蓄についてでございますが、これらの整備は市町村において進められるべきものでございますが、県におきましても地域防災計画に位置づけ、市町村に対して働きかけを強めております。そういったものでございますが、段階的に進めざるを得ず、一定の時間を要することとなります。このため、県といたしましては、当面、市町村に対し、避難経路の明示や避難場所の周知徹底を促すなど、ソフト面からの避難対策を進めてまいります。
 また、発災直後は、道路の寸断、燃料の不足等により避難所への物資供給が滞るなど、避難所の環境が整わなかった面もございました。これらに対応するため、地域防災計画に暖房器具等の整備や食料等の分散備蓄を盛り込むこととしており、市町村に必要な対応を促してまいります。
 次に、消防職員の増員についてでございます。
 消防職員数につきましては国により整備指針が示されているものの、これを参照しつつ、消防団の体制や自主防災組織の活動状況、建造物の配置や構造など地域のさまざまな要因を踏まえ、それぞれの市町村や組合において判断し、配備しているところでございます。
 県としては、このような市町村や組合の判断を受けとめつつ、消防力の充実強化に資するよう、機会をとらえて必要な対策の実施を働きかけてまいります。
 次に、消防団員の待遇や安全対策の検討についてでございます。
 消防団員の待遇につきましては、市町村に対しまして、毎年度、交付税措置の内容を踏まえ、報酬や手当の改善を促しているところでございます。今後は、一般団員の階層における待遇の引き上げに着目して助言を行うなど、よりきめ細かな対応にも努めてまいります。
 安全対策につきましては、今回の災害対応を踏まえ、県の地域防災計画を見直しているところでございます。この見直し内容が市町村の地域防災計画に十分反映され、実際に消防団員の安全確保につなげていく必要がございます。今後、市町村向けの説明会を開催するほか、直接、市町村に赴き、働きかけるなど、周知、浸透に努めてまいります。
   〔教育委員会委員長八重樫勝君登壇〕
〇教育委員会委員長(八重樫勝君) まず、子供たちの心のケアについてでありますが、被災地の子供たちは、大震災津波の恐ろしい体験に加え、一つの学校に複数の学校が同居するなどの学びの環境の変化や、仮設住宅に住むなどの生活環境の変化等により大きなストレスを感じながら生活しているものと認識しております。
 県では、発災前からのカウンセラーの配置に加え、昨年5月から6月にかけて県外臨床心理士を沿岸部の学校に緊急的に派遣し、さらに9月からは震災対応の巡回型カウンセラーを沿岸部に5人常駐させるとともに、県立学校、公立幼稚園に県内3大学のチームによる支援を行っております。
 平成24年度におきましては、教職員に対する研修、巡回型カウンセラーの増員、心とからだの健康観察の実施などにより、より手厚いサポート体制を構築し、一人一人の幼児、児童生徒の状況に応じた、より一層きめ細かな対応に努めてまいります。
 また、教職員の心のケアについてでありますが、みずからも被災するなど、その影響を大きく受けている教職員も少なくありませんが、これまで児童生徒や地域住民のために大変頑張っていただいております。県では、発災以降、心と体の巡回健康相談などの対策を講じてきたところでありますが、平成24年度においては、管理監督者メンタルヘルスセミナー、教職員の心のケア研修の継続開催のほか、メンタルヘルスチェックの対象を全教職員に拡大するなど、対策を強化してまいりたいと考えております。
 また、学校に配置される臨床心理士等により、児童生徒の心のケアとあわせて教職員のカウンセリングを行うなど、今後とも、被災地等の教職員が心身とも健康で教育活動に専念できるようきめ細かな支援を継続し、教職員の心のケアの充実に努めてまいります。
 次に、被災地における少人数学級の先行実施、教員の配置についてでありますが、被災地における児童生徒の学習のおくれや心のケア等の教育支援のため、国へ加配を要望し、平成23年度は小中学校で201人の加配措置をいたしました。被災地の学校では、児童生徒一人一人の状況は多岐にわたっておりますので、きめ細かな対応が必要であると考えております。したがいまして、来年度におきましても、学校の状況を把握して必要な数の加配を国に対して申請しているところであり、継続的に教職員を加配できるよう努めてまいります。
 次に、小中学校の統廃合についてでありますが、被災地においては、それぞれの地域の実情や子供たちの状況に応じて、設置者である市町村が必要な教育環境の整備や教育効果の向上等を目指し、どのような形で学校再建を行うかについて地域住民の方々と鋭意協議を重ねているところであり、学校の復旧、復興に向け、懸命の努力が行われているところでございます。
 県といたしましては、今後、各市町村の学校再建の方針の取りまとめを受けて、その取り組みや方策に応じた適切な支援に努めてまいりたいと考えております。
 次に、小中一貫教育についてでありますが、小中一貫教育は、子供たちの成長に合わせた教育活動を9年間で系統的に展開していくための柔軟な教育課程編成の一つとして、各市町村が主体的に判断し進めているものであります。本県のそれぞれの市町村教育委員会では、今回の震災も踏まえ、地域の状況に応じて、子供たちの様子を見ながら、最もふさわしい教育のあり方を地域の方々と検討しているところであり、県教育委員会としては、各市町村教育委員会の要請により、必要に応じて情報提供や助言を行うなど、適切に支援してまいりたいと考えております。
 学校と教育の実態についての認識でありますが、本県の教育は、知識や技能を習得させるだけの学力形成にとどまるものではなく、社会人として必要な総合力を身につけさせること、すなわち知、徳、体を総合的に兼ね備えた、どんな困難に直面しても強くたくましく生きていく能力を育てる人間形成そのものを目標に取り組んでいるものであります。その大きなものがいわて型コミュニティ・スクールや教育振興運動の取り組みであり、不登校の出現率が全国で一番低いことや、今回の震災において見せてくれた学校や児童生徒のすばらしい行動の数々にその成果があらわれていると考えております。改めて本県においてはしっかりとした教育がなされてきたものと考えているところであり、決して国連子どもの権利委員会の勧告にあるような、過度に競争主義的な環境にはないと考えております。
 今後とも、岩手の自然や文化を愛し、知、徳、体の調和のとれた、人間性豊かな岩手の子供たちを育ててまいりたいと考えております。
   〔教育長菅野洋樹君登壇〕
〇教育長(菅野洋樹君) まず、学校給食の検査機器の設置と検査体制についてでありますが、県では、自校で調理を行っている11校の県立学校について、3月末までに検査機器を設置できるよう発注したところであり、平成24年4月からの検査開始に向けて検査体制の整備を図っているところでございます。
 また、市町村への補助につきましては、既に購入したものについても対象としているところでありますが、この補助分も含めて一関市など7市町において13台が設置済みであり、今後、検査機器を整備し検査を計画している盛岡市など17市町村では、4月以降の検査実施を目途に、計30台を発注済み、あるいは3月までに発注する予定となっております。
 次に、少人数学級の成果と全学年への拡充についてでありますが、少人数学級における成果については、実施校へのアンケートの調査結果等から、学級集団のまとまりや人間関係の把握において効果が高いという回答を得ております。これに加えて、中学校においては、中1ギャップの解消、不登校や問題行動の抑止が挙げられており、総じて学級経営や生徒指導面において成果があるととらえております。
 次に、少人数学級を小学校全学年に広げた場合の教員数と経費についてでありますが、平成24年度の児童生徒数の見込みにより試算いたしますと、183人の教員の増員と約16億円の経費が必要となると考えております。
   〔公安委員会委員長元持勝利君登壇〕
〇公安委員会委員長(元持勝利君) 大震災津波の県警察の取り組みをどのように把握し、認識しているかについてでありますが、公安委員会としましては、発災直後からの適宜の報告や、定例会議において被災地の被害状況や警察措置について報告を受けているほか、全委員がそれぞれ被災地を視察、激励する中で把握し、それを踏まえ、組織を挙げた被災者の救助活動や被災者の不安を取り除く活動などについて意見を述べてまいりました。
 県内では、2月26日現在での死者数は4、670名、行方不明者は1、300名を超えるなどの甚大な被害となり、また、本県の警察官11名が職に殉じ、合計19の警察施設が全壊するなどの厳しい状況の中で、県警察においては、全国警察の応援を得ながら、被災者の救出活動や行方不明者の捜索、安全・安心を確保するための諸活動等、昼夜を分かたず適切に災害警備活動を行ってきたと認識しております。
 次に、警察職員の昨年度の超過勤務手当の支給実績についてでありますが、支給時間については、職員1人当たり月平均19.8時間であり、超過勤務手当の決算額については14億5、636万円余であるとの報告を受けております。また、今年度の支給見込みについては、必要額を予算に計上しているところであり、2月補正後の超過勤務手当予算額は18億4、072万円余であるとの報告を受けております。
 次に、被災地の警察官の取り組みをどれだけ訪問し、激励してきたかについてでありますが、大震災津波発生後、全委員で災害警備本部を視察、激励したほか、被災地における被災者の避難誘導及び救出、救助、行方不明者の捜索、安全・安心を確保するための諸活動等の災害警備活動を把握するため、3人の委員が延べ十数回にわたり被災地などを訪問し、激励とねぎらいを行ってまいりました。また、当県の警察職員のみならず、被災地で活動している全国から派遣されていた警察官に対しても直接、激励とねぎらいを行ってまいりました。
 公安委員会としては、被災地はもとより、すべての地域においてより一層安全・安心な地域社会の実現に向け県民から大きな期待が高まっていると受けとめており、引き続き県警察を督励してまいる所存でございます。
   〔警察本部長高木紳一郎君登壇〕
〇警察本部長(高木紳一郎君) 先日、大船渡、釜石、宮古の各警察署管内の被災地を視察し、被災の実態や警察活動の現状を確認してまいりました。警察署では、2月の緊急増員による特別出向の警察官が管轄警察署員とともに、被災地における警戒警ら活動、仮設住宅での被災者の方に対する巡回連絡や困り事相談への対応などの活動に取り組んでいる状況について報告を受けました。また、行方不明者の捜索も継続して行っており、この1年、県警あるいは県警職員が、警察官11名が職に殉じるなどの厳しい状況の中で、全力で東日本大震災津波に係る警察活動に取り組んできた状況をじかに感じることができたところであります。
 県警といたしましては、今後とも被災者の皆様に寄り添い、期待と信頼にこたえられる活動を継続していきたいと考えております。
〇37番(斉藤信君) それでは、再質問をさせていただきます。
 被災者の命と暮らしを守る緊急課題について、答弁でも震災の関連自殺が17人と。これは6月以降の話なんですね。だから、その以前を含めたら、私はもっと多い数になると思います。
 また、孤独死については定義がないので孤独死はいないという答弁に終始していますが、だれにもみとられずに孤立して死亡した場合、私は基本的には孤独死なんだと思います。いわば死に至る過程がみとられていないことが問題なんですよ。みとられていれば、病院に行ったり、いろいろな手だてがあるわけなんです。結局そういう手だてがなく、私は指摘しましたけれども、警察の調査で、変死扱いされている高齢者の孤独死が80人沿岸で起きている。私は、本当にこれは軽視できない事態だと。長期間放置されたか、されていないかということを問題にするより、やっぱり一人たりともそういう孤立した死者を出してはならないと。そういう意味で、見方を変えて解釈するのではなくて、犠牲者を一人も出さない、こういうことでぜひ手だてをとっていただきたい。
 当然この間、被災者生活支援の相談員を187人配置したとか、北上市や遠野市が独自に被災地でそういう支援員を配置しているとか私は承知しています。それなりに努力していると思います。しかし、結果としてこういう状況になっているということをシビアに見て対応する必要があるのではないか、これが第1点です。
 第2点は、私、仮設住宅の方々と懇談して言われるのは、自治会長も、ひとり暮らしの高齢者がだれか市町村から情報提供がないと言うんです。これは、例えば個人情報の問題はありますけれども、やっぱりそういう情報というのはきちんと仮設の自治会長にも民生委員にもお知らせする。
 あとはみなし仮設の問題です。これは市町村もわからない。県は調査しましたね、みなし仮設の民間住宅借り上げの方々に対して、情報提供していいかと。こういう調査をやったと思いますが、どれだけの方々が情報提供に同意したか。そういう情報は市町村から現場の方々にどういうふうに徹底されているか、これは第2点としてお聞きいたします。
 第3点ですけれども、これは知事にお聞きしますが、県立病院の再建問題です。
 知事は9月定例会で、被災した病院の再建を基本としつつ、地元市町の復興計画や地域医療再生に向けた二次保健医療圏での議論、県の次期保健医療計画の考えを踏まえながら、立地場所や規模、機能について検討していくと。大前提が被災した病院の再建なんです。被災した病院の再建を基本にして検討していくと。この答弁は大変被災地を励ましたんです。そして、この知事答弁によって県立高田病院に入院病床が41床整備されて、既に活用されている。
 私も2月7日に石木院長に会ってきました。高田病院では、病院の再建に向けた用地の確保も市と協力してめどがついたというんです。今から県立病院の再建をやろうとすれば、土地の確保、設計、建設、それだけで二、三年かかる。そういう意味では、病院の再建を基本にして、関係市町と早く用地を確保する。庁舎の場合は大体めどがついていますし、学校の用地も大体めどがつきました。今、被災地の中心的な施設で、決まっていないのは病院です。ぜひ県立病院の再建に向けて早く用地を確保して、そして早く足を踏み出すようにしていただきたい。
 大東病院については一定の病床が必要だという方向を出されて、私は歓迎したいと思います。この一定の病床というのは病院の再建と受けとめてよろしいのか、このこともお聞きしておきます。
 次に、また知事にお聞きしますが、消費税増税、税と社会保障の一体改革について、知事としては大変歯切れの悪い答弁だったなと。定例記者会見なんかではもっと反対と言っていたんじゃないかと思うんですがね。
 そもそも私は三つの問題を指摘しました。無駄遣いをしながら増税、社会保障を切り捨てながら増税、1997年の橋本内閣のときに、景気がよかった、所得がふえていたときにやったら経済も財政も落ち込んで14兆円税収が減ったんですよ。今、国民の所得はもっと減っている。景気ももっと悪い。こういう中で消費税増税をやったら、13.5兆円ですよ。医療費の値上げ、その他で全部合わせれば20兆円の負担増になる。被災地はもとより、日本全体の暮らし、経済、財政をだめにしてしまうのではないか。
 知事、これは民主党の公約にも反しますから、改めてこの税と社会保障の一体改革は、民主党の公約にも、そして1997年の経験からも今の国民の実態からも、地方から声を上げてこれを食いとめる必要があるのではないか。ましてや被災地の場合は復興に逆行する、水を差す。そういう意味でもはっきりと反対を表明すべきではないかと思いますので、改めてお聞きいたします。
 それと、保健福祉部長に聞きますが、資格証明書、短期保険証の発行です。
 そもそも1人当たりの国保税の調定額を課税所得と対比しますと、平成11年度は64万4、000円の所得でした。国保税7万3、610円でした。平成21年度は49万9、000円の所得で8万3、600円ですよ。所得がこんなに減っているのに国保税は逆にふえている。だから滞納もふえているんですよ。そういうときに保険証を取り上げる。短期保険証を発行するけれども、相談に来なければ未交付、これは私は異常な事態だと思います。
 私、盛岡市の担当者に聞きました、資格証明書、短期保険証をやめてどうですかと。何も変化はありません、困ったことはありませんと。逆に、一人一人の滞納者の状況を把握して対応できていますと。滞納したら保険証を取り上げるなんていう社会保障の精神に反するようなこういうやり方は、県都の盛岡市がやったんですから、そして通知にもあるじゃないですか。悪質な滞納者に限るというのが厚生労働省の通知ですよ。そのことを徹底したら、私はこの資格証明書、短期保険証のこういう発行状況というのは改善されるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 教育委員会委員長にお聞きします。答弁漏れもあったと思います。
 岩手の教育の最大の問題は、目標達成型の学校経営で、学校教育に市場原理を導入する。PDCAサイクル、1年ごとですよ。1年ごとの目標で、2カ月ごとに検証しているんですよ。学校教育の目標は、指摘したように、子供たちの成長、発達を支援することじゃないですか。学校の目標が先にあって検証するんですよ。どういう目標が掲げられているか。学力テストの県平均を超えるというのが目標ですよ、ほとんどの学校の。だから、今までやらなかった過去問題までやっているんですよ、今。全国学力テスト、県のテスト、市町村のテスト、テスト漬けになっているのが実態じゃないですか。これが世界的には異常なんです。
 そして、もう一つ私は指摘した。一方で先生方はどうなっているか。毎日10時間、毎日2時間以上の残業で、授業の準備は逆に1時間もない。教員の多忙化の解消の提言を出したにもかかわらず、これこそ検証すべきだ。こういう検証は全然しないんですよ。私は、逆立ちしているのではないかと、岩手の教育は。やっぱり子供を中心にして、教育の成果というのは半年、1年で改善されるものではないですよ。本当に一人一人に寄り添えるような教師の状況をつくっていくことが必要なのではないか。改めてお聞きします。
〇知事(達増拓也君) 県立病院に関する質問をいただきました。引用いただいた答弁のとおりでありまして、用地についてもできるだけ早く市町村と協力しながら早急な地域医療体制の回復に努めてまいりたいと思います。
 大東病院についても、具体的なところを医療局において詰めていくということですので、そのとおりにしてほしいと思います。
 消費税については、復興の妨げにならないことを被災県の知事としては強く訴えていかなければならないと思っております。被災地の負担ひいては日本経済を失速させないという点において、復興を最優先で進めていただきたい、進めなければならないと考えます。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 2点お尋ねがございました。
 まず、孤独死の関係でございますが、孤独死について定義をどういうふうにするかということはともかくといたしまして、議員が御指摘のように、本来、おひとりで亡くなるような状態、そういうことを避けると。そのためには、例えば生活支援相談員が入って、ハイリスクの方の健康的なケアだとかいろんな状況を把握し、それを医療機関につなげていったり、あるいは危ないときには、周りの方がフォローするということが何よりも肝要だと考えております。そういうことにおいて、そういう対策を本県においても講じていくということで注力をしたいと考えています。
 孤独死の定義を、長期間放置するような状態であるということに今回置きましたのは、今いろんな場で問題になっていますのは、ひとり、知られずにお亡くなりになると、それが放置されているという、それがコミュニティの崩壊の要因から生じているという、そういう問題意識から、孤独死ということについてそう定義をさせていただいたところでございまして、それにこだわって施策を展開すると、そこに焦点を当てるということだけではなくて、それ以前の問題から幅広く対応をしていきたいと考えているところでございます。
 それから、2点目の資格証明書、短期被保険者証の発行でありますけれども、これはまさに盛岡市の取り組みについては、私ども答弁でもお話をしたとおりでございまして、かなり厳密にいろいろ戸別訪問等によって実態を把握して、悪質なケースについて短期被保険者証や資格証明書の発行を交付しているということでございまして、これは県が市町村に指導している基本的な考え方とそごを来すものではないと考えてございます。したがいまして、きちんと市町村で個々の状態を十分把握した上で、必要な方についてはそういう措置をするような形で、今後も十分指導してまいりたいと考えているところでございます。
〇理事(廣田淳君) みなし仮設入居者の情報の市町村への提供の関係でございますけれども、民間賃貸住宅に入居している被災者の住所情報等─これは世帯主の氏名とか住所でございますが─県で一元的に管理しておりますことから、県から入居者に対して、そういった情報を市町村に提供することについて意向確認をいたしまして、同意を得られましたそういった情報を市町村に提供したところでございます。
 2月22日現在、その件数は、入居者に対して照会した件数が3、384件のうち2、662世帯、78.7%が照会をしていいということで、市町村のほうに提供をしております。
〇教育委員会委員長(八重樫勝君) まず、最初に、私の見解をお話ししますけれども、まずテストの問題についてなんですけれども、テスト漬けになっているという指摘がありましたけれども、テストの本来の目的は何かということ。もしも現場がそれが過熱して、誤った使い方をしているとすれば、これは是正しなければならないと思います。
 テストは本来、今さらここで皆さんに、釈迦に説法ですから言う必要もないことなんですけれども、子供たちのつまずきの状況を調べると。あるいは教師の指導法はどうだったかというのを調べるというのが、我々がやっている県の問題であり国のテストです。国も、ですから順番は出さないと言っているわけですけれども、どっかのところで出している人がいるということです。ですから、出してはいけないと私は思っています。
 私は常々言っていますけれども、1点、2点の違いで人間の価値は決まらないよと。算数がだめでも、走るのが得意な子もいるんじゃないかと。そういういいところを見つけて評価し、激励するのが教員の役目だと。もしも、どっかの学校とか─余りこれを言うとまずいんですけれども─県の平均よりも上に行こうという目標を立てたとすれば、これはおかしい話ですよ。全部が平均よりも上に行くということはないわけですから。でも、とりあえずは、県の平均を目指そうというのが子供たちにおろすときには必要かもしれませんが、そして、あくまでも学校間競争とか個人競争をするために我々はやっているのじゃないし、そういう使い方はだめだと言っております。ですから、それをもしゆがんで使っているとすれば、それは使っているほうが悪いと。指導も悪いかもしれません、我々の指導も悪いと思いますけれども、そういうことであります。
 ですから、上げるために過去の問題をやって、それでどんな力がつくのか。大したことないんじゃないかと。─大したことないと言うと、また支障がありますけれども、そうでなくても、学校でつけたいろんな力が、今回の震災の結果にあらわれたと。数学、算数が不得意な子でも、年寄りを大事にするとか、ボランティアをやるという力を発揮している子がいる。これがまさに本物の学力ではないかなと私はとらえております。
 まだ足りないと思いますけれども、いつかの機会にまたお話しします。
〇教育長(菅野洋樹君) 目標達成型はあくまでも地域と一緒に子供たちを育てるということでやっています。地域にそれぞれ、ことし学校が何をやるかということを示して、地域の方々、御父兄と一緒に育てるという、そういう考え方でやらせていただいています。
 また、教員の多忙化については、今年度実態調査を行おうと思いましたが、この震災を受けて、やはり学校に負担をかけられないということで、ことしは中止をいたしました。さらに、負担を軽減できるように方式を今見直しを行っておりますので、来年度実態調査、詳細なものを行いたいと思っております。
〇37番(斉藤信君) 税と社会保障の一体改革は、国政の最大の焦点なので改めて知事に聞きますが、私は三つの問題点を指摘しました。無駄遣いをしながら大増税、社会保障を切り捨てながら大増税、そして財政も経済もだめにすると、復興にも逆行すると。復興に逆行するということは、知事もこれは強い意識を持っているようですが、さらに民主党の公約にも違反するのではないか。
 この問題提起に知事はどういうふうに、私の具体的な提起についてのお答えを聞かせていただきたい。
 それと、被災者の命を守る問題で新たに聞きたいんですが、震災関連死の認定状況はどうなっているでしょうか。
 義援金を収入とした生活保護の廃止件数はどうなっているでしょうか。実は、義援金、災害弔慰金、生活支援金というのは、住民税の場合でも国保税の場合でも収入に入れないんですね。だから、これを生活保護だけ収入認定して廃止するということは、私はあってはならないと。国の政策としても整合性がないと思いますが、実態を含めて聞かせてください。
 それと、商工労働観光部長に聞きますが、二重ローンの対策が、相談件数も債権の買い取りも少ないですよ。私、宮古市に行ったときにこういうふうに話を聞きました。
 最初の説明会で、3年間黒字で、震災で赤字になった企業が対象なんだと。みんな、おれはもう対象にならないと。今、県内の中小企業は75%赤字ですよ。3年間黒字なんていう企業はほとんどないですよ。私はこういう説明は撤回されたのか、この二重ローンの対象企業はどういうものなのか、改めてお聞きしたいし、きっちりした説明なしに─せっかくいい制度、知事はこの二重ローンの解消というのは生命線だとも言った。私もそう思いますよ。画期的な制度だけれども、生かされていない。そのためにやっぱり何が問題なのか。私は相談体制の強化も必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 関東自動車の話を聞きました。この間、期間工から248人が正社員になっている。しかし、ここ二、三年は減っているんですよ。一時は106人、期間工にしたけれども、その後はがくっと減ってしまった。今、900人ですよ。
 私、現場の労働者から相談を受けているけれども、7年、8年、期間工で働いている。半年更新です。これだけの熟練工を、なぜ、こういう景気のいいときに正社員にしないのか。私は、これは人材の確保と言っても、企業にとって損失ではないのか。12万台もアクアの注文が殺到してフル生産しているこういう中でこそ、この問題、あとは県内の高校生から大量に採用するとか、そういうことが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 教育委員会委員長、もっと平場で論争もしたいんだけれども、実は市町村では、学校別ランクが全部出されているんです、テストの結果が。だから、下位になった校長先生が青くなって、そういう目標を決めているので、これは実態ですよ。これ調べてください。もしわからないというんだったら調べてください。そうなっているのです。テスト漬けというのは、そういう実態なんですよ。だから過去問題もやるとなっている。全国学力テストのときに、それはやらないとなっていた。今、違うんですよ。過去問題もどんどんやっていいとなっている。テスト漬けというのはそういうことなんです。点数を上げる教育なんです。一人一人の成長、発達を支援するところからかけ離れていることを私は指摘したし、いまだに答弁がないのは教員の多忙化。一人一人に寄り添うべき先生の状況が、何でこんなひどい状況で改善されないのか、そのことについて答えるべきですよ、改めて。
〇知事(達増拓也君) 消費税の関係の再々質問でございますけれども、私は、国政の最大の課題は復興であるべきだし、また、客観的に見ても、復興に違いあるまいと思っておりまして、1に復興、2に復興、3、4がなくて5に復興ということ、そういう趣旨のことを記者会見でも言っていると思っております。
 岩手において、この岩手の復興は、内陸、沿岸一つになって、岩手全体の復興でなければならないと言っているように、日本の復興、東日本大震災からの復興というのは、これは日本全体の復興でなければなりませんので、関西やまた西日本も含めて、日本全体の復興でなければならない。その日本全体の復興ということをきちっと進めていけば、日本の経済の力も高まり、そして財政の健全化も可能になり、そういう中で社会保障についても、きちんとした体制をつくっていくことができると思っております。そういう趣旨のことは、去年の国の復興構想会議でもるる述べてまいりましたし、最近でも述べていますし、これからも述べていきたいと思います。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 2点お尋ねがございました。
 まず、災害関連死の認定のほうでございます。これは直接的な災害による死亡のほかに、例えば避難所でお亡くなりになったりした場合に、災害弔慰金の支給に関する法律によりまして、災害関連死として認定されれば、災害弔慰金が支給されるというものでございます。
 市町村が基本的には判断することになりますが、独自で判断したところは2市町で29件、それから県のほうで、市町村の委託を受けまして委員会を3回開催しまして認定した件数が98件ということで、合わせて127件と承知してございます。
 それから、2点目の生活保護のいわゆる義援金が収入認定されたことによる廃止でございますが、手元にちょっと数字がございませんで、考え方だけ御説明を申し上げることで御容赦いただきたいと思いますが、義援金につきましては、単に収入として入ってきたからそれを認定して廃止するということではなくて、自立更生のための計画をきちんと作成をしていただくという、そういう手続をとっていただくことで行っております。その計画を審査して、それを認定する場合において、その市町村ごとにばらつきが出てくる可能性もありますので、それぞれのケースについて、これは県のほうに報告をいただいて、確認をした上でそういう計画が妥当かどうか、チェックをさせていただいているところでございます。
 そういう形で義援金が今後のその方の自立更生に資するような形で使われる、そういうことをサポートするような形に生かされるような形で制度設計されているところでございますし、運用しているところでございます。
〇商工労働観光部長(齋藤淳夫君) まず、最初に、二重ローンの件でございます。
 先ほど別の議員のところでも答弁しましたが、200社の相談があったうち、100社についてはセンターのほうできちっと窓口で対応しまして、これは買い取りに至らない対応ということで、そこは解決済みでございます。残りの100社が今買い取りの対象で、実際に買い取りを行ったのは2社、そして鋭意作業を進めているのが30社ございまして、これは今、制度の充実、県の4分3の補助金であるとか、あるいは2月補正あるいは当初で予定しています県単補助、こういったものの採択が進んでいきますと資金繰りというのは見えてきますので、ぐっと採択するスピードが上がってくると思いますし、私どももセンターあるいは機構のほうには、買い取りについては鋭意やってくれというお願いをしているところでございます。
 なお、冒頭御紹介のあった基準についてはちょっと私は聞いていないところでございますので、決してそのような対応はしていないと思いますので、確認させていただきます。
 それから、関東自動車の正社員化でございますが、御案内のとおり、確かに平成20年度106名、これ正社員に転換しましたが、この年は逆にリーマンショックがあった年でございまして、平成21年、平成22年は減ったのはやむを得ないことかと考えております。ただ、非常に今好調でございますので、いずれ私ども、機会あるごとに関東自動車に対しては正社員化をお願いするということは言っております。これは引き続きお願いします。
 いずれ、アクアが売れれば、正社員化が進むということでございますので、皆さんもぜひお買い上げいただきたいなと思っております。
〇教育委員会委員長(八重樫勝君) テストの問題について、テストの本来の趣旨は先ほど申し上げたとおりです。子供のつまずきの実態を把握する、教師の指導法がどうだったのかを把握する、それを次の指導に生かす。それから、子供たちにも目標を持たせて、もっと頑張るという、そういう意欲にもつながるということもわかっていただきたいということでありますし、もしも学校の順位だけできゅうきゅうとするような実態があるとすれば、それは是正しなければならないと思いますし、そのためにやるのじゃないということでありますので、それはもうきちんと調べたり、正しい使い方をするようにと指導してまいりたいと思います。
〇教育長(菅野洋樹君) 教員の多忙化については先ほど申し上げましたが、通知を出していますが、それがどう現場で行われているか、それは検証しなければならないということで、実態調査をやりたいと思いました。ただ、震災がありまして、今年度は中止せざるを得なかったと。したがいまして、その調査方法をより簡略化して来年度やってまいりまして、今度はそれぞれの実態に応じた対応をとってまいりたいと思っております。
〇37番(斉藤信君) 最後に県土整備部長にお聞きをしたい。
 宮古市の水門問題は、宮古市も市議会も、堤防で対応するという計画だったんですよ。それが年末、突然水門になった。そのために、新たに浸水区域がふえて、浸水する住民がふえたでしょう。それを示してください。
 それと、私、事業費と言ったのは、高架道路なんて突然出てきたわけですよ。高架道路って何で出てきたんですか。その事業費は幾らなんですかって聞いたんですよ。私ね、そういう市の方向と全く違ったことが県で決定をされる、住民の合意がつくられない。私、慎重にやるべきだと。
 あと、大船渡の湾口防波堤、第1波で破壊したんですよ。大きかった第2波、3波には、全く無力だったんじゃないですか。この間の水質悪化の問題も含めて、私はこれも住民自身がしっかり協議と合意を踏まえて対応すべきじゃないですか。
 保健福祉部長、197人もいるんですよ。
〇県土整備部長(若林治男君) まず、閉伊川の河口水門の話でありますが、堤防方式か水門方式かということは、最初には水門方式のほうがよろしいということで我々考えて、市と協議をしていたところであります。ただ、堤防方式のほうが、どうしても津軽石川水門の状況を見たときに、そういう意見もあって市と調整をずっと進めてきたところであります。
 それで、堤防方式になりますと、どうして閉伊川の状況、河口の周辺で、通常の数十年から百数十年程度のレベルの津波はすべて守れます。ただし、災害波が来たときに、堤防方式でありますと上流側に全部流れ込みますので、上流側ではんらんすると。つまり、新たなところではんらんするという違った状況が生じるということからして、これではなかなか説明がつかないということで、市と協議の上、水門方式ということにしたところであります。
 どれぐらいふえるかということでありますが、閉伊川の河口域に限りますれば、浸水面積としては水門案は21.8ヘクタール、堤防案でいきますと34.1ヘクタール。水門案のほうが少ない部分、浸水面積にはなります。ただし、堤防案とは違ったところで鍬ケ崎とかそれから一部、藤原等について若干広がるという懸念が、市民のほうからされたということであります。
 それから高架道路という話は、あくまでもまだ宮古市のほうから、先ほど私が申し上げましたけれども、水門ができるのであれば、そこに管理用の道路をつくらなければいけないんですけれども、その管理用道路を拡幅なりして道路にできないかという要望をいただいていると。これは今後のお話になりまして、今事業費を示せと言われても、それはなかなか今の段階ではわからないと言わざるを得ません。
 それから、大船渡の湾口防波堤でありますが、あるビデオ映像からいきますと、3時11分に湾口から津波が浸入したことがわかっています。3時13分、湾口防波堤を越波始めました。3時19分に灯台がなくなりました。よって、考え方ですが、多くは8分それから6分間は越流の白波が立っていますので、効果はあったと判断しております。
〇議長(佐々木博君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時6分 散 会
第4回岩手県議会定例会会議録(第5号)

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