平成27年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成27年10月23日(金)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 菊 池   満
議事管理担当課長 渡 辺 謙 一
主任主査 中 村 佳 和
主任主査 藤 澤 壮 仁
主査 柳 原   悟
主査 田 内 慎 也
主査 菊 地 友 和
主査 菊 池   智
1説明員
政策地域部長 大 平   尚
副部長兼政策推進
室長兼首席
ふるさと振興監 大 槻 英 毅
副部長兼
地域振興室長 宮 野 孝 志
科学ILC
推進室長 佐々木   淳
政策監兼
ふるさと振興監 高 橋 勝 重
評価課長 小 野   博
調整監 森   達 也
政策推進室
管理課長 高 橋 雅 彦
市町村課総括課長 佐 藤 隆 浩
調査統計課
総括課長 佐 藤 和 彦
情報政策課
総括課長 古 舘 慶 之
県北沿岸・定住
交流課長 菅 原 健 司
交通課長 大 坊 哲 央
地域連携推進監 高 橋 浩 進
ILC推進課長 宮   昌 隆

選挙管理委員会
事務局書記長 佐 藤 隆 浩

復興局長 中 村 一 郎
副局長 大 友 宏 司
副局長 高 橋   修
復興推進課
総括課長 石 川 義 晃
まちづくり
再生課総括課長 田 村 荘 弥
産業再生課
総括課長 高 橋   進
生活再建課
総括課長 小笠原 隆 行

警察本部長 堀   誠 司
警務部長 種 田 英 明
生活安全部長 米 澤   崇
刑事部長 西 野   悟
交通部長 藤 田 健 一
警備部長 金 野 順 一
警務部参事官兼
首席監察官 照 井 光 弘
警務部参事官兼
警務課長 佐 藤 力 也
警務部参事兼
会計課長 鈴 木 祐 也
生活安全部
参事官兼
生活安全企画課長 羽 澤 武 志
刑事部参事官兼
刑事企画課長 熊 谷 芳 文
交通部参事官兼
交通企画課長 勝 又   薫
総務課長 玉 澤 賢 一
警備課長 石 川   康
警務課給与調査官 後 藤   泉

企業局長 菅 原 伸 夫
次長兼
経営総務室長 新 屋 浩 二
技師長 中屋敷   暢
経営総務室
管理課長 及 川 立 雄
経営企画課長 朝 岡   薫
業務課総括課長 千 枝 泰 航
電気課長 榮 田   厳
発電所建設課長 野 崎   裕

会計管理者 紺 野 由 夫
出納指導監 田 中 耕 平

監査委員 吉 田 政 司
監査委員 工 藤 洋 子
監査委員事務局長 菊 池   寛
監査第一課
総括課長 小 倉   茂
監査第二課
総括課長 村 上 博 和

財政課総括課長 熊 谷 泰 樹
〇郷右近浩委員長 これより本日の会議を開きます。
これより議事に入ります。
認定第1号から認定第15号まで、並びに議案第47号及び議案第48号までの以上17件を一括議題といたします。
本日は、政策地域部、復興局、警察本部、企業局関係について、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
最初に、政策地域部長に政策地域部関係の説明を求めます。
〇大平政策地域部長 平成26年度の政策地域部関係の決算につきまして御説明申し上げます。
初めに、政策地域部所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針について御説明いたします。
まず、東日本大震災津波からの復旧、復興への取り組みについては、沿岸地域の交通ネットワークの構築に向けた三陸鉄道及びバス事業者に対する運営支援、多様な主体との連携、協働による復興の推進に取り組んだほか、被災市町村に対する復興人材確保等の支援を行ってきました。
また、三陸創造プロジェクトとして、ILCの実現に向けた国内外への情報発信や調査研究、三陸ジオパーク推進のための体制の強化のほか、海洋再生可能エネルギー研究拠点の形成に向けた調査やプロジェクトの導入などに取り組みました。
次に、いわて県民計画に掲げる取り組みについてですが、まず、希望郷いわての実現に向けて、社会経済情勢の変化による新たな県政課題等に対応した政策形成のための調査、検討のほか、ラグビーワールドカップ2019日本大会の釜石市開催に向けた支援に取り組みました。
次に、広域振興圏の振興に向けて、広域振興局体制のもと、各圏域が掲げる目指す将来像の実現に向けた各種施策を実施し、特に県北・沿岸圏域については、地域資源を生かした戦略的な振興策に取り組みました。
次に、安心して、心豊かに暮らせるいわての実現に向けて、本県への定住、交流を促進する取り組みの実施や地域コミュニティーの再生、活性化に対する支援に取り組みました。
また、いわてを支える基盤の実現に向けて、鉄道、バス事業者への経営安定に向けた支援による交通基盤の維持、確保や、効率的な地域交通体系の構築に取り組んだほか、携帯電話の利用可能地域の拡大に対する支援など、情報通信基盤の整備と情報通信技術の利活用促進に取り組みました。
さらに、政策評価システムの活用による効果的、効率的な施策の推進及び統計数値の把握、分析などにより、政策形成支援機能の充実に努めました。
引き続き、政策評価制度に基づき、各施策の成果や課題等の検証を行い、その結果を次の施策に適切に反映させていくなど、より効果的な政策の推進に努めてまいります。
今後におきましても、復興とふるさと振興を進め、直面する課題解決に向け、総力を結集し、いわて県民計画に掲げる希望郷いわての実現を目指してまいります。
続きまして、決算の概要につきまして御説明いたします。
岩手県歳入歳出決算書の12ページ、13ページをお開き願います。政策地域部関係の決算につきましては、2款総務費のうち、1項総務管理費、2項企画費の一部、4項地域振興費、5項選挙費及び7項統計調査費、16ページと17ページの11款災害復旧費のうち、1項庁舎等施設災害復旧費の一部及び7項鉄道施設災害復旧費でありますが、これらの支出済総額は89億330万円余であり、翌年度への繰越額は8億7、935万円余、不用額は3億599万円余となっています。
それでは、決算の内容につきまして、お手元に配付しております歳入歳出決算事項別明細書により御説明いたします。
なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただき、主な事業の内容を中心に御説明いたしますので、御了承願います。
事項別明細書の158ページ、159ページをお開き願います。2款総務費1項総務管理費7目情報システム管理費ですが、支出済額10億8、311万円余は、財務会計や税業務などのオンラインシステムや通信ネットワーク等、庁内の行政情報システムの管理のほか、社会保障と税の番号、いわゆるマイナンバー制度の運用に伴うシステム整備に要した経費であります。
なお、繰越明許費でありますが、7目地域振興総務費4億9、280万円余は、情報システム最適化事業費及び情報システム整備費の一部を繰り越したものであります。
162ページ、163ページをお開き願います。2項企画費1目企画総務費のうち、当部関係の支出済額は2億9、688万円余でありますが、その主なものについて御説明いたします。まず、右側備考欄の上から二つ目のいわて三陸復興のかけ橋推進事業費は、復興支援ポータルサイトを活用し、復興支援マッチングや県内外とのネットワーク強化、情報発信等に要した経費であります。次に、一つ飛びまして、民俗文化地域連携事業費は、鳥取県及び徳島県との連携による民俗文化をテーマとした地域間交流事業の実施に要した経費であります。次に、2目計画調査費のうち、当部関係の支出済額は2、574万円余でありますが、その主なものについて御説明いたします。164ページ、165ページをお開き願います。まず、右側備考欄一番上の戦略的県民計画推進費は、新たな県政課題等に対応した施策立案に向けた調査、検討やデジタルコンテンツ産業の育成等、先導的施策の実施に要した経費であります。次の政策形成推進費は、政策評価や施策の企画、立案に資する各種調査や統計資料の収集等に要した経費であります。
なお、繰越明許費でありますが、162ページ、163ページにお戻りいただきまして、2目計画調査費2、000万円は、岩手県まち・ひと・しごと総合戦略策定費を繰り越したものであります。164ページ、165ページをお開き願います。4目科学技術振興費の支出済額1億4、784万円余のうち、主なものについて御説明いたします。まず、上から三つ目のいわて戦略的研究開発推進事業費は、次世代産業の創出につながる有望な研究開発シーズの発掘、育成とその事業化に向けた支援等に要した経費であります。次に、一番下の国際的研究拠点構築事業費は、釜石沖の海洋再生可能エネルギー実証フィールドの実現に向けたシンポジウムの開催や調査等に要した経費であります。166ページ、167ページをお開き願います。右側備考欄の一番上の洋上ウィンドファーム事業化促進事業費は、沿岸北部における洋上風力発電の事業化に向けた研究会の開催や調査等に要した経費であります。次のプロジェクト研究調査事業費は、ILCの実現に向けて、国内外への情報発信や立地環境等に関する調査研究等に要した経費であります。
なお、繰越明許費でありますが、164ページ、165ページにお戻りいただきまして、4目科学技術振興費8、350万円は、次世代産業シーズ育成等支援事業費を繰り越したものであります。
次に、168ページ、169ページをお開き願います。4項地域振興費1目地域振興総務費の支出済額32億8、427万円余のうち、主なものについて御説明いたします。まず、上から四つ目の地域経営推進費は、広域振興局において、市町村やNPO、民間との協働のもと、圏域の振興を図るために要した経費であります。次に、世界遺産平泉理念普及事業費は、復興の象徴である世界遺産平泉の理念を国内外へ広く発信するために要した経費であります。次に、一つ飛びまして、携帯電話等エリア整備事業費補助は、携帯電話の利用可能地域の拡大を図るため、市町村が行う整備事業に対して助成したものであります。次に、一つ飛びまして、県北・沿岸振興費は、県北・沿岸圏域の振興を図るため、地域資源の活用による地域活性化に向けた取り組み等に要した経費であります。次に、県北振興重点支援事業費は、地域資源を生かした食の魅力向上や食産業の集積等による産業振興を推進する取り組み等に要した経費であります。次に、三陸ジオパーク推進費は、日本ジオパークの認定を契機とした推進体制の整備や国内外への情報発信等に要した経費であります。次に、いわてへの定住・交流促進事業費は、本県への定住、交流の拡大を図るため、県外での情報発信や被災地の復興、過疎地の活性化を担ういわて復興応援隊の受け入れ等に要した経費であります。
なお、繰越明許費でありますが、1目地域振興総務費1億4、559万円余は、地域経営推進費、県北・沿岸振興費の一部、いわて地域力活性化推進事業費、三陸ジオパーク広域観光創造事業費を繰り越したものであります。
次に、2目市町村振興費の支出済額9億329万円余のうち、主なものについて御説明いたします。170ページ、171ページをお開き願います。上から二つ目の市町村振興宝くじ交付金は、市町村への貸し付けの原資や交付資金とするため、公益財団法人岩手県市町村振興協会に対して、市町村振興宝くじ等の販売収益金を交付したものであります。次に、3目交通対策費の支出済額13億1、843万円余のうち、主なものについて御説明いたします。上から三つ目の三陸鉄道運営支援事業費は、関係市町村と連携し、駅舎、その他設備の整備、維持等に係る経費について助成するとともに、運転資金の貸し付け等を行ったものであります。次に、一つ飛びまして、並行在来線対策事業費は、IGRいわて銀河鉄道株式会社による鉄道事業の経営を支援するため、鉄道設備の災害復旧に要した経費を助成したものであります。次に、バス運行対策費は、地方バス路線を運行するバス事業者に対して、国庫補助制度に基づき、運行欠損額及び車両購入費を助成したものであります。
なお、繰越明許費でありますが、3目交通対策費の繰越明許費4、900万円は、三陸鉄道運営支援事業費の一部、地域公共交通活性化推進事業費補助を繰り越したものであります。また、事故繰越8、845万円余は、三陸鉄道運営支援事業費の一部を繰り越したものであります。
5項選挙費ですが、支出済額8億2、300万円余は、県選挙管理委員会の運営及び衆議院議員総選挙等の管理執行等に要した経費であります。
次に、176ページ、177ページをお開き願います。7項統計調査費ですが、支出済額5億5、642万円余は、人件費及び一般管理事務並びに県単独で実施した統計調査、及び国の委託により実施した統計調査等に要した経費であります。
次に、大きく飛びまして、340ページ、341ページをお開き願います。11款災害復旧費1項庁舎等施設災害復旧費1目庁公舎等災害復旧費のうち、当部関係の支出済額1、900万円余は、前年度からの繰越事業でありますが、平成25年7月の大雨により損傷したいわて体験交流施設・平庭高原自然交流館の浄化槽設備修繕に要した経費であります。
少し飛びまして、350ページ、351ページをお開き願います。7項鉄道施設災害復旧費1目鉄道施設災害復旧費の支出済額4億4、527万円余は、前年度からの繰越事業でありますが、三陸鉄道の施設復旧に要した経費を助成したものであります。
以上で説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇郷右近浩委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いするとともに、決算の審査であることを踏まえ、当該年度の決算に関する質疑とするようお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋但馬委員 私は、いわてへの定住・交流促進事業費についてお伺いいたします。
いわて県民計画実施状況報告書の89ページに、岩手ファンの拡大と交流人口の増加、その推進方策を構成する事業実績によりますと、県外イベント情報収集件数は、計画値5件に対し、実績値が5件ということで、達成度がAとなっています。東京や仙台で開催しているイベント内容、概要については資料をいただいたのですけれども、その中身について、もう少し詳しくお知らせください。
〇菅原県北沿岸・定住交流課長 県外イベントの開催内容についてでありますが、首都圏で開催される移住イベントは、地方への移住希望者や移住に関心のある方に直接アプローチできる貴重な機会であると考えておりまして、いずれも東京都で開催されましたふるさと回帰フェア、そして、JOIN移住・交流フェアに市町村とともに参加し、移住に関する各種情報の提供や移住相談を実施したところでございます。
また、本県へのU・Iターン就職を希望する学生や社会人に対する説明会といたしまして、東京での岩手県U・Iターンフェアの開催、これは2回になりますけれども、あとは仙台市での東北6県合同説明会に参加し、就職を含めた移住相談に対応したものでございます。
〇高橋但馬委員 そして、この(4)のところの移住・定住者が活躍できる環境の整備ということで、意見交換した移住・定住者数というものがあるのですけれども、これは、その県外のイベントで意見交換をしたという理解でよろしいですか。
〇菅原県北沿岸・定住交流課長 こちらは、県外イベントで意見交換をした移住、定住者数ではなくて、いわて復興応援隊など、本県に実際に移住された方との意見交換会でありますとか、あと、移住者へのインタビューを通じて意見交換を行った人数をカウントしているものでございます。
〇高橋但馬委員 ということは、では、また別だということですね。わかりました。
それでは、この現状値で、平成22年度、その意見交換した人数が4人で、実績値が今回57人ということで、かなりの人数がふえているということなのですけれども、この平成22年度に低かった原因はどのように考えているか。あともう一つは、県外からの移住・定住者数が、平成26年度は実績値で1、107人でありますが、この方々は、岩手のどのようなところに引かれて移住してきたのかお知らせください。
〇菅原県北沿岸・定住交流課長 平成22年度は、移住者との意見交換会が1回の開催にとどまっておりまして、実績値が少なかったものでございますけれども、平成23年度からは、いわて県民計画の第2期アクションプランに、移住・定住者が活躍できる環境の整備を掲げまして、移住者の意見の把握に積極的に努めることとしたものでございます。
また、東日本大震災津波発災後の平成24年度からは、県外からの若者を中心としたいわて復興応援隊の受け入れを開始しておりまして、随時、いわて復興応援隊でありますとか地域おこし協力隊との意見交換を実施しておりまして、こうした意見交換や移住者へのインタビュー等を通じて、本県への移住、定住施策の参考とするとともに、インタビューの内容については、ホームページ等で情報発信を行っているところでございます。
また、岩手のどのようなところに引かれて移住したかについてでございますけれども、これは、データの性格上、ちょっと詳しい分析はできておりませんが、移住者との意見交換やインタビューからは、東日本大震災津波をきっかけとして、Uターンや復興支援のために移住された方、あるいは自然環境や子育て環境に引かれて移住された方、定年後、田舎暮らしにあこがれて移住された方と、特定のパターンというよりは、さまざまな移住パターンがあるものと承知しております。
〇高橋但馬委員 今、定住人口が減少する中で、交流人口をふやすことは、その緩和策になると思うんです。この人口減少を解決するためには、やっぱり人口をふやす以外ないということだと思うんですね。1、107名の方々が岩手に入ってきているわけですけれども、やっぱりその人たちの意見をしっかりと分析して、どういうニーズに岩手県として応えていくか、ありのままの岩手というよりも、こちら側として、受け入れる体制として、こういう意見が多いのであれば、ハード面もあるかもしれませんけれども、そういうものに対してしっかりと県として取り組む必要があると思います。
平成26年度の現状を踏まえて、平成27年度はどのように取り組んでいるのかお知らせください。
〇菅原県北沿岸・定住交流課長 本県では、これまで首都圏でのU・Iターンフェアの開催ですとか移住イベントに出展するなど、本県への移住に関する各種情報提供や移住相談を実施してきたところでございます。
このような取り組みに加えまして、今年度におきましては、新たに東京のふるさと回帰支援センターに移住相談員を配置しまして、岩手県Uターンセンターと連携を図りながら移住相談に対応しているほか、定住交流ホームページのリニューアル、そして、総務省のホームページ、全国移住ナビや移住情報誌への移住者インタビュー記事の掲載、また、PR動画の制作など、情報発信の強化をしているところでございまして、この中で、移住者のニーズをしっかりと把握したいと考えております。
引き続き、市町村や関係機関との連携を強化しながら、移住、定住の一層の促進に向けて取り組んでまいります。
〇工藤勝子委員 私は、いわて県民計画第2期アクションプラン、平成23年度から平成26年度までの成果と課題についてお伺いいたします。
この間、東日本大震災津波の発災もありまして、復興計画と一体的になったものもあるだろうと思っているところであります。政策編の全体の状況ですけれども、達成、おおむね達成は、270指標で78.9%となっております。平成26年度の最終目標に対する進捗率も80%以上となっているところでありまして、非常に高いと私は思っております。特にも産業、雇用面におきましては、おおむね達成を含めますと14指標で93.3%、安全・安心の部分でも34指標で91.9%、このように非常に高いわけであります。
そういう中において、検証結果が高いということはすばらしいことだと思っておりますけれども、目標値の設定に問題があるのではないかと私は思ったところでもあります。
その中で、目標値の設定に何を基準として立てられているのかというところをお伺いしたいと思っております。この設定の仕方が低いという考え方はないでしょうか、お伺いいたします。
〇小野評価課長 アクションプランの目標値の設定の考え方についてでございますが、第2期アクションプランでは、いわて県民計画長期ビジョンの政策推進の基本方向を踏まえまして、それぞれの政策項目ごとに、目指す姿、それから、その実現に向けて地域社会が一体となって取り組む内容などを盛り込んでおります。それで、目指す姿指標と、それらを達成するための具体的な推進方策指標を掲げ、目標値を設定しております。
それぞれの指標につきましては、例えば、第1期アクションプランの実績など過去の実績値や将来推計値、また、分野別計画や国の設定している基準値、全国平均値、ベンチマークとなる都道府県の水準などを踏まえまして、アクションプランの目指す姿を体現し、推進方策の目指す達成水準をできるだけ的確に示す目標値を設定しているところでございます。
〇工藤勝子委員 例えば、県民意識調査というのがありますね。一緒になってありました。一例を挙げますと、安定した就職活動の重要度は9位であります。満足度は46位、ニーズは第1位であります。いかに県民の人たちが、やはり仕事、こういう関係にニーズが高いかということがわかると思っております。
しかし、この中で、産業、雇用の43指標でおおむね達成が86%となっているわけでありますが、結局、先ほど言いましたように、14指標では93.3%、ニーズで一番高い。だけれども、県民がどの程度満足しているかということになってくると、46位と非常に満足していないのです。このギャップをどう捉えているのかお伺いします。
〇小野評価課長 ただいま県民意識調査など、県民の実感とのギャップについて御質問がございました。
今回、主要施策の成果に関する説明書で御報告した政策評価の結果につきましては、アクションプランに盛り込みました目指す姿指標、それから具体的推進方策指標の目標値に対する達成度を取りまとめた業績指標評価でございます。
今後でございますけれども、各指標の達成度に加えまして、今お話がございましたような県民意識調査の結果、それから、県以外のさまざまな主体の取り組み状況でありますとか、社会経済情勢なども踏まえました総合的な評価を行いまして、その結果を11月に政策評価レポートという形で県議会に御報告する予定でございます。
その中では、今、委員からお話がございましたように、県民の皆様の意識、実感がどのようになっているか、県民意識調査の結果、こうしたものも十分に踏まえながら、最終的な取りまとめを行ってまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 結局、県民が満足する、例えばニーズが高くて、やはりそれにある程度それが、満足度が1位にならなくても、46位ということはないだろうなと。もうちょっと近づけていかないと、結局、今のこの進捗率とか、おおむね達成、そして達成されているという部分とうまく合わないのではないかという気がしてならないわけであります。この辺のところを次の指標を出すときにしっかり捉えていただければと思っております。
私たちが実現していきたい岩手の未来というものがございます。仕事、暮らし、学びということになっております。いきいきと働いています。安心して暮らしています。学び・こころ、楽しく学んでいます。というようなことも上げられております。
ただ、仕事の中でも、岩手県は働き盛りの自殺率が高いということであります。そして、暮らしの関係も、震災のこともありまして、被災地のほうでは今、まだまだ安心できるような状態ではない。医療、福祉、介護にしても、施設も足りない、介護職員も足りない、医師の人材、看護師の人材も足りないという中で、非常にこの指標の出し方も問題があるのではないかと考えたところでもあります。
学び・こころの関係でも、いじめの問題もありました。そして今、中学校2年生でしょうか、不登校が多くなってきていると。
そういう中で、知事が言っているように、このいろいろな暮らしにくさとか、学びにくさとか、そういうものがここから出てきたのではないかと私は思ったところでもあります。ですから、この進捗率の高さは余り理解できないわけでありますが、もう少し現実的に物を見ていったらいいのではないかと思っているところでもあります。
そういう中で、この第2期アクションプランの成果とどういう事業に成果が出たのか、そしてまた、第3期アクションプランに向けて課題をどう捉えているのかお伺いいたします。
〇小野評価課長 全般にわたるアクションプランの、まず、成果についてでございますが、政策推進目標を見ますと、人口について、社会減が平成24年以降3年連続2、000人台で推移したこと、県民所得について、県民所得と国民所得の乖離が縮小傾向にあること、雇用環境について、求人不足数が大幅に改善し、平成26年度は有効求人数が有効求職者数を2、500人上回ったこと、地域医療について、平成18年に人口10万人当たり112.3人であった病院勤務医師数が、平成24年度に124.6人と増加傾向にあることなど、本県が直面する重要課題につきまして、着実に成果が出てきているところでございます。
また、先ほどお話しいたしましたアクションプランに掲げる42の政策項目を見ますと、目指す姿指標につきましては、達成及びおおむね達成となっているものが全体の約7割、具体的な推進方策指標につきましては、全体の約8割となったところではございます。
また、お尋ねの特に成果が出た指標を個別に見てまいりますと、産業・雇用分野での自動車関連産業の集積促進でありますとか、水産加工業の復興支援に係る事業、また、農林水産分野では、安全・安心産地の形成、農林水産物の高付加価値化の推進に係る事業、また、医療・子育て・福祉分野では、感染症対策の推進でありますとか、高齢者や障がい者が住み慣れた地域で安心して生活できる環境の構築などの取り組みに係る事業が、おおむね目標を達成していると評価しているところでございます。
一方で、さまざまな課題もございます。例えば、まず、復興に向けて、安全の確保、それから暮らしの再建、なりわいの再生、この三つの柱に基づきまして、各分野において、本格復興のステージに移行し、取り組みを進めているところではございますが、第2期アクションプランの政策7、社会資本・公共交通・情報基盤を見ますと、防潮堤等の津波防災施設の整備でありますとか災害公営住宅の整備の進捗などにおくれが見られるところであり、引き続き、県の総力を挙げて、一日も早い復興に向けた取り組みを進めていくことが必要であります。
また、政策推進目標の各具体目標について、着実に成果が出てきてはおりますけれども、例えば有効求人倍率が1倍を超えているにもかかわらず、昨年度は人口の社会減が拡大に転じたこと、また、雇用環境につきまして、雇用の量の確保に加え、質の向上が重要となることなど、本県を取り巻く社会経済環境も大きく変化しております。
こうした課題に対応するための施策を推進していくことが重要と考えているところでございまして、こうした政策評価、これから行います政策評価レポートなどの結果も踏まえまして、現在、策定に向けて作業を進めております第3期アクションプランにしっかりと反映していくことが必要と考えております。
〇郷右近浩委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇工藤勝子委員 そういう形の中で、成果を踏まえ、そして、課題を見据えながら次の第3期アクションプランに入っていくんだろうと思っております。では、この第3期アクションプランを公表する時期、平成27年度から平成30年度までが第3期となっているわけでありますが、いつごろ公表できるようになっているんでしょうか、お伺いしたいと思っております。
また、さらに、今、県でも、国もそうですけれども、若者、女性の活躍できる社会環境づくりという形の中で、第3期アクションプランにこういう事業、例えば国でいう一億総活躍、そういう部分に対してどういう事業を新たに起こそうとしているのか、今考えているのか、その辺のところをお聞きしたいと思っております。
〇高橋政策監 まず、現在、策定作業を進めております第3期アクションプランの公表についてでございますが、この後、11月には素案を取りまとめまして、議会のほうへ御提示し、パブリック・コメント等を行いながら、そういった御意見を踏まえまして、来年1月中に最終案を取りまとめまして、改めて議会に御提示の上、2月初旬には公表するよう策定を進めてまいりたいと考えております。
また、第3期アクションプランに盛り込む施策、事業の方針についてでございますけれども、第3期アクションプランにつきましては、第1期、第2期の成果と課題を踏まえながら、また、議員御指摘のとおり、今後4年間というものは、このいわて県民計画の最終期間になるものであります。そうしたことを踏まえ、その先も見据えながら、これまでの希望郷いわての実現に向けた取り組みの総仕上げを行うようなプランとするよう考えております。
そうしたことから、まず、復興施策については、今後の復興の量も確保しながら、被災者の心のケアですとかコミュニティーの再生、まちのにぎわいの創出など、復興の質の向上に取り組むことがまず一つ、また、復興と並び喫緊の課題である人口減少に立ち向かい、ふるさと振興を展開するため、今般策定するふるさと振興総合戦略と一体的なプランの推進というものを考えておりまして、こういった基本的な考え方のもと、先ほど評価課長が答弁申し上げました検証結果ですとか、あるいは社会状況の変化等を踏まえまして、一日も早い復興に向けた取り組みですとか、ふるさと振興の取り組みを取り入れたプランとなるよう策定を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 やめようと思いましたけれども、先ほど私が言いました、例えば女性や若者の関係をどう盛り込もうとしているのか、ちょっと答弁できないでしょうか。
〇高橋政策監 今般、アクションプランに先立って策定しますふるさと振興総合戦略において、岩手への新しい人の流れをつくるための若者の就職の支援ですとか、あるいは女性の活躍の場の拡大等を盛り込んでおるものですけれども、そういったものについて、アクションプランのほうに包含するような形で、具体の目標ですとか工程表なりをプランとしてまとめていくような方向で考えております。
具体の中身につきましては、今、全庁的に検討、調整しているところでございますので、個々の具体的な事業等についての答弁は、この場ではちょっと控えさせていただきたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 今の工藤勝子委員の質疑の中ですけれども、毎回問題になっていますが、この指標と達成度の評価と実態を見ていますと、医師の招聘についても、平成26年度は病院勤務医師数10万人当たり、大体人口10万人当たりという医師数の数え方、久慈広域は6万幾らですよ。大体現実的じゃないでしょう。違った指標を持ってもいいのではないかと私は前も言った記憶がありますけれども、10万人当たり何人とかという医師の捉え方というのは、独自に捉えてもいいのではないですか。例えば、広域圏ごとにとかですね。盛岡まで含めれば当然医師数がアップするに決まっているのであって、実態を把握していないわけですね。
そして、平成26年度はまだ実績値が測定できないということでしたけれども、評価として、同年中の医師の招聘は順調に進みましたと書いています。順調に進んでいたら、何で議会で医師不足の議論があれだけなるわけですか。そういうことを言っているわけです。つまり、実態とこの目標値とのずれが大き過ぎるのではないかということですよ。もしくは、今のあれで言うと、数値そのものが、達成可能な数値を想定しているだけであって、むしろ、本来あるべき姿の例えば医師数を目標値にしていないということのあらわれじゃないですか。どうなんでしょうか。
〇小野評価課長 ただいまアクションプランの指標の設定─水準も含めてでございますけれども─について御質問がございました。ただいまお話しいただきましたように、指標につきましては、第1期、そして足元の実績、それから、今後どういう形の方向を目指していくのかといったような、それぞれの施策につきまして十分な評価、検証、そして、これからの方向性を検討した上で目標設定をしていくこととしておりますけれども、特に第2期、そして、次につくります第3期アクションプランにつきましては、いわて県民計画の最終の期間でございますので、最終的な目標の達成に向けて、十分に指標の水準につきまして検討を進めた上で、できるだけ、それぞれの分野においてきちっと実態を把握できるような指標の設定にしていくことが重要と考えております。
現在、策定作業を進めております第3期アクションプランの策定作業の中で、特に指標の設定、水準の持ち方につきまして十分に留意いたしまして作業を進めてまいりたいと考えます。
〇嵯峨壱朗委員 ぜひそうしてもらいたいですし、これはずっと前からやっている議論なんですね。でも、改善されていないのが実態です。ですから、今言われたとおりに、次はぜひそうしてもらいたいし、そうしないと実態と違うでしょう。県北・沿岸地域の医師数の確認の仕方とね。そして、トータルで10万人当たり何ぼと言ったって、全然実態を把握していないわけですし。ですから、実態をきっちりと前提にして目標設定してもらいたいと思います。
そうしないと、これは一つの例で取り上げたのですけれども、恐らく細かく見ていると、いろいろな項目でそういった面があると思うんで、今言ったとおりのことを実際にやっていかないと、現場に即したとか、寄り添ったということにならないのではないかと思うので、ぜひ、その辺はきっちり対応していただきたいと思います。
何かあったら。
〇大平政策地域部長 委員御指摘の県民との実感とか、さまざまな問題が指標にあるということは承知してございます。一方で、10万人当たりというのは、国の考え方とかがあるわけでありますので、新たな指標をつくる際には、ただ機械的に書くのではなくて、そこにコメントなり、医師の偏在化とか、これは全県の指標でありますのでたまたまそういうふうになってございますが、全県でよくなっていても、偏在化しているという大きな問題があるわけでありますので、その辺も、指標の具体的な数字にあらわれるかは別にいたしまして、コメントとして下につけ加えるとか、さまざまな工夫の余地があると思っておりますので、先ほどの工藤勝子委員のおっしゃることとあわせまして、少しでも県民の実感を反映したような指標となるようにいたします。
なお、評価課長が最初に申し上げましたように、評価レポートという形で、そういう課題もあるよということを踏まえた次の施策ということも、今後、議会に提示してまいりますので、そちらのほうもよろしくお願いいたします。
〇工藤勝博委員 私から、まず1点目の質問をさせていただきます。並行在来線対策費についてお伺いいたしますけれども、私もIGR銀河鉄道の利用者の一人として、IGR銀河鉄道の運営の状況からまずお聞きしたいと思います。どのようになっているでしょうか。
〇大坊交通課長 IGRいわて銀河鉄道の運営についてのお尋ねでございます。
IGRにつきましては、平成23年度から平成26年度まで4期連続の単体黒字となっておりまして、平成27年度も単年度の黒字、おおよそ1億1、500万円ほどですが、こういったところを見込んでおります。
県といたしましては、当面は堅調な経営が続くものと考えてございます。
〇工藤勝博委員 大変業績がいいという報告でありますけれども、平成25年度は若干落ち込んだ資料をいただいておりますが、そういう中で、旅客収入が15億8、757万円余、そして、それ以上の収入が、鉄道線路利用料のほうがはるかに多いんですね。この利用料収入が、これからも続くとは到底思われませんけれども、その辺の今後の見通しはどうなんでしょうか。
〇大坊交通課長 今、貨物線の使用料のお話がございました。平成25年度を例にいたしますと、営業収入が全体で45億円ございますが、今お話のありました旅客収入が15億円、線路使用料が27億円というかなりの額で、これで経営を支えているということになります。
今後につきましては、この制度につきましては、国のほうでしっかりと並行在来線対策ということで制度自体は維持するという基本的な方向が示されてございますので、当面の間はこのスキームで行くのではないかと思いますが、例えば貨物列車が今年間49本通っているんですが、これが、例えばですが、減るとかということになりますと、当然線路使用料が減ってまいりますので、こういうことがないように、物流の大動脈でもありますので、ぜひ貨物のほうには使っていただくという働きかけをしたいと思います。
〇工藤勝博委員 この線路利用料の中で、ことしですか、ブルートレイン北斗星が廃止ということになっています。それらも含めて、経済によってかなり物流もどうなるか見通しができないわけですけれども、そういう中で、やはり確たる仕組みを国にも働きかけながらつくっていくべきだろうと思います。
そしてまた、そういう中でお伺いしますけれども、会社関係の中で従業員、社員の状況はどうなっているんでしょうか。
〇大坊交通課長 ただいまIGRの社内の関係ということでお尋ねでございますが、IGRは、会社を設立したのが平成13年となりまして、10年余会社を経営してきております。この間、当初、JR東日本から出向という形で非常に多くの職員を迎えておりましたが、おかげさまでプロパーの職員の採用も順調に進みまして、現在で社員数200人超、205人だったと記憶しておりますが、このぐらいの会社になっておりまして、やはり計画的に採用しておりますので、非常に若い、活気に満ちた会社ではないかと考えております。
〇工藤勝博委員 今お話がありましたけれども、開業してから15年になるわけですが、現在の従業員、社員は235人と伺っています。そして、平均年齢が40歳ちょっとですけれども、ただ、この資料の中では、勤続年数が6年ということで、余りにも短いのではないかと思います。
先ほどプロパーの話もありました。生え抜きの社員が育っていないと私は見てるんです。というのも、やはり会社自体が、現業部門といいますか輸送部門、これはやっぱり相当経験年数も踏まなければ、この運営は順調に進まないだろうと思います。それに比較して勤続年数が短いというのは、何か原因があるのではないかと思いますけれども、その辺はどうですか。
〇大坊交通課長 勤続年数のお尋ねでございますが、先ほど私が申し上げましたとおり、プロパーの社員をここ10年来で計画的に採用しているということで、どんどん毎年若い人たちが入ってくるということで、そういった面での平均が10年というスパンの中で、勤続年数が短いという話は一つあると思います。
あと、お尋ねの中で、経験、勤続年数が少ないと運輸に非常に支障が出るのではないかという話で、これは本当にその点はございます。JR東日本でも今、技術の継承ということで、多くの技術を持った方々が大量に退職しますので、この技術をどう継承するかというのに力を割いております。
IGRでも同様で、特に若い社員が入ってきますので、保線の技術であるとかあるいは運行指令の技術というものをJR東日本の出向の職員から一生懸命身につけるようなシステム的な研修が行われていると聞いておりまして、こういったことが一層進むように支援してまいりたいと思います。
〇工藤勝博委員 従業員の中にはJR東日本からの出向者もかなりな人数入っていますけれども、そういう技術者、特にも現場をきちっとこなせる人材、これは本当に大事だろうと思いますし、若い社員を育成するにしても、そう短時間ではできないだろうと思いますので、これはやっぱり大事にしていかなければならないだろうと思います。
そういうことも含めて、ぜひ社内での融和策といいますか、そういうものが当然出ていかないと、出向者と、県からも出向しているようですが、それらも含めて十分気をつけていただきたいと思います。
次に、営業費の中で直近の5年間を見ますと、旅費交通費が平成26年は断トツに多いんですね。本当にびっくりするぐらい。今テレビでやっています、びっくりぽんです。直近は200万円台なのが、平成26年度は1、400万円ということで、約6倍、7倍近い費用がかかっている。これはちょっと解せない部分があるのですけれども、その辺の事情をちょっとお伺いしたいと思います。
〇大坊交通課長 IGRの事業報告書が私の手元にございまして、委員御指摘のとおり、旅費交通費等が、平成26年度、運送費の仕分けの中で1、400万円ほどとなっております。平成25年度につきましては、旅費交通費が一般管理費ということで380万円ほどになっております。
実は、この会社の経理決算の仕方が平成26年度から変わっておりまして、平成25年度までは一般管理費1本で事業報告書に載っております。平成26年度につきましては、一般管理費に加えまして、運送費という形でもう一枚資料を載せておりまして、この運送費というのは、現業部門の旅費とかがここに計上されております。一般管理費というのは総務系の動きの旅費等が計上されておりまして、今回御比較されている1、400万円の部分、合わせれば2、000万円近くになるのですけれども、1、400万円部分は、ことしから新たに現業部門の旅費交通費を事業報告書に載せさせてもらったというものになります。ですから、一般管理費ベースでの御比較をいただくと、平成25年度が382万6、000円、平成26年度が649万4、000円というような形となっております。
〇工藤勝博委員 それにしても、会計の仕分けが変わったと言いますけれども、金額的には約倍になっていますね。その辺は、もしわかる範囲であれば、お知らせ願いたいと思います。
〇大坊交通課長 この中身は確かにふえておりますが、私が聞き及ぶところでは、先ほど寝台列車の話もございました。かなり寝台列車の減収分もこれから影響が出てまいりますので、そういった意味で、営業を強化するということで、関連事業等、そういった中でセールスをするとかという営業費の部分での旅費がふえているという話は聞いてございます。
〇工藤勝博委員 IGRでは、かなり多角的な営業もされております。飲食店も含めていろいろな形で、お客さんの利便性を考えてだろうと思いますけれども、やはり説明のつくような経費の支出はするべきだろうと思います。
そういう中で、IGRは株式総数の54%が県の出資でもございます。取締役会長は達増知事ということで、あとは、取締役に沿線市町の首長がなっているという、まさに第三セクターの典型的な会社なわけですけれども、それらを見ますと、利用者の利便性は当然そうなのですが、社員との一体感がないとこの運営は継続できないだろうと思います。
そういうことも含めて、私が思うには、どうしてもそういう上から目線での会社運営になっているのではないかと思いますけれども、それらをどのように捉えているのかお伺いしたいと思います。
〇大坊交通課長 今御指摘ございました社内の融和という点は非常に重要でございまして、言ってみれば、JR東日本の職員の方とかプロパーの職員、あるいは、先ほど言いました県職員といったようなさまざまな人たちでこの会社は構成されておりまして、さまざまな企業文化の違いがあるのもまた事実であります。
そういった中で、やはり融和というのは非常に重要な話でありまして、こういったところには意を用いながら経営が行われているというのは、常々聞いております。
私どもとしても、そういったような社内の経営がしっかりと確保されるように支援してまいりたいと思います。
〇工藤勝博委員 最後に1点、部長にお聞きしたいのですけれども、いつかは部長もIGRの社長になる可能性もなきにしもあらずだろうと思いますけれども、この第三セクターの運営ということにつきまして、部長の考えをお聞きしたいと思います。
〇大平政策地域部長 第三セクターの設立には、県の場合でありますと、県民の福祉の向上、県民の利便性の向上という大きな目的がございますので、それらの目的を達成するために、県なり市町村なりから出資いただいているわけでございます。そういう目的をまず経営者がしっかり踏まえまして、それを社員の方々なり第三セクターの職員の方々に共有していただく、そういう取り組みがまず大事だと思ってございます。
私が社長になるかは別にして、今、取締役でもございますので、IGRの取締役でございますので、県議会の意向も踏まえまして、取締役会で必要なことはお話し申し上げていきたいと思います。
〇工藤勝博委員 別項目も通告しておりましたので、簡単に質問させていただきます。
先ほど高橋但馬委員から定住、交流促進の質問がありました。私もそれに関連して、この主要施策の成果に関する説明書では、目標値を上回る1、100人が定住しているとなっておりますけれども、この定住の年齢層とか地域とか、そういうものがわかるのであればお知らせ願いたいと思いますし、これからどんどんふえるだろうと思いますけれども、逆に、地域のそれぞれの市町村によってサービス合戦が始まるのではないかという懸念もあります。それらをどのように捉えながら、今後、定住、移住者をふやそうとしているのかお伺いしたいと思います。
〇菅原県北沿岸・定住交流課長 移住者数の1、107人の内訳ということでございますけれども、こちらにつきましては、主に首都圏でのUターン等の就職で移住された方、新規就農された方、そして、市町村では、市町村の相談窓口でございますとか、あるいは市町村の移住施策を活用された方、これらを積み上げてカウントしているものでございますけれども、データの性格上、属性のないデータということになってございまして、詳しい分析はいたしかねているところでございます。
その中で、市町村等の傾向ということで申し上げますと、これは積極的にこれまで移住施策に取り組んできたところが県南地域の市町村が多いものですから、どちらかというと県南地域が移住数も多いというデータになってございますけれども、今後、地方創生ということで、各市町村も、移住施策につきましてはこれから力を入れていくと伺っております。
県としても、情報発信でありますとか相談機能の強化ということでは取り組んでおりますけれども、市町村での移住施策をどう充実させていくかというところが重要でございますので、県と市町村が連携を図りながら、移住の促進に取り組んでいきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 よく、ふるさと納税と関連して移住者を取り込むということも言われています。それらも含めて、あらゆる角度から、定住、移住をふやしていただくようにお願い申し上げて終わります。
〇飯澤匡委員 IGRの件について1点だけお伺いしますが、まず、取締役という話がさっき部長から出ましたが、第三セクターという性格上、当該市町村であるとか、それから、県関係者で占めるというのは理解しないわけでもないんだけれども、先ほどの質疑の中でもあったように、今後、外部環境が大きく変わる中で、外部の取締役も入れて透明性を高めた経営内容にすべきと考えますけれども、その点をまずお知らせいただきたい。今後の方向性について、そうあるべきだと私は思いますけれども、いかがですか。
〇大坊交通課長 ただいま外部の取締役を入れるべきという御指摘でございますが、今、IGRの取締役員の中には、交通工学の権威の先生がお1人入っております。東京都市大学の中村英夫先生でございますけれども、あとはおっしゃるとおり沿線の首長、さらには監査役につきましては岩手大学の中島先生、元岩手県立大学の宮城先生を入れております。そういった意味では、沿線の市町村の首長を中心としながら、現状でも外部の取締役に参画いただいているという体制はございますが、大きな流れの中では、社内ガバナンスの中に外部のそういった面を入れていくというのは大きな流れになっておりますので、そういったところも踏まえながら、IGRのほうにはお伝えしてまいりたいと思います。
〇飯澤匡委員 中村取締役については、ここずっと固定でいるわけですね。5年以上いらっしゃるんじゃないでしょうか。こういうメンバーがそろった中で、どういう発言ができるかというと、大体想像できるわけですね。これからさらに経営改革を求められる中で、私はいろいろなことを試していかなければならないと思いますし、きょうはこの辺でやめておきますけれども、経常利益に係る一般管理費の割合であるとか、そこら辺もしっかりチェックしなければならないと思いますので、あとは常任委員会のほうで、シリーズものでやりますからよろしくお願いします。
〇軽石義則委員 1点お伺いをいたします。
選挙管理委員会の業務運営についてお伺いをいたします。
県内でも各種選挙が実施されておりますけれども、その都度、投票率の低下などについては報道されているところでございますが、これまでの県内で行われている各種選挙の投票状況を、選挙管理委員会としてはどのように把握をされているのか、お示しを願いたいと思います。
〇佐藤選挙管理委員会事務局書記長 各種選挙の投票状況ということでございますが、投票率の推移ということで申し上げさせていただきます。
県議選は、今回無投票の選挙区がございましたことから、衆議院議員選挙で申し上げますけれども、平成21年が73.4%、平成24年が61.6%、前回比11.8ポイント減でございます。それから平成26年は56.2%、それは前回比5.4ポイント減となってございまして、毎回、低下の傾向となってございます。
なお、昨年実施されました衆議院議員総選挙でございますけれども、こちらの都道府県ごとの投票率というのを見ますと、全国平均が52.66%という状況になってございますが、本県は、全国47都道府県中第6位の56.23%ということで、全国平均を上回ってはおりますけれども、全体として投票率の低下が続いているということで、大きな問題ということで認識しているところでございます。
〇軽石義則委員 低下傾向にある。全国と比較すれば高いほうでもあるということでありますけれども、選挙そのものは民主主義の原点でもあるとも言われておりますし、その低下は、民意が確実に反映されているかというところにもつながっていくと思います。それらを認識した上で、これまで、選挙管理委員会として投票率の向上に対する取り組みはされてきているという資料もいただいておりますが、それら具体的に、常時啓発事業または臨時啓発事業等とそれぞれやってきているようですが、例えば投票率アップ研究会とか投票立会人等公募事前登録制度の創設などされてきているようですが、それらの実績とか成果があればお示しを願いたいと思います。
〇佐藤選挙管理委員会事務局書記長 投票率向上への取り組みということでございます。
委員がおっしゃいましたとおり、常時啓発それから臨時啓発という取り組みがございます。委員が申し上げました投票立会人等公募事前登録制度は、毎回、投票立会人を見ていますと、常時固定された方がついているということが多いということもございまして、若者に選挙の関心を持ってもらうために、事前にこういう方の登録制度というのを設けまして、その名簿の中から市町村の選挙管理委員会で立会人になっていただくということにしてございまして、ちょっと数字が手元にございませんので御容赦をいただきたいと思います。
それから、投票率アップ研究会というところで、若者の投票率向上のために、小学校、中学校で実施をしております普及啓発の授業ですが、高校にも拡大すべきだということで、こちらの取り組みも実施してございます。
高校生に対する普及啓発の授業でございますけれども、平成24年度には高校1校、それから平成26年度まで高等学校で延べ4回の啓発授業を実施してきたところでございますけれども、18歳の選挙年齢の引き下げということもございまして、今年度はこちらの回数も増加をさせているというところでございます。
また、平成25年度につきましては、県選挙管理委員会でツイッターとかフェイスブックを開設するなど、主に若年層を中心とした取り組みというのを進めてまいってきてございます。
それから、選挙時の啓発といたしましては、通常のポスターの掲示とかテレビコマーシャルの放映ということをやってございますけれども、コンビニエンスストアのレジ画面に選挙の日付の表示をしたりとか、コンビニエンスストアで投票参加の放送をするとか、こういったことに取り組んできているところでございます。
決定打ということで、投票率ががんと上がるような取り組みというのはなかなか難しいところはございますけれども、今後も他県の取り組みなども参考としながら、効果的な取り組みについて研究を実施してまいりたいと考えてございます。
〇軽石義則委員 いろいろな取り組みをされておられることは理解をいたしましたし、啓発、これは大事だと思いますけれども、啓発だけではなくて、やはりしにくい、いわゆる投票に行きにくいとか、物理的な部分での対策といいますか、知事の表現をすると、しにくさをしやすさに変えていくのも一つの取り組みではないかと思いますけれども、中山間地域においては、障がいのある方々には当然いろいろな配慮をしなければならないと思いますけれども、高齢者の皆さんも、投票所までの移動手段といいますか移動方法、非常に身体的に大変なところがあって、それらの配慮も必要だという声もお聞きをしておりますし、最近では、中山間地だけではなくて市街地でも、投票所まで足を運ぶのは非常に難しいという声もお聞きをしているところでありますが、それらに対する市町村からの要望、または有権者、いわゆる県民の方からの要望等も出ていると思いますが、それらついてはどのように把握をし、どのような対応をしてきているのでしょうか。
〇佐藤選挙管理委員会事務局書記長 直接その手の関係につきまして、県選挙管理委員会のほうでこういう状況だというお話の要望等は伺っていないところでございますが、投票所への移動支援の状況ということでございますと、例えば今回の県議選につきましては、紫波町とか山田町、それから盛岡市、宮古市と一戸町で送迎バスを運行しているという例がございます。
それから、平成26年の衆院選の際にも、同じく今申し上げました市町村のほかに、八幡平市とか大槌町とか、こういったところで送迎バスを運行しているという例がございます。
〇軽石義則委員 送迎バスが運行されていると。今、地域も限定されていると思いますけれども、さらに拡大できるのであれば、拡大できることをしっかり市町村のほうにも伝えていく。それに加えて、財政も伴ってくると思いますので、その措置もしていく必要性があるのではないかと思います。
県でできないものについては、国の制度上さらに規制を緩和してもらうとか、投票しやすくしてもらう制度を国にも求めていくことも大事だと思いますけれども、それらについては何か考えがありますでしょうか。
〇佐藤選挙管理委員会事務局書記長 国への要望ということでございますけれども、都道府県選挙管理委員会連合会を通じた要望というのは行ってございまして、必ずしも本県独自のものということではございませんけれども、直近では、平成26年1月に、公職選挙法(公選法)の関係など、11項目について要望したところでございます。
具体例として申し上げますけれども、例えば選挙の執行経費につきましてですが、期日前投票所経費の基本額が実態に伴っていなくて低いというようなこともございまして、引き上げ等を要望してございます。総務省からは、地方公共団体の選挙執行の実態を踏まえまして検討することを考えていると聞いてございます。
〇軽石義則委員 若年層の対策も必要ですけれども、人口構成の推移を見ますと、高齢者が大分ふえていくことも現実ですので、それらにもしっかり対応していくような対策をとっていただきたいと思います。
それと、選挙権が18歳以上に拡大をされるわけですけれども、それらの準備も大事かと思いますが、それらについて現状をお示し願います。
〇佐藤選挙管理委員会事務局書記長 18歳への選挙権拡大に対する対応ということでございますけれども、公選法の改正によりまして、18歳以上に選挙権が引き下げられたということもございまして、新たに有権者になる方々への周知啓発がますます重要になると考えてございます。
先ほども申しましたけれども、従来、小中学校で実施をしてございました啓発授業、これは平成24年度から高等学校に拡充をしたというところで、昨年度まで延べ4校にとどまってございましたが、改めて県教育委員会に協力依頼をいたしまして、今年度は既に県立高校2校で実施をしてございますし、今後も8校で実施を予定しているということで、大幅に増加する予定としてございます。
それから、学校現場におきます政治や選挙に関する学習内容の一層の充実を図るということで、総務省と文部科学省が作成をいたしました副教材が、年内に全ての高校生に配布される予定となってございます。
今後も、県教育委員会との連携をさらに密にいたしまして、高校生を対象といたしました啓発授業について、内容の充実、それから実施校の増加に努めていきたいと考えてございます。
〇軽石義則委員 ぜひ、投票率が数字として上がり、投票しやすくなったというように県民の皆さんから評価をいただけるようなものにしていただきたいということをお願いして終わります。
〇斉藤信委員 今の選挙権の拡大、投票率の低下の問題に関連してお聞きしますが、昨年12月の総選挙で20代の投票率はどうだったのか。20代の投票率はどう推移をしているでしょうか。
今議論があったように、来年の参議院選挙から18歳への選挙権が導入されるわけですね。高校生の政治活動も校外では認められると。私は極めて限定的で、子どもの権利条約から言ったら問題だと思うけれども、それでも認められると。
以前、二十歳の成人に、選挙管理委員会主催で、各政党の主張を発表する企画があったんだけれども、これはかなり前になくなりましたね。いつなくなったのか、なぜやめたのか。
私は、現実の政治を学ぶということが大変大事なので、こういう取り組みも選挙管理委員会として復活をして積極的に─大学生、高校生ですよ、新たに選挙権を持つのは。こういう分野で積極的なそういう取り組みを行うべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
〇佐藤選挙管理委員会事務局書記長 投票率の関係を申し上げますが、衆議院選挙の関係でございますが、前回、平成26年の投票率でございますけれども、全国20歳から24歳が29.72%、岩手県の場合は31.87%、それから25歳から29歳の場合は、全国が35.32%、岩手県が35.85%という状況になってございます。
それから、いつから事業がなくなったかということでございますが、ちょっと今詳しい資料が手元にございませんので、私も承知はしてございません。ただ、おっしゃるとおり、18歳まで選挙権が引き下げられたということで、投票率が若い世代が一番低くて、徐々に年齢が上がるごとに投票率が高くなっているという状況を見ますと、若年層のころからの投票率の引き上げが図られれば、それ以降に続く分の投票率も上がっていくのではないかと考えられるところもございます。そのため、先ほど普及啓発のお話もいたしましたけれども、そのほかどんな手だてが考えられるのか、18歳の選挙権年齢引き下げに対応した事業ということで、効果的な取り組みを考えてまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 後でもいいので、なくなった経過、理由、そして私はぜひこれは再開すべきだと。
それで、今、国会前に集まっているのは大学生であり高校生ですよ。SEALDsとかね。私は、そういう新しい政治の目覚めも今起きているので、本当にそういう方々の目覚めを投票率の向上に、特に若者の政治参加に結びつけるように英知を結集して、必要なことは、いいことは最大限やるというふうにしていただきたい。もう一回。
〇佐藤選挙管理委員会事務局書記長 委員がおっしゃるとおり、若年層の政治参加というか、その考え方を醸成していくというのは非常に重要なことと考えてございます。選挙管理委員会といたしましても、県教育委員会と連携いたしまして、効果的な取り組みということに努めてまいりたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 並行在来線対策事業費にかかわってお尋ねしたいと思いますけれども、いわゆるIGRと岩手県の関係はどういう関係なのか、説明願えればと思います。
〇大坊交通課長 県とIGRいわて銀河鉄道の関係についてのお尋ねでございますが、IGRいわて銀河鉄道は、東北新幹線盛岡-八戸間の開業に伴いまして、JR東日本から経営分離されるいわゆる並行在来線、これを経営するために、岩手県、沿線市町村、地元企業などが出資し設立された第三セクター方式の鉄道会社でございます。
岩手県は、会社設立時などに10億円を出資し、筆頭株主となってございます。
〇嵯峨壱朗委員 それは私もわかっていますけれども、いわゆる職員も県から何人か出ていますね。そういったのも含めての関係をちょっとお尋ねしたいと思います。
〇大坊交通課長 まず基本にございますのが、ただいま申し上げましたとおり筆頭株主であるという、出資者としての立場が一つございます。もう一つは、経営支援という形で、県と沿線市町村でさまざまな基金などお金を出し合いながら財政支援をしているという立場、こういうのもございます。そして、今お話のありましたとおり、県からは派遣という形で、当政策地域部から1名の職員を経営支援ということでIGRのほうに常駐をさせてございます。
〇嵯峨壱朗委員 私はこれを通告しているんですね、IGRとの関係はどうなのかというのを。さっきのような説明でいいと思って答えたんですか、大体。そういう答え方をすること自体、やっぱりちょっと我々の質問自体を軽視しているのかなという気がしますけれども。例えばその1人の職員は、IGRではどういう役割をしているかとか、社長も岩手県のOBでしょう。そういったのも含めてもう少し関係というのを……。
例えば、去年でもそうですけれども、去年の事業報告書、重要な親会社等の状況ということ、当社は岩手県から2、266万5、000円の補助金、1、034万5、000円の助成金、9億1、867万6、000円の工事負担金等の交付を受けておりますと書いていますね。これが実際、この決算書がどこから出ているか私はわからないんだけれども、それもお伺いしたいんですけれども、そういったことも含めてもう少し詳しく。
その1人行っていると言いますけれども、会社の中でその人は何をやっているんですか。
〇大坊交通課長 まず、今お話のございました県が派遣している職員ということでございますが、会社におきましては経営統括部長という役割を持っておりまして、社のマネジメント業務に携わる、例えば経営計画の策定の実行であるとか、こういったような支援、あるいは人材育成といったような社内研修、こういったようなものを受け持ってございます。
また、先ほど事業報告書の中でのお金の話がございましたけれども、補助金につきましては、平成26年度につきましては記載の金額の雇用基金を使いまして企画開発員というのを置いております。あと、2、000万円余のお金につきましては、災害復旧費という形で御支援をしたお金でございます。さらに9億5千万円余という大きなお金ですが、これは県がIGR線に近接した工事をする際にIGRに工事をお願いするという、委託というような形での工事費になります。そういった形となります。
〇嵯峨壱朗委員 この委託の内容も、後でいいですから教えていただければと思います。
そして、通告していましたけれども、IGRの役員、これは監査役ではなく取締役の報酬についてですけれども、これまでの5年間の推移と、誰がどれぐらいもらっているかという内訳についてお示しいただければと思います。
〇大坊交通課長 IGRの役員報酬についての過去5年間のお話でございましたが、平成22年度、役員の数は7名でございまして、報酬の総額は1、660万9、000円となっております。そのうち、取締役5名、こちらの報酬が1、400万5、000円となっております。平成23年度は役員の数が6名、報酬の総額1、611万3、000円、取締役4名の報酬が1、350万9、000円。平成24年度は役員の数が6名、報酬の額は1、186万円、取締役4名の報酬が925万6、000円。平成25年度、役員の数が7名、報酬の額は1、085万3、000円、取締役は5名でございまして、報酬が824万9、000円。平成26年度、役員の数が6名、報酬の額が1、845万2、000円、取締役4名でございまして、報酬が1、584万8、000円となってございます。
〇嵯峨壱朗委員 結局、平成26年度になって、この4名の取締役の報酬がどんと上がっているんですね。今の説明のとおりですと、5名で824万9、000円だったのが、平成26年4名で、1、584万円にふえている。これは誰がどれぐらいもらっているんですか。わかれば教えてください。
〇大坊交通課長 こちらにつきましては、平成25年度、取締役5名のうち2名につきましては部長職を兼任しておりまして、何々部長というのを兼任している取締役が2名ございました。この兼任職員につきましては、取締役という部分に対する報酬が非常に少なくて、メーンとなる部分は社員給与ということで、人数は多いんですが、実際、取締役の報酬額が少ないということになっておりまして、その方々が平成26年度には専任の取締役になりまして、取締役の報酬が大きくなったという形になっております。
〇嵯峨壱朗委員 この普通の取締役の報酬と監査役の報酬はほぼ同額だと聞いていましたけれども、それからすると、監査役は2名で260万円ということは130万円ですね。そして、それで言っていくと、この取締役4名のうちの3名は、多分130万円の報酬だと思うんです。それ以外の報酬はどっかに行っているんじゃないですか。誰かがもらっているという理解になると思うんですけれども、それは違いますか。そこまでわからないですか。
〇大坊交通課長 ただいまのお話ですが、詳細につきましてはIGRのほうでも公表してございませんので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 公表していない。社長の給料ぐらいわかってもいいんじゃない。岩手県は54%出資しているわけでしょう。親会社でこれだけ出資していて、しかも9億何千万円の工事の負担もやっているという会社で、社長がどれぐらいもらっているかわからないというのはあるのですか。それはおかしいでしょう、わからないということ自体が。
〇宮野副部長兼地域振興室長 報酬の関係でございますけれども、その情報公開といいますか、情報提供につきましては、基本的に県の情報公開条例の考え方に準じて御提供しているということにしております。そういう意味で、それぞれ各法人が公表している、あるいは自治法に基づいてその法人のいろいろ予算、決算の状況等について報告しているということで資料が出ているわけでございますけれども、それ以上に詳細の資料でありますとか情報につきましては、基本的にはそれを公にすることによる公益性と、それから逆に公にすることによる不利益性といいますか、そういったことを個別に考慮して判断しております。そういうことで、これまでも個別の報酬は公表しておらないということでございます。
なお、社長の報酬ということがございましたけれども、前社長あるいは前々社長当時と報酬の額は変わってございません。そのことはお伝えをしておきます。
〇嵯峨壱朗委員 ということはわかっているということ。それはそれでいいでしょう。
交際費が今回ないんですけれども、過去5年間の交際費の推移と内訳を示していただければと思います。
〇大坊交通課長 交際費についてでございますが、これもまた恐縮でございますが、具体的な支出額につきましてはIGRにおいては明らかにしていない、公表していないということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 私は、前段で、県との関係がどうなっていますかと聞いたのはそういうことなわけです。補助金は出している、出資は54%もしている。その金がどう使われているかわからない。工事負担も9億幾らの、昨年度だけでそれぐらいやっている。にもかかわらず、そういうことも公表していないとか何とか、わからないというのはおかしくないですか。普通の民間会社じゃないんですよ。補助金を出していて、それが交際費とかという項目も含めて─と私は思うんですけれども。わからないこと自体が不思議だと思う。そして役員会もあるだろうし、いろいろあると思うんですけれども、そこで表に出てこない、わからないものなんですか。関心がないんですか、そこに。
〇大坊交通課長 この額については公にされていないということで今答弁させていただきまして、中身等につきまして、仮に私どもがわかったということでありますと、先ほど副部長から答弁ありましたとおり、一義的には情報公開という物差しの中で判断させていただくということで、交際費につきましては、この支出は、法人等の営業、販売に関する企業情報ということになっておりまして、情報公開条例第7条の規定にのっとりまして、ほかの企業と同様に、一般には公表していない個別の取引内容ということで、答弁は差し控えさせていただくという趣旨でございます。
〇嵯峨壱朗委員 わかりました。わかりましたというか、何というんだろう、54%の出資をしているということの重さをあんまり感じていない感じがしますね。民間じゃないんだしね。完全にこれは民間じゃなくて、間違いなく典型的な第三セクターで、県が、それについて─なぜこんなことを言っているか皆さんわかっていると思うんですけれども、事実かともかくとして、内部からのいろんな指摘がある文書、これがどうなのかということを確認したいわけです、僕らも。もちろん知っていると思いますけれども。だからこう聞いているわけです。できる範囲内で、この決算の中で。皆さん方の県職員のOBが行っている、その人が社長をやっているわけでしょ。その人についてこう言われている。あなた方はどう思いますか。ここに書いてある内容が本当かどうかわかりませんけれども、私はそういう視点で捉えてほしい。自分たちの、県職員の、ああ、岩手県の県職員ってこういう人なのかと。プロパーの人、いわゆるJR東日本から来ている人も含め、そう思って見ているんでしょうね。だからこういうの─事実はわからないけれどもね。というふうに思われているという指摘があるということも深刻に受けとめるべきだと思いますよ。県職員のOBなんですよ、皆さん方の。岩手県の職員って、ああ、こういうものなんだって思われていると思ったほうがいいですよ。
ということだけ指摘して、とりあえずこれはやめます。
〇宮野副部長兼地域振興室長 いずれ、IGRにつきましては第三セクターということで、県が半分以上の出資をしているということでございます。私どもには第三セクターを県の施策あるいは出資した目的にかなうように、指導、監督をしていく責務がございます。そういうことで、今御指摘がございましたとおり、そういった本来の趣旨、目的等に沿うように、我々も今後とも指導、監督をしっかりしてまいりたいと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 ぜひ、そうしていただきたいと思います。
それで、部長は取締役なわけですね。そういった観点で見てどうですか。もちろん部長にもいろんな指摘とかさまざまなことが行っているかと思うんですけれども、そういったことを踏まえて取締役としてどう思っているか、どう考えているかお尋ねしたいと思います。
〇大平政策地域部長 第三セクターという、今の副部長が申し上げたような責務が当然ございます。一方で、民間会社という、なぜ公社とかではなくて民間会社にしたかというのもございますので、経営の民間的な発想というのも一方では認めなければいけないと思っておりますので、そのバランスをとりながら会社経営はあるべきだと思ってございます。その中で、コンプライアンスに反すること、あるいは、例えばパワハラに該当するようなこと、法令遵守に違反するようなことなどがある、あるいはそういう疑われるようなことがあれば、それは県としては、出資者としての責務を果たしていきたいと思ってございます。
〇佐々木朋和委員 私から2点お伺いをしたいと思います。
まず初めに、ILC実現に向けた取り組みについてお伺いをしたいと思います。
平成26年度また本年度にわたっても、県においては、庁内で部局横断的なワーキンググループをつくって、環境整備に向けた検討を行っているとお聞きをしておりますし、また、市町村の職員もそこに交えて意見交換を行っているとお聞きをしております。
そこで、検討内容の現在の状況と、また、そろそろ県民や対外に見えるような形で、その検討内容を実行に移していくべき時期にあるのではないかと思いますけれども、あわせて御所見を伺いたいと思います。
〇宮ILC推進課長 まず、庁内ワーキンググループ等のお尋ねでございます。
県では、ILCの受け入れに当たりまして、大きく四つの視点でワーキンググループを設置しております。平成26年度におきましては、産業振興では、加速器関連産業への企業参入、まちづくり・インフラでは、大型研究機器の想定される輸送ルート、子弟の教育では、公立学校やインターナショナルスクールでの対応、そして医療では、外国人向け医療体制などについて、課題の抽出や先進地の調査、検討などを、必要に応じまして関係市とも連携して進めてまいったところでございます。
これらの活動によりまして、産業では、本年6月にいわて加速器関連産業研究会を設立いたしまして、県内企業の勉強会や視察会、企業の研究開発への支援等を始めたところでございますし、また、まちづくりでは、岩手県、宮城県、一関市、奥州市、気仙沼市の2県3市によるILCまちづくり検討会を本年4月に設置しまして、庁内ワーキングでの抽出した課題等を反映させながら、より広域的な検討を深めているところでございます。また、医療では、奥州市において、医療通訳の取り組みが開始されるなど、具体的な動きも見え始めているところでございます。
今後は、将来のILCの立地を見据えまして、これまで検討してきた課題とその対応策等を関係機関と共有しまして、さらに具体的な取り組みに反映させていきたいと考えてございます。
〇佐々木朋和委員 私は、そのような検討また課題の抽出から、県としてはリーダーシップをとって、その関係市町が連携をして一体となって、また、面として、全域で行えるような取り組みを行っていっていただきたいという思いがございます。
一つには情報発信について、今、各市、また、宮城県、岩手県それぞれで情報発信を行っていると思うんですけれども、これは県がリーダーシップを発揮して、統一的なイメージの中で発信を行って、その効果を上げていくべきではないかと思っております。これについて御所見を伺いたいのが1点と、また、県としては、まちづくりについては、ILCが決定してから動き出そうという思いが強いのではないかと私は感じているところでありまして、一方で、国際化に対応したまちづくりについては、今から進めていかなければいけないのではないかと思っているところであります。
例えば、各市町で外国人の皆さんとの交流事業を行ったり、また、飲食店においての、今は店の中に、外国語表示というよりも、ホームページをつくってその中でメニューが決定できるようなものでもいいというような外国人の皆さんからの意見もあるようですし、それに合わせたまちなかのWi-Fi整備など、これは各市がそれぞれで行うというよりも、エリアとして、一体となって取り組むことによってイメージアップにもつながりますし、また、ILCとの関連もそうですけれども、インバウンド対策にもなると思っているところでありまして、そういったものを県が主導して、面として、一体となって取り組んでいただきたいと思いますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
〇宮ILC推進課長 今、情報発信と国際化への対応のお話の二つでございましたけれども、情報発信につきましては、現在、東北については東北ILC推進協議会が、岩手県については岩手県国際リニアコライダー推進協議会が情報を集約しまして、ホームページなどによりまして統一的な情報を随時発信しているところでございます。
また、県では、この9月に、英語による外国人向け広報、THE KITAKAMI TIMESを県推進協議会のウエブ上に創刊しまして、この内容につきましては、県のみならず、関係市、関係団体の情報も取り入れて、統一的な情報発信を進めているところでございます。
今後とも、県が率先しまして情報共有に努めまして、効果的な情報発信を実施してまいりたいと考えてございます。
また、国際化への対応についてのお尋ねでございます。
委員御指摘のとおり、やはりILC決定前からの国際化の推進というのは非常に重要でございまして、本年9月に、県内に在住する外国人の方々と岩手県立大学、岩手大学、そして県国際交流協会等との意見交換の場を設けまして、この中で、外国人の方々から住民との交流についての御提言等をいただいたところでございまして、ただいま計画を進めているところでございます。
また、ハード面では、外国人観光客の受け入れを支援するため、ICT環境や外国語表示について補助事業を開始しているところでございますし、また、国体を契機とした会場周辺のWi-Fiの整備などの取り組みも行うこととしております。
県内には、現在、昨年の12月時点で5、600人を超す外国人の方々が居住しております。この方々がさらに快適に暮らせますよう、また、外国人の観光客や来県者の方にとっても、岩手県がより魅力的な地域と感じていただけますように、ILCを契機とした国際化への推進については、庁内各部局や関係団体に働きかけてまいりたいと考えてございます。
〇佐々木朋和委員 今、Wi-Fi化や外国語表示についてお話がありました。やはりどちらかというと、観光地限定というイメージが強いような私もイメージを持っております。ぜひとも、まちなかについても、または一般の飲食店においても、そういった取り組みがなされるようにぜひとも取り組んでいただきたいと思いますし、また、交流事業については、岩手大学また岩手県立大学の生徒と一緒になってそのような取り組みもあるということですから─私も県南に住んでおりまして、観光地以外はなかなか外国人の方と交流する場が少ないというのが現状でありますから、岩手県民はおもてなしがすばらしいと言いながら、やはりシャイな部分がありますので、ぜひともその点について今のうちから対応をお願いしたいと思います。
次に、地域バス交通等支援事業、また、公共交通利用推進事業費についてお伺いをしたいと思います。
主要施策の成果に関する説明書の161ページ、国、県の補助により維持をしている広域的なバス路線数は59路線ということで、達成度はAとなっておりますが、一方で、震災特例の廃止でありますとか、人口減少の影響で、今後、存続が危ぶまれる路線も出てくるのではないかと懸念をしているところでございます。
広域的なバス路線に限らず生活路線も含めてですけれども、現在、そのような危ぶまれる路線はあるのか。また、どのような利用促進策を行っているのか伺いたいと思います。
〇大坊交通課長 存続が危ぶまれる路線についてのお尋ねでございまして、一つは、震災特例の廃止の話がございました。この震災特例につきましては、本県全域のバス路線の補助要件が平成23年度から緩和されまして、それが本年度までの時限措置となっていたところですが、国のほうから、来年度以降、災害公営住宅などを結ぶ路線につきましてはこの特例を継続すると。それ以外の路線につきましては、激変緩和措置をしばらく講じるという方針が示されてございます。
一方で、人口減少の話がございました。こちらのほうは非常に深刻でございまして、本県の人口減少、少子高齢化、あるいはモータリゼーションの進展が非常に進んでくる中で、昭和48年度、統計のとり得る最も古い時期ですが、このときにはバスに9、779万人、約1億人が乗っておりましたが、平成26年度には2、428万人、40年ほどで4分の1に乗客が減っているということで、先ほど言った59路線、あるいは生活交通路線、端的に言えば全てが厳しい環境にあると言っていいかと思います。
このような基本認識を私ども持っておりまして、平成26年度につきましては、そういった路線の9路線を対象にいたしまして、国とか私ども県、関係市町村、バスの事業者、あとは有識者の皆さんにも入っていただきまして、このバス路線の今後のあり方検討会を実施しております。その中で、学生や保護者の皆さんに片道定期券というものがありますという周知であるとか、あるいは利用が少ない区間につきましては、路線バスを短くしましてデマンドをつないで運行するというような、こういった効率的な路線の改善を行っております。
利用促進につきましては、お客様に支持される使いやすいダイヤとか路線、あるいは利用情報をわかりやすく伝えるということが非常に重要だと思っておりまして、今後とも、このような検討会議の中で改善を図ってまいりたいと思っております。
〇佐々木朋和委員 詳しい御説明ありがとうございました。全路線で厳しいと言われると、どうしようかなというところでありますけれども、大変厳しい状況にある。ただ、震災特例については時限的に激変緩和措置でありますとか、また、被災地については継続をするというところで、その点についてはほっとしたところでありますけれども、引き続きの効率的なダイヤの運行と、また利用促進策が必要だと思っているところであります。
また、一方では、電車との兼ね合いということも大変重要であると思っておりまして、先ごろ大船渡線についてBRTでの復旧の流れが強まっているという状況がございます。震災前、震災後の大船渡線の利用状況についてどのようになっているのか、また、BRTにしたときのメリット、デメリットも示していただきたいと思いますし、また、もう一つ、よく報道では沿岸市町村の考え方は出ているんですが、内陸の市町村の意見はどのようにお聞きをしているのか、伺いたいと思います。
〇大坊交通課長 今、大船渡線のお話でございました。まず、その利用状況についてですが、大船渡線は気仙沼市と大船渡市の盛間の話ですが、この利用状況につきましては、震災前の平成22年度、このときはまだ鉄道がございまして、平均通過人員が1日当たり426人となっておりました。震災後、平成26年度、鉄道のかわりに今BRTが走っております。これの平均通過人員は1日当たり250人となってございます。
次に、BRTのメリット、デメリットというお話でありますが、一般的に鉄道と比較したBRTのメリット、デメリットですが、BRTにつきましては、ルート、ダイヤ、こういったようなものが柔軟に設定できる、あるいは変更できるというのが一つのメリットです。また、施設、整備の整備費あるいは運行費、これが鉄道に比べて安いということで、コスト面ですぐれているというメリットがあります。
一方、デメリットといたしましては、鉄道に比べまして大量輸送の特性がなかなかないということ、あるいは鉄道にあるような定時性、速達性、こういったところが若干劣るということが挙げられております。
最後に、内陸市町村の意見もというお話でしたが、まずは大船渡線につきましては、そのお使いになる沿線住民の皆さんの意見が非常に重要だと思っておりまして、ただいま沿線地域を中心に議論を進めているという状況で御理解いただきたいと思います。
〇佐々木朋和委員 大船渡線も震災後、半数ぐらいしかまだ乗客が戻っていないということで、今後BRTになったとしても、さらなる利用促進策が重要であると思っておりますし、また、デメリットのところで出なかったんですが、生活路線としてはBRTということで小回りがきくということですけれども、内陸と沿岸を結ぶ観光でありますとか、また広域的な移動という意味では乗り換えも出てくるということで、その点についてどうしていくかということが大きな課題であると思っております。
そこで、BRTと路線バスを含めた総合的な公共交通網の整備がこれから必要と思いますけれども、御所見を伺いたいと思いますし、また、JR東日本は国に対して、途中からBRTになるということで、気仙沼市においても観光振興策を求めるという声もありますけれども、その点について、また、県としてもこの観光振興策も考えていくべきと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
〇大坊交通課長 ただいま大船渡線のBRTのお話がございました。ただいまの状況を若干説明いたしますと、BRTでの本格復旧の提案をJR東日本から受けているという段階でございまして、そういった意味では、BRTなのか、鉄路なのか、その他の方法なのかというのを、今、地元のほうで議論しているという状況でございます。まずは、そういった議論をしっかりとしていただいて、その確認の上で、復旧方針が固まった後に、どういう交通体系をとっていくかという議論に移りたいと基本的には思っております。そうした次のステップに進んだ中で、地域の観光であるとか産業、こういったものにどう交通を使っていくかということにつきましては私どもも十分知恵を絞っていきたいと思いますし、地元の考えも踏まえて、国とかJR東日本には提案してまいりたいと思っております。
〇佐々木朋和委員 最後になりますけれども、バスの運行について、全体的な中での利用促進または効率的なバスのダイヤの作成という意味におきまして、今、国のほうでは地方創生の中でビックデータの活用ということがうたわれておりますし、また、他県においても取り入れていく方向だという報道も出ております。そのような中で、ビックデータを活用した交通網の作成について県ではどのように考えているのか。また、交通に限らず、政策地域部としてこれからこのビックデータをどのように施策に反映させていくのか、伺って終わりたいと思います。
〇大坊交通課長 ただいまビックデータを活用した交通網の形成というお話でしたけれども、非常に有望な視点だと思っておりまして、国もこれを進めようとしております。こういった動きと連携しながら、地方鉄道で何ができるかという部分は検討していきたいと思いますし、あとはこういった活用につきまして、交通網だけではなくて、例えば旅行商品の造成であるとか、交流人口の拡大でお客様をふやすとか、こういったところで何か使えないかとか、さまざま多方面で交通のほうでも考えてまいりたいと思います。
〇高橋政策監 ビックデータの活用について、全体的な状況についてお答えをします。
本県では、これまで、総務省の人口推計ですとか住民基本台帳人口移動報告、あるいは国立社会保障・人口問題研究所の各種データのいわゆるビックデータを活用して、昨年度は人口問題に関する報告、本年度は人口ビジョンを取りまとめ等に反映してきたところであります。
国では、こうしたデータを初め、企業間取引など地域経済に関するいろいろなデータを収集し、かつ、わかりやすく見える化するシステムの開発を進めておりまして、本年4月から地域経済分析システム、通称、リーサスとして運用が開始されております。
本県においては、関係部局の職員50人に、国から割り振られましたシステム活用のためのIDを配付しまして、また、本年6月、県及び市町村職員を対象としたシステム内容に関する研修を受講しまして、活用のための体制を整えたところであります。
現在、国では、この機能を拡充するために第2期の開発が進められておりまして、こうした国の開発状況も踏まえながら、今後の具体的な施策立案への活用を図ってまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時57分 休 憩
午後1時1分 再開
〇佐々木茂光副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、執行部より発言を求められておりますので、これを許します。
〇佐藤選挙管理委員会事務局書記長 午前中、斉藤委員から御質問のありました新有権者の集いがなくなった経緯についてでございますが、この事業は、平成15年度まで国の交付金を活用して開催していましたところでございますが、平成16年度に交付金が廃止されたことに伴いまして、啓発事業全体の見直しを行いました。その際、参加者の減少等に鑑みまして廃止したものでございます。
〇佐々木茂光副委員長 質疑を続行します。
〇福井せいじ委員 私も、先ほど佐々木朋和委員が質問しましたバスの件です。事項別明細書の171ページ、バス運行対策費3億5、100万円、それから、地域バス交通等支援事業費補助1、900万円余の関係で質問をします。
まず、この補助額については、平成23年度から平成27年度まで国庫協調補助は3億円前後、路線数は60路線前後、それから、県単補助のほうについては約2億円前後、そしてまた、路線数についても13から15という形で余り変化は見られないのでありますが、ここでお聞きしたいのは、この路線に関する利用人員、輸送量の推移はどうなっているのかということと、事業者の負担額の推移についてはどうなっているのかをお聞かせいただきたいと思います。
〇大坊交通課長 ただいま輸送量のお話がございました。大変申しわけございません、手元に準備がございませんので、後ほどお答え差し上げたいと思います。
〇福井せいじ委員 そうですか。私がきのう通告したのがちょっと遅かったということで反省します、私が。
ということであると次の質問がなかなか続かないんですけれども、先ほど佐々木朋和委員のお話に、このバス路線維持の考え方、その状況については非常に厳しいというお話は伺いました。そういった中で、厳しいという状況はわかったんですけれども、今後、私はいろいろな過疎地域における人口減少、そして、それに対するバス路線の維持の考え方というのは、当局としてどのようにお考えになってこれをこれから進めていくのかをお聞きしたいんです。
つまり、事業者の負担が増加していきますと、路線廃止という方向に行かないかと。路線廃止になりますと、その地域の住む魅力というものはますます失われていく。そして、さらに人口減少に拍車がかかっていくのではないかと思うのでありますが、こういった形の方向性については、当局はどのようにお考えになっているのかお聞かせいただきたいと思います。
〇大坊交通課長 まず、このバス路線の維持の基本的な考え方でございますけれども、県と市町村それぞれ役割分担をしながら全県を支えていきたいと考えております。
具体的には、県は、複数の市町村にまたがりますような広域幹線的な路線、いわゆる幹となる太い路線をしっかり支えていくと。市町村におきましては、その先の市町村の域内の交通を効率的に整えていただくという役割分担の中で行いたいと考えております。
このような役割分担の中で、市町村のほうでなかなかその域内交通の再編に当たって、人員であるとかノウハウが少ないということもありましたので、本年度から、地域公共交通活性化推進事業費補助というものをつくりまして、市町村が行う公共交通再編実施計画の策定の調査あるいはデマンドバスの実証の運行など、こういったものを支えてございます。
また、今お話のございました人口減少との関係というか、人が住まなくなる部分でのお話がございましたが、路線バスは、当然過疎地と呼ばれるような人の少ないところも走ってございます。こちらにつきましても、単に採算がとれないということで撤退してしまうということになれば、やっぱり地域にお住まいの方々の生活の足に非常に重要な、大きな影響があるということで、私どもとしては重要な生活インフラと捉えております。
ですから、単に採算性のみで撤退が図られることのないように、いろいろな国との協調補助などを使いましてしっかり支えていきたいと考えております。
あと、先ほど域内交通の話もありましたが、ただ、お金を出して支えるだけでは、なかなか限界もありますので、限られたお金の中でどうやって持続させるかということで、例えば、路線バスがあるところに地域の市町村内のデマンドバスをつないでいくとか、そういった、我々はフィーダー系統と呼んでいますが、こういう市町村の交通と広域幹線をつなぐような仕組みという新たな視点を入れながら、まず、使いやすくて持続するといったようなバス路線の維持を十分に図っていきたいと思っています。
〇福井せいじ委員 私も、この公共交通の問題というのは、人口減少と非常に大きくかかわりがあるという気がします。考え方があると思うんですね。まず一つ、地域の消滅、地域地域の魅力の創出というのは、大きな意味で、交通軸がなくなってしまうということが挙げられると思いますので、ぜひとも、そういった意味では、交通軸をしっかりとした中で維持していくのか、あるいは、これについてはもう維持できないのかということを、ある意味はっきりと県当局は方針を示さなければいけないかと思っています。
そしてまた、もしそれを維持するのであれば、財源の確保が非常に大きな問題になっていきますし、その財源の確保についても、効率的な交通機関の確立というものが必要になってくると思います。
ぜひとも、そういった意味で財源の確保、そしてまた、限られた資源の中での交通機関の確保をこれから図っていっていただきたいと思うのでありますが、この点については、部長のお考えはどのようにお持ちなのかお聞かせいただきたいと思います。
〇大平政策地域部長 バス運行に係る補助金等の財源についてでありますけれども、現在のところは、被災地特例等で全県が補助対象になっているということがありますが、これがだんだん縮小されていくということも、国の方針として恐らく出てくるものと思います。その中では、被災地特例をこれからも継続していただくことが、まず重要とは考えております。
国庫補助については、まず一つの考えはそれでございますし、あとは、知恵を使う部分といいますか、輸送量が15人から150人とありますので、そこを何とか条件をクリアできるような路線の形をとるとか、あるいは時間帯を工夫するとか、そういうことが自助努力というか市町村とともに努力することが大事だと思っております。
その上で、どうしても成り立たない場合は県単ということもありますけれども、こちらのほうも、際限なくということもいけませんので、まず、バス事業者の努力と、国のほうにお願いすることとあわせて、知恵を出しながら、財源確保もあわせて努力してまいりたいと思っております。
〇福井せいじ委員 部長の今の御説明は本当にもっともだと思います。ただ、私としては、財源確保については、今後、国に対して、やはり地方創生という観点からも、国が地方創生、そしてまた、地域の交通軸に関してどのように考えていくかということもしっかりと判断を仰いで、財源を確保できるのであれば、そういった国に対する要望も続けていっていただきたいと思います。
〇神崎浩之委員 2点お伺いいたします。2款4項1目地域経営推進費についてお伺いいたします。
これは、私は振興局が四つに再編されたデメリットの一つではないかと思って、そういう趣旨で質問をするわけですけれども、これについては、前は活性化調整費というようなことで、我々地域でも市町村でも、この事業には大変お世話になったところであります。昭和61年ぐらいから振興局体制になって、そのあたりから始まってきたと思われますが、現在、振興局が四つになりまして、一関市を初め、振興局が遠くなっているということがあります。そういう中で、この地域経営推進費について、どういう内容についてやっていらっしゃるのか、この特色ある内容とか効果について、まずお伺いしたいと思います。
〇森調整監 地域経営推進費の平成26年度の主な事業とその効果についてでございますけれども、平成26年度は、県事業といたしまして159事業、2億3、900万円余、それから、市町村等が実施した事業への支援といたしまして112事業、2億3、700万円余の支援を行ってきたところでございます。
県事業で申し上げますと、例えば盛岡広域振興局におきましては、地元の農畜産物を活用した国体おもてなしメニューの開発支援によって3メニューの開発を行っております。
また、県北広域振興局におきましては、スポーツと地域振興をテーマにしたフォーラムの開催ですとか、観光関係者を対象にいたしましたおもてなし研修会などを開催いたしまして、1、000人の参加をいただきまして機運の醸成に努めたところでございます。
また県南広域振興局におきましては、宮城県と秋田県の県際連携によります観光振興事業を実施いたしまして、旅行エージェントの招聘などに努めているところでございます。
また、市町村事業で申し上げますと、沿岸広域振興局におきましては、釜石市が実施いたしました橋野鉄鉱山の環境整備に支援申し上げまして、鉄鉱山訪問者の安全確保のためのフェンスの整備等を実施したところでございます。
また、振興局の広域化に伴いまして事業がいかがかということでございますけれども、地域経営推進費の県事業分は、市町村域を越えた圏域におきまして、地域の充実を図ります産業振興とか、そういうものを実施するためにやるもので、広域化に伴うスケールメリットを生かして、さまざまな事業を選択と集中により実施しようとするものでございますが、一方におきまして、例えば県南広域振興局におきましては、市町村ごとに振興の担当者を配置いたしまして、この人たちが窓口になって、地域のさまざまな課題、ニーズを把握するように努めております。そのほか、首長懇談会ですとか、各市町村の担当者にお集まりいただきました会議の開催等により、ニーズの把握に努めております。
また、広域振興局におきましては、住民にとって満足度の高い事業を実施することが肝要でございますので、四半期ごとに施策の評価を実施いたしまして、かつ、年2回以上、圏域運営会合等を組織いたしまして、それぞれ御意見を伺いながら、振興局の事業運営を図っているところでございます。
〇神崎浩之委員 今回、決算書では4億7、600万円というような予算でありました。この10年間の事業費の推移についてお伺いしたいと思います。
〇森調整監 10年間の推移がどうかということのお尋ねでございます。先ほど委員から御発言もありましたとおり、この地域経営推進費は、昭和61年の地域活性化事業調整費が源になってございます。もう一方の源が市町村総合補助金でございますが、現在の制度になったのが、平成23年度からということになっております。
この平成23年度のことを申し上げますと、当時の予算額が5億3、000万円で、今回、審査にかかっております平成26年度が予算額5億円、決算額4億7、600万円ということで、予算で申しますと3、000万円ほど減少しているところでございます。
〇神崎浩之委員 私は冒頭に言ったのですけれども、これは、本当に地域にとっては、なかなか本庁からは認めてもらえないような事業について、広域振興局長の裁量でさまざま、いろいろな事業に使わせていただいた貴重なお金であったということで、恐らく10年前から比べれば大分下がっているのではないかということで、弊害ではないかというお話をさせていただきました。後から数字については、別の機会にまたお伺いしたいと思います。
それで、振興局も広域になりまして、前であれば、本当に市町村と身近なところで市町村の課題、地域の課題を把握してこの事業を組み立ててもらったわけですけれども、広域になって振興局が半分以下になったわけですね。そういうことに対して非常に目が届いているのかなということがあります。
関連した事業を私は経験しているのですけれども、県のほうが一方的に企画して、地域に合わないような事業を組み立てて、そして、例えば、大体3年間ぐらいの事業になるのですけれども、その後もう消え去ってしまって、何だったのかなということもよく感じられるわけであります。
そんなことで、そういう弊害がないのかどうかということと、あわせて、これが終わっても地域の中で継続されている事業はあるのかどうかをお伺いしたいと思います。
〇森調整監 地域経営推進費は、地元に密着した事業をニーズに合わせてどれだけやるかということが大きな目的の一つとなっております。先ほど申し上げたところでございますけれども、広域振興局におきましては、その広域振興局の所在地ばかりではなくて、各地域におきまして意見交換会等を実施して、ニーズの把握に努めているところでございます。
それから、継続している事業でどのようなものがあるかというようなお尋ねでございました。例を挙げますと、例えば盛岡広域振興局におきましては、紫波のオガールプロジェクトがございます。これは、立ち上げの検討期におきまして、検討調査事業に対しまして県が御支援申し上げ、その後、事業実施になりまして、現在の状況になったというようにつながっているものがございます。
また、沿岸広域振興局におきましては、仙人峠道路の開通に伴いまして旧道が通れなくなったということもございまして、それを活用した仙人峠マラソン、これは、最初は県事業として行ってございます。平成27年度は、一部会場地改修のために休止となってはございますけれども、平成25年度から市が中心となった事業として継続されているところでございます。
〇神崎浩之委員 平成26年度の成果について、市町村事業112、それから県事業と見せていただいたわけですが、これは、本庁の事業の組み立てとどういう関係で組み立っていくかということを聞きたいのですけれども、通常の部のほうの事業と、それから、その地域のものがありますね。例えばILCについて、本体でもやっているし、それから、この地域経営推進費でもやっている。ILC、それから平泉の世界遺産についても両方でやっているということがあるのですが、これらについてはどういう整理の仕方で進めていくのか。
それから、観光イベントもあるわけですけれども、年1回のイベントを目的としているのか、通年のイベントを仕掛けていくのか、それから、産業、ものづくり、雇用、いろいろあると思うのですけれども、どういう点でこの事業を本庁と広域振興局とすり合わせして効果のあるものに持っていこうとしているのか、お伺いしたいと思います。
〇森調整監 県の本庁が立案するような事業につきましては、県全域の課題に共通するようなもの、どこでも該当するような形の事業を組み立てているところでございますけれども、地域経営推進費につきましては、もともと広域振興局が、それぞれの地域において、緊急性ですとか、あと地元の状況を把握して独自のプラスアルファの取り組みが必要なものを勘案して、本庁を経ないで独自にできる、迅速に執行できる、そういうことで実施する事業でございます。
そういうことで、より地域に密着した特色ある事業につきましては、広域振興局が実施し、全県的に共通するようなものにつきましては、県の本庁のほうで立案するというような形になってございます。
〇神崎浩之委員 いずれ、冒頭にお話ししました広域振興局化に伴って、県が市町村、地域と距離が出ているようなことも含めて事業を進めていただきたいと思います。
二つ目ですけれども、私もバス、交通対策ということで、ダブらないところで簡単に質問いたしますが、一つは、先ほど1億人の利用があって、今は2、400万人だという答弁もありまして、非常に厳しい状況だなと思っております。そういう中ででも交通弱者にとっては支援が必要だということでありまして、先ほど幹となる支援、それから市町村内の域内の支援をしているということだったんですが、具体的に、幹となる路線、それから市町村の域内の県の支援について教えていただきたいと思います。
〇大坊交通課長 ただいま幹となる幹線への支援等につきましてお話がございましたが、まず、その幹となる部分、我々、広域的幹線的なバス路線と呼んでおりますが、こちらにつきましては、国と県とが2分の1ずつ補助を出し合いまして、平成26年度は59路線、国、県が約3億1、600万円ずつ負担いたしまして、合計で6億3、200万円補助してございます。
また、ここまで太い幹ではありませんが、準幹線と呼ばれる国庫補助にのらないような部分、これにつきましては、県と市町村が支援しておりまして、これも県が2分の1、市町村が2分の1を負担しておりまして、平成26年度は14路線、県と市町村が約1、900万円ずつ負担いたしまして、合計3、800万円ほどの支援となっております。
二つ目ですが、市町村への域内交通の再編支援ということがございましたが、こちらにつきましては、本年度から地域公共交通活性化推進事業という補助制度を設けておりまして、市町村が行います域内の交通再編の計画であるとか調査といったものへの支援であるとか、調査を踏まえまして、実際にデマンドバス、コミュニティーバスを実験的に走らせようという部分への支援といったものを補助しております。
1市町村1事業当たり500万円を上限としておりまして、本年度は8市町村に支援を差し上げているところでございます。
〇神崎浩之委員 幹となる59路線については実際の経済的支援を行っている、それから、市町村内の域内については、計画の支援、それから実証実験等ということですけれども、今、デマンド交通とか巡回バスとか、市町村はいろいろと取り組んでいるんですが、そういうことで、これらの新しい域内の市町村の事業について、特色あるものがあれば教えていただきたいと思います。
〇大坊交通課長 ただいま新しい取り組み、特色のあるものというお話がございましたが、デマンド交通につきましては、震災前からいろいろな市町村で注目して取り組んでいる例もございます。
あと、コミュニティーバスをデマンド型に使うということで、例えば一関市のなの花バスであるとか、こういった取り組みもございます。
バスの中で今一番問題なのは、高齢化が進みまして、家からバス停までたどり着けない御高齢の方がいるというのが問題でありまして、そういった中で、こういった乗り合いタクシー型の新しい交通で、家の前までお迎えに行って、そして運ぶというものが各市町村で行われております。
先ほど言った地域公共交通活性化推進事業、ことしから入れておりますが、一関市でもデマンド型の乗り合いタクシーをやっておりますし、釜石市、久慈市、こういったところでデマンドの実証試験を行っております。
こういった高齢化を見据えた交通体系は、どんどん実証試験が出てくると思いますので、県としてもしっかり支援してまいりたいと考えております。
〇神崎浩之委員 今の答弁を踏まえて部長に最後お伺いいたしますが、先ほどの本当に利用人員が少なくなっているという中で、ただ、ここ10年ぐらいを見ても、大きく社会情勢が変化している中に、例えば病院も再編されている、前であれば近くに、歩いていけるようなところに医療機関があったのだけれども、病院もなくなってきた、それから、入院できる病院はもっと遠くなった、患者さんで通う場合もあるし、お見舞いにも行かなければならないというような状況も出ております。
それから、もう一つは、市町村合併によりまして、身近なところに支所もあるわけですけれども、やはり会議は本庁でやるとか合併した新しい中心部で行うということで、なかなかボランティアも老人クラブの方も、今まで会議に出られたのだけれども、合併に伴ってこういう会議にも出られないというような社会情勢もあると思います。利用は少なくなっているのですけれども、そういうことも部長のほうでは感じられていくのか、そういうこと。
もう一つは、先ほどBRTのメリットの中で、BRTの場合は柔軟にダイヤやルートの変更ができるという答弁もありました。そこで、路線バスについても、地域の中でバス運行事業者、それから、国のほうも厳しい制約があるわけですけれども、こういうことであればバス路線ももう少しは人が乗れるのではないかみたいな、そういう働きかけも国、それからバス事業者について、地域の意見、状況を見ながらやっていただきたいと思うんですけれども、この2点について部長の見解を聞いて、終わりにしたいと思います。
〇大平政策地域部長 バス事業につきましては、私も空のバスが走っているのを見たりして、大丈夫かなと思うことが多々ありますし、ILCの関係で県南地域を訪問することも多かったわけですけれども、その際にも、バスがどんどん減っていくとか、例えば奥州市を見ても、コミュニティーバスが廃止されるというのを見て、やっぱり利用と採算性が非常に難しいと基本的には思っております。
ですから、その中で、一方的にお願いしてふやしてくれというわけにもいきません。地方創生の関係で、みちのりホールディングスの冨山和彦さんの本などを見ますと、やはりダイヤを工夫することによって採算性が向上しているとか、あるいは県北バスの場合ですと、貨物との混載ということを106急行等で始めているとか、そういう新しい動きもあります。
それが全てのところに使えるわけではありませんけれども、やはり採算性と地域の利便性というところの課題は非常に大きいわけでありますが、成功事例とか、あるいは工夫してうまくいっている他県の事例も含めて、そういうものを早目に取り入れて、そして、県としてできる支援というものがあれば、その中で考えていきますし、地域の協議会とかがありますので、その中で有識者の意見なども聞きながら、なるべく持続できるような形で県としても取り組んでいきたいと思います。
〇斉藤信委員 まず最初に、JR大船渡線問題についてお聞きします。
JR東日本の提案の中身と国土交通省の対応はどうなっているでしょうか。
〇大坊交通課長 JR大船渡線の関係でございます。
JR東日本の現在の提案内容、国土交通省等の対応につきましてですが、ことしの7月に国土交通省主催によります大船渡線沿線自治体首長会議が開催されまして、この席上、JR東日本から、大船渡線は利用者が減少しておりまして、鉄道の特性が十分に発揮できる状況にはないことから、地域の復興に貢献する持続可能な交通手段としてBRTによる本格復旧といった提案がございました。
これを受けまして、現在、沿線自治体、本県であると大船渡市と陸前高田市ですが、大船渡線の今後の復旧のあり方につきまして、住民懇談会などを開催して意見の集約を図っているところでございます。
国におきましては、各自治体におけますこういった検討状況を踏まえ、年内に次回の首長会議を開催したいということを伺っております。
先ほどの答弁で、国においてとお話しいたしましたところが国土交通省でありまして、7月に開催いたしました国土交通省主催の会議、大船渡線沿線自治体首長会議の第3回目を年内に開きたいという意向を聞いております。
〇斉藤信委員 あなたの答弁はちょっと舌足らずが多いね。
JR東日本の提案の中で、山側ルートをやれば400億円かかる、270億円は地元負担ですよと。それに対し国土交通省は、その地元負担には対応できないと答えているのでしょう。そういうことをきちんと答えないとだめじゃないですか。
今まで1年間、JR大船渡線の復興調整会議をボイコットして、突然、首長会議で、2回目でBRTの本格復興と。これは、BRTを今やられているけれども、BRTの本格復興という何か新しい中身があるのですか。
〇大坊交通課長 先ほどの答弁の中で第2回目のお話、JR東日本のみのお話となりましたが、JR東日本の第2回目での提案の中身につきましては、先ほど言いましたとおり、鉄道特性が発揮できる水準ではないということと、あと、BRTの仮復旧がもう進んでおりまして、住民の方々の実情に合った交通手段になっていると、さらには、交流人口であるとか産業観光活性化にも取り組んでいくということを踏まえてBRTの提案がございました。
これに対しまして、国では、先ほど御指摘のあったとおり、鉄道を復旧するための経費についての支援は困難だという話がございました。
そして、市では、この提案を受けまして、持ち帰って住民等の意見集約を進めたいということでありました。
BRTの本格復旧の提案に当たって、新しい提案といったような部分は、JR東日本側からは、先ほども言ったように、交流人口であるとか産業活性化に取り組むであるとか、ますます使いやすいBRTの路線にしていくといったような、ある一定の具体性を持った提案があったと認識しております。
〇斉藤信委員 BRTは、基本的には仮復旧でやられたんですね。先ほど佐々木朋和委員の質問の中で、大船渡線は利用客が減少しているけれども、1日420人で、BRTになったら250人だというんでしょう。BRTで半分に減っているのではないですか。
BRT仮復旧というけれども、BRTで半分しか利用できなくなっているというのが現実じゃないですか。こんなので本格復興になったら、私は、地域の方々の足を確保できないと思いますよ。部長、この実態をどういうふうに考えますか。
〇大平政策地域部長 利用人員につきましては、BRTの特性上、1車両当たりの乗車定員が少ないということもありますので、あるいは、まちづくりがまだ全ていっていない、陸前高田市、大船渡市を見ますと、その中でBRTの駅周辺にまちができていないことなどもありますので、一概にBRTだから乗らないということでは、まだそこまでは私どもとしては分析し切れてございません。
ですから、今後、仮にまちづくりが進めば、乗車人員は基本的にはふえる方向だと思っております。
〇斉藤信委員 三陸鉄道の社長は、鉄路がなくなって栄えたまちはないと。そういう立場で三陸鉄道を一日も早く復旧したと、県政調査会でも、呼んで、私たちもそういうお話を聞きました。
どうなんですか、鉄路がなくなって栄えたまちはあるんですか。このとおりですか。
〇大坊交通課長 ただいま御指摘のありました鉄路がなくなって栄えたまちはないというお話でございますが、平成12年度以降、平成24年度までの13年間に全国で廃止されましたいわゆる地方鉄道路線は35路線に上りますけれども、現在、それらの廃止路線の沿線自治体につきましては、鉄道にかわる公共交通によりまして住民の生活の足を確保しておりますし、地域外からの観光客の移動手段の確保に努めながら、さまざまな地域活性化の取り組みに一生懸命取り組んでいると認識しております。
鉄道が失われるという部分につきましては、影響は少なからずあると思いますけれども、鉄道の廃止と地域活力との関係につきましては、もうちょっと分析が必要ではないかと考えております。
〇斉藤信委員 鉄路が廃止されるわけだから、それに対して必死で対応するのは当たり前のことなんですよ。必死で頑張っているんですよ、それはね。しかし、鉄路がなくなることのダメージは極めて大きいというのも、私は現実だと思うんですよ。
それで、私は、このJR大船渡線の問題について、あらゆる選択肢を検討すべきだと思いますよ。JR東日本がBRTで行くということ、これがいいか悪いか、こういう単純な選択肢では私はだめだと思います。
陸前高田市で今、懇談会がやられて、また市長直送便というものもあるんですけれども、少なくない意見の中で、陸前高田までは鉄路で復旧できるではないか、これは経費がかからないと。山側の路線を走っていますから被害が小さいんですよ。私は、せめて陸前高田までは鉄路で復旧すべきだと、こういうことも主張する必要があると思いますよ。
そして、山側ルートは金がかかるというなら、例えば大船渡-陸前高田間は三陸鉄道で現状のルートで通すとか、そうすると鉄路はつながるわけですよ。私は、あらゆる可能性を検討してやるべきだと思いますけれども、部長に聞きましょう。どうですか、そういう選択肢を排除しないで議論すべきじゃないですか。また、そういう声が現実に出ていますから、県としてもしっかり受けとめて対応すべきじゃないですか。
〇大平政策地域部長 基本的に、大船渡線につきましては、事業者でありますJR東日本からの提案という形で現在の検討が進んでいるところでありまして、これに対して、県から、例えば委員から御提案のありました大船渡から陸前高田の部分を三陸鉄道でというようなことは、三陸鉄道の山田線とは違いますので、そのようなこともありますので、現時点では、そういう提案については考えてございません。
〇斉藤信委員 私が今話したのは、せめて陸前高田まで鉄路で復旧することは可能ではないかと。これは、財政的にもそんなに金はかからない。橋が一つ流されているだけですよ。あと鉄路を戻せばいいんですよ。
例えばBRTにしたって、そこから大船渡間のBRTというのは、気仙沼から走るのと全然違った効果がありますよ。そして、そういう方向で議論が進むなら、大船渡-陸前高田間も三陸鉄道で結ぶということもあるのではないかと。
東海新報に気仙医師会の会長代行をやられた大津先生が、この議論の大前提として、JR大船渡線の復旧は鉄路による復興であるべきだ、こういうふうに述べて、大船渡線の歴史を述べています。盛岡市出身の原敬が首相のときに、大船渡線は大正9年に着工した。そして、大正14年に一関-摺沢間が開業し、気仙沼までは昭和4年、終点の盛までは同10年に開通して、ことしは開業から数えて90年、全線開通から80年になると。80年前に大船渡線は開通したのですよ。今、BRTでいいというのは80年前に戻すという話ですよ。
私は、これだけ重大な問題なんだという立場であらゆる選択肢を真剣に考えるべきだと思いますよ。この大船渡線の歴史を踏まえて、部長、どう思いますか。80年前に簡単に戻していいんですか。
〇大平政策地域部長 大船渡線の歴史あるいは三陸縦貫鉄道という八戸から前谷地までのそういう先人の鉄道に対する思いは、私も十分理解しているつもりであります。
ただ、一方で、現実を見ますと、現実の中でどのような選択をしていくかと。JR東日本の提案とか、あるいは大船渡市民、陸前高田市民、その方々がどのような利用をして、これからどのような交通体系を望んでいるかというところも、やはり80年前と現在は違いますので、すぐにでもJR東日本が原状に戻してくれるというのであれば、それはよろしいとは思うんですが、現実問題なかなかそういうことになっていないというのもありますので、大船渡市と陸前高田市の方々の議論を今、見守っているところでございます。
〇斉藤信委員 私は、本当にそれだけの歴史を踏まえた議論をやるべきだと。
そして、JR東日本は不当ですよ。あの震災の年の4月に、JR東日本の社長は、全線復旧させると言明したんですよ、本当は。ところが、それを翻した。八戸線は1年で復旧した。ところが、大船渡線は山側でなければだめだなどというダブルスタンダードで、1年間ボイコットして、サボタージュして、4年半かかってBRTという提案をしてきた。私は本当に不当だと思いますよ。
大津先生はこうも言っているんですね。大船渡線がなぜ使われないのか。大船渡線は時間がかかるからだと。107キロメートルのJR線でなぜ2時間とか2時間半かかるのだ。1時間で走れるじゃないか。何でそういう改善もしないのかという提起もしていますよ。私は、改善することはたくさんあるんだと思うんですよ。
そして、陸前高田市の人も大船渡市の人も、一関や水沢江刺から新幹線を使って、新幹線の黒字に貢献しているんですよ。大船渡線だけの赤字が問題じゃないんですよ。私は、そういうことも含めて、80年前に開通した鉄路をどうやって守るのか、そういう検討を県も市町村と一緒になってやるべきだと思いますので、ぜひ、いろいろな専門家から知恵も結集して、JR東日本の言いたい放題のやり方を許してはだめだと。
JR東日本は、昨年度末決算で純利益1、800億円ですよ。経常利益で3、000億円を超えているんですよ。こういう利益というのは、本来、全国に、国民に、地方に還元されるべき利益なんですよ。JR東日本といえども、公共交通機関を担っているんですから、私は、やっぱりそこを、県もじくじたる思いがあるかもしれないけれども、言うべきことはしっかり言ってこの議論を進めるようにしていただきたい。
次に、JR山田線の復旧の具体的見通しと現状についてもお聞きします。
〇大坊交通課長 JR山田線につきましてですが、現在の状況と見通しというお話です。
JR山田線につきましては、この10月1日に宮古に工事事務所を開設いたしまして、工事が本格化してございます。
ただし、やはり全線55キロメートルの路線について、詳細な設計、測量が必要という前段階がございますので、今年度はそういった設計、復旧を中心に行うことにしております。
最後、見通しのほうですが、どの時期に開業するかといった部分は、釜石のラグビーワールドカップ2019が平成31年9月にありますが、それの前、できれば平成30年度末を一つの目安にしたいというところでございますが、具体的な開業日につきましては、これからいろいろな工事の進捗を見ながら、思いもかけないような支障が出てくるかもしれませんので、近くになりましてから関係者で協議して決定することにしております。
〇斉藤信委員 ふるさと振興の問題について、少し時間が経過したので、私は、特に大学生、関東その他で就職した若者のU・Iターンが、人口減少を食いとめる上でも極めて重要な課題だと思うので、これに絞って聞きますが、このふるさと振興総合戦略の案の中で、これは40ページですけれども、岩手県Uターンセンター平成26年度実施期、これは就職支援件数で1、906件となっていますが、1、906件というのはどういう件数なのか、どういう取り組みが現実の問題として行われているのか、これをお聞きしたい。
〇菅原県北沿岸・定住交流課長 岩手県のUターンセンターにつきましては、商工労働観光部の雇用対策・労働室が所管しているところでございますけれども、東京事務所にUターンセンターを設置いたしまして、そちらの就職窓口での相談業務、それから、大学とか企業を訪問して、本県出身の学生であるとか、また、本県の就職、企業情報を発信しながら就職につなげていくということで、それらの相談等の件数でありますとか、あとは、就職のほうにもいろいろと、U・Iターンフェアとかイベントを展開してございますので、そういった際でのイベントの件数が入っているものと考えております。
〇斉藤信委員 これは、そうすると余り評価する件数ではないね。訪問した件数とか相談した件数と。やっぱり就職に結びつけるような件数で評価しないとだめだと思いますよ。私、そういうことでこのU・Iターンを本格的に進めると。そのためには、県外に行っている学生とか県外で就職した若者のリストでいろいろな情報を定期的に発していく、そういう結びつきをつくっていくことが重要だと思います。
そしてもう一つは、帰ってくる若者に対して、やっぱり廉価でいい住居を保障すると。きょうのニュースで、青森県の小さいところですけれども、10戸の新築の住宅をつくって、20年定住したら譲渡するという取り組みも東北の中では始まっていますが、私は、空き家をリフォームして、若者がそういうことを活用できるような仕組みなどもやるべきではないかと思いますが、そういうことは検討されているんでしょうか。
〇菅原県北沿岸・定住交流課長 確かに移住の部分につきましては、委員御指摘のとおり、重要な課題でございまして、例えば葛巻町でも、移住者向けの住宅を整備して、安価な家賃で提供しているという例もございますし、あと空き家バンク制度を取り入れている市町村もありますが、その空き家バンクを活用して、実際に移住した際に、住宅の改修費の補助をしているというような市町村もございます。
本来的に、住宅とか具体的な移住の政策につきましては、市町村の役割ということで考えておりますけれども、県としても、市町村と連携して、どのような支援ができるかを考えていきたいと思います。
〇佐々木茂光副委員長 斉藤信委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
〇斉藤信委員 言われたように、最後にします。
マイナンバー制度が決算額にもありましたけれども、県政にどうかかわり、その経費、維持管理費はどうなるか。情報漏えい対策はどうなっているのか。
そして、ちょっと追加で聞きますが、復興の取り組みで、市町村への派遣職員、ことし、来年が私は復興事業のピークだと思うけれども、来年ますます厳しくなると思うが、その必要数や取り組み状況について、最後にお聞きして、終わります。
〇古舘情報政策課総括課長 マイナンバー制度の導入と県政のかかわりでございますけれども、番号法では、社会保障、税、災害対策の事務のうち、生活保護の決定、地方税の賦課徴収などの事務、40事務について県が実施する事務として規定しておりまして、平成28年1月から個人番号の利用を開始するものでございます。
これらの事務に関します県が改修または新規に整備いたしますシステムの経費についてでございますが、整備費の総額は約2億9、000万円を見込んでいるところでございます。
維持費に関しましては、今回新たに二つの新しいシステムをつくっておりまして、平成28年度以降、年間約1、000万円の負担増が生じると考えております。
次に、情報漏えいの対策でございます。
情報漏えいの対策につきましては、マイナンバー制度におきましては、個別の業務システムにおきまして情報が分散管理され、業務システム間では必要なときに必要な情報だけをやりとりするということで、個人情報を一括して集めることができない仕組みとなっております。
このことに加えまして、国が策定いたしました特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドラインに基づきまして、さまざまな情報漏えい防止のための安全管理措置を行うこととしているところでございます。
〇佐藤市町村課総括課長 被災市町村の人材確保の状況についてでございます。
平成24年度は、被災市町村必要数366名に対しまして、確保数が321名、充足率87.1%、それから、平成25年度は、必要数628名に対しまして確保数が596名、充足率94.9%、平成26年度が、必要数737名に対しまして確保数が697名、充足率94.6%という状況になってございまして、今年度10月1日現在の数値で申し上げますけれども、必要数が791名に対しまして決定数が725名、充足率91.7%という状況になってございます。
市町村の事業ですけれども、今年度、来年度もう少しあたりがピークとなってございまして、必要数は、実はまだまだ必要だという状況になってございます。現在、被災市町村に来年度の必要数の人数の照会をしておりますので、こちらの取りまとめをした上で、必要な人員の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
〇佐々木茂光副委員長 この際、執行部より発言を求められておりますので、これを許します。
〇大坊交通課長 先ほどの福井委員の御質問の中で、国と県との協調のバスの補助路線の乗車人員の推移というお尋ねがございました。こちらにつきまして御説明いたします。
平成22年度、補助路線57路線ございましたが、平成22年度は336万9、000人の乗車となっております。直近、平成26年度は59路線に補助しておりますが、343万人の乗車人員となっております。
なお、全部のバストータルで申しますと、平成22年度は2、013万6、000人の乗車人員でございます。平成26年度が1、755万7、000人となってございます。
〇伊藤勢至委員 ただいまの斉藤委員の鉄路復旧あるいはBRTに関連いたしまして、私からもお聞きしたいと思います。
私は、基本的には斉藤信委員の提言を含めたやりとりに全面的に同調するものでありますが、共産党になったわけではありません。そういう中で、同じ沿岸を思う人間として、岩手県のこれまでの対応が少し弱腰であったんではないかと思う点がございまして、何点かお聞きします。
被災してから、先ほど斉藤委員が言ったように、八戸線はすぐ復旧しました。前のラインとほとんど変わりない、若干変わりがあったとすれば、急傾斜のような線路脇にはしごを2本ぐらいかけたり、あるいは海側への道路をつけたりぐらいの程度で復旧しました。そして、さらには、当時のJR東日本の冨田社長でしたか、本県選出の国会議員団に、三陸鉄道との関係もありますので、JR東日本で責任を持って復興しますということを言って歩いた。そして、宮古駅のリニューアルをした。
私は、この時点から、これは絶対に復旧するものだと思っておりましたが、途中からBRTなるものの提案が出てまいりました。あくまでも当初は仮の復旧、仮復旧、応急のBRTであります、こういう話でありまして、私はそのころから、本当に仮なんだねと。宮古便で言うところの仮です、仮ですと言いながらやって、末代のものになりはしませんか、仮末代になるのではないですかと何度かお聞きしてまいりましたが、最終的には、岩手県からの提案を何も入れられない状況の中に、今、押し込まれているのではないかなと思うんですね。そう思いませんか。県側から、こういうことで行きたいと提案をするものがあったんでしょうか。
といいますのは、実は三陸沿岸には、仙台から八戸まで一本のレールウエーで結んで、中央からの観光客の呼び入れをしようという大命題があるわけでありまして、これは今もあります。ところが、陸前高田、大船渡がBRTになってしまうと、一本の鉄路というものがつながらなくなってしまうわけであります。もちろん、震災のために公共交通網がなくなった陸前高田、大船渡の気持ちはわかります。それはわかりますが、それはあくまで仮復旧ということで復旧をしていただいて、最後は仙台-八戸間を一本のレールウエーで結ぶ、それは沿岸市町村の言ってみれば観光客の誘客、外貨を稼ぐ大きな復興の手段にもなるはずであったわけでありますが、どうも県の対応が言いなりになっているように思うんですが、そう思われませんか。
〇宮野副部長兼地域振興室長 大船渡線の復旧につきましては、前に提出予定議案等説明会でも若干御説明いたしましたとおり、平成25年度、ですから、平成26年2月の当時の東北運輸局主催の大船渡線復興調整会議、ここでもってJR東日本から御案内の山側ルートへの移設、それに伴う費用負担、これは困難であるという説明があったということでございます。その後、県におきましては、いずれ、地元が鉄路を前提としたまちづくりをしたいという希望がございましたので、県としては、その後も沿線市とともに、何度も何度も国あるいはJR東日本に対して鉄路での復旧をお願いしてまいりましたし、6回まで重ねた会議のまた再開ということも求めてまいりました。ただ、ことしになりまして、6月から国土交通省主催の会議がまた再開されたわけですが、結果として、1年4カ月が経過してしまったということでございます。
今、申し上げたとおり、県としては、その間も、JR東日本、国に、いろいろ内々の協議も含めて、鉄路での復旧ということを訴え続けてきたわけでございますけれども、結果として、なかなか溝を埋めるようないい打開策というものを見出すことができなかったということでございます。それが努力が足りないのではないかと言われれば、その御指摘は甘んじて受けざるを得ないかと思いますが、そういった状況の中で、ことし、被災からもう5年目を迎えたと、何とか5年という一つの節目、これまでには本格復旧の方針を出したいという地元沿線市の市長さん方の強い思いもありまして、今回そういった会議も開催し、今、いろいろ地元のほうで検討といいますか地元住民の意見集約をしていると、そんなような認識でおります。
〇伊藤勢至委員 相当タフな交渉だったとは思います。ただ、タフな交渉をするためには、いろんなカードを持ってぶつかり合わなければならないわけですね。お願いしますお願いしますだけでは、交渉にならないわけであります。
私は前から何度もこのお話をしてきましたが、ちょっと古くなりますけれども、もう一回だけ言わせてください。
東北新幹線が盛岡-大宮間で開業した。さらに上野まで伸びて、東京まで伸びて、今度はさらに北進をしようということになって、八戸まで伸ばすことになりました。そしてそのときに、秋田県も岩手県も青森県も1、000億円ずつ負担をしたんです。ここをネゴの材料にすれば400億円ぐらいは出せとしゃべれるはずです。しかも今回、来年ですか、北海道に新幹線が行きますね。我々1、000億円かけて、3県で3、000億円出したレールを、何にも、御挨拶もなしに北海道に行っちゃうんですよ。ここで400億円、500億円取り返したっていいじゃないですか。こういうのをネゴシエーションと言うんだと私は思いますよ。
そして、実はこの任期前にもありましたが、第71回三陸沿岸国道並びに鉄道完遂促進協議会道路促進期成同盟会が石巻市で行われました。宮城、岩手、青森3県でずっとやってきた会議のようです。71回ということですから、戦後70年、相当古い歴史があるんでしょう。ですけれども、そのときのありようは国鉄だったんです、多分その会が始まったころは。国鉄で、新幹線を言っているのか、三陸の道路、JRの鉄路を言っているのか、あるいは東北自動車道を言っているのか、三沿道を言っているのかわかりませんが、いずれ道路と鉄道を完遂しましょうという流れだったわけです。だけれども、その中で大きな変わりは、国鉄がJRになったという点であります。これがまだ国鉄時代であれば、我々県議団が一致団結をして、決議を上げて、国会議員団にお願いをして、国鉄がやれと言えばずっと違う調子で進んだかもしれませんが、今、JRということで、民間会社ということで、営利追求ばっかりを打ち出してくるわけでありますが、公共交通機関というのはそのまま引き継いでいるわけですので、そこを攻めていくべきだと思います。
今、我々があるいは国会議員団にお願いをして、そこから国土交通省からと言ったって、民間会社ですから、ああ、そうですかという程度のものなわけですね。だから、岩手県としてけんかをしかける、そういう気持ちを持ってやっていかないと、これはちょっとなめられてしまったんじゃないかなと思っております。
大船渡のBRTの試乗に参りましたときに、試し乗りに行きましたときに、JR東日本の担当の熊本さんとかという方が来て、その方とバスの中で立ち話をしました。その中で今の話をしたんですよ。そしたら、ちょっと顔色が変わりまして、厳しいことをおっしゃいますねと言っていましたけれども、あれは多分、彼らの琴線に触れた言葉だったと私は思っています。したがいまして、そういうところからやりとりをしていかないと─この前の石巻市のその会議に、JR東日本は出てくることになっていたんですが、誰も来なかったんですよ。ですから、そういう相手の肺腑をえぐるようなやりとりをしながら、1、000億円出しているんだから400億円出すのはやぶさかでないでしょうぐらいのことを言っていかないと。
今度JR東日本は、東京品川駅の隣に泉岳寺駅だか何だかをつくるんです、山手線の中に。3、500億円と言われています。大船渡線の400億円ぐらい、何ていうほどのものもないじゃないですか。そのくらいのものをやるような交渉をしないといけないのかなと。
あえて古い話になりましたけれども、三陸沿岸の本当の鉄路というのは、先ほど斉藤委員が言ったみたいに、山田線もそうでありますが、本当の悲願だったわけでありまして、これを次なる世代に残していくのは今の我々の役目、このように思いますので、ぜひネゴシエーターになっていただきたいと思うんですが、部長の声を聞いて終わります。
〇大平政策地域部長 私も古い話を申し上げると、新採用で三陸鉄道を担当いたしまして、ですから、会社の免許を取るというので1年、2年間担当しておりましたので、三陸鉄道に対する思いとか、沿岸の方々が鉄道に対する思いというのは、それは十分理解しているつもりであります。その中で、歴代部長が厳しい交渉をしてきておりまして、私もことしJR東日本と直接交渉の担当をいたしまして、なかなか厳しい相手だなというのは感じております。
委員がおっしゃるとおり、民間企業であるという金看板というのがございますので、株主に対する説明ということを彼らは申し上げます。その具体的な内容については、交渉の中身でありますのでこの場では申し上げることはございませんが、先ほども申しましたけれども、県民の思いをしょっているというつもりはございます。一方で、いつまでもこのままでいいのかというのもありますので、その中での交渉、あるいは県議会でもこういう意見が強いということもお話を申し上げながら、今後の協議に臨みたいと思います。
〇木村幸弘委員 通告してあります質問がほとんど重複しておりました。今、JR東日本の問題もそれぞれお二方から意見が出ましたので、私も全く同感だということをまず申し上げたいと思います。その上でですけれども、まず山田線の復旧については、今の状況については先ほどお答えをいただきましたので割愛をいたします。
そこで、今までの議論の中で、県としてこの復旧にかかわる取り組みについて、2月議会の議論の中では内部にそうした対策の検討会を設ける、あるいは担当の職員を増員して、その対策を強化するという答弁もいただいておりました。そうした中で、どのような対策、検討の体制がとられ、どのような対応をしてきているのかについてお伺いをしたいと思います。
〇大坊交通課長 ただいま山田線の関係につきましての体制的なお話がございました。お話のありましたとおり、ことしからこの交通の担当を1名増員いたしまして、職員の強化を図っているところでございます。
また、交通の職員をチームといたしまして、山田線沿線の市町村にはたびたび足を運びまして、一番今論点となっておりますのが、復興まちづくりと鉄路の復旧をどう調和させるかといったような部分で、今までは総論の議論でしたけれども、これから各論の議論に入るということで、こういった職員の増加の体制を生かしつつ、もちろん地元の市町との話し合い、あるいはJR東日本との話し合いを現地で重ねているという状況でございます。
〇木村幸弘委員 今の体制のかかわりの中で、次の質問の部分も答えていただいたわけですけれども、いずれ、先ほど斉藤信委員の質問の中でも、今年度については宮古に工事事務所を設置して、設計等を含めた取り組みをまず進めていくんだというお答えがありました。そうしますと、今お答えをいただきましたいわゆる沿線自治体の復興事業、まちづくりにかかわる連携等について、これらのJR東日本が進めている設計等の取り組みとどのようにすり合わせなり検討がそこで図られているのか、具体的に各市町村の復興まちづくり事業との関係については、どういう形でこのJR東日本と今具体的に協議が行われているのかお伺いします。
〇大坊交通課長 山田線の鉄路の復旧とまちづくりとの連携というか、調整の関係でございますけれども、重ねてになりますが、今からが各論の部分に入っていきまして、それぞれ復興まちづくりが具体化していく、そこにどう鉄路を通していくか。通していくに当たっては、ベースとなるまちづくりの工事がいつ完了するか、こういったスケジューリングも含めまして、主に工事担当セクションを中心としてと聞いていますが、JR東日本と地元の市町が定期的に協議を進めていると伺っております。
ただ、一つ課題点がございまして、市町の財政部門のほうとか企画部門が、それぞれ一緒に協議に入らないという局面も見受けられて、肝心のお金の裏づけが不透明なまま工事の調整が進むとか、そういう課題点が浮き彫りになっておりますので、私どもといたしましてはそういったところの調整を、県も入りながら図っていきたいということで、先ほどの体制の中で取り組ませていただいております。
〇宮野副部長兼地域振興室長 交通課長の答弁に若干補足いたしますが、まちづくりとの調整という意味では、復興庁が全体のまちづくりの調整をしておりまして、定期的に復興庁サイドの調整会議が開かれております。これには復興庁の職員それから土木関係とか、県、国それから市町村といった関係者、JR東日本も入って進めているということで、私どもの関連する部分と、あと復興庁のほうが地元の関係者を集めて調整している部分があるということを若干補足させていただきます。
〇木村幸弘委員 そこでもう一つ、今までも議論されてきているんですが、いわゆる2月に確認された合意事項に基づいて、さまざまな重要事案についても協議をしていかなければならないということで、2月の段階で御答弁をいただいているわけであります。その中身として、いわゆる移管協力金の使途、配分の問題、それから関係市町の補助、負担ルール、あるいは運賃の激変緩和措置の方法、あるいは復旧する鉄道施設にかかわる技術的な事項や、山田線の運営引き受け後の三陸鉄道との経営のあり方などということで、これは執行部のほうから答弁をいただいた主要な課題として示されたものでありますが、ここについては今の段階ではどれだけのことが協議されているのかお伺いします。
〇大坊交通課長 ただいまお話のございました各点、協議を進めるということになっておりますが、わけても大切なのが、この山田線を開業した後どう支えていくかということでございまして、そこが先ほど言った負担ルールみたいなお話と移管協力金の話になるんですが、まずは開業後どういった収支になるのかとか、どういったものに投資が必要なのかといったような部分を、今三陸鉄道と詰めております。そうした全体の輪郭を明らかにした上で、その資金計画の中の一環で、この移管協力金なども検討していくということにしております。
また、運賃激変緩和も開業に当たっての重要な論点でありますので、ここら辺も接続する三陸鉄道との比較において、あるいは今までの御利用いただいていた利用者の負担感、こういったものを踏まえまして検討していきたいということで進めております。
その他の諸点につきましても、関係機関間で鋭意協議を進めているところでございます。
〇木村幸弘委員 開業に向けての対応ということで、まだ時間があるかのような感覚もあるいはあるのかもしれませんけれども、しかし、先ほどラグビーワールドカップの前には山田線の復旧をという目安なども示されたようでありますし、そうした点でも具体的な取り組みについてはしっかりと協議を進めていかなければならないのではないかということで、これは御意見として申し上げたいと思います。
それから、先ほど来議論のあった大船渡線にかかわる問題についても、県の対応を見ると、先ほどから指摘のあるように、私も、どうしても後手後手に回っているというか、相手の出方ばかりを見て、自分たちのほうから積極的に何か動いていく、アプローチをしていくという姿勢が弱いのではないかと思えて仕方ないのであります。
斉藤信委員の質疑の中で、最後に部長が、陸前高田あるいは大船渡両市の議論を見守っているということで御答弁をいただいているんですけれども、今のJR東日本から提案をされたBRTの提案について、いろんな議論のもとにあって、こういう議論の中からBRTではない選択肢もあるのではないかということを逆に提案をしていくという姿勢も私はあるべきだと思いまして、先ほどのそれぞれ出された意見なども十分に踏まえた中で、大船渡線への対応については執行部としてもしっかりと、県がもっとリーダーシップをとって、積極的に関係する市町村とそれこそスクラムを組んでJR東日本に向かっていってほしいということだけは申し上げておきたいと思います。
2点目が、いわてへの定住交流促進事業についてですが、これも高橋但馬委員それから工藤勝博委員からも質問がありました。私からは、それぞれの質問にいただいた回答に触れて、若干そこを確認する意味で質問しますけれども、一つは、高橋但馬委員のほうから質問のあった、いわゆるイベント情報収集件数であるとか、イベントへの参加回数の内容について説明があったわけであります。私はもう少し具体的に、この情報収集というのはこの数字をどう見ればいいのかと思ったんですけれども、情報収集した件数というのは情報そのものの件数なのか、それとも、収集をするための場を設定したという意味での件数なのか、その辺がよくわかりませんでしたので御説明いただきたい。
それから、イベントの参加回数については、いわゆる市町村が参加した回数ということですけれども、具体的には、県内の市町村がどういう形で参加をし、どれだけの市町村がこれにかかわってきている実績なのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
〇菅原県北沿岸・定住交流課長 県外イベントの実績等についての御質問でございますけれども、まずイベントの情報収集件数ということで、目標値が5回というものは、イベントへの参加件数ということで設定をしているものでございます。その中で、実際の来場者、これは県のブースと市町村のブースとなっておりまして、県だけのブースに来場された方でございますけれども、1件当たりは1人の方が相談に来られると時間が1時間とか長くかかりますので、件数はそれほど伸びないということでございますが、5回で87人の来場、相談があったところでございます。
それで、市町村の参加ということでございますけれども、こういったイベントに市町村も積極的に参加していただけるように県が呼びかけをしたり、あるいはブースの設置費を一部負担するということで支援をしているところでございますけれども、その5回のイベントに対しまして、15市町村で延べ29市町村が参加したという実績になってございます。
〇木村幸弘委員 いずれ、もう少し具体的な、例えば県ブースに対して87人が相談に来たということであれば、その辺の具体的な中身がどうだったのかというところまで我々とすればきちんと確認をして、その中でどういう成果が生まれ、あるいはどういう課題が出てきたのかというところにまでいろいろと聞きたいというのが出てくるわけでありますけれども、そうした情報の提供の仕方というものも含めてもう少し丁寧な説明が必要かと思いますし、今の部分とあわせて、意見交換をした移住、定住者の関係で、これも高橋但馬委員のほうから、57人の方々が意見交換をしたということでお話があったんですけれども、この中で、具体的に、人数ではなくて、この方々からどういう意見や要望をいただいたのか、そして、その意見や要望に基づいてどういう形で移住、定住政策の中に生かしているのか、あるいは課題は何なのか、そういったところがこの数字から、この報告書の中からなかなか読み取れないし、そういった部分のところがもう少しきちんと示されるべきじゃないかと思うんですけれども、その内容を含めてどうでしょうか、お伺いしたいと思います。
〇菅原県北沿岸・定住交流課長 県外イベントあるいは意見交換での具体的な内容ということでございますが、まず、県外イベントでの87人の来場されたその結果ということだと思います。これにつきましては、結論から申しまして、その87人が直接移住につながったかどうかというところは確認できてございませんけれども、相談された方のニーズといたしましては、岩手の暮らしの全般に関する相談ということで、地理的なものですとか風土とかがどうだということもありますけれども、特に多いのは、仕事ですとか住宅に関する相談が多いということで、この部分の情報発信を強化していく必要があるだろうと考えてございます。特に仕事の部分につきましては、Uターンセンターと連携しまして、Uターンセンターのほうに登録をして、希望される仕事があった場合に情報提供をするというようなフォローをしているところでございます。
また、こういったフェアが効果があるのかどうかということでございますけれども、移住者へのインタビューをしたところによりますと、就農フェアでありますとか漁業フェア、こうしたものをきっかけに、岩手県に全くゆかりがないんですけれども、Iターンで岩手に来られたという方もいらっしゃいますので、移住に関心のある方に直接アプローチができる貴重な機会だと考えてございます。
また、移住者との意見交換の中身でございますけれども、いわて復興応援隊でありますとか地域おこし協力隊との意見交換、あるいは移住者へのインタビュー等を実施してございますけれども、具体的な意見といたしましては、移住者間のネットワークの構築が必要だと。特に地域おこし協力隊でありますとかいわて復興応援隊からは、そういった意見をいただいたところでございますので、そういった意見を踏まえて、研修会でありますとかネットワークづくりの場を構築したということで対応してございますし、あとは、本県の人のよさなど、もっと岩手のいいところを積極的にPRしてほしいということで、現在も移住向けのパンフレットを作成してございますけれども、そういった中にも、移住者の意見をいただきながら、効果的なPRになるようにというところで取り組んでいるところでございます。
〇木村幸弘委員 最後にしますけれども、いずれ、さまざまそうした情報をどう生かすかというところで、県としてのコーディネートというのが大変重要ではないかと思います。
先ほど斉藤信委員からの意見の中でも、例えば自治体が取り組んでいる住宅等の対策であるとか、そういったさまざまな情報提供も含めて、ワンストップできちんと情報が発信できるようなところが重要ではないか。その上で、個別具体的なケースになったときに今度市町村との連携であるとか、そういった部分でぜひしっかりとした対応をいただくことが、さまざまな要求に応えるというか、希望を持って、関心を持ってこの事業に訪ねてきたり相談に来たりする方々がいらっしゃるわけですので、そこにしっかりと対応していただくようにお願い申し上げたいと思います。
〇菅原県北沿岸・定住交流課長 ただいま委員から御指摘いただいた点はまさにそのとおりだと認識してございます。本県でも、移住につきましては幅広い分野の取り組み、総合的な取り組みが必要だと考えておりまして、これまで移住の推進体制ということで、県、市町村等で構成しておりますいわて定住・交流促進連絡協議会という組織がございましたけれども、東日本大震災の発災以降は、いわて復興応援隊の受け入れが中心になっていたということもございまして、今年度新たに、雇用でありますとか産業関係、そして不動産とか各分野の関係機関に加入いただきまして、その推進体制を拡充したところでございます。それで、今年度は新たに、東京のNPOふるさと回帰支援センターに岩手の専従の相談員を配置したところでございますけれども、そこの相談の窓口では、総合的な情報を持っているということが重要でございますので、そういった連絡協議会の中で、県、市町村そして関係団体の情報を集約しながら、そういった情報をホームページ等で発信する、そして窓口のほうでもそういった情報を提供するということで、なるべくワンストップで対応ができるというような方法を目指していきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 公共交通の維持確保と利用促進について伺いますが、先ほど佐々木朋和委員、福井委員、神崎委員からも同様の質問がありました。私も同じ思いでありますが、その中で、先ほどバス路線の検証をされているということで、学生や保護者にチケットを使っていただいたりとか、デマンドを利用したものを改善点としてやられているということは伺いました。その中で、ほかに改善点として挙がってきたことが検討会議等でなかったのか。それを生かしたことが具体的に何かあれば、もう少し教えていただきたいことと、あわせて、バリアフリーの取り組みについても伺いたいと思います。これはバスだけでなく、電車、公共交通全般について伺います。
〇大坊交通課長 バス路線の検証の関係で具体的なお話ですが、この路線検討会議は、いろいろな路線で、路線ごとに検討を繰り広げておりまして、それぞれの課題に対して、主な改善提案といたしますのは、例えば使いやすいダイヤにするということで、鉄道との接続の改善、あるいは利用の少ない時間帯を走らせるという無駄をなくすといったような改善策、あるいは路線の変更。当たり前のことですが、駅とかショッピングセンターといったような、人が集まるところをできるだけ経由するといったような取り組みが提案されております。
また、利用環境を改善するということで、例えばバス停を休みやすいような形に改造するとか、あるいは企業情報、ダイヤであるとかそういったところをバス停の周辺の方々にお知らせするといったような、使っていただくような工夫の提案を受けていると聞いております。
次に、バリアフリーの取り組みでございますが、乗り合いバスにつきましては、平成25年度、低床バスの導入率が27%となっておりまして、県では、国と協調しながら購入費の補助を行いまして、平成26年度は12台の購入に係る経費を支援しております。
また、三陸鉄道におきましては、東日本大震災津波により被災しました小本駅、島越駅、恋し浜駅、陸前赤崎駅、この四つの駅の復旧に当たりまして、エレベーター、スロープの設置、あるいは盛り土による階段の解消などによりましてバリアフリー化を図っております。
さらに、IGRにつきましては、国の交付金を活用したバリアフリー化を進めておりまして、平成21年度から、渋民駅、小鳥谷駅のホームのかさ上げ、岩手川口駅、御堂駅、金田一温泉駅の手すりの改良、駅舎入り口のスロープの設置等を進めてございます。
いずれ、高齢化が進む中で、子供からお年寄りまで、全ての人に優しい公共交通を目指して支援をしてまいりたいと思います。
〇吉田敬子委員 バス停で休みやすい等のそういったソフトのところもあるということで安心しましたが、私も実際そうなんですけれども、これまでの委員会でも取り上げてきましたが、どのバスがどこに行くのかというのがすごくわかりづらいというのを聞くことが多いです。あとは、移住、定住者の方にも、特に私もその声はよく聞くんですが、高齢者の方だけがバスを利用しているわけではなくて、最近では若い人たちも車を持たない生活をし始めている中で、バスを使いたいけれども使えないということを若い人たちからもよく耳にします。ですので、バスの路線の検証ということで、ダイヤだけではなくて、実際に目で見てすぐわかるように、このバスはどこに行く方向かだとか、もうちょっとソフトの部分を、特に盛岡市はすごくわかりづらいという声は多いですので、そういったところにぜひもうちょっと積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。
その所見をまず伺いたいことと、バリアフリーの取り組みは、これも委員会でこれまで取り上げてきましたけれども、エレベーターとかスロープの設置ということは大変大事だと思うんですが、車いすを利用する方で、私がよく耳にするのが、電車に乗るときに自分1人だとなかなか手伝ってくれる人がいない中で、例えば最近は三陸鉄道に携帯のスロープを寄贈しているような支援団体、民間団体の方がいらっしゃいますけれども、そういったことを三陸鉄道でやられているんですが、ほかのIGR等でも、一般の人でも気軽に車いすを利用されている方に介護ができるような、もうちょっと初歩的な部分の仕組みづくりというところを、ぜひ民間団体に支援しつつ、積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。
これを取り上げてきたのは、冬から始まりますけれども岩手国体を機に、ぜひ私はバリアフリーの取り組みを強化してほしいということで、ずっと公共交通機関のバリアフリーの取り組みをお願いしてきましたので、ぜひバリアフリーの取り組み、バスもそうですけれども、電車のほうの取り組みもお願いしたいと思います。
まとめて伺いますが、最後に、県の公共交通施策全般について、先ほどほかの委員からの質問に対する答弁で、大坊交通課長のほうからは、これからも重要な生活インフラとして支えていきたいということと、使いやすく維持できるようなコミュニティーバス等も含めてやっていきたいということ、そして部長からは、利便性等採算性をあわせてこれから検証していきたいというお話がありました。私は、この公共交通施策は都市計画と一緒にやっていくべきだと思っております。
今回、政策地域部から岩手県ふるさと振興総合戦略というものをいただいておりまして、大きく三つ掲げている中の岩手で働く、岩手で暮らす、岩手で育てると三つある中の岩手で暮らすというところの一番最初に、公共交通の利用促進、利便性を図らなければいけないということを掲げているんですけれども、そこについてのこれから全体的な改善点といいますか、これから方向性というのをもう少し具体的にお示しいただきたいと思います。
このいただいた冊子の中にも、内閣府で2014年8月に行った調査においては、移住する上での不安として、働き口の確保に次いで、日常生活の利便性が2番目の理由に挙げられているので、公共交通施策は少子高齢社会の中で重要だということを県でも認識しているはずですけれども、では、具体的にどうやっていくかというところが私にはなかなか見えてきていないので、その部分、コンパクトシティー化というのは各市町村では掲げる機会があるんですけれども、私が見た感じでは、総合戦略の中にコンパクトシティー化というのがなかなか言葉として見えなかったので、全体としては都市計画とコンパクトシティーという部分をどのように考えているのか、お伺いいたします。
〇大坊交通課長 まずバス路線、公共交通を利用するに当たってのソフト的な対策といったような部分ですが、委員御指摘のとおり、このバスはどこに行くのだろうという、人を運ぶに当たっての基本の部分がなかなかわからないということで、これはバス事業者も認識しているところです。ですから、そこの部分をいかにわかりやすくするかという工夫、これはこの路線検討会議の中でも行っていきたいと思っております。
あとはバリアフリーのお話もございまして、お話の中に国体というのがありました。我々も非常にこれを一つのキーワードとしておりまして、特に障がい者スポーツ大会というのも開かれますので、大規模な投資が必要なバリアフリーではなく人が支えるバリアフリー、こういうのも支援していきたいと思っておりまして、各交通事業者には、その旨御相談を差し上げておるところでございます。
また、コンパクトシティーの話がございましたが、これは二つありまして、一つは沿岸被災地、先ほど山田線のお話とかも差し上げましたが、今、復興まちづくりの中で、駅や鉄道を中心にしたまちづくりをしようということでデザインを描いております。これから人口減少社会、高齢社会が進んでいく中で、歩いて暮らせるまちづくりということで、非常に時代の要請にかなったやり方だと思っていまして、こういった復興の中でコンパクトシティーを何とか入れ込んでいきたいというのが一つあります。
あと、それ以外にも北上市ではあじさい都市といいまして、コンパクトシティーをベースとしたまちづくりの中で公共交通機関が複数のコンパクトシティーの核を結ぶという形でデザインしていると聞いておりますが、こういう既存のまちをデザイン化する中で取り組みが進んでいけばいいのかなと思っております。
あと、利便性改善についての具体的な方策等についてということなんですが、これはまさに路線改善検討会と現場でいろいろなヒントを拾いながら、なおかつ、やるべき施策、さっき言った路線バスをしっかりと守るとか、こういったことをやりながら、いろいろと研究、検討を進めていきたいと思います。
〇吉田敬子委員 ぜひお願いいたします。
最後にちょっと部長にお伺いしたいんですが、ことしの2月の私自身の一般質問でも取り上げましたし、福井委員も委員会で取り上げたことがあるんですが、盛岡市ではLRTの導入に向けての市民運動がありまして、私の2月の一般質問のときには、市町村の動向を見つつ、注視したいということの答弁をいただいてまいりました。その後でさまざまな盛岡市に対する提案を、市民の方々がさらにまたされているかと思うんですけれども、そういったことも含めて、本当に県全体として私は、もちろん盛岡市だけではないんですけれども、そういったところに取り組んでいくべきだと思っておりますし、先ほど移住、定住のことで話をしましたが、岩手に住んでなかなかなれない方が一番何が困るかというと、冬に特に雪のときに車が運転できないので困っているという話も聞きましたので、公共交通機関をとにかく徹底的にすることで人口をふやすといいますか、維持しつつ、新しい方も定住につなげられると思いますので、最後に部長の御所見を伺いたいと思います。お願いします。
〇大平政策地域部長 LRTにつきましては、富山県とか他県で先行されているところがあるわけでありますが、盛岡市のまちを見ますと城下町であって、道路が狭いとかあるいはバス専用レーンの確保すらなかなか難しいということ、あるいは郊外と結ぶ場合ですと、橋とかあるいは段差の問題とか、あと高低差ですね、そういうさまざまな問題があると思っておりますので、そういう技術的な課題も含めて、どのような対応があるのかということで注視したいということで申し上げたものと考えてございます。
公共交通に関する冬場の要求というか、鉄道などの場合ですと、利便性、定時性がかなり確保されるわけですけれども、バスなどにつきましては、定時性がなかなか冬場になると確保されないと。その中でも冬場については乗用車に乗りたくないと、不安だという方もいらっしゃると思いますので、これらは事業者や除雪される、県道は県でやりますけれども、県とか市とも課題を共有しながら、いい方向になるように進めていきたいと思います。
〇佐々木茂光副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇阿部盛重委員 1点、人口減少、流出についてお伺いいたします。
岩手県の人口は、平成9年度以降減少を続けておりますけれども、人口減少問題は、長年、県政の重要な課題の一つでもあります。また、政府も、まち・ひと・しごと創生法を成立させ、平成26年12月、まち・ひと・しごと創生総合戦略が策定されました。県もいち早く、岩手県人口問題対策本部を立ち上げて、人口問題に関す報告も取りまとめされました。
そこで、地方版まち・ひと・しごと創生総合戦略となる岩手県ふるさと振興総合戦略を策定するということでございます。いわて県民計画において、地方、地域の低下を引き起こす人口の社会減を減らすことを大きい目標に掲げておりました。
岩手の人口推計によりますと、2040年には93万8、104人という見込み、そして2014年12月1日では、128万3、390人という状況でございます。そして、2015年の9月1日では127万3、518人で、男性60万8、867人、女性が66万4、651人という水準でございますけれども、毎年流出している現状は、少子化、高齢化の進展と相まって、県勢振興や地域社会の維持にも大きな問題となっております。
岩手県の人口流出防止策と、その成果と課題についてお伺いいたします。
〇高橋政策監 本県では、平成7年に年少人口が老年人口を下回って少子高齢化となった以降、委員御指摘のとおり、平成9年には人口が減少し始め、平成12以降はさらに社会減と自然減が相まって、本格的な人口減少期に入っているところであります。
その主な要因としましては、18歳の進学、就職期、22歳の就職期に当たる若者の県外流出を初め、親となる世代の人口規模の縮小ですとか、出生率の低迷が大きいと考えておりまして、こうした状況を踏まえまして、県としましては、いわて県民計画第1期、第2期アクションブランにおいて、人口の社会減を減らすことを政策推進目標の一つとしまして、県外流出が顕著な若者の雇用対策を初め、震災後においては、沿岸被災地における水産加工の再生など、さまざまな取り組みを進めてきたところであります。
こうした取り組みの結果、人口の社会減は、平成19年6、881人から平成25年の2、226人、6年連続で縮小してきたところでありますが、一方で、有効求人倍率が1倍を超えているにもかかわらず、昨年は人口の社会減が2、994人と拡大に転じておりまして、単なる雇用の量の確保ではなく、仕事に相応した賃金や安定した雇用形態、あるいは若者がやりがいを持って働けるような職場づくりなど、雇用の質の向上を図っていくことが重要と考えております。
今般策定する総合戦略におきましては、県外の転出超過を解消する社会減ゼロを施策推進目標に掲げたところでありまして、国の東京一極集中の是正に呼応しまして、本県の特性を生かしながら、総合戦略に盛り込んだ施策を着実に進めていきたいと考えております。
〇阿部盛重委員 状況はよくわかりますけれども、例えば岩手県立大学の学生の例をとりまして、岩手県立大学の基本的な考えが大きく5項目あると聞いておりました。一つは、地域社会への貢献というところを着目しておりまして、地域社会と密接に連携し、教育・研究の成果を広く還元すると、地域社会に貢献する大学と大きく項目があります。
それに基づいてちょっとお聞きしますが、ことしの3月の卒業生の状況ですが、入学時は県内の方々が307人、県外が134人、計441人入学されております。ことしの3月の卒業が、県内の方々が166人、県外が207人ということで、県内307人に対して166人の内定、県外134人に対して207人という結果になっております。ですから、大きい大学の柱としては非常に方向的なところが大きく食い違っているんですが、そのあたり、お考え、見解はどうでしょうか。
〇高橋政策監 今年度、地方大学が地方公共団体と連携して、若者の定着、地元就職の促進等に取り組む事業に対して総務省と文部科学省が財政的な支援をするということで、一つには、総務省がそういった地方大学の連携した地方公共団体の取り組みに対して特別交付税支援をすると。もう一つは、文部科学省の事業でありますが、地方大学が連携して地方の産業界、地方公共団体とも一緒になって、若者の定着あるいは雇用の創出を図るような取り組みに対して補助金を出すと。COC+事業、地(知)の拠点大学による地方創生推進事業と呼んでいるものでありますが、この取り組みについて、今年度、先般、岩手大学や岩手県立大学が参画した形で、県内、短大も含めて7大学ですけれども、この事業に5年間取り組むこととしております。そうしたところで、全体、ちょっと今手元に数字がありませんが、45%から55%ほどですか、7大学全体で地元の就職率を5年間で上げるという目標を持ちまして、今後いろいろ企業等との共同研究による職場の開発ですとか、あるいは学生に対する地元就職の動機づけですとか、あるいはそういった地元志向を高めていくためのカリキュラムの実施ですとか、そういったものを総合的に取り組むこととしておりまして、県としても、そういった取り組みと一緒になって大学の取り組みの効果を高めていきたいと考えております。
〇阿部盛重委員 そのとおりでございますが、学業が終わって就職は育ったところ、それから卒業したらふるさとに帰ってくる、親と住みたい、また、近くに住みたいということでもあると思います。岩手には魅力があります。学んだことが生かせる、それが一番うれしいことだと思います。岩手の地域社会の構築にもつながってくるものと思っております。ぜひ、県外流出減少策を強化するとともに、流入人口の増加、それから交流人口、少子化対策など、総合的な取り組みを市町村とも連携して実現していただきたいと思っております。
〇臼澤勉委員 私のほうからは、通告しておりました定住、交流促進についてはいろいろと委員方からお話がありましたので省略いたしまして、1点だけ、統計調査費についてお伺いいたします。
ことし、御案内のとおり国勢調査が行われました。平成22年、2010年に大規模な調査が行われまして、今回の調査が震災後初めての国勢調査になります。平成26年度予算においては、ことしの実施に向けて準備をされてきたかと思います。非常に重要な意義を持つ調査でございまして、東日本大震災の影響による人口移動などの把握、復興状況を評価する際のデータとして利用されるほか、2016年度から5年間の交付税額のほうにも影響される調査になります。
そこでお伺いいたします。被災地での国勢調査の実施状況はどうだったのか。また、その課題、改善点等についてお尋ねいたします。
〇佐藤調査統計課総括課長 被災地での国勢調査の実施状況と課題についてでございます。
国勢調査のまずやり方でございますが、調査区、いわゆる区割りでございますが、調査区を設定して、調査員を配置し実施するということになってございます。
沿岸市町村では、応急仮設住宅などの設置に伴いまして、前回、平成22年の国勢調査に比べ265調査区ふえました。これによりまして、2、547調査区となったところでございます。このため、当初、調査員の確保ということが大きな課題となったところでございますが、関係市町村の積極的な取り組みもございまして、必要とする人員を確保できたところでございます。この結果、今回適正に調査が行われまして、この10月20日をもって、無事、調査は終了いたしました。
沿岸での課題ということでございますが、今回の調査では、まず、応急仮設住宅とかそれから災害公営住宅というのが平成22年にはなかったものでございましたので、これらの入居実態の確認ということに調査員が苦労したと聞いてございます。
それから、今回からインターネット回答が新たに導入されましたが、総務省の推計によりますと、県内の平均回答率が33.4%であるのに対して、沿岸市町村は25%と、県平均を下回っているところでございます。これらが今回の課題であったと考えてございます。
〇臼澤勉委員 私も発災後、陸前高田市のほうで復興事業に携わって被災者の住宅再建意向確認とかさせていただいた経験があり、被災者の方々の住まいの確認だとか、そういったところに大変苦労されたんだろうなという思いで御質問させていただきました。
今、いろいろと皆様、県当局の御努力により、調査が円滑に実施されたということでございます。被災者の方々が重複して集計されることがなかったのか、そういったところを非常に心配されてございましたが、今回の課題を含めて、今後の対応について最後にお尋ねして終わります。
〇佐藤調査統計課総括課長 今後ですが、まず、当課といたしましては、当面は年内を目途に、人口速報値を公表できるように集計作業に取り組むこととしております。
ただいま申し上げた課題でございますが、国勢調査は次は5年後、平成32年となります。5年後の国勢調査時には、今回とは状況もかなり変化していると考えられますことから、そのときの状況に応じて適切に対応したいと考えております。
〇伊藤勢至委員 手短に、当該委員でもありますが、けさの報道のグットニュースでありますので、1点だけお伺いさせてください。
けさの地元新聞に、ラグビーワールドカップの施設整備に助成という記事が載りました。これは大変フォローの風だなと思ったところであります。
日本スポーツ振興センターが、釜石市などで開かれるラグビーワールドカップ2019日本大会の競技会場や事前合宿施設の整備費として、地方自治体に2016年度からサッカーくじの売り上げを原資に助成を行うことを決めたと。そしてさらに─ここからがいいんですね。助成額は総額で数十億円規模を想定し、自治体の選定では東日本大震災の被災地に特に配慮する。もう一回読みましょうか、ここを。東日本大震災の被災地に特に配慮すると、こういうことでありまして、国内での開催地は13カ所でありますので数十億円、70億にして13カ所で割ると約5億円から6億円となります。さらに、被災したところの会場というのは釜石市鵜住居町しかありませんので、私は、これはやりようによっては8億円、9億円、10億円ぐらいにいくのではないかと大変希望を持って読んだところでありますが、県としてはどのようにお考えでしょうか。
〇大平政策地域部長 私も、けさ、第一番に拝見して、非常にいいニュースだなと。といいますのは、きのう時点ではこの話は入ってございませんでした。朝に出てきて、すぐ確認するようにということでございましたが、お昼までの段階ではその詳細については確認できてございません。
新聞を今読み上げていただきましたように、東日本大震災の被災地に特に配慮するということが事実であれば、非常に歓迎すべきことだなと。これは事前合宿も含まれますので、福島県とか宮城県とかも、あるいは事前合宿というところではあるかもしれませんが、いずれ、釜石市は市役所が中心になりまして、日本スポーツ振興センターにもたびたびお願いしてございました。県も一緒に伺っておりますけれども、さまざまなスタジアムの財源確保が非常に課題になってございますので、その中で総務省、国土交通省、あるいは文部科学省そして今回の日本スポーツ振興センターに、さまざまなところにお願いしてまいりましたので、これが現実のものとなることと、あとは、ほかの省庁からもできるだけ手厚い助成が受けられるように、今後とも努力してまいりたいと思います。
〇伊藤勢至委員 今、岩手県が早速やることは、日本スポーツ振興センターに、東京事務所の所長をしてよろしくお願いしますというアプローチをまずすることからあると思います。どうぞ、そういうことも早速取り組んでいただきたい、お願いをして終わります。何か言いたいですか。
〇大平政策地域部長 私もできれば行きたいところでありますけれども、なかなか議会中でありますので、東京事務所にもその旨伝えまして、できるだけいい関係を持続しながら、たくさんもらえるように努力してまいります。
〇佐々木茂光副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木茂光副委員長 質疑がないようでありますので、政策地域部関係の質疑をこれで終わります。
政策地域部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後3時4分 休 憩
午後3時23分 再開
〇郷右近浩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、復興局長に復興局関係の説明を求めます。
〇中村復興局長 それでは、平成26年度の復興局関係の決算につきまして御説明申し上げます。
初めに、復興局所管の事務事業に係る取り組み状況等について総括的に御説明申し上げます。
復興局は、東日本大震災津波からの復興に向けて、次の五つを施策の柱として重点的に取り組んでまいりました。
第1は、本格復興に向けた取り組みの推進であります。
平成26年度からスタートいたしました第2期復興実施計画の本格復興期間を着実に進めるため、復興委員会等の開催、女性や若者との意見交換のほか、復興意識調査や復興ウォッチャー調査などを実施しながら、復興の取り組みを推進してまいりました。
第2に、市町村の復興まちづくりの促進であります。
復興事業の円滑かつ迅速な実施を支援し、早期の住宅再建を図るとともに、快適で魅力あるまちづくりを促進するため、市町村復興整備計画の策定支援や用地取得の迅速化に取り組むとともに、被災者の今後の生活設計や再建等のための情報提供として、復旧・復興ロードマップの公表を行ってまいりました。
第3に、被災者に寄り添った暮らしの再建であります。
被災者一人一人の復興が早期に進むよう、沿岸4地区の被災者相談支援センターに相談員を配置するとともに、弁護士やファイナンシャルプランナーなどの専門家を派遣して、被災者からの相談や問い合わせ、ライフプランづくりなどを支援してまいりました。
また、被災世帯の多くが希望している住みなれた地元での持ち家による住宅再建に向けた資金面での支援等、被災者の状況に応じたきめ細かい支援を行うなど、関係機関と連携して取り組んでまいりました。
第4に、なりわいの再生による三陸創造であります。
被災事業所復興状況調査を実施し、事業所の復興の状況を的確に把握しながら、各種施策の効果的な推進につなげたほか、産業再生特区制度により、事業者の税制特例措置の活用を促進してまいりました。
また、専門家によるきめ細かな経営指導や起業時に必要な経費への助成により、被災地域の新たな産業の創出に取り組んでまいりました。
第5に、復興に係る情報発信であります。
県内、県外での復興フォーラムの開催、いわて復興だよりの発行やスマートフォン向けアプリによる発信など、積極的な情報発信により被災者や県民の皆さんはもとより、国内外の皆さんと復興のプロセスを共有することにより、引き続き県民の皆さんが多様な主体と連携して取り組む機運を高めるとともに、震災の記憶の風化防止にも取り組んでまいりました。
今後におきましても、復興実施計画に基づき、安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生などの取り組みを一層加速させ、一日も早い復興の実現を目指して取り組んでまいります。
引き続きまして、復興局関係の決算につきまして御説明いたします。
復興局関係の一般会計歳出決算は、お手元の岩手県歳入歳出決算書の12ページと13ページの2款総務費のうち、2項企画費の一部、3款民生費のうち、5項災害救助費の一部、続きまして、16ページと17ページの12款公債費の一部でありますが、これらの支出済額総額が276億600万円余であり、不用額は44億6、400万円余となっておりますが、決算の内容につきましては、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
なお、事業ごとの金額の読み上げは省略いたしまして、主な事業の内容を中心に御説明いたします。
それでは、事項別明細書の162ページ、163ページをお開き願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費のうち、当局関係222億3、400万円余の主なものについて御説明申し上げます。
まず、右側備考欄の中ほどの復興局の管理運営費の次にございます復興情報発信事業費でございます。これは、県内及び東京都、兵庫県でのフォーラム開催や復興に関する情報を発信、共有するウエブ情報システムの保守管理に要した経費であります。次に、三つ飛びまして、さんりく未来産業起業促進費は、被災者等の起業支援や専門家による経営指導、起業の初期経費への補助に要した経費でございます。次に、いわての学び希望基金は、東日本大震災津波により著しい被害を受けた児童等の修学の支援、教育の充実等のための事業に要する基金の積み立てに要した経費であります。次に、東日本大震災復興交付金基金積立金は、県または市町村が実施する東日本大震災復興特別区域法に規定する復興交付金事業等に要する基金の積み立てに要した経費であります。次に、164ページ、165ページをお開き願います。2目計画調査費の備考欄の最後に記載しております復興計画推進費は、復興委員会の開催や復興意識調査、いわて復興ウォッチャー調査など、計画に係る進行管理に要した経費であります。3目広聴広報費備考欄の最後に記載しておりますいわてつながり強化事業費は、全国へ復興支援への感謝を伝え、継続的な本県とのつながりを維持するために行った、スマートフォン向け情報発信アプリの開発やシンポジウムの開催に要した経費であります。
次に、少し飛びまして、204ページ、205ページをお開き願います。3款民生費5項災害救助費1目救助費のうち、備考欄に記載しております当局関係51億6、900万円余の主なものについて御説明いたします。
まず、中ほど復興局の管理運営費の次の救助費は、民間賃貸住宅の借り上げや応急仮設住宅の維持修繕に係る経費、本県の被災者に対する救助を行った他都道府県からの救助に要した経費の求償など、被災者への応急的な救助に要した経費であります。次に、二つ飛びまして、災害援護資金貸付金は、東日本大震災津波により被災した世帯主の生活の立て直しに資するため、原則無利子で貸し付けるための原資を市町村に貸し付けるために要した経費であります。次に、二つ飛びまして、仮設住宅共益費支援事業費は、応急仮設住宅における集会所等に係る水道や電気料等の共益費を負担したものであります。次に、被災者住宅再建支援事業費補助は、持ち家による住宅再建を促進するため、全壊等の被害認定を受けて、被災者生活再建支援金の加算支援金を受給した世帯に対し、市町村が補助する場合に、その費用の一部を補助したものであります。
次に、352ページ、353ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金のうち1億8、800万円余が当局の所管でありますが、これは、災害援護資金の借入金に係る償還元金であります。
以上で復興局関係の説明を終わります。よろしく御審議をお願いいたします。
〇郷右近浩委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇阿部盛重委員 1点お伺いいたします。東日本大震災津波から4年7カ月経過しておりますけれども、内陸もそうですが、被災地市町村の人口減少にもつながっていると報道もされております。被災地域外への一時避難が、そのままその地域での定住化につながっている現状と思われます。さらに、人口の減少が復興の妨げにもなることが想定されております。
被災3県で当初は6万5、000人以上の方々が県外に避難していると言われておりました。県は、震災津波による被害の実態や被災者の調査も、その後いち早く、地域住民の流出防止とともに、避難された方々が一刻も早く戻れるよう対策を講じられていると思います。
そこで、県外に避難されている方々の実態を現段階でどう把握して、認識しているか、今後どのように対応されるかお伺いいたします。
〇小笠原生活再建課総括課長 県外に避難されている方ということでございますが、9月末現在で1、548人の方が県外に避難されていらっしゃいます。
その方々に対する対応策でございますが、県といたしましては、できるだけふるさとに戻っていただくことが望ましいと考えておりまして、例えば、災害公営住宅の進捗状況などにつきまして定期的に情報提供を行いますほか、避難先へ直接職員が出向きまして、交流会等がございますので、その際に相談に応じたりして、個々の状況を把握して必要な支援を行っております。
つけ加えますと、このほか、専用のフリーダイヤルを設置しておりまして随時相談を行っておりますほか、希望される方に対しては、直接訪問してお伺いしたりということも行っております。
〇阿部盛重委員 県外避難者は、自分たちは見捨てられたと感じたときには、やはり戻らない人がふえていくと考えます。自分たちは忘れられていないと感じることが、被災地に戻ってこられる大きな要因と思います。
県外に避難されている方々も、震災前の居住地に帰りたくても帰れず、しかも移り住んだ場所での孤立感や総体的な生活の低下など、問題点も抱えていると思います。
戻りたいけれども戻れない人たちへの対応は、今おっしゃっていただいたようなことだと思います。ただ、やっぱり最後は心と心の問題であると思います。今戻れなくても、やはり数年後には戻れるという考えの方もいらっしゃると思います。ただ、その空白の期間の問題点の解決策を提示してあげなければいけないと。それは個々いろいろな問題点があるかと思いますけれども、やはりそこまで踏み込んだ形が大事だと思います。そこは、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
〇小笠原生活再建課総括課長 県外に避難されている方に対しましては、毎月、先ほど申し上げました情報提供を行っているところでございます。その避難されている方々からのお話を伺いますと、どうしても県からお送りする情報というのは、大雑把な県全体の復興状況という形になってしまいますので、避難されている方々が必要とされている情報は、むしろ自分の住んでいた地域の復興状況といいましょうか、より細かい情報が必要とされていると感じましたので、この辺は、市町村とも連携をとりまして、よりきめ細かな情報をお伝えすることを考えていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 それでは、私から、まず最初に、復興財源、特に基金の活用状況と財源確保対策についてお聞きいたします。
まず、復興財源、基金は、これまで725億円の積立金が行われ、うち425億円が市町村に交付されてきました。残る300億円のこれまでの活用状況と現時点での基金残高について示してください。
〇石川復興推進課総括課長 復興基金における県活用分300億円につきましては、これまで、既存の制度では手の届かなかった事業、例えば住宅再建費用の一部助成等に約123億円、中小企業の被災資産の復旧等に約13億円、三陸鉄道の駅舎整備等に約21億円、また、国民健康保険、後期高齢者医療制度における一部負担金免除に要する経費などに充ててございます。
また、復興基金事業全体で平成27年度末までに約197億円を充当する見込みでございまして、現時点における平成27年度末の残高は約107億円と見込んでございます。
〇高田一郎委員 現在107億円の基金があるということで、金額的にはかなり厳しい財源だなと思います。それで、今お話にもあったように、被災者住宅再建支援事業など、これからどうしても継続していかなければならない事業もたくさんあります。
今後とも充当しなければならない事業というのは具体的にどういう事業を言っているのか、それから、想定される事業を見込んだ場合に、将来的に基金の残高というのはどのような見通しになるのか、それについてまずお聞きいたします。
〇石川復興推進課総括課長 現在、復興基金を充当している事業のうち、住宅再建や中小企業の被災資産の復旧補助のほか、応急仮設住宅の共益費など、被災者、被災企業への支援につきましては、今後も継続せざるを得ないものと考えてございます。
また、仮に平成28年度以降も復興基金を充当してこれらの事業を行う場合、復興基金の残高は、平成30年度末にはかなり少ない額になるものと見込んでございます。
〇高田一郎委員 具体的な数字というのはなかなか示されないですか。
〇石川復興推進課総括課長 復興基金に充てます事業につきましては、毎年度の状況によりまして変わってくるものですから、今、具体的な数字を挙げることはできないという形でございます。
〇高田一郎委員 これから、住宅再建にしても、なかなか揺れている方がいらっしゃいますので、確定的な数字が言えないというのは、そのとおりだと思います。ただ、住宅再建支援事業補助金の100万円補助とか、あるいは被災3県にはない医療費とか介護保険利用料の免除措置とか、そういったすぐれた施策を次々にやってきました。そうした国がなかなか支援されない、手が届かないところに、かなりこの復興基金を使って被災者の皆さんに寄り添った対策を行ってきたと思います。非常に財源が厳しい中で、岩手県は、一般財源でも200億円を超えるような財政措置をして、被災者に寄り添った対応をしてきたと思います。
総括質疑の中で中村復興局長は、被災者の新たなニーズに対応できるように活用していきたいという答弁がありましたけれども、今の基金の残高の状況の中では、被災者のニーズに応えるという点では、なかなか財源的な余裕がないのではないかという思いをしているんですけれども、それについては、局長いかがでしょうか。
〇中村復興局長 先ほど復興推進課総括課長が申し上げたとおり、今、継続している事業の中で、なかなかやめるわけにはいかない事業がかなりあるということの中で、平成30年度末には、かなり残高も少ない状況になるのではないかと見込んでございます。
ただ、これからまた復興のステージがいろいろ変わってまいりますと、被災者の方々のいろいろな支援のニーズも変わってくる事態も想定されますので、そういったことに全く対応しなくていいのかというまた一方の課題もございます。そこは、基金残高の状況も勘案しながら、また、対応しなければならない課題の緊急度等を勘案して、毎年度、毎年度の予算編成の中で、どの事業に充当するかといったようなことについては検討してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 現時点での107億円の基金残高というのは、私は、大変厳しい数字だと見なければならないと思うんですね。住宅再建にしても、国の住宅再建支援金のいわゆる加算支援金を受けている方々というのは、全体の割合からすればまだ半分にもなっていないわけですね。こういった方々がこれから再建をしようというときに、全員の方々がこの自力再建をしようとすると、かなりの財源が必要になってくるわけでありますね。それから、これからも長い人では3年、4年と仮設暮らしをしなければならない、こういった人たちにも、これまで1年1年延長してきましたけれども、医療費の免除措置だって継続しなければならないと。こういうことを考えますと、かなり厳しい基金の残高だと思うんですね。
200億円もの一般財源も使って被災者に寄り添った対策もしてきたと。これは、今後の復興の新たなステージを考えると、国に対して、取り崩し型復興基金の追加措置とかを強く求めていかなければならないと思いますし、同時に、被災自治体においては人口が大幅に減少している中で、これから地方交付税もどう措置されるのだろうという不安もあるわけです。地方交付税の算定の特例措置についても、やっぱり国がしっかりと対応してもらわないと、財源というのは非常に大事な問題でありますから、これをしっかり要望していかなければならないと。要望していると思うのですけれども。
この取り崩し型復興基金の問題とか地方交付税算定の特例措置について、要望していると思うんですけれども、国の対応というのは今どうなっているんですか。
〇石川復興推進課総括課長 復興基金の追加措置につきましては、これまでの要望に対しまして、復興大臣は、新たにどんな需要があるのか見きわめて、必要があれば積み増すというコメントをされておりますが、今後における復興のステージの変化による新たなニーズにも十分対応できるよう、引き続き地域の状況を説明いたしまして、要望を行ってまいりたいと考えてございます。
また、地方交付税算定の特例措置についてでございますが、被災自治体の財政運営に支障が生じないよう、現在、総務省において特例措置の検討が進められておりまして、平成28年1月ごろまでには方向性が示される予定と聞いてございます。
〇高田一郎委員 復興を前に進める上で、財源というのは一番大事な課題でありますので、繰り返し、繰り返し国に強く求めて取り組んでいっていただきたいと思います。
次に被災者支援についてお伺いいたします。
先ほど県外に避難されている方々に対する対応の質問がありました。私は、内陸に避難している方々の支援策について伺いたいと思います。
三千数百人を超える方々が被災地を離れて内陸部で避難しているわけですけれども、これに対する支援策はどうなっているんでしょうか。
〇小笠原生活再建課総括課長 内陸に避難されている方に対しての支援でございますが、基本的には県外の方と同様に、被災地のまちづくりの進捗状況等についての情報提供を定期的に行っておりますほか、職員が出向いての交流会への参加、あるいはフリーダイヤル等での相談、希望される方には直接訪問して相談ということをやっております。
そのほか、内陸におきましては市町村も独自に支援策を講じておりまして、例えば盛岡市ですと、もりおか復興支援センターを設置しまして、ここで交流会を開催したり、盛岡市に避難されている方の戸別訪問を行ったり、あるいは当方と連携いたしまして、専門家、行政書士やファイナンシャルプランナー等の相談会を行ったりしております。
同様に、北上市におきましても、避難者生活支援センターを設置しまして、ここに生活支援相談員を配置いたしまして、巡回訪問、相談等の業務を行っているところでございます。
〇高田一郎委員 盛岡市や北上市の取り組みというのは先駆的な取り組みだと思うんですね。しっかりした支援センターを設けて、人の配置をして、そして訪問活動もするなど、さまざまな活動を展開しています。
しかし、それ以外の自治体に避難している方々が、きちっとした支援が行われているのかどうかということなんです。被災地に行けば、応急仮設住宅で集団で暮らしをし、そこに支援員も配置されて、見守り活動が行われていると。さまざまな課題はありますけれども、しかし、内陸に避難している方々というのは、被災地で暮らしている方々よりも孤立感が高い、支援の手も差し伸べられない状況にあるのではないかと思います。
盛岡市とか北上市は、先ほど言ったような支援センターなどを設けて、人的職員も配置してやられているんですけれども、その他のところに避難されている方々にしっかりそういう支援の手が差し伸べられているのか、見守りがされているのか、相談活動がしっかりとやられているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
〇小笠原生活再建課総括課長 申しわけございません、先ほどちょっと私の説明足らずでございました。
基本的に、内陸の市町におきましては生活支援相談員を配置しておりまして、その方々が見守り活動を行っております。つけ加えまして、奥州市ですと、ホープラザ奥州というものを設置して、やはりここに生活支援相談員を配置して相談を行ったりですとか、遠野市でも、「絆」サポートセンターを設置しまして、こちらにやはり生活支援相談員を配置して個別支援を行っていると。
やはり、それぞれの市町におきまして、独自にいろいろ工夫して支援していただいているところでございます。
〇高田一郎委員 被災地も含めて、今、本当に支援員の数が十分配置されて、しっかりと対応されているのかどうかというところが問われていると思います。総括質疑の中でも、量の問題と質の問題という議論もありました。
私もこの間、釜石市とか大槌町に行きまして、被災者の皆さんからさまざまな声が寄せられました。支援員の方々が中に入って、いろいろこう、電球を直してほしいとか、あれをやってほしいと言われても、そこまでのことはできないんだというようなお話をされました。
この前の議論を聞けば、柔軟に対応できるんだというお話もありましたけれども、そもそも支援員の数についても市町村によって随分差があるんですね。例えば大船渡市は68人に対して、陸前高田市は13人とか、山田町については13人とか、非常に落差があるわけですね。こういった支援員について、県当局としては、十分な支援員になっているのかということをお伺いしたいと思います。
〇小笠原生活再建課総括課長 被災者の支援に当たる方々といたしましては、まず、県の社会福祉協議会が配置しております生活支援相談員という方々がいらっしゃいます。この生活支援相談員の数につきましては、市町村の社会福祉協議会からの要望を踏まえて配置してございまして、今年度の配置計画は187人でございます。これに対しまして、9月末現在で179人が配置されておりますので、おおむね計画どおりの配置となっていると考えます。
もう一つ、各市町村が独自に配置している支援員は、さまざまな名称がございます。これにつきましては、地域の実情に応じまして各市町村の判断で配置されているものでございますが、委員御指摘のとおり、被災者の生活ステージの変化に応じまして、この必要な数というのは変わってくると思います。したがいまして、そういった状況の変化に応じまして、弾力的に見直しをしていく必要があると認識しております。
〇高田一郎委員 これから応急仮設住宅から災害公営住宅に移るわけですけれども、応急仮設住宅の見守りをしなければならない、そして、何カ所かに分散された災害公営住宅も回って見守りをしなければならない。そして、今、被災地の現状を見ると、やっぱり応急仮設住宅の中によく入って、そして、お茶を飲んでもいいと思うんですよ。そして相談に乗ったり、被災者の変化を支援員の皆さんがよくつかんで、そこから必要なところの方々と連携するとか、保健師の皆さんとか、あるいは民生委員の方々に伝えたり、連携して課題を解決するということが大事になっていると思うんです。そういう点では、私は今示された数というのは決して多くない数字だと思うんですね。その点はどうなのかが一つ。
そして、もう一つは、私は本会議の議案に対する質疑でもお話をしたのですけれども、災害公営住宅への支援員の配置の問題です。これは制度上できるんだというお話もされましたけれども、市町村がまだまだそういう状況になっていないという課題もあります。しかし、私は、県として、災害公営住宅には支援員は必要なんだ、そういう立場に立って、やっぱり市町村を指導といいますか助言していく、こういう姿勢が必要ではないかと思います。
被災者の皆さんは、全ての財産を失って、応急仮設住宅でつらい仮設暮らしをし、そして、今度、災害公営住宅に移ったら、なかなか交流がなくて孤独死が生まれると。年々数が多くなっているわけですね。そういう点では、やはり見守り活動、個別的な支援というのは本当に大事になっています。
県として、災害公営住宅には支援員は絶対必要なんだ、そういう思いで、やはり支援、協議をしていくべきだと私は思うんですけれども、その辺、中村復興局長、いかがですか。
〇中村復興局長 支援員につきましては、先ほど生活再建課総括課長が申し上げたとおりでございますが、基本的には、生活支援相談員と支援員が、本会議等でもこの議論は若干ございましたけれども、その両者でしっかりと被災者をフォローしていくことが大事だろうと思います。ですから、支援員の数だけ単純に比較して多いとか少ないということではなくて、生活支援相談員の数も含め、トータルとして、被災者への対応がしっかりなされているのかどうかということが問題なのではないかと思います。
それで、支援員につきましては、当初は緊急雇用で採用して配置したということもあって、いわゆる被災者の方々が、なかなか雇用の場がないということもあって、支援員の資格とかそういうことを問わずにというか、ある程度、単純な見守りでもいいから、できるだけ採用して、被災者の応急仮設住宅を回っていただくという形で当初配置されていたものでございますので、その辺は、先ほど生活再建課総括課長が言ったように、いわゆる発足当初とはまた、果たすべき機能がかなり変わってきているのではないかと思います。
そこは、いずれ最終的には各市町村の判断にはなりますが、県としては、十分市町村のほうとも協議をしながら、しっかりしたケアができるような体制については、引き続き求めていきたいと思います。
それから、災害公営住宅についての支援員の配置につきましても、今、生活支援相談員、支援員もそうですが、かなり災害公営住宅についても、常駐という形では必ずしもないんですが、巡回しながらケアをしている、フォローしているという状況もございます。ですから、絶対常駐しないとフォローができないのかというところは、いろいろ議論があるところだろうと思いますけれども、そこは、やっぱり被災地、被災者の方々の状況を一番よく把握しております市町村のほうと、我々としては十分相談をしながら、災害公営住宅についてもしっかりとした対応をしてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 震災から4年7カ月たちまして、被災者の状況というのは大きく変わっております。やっぱり長い仮設暮らしの中で、本当に、いつ再建になるんだろうかという不安の思い、そして、長い応急仮設住宅暮らしの中で、健康が悪化するとか、高齢化によるさまざまな課題を抱えております。
そして、災害公営住宅もあっちにもこっちにもつくられる、そういう中で応急仮設住宅も災害公営住宅も回らなければならない。当初の想定したときと比べても、支援員の果たす役割というのは大変大きくなってくると思います。そういう点では、実施主体は市町村でありますので、局長が言うように、市町村とよく協議をして、課題の解決のために取り組んでいただきたいと思います。
最後に、防災集団移転促進事業、土地区画整理事業についてお伺いいたします。
防災集団移転促進事業及び土地区画整理事業の計画戸数がどうなっているのか、この1年間どう変化しているのか、これについてお伺いいたします。そして、宅地整備の完成というのは全体としてどういう見通しになっているのか、この辺についてもお伺いいたします。
〇田村まちづくり再生課総括課長 防災集団移転促進事業や土地区画整理事業等の面整備事業による計画区画数の過去1年間の推移でございます。
県が公表している社会資本の復旧・復興ロードマップにおきまして、防災集団移転促進事業では、1年前の平成26年6月末の2、676区画から平成27年6月末では2、329区画と347区画の減となっております。
また、土地区画整理事業では、5、111区画から5、286区画と175区画の増加となっております。
また、面整備事業には、もう一つ、漁業集落防災機能強化事業がございまして、そちらのほうでは476区画から468区画と8区画の減少となっております。
これらの面整備3事業の合計でございますけれども、8、263区画から8、083区画と180区画、全体の2%の減少となってございます。
次に、今後のこれら3事業の宅地整備の見込みでございますが、来年度の平成28年度には5、075区画、全体の63%が完成する見込みでございまして、平成30年度には、全体計画数の8、083区画全てが完成する見込みとなってございます。
〇郷右近浩委員長 高田一郎委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
〇高田一郎委員 今、面整備の整備状況をお伺いいたしました。これは、議会で質問するたびに区画数が減っているということで、住宅再建に対して、諦めてほかの方法で再建しようという方向に回を重ねるごとに被災者の皆さんの意識が変わっているのかなと思います。
平成30年までには全ての区画が完成するとなっていますけれども、しかし、あと3年なわけですね。応急仮設住宅暮らしが長期化している中で、もう3年。資材の高騰による建設単価も高くなっている。そして、年をとるたびに、ローンの問題もありますね。こういった方々に対して、住宅再建に対するさらなる支援ということを求めてきましたけれども、先ほどの財源の問題を見ると、なかなか厳しい側面もありますね。
こういった状況の中でどう住宅再建を進めるのかということが、復興の問題でも最大の課題の一つだと思うんですけれども、この点、復興局長いかがでしょうか。
〇中村復興局長 今、面整備事業の進捗の状況をお話し申し上げました。平成30年度には何とか全て完成というお話を申し上げましたが、実際それで完成しても、その後、いわゆる住宅の建設ということになりますから、実際に御自分のおうちに入れるのは、さらにまた1年とか時間を要するということでございます。
我々としては、それは非常に重大な問題だと一方では認識してございますが、今、委員からお話しありました住宅再建へのさらなる支援ということでございます。これについては、当然、気持ちとしては、我々としても今、例えば県、市町村で単独事業としてやっている100万円の支援補助も上乗せをしたいという気持ちは十分に持っているんですが、先ほど言ったような復興基金等の状況もあり、さらなる追加の支援というのは、改めて国のほうから取り崩し型基金等の支援がないとなかなか厳しい状況にもございます。
ですから、これは本会議等でもお話しいたしましたけれども、生活再建支援金の増額でありますとか、今の震災特区を活用した復興基金のさらなる増額支援といったようなものを、引き続きそこは国のほうにも十分説明をし、要望していきながら、何とか被災者の方々が一日も早い恒久的な住宅に入れるように頑張ってまいりたいと思います。
〇郷右近浩委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇郷右近浩委員長 質疑がないようでありますので、復興局関係の質疑をこれで終わります。
復興局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、警察本部長に警察本部関係の説明を求めます。
〇堀警察本部長 平成26年度の警察本部関係の決算について御審議をいただくに当たり、初めに、東日本大震災津波に伴う県警察の取り組みにつきまして御説明申し上げます。
東日本大震災津波により、本県では4、673名のとうとい命が失われ、いまだに1、100人を超える方が行方不明となっております。県警察といたしましては、今後も、御遺体の身元確認などの活動を継続するとともに、行方不明者の御家族等に寄り添った真摯な対応をしてまいります。
また、震災の発生から4年7カ月が経過いたしましたが、被災地では、いまだ多くの住民の方々が不安定な生活環境のもとで暮らしておられるほか、復興事業に伴う人や車の流入増加などによって、各種犯罪やトラブル、交通事故の発生などが懸念されるところであり、引き続き、住民の方々の意見、要望などを踏まえ、情勢の変化に的確に対応した所要の活動を推進し、被災地における安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。
続きまして、警察業務の推進状況について御説明申し上げます。
県警察におきましては、県民の期待と信頼に応える力強い警察を平成26年の基本姿勢といたしまして、被災地における安全・安心の確保と、次世代に託せる安心して暮らせる地域社会の実現を目指すため、活動重点として、県民の安全を脅かす犯罪の抑止対策の推進、少年の非行防止と保護対策の推進、悪質・重要犯罪の徹底検挙、交通死亡事故の抑止、テロ、災害等突発重大事案対策の推進、警察活動の基盤の充実の強化の6項目を掲げ、県下全体の治安維持に必要な各種施策を推進してまいりました。
それでは、平成26年中の県内の治安情勢について御説明申し上げます。
初めに、刑法犯の発生状況等についてでございますが、平成26年中における県内の刑法犯の認知件数は5、115件、前年比642件のマイナスとなっており、戦後最少を記録しております。
罪種別に見ますと、特殊詐欺被害につきましては、平成26年中の認知件数は85件、一昨年と比べまして32件の増加となっており、全被害者85人のうち約8割が高齢者という状況にありますことから、被害現金の送金などに利用される金融機関、コンビニエンスストア、宅配業者等と連携しての水際阻止活動の推進など、高齢者に重点を置いた特殊詐欺被害の防止対策を展開しております。
また、侵入窃盗全体のうち、鍵をかけないで被害に遭っているいわゆる無施錠被害の割合が58.8%と全国ワースト7位となっており、中でも、住宅対象の侵入窃盗の無施錠被害の割合は74.8%と全国ワースト5位となっております。鍵かけ対策では、各警察署で指定した鍵かけモデル地区内における盗難被害発生が極めて少ないことから、関係機関、団体と連携した鍵かけモデル地区の拡大、被害状況の分析結果に基づいた被害防止情報の発信や防犯指導の強化などにより、被害防止を図っております。
さらに、子供や女性に対する不審者による声かけ等の脅威事犯も増加傾向にありますことから、子供や女性に対する被害防止活動として、学校などの教育機関や女性が多い職場などでの防犯教室、性犯罪被害防止教室を行うなど、防犯意識の高揚を図るとともに、早期に行為者を特定し、検挙、指導警告を行うなど、県民の安全・安心の確保を推進しております。
次に、平成26年中の県内の交通事故の発生状況等についてでございますが、発生件数は2、712件、死者数64人、負傷者数は3、424人となっており、一昨年との比較では、発生件数が346件、死者数が8人、負傷者数が413人といずれも減少しておりますが、死者に占める65歳以上の高齢者の占める割合は56.3%と、全国平均は53.3%でありますが、これを上回っております。
県警察では、歩行環境シミュレーター、それからCRT運転適性検査器を活用した参加、体験、実践型の交通安全教育などの高齢歩行者、そして高齢運転者に重点を置いた交通事故防止対策を推進しつつ、関係機関、団体等との連携による交通事故防止対策を継続、強化しております。
こうした中、本年5月に公表されました県の施策に関します県民意識調査の結果によりますと、犯罪への不安の少ない社会づくり、交通事故の少ない社会づくりが、いずれもが重要度の上位にランクされていることから、県民の皆様は、良好な治安の維持を強く望んでいるものと思われます。
このような諸情勢を踏まえ、県警察といたしましては、今後も、東日本大震災津波からの復興対応と安全・安心を実感できる地域社会の実現を活動の重点に、総力を挙げて各種施策に取り組んでまいります。
続きまして、平成26年度の警察本部関係の決算について御説明申し上げます。
お手元の平成26年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。第9款警察費の歳出予算現額は279億373万円余で、これに対する支出済額は272億3、033万円余、執行率は97.6%であります。支出済額は、前年度に比べますと15億771万円余、率にして5.9%の増となっております。
なお、翌年度繰越額の合計額は3億8、382万円余となっております。これは、本年の県議会2月定例会で議決されました警察署等非常用発電設備改修、駐在所庁舎新築、交通安全施設整備などの明許繰越に係る事業費が主なものでございます。
不用額は2億8、956万円余となっており、その主なものは、中途退職者数が見込みを上回ったことによる給料の残及び実績減による休日給等諸手当の残等の職員給与関係費の残、次に、運転免許関係の講習業務の委託実績が見込みを下回ったことなどによる委託料の残、そして、地域活動、捜査活動、交通取締活動等に係る旅費の支出が見込みを下回ったことによる旅費の残、経費節減等による需用費の残などであります。
次に、16ページをお開き願います。第11款災害復旧費第1項庁舎等施設災害復旧費に警察施設の災害復旧事業費も含まれておりますが、詳細につきましては、後ほど歳入歳出決算事項別明細書により御説明させていただきます。
次に、一般会計決算の内容につきまして、平成26年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
なお、第9款警察費の説明に際しましては、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承いただきたいと思います。
決算事項別明細書の306ページをお開きいただきたいと思います。第9款警察費第1項警察管理費第1目公安委員会費は、公安委員3名の委員報酬及び活動経費であります。第2目警察本部費は、警察職員の給料、職員手当などの給与費が主なものであります。警察費の決算額に占める給与費等人件費の割合は約80%となっております。平成26年度における警察官の定数は、東日本大震災津波により壊滅的な被害を受けた沿岸市町村の良好な治安の確保を目的に、50人の緊急増員を行ったことにより2、177人となっております。次に、第3目装備費は、犯罪捜査や災害対策などに対応するための警察装備の経費で、警察車両、警備船、県警ヘリなどの維持管理費が主なものであります。次に、308ページをお開き願います。第4目警察施設費は、治安の基盤をなす警察署、交番、駐在所などの警察施設の整備や維持管理などに要した経費であります。続きまして、第5目運転免許費は、自動車運転免許試験、免許更新、行政処分などに要した経費であります。次に、310ページをお開きいただきたいと思います。第6目でありますが、これは恩給及び退職年金の経費であります。
次に、第2項警察活動費第1目一般警察活動費は、110番通報を処理する通信指令システムなどの警察通信施設の維持管理などに要した経費であります。第2目刑事警察費は、少年非行の防止や子供の安全対策などの安全・安心なまちづくり推進事業、各種犯罪の捜査、取り締まりなどに要した経費であります。次に、312ページをお開き願いたいと思います。第3目交通指導取締費は、交通安全や指導取締活動、交通事故の防止と交通の円滑化を図るための交通信号機等の交通安全施設の整備及び維持管理などに要した経費であります。
続きまして、340ページをお開きいただきたいと思います。警察施設の災害復旧事業に要しました経費につきまして御説明申し上げます。
第11款災害復旧費第1項庁舎等施設災害復旧費第2目警察施設災害復旧費の歳出予算現額は6億6、818万円余で、これに対する支出済額は2億9、875万円余、執行率は44.7%であります。
なお、翌年度繰越額の合計額は3億1、394万円余となっております。これは、本年の県議会2月定例会で議決されました、被災した交番、駐在所庁舎新築などの明許繰越に係る事業費が主なものでございます。
次に、不用額は5、548万円余となっており、その主なものは、委託料及び工事請負費の執行残であります。
災害復旧事業といたしましては、大船渡警察署高田幹部交番等の移転用地の購入及び新築工事に係る設計委託など、そして、釜石警察署平田駐在所及び大船渡警察署署長公舎の新築の事業を行っております。
以上のとおりでありますので、よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
〇郷右近浩委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇軽石義則委員 1点質問をさせていただきます。特殊詐欺被害並びに防止対策について質問いたします。
まず、先ほど本部長の説明の中でも触れておりましたけれども、県内において、増加傾向にあるということで、これまでどのように推移してきているのか。それは、やはり地域特性などもあるかもしれませんけれども、わかればですが、市町村別または警察署管内別にどのように把握されているのか、加えて、それらにおいて課題として捉えられているものがあれば、お示し願いたいと思います。
〇米澤生活安全部長 初めに、地域別の被害状況についてでありますが、県央地域を管轄する盛岡東、盛岡西、岩手、紫波の4警察署では、昨年の被害件数は25件、本年9月末では23件、県南地域を管轄する花巻、北上、水沢、江刺、一関、千厩の6警察署では、昨年は19件、本年9月末では23件と、両地域での被害が多い状況にあります。
沿岸地域と県北地域では、沿岸地域を管轄する大船渡、遠野、釜石、宮古、岩泉の5警察署では、昨年は8件、本年9月末では10件、県北地域を管轄する久慈、二戸の2警察署では、昨年は9件、本年9月末では3件となっており、県央地域と県南地域に比較すると少ない状況にあります。
次に、特殊詐欺被害の現状についてでありますが、昨年の被害件数は85件、被害金額は合計4億2、000万円余となっており、本年9月末現在で被害件数は59件、被害金額は合計2億3、000万円余と、被害が急増した昨年同期と比べますと、被害件数は2件、被害金額は約2、800万円の減少となっております。
現状を踏まえた課題についてでありますが、特殊詐欺被害の認知件数が昨年と同水準と依然高どまり傾向になっているほか、高齢者の被害に遭う割合が6割を超えているところであります。
〇軽石義則委員 高どまりの現状であるという認識、課題を持っているということでありますけれども、やはり6割が高齢者の方となれば、被害に遭った皆様方への対応というものも非常に大事かと思いますが、現状、その相談状況はどのように推移しているのか。相談窓口がやはりしっかりと示されていることによって、一つ安心も確保できるのではないかと思っておりますので、相談窓口はどのような状況か。
また、やはり被害に遭ってしまうと、検挙していただいて、その後、なくなったお金が戻ってくることを被害者の皆さんは期待しているのではないかと思いますが、それらの対応についてはどのようになっているのかお示し願います。
〇米澤生活安全部長 警察に寄せられた特殊詐欺の相談受理状況についてでありますが、平成26年中は2、268件、本年8月末現在では2、397件となっており、前年同期比で1、163件と大幅な増加となっております。
次に、警察の相談窓口については、警察署では警務課が窓口となっており、警察本部では県民課が窓口となっております。
警察以外の関係機関の相談窓口は、特殊詐欺に特化した相談窓口はありませんが、県においては県民生活センター、市町村においては消費生活センターなどの各窓口において、架空請求詐欺などの特殊詐欺が疑われる相談を受理していると承知しております。
県警察では、県民生活センター及び消費生活センターなどと連携を図っており、被害相談及び被害に遭うおそれのある相談については警察に通報がなされ、県警察では適切に即応しているところであります。
次に、特殊詐欺の検挙状況についてでありますが、平成26年中の検挙が17事件、14人、また、助長犯罪の検挙は28事件、22人となっております。
本年9月末現在の検挙は14事件、11人であり、前年同期比で8件、7人の増、助長犯罪の検挙は26事件、11人であり、前年同期比で11件の増、2人の減となっております。
なお、警察では、被害者が回収できた金額を把握しておりませんが、事件検挙により被疑者が特定された場合に、その被疑者に対して民事手続による請求を行うことができますので、被害者から被害金回収の相談を受けた際には、その旨を助言することになります。加えて、被害者が現金を渡した直後に被疑者を検挙することができた場合、また、銀行振り込みや宅配便等により被害金をだまし取られる事案で、金融機関、宅配業者等の協力により、被害金が犯人らの手に渡るのを事前に阻止できた場合等には、被害者に対して被害金をお返しすることが可能な場合があります。
〇軽石義則委員 かなり検挙もされておられますし、対応もしているということですが、まさに被害者のところにお金が戻らない場合は、非常に生活も厳しい環境にあったり、精神的な負担もかなり大きくなっているのではないかと思います。
他の犯罪等によれば被害者支援制度などがあって、それらのフォローもされていると思いますが、そういう支援制度等はあるんでしょうか。
〇種田警務部長 被害者支援についての御質問をいただいたところでございますけれども、被害者支援事業につきましては、県警察のほうでは、捜査に伴う被害者の負担を軽減するため、届け出を受理したときから被害者ごとに支援要員を指定し、さまざまな支援を行っているところでございます。
その例としましては、パンフレットを配布しての捜査の流れ等について説明等をしているところでございます。(後刻訂正)
〇西野刑事部長 被害回復の制度ということでございますけれども、1点、被害回復分配制度というものがございます。これにつきましては、犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律、これは振り込め詐欺救済法という法律がございます。これに基づきまして、金融機関が犯罪利用預金口座について当該口座に係る預金債権を証明させる手続を行った後、当該口座への振り込みを利用して行われた詐欺等の被害者に対して、当該口座の預金を被害回復分配金として支払いを行うという制度でございます。
ただし、この課題といたしまして、犯行グループが犯罪利用口座から搾取金、これを引き出していた場合に残高がないということになれば、被害回復の分配金等としての支払いを受けられないということになります。また、現金手交型あるいは現金送付型といった振り込みを介さない場合につきましては、本法の救済対象とならないという制度でございます。
〇軽石義則委員 まだまだしっかり救済されるような制度になっていないようなところもあると感じましたけれども、犯罪が起きないのがまずは一番、防止することが大事だと思います。犯罪防止をする上での現在の体制はどのようになっているのか。
先ほど、県の消費者センター等との連携のお話もありましたけれども、それらについては定期的に各団体等との連携をどのように図っているのか、課題をどのように共有をしているのかお示しを願いたいと思いますし、県警察本部のホームページにも、いろいろな媒体を使った広報を含めてお知らせしていただいているようでありますが、情報収集の方法やその後のフォロー、または相談をして、その後、相談者は、一旦連絡をすれば、そのことについては一定の認識をしていただいた上で、自分には被害が及ばないんだろうと思っている人もいないとも限らないわけでありますので、それらが相談者と相談を受けた側がお互いに意思疎通ができているのかどうか、あわせてお伺いをいたします。
〇米澤生活安全部長 まず、特殊詐欺被害防止対策に対する体制の現状についてでありますが、県警察では、本年度から、警察本部内に特殊詐欺対策室を新設しております。この特殊詐欺対策室は、被害防止対策を担当する生活安全企画課、取り締まりを担当する捜査第2課や組織犯罪対策課等で編成されており、県警察を挙げて、特殊詐欺による被害防止対策と取り締まりを一元的に、かつ、強力に推進しているところであります。
次に、防止対策についての関係機関との連携についてでありますが、県民が被害を回避する抵抗力を高めるため、県担当部局との連携による民生児童委員やケアマネジャーの活動を通じたチラシ配布、岩手県警察特殊詐欺被害防止広報センターからの注意喚起等による啓発活動を実施しております。
また、犯人側への送金を阻止するため、金融機関と連携した預金小切手プラン、コンビニエンスストアや宅配便利用者に対しての積極的な声かけなど、水際対策の御協力をいただいております。
なお、預金小切手プランの裏をかくための喪服を着用させ葬式名目での現金引き出し指示や、電子マネーに基づく購買の権利をだまし取る被害など、新たな手口への対応が課題となっておりますことから、これらにつきましても関係機関との連携を一層強化し、対策を講じてまいりたいと考えております。
特殊詐欺の情報集約に対してのフォローとフィードバックについてでありますが、県警察の公式ホームページでは、現在、振り込め詐欺情報受理専用窓口を作成し、メール情報を受け付けております。
その後のフォローとフィードバックについてでありますが、特殊詐欺と無関係の情報も含まれていることから、特殊詐欺に関する情報について専用ページを作成してホームページ上に掲載し、注意喚起しているところであります。また、被害に遭った方や遭うおそれのある方からのメールについては警察から返信し、指導、助言をすることとしております。
なお、そのほかにも被害に遭うおそれのある方から、随時、前兆事案等について警察に通報がなされております。
その時々において、随時、広報活動をして被害防止を図っているところであります。
〇軽石義則委員 いろいろな対策をとっていただいているということがわかりましたけれども、この場でわかることではなくて、県民全体にしっかり理解をしてもらうことと、やはり岩手ではこういう犯罪はできないんだという思いをさせることも大事だと思います。
私はまだ古い携帯電話ですけれども、私にもお金を上げますとか、契約が切れましたので法的措置をとりますとかいろいろメールが来ますし、それも情報提供しているんですけれども、提供した後の対応がわからなければさらに不安なところもあると思いますので、しっかりそのフォローをしていただくことをお願いしたいと思いますし、被害に遭った方々が救済されることも大事な一つだと思いますので、それら、今後さらに具体的に取り組みを進めていただきたいということを、本部長から一言聞いて終わります。
〇堀警察本部長 本県においてそのような被害を出さない、本県でそういうような犯罪をやることは割に合わないということをわからせるというのは全く同感でございまして、そのような気持ちを持って対策に取り組んでおります。
被害者が、長年ためられたお金を、一瞬にしてその大きな額を失ってしまうというのは、その被害者にとってはこの上ない苦しみでありましょうし、また、治安全体ということから考えても、いわゆる闇の世界に流れていくと、それを阻止しなければいけないという、そのような要素もございます。したがいまして、まずは現下におきましては、被害の抑止対策を重点に置いてやっていきたいということ。それから、なかなか捕まえるのが難しいというところが正直ございますが、しかし、端緒をつかめば、何としてもこれを捕まえて、犯罪者グループに、岩手に来ても割に合わないということをわからしめるような捜査ということを展開していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 それでは、まず最初に、東日本大震災津波での行方不明者の捜索活動についてお聞きをします。
6、254名の犠牲者の中で、1、129名がいまだに行方不明になっていると。この間、警察は、この行方不明者の捜索活動に月命日を中心に取り組まれていますが、この間の取り組みの実績、昨年1年間の実績をまず示していただきたい。
〇金野警備部長 行方不明者の捜索活動についてでございますが、現在も月命日を中心とした捜索を実施しております。
昨年1年間の捜索状況でございますけれども、これにつきましては56回、延べ人数で1、255人の警察官によって捜索を実施しております。ただ、しかしながら、平成23年8月11日に大槌町内で御遺体を発見して以降、平成24年12月11日陸前高田市での発見まではずっと期間があいておりまして、その間、発見に至っておりません。いずれ、その後も捜索を重ねておりますけれども、鋭意発見できるように、警察本部全体の警察官あるいは職員を動員して、今後も継続していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 行方不明者というのは骨一本見つからないと。遺族の方々は、いまだに悲しみが癒やされないといいますか、死ぬまでこの悲しみは継続するのではないかと、本当にそういう切実な思いでおります。
7月24日、陸前高田市米崎町の脇ノ沢漁港で乗用車が海中から引き上げられ、白骨化した1人の遺体が見つかりました。そして9月28日には、気仙町の福伏の沖合から車両2台が引き上げられました。これは遺体が見つかりませんでしたけれども。多くは、恐らくは津波の引き潮で海中深くに引きずり込まれたと、こういう方々が少なくないのではないか。沼の中や海中での捜索も、私は新たな視点で取り組む必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇金野警備部長 委員御指摘のとおりでありまして、海中等における捜索活動につきましては、発災以降、被災者の皆さんからの要望等を踏まえまして、山田町の船越漁港それから田老の小堀内漁港、あるいは陸前高田市の古川沼、こういった沼、それから、本年になりましては山田湾での海中捜索を水中探索機を使用して機動隊員が潜水して捜索したりしておりますけれども、残念ながら、発見には至らなかったということでございます。
いずれ、今後の捜索活動についても、防潮堤の工事あるいは復興工事の進捗に伴いまして捜索現場の環境も変化しておりますので、新たな視点でこういった防潮堤工事に伴う排水作業、そういった工事に合わせて、今後、捜索活動をさらに一層範囲を広めて強化していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 遺族の方々から具体的な要望も出されていると思うので、この間、どんな要望があったのか。そして、もう4年7カ月余が経過していますけれども、毎月毎月継続的にやられていることに私は敬意を表しますけれども、そういう遺族の願いに応えた取り組みになるようにお願いをしたい。
あわせてお聞きしますけれども、発見された遺体で身元不明がまだまだあると思いますが、この状況と今後の対策も含めて示してください。
〇西野刑事部長 震災による御遺体につきましては、本年9月末現在で4、672体の検視を実施しております。うち、身元が判明していない御遺体につきましては61体であります。県警察では、身元を確認するために、行方不明者の御家族や親族の方々から提供していただいたDNA型資料の鑑定や歯科カルテの照合、さらには、似顔絵や御遺体の特徴や所持品等の情報公開などの活動を進めているところであり、本年も4人の方の身元を確認しております。
これまでも、警察本部及び沿岸各所において、行方不明者の相談等を受けて身元追跡を実施してまいりました。さらに、昨年2月以降、沿岸部を中心に、行方不明者を探しておられる御家族等にお集まりいただき、行方不明者の情報収集と身元不明者の情報提供を行う活動も行っております。
今後も、これらの活動を継続しながら、1人でも多く、1日でも早く、御遺体を引き渡せるよう身元確認に努めてまいります。
〇金野警備部長 御家族からの要望についてでございますけれども、これにつきましても、例えば本年であれば、山田町の海中の捜索をしてほしいとか、あるいは釜石市鵜住居町の片岸川の河口での捜索をしてほしいとか、そういった御家族からの要望が重ねてまいっております。こういった要望を私ども真摯に受けとめまして、今後も継続して捜索に傾注してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 次に、捜査報償費の執行額についてお聞きをします。
この5年間の捜査報償費の執行額の推移を示してください。
〇種田警務部長 5年間の推移ということでございますので、平成22年度から御説明させていただきますが、平成22年度が1、712万8、000円、平成23年度が1、499万円、平成24年度が1、234万1、000円、平成25年度が1、149万円、平成26年度が1、067万9、000円となっております。
〇斉藤信委員 今、5年間の推移を聞きましたけれども、5年間で62.3%に縮小していますね。捜査報償費というのは、裏金の原資になっているんじゃないかと私は厳しく指摘しましたけれども、実際的にこう減少しているという事実を私は極めて重要だと。ただ、その中で、各警察署単位で見れば、例えば釜石警察署は平成25年度と比べ平成26年度は捜査報償費執行額が倍以上にふえました。二戸警察署も1.5倍以上にふえました。この2倍とか1.5倍以上というのは、何か特別の大きな事件か何かあったんでしょうか。そのことを示していただきたい。
〇種田警務部長 釜石それから二戸警察署の執行額が増加しているということでございますが、その理由につきましても、事件の規模、性質、形態、捜査の期間などさまざまな要因によるものでございまして、個別の事件について、一概に理由というのを申し上げることはできないものでございます。
〇斉藤信委員 私は個別の事件を聞いたんじゃないんです。倍にふえているということはどういうことがあったのかという、個別のことを聞いたわけじゃなくて、そういうことを聞いたんですよ。そういうことも示されないということですか。個別じゃなくて答えてください。
〇種田警務部長 捜査報償費につきましては、繰り返しになりますけれども、事件の規模、それから性質、形態、捜査の期間とか、そういったものでさまざまな要因でございますので、なかなかお答えするのは難しいところでございます。
〇斉藤信委員 これは闇の中だね。闇の中ですよ。例えば重大事案がふえたとか、何かあるじゃないですか。これが倍以上にふえるというのは、普通じゃないんだから。隠せば隠すほど、疑惑が深まるということになるんですけれどもね。
時間がないので次に行きましょう。
私は警察職員の超過勤務手当の支給を強く求めてまいりましたが、昨年度の超過勤務時間、超過勤務手当の支給、これはどうなったでしょうか。この間の推移で、どのように改善されているか示していただきたい。
〇種田警務部長 この間のというお話をいただいたところですが、過去5年間についてお話をさせていただきたいと思います。
超過勤務手当の支給額でございますが、平成22年度は14億5、636万円余、平成23年度は18億3、726万円余、平成24年度は14億2、517万円余、平成25年度は12億6、848万円余、平成26年度は12億8、457万円余となっております。これは職員1人当たりにしますと、平成22年度は66万円余、平成23年度は81万円余、平成24年度は61万円余、平成25年度は56万円余、平成26年度は57万円余となります。
〇斉藤信委員 支給率を示さないと改善されているかどうかわからない。支給率。
〇種田警務部長 支給率でございますが、超過勤務時間数に占める支給時間の割合は、平成22年度は約59%、平成23年度は約72%、平成24年度は約76%、平成25年度は約79%、平成26年度は約86%となっております。
〇斉藤信委員 私が取り上げてきたかいがあったと、支給率がこう改善されてきたと私は思います。
それで次に、警察本部の幹部警察官の天下りの実態についてお聞きしますが、幹部警察官の天下り、再就職の状況はどうなっているでしょうか。
〇種田警務部長 幹部警察官の再就職の状況についてでありますが、いわゆる天下りについての定義は明確ではございませんが、都道府県警察職員のうち、警視正以上の階級にある警察官の再就職先の名称等につきましては、国家公務員法の規定により内閣が公表するものと承知しております。
〇斉藤信委員 どれだけ、どういうところに再就職しているんですか。
〇種田警務部長 国家公務員の再就職状況につきましては、国家公務員法に基づきまして内閣から公表されておりますけれども、内閣官房からことしの9月に、平成26年度分について公表された資料によりますと、今、公益財団法人日本防災通信協会、学校法人岩手医科大学、岩手県ハイ・タク交通共済協同組合といったところに再就職をしているところでございます。
〇斉藤信委員 私はこの岩手医科大学への天下りというのが問題だと思うんです。岩手医科大学では、若林教授の覚醒剤疑惑がありましたね。これは週刊誌でも取り上げられて、覚醒剤を打たれたという女性がみずから社会的に告発した事件ですよ。書店にはこの週刊誌が数カ月山積みになっておりました。なぜこんな問題は─捜査されたんですか、されなかったんですか。
〇西野刑事部長 委員御指摘の週刊誌に掲載された記事の内容については承知してございます。
個別の事案につきましては、捜査しているのか否か、あるいはその捜査状況など具体的な事案に関する事柄につきましては、答弁を差し控えさせていただきます。
〇斉藤信委員 捜査しないで、当時の刑事部長が岩手医科大学に天下りしているんじゃないですか。どこに天下りしたか。病院長顧問ですよ、これ。こんな絵に書いたような天下りがありますか。もみ消して岩手医科大学に刑事部長が天下りと。許されませんよ。覚醒剤だったらあなた方すぐ捜査するじゃないですか。血液検査したら一発でわかるんですよ、これ。捜査しているかしていないかって言うけれども、していないんじゃないの。否定できますか。
〇西野刑事部長 繰り返しになりますが、個別の事案に関する事柄につきましては、答弁を差し控えさせていただきます。
一般論として申し上げますと、警察は犯罪があると思慮するときは、法と証拠に基づき適正に捜査しているところであります。
〇斉藤信委員 この岩手医科大学には、当時の課長クラスの警察官も天下りして、岩手医科大学の警備担当をやっているんですね。これと一緒になってもみ消したと。私は本当に許されないと思いますよ。そして、病院長顧問で刑事部長が天下りすると。許されないですよ、こんなことは。犯罪を捜査すべきあなた方がもみ消して天下るなんていうこと、私は許されないと思うけれども、本部長、この経過がわかりますか。
〇堀警察本部長 今、もみ消しというお話がございましたが、そのような事実はございません。
〇斉藤信委員 警察本部長、これだけ重大な覚醒剤疑惑が社会問題になって、捜査したかわからないが、その岩手医科大学に刑事部長が天下るなんていうことは、県民の理解を得られると思いますか。
〇堀警察本部長 退職者の再就職でございますが、これは民間企業、その他再就職を受け入れる先でございますが、それがどのような人材を必要とし、どのような採用を行うか、これはあくまで当該企業などが独自の裁量と企業努力によるところで決めるものでございます。再就職というものは、雇用主と退職職員本人との雇用契約に基づいているものと承知しております。
〇斉藤信委員 何というか、正しいこと、悪いことの分別がつかなくなっているんじゃないですか。
では、警察官の不祥事についてお聞きします。
昨年1年間の警察官の不祥事事件、何件ありましたか。どんなものがありましたか。
〇照井参事官兼首席監察官 昨年の不祥事、懲戒処分の件数でございますが、平成26年中は、飲酒運転による物損事故で懲戒免職1名、そして職務懈怠ということで減給処分1名、計2名の処分をしております。
〇斉藤信委員 相変わらず不祥事が続いていると。こうした中で、5月17日、酒気帯び運転で時速129キロメートルで暴走した警察職員は、なぜ逮捕されなかったんでしょうか。5月28日、時速50キロメートルの制限速度を17キロメートル超過した一般県民は現行犯逮捕されて、実名が発表されていますよ。こんな凶悪な酒気帯びの暴走を、何で逮捕しないんですか。
〇照井参事官兼首席監察官 ただいま、なぜ逮捕されなかったという委員の御指摘でございますが、逮捕の必要性につきましては、個別、具体の事案によって判断することになります。本事案は、刑事訴訟法などの規定によりまして、罪証隠滅や逃亡のおそれがないという判断で、任意事件としたものでございます。
〇斉藤信委員 時速17キロメートルオーバーした人が現行犯逮捕されて、酒気帯びで129キロメートルですよ。恐らく、時速50キロメートルの制限速度だったら79キロメートル暴走ですよ。こんな危険な事件を起こした人が逮捕されない。私は本当に、警察官にこんな甘い体質でいいのかと思います。
最後ですけれども、昨年紫波警察署に逮捕された元警察官ですが、ことし9月12日、紫波警察署留置場で自殺未遂をしました。これはなぜ逮捕され、なぜ何度も再逮捕されて拘留しているんでしょうか。
〇種田警務部長 留置施設の中における自殺未遂についての御質問でございますけれども、被留置者のプライバシーに関することであり、答弁は差し控えさせていただきます。
〇斉藤信委員 この元警察官は、一昨年、脅迫、器物損壊で逮捕されたんですね。実刑を受けて、その後、保釈後に仙人トンネル内で、自殺未遂で大事故を起こしたと。その後、警察のさまざまな裏金疑惑や違反もみ消しを明らかにすると公言をして、あなた方はまた逮捕、再逮捕、そして拘留を続けていると。こうじゃないんですか。
〇西野刑事部長 元警察官が逮捕、拘留されているという事実はございます。
逮捕の理由につきましては、知人の関係先等に同人の名誉を毀損する内容の葉書を郵送して、名誉を毀損した事実ということで、第1回目は8月5日に逮捕し、再逮捕ということで8月26日、同様の事実で再逮捕しているところでございます。
〇郷右近浩委員長 斉藤委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
〇斉藤信委員 これで終わります。
新聞報道では、8月5日に逮捕して8月26日に再逮捕、本人はこの容疑を否認していると。私は、本当にこれは極めて重大な問題だと思いますよ。留置場の中で自殺未遂を起こして、そして何かわからないけれども逮捕、再逮捕が続いていると、拘留が続いていると。何か悪いことを隠そうとしているんじゃないですか。県警本部長はこのことを知っていますか。
〇堀警察本部長 先ほど刑事部長が申し上げたとおり、元警察官が紫波警察署に逮捕、拘留されているという事実はございます。逮捕事実については、先ほどの答弁のとおりでございます。
〇郷右近浩委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後4時59分 休 憩
午後5時16分 再開
〇郷右近浩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、小西和子委員。
〇小西和子委員 私は、事項別明細書で言いますと313ページ、それから、主要施策の成果に関する説明書ですと、81ページにあります交通事故防止対策についてまずお伺いいたします。
平成26年の交通事故発生件数、負傷者数とも11年連続で減少しておりますし、死者数はこれまでの最少となっております。皆様方の取り組みの成果だと思います。敬意を表したいと思います。
ところが、高齢者が関係する交通事故が多いということで、過去5年平均でも、全国の51.3%に対し本県は59.9%と高く深刻な状況だと、過去にも報道されているところであります。高齢者の交通死亡事故が高どまりとなっております。この状況をどのように分析しているのか。あわせて、平成27年の現状、取り組みと対策についてもお伺いいたします。
〇藤田交通部長 昨年の高齢者の関係する交通死亡事故の特徴は、日暮れが早くなる9月以降の発生が多いこと、正午前後や午後4時から午後6時までの薄暮時間帯の発生が多いこと、それから、事故の態様は歩行中が最も多く20人となっており、そのうち道路横断中の事故が16人で、8割を占めていることなどとなっております。
本年9月末の高齢者の死者数は33人で、前年比プラス11人、50%の増加となっております。死者全体に占める高齢者の割合につきましては60%と、全国の割合と比較し7.7ポイント上回っている状況にあります。
また、特徴といたしましては、高齢歩行者は道路横断中、高齢ドライバーは対向車線はみ出しによる正面衝突や単独事故での死亡が多いという状況にあります。
御案内のように、高齢社会が一層進展する中で、県警察といたしましては、高齢者事故の現状を踏まえつつ、関係機関、団体と連携し、高齢者に対する参加、体験、実践型の交通安全教育、高齢者在宅家庭訪問による個別指導などの諸対策を推進しているほか、高齢者の関係する重大事故が多発する9月以降、薄暮時間帯における県下一斉検問や交通指導取り締まり、赤色灯を点灯した街頭活動を強力に推進しているところでございます。
〇小西和子委員 ちょうどこの期間、10月17日から31日までの15日間、高齢者交通事故防止への県民運動ということで取り組みが行われているということが報道されておりました。そのほかに、何というんでしょうか、認知症のような方々で事故に巻き込まれているということもあろうかと思います。その対策として、高齢者見守り通報制度等の取り組み、それから高齢歩行者対策重点地域といったことも行われておりますけれども、簡潔で結構ですから説明をしていただければと思います。
〇藤田交通部長 高齢者見守り通報制度について簡単に御説明いたします。
高齢者見守り通報制度は、地域の道路事情に精通し、業務において幹線道路等を頻繁に利用する事業所等に対し、危険な様子で道路を歩いているなど、交通事故に遭遇する危険性の高い高齢者を見かけた場合には110番通報をしていただき、高齢歩行者等の交通事故を未然に防止しようとする制度でございます。
それから、高齢者対象重点地域でございますが、これは県下17警察署に重点地域を指定しております。この重点地域は、過去に高齢者の交通死亡事故が多発しているところでございまして、この地域につきましては、重点的に交通安全教室あるいは家庭訪問等を実施いたしまして、高齢者の事故防止を強力に推進しているところでございます。
〇小西和子委員 主要施策の成果に関する説明書のところにも、歩行環境シミュレーターとかということで、実際に高齢者が歩行してみるという、そのような参加、体験、実践型の安全教育の実施も回数を重ねているということでございます。私も老人クラブに入っておりますけれども、老人クラブ等を対象にして、ぜひ拡大をしていっていただければと思います。
それから、次は沿岸地域が気になるわけですけれども、平成26年、平成27年の沿岸13市町村の交通事故の発生件数、死傷者数、特徴、対策について伺います。
〇藤田交通部長 平成26年中の沿岸13市町村の交通事故の発生状況についてでありますが、発生件数は355件、死者数は19人、負傷者数は434人となっており、その特徴は、死者数19人のうち高齢者が13人で、その割合は68.4%を占め、県内の高齢者比率56.3%より高い状況にございます。
また、本年9月末現在では、発生件数は256件で前年比マイナス12件、死者数は13人で前年比マイナス3人、負傷者数は347人で前年比プラス27人となっており、負傷者数はわずかに増加しておりますが、発生件数、死者数は減少しております。しかしながら、死者数13人のうち8人が高齢者でありまして、昨年同様、死者に占める高齢者の割合が高いという状況にあります。
こうした現状を踏まえまして、引き続き、関係機関、団体等と連携し、仮設住宅や高齢者宅を訪問しての広報啓発活動、交通機動隊の集中投入による街頭活動などの諸対策を推進し、交通事故の抑止に努めてまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 沿岸13市町村では、死者数に占める高齢者の割合が昨年は68.4%ということで、本当にゆゆしきことだなと思います。恐らく道路等もまだきちんと整備されていないこともあろうかと思いますけれども、または復興工事で車両もふえているということも関係しているとは思いますけれども、ぜひ、沿岸地域の交通事故防止に努めていただきたいと思います。
交通事故の少ない社会づくりの重要度は第3位ということで、県民から期待されていると思いますので、今後とも取り組みをよろしくお願いいたします。
次に、子供や女性を犯罪から守る対策についてお伺いいたします。
奈良県小学校女児監禁事件とか、大阪府中2男女殺害死体遺棄事件など、子供の連れ去りから発展した重大事件が全国では発生しております。
そこでお伺いいたしますけれども、声かけ等脅威事犯の推移から平成26年は前年よりやや減ってはおりますが、高どまりであります。特徴と要因、平成27年の取り組みと対策についてお伺いいたします。あわせて、子供を犯罪から守る対策について伺います。
〇米澤生活安全部長 まず、県内における子供や女性に対する声かけ等脅威事犯の特徴と要因について申し上げます。
県内の脅威事犯の認知件数は高どまりの状況にあり、平成26年中は421件で、前年から10件と若干減少はしたものの、本年9月末現在では390件と、前年同期比66件の増加で推移するなど、ここ数年は増加傾向を示しているところであります。
最近の特徴といたしましては、路上での発生が全体の7割近くを占めること、スマートフォン等の普及に伴い、カメラ機能を用いた盗撮やメールアドレスを聞き出す声かけなどの被害が増加しているといった傾向が見られます。
ここ数年の認知件数増加の要因としては、声かけ等の事案に対する児童生徒及び保護者、学校等の意識が高まり、事案が潜在化することなく通報に結びついていることが考えられます。
次に、声かけ等脅威事犯への対策についてでありますが、脅威事犯を性犯罪や重大犯罪の前兆事案であると捉え、その行為者を特定し、検挙や指導警告等の再発防止措置に努めているところであります。
次に、子供を犯罪から守る取り組みと対策についてでありますが、脅威事犯の行為者特定による検挙や指導警告等を通じた再発防止措置のほか、特に高校生以下の子供に関しては、教育委員会、学校等の関係機関、団体に対する情報提供、110番の家、車などの民間団体や個人に対する通報及び被害者の保護依頼、防犯教室等を通じた被害防止の啓発活動、県警察ホームページやメール配信等を利用した発生情報の発信などの被害防止に向けた取り組みを推進しているところであります。
〇小西和子委員 もしもよろしかったら、平成26年、平成27年中に声かけ等脅威事犯から犯罪に至った例についてお伺いしたいんですけれども。報道された分で結構です。
〇米澤生活安全部長 声かけ等脅威事犯の検挙や指導警告状況についてでありますが、昨年、平成26年中に県内で認知した脅威事犯241件(後刻「421件」と訂正)のうち、行為者を特定した件数は90件であります。
措置別では、事件での検挙が31件、指導警告が52件、残りの7件は、事件性を認められないことが確認された事案として解決措置としております。
また、本年9月末現在の県内で認知した脅威事犯390件のうち、行為者を特定した件数は140件であります。措置別では、検挙は45件、指導警告が90件、解決措置が5件であります。
なお、個別的な事件の検挙状況についてでありますが、昨年、平成26年中については、強制わいせつ事件を検挙しております。
昨年の7月ごろ、盛岡市内において、10代の男子高校生が10代の女子専門学生に対してわいせつな行為を行ったということで逮捕した事例があります。本年に入りましてからは、8月にわいせつ目的誘拐事件がありまして、沿岸部の60代の無職男性が10代の女性に対して、帰宅途中に送ってあげるよなどと声をかけて車に乗せて監禁し、体をさわるなどのわいせつ行為をした事犯であります。
〇小西和子委員 たくさんの事件が起きているんだなと認識いたしました。
それでは、平成26年のストーカー相談、ストーカー被害の認知件数、特徴、対策についてお伺いいたします。あわせて、平成27年の現状と対策についてもお伺いいたします。
〇米澤生活安全部長 初めに、ストーカー相談、ストーカー被害の認知件数について申し上げます。
警察では、ストーカー相談があった場合には、ストーカー被害として計上し対応しており、平成26年中は317件、本年9月末現在では236件となっているところであります。
被害の特徴についてでありますが、昨年、本年とも、元交際相手等の密接な関係にあった者からの被害が多く、その態様も、面会、交際等の義務のないことの要求や、つきまとい、待ち伏せ等の行為が大半を占めているところであります。
次に、対策についてでありますが、ストーカー等の相談に対し、認知の段階から対応に至るまで、生活安全部門と刑事部門が連携し、警察本部が確実に関与して事態に応じて最も効果的な手法をとるため、昨年3月、各警察署に人身安全関連事案対処体制を構築するとともに、警察本部に人身安全関連事案対処プロジェクトチームを立ち上げ、その司令塔として人身安全対策室を設置して一元的に対処しているところであります。
また、ストーカー事案に適切に対処するため、県下警察署長会議等の各種会議や業務指導において、部門間や警察署間の連携等、事案への迅速、的確な組織的対応について指示しているところであります。
ストーカー事案に対しましては、今後とも、事案の危険性、切迫性を的確に見きわめ、認知の段階からその経過をしっかりと確認しながら、検挙による加害行為の防止、関係機関と連携した被害者の避難等、被害者の安全確保を最優先に考え、常に最悪の事態を想定して被害者の保護対策を徹底してまいります。
〇小西和子委員 本当によろしくお願いいたします。
では最後に、本部長に、子供、女性を犯罪から守るための取り組みということでお伺いして終わりたいと思います。
〇堀警察本部長 具体的な対策につきましては、今、生活安全部長からお話し、御答弁させていただいたとおりでありますが、総論で申し上げますと、まず、このような犯罪自体が県民の安全・安心を確保する上において、もし発生してしまったら大変なことになってしまうと。体感治安を非常に下げてしまうということで、やはり防止に努めていかなければいけないということであります。
それから、具体的な対処といたしましては、一つ大事なのは、エスカレートする前に、いかに早い段階で手を打つかということでありまして、警察内部での業務運営においては、やはりスピード感を持って対応するということを徹底しているところでありますので、県警の中でも、全ての署においてそのような意識というのは既にもう─なかなか自分で自分の職員のことを言うのもあれなんですけれども、そのような意識というものはしっかり根づいてきていると思っておりますので、今後もそのような業務運営というものを継続していきたいと考えております。
〇千田美津子委員 私は信号機の設置の現状と今後の対応について、この1点だけをお伺いいたします。
先ほども交通安全対策について質疑がございましたけれども、県民の命を守るという点で、私は、より一層、安全対策を構築していくということは本当に重要だと思います。その中でも、信号機の設置は、ぜひ実態に応じた整備をするべきだと私は考えております。
一つは、県民要望の信号機の設置がどれだけあるか、どれだけ把握をされておられるのか、その点をまず最初にお伺いいたします。
〇藤田交通部長 信号機の設置に関する御要望につきましては、県民の皆様を初め道路管理者、関係機関、団体等から多数いただいております。これらの御要望につきましては、多種多様な場面や手段によりいただいていることから、全体数につきましては把握しておりませんが、それぞれ管轄する警察署において、道路形状、交通流量、周辺施設の状況、交通事故の発生状況等から設置の必要性を検討し、必要性が認められるものについては、道路管理者、地域の代表者、交通安全関係者等で構成する交通規制対策協議会に諮った上で、警察本部に上申されることとなります。警察本部では、各警察署から上申を受けた要望について、全県的な視点から、必要性、緊急性、代替性等を検討の上、整備をしているところでございます。
〇千田美津子委員 全体数は把握をされていないということですが、各警察署あるいは各市町村の交通規制対策協議会の中で、適切な調査等によって上申をされているというお話でした。ただ、必要性が認められるものについて、各地域の交通規制対策協議会にかけられているわけですね。かなりの件数がこの交通規制対策協議会にかけられているんですけれども、それが交通規制対策協議会にかけられた後に上申する際、必要があっても、かなり狭められた上申になっているのではないかなというふうに感じますので、そこの点ひとつ認識を確認したいと思います。
それで、信号機の県への要望数、上申数と整備数の現状、過去5年間の状況についてお聞きをしたいと思います。
〇藤田交通部長 警察本部に上申された要望数に対する整備状況につきましては、平成26年度は要望数31カ所に対して、今年度10カ所の整備を予定しております。整備率は32.3%になっております。
各警察署から上申された要望は、警察本部においてさらに全県的視点に立って必要性、緊急性等を十分に検討、選定していることから、全ての御要望にはお応えできないというのが現状であります。
なお、過去5年間ということでございますが、平成25年度は42カ所で、設置したのが10カ所、平成24年度は45カ所の上申に対して18カ所、平成23年度は52カ所に対して17カ所、平成22年度は52カ所に対して21カ所となっております。
〇千田美津子委員 ただいま御答弁いただきましたけれども、今お答えいただいた上申数、それから整備の箇所をお聞きしましたけれども─平成22年度はお話がなかったですね。この間を見ますと、どんどん上申数が減っているんですね。それに基づいて整備数もかなり減っています。これが全県では相当の要望があって、そして必要性が認められるものについて各市町村の交通規制対策協議会で検討されて、それからかなり絞ってまた上申をされていると。ただ、余りにも絞り過ぎて、平成26年度ではたった10カ所しか設置されないと。整備率で言えば32.3%ということですが、私はこのことが、確かに全部やることは難しいと思いますし、全県を網羅して、その緊急度とか必要性とか、そういう部分で決められているとは思いますけれども、余りにも、本当に県民の命を守る、そういう観点からすれば、この設置率、そして上申率もすごく県のほうで抑えさせているのではないかと感じたわけですが、その点お伺いいたします。
〇藤田交通部長 信号機の適切な整備は、交通の安全と円滑に大きな効果がありますが、他方で、設置が適切でない場合には、信号無視の誘発あるいは車両の不要な停止など、交通の安全と円滑に支障を及ぼすおそれもありますことから、その設置には慎重を期する必要があります。
信号機の設置につきましては、これまでも、交通ルールや交通事故発生状況等に基づき整備しております。
なお、平成25年12月に警察庁から具体的な数値基準を含めた信号機設置の指針が示されておりまして、原則として、この指針に準拠して設置の可否を判断し、整備しているところでございます。
〇千田美津子委員 本当に慎重を期してやられているということですが、私は、地元の水沢警察署、それから江刺警察署の要望を見せていただきました。その中で、交通規制対策協議会にかけられた信号機の設置が、平成26年度では13カ所ありました。その中では、本当に子供たちが毎日通って、横断がすごく多い、あるいは死亡事故がこの間何件かある、それから事故の件数も多い、そういう中で、この会議では、単純な増設は現状では難しく、頻度の低い信号機を廃止できれば検討の余地ありというような見解を示されているんですね。どこかの信号機をとってこないとつけられないということだと思うんですね。私は、県民の命を守ったり子供たちの安全を確保する上で、こういう答えはないだろうと思うんです。
ですから、先ほどお答えいただいた整備箇所がなぜこんなに減っているのか。予算のことがあるんでしょうけれども、本当は、人命を守るということが優先されなければならない。しかし、現実は、予算的なことがあって整備ができないということなのかもしれませんが、私は、この緊急度とか優先度の考え方が間違っているのではないかと思いますので、その点、お伺いいたします。
〇藤田交通部長 先ほどもお答えしましたとおり、警察庁から示されております信号機設置の指針に準拠いたしまして、交通量や交通事故の発生状況、それから交通環境などを総合的に検討して、全県的な見地から、真に効果的な場所を優先して整備していきたいと考えております。
〇千田美津子委員 最後にしますけれども、何度も繰り返すようですが、本当に子供たちの命を守る、そういう点で、地域の方々が、この場所は本当に危険だと、そういう場所がいっぱいあるわけです。でも、それが第1次の段階で、交通規制対策協議会にかけられて、かなり落とされて、そして最後に、平成26年度で見れば、水沢、江刺警察署から6件の申請が出ていて、整備されたのは1カ所だけですね。ですから、本当に6分の1というような状況の中で、私は、もっともっとこの考え方、優先度や緊急性というものの見方をきちんと内部的にも精査していただいて、やはり人命を第一にするという考え方のもとに、この予算もぜひふやしてもらって整備率を高めていただきたいということを本部長に伺って、終わりたいと思います。
〇堀警察本部長 交通安全確保のために可能な限り信号機を整備したいという気持ちを持っているというのは、それは警察も委員と全く同じでございます。ただ、委員もよく御承知かと思いますが、予算制約というものが現実にあるというところもありまして、結果として、地域の皆さんの要望になかなか100%応じられないという現実があるのも事実でございます。
ですので、常に御満足いただける結果が出るかどうかということについては、なかなかお約束できないのでありますが、少なくともそのプロセスにおきましては、やはり信号機の改廃につきましては、客観的な交通流量という話プラス地域の方々の御意見というものを私ども真摯に受けとめて、そこは検討材料として重きを置いてやっていかなければいけないと考えております。それは、今までもやってまいりましたし、今後もそんなふうにやっていきたいと考えております。
よろしくお願いいたします。
〇郷右近浩委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇種田警務部長 先ほど軽石義則委員の被害者支援に関する質問への答弁を訂正させていただきます。
先ほど答弁した支援制度は、性犯罪等身体犯に関するものでございまして、特殊詐欺につきましては、被害者に対する捜査状況の連絡や相談対応を行って二次被害の防止を図っているほか、個々の状況に応じて、生活支援に関する関係機関を紹介するなど、継続的な支援を行っているところでございます。
以上、訂正させていただきます。
〇米澤生活安全部長 先ほど小西和子委員の声かけ等脅威事犯の質問の中での答弁1件について訂正をお願いいたします。
平成26年中に県内で認知した脅威事犯の件数241件と答弁していたところでありますが、正確には421件でありますので、訂正をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇郷右近浩委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇郷右近浩委員長 質疑がないようでありますので、警察本部関係の質疑をこれで終わります。
警察本部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、企業局長に企業局関係の説明を求めます。
〇菅原企業局長 平成26年度の企業局関係の決算等について御説明申し上げます。
初めに、企業局の事業の総括的な取り組みと成果及び今後の取り組み方向について御説明いたします。
平成26年度の事業運営に当たりましては、公営企業の経営原則であります経済性の発揮と公共の福祉の増進を基本としながら、平成25年度から平成27年度までの3年間を対象とする第4次中期経営計画に基づき、クリーンな電力と良質な工業用水の安定供給に取り組むとともに、施設の計画的な改良、修繕や業務コストの節減を図り、効率的な経営に努めてまいりました。
電気事業については、昨年7月に胆沢第三発電所、11月に相去太陽光発電所の運転を開始し、高森高原地区の風力発電についても、環境影響評価や発電システムの設計などを進めたほか、既設の発電所の大規模修繕や集中監視制御システムの更新などに取り組みました。これらの取り組みに加え、出水率が平年を上回ったことなどから、供給電力量は目標を達成するとともに、純利益も引き続き確保することができました。
一方、工業用水道事業については、施設の改良、修繕を行いながら安定供給に努めたほか、平成24年度に策定した配管更新基本計画に基づき、配管の更新及び耐震化などの取り組みを進めました。契約水量は前年度より減量したものの、経費の効率的な執行に努めたことなどにより、純利益を確保することができました。
このほか、地域貢献の施策として、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を活用し、平成18年度から市町村等が行う再生可能エネルギー導入の取り組みを支援しており、特に沿岸地域については、平成23年度から、補助用件を緩和し補助率も引き上げるなど支援の充実を図っております。
次に、今後の取り組み方向については、電気事業では、高森高原地区の風力発電及び簗川地区の水力発電などの新規開発の取り組みを進め、電力自給率の向上に努めるほか、電力システム改革に適切に対応してまいります。
工業用水道事業では、老朽化した配管の更新及び耐震化を計画的に進めるとともに、契約水量の減少等により厳しい環境にあることから、引き続き安定経営に向けた取り組みを進めてまいります。
それでは、企業局の平成26年度決算等について御説明申し上げます。
まず、認定第14号平成26年度岩手県電気事業会計決算の概要について御説明申し上げます。
電気事業会計決算の資料の1ページをお開き願います。
なお、決算報告書は、予算に対する決算という性格上、消費税及び地方消費税を含めた金額で作成しておりますが、損益計算書及びその他の財務諸表は、消費税及び地方消費税抜きの金額で作成することとなっており、金額に相違がありますので、あらかじめ御承知願います。
それでは、1ページの1の決算報告書でありますが、(1)収益的収入及び支出のうち、収入の第1款電気事業収益は、表の右から3列目に記載のとおり、決算額が54億8、800万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項営業収益49億8、400万円余は、昨年7月に運転開始した胆沢第三発電所を含む16カ所の水力発電所に係る電力料収入等であり、第2項附帯事業収益1億円余は、稲庭高原風力発電所及び昨年11月に運転開始した相去太陽光発電所に係る電力料収入であります。
第5項特別利益2億3、900万円余は、地方公営企業会計制度の見直しに伴い、引当金の要件を満たさなくなった渇水準備引当金2億3、900万円余について、これを全額取り崩し、特別利益として計上したものであります。
次に、支出の第1款電気事業費用は、表の右から4列目に記載のとおり、決算額が44億9、800万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項営業費用41億7、200万円余は、水力発電所の運転及び管理運営に要した経費であり、第2項附帯事業費用9、200万円余は、稲庭高原風力発電所及び相去太陽光発電所の運転並びに管理運営に要した経費であります。
それから、飛びまして、第5項特別損失6、400万円余は、会計制度の見直しに伴い、昨年6月支給の期末勤勉手当等のうち、平成25年度在職期間に係る支出相当額を計上したものであります。
次に、2ページをお開き願います。(2)資本的収入及び支出のうち、収入の第1款資本的収入は、表の右から3列目に記載のとおり、決算額が15億6、000万円余であります。
主な内訳でありますが、第3項長期貸付金償還金9億9、800万円余は、一般会計等からの長期貸付金に係る償還金であり、第4項投資償還収入4億9、400万円余は、資金運用のために購入した国債の満期償還収入等であります。
次に、支出の第1款資本的支出は、表の右から6列目になりますが、決算額が32億3、200万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項建設費8億1、300万円余は、胆沢第三発電所及び相去太陽光発電所の建設に要した経費であり、第2項改良費16億2、300万円余は、発電所と管理施設、設備の改良や更新に要した経費であります。
なお、資本的収入額が資本的支出額に対し不足しておりますが、欄外に記載しておりますとおり、減価償却費などの過年度分損益勘定留保資金等で補填しております。
次に、3ページの損益計算書でありますが、営業利益は、営業収益に附帯事業収益を加え、営業費用と附帯事業費用を差し引いたものでありまして、一番右側の中ほどに記載しておりますとおり5億6、500万円余となっております。経常利益は、この営業利益に財務収益と財務費用との差額及び事業外収益と事業外費用との差額を合計した、これも右側の下線を付しました8、000万円余を加えたもので6億4、600万円余となっております。当年度純利益は、この経常利益に、会計制度の見直しに伴い生じた特別利益と特別損失の差額であります右側の下線を付した1億7、500万円余を加えたものでありまして8億2、200万円余であります。
また、当年度未処分利益剰余金は、純利益に前年度繰越利益剰余金200万円余と、その他未処分利益剰余金変動額の9億5、300万円余を加えたものであり、二重下線を付した17億7、800万円余であります。
次に、4ページをお開き願います。剰余金計算書でありますが、今度は表の左から3列目の借入資本金でありますが、これは、過年度に借り入れた企業債でありますけれども、会計制度の見直しに伴い借入資本金が廃止となりまして、全額負債に移行したことから、当年度末残高はゼロとなっております。
それから、剰余金のうち資本剰余金につきましても、同じく会計制度の見直しに伴い資本剰余金から大部分が繰延収益として負債に移行したことから、表の資本剰余金合計欄に記載のとおり、当年度末残高は800万円余となっております。
それから、剰余金のうち利益剰余金は、過年度に減災積立金などの五つの積立金に積み立てた額に、先ほど申し上げました当年度未処分利益剰余金を加えたものであり、利益剰余金合計欄に記載のとおり、当年度末残高は64億2、600万円余となっております。
それから、表の右から2列目の評価差額等は、株式の時価評価差額で45億9、700万円余であり、資本金、剰余金を合わせました資本合計の当年度末残高は、一番右下にありますとおり385億7、900万円余となっております。
なお、5ページにあります剰余金処分計算書は、未処分利益剰余金の処分案と重複いたしますので、説明を省略させていただきます。
また、6ページ以降の貸借対照表、事業報告書、附属書類につきましても、説明は省略させていただきます。
次に、議案第47号平成26年度岩手県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについて御説明申し上げます。
恐れ入りますが、議案その3により御説明させていただきます。議案その3の1ページをお開き願います。
平成26年度岩手県電気事業会計の未処分利益剰余金17億7、865万5、289円のうち、まず、9億5、368万1、150円につきましては、これを資本金に組み入れるものでありますが、これは建設改良事業等の財源として平成26年度に取り崩しました減災積立金、建設改良積立金、それから、中小水力発電開発改良積立金、これらの合計額に相当する額であります。
また、4億5、270万3、139円を企業債の償還財源に充てるための減災積立金に、そして、3、900万円を環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金に、それから、3億3、327万1、000円を新たに創設した渇水準備積立金に、それぞれ積み立てようとするものであります。
電気事業会計に関する説明は以上でございます。
続きまして、恐れ入りますが、また、認定第15号平成26年度岩手県工業用水道事業会計決算の概要について御説明申し上げます。
認定第15号の資料の1ページをお開き願います。工業用水道事業の決算報告書でありますが、(1)収益的収入及び支出のうち、収入の第1款工業用水道事業収益は、表の右から3列目に記載のとおり、決算額が9億5、900万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項営業収益9億1、800万円余は、工業用水の給水料金収入等であります。
次に、支出の第1款工業用水道事業費用は、表の右から4列目に記載のとおり、決算額が8億4、700万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項営業費用6億9、800万円余は、工業用水道施設の給水業務及び管理運営に要した経費であり、第4項特別損失6、200万円余は、会計制度の見直しに伴い、退職給付引当金の不足額の一括引き当て分並びに昨年6月支給の期末・勤勉手当等のうち、平成25年度在職期間に係る支出相当額を合わせて4、600万円余、及び入畑ダム共有施設の一部譲渡に伴う国庫補助金返還額1、600万円余を合計した6、200万円余を計上したものであります。
次に、2ページをお開き願います。(2)資本的収入及び支出のうち、収入の第1款資本的収入は、表の右から3列目に記載のとおり、決算額が2億7、300万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項企業債2億4、200万円余は、工業用水道施設の改良工事に係る企業債の借り入れであります。
次に、支出の第1款資本的支出は、表の右から6列目に記載のとおり、決算額が10億6、500万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項改良費4億2、600万円余は、工業用水道施設の改良や更新に要した経費であり、第2項企業債償還金3億7、300万円余は、工業用水道施設の建設改良事業のため過年度に借り入れた企業債等に係る償還金であります。
第3項他会計からの長期借入金償還金2億6、500万円余は、一般会計等からの借入金の償還金であります。
なお、資本的収入額が資本的支出額に対し不足しておりますが、これも欄外に記載しておりますとおり、電気事業会計と同様に、過年度分損益勘定留保資金等で補填しております。
次に、3ページの損益計算書でありますが、電気事業会計と同様に、営業利益は、営業収益から営業費用を差し引いたものであり、一番右側の中ほどに記載のとおり1億7、200万円余となっております。経常利益は、この営業利益から財務収益と財務費用との差額及び事業外収益と事業外費用との差額を合計した、右側の下線を付した2、800万円余を減じたものであり1億4、300万円余となっております。
当年度純利益は、この経常利益から会計制度の見直しに伴い生じた特別損失、右側下線の6、200万円余を減じたもので8、100万円余となっております。
また、当年度の未処分利益剰余金は、この純利益に前年度繰越利益剰余金2、800万円余を加えたものであり、二重下線を付した1億1、000万円余となっております。
次に、4ページをお開き願います。剰余金計算書でありますが、表の左から3列目の借入資本金は、過年度に借り入れた企業債でありますが、会計制度の見直しに伴い借入資本金が廃止となり、全額負債に移行したことから、当年度末残高はゼロとなっております。剰余金のうち資本剰余金につきましても、同じく会計制度の見直しに伴い大部分が繰延収益として負債に移行したことから、表の資本剰余金合計欄に記載のとおり、当年度末残高は4、800万円余となっております。
それから、剰余金のうち利益剰余金は、先ほど申し上げました当年度未処分利益剰余金と同額であり、表の利益剰余金合計欄に記載のとおり、当年度末の残高は1億1、000万円余となりまして、資本合計の当年度末の残高は、一番右下に記載のとおり32億6、200万円余となっております。
なお、5ページにあります剰余金処分計算書は、未処分利益剰余金の処分案と重複しますので、説明を省略させていただきます。
また、6ページ以降の貸借対照表、事業報告書、附属書類につきましても、説明は省略させていただきます。
次に、議案第48号平成26年度岩手県工業用水道事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについて御説明申し上げます。
また、恐れ入りますが、議案その3により御説明させていただきます。
議案その3の2ページをお開き願います。平成26年度岩手県工業用水道事業会計の未処分利益剰余金1億1、025万7、992円については、全額、企業債の償還財源に充てるための減災積立金に積み立てようとするものであります。
以上で、企業局関係の決算等について説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇郷右近浩委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木朋和委員 私から1点お伺いしたいと思います。企業局の地域貢献の具体的な内容についてお伺いしたいと思います。
企業局の事業は、電気事業と工業用水道事業が主な事業であると理解しておりますが、冒頭の説明で、地域貢献にも取り組んでいると説明がございました。企業局が行っている事業は、地域の皆さん方の理解、御協力があってこそだと思いますので、地域貢献は重要でありまして、エネルギー分野にとどまらず、幅広い分野での地域振興の取り組みが期待されているところであります。
そこで伺いますけれども、企業局が行っている地域貢献の具体的な内容はどのようなものか、また、岩手ならではの取り組みがあれば、お示しいただきたいと思います。
〇朝岡経営企画課長 企業局の地域貢献の取り組みでありますが、まず、企業局では、胆沢第二発電所や岩洞第一発電所など4発電所において発電用水と農業用水を共用してございまして、国のかんがい事業と共同で整備いたしました取水口や導水路等は、企業局が受託して維持管理を行っており、農繁期は、農業用水を優先しまして発電水量を調整するなどにより、地域における農業振興に寄与しております。
また、平成18年度から、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を活用いたしまして、市町村等に対しまして、公共施設への太陽光や風力などのクリーンエネルギーを活用した発電設備等の導入を支援しておりまして、平成26年度までに、82件に対しまして1億2、300万円余の交付をしてございます。
一例を挙げますと、公立病院駐車場へのソーラー照明灯の設置、仮設住宅敷地内への小型風力発電システムの設置、仮設住宅周辺へのLED街灯の設置などとなっております。
同じく積立金を活用した事業といたしまして、平成26年度までに、知事部局が実施する地球温暖化対策や環境保全等の延べ54事業に対しまして2億200万円余の繰り出しを行っているところです。
さらに、平成16年度からは、県内で開催される植樹活動に対しまして苗木等の提供を行っており、平成26年度までに、延べ148地区に対しまして、約5万4、000本の苗木を提供しております。このうち92地区に対しましては、延べ900人を超える企業局職員が参加してございます。
なお、全国26の公営電気事業者で構成する団体の調査結果によりますと、地域のクリーンエネルギーの導入支援を行っているのは本県など2県となっており、岩手ならではの取り組みであると考えております。
〇佐々木朋和委員 丁寧な御説明ありがとうございました。
今、天候の変動などによりまして、河川でも渇水があったりというところもありまして、そういった中で農業を優先していただいているということは大変心強いと思いましたし、また、植樹活動に、お金だけじゃなくて、みずからも参加をしていただいているということで、また、地域の皆さんと胸襟を開いて意見を交換する場があるということは、やはり事業を進めていく中でもいいことだと思っているところでありましたので、ぜひとも続けていただきたいと思います。
そのような中で、地域貢献の取り組みに対して、地元からどのような要望を今受けているのか、また、企業局では、それらをどのように評価して、今後どのように取り組んでいく考えなのか伺いたいと思います。
〇朝岡経営企画課長 地域貢献に対します要望と今後の取り組みについてでありますが、農業用水の供給につきましては、土地改良区から、必要な農業用水にあわせ、小まめな調整や安定供給を要請されているところでありまして、今後も引き続き、関係者と連絡を密にし、農業用水供給を優先した発電使用水量の調整に努めてまいります。
また、クリーンエネルギー導入支援事業については、市町村等にアンケート調査を行ったところ、補助対象設備の拡充や補助限度額、補助率の引き上げなどの要望があったところです。
これを受けまして、平成27年度は、蓄電池等を補助対象設備に追加するとともに、補助限度額についても、従来の300万円から500万円に引き上げ、また、いわて国体関連施設整備事業につきましても、東日本大震災津波関連事業と同様に補助率を引き上げるなど、内容の充実を図ったところでございます。この結果、今年度の応募件数は、昨年度を大きく上回っております。
さらに、植樹支援事業につきましては、利用者を対象に行いましたアンケート調査で、大部分の団体から、事業について満足しているとの回答をいただくとともに、支援事業の継続を望む声が多く寄せられているところでございます。
このようなことから、地域貢献の取り組みにつきましては、地域から歓迎され、かつ、農業を通じた地域振興や安全・安心なまちづくりにも貢献しているものと認識してございます。
今後とも、これまでの取り組みを継続していくとともに、クリーンエネルギー導入支援事業につきましては、補助対象事業の拡充に対する御意見もあり、また、被災地における震災復興の本格化に伴い、関係市町村等からの要望もふえることが見込まれますので、そうしたさまざまなニーズを踏まえながら、一層地域貢献に資するように、内容の充実を図っていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ありがとうございました。ぜひとも進めていただきたいと思います。
最後に局長に、やはりこういった黒字経営とともに、このような地域貢献についても今後とも進めていただきたいと思いますけれども、全体的な所見を伺って、終わりたいと思います。
〇菅原企業局長 ただいま地域貢献について経営企画課長が答弁したとおりでございますが、企業局では、10年間の長期経営方針を定めておりますけれども、その重視する5本の柱の中の一つに、この地域貢献というものを掲げておりまして、職員が総力を挙げて取り組むことにしております。
本業である電気あるいは工業用水の事業を通じて、住民の生活あるいは産業振興に取り組んでいくことはもちろんでございますが、地域の振興あるいは活性化の観点から、今後とも積極的に、クリーンエネルギーの導入促進を初めとして、環境保全活動の支援、あるいは東日本大震災津波からの復興とかふるさと振興、そういったものにも資するよう、内容の充実を図ってまいりたいと考えております。
〇渡辺幸貫委員 来年4月に実施される電気の小売業への参入全面自由化、電力の自由化は、競争原理を電力業界に求めるものですけれども、これに対して、企業局は、今後、売電方法について、広く購入者の入札等を行うように考えているかどうかを聞きたいんですね。
それで、今の状態ですと、発電事業者は、以前からやっている石炭、石油、天然ガスとか、非常用電源で大企業が持っているものとか、ガス会社がこれから大規模な火力発電を企画、運転しようと思っているところとか、私たち岩手県などは、特に企業局も北上市相去で38円80銭でやる大規模な太陽光発電のように、パネルがちょっと安くなってから、それを固定価格で買い取ったりされたら、私たちの電力料金に反映されたら嫌だなと思ったりして心が揺れるところなんですね。
ですから、企業局の大半は水力発電ですから、キロワットアワー当たり7円88銭でやれているのだということですから、これは、どういうふうに売るんだろうと。あくまでももうけ本位で、例えば通信業者とコンビニエンスストアが提携するとか、いろいろな動きの中に、こうして1円でももうけるように競争入札に俺は応じていくんだと企業局は考えていくのか、それとも、私のような素朴な人間に配慮して、やっぱり全体を考えながら売電して、長期的なものを、競争原理ばかり考えませんよと考えるのか、その辺をお答えいただきたいと思うんですね。
それで、ついでに監査委員にも聞きますけれども、電気事業会計の監査意見書の2ページの下のほうには、今言ったようなことで、電力の安定供給に努めて、経済発展と福祉の向上に寄与せいと書いてある。つまり1円でも安くやったらどうかと書いてありますけれども、一方では新しいエネルギーもやれと。そうすると電気料金が上がるわけですね。その辺がどちらなのか、その辺の立ち位置をひとつ教えていただきたいと思います。
〇菅原企業局長 まず、企業局の立ち位置でございますけれども、企業局は、地方公営企業でございますので、その使命である公共の福祉の増進という観点に立って、県内への電力の安定供給を第一に考えていきたいと思っておりますので、今、電力システム改革が国において順次進められようとしておりますけれども、それについては慎重に検討していきたいと思っております。
それから、具体的な入札をどう行うかという御質問でございますけれども、企業局は、現在、東北電力と平成22年度から31年度までの長期契約を締結しておりまして、国が定める規則に基づいた総括原価方式による価格で売電しております。
来年度から、全面自由化に伴いましてこの規則が撤廃されますけれども、東北電力との長期契約は残っておりますし、また、小売電気事業者の参入等の動向が不透明な状況にございます。そうしたことから、当面、平成28年度と平成29年度の2カ年につきましては、東北電力とこの総括原価方式に準じた形での電気料金の改定協議を進めることにしております。
その後における売電入札のあり方については、国がこの契約について中途解約のガイドラインというものを示してはおりますけれども、それがどこまで各公営電気事業者に求めているのか、あるいは他県の公営電気事業者がそれにどのように対応していくのか、そして、電力市場や小売電気事業者の参入の動向、そういったものを総合的に注視しながら、あくまでも県内への安定供給を第一に慎重に検討を進めていきたいと思っております。そういう意味で、料金単価につきましては、適正な原価と、それから、将来への投資に備える適正な事業報酬を基本にした料金で今後とも考えていきたいと思っております。
〇吉田監査委員 先ほどの委員の質問の中に答えがあったかと思いますけれども、いわゆる中長期的な安定供給と、それからもう一つ、収益確保の両立を図ってほしいという心情を記載したものでございます。
〇工藤誠委員 冒頭、局長も触れられましたけれども、高森高原風力発電所の建設についてお伺いしたいと思います。
企業局では、高森高原風力発電所の建設に取り組んでおられますけれども、発電出力、事業費とも大規模であり、県北地域の振興にとどまらず、本県の再生可能エネルギーの導入拡大、そして、電力自給率の向上につながるものと期待しております。
そこでお伺いいたしますが、まず1点目は、建設事業の進捗状況と今後のスケジュールはどうなっているのか、よろしくお願いします。
〇野崎発電所建設課長 まず、建設事業の進捗状況でございますが、高森高原風力発電所は、風力発電機11基、最大出力2万5、300キロワットの計画で平成29年11月の運転開始を目指して建設を進めており、これまで、一戸町、地域住民や建設用地の地権者に計画の説明を行いながら協議を進める一方、環境影響評価の手続を予定どおりに進めて、10月9日付で環境影響評価書の確定通知を受けてございます。
電力会社とは、平成27年1月に送電線への接続契約を締結しておりまして、現在、発電施設等の詳細設計を行っているところでございます。
次に、今後のスケジュールについてでございますが、今年度内に風力発電システム製作据えつけ工事の発注を行いまして、固定価格買取制度に係る設備認定を受けるとともに、風車の搬入に係る道路管理者との協議や建設用地の賃貸借契約に係る手続を進めまして、平成28年度の雪解けを待って現地工事に着手する予定でございます。
〇工藤誠委員 もう一点ですけれども、現在運転している稲庭高原風力発電所では、これまで落雷事故等が多く発生したと聞いております。それで、この高森高原風力発電所において11基ということでございますけれども、稲庭高原風力発電所の経験を踏まえまして、どのように工夫、改善をされているのか、そこをお伺いいたします。
〇野崎発電所建設課長 高森高原風力発電所におけます技術的な工夫、改善した点についてでございますけれども、まず、高森高原風力発電所における風力発電システムにつきましては、稲庭高原風力発電所での落雷被害や高森高原特有の丘陵地帯によります風向、風速が複雑に変化しやすいことを踏まえ、落雷対策と乱流対策の二つの対策をとることとしてございます。
まず、落雷対策についてでございますが、稲庭高原風力発電所では、落雷によりまして、機器故障や羽根の部分的破損が生じたことを踏まえまして、高森高原風力発電所に設置する風車は、風車メーカーの独自の落雷保護システムによりまして、直撃した雷電流を瞬時に地中へ逃がして機器を保護する仕組みとなっており、落雷による故障等の低減が期待できるものと考えてございます。
次に、乱流対策でございますが、風速が毎秒25メートル以上に達する強風時には風車が自動停止することは稲庭高原風力発電所と同様でございますが、さらに、高森高原風力発電所では、メーカーの乱流解析結果に基づきまして、風速毎秒25メートル未満であっても、特定の風向、風速が発生した場合には、風車の安全を図るために自動停止する運転方法を採用することとしてございます。
このように稲庭高原風力発電所の経験を踏まえまして、さらに工夫、改善して設備の保全対策を講じることにより、風力発電設備の安全性、信頼性が向上するものと考えてございます。
〇郷右近浩委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇郷右近浩委員長 質疑がないようでありますので、企業局関係の質疑をこれで終わります。
企業局の皆さんは御苦労さまでした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後6時29分 散 会

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