平成27年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成27年10月27日(火)
1開会 午前10時1分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 菊 池   満
議事管理担当課長 渡 辺 謙 一
主任主査 中 村 佳 和
主任主査 藤 澤 壮 仁
主査 柳 原   悟
主査 田 内 慎 也
主査 菊 地 友 和
主査 菊 池   智
1説明員
環境生活部長 根 子 忠 美
副部長兼
環境生活企画室長 津軽石 昭 彦
環境担当技監
兼環境保全課
総括課長 松 本   実
廃棄物特別
対策室長 大 泉 善 資
若者女性協働
推進室長 千 葉   彰
技術参事兼
県民くらしの
安全課総括課長 白 岩 利惠子
環境生活企画室
企画課長 小野寺 宏 和
環境生活企画室
管理課長 谷 藤 親 史
温暖化・エネル
ギー対策課長 小笠原   誠
資源循環推進課
総括課長 田 村 輝 彦
自然保護課
総括課長 清 水 一 夫
食の安全安心課長 小 島   純
県民生活安全課長 中 野 俊 也
消費生活課長 後 藤 文 孝
再生・整備課長 佐々木 健 司
青少年・男女共同
参画課長 中 里 裕 美
NPO・文化国際
課長 吉 田 真 二

労働委員会
事務局長 齋 藤 信 之
参事兼審査調整課
総括課長 花 山 智 行

商工労働観光部長 菅 原 和 弘
副部長兼
商工企画室長 菊 池   哲
商工企画室
企画課長 鈴 木 俊 昭
商工企画室
管理課長 岩 渕 伸 也
経営支援課
総括課長 高 橋   毅
ものづくり自動車
産業振興課
総括課長 高 橋 喜 勝
自動車産業振興
課長 瀬 川 浩 昭
産業経済交流課
総括課長 押 切 拓 也
観光課総括課長 平 井 省 三
企業立地推進課
総括課長 飛鳥川 和 彦
特命参事兼
雇用対策課長 高 橋 達 也
労働課長 工 藤 直 樹

会計管理者 紺 野 由 夫
出納指導監 田 中 耕 平

監査委員 吉 田 政 司
監査委員 工 藤 洋 子
監査委員事務局長 菊 池   寛
監査第一課
総括課長 小 倉   茂
監査第二課
総括課長 村 上 博 和

財政課総括課長 熊 谷 泰 樹
〇郷右近浩委員長 これより本日の会議を開きます。
伊藤勢至委員は、欠席とのことでありますので、御了承願います。
これより議事に入ります。
認定第1号から認定第15号まで並びに議案第47号及び議案第48号の以上17件を一括議題といたします。
本日は、環境生活部、労働委員会、商工労働観光部関係について、午後5時を目途に審査が終了するよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
最初に、環境生活部長に環境生活部関係の説明を求めます。
〇根子環境生活部長 平成26年度の環境生活部の決算について御説明申し上げます。
初めに、当部所管の主な事務事業に係る実施状況と、これを踏まえた次年度以降の取り組み方針について御説明いたします。
当部では、東日本大震災津波からの復旧、復興への取り組みを最優先課題とし、あわせて、県民生活の向上に向けて、環境王国いわての実現、安心して、心豊かに暮らせるいわての実現、人材・文化芸術の宝庫いわての実現を基本目標に掲げ、取り組んでまいりました。
まず、東日本大震災津波からの復旧、復興に向けた取り組みについてでありますが、災害に強い自立・分散型エネルギー供給体制の構築を図るため、再生可能エネルギーの積極的な導入を進めてまいりました。
また、原子力発電所事故に伴う放射性物質の影響対策として、環境放射能モニタリング結果の迅速な公表や、食の安全・安心を確保するためリスクコミュニケーションに努めたほか、多様な主体の協働による復興支援活動を推進するため、NPO等の運営基盤強化に向けた取り組みを進めてまいりました。
また、復興の先にある希望郷いわての実現に向けて、いわて若者会議、いわて若者文化祭やいわて女性の活躍促進連携会議の開催など、若者や女性が活躍する地域づくりにも取り組んだところであります。
次に、環境分野における主な取り組みについてでありますが、環境王国いわての実現を目指し、地球温暖化対策の推進として、温室効果ガス排出量の削減に向け、家庭や地域、そして事業者の取り組み促進を図るために、温暖化防止いわて県民会議を中核とした意識啓発を行うとともに、再生可能エネルギーによる電力自給率の向上に向け、導入促進のための補助及び普及啓発のためのセミナー開催などを行ってまいりました。
また、循環型地域社会の形成に向けて、廃棄物の発生抑制を第一とする3R(Reduce、 Reuse、 Recycle)の推進、産業廃棄物の不適正処理の未然防止及び青森県境の産業廃棄物不法投棄事案の原状回復などに取り組んできたところであります。
さらに、多様で豊かな環境の保全に向けて、希少野生動植物の生育、生息環境の保全や、鹿等の野生動物による被害防止対策の推進、自然公園施設の整備を進めたほか、環境学習交流センターによる環境学習講座の開催などを通じて県民の環境学習を推進してまいりました。
次に、生活分野における主な取り組みについてでありますが、安心して、心豊かに暮らせるいわての実現を目指し、安全・安心なまちづくりの推進に向けて、県民の防犯意識の高揚のための普及啓発や高齢者及び子供の交通事故防止、消費生活相談体制の充実などの取り組みを実施したほか、食の安全・安心の確保に向けて、事業者への監視指導、岩手版HACCP導入などに取り組んできたところであります。
また、青少年の健全育成に向けて、次代を担う青少年の健全育成やニート等の若者の自立を支援したほか、男女共同参画の推進に向けて、男女共同参画センターを拠点とした県民活動の推進などに取り組んでまいりました。
次に、文化芸術分野における主な取り組みについてでありますが、人材・文化芸術の宝庫いわての実現に向けて、本県の文化芸術情報の発信や地域の文化芸術活動等の支援を行うとともに、海外とのネットワークの形成やグローバル人材の育成などに取り組んできたところであります。
今後におきましても、災害にも対応できる自立・分散型エネルギー供給体制の構築に向けた再生可能エネルギーの導入促進や、若者や女性が活躍するいわての実現に向けた若者の活躍支援、女性の活躍促進などに重点的に取り組むとともに、新たな産業廃棄物最終処分場の整備、多様な主体の連携を担うNPO等への支援、文化の振興、さらにはグローバル人材の育成などについても推進してまいります。
続きまして、平成26年度環境生活部関係の決算について御説明申し上げます。
お手元の平成26年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。環境生活部関係の決算は、3款民生費2項県民生活費と4款衛生費2項環境衛生費、16ページに参りまして、13款諸支出金3項公営企業負担金の一部であり、支出済総額は162億9、367万円余であります。なお、平成27年度への繰越額は、県民生活費の1億6、409万円余と環境衛生費の11億6、577万円余でありますが、このうち、環境衛生費の8、848万円余は事故繰越であります。
それでは、決算の内容につきまして、平成26年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただき、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
お手元の歳入歳出決算事項別明細書の194ページをお開き願います。3款民生費2項県民生活費1目県民生活総務費でありますが、備考欄上から6行目の消費者行政活性化推進事業費は、消費者行政活性化基金を活用し、県及び市町村が実施した消費生活相談窓口の機能強化等に要した経費であります。一つ飛びまして、食の信頼確保向上対策事業費は、食品に関するリスクコミュニケーションの開催等に要した経費であります。五つ飛びまして、NPO等による復興支援事業費は、復興支援活動を行うNPO等への助成や運営基盤強化を図るための取り組みに要した経費であります。二つ飛びまして、郷土芸能復興支援事業費補助は、被災した郷土芸能団体が活動を再開するための施設設備等の再整備を支援する市町村に対し、経費の一部を助成したものであります。一つ飛びまして、若者文化支援事業費は、次代を担う若者に文化芸術の発表の場を提供するとともに、文化活動を通じた交流の場を創出するため、いわて若者文化祭に要する経費を負担したものであります。続きまして、2目交通安全対策費でありますが、197ページをお開きいただきまして、備考欄の1行目、交通安全指導費は、正しい交通ルールを守る県民運動の推進や、市町村交通指導員の設置に対する補助などに要した経費であります。続きまして、3目青少年女性対策費でありますが、備考欄上から5行目、いわて青少年育成プラン推進事業費は、青少年活動交流センターが行ったいわて希望塾など、青少年の活動支援や交流促進などの事業の実施に要した経費であります。一つ飛びまして、いわて男女共同参画プラン推進事業費は、男女共同参画センターが行った意識啓発や男女共同参画を推進するサポーターの養成などの事業の実施に要した経費であります。一つ飛びまして、いわて若者活躍支援事業費は、若者の主体的な活動を促進するため、交流の輪を広げるきっかけづくりのネットワークの構築や、活動する意欲のある若者の支援に要した経費であります。続いて、青少年関連施設改修事業費は、旧ポニースクール岩手施設の有効活用を図るため、一部を岩手県立大学の海外からの研修生等の受け入れのための研修、宿泊施設として、改修、改築等のための設計委託に要した経費であります。
なお、繰越額がございます。繰越明許費1億6、409万円余は、青少年関連施設改修事業費におきまして、計画調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
続きまして、4目国際交流推進費でありますが、備考欄の1行目、国際交流推進費は、語学指導等を行う外国青年招致事業による国際交流員の招致や多言語サポーターの養成等、多文化共生の取り組みに要した経費であります。三つ飛びまして、国連防災世界会議関連会合等開催費は、本年3月に仙台市で開催された国連防災世界会議に関連するシンポジウム、スタディツアーの実施のほか、防災、復興に関する提言書の作成等に要した経費であります。
次に、少し飛びまして、210ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費でありますが、213ページをお開きいただきまして、備考欄の1行目、環境学習交流センター管理運営費は、環境学習交流センターが行った県民の環境に対する理解を深めるための情報提供や、地域で行われる環境学習などへの支援に要した経費であります。二つ飛びまして、循環型地域社会形成推進事業費は、事業者による廃棄物の排出抑制やリサイクル等のための技術研究開発、製品製造に対する補助等に要した経費であります。下から6行目の地球温暖化対策事業費は、いわて温暖化防止フェアの開催など、地球温暖化防止に向けた普及啓発事業の実施などに要した経費であります。続いて、再生可能エネルギー導入促進事業費は、被災家屋等への太陽光発電設備の設置に対する支援や、発電施設の立地を促進するための環境整備の取り組みに要した経費であります。一つ飛びまして、防災拠点等再生可能エネルギー導入事業費は、再生可能エネルギー設備導入等推進基金を活用し、防災拠点となる公共施設等への太陽光発電設備、木質バイオマスボイラーなどの再生可能エネルギー設備の導入等に要した経費であります。なお、繰越額がございます。恐縮でございますが、211ページにお戻りいただきまして、繰越明許費10億7、728万円余は、防災拠点等再生可能エネルギー導入事業費におきまして、建設資材等の調達に不測の日数を要したことによるものであり、事故繰越7、416万円余は、同じく防災拠点等再生可能エネルギー導入事業費におきまして、補助事業者の事業実施が遅延したことにより繰り越したものであります。
次に、212ページをお開きいただきまして、2目食品衛生指導費でありますが、備考欄上から3行目、乳肉衛生指導取締費は、食肉の衛生確保を図るために必要な屠畜検査及び残留有害物質検査や屠畜場の衛生指導等に要した経費であります。214ページをお開き願います。3目環境衛生指導費でありますが、備考欄上から10行目、廃棄物適正処理監視等推進費は、産廃Gメンの配置など、廃棄物適正処理の指導、監視等に要した経費であります。五つ飛びまして、県境不法投棄現場環境再生事業費は、青森県境に不法投棄された廃棄物について、代執行による汚染土壌の浄化及び原因者や排出事業者等の責任追及などに要した経費であります。二つ飛びまして、災害廃棄物緊急処理支援事業費及び災害廃棄物処理促進事業費補助は、災害廃棄物の撤去、処理事業に要した経費であります。続いて、産業廃棄物処理施設設置調査事業費は、いわてクリーンセンターの後継となる産業廃棄物最終処分場の整備候補地選定に要した経費であります。216ページをお開き願います。4目環境保全費でありますが、備考欄上から2行目、休廃止鉱山鉱害防止事業費は、旧松尾鉱山の坑廃水処理や処理施設の耐震補強工事などに要した経費であります。四つ飛びまして、大気汚染防止対策費及び水質保全対策費は、県内の大気及び水質の保全を図るため、事業場への立入検査及び各種の調査、測定に要した経費であります。5目自然保護費でありますが、備考欄上から3行目、自然公園等保護管理費は、自然公園保護管理員の設置などに要した経費であります。続いて、国定公園等施設整備事業費及び自然公園施設整備事業費は、国定公園等の自然公園における登山道、標識などの整備に要した経費であります。なお、繰越額がございます。事故繰越1、432万円余は、自然公園施設整備事業費におきまして、許可手続に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
218ページをお開き願います。6目鳥獣保護費でありますが、備考欄上から2行目、シカ特別対策費は、県内に生息するニホンジカの適正な保護管理や、放射性物質の影響による狩猟捕獲の減少を補うため、本県が実施した鹿の捕獲に要した経費であります。一つ飛びまして、希少野生動植物保護対策事業費は、県内の希少野性動植物の生息、生育状況調査等に要した経費であります。次に、7目環境保健研究センター費でありますが、施設の管理運営及び試験研究に要した経費であります。次に、飛びまして、354ページをお開き願います。13款諸支出金3項公営企業負担金1目公営企業負担金でありますが、電気事業会計負担金及び工業用水道事業会計負担金は、地方公営企業職員に係る児童手当等の一部について、それぞれの会計に対し負担したものであります。
以上で環境生活部関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇郷右近浩委員長 これより質疑を行いますが、本日は延べ28人の質問者が予定されております。世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いするとともに、決算の審査であることを踏まえ、当該年度の決算に関する質疑とするようお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇軽石義則委員 時間も限られておりますので、簡潔にいきますのでよろしくお願いします。
大きく2点質問いたします。
青少年関連施設改修事業費について、まず1点目お伺いいたします。
この件につきましては長年課題として継続してきまして、それぞれ先輩議員の皆様方も取り組んできた中でやっと答えが出てきたと思っております。しかし、これからさらにその活用が大事であると思っておりますけれども、今回、この事業費を見ますと、管理研修棟、宿泊施設、先ほど部長の説明の中にもありましたけれども、大分進んできていると思います。昨年度の研修棟の改修状況、宿泊施設の建築は、繰越明許費もあったようでございますが、それらの状況などを含めて説明をお願いいたします。
〇小野寺環境生活企画室企画課長 青少年関連施設改修事業費に関して御説明申し上げます。
平成26年度に設計委託を行いまして、年度末に契約いたしまして、平成27年度にかかって工事をしているところでございます。
まず、管理研修棟の改修内容についてでございますが、外壁工事や内装工事、電気設備工事、それから浄化槽の修繕工事など、施設の老朽化に伴う対応を行っているところでございます。
それからまた、宿泊施設の建築の状況についてでございますが、宿泊施設につきましては、部屋数12室、木造平屋建ての施設の建築工事が本年8月31日に完了しております。その後、必要な備品等の整備を終えまして、県立大学におきまして11月ごろから本格的に利用開始する予定と伺っております。
〇軽石義則委員 大分事業も進んできているようでありますが、管理研修棟などにおきましては、NPO団体が今、利用されている状況です。利用上でいろいろ不便なところがあったと思いますけれども、このNPO団体の皆さんから、それらの情報交換なり要望等を聞いた上でこれらは改修されたものなのでしょうか。
〇小野寺環境生活企画室企画課長 改修を進めるに当たりましては、県と県立大学と、現在利用していただいているNPO法人と3者で話し合いを随時進めながら取り組んできたところでございます。
施設につきましては、委員御指摘のとおり、まず施設全体を県立大学に貸与いたしまして、そこから県と県立大学の両者が馬事関連施設につきましてはNPO法人に利用を承認するという形で、これまで利用されてきたNPO法人の継続的な利用を認めるということでただいま運用しているところでございます。
〇軽石義則委員 3者で協議をした上で進めてきている現状であるということですけれども、施設全体をNPO法人に利用いただいているとすれば、管理棟のみならず、いわゆる馬場、そして厩舎を含めていろいろな課題があるともお伺いしているわけでありますが、旧ポニースクール施設全体の現状と課題はどのように把握されているのでしょうかお示し願います。
〇小野寺環境生活企画室企画課長 施設全体の現状と課題でございますけれども、旧ポニースクール岩手施設につきましては、先ほど御説明したとおりの形で県が施設全体を県立大学に貸与、そして、そのうち馬事関連施設につきましてはNPO法人の利用を認めているという形態になってございます。
そして、先ほど御説明しました改修工事でございますけれども、施設が老朽化しているということで、今般、当面の間、必要な改修工事を行ったところでございます。ただ、委員御指摘のとおり、それ以外のところでも施設の年数がたっておりますので、さまざま維持修繕等、必要が出てくるかと思いますけれども、馬事関連施設につきましては、まずは維持管理につきましてNPO法人に継続して行っていただきまして、大規模な修繕等が生じた場合は県が対応していくといったことで考えております。
〇軽石義則委員 大分老朽化も激しくて、NPOの皆様方も自助努力もかなりされて活用している状況のようでございます。加えて馬事文化の継承というのはなかなか難しい課題でもありますし、今、利用しているNPO団体は、ホースセラピーを通じて、復旧、復興、震災の地にも行って皆さんにいろいろな役に立つ活動をしているという自負も持っているようでありますし、その評価もあるようでございます。また一方、子供たちの育成のためにも非常に役立っているという声も多くありますので、ぜひそれらについてはしっかりと支えていくことも大事だと考えております。
加えて、県立大学に一括移管をしてこれから管理をされていくと思いますが、県立大学側でさらにそれらをどう有効に活用していくかという考え方など、今の状況でどこまで進んでいるのか、現状と課題についてもあわせてお示し願いたいと思います。
〇小野寺環境生活企画室企画課長 県立大学との連携の現状と課題という御質問でございました。
県立大学におきましては、国内外の研究者等を対象とした宿泊施設をまず利用する。それから、馬事関連施設に含まれる管理研修棟につきましては、研修や交流の場として活用するなど、宿泊施設との一体的な活用が見込まれているところでございます。
それからまた、県立大学におきましては馬事振興に係る地域貢献にも取り組んでいく意向と聞いておりますので、当部といたしましても、より一層利用が促進されるように、関係機関と連携しながら支援してまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 その取り組みをすることを、しっかりと関係市町村を含めて理解を得ていくことも大事だと思います。各市町村との連携は具体的にどのようにされているのかお示し願います。
〇小野寺環境生活企画室企画課長 関係市町村との連携でございますけれども、当該施設の利用方針をめぐって過去に検討してきた経緯がございますけれども、その中で、関係市町村等の要望を受けながらどのような対応ができるかということで協議をさせていただきまして、今般このような形で整備をすることに至ったところでございます。
今後におきましても、関係市町村と馬事振興に関しても含めまして意見交換をしながら、より連携していきたいと考えております。
〇軽石義則委員 これまでも取り組みをしていただいておりますが、さらにそれぞれの団体、そして市町村を含めまして、しっかりと現状を把握し、その対策が実感できるようなものにつないでいただくことをお願いしまして次の質問に移ります。
地球温暖化対策事業についてお伺いいたします。
これまでも何度か取り上げてまいりましたけれども、やはり地球温暖化対策と省エネルギー対策は両輪と思っておりますので、しっかり取り組みをしていただいていると思います。以前の予算特別委員会等でも質問しておりますけれども、省エネルギー対策については貸付金等の利用が少なかったなどというところもあったようでございますが、現状、課題、今どのような状況になっているのかお示し願います。
〇小笠原温暖化・エネルギー対策課長 県の省エネルギー対策についてでございますが、県内の67団体、機関で構成しております温暖化防止いわて県民会議を中心に、省エネルギー活動の実践と再生可能エネルギーの普及促進に向けた取り組みを全県的に展開しているところでございます。
また、県といたしまして、いわて地球環境にやさしい事業所認定を初めとする環境経営等の促進の取り組みや、県内中小事業者のエネルギーの見える化を支援するエネルギー管理システム導入支援事業を実施しているほか、省エネ設備を導入する事業者の資金調達支援として、再生可能エネルギー利用発電設備導入促進資金貸付金を設けているところでございます。
県民意識調査によりますと、県民の皆様の省エネに関する意識は高くなっているものの、さらなる省エネルギー対策の推進に向けては、設備の高効率化を一層促進することが必要と考えております。
〇軽石義則委員 省エネルギー対策は、やはりそれぞれ事業者の皆さんもみずから取り組まなければならない課題であるとしながらも、実際そこに踏み込めないとすれば何か別な課題もあるのではないかというところもあるんですが、そういう各事業者の皆さんと意見交換などをしているのであれば、そういう詳しい現場の声というのは押さえているものでしょうか。
〇小笠原温暖化・エネルギー対策課長 先ほど御説明いたしました温暖化防止いわて県民会議の中に事業者の団体ですとか家庭部会などを設けておりまして、そういった方々と意見交換などをしております。昨年度におきましてアンケート調査などを行っておりまして、意識の面ではかなり高まっているのですが、やはり実際の行動に結びついていないという御意見をいただいておりまして、その辺、さらに意見交換を進めて推進してまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 現場の皆さんが使いやすい制度になっていくことも大事だと思っておりますし、アンケートなども実施していただいているようでありますから、さらにその周知をしっかりとやっていただければいいと思います。
省エネルギー対策の中には、これまでも何度も取り上げておりますが、電気自動車の普及というのも一つ大事な取り組みだと思っておりまして、これまでも、台数、そして充電器がなければやはりこの広い岩手ではフルに活用し切れないのではないかというお話もさせていただいております。現状と課題についてお伺いいたします。
〇小笠原温暖化・エネルギー対策課長 電気自動車の普及状況についてでございますが、東北運輸局の公表資料によりますと、平成26年度末におきまして、軽自動車を除く電気自動車の普及状況は438台となってございます。全登録台数に占める割合につきましては0.08%となっております。全国では0.11%でありまして、本県はそれに対して0.03ポイント下回っている状況でございますが、本県が積雪寒冷地であること、それから、厳しい自然条件の中で電気自動車のバッテリー消耗などに不安があること、充電スタンドなどインフラの地域偏在などが影響しているものと考えてございます。
次に、電気自動車の普及に当たっての課題でございますが、充電インフラの空白地域が生じないよう、幹線道路や観光地等へ整備を促進することが必要と考えてございます。本県では、平成25年に次世代自動車充電インフラ整備ビジョンを策定いたしまして、国の補助を活用した整備を支援してきておりまして、これまでに28市町村に合計240基の設置が進んできているところでございます。
〇軽石義則委員 まだまだこれから取り組まなければならない課題も多いと思いますけれども、やはりインフラがしっかり整備されないと購入意欲も湧かないということにつながっているのではないかと思っておりますので、県または市町村、行政がまず先にその実績を積み重ねていくことも大事だという話をこれまでもしてまいりましたけれども、現状、県としては今どのような使用状況なんでしょうか。
〇小笠原温暖化・エネルギー対策課長 県における電気自動車の導入状況でございますが、現在、導入数は7台でございます。それから、遠野市に1台と聞いてございます。
〇軽石義則委員 普及拡大するためには、県にも率先して使用していただくこと、加えて、充電器も庁舎に設置していただくことによってさらに利用できるようになっていくと思いますので、それらについてはどのように考えているんでしょうか。
〇小笠原温暖化・エネルギー対策課長 電気自動車の県への導入についてでございますけれども、現在、7台で活用させていただいておりますけれども、やはり走行距離の問題とか─県内広うございますので、さまざま検討して現在の台数になっていると考えております。今後も、国の制度の状況とかを見ながら取り組みを進めていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 地球温暖化防止対策、まさにそのことを県民に求めていくのであれば、やはりみずからも率先してしっかりとやれる対策をとっていく、その一つの目に見える対策ではないかと思います。電気自動車の普及や充電器の設置は、やはり役所にもついてきているし広がってきているというのが実感できるようにしていくのがさらに大事だと思いますが、部長からその思いをしっかり聞いて終わりたいと思います。
〇根子環境生活部長 質問のありました省エネ対策、ひいては地球温暖化防止でございますが、これは非常に大きな課題だと思っております。
その対策を進めるためにも、県民の皆さん、それから事業者、行政も含めて、それぞれが自分の問題だという意識を持ちながら進めることが大事だと思っております。先ほど申し上げました県民会議に参画しています団体を通じまして、社員とか職員を通じて県民にも広めながら、県もその一翼を担っておりますので、県としてやれるべきところを考えてまいりたいと思っています。
〇柳村一委員 関連。先ほどの青少年関連施設改修事業費の中で、外国から受け入れる人たちの施設改修ということでしたが、馬事文化もそのまま継承していくという部分で、滝沢はチャグチャグ馬コが有名ですよね。岩手の馬事文化を継承して、それを外国の人たちに紹介するいい場所になると思うので、そこら辺の取り組みをどのように考えているのかお伺いします。
〇小野寺環境生活企画室企画課長 チャグチャグ馬コの普及という御質問でございましたけれども、先日、新聞報道にもなりましたけれども、フランスに行ってチャグチャグ馬コをお見せしてきました。そういったものを管理研修棟の中に写真パネルで展示したり、外国の方にも親しみやすいような形でチャグチャグ馬コも紹介していくといったことを検討してまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 3点、私はお伺いしたいと思います。
先ほど部長からもお話がありましたけれども、鹿対策についてであります。
平成26年の県内の捕獲頭数と、現状はどういうふうになっているのかお伺いしたいと思います。
〇清水自然保護課総括課長 平成26年度の県内の鹿の頭数と現状についてでございますが、ことし4月に環境省が公表いたしました都道府県別の鹿の個体数推定によりますと、平成25年度末時点で、中央値で約4万頭の鹿が県内に生息していると推定されているところです。
県内における鹿の捕獲実績についてですが、一般の狩猟、市町村による有害捕獲、県及び猟友会による個体数調整を合わせまして、平成25年度は9、619頭、平成26年度は1万919頭となったところでございます。
また、県内の鹿による農業被害額はこれまで増加傾向でしたが、平成25年度の約2億9、100万円から平成26年度の約2億5、600万円と3、500万円ほど減少となったことから、対策の効果が出始めているものと認識しているところであります。
また、今年度から、環境省が新たに創設いたしました指定管理鳥獣捕獲等事業を活用し、捕獲の強化に取り組んでおり、一般の狩猟、市町村有害捕獲と合わせて引き続き1万頭以上の捕獲を目標として、県猟友会、市町村と連携し、鹿の適正な個体数管理に取り組んでまいります。
〇城内よしひこ委員 鹿の駆除効果が出始めているという話でしたけれども、猟友会の方々のお話をお伺いすると、里ではなくて山の深いところに大分入っている。猟友会の方々も大分高齢化が進んでいまして、なかなか深い山には入れない。また、深い山でとった鹿も里まで持ってこられないという状況があるようであります。私の地域でありますと、もう岩泉のそばまで鹿が行っているそうであります。それを考えますと、大変なことになってきていると思っております。
引き続き、1万頭が適正なのかどうかというのも県で実際調べた数字なのかというのもあるのですけれども、しっかりと適正数を県でも捉えて目標数値を持ってほしいと思いますが、その辺はどうでしょうか。
〇清水自然保護課総括課長 今年度から導入します環境省の事業によりましても、県の猟友会に委託しまして約7、500頭の捕獲をお願いすることとしております。また、あわせましてモニタリング調査等を行いまして適正な個体数管理に努めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 そこで、早池峰山への影響、前回も一般質問で私も取り上げさせていただきましたけれども、早池峰山には希少な植物がある。それを食い荒らさないものかということで心配しております。そういった影響、また被害は見受けられているかどうかお伺いしたいと思います。
〇清水自然保護課総括課長 鹿の早池峰山への影響についてでございます。
まず、被害状況でございますが、高山植物の中でも希少性が高いハヤチネウスユキソウについては、県が本年8月に実施いたしました定点調査におきましては、鹿による食害は発見されていないところでございます。しかしながら、1合目付近の樹林帯におきまして樹皮等の食害が確認されていることから、今後の被害の拡大が懸念されているところでございます。
〇城内よしひこ委員 その辺もしっかりと対応してほしいところであります。いずれ、高齢化が進んでいる猟友会の方々に対する支援かたがた、全庁的な体制でお願いしたいと思います。
次、2点目に移ります。
放射性物質の検査状況についてであります。
先ほどの鹿のことについても関連するわけでありますが、食品等の放射性物質の検査状況はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。
〇小島食の安全安心課長 食品等の放射性物質の検査状況についてでございますけれども、県では、平成23年10月に策定いたしました県産食材等の安全確保方針に基づきまして、農林水産物、流通食品、給食食材などにつきまして放射性物質の濃度検査を実施してございます。このうち、環境生活部におきましては、流通食品及び野生鳥獣肉、それから、農林水産部と協力して野生山菜及び野生キノコ類の検査を実施してございます。そして、その結果を公表してございます。
流通食品につきましては、食品衛生法に基づきます収去検査によりまして計画的に年間200件の検査を行っておりますけれども、平成26年度におきましては、その全てが不検出または国の基準値以下であることを確認いたしてございます。
野生鳥獣肉につきましては、平成26年度は66件について検査を行いまして、9件について超過を確認しておるところでございます。
また、野生山菜及び野生キノコ類でございますけれども、これらは、国による出荷制限指示あるいは県による出荷自粛要請の対象となっていない全市町村を対象に、市町村の協力をいただきながらモニタリング検査を実施してございます。平成26年度は、当部におきまして、野生山菜55件、野生キノコ類16件につきまして検査を行ってございますけれども、いずれも不検出または国の基準値以下であることを確認してございます。
なお、これら検査につきましては、今年度─平成27年度も継続して実施してございまして、その結果について広く県民に公表し、消費者の安心感の醸成に努めているところでございます。
〇城内よしひこ委員 検査状況はわかりました。ぜひ安全・安心なものであるということをもう少しPRしていただいて流通される方向に導いてほしいと思います。
次に移ります。
ニートについてお伺いしたいと思います。
岩手県にニート─ニートという言葉ではないのでしょうけれども─と言われる方々がどれぐらいいらっしゃるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
〇中里青少年・男女共同参画課長 ニートの数についての御質問でございますが、ニートにつきましては、15歳から35歳未満の非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者と定義されておりまして、総務省の就業構造基本調査に基づく推計によりますと、県内のニートの数は平成24年で6、100人となってございます。
〇城内よしひこ委員 これまでも私、この問題については取り上げてきました。県としてもその数を減らす取り組みはしていると思っていますけれども、これまでの取り組みの状況について伺いたいと思います。
〇中里青少年・男女共同参画課長 県の取り組みについてでございますが、本県におけるニート対策は、まずは国の事業で地域若者サポートステーション事業というものがございまして、こちらが盛岡、宮古以南の沿岸地区、そして一関地区、奥州地区を対象に実施されております。県では、それ以外の二戸、久慈、花巻、そして北上地区においていわて若者ステップアップ支援事業を実施しているところでございます。
国及び県の事業によりまして、本人や家族に対する相談、就業受け入れ企業の開拓、ジョブトレーニングの実施というような形で全県域を網羅した支援を行っているところでございます。
〇城内よしひこ委員 このニートと言われる方々は、そういった窓口まで行けない方々が多うございます。私の周りにもそういった方がいるのですけれども、御家族は大変心配しています。そういったことについて、もうちょっと攻めというのですか、そういう状況というのはできないものかなと。踏み込んだ形というのはとれないものかと思うのですけれども、その辺はどうでしょうか。
〇中里青少年・男女共同参画課長 ニートの把握といいますか、窓口まで来ていただくのは本当になかなか難しいものでございますが、県の事業におきましては、事業を実施しております地域ごとに保健所とかハローワーク、そして市町村の関係課、また、必要に応じて教育機関などとの連携を図る支援関係機関連携会議を開催しております。そちらのほうで支援の必要な方についての情報共有、情報交換を図りながら、できるだけ支援の必要な方に届くようにということで職業的自立に向けた支援を行っているところでございますし、今後においても継続的な実施に努めていきたいと思っております。
〇城内よしひこ委員 先ほど、ニートの定義で15歳から35歳というお話をお伺いしました。これは前回もお伺いしたのですけれども、15歳になったらいきなりニートになるというわけではなく、前段でそういういろいろな傾向が見えてくる。その見えてくる段階で早目に対応できるような体制をとらなければならないと思うのです。これは環境生活部の部分ではないかもしれませんし、教育分野との連携が必要になってくるかもしれません。後に、こういった方々が、生活保護であったり、いろいろもっとお金のかかる、税金を投入しなければならない状況が出てくるわけですので、ぜひそうなる前に対応というのはとるべきだと思います。連携という話も今お伺いしましたけれども、教育委員会なり、いろいろなところとの連携はこれからもっと必要になってくると思いますが、そういったことも連携の中に入っているのかお伺いしたいと思います。
〇中里青少年・男女共同参画課長 国でやっております地域若者サポートステーション事業におきましては、高校に出向いて就職についての相談を受けるという活動もしていると聞いておりますし、また、もう一つの進路説明会ということで、中学校3年生の不登校になっているお子さんの保護者の方を対象とした説明会も開催すると聞いております。
また、こういったことを踏まえまして、県の事業におきましても、なお一層教育機関との連携を強化してまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 しっかりとこれは取り組んでいただきたいと思います。ニートと言われる方々のお父さんやお母さん方からは、私たちが元気なうちは子供たちを見ていけるけれども、もし病気になって見られなくなったらどうしたらいいんでしょうという相談も受けました。そういったことも心配されますので、ぜひ早目に対応していただくことをお願いして終わります。
〇工藤勝子委員 鹿対策について関連で質問させていただきます。
捕獲頭数がふえ、また、農林水産部のほうで電気木柵の補助も結構出していることもあって農業被害額も減少しております。ただ、地域の中で、私も含めてですけれども、この間、私の車が鹿にぶつかりまして、今、修理中で、なかなか直らなくて電車で通っているわけです。遠野の駅長に聞きましたら、鹿とぶつかって釜石線もしょっちゅうとまっているのですね。また、トンネルの中でぶつかったのはさらに最悪だと。電車も傷むんですかと聞きましたら、電車も結構傷みますと言っていました。
私の地域では、新車がぶつかって廃車にした人もいるのです。そういう中でいかに鹿がふえているかということが現実的に見えてきているわけですけれども、例えばJRの被害額とか、私の修理している車の会社というか事業所は、年間十五、六件はありますという話なのです。そういう被害額というのは、県で、多分調査していないと思うんですけれども、どうなのでしょうか。
〇清水自然保護課総括課長 JRの列車との衝突についてでございますが、JRのほうから相談されたこともございます。市町村等にとっていただくとか、具体的に列車の運行に支障がない運営形態をいかにしてとったらいいのかというのがJR側の課題と認識しております。ただ、具体的な被害額についてはお聞きしていないところでございます。
〇工藤勝子委員 情報提供として、JRからどのぐらいの被害額になっているのかというところを聞いてみてもいいのではないかと思います。それから、民間のそういう自動車関係とか。私は、もしかすると農業被害額よりだんだんこっちの物損の被害額のほうが大きくなる可能性があるのかなと思っているところでありまして、その辺のところもできれば調査していただければいいのかなと思っております。要望で終わります。
〇渡辺幸貫委員 通告の前に、私も鹿について関連して聞きます。
鹿がなぜふえたかというのをある報道で見まして、それはなぜかというと、融雪剤をまくからだと。冬は半分ぐらいの鹿は本当は死ぬのだけれども、融雪剤をまいて、ナトリウムをとることによって体が健康になって、そして生きるのですね。ですから、それについて皆さんは自覚されているのかどうか。
それは土木との関連で、ナトリウムをどのようにまくのかということまで考えて、相談して対策を立てることを考えているのか。それをやらなかったら、頂上付近までナトリウムをまくから、早池峰山の上の高山植物まで食べられたとか、いろいろな議論がこの中であります。そういう現実というか報道というか、その検証の裏をとっているかどうかお聞かせください。
〇清水自然保護課総括課長 融雪剤のナトリウムが鹿の栄養源になっているというお話でございますが、甚だ勉強不足で、そこのところについては認識がございませんでした。今後、関係部局にも情報を確認いたしまして、捕獲の際の参考にさせていただきたいと思います。県といたしましても、今年度以降、国の事業等を活用しまして、今後10年の間に現在の県内の生息数半減を目指して国と同様に取り組む方針でございますので、その際におきましても、お話をいただきました事項についても勉強させていただきたいと考えております。
〇渡辺幸貫委員 人間も塩がなければ生きられませんから、動物だって同じですから、やっぱりその辺はしっかり調べて、まく範囲を相談されたらいかがかと思います。
それでは、通告したことを伺いたいと思います。
来年4月に電気の小売事業への参入が全面自由化になります。そして、平成32年には発送電分離が実施されます。今、御報告の中で再生エネルギーについて補助してきたという話もされましたけれども、ことし4月に、資源エネルギー庁は平成42年度に向けた電源構成についての長期エネルギー需給見通しの報告をされました。その文書によれば、固定価格買取制度によって再生エネルギー導入推進の原動力となっている一方で、特に太陽光に偏った導入が進んだことや国民負担増大への懸念を招いたこと、電力システムの改革等々と書いてあって、やっぱり国民負担で太陽光なんかやってはまずかったなという反省が書いてあるのですね、この文書の中に。
その辺を考えながらこれからさらに見直しをされていくと思いますけれども、エネルギーミックスという、この報告書の公表の中身といいますか、OECDという先進国の集まりの中では、自給率が6%の日本国というのは非常に異常だと。自給するエネルギーを持たなかったら、国家そのものの発展のエネルギーそのものが高くなりますから、それは考えなければならないということも書いてあります。ですから、こういうエネルギー全体、そしてまた国のシステムの改革の動きをどう県は捉えて、そして再生エネルギーはこういうふうに考えていかなければいけないとか、いろいろなことを考えていらっしゃると思うのです。その辺の動きの捉え方と今後の方向性をお聞かせください。
〇小笠原温暖化・エネルギー対策課長 電力システム改革の動きについてでございますが、国におきましては、平成25年4月に電力システムに関する改革方針を閣議決定いたしまして、3段階にわたりまして改革が進められ、第1段階としましては、平成27年4月に地域間の需給調整を行うための電力広域的運営推進機関が設立、第2段階として、平成28年4月から電気の小売事業への参入を全面自由化、第3段階として、平成32年4月から送配電事業と発電、小売事業が法的に分離される見込みでございます。
また、平成26年4月に閣議決定されました第4次エネルギー基本計画を踏まえまして、安全性、安定供給、経済効率性及び環境適合の視点に基づくバランスのとれた将来のエネルギー需給構造としまして、本年7月に長期エネルギー需給見通しを策定したところでございます。この見通しに基づきまして、国におきましては、バランスのとれたエネルギーによる電気の安定供給と国民負担抑制の両立が可能となるように、制度の見直しを含めまして取り組むこととしているところでございます。
県としても、電気の安定供給は重要と認識しておりまして、再生エネルギーについてもバランスのとれた推進が必要であると考えておりまして、確実に安定供給が確保されるように国の動向を注視していきたいと考えております。
〇渡辺幸貫委員 それでは、国と同様に太陽光などは見直すという考え方でいいのですね。
それと、数日前の土曜日の日経新聞では、関西電力では家庭の大口客なんかも値下げすると、競争が始まりますからね、来年4月から。それで、夜間電力なんかも見直しだと、これからは受け付けないと。例えば、夜お湯を沸かして風呂に入るなんていうのは受け付けないと。どんどん変化が生じているのですね。その辺を県民も知らないと、ある日突然、東北電力にそういうことをされたら、─関西の人もびっくりしていると思うんだけれども、その辺の方向性、もう県は、太陽光は難しいとかやっぱり暗示していただかないと。再確認です。
〇小笠原温暖化・エネルギー対策課長 県では、岩手県地球温暖化防止対策実行計画におきまして、エネルギーの導入見込みを掲げてございます。
太陽光につきましては、既に140%を超える進捗率になっておりますので、県では、全国でもポテンシャルの高い風力ですとか地熱といったものも含めて、バランスのとれた導入を進めてまいりたいと考えております。
〇渡辺幸貫委員 何だかすっきりしませんね。何だかすっきりしません。まあ、では、それはそれで通過しましょう。
電力の自由化に伴って、皆さんも心配しているのは、余りコスト、コストでいくと大停電が起きないかと。たまに出ますね。これは十数年前の2003年にアメリカの北東部なりカナダ、要するにニューヨークとかトロントとかデトロイトとかが、2日間ぐらい一斉に停電をしたんですね。それの44時間に及ぶ大停電の原因は何かというと、送電網に投資が、やはり古くなった送電網をそのままにしていたということが起きて、こんなことになったと。だから、余りに節約をすると、どうも送電や配電設備が古くなってしまって、ある日どこかがダウンすると、発電機がどんどんダウンしていきますから、そういう連鎖が起きるのではないかと心配するわけであります。
この送配電コストについては事業者が負担するということですから、当然節約するかもしれないですね。私たち岩手県というのは田舎ですから、とある議員にも聞いたのですけれども、これは例ですよ。東京では1本の電信柱にお客さんが10軒ぐらいいる。岩手県では、100本の電信柱を立ててお客さんが1人いるというようなね。それでは、とてもじゃないが配電コストが非常にかかるのですね。
そういう中で、節約するのだったら、遠くのほうの不便なところはなるべく電気を持っていかないほうが得だなと。電力自由化の競争の中ではね。そんなことを考えることもありはしないかと。だとすれば、岩手のような過疎地では心配なのですが、その辺については県民生活の─心配のし過ぎなのかどうか、お答え願います。
〇小笠原温暖化・エネルギー対策課長 送配電設備の更新についてでございますが、送配電設備の整備、維持、運用につきましては、東北電力などの送配電部門が、今度の新しい電力システム改革では一般送配電事業者として行う見込みとなっておりますが、整備に要する費用につきましては、最終的に、委員御指摘のとおり、家庭などの電気料金にも影響するおそれがあると考えております。
そのため、国の電力システム改革小委員会におきまして、効率的な送配電設備の整備のあり方について検討を行ったところでありまして、運用の詳細については、電力広域的運営推進機関が検討を進めていると聞いております。
県としては、この検討を注視しまして、県民生活に影響を与えないように、必要に応じて対応してまいりたいと考えております。
〇渡辺幸貫委員 この設備に金がかかっているというのは、例えば東北電力は、低圧の私たちの家庭では9円76銭、私たち平均では300キロワットアワー使いますから、それを掛け算すると3、000円ぐらいなんですね。一般的には家庭というのは六、七千円ですから、その半分は、そういう基本的なお金がかかっているということですね。
それで、東京などと比べたらどうだというと、東京は8円61銭で、私は非常に差があるものかと思ったら、調べてみると大して差がないんですね。そこに東北地区の無理があるというのですかね。みんなどこの電力会社も横並びですから、そう差がなく託送供給の料金を決めているのですね。
ところが、せわしくなってくれば、これはやはり横並びでなくなってくるのではないかと。これは、8月3日に政府に10社は一緒になってその料金を申請しました。その結果はまだ出てこないのですね。ですから、やっぱり岩手県は、こういう地域だからこそ、それを国に働きかけて、見直しをしているときに、地方ではそれは過度にやられたら大変ですよということを言っておかないと、電気料金の半分がこれなのですから、それは県で言うべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
〇小笠原温暖化・エネルギー対策課長 電気料金についてでございますけれども、電気の小売の全面自由化後におきまして、不当な料金設定が生じることのないように、国は、電力取引監視等委員会を本年9月に設置いたしまして、当該委員会におきまして、事業者に対する立入検査ですとか業務改善の勧告など、運用の詳細について検討を進めていると聞いております。
このような検討内容を注視いたしまして、必要に応じて対応してまいりたいと考えております。
〇渡辺幸貫委員 私の言いたいこととちょっとずれがあるのですね。電気料金が高くなるのを心配するというのは、今、話をされた。だけれども、私が言っているのは、配電について非常にお金かかかっているのですよということを言っているのですよ。配電について、東北電力の管内は9.76円ですよ。なのに東京は8.61円ですよと。そして、ほかのところも8円台の後半あたりで、この電力10社が大体そうなのですね。沖縄だけは11円50銭ですけれども。
だけれども、配電のほうは、これからも余り競争がないのでしょう。発電にはあるけれども。配電のほうに差がないということは、各電力会社にきっと無理があるのだと思うんですね。申請はしているけれども。国も、余り差をつけてはいかんぞと、国民の電気料金に余り差があってはいかんからということで抑えられてはいまいかと。もしそれが開放されたら岩手県民が困るのではないですか、そういう危惧があったら国に働きかけなければならないのではないですかということを指摘しているのですよ。
要するに、もう一回言います。託送供給についてお聞かせください。
〇小笠原温暖化・エネルギー対策課長 託送供給についてということでございますけれども、国の電力システム改革におきましては、現在の電力会社に引き継ぐ送配電事業者の料金を経過措置としまして規制を加えて、そこで一定の料金に抑えるというような流れになっております。
あと、先ほど御説明しましたけれども、エネルギー需給見通しにおきましては、安全性とか安定供給、経済効率性まで考えて今後の政策を進めることになっておりますので、その辺を注視しながら、必要に応じて国に対して働きかけをしてまいりたいと考えております。
〇渡辺幸貫委員 ちょっと不安な気がいたします。もっと具体的に言えば、一般家庭に行っている低圧は9円76銭です。ところが高圧電力、たくさん使う事業者は4.55円ですよ。それで、特別高圧といって、それよりもっと上はたった2円です。2円02銭。そうすると、たくさん使う人については、垣根を越えてどんどん攻めてきたりするのですね。それがどんどん進んでいくと一般家庭は置き去りですよ。そういう不安を私たち岩手県民は抱えざるを得ないのではないですかということを心配しているんです。
ですから、やっぱり国に、この高圧と低圧の大きな差であったり、その辺を踏まえながら陳情するなり何なりしていかないと、田舎に住んでいる、東北電力は新潟まで含めていますから北海道よりもはるかに広い面積ですね。だけれども、それは田舎ですから。ですから、その不安をぜひ唱えていってくださいよ。その気持ちがあるかどうかだけ聞かせてください。
〇根子環境生活部長 ただいま委員から御指摘ございました。こういう電力システム改革は大きな問題でございますので、今、御指摘のあった分、私どもも国からもいろいろ情報を収集しながら、十分その辺を理解した上で、働きかけるところは働きかけていきたいと思っております。
〇名須川晋委員 大きく市民活動という点につきまして何点か質問をさせていただきます。
特にも、震災以降で結構でございますので、NGOや県内外のNPO、ボランティア団体等の復興に係る従事者、あるいは民間の助成寄附金、民間のプログラムの推移等について簡潔にお知らせいただきたいと思います。
〇吉田NPO・文化国際課長 東日本大震災津波の発災直後から多くのNPOやボランティアに被災地の復旧、復興に携わっていただいたところであり、県内のボランティアセンターを通じた復興に係るボランティアの従事者数につきましては、平成23年度は、救援物資集配や瓦れき撤去などの支援に延べ34万7、000人を超えていたところではありますが、平成26年度は、コミュニティーづくりなど活動内容の変化もありまして、延べ2万9、000人となっており、年々減少しております。
一方で、県内のNPO法人数につきましては、平成22年度から平成26年度までに193法人が新たに設立されるなど、法人数は年々増加しており、復旧、復興に大きな役割を果たしていただいていると認識しております。
民間の助成ですとかプログラムにつきましては、民間が独自に行っていることから把握し切れておりませんが、県内のNPO法人に対する民間からの寄附につきましては、震災前の約5、700万円から年々増加しており、平成25年度は約8億円に達しております。また、平成26年度につきましては、減少に転じる見込みとなっているところであります。
〇名須川晋委員 平成23年の34万7、000人から、平成26年度2万9、000人ということで、平成23年につきましては相当な方が入っていただいたと思いますし、年々減っていくということでございました。そして、ただいまは、プログラムの金額が8億円から、そろそろ下がってくるというトレンドをお知らせいただきました。恐らく平成26年度あるいは今年度から、そうしたことでNPO、ボランティア団体の存続が非常に厳しくなるような状況になってきているかと思います。
そうした中で、いわて社会貢献・復興活動支援基金というものがございます。これは、昨年度、岩手県が3億円の基金を造成したということでございますが、平成26年度と、差し支えなければ今年度の活用状況について教えていただけますでしょうか。
〇吉田NPO・文化国際課長 いわて社会貢献・復興活動支援基金につきましては、平成26年度から地域課題の解決等に取り組むNPO等への助成に活用しております。
平成26年度の実績としては、若者の就労支援ですとかコミュニティ再生事業などを行う8団体に対して、計538万円余の助成を行ったところであります。
平成27年度につきましては、現時点で、地域の担い手育成などを行う12団体の事業に対して約860万円の助成を予定しております。
これに加えて、先ほど委員から御指摘がありました寄附等が減少する中でのNPOのあり方に係るものになりますが、県事業として、事業型NPO育成のための支援ネットワークの立ち上げですとかセミナーの開催などの事業に140万円程度を予定しております。
〇名須川晋委員 この基金でございますけれども、当初といいますか、昨年は、民間や個人にも基金を募るような形で積み上げていくということで私は認識をしていたのですが、今年度、この寄附の状況につきましてはどうなっておりますでしょうか。
〇吉田NPO・文化国際課長 当初の計画にございました基金への民間からの出捐は現状ではありませんが、先ほど申し上げましたとおり、県内のNPO法人への直接の寄附という形で民間からの寄附が増加しているところになります。
〇名須川晋委員 それであればいいのですけれども、いずれこのボランティア、NPOに携わる方々が徐々に減っていくというのが危惧されるわけでございまして、県としても、これについては、当初はこちらの基金にも募るということであったかと思うのですが、その動きはされておりますでしょうか。あるいは、その必要がないというお考えなのでしょうか。
〇吉田NPO・文化国際課長 当初の計画ではそのように御説明した経緯がございますが、その後の民間の活動のあり方として見ていった場合に、それぞれの民間が支援したいと思う活動に寄附を直接していくといった形が現状としてあり、その流れにつきまして、追認というか見守っているところになります。
〇名須川晋委員 絶対額が同じであれば、それはそれでいいと思うのですけれども、徐々に減っていくという傾向の中で、民間へのプログラム、助成等、そうした中で、やはりこちらの基金も積み上げながら、ここ何年でしょうか、永続というか、当分の間この活動がそのまま継続できるような形で、やはり個人とか企業にも広くPRをしていくということもしたほうがいいと思うのですけれども、これは、やはり震災の風化ということで、こちらのほうもなかなか積み上げられないという感もありますが、PRについてはしていくべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
〇吉田NPO・文化国際課長 委員御指摘のとおり、PR活動については必要性がございまして、NPO自身の活動を公開することによってその活動を支援していただくですとか、プレゼンテーション能力を高めるですとか、そういったことを含めながら、NPO活動への理解を深めていただくためのPR活動については、県としても進めていきたいと考えております。
〇名須川晋委員 それでは、よろしくお願いいたします。
被災地における行政とNPOとの連携促進ということで、私も関係者といいますか被災地の復興に携わる方々に話をする機会があるのですけれども、特にも被災自治体とNPOとの連携をさらに促進する必要があるのではないかという訴えがございます。現状は、広く浸透している状況ではないということでございまして、一層の普及に向けて県も力をかしてほしいというか、県が主導してほしいという意見がございます。
具体的には、事例を共有する機会とか振興局単位でのNPO等との交流、協働コーディネーターの設置等ということで、あるいは財源確保に向けた情報を共有する機会、勉強する機会ということも積極的に県がかかわっていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
〇吉田NPO・文化国際課長 自治体とNPOとの連携促進に向けた取り組みですが、現状でも、基金事業であるNPO等による復興支援事業においては、自治体とNPO等が行う協働事業を対象として助成しているということで、自治体とNPO等との連携による協働が展開されているところはあります。
ただし、委員が御指摘されたとおり、県としても課題として、被災自治体とNPOとの連携が重要と考えておりますので、今後、協働事例の共有ですとかNPO等と自治体との交流の場の設定ですとか、また、中間支援NPOがございますが、こちらに行政とのコーディネート機能の拡充を図ることで、さらなる連携促進に取り組んでまいりたいと思います。
〇名須川晋委員 わかりました。よろしくお願いいたします。
具体的に、平成26年度、平成27年度でこの資金が枯渇した、あるいはしそうだということでNPO団体が事業を中止せざるを得なかった事例は、沿岸被災地で結構でございますが、把握されておりましたなら、お知らせいただきたいと思います。
〇吉田NPO・文化国際課長 先ほどNPO法人が平成22年から平成26年度までで新たに193法人ふえているというお話をしたんですが、その中には、純粋に新規に設立されている数字と、年間10法人程度ですか、廃止になっている法人がございますが、その理由につきましてはさまざまでございまして、資金の枯渇であるとか、そういったところの分析まではちょっと進んでいないところがございます。
〇名須川晋委員 ちょっと不十分といいますか、私も通告しなかった部分がありますので反省しておりますけれども、このNPOが活動を継続できなかった、あるいはやめた、解散したというさまざまな理由につきましては、それは市町村の範疇かもしれませんけれども、ぜひとも県としても把握をされる必要があると思います。
確認でございますが、いわて県民計画の実施状況報告書、主要施策の成果に関する説明書90ページには、NPO法人数が平成22年349、平成26年468とございますが、先ほどの数と、これは廃止とか生まれているということでこういう形になっているこの数なのか、ちょっと確認させてください。
〇吉田NPO・文化国際課長 増減があったトータルとして、平成26年度末での実績値は468という数字になっております。
〇名須川晋委員 いずれにしましても、報道にもよく出てくるのですけれども、そろそろ国民の関心も薄れてくる時期になって、それとともに企業の寄附金、助成金も減っていくということで活動を中止せざるを得ないという実態もございます。この辺について、もっと県もしっかりと調査をしていただきながら、決してミッションが終わったわけではございませんので、これに被災地あるいは県民の方も非常にお世話になっているところも大きいと思いますので、ぜひともここに、もう目を向けられているとは思いますけれども、一層励んでいただければと思いますが、最後に、根子部長の御意見、御感想を聞いて、終わります。
〇根子環境生活部長 NPOの存在でございますけれども、今、やっぱり非常に大きなものだと県としても認識しております。これをどうやって支援していくかというのは、重要な課題だと思っております。
特にも、復旧、復興関係では、これまでの答弁にありましたとおり、非常に力になっているところもございますので、県としても、この支援について、さまざま、どういった形がいいのか考えてまいりたいと思っています。
〇飯澤匡委員 私は1点、議員発議で制定されたいわての水を守り育てる条例、制定されたときの主要なメンバーはとうとう私だけになってしまいましたので、中間管理の点も含めてお聞きしたいと思います。
恐らくもう10年近くなると思うのですけれども、各般の施策をいろいろ統合して環境生活企画室で行っている点については、評価いたしたいと思います。特に、水と緑を育てる活動は、知事感謝状を造設してやっていただいているということは、県内各地にも水資源の有効性というものを再認識するに当たっては、かなりの効果が出ているのではないかと思います。2点についてまとめてお聞きします。
この条例の大きな柱であった住民とのリスクコミュニケーションについて、これは各般の事業が展開されていますが、この事業においては、環境コミュニケーションについて、環境報告会、それらが開催されておるようですが、その当時からまだリスクコミュニケーションについては余り話が出てこなかったのですけれども、最近になって、この住民とのいろいろな部分での意見の相互理解、相互認識を図る機会が大分ふえてまいりました。
この環境コミュニケーションについて、環境報告会の開催状況、また、行政はこのような報告会の開催について、市町村であれ、県であれ支援をしている状況があると思うのですけれども、それらについて、どのような支援をしているのか具体的にお示し願いたいと思います。
2点目は、水と緑の活動促進事業費について。これも流域協議会が盛んに今行っているようでございますけれども、この協議会から、この条例によってと思われる新たな点で生み出された成果があれば、お示しいただきたいと思います。
〇松本環境担当技監兼環境保全課総括課長 まず、環境コミュニケーションについて御説明いたします。
環境コミュニケーションについてでございますけれども、環境報告会は、平成26年度は12企業が実施しておりまして、参加者数は271名でございました。平成27年度は11企業が実施する予定でございます。
また、行政の支援内容といたしましては、環境コミュニケーションを実施するに当たって、さまざまなノウハウが必要になってまいります。そこで、県内外の先進的な取り組みをされている企業を講師にお呼びいたしまして、セミナーを実施して普及を図っていることと、それから、環境報告会の基本になりますところの環境報告書をつくる必要がございますので、環境報告書の作成研修会というものを開いております。それぞれ年1回開催させていただいているところでございます。
また、企業が実際に環境報告会を実施する場合におきましては、県─広域振興局になりますが─及び市町村が御支援させていただいて、住民の方々の参加を促したりといった、集まっていただいたり会場の設営をお手伝いしたり、それからあと、実際の会を進行する中で、中立的な立場でアドバイスをするといったような取り組みをしているところです。
〇小野寺環境生活企画室企画課長 流域協議会から生み出された成果についてでございますが、現在、流域協議会は17協議会設立されておりまして、合計24の流域計画が策定されているところでございます。
これらの流域協議会の活動によりまして、流域内の連携の促進や取り組みに係る情報共有等が行われております。そして、各地域において、地域住民が主体となって河川や海岸等の清掃、それから、植林や間伐等の森林整備など地域課題に応じた活動が行われておりますほか、例えば環境保全活動リーダー養成研修会ですとか環境講演会、それから、小中学生を対象とした体験学習を開催されるなど、次の世代を担う人材づくりの取り組みが行われているところでございます。
県といたしましては、水と緑を守り育てる活動を行っている方々に知事感謝状を贈呈する顕彰制度、それから、いわて水と緑の交流フォーラムの開催などの取り組みを通じまして、流域関係者の連携を強化し、住民や団体等の参加と協力を得ながら、地域が主体となった活動として流域協議会の活動が活発化するよう取り組んでまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 水資源については、これからも全世界的にかなり枯渇すると、アメリカなどは、地下水はあともう十数年でなくなるのではないかというような推測もなされている中で、水資源がある日本こそ、こういう条例をつくって、水を慈しみ大事にする、こういうことがこの条例の趣旨でございました。
各部局でいろいろな施策を展開している中で、年次ごとに報告書もいただいております。大変いろいろ多岐にわたる部分があって、それぞれ有効になっておると思っておるわけですけれども、この条例の趣旨をもう少し徹底していくには、環境生活企画室の部分がもう一歩、環境生活部というと、どうしても環境保全とか、そのような形が今までも行政の主たる目的とされてきましたけれども、やはりもっと一歩踏み込んでいく必要があるんだろうと思います。
そこでちょっと気になるのは、年々、先ほど申し上げました水と緑の活動促進事業費については、ここ数年10%ぐらいずつ削られていっていると。やはり削りやすい対象なのかなと思っているわけでございまして、この予算確保についてはどのようなお考えなのか、まず、それをお聞きしたいと思います。
〇小野寺環境生活企画室企画課長 水と緑の活動促進事業費についてでございますけれども、この事業につきましては、先ほど御説明したとおり、事業の内容といたしましてでございますが、水と緑を育てる活動知事感謝状の贈呈ですとか、それから、フォーラムの開催といったような経費として確保して、事業を遂行しているところでございます。
委員御指摘のございました、今、年々シーリングがかかっている状況ではございますけれども、この事業としては、やはり条例の精神に基づいた事業でございますので、大切なものであると考えておりますので、限りある財源の中ではございますけれども、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 企業局が植樹祭などにも随分積極的に参加して、水源涵養等について一生懸命PR活動、活動をしているのは、企業局はもうかっていますから、うまくこれ、いろいろ連携をしてやっていただければよろしいのではないかと思うのですが、その点ちょっと、会計管理者、そういうことについてはいかがですか。
〇紺野会計管理者 非常に難しい御質問でございますけれども、やはり各部局が連携しながら一つの行政目的を達成していくことは非常に重要なことでありますので、そういう観点から各部局取り組んでいただければよろしいかと思っております。
〇飯澤匡委員 そのような御推奨の言葉をいただきましたので、部長、どうかよろしく。
この趣旨というのは非常に大事だと思うのです。もう今、森林が失われてきている中で、私の小さいころに比べると、私の地元は砂鉄川ですけれども、水量はもう3分の1ぐらいです。こういうこともやはりしっかりと見て、これからの、自然だけではなくて、我々の生活にかかわる水資源ですから、しっかりとこの精神を生かしていただきたい。
最後に部長のお考えを聞いて、終わります。
〇根子環境生活部長 いわての水を守り育てる条例でございますけれども、これは、先ほど来お話があるように、議員発議により制定された条例だということは私ども十分承知しておりますので、これについて真摯に対応していくというのは基本だと思っています。
この条例の趣旨でございますけれども、岩手の水の価値の再認識ということでございますので、こういったことについて、県民への周知を図るといったことを含めて、いろいろな事業を展開してまいりたいと思っています。
それから、企業局の話ですけれども、企業局の積立金を活用した事業もやっていますので、企業局もこの条例に理解があるものと思っていますので、私どもいろいろ連携してまいりたいと思っています。
〇柳村一委員 環境保全費の中の休廃止鉱山鉱害防止事業費と休廃止鉱山坑廃水処理事業費についての内訳と、そこに関係する周辺の環境の状況についてお伺いします。
〇松本環境担当技監兼環境保全課総括課長 休廃止鉱山鉱害防止事業と休廃止鉱山坑廃水処理事業の事業費の内訳と周辺の環境状況について御説明いたします。
まず、休廃止鉱山鉱害防止事業は、義務者が存在しないことから、県が実施しております旧松尾鉱山の坑廃水処理及び中和処理施設の耐震補強工事でございます。主な事業費内訳としては、坑廃水処理に約5億1、000万円、施設の耐震補強工事に約6、300万円となっております。
次に、休廃止鉱山坑廃水処理事業は、義務者が存在する県内の休廃止鉱山が3カ所ございまして、田老鉱山、土畑鉱山、そして花輪鉱山の3カ所でございますが、その義務者が現に行っている坑廃水処理事業の一部を補助する事業でございまして、県の補助金は3カ所合計で約1、300万円でございます。
どちらの事業も、対象費用のうち4分の3を国が補助し、残り4分1が県の負担となっております。
なお、その県の負担分につきましては、特別交付税で80%が措置されておりますので、県の実質的な負担は5%となっております。
次に、周辺の環境状況でございますが、旧松尾鉱山の中和処理施設につきましては、中和処理後の沈殿物は貯泥ダムに堆積させておりまして、貯泥ダムは、水が浸透しないような構造となっております。また、周辺の湧水もございますが、処理が必要なものについては、新中和処理施設に導きまして処理をしております。これらのことから周辺を汚染することはございません。
また、義務者が存在する休廃止鉱山、先ほどの3カ所の鉱山につきましては、経済産業省が監督しておりまして、適正な周辺環境の確保が図られているところでございます。
〇柳村一委員 周辺の環境ということですけれども、旧松尾鉱山に関しては、最初は3メートル坑から排水していたわけで、それが100メートル坑で、今、恒久坑になっていますけれども、昭和47年に中で落盤しておりますね。今はもう恒久の部分から出していますけれども、中の状況というのはきちんと把握しているものなんでしょうか、そこら辺をお伺いします。
〇松本環境担当技監兼環境保全課総括課長 実際、鉱山の中の坑道につきましては、水浸しのような状態になっておりまして、人が入ってはいけないような状況でございます。つきましては、最終的には、その処理水といいますか出てきた水の状況で状態を把握していくということでございます。
現状におきましては、さまざまな取り組み、例えば露天掘りのところに植樹をしたり、あるいは赤川の上流部分について3面張りにしたりして中に水が入らないように工事をしております。そういったことが少しずつ効果を発揮しておりまして、昭和57年の時点よりは、水量は同じぐらいなのですが、水質については大分改善されてきているところと承知しております。
〇柳村一委員 排水の地点から、濃度が濃いものが下にたまっていると。それで、上の部分から上澄みが流れてくるのでだんだん濃度が薄まっていくとは思うのですね。耐震化工事を行っているようですけれども、それは施設に対するものなのでしょうか、鉱山全体に対するものなのでしょうか、そこら辺をお伺いします。
〇松本環境担当技監兼環境保全課総括課長 ただいま私どもで行っております耐震工事は、新中和処理施設の耐震補強工事でございます。
〇柳村一委員 地震とか大災害のときなども、絶対3メートル坑からもう水が出ないというわけではないですし、周りの湧水を調査はしているわけですけれども、落盤等、中の状態の変化によっては周辺に流れ出る、赤川を3面で補強したからといって、赤川の水質はいいかもしれませんが、ほかの沢の水とかそういうところに影響が出てくる可能性もあると思うのですが、そこら辺の調査等は行っているのでしょうか。
〇松本環境担当技監兼環境保全課総括課長 詳細な調査といいますと実施していないところでございますけれども、あの周辺につきましては、私どもは定期的に見回りをして異常のないことを確認しておりますし、東日本大震災のときにも、あそこのところは震度4程度、加えて地震計なども備えて、常に災害に対してはチェックできるような体制はとっているところでございます。
〇柳村一委員 ここの施設の処理が停止した場合、500億円ぐらいの損害が生じるとパンフレットにも載っていましたけれども、災害などの緊急時の対応は、どのような対応策をとっているのかお伺いします。
〇松本環境担当技監兼環境保全課総括課長 緊急時の対応策でございますけれども、地震とか落雷、火災、噴火、洪水等、さまざまな災害による被害が想定されます。そこで、非常用発電機を設置しましたり、薬品等必要な資材を一定期間確保できるようにしてございまして、坑廃水処理が継続できるように対策を立てております。
また、発生する災害と施設の脆弱性を考慮しつつ、テーマを変えて毎年訓練を実施しておりまして、今年度は先週21、22日に震度6強の地震を想定した夜間の情報伝達訓練と現場の実地訓練、これは消火訓練とか仮設の配管の設置訓練とか、あとは、最終的な中和剤の河道投入などの模擬訓練を実施しておりまして、災害発生時におきましても適切な対応ができるように努めているところでございます。
〇柳村一委員 例えば冬、365日稼働しているわけですから、冬期間のあそこの場所までの除雪費用は相当なものだと思うのですね。担当課ではないからわかりませんけれども、大雪のときに何か災害が、立て続けにいろいろな災害が起きた場合、そういうところも想定しなければいけないだろうし、冬期間の除雪費というのは相当な額になると思うのですけれども、この施設の管理費の中に加えてもらうような形で国のほうに交渉したことはありましたでしょうか。
〇松本環境担当技監兼環境保全課総括課長 道路のほうの除雪は、たしか県土整備部にお願いしていたと記憶しておりまして、その経費については、この経費には載っておりません。
ただ、その除雪の関係でございますけれども、先ほど御説明したように、一定期間の道路の遮断、道路が通れなくなって孤立した場合を想定して、例えば中和処理に必要な薬品は約20日分、重油とか軽油、それから見回りに使ったりする自動車のガソリンは6日分は保管しております。6日あれば、いずれかの道から中和処理施設にはたどり着けるだろうと想定して、危機管理上そういったような対応をしております。
〇柳村一委員 起きないことを祈るばかりですけれども、その中和施設、県は5%程度の負担という形ですが、目に見えない部分で、ここを維持するためにはお金がかかっているわけですね。ですので、そこら辺、もう少し国のほうにも事情を説明して、このぐらいの負担がかかっているのだよという、除雪に関しては、ほかのもっと除雪してもらいたいところがあるのに、この施設のためにアスピーテラインのトイレの前まできちっと毎日除雪しているわけですね。そこら辺の費用もこの施設の維持費には含まれると私は思うので、そこら辺ももう少しきちんと国のほうに要望してはいかがかと思います。
2点目に入ります。自然保護費の中の国定公園等施設整備事業費の内容についてお伺いします。
〇清水自然保護課総括課長 平成26年度の国定公園等施設整備事業でございますが、早池峰山におきまして、登山道の路線測量及び歩道橋詳細設計業務委託1件を行ったところでございます。
また、今年度におきましては、栗駒国定公園焼石地域の経塚山の橋が落ちた箇所につきまして、橋梁の撤去工事につきまして施工しているところでございます。
〇柳村一委員 平成26年度の事業の当初のポイントについては栗駒国定公園の整備も入っていたようですけれども、平成26年度は早池峰山のみの整備ということで了解してよろしいのでしょうか。
〇清水自然保護課総括課長 諸般の事情によりまして、早池峰山の施工委託、設計のほうを優先して行ったということでございますが、栗駒国定公園につきましても、経塚山を早期にする必要があるということで、撤去作業を今年度速やかに施行しているところでございます。
〇柳村一委員 経塚山の橋も落ちてかなりたっての来年度ということで、予算がないからしようがないのかもしれませんけれども、栗駒国定公園は観光客がかなり来ます。特に紅葉シーズンなどはいっぱい来るのですけれども、昭和湖のトイレが使用禁止になっていますね。あれはいつから使用禁止になっていて、いつ整備する予定なのかお伺いします。
〇清水自然保護課総括課長 申しわけございません、昭和湖のトイレに関しまして、ただいま手元に資料がございませんが、国定公園の施設全般につきましては、自然環境整備計画ということで、現在、平成25年度から平成29年度の策定をいたしまして、平成28年度の経塚山については橋梁設計、それから平成29年度については、同橋梁の工事を最優先で行うこととしております。
後ほど、昭和湖のトイレについては資料提供させていただきたいと考えております。
〇柳村一委員 登山道を整備すると、登山を楽しむ方以外に、やっぱり観光でいらしている方も軽装のまま登ったりするわけですね。栗駒山に関して言えば、1時間ちょっと行けば頂上まで行けるような、整備のおかげでそういうぐあいになっております。その途中の昭和湖のトイレというのは、多分装備とかをしていない方にとっては必要なものだと思うのですけれども、そういうことの整備をしっかりしないと、今度は環境が悪くなっていく。
あともう一つは、火山に指定しておりまして、レベル1にはなっておりませんけれども、噴火するおそれがあるわけでして、栗駒山の周辺には、笊森にしか避難小屋がありませんね。もし噴火した場合、御嶽山のときには避難小屋に入って助かった方も大勢いらっしゃいますので、昭和湖の近くが登る方も一番多くおられるので、そういう避難小屋の整備等々も考えたほうがいいのではないかと思いますが、そこら辺のお考えをお聞きします。
〇清水自然保護課総括課長 先ほど御質問のありました昭和湖のトイレの改修工事でございますが、手元の資料を確認いたしましたところ、今年度、平成27年度の事業で改修の設計及び補修工事を行うこととしております。
また、火山における避難小屋等につきましては、登山道の整備とともに重要な課題であると考えておりまして、必要に応じて、避難小屋の整備についても計画的に執り行ってまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 総務部の総合防災室が防災に関しては担当で、ハザードマップも3県で取り組んで、2年後ですか、できるということですけれども、やっぱり山の状況を一番知っているのがこの課でございますので、防災計画とかを見ても、防災室は入っていくのですが、環境の部分では入っていっていない。やっぱりしっかり自分のところで、こういう部分が必要だよとか意見を述べながら、きちんとした防災マップづくりもしなければいけないでしょうし、防災対策をしなければいけないと思いますので、もう少し自信を持ってほかの担当課に意見を言うような体制をつくるべきだと思いますが、最後にお伺いして、終わります。
〇清水自然保護課総括課長 火山防災の各種協議会につきましては、オブザーバーとして参加しておりますし、庁内の連絡会議等でも意見交換を行っているところでございます。
今後とも、県の防災担当と連携を密にいたしまして、噴火の徴候があった場合、登山者の安全を第一に情報伝達等を行ってまいりたいと思います。
〇郷右近浩委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時54分 休 憩
午後1時2分 再開
〇佐々木茂光副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇菅野ひろのり委員 それでは私、午後の1発目でございますが、いわて男女共同参画プランサポーターについて伺わせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、主要施策の成果に関する説明書94ページでございます。私はこの1点について御質問させていただきますが、青少年女性対策費の中でこの男女共同参画プランは26%を占め、約2、470万円使われておるわけです。私も、今、少子高齢化の中、男女ともにということは非常に賛成でございますし、そのとおり進めていかなければいけない。特に男性が理解を示しながら進んでいくことが重要だと思っております。その意識改革の中、少子高齢化の糸口としてこの事業をやっているわけですけれども、平成12年からの15年間で男女共同参画サポーターの育成を行い、805名の認定者を出したということが書かれておりました。
そこで、まず一つ目の質問でございます。
平成26年度は達成度が目標に対して進捗の8割未満ということだと思いますが、この原因をどう考えられるか。
また、このサポーターの受講修了後の活動が重要と私は考えておりますが、平成26年度の活動実績とその成果をお聞かせください。
〇中里青少年・男女共同参画課長 男女共同参画サポーターについての御質問でございます。
まずは、男性の男女共同参画サポーター認定数を目標に掲げまして取り組んできたところでございますが、委員御指摘のとおり、達成度はCとなりました。委員もおっしゃったとおり、県では、男性サポーターの養成が重要ということで、男性サポーターのいない市町村─今、11市町村ございますけれども─を中心に、男性の受講者を推薦するよう各市町村に働きかけを行ってきております。このアクションプランの期間中、平成23年度の東日本大震災以降、男女共同参画サポーター養成講座の男性、女性も含めた受講者数自体が減少してきておりまして、それに伴いまして男性の認定者数も目標に達成しなかったということでございます。引き続き、市町村に対して推薦の要請をしていきたいと思っております。
次に、サポーターの認定、養成後の活動についてでございますが、男女共同参画サポーターにつきましては、認定後、地域でサポーターが中心となったボランティア活動ですとか勉強会を実施していただいております。例えば、大船渡市ではうみねこの会、奥州市では男女共同参画“おうしゅう”というような団体をつくりまして活動をしていただいております。
また、県や市町村と共同で研修ですとかセミナーを実施していただいておりますし、県や市町村の審議会の委員に就任をいただきまして、そちらのほうでさまざま県政あるいは市町村のほうに御意見をいただくことも行っていただいております。このようなことで、地域における男女共同参画の推進に男女共同参画サポーターには貢献していただいていると考えております。
〇菅野ひろのり委員 私もそうですけれども、意識の改善というのはなかなか難しい問題だと思っております。その中で継続的に県も事業に取り組んでいらっしゃいますが、その成果を示す数値がなかなか出にくい、出ていないのかなと感じております。例えば、もともと日本全体でも男女平等という中でいいますと124カ国中104位と大きくおくれているわけですが、県の調査によりますと、本県の男性の家事における時間の割合が34%、そして、3年連続、目標の達成度が、これはさらに悪く、6割未満でございます。
これは、固定的性別役割分担意識、つまりは、男は仕事、女性は家庭という考えが根強く残っているためと原因分析されております。また、平成27年6月20日の朝日新聞では、役割分担を意識している人の割合が高い地域は長時間労働の男性が多いと報じられています。これは内閣府の調べだそうです。
岩手の労働時間は全国で3位ぐらいだと思っておりますが、非常に多いと。家事の割合が34%、3年連続の目標未達、そして労働時間が長いという中、15年取り組んできてもなかなか意識改革というのが進まない実情。これは部長にお伺いしますけれども、男女共同参画がおくれている、なかなか進みづらいという状況をどのように考えられているかお聞かせください。
〇根子環境生活部長 男女共同参画への意識改善というお話だと思います。
平成24年に県が実施しました男女が共に支える社会に関する意識調査によりますと、男女の不平等感が根強く残っているという調査結果が出ております。それで、やはり男女共同参画については幅広い世代への意識啓発が必要であると考えております。
また、委員の質問にありましたように、本県の共働き世帯における家事時間の割合は妻の負担が大きくなっていて、女性が過重な家事負担を負うことなく仕事と家庭の両立が可能になるよう、固定的な役割分担意識の見直しを促進しながら家庭生活への男性の主体的な参画を進めるとともに、男女双方にとってのワーク・ライフ・バランスの確保を推進していくことが必要と考えております。
このため、男女共同参画フェスティバルの開催など、男女を問わずに意識啓発を図るといった取り組みのほか、男性を対象としたワーク・ライフ・バランスセミナーあるいは女性を対象としたロールモデル提供事業、それから、企業のトップとか管理職を対象とした女性活躍のための経営者研修など、対象を絞った形での意識啓発を実施しながら、男女共同参画の一層の推進を図っていくことが必要ではないかと思っております。
なお、部長の考えということでございましたのでもう一点つけ加えますと、男性の意識が変化しまして家事参加する男性がふえることが望ましいということになりますので、女性の方も、そうした男性の意欲を大事にしまして、余り完璧さを求めずに温かい目で見守っていただければよろしいのではないかと考えております。
〇菅野ひろのり委員 ありがとうございました。私も帰って、妻にそのように伝えておきたいと思います。
最後になりますが、これは少し角度は変わりますが、国において、2015年8月28日、女性活躍推進法が新たに成立されました。この法案は、国が301名以上の企業を対象にして、女性登用の数値を目標に盛り込めと。すなわち女性がもっと活躍できるようにということだと思うのですが、しかし、本県におきまして、301名以上の企業というのはほとんどないのですね。割合としましては、確認しましたところ、本県には66社、0.1%にすぎないと。本県においては30人未満の企業が94.2%ということでございます。ですから、国が新たに法律を定めましたが、本県においてはそれは当てはまらない、努力目標であるということでございます。
しかし、先ほども、805名のサポーターがいて、なかなか意識も改善しづらい、そして数値的にも改善している状況も見えない。国の法律も本県に当てはまらないという中で、やはりこれは県独自に、新たな意識改善なのか、県の取り組み、中小企業に対する具体的な取り組みというのをきちっと示していく必要があるのではないかと私は考えておりますが、その点をお伺いいたしまして質問を終わらせていただきます。
〇中里青少年・男女共同参画課長 女性活躍推進法に関する中小企業に対しての具体的な対策についての御質問でございます。
委員からお話がありましたとおり、本年8月に女性の職業生活における活躍の推進に関する法律が成立いたしまして、9月に施行されております。国ですとか地方公共団体あるいは従業員が300人を超える民間事業主は女性の活躍に取り組むことが義務となりましたが、従業員300人以下の企業につきましては、行動計画の策定は努力義務となっております。
県といたしましては、昨年5月に設立しましたいわて女性の活躍促進連携会議の構成団体であります経済団体、産業団体を通じまして、企業における行動計画の策定を初めとする女性活躍に係る取り組みが推進されるように岩手労働局と連携して働きかけを行っていきたいと考えておりますし、中小企業における計画の策定につきましては、国でも助成金等の何か支援策を今後考えているという情報もございますので、そのような国の動きも見ながら、県としても、できるだけ中小企業において行動計画が策定され、女性の活躍が促進されるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 最初に、私は、盛岡広域のごみ処理計画についてお聞きいたします。
3市5町による盛岡広域のごみ処理広域化計画は、今どう進められているでしょうか。
〇田村資源循環推進課総括課長 盛岡広域のごみ処理計画についてですが、平成23年1月、県央ブロックごみ・し尿処理広域化推進協議会が設立され、平成27年1月に、既存6施設の延命化を図り平成40年度まで稼動させ、平成41年度以降、1施設に統合するという内容の基本構想が策定されたところでございます。
今年度に入りまして4月に同協議会の一部事務組合設立準備室が発足いたしまして、先月─9月でございますけれども、第1回の整備候補地検討委員会が開催されたところでございます。この検討委員会におきまして、平成28年度中に3カ所程度まで候補地を絞り、平成29年度中に1カ所に決定するスケジュールで進めると聞いております。
〇斉藤信委員 盛岡広域というのは3市5町、この3市5町のごみ排出量というのは全体の中でどれぐらい占めますか。
それと、私は、盛岡広域が1カ所に集約するという決め方は極めて拙速だったと。試算も極めてずさんで、1カ所にすれば経済効率性がよくなる、こういう形で決められたのではないかと思いますが、1カ所集約の最大の理由は何ですか。
〇田村資源循環推進課総括課長 盛岡ブロックのごみ排出量の全県に占める割合でございますけれども、現在持ち合わせておりませんので、後ほど説明させていただきたいと思います。
1カ所に集約するということでございますけれども、県では平成11年3月に岩手県ごみ処理広域化計画を策定したところでありまして、県内を6ブロックに分けまして、それぞれブロックの中で1施設つくることを計画したところでございます。
この中身は、ダイオキシン対策のほか、リサイクルの推進、未利用エネルギーの利用、これはマテリアルリサイクルに加えましてサーマルリサイクルを進める、あるいは廃棄物処理コストの低減ということで策定したところでございまして、こういった中でブロック内に1施設ということで広域化計画を進めていただくよう示したところでございます。
〇斉藤信委員 1カ所集約化というのは、今の答弁にもあるように、平成11年3月、いわばダイオキシン問題が社会問題になったときに国が慌てて方針を決めて、岩手県の広域化計画がばたばたと決められたと。16年前の計画が今、実行されようとしているのですね。
幾つか述べられたけれども、最大の理由はダイオキシン対策でした。しかし、この間の技術の進歩、改良でダイオキシン対策は既に解決済みですね。これをちょっとお聞きしたい。解決済みですね。
〇田村資源循環推進課総括課長 ダイオキシンにつきましては目標を達成しております。
〇斉藤信委員 そうすると、私は、広域化計画の最大の根拠は崩れたのだと思いますよ。小規模焼却施設でも今はもうダイオキシン対策は十分にできるし、もう既にやられている。そういう意味で、私は、ごみ問題の基本は、減量、リサイクル、資源化だと思います。ごみを発生させない、最大限リサイクルし、資源化すると。私は、広域化計画というのはそれに逆行すると思いますよ、1カ所にごみを集中して燃やすというやり方は。できるだけ狭い範囲で、自分の地域で責任を持ってごみの発生を抑制する、最大限資源化する、リサイクルする。世界の中で日本ぐらいごみを出しているところ、燃やしているところはないのですよ。そういう意味でいくと、ごみの減量、リサイクル、資源化という原点に立って、この広域化計画というのは根本から見直されるべきだと思うけれども、いかがですか。
〇田村資源循環推進課総括課長 委員御指摘のとおり、ダイオキシンにつきましては既に目標を達成しているのはそのとおりでございます。ただ、その他の取り組み、リサイクル、ごみの減量化というのは、ブロック内の先進的な取り組みがブロック内に拡大されているという事実もございます。そういったことに向けての効果もございますので、ダイオキシン対策だけではなく、そういったごみ減量化、リサイクルの取り組みをブロック内に拡大する、そういった意味もありまして、今後も進める必要があると思います。
〇斉藤信委員 今、各市町村単位で説明会がやられているのです。紫波はそういう形でかなり努力して資源化に取り組んでいるところだけれども、不安が出ていますよ、一緒になったら紫波の取り組みはできないのではないかと。葛巻も資源化率は高いです、リサイクル率。広域化したら均一化されちゃうんですよ。先進的なところがおくれてしまう。
現実に、1カ所集約を決めたけれども、この減量、リサイクルの方針が全くないのではないですか。私は話が違うと思うのですよ。この広域でどのようにごみを減量し、リサイクルし、資源化するか、ごみの発生を抑制するか、その結果として1カ所にするか3カ所にするかが出てくるのであって、最初に1カ所集約化ありきで、減量、リサイクルの計画もない、方針もない、そういう決め方でいいのでしょうか。
〇田村資源循環推進課総括課長 これまで、岩手県ごみ処理広域化計画の中では、広域化によりごみの減量化であるとかリサイクルが進むということで進めてきたところでございます。実際、広域化が完了いたしました沿岸南部あるいは岩手中部におきましても、広域化に向けて統合までにごみ処理の減量化にいろいろ取り組まれた結果、ごみの排出量がはっきりと減る傾向になっているのがわかっております。実際、焼却施設の規模も、それまでの焼却施設の合計よりもずっと少ない規模で設置されているものでありまして、ごみ処理の広域化に向けての減量化が進んでいるものと考えられます。
〇斉藤信委員 私の質問に答えませんでしたね。1カ所集約を決める前に、ごみの減量、リサイクル、資源化という方針が先にあるべきではないかと。その結果として焼却施設はどうあるべきかと。今までの焼却施設は、過大な施設をつくっているんですよ。その反省に立たなければだめですよ。
私は、今回も先に施設ありきだと思いますよ。今、国も、ゼネコンと一緒になって大型焼却施設推進の方向に変わりつつあるのですよ。私は、それに乗っかっているだけだと。ましてや岩手県の場合は、16年前のダイオキシンのときにつくった広域化計画を亡霊のように復活させてやろうとしている。私は、やっぱり進め方が全く反対だと思いますよ。
もう一つ、実は、1カ所集約化を決めるときの試算というのは、1カ所の場合には盛岡クリーンセンターに建設することを前提にして試算されましたね。そうですね。
〇田村資源循環推進課総括課長 現盛岡クリーンセンターの場所に建設することを前提として試算したものではないと聞いております。
〇斉藤信委員 試算の根拠として、盛岡一極集中の場合にはあそこを前提にして試算されたのでしょう。あなたにちゃんと確認したではないですか。違いますか。ちゃんと答えてください。試算の根拠としてそうでしょう。
〇田村資源循環推進課総括課長 既存の施設の実績値であるとか全国的な施設の建設例を文献として算定したと聞いておりまして、現盛岡クリーンセンターの場所に建設することを前提とした試算ではないと聞いております。
〇斉藤信委員 私が聞いたのは、あそこに建設を予定して試算したというのではなく、試算の基準は、今の場所につくった場合にはこれだけの整備費がかかる、こういう試算の仕方をしましたねと聞いているのですよ。ちゃんと質問を聞いて、今のところにつくるなんて、これから決めることなんだから、そんなことは決めるわけないではないですか。しかし、試算は、今の場所でつくった場合にどれだけの整備費がかかるかという試算になっているということでしょう。
〇田村資源循環推進課総括課長 繰り返すようですけれども、既存の施設の実績値は参考としてつくられたということでは聞いております。
〇斉藤信委員 盛岡一極集中の最大の問題点、懸念事項というのは、現盛岡市クリーンセンターが最大の候補地になるということなのですよ。地域の住民の人たちは、それでは困ると。広域化計画の撤回を求める会をつくって、署名運動もやっていますし、盛岡市長にも要請をしています。
撤回を求めている一番の不安は何かといいますと、焼却場周辺の盛岡市内の小学校は、ぜんそく罹患率が市内全体の平均の倍以上だと。これは春を呼ぶ会の方々が盛岡市の情報公開で小学校の健康調査の資料を全部調べて出した資料で、盛岡市議会でも、このデータは間違っていない、そのとおりだと教育長は認めた。
どういう結果かというと、盛岡市内小学校の10年間のぜんそく罹患率の平均値は2.1%。この期間における平均値の上位5校、都南東小学校7.2%、手代森小学校5.9%、見前小学校5.8%、土淵小学校5.0%、東松園小学校4.2%だったと。焼却場と関係ないのは土淵だけです。土淵小学校は、インターチェンジの関係があると思いますね。しかし、ほかのところは全て近隣に焼却施設があるところなのですよ。私は、これは極めて重大だと思うのです。そういう点で、焼却施設とこのぜんそく罹患率というのは、行政が責任を持って解明していかなければならない。
実は盛岡だけじゃなくて、関東、福島でも焼却炉の周辺で子供たちの気管支ぜんそくの罹患率が高いことが既に報告されています。この点について、私は、行政が責任を持ってこの原因、要因を明らかにすべきだと思うけれども、いかがですか。
〇田村資源循環推進課総括課長 盛岡市の小学校のぜんそく罹患率のデータにつきましては、委員御指摘のとおり、数値に誤りはないということで盛岡市議会でも答弁したと聞いているところでございます。ただ、実際に調査するかどうかも含めまして設置者が判断するべきものと考えます。
〇斉藤信委員 そういう現実のぜんそく罹患率が倍以上高いという実態を踏まえてこういう問題は議論されなくちゃならないと。特にお母さん方が心配しているのはPM2.5なんですよ。今、PM2.5というのは、気象情報で毎日報道されるような問題です。恐らく焼却施設でのPM2.5というのは測定されていないと思うのです。今、PM2.5というのは、県内で、盛岡市内でどの地点でどう測定され、その結果はどうなっているでしょうか。
〇松本環境担当技監兼環境保全課総括課長 PM2.5についてのお尋ねでございます。
PM2.5の測定につきましては、平成21年9月に新たに環境基準に設定されましたことから、岩手県内では10カ所、盛岡市内では2カ所。1カ所は、自動車の排気ガスをターゲットにして、具体的には上田公民館のところを借りて24時間連続測定しております。また、一般環境のほうは津志田、これは盛岡市の都南総合支所のところに置かせていただいて測定しております。(斉藤信委員「結果は」と呼ぶ)
結果につきましては、環境基準には1年平均値と1日平均値がございますけれども、1日平均値につきましては、津志田局は達成しております。上田局は非達成になっております。
〇斉藤信委員 これだけ毎日気象情報で流されるPM2.5が、県内たった10カ所、盛岡でたった2カ所しか測定されていないと。私はこれでは全く不十分だと思います。そして、その少ない上田局は、1年平均でも1日平均でも環境基準を超えているということですよ。私は、ぜひ焼却施設周辺でもこれをやっていただきたい。その点どうでしょうか。
〇松本環境担当技監兼環境保全課総括課長 PM2.5の測定体制でございますけれども、環境省の指針に基づきまして、環境省では人口7万5、000人に1台程度ということと、あとは地理的な条件とか、さまざまな要因を含めて県で判断して設置するということで、全国的に見れば、東北6県見渡してみると岩手県は多いほうだと思っております。
加えて、環境基準というのはもともとよりよい環境を目指す数値でありまして、一方、注意喚起をしなければならない数値が環境省の指針で出されております。これは、1日平均80マイクログラムという濃度になったときには、県からさまざまな媒体を通じて、過激な運動を避けるようになどと小学校とか中学校、幼稚園、そういったところに伝達するような仕組みをつくっておりますけれども、制度をつくってからこれまで、健康への影響が高くなると予想される濃度基準、先ほどお話ししました80マイクログラムパー立米を超えるようなことはございませんでした。したがいまして、今のところ、県内10カ所の測定体制でとりあえず十分ではないかと考えているところであります。
〇斉藤信委員 簡単にここで答えられないでしょうからね。私は今、焼却施設とぜんそく罹患率の話はしました。こういう実態が指摘されているのだから、やっぱり焼却施設周辺でPM2.5の測定もやってみる、これは強く部長、私、要望しておきます。検討してください。
次に、滝沢一本木地区に建設予定の産廃処理施設、これは地域住民の方々が、水源地に近いということがあって725名の署名を集めて建設反対の陳情を岩手県にもやっておりますが、この建設の動きはどうなっているでしょうか。
〇田村資源循環推進課総括課長 まず、先ほどデータがないとしておりました盛岡ブロックと全県の比較でございますけれども、全県が、平成25年度のデータでございますけれども45万2、666トン、盛岡ブロックが18万3、265トン、40.5%の割合でございます。
滝沢一本木地区に建設予定のアスファルトプラントについてでございますけれども、建設計画につきましては事前の相談を受けているところではございますけれども、現在、法令の手続に先立って行われます循環型地域社会の形成に関する条例に基づく事前協議の書類は提出されていない状況でございます。
〇斉藤信委員 1年以上動きはないということでしたから、これはここでとどめておきます。
最後の質問ですけれども、ニート、ひきこもりの対策、先ほど城内委員も取り上げましたので、ダブらないように。
先ほどの答弁では、就業構造基本調査で岩手県内のニートは6、100人と推計されると。私は、この実態調査が必要だと思います。ニート、ひきこもり、この分かれ目というのはないと思うけれども、このニート、ひきこもりの方々がなぜそうなったのか、何を求めているのか、こうした実態調査を私はきちんとやるべきだと思いますけれども、いかがですか。
〇中里青少年・男女共同参画課長 ニート、ひきこもりの実態調査についてでございますが、ニートは、先ほども答弁いたしましたとおり、非労働力人口のうち家事も通学もしていない者と定義されております。ひきこもりにつきましては、仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6カ月以上続けて自宅にひきこもっている状態ということが厚生労働省で定義されているところございます。
ひきこもっている状態ということもございまして、ひきこもり、また、ニートにつきましても実態調査というのはなかなか難しい状況がございまして、県といたしましては、ニート対策の取り組みの中で、市町村ですとか保健所、そしてハローワーク等の会議を持ちまして、そこでの情報共有を図りながら、支援が必要な人につきまして把握しているという状況でございます。
〇佐々木茂光副委員長 斉藤委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 もう少しで終わりますよ。
ニートとひきこもりというのは、どこで線を引くか、私は、ないと思うのです。秋田県藤里町でこのひきこもり対策に取り組んで、本当に劇的に改善を図ったという経験が何度かNHKで報道されました。10月12日にも報道されて、私、びっくりしたのだけれども、ここは3年かけて実態調査をしたのですよ、全戸訪問して。そうしたら、当時3、800人の人口だったけれども、100人ひきこもりがいたと。これは全国平均の5倍です。10月12日に報道されたNHKの番組を私は見ましたけれども、そのときには人口3、600人になっているのですけれども。
このひきこもりの実態というのはたくさんあって、東京でリストラされて地元に戻って、何回も就職活動をしたけれども就職できずにひきこもってしまった、かなりのスキル、技術がある大卒の青年を含めて。ところが、いろいろ試行錯誤して調べてみたら、みんな働きたいと思っていると言うのです。それで、ヘルパー2級の講習の案内とかいろいろな案内をやったら、そういうところに出てきた。結論から言いますと、100人のひきこもりのうち、最近、80人が働き始めている。そういう青年は、すぐには来ませんよ。ここでは、結びついて系統的にそういうひきこもりの青年に情報提供をして、そして、例えば就労支援施設をつくる、そして、そこで仕事をしながら物を売るとか、そういう形をしながら……
〇佐々木茂光副委員長 簡潔に願います。
〇斉藤信委員(続) 大事なところじゃないですか、あなた。質問の最中、やっているときに言わないでくれ。
そういう中で100人のうち80人が仕事ができるようになったと。私はこの経験から学ぶ必要があると思うのです。岩手県のひきこもり対策は障がい保健福祉課です。だめです。障がい保健福祉課が担当していたのではだめです。多くがいろいろな理由を持ちながら働きたいと思っている。いろいろな形でそういう願いを聞き出すようなさまざまな取り組みを私はすべきだと思うけれども、ここは部長にお聞きしましょう。こういう実践で成功例があるわけだから、しっかりこういう取り組みから学んで、本格的にニート対策、ひきこもり対策に取り組む必要があるのではないでしょうか。しっかり答えてください。
〇根子環境生活部長 ただいま御紹介ありました藤里町の取り組みでございます。これについては、当部でも、内閣府の研修会の中で、社会福祉協議会の活動として、個別訪問活動、それから福祉の拠点の開設などの取り組みを行っていることは承知しております。
今後、さっき委員からも御指摘があったように保健福祉部との関係もございますので、関係部とか、あるいはひきこもり支援センターと連携しながら、このニート、ひきこもりについてどうするかというのは考えていきたいと思います。
〇小西和子委員 私からは、まず、男女が互いに尊重し合い、ともに参画する社会実現についてお伺いいたします。
人口減少問題がクローズアップされる昨今、女性の社会参画への期待が一層高まるとともに、女性、男性を問わず、仕事と子育て、介護の両立、働き方の見直しなどが大きく求められております。
岩手県というのは、長いこと7割弱が社会全体として男性のほうが優遇されていると。これは県民の意識調査からであります、私が決めているわけではございません。そういうことで、知事の演述でも、県の調査では、男女の不平等感はいまだ根強く残っていることが示されています。男女共同参画の考え方を幅広い世代に普及し、男女が対等な立場で意見を交わすことのできる社会、ともに支え合う社会を形成していくことが重要ですと述べられております。
そういう中で、人権侵害の最たるものはDVであると言われておりまして、私、以前にも話をしましたけれども、DV被害者の子供の中には無戸籍の子供がいらっしゃるということがテレビで報道されました。DVというのは人の人生を左右する大変な犯罪であるということをしっかり受けとめなければならないと思っております。
そこで、平成26年度のDVの相談件数は減ってはおりますけれども、DVにより一時保護された女性の人数と保護命令発令件数がこれまでで最多になっている。このことから、この要因をどのように分析しているのか。DV被害者支援に向けての取り組みと成果と課題、それから、平成27年度のDVの現状と取り組みについてお伺いいたします。
〇中里青少年・男女共同参画課長 まず、DVについての御質問でございます。
まずは、DVによる一時保護と保護命令件数についてでございますが、平成26年度、DVにより一時保護された女性の人数は、前年度から6名ふえておりまして45名、保護命令発令件数につきましても同じく18件増の77件となってございます。DVにより一時保護された女性の人数と保護命令発令件数がこれまでで最多となっております。
これにつきましては、相談窓口ですとか、県あるいは市町村等で被害者の支援をやっていることにつきまして広報して周知を図ったこと、また、警察等との連携によりましてDV被害者の保護体制の充実を図ったことが要因の一つと認識しているところでございます。
DV被害者の支援に向けての取り組みについてでございますが、県におきましては、いわて配偶者暴力防止対策推進計画に基づきまして、平成26年度におきましては、DV被害者の支援に係る広報周知。DV被害者を支援するセンターですとか相談する場所があるという広報が非常に大事と考えておりますので、そういう広報周知。あるいは、将来のDV被害者、加害者をつくらないための若年層への教育啓発、そして、研修等によります相談員─DV被害者の支援相談センターで相談に当たる相談員の資質向上、あるいは被害を受けた方の緊急避難のための宿泊場所の提供というようなことに取り組んでまいりました。
また、DVの被害者対策につきましては、警察ですとか市町村等の連携が非常に大事でありますことから、そのような連携を図ることにも取り組んでまいりまして、今年度─平成27年度におきましても同様の事業を実施しているところでございます。
しかしながら、依然として自分がDV被害を受けている自覚がない方ですとか、あるいは、支援をしますよと言っても、その支援を受けることに対して消極的でまた戻ってしまう方もいらっしゃいますので、そういった方への支援をどうしたらいいかというような課題があるところでございます。
今後とも、これらの課題の解決をするとともに、DV被害者の支援の充実を図ることで関係機関と連携をして、被害者の安全確保を第一に、また、自立支援にも取り組んでまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 時間を大事にしたいと思います。
私は、一時保護の人数、それから保護命令発令の件数がふえたというのは、深刻なDVがふえているというふうに捉えました。周知度のほうも、これは平成24年度のものですけれども、DVについての内容を知っている、聞いたことがあるを合わせても70%ちょっとでしょうか。
実は、私のところに知り合いから電話がかかってきまして、娘さんがDVの被害に遭っていて、今、身を隠している状況なんだけれども、どこに相談したらいいのだろうかと尋ねられました。どこにいらっしゃるのですかと言ったら、県内ではなく県外だったので、県のセンターを紹介いたしました。ということは、一般には、盛岡市とか県のセンターとか、相談機関についてまだ周知が十分ではないのかなと思いますので、どうぞ周知のほうに力を入れていただきたいと思います。
次に、平成26年度の被災地の女性が置かれている環境と課題、平成27年度の現状と取り組みについてお伺いいたします。
あわせまして、被災地の女性を支援するために、平成23年度の5月から内閣府と県、盛岡市、NPOなどが協力して女性の心のケアホットライン・いわてを設置しているところであります。そこに寄せられている相談件数、内容、取り組みについてお伺いいたします。
〇中里青少年・男女共同参画課長 被災者の女性が置かれている環境と課題、取り組みについての御質問でございます。
平成26年度に実施いたしました岩手県復興委員会女性参画専門委員会による現地調査において、被災地においては、女性の声がなかなか反映されないですとか、新規就労者を根づかせて後継者を育てるには女性の関与が重要といった課題が意見として寄せられているところでございます。
また、先ほど委員からもお話がありました女性の心のケアホットライン・いわての相談状況からは、依然として被災地の女性がさまざまな悩みですとか不安を抱えていると認識しているところでございます。
平成27年度─今年度の取り組みとしましても、引き続き、面接による相談の実施ですとか寄せられた課題の解決に向けて、関係課が一体となって取り組みを進めていきたいと考えております。
今後とも、被災地の女性に寄り添った支援が行われるように、被災地で男女共同参画の視点を持った復興の取り組みが一層進むよう、国、市町村等と連携してまいりたいと考えております。
なお、御質問のありました女性の心のケアホットライン・いわての相談状況でございますが、平成26年度の相談件数は約400件ございました。内容といたしましては、心理的な問題、生き方に関すること、家族関係の悩みという順で多くなっております。
相談を受ける場合には、相談者のお話を傾聴して、必要に応じて専門機関ですとか社会資源に関する情報に誘導することで女性が抱える悩みの解決に努めているところでございます。
〇小西和子委員 ぜひアンテナを高くして、被災地の女性の方々の悩みが解決するような取り組みをお願いいたします。
続きまして、平成26年度の男女の地位の平等感を高めるための取り組みと成果と課題についてお伺いします。それから、平成27年度の現状と取り組みについて伺います。
あわせまして、今般出されましたふるさと振興総合戦略(案)の中に若者・女性の活躍支援プロジェクトというのがありまして、女性の活躍ということで五つのポイントが掲載されております。これらの実現に向けての決意もお伺いいたします。
〇根子環境生活部長 女性の活躍の実現に向けての決意については私のほうから、取り組みの成果と課題については青少年・男女共同参画課長から答弁させます。
女性の活躍の実現に向けての決意でございますけれども、ふるさと振興のためには若者と女性の活躍が重要と考えております。その中でも、女性の活躍のためには、企業のトップや管理職を含めまして、地域社会全体が女性の活躍支援の取り組みに関心を高め、性別による役割分担意識の解消、それから、長時間労働の抑制など、働き方の見直しを図ることが重要と考えております。
こういった考え方のもとに、ふるさと振興総合戦略の主な取り組み内容として御指摘あったように五つの項目を掲げておりまして、先ほどの菅野委員への答弁とも重複しますけれども、社会全体に対する意識啓発のほかに、企業のトップや管理職を対象とした女性活躍のための経営者研修、それから、男性を対象としたワーク・ライフ・バランスセミナー、女性を対象としたロールモデル提供事業などを実施してまいりまして、男女がともに生きやすく、活気のある社会の形成につながるよう、行政と民間が一体となって女性の活躍支援に取り組んでまいります。
〇中里青少年・男女共同参画課長 男女の地位の平等感を高める取り組みについてでございますが、昨年度におきましては、6月に男女共同参画フェスティバルを開催いたしました。また、男女共同参画推進月間でありますことから、街頭啓発活動、男女共同参画センターによります出前講座などの各種講座を通じて男女共同参画についての意識啓発に取り組んだところでございます。
また、これに加えまして、男女共同参画サポーターと市町村との協働事業ということで、例えば北上市ですとか八幡平市において男女共同参画サポーターと市が一緒になってセミナーを開催するというようなことで、そこにおきましては、男女共同参画サポーターが企画から実施まで中心となって講演会等を開催したというような取り組みがございます。参加者から高評価を得たほか、男女共同参画サポーターの満足度も高かったと聞いております。
今年度につきましては、引き続き、フェスティバルですとか各種講座に取り組むとともに、先ほど部長からお話がありましたが、昨年5月に設立しましたいわて女性の活躍促進連携会議で、産業団体、経済団体等と連携しながら、経営者研修ですとか男性のためのセミナー等を実施いたしまして、企業の経営者ですとか男性を対象とした取り組みも実施していきたいと考えております。
〇小西和子委員 これが一番直近の調査でございますけれども、この中に、両立を可能とするために必要なことということで女性からの回答で一番多かったのは、育児、介護休暇を利用しやすい職場環境整備、二つ目は、育児、介護のための退職者の復職、再雇用制度、男性からは、育児、介護休暇を利用しやすい職場環境整備、それから労働時間短縮、休暇制度の充実普及という調査結果が出ております。ワーク・ライフ・バランスというのはこういうことを進めていけばいいということだと思いますし、それから、やはり県が範を示していくべきだと。人員不足なのは重々わかっておりますけれども、例えば出産、育児にかかわる年代、それから介護者を抱えている方が気持ちよくそういう権利を行使できるような職場、そういう風土をつくっていただけないかなと、お願いでございます。
それから、女性の活躍、女性の活躍と言っていますけれども、一部の女性だけではなく、シングルマザーとか非正規雇用で大変苦しんでいる働く女性も含めて、全ての女性の底上げが重要だと思います。そうすることで子供の貧困も防いでいけるのではないかと思いますので、一部の女性の活躍だけに特化しないようにしていただきたいと思います。
二つ目ですけれども、女性参画による復興の取り組みについてです。
先ほどと重複するところもございますけれども、平成26年度の女性参画による復興の取り組みの成果と課題についてお伺いします。
あわせて、政策、方針決定の場に女性が参画すべきとの各方面からの提言がありますけれども、この提言を十分に盛り込んだ事業内容になっていたのかお伺いします。あわせて、平成27年度─今年度の現状と取り組みについてお伺いいたします。
〇中里青少年・男女共同参画課長 復興の取り組みについての成果と課題についてでございますが、平成25年度から男女共同参画の視点からの防災・復興に関する普及啓発事業を実施しているところでございます。
この事業につきましては、内閣府が示しました男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針に基づきまして取り組みを進めているものでございます。平成25年度は、釜石市、宮古市、久慈市、大船渡市において、平成26年度は、大槌町、そして内陸の一関市において講演とワークショップを開催しまして、合わせて203名に出席いただいているところでございます。
また、政策、方針決定の場に女性が参画すべきという提言を踏まえまして、この普及啓発事業を実施した結果、その研修の中でのワークショップの発表において、女性もまちづくりに参加して意見を言うことが大切であるですとか、女性の参画拡大の必要性について発言するということが見られまして、参加者の意識啓発につながったものと考えております。
県としましては、今後も市町村や企業、団体等への働きかけを行うなど、女性の参画意欲の向上と、あとは周りの理解を促進する意識啓発を進めていきたいと思っております。
平成27年度の取り組みについてでございますが、今年度につきましても、昨年度と同様に男女共同参画の視点からの防災・復興に関する普及啓発事業を11月に滝沢市において、12月に陸前高田市において実施することとしておりまして、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 先ほど7割が男性優位の社会と答えているというふうに、結果が出ていると話をしましたけれども、やはり男女が平等であると回答する方々がさらにふえるように取り組みをしていただきたいと思います。
女性議員が倍増したわけですので、結婚している女性議員たちは、恐らく家庭では夫を褒めながら家事等もやっているのではないかと思って、私はそうやっております。やっといろいろとできるようになりましたので、本当に男性の方々も、せっかく頑張っているのに、だめとかと言われるとやる気がなくなると思います。
ただ、やはり県職員の場合は長時間労働の是正から始めなければならないのではないかと思います。今後とも男女共同参画実現のためにどうぞよろしくお願いいたします。
〇吉田敬子委員 希少野生動植物保護対策事業についてお伺いいたします。
これまでも取り上げてまいりましたが、県内に生息するイヌワシのつがい数の過去数年の推移、繁殖率の推移はどうなっているか、平成26年度、どのように保護対策を行ったのかお伺いいたします。
〇清水自然保護課総括課長 県内に生息するイヌワシについてでありますが、つがい数の過去5年の状況は、平成22年度、平成23年度が32つがい、平成24年度が33つがい、平成25年度が32つがいであります。なお、平成26年度末につがい数の見直しを行いまして、過去5年にわたり繁殖活動等が確認できなかったつがいがあり、平成26年度末のつがい数は28となったところであります。
また、繁殖率の過去5年の状況ですが、平成22年度が15.6%、平成23年度9.4%、平成24年度21.2%、平成25年度18.8%、また、平成26年度6.3%となっております。平成26年度につきましては、13組で産卵が確認されたのでありますが、残念ながら巣立ちを確認できたのは2羽にとどまったところでございます。
なお、平成26年度に繁殖率が大きく悪化した原因は、産卵後に大雪や暴風雨に見舞われ、大雪による巣の埋没や巣の破損による卵やひなの落下等が発生したことによるものです。
平成26年度の保護対策といたしましては、繁殖活動等のモニタリング調査を継続しますとともに、繁殖の見込みが高いと見られるつがいを対象とした餌を与えます給餌活動を3カ所、また、営巣地の補修等を1カ所実施したところでございます。
〇吉田敬子委員 全国的にもイヌワシの数が500羽で、断トツ絶滅危惧種で、イヌワシの数が大幅に減少しているというのもこれまでの新聞報道等でも出ている中で、環境王国いわてをうたっている岩手県でも、なかなかつがい数も32から28に減り、繁殖数も、確かに自然の影響ということはあるのですけれども、15.6%から6.3%に減っている中で、私はもうちょっと、自然の影響が大きいのは重々承知ではあるのですが、何とか保護対策に一生懸命頑張っていただきたいと思っております。
県では、いわてレッドデータブックというものをつくっておりまして、絶滅危惧種以外に、絶滅危惧に近いところからA、B、Cとランクを指定しているんですが、ここ数年での動植物の推移というものはAランクに近いものがふえているのではないかと思っているのですけれども、お示し願います。
〇清水自然保護課総括課長 いわてレッドデータブックのAランクの動植物の推移でありますが、初版であります平成13年度版では154種、改訂版である平成26年度版では211種となっており、Aランクが57種増加しております。
なお、この内訳についてでありますが、平成26年度版におきましては、平成20年度から平成24年度まで実施しました生息状況調査の結果、新たな発見があったことや、同調査結果を踏まえたいわてレッドデータブック改訂検討委員会における調査結果に基づき、平成13年度版のランクの見直しを行ったことにより、Aランクの種が増加したものであります。
なお、Aランクの種が増加した理由といたしましては、東日本大震災津波による自然環境の変化や社会経済活動による土地利用の変化などが主な原因であると考えてございます。
このような状況を踏まえまして、いわてレッドデータブックの活用にさらに努めますとともに、希少野生動植物の生息状況調査や保全活動の充実にさらに努めてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 先ほどの答弁の中でも土地利用の変化も、それは多分、例えば都市開発とか都市計画の見直しでのということも私はあると思っているのですけれども、希少野生動物の保護のためには、農林水産部で、森林資源の整備というものが大事だということで一生懸命間伐の普及をお願いしているのですが、環境生活部においても、そこの認識というものがどのぐらいあるのか改めて伺いたいと思っています。
県では、自然環境や動植物の共生推進のために、どのような取り組みを行い、成果が上がっているのか、改めて具体的にお示し願います。
〇清水自然保護課総括課長 本県の自然環境や動植物との共生のための取り組みでございますが、自然公園等における開発行為等の規制、監視による保全管理、ハヤチネウスユキソウなど条例種─16種ございますが─を中心としました希少野生動植物の保護対策、また、ニホンジカなど生息数の増加や生息域が拡大しております野生動物の管理対策及び外来生物の防除対策などを行っております。
また、これらの成果についてですが、ニホンジカ対策につきましては、平成24年度から捕獲の強化と捕獲の担い手対策に取り組んでおりまして、農業被害額は、平成25年度の約2億9、100万円から、平成26年度の約2億5、600万円と3、500万円ほど減少したところでございます。
また、希少野生動物の保護対策については、震災等の影響により消失のおそれのありました希少植物の宮古市内の太田の浜のエゾオグルマの保護に取り組み、生育数の改善が認められるなどの事例があったところでございます。
今後とも、自然環境の保全や野生生物の適正な保護及び管理によります自然共生社会の形成に向け、関係部局と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 震災の影響での宮古市の事例を伺いました。引き続きお願いしたいことと、先ほどもお話ししましたが、イヌワシだけではなく、フクロウとかといったものもそうなんですけれども、各地の森林が、伐採などの手入れが不十分なために、イヌワシが上空を飛びながら餌をとるなど、見つけづらいことも影響されていると言われています。
それで、私は森林整備が必要だということと、あとは都市開発、これは盛岡市の盛南地域もそうなのですけれども、以前も委員会で取り上げたのですが、盛岡市でトラフズクというフクロウが、生息観察している中で最近見られなくなったという結果を盛岡市は出しております。これは多分、盛南開発によって道路を、杉林を切ったことで、その辺に生息していたフクロウがいなくなったというお話も聞いております。
ことし、日本自然保護協会と林野庁が協力して、群馬県や新潟県に広がる国有林の人工林の一部を伐採して自然林に戻すプロジェクトに着手することでイヌワシの保護をやっていたりとか、これは北海道が声を上げたかどうかちょっと確認できていないですけれども、北海道電力が、例えば都市開発のために電線をつくらなければいけないときに、電信柱にとまり木というものをつくって、イヌワシとかフクロウの保護のためにも北海道電力が頑張っていられるという記事を見ました。
ですので、環境保護のためには、農林水産部だったり県土整備部のほうの都市開発も含めて連携的に行っていかないと、本当に今後、岩手県内のイヌワシだけでなく、ほかのフクロウ類以外の動植物、希少野生動物がどんどん減っていくので、自然公園だけの保護だけでなく、私たちの身近な部分でできることがたくさんあるかと思いますので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、最後に部長の意気込みを伺って終わりにしたいと思います。
〇根子環境生活部長 希少野生動植物の関係でございますが、イヌワシのつがい数を先ほど答弁いたしましたけれども、平成25年度の調べでは、岩手県はまだ32つがいでしたが、全国的には124のつがいがあるということで、実は32というのは、全国的に見ると26%を占めていまして、イヌワシの数は岩手県は多いほうだと。もちろんどんどん減ってきているという事情はありますけれども、多い状況にありますので、これを何とか守っていくのは非常に大切なことだと思っております。
あと、先ほど間伐の話が出ました。イヌワシの保護のために、列状間伐というのでしたか、そういうことが必要だということも認識しておりますので、イヌワシに限らず、フクロウ等、その他いろいろな希少動植物の保護のためにも、関係部局と連携しながら、できる限りのことに取り組んでまいりたいと思います。
〇佐々木茂光副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木茂光副委員長 質疑がないようでありますので、環境生活部関係の質疑をこれで終わります。
環境生活部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、労働委員会事務局長に労働委員会関係の説明を求めます。
〇齋藤労働委員会事務局長 それでは、労働委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、232ページをお開き願います。第5款労働費のうち、第3項労働委員会費が当委員会が所管するものでございます。予算総額1億817万9、000円に対し、支出済額は1億660万9、000円余となっております。
次に、234ページをお開き願います。支出の内訳といたしましては、1目委員会費3、146万円余は、労使紛争の解決を図るための労働委員会の運営に要した経費であり、委員15名に対する報酬及び旅費等の事務費でございます。2目事務局費7、514万9、000円余は、事務局の管理運営に要した経費であり、事務局職員の人件費及び旅費、需用費等の事務費でございます。
以上で労働委員会関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇佐々木茂光副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇軽石義則委員 業務運営について質問をさせていただきます。
労働委員会が果たしてきている役割等については、大分県内にも浸透してきていると思いますし、今、雇用の関係については、ミスマッチ等を含めていろいろな課題も出ているところだと思います。全国的にはかなり労働相談もふえているというような状況でありますが、岩手県内における相談、事件等、取り扱ってきた状況の現状、課題についてお伺いいたします。
具体的に、件数の推移、内容についてもどういうものが多くなってきているか、また、相談や事件につながったものについては、処理する日数、いわゆる対応する時間を早くしてくれという求めもあると思いますけれども、それらの内容についてもお示し願いたいと思います。
〇花山参事兼審査調整課総括課長 県内における相談、事件の現状と課題についてでございますが、まず、労働相談についてでありますが、平成26年度の件数は191件で、労働相談を本格的に始めました平成23年度の87件に比べ大幅に増加いたしております。相談内容別では、賃金、手当に関する相談が最も多く、次いで、労働時間、パワハラ、嫌がらせの順となってございます。
また、平成27年度上半期における件数は147件でありまして、昨年度同期と比べ75%増と大幅に上回る件数となっております。今年度上半期の特徴といたしまして、パワハラ、嫌がらせに関する相談が最も多くなっております。
次に、取り扱い事件についてでありますが、件数につきまして、平成26年度は、不当労働行為審査事件1件、労働争議あっせん事件5件、個別労働関係紛争あっせん事件1件でありまして、本年度は、9月末現在で、不当労働行為審査事件2件、労働争議あっせん事件はございませんが、個別労働関係紛争あっせん事件4件となっております。
処理日数につきましては、不当労働行為審査事件では、平成26年度は終結事件がございませんでしたが、平成27年度は359日で終結いたしております。
調整事件では、平成24年度から平成26年度までの過去3年における係属日数の平均が、集団事件が60.1日、個別事件が32.5日となっております。
労働委員会は、制度創設以来、本年で70周年となり、労働組合と使用者による集団的労使紛争の唯一の専門的解決機関としての役割を果たしてきておりますが、これに比べて、労働者個人と使用者の間の個別労働紛争を取り扱うようになりましたのは、平成14年度からで、比較的歴史が新しいところでございます。
近年は、労働組合の組織率の低下等から集団的労使紛争が減少いたしまして、個別労働紛争の比重が増しております。このような中で、労働者個人あるいは小規模の事業者など、労働委員会の役割が十分に理解されていないと思われる状況もあるところです。こうしたことから、労働委員会制度の県民への一層の周知を図っていく必要があるものと考えております。
〇軽石義則委員 相談もかなりふえてきているということで、中身も多分、内容からいけばかなり深刻なものもふえてきているのではないかと思われますけれども、直接労働委員会で扱っているものがこの数だとすれば、さらに、他団体を含めて多くの相談を県内全域では扱っていると思いますが、労働委員会の制度を活用したいという皆さん、また、労働委員会ではどうしても解決ができないということで他の機関に労働委員会から紹介することなどもあると思いますし、また、紹介を受けることもあると思いますが、そういう意味では、関係団体との連携も大事だと思います。国、市町村、また各関係団体、具体的にどのような連携を図っているのか、また、特徴的な事例等あればお示し願いたいと思います。
〇花山参事兼審査調整課総括課長 お尋ねのありました関係団体との連携についてでございますが、平成14年度から岩手労働局が事務局となりまして、労働委員会、岩手弁護士会、岩手県社会保険労務士会などと、岩手労働相談・個別労働紛争解決制度関係機関連絡協議会ということで組織いたしまして、各制度の運用状況について情報交換をしながら、労働相談やあっせん制度の周知等で連携してまいってございます。今年度におきましては、特に、同協議会といたしまして、労働相談や個別労働紛争解決機関としての、それぞれの問い合わせ先や制度内容を紹介するパンフレットを共同で作成してございます。
また、平成25年度からは、関係機関合同労働相談会を毎年度開催してございまして、労働委員会、労働局、弁護士会、社会保険労務士会が、合同で労働相談に対応しております。特に、今年度は盛岡市で開催いたしまして、予定した時間フルに相談が埋まったといったような状況になってございます。
特に、岩手労働局との間では、労働局で打ち切りとなりました個別労働関係紛争のあっせん当事者に対する労働委員会のあっせん制度の紹介を依頼しておりまして、労働局のあっせんでは解決できなかった事件が、労働委員会のあっせんによって解決した事例もあるところです。
さらには、当委員会委員等を対象とした研修会において、裁判所ですとか労働局ですとか、各機関の個別労働紛争解決制度の説明等を受けるなどしながら、情報共有等を図っているところでございます。
このほか、委員による無料労働相談会や出前講座を実施しておりますが、これらの取り組みの周知などにつきましては、市町村の広報誌等により、市町村にも協力をいただいているといったところであります。
このような関係団体との連携については極めて重要であると考えておりまして、引き続き連携の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 しっかりと連携をとっていただくこと、まだまだ県内には、相談にすらたどり着いていない方々もいると認識しているところもあります。やはり労働委員会の制度は、公労使三者で、それぞれの立場の方々が公正、公平に皆さんの相談に乗る、また事件のあっせん、和解に持っていく大事な役割を担っていると思います。広い県内でございますので、限られた人数で対応するのも大変だと思いますけれども、しっかり県内の皆さんに、さらにこの制度のよさを周知していくことが大事だと思いますが、最後、事務局長から、それらさらに取り組みをする決意を聞いて、終わります。
〇齋藤労働委員会事務局長 当委員会におきましては、労働委員会制度について一層周知を図ることが重要であると認識しております。このため、平成25年度から3カ年の計画を策定いたしまして、この制度の認知度の向上等の取り組みを進めてきているところでございます。
制度周知の取り組みといたしまして、労働委員会の公労使三者構成の特徴等を掲載した県労働委員会独自のポスター、チラシを昨年度新たに作成いたしまして、ハローワークや商工団体等の関係機関あるいはスーパー、コンビニ等に広く掲示、配架するとともに、広報媒体やホームページなどを活用したPR等を積極的に行っているところでございます。
また、この制度周知とあわせまして、県民サービスの向上を図る取り組みといたしまして、労働相談専用フリーダイヤルを引き続き運用するとともに、委員が県内12地区に出向いて土日に開催いたします無料労働相談会、それから、労働者団体や経営者団体に出向いて紛争解決のポイント等を紹介する出前講座を実施しておりますほか、遠隔地にある事業所所在地での現地あっせん、あるいは夜間のあっせんを実施いたしまして、県民の利便への配慮にも努めているところでございます。
さらに、今年度が労働委員会制度創設70周年となることを契機といたしまして、この10月から、委員による月例無料労働相談会を開催するとともに、就職前の学生、生徒に基本的なワークルールや相談窓口などを知らせる学校での出前講座を専門学校で開催したほか、バス車内広告によっても広く制度を周知しているところでございます。
こうしたことなどから、労働委員会への相談件数は、先ほどもお話しいたしましたが、平成25年度にフリーダイヤルを開設したこともありまして、それ以降大幅に増加しておりますし、平成27年度上半期も、前年度同期比で75%の増となるなど増加傾向が続いておりまして、労働委員会の認知度は、少しずつではありますが高まってきているものと考えております。
今後におきましても、労働委員会の特徴である公労使委員三者構成のよさをより一層PRしながら、県民により一層身近で利用しやすい機関となるように努めてまいりたいと考えてございます。
〇佐々木茂光副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木茂光副委員長 質疑がないようでありますので、労働委員会関係の質疑はこれで終わります。
労働委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、商工労働観光部関係の質疑を行います。
なお、高橋雇用対策・労働室長は欠席となりますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。
それでは、商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求めます。
〇菅原商工労働観光部長 平成26年度の商工労働観光部関係の決算について御説明申し上げます。
初めに、当部の所管事業に係る総括的な取り組みと成果及び今後の取り組み方向等について御説明申し上げます。
平成26年度は本格復興推進年として、復興計画に掲げる暮らしの再建となりわいの再生をさらに加速させるため、産業振興施策と一体となった雇用対策、被災した中小企業や商店街の再建と事業再生への支援、観光客の誘客拡大等に取り組んだところであります。
さらに、いわて県民計画に掲げる産業創造県いわての実現に向けて、本県の産業、雇用が直面する諸課題を踏まえた八つの政策項目について、復興計画と一体的に取り組んでまいりました。
まず1点目は、国際競争力の高いものづくり産業の振興であります。
ものづくり産業の中核である自動車、半導体関連産業については、地場企業の技術力、競争力を高めるとともに、企業誘致や復興特区制度の活用等による産業集積の促進、さらには、産学官連携による産業人材の育成など、産業基盤の形成に取り組んでまいりました。これらの取り組みにより、自動車関連分野の地場企業等の取引成約件数や企業の新規立地、増設数などが増加したところであります。
今後は、自動車、半導体関連産業の一層の集積促進と競争力強化、県内各地域のものづくり企業の成長支援、新産業の創出等を推進するとともに、すぐれたものづくり人材の育成と地元定着の促進に取り組んでまいります。
2点目は、食産業の振興であります。
本県の重要産業の一つである食産業については、企業や生産者、金融機関等との協働体制であるフード・コミュニケーション・プロジェクト岩手ブランチによる農商工連携や企業間連携を支援するとともに、商品開発から販路開拓まで一体的な支援を実施してきたところであり、特に水産加工業については、売れる商品づくりや工程改善の支援に注力してまいりました。これらの取り組みにより、支援企業の販路拡大や生産性の向上につながったところであります。
今後、さらに、企業の新事業活動や連携を促進するとともに、水産加工業の復興に向けた、きめ細かな支援に取り組んでまいります。
3点目は、観光産業の振興であります。
本県への観光客の誘客拡大、特にも県北沿岸地域への誘客については、あまちゃんで再認識された三陸の観光資源も活用しながら、沿岸への二次交通の充実や地域素材の発掘、磨き上げの支援、教育旅行の誘致を図るプラットホームの構築等に取り組んでまいりました。また、国際観光については、東北観光推進機構等と連携し、旅行博等への出展による観光情報の発信、メディア、旅行エージェントの招請による旅行商品の造成、販売促進などに取り組んだところであります。これらの取り組みにより、観光客入り込み数及び外国人宿泊客数は、震災以降、年々回復してきております。
今後も、二つの世界遺産を有する優位性を生かしながら、沿岸地域を初めとする教育旅行及び企業、団体研修の誘致や、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会、ラグビーワールドカップ2019日本大会開催を見据えた観光キャンペーンの展開、台湾を中心とした外国人観光客の誘客促進に取り組んでまいります。
4点目は、地場産業の振興であります。
地場産業の販路拡大への支援については、消費者のライフスタイルの多様化に対応し、県産品の新たな魅力を提案する展示販売会の開催や、県外アンテナショップの活用による情報発信を行うなど、新規需要の開拓や新商品の開発支援等に取り組んでまいりました。これらの取り組みにより、地場産業の販路拡大につなげてきたところであります。
今後も、伝統的工芸品を初めとした県産品ならではの魅力を県内外に広く情報発信するとともに、新商品の開発や販路拡大の支援に引き続き取り組んでまいります。
5点目の次代につながる新たな産業の育成でありますが、地域資源であるコバルト合金などを活用した新素材加工産業の創出に取り組み、新製品の開発につながりました。
今後も、新産業の創出に向けて、産学官金の連携を図りながら、企業の取り組みを支援してまいります。
6点目は、商業、サービス業の振興並びに中小企業の経営力の向上であります。
被災した中小企業者への支援については、県単融資制度やグループ補助金の活用促進、専門家の派遣などに取り組んでまいりました。また、岩手県産業復興相談センターによる二重債務問題へのワンストップでの相談対応を通じて、債権買い取り等の金融支援にも取り組んでまいりました。これらの取り組みにより、沿岸地域における被災企業の事業再開が7割以上となっているほか、創業や新規事業への取り組みも着実に進んでいるところであります。
今後も、被災した中小企業の本設移行も含め、復旧、復興を支援するとともに、中小企業の経営力の向上を図るための経営革新や円滑な資金繰りの支援などを進めるほか、地域の商業機能の回復や商店街の再構築に向けた支援に引き続き取り組んでまいります。
7点目は、海外市場への展開であります。
加工食品や日本酒、工芸品等の県産品の販路拡大や県内企業の海外ビジネス展開への支援については、経済発展により購買力の高まっている東アジア地域を重点地域と捉え、現地商談会や物産フェアを開催し、県産品の魅力及び安全性のアピールや販路の開拓に取り組んでまいりました。これらの取り組みにより、東アジア地域への県産品輸出額は着実に拡大しているほか、商談会等における県産品の取引成約件数も増加したところであります。
今後とも、大連経済事務所やこれまでの取り組みにより培ったビジネスパートナーとの関係を強化、活用しながら、県産品輸出の一層の促進を初め、事業者の海外ビジネス展開に対する支援を積極的に進めてまいります。
8点目は、雇用、労働環境の整備であります。
雇用の創出については、産業振興施策の推進や雇用対策基金を活用した事業の実施のほか、震災等による離職者や若年者への継続的な就職支援、復旧、復興や成長分野に対応した職業訓練コースや人材育成事業による就業支援に取り組んでまいりました。これらの取り組みにより、平成26年度の有効求人倍率は年平均1.1倍と改善いたしましたが、職種によっては労働力の確保が課題となっております。
今後も、産業振興施策の推進とともに、長期・安定的な雇用の創出・拡大、人材の確保・定着及び就業支援、若者・障がい者等に対する支援の三つを柱とした雇用の創出と就業の支援を積極的に進めてまいります。
以上、平成26年度の総括的な取り組みと成果及び今後の取り組み方向等について御説明申し上げました。
続きまして、決算の概要について御説明申し上げます。
平成26年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。一般会計歳出における商工労働観光部の決算は、5款労働費のうち、1項労政費、2項職業訓練費、14ページに参りまして、7款商工費1項商工業費、2項観光費、また、16ページに参りまして、11款災害復旧費のうち、4項商工労働観光施設災害復旧費でありますが、これらの予算現額は1、677億6、648万円余、これに対する支出済額は1、411億4、001万円余、翌年度繰越額は136億600万円余、不用額は130億2、047万円余となっております。
以下、個々の内容につきましては、お手元の平成26年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただき、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので御了承願います。
それでは、平成26年度歳入歳出決算事項別明細書の228ページをお開き願います。5款労働費1項労政費1目労政総務費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、本庁の雇用対策や労働部門の職員人件費及び、平成25年度で終了した緊急雇用創出事業臨時特例基金充当事業の精算等に伴う余剰金の国への返還金等であります。2目労働教育費でありますが、備考欄の各種労働講座開設費は、労使関係の相互理解を促進するために開催した雇用・労働フォーラムなどに要した経費であります。3目労働福祉費でありますが、備考欄一番上の労働者等生活安定支援資金貸付金は、育児・介護休業を取得した者に対する休業期間の生活資金貸付などに要した経費であります。次に、230ページに参りまして、4目雇用促進費でありますが、備考欄上から八つ目の緊急雇用創出事業費補助は、離職者に対し、次の雇用までの就業機会等を創出し、生活の安定を図ることを目的とした事業を行う市町村に対する補助に要した経費であります。その下の事業復興型雇用創出事業費補助は、被災地の安定的な雇用を創出することを目的として、被災者の雇い入れに係る費用に対して助成金を支給した経費であります。
なお、繰越明許費83億438万円余は、ただいま説明いたしました事業復興型雇用創出事業費補助及び支出済額がなかったため備考欄への記載はありませんが、地方創生を推進するために国が創設した地方創生先行型交付金を活用したいわてしごと人材創生事業費が、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
2項職業訓練費1目職業訓練総務費でありますが、備考欄上から三つ目の認定職業訓練費は、職業訓練法人による認定職業訓練の実施に対する補助などに要した経費であります。
なお、事故繰越4、988万円余は、ただいま説明いたしました認定職業訓練費で補助事業者の事業実施が遅延したことにより繰り越したものであります。
次に、232ページに参りまして、2目職業訓練校費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、県立産業技術短期大学校を初めとする県立職業能力開発施設の職員人件費であります。下から二つ目の就職支援能力開発費は、離職者等の職業能力開発の実施による円滑な再就職の支援などに要した経費であります。
次に、ページを飛んでいただきまして、278ページをお開き願います。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、本庁及び県外事務所等の商工部門の職員人件費等、管理運営に要した経費であります。備考欄上から九つ目の革新的医療機器創出・開発促進事業費は、医療機器関連産業の集積を促進するため、岩手医科大学が行う革新的医療機器の開発に対する補助などに要した経費であります。その三つ下の運輸事業振興費補助は、公益社団法人岩手県トラック協会が実施する輸送サービスの改善等の事業に対する補助に要した経費であります。
なお、繰越明許費21億8、890万円余は、支出済額がなかったため備考欄への記載はありませんが、いわての県産品販売促進事業費、いわてに泊まろう誘客促進事業費、未来の産業人材育成事業費及び地方創生・地域産業緊急重点強化支援事業費補助であり、国が創設した地域消費喚起・生活支援型交付金や地方創生先行型交付金を活用した事業であります。これらの事業は、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
次に、280ページに参りまして、2目中小企業振興費でありますが、備考欄上から二つ目の商工観光振興資金貸付金は、設備投資や事業の拡大を行う中小企業者に対する設備及び運転資金の貸し付けに要した経費であります。備考欄上から九つ目の中小企業東日本大震災復興資金貸付金は、県内の被災中小企業者に対する設備及び運転資金の貸し付けに要した経費であります。その五つ下の中小企業東日本大震災復興資金保証料補給補助は、ただいま説明いたしました貸付金を借り入れた被災中小企業者の負担を軽減するため、保証料の全額補給に要した経費であります。備考欄下から二つ目の岩手産業復興機構出資金は、被災した事業者の二重債務問題に対処するため、岩手産業復興機構への出資に要した経費であります。その下の中小企業被災資産復旧事業費補助は、市町村が行う被災中小企業の復旧に対する補助事業への補助に要した経費であります。次に、283ページに参りまして、備考欄上から六つ目の自動車関連産業創出推進事業費は、自動車関連産業の集積を促進するため、産学官協議会の運営、技術展示商談会の開催、アドバイザーによる技術力向上支援等に要した経費であります。
なお、280ページと281ページにお戻りいただきまして、繰越明許費2、164万円余は、備考欄一番下の中小企業被災資産復旧事業費補助で、関係機関との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
事故繰越360万円余も、備考欄一番下の中小企業被災資産復旧事業費補助で、補助事業者の事業実施が遅延したことにより繰り越したものであります。
次に、282ページに参りまして、3目企業立地対策費でありますが、285ページに参りまして、備考欄上から一つ目の企業立地促進資金貸付金は、立地企業が行う設備投資に対する貸し付けに要した経費であり、その下の企業立地促進奨励事業費補助は、市町村による誘致企業への助成事業に対する補助に要した経費であります。4目中小企業経営指導費でありますが、備考欄上から二つ目の中小企業ベンチャー支援事業費は、公益財団法人いわて産業振興センターが実施した窓口相談や専門家派遣事業等への補助に要した経費であります。5目貿易振興費でありますが、備考欄の貿易振興団体助成費は、海外販路拡大の支援基盤整備のための独立行政法人日本貿易振興機構─ジェトロ─盛岡貿易情報センターへの負担金であります。6目工業技術センター費でありますが、備考欄の地方独立行政法人岩手県工業技術センター運営費交付金は、同センターに対する運営費交付金であります。
次に、2項観光費1目観光総務費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、観光部門の職員人件費等、管理運営に要した経費であります。次に、287ページに参りまして、備考欄上から五つ目のいわて台湾国際観光交流推進事業費は、交流人口の拡大による地域経済の活性化を目的とし、台湾からの観光客の誘客を促進するため、台湾の旅行会社への商品造成等支援補助や観光PR等に要した経費であります。
なお、284ページ、285ページにお戻りいただきまして、繰越明許費2億7、288万円余は、支出済額がなかったため備考欄への記載はありませんが、いわて観光創生プロモーション事業費及びいわてまるごと国際観光推進事業費であり、いずれも地方創生を推進するために国が創設した地方創生先行型交付金を活用した事業であります。これらの事業は、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
次に、286ページに参りまして、2目観光施設費でありますが、備考欄一番下の八幡平景観保全観光振興事業費は、平成25年度から平成26年度に繰り越し実施しました八幡平ユースホステルの解体に要した経費であります。
なお、繰越明許費3、465万円余は、観光施設機能強化事業費で、関係機関との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
次に、ページを飛んでいただきまして、346ページをお開き願います。11款災害復旧費4項商工労働観光施設災害復旧費1目商工観光施設災害復旧費でありますが、備考欄の中小企業等復旧・復興支援事業費は、被災した中小企業等が一体となって復旧、復興を行った場合の施設設備の復旧整備の補助に要した経費であります。
なお、繰越明許費9億1、786万円余は、中小企業等復旧・復興支援事業費補助で、関係機関との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
また、事故繰越18億1、216万円余につきましても、中小企業等復旧・復興支援事業費補助で、補助事業者の事業実施が遅延したことにより繰り越したものであります。
以上で一般会計決算の説明を終わります。
次に、中小企業振興資金特別会計の決算について御説明申し上げます。
398ページをお開き願います。この特別会計の予算現額は、400ページと402ページに記載してございますが、歳入歳出それぞれ34億9、400万円であります。
まず、歳入につきましては、401ページにお戻りいただきまして、収入済額が総額35億770万円余であり、その主なものは、貸付先企業等からの元利償還金等の諸収入及び貸付金の原資として借り入れた地方債であります。
次に、歳出につきましては、402ページから403ページに記載しておりますが、支出済額が総額28億2、548万円余であります。
1款小規模企業者等設備導入資金貸付費1項貸付費は、公益財団法人いわて産業振興センターが実施した設備資金貸付事業及び設備貸与事業に対する貸し付け並びに高度化資金貸付金の貸し付けなどに要した経費であります。
2項貸付事務費は、ただいまの貸付金の貸し付け及び回収に要した事務経費であります。
以上で商工労働観光部関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇佐々木茂光副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後2時56分 休 憩
午後3時17分 再開
〇郷右近浩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
先ほどの商工労働観光部関係の説明に対し質疑はありませんか。
〇関根敏伸委員 私からは、県の産業政策につきまして概略的に何点かお伺いさせていただきたいと思います。
先ほど部長から平成26年度の政策の柱8本について御丁寧に御説明いただきました。改めて、いわて県民計画の第2期アクションプランが平成23年度から平成26年度までの4年間推進されてきたわけでありますけれども、この第2期アクションプラン期間内に産業創造県いわてをどう前進させてきたか、総括的にお伺いさせていただきたいと思っております。
ものづくり産業の振興、それから観光、食、地場産業、こういったものを含めた地域循環型産業の振興、商業、サービス業の振興、海外市場への展開、主にこの四つの分野の進捗の状況でありますとか特徴的なもの等を数値を交えて比較で示していただきたいと思っております。
〇鈴木商工企画室企画課長 第2期アクションプランの総括的な評価についてでありますが、まず、ものづくり産業の振興については、自動車関連産業の集積に取り組みました結果、地場企業の自動車関連取引成約件数といたしまして、平成23年度は85件の実績に対しまして平成26年度は165件の実績。食産業の振興につきましては、水産加工業の生産性向上に向けた取り組みを進め、カイゼンなど工程管理等支援社数、累計でございますが、平成23年度は6社の実績に対しまして平成26年度は46社の実績。商業、サービス業の振興につきましては、沿岸部の新たな商店街の構築のための支援を進め、専門家派遣数、累計でございますが、平成24年度は15回の実績に対しまして平成26年度は61回の実績。また、海外市場への展開につきましては、県内企業の海外ビジネス展開を支援してきており、海外事務所利用件数、累計でございますが、平成23年度は152件の実績に対しまして平成26年度は413件の実績となっております。
このようなことから、委員御指摘の四つの分野における取り組みは、おおむね計画どおり推移しているものと考えているところでございます。
〇関根敏伸委員 改めて今、この四つの分野について数値も交えながらお示しいただいたわけでありますが、私が聞きたかったのは、いわて県民計画がつくられた当時はちょうどリーマンショック等の中で、世界的な構造不況の中で県民計画がつくられて出発したと理解しております。その後、岩手にあっては震災がありましたし、政権交代等があって経済政策等々も大きく変わって、円高の状況が一挙に円安になってきている、こういう状況もあろうかと思っております。そういう津波、経済環境等の大きな変化の中で、いわて県民計画は総体として順調に進んでいると県─当部は評価しているのか、その辺についてお伺いさせていただきます。
〇鈴木商工企画室企画課長 当部所管の第2期アクションプラン、産業創造県いわての実現に向けた産業、雇用に係る八つの政策でございますが、今回お示ししました目指す姿指標から見ますと、達成、おおむね達成となっているものがおおむね9割でございます。また、具体的な推進方策指標につきましては、達成、おおむね達成が8割強ということで、全体としてはおおむね順調に進んでいるものと考えております。
〇関根敏伸委員 そのような中、平成26年度、国の経済対策として地域住民生活等緊急支援のための交付金が措置されまして、その中でさまざまな事業が行われたようであります。その一つに地域消費喚起・生活支援型事業が行われたようでありますけれども、県でも観光客の誘客等への支援事業などが行われていたようであります。岩手県内でも各市町村がこの交付金を使って、例えばプレミアム商品券の発行でありますとか、いろいろな事業が行われたと思っておりますけれども、商工労働観光部としては、県内全体のこの交付金を使った経済波及効果や消費喚起効果についてどのように捉えていらっしゃるのか、成果と課題をどのように整理しているのかお伺いさせていただきたいと思います。
〇押切産業経済交流課総括課長 国の地域消費喚起・生活支援型事業のうち、まず、いわての県産品販売促進事業、いわゆる県産品の3割引販売事業でございますが、県内全体の経済波及効果、消費喚起効果につきましては、本事業のうち割引原資となる約4億円が全て新たな個人消費に喚起されると仮定した場合、その消費喚起効果は約14億円程度と見込んでいるところでございます。
この事業の成果と課題についてでございますが、アンテナショップにおける割引販売実施期間中の売上高は9月末現在で約2億7、500万円、販売予定額に対する進捗率は約5割、いわて銀河プラザが対前年比196.6%、福岡のみちのく夢プラザが225.1%の売り上げとなっておりまして、新規会員向けポイントカードの発行数が約2倍となるなど、好調に推移しているところでございます。
一方で、インターネット販売につきましては、9月末現在で進捗率は約2割にとどまっている状況にございます。ただ、本事業を通じまして、新規参入も含め、インターネット販売への新規出店、出品を行ったこともあり、年末商戦に向けて、首都圏でのプロモーションの強化等によりさらなる販売促進を図って販売予定額の達成に努めてまいりたいと考えております。
いずれにしましても、本事業をきっかけとしまして、新規顧客が一人でも多くリピーターとして定着し、売上増を一過性のものに終わらせることのないよう、事業者に対するフォローアップ等々を引き続き進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇平井観光課総括課長 地域消費喚起・生活支援型事業のうち、いわてに泊まろう誘客促進事業についてでございますが、この事業は、全国に向け、県内宿泊施設で利用できる額面6、000円を5割引の3、000円で販売する定額旅行券の15万枚の発行と、インターネット旅行予約サイトにおいて最大5割引となる3、000円を単価とした定額クーポン券の12万枚の発行を行うものでございます。
この事業における経済効果の試算につきましてはさまざまな方法が考えられるわけでございますが、国が示しております交付金実施計画記載要領では直接的な消費喚起想定額を記載することとしており、これにのっとりまして、この個人消費が全て新たに喚起されると仮定いたしますと、その消費喚起総額は約16億円程度と見込んでいるところでございます。
また、この事業の成果につきましては、現在、旅行券は販売予定15万枚のほぼ全てを販売し、その旅行券の利用実績は8月末現在で約3万枚でございまして、利用者の約7割が県外からの宿泊者となってございます。
また、クーポン券につきましては、8月末現在で発行予定12万枚の約5割が発行済みでございまして、これを利用した宿泊実績は約1万7、000件、利用者の約8割が県外からの利用となっているものでございますが、まだ全体の一部しか利用されていない状況でございますので、今後、この利用状況をよく調べて分析していきたいと考えてございます。
また、課題につきましては、まずは、例年、県内の宿泊需要が落ち込むこれからの冬の時期の誘客の底上げでございます。さらには、この事業をきっかけにいたしまして、本県を訪れていただいた方に岩手のファンになっていただいて、再び本県を訪れていただくよう、リピーターの獲得を目指し、本事業の効果の拡大と維持を図っていくことが重要であると考えてございます。
〇関根敏伸委員 県全体の、市町村が行った事業等での経済波及効果や消費喚起効果というものは把握されていらっしゃらないのでしょうか。また、予定はどうなっているのか、そこをもう一度お答えいただきたいと思います。
〇平井観光課総括課長 いわゆる旅行券事業等でございますが、私どもで把握しております本県県内での旅行券等による旅行割引等の取り組みは、北上市、雫石町など6市町で実施していただいているものでございます。
この市町の取り組みの消費喚起額は、先ほど申し上げました県と同様の方法により試算させていただきますと、約6、600万円と見込まれるところでございます。
〇関根敏伸委員 市町村も含めた、プレミアム商品券等々の発行を含めた、県全体の交付金を使った事業効果、こういったものが知りたかったわけであります。今のお答えですと県事業を中心とした経済波及効果のみの試算が示されていたようでありますけれども、県全体の経済波及効果という観点からの試算はできていないのかどうか、そこをお知らせいただきたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 ただいまお話ありました市町村の分ですが、県で把握しているところでは全ての市町村でプレミアム商品券を実施していると聞いておりますが、現在、ほとんどの市町村がまだ事業を実施中でして、国の要領でも今後の消費喚起効果は各市町村でそれぞれ測定するようにといった指針は示されているようですけれども、現時点で県全体として把握しているものはないと承知しております。
〇関根敏伸委員 わかりました。これから買われた商品券等が使われて具体的な数値が出てくるんだろうと思っておりますけれども、今、話があったこの消費喚起効果の部分をやはり厳密に捉えていくことが必要だろうと思っております。2割とか3割とか5割のプレミアムがつけば売れるのは当たり前でありまして、一時的な消費の向上は当然出てくると思いますが、やはり反面では需要を先食いしているのではないかとか、逆にこの事業が終わった後の反動で相当売り上げが減るのではないかといった見方もされているわけでありますので、財源として多額の交付金、税を使っているわけでありますので、こういった部分の評価についてしっかりとした取り組みをお願いしておきたいと思っております。
そのような中で、今年、県では、まち・ひと・しごと創生本部のさまざまな取り組みの中からふるさと振興総合戦略というものを今、案として示しているわけであります。人口ビジョンとあわせて、このふるさと振興総合戦略に記された内容を拝見させていただいているわけでありますけれども、この中に、県の取り組み、10の姿勢ということで、県が特徴的に取り組む姿勢として、ローカル経済の振興、地域経済の振興ということが重ねて記載されているわけでありますけれども、この概念はどういうものか、具体的にどのように取り組んでいくのか。このローカル経済、地域経済の振興を図る上でのキーとなるものは何なのか、これをどう捉えているのかお聞かせいただきたいと思います。
〇鈴木商工企画室企画課長 ふるさと振興総合戦略に掲げる経済の振興についてでありますが、県では、今後の人口の展望を示すビジョンにおきまして、今、御紹介のありましたとおり、ふるさと振興を進めるため、ローカル経済の振興や地域経済の振興など、10の基本姿勢を定めたところでございます。
まず、ローカル経済の振興についてでありますが、このローカル経済とは、小売、サービス業などにおきまして、地域での再投資を繰り返しまして地域内で経済を循環させることであり、その循環の中で中小企業の果たす役割が重要であることから、県では、中小企業振興条例に基づき、中小企業の経営力向上、地域内で生産した商品の消費促進などに取り組むこととしております。
次に、地域経済の振興についてでありますが、三陸鉄道や三陸ジオパークなどの観光資源や雑穀、食肉、海産物等の食材など、地域の宝である魅力あるさまざまな資源を発掘、磨き上げ、高付加価値化を図り、地域はもとより、地域外からもいわゆる外貨を獲得することが重要と考えておりますので、こうした取り組みを通じまして、地域経済の振興を積極的に推進することとしております。
〇関根敏伸委員 そうした中で、岩手の中小企業の経営力の現状についてお伺いさせていただきたいと思っております。
このローカル経済という概念がどこから出てきたのかはわかりませんけれども、ふるさと振興ビジョンの中で、冨山和彦さんの言葉というか、まち・ひと・しごと創生本部の中での発言が載っていたわけであります。私もその本を読ませていただいたことがありますけれども、ローカル経済の振興にとってかなり厳しい指摘がされていたと私は理解しております。グローバル経済ではなくローカル経済を振興させる鍵は中小企業の生産性の向上だと。それによる賃金、雇用の質を高めて労働力をしっかりと確保していくことである。そういった力を持たない中小企業あるいは経営者は、ある意味、市場から撤退させるような政策も必要なのではないか、こういった観点で書かれているなと私は承知しているわけであります。
そういった意味で、このローカル経済、非常に耳ざわりのいい言葉ではありますけれども、相当このローカル経済を発展させていくために、中小企業の経営のあり方というものをしっかり向上させる取り組みがなければ私は絵に描いた餅になるのではないかと思っておりますけれども、そういった観点から、現在の県の中小企業の経営力の現状や今後の収益性、労働生産性の向上に向けたローカル経済振興のための取り組みをお聞かせいただきたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 中小企業の経営力の向上についてでありますが、本県の中小企業は、企業数で県内企業全体の99.8%を占めておりまして、また、本県の製造品出荷額のうち56%は中小企業によるもので、本県経済を牽引する大きな存在と認識しております。
一方、中小企業数でいいますと、平成21年に4万4、388社だったものが平成24年には3万8、711社と減少しておりまして、その経営環境には厳しいものがあると認識しております。
また、県が中小企業者の皆さんを対象に実施したアンケートによりますと、経営の課題として、人材の確保、育成ですとか、既存の営業力、販売力の維持、強化といったものが多く挙げられております。
県としましては、こうした経営課題の解決を図るため、商工団体等と連携して専門家の派遣ですとか県の融資制度を通じた事業資金の供給などを行い、中小企業の事業活動を支援してきたところです。
中小企業が経営課題の解決に取り組み、さらに経営力の向上を図っていくためには、各中小企業が将来を見据えた戦略を練り、環境の変化に柔軟に対応していくことが重要と考えておりまして、県では、経営を支える人材の確保、育成や、経営革新計画の策定とその実行を重点に支援することによって中小企業者の力強い事業展開が促進されるように取り組んでいきたいと考えております。引き続き、商工団体等と連携して、中小企業の経営力、収益力向上に努めてまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 そういう御答弁になるのだろうと思います。冨山和彦さんの言うような方向での施策展開というのは行政としてなかなかやりづらいものだろうと思いますが、これは厳しい御指摘として、中小企業経営者がこういったものをしっかり捉えていく必要があるんだろうと思います。やはり県としても、今までの延長線上での中小企業支援という考え方から一線を画したような、本当の意味でのローカル経済を引っ張っていくような中小企業や中堅企業をつくっていく、そういう観点からの施策の展開をぜひお願いしたいと思います。
もう一つでございますけれども、ものづくり産業の振興に向けた人材の育成についてもさまざま取り組まれていらっしゃると思っております。これは一般質問で佐藤ケイ子議員も取り上げられた部分でありますけれども、この中の一つとして、三次元設計開発人材育成事業でありますとか3Dプリンタ等次世代ものづくり産業育成事業等が行われているわけであります。このワークショップ等も開催されているわけでありますけれども、技術者養成のあり方、高付加価値製品の開発等についてどのような意見が出され、どのような検討が行われているのかお聞かせいただきたいと思います。
〇高橋ものづくり自動車産業振興課総括課長 三次元造形技術関係の事業として、本県におきましては、人材育成を推進していく、かつ、高付加価値型製品の生産拠点につなげようということで、3Dプリンタ等次世代ものづくり産業育成事業を実施してきているところでございます。
本事業の内容といたしましては、県内の産学官64機関で構成するいわて3Dプリンタ活用研究会を設立したほか、企業の技術者や学生等を対象とした三次元造形技術からつくる講習会の開催やワークショップ等を開催してきているところでございます。
このワークショップの中では、3Dプリンターの活用を図るためには三次元CAD技術者の育成が必要という御意見や、また、今後、成長する技術であって、県内製造業者に技術指導するとともに、産学官連携による研究開発プロジェクトの立ち上げが必要であるとか、さらに、県内企業の支援のために金属積層3Dプリンターの導入も必要というような意見が出されているところでございます。
〇郷右近浩委員長 関根敏伸委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
〇関根敏伸委員 了解いたしました。
最後になりますが、今のような御意見とか出されているようであります。これは言うまでもないわけでありますけれども、人材育成というものはやはり長期的に継続的に行われるべきものであると思いますし、かつ、人材育成の拠点となるものは、安定的にしっかりとしたものであるべきと思うわけであります。そういった意味では、この人材育成を担保する拠点でありますとか仕組みでありますとか、こういったものをしっかり県としても考えていく必要があるのではないかと思っておりますけれども、こういった観点を踏まえて、これから三次元の人材育成を含めた拠点整備のあり方、制度の担保のあり方等について御答弁をいただいて終わりたいと思います。
〇高橋ものづくり自動車産業振興課総括課長 現在、三次元関係の人材育成に当たりましては、北上市にございますいわてデジタルエンジニア育成センターを拠点として、いわゆる三次元CADを中心にした形での人材育成を実施しております。また、先ほど申しました3Dプリンター関係の事業としては、県立大学に委託いたしまして、この中でセミナー等を開きながら人材育成をするとともに、さらに、岩手県工業技術センターにおきましては、3Dプリンターの技術を習得する研究員の育成も実施してきているところでございます。工業技術センターの部分につきましては、技術的な側面から三次元技術について取り組みを進めているという形でございます。
いずれ、このような県内での人材育成なり技術的な拠点を中心にしながら、三次元技術についてしっかり育成なりに取り組んでいきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 関連。今、ローカル経済の振興、それから地域経済の循環という話が出ましたが、先ほど、中小企業の生産性の向上の中で、関根委員が撤退と統合という話をなされました。私も、実はこれから、中小企業の振興というよりは、地域経済の中で中小企業を維持していくには、撤退と統合、そしてまた、事業の継承というのが非常に大事だと思っております。
そこでお聞きしますが、この事業の継承等について、何か県として施策を考えているのであればお聞かせいただきたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 事業承継につきましては、県内の調査でも後継者不在が経営上の課題だと言っているところも多くて、今年度、盛岡商工会議所に事業承継センターというものが設置されまして、身内での承継ではなく第三者の方とのマッチングとか、そういったものを求めている方の相談の対応を行っておりますほか、県としても、事業承継者向けに、承継するためにはどのような計画を考えていけばいいかといったようなセミナーなども実施するという取り組みをしておりまして、お話のあったとおり事業承継もこれからの重要な部分と考えておりますので、そういった部分にも取り組んでまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 そういった仕組みをつくること、また、受け皿をつくることが非常に大事であると思っておりますが、中小企業の大部分が同族経営ということで、株の継承というのも一つ問題になってくると思います。そういった意味では、税制についても継承、承継についてはある意味で特例の措置を設ける必要もあると思いますので、そういった点についても国に対して強く求めていくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
〇高橋経営支援課総括課長 今のお話につきましては、事業承継を考えている方々でそういった検討はされているというお話は伺っているのですが、具体的な課題等については我々もこれからもっと研究しなければならない部分もありますので、これについては、御意見を伺った部分を含めて検討していきたいと思います。
〇工藤勝子委員 観光振興についてお尋ねいたします。
国内、海外問わず多くの観光客においでいただくことは非常に経済的にも大きいのではないかと思っているところであります。特にも被災地においてお客さんの足が遠のいている段階の中で、内陸から被災地に向かっていただく、そして泊まっていただく、復興のためのお土産も買っていただく、このことが非常に大事だと思っております。
そこで、被災地における宿泊施設の復興状況についてお尋ねいたします。震災前、それから震災後、さらに今後、再建しようとしている状況についてお伺いしたいと思っております。
〇平井観光課総括課長 被災地における宿泊施設の復興状況についてでありますが、震災前は沿岸地域の宿泊施設は201施設ございました。このうち、被災した施設は123施設でございます。そのうち、営業再開した施設が66施設、営業再開に向け修繕中の施設が1施設、廃業した施設が23施設、再開の意向があるものの未着手なものが5施設、再開の意向が不明である施設が28施設となってございます。また、今申し上げたものとは別に震災後に新たに25施設が開業する一方、被災しなかった78施設の中には休業、廃業したものが4施設ございます。最終的には、現在、沿岸地域で営業している施設は165施設でございます。
また、これを各施設が持ちます収容可能人員ベースで比較いたしますと、平成27年9月1日現在では、震災前の平成22年度に比べて収容人員ベースで102.8%と震災前を上回っているものでございます。
また、県では、被災した宿泊施設に対しまして、中小企業等グループ補助金を12グループ44施設に、中小企業被災資産修繕事業費補助金を14施設に、中小企業被災資産復旧事業費補助金を2施設に補助し、ハード整備への支援施策を通じ継続して事業再開を支援するとともに、商工団体等支援機関と連携して相談事業や専門家の派遣事業等を実施するなど、営業再開に向けて御支援申し上げているところでございます。
〇工藤勝子委員 再開に向けて今までハード、ソフトのいろいろな支援があったんだろうと思って、その辺のところまで踏み込んで御答弁いただきました。
そういう中において、再開したところ、これから再建しようとしているところ、やはり経営が成り立たなければどうにもならないわけです。国体、ラグビーワールドカップ、これは多分一時的なものだろうと思っています。そういう部分において、定期的に今後も継続して多くのお客さんに来ていただくためには、例えば、私は、一つは震災学習というものがあるのではないかと思っていました。そういう中において、児童生徒に来ていただく。ただ、これが内陸に泊まって沿岸に行って帰ってもらうのではなく、現地に泊まっていただく、こういうことが非常に大事ではないかと。実際に海の風を感じて、そして、いろいろな中でそこに泊まっていろいろな学習をしてほしいと思っているんですけれども、そういう中において、今の教育学習の宿泊の現状と課題、そして、各学校に対してどういうPR、情報発信をされているのかお伺いいたします。
〇平井観光課総括課長 震災学習による教育旅行の状況についてでございますが、今、委員お尋ねの宿泊の状況については統計上のデータを把握してございませんので、入り込み状況、いわゆる訪ねてきたお客様の数で申し上げさせていただきます。
震災学習による教育旅行を受け入れている沿岸12市町村の昨年度の教育旅行客の入り込みにつきましては2万2、102人回で、前年度に比べて6、664人回、43.2%の増加、震災前の平成22年度に比べて9、403人回、74%の増加となってございます。
それから、今、委員からお話がございましたが、課題となってございますのは、先ほども御指摘ございましたとおり内陸から沿岸へ向かうという点でございますが、沿岸地域の教育旅行客の入り込みにつきましては、今申し上げたとおり震災前の水準を上回って増加してきているものの、県全体の教育旅行の入り込みに占める割合はまだ1割程度にとどまっているものでございまして、内陸の教育旅行を沿岸へ誘導することが課題であると認識してございます。
〇工藤勝子委員 ぜひ内陸に来た児童生徒の皆さんを沿岸のほうに引き寄せていただくようなPRもしていただければいいのかなと思っております。
次に、海外戦略についてお尋ねいたします。
全国では外国人観光客が1、900万人を超えているとの情報があります。そういう中において、全体として海外からの宿泊数は9割まで岩手県は戻っている現状があります。定期チャーター便もありまして台湾が伸びているようですけれども、韓国、中国、香港からは3割程度になっているという現状があります。何が課題なのか、それから、今後の対策をどうとろうとしているのか、それから県は、台湾以外の今述べたアジア系統の中にどういうPRをしていこうとしているのかお聞きしたいと思っております。
多くの中国人が来て、爆買いとかいっぱい物を買っているようですけれども、そういう中において、外国人観光客による経済効果も非常に大きいのではないかと思っておりまして、その点についてお尋ねいたします。
〇平井観光課総括課長 まず、韓国、中国、香港からの誘客の課題と今後の見通しについてでございますが、先ほど委員からも御指摘がありましたとおり、本県ではこちらは低迷しているわけでございますが、東北全体を見ましても、これらの国からの観光客入り込みは、震災前の平成22年に比べてまだ4割以下にとどまっている状況でございます。この状況を踏まえまして、まずは東北全体で誘客の底上げを図りながら、それぞれの国のニーズに応じた売り込みなどを展開していく必要があると認識してございます。
このため、東北各県等で構成いたします東北観光推進機構と連携しながら東北全体でのプロモーションを展開するとともに、東北各県の集客力のある観光地を核として、テーマ性、ストーリー性を持った各県の観光資源を組み合わせたモデルルートの構築に現在取り組んでいるところでございます。
また、現地に設置してございます北海道・北東北3県ソウル事務所や中国にございます大連経済事務所が有するネットワークを活用しながら、例えば韓国ではゴルフ、中国ではスキー、香港ではレンタカーといった、それぞれの市場に合わせたニーズを踏まえて、そういうテーマでのプロモーションを展開していきたいと考えているところでございます。
このような取り組みを展開する中、ことしのデータでございますが、1月から6月までの先ほど申し上げました韓国、中国、香港からの本県への延べ宿泊者数につきましては、前年同期の2倍を超えている状態でございます。今後は、これらの取り組みをさらに進めるとともに、北海道新幹線開業も見据えまして、これらの国の観光客の人気の高い北海道からの誘引も見据えながら、連携し、誘客の拡大を図ってまいりたいと考えてございます。
また、外国人観光客による経済効果についてでありますが、本県を訪れました外国人観光客の平成26年度の観光消費額は約34億円と推計しているところでございます。また、本県を訪れました外国人観光客1人当たりの観光消費額は約6万円と、これは、国内で県外からいらっしゃる宿泊観光客の2倍以上の消費額となっているものでございます。
〇工藤勝子委員 4割にとどまっているところにも、台湾以外にももっとPRする必要があるのではないか。
また、観光地において、それぞれのお国の表示というのでしょうか、英語なり中国語なり、そういうものがきちんと整備されることも望まれているのではないか。また、言葉がわからない。接客関係で、ある程度御挨拶とかお出迎えのときのおもてなしの心も、できればそちらのお国の言葉で声をかけられる、挨拶ぐらいはできる、そういうことも非常に大事になってくるのではないかと思って、そういうところにも力を入れていただければいいと思っております。
ことし、北陸新幹線が華々しく開通いたしました。非常にそちらのほうにお客さんがとられているという影響もあるのではないかと思っていますけれども、その辺のところはどう捉えているのか。来年3月には北海道新幹線が開業されるということであります。そういう中において、ぜひ北海道に来た方々に岩手に寄ってもらう、そういう対策というものを検討されているのか。もう既にやっているということであればそれでよろしいですけれども、やはり早目早目の誘客のPRというものが必要ではないかと思っておりますが、その点についてお伺いいたします。
〇平井観光課総括課長 北陸新幹線開業の影響についてでございますが、この新幹線が開業いたしましたその後の本年4月から7月までの本県での延べ宿泊者数につきましては、開業前の昨年の同時期と比べて7%増となっておりますが、一方で、北陸新幹線により首都圏と直接結ばれることになりました石川県におきましては昨年に比べて20.5%増と大幅に伸びていることを踏まえますと、本県への観光客の入り込みにこの新幹線の開業は一定の影響を及ぼしている可能性があると認識しているものでございます。
また、来年3月に予定されております北海道新幹線開業を見据えての誘客の取り組みでございますが、現在、我が県を含めまして東北6県等で構成しております東北観光推進機構と、北海道と北海道の関係団体で構成しております北海道観光振興機構と、北海道新幹線を見据えまして、連携して誘客に取り組むという協定を締結してございます。
また、今般、観光庁で、広域観光周遊ルートという全国で数カ所のルートを広域で観光していく、広域で外国人観光客等を誘致していくという事業を行っておりますが、これに東北観光推進機構からの東北の観光周遊ルートの設定が採択を受けておりまして、この周遊ルートでは、函館から南下してくる観光客を見据えたルート設定に取り組むことにしてございまして、本県といたしましては、このように、北海道を訪れた観光客の方が本県の観光地も訪れるような取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員 非常に期待したいところであると思っていますので、東北一体というより、岩手県としてのPRも非常に大事ではないかと思っておりました。
それでは、最後になりますけれども、釜石線のSL銀河の運行について、非常に人気の高い路線でありまして、平成26年度にここを利用された観光客の状況をつかんでいらっしゃるんでしょうか。つかんでいたらお示し願いたいと思っております。
このSL銀河の評価と、それから、来年度以降、運行できる見通し、それから、JR東日本に対する働きかけ等についてお尋ねしたいと思っております。
釜石など被災地に行って、あそこで戻らないで泊まっている人たちも非常に多いわけでありますので、その点についてお伺いいたします。
〇平井観光課総括課長 SL銀河の運行についてでございますが、昨年度、4月から11月まで同SLを78本運行し、約1万2、400名もの御利用をいただいたものでございまして、これは、新たな観光客の増加につながるとともに、乗客の皆様に花巻、遠野、釜石周辺へ回遊していただくことや、また、SLの見物や写真撮影のために沿線を訪れる観光客によります食事、買い物、さらには宿泊の観光消費の拡大にもつながっているものと当方では捉えているところでございます。
また、沿線各地におきましても、例えばSLと乗用馬を並走してお出迎えするとか、郷土芸能で乗客の皆様をお出迎えするとか、地域の方々によるさまざまなおもてなしの取り組みが展開されていることは、地域の魅力向上による観光振興にも寄与しているものと考えてございます。
このように、SL銀河の運行は本県の観光振興にとって極めて重要なものと認識しておりまして、これまでも、県としましても釜石線沿線市町村やJR東日本をメンバーとする釜石線沿線活性化委員会へ参画するとともに、いわてSL銀河マルシェなどの誘客イベントの開催や大型観光キャンペーンにおける情報発信などを展開してきているところであり、今後も、JR東日本や沿線の方々ともよく連携し、お話し合いを重ねながら、積極的な情報発信により誘客の拡大を図るような体制を整えまして、本県の観光コンテンツとしての定番化につなげていきたいと考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 関連。今の説明の中でありましたけれども、東北観光推進機構、北海道新幹線開業の関係もあって、日本の奥の院・東北探訪ルートというのを今、設定しているんですかね。この記事の内容で見たのですけれども、岩手県はどこが入っているか、どこが入っていないかですけれども、下北からずっと、宮古、久慈も入っていませんけれども、ずっと入っていないのですよね。御存じかと思いますが、これから設定すると思うのですけれども、16のコースというけれども、どこまで県のほうでかかわってそういう提案ができるのかどうかお伺いしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 広域観光周遊ルートについてでございますが、岩手県では、八幡平、それから釜石、遠野、平泉が拠点と位置づけられてございますが、この広域周遊ルートは、拠点からどのように回遊していくかということが肝でございまして、これから、県、それから東北観光推進機構、東北運輸局、観光庁、関係する経済団体、観光団体等でワーキンググループをつくりまして、どのような周遊ルートがあるかというのをこれから設定していくものでございます。
本県といたしましては、先ほど申し上げました北海道新幹線開業を見据えた函館からの南下を見据えるとともに、いわゆる東北の有名観光地からいかに県内の観光地に誘引してくるかが大切でございますので、そういうことを視野に入れながらルート設定の作業に取り組みたいと考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 今年度中に主要調査、モニター調査等をしてルートを決めていくということで、今の話でわかったので、今おっしゃられたようにきめ細かく提案していただければと、そのことだけお願いしておきます。
〇飯澤匡委員 それでは、私は、大雪りばぁねっと事案とDIOジャパン事案に関して、これは、一昨年、昨年、記憶に新しく、この事案がまさしく不認定の主要な材料となったということでございますので、議会の立場としてはその経過措置をしっかりと見ておかなければならないと思っておりますので、その趣旨で質問させていただきます。
まず最初に、2度の不認定、今回は執行部も大分入れかわったようでありますけれども、緊急雇用創出事業をめぐって、本日の決算審議にどのような姿勢で臨んでいるのか、この点をまずお聞きします。
〇菊池副部長兼商工企画室長 県議会におかれまして2度にわたりまして決議をいただいたことにつきましては、真摯に対応していかなければならないと考えております。
現在、大雪りばぁねっとに関しましては、裁判や会計検査院での調査が継続中でございます。そういう状況において、今はその中においてできる方策としては、先般2月に外部の方々からの見解といいますか御所見をいただいて報告させていただきました。また、今後におきましても、外部の方々の所見をいただいたことをもってこの2度の決議への対応が終わったと考えているものではありませんので、今後、会計検査院の検査結果等が公表された場合等において、その後の具体的な対応について見きわめ、考えていきたいと思っております。
〇飯澤匡委員 同じ質問を部長に聞きます。どういう思いで本日、平成26年度の事業を─DIOジャパンについては平成26年度の事業として継続している部分はありませんから、その後の後始末と言ったほうがいいでしょうか─どのような形で今日まで進んできたのか、その点を含めて今の御所見をお聞きしたいと思います。
〇菅原商工労働観光部長 副部長から大雪りばぁねっと関係を中心に申し上げましたので、私からDIOジャパンのほうを中心に申し上げたいと思います。
DIOジャパンの事案につきまして、全国で11県19市町に国の緊急雇用創出事業が導入されまして、各地で同様の事態が起きており、そういった意味で全国的な問題でもあると認識してございます。
現在、御承知のように厚生労働省による調査が実施されております。現在、調査中ということでありますが、その調査に際しましては、立地市町と連携いたしまして、補助対象経費の考え方などについて、国に対してしっかりと説明を行ってきているところでございます。この調査は現在継続中でありますので、引き続き国の理解が十分得られますよう説明に意を尽くして、できる限り立地市町の負担とならないよう努めてまいる所存でございます。
〇飯澤匡委員 DIOジャパン事案について続けてお伺いしますが、今、厚生労働省からの調査が入って、県の立場を理解していただくように説明しているという答弁がございました。
冒頭、全国的に展開され、岩手県もそのワン・オブ・ゼムだというようなお話でしたけれども、岩手県は、前にも指摘したとおり、知事が、また副知事があれほどまで熱心に、何度か緊急雇用創出事業の中でDIOジャパン社にまでトップセールスをしてやっていただいたというような経過があって、他の県とは私は違うと思うわけです。
その意味において、佐々木努委員もこの間の総括質疑で質問しておりましたけれども、岩手県は、まず、DIOジャパン社の信用調査もろくにやらないで、結局、市町村にこういう事業をやってくれというような形でなってしまったと。県の責任についてはいまだに曖昧です。この件について、再度どういう見解であるのかお伺いしたいと思います。
〇菅原商工労働観光部長 当時のコールセンターの設置経緯でありますが、平成23年11月、DIOジャパンから県に対しまして、東北地区にコールセンターを立ち上げるために県内の市町村を紹介してほしいという依頼があったわけです。県では各市町村に物件の照会を行いまして、そういった物件情報を取りまとめて同社に提供して、その後、同社の意向によって7市町で事業所が開設されたということであります。
こういった企業誘致におきましては、トップセールスといったものが企業側の意思決定に大きな影響を与えることから、さまざまな企業の方々とトップのほうで面会をさせていただいているところでありまして、当時においてDIOジャパンについても同様の対応をしたと考えてございます。
それから、信用調査でありますが、企業誘致の際には信用調査を行いまして企業の業績などを見きわめながら誘致しておりまして、DIOジャパンにつきましても同様の調査を行いましたほか、他県での実績とか業界での知名度といったものも情報収集して誘致を行ったと承知しております。
〇飯澤匡委員 今までのトーンとずっと同じですよね。今までやっていることと同じなんだと。ところが、これは震災対応の緊急雇用創出事業なんですよね。ここなんですよ。今の答弁を聞いて、恐らく市町村の当時の担当者は、またもって岩手県は同じことを言っているなと。だから私も代表質問で言ったように県の信頼が損なわれているんじゃないかと。ここのところの反省をしっかりやらないと次に続かないということなんですよ、この問題のそもそもの反省をしなければならない点は。いつまでたっても、同じようにやりました、同じように企業誘致をやりました、これで岩手県の責任はそこまでです。ところが、その事業を受け取った自治体は、そういうような思いを持っていない。これが実態なんですよ。そこをちゃんと受けとめて県はこれからやっていかないと、本当の意味での反省というのはあり得ないと思うんです。
今回は、補助金の返還というまさに自治体にとっては余計な出費、余計な事業をやって余計な出費をするという本当に痛い目に遭っているわけですから、この点についても、県の態度というのは、単なる減額というようなことをやっていくだけではなく、県としての真摯な反省のもとに市町村に当たっていかないと、次の展開、次の新たな事業をやっていただく、全県挙げて雇用創出をやっていく、事業展開していくというときに、いや、また岩手県かと。県のやり方だからまたやらなきゃならないかと思うけれども、ほぼ逡巡してやるようになりますよ。そうなると、これまでやってきたいろいろな経済政策だったり雇用政策というのが成り立たなくなっていきませんか。その点についてはどうですか。
〇菊池副部長兼商工企画室長 県といたしまして、今、立地市町に入っている国の調査において、できる限り市町の負担にならないように県としても協議を進めているところでございまして、そういった取り組みを通じて、真摯に県としてできる限りのことを尽くしながら、良好な関係を今後も維持していきたいと考えておりますので、そこは御理解いただきたいと思います。
〇飯澤匡委員 何回もこういう議論をしてきて今に至っているわけで、これは今後、県の対応をしっかり私たちも見きわめながらやっていかなければならない。
しかし、何度も言いますけれども、私は、真摯に反省があって次の展開だと思いますよ。企業だって何らかの失敗を犯すんですよ。失敗を犯します。勇み足で失敗するときもある。だけど、その失敗をどういうふうに捉えるかということが大事だと思うんです。恐らく、こういう形で曖昧にしていったら、また同じような事案が出ると思いますよ。これはしっかり指摘しておきます。
大雪りばぁねっとの事案に関してですが、これは2度の県議会の決議をもって、しっかりとした第三者委員会で、県の責任の範囲、この事案の検証についても行政のかかわり方について反省をすべきだと。ただいま説明のあった外部からの指摘というのは、これは私たちが求めたやり方ではありません。あなた方がみずから内部検証をして、その検証結果に対する外部評価ですから。私たちは、そもそも外部評価をしっかり第一段階からやるべきだという話でやっているわけです。これもさっきの事案と同じです。しっかりと反省の上に立って次の展開をするべき。
この点について、最初に、会検のこれまでの動き、検査報告は昨年やりましたけれども、どういうような状況であるのかも含めて御答弁をいただきたいと思います。
〇菊池副部長兼商工企画室長 会検の調査状況も含めてということでお答えいたします。
会検の調査状況といたしましては、大雪りばぁねっとに関して、会計検査院のほうで、昨年11月の検査報告において会計検査を実施していることを明らかにしております。会計検査に関しましては委員も御案内のとおりでございまして、受検の有無を初め、その内容については、検査報告を国として正式に公表するまでは、会計検査院そのものも含め、県、市町村は一切お答えできない、公表もできないという取り扱いになっているところでございます。
このため、今、内容についての答弁は差し控えさせていただきますが、県としては決議の重みを十分に受けとめておりまして、会計検査の結果等を踏まえて、その内容を吟味し、具体的な内容を見きわめた上で、今後、どのような対応をとっていくべきか検討していきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
〇飯澤匡委員 では、確認ですけれども、会検の詳細が明らかになった場合は県としても何らかのアクションは起こしていくということでよろしいですか。
〇菅原商工労働観光部長 どのような対応が必要かどうかも含め、会計検査の結果を吟味して見ていきたいと思います。
〇飯澤匡委員 そういう玉虫色の話じゃなくて、出たら何かやりますというぐらい言わないとだめだと思いますよ。もう一回お願いします。
〇菅原商工労働観光部長 いずれ検査結果を踏まえた上でということでございますので、私ども、検査結果を見てから、それをよく見きわめて判断するという立場でございます。
〇飯澤匡委員 議会側として本会議で2度も決議を上げたんですから、それは中間報告をしっかりやってください、どういうような判断でどういうふうな対応をするか。そのことについては、指摘といいますか要望しておきます。
最後にしますけれども、県の総務部が、この二つの緊急雇用創出事業の事案が発生したのに鑑みて、補助金適正化法に基づいた県の責任を限定させた形でいろいろな対応措置をしたと。これもやったといえば、やって徹底させたということには意味があるんでしょうけれども、これは注意喚起程度のものだと私は思っております。
商工労働観光部として、この総務部の動きに対してどのような対応をしたのか、そしてどのような変化があったのか、両事案とも共通している事項ですから、その点についてお知らせください。
〇岩渕商工企画室管理課長 補助委託事業の適正執行に向けた当部の取り組みでございますが、緊急雇用創出事業につきましては、年度当初に県と市町村の担当職員による会議を開催いたしまして、制度の詳細や中間検査を含めた事業開始後の進捗のあり方について両者が共有するほか、事業費が大きい場合など特別なケースについては、通常の処理以上に注意を払って事業計画の審査及び完了確認等を行うことなどの徹底を図っております。
また、補助委託事業の事務処理に関する年4回の部内研修を実施いたしまして、職員個々の事務処理のスキル向上に努めるとともに、専任で配属されております会計事務の経験が豊富な再任用職員を中心に日々の書類の審査も慎重に行っています。
さらに、今年度からは、総務部とも連携いたしまして、内部考査によるチェック等も行っております。
こうした取り組みを通じまして、部内各職員の補助委託事業の適正執行に関する意識は非常に高まっていると感じているところであり、また、実際に中間検査等により事業の実施方法について、その改善を求めるといったことが行われている状況でございます。
〇飯澤匡委員 もう一回確認しますけれども、本当は会計検査の結果が出ようが出まいが、我々の意思にきちんと沿っていただきたいというのが我々の決議の重さだと思うわけですけれども、慎重を期すためということであれば、百歩譲ってもその点は認めざるを得ない状況にありますので、部長、議会に対して、その報告が出た、どのような部の見解だというのは、しっかり報告していただけますね。
〇菅原商工労働観光部長 会計検査の結果が出ましたならば、その内容をつまびらかに委員の皆様にお知らせいたしますとともに、県としての対応も検討いたしまして、それも御説明させていただきたいと思います。
〇佐々木努委員 関連。総括でもこのDIO問題はやりましたので、本当に一つだけ、確認のための質問をさせていただきますが、今、飯澤委員がさまざま質問されている中で、県の責任問題については今まで一切触れてこなかったということでありますが、私は、県にも何かしらの責任はあると思います。ただ、県は、これまでのやりとりから、補助対象経費になるのか補助対象事業になるのかということは、国の指示に従って、そして、市町村に基準を示したということをお話しになっていると思っていますが、そういう認識でよろしいですか。県のほうは、そういう認識であるから県には責任はないという認識でよろしいでしょうか。
〇菅原商工労働観光部長 DIOジャパン関連コールセンターの事業の進め方ということでありますが、事業開始後の中間検査等におきましても、関係の市町、それから広域振興局等の疑問点等の事例も取りまとめるとか、そういった情報共有をしまして、経費等の取り扱いについて完了確認前に共通的な運用ができるように対応してきたと思っておりますし、また、当該事業につきましては、立地市町が事業の実施主体でありますが、県とも相談しながら事業の適正な執行に努めてきていただいたと思っております。
〇佐々木努委員 ですから、それは国が示した基準だという認識でよろしいですね。
〇菅原商工労働観光部長 基本的に、国のほうでお示しになっている要綱と、それからまた、その上位にあります法令等に従って、県も市町もきちんとやっていこうという姿勢で事業執行してきたものと考えております。
〇佐々木努委員 そうであるならば、しっかりと、今、このDIO問題で会計検査院が入っていますね。DIOは入っていませんか。(「DIOは入っていないよ」と呼ぶ者あり)失礼しました。
そうであれば、厚生労働省のほうにしっかりとそのことは県として訴えていかなければならないと私は思います。これから国のほうからどういう結果が来るかわかりませんけれども、その辺についてはしっかりと取り組んでほしいと。多分12月ごろには決着がつくのではないかと思いますが、その辺のところは、県としてしっかりと対応をお願いしたいと思います。
〇五日市王委員 では、委員長に協力いたしまして、ぱっぱと進めてまいりたいと思います。
企業誘致についてお伺いいたします。
平成26年度の企業誘致の実績、トータルと、あと圏域ごとにお示しいただきたいと思います。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 平成26年度の企業誘致の実績についてでございますが、新規立地決定につきましては17社でございます。圏域的には、県央が、盛岡地域でございますけれども5社、そして、県南地域でございますが、こちらが9社、そして県北地域は1社、そして沿岸地域が2社という中身でございます。
そして、工場の増設もございまして、増設につきましては10社が決定したところでございます。その10社の地域別内訳でございますが、県北地域が2社、それ以外が県南地域となっております。
〇五日市王委員 増設のほうはちょっと置いておきまして、新規のほうが平成26年度は17社ということでございますが、ここ、平成22年度ぐらいから見ますと、平成22年度が23社、平成23年度が24社、平成24年度が、これは震災の後ということもあるのかもしれませんが37社で、平成25年度が21社で、平成26年度が17社ということで、まず、これまで20社台あるいは30社台で推移していたものが、昨年度は20社を切って17社ということなわけですが、この辺の理由をどのように捉えているのか。先ほど圏域別でお話をいただきましたが、いずれ県北地域が昨年度1社ですね。これもDIOの関係だと思いますが、洋野町に1社ということで、いずれ二戸市、軽米町、一戸町、九戸村で見ますと、平成25年度ゼロで、平成26年度もゼロという極めて厳しいといいますか不振なわけですが、その辺の原因と課題についてお伺いいたします。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 まず、全体での傾向というところでございますけれども、県内への製造業の企業誘致の実績は、委員御指摘のとおり、震災後は、震災復興という形もありまして、平成24年度37件と大きく伸びたところでございますが、近年については、その震災の復興支援というものが落ちつきを見せてきたと。また、震災以前からの問題でございますが、国内での立地件数が傾向的に減少してきているといったところが、一つ大きな要因でございます。
その原因という部分につきましては、やはり企業におきましては、国際競争力の強化といったことから、既存工場をどんどん拡張して、できるだけ小さな投資で拠点化を図っていこうという動きが出てきているのではないかと思っております。
県北地域につきましても、委員御指摘のとおり、従来、大変厳しいということは我々も認識しておりますけれども、こういった背景も相まって、さらに厳しい状況が続いていると考えております。
〇五日市王委員 さまざまな背景、あとは企業もいろいろな戦略があるとは思うのですが、いずれ、まず、特にもこの県北地域、久慈市も含めてですが、やはりゼロが2年も続いているという状況でありますので、ここは何とか、これまでも、いわゆる誘導策というものをほかの地域に比べてとっていただいてはおるのですが、いま一度、もっと強力な誘導策も必要になってくるのではないかと思います。
増設の関係といいますか、そんな中ではあるのですが、先般、二戸市の十文字チキンカンパニーが、今度、国の津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金というものを使いまして、久慈市に大規模な増設をするという明るいニュースもございました。
久慈地域に関しましては福山通運も立地が決まったということで、この背景には、当然、今言った震災絡みの補助金、補助制度が有利に働くということもあると思うんですが、もう一つは、やはり三陸沿岸道路の開通に向けて、いわゆる物流コスト、輸送コストが、これはただなんですか、そういったこともあるように聞いています。また、あと時間的な関係も、久慈市から八戸市が、これまで1時間かかっていたのが40分、仙台市までは6時間20分かかっていたのが3時間45分にそれぞれ短縮されるというようなお話でもあります。
いずれ、こういったことは県北地域にとっても大変呼び水になるような新たなアピール、セールスポイントになるんだと思うんですね。ですから、そういったところも見据えながら、県北地域への誘導策の強化というものをもう少し強めていただきたいと思うんですが、この見解をお伺いいたします。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 県北地域への企業の誘導策ということで、これまで県といたしますと、委員御指摘のブロイラー産業の育成、そして造船業、電子デバイス、こういったところに力を入れて、できるだけ既立地企業の増設、拡大を狙ってきたところでございます。
その結果、津波補助金の影響もございますけれども、十文字チキンカンパニーが、国内では最大級となる加工工場の増設を決定いたしたところでございます。その結果、十文字チキンカンパニーでは、加工肉をつくりますけれども、今後、それを生鮮で出すだけではなく、地域に加工産業を育成できるのではないかと考えております。
また、久慈市に立地しました北日本造船につきましても、八戸工場と久慈工場の二つを併設することで、近隣の洋野町、こういったところからも従業員を雇用しておりますし、ますます拠点化が強まっています。
もう少しこういった企業の重点支援をしながら、ぜひ県北の核になっていただければと思っております。
そして、先ほど物流の関係で、これは福山通運のお話ですが、やはり三陸縦貫道ができることで、かなり物流が変わってくるというお話をいただいております。その大きな要因は、時間ということもございますけれども、冬場の輸送ということで、東北自動車道はどうしても雪がある。それがどんどん沿岸のほうにシフトしてくるということで、また、物流の拠点に久慈市はなり得るというお話もいただいておりますので、今後は、誘導策につきましても、こういったところを視点に取り組んでいきたいと考えております。
〇五日市王委員 最後にしますけれども、いずれ企業誘致も大事な政策ですし、あと、そういう地場産業をいかに伸ばして、そして拡大して、そこでまた雇用の場を確保していくかということも、これはもう両方やっていかなければいけないことだと思っております。
私は代表質問でも取り上げましたが、もう一つの観点として東京一極集中是正ということで、これから大きくかじを切ってくるのだと思うんですが、その一つの中に、やはり都会の本社機能等の移転というものも、これからは岩手県に来ていただくことも大切な視点になってくると思いますので、そういったことへも力を入れてやっていただきたいということをお願いいたしまして、何かあれば、御所見をお伺いいたします。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 本社機能等の地方移転につきましては、東京一極集中を是正して、地方に拠点を持ってくるということは、非常に大事なことと考えております。
一方、本社を移転できない理由として、企業のほうには当然、その取引先とか情報とかというような要因もあろうかと思いますので、我々といたしますと、その企業のニーズを細かく聞きながら、そして、それに対応したような、こういったことができればいいのではないかというようなことを考えながら、ぜひ、本社機能の一部でも岩手県に持ってきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 私からも何点か質問させていただきたいと思いますが、最初に三つまとめてお聞きしたいと思います。
初めに、正規雇用の拡大と人手不足対策について伺いたいと思います。
主要施策の成果に関する説明書の12ページ、新規立地、増設件数目標が177件に対して223件でありましたけれども、これがどれだけ正規雇用の拡大につながっているのかお示しいただきたい。
また、同じく説明書の34ページの産業振興施策による雇用創出数1、223人となっておりますが、このうち正規雇用はどのぐらいであったのかお示しいただきたいと思います。
また、今ほど五日市王委員からも御指摘がありましたけれども、本社機能の移転について、地方拠点強化税制によって、企業の本社機能の地方への移転を促そうとしておりますが、今、説明をいただいたとおり、企業のほうはなかなか後ろ向きな姿勢であるというような報道もありました。
そういった中で、石川県などでは、本税制に上乗せ措置をして取り組もうとしているという情報もございますけれども、本県はどのような対応をしていくのか伺いたいと思います。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 私から、最初の新規立地、増設件数の正規雇用の部分についてお答えさせていただきます。
この雇用実績につきまして、統計上把握しているものということで御了承いただきたいのでございますけれども、平成22年度から平成26年度までの企業誘致に係る雇用実績は、合計1、932人となっております。
なお、この企業誘致に係る従業員につきましては常用雇用者という定義で捉えておりまして、いわゆる正規社員に限定されているものではなく、あくまでも継続雇用がされる常用雇用者というようなことで捉えているところでございます。
それともう一つ、本社機能の移転についてでございます。
報道等でも、小松製作所の本社の一部が創業地である石川県に移転をしていくということが報道されているところでございますけれども、その中での税制の上乗せ措置といったところにつきましては、先ほど五日市委員にも御答弁させていただきましたとおり、まずは企業のニーズで、こういったものであれば移転ができるのではないかという、そこを把握するのが一番大事だと思っております。
これまで、誘導できる重要性については我々も十分認識しておりますので、まずは実効性のある施策を組めればいいかと思っておりますので、その動向を調査するところの研究から始めていきたいと考えているところでございます。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 産業振興施策によります雇用創出数でございますが、平成26年度は、新事業創出あるいは経営支援、企業誘致、農林水産業振興の産業施策によりまして1、223人の雇用創出が図られております。
このうち、正規雇用として把握しているのは634人となっております。
〇佐々木朋和委員 企業誘致、また産業振興と大切なところだと思います。県では、総合戦略において、やはり雇用の質を確保していく、高めていくということをこれから掲げていくということでありますから、私が指摘させていただいた点について、これからは、やはり注意をしながら、または、見えるような形で提示をしながら進めていただきたいと思っております。
そんな中で、やはり今、資料でいただいておりますけれども、常用求人の有効求人倍率についても、全県で1.13倍と言われながら、例えば建築等技術者では4.61倍、一方で、一般事務については0.22倍ということで、これから本県において、どうやって限りある人材をうまく就業に促していくのか、ミスマッチの解消をどのように行っていくかということが重要であると思っております。
本県のこの雇用のミスマッチ対策はどのようになっているのか、また、本県の失業者、これは求職者ということになると思いますけれども、これの状況と、あわせて非求職無業者の状況をどのように把握しているのか伺いたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず、現状から御説明したいと思います。
15歳以上の就業状況を調査しました総務省によります労働力調査によりますと、これは推計でございますが、平成26年で、いわゆる完全失業者数が県内1万9、000人となっております。5年前の平成21年と比較しますと、完全失業者数は半減している状況にございます。
また一方、非求職無業者につきましては、5年ごとに行われる調査であります就業構造基本調査によりますと、これはちょっと年度は違いますが、平成24年で5万6、900人となっておりまして、平成19年の5万4、300人と比較しますと2、600人の増となっているところでございます。
ミスマッチ対策についての取り組みでございますが、ジョブカフェいわてで求職者に対するキャリアカウンセリングあるいは企業説明会、見学会を開催いたしまして、そういったマッチング機会の提供によりまして、求職活動をされる方が、幅広い業種あるいは職種に目を向けるような支援をしているところでございます。
また、企業に対しましても、人材確保や定着のための各種セミナーでありますとか出張コンサルタントを実施しまして、企業の採用力あるいは人材育成力の強化を支援しているところでございます。
人手不足が課題となっている中で、若年者だけではなく、女性あるいは高齢者の方も含めた全ての方が安心して就労できるような職場環境づくりを促進することが重要であると考えておりまして、長時間労働の抑制あるいは休暇取得の促進など、働き方改革への取り組みも関係団体に要請しているところでございます。
〇佐々木朋和委員 午前中の質疑の中でニートのお話がありました。本県で6、100人、また、全国では60万人のニートがいると言われているということでありましたけれども、また一方で、ニートは34歳以下でありますが、35歳から44歳まで、ちょうど私の年代でありますが、就職氷河期に新卒者だったということで、この年代が今、全国的にふえているということで、35歳から44歳の壮年非正規労働者が全国で70万人、また、壮年非求職無業者が40万人いるという報道もございました。きっと本県においても多くいるであろうと思いますし、また、本県において正規雇用の働き場を設けて、そういった人材に全国から来ていただくことも、人材不足解消に向けては一つの大きな手であるのではないかと思っております。
ミスマッチについてお話をしていただきましたけれども、やはりジョブカフェにしても、来てくださいというような動きが多いと思います。私は一般質問でも申し上げましたけれども、やはり岩手県の郡部に行きますと、集落の働き盛りの私たちと同じ年代のような皆さんが、なかなか仕事がなくて、また結婚もしなくて、親と同居して家にいるのが大変目につきます。そういった中で、私は、もっと地域のお祭りなり、そういったところにも出て、地元の就職先であるとか企業をアピールするようなブースを出したり、そういった地域、集落を利用したというか密着した形でミスマッチ対策に臨むべきではないかと思うんですけれども、御所見をいただければと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 県内におきましても、有効求人倍率が高い状況が続いております。そういった意味で、そういった現在ニートと言われる方々が就職するということは、委員御指摘のとおり、本県にとっても非常にいいことでありますし、その方にとっても、将来を考えれば、あるべき姿だと思っております。
その点につきましては、イベントの活用とか非常に示唆に富んだ御提案でございましたが、我々としては、ハローワーク等がニート対策についても積極的に取り組むという国としての方針を出しておりますので、そういった中で、県としても連携しながら対応していきたいと思っております。
〇佐々木朋和委員 ニート世代、またニートよりもちょっと上の世代もぜひともやっていただきたい。そういった年代が、あと5年すると、本当に結婚であれ、また、再就職ということが難しい年代になってまいりますから、やはり時間との勝負という意味でも、今こそ取り組んでいただきたいと思っております。よろしくお願いしたいと思います。
次に、中小企業振興策についてですけれども、中小企業においての人材の確保というところで、私は、大企業以上に人手不足が顕著でありまして、求人を出してもなかなか人材が集まらないという話をお聞きします。この背景には、やはり就職は大企業、都会という固定観念があって、これは地域創生という面からも打開していかなければならないと思っております。そういった意味でも、新卒者やその親にイメージが根強くありますから、中小企業の雇用環境の整備指導とともに、中小企業のイメージアップ戦略をとっていかなければならないと思っております。
聞くところによると、やはり県内の中小企業のこういった就職先がありますよというトータル的な情報発信が不足しているのではないか。ハローワークでもやっている、商工団体でもやっているところがあると思うのですが、県としても、しっかりとした統一的な企業の紹介、ウエブであったり冊子をつくったりということで取り組むべきと思うのですけれども、御所見を伺いたいと思います。
〇工藤労働課長 中小企業の雇用環境の整備、イメージアップについてでございますが、企業の人材確保を図る上で、正規雇用の拡大等による雇用の質の向上、雇用、労働環境の整備が重要であると認識しております。そして、現在策定中のふるさと振興総合戦略におきましても、やりがいと生活を支える所得が得られる仕事の創出を実現するため、一層強化すべき取り組みの一つとして位置づけております。
このため、県では岩手労働局等と連携して、安定的な雇用の確保や働き方改革の推進などについて、関係団体への働きかけを行っておりますほか、セミナー等の開催によりまして、ワーク・ライフ・バランスの重要性について周知を図ってきているところでございます。
また、ハローワークや市町村等と連携した企業見学会や面接会の開催などによります企業と求職者とのマッチングの促進、それから、県内中小企業が大手就職情報サイト、ウエブサイトを活用するための経費への補助、ジョブカフェいわてへのU・Iターン就職相談窓口の設置、企業向けセミナーの開催によります職場定着支援、DVDを活用したイメージアップの取り組み等によりまして、県内中小企業の人材確保に向けた支援を行っております。
今後も、こうした取り組みを通じまして、本県中小企業の雇用環境の整備等を促進していくことが重要であると認識しております。
〇佐々木朋和委員 お答えいただいたんですが、何かちょっと角度が違ったかなと思っております。私は、新卒者であれ、親であれ、県内の中小企業がこういった職種で雇用を求めているよとか、こういった企業があるよということ自体がなかなか知られていないのではないか。また、そういった中で、中小企業ということで、イメージがどうしても都会、大企業というのに負けてしまっているのではないか。そういうところを県として応援していかなければならないのではないか、そういった意味で質問をしたんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 企業の情報発信の強化でございますが、例えばU・Iターンというようなキーワードで、今、一番ヒットしますのがふるさといわて定住財団のサイトでございます。ふるさといわて定住財団でも、いろいろな県内企業の情報発信等に取り組んでおりまして、今年度、その改善等を図るというようなことに今取り組んでおります。
そういった中で、県内企業がよく知られるような形でやっていきたいと思っていますし、あとは、中小企業団体中央会でも積極的に情報発信等をやっております。
そういったもろもろの取り組みが行われていますので、そのポータル的なサイトを、実はジョブカフェいわてでも整備しておるところです。まだ周知が不十分かもしれませんが、ジョブカフェいわてでもポータルサイトをつくることによって、いろいろなサイトにアクセスできるような改善に今取り組んでいるところでございます。
〇佐々木朋和委員 了解しました。ぜひとも進めていただきたいと思います。
次に、主要施策に関する説明書の28ページ、商工、また商工会議所中央会指導員による巡回指導、実企業、組合数が1万3、749ということでA評価でありますが、これは、全企業、組合数から見た割合は30%ということでありました。これで十分なのかという疑問がございます。
今、中小企業振興条例ができて、それを施策に落とし込んで計画を立てているところであると思いますけれども、これをしっかりと各企業に根づかせていくということには、やっぱり関係団体の指導員の皆さんたちの力が重要であると思っておりますし、県としても、本県にどういった企業があって、どういった強みがあってということを把握していくには、やはり、この団体の皆さんたちの力をかりて把握していくことになるんだろうと思っております。
そういった中で、各団体の指導員の数、またスキルについて充足度はどのようになっているのか、また、県としても団体へのそういった形での支援も必要だと思うんですけれども、御所見を伺いたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 お話がありました商工団体指導員の巡回相談等の状況ですけれども、巡回相談につきましては、主に企業の要請によって、指導員が直接出向いて、それぞれ事業者の課題に応じた指導などを行っております。各商工団体は、これ以外にも、会報を出したりとか、定期的な訪問といったことにも取り組んでいるのですけれども、この30%前後というのは、そういう形で出向いての相談ということになります。
商工団体では、こうした巡回相談のほか、窓口相談ですとか、出向いた先での課題に応じて、専門家派遣の経営アドバイスなど、ニーズに合わせた対応を行っているところです。
それから、県の支援の状況ですけれども、県では、人件費を含む運営費として、平成26年度は、商工会、商工会議所に対しまして、商工業小規模事業経営支援事業費ということで13億7、613万円余、それから、中小企業団体中央会に対しましては、中小企業連携組織対策事業費1億937万円余を補助しておりまして、商工団体の指導員は、これらの補助金の配置基準によりまして145人の配置となっております。
〇佐々木朋和委員 了解いたしました。また、これから計画を立てていくということでありますので、しっかりと連携しながら、商工業者または団体と協力をして進めていっていただきたいと思っております。
次に、カイゼンについて伺いたいと思います。
トヨタ方式のカイゼンを今、本県においては、労働生産性の向上に向けて導入を推進しておりますけれども、現在の取り組みと、また、これは今、自動車関連産業だけではなくて、水産業でありますとかサービス業への指導も行っているとお聞きしておりますが、効果のほどをお示しいただければと思います。
〇押切産業経済交流課総括課長 カイゼンの取り組みについてでございますが、平成22年度からトヨタの元役員をアドバイザーに任命し、まずは自動車産業を手始めに、ものづくり産業分野でのカイゼン活動の推進を図ってきておりまして、平成26年度までに延べ45件の指導を行ってきたところであります。
さらに、震災後の平成23年度からは、水産加工業におきましてもカイゼンの指導に取り組んでおりまして、平成26年度までの4年間で延べ46件の指導を行っているところでございます。
その結果でございますが、例えば、製造工程のレイアウトを変更して無駄な動きを減らしたことによって、生産性が約20%向上したでありますとか、社内における作業計画の目標と達成状況の見える化等の実施によりまして、生産性が、こちらも約30%向上したとかという効果があらわれているところでございます。
いずれ、このようなことから、カイゼンの取り組みは、委員御指摘がありましたとおり、ものづくり分野のみならず、さまざまな業種において有効であると関心も高まってきていると考えてございますので、モデル的な事業者の創出等も行いながら、事業者が主体となった取り組みが広がっていくことを期待しているものでございます。
〇郷右近浩委員長 佐々木朋和委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
〇佐々木朋和委員 では、最後にさせていただきたいと思います。
そういった意味で、カイゼンの導入が、業種を問わずに、今、労働生産性の向上に向けて、ソフト面では大変な効果を発揮していると感じたところであります。
一方で、やはり設備投資によって労働生産性の改善をすることも大事だと思っておりまして、平成25年度から、ものづくり・商業・サービス革新事業というものを行っていると認識しております。これは大変人気が高くて、全国でも採択率が4割で、岩手県においても採択率が4割ということで、これは大変ニーズの高い事業であると思っております。
カイゼンの導入とともに、やはりこれから労働生産性を中小企業も上げていって、大企業に負けないような労働環境の整備をしていくということについては、しっかりと県単でも設備投資についての独自の補助制度を創設されるなど、これから検討していくべきではないかと思いますけれども、御所見を伺って、終わりたいと思います。
〇高橋ものづくり自動車産業振興課総括課長 国が行っております、ものづくり・商業・サービス革新補助金でございますけれども、今年度についても、平成26年度の補正予算によりまして、第1次公募、第2次公募が実施されてきているところでございますが、委員御指摘のとおり、採択率が約4割ということでございます。
県といたしましては、この制度自体について国のほうにも継続的な形とするよう働きかけたいと考えておりますし、また、県単での制度創設ということのお話もございましたけれども、厳しい財政状況の中でございますが、中小のものづくり企業に対しましては、自動車関係でのそういう設備投資とか人材育成関係の補助を実施させていただいておりましたので、そういうものの活用も図りながら、しっかり生産性の向上等に努めていきたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 企業誘致ということになるのでしょうか、岩手東芝エレクトロニクスについてお伺いいたします。
本県のものづくり産業の柱は自動車産業と半導体産業であります。半導体産業の集積促進の鍵となるのが、岩手東芝エレクトロニクスの北上新工場の建設誘致であります。一方で、親会社の不正会計の問題も発生しているのでありますけれども、その影響を特に心配するところでもございます。
こうした中で、新工場の建設に向けては、北上市が果たす役割が非常に大きいと考えますけれども、これまで県と北上市はどのように連携してきたのか。これまで以上に県と市が連携して働きかけていくことが必要と考えますが、対応等、現状についてお伺いいたします。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 北上市との連携についてでございますが、サブプライムローン問題に端を発した半導体需要の減少等の影響を受けまして、北上市への新工場の建設着工が延期されたところでございますが、県といたしましては、平成20年2月に東芝が公表した北上市への新工場建設の決定に変更はないものと考えているところでございます。
このため、これまで、市と県それぞれが積極的に情報収集を行うほか、市単独では難しい場面におきましては、県も連携、協力しながら新工場の建設に向けた働きかけを行ってきたところでございます。
今後におきましても、これまでの情報交換や連携をより強固なものといたしまして、引き続き新工場の建設の実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 変更がないということで安心するわけでありますけれども、岩手東芝エレクトロニクスでは、東芝の四日市工場に相当数の従業員が出向しております。かなりの期間がたったわけでありますけれども、当初は3年ぐらいで半導体工場が建設され、引き続き岩手県に戻って仕事をすることができるものと考えておられたと思うわけでありますが、いまだ実現されてはおりません。
出向者の中には単身赴任している者もおります。家族も帰りを待ち望んでいると思いますけれども、出向の解消に向けた見通しはどうなんでしょうか、お伺いいたします。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 四日市工場へ出向している従業員の出向解消に向けた見通しでございますが、現在、四日市工場に出向している従業員につきましては、平成20年2月に東芝が公表いたしました北上市への新工場建設準備のための出向と認識しておりまして、これが長期化することは憂慮すべきことと考えております。
このため、これまでも岩手東芝エレクトロニクスや地元北上市と連携を図りながら取り組んできたところでございますが、今後におきましても、新工場の早期着工に向けて強力に働きかけてまいりたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 よろしくお願いしたいと思います。
今回、県で策定しておりますふるさと振興総合戦略案でありますけれども、岩手に住みたい、働きたい、そして帰りたいという、この帰りたいという人々の願いに応えられるように努力をしていただきたいと思うわけであります。部長の決意を聞いて、終わりたいと思います。
〇菅原商工労働観光部長 東芝の新工場の建設は、出向の解消のみならず、地域経済の活性化あるいは本県での半導体関連産業の成長に大きく寄与するものでございます。引き続き、北上市等とも連携を図りながら、強力に働きかけを強めてまいりたいと思います。
〇郷右近浩委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後5時0分 休 憩
午後5時17分 再開
〇郷右近浩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、延べ11人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
質疑を続行します。
〇工藤勝博委員 シンプルにお聞きいたします。
先ほど五日市王委員からも質疑がありました企業立地促進奨励事業費補助金ですけれども、3、290万円の内訳です。先ほど企業数等は発表になりましたけれども、業種と地域別についてお聞きしたいと思います。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 企業立地促進奨励事業費補助の平成26年度実績についてでございますが、補助実績は1件でございます。地域は県南広域振興局管内でございまして、業種は機械製造業となっております。
〇工藤勝博委員 1社ということでありますけれども、業種によっては補助事業等が変わるということはあるんでしょうか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 この補助金の性格といたしまして、認定してから補助決定までにしばらく時間がかかるというものでございまして、今回の支出そのものは平成26年度でございましたけれども、認定は平成23年度だったということでございます。
業種によりましては、製造業はございますけれども、その他ソフトウエア業とか、対象業種については、いろいろニーズを聞き取りながら、勘案しながら検討しているところでございます。
〇工藤勝博委員 この補助対象の事業者等を見ると製造業が中心ということで、非製造業は対象になっていないという事業採択のようですけれども、近年、製造業よりは非製造業の立地がかなり多く進んでいると思っています。特にも物流関係、あるいはまた倉庫があるわけですけれども、それらに対して、どのような形で企業誘致あるいは支援をなされているのかお伺いいたします。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 まず、この補助金の性格的なものでございますけれども、創設そのものは平成8年度でございまして、県北・沿岸と内陸との格差を是正するということで、当初は県北・沿岸だけでございました。その後、いろいろな社会情勢に鑑みましてそれが全県に広がって、今は、要件緩和ということで、内陸と県北・沿岸とは補助率がちょっと違ってくるといった形でございます。
今、委員御指摘の非製造業で、確かに物流は、先ほども御答弁させていただいたとおり、ニーズがかなりふえてきています。ただ一方で、今、補助金がなければ来ないということでもないところも実はございまして、どうしても企業誘致の場合、インフラが大きなところになっているのかなと思っております。今後、製造業が望めない中で、製造業と関連した物流であるとか、こういったようなところについてはやはり考えていく必要があると思っております。
〇工藤勝博委員 特にも岩手県は、北東北の拠点として、物流関係がこれからどんどん可能性が広がると思います。先ほど、道路整備も含めて新たな沿岸の大動脈ができることが期待されるという話があったわけですけれども、やはり時代に合った補助制度にしないと、平成26年度1件ということですけれども、余りにも少ないという感じもします。全体的な企業誘致の金額は20億円ちょっとありますけれども、貸付金はともかく、やっぱりそういう呼び水というのはこれから必要だろうと思います。
そういう中で、市町村でも県の対象外の部分で補助しているところもあると思いますけれども、その辺の連携というのはどういう形でなされているのかお伺いいたします。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 大きく企業誘致の目的という部分につきましては、雇用の増加、そしてあとは、市町村、県もそうですが、税源涵養といった見方もございます。その中で、これまでの統計でいきますと、市町村のほうがどうしても税の構成上、その効果が高いところもございまして、県といたしますと1階建ての部分で基礎的な補助制度をつくって、あと2階建ての部分は市町村で頑張っていただくというようなこともお願いしてきているところでございます。
また、そういったところもかなわないようなところも実際ございますので、市町村のニーズを聞き取りながら、時代に合った補助制度を研究していければと考えております。
〇工藤勝博委員 県の企業立地の進め方は、市町村に窓口があって、それに対して県で支援するという形になるんでしょうか。それとも、県のほうが窓口になって、こういう企業がこういう市町村に行きたい、立地したいということなんでしょうか。その辺はどのような形で進んでいるんでしょうか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 情報につきましては、窓口は市町村、県それぞれ別でございますけれども、やはりどこかで一緒になって連携していくのが基本でございます。ただ一方、この補助制度そのものにつきましては、企業に補助するのは市町村からということで、県はあくまでも市町村に補助するものでございますので、制度の性格上は、あくまでも市町村への支援というような県の立ち位置と考えております。
〇工藤勝博委員 最後にしますけれども、いずれ支援する業種も今後拡大しながらより多くの企業立地を望んでほしいと思いますけれども、その辺の制度の拡大といいますか業種の拡大、その辺を含めて、部長に今後どういう取り組みをなされるのかお聞きして終わります。
〇菅原商工労働観光部長 今まで、地域経済の波及効果が大きいという面から製造業の誘致を重点的に後押ししてきたという形でございますが、近年の立地の状況とか今後の業界の動向、そういったあたりを十分リサーチいたしまして、効果的な補助金となるように研究させていただきたいと思います。
〇阿部盛重委員 私のほうから雇用問題についてお伺いいたします。
これから、増加する非正規雇用労働者の問題から、若者、高齢者等の雇用が非常に重要な課題になると思っております。それにつきまして、雇用労働環境の整備の主要施策の成果と実施状況と今後の課題についてお伺いいたします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 雇用問題についてでございますが、雇用、労働環境の整備については、震災関連復興需要や、あるいは企業の生産活動の改善等により求人数が増加しまして、ことし8月で有効求人倍率は28カ月連続で1倍台となるなど、着実に改善しているところでございます。
県では、具体的な施策としまして、産業振興施策による雇用創出数は、目標値1、000人のところ実績値として1、223人、ジョブカフェ等のサービス提供を受けて就職した人数は、目標値2、000人のところ実績値2、204人など、実績値が目標を上回っているものもある一方、障がい者委託訓練受講者数など、目標に対して実績値が下回っているものもあります。
課題としましては、職種によっては求職者の希望する求人が少ないことなど、職種ごとの求人、求職のミスマッチ、事業再開した企業の労働力確保が難しいなどの状況が生じております。
今後におきましては、産業振興施策の展開による雇用機会の拡大でありますとか職業訓練等の就業支援に取り組むとともに、仕事と生活の調和に向けた働き方の見直し、カイゼンの導入など、生産性の向上を促進し企業収益を上げていくことで、正規雇用の拡大、処遇の改善等を図っていく考えでございます。
また、経済団体や教育関係者等との連携によりまして、若者等の県内就職を促進するための全県的な推進体制を整備することとしておりまして、これらの取り組みを通じて一層の県内就職の拡大を図っていきたいと思っております。
〇阿部盛重委員 先ほど佐々木朋和委員からも御質問がありましたけれども、ミスマッチの件ですが、基本的に求職者が求める職種がないというのが大きな問題と思うのです。そこは、多分、求職者もある程度の情報の範囲内のもので求めているのかなというところで、そこの解決をしない限りは一段とこれは深まっていくと思うのですが、そのあたりはいかがなものでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 ミスマッチの問題でございますが、やはりこれは、求職者の方が幅広い業種や職種に対して先入観を持たず関心を向けていくことが一つの方策ではないかと思っておりまして、ジョブカフェいわてではそういった求職者に対しますキャリアカウンセリングを行っておりますし、あとは、企業説明会とか見学会等もやりましてマッチングの機会の提供をやっているところでございます。
企業におきましても、処遇の改善ですとか求人条件の緩和等で、企業の求職者に対する一層の働きかけを強めるという支援を行っていきたいと思っています。
〇阿部盛重委員 ジョブカフェに関しましても就職決定から3カ月までのフォローもしっかりされているということですし、また、適性診断と情報収集というところがマッチしているということでございますので、それは継続してぜひよろしくお願いしたいということでございます。
次に、障がい者委託訓練受講生について、ここ数年、達成度が低いことについて、これの大きな問題点と対策についてお伺いいたします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 障がい者委託訓練受講生についてでございますが、障がい者委託訓練は、就職を希望する障がいを持たれている方に対して、企業等の協力によって職業訓練を委託実施することで障がい者の就職促進を図るために行っているものでございます。年間目標受講者50人に対しまして、昨年度は受講者数が23人にとどまっているところでございます。
こういった状況になった要因としましては、知識・技能習得訓練コースの実施委託へ応募する団体が例年であれば5から6団体あるところですが、昨年度は2団体にとどまっております。その理由としては、多くの団体は、訓練実施が可能な障がいを持たれる方がいるかどうかを事前に調べまして、一定程度受講者がいるのを見込んで応募しているところですが、平成26年度は訓練実施に必要な受講者数を確保できる見込みが立たない団体が多く、応募が少なかったと考えております。
平成27年度においては現時点で6団体から応募がありまして、ことし9月末現在で24人の委託訓練を実施しております。年度内にさらにふえる見込みも立っているところでございます。
今後においても、障がい者の就労を支援する障害者職業・生活支援センター、ハローワーク等の関係機関との情報共有によりまして、就労意欲のある障がい者や障がい者雇用を希望する企業の把握に努めて訓練受講生の確保に取り組んでいきたいと思っております。
〇阿部盛重委員 状況はよくわかりました。基本的に3コースあるということですが、受講者の人選は基本的にそこの施設のトップ等が決めると思うんですが、私の身内にも障がい者がおりますけれども、非常にすぐれた能力を我々以上に持っています。そこのヘッド、責任者がそれを見抜いているかどうか。そこを逆に、見抜いてお仕事をさせていくようなものの指導、これはどうしても県のほうからお願いしたいということがあります。また、いろいろな施設を回ってもやはりそういう状況で、この彼はこうだ、この彼女はこうだというようなセッティングをされながら動いているものですから、そこはぜひ改善の余地があると思いますので、よろしくお願いいたします。
それから、もう一点、最後になりますが、県立職業能力開発施設における県内企業への就職率、これも同じように達成度が低いということで、ここの問題点があるから改善をしなければいけませんが、ここ数年、同じような問題点が提起されているのかなと思うんですが、現状の御認識をお願いいたします。
〇工藤労働課長 県立職業能力開発施設における県内企業への就職率についてでございますが、平成26年度修了者の県内企業への就職率は67%と、前年度62.7%は上回りましたものの計画目標の75%は下回っておりまして、その理由としましては、全体的に県外企業のほうが採用活動が活発で、早く就職を決めたい学生が県外を受験する傾向にあることが大きいと考えております。
なお、県外企業の中には、本県に事業所がありまして配属先を県内の事業所としている企業もありまして、こうしたケースも含めて県内就職率を算定し直しますと、82.1%と計画値を上回るものではございます。
県としましては、県内のものづくり産業に寄与する人材の確保を図っていくため、引き続き、就職を希望する学生の県内就職について、県内企業を指導員の先生たちを中心に訪問するなど、県内企業と連携するとか、学生に対して、県内の企業をよく知ってもらう、情報提供する。それから、学生とよく就職面談をするというような学生に対する就職支援。こういった県内企業との連携ですとか就職支援を一層積極的にきめ細やかに行っていくことで対応していきたいと考えてございます。
〇阿部盛重委員 一番は福利厚生的な部分も大きくあると思うんですが、大体、先生方というのは、ある程度のラインの取引先の企業とかいろいろな研究をできる企業と連携されていますから、そこが大きくメーンとなって、就職率がどうしても県外のほうに多いということだと思います。ただ、岩手県内においてもすばらしい企業がたくさんありますので、そこの特徴を逆に学生の皆さんにどんどんお知らせすることが大事ではないかと思います。それによって県内への定着率もアップしていくということでございますので、そこに関しましての対策をお聞きしたいのですが。
〇工藤労働課長 実際に、各職業能力開発施設の先生方、指導員の中でもそういった課題を認識してございまして、これまでも、例えば施設、学校の就職担当の先生だけではなく学科の先生方と一緒にチームを組んで、そして頻繁に県内の新しい企業を開拓して訪問するというようなことなどをしたり、そういった県内企業のよさを学生に伝えるというようなこと、それから、学生との就職面談も、そういったチームをつくるなどしながら毎月1回以上行うというふうに力を入れてきております。
一方では、県内企業のよさももちろんそのとおりですけれども、学生の方のお気持ち、意向もありますし、もちろん県民、学生の皆さんの幸せが第一というところもありますので、その辺をよくマッチングさせると。そして、そういった企業訪問ですとか就職面談等をより一層きめ細やかにやるということで、引き続き工夫しながらやっていくということで取り組んでいるところでございます。
〇阿部盛重委員 大手は大手なりに資金面から含めて非常に上位の部分を占めると思うんですが、県内の中小企業においても、開発能力に関しましてはずば抜けたものがあるところもたくさんあると思っております。そこを学生にもお知らせしながら、その方の夢と一致するような就職先をあっせんできるような形で御指導いただければ非常にありがたいと思っております。
以上、私の質問を終わります。
〇福井せいじ委員 私は、観光振興についてお聞きしていきたいと思います。
観光の入り込み客数の推移についてはこれまでも何人かの委員の方がお話しされておりましたが、私がお聞きしたところ、平成26年は2、919万8、000人回、平成25年比100.9%、平成22年比で104.8%という形で、震災以前の水準に戻したということでほっとしているわけであります。
そこで、これを踏まえてお聞きしていきたいんですけれども、まず、主要施策の成果に関する説明書の17ページ以降、それからみちのく岩手観光立県第2期基本計画等にもありますが、施策の中心に観光人材の育成というものが非常に取り上げられていますが、この観光人材というのはたくさんいるのかなと。時々、観光振興のリーダーとなる人材育成とか、あるいは観光コーディネーターとかさまざまな観光人材が出てくるんですが、この観光人材というのは何人くらいの人がいて、どういった種類の人たちが観光人材であり、その人たちはどのような役割を果たすのか教えていただきたいのですけれども。
〇平井観光課総括課長 計画等に定めております観光人材についてでございますが、今、委員からお話がありましたとおり当方で中核コーディネーターというものを設置しておりまして、これは県下で1名設置しているものでございます。この中核コーディネーターは、それぞれの観光地におきまして観光地づくりを支援するというようなミッションを帯びて県が設置しているものでございます。
また、一般的に申します観光人材育成につきましては、2種類の観光人材というのがございまして、一つは、地域の観光地づくりを担う、地域における中核的な役割を担う人材、それから、観光施設等で働いていただく、主に接客に携わる方々の人材、この二つのものを私どもでは観光人材と定義しているものでございます。
また、その数でございますが、地域における中核的観光人材については特に目標数値何人と定めてはおりませんが、私どもが考えておりますのは、一つのエリアとしての観光地の中には少なくとも1名の中核的な人材が必要であると。ただし、この人材は、どういう職業であるかとか役所の人間であるとか、または観光協会の人間であるとか、または企業に従事している方、自分で起業している方、いろいろあると思いますが、これは、いろいろな地域の事情に合わせて観光地づくりを担える方というように私どもは定義しているものでございます。
〇福井せいじ委員 そうすると、この中核コーディネーター1名というのは、地域のおのおのの観光地の支援をしていくということですが、岩手県全体の観光をコーディネートする人と考えていいんでしょうか。
まず一つそれが聞きたいことと、それから、この中核コーディネーターと地域のコーディネーター、観光人材といかなる連携をとって、今、観光地づくりに取り組んでいるか、それをお知らせいただきたいのですけれども。
〇平井観光課総括課長 当県で設置しております観光コーディネーターにつきましては三陸鉄道に設置させていただいておりまして、主に沿岸地域を中心に活動しているものでございますが、対象エリアは県下全域でございます。ただし、重点として沿岸地域という形で、特に被災地において新しいいろいろなコンテンツを生み出していかなければならないということで、沿岸地域に設置しているものでございます。
また、中核コーディネーターと観光人材の関係でございますけれども、県におきましては、平成22年度から先ほど申しました地域の観光地づくりに携わる人間を育成していこうということで、いわて観光マネジメント人材育成セミナーを実施しているところでございます。このセミナーを受講された方々を中心に、その方々はいろいろな地域から参加していただいておりますが、そこで中核コーディネーターからいろいろな観光地づくりに関する助言とか指導を受けながら観光地づくりに携わっていくと。
例えばでございますけれども、各地域における取り組みといたしましては、三陸地域では、地域の個性ある料理を紹介するさんりく駅-1グルメを発行しております。そういう取り組みとか、それから、三陸鉄道に乗車しながら地域の郷土料理やどぶろくを楽しむどべっこ列車の企画とか、こういうものを観光コーディネーターの指導を受けながら地域の方々がつくり上げていくというような取り組みをしているものでございます。
〇福井せいじ委員 そうすると、県内全域の観光のコーディネートについてはもちろん観光課の方々がやって、その観光課と中核コーディネーターと、そしてまた地域の観光人材というのが有機的に連携していくと考えてよろしいのでしょうね。
それと、先ほどの接客とか現場でさまざまな観光客と接する方々の指導、育成というのは、やはり連携がとれて、一つの方向を向いて観光地づくりをやっていると考えていいのでしょうか。
〇平井観光課総括課長 県といろいろな関係団体との役割分担がございまして、県は、今申し上げた観光地づくりを行う人材を育成していく。また、県の観光協会におきまして、先ほど申し上げた接客とか、そういうものをする方のスキルの向上の研修を担っていただいておりまして、県と観光協会、そしてそういう業界とが一体となって観光地づくりを進めていくというような形で取り組んでおります。現在は、いわて観光キャンペーン推進協議会という組織がございまして、こちらには県、観光協会、JR東日本盛岡支社、全市町村、観光関係団体、商工関係団体、マスコミ、金融機関も加盟しておりまして、まさにオール岩手の体制の推進組織でございます。ここの組織を中心に、こういう観光地づくりの働きかけとかコーディネートとか、そういうものを実施しているものでございます。
〇福井せいじ委員 私は、さまざまな事業において、まず人がありきだと思います。そういった意味で、人づくりについて取り組んでいらっしゃることはすばらしいことだと思っております。
そしてまた、みちのく岩手観光立県第2期基本計画を見ますと、岩手の旅行後の満足度等、項目別評価を見ますと、地元の人のホスピタリティーを感じたというのが32%となっておりまして、全国で3位という評価をいただいているようです。こういったホスピタリティーをいかに高めていくかについてはどのような取り組みをなさっているのか教えていただきたいと思います。
〇平井観光課総括課長 ホスピタリティー向上の取り組みでございます。
先ほど申し上げました役割分担の中で、特に県観光協会におきましてそういう従業員のスキルアップの研修等に取り組んでいるものでございますが、また、私ども県が主体となりまして、来年、国体がいよいよ岩手県で開催されますが、国体に向けまして、国体にいらっしゃる方々を岩手県のファンにしていこうと。こういうおもてなしをしていこうということで、あなわん運動というものを展開してございます。これは、岩手県のキャラクターでございますわんこきょうだいがおもてなしの象徴でございますので、あなたも私もわんこきょうだい、これを略してあなわんという形であなわん運動というものを県で展開しているものでございます。
〇福井せいじ委員 あなわんが出てくるのを待っていたというか、あなわんについて私もお話ししようと思っていたんですけれども、このあなわんは非常にわかりにくいんじゃないですかね。みちのく岩手観光立県基本計画の県民の役割、県民に期待する役割の具体例としてあなわん運動というのが出てきているんですけれども、このあなわん運動というのは、一体どうやって県民に周知、そしてまた落とし込みしているのかを教えていただきたいことと、このあなわんという名称についてどのように感じていらっしゃるのか。私は余りなじまないと思っているんですけれども、いかがでしょうか。
〇平井観光課総括課長 こちらの運動でございますけれども、こちらは、さかのぼりまして平成24年度にいわてデスティネーションキャンペーンというJRグループとタイアップしたキャンペーンがございまして、その際にこの運動の名称をつけて立ち上げたわけでございます。ステッカーをつくりまして、タクシーとかいろいろな交通事業者の方々、それから観光関係の方々に、メッセージといたしましては、おもてなしということは難しいものではありませんと。笑顔をもってお迎えしましょうという単純なメッセージで展開してきたものでございます。
名称につきましてはいろいろな御評価はあると思いますが、私どもは、あなわんというのはもう一つかけておりまして、アナザーワン、いわゆるもう一杯、わんこそばをもう一杯というところもかけてございまして、いろいろな広がりを持った形でのネーミングとしているものでございます。
〇福井せいじ委員 非常に掘っていけばいろいろなものが出てくるんだなということを今感じております。これから、やはり観光については非常に大事なものでありますし、また、先ほど課長がおっしゃったように、国体、それからこれからラグビーワールドカップ等がある中で、県民運動としてこの観光を盛り上げていくに当たって、ぜひとももう一度この県民運動のあり方というものをお考えいただきたいと思いますし、また、キャンペーンをぜひとももう一度さらに打っていただければと思うのでありますが、部長、この辺についてはどうでしょうか。
〇菅原商工労働観光部長 ことし、橋野鉄鉱山の世界遺産登録もありましたし、また、来年の国体、そして2019年のラグビーワールドカップと、岩手に明るい、観光にとってプラスの材料が引き続いてまいりますので、ぜひキャンペーンには力を入れてまいりたいと思っております。
また、国のほうで、地域が中心となって行います観光地づくりの推進主体ということで構築の検討が進められておりますいわゆる日本版DMOと言われるものがありますが、そちらでの本県の構築も視野に入れながら、引き続き、重要である観光人材の育成にも努めてまいりたいと思います。
〇福井せいじ委員 ぜひ岩手ならではの、非常に受け入れられやすい言葉を使いながら、皆さん県民運動を盛り上げていっていただきたいと思います。
そこで広げていきたいんですけれども、これからは、観光地をつくる上では岩手だけにとらわれないで広域の観光圏をつくっていくということで、平成26年度に700万円余を使いました北東北広域観光推進事業というのがあります。3県でつくったパンフレットというものも見せていただいたんですが、私の感想を言えば、もっと3県連携してつくったほうがいいのではないかと。一つ一つがばらばらに、個性を強調しているのはわかるんですけれども、もっとトータルで売っていく上では連携が必要であると私は思うのでありますが、この3県の連携の状況というものをお聞かせいただきたいというのが一つ。
それから、先ほど来出ています東北観光推進機構、これも6県プラス新潟県という形で今取り組んでいらっしゃるということですが、これについても、今後、国が定めた広域観光周遊ルート、日本の奥の院・東北探訪ルートもありますけれども、これについていかなる形で打ち出していくのか、売っていくのか、そういった組織とこれからの取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
〇平井観光課総括課長 まず、北東北3県の連携でございますけれども、北東北広域観光推進事業を展開してございまして、この事業につきましては、北東北全体の認知度の向上、誘客拡大を図るために3県で構成いたします北東北3県観光立県推進会議を設置してございまして、ここで観光情報の発信とか旅行会社に対する旅行商品造成促進のためのプロモーションなどを展開しているものでございます。平成26年度におけますこの協議会での活動につきましては、まず、国内向けのプロモーション等の活動といたしましては、首都圏、仙台在住の方を対象とした北東北3県を回っていただくモニターツアーの実施、それから、3県一体となった観光マップの作成、それから、首都圏での合同イベント。この3県は、名古屋、大阪、福岡に合同の事務所を構えてございますので、そちらを中心に、名古屋、大阪、福岡の旅行会社を北東北に招請するというような事業も行っているところでございます。
また、海外向けの事業も展開してございまして、台湾、香港、タイからの旅行会社、メディアの招請事業、それから、台湾での新聞とかウエブへの広告掲載、これは3県一体となった掲載でございますが、こういうものに取り組んでいるものでございます。
次に、東北観光推進機構が中心となりまして取り組む日本の奥の院・東北探訪ルートへの取り組み状況でございますけれども、この事業につきましては、東北全体を総合的かつ一体的に、テーマ、ストーリー性を持ってプロモーションを展開していくことを狙いといたしまして、ことし6月に観光庁の事業認定を受けて採択されたものでございます。
この事業におきましては、東北観光推進機構を中心に、東北各県の集客力のある観光地を核といたしまして、そこからテーマ性、ストーリー性のあるルートを構築して売り込もうと。特に外国を視野に入れた売り込みを図っていこうというものでございます。
〇福井せいじ委員 北東北の広域にしろ東北観光の広域にしろ、これからの観光というのは、本当に地域地域が競って参入してくる市場であります。そういった意味では勝たなければいけないし、負けてはいけないということで、ただただ今あるものを網羅するのではなく、先ほど課長が言ったストーリーをつくるとか、あるいは深く掘る、深耕といって深く耕すような姿勢が必要ではないかと思うんです。今までどおりのPRあるいはプロモーションだけではなく、もっともっと地に足をつけるというか、深く掘っていくというのが必要だと私は思っています。
圏域内のどこにお客さんを持ってくるかという圏域内の引っ張り合いというよりは、圏域内に引っ張ってくる、そういった視点で、そこからどうやって波及させていくか、そういうポイントが必要だと私は思っています。今、取り組み状況をお聞きする限り、何となく今までのものをもう一度なぞらえているような形にしか見えないんですね。せっかく広域で組むのであれば、広域の知恵を、そしてまた広域の工夫を使って、ぜひとも深く深く、そしてまた広く掘っていっていただきたいと思っています。
最後に、観光における食についてお聞きしたいと思います。
みちのく岩手観光立県基本計画においても、あるいは、さまざまなパンフレットを見せていただくんですが、私は、観光においてもっともっと食をPRしていくべきではないかと思っております。食を求める観光客が3分の1以上おります。そういった意味では、私は、食は観光の切り札、そしてまた人を呼び込む切り札だと思いますので、ぜひこの食をいかに捉えているか教えていただきたいと思います。
〇平井観光課総括課長 観光における食の位置づけについてでございますけれども、私どもで平成24年度に観光客を相手にアンケート調査を実施したところ、岩手への旅行に何を求めていますかという質問に対して、おいしいものを食べるというのが32.3%と最も多い結果となっておりまして、やはり食というのは重要な観光コンテンツであると認識してございます。
このため、平成25年から展開しております県の大型観光キャンペーンにおいては主要テーマを食と位置づけて展開してございまして、ことしの10月から3月までの観光キャンペーンにおきましても、例えば首都圏向けのガイドブック、ポスターでは岩手ならではの食材や料理をPRしてございますし、また、先ほど御紹介いたしましたさんりく駅-1グルメの発行とか、それから首都圏ホテルでのレストランフェア、これは岩手県の食材をPRするフェアでございますけれども、そういうもの展開、それから、北海道新幹線の開業を見据えまして、函館のグルメイベントでのPRとか、そういう本県ならではの食の魅力による誘客の拡大に取り組んでいるところでございまして、今後も食を中心とした誘客の拡大を図ってまいりたいと考えてございます。
〇城内よしひこ委員 私は端的にお伺いしますので、お答えをお願いします。
県が締結する契約に関する条例、昨年からつくってきたところですけれども、現状と今後についてまずお伺いします。
〇工藤労働課長 県が締結する契約に関する条例についてでございますが、ことし3月に制定、公布されたものでございますけれども、その条例に係る取り組みの現状につきましては、4月から先行施行されております規定によります岩手県契約審議会を本年6月に設置しまして、条例施行規則案ですとか条例によります県の契約に関する取り組みについて御審議をいただきまして、来年4月施行分の規則を今月2日に制定、公布したところでございます。
また、本年6月、条例による施策を全庁的に推進するため、庁内各部局等で構成する会議を設置しまして、条例による県の取り組み等について検討を進めているところでございます。
今後は、来年4月からの条例の本格施行に向けまして、条例の説明会の開催など条例の周知を図ってまいりますとともに、条例に定める理念の実現に向けまして、条例による県の取り組み、それから、平成29年4月までに施行予定分の規則の内容などにつきまして、県契約審議会での御審議等をいただきながら検討していくこととしてございます。
〇城内よしひこ委員 ぜひ皆さんにつくってよかったと思われるような運用ができるように希望しておきます。
次に、ものづくりに関してですけれども、県立高等技術専門校、千厩と宮古市の松山にある建物について、一般質問で過日、耐震はどうなっているのかというお話をお伺いしました。今後どういう形で展開していくのかお伺いしたいと思います。
〇工藤労働課長 県立高等技術専門校2校の耐震についてでございますが、まず、県立宮古高等技術専門校の耐震診断につきまして、今年度、予算措置して、現在、実施中でございまして、今年度中に完了する予定で進めてございます。
また、県立千厩高等技術専門校につきましては、昨年度、入札不調のために実施できませんでしたことから、私どもとしましては、できるだけ速やかに実施したいと考えてございます。
両校の整備につきましては、耐震診断の実施結果等を踏まえて、必要に応じて耐震改修工事を行う等、環境整備に努めてまいりたいと考えてございます。
〇城内よしひこ委員 両校とも老朽化が激しい。これから岩手のものづくりを進めていく上で大事な部分であると私は思っています。即戦力として使える人材を育てていますので、今後、耐震もさることながら、改修も含めて何らかの処置をするべきと思いますが、そういった計画はお持ちなのかお伺いします。
〇工藤労働課長 県立高等技術専門校の整備につきましては、先ほど答弁いたしましたとおり、耐震診断の実施結果等を踏まえながら、それから、こういった県立能力開発施設は結構老朽化している施設が多い状況にございますので、そのあり方等につきまして、これまでも検討チームをつくって検討してまいりましたし、今年度もまた新たに検討チームをつくって検討することとしてございますので、そういった耐震診断の実施結果、それから、そういった検討チームでの検討を踏まえて、整備あるいは環境整備について検討していきたいと考えてございます。
〇城内よしひこ委員 検討で終わらないように、要望して終わります。
〇川村伸浩委員 決算事項別明細書の278ページにあります、ソウルに置かれております事務所、それから大連に置かれております経済事務所についてお伺いいたします。
まず、それぞれの事務所の設置後の現状についてお伺いしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 ソウル事務所の活用についてでございますが、これは北海道、北東北3県で合同設置しているものでございまして、この4道県の連携のもとで、観光面では、現地でのプロモーション、旅行商品造成のための韓国旅行会社のこちらへの招請などに取り組んできたほか、物産面におきましての現地での商品展示会開催やバイヤーの招請、商談会の開催などを実施してきたところでございます。
また、現状につきましては、東日本大震災津波の発災によりまして、特にも観光面におきまして韓国から本県への観光客が大きく落ち込んでおりまして、本県での平成26年の韓国からの延べ宿泊者数は、震災前の平成22年の35%にとどまっている状況でございます。しかしながら、ことしに入りまして1月から6月までの実績は前年同期と比べて29%の増となっているところでございます。
〇押切産業経済交流課総括課長 続きまして、大連経済事務所の現状等についてでございますが、大連経済事務所は、経済発展が進む中国との経済交流に取り組むため、10年前の平成17年4月に開設したところでございます。現在、中国人所長と現地採用スタッフ3人の計4名で県内企業の対中ビジネス支援でありますとか中国各地における観光プロモーションなどに取り組んでいるところでございます。
これまで、県と大連市との地域間連携協定の締結でありますとか相互の職員派遣交流を初め、双方向のチャーター便運航、さらには、雲南省プーアル市及び上海市の高級な茶業者である上海大可堂との連携による上海万博への出展等の成果を上げているところでございまして、特に上海万博につきましては、出展した南部鉄器が中国国内で大きな人気を集めるなど、岩手ブランドを代表する輸出品目となっているところでございます。
さらには、万博を契機といたしまして、雲南省との連携協定の締結による経済分野や青少年交流など幅広い分野での交流についても進めているところでございます。
〇川村伸浩委員 ソウル事務所の関係でありますけれども、約1、000万円の運営費ということでございますが、本県を初め、北東北3県と北海道で共同設置しているということでありますけれども、それぞれの県の状況と、それから、予算といいますか経費の案分についてお伺いしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 共同設置している他道県の状況でございますけれども、観光面で申し上げますと、平成26年の韓国からの延べ宿泊者数につきまして、震災前と比較いたしますと、北海道につきましては121%、青森県は95%と、この二つの道県につきましては震災前以上あるいは同程度の数字となっているものでございますが、秋田県につきましては22%という状況でございます。
また、経費につきましては、同額の負担となってございます。
〇川村伸浩委員 パーセントはわかったんですが、いわゆる実数がどういう状況なのか。特に観光につきましては、北海道がソウル便もあるでしょうし、ひとり勝ちではないのかと思いますが、その辺についてお願いします。
〇平井観光課総括課長 韓国からの観光客の入り込みの状況でございますけれども、平成26年度の宿泊者数の状況でございますが、北海道は36万7、850人泊、青森県は1万3、630人泊、秋田県は6、830人泊、本県が4、350人泊ということで、北海道が圧倒的に多いという状況でございます。
〇川村伸浩委員 今まで十数年間連携してやってきた中で、急に経費の案分を変えろということは難しいと思いますが、ただ、言えることは、やっぱりこのぐらいの差があるということで、その辺は、人的あるいは金銭面でも今後考えていかなければならないのではないかと思います。
それから、大連につきましては、特にも経済的な部分が大きいのかなと。県内の中小企業がつくったものを中国に売り込む、あるいは人的交流という部分が大きいようにお伺いいたしました。特に、今、御紹介いただいた南部鉄器等が非常に好評だということでありますけれども、今、TPPの関係で、まさに農業等は厳しい状況にあるわけですが、逆に製造業は大きなチャンスとも言われております。そういった中で、中小企業への支援といいますか、そういった部分についてどのように進めていくのかお伺いいたします。
〇押切産業経済交流課総括課長 大連経済事務所の企業支援、輸出支援等の実情でございますが、大連経済事務所は、大連を初めとする中国各地への進出及び輸出を展開しようとする企業からの相談等を受けておりまして、さらに現地での企業訪問のサポート等を行っておりまして、平成26年度の利用件数は88件となっております。
委員からTPPの話がございましたが、いずれ南部鉄器、工業品関係につきましては発効されれば即時関税撤廃というお話もありますので、中国に見合った製品づくり、今でもなかなか需要に追いつかない部分もあるというお話も聞いてございますので、そこら辺を企業の話、中国側の話を聞きながらうまくマッチングするように進めていきたいと考えてございます。
〇川村伸浩委員 せっかく事務所を設置しているわけでありますから、それを大いに活用していただいて、本県の中小企業あるいは観光客の増に結びつけていただければと思います。
観光客あるいは物を売るところについては、やっぱり知事あるいは副知事あるいは所管の部長が直接現地に赴いてトップセールスをすることが必要だろうと思いますが、現状についてお伺いしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 トップセールスの状況でございますけれども、今年度に関して申しますと、現在、花巻空港との定期便化を目指しております台湾、こちらは、先ほども御紹介いたしましたが、本県の外国人観光客で最も大きなマーケットでございます。ことし6月に台湾で日本を紹介する新日本旅游節というイベントがございまして、その機会を捉えまして知事が台湾に行きまして、台湾の例えば中華航空のトップとか、または政府の関係者等を訪問しましてトップセールスを行っているところでございます。
〇押切産業経済交流課総括課長 ヨーロッパの関係でございますが、ミラノ万博にチーム東北として7月に出展いたしまして、知事がみずから日本酒とかをお振る舞いしたり、経済団体等を訪問して今後の交流について意見交換をしたということもございます。
〇川村伸浩委員 最後にしますが、今、台湾あるいはミラノということで、これから県が力を入れていく部分にトップセールスということでございます。確かに新しいところに力を入れるというのは非常に大切なことでありますが、既存のいろいろなイベント等にトップセールスで出かけることが今の状況をよりよくしていくことになるかと思います。そういった部分について、所見がございましたらお願いして質問を終わります。
〇平井観光課総括課長 トップセールスを含めたセールスの基本的な姿勢についてでございますけれども、ソウル、大連にこういう現地事務所を置いているということは、そういうところでネットワークをつくっていって、そして人的な接触によりまして、顔なじみ、またはビジネス上のパートナーを形成していくことが重要という観点からでございまして、そのことから申しますと、トップが、先ほど委員おっしゃいましたような古くからのお得意さまとか、そういうところにセールスに行くことも重要と考えてございます。
〇高田一郎委員 まず、雇用と労働環境の改善についてお伺いいたします。
順序を変えて、最初に、ブラック企業の根絶について伺いたいと思います。
昨年から、ブラック企業の問題で、国も腰を上げて取り組まれました。昨年の重点監督の実施状況とか是正指導、実態がどうなっているのか、そして、県として、昨年度、ブラック企業根絶にどう取り組まれてきたのか、その現状についてまず伺います。
〇工藤労働課長 いわゆるブラック企業の根絶のための監督、是正指導についてでございますが、岩手労働局において、昨年11月、過重労働解消キャンペーンの時期に、過重労働など労働基準関係法令の違反が疑われる事業場を対象に重点監督を実施した結果が公表されておりまして、実施された64事業場のうち61事業場に違法な時間外労働等の労働関係法令違反がありまして、是正指導等が行われております。
県では、労働基準関係法令違反につきましては、就業支援員等がそういった事案を把握した場合には岩手労働局に連絡するなど緊密な連携を図っておりますほか、若者が労働関係法令の基本的な知識を持つことが必要ということで、そういった知識を持つことができるよう、ガイドブックを作成して、高校生、大学生等に配付してございます。
〇高田一郎委員 ブラック企業の根絶に向けて国が昨年から動き出したということは大きな一歩だと思うんです。ただ、今、答弁ありましたように、重点監督事業場数が64事業場と。全国では4、561事業場ということですから、全体の数から見て、これは氷山の一角だと思うんですね。就業相談員による労働相談を実施して、関係機関にそれを伝えていくということは大事なことでありますけれども、私は、大事なことは、やっぱり若者を使い捨てにするような企業は、社会から批判され、そして、企業にとっても不利になるという状況をつくっていくことが大事だと思うんですね。
例えば、こういう法令違反をした企業は企業名を公表するとか、あるいは就職活動をするときに、若者の皆さんが一番情報提供してほしいという声は、離職率がどうなっているのか、あるいは年次有給休暇の取得率、あるいは平均勤務日数がどうなっているか、こういうことを就職を決めるときにわかっていればいいわけですね。こういったことをきちっと情報提供すること、そして、問題を起こした企業は公表するということが、全体としてブラック企業の根絶につながっていくと私は思うんですね。
今の対応だけでは、やはり根本的な解決になっていかないのではないかという思いをしているんですが、その辺について、県としてどのようなお考えを持つのかお伺いいたします。
〇工藤労働課長 委員御指摘のとおり、国におきまして、昨年から過重労働対策、特に長時間労働削減対策ということに力を入れておりまして、そして、先ほどお話ししました岩手労働局のキャンペーンのときの重点監督につきましても、その一環ということでございます。
国では、さらに過重労働対策といたしまして、例えば、先般成立して、一部施行になっております青少年の雇用の促進等に関する法律において、今後施行予定ですけれども、ハローワークで、そういった労働基準関係法違反があるような企業については、これまでハローワークは求人について原則受理をするという仕組みでしたけれども、それを、そういった場合には不受理をする等の制度を導入するなど、ブラック企業といいますか、国としてはブラック企業という言葉は使っておりませんで、そういった若者を使い捨てにするような疑いのあります、そういった違反が疑われる事業場に対して重点監督等を進めているわけですが、そういった取り組みをしてございます。
そして、そういった労働基準関係法令によります監督是正指導の権限は、国といいますか、岩手労働局にあるということではございますけれども、県としましても、岩手労働局と連絡、連携を密にしながら、そして、若者が知らないでそういった違反に巻き込まれることのないよう、しっかり知識を持っていただくというような取り組みを通じまして、こういった過重労働という状況にならないように取り組んでいきたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 ぜひそういう方向で取り組んでいただきたいと思います。
それで、次に、若者の離職防止対策についてお伺いいたしますけれども、今、若者の離職状況というのはどうなっているのか。岩手県、そして全国の離職状況についてお伺いいたします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 若者の離職防止対策についてでありますが、岩手労働局によりますと、本県の平成23年3月に高校を卒業した就職者の就職1年目の離職率は21.6%、3年目になりますと、累計になりますが42.3%の方が離職しているという状況でございます。全国平均では、1年目が19.6%、3年目39.6%となっておりますので、全国に比較しますと高い状況となっております。
〇高田一郎委員 42.3%というのは大変大きな数字だと思うんですね。これは、全国の離職率の状況からしても岩手県は非常に高いと。これは3年以内ですね。この岩手県が特別高い要因というのは、県としてはどのように分析をしているのかというのが一つです。
それから、先ほどジョブカフェの問題も議論されましたけれども、若者の就職支援とか、あるいは離職を防止する上でも役割を果たしていると思うのですが、ジョブカフェの相談件数、どんな活動を展開しているのか、その実績についてお伺いいたします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 離職率が高い要因でございますが、我々が考えているところとしましては、若者が企業に期待するものと企業が若者に期待するもの、そのずれがあるということ、また、企業においても、就職された方の受け入れに対するケアが十分でない点があることなどが、要因としてあるのではないかと考えております。
このため、ジョブカフェいわてでは、若者に対しまして、社会人基礎力を身につけることにより早期離職が低減するよう、高校卒業前の内定者向けガイダンスを実施するとともに、就職後のフォローアップセミナー等の開催あるいはキャリアカウンセリングにより職場定着を支援しているところであります。相談件数は、昨年度3、152件あったところでございます。
また、企業に対しましては、採用力、人材育成力を強化する研修等の開催、人材育成体制についての助言等により人材定着を支援しておりまして、今後とも、これらの取り組みを行っていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 それで、離職率が高い理由について、今、答弁いただきましたけれども、実はそれだけが根本的な要因ではなくて、厚生労働省が最近行った若者離職者への調査が物語っていると思いますが、その第1には、労働環境の問題なんですね。休みがとれない、長時間労働というのが第1です。第2は、職場の人間関係、この二つが突出しているんです。
先ほどブラック企業の問題についても質問したんですけれども、岩手県の場合の重点監督によって法令違反があった事業所の中身を、理由別に見てみますと、その半分が違法な時間外労働、32.8%が賃金不払い、労働条件の問題となっています。
だから、今、先ほどお話があったような受け入れ側のケアの問題とかもありますけれども、やっぱり全体として大事なことは、若者の労働環境がしっかりしていないということが一番あるのではないかと思います。そういう視点で対応していかないとだめではないかと。自己責任を求めるような、若者に責任があるんだというような議論もありますけれども、問題はそこにあるのではないかと私は思うんですが、その点についていかがでしょうか。
それから、ジョブカフェの問題については、若者の就職支援に確実につながっていると思うんですね。資料を見ても確かにそうなっています。
しかし、今日、いろいろな関係者の方々にお聞きしますと、最近どうも若者の就職困難といいますか、なかなか仕事をしない、なかなか時間がかかるといいますか困難な若者がたくさんふえている。だからカウンセリングが必要なのだという話をされましたけれども、確かに、ジョブカフェ等のサービスの提供を受けて就職を決定した人数は2、204人とふえているんですが、カウンセリングをする数というのは目標に達していないんですね。
やっぱり就職をふやすということであると、困難な若者に対する支援が薄くなってしまう。こっちに重点を置くと就職する数がふえないという面があります。だから、やっぱりジョブカフェの現場では、今の体制でいいのかという議論といいますか意見が出ているんですね。
やはり体制を拡充してしっかりとした対策をとっていくべきだと私は思うんですが、県として、このジョブカフェの充実に対してどんな問題意識、課題を持っているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇工藤労働課長 まず最初に、若者を取り巻く労働環境、労働条件あるいはその違反の関係でございますけれども、岩手労働局の監督の結果からしますと結構高い数字が出てございまして、これについて岩手労働局に聞いているところでは、そもそも長時間労働が疑われる企業、過重労働をさせている疑いのある企業を抽出した上で指導監督を行っていることと、その結果、何らかの法令違反が発見された場合には、もちろん軽微であっても、違反があれば指摘して指導件数にカウントするということで、どうしても結果、数字は割合が高くなっているということではございます。
ただ、本県の実態からすると、そういった首都圏とかで特に問題視されているような、いわゆるブラック企業というところが、深刻な状況になっているということではないと考えているというような説明ではございました。
しかしながら、そうは言っても、そういった違反状態もある、あるいは油断してはいけないということで、引き続き適切に監督、指導を行っていきますと聞いております。
ただ、労働基準関係法令あるいは制度がしっかりしても、その監督、指導体制がしっかりしていないと、そういった労働基準関係法令は遵守されないと考えてございまして、私ども県としましては、特に岩手労働局の指導、監督体制の充実について国に引き続き要望していきたいと考えてございます。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 ジョブカフェのあり方ということでございますが、ジョブカフェにつきましては、我々としても、若者の職場定着あるいは県内就職の推進という非常に大きな役割を担っていただいていると思っています。
これまでカウンセリング等をやっていただいているところですが、それにつきましても、カウンセリングは、内訳を見ますと、やっぱり継続のカウンセリングが多いというのが実態でございます。
我々としては、現在の体制の中でできることをまずはやっていき、そして県内定着、そして離職防止につなげていきたいと思っております。
〇高田一郎委員 ジョブカフェについては、今の体制という話がありましたけれども、やっぱり現場の実態を踏まえて対応していただきたいと思うんです。この数字が物語っていると思うんですね。カウンセリングの数も、目標値からして非常に少ない状況になっております。現場からのそういう声もありますので、現場の声を踏まえて対応していただきたい。
次に、仮設店舗商店街の再建についてお伺いいたします。
本会議でも議論がありましたけれども、5年を過ぎる仮設店舗がどの程度になっているのか、撤去費用は全体としてどのように試算しているのか、また、地権者の同意が得られない現状があるのかどうか、その点についてもお伺いします。
〇高橋経営支援課総括課長 仮設店舗の関係ですけれども、市町村から聞き取り等した結果ですが、中小企業基盤整備機構が整備し市町村に譲渡した仮設店舗等362カ所について、完成後5年を経過するものは平成28年8月から出てくるという状況にありまして、平成28年度中に完成後5年を経過するのは130カ所の見込みとなっております。
それから、解体撤去に要する費用ですが、施設規模や場所等によって異なりますので一概には言えないものの、これまで解体撤去した市町村等から状況を聞いたところでは、1平方メートル当たりに換算して1万5、000円から2万円程度というような状況です。
それから、仮設店舗の敷地の関係ですけれども、仮設店舗の用地として民有地を利用している場合で、仮設店舗の営業状況等により、その借用期間を延長しようという場合は、それぞれ市町村で地権者の方との相談、協議ですとか、その地域の実情等を踏まえて対応されているということで、市町村のほうでも、延長が必要だといったようなことに関しては、地権者の方と協議等を行っていると聞いております。
〇高田一郎委員 5年を経過する仮設店舗の数の362カ所というのはエントリー数だと思うんですが、そのうち3分の1の130カ所という数字も出ました。それで、仮設店舗の撤去費用については国に要望しているという話も一般質問の中でされました。5年ということになりますと、平成28年、平成29年ということになるわけでありますね。それで、国に要望していることに対して、国はどういう対応をしているのかということがもしわかれば、答弁いただきたいと思います。
それで、仮設店舗での商業、サービス業577事業所のうち、アンケート調査をしますと、本設再開への希望が71%という一般質問での答弁がありました。だから、3割近い方々が、廃業とか、あるいは仮設での営業継続を求めているということだと思うんですね。
それで、先日、陸前高田市にお邪魔して商工会の方と懇談したときに要望されました。陸前高田市はかさ上げ工事が始まっていますけれども、平成30年までかかると。だから、平成31年以降に再建というところもあるわけで、仮設店舗から仮設店舗への移設も必要だと。これに対する支援も必要なんだと。あるいは仮設店舗での引き続きの営業に対する支援も必要なんだという要望もいただきました。
これに対して、県としてはどのような支援を考えているのかということをお聞きしたいと思います。
〇郷右近浩委員長 高田一郎委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことがないよう、議事の進行に御協力願います。
〇高橋経営支援課総括課長 まず、要望に対する国の対応です。具体的な回答というのは、今の段階ではいただいておりません。要望の内容を受けとめて検討ということですので、これについては、我々も引き続き要望していきたいと考えております。
それから、仮設店舗の移設、撤去等については、公有地を使っている場合もあります、それから民有地の場合もあるのですが、例えば地権者の都合があった場合には、ほかの場所への移設ということを考えている市町村もあります。それから、本設に移ってあいているところもありまして、その集約化といいますか、また移ってしまうということも出てしまうのですが、集約化を図るといったようなことも考えていて、仮設で営業する方について、できるだけ対応する取り組みを市町村はされている状況と承知しております。
〇高田一郎委員 では、最後にいたします。
5年を経過せざるを得ないというのは、やはり区画整理とかまちづくりがおくれているからであって、営業している方々には何も責任はないわけでありますから、国に対してしっかりと、撤去費用も含めて国が全面的に責任を持つように、引き続き強く要望していただきたいと思います。
最後にですけれども、いわゆる共同店舗での再開に苦労している現状があります。山田町とか大船渡市とか、陸前高田市もそうですけれども、まちづくり会社をつくって、共同店舗をつくって頑張ろうと。でも、なかなかさまざまな課題があって非常に難儀しているというお話をどこでも聞いてきました。
そこで、そのまちづくり会社などが進める共同店舗で計画されている事業の進捗状況とか、あるいは課題、県としてどのような支援をやろうとしているのか、その点についてお聞きして、終わりたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 今お話がありました3市町について、山田町は、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金の交付決定を平成27年4月に受けていまして、今後着工予定ですが、お話があったとおり、現場の区画整理等の関係、インフラの関係もあって着工時期が認定時よりおくれております。平成28年2月ごろの着工予定と聞いております。
それから、大船渡市、陸前高田市においては、まちなか再生計画を現在策定中で、今年度、これから申請するということで取り組みをしていると聞いております。
課題につきましては何点かあるのですけれども、まず、各市町とも、まちづくり会社が共同店舗をそもそも運営したことがありませんので、まず、どういうふうに店舗づくりをしていくのか、あるいは開設後の運営まで見据えてどういう計画をつくっていけばいいのかといったところもふなれな部分もあるということ、それから、そういう整備が若干おくれたりということもあって、メンバーがもし途中でふえたり減ったりした場合に、全体の計画にもかかわってくるということで、また全体の見直しが必要になることもあって、一人一人の計画と全体の計画を整合させながらやっていかなければならないというところも、共同店舗の課題としてはあります。
県としては、そういったことで、共同店舗の運営とか開発に、専門家の方々をお呼びして、研究会ですとか個別の継続的な相談、指導などを行っております。そういったことで、もちろんグループ補助金や津波立地補助金でのハード面の支援もしているのですけれども、計画づくりに関する支援なども引き続き行っていきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 私からは、まず、ものづくり産業振興についてまとめて伺います。
まず一つ目は、地方創生・地域産業緊急重点強化支援事業についての具体的な内容と成果についてお聞きしたいと思います。以前にこの内容についてお伺いした際には、その方向の中で、生産拡大あるいは魅力ある雇用の受け皿づくりを支援するということで、この事業に取り組んでいるという答弁をいただいておりますが、具体的には、この事業の中でどういう結果を出してきているのかということであります。
それから、二つ目は、ものづくり3事業、いわゆる自動車、半導体、医療機器における成果と課題についてでありますが、これも、主要施策の成果に関する説明書の中でさまざまな達成度の評価があります。特に達成度Aの地場企業との取引増、それから関連企業数、会員数増に至った経緯、そして、そこに至るまでの課題等について、どのようなものがあったのか伺いたいと思います。
一方で、医療機器に関係している事業については、製造業許可取得企業数が達成度Dということで大変厳しい結果が出ているわけですが、この要因等については示されておりますけれども、具体的にどのような対策を行ってきたのかということも、あわせて伺いたいと思います。
そして、三つ目に、県南広域圏ものづくり力強化対策事業でありますが、技能士取得者数が達成度Cとなっておりました。この具体的な実情、そして、その対策はどのようになっているのか伺います。
〇瀬川自動車産業振興課長 地方創生・地域産業緊急重点強化支援事業の具体的内容についてでありますが、まず、本事業は、平成26年度の国の補正予算により措置された地方創生先行型交付金を活用し、県内企業の競争力強化、競争力強化といいましても、単なる設備の買いかえではなくて、やはりそこは、生産力を向上させる新たな事業に取り組むといったものに対しての生産力強化の補助、それから、雇用拡大でありますが、雇用拡大と、さらには従業員の職場環境の整備に関しても、それに資する設備投資に対する経費を補助するという内容になっております。
補助率は補助対象経費の2分の1以内ということで、補助金の上限を1億円、下限を1、000万円としておりまして、これまでにない大型の補助金となっております。
第一次公募は、予算4億円で実施し、73件の申請、補助金額ベースで総額22億円の応募をいただきました。審査会の結果、8社の採択を行ったところでございます。
また、9月補正で措置した予算により、今後、第二次公募を予定しており、国の交付金決定後、速やかに公募を行えるように、今月23日に事前説明会を開催いたしまして、40社の出席をいただいているところでございます。
事業の成果についてでありますが、第一次公募の採択企業においては、現在事業を実施しているところでありまして、最新鋭の設備導入などにより、競争力の強化や新規雇用の拡大などが期待されております。
〇高橋ものづくり自動車産業振興課総括課長 地場企業の取引増等の経緯についてでございますけれども、自動車や半導体関連産業につきましては、産業集積を生かした取引の拡大等を進めておりますが、自動車関連産業につきましては、毎年度、大手自動車メーカーなどの技術展示商談会を開催したり、それへの出展企業への支援をしてきておりますほか、新規取引や取引拡大の有望な地場企業を中心に、アドバイザーの派遣によりますQCDの能力向上などを図りまして、成約件数の増加に結びつけてきたところでございます。
また、半導体関連産業につきましては、セミコンジャパンなどの展示会への出展支援、あるいは大手デバイスメーカーへの技術提案を行います研究会の開催支援などが取引増につながってきていると考えておりました。
また、関連企業数なり会員数の増加につきましては、自動車、半導体それぞれ、裾野の拡大を図る趣旨ということで協議会をつくっておりました。この協議会において、産学官連携によるセミナーとか勉強会あるいは地場企業支援に係る訪問等を実施する中で、この協議会への加入を促しながら増加につなげてきたところでございます。
課題についてでございますけれども、自動車関連産業につきましては、地場企業のQCDの能力向上、これをさらに強化していくのに加えまして、生産技術や品質保証等を含む総合的な生産管理能力の向上を図っていく必要があると考えております。
また、半導体関連産業につきましては、半導体の応用分野はいろいろ今後もふえていく、広がっていくと考えておりますので、さらなる取引拡大を進めるためには、県内の半導体関連企業が、さまざまな産業分野との連携交流を進めていくことが重要であろうと考えているところでございます。
次に、医療機器産業についてでございますけれども、自動車とか半導体産業と異なりまして、製品開発等による新産業創出の取り組みを進めてきているところでございます。
これまで、県内企業が持つものづくり基盤技術を活用した医療機器開発の取り組みを推進してきているところでございますけれども、事業化していくためには、いろいろ課題がございます。一つの課題として、医療現場のニーズに総合的に応えることができるすぐれた製品の開発をしていく、あるいは高い品質とか安全性の確保とともに、医療関係者や販売事業者との信頼関係の構築、さらには、安定した生産体制の構築が必要となっております。
新規参入を目指す県内企業がこれらのハードルをクリアするのはかなり容易ではない状況でございまして、開発のスタート段階から進行状況に合わせた一貫した支援が必要と考えております。こうした医工連携コーディネートが十分ではなかった面があるということが、一つの原因であると考えております。
このため、平成27年度から新たに、いわて産業振興センターに医療機器事業化コーディネーターを配置いたしまして、医療現場のニーズと県内企業の技術とのマッチングを初め、試作品の評価、改良、販売ルートの確保まで一貫した支援が行えるよう体制を強化したところでございます。
また、さらには、医療機器そのものの開発に加えて、医療機器製造業の登録が必ずしも必要とならない関連機器の開発、あるいは部材、加工技術の提供による参入など、医療機器関連産業の裾野の拡大の取り組みにつきましても、今年度から進めていくこととしているところでございます。
次に、県南広域圏ものづくり力強化対策事業の件でございますけれども、本事業につきましては、県南広域振興局が、圏域におけるものづくり産業の競争力強化を目指して、人材育成、取引支援、企業グループ化などの取り組みをしているものでございます。
人材育成の指標として、圏域内における1級及び2級の技能士取得者数を目標と設定しているところでございますけれども、平成26年度の技能士取得者数は、機械加工とか機械保全あるいはプラスチック成形などの職種で、前年度に比べ減少いたしまして、目標を下回る127人となったものでございます。
このため、今後におきましては、圏域内の職業能力開発機関等とも連携しながら、受検者の増加に向けたPRあるいは資格取得につながる研修の強化などを検討いたしまして、資格取得者数の増加に向けた取り組みを進めていきたいと考えております。
〇郷右近浩委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔にお願いいたします。
〇木村幸弘委員 それでは、今の答弁の中でですが、一つは、取引契約が伸びたことは大変喜ばしいことなのですけれども、この取引契約件数と地元調達率と言われている部分と、この関係性はどのように見ればいいのか、その状況についてお伺いしたいというのが1点。
それから、2点目は、医療機器関連の関係では、やはり、取り組んだ事業者から非常にハードルが高いという声は聞いておりました。そういう状況の中で、今、御答弁いただきましたけれども、やはりなかなか地元の地場の企業では、そういった医療系統のつながりというか窓口、パイプも含めて非常に希薄な関係の中で、そこをしっかりとつなぐ役割が重要であろうと思っていまして、そういった部分の対策が今回コーディネーターを配置するということですので、了解いたしたいと思います。
一方で、医療機器ではハードルが高いけれども、実際、視点を変えて、ちょっと福祉的な要素からそこに入っていくというような取り組みをしている事業者などもあったりしているものですから、医療あるいは福祉といったところとの連携の中で、そういった参入やさまざまな、関係機器の開発という御答弁もありましたけれども、そういった兼ね合いの中でいろいろとうまくつながりをつけていくという取り組みなども必要ではないかと思いますが、その辺のお考えがあればお聞きしたいと思います。
3点目ですが、若者の就業支援の取り組みあるいは職業能力開発についてですが、先ほどから御質問がありましたので、ジョブカフェ等の関係では、この説明書の中で示された数字は2、204人という就職決定者であるわけですけれども、相談件数では8、000人を超える相談者がいるということで言いますと、この就職決定に結びつけた要素といいますか、いろいろな相談を受けながら、具体的に2、204人の実績をつくり上げた要因といいますか就職につながったという部分と、それから、先ほど高田委員からは離職率の問題が出ましたけれども、一旦こうしたジョブカフェ等を通じながら紹介、あっせんをいただいて就職を決定したけれども、残念ながら、また離職をするとか、そういった事例等に対するジョブカフェの対応やフォローがどうなっているのかということをお聞きしたいと思います。
地域人づくり事業費のところで、これも評価達成度がDということで大変厳しい評価が出ている部分があります。特に、雇用対策の部分でありますけれども、この認識、そして課題について伺いたいと思います。
〇瀬川自動車産業振興課長 1点目の自動車産業の取引の増加ということでお答えいたします。
まず、県ではこれまでも、11年前から大手自動車メーカーや部品メーカー向けの商談会等を行って、取引あっせんに努めてきておりましたが、ここに来て、やはりトヨタ自動車東日本の岩手工場が、世界一の工場という評価をいただいてから、たくさん売れる車が生産されることになりまして、そこでの現地調達化の推進が非常に大きかったと思います。
それとともに、県内のものづくり企業は、どちらかというと量産メーカーが少ないといいますか、自動車のような1日に2、000、3、000と部品をつくるような企業よりは、精密加工、小さいものが得意というところでありましたが、最近、やはり車関係の部品も、そういった精密加工の部品であるとか金型であるとか、さらには電子系の部品が今後ふえてくるということから、取引件数が増加してきていると考えております。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 ジョブカフェ等のサービスの提供の状況でございますが、ジョブカフェや隣接しています新卒応援ハローワークのサービス提供を受けて就職決定した人数は2、204人となっております。
ジョブカフェ等のサービス利用者は、平成26年度、年間延べ人数で4万1、436人でありまして、サービス提供実人員ではないために、サービス提供対象者総数に対する就職決定した人の割合は算定できないのですけれども、平成26年度のジョブカフェいわての新規登録者数が1、255人でございます。その新規登録者に対して、年度中に就職決定した人は796人、大体6割ちょっとという状況になっています。
1回就職したけれども、また離職したというような人に対しては、ジョブカフェいわてでは、相談者に対するデータベースを持っておりまして、基本的には、同じ相談者が、また相談に来たときにも対応できるようなシステムになっていまして、そういった中で、キャリアカウンセリングですとか、その適性を見て説明会とか見学会の働きかけとか、そういった格好で就職活動ができるように支援しているところでございます。
あと、地域人づくり事業についてでございますが、本事業は、平成26年度、平成27年度の2カ年において、これまでも実施してきました失業者の雇用機会の確保に加えて、在職者に対する処遇改善に向けた取り組みを支援するものでございます。平成26年度は、県、市町村事業合計で21事業を実施しております。雇用プロセス拡大においては51人の雇用を創出、処遇改善プロセスにあっては23事業所の処遇改善の取り組みを支援していたところでございます。
目標設定に当たりましては、事業開始時に既に行われておりました生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業等の実績を参考にして設定したところでございますが、雇用拡大プロセスについては、既に雇用機会の確保に係る他の緊急雇用事業が実施されていたことから、新規事業の実施希望が少なかったと受けとめております。
処遇改善プロセスにありましては、処遇向上を行うために必要な原資をつくる取り組みに対して支援するというのが国の事業スキームでありまして、なおかつ、事業費に対して相応の効果を求められるという条件も示されておりまして、成果が出せるか否かが不確定な中で、事業者が事業化に踏み出しにくかったといった背景もあるのではないかと思っております。
平成27年度にありましては、平成26年度に事業開始した事業についてのみ実施可能ということでございますので、今年度、その事業の円滑な執行に県としても取り組んでまいりたいと思っています。
〇高橋ものづくり自動車産業振興課総括課長 福祉的な関係での取り組みの連携ということでございましたけれども、県では、医療機器関連産業にターゲットを絞って実施してきているのは、やはり医療機器のマーケットが世界的な形でも伸びているし日本でも伸びていると。また、安定的な形での取引等にもつながっていくという観点も含めて取り組んできておりました。
ただし、なかなかハードルが高いという実情にございますので、その関連も含めたような形での取り組みの幅を広げて裾野の拡大を図っていくという形で今後取り組みをしたいと考えておりますので、福祉産業の部分についても、連携できる部分については研究をしていきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 処遇改善プロセスの関係ですが、ちょっと制度の中身というか、説明では余りよく理解できなかったのですけれども、要はこの中で、例えば正社員化に取り組むであるとか、そして、この説明書を見ると、販路拡大等を含めた支援をするということになっているのですが、具体的にどういう形で正社員化につなげていくのかというところの取り組みがこの事業の肝なのかと私は見ておったのですけれども、今の説明では、なかなかよくその結果というものを十分に説明されていないような気がしてならないのです。
この事業について、雇用対策本部の中でも、長期安定的な雇用創出の拡大の項目の中に位置づけながら取り組んでおりますし、さまざまな対策について講じているわけですけれども、やはり正社員化の問題は非常に今、県として総力を挙げて取り組まなければならない課題だとすれば、この取り組み等も含めて、もう少し具体的な経過あるいは成果につながっていくような中身を示していく必要があるのではないかと思いますけれども、その点について伺いたいと思います。
最後になりますが、離職者等の職業訓練受講者の就職率についてでありますが、アクションプランの指標一覧表の中で、いわゆる達成度Aの具体的評価が出ておりますけれども、その中で、この四つの事業別で示されている離職者等再就職訓練事業、日本版デュアルシステム訓練事業、母子家庭の母等の職業的自立支援事業、女性就業援助事業についてのその評価の内容、概要といいますか、それを示していただきたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 処遇改善のプロセスにつきましては、事業のスキームが、社員に対する講習会等を通じまして社員の能力向上を図って、それによって企業の収益を上げて、その企業収益で賃金のアップとかといったような働きかけをするものでございまして、従前の今いる社員に対しての社員研修等を中心として行われるスキームのものでございます。
正社員化については、県としても非常に大切な課題と思っておりますので、この地域人づくり事業については、平成27年度で終わる事業ではございますが、県としての要請活動等を通じて、正社員拡大については取り組みたいと思っています。
〇工藤労働課長 離職者等の職業訓練受講者の就職率についてでございますが、平成26年度の実績につきまして、指標一覧表では、平成27年7月23日時点の暫定値ということでお示ししてございまして、離職者等再就職訓練事業77.8%、日本版デュアルシステム訓練事業84%など、全体で就職率80.1%ということで目標値を上回っておりますので、達成度Aということにしてございましたが、その後、集計が進んでおりまして、昨日時点でございますが、それぞれ事業ごとには、離職者等再就職訓練事業77.4%、日本版デュアルシステム訓練事業83.7%、母子家庭の母等の職業的自立促進事業86.2%、女性就業援助事業53.3%と、全体の就職率77.6%ということで、全体として目標値の67%を上回っているところでございます。
〇郷右近浩委員長 木村幸弘委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
〇木村幸弘委員 わかりました。最後にします。
今の御答弁をいただいた部分ですけれども、一つは処遇改善プロセス、今おっしゃった中身を聞くと、この雇用対策本部の中で取り組み状況として掲げられた地域人づくり事業、処遇改善プロセスというところの取り組み状況として、非正規労働者の正社員化ということがきちんと掲げられているんですね。こういった部分を見ますと、今の事業の説明を聞くと、従前からのいわゆる社員教育で生産性を上げるだけの話であれば、賃金を上げるための要素であるとか、それは大事な点ではありますけれども、それと同時に、ここに掲げられた正社員化というところの目的が説明にある以上、ここの具体的な事業としての本当の取り組みの目指すべき方向というんですか、そこの位置づけをしっかりと据えてもらわないと、どうもごまかされたような気がしてならないわけでして、この点については、もう少しきちんとやっていただきたい。
しかも、平成27年度で終わりということのようですけれども、本当に何か成果も上がらないまま終わってしまうような形になってしまう事業として、あるいは逆に、成果が上がらないからやめてしまうのか、そういった部分でちょっと考える必要がある事業ではないかと思いますので、所見を伺いたいと思います。
それから、それぞれの就職率の数字はいただきましたが、最後、具体的な人数として、どういう人数がこのそれぞれの事業の中で就職率の人数になっているのかについてお伺いしたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 正社員化につきましては、県としても、正規雇用の拡大という意味で重要な位置づけだと思っていますが、正社員化というのは、県の取り組みだけでできるという部分ではないと思っています。
この地域人づくり事業というのは、国の緊急雇用創出事業の中の一つですが、この制度は平成27年度で終わるとなっています。ただ、国においては、各種助成金の充実等を図るとかいろいろ取り組んでいますので、そういった中で、我々としても利用の促進を図るとか、あるいは、やはり事業主自身に、正社員化に対する取り組みに期待するという意味で要請活動をするとか、そういったさまざまなツールを使いながら、引き続き取り組んでいきたいと思っています。
〇工藤労働課長 就職者の人数でございますが、離職者等再就職訓練事業は、修了者756人に対しまして就職者585人、日本版デュアルシステム訓練事業、修了者349人に対して就職者292人、母子家庭の母等の職業的自立促進事業、修了者29人に対しまして就職者25人、女性就業援助事業、修了者92人に対し就職者49人、合計で、修了者1、226人に対し就職者951人となってございます。
〇千田美津子委員 雇用問題について、簡潔にまとめて伺いますのでお願いいたします。
主要施策の成果に関する説明書の33ページに安定雇用の拡充に対する決算額が約75億円ありますけれども、予算の4割となっているので、この原因についてお伺いいたします。
二つ目は、正規雇用について質問しようと思いましたが、今、木村委員からお話がありましたので、正規雇用の拡大について、県としてもぜひ取り組んでいただきたいと思っております。
障がい者の委託訓練については、先ほど阿部委員が質問されまして、平成26年、平成27年の状況がわかりました。
ただ、私は、この事業は本当に有効な事業ですし、障がい者にとって、雇用を拡大していくというのは本当に大変なことです。この訓練を受けた方々の就職率がかなりいい状況のようですので、ぜひ、これからも手だてを尽くして目標を突破されるように、その点、一言お伺いします。
それから、金ケ崎町にあるトヨタ自動車東日本岩手工場ですけれども、正規雇用の拡大という点で、本当にトヨタ自動車は、この間、正規社員をふやしてきて、しかも期間社員を正規雇用にするなどの取り組みをしてきたと伺っております。それで、どういう状況にあるのか、期間社員の正規雇用への登用数の推移等についてお伺いいたします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 安定雇用の拡充に関する決算の状況でございますが、説明書にあります安定雇用の拡充は、国の緊急雇用創出事業で行っております緊急雇用創出事業費補助、事業復興型雇用創出事業費補助及び生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業で構成されているものでございます。
決算額が約75億円となった主な要因は、事業復興型雇用創出事業費補助が、助成対象事業数が多数であったことから年度内の支払いが完了しなかったことにより減額になったものでございます。年度内に完了しない見込みになった分は、平成26年2月定例会において明許繰越の手続をさせていただいておりまして、6月定例会に82億円余の明許繰越の報告を行っているところでございます。
そういうことで、事業規模は、繰り越し分と平成26年度執行分を合わせますと、ほぼ昨年度並みの決算額になるというような状況でございます。
続きまして、障がい者委託訓練の受講者数の今後の拡大への取り組みということですが、委員御指摘のとおり、この事業は、障がい者雇用について有効な施策の一つと我々も認識しておりますので、障がい者の就労支援をする障がい者職業・生活支援センターでありますとかハローワーク等の関係機関、こういったところと情報共有を行いまして、就労意欲のある障がい者、あるいは障がい者雇用をやってみたいという企業の把握に努めまして、訓練生の確保に引き続き取り組んでいきたいと思っております。
〇瀬川自動車産業振興課長 それでは、トヨタ自動車東日本岩手工場の雇用状況についてお話しします。
トヨタ自動車東日本からの聞き取りによりますと、期間社員の正規雇用が始まったのが平成18年からですが、この年46人、平成19年71人、平成20年には3桁の106人というところまで伸びましたが、それ以降、経済状況等がありまして十数人で推移しながら、平成26年度の10人までという状況に来まして、ことしに入りまして、10月1日現在では、既に50人が正社員に登用にされたということでございます。10年間で延べ331人が期間社員から正社員へとなっております。
正社員、期間社員、派遣社員の現在の状況でございますが、10月1日現在、正規社員が約1、900人、約71%、それから期間社員が約500人、約19%です。派遣社員が約270人で10%ということで、合計2、700人となっておりまして、10年前に比べても全体数は横ばいでありますが、正規社員は約600人ふえて、率にして20%増加しているところでございます。
〇千田美津子委員 緊急雇用等についてはわかりました。それから障がい者の部分についても努力をお願いしたいと思います。
今のトヨタ自動車の関連ですが、正規雇用を拡大してきたという点では本当に素晴らしい、こういう企業が広がることを期待するわけですが、県内では、こういう状況の会社はないのでしょうか。もしわかれば、お伺いいたします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 正社員化への取り組み状況の把握ということで、我々にできる把握の方法としては、厚生労働省においてキャリアアップ助成金という制度がございまして、この制度の中では、有期契約労働者ですとか短期時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用の労働者の方を正規雇用等へ転換する助成制度がございます。
この利用状況を岩手労働局に確認しましたところ、この正規雇用等転換コースを活用した事業所は、平成26年度で26事業所あったと聞いておりますので、26事業所においては、何らかの正社員転換等が行われたのではないかと認識しているところです。
〇千田美津子委員 最後にしますけれども、トヨタ自動車で正規雇用が、10年前50%台が今71%と本当にすばらしい状況だと思います。
県内でも26事業所がそういう取り組みをされているということは、それをもっともっとふやしてもらう、それが県民の願いに応えることになりますので、引き続きこの取り組みをお願いしたいと思います。
〇斉藤信委員 関連。トヨタ自動車東日本岩手工場は、新聞報道で、期間社員から正社員化に100人ふやすと。この見通しを言ってください。
〇瀬川自動車産業振興課長 つい最近も岩手工場の幹部に会いまして、その話をお願いしてまいりましたが、前向きにやるということのお話はいただいております。
〇斉藤信委員 新聞報道で100人を期間社員から正社員にする計画だとあるでしょう。あなたの答弁は全然抽象的じゃないですか。私は具体的に聞いているんですよ。10月1日で50人は期間社員から正社員にしたというんでしょう。これは立派なことですよ。では、あとの50人はいつやるんですか、どういう見通しですかと。私はこのことを聞いているので、新聞報道より抽象的な答弁じゃだめなのではないの。
〇瀬川自動車産業振興課長 失礼いたしました。
来年の4月1日と聞いております。
〇吉田敬子委員 起業支援についてのみお伺いいたします。
平成26年度に、いわて産業振興センター内によろず支援拠点が設置されまして、起業についての無料相談に対応するほか、県では、金融機関と連携した制度融資等により起業の支援をしておられます。
平成20年にできたいわて希望ファンドにおける起業の新事業活動支援事業の一般枠については、昨年度の実績がゼロと低調であると認識していますけれども、支援拠点の起業に関する相談実績並びに県の制度融資等における支援状況がどうなっているかお伺いいたします。
まとめて、これまで起業支援の講座やセミナーを毎年開催されていますけれども、実際に起業につながっている人はどれぐらいいるのか、起業につながっていない割合が多い場合は、なぜそうなのかを県として認識しているかお伺いいたします。
〇高橋経営支援課総括課長 まず、よろず支援拠点ですけれども、創業希望者を含め中小企業者等からのさまざまな経営相談にワンストップで対応するということで昨年6月に設置されまして、中小企業診断士等専門のコーディネーターが、経営改善、売上拡大等の課題解決を図るための助言を行っております。
相談件数ですが、開設から本年8月末までで5、672件となっておりまして、このうち創業希望者からの相談件数は465件となっております。
次に、県の制度融資であるいわて起業家育成資金の利用状況ですが、昨年度は123件、貸付額で約8億円、今年度は8月末現在で38件、約3億円の利用となっており、飲食、サービス業を中心とした利用が多くなっております。
それから、起業のセミナーの関係ですけれども、平成26年度に岩手県商工会連合会、それから盛岡商工会議所でいわて創業スクールといったセミナーを実施しておりますけれども、受講の実績としては、受講者延べ174人、実人数で30人ということになりますが、実際に創業につながった件数は3件と聞いております。
起業につながらない理由というところですけれども、創業スクールの受講後、実際に創業するまでに、具体的な事業計画の策定ですとか、さらに具体的に詰めていくといったこと、あわせて事業資金の調達などもそれにあわせて検討していかなければならないといったようないろいろな段階がありまして、スクールが終わっても、実際に創業に行くまでに一定の時間がかかるといったようなこともあると認識しております。
創業スクールの実施機関では、スクール実施後も、その受講者の状況、相談等には応じており、その段階に応じた支援を行うことにしておりまして、これからも、こういった形でのスクールでの支援、相談対応を引き続き行っていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 30人中3件ということで、特に女性の場合だと、一度仕事をやめて、復帰する際の再就職のときに、小規模であっても起業したいという女性がいるかと思うんですけれども、次あともう一歩というところがなかなか行かないという状況があると私は認識しています。
あと、若者の部分では、例えばU・Iターン支援の中に、実際に就職だけでなくて、起業支援でこういうこともやれるということを実際県でやられているのか、まず、そこを確認しながら伺いたいんですけれども、若者や女性の起業に向けた取り組み状況及び支援制度の、特に若者や女性に優遇措置等を検討すべきだと私は考えておりますが、お伺いいたします。
〇高橋経営支援課総括課長 若者、女性の起業支援ということですけれども、今お話ししたとおり、いわて創業スクールですとか、さまざま商工団体と連携して創業する方々の支援、相談等に対応しております。そういったスクールでは、支援策の情報提供、それから、会計ですとかマーケティング、経営戦略など、創業するために必要な分野のスキルの習得支援を行っております。
その若者、女性の部分については、県で行っている事業としては、本年度、そういった若者や女性が商店街で創業にチャレンジするといったような取り組みを支援するために、ちょっとしたスペースを使って創業に取り組むといったことを行う場合、そういう取り組みをする市町村が創業体験の場を設けることに対しての助成を行っております。
それから、ことし9月には、いわて希望ファンド、先ほどお話がありましたが、若者や女性が創業に取り組む場合の助成率を、これまでの2分の1から3分の2に引き上げたところです。
そういう制度があるといったようなことも周知、そのスクールもそうですし、よろず拠点支援センターもそうですし、そういったところを通じて利用促進に努めていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 U・Iターン支援のときにそういったことを、例えば東京でやられたときにも、就職支援の中でやられているかどうかと伺ったのですが、そこを最後に答弁いただきたいと思います。2分の1から3分の2にことしの10月下旬からの募集でやられるということで、私は今回の優遇措置については大変いい取り組みだと評価しておりますので、ぜひ、こういった枠が広がったことを県内各地に広めていただきたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 私どもでは、U・Iターンについては、就職ということを中心にやっておりまして、戻って起業しましょうとかというのは、現在やっていないという状況です。
〇高橋経営支援課総括課長 今、委員からお話しありましたとおり、こういった制度の内容については、これからもPRに努めて、創業する人たちの支援、後押しをしていきたいと思います。
〇吉田敬子委員 U・Iターン支援のときに起業のそういったことをやられていないというのは、新卒者だけでなく、例えば、一度東京等で仕事をしたけれども、また戻ってくるというUターンの場合は、そういった起業等も含めてやるべきだと私は思うので、今後、ぜひU・Iターン支援の中にも、こういった希望ファンドがあるということの周知徹底を県内だけでなく行っていただきたいと思います。
〇臼澤勉委員 私からは1点、商工業の小規模事業経営支援事業についてお伺いいたします。
小規模事業者は県内の商工業者の87.3%を占める、まさに地域経済の雇用を支える重要な存在でございます。小規模企業振興基本法や中小企業振興条例が施行される中で、ますます商工会議所、商工会の役割が重要になってくると認識してございまして、地方創生の大きな原動力になると認識してございます。
そこで、県内の商工会議所、商工会が、合併等によって経営改善の広域指導体制を確立しておりますけれども、この現状と課題についてお伺いいたします。
〇高橋経営支援課総括課長 商工会、商工会議所の合併等の状況ですけれども、平成11年12月に中小企業基本法が改正されまして、国の経営改善普及事業の実施体制の見直しがありました。それを受けて県では、平成15年3月に、いわゆるマスタープランというものですけれども、広域合併等の取り組みの方向性について策定しております。
このマスタープランに基づきまして、一市町村一商工団体の原則を掲げて合併に取り組んできておりまして、平成16年度に61団体あった商工会議所、商工会は、平成26年度34団体となっておりまして、一つの市町村の中で商工団体併存というのは、奥州市のみという状況になってございます。
〇臼澤勉委員 本県の広域指導の体制といいますか合併等の取り組みは、恐らく他県と比較しても、商工団体のほうで、その改革であり機能強化に取り組んでいるという、非常に評価すべき取り組みと私は認識してございます。
今後、その経営改善であったり創業支援、先ほどの若者あるいは女性の起業支援であったりといった取り組みがさらに重要になってくると思いますし、倒産防止であったり、先ほど福井委員からもありました事業継承の取り組み、専門家の指導が重要になってくると思います。
今後のあるべき姿、方向性を最後にお伺いいたします。
〇高橋経営支援課総括課長 昨年6月に小規模事業者支援法が改正されまして、商工会、商工会議所につきましては、事業計画の策定支援ですとか各事業者のフォローアップを行う、いわゆる伴走型の支援を行うといった機能が求められてきております。
そういう意味ではますます重要になってきておりまして、県では、そういう体制整備を進める上では、商工団体の事業者に対する支援能力の向上がますます重要になってきていると考えておりますので、各団体と連携して、そういう支援能力向上に関する取り組みに努めて、進めていきたいと考えております。
〇名須川晋委員 ちょっと視線が痛いんですけれども、4分、3分ぐらいで終わります。
リノベーションによるまちづくりについてということで伺いたいと思います。
最近、県内でもこのリノベーションによるまちづくりが進められてまいりまして、新しいまちづくりの一つとして、特にも若い人の関心を呼んで、取り組みが進められております。
このリノベーションによるまちづくりとはどういうものかということをまずお伺いします。地方都市リノベーション事業ではないということでお願いします。この県内の状況はどうなっているか、この動きをどう県として捉えているか、あわせて伺います。
〇高橋経営支援課総括課長 リノベーションによるまちづくりということですが、この取り組みは、平成22年ごろに北九州市小倉で街なか再生の取り組みとして始まったと聞いておりまして、民間主導で地域課題を解決するために、空き家、空きビルあるいは空き地、公共不動産を活用して、地域に必要なサービスを配置して、地域活性化やまちづくりにつながる取り組みを比較的小規模なエリアで進めていくということで、エリアの魅力や価値を高めて、それを地域全体に波及させていくといったような取り組みと承知しております。
県内の動きとしましては、花巻市とか紫波町でこういった動きがあると承知しておりまして、花巻市では、中心市街地のビルの改装で新たなエリアづくりを担う拠点が誕生しておりますし、また、紫波町では、その遊休不動産の活用法や事業提案などを学ぶ家守塾という塾の開催で人材育成を始めていると聞いております。
こうした動きは、地域の活性化につながる動きということで、地域活性化の方策としても有効ではないかと認識しております。
〇名須川晋委員 盛岡市でも実はその動きがあるのは御存じでしょうか。それで、直接の担当は県土整備部の建築住宅課、いわゆる空きビル、空き店舗活用というところにあるわけでございますが、先ほど来、吉田敬子委員や臼澤委員がおっしゃっていますけれども、起業や新事業にもつながっていく、そして、若い人がなぜか非常に興味があるんですね。
ですから、これは、私は岩手県全域に広がっていくようにしていけばいいのではないかということでございまして、情報を密にしたしっかりとした連携が県土整備部と必要ではないか、あるいはそこの事業に大きくこの商工労働観光部もかかわっていくことが、私はこれからのまちづくり、商工業の活性化について必要だと思っているわけでございますが、その辺の認識につきまして伺います。
〇高橋経営支援課総括課長 盛岡市につきましても、大通、菜園地区でそういう取り組みをされていると聞いております。
今お話がありましたとおり、地域課題はいろいろあるわけですけれども、さまざまな分野で、単に福祉ですとか、創業ですとか、あるいは地域コミュニティとか、いろいろな機能で地域課題の解決を図っていくといったような要素があります。今まで使われていなかった空きビルに人が何らかの形で入居するということが、創業ですとか、あるいはまちのにぎわいにつながるといったような要素もありまして、当部としても、そういう商業機能の提供や新規創業の展開で、重要な解決策と認識しております。
県土整備部で行っている会議といいますか打ち合わせ等に、当部でも参加して情報交換等を行っておりまして、そういう部局間の連携については取り組んでいきたいと考えております。
〇郷右近浩委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇郷右近浩委員長 質疑がないようでありますので、商工労働観光部関係の質疑をこれで終わります。
商工労働観光部の皆さんは御苦労さまでした。
委員の皆様に御報告いたします。
警察本部から、昨日に発生したパトカーによる交通事故について発言を求められたことから、世話人会で協議した結果、あす、農林水産部審査の前に警察本部長の発言を認めることといたしましたので、あらかじめ御了承願います。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後7時34分 散 会

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