平成27年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成27年10月29日(木)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 菊 池   満
議事管理担当課長 渡 辺 謙 一
主任主査 中 村 佳 和
主任主査 藤 澤 壮 仁
主査 柳 原   悟
主査 田 内 慎 也
主査 菊 地 友 和
主査 菊 池   智
1説明員
教育長 高 橋 嘉 行
教育次長兼
学校教育室長 川 上 圭 一
教育次長兼
教育企画室長 田 村 幸 義
教育企画室特命
参事兼企画課長 菊 池 正 勝
予算財務課長 滝 山 秀 樹
学校施設課長 宮 澤 寛 行
学校企画課長 石 田 知 子
首席指導主事兼学
力・復興教育課長 小野寺 哲 男
首席指導主事兼
義務教育課長 藤 岡 宏 章
首席指導主事兼
高校教育課長 岩 井   昭
高校改革課長 木 村   久
首席指導主事兼
特別支援教育課長 民部田   誠
首席指導主事兼
生徒指導課長 大 林 裕 明
生涯学習文化課
総括課長 松 下 洋 介
文化財課長 斎 藤 邦 雄
首席指導主事兼
スポーツ健康課
総括課長 八 木 浩 之
教職員課総括課長 今 野 秀 一
首席経営指導主事
兼小中学校
人事課長 佐 藤   進
特命参事兼
県立学校人事課長 山 形 守 平

国体・障がい者
スポーツ大会局長 岩 間   隆
副局長兼
総務課総括課長 小 友 善 衛
副局長 泉   裕 之
施設課総括課長 安 部 光 一
競技式典課
総括課長 藤 澤 敦 子
首席指導主事兼
特命参事 中 島   新
障がい者スポーツ
大会課総括課長 工 藤 啓一郎

会計管理者 紺 野 由 夫
出納指導監 田 中 耕 平

監査委員 吉 田 政 司
監査委員 工 藤 洋 子
監査委員事務局長 菊 池   寛
監査第一課
総括課長 小 倉   茂
監査第二課
総括課長 村 上 博 和

財政課総括課長 熊 谷 泰 樹
〇郷右近浩委員長 これより本日の会議を開きます。
伊藤勢至委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
これより議事に入ります。
認定第1号から認定第15号まで、並びに議案第47号及び議案第48号の以上17件を一括議題といたします。
本日は、教育委員会、国体・障がい者スポーツ大会局関係について、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
最初に、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。
〇高橋教育長 それでは、平成26年度の教育委員会関係の決算について御説明申し上げます。
初めに、教育委員会が所管する事務事業の昨年度の総括的な取り組みと今後の取り組み方針等について御説明申し上げます。
教育委員会におきましては、東日本大震災津波からの教育の復興といわて県民計画の着実な推進の二つを大きな柱として、学びの場の復興と県民計画に掲げる人材・文化芸術の宝庫いわての実現に向けて、学校教育、社会教育、生涯学習、文化芸術、スポーツの各分野において施策の重点化を図り、本県の教育振興に取り組んできたところであります。
いわて県民計画第2期アクションプランにおける教育・文化のそれぞれの政策項目ごとに、その概要を申し上げます。
家庭・地域との協働による学校経営の推進につきましては、各学校の経営改善の意識が高まり、学校評価の取り組みが定着してきているところであります。今後は、評価結果を活用した具体的な取り組みを学校組織全体で進めるほか、評価結果、改善方策の家庭、地域との共有や、まなびフェストと教育振興運動の連携など、家庭、地域との協働による目標達成型の学校経営の充実に取り組んでまいります。
また、県内全ての学校において取り組まれているいわての復興教育の定着を図り、より一層充実したものとしていくため、防災教育を中核とした地域連携型の実践的な取り組みを推進してまいります。
児童生徒の学力向上につきましては、各学校において学習状況に関する諸調査の活用が進み、よりわかりやすい授業の実施に向けた授業改善の取り組みが進められているところであります。今後は、これを教科横断的に学校組織全体としての取り組みにつなげていくほか、小・中・高の校種間連携を強化するなど、総合教育センターや本年度学校教育室内に新設した学力・復興担当を中心に、関係機関が一体となって、児童生徒の学力向上対策に取り組んでまいります。
また、子供たちに、グローバル化の進展や地域社会の変容など、変化の激しい社会を生き抜く力をしっかりと身につけさせるため、国際的な視野の涵養や職業観の向上など、キャリア教育の充実を図ってまいります。
豊かな心を育む教育の推進につきましては、震災の影響により心にダメージを受けた子供たちに対する心理面でのサポートを行うため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を拡充し、子供たち一人一人に寄り添ったサポート体制を構築してまいりました。今後におきましても、引き続き、長期化、多様化する子供たちの支援ニーズに的確に対応していくため、関係機関と連携しながら教育相談体制の充実に取り組んでまいります。
また、本県の中学生が、いじめを一因としてみずからの命を絶つという痛ましい事案の教訓を踏まえ、失われた命の尊厳を起点として、岩手で同様の事案を二度と起こさせないという強い信念のもとに、学校関係者が一体となった対策を講ずるほか、自他の命を大切にする教育をより一層充実してまいります。
健やかな体を育む教育の推進につきましては、スクールバス通学や生活習慣の多様化、被災地における運動活動場所の制限などに対応するため、運動能力調査結果を活用した授業改善や各学校の実態に応じた運動プログラムの工夫を進めてまいりました。今後におきましても、希望郷いわて元気・体力アップ60運動をキャッチフレーズに、なお一層、学校、家庭、地域が連携し、子供たちが運動やスポーツに親しむことのできる環境づくりに取り組んでまいります。
特別支援教育の充実につきましては、交流籍を活用した地域の小中学校との交流や共同学習の実施、一般就労に向けた企業との連携などを進めてまいりました。今後におきましても、このようなインクルーシブ教育の取り組みを推進するとともに、特別な支援を必要とする児童生徒の増加に対応するため、教室不足の解消などに努めていくほか、ICTの導入や就労サポーター制度の活用など、特別支援教育の充実に向けた取り組みを進めてまいります。
生涯を通じた学びの環境づくりにつきましては、50周年の節目を迎えた教育振興運動の活性化に取り組むほか、被災地の学習活動支援に継続的に取り組んでまいりました。今後におきましては、本年度からの新たな全県共通課題として設定した情報メディアとの上手なつき合い方の取り組みの促進を図るほか、社会教育事業の充実や地域人材の育成に引き続き取り組んでまいります。
文化芸術の振興につきましては、被災した文化財の復旧、郷土芸能団体の活動再開への支援に取り組むとともに、平泉の文化遺産の拡張登録、明治日本の産業革命遺産、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた関係自治体と連携した取り組みを進めてまいりました。今後は、平泉に続き本年7月に本県二つ目の世界遺産登録となった橋野鉄鉱山を含め、登録された遺産の保存管理や普及啓発を一層促進するとともに、さらなる遺産登録に向けた取り組みを進めてまいります。
豊かなスポーツライフの振興につきましては、各競技団体との連携のもと、希望郷いわて国体に向けた選手育成、強化、スポーツ医・科学サポートの充実に取り組んでまいりました。その結果、本年度の紀の国わかやま国体においては、目標としていた天皇杯順位10位台を達成したところでありますが、今後は、希望郷いわて国体における上位入賞を果たすため、一層の取り組みの強化を図るほか、国体開催後の2020年東京オリンピックの開催なども見据え、中長期的な視点に立ったスポーツ振興に取り組んでまいります。
また、地域に根差したスポーツ振興を図るため、総合型スポーツクラブや地域スポーツ指導者の一層の育成にも取り組んでまいります。
以上、総括的な取り組みと今後の取り組み方針について御説明を申し上げました。
続きまして、決算額等について御説明申し上げます。
お手元の平成26年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。昨年度の教育委員会所管に係る一般会計の予算現額は、10款教育費1、446億2、340万円余のうち、総務部所管である1項教育総務費の一部、16ページに参りまして、8項大学費及び9項私立学校費を除いた1、338億8、289万円余と、次の11款災害復旧費6項教育施設災害復旧費37億9、188万円余のうち、総務部所管予算を除いた37億5、837万円余を合わせた1、376億4、127万円余であります。これに対する支出済額は総額1、363億8、278万円余、翌年度への繰越額は2億7、958万円余となっており、翌年度繰越額を除いた執行率は99.3%であります。この結果、県の一般会計決算額に占める教育委員会関係の決算額の割合は13.9%となるものであります。
以下、個々の内容につきましては、便宜、お手元の平成26年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
決算事項別明細書の314ページをお開き願います。備考欄に記載しております主な事業等について御説明いたしますが、事業ごとの金額については省略させていただきますので、御了承をお願いいたします。
10款教育費の1項教育総務費でありますが、1目教育委員会費の支出済額1、638万円余は、教育委員会の運営に要した経費であります。2目事務局費の支出済額26億9、570万円余の主なものは、事務局職員人件費等の管理運営費のほか、東日本大震災津波により被災した幼児児童生徒の就園機会や就学機会を確保するため、市町村が行う被災幼児就園支援事業及び被災児童生徒就学援助事業に要した経費への補助、親御さんを失った児童生徒等に奨学金の給付を行ったいわての学び希望基金奨学金給付事業費であります。316ページをお開き願います。3目教職員人件費の支出済額90億9、990万円余の主なものは、教職員健康診断等の人事管理費、児童手当、退職手当の支給に要した経費であります。4目教育指導費の支出済額11億2、576万円余のうち、教育委員会所管分11億2、570万円余の主なものは、震災により心にダメージを受けた幼児児童生徒や、学校不適応の生徒を支援するためスクールカウンセラーの配置などを行った児童生徒健全育成推進費、318ページに参りまして、県立学校等をICTで結ぶいわて教育情報ネットワーク運営費、特別な支援を必要とする児童生徒のため支援員や看護師の配置などを行った特別支援教育推進事業費、県立学校における進学対策講座の開催や各学校の進学指導の取り組みを支援したいわて進学支援ネットワーク事業費、県立学校等における実践的な外国語指導を行った外国語教育推進事業費、新規高卒者の求人開拓や就職支援を行った就職支援相談補助員配置事業費、公立小中学校及び県立学校の特色ある復興教育の活動を支援したいわての復興教育推進支援事業費、小中学校の学力向上対策などを行った指導運営費であります。5目教育センター費の支出済額4億2、795万円余は、総合教育センターの管理運営に要した経費であります。320ページをお開き願います。6目恩給及び退職年金費の支出済額1億1、404万円余は、恩給及び扶助料などの支給に要した経費であります。
次に、2項小学校費でありますが、1目教職員費の支出済額456億3、003万円余の主なものは、教職員の人件費、旅費、多人数学級などに非常勤講師を配置したすこやかサポート推進事業に要した経費であります。
次に、3項中学校費でありますが、1目教職員費の支出済額277億6、707万円余の主なものは、教職員の人件費、旅費であり、2目学校管理費の支出済額647万円余は、一関第一高校附属中学校の管理運営に要した経費であります。
322ページをお開き願います。4項高等学校費でありますが、1目高等学校総務費の支出済額301億1、509万円余の主なものは、教職員の人件費、旅費のほか、県立高等学校教育の在り方検討委員会の運営等に要した経費、被災した高田高校の仮校舎への通学バスの運行に要した経費であります。2目全日制高等学校管理費の支出済額15億5、695万円余及び、324ページに参りまして、3目定時制高等学校管理費の支出済額5、318万円余は、県立高等学校の管理運営に要した経費であります。4目教育振興費の支出済額19億8、363万円余の主なものは、県立高等学校に係る産業教育設備、情報処理教育設備などの整備費、農業実習や共同実習船運航のための教育実験実習費、公益財団法人岩手育英奨学会に対する高校奨学事業費補助、326ページに参りまして、被災した生徒へ教科書購入などに要する経費の一部を給付したいわての学び希望基金教科書購入費等給付事業費、高校の授業料制度が変わったことによる公立高等学校等就学支援金交付事業費であります。5目学校建設費の支出済額11億1、754万円余の主なものは、花巻農業高校の耐震改修などを行った校舎建設事業費、不来方高校のエレベーター設置などを行った校舎大規模改造事業費であり、繰越明許費356万円は、県立高校の太陽光発電設備工事に係る経費の一部を繰り越したものであります。6目通信教育費の支出済額580万円余は、通信教育の管理運営に要した経費であります。
次に、5項特別支援学校費でありますが、1目特別支援学校費の支出済額104億2、244万円余の主なものは、教職員の人件費等の管理運営費のほか、盛岡となん支援学校の移転整備などの施設整備費であり、繰越明許費1、165万円余は、花巻清風支援学校の作業実習棟整備に係る経費を繰り越したものであります。
328ページをお開き願います。6項社会教育費でありますが、1目社会教育総務費の支出済額13億1、085万円余の主なものは、県立青少年の家の管理運営費、子供たちの放課後の安全・安心な居場所づくりや、地域の学びの場を中心とする地域コミュニティの活性化支援を行った学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業費、社会教育に係る職員人件費などの指導運営費であり、繰越明許費3、060万円余は、県立青少年の家の受変電設備の更新に係る経費を繰り越したものであります。330ページをお開き願います。2目文化財保護費の支出済額5億9、199万円余の主なものは、指定文化財の保存、修理に対する補助や、大震災により被災した文化財の修理等の支援を行った文化財保護推進費、被災地における埋蔵文化財調査の支援を行った遺跡調査事業費、釜石市の橋野鉄鉱山の世界遺産登録に向けた取り組みなどを行った世界遺産登録推進事業費であり、繰越明許費150万円は、文化財保護事業費補助に係る経費を繰り越したものであります。3目芸術文化振興費の支出済額2億6、465万円余の主なものは、青少年へのすぐれた芸術鑑賞機会の提供などを行った芸術文化振興事業費、県民会館の管理運営費であります。332ページをお開き願います。4目図書館費の支出済額3億2、102万円余は、県立図書館の管理運営に、5目博物館費の支出済額3億2、621万円余は、県立博物館の管理運営に、6目美術館費の支出済額4億7、474万円余は、県立美術館の管理運営に要した経費であります。
334ページをお開き願います。7項保健体育費でありますが、1目保健体育総務費の支出済額6億6、227万円余の主なものは、県立学校児童生徒の健康診断などの保健管理費、学校管理下における生徒の災害に係る共済の掛金及び給付金、特別支援学校等の学校給食食材の放射性物質濃度測定を行った児童生徒放射線対策支援事業費、保健体育及びスポーツ振興に係る職員人件費などの指導運営費であります。2目体育振興費の支出済額5億6、909万円余の主なものは、小学校体育指導者の授業力向上や、被災地域の部活動に係る移動バス借り上げなどを行った児童の体力向上推進事業費、県民体育大会の開催事業費及び国体等への選手団派遣、岩手県体育協会等への選手強化補助及びスーパーキッズの発掘、育成を行った競技力向上対策事業費、第71回国民体育大会、希望郷いわて国体に向けた選手強化事業費、336ページに参りまして、被災した生徒の運動部活動の県大会や東北大会等への参加に要する経費を補助したいわての学び希望基金被災地生徒運動部活動支援費補助であります。3目体育施設費の支出済額7億6、374万円余の主なものは、県営体育施設の管理運営及び施設設備整備、第71回国民体育大会で使用する施設の整備に要した経費であり、繰越明許費2億2、832万円余は、県営体育施設の改修に係る経費の一部を繰り越したものであります。
次に、ページを飛びまして、350ページをお開き願います。最後でございますけれども、11款災害復旧費の6項教育施設災害復旧費でありますが、1目学校施設災害復旧費の支出済額37億886万円余のうち、教育委員会所管分に係る支出済額は36億7、536万円余で、大震災により被災した高田高校、県立学校漁業共同実習船など、県立学校施設の災害復旧に要した経費であります。2目体育施設災害復旧費の支出済額200万円余でありますが、平成25年9月の大雨被災の県立御所湖広域公園艇庫の災害復旧に要した経費であり、繰越明許費394万円余は、その工事費の一部を繰り越したものであります。
以上で説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇郷右近浩委員長 これより質疑を行いますが、本日は延べ23人の質問者が予定されております。世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いするとともに、決算の審査であることを踏まえ、当該年度の決算に関する質疑とするようお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇小野共委員 私からは、本県の小・中・高校生の英語力の向上についてお伺いしたいと思います。
平成32年度から、既に御存じのとおりでありますように、小学校5、6年生は英語が一つの教科となりますし、3、4年生から外国語活動と呼ばれるものが始まるわけであります。
先日、教育委員会からいただいた資料によりますと、小学校の教師で英語の免許状を持つ─いわゆる英語免状ですね─教員数の割合は、平成26年度で、県内は全国とほぼ同じ5.5%という資料をいただきました。総人数が4、162人いる中で227人ということだそうです。プラスALTが県内の小学校に91人いるということであります。
全国的に英語教育に向けて国を挙げて一斉に動き出している状況なんだろうと思いますけれども、この体制で平成32年度からの小学校教育に対応できるものなのか、率直にお伺いしたいと思います。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 小学校教員の英語免許取得は、今、小野委員が御指摘のとおりでございまして、全国的に低い状況にあります。
しかしながら、英語教育の推進には教員の指導力向上が欠かせないことから、県教育委員会といたしましては、本年度から2年間は、外国語活動の指導の充実を目指した研修を開始したところであります。
また、平成29年度からの2年間は、教科としての英語の指導の充実を狙いとした研修を計画しており、次の学習指導要領に向けた各学校の指導体制づくりに努めてまいります。
小学校のALTの活用についてでございますが、市町村教育委員会において、各小学校の指導の現状を踏まえ、効果的な活用や新たな任用についても検討していただけるよう働きかけてまいります。
〇小野共委員 小学校の先生たちの研修会というものが、恐らく答弁の中に出てくるんだろうと思っておりましたが、出てこなかったので、私から言いますが、今、文部科学省主催で全国的に研修会を開催しておりますね。それに各都道府県から何人かの先生を、英語の小学校なりの先生を派遣して、その小学校の先生が全国から集まって、外部の団体も入れた文部科学省主催の研修会に行った先生を各都道府県に戻らせて、今度は、県内で九つの圏域ごとに英語の小学校に対する研修会を行うという話になっているようでありますが、ここで私がとても不安になってくるのは、やっぱりそうなってくると、英語教育の先生のレベルの均てん化をどう確保していくのか、どういうふうに担保していくのかという話になっていくんだろうと思います。
それぞれの都道府県から行った先生が、それは経験者が行くんでしょうけれども、英語の免状を持った人たちが行くにしても、それぞれの都道府県に帰ってきて、その人が、独自にそれぞれの都道府県内の小学校の先生に教えると。私、これはかなり不安なんですが、本当に都道府県ごとの差というものが出ないのだろうかと。
そして、岩手県内においても、教える人のレベルあるいは研修会に参加した小学校の先生たちのレベルによって、それぞれの小学校の英語の教育にレベルの違いが出ないんだろうかと。これは果たしてどういうふうに改善していくのだろうかというのがとても不安なんでありますが、その見解を聞かせていただきたいと思います。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 今お話しされたように、文部科学省が主催する研修会に全国の都道府県から選ばれた教員が集まって、その教員が各都道府県に散らばって研修を行う。その際、岩手県では六つの教育事務所ごとに集まって研修を行う。そこに研修に来た先生方が、各学校に戻って自分の学校で研修を行っていくというシステムをとっておるんですが、その際、それぞれの先生方の英語の力あるいは指導の力というのは差があるかと思いますが、その差を埋めるように、さまざまな研修の機会をとったり、あるいは市町村教育委員会、教育事務所の指導主事が訪問するなどして均質化を図ってまいりたいと考えております。
〇小野共委員 それができれば、何も不安に思わないわけですからそれでいいんでしょうけれども、最終的には、小学校の英語の教員に英語の免許を取らせるであるとかといった方向にやっぱりなっていくんだろうと思いますので、その辺は、再三申し上げますとおり、レベルの均てん化というところにきっちりと取り組んでいただきたいと思うところであります。
続いて、6月に公表されました生徒の英語力向上推進プランであります。
このプランによりますと、政府のほうで、それぞれの都道府県で英語教育改善プランなるものをつくってもらって、このプランの中に、それぞれの都道府県の生徒の英語の目標を設定するということになっております。
全国の目標によりますと、平成36年度までに中3の英検3級の割合を70%、高3の英検準2級の割合を70%にする、これが国のプランですね。
本県では、気になって調べました。これもデータをいただきましたところ、平成26年度の時点での県内の中3が、英検3級で、国の目標70%に対して38.1%、高3が、国の目標70%に対して、県内の高校3年生の英検準2級の割合31.9%。これをどうやって国の目標の70%に近づけるかということなんだろうと思います。
今回、今年度末までに策定のプランに数値目標を設定し、それを入れなくてはいけないということになっていると思いますが、平成36年度、今から10年後の70%という目標に対しまして、県が今年度末までに策定する目標設定はどういうことになっているのかということをお聞きしたいと思っておりますし、現在の策定の改善プランの進捗状況を聞かせていただきたいと思います。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 このプランにつきましては、文部科学省が平成27年6月にその概要を公表し、先月、各都道府県教委に対し、平成36年度を見据えて、平成29年度までのプランを本年度中に策定するように通知があったものでございます。
本県における数値目標は、現段階では、国の平成25年度から平成29年度の第2期教育振興基本計画に基づくとともに、本県の中3の英検3級取得割合38.1%、全国よりプラス3.5ポイントでありますが、高3の準2級取得割合31.9%、これは全国と同等なのですが、これらを踏まえ平成29年度の数値を設定しているところでございます。中3、高3どちらも、全国の目標値である50%を1ポイント上回る51%と設定しておるところでございます。
その目標を達成するため、高校生のイングリッシュキャンプであるとか英語ディベート大会を実施しているほか、中高の英語を担当する教員を対象として、昨年度から5年間の計画で指導改善研修会を実施し、生徒の4技能のバランスのとれた英語力の育成に努めております。
今後におきましても、現在の取り組みを見直しつつ、英語力の向上に向けて、本年度中に本県におけるプランの策定に取り組んでまいります。
〇小野共委員 平成36年の70%に向かって、この平成29年度末までの目標で51%と。きっちりと取り組んでいただきたいと思います。
関連いたしまして、当然、先ほど来答弁がありました教員の育成と確保というものが、やはり一つの課題になってくるんだろうと思います。再三、去年あたりから質問しているところでありますが、教員のレベルの向上という話なんだろうと思います。平成26年度の英検準1級の取得割合、これもまた先日資料をいただきましたが、英語教師の中で準1級を持っている中学校教師の割合が13.3%で、47都道府県中最下位だという話がありました。高校の教師が、これも英語教師の中で43%、4割ぐらいということで、これは47都道府県中43位という結果が出ました。
これをどういうふうに上げていくのかという話なんだろうと思います。生徒の英語力の向上と同時に、これをどうやって上げていくのかという話が1点お聞きしたいのと、これは、今回策定の教育改善プランに先生の準1級のレベルを上げるという話は入っているんですか。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 プランの中に教員の英語力についても国として示されていることではあります。それとともに、本県では、機会があるごとに英語の資格を取るように奨励しているところでございますが、あわせて、教員の資格とともに、英語ができるからいい先生かというと、そういうことでもない場合がありますので、教員の資格とともに、生徒に英語を使わせることができる指導力ということもあわせて重視しております。
現在、同調査によりますと、授業時間の半分以上を英語で行っている教員の割合は、中学校で49%、高校で80%となっており、全国平均と同等かそれ以上の数値となっているところでございます。
〇小野共委員 去年も同じ質問をしたときに、やっぱり同じ答弁だったんですね。準1級の取得割合が低くても英語で授業できるからいいんだというような話でありましたけれども、英語で授業をしている先生の割合が高いと、それはそれでいいんだろうと思います。それにしても、先生が英検の試験を受けたこともないのに、どうやって教えるのかと、単純にそういったようなこともあると思います。まず、先生に英検を受けてもらいたいと。そこから始まるんだろうと思います。これも、やっぱり検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
スーパーグローバルハイスクールの話をお聞きしたいと思いますが、この3月ですか、盛岡一高がスーパーグローバルハイスクールに2年越しで認定を受けました。盛岡中央高校がアソシエート校、いわゆる協力校になるということでありますし、平成28年度には、どうももうスーパーグローバルハイスクール認定の募集をしないというような、不明であったところが、25校新たに募集するというような話があったみたいですが、候補が黒沢尻北高校と盛岡中央高校。
盛岡中央高校は私立ですので、それはさておき、黒沢尻北高と盛岡一高、これは、スーパーグローバルハイスクールの県内の候補というものに基本的にどういうふうに県教委のほうでかかわっているのか、それを聞かせていただきたいと思います。何で盛岡一高と黒沢尻北高になったのか、どういうふうに選んだのか、県教委のほうはどういうふうに関与しているのかを聞かせていただきたいと思います。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 このSGH─スーパーグローバルハイスクール事業は、将来、国際的に活躍できるグローバルリーダーの育成を図ること等を目的に平成26年度から始まった事業でありますが、立候補に当たりましては、県教委として、県立学校に対し、毎年開催される県立学校長会議の場で事業内容を説明し、希望がある場合は県教委に申し出る旨、通知しております。これまでには、盛岡一高と黒沢尻北高が申請した経緯がございます。
申請に当たっては、県教委のかかわりといたしましては、他県の情報提供を含め当該校と事業構想についての協議を行い、申請にかかわる支援をしてきたところです。結果として、盛岡一高が、昨年度のアソシエート校の指定を経て、本年度、SGH校として指定されたところでございます。
〇小野共委員 県北沿岸の議員といたしましては、従来、内陸との、あるいは教育の格差なりの是正ということをずっと訴えてきたわけです。県内に教育圏域、九つのブロックがあることも存じておりますし、例えばその振興局体制にしても、四つの広域振興局から成っております。それぞれの地域に、では、今度はここからでありますとか、こっちは立候補していただきたいとかといったような県教委の方針というか方向性とかというものを、県土の均衡ある教育レベルの発展に対する教育委員会の方向性とかやる気とかをやっぱり見たいわけですよ。
だから、今回のそういうものを見ていましても、基本的に校長先生に手を上げていただきたいというようなかかわり方ではなくて、もっと何か哲学みたいなものを聞きたいんです、持ってほしいんです。教育長、いいですか。
〇高橋教育長 SGHを含めまして教育の県内での均てんと申しますか、これは、特に地域的にさまざまなハンディのあるところこそ教育が必要だというような趣旨を含めての御質問だと思いますけれども、今回、このSGHの前に文部科学省の指定を受けておりますSSH─スーパーサイエンスハイスクールがございます。これにつきましても、できるだけ県内広くその対象校を選定したいということで、沿岸部からも、現在、釜石高校が指定になっております。
そういうことで、特定の内陸とか沿岸とかという偏ったやり方ではなくて、やはり県内で、そういう指定校がバランスよく指定されるということを我々常に意識しながら取り組ませていただいておりまして、現在、このSGHにつきましては、極めて選定校が少ないという中で、何よりもこの岩手県として、これをかち取ることが大事だと思っておりまして、現時点で意欲のあるところを最優先にということでございます。
今後、この英語教育というのは、さらに外国語教育がどんどん進んでいくと思いますので、そういう中では、本県の高校生たちが、語学力を活用して国際人材の育成環境に恵まれるような取り組みを我々も意識しながら、ただいまいただいた御意見も十分踏まえて適切に対応させていただきたいと考えております。
〇小野共委員 先ほど来お話がありますとおり、この6月に政府が発表した生徒の英語力向上推進プラン、本当にアジアの国、韓国、中国、台湾、シンガポール等を含めて、かなり意識した並々ならぬやる気みたいなものを政府の方針で感じるものでありますから、これは間違いなく、かなり競争が加熱していくんだろうと思います。その方向に向けて、おくれをとらぬようきっちりとやっていただきたいと思います。
最後の質問になりますけれども、釜石高校の臨時センター試験の会場の今後の方向性についてお伺いしたいと思います。
昨年も同じ話でありましたが、1年ごとの更新ということで心配しておるわけでありますが、年明けのこの1月のセンター試験臨時会場の方向性、これはどうなっているのかを聞かせてください。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 釜石高校のセンター試験臨時会場の措置についてでありますが、県教育委員会といたしましては、来年1月に実施されます平成28年度大学入試センター試験の釜石、大船渡高校の臨時会場の継続について、昨年度と同様、大学入試センター及び文部科学省、そして、岩手県内の運営と釜石会場を担当する岩手大学、そして、大船渡会場を担当する岩手県立大学に対しまして要望を行っております。
昨年度は8月に継続実施が公表されておりますが、今年度はまだ、委員御指摘のとおり、公表されておりません。大学入試センターに問い合わせましたところ、他県との調整に時間を要しており、10月中には発表の予定であると聞いております。本県につきましては、前向きに検討しているという回答をいただいておりますので、継続実施されるものとの見通しを持っております。
次年度以降につきましても、被災地域の生徒の生活や学習環境の状況を見ながら、この確保、向上は大事な課題でありますので、継続実施について要望してまいりたいと考えております。
〇小野共委員 昨年4月に1回目のその話があったときに、県教委の皆様方には、本当に一生懸命やっていただいて、臨時会場の存続に御尽力いただいたと思っているところであります。
この1月にセンター試験を受ける釜石高校、釜石商工高校、大槌高校で、209人の高校3年生がいらっしゃるみたいでありますし、その中で仮設に住んでいる生徒が40人いらっしゃいます。まだまだこんな状況であります。盛岡市へ行く、団体で受けるということになると、沿岸から行くとやはり2泊ということになると思います。費用の面でも、アウエー感もかなりあるんだろうと思いますので、なるべく配慮していただくように、今後とも引き続き要望のほうをよろしくお願いします。
〇菅野ひろのり委員 英語教育について関連で質問させてください。1点でございます。
まず、ALT、私個人的には、これは数が足りていないのではないかと考えております。背景としまして、やはり先ほど小野委員からありましたけれども、基本的には日本人の教師がまず教えるという流れだと思いますが、やはり海外の先生が、外国の方々が直接生の英語を聞かせてあげることが非常に重要だと思っています。
その中で、日本の場合、小学校5年生から英語教育を開始、ほかの海外ですと、韓国で小学校3年生、台湾とか中国も小学校3年生と。TOIFLの平均で見ますと、日本は70、これはアジアの中で一番低い状況だと思っています。
その中で2点お伺いしたいんですが、まずは、ALTの人材が今足りているのかどうか、現実的にどのくらいが妥当と思っているのかということが1点。もう一点が、これは幼児教育までさかのぼってしまうかもしれませんけれども、英語の早期教育というものをどのように捉えられているかというお考えをお聞きして、終わります。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 ALTの配置でございますが、県立高校につきましては、兼務はありますけれども、各校に授業に行く人数を確保して、各県立高校において、ALTを交えた英語活動を充実させた教育には取り組んでおります。
今後とも、この配置につきましては努力してまいりたいと考えております。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 小中学校におけるALTの状況についてでございますけれども、御承知のとおり、市町村での雇用ということになりますので、その市町村の状況によってさまざまな形があるかと思っております。
ただいま委員御指摘の足りているのかどうかという問題につきましては、それぞれの市町村の学校の学級数とのバランスということがやはり一番の問題なのだろうと思います。毎週のように回ってくる学校がある自治体もあれば、数週間に一遍という状況もありますので、そこのところをどういうふうに改善していくのかということを、今後、市町村とも協議を進めていく必要があるだろうと。
ALTの雇用だけではなくて、現在、英語の堪能な方を外部人材として学校に招待して、ゲストティーチャーのような形でかかわっていただくという動きも出ておりますので、文部科学省が言っておりますチーム学校という考え方も取り入れながら、総合的に子供たちの英語教育の充実を進めていく必要があるかと思っております。
それから、もう一点、幼児教育の段階からの英語教育についてでございますけれども、そのことにつきましては、考え方は、大学の先生方、有識者の方々でさまざまな御意見があると認識しております。ただ、県内の様子を見ますと、一部市町村におきましては、幼稚園、保育園のときから、小学校、中学校と進んでいけるように、幼児教育における英語教育の推進を進めている自治体もあるという現状はございます。
〇菅野ひろのり委員 済みません、先ほど最後と言いましたが、先ほど御答弁いただいた中で、市町村単位での学校に合わせて数が足りているかどうかという御意見だったと認識していますが、そもそも英語をどの水準に持っていくのか、そこから目標に向かってどのくらい必要なのかという計算だと僕は思うんですね。学校単位で計算をして、授業数が、例えば1時間であれば何人と、これはそのとおりの計算になると思うんですが、先ほど、これも小野委員も言っておりましたけれども、英語教育に対してどういった水準に本当に力を入れてやっていくのかというところからのALTであったり、先ほどの英検の水準であったり、そういったことは私も必要だと思っております。
最後に教育長に、その点をもう一度お伺いして終わりたいと思います。
〇高橋教育長 外国語教育、特に英語教育でございますけれども、小学校段階における教科化が平成32年度から始まってまいります。その時点でスタートするということは、その前の時点で試行的に前倒しでの導入ということも取り組んでいく必要があると思っております。
そういう中で、本県の教員自身が実力を高めていくことは極めて大事でございます。そういう中で、資格取得等ももちろんあると思いますけれども、あとは、生の英語に触れる機会は極めて大事です。現在、適正数というものが、これは教職員については標準法がございまして数が決まっているわけですけれども、ALTについては、特にそういうものはございません。それぞれの市町村で、より充実した外国語活動に取り組んでいきたいという意欲が極めて高いということでございますので、我々は、そういう方向性を十分感じつつ、それを支援していくような姿勢で臨んでいきたいと思っております。
〇福井せいじ委員 私は、体育施設設備について伺っていきたいと思います。
先ほど教育長の冒頭の説明にありましたが、スポーツ振興については選手の育成強化についてお話をされましたが、私は、同時に施設の整備充実も進めていく必要があると思っております。
そこで伺いますが、決算事項別明細書337ページにあります施設設備整備費1億2、700万円余、そしてまた、国体関連競技施設整備事業費3億4、100万円余についてでありますが、この内容について、実は多種、多々教えていただきました。改修等の工事関係は、運動公園あるいは体育館、野球場、スケート場、そしてまた、備品設備関係の購入は、運動公園、体育館、野球場、スケート場等がありました。
このような設備の改修あるいは備品購入等を行っておりますが、この設備の改修、そしてまた備品の購入は、どのような基準で行っているのかを教えていただきたいと思います。
特に、実は県営体育館については、平成25年5月19日に体操のつり輪のベルトが切断したという事故がありました。さらに、本年9月10日には、この同じ体育館では、天井の一部のコンクリートが落下したという事故もありました。こういった観点から、どのようなタイミングでこういった改修とか、それから備品購入を行っているのかを教えていただきたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 施設の改修については、国体開催にあわせた施設改修や老朽化が進む施設の優先順位を考慮しながら改修を行っているところであります。また、利用者に危険性がある場合は、優先的に改修を実施しているところです。
全体的に老朽化している施設ということがあり、計画的に改修等ができない現状もありますけれども、安全な施設管理のために、点検等をこまめに行いながら管理をしていきたいと考えてございます。
また、設備の改修、整備については、耐用年数や競技規則の変更などを考慮し計画的に整備しているところでございます。
〇福井せいじ委員 そういった定期的な点検あるいは老朽化の状況を見ながらということでありますが、来年から国体が始まるわけであります。私は、こういった大きな大会、全国的な大会において、このような事故があってはならないと思っておりますし、ただ国体だけのためということではなく、一般的な使用者に対する安全の確保、そしてまた安心の確保が必要になると思っています。その点について、まず、来年の国体についてはどのような形で臨むのか。先ほどは定期的な点検あるいは老朽化の状況によっての改修ということをお話しいただきましたが、来年の国体については、特にそういった対応についてはお考えがあるのでしょうか。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 国体に向けた整備を順にしているところですけれども、今回の事故を受けまして、指定管理者による日常的な点検をさらに継続してやっていきたいと思いますし、また、今回の県営体育館におけるコンクリート片の落下事故については、非常に重要な件と考えておりまして、国体・障がい者スポーツ大会局においても、各市町村の体育施設の緊急点検等を実施しているところでございます。こういう中で、さらにその点検を充実させていきたいと考えております。
国体に向けた整備を中心に今までやってきておりますので、このような事案のないように、今後努めていきたいと思います。
〇福井せいじ委員 国体に向けてそういった取り組みをなさってきたということですが、間際になってのこういった事案というのは、選手、そしてまた私たち県民にとっても、あってはならないことでありますし、非常に不安を覚えることであります。
さらに、私は、従来の取り組みよりも上のレベルで、ぜひともこの改修あるいは点検をすべきではないかと思うのであります。特に今回の国体に関しては、新築とか改築というような設備、施設の取り組みがなされないと私は思っております。この県営体育館についても、前国体のときにつくられた施設でありまして、そういった古い老朽化の進んだ施設に対しては、さらに一段と進んだ点検が必要ではないかと思うのでありますが、この点について教育長はどのようにお考えでしょうか。
〇高橋教育長 今回の県営体育館の事故につきましては、大変申しわけない事態になったということで深く反省いたしておりますし、何よりも、国体を間近に控えておりますので、その練習会場等にも予定されておりまして、できるだけ早い復旧に取り組んでいきたいと思っております。
いずれ、国体会場につきましては、大震災からの復興を進める中で、国体開催も県民の間での大きな議論がございました。県議会でもそうでした。そういう中で、まず、復興を進めると同時に進める国体ということで、新たな施設整備については、これを行わない方針ということの中で進めてきています。したがいまして、国体開催での新たな施設の整備ということはございませんけれども、これは日本のスポーツの最大の祭典で極めて大きな大会でございますので、安全の確保は極めて重要でございまして、日常的な点検と、それから、修繕が必要というものについてはスピーディーに対応し、安全の確保に十分意を尽くしてまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 もちろん財政的な厳しさは私たちも理解するのでありますが、安全・安心にはやっぱり変えられないものだと思っております。そういった意味では、ぜひとも周知徹底をしながら、厳しい目でこの施設、そしてまた設備の安全・安心の確保に取り組んでいただきたいと思っております。
次に、そういった老朽化が進む中で、県として、今後、体育施設設備の整備計画というのはお持ちなのでしょうか。これについてお聞きしたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 体育施設設備の整備計画についてでございますが、これまで、国体の競技会場となる県営体育施設を計画的に整備するとともに、老朽化が著しい施設については、財政面を考慮しながら計画的な修繕に努めてきたところであります。
なお、県営体育施設のほとんどが老朽化が進行している状況にあることから、今後のあり方について、これまでの改修の状況や今後の改修の必要性を考慮するとともに、市町村体育施設の整備状況との役割分担などを踏まえ、今後の方向性の検討を始めたところでございます。
まずは、希望郷いわて国体の成功に全力で取り組むことが重要であると考えており、国体終了後、できるだけ速やかに、東日本大震災からの復興状況や県と市町村の役割分担等をも考慮しつつ、さらには、外部有識者の意見をいただきながら総合的な検討を行ってまいります。
〇福井せいじ委員 今、スポーツ健康課総括課長からは総合的な検討を行っていくということでありましたが、私は、早急にこういった整備計画あるいは整備の方針を明確に打ち出さないと、市町村との整合性がとれなくなっていくのではないかと思っております。私は、今後、この体育施設については、県と、そしてまた市町村が一体となって整備していくことが、財政的にも、そしてまた利用、活用する場合にも非常に有効ではないかと思っております。そういった意味では、県がそういった方針を打ち出さない限りは、市町村もなかなか整備に手をつけられないのではないかと思っております。
そういった意味では、例えば何年間かは市町村の補助的な事業を行っていくとか、あるいは高規格化に対する補助を行っていくといったもの、そして、何年か後には県が重点的な施設を整備するといった方針なり、明らかにこういった形で取り組んでいきますということを見据えて、それを市町村にも伝えることが必要だと思うのでありますが、教育長、いかがでしょうか。
〇高橋教育長 県営体育施設は、県営野球場でございますとか県営体育館もございます。それから、武道館等々、スケート場もございます。そういう中では、総じて建築以来50年近くたっている施設が複数ございます。いわば老朽化が進んでいるということでございますけれども、これは県民の皆さんに日常的に活用していただく施設でございますので、何よりも安全の確保という点につきましては、先ほど申し上げましたとおり最優先課題として取り組んでいきたいと思っております。
それから、将来的な方向といたしましては、県営体育施設の役割の再検討も必要になってくると思います。現在、盛岡市等で新たな施設整備等の計画もあるやにお聞きしております。そういう過程の中で県との協働というような話もいただいておりまして、具体的な対応をどうするか、これはスポーツ施設全体の役割分担の話もございますし、また、新しい機能、市町村でできないものを県でというような、そういう県と市町村の役割分担の議論を十分にしていく必要があると思っています。
現在、その必要性については十分課題意識はございますけれども、復興を進める中で、計画というのは、やはり財政的な裏づけもきちんと持った上で取り組む必要があると思っておりまして、その辺の議論を総務部等とも十分に協議しながら、その計画策定も含めまして、今後の大きな課題として捉えてまいりたいというように考えております。
〇福井せいじ委員 ぜひともそういったことを、教育委員会もそうですし、そしてまた、振興局にもその考え方を落とし込んでいただかなければ各市町村との連携はとれないと思いますので、ぜひお願いしていきたいと思います。
スポーツは人を育てると言われておりますが、人がスポーツを育てなければ人を育てるスポーツは育たないと思っております。そういった意味で、人がスポーツを育てるということも意識してこれからも取り組んでいただきたいと思います。そしてまた、安全・安心の確保は十分に配慮しながらこれからも取り組んでいただきたいと思います。
〇佐々木努委員 私のほうからは、先ほど教育長からも情報メディアとの上手なつき合い方という取り組みが話されましたが、情報モラル教育の推進について1点だけお伺いしたいと思います。
全国的にスマートフォンあるいは携帯電話の所持率が年々高くなっておりまして、岩手でも同じような状況ですけれども、いただいた資料によりますと、ことしの4月から9月にかけて県の総合教育センターが行った高校生の所持率の調査によりますと、98.4%、つまり、ほとんどの高校生がスマホあるいは携帯電話を所持していることになります。
それから、文部科学省がことし4月に行いました全国学力・学習状況調査によりますと、本県の中学3年生のスマホあるいは携帯電話の所持率は67.9%、3人に2人がスマホを持っている。小学6年生では45.5%、2人に1人ということです。そういう状況にまで達しているということであります。3年前の同じ文部科学省の調査ですと小学6年生の所持率が24.3%でしたから、わずか3年の間に倍近くにふえているということです。私も去年、スマホにしましたので、スマホの便利さというのはよくわかっているわけでありますが、一方では、子供たちにとって非常に害があるという指摘もされているわけであります。
初めに伺いますが、教育委員会として、このスマホなどが岩手の子供たちにどのような悪影響を及ぼしていると認識されているのかお伺いいたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 子供たちのスマートフォン所持による影響についてでありますが、スマートフォンの使用により多くの情報を得ることができるなどの利点がある反面、その使用方法によっては、個人情報の流出、情報機器を通じた犯罪被害、長時間のインターネット使用によるネット依存等の健康被害や、学習時間の減少等を誘発する可能性があると認識しております。
〇佐々木努委員 健康的被害、それからいじめの温床になるということも指摘されているわけでありまして、県も、平成20年からこの情報モラル教育については積極的に取り組んでこられたと認識しております。これもいただいた資料では、昨年は情報モラル研修が114回行われ、8、927人が受講。それから、スマホとタブレットパソコンを3校に貸し出して360人が体験学習を行っているということで、頑張っていらっしゃるということは理解しています。
ただ、問題はその成果であると思いますが、これまでのそのような総合教育センターの取り組みの成果がどのような形であらわれているのかお伺いいたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 総合教育センターによる情報モラル研修ですけれども、今、委員御指摘のとおり、平成26年度のデータについてはそのとおりでございます。これまでの取り組みによりまして、学校における情報モラル教育の充実が図られ、児童生徒のインターネットのリスク回避能力が養われたと考えております。また、保護者もこの研修の対象としておりますので、家庭においてスマートフォンやインターネットのメディア特性等の理解促進が図られ、スマートフォン等を持たせる場合のルールづくりとフィルタリングの重要性についての認識がなされたと考えております。
〇佐々木努委員 この取り組みは非常に私は大事だと思っているので、情報化社会というのは日々変化していくわけでありますから、できるだけ多くの子供たちあるいは保護者に受講してもらって、その上手な使い方、上手な情報メディアとのかかわり方については今後も一層力を入れてほしいと思っています。
スマホ、携帯電話等の所持率の全国平均は中学3年生で78.9%です。さっきも申し上げましたが、岩手は67.9%、全国よりは低いわけです。それから、小学6年生では58.2%、これも岩手は低いわけですが、多分そのうちに岩手も全国平均に追いついていくと思います、これは高校生の所持率がそうですから追いついていくと思います。そういう中で心配されるのが、私は、高校生は仕方がないと言ったらちょっと語弊があると思いますけれども、中学生、小学生の使い方はもっと慎重に指導していかなければならないと思っています。
これも皆さん御存じだと思いますが、愛知県の刈谷市では、去年の4月、いち早く子供に不要なスマホは持たせない、それから、しっかりと家庭でルールをつくる。もう一つは、9時以降は親にスマホを渡すという取り組みをされてきました。その結果どうなったかというと、刈谷市で親御さんあるいは子供たちにアンケートをとったら、勉強する環境が整った、それから、夜更かしすることがなくなったという非常にいい面での回答が寄せられているということでありまして、それを受けて、全国で数多くの自治体が刈谷市と同様の取り組みを今、始めているわけです。これは去年の9月にも同じことを聞きましたが、改めて、このような全国的な取り組みについて教育委員会ではどのように評価されているのかお伺いいたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 子供たちのスマートフォン使用に関する全国各地の取り組みについてでありますけれども、愛知県刈谷市を含めた他県の取り組みにつきましては、全国的な調査というものがなく全体を把握できておりませんけれども、例えば東京都台東区、福岡県春日市等、刈谷市のような取り組みを学校関係者の理解のもとに進めている事例については承知しております。このような取り組みについては、児童生徒の生活習慣の改善やインターネット上でのトラブルの回避等のための有効な試みであると捉えております。
〇佐々木努委員 これは、市町村のみならず、今、県レベルでも取り組みが始まっていて、岡山県、香川県、静岡県では県全体でそのようなルールをつくって、子供に9時以降あるいは8時以降、10時以降はスマホを使わせない、そういう取り組みが進められていて、これは本当に私は大事なことだと思っていて、岩手でもこのような取り組みを県全体で行っていく時期に来ているのではないかと思いますが、県で取り組んでみるおつもりはありませんか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 県としての取り組みについてでありますけれども、県教委として、今年度1学期に各教育事務所単位で小中校長研修会を開催いたしましたけれども、その場におきまして、先ほど触れました東京都台東区が作成した携帯電話・スマートフォンのルールのパンフレットを紹介いたしまして、各学校における取り組みの参考資料といたしました。
県内においては、花巻地区の生徒指導連絡協議会において、小・中・高等学校が合同で、午後9時以降、携帯、スマホを使用しない取り組みを行っておりますし、胆江地区の高校においても同様の取り組みが行われております。
県教委といたしましては、このような取り組みを広げるとともに、今後とも、各学校や関係機関と連携しながら、保護者への啓発も大切ですので、児童生徒の情報モラル教育の一層の充実に努めてまいります。
〇佐々木努委員 確かに、花巻あるいは奥州市、あるいはそれぞれの地域の中学校とか高校での独自の、子供たちの自主的な取り組みが進んでいるというのはわかっていますが、果たしてこれが全県に広がっていくかとなると、私はまだ時間がかかると思います。
もっと他県のように、県が主導的に、主体的に、岩手の子供はこういうふうに育てていくんだ、そのためにはこういうルールをつくっていかなければこれから大変になるということをしっかりと県が中心になって取り組んでいかなければならないと思っています。主体的に市町村がやるべきだということはわかります。それから、子供たちが主体性を持ってこういうのは取り組むべきだということもわかるんですけれども、誰かが号令をかけないと、これは県全体のものになっていかない。どこどこの地域だけそれをやればいいと。そこの子供たちだけはいい環境で生活していくことができるけれども、では、それを取り組まないところはどうなんだというところを私は問題視しているわけでありまして、これは絶対に全県に広めて、子供たちのこれからのためにそういうルールづくりをしていく必要があると思うんですが、教育長に、何とか私、これは県が主導的にやってほしいと思うんですが、どうでしょうか。
〇高橋教育長 スマートフォンにつきましては、今の子供たちにとって、かつて昭和30年代に三種の神器─テレビ、冷蔵庫、洗濯機がいわば生活の必需品として浸透したように、一種の神器というか、これはなくてはならない、そういう流れの中にあるのかなと。
グローバル化が進んでいく中で、これから社会が変容していくときに、やはり情報化に適切に対応する技術的なものを身につけることは極めて大事だと思います。ただ、反面、大きな課題があるというのは、委員からも昨年の決算特別委員会で大きな御指摘をいただきました。
そういう中で、岩手県として全県での取り組みは極めて重要ということで、教育振興運動の重点的な取り組みとして、向こう5年間の取り組みですけれども、本年度は、情報メディアとの上手なつき合い方、これはまさにスマホ、携帯電話とのつき合い方が中心でございまして、そういうことで設定させていただいたところでございます。
そしてまた、やはりこれは学校だけではなく、地域、家庭、社会の御理解やみんなの共感のもとで進めないと、一方的な号令だけでは効果が期待できるだろうかというようなこともございまして、地道ではございますけれども、これは教育振興運動の重点目標として掲げさせていただきました。今、具体的な議論を各市町村でやっていただいております。そういう中で、時間的な制限をつけるとか持たせないとか、いろいろな取り組みが動き出しております。そういうことを、我々が十分、情報を踏まえた上で、全県にそういう事例の紹介をやって、これが岩手全体に広がるような取り組みを強化していきたいと考えております。
〇佐々木努委員 最後にしますが、私が今お話をしていることは私の勝手な思いでしゃべっているのではなく、多くの親御さんたちから、買い与えたら勝手に使われて、自分の子供に何を言ってもだめだと。夜中まで使っていると。学校の先生が言うことは聞くけれども、親の言うことは全く聞かない。そういうルールを教育現場がつくっていくことが大事で、教育長がそうして全市町村に広めていきたいということはそのとおりでありますが、教育振興運動でも取り組むというのはよく理解していますが、そういうルールを決めた、それをしっかりと守ってもらうように教育振興運動で取り組むということだってあるわけです。そういう視点に立って、何とかもう一歩踏み込んでもらいたい、そういう運動を県内に巻き起こしてもらいたいと私は思います。もう一度だけ答弁を聞いて終わります。
〇高橋教育長 先ほども精いっぱいお答えしたつもりで、もうこれ以上出るかどうか不安な面がございますけれども、あとは経済的な問題も大きい課題だと思っています。特に県立学校においては携帯、スマートフォンの所持率が高いということで、県立学校長協会でも、みんなで話し合いながら、各学校で生徒たちの自主的な活動を広げるようなことをやっています。
ただいま、県民の皆さんの声としてそういう声が多いというお話も頂戴いたしました。それらを踏まえて、我々、今後、これが前に進むように検討もいたしますし、共感が得られるような活動に広げていきたいと思っております。
〇工藤大輔委員 それでは、県立学校の教員の配置についてお伺いしたいと思います。
地域で不足している人材の育成を目指す観点から、平成18年度から指導力の高い教諭の配置を県北・沿岸の広域におけるセンター校的な役割を果たしている5校に厚く配置を行った実績がありますけれども、最初に、その成果をどのように見ているのかお伺いしたいと思います。
〇山形特命参事兼県立学校人事課長 県北・沿岸地区へ指導力の高い教諭を配置した成果についてでございますが、委員御指摘のとおり、平成18年度に県北・沿岸振興という観点から、指導実績の高い教員をまずは副校長として県北・沿岸の進学校に配置しまして、副校長2人体制として、1人の方には授業も担当してもらいながら学校の活性化に取り組んでまいりました。平成21年度からは、学校の要望を踏まえ、進学体制の一層の強化を図るため、副校長から、より多くの授業を担当できる教諭の配置に切りかえて取り組んでまいりました。
こうした副校長や教員の配置は、他の教員の刺激となり個々の教員の指導力の向上につながり、その成果は、進学実績のみならず部活動等にも反映されているところでございます。
〇工藤大輔委員 後で進学状況についてはお伺いしますが、特にも、その方針のもと、現在においてもこの5校においての指導力の高い教員の配置は継続されているのかどうか。また、その他の高校にはどのような配置をしているのか、現在の方向性をお伺いしたいと思いますし、また、特にも主要3教科における指導力の高い先生は、この5校においてはどうなのかお伺いします。
〇山形特命参事兼県立学校人事課長 平成21年度以降の教諭の配置状況についてでございますが、平成21年度から人事異動基準を改正いたしまして、沿線、沿岸・県北、その他の全てのブロックを経験させることを盛り込み、沿線地区と県北・沿岸地区との交流を推進しております。
現状といたしまして、沿線地区に比較して県北・沿岸地区の教職員の年齢構成は若年層が多い傾向にありますが、将来有望な人材に対しましては積極的に県北・沿岸地区で力を発揮するように呼びかけを行うとともに、指導主事経験者を初め、特にも主要3教科であります英語、数学、国語の指導能力の高い教員の配置に努めておるところでございます。
教員の配置につきましては、全県的な視野に立って、各校が地域と連携しながら特色のある教育活動が展開できるような人事配置を目指しておりまして、今後とも、指導教諭を初めとする核となる教員の配置に努めるとともに、校長のリーダーシップのもと、OJTを通して人材育成を図ってまいります。
〇工藤大輔委員 平成18年度からスタートし、平成20年度に久慈高校で現役東大生が出たんです。かなりこれにはびっくりして、県が一生懸命取り組み、すばらしい先生を配置していただければ久慈からも東大生が出るんだという思いを感じたところですが、その後、余り東大生というのは出ておらないわけです。それはそれとして、学校運営において所期の目的が継続しているかどうかにおいて、配置を進めている側からすればこれまでどおりそういった指導力のある先生を配置しているというお答えなんでしょうが、現場あるいは県北の学校の先生方にお伺いすると、当時からすると位置づけがぼやけてきたんじゃないか、あるいは重点的な配置になっていないのではないかというような実際の声も聞くところでありますが、いかがでしょうか。
〇山形特命参事兼県立学校人事課長 今、委員の御指摘がありましたが、我々、学校訪問をして県北・沿岸のセンタースクールの校長先生方にお話を伺うと、やはり今でも先生方は子供たちにしっかりと向き合って、そういった進路実績が上がるように、あるいは部活動等できちっとした実績を上げるように頑張って指導しておられると聞いております。
東日本大震災津波等もございまして被災地の子供たちのケアもありまして、やはり全県的な視野で教員の配置には取り組んでいかなければなりません。ただ、平成18年度から県北・沿岸振興ということでそういった人事配置に取り組んでまいりましたので、今後ともその重要性を踏まえながら人事配置に取り組んでまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 それでは、進学の実績についてお伺いしたいと思います。
いただいた資料で見ると、東北大学は、大船渡、釜石、宮古、久慈、福岡各校の合計は、平成18年度16名、平成27年度は17名と大体同数です。岩手大学は、平成18年度は55名、平成27年度が83名、大幅にアップしたという感はしますが、実際には、翌19年度82名からは大体似たような前後の数字で推移しているので余り変わらないと。県立大学においては、平成19年度48名、それが平成27年度は40名。いずれ、トータルしても、平成18年度、平成19年度ごろから現在において、ここまで伸びているという成果が明確に出ていないような気がします。管内別で見ますと、大船渡は大体同数でありますが、釜石高校においては平成18年度79名が平成27年度49名という形で、近年、大幅に減少し続けている学校も見受けられますが、その成果についてどのような評価をしているのかお伺いします。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 県北・沿岸地区の主な進学校5校の進学状況についてでございますが、ただいま御紹介ありましたとおり、平成18年度、平成19年度、平成20年度の副校長2人配置の体制から、現在、平成27年度に至る進学実績につきましては、年度によって多少増減はありますが、ほぼ同数で推移していると捉えております。これは、県北・沿岸地区の生徒数が減少する中、人数を維持しているということは、割合としては多少向上の兆しがあると。それから、特に沿岸地区におきましては震災もありまして、経済的、精神的に負担の大きい地区でございます。そういった中で全体の進学者数もほぼ同数を維持しておりますので、これは、平成18年度から配置された副校長2人体制のときに培われた指導体制が継続され、維持されている、そして、いわて進学支援ネットワーク事業等による効果、そして、震災被害に対する人的、経済的支援の相乗的な効果であると捉えております。
県教育委員会といたしましては、地域の復興を担い、県の発展に寄与する人材を育成するため、教員の授業力向上も含めて、そして進学を希望する生徒の目標達成に向けて引き続き支援を行ってまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 当時から、先ほど小野共委員も話をされておりましたけれども、県北・沿岸と内陸との教育の格差を是正してほしいというのが地域住民の悲願であり、大きな願いであります。そういったところからすると、子供の数が減ってはいながらこれを維持しているという評価はしておると思いますが、恐らく内陸の学校も同じぐらいの数字は出ているのではないかと思うんです。そういった観点からすると、やはり目標を持って、当時も、超難関大学に入って、将来、地域に足りない役に立つ人材となって帰ってくる、帰ってもらうということが大きい方針として掲げられていたと思いますが、最近そういった方向性もなかなか聞かないので、改めて今後の方針についてお伺いしたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 平成18年度当時は県政課題の解決に寄与する取り組みとして行ってまいりましたが、現在は、そういった取り組みの成果もありまして、そこで培われたノウハウ、技術、資産を生かして、全県的な視野も必要ですし、そういった中で各地区の教育課題を意識しながら、各高校において校長が中心となって学校経営計画を策定し、その課題解決に向けて、人材育成に取り組んでおります。
そういった中で、地方創生ということも今、言われておりますが、さまざまな課題を抱える中で、県北・沿岸も大事でございます。内陸部についてもさまざまな課題を抱えておりますので、県教委といたしましては、それぞれの地域における課題を意識しながら、県北・沿岸についてはそのとおりですし、さまざまな観点から、SGH、SSHもそうですが、学校における課題を踏まえ、今、高校再編の中でも地域との連携という御意見をたくさんいただいておりますけれども、そういったことも考えながら取り組んでいく必要があると考えております。
〇工藤大輔委員 そういう思いを持ってさらに取り組んでいただきたいんですが、いずれ各校、目標を持ったり、教育委員会としても、こういった形まで引き上げるんだという目標も掲げる必要があるのではないかと思いますので、十分検討をしていただきたいと思います。
また、現在、高校再編計画の方針成案に向けて方向性がことしじゅうに示されるということが本会議でも示されました。この高校再編の目的というのは、適正な学校規模であったり、学校を今後どのように運営するかということだけではなく、やはり本質的なところは、その地域で学び、育つ子供をどのような人材として次の学びの機関あるいは次の就業の機関に送り出すかというところだと思います。
そういったことで、今言ったような形の目標とか何かがないと、地域でなかなか理解も深まらないのではないかと思います。現在、2巡目の地域懇談会等も進めていると思いますが、特にも参考になった意見として、検討された上、地域での説明会において示した今後の新しい方針とかがあれば、どういったことを特にも地域の声として参考にし、地域に提示しながら意見交換会を重ねてきたのかお伺いしたいと思います。
〇木村高校改革課長 高校再編に係ります意見と基本方針ということでのお尋ねでございますので、お答えいたします。
これまでに、地域検討会議、意見交換会という形で県民の皆様、市町村長、そして地域の代表の方々から多くの意見を伺ってきたところでございます。
その意見でございますが、地域の高校の存続、そして生徒増に向けました地域と連携した魅力ある学校づくりが必要、県北・沿岸地域等での少人数学級の導入、そして、統合を行う場合でも生徒の選択肢をブロック内で維持、確保してほしいという御意見をいただいておりまして、いずれも重要な指摘であり、こうした意見も十分踏まえ、新たな高校再編計画の策定を進めてまいりたいと考えております。
基本的な方針のところでのお尋ねでございますが、本県の高校教育では、知、徳、体を備え調和のとれた人間形成ということで、自立した社会人としての資質を有する生徒の育成を目指すことを基本方針としているところでございますので、10年後、20年後の岩手の復興、発展を支え、ふるさとを守る人材の育成を目指し、そして、生徒にとって望ましい教育環境の整備に取り組んでいるところでございます。
〇工藤大輔委員 もっともな答弁をいただいたと思いますが、実際に地域からは、地域の高校を存続してほしいという願いが数多く示されたと思います。
報道によりますと、一関の会場において、通学困難地域の小規模校の特例的な存続を検討するということであったり、あるいはまた、近隣に高校があった場合には、通学が容易であれば統合を検討するという方針も示されたようであります。通学困難地域の小規模校の特例的な存続という観点から見て、どういった場合が通学困難地域の基準となってくるのか、今の検討状況をお伺いします。
〇木村高校改革課長 小規模校の取り扱いというところでは、地域の高校の存続について多くの意見をいただいているところでございますので、教育の質の保証とともに、機会の保障の観点も重視しつつ、1学級校の特例的な取り扱いも含め、引き続き地域検討会議等で意見を伺いながら検討しているところでございます。
そして、御質問がありました特例的な取り扱いでの通学が困難な場合とはどのようなことを想定しているのかということでございますが、中学生に7月にアンケートを実施いたしましたが、そうしたときに、通学時間を1時間程度まで許容するのが7割程度、1時間半までが2割弱という回答があったこと、そして、国が小中学校の統合時の通学時間の目安ということで1時間程度というものが示されておりますので、高校でございますので、それよりは若干長目に設定するようなこととか、あるいは公共交通機関の状況など、さまざまな視点から検討しているところでございます。
〇工藤大輔委員 それらの方針等が年内に示され、年度内での成案という今のスケジュールでよろしいのかどうか。私は、もう少し地域の声もさらに聞きながら進めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
〇木村高校改革課長 策定のスケジュールの関係でございますが、現在、第3回の地域検討会議と第2回の意見交換会、それに加えまして、地域の要望を受けて実施する出前説明会を来月下旬まで実施しているところでございます。その後、教育委員会議等でも議論した上で、本年中を目途に新たな計画案を公表したいと考えております。
そして、公表後でございますが、来年1月から2月にかけてパブリックコメントを実施し、その一環として第4回の地域検討会議、そして県民への計画案の説明会、要望に応じて出前説明会なども開催いたしまして、公表案に対して意見を伺ってまいりたいと考えております。こういったパブリックコメントでの意見の状況等により流動的な面はございますけれども、可能であれば今年度内を目途に成案化していきたいというようなスケジュールを考えているところでございます。
〇軽石義則委員 大きく2点についてお伺いいたします。
産業教育設備整備事業についてでございます。
産業教育につきましてはこれまでも何度も取り上げてまいりましたけれども、職業の選択やその魅力の発見など、非常に重要な部分だと思っておりますし、今、企業においては、労働力の今後の不足も予測した上で、即戦力が求められる上でも大事なものだと思っております。それに関連する設備も整備していかなければならないと考えておりまして、時代に合ったものにしていただいているとは思いますけれども、産業教育設備整備事業の現状と課題について、県単独で進めているもの、国または民間からの支援などもあると思いますけれども、それらの現状と課題についてお示し願いたいと思います。
〇宮澤学校施設課長 産業教育設備整備についてでございますが、産業教育設備の整備につきましては、現在、学校からの整備要望に基づきまして、資格の取得や授業を行う上で必要な機器の整備、及び老朽化した設備の更新につきまして、各学校の設備の状況や必要性を勘案しながら整備を進めているところであります。
現下の財政状況等もございまして、学校からの─これは最新の設備も含めてということになりますけれども─整備要望を短期間に実現することは困難な状況にはございますが、できる限りの整備に努めてまいります。
それから、お尋ねがございました県予算以外のものでございます。例えば民間の団体による補助あるいは寄附等についてでございますが、これは東日本大震災を対象としたものを除けば、地方公共団体の整備ということでございますので対象となるものがなかなか見い出せないのが現状でございますが、あらゆる機会を捉えまして設備の整備に努めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 予算の状況も含めれば非常に厳しい環境にあるというのは十分認識しているつもりでありますけれども、やはり求められているものを全て一気にするというのは私も難しいと思っています。
学校からそれぞれ求められるわけでありますけれども、その中にも優先順位があり、また計画もあると思います。それらの優先順位などを決めるには、やはり一定の基準なり、整備するものの質にもよると思いますけれども、計画はどのように進められているのか。また、計画と実施の乖離などもあると思うんですが、それらの推移はどのようになってきているのか。
計画は教育委員会だけで審査しているとなれば少し幅が狭くなっていくこともあると思いますので、関係する現場の声をどのように集約していっているのか。現場と連携をとるには、やはりそういう声の大きさが技術の進歩にもつながっていくと考えられますので、そういう設備を整備する基準、また、見直しする基準、サイクルなどもあればお示し願いたいと思います。
〇宮澤学校施設課長 産業教育設備の整備につきましては、毎年度、学校からの整備要望のヒアリングを行ってございます。その中におきまして、各校の優先順位をもとにいたしまして、現有設備の活用を基本としながら、設備の老朽化の度合いでありますとか必要性を総合的に勘案し、予算の枠も考慮に入れながら順次整備を進めております。
具体的な審査の採択基準でございますが、多くの要望をいただいておるわけでございますが、予算的な制約もございまして、その中の一部しか現実には採択できない状況となってございます。既存設備の更新がどうしてもベースとならざるを得ない部分もございますが、これについては、それぞれの機材の老朽化の度合い、それから必要性を基本として、それぞれの要求内容を比較対応して決定しておるところでございます。制約のある中で、なかなか長期的な計画が組みがたいという現状もございますが、その中で、できる限り現場の需要、要望にかなうものを整備するよう努めておるところでございます。
〇軽石義則委員 できる限り要望には応えているということですが、技術の進歩は、教育現場で捉えている進歩の状況と、実際に企業、産業で進むスピードの違いというのは皆さんも認識されていると思います。
近年、技術系職場の状況をお聞きしますと、技術系職場であっても、普通高校の普通科から採用して教育をして現場に出すという企業もふえつつあると言われております。これは、もしかすると、教育現場でいわゆる必要な教育ができていないがためにそのような流れになっているのかどうなのかという背景をしっかり分析した上で対策をとっていかなければ、せっかく限られた予算を投下してもその結果があらわれていないとすれば、違うものにさらに使っていくことも考えていかなければならないと思いますが、その部分についてはどのようにお考えでしょうか。
〇宮澤学校施設課長 新たな技術に対応した設備整備の件でございますが、現状は先ほど申し上げましたとおりでございまして、設備の更新が大きなウエートを占めております。一方で、新たに企業が求める人材の育成という視点もございますので、最新の設備は非常に重要なものであると考えてございます。厳しい状況ではございますけれども、予算的な工夫でありますとか、先ほどの補助ということもありますので、あらゆる機会を捉えまして、少しでも新しい技術に対応した設備が導入されるよう努めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 なぜ技術系職場に普通高校の普通科から採用がふえているかという調査もしっかりしていただいた上で、新たな対策に入っていけるような形に進めていただくことを改めてお願いしたいと思います。
技術者を養成するための事業として努力をしていることもあると思いますので、具体的に整備をして成果が上がっているものもあると思われます。代表的な事例などがあれば紹介をいただきたいと思います。
〇宮澤学校施設課長 平成26年度の実績で申し上げますと、主な整備の内容といたしましては、立てフライス盤、スピードスプレイヤー、穀物調整器、シーケンス制御学習システム等を各校に整備しております。全体では、専門学科高校を含みます26校に対し38件、5、000万円余りの設備を整備しているところでございますが、それぞれ各校の教育活動に活用されてございます。
〇軽石義則委員 各校で活用されているとは思いますし、成果もしっかり把握した上で、期待できる成果が出ているかどうかというのもやはり次の対策には必要だと思いますので、それらも今後は把握していただくようにお願いしたいと思います。
技術者を養成し、優秀な人材を岩手で育てて企業に就職させていくわけですけれども、やはり働く上では、その働き方もしっかり学校の教育で教えていっていただくことが必要と考えております。
次に、キャリア教育推進事業にかかわると思いますけれども、学校現場で、いわゆるキャリア教育の現状、そして課題、学校と職場の現場に就職した際の現実もあるわけです。それらについてはどのような教育をされているのかお示し願いたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 キャリア教育の現状と課題についてでございますが、県教育委員会におきましては、キャリア教育の方向性と進め方を示したいわてキャリア教育指針及びいわてキャリア教育の手引きを平成22年に作成いたしまして、それに基づいて各校がキャリア教育全体計画を作成し、学校の教育活動全体を通じてこれまでキャリア教育に取り組んでおります。
特に高等学校におきましては、いわて未来創造人サポート事業や岩手県産業教育振興会と連携して実施するキャリアアップサポート事業、そして専門高校が地域と協働で実施する学校・地域の協働によるキャリア教育推進事業などを実施し、本県の将来を担う人材の育成に努めてまいりました。
これまでの取り組みによりまして、ここ数年の全日制県立高校におけるインターンシップの実施率は8割を超えるようになりまして、これは、各学校がキャリア教育に積極的に取り組んできたことにより、学校のみならず、学校が立地する地域にもキャリア教育の考え方が浸透してきたという成果のあらわれではないかと捉えております。
一方、その課題といたしましては、インターンシップの実施率は向上しておりますが、毎年継続してインターンシップを実施するには至っていない学校も見受けられますので、今後については、各校が毎年、生徒の希望によらず継続して実施できるように、そして、そのことによって取り組み内容の質の向上を図っていくように各校を支援していく必要があると考えております。
〇軽石義則委員 働くことの大切さ、職業の選択の自由を含めてしっかりと示していただきたいと思いますし、働く上では、安心して働き続けることもしっかり教育現場で教えてもらわなければならないと考えております。就職のみならず、進学した際にはアルバイト等もあるはずです。働くということは何か。労働を提供し、その対価を得るということは、原点は、働く側と企業との労働契約からのスタートだと思います。しっかりしたスタートを切れなければ、後々いろいろな問題、課題が発生した際に整理できずに、最初につまずくことによって、一生涯、その人生観なり職業観が変わってしまうことも多くあると思います。そこでつまずかないためには、それに必要な知識を教育現場でしっかり伝えてもらうことが大事だと考えておりますので、キャリア教育における労働に関する法律などの周知や教育はどのようにされているのかお示し願いたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 キャリア教育における労働関係法等の周知、教育についてでございますが、キャリア教育は、学校の教育活動全体を通じて実施することとされております。生徒は、学習においては、公民や保健のほか、専門教科であります商業、工業などの専門科目を通じて労働関係法等について学んでおります。特に公民科の現代社会─全員が学ぶ科目でありますが─や政治経済においては、安心して働き続けるためにも、労働問題の解決に必要な知識である労働者の権利や労働三法等を学ぶほか、雇用や労働問題について、労働保護立法の動向や労働組合の役割などと関連させながら学ぶことになっております。
しかし、学習する機会はあるものの、社会体験が乏しい発達段階にありますので、現実味を持ってみずからのこととして十分捉えることができていないという点は課題として捉えております。その点につきましては、インターンシップなどの体験学習や教育活動全体を通じて、労働関係法等について実践的に学ばせるなどの配慮が必要であると考えております。
〇軽石義則委員 しっかりとその対応をしていかなければ、貴重な労働力、これからまさに減少傾向にあると言われておりますから、安心して継続して働く環境づくりをみずからしていくということも大事だと思います。
北海道では、今お話のあった公民を含めて、学校で使っている労働関係法の教科書の内容をチェックした際、簡単に言えば不足の点が多くて、副読本を作成して、さらにそれで具体的に教育を進めている実例もあるとお聞きしております。私も今、調査中ですが、教育委員会としても、そういういい例は採用していただく。先取りのほうがいいんですけれども、ぜひそういうものも勉強できるような環境づくりをしてもらって、加えて実践で経験することも大事だと思っていますので、今後の取り組みの中で、関係する労働団体や行政機関、労働に関する問題解決、岩手県も労働委員会というすばらしい制度を持っておりますので、それらについてもしっかりと周知する。活用することのない職場環境が一番いいわけでありますが、いつどうなるか世の中が動いておりわかりませんので、それらも含めて連携をとっていくことがさらに大事と思いますが、それらの対応についてお考えがあればお示し願いたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 今後の取り組みについてでございますが、委員御指摘のとおり、社会に出て必要な知識というのは、今、主権者教育も必要性を盛んに言われておりまして、現在、文部科学省において検討中の次期学習指導要領については、そういった社会において必要となる内容を含んだ公共という科目を設定することが検討されておりますので、そういった動きも見ながら教育に取り組んでまいる必要があると思いますし、キャリア教育の推進につきましては外部関係機関との連携は不可欠ですので、これまで同様、岩手県産業教育振興会、岩手労働局及び県の関係部署等と連携を密にとりながら進める必要があると考えております。
特に体験的な学習を通して職場の雰囲気を肌で感じ、労働問題等を自分のこととして捉え、社会人、職業人として自立するための資質や能力を育めるよう、これからも計画的、組織的に取り組んでまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 最後になりますけれども、中央の皆さんからお聞きすれば、岩手の人材は優秀で勤勉に働くという評価も多くいただいておりますし、当然そういう実績を多くの先輩方にも積み重ねてきていただいておりますから、県内で力を発揮していただくことも大事ですし、県外に行ってその力をさらに発揮していただくことによって岩手の産業界からの評価がプラスになれば、企業も来るかもしれませんし、さらに働く場も多くふえていくことにつながっていくと思いますので、スタートはやはり教育現場からであり、大事なところだと思います。
今、北海道の事例等も含めてお話ししましたけれども、最後に、教育長からさらにそれらについてしっかりと取り組みをしていくという決意をお聞きして終わりたいと思います。
〇高橋教育長 ただいまお話ありましたように、本県の高校生に対する産業界からの評価というのは極めて高いということで、そういうお声をいただくというのは岩手の子供たちにとって大きな励みになると思っております。
ただ一方で、どうしても就職してからのミスマッチという現実があるのも事実でございまして、そのためには労働関係法の制度的な理解も大事ですし、それから、雇用主と労働者との適切な関係を自分自身が体感する、経験を積むことが極めて大事だと思っています。
ただいまいただいた御意見等を十分に踏まえてこれからの教育に生かさせていただきたいと思っております。
〇郷右近浩委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時1分 休 憩
午後1時2分 再開
〇佐々木茂光副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇城内よしひこ委員 それでは、何点か私からも質問させていただきます。
午前中に軽石義則委員が主権者教育にちょっと触れたんですけれども、主権者教育はちょっと後で聞きますので、準備しておいてください。
体育振興費なんですけれども、第18回アジアマスターズ陸上競技選手権大会の成果はどのような結果だったでしょうか。開催した意義についてお伺いしたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 第18回アジアマスターズ陸上競技選手権大会についてでございますけれども、昨年9月に北上市陸上競技場で開催されたこの大会は、過去最高の3、000人の選手がアジア各国から参集し、6種目の世界新記録、68種目のアジア新記録が樹立されるなど、国際大会にふさわしいレースが展開され、成功裏に終了いたしました。
男子100メートル100歳以上の部では、今大会最高齢の104歳、京都府の宮崎選手が優勝を飾り、また、本県選手では、雫石町の野々村選手が800メートル、1、500メートル、5、000メートルの3種目において大会新記録を樹立するなど、大会が大いに盛り上がったことから、県民のスポーツに対する関心がさらに高められ、本県の生涯スポーツの振興にもつながる成果があったと認識しております。
競技会以外でも、各国から参集した選手、役員の宿泊地は、北上市を中心に盛岡市や奥州市など広範囲にわたり、歓迎セレモニーなどを通じて地域の方々との国際交流が深められ、岩手県の魅力や文化を発信することができましたし、東日本大震災津波への支援に対する感謝の気持ちをあらわす機会にもなりました。
また、大会ボランティアによるおもてなしの取り組みが盛んに行われるなど、同じ会場で開閉会式が行われる来年の岩手国体・岩手大会に向けて、機運の盛り上がりにもつながる大変意義深い大会となりました。
〇城内よしひこ委員 こういった大会が国体の会場で開かれたということは有意義であったと思いますし、そういったことを踏まえて、本番を必ず成功に導いてほしいと思います。
そこで、宿泊のお話が今ありましたけれども、宿泊の体制はどうだったのか、また、マスターズということで御高齢の方々がいらっしゃったわけですけれども、かねてより懸案でありましたバリアフリーであったりはきちんと対応ができたのかというのを、1点お伺いしておきたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 詳細な資料は手元にはございませんけれども、先ほども言いましたが、大会ボランティアのおもてなし等もなされたということ、それから、国際交流等も積極的になされたということで成果があったものと思います。
バリアフリー等については、やはり高齢者対象ということで、北上市を中心にそれぞれなされたとは伺っております。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、本番に向けてそういった点にも配慮していただきたいと思います。
次にお伺いしたいと思います。通学支援バス運行費についてであります。
県内の市町村における小中学校の統廃合が大分進んでまいりました。そういったことによって、遠距離の通学をしなければならない子供たちが今たくさんふえております。そこで、実績と今後の見通し、どういったことになっていくのかお伺いしたいと思います。
先ほど教育長からも課題として、体力が落ちるとか、そういった対策をとっているということでしたけれども、その辺はどういうふうになっているのかお伺いしたいと思います。
〇宮澤学校施設課長 通学支援バス運行についてでございますが、平成26年度の事業の実績でございますが、第1に、僻地校でありますとか過疎地域等におけるバス路線の廃止、あるいは学校統合による遠距離通学児童生徒の通学条件の緩和を図るためのスクールバスの購入費につきましては、一関市ほか2市で7台購入いたしまして、補助額は1、552万円となっております。
2点目といたしまして、学校統合により遠距離通学となった児童生徒に対する交通費の支援及び通学の用に供するためのバス会社等への委託によるスクールバスの運行経費を補助する遠距離通学費でございますが、こちらは、陸前高田市ほか1市1町で、補助額につきましては5、790万円(後刻「579万円」と訂正)の実績となってございます。
2事業とも、市町村が負担した額の2分の1を国が補助するものでございます。
また、今後の見通しでございますが、今後におきましても、少子化の進展により小中学校の統廃合が進むものと考えられますので、遠距離通学バスの整備でありますとかスクールバスの運行がふえてくるものと認識してございます。その必要性は今後とも高まるものと考えてございます。
〇城内よしひこ委員 子供の数が減ってきてそういった状況が進むというのは、皆さん周知のところなんですけれども、長時間車に乗って移動する子供たちに対する負担というのはあると思いますし、また、この地域は、冬場、雪が降ったりして大変な状況が考えられます。ぜひ、そういったことにも配慮した、しっかりとした子供たちの通学のための足の確保は必要だと思います。
最長でどれぐらい子供たちが車で移動するかというのは捉えていらっしゃいますか。時間的に、先ほどの午前中の説明でもあったんですけれども、一定期間というのは承知しているところですが、今後、私の住んでいる宮古地区だと、川井の門真小学校が統廃合されます。区界地区から川井地区まで移動するのは、車でも結構な時間距離がかかるわけです。そういったことを考えますと、30分や40分は子供たちが車に乗って移動するわけですので、そういったことも今後、事案としてたくさん出てくるわけです。その辺は捉えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 スクールバスによる通学時間の状況でございますが、全県の調査の数値はございませんが、本年度、陸前高田市の例ということで調べたところ、最長が、時間的には60分です。距離的には、最長が高田小学校、気仙中学校の35キロと捉えております。35キロのところを60分程度かけて通学していると捉えております。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、60分も─1時間ですね─かけてというのは、学校の隣に住んでいればそれはいいでしょうけれども、そういった状況ではいかないということが今後発生してきますので、ぜひそのことも配慮しながら─配慮というんですか、難しいですね。教育長、そういう状況についてどのように思っているか、ちょっと感想をお伺いしたいと思います。
〇高橋教育長 小中学校の統合の基準につきましては、本年度当初に文部科学省からその新たな基準が示されておりまして、中学校については1時間以内というようことになっております。
車に乗っている時間がそれだというのは距離が相当数に及びますし、それから、子供たちの体力の問題でも、これまで4キロメートル、5キロメートル、自転車等で通学して、あとは一、二キロメートル歩いていたという子供たちが、交通手段によるとなりますと、やっぱり体力上の問題も顕在化してくるのではないかと思っています。
一方で、学校の統廃合は、子供たちを育むのにどういう環境が必要なのかという観点で、子供たち本位にしつつ、地域の皆さんとの合意形成のもとで判断されるということでございますが、一方で、子供たちの体力等の問題、それから、あとは通学の負担ということもありますので、その辺は丁寧に我々も対応していきたいと思っています。
〇城内よしひこ委員 本当に今の言葉を聞いて、安心はしませんけれども、ぜひよろしくお願いします。
次に移ります。国体の順位についてであります。
昨年もお伺いしましたが、ことしは、わかやま国体で16位という好成績をおさめました。県勢の活躍は、本当に県民の皆さんに大きな期待と勇気を与えてくれました。
アスリートは常に1位を目指すという観点から、だからこそ、見ている者、また、周りの者に感動や勇気を与えるものだと思っています。岩手県の国体に向けた順位の目標は8位ということでしたが、なぜ8位だったのかと思うんですが、その辺、少し深掘りをしてお答えをお願いしたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 岩手国体における本県の目標順位についてでございますけれども、今月6日に閉幕しました第70回国民体育大会における本県の天皇杯都道府県順位は、選手と競技団体等の関係者がオール岩手で取り組んできた結果と県民の大きな支援により第16位と、昨年の37位から躍進し、10位台の目標を達成したところです。
来年の希望郷いわて国体における本県の目標は、東日本大震災津波発災後、復興を最優先にすることから、大きな制約を受けている中で強化事業を進めることとなり、第71回国民体育大会強化委員会において、天皇杯順位を8位以内と修正したところです。
本県は、今回の第70回国体で天皇杯得点1、099点を獲得したところですが、過去の国体における各都道府県の得点状況から、8位以内を達成するためには、あと450点ほど上積みし約1、550点の獲得が必要であると考えております。
昨年の国体における本県の得点は807.5点であり、今回の国体で291.5点を上積みしたところでありますが、来年に向けては、さらに得点の上積みが必要となり、8位以内を達成することは、なお多くの努力が必要であると認識しております。
このことから、来年の目標順位については、従来どおり8位以内とし、一つでも上の順位を獲得できるよう、今後、各競技団体や県体育協会と連携をさらに深め、強化事業を進めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 各競技団体は、それぞれベストを尽くすという思いで育成について取り組んでいるようであります。その中で8位から8位以内ということで若干希望が出てきたかと思うんですけれども、教育長、どうですか、1位というのはやっぱり目指させるべきではないか、目指すべきだと思いますが、どうでしょうか。
〇高橋教育長 昨年の長崎国体の結果が37位ということで、東京国体の22位でしたか、そこから大きく順位を下げることになりまして、目標は8位以内ということですが、入賞ということ自体が極めてハードルが高いなと。そしてまた、復興と同時に進める国体というのは、こういうように厳しいものだなというのを、実は青くなったり、不安を持ったりしたところです。
ただ、そういう中で、競技団体の皆さんは、日々の力の積み重ね、一喜一憂するのではなく、やっぱり目標を定めて頑張っていくという力強い思いを我々に伝えていただいたところでございます。
そしてまた、特に、今年度は強化費を昨年から倍増することについて御議決いただいておりまして、そういうこともなお励みになったと思っておりますし、それから、チーム岩手としての総合力が高まったなというのが、今回のわかやま国体で花開いたのかなと思っています。
そのことで安堵してはもちろんだめなわけで、希望郷いわて国体が大きな成功を得るためには、やはり県選手団の活躍が県民の復興に向けた大きな力にもなると思います。そういうことで、復興と同時に進めるということで、目標を天皇杯優勝から8位以内の入賞ということで、強化委員会の合意のもとで修正いたしましたけれども、それぞれ競技団体はもちろんそうですが、体育関係者、それから教育関係者を含めて、目指すところは高いところということでございまして、8位以内のできるだけ高いところの入賞ということを目指して頑張っていきたいと思っております。
〇城内よしひこ委員 競技関係者も、自県の開催ということで大分気合が入ってきたと私も思っていますし、ぜひそういった方々を支援する意味でも、高いところを目指しているんだ、先ほど教育長がおっしゃったとおり、一緒にチーム岩手で頑張るんだぞという気合いを入れる意味でも頑張ってほしいと思います。これは、ぜひチーム岩手という言葉を前面に出して、お願いしたいと思います。
主権者教育の準備状況はどのようになっているでしょうか。多分来年の参議院選挙からになると思うんですが、18歳からの、今まで未成年という言い方でしたが、その方々が選挙権を持って選挙に参加するということでありまして、いろいろな意味で、選挙違反であったり、そういったことに遭わないためにもしっかりとした教育をするべきだということで、私も1回、一般質問で取り上げさせていただきました。その準備状況はどのようになっているかお伺いしたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 主権者教育の準備状況についてでございますが、御存じのとおり、現在、文部科学省と総務省が生徒用の副教材を作成しまして、これは、生徒個々に渡るのは12月の予定となっておりますが、学校によっては高校3年生、既に受験を迎えておりますので、12月以降の実施はなかなか苦しい学校もあります。ホームページにも副教材が掲載されておりまして、早目に実施したい学校についてはそのような配慮がありまして、早目に12月以前にも取り組めるように準備はされております。
そして、同様にして、教員対象にも指導の手引といったものも用意されておりまして、各学校においては、その教材等を見ながら、学校の教育活動、教育計画にどのように位置づけるか、現在検討中と考えております。
県におきましても、本日、高校生の政治活動についての見直しを図る通知が先ほど届いたばかりであります。そういったものも見ながら、県としても学校に対する指導、助言の準備を進めたいと考えております。
現在、11月6日に文部科学省において、各都道府県の指導主事対象の説明会が予定されておりますので、その会議に出席した上で、文部科学省の説明を受けて、それを踏まえた上で、学校に対する通知を検討していきたいと考えております。
いずれ、主権者教育は非常に重要と考えておりますので、教員の政治的中立性といった課題も大きく取り上げられていますけれども、学校においては、ちょっと話はそれますが、震災の際も、小学生、中学生、高校生が率先して避難することによって大人も避難した、そういうこともありました。投票活動においても、高校生とか二十以前の若者が投票することによって、また、青年、若い人たちの投票率も上がるような、そういった積極的な主権者教育になるようにと考えておりますので、しっかり準備してまいりたいと考えております。
〇千葉絢子委員 いわて県民クラブの千葉絢子です。どうぞよろしくお願いいたします。
事前に質疑要旨を提供してありました県内の高校生の医学部進学率につきましては、教育委員会より資料を頂戴しましたので、割愛させていただきたいと思います。
まず一つ目です。岩手県の子供たちの学力は、全国と比較して、現状はどうなっているのか。過去5年間の全国学力テストの結果を、可能であれば、順位も含めてお示しいただきたいと思います。
また、直近の今年度の全国学力テストの結果、正答率から見てとれる中学3年生の学力を、県教委としてはどのように分析しているのかお聞きしたいと思います。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 岩手県の子供たちの学力の現状についてでありますが、全国学力調査の結果について、文部科学省では、序列化や過度な競争が生じないように順位をつけた公表をしておりませんが、報道等によって事実上明らかになっている過去5回の順位につきまして、およそ上位、中位、下位という3グループに分けてみた場合に、本県の小学校は、国語は上位、算数は中位となっております。また、中学校では、国語は中位、数学は下位となっており、数学Aにおいては、過去5回とも40番台となっております。
また、直近の調査結果からは、中学校の国語と数学が厳しい結果になっておるわけですが、その原因といたしましては、例えば、数学Aという基礎、基本を問う問題ですが、これにつきましては、文字式であるとか方程式の定着に課題があります。原因の一つとして、授業ではわかったと感じていても、実際には、復習が不十分なため確実な定着に至っていないことが考えられます。
そのほかにもさまざまあろうかと思いますが、分析結果を指導に生かすことが大切であることから、市町村教委と連携しながら、各学校の学力向上の取り組みを支援してまいります。
〇千葉絢子委員 私は、かつて報道記者をしておりまして、教育記者クラブの担当だったころ、県教委の皆さんからは、この全国学力テストなどの結果につきまして、ただ悪い、悪いと報道するのではなく、現場の先生方がやる気になるような報道を心がけてほしいということも言われまして、私もそのように心がけてまいりました。
でも、ことしの全国学力テストでは、8月26日付の新聞の各紙報道を見ますと、中3の数学では、正答率で比較しますと、全国では45位、さらには、記述式の問題では無回答が目立ったと読売新聞にはありました。
県が掲げている児童生徒の学力向上の項目の中には、数学と英語力の向上という目標が掲げられていて、その目標値に対する達成度は全てAとなっております。その直後に実施された全国学力テストの結果が45位という惨たんたる結果なんですけれども、この、目標を達成したにもかかわらず45位という結果については、どのように認識なさっているんでしょうか。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 数学の45位、事実でございます。それでも、わかりやすい授業について取り組んだ学校の割合ということにつきましては、子供たちが、わかりやすい授業だということを回答しておりますので、目標値に対しては達成度がAとなっていて、そこに率直な疑問を感じる方々がいらっしゃるのではないかと捉えております。
児童生徒が学習内容を理解すると同時に、学習した内容の定着を十分図ることができるように、今後の第3期アクションプランにおいては、その両方を考えた手だてについて検討しているところでございます。
今後は、数学の学力向上に向けまして、数学教員の指導力向上をも含めまして、教員の研修の機会をふやすなど、より一層授業改善が図られるよう努めてまいりたいと思います。
〇千葉絢子委員 学力の向上に関する政策の推進方策指標につきましては、今、小野寺課長がおっしゃったように、わかりやすい授業に努めていると回答する学校の数をふやせば、もしかすると達成可能な目標値であるように私は感じるんですね。その結果は求めないというふうに、この成果に関する説明書の中から、私はそのようにちょっと受け取ってしまったんですけれども、また一方で、中高連携英語力向上推進事業として、英語能力判定テストを全ての中学生に実施したようでございますが、英検3級、つまりは中学校3年生レベルの英語力を身につけている中学3年生の割合が38%、それで達成度はAになっています。目標値に至っては32%。つまりは、中3レベルの英語力を身につけている中3生が4割に満たないにもかかわらず、達成度をAとしている。その目標設定のそもそものあり方に疑問を感じるんですけれども、これは数学と同じことかもしれません。これについてはいかがでしょうか。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 平成26年度の目標値につきましては、本県で前の年度に調査した結果が31%であったことと、あわせて国の平均が32%であったことから、32%という設定をしたものであります。
その結果、平成26年度の本県の実績値は38.1%となって、数値上はA評価ということでありますが、国のレベルあるいは中学校3年生レベルでありますとまだまだ足りないということも認識しておりますので、全国よりは3.4ポイント上回っているものの、今後とも英語力向上が必要であると捉えております。
〇千葉絢子委員 英語力向上のためには、先ほど来ALTの配置ですとかといったことも話題に上がっていますけれども、そのALTを何人配置したかではなく、英語の必修化が始まる小学校高学年から高校までの一貫した学習計画が英語力の底上げにつながっていくと思うんですが、これにつきましては、県は何か具体的な計画を今お持ちなんでしょうか。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 小・中・高の連携を図った英語教育についてですが、現在、本県では、国の事業である英語教育強化拠点事業というものに取り組んでおりまして、紫波町の小学校三つ、紫波第一中学校、そして紫波総合高校で、モデルとなるプランを考えながら、外部の大学教授等の委員を入れて取り組んでいるところでございます。
その際、小学校、中学校、高等学校の教員が、全てお互いの授業を見合って、計画を吟味して、どういう指導がよいかということを研究しているところでありまして、来年度も続けることとして予定しているところでございます。
〇千葉絢子委員 では、この紫波町のモデルがさらに研究されていって、全県にいずれ広がっていくというようなことでよろしいでしょうか。
全国学力テストの結果だけを見れば、お隣秋田県が全国1位の常連であることは、私たちも報道などで知るところですけれども、私は今から6年前の11月に、全国学力テストの結果を受けて、岩手県の学力向上の方策を探ろうと、お隣秋田県の小学校、中学校、そして秋田県教育庁を取材したことがございました。秋田の桜小学校では、授業を進行する担任と、もう一人、教室内で子供たちの理解を促進するサブティーチャーの2人体制で授業を進めていました。また、ノートやテストを見た教師や家庭学習を見た親が、必ずコメントを書き添えるようにしているので、先生方や家族が見てくれているといううれしさが学ぶ意欲につながっているのではないかと秋田県の教育庁の方はおっしゃっていました。
きっと県教委の皆様方も、秋田県のその事例を視察などで御存じかと思います。あの取材の際には、小野寺課長にも大変お世話になりましてありがとうございました。
あれから6年がたちましたけれども、岩手県の学力は低いままなんですね。実は、私たちが中高生だった20年前も、岩手県の学力は低いと言われておりました。今、私の子供たちの世代でも学力が低いと言われていて、このままでは、あと20年、30年たって孫の世代になっても、岩手県の学力は低いと言われたままなのではないかと、私は、学齢期の子供を持つ母親として非常に不安に感じています。なぜ岩手県の学力は上がらないとお考えでしょうか。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 なぜと言われまして、これこれ、こうだからだということをここで明快に申し上げられるものを持っておりませんで、先ほど千葉委員がおっしゃられたような、教員の配置であるとか、教員一人一人の授業力であるとか、家庭の協力であるとか、地域環境のことであるとか、さまざまな要因があろうかと思いますが、それら一つ一つのうち、本県では、授業力の向上と家庭学習の強化ということを中心に来年度取り組んでいこうということで、今、検討しているところでございます。
〇千葉絢子委員 学校だけの責任でもありませんし、やはり家庭と連携した教育のあり方というものをもう少し岩手県では見直していかなければいけないのかなというのは、私も共働きの家庭で子供を育てておりますので、そこは親としても実感しているところです。
ただ、私たち子育て世代の関心は、最初は、いかに産み育てやすい環境であるか、預け先があるかということから始まりますけれども、子供が学齢期に達しますと、どうしても興味、関心は教育に移っていきます。その後は、関心は、子供たちが卒業して、働く場所が果たしてあるのかと、そういったところにも行きますし、さらに子供が成長していくと、子育てが終わると、自分たちの老後へと興味、関心が移っていくんですね。
なので、子供たちやその親のライフステージに合わせて、何が必要な政策であるかということ、また、それぞれの担当部署だけでなく、トータルで子育てから老後までをフォローしていかないと、岩手県の復興を担う人材を育成できないのではないかと私は考えるわけです。
子供たちの基礎学力を高めて全国の子供たちと渡り合えるようにすれば、やがては地域医療を担う医師とか、地域経済を牽引していく経営者であるとか、あとは優秀な指導力を持った教師となって、またふるさとに戻ってきて、岩手県の復興を担っていく人材に育っていくのではないかと私は考えているのです。なので、私は、岩手県をもっと豊かにしていくために、今こそ教育、人づくりにお金を使わなければいけない、知恵を出さなければいけないと考えています。
来年度の予算、そして、今策定中のいわて県民計画の第3期アクションプランには、ぜひ本日の御答弁が生かされて、本当に子供たちの学力の向上に資する事業ですとか目標が盛り込まれることを御期待申し上げてよろしいでしょうかということと、あとは、教育委員会の皆さんには、例えば5年後はこうありたい、岩手県の子供たちはこう育てるという教育信念のようなものを、本当に育てていくやる気があるのかというところをお聞きして、終わりたいと思います。
〇高橋教育長 教育については、これはまさに百年の大計と言われるように極めて大事な施策分野だと思っています。地域をつくるのも人ですし、それから、岩手県の場合、復興を実現する、それから、これから社会が変容する中で、その社会全体を支えていく、これも人です。そういうことで、学校教育に課せられた役割というのは極めて大きいと考えております。
教育関係者が力を合わせて頑張っていきますというのがただいまの御質問に対するお答えだと思いますけれども、ただ頑張るだけでは、これは具体的な道筋がないということでございます。現在、第3期アクションプランの策定に向けて、さまざまな議論を展開しています。全国学力調査の結果、非常に厳しい状況だということは、我々正面からそれを受けとめなければならないと思っています。
ただ、一方で、人間形成に当たりましては、これは、知・徳・体のバランスのとれた人間形成が大事だと思っていまして、その中でも特に学力につきましては、これから社会が変容して、例えば、かつては大学を卒業すれば就職ができたと。それから、大企業に入れば、それで人生が豊かになるという時代もあったと思います。
今、これは文部科学省の中央教育審議会などでもそういう話が出ているのですけれども、恐らくこれからは、9割以上の子供たちが人生のうちで転職を経験するだろうと。これまで固定したような、当たり前だったというような企業自体が生き残るのも厳しい時代になってくる、また新しい仕事も出てくる。それに対応できるような、まさに創造力も多分に持った子供たちが、これからの社会をつくっていく時代が来ると思いますので、そういうことも我々見据えながら、教育の充実に向けて取り組んでいきたいと思っております。
〇千葉絢子委員 私は、震災後、特に岩手県の将来像にすごく不安を感じまして、会社員をやめて、この場に来させていただきました。皆さんと一緒に岩手県の子供たちの未来を開きたいと考えております。どうか子供たちの未来のために、よろしくお願いしたいと思います。
〇佐藤ケイ子委員 少し違う観点から質問させていただきたいと思います。学校給食の地場農産品の活用について伺いたいと思います。
この課題については農政サイドの施策であると思われがちだと思いますけれども、各市町村単位での取り組み意識がなければなかなか進まないことであります。学校給食は市町村教育委員会の管轄ではありますけれども、県全体としても取り組みを奨励して、強化していかなければなりません。特にも、学校関係は縦割り意識が強いと申しましょうか、そんな感じを私は持っておりまして、県教委からの後押しがなければ、なかなか進まないのではないかと思っているところです。
そこで、学校給食での地場農産品活用の状況はどうなっているか、現状と課題をどう捉えているのかお伺いいたしたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 学校給食への地場農産品活用についてでございますけれども、文部科学省の調査による平成25年度の学校給食における地場産物の利用割合は、食材数ベースで、岩手県は28.8%となっており、全国平均の25.8%を上回っているところでございます。また、農林水産部による重量ベースでの平成24年度調査では46.9%となっております。
地場産物活用の課題となっていることについては、天候や収穫時期によって利用できない場合があること、また、冬期間での野菜の生産が限られるため利用できない状況などとなっております。
〇佐藤ケイ子委員 今、食材ベースで28%ということでありますけれども、これも、本当に各機関、市町村の教育委員会もですし、農政サイドも、それから農協も生産者も一体となって取り組んでいかなければ、なかなか進まない状況なんです。この意識が少しでも薄れると、すぐほかの産地のものを食材として利用するという傾向になってまいります。
そこで、私も北上市でもさんざん取り上げてきたんですけれども、本当にそれに取り組まなければならないという状況です。意識の問題が非常に強くて、その市町村の方針とか、それから、県職員である栄養士の意識、そうしたものによっても全然温度差が違ってまいります。
積極的に取り組んでいる事例というのは、私は紫波町とかがよく取り組んでいるのではないかと思って見てきたんですけれども、特徴的な取り組みをしている事例を紹介していくことも必要ではないかと思いますが、特徴的な取り組みがありましたら御紹介いただきたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 市町村の取り組みについてでございますけれども、二戸市での産直との食材の年間契約や洋野町での給食センターの注文に応じた産直での生産計画の策定、奥州市での地元食材を使用した加工食品の開発や製造を地元業者に委託している事例などもあるところでございます。
また、全県的な取り組みとしては、生産組合からの協力による助成事業を積極的に活用し、各校において、県産の鶏肉や牛肉を取り入れた学校給食の提供を行っているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 給食センターは、どこも大型化が進んでおりまして、3、000食を超えるような大量調理が進んできていました。それで、その大量調理の時間の問題とか、限られた時間の中で調理をすることとか、配送する時間という中で制約がかなり出てきまして、現場では、なるべく地元産の食材を使いたくない、規格がそろったものを大量にそろえたいという意識が大変強くなってきているんですね。そうすると、農業の活性化とか、それから、地域の農家の意欲とかにも影響してきますし、子供たちも、地域の皆さんに感謝をするとか、地域でとれるものに注目していこうという意識が、どんどん少なくなってくるというようなこともあろうかと思って見ていました。
それで、農家の方々、生産者の方々と一緒に給食を食べる機会をつくるとか、そうしたさまざまな取り組みを県教委でも積極的に進めていただきたいと思いますけれども、今後どのように取り組むかお伺いして、質問を終わらせていただきます。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 県教委といたしましては、農業県であり地産地消を推進する立場にあることから、引き続き市町村や学校に対し、食育の観点からも学校給食における県産食材の活用促進を働きかけるとともに、栄養教諭や学校栄養職員を対象とした研修会において、先ほど御紹介いたしましたような各市町村での地場産物の食材や取り組み事例について情報提供していきたいと考えております。
〇神崎浩之委員 冒頭、教育長から学校評価について、非常に成果が上がっているという話がございましたが、この学校評価について、私は、今回のいじめの対応、それから不登校等、さまざまな学校現場で起こっていることについて、なかなか地域、それから保護者等に伝わっていないのではないかということで、学校評価について、まず、この目的、それから現状についてお伺いしたいと思います。
〇石田学校企画課長 学校評価の目的についてでありますが、学校の裁量が拡大し、自主性、自立性が高まる上で、毎年度の教育活動等の成果を検証するとともに、その評価結果については積極的に情報公開し、学校運営の改善と発展を目指すために取り組んでいるものでございまして、学校教育法及び学校教育法施行規則に基づき実施しているところでございます。
本県公立学校の現状についてでございますが、国が公表いたしました平成23年度学校評価等実施状況調査の結果によりますと、法令上の義務である自己評価につきましては、実施率が99.1%となっております。また、法令上の努力義務でございます学校関係者評価の実施につきましては、小学校が83.9%、中学校が85.3%、高等学校が84.6%となっておりますが、平成26年度に県が実施した調査では、小学校が96.5%、中学校が93.4%、高等学校が100%と、ほとんどの学校で実施されているところでございます。
〇神崎浩之委員 この成果の説明書の評価もほとんどAなんですね。やっているということなんですけれども、問題なのは中身はどうなのかなというところですね。実施しているかどうかと、ただやればいいというわけではないので、その目的があると思うんですね。
そういうことで、今、実際にやられていると思いますが、それを地域の方、それから、保護者の皆さんは、学校評価についてどういう評価をなさっているのでしょうか。
〇石田学校企画課長 委員御指摘のとおり、実施率は全ての学校で実施されております。この学校評価自体、平成22年7月に、定着化を目指すということでガイドラインが示されておりまして、まず実施というところから始まり、それをどのように学校のPDCAサイクルにつなげるかは、やはり次の課題であると思っております。
具体的には、実際のところ、それぞれの学校でどのように地域の人と一緒になってやっているかとか一体になってやっているかという取り組みにつきましては、やはり温度差があると思うところでございます。
〇神崎浩之委員 この学校評価の大きな目的の中に、保護者、地域に公表、報告しているかというのがあるんですね。やはり教育現場というのは、ほかの部署と違って閉鎖的だとよく言われているわけなんです。
そういうこともありますので、この点、指標のあり方は、各委員も示しておりますけれども、教育長にちょっとお伺いしたいんですが、学校評価とか学校評議員制度とか、それから学校運営という言葉から学校経営という言葉に変えた時期がありますね。今はもう学校経営と言っておりますけれども、10年ぐらい前から何かこういう制度、開かれた学校、学校経営みたいな言葉を使っていると思うんですが、この点について、私は、こういう言葉って、言葉だけが動いているような感じがして実態になじんでいないような気がするんですが、学校評価であったり学校経営だったり、それから地域の方を入れた学校評議員制度について、教育長はどういうふうにお考えになっているのかお伺いしたいと思います。
〇高橋教育長 学校経営という言葉ですけれども、これは、今のいわて県民計画が、まさに地域経営の考え方を取り入れた計画ということで、行政だけではなくて、県民、それから産業界、関係団体を含めた岩手県を挙げて、全体でこの地域をつくっていこうと。それで、地域経営という考え方を取り入れたという流れに沿って、教育分野でも、学校経営ということで、これは学校だけで自己完結するのではなくて、地域の皆さんと一緒になって学校を盛り上げていただく、子供を育んでいただきたい、また、その中で学校は主体的な役割、責任を果たしていくというような思いで、学校経営というような表現を取り入れたと承知いたしております。
いずれ、仕組みがどうというのは、学校教育法が改正になりまして、第三者の視点を入れた学校経営をしていくのは極めて大事だと、これは大きな時代の流れ、社会の流れだと思っていまして、我々もそれに適切に対応することが必要だと考えて現在の仕組みを導入しているわけです。
ただ、要は、大事なのは、委員おっしゃるとおり、そこに魂が入っているかどうかということだと思っております。それを公表すればいいのだとか評価すればいいのだと、それが目的化しては、当然それでとまってしまうわけでございまして、目指すところはその先にあると思っておりまして、この評価につきましても、そういう視点を十分留意しながら、魂入れをしていくように心がけたいと思っております。
〇神崎浩之委員 不登校の問題とか、それから心のケアの問題についても、やっぱり開かれた学校ということが非常に重要になってくるものでありまして、教育長が言われたように、学校だけで完結するものではないんですね。家庭、地域があっての不登校、それから心のケアという課題解決につながっておりますので、どうぞ学校評価、ただ単に運営を経営に変えただけではなくて、魂を入れていただきたいなと。
次に、不登校の現状についてであります。
平成26年度の小学校、中学校、高校における不登校、それから保健室登校、それから退学の状況についてお伺いいたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 小・中・高等学校における不登校、保健室登校、退学の状況についてでありますが、平成26年度問題行動等調査における不登校児童生徒数は、小学校143人、中学校791人、高等学校354人であり、前年度と比較して、小学校は10人減少、中学校は81人増加、高等学校は19人減少となっております。
高等学校中途退学者数については305人であり、前年度と比較して73人減少となっております。
県教委が独自に調査をしております、保健室登校ではなく別室登校の調査になりますけれども、小学校57人、中学校298人、高等学校26人で、前年度と比較しまして、小学校は8人増加、中学校は9人増加、高等学校は1人増加となっております。
〇神崎浩之委員 小学校は若干減って、中学校はふえてということがあって、別室登校についてもそういう傾向があるんですけれども、これは、例えば平成25年度に対してこういう数字なのか、それともここ二、三年そういう傾向なのか、中学校がふえているということなのか、その辺をお伺いしたいと思いますし、また、原因はどういうふうに分析していらっしゃるのかお伺いいたしたいと思います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 ここ何年かの経過になりますけれども、小学校は、平成24年度が134人で平成25年度が153人と19人増加して、平成26年度はまた10人減少したという状況になっております。中学校については、ここ平成25年までは毎年700人前半の不登校数だったわけですけれども、平成26年度におきましては急に81人増加したと。高校については、ここ5年ほどずっと減少が続いておりまして、平成26年度は354人という数字になっております。
原因につきましては、なかなか複雑多様化しておりますので一概に言えないのですけれども、やはり人間関係で難しい状況になってしまって不登校になってしまっているということが大きくなっておりますし、そこの中には、当然、友人関係とか、あとは親子の関係、家庭の影響の部分とかということも含まれているかと思いますけれども、いずれ要因については多様化しているということが言われております。
〇神崎浩之委員 分析はなかなか難しいと思うんですが、これは、例えば被災地とそうでない地域によって差があるのか、傾向があるのかどうか、お伺いしたいと思います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 特に東日本大震災以降については、やはり沿岸部の被災状況がかなり厳しい状況だということがあるわけですけれども、いわゆる不登校につきましては、震災以降、沿岸部が極端にふえたというデータはございません。今年度の中学校の81人増加というのも、沿岸部がふえたわけではなくて、主に内陸部の中規模以上の中学校の出現率がアップしたという状況になっております。
〇神崎浩之委員 中学校がふえているという傾向があるようですので、ぜひ、それに対する対応に取り組んでいただきたいと思っております。
次に、三つ目の心のケアについてお伺いいたします。
まず、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置状況、勤務体制、それから業務内容についてお伺いしたいと思います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの現状ということになりますけれども、まずは、スクールカウンセラーにつきましては、特に東日本大震災津波発災以降ですけれども、児童生徒、保護者の心のケアに対応するために、全県にスクールカウンセラーを配置しておりまして、全ての学校が、そのニーズに応じてスクールカウンセラーを活用できる体制を整備しております。
また、児童生徒の問題行動が家庭環境や生活環境の変化に起因するケースも散見されるため、いわゆる福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーの配置拡充を行いながら、学校、家庭と関係機関との連携が図られるよう配慮しております。
平成27年度のスクールカウンセラーの配置状況になりますけれども、小学校が46校、中学校が146校、高等学校が55校、それに加えまして、沿岸部は被災状況が大変激しかったということがありますので、沿岸部の3教育事務所につきましては、県外の臨床心理士を公募いたしまして、巡回型カウンセラーという形で13名配置をしており、機動的に被災児童生徒等のケアに当たる体制をとっております。
スクールソーシャルワーカーは、県内6教育事務所に計14人を配置しております。
勤務体系につきましては、スクールカウンセラーはさまざまな勤務体系がありますけれども、週1回、6時間で35週というところを基本にしながら、人によっては週5日間勤務している方もおりますし、あとは2日、3日という方もいらっしゃいます。
スクールソーシャルワーカーにつきましては、年間420時間という時間のもとに、あとは配置校を教育事務所でさまざま考慮しながら勤務をしているという状況になっております。
〇神崎浩之委員 これは、被災前からこういう制度があるわけでありますが、今のお話を聞きますと、ニーズに対応してということだったんですけれども、本当にニーズに対応されているのかということがあります。
このスクールカウンセラー、それからスクールソーシャルワーカーのライセンスはどうなっているのか、それから経験とか、この点についてお伺いいたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 まずは、スクールカウンセラーの資格につきましては、臨床心理士資格を有している、もしくは大学の先生で専門に臨床関係を専攻している、あとは精神科医というような方々が有資格者と。なかなか臨床心理士の資格を取るのも大変になりますので、それに準ずる方ということで、例えば教員のOBとか、もしくは市町村で設置しております適応指導教室等に5年以上勤務した相談経験のある方等を、いわゆる準ずる方の資格ということで任用しております。
また、スクールソーシャルワーカーにつきましては、社会福祉士、精神保健福祉士等の資格を持っている方を有資格者としておりますし、また、これもなかなか人材が不足している部分がありますので、やはり教員のOB等を、その準ずる方ということで任用しているという状況があります。
〇神崎浩之委員 今後、これらにどう対応していくのか、県として教育委員会の中で位置づけていくのかということをお聞きしたいわけですけれども、今、お話を聞いていても、やはり非常勤で時間で頼まれていると。場合によっては県外からということであります。被災前からこういう制度があったわけですけれども、先ほど不登校のいろいろな実数もありました。被災後も、これから10年、20年大変だと思っておりますが、どういうふうに位置づけていくのか、体制をどうしていくのか。
例えば、年間400万円、500万円出すような方を正職員として採用して、中心的な役割を担っていただきながら、この制度を正式な制度としてやっていくようなおつもりもあるのかどうか。相談業務に、退職した教員の方が当たっているというような例も確かにあります。どうなのかというようなものもあるんですけれどもね。先ほど学校評価でも言いましたけれども、やっぱり家庭とか地域に入っていかないとこういう子供の問題というのは解決しないわけです。学校だけで完結できないわけですよ。
そんなことも含めて、今後、このスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の位置づけ、常勤化も含めてどういうふうなことで考えていらっしゃるのかお伺いして終わりたいと思います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 委員御指摘のとおり、例えばいじめとか不登校とか生徒指導上の課題、あと、子供を取り巻く環境が複雑化、困難化しているのは我々も承知しております。こうした現状を改善するための方策として、教員の専門性の向上を図ることは当然ですけれども、加えて、多様な専門性を有したスタッフを配置して、さまざまな業務を連携、分担するチームとしての職務を担う体制を整備することが求められておりますし、国でもチーム学校というところで今、盛んに検討しているところであります。
いずれ県といたしましても、済みません、予算の話になりますけれども、現在、国の10分の10補助の緊急スクールカウンセラー配置事業の中でこのスクールカウンセラーとかスクールソーシャルワーカーを配置しておりますけれども、この制度のままで正規職員を雇えるかどうかちょっと難しい部分がありますから、その辺のところも含めて、いずれスクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの配置は拡充していかなければならないと考えております。
〇神崎浩之委員 その時間だけあっちに行けとかこっちに来いとか、次はあっちだということではやはり落ち着いて相談も受けられないし、生徒だって心を許せないですよ。そんなことで、岩手のスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーをぜひ県教委の中で育てていかないと、これはなくなっていくものではないと思うんです。今、養護の先生も大変ですよね。そんなことも含めて、きちっとした体制で、位置づけて育てていくことをしていかないと仕事の内容的にうまくないのではないか。教育長、最後にお願いします。
〇高橋教育長 子供たちの置かれている環境が変化してきているということについては生徒指導課長からお話し申し上げたとおりでございますけれども、いずれ子供たちを近い将来の社会人として育てていくというのは教育の極めて大きな役割でございまして、その心の悩みとかさまざまな問題について、子供たちに直接向き合って指導していくというのは学校の大きな役割だと思っています。
現在、文部科学省のほうでは、概算要求でチーム学校ということで非常勤職員の拡充等を要求しているところでございますけれども、一方、地域では、なかなかそういう人材が確保できないという問題もございます。そういう中で、教職員定数をさらに拡充していくということについても、現在、財務省案は逆のトレンドでの見直しを提示してきておりまして、そういう中で、現実的にどう対応するかというのは非常に大きな問題だと思っています。
いずれ、子供たちの悩みに適切に対応していくというのは極めて大きな我々に課された使命だと思いますので、さまざまな方途を検討しながら対応してまいりたいと考えています。
〇柳村一委員 私も今の神崎委員の質疑に関連で一つ。
学校評価についてですけれども、神崎委員がおっしゃるように、ただ評価をしているだけの状態なのかなと。ほとんどの学校ではやられているとおっしゃっていましたけれども、これをちゃんと公表して、地域でそれを活用していかなければいけないと思いますけれども、公表している割合と、公表して地域で活用されている事例があるのかどうか、そこら辺をお伺いしたいと思います。
〇石田学校企画課長 ただいまの、地域に公表、報告している学校の割合でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、平成23年度、これは文部科学省が公表している実施状況調査結果でございます。これが一番直近の状況でございますので、この数値について述べさせていただきますと、小・中・高校とも平成23年度は82%でございまして、8割以上の学校が公表しているところでございます。
ただし、その公表の仕方です、どのように理解してもらえるのか、あるいはもらっているのかが次の課題であると捉えております。
〇柳村一委員 県立高校では100%公表している。でも、それはインターネットで、ホームページで公表しているだけで、果たして地域に認知度があるかといったら、多分ゼロだと思うんです。ただ学校評価をやりなさいと。先生たちは忙しい中、一生懸命学校評価をしました。結果は出ました。それを公表しました。でも、誰も活用していない。これじゃ何のためにやっているのか意味がないですよね。
そのために地域ぐるみで学校経営をしていくとか、そういう部分に今後取り組んでいく。今、教育長もチーム学校という話をされました。地域を取り入れることがこれからは学校教育にすごく重要になってくると思うので、ここら辺をもう少ししっかり、やらせるだけではなく、それを活用する。活用しなければ意味がないので、そこら辺をしっかりやっていただきたいと思います。
それでは、それ以外の質問に入らせていただきます。
教育総務費の教育指導費の児童生徒健全育成推進費と、社会教育費、社会教育総務費の教育振興運動推進費、この2点について伺いたいと思います。
まず、平成26年度の内容と成果について伺います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 児童生徒健全育成推進費についてでありますけれども、事業の具体といたしましては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置、24時間いじめ相談ダイヤル事業、いじめ問題総合対策事業等となっております。
不登校やいじめ等で悩む児童生徒及び保護者に対するカウンセリングなどを行うスクールカウンセラーや、子供を取り巻く環境の調整を図るスクールソーシャルワーカーは、各学校における教育相談体制の整備や学校不適応の予防、改善、児童生徒の心のサポート等に成果を上げております。
いじめ問題への対応としては、児童生徒や保護者からの電話相談に24時間対応する体制、及びメール相談に対応する体制を設けております。また、昨年度、要綱によりいじめ問題対策連絡協議会を設置し、関係する機関や団体の連携強化を図っております。
〇松下生涯学習文化課総括課長 教育振興運動推進費につきましては、教育振興運動50周年記念大会の開催経費のほか、教育振興運動の推進に向けました研修会の開催や周知、啓発等に係る経費でございます。
成果につきましては、昨年度開催いたしました50周年記念大会においては、記念講演や実践事例の発表、そしてシンポジウム等を行いまして、これまで50年にわたって継続してきました教育振興運動の成果や課題を振り返る契機となりました。特に、新たな運動の方向性について共通理解を図ることによりまして、今後の取り組みの活性化につながる大会になったと考えてございます。
また、昨年度までみんなで教振!10か年プロジェクトとして教育振興運動を推進してきておりますけれども、全県共通課題に読書活動の推進と家庭学習の充実を設定して取り組んできたところでございまして、これによりまして、平均読書冊数の増加ですとかテレビの視聴時間の減少につながるなど、着実に成果が上がってきていると捉えております。
〇柳村一委員 まず、児童生徒健全育成推進費のほうですが、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、先ほど神崎委員がいろいろ質問されておりましたが、この数はやはり足りないのであろうと私も思います。その中で、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーに対する相談件数がどのぐらいあったのか、また、その重立った内容はどういうものなのかをお伺いしたいのと、不登校は、平成26年度は小学校143人、中学校791人、高校が354人と先ほど答えられておりましたけれども、この不登校の生徒たちを相談などによって未然に防ぐ事例があったのか。例えば、不登校だったんだけれども復学したお子さんがいるのか、そこら辺についてお伺いしたいと思います。
あと、教育振興運動についてですけれども、10カ年プロジェクトの総まとめだったということで、今度は5年に向けてやるということですけれども、10カ年プロジェクトの総まとめの中で、特にこの10年間で問題だったこと。読書を一生懸命やるというのが教振みたいな形であるんですけれども、ほかに違う部分で何かやっていたものがないのかというのと、この50周年を振り返って、教振の今までの方向性がどのような形で変化してきているのかお伺いします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 まず、スクールカウンセラーの相談件数についてでありますが、申しわけありません、手元に資料がございませんので、後ほど答弁いたします。
スクールソーシャルワーカーにつきましては、平成26年度は県下の教育事務所に計12人配置されておりますけれども、合計で253件の相談件数になっております。
また、不登校に対するスクールカウンセラー等のかかわりですが、個別の事案については全てこちらで把握しているわけではないですけれども、まずは子供たちの様子を担任なり学校なりでしっかりと把握しまして、スクールカウンセラーは大体週に1回ほどの訪問になりますので、より専門的な相談とかカウンセリングをスクールカウンセラーにつなぐということになりますので、そういう形で状況が改善された例は多数あるものと考えております。(柳村一委員「相談内容」と呼ぶ)
スクールソーシャルワーカーにつきましては、やはり家庭状況がさまざま変化しておりますので、経済的なもののために、例えば市町村の福祉関係に実際に出向いて関係づくりをしたりとか、あとは家庭訪問をしまして保護者のいろいろな相談に乗るということもスクールソーシャルワーカーはやっているということになります。
スクールカウンセラーについては、いずれ不登校、あとはいじめ、震災等の心のケアに当たっているということになります。
〇松下生涯学習文化課総括課長 教育振興運動についてでございますけれども、教育振興運動の全県共通課題は読書活動等でやってきたところでございますが、そのほか、教育振興運動については、地元の教育課題に合わせて自主的な取り組みとしてさまざま行われております。例えば学習活動ですとか自然体験活動、また、郷土芸能ですとかスポーツ、レクリエーションとかを含めまして、実践区と呼んでおりますけれども、その単位ごとにさまざまな活動が展開されてきたところでございます。
教育振興運動の、先ほど申しましたみんなで教振!10か年プロジェクトということで、これまでの活動を振り返りながら、その組織体制とかを見直してまたやっていこうということで取り組んできたわけでございます。10カ年プロジェクトの反省といたしましては、10年間という期間が少し長かったという反省がございまして、今後は5年間という区切りを設けて進めていこうと思っておりまして、今回の新しい5年間につきましては、情報メディアとの上手なつき合い方を全県共通課題にいたしまして、それと、各地域で抱えております教育課題の解決に向け、うまく全県共通課題と地域の教育課題を連動させたような取り組みを進めていきたいと考えてございます。
〇柳村一委員 児童生徒健全育成推進費ですけれども、スクールソーシャルワーカーのほうはわかりましたけれども、スクールカウンセラーは週1回のタイミング。タイミングが合えば相談に乗れるでしょうけれども、なかなかそのタイミングと相談したいというのは合わないものでしょうし、タイミングが合って相談がうまくいけば不登校にならずに済んだ可能性もあるでしょうし、そういう部分で、やはり先ほど神崎委員がおっしゃったように、ちゃんとした体制を組むべきではないかと思います。
児童生徒健全育成推進費のほとんどが相談の経費に使われていますけれども、今、大変問題になっているいじめについて、相談を受けたということは、もういじめが発生している状況なんですよね。健全に育成するためには、いじめが発生しないような状況にも取り組んでいかなければならないと思うんですけれども、そのような取り組みはなされているのでしょうかお伺いします。
あと、教振のほうですけれども、やはり10年というのは長い、5年にしたということで、今度はメディア活用─スマホ等々の使われ方でしょうけれども、それもいわゆる陰湿ないじめに使われつつあります。かなり問題になっております。教育について地域課題に取り組みながら5年間やっていくということですけれども、いじめに対してみんなで取り組もうというような意見は出なかったのでしょうか。そこら辺についてお伺いしたいと思います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 今般、平成26年度の問題行動等調査のいじめの認知件数について公表いたしました。その再調査という形になったわけですけれども、やはり、今、委員おっしゃるいじめの認知、いかに認知するかが課題となりまして、ここは、これまでも非常に難しい課題だったということになります。
県教委といたしましては、平成24年に大津のいじめによる自殺事案が発生した後、毎年、全部の小・中・高等学校の生徒指導主事等を対象としたいじめに係る研修会の中でいじめの認知とか予防、早期発見、早期対応等の中身についても研修を行っているところで、現場の教員のアンテナの高さとか感度を上げていくことが重要なのではないかという認識のもとに進めておりますし、今後におきましても、校長等の研修会等も活用しながら、さらにいじめの予防とか早期発見、早期対応に取り組んでまいりたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 教育振興運動の今後5年間の新たな全県共通課題といたしまして情報メディアとの上手なつき合い方というのを設定したところでございます。この検討過程において、情報メディアについては、便利な側面と、余り依存し過ぎると危ないですとか、いじめの温床になる可能性があるとかさまざまな懸念がございました。そのほか、情報メディアに依存し過ぎると例えば読書の時間が割かれてしまうとか、そのほかの体験活動をやらずにずっとスマホをいじっているというようなことで、現在のさまざまな教育課題の大きな根底になっている部分が、情報メディアとのつき合い方を改善していくことで波及効果が大きいのではないかということを考えまして、今後5年間については情報メディアとの上手なつき合い方ということを全県共通課題に置いて推進していきたいと考えてございます。
〇柳村一委員 一昨日の新聞ですと、県内のいじめが倍増したとか、認知ゼロの155校が認知したとか。ただ、現場の先生にしてみれば、じゃれ合っているのかいじめているのか、線引きがすごく難しいと思うんです。子供たちにしてみても、いじめじゃない、からかっているんだよという程度だけれども、やられた本人にとっては深刻に考える。そのときにやっぱりスクールカウンセラーの方に相談したり学校の先生に相談したりというのが重要になってきますし、家庭もすごく大切になってくると思うんです。私のころですと、先生に怒られてきたと家に帰って言うと、おまえ、何か悪いことをしたんだろう、それで終わりでした。でも、今は親がまともにとることもある。それが非常に多い。そうなってくると先生がどんどん萎縮してくるという部分で、家庭の親に対する教育もすごく必要になってくるのではないかという部分が大きいです。
そのために、教振にしても学校評価にしても、主要施策の成果に関する説明書のナンバー24、家庭・地域との協働による学校経営の推進、ここで県がうたっているようなことをしっかりやれば、いじめというのはどんどん少なくなっていくと思うんです。まず、地域、親、家庭が、しっかりといじめはだめなんだぞと。教育現場にとっても、いじめが発生した対策ばかり今、行って、後手後手に回っています。そうじゃない、まず、いじめは悪いことだという教育をしっかりすることによって、親も家庭もそういうことを教え込むことによっていじめが少しでも少なくなってくると思います。
岩手県いじめ防止等のための基本的な方針というのを出されておりますが、それを見ても、いじめが起きてからの対策に終始しております。起きる前の施策をもっとやっていかないと、今後いじめは減ることはないだろうし、先ほど教育長が二度と起こさない、命を大切にする教育をやっていくと言いましたけれども、根本的に考えていかなければならない時期なのではないのか。今までの政策を踏襲していって同じようなことを繰り返しやっていたのではいつまでたっても改善されないと思うので、そこら辺のいじめに対するお考えを聞いて終わりにします。
〇高橋教育長 昨年度、今年度といじめを一因とした中学生の自殺事案が本県で起きたことについては重く受けとめることも当然ですし、岩手の教育界で起きた話ということで、我々十分その事実を反省しなければならないと考えております。
今後の対応でございますけれども、これは単に当該市町だけの問題ではなく、これは全県どこでも起こり得るという大前提に立って、早期発見、早期予防、それから、具体的に起きたときの対策を県下の学校全体で、また、これは学校なり学校関係者も含めてその対策を講じていくことが極めて大事だと思っております。今回の9月定例会で議決いただきました関係の3条例もそうですし、それから、補正予算でもそういう予防対策についての予算を組ませていただきました。いずれ、このいじめ問題については、発生防止、それをなくすという取り組みも極めて大事ですし、現実に起きたことに対しては、学校、組織を挙げて具体的に対応する、この両面からの対応を継続してやっていく強い気持ちでおります。
〇佐々木茂光副委員長 この際、執行部より発言を求められておりますので、これを許します。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 先ほどのスクールカウンセラーの相談件数、大変申しわけありません。
平成26年度の相談件数になりますけれども、小・中・高等学校合計で2万4、623件となっております。
〇宮澤学校施設課長 先ほど城内委員の通学費支援バス運行事業についての御質問の答弁で、遠距離通学費についての補助額を5、790万円と申し上げましたが、正しくは579万円でありますので、おわびして訂正いたします。まことに申しわけありませんでした。
〇高田一郎委員 私は、まず最初に、学校施設の安全対策についてお伺いいたします。
学校施設というのは子供たちが1日の大半を過ごす場所であって、何よりも安全でなければなりません。現在の建築基準法や消防法でも、建築の点検とか消火、避難設備などの消防点検を定期的に行わなければならないと義務づけられております。しかし、火災報知器が作動しなかったとか、あるいはベランダの手すりが壊れているのがそのまま放置されたり、あるいは、市町村によっては点検活動すらやられなかったという事案があって、会計検査院からの指摘もされたという報道がされております。
そこで、県内の法令に基づいた点検活動は実際どうなっているのか。全国では点検すらやられていない市町村があったと驚くような現状もあったんですけれども、岩手の場合は市町村がきちっとそういう点検活動をやられているのか、その現状についてまず示してください。
〇宮澤学校施設課長 学校施設の安全対策に係る本県の状況でございますけれども、今回、公表されました会計検査院の調査につきましては、本県は調査の対象外でございます。
まず、県立学校でございますが、法律の基準上、点検を要する学校施設ということで、全ての学校において法律の規定どおり1年に2回の消防点検が点検業者への委託により行われておりまして、また、3年に1回の建築点検につきましては、県教委の有資格の技術者により実施されております。点検によりふぐあいが発生した場合、緊急性、必要性の高いものから順に、できる限り速やかな維持補修を実施しているところでございます。
次に、市町村立の小中学校でございますが、その維持管理は市町村教委が行ってございますので、その実施状況について独自に確認いたしました。その結果、各消防署あるいは広域振興局の土木センターの指導によりまして、全ての市町村において法律の規定どおりの点検が行われてございます。
ふぐあいの修繕状況につきましては、現在、確認中でございますが、緊急性、必要性が高いものについて、仮に適切な対応が行われていないといった事実が認められた場合、県教委といたしましては、当該市町村に対しまして、適切な対応が図られますよう助言、要請を行ってまいります。
〇高田一郎委員 今の答弁ですと、岩手の場合は県においても市町村においても法令に基づいて点検活動はやられているということでありました。
その実態について、点検はやられていると思うんですけれども、そこで改善が必要な箇所は何カ所あったのか。そして、それで改善がどの程度図られたのかが大事だと思うんですけれども、その実態というのは県教委ではつかんでいるんですか。
〇宮澤学校施設課長 市町村の小中学校の点検の実態については、現在、確認を進めている段階でございます。ここでお示しできるものがございませんので、県立学校の点検の状況についてお示ししたいと思います。
過去3カ年に行われました県立学校に対する建築点検の実施総数でございますが、平成24年度26校、平成25年度28校、平成26年度28校となってございます。このうち、早急に補修、改善を要するとされてございますDという判定区分に該当するものがこの3カ年で92件ございました。
その対応でございますけれども、平成24年度にございました29件は全て対応済みでございますが、平成25年度の4件あるいは平成26年度の9件につきましては、今後、対応予定となってございます。ふぐあいにつきましては、全体の維持補修費との関係もございまして、大体急を要するものから実施しておりますが、2年間の間にはふぐあいは全て解消されているという現在の状況でございます。
〇滝山予算財務課長 県立学校の消防の点検についてお答え申し上げます。
本県の県立学校全てを対象として、毎年、年2回、消防法に定める自動火災報知設備や消火器具等の点検を専門業者に委託して行っております。
点検の結果、何らかのふぐあいがあり指摘を受けた学校数は、平成26年度におきまして、自動火災報知設備関係は50校。中身といたしましては、多かったものとして、煙感知器の交換が必要であるとか誘導灯のバッテリー交換が必要であるといったようなものでございます。また、消火器具関係で指摘を受けた学校数は41校となっております。内容といたしましては、消火器の腐食、破損で交換が必要なもの、それから屋内消火栓のふぐあいといったものになっておりますが、指摘のあった内容については、速やかに修繕、交換するなど適切に対応しているところでございます。
〇高田一郎委員 県立学校については答弁をいただきました。D判定というのは、今々早急な改善が求められる、そういう判定にもかかわらず2年間でやればいいということですけれども、やっぱり指摘されたら、D判定ですからすぐ対応するというぐらいの予算措置をしっかりやっていただきたいと思うんです。冒頭申し上げたように、1日の大半を過ごす学校施設であって、何よりも安全対策が一番求められるわけですから、それをしっかり対応していただきたい。
市町村については、実態をまだ県教委としてしっかりとつかまれていないということですよね。これについても、県教委が市町村ごとの実態をしっかりつかんで必要な支援をしていくことが大事じゃないですか。
〇宮澤学校施設課長 市町村の維持補修費の状況については、現在、調査中ということでございますが、県立の学校あるいは市町村立の小中学校につきましても、同様に早急に対応の必要なものは、確かに予算等の事情もございますけれども、できる限り優先度の高いものから措置されるべきものと考えてございます。そうした観点から、今後、市町村の実情を把握いたしまして、市町村の小中学校につきましても適切な対応が図られるように、市町村とさまざま協議を行い、対応してまいりたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 では、その点はよろしくお願いいたします。
次に、子供の学習支援の課題についてお伺いいたします。
一つは、就学援助制度は、本県の33市町村の中でそれぞれ認定率というのがどの程度になっているのか。
それから、ひとり親家庭の貧困率が今議会でも議論されましたけれども、54.6%となっております。ひとり親家庭の就学援助というのはどれだけ認定されているのか。
また、高校生のアルバイトの状況ですね。私学については総務部でお聞きしましたけれども、こういった現状とか、あるいは昨年度から始まった公立高等学校生徒等奨学給付金の給付実態、どの程度支給されているのか、その点についてまず数字を示してください。
〇宮澤学校施設課長 文部科学省による就学援助実施状況等調査によります就学援助制度の市町村の援助率につきましては、ひとり親世帯など、世帯構成ごとの援助率につきましては調査されてございません。
平成25年度の就学援助全体の援助率につきましては、要保護及び準要保護児童生徒数は1万369人でございまして、これは本県全児童生徒数の10.2%に相当いたします。被災児童生徒就学援助事業対象者を含めました就学援助対象の認定数は1万3、959人、援助率は13.7%となってございます。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 高校生のアルバイトの現状についてでございます。
高校生のアルバイトの状況については、申しわけございません、特に調査はしておりませんが、私が勤務したことのある県立高校におきましては、学校生活を中心とする生活を送るように指導しております。しかし、生徒の家庭状況とかその他の個別の事情によりましては、生徒、保護者からアルバイトの申請があれば認めております。それから、季節によりますが、新聞の報道等でも見られますように、年末年始になりますと、郵便局や神社等の要請に応じて、学校が生徒を募集して協力するということはございます。それから、定時制の県立高校につきましては、最近、正社員として仕事につきながら通学する生徒の割合は減少傾向にありますが、一方で、アルバイトを行う生徒のほうは増加していると捉えております。
〇菊池教育企画室特命参事兼企画課長 公立高等学校生徒等奨学給付金についてでございますが、この給付金は、生活保護世帯、それから市町村民税所得割の非課税世帯の高校生等を対象といたしまして、授業料以外の教育費の負担軽減を図るために平成26年度の新入生から給付を開始しているものでございまして、学年進行で順次、対象学年を拡充しております。本年度は、高校1年生、2年生を対象に給付いたしてございます。
その給付の実績でございますが、平成26年度におきましては、国公立の高校、高等専門学校1年生のうち1、814人に対して給付したところでございまして、1人当たりの給付額につきましては、そのお子さんが第1子であるか、ないしは第2子以降であるかによって異なっておりますが、年額3万7、400円から12万9、700円といった額を支給しているところでございます。
〇高田一郎委員 就学援助制度について市町村ごとということを聞いたんですけれども、就学援助制度というのは何年か前から地方財政措置、地方交付税で措置されているということで、市町村によってはかなり格差がある状況なんですよね。県内の実態はどうなっていますか。
〇宮澤学校施設課長 市町村の格差についてでございますが、特にも、事業の中で準要保護事業につきましては、それぞれの市町村の実情に応じた制度の運用が行われております。今回公表されました文部科学省の実施状況等調査にございますとおり、それぞれの市町村ごとに認定基準の運用あるいは周知方法に差や特徴がございます。
県教委といたしましては、準要保護事業が市町村単独事業であることから、それぞれの市町村におきまして地方財政措置に沿った制度の運用が図られ、今後とも、基準でありますとか制度の周知方法の状況に関する各市町村の情報を相互に提供することにより、さらなる改善が図られますよう市町村を支援してまいりたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 市町村ごとの具体的な認定率を聞いたんですけれども、ちょっと時間がないので。
県内の状況を見ますと、児童生徒数に対して就学援助を受けている率というのは、一番高いところで久慈市の26%、低いところでは3%ぐらいなんですよ。久慈市だけが本当に生活に困窮している人がいるまちかといえば、そうじゃないと思うんです。地方財政措置によって対応しているので、その市町村の教育にかける思いがあらわれていると思うんです。
問題は、本当に地方財政措置されている分、きちっとこの分野に使われているかどうかだと思うんです。県内の母子家庭の実態調査を見ましたけれども、母子家庭では、月収15万円以下が65%、そして、母子家庭の生活保護を受けている割合が、議論もありましたけれども4%という状況で、本当に地方交付税で措置されている就学援助が、本来の趣旨、役割をきちっと果たしているのかと私は思うんです。今でも年間7万円とか10万円とかお金がかかっているわけです、給食費とか副教材とかPTA会費とか。そういうことを考えると、就学援助制度というのは、やはり課題もあるし、抜本的に充実していかなければならない状況に今あるのではないかと私は思うんですけれども、その点、県としてどう考えておりますか。
〇宮澤学校施設課長 ただいま委員から御指摘がございましたとおり、市町村におけます地方財政措置の活用の状況ということになりますと、全ての市町村について確認したわけではございませんが、やはり市町村ごとにばらつきがあるのが実情ではないかと捉えてございます。
そうした中におきまして、市町村の単独事業という側面もございますことから、県教委といたしましては、制度の適切な運用をまず図っていただきたいという観点から、それぞれの市町村の実施状況につきまして、毎年度、こうした国の調査を踏まえまして情報提供をしております。あるいは、制度の周知につきましても、それぞれの市町村においてやっぱり違いがございます。市町村におきましては、いろいろ雇用の状況でありますとか経済の状況は個別に違いますけれども、その中におきましても、制度が効果的に運用されるように、本当に必要とされる世帯に制度が周知されますように、それぞれの市町村で、周知の方法、あるいはそれぞれの個別の世帯にそうした制度の趣旨がきちんと行き渡って申請がなされるような工夫をしていただくことが必要と考えてございます。
そうした観点から、県教委といたしましては、いろいろな機会を捉えまして、市町村にそうした必要性でありますとか、関連する情報の提供に今後とも努めてまいりたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 県内の就学援助の認定率が3%台から26%台と、幾ら市町村の裁量かもしれませんけれども、余りにも格差があるわけであります。本来、就学援助制度というのは、経済的理由によって本当に就学が困難な児童生徒に対する支援でありますから、それにふさわしい支援がされていないという状況にもあるわけですから、県内の実態をしっかりつかんで必要な支援をしていただきたいと思います。
国はこれまで、学習機会の提供によって貧困の負の連鎖を断ち切るということで、生活保護世帯に対する放課後の学習支援とか、あるいは被災地でも放課後の学習支援をやってきました。国は、今ある制度で、生活保護世帯だけではなく、それ以外の生活に困窮する子供たち、いわゆる就学援助などを受けている人たちにも、高校も含めて学習の場を提供しようという取り組みが行われています。残念ながら岩手県はやられていません。私は、こういった国の制度を活用して、放課後の学習支援活動を岩手でもしっかりと取り組んでいく必要があると思いますけれども、そういう検討をされたのか、あるいは今後どうしようとしているのか、そこも含めて答弁をお願いいたします。
〇松下生涯学習文化課総括課長 放課後の児童生徒の学習支援についてでございますが、平成26年度におきましては、国庫補助事業でございます学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業等を活用いたしまして、一般社団法人やNPO法人等と連携しながら、沿岸被災地の中学生や高校生の学習支援を8市町村21カ所で行っているところでございまして、登録者は1、321名となってございます。
今後につきましては、まだ多くの児童生徒が仮設住宅に入居していることなどから、安全・安心な環境のもとで学習できる場所を確保するため、この取り組みを継続していく必要があると考えてございまして、今後も、関係団体と連携しながら児童生徒の放課後等の学習支援に努めてまいりたいと考えてございます。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 県立高校におきましては、生徒の基礎学力の定着というのは将来の生活の質にも直結しますので、しっかりとした力をつけて社会に送り出す必要があると考えております。まだ実績はございませんが、今後、国の事業─文部科学省の事業等も活用しながら、学習定着に困難を抱える生徒や特別な支援を必要とする生徒、あるいは家庭環境、貧困等の事由により家庭における学習環境が確保できていない生徒が多く在籍する高校に対しまして、放課後の学習支援等の取り組みを現在、検討しております。
〇佐々木茂光副委員長 高田一郎委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
〇高田一郎委員 わかりました。ぜひ新年度、具体化できるように取り組んでいただきたいと思います。
今度は被災地の学びの環境の改善の問題ですけれども、震災から4年7カ月たちました。毎日1時間かけて通学する児童という話もありましたけれども、被災地の学習環境は本当に一刻も早く改善しなければならない問題です。
現在、グラウンドのない学校とか、あるいは仮設校舎で授業をしなければならない現状がありますけれども、その改善、再建状況はどうなっているのでしょうか。そして、長い仮設暮らしの中で、健康状態も大変危惧されます。子供の心のケア対策などについても毎年調査をして対応しているようですけれども、この現状、そして、前年度と比べてどういう変化があるのか、この点ももしわかれば示してください。
〇宮澤学校施設課長 被災地の子供の学びの環境改善についてでございますが、学びの場の環境改善の進展につきましては、被災した学校施設の移転復旧、あるいはグラウンドに設置された仮設校舎の解消に大きく影響されるところでございます。
仮設校舎は、現在、小学校7校、中学校5校でございますが、被災した学校施設の復旧状況については、陸前高田市の気仙小学校を除く13校が完成または着手済みでございまして、現時点におきますと平成29年度初めまでの完成を目指してございます。これらの完成によりまして仮設校舎が解消されるため、県教委といたしましては、それぞれの建設事業の進捗状況に応じまして、できるだけ早期に完成されるよう、必要な助言あるいは支援を実施してまいります。
また、グラウンドに仮設住宅が建設されているため、全面的あるいは一部使用不可能となっている学校でございますが、現時点で小学校18校、中学校が12校ございます。仮設住宅につきましては、それぞれの被災市町村の都市計画の進展や住宅の復旧状況に依存してございますので、現在、大船渡市の綾里中学校の仮設住宅90戸が12月中旬をめどに解体作業が進められるなど、徐々に仮設住宅の解消や集約が図られているところでございます。一日も早い住環境の整備が望まれるところでございます。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 被災地における児童生徒の健康実態についてでございますけれども、毎年実施している定期健康診断の中で、生活習慣が影響すると思われます栄養状態─これは肥満とやせ傾向を見るものでございますが─と、歯、口腔の状態について、被災地における震災前と震災後の統計結果を比較しますと、肥満傾向の出現率は、小学校は減少傾向、中学校は増加傾向でございました。齲歯の罹患率は、被害が大きい沿岸南部においては、小学校は増加傾向、中学校において、震災直後の平成24年度は一旦増加したものの、平成26年度は減少しております。
沿岸部における肥満の出現率及び齲歯の罹患率は震災前から県平均を上回っており、現在、各校において、家庭、地域、関係機関と連携しながら、個別及び集団を対象に、肥満及び齲歯予防に関する保健指導を積極的に実施しているところでございます。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 児童生徒の心のケアについてでありますけれども、県教委におきまして、東日本大震災発災以降、毎年9月に実施している心とからだの健康観察の結果によりますと、サポートが必要な児童生徒の割合は、県全体としては減少傾向にあるものの、沿岸12市町村においては、被災地における生活再建がいまだ途上にあるといった要因などから増加傾向にありまして、具体的に申しますと、平成26年度は県全体としては11.9%、沿岸市町村におきましては14.1%で、平成25年度から0.4ポイント増加している状況にあります。当分の間は、現在と同水準の支援が必要であると考えております。
そのため、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの配置を進め、各学校の教育相談体制の充実を図るとともに、医療機関等との連携に努めながら重層的なケア体制を推進しております。
〇高田一郎委員 最後にしますけれども、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの問題も先ほどから議論になりました。今の被災地における子供の生活実態とか心のケア対策などの現状を見るとき、やはり中長期的な対策といいますか、阪神・淡路大震災でも子供たちが落ち着くまで5年から8年ぐらい時間がかかったということですから、相当長期間にわたる支援策が求められると思います。
私もたびたびこの問題をお聞きしていますけれども、現状の体制でいえばスクールソーシャルワーカーは80人ほど必要だと。そして、今のお話からしますとわずか12人しかいないと。六つの教育事務所に12人でありますから、1カ所当たり2人ですよね。やっぱりこの確保対策が必要だと思います。これまでは国のスクールカウンセラーのさまざまな財政支援でもって対応してきましたけれども、平成27年度で終わりということになります。これは今後どうなるのか。そして、震災があってもなくても、このスクールソーシャルワーカーとかスクールカウンセラーの体制は本当に充実していかなければならないと思いますけれども、その点も含めて、どういう人的体制の強化、確保を県として図ろうとしているのか、この点について質問いたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 スクールカウンセラーとかスクールソーシャルワーカーの人材確保でありますけれども、本県におきましては、資格を有する専門職の人材が圧倒的に数が不足している。しかも、地域によってその差が大きい。沿岸部に今は少ないという現状であるのが課題であります。それを埋めるために、国の予算等も使いながら、特に沿岸部を厚くするために、巡回型スクールカウンセラーを公募して、居住しながら支援体制を行ったり、あとは、被災した県立高校等の支援のため、県内の3大学から臨床心理士を派遣するなどしているということであります。
来年度の予算については、まだ国からはっきりとしたものは出ておりませんが、教育長も春先からずっと文部科学省等に行きまして予算要望しておりまして、その中身については、多分そのうちに公表になると思いますが、現段階で急に予算が減額されるということはないのではないか─これは希望的なものもありますけれども─ということでありますので、いずれ今後におきましても、その予算等も見ながら、あとはスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーにつきましても、県の臨床心理士会とか社会福祉士会と連携しながら人材確保に努めてまいりたいと思っております。
〇佐々木茂光副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後3時0分 休 憩
午後3時21分 再開
〇郷右近浩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇木村幸弘委員 私からは2点質問させていただきたいと思います。一部重複している点もありますので、できるだけ重複を避けながらということで質問いたします。
最初に、いじめ問題への対応についてということであります。
まずは、やはり何といっても、このたびの再調査によりまして認知件数が倍増したということであります。改めて大変衝撃を受けるわけでありますけれども、その要因と分析がどのように行われているのかお伺いしたいと思います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 平成26年度問題行動等調査結果のいじめの再調査の結果についてでありますけれども、今般の調査においては、県内の各学校が、矢巾町で発生した事案の課題を重く受けとめ、文部科学省発出のいじめの認知に関する考え方に基づき、初期段階のものも含めて積極的にいじめを捉えた結果、認知件数が増加したものと考えております。
いじめの認知については、児童生徒、教職員及び保護者のいじめ問題についての感度の高さであると考え、いじめの認知件数が多いことにつきましては、いじめを積極的に認知し、その解消に向けた取り組みのスタートラインに立っていると肯定的に評価したいと思います。
〇木村幸弘委員 そこで、ちょっと確認したいんですけれども、今回改めて再調査で2014年度の認知件数が増加しているわけですが、過去の認知件数の推移というところで、一部の新聞報道に記事が載っているのですが、その関係で対比をして2012年度の関係に次ぐ多さだという報道がされました。
改めて、この間の報道を含めた過去、2013年以前の推移について、その認知件数を2010年度から2013年度までの分についてお示しいただきたいと思いますし、それから、もう一つは、この2013年以前の認知件数というのは、あくまでも今回の文部科学省の再調査に基づく調査ではない結果の認知件数だと思うんですが、その点についてもお示しください。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 平成24年度の県内のいじめの認知件数の合計は2、286件であります。平成25年度は837件、平成26年度は、過日報道があったとおり1、774件という数字になっておりました。
ちなみに、平成22年度は478件、平成23年度は331件という数字になっております。
いじめの認知につきましては非常に難しいと。定義については、平成25年度のいじめ防止対策推進法ができた後に定義は若干変わったのですけれども、大きな変化ではないのですが、やはり、いじめの認知については、その定義に従って、各学校がどういうふうにいじめを認知するかというところの課題はこれまでもあったと。
平成24年度が2、286件と多くなったのは、やはり大津市でのいじめによる自殺の事案が、社会的にも非常に大きな問題になって、センセーショナルに報道されたことも受けまして、これまでも、そういう自殺事案等が起こると、いじめの認知件数がどんと全国的にも上がるという状況はかつてもあったというところになっておりまして、今回の再調査にかかわっては、文部科学省から、より具体的にいじめの認知の捉え方についての通知が来ておりますので、それに従って再調査をした結果、岩手県としても認知件数が多くなったということになっているものと思われます。
〇木村幸弘委員 そういう意味で言うと、例えば大津市の事件があった際に、平成24年度で大きくはね上がった認知件数の結果というものを、県教委自体がこれをどう受けとめて、そして、次年度以降、いわゆる2013年度以降に対してどのような対応、対策を進めてきたのかというところも、私は実は問われるのではないかと思っているんですけれども、その辺についてはどのように考えますか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 平成24年度の件数が多かったということにつきまして、この年は、実は8月に、年度途中なんですけれども、緊急の調査が行われまして、そこで2、000件を超える認知件数になったというところを経ての年度末の2、200件という数字になっております。
いずれ、大津市での自殺事案というものが、先ほども申し上げましたとおり、社会的に大きな問題になったということを受けまして、県といたしましては、平成24年度から、先ほどの答弁ともちょっと重複しますけれども、小・中・高等学校、全ての学校から教員を必ず1人参加していただいての研修というものを、県内さまざまな会場を用いて行っているというようなこともありますし、あとは、やはりいじめにかかわっては、子供たちが困ったときにさまざま相談するという、相談ダイヤルの周知のために、名刺大のいじめの相談ダイヤルのカードを平成24年度から小・中・高・特別支援学校、全部の児童生徒に配布して、いじめ相談ダイヤルの周知を図ったという取り組みもしてまいりました。
ただ、そういう中で、やはりいじめの認知件数が平成24年度は多くなったけれども、平成25年度また下がったというか、そういうことにつきましては、一つは、その研修等によりまして、学校の中でいじめを未然防止する取り組みがなされたという評価もありますけれども、やはり認知の部分では、まだまだ課題があるということのあらわれではないかと思っております。
〇木村幸弘委員 そのような県教委あるいは現場での自己分析というか、いろいろと推移を踏まえながらの、なぜこうなってきたのかというところをしっかりと押さえていくのは、これからの再発防止に取り組む上でも大変重要だと思います。
もう一つは、今回の再調査に対して、学校現場自体で、いわゆるいじめの認知の感度が上がったとかアンテナを高くしたという部分があるのですけれども、改めて、再調査に当たって現場自体の中ではどういう認識を皆さんがしっかりと受けとめ、あるいは共有化を図って、この再調査というところに対応してきたのか、その辺について、現場の状況がどうだったのかお聞きしたいのと、また、結果として倍増したということの今回の結果を踏まえると、今後の対策を強化する上で、現場からの意見というものをしっかりと集約して対策に生かしていくのは重要なことだと思いますけれども、こうした現場からの意見やその集約方法、あるいは、もし集約がされていれば、どういう意見が上がってきているのか、それに対する課題の認識等はどうなっているのかお伺いしたいと思います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 今般の再調査を学校に依頼するに当たりまして、先ほど申し上げました文部科学省から、より具体的ないじめの捉え方に関する考え方のもとが示されましたので、その中には、いじめは、社会性を身に付ける途上にある児童生徒が集団で活動する場合、しばしば発生するものであるという表現とか、いずれ、いじめは起こるのが自然であるという表現等々もありました。
また、やはり矢巾町で発生しました事案の課題を踏まえて、対人関係のトラブルと捉えていた事案の中に、いじめと認知するものがあった可能性もあるというところも組織的に見直すようにということを示した上で、再調査に当たったということになります。
ただ、再調査の結果、各学校におきまして、いじめと認識する基準に開きがあったというような課題は、やはり明らかになったと考えております。
現在、再調査が終了したところですので、まだ意見集約というものはできておりませんが、今後の教職員を対象にした研修会とか会議等におきまして、いじめの認知の課題をさまざまな形で聞き取りながら、いじめの認知のあり方について、今後も理解を深めるように努めてまいりたいと思います。
〇木村幸弘委員 そこで、先ほど神崎委員あるいは柳村一委員からも、いじめにかかわる部分等を含めて、やはり子供たちが発信する危険信号をどう察知して対応するかというところでは、大変重要だという議論がありました。
教育長からは、チーム学校を含めた取り組みを含めて、まさに組織を挙げて取り組まなければならないという御答弁をいただいたわけでありますけれども、そこで、個々人の教職員一人一人が、子供たちと向き合いながら、いじめの認知に係る感度を上げていく、これは大変重要なことだろうと思いますけれども、同時に、御答弁いただいたいわゆるチーム学校として、この組織として、しっかりとこれがお互いにカバーし合えるような状況というか、あるいは学校としての風土、今までのいじめを察知できなかったという反省を考えるとすれば、その組織としての風土の中にも、やはりいろいろな問題点や課題があったのではないかと思うんですけれども、そうしたところについての認識をどのように捉えていますか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 矢巾町の事案につきましても、担任はさまざまな子供からのSOSを受けて、その亡くなった生徒やその当事者に対しては指導を行っていた。もちろん何もやっていなかったわけではないんですけれども、それが結局、学年の中とか、もしくは学校全体としての情報共有がなされなかったと。それによって、組織的な対応ができなくて、結果的に命を落とすことにつながったということを考えますと、先ほど委員は、学校の風土と言いましたけれども、やはりさまざまなものを学校の中で、もしくは職員室の中で自由に話せる、いわゆる同僚性をどんどん高めていかないと、これは、いじめだけの問題ではなくて、学校の組織としてのあり方というものについては未熟なものではないかと思います。これは単純なことではないわけですけれども、校長を中心とした同僚性を高めるための取り組みというものも、当然必要になってくるものと思われます。
〇木村幸弘委員 わかりました。いずれ、組織的な体制、取り組みをどうしっかりとつくり上げていくかということも、これからのまさに重要な課題であると思っています。
私的にも、今回のいじめ事案にかかわって改めて思うところは、やはりどうしても不都合な問題に対して向き合う姿勢について、いろいろと問題点があったのではないかとも思います。それから、体制、そして現場のあり方、その中でも特に、いわゆる教職員の多忙化の問題は、これまでも常々議論をし、指摘もしてまいりましたけれども、子供たちと向き合う時間がどれだけ確保されているのか。本当に小さなシグナルや、そういった子供たちが発信するところに感度を上げろといっても、接する時間や機会がなければ、これもまた不十分な対応になってしまうわけです。そうした部分での要因を含めた体制の問題。そして、もう一つは、事案が発生したときに、あるいは未然に防止するに当たっても、先ほどスクールソーシャルワーカーであるとかスクールカウンセラーのお話もありましたけれども、ある意味、内輪だけの問題にとどめずに、第三者的な、あるいは公平、中立な判断が求められるような事例に対して、きちんと対応できるような体制をつくるであるとか、こうした部分をしっかりとやっていく必要があるんだと思っております。
そういった点を含めて、教育長にお伺いしたいと思います。
〇高橋教育長 一連のいじめに係る事案につきましては、さまざまな反省点がございます。まず、学校組織全体としての情報共有がなされていなかった、それから、それぞれ学校独自には、学校のいじめ防止の基本方針はつくっていたけれども、それに沿った具体的な行動に結びついていなかったというのが、当該町での学校調査の中でも明らかになっておりますし、それから、今回の再調査を通じた中でも、新たにいじめの認知件数が倍増したということは、いじめに対する学校組織としての捉え方に大きな課題があったのだと。いじめというのはないのが理想だけれど、それが先行して、いわばその問題から結果的に遠ざかったというようなことが大きな事案につながるというのが、今回の大きな反省点だったろうと思っています。
そしてまた、それぞれの学校だけの取り組みだけではなくて、特に保護者、それから、あとは地域との関係も深めていくことによって、さまざまな情報が入ってくるということでございますので、まさに学校評価のお話も先ほどございましたけれども、これは、いじめ問題もそうですし、学校経営、学力の問題も同じです。そういうことで、さまざまな課題がある中で、チーム学校としての総力を挙げて課題に向き合うことが大事かと思っております。
いずれ、今回の反省点はさまざまございますので、それを各市町村教委、それから県立学校間で情報共有しながら、我々でできる限りの努力をしたいと思っています。
それから、教員の多忙化の問題も、かつて、学校というのは教科書を使って、それに沿った授業をやっていれば事済んだ時代も確かにあったと思います。それからあとは、学校が荒れた時代等もございまして、それには力で抑え込むということも現実にあったんだと思います。
今、学校側は、さまざまな説明責任が求められておりますし、それから、いわゆる時代の変化に伴っていろいろな能力を育んでいくことが大事になっていると思います。いずれ、子供たちの安全を確保することが、まずもって何よりも最優先で、それを前提にしつつ、あとは具体的にどのようなことが講じられるか、これは職員団体も含めてですけれども、関係者と十分話し合いをして、その改善方策を一歩ずつ積み重ねていかなければならないと考えております。
〇木村幸弘委員 次に、高校再編についてであります。午前中、工藤大輔委員からも一部質問がございましたので、重複を避けます。
まずは、これまでの新たな高校再編に向けて、それぞれの各地域で検討されてきた経過があります。この経過に対して、改めてその認識をお伺いしたいと思いますし、地域検討会議における論点、あるいは県教委として、この論点に対する対応姿勢はどういうふうに考えているのかお伺いしたいと思います。
〇木村高校改革課長 高校再編についてでございますが、高校再編は、教育、地域にとって極めて重要なものであると認識しており、丁寧に意見を伺ってきたところでございます。
先ほど工藤大輔委員にもお答えしたとおり、本年5月以降、県内9ブロックにおきまして地域検討会議、意見交換会という場を通じまして、さまざまな御意見を伺ってきたところでございます。
そして、地域検討会議、県民との意見交換会におきましては、ブロック内の学校、学科の配置の具体化というところを主な論点として議論を行っておりまして、地域との連携、協力のあり方なども含めて意見を伺ってきたところでございます。
そして、これまでの意見交換では、おのおのの地域における学校の重要性に鑑み、できる限り高校を存続してほしいといった意見や、統合する場合であっても、中学生の選択肢が維持できるような学科の配置を求める声を多くいただいておりまして、こうした意見も十分踏まえ、教育の質の保証とともに、教育の機会の保障の観点も重視しながら、計画の策定を進めてまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 そこで、次に、そういった取り組みと論点をこれからも深めていただかなければなりませんが、先ほど工藤大輔委員の質問の中でスケジュールのお答えがありました。スケジュールそのものの状況はわかりましたけれども、確認したいことは、これまでの県教委の、今回のこの高校再編にかかわって各地域で検討会議をやってきているわけでありますけれども、今回が最後の第3回目ということ、第3巡目の検討会議ということになるんですが、1回目の検討会議の際には、これが終わった後に、いわゆる関係地区における住民との意見交換会が1度行われております。県教委は、この検討会議をスタートさせる際に、私の記憶であれば、検討会議は3回ほどやりたい、それから、地域との意見交換会についても2回は実施したいというお答えをしているんですね。
ところが、先ほどのスケジュールを聞くと、もう年内には、いわゆる一つの案を策定するということで、出前講座は予定したいということですが、県教委主催の各地域の住民を対象にした意見交換会の2回目が、このタイムスケジュールの予定の中では消えているんですね。これはどういう考え方なのか、改めて確認したいと思います。
〇木村高校改革課長 地域検討会議、そして県民との意見交換会の開催スケジュールについての御質問がありました。第1回の地域検討会議、意見交換会は、本年5月20日から6月23日までということで開催させていただき、第2回の地域検討会議は、その地域との連携等も十分に協議させていただきたいというような趣旨もありまして、7月22日から8月22日まで開催させていただいたところです。先週、10月22日から来月の25日までは、この地域代表によります地域検討会議と県民との意見交換会もあわせて今実施している最中でございます。
〇郷右近浩委員長 木村幸弘委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
〇木村幸弘委員 そうすると、今回の検討会議は、一般住民も直接参加して、そこで意見を述べる機会を設けてやっているということでいいんでしょうか。
〇木村高校改革課長 そのとおりでございます。そしてあと、それに加えて、県内の9ブロックでやりますので、地域から、もう少し地元で話が聞きたいという場合については、今、出前での対応もさせていただいているところです。
〇木村幸弘委員 了解しました。
それでは、いろいろとこれから議論を深めていくわけでありますが、最後にですけれども、県立高等学校新整備計画後期計画において、今回の検討会議の中で県教委から示されている資料を見ますと、いろいろと後期計画にかかわる基準の見直しあるいは検討が必要だということが述べられているようでありますけれども、改めて、その考える見直し検討に当たる基準のポイントというものがどういうものになっているのかお聞かせいただきたいと思います。
〇木村高校改革課長 御質問ありました統合基準の見直しについてでございます。
平成21年度までを計画期間といたしました県立高等学校新整備計画後期計画では、1学級校は分校となることが原則であり、分校は、入学者が募集定員の半数、20名を下回る状況または入学した生徒のうち、地元の中学校からの進学者の割合が半数以下となった状況、このいずれかが2年続いた場合には、原則として募集停止とし、統合するというような基準があったところでございます。
その後、東日本大震災津波の発災により次期計画の策定を凍結したことから、現在、1学級の本校が存在すること、そして、高校標準法の改定に伴いまして、本校、分校の規定が削除されるというような状況変化があったことに加えまして、人口減少社会への対応ということも求められており、大都市圏からの移住等も想定されるような状況にあるところでございます。
こうした状況の変化等も踏まえまして、1学級校であっても本校とし、通学が著しく困難な場合等にあっては、教育の機会の保障の観点から、特例として存続させる方向性についても検討しているところでございます。
ただし、それぞれの地域におきまして、さまざまな取り組みを行った場合でも、極端に生徒が減少した場合には統合もやむを得ないものと認識しておりますので、その場合の統合基準に地元からの進学者の割合を加えることは、現実的ではないと考えているところでございます。
今後も地域検討会議、意見交換会を開催してまいりますが、引き続き県民の皆様からの意見を丁寧に伺いまして、その意見も踏まえ、統合基準の見直しを検討してまいりたいと考えております。よろしくお願いします。
〇千田美津子委員 私は、特別支援教育の充実について、特に高等部に絞って1点だけお伺いいたしますので、よろしくお願いいたします。
今、地域の要望とすれば、二戸市と北上市からの要望があるわけです。二戸市については、来年4月から分教室が開設されるということでいいわけですが、北上市も、小中学校については分教室設置で話し合いがなされているということは理解しました。ただ、花巻市の花巻清風支援学校の高等部に北上市から50人を超える子供さん方が通っておられるというこの現状ですね。私は、やはり高等部についても早急に対応が必要ではないかと思うわけですが、この現状と今後についてどう検討しておられるのかお伺いいたします。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 花巻清風支援学校におけます北上市出身の高等部生徒についてでございますが、本年度5月1日現在でございますが、北上市出身者は56名となっており、その割合も47%と高いと認識しております。
高等部につきましては、将来の自立や就職を見据えた教育が必要でございまして、人間関係の幅の広がりなどを踏まえ、大きな学習集団が必要と考えているところでございます。また、教育課程上も、作業学習に重点を置いているため、作業学習に適した教育環境が必要となります。
花巻清風支援学校につきましては、昨年度整備した特別教室棟など職業能力の育成に適した教育環境が整っていること、また、大きな学習集団であるからこそ、複数の作業学習を選択することができるというメリットがあるため、慎重に検討してまいりたいと思っております。
〇千田美津子委員 確かに、今おっしゃるように、本当に大きな人間集団の中で培われるものというのはすごく大きいと思います。ただ、作業棟ができたそうですけれども、実は、生徒の数が多くて手狭だという話を聞きました。ですから、私は、もう限界がある状況ではないかと思うんですね。多ければ多いほどいいというのではないと思います。やはり、さまざまな障がいを持った方々が通っていらっしゃるので、もうこれは、すぐにでも対応していく必要があるのではないかと感じました。
本来は1クラス8人が目安ですね、普通の分が。それが9人になっているクラスが、高校1年で四つのうち3クラスが9人になっています。それから、高校3年生が、四つのうち、やっぱり3クラスが9人になっているようです。これは、やはりもう限界を超えた状況になっているということで、大きくなればなるほど、障がいによっては、ほかの子供さんとの距離をもっと大きくとらなければならない子供さんもおられると伺っています。ですから、8人まで大丈夫だではなくて、その障がいによっては、7人とか、そういう状況でなければならない、一人一人に沿ったきめ細かな対応が支援学校についてはとりわけ重要ではないかと、私は皆さんのお話を聞いて感じました。
ですから、大きい集団の中でさまざま得られるものも大きいわけですけれども、しかし、現状はもっときめ細かな対応が私は求められると思いますし、そういった点で、高校2年生、高校1年生も、北上市のお子さんは、2クラス分以上の子供さんがいらっしゃるわけです。高校2年生が18人、高校1年生が17人ということで、もう2クラス設置してもいいくらいの子供さんたちがいらっしゃるわけですから、この現状にしっかり対応した取り組みが私は必要ではないかと思いますので、お答えをお願いしたいと思います。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 子供たちの実態に応じたきめ細やかな指導は必要だと認識しております。通常学級につきましては定員8名で、障がいが重複している、あるいは重度の生徒につきましては3名1学級ということで、現在、学級定数を定めて整備しているところでございます。
実態に応じて細かく対応できるような工夫もいたしておりますし、あと、定員をオーバーしても、個々に複数で職員が入っておりますので、チームティーチングで、その子供たちの実態に応じて適切な指導を心がけるように、現場では日々工夫等を行っております。
〇千田美津子委員 現場では個に応じた指導がなされ、頑張ってやっていただいていることはわかります。ただ、保護者の皆さんのお話を聞きますと、やはり子供たちにとっては、先ほども言いましたけれども、ほかの子との距離を要する子供たちがいるのだよと。しかし、手狭な中でやっているために我慢している状況があると。
ですから、そういうことも私は十分に視野に入れるべきではないかと思いますし、今、高校再編の検討がなされているわけですから、そういう中においても、私は、やはり特別支援教育は、本当に一人一人の障がいに応じた、ニーズに合った対応をしていくということが、本当に大事なことではないかと思いますので、ぜひ前向きな御検討をお願いしたいと思います。
来年度から、盛岡みたけ支援学校とか、宮古恵風支援学校とか一関清明支援学校とか、一定程度の学級が増になる、これはいいことだと思いますが、ただ、これに北上市の部分が全くカウントされていない状況があるので、私は、この部分が非常に気にかかっております。ぜひ、先ほども言いましたが、高校再編に向けた検討の中で、こういう特別支援教育も、私は、今こそ検討すべきときではないかと感じますので、教育長に伺って、終わります。
〇高橋教育長 特別支援教育に対する御理解については、これは、旧養護学校時代から仕組みが変わりました特別支援学校ということで、それぞれの保護者の皆さん、それから教育関係者の努力によって、多くの子供さんたちを受け入れるような環境、そういう意識が広まってきたと思っております。
そういう中で、今、盛岡みたけ支援学校もそうですし、花巻清風支援学校等々、それぞれの特別支援学校の狭隘化の問題が大きな課題となっておりまして、これについては、計画的に順次取り組んでいきたいと思っています。
それと、特別支援学校の設置は、それぞれの広域圏ごとに中心校を設置するというのを基本にしておりまして、花巻清風支援学校につきましては、花巻市の南にございます太田地区にございまして、北上市の生徒たちも対象にした学校でございます。いずれ今回の盛岡となん支援学校の移転に伴いまして、盛岡みたけ支援学校と両方の生徒たちの活用の場も我々考えたいと思っておりまして、その辺も含めて今後のあり方を検討していきたい。
いずれ、委員から御紹介のありましたように、地域からの熱い要望があることについては、十分我々頭に入れさせていただきたいと思っています。
〇吉田敬子委員 児童生徒の体力、運動能力向上についてお伺いいたします。
これまでも取り上げてまいりましたけれども、先ほど、児童の知・徳・体、バランスよくというお話も教育長からありました。体力、運動能力向上の部分については、ここ数年ずっと県の評価の中でもD判定になっていまして、被災地のほうで、先ほど仮設住宅等での使用できないグラウンド等の話もありましたが、震災後だけでなく、震災前からも、運動能力、体力の低下というのは言われていたかと思います。
これまでもさまざまな事業をされておりまして、体育実技アシスタントを派遣されたりとかという活動をされておりますが、なぜこの数年ずっと体力、運動能力の向上に至っていないのか、県としてどのように把握されているか、具体的に事業の工夫というのはどのようにされたのかお伺いいたします。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 岩手県の体力、運動能力の状況でございますけれども、本県の全国の体力合計点は、体力・運動能力テスト8種目10点満点で実施いたしますが、その合計点の震災前の平成21年の状況を見ますと、小学校5年生男子で全国13位、小学校5年生女子で7位、中学校2年生男子で6位、中学校2年生女子で4位と、決して低くない数字でございます。しかし、いわて県民計画を作成する段階で、さらに上を目指して目標値を設定した経緯がございます。
それで、平成23年に第2期アクションプランを設定した段階で、震災の影響がこのように長引くことを想定しておりませんで、もう少し早く運動環境が整備されるのだろうということで高い設定をしたということで、低い評価が出ているものでございます。
いずれ、児童生徒の体力の現状は、県全体では改善傾向にございますけれども、震災前の状況にまでは回復していない状況でございますので、引き続きこの対応をしていきたいと思います。
平成26年度に実施した事業としては、児童の体力向上推進事業を実施しておりまして、体育の授業あるいは放課後の活動における地域スポーツ指導者の効果的な活用を行い、モデルとなる取り組みを明らかにするため、6教育事務所において各2校を選定の上、実践研究を実施しております。その成果をことし1月に開催した会議において、県内全小中学校の担当者と情報共有しているところでございます。
また、被災地においては、運動部活動の移動に係るバス利用の支援を実施し、運動機会を保障する取り組みを実施しているところでございます。
先ほどお話ししましたが、この震災前の状況まで回復しない要因としては、被災地における運動環境の制限が長期化していること、それから、内陸部も含めてですが、スクールバス利用等の児童生徒を取り巻く環境が変化していること、それから、女子にその傾向が多いのですけれども、運動する子とそうでない子の二極化がふえているという状況にございます。
今後につきましては、本年度から、希望郷いわて元気・体力アップ60運動ということで、国体にあわせて、家庭と地域と学校が連携して1日60分以上運動しようという取り組みをして、県全体の体力向上に努めてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 設定値を高くしてしまったところもあったと思うんですけれども、主要施策の成果に関する説明書の中にもありますが、全国的にも体力のテストで平均値が上がったために、県がそれに追いつかずにというのも変ですが、県がそこに追いつかなかったというようなことを書いていらっしゃるんですが、設定を高くし過ぎたからというのではなく、いろいろなマスコミ等の報道でも、もともと、やはり体力、運動能力の低下というのは言われていると私は認識しているので、その数値を設定したところに対してのどうのということではなく、本来は、子供たちの、全国的だけではないですけれども、その数値の設定のところで評価することではないと私は思っております。
その件についての御所見を伺いたいことと、平成26年度は、体育実技アシスタントの方々をさまざまなところに派遣されているということでありましたけれども、平成25年度においても派遣されております。平成25年度のときには、例えば、その派遣学級数が目標値50のところに対して69の実績があったところが、昨年度に関しては、目標値が派遣学校でたったの12というところで、県としては、本来体力向上を目指しているはずなのに、目標値の設定がそもそも大幅に減少しております。アシスタントの数も、2年前の平成25年度は50人というところで、平成26年度は12人といった数値の設定の仕方もあるので、ちょっと確認しながらですけれども、平成25年度よりもそういったアシスタントの派遣数が平成26年度は減っていると私は認識しているのと、事業の活用学校、体力向上推進事業のモデルとして学校事業をやっているということですが、昨年度が14校やっていて、その前も14校ということですけれども、これは同じようなところの学校をやられているのか、きちんとほかのところでもめぐってやられているのかお伺いいたします。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 児童生徒の体力向上については、我々も危機感を持ってやっているところでございまして、その中で、先ほど平成25年度に比べて平成26年度の事業数が少ないという御指摘をいただきました。平成25年度は、陸上競技等の専門的なアシスタントを学校に派遣して事業をしていたところですが、これは国の事業でやっているところでございますが、平成26年度につきましては、その国の事業がない状況でございまして、かわって、学校にアシスタントを送る中で、アシスタント事業と放課後に子供たちを地域の総合型スポーツクラブとか県体育協会の指導者を派遣して遊びとか運動に取り組む事業、この2本を立てる事業となりまして、その中で実施校が少なくなったということでございます。
事業の中身が変わったということでこういう形になりましたけれども、いずれモデル校として実施して、先ほど言いましたように、県全体に浸透させる取り組みをしながら、この拡大を図っていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 ちょっと理解が、ごめんなさい、私も勉強不足なところもあるかもしれませんけれども、ただ、県として、先ほど最初の答弁だと向上しているということと、2回目の答弁のときは危機感を感じているということだったので、どっちが本当なのか。それから、その危機感を感じているのに対してのこの事業数でいいのかどうか、その辺が、ごめんなさい、ちょっと納得できなかったんです。
いずれ、実際は子供たちの体力、運動能力の低下というのは本当に言われていることであると私は認識していますので、改めて、ここはもうちょっと、先ほどのほかの委員の質疑にもありましたが、実際に仮設住宅があるグラウンドが小学校で18校、中学校で12校あるということなので、特に沿岸のほうはそういった状況が強いと私は思っておりますので、改めてお伺いいたします。
あわせて、ちょっと関連するのですけれども、いわての学び希望基金についてお伺いいたしますが、この希望基金の中では、教育委員会が管轄して部活動の支援と文化芸術活動の支援をやっておられますが、まずは、その運動部活動に対する支援の状況と課題について、認識しているかお伺いいたします。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 沿岸部に対する運動に関する取り組みでございますが、限りあるスペースで活動できる運動プログラムの提供をやっておりまして、これは、昨年度沿岸に行きましたが、各学校でも体育館にその取り組みのモデルなどを示して実施している様子を見てまいりました。
各市町村教委、それから学校とも、一生懸命取り組んでいるという状況にあります。
また、沿岸部の保健体育の指導主事がおりますけれども、それらが学校訪問をしながら、状況を把握して、被災地の体力向上に対する支援を行っているという状況にございます。
また、先ほど吉田委員がおっしゃいました14校の取り組みということでございますが、その中身の一つとして、国の補助事業として、沿岸部から内陸部への部活動のバス移動の補助も実施している状況でございます。
運動部活動に対する支援の状況についてでございますけれども、いわての学び希望基金を活用した運動部活動における大会参加等に係る支援につきましては、県大会、東北大会、全国大会に出場する被災生徒全員に対して、大会出場に係る経費を補助しております。
平成26年度は、中学生延べ479名に対して567万円余、高校生延べ1、677名に対して1、875万円余の支援をしたところでございます。
今後も、被災生徒がこれまでと変わらず県大会、東北大会及び全国大会に出場できるよう、出場に係る費用の支援をしていくとともに、さらにどのような支援が可能か、被災生徒の実態や要望の把握に努めてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 いわての学び希望基金の部分ですけれども、部活動に対して支援されておりますが、実際に被災地では部活動が縮小されていたりとかしているところもあるかと思うんです。実際にこれ、県大会や全国大会、東北大会に出られないと希望基金が支援されないと思うんですが、実際にもうちょっと、例えばグラウンドとかが使えなくて部活動ができない場合等に、大会に出るときだけの支援でなく、大会に出るためにも、運動部活動の成績をもうちょっと上げるためのもの等にぜひ拡充していただきたいということを私は以前の委員会でもお話しさせていただいているんです。
実際に目標を設定して、その子供たちをその目標値までの実績に支援するという数ではないと思うんですが、実際県で掲げている例えば支援の大会出場者の人数に対して、半分くらいしか行けている実績がないので、私はぜひ、行ける子を支援するのではなくて、行けるような支援をすべきだと考えておりますが、その件についての御所見を伺いたいと思います。
最後に、まとめてお伺いいたしますが、伝統芸能等の伝承や郷土理解のための学校教育との連携についてお伺いいたします。
伝統芸能を実施している小学校の割合を上げるために具体的に取り組まれていると思いますけれども、私は、郷土愛を育むためにも、小学校での伝統芸能の継承活動にさらに積極的に取り組んでいく必要があると思いますが、県としての成果と課題についてお伺いいたします。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 被災地における大会以外のバス移動に係る経費ということですが、この分につきましても、現在、文部科学省の補助を受けて部活動の内陸部への移動の経費を補助している状況がありますが、実際に国の事業での対応では、7月からしか使えないとかというような状況もあります。大会前の練習に活用するためには4月、5月の活用が必要だという声もいただいておりますので、いわての学び希望基金の活用も検討させていただきたいと考えております。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 伝統芸能等を実施している小学校の割合を上げる取り組みについての御質問でございますけれども、私からは、学校教育としての取り組みについての部分をお答えさせていただきたいと思います。
県が実施しております教育課程編成状況調査によりますと、郷土芸能や伝統芸能の体験活動を授業に位置づけている小学校は、平成24年度が207校、56%、平成26年度が235校、68%と増加の傾向にございます。
県教育委員会としましては、これまで各学校が取り組んできた地域とのつながりを大切にした地域の住民や文化に触れる教育活動を充実していくよう継続して取り組んで支援していきたいと考えておりまし、また、現在、震災以降、全県で取り組んでおりますいわての復興教育におきまして、地域や人とのかかわりを重視して、きずなの大切さ、地域づくり、社会参画に関する学習というものを進めておりますが、そういう中で伝統芸能に取り組んでいる学校がふえてきてございます。
そういう形で、地域の方々とのかかわりを持っていただきながら、外部人材の活用ということにも積極的に取り組みながら、伝統芸能や文化の学習の取り組みを推進してまいりたいと考えているところでございます。
〇吉田敬子委員 いわての学び希望基金については、ぜひ拡充を検討していただきたいと思っております。特に、本来は孤児、遺児のためのというところから、部活動の支援等まで今は拡充されていますけれども、担当は復興局になるので基金の金額等に関してはまた別になりますが、いわての学び希望基金をもうちょっと有効的に使うためにも、ぜひ拡充を検討していただきたいと思っております。
伝統芸能については、これは目標値が70%になっているんですけれども、震災後にいわての復興教育というものをつくって、郷土愛を育むことを前面に押し出している復興教育だと私は思っておりますので、防災だけでなく、地域の伝統芸能に小さいころから親しむことを、私は小学校でそれを100%目指すことで、いずれは大人になっても、また地域に戻ってきやすい、あとは、やっぱり後継者がいない伝統芸能がたくさんありますので、ぜひ小学校での伝統芸能を積極的に進めていっていただきたいと思いますが、最後に教育長の御所見を伺って終わりたいと思います。
〇高橋教育長 まず、いわての学び希望基金の活用でございます。これは、いずれ本県の今の最重要課題は大震災からの復興だと思っております。そしてまた、教育行政におきましても、学びの場の復興ということが、まず最優先課題だと思っておりまして、そういう中で全国の皆様方、世界の皆様方から、希望基金に対して、今も引き続き手厚い御支援をいただいているところでございます。そういう御寄附をいただいた方々の思いに沿った有効な活用というものを、ただいまの委員の御提言等も踏まえ、今後検討させていただきたいと思っております。
それから、いわての復興教育でございますけれども、これは、防災という観点では、津波被害のみならず、さまざまな自然災害がいろいろなところで発生する可能性がありますので、防災教育には十分取り組んでいく必要があると思っています。
そしてまた、このいわての復興教育は、大震災津波の発災の際に、岩手の地域が育んだ子供たちの活動というものが非常に大きかったので、将来的にも、そういう岩手の子供たちの活動も含めて引き継いでいく必要があるということで、いわての復興教育を進めさせていただいているところでございます。
いずれ、ただいま御提案のあったことも含めまして、今後とも努力していきたいと思っています。
〇臼澤勉委員 私からも、いじめ問題総合対策事業について、各先輩委員の方々と重複しないところで、簡潔にちょっとお伺いさせていただきたいと思います。
まず、いじめ重大事案発生時の市町村への対応についてちょっとお伺いいたします。
滝沢市での第三者調査委員会の調査報告書の提言において、自死のような事態は、緊急性や特異性から、事後調査等に関して教育現場ではふなれであり、事後対応に新たな問題が生じてしまうというような御提言もございます。県教委として、緊急的に初動対応できるようなノウハウといった部分が蓄積されるかと思うんですけれども、市町村教育委員会に対して積極的かつ的確なアドバイス、そういった対応が求められるかと思うんですが、基本的な対応の考え方についてお伺いいたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 各市町村で重大事案が発生した際の対応についてでありますけれども、県教委では、市町村が設置する学校で発生した重大事案等で、当該校及び市町村教委だけでは解決が困難な事態に緊急に対応するため、市町村からの要請を受けまして、これは複数の対応になりますけれども、指導主事や臨床心理士から成る緊急支援チームを派遣して、本事案にかかわる調査や、あとは関係児童生徒の心のケア及び学校危機対応等の支援を行う体制をつくっておりますし、実際に対応しております。
〇臼澤勉委員 今回の矢巾町の事案についてもいろいろと御配慮して対応されていると伺ってございますが、今回、条例とか組織を新たに設立するというような動きもあり、私も一定の評価はするものでございますが、ただ、何よりも実効性の確保が重要かと私は考えてございます。
総括質疑の中でもちょっと伺わせていただきましたけれども、専門家であるスクールソーシャルワーカーであったり、スクールカウンセラーの配置、そして、福祉部門との連携も重要になるかと思います。
ただ、私は、一番基本的な考え方としては、やはり学校の教員の皆様方が頑張っておられます、そこを最も基本にしながら、地域と学校教育現場がつながるような体制をしっかりとっていただきたいと考えるものでございます。
知・徳・体というお話もございました。特に道徳教育、徳のところについて、これからもしっかりと対応していただきたいと思うんですけれども、教育長に、そこの地域と学校との連携、そして徳の、道徳教育のお考えについてお伺いさせていただきたいと思います。
〇高橋教育長 今回の矢巾町事案等を踏まえまして、我々、反省すべき点、また勉強した点、多々ございます。そういうことで、各市町村教委とともに力を合わせて、このような事案が再発しないように今後十分取り組んでいきたいと思っています。
それから、徳の部分ですけれども、やはりいじめ問題だけではなく、社会生活を営む上で、徳というのは人間としての基本に据えるべきものだと思っております。これは道徳の授業だけではなく各教科の活動もそうですし、それから部活動等を含めまして、そういう能力というものを子供たちに育んでいくのが学校教育の大きな使命だと思っておりますので、今回のいじめ事案等も含めまして、我々十分そういうことを基本に据えながら取り組ませていただきたいと思っております。
〇臼澤勉委員 私も、その道徳教育、全人的な取り組みについてもぜひしっかり取り組んでいただくよう希望いたします。
次に、保健体育総務費の指導運営費、学校給食のアレルギー対策についてお伺いいたします。
食物アレルギー疾患児童への対応の現状と課題、児童数の推移等についてお示しいただければと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 学校給食において対応が必要なアレルギーのある児童生徒についてでございますが、小学校、中学校ともに平成25年度より増加傾向にございまして、平成26年度は、小学校で1、747人、中学校で813人という数字でございます。
現在、食物アレルギーについては、保護者を通じて児童生徒の実態の情報を収集し、学校給食における対応として、献立内容の詳細を事前にお知らせするとともに、提供施設の対応が可能な限り、アレルギー物質を取り除いた除去食や代替食を提供しております。また、対応が難しい場合には、弁当持参等をお願いしております。
これにつきましては、昨年、学校におけるアレルギー疾患対応指針を作成するための事業がございまして、各学校においては、このアレルギー疾患対応指針によりまして、学校における対応委員会を設置するとともに、対応が必要なアレルギー児の個別支援プランを作成し、全職員の共通理解や体制づくりを行うよう求めているところでございます。
〇臼澤勉委員 非常に増加傾向にあることが確認できました。ただ、現場も、いろいろと設備や作業の状況とか、栄養士あるいは調理師の方々は大分御苦労されながら対応されていると思ってございます。
私がなぜこの質問をしたかといいますと、給食は言うまでもなく子供たちの健全な発育のために必要なものでございますし、いじめのきっかけとかにつながらないような配慮も非常に重要と思います。
最後に教育長にお伺いしたいんですけれども、子供たちには、多様な人材というか、いろいろな子供たちがいるというところも理解していただきながら、みんなで育っていくような温かい学校にぜひ対応していただきたいと思います。ちょっと抽象的な話になっておりますけれども、最後に教育長からお話をお伺いして終わります。
〇高橋教育長 食物アレルギーももちろんそうですけれども、特に小学校高学年─低学年もあると思いますが、発達段階の子供たちにはさまざまな事情の違いがあると思います。アレルギー性疾患もそうですし、例えばアトピーとか、それから発育の度合いも違うということで、やはりそれぞれの子供たちの成長度合いが違う。お互いにそれを思いやる、自他を尊重する、学校教育でそういう思いやりの心を育んでいくのは極めて大事だと思っております。
学校給食等においても、いずれ適切な対応がとられるように市町村教委等と十分話し合いをしながら、個々に沿った食事の提供でございますとか、それからあとは、子供たちのお互いを思いやる心ということを十分我々意識しながら学校教育の中で子供たちを育んでいきたいと思います。
〇工藤誠委員 私からは1点でございますけれども、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界文化遺産登録についてでございます。
残念ながら平成27年度は国内推薦から漏れたということで、縄文遺跡群の世界文化遺産登録につきましては4道県でいろいろな取り組みをされていると思いますけれども、平成26年度はどのような取り組みをされたのかということ。また、岩手県には、平泉ということで世界遺産に登録させた実績があるわけでございますけれども、そういう経験を有していることから、それが全体の取り組みにどのように生かされたのかということをお聞きしたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 平成26年度におけます北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録に係る取り組みについてでございますけれども、昨年7月に文化庁の文化審議会から示されましたさらに検討を深める必要がある事項に対応するため、国内の有識者委員会や海外専門家を招いた国際会議を開催するとともに、文化庁の担当調査官から課題への対応方策について指導を受けるなど、国内外の専門家の意見を踏まえながら推薦書案の改訂を行ってまいりました。
このほか、普及啓発に関する取り組みといたしまして、東京や各道県におきまして縄文フォーラムを開催するとともに、新たに子供向けのホームページを開設するなどの取り組みを行っております。
また、本県といたしましては、平泉の世界遺産登録の経験から、文化庁から示されました課題に対応していくためには、専門家の意見を十分反映させながら自治体間の合意形成を図っていくことが重要と考えてございまして、これまで、関係自治体とさまざまな意見交換を行いながら登録に向けた取り組みを進めてきたところでございます。
〇工藤誠委員 今、いろいろな取り組みをされてきたというお話でございます。そういう中で今年度は残念だったわけですが、国内推薦に漏れた理由についてどのように分析されているのかということと、また、今回、推薦されなかったいろいろな候補地に、世界文化遺産特別委員会から検討を深める必要がある事項ということで幾つかの課題が出されたと聞いております。それに対してどのように対応されようとしているのか、今後の進め方も含めてお伺いしたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 今年度推薦されなかった理由につきましては、昨年度は先ほど申し上げましたような取り組みを行って推薦書案を再提出したところでございますけれども、縄文文化が持つ価値の理論の明確化など、文化庁の文化審議会から示された指摘事項に対して十分に応え切れなかったのが要因と考えております。
また、本年7月に開催されました文化審議会におきまして、北海道・北東北の縄文遺跡群が主張する顕著な普遍的価値のわかりやすい表現ですとか、資産全体の価値と個々の構成資産との関係を学術的に検討することなど、検討を深める必要がある事項として改めて九つの項目が示されました。
今後は、直近の機会での政府推薦を目指しまして、文化庁との打ち合わせや関係自治体の担当者会議など、実務レベルでの検討をさらに密に行いながら、本年12月に国内の有識者委員会を開催するとともに、来年1月には国際会議を開催するなど、国内外の専門家からの助言を踏まえながら、課題の解決に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
〇工藤誠委員 かなりハードなスケジュールではないかと。来年─平成28年度の国内推薦の委員会に向けてのいろいろな課題、18構成資産の絞り込みとか九つの指摘事項とか報道されておりますけれども、そういうことについての作業スケジュール的なものは本当に間に合うのかということを確認させていただきたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 今後の取り組みについてでございますけれども、既に、本年7月に文化庁から課題が示された後、文化庁からの指導も受けながら、また、4道県の担当者が集まる会合を持って、今後どのように進めていくかというのを昨年度よりも回数をふやして今年度は検討しているところでございまして、先ほど申し上げましたとおり、12月の国内の有識者会議ですとか年明けの国際会議を開催しながら、次年度での推薦に向けて取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
〇工藤誠委員 わかりました。非常にタイトなスケジュールの中でいろいろな課題解決をしていかなければならないということで、大変だと思いますけれども、ぜひお願いしたいと思います。
それから、県内で唯一、御所野遺跡がその候補地になっているわけですけれども、地元の一戸町としては町を挙げて登録運動に取り組んでおります。それに対して、私が申し上げるのもあれですけれども、岩手県北あるいは岩手県全体の盛り上がりについては、どうももう一つ乗ってこないという感じがいたします。
今後、県全体をどのように盛り上げていくのか、その方法、それから、登録のためには、より一層御所野縄文遺跡、また、縄文文化の情報発信というものは欠かせないと思っておりますが、具体的にはどのようなことを考えておられるのかお伺いしたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 縄文遺跡群に関します機運醸成と情報発信の取り組みについてでございますけれども、平成23年度から県民を対象といたしました縄文文化フォーラムを毎年度開催してきております。平成26年度は、御所野遺跡の地元でございます一戸町を会場に縄文文化に関する児童生徒による発表等を行いまして、多くの方々に御参加いただいたところでございます。
また、本年度のフォーラムにつきましては、12月に盛岡市において開催を予定してございまして、北海道、北東北の縄文文化への理解を一層深めるため、各道県を代表いたします資産の紹介等を行うこととしております。
さらに、年明けでございますが、平成28年1月には世界から見た縄文文化等をテーマといたしまして、4道県合同のフォーラムを東京でも開催することとしておりまして、県外の方々も含めて理解促進に取り組んでまいりたいと考えてございます。
今後におきましても、一戸町を初めとした関係自治体と連携しながらフォーラム等の周知に努めまして、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた機運醸成を図ってまいりたいと考えてございます。
〇工藤誠委員 平泉の世界遺産登録では地元平泉町と県南広域振興局が一体となって準備を進めたと記憶しておりますけれども、御所野遺跡の登録を目指した運動と地域づくりのために、来年度以降、県北広域振興局の二戸地域振興センターに教育委員会から担当職員といいますか専門職員といいますか、そういう方を配置していただけないものかどうか。そして、より密接に関係を持って事を進めていきたいわけでございますけれども、これは教育委員会だけで判断できることではないと思いますけれども、教育委員会として、人の派遣、それから駐在して取り組みを強化してもらえないかどうかということをお伺いしたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 県北広域振興局の二戸地域振興センターへの職員の駐在についてでございますけれども、現在、二戸地域振興センターにおきましては御所野縄文公園への誘客等に関する取り組みを行う担当者がおりまして、御所野遺跡を活用した地域づくりに取り組んでいるところでございます。
県教育委員会といたしましては、これまでも、一戸町等と連携しながら世界遺産登録に向けた取り組みを進めてきたところであります。今後におきましても、一戸町や県北広域振興局の方も構成員となっております岩手県世界遺産保存活用推進協議会等におきまして、より一層連携を図るなど、町と県が一体となって世界遺産登録に向けた取り組みが推進できるように、連携体制も含め、環境整備に努めてまいりたいと考えてございます。
〇郷右近浩委員長 工藤誠委員に申し上げます。工藤誠委員は当該委員でありますので、世話人会の申し合わせの趣旨を踏まえ、簡潔に質疑されるよう御協力をお願いいたします。
〇工藤誠委員 最後です。
国内推薦を3回も落ちておりまして、来年は本当に正念場だと思っております。地元も、一生懸命というより悲願として頑張っておりますので、県におかれましても、一層御努力されて、推薦されるようによろしくお願いいたします。
〇斉藤信委員 昨年度の教育問題の最大の事件は、滝沢市内における中学生のいじめ自殺だったと思います。第三者委員会が設置されて、ことし3月末に調査報告書が出されていますけれども、調査はどう実施され、どういう調査結果を示したか。今後、教訓にすべき課題はどう提起されているか。
さらに、残念ながら、ことし7月5日に矢巾町内でも中学生のいじめ自殺事件が発生いたしました。第三者委員会の取り組みはどういうふうに進められているのか示していただきたい。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 まず、滝沢市の第三者委員会についてでありますけれども、昨年9月に設置された第三者委員会は、20回の委員会を開催し、生徒や教職員向けのアンケートや聞き取り、御遺族等への面談など、6カ月に及ぶ調査を実施しております。
調査の結果、からかう行為、頭や背中をたたく行為を含む2点についていじめと認定しました。自殺との関係の考察では、いじめが直接的原因になったと捉えることはできないが、いじめと自死との間にある一定の関連性があったものと考えられたとの見解を示しております。
今後の教訓につきましては、調査報告書では四つの提言がなされ、その一つとして、個々の生徒を理解することの重要性の再認識が示され、その具体として、表面的な言動から生徒を理解するのではなく、個々の生徒の発達段階や個別特性を踏まえた多面的、重層的な生徒理解が改めて求められると記されております。
次に、矢巾町における学校、町教委の対応についてでありますけれども、第三者委員会だけでよろしいですか。(斉藤信委員「第三者委員会」と呼ぶ)
わかりました。学校では7月26日に調査を終えまして、その中身の一部を紹介しますと、いじめが自殺の一因であったとする調査結果を遺族等に報告しております。この後、町教委としては、総合教育会議を開催したり、もしくは首長部局と教育委員会との情報共有等の連携等を図りながら、条例により第三者委員会を設置いたしまして、9月7日に初会合を開きまして、現在は、9月末にもう一回やりまして、現在進行中だと。当初は今年度中に調査を終えたいという予定を立てていたようですけれども、そのとおりいくかどうかは未定という情報を得ております。
〇斉藤信委員 滝沢市の第三者委員会は6カ月にわたって、私は本当に徹底した調査が行われたと思います。ただ、その中身は、例えばいじめがわずか2件しか認定されなかった。いじめと自死の一定の関係は認めたけれども、直接的要因ではないと。私は、これは極めて不十分だと思います。だったら、その他の原因は何なのか、これが解明されなかったら、私は極めて不十分な結果に終わったのではないかと思います。
ただ、提言で一番大事なのは、今、答弁にあったように、個々の生徒を理解することの重要性を再認識する、これが提起されて、こういうふうになっているんですね。実際に生徒が見聞きしていたいじめが少なからず存在していた。しかし、この情報や見聞についての教職員の捉え方は、生徒間でよくあるからかい、いたずら等といった認識であった。小さなサインを軽視しないことがいかに重要であるかと。私は、この教訓が生かされていたら、矢巾はいじめの自殺事件を食いとめることができていたと思います。残念ながらこの教訓が生かされなかった。そういう点で、本当に2年連続という重大な事態になったわけですが、それだけに、私は、全ての学校がこの二つの事件の教訓を深く受けとめていじめ対策に取り組まなければならないと思います。
そこで、昨年のいじめ調査の再調査結果がつい先日発表されました。いじめの認知件数は1、774件で前年度の倍以上になったわけですけれども、いじめがないという学校はどのぐらいありますか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 小学校345校中、今回、いじめと認知した学校が197校になりますので、148校となります。中学校169校中、今回の調査結果によって110校がいじめを認知したことになりますので、ゼロの学校は59校になります。高等学校は、76校中54校が認知しましたので、22校がゼロになります。特別支援学校は、14校のうち8校になりますので、6校がいじめの認知がゼロという状況になるかと思います。
〇斉藤信委員 小学校345校のうち、再調査で認知した学校は197校なんですよ。半分近くがいじめゼロと。私は、いじめ認知の徹底というのはまだ途中じゃないかと思います。文部科学省の外郭団体国立教育政策研究所の滝充さんはこういうコメントを出しています。いじめはどの学校にもあって当然だ、こういう考え方がなかなか浸透しない。いじめの認知件数がゼロや少ない場合は見逃しているのを考えるべきだ。そして、こう言っているんです。小学校4年生のときから中学校卒業まで600人以上を6年間追跡した調査、仲間外れ、無視、陰口の被害経験のある子供、加害経験のある子供はともにほぼ9割に上ったと。私はだから、これだけの事件があって、残念ながらいじめが認知されない学校がまだ残されているということは、引き続き徹底すべきことではないのかと思います。
そこでもう一つ、このいじめ再調査の結果の中で、いじめの態様は、全校種において、冷やかし、からかい、悪口、おどし文句、嫌なことを言われる、これが一番多かったと。しかし、この悪口、そして嫌がらせで自殺に追い込まれているケースが多いんですよ。私は今回もそうだと思うし、山形の天童中学校もそうです。身体的暴力はなかったけれども、悪口で孤立化され、自殺に追い込まれる。私は、この問題を絶対軽視してはならないと思うけれども、いかがですか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 今回の再調査の結果によりますと、今、委員御指摘のいじめの態様の部分での冷やかしやからかい、悪口やおどし文句、嫌なことを言われるというパーセンテージが45.4%と。ここ何年間かは大体45%、5割弱ぐらいの数字になっておりまして、これが学校のいじめの態様の中で一番多いことになります。
いずれいじめに重いとか軽いとかはないわけですので、そういう積み重ねが重大事故につながるということは当然考えられるわけで、ここはやはり学校としてもしっかりと認知しながら取り組まなければならないものと考えております。
〇斉藤信委員 総合教育センターがつくったいわて「いじめ問題」防止・対応マニュアル、これはダイジェスト版ですけれども、やっぱりいじめの解釈なんですよね。いじめの基本認識ということでいろいろなパターンを出していて、子供が自分自身で解決を練習すべきトラブル、教師が介入して解決を練習すべきトラブル、いじめとして扱い、その基準を教えるべきトラブル、犯罪として適切な措置をすべきトラブルと。これは解釈なんですよ。私は、いじめというのは、経過を見ていじめと認定できるケースがたくさんあると思うんですね。小さなサインを継続的に把握して共有していじめをなくしていく。そういう点では、極めてこれはわかりにくい、私が見ても。今度の文部科学省の定義や再調査を含めて、私はもっとわかりやすいものにすべきだと思います。
最後ですけれども、今度の再調査の中で、いじめ防止対策推進法第28条第1項に規定する重大事態の発生件数は2件であったと。1件はわかりますよ、滝沢ですよね。もう1件は何なんですか、これは。そして、これについてはなぜ公表されないのか。学校全体で取り組んでいるのか、生徒や保護者にもこれは明らかになっているのか示していただきたい。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 今回の調査で、いわゆるいじめ防止対策推進法の第28条にかかわる重大事態というのは、岩手県で2件と報告があります。今、委員御指摘の1件につきましては、高等学校においていじめが原因で不登校になったという事案でありまして、これにつきましては、我々県教委も学校にかかわりながら、当然、休んでいるほうの保護者、あとはいじめの当事者であった保護者等々ともお話をしながら、現在、対応している事案でございます。
〇斉藤信委員 もう本当に終わるんですけれども、不登校になったきっかけがいじめと考えられる件数はどうなっているか。先ほどの質疑で不登校は1、288人ですよ、小・中・高校で。このうち、いじめがきっかけになった件数は何件あるか。
あと、今の答弁でさっぱりわからなかったんだけれども、滝沢にしても矢巾にしても、徹底して情報公開をする。生徒自身、保護者全体が一緒に協力してこういう重大事態は打開すべきだと思いますよ。当事者の保護者だけに話しているなんていうのでは、本気になって学校を変えようとしていないんだと思いますよ。その点いかがですか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 説明が不足しておりましたが、この事案につきましてはPTA全体の会でも話題といたしまして取り組んでいるということであります。(斉藤信委員「全然答えていない、もう一つ聞いたでしょう」と呼ぶ)
申しわけありません。不登校のきっかけがいじめであると回答している人数につきましては、小学校が2件、中学校が9件、高等学校が3件という平成26年度のデータとなっております。
〇郷右近浩委員長 斉藤信委員に申し上げます。斉藤信委員は当該委員でありますので、世話人会の申し合わせの趣旨を踏まえ、簡潔に質疑されるよう御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 申しわけない。今の答弁がなければ終わりたいと思っていたんですよ。
じゃ、今言われた小学校2件、中学校9件、高校3件は、なぜ重大事態と認定されなかったのか、これだけ聞いて終わります。あと、教育長の見解も最後にお聞きします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 先ほどお話ししました高校の件はこの高校の3件に入っておりますけれども、その他のきっかけにつきましては、それがずっと長期的に休んだものの本当のきっかけが、いじめではないと当該学校もしくは当該市町村で判断したということでいじめの重大事態には含めないという見解になりました。
〇高橋教育長 今回の再調査についてでございますけれども、いずれ本県での自殺事案がきっかけとなって再調査がなされたということについて、我々は重く受けとめなければならないと思っております。そして、何よりもこのような事態が再発しないよう、教育界挙げて全力で取り組んでいきたいと思っております。
〇郷右近浩委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇郷右近浩委員長 質疑がないようでありますので、教育委員会関係の質疑をこれで終わります。
教育委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後4時53分 休 憩
午後5時12分 再開
〇郷右近浩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、国体・障がい者スポーツ大会局長に国体・障がい者スポーツ大会局関係の説明を求めます。
〇岩間国体・障がい者スポーツ大会局長 それでは、国体・障がい者スポーツ大会局関係の平成26年度の決算につきまして御説明申し上げます。
初めに、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の開催に向けた基本的な考え方につきまして御説明申し上げます。
今年度は、県民総参加のさらなる機運醸成を図るとともに、運営体制の構築や、競技、式典、輸送等の諸準備を進め、冬季大会の開催に万全を期して臨みたいと考えております。また、平成28年度の本大会及び全国障害者スポーツ大会の開催に向け、準備を計画的に進めてまいります。
次に、重点的に取り組む項目3点につきまして御説明申し上げます。
まず第1は、完全国体の幕あけとなる冬季大会の開催であります。
去る10月1日に大会参加者等の宿泊申し込み受け付け、宿泊施設の手配等一連の宿泊業務を行う拠点として配宿センターを開所するとともに、大会実施本部を設置したところであります。開始式や表彰式を初め諸準備を着実に進めてきており、現在、本番に向けて最終的な詰めの作業を行っているところであります。
第2は、国体の本大会と全国障害者スポーツ大会の準備であります。
実施本部の構築、式典、競技の運営、競技会場の整備、宿泊、輸送の確保、警備、消防、医療救護対策など各部門について、具体かつ詳細に業務を進めているところであります。
第3は、県民総参加による開催準備、機運醸成であります。本大会500日前、1年前などの節目イベントを実施したほか、運営ボランティアの募集、130万人で参加宣言などの取り組みを進めているところであります。
募金、企業協賛に関しましては、職場募金や国体、大会広報誌での募金及び企業協賛の要請など、取り組みを強化しているところであります。
冬季大会の開催まで約3カ月、また、国体本大会と全国障害者スポーツ大会まで1年を切りました。復興のシンボルとなる国体、全国障害者スポーツ大会の成功を目指し、市町村、競技関係者、企業、団体及び県民の皆様とともにオール岩手で開催の準備を進めてまいります。
続きまして、当局関係の平成26年度決算について御説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の歳入歳出決算書の12ページ、13ページをお開き願います。当局関係は、2款総務費のうち、10項国体・障がい者スポーツ大会費であり、支出済額は28億7、843万円余、翌年度繰越額は2、399万円余、不用額は2、431万円余となっております。
次に、主な事業につきまして、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。事項別明細書の182ページ、183ページでございます。2款総務費10項国体・障がい者スポーツ大会費1目事務局費でございますが、183ページの右側、備考欄に記載しております管理運営費2億8、872万円余は、職員の人件費であります。次の第71回国民体育大会・第16回全国障害者スポーツ大会開催準備費25億8、970万円余は、いわて国体及び障がい者スポーツ大会の開催準備に要した経費であります。
主な内容でございますが、国民体育大会・全国障害者スポーツ大会運営基金への積み立て20億4、252万円余のほか、県実行委員会への負担金2億8、554万円、市町村に対する競技施設整備への補助金2億4、257万円余などであります。
なお、繰越明許費は2、399万円余であり、市町村に対する競技施設整備の補助の一部について、天候不順等による工期の延長により繰り越したものでございます。
以上で、国体・障がい者スポーツ大会局関係の説明を終わります。御審査のほどよろしくお願い申し上げます。
〇郷右近浩委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇軽石義則委員 1点、質問させていただきます。
ボランティア募集関係について準備を進めてこられたと思います。それらについて質問させていただきます。
国体並びに全国障害者スポーツ大会の運営におけるボランティアの役割というのは非常に大きいものがあると認識しておりますけれども、ただ、ボランティアに期待するところが大きくなり過ぎて実際の運営が滞っては困ると思っておりますので、それらを含めての質問とさせていただきます。
ボランティア募集において、現状、これまで計画をしてきたわけでありますが、実際に進める上で計画どおりになっているのかどうなのか。県として取り組みをしてきたこと、また、市町村に対して要請してきているところもあると思われますけれども、市町村を含めての現状、課題。また、ボランティアがどういう役割を担い、どのような規模でボランティアを計画してきたものなのかを含めてお示し願いたいと思います。
〇小友副局長兼総務課総括課長 ボランティア募集の現状と課題についてでございますけれども、県では、北上市で開催する両大会の開閉会式及び県内6市町で行われます全国障害者スポーツ大会の各競技会で必要となる運営ボランティアを本年4月より5、300人募集しているところでございます。なお、このほか、冬季大会のボランティアを80人募集しておりましたけれども、冬季大会に関しましては、既に応募者が募集人員に達しているところでございます。
運営ボランティアは、会場での受け付け、案内であるとか座席への案内─会場整理、清掃や花の管理などを行う会場美化、弁当配付のお手伝いであるとかドリンクサービスを行う会場サービス、それから、選手や出演者控室の管理を行う式典運営補助などの業務を行う予定としてございます。
また、国体の各競技会におきましてもこれらの業務にかかわるボランティアが必要でございまして、こちらは、競技会を運営する市町村のほうで募集しているところでございます。全ての市町村ではございませんけれども、多くの市町村におきまして県と同様に運営ボランティアを募集しているところでございます。
応募状況につきましては、県分で申し上げますと、今月末でおよそ7割程度の応募状況となってございます。市町村につきましては、募集をしている市町村のうち数カ所に状況をお聞きしましたところ、募集人員のおおむね3割程度にとどまっているという回答をいただく市が多かったところでございます。
運営ボランティアの申し込みを悩んでいる方々にお話をお聞きしますと、業務の内容がわからずに不安であるとかどこに申し込みをすればいいのかわからないといった声もございますので、さらにボランティア研修会を予定していますので、そういった研修会の場で、希望する方々を対象に加えるとか、市町村の広報紙に掲載を依頼するなどしまして、さらにきめ細やかに市町村とともに運営ボランティアの活動内容や応募方法を周知して応募の増加を図っていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 順調に進んでいる状況とそうでないところもあるということでございますけれども、特にも開会式、閉会式会場の当該市においては、県の募集に加えて市の募集があると思うんです。今お話を聞くと、県が7割、市が3割というのはそういうところもあるのではないかと思われます。実際、ボランティアですので、当日、いろいろな事情によって参加できない方も当然出てくることは想定していると思いますけれども、経費をしっかりかけて準備していく範囲と、ボランティアに限りなく頼るところもあると思いますけれども、その線引きというのはどういう考え方をしているんでしょうか。
〇小友副局長兼総務課総括課長 県では実施本部員を組織いたしましてボランティアの方々と一緒に活動するわけでございますけれども、ボランティアの方々は、どちらかというと軽易な、指示に基づいて活動する場面が多いと考えております。それに対して、県の実施本部員につきましては、ある程度の部分を自分たちで判断するとともに、ボランティアの方々にこうやってほしいということを指示、お願いしながら進めていく役割分担になろうかと承知しているところでございます。
〇軽石義則委員 そういうことであれば、開会式、閉会式はしっかり準備できていると。ボランティアに仮に当日、不測の事態が発生しても、当該する市には迷惑はかからない状況になっているという理解でいいでしょうか。
〇小友副局長兼総務課総括課長 特に開会式、閉会式のお話だと思いますけれども、ボランティアは先ほど御紹介したように5、300人募集してございますけれども、ある程度余裕を持ってというか、余力を持ってお願いしているところでございます。先催県の例を見ても、当日、御都合があって来られないという状況もあるようでございますので、その場合でも、実施本部員とそのほかのボランティアの方々で十分対応できるような体制をとっていきたいと思っております。
〇軽石義則委員 国体のほうは、そういう意味ではそれぞれ選手を初め参加者の皆さんは自分たちでできることも多いと思いますが、障がい者スポーツ大会になれば、やはりそれをサポートする方がぜひとも必要になってくるのは確実なはずですので、区分けて考えなければならないと思いますけれども、障がい者スポーツ大会のほうはどうなんでしょうか。
〇小友副局長兼総務課総括課長 全国障害者スポーツ大会につきましては、ボランティアの数につきましても本大会よりは多い3、500人という体制を運営ボランティアで募集をかけているところでございます。そのほかに、選手団サポートを行うボランティアとして、福祉系とか看護系の県内の大学であるとか専門学校に800人ぐらいをお願いして、1、200人ぐらいの体制で、今現在、御協力いただけるということで、実際の本番に向けた研修等につきまして、ことし、来年にかけて育成していくことにしてございます。
それから、県職員の実施本部員につきましても、選手団サポートを行う部分の職員については、障がい者スポーツ大会の選手の皆様が来県するときから帰県するときまでフルにサポートをするということで、こちらも人数を手厚くして対応するということで予定しているところでございます。
〇軽石義則委員 手厚く対応していくことが大事だと思いますし、不測の事態に対応できないことがあってはならないと思いますのでぜひお願いしたいと思います。
先ほども、周知の仕方等で県民になかなかしっかり伝わっていないところも感じられるとありましたけれども、県民総参加という意味では、参加したいという意欲を持っている県民の方々に参加する機会をしっかり提供していくのが大事だと思うんです。私のところにも、参加方法や、自分が何を求められているのかが伝わってきていないという声もあるんですが、それらの進め方や協力要請の仕方は今どのような形で進めているのかお示し願いたいと思います。
〇小友副局長兼総務課総括課長 ただいまの県民の方々に対するボランティア募集の周知等でございますけれども、ことし4月から募集を開始しているところでございますが、ポスターでありますとかパンフレットの配架、それからイベントや各種マスコミ等を活用いたしました呼びかけなどを行ってきたところでございます。
具体的に申し上げますと、パンフレットにつきましては、イベント時の配布のほか、各市町村等の窓口でありますとか協賛企業、学校にもお願いしていますし、県内の郵便局、コンビニエンスストアの全てなどに送付して配架をいただいているところでございます。これらにつきまして、引き続き、先ほども申し上げましたとおり市町村と連携して、広報紙でのさらなる周知等について取り組んでまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 しっかりと周知をしていただければさらに参加もふえるものと思います。参加する皆さんは、自分がどういう立場でどういう……、仮に事故等も含めて心配なところもあると思いますけれども、身分保障などの部分はどのようになっているのか。また、学生においてはどういう配慮などされているのかを含めてお示し願いたいと思います。
〇小友副局長兼総務課総括課長 ボランティアの方々に対する身分保障という観点でございますが、ボランティアに参加いただく方々に対しましては、県の実行委員会で傷害保険等の措置をさせていただくことにしてございます。それから、当然、会社をお休みしたり、場合によっては会社の業務としておいでになることもあると思いますので、そういった関係につきましては、参加者個々の所属の規定によるものでもございますけれども、団体に関しましては、訪問してお願いする際に、できるだけボランティア休暇とか職務でということで、有利な取り扱いをいただけるようにお願いしているところでございます。
また、団体として登録いただいた学校の例で申し上げますと、専門学校などでは、学校の行事として位置づけて生徒に参加いただいているというような状況でございます。
〇軽石義則委員 ぜひそういうところもしっかりと皆さんに伝えていくことが大事だと思います。自分の生まれ育ったふるさとで国体を経験できるのは人生のうち2回あればいいのではないかと、3回ある人もいるかもしれませんけれども。そういう意味では、募集の資格が中学生以上という枠組みをしているのは、1人でも仕事ができる範囲という考え方だと思うんですけれども、例えば、親子で参加、祖父母と参加、保護者と参加であれば小学生でも一緒に……。国体、障がい者スポーツ大会に私は参加したことがあるんだという思いがあれば、次の世代にまた岩手に国体、大会が回ってきたとき、その経験を生かしてさらに協力できる体制が育っていくのではないかと思いますし、加えて、国体に競技選手としても参加してみたいというような気持ちも強くなってくるのではないかと思っておりますが、それらに対する働きかけは今、やっているんでしょうか。
〇小友副局長兼総務課総括課長 ボランティアに関しましては、委員おっしゃるように、親子で参加する場合に小学生であるとかそれより小さい子もということも考えられますが、何せ数万人規模での行事ということもあって万が一のことも危惧されるということで、開会式、閉会式等につきましては中学生以上で、中学生については、親御さんの御了解を得てというような取り扱いをさせていただいているところでございます。
ただ、競技観戦であるとか、総合開会式、閉会式への観戦申し込みにつきましては、ぜひ親子で参加申し込みをいただければ、後々の経験として、記憶として残るのではないかと思います。
それから、親子で参加できる競技の可能性としてデモンストレーションスポーツというのもございますので、そちらのほうにもぜひ申し込みをいただければと考えております。
〇軽石義則委員 現行の制度の中で考えればそういう答えになってくるだろうとは思っておりましたけれども、やはり、教育委員会は先ほど終わってしまいましたけれども、学校に出た扱いで、親子であれば、いわゆるボランティア参加証があれば学校に登校したと同等の体験学習の機会というように認めていくことも一つ手段ではないかと思いますし、それをもって親御さんもボランティア休暇を使う価値も高まっていくのではないかと思います。そういう意味では企業としてもしっかり社会貢献もしているという発信になると思いますので、まだまだボランティア休暇そのものが理解浸透されていない状況もありますので、それをしっかりと発信するいい機会でもあると思うんです。
ワーク・ライフ・バランスの上でもその活用というのは大事だと思っておりますけれども、ぜひ関係部署としっかり連携をとってもらって、これは商工労働観光部とも連携するところもあるかもしれませんし、教育委員会ともしっかりと連携をとっていかないと出席日数の関係もあると思います。先ほどは学力の話に集中されておりましたが、私は、学力も必要ですが、体力もやっぱり必要ではないかと思いますので、そういう経験を積むことが一つの大事な教育の一環でもあると思いますが、ぜひそこに取り組んでいってもらえないか。そうするとボランティアもさらに厚みが増すのではないかという思いがありますので、そのことを最後、局長からしっかりとやっていきたいという声を聞いて終わりたいと思います。
〇岩間国体・障がい者スポーツ大会局長 ボランティアの関係について御指摘を頂戴いたしました。国体、障がい者スポーツ大会は、我が国の最大のスポーツの祭典でございます。全国から多数の方々をお迎えする大規模なイベントでございますので、ボランティアの方々の力なくしては両大会が成り立ち得ないという側面もございます。
先ほど、副局長から補助的な仕事が中心だと。確かに補助的な仕事ではありますが、実際に、開閉会式ですとかあるいは競技会場ですとか、じかに参加して体験することによってみずからが得られるものも当然委員御指摘のようにあると思います。さらには、おじいちゃんからお母さん、お父さんへ、お父さん、お母さんから子供さんへと。国体、障がい者スポーツ大会の一つの役割として、世代を紡ぐということがあると思います。半世紀に1度でございます。そういった視点から、非常に検討に値する御指摘であろうと思います。
ただ、やはり教育委員会等と検討させていただきますけれども、制度的な制約等が恐らくあるのではないかと考えてございまして、教育委員会あるいは企業にお願いする場合については商工労働観光部等と十分連携を図りながら、新たなボランティアの参加の形態がどういうことがあるのかということについて、時間がない中ではございますけれども、検討させていただければと思います。
〇工藤勝子委員 大会運営関係についてお伺いいたします。
岩手完全国体開催は、カウントダウンボードもそれぞれ設置されましてカウントが始まっております。選手の活躍はもちろんのこと、運営、県民のおもてなし、また、経済効果など、県民の大きな期待が寄せられていると思っています。
そこで、開会、閉会式のメーン会場を初めといたしまして、各市町村の競技会場の整備は全て整ったのでしょうか。おくれているとすればどういう会場がおくれているのかお伺いしたいと思います。
〇安部施設課総括課長 開閉会式会場と各競技会場の整備の状況についてでございますが、開閉会式会場については、現在、仮設スタンド、選手団や出演者の控え所、それから、おもてなしの場としてのわんこ広場、仮設トイレ、そういった整備に係る実施設計を作成しております。来年7月中旬に整備に着手し、9月下旬に行われる国体総合リハーサル前までに完成させる予定でございます。
次に、本大会の競技施設でございます。全70施設のうち、改修を要する施設は41施設、仮設で対応する施設は12施設となってございます。改修を要する施設のうち、昨年度までに26施設の改修が完了し、さらに今年度中に奥州市総合体育館など12施設が改修を終える見込みでございます。今年度末までに38施設の整備が完了する予定でございまして、改修整備の進捗率は9割を超える見込みでございます。残る3施設につきましては、弓道場の防矢ネットの増設、野球場のグラウンド整地、自転車ロードレースコースの仮設防護壁の設置という比較的軽易な内容でございますので、本大会前に施工することとしてございます。
大会直前に仮設で整備する12施設も含めまして、大会開催前に全ての整備が完了するよう、会場地市町村と調整を図ってまいります。
〇工藤勝子委員 約9割の進捗率ということで、ぜひ開会に向けて万全を期していただきたいと思っております。
そこで、いろいろな安全確認というところで、県営体育館の天井が一部落下したことによって、各競技会場の安全確認をとったようであります。そういう中において、第1回の昭和45年の国体のときに整備された会場もあるのかなと思っております。多分古いところもあって改築も進んでいるんだろうと思っていますけれども、また、1年切ったと言いましても、来年になって、秋までには台風も来るかもしれませんし地震もあるかもしれない。そういう形の中で、今のところ全部安全確認をとったと言っていますけれども、もう一度再確認することも可能なのか、やるところなのか、その辺のところをお聞きいたします。
〇安部施設課総括課長 競技施設の整備につきましては、毎年度、市町村と見直しの協議をしてございます。その際には、市町村において、安全上問題がないか確認して、私どもと協議し、翌年度の施設整備計画をつくる、こういった作業を毎年続けてございます。
今年度も、現在、市町村とそういった協議を続けておりまして、各会場でリハーサル大会が実施されておりますが、そういったリハーサル大会の実施状況も踏まえながら、安全上必要な整備については、しっかりと対応していくという考えでございます。
〇工藤勝子委員 全国からおいでになった選手の皆さんが、何事もなくて競技に一生懸命取り組んでいただけるように、ぜひ安全確認は、念には念を入れていただきたいと思っております。
式典とかバス、それから輸送関係、駐車場、宿泊、各業務の内容において、まだ課題が残っているのか、あるとすればどういう課題が検討されているのか。特にも、当初、バスの確保が問題になったと思っておりますけれども、その点は改善されているでしょうか。想定でよろしいんですけれども、選手団の人数はどのくらいと想定されているのか。関係者、そして応援者、観光客まではわからないと思いますけれども、どの程度を想定されて、このバスとか宿泊の準備をされているのかお伺いします。
〇安部施設課総括課長 輸送が必要な人数といたしまして、国体開会式で約3万5、000人程度と見込んでございます。閉会式の場合で2万8、000人程度だと記憶してございます。
先ほど委員からバスの確保の御指摘がございました。バスの確保については最重点の課題と考えて現在取り組んでございます。先ほど申し上げました3万5、000人の輸送に関しまして、本大会の開会式の日でございますけれども、この際に、県が実施する輸送と、それから、当日、市町村も競技会の輸送を実施しますので、市町村が実施する競技会に必要なバス、競技会中の全てのバスを含めまして、国体会期中は延べ約5、100台が必要と見込んでございます。
開会式当日に最も多くのバスを必要といたしまして、県分465台、市町村分196台の計661台が必要と見込んでございます。これまで各バス事業者に提供の依頼をしておりましたが、県内事業者から340台、他県事業者から250台の計590台確保の見通しをつけたところでございますが、現時点でまだ71台不足という状況でございます。
引き続き、バス事業者と交渉を行いながら、県全体として必要なバスをしっかりと確保してまいりたいと考えてございます。
宿泊でございます。宿泊については、現在、第3次の宿泊施設割り当てのシミュレーションを実施しておりまして、国体に関しては、県内の宿泊施設で全て対応できる状況でございます。ただし、選手団の宿泊施設につきましては、できる限り競技会場に近い場所に確保したいと考えてございます。まだ、北上市等、一部の会場地については、隣接の市町村に配宿するというような結果になってございますが、できる限り競技会場地に近い会場地内の市町村に多くの選手団を配宿できるように、引き続き宿泊施設と交渉を進めてまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員 まだバスが71台足りないということになります。でも、ここまで来たのかなと、私はそのように評価したいと思っております。
でも、やはりそれぞれの選手団も含めて足の確保は非常に大事でありまして、マイカーで走るよりは、そういうバスを使われたほうが、駐車場の関係も非常にいいのではないかと思っているところでありまして、今後とも、県外のそういうバス会社等に、事業所に働きかけて、ぜひ万全を期していただければと思っております。
それぞれの競技でリハーサル大会も行われているところでもあります。その成果と課題についてお伺いしたいと思っております。
遠野市でも社会人サッカーのリハーサル大会が行われました。遠野市でも、改修いたしまして、人工芝と天然芝があるわけです。おもてなし隊の皆さんが、ひっつみでおもてなしをしました。その中で、人工芝のところでは、火を使ってはだめだということなんだそうであります。それで、結局は天然芝のほうだけでおもてなしの人たちが活躍されておりました。
できれば、どちらも使って競技が行われるわけですので、どういうふうにしたらどっちでもできるのかなと私も考えたところでもありますけれども、こういう課題もあるかと、私自身そう思ったところですが、何かリハーサル大会であったでしょうか。
〇藤澤競技式典課総括課長 リハーサル大会の成果と課題というお尋ねでございますが、リハーサル大会につきましては、市町村と競技団体が実施主体となりまして、ことし5月のなぎなた競技を皮切りに、実施予定38競技47種目中、現在までに約8割に当たる31競技38種目を実施しているところでございます。
その成果につきましては、リハーサル大会の運営を通じまして、各会場地市町村におきまして、競技会運営にかかわる役員、補助員等の意識の高まりが見られたほか、競技会運営能力の向上や市町村の地元の方々によるおもてなしなど、国体に向けて機運の醸成を図ることができたと考えております。
一方、大規模な競技会の開催に当たり、市町村実行委員会や競技団体などの事前打ち合わせの徹底や選手受け付け、競技運営、表彰など、各セクションの一層の連携、そして、業務量に応じた人員の再配置などが、各競技会の共通の課題となっているところでございます。
来年度に向けまして、これらの課題を県内各会場地で共有することによりまして、県と市町村とで緊密に連携しながら準備を進め、大会の成功に向けて対応していきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 最後になります。国体運営に対して、企業からいろいろ募金、協賛の金額の状況についてお尋ねしたいと思っております。
成果指標を見ますと、平成26年度、目標2億1、000万円に対して、実績値は1億2、800万円であります。この状況をどう捉えているのか。それから、今年度になってこれがどのぐらい増額になっているのかお尋ねしたいと思います。
〇小友副局長兼総務課総括課長 募金、企業協賛の状況でございますけれども、募金で申し上げますと、平成26年度末、目標額2億5、000万円に対しまして、66.4%の1億6、600万円の実績、企業協賛のほうは、同じく平成26年度末までの実績が、目標額1億8、000万円に対して、106.1%の1億9、100万円という状況になってございます。
今年度9月までに少し上乗せしておりまして、募金と企業協賛を合計した金額で申し上げますと、目標額7億9、000万円、これは年度末までの目標になるわけですけれども、それに対しまして4億6、300万円、58.6%という状況になってございます。
いずれ、募金、企業協賛につきましては、目標額の達成に向けまして、今後も引き続き精いっぱい努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
〇工藤勝子委員 58.6%、7億9、000万円に対して4億6、300万円ということで、まだかなり足りないと思っておりますけれども、例えば、今後少しは、もっと集まってくるかもしれませんが、例えばこの不足した場合の状況はどのようになるのでしょうか。運営費に支障を来すところまで行かないのか、例えば、この不足している分は県費で今後賄っていくのか、その辺のところをお伺いします。
〇小友副局長兼総務課総括課長 募金、企業協賛は、運営費の中の収入として現在見込んでおります。そういったことで、各本大会、障がい者スポーツ大会、それから冬季大会に要する費用ということで、その経費として見込んでいるところでございますので、いずれ最大限の努力をして目標達成に努めていくことが、現在の我々がとるべき道と考えております。
〇佐々木努委員 先日、議員派遣でわかやま国体に参加させていただきましたので、復命の意味も込めて質問をさせていただきたいと思います。
国体・障がい者スポーツ大会まで1年を切ったわけでありますけれども、改めて、この国体を岩手県で開催する意義についてお聞きしたいと思います。
〇小友副局長兼総務課総括課長 国体・障がい者スポーツ大会を岩手県で開催する意義ということでございますけれども、東日本大震災津波発災後、被災地で初めて開催される両大会でございます。復興のシンボルとして、復興の原動力となる大会を目指して取り組んでいるところでございます。
全国から訪れる選手の皆様の熱い戦いであるとか本県選手団の活躍する姿が、県内各地で復興に取り組んでいる方々に大きな感動を届けるとともに、前に進んでいくための励みになる、そういった大会にしたいと考えているところでございます。
東日本大震災津波からの復興に全力で取り組んでいる中、県民一人一人はもとより、企業、団体など全ての県民の総力を結集しまして、復興のシンボルとしての両大会をなし遂げることによって、地域の一体感や元気、活力が生み出されまして、東日本大震災津波からの復興に、さらには、その先にある希望郷いわての実現につなげていきたいという思いで準備を進めているところでございます。
〇佐々木努委員 岩間局長にお伺いします。今の意義の中で、局長が一番大事なことは何だと思いますか。
〇岩間国体・障がい者スポーツ大会局長 平成19年に国体の内々定を頂戴いたしまして、それから約8年経過いたしました。その過程において、東日本大震災津波が発災いたしました。その時点でいろいろな議論があったことは事実でございますし、さまざまな方面の方々から励ましの、開催すべきだという御意見等を頂戴いたしまして現在に至るということで考えております。
そういったことを総合的に考え合わせますと、やはり岩手で今回国体を開催する意義と申しますのは、復興のシンボルとなるような、あるいは復興の原動力、力となるような国体であろうと考えております。
全ての今回の国体・障がい者スポーツ大会の基盤となる、ベースとなる考えに復興を私どもとしては置いてございます。したがいまして、ただいま副局長が答弁した中で、何が一番今回の意義であるかと言えば、全国の皆様に感謝の意をお伝えして、いらしていただいた方に、復興が進む被災地の現状をごらんになっていただくことが、本県で今回、国体・障がい者スポーツ大会を開催する大きな意義であろうということでございます。
〇佐々木努委員 そのとおりだと思います。私もそのとおりだと思いますが、私は別な視点から、やはりこの岩手県で開催するということは、岩手県民が、開催することによって元気を生み出す、そして、これから生きていく活力にする、そういう大会にしなくてはならない。確かに感謝の気持ちを込めておもてなしをするということもありますし、午前中にも教育委員会の審査で出ました目標順位を何位にするとか、そういうことも確かに大事なのですけれども、いかに多くの県民がこれにかかわって、本当にやってよかったなと思える大会にするかだと私は理解しているわけであります。
そういう中で、今、私の地元でも、いや、もう1年になるのに全然盛り上がりがないなという話が随分聞こえてくるわけであります。これは住民が悪いのかもしれません。情報を集めない住民が悪いのかもしれませんけれども、そういうことをおっしゃる方、それから種目別協会の方々とかがたくさんいるわけです。
よく考えれば、今から46年前の最初の大会は、その大会を行ったことによって、国体を行ったことによって、施設の整備とか道路の整備などが行われて、本当にお祭り騒ぎの大会であったということでありますから、皆さん関心を持ったということもあるかもしれません。今回は、予算も限られているということで、できるだけお金をかけないような大会という趣旨ですから、これは仕方がないことだと思いますけれども、そうであっても、やっぱりもっとしっかりと県民一人一人が関心を持って取り組まないと、せっかく岩手県でやったのに、知らないうちに始まっていて、気づいたら終わっていた、そういうことになりかねないと私は思うわけですね。
そういう意味で、さっき軽石委員がボランティアのこともお話ししました。私もちょっと質問しようと思ったんですが、それはやめまして、これからあと残り1年になりますけれども、どういう形で県民に対してこの国体に参加しようという機運を盛り上げていくか、その辺のところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
〇小友副局長兼総務課総括課長 国体の盛り上げ、県民総参加の機運醸成というのは、やはり大きな課題だということで、ことしも冒頭に、予算の説明の際に局長からも申し上げたように、500日前のイベントであるとか1年前のイベント、それから、そのほかにもテレビ、ラジオを使ったコマーシャルであるとか、新聞を使った広告等をやってきているところでございます。
最近、本県選手団の国体・障がい者スポーツ大会での活躍もあって徐々に機運が盛り上がってきていると思っておりますし、実際に街頭で、イベント等で行っている募金などを見ましても、昨年と比べますとかなりの、倍増以上の反応があるという状況になってきて、盛り上がりは、なかなか目には見えない部分もあるのですけれども、徐々に盛り上がってきているのかなと思っております。
平成25、26、27年と、県民運動につきましても、花いっぱい運動であるとかクリーンアップ、それから、130万人で参加宣言といったような取り組みを行ってまいって、徐々に定着してきて、それを来年度は集大成の年ということで、県だけがやってもなかなか盛り上がらないということで、市町村の方々と一緒に取り組みを強化して、直前ということで、さらに冬季大会をきっかけとして歓迎ムードを盛り上げて、本大会、障がい者スポーツ大会に向けて続けて玉を打っていきたいと考えております。
〇佐々木努委員 本当に頑張っていただければと思うわけです。
ここからが復命になりますけれども、私は和歌山県に行って、開会式を見て、岩間局長も見られたと思いますが、子供たちがたくさん開会式に出て、あるいはボーイスカウトを初め、ボランティアで一生懸命やられていて、すばらしいなと思いました。
そのとき思ったのが、やはり今回の国体は、例えばボランティアは、高齢者の方が多分、随分申し込んでくると思うのですけれども、できるだけ子供たちがかかわる、そういう国体にしなければならないのではないかということをそのとき思いました。さっき軽石委員も言ったように、この国体を経験して、そして次の国体につなげる、あるいは国体に自分たちは参加したんだ、かかわったんだということで郷土愛が生まれてくるとか、そういうものにつなげていかないと、私はやる意味がないのではないかと思っているわけです。
そういう意味から、これまで子供たちの参加に結びつけるような取り組みをどのようにやってきたのか、これからどういうふうにやっていくのかお聞かせいただきたいと思います。
〇小友副局長兼総務課総括課長 子供たちの参加についてでございますけれども、委員おっしゃるように、国体、全国障害者スポーツ大会、これらの盛り上げ、さらには成功させるためには、子供たちの力が不可欠であると考えておりまして、多くの児童であるとか生徒の皆さんに参加してもらうこととして取り組んできております。
開催準備段階、今までの取り組みで申し上げますと、わんこダンスをつくりまして、各幼稚園、保育園、小学校等にお配りして、今年度、コンテストまでやったところでございます。そのほか、臼澤みさきさんにイメージソングを歌っていただいて、これらにつきましても、CDを学校に配布して、昼の放送等で流していただくとか、さらには合唱譜もつくりまして、学校での取り組みを促しているところでございます。
花いっぱい運動の育種であるとかプランターへの移植、それから手づくりののぼり旗の作成、これでリハーサル大会の会場を飾るといったような取り組みもいただいていますし、あいさつ運動などにも取り組んでもらっております。
今後の関係で申し上げますと、国体本大会の開閉会式、さらには障がい者スポーツ大会の開会式におきましては、ことしの和歌山県でもやってございましたけれども、都道府県応援団といたしまして、北上市内の小中学生にお願いしまして延べで4、500人の応援団の体制をつくる。それから、式典での演技であるとか音楽隊としての合唱、吹奏楽での式典参加、こういった式典関係では、県内の小学生から高校生まで延べ2、300人程度の協力をお願いしているところでございます。
各競技会につきましても、市町村で競技を開催する国体、それから、障がい者スポーツ大会は県で行うわけですけれども、こういったもので、審判等の手伝いをいただく競技補助員であるとか、受付、案内、会場整理の手伝いをいただく競技会補助員としても延べ2万2、000人の中学生、高校生に参加いただくことにしてございます。
このほかにも、開閉会式の観覧であるとか、国内最高レベルの選手たちの試合観戦といった形で、子供たちに国体にかかわってほしいと思っていますし、先ほど御説明した運営ボランティアの参加につきましても、ぜひ中高生、それから小学生以下についても検討してまいりますけれども、そういった参加もお願いしたいと思っております。
いずれ、今後も、子供たちの安全であるとか健康管理、学校の事情等にも配慮しながら、子供たちも県民の一員として両大会に参加して、そういう思い出がふるさと岩手を思う意識として残るような取り組みをしてまいります。
〇佐々木努委員 詳しい答弁ありがとうございます。
開閉会式ですか、これは北上市で行われますね。それで、北上市の子供たちが参加することになります。そうすると、ほかの地域の子供たちは参加することができません。冬季大会も、盛岡市の子供たちが参加するということですから、それも体験できない。
開閉会式を体験できないと、これは仕方のないことだと思いますが、それ以外の子供たちには、やはり地元のさまざまな競技にどれだけ参加できるかということが大事だと思いますので、それぞれの市町村の取り組みを促していただきたいことと、それから、そもそも国体がどういうものかというのを、私は、しっかり子供たちに伝えていかなければならないと思います。花いっぱい運動をやれと言われて花を育てたけれども、一体何に使うんだとか、応援グッズをつくらせられたけれども、どこで、どういうふうに使われるんだということがわからなければ、やっぱり参加した意味がないわけであります。
せっかくプロモーションDVDなどもつくっていらっしゃるのであれば、全部の学校に渡して、これを授業でぜひ子供たちに見てほしいということぐらい、私はやるべきじゃないかと思います。それぐらい学校に協力を求めてもいいと私は思います。47年に1度のビッグイベントですから、そういうものにできるだけ子供たちが関心を持ってかかわれるように、ぜひやっていただきたいと思います。
最後に局長に所感を伺って、終わります。
〇岩間国体・障がい者スポーツ大会局長 先ほど御答弁の中で、国体・障がい者スポーツ大会は世代を紡ぐということも一つの側面だと申し上げました。あわせて、復興国体、復興のシンボルとなる両大会ということも申し上げましたが、もう一つ、将来的なことを考えれば、国体を契機に、いかに希望を将来に託せるような国体・障がい者スポーツ大会にするかということがあると思います。
そういった状況にするためには、やはり県民の方々お一人お一人が、できることから国体・障がい者スポーツ大会に参加いただくと。その中で、自分で何かを得て、それを地域づくりですとか、あるいは地域への帰属意識とか誇りとかということを持ちながら地域に貢献していくことが、将来的に可能になると思います。やはりそういうことのきっかけとなる、契機となる大会にぜひしたいということを考えております。
そのためには、やはり子供たちが身近に国体・障がい者スポーツ大会に接して、競技を間近に見る、あるいは他県の皆さんと交流をする、応援をするということを通じて、ぜひ、国体・障がい者スポーツ大会を一緒につくり上げていくということに参画いただいて、その経験をその後の地域づくりなり─人生と言うにはちょっとあれかもしれませんが─に生かしていっていただければ、未来に希望を託するような環境が出てくるのではないかと考えております。
御意見を十分に踏まえまして、これから取り組みを進めていきたいと思います。
〇阿部盛重委員 軽石委員、工藤勝子委員、佐々木努委員からもお話をいただいていますけれども、私からは、まず、ボランティアの件で、現状がまだ100%達成していないということで、答弁を聞くと、今までと同じような手法で募集をされると私は伺ったんですが、それでは達成度が非常に見えにくいと思うんですが、その点と、バスの関係で、あと不足が71台と、これも同じような対応の仕方に聞こえてきたんですが、それに対しての答弁をお願いいたします。
〇小友副局長兼総務課総括課長 ボランティアの件でございますが、県と市町村の両方で対応しているということで、県の状況については、口幅ったいような言い方になりますけれども、現在7割を超えている状況ということで、団体とか学校とか企業を回っておりまして、一定程度の感触は得ているところでございます。
問題は、特にも市町村の方々への国体局としての支援ということがあると思います。取り組みとしては、今までの流れの継続にはなろうかと思いますけれども、まだ企業協賛の訪問であるとか、既にいただいているところも回っているところでございますが、そういった際に、企業にお願いしますと、北上市に行くのは無理だけれども、地元であればいいよというような話がございます。そういったところについては、ぜひ地元市町村の競技会のほうも応援してほしいというような要請を行っておりまして、その後、市町村と一緒に訪問して、つなげるといったような取り組みもしてございます。
それから、やはり市町村では、今3割というお話はいたしましたけれども、地元でイベント経験が県よりはかなりございまして、関係の団体、グループへの働きかけを今後考えているところがかなりあるようでございまして、それほど切迫した心配はしていないようでございますが、先ほど申し上げたように、企業訪問であるとか市町村の広報、県のテレビ、ラジオを使った広報、広報紙等を使って、残った期間、県、市町村分け隔てなくボランティアを募集してまいりたいと考えております。
〇安部施設課総括課長 バスの確保の方法でございます。
バスの確保の取り組みについては、昨年度から実施してきております。特に今年度からは、バス調達業務に関しましては、旅行事業者と県内バス事業者2者による共同企業体に委託いたしまして、事業者の専門的なネットワークを通じてバスの確保を行っております。
また、県と市町村がばらばらにバスを確保するのでは、全体がうまく確保できないということで、市町村が必要とするバスも県で一括調達して、市町村にあっせんする、こういうような方式で考えてございまして、これらによりまして、必要なバスは必ず確保するという意気込みで今取り組んでございます。
〇阿部盛重委員 意気込みというか、達成されるということで受けとめてよろしゅうございますね。はい、わかりました。
それから、輸送、交通、宿泊関係は答弁いただいていますので、警備、消防関係のほうだけ、状況をお知らせいただければと思います。
〇安部施設課総括課長 警備、消防業務の取り組みでございますが、選手や役員、観覧者など全ての方々が、安心して開閉会式に参加して、観覧いただけるよう、昨年度、開閉会式会場における自主警備や消防防災業務の実施計画を作成いたしました。
現在、会場の安全確認、それから入場者管理の手順、また、警備員の配置や災害時の避難場所、避難経路、こういったものについて詳細な計画書を作成してございます。
今後、スタッフ等の具体的な対応マニュアルを作成するとともに、大会前には避難訓練を実施し、十分な準備を行った上で本番に臨むことにしてございます。
また、各競技会場におきましては、県で作成した市町村警備・消防防災業務推進指針に基づきまして、各会場地市町村が県と同様の実施計画を作成して、自主警備や消防防災業務を実施することにしてございます。
〇阿部盛重委員 わかりました。ありがとうございます。
あと2点だけ。これは、起き得ることだと思うんですが、起きては困るんですけれども、佐々木努委員と同じように、和歌山県に派遣で行ってまいりました。2日目の行動日程で、激励を含めて視察というところがありまして、事前申請はしていたというお話はありましたけれども、急遽、その場でストップがかかったという状況がありました。原因は行幸啓ということでございましたけれども、それで、一瞬私どもは、私だけかもしれませんが、和歌山県に対して、なぜこういう対応になっているのだというところが1点。でも、冷静に考えれば、こちらサイドはどうだったのだ、確認したのかなという状況がありました。
それがなぜ起きたのかというのと、今後、こちらで来年度行う場合には、ほかの県に対してそれが起きては大変なことになるということでございます。その対策に対してちょっとお聞きしたいと思います。
〇小友副局長兼総務課総括課長 御皇室、特に今回の場合、天皇陛下の行幸啓に伴う競技御覧ということでの情報提供ということでございますが、和歌山県の例を申し上げますと、天皇皇后両陛下が和歌山県の国体のために行幸啓になられると。その御日程概要につきましては、総合開会式の1カ月前に県から発表してございます。それから、宮内記者会においても同じ時期に発表されているところでございます。
ただ、それは、おいでになる、こういう日程で回られますということでございまして、具体的には、競技御覧の会場地となりました卓球会場のある白浜町で、9月14日に、競技運営の都合上、入場制限を実施するということを町のホームページに掲載しまして周知を図ったというところでございます。ただ、町のホームページに掲載したから、それが実際においでになる方々に周知されるかということは、当然あろうかと思います。
本県の場合、行幸啓等の対応につきましては、宮内庁と現在、秘書広報室が進めているところでございます。実際に両陛下が国体等のために行幸啓になると決定した際につきましては、基本的には、秘書広報室が和歌山県と同様に発表する形になるものと考えておりますが、国体局といたしましては、来る方々に御不便をかけないように、この発表内容を各都道府県体協等に情報提供するような手だてを講じまして、秘書広報室と連携を図りながら、競技を視察される各都道府県の関係者等に注意喚起を図っていくようにいたしたいと考えております。
〇阿部盛重委員 わかりました。ぜひよろしくお願いいたします。
あともう一点、最後でございますが、開会式が終わって、バスではないのですけれども、私どもの移動に関しての対応で、これは多分タクシー協会の対応だと思うんですが、タクシーが三、四台循環していて、それに対するスタッフがお二人の女性ということで、待っている方々が100名以上という、それで40分以上かかって乗って皆さん移動しているという状況で、これはいろいろな規制があるようでございますが、その点まで、今どのようなお考えで対応されているかお聞かせください。
〇安部施設課総括課長 開会式会場でのタクシーでございますけれども、岩手県の場合、会場の北側に隣接する北上市立南小学校にタクシー専用の乗降場と待機場を設置することとしております。
配車につきましては、今後実施する会場への来場手段の調査を踏まえて必要と見込まれる台数を配車することとしますけれども、それに加えまして、タクシー乗降場に運行管理員を配置していただけるよう、県タクシー協会と会場地の同和賀支部に協力をお願いしてございます。
なお、わかやま国体の総合開会式の際は、県のタクシー協会と同和賀支部にも視察をしていただき、状況を把握していただいております。
タクシーの需要は、当日の天候等によって大きく変動いたしますけれども、県タクシー協会、同和賀支部と連携いたしまして、長時間のタクシー待ちとならないように対応していきたいと思います。
〇阿部盛重委員 今の情勢のお話だと、多分、和歌山県と同じような状況だと思います。要するにいろいろな規制があって、台数的なものもありますので、そこはもう一歩踏み込んだ形の対応をされないと、多分同じことが起きると思います。それは、また改めて時間をつくっていろいろとお話ししたいと思います。これ以上はちょっと、時間がかかりますので。
以上、終わります。ありがとうございます。
〇神崎浩之委員 通告者としては最後のようでありますので、くどくなく行きたいと思います。
局長にまずお伺いするわけですけれども、国体・障がい者スポーツ大会まで1年を切って、それからあとは、冬季国体はもう3カ月切っているという中で、どうも地域で盛り上がりがないと先ほど皆さん言っておりましたけれども、これについて局長は、主催する立場ではなくて、県民の目線から見たときに、この岩手県の国体というのは盛り上がっていると感じていらっしゃるのか。
それから、認知度ですけれども、もう3カ月で冬季国体が始まる、それから1年で岩手国体が始まるということについて、どのぐらい県民の方は認知されているのであろうかと。そういう認識をちょっとお伺いしたいと思います。
〇岩間国体・障がい者スポーツ大会局長 2点御質問をいただきました。まず、一つ目の、県全体として機運が盛り上がっているかどうかという私の考えということでございます。
1年、2年ぐらい前までは、御指摘として、国体・障がい者スポーツ大会の開催自体が、県民の皆さんにまだ浸透していないのではないかというようなお話を頂戴しておったかと思います。そういった御意見を踏まえて、我々のほうでも計画的に報道機関、マスコミの方々に報道していただくとか、あるいは県としてもイベントを開催するとか、さまざまなあらゆる手だてを講じて周知に努めてまいりました。
二つ目の御質問等に対する答弁ということになろうかと思いますが、実は300人ということでサンプル数は少ないのでありますが、ウエブで認知度的なものを私どもで調査してございます。その結果を申し上げますと、300人のうち約9割の方々が、来年、国体・障がい者スポーツ大会が開催されることについて御承知いただいているということでございます。ただ、分析いたしますと、年代によってばらつきがございます。年代が高ければ高いほど認知度が高いというような傾向があったりということはあります。
ただ、やはりお話があったように、3カ月後に冬季国体が始まって、1年を切って両大会が始まるという段階になれば、もう周知ではないのではないかということで、いかに多くの方々に参画いただくかという、ステージが変わってきているということだろうと思います。
そういうことを踏まえて、私どもではさまざま、花いっぱい運動ですとかクリーン活動ですとか、何でも結構ですので、できることから国体・障がい者スポーツ大会に参画してください、それで、一緒になってつくり上げていってくださいということを、いろいろな場面を通じて申し上げております。
そういったことがございまして、あるいは市町村の取り組みも含めて、一時期よりは機運醸成は進んできているのではないかとは私自身は感じてございます。
〇神崎浩之委員 まちを歩いていても、なかなか国体・障がい者スポーツ大会というものが目に触れる場面が少ないんですね。盛岡に来るとき、駅におりて、バスが、これは国体のバスだな、大通を歩いてきても、あそこは証券会社かな、ちょっとウインドーにあったりとか、それ以外は、ほとんど国体・障がい者スポーツ大会の旗なりポスターなりがないんですね。
やっぱり我々は回数ですね、聞く回数、見る回数、回数で認知度が、機運が醸成されていると思いますけれども、大通ですら朝はない。夜歩いてみましたら、ますますないということで心配しているわけなんです。
前回もちょっと質問したことがあるんですけれども、どうも民間の方が国体の商標、ロゴ、文字を使うときにライセンスがあるということで、それでなかなか進まないのかなと思っているんですが、お土産屋さんの菓子組合であるとか、それから旅館とか食堂とか、そういうところでこのライセンスの取得状況、企業ですね、それを取得しないと、大っぴらに国体があるんだよ、障がい者スポーツ大会があるんだよということが表に掲載できないわけですね。それについてお伺いしたいと思います。
あわせて、当初、ある企業がのぼり旗をいっぱいつくりまして県内に配布したことがありましたね。県南の印刷屋さんでしたけれども、のぼり旗を購入して、それをいろいろな公共機関に寄附したりとかしたんですが、ああいうものもやっぱりライセンスがあるのかということであります。
建築現場では、建設屋さんなんかは、工事のところによく書いてありますけれども、それらも含めて、民間の企業のライセンスの取得について教えていただきたいと思います。
〇小友副局長兼総務課総括課長 国体のロゴとかマスコットを使った商品開発であるとか掲示物の利用のライセンスというお話でございますが、国体・障がい者スポーツ大会につきましては、大きく申し上げれば、オリンピックなどでもスポンサー企業が決まっているという状況がございまして、日本体育協会という全国レベルのほうで国体のパートナー企業を決めて、契約していると。県でも、あわせてパートナー企業であるとか、複数の企業協賛をいただいて、その企業協賛のメリットとしてロゴやマスコットの使用権を付与しているというのが基本的なものでございます。
ただ、それだけですと商品開発ができないということがございまして、ロゴやマスコットを商品として使う場合については、恐縮ですけれども、3%の使用料をいただくという形をとっているところでございます。
ただ、公共目的ということであれば、使用料の納付を免除するということも行っていまして、先ほど委員から例のお話がありました公共工事の工事中ということで、県の発注とか市町村の発注の場合は、使いたいという申請をいただきまして、使っていただくというようなことも行っているようでございます。
委員から御質問がありました申請件数等でございますが、県菓子工業組合が主催して行ったお土産菓子開発講習会といったような講習会の開催がございまして、また、商工労働観光部におきましても、事業者を対象といたしました、希望郷いわて国体土産品開発セミナーといった取り組みを今年度やってございます。さらには、両大会の開催が間近に迫ってきたということもあって、ロゴ、マスコットを使った商品化が進んできております。
協賛企業は、メリットとして、それを商品に使うことであるとか、応援していますという表示ができるということで、それについてはもう自動的にあるのですけれども、実行委員会に3%の手数料を払って使いたいという申請につきましては、昨年度は年間で17件ございました。これが、今年度に入りまして、昨日現在で40件ということで大きく伸びてきております。
40件が多いかどうかというのはあるかと思いますが、そういった動きもありますので、さらに、県実行委員会とすれば、そういった販売場所も確保が必要だろうということで、県外来訪者の玄関口となる盛岡駅とか北上駅、いわて花巻空港などで、さらには道の駅などの主要な施設で販売場設置ができないかといった調整、お願いを今進めているところでございます。
〇神崎浩之委員 40件、17件ということでありましたけれども、どおりで、国体ラーメンとか国体煎餅というものが目につかないなと思っていたわけですが、これは日本体育協会の関係もあるのですが、非常に厳しいライセンス、申請が面倒だとかいろいろあるみたいなのですね。そんなことで、そうは言っても、やはり目につくところでそういう企業の方、観光、宿泊、食堂、それからお土産屋さんを含めて、一緒になって機運の醸成に力を入れていただくように働きかけをしていただきたいと思います。
それから、来県していただく方への施設のユニバーサルデザイン化の取り組み状況でありますけれども、これは、障がい者スポーツ大会があるからではなくて、その前にも国体、それから冬の大会があるわけでありまして、交通機関、駅、バス、タクシー、それから宿泊施設、会場、駐車場、まち中のトイレ、これらについては弾みがついているのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
〇安部施設課総括課長 ユニバーサルデザインについての取り組みでございますが、大会に参加する選手などの大会関係者、高齢者や障がい者など全ての人が、不自由を感じることなく、快適に過ごすことができる環境を整備することが重要と考えてございます。
このため、開閉会式会場への身障者用トイレや身障者席の増設、情報保障席や音声ガイド、わかりやすく見分けやすい案内板の設置などを行うこととしてございます。
また、全国障害者スポーツ大会の選手団の宿泊施設には、仮設スロープの設置や浴室マット、シャワーチェアなどの宿泊支援用具を配備するほか、従業員を対象とする接遇研修を実施することとしてございます。
また、市町村が競技施設整備とあわせて、ひとにやさしいまちづくり条例に基づいた改修を行う場合、競技施設整備費補助金により支援することとしております。千厩体育館でスロープ、多目的トイレ及び自動ドアが整備されたほか、雫石町総合運動公園でオストメイト対応の身障者用トイレが整備される予定でございます。
両大会を契機としてユニバーサルデザインに配慮した環境整備が進むよう、関係部局と十分に連携して適切に対応してまいりたいと考えてございます。
〇神崎浩之委員 長崎県の職員の方に聞いたんですけれども、障がい者スポーツ大会の選手の皆さんは、ほとんど宿泊先と会場の移動だけだったよという話をされて、ですから、やっぱり観光とか、お土産とか、飲食というのは、選手の方はもちろん試合に集中するわけでありますが、それを見に来ていただく方々も、やはり大切にしなければならないのだと思っております。
そういう面で、障がい者スポーツ大会に限らず、その前の大会に、そして、それを起爆剤に、県内の観光地、お土産屋さん、そういうところでユニバーサルデザイン化を進めていただくように、折に触れて働きかけていただきたいと思っています。
最後にですけれども、これは局長に意気込みを聞くしかないんですが、一つは、私は、この障がい者スポーツ大会のネーミング、いわて大会、これでは、希望郷いわて国体、そして、いわて大会、いわて大会が障がい者スポーツ大会のことだということで、これでは、来年岩手県で障がい者スポーツ大会が開かれるということには結びつかないのではないかという話を去年も差し上げたところですが、そのかいがあってかどうかあれなんですが、今、先ほども答弁の中にもあったんですけれども、来年は岩手国体がある、それから、全国障害者スポーツ大会であるいわて大会と、きちんと前説明をいろいろなところでやっていただけるようになりました。
この前、一関市でも、ある部長が、希望郷いわて国体・いわて大会と言わずに、その前に、全国障害者スポーツ大会でもありますいわて大会と言っていただいたので非常にうれしかったわけですが、今後も、1年切りますので、ぜひそういう枕言葉をつけるようにお願いしたいということと、それから、なかなか盛り上がらない機運の醸成、この主要施策の成果に関する説明書では、2カ所にわたって、県民総参加の機運の醸成、機運の醸成と書いておりますので、その二つについて、局長からお願いしたいと思います。
〇岩間国体・障がい者スポーツ大会局長 まず、希望郷いわて大会が全国障害者スポーツ大会とすぐに想起されるということの問題点につきましては、昨年度も御指摘を頂戴しておりまして、そういうこともございまして、例えばのぼりでございますとか、あるいは私どもでお願いして、テレビのほうで行う広報ですとか、そういったことには逆にして、第16回全国障害者スポーツ大会というロゴを大きくして、希望郷いわて大会というのは、それよりも小さくといいますか、いわて大会イコール全国障害者スポーツ大会であるということが、県民の皆さんにわかりやすいような手だてを講じてまいってございます。
今後におきましても、そういったこと以外にも、何か障がい者スポーツ大会が希望郷いわて大会とイコールになるような手法について、いろいろと具体的に検討していきたいと思っています。そういった意識は持って取り組んでいるつもりでございます。
二つ目の御質問の県民意識の醸成という点でございますが、先ほども御答弁を申し上げたかと思います。いずれ、国体と障がい者スポーツ大会を岩手で行うということは、将来の岩手づくりをそこで考える契機にもなり得ると思ってございます。
したがいまして、できるだけ多くの県民の方々に両大会に参画していただく。できること、それから興味のあること、やりたいこと、さまざまあると思います。何でも結構ですので、身近なところからみずから参画をいただいて一緒につくり上げていっていただきたいということを申し上げてございます。さまざまこれから取り組みを進める中にあって、そういったアナウンスをしながら、ぜひそういう状況にしていきたいと考えてございます。
〇佐藤ケイ子委員 関連。手短にお願いしたいと思います。
ボランティア確保の関係と、それからのぼり旗の件について少しお聞きしたいと思っております。
北上市が主会場地ですので、ボランティアの関係についてこの間も説明をいただいて、見ましたけれども、私たちは、今までボランティアというものになれていなかった。団体に、例えば婦人会何人出してください、老人クラブ何人出してください、どこの団体何人出してくださいと言われれば、はい、わかりましたと、すぐ出してきたんです。ですので、今までもいろいろなマラソンとかアジアマスターズなんかでもボランティアは確保したんです。ボランティアが確保できなければ、強制ボランティアというか、市の職員というかいろいろな団体の人たちが要請に応えて何とかしているので、そこは多分何とかなるんじゃないかという読みをしているんだと思うんですけれども、その中で、ボランティア確保の期限というのはいつに定めているのか。
それから、ボランティアの中には観戦ボランティアというのも含まれているんですよね。競技を見に来てくださいと、それもボランティアです。そういうものもあるんです。盛り上がるためにはちゃんと見てくれる人がいないとだめなので、観戦ボランティアも募集します。説明されると、ああ、そうかということで、何だ私でもできるよというので、多分そういうのが広まるとできるんですけれども、それをPRする職員というのもなかなか大変だなと思って見ておりました。お聞きしたいのはボランティアの確保の期限のことです。
それから、あと、のぼり旗のことですけれども、今、掲示しているのは企業からいただいたのぼり旗で、白っぽくて字が細かくて、わんこきょうだいがいっぱい載っていて、遠くから見ると何もわからないということで、全然PRになっていないというんですね。大会が近くになったら、県から、国体歓迎とか、そういう立派な、もっとPR力のあるのぼり旗が来るはずだというようなことを聞いていたんですけれども、そういう予定はあるのかないのか伺いたいと思います。
〇小友副局長兼総務課総括課長 まず、ボランティアの募集の関係でございますけれども、県の期限は、ことしの4月から今年度いっぱい、3月31日までということで募集してございます。
先ほど委員からお話がございました観戦ボランティアとか、いろいろなボランティアの形態を市町村によっては取り入れてやっているところもあるようでございます。
委員からお話があった、女性部の皆さんとか町内会の皆さんにお声がけをすれば集まるんだけれどもというお話は、市町村もこの後、募集状況によってはそれを進めていこうと思っていると思うんですが、ただ、県民総参加という観点で、まずは、日ごろそういったボランティアに参加していない方にも幅広にお声がけをして手を挙げていただくということで、幅広くまずは声をかけさせていただいていると。同時に、なかなかそれだけだと5、300人という人数は県でも大変ということがあって、企業であるとか学校を回らせていただいているという状況でございます。
それから、のぼり旗のお話でございましたけれども、のぼり旗は、県でも一定程度製作をいたしまして市町村にはお配りしたいと思ってございますが、全県、各市町村、各競技会場を県だけののぼり旗でいっぱい飾るというのは実質的に、経費的にもちょっと難しいということがあります。県と市町村の役割分担をしながら、総合開会式とか閉会式でのおもてなしの子供たちに歓迎の手づくりをしていただくとか、それから、横断幕を各競技会場に飾るといったものについては準備をしていきたいと思っております。
〇佐藤ケイ子委員 のぼり旗の件ですけれども、確かに競技場付近については小中学生がデザインして各県応援ののぼり旗をつくることになっていますけれども、わかやま国体で見てきた方が言っていたのは、和歌山駅におりて、余りのぼり旗がなかったと。寂しく思った、本当に歓迎されているのかなと思ったということなんです。ですから、開催市は市で取り組むとしても、県は、やっぱりその拠点になるところにはしっかりと歓迎ののぼり旗を用意していただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。
〇小友副局長兼総務課総括課長 来年度に向けまして検討してまいりたいと思います。
〇郷右近浩委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇福井せいじ委員 腹が減っているときに済みません。午後7時までには終わりたいと思いますけれども、よろしくお願いします。
機運の盛り上がり、機運の醸成についてでありますが、私も県当局の幹部の皆様には休日にとあるところで何度もお会いしまして、幹部みずからがのぼり旗を持っていろいろな活動をなさっているのを見かけたことがあります。まずもって本当に御苦労さまでございます。
さて、機運の醸成ということでありますけれども、国体というのはやはりスポーツイベントでありまして、競技大会であると思いますが、まず、冬季国体、それから総合大会、そしてまた障がい者スポーツ大会、この選手の総数というのは何人であるのか。そしてまた、選手と県民との接点というのはいかにつくっているのかということをお聞きしたいと思います。
〇小友副局長兼総務課総括課長 すぐ出る数字ということで御勘弁いただきたいんですが、選手、役員の数で申し上げますと、冬季大会で約3、200人、それから国体本大会で2万2、400人、それから全国障害者スポーツ大会で約5、500人という数でございます。
選手との直接的なかかわり合いということでございますが、ボランティアでかかわったり、それから宿泊施設等でかかわったりというのは一般的に考えられるところでございますが、できれば、市町村と一緒になっての取り組みになるとは思いますが、各競技会場、県であれば総合開会式、閉会式で都道府県応援団というような形で直接その都道府県の応援をするという形がありますけれども、これを市町村でも同じように各県の選手団を例えば決めてですね。
〇福井せいじ委員 私が聞きたかったのは、事前に、大会が始まる前に、私たちと選手との接点をいかに設けるかということも一つ必要じゃないかと思うんです。というのは、私たち48人の議員が、それでは果たして応援したい選手を何人持っているか、これも一つの大事なことだと思うんです。130万人の県民が誰を応援したいかということによって、私は、その競技に対する、あるいは国体そのものに対する関心がまず湧くと思うんです。
私の知っている選手は、3人あるいは4人しかいないです。本当に知っている。その方が出る競技にはやっぱり行ってみたいなと思いますし、また、その方が今後どういうふうな成長をしていくかということを追いかけること、これが私たちの国体に対する直接の関心事であるのではないかと思います。イベントに対する関心を盛り上げることは確かに大切ですけれども、その主役となる選手と、その主役を応援したいと思う人のつながりをいかに持たせるか。そしてまた、それを通して機運を盛り上げるということが本当は必要なのではないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。
〇岩間国体・障がい者スポーツ大会局長 県議会議員の方々だけではなく、岩手県選手団のアスリートの方々と県民の方々ですとか、あるいは市町村の方々とどういうつながりを持っていくのかという御質問かと思いますが、確かに、我々の行っています開閉会式の運営等とあわせて、教育長もお話しされていましたが、県勢が活躍をすると非常に盛り上がるというのも事実だろうと思います。その県勢が活躍する一つの要素というのは、県民の方々に競技場に足を運んでもらって一生懸命応援するのが力を発揮できる環境にもつながってくると思うんです。競技場に足を運ぶということは、その競技に興味を持つか、あるいは、委員おっしゃったように、個々のアスリートの方に興味を持つことが必要といいますか、それが重要だと思います。
選手との交わりということでいえば、いろいろなイベント等を通じてアスリートの方にいらしていただいて子供たちと交わっていただくということはやっておりますが、それ以外にどういった方法があるのかということについては、教育委員会や県体育協会とも少し検討させていただいて、そういう関係をうまくつくって本番に入っていくということを少し検討させていただければと思います。
〇福井せいじ委員 例えば、県民1人が1人の選手を応援する、ここにいる48人の議員がそれぞれ5人くらいの選手を応援する。そういった関心が大会を盛り上げることにつながるのかなと思っています。大会そのものをすることも必要ですけれども、ぜひとも選手に対する、競技に対する関心を持つことを高める、その機運を高めていただきたいなと。私もスケートの小平選手、あと、高校生の川村選手の活躍を期待していますので、そういったところから盛り上げていきたいと思います。
〇郷右近浩委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇郷右近浩委員長 質疑がないようでありますので、国体・障がい者スポーツ大会局関係の質疑をこれで終わります。
国体・障がい者スポーツ大会局の皆さんは御苦労さまでした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。
午後6時54分 散 会

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