平成27年9月定例会 第2回岩手県議会定例会会議録

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〇5番(菅野ひろのり君) このたび、奥州選挙区より議席を与えていただきました改革岩手の菅野ひろのりです。
質問に先立ちまして、地域の皆様の御期待に応えるべく、県勢発展のために全力を尽くしてまいります。選挙期間中、思いを伝えておりました、親の世代を支え、子供たちの世代にしっかりとこの岩手を引き継いでいくんだと改めまして誓わせていただくとともに、先輩、同僚議員の皆様に登壇の機会を与えていただき、心より感謝申し上げ、一般質問に入らせていただきます。また、答弁次第では再質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、人口減少問題についてでございます。
人口減少社会の到来により、地方消滅や日本消滅との危機感が広がっています。人口減少は、このふるさと岩手の活力を失わせ、岩手県の存続が危惧される切迫した現実です。平成26年現在の岩手県の出生率は1.44、このまま何の対策も講じられない場合、2040年には93万人になると見込まれています。県では、ふるさと振興の取り組みを進めることにより、2040年に100万人程度の人口を確保すると明言されています。今、私たちは、これから30年、50年先の社会を見据え、あらゆる人が希望を持てる社会を県民総参加で立ち向かっていかなければなりません。
人口減少社会の具体的な問題点として、社会減が挙げられます。若い人たちの進学、就職期での流出が顕著なわけですが、中でも、大学を卒業、就職する年齢である20歳代前半の女性の流出が多くなっています。首都圏等の企業に就職することにより、出会い、結婚と、生活の基盤がその地に築かれていきます。このことは本県の出生数の低下にも大きな影響を与えるものであり、この流出を食いとめる対応を講じなければなりません。
そこで質問いたします。知事は、社会減の中でも特に影響の大きい若い女性の流出についてどのように捉えているのか、県のふるさと総合戦略における位置づけ、そして、今後の具体的な推進方策という観点から御所見を伺います。
次に、岩手への新しい人の流れについてです。
社会減が進む中、一方では地方での暮らしに魅力を感じている人たちも多く、移住、定住に限らず週末を地方で暮らす方々など、暮らし方も多様化してきています。
平成26年8月に公表された内閣府調査、都市住民の農山漁村地域への定住願望の有無の調査では、特に20歳代38.7%が農村、漁村で生活したいと答えており、若い世代にもこうした価値観が芽生え始めています。県でも社会増を図るため積極的に取り組んでいく必要があると考えますが、人口減少に歯どめをかける岩手への新しい人の流れについて、これまでとどのように異なる視点で取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。
次に、子育てに優しい環境づくりについてです。
出生率の低下は、未婚率の上昇や晩婚化の進行、仕事と生活を両立できる環境づくりのおくれのほかに、子育てに係る経済的負担や心身の負担などが背景にあるとされています。特に女性にとっては、妊娠、出産の適齢期が職場でキャリアを積んでいく時期と重なることによって、仕事を通じての自己実現と妊娠、出産への現実的な不安が背中合わせであり、企業や社会全体が女性の不安を緩和するように、深い理解と優しさを持ち、より一層の配慮が必要になってきます。
県では、いわて子どもプランを策定し、子育てを強力に支援していく方針を打ち出しており、期待しているところですが、共働き家庭やひとり親家庭なども増加している中、それぞれの子育て家庭のニーズに応じて、県や市町村、民間団体、企業など、地域が一丸となって支援していく必要があると考えています。県では、民間団体や企業にどのような役割を期待し、地域一体となって子育てに優しい環境づくりに取り組んでいくのかを伺います。
次に、ひとり親家庭への支援についてです。
岩手県母子世帯等実態調査によると、平成25年度の岩手県のひとり親家庭は、母子家庭が1万2、000戸、父子家庭が1、400戸の合計1万3、400戸であり、少子化と言われる中でもひとり親家庭の割合は高まっています。ひとり親家庭では、子育てを行いながら生計を支えなければならない大変さがあり、教育、進学など、子供の将来への不安を抱えている親が少なくありません。
そのような中で、県では平成27年3月に岩手県ひとり親家庭等自立促進計画を策定しており、今後の相談機能や就業支援対策の充実が期待されるところです。県では、ひとり親家庭が抱える課題をどのように認識し、対策に取り組まれるのかを成果も含めてお伺いします。
次に、若者、女性の起業支援についてです。
働き方には、雇われる働き方だけではなく、自分の特技を生かした起業、創業を目指す若者や女性もふえています。社会経験が少なく、社会的信用がまだ低い若者、女性にとって、起業におけるハードルは決して低くはなく、融資支援や財務会計の相談対応など、さまざまな支援が必要となってきます。感受性が高い若者や女性の独自の視点を生かした潜在的な力が目覚めれば産業の活性化につながりますし、社会的背景でも6次産業が注目され、農業における新しいビジネスチャンスも到来しています。若者、女性の起業支援の充実が必要と考えますが、県のお考えをお伺いいたします。
話は変わりますが、次は農業振興についてです。
先日、大筋合意されましたTPP―環太平洋連携協定では、新しい国際通商ルールの中で、農業分野への影響が深く懸念されています。米、畜産、酪農は本県農業の基幹であり、農家や地域に多大な影響を及ぼすことは必至です。変わり行く時代に即した農業を考えるとともに、小規模な農家であっても、安心し、希望を持って生産活動できるようセーフティーネットとなる施策を講ずるなどし、環境整備に努めていく必要があると思いを新たにしたところです。
そんな中、希望の光であります県オリジナル水稲新品種のブランド化についてです。さきの神崎議員の質問と重複する点がありますが、私なりの視点から質問させていただきます。
稲作農家にとりましては、米の消費拡大も見えない中、先ほどお伝えしましたTPP大筋合意にて7万8、400トンの特別輸入枠が設けられることになり、ますます厳しい環境が突きつけられました。この社会的背景の中、ことしの米価の概算金は昨年と比べ若干上昇いたしました。岩手県産ひとめぼれで60キログラム当たり1万円の1、600円アップ、あきたこまちは9、600円の1、700円アップです。ブランド米とその他主力銘柄との価格差も広がりつつあります。例えば、東北地域最高値であります山形のつや姫は1万5、500円、青森県の新品種として今秋デビューします青天の霹靂は1万3、000円です。
米というのは、視覚的にほぼ何も変わらない、消費者にとってはその特性が大変見分けづらく、差別化が難しい商品です。特にブランド形成においては、コンセプト、ネーミングはもちろんのこと、パッケージング、店頭露出の拡大、イベントによる対面販売での接客販売促進、そして、さらに販売後のアフターフォローまで今は重要になってきます。今こそきめ細かなセールスプロモーションを行い、他県に類を見ない踏み込んだブランド形成プランが必要だと思います。特に、県の新品種米である岩手107号、岩手118号は、食味もよく、大変期待されています。県では、県オリジナル水稲新品種のブランド化にどのように取り組んでいくのか知事にお伺いいたします。
次に、稲作生産におけるコスト低減についてです。
稲作農家の所得増加のためには、さきに挙げた付加価値が高いブランド米の販売と並行いたしまして、生産コストの低減が必要になってきます。現在の生産コストは、60キログラム当たり8、000円に抑えるのも厳しいと言われております。稲作の生産コスト低減の対策としては、直播栽培というものが有効な手段と考えられております。県では、生産コスト低減についてどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。あわせて、直播栽培の普及状況についてもお伺いいたします。
次に、規模拡大に必要な基盤整備事業についてです。
高付加価値の新作米ですから、安定した生産数量は必要不可欠になってきます。
〔議長退席、副議長着席〕
稲作農家についても、農業人口減少の中、次世代を担う農業者へ農地を集約し、生産性高く、商品を市場に安定的に供給していくことは現在の農業政策の基本であり、新ブランド早期確立のためにも基盤整備事業は急務です。
岩手県におきましては、水田整備率が51%、全国平均の63%と比較し低い状況にあり、岩手118号の作付の柱となります奥州市におきましては46%と、さらに低い状況です。米価の下落により、悲鳴を上げ、事態の改善を待ち、耐えながら生産している稲作農家にとって、市場に安定的な量を提供し、生産効率を上げるためにも基盤整備事業への注力は必要不可欠なのです。県は、継続的に予算確保を国へ要望し、また、御尽力いただいている中ではありますが、改めまして、基盤整備事業についてどのように取り組もうとしているのかお伺いいたします。
次に、酪農、肉用牛の振興についてです。
岩手県の畜産規模は1、300億円です。これは、平成25年の農業産出額2、400億円の56%に相当します。関連産業も含めて多くの方々が携わり、生活の糧となっている重要な産業です。中でも、土地利用型の畜産である酪農、肉用牛は、全国有数の産地であるだけではなく、本県の強みである豊富な草地資源を活用した、最も岩手らしさのある産業だと考えています。
しかし、平成23年に発生した震災による被害に加え、原発事故に起因する牧草地の放射性物質汚染等による被害を受け、県産畜産物価格が大幅に低下し、多くの生産者が苦しんだところです。県では、こうした状況に対応し、他県に先駆けて牧草地の除染作業に着手し、平成26年度末には作業を完了したと伺っております。その速やかな対応に感謝申し上げます。また、現在は県産畜産物価格も震災前の価格を上回って推移しており、経営再建と、さらなる産地力の向上に向けた体制が整いつつあると感じています。こうしたことから、これまで以上に力強い畜産振興が必要と考えていますが、とりわけ酪農、肉用牛の振興について、知事はどのように振興を図っていこうとされているのかお伺いいたします。
次に、全国和牛能力共進会についてです。
過去、岩手県の肉用牛は、畜産岩手という強いメッセージが発せられる強固な取り組みでした。県の肉用牛の産出額は、現在、全国6位の200億円です。しかし、年々飼育戸数、頭数ともに減少しており、飼養者の高齢化も進んでいます。岩手の肉用牛生産は、子を育てるような思いで育成され、小規模ながらも多くの農家が支えています。そして、飼育頭数の大規模化に伴い、着実に成果を出している優秀な新しい農家もふえています。日々の努力により、高品質かつ1年1産を目指した効率的な生産が行われているわけです。
さて、平成29年9月、お隣の宮城県で開催される第11回全国和牛能力共進会は、5年に1回開催される和牛の能力を競うオリンピックでございます。この共進会で上位に入賞することは和牛生産県としての名誉であり、全国に本県―岩手県の黒毛和種の能力を誇示する絶好の機会と私は考えています。また、平成29年は、震災復興から7年目、宮城県を挟む岩手、福島が震災以降、幾多の困難を乗り越えながらも黒毛和種発展のために努力されてきた成果、東北にはこんなにすばらしい和牛がいるんだと共進会を通じて復興の加速と力強さを示す場でもあります。この共進会で上位入賞することにより本県子牛市場の活性化が図られるとともに、前沢牛に代表されるいわて牛のさらなる知名度アップと所得向上が期待されます。こうしたことは、経営規模の拡大を含めた担い手の生産意欲の向上や、県有種雄牛の利用拡大にもつながるものと考えています。
そこで、宮城県全国和牛共進会で優秀な成績を獲得するために、前回の長崎大会の評価も踏まえ、県ではどのような対策を講じているのかお伺いいたします。
次に、その生産のもととなります素牛導入の支援についてです。
後継者不足、飼料高騰などの経営環境悪化により、肉用牛のもととなる子牛頭数が全国的に減少しております。県内の市場では、平成25年から平成26年の1年間で約1、000頭減少しており、県内外から多くの肥育農家が子牛購入に訪れています。子牛の上場頭数の減少から子牛の価格高騰が続き、最近ですと、平成7年以降初めて70万円台に達しました。これは、10月7日に開催されました県南家畜市場の和牛子牛の状況です。繁殖農家にとっては本当に喜ばしいことではありますが、一方で、素牛を購入し規模を拡大したい農家にとっては、県外から来県される購買力のある農家との価格競争となり、素牛の導入が非常に困難になっている現状があります。まだまだ本県の和牛繁殖農家の飼育頭数は小規模であり、高齢者の多くが従事しています。県では、平成27年度、230万円の素牛導入補助事業に御尽力いただきましたが、今後の素牛導入、規模拡大におけるさらなる支援策、そして継続的に求められるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、飼育頭数が北海道に次いで全国2位の乳用牛、酪農について伺います。
平成27年度、酪農業がかかわる大きな社会問題といえばバターの品不足ですが、生乳生産における本県酪農業の重要性はますます増してくる中、社会環境や経営環境は厳しさを増す一方です。経営環境では、経営者の高齢化と担い手不足、餌の中心であります牧草等の粗飼料の安定的確保、配合飼料の価格高騰、長時間労働、また、多額な初期投資も必要なことから、新規参入のハードルが高い産業でございます。このような環境下では、今いらっしゃる既存の農家が事業を安心して継続できる環境を整えていくことが高品質かつ安定した生産量を確保することにつながりますし、また、心身の休養、あすへの活力の増進を図ることが地域酪農の継承と発展につながるものと信じております。
その取り組みとしては、酪農従事者の定期休日の取得や、傷病時などに酪農にかわって飼育管理を行うヘルパー制度の重要性が増加しています。また、ヘルパー専任の人員不足もあり、人材確保、育成を行っていくことも課題の一つとなっています。酪農経営を安定して継続、発展させていくためには、このヘルパー制度への支援が県としてもより必要となっていきますが、御所見をお伺いいたします。
次に、話は変わりまして、ILC―国際リニアコライダーについて3点質問させていただきます。
国際リニアコライダーは、御存じのとおり、21世紀の科学を切り開く学術的な世界貢献に資するという視点に立ち、ILC建設の盛り上がりの機運を高めるため、東北ILC推進協議会や県国際リニアコライダー推進協議会、県などにより普及啓発活動を初めとするさまざまな取り組みが行われております。ILC建設に向け、加速器施設建設費だけでも1兆円を超す巨額コストが最大の課題となっておりますが、国際協力関係の構築を行い、この巨額コストを各国で分担するという方向性とのことです。日本にとって、また、岩手にとってのILC建設の意義はどこにあるとお考えか、知事の御所見をお伺いいたします。
また、ILC実現を見据え、県内企業による加速器関連産業への参入の動きが広がっており、地域の活性化にも期待が持てるところです。県としては、この関連産業への参入支援、促進をどのように考え、どのような支援対策を考えられているのかお伺いいたします。
そして、完成予定は2020年代後半とされていますが、建設段階から運用までの30年間で、全国ベースで約25万人の雇用が創出されるということです。今の子供たちの雇用の場となることが期待されています。未来を担う子供たちへのILC普及啓発活動にも力を入れるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、県産品の振興についてです。
岩手県では、南部鉄器、岩谷堂箪笥などの伝統工芸品に代表されます魅力のある県産品が数多く存在します。この魅力のある県産品を多くの方にさらに認知していただくことが県産品の振興につながると考えています。
ブランド総合研究所が実施する地域ブランド調査2015の都道府県ランキングというのがありますが、本県の魅力度は全国で23位と中位にとどまっている中で、岩手を統一したイメージでより強く打ち出し、県外、特に首都圏での露出拡大をしていく必要があるのではないか、私はそう考えております。そして、岩手ブランドを浸透させる取り組みを強化していくためには、県ではどのような方向性で進めていくのか、具体的な取り組みも含めて伺います。
そして、本県では県産品振興の海外展開にも注力しているところであり、経済発展により購買力の高まる東アジア地域を海外展開の重要地域と捉えています。県産品輸出の一層の促進を図るため、事業者の海外ビジネス展開に対する支援を行い、平成26年度には輸出額22.5億円の成果を上げています。これは、岩手県の伝統工芸品の品質の高さ、ものづくりへの姿勢、海外における岩手ブランドへの評価であると考えています。国内での伝統工芸品の販路拡大をどのように考えられているのか、今後の具体的な取り組みも含め、御所見をお伺いします。
次に、警察署の統合についてでございます。
岩手県警は、警察署再編整備計画案の中で、来年度は都南を盛岡東署管轄に、数年後には、奥州市の水沢、江刺警察署の統合を行う方針としています。社会情勢の変化を背景に、限られた体制で最大限の効果を上げなければならない中で、統合による地域住民の安全・安心が守られ、各種手続など公共サービス面でも低下しないようにしなければならないと考えています。統合は、地域の安全・安心拠点である江刺警察署がなくなるというものであり、警察官の減少によって犯罪が増加する可能性があるのではないかという不安を抱かざるを得ません。
そこで2点お伺いいたします。
警察署が統合される中、地域の治安をどのように維持し、住民の不安解消を行っていくのか伺います。
また、警察署の再編整備により、安全・安心を実感できる地域社会、これをどのように実現していくのか御所見を伺います。
次に、スポーツ振興についてです。
本県では、岩手国体、ラグビーワールドカップ2019などビッグイベントが予定されています。先般のラグビーワールドカップの今大会では、日本は歴史をつくったと世界中から称賛の声が殺到する盛り上がりと成績をおさめられました。2019大会はさらに期待されるところです。私たちは、この一大イベントにとどまることなく、本県では、県民の健康の増進や生き生きとした豊かな生活を実現するため、継続的なスポーツ振興を行っていく必要があると考えています。特に岩手県においては、野球の大谷翔平選手を初めとする有名アスリートが輩出されています。継続的にトップ選手を輩出していくために、高い運動能力を持つ子供の発掘や、成長に合わせたトレーニングを指導するスーパーキッズの取り組みが行われているということです。和歌山国体も含めた本事業での成果と今後の取り組み方法についてお伺いします。
最後に、地域のスポーツ環境の整備についてお伺いします。
近年は、地域密着型で運営するプロスポーツが注目されており、県民の期待と関心が高まっています。一方、社会的背景として、少子高齢化の進展や核家族、ひとり親家庭の増加などにより、例えば、小学生がスポーツ少年団活動を行うことですら家庭への負担が大きいという声も聞かれています。また、小学校や中学校、高校の部活動等においても、児童生徒数の減少によりスポーツ活動の選択の幅が狭くなり、やりたいスポーツができない、そういった状況が増加していることも事実でございます。
しかしながら、できるだけ多くの子供たちに対して公平なスポーツ環境を整えていくことが、これからの岩手のスポーツ振興や発展のための礎になると私は考えています。
このことを踏まえ、学校や地域でのスポーツ環境づくりについて、県の取り組みについて御所見をお伺いいたします。
以上をもちまして質問を終わらせていただきます。最後までの御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 菅野ひろのり議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、若い女性の県外流出についてでありますが、今般策定する人口ビジョンでも分析しているように、県の社会減は、18歳の進学、就職期、22歳の就職期に顕著であり、議員御指摘のとおり、特に20代前半の女性の県外への流出が大きくなっているところです。
こうした状況は、職種や給与などの面で、若い女性の希望に沿った就職先が地元に少ないことに加え、県内企業の求人が首都圏に比べ遅いことなども背景にあると考えられ、今般のふるさと振興総合戦略では、県内企業の魅力向上や創業支援に加えて、企業の学生に対するアプローチの強化や新規学卒者とのマッチングを通じ、若者や女性の県外流出を食いとめることを取り組み方向として掲げています。
具体的には、地域産業の振興による競争力の高い企業の育成を図るとともに、創業を志す若者や女性への創業からその後の安定経営までを見据えた継続的な支援、企業の学生に対する効果的な情報発信の促進、学校やハローワーク、企業等と連携した就業のマッチングなど、多角的な取り組みを展開していくこととしています。
また、こうした取り組みと合わせ、女性が働きやすいと感じる雇用環境の整備も重要であり、岩手労働局等と連携した県内企業等に対する労働条件改善の働きかけや、経済団体等と連携したワーク・ライフ・バランスや女性登用を推進するための取り組みなど、産業界や国、市町村等と一体となって、県内で就職を希望する女性の期待に応えてまいります。
次に、岩手への新しい人の流れについてでありますが、政府が昨年行った移住に関する意向調査によると、近年、10代や20代の若者や50代の東京在住者において、地方への移住希望が高いことが示されているほか、全国的に、都市から農山漁村への移住、いわゆる田園回帰が注目されているところです。
東京圏の地方への移住希望者は4割を超えており、岩手においても、こうした流れを適切に捉え、岩手に移住したいと願う人々の思いに応えていくことが重要であります。
このため、移住者のやりがいと生活を支える所得が得られる仕事を確保するとともに、移住者の視線に立った岩手での暮らし方提案や、Uターンセンター等を通じた就農、就職支援、移住コンシェルジュ等による移住相談など、一人一人のニーズに応じたオーダーメード型の施策を部局横断的に講じてまいります。
また、移住後も安心して暮らし、一層岩手を好きになってもらえるよう、地域住民と移住者の懇談会や地域の受け入れ態勢を強化するコーディネーターの育成など、岩手の魅力を生かした岩手ならではの取り組みを、市町村、地域と一体となって進めてまいります。
次に、県オリジナル水稲新品種のブランド化についてでありますが、主食用米の需給が緩和し、産地間競争が激化している中、県では、オリジナル水稲新品種の岩手107号、岩手118号を核とした県産米のブランド化を進めることとしています。
このため、本年6月、県産米の生産、流通、消費などにかかわる県内外の関係機関、団体等で構成する、いわてオリジナル品種ブランド化戦略実践本部を設立し、平成28年2月には、ブランド化に向けた各種戦略を策定し、実践していくこととしています。
このうち、岩手107号については、平成28年のデビューに向けて、本年11月に名称を発表することとしており、食味ランキングでの特A評価の取得に向け、生産農家等が参加した栽培研究会での技術の確立や栽培マニュアルの策定に取り組んでいます。
また、県産米のフラッグシップとして位置づけている岩手118号については、平成29年のデビューに向け、百貨店や高級料理店などをターゲットに定め、今年度から現地試験を実施し、栽培適地や栽培方法を明らかにするとともに、全国最高水準の品質と食味を実現できる作付農家の要件を決定することとしています。
これら2品種のブランド化に向けては、現在、首都圏の米穀専門店や消費者を対象にマーケット調査を実施しており、今後、米流通の専門家のアドバイス等もいただきながら、早期ブランド化を図り、販路の開拓や高価格での取引の実現に向けて強力に取り組んでまいります。
次に、酪農、肉用牛の振興についてでありますが、本県の酪農、肉用牛は、飼養頭数や産出額において全国トップクラスの地位にあるものの、経営規模が小さく、生産コストも高いことから、一層の経営体質の強化に向けて、規模拡大や生産性の向上を図る必要があります。
このため、除染が終了した公共牧場等の草資源を最大限に活用しながら、酪農については、産乳能力の高い牛の導入支援や個々の酪農家にかわって飼料の収穫作業や調製、供給を行う作業受託組織の育成などを進め、肉用牛については、優良な繁殖牛の導入や低コスト牛舎等の整備支援に加え、繁殖牛の預託施設の整備により、公共牧場との一体的活用を促進するとともに、最近の子牛価格の高騰を踏まえ、今年度から、県単独で肥育素牛の導入を支援してまいります。
また、県や農協等による酪農・肉用牛サポートチームを県内10地域に組織し、分娩間隔短縮などの生産性向上や、新たに立ち上げた牛飼い女子グループの活動など、生産者による主体的な取り組みを積極的に支援しているところであり、こうした取り組みによって、岩手らしい酪農、肉用牛の生産振興を図ってまいります。
次に、ILC建設の意義についてでありますが、今般のノーベル物理学賞の梶田隆章さんの受賞は、日本のお家芸と言える素粒子物理学の研究に与えられたものであり、日本がこの分野で果たしている役割の大きさを示すものと考えます。
世界で唯一建設されるILCは、その素粒子物理学の研究拠点となるもので、21世紀の科学と技術を大きく前進させる国際プロジェクトであります。
ILCには、世界中から最先端の研究を行う人材が集うことから、未来を担う人材の育成に大きく貢献するものであり、岩手の子供たちにとって、世界最先端の科学に挑戦している各国の研究者や多様な文化に直接触れることによって、科学への関心を高め、チャレンジ精神の醸成のほか、グローバル人材の育成にも大いに資するものと考えます。
建設による直接的な経済効果を初め、超伝導技術や超精密加工技術等を駆使するILCは、新たな産業の創出や関連産業の立地に寄与するとともに、研究施設の運営など地元にも雇用をもたらすものであります。
また、梶田さんが、人類の知の地平を拡大すると述べているように、ILCも、世界の人々の認識や考え方の枠組みを広げ、国際社会の発展や平和にも寄与するものと考えます。
県としては、日本、そして岩手に大きな変革をもたらし、世界全体に大きく貢献するILCの実現に向けて、全力を挙げて取り組んでまいります。
その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了解をお願いします。
〔企画理事齋藤淳夫君登壇〕
〇企画理事(齋藤淳夫君) いわてブランドの強化についてであります。
対外的な売り込み活動におきましては、本県が全国に誇る豊かな自然や歴史文化、特色ある伝統工芸、食文化など、本県の多彩な魅力を総合的に発信しながら、御案内のとおり、本県のブランド力の向上を図っていくことが重要であると認識しております。
このため、本年4月に、副知事を本部長とする、いわてまるごと売込み推進本部を設置いたしまして、本県の対外的売り込み活動に係る施策情報を共有するとともに、部局横断的な取り組みを戦略的、総合的に推進し、施策の相乗効果が発揮されよう取り組んでいるところであります。
一例を挙げますと、まず、本県の対外的な売り込み活動における統一イメージにつきましては、従来、それぞれの施策ごとにキャッチコピー等を設けまして、それを使っておったところでございますが、いわてまるごと売込み推進本部におきまして、イメージ戦略の再構築を図り、県外広報イメージコピー、黄金の国、いわて。の使用を基本とすることにしたところであります。
この統一イメージのもと、今後、広報活動や県産品の販売などを進めることとし、それぞれの活動を通じまして岩手を丸ごと売り込むことにより、本県のブランド力の向上を図りながら、県産品の販路拡大や観光振興、企業誘致や定住交流等の促進につなげてまいります。
〔保健福祉部長佐々木信君登壇〕
〇保健福祉部長(佐々木信君) まず、子育てにやさしい環境づくりについてでありますが、県では、本年4月に、安心して子供を産み育てることができる環境の整備を図り、一人一人の子供を健やかに育むことができる社会の実現に寄与することを目的として、いわての子どもを健やかに育む条例を施行したところです。
この条例におきましては、保育所や子供、子育て支援を行う団体には、専門的な知識や経験を生かした支援を行っていただくことや、企業には、子育てに配慮した労働環境を整備していただくことなどを期待しているところであります。
また、地域一体となった取り組みについては、これまで、男女がともに働きやすい職場環境づくりに取り組む企業等の認証や、妊婦や子供連れの家族に商品の割引などを行う子育て応援の店の登録を進めてまいりました。
今後は、こうした取り組みを継続しつつ、いわての子どもを健やかに育む条例の周知を図り、市町村と連携しながら、民間団体や企業の子育て支援施策を促進するなどにより、地域が一体となった子育てにやさしい環境づくりに取り組んでいきたいと考えております。
次に、ひとり親家庭への支援についてでありますが、本県のひとり親家庭の課題としては、福祉制度の認知度や利用度が低いことや、母子家庭の就労形態は臨時、パートが多く、収入が低いことなどが挙げられます。
このため、県では、岩手県ひとり親家庭等自立促進計画に基づき、母子・父子自立支援員による相談対応、ひとり親家庭等就業・自立支援センターの就業相談員による就業支援、母子福祉資金の貸し付け等の経済的な支援などを行っているほか、今年度は、新たに各市町村に出向き出張相談会を実施し、各種支援制度の周知と相談対応を行ったところです。
平成26年度の取り組みの主な成果は、就業相談員が延べ885件の相談に対応し、その結果、43人が就職したほか、母子福祉資金等を延べ302件貸し付けたところであります。
今後とも、ひとり親家庭の自立や生活の安定を図るため、きめ細やかな対策を講じてまいります。
〔商工労働観光部長菅原和弘君登壇〕
〇商工労働観光部長(菅原和弘君) まず、若者、女性の起業支援についてでありますが、県では、創業を目指す方々に対し、商工団体やいわて産業振興センターと連携して、いわて創業スクールの開催や各種相談などを行っており、支援策の情報提供を初め、会計、マーケティング、経営戦略など、創業に必要なスキルの習得支援を行っております。
特にも、新規創業者が順調に経営していくためには、事前に綿密な事業計画を策定することが重要と考えており、商工団体等では、個別に事業計画の策定を支援しております。
また、創業者を対象とした融資制度や、いわて希望ファンドなどの助成制度を用意してございまして、創業後も、売り上げ確保等の課題に応じて専門家による助言を行うなど、密着した支援を行っております。
さらに、いわて希望ファンドにおきましては、若者や女性の創業を後押しするため、今般、助成率を引き上げたところであり、また、若者や女性などが商店街で創業にチャレンジできるよう、市町村等が創業体験の場を提供する取り組みに対して助成するなど、今後とも、さまざまな創業支援を行ってまいります。
次に、伝統工芸品の販路拡大についてでありますが、購買力や情報発信力の高い大消費地における展開が重要との認識から、首都圏等において、アンテナショップでの販売を初め、大手百貨店での物産展の継続的な開催等に努めてきたところです。
また、ライフスタイルの変化や多様な消費者ニーズに対応したデザイン開発や新商品開発を促進するため、大手百貨店のバイヤー等の産地への招聘や、いわて特産品コンクールの開催に加え、いわて希望ファンド等による資金面での支援を実施しているところです。
今後とも、県産品の魅力づくりをより一層行いながら、その魅力を生かしたライフスタイルを提案し、新たな購買層の開拓を図って販路拡大につなげていく取り組みを進めてまいります。
〔農林水産部長小原敏文君登壇〕
〇農林水産部長(小原敏文君) まず、稲作生産におけるコスト低減についてでありますが、主食用米の需給が緩和状態にあり、米の価格が低迷している中で、県では、市町村や農協等の参画のもと、県内9地域で作成したコスト低減に向けた計画に基づき、経営規模の拡大や直播栽培の導入、資材費の低減などに取り組んでおります。
このうち、直播栽培については、大幅な労働費の低減が期待できますことから、展示圃の設置や研修会の開催、播種機の導入支援等により普及拡大を図ってきており、平成27年は、北上川下流域を中心に477経営体、1、125ヘクタールで取り組まれ、5年前と比べ、経営体数、面積とも約4倍に拡大してきております。
直播栽培につきましては、今後、全ての大規模経営体での導入を目指しますとともに、かん水を省力化できるプール育苗による労働費の低減や疎植栽培による資材費の低減などとあわせ、一層の生産コストの低減に取り組んでまいります。
次に、基盤整備事業についてでありますが、本県の水田整備率は東北の中で最も低く、農業水利施設の老朽化も進行しておりますことから、生産性の向上や収益性の高い農業を実現するため、水田の大区画化や排水対策、水利施設の改修など、基盤整備を着実に進めていくことが必要となっております。
このため、県では、地域での話し合いを重ねながら、担い手の明確化など営農ビジョンづくりを支援しますとともに、地形勾配や区画形状などの立地条件や地域のニーズを踏まえた生産基盤の条件整備に取り組んでおります。
今後におきましても、国からの予算確保に努めますとともに、整備要望を踏まえ、圃場条件に応じたきめ細かな基盤整備と担い手への農地集積を一体的に進め、農地の有効活用や農業経営の効率化が図られるよう取り組んでまいります。
次に、全国和牛能力共進会についてでありますが、この共進会は、地域における和牛改良の成果を5年に1度競うものであり、前回の長崎大会では、繁殖牛の体型等を審査する種牛の部では優秀な成績をおさめましたものの、枝肉を審査する肉牛の部では、出品条件であります生後24カ月齢出荷に対応できず、成績が振るわなかったことから、若齢肥育技術の向上が課題と捉えております。
このため、肉牛の部では、出品候補牛の肥育期間を確保するため、肥育農家への早期導入を進めますとともに、県、農協等で組織する対策協議会による肥育農家の巡回指導により、若齢肥育技術の向上を図っております。
また、種牛の部では、県産種雄牛と体型や繁殖成績のすぐれた優良繁殖雌牛との計画交配を進めますとともに、生産された出品候補牛の適切な育成管理を指導しております。
こうした取り組みを通じまして、前回以上の優秀な成績をおさめ、本県が、全国に誇れる優良な和牛産地であることを県内外に強くアピールしてまいります。
次に、素牛導入支援についてでありますが、本県の家畜市場におけます肉用子牛価格は、平成21年度の平均が34万4、000円であったものが、平成26年度には53万4、000円と5年間で約20万円上昇し、その後も上昇が進んでおるところでございます。このことから、繁殖農家におきましては、市場からの優良な繁殖素牛の確保が困難な状況となっております。
このため、家畜導入に係る国の補助事業について、制度の継続、拡充を要望していくとともに、県単独事業についても、事業の継続に努め、引き続き、繁殖素牛の導入を支援することとしております。
次に、酪農ヘルパーについてでありますが、休暇のとれない酪農家にかわり、搾乳、飼料給与等の作業を代行します酪農ヘルパーへの需要は年々高まってきておりまして、昨年度は、年間延べ1万4、000回の利用があったところでございます。
県内15のヘルパー利用組合には、酪農家の7割に当たります約700戸が加入しておりますが、酪農家の減少等によります運営収入の不足や酪農家の派遣要請に応じられないケースがあることから、運営の強化や熟練したヘルパーの確保などが課題となっております。
このため、県では、ゆとりある酪農経営の実現に向けまして、市町村、農協等と連携し、未加入農家の加入を促進しますとともに、研修会等によりますヘルパー要員の確保、育成や隣接組合間での広域派遣などを支援しております。
今後とも、こうした取り組みをより強化し、酪農経営の安定に努めてまいります。
〔政策地域部長大平尚君登壇〕
〇政策地域部長(大平尚君) 県内企業の参入支援等についてでありますが、ILCの建設に向け、県内企業の加速器関連産業への参入の拡大を図ることは重要であり、このため、県では本年6月に、いわて加速器関連産業研究会を設立し、企業向けのセミナーや会員を対象とした視察会、若手技術者向けの加速器勉強会を開催しております。
また、県内企業の有するものづくり技術を加速器関連産業へ展開していくために、いわて産業振興センターにコーディネーターを配置し取引のマッチング等を行っているほか、参入意欲のある企業の研究開発への助成も行っているところです。
引き続き、高エネルギー加速器研究機構と連携を密にし、研究者のニーズや県内企業の持つ技術、意向を把握しながら参入を支援してまいります。
次に、子供たちへの普及啓発活動についてでありますが、ILCは、現在の小中学生が社会人として活躍する時期に稼働が見込まれることもあり、ILCを含めた科学全般への関心を高める活動は、非常に重要と考えております。
このため、県では、関係団体と連携しながら、小中学生向けのILCコミックやDVDの作成と県内全ての小学校等への配布、ILCの講演とクイズ大会を組み合わせた子供向けイベントの開催、小・中・高校生を対象とした科学の出前授業などを行っております。
また、関係市におきましては、小中学生を対象としたILC絵画コンクールや、中学、高校生向けのサイエンスカフェ、市独自の出前授業などが行われております。
今後とも、このような取り組みを支援するとともに、次代を担う子供たちを初め、多くの県民がILCなど科学に関心を寄せ、理解が深まるよう取り組みを充実させてまいります。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) スーパーキッズの成果と今後の取り組み方向についてでありますが、まず、和歌山国体も含めた事業の成果につきましては、10月6日に終了した和歌山国体には、いわてスーパーキッズの修了生が6名出場し、自転車競技、陸上競技で入賞するなどの活躍をいたしました。
国民体育大会の幕あけとなった群馬県での冬季大会では、スキー、スケート競技に5名が出場し、スキー競技での優勝を初め、3名が入賞を飾るなど、本年の国民体育大会における岩手県勢の天皇杯順位16位という大躍進に大きく貢献してくれました。
また、本年7月にコロンビアで行われた世界ユース陸上競技選手権大会に、日本代表の男子キャプテンとして出場し、入賞を果たした修了生を初め、ここ数年、国際大会に出場する修了生も出てきておりますし、全国高等学校総合体育大会や全国中学校体育大会等にも数多く出場するなど、本事業の成果は着実にあらわれてきております。
本年度からは、スーパーキッズ候補生の早期の能力開発に取り組むため、募集する学年を小学校5年生から4年生に1学年早めることといたしておりますし、また、昨年度からは、国との一体的なジュニア育成を図るため、東北ブロックでの新たなタレント発掘、育成事業にも取り組んでおりますので、今後におきましては、これらの事業をも有機的に結びつけながら、岩手から日本、世界で活躍するトップアスリートの輩出を目指してまいります。
次に、地域のスポーツ環境の整備についてでありますが、県教育委員会では、これまで、子供たちを含めた地域の皆様にさまざまなスポーツ機会を提供する総合型地域スポーツクラブの育成や、スポーツ少年団の指導者養成等の取り組みを通して、地域における子供のスポーツ環境の充実などに努めてまいりました。
県内25市町村にある53の総合型クラブでは、児童生徒を含む幅広い世代の参加者に対応したスポーツプログラムを提供しており、県教育委員会でも、その情報を随時公開しながら、市町村や学校を通じて、地域のクラブが子供たちを受け入れられる環境づくりを進めてきております。
また、近年は、少子化の進展などにより、複数の学校による合同練習や合同チームでの大会参加もふえてきておりますので、部活動の柔軟な運営等への支援などにも、スポーツ関係団体等と連携し取り組んでおります。
今後におきましても、少子化や核家族化等の社会環境の変化に対応しながら、学校体育、運動部活動と地域スポーツの連携を一層進めるなど、地域におけるスポーツ環境の整備に努めてまいります。
〔警察本部長堀誠司君登壇〕
〇警察本部長(堀誠司君) 水沢、江刺両警察署の統合に伴う地域の治安維持と住民の不安解消についてでありますが、まず、両警察署を統合して規模を大きくすることにより、事件、事故の同時多発あるいは大規模事件、事故発生時における対応力を強化してまいります。その上で、江刺警察署管内にあります七つの駐在所は存続させるとともに、現在の江刺警察署の場所に仮称でありますが江刺幹部交番を設置して、駐在所と同様に一定の地域を担当する警察官、パトカー勤務員及び交番相談員を配置し、パトロール活動を充実させるとともに、事件、事故あるいは困り事相談などに適時適切に対応してまいりたいと考えております。加えて、同幹部交番には、刑事部機動捜査隊、そして交通部交通機動隊の分駐隊を併設し、県内初かつ唯一となる機動警察センター化を検討しております。これらの措置を講じることにより、実働警察官の増強、そして機動力の向上を図り、犯罪や交通事故の抑止効果を高めてまいる所存であります。
次に、警察署の再編整備による安全・安心を実感できる地域社会の実現についてでありますが、県警察では、地域住民の安全・安心の確保は、警察署などがその機能を最大限に発揮するとともに、自治体などの各行政機関あるいは団体と連携を図ることが極めて重要であると考えております。
そこで、警察署の統合によりその機能強化を図るとともに、住民の生活圏、経済圏を考慮しつつ、自治体の区域を基本として一体性のある地域を一つの警察署で管轄することにより、犯罪や交通事故の未然防止あるいは発生時の対処体制を強化するなどして県民の安全・安心の確保、向上に努めてまいりたいと考えております。
〇5番(菅野ひろのり君) 通告をしておりませんでしたが、1点、再質問させてください。
お米についてです。
先ほど知事から、オリジナル米について、早期のブランド化を図り、販路の開拓、そして高価格での取引に強力に取り組んでいくということをいただきました。本当にうれしいなと思いました。ありがとうございます。
私の地域でもやはり稲作は非常に盛んでございまして、新しい若い農家ですと、例えば12ヘクタールを家族経営で行っており、山間部ですから100枚ほどの田んぼを家族で耕していると。なかなか大変だなと思って聞いたことがあるんです。ちょっと実情といいますか状況をお話ししたいんですが、その中では、やはり地域の方がもう田んぼを耕さなくなる、だからかわりにやっているんだと。そこで、私、聞いたんです。なぜなかなかもうからないお米をやるんですか、やり続けるんですかと。そうしますと、こうお言葉をいただきました。これは、やはり先祖代々引き継いでいる農地だからやめるわけにはいかないし、事態が好転するのを信じて待っているんだというお言葉でございました。私は胸がぐっと締めつけられまして、農家、これは地元の農家だけではなく、岩手県内の農家が全てそうだと思うんです。なかなか価格が上がっていかない中でお米をつくり続ける、この思い、覚悟。先ほど知事から御回答いただきましたが、改めまして、稲作農家へ向けた、知事の新しいオリジナル米に対する強い意気込みと覚悟を再度お聞かせいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
〇知事(達増拓也君) まず、岩手107号でありますけれども、これは今までに食べたことがないようなおいしさを感じさせるものでありまして、そして岩手118号は、それよりもさらにおいしい、お米というものがここまでおいしくなるものなのかということを感じさせるようなものであります。これらの新品種を開発した関係者に、よくやったと言ってあげたいと思っております。
これらの新品種を全国の皆様に召し上がっていただくことで、岩手から日本のお米の新しい可能性を切り開いていきたいと思います。岩手のお米がより高い対価を払うにふさわしいものであるということを全国の消費者の皆さんに御理解いただいて、そして、生産者も消費者も力を合わせて、岩手の米づくり、ひいては日本の米づくりを発展させることができればというふうに思います。
〇副議長(工藤大輔君) この際、暫時休憩いたします。
午後3時54分 休 憩
出席議員(48名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 臼 澤   勉 君
3  番 千 葉 絢 子 君
4  番 ハクセル美穂子 君
5  番 菅野 ひろのり 君
6  番 柳 村   一 君
7  番 阿 部 盛 重 君
8  番 佐 藤 ケイ子 君
9  番 佐々木 宣 和 君
10  番 川 村 伸 浩 君
11  番 田 村 勝 則 君
12  番 工 藤   誠 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 吉 田 敬 子 君
15  番 佐々木   努 君
16  番 千 葉   進 君
17  番 佐々木 朋 和 君
18  番 名須川   晋 君
19  番 軽 石 義 則 君
20  番 神 崎 浩 之 君
21  番 城内 よしひこ 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 佐々木 茂 光 君
24  番 高 橋 孝 眞 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 小 西 和 子 君
27  番 工 藤 勝 博 君
28  番 高 橋 但 馬 君
29  番 小 野   共 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 高 橋   元 君
32  番 関 根 敏 伸 君
33  番 岩 崎 友 一 君
34  番 嵯 峨 壱 朗 君
35  番 中 平   均 君
36  番 五日市   王 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 小野寺   好 君
39  番 飯 澤   匡 君
40  番 渡 辺 幸 貫 君
41  番 佐々木 順 一 君
42  番 田 村   誠 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 工 藤 勝 子 君
45  番 樋 下 正 信 君
46  番 柳 村 岩 見 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 工 藤 大 輔 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後4時12分 再開
〇副議長(工藤大輔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
日程第1、一般質問を継続いたします。川村伸浩君。
〔10番川村伸浩君登壇〕(拍手)

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