平成27年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成27年10月30日(金)
1開会 午前10時3分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 菊 池   満
議事管理担当課長 渡 辺 謙 一
主任主査 中 村 佳 和
主任主査 藤 澤 壮 仁
主査 柳 原   悟
主査 田 内 慎 也
主査 菊 地 友 和
主査 菊 池   智
1説明員
県土整備部長 蓮 見 有 敏
副部長兼
県土整備企画室長 鈴 木 浩 之
道路都市担当技監 青 柳   天
河川港湾担当技監 及 川   隆
県土整備企画室
企画課長 小 原 由 香
県土整備企画室
管理課長 永 井 榮 一
用地課長 千 葉 龍 一
建設技術振興課
総括課長 桐 野   敬
技術企画指導課長 幸 野 聖 一
道路建設課
総括課長 遠 藤 昭 人
道路環境課
総括課長 中 村   実
河川課総括課長 八重樫 弘 明
河川開発課長 佐 野   孝
砂防災害課
総括課長 楢 山   護
都市計画課
総括課長 千 葉 一 之
まちづくり課長 和 村 一 彦
下水環境課
総括課長 中 道   明
建築住宅課
総括課長 勝 又 賢 人
住宅課長 辻 村 俊 彦
営繕課長 伊 藤 勇 喜
港湾課総括課長 千 葉 行 有
空港課総括課長 箱 石 知 義

会計管理者 紺 野 由 夫
出納指導監 田 中 耕 平

監査委員 吉 田 政 司
監査委員 工 藤 洋 子
監査委員事務局長 菊 池   寛
監査第一課
総括課長 小 倉   茂
監査第二課
総括課長 村 上 博 和

財政課総括課長 熊 谷 泰 樹
〇郷右近浩委員長 これより本日の会議を開きます。
この際、一昨日の農林水産部の審査において斉藤信委員からありました、私、委員長の議事の進行に関しての発言について御説明いたします。
斉藤信委員のTPPに関する質疑において、私から、平成26年度の決算審査であることの趣旨を踏まえて質疑を行うようお願いしたところでありますが、斉藤信委員から、ほかの委員もTPPに関する質疑を行っているにもかかわらず、自分だけそのような注意をされるのはいかがなものかといった趣旨の発言があったところであります。
私といたしましては、TPPに関する質疑自体が決算の審査になじまないという趣旨ではなく、斉藤信委員の質疑で、ほかの委員の質疑の中で繰り返しなされたTPPの合意内容についての評価、影響額や国会決議違反ではないかといった質疑が行われたため、同様の内容について繰り返しの質疑がなされないようお願いしたところであり、また、これについては、佐々木順一委員の質疑の際にもお願いをしようとしたところでありますが、その趣旨が、斉藤信委員、また、佐々木順一委員に伝わらなかったということであり、少々言葉足らずであったのではないかとの御指摘もあるとは思いますが、御理解をお願いしたいと思います。
なお、この件に関しては、速記録を精査し、各世話人にも確認いただいているものでありますので、委員各位には御了承をお願いいたします。
これより議事に入ります。
認定第1号から認定第15号まで、並びに議案第47号及び議案第48号の以上17件を一括議題といたします。
本日は、県土整備部関係の質疑を行い、その後、決算15件及び議案2件について、意見の取りまとめと採決を行いたいと思いますので、御了承願います。
最初に、県土整備部長に県土整備部関係の説明を求めます。
〇蓮見県土整備部長 平成26年度決算の内容について御説明申し上げます前に、県土整備部所管の事務事業に係る主な取り組みと成果につきまして御説明を申し上げます。
平成26年度は、震災関連として、岩手県東日本大震災津波復興計画の着実な推進を重点施策に位置づけ、取り組んだところであります。
まず、防災のまちづくりでは、海岸防潮堤や水門などの津波対策施設の復旧、整備に取り組むとともに、市町村の復興まちづくりの支援や、これと関連した道路整備を進めるなど、多重防災型まちづくりの推進に取り組みました。
この結果、平成26年度末時点で、県土整備部が所管する防潮堤等の津波対策施設については、計画箇所65地区のうち63地区の整備に着手したほか、まちづくりと連携し整備を進める道路についても15カ所で工事に着手いたしました。
また、市町村の復興まちづくりについては、野田村城内地区の防災集団移転促進事業が完成したほか、山田町織笠地区の防災集団移転促進事業が一部完成するなど、着実に被災者の住宅再建に向けた取り組みが進められたところであります。
次に、交通ネットワークでは、災害に強く信頼性の高い道路ネットワークを構築するため、国と連携し、復興道路の整備促進に取り組んだほか、県で整備する復興支援道路、復興関連道路の整備推進に取り組みました。
この結果、県内の震災後に新規事業化された復興道路が全て着工されたほか、復興支援道路の一般国道397号津付道路が供用されるなど、復興に向けた取り組みが着実に進捗したところであります。
次に、暮らしの再建では、被災者の方々が一日も早く安心して暮らせるよう、災害公営住宅の早期整備に取り組んだ結果、平成26年度末時点で、県が整備を予定している52団地、2、815戸のうち、35団地、2、036戸で工事に着手したほか、陸前高田市柳沢前地区を初めとする14団地、574戸が完成し、入居が着実に進みました。
震災以外の分野につきましては、安全で安心な暮らしを確保する取組の推進、復興道路を核とした物流・産業振興を支える取組の推進を重点施策に位置づけ、いわて県民計画第2期アクションプランに掲げる社会資本の四つの政策項目の着実な推進に取り組んでまいりました。
まず、産業を支える社会資本の整備では、物流の効率化を支援する道路や主要観光地を結ぶ道路などの整備を進めた結果、産業振興や交流、連携の基盤となる道路ネットワークの整備が着実に進みました。
また、港湾の復旧、整備と利活用の促進につきましては、港湾施設の災害復旧工事を着実に進めるとともに、港湾所在市町や関係団体と連携したポートセールスに取り組んだ結果、復興工事に伴う需要等の影響もございますが、コンテナ貨物取扱量が震災前の取扱量を超える規模まで回復いたしました。
いわて花巻空港の利用の促進につきましては、国内定期便は、その維持拡充に取り組み、平成26年度上期ダイヤでは、過去最高の1日12便が運航されたところであります。また、国際定期便の実現に向け、台湾からの国際チャーター便の誘致や本県からのアウトバウンド需要の拡大などに取り組み、平成26年春には本県初となる台湾との国際定期チャーター便が運航されるなど、台湾とのチャーター便が過去最高となる98便運航されました。
次に、安全で安心な暮らしを支える社会資本の整備では、近年頻発している豪雨や土砂災害などから県民の生命、財産を守るため、治水施設や砂防施設等の整備とあわせ、水位周知河川の指定や土砂災害のおそれのある区域の公表を行うための基礎調査を推進し、平成26年度は安比川を水位周知河川に指定しました。
次に、豊かで快適な環境を創造する基盤づくりでは、衛生的で快適な生活環境の整備や地域の魅力を高める基盤づくりを進めるため、多自然川づくりによる良好な水辺空間の確保や汚水処理施設などの都市基盤の整備、美しく魅力あるまちづくりの推進などに取り組みました。
この結果、汚水処理施設の整備や水辺空間の環境保全等に主体的に取り組む団体が増加するなど、衛生的で快適な生活環境の整備等が着実に進んだところであります。
次に、社会資本の維持管理と担い手の育成・確保では、橋梁、トンネル等の点検を計画的に実施したほか、国、県、市町村で構成する岩手県道路メンテナンス会議を設置し、関係機関で連携を図りながら老朽化対策等の取り組みを進めました。また、道路や河川などの身近な社会資本について、草刈りや清掃など県民との協働による維持管理の推進にも取り組みました。
この結果、予防保全型の修繕が必要な橋梁の修繕が進んだほか、社会資本の維持管理を行う協働団体数が着実に増加したところです。
また、維持管理などの直接の担い手であります建設企業の育成、確保につきましては、引き続き、経営革新等に関する講習会の開催などを通じ、経営基盤強化や技術力向上に取り組んだところであります。
以上が県土整備部における平成26年度の主な取り組みと成果の概要でありますが、東日本大震災津波の発災から4年7カ月が経過いたしました。他県等からの応援をいただきながら、県土整備部の総力を挙げて、これまで復旧、復興に取り組んでまいったところであります。
県土整備部所管の防潮堤等の津波防災施設の復旧、整備にはほとんどの地区で工事に着手したほか、被災された皆様の生活の基盤となる災害公営住宅の整備が本格化しているものの、いまだに約2万4、000人の方々が応急仮設住宅等で不自由な生活を余儀なくされております。
今後とも、一日も早い被災された皆様の生活再建に取り組むとともに、いわて県民計画の実現に向け、職員一丸となって取り組んでまいります。
それでは、平成26年度県土整備部関係の決算について御説明を申し上げます。お手元の平成26年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開きいただきたいと思います。
まず、一般会計についてでありますが、県土整備部関係は、6款農林水産業費3項農地費の一部、8款土木費、飛びまして、16ページに参りまして、11款災害復旧費5項土木施設災害復旧費であります。これらの予算現額の合計は2、642億5、760万円余でありますが、これに対する支出済額の合計は1、583億3、021万円余となっております。また、翌年度繰越額の合計は973億4、522万円余となっており、これは、東日本大震災津波からの復旧、復興に向けた事業などにつきまして、計画調整や設計、工法の検討に不測の日数を要したことなどが主な原因であります。
次に、一般会計歳出決算の内容につきまして、平成26年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明を申し上げます。
なお、金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承いただきたいと思います。
まず、歳入歳出決算事項別明細書の252ページをお開き願います。6款農林水産業費3項農地費2目土地改良費のうち、当部関係の主なものは、255ページの備考欄、下から9行目の農業集落排水事業費補助でありますが、これは、花巻市長根地区等の農業集落の汚水処理施設の整備、改築等に要した経費であります。
次に、少し飛びまして、288ページをお開き願います。8款土木費1項土木管理費1目土木総務費は、職員の人件費など当部の管理運営に要した経費、国庫補助事業費の確定に伴う償還金、特別会計への繰出金などであります。その下、2目建設業指導監督費は、建設業者の許可、指導監督並びに支援などに要した経費であります。次に、290ページをお開き願います。3目建築指導費は、建築確認事務などに要した経費であります。4目空港費の主なものでありますが、右ページ、備考欄1行目の管理運営費は、職員の人件費など、いわて花巻空港の管理運営に要した経費であり、2行目の空港整備費は、いわて花巻空港の維持補修に要した経費であります。
次の292ページをお開き願います。2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、職員の人件費や事務的経費、市町村道路事業の指導監督に要した経費であります。2目道路橋りょう維持費の主なものでありますが、右ページ、備考欄1行目の道路環境改善事業費は、国の補助を受け、歩道の整備や道路、橋梁の補修など道路施設環境の改善に要した経費であり、2行目の除雪費は、県管理道路の除雪に要した経費であります。また、下から2行目の道路維持修繕費は、県管理道路施設の日常的、応急的な維持管理や舗装の補修などに要した経費であります。次の294ページをお開き願います。3目道路橋りょう新設改良費の主なものでありますが、右側、備考欄1行目の地域連携道路整備事業費は、国の補助を受け、現道の拡幅、線形の改良、バイパスの建設などの道路整備に要した経費であり、同欄の一番下の直轄道路事業費負担金は、国が行う復興道路などの整備に要した経費に対する県の負担金であります。
3項河川海岸費1目河川総務費の主なものでありますが、右側の備考欄、下から2行目の河川海岸等維持修繕費は、河川、砂防、海岸施設の維持修繕に要した経費であります。次の296ページをお開き願います。2目河川改良費の主なものでありますが、右側、備考欄1行目の基幹河川改修事業費は、一級河川北上川など10河川の改良に要した経費であり、2行目の三陸高潮対策事業費は、二級河川甲子川など11河川の水門の整備などに要した経費であります。3目砂防費の主なものでありますが、備考欄1行目の砂防事業費は、釜石市花露辺の沢ほか12カ所の砂防堰堤等の整備に要した経費であります。4目海岸保全費の主なものでありますが、めくっていただきまして、299ページに参りまして、備考欄1行目の海岸高潮対策事業費は、野田村野田地区海岸などの防潮堤の整備などに要した経費であります。5目水防費でございますが、水防警報施設の保守点検などに要した経費であります。6目河川総合開発費は、簗川ダムの建設などに要した経費であります。
次に、300ページをお開き願います。4項港湾費でありますが、1目港湾管理費は、大船渡港など6港の港湾施設の整備修繕などに要した経費であります。2目港湾建設費の主なものでありますが、右ページ、備考欄1行目の港湾高潮対策事業費は、大船渡港海岸などの防潮堤の整備などに要した経費であり、めくっていただきまして、303ページに参りまして、備考欄3行目の直轄港湾事業費負担金は、国の久慈港湾口防波堤の改修などに要した経費に対する県の負担金であります。
5項都市計画費1目都市計画総務費の主なものでありますが、備考欄、中ほどの広域公園管理費は、御所湖広域公園などの維持管理に要した経費であります。2目街路事業費の主なものでありますが、右側、備考欄3行目の都市計画道路整備事業費は、都市計画道路の拡幅整備、橋梁整備などに要した経費であります。3目下水道事業費の主なものでありますが、次の305ページに参りまして、備考欄2行目の浄化槽設置整備事業費補助は、個人設置型の浄化槽の整備に要した経費であります。
6項住宅費1目住宅管理費の主なものでありますが、備考欄4行目の公営住宅維持管理費は、県営住宅の維持管理などに要した経費であり、その2行下になりますが、生活再建住宅支援事業費補助は、被災者の住宅の新築、改修などに係る経費の一部を補助した市町村に対する補助であります。2目住宅建設費の主なものでありますが、備考欄2行目の災害公営住宅整備事業費は、大船渡市長谷堂地区など、災害公営住宅の整備に要した経費であります。
少し飛びまして、346ページをお開き願います。11款災害復旧費5項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費の主なものについてでありますが、備考欄2行目の河川等災害復旧事業費は、東日本大震災津波により被害を受けた陸前高田市高田地区海岸や、平成25年7月から9月にかけての豪雨や台風により被災した河川、道路の復旧等に要した経費であります。次のページでございます。348ページに参りまして、2目港湾災害復旧費の主なものについてでありますが、備考欄1行目の港湾災害復旧事業費は、東日本大震災津波により被害を受けた大船渡港など6港の港湾施設の復旧に要した経費であり、3行目の港湾整備事業特別会計繰出金は、大船渡港など6港の埠頭用地復旧のための港湾整備事業特別会計に対する繰出金であります。350ページに参りまして、3目都市災害復旧費は、平成25年8月の豪雨により被害を受けました御所湖広域公園の災害復旧に要した経費であります。
以上で一般会計の説明を終わります。
次に、特別会計について御説明を申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の平成26年度岩手県歳入歳出決算書の42ページをお開き願います。平成26年度岩手県土地先行取得事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
まず、歳入の状況でありますが、収入済額の合計は105万円余であり、その主なものは、土地開発基金運用の利息収入であります。
次に、歳出の状況でありますが、支出済額の合計は、同じく105万円余であり、その主なものは、土地開発基金の管理運営に要した経費であります。
以上で岩手県土地先行取得事業特別会計の説明を終わります。
次に、48ページをお開き願います。平成26年度岩手県流域下水道事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
まず、歳入の状況でありますが、収入済額の合計は、表の最下段の中ほどにございます89億3、658万円余であり、その主なものは、流域下水道の維持管理費などに係る市町負担金のほか、国庫補助金、前年度からの繰越金であります。
次に、歳出の状況でありますが、支出済額の合計は、下の表の最下段にございます77億5、730万円余であり、その内容は、流域下水道の各処理区の維持管理及び建設に要した経費や県債の元利償還金であります。
以上で岩手県流域下水道事業特別会計の説明を終わります。
次に、52ページをお開き願います。平成26年度岩手県港湾整備事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
まず、歳入の状況でありますが、収入済額の合計は、表の最下段中ほどでございますが、82億1、507万円余であり、その主なものは、一般会計からの繰入金及び前年度からの繰越金であります。
次に、歳出の状況でありますが、支出済額の合計は、これも表の最下段にございます60億1、576万円余であり、その内容は、大船渡港など6港の施設整備に要した経費及び県債の元利償還金であります。
以上で岩手県港湾整備事業特別会計の説明を終わります。
以上をまちまして県土整備部所管に係る平成26年度決算についての説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願いを申し上げます。
〇郷右近浩委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いするとともに、決算の審査であることを踏まえ、当該年度の決算に関する質疑とするようお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 委員長にお願いでございますが、質問通告をしていない点が一つありまして、同時にこれは平成26年度決算に関するものではございませんけれども、現在、岩手県民が非常に不安を感じていることで、それの対応窓口は県土整備部であろうと思いますので、県民にいち早い情報を提供するという意味で、どうぞお許しをいただいて、1点のみ聞かせていただきたいと思います。
それは、横浜で発生いたしました旭化成建材のくいの問題についてでございます。
報道によりますと、それが横浜のみならず全都道府県に影響があったようでありまして、岩手県民も、今、特にも災害公営住宅を急ピッチで進めている中にもそのようなことがありはしないか。したがって、災害公営住宅に移る選択の妨げになりはしないかということもあろうかと思いますので、現在わかっている範囲で結構でありますが、県民に、大丈夫ですよという点があれば、ぜひお知らせいただくのが県土整備部だと思いますので、通告をしておりませんでしたが、まず、これを1点お伺いしたいと思います。
〇勝又建築住宅課総括課長 県が所有する施設について、さかのぼれるだけさかのぼって書類のチェックを行いましたが、旭化成建材がくい工事を行ったものはございませんでした。
〇伊藤勢至委員 非常にシンプル・イズ・ベストであります。通告もしていないことでありますが、それは結構なことであります。非常に重大な問題だと思いますので、ひとつ、くいの問題だけに悔いが残らないように対応していただきたいということで、これは終わって、本来の質問に入りたいと思います。
岩手県の港湾利活用についてお伺いいたします。
重要港湾が4港あるわけでありますが、本年は、宮古港は開港400周年の記念すべき年でございました。いろいろなイベントがあったわけでありますけれども、その中で最大のビッグプレゼントは、平成30年度を目途に、北海道の室蘭港と宮古港の間で定期のフェリーが就航するというビッグニュースでございました。この会社は、現在、苫小牧から八戸にフェリーを運航している川崎近海汽船という会社でありますけれども、1日に1便、最大限70台のトラックを積んで、最大限500人の観光客を乗せて、毎日、定期で入ってくるという情報でございました。したがいまして、船でありますから、片道切符ということはなくて、当然、往復まで読んでの流通ということを考えているのだと思います。
そういうビッグニュースがある中で、岩手県が今後の10年間の港湾利活用促進戦略を立てたのは平成25年でありましたので、この平成25年の戦略の中には入っていない、新しいいい条件ではあったかと思いますけれども、当然、これの受け入れということについては県が主導でやっていっていただくべきものと思っておりますが、まず、この情報と、今後の受け入れ態勢についてどのようにお考えなのかをお聞かせいただきたい。
〇千葉港湾課総括課長 受け入れ態勢の整備でございますが、フェリーの定期航路開設に向けて、現在、フェリーが接岸する岸壁やターミナルなどの位置や規模について検討を行っているところでございます。
また、トラックドライバーや観光客などの乗船客の受け入れ態勢が重要であり、国、県、宮古市並びに関係団体や民間事業者などと連携しながら、フェリーターミナルまでのアクセスや利用客への必要なサービスの提供方法について検討するなど、平成30年の就航に向けて、万全の態勢で受け入れ準備を進めていくこととしています。
〇伊藤勢至委員 平成30年、3年先でありますが、長いようであっという間だと思います。
藤原埠頭につきましては、今回の東日本大震災津波で国道の脇に立っている防潮堤を越波しました。したがいまして、この防潮堤を高くして前出しをする。総額100億円ということで県には決めてもらっているわけでありますが、この100億円の前出しをする防潮堤との取り合いの問題も出てこようと思います。
また、今、答弁の中にありましたけれども、ストックヤードの問題、あるいは駐車場の問題、いろいろあると思います。そして、フェリーが宮古港に停泊している時間は2時間だけというんです。ですから、仮に最大70台のトラックをおろして、帰り荷の70台があったとすれば、それを2時間のうちにやってしまわなければならない。大変タイトな時間であろうと思いますから、受け入れと送り出しの準備がよくできていなければならないものと考えます。その辺の沖出し防潮堤などとの取り合い、あるいは宮古西道路との関係、そういったものはいかがでしょうか。
〇千葉港湾課総括課長 まず、藤原埠頭の防潮堤の取り合いの件でございますけれども、藤原地区の防潮堤は、背後の工業用地の安全対策のため、宮古市及び地元関係者と調整を図った結果、臨港道路沿いに設置するものとしております。
ターミナルや駐車場の施設については、位置や規模も含めて、防潮堤の海側にある埠頭用地を有効に利用して、支障のないように受け入れ態勢を検討しているところでございます。
使用する岸壁とかはまだ決まっていないんですけれども、いずれ、藤原地区は三陸沿岸道路からのアクセスのよいところですので、そこら辺を配慮しながら進めていきたいと思います。
〇伊藤勢至委員 北海道側の戦略としては、多分、北海道の海産物は東京の築地市場を狙うのだと思います。野菜類等につきましては、やはり東京の大田市場を狙うのかと思います。当然、商売でありますので、その仕事を起こす前から帰りの荷物は何を積むかということも考えてきているのだと思いますけれども、宮古港を貸して、ただ北海道の物を持ってきて、ただ北海道にどこからかの物を持っていかれるだけでは、冗談じゃないという思いがありまして、岩手県内からの有力な産物を、岩手にあって北海道にないものを今から研究、調査して、流通というものにうまく乗せていくことが復興の創造につながっていくものだと思います。これは、県土整備部だけではなくて、観光という面から捉えますと商工労働観光部でありましょうし、特産物をということになると農林水産部かもしれませんが、ぜひ、そういう部とも連携していただいて─通告していましたが、あなたにまとめて聞きますよと、前に宮古にいた人だからそうしゃべっておきましたが─その辺も調整しながら、平成30年には、新しい流通ということで、復興の中の目玉にもなり得るものだと思いますので、ぜひ進めていただきたいのですが、その辺の調整はどうなっていますか。
〇千葉港湾課総括課長 フェリーの貨物の調査、研究についてですけれども、フェリー航路を維持するためには、本県からの貨物を安定的に確保する必要があると考えております。フェリーを利用する可能性のある会社に働きかけていくことも必要だと考えております。そのため、ポートセールスの基礎資料となる、本県と北海道や首都圏との間の物流動向を把握することが必要とも考えております。
今後、北海道と本県を含む広域的な貨物の物流動向について調査研究し、委員がおっしゃるように他部局と連携しながら、北海道の市場開発やフェリーを利用した流通の促進に努めていきたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 今、素人なりに考えておりますのは、例えば北上市にある合板工場、あるいは宮古市にもありますけれども、プライウッド関係、そういった北海道での市場はどうなのか。今、トラック輸送であれば、それを船に切りかえることは、恐らく運賃が安くなるということでかなり有利ではないかとも思います。あるいは例えば三陸海岸のワカメでありますとか、マツモでありますとか、あるいはジャンボシイタケなどというものは、北海道では品が薄い、あるいはほとんどない。ワカメなどは三陸ものが世界一ということのようでありますが、大事なことは、北海道にそういうものを食べる文化があるかどうかということです。いいものはあるんだけれども、食べてもらえなければいけないということでありますから、そういうことも含めて、県土整備部としてはつくるほうだということを言わないで、つくったものに魂を入れていくという意味から、ぜひ、流通の新しいものを興していくという観点で連携を図っていただきたい。
平成30年といいますけれども、あっという間だと思います。そういう中で、ひとつお願いしたいわけでありますが、この交渉は室蘭市と宮古市なわけでありますが、室蘭市と宮古市だけで交渉していくべきものなのでしょうか。岩手県と北海道とか、そういったものも入ってやっていくようなことになるのでしょうか。岩手県の立ち位置はどの辺にあるのでしょうか。
〇千葉港湾課総括課長 先ほど申し上げたとおり、物流の調査をして、ポートセールスは港湾課でやっていますので、宮古市、室蘭市だけではなくて、県も、港湾課も調査に基づいてポートセールスを展開して、物流、観光を展開していきたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 来年は北海道に新幹線がいよいよ乗り込んでいくわけでありますので、そういった面での物流の変化もあり得るわけです。したがって、本当にトータルでやっていかなければならないと思いますし、帰り荷に何を積むか。当然、宮古市だけではロットの部分で足りないと思いますので、オール岩手あるいは北東北といった視点を広く持ちながら、岩手県で北海道との航路を開けるのは第1号でありますので、そういうことを考えながら、復興の目玉として、部長からひとつ取り組みについてお伺いをしたいと思います。
〇蓮見県土整備部長 フェリー航路開設計画でございますが、本県初のフェリーの定期運航となるものでございます。物流環境の改善とか観光振興、地域経済の活性化に大きく寄与するものと認識してございます。
岩手県あるいは東北、本州と北海道を結ぶ物流のルートが単に変わるだけということではなくて、そこに新しい物流ルートができますと、新たなビジネスチャンスなども生まれる可能性もありますし、そういうことも含めて、なるべく広い視野を持って、可能性を持って、いろいろな調査、研究を進めてまいりたいと思っております。
今後とも、国や宮古市等と連携を図りながら準備を進めてまいりたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 岩手県で初めてのトライということになりますので、ぜひ、全県を挙げてお取り組みいただき、復興の目玉となり得ると思っていますので、頑張っていただきたいと思います。
2点目でありますが、今、復興工事がまさにたけなわでございます。国、県を挙げて頑張っていただいているわけでありまして、ただ、県民は、本当に仕事が動いたかどうかというのは、現場で重機が動いてから初めて動いたと思うわけでありますが、事務的には、例えば測量から設計から、もう既に、現場が動く前から仕事が始まっているわけでありまして、現場が動いたときは、もう仕事がトータルでは半分終わっているようなものだと思っておりまして、仕事が動き出すための努力を県土整備部が一生懸命やっていただいているということに敬意を表しておきたいと思います。
そういう中で、大変残念な話が聞こえてまいりました。これは国の発注工事なんですが、発注機関があって、元請がいて、下請がいて、孫請がいるという状況の中で、その孫請の会社が、三陸沿岸の地元の商工業者等に不払いの問題を起こしているということがございました。例えばガソリンスタンドに3カ月分のツケがたまっている、あるいは民宿に同じく3カ月ぐらいのツケをためている。ガソリンスタンドのほうが500万円ぐらい、民宿のほうも同じぐらいということでありますが、まずは、これは警察に、無銭飲食であるとか、詐欺であるとかで相談するべきだという声もあり、相談いたしましたところ、実は、契約して、1回目のときは支払いをしている。そうすると、警察では、1回は支払っているから払う意思はあるんだ、したがって事件にならないという言われ方をします。そして、発注機関のほうから孫請のほうに指導してもらおうといたしますと、いや、民と民のお話は私たちは介入できませんというような話なんですが、民と民、そんなセミみたいな話をしているわけではありませんで、沿岸の現場で、そういうツケを背負った業者といいますか、民間の商工労働者、観光業者は被災者でもあるんです。ガソリンスタンドの社長は、付近の子供を連れて高台に避難する一番最後を歩いていながら、グラウンドのほんの前で波にさらわれて亡くなっております。民宿を経営している会社のところでは、生ものを提供するので有名な民宿でありますが、船が持っていかれてしまっていますから、みんな被災者なんです。したがいまして、今のところ、県の発注の仕事ではそういうことがあったとは聞こえてきておりませんが、国のほうの支払いも、何としてでも末端の県民が営んでいるところにお金を回してもらいたい、努力をしていかなければならないのですが、県の発注する工事で今はないかと思いますし、岩手県にはそういう人はいないかと思いますけれども、万一の場合も考えて、発注する際に何か一言加えておくとか、そういうことを未然に防止するための何か手だてというものはないものでしょうか。
〇桐野建設技術振興課総括課長 国の工事において、孫請業者などの地域の商工業者への不払いがあったけれども、県の発注工事についてはどうかという御質問ですが、我々も、県の発注工事においては、今のところ、そのような話は聞いておりません。
仮に、今後、地域の商工業者から相談等が寄せられた場合には、工事の発注機関において、下請業者の監督をする責任がある元請業者を通じて、適正な支払いについて指導していきたいと考えているところです。
なお、委員がおっしゃいました未然防止ということについては、どういう注意喚起をしていくのが適切なのか検討していきたいと考えています。
〇伊藤勢至委員 私は、発災後、1週間目に県庁に参りまして、当時の副知事と会計管理者にお願いをいたしました。3月11日というと、言ってみれば年度末に近い。したがって、県営建設工事が多いとは言えないが、工事を持っている人たちがいらっしゃって、完成に向けた完成払いの段取りに入っているんだと思う。したがって、大震災津波の影響のために完成払いがおくれるようなことがあっては、これはまた二次災害になるので、完成払いの頻度を高くして、お金を回してもらいたい旨お願いをして、そのようにしてもらった経緯もあります。
今申し上げました件は県ではないということでありますが、国の発注工事であっても、末端の県内のいろいろな業者が困るということであれば、これは二次災害でありますので、そういうことも防いでいかなければならないということから、文書で書くのが難しければ、入札が終わって、書類交換の際に、口頭でもいいですから、お金の流れも報告してくださいよぐらいのものを言っておくべきではないかと思ったりしているのですが、そういうことは可能なのでしょうか。
〇桐野建設技術振興課総括課長 可能なのかという御質問ですが、そもそも発注者が、元請業者とか下請間のトラブル等の指導をするというのは、権限に基づいてやっているわけではなくて、望ましくないことがあった場合は、発注者として、いわゆる行政指導という範疇になるんですけれども、適切に支払いしてください、調整してくださいというのは今までもやっているところです。
監督業務として、もともとは想定していないんですが、委員からもこういうお話をいただきまして、現地でそういうことが起きているということであれば、何らかの方法で周知して、そういうことがないように、発注者側が注意喚起をしていくということは必要だと思います。
〇伊藤勢至委員 県発注の場合は、冒頭申しましたように、仕事として出る前の長い時間、測量から、調査から、設計から入ってきて、恐らく現場の仕事の倍ぐらいの仕事になっているわけですから、これが最終完結の段階で県民に迷惑をかけることがないように、そこまで意を用いていただきますようにお願いして、終わります。
〇嵯峨壱朗委員 通告したものの前に、関連した形で1問だけ、先ほど伊藤勢至委員が質問されたくい打ちですけれども、報道によると、県内でいうと13件、旭化成建材がくい打ちした工事があるということですけれども、県としては、そういった不具合とか、どこまで把握しているかどうかわかりませんけれども、そこがやったから全部悪いというわけではなくて、もちろんそんなことはないと思うので、もし、不具合の部分を確認しているのであれば、そしてまた、国土交通省のほうに具体的に情報を提供してくれるように要請していると言っていましたけれども、わかるところでいいので、どんなものなのか。
〇勝又建築住宅課総括課長 まず、不具合の発生状況ですけれども、発表のありました13件については、まだ、調査を行ったということを聞いているのがごく一部なんですけれども、その一部聞いている範囲では、不具合は発生していないということは聞いております。
それから、岩手県内の13件について、旭化成建材から物件の情報はいただいています。市町村の所有する建物については、こちらのほうから連絡しております。民間の建物につきましては、旭化成建材から元請に情報提供があって、元請からその施主のほうに情報提供があると聞いておりまして、こちらのほうから特段の連絡はしていないという状況です。
〇嵯峨壱朗委員 どういうことがあるかわからないんですけれども、情報がわかり次第、可能な限りでお知らせ願えればと思います。
それでは、水門、陸閘の遠隔操作について質問させていただきます。これは、先般の本会議でも質疑があったところですけれども、県のほうでは、平成26年度の段階ではさまざまな動きをしているわけですから、河川海岸費にかかわると思ってあえて質問させていただきますけれども、平成26年9月から10月にかけて、12月までと言っていいのでしょうか、学識経験者とか当該の市町村長等に説明や提案をされておりまして、衛星基本型自動化案の作成については、どの段階で、いつ、誰が決定したのかということをお知らせ願えればと思います。
〇八重樫河川課総括課長 今回の衛星通信を活用した水門、陸閘を自動閉鎖するシステムでございます。いわゆる衛星基本型自動化についてでございますけれども、この水門、陸閘の遠隔化については、平成23年8月に岩手県が復興基本計画を策定した際に、操作員の安全確保を図るため、操作の遠隔化、通信、電源の多重化を図るということを明記して以降、県において検討を継続してまいりました。
当初は、水門、陸閘を1基ずつカメラで監視しながら閉鎖する方式を検討しており、これは、いわゆる遠隔の手動操作方式というものでありますが、これを主体に検討を進めておりました。
そういう中で、相当額の整備費用がかかるということ。維持管理費も相当額が見込まれる。1基ずつ監視しながら閉鎖を行うための人的体制の確保もなかなか難しい。先進地の事例収集を行いまして、既に自動閉鎖方式を効果的に取り入れているところもあるということが確認されたことから、県土整備部が中心となりまして、関係部局と調整の上、最も効率的で信頼性のあるシステムを検討した結果、衛星通信を活用した自動閉鎖方式による遠隔化の方針を立案しました。
その後、委員からお話のありました、昨年の9月から10月にかけて、方針を決定するためのプロセスとして、学識経験者へ説明と意見の聴取を行ったものでありまして、その後、それを踏まえて、12月には沿岸の各市町村長への説明と意見の聴取を行って、これらのシステムの妥当性を確認してきたということでございます。
そういったことを踏まえまして、平成27年1月13日、庁内の拡大幹部会議において、この採用方針を決定いたしました。これを1月14日の県土整備委員会に報告させていただいておるものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 前段に言っておきます。これが悪いとかという話で聞いているわけではないので、その辺だけは言っておきます。
それで、今、説明がありましたけれども、県土整備部が決定したということですけれども、最終的に1月13日ということですが、これは9月に提案して、いわゆる衛星を使った自動化の案を、これがいいんだということを決めたのは実際にいつごろで、そして、これには例えば総合防災室とか、全体が防災にかかわってくるわけですから、どこまでかかわっているのかということをお聞かせ願えればと思います。
〇八重樫河川課総括課長 昨年の9月から10月に、方針の案として、まず県土整備部で調整させていただいて、そのことを学識経験者の方々から意見を聴取して、現実的に対応できるものとさらに判断して進めていったものであります。
当初の案につきましては、平成26年8月から9月にかけて、全国の先進地の視察とか、維持管理に係るいろいろな機関の視察等を踏まえて、6月から8月にかけて、県土整備部で、その方針については調整して進めてきたということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 わかりました。先だっての質疑でも部長答弁等でありましたけれども、遠隔操作の先進地とされた静岡県、宮城県を参考にして今回のシステムを取り入れたということですけれども、実は、宮城県や静岡県でも衛星回線システムを採用してないわけです。光ケーブルとか無線とか、そういったものでやっているわけですけれども、そういったどこでも採用していないというこのシステムを、他県では採用していないということをどう捉えるか。岩手県は採用したということですけれども、この点についてお尋ねします。
〇八重樫河川課総括課長 先進地の視察ということで行ってまいりましたのは静岡県でございます。どういうところが先進的かといいますかと、静岡県は自動閉鎖のシステムを先導的に行っているということでございます。自動閉鎖を行う通信方式につきましては、光ケーブルを使ったものですとか地上無線を使ったものがございまして、本県の場合は、それではなくて、衛星通信を採用するということにしているのは、委員の御指摘のとおりでございます。
この衛星回線方式を本県で採用する理由についてでございますけれども、本県の沿岸部の岬と入り江が複雑に繰り返すリアス式海岸特有の地形が多いという特性から、光ケーブルを使用する場合には、敷設延長が相当長くなりまして、その整備費用が多額になるということがわかってきたということ。光ケーブルを敷く場合に、架空線─電柱を立ててそこにはわせるということになりますが、その用地の借地や取得にも、多数相続等、工事着手に時間を要するおそれが想定されたということなどの課題がありました。
それから、地上無線の場合には、同じく地形的な特性から電波が届きにくくて、無線中継局をさらに多数整備する必要がありまして、その無線中継局への管理用の道路もさらに建設する必要が出てくる。これらに要する費用も多額になるということ。無線中継局を経由した電波はやや信頼性も低下するということも言われてございました。これらの課題が確認されました。
一方、衛星回線の場合は、本県のリアス海岸特有の地形条件を踏まえると、操作する場所までダイレクトに届くということと、光ケーブルや地上無線に比べて整備費が安価になるということがわかりました。さらに、災害時に強い効力を発揮するために設立されております一般財団法人自治体衛星機構の衛星回線を利用するということを前提といたしましたので、これも高い信頼性が期待できると考えました。
このようなことから、先ほどの学識経験者からの意見を踏まえて、衛星回線を採用するということに至ったものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 他県のことですけれども、静岡県はなぜこの衛星回線を採用しなかったと思いますか。
〇八重樫河川課総括課長 静岡県は、幹線国道からさほど離れていないところに施設が多いということで、光ケーブルの敷設については当県ほど費用がかからないということ、地上系無線も見通しがかなりとれるということで、中継局等を介さずにダイレクトに地上無線を配線できるというような地形的な違いがあったと聞いてございます。
〇嵯峨壱朗委員 先だっての本会議での質疑で、光ケーブルによる遠隔操作、衛星を利用した自動遠隔操作ともにランニングコストが8億円から9億円かかるという説明がございました。今回のプロポーザルだと、そのコストが1億円から2億円に抑制されると。これは県単で対応しなければならないコストですから、低いほうがいいに決まっているわけであります。これについては、そのコストのどの部分が圧縮されたのか、その点を説明願えればと思います。
〇八重樫河川課総括課長 ランニングコストについてでございます。
自動閉鎖システムの監視、制御ということでございますが、このランニングコストについては、平成26年度時点では、この内訳は、点検費、衛星の通信費、それから、それらを賄う電気の料金という3分野の費用を見積もらせていただきましたが、今回の衛星通信を活用した自動閉鎖方式の場合も、従来型の光ケーブルを活用した遠隔手動方式の場合も、先日の本会議では、年間、8億円から9億円と見込んでいたという説明をさせていただいております。今回、プロポーザルの技術提案を踏まえますと、衛星通信を活用した自動閉鎖方式でございますが、これが現在、年間、1億円から2億円程度で済むのではないかと試算したということもあわせて説明させていただきました。
その具体的な内容ということでございますが、まず点検費につきましては、当初は、全国にも事例がない工事でありますので、整備費に一定の率を乗じて試算しておりまして、年間、3億円から4億円程度と見込んでおりました。今回のプロポーザルにおいては、実際の提案の中では、装置等のメンテナンスフリー化、それから長寿命化などが提案されておりまして、点検費用が削減されるということで、年間、数千万円程度ということで大幅な削減となったものであります。
それから、通信費につきましては、当初想定も今回も通信の回線は同じですので、それは、年間、約3、000万円程度と見込んでおります。
それから、三つ目の電気料金につきましては、当初は各水門、陸閘の現地で操作する機械施設に空調装置の設置を想定しておりまして、これらに消費する電力を想定しまして、年間、4億円から5億円程度と試算しておりましたが、今回のプロポーザルにおいては、こういった空調装置の代替装置の提案もありまして、非常に省エネ化が図られているという提案で、エアコン等は配置しないということ、それと、エアコン以外の装置も大変省電力化が図られておりまして、年間、数千万円程度の大幅な低減となったということでございます。
これらの試算結果については、今後、またさらに精査を行ってまいりたいと考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 水門、陸閘の3割程度が市町村管理ということで、市町村の負担も伴うわけですから、このランニングコストは低いにこしたことはないと、それはそれで結構なことだと思っていました。
今の説明でも、このプロポーザルの提案というのは、恐らくコスト面で優位性があったということで、それだけじゃないでしょうが、最終的にそれが大きな判断材料と理解してよろしいでしょうか。
〇八重樫河川課総括課長 今回のプロポーザルの評価につきましては、いろいろな項目を対象として総合的に判断しておりまして、このメンテナンスも採点項目の中の一つということになっておりまして、特にこれだけで決定したということではなく、総合的に判断したということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 恐らくメンテナンスとか、さまざまな部分を東芝のほうが積極的に対応するという提案だったということでコストが下がったという、これも大きな要因であるということですね、それは理解しました。
なぜこれを取り上げているかというと、復興基本計画で示された遠隔操作、これについては、基本線として、まず遠隔化通信手段、電源等の多重化が大前提だと。この衛星回線ということで、それが基本計画の中での方針が実現されているのかどうか、それが懸念されると思って聞いているわけです。
〇八重樫河川課総括課長 復興基本計画に示されている操作の遠隔化と通信手段、電源等の多重化という一文がございます。
まず、水門、陸閘操作の運用につきましては、今まであった施設を統廃合してあります。二つあった陸閘を一つにするとか、陸閘のかわりに、防潮堤を乗り越す道路にして陸閘をなくするとか、そういった統廃合をしておりまして、かなり数を低減しておりますし、また、これまで防潮堤のなかったところに新たに防潮堤をつくるところもありますので、そういうところでは新たに新設される施設もございます。そういったものも含めて、かなり数は少なくして管理をしていこうということで進めてまいりまして、その上で、なお閉鎖が必要な施設については、自動閉鎖システムによって操作の遠隔化、これは施設があるところではなくて、離れたところから波がかぶらない位置、施設から操作ができるということで遠隔化を図る、これを衛星通信回線を使って行うということで実現しようとしております。
それから、通信手段につきましては、電波を送信するのは統制局と考えておりまして、それは県庁につくります。それから、それと全く同じ機能を補完するものとして、釜石地区合同庁舎を想定しておりますが、そちらにも同じ機能をつくるということで、自動化の指令は2カ所から常に行われるということで、こういった多重化を考えているということであります。
それから、それに加えまして、久慈、岩泉、宮古、釜石、大船渡、それぞれの管内の県の合同庁舎、それから市町村の庁舎、消防署等、これら複数の制御所からも閉鎖指令が発信される機能を整備するということで、さらに複数の多重化の対応もさせていただきたいと考えてございます。
それから電源については、基本的には商用電源を結びますが、揺れた場合には商用電源がまずダウンするということを想定しまして、それぞれの施設には非常用発電機を全て整備し、電源の多重化を図るとしてございます。
〇嵯峨壱朗委員 私が心配しているのは、通信手段の多重化が実際なされているかどうかということなんです。実際には衛星回線1本なわけです。J-ALERTで津波警報が来て、そして一般財団法人自治体衛星通信機構(LASCOM)の衛星回線で流してやるという仕組みでしょうけれども、衛星が使えなくなった場合どうなるのか。想定されませんか。そうなった場合に、どうやって通信手段が確保されるか。静岡県ですと光ケーブルと無線回線と、その二つの多重化でリスクを小さくしようとしているわけです。岩手県の場合はどうなんだろうと心配です。
〇八重樫河川課総括課長 現在提案させていただいておりますシステムは衛星通信のみでありますが、その衛星通信、人工衛星は、自治体衛星通信機構のスーパーバードH2というものであります。こちらのほうが故障した場合は、日本の衛星通信を使っている防災関係全てのシステムが行えないということになるわけで、これは万全の体制で、政府あるいは自治体衛星通信機構がメンテナンスを行っているということで、これは非常に信頼性が高いもの。さらに、この衛星が何らかの機能不全になった場合でも代替機が実は飛んでいまして、すぐそちらのほうに切りかえが可能だというシステムになっていると承知してございます。
〇郷右近浩委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔にお願いいたします。
嵯峨壱朗委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇嵯峨壱朗委員 済みません。そういった懸念をするわけで、静岡県とかは、多分思うには、そういった地形上の問題もあるけれども、通信手段の安定性というものもあったんじゃないかと思うんです。光ケーブルは一番恐らく確実だと思うんです。ですから、今総括課長がおっしゃるとおり、衛星回線でばっちりだと。私が懸念するリスクはほとんどないということですので、それはそれで了解というかわかりました。
いずれ、そういったことのないような、基本線、計画にのっとった形で、多重化をきっちりとやってリスク管理をしていただきたいと、そのことだけ指摘します。
〇八重樫河川課総括課長 光ケーブルも一部施設には敷くことになっておりまして、それは例えば船が通る水門とか、そういったところは衛星と光ケーブルということで、一部の多重化は実現してございますので、今後とも、安全な施設を検討してまいりたいと思います。
〇飯澤匡委員 復興財源が一部自治体負担となるということを見据えて、県土整備部は復興に関して全てのハード事業、全てではないですけれども、ほとんどのハード事業を担っている所管部でございますので、進捗管理また財源の一部自治体負担によるさまざまな影響、これも懸念されるところでございますので、国直轄の部分は直轄の部分として進むんでありましょうけれども、一部負担となった部分はどのような影響が出るのか。まずその額と、これは復興道路と復興支援道路について。
全部の路線というのはここで説明するのは不可能でしょうから、大体、おおよそのところの額と工期についてどのような影響が出るのか、現在の見通しなどについてお知らせを願いたい。これが1点目でございます。
〇遠藤道路建設課総括課長 復興財源の一部自治体負担の影響でございますけれども、復興道路のうち三陸沿岸道路につきましては、引き続き、国の全額負担で実施されることとなったところでございます。一方、東北横断自動車道釜石秋田線、宮古盛岡横断道路の2路線につきましては、新たに自治体負担の対象とされたところでございます。この負担については、地方負担額の5%が見込まれておりまして、国の復興支援の枠組みが決定された時点での試算では、復興道路における新たに生じる県の負担額は17億円程度と見込まれておるところです。
事業期間につきましては、これまで国において、事業着手よりおおむね10年以内に整備をするとされているところでもありまして、今回国から示された復興財源フレームにおいても、必要な国費については全額確保されることになっていると認識してございますが、県といたしましては、一日も早い復興に向けて復興道路の整備がしっかり進められるよう、国に強く働きかけていきたいと考えております。
次に、復興支援道路についてでございますが、平成28年度以降、復興支援道路の事業費としては、現時点で、事業化している事業箇所について330億円程度を見込んでおります。同様に、地方負担額の5%が自治体負担となりますと、県の負担額は6億円程度が見込まれております。
復興支援道路の整備に当たりましては、一部自治体負担が求められるところでありますけれども、道路予算の確保に努め、被災地の復興に不可欠な道路整備におくれが生じることがないよう、取り組んでまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 復興支援道路について、具体的な工期については努力目標みたいな形ですけれども、そうなるんだろうと思っています。いずれ、非常にこれは財務省主導で行われたと私は理解をしていますが、これは被災地の復興の妨げになってはいけないと。現場サイドでできることはやらなければならないと思っているわけです。
この財源については、総務委員会などでもお尋ねをしたところでありますが、県債発行も視野に入れながらやるというようなお話もありました。
今、答弁があった17億円、6億円という数は決して安い金額ではないと、低いアマウントではないと思っておりますので、これは財政担当部局との兼ね合わせになると思いますけれども、そこら辺はしっかり確保できるような、県の施策としての見通しについては、部長はどのような形で今のところ、絶対これは確保するんだという意気込みと思いますけれども、その確認をさせていただきたいと思います。
〇蓮見県土整備部長 復興道路、復興支援道路の自治体負担額につきましては、今御答弁申し上げたとおりでございますが、具体的に来年度以降の各年度の予算編成の中で必要額というものが出てまいりますので、それをしっかり確保していくということが重要だろうと思ってございます。その中できちんと必要額を確保して道路の整備におくれがないように、引き続き取り組んでまいりたいと思ってございます。
〇飯澤匡委員 それでは二つ目、復興支援道路の整備についてですが、これは復旧という形で現在進んでいますが、一つ物流の方面で指摘をしたいのは、40フィートのコンテナについては、これはもう国際規格で、それの運行を一つのスタンダードにしてやっていこうというような規制緩和が進められております。冒頭で部長もコンテナの取扱量が大分ふえてきたと、この間の港湾の議連でもそのような御説明をいただいたところでございます。
そこで、一般車両についても総重量の緩和などもあって、日本全国の道路が随分強靭化が図られてきたということの一つの理由かと思いますけれども、今後、復興、復旧ということを考えていくと、今の規制緩和に合わせた道路のつくりをしていかなければならないんだろうと思っています。したがって、今の規格の中で単なる復旧ということでは、これからの産業だとか、それから私たちの岩手県全体の経済の発展というものも見据えてやっていかなければならない。これは一つのハード事業としての発展的に考えた戦略じゃないかと私は思うわけでございますが、この点ちょっと通告はしていませんけれども、そのお考えについてはどのような考えでおるのか、お尋ねをしたいと思います。
〇遠藤道路建設課総括課長 これまで道路整備は、道路の隘路となっている箇所等に着目しながら整備をしてきたところでございますが、委員から今御指摘がありましたとおり、物流環境のほうも大分変わってきてございます。そういった点を踏まえながら、今後の道路整備の検討を進めていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 そこで、誘導しているわけじゃありませんけれども、復興支援道路になっている国道343号の今のループ橋についてはアールが大変厳しいカーブでございまして、私はトレーラーでは運転したことはありませんけれども、実際問題、冬期間に現在の25トン車で運転しますと、かなり厳しい状況がございます。これは同業者の方々からも、あそこのループ橋はかなり冬期間は厳しいと。道路環境課においては、冬期間のいろんな御配慮をいただいておるところですが、やはり構造的にこういう古い状況でありますと、今後さまざま釜石港や大船渡港が整備をされて内陸にコンテナを輸送するということになりますと、横軸の道路はここ1本だけではありませんけれども、あらゆる面で整備促進というのは叫ばれているわけでございます。したがって、大分前から、この343号の新笹ノ田トンネルの新設については取り上げておりましたけれども、いよいよいろんな側面を持って検討に入らなければならないのではないかと私は強く思っているわけですが、いかがでしょうか。
〇遠藤道路建設課総括課長 笹ノ田峠の整備、新笹ノ田トンネルの建設についてでございますけれども、国道343号笹ノ田峠につきましては、急勾配、急カーブが連続し、交通の難所となっていたことから、昭和49年から平成元年にかけまして、ループ橋を含む延長約6.5キロメートルについて、総事業費約69億円を投入し整備したところであり、一定程度の道路サービスは確保されていると考えております。
委員から御指摘がございました笹ノ田峠のさらなる整備につきましては、大規模な事業となることが見込まれることから、現在、国において、かつてないスピードで進められております復興道路等の整備により形成される高速交通ネットワークでの物流の変化、国際リニアコライダーの立地構想による大規模な開発計画の進展、それらに応じながら、必要な検討を進めていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 大体少しずつは前に進んでいるのかなとは思いますけれども、従来のような答弁でございます。
一つ申し上げたいのは、まず沿岸市町村からも強い声があると。内陸一関市の商工会議所が中心となっていろんな呼びかけに応じて、9万筆にも及ぶ署名が集まったと。そして陸前高田市、大船渡市からも、たくさんの整備促進を願う声が集まったということは大分重く受けとめているというような答弁も過去にございました。したがって、この機を逃すとということで大変地域の声も熱いわけでありますが、私も市側の要請団などに加わって、東北地方整備局や国のほうにもいろいろ話をするわけですが、最近よく聞かれるのは、県としての腹構え、県としての決断というのはどんなものだろうというような言葉が逆に返ってくるわけでございまして、これについては何も、私たちは声を詰まらせてしまうわけです。要請活動の中でせめぎ合いがいろいろあるわけでございますが、いずれ県としてはこれは必要不可欠で、やらなければならないんだという部分が国に対してどの程度伝わっているのか。もちろん、皆様方も一生懸命やっているとは思いますけれども、その点を聞かれるわけです。もう一度その点を、どういう腹づもりで、気持ちで、この整備促進にかかわっているのか、最後に部長に聞いて終わります。
〇蓮見県土整備部長 国道343号は県管理の一般国道でございますので、その改築整備については、一義的には県が主体となってやるということで、県の姿勢ということになっているわけでございます。
昨年12月には、一関市それから気仙3市町の方々が署名を持参して県庁に来られまして、要望を受けたところでございまして、大変重く受けとめております。
笹ノ田峠のさらなる整備でございますけれども、いろんな物流ルートにつきましては、三陸沿岸道とか横軸の復興道路の整備で、まず一番の骨組みというのはでき上がると思います。それを補完する一般国道の整備がどうあるべきかということだろうと思います。この路線につきましても、ILCの構想ですとか、あるいは復興祈念公園の整備とか、幾つもプロジェクトが周辺で動いてございますので、そういったプロジェクトの動向を見ながら、進展に応じまして必要な検討をやっていきたいと思ってございます。
〇関根敏伸委員 私から大きく2点についてお聞きをしたいと思います。
まず一つは、洪水とか土砂災害への対策の状況についてお聞きをいたします。
近年の集中豪雨によるさまざまな河川、土砂被害は承知のとおりだと思っておりますけれども、そういう中で、先般、ある新聞で河川の整備率の状況が示されておりました。非常に注目をして見させていただいたわけでありますけれども、北上川の整備率、県管理河川の整備率、どちらも非常に低い状況が示されておりましたが、改めてでありますけれども、北上川の整備率の状況と推移、あわせて、もしわかれば、北上川の中の県内部分の整備率の状況、抜き出してわかれば教えていただきたいと思います。また、県管理河川の整備率の推移の状況、これらについてまずお知らせをいただきたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 ただいまの北上川の整備状況等についてでございます。
国が管理しております北上川流域、これは北上川とその他の河川も含みますが、この整備率は平成21年度末で46.3%、平成26年度末で50.3%と聞いておりまして、この5年間においては4%の進捗となっております。このうち、岩手県分ということでございますが、それぞれ平成21年度末44.2%、平成26年度末が49.7%で、この5年間で5.5%の進捗となっているということでございます。
それから、県管理の河川整備状況についてでございます。
県管理河川の整備率は、平成21年度末が47.8%、平成26年度末が48.6%ということで、この5年間においては0.8%の進捗率にとどまってございます。
〇関根敏伸委員 そんな中で、国が近年の集中豪雨等々の状況の中で、国管理の河川について改めて堤防高の見直しとか強度の見直しを図るという調査が行われたようでありますけれども、これは歩道の状況ですけれども、国管理の河川のうちの16%、2、159キロメートルがさまざまな強化の対応が必要だと示されていたわけでありますけれども、県内にはこの2、159キロメートルが新たな強度等の強化が必要とされる箇所が含まれているのかどうか。それと、県管理河川でも同様の調査は行われているのかどうか、それをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 堤防強化に関しての国の対応ということで伺っているところによりますと、北上川等県内の国管理河川におきまして、堤防強化対策が必要な箇所については監視を強化する、それから補強を継続して行っていると聞いてございます。
それから、県管理河川においても、県の水防計画の中で堤防の監視等が必要な箇所、重要水防箇所ということで位置づけておりまして、監視の強化それから出水期前の合同点検などを実施している状況でございます。
〇関根敏伸委員 監視ということで、ソフト面での対応ということなのかなと思うわけであります。
県土整備部は言うまでもないわけでありますけれども、災害の復旧、復興ということに集中して近年事業を進めていらっしゃると思っております。人的にも財政的にも、集中的にそちらのほうに傾けている状況はわかるわけでありますけれども、その上で、今の県管理の整備率が48.6%、これは計画の実施の達成率ということから見るとA評価ということになろうと思っておりますが、近年の集中豪雨等の対応から見たときに、改めて、この評価自体に対してどのように評価をされているのかということをお聞かせいただきたいと思っておりますし、今後のハード面での北上川県管理河川の整備方針と整備率の目標等があればお示しをいただきたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 県の管理河川の整備率についての考えということでございますが、先ほど申し上げましたように48.6%ということで、この数字は東北6県の中では実は第1位になってございますが、全国平均は58%という数字がございまして、これと比べるとまだ低い水準だと認識しております。
それから、これからの進め方ということについてでございますが、国におきましては、北上川水系の河川整備計画というものに基づいて、おおむね30年間の河川整備によって、戦後の代表洪水であります昭和22年9月の洪水と同規模の洪水に対応することを目標として整備をしていると聞いてございます。
また、県管理河川につきましては、近年洪水により被害実績のある区間、それから資産の集中している箇所、今後資産の増大が見込まれる箇所、区画整理事業など他事業と関連がある区間、これらを優先的に進めて、河川の整備率の着実な向上に努めていきたいと考えてございます。
さらに、降雨の強さや継続時間等によっては、改修を行った場合でも氾濫のおそれも否定できないということから、水防体制や避難などのソフト対策も重要と考えておりまして、河川情報の提供とあわせて、水位周知河川の指定にも続けて取り組んでまいりたいと思います。
必要な予算の確保に努めながら、ハード、ソフトを組み合わせて、効果的な対策に取り組んでまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 東北の中では、県管理河川の整備率が1位であるという状況を初めて知ったわけでありまして、そういった意味では、いろんな御苦労をされながら一定の実績を上げていらっしゃるんだろうと思います。ただ、改修済みの河川についても、今後のさまざまな状況の中でさらに改修が必要ということになってくれば、整備率という設定の仕方自体の見直しも迫られてくるんだろうと思っておりますので、このハードとあわせてソフト面の対策を両面でとっていかなくてはならないんだろうと思っているわけであります。
それで、ソフト面に対しての評価をお聞かせいただきたいと思いますが、県の洪水浸水想定区域の指定率というものが示されているわけであります。指定率、この指定の状況、市町村の累計を見ますと、平成26年度の目標が、33市町村全てで指定が終わられている目標立てに対して、現状が19市町村、Dランクということになっているようでありますけれども、これがDランクにとどまっている、指定が進んでいない理由、それから課題と今後の対応についてお聞かせをいただきたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 洪水浸水想定区域の指定状況でございますが、これは水防法に基づきまして、水位周知河川の指定を行った場合に合わせて洪水浸水想定区域の指定を進めていくものでございまして、平成26年度までには、国管理河川においては10河川、県管理河川においては27河川で区域指定を行ってございます。指定区域のある市町村数については、19市町村にとどまってございます。
この第2期アクションプランにおきましては、目標として県内全33市町村において、少なくとも1カ所の洪水浸水想定区域の指定がなされることを計画の目標としてございましたが、震災からの復旧、復興に向けた取り組みをまず最優先にしていたということと、洪水被害がございまして、洪水被害のあった河川など、こちらに緊急的、優先的に指定を進めたために、近年、洪水被害の実績のなかった市町村での指定ができなかったところもありまして、市町村数の増加にはならなかったということで19にとどまっておりまして、達成度がDということになってございます。
今後も、緊急性など優先度を勘案しながら、毎年3カ所から4カ所という規模ではございますが、順次、指定を進めてまいりたいと考えてございます。
〇関根敏伸委員 わかりました。指定の意味がなかなかわからなかったわけでありますけれども、何となく理解をいたしましたが、これは要するに、どう捉えればいいかということなんですけれども、県が浸水の想定区域を指定しないということになれば、指定済みの19市町村以外の残りの14市町村は、これに対応した形での、例えばハザードマップとか、住民に対してのソフト面でのさまざまな避難の確保でありますとか、必要な措置ができないということになるのかどうか、ここをまずちょっと確認をさせていただきたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 この指定行為は、県報に告示するというところまで事務手続が必要なんですが、洪水氾濫のエリア、県報告示しない調査結果については、これとは別に市町村に提供しているところもございます。それを用いて、市町村のほうでは洪水ハザードマップに反映していただくということで、この19市町村よりはもう少し広目に対応していただいている実績がございますが、この指定につきましてまだ19市町村ということでございますが、それぞれ河川計画が入った場合にはこういった解析調査を行いまして、当該市町村には、浸水想定の情報につきましては速やかに提供していくということで対応させていただきたいと思います。
〇関根敏伸委員 はっきり確認したいんですけれども、情報は提供されていると。指定はしなくても、さまざまな浸水等が想定をされる市町村には情報提供を行っているということでありますが、これは県内の33市町村全て、指定されていない区域も含めてハザードマップ等々の整備は行われているのでありましょうか。
〇八重樫河川課総括課長 全市町村でのハザードマップの策定の状況ではございません。今、29市町村(後刻「23市町村」と訂正)でのハザードマップの実績、指定状況になってございます。
〇関根敏伸委員 あわせて関連もするんですけれども、お聞かせいただきますが、同様に、この土砂災害等を想定して土砂災害警戒区域等─何というんですか、これ、難しいですね─災害時要援護者関連施設等々に対しての警戒区域等の指定率というものがあわせて示されておりますけれども、これが目標に対しても著しく低いDランクということでございますが、この状況、理由、課題と対応、これもちょっとあわせてお聞かせいただきたいと思います。
〇楢山砂防災害課総括課長 ただいま指定率がDランクになっているということに対する理由と今後の対応という御質問ですけれども、土砂災害警戒区域等の指定に向けた基礎調査は実施していたものの、震災からの復旧、復興に向けた取り組みを優先したことから、指定に先立ち行われる住民説明会を十分に開催できなかったことなどから、達成度がDランクになっております。
平成26年の土砂災害防止法の改正を踏まえまして、区域指定をしていない箇所につきましては、基礎調査結果を公表することによりまして土砂災害のおそれのある区域を明らかにし、警戒避難体制の整備を図っておるところでございます。
今後、説明会開催に係る補助的な業務についてですが、NPOの活用を拡大するなどいたしまして、土砂災害警戒区域の指定のより一層の推進を図っていきたいと考えております。
〇八重樫河川課総括課長 済みません。先ほどのハザードマップの策定済み市町村数ですが、修正させていただきます。23市町村で策定済みということでございます。
〇関根敏伸委員 この災害時要援護者関連施設ですが、老人福祉施設、病院、障がい者支援施設、それから幼稚園とか保育園等々になるんですか、これを見る限り、100%の目標立てに対して45%にとどまっているということであります。
今の御説明の状況でありますと、情報提供等を行っているということは聞いておりますけれども、これの指定が進んでいないことで、これらの施設のさまざまな土砂災害に対応した動きとか情報提供のあり方、避難のあり方等々が、情報提供はされているにしても、指定がされないことでおくれることにならないのかどうか、非常に懸念をされるわけでありますけれども、この辺の状況をもう少し詳しく教えていただきたいと思います。
〇楢山砂防災害課総括課長 なかなか指定が進まないということで基礎調査をまず公表という話なんですけれども、実は土砂災害法が昨年の広島の土砂災害を受けて改正されたもので、指定がなかなか進まないというのが、岩手県に限らず全国的なベースでありまして、基礎調査、その前段の調査をどんどん公表することによって、地域の住民の方に危険性を早く承知していただきたいという趣旨で改正されたものです。岩手県もそれに倣い、基礎調査等につきましてホームページで公開したりとか、それといろんな公的な施設に置いたりして、あらゆる形で危険性を認知していただくように努めております。
今後とも、そういう形で進めてまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 これらの達成の状況はさまざまな要因の中でDランクにとどまっているにしても、要は、市町村に対する対応にしても、こういったさまざまな施設に対する対応にしても、実際に人的被害等が及ばないような対策をしっかりと進めていただくと、このことがとにかく大事だろうと思っておりますので、それを確実に進めていただきたいと思っております。
そして、2点目に移りますけれども、港湾の利活用についてであります。先ほど伊藤勢至委員からも質疑がありました。私も内陸の議員でありますし、港湾を抱える地元の議員もたくさんいらっしゃるわけでありますけれども、物流や観光面、さまざまな意味において、この港湾利活用というものに大変関心を持っているものでありますので、若干質問をさせていただきたいと思います。
宮古港のフェリーの定期航路に向けた動きについて聞かせていただきたいと思いましたけれども、先ほどの状況でわかりました。
一つ、通告はしていなかったんですけれども、釜石港での自動車定期航路の再開の見通しがもしわかれば、見込み、あと、課題等々の状況を整理して教えていただきたいと思います。
〇千葉港湾課総括課長 釜石港の完成自動車の積み出しについてでございますけれども、現在、震災後、休止しているという状況でございます。それで毎年トヨタのほうに出かけまして、再開をお願いしているところなんですけれども、今の状況では、宮城県の大衡にモータープールを設置して、仙台港を主体に使うということで御返事をいただいております。今のところは再開の見込みがないということで、御返事をいただいております。
〇関根敏伸委員 非常に残念な答弁というか、これはトヨタ側の回答をそのまま伝えられた状況なんだろうなと思っております。
内陸部、自動車もそうですし、先ほど木材のことも触れられましたけれども、いろんな意味で内陸の木材であるとか、自動車を含めたさまざまなものを県内の港湾を使って出していただくということ、これは復興道路、復興支援道路の完成も間近でありますので、これは何とか実現に結びつけていただきたいと思っているところでありますけれども、今後、県、市町村のさまざまな方々、総力を挙げて完成車の再開の実現にも結びつけていただきたいと思っております。これは要望にとどめておきたいと思っております。
最後でありますけれども、港湾の利活用の促進プランが、来年度から5年間にわたったものが今策定をされる予定であるということが先般の議連で示されたところでありますけれども、その促進の方向性はそれぞれ定められることになるんだろうと思っております。震災後の港湾、漁港も含めた復興については、他県では集約化ということで進められた県もあるようでありますが、岩手県は全てしっかりと復旧をするんだということで進められてまいりまして、重要港湾等も95%の進捗率になっていると先般お伺いをしたところであります。今後は、本当に完成後の利活用というところに特化をしていっていただきたいと思っておりますけれども、4港の役割分担、機能分担というものも非常に大事になってくるのではないのかと思っております。
それから、あわせて、再生可能エネルギーでのさまざまな動き等も見えていると聞いているところであります。再生可能エネルギーの関連施設等を含めた港湾の利活用、あるいはILC誘致というものも今大きな正念場を迎えているわけでありますけれども、こういった部分も踏まえての今後の港湾の利活用の促進の方向性、方針、戦略等についてお知らせをいただきたいと思います。
〇千葉港湾課総括課長 港湾利用促進プランの策定の方向性についてでございますけれども、東日本大震災津波以降に大きく減少した取扱貨物量を回復するために、平成25年3月に、岩手県重要港湾利用促進戦略を策定して取り組んできた結果、おおむね震災前の取扱貨物量を回復したところでございます。
現在、かつてないスピードで復興道路の整備が進められるなど、本県港湾を取り巻く環境が大きく変化し、物流環境も大きく改善されることから、今年度、岩手県港湾利用促進プランを策定することとしております。
先ほど委員から御指摘とのおり、ILCや再生可能エネルギーの関係ですとか、そういうのを取り込みながら、策定していきたいと思います。
今後は、この中で港湾道路等の新たな社会基盤を活用した物流、産業の振興や本県の観光資源を生かしたクルーズ、フェリーの振興策など、具体的な取り組みについて検討したいと考えております。
〇郷右近浩委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時51分 休 憩
午後1時2分 再開
〇郷右近浩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇高橋孝眞委員 2点、質問いたします。
最初に、国道107号の崩落による通行どめについてでありますけれども、ことしの3月29日の崩落によりまして、北上市の仙人から西和賀町の大石まで現在も通行どめがされております。このことによりまして、春の山菜の販売なり秋のキノコの販売、旅館等に西和賀を訪れる人が少なく、経済、産業に大きな影響を与えているところであります。一刻も早く全面復旧をしていただきたいと思うわけであります。来月末には片側通行が可能であると言われておりますけれども、進捗状況から見て大丈夫なのかどうか。また、全面復旧の見通しについても教えていただきたいと思います。
通行どめによりまして、今は秋田自動車道を迂回路としまして、北上西インターチェンジから湯田インターチェンジまで料金無料の措置がとられているわけでありますけれども、片側通行になりましても、この無料措置ができないものかどうか、この点についてお伺いいたします。
〇楢山砂防災害課総括課長 まず、通行どめ解除の見通しについてでありますが、今、委員の質問にありましたとおり、3月29日に土砂崩落が発生いたしまして、全面通行どめになっております国道107号西和賀町杉名畑地区につきましては、厳しい地形やさまざまな制約の中で、国の専門家による指導、助言を受けながら6月11日に応急工事に着手いたしまして、崩落土砂の撤去、斜面保護工、落石対策工などが完了いたしまして、現在、仮設防護施設の設置作業をしております。工事は現在順調に進んでおりまして、このまま進めば、当初の予定どおり、この11月末の片側交互通行確保による通行どめ解除を見込んでいるところであります。
また、完全復旧の見通しについてでありますが、当該工事につきましては、ダム湖畔で急峻な地形のため、作業スペースの確保が甚だ困難なため非常に難しいものと承知しております。また、冬期間は積雪や雪崩により現地での施工が困難なため、着工につきましては、来年4月からの工事着手を見込んでいるところであります。
県といたしましては、一刻も早い2車線通行確保に向けまして、工期短縮に向けた工事工程の精査等を現在進めておりまして、まとまり次第、その見通しを示したいと考えております。
〇中村道路環境課総括課長 土砂崩落に係ります全面通行どめに伴いまして、今、委員御指摘のとおり、秋田自動車道のほうで無料措置が講じられております。これは、国土交通省で定めました料金を徴収しない車両を定める告示に基づきまして実施されているものでございます。災害等によりまして高速道路と並行する一般道路が通行どめとなり、近くに迂回路がなく、高速道路の通行を余儀なくされる場合等におきまして、高速道路会社におきまして、地方公共団体等からの要請に基づき、料金を徴収しないことが適切であると認めた場合に限りまして、例外的に無料措置をしているものでございます。
このため、片側交互通行が確保された後、これは通行どめとは言えなくなりますので、秋田自動車道の無料措置の継続というものは困難であると認識しておるところでございます。
〇高橋孝眞委員 簡単に無料化できないというのではなくて、さらに無料化を要請してほしいとお願いを申し上げるところであります。
今回の国道107号の崩落でありますけれども、毎年のようにこの区間は工事が行われてきております。そういう意味合いでは、安全な通行を確保するという意味からも、落石なり雪崩の危険な場所等を考えますと、トンネル化を含めて検討する必要があるのではないかと思いますけれども、この点はどう検討されているかお伺いいたします。
〇遠藤道路建設課総括課長 今回の土砂崩落に伴いまして、約5キロメートルの区間が通行どめとなっております。この崩落個所を含む前後の一定区間を回避するような形の新たな道路の整備というものにつきましては、地形が非常に急峻なところでございますので、長大なトンネル等が必要になると見込んでおります。トンネルを含む整備につきましては、多額の事業費を要する大規模事業となることが見込まれますので、早期の整備は難しいと考えておりますが、県全体の道路整備計画の中で、道路予算の動向を見きわめながら検討してまいりたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 ぜひ早期に検討していただきたいと思います。
次に、先ほど、嵯峨委員からも質問がありましたけれども、私からも水門、陸閘の自動閉鎖システムについて、昨年度にまとめられております衛星基本型自動化案からお聞きいたしたいと思います。
最初に、今回まとめられた自動化案につきましては全国初のシステムであり、私は、基本的に賛成するところであります。担当部署で関係部と調整をし、また、市町村から意見を聞き立案したと聞きました。希望郷いわて実現のためにも、県行政の中であらゆる面で積極的に新しいことに挑戦する取り組みをしていくということが本当に大事であると思うからであります。こういう取り組み、こういう事例がある、これが岩手方式だ、先進地事例だとして、各県から多くの方がそれぞれの取り組みの調査に来られるようになれば、すばらしいことだと思うところであります。
そういう面からも評価するところでありますけれども、新しいことに挑戦するということでありますので、若干質問させていただきたいと思います。
最初に、国のガイドラインでは、地震発生から想定津波到達時間を確認して計画をしなさいとありますが、地震発生から岩手県沿岸に最短何分で津波が到来すると予想しているのかお伺いいたします。そして、そのことが今回どのようにシステムとして対応されていくかについても教えていただきたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 ただいま委員から御質問のありました、岩手県における津波の到達時間についてでございます。
今、県としましては、最短予想時間を24分と想定してございます。その理由としては、過去の宮古港における津波記録─盛岡地方気象台の提供資料─と、平成23年3月の気象庁の大船渡港における太平洋沖地震津波の到達時間等の資料、平成16年に県で行いました岩手県地震津波シミュレーションでの報告書から、そのうちの最短のデータであります宮古港での記録24分というものがございまして、それを最短の時間として想定しているものでございます。
そういう中で、今回のシステムがどのような機能を担うのかにつきましては、陸閘等の閉鎖にかかる時間は長くて4分程度を想定しておりますので、地震があって、警報があってから津波到達までの間に4分程度の閉鎖時間が確保されるということで、さらにそれぞれの地域でいろいろな諸条件がありますので、これは、市町村と調整しながら、発生後、何分後に閉鎖を開始するかについてはいろいろな決め方ができますので、これはシステムですので、これから調整してそれぞれ決めてまいりたいと考えてございます。
〇高橋孝眞委員 ということは、奥尻島の地震のように、地震発生から二、三分で津波が来るということではないということで、よかったというのはおかしいわけですけれども、そういうことなのかと感じたところであります。
次に、ランニングコストについてであります。先ほども嵯峨委員からありましたけれども、8億円から9億円で当初計画したけれども、1億円から2億円に提案をいただいて下がったということであります。当初の計算は、先ほどのことから見ますと、工事費の何%というような試算ではなかったのかと思うところであります。プロポーザルをする前にランニングコストが十分検討されていない。このことはシステム全体を検討しなかったということになるではないかという感じがするところであります。安く工事ができ、安いランニングコストでよいのだというのであれば、プロポーザルは、安全が確保され、その上で工事費が安く、ランニングコストの低い工法で提案してもらうようにすればよかったのではないか。無理をして全国初のシステムを取り入れる必要はなかったのではないか、広く提案を求めれば、そのようになったのではないかと思うわけですけれども、どうでしょうか。
〇八重樫河川課総括課長 今回のシステムにつきましては、まず、県のほうで衛星通信を活用したシステムを設定しまして、それをベースにいろいろな技術提案を求めたプロポーザルになってございますが、委員のお話は、その前にもっと広くいろいろなアイデアを求めるようなプロポーザルでもよかったのではないかと承りました。
仮に、そのような場合に、県の方で今考えていたような衛星系を使っている提案が必ずしもなされたかどうかというところがちょっとわからないところでございまして、参加者が、例えば全者が光ケーブルで提案されてきたということになりますと、県のほうで衛星が有力な選択肢の一つと考えている状況の中では、そういったものを選択できないということにもなろうかということで、極力、岩手県が取り得る最良の技術的な手法というものを県のほうで設定して、プロポーザルを実施したと御理解いただきたいと思います。
〇高橋孝眞委員 そこまで無理してやる必要はなかったのではないかという感じがしたわけであります。
検討案からですけれども、平成26年2月は遠隔手動操作、いわゆるガイドラインでいいますとレベル5、平成26年8月に衛星を使っての自動操作、いわゆるレベル6になっております。レベル6の遠隔操作のバックアップ対策は、ガイドラインで伝送路の二重化とあります。今回は衛星だけの仕様になっていますので、二重化にはなっていないと思われますけれども、どのような対策がとられているのでしょうか。先ほど、嵯峨委員からの質問に対して答弁がありましたけれども、衛星通信は信頼性があるといっても、二重化にはならないのではないか。同じ回線だけを使うということは、二重化にはならないのではないかということでありまして、これは二重化にはならないという確認をしたいわけですけれども、どうでしょうか。
〇八重樫河川課総括課長 ただいま委員からお話のありました、国で示している遠隔化のガイドラインで、バックアップ電源及び機側手動操作手段を確保することが原則であり、伝送路については二重化するとが望ましい。ただし、経済性や装置構成の簡素化にも考慮する必要があると記載されているところであります。
通信手段については、電波を送信する統制局、これは県庁と釜石地区合同庁舎を想定してございますが、この2カ所に設置することで、さらに岩手県では、今回、専用回線として自治体衛星機構から借り受けるので、そこは、太い高速道路並みの電波が通る道が確保されるということで、非常に信頼性が高いところでございます。そういった県庁ともう一つの統制局の2カ所から制御できるということで、こういった二重化を図っていると考えてございます。
さらに、衛星通信についても、先ほど申し上げましたが、代替機能が備えられていると考えておりますので、こういったところで伝送的には多重化が図られていると考えてございます。
〇高橋孝眞委員 回線だけを見ますと、いっぱいあるといえば、そのとおりですけれども、私は、衛星だけを使うというのは二重化にはなっていないのだと思います。そういう意味では、バックアップ体制に問題があるのではないかと思うところであります。
衛星も故障があり得る。先ほどは代替もありますよということでありますけれども、そういう意味合いではなくて、まずは、地震が発生して津波が来る、それに対しての初動操作として、今回の衛星を使っての自動閉鎖方式を採用する。万一に備えて、バックアップとして、ガイドラインでいいますレベル5を使う。光ケーブルを敷きまして、遠隔自動操作できるようなシステムにしていく必要があるのではないかと思うところであります。
今、あらゆる工事を進めているわけでありますけれども、沿岸の工事を見ますと、防災はお金の問題だけではない。まずはいかに安全を確保するか、命を守るかということが大事だと思うからでありまして、県庁から沿岸市町村に、また、消防本部、消防団の分署まで自前の光ケーブルでつないでおくことによって、大幅な通信手段を確保することができ、沿岸市町村とテレビ電話で対応ができる、また、遠隔手動操作ができる、バックアップ体制をとることができると思うところであります。
今回、震災の教訓として通信網の確保が重要であったと言われておりますし、通信に苦労したというお話をよく聞くわけであります。防災には、先ほど話をしましたとおり、二重にも三重にも対策を講じておくことが大変重要だと思うところであります。
私は、今回、工事費はかかるわけでありますけれども、光ケーブルを敷設することによって、あいている回線を使いながら、県も、県民も広く使用できるようにし、県は各市町村とテレビ電話等での連絡網を確立して、また、テレビ会議等も行えるようにしながら、将来は沿岸の各家庭に光ファイバーを引き、高齢化社会の福祉の問題、独居世帯の問題、医療、介護の面からも、国の100%事業であるこの機会を捉えて光ケーブルを敷設しておくことが大事であると思うところであります。希望郷いわて実現のためにも、ぜひ考えていただければと思うわけであります。
通信衛星だけでは二重化にはなっていない。バックアップ体制をとるためにも、そして、二重化対策、通信網を確保することからも、見直す考えはないかお聞きいたしたいと思いますし、見直すことができないとすれば、追加して工事をするということを考えることができないかどうかについてもあわせてお聞きしたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 今、委員から光ファイバーの有用性というようなお話がありましたところかと思います。
今回、私どもがやらなければならないのは、沿岸にある水門、陸閘が、大きな地震が発生して津波が来る危険のあるときに、いかなるときにも確実に住民の命と財産を守るために閉鎖していただくという機能をまず確保したいということで、これは、今、いろいろな復興事業を行っております、平成30年度に水門等の工事が終わるころに、この運用が開始されるために整備を始めたいということでございますので、これについては、今の衛星通信を活用したシステムが現在は最善だと考えておりますし、信頼性も確保されていると考えてございます。
光ケーブルをさらに追加で敷設することはどうかということでありますが、先ほどまでお話ししたとおり、沿岸の各施設に光ケーブルを敷設するには予算が必要になるということで、これについては、今後の検討課題かと考えておりますし、各防災機能とか市町村との連絡機能といったことについては全庁的な課題かとも思いますので、それは、これからの課題として受けとめさせていただきたいと存じます。
〇郷右近浩委員長 高橋孝眞委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう議事の進行に御協力願います。
〇高橋孝眞委員 担当者では先ほどのような回答になるのだろうと思いますが、部長はどういう考えをお持ちか、ひとつお願いをして、質問を終わりたいと思います。
〇蓮見県土整備部長 東日本大震災津波は大変な被害が出たわけでありますし、その際に、私どもの生命、財産を守るために尽力していただいた消防団の方が、水門、陸閘の操作に関連して48名も犠牲になるということが発生してしまいました。基本的にはこんなことはあってはならないわけで、遠隔操作化を進めるべく検討してきたわけでございまして、さまざまな手段、手法があるわけですが、メリット、デメリットを考慮して、衛星通信回線による遠隔操作化という手法が最適だという判断をいたしたわけでございます。ということで、当面、私どもはこれでシステムの整備を進めたいと考えてございますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
〇高橋但馬委員 2点についてお伺いいたします。
昨年の私の一般質問で、建設産業振興のための業界との議論についてということでお伺いしたときに、御答弁として、建設業地域懇談会というものを毎年開いているというお話をいただきました。この懇談会の県としての位置づけ、そして、震災直後から4年7カ月が経過しましたけれども、業界からの意見、要望はどのように変化してきているのかお知らせください。
〇桐野建設技術振興課総括課長 一つ目が建設業地域懇談会の県としての位置づけということでございますが、何らかの計画で明確に位置づけているというものではないのですが、入札制度を所管する総務部と我々県土整備部が、各地域の建設業団体から忌憚のない御意見を聞く場として、毎年、おおむね9月ごろに、業界団体の各支部が所在する県内13地区に出向いて開催しているものです。
総務部で所管しています入札制度ですとか、県土整備部で所管している県営建設工事入札参加資格審査基準などについて要望や御意見をお聞きして、制度の改正に反映させているものでございます。
業界からの意見、要望の変化についてということでございますが、震災直後の平成23年度から平成25年度ごろまでは、被災地の実態にあわせて、労務、資材価格の設定ですとか必要な費用の計上など、工事価格の算定に対する要望が多かったところです。
平成26年度ごろからは、復旧、復興後における事業費の確保ですとか、復興後の建設業振興などに関する要望が多くなってきていると認識しているところです。
〇高橋但馬委員 ことしが工事のピークであるということも、業界としても、その先のダンピングが起こるのではないかという部分もかなり心配しているところでありますし、県央部ではなかなか仕事がとれない状況にもなってきておりますので、しっかりと情報交換をしていただきたいと思います。
そのとき、いわて建設業振興中期プランの策定の作業で、外部有識者を加えた委員会を設置して意見を取りまとめるという話がありましたけれども、どのような意見が出ていたのか。あとは、建設業地域懇談会を経てこの中期プランにどう反映されたのかお知らせください。
〇桐野建設技術振興課総括課長 プランの策定において、委員会からの御意見の主なものにつきましては、まず、災害等の緊急時に即応できる人材や資機材を備えた建設企業が存続できるような環境づくりが必要であること。復興後には建設投資額が減少していくことを想定して取り組む必要があり、また、企業の規模や事業内容によっては、転廃業等も視野に入れて経営の方向性の検討が必要だということを示す必要があること。次世代を担う人材の育成、確保を支援していく必要があることなどがございました。
昨年度の地域懇談会におきましては、中期プランの見直しの直前でしたので、そのプランの見直しに当たって業界からの意見や要望をお聞きしたところです。
その中では、現在は、復旧、復興工事を円滑に進めるための施策が中心になっているのですが、復興後においては、地域社会の維持に必要な建設企業が存続できるように、支援や地元優先発注などの環境整備が必要であるというような意見が多かったと認識しております。それらの意見を踏まえてプランを作成したところでございます。
〇高橋但馬委員 やはり業界の動きがありますし、彼らも仕事を円滑にとって地域に還元することを目的としておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
東日本大震災の発災直後に、建設業界というのは、自分の会社も被災しているんですけれども、沿岸被災地に行ってしっかりと復旧に向けてやっているというところもありますし、岩手の基幹産業として雇用の場もしっかりと確保していかなければならないと思います。
業界の方々とお話をしていますと、建設業界と達増知事との距離がちょっとあるような話をよくされるんですけれども、それで、業界としては、建設業地域懇談会に知事にぜひ出席してもらって、忌憚のない意見交換をしたいという意見があるんですけれども、県土整備部にこのお願いをしてもあれなんですけれども、ぜひ、それに向けてのいい御答弁をよろしくお願いします。
〇桐野建設技術振興課総括課長 先ほどもお答えしたとおり、建設業地域懇談会は、実務レベルで、各地域の業界団体からの忌憚のない御意見をお聞きして、総務部で持っています入札制度ですとか、県土整備部で持っています県営建設工事参加資格審査基準などの制度の改正に反映させているという内容のものでございます。
このため、地域懇談会につきましては、制度を所管しております総務部と、県土整備部や協会各支部の所在しております地区の広域振興局を中心に対応すべきものと考えております。
今後とも、地域社会の維持に必要な建設企業が存続できるよう、さらに建設業界との連携を強化していきたいと考えております。
〇高橋但馬委員 この地域懇談会にこだわらずに、別の機会で知事と建設業界が情報交換できる場をぜひつくっていただきたいと思います。これは要望でとめておきます。
2点目に行きます。公営住宅維持管理費についてお伺いします。
県営住宅の駐車場というのは、1世帯に対して原則1区画の利用を許可していると思うんですけれども、そのような認識でよろしいでしょうか。
〇辻村住宅課長 従来、県では、入居者に対しまして2台目駐車の許可を与えておりませんでしたが、夫婦共働きによる通勤手段等としまして複数台の車を所有、使用している実態が見られましたことから、敷地内で戸数以上に駐車場整備を行うことが可能であった一部の団地におきましては、2台目駐車の許可を行っているところでございます。
〇高橋但馬委員 沿岸被災地の災害公営住宅で、基本的に1台のところなんですけれども、車を所有している台数が複数ある場合、そこに1台はもちろんとめるんですけれども、それ以外の路上に車をとめて、近隣住民の方とトラブルが起きているという話も聞いております。今、このような車社会で、夫婦で1台ずつ車を持つというのは当たり前ですし、例えば災害公営住宅であっても、中心部から離れているところというのは、車がないとやはり生活に不便するわけです。そういうことを考えると、そういう声が上がってくるのは必然でありますし、県としても、できる場所はやっていただくのはそうなんですけれども、遠くて、やはり持たなければいけないところというのをしっかりと意見を聞いて、2台目の駐車場を求める声というものに耳を傾けるべきだと思うんですけれども、それに対してどう対応していくおつもりかお知らせください。
〇辻村住宅課長 2台目駐車場の利用についての御要望に対する対応ということかと思います。現在、沿岸部で整備を進めております災害公営住宅につきましては、建設するに当たりまして、極力、敷地の確保を頑張っているところではございます。ただ、どうしても敷地要件の制約等がある中でございますので、各戸掛ける2台といったような設定までできているところではございませんけれども、敷地に余裕がある場合には、戸数以上に駐車場を確保することに努めているところでございます。
また、これは、今後の運用と申しますか、既存の内陸部の県営アパートについても同様な状況だろうかと思いますけれども、これまでは、例えば100戸の住戸に対して100区画ありましたということであれば、仮にあいている区画がありましても、利用者の入れかえ等がございますので、それらをあけたままにしておったところでございますが、利用していく中で、ここ何年か、そこまでの戸数は使われていないといったような状況等が見えてくる場合がございますので、そういった団地につきましては、2台目駐車を認めるということで考えたところでございまして、既存の県営アパートにつきましては、新たに5団地で2台目の駐車場の募集を行う予定としているところでございます。
〇高橋但馬委員 今、内陸部の県営アパートの話も出ましたけれども、内陸部では、やはり2台目の車をとめられなくて、敷地内の路上にとめて、それで除雪ができないような状況に陥っているというのも現状でありますので、ぜひとも、時代に合ったというか、その状況に合った柔軟な対応を今後とも続けていっていただきたいと思います。
〇城内よしひこ委員 私からは、道路橋りょう補修事業費についてお伺いしたいと思います。
平成26年度の実績はどのようになっているか、まずお伺いしたいと思います。
〇中村道路環境課総括課長 橋梁の補修事業、また補強事業についてでございます。
まず、橋梁の補修事業につきましては、県で管理しております約2、700橋のうち、橋梁長寿命化修繕計画に基づき1、392橋に対して補修工事を進めているところでございます。平成26年度は、一般国道106号の腹帯下の橋を含めまして、67橋につきまして補修工事を実施しております。このうち41橋の補修を完了しておるところでございます。これまでに全体で411橋の補修を終えたところでございます。残りの橋梁についても、計画に基づきまして補修工事を進めてまいりたいと思います。
一方、補強事業でございますけれども、これは、復興道路、復興支援道路を中心に74橋につきまして耐震補強工事を進めているところでございます。平成26年度は26橋につきまして耐震補強工事を実施しておりまして、このうち2橋の工事を完了しております。これまでに10橋の補強を終えたところでございます。
〇城内よしひこ委員 そこで、これからまだまだ残りがあるようでありますけれども、今後の見通しと課題があれば、それをお伺いしたいと思います。
〇中村道路環境課総括課長 補修事業につきましては、先ほど申しましたとおり、橋梁長寿命化修繕計画に基づき、鋭意、補修工事を進めてまいりたいと思います。
また、耐震補強工事につきましては、工事期間の制約などから完了までに複数年にわたる橋が多いということで、そういった課題はございます。ただ、その課題はあるものの、早期の対策完了に向けまして今後とも取り組んでまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 そこでお伺いするんですけれども、昔、三陸・海の博覧会があったときに、道路工事が期間内にも結構あって、渋滞が大分起きたんです。実は、来年は、皆さん御存じのとおり、岩手国体が開催されるわけですが、きのうの委員会の中でも話が出ました。バスが延べ5、100台ということでありました。また、復興関係でいうと、ダンプカーも他県からも相当数入ってきて工事をしております。そういった中で、国体に関係する多くの方々がいらしたときに、この工事は複数年またいでいる、あるいはまた、今後も工事をする中にあって渋滞等の心配がされるわけです。そういった対策というのは考えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。
〇中村道路環境課総括課長 委員御指摘のとおり、来年、国体が開かれます。これにつきまして、まず、県でも、これに対応する会議は庁内で設けられておりますし、県土整備部といたしましても、工事期間の調整等は考えていかなければならないと認識してございます。こういったことで、国体の対応におきましては、訪れる皆様が円滑に利用できるように努めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、そういったことの配慮というものもしてほしいと思いますし、一方では、復旧、復興は急いでやってくれというのもあります。これは相反する課題でありますけれども、大変苦しいところではあろうかと思いますが、ぜひ、これは頑張ってほしいというところであります。
次の質問に移ります。河川整備基本方針策定費についてでありますが、この内容はどうなっているのかお伺いしたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 河川整備基本方針策定費についてでございます。これについては、交付金による河川改修事業の導入に当たって、河川法において定められている河川整備基本方針及び河川整備計画の策定、また、具体的な交付金事業を新規に要求する際に必要となる測量、調査及び設計等、治水計画の基礎資料となる雨量等の統計解析、東日本大震災津波による河川津波対策の計画検討、水防法に基づく水位周知河川の指定や洪水浸水想定区域の設定などに要する費用でございます。
〇城内よしひこ委員 そして、その基本方針をつくって、今後どのように展開していくのか。先ほど来、河川については皆さんからいろいろな課題、問題提起がされております。そういったことについて、これをベースに真摯に取り組んでいくのか、あわせてお伺いします。
〇八重樫河川課総括課長 今後の展開ということでございますが、津波や豪雨により被災した河川において早急に対策事業を実施していくために、これまで、沿岸部の河川における河川整備基本方針や、洪水被害のあった内陸部での河川整備計画の策定を進めてきております。
今、沿岸部の津波対策が必要な河川は20河川ございますが、そのうち盛川、後の入川など6河川の基本方針を策定してまいりました。残る14河川についても、今後、早期にこの事業において策定を進めてまいりたいと考えております。
また、内陸部の北上川ですとか馬淵川流域においては、10の圏域で河川整備計画を策定することとしてございますが、これまでに盛岡北圏域など8圏域を策定したところでございまして、残る両磐圏域、花巻圏域の河川整備計画の早期策定を進めてまいりたいと考えてございます。
また、今後、豪雨被害が発生した場合など、対策事業の導入のための調査検討や、新たな水位周知河川の指定といったことを行うための調査、検討等のための迅速な対応にも取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇城内よしひこ委員 近年、河川を取り巻く環境というのは大変変わってきていると思っております。特にも河川に流れ込む雨量を測定する上で重要な課題でありますけれども、その中で、林野とかいろいろなところの開発によって、今までにはかり知れなかったものが流れ込むというのはあるわけであります。今回、鬼怒川の大氾濫も、実は太陽光発電施設をつくって大規模に造成したというのも一つの原因だったと言われています。そういったことが岩手の計画の中にも盛り込まれるような可能性というのはあるのでしょうか。
〇八重樫河川課総括課長 大規模な開発行為といったことにつきましては、開発行為における技術的な基準というものが定められておりますし、あとは山間部、例えば林野の開発につきましても、森林法において林野開発における技術的な基準が定められておりまして、土地の形状の改変に伴う雨水の流出増の対策については、それぞれ調整池等を設けることで、極力、下流への負荷を増加させないという基準にのっとって開発行為をしていただいているということで、そういった対応を一体となってさせていただいていると考えております。
〇城内よしひこ委員 わかりました。ぜひ、それはお願いします。
そこで、やはりこれも国体に関連するわけでありますけれども、大きな河川がたくさんありまして、その中で立木がいっぱい立っていて、環境的に、お客さんを迎え入れる上で余りよくないという箇所がたくさんあります。そういったことに対する配慮、計画というものもぜひ前向きに検討してほしいと思うんですが、その辺はどうなんでしょうか。
〇八重樫河川課総括課長 来年は国体ということで、それとは別に、河川の立木繁茂といった環境整備についての要望は多数いただいております。
毎年、全河川に対応するという予算は、残念ながら莫大でありますので、木の成長などの状況を見ながら、優先的に予算の中で対応させていただいているということでございまして、これからもパトロールとか地域住民の方々の要望を踏まえて対応させていただきたいと考えてございます。
〇城内よしひこ委員 大雨が降って、そういう残滓があると、二次災害のように河川が暴れる可能性がありますので、しっかりとパトロールを進めながら管理していっていただきたいと思います。
次に移ります。災害復旧工事についてであります。東日本大震災からの復旧工事、中でも防潮堤の完成時期についてお伺いしたいと思いますが、全部が完成するものについては計画があるわけでありますけれども、計画内におさまるのか。多分、工事のおくれ、また、入札の不調等が多数見受けられる中にあっては、若干延びていくのかという気はしますが、どのように推移しているのかお伺いしたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 防潮堤工事の完成時期等につきましてでございます。県土整備部所管の防潮堤、水門など海岸保全施設の状況でございますが、現在、復旧・復興ロードマップ等で公表しております平成27年6月末時点では、65地区のうち63地区に着手してございまして、17地区で完了済みでございます。残る地区は、おおむね平成30年度の工事完了を目指して鋭意進めているところでございます。
〇城内よしひこ委員 平成30年度を目指すというのはこれまでも聞いてきたところなんですが、具体のものとして、多分ずれ込んでいくだろうというのは予測されます。そういったことを、ある時期に公表していかないと、現地の方々は、くい打ちもされているかどうかわからない中で、あした完成するよという目標をいつまでも言われても、それは事実、信じられないということになるわけであります。いろいろな意味で、いろいろな計画を皆さんが持って動いていらっしゃいます。県のほうでしっかりとした期日を明示していかないと、現地のいろいろな方々に支障を来してくるわけですので、ぜひその辺は、今の段階で、予測でもいいですけれども、はっきり答えてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
〇八重樫河川課総括課長 着工後の詳細な地質調査を行った結果、当初想定していなかった地盤状況等が確認される場合が多々ございます。そういった場合に、工法の変更などが必要となる場合には、工程をまずしっかりと精査して、ロードマップの更新は今後もございますので、その都度、ロードマップの見直しには反映させてまいりたいと考えてございます。
〇城内よしひこ委員 きょう、実はスクラム議連というものがありまして、ラグビーワールドカップもあるわけであります。そういったことに向けてしっかりと工事を進めていかなければならないことというものもあるわけであります。県としても正式に誘致にもかかわっている中にあって、そういったことと、皆さんがやろうとしている工事が、いつも目標を大前提に出されていることとはちょっとギャップが出てくるわけであります。頑張ってほしいと思いながらも、難しいのも知っています。知っているけれども、何とか明言してほしいと思うんですが、再度、その辺はいかがでしょうか。
〇八重樫河川課総括課長 沿岸の防潮堤工事、水門工事は、実際携わっておりますが、簡単ではない工事であります。その中で、現地の広域振興局の職員も頑張ってやっていただいている。ワールドカップのお話もありましたが、鵜住居地区等についても、極力、おくれの出ないように頑張ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
〇城内よしひこ委員 部長、ぜひワールドカップまでいてほしいと思っていますけれども、その辺の意気込みをお伺いして、終わりたいと思います。
〇蓮見県土整備部長 鵜住居のスタジアムのところには、鵜住居川の水門と片岸の防潮堤がございます。今、鋭意施工しているところでございますので、ワールドカップ開催のときまでには完成させるべく精力的に取り組んでまいりたいと思います。少なくとも、津波対策として津波防御の機能だけは間違いなく確保されるように、きちんと工程を管理してやりたいと思います。
そのほかの箇所につきましても、工程等現地状況を見ながら見直しをかけておりますので、明らかになった時点でロードマップの工程のほうに反映させて、皆様にもきっちりお示ししたいと思っておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
〇名須川晋委員 それでは、リノベーションによるまちづくりということで、商工労働観光部の際にも伺ったんですが、直接の担当がこちらでございますので、お伺いをさせていただきます。
リノベーションによるまちづくりが新しいまちづくりの一つとして各地で進められておりますけれども、このリノベーションによるまちづくりとはどういうものかということで、まず御説明をお願いいたします。
〇辻村住宅課長 リノベーションによるまちづくりでございますけれども、これは、地域課題を解決するために必要なサービスですとかコンテンツを、空き家や空きビル、空き地、公共不動産等を活用いたしまして、民間主導で地域に落とし込む。そのことにより地域課題の解決を図り、地域の活性化ですとかまちづくりにつなげていく。それを半径200メートル程度の小さなエリアで行うことにより、そのエリアの魅力や価値を高めていくという取り組みと認識しております。
〇名須川晋委員 専門家の仕分けの仕方ですと、大きいリノベーションで言いますと紫波町のオガールなんだそうでございます。そして、小さいリノベーションが、今ここで話題にしている課題でございますが、県内の動向についてお知らせいただきたいと思います。また、県土整備部ではこの状況をどう捉えているのか伺います。
〇辻村住宅課長 県内の動向についてでございます。盛岡市と花巻市におきましては民間主導で、紫波町では行政主導でリノベーションまちづくりの取り組みが始まっているということを認識してございます。
県といたしましては、人口減少社会への対応、空き家問題といった諸問題を解決するための方策として、空き家活用人材育成支援事業により、リノベーションまちづくりや公民連携事業を推進しているところでございます。こちらの一環といたしまして、盛岡、紫波、花巻の取り組みを支援しながら、この取り組みをぜひ県内各地に水平展開し、ほかの市町村でもやっていただくような形での情報発信を行っているところでございます。
また、このリノベーションまちづくりでございますけれども、公民連携─行政と民間が一体になって取り組んでいくものでございますので、まず、行政側の体制整備が必要であろうという考えのもとに、市町村の行政職員等を対象に公民連携セミナー等を開催しているところでございます。
〇名須川晋委員 その中で、既存の不適格建築物を何とかリノベーションで活用するようにするというのが大体主だと思いますけれども、建築確認や用途変更等の手続が非常に難しいと煩雑さが指摘されておりまして、ここに大変苦慮されていると伺っております。こうしたところも含めて、空きビル、空き家の利活用をどうすればもっと進められるのかというところでございます。あるいは規制緩和の必要性があるのではないか、そういう認識をお感じではないでしょうか。
あと、既存不適格調書の運用を柔軟に行う必要があると考えておりますが、自治体によってはそういう場合もあると伺っておりますけれども、岩手県の場合はいかがでございましょうか。
〇辻村住宅課長 空き家ですとか空きビルの利活用を伴う規制緩和といった形の御質問になろうかと思います。あいている建物の利活用を進める際、建築基準法ですとか消防法といった諸法令への適合が難しいという意見があることは承知してございます。
しかし、建築基準法ですとか消防法等につきましては、国民の生命ですとか健康、財産、これらを守るための規制となってございますので、そちらの緩和につきましては慎重に検討することが必要ではなかろうかと考えてございます。
今後、各地でリノベーションまちづくりを進めていく中で個別の課題がいろいろ出てくるかと思ってございます。そういった場合に、どういった規制の緩和が必要なのか、そのための具体的な法的根拠をどうするのか、また、一番重要であります安全性を担保するための代替措置をどうするのかといった課題を、みんなで知恵を出し合いながら、私どももお手伝いしながら、解決していく必要があると考えてございます。
〇名須川晋委員 花巻でも、その事業にかかわっている方みずからが、リノベーション作業を大変遅くまで行われているということで、非常に低コストで作業を進めている、リノベーションをしているということでございますので、そこに業者とか専門家がかかわると、また、さまざま費用がかかってくるわけでございますので、そういう運用の仕方で、行政が助けられるようなところがあると思いますので、ぜひその辺のところを御配慮いただければと思います。
そして、これは商工サイドとの連携の話になります。商工労働観光部の審査の際にもお話をさせていただきましたけれども、まちづくりの中でインキュベーション的な機能も非常に持ち合わせております。そうしたリノベーションの手続等の技術的な面は建築住宅課であろうと思いますし、起業や新事業の展開あるいは商店街の活性化等については商工サイドの支援が必要だと思っておりますけれども、この連携をさらに進めていく必要があるのではないかと思っておりますが、確かに、県土整備部の方はそういうところに参加しているところを私も知っておりますけれども、商工サイドのほうがどうかと思いますが、その連携の進め方についてお知らせいただけますでしょうか。
〇辻村住宅課長 他部局との連携についてでございますけれども、私どもは、空き家、空きビルの活用という観点からリノベーションまちづくりに取り組み始めたところでございますけれども、リノベーションまちづくりにつきましては、委員が御指摘のとおり、行政の各分野に関連する取り組みでございます。複数の部局がそれぞれ持ち合わせております知恵といったようなものを持ち合って取り組むことが、リノベーションまちづくりの成功の鍵と考えてございますので、今後、各地区でそういったまちづくりの取り組みが進んでいく中で、私どもも積極的に声かけ等もしてございますし、そういった意味でも具体の連携を進めていくこととしてございます。
〇名須川晋委員 民間主導の公民連携が基本であると思いますが、行政のバックアップも非常に必要だと思っております。
先ほど、冒頭の御答弁の中では、県内でそういう同様の取り組みを進めるところへ広く紹介していくというお話でございました。まさに、それぞれの団体との情報交換とか連携を深める機会がほしいということが、実際携わっている方々の御意見、御感想でもございましたし、不動産オーナーの意識変革もまた必要であるということで、ある程度、啓蒙、啓発も必要になってくるものと思います。
もうちょっと詳しく、今、県内に広く紹介しているのであれば、その現状と、あるいは今後どういう展開を県としてもしていきたいかということについてお知らせください。
〇辻村住宅課長 行政の支援についてでございますが、まず、行政職員向けの公民連携セミナーを現在行っておりますほかに、市町村が実施しております庁内勉強会に職員を派遣して支援等をしてございます。また、民間企業との連携による、建築事業者や不動産関係者等を対象とした空き家の利活用やリノベーションに関するセミナーを開催して周知に努めているところでございます。また、不動産オーナーですとか、取り組みを進める団体、民間事業者を対象に、来年1月に、リノベーションまちづくりに関する大規模なシンポジウムを開催する予定としているところでございます。
こういったことも含めまして、今後も、民間事業者それから行政職員等への情報発信ですとか情報交換に努めまして、リノベーションまちづくりの普及に取り組んでいきたいと考えてございます。
〇名須川晋委員 大変重要な支援だと思いますので、よろしくお願いいたします。
そういう胎動といいますか萌芽を、ぜひとも県内に広めていただきたいと思っておりますし、新しいまちづくりの手法であります。そして、空きビル、空き家活用ということで、二兎が追えるのかなと思っております。
県内では花巻市と盛岡市と、そして今、紫波町は行政主導と伺いましたが、そのほかで興味を示しているようなところ、あるいはちょっと進んでそろそろだというところを、差し支えない範囲であれば教えていただいて質問を終わります。
〇辻村住宅課長 県が行っています行政職員向けの公民連携セミナーに、各市町村からたくさん人がいらしていただいてございますが、逆に、こちらから市町村が行っています勉強会に職員を派遣しているという点では、滝沢市、北上市、洋野町のほうで、ちょっとそういうのをやってみたいといったようなお話もございまして、うちのほうからそういう勉強会に職員を派遣しているところでございます。
〇阿部盛重委員 東日本大震災を初め、つい最近では雫石町、盛岡市、それから矢巾町の土砂災害及び大洪水の災害と。昨年は7月の長野県の土石流災害、そして翌月、8月の広島の土砂災害、予測がつかないことが起きております。安全で安心な暮らしを支える社会資本整備の箇所で、洪水土砂災害対策推進についてお伺いします。
県内には、土砂災害の危険性がある土砂災害危険箇所が1万4、348カ所あると聞いておりますが、土石流災害、それから崖崩れ災害、地すべり災害と三つの形態に分かれるようですが、県内の土砂災害への備えといいますか、対策はどのようになっているかお伺いいたします。
〇楢山砂防災害課総括課長 今委員からお話がありましたとおり、県内にも数多くの土砂災害の危険箇所がありまして、お話がありましたとおり1万4、348カ所という数に上っております。これに対しまして、県といたしましては、砂防堰堤などのハード対策につきましては、いろいろやる中で多大な時間と費用を要することから、やはり一気に進捗を図ることが困難であるということから、選択と集中によりまして、効率的な整備を進めているところであります。
また、土砂災害警戒区域の指定などソフト対策につきましても、基礎調査の結果を早期に公表することによりまして、住民の迅速な避難や市町村の警戒避難体制の整備を支援するなど、今後もこうした形で、ハード、ソフトを組み合わせた対策によりまして、被害防止に努めていくところでございます。
〇阿部盛重委員 住民の方々は警戒区域をどう受けとめているかということなんですが、住民の方々は警戒区域に指定されていることは知っているが、どうしたらいいかわからないという声も聞きます。その点に対しましてどのような説明をされているか、お聞きしたいのでございます。
〇楢山砂防災害課総括課長 警戒区域の指定につきましては、その指定に先立ちまして、小さな単位ごとに住民説明会をしておりまして、その中で、指定になった場合のさまざまな形、そういうものを事前に説明しております。
あと、毎年6月に、全国的に土砂災害パトロールというのをやっておりまして、そういうパトロールをしながら、各戸を回り、その中でも警戒区域等について説明をさせていただいたりして、いろんな機会を見つけながらそういった説明をさせていただいております。
〇阿部盛重委員 警戒区域に指定されているのは、今現在3、656カ所と伺っております。今のお話も含めながら、人が多い地域から順次に指定されていくとは思うのでございますが、少しでも早目に住民の方々に安心が伝わるよう、お願い申し上げます。
最後の確認でございます。土砂災害から身を守るために住民の方々が基本的にやることというのが、お住まいの場所が土砂災害危険箇所かどうか確認をする。それから土砂災害警戒情報や雨量の情報に注意をする。そして3番目に、大雨や土砂災害警戒情報が発表された際には早目に避難場所に行くと。そして避難が困難な方もいらっしゃる場合を想定して、家の中の崖から離れた部屋だとか2階とか、そういうところに移動するよう心がければよいということでよろしいでしょうか、その確認でございます。
〇楢山砂防災害課総括課長 たくさんお話がありましたが、最近の中では、ハードもあるけれどもやはりソフト対策ということで、その中でも従来から言われております自助、共助、公助の中で、そのうちの自助ということで、行政もそうなんですけれども、より以上に、住民みずから自主的に避難行動を起こすというのが一番重要だということで叫ばれております。
行政は行政としていろんな形で努めておりますが、今、委員からお話があったことにつきまして、日ごろから準備するもの、あとは実際大雨になった場合とかいろんな場面を想定しながら、住民の方もみずからそういうものを意識してもらう、当然、行政側も市町村も含めながらきちんとした対応をしていくということで、両者が一緒になりながら進めていくという形になっていくと思っております。
〇斉藤信委員 私は被災者の住宅再建に絞って三つの柱で質問したいと思います。
一つは、住宅再建の基本方針と現状についてでありますが、平成25年9月推計で、岩手県の住宅復興の基本方針は、災害公営住宅が約6、100戸、持ち家再建が約1万戸から1万1、000戸、持ち家の補修が約3、000戸から3、500戸、賃貸住宅が約3、000戸から3、500戸となっていましたが、現状の進捗状況と計画戸数はどうなっているでしょうか。
〇勝又建築住宅課総括課長 住宅復興の想定戸数についてですが、平成27年9月末時点で推計しますと、災害公営住宅が約5、800戸、持ち家の新規取得が約1万戸から1万1、000戸、持ち家の補修が約3、000戸から3、500戸、賃貸住宅が約3、000戸から3、500戸で、全体を約2万2、000戸から2万4、000戸と見込んでおります。
次に、進捗状況についてですが、ことし9月末現在で、災害公営住宅については2、200戸が完成し、また、被災者生活再建支援金、加算支援金の申請状況から、持ち家の新規取得は6、588件、持ち家の補修は2、978件、賃貸住宅は672件であり、合計で1万2、438件となっております。
〇斉藤信委員 計画の災害公営住宅は被災者の意向を何度も確認していますので、その分で若干減ったと、あとは余り変わりはないということですね。
それで、持ち家再建なんですけれども、実はまちづくりの防集、区画整理、漁集で8、083区画整備されるんです。これは8月末で1、417区画が完成していまして、これから6、666区画が整備をされる。1万戸から1万1、000戸ということになりますと、既に6、588戸は住宅再建しているんですね。そうすると、あと3、500戸から4、500戸なんです。そしたら、まちづくりで整備した区画はかなり余るということになりませんか。ここの整合性はどうなるのか。区画は整備したけれども、防集にしても区画にしても余ったら、これは大変なことですよ。私はそういう意味でこの方針が現状で妥当なのかと、改めてお聞きをします。
それともう一つ、先ほど乖離が大きかったのは賃貸なんですね。3、000件から3、500件の計画になっているんだけれども、実態は672件です。賃貸がそこまで計画でいくのか、これは4年7カ月経過をして余りにも乖離があり過ぎるんじゃないか。この点、計画の妥当性をどう見ていますか。
〇勝又建築住宅課総括課長 まず、区画とそれから想定戸数との開きについてですけれども、この想定戸数はある一定の推計で行っておりまして、その災害公営住宅以外の部分については、統計等の数値からざっくりとした推計を行っているというものです。あと、それから面整備のほうの区画数については、土地区画整理事業のほうでは、それが住宅として使われるか、それともそれ以外の用途で使われるかといったところは考慮しないで一定の割合で区画数を考えておりますので、その辺が推計との差として出てきているのではないかと思います。
あと、賃貸住宅なんですけれども、確かに一番差が大きくなっております。この点は先ほど申し上げましたように、あくまでも推計であるということと、それから、みなし仮設住宅が終わるタイミングで、そのまま住む方というのがそれなりの数で出てくると思います。その際に、賃貸住宅の加算支援金を受け取る方が出てくるのではないかと考えています。
〇斉藤信委員 災害公営住宅は、何度も何度も被災者の意向を確かめてやっているわけです。防集だって区画整理だってそうなんですよ。何度も何度も意向を確認して、そして83区画整備するとなっているんです。だから、もう既に6、580戸は自立再建して、本当にこの計画でやったら、あと3、500戸とか4、500戸ぐらいしか見通しないんだから、これもきちんと見直していかないと私はだめなんだと思います。整備したけれども余りましたとは私はならないと思うので、そこの整合性を。
計画というのは、実態に合わなかったら見直していくということが必要なんです。部長、そう思いませんか。これだけ乖離していたら、この計画は見直すとかやらなければだめなんじゃないですか。
〇蓮見県土整備部長 住宅復興の基本方針で示しました各住宅再建の手法との整合につきましては、復興の進展に伴いましてデータを直接とれるものもございますし、生活再建支援金等のデータから推測するということもできますので、必要に応じて見直していきたいと思いますが、防災集団移転促進事業につきましては、基本的に住居系の高台移転でございますので、戸数と1対1の関係と考えてもいいと思うんですが、土地区画整理事業につきましては、設定したエリアの中で仮換地していくということでございますので、住居ではない部分も相当程度入って戸数が設定されるということになると思いますので、そこの関連といいますか、そのところが非常に難しい話だと思いますので、事業主体の市町村とよく相談していきたいと思ってございます。
〇斉藤信委員 区画整理事業で穴があいたら、まちづくりにならないんですよ。家を建てるのか建てないのか、またはその土地を売りたいのか。
例えば大槌なんかは、区画整理で家を建てる気がない人のところから土地を買い上げて、災害公営住宅をまちなかに整備するとしているわけです。それがまちづくりなんですよ。私はそういう意味で、恐らく市町村はもっと吟味していると思うので、無駄な造成ができないわけだから、私はきちんとそこの整合性を図っていく必要があると、これは指摘しておきます。優しく指摘しておきます。
二つ目は、災害公営住宅の整備についてですが、計画戸数が8月末の資料では5、876戸、9月末では5、766戸と、1カ月間で110戸も減少したんですね。これはどういう被災者の意向調査の結果そうなっているのか。災害公営住宅というのはどんどん減る傾向にあるのか、私はかなり今市町村を吟味して災害公営住宅の建設戸数をやっていると思うけれども、いかがですか。
〇勝又建築住宅課総括課長 計画戸数の減少と被災者の意向についてですが、災害公営住宅の整備戸数や建設場所等の決定に当たっては、市町村が行った意向調査をもとに検討をしており、また、最新の意向調査の結果を踏まえて整備戸数の変更等も行ってきたところです。
8月末から9月末にかけて全体の整備戸数が110戸減ったのは、陸前高田市の今泉地区、長部地区などで計105戸、大槌町の安渡地区で5戸それぞれ減ったことによるものであり、いずれも最新の意向調査や入居希望の状況を踏まえて整備戸数を見直したものです。
〇斉藤信委員 これは岩手日報の調べで、まだ意向が不明だというのが500戸、600戸あるということですから、私はこれまた幅のある話だと思います。自立再建か公営住宅か決め切れないと、こういう状況が被災地にあるし、内陸に避難している方々の中にもあると思います。
それで、二つ目に、木造の災害公営住宅の整備戸数がこの間増加していることは私は大変いいことだと。直近で整備戸数や戸建て、長屋の戸数、そしてその増加要因は何か。私は用地等の条件が合えばさらに木造の戸建て、長屋の災害公営住宅をふやすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
〇勝又建築住宅課総括課長 木造の災害公営住宅についてですが、ことし9月末時点で1、355戸であり、戸建ては941戸、長屋は414戸となっております。
昨年6月末時点のロードマップでは972戸でしたが、増加した要因としては、構造が未定だった地区において木造で建てることが決まったこと、木造以外で建てる予定だった地区において、意向調査を踏まえて木造に変更したことが挙げられます。
現在、既にほとんどの地区で用地、整備戸数、構造等が決まっておりますが、今後も用地に比較的余裕があるなど条件が合えば、木造の災害公営住宅の整備を検討してまいります。
〇斉藤信委員 被災者の方々の8割以上が持ち家で、大きな家で2世帯、3世帯当たり前という生活をしていたので、私は最大限、被災前と同じような住居条件といいますか、そういう形で、条件が合えば、大いに木造の災害公営住宅をふやしていただきたい。
次に、県管理の災害公営住宅では、指定管理者において、ひとり暮らし高齢者への訪問等を行う専門員の職員を配置しているという答弁がありました。何人配置され、そして何人のひとり暮らし高齢者を訪問しているのか。災害公営住宅の入居者の中で、ひとり暮らし高齢者世帯はどれだけなのか、世帯数、率を示していただきたい。あわせて、県管理の災害公営住宅の場合、集会所、支援員の事務室は活用されているでしょうか。
〇勝又建築住宅課総括課長 県営の災害公営住宅の高齢者世帯についてですが、指定管理者が行う高齢者への訪問は3名の専門職員が行っており、33世帯を対象に行っております。また、災害公営住宅の単身高齢者は、9月末時点で76世帯、31.4%であり、また、高齢者世帯は122世帯、44.8%です。
次に、県営の災害公営住宅の集会所等の活用状況についてですが、入居が始まって間もない団地においては集会所が使用されない傾向にありますが、時間を経てコミュニティーが形成されてくると活用が進み、釜石市の平田団地や山田町の豊間根団地では、週1回から2回程度使用されていると聞いております。
また、支援員の事務室については、今月中には事務机や書棚の設置が完了しますので、今後、管理人や支援員等による利用が進むものと期待しております。
〇斉藤信委員 今月中というときょう、あしたということなので、やっと集会所や事務室にそういう最低限の机や椅子やカーテンやストーブが設置されるということなので、私は本当にこれを軸にして、災害公営住宅のコミュニティーの確立に全力を挙げていただきたいと。県管理の場合には少ないけれども、3人の専門職員が、そういう見守りをやっているというので、ぜひこの拡充を求めたいと思います。
それで、既に入居が始まっているところでも空き室がありますし、今答弁があったように、高齢者世帯が44.8%占めているんですよ。だから5年、10年たったら空き室になりかねない。この場合、こうした空き室は、本来の県営住宅として転用して活用できるのか。最初から空き室の場合、そして一度入って入居者が亡くなったということも高齢化の中で想定されるわけですが、この空き室というのは、県営住宅に転用して、引き続き活用できるものなのかどうか示してください。
〇勝又建築住宅課総括課長 災害公営住宅で被災者の方が退去されて空き室になったもの、それから当初から空き室だったもの、これは、いずれは県営の公営住宅として管理をすることができます。(斉藤信委員「すぐ使えるのか。」と呼ぶ)
〇勝又建築住宅課総括課長 制度上は、東日本大震災の発災から3年を経過すると、そういう使用が可能ということになっておりますので、既に現時点でも制度上は可能ということになっております。ただ、今現在、災害公営住宅を建設している途中ですので、その建設をしながら、一方では、被災者を入れないで一般の低所得者の方を入れたりすると、これは今建てているものが無駄なのではないかという指摘を受けますので、この災害公営住宅の整備事業がある程度終わる一定の時期になってから、通常の県営住宅に切りかえたいと考えております。
〇斉藤信委員 わかりました。災害公営住宅でおくれているのが、区画整理の中につくる災害公営住宅なんです。ある意味でいくと、町場の災害公営住宅が一番おくれるということもありますから、そこがかえって減らされるということになったらこれは被災者の希望にも合わないので、そこは上手にやっていただきたい。
最後ですけれども、被災者の自立再建について。
区画整理事業、防災集団移転事業における整備区画数と完了箇所における住宅再建の状況は把握されているでしょうか。今後の住宅再建整備の予定数はどうなっているでしょうか。
9月末で被災者生活再建支援金受給者のうち、6、588件が住宅を建設、購入となっていますが、地元の建設業者の建設戸数、岩手県地域型復興住宅の建設戸数はどうなっているでしょうか。
〇勝又建築住宅課総括課長 区画整理事業、防災集団移転事業における住宅再建の状況についてですが、完了箇所において実際にどれだけの住宅が建っているかについては具体的な数字を把握しておりませんが、両事業の整備区画数は全体で7、615区画を計画し、ことし8月時点で1、226区画の供給が完了しており、今後6、389区画が供給される予定となっております。
地元の建設業者の建設戸数等についてですが、加算支援金、建設購入の受給者が、どの建設会社で住宅を再建したのかは把握していないため、地元の建設業者による建設戸数は不明となっております。
また、地域型復興住宅推進協議会の生産者グループによる建設戸数は、同協議会事務局の推計によれば、平成26年度末までで1、777戸となっております。
〇斉藤信委員 これで最後にしますが、防集は大体ほとんどのところでめどがついたと。今年度中には防集はほとんどが整備をされると思います。区画整理が少しおくれますけれども、本当に自立再建はこれから本番なんですね。私はこのときに資材高、そして消費税も入って、大体今、地域型の復興住宅は1、777戸ですけれども、これは6、588戸の27%弱です。私はそれなりに健闘していると思います。ただ、7割以上は大手ハウスメーカーなんだと思うんです。これが大体私が聞く範囲では、坪70万円から80万円、100万円という話も出るぐらいなので、この住宅再建を私はしっかり支援していくことが必要ではないのか。7割以上は大手ハウスメーカーが恐らく建設していると思われるので、こういう実態も把握をしていく必要があるのではないか。そして、住宅再建に対するさらなる支援も検討すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇勝又建築住宅課総括課長 大手ハウスメーカーによる住宅再建についてですが、先ほども申し上げましたが、被災された方がどの建設会社で住宅を再建したのかは把握しておりませんので、そのかわりに住宅着工統計によりますと、平成26年度の岩手県全体の持ち家の着工戸数は4、433戸でございまして、そのうち大手ハウスメーカーのみが扱っているプレハブ工法によるもの、これは242戸ということで5.5%でした。
先ほど加算支援金の受給者6、588件のうち生産者グループが1、777件と、それ以外は全部大手ハウスメーカーなどではないかという御指摘をいただきましたけれども、大手ハウスメーカーもあるんですけれども、それ以外にも岩手県内の中堅のデベロッパーですとか、あとは中古住宅を購入された方も中には含まれておりますので、実際の比率としてはもう少し高いものになっていると思います。
それから、支援についてですけれども、今までも県ではマッチングサポート制度ですとか無料の宿舎貸与によって、できるだけ安価に被災者の方々が住宅再建できるような取り組みを進めてまいりましたけれども、これからも地域型復興住宅推進協議会の活動を支援しながら、取り組みを続けていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 私が7割以上と言ったのは、被災地の実態を踏まえて大体そういう認識ですよ。地元の建設業者の方々の受けとめは。大手ハウスメーカーというのは、被災者の全世帯に何度もダイレクトメールを送ってやっているんですね。営業活動が全然違うので、私は7割以上は大手ハスウメーカーと見るのが妥当だと。それで、大いに岩手県の大工さん、建設業者に頑張ってもらいたい。これから本番を迎えるときに、新聞報道では、全国建設労働組合総連合とか全国の中小の建設業者と連携してそういう体制をつくるんだということもありましたので、その取り組みがどうなっているか、これを最後に聞いて終わります。
〇勝又建築住宅課総括課長 岩手県のマッチングサポート制度は去年の6月から行っておりますけれども、これから住宅再建のピークを迎えるに当たりまして、岩手県内の職人だけでは手が足りなくなるであろうということで、全国建設労働組合総連合と、あとそれから一般社団法人JBNと協議をしてきまして、もし岩手県内で職人が足りないときには、声をかけてくれれば、登録されている職人の方を県外から派遣しますというお約束をいただきまして、今月からその拡大版のマッチングサポートを開始したところです。
〇郷右近浩委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇郷右近浩委員長 質疑がないようでありますので、県土整備部関係の質疑をこれで終わります。
県土整備部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、お諮りいたします。当委員会に付託されました決算15件及び議案2件について、その意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において世話人会で御協議願い、その結果を待って委員会を開き、結論を出すことにしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇郷右近浩委員長 御異議なし認め、さよう決定いたします。
この際、意見の取りまとめのため暫時休憩いたします。
午後2時35分 休 憩
午後5時6分 再開
〇郷右近浩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
決算15件及び議案2件に対する世話人会の意見を取りまとめましたので、その結果を御報告申し上げます。
議案第47号平成26年度岩手県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについて及び議案第48号平成26年度岩手県工業用水道事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについての2件は、それぞれ原案を可とすることといたした次第であります。
次に、認定第1号平成26年度岩手県一般会計歳入歳出決算については、次の意見、すなわち、平成26年度における本県財政は、景気が緩やかな回復傾向にある中で、企業収益の改善及び復興需要を背景とした県税収入の持ち直しがあったものの、復旧、復興事業の本格化に伴い土木費、農林水産業費等が増加し、厳しい運営を迫られたものとなった。
また、平成26年度末の普通会計における県債残高は1兆4、729億円余と前年度末に比べ420億円余減少したものの、一般財源の規模に占める公債費の割合を示す実質公債費比率が20.4%であり、地方債の発行に当たり国の許可が必要となる基準を超える状況が続いているところである。
さらには、依然として高い水準で推移する県債の償還や社会保障関係経費の増加等により、これまでにも増して厳しい財政運営を強いられることが予想される。
このような中、県では、平成26年度を本格復興推進年と位置づけ、東日本大震災津波からの復旧、復興に向けた事業を最優先に取り組んできたところであるが、さきに県が公表したいわて復興レポート2015によれば、県民の復興に対する実感は、進んでいるという回答がふえてはいるものの、おくれている、ややおくれているという回答が依然として半数を超えていることから、県民がより一層、復興を実感できる取り組みが求められる。
したがって、今後の財政運営に当たっては、県民が復興を実感できるよう、本格復興をさらに加速するため、復興を担う人材の確保など体制面を強化しつつ、国との連携による一層の財源の確保や、あらゆる角度からの歳入確保に全力を傾け、徹底した歳出の見直し、より効果的な事業の選択など、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努められたい。
また、緊急雇用創出事業等における一連の事案から得られた教訓を今後に生かし、厳正かつ適切な業務運営に万全を期されたい。
あわせて、このような認識のもと、東日本大震災津波からの一日も早い復興はもとより、人口減少対策を含むふるさと振興、厳しさを増す医療、介護、福祉の充実、学校現場におけるいじめ対策の充実、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の成功など、喫緊の重要課題に対する具体的な取り組みを着実に推進されたい。
なお、政策等の評価の実施に当たっては、政策等の成果をより適切に評価し、課題解決につながるような指標に見直すなど、評価の実効性を高めるよう改善を図られたい。
平成28年度予算編成に当たっては、以上のことを踏まえ、適切に取り組まれたいとの意見を付し、認定することとし、認定第13号平成26年度岩手県立病院等事業会計決算については、次の意見、すなわち、医療を取り巻く環境が一層厳しさを増す状況にありながらも、医療の近代化、高度化を積極的に推進し、公的病院及び地域医療の中核医療機関として、その使命を果たしてきた努力は評価するところである。
平成26年度の経営収支は、地域の医療機関との役割分担や連携を進めたこと等による在院日数の短縮、薬剤処方日数の伸び等による通院回数の減少などにより、入院、外来患者数が減少したものの、診療報酬改定による診療単価の伸び、新たに開発された抗がん剤等の治療薬や内視鏡検査件数の増加などにより、経常損益において5年連続して黒字を計上するなど、経営努力が認められる。
一方、新たな地方公営企業会計基準に対応するため、退職給付引当金の一括計上や旧病院等に係る減損など286億4、667万円余を特別損失としたことから、総収支は273億6、622万円余の純損失となり、累積欠損金が437億7、038万円余に増加している。
このような状況において、引き続き、医師、看護師等の確保及び定着支援策を推進し、診療科の偏在の解消、適正な医療資源の配置等、良質な医療を提供できる環境を整備するとともに、他の医療機関との連携促進など、地域医療を支える体制のさらなる強化が期待されており、特に、被災沿岸3病院の再建については、早期の開院に向けた着実な取り組みが望まれる。
今後の事業運営に当たっては、岩手県立病院等の経営計画2014-2018を着実に実行し、医業収益の確保はもとより、病床の適正管理、材料費の抑制、医療費に係る個人未収金の縮減、施設、設備の効率的な整備などにより、引き続き経常利益の確保に努めるとともに、地域医療構想の策定や新たな公立病院改革ガイドラインなどによる経営を取り巻く環境の変化にも対応し、経営計画に掲げる安定した経営基盤の確立に向けた取り組みを、なお一層、積極的に推進されたいとの意見を付し、認定することとし、認定第2号から認定第12号まで、並びに認定第14号及び認定第15号の13件は、認定することといたした次第であります。
これより採決いたします。
お諮りいたします。議案第47号及び議案第48号の2件について一括して採決いたします。
各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇郷右近浩委員長 起立全員であります。よって、議案第47号及び議案第48号の2件については、原案を可とすることに決定いたしました。
次に、お諮りいたします。認定第1号及び認定第13号については、先ほどの意見を付し、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇郷右近浩委員長 起立全員であります。よって、認定第1号及び認定第13号の2件については、ただいまの意見を付し、認定することに決定いたしました。
次に、お諮りいたします。認定第2号から認定第12号まで、並びに認定第14号及び認定第15号の13件について認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇郷右近浩委員長 起立全員であります。よって、認定第2号から認定第12号まで、並びに認定第14号及び認定第15号の13件については、認定することに決定いたしました。
以上をもって当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。委員各位の御協力に対し深く感謝を申し上げます。
これをもって決算特別委員会を閉会いたします。(拍手)
午後5時15分 散 会

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