平成27年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成27年10月22日(木)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 菊 池   満
議事管理担当課長 渡 辺 謙 一
主任主査 中 村 佳 和
主任主査 藤 澤 壮 仁
主査 柳 原   悟
主査 田 内 慎 也
主査 菊 地 友 和
主査 菊 池   智
1説明員
知事 達 増 拓 也
副知事 千 葉 茂 樹
企画理事 齋 藤 淳 夫
会計管理者 紺 野 由 夫
出納指導監 田 中 耕 平

政策地域部長 大 平   尚
政策地域部副部長
兼政策推進室長
兼首席ふるさと
振興監 大 槻 英 毅
政策地域部副部長
兼地域振興室長 宮 野 孝 志

環境生活企画室
企画課長 小野寺 宏 和

保健福祉企画室
企画課長 小 川   修

商工企画室
企画課長 鈴 木 俊 昭

農林水産企画室
企画課長 中 村 善 光

県土整備部
副部長兼
県土整備企画室長 鈴 木 浩 之
県土整備企画室
企画課長 小 原 由 香

復興局長 中 村 一 郎
復興局副局長 大 友 宏 司

国体・障がい者
スポーツ大会局
副局長兼
総務課総括課長 小 友 善 衛

経営管理課
総括課長 小 原   勝

教育企画室
特命参事兼
企画課長 菊 池 正 勝

議会事務局長 杉 村   孝
次長 熊 谷 正 和
総務課総括課長 及 川   忠
政策調査課長 稲 葉   亘

総務部長 風 早 正 毅
副部長兼総務室長 佐 藤   博
総合防災室長 小 向 正 悟
総務室管理課長 藤 澤 良 志
入札課長 山 崎   隆
放射線影響
対策課長 松 本   淳
人事課総括課長 菊 池   透
財政課総括課長 熊 谷 泰 樹
法務学事課
総括課長 佐 藤 一 男
私学・情報
公開課長 千 葉 政 典
税務課総括課長 小 畑   真
管財課総括課長 猪久保 健 一
防災危機管理監 會 川 雅 行
防災消防課長 佐々木   哲
総務事務
センター所長 及 川 健 一

秘書広報室長 木 村 卓 也
副室長兼
首席調査監 保   和 衛
調査監 千 葉 幸 也
秘書課総括課長 八重樫 浩 文
秘書課管理課長 藤 本 さとえ
特命参事兼
行幸啓課長 蛇 口 秀 人
広聴広報課
総括課長 上和野 里 美
報道監 藤 澤   修

会計管理者兼
出納局長 紺 野 由 夫
出納指導監兼
出納局管理課長 田 中 耕 平
指導審査課長 千 葉 達 也

人事委員会
事務局長 佐 藤   新
職員課総括課長 坊 良 英 樹

監査委員 吉 田 政 司
監査委員 工 藤 洋 子
監査委員事務局長 菊 池   寛
監査第一課
総括課長 小 倉   茂
監査第二課
総括課長 村 上 博 和
〇郷右近浩委員長 これより本日の会議を開きます。
これより議事に入ります。
認定第1号から認定第15号まで並びに議案第47号及び議案第48号の以上17件を一括議題といたします。
本日は、昨日に引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部、秘書広報室、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
これより、昨日に引き続き、総括説明に対する総括質疑を行います。吉田敬子委員。
〔吉田敬子委員質問者席に着く〕
〇吉田敬子委員 無所属の吉田敬子です。
私からは、まずは、妊産婦支援、産前産後ケアについてお伺いいたします。
これまでの取り組み状況について、県では、平成15年7月に制定された次世代育成支援対策推進法に基づき行動計画を策定し、子育てに優しい環境づくりを推進してきました。また、平成27年4月にはいわての子どもを健やかに育む条例が施行され、基本計画であるいわて子どもプランのもと、妊産婦支援に取り組んでいるものと認識しています。母子保健事業の実施主体は市町村でありますが、妊産婦を取り巻く社会的、経済的な環境変化の大きさを踏まえれば、人材育成や市町村間の相互連携体制の整備など、全県的な取り組みが求められると私は考えています。
そこで、これまでの妊産婦に対するケアと、その担い手の人材育成について、県の取り組み状況並びに課題をどのように認識し、今後の施策を実施していくのか知事の考えをお伺いいたします。
〇達増知事 これまで、県におきましては、岩手県周産期医療情報ネットワークシステムいーはとーぶを構築しまして、産科医療機関と市町村の間での妊婦健診や産後うつスクリーニングなどの情報の共有化を図って、市町村においてはリスクの高い妊産婦に対して訪問指導を行うなど、関係機関が連携して支援を行う体制の整備を進めてきたところであります。
また、県では、市町村保健師や医療従事者を対象としました妊産婦のメンタルヘルスケアを中心とした母子保健従事者研修会でありますとか、産後うつ事例検討会を開催するなどしまして、妊産婦の支援を行う人材の資質の向上に努めてきたところであります。
一方、核家族化の進行等により、地域において妊産婦を支える力が弱くなってきていますことから、妊娠、出産、子育ての各ライフステージに応じた切れ目のない支援を行うことが課題となっています。このため、国では、市町村による妊娠期から子育て期にわたるまでの総合的な相談支援の充実を図ることとしておりまして、県といたしましても、引き続き、相談事業に従事する保健師等の資質の向上に努めるなどして市町村の取り組みを支援してまいります。
〇吉田敬子委員 これまでも、ほかの委員等から一般質問、また、総括質疑でも周産期医療体制について取り上げられてまいりました。その中で、医療体制、妊産婦のアクセス支援についてお伺いいたしますが、県内の産婦人科の医師数は、平成20年の97人から平成24年では98名と1名増加し、医師確保の取り組みが一定の成果を上げておりますが、広大な県土を抱える本県においては依然として地域による偏在が大きく、人口10万人当たりの医師数では、盛岡地区の51.7人から釜石地区の13.3人と大きな格差が生じております。
例えば、現在、岩手県内では、私の把握しているところでは、遠野市、二戸市、葛巻町、岩泉町の市町村で、域内に出産できる医療機関がないことから、域外等へ通院する妊産婦の交通費や宿泊費について助成を行っている事例があります。
そこで、域外への通院を余儀なくされている妊産婦に対してのアクセス支援は私は重要と考えていますが、岩手県全体としてこれに取り組んでいく必要があると思いますが、当局の所見を伺います。
〇千葉副知事 妊産婦のアクセス支援についてでございますけれども、本県では、分娩を取り扱う医療機関がない市町村が23ございまして、域外への通院を余儀なくされている妊産婦の便宜を図るため、今、委員からお示しがありましたように、四つの市町におきまして、妊産婦が健診や出産のため遠隔地の医療機関に移動する経費として支援している状況にございます。妊産婦のアクセス支援は、市町村におけます母子保健サービスを進める上での一つの課題と私どもも認識しているところでございます。
妊娠、出産に伴います健康診査や保健指導は市町村において母子保健事業として実施されておりまして、妊産婦のアクセス支援につきましても、その一環として、各地域の医療機関の状況や交通事情あるいは住民のニーズ等を踏まえて、当該市町村で今、実施されているものと承知しているところでございます。
先ほど、知事から御答弁いたしましたとおり、今後、総合的な支援という中で、県としてどのような分野で何を支援していくかについては、今後、さまざまな視点で研究していきたいと考えているところでございます。
〇吉田敬子委員 産婦人科医数は横ばいですけれども、今から助産師について取り上げますが、そういった医師不足の中でのアクセス支援というのも大事だと思いますので、ぜひ県全体として取り組んでいただきたいと思います。
次に、産婦人科医不足の中で、私は、産婦人科医を助けるためにも、助産師のスキルアップと役割の拡大が必要だと思っています。全国的に助産師が健診や保健指導を行う助産師外来や助産師だけでお産を扱う院内助産を実施する施設もふえており、核家族化や地域のつながりが薄くなり、産後鬱になる人や子供の虐待もふえている中で、助産師の役割は出産にとどまらなくなりつつあると私は思っています。
本県でも助産師などで構成されるまんまるママいわてという団体があります。その団体は産後ケアを精力的に行っていますが、産婦人科医が不足する現状を鑑みれば、妊産婦ケアの担い手として、助産師一人一人の能力向上を目指し、また、このような団体の取り組みを支援し、連携することが必要だと考えますが、当局の考えを伺います。
〇千葉副知事 助産師の能力向上等についてでございますけれども、本県におきましては、妊産婦の健康診断と保健指導を行います助産師外来は12病院で、病院内で助産師が主体となり、正常経過の分娩や育児相談などを行います院内助産が3病院で実施されてございまして、利用者は増加傾向にございます。
委員御指摘のとおり、助産師には、出産支援に加えまして、メンタルヘルス対策あるいは子育て支援などの役割も最近高まってきております。そういう役割も期待されておりますので、助産師の資質向上のための育成支援が非常に重要な課題と捉えております。
県におきましては、これまで、助産師外来や院内助産の推進あるいは産後鬱支援を含む広範な知識、技術を習得していただくための助産師研修会を岩手県看護協会に委託して実施してきたところでございます。
今後におきましては、今申し上げました子育て支援あるいは虐待など新しい課題にも対応できるように研修内容を見直しますほか、委員から今お話がございました、助産師の方々が中心になって妊産婦ケアに取り組んでいる団体からの参加もいただきながら、助産師の育成あるいは民間団体との連携について取り組んでまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 子育て支援の中で、妊産婦ケア、産前産後ケアの取り組みがとてもおくれていると思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
時間がないので、次に移ります。
これまでも取り上げてまいりましたが、ライフプランニングの支援についてお伺いいたします。
教育現場で平成27年度から高校生向けの保健体育資料が改訂され、安心して子供を産み育てられる社会の実現に向けて、男女がともにライフプランを考えること、今回は、妊娠には適齢期があること、及び不妊に悩む男女がふえていること等が新たに記述され、私は大変よい改訂だと考えています。
実効性あるライフプランニングのためにも、この改訂を踏まえ、これまで以上に充実したキャリア教育との連携した取り組みが欠かせないと考えていますが、知事の御所見をお伺いいたします。
〇達増知事 文部科学省が作成して高等学校1年生に配付している指導資料の中でライフプランについての記載が本年度新たに加わりまして、幸せな生涯を送るためには、男女の区別なく、自分たちの意思をしっかりと持ってライフプランを考えることの重要性が示されています。この新たに加えられたライフプランの記載内容は、内閣府による少子化社会対策大綱の策定が背景にありますが、その中では、安心して子供を産み育てられる社会の実現に向けて、保健学習によって妊娠、出産に関する正しい知識を身につけることや、育児休業制度や不利益取り扱いの禁止などの社会システムの紹介もしています。
教育委員会におきましては、高等教育等で主体的に人生計画を立て、決定する人生設計力を育むキャリア教育も進めているところでありまして、今後におきましても、委員御紹介の文部科学省資料などを十分に活用して、生徒一人一人のライフプランに対する関心を高める教育の充実に努めてまいります。
〇吉田敬子委員 次に、若者と女性の雇用環境についてお伺いいたします。
知事は、希望マニフェストにおいて、岩手に就職しよう推進協議会を設立し、官民挙げて県内就職を支援することを掲げていますが、県外に進学した若者に本県企業の魅力を伝え、特にも新卒時の県内就職を支援することが重要だと考えています。県外の学生にダイレクトに県内の就職情報提供がなされるよう、高卒時または成人式等の機会の活用、父母を通じた情報提供システムの構築など、これまで以上に市町村と連携した具体的な取り組みが必要と考えますが、これまでの県外学生に対する県内就職促進の取り組み実績と今後の取り組みについて知事に伺います。
〇達増知事 県では、ふるさといわて定住財団や市町村と連携して、就職面接会やU・Iターンフェアなどを開催しております。また、東京のUターンセンターでは、専任の職員を設置して、県内就職を希望する学生への相談対応や企業とのマッチング支援を実施しておりますほか、首都圏の大学での就職相談会への対応やU・Iターン情報の提供などを行っているところであります。
また、今年度、ジョブカフェいわてに新たに設置しましたU・Iターンサポートデスクでは、学生はもとより保護者向けにも相談や情報提供を行っているところでありまして、県内で開催される首都圏の大学の父母懇談会においても県内就職について説明を行っているところであります。
さらに、今般、経済団体や教育機関等との連携によります若者等の県内就職を促進するための全県的な推進体制の整備に要する経費を補正予算に盛り込んだところでありまして、これらの取り組みを通じて、市町村等と連携して、県外学生に対する県内就職の促進に努めてまいります。
〇吉田敬子委員 人口流出の多い時期が就職時期と重なっているので、私はそこに対する支援というのはもっと積極的にダイレクトにやっていくべきだと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
次に、アパレル関連産業の振興についてお伺いいたします。
これまでも取り上げてまいりましたが、特に若者や女性の関心が高く、かつ雇用の裾野が広いアパレル関連産業の振興については、現在は二戸地域の取り組みが盛んでありますが、平成22年度から開催されているいわてアパレル企業ビジネスマッチングフォーラム、私もずっと参加させていただいていますが、ことしは10月1日に初めて東京で開催され、首都圏、関西などから42社の参加があるなど、大変盛況であったと私は思っています。
若者、女性の関心の高さ、雇用の裾野の広さを考えれば、県全体でアパレル関連産業の振興に取り組むことで、県内での若者の就職促進、二戸、県北地域におけるアパレル関連産業における人手不足の解消に一層の効果があると考えていますが、御所見をお伺いいたします。
〇千葉副知事 アパレル関連産業の振興についてでございますけれども、本県のアパレル関連を含みます繊維工業は、平成26年の国の調査によりますと、事業所数は177、従業員数は4、894人となっておりまして、地域に根差し、若者や女性の雇用を初め、地域経済に一定の貢献をしている産業であると認識しております。
これまで、県におきましては、首都圏のメーカーとのマッチング商談会を初めといたしまして、県北で開催いたしましたファッションショーや縫製技術研修会の開催などの支援を行っておりますほか、本年7月には学校法人文化学園との連携協定を締結したところでありまして、業界では6月に北いわてアパレル産業振興会が設立されるなど、本県のアパレル産業のブランド化の推進を図ってきているところでございます。
今後におきましても、県北地域を初めといたしますアパレル産業の集積を生かしながら、その高い縫製技術をもとにいたしまして、トップブランド等との取引拡大に向け、事業者相互の連携や、あるいは共同事業の展開など、若者、女性の活躍の場としての可能性も見据えながら、関係機関とも連携してアパレル産業の振興に取り組んでまいりたいと考えております。
今までどちらかと申しますと県北広域振興局が中心になってやってまいりましたが、今申し上げたような政策の方向性もございますので、これから本庁での機能の強化についても検討していきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 盛岡広域にも結構アパレル関連産業の企業がありまして、そういった方々も大変二戸地域の活動を注視されているという声を私もいろいろ聞いています。これからの時代、若い人たちの雇用をまずきちんとやっていかなければいけないと思いますので、私は、その可能性のあるアパレル関連産業に県全体で取り組みながら、先ほどの妊産婦、産前産後ケアについてもぜひ県として積極的に取り組んでいっていただきたいと思っておりますが、最後に知事の御所見を伺って終わりたいと思います。
〇達増知事 アパレル関連につきましては、私も7月に文化学園を訪問し、改めて、服飾というものがデザインという文化から始まり、そして経済、産業にも発展し、また、生活という分野にも展開し、さらには、国際交流でありますとか、非常にスケールの大きな地域振興にもつながっていくものだということを感じまして、岩手県にアパレルの産業面での強みがあり、非常に可能性がある分野ということを改めて感じたところであります。
また、若者、女性が大いに活躍する分野でもありますので、岩手の若者、女性にもアパレルの分野で大いに活躍していただきたい。それを県としても支援したいと思いますし、また、出産支援、また子育て支援、そういったところでも支えていきたいと思います。
〇吉田敬子委員 ぜひどうぞよろしくお願いいたします。
終わります。ありがとうございました。
〇郷右近浩委員長 次に、臼澤勉委員。
〔臼澤勉委員質問者席に着く〕
〇臼澤勉委員 無所属の臼澤勉でございます。
平成26年度の決算審査に当たり、初めに、教育費に関してお尋ねいたします。
平成26年度の教育費の決算額は約1、434億円で、前年度比で1.3%の増となっております。私が県に採用された翌年の平成3年に工藤県政が誕生いたしました。教育立県を掲げた工藤知事は、教育は、一人一人の幸せのためにも、地域づくりや社会の発展のためにも、その基本になる極めて重要なものと述べられておりました。人口減少社会を迎え、25年後には本県の人口が93万8、000人、高齢者の割合も約4割弱になることが見込まれる岩手の姿を想像したときに、生きる力を備えた未来の社会を担う人材育成、教育への取り組みが最も重要な施策であると私も考えます。地方教育行政制度の改革により、総合教育会議の設置や教育大綱の策定など、知事と教育委員会との連携がさらに重要となります。
そこで、ふるさと岩手の未来を担う人材育成と教育に対する理念について知事の思いをお伺いいたします。
〇達増知事 先般の知事選に当たりまして発表したマニフェストにおいては、本県の教育の重要性への思いを込めまして、県勢発展のかなめは人、人がつくる岩手、人をつくる岩手というふうに掲げたところであります。
人材の育成に当たっては、初等中等教育から高等教育、そして社会人教育まで、県民個々のライフステージに応じた多様な学びの機会が確保されることが重要であります。特に学校教育においては、岩手の子供たちがグローバル化や情報化の急速な進展など変化の激しい社会を生き抜いていくために、子供たち一人一人が確かな学力、豊かな心、健やかな体の知、徳、体をバランスよく身につけることが大切であります。
このような考えのもとに本県の学校教育の充実に努めるとともに、大学や産業界などとの連携を一層深めながら、この岩手の地で、それぞれの地域、岩手全体、そして日本の未来を担うような人材を育んでいきたいと思います。
〇臼澤勉委員 知育、徳育、体育、情操教育を含めた力強い人材育成に取り組んでいただければと思います。
次に、いじめ予防の環境整備についてお伺いいたします。
県では、いじめや不登校など生徒指導上の課題解決に向けた取り組みとして、平成26年度に約300万円の予算措置をし、いじめ問題総合対策事業に取り組んでおります。教育関係者は、いじめは常に起こり得るとの前提に立った上で、重大事態にならない予防対策が何よりも重要と考えます。震災後、10分の10の国庫事業となった緊急スクールカウンセラー等派遣事業により臨床心理士やカウンセラーが93名配置され、週1回程度、生徒のカウンセリングや教職員、保護者への支援、助言を行っているほか、6名の方が非常勤職員のスクールサポーターとして活動されております。
早期にいじめの芽を発見し、教員や子供たちに寄り添って相談に対応できる仕組みが必要であることから、カウンセラー等の充実のほか、民生委員や福祉部門との情報共有と連携がさらに重要であると考えますが、現在のこれらの課題を踏まえて、総合教育会議を主宰される知事の考えをお伺いいたします。
〇達増知事 矢巾町で発生した自殺事案におきましては、7月26日にまとめられた学校調査で、昨年来、当該生徒から発せられていたサインに対して、学校全体としての情報の共有と組織的な対応に大きな課題があったことが明らかになっています。県といたしましては、このような痛ましい事案の再発防止に向けて、総合教育会議における協議を踏まえて、できる限りの努力をしていくこととしております。
今定例会において議決していただいた岩手県いじめ問題対策連絡協議会条例は、本県におけるいじめの防止等に関係する機関及び団体の連携の強化を図ることを大きな目的としておりまして、委員御指摘の福祉部門との連携や情報共有についてもその大きな役割を担うものであります。
児童生徒がこれまで以上に安全・安心な学校生活を送るために、スクールカウンセラー等の充実や、学校と教育委員会、関係機関等との連携の強化を図りながらいじめ予防に力を入れてまいりたいと思います。
〇臼澤勉委員 そういったいろいろな専門家の配置も重要でございますが、何よりもやはり学校現場で携わっている先生方、教育現場と地域との連携、そういった部分をしっかりとサポートして取り組んでいっていただければと思います。
次に移ります。
米政策についてお尋ねいたします。
お米は我々の主食であるとともに、県内農業産出額の約4分の1を占める基幹作物であります。一方、売る自由、つくる自由のもと、平成30年には生産調整が廃止されるなど、米政策は大きな岐路に立っております。県では、オリジナル米新品種の早期ブランド化を図る取り組みを進めておりますが、知事は、その戦略実践本部長でもあります。知事の米に対する思いと、県産米の目指す姿をどう認識されているのかお伺いいたします。
〇達増知事 米は、古くから日本人の主食として、命と暮らしを支え、そして豊かな文化を育んできた重要な作物であります。また、稲作を中心とする農業は、地域の基幹産業として地域経済の振興に大きな役割を果たすとともに、その生産活動を通じて地域コミュニティーを支えています。近年、食の多様化等によって米の消費が減少しているわけでありますが、米は依然として国民の主食として重要な役割を担うものであり、米を中心とした和食文化への関心も高まり、評価が見直されているところがございます。
本県では、全販売農家の約75%が米を生産し、そして、農業産出額全体の約25%を占める基幹作物でありますので、稲作の振興は農業・農村全体の振興につながりますことから、この考えのもと、オリジナル新品種を核とした県産米の評価向上の取り組みを強化するなど、全国トップクラスの米産地の形成を目指してまいります。
〇臼澤勉委員 今お話ありましたとおり、お米は日本の文化でもあり、そして、水田は、非常に国土保全、環境保全、多面的な機能を有しております。衰退することのないようにしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
その上で、米の販売戦略についてお伺いいたします。
平成7年当時もガット・ウルグアイ・ラウンド交渉による外国産米の輸入、食管制度から新食糧法に制度改正される中、オリジナル品種ゆめさんさ、かけはしを重点に置きながら販売戦略を展開してまいりました。私もお米ブラザーズの一員として、当時の岩手県経済連と緊密な連携を図り、体を張って積極的なPRに取り組んできたものと自負しております。しかし、ゆめさんさは、現在では生産されていない状況にあります。また、かけはしも、酒米を含め一部で生産されているのみとなっております。
一方、TPP交渉の大筋合意を受け、県では対策本部を設置しましたが、特にもお米は、供給過剰な国内状況の中、市場価格への影響が懸念されるほか、全国的に特A米もふえ、産地間競争が一層激化しております。人口減少、消費者人口が減る中、農業を守る姿勢と海外展開を含めた攻めの姿勢も重要であります。
そこでお伺いいたします。過去の県のオリジナル品種ゆめさんさ、かけはしの検証結果をどのように捉え、今後の県産米の販売戦略をどう展開しようとしているのかお伺いいたします。
〇齋藤企画理事 県では、平成5年の大冷害を契機といたしまして、翌平成6年から冷害に強いオリジナル品種のかけはし、ゆめさんさ─御案内ありました品種でございますが─の生産を開始いたしまして、首都圏での取引先を確保しながら、かけはしにつきましては平成11年に約3、800ヘクタール、ゆめさんさにつきましては平成8年に約2、500ヘクタールまで作付を拡大したところであります。その後、米の需給が緩和いたしまして、産地間競争の激化や消費者ニーズの多様化などが進む中、かけはしについてはいもち病に弱い、また、ゆめさんさについては高温障害などの課題、こういったものが発生いたしまして、それぞれいわてっこあるいはひとめぼれなどの後継品種のほうに切りかえが進んだところでございます。
さらに、近年、高品質で食味がすぐれた米が求められるようになってきたことから、消費者等のニーズに対応した良食味米品種の生産とブランド化への取り組みが重要と考えまして、岩手オリジナル新品種の岩手107号と岩手118号の開発を進めてきたものであります。
今後、これら新品種を核にした県産米のブランド化を推進することとしておりまして、関係団体と連携し、食味計による分析を通じましておいしさの見える化等の情報発信やトップセールスの実施、消費者や実需者との交流を通じた結びつきの強化、さらには、県産米の消費拡大に向けて強力に取り組んでまいることとしております。
〇臼澤勉委員 やはり販路拡大がポイントになってくると思います。しっかりと消費者のニーズを捉えて、生産段階からそこら辺を踏まえた形での販路、そして、何よりも生産者の方々がしっかり希望を持って取り組めるように取り組んでいただければと思います。
次に、復興対策についてお伺いいたします。
被災者の住宅再建は着実に進んでおります。国や県当局を初め、県内外からの応援職員、ボランティアスタッフ、工事関係者等、多くの皆様方の御努力に改めて敬意を表したいと思います。
一方で、被災者の生活再建が進む中で新たな課題も生じております。例えば、昨日も小野寺委員からお話ありました、被災宅地の買い取りに伴い一時的な収入が発生したことによる介護利用料などが負担増となることや、内陸部に避難されている方々の住宅再建に関する意向の変化、さらには仮設住宅の集約化など、さまざまな課題を抱えております。
県は、被災地が抱えている新たな課題に対し、現状をどのように把握し、どのように取り組んでいるのか、国に対する県の取り組み状況もあわせてお伺いいたします。
〇中村復興局長 迅速な復興を実現するためには、市町村と県が連携を密にしながら、被災者に寄り添い、復興に向けた取り組みを一体的に進めていくことが重要であると考えております。このため、現地での復興推進本部会議の開催でありますとか、沿岸13市町村長で構成いたします復興期成同盟会への出席など、県と市町村との意見交換の場を通じて復興に向けた議論を重ねるとともに、県のほうから定期的に市町村を訪問いたしまして、直面する課題等の把握に努めております。
また、被災者の状況につきましても、生活支援相談員等による巡回相談でありますとか被災者相談支援センター等での相談対応のほか、復興に関する意識調査、復興ウォッチャー調査、被災事業所復興状況調査などを定期的に実施しておりまして、被災者の復興感などから課題の把握に努めております。
復興を進める上での課題の克服に向けましては、これまでも、本年6月に市町村と県が合同で復興財源確保について国に対する要望を行うなど、連携した取り組みを行っております。
今後におきましても、復興の進捗に伴って生じる新たな課題につきましては、その把握に努め、市町村と連携しながらその解決に当たってまいります。
〇臼澤勉委員 移転跡地の土地利用対策についてお伺いします。
被災市町村では、被災した宅地等を防災集団移転促進事業で買い取りを進めておりますが、買い取った宅地が点在しているほか、地盤沈下や排水施設等の破損等により、具体的な利活用を図る上で地盤のかさ上げ等の基盤整備が必要であり、維持管理や土地利用の観点から大きな課題となっております。市町村では、現在、土地利用計画を住民と話し合いながら構想を練っておりますが、絵を描いても、土地の集約化やその基盤整備の事業スキームが示されていない状況にあります。県は、今後どのような対応をお考えなのかお伺いします。
〇中村復興局長 これまで復興まちづくりを進めてまいりました市町村におきましては、被災者の一日も早い住まいの再建のため宅地の整備を進めてきたところでございますが、高台団地が完成してきたことに伴い、多くの地域で移転跡地の活用に向けた具体的な検討が始まっている状況でございます。
県では、復興交付金の効果促進事業に係る事例でありますとか、土地の活用に関する法令、留意点等を取りまとめて市町村に提供するなど、市町村が進める跡地活用計画策定の支援を行ってまいりました。
また、市町村、国、県、その他関係機関との間で先進的な事例や課題等の情報共有を図るとともに、共通の課題として出されていた、土地交換を行う際の不動産取得税でありますとか登録免許税を非課税とするように国に要望しているところであります。
県としては、引き続き積極的に市町村の跡地活用を支援してまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ありがとうございました。
以上で終わります。よろしくお願いいたします。
〇郷右近浩委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。
知事を初め、執行部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
これより各部局別の審査に入るわけでありますが、委員席の移動を行いますので、その間、暫時休憩いたします。各委員は一旦退室していただき、控室でお待ち願います。
午前10時37分 休 憩
午前11時2分 再開
〇佐々木茂光副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
これより各部局別の審査を行います。
質疑につきましては、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせのとおり、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑を行うこと、他の委員と重複した内容の質疑は極力避け、どうしても必要な場合には、関連質疑として短時間かつ簡潔に行うことを基本とすること、数値の確認のみの質疑や要望のみの発言は原則として行わないことについて御協力をお願いいたします。
また、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び執行部の答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
また、冒頭でも申し上げましたが、本日は、議会、総務部、秘書広報室、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるよう進行したいと思いますので、皆様方の御協力をお願いいたします。
最初に、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇杉村議会事務局長 平成26年度の議会関係の決算について御説明申し上げます。
便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、150ページをお開き願います。150ページから151ページにかけてでございますが、第1款議会費第1項議会費の支出済額は12億9、799万円余でございます。内訳でありますが、第1目議会費の支出済額は8億7、766万円余であり、これは、議員の報酬及び費用弁償等の議会運営に要した経費でございます。次に、第2目事務局費の支出済額は3億9、925万円余であり、これは、事務局職員33名分の人件費及び事務費等、事務局の管理運営に要した経費でございます。次に、150ページから153ページにかけてでございますが、第3目議員会館費の支出済額は2、107万円余であり、これは、議員会館の維持管理等の管理運営に要した経費でございます。
以上で議会関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願いいたします。
〇佐々木茂光副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 それでは、質問します。議会費の決算で不用額が801万円余となっていますが、この主な内容は何でしょうか。
〇杉村議会事務局長 不用額の主なものでございますが、まず、議会費の旅費が443万円余でございますが、これは2月定例会あるいは委員会調査等の議員への費用弁償等に不足が生じないよう予算を確保したものでございますが、精算した結果、見込みを下回ったものでございます。
次に、事務局費の旅費が51万円余、使用料及び賃借料が44万円余でありますが、これも委員会調査等に要する費用に不足が生じないよう予算を確保したものでございますが、議会費と同様、精算した結果、見込みを下回ったものでございます。
なお、今後は、適切な予算の要求、執行を行いまして、多額の不用残が生じないよう努めてまいりたいと存じます。
〇斉藤信委員 昨年度における県議会傍聴者の状況とこの間の推移はどうなっているでしょうか。傍聴者アンケートの県議会に対する主な意見、要望とそれへの対応はどうなっているでしょうか。
〇杉村議会事務局長 平成26年度における本会議及び委員会の傍聴者の状況についてでございますが、延べ1、150名、定例会ごとの内訳といたしましては、6月定例会293名、9月定例会283名、12月定例会219名、2月定例会355名となっております。
また、傍聴者の推移でございますが、平成23年度992名、平成24年度1、194名、平成25年度848名となっており、平成26年度を平成25年度と比較すれば、年間で302名の増となっております。
次に、傍聴者アンケートについてでありますが、このアンケートは、平成26年6月定例会から、開かれた県議会に生かすことを目的として実施しており、平成27年6月定例会までのアンケート結果を取りまとめたところでございますが、まず、議員に関することといたしましては、質問者の声がよく聞こえないときがあったとの意見がありましたことから、平成27年5月に本会議場の質問席のマイクを1本から2本に増設する工事を実施したところでございます。
また、事務局の対応に関することといたしまして、請願の受理番号がわからず、どの議案が何なのかわかりづらいとの意見がありましたことから、ことしの9月定例会から、傍聴者用資料に請願陳情審査報告書を添付するよう改善を図っております。
そのほか、議員に関することといたしましては、居眠りしている議員がいる、あるいは緊張感のなさそうな議員がいて残念といったような御意見、あるいは執行部に関することといたしましては、答弁がわかりにくく具体性に欠ける、答弁が聞き取りにくいなどの御意見、要望が寄せられたところであり、広聴広報会議への報告後に全議員及び執行部へ情報提供を行いまして、注意喚起を図ったところでございます。
〇斉藤信委員 これからも、やっぱり県民の声、傍聴者の声を我々は大事にして、日々、その議会の改革に努めていかなくてはならないと思います。
3番目は、県議会の海外行政視察の全国の実施状況についてお聞きします。実施していないところはどれだけか、実施していない理由は何なのか示してください。
〇杉村議会事務局長 海外行政視察の全国の実施状況についてでありますが、実施している都道府県は、震災前の平成21年度、平成22年度が19都道府県、平成23年度が11都県、平成24年度が14県、平成25年度が23道府県、平成26年度が27都道府県と、震災の影響により平成23年度は一旦減少したものの、その後は増加傾向にございます。
それから、平成26年度に全国で海外行政視察を実施しなかった県でございますけれども、全部で20府県ございます。その理由といたしましては、財政悪化や震災の影響による休止が本県を含めまして11府県、議員からの希望なしが8県、制度の見直し中が1県となっております。
〇斉藤信委員 全国で平成23年度は11県だったのが、だんだん震災の記憶が風化するのと相まって、全国も海外行政視察がふえてきたと。しかし、それでもまだ20府県が海外行政視察を実施していないと。
こういう中で、残念ながら、今度の改選された県議会は、議会運営委員会において海外行政視察の予算を計上することを決めました。私は極めて残念だと。
この4年間、岩手県議会は、東日本大震災からの復興のための経費に充てるため海外行政視察を休止してきたと思いますが、どれだけの経費削減になったでしょうか。
〇杉村議会事務局長 海外行政視察の休止による経費削減の状況でございます。
議員の海外行政視察につきましては、平成23年3月11日の東日本大震災津波発災に伴いまして、財源を復旧、復興に充てることを目的といたしまして、平成23年度から平成26年度まで休止したところでございます。
予算ベースでの削減額につきましては、平成19年に改正されました議員派遣の運用というものがございますが、これに基づく基準であります議員1人につき1任期中1回、90万円を限度とするということで試算した場合には、4年間で4、320万円の削減となります。
〇斉藤信委員 東日本大震災からの復旧、復興に充てるために、この4年間で4、320万円の経費を削減してきたと。今、東日本大震災津波からの復興は、まさに途上であり、これからがピークを迎える正念場ですよ。被災者は、今、ピーク時の半分以上が仮設暮らしです。私は、こういう中で被災県の岩手が海外行政視察を再開するというのは、県民の理解を得られないと思います。
同時に、全国20府県がやっていないときに、被災県が再開することはいかがなものかと。
さらに、政務活動費が各議員に支出されている。政務活動費で海外調査している議員もいるわけで、必要なら政務活動費を活用してやるべきだ、私はこういうことを議会運営委員会で指摘してきました。これは新聞でも報道されたので、私は、県民が大変驚き、怒りを持って受けたのではないかと思いますが、議会に声が届いていませんか。また、県庁に届いているということを聞いていませんか。
〇杉村議会事務局長 ただいまの県民の声でございますけれども、議会事務局宛てには、そういった御意見は来ておりません。
県については、広聴広報課で取りまとめていると思いますが、そちらは確認してございません。
〇斉藤信委員 関連して、私は昨年度の政務活動費の執行状況をお聞きしますが、昨年度の政務活動費の執行状況、未執行による返還額はどうなっているでしょうか。
政務活動費を活用した海外視察の状況、件数、そして、その費用額はどうなっているでしょうか。
〇杉村議会事務局長 平成26年度における政務活動費でございますけれども、議員45名に対しまして1億6、740万円を交付し、そのうち1億4、164万円余が執行され、2、575万円余が残余となったところでございます。
交付額に対する執行額の割合は84.6%となっておりまして、前年度より0.1ポイント増加しているところでございます。
返還額が生じた議員数は31人であり、交付対象議員45人に対する割合は68.9%となっております。
なお、1人当たりの執行額は314万円余となっており、交付額372万円から差し引いた返還額は57万円余となっております。
続きまして、平成26年度の政務活動費を活用いたしました海外視察についてでございますが、国際定期便の就航関連やILC誘致関連などの調査を目的といたしまして、台湾、アメリカ、スイスを訪問した実績が報告されております。
なお、海外視察に係る経費を充当した議員数は延べ20人でありまして、1人当たり20万円から50万円程度が充当されている状況でございます。
〇斉藤信委員 昨年度の政務活動費の実績を私は今聞きましたけれども、2、575万円が返還されて、実際に20人の方々が、これを使って海外視察、調査をしているわけですね。だから、政務活動費でできるのに、なぜ議会として海外行政視察を再開することを決めたか。これは県民から理解を得られないのではないかと思いますよ。特に県議会の海外行政視察というのは、県議会議員になれば任期中1回はできるという、いわゆる特権的な制度なんですよ。私は、そういう意味でも、政務活動費の実態から言っても、本当にこの問題は県民の理解を得られない、まさに汚点とも言うべきものではないかと。
これは事務局長に質問しても答えられないでしょうから、このことを指摘して、私の質問を終わります。
〇佐々木茂光副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木茂光副委員長 質疑がないようでありますので、議会関係の質疑をこれで終わります。
議会事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、総務部長に総務部関係の説明を求めます。
〇風早総務部長 平成26年度決算の概要につきましては、昨日、会計管理者から説明がありましたので、私からは、歳入歳出の構造、歳入全般及び総務部関係の決算の内容について御説明申し上げます。
まず、歳入の構造につきまして御説明いたしますが、お手元の平成26年度歳入歳出決算説明書をごらんいただきたいと思います。
説明書の46ページをお開き願います。第3表一般会計の財源別収入状況でありますが、県税、地方交付税等の一般財源収入の決算額は、この表の一番上の行にありますように5、726億7、683万円余で、前年度に比べまして8億2、878万円、率にして0.1%の増となっております。また、国庫支出金、県債等の特定財源収入の決算額は、中ほどの行になりますが5、149億110万円余で、前年度に比べて712億7、469万円余、12.2%の減となっております。前年度と比較いたしまして減少した要因は、瓦れき処理に係る受託事業収入の減などにより、その他の区分で569億3、728万円余、16.6%の減となったことなどによるものであります。
次に、これら歳入の内容について御説明申し上げます。便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書によって御説明させていただきます。
事項別明細書の6ページをお開き願います。まず、第1款県税の収入済額は1、154億4、820万円余で、前年度に比べまして46億4、998万円余、率にして4.2%の増となっております。これは、円安や復興関連需要により法人事業税が増加したことなどによるものであります。また、調定額に対する収入済額の割合であります徴収率は98.0%で、前年度より0.4ポイントの増となっておりますが、収入未済額は21億6、352万円余と、前年度と比較して11.5%減少しております。この収入未済額の主なものは個人県民税でありますが、個人県民税は、市町村民税と合わせて賦課徴収することになっておりますので、関係市町村とより一層の連携を図りながら、その徴収に努めてまいります。
次に、18ページをお開き願います。第2款地方消費税清算金でありますが、これは、都道府県間の消費相当額に応じ清算を行うものでありまして、収入済額295億4、625万円余で、前年度と比較して21.2%の増となっております。
次に、20ページをお開き願います。第3款地方譲与税でありますが、収入済額269億5、128万円余で、前年度と比較して16.0%の増となっております。これは、地方法人特別譲与税の増などによるものであります。
次に、22ページをお開き願います。第4款地方特例交付金でありますが、収入済額2億8、098万円余で、前年度と比較して0.4%の増となっております。
次に、24ページをお開き願います。第5款地方交付税の収入済額は2、773億475万円余で、前年度と比較して2.7%の増となっております。
次に、26ページをお開き願います。第6款交通安全対策特別交付金は、収入済額4億473万円余となっており、前年度と比較して12.9%の減となっております。
次に、28ページをお開き願います。第7款分担金及び負担金の収入済額は29億7、496万円余で、前年度と比較して6.6%の減となっております。
次に、飛びまして、32ページをお開き願います。第8款使用料及び手数料の収入済額は58億7、134万円余で、前年度と比較して27.6%の増となっております。これは、高等学校の授業料の増などによるものであります。
次に、48ページまで進ませていただきます。第9款国庫支出金でありますが、収入済額は2、040億368万円余で、前年度と比較して6.8%の減となったものであります。これは、災害廃棄物処理促進事業費補助金の減などによるものであります。
以下、93ページまでは、今、御説明申し上げた国庫支出金の内訳となっております。
したがいまして、次に、94ページをお願いいたします。第10款財産収入でありますが、収入済額は15億4、142万円余で、前年度と比較して7.7%の減となっております。
次に、102ページをお開き願います。第11款寄附金でありますが、収入済額は10億386万円余で、前年度と比較して56.8%の減となっております。これは、農林水産業寄附金の減などによるものであります。
次に、104ページをお開き願います。第12款繰入金は1、025億7、373万円余で、前年度と比較して9.7%の増となっております。これは、東日本大震災復興交付金基金からの基金繰り入れの増などによるものであります。
次に、108ページをお開き願います。第13款繰越金ですが996億1、003万円余で、前年度と比較して9.5%の減となっております。
次に、110ページをお開き願います。第14款諸収入は、収入済額1、481億65万円余で、前年度と比較して28.7%の減となっております。これは、災害廃棄物緊急処理に係る受託事業収入の減などによるものであります。
続いて、144ページまで進ませていただきます。第15款県債でありますが、収入済額は719億6、202万円で、前年度と比較して17.2%の減となっております。
なお、平成26年度末の一般会計県債残高は1兆3、841億8、445万円となっております。
以上、款別に申し上げましたが、歳入の合計額は、148、149ページの表の一番下の行にございますとおり、予算現額1兆2、367億9、732万円余、調定額1兆1、131億6、041万円余、収入済額1兆875億7、794万円余となっており、収入済額は、前年度に比べ704億4、591万円余、6.1%の減となっております。
なお、不納欠損として処理したものは、県税及び県税に係る延滞金、加算金の地方税法の規定に基づく納入義務の消滅などによるものであります。
次に、歳出について御説明申し上げます。申しわけございません、先ほどの歳入歳出決算説明書にお戻りいただければと思います。
説明書の58ページ、第8表一般会計性質別経費の決算額と一般財源充当状況をお開き願います。
まず、歳出決算を性質別に申し上げます。左側の区分に従いまして、義務的経費につきましては、計の欄にありますように3、187億4、814万円余で、決算総額に占める割合である決算額構成比は32.4%、前年度より3.0ポイント増加、決算額は前年度と比較して2.4%の増となっております。
投資的経費につきましては、これも計の欄のとおり2、678億2、019万円で、構成比は27.3%、前年度よりも4.4ポイント減少、決算額は、災害復旧事業費の減少などにより、前年度と比較して20.2%の減となっております。
なお、今後の財政運営に当たっては、東日本大震災津波からの復旧、復興に係る事業については優先的に実施するとともに、財源が限られる中、全ての事務事業を精査し、いわて県民計画に掲げる希望郷いわての実現に向けた施策を着実に推進してまいります。
次に、総務部関係の決算について説明申し上げます。
最初に、総務部所管の事務事業に係る総括的な評価と、これを踏まえました次年度以降の取り組み方針について御説明申し上げます。
総務部におきましては、本格復興推進年における取り組みを強力に推進していくための基盤の確立に向け、あらゆる手段を講じて財源確保や人的資源の確保を図るなど、本格復興を推進する行財政運営に継続して取り組むとともに、着実な復興と、その先にある希望郷いわての実現に向けて、地域防災力の強化、原発放射線影響対策の推進、岩手県立大学における教育・研究の充実及び特色ある私立学校の支援を重点施策として一層の取り組みを推進してまいりました。
地域防災力の強化に関しましては、東日本大震災津波や頻発する大雨洪水災害などの教訓を踏まえ、防災知識の普及啓発に取り組むとともに、自主防災組織の育成強化や消防団活動の充実強化などを支援するほか、広域防災拠点への通信設備等の配備、御嶽山の噴火災害を踏まえた火山防災対策などに取り組んでまいりました。
原発放射線影響対策の推進に関しましては、放射線量監視の確実な実施や放射線量低減措置等に関する市町村への支援、消費者への情報発信による風評被害対策などの原発放射線影響対策を推進するとともに、原子力損害賠償紛争解決センターの仲介のもと、東京電力との和解を成立させるなど、賠償の実現に取り組んでまいりました。
岩手県立大学における教育・研究の充実に関しましては、公立大学法人岩手県立大学の自主的、自律的な運営を尊重し、経営の効率化を促しながら大学の運営を支援することにより、地域の中核人材を育成するため、運営費の一部を交付するほか、東日本大震災津波により被災した学生の就学支援に取り組んでまいりました。
特色ある私立学校の支援に関しましては、私立学校の教育水準の維持、向上を図り、特色ある教育を推進するため、私立学校の運営費補助や授業料等の負担軽減のための助成などの取り組みのほか、東日本大震災津波により被災した児童生徒等の就学支援や被災した学校等の経営支援に取り組んでまいりました。
これら以外におきましても、復旧、復興に向けた経費に多額の財源が必要となることから、県税収入等の歳入確保に取り組むとともに、政策の優先度に応じた事業の重点化による限られた財源の重点的かつ効率的な活用、膨大な復旧、復興業務を迅速かつ強力に推進するための体制整備と人材確保などに取り組んでまいりました。
総務部としては、各部局の取り組みが効果的かつ効率的に実施できるよう後方支援を行いつつ、防災等の部の重点施策を推進しながら、岩手県東日本大震災津波復興計画の着実な推進と、いわて県民計画に掲げる希望郷いわての実現に貢献してまいりたいと考えております。
続きまして、平成26年度総務部関係の決算につきまして御説明申し上げます。
最初に、一般会計についてでございますが、総務部の一般会計における支出済額の総額は1、979億7、281万円余であり、その概要については、歳入歳出決算事項別明細書の154ページから順次御説明申し上げます。
再び事項別明細書、分厚いほうの資料にお戻りいただければと思います。第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、総務部関係の支出済額は、備考欄にございますように20億1、494万円余でございますが、その主なものは、総務室などの管理運営費や県営建設工事の入札関係費、外部監査費でございます。
なお、今後、以下の説明におきましては、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
第2目人事管理費でございますが、その主なものは、職員の研修や退職手当、公務災害補償費のほか、県勢功労者顕彰などの各種表彰に要した経費でございます。156ページをお開き願います。第3目文書費でございますが、その主なものは、法規審査事務や文書の収受、発送、情報公開制度及び個人情報保護制度の推進に要した経費でございます。第4目財政管理費でございますが、その主なものは、予算編成事務等支援システムの運営経費や、財政調整基金、東日本大震災津波復興基金などの積立金でございます。158ページをお開き願います。第6目財産管理費でございますが、その主なものは、庁舎及び公舎の維持管理や、県有資産所在市町村交付金の交付に要した経費でございます。160ページをお開き願います。第8目県外事務所費は、東京事務所の管理運営経費、第9目公会堂費は、岩手県公会堂の管理運営及び施設整備に要した経費でございます。第10目恩給及び退職年金費は、恩給などの給付に要した経費でございます。第11目諸費のうち総務部関係は、備考欄にございますとおり410万円余でございますが、これらは、宗教法人の設立認証事務、公益法人の事務調整などの事務的経費でございます。
少し資料を飛びまして、166ページでございます。第3項徴税費第1目税務総務費でございますが、この主なものは、税務担当職員に係る人件費や県税の還付に要した経費でございます。第2目賦課徴収費でございますが、この主なものは、市町村への個人県民税徴収取扱費交付金などの賦課徴収に要した経費でございます。
また、少し飛びまして、174ページをお開き願います。第6項防災費第1目防災総務費でございますが、この主なものは、防災担当職員の人件費や防災ヘリコプターの管理運営、放射線影響対策に要した経費でございます。第2目消防指導費でございますが、この主なものは、産業保安業務の指導や消防学校の管理運営に要した経費でございます。
次に、大きく飛びまして、316ページをお開き願います。第10款教育費第1項教育総務費第4目教育指導費のうち総務部関係は、備考欄にございますように5万円余で、いじめ防止対策に要した経費でございます。
また、少し飛びまして、336ページをお開き願います。第8項大学費第1目大学費でございますが、これは、公立大学法人である岩手県立大学に対し、運営費を交付したものでございます。
第9項私立学校費第1目私立学校費でございますが、その主なものは、私立学校等に係る就学支援金交付金、運営費補助、被災児童生徒等就学支援事業費補助などの私学の振興に要した経費でございます。
また、少し飛びまして、350ページをお開き願います。第11款災害復旧費第6項教育施設災害復旧費第1目学校施設災害復旧費でございますが、総務部関係の支出済額は、備考欄にございますように3、350万円余で、東日本大震災津波で被災した私立学校等の災害復旧に要した経費でございます。
352ページをお開き願います。第12款公債費でございますが、総務部関係の支出額は、第1項公債費第1目元金1、142億9、650万円余のうち、県債償還元金1、131億7、743万円余及び県債管理基金積立金(元金)8億6、366万円余の合計1、140億4、110万円余、第2目利子170億9、495万円余、第3目公債諸費7、699万円余となっており、事務費を除いて、公債管理特別会計に対して繰り出しを行ったものでございます。
続きまして、354ページをお開き願います。第13款諸支出金でございますが、第4項地方消費税清算金につきましては、都道府県間での地方消費税の清算に要した経費でございます。
第5項利子割交付金から、356ページの第10項自動車取得税交付金までにつきましては、いずれも市町村に対しまして交付しました税関係の交付金でございます。
第11項利子割精算金につきましては、都道府県間での県民税利子割の精算に要した経費でございます。
358ページをお開き願います。第14款予備費でございますが、当初予算額3億円につきまして、第1款議会費を初め八つの款に、合計7、394万円余を充用いたしております。
以上で一般会計の御説明を終わらせていただきます。
続きまして、総務部の所管する特別会計について御説明申し上げます。歳入歳出決算事項別明細書の408ページから411ページをごらん願います。
408ページ、公債管理特別会計でございますが、収入済額及び支出済額の合計は、それぞれ2、424億7、041万円余であり、歳入の主なものは、一般会計繰入金、県債管理基金繰入金、借換債であり、歳出の主なものは、県債償還元金、県債償還利子、県債管理基金積立金でございます。
以上をもちまして、歳入歳出の構造、歳入の全般、そして、平成26年度総務部関係の決算についての御説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇佐々木茂光副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇軽石義則委員 私から大きく1点、県有財産の管理、処分について質問させていただきます。
売り払いの基準について、具体的にどのようなものを基準として売り払い、いわゆる売却をされているのかお示し願いたいと思います。例えば、対象物件の選定や計画的な実施をしているものなのかどうか。売却に係る、地域との連携などを含めて具体的にお示し願いたいと思います。
〇猪久保管財課総括課長 県有の未利用財産、資産の管理等についてのお尋ねでございますが、売り払いの基準につきましては、現在、県において利用していない資産、それから、今後、県が利用する見込みのない資産、さらには、県以外の者への貸し付けを行っていない資産、おおむねこの三つの基準で、該当する資産につきまして売却を行うこととしてございます。
これらの中から、土地の分筆ですとか、あるいは建物の解体など、条件整備の整ったものから売り払いを行っているということでございます。
〇軽石義則委員 市町村を含めて、地域とのそういうやりとりもあるのでしょうか。
〇猪久保管財課総括課長 地元市町村が主になるのですけれども、地元市町村の意向といいますか情報を密に聞いてございますので、そういう調整あるいは配慮といったものは、当然考えて対応しているところでございます。
〇軽石義則委員 連携はとっているということでありますし、情報提供も適切にされているものと思われますけれども、具体的にその売り払いをする際の方法、一般競争または随意契約という区分があるようですが、それらの判断はどのような基準をもってその割り振りをしているものなのか、そういう形に持っていっているのか、お示し願います。
〇猪久保管財課総括課長 売り払いの方法でございますが、県が公用または公共用として利用する予定のないいわゆる未利用資産につきましては、地域振興の観点から、まず、地元市町村への譲渡または交換を優先しているところでございます。
地元市町村の取得の意向がない場合につきましては、一般競争入札によりまして民間等に売り払いをするという方法になってございます。
〇軽石義則委員 等価交換等もあるという話ですけれども、その等価交換されたものなどについては、歳入歳出のところには出てくるのでしょうか。
〇猪久保管財課総括課長 等価交換でございますので、買い入れ、売り払いということで、そのように歳入歳出になってまいります。
〇軽石義則委員 少し具体的に見えるようなものがあれば後で示していただきたいと思いますけれども、やはり市町村が優先されて、その後、民間、一般にということのようですが、民間に優先をすることもあり得るのでしょうか。
〇猪久保管財課総括課長 物件によりましてケース・バイ・ケースというのはそのとおりでございますが、市町村をまずは優先するというのを基本に置いておりますので、ケース・バイ・ケースではございますが、基本はそういうふうに考えてございます。
〇軽石義則委員 平成26年度の売却実績を見ますと、国との部分もありますけれども、国とする場合はどういう形になるのでしょうか。
〇猪久保管財課総括課長 実際、国のほうとの財産の情報交換は、これも県が市町村と行う際と同様に、いろいろな資料の提供ということで国のほうから情報も参りますし、県からも情報を提供するということで、国の場合も、県、市町村と同じような対応としているところでございます。
〇軽石義則委員 それで、売却をした後、地域とのトラブルといいますか課題など、これまで発生したことはあるのでしょうか。また、平成26年度はそういう実績があったのでしょうか。
〇猪久保管財課総括課長 売却等に伴いますトラブルでございますが、承知しているところでは、大きなトラブルということは聞いていないところでございます。細かいものはさまざまあると思いますが、大きな部分については聞いてございません。
〇軽石義則委員 地域からも、大きいものでなくても、いろいろな課題は発生している可能性があると思われますので、しっかり情報収集することも加えてお願いしておきたいと思います。
財産管理をする上で、現在利用しているもの、未利用のものがまだあると思いますけれども、私の地元にも旧盛岡短大跡地がありまして、管理が、地域からも木や草、それらが支障になったり、通学路の近辺ですので、そういう意味では心配の声も多くあるのですが、地域からの要望というものは県にかなり寄せられていると思うのですが、具体的にどういうものがあるかお示し願います。
〇猪久保管財課総括課長 財産管理にかかわります地域からの要望でございますが、やはり今、委員がおっしゃったとおり、草木といいますか、雑草の刈り払いとかといったことが一番多い状況でございます。財産の維持管理ということで、そういった面につきましては、迅速に県のほうで対応させていただいておるところでございます。
〇軽石義則委員 迅速に対応をお願いしたいと思いますけれども、それぞれ市町村でも空き家対策ということで、非常に空き家の心配な問題が大きくなっているところでありまして、県有財産においても、やはり先ほどお話ししたようなところに、日ごろ人のいない、夜間はとても危険を感じる、そういう建物もあると思われます。それらについてのいわゆる撤去並びに売却の計画とか、優先順位もあると思いますが、それらの考え方があればお示し願いたいと思います。
〇猪久保管財課総括課長 そういう空き家で、かなり不安があるような物件につきましては、個別に、当然重点的に対策を講じておるところでございます。一般的には、周辺地域の生活環境ですとか防犯等におきまして悪影響を及ぼさないように、それらの資産ですとか周辺の状況に応じた適切な対応を行っているところが実態でございます。
〇軽石義則委員 やはり地域に心配を与えるような未利用財産であれば、適切に処分する、または撤去するという対応をしっかりと地域にも伝わるような形にしていただかなければ、不安は拭い去れないと思っておりますので、それらについてもさらに取り組みを進めていただければと思います。
現在、県で所有している未利用財産を金額に置きかえると、大体どのぐらい保有しているのでしょうか。
〇猪久保管財課総括課長 ちょっと今、手元にございませんので、後ほどお答えさせていただきます。
〇軽石義則委員 それで、今後、それら未利用財産を具体的にどのような形で整理をしていこうとしているのか。やはり総額なり状況把握をしていなければ、そういう計画性も出てこないと思いますし、地域、市町村から要望があった都度というのでは、やはり有効に活用できない未利用財産の部分になってくると思います。ぜひ、そのことも含めて、今後の計画や取り組み方針などについてあれば、お示し願いたいと思います。
〇猪久保管財課総括課長 未利用資産の活用につきましては、平成23年2月に策定してございますけれども、県有未利用資産等活用・処分方針を基本にいたしております。中身的には、県による有効利用、再利用という観点と、それから、先ほど来御説明申し上げている県が利用する予定のない資産の処分、それから、貸し付け中の資産の取り扱いですとか、あとは活用、処分計画を個別につくりまして、条件整備の仕方とか、そういうことを基本方針の中に盛り込んでございますけれども、加えまして、民間の専門家の方々からの情報収集ですとか、職員の資質向上のための研修等を実施いたしまして、庁内関係部局とも連携を図りながら未利用資産の処分を進めていきたいと考えてございます。
〇軽石義則委員 やはり未利用資産を持っていると、管理が当然かかってきておりますし、以前にも質疑を交わしておりますけれども、管理費というのは、やはり将来的に負荷になってくるものもあると思われますので、管理費と、いわゆる処分金額の差というものが具体的には県の損失につながっていくと思っております。
昨年度の実績の中で、累積管理費と、いわゆる処分額、これは当然あってしかるべきだと思うわけですけれども、具体的な全ての事例はいいのですが、重立ったところで、管理費がこれまで幾らかかって、幾らで売れて、その差額が幾らぐらいだというような状況把握をされているのであれば、お示し願いたいと思います。
〇猪久保管財課総括課長 管理費の件でございますけれども、管理費につきましては、草刈り、先ほど御説明させていただきましたが、そういった必要最小限の経費となってございます。その経費の具体的な額につきましては、少額であるということもございますが、ちょっとその詳細は把握しておらないところでございます。ただ、売り払いの金額との差額ということでは、全く少額ということで、そういうくらいの把握でございます。
先ほどのちょっと保留していた件を申し上げます。
総額でございますが、平成27年3月末現在の台帳価格で申しますと、土地69件で43億4、600万円余ということでございます。建物につきましても、31件、16億2、200万円余という数字でございます。
〇軽石義則委員 総額にすれば、かなり有効に使えるだろうと思われる財産があるわけでありますけれども、質疑の中でちょっとかみ合わないところもまだあって、さらに詳しく調べてから、またお聞きするし、お答えいただきたいと思いますが、部長に、最後、今後、やはりそれらを県の財産として有効にしっかり活用していかなければならないというところがあると思いますので、今後の取り組みなどについて、お考えがあればいただいて、終わります。
〇風早総務部長 今、御説明申し上げましたとおり、平成23年に県未利用資産活用・処分方針を策定いたしました。言わずもがなでございますが、県としても大変厳しい財政状況のもと、行財政運営の徹底した見直しをしていく中で、この未利用資産の活用、処分というのも非常に重要な課題と受けとめております。
それぞれの資産が置かれている地域での状況ですとか、御答弁申し上げましたが、市町村の御意見等もしっかり踏まえながら、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木茂光副委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時2分 休 憩
午後1時2分 再開
〇佐々木茂光副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇嵯峨壱朗委員 防災費にかかわってお尋ねしたいと思います。
水門、陸閘の自動閉鎖システム整備工事が行われることになっているわけですけれども、防災という観点で見たら、この間議論になった、例えば自動操作─レベル6、レベル5とかとありましたが、こういったものの選定を含めて、防災室としてはどうかかわっているのかということをお尋ねしたいと思います。
〇小向総合防災室長 水門、陸閘の自動制御システムにつきましては、東日本大震災津波におきまして多くの消防団員が犠牲になった。特に水門、陸閘の閉鎖作業中に48名もの消防団員が犠牲になった事実を踏まえまして、復興基本計画の中に遠隔化といったことが明記されたものでございます。その後、担当部でございます県土整備部を中心に検討されてきたところでございますけれども、総務部に対してもところどころで説明等があり、情報共有は図られてきたと認識しております。
〇嵯峨壱朗委員 そういったところどころでの情報のやりとりとか共有化ということで、このシステムをレベル6にしたい、全自動というか自動で遠隔操作するシステムに決定すること自体には、総合防災室として意見を述べるとか、何らかのかかわり、関与はなかったんですか。
〇小向総合防災室長 レベル云々の話というよりは全体のシステムの説明といった形がございまして、こういう県民の命、財産を守る大切なシステムの中で、安全かつ迅速、確実に閉鎖できるという観点が非常に重要だという部分も説明を受けております。また、我々も、いろいろな情報共有、意見交換をする中で、消防団活動という観点からは、自動制御をすることによって消防団活動の安全性が高まることはもちろんでありますけれども、水門、陸閘の操作を行う必要がなくなることから、時間的な面においてもプラスに作用するということで、消防団員が避難誘導等の活動に専念できる状況を生み出せることから、人命救助などの観点からも防災力が高まるものではないかというような意見を述べてございます。
〇嵯峨壱朗委員 遠隔操作でこういった水門、陸閘の閉鎖をするということ自体は大変すばらしいことだし、地元の市町村も歓迎している、それは大前提であります。そのやり方ということで、何人かの市町村の首長からも聞いてみたんですけれども、それによると、今回のシステムですと、一度に自動で水門を閉鎖するとなった場合、水門とか陸閘によっては、実際にその安全性─この間の質疑のやりとりでもありましたけれども─の確認がちょっと難しいんじゃないかという意見が多々あるようです。そうだと思うんですね。ですから、身近に現場で高いところから水門を見ながら、消防団員か常備消防かわかりませんけれども、見てオーケーだと、そして遠隔操作で落とすと。安全なところから見ながらというのが現実的ではないんでしょうかという意見があるんですよね。
そういったものを踏まえて、自動で一斉に220基でしたか、忘れましたけれども、それをやるというのはちょっと非現実的かなという気が……。安全性が確保されないんじゃないかなという不安を現場でも感じているようですけれども、その点はどう思われますか。
〇小向総合防災室長 他部局の個別の案件でございますので詳細にお答えすることはできかねる部分もございますけれども、委員御指摘の自動化の中での安全性につきましては、例えば挟み込み防止の設備であるとか、あるいはサイレン等の警報施設、あるいは逃げおくれた場合のための階段施設のようなもので十分安全は確保されるという形で聞いておるところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 何でこれを改めて聞いているかというと、この間の説明でもありましたけれども、自動で閉鎖することが行われない場合でもという説明をしていました。自動で遠隔操作、一斉に閉めるというレベル6のやり方でやった場合にも、自動で閉鎖することが行われなかった場合は、遠隔手動によりバックアップ操作が可能になるという説明をしているんですよね。その遠隔手動のところにかかわるのは何かというと、消防団なり常備消防なんですよ、想定しているのは。ですから、間違いなくかかわってくると思います。
実際に遠隔手動によりバックアップ操作をするためにどうやっているかというと、各市町村でそのための部屋をつくっているんだそうです。そして、そこで、常備消防だと思うんですけれども、何かあったとき、そして、その遠隔の自動操作が想定どおりいかなかった場合には手動で遠隔操作をするための部屋を各沿岸のところにつくっているやに聞いている。これも県の予算でつくっているそうです。
これは、今言ったとおり、陸閘、水門そのものの管理というか整備も含めて、県土整備部もしくは農林水産部が所管なんでしょうけれども、深くかかわっているようですよ。知っていましたか、それは。
〇小向総合防災室長 一般的に水門というものはいわゆる海岸施設の管理者が閉開の権限者であるという基本のもとに、例えば地元の市町村であるとか消防に委託が進んでいく中で、そういった作業を消防なりに担当していただいていることは認識しております。
〇嵯峨壱朗委員 何でこれを取り上げたかというと、私は、自動で完全に一斉に閉鎖するというのは防災的な観点から見て非現実的じゃないのかなと思っています。今言った、実際に自動でうまくいかなかった場合にやるのは、消防署にその部屋をつくっているんですよね。消防署というのは直接は総合防災室とかかわりはないんでしょうかね。どこから予算が行っているんだろう。県から来ているんですね、その操作する部屋をつくる予算は……、来るんだそうです。ということは、県土整備部から行っているのかな、消防署に、ということかな。どうなんですかね。
〇小向総合防災室長 いずれ、市町村なり消防なりのシステム整備ということでありますけれども、それにつきましては、今回の水門のシステム全体の中で県土整備部のほうからの予算としてやっているものではないかと思います。
〇嵯峨壱朗委員 そうですか。わかりましたけれども、ちょっと……、そうなのかなという気もしますけれども。
もう一点、何を言いたいかというと、こういった陸閘、水門の管理といえばそれまでですけれども、防災、安全性を含めてそういったものに深くかかわっているし、実際に、水門がこの間、危険性があるときには自動でとまるようなセンサーがついているんだと。とまった後、どうするんでしょうね。誰が閉めるんでしょう。例えば消防団なんでしょうかね。わからないけれども、いずれ密接に絡んでいると思うんです。そういった観点で、もっとそういった意見を、ただ単に共有するのではなくて、防災上から見た場合どうかとか、組織から見た場合、消防団まで含めて、もう少し関与してもいいんじゃないかという気がするんですけれどもね。聞いていましたというような話じゃなくて。
〇小向総合防災室長 いずれ、水門のこのシステムにつきましては、消防団員が多く犠牲になったという事実を踏まえて安全性という面が一番ということでございますし、また、先ほど申し上げましたとおり、こういったシステムによって消防団の皆さんの時間的な余裕の部分ができて、その分、避難活動等に従事できるというようなこともございます。
また、安全性につきましては、先ほど申し上げましたとおり、さまざまなセンサーであるとかサイレンであるとか、あるいはさまざまな広報あるいは防災教育といった部分で、地域住民の皆さんあるいは観光客の皆さんに対しても十分安全な措置をとるというようなシステムと聞いておりますので、消防という観点からしても現在のシステムで進めていると認識してございます。
〇嵯峨壱朗委員 平たく言うと、総合防災室としてはこれについてはほとんど関与していないということですね。そういった認識でいいですか。
〇風早総務部長 今、数度にわたり総合防災室長が答弁しておりますが、県民の安全・安心にかかわる非常に重要なシステムでありますが、あくまでも整備主体は県土整備部です。そしてまた、水門を閉める、閉めないと管理決定するのも、これもふくそうしてはいけませんので、今、御答弁申し上げたとおり、海岸の管理者でございます。当然これは県土整備部だったり農林水産部だったり、場合によっては市町村が管理している河川もあるかと思いますが。そして、実際に閉める主体について、それぞれの市町村の中で消防団とか常備消防に委託されているケースも当然あると認識しております。そういった観点で、これまでも我々、適時適切に連携してまいりまして、我がほうからは、これも説明申し上げたとおり、団員の安全性が当然高まるし、しかも避難誘導等の時間も─団員もかなり高齢化していますので─確保できるという観点で非常にメリットがあるのではないかとお伝えもしてきました。
そしてまた、委員御心配の今後の運用面に当たっても、当然、現場は市町村消防なり消防団が対応する面も出てきますので、そういった運用についても、引き続き県土整備等とも連携して対応していきたいと考えております。
〇千葉伝委員 嵯峨委員の関連ですけれども、このシステムは、機械に指示をして自動開閉する、こういうことなわけで、これが完全に全て稼動するという前提のもとでつくられるということですが、嵯峨委員が言っているのは、仮にふぐあいができたとか何かといった場合も想定しながらやる必要があるんじゃないか、こういう話だと思います。
私のほうで聞きたいのは、例えば、津波の来る前に当然地震があるわけです。地震で、前回の3.11のときはまず停電があったわけで、停電ということは、機械を動かす装置が本当に動くのかということでお聞きしたら、何だか自動発電装置も用意してあるということで、それは、停電したら、即、その自家発電ができるように動く、こういうことになっているんでしょうか。
〇風早総務部長 あくまでも整備の主体は県土整備部ですので、細かいところはさすがに総務部でお答えするわけにはいきません。ただ、重ねてでございますが、県土整備部が先般、質疑で御答弁申し上げたとおり、さまざまな安全対策を講じている。さらに今後も円滑な避難が実際に現場で行われるように、先ほどもこれは御答弁しましたが、さまざまなソフト対策等も通じてやっていくというお話がありました。そういう面には当然我がほうはかかわっていきますので、引き続き連携して対応していきたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 関連。この東日本大震災で大変大勢の殉職者を出しております。岩手県では常備消防が7人、警察職員が11人、そして赤ばんてん、いわゆる消防団が90人、殉職しているわけです。ちなみに、宮城県では常備消防が19人、警察職員が14人、そして赤ばんてんが83人。福島県は常備消防がゼロ、警察職員が5人、そして赤ばんてんが24人、こういう犠牲を出しているわけです。
そういう中で、消防団同士のいろいろな議論も行われてきたのが前の任期4年間だったと思っています。我々もそういう議論もしてきました。そういう中で、消防団同士の中の取り決めといいますか申し合わせといいますか、消防団員は緊急の場合に時間的にどこまで関与したらいいのかという議論もなってきたようでありまして、そういう中で、最初の15分はいわゆる義勇消防団としての働きをしよう、15分が経過したら自分自身の命を守る行動をしよう、そういうような報道があったところでありまして、これは消防団としては初めてのことだと思います。
そこで、忘れていけないのは、発災後に、北海道の奥尻町に調査団が行っていろいろ視察をしてきたようであります。そこで肝心なことを忘れておりますのは、奥尻の場合は、地震があって5分後に津波が来たということであります。それから、秋田県の男鹿水族館のあたりだったと思うんですが、遠足がありまして、水族館の岩場で子供たちがお昼を食べているとき地震が来て、そのときも15分後に津波が来て大勢の子供たちがさらわれてしまったわけです。これは日本海と太平洋の差があるのかもしれませんが、今回の東日本大震災であっても、もっと陸寄りの海底の震源であれば、45分とか50分とかそういうものではなくて、あるいは北海道奥尻のような5分であるとか秋田沖みたいな15分であるとか、そういうこともあり得ると思うんです。
その中で、消防団と皆さんが簡単におっしゃいますけれども、消防団員も家に帰れば一家の大黒柱、地域に帰れば地域のリーダーシップを持った方々でありまして、その消防団員に、自分の命まで捨てて県民あるいは市町村民のために尽くしてくれなんていうことは誰もそこまでは期待をしていないんですよ。ですから、やはりこういう場合は、瞬時に閉鎖できるものは閉鎖する、それが一番だと思います。万一とか、何かふぐあいがあった場合、それは当然機械でありますからあり得るかもしれませんが、それをしゃべっていたのでは全然前に進まない。
したがって、せっかく消防団を守ろう、地域を守ろうという議論を私たちも4年間でいろいろやってきましたし、消防自身もそういうふうになってきておりますので、まずは根っこを閉め切って安全を早く確保する、そこから始まるんだと思っていまして、私は今回のやり方を一日も早く進めていただきたい、このように思っておりますので、沿岸の消防団員の声も聞きながら、消防団員でありながら県民であって市町村民であるわけでありますので、そういうことも勘案していっていただきたいと思うんですが、部長にお伺いして終わります。
〇風早総務部長 あくまでやはり県民の安全・安心を守るのが一番でございます。その中には消防団員も含まれてくるのは当然でございます。そして、システムの整備は、どんなシステムでもやはりいろいろ懸念されることはあると思いますので、そういうことについてはもちろんさまざまな方策を協働しながら、当部としても対応できるところは連携しながら、引き続き運用等に当たっては考えていきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 私からは、大きく3点お伺いいたします。
まず最初に、歳入について何点かお伺いいたします。
決算の状況を見ますと、歳入の中でもやっぱり県税が安定的な収入源になると思いますし、また、それに伴って、いろいろな形でその背景を見ることもできるだろうと思います。震災の年の平成23年はかなり落ち込んだわけですけれども、それから徐々に震災前の水準まで取り戻して、昨年は、県税の中で、特にも事業税、そしてまた県民税が増加しております。
そういう中で、いわて県民計画実施状況報告書の評価の中で黒字になった企業がふえて事業税が増加していると言われておりますけれども、その事業税の背景、業種とかがわかるのであればお知らせ願いたいと思います。
〇小畑税務課総括課長 平成26年度の県税決算でございますけれども、法人事業税につきましては197億円ということで、平成25年度と比べて23億円ほどの増加となっているところでございます。
この要因といたしましては、復興関連需要等によりまして企業業績が回復したと考えているところでございまして、主な業種といたしましては、建設業ですとかそういったものが伸びているところでございます。
〇工藤勝博委員 実際、平成23年から復興関係のいろいろな形の事業者の皆さんが鋭意努力されたのだろうと思いますけれども、その背景にはいろいろな復興事業が増大したということもあろうかと思います。そういう中で各業者の皆さんの業績が上がったと。そういうことで要は税収もふえたと思いますけれども、税収のふえる要素がそういうことが起点だとすれば、今年度、あるいはまた復興予算がある程度少なくなった段階での税収というのも懸念、心配されるわけですけれども、その辺はどう見ていますかお聞きしたいと思います。
〇小畑税務課総括課長 将来の税収につきまして見通すというのは、経済状況等もございますので難しいと考えてございます。ただ、平成27年度におきましては、平成26年度決算よりも法人関係について増額ということで、今、見込んでいるところでございます。
〇工藤勝博委員 この事業税の増収ですけれども、多分平成25年度、平成26年度は復興事業でも相当数の県内事業者が関わったと思いますけれども、平成27年度─今年度の場合、大きな事業を見ますと、かなり県外の大手ゼネコンあるいは準ゼネコンが事業主体になっているところが見られます。その辺の関係で見ますと、平成26年度の決算というよりは平成27年度、平成28年度の決算にかなり私は影響するのではないかと考えますけれども、その辺の捉え方はどうなんでしょうか。
〇小畑税務課総括課長 今年度─平成27年度の法人事業税の動向でございますけれども、9月末現在の調定ベースで申しますと、ほぼ昨年並みというところでございます。今後、申告等出てくる企業もございますので、その辺を見てみたいと思っております。
〇工藤勝博委員 この事業税が増収になるということはやっぱり県内の経済力の一つの指針にもなるだろうと思いますし、県民税を多く納めるということは県民の力が備わるということだろうと思いますので、その辺、総務部で税収に結びつくようないろいろな事業をやっていただければと思います。
次に、きのうの岩崎友一委員の質問にありましたけれども、消費税の関係でお伺いいたします。
2014年4月から5.0%から8.0%に引き上げられたわけですけれども、安定した税収ということになれば、やっぱりこれも一つ大きな県の財源なのかと思います。消費税の引き上げにはいろいろな議論がありましたけれども、実際このように県のいろいろな事業で、社会保障なりいろいろな部分で活用されるということは、逆に県民ひとしくその恩恵を受けなければ豊かな暮らしに結びつかないと思いますけれども、消費税の税収、そしてまた、2017年に10%に引き上げられるということも既に計画されているわけですけれども、それらを含めて、この消費税の効果的な使い道をぜひともやっていただきたいと思いますけれども、再度お聞きしたいと思います。
〇熊谷財政課総括課長 平成26年度の地方消費税の収入額は298億円余でございまして、前年度と比較いたしまして48億円余の増収となってございます。このうち、地方消費税率引き上げ分は25億円余となってございます。
地方消費税の増収分につきましては、法の規定によりまして、社会保障施策に要する経費に充てることとされております。平成26年度は、国の社会保障改革として実施されました子ども・子育て支援の充実、医療保険制度の見直し、難病対策への対応、病床の機能分化、在宅医療の推進など社会保障の充実分として9億円、いわゆる高齢化の進展などに伴います義務負担の増額への対応など社会保障の安定化分として16億円を充当したところでございます。そういった形で社会保障のところにいわゆる充当をかけているところであります。
今後とも、そういった分野に地方税の分を充当いたしまして、適切な予算を編成してまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 次に、通告しておりました未利用資産の売却については、先ほど軽石委員が相当詳しく質疑いたしましたので、割愛させていただきます。
次に、収入未済額についてお伺いいたします。
県の監査意見書にもありますけれども、収入未済額がかなりの金額で年々記載されております。それらの未済額についてのこれからの取り組みといいますか、どういう形で減額させるのか。
一つは、先だって、県土整備部で県営住宅の未納者に対しての提訴をするということも議決されました。そういう困難を織りまぜた取り組みをしなければ、なかなかこの未済額も解消できないだろうと思いますけれども、それらの取り組みについてもお伺いいたします。
〇猪久保管財課総括課長 収入未済額の現状とその取り組みでございますが、平成26年度決算での収入未済額は、一般会計が253億2、529万円余、特別会計が22億4、651万円余、公営事業会計が5億5、943万円余、合わせまして281億3、124万円余となっておるところでございます。
一般会計のうち大きな割合を占めているのは、県境産廃不法投棄関係の事案に係ります収入未済が212億4、351万円余となっているところでございます。
県といたしましては、庁内に滞納債権を抱える部署の対策の連絡会議を持ってございまして、ここで所掌する滞納債権は、収入未済額が30億8、634万円余となってございます。
回収のための取り組みでございますけれども、収入未済額をまずは削減するという目的で、現在、第3次の県の滞納債権対策基本方針によりまして、債権回収の促進を初めといたしまして、債権管理の徹底、それから新規発生の抑制について取り組んでいるところでございます。
そのうち、債権回収の促進につきましては、回収目標を設定し、これを公表していくことで明らかにしていくということです。それから、債権回収会社への収納業務委託、プロの力をかりるという手法もとってございますし、庁内で債権回収のための強化月間を設定いたしまして─年2回でございますけれども、これらの取り組みを通じて促進を図っているところでございます。
〇工藤勝博委員 この未済額の内容を見ますと各部局にわたっている事業等もあるわけですけれども、それらの各部局に対する総務部としての指導といいますか、そういうものがもしあればお聞きしたいと思います。
〇猪久保管財課総括課長 先ほどの答弁でもちょっと触れさせていただきましたけれども、庁内の関係室課の連絡会議で、共通する課題ですとか取り組みの方針といいますか、そういった部分をワーキング的に検討していただきまして、マニュアル化をして債権回収に効果があるような具体的な取り組みをしてございますし、その会議等を通じまして、さまざまな成功事例とかも意見交換して回収促進に努めているところでございます。
〇工藤勝博委員 ぜひ強い気持ちで債権は回収していただいて、健全な財政に結びつくような形にしていただきたいと思います。
次に、防災力の強化ということでお伺いいたします。
一般質問でも防災危機管理とかいろいろな形で私、質問させていただきまして、県の取り組みには敬意を表したいと思います。
震災以降、被災地では、先日もお話がありましたけれども、どうしても公営住宅あるいは高台移転ということで従来の防災力が低下していると言われております。自主防災組織も、特にも沿岸、県北が組織率が少ないということもあります。いざというときの士気を向上するためにも、自主防災、あるいはまたその取り組み、これは当然、各市町村とも連携しながら取り組まなければならないだろうと思いますけれども、その辺の防災力の強化ということで、被災地を含めて今後の取り組みについてお伺いいたします。
〇小向総合防災室長 被災地における防災力強化の取り組みについてでございます。
ハード、ソフトさまざまな面があると存じますけれども、今、委員がおっしゃったとおり、ソフトの代表的なものとしては、やはり自主防災組織の活動といった部分。東日本大震災の際には、自主防災組織の活動が活発な地域では避難行動や避難所の運営が比較的円滑に行われたという経験を踏まえまして、こうした組織の結成、強化を県としても進めていかなければならないという認識に立っているものでございます。
このため、県におきましては、沿岸市町村に地域防災サポーターを派遣したり、あるいは研修会を開催するなどして、自主防災組織の結成に向けた機運の醸成やリーダーとなる人材の育成、そして、組織化後の自主防災組織による防災訓練やワークショップの開催への支援等、市町村と連携しながらの取り組みに努めていかなければならないと思っているところでございます。
また、東日本大震災津波では多くの方々が津波により亡くなられましたけれども、県民に市町村や自主防災組織が行う避難訓練に積極的に参加していただくことが何よりも実際の避難行動につながるという部分もございますので、そういった訓練への参加も促すなど、今後も、県民がみずからの身をみずからが守るという意識のもとに行動できるように県としても努めてまいりたいと存じます。
〇工藤勝博委員 そういう組織力も含めてやっぱり個々の意識も向上していかなければならないと思いますけれども、そういう中で、震災が時とともに風化しているんじゃないかという声も聞こえます。内陸に住む私にとっても、あってはならないといいますか、常にその思いを共有しながら、防災あるいはその風化にならないような取り組みが必要だろうと思いますけれども、その辺は、特にも小さいお子さんを含めて、どういう形で今後の風化を防ぐための取り組みをなされているのかお伺いしたいと思います。
〇小向総合防災室長 災害風化防止に係る取り組みということで、特に次世代の方々へということでございますけれども、県では、東日本大震災津波の教訓等を後世に伝えていくという意識のもと、岩手大学あるいは県の教育委員会と連携いたしまして、津波防災教育用記録集といったものを平成24年度に作成いたしまして、また、平成25年度には、地震、津波災害等を対象とした防災教育教材、いわゆるDVDの作成を行って県内の市町村等に配布したところでございまして、現在、授業でも活用されているところでございます。
これらの防災教育教材等を活用することで小中学生が正しい防災知識を習得することであるとか、あるいは小学生が教育を受けることによって、それもまた地域の中で連携しながら教育をすることで家庭での防災対策の実践や地域での避難訓練への参加といった具体の行動につなげていただきたいと考えているところでございます。
県では、今後もこうした岩手の復興教育と連携した防災教育の推進などを行いまして、県民への正しい防災知識の普及、徹底や防災意識の高揚を図り、意識や行動が地域に溶け込む防災文化として醸成していけるように取り組んでまいりたいと存じております。
〇工藤勝博委員 次に、最後になりますけれども、原発事故に伴う損害賠償の状況についてお伺いいたします。
農林水産物の賠償は、ほぼ90%近くの状況であります。請求額に対して90%の賠償が進んでおるわけですけれども、それ以外の市町村のいろいろな賠償の状況をお伺いしたいと思います。
〇松本放射線影響対策課長 東京電力に対します損害賠償請求の取り組みの状況でございますけれども、県と市町村でこれまで7次にわたりまして損害賠償の請求をしておりまして、現在まで、県分で106億7、000万円余、それから市町村、広域連合分で16億円ほど損害賠償請求をしているところでございます。そのうち、現在まで、県の分では、7次請求までのところで支払い率が63%、それから市町村、広域連合を含めましておおむね30%程度支払いがなされているところでございます。
〇工藤勝博委員 東京電力のほうも要求額に対していろいろ拒否をしているようなところも見受けられますけれども、和解案の中で、要は妥協したということだろうと思いますけれども、妥協するに至った経緯等がもしあればお知らせ願いたいと思います。
〇松本放射線影響対策課長 和解案の内容と概要でございますけれども、県では平成27年1月に和解したところでございますけれども、その和解の成立の割合が40.5%ということで、人件費を除きましてはほぼ全額和解に応じていただいたと。人件費分は、超過勤務分以外の正規の勤務時間分につきましては認めていただけなかったということで、その分が入りまして率が下がっているところでございます。
市町村につきましても、現在、関係団体を含めまして35団体が和解の申し立てをしているところでございまして、そのうち23団体、和解が成立しておりますけれども、傾向としては県と同様のものと聞いております。
〇工藤勝博委員 まだ残っている部分もあると伺っておりますけれども、平成27年度までの部分はどのような形で協議されているのかお伺いいたします。
〇松本放射線影響対策課長 現在、岩手県、それから市町村それぞれが東京電力と平成25年度分と平成26年度分の請求につきまして協議を進めているところでございます。今のところ東京電力から平成26年度分の支払いの方向について説明がなされたところでありまして、それを検討しながら、市町村の状況をよく確認して、市町村の御希望を伺いながら、これからどのように進めていくか検討していくという状況でございます。
〇工藤勝博委員 最後に、和解ということですので、相手もあるわけですが、強い主張で、できるだけ多くの被害を賠償してもらうように努めていただきたいと思います。
〇佐々木朋和委員 私からも大きく3点お伺いしたいと思います。
まず初めに、第8款大学費についてお伺いしたいと思います。
岩手県立大学の県内就職率向上についてお伺いしたいと思います。
平成26年度の主要施策に関する説明書117ページに平成26年度の岩手県立大学の県内就職率が44.5%、平成25年度に比して8.0ポイント増加となったと書いてありますけれども、学部別の成果と、県内就職率アップに向けた取り組みをどのように評価しているのかお伺いしたいと思いますし、その中で、あらかじめ数字をいただいておりましたけれども、社会福祉学部においては、前年度40%台だったのが63.7%の県内就職率になったということで、20ポイントほどアップしているということで評価したいと思っておりますが、この取り組みと、また、どのように評価しているのか伺いたいと思います。
〇藤澤総務室管理課長 岩手県立大学の就職率の増加についてでございますけれども、まず、看護学部につきましては、昨年度から県内の中規模病院の看護部長あるいは保健師、認定看護師等の先輩を講師としたセミナーを開催しておりまして、学生の県内病院への理解が高まったものと考えております。
それから、ソフトウェア情報学部につきましては、従来から県内の情報産業関係団体と連携して、企業と学生との交流の場いわて情報産業就職フォーラムを開催してきたことなどの成果があらわれたものと思っております。
それから、総合政策学部につきましては、学部教員が県内企業を積極的に回って開拓したことが挙げられると思います。
それから、お話のありました社会福祉学部は大幅にポイントが上がったわけですけれども、県内の福祉関係の職場の説明会であるとか個別相談会、あるいは就職ガイダンスの中で県内の福祉施設の魅力などを伝えるレクチャーを行っております。それから、福祉関係の県内の求人数が前年度と比べて20%ふえたこと、あるいは県内出身者が学部の中で10%ほど比率が高かったことなどが要因としては考えられるところでございます。
こうした成果につきましては、地元定着や地域の活力創出という県立大学の中期目標、中期計画に沿ったものということで、大いに貢献できたものと認識しております。
〇佐々木朋和委員 8.0ポイントアップしたということでありますけれども、まだ44.5%ですから、さらなる成果を期待したいところであります。
そういった中で、今年度、COCプラス─地(知)の拠点大学による地方創生推進事業というのが採択されまして動き出しているとお聞きしております。これは、岩手大学が中心となって、COCプラスに認定されて、また、参加大学として岩手県立大学もCOCの主体となって取り組んでいくということで、自治体や企業と一体となりながら、地域課題の解決や地元への就職率アップ、目標として10%アップということで、44.5%の県立大でしたら55.5%にアップしていくというのが目標であるとお聞きしておりますけれども、県としては、このCOCプラスまたはCOC事業の中で県立大にどのような役割を期待して、また、県としてどのようにかかわっていくのか伺いたいと思います。
〇藤澤総務室管理課長 岩手県立大学が今回取り組むCOCプラス事業についてでございますけれども、このCOCプラス事業等によりまして、ふるさといわて創造プロジェクトに今後5年間取り組むこととなっております。
その内容としては、若者の定住促進、雇用創出という観点から、経済団体と連携した地域企業の魅力の向上への取り組みであるとかインターンシップの強化、あるいは産学連携による共同研究の促進、学生のマーケティング活動等による地域特産品の販路拡大、あるいは、学部横断型の副専攻としまして、いわて創造教育プログラムを設置しまして、学生が県内の現場に出向いて地域課題を学ぶ科目、いわて創造学習などに取り組むこととしております。
県としましては、岩手県立大学において、関係する5大学で取り組むふるさといわて創造プロジェクトの推進役を担っていただきたいと考えておりますし、企業や業界団体と連携しながら、学生にとって魅力ある就職先の創出、開拓をする、地域が求める人材を養成し、地方創生に貢献していただきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 私としては、やはり県にも研究内容についてもしっかりと提案しながら、岩手も今、人口減少の大変な状況にありますので、その解決に向けて、いわて創造学習を活用しながら、しっかりと岩手の課題解決に向けても学生の皆さんにも力になっていただけるような誘導をしていただきたいと思っております。
その中で、学部の中ではソフトウェア情報学部の県内内定率が27.2%とまだ悪いということで、これはやはり県内にソフトウエアの雇用先が少ないということがありますから、しっかりとこの点について産官学一緒になりながら、就職先または起業というところについても力を入れていただきたいと思っているところです。
あとは、看護学部、社会福祉学部、ソフトウェア情報学部、総合政策学部がそろっている岩手県立大学においては、やはり人口減少社会において課題解決のためのイノベーションについても力を入れていただきたいと思っておりまして、例えば、介護事業者の中の労働生産性の向上でありますとか負担の軽減に社会福祉学部またはソフトウェア情報学部などが連携しながら取り組んでいただいたりとか、また、生活支援のシステムの構築でありますとか、そういったところも県に提案をしながら進めていただきたいと思っておりますけれども、御所見を伺いたいと思います。
〇藤澤総務室管理課長 今、委員から御指摘いただきましたけれども、ソフトウェア情報学部におきましては県外からの評価が高く、就職先は低い状況になっておりますけれども、今後もCOCプラスの取り組みなどによって県内定着率を高めていきたいと思っております。
それから、看護学部につきましては、岩手県立大学OBの方で県立病院に勤務されている方々から学生が話を聞く機会なども設けておりまして、より地域で活躍するということに目が向くような取り組みも進めております。
それから、福祉とソフトウェア情報学部の連携ですけれども、岩手県立大学はソフトウェア情報学部が非常に取り組みをしておりますので、福祉との連携という観点からも、共同研究などを行いまして県内定着につながるように進めてまいりたいと思います。
〇佐々木朋和委員 今、介護士は、社会福祉の関連ではなかなか仕事が大変だということでなり手も少なくなっている中で、学生みずからが労働環境というか生産性の向上であるとか負担軽減というのを提案しながら勉強していくというスタイルをとっていけば、今後、そういった業界についても希望を持っていけるんじゃないかという意味での提案でございましたので、ぜひとも考えていただきたいと思います。
もう一つ、今、報道によりますと、例えば、岩手大学が陸前高田市に拠点を設けるでありますとか、岩手県立大学が田野畑村に地域政策研究センターと村が一緒になって地域づくり大学を開講するというような報道もあったわけでありまして、地域学といいますかいわて創造教育プログラムというのを進めていく中で、やはり気になるのは大学がない地域についてであります。岩手県立大学の生徒に地域づくりに入っていただくと、高齢化が進む地域の中では大変な活力になるというお話も聞いております。そういった意味では、今後もぜひ拠点をふやしていったり、または、こういった教育プログラムを使って学校がないところにも出向いていく、またはオープンキャンパスを開くことによって県内ひとしく学生を募る取り組みをしたりということで、大学の地域にとらわれない活動をぜひともやっていただきたいと思うわけですけれども、御所見を伺いたいと思います。
〇藤澤総務室管理課長 ただいま委員から、岩手県立大学も地域に出向いて研究活動を進めるという御指摘がございました。先ほど申し上げましたいわて創造教育プログラムでもそういった取り組みがなされますし、また、今般、地方創生の取り組みの中で、岩手県立大学の地域政策研究センターという組織の中に地方創生支援チームを設けてございます。これは、市町村の地方創生の総合戦略の策定であるとか、あるいは策定した戦略に基づく事業の支援を岩手県立大学の先生方と一緒にやっていくということでございますので、そういった取り組みを通じて、大学のない地方においても岩手県立大学の研究等が生かされるように取り組んでまいりたいと思います。
〇佐々木朋和委員 大学がないような地方こそ新たな事業をやったり、また、NPOを立ち上げたりしたいといったときにもなかなか主体となれるような人材がいないのが現状であると思います。ぜひともそういった取り組みを広げていただいて、また、若い事業主体となれるような人材がないところには、岩手県立大学の生徒がそこで主体となって、また、仕事を得て地域で生活していけるような、そういった流れをつくっていただきたいと思います。
次に、第6款の防災費について伺いたいと思います。
消防団員の確保についてお伺いしたいと思います。
事前に資料をいただいておりましたけれども、平成27年4月1日現在で、消防団員は、条例定数2万6、030名に対して、今、県内では2万2、168名ということで、充足率は85.2%であるというデータをいただいておりました。市町村によっては、75%を切るところ、70%というところもあります。また、私も接しておりまして、人数以上に高齢化が進んでいるのを実感しているところでございまして、これは新たな団員の入会が不足しているのではないかと思われるところであります。高齢化、新入会員などの現状と、また、状況改善に向けて県ではどのように現状分析をしているのか、また、取り組みについてお伺いしたいと思います。
〇佐々木防災消防課長 消防団員の確保に向けた高齢化等の現状分析と取り組みについてでございます。
平均年齢のデータがございまして、平成21年4月1日現在で41.6歳でございました。5年後の平成26年4月1日現在では43.4歳と1.8歳上昇しております。年齢構成を見ますと、40歳代以上がほぼ横ばいという状況にあるのに対しまして、30歳代以下が約12%減という状況にございます。この世代の減がそのまま総団員数の減少につながっている状況にあるということでございます。
こういった状況を踏まえた取り組みでございますけれども、若者、女性消防団員の確保対策といたしまして、現在、県内2市町において、消防庁の事業を活用して、モデル事業といたしまして、若手団員によるワークショップでございますとか大学生への働きかけなどの取り組みを推進しているところでございます。県もこれらの取り組みの支援を行うとともに、事業成果の県内波及等に向けました取り組みを行うこととしているところでございます。
それ以外にも、市町村に対しまして、機能別分団ですとか機能別団員制度の導入、それから、安全対策の充実、若者、女性施策と連携いたしました取り組みの推進などについて助言等を行っているところでございまして、今後も、市町村はもとより、関係機関、庁内の関係部署とも連携を図りながら着実に取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
〇佐々木朋和委員 県内2市町で国の制度を使って行っているということは私も認識させていただいておりまして、この中で、消防団に入る、入らないについて、どうして入らないのかというようなアンケート調査を行っているとお聞きしておりまして、やはり現状を認識するということが大事なのではないかと思います。私は、県としても、これは全体の問題ですから、全域でアンケートを行うでありますとか、または、国の事業だけではなく県としても取り組むべきではないかと思っているところでありますし、機能別分団についても、私の地域でも合併して消防団員の出動する広さが広がっておりまして、一方では、機能を地域別にして、出動機会、関心のある部分についてやっていただくことも必要ではないかと思っているところでございます。そういった意味も含めて、そういったことの情報発信であるとか団員の確保に向けて県としても取り組んでいくべき、また、予算を確保してやっていくべきではないかと思いますけれども、御所見を伺いたいと思います。
〇佐々木防災消防課長 いろいろと御意見をいただきました。全国的にもたくさん優良事例もございます。ただ、岩手県に合うかどうかいろいろ見きわめる必要もあるかと思いますけれども、現状分析はしっかりさせていただいた上で、取り組めるものから来年度の予算に反映してまいりたいと考えてございます。
〇佐々木朋和委員 ありがとうございました。よろしくお願いしたいと思います。
次に、最後になりますけれども、岩手県ふるさと応援寄付についてお伺いしたいと思います。
いわゆるふるさと納税についてでありますけれども、平成26年度の県内市町村のふるさと納税額が前年比で1.7倍ということで5億552万円という結果が出ていると先日の報道でありました。これは、インターネットを通じたクレジット決済の導入などが原因とされております。そうやって伸びているのですが、一方で、仲介サイトの経費でありますとか特典の購入費もあって、寄附金はほとんど残らないとの意見もあります。
県は、このふるさと納税についてどのように分析をしているのか、また、岩手県で行っております岩手県ふるさと応援寄付の平成26年度の実績と震災後の推移をお示しいただきたいと思います。
〇小畑税務課総括課長 ふるさと納税についてのお尋ねでございますけれども、インターネットの仲介サイトの活用ですとか、あるいは返礼品の送付につきましては、それぞれの自治体の判断により行っているものでございます。市町村を中心といたしまして、地場産品のPRも兼ねて選定しているような自治体もあると聞いているところでございます。
県といたしましては、寄附金が有効に生かされるよう、募集に係る経費をできるだけ小さくすることに努めてございまして、他の自治体においても、費用対効果を踏まえて対応しているものと考えているところでございます。
ふるさと納税につきましては、当該寄附が経済的利益の無償の供与であることを踏まえ、返礼品の送付が前提となるような寄附の募集は慎むべきという総務省の見解も示されておりますので、各自治体は、その趣旨を踏まえて対応しているものと認識しているところでございます。
それから、県における平成26年度のふるさと納税の実績でございますけれども、金額で7、560万円余となってございまして、平成20年度の税制改正によってこの制度が導入されて以来、8億8、500万円余の寄附をいただいたところでございます。
推移でございますけれども、東日本大震災直後の平成23年度に4億4、900万円余の寄附をいただいた以降は、年々減少傾向にございます。しかしながら、現在においても、件数、額とも全国で上位にあるというような状況でございます。
県といたしましては、これまでマスコミ等を利用いたしました広報活動等によりまして、制度の周知と寄附の呼びかけを行っているところでございますので、引き続き積極的に取り組んでいきたいと思っております。
〇佐々木朋和委員 このふるさと納税については、収入という観点からというほかに、先ほど言っていただいていましたように、やっぱり地場産品のPRもしくは地場産品の消費のアップということもあるかと思っております。被災地を中心に、なかなか販路の拡大が課題だという中にありまして、私は、これを利用して、経費がかかっても地場産品をPRしていく、または消費を拡大させていくということは、一つの考え方であると思っているところであります。
その中で、県としても、岩手県ふるさと応援寄付について、いまだに上位であると言いながら、平成23年から平成24年にかけては51%、平成24年から平成25年にかけては50%、平成25年から平成26年にかけては66%というように、金額でも徐々に下がってきております。一度寄附していただいた方が、次の年寄附しなくなるということは、私はやはり何か原因があるのではないかと思っているところでありまして、この点についてどのように分析をされているのか、または、寄附していただいた方に何かしらのアプローチをしているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇小畑税務課総括課長 ふるさと納税の寄附をいただいた方に対しましてでございますけれども、現在、寄附をいただいた方に対しまして、お礼状にあわせまして、1万円以上寄附いただいた場合に、岩手県産株式会社の御協力のもとに、盛岡市と東京都のアンテナショップでお買い上げいただいた額の5%の割引券を送付しているところでございます。
本県におけるふるさと納税の実績ですけれども、いわての学び希望基金のほか、震災復興支援ですとか、人材育成、子育て支援等を目的として寄附をいただいているところでございまして、おおむね8割近くの方が、複数回にわたって寄附をいただいているという状況にございます。
県といたしましては、このふるさと納税の趣旨を踏まえまして、今後とも、制度の周知と、その寄附金の活用状況を丁寧にお知らせすることによりまして、継続的に寄附をいただけるよう取り組んでいきたいと思いますし、また、施策担当部局とも連携いたしまして、本県の魅力を積極的に情報発信できるように、そして、より多くの方に、また新たに多くの寄附をいただけるよう取り組んでいきたいと考えているところでございます。
〇千田美津子委員 ただいまの佐々木委員の消防団員の確保策について、関連して3点お尋ねいたします。
消防団の充足率が今85.2%ということで御紹介がありましたが、高いところで95.3%、それから、低いところで69.7%ということですが、この現状に対してどのように考えているのか、一つお伺いいたします。
それから、本当に消防団員の確保策に各市町村で大変苦労しているわけですが、待遇改善などが私は必要ではないかと思います。現在、報酬と出動手当等の県内の現状をどのように把握されているのか。
それから、3点目は、団員確保の上で事業所等の理解と協力が私は欠かせないと思うんですね。他県では、そういう点で税法上の減免をやっているとかさまざまあるようですが、その点を御紹介いただきたいと思います。
〇佐々木防災消防課長 充足率が低いということに関する所見ということでございますけれども、充足率は市町村で決めた定数でございますので、基本的にはその定数で運用するのが、各市町村で望ましい姿なのだろうと考えてございます。
したがいまして、この定数確保に向けた取り組みを各市町村でしていただきたいということ、それから、減少している現状もございますので、できるだけ現状よりも多くの消防団員を確保していただくことが、まずもって必要なのかなと考えてございます。
それから、消防団員の処遇の件でございますけれども、団員報酬、活動報酬は、市町村条例でその額が定められてございます。市町村の充足率の状況は、委員が先ほど御発言いただいたとおりでございますし、昨今、各種災害対応等で重要性が再認識されているということでございます。
それから、平成25年度末に、いわゆる消防団充実強化法が制定されたということもございます。そういった趣旨などを踏まえまして、交付税単価などを参考にしていただきまして、見直しを行うように、県としても、市町村防災消防担当課長会議等の機会を捉えて働きかけを行っているような状況にございます。
それから、事業者の協力と理解を得るための方策が必要ではないかという御発言がございました。本県におきましては、消防団員が所属する事業所の社会的評価や信頼性を高める取り組みということで、消防団協力事業所表示制度というもの、それから、入札における優遇制度が実施されているところでございます。
表示制度でございますけれども、市町村の認定を受けた事業者が、消防団協力事業所の表示証を社屋ですとかホームページ等で公開できるというような制度でございます。県内24の市町村で実施されておりまして、298事業所が認定されている状況にございます。
それから、入札における優遇制度ということでございますけれども、県営工事の建設工事入札資格審査におきまして、評価点に地域貢献点というものがございますが、そこに消防団員の雇用状況を反映させるということでございます。
このような取り組みにつきましては、県のほかに、県内6市町においても実施されているところでございます。
〇千田美津子委員 御答弁ありがとうございました。会議等で市町村に待遇改善等を要望していく、それはそれでいいのですが、やはり市町村が、それぞれ困難を抱えて悩んでいる状況の中で、県がもっと率先して示していく、対応していくことが求められているのではないかと私は思います。そういう点で、協力事業所等の表示は、それはそれでいいんですが、例えば他の県で、先ほども言いましたが、事業税の減免とかをやっているところがありますね。それらは、市町村単独ではできないことなので、ぜひ私は、県でそういう取り組みを検討すべきではないかと思いますので、その点。
それから、充足率は市町村が条例で定めているものですから、その確保に向けて頑張るのはそのとおりですけれども、ただ、この低い充足率を見たときに、市町村頑張れだけで、私は本当に今、災害がいろいろな形で起きている状況からすれば、市町村に、ただ頑張れだけでは済まないのではないかと思いますので、その点一つ。
それから、先ほど御紹介いただいた法律の交付によって、例えば出動手当が1回7、000円という基準で交付税措置がされているわけです。ただ、それに全く到達していない現状がありますので、やはりそれらは消防団員に届くような形で引き上げをさせる、そういう取り組みを県が率先してやっていく、指導していくことが求められるのではないかと私は思いますので、その点、もう一度お願いいたします。
〇佐々木茂光副委員長 関連質疑は、冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう御協力願います。
〇佐々木防災消防課長 まず、減税の件でございますけれども、現在、全国的に行っている県は2県ということでございます。直接的に事業者に金銭メリットがございますので、事業者にとっては魅力的な制度であると考えてございますけれども、実際に実施している県について、現在、事業効果を検証している段階と聞いてございます。
それから、実施時点で、現に消防団員を雇用している事業者の減税にとどまって、新たに被雇用者の入団意思を促すになかなか至っていないというような事例があるといった課題もあると聞いてございます。それから、減税に伴う収入減に見合うだけの効果をはかりかねているということで、なかなか足を踏み出せないという県もあると聞いてございますので、そういったもろもろのこと、それから、税の公平性といった観点も踏まえまして、慎重に検討すべきものと考えてございます。
それから、市町村の充足率ですとか処遇の改善等に関してでございますけれども、県で今年度アンケートをとりまして、いろいろな状況をお伺いいたしました。それぞれ各市町村によって悩んでいることがたくさんあると感じたところでございまして、その辺は、きめ細やかにその状況をお伺いしながら対応してまいりたいと考えてございます。
〇神崎浩之委員 事項別明細書175ページ、放射性物質除去・低減技術実証事業費について、1点お伺いいたします。
放射性物質の被害については、農林水産部においては、シイタケ、牛、それから川魚等に対応し、それから、道路の側溝土砂については環境生活部等で対応されています。それから、学校グラウンドの除染についても教育委員会等で、さまざまな部局でこの放射線対応はされているわけでありますけれども、まだまだ県南を中心に悩まされているところがあります。
そうした中で、総務部のこの事業について私は大変期待をしているものでありますけれども、どうも最近、行き詰まっているような心配をしておりますのでお聞きしたいと思います。
まず、そもそも、さまざまな部局がある中で、総務部が所管をしたきっかけ、それから、行き詰まっているようなところも感じますので、目的、そして、岩手県放射性物質除去・低減技術検討プロジェクトチームというのがあるのですが、この構成と役割について確認させてください。
〇松本放射線影響対策課長 放射性物質除去・低減技術実証事業についてでございますけれども、まず、事業の目的ということで、放射線影響対策に関します市町村の課題に対応するために、関係各部、それから、県の試験研究機関による検討チームを構成しまして、市町村と連携を図りながら、放射性物質の除去、低減に関する技術の情報収集や必要な実証試験等を実施しているものでございます。
ちなみに、平成26年度は、原木シイタケのほだ場の環境整備に関する技術や生活圏等の放射線量低減に関する技術を重点課題として取り組んだところでございます。
その検討チームの構成でございますけれども、県の関係部局と、それから、県の各試験研究機関を構成員として構成しているものでございます。
〇神崎浩之委員 これまで、平成24年度は5技術、それから、平成25年度は9技術、計14技術やられておりまして、そして、平成26年度について、どういう内容で取り組まれているのかをお伺いしたいと思います。平成26年度は550万円という予算でありますけれども、あわせて平成24年度、平成25年度の予算等についてもお知らせいただきまして、主なものでよろしいのですが、これまでの取り組みの実施内容と、それから、実際に市町村で採用された成果についてお伺いいたします。
〇松本放射線影響対策課長 平成26年度の事業でございますけれども、平成26年度は、原木シイタケのほだ場の環境整備に関する技術や生活圏等の放射線量の低減に関する技術を重点的課題として取り組んだところでございまして、具体的には、原木シイタケのほだ場の落葉層を効率的に除去する技術や放射線物質を含む廃棄物等の保管に関する技術の試験等を行いまして、その結果を市町村等に情報提供するとともに、県のホームページにおいて公開しているところでございます。
それから、平成25年度は、放射性セシウムを吸着して含水汚泥を減容化させる除染用土のうの試験、あるいは環境放射線モニターを用いた簡易測定法による放射性セシウムの濃度測定の実験をしたところでございます。
予算額につきましては、手元に資料がございませんけれども、おおむね800万円程度で推移していると考えているところでございます。
〇神崎浩之委員 実際に、一関市においても、ペレット化ということで減容化につながっている事例もあるということで、今後も期待しているわけですが、この事業名からいいますと放射性物質除去・低減技術ということなのですが、確かに減容化はされているのですけれども、セシウムの低減、このことについて非常に期待しているわけですが、この点についてはどういうふうに進んでいるのかお伺いしたいと思います。
〇松本放射線影響対策課長 セシウムの低減につきましては、これは、御案内のとおり半減期というものがございまして、基本的に、原子の種類によりますけれども、セシウム137であれば30年は半減しないということで、どこに移しても低減はしないということでございまして、固まっている場所から集めまして、安全な場所に保管して順次処分するというような対応しかとり得ないと認識しているところでございます。
〇神崎浩之委員 その低減というところに非常に期待しているわけですけれども、最後になりますが、これは部長にお聞きしたいというか、決意をお聞きするわけですが、いまだに県南のほうは非常に悩まされているのであります。農林系物質については、焼却のほうで時間はかかりますが進んでいるのですけれども、生活環境系というか、これは、ほかの部でまた聞きたいと思っておりますが、部長は環境生活部長もやられておりますし、そういう意味で、国との連携、それから企業とぜひ連携をしながら、何とかこの県南地方のセシウム、放射性物質の被害を迅速に解決していただきたいと思っております。
こういうことは、環境生活部のときにも部長も感じられたと思いますけれども、この事業を通して、その思いの決意を述べていただいて、終わりたいと思います。
〇風早総務部長 委員御指摘のとおり、まだまだ県内、県南を中心とした市町村におかれては、特に生活系の側溝汚泥ですとかといったものでさまざま御苦労、そしてまた、住民にも御心配等をおかけしている状況にあると強く認識しております。
それぞれ、これも御指摘いただいたとおりですが、やはり、例えば国において土壌等の基準を早く示していただくですとか、これは環境生活部が引き続き行っておりますが、そういったことに加えて、少しでも企業、民間のノウハウを使えないかというのがこの事業の趣旨でございます。
これまでも、低減させるというのは論理的にもなかなか難しいところもある中、さまざまな技術を生み出して一定の効果を上げてきているところでございますが、引き続き、市町村の状況等も踏まえながら、よく寄り添う形で、低減に向けて関係部とも連携して対応していきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 6款の防災費のうち消防指導費に関係してお伺いしたいと思います。常備消防、女性消防士の確保と人材育成についてですけれども、県はどのようにかかわってきたのかということをお伺いしたいわけです。
女性消防士の活動は、救急の場面でも、安心感を与えるとか信頼感を持っているということで非常に期待されておりますし、活発に活動されております。それから、消防の啓発活動などにおいても、本当に効果を上げていると私は認識しているんですけれども、あらゆる職場で女性の登用を進めていかなければならない、そういう時代なわけですが、女性の消防士の人数割合が非常に低いという状況だと私は思っております。
今回は、国から女性消防士を5%を目標に確保するように時間をかけて取り組んでくださいということが出ているはずですが、県内の女性の消防士の人数は大変少ないと私は認識しておりますけれども、全国的な比率と比べてどうなっているのかお伺いしたいと思います。
〇佐々木防災消防課長 県内の女性消防吏員の比率ということでございます。
平成27年4月1日現在、県内12消防本部中8消防本部に32名が在職してございます。全消防吏員に占める割合は1.6%、全国の比率が2.4%でございますので、それと比較しては低い状況にあるということでございます。
一方、国におきましても、通知があるという御紹介をいただきましたけれども、警察、自衛隊、海上保安庁などとも比較して低いということでございまして、それを踏まえての通知が出されているというような状況にございます。
〇佐藤ケイ子委員 それで、この女性消防士が今、空白の消防署もあるわけですけれども、実際は、消防組合の管理者の市町村が採用、任用にかかわってくるわけですが、余りにも県内は低いという状況なので、県内挙げて本当に意識化をしていかなければならないのではないかと思っております。
それから、女性の消防士も、キャリアを積まなければ教官にもなっていけないわけですけれども、今、女性の教官はたった4人しかいないと思います。消防士の中でもいろいろな階級があって、消防士長以上でないと教官になれないわけですけれども、教官になってもらうにも、これからも資格を取らせて、階級を上げさせて、キャリアアップをさせていかなければならないということで、本当に時間がかかるものだと思います。
採用すると言っても、一気に5人も採用できるわけじゃなくて、一つの消防署で2人採用するのがせいぜい。あとは、毎年1人とか、何年に1回、1人ということですごく時間がかかる状況だと思いますので、県内各地で意識化させていただきたいと思っておりますが、その県内挙げての取り組みについて、どのようにお考えなのか伺いたいと思います。
〇佐々木防災消防課長 国で5%という目標を掲げて取り組むことにしたわけでございますけれども、現在、県内各消防本部の状況を踏まえますと、単純計算になるわけですが、今後10年間に約70名の女性吏員を確保することが必要になってくると試算されるところでございます。
現在、消防吏員の大量退職期を迎えておりまして、近年は女性吏員の採用も拡大してございます。本年は8名が採用されたところでございますが、今後、採用数はやはりどうしても減少してまいります中にありまして、これに匹敵する採用数を着実に確保するといった積極的な対応が必要になってくるということでございます。
先ほどゼロの本部があるということも御紹介がありましたが、各消防本部の取り組みには、やはりかなり温度差もございます。県といたしましては、これを機に、目標達成に向けまして、採用数の拡大のほか、施設の整備ですとか受け入れ態勢、環境の整備など、各本部で共通した認識を持って取り組んでいただけるよう、消防長会等でも話し合いを行ったり、消防長会のような場でお願いしたりとか、そういった話し合いをしながら、積極的な取り組みを行っていく必要があるのではないかと考えてございます。
それから、今後の採用増があるということでございますので、消防学校における女性教官の切れ目ない配置等についても、教育環境の整備という意味で取り組まなければならない課題かと考えてございます。
それから、もう一つ、キャリアアップについてのお尋ねがございました。御紹介がありましたとおり、県内には4人の消防士長がおりまして、教官の経験者は現在、就任されている1名のみでございます。今後、消防士長以上の消防吏員がどうしても増加してくるものと考えてございますし、各消防本部においても、キャリアアップのための取り組みですとか環境整備が必要になってくるかと思われます。
国におきましては、消防大学校の研修に女性消防吏員向けのコースを設置すると明言しておりますし、幹部教育、専科教育への女性応募枠の確保といったことも実行していくと伺ってございます。そういった教育機会の拡大を図る取り組みがなされることになってございまして、県においても、消防学校の研修のあり方についても、同様の考え方で少し検討をしていかなければいけないかと考えているところでございます。
それから、全国的な先進事例もございます。そういった事例を共有しながら、女性吏員が活躍できる職域の拡大といったことについても、キャリア形成に資する取り組みとして推進して、県内消防本部を支援してまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 まず最初に、平成26年度決算の状況についてお聞きします。
中期財政見通しと平成26年度決算の状況についてどうなっているか。261億円余が黒字となりましたが、その要因と活用はどうなっているか。不用額が489億円ありましたが、その内容、そして、これは今年度はどういう形で新たな財源になるのか、示してください。
〇熊谷財政課総括課長 まず、中期財政見通しの関係でございます。
中期財政見通しにつきましては、中長期的な視点に立った財政運営を行うための参考資料とすべく、各年の当初予算ベースでの収支ギャップを推計したものでございます。平成27年度当初予算では236億円の収支ギャップが生じると見込んでいたものでございます。
実際の平成27年度当初予算編成におきましては、地方財政計画におきまして、前年度を上回る一般財源総額が確保されたこと、それから、予算編成過程を通じまして歳出の見直しに努めたことなどによりまして、実際の収支ギャップは192億円に縮小したところでございます。
また、平成26年度決算におきまして、実質収支が261億円余の黒字となりまして、今補正におきまして2分の1の額を法定積み立て分として財政調整基金に積み立てましたことから、財源対策基金残高は中期財政見通しを上回る額となっているところでございます。
しかし、今後、多額の震災復興特別交付税の精算等が予定されてございまして、本県財政は依然として厳しい状況が続くと見込まれますことから、今後とも、限られた財源の有効活用を図りつつ、予算の効果的、効率的な執行に努めてまいりたいと考えております。
次に、261億円の黒字の要因ということでございます。
この大部分につきましては、先ほども御説明申し上げましたが、事業費の確定に伴います震災復興特別交付税の精算予定額や国庫補助金返還予定額によるものでございます。今後、基金の取り崩しが予定されるものでございます。
また、今後の財政需要も勘案いたしますと、本県財政は、先ほども申しましたけれども、依然として厳しい状況が続くものと考えているところでございます。
それから、不用額でございます。
主な内訳ということでございますが、大きい額のものを中心に申し上げますと、補助先の事業実績が計画を下回ったこと等によります中小企業等復旧・復興支援事業費補助の減が98億円、それから、まちづくり計画との調整、入札不調、発注計画の見直し等によりまして漁港災害復旧事業費の減が97億円ございました。それから、事業の不採択によります補助金の減によりまして東日本大震災復興交付金積立金の減が38億円、それから、用地買収に時間を要したこと等によりまして漁業集落防災機能強化事業費補助の減が14億円となってございます。
不用額は、基本的に歳出予算額に対する執行残でございます。この不用額には、不用となる歳入予算も合わせ有しているというか表裏一体なものですから、県の財政的な余力、いわゆるキャッシュといいますか、そういう部分をあらわす部分にはなり得ないといいますか、不用となる歳入部分も削った上で算定する必要がございます。この調整を行ったのが、歳入予算から未収分を差し引いた歳入決算額と歳出決算額の差し引きが実質収支になりますので、実質収支の部分が、いわゆる県の財政力といいますか今後の余力分ということになります。
〇斉藤信委員 261億円の黒字というのは、さまざまな中身があると。同時に、厳しい中でも一定部分は活用できるということも事実だと思うんですよ。私は、必要な財源を必要な県民要求の実現に回して積極的に活用すべきだと。不用額の場合は、これは本質的には繰り越しにもならなかったということでしょうから、今年度は今年度でまた予算措置されるということでしょう。それだけ情勢が厳しかったという側面も私はあったのではないかと。
二つ目に、消費税8%への増税が昨年度実施されました。改めて、県民1人当たり、1世帯当たりの負担増はどうか、県民全体の負担増の総額はどうなっているか、県民の消費や地域経済への影響はどのように把握されるか示していただきたい。
〇小畑税務課総括課長 消費税の引き上げに伴う県民の負担額についてでございますけれども、個々の事業者等の申告時期が違いますものですから、平成26年度におきましては、税率引き上げの結果といいますか、そういうものが平年度化されていないということでございます。このため、平成25年度の地方消費税額などからの推計でお答え申し上げます。
国、地方合わせた消費税額の増収額から推計いたしますと、県民全体の家計負担分に対する総負担増は年間で316億2、000万円と推計されるところでございます。これは、平成27年9月1日現在の県内の人口、世帯数から推計いたしますと、1世帯当たり年間約6万700円、1人当たり年間で2万4、800円の負担増と見込まれているところでございます。
続きまして、県民の消費あるいは地域経済への影響でございますけれども、税率の引き上げ前の駆け込み需要による収益増ですとか引き上げ後の反動減の両方がございまして、税収面から影響を把握するのは困難だと考えてございます。
一方、所得に対する課税であります個人県民税あるいは法人事業税につきましては、平成27年度は税率引き上げの影響が平年度化してくるということでございます。その9月現在における個人県民税の課税状況、法人事業税の申告状況を見ますと、5%時で申告あるいは課税した状況とほぼ前年並みで現在のところ推移しているところでございます。
いずれ、今後とも、その推移につきましては注視していく必要があると考えているところでございます。
〇斉藤信委員 いずれ推計で316億円というのが総額の負担増ですから、これは本当に大変な負担増で、地域経済への波及効果ということになるとこれは政策地域部でしょうから、大変な額だと思いますよ。全体として、今、日本の経済も落ち込んでアベノミクスは破綻という状況になっている。私は、最も大きな要因になったと思いますね。これは指摘だけにとどめます。
次に、入札問題についてお聞きします。
昨年度の入札における入札不調の実態、それによる影響はどうなっているでしょうか。1者入札の実態はどうだったでしょうか。そして、今年度、直近まではどのように推移しているでしょうか。
二つ目、県庁舎管理業務における異常な低入札が県議会でも問題になりましたが、その実態と今年度の状況、そして、2月定例会では、最低制限価格の導入を検討しているという答弁もありましたが、この検討はどのようになっているでしょうか。
三つ目、私は、県の入札全体にも最低制限価格制度の導入を図るべきではないかと指摘してまいりました。低入札価格調査制度というのは、業者にとって大変評判が悪い。面倒くさいと。その入札全体にかかわる最低制限価格制度の導入はどのように検討されてきたか、答えてください。
〇山崎入札課長 入札不調の実態についてでございますけれども、平成26年度においては、発注工事件数の1、304件のうち、272件が入札参加者や応札者がないなどの理由により入札不調となっており、その発生割合は21%と、前年度と同じ割合となっております。
なお、今年度でございますけれども、平成27年度の9月末までの状況でございますが、発注工事件数614件中49件、発生割合は8%となっております。
次に、入札不調の具体的影響についてでございますけれども、予定していた工事の発注、着手がおくれる等の影響が生じることとなりますけれども、入札不調となった後に、設計内容や工事発注規模の拡大などの見直しを行って再度入札を行ったり、あるいは随意契約に移行するなどにより、工事発注の迅速化に努めているところでございます。
また、1者入札の状況についてでございますけれども、平成26年度は29%となっており、前年度の26%より増加している状況でございます。
今年度は、6月末までの状況でございますが、落札件数145件中30件が1者入札となっており、発生割合は20.7%と昨年度よりやや低くなっている状況でございます。
〇猪久保管財課総括課長 県庁舎等管理業務委託の低入札の実態でございますが、予定価格が100万円を超えます一般競争入札で落札率が予定価格の80%を下回る入札でございますけれども、全体で42件ございますが、平成26年度、昨年度が8件ございます。全体の19%でございます。平成27年度、今年度は6件の14%となっております。
中でも最も低い落札率で見ますと、清掃業務で32.8%、自動火災報知器設備点検の23.0%という低い率での落札の例が見られたところでございます。
これを踏まえまして、先ほど御案内もありました県議会あるいは業界等からのさまざまな要望等も踏まえまして、入札制度を取り巻く環境の変化を捉えまして、最低制限価格制度の導入につきまして、県庁舎及び地区合同庁舎の庁舎等管理業務委託に係る一般競争入札対象業務を対象といたしまして、平成28年4月に開始いたします委託契約業務に係る入札から導入しようと考えてございます。これは、当分の間、試行として実施していきたいと考えておるものでございます。
〇山崎入札課長 県営建設工事入札への最低制限価格制度の導入についてということでございますけれども、最低制限価格制度につきましては、入札価格が最低制限価格を下回った場合は全て失格とするという制度でございますが、本県では、県営建設工事の競争入札におきましては、低入札価格調査制度を導入しているところでございます。
低入札価格調査制度につきましては、調査基準価格を下回る入札があった場合、その入札価格で適正な工事の施工が可能であるかどうかについて審査する制度でございまして、不良不適格業者を排除しつつ、入札参加企業の技術力ですとか企業努力等が価格に加味されて、より低廉で良質な調達が可能となるという点などにおきまして、最低制限価格を下回った入札を一律に排除する最低制限価格制度よりもメリットがある、そのような観点から導入してきた経緯がございます。
また、ダンピング防止のため、低入札価格調査制度の中におきまして、一定の価格を下回る場合には自動的に失格とする基準、いわゆる失格基準価格を設けておりまして、最低制限価格の場合と同様に、一定額を下回った場合は失格としているところでございます。
ダンピング防止をする一方、より適切な競争性を確保する観点から、現行の低入札価格調査制度を運用し、また、総合評価落札方式も効果的に活用しながら、ダンピング対策に適切に取り組んでまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 わかりました。ぜひ改善するところは改善してやっていただきたい。
あと、今年度に入って入札不調も減少しているということなので、業者間でも一定の調整というのが今つきつつあるのかと。ただ、それでも1者入札というのが2割近くあるということですから、なかなか厳しい中での入札になっているなと。
次に、MV22オスプレイが9月12日に本県上空を飛行しました。知事は遺憾の意を表明したようですが、実は、これは10月16日でしたけれども、防衛省は、今度はCV22オスプレイを青森県の三沢基地で実弾で訓練をすると、全土でオスプレイの訓練を実施するという環境レビューを発表したんですね。
CV22というのは、特殊作戦部隊で使われるオスプレイであり、いわばMV22以上に危険で墜落事故の比率も高いというもので、私は、MV22の全く無通告の飛行も許せないし、ましてやCV22、特殊作戦部隊のオスプレイの訓練というのは絶対に許してはならないと思うけれども、県はどういうふうに考え、どう対応しているでしょうか。
〇會川防災危機管理監 まず、MV22オスプレイの件でございますが、9月12日に二戸市上空を飛行したことは確認されましたが、東北防衛局からは、本飛行についても、横田基地を離陸あるいは三沢飛行場に着陸といった情報は伝えられたものの、具体的な飛行ルートについては説明がありませんでした。
このため、9月16日に東北防衛局長らが別件で県庁を訪れた際に、知事から直接、安全性について住民への十分な説明のない中、飛行ルートを明らかにせず、本県上空を飛行したことについて遺憾である旨を伝えるとともに、オスプレイの安全性について、県民等に対して丁寧な説明を行い、不安の払拭に努めること、オスプレイが飛行する場合は、飛行ルートなど具体的な飛行内容について、事前に明らかにすることについて、口頭で要請いたしました。
さらに、9月28日には本県職員が東北防衛局を訪問し、同様の趣旨を記載した知事名の文書を提出し、改めて申し入れました。
次に、10月14日に、防衛省から米軍所属のCV22オスプレイの横田飛行場配備に関する環境レビューが発表され、この中で、青森県三沢対地射爆撃場が訓練基地として記載されておりました。
県としても、本県にかかわりのある部分が含まれているにもかかわらず、事前に具体的な説明もなく公表になったことについて、直ちに遺憾の意をあらわすとともに、今回の環境レビューの内容の詳細や今後の対応等について、関係自治体に説明すること、オスプレイの安全性について、県民等に対して丁寧な説明を行い、不安の払拭に努めること、オスプレイが訓練飛行を行う場合には、ルートなど具体的な飛行内容について事前に明らかにすることについて要請いたしました。
その後、説明に訪れた東北防衛局の職員によれば、具体的な訓練内容については現段階では明確ではないということでしたが、本県上空に三沢対地射爆撃場にかかわる訓練空域が拡大することはないということを確認いたしました。
今後も、オスプレイの飛行に関しては、引き続き国に対して、オスプレイの安全性についての県民等に対する十分な説明、飛行ルートなど具体的な飛行内容の明記について要請を行ってまいります。
〇斉藤信委員 この点では、県はしっかり対応しているというのがわかりました。ただ、この米軍というのは、全く日本の主権というか国民の安全を無視して傍若無人な訓練をしていることも事実ですから、本当に私は許されないことだと、時々厳しく対応すべきだと思います。
自衛隊についてもちょっとお聞きしたいのだけれども、いわゆる戦争法が強行採決されて、私は、自衛隊の状況というものも今やはり重大な状況にあると思うが、東日本大震災津波の際に、救援復興で自衛隊が大変献身的な大きな役割を果たしたと被災者は大変感謝していると。
実際に県内にどれだけの自衛隊の方々が救援復興の活動に参加したのか、どう把握しているか示していただきたい。
もう一つは、戦争法が強行される前後でありますけれども、実は今、自衛隊のいわば勧誘のチラシが町内会の回覧板で盛岡市内を回っているんですよ。私、これは就職活動にとっても、ちょっと違法に当たるのではないかと。こういうことを県は把握しているのか。私は、これはやり過ぎだと思いますよ。就職活動に当たっても、これはもう本当にやってはならないことだと思うけれども、いかがですか。
〇會川防災危機管理監 まず、最初の東日本大震災において、災害期間で活躍した自衛官の総数ですが、延べ数で約61万人と確認しております。
続きまして、自衛官の募集につきましては、自衛隊法の定めによりまして、地方自治体が行うこととなっております法定受託事務として対処しているものであります。
〇斉藤信委員 61万人というのはわかりました。最大時、実際にどれだけの人たちが、盛岡タイムスがまとめた冊子を見ると1万2、000人という紹介もあるんだけれども、それはわかりますか。
あと、就職活動でやっていいことと悪いことがあるんですよ。自衛隊だけが、そういう町内会の組織を使って就職あっせんをやるというのは、これは正しいことじゃないんですよ。そういう認識があなたにはないのかな。
それと、もう時間がないので、あと最後の質問をもうやってしまいます。
岩手県が公共施設マネジメントの取り組みを始めていますが、これはどう検討されているのか。私の地元で、旧盛岡短期大学跡地利活用の要望を県や盛岡市に出しておりますけれども、その中で、この旧盛岡短期大学跡地というのは検討されているのかどうか。
最後は、大震災の中で県職員の正規職員の数が減っています。私は異常なことだと思いますよ。全国から応援を受けていて、正職員の数が減少しているというのは、本当に岩手県のやる気が問われるような問題ではないのかと。この正職員の採用状況、そして今の状況、そして、もう一つは、任期付職員の待遇改善と正職員化ですが、これは本会議でも議論がありましたけれども、この任期付職員、ことしで4年目を迎える方々もありますので、この待遇改善と正規職員化は具体的にどういうふうに進むのか示していただきたい。
〇猪久保管財課総括課長 お尋ねのありました公共施設マネジメントの県の取り組みでございますが、現在、県が保有いたしております行政庁舎ですとか社会教育施設等の公共施設の多くは、高度成長期から昭和50年代にかけて整備されたものでございまして、今後、一斉に老朽化が進み、大規模修繕や更新の時期を迎えますことから、計画的な更新あるいは長寿命化、施設配置の最適化による財政負担の軽減、平準化を図るなど、長期的な視点に立ったマネジメントの取り組みが必要と認識してございます。
このような中で、昨年4月に総務省から、インフラ施設ですとか公営企業施設を含みます全ての公共施設等の総合的かつ計画的なマネジメントを推進するための基本計画となります公共施設等総合管理計画の策定に速やかに取り組むよう、各都道府県、市町村に対し要請が行われてきたところでございます。
これを受けまして、県におきましては、平成27年度中の計画の策定に向けまして、昨年12月に庁内の関係部局によります会議を設置いたしまして、現在、公共施設等の現況把握やマネジメントの基本方針の整理など、計画策定作業を進めておるところでございます。
〇藤澤総務室管理課長 旧盛岡短期大学跡地の利活用の関係でございます。
委員から公共施設マネジメントの関係のお尋ねがありましたけれども、公共施設マネジメントにつきましては、施設の長期化とか修繕といったことが主眼でございますので、現在、本来の用途で使われておりません旧盛岡短期大学跡地に関しては、その対象とはなっていないものと考えております。
現状につきましては、県の文書保管等々で使われている状況にございまして、今後は、県の関係部局あるいは盛岡市に近隣住民の方から要望をいただいておりますので、そういったことを踏まえての検討になろうかと思います。
〇菊池人事課総括課長 職員の人数等の状況でございます。
委員お話のとおり、いわゆる正規職員が少なくなったのではないかということでございました。退職者等を見込みまして、採用計画を立てまして採用試験を行ったのでございますが、技術系職員を中心として民間企業との競合から、必要数の採用が確保できなかったということが実態でございます。
二つ目の任期付職員でございますけれども、平成24年度から採用しておりまして、現時点で189人を県で配置しております。
待遇の改善ということでございます。一定期間継続して勤務した任期付職員のうち、勤務成績が優秀で、一定の要件を満たした職員につきましては、勤務意欲の維持、高揚を図るため、今年4月に主任への任用を行いました。
任期付職員を任期の定めのない職員として、選考の上、採用するということは、県行政を担う即戦力となる人員を確保できるメリットがあるものと考えており、こうした選考採用につきましては、人材確保の見通し等を踏まえつつ、現在、選考方法や受考資格などの課題を整理し、人事委員会とも検討を行っております。
任期満了職員の再就職活動に支障を来さないよう、適切な時期に対応方針を示したいと考えております。
〇會川防災危機管理監 まず、自衛官の災害派遣時の人数でございますが、これは、日にちによってやはり違うということで、例えば3月14日については約6、600人、3月22日には約1万2、000人、4月9日には約6、800人というような形で日々変わっております。
次に、募集の件でございますが、いわゆる町内会等に関する部分につきましては、市町村が担当しておりまして、県としては携わっておりません。
〇佐々木茂光副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後3時4分 休 憩
午後3時22分 再開
〇郷右近浩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇小西和子委員 私は、3点にわたってお伺いいたします。
まず1点目は、高齢層職員の勤務意欲の維持向上についてであります。
ことしの2月定例会で条例案に対する人事委員会委員長からの意見の回答というのがありまして、特例的な減額措置は平成17年度から毎年度実施され、その期間は10年間の長きにわたっており、本委員会としては、早期に勧告に基づく給与水準が確保されるように望むものでありますとありました。この10年間の特例的な減額措置についてお伺いいたします。あわせて総額もお伺いいたします。
〇菊池人事課総括課長 10年間の特例的な減額措置等のお尋ねでございます。
まず、給料の特別調整額及び管理職手当の特例減額、これは総括課長級から部長級までの職員対象でございますが、本県の厳しい財政状況に鑑みまして平成17年度から毎年度実施しており、減額率は実施年度や職位に応じて異なりますが、5%から25%としております。この間の減額総額は、今年度末まで実施したとして約14億円となっております。
また、全職員を対象とした給料月額の特例減額措置は平成20年度から平成22年度まで、及び平成25年度において実施しておりまして、減額率は、これも実施年度により異なりますが、職位に応じて2%から9.4%としております。その総額は約112億円となっております。これらを合わせました総額は約126億円となっております。
〇小西和子委員 それでは、高齢層職員の勤務意欲の維持向上について、どのような取り組みを昨年は行ってきたのかお伺いいたします。
〇菊池人事課総括課長 高齢層職員の勤務意欲の維持向上のための取り組みでございますが、近年、御案内のとおり、高齢層における給与水準は、国、地方とも公務員給与が民間給与を上回っている状況にありますことから、高齢層職員に係る昇級制度の見直しや給与構造改革の経過措置の廃止など、これを是正する措置を講じてきたところでございます。
一方で、本格復興に向けて、それぞれの職場で中心的な役割を担っている高齢層職員の勤務意欲の維持向上は重要な課題であることから、職員個々の能力や意欲の適正な評価に努めるとともに、単身赴任手当など、手当は全ての職員対象でございますが、高齢層職員のほうが受給率が多いということもございまして、諸手当の拡充や休暇制度の見直しなどの勤務条件の改善に取り組んできたところであります。
〇小西和子委員 2016年4月実施を勧告した給与制度の総合的見直しは高齢層職員の賃下げに踏み切るものでありまして、これまでも、現給保障の廃止、55歳昇級抑制、退職手当の削減など年代を狙い撃ちした賃金削減が次々と行われており、そういう中で、震災復興や国体開催に向けての職場、地域での牽引役となる世代への処遇としては大変大きな問題であると考えます。
今後、高齢層職員の勤務意欲の維持向上についてどのような取り組みを行うのか、また、課題についてもお伺いいたします。
〇菊池人事課総括課長 委員お話しのとおりでありますが、高齢層職員につきましては、職務の級の最高号給に到達している職員も多いことから、いわゆる昇給制度のみで対応を進めることは難しい状況にあると考えており、これが課題でございます。
このため、先ほども御答弁申し上げましたが、これまで処遇全般を通じた取り組みを進めてきたところでありまして、今後とも、勤務条件の改善の取り組みに加えまして、例えば能力や意欲のある職員の上位職への任用ですとか本人の希望に配慮した人事配置など、引き続き、個々の職員の状況を踏まえ、さまざまな視点からの対応に意を用いてまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 課題についてはお答えがありませんので、次をお伺いしてから一緒に課題については答弁してください。
確認ですが、給与改定条例は12月定例会に提出されるのかお伺いいたします。
〇菊池人事課総括課長 課題でございますが、先ほど申し上げましたように、高齢層職員は級の最高号給に達している職員が多いので、昇給制度のみでは対応を進めることが難しい状況でありまして、それがあわせて課題であると考えております。
あと、給与条例の提案時期でございますが、ただいま検討中としか申し上げられません。一つの状況といたしましては、国に準じて改定するのが地方公務員制度の原則でありますが、国が給与法を改正するかどうかというところもかかってございますので、国の動向等を注視してまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 国が臨時国会を開かなくても、県は県で独立しているので、ぜひ12月定例会に提出していただきたいと思います。
次、二つ目、ストレスチェック制度の実施についてですけれども、改正労働安全衛生法のことしの12月1日施行により、常時使用する労働者に対してストレスチェックの実施が義務づけられました。県はこれまでもメンタルヘルス対策事業を行ってきましたけれども、その実施状況と、面談結果の概要と課題についてお伺いいたします。
〇及川総務事務センター所長 ストレスチェック制度の実施と、それからメンタルヘルス対策についてでございますが、委員御指摘のとおり、県では、平成23年度から定期健康診断時に派遣職員を含めた全職員を対象といたしましてメンタルヘルスチェックを行っているところでございます。このストレスチェックの結果、高ストレス状態や抑鬱状態にあると判断された職員に対しまして面談の勧奨を行いながら、申し出者に対しまして精神科嘱託医による面接指導を行っているところでございます。また、このほか、精神科嘱託医の所属長訪問や個人指導、メンタルヘルス研修会やセミナーの開催などの対策を実施するとともに、定期的に相談日を設けまして、精神科嘱託医がメンタルヘルス関係の相談を受けているところでございます。
面談をしていると申し上げましたが、面談結果の概要、それから課題についてでございますが、相談を受けた主な内容といたしましては、職場における人間関係、それから業務負担の増加などによりましてストレスが増加し、そういったストレスからメンタル面での不調を訴えるといった相談が多くなってきているところでございます。
こういった職場や業務に起因するストレスの低減のためには、管理監督者によるラインケアとか日常のケア、こういった取り組みを推進することが課題となっているところでございます。
〇小西和子委員 要配慮者というのが昨年度は県全体で361人、9.2%でありますけれども、説明会及び事後相談会に参加している人数はどれくらいでしょうか。
〇及川総務事務センター所長 昨年度、委員御指摘のとおり、要配慮者は、先ほど申し上げました高ストレス状態や抑鬱状態のほか、長時間労働─80時間以上でございますけれども、こういったものも含めました数が361名、9.2%の方々に対しまして面談等を受けませんかという御案内をしております。その面談等への参加者でございますが、大きく内陸部と沿岸部は対応が異なっておりまして、内陸部のほうは、事前の説明会とか事後の相談会─これは予防医学協会のほうで実施しております─に参加していただいた方は、説明会が50名、相談者が11名で61名でございます。それから、沿岸部の方々に対しましては、要配慮者に対しまして相談を受けませんかという御案内をしているほか、直接、おたくの職場に要配慮者がいますよという形で所属長に御案内するわけにはまいりませんが、所属長の方々に、こういった相談会を開きますので参加しませんかと御案内しているものもございます。そういった方々ということで、所属長の方々が42名─これは一緒ではないですけれども─、それから、個別の相談を受けたいと申し出がありましたのが17名となっております。
〇小西和子委員 人数が多い割には受講している方が少ないというのが非常に気になります。そのあたりも分析して解決していっていただきたいと思います。
それでは、今年度の取り組みと課題について伺いますけれども、面談結果の概要ということで私の持っている資料には、震災からの復旧、復興に伴う業務量の増大によって多くのストレスを抱えている。それから、疲労の蓄積が見られるので、休養を与えるなどの対応が必要である方がいらっしゃるということ。それから、住環境に不安を抱えている職員が多い。職場内のコミュニケーションの確保と、職務に対する不公平感の解消が求められる。それと、管理監督者に求められていることとして、新採用職員や任期付職員には住民対応が得意な職員と不得意な職員がいることを考慮して対処することでストレスが軽減できるといったような概要がございます。今後どのような取り組みを行うのか、また、さらに課題についてもお伺いしたいと思います。
〇及川総務事務センター所長 メンタルヘルス対策には中長期的な取り組みが必要と認識しておりまして、今年度もこれまでの取り組みの充実強化を図りながら継続して実施しているところでございます。また、こういった結果につきましては、定期的に開催しております安全衛生管理委員会等に報告いたしまして、その結果等を職員に対しましても情報提供しているところでございます。
こういったメンタルヘルス対策につきましては先ほど申し上げましたような形で取り組んでおりますが、そのほかに委員からお話がありましたような課題、これは、恐らく面談を行っていただいた精神科の嘱託医の先生からそのような報告を私どもも受けておりまして、そういった内容のことだろうと思いますけれども、私どももそのような報告を受けております。そういった対応につきましては、私どもの対応のみならず、人事面とか組織面での対応も必要になってまいりますので、そういった関係部署と連携しながら今後取り組んでいくというのが課題となっております。
〇小西和子委員 職場に余裕がないというのは、やはり平成10年から平成23年にわたって人員削減が行われて1、202人も減少したわけですね。そうしたところに震災が襲ってきたということで、通常の業務だけでも精いっぱいなところに復旧、復興業務も入った。そこで何とか人をふやそうとしてはいるんですけれども、応援職員や任期付職員で賄おうとしている。正規職員はなかなかふえないという状況からきているのではないかと思います。
現段階での人員不足は何人かというのは、通告しておりませんでしたが、お願いいたします。
〇菊池人事課総括課長 人員不足ということでございますが、先ほどの答弁にもかかわりますけれども、正職員のほか任期付職員、他県応援、あとは再任用職員等の確保に努めておりまして、現在、例えば平成23年─発災年の4月1日の職員数は知事部局で3、949人、それに対しまして、今年度4月1日は4、309人の人員の確保を行っております。引き続き、人員の確保については努めてまいりたいと考えております。
なお、定数を確保しておるんですけれども、実際、先ほど申し上げたとおり、特に技術系職員は、民間企業との競合からそもそも県を受ける人が少ないという問題があって欠員を生じているところがございまして、150人程度の欠員が生じているところでございます。
〇小西和子委員 定年前退職の方も結構出ているということですので、労働環境の整備に努めていただきたいと思います。
三つ目です。ワーク・ライフ・バランスについてお伺いしたいと思います。
少子化対策ということで私も何度も質疑をしてきたところでありますけれども、平成17年3月に少子化対策ということで次世代育成支援対策推進法ができまして─10年間の時限立法でしたけれども─、それに基づいて特定事業主行動計画を策定して、職員が安心して子供を産み育てることができる勤務環境を整備するための取り組みを県は進めてきたと承知しております。次世代育成支援対策の取り組みをさらに充実するためということで10年間延長することとなりました。
これまでの取り組みの結果、子育て支援のための制度等の整備が進んで制度の利用もふえていますけれども、県では、一方で、子育てしやすいと感じている職員の割合が伸びていない。支援制度の認知度向上や利用しやすい環境づくり、制度利用者が感じる不安感の解消などの課題も残っているとあります。
そして、人口減少問題に対する取り組みをさらに強力に推進するためということで人口減少対策を展開していくこととしたわけですけれども、仕事と生活の調和がとれる職場づくりにつきまして、昨年度の取り組みと課題についてお伺いしたいと思います。特にも、妊娠、出産、育児、介護等のため、家庭生活とバランスのとれた働き方を希望する職員に対する配慮は行われているのかお伺いしたいと思います。
〇菊池人事課総括課長 いわゆるワーク・ライフ・バランスのお尋ねでございます。
委員御案内のとおり、特定事業主行動計画に基づきまして、これまで、子育てですとか介護に係る支援制度ですとか、その支援制度の活用例をまとめたハンドブックを作成して全職員に配るとか、あとは、例えば、育児や子供の養育のために夫婦が同一地区へ人事異動を希望する場合の庁内公募の実施ですとか、あとは、育児休業中の職員で希望者に対してメールマガジンによる業務情報の提供ですとか、eラーニング研修による、家で子育てをしながら研修をするといった支援を行ってきております。
また、昨年度からの取り組みですけれども、働きやすい環境ということで、毎週水曜日を定時退庁日としておりますが、家庭での子育てや育児、介護を行う日とする、か・えるの日運動を始めたところであります。
委員御紹介のとおりアンケートを実施しておりまして、その中では、仕事と生活の調和がとれていると感じている職員は、若干ですがふえております。一方で、課題というお話ですが、依然として育児休業のとりにくさですとか育児休業取得後の職場復帰への不安を感じる職員も多い状況となっておりますので、こうした点の解消が課題と考えております。
〇小西和子委員 特定事業主行動計画をプリントアウトしていただきましたし、仕事と家庭の両立ハンドブックというのも一般職員版と非常勤職員版とあって、ああ、すごいなと思いました。これを見ればどんな権利があるのかというのが一目でわかると思います。ただ、権利の行使ができるような労働環境なのかどうかではないかと思います。
どうしても女性職員が少ないわけですので、何となく遠慮してしまうことがあるように聞いております。仕事がきつかったため、上司に相談したが応じてもらえず、結局第2子は流産した。つわりは気持ちの問題と捉えられていたことが精神的に苦痛だった。復職後に子の看護休暇を取得したが、陰で悪口を言われた、理解してもらえなかったというようなアンケート結果もございます。やはり、県庁みずから若手職員や女性職員がより活躍できる職場の構築に向けて積極的に取り組んでもらいたいと思いますけれども、今後の取り組みと課題についてお伺いしたいと思います。
〇菊池人事課総括課長 今後の取り組みと課題でございますが、今年度のお話を申し上げますと、新たに女性職員のロールモデルとなる女性リーダーを育成する研修ですとか、メンター制度の導入による相談体制の充実を図っております。
また、これは男であるとか女であるとか関係ありませんので、男女を問わず職員の多様な個性を理解しながら、組織をマネジメントする管理職を養成するダイバーシティーマネジメント研修を今年度から実施しております。
また、理解を深めるという意味ですが、毎月19日を育児の日として、育児の日における年次休暇の取得を促進しましょうといった呼びかけなどを進めております。
さらにそれに加えまして、これからですけれども、例えば、研究段階でありますが、在宅勤務ですとかテレワークですとか、さまざま多様な働き方が世の中にはございますので、それらを可能とする制度の導入などができないかといった検討もしながら、子育てや介護に関する支援制度を利用しやすい職場環境づくりを推進するとともに、制度利用者の不安感の解消にも努めてまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 先ほど話がありましたけれども、所属職員への周知と、制度利用促進を担う管理職と職員、今後、支援制度を活用する可能性が高い20代男女に重点を置いて取り組んでいただきたいと思います。
最後に、育児世代であります部長にこのことについての決意を聞いて終わりにしたいと思います。
〇風早総務部長 やはり職員の皆さん、発災以降、特に震災復興業務もふえている中、非常に頑張っていただいています。これは男女問わずだと思いますが、若い世代も、それから中高年の世代も、とにかく県民のために一生懸命頑張って働けるような職場環境づくりは非常に大切ですので、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 まず最初に、地域防災力の強化について、自主防災組織の問題についてお伺いいたします。
現在の自主防災組織の組織率と活動状況というのはどういうふうになっているでしょうか。
先ほども議論がありましたけれども、被災地や県北地域において組織率が低下しているというお話もありました。いわて県民計画実施状況報告書によりますと、この問題に対する達成度がCとなっております。東日本大震災から4年7カ月たちましたけれども、全体として地域防災力が低下しているのではないかという思いをしていますけれども、その辺も含めて答弁をお願いいたします。
〇小向総合防災室長 まず、自主防災組織の組織率でございますけれども、平成27年4月1日現在で84.1%ということで、平成26年度から1.5%向上したところでございます。平成25年度以降は全国平均を上回って推移している状況でございます。
活動状況につきましては、県や市町村の防災訓練における避難訓練、避難所運営訓練等への参画、独自の訓練の実施、地区防災計画の策定、研修会の実施など、災害時の適切な組織運営に向けた活動を自主防災組織で行っているものと承知いたしております。
次に、県北、沿岸地域において組織率が低迷している要因でございますけれども、県北地域につきましては、他の地域に比較してこれまで大きな災害経験が少ないといったこと、あるいは、沿岸地域においては、応急仮設住宅からの移転等により新たなコミュニティーを構築している過程にあることが組織数が低い原因となっているものと考えているところでございます。
今後は、組織率が低迷する地域を重点的に支援するなど、県全体としての底上げを図ってまいりたいと存じております。
〇高田一郎委員 先ほども人材育成に取り組んでいくという話がありましたけれども、具体的にお伺いいたします。
岩手県地域防災サポーターの活動状況、それから、防災ワークショップの開催状況、これが実際どういう活動が展開されているのか伺います。
〇小向総合防災室長 地域防災サポーターにつきましては平成26年度は15回派遣してございまして、家庭での防災対策、自主防災組織の活性化等をテーマに講演や研修会を行っているところでございます。また、サポーターが講師となったワークショップにつきましては昨年度3回実施してございまして、みずからが住む地域における危険箇所や避難所等を記載した防災マップづくりなどを行っておりまして、具体的には北上市と滝沢市で行っているところでございます。
〇高田一郎委員 岩手県地域防災サポーターというのは、いろいろ調べてみますと県内に39人いるんですね。ボランティアでありますけれども、それぞれの地域に行って防災マップの作成を行ったり、さまざまな防災教育を行っている。大変重要な役割を果たしているんですけれども、このサポーターの数からしても非常に少ないと思いますし、防災ワークショップの開催についても非常に少ないと思うんです。全国的に組織率は高くても、その中身が問題だと思うんです。組織はつくってもなかなか魂が入らないという状況になっているのではないかと私の身近なところで見ても思っております。
行政主導でやるのではなく、地域の皆さんがみずから自主的に活動する、そういう方向に仕向けるような取り組みが必要だと思うんです。その地域の危険箇所、どこに何があるのかということをしっかりと情報提供して、そして地域の皆様が自主的に活動し、そして引き続き続けられるような仕組みをつくっていくことが行政に求められていると思うんですけれども、その点について県としてどのように考えているのかお伺いいたします。
〇小向総合防災室長 自主防災組織の活動の質の問題でございます。
県では、自主防災組織のリーダー研修会、また、自主防災組織連絡会議も実施しておりまして、リーダー研修会によるスキルアップであるとか、あるいは連絡会議による情報共有、同じ悩みを持っているリーダーであるとか、防災組織を引っ張っているような人について一緒に勉強してもらうというような場も設定しているところでございます。
また、委員がおっしゃったとおり、質を高めつつ継続的に取り組むということにつきましては、市町村がやはりある程度バックアップしていかなければならないというところもございますので、県におきましては、県の担当職員が市町村を巡回訪問して、県の方針とか制度、こういったサポーター制度についてもお知らせしておりますし、また、自主防災組織の活性化の事例も紹介しながら、企画であるとかワークショップ開催への支援も行っているところでございます。
今後とも、市町村と連携しながら、そういった自主防災組織の活動の質が高まるように、また、これが継続できるように支援してまいりたいと存じております。
〇高田一郎委員 私、先ほど、組織をつくっても魂が入らないという話をしましたけれども、しっかりやっているところもあるわけです。この間、2度の大きな災害を受けて自主防災組織の果たしてきた役割というのは大変大きいと思いますので、組織率を高めると同時に質の面でもしっかりと取り組めるように、県としても市町村にさまざまな支援をお願いしたいと思います。
次に、栗駒山の火山防災対策について伺います。
栗駒山というのは、いわゆる活火山改正法見直しに伴って警戒地域に指定されている全国50の火山のうちの一つであって、しかし、その中でもハザードマップが策定されていない九つの火山の一つになっております。火山防災協議会も開催されてきましたけれども、この間、火山防災対策にどのように取り組まれてきたのか、ハザードマップや避難計画の策定の見通しについてもお願いいたします。
〇小向総合防災室長 栗駒山につきましては、本県とともに秋田県、宮城県にもまたがる活火山でございますので、本年3月に本県が主体になりまして宮城県、秋田県に呼びかけまして、共同で栗駒山火山防災協議会を設置、開催いたしまして、関係自治体及び関係機関が連携して警戒体制等を構築していくことを確認したところでございます。
その後、各県で事務的な詰め、あるいは協議的なものを続けておりますけれども、いわゆるハザードマップ等が策定されていないという御指摘がございまして、これらハザードマップ、避難計画は警戒避難体制の中核の部分でございますので、委員御紹介のとおり、本年7月の活火山法の改正の趣旨を踏まえまして、栗駒山には他の活火山に比べて噴火史について調査研究が進んでいないという非常に難しい問題があるわけでございますけれども、火山対策の基礎、その中でもハザードマップという部分が一番大切なものでございまして、これを作成するのが第一と考えてございます。これに向けて、今、3県で鋭意協議を進めている状況にございます。
〇高田一郎委員 そうすると、協議会が3月に始まったばかりであるので、ハザードマップの見通しを聞いたんだけれども、始まったばかりで、いつ策定できるかわからないということで理解していいんですね。
〇小向総合防災室長 いずれ、今まで協議してこなかった3県が集まって協議をして方向性を定めて、ハザードマップの作成が第一だという共通の認識のもとに協議を始めているということでございまして、できるだけ早く策定できるように頑張ってまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 できるだけ早く策定するように頑張っていきたいということであります。ただ、国は、早く協議会をつくって対策をとれというような呼びかけをしていますけれども、そう簡単にできるわけじゃないんですよね。先ほど小向室長がお話ししたように、栗駒山そのものの噴火史の解明をしなければいけないとか、あるいは観測体制も非常にずさんですよね。岩手の観測体制が全くゼロという状況の中で、しっかりとした観測体制や栗駒山そのものの調査研究をしなければならないわけですから、やっぱり観測体制の強化とか、さまざまなことに取り組まなければいけないわけですよね。そういう点では3県だけではとても解決できない問題があるわけですから、国に対して予算の問題とか人的な体制とか、そういうことをしっかりと要求して可及的速やかに策定しなければならないと思うんです。国の役割が大変大きいと思うんですが、国に対してはどんな要求、要望を行っているのか、そして国の対応がどうなのか、その点についてもお伺いいたします。
〇小向総合防災室長 国に対する観測体制強化の要望についてでございますけれども、栗駒山を初めとする火山の観測体制の強化につきましては、御嶽山の噴火災害を踏まえて、これまで、県単独あるいは北海道東北地方知事会、全国知事会を通じてそうした強化を国に強く要望しているところでございます。
気象庁におきましては、これらの要望を踏まえまして、栗駒山に既存の四つの観測施設に加えて新たに火口付近に熱映像監視カメラ、火口監視カメラ、傾斜計、広帯域地震計の四つの観測施設を今年度中に設置することを予定していると聞いてございます。現在、設置場所等について関係機関との調整を行っていると聞いておりますので、そうした点に十分注意しながら、また、委員御指摘のとおり、そうした観測体制、研究体制の充実についてさらに要望を重ねてまいりたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 日本の火山研究、対策に対する対応というのは非常に脆弱ですから、国に対してしっかりと要求していただきたい。特に、栗駒山は噴火警戒レベルが1ということですけれども、御嶽山も1だったんですよね。そういう点ではいつ爆発が起きるかわかりませんので、しっかりとした対応をしていただきたいと思います。
次に、私学助成についてお伺いいたします。
私学助成については、現在、就学支援金の認定状況がどうなっているのか、そして、県内の私学生が年間の学校に納める納付金額はどうなっているのか具体的に示してください。
〇千葉私学・情報公開課長 就学支援金の認定状況についてでありますけれども、平成27年度は、県内私立高等学校生徒6、680人のうち90.1%に当たる6、018人を対象に、総額約10億1、000万円余の支援を予定しております。
次に、生徒の年間納付金額についてでありますけれども、入学時の負担金を除いた場合の年間納付額は、生徒1人当たり37万815円となってございます。
〇高田一郎委員 入学時の入学金を除いて、授業料を除いてということですね。実際、就学支援金を除く実質的な生徒、保護者の負担金がどの程度になっているのかということをお聞きしたんです。
〇千葉私学・情報公開課長 ただいま申し上げましたけれども、入学時の負担金を除いた額というのは授業料も入ってございますので、年間の実質負担額は8万46円となってございます。なお、入学時負担金を含む場合─1年生の場合でございますけれども、その場合につきましては23万1、200円ほどになります。
〇高田一郎委員 年間納付金が37万8、000円というこの数字は、恐らく学校によっても違うと思うんです。多いところでは就学支援金を入れても40万円、50万円と納入せざるを得ない、そういう状況になっています。
そこで、今、経済的な理由による退学とか、あるいは修学旅行に行けない生徒とか、あるいはアルバイトをせざるを得ない学生とか、あるいは授業料の滞納とか、そういう実態については県としてどのように具体的に掌握しているのか、その点についてお伺いします。
〇千葉私学・情報公開課長 私学生をめぐる現状についてですけれども、経済的な理由による私立学校の退学者数は、平成26年度は2名でございます。このうち1名は、退学時において授業料が滞納状態であったということでございます。
また、修学旅行についてでございますけれども、平成26年度において、対象学年生徒数2、148名のうち154名が不登校などの状態を含めまして、何らかの理由によりまして旅行に参加していない状況にあります。
次に、アルバイトの状況についてでございますけれども、私立高校独自のデータはございませんが、平成24年の就業構造基本調査によりますと、本県公立、私立の高校在学者の約1.9%に当たる800人がアルバイトも含めての有業者となってございます。
〇高田一郎委員 就学支援金が始まっても、私立学校に通う子供たちは、授業料が下がったわけですけれども、しかし、それでも高い学校では40万円、50万円と学校に納めざるを得ない。そういう中で、同じクラスの中でも修学旅行に行ける子と行けない子がいる、退学せざるを得ない、こういう状況が今でも続いているんです。こういった現状をどのように県として、何かもう一つ県独自の対策があってもいいのかなと私は思うんですが、それについていかがですか。
〇千葉私学・情報公開課長 経済的な理由によりまして修学が困難な生徒につきましては、先ほど御説明いたしました授業料を対象とした就学支援金のほか、授業料以外の例えば修学旅行費に充当できる奨学のための給付金という制度もございます。これに加えまして、例えば不慮の災害等により家計が急変した世帯に対しましては授業料減免補助事業等による支援とともに、被災者に対しましては、いわての学び希望基金による教科書購入費等の給付など、各種の事業により引き続き支援に努めてまいりたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 今、課長からさまざまな支援策があるという話がされました。家計急変による授業料の減免もあると言いましたけれども、実際、対応されているのは、平成26年度で5人ですね、いただいた資料を見ますと。平成26年度から返済なしの就学給付金制度が始まりましたけれども、これも460人。全体の2割にもなっていない、十数%ですか。これは生活保護家庭とか市町村民非課税ということですから、これをやっぱりもう少し拡充して、年間6万円、7万円ぐらいの給付金がもらえて、返済なしになっているわけですね。これはやっぱり県独自にもう少し拡充して、こういった方々の支援をする。今まで就学支援金制度が導入される前は県独自で授業料に対する助成措置をしてきました。この就学支援金制度が始まってから、県はそれをやめたわけですよね。こういったことも考えれば、さらなる拡充をやっていくべきだと私は思うんですけれども、この点、今すぐ答弁できなくても、やっぱり前向きに検討していくべきだと私は思うんです。その点についていかがでしょうか。
〇千葉私学・情報公開課長 県単独の制度につきましては、就学支援金の制度が新しくなった時点で新制度の対象者については実質取りやめになっている状況にございますけれども、そのほかに、低所得者向けの世帯に対しましては、先ほど御説明いたしましたとおり、奨学のための給付金というのがございまして、昨年度は確かに460人ということで、対象が1学年に限られましたのでそういった数になりますけれども、今年度は1学年、2学年、来年度は1学年、2学年、3学年ということで対象者もふえますので、そういった形で支援に努めてまいりたいと存じます。
〇高田一郎委員 今、議論しました授業料の減免とか給付金というのは国の制度であって、県も少し負担はしておりますけれども、やっぱり県独自の支援をして、支援金制度が始まってもまだまだ公民格差が是正されていないわけですから、そういう対応をぜひ検討していただきたい。
この項目の最後に、私立学校の校舎、体育館等の耐震診断の実施状況あるいは改修の実態というのはどうなっているんでしょうか。
〇千葉私学・情報公開課長 耐震診断の実施状況でございますけれども、平成26年4月1日現在の文部科学省の私立学校施設の耐震改修状況調査によりますと、県内の小・中・高校及び特別支援学校については、耐震診断が必要となる昭和56年以前に建設された建物28棟のうち、耐震診断実施済みの建物は15棟でございます。これによりまして、耐震診断実施率は53.6%となっております。
また、私立幼稚園につきましては、同様に昭和56年以前に建設された建物23棟のうち耐震診断実施済みの建物は4棟であり、耐震診断実施率は17.4%となってございます。
〇高田一郎委員 昨年もこれは聞いたんですけれども、数字的に全然前進していないですよね。それと、耐震診断されても、やっぱり改修しなければならないと。きちっと改修されているんですか。
〇千葉私学・情報公開課長 耐震診断が進んでいないことについてでございますけれども、やはり耐震診断を行うということは、必要だった場合、改築なり改修も伴うということもありまして、なかなか学校法人のほうで耐震診断に踏み切れていないところがあるのかなと考えてございます。
次に、改修の実施状況についてでございますけれども、耐震診断を行った学校については、現在、小中学校では1棟が改築工事を実施しておりますし、残る2棟も今後の改築を予定してございます。幼稚園につきましては、耐震補強が必要な建物が1棟あり、今後、改築を予定していると伺ってございます。
〇高田一郎委員 公立の学校は耐震診断も改修も行政の責任でやりますけれども、私学の場合は、やっぱり私学の経営もありますので、簡単にはいかないと思います。しかし、子供たちが1日の大半を過ごす学びの場所でありますので、やはり県もしっかりとした支援策を少し強めて、一層耐震診断、再建が進むように取り組んでいただきたいと思います。
最後に、原発事故による賠償問題についてお聞きいたします。
先ほども岩手県あるいは市町村の賠償請求の支払い状況をお伺いいたしました。確認しますけれども、先ほど示されたこの数字というのは、原発ADRの和解に基づく支払いが入っている中の数字なのでしょうか。支払い状況が非常に悪いんですけれども、第7次の請求をしただけで、その支払いが入っていないので低いのかなと思うんですが、その点をまず示してください。
そして、原発の事故による賠償というのは、行政による損害賠償請求だけではなく、農林水産あるいは商工関係、観光関係、さまざまなところで被害を受けております。全体の請求状況、支払い状況についても示してください。そして、なぜ支払いが進んでいないのか、その具体的な理由についても示してください。
〇郷右近浩委員長 高田一郎委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
〇松本放射線影響対策課長 原発事故による賠償についてでございますが、まず、先ほど御答弁いたしました数字につきましては、原発ADRの和解分は含んでおります。ただし、今回の平成26年度分の第7次請求の額が岩手県の場合32億円ほどございまして、その分の額が加わっているために支払い率が低くなっているものでございます。
ちなみに、支払いが進んでおります平成25年度分までの損害について県分で見ますと、損害賠償請求額74億7、000万円余に対しまして68億2、000万円余が支払い済みでございまして、支払い率は91.3%となっているところでございます。
いわゆる民間の賠償の状況でございますけれども、民間の賠償は、主に農林水産業の損害賠償請求の状況。こちらは農林水産部で所管しておりますけれども、本年8月31日現在で請求額421億6、100万円余に対しまして373億5、400万円余の支払いがなされておりまして、おおむね請求に対して支払われている状況にあると聞いております。
それから、商工業、観光業につきましては商工労働観光部で所管しておりますけれども、そちらにつきましても、本年8月31日現在で東京電力からの損害賠償の支払いが延べ133件、約14億4、400万円支払われているところでございます。
賠償が未払いの部分がある理由でございますけれども、県、市町村分につきましては、政府指示等によらず自治体の判断で実施した放射線影響対策業務に要した経費などについて、東京電力では、必要性、合理性がないとして支払いに応じていないところでございます。
平成25年度までに賠償請求した損害のうち、現時点で未払いになっている主なものは、放射性物質除去・低減技術実証事業費や県管理道路の空間放射線量測定経費、職員人件費などでございまして、これらについて引き続き支払いを求めていくところでございます。
〇郷右近浩委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇郷右近浩委員長 質疑がないようでありますので、総務部関係の質疑をこれで終わります。
総務部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、秘書広報室長に秘書広報室関係の説明を求めます。
〇木村秘書広報室長 平成26年度の秘書広報室関係の決算につきまして御説明申し上げます。
初めに、秘書広報室所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針につきまして御説明申し上げます。
当室におきましては、いわて県民計画や岩手県東日本大震災津波復興計画に基づく県の重要施策等について、県民の皆様に適時的確に伝え、県民の安心と希望につながる広報に取り組んだところであります。
また、県民の理解や積極的な参加と協働を促進し、オール岩手で復興が進められるよう、沿岸地域と内陸地域をつなげる広報に取り組みました。さらには、国内外からの復興支援に対する感謝や復興の取り組みを伝えるとともに、震災を経ても変わらない岩手の魅力を発信し、震災の記憶の風化防止、復興への継続的な支援や岩手のイメージアップ、岩手ファンの拡大につながる広報に取り組んだところであります。
今後におきましても、いわて県民計画や岩手県東日本大震災津波復興計画に基づく県の重要な施策の周知とともに、開催が迫った希望郷いわて国体、いわて大会やILC─国際リニアコライダーなどの未来へ向けた岩手の可能性が見える情報発信に取り組み、希望郷いわての実現に資する広報活動を展開してまいります。
また、震災の記憶の風化防止、継続的な支援につなげるため、県外に向けて、ひたむきさプラスつながりイコール笑顔をコンセプトに、本格復興に邁進する岩手の姿を発信するほか、復興に向けて立ち上がる岩手の姿、震災を経ても変わらない岩手の魅力を発信し、岩手のイメージアップ、岩手ファンの拡大につながる広報も展開してまいります。
それでは、当室関係の決算につきまして、歳入歳出決算書によりまして御説明申し上げます。
決算書12ページ及び13ページをお開き願います。秘書広報室に係る決算は、2款総務費2項企画費の支出済額232億3、448万円余のうち5億1、685万円余で、不用額は631万円余となったところであります。
以下、決算の内容につきまして、歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承をお願いいたします。
歳入歳出決算事項別明細書の162ページ及び163ページをお開きください。2款総務費2項企画費1目企画総務費のうち、備考欄の管理運営費は、人件費及び一般管理事務費であります。次に、164ページ及び165ページをお開きください。3目広聴広報費の主なものですが、2行目の県政広報事業費は、県の重要な施策等につきまして、いわてグラフなどさまざまな広報媒体を通じて、広く県民の皆様に周知する県内向け広報に要した経費であり、3行目のいわて情報発信強化事業費は、復興にひたむきに取り組む岩手の人や震災を経ても変わらない岩手の魅力を県外に発信し、震災の記憶の風化防止や継続的な支援、岩手県のイメージアップ、岩手ファンの拡大につなげるための広報に要した経費であります。また、4行目の海外向け情報発信事業費は、復興に向けて立ち上がる岩手の姿を海外に向けて発信し、復興支援などを通じて育まれた海外とのつながりをさらに深め、本県への関心を高め、復興への継続的な支援や本県のイメージアップにつながるための広報に要した経費であります。
なお、繰越明許費4、827万円余は、国の地方創生先行型交付金を財源とする県外向け情報発信事業費を繰り越したものでございます。
以上で秘書広報室関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇郷右近浩委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋但馬委員 私は、海外向け情報発信事業費について1点お伺いいたします。
商工費としても海外情報発信事業費というのがあるんですけれども、先ほど秘書広報室長からもお話がありましたけれども、約2、860万円計上されていますけれども、内容をもう少し詳しくお知らせください。
〇上和野広聴広報課総括課長 海外向け情報発信事業についてでございますけれども、この事業は、復興支援に対する感謝や復興に向けて立ち上がる岩手の姿を伝えるとともに、震災を経ても変わらない岩手の魅力を発信し、これまでの復興支援などを通じて育まれました海外とのつながりをさらに深め、復興への継続的な支援や岩手のイメージアップ、岩手ファンの拡大を狙いとして実施しているものでございます。
これまで、平成25年度にニューヨーク、平成26年度にはパリにおきまして、復興支援をいただいた方々をお招きし、東日本大震災津波・岩手県復興報告会並びに岩手県復興写真展を開催し、知事みずからが、これまでの御支援に対する御礼を述べ、復興状況の報告を行いますとともに、あわせて郷土芸能の披露、本県の食、観光、文化の紹介を行ったところでございます。
また、東京のフォーリン・プレスセンターにおきまして、外国人記者及び駐日大使館職員向けに、知事が復興の状況についてブリーフィングを行ったところでございます。
そのほか、県公式ホームページに英語のページを開設するとともに、フェイスブックによる情報発信も行っているところでございます。
〇高橋但馬委員 本年度も約2、500万円計上されているわけですけれども、本年度も全く同様の内容ということでよろしいですか。
〇上和野広聴広報課総括課長 今年度につきましては、11月に、台湾におきまして、昨年度と同様に復興報告会、写真展を開催することといたしております。その実施に当たりましては、復興の報告にとどまらず、今後、台湾において、岩手の知名度をさらに高め、岩手への旅行者をふやすとともに、岩手の産品の消費を拡大するなど、岩手と台湾の観光、経済分野の交流拡大につながりますよう、関係部局と連携して復興報告会での報告内容の工夫や関係団体への表敬を行ってまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 基本的に、震災から今4年7カ月がたちまして、被災地を見れば、復興はまだ道半ばという部分は非常に、復興というのは、やっぱり最重要課題であると考えます。
一方で、きょうたまたま新聞に出たんですけれども、訪日客の消費額が最高ということで、かなり外国人観光客が日本に訪れて、お金を落としているというのも現状であります。
震災の支援に対するお礼とその感謝の気持ちを述べると同時に、また、震災から4年7カ月の期間がたったということで、さらに外国の方々に、行って、岩手のいいもの、そして観光をしっかりとアピールをして、一人でも多くの外国人観光客が岩手県を訪れるように、知事のトップセールスとしてしっかりとやっていっていただきたいと思います。
最後に、室長に一言いただいて、終わります。
〇木村秘書広報室長 海外向け情報発信事業につきましては、ただいま総括課長から御説明申し上げましたとおり、基本的には復興報告会ということをメーンで、これまでの御支援への感謝と、それから、引き続きのつながりをさらに発展させるということでやっておりますが、特に、今、委員がおっしゃったような視点というのは非常に大事だと思っております。
特に、来月予定してございます台湾につきましては、本県への観光客が一番多いということでもございます。それから、花巻空港への定期便化ということもまた想定されるということでございますので、報告会は報告会ということではございますが、商工労働観光部、それから県土整備部等とも十分連携をとりながらしっかり対応して、いろいろなところに表敬等、まさに知事のトップセールスということも予定をしてございます。そういう形でしっかり対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は2点お聞きします。一つは、知事の県政懇談会でありますが、昨年度、今年度の実施状況、そして、その内容、どのように県政に生かされているのか示していただきたい。
〇上和野広聴広報課総括課長 知事の県政懇談会の昨年度及び今年度の実施状況についてでございますけれども、平成26年度は、本格復興推進年として、震災からの本格復興、未来を切り拓く取り組みを開催テーマとしたほか、新たに若者や女性が活躍できる地域づくりをテーマに加え、沿岸8回、内陸6回、合わせて14回開催したところでございます。
平成27年度につきましては、昨年度に引き続き、震災からの復興状況に対応した開催に留意し、内陸も含めオール岩手での震災からの本格復興を目指し、震災からの本格復興や地域振興、岩手の未来を切り拓く取り組みを主要テーマとして実施することとしており、これまでに沿岸で4回開催しているところでございます。
平成26年度の県政懇談会で寄せられました御提言は80件でございまして、そのうち、提言に沿って措置したもの及び実現に向けて努力しているものを合わせますと78件となっている状況でございます。
〇斉藤信委員 昨年の県政懇談会を見ると、若者、女性との懇談というのが3回、大学生との懇談が1回、高校生の懇談が3回ですね。だから、大学生、高校生、若者、女性、これがほとんどと言ってもいいぐらいね。私は悪くないと思いますよ。ただ、少し偏り過ぎているのではないかと。全体を見ると。
今、80件の要望があって78件と言いましたが、そういう若者、女性とか、大学生、高校生と懇談した意図は何なのか。そして、そこで示された主な意見は何なのか。74件も生かされたというのだけれども、生かされた中身を示してください。
〇上和野広聴広報課総括課長 若者、女性の意見をお伺いするということでございますけれども、これからの未来を切り開いていただく若者あるいは女性の視点からの提言をいただきたいということで開催を新たに加えたものでございます。
こちらのうち御提言をいただきましたものでございますが、ちょっと若者、女性の会議のみの件数は、恐れ入りますが集計をとっておりませんけれども、具体的に御提言をいただきました内容とその措置状況について御説明いたしますと、具体的には、沿岸の農業担い手の不足解消のため、農業人フェアなどを沿岸で開催してほしいという御提言を頂戴いたしました。この提言を踏まえまして、新・農業人フェアin宮古を平成26年11月に開催したという実績がございます。それから、JR山田線の代替バス同士の乗りかえ時間の設定が悪いという御意見を賜りまして、これにつきましては、関係バス事業者と調整いたしまして、乗り継ぎ時間の適正化を図ったというような事例がございます。
〇斉藤信委員 今のバスの連絡が悪いなどというのは、ずっと出ているのよ。今さら措置したという話にはならないと思うよ。まあ、後でまた詳しく聞きますがね。
いずれ、若者、女性を重視したというのはわかりますし、これは悪いことじゃない。ただ、全体として、本当にこの震災復興を進めるという点で、それだけでいいのかと、私はそのことを指摘だけしておきます。
次に、二つ目、知事と首長との懇談ですね。私は、一貫してこの問題を取り上げてきました。東日本大震災津波からの復興というのが、県政最大の課題であり、沿岸市町村にとっては、まさに通常予算の5倍、10倍の事業をやっているんですよ。
そして、4年7カ月が経過しましたけれども、経過の中で絶えず新しい問題、新しい困難な課題が出てくるというのもこの震災復興の特徴で、それだけに、やっぱり私は、一番苦労している被災地の首長とじっくり、本当に課題から、悩みからしっかり聞いて県政に生かしていただきたい、こう思っているんですが、昨年度、知事と首長との面談というのはどうですか、40分以上懇談したのが何件あるのか、沿岸首長との懇談はそのうち何件なのか、これをちょっと示してください。
〇八重樫秘書課総括課長 平成26年度の被災自治体の市町村長と知事との懇談ということでございます。
当課が公務として把握している分では、全体で20回の懇談をしておりまして、そのうち40分以上というのは13回やってございます。
〇斉藤信委員 以前から比べると少しふえたかなと、そういう感じはしますよ。だから、やっぱり挨拶程度にしないで、ぜひ、今、改選の直後ですから、知事の新しい思いもある、新しい戦略も立てようとしている、これは沿岸市町村も同じなんですよ。同じようにやっぱりふるさと振興で、それぞれの自治体のプランを考えようとしている。
私がある沿岸に行ったら、沿岸と言うと、宮古、釜石しか考えていないのではないのか、こういう意見があった首長もいましたよ。やっぱりそれぞれ沿岸も違うので、それぞれにふさわしいプランや復興を考えているので、そこをしっかり受けとめて、さらに沿岸被災地首長との懇談を進めていただきたい。
ことしの状況を見ると、選挙もあったということでしょう。回数も少ないし、全体で7回で、そのうち沿岸首長との懇談は3回ですからね。ことしは特殊事情があると思うけれども、それだけに、これから大変タイトなスケジュールがあると思うけれども、私は、しっかり被災地の思いを受けとめてやっていただきたいと。
大体、私が沿岸の首長と懇談するときは1時間ですよ。1時間聞いても足りないけれども、私は、それ以上やると、それは、首長さんの忙しい激務に差しさわりがあると思って1時間で打ち切っているんですけれども、1時間でも足りないというのが、懇談しての率直な私の実感です。そういう意味で、しっかり聞いて震災からの復興の課題に生かしていただきたい。
最後に、室長、ぜひ、一部改善されていると思うけれども、いかがですか。
〇木村秘書広報室長 沿岸に限らずということでございますが、知事と市町村長との面談、懇談ということでございます。
一般質問、また総括質疑でも知事から御答弁申し上げました。知事も、いずれ、答えは現場にありということで、できるだけ現地に赴いて、市町村長とも可能な限りお会いするというようなことを考えていると御答弁申し上げました。
当室といたしましては、そういう知事の御意向も踏まえまして、可能な限り日程調整をさせていただくことと同時に、現地調査等、各部局のほうで知事がさまざまな現場に行く機会がございます。そういうときでも、できるだけ市町村長との懇談というか面談の場を設定するようにというような要請もしているところでございます。
今後におきましても、そういったような方向で対応していきたいと考えております。
〇郷右近浩委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇郷右近浩委員長 質疑がないようでありますので、秘書広報室関係の質疑をこれで終わります。
秘書広報室の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。
〇紺野会計管理者兼出納局長 出納局関係の決算について御説明申し上げます。
便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
最初に、154ページをお開き願います。第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、出納局関係の支出済額は、155ページの備考欄の中ほどにありますように、出納局の管理運営費2億2、677万円余でございます。これは、職員30人分の人件費でございます。続きまして、158ページをお開き願います。第5目会計管理費の支出済額は2億6、403万円余でございます。これは、159ページの備考欄にありますように、一時借入金の支払い利息などの管理運営費と、収入証紙売りさばき手数料及び電子収納システム運営費であります。
次に、ページを飛んでいただきまして、412ページをお開き願います。証紙収入整理特別会計の決算についてでありますが、収入済額の合計は34億3、581万円余でございます。次の414ページをごらん願います。支出済額の合計は、415ページに記載しておりますとおり33億9、497万円余でございます。これは、一般会計への繰出金でございまして、その内訳は、県税並びに使用料及び手数料となっております。
次に、ページを飛んでいただきまして、440ページでございます。実質収支に関する調書をお開き願います。証紙収入整理特別会計の実質収支についてでありますが、5の実質収支額に記載のとおり4、083万円余でございまして、これは、翌年度に繰り越しをしているものでございます。
以上で出納局関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇郷右近浩委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇郷右近浩委員長 質疑がないようでありますので、出納局関係の質疑をこれで終わります。
出納局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求めます。
〇佐藤人事委員会事務局長 人事委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。178ページをお開き願います。第2款総務費のうち、8項人事委員会費でございます。予算総額1億4、912万9、000円に対しまして、支出総額は1億4、843万8、000円余でございます。内訳でございますが、1目委員会費の支出済額の682万8、000円余は、委員3名分の報酬など委員会の運営に要した経費でございます。次に、2目事務局費の支出済額は1億4、160万9、000円余でございますが、これは、職員15名分の人件費及び事務局における任用関係事務、公平審査事務及び給与関係事務等の管理運営に要した経費でございます。
以上で人事委員会関係の決算の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇郷右近浩委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇小西和子委員 人事委員会というのはどんな役割を果たすところなのでしょうか、お伺いいたします。
〇坊良職員課総括課長 人事委員会としての役割についてのお尋ねでございます。
人事委員会は、人事行政の専門的、中立的機関といたしまして、公正な人事行政を確保すること、適正な人事管理の推進を図るための調査研究をすること、そして、公務員の労働基本権制約の代償措置の機能を果たすこと、こういった役割を担っているところでございます。
当委員会といたしましては、こうした役割を踏まえ、地方公務員法に基づき、職員の給与、勤務時間その他の勤務条件が確保され、働きやすい職場環境の整備を図っていくことが重要であると考えております。
〇小西和子委員 昨年度の勧告についてお伺いしますけれども、特にも高齢層職員について厳しい勧告がここ数年行われております。高齢層職員についての勤務環境の改善も含めての勧告について伺います。
〇坊良職員課総括課長 昨年の勧告と高齢層職員の勤務環境の改善についてのお尋ねでございます。
まず、本委員会では、毎年4月時点の民間事業所従業員の給与と職員の給与の較差を算出するとともに、人事院による国の給与等の勧告の状況や他の地方公共団体の職員の給与などを総合的に考慮いたしまして、議会と知事に職員の給与の調査結果等について報告し、あわせて給与の改定について勧告しているところでございます。
昨年の報告及び勧告の概要でございますけれども、7年ぶりに月例給を0.28%、勤勉手当を0.05月引き上げる勧告を行うとともに、給与制度の総合的見直しについては実施を見送ることとしたほか、県内のガソリン価格の動向等を考慮した通勤手当の見直しなどについて報告したところでございます。
また、公務の運営につきましては、業務等に応じました適切な人員体制の確立、超過勤務の縮減、メンタルヘルス対策の継続の必要性などについて報告したところでございます。
これらの勧告、報告の内容につきましては、高齢層職員を含めた職員の勤務環境の改善につながっているものと考えております。
〇小西和子委員 給与水準の総合的見直しについて、昨年度は踏みとどまったということではあります。そこは評価したいと思います。
それでは、今年度の勧告について伺います。高齢層職員は、これまでもさまざまな大きな賃金削減を強いられてきましたので、そのあたりも含めてお願いいたします。
〇坊良職員課総括課長 本年の勧告と高齢層職員の勤務環境の関係でございます。
まず、概要でございますけれども、月例給につきましては0.21%、期末手当と勤勉手当を合わせまして0.20月引き上げるとともに、平成28年度から給料表の水準を平均約1%引き下げ、諸手当を引き上げる給与制度の総合的見直しの実施につきまして勧告したところでございます。
また、公務運営につきましては、長時間勤務の解消やメンタルヘルス対策の継続、ハラスメント対策の必要性などのほか、人員体制を整備する観点から新たに人材確保について報告いたしました。
給与制度の総合的見直しにつきましては、職員の給与と民間事業所従業員の給与の比較を行った結果、高齢層の給与が民間より高く、若年層については、その給与が民間より低い傾向にあったこと、そして、既に見直しを実施している国及び都道府県の状況など総合的に考慮いたしまして、高齢層の給料表の水準を引き下げ、若年層の水準を引き上げる、いわゆる世代間の給与配分の見直しでございますけれども、それと、勤務実態に応じた諸手当の見直しを行う必要があると考え、勧告したところでございます。
この勧告の中の単身赴任手当の引き上げ、給料表の号給の増設及び給料の引き下げとならないよう、3年間の現給保障の実施などについては、高齢層職員に配慮した内容としたところでございます。
〇小西和子委員 生涯賃金で見た場合どのぐらいの削減になるかというのは試算しているかと思います。そのことと、それから、総務部の審査のときもお話をしましたけれども、震災復興のみではなくて、国体開催に向けての職場、地域での牽引役となる世代であります。その処遇としては余りにも冷たい処遇だなと私は思いますけれども、最後に事務局長の所感を伺います。
〇佐藤人事委員会事務局長 生涯賃金の件につきましては、今ちょっと調べておりますので、私からは、高齢層職員が意欲を持って働けるようにということでございますが、復興事業がピークを迎えている中で、また、来年は国体があるということで、高齢層職員がこれまで培ってきた知識、経験を生かしながら、勤務意欲を持って働いていただくことは、非常に重要なことだと思っておりますし、課題だと考えております。
これまでも、給与のみならず、休暇制度であるとか、さまざま勤務条件、労働条件の改善のために諸制度を拡充してきたところでございます。
人事委員会としては、今後とも、職員のモチベーション維持のために、さらにどのような勤務環境の改善ができるのかという幅広い視点で、他県の状況を調査研究するとともに、任命権者とも協議を重ねながら、県民の理解が得られるような制度設計について、引き続き検討してまいりたいと考えております。
〇坊良職員課総括課長 生涯賃金の比較に関するデータにつきましては、当方ではちょっと把握してございません。
〇郷右近浩委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇郷右近浩委員長 質疑がないようでありますので、人事委員会関係の質疑をこれで終わります。
人事委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求めます。
〇菊池監査委員事務局長 監査委員関係の決算につきまして御説明申し上げます。
お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、180ページをお開き願います。第2款総務費のうち、9項監査委員費1目委員費の支出済額は1、780万円余でありますが、これは、監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要した経費であります。2目事務局費の支出済額は2億3、162万円余でありますが、これは、事務局職員の人件費等事務局の管理運営に要した経費であります。
以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇郷右近浩委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇中平均委員 監査委員に対して何点か、歳入歳出の審査意見書の内容について確認いたしたいと思います。
意見書内にある4の4の(2)の補助金事務の委託云々から入札に関しての取りやめも発生しているという表現について、この点は、どういった事例を踏まえてこのような表現にしているのかという点。また、意見書の4の4の(3)、事案によってはと、未収債権の関係だと思うのですが、ここの事案によってはという具体的な点をお聞かせください。
〇吉田監査委員 まず、内部管理体制についてでございますけれども、前段部分は、東日本大震災津波からの復旧、復興に係る補助金事務や委託契約の執行に当たり、県議会本会議や決算特別委員会等においても適正な執行に向けた厳しい意見が示されていることなどを踏まえたものでございます。
また、後段の部分は、発注者である県の側に起因する工事の入札取りやめの事例が、減少傾向にはありますものの、いまだに散見される状況を踏まえ、早期復興への影響も懸念されることから、一層の注意喚起を促すものでございます。
このような状況を踏まえ、これらの事案の発生が内部管理体制にも原因があると認められましたので、適正な事務執行を確保するという観点から、監査委員としての意見を述べたものでございます。
次に、収入未済等についてですが、未収債権の回収に当たりましては、個別に具体的な対応マニュアル等を定めているものも多いのですが、いわゆる補助金返還金等の県の債権につきまして、より確実な回収に向けた取り組みを強化するという観点から、一般論も踏まえまして意見を述べたものでございます。
〇中平均委員 前年度の決算特別委員会等を踏まえての意見書になっていると。
それで、お聞きするのですけれども、1点、ちょっと通告のものとはまた別ですが、今のお話を踏まえて、平成25年度の決算もやられて、そして、今回、平成26年度の決算の審査の意見書になっているかと思うんですが、平成26年度決算は、いろいろな内部執行体制の問題等があってこういう表現にはなっているけれども、平成25年度の決算の監査等をやったときに比べて、内部執行管理体制の状況等はよくなってきているという認識があるのでしょうか、お聞きしたいと思います。
〇吉田監査委員 そのような認識でおります。
〇中平均委員 もうちょっと聞きたいようなところもありますけれども、時間もあれですので、ぜひ、もう一点、最後に。
そういったいろいろな事案があって、当然監査をしていくというところではありますが、平成26年度決算の審査意見書を見せてもらって、そして、今も当然監査をやられているという中で、今後の監査委員事務局として、より、どういう体制で、どういう視点でこれからの監査をやっていくのかという点をお聞きして、終わります。
〇吉田監査委員 監査の執行体制についてでございますが、地方自治法が求める監査の役割を果たしてまいりますためには、県の事務事業の執行について、内部統制や改善のプロセスを確認するとともに、予算執行の状況にも留意しながら、正確性、合規性の観点はもとより、経済性、効率性及び有効性の観点からの監査等を実施する必要があると認識しております。
一方、監査業務は、大規模な工事やシステムなどの専門的分野や各部局にまたがる複雑で裾野の広い事務等への対応が求められていることなど、適正な行政運営を監査において担保していくために解決すべき課題も多いと認識しております。
このことから、会計検査院を初め、専門機関が実施する研修への派遣等を通じて監査に従事する職員の専門性を高め、監査機能や監査執行体制の強化に努めてまいる考えでございます。
〇斉藤信委員 私は、平成26年度岩手県歳入歳出決算審査意見書にかかわって質問したい。
個別的意見の中で、平成26年度決算の監査結果では指摘事項は72件となっている。前年度と比較して4件増加していると。
そして、私は具体的には二つのことをお聞きしたいんですが、(4)の財産管理について。監査結果における留意改善を要する事項では、財産管理の不適当なものが依然として多数に及んでおり、特に財産または物品と関係帳票が一致しないものが多く見られた。依然として多数に及んでおり、特に財産または物品と関係帳票が一致しないものが多く見られたと。私は、この文章はかなり深刻なものだと思うんですよ。依然として多数に及んだ、そして、多く見受けられたというこの実態は、どういうことなんですか。ずっとこういうことが続いていたということなんですか、それとも、多数というのはどのぐらいの件数をこれは指摘しているのですか。
〇吉田監査委員 初めに件数のほうから申し上げます。
平成23年度は8件、平成24年度は20件、平成25年度、同じく20件、平成26年度は29件でございます。
前に戻りますと、決算審査意見書の財産管理事務についてですけれども、指摘の概要としては、財産や物品の取得や処分の不適当なものが、今年度の全ての指摘72件中の29件、40%と多数見受けられたものでございまして、具体的には、例えば学校が外部から寄贈を受けた高額のピアノなどについて、県民の財産として財産管理簿や備品管理一覧表に適正に登載されていないものなどでございます。
財産管理に係る指摘につきましては、平成24年度から、先ほど申し上げましたように増加傾向にありますことから、定期監査の中で特に重点事項と位置づけ、また、今後、地方公会計で求められますバランスシートの作成において重要な要素の一つでもありますことから、これを先取りする形で重点的に監査を実施したところでございます。
これらにより指摘件数が増加したものと考えておりますが、この指摘内容に対する是正の努力を行うことによって、私としては、今後収れんしていくものと見ております。
〇斉藤信委員 どんどん不適当なものがふえているという、本当にこれは残念なことで、もう厳しく県の管理体制が問われるのだと思います。
もう一つは、(6)のところの職員の資質向上について。ここで、収入や支出、契約などにおいて事務のおくれや誤りが多く見受けられた。この背景には、内部管理体制上の問題のほか、全体の事務量が増加する中、一部に財務関係法規等について十分な理解がないままに事務を進めているなどの現況があると。
ここでも、多く見受けられたと。一部に財務関係法規等について十分な理解がないまま事務を進めているという、これまた県職員としてはあるまじきというか、こういう状況を放置している責任は私は極めて重大なのだと思うけれども、これも少し実態を示してください。
〇吉田監査委員 職員の資質向上についてですけれども、指摘したものの中には事務のおくれや誤りが多く見られたところでございますが、これは、恐らく従前から、県の事務執行体制が、いわゆる縦割りや個人責任といった面での脆弱性を有しておりまして、これに東日本大震災津波の発生により、業務量が著しく増加したことなども加わり、組織としての対応が追いつかなくなったものと認識しております。
一方、県におきましては、専門部署の創設や職員の配置に加え、内部考査の実施等の組織的チェック体制の強化を図っておりまして、これについては高く評価しているところでございます。
なお、私としては、今後、県の事務品質の一層の向上を図っていくためには、出納局、総務部総務室など事務品質管理部門といったいわゆるミドル部門相互の連携促進、それから、本庁と広域振興局との連携強化、さらには、先ほどのミドル部門と私ども監査委員との連携強化に取り組んでいく必要があると考えているところでございます。
〇斉藤信委員 わかりました。この監査意見の最後のところに、こう言っているんですね。専門的知識と経験を有する職員を育成し、実務を通じた指導や助言ができる職場環境を整備することなどにより、職員全体がその資質向上に努められたいと。
やっぱり県政、県職員に求められるのは、専門的知識と経験なんですよ。ここが市町村と違うところなんですね。ところが今、福祉の分野でも何でも専門家が育っていない。私も実感していますよ。ぜひ、この指摘がきちんと生かされるように、引き続き厳しく監査をやっていただきたい。
〇郷右近浩委員長 ほかに質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇郷右近浩委員長 質疑がないようでありますので、監査委員関係の質疑をこれで終わります。
監査委員事務局の皆さんは御苦労さまでした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時6分 散 会

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