平成27年2月定例会 予算特別委員会会議録

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予算特別委員会会議記録
(第8号)
平成27年3月17日(火)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 高 橋 勝 重
議事管理担当課長 渡 辺 謙 一
主任主査 清 川   勝
主任主査 村 上   聡
主任主査 藤 澤 壮 仁
主査     藤 枝   修
主査     田 内 慎 也
主査     菊 地 友 和
1説明員
農林水産部長 小 原 敏 文
理事     立 花 良 孝
副部長兼
農林水産企画室長 浅 沼 康 揮
農政担当技監 工 藤 昌 男
農村整備担当技監
兼農村計画課
総括課長 伊 藤 千 一
林務担当技監 佐 藤 順 一
水産担当技監 大 村 益 男
競馬改革推進室長 高 橋 宏 弥
技術参事兼水産
振興課総括課長 五日市 周 三
理事心得 熊 谷 正 和
農林水産企画室
特命参事 黒 田 敏 彦
農林水産企画室
企画課長 藤 代 克 彦
農林水産企画室
管理課長 瀧 澤 信 一
団体指導課
総括課長 高 橋   勉
指導検査課長 高 橋   毅
流通課総括課長 上 田 幹 也
農業振興課
総括課長 高 橋   渉
担い手対策課長 千 葉 和 彦
農業普及技術課
総括課長 前 田 一 人
農村建設課
総括課長 伊 藤 栄 悦
農産園芸課
総括課長 下 村   功
水田農業課長 星 野 圭 樹
畜産課総括課長 小 岩 一 幸
振興・衛生課長 千 葉   伸
林業振興課
総括課長 菊 池   透
森林整備課
総括課長 阿 部 義 樹
整備課長 漆 原 隆 一
森林保全課
総括課長 伊 藤 節 夫
漁業調整課長 山 口 浩 史
漁港漁村課
総括課長 佐々木 敏 裕
競馬改革推進監 千 葉 義 郎
競馬改革推進室
特命参事 多 田   繁

財政課総括課長 五月女 有 良
〇工藤勝子委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
議案第1号から議案第20号まで、議案第23号、議案第34号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第52号、議案第56号、議案第58号、議案第59号及び議案第137号の以上35件を一括議題といたします。
本日は、農林水産部関係について、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
なお、本日の農林水産部の審査につきましては、3月5日の当委員会で決定したとおり、第1部及び第2部に分けて審査することとし、第1部では農業関係分野について、第2部では林業関係分野及び水産業関係分野について、それぞれ審査することになっておりますので、御了承願います。
それでは、農林水産部長に農林水産部関係の説明を求めます。
〇小原農林水産部長 農林水産部関係の平成27年度の予算関係議案について御説明申し上げます。
予算関係議案の説明に入ります前に、平成27年度の農林水産施策の推進に当たっての基本的な考え方について御説明申し上げます。
まず、本県農林水産業を取り巻く状況でありますが、東日本大震災津波からの復旧、復興は、これまでの取り組みにより、漁船や養殖施設、水産業共同利用施設等の整備が進み、産地魚市場の水揚げ量は震災前の約8割まで回復したものの、いまだ途上にあるほか、放射性物質の影響からの原木シイタケの産地再生や消費者の信頼回復、販路の回復、拡大を進めていかなければならない状況にあります。
また、本県農林水産業は、担い手の高齢化や減少など、農林水産業、農山漁村の維持発展の上でさまざまな課題を抱えています。
このような状況を踏まえて、平成27年度は、本格復興邁進年の位置づけのもと、東日本大震災津波復興計画に掲げた取り組みを着実に進めるとともに、いわて県民計画に掲げた取り組みも推進し、本県農林水産業が地域経済を支える基幹産業として再生、発展できるよう取り組んでまいります。
このため、引き続き、漁港施設や海岸保全施設等の復旧、整備を進めるとともに、地域漁業を担う経営体の育成や、漁獲から流通、加工までの一貫した高度衛生品質管理体制の構築による水産物の販路の拡大や高付加価値化に取り組んでまいります。
また、被災農地の整備を契機とした農地の利用集積の促進や、海岸防災林の再生に取り組んでまいります。
さらに、放射性物質影響対策として、原木シイタケの出荷制限解除に向け、検査やほだ場の環境整備を進めるとともに、県産農林水産物の安全・安心と魅力の発信や、消費者の信頼回復、販路の回復、拡大を図ってまいります。
次に、復興に向けた取り組みと軌を一にした全県の農林水産業の振興を図るため、農業については、地域農業マスタープランに位置づけられた中心経営体の認定農業者への誘導やリーディング経営体の育成とともに、農地中間管理事業や圃場整備事業を活用した担い手への農地集積を進めます。特に米では、今般策定したいわての美味しいお米生産・販売戦略に基づき、生産コストの低減や県オリジナル新品種のブランド化、県産米の消費拡大に取り組みます。
また、畜産では、酪農、肉用牛の飼養管理施設の整備や肥育経営への支援などの取り組みを進めてまいります。林業については、大型合板工場の整備等により需要が拡大している県産材の安定供給に向けた情報共有、協力体制の構築や、木材を無駄なく活用するカスケード利用を進めます。
水産業については、地域漁業の強化に向けた担い手の確保、育成に取り組んでまいります。
さらに、6次産業化などによる農林水産物の高付加価値化と販路の拡大、農林水産物の輸出の拡大に取り組んでまいります。
それでは、予算関係議案について御説明申し上げます。
まず、議案第1号平成27年度岩手県一般会計予算でございますが、議案その1の7ページをお開き願います。第1表歳入歳出予算の歳出の表中、農林水産部関係の予算は、6款農林水産業費の834億5、811万9、000円のうち、県土整備部所管分を除きます831億8、556万9、000円、及び9ページの11款災害復旧費3項農林水産施設災害復旧費の534億8、599万9、000円を合わせまして1、366億7、156万8、000円となります。これを前年度当初予算1、386億2、343万円と比較しますと19億5、186万2、000円、率にして1.4%の減となります。
予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に簡潔に御説明申し上げます。
予算に関する説明書の145ページをお開き願います。6款農林水産業費1項農業費であります。1目農業総務費は、農政関係職員の人件費や国土調査等に要する経費であり、説明欄上から五つ目のいわて農林水産業6次産業化推進事業費及び下から二つ目のいわて6次産業化ネットワーク活動推進事業費は、農林水産業の6次産業化に向けた取り組みを支援するため、多様な事業者が連携して行う商品開発、販路開拓、創業、経営サポート及び加工施設の整備等を進めようとするものであります。146ページをお開き願います。2目農業金融対策費は、農業近代化資金等の貸し付けを行う農協などの融資機関に対して利子補給等を行うものであります。3目農業改良普及費は、農業改良普及センターの管理運営に要する経費等のほか、説明欄の下、いわてニューファーマー支援事業費は、新規就農者の確保、育成等を図るため、就農前の研修期間や経営が不安定な就農直後の所得を確保する就農給付金を交付しようとするものであります。147ページ、4目農業振興費ですが、説明欄上から六つ目の日本一の美味しいお米の国づくり推進事業費は、全国トップクラスの品質とおいしさを誇る県産米の評価と知名度の向上を図るため、今後、市場供給を予定している県オリジナル新品種のブランド化と県民運動を核とした県産米の消費拡大に取り組もうとするものであり、その下の農業経営基盤強化促進対策事業費は、地域農業マスタープランの充実と実践を支援するとともに、農地中間管理機構を活用して中心経営体へ農地集積する場合の農地の出し手に対する協力金等を交付しようとするものであります。続いて、その下、中山間地域等直接支払事業費は、中山間地域において農業生産活動を行う農業者等に対し、農業生産条件の格差の範囲内で交付金等を交付しようとするものであり、説明欄下から二つ目、被災地域農業復興総合支援事業費は、被災市町村が農業復興を実現するために行う被災農業者等への貸与等を目的とした農業用施設、機械の整備を支援しようとするものであります。148ページに参りまして、上から四つ目のいわて地域農業マスタープラン実践支援事業費は、地域農業マスタープランの実践のため、認定農業者等の経営の高度化や園芸、畜産等の産地拡大に必要な機械、施設等の整備を支援しようとするものであります。5目農作物対策費の説明欄二つ目の鳥獣被害防止総合対策事業費は、野生鳥獣による農作物被害の拡大防止のため、市町村被害防止計画に基づく侵入防止柵の設置や捕獲活動等を支援するとともに、効果の高い被害防止技術の実証、普及や被害防止対策のための地域指導者育成研修等を実施しようとするものであり、説明欄一番下の強い農業づくり交付金は、米、麦などの土地利用型作物等について、高品質化や高付加価値化を図るため、共同利用施設の整備を支援しようとするものであります。149ページ、6目畑作振興費ですが、説明欄中ほどの園芸産地新生プロジェクト推進事業費は、産地、生産者みずからが主体となり、消費者等のニーズを把握し、生産や販売方式を改善していく産地マネジメントの仕組みづくりを支援しようとするものであり、その下のりんどう産地活性化応援事業費補助は、リンドウの盆向け出荷量の拡大を図るため、盆向け品種の新たな植えつけから収穫までの収益のない期間の栽培管理を支援しようとするものであります。7目植物防疫費は、病害虫の防除指導のほか、生産者や農薬販売業者に対する農薬の適正使用、適正販売の指導、検査等に要する経費であります。150ページをお開き願います。8目農業協同組合指導費及び9目農業共済団体指導費は、各組合の指導監督に要する経費であります。151ページ、10目農業研究センター費は、同センターの管理運営、試験研究等に要する経費で、説明欄四つ目のいわてブランド米品種開発推進事業費は、県産米の市場優位性を確立するため、市場ニーズに対応したすぐれた食味等の形質を持つ県産オリジナル水稲品種岩手118号などの開発とブランド化を進めようとするものであります。11目農業大学校費は、同校の管理運営等に要する経費であります。
次に、153ページをお開き願います。2項畜産業費であります。1目畜産総務費は、畜産関係職員の人件費などの管理運営費等であります。2目畜産振興費ですが、説明欄二つ目の家畜改良増殖対策事業費は、肉用牛の安定的な生産及びブランド化を推進するため、黒毛和種及び日本短角種の改良増殖等を推進しようとするものであり、154ページに参りまして、説明欄中ほどの放射性物質被害畜産総合対策事業費は、県産畜産物の安全性を確保するため、牧草地の再除染を行うとともに、廃用牛の適正出荷等を支援しようとするものであります。説明欄下から四つ目の肥育経営生産基盤拡大緊急支援事業費補助は、肉用牛生産基盤の維持、拡大を図るため、肥育農家に対して肥育素牛の導入を支援しようとするものであり、その下のいわて発元気な牛飼い女子応援事業費は、女性の経営参画や新規就農を促進するため、肉用牛生産や酪農に携わる若い女性のネットワークの構築や、女性の視点を生かしたグループ活動、活動情報の発信を支援しようとするものであります。3目草地対策費は、生産性の高い畜産経営体の育成と畜産の安定的な発展を図るため、畜産農家等の生産基盤の整備を支援しようとするものであり、155ページ、4目家畜保健衛生費は、48カ月齢以上の死亡牛のBSE検査等に要する経費のほか、家畜伝染病予防費が主なものであります。説明欄一番下の県南家畜保冷保管施設整備事業費は、県南地域におけるBSE検査体制を再構築するため、死亡牛の保冷保管施設の建築工事を実施しようとするものであります。156ページをお開き願います。5目農業研究センター費は、畜産研究所の管理運営等に要する経費であります。
次に、157ページに参りまして、3項農地費であります。1目農地総務費は、農地関係職員の人件費等であり、2目土地改良費のうち農林水産部関係の主なものは、説明欄上から五つ目の経営体育成基盤整備事業費は、圃場の大区画化や排水改良など生産基盤の整備と担い手への農地集積を一体的に推進し、地域の中心となる経営体の育成を図ろうとするものであります。説明欄下から四つ目の農地維持支払交付金は、農業・農村が有する多面的機能の維持、発揮のため、農地や農業用水を守る地域共同活動を支援しようとするものであり、その下の資源向上支払事業費は、水路等の長寿命化や農村環境保全活動など、地域資源の質的向上を図る共同活動等を支援しようとするものであります。158ページをお開き願います。3目農地防災事業費は、農地、農業用施設等への自然災害を未然に防止するための防災ダムや老朽化した水利施設の更新等に要する経費のほか、説明欄中ほどの農用地災害復旧関連区画整理事業費は、東日本大震災津波により被災した農地と、これに隣接する非被災農地の一体的な圃場整備により、生産性、収益性の高い農業の実現を図ろうとするものであります。159ページ、4目農地調整費は、農地中間管理事業推進費において、農地中間管理機構による担い手への農地集積を促進するため、同機構の業務推進経費等を支援しようとするものであります。
次に、161ページをお開き願います。4項林業費であります。1目林業総務費は、林政関係職員の人件費や県有林事業特別会計への繰出金等であります。162ページをお開き願います。2目林業振興指導費ですが、説明欄下から五つ目のいわての森林づくり推進事業費は、公益上重要で緊急に整備する必要のある森林について、水源涵養や山地災害の防止など、公益的機能の高い森林へ誘導するための間伐を実施するとともに、地域の方々が主体的に取り組むさまざまな環境保全活動等を支援しようとするものであります。説明欄下から二つ目の特用林産施設等体制整備事業費は、価格が高騰しているシイタケ原木等の生産資材の導入や簡易ハウスの整備を支援しようとするものであり、163ページ、説明欄下から四つ目の特用林産物安全供給推進復興事業費は、キノコ原木の非破壊検査機を導入し、放射性物質検査の負担軽減と時間短縮を図ろうとするものであります。3目森林病害虫等防除費は、松くい虫などの森林病害虫の防除と被害拡大の防止に要する経費等であり、4目造林費は、森林の公益的機能の維持増進と森林資源の充実を図るため、再造林や広葉樹林の若返りを図る更新伐などの森林整備を支援しようとするものであります。164ページをお開き願います。5目林道費は、民有林林道網整備計画等に基づき、森林整備の基盤となる林道の開設、改良等に要する経費であります。165ページ、6目治山費は、山地災害を未然に防止し、県土の保全を図るための治山や地滑り防止、保安林の管理や整備などに要する経費であります。166ページをお開き願います。7目林業技術センター費は、同センターの管理運営、試験研究等に要する経費であります。
次に、168ページをお開き願います。5項水産業費であります。1目水産業総務費は、水産関係職員の人件費や水産科学館の管理運営等に要する経費であります。169ページ、2目水産業振興費ですが、説明欄上から七つ目の地域再生営漁計画推進事業費は、地域漁業を担う経営体を育成するため、県内24の漁協で策定が予定されている地域再生営漁計画の実行を支援するとともに、市町村と連携し、新たな漁業就業者を確保するための受け入れ体制の構築を図ろうとするものであります。その下の高度衛生品質管理型水産物生産加工体制構築支援事業費は、水産物の漁獲から流通、加工までの一貫した高度衛生品質管理のサプライチェーン構築の取り組みを支援しようとするものであり、四つ下のさけ、ます増殖費は、本県の基幹魚種であるサケ資源等の回復を図るため、ふ化場に対する技術指導を行うとともに、漁協等が行う親魚確保対策や稚魚生産放流の取り組みを支援しようとするものであります。また、四つ下の栽培漁業推進事業費は、漁協等が行うウニ等種苗放流の取り組み等を支援しようとするものであり、説明欄下から三つ目の浜のコミュニティ再生支援事業費は、今年度に引き続きいわての浜料理選手権を開催し、女性等の力による浜のにぎわいやコミュニティの再生等を支援しようとするものであります。次に、169ページから170ページにかけまして、3目水産業協同組合指導費は、組合の指導監督や漁業近代化資金等の利子補給等に要する経費であります。170ページの4目漁業調整委員会費及び5目漁業調整費は、海区漁業調整委員会等の開催や漁業調整などに要する経費であります。171ページ、6目漁業取締費は、漁業取締事務所の管理運営等に要する経費であり、7目水産技術センター費は、同センターの管理運営、試験研究に要する経費であります。172ページをお開き願います。8目内水面水産技術センター費は、同センターの管理運営に要する経費であり、173ページ、9目漁港管理費は、県管理漁港施設の維持管理等に要する経費であります。次に、10目漁港漁場整備費の主なものでありますが、説明欄下の漁業集落防災機能強化事業費補助は、集落内の地盤かさ上げや、集落道、避難路等の生活基盤整備などを行う市町村への補助であり、174ページをお開き願いまして、漁港施設機能強化事業費は、災害復旧事業と連携して漁港の機能を強化するため、漁港施設用地のかさ上げや避難施設等の整備などに要する経費であります。
次に、大きく飛びまして、228ページをお開き願います。11款災害復旧費3項農林水産施設災害復旧費であります。1目農地及び農業用施設災害復旧費は、農地、農業用施設に係る過年災及び現年災の災害復旧に要する経費であり、2目林道災害復旧費及び229ページの3目治山災害復旧費は、それぞれ、林道及び治山施設に係る過年災及び現年災の災害復旧に要する経費であります。230ページをお開き願います。4目水産業用施設等災害復旧費は、漁協等が行う漁船、漁具の整備や、養殖施設、水産業共同利用施設等の復旧、整備を支援しようとするものであり、5目漁業用施設災害復旧費及び6目漁港災害復旧費は、漁業用施設や漁港施設、海岸保全施設等に係る過年災及び現年災の災害復旧に要する経費であります。
次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
議案その1にお戻りいただき、11ページをお開き願います。議案その1、11ページでございますが、第2表債務負担行為の表中、8公益社団法人全国農地保有合理化協会が公益社団法人岩手県農業公社に融資した資金について元利金の償還がない場合の不足額の損失補償から、13ページの30漁港災害復旧事業までの23件であります。その内容は、公益社団法人岩手県農業公社の事業資金の借り入れに係る損失補償が1件、農林水産業関係の各種資金の融通に伴う利子補給が9件、平成27年度から翌年度以降にわたって施行される工事等に係るものが13件で、いずれも、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
次に、特別会計予算について御説明申し上げます。
21ページをお開き願います。議案第3号平成27年度岩手県農業改良資金等特別会計予算は、予算の総額を、歳入歳出それぞれ1億1、430万4、000円としようとするものであります。
22ページ、歳入の主なものですが、2款繰越金は、前年度からの繰越金を予定するものであり、3款諸収入は、貸付金に係る償還金等であります。
23ページ、歳出の主なものですが、2款就農支援資金貸付費は、円滑な就農を図るため、認定就農者に対し、無利子資金を貸し付けようとするものであります。
24ページをお開き願いまして、第2表地方債は、就農支援資金貸付費に充当しようとするものであります。
次に、25ページ、議案第4号平成27年度岩手県県有林事業特別会計予算は、予算の総額を、歳入歳出それぞれ36億6、013万4、000円としようとするものであります。
26ページ、歳入の主なものですが1款国庫支出金は、県行造林、模範林、公営林の整備に係る国庫補助金で、3款繰入金は、一般会計及び県営林造成基金からの繰入金であり、5款諸収入は、立木処分に係る売り払い収入等であります。
27ページ、歳出の主なものですが、1款県有林事業費は、県行造林、模範林及び公営林の維持管理や保育のほか、県債の償還等に要する経費であります。
28ページをお開き願います。議案第5号平成27年度岩手県林業・木材産業資金特別会計予算は、予算の総額を、歳入歳出それぞれ13億2、155万2、000円としようとするものであります。
29ページ、歳入の主なものですが、2款繰越金は、前年度からの繰越金を予定するものであり、3款諸収入は、貸付金に係る償還金等であります。
30ページに参りまして、歳出の主なものですが、1款林業・木材産業改善資金貸付費は、林業及び木材産業経営の改善を図るため、林業者等に対し、無利子資金を貸し付けようとするものであります。
次に、31ページ、議案第6号平成27年度岩手県沿岸漁業改善資金特別会計予算は、予算の総額を、歳入歳出それぞれ8億9、890万1、000円としようとするものであります。
32ページをお開き願います。歳入の主なものですが、2款繰越金は、前年度からの繰越金を予定するものであり、3款諸収入は、貸付金に係る償還金等であります。
33ページ、歳出、1款沿岸漁業改善資金貸付費は、沿岸漁業の経営改善を図るため、漁業従事者等に対し、無利子資金を貸し付けようとするものであります。
次に、予算以外の議案について御説明申し上げます。
69ページをお開き願います。議案第16号農業関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについては、かんがい排水事業ほか10事業の、農業関係の建設事業に要する経費の一部を受益市町村に負担させようとするものであります。
次に、75ページをお開き願います。議案第17号林業関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについては、県単独治山事業に要する経費の一部を受益市町に負担させようとするものであります。
次に、76ページをお開き願いまして、議案第18号水産関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについては、水産生産基盤整備事業ほか4事業の、水産関係の建設事業に要する経費の一部を受益市町村に負担させようとするものであります。
次に、予算関係の条例について御説明申し上げます。
議案その2の51ページをお開き願います。議案その2、51ページでございますが、議案第41号家畜保健衛生所使用料等条例の一部を改正する条例でありますが、これは、臨床獣医師等が家畜疾病の病性鑑定を家畜保健衛生所に依頼する場合に納める手数料について、農業災害補償法が定める家畜共済診療点数表の改正に基づき、当該手数料の額を増額または減額しようとするものであります。
以上で予算関係の議案についての説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇工藤勝子委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明のうち、第1部の農業関係について質疑はありませんか。
〇柳村岩見委員 日本一の美味しいお米の国づくり推進事業についてお尋ねいたします。
まず1点目ですが、新規事業としての展開の概要、イメージについてお尋ねします。
〇上田流通課総括課長 日本一の美味しいお米の国づくり推進事業の展開の概要についてでございますが、この事業は、米の消費拡大や、今後、市場供給を予定しております良食味米岩手107号、岩手118号のブランド化の確立を図るため、飲食事業者等によります県産米の消費や需要を拡大する取り組みを支援しますとともに、県内メディア等を活用したお米に関する情報の発信、さらに、新品種の名称選定、それからPR手法の戦略の構築などに取り組むものでございます。
こうした取り組みを通じまして、岩手県が日本一のおいしいお米の国とのイメージを広く浸透、定着させまして、これまで以上に県産米に対する評価を高めていきたいと考えております。
〇柳村岩見委員 この事業をどういう組織において、あるいは組織体制でおやりになられるかお尋ねします。
〇瀧澤農林水産企画室管理課長 県産米戦略室の体制についてでありますけれども、専任職員は4名とし、兼任職員10名を含めると14名体制となる予定でございます。
組織体制でありますけれども、県産米戦略室長は、部長級の技監が兼任することとなっております。また、県産米戦略室長の下に、総括課長級の県産米戦略監及び担当職員3名を専任で配置し、県産米の生産から販売に係る施策の企画立案、推進業務の中心的な役割を担わせることとしております。
このほか、農産園芸課総括課長を県産米生産振興監として、流通課総括課長を県産米販売推進監としてそれぞれ兼任で配置し、県産米戦略室を中心に関係課との連携を緊密に行いながら、生産振興から販売戦略までの施策を戦略的に推進していくこととしております。
さらに、良食味オリジナル新品種米への作付拡大を強力に推進するため、主要生産地である県南地域を所管する県南広域振興局に農政部を担当する副局長を設置しております。
〇柳村岩見委員 想像以上に頑張った組織にされたなというような気がします。特に、今までの感じ方、受けとめ方として、思い切って新しい事業に取り組む組織体制については、非常に今までもっとしっかりおやりになればなという感じがした事例が多いと私自身は受けとめておりました。
それで、農林水産部の方々、県庁の方々にお願いしたいのは、恐らく、この事業を展開するに当たって、もう既に先進地の事例のホームページなどを開いてつぶさに見られたであろうと存じます。しかし、それは、見ればいい妙案が出るというわけではありません。恐らく、何で北海道が健闘しているんだろう、行って見てこなきゃならないなと。それも、米のことですから、生産もあれば流通もある、消費もある。いや、山形にも行かなければならないねと。山形を回って、北陸をちょっと歩いて帰ってきたら3日、4日たつ。そういうことを、きちっと許せる、行ってしっかり学んでこいよとか見てきてくれよとか、いわゆるホームページの行間にない、察することのできないことに接することが多くあろうと存じます。職場というのは、何だ、さっぱりこの人は席にいないという話になりがちなんです。そういうことを許して、この事業成果がイメージどおり上がれば、付加価値が何億、何十億、何百億という話です。岩手県政の伸びしろの部分ですよ。
こういうことについて、そういう組織体制をされた、思い切った組織体制にされたということが感じられますので、要は、私が思う、各地をやっぱり自分の目で、あるいはペアで見て、お互いに語り合いながら視察をして一つの参考にしていく。岩手にないところは何かということをしっかりとおやりいただきながら、この新規事業の成功を、何十年もかかると思いますけれども、あるいは新品種のことですから、ある意味、発売されて数年で決まるという要素もまたあるでしょう。そのことについて、職員に対する思い切ったそういった対応ということも含めた御決意を部長に聞いて終わります。
〇小原農林水産部長 今、委員から温かい励ましの言葉を頂戴いたしました。米の消費減少なり価格低迷の中、今回の取り組みは非常に重要な取り組みと思ってございます。そのためには、やっぱりさまざまな方々から意見を聞きながら調査を進めることが肝要と捉えております。組織をつくったからこれでよしではなく、この組織がしっかりと機能し、所期の目的を果たせるよう努力してまいります。
〇飯澤匡委員 私は、1点についてだけお伺いします。
酪農をめぐる状況変化への対応と本県の振興方針について伺います。
昨年末、バターの不足が社会問題となりまして、全国で生産基盤の崩壊というのが一気にクローズアップされました。本県の状況を見ましても、ずっと酪農家の減少、特に、私が聞き及ぶところによりますと、系統、指定団体との契約をなさっている農家の戸数は1、000戸を割ってしまったと。1戸当たりの飼育頭数は恐らくそれとは逆に増加していると思うんですけれども、生乳の総生産量からいくと、当初30万トンぐらいを目標にしていたのが、今は恐らく22万トンぐらいまで落ち込んでいるのではないかと思うんですが、このように、生産基盤自体が加工にしっかりと回るほど今、余裕がない。加工に渡る部分が少ないがために、非常にバター、チーズ等が一気に品薄になっていく、そのような状況と思っております。
まず、お伺いするのは、そのように生産基盤がだんだん緩んでいる中にずっとマイナススパイラルになっていく中で、そこを何かでとめなければならないと思うわけですが、そこら辺の問題意識を一つの問題点としてお伺いしたいと思います。
先ほども申し上げましたが、本県の農家数がかなりの割合で減少している、その構造的な課題認識についてまずお伺いしたいと思います。
〇小岩畜産課総括課長 飼養頭数の減少などの構造的な課題認識についてでありますけれども、本県の酪農家戸数は、平成21年に約1、300戸であったものが、平成26年には1、000戸弱と、300戸、約2割減少しております。また、1戸当たりの平均飼養頭数は39頭と、全国の75頭に対し、経営規模が小さく、全体の約6割を占めます30頭未満の酪農家の減少が顕著となっております。
その要因は、高齢化や後継者不足、飼料代の高騰による収益性の悪化などに加えまして、放射性物質の影響などもあると考えております。
ただいま申しましたとおり、本県の酪農家は、全国に比べ経営規模が小さく、生産コストも高いことから、生産規模の拡大や生産性向上が重要であると認識しております。
〇飯澤匡委員 競争力をつけるということで、今の安倍政権も大型化を目指す方向に補助金のメニューを大きくシフトしようとしているという報道もございます。ただ、この大型化は、コストを下げるという一つの効果はあるかもしれませんが、大きくすると、今度は管理が非常に難しくなっていく。乳量の部分の質を一定に保つことが非常に困難になってくるという部分がございます。
そこで、今の国の政策、このようなアベノミクスによる、海外への競争力をつけるという意味において零細農家は打ち切られるような方向性にあると私は思っているわけですが、その動きに対して、本県はどのような考察、また、対策を講じようとしているのか。対策については後でいいです。分析、評価をしているのか、その見解をお伺いします。
〇小岩畜産課総括課長 ただいま、安倍政権のお話の中で、規模拡大、そして、その中で零細な経営体につきましてはともすれば見捨てられるのではないかという御意見でございました。
県といたしましても、基本的には生産性の向上ですとか経営力を強化するために経営規模の拡大を支援することとして取り組んでおりますけれども、一方、現に30頭規模、40頭規模の酪農家が大宗を占めている状況にございます。こうしたこともありますので、規模拡大をしながら、そのような経営体に対しましても、例えば乳質改善指導によります生産性向上ですとか、牛群改良の取り組みを通じまして個体の泌乳能力を向上させる取り組み、こうしたことを通じまして、小規模な酪農経営につきましてもこれから一緒になって取り組んでいこうということで進めていこうと考えております。
〇飯澤匡委員 今、餌の話が出ましたけれども、円安で非常に大変な状況にもなっている。これは酪農のみならず、畜産全体に同じような状況が言えると思います。
質問の2点目に入りますが、今後の乳価交渉の推移、展望、それから、これは酪農家のために値上げしたとされておりますが、実際に現場に落ちていく状況がなかなか見えてこないというような批判もございます。
この推移、展望とあわせた酪農家の経営体質強化にどのように結びつくか、その検討と対応についてお伺いします。
〇小岩畜産課総括課長 乳価交渉等々が酪農家にどのような影響を及ぼすのかということでございます。
委員御案内のとおり、生乳価格につきましては、東北で生産されます生乳の販売を一手に担っております東北生乳販売農業協同組合連合会と乳業メーカーとの交渉により決定されます。これにつきましては、配合飼料などの生産費の上昇ですとか需給状況を総合的に勘案いたしまして、ことし4月から、飲用向けがキログラム当たり3円、バターなどの加工向けが3円、チーズ向けが5円上昇することとなってございます。この結果、本県酪農家のことし4月以降の手取り乳価は、現在よりキログラム当たり約3円増加いたしまして109円になるものと試算しております。
このことによりまして、本県の平均的な酪農家―大体、経産牛で24頭程度ですけれども―を見ますと、年間販売額が約40万円増加します。そういうことから経営の見通しも立つと思われますけれども、為替の状況ですとか国際的な飼料の需給動向によりましては、配合飼料を含みます生産資材価格の上昇の可能性もあり、経営への影響も懸念されると考えております。
〇飯澤匡委員 生産団体が頑張って乳価交渉をしても、なかなか展望が見えづらいというのが現状かと思っております。
いろいろコスト削減で先ほど来、一元出荷という体制が主流を占めていた中で、最近、流通ルートについても規制緩和の動きが出てきております。北海道などでも、アウトサイダーのネットワーク化を図った群馬の団体が非常に強い売り込みをかけて高い引き取り契約をすると。ただ、これも将来を見通すといつまで続くのかという不安もあります。きのうも電力の小売についている規制緩和についても企業局で話しましたけれども、一定程度の県の見識というものをしっかり立てておかないと、かなり需給が今のところタイトで逼迫していますから、その道筋をしっかり照らしていくのも農林水産部の役目かと思います。今、そのような形で新たな販売網として注目されつつある新しい流通ルート、既存の系統ルートとの比較検討についてどのような御見解かお伺いしたいと思います。
〇小岩畜産課総括課長 ただいまの生乳の系統販売とそれ以外の販売の比較についてでありますけれども、酪農家からの生乳につきましては、牛乳、乳製品価格の安定を図るための加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づきまして指定されました生乳生産者団体に出荷する仕組みとなっておりまして、本県の場合は、98%の酪農家が東北6県の酪農家の生乳を取り扱っております東北生乳販売農業協同組合連合会に出荷している状況にあります。
この仕組みでは、出荷した生乳が加工原料乳に仕向けられた場合には補給金が交付されることになっておりまして、夏場は飲用向けを中心に、冬場は加工向け割合を高くするなど、需要に応じた調整が可能となりまして、乳価の安定と酪農家の経営安定に寄与していると考えております。
一方、この団体以外に出荷する場合は乳業メーカーとの独自価格交渉によることとなりますけれども、先ほど委員御指摘のとおり、生乳が不足しているときには有利な価格で販売できる可能性がある反面、需給が緩和した場合には、取引価格の下落や取引中止など経営的なリスクがあるものと考えております。
〇飯澤匡委員 この問題を持ち出したのは、やはり環境が大いに変化しつつある。この規制緩和の流れも一つの外圧かと思いますけれども、ただ、これはとめられない状況でもあるんですが、いずれ基本は、酪農家が安定した収入のもとに経営を持続的にできるかどうかということが政策的にちゃんと確立されているのかどうかというのが今回の質問の趣旨でございます。
したがって、最後の質問になりますけれども、やはり本県にとっても酪農の振興というのは非常に重要なポジションをいまだに占めていると私は思いますし、県としても、生産団体のみならず、中長期的な生産目標と、今までもいろいろな具体的な支援策は講じてまいりましたが、それがマンネリにならないように、てこ入れをするというような具体的な支援策はこれからも不可欠だと思うわけですが、その考え方についてお伺いしたいと思います。
〇小岩畜産課総括課長 酪農振興に係ります中長期的な生産目標と具体的な支援策についてでありますけれども、県では、平成23年5月に、平成32年度を目標といたします岩手県酪農・肉用牛生産近代化計画を策定してございます。この計画では、経産牛頭数の目標を2万6、200頭、生乳生産量を23万4、000トン、経産牛1頭当たり乳量を8、931キログラムとしておりまして、基準年の平成20年度と比べまして、経産牛頭数は減少いたしますものの、経産牛1頭当たり乳量を1割以上増加させまして、県全体の生乳生産量を維持させることとしております。
このため、国の事業などの活用によりまして、牛舎などの整備あるいは優良雌牛の導入、TMRセンターなどの外部支援組織の育成、強化によりまして、まずは規模拡大と生産性の向上を推進したいと考えております。また、乳用牛の能力向上と最大限の能力を発揮させるための乳用牛群検定の積極的な活用に加えまして、県、関係団体などで組織いたしますいわて酪農の郷サポートチームによります乳質改善指導などの生産性向上の取り組みを通じまして、生乳の生産拡大とともに、足腰の強い酪農経営を育成してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 ただいま御紹介をいただきましたが、課長も御案内のとおり、各地の共進会に行きますと、肉牛、それから乳牛の部分、どうしても乳牛の部分は年々頭数が減ってきて、また、生産者の方も高齢化がだんだん目立っていくという状況になってきております。地勢学上、大生産地は北海道でありますが、フェリーで運ぶということになると、どうしてもプラスワン、1日余計かかるわけですから、本県の場合はそこら辺の優位性も大いにアピールしながら、しっかりとした足腰の強い生産体制の確立を今後も目指していただきたいということを申し上げて私の質問は終わります。
〇及川幸子委員 私からは、畜産県岩手ならではの問題でございますが、東北油化の廃業についてお伺いいたします。
死亡牛等の処理は、今後群馬県に運ぶということですが、群馬県のみで大丈夫なのか心配しております。そのことについてお答えいただきたいと思います。
〇小岩畜産課総括課長 現在、死亡牛の処理をお願いしております群馬県の化製場ですけれども、これのみで大丈夫なのかというお尋ねでございます。
これにつきましては、群馬県の化製業者に対しまして、本県の関係団体の役員などが同社の社長と面談いたしまして、処理能力と本県からの受け入れについて確認したところ、能力、受け入れについても問題はないと回答をいただいておりますし、県といたしましてもその旨を再確認しておりまして、当面、死亡牛の受け入れに問題はないものと考えております。
〇及川幸子委員 畜産関係者からの意見の集約を踏まえてですが、処理業者の県内の設置は考えているのか。今のところ群馬県で大丈夫ということですが、将来的には県内の処理ということを考えていかなければならないと思っておりますが、その点についてお答えいただきたいと思います。
〇小岩畜産課総括課長 現在は群馬県で大丈夫ではありますけれども、将来的なことはどうなのかというお尋ねでございます。
処理業者の県内設置の件でありますけれども、まず、化製場は、死亡家畜や屠畜残渣などを適正に処理いたします、畜産農家にとって必要不可欠な施設であり、県としても、畜産振興上、重要な役割を担っていると認識しております。
しかしながら、県といたしましては、まずは県南地域の畜産農家の利便性と、関係市町村、生産者団体からの要望を踏まえまして、県のBSE検査施設と地域保管施設の整備を最優先に考えて現在取り組んでおります。その上で、死亡牛や屠畜残渣の処理のあり方などにつきまして、関係団体の意向なども踏まえながら、その必要性を含めて今後検討してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 搬入の経費がこれからかかるということですけれども、その継続というのは大丈夫なのでしょうか。
〇小岩畜産課総括課長 搬入経費の継続性でありますけれども、現在、群馬県への搬入に伴いまして運搬料の負担がふえておりますことから、市町村と共同でかかり増し経費の一部を助成することといたしまして、平成26年度分につきましては、既に2月補正で予算をつけていただきまして補助金の交付手続を進めているところであります。
なお、実施時期につきましては、県外処理が始まりました平成26年10月4日まで遡求して適用することとしております。
また、県といたしましては、先ほど申しましたとおり、畜産農家における負担軽減を図るため、県南地域の1カ所に県のBSE検査施設と地域保管施設を現在一体的に整備する方向で進めておりまして、施設の整備後は、死亡牛の処理経費が東北油化の操業時と同等、またはそれ以下になると考えられますことから、この経費助成は、同施設が整備されるまでの間、継続したいと考えております。
〇及川幸子委員 155ページにかなりの予算を組んで、とっているということですよね、BSE検査と保冷庫ということで1億9、600万円余ですか。このぐらいとって今なさっているということですが、場所等は、もう大体はめどが立っているんでしょうか。
〇小岩畜産課総括課長 県の保冷施設、地域保冷施設等の設置場所のお尋ねでございます。
これにつきましては、先ほど申しましたとおり、県南地域の関係市町村、農協との協議によりまして、県の施設と地域の施設を一体的に整備する方向で進めております。また、設置場所についてですけれども、県南地域の各市町村、農業協同組合から候補地を挙げていただいた上で、早期着工の観点から、できる限り県有地であること、検査サンプルを採材する観点から県南家畜保健衛生所に近いこと、交通の利便性、冬期の積雪などの安全性などを考慮し決定することとしておりまして、現在、関係市町村や地域の関係団体などと調整しているところであります。
今後、施設の設置場所につきましては、できる限り早期に決定いたしまして、平成27年度内の完成を目指して作業を進めたいと考えております。
〇及川幸子委員 平成27年の完成を目指してということで余り時間はないと思いますが、大変御労苦はわかりますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に移ります。
米価下落ということで、大変な下がりぐあいで、農家の人々は大変困っております。それで、今後の支援策ですが、今まで戸別所得補償制度がありましたが、そのような支援制度を考えているのかどうかお伺いいたします。
〇星野水田農業課長 農業者戸別所得補償制度並みの支援策ということでございますけれども、国では、平成25年12月に農林水産業・地域の活力創造プランを取りまとめまして、その中で、平成30年産からの米政策の見直しとか、平成26年産からの米の直接支払交付金の単価を見直したということで、平成26年産から実施しております。
それで、県とすれば、平成27年産からは、ナラシ対策の加入の規模要件、認定農業者などの面積要件がなくなるということなので、稲作農家の経営の安定に向けまして、そのナラシ対策の加入促進に加えまして、多面的機能支払の加入推進についても取り組んでいるところでございます。
〇及川幸子委員 いずれ私は大変危惧しておりますが、高齢者の方々が、実際これ以上米づくりを続けたら、赤字、赤字続きでとてもやっていられないということで嘆いております。小規模高齢耕作者に対して、荒廃地になる可能性がありますので、その辺のところはどのようなお考えなのかお伺いいたします。
〇千葉担い手対策課長 小規模高齢者農家の農地の活用ということでございますが、県では、地域の話し合いのもとに作成されました地域農業マスタープランを基本に据えまして、リタイアされる小規模農家などの農地、それから、荒廃農地のうち再生利用が可能な農地を地域の中心となる経営体へ集積、集約化いたしまして、地域の農地を有効に活用する取り組みを支援してまいります。
〇及川幸子委員 全体の耕作地に対して荒廃している土地というのは、今どのくらいでしょうか。
〇千葉担い手対策課長 本県の荒廃農地の状況でございますが、平成25年度現在ですと5、981ヘクタール、県内耕地面積の約4%に相当してございます。
〇及川幸子委員 全体の4%で大したことがないと思うんですけれども、これから、やっぱり高齢者の方々が手放すことが危惧されております。私のところにも届いておりますが、その辺のところ、やっぱり相談に乗っていただいて、農協という部分がありますけれども、いろいろ農協も60年の改革に向けて、なかなか相談には乗れないという面もありますので、広域振興局を通じて、どうぞお聞きいただきたいと思います。
次に移ります。私からも、日本一の美味しいお米の国づくりということで2、681万1、000円という推進事業費がとられております。岩手ならではのおいしいお米づくりに精を出している農家の人たちのために、販売促進の内容を先ほどおっしゃいましたけれども、私はちょっと、ああいうふうに挙げてもなかなか響かないのではないかと思います。
それで、全国の岩手のお米のファンに対してネームというものがとてもよくないなと私はある機会に言ったんですが、新種の岩手107号とか岩手118号、もう少し、ネームというものが大事ですので、新品種に向けたネームのやり方というのはどうなのか、お伺いいたします。
〇上田流通課総括課長 岩手107号、岩手118号と今は呼んでおりますけれども、そのネーミングについてのお尋ねでございます。
今回開発し、市場供給を予定しております岩手107号、岩手118号でございますが、県産米全体のブランド化に向けた核となる品種でございます。その商品化に向けましては、委員御指摘のとおりネーミング、これは実需者あるいは消費者に向けたメッセージでございますので、極めて重要だと認識しております。
このため、高品質ですぐれた食味、そして産地である岩手の魅力といったものを象徴する、いわゆるブランドイメージを高めるネーミングが大切でございます。今後、消費者、実需者、さらに県内外の有識者の意見、広告代理店の企画、アイデア等も参考としながら、消費者、実需者に愛され、支持されるネーミングについて検討を進めてまいります。
岩手107号につきましては、平成28年度市場供給でございますので、平成27年度中に、時期につきましては、最も効果的で訴えかけられるアピール度の高い時期を選びまして、策定、公表に持っていきたいと計画しているものでございます。
〇及川幸子委員 今、岩手107号は聞いたんですが、岩手118号も同じ時期でしょうか。
〇上田流通課総括課長 岩手118号につきましては、平成29年度の市場供給を目指しております。時期といたしましては、今の想定でございますと、平成28年度のネーミングの決定、公表ということで考えているところでございます。
〇及川幸子委員 やっぱり日本一というのは世界一にも値するものだと思いますので、ネーミングというのが本当に大事です。これを早目に、もっと早目に変えるべきだと私は思っております。
そしてまた、宣伝効果というものが大変大きいと思いますが、その宣伝というのはどういうふうに考えているでしょうか。
〇上田流通課総括課長 宣伝についてのお尋ねでございます。品質につきましては、先ほど委員からの御指摘のとおり、日本トップクラスの品質、食味を持っております。そういった内容を確実にお伝えいたしまして、そして、消費者の方に御理解をいただき、選んでいただき、買っていただく、こういうものが必要でございます。
さまざまな取り組みを考えておりますけれども、例えば、食味の成分等を明らかにいたしまして、そういったものを販売のツールとして活用させていただき、消費者にアピールしていくといったことも一つ考えているところでございます。
詳しくは、平成27年度でございますが、予算をとらせていただきましたこの事業の中で、さまざまな検討の内容を盛り込んでございますので、特に流通、販売等の専門家そういった方々を交えながら鋭意検討してまいりたいと存じます。
〇及川幸子委員 いわてブランド米品種開発推進事業費は415万円しかとっていないんですけれども、私は、これでは絶対足りないと思うんですよ。もっともっと意気込んでやっていかないとだめだと思うんですが、最後に、部長、いかがでしょうか。
〇小原農林水産部長 この岩手107号、岩手118号につきましては、今、流通課総括課長からお話ししましたけれども、まさにこれから、いわゆる市場発売前までが非常に大事な期間と捉えております。先ほど委員から御指摘がありました予算については、いわゆる試験研究費の予算でございまして、別途、広告宣伝費については、ほかのほうで予算をとってございます。
この広告につきましても、県だけではなく、やはり農業関係団体などと足並みをそろえて、効果的にいずれ打ち出していきたいと考えてございますので、よろしくお願いいたします。
〇高橋元委員 私から2点お尋ねしたいと思います。まず1点目は、いわて農林水産ブランド輸出促進事業費についてお尋ねしたいと思います。
いわて農林水産ブランド輸出促進事業費805万6、000円となっておりますけれども、そのうち、いわて農林水産物輸出促進協議会負担金が703万7、000円となっておりまして、この事業費のかなりの部分が負担金となっておるわけでありますが、この輸出促進協議会負担金が輸出促進にどのようにつながるのかをお尋ねしたい。
また、負担金以外の支出が101万9、000円、この金額で部としてどのような取り組みを行うのかということであります。
あわせて、商工労働観光部の事業の中でミラノ国際博覧会あるいは中国での南アジア博覧会があるわけでありますが、これについては県産品等の出展というものも企画されているやに聞いておりますけれども、農林水産部としての取り組みはどういうものになるのか、あわせてお伺いしたいと思います。
〇上田流通課総括課長 まず、いわて農林水産物輸出促進協議会負担金についてでございます。
県では、県と関係団体、企業を構成団体といたします、いわて農林水産物輸出推進協議会の活動を通じまして、官民一体となりまして県産農林水産物の輸出促進に取り組んでいるところでございます。
協議会の内容でございますが、県や構成団体の負担金、それから公募型の国庫補助金も活用いたします。それで、現地に参りまして海外量販店等での販売促進活動、さらに現地バイヤーを招聘しての産地PRあるいは商談会などを実施しているところでございます。
それから、負担金以外の予算についてでございます。主に、海外流通販売等の専門家、これは県が輸出コーディネーターとして委嘱しておりまして、そのコーディネーターの旅費でございます。
次に、ミラノ国際博覧会等の海外博覧会への県産品の出展の取り組みについてであります。
ミラノ国際博覧会につきましては、その中で企画されております料理、試食ショーあるいは日本酒バー等がございます。そこで肉あるいは米を初め県産農林水産物を食材として活用するよう、現在、本県、宮城県、石巻市等で構成されております出展委員会に提案しているところでございます。
また、中国−南アジア博覧会もございますけれども、ここは、農林水産物の輸出には制約がございますので、商工労働観光部におきまして、加工食品あるいは伝統工芸品等をPRするブースを出展すると聞いているところでございます。
〇高橋元委員 今、この協議会の構成と活動ということでお話がありました。例えば、現地で販売促進活動をやるときには、この協議団体の方々が現地に赴くのか、あるいは県の職員の方々が赴くのか、その辺はどういうふうな形で現地の販促活動をやられているんでしょうか。
〇上田流通課総括課長 海外でフェア等を開催する場合でございますが、やはり生産関係に携わっている方々でございますので、当然構成団体の方にも行っていただいてPRをしていただきますし、私どもも、県としてそういったことを後押しするという立場から行ってまいります。大概の場合には、そういったセットで海外のフェア等には対応しているところでございます。
〇高橋元委員 よく海外でのそういう県産品の紹介とかをやられているわけですが、問題は、現地で、これはいい、おいしい、引き続きその商品を購入したいんだがというときに、今度、それをつないでいく体制が整っているのか。しばらく間を置いてから、では、バイヤーを育てて、それからその商品を供給していく、つないでいくとかということであれば、せっかく盛り上がった雰囲気が、その都度なくなってしまうような気がするんですね。だから、ある面では、せっかく海外でこうやっているので、それを引き継いでいけるような、例えば商社みたいなところとか、商社だとかなりネットワークを持っていると思いますけれども、それらも含めてつなぎをしていかないといけないのではないかと。その辺はどうされていますか。
〇上田流通課総括課長 委員御指摘のとおり、参りました後のつなぎ、それから発展が非常に重要でございます。そういったことで、例えばフェア等を開催する場合にも、その中の下地、人的なネットワークが中心でございますが、そういった整ったところ、受け入れの体制とかがある程度見通しがつくところを狙って、そこで攻めていくといいますか、行かせていただいて商談等を進めております。
さらに、商社等のお話がございましたけれども、現在、輸出コーディネーターをお願いしてございます3名がいらっしゃいますけれども、そういった方々にキーになっていただいて、現地との円滑な取引に非常に御協力いただいているところでございます。そういった内容での取り組みを進めているところでございます。
〇高橋元委員 わかりました。ぜひ、つなぎもしっかりとしていただいて、せっかく海外に今、和食の無形文化遺産ということもあって日本食が非常に好評なようでございますので、県産品が多く海外に出るような体制をお願いしたいと思います。
それから、本県の農林水産物の海外戦略についてでありますが、これについてはどのようになっているのかお尋ねしたいと思います。戦略としてあるのかということを含めて。
〇上田流通課総括課長 先ほどお話し申し上げました協議会とかを中心に、一定の方向性で官民一体で取り組んでいるところでございます。戦略ということで、例えば書き物にしたということではございませんけれども。
そういったことで、方向性について御説明申し上げますと、やはり本県の農林水産物は、非常に安全・安心、高品質で魅力がございます。こういったところをきちんと現地の実需者、消費者の方々に御理解いただいて、高い信頼と評価をかち取っていく、これが重要だと考えております。
このため、方向としましては、経済発展が目覚ましいアジア地域、それから北米を主なターゲットとしておりまして、海外実需者との商談会などマッチング機会の創出、さらには、海外量販店等での販売促進活動を通じまして、本県が誇る米、牛肉、水産物を初め、価値の高い農林水産物がございますので、その輸出拡大を戦略的に進めていくところでございます。
〇高橋元委員 先ほども話題になっておりますけれども、米の国内消費は毎年8万トンぐらいずつ減っているということで、かなりの部分では、農業の作付する品目も、あるいは所得の問題も、いろいろな面で国内は先細りするし、高齢化とともにどんどん減っていくわけですね。だから、やはり海外に向けては余程しっかりとした戦略を練って、そして、どこの地域のどの産品が非常にいいとか、これを育てていくとか、そういうことをしていかないと、何となく点と点ばかりで線がつながっていかないのではないかと。あるいは面的に、本県の農業の生産現場をこういうふうに元気づけていくのだという、その辺がちょっと戦略がないというのが私の心配するところなんです。
例えば、我が国の2014年の農林水産物の輸出額は6、000億円を突破して過去最高を更新したということのようでございますけれども、一方、海外では、例えば九州の面積ほどしかないオランダで、農産物の輸出はもう10兆円を超えているということなんですね。同じヨーロッパ圏域で、輸送コストも安いし、いろいろな面で有利な部分があるということで単純に比較はできないわけでありますけれども、そのオランダでは、高収益の品種に絞って、栽培技術の革新あるいは機械化による効率向上といったものを進めてきているということなので、あれもこれも皆いいんだということじゃなくて、やはり海外でも、あるいは同じ国内でも、ほかの県と争っても、岩手の農産物、水産物を含めて、これはかなり強力だというものを育てていくことも大事だと思います。
そういう意味では、農林水産部としても農産物の輸出に向けた海外戦略が必要ではないかと思いますが、小原部長、所感がありましたらひとつお伺いしたいと思います。
〇小原農林水産部長 この輸出でございますが、委員からも御指摘ありましたとおり、これから人口が減っており、また、高齢化で食のいわゆる消費量が減っていくということになりますと、輸出というのは、これから取り組むべき大きな課題であると思っております。
一方、国も、強い農業ということで輸出に向けて今かなり力を入れてございます。したがいまして、その国の流れに呼応した形で、いわゆる海外の戦略ですが、今、本県では水産物が主な輸出になってございますけれども、その辺、県としての強み、どういったようなものが県として取り組むべき方向か、今さまざま、各分野で取り組んでおりますけれども、今御指摘いただいた面については、引き続き部内でも十分検討してまいりたいと思います。
〇高橋元委員 ぜひお願いしたいと思います。花巻空港もありますし、航空便で海外にも販路を拡大していくことも可能だと思いますので、お願いしたい。
2点目でありますけれども、農林水産部内における業務の効率化あるいは迅速化、精度を高めていく、それらを考えますと、タブレットを含めたICTを大きく活用して業務を推進していくべきではないかと思っているところでございます。
四国4県に匹敵する本県でありますし、農業改良普及センターとか、あるいは家畜保健衛生所、こういった現業部門はかなり広域のところが所管となる。私も歩いてみましたけれども、そんなことなので、やはり、例えば九州の佐賀県はきのうもちょっと教育関係で出ましたが、佐賀県とか熊本県の九州方面は、農林水産関係でもタブレットをかなり持って、それで農家とかを回って業務を進めていると。そして、資料も持ち歩かなくてもいい。それは自分のデスクのパソコンに入っているものを現地で引き出して全部それで見られるし、現地で写真を撮ったりして、送って、それで状況を判断してもらう、そんなことも進めているようです。
これから、どんどん今、人の入れかえが進んでいるわけですよ。経験の浅い人もたくさんいるわけですから、その経験の浅いところを補う意味でも、私はICTを有効に活用していく必要があるのではないかと思いますが、その辺はどういう取り組みになっているのかお尋ねしたいと思います。
〇藤代農林水産企画室企画課長 現地機関でのICT機器の活用についてでございますけれども、農業改良普及センターにおきましては、現地で特定できない農作物の病気や害虫等の診断を行うため、農業普及員が現地でデジタル画像を撮影して、それを現地から農業研究センターにメール等で送るなどの対応をしているところでございます。
また、家畜保健衛生所などにおきましては、口蹄疫などの伝染病の疑いのある家畜の画像を国の専門機関に速やかに送り精密検査を受ける必要がありますので、その際に、専用の通信機器等を整備して対応しているところでございます。
委員御指摘のタブレット端末等の携帯型のICT機器の活用についてでございますが、これにつきましては、現地における診断あるいは指導業務において時間的ロスをカバーできるというようなメリットがあると承知しておりまして、導入に当たりましては、無線LANの盗聴防止などのセキュリティー対策ですとか、紛失、盗難といったトラブルへの対応といったようなことも必要と考えておりますので、他県の導入事例、実績も参考に、あとは費用対効果も含めて、総合的に導入の必要性について研究してまいりたいと考えております。
〇高橋元委員 いろいろな取り組みが少しずつ進んでいるということで、大変いいと思います。
今、課長がおっしゃったように、伝染病等はリアルタイムに現状分析して、そして対処しなければならないという非常に時間を争うことですので、ぜひ、ほかの事例、例えば現地に行って使っている人を見たりということを含めて、早期にそういう体制をとっていただきたい。
私も監査であちこち歩いたんですが、非常に広範な地域を、1回行くのに2時間も3時間もかけて行かなければいけない。そういうところですと1カ所しか回れないということもありますので、そういうことも含めて、ぜひこれは普及していただきたい。そのことをお話をして、終わりたいと思います。
〇樋下正信委員 私は、農業振興地域の土地の利活用についてお聞きしたいと思います。
農業振興地域では、可能な建物、施設、わかっている部分もありますけれども、改めてどのようなものができるか教えていただきたいと思います。
〇高橋農業振興課総括課長 農業振興地域におけます建物の種類でございますけれども、農業用に供します、例えば加工施設、乾燥調整施設、収穫用施設、機械等の格納庫など、農業振興にかかわるような施設の整備ができる地域でございます。
〇樋下正信委員 地域で集まり、集会などがあれば、農村地域の少子化、人口減などの話がいつも話題になるんですけれども、そういった中で、そこの小学校の生徒さん方が減っているという話をよく耳にしますし、そういう話題になります。
実は、私の地元の小学校なんですけれども、かつては400人から500人の生徒さんが在学していたんですが、現在は90人から100人ぐらいの人数で推移しているような状況でございます。このままでは学校がなくなるのではないかという話も出ますし、また、農業振興についても、立ち行かなくなるのではないかという話がいつも話題になります。
そこでお聞きしたいんですけれども、この田畑の農地に関しても、国からの補助金、国費が入っていないような土地もあるわけでございます。例えば、今申し上げました田んぼとか水田でも、例えば民家がありまして、その民家と民家の間の農地とか、一見しても優良な農地ではないのではないかというところは、地元の町内会とか自治会の方々、そしてまた市の担当課の方々とか、そういう連携とかお話し合いなどはなされているんでしょうか。土地の今後の利活用についての話し合いがなされているかどうかというのをちょっとお聞きしたいと思います。
〇高橋農業振興課総括課長 委員がお話になるようなさまざまな地域の実情、そして課題があるということは承知してございます。
いろいろな土地利用に関する計画、例えば都市計画などの関連につきましては、農林漁業との調整が必要となってございまして、そういうものにつきまして、それぞれの関係部局と連携して検討しておりますし、今後もそのように対応していくところでございます。
〇樋下正信委員 ぜひそういう話し合いを持っていただきまして、私の地域は盛岡ですので、盛岡市の担当の方々とか、地域にぜひ入っていただいて、どういう実情になっているのか見ていただきながら、人口減に歯どめをかけるようなことも考えていかないと、農業そのものが、幾ら立派な水田とか畑があっても立ち行かなくなっていくことに進んでいくわけでございますので、ぜひ、その辺を各機関と、その地域の方々とも連携をしながら進めていただきたいと思います。
〇工藤勝子委員長 答弁は。
〇樋下正信委員 答弁があれば。なければなくていいですけれども、あれば。(「もらえ、もらえ」と呼ぶ者あり)では、何か一言お願いします。
〇高橋農業振興課総括課長 農業振興地域はなかなか、要するに将来にも農業を続けていく、農業投資をして発展していくという基本的な部分がございまして、そのためには、やはり市町村とのまちづくり計画であるとか、市街化区域に編入していくようなことが非常に重要でございますので、そういったお話があれば、その個別個別に応じて、それぞれの相談に対応していきたいと考えてございます。
〇佐々木順一委員 まず最初に、米価の下落対策の一環として県が実施いたしました米価下落緊急対策資金貸付金の貸付実績状況についてお示しいただきたいと思います。担い手と担い手以外の割合があれば、それも含めてお伺いいたします。
〇高橋農業振興課総括課長 米価下落緊急対策資金の貸付実績についてでございます。
昨年9月定例会の際に補正予算ということで議決をいただきまして、各JAを窓口として10月下旬から取り扱いを開始したものでありますが、本年2月末現在の数字でございますけれども、融資実績は51件の9、074万3、000円という状況になってございます。
担い手と担い手以外のデータという取り扱いはしておりませんので、御容赦願いたいと思います。
〇佐々木順一委員 極めて超低調な実績であります。これは、県のほうでこの要因をどう分析されているのか。例えば、米政策に農家の方々がもう期待を持たないと、諦め感が伴って離農の方向にあるのかなと、こういう要素も否定できないと思いますが、この超低調な実績についてどう分析されているのか、認識をお伺いいたします。
〇高橋農業振興課総括課長 この資金の実績が低調ではないかということでのお話でございます。
この米価下落緊急対策資金が打ち出されて、並行して、この資金のほかにも各JAにおきまして独自の運転資金を用意するなどの動きがございました。それらの融資実績もデータとしてとっているところでございますが、そちらの件数で言いますと、2月末でございますが484件、5億483万円余という状況でございます。
合わせますと500件を超えて6億円程度という状況になってございます。
〇佐々木順一委員 わかりました。
それでは次に、新規需要米、飼料用米等についてお伺いいたします。
方向性とすれば飼料用米のほうにかじを切る方向にありますが、一方において、本県は主食用米を中心に食の安全・安心確保、これは絶対条件に死守しなければならないと思っております。一方において、飼料用米の拡大に伴ってコンタミネーションの対策が出てくると思います。
これは岩手県の例ではありませんが、一つの事例として御紹介申し上げます。他県の例です。例えば、大手卸売業者が、某県は主食用米の産地ではなく飼料用米の産地となったとか、これは例えばの事例ですよ。それから、飼料用米専用品種を作付した水田では主食用米の作付を行わない指導を行っているとか、過去に飼料用米品種の作付を行った水田では、何年か主食用米品種を作付しても、一定期間が経過するまでは主食用米としての出荷をしないように指導を行っているとか、などなど、不名誉なこういった言葉が躍っている地域もあるようであります。
こんな状況が本県にも出てくると、これはとんでもないことになるわけでありますので、この件について、根本的な対策について県はどう対応されるのかお伺いいたします。
〇星野水田農業課長 その飼料用米に取り組むことによって、言ってみれば、専用品種に取り組むことによってコンタミネーションが発生する、その対策というようなことでございますが、まず、一番の基本は、利用する機械、コンバインですとか、あとは、その受け入れ施設、カントリーエレベーターとかライスセンターとか、そういったものの清掃を徹底するというのがまず一つございます。
それとあと、工場のほうでまざらないようにということで団地的な取り組みが必要になってきます。そこで、団地的な取り組みが推進されるように、県では、産地交付金を活用しまして、団地的な取り組みをされた方については、10アール当たり1万円くらいとかという金額をお支払いするようなことで考えてございます。
いずれにしても、コンタミネーションが発生しますと産地としては致命的なものですから、基本を徹底しながら、交付金を活用しながら推進していきたいと考えてございます。
〇佐々木順一委員 余り深追いはしませんが、まず徹底して生産者あるいは団体等々、出荷業者等々、認識を一つにして厳格に取り組まれることを御期待申し上げたいと思っております。
次に、これからの生産調整についてお伺いいたします。
国では、平成30年からですか、5年後から生産調整は行わないと。簡単に言うと、これは、需給調整については生産者、出荷業者、団体が中心となってやるようにということと理解しております。私から言わせると、国は食糧安全保障を放棄したとも言えるかもしれませんが、この国の方針について県はどういう認識を持っているのかお伺いいたします。
〇小原農林水産部長 国におきます生産調整の今後の見通しでございますが、内容は、先ほど委員からお話があったとおりでございまして、一応国では、生産者等が需要に応じて、どのような米を幾ら生産、販売するかなどをみずから決められるようにすることで経営の自由度の拡大を目指す、そのような趣旨を言っております。
しかしながら、一方で、生産者や集荷業者等による需給調整の取り組み方法が各県ばらばらになりますと、平成30年からの生産数量目標の配分が廃止された場合に、米の需給バランスが大きく崩れることを非常に懸念してございます。
したがいまして、本県では、昨年5月に国に対しまして、生産数量目標の配分が廃止されるまでの取り組み工程、具体的に国はどのように取り組むのかといったようなことなどについて要望してございます。
いずれ、今のままいきなり進めば、当然これは大きな混乱が起きると懸念をしてございますので、いかに平成30年に向けて取り組みを進めていくかというのが大きな課題と認識してございます。
〇佐々木順一委員 現状では国の動向はどうなっているんでしょうか。
〇小原農林水産部長 国では、いわゆる農家なり、集荷業者が判断できる情報を細やかに情報提供するといったようなことをしてございます。今、うちのほうで受けている話によりますと、全国の需要量の推移、需給の見通し、毎月の価格動向、在庫量といったようなものを示していくという説明でございます。
〇佐々木順一委員 そうしますと、今後、国が手を引くとなると、最終的にどこが責任を担うことになるのか。それは今後の国からの工程表とかスケジュールとかいろいろな対応を受けて、県とか市町村とか生産者とか団体が相談をしながら、その責任をどこが担うのかということを決めていくことになると思うんですが、部長の今のお考えの中ではどういうことが想定されているのか。この道しかないということではないですよ。これとこれ、これとかがあるとか、その程度でいいですから、どうぞお答えいただきたいと思っています。
〇小原農林水産部長 平成30年に対しては、やはり今の国の仕組みですと、生産者や集荷業者等がみずから判断すると言われていますけれども、当然今は、かなり不安の声が大きく聞かれてございます。したがいまして、制度をつくった国が、生産者や集荷業者等が不安に陥らないような仕組みについて、国のほうで十分な指導なり対策が講じられるべきと考えてございます。
〇佐々木順一委員 もっともな答弁ありがとうございました。
それでは、あとは推移を見守りたいと思っておりますが、私からも、県のオリジナル品種についてお伺いいたします。
過去においても本県では、ゆめさんさとか、かけはし、あるいは、どんぴしゃりとか、いわてっこなどなど開発をしてまいりました。一定の目標に基づいた開発でありますので今回のものとはまた目的を異にするとは思いますが、それにしても、これまでのいろいろな取り組みを教訓にして、今回こそ岩手のオリジナル日本一を目指すということの質疑が今まで行われてきて、さまざまな取り組みをすることによって私ども一定の評価はするものでありますが、残念ながら岩手県の場合は、このひとめぼれとあきたこまち、岩手県のオリジナルではない米に依存せざるを得なかったというのは否定できない事実であります。
いずれにしろ、これからの取り組みに期待をしたいと思っておりますが、一つ確認したいのは、米は品種ごとに標高や平均気温などから作付推奨品種が、一定のそういったことに基づいて作付をすることになろうと思うんですが、この岩手107号、岩手118号は、その栽培適地はどういった基準に基づいて設定されるのか、これを確認したいと思います。
〇星野水田農業課長 まず、岩手107号の栽培適地でございますけれども、これは、あきたこまちにかわる品種として開発したものでございまして、適地は県の中央部と考えてございます。
岩手118号でございますが、これは、全国最高水準の品質と食味を確保できる品種でございますので、県南地域を想定してございます。
〇佐々木順一委員 そうしますと、単純に理解すれば、あきたこまちの作付推奨地域は岩手107号、今はひとめぼれが岩手県の最高品種でありますが、ここへの作付は岩手118号、こういう理解でもいいわけですか。簡単にはいかないのですか。
〇星野水田農業課長 岩手107号につきましては、県央部の、現在、ひとめぼれとかあきたこまちが植えられている地帯を想定してございましたし、岩手118号につきましては、いずれ特A評価をとっていかなければいけない米でございますので、県南の県南ひとめぼれ地区の中で、さらには、一番いいものがとれるところを選定していきたいというものでございます。
〇佐々木順一委員 具体的にはどこになりますか。
〇星野水田農業課長 具体的という話でございますけれども、平成27年と28年に現地試験を行うことにしてございます。その結果を踏まえまして、このあたりがいいだろうというような形の栽培適地とか、あとは栽培マニュアルといったものを作成することにしてございます。
〇佐々木順一委員 余りしつこく聞かないことにしますから。また、機会を見て、この件はやります。
それでは、次に農地の集積についてお伺いいたします。
農地管理機構、平場では一定のといいますか、順調に行っているものと受けとめておりますが、中山間地域などの農業生産の条件不利地域では、地域内の話し合いもあまり芳しくなく、農地中間管理機構の受け手が少ないために集積が進みにくいという実態があります。
平場と異なりまして、農業生産に不利な中山間地域等の農地集積を推進するための対策を県はどのようにとっていかれるのか、お伺いいたします。
〇千葉担い手対策課長 中山間地域などの農地集積を維持するための対策ということでございますけれども、県では、地域農業マスタープランの実現に向けた話し合いによりまして、担い手の明確化を促すこととともに、急勾配、農地分散など中山間地特有の条件を勘案いたしまして、大区画にこだわらない区画形状ですとか排水対策など、きめ細かな基盤整備、それから、それとあわせて農地中間管理事業による農地集積を一体的に推進していきたいと考えてございます。
また、こうした取り組みに加えまして、各広域振興局に設置いたしました中山間応援隊というものがございますが、基盤整備ですとか、農地中間管理事業の円滑な導入が進むように、市町村へアドバイス等を行いながら、中山間地域においても農地の有効利用と農業経営の効率化が実現されるように、集積を促進していきたいと考えてございます。
〇軽石義則委員 国土調査事業費について質問させていただきます。
地籍調査は、国土利用、県土利用等の部分も含めて非常に大切なことは理解しておりますし、どのような状況であるかということでいろいろ調べてみましたけれども、土地の境が不明確であるとトラブルも多くあるというような状況のようでございますが、現在、岩手県内の地籍調査の現状と課題はどのようなものになっているのか、また、どのような方法で調査をされているのかお示し願いたいと思います。
〇伊藤農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 まず、地籍調査の現状と課題についてでございます。
本県では、昭和27年度から市町村が実施主体となり地籍調査を開始しておりまして、これまでに19市町村で調査が完了しております。平成26年度は11市町村で調査を進めているところでございます。
平成25年度末までに地籍調査が終了した面積が9、399平方キロメートルございます。これは、調査対象面積に対して進捗率は83.9%となっておりまして、全国第6位、東北では第3位といった進捗になってございます。しかしながら、地域によって進捗にばらつきがございます。特に沿岸部は内陸部に比べておくれている状況でございます。
そういった現状でございますが、調査を推進する上での課題といたしまして、一つは予算の確保が挙げられます。平成23年度から、通常分の予算に加えまして、東日本大震災津波の浸水被害を受けた地域に配分されます震災対応分の予算を措置いたしまして、市町村の要望に応えてきたところでございます。平成28年度以降、国のその震災対応分に対応する特別会計が継続されませんと市町村の負担も重くなるということで、市町村からの要望に応える上でも、東北各県と共同で国土交通省あるいは財務省に対して継続の要望を行っているところでございます。
もう一点、課題といたしまして、実施主体であります市町村の調査体制の強化が挙げられます。測量調査業務の一部を民間に委託するなどのほか、成果品の検定などにおきましても、第三者機関への委託の取り組みをお知らせしつつ、そういった活用の働きかけを行っているところでございます。
調査の方法につきましては、実施主体であります市町村が、必要に応じて業務を一部外注しながら進めているところでございます。
〇軽石義則委員 大分岩手県は進んではきておりますが、まだまだのところもあるということでございますが、調査をする上で、いわゆる筆界未定というものが発生し、その部分を解消していかなければならないという課題もあると聞いておりますが、その現状と課題について、また、その後のいわゆる未定を解消するための対策などあれば、お示し願いたいと思います。
〇伊藤農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 筆界未定でございますけれども、隣接する土地の所有者が境界に合意しない場合、やむを得ず筆界未定として処理することとなります。平成25年度に国土調査の成果を認証いたしました9市町村の21地区におきましては、総筆数4、260筆のうち18筆が筆界未定となっておりまして、その割合は0.42%となってございます。
筆界未定地では、土地の分筆や地目の変更ができなくなるということがございますので、土地の活用や取引に大きな支障が生じることになります。また、筆界未定を解消するためには、土地所有者みずからが調査を行って境界を確定する必要がございますので、多大な労力と多額の費用がかかるということになります。
県といたしましては、筆界未定ができるだけ生じないように、市町村と連携いたしまして、住民の方々に対する広報活動を強化しながら、地籍調査に対する理解の醸成に努めてまいります。
〇軽石義則委員 市町村との連携というお話がありましたけれども、具体的にどのような連携を図り、指導などどのような形でされているのかお示し願いたいと思います。
〇伊藤農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 国土調査に関する県の立場といたしましては、市町村がその実施いたします地籍調査の各工程段階ごとに、その工程検査といったものを行います。また、調査した成果についての認証事務におきまして、測量調査の精度の確認ですとか書類の審査を行って、成果品の品質が確保されるように実施主体の市町村を指導しているという立場がありますが、一方で、初任者講習会ですとか、担当者研修の実施などを通じまして、地籍調査を担当いたします市町村職員の調査技術ですとか、あるいは事務処理能力の向上を支援しているところでございます。
〇軽石義則委員 研修会などを含めて進めているということでありますが、地籍アドバイザーという制度もあって、派遣などもよくあると聞いていますが、岩手県の中ではそのような実績もあるんでしょうか。
〇伊藤農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 ただいまお話がありました地籍アドバイザーですが、地籍調査に精通したアドバイザーを派遣する地籍アドバイザー派遣制度ですけれども、希望する市町村へ派遣することによって、その調査の実施に当たり生ずる問題を早期に解決するといった支援につながっております。平成26年度におきましては、久慈市と大槌町に各1回派遣いたしております。
〇軽石義則委員 わかりました。ありがとうございます。
調査を順調に進めるためにそれぞれ努力をされているということでありますけれども、全県での調査完了のスケジュールというものがあれば、お示し願いたいと思います。
〇伊藤農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 全県での調査完了のスケジュールでございますけれども、県内全ての調査が終了するには、平成25年度の調査面積38平方キロメートルございますが、これを用いて、残っている面積1、807平方キロメートルを割り戻して試算いたしますと、今後47年を要するということでございます。
さまざまな課題がある中で調査完了までのスケジュールを見通すことは困難でございますけれども、地籍調査の進度や残面積を勘案の上、市町村が設定いたしました目標をもとに、県では、平成25年11月に岩手県地籍調査中期実行計画を策定いたしております。この計画に基づいて着実に推進するように取り組んでまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 かなり遠い目標になっておりますので、着実に進めていくためには、やはりその準備なり、市町村がしっかりとその体制を整えることも大事だと思います。しかし、職員の数も限られている中、今、復興事業も各種やられていると思いますけれども、そういう意味では、一部民間の皆さんのお力もおかりしているということでありますが、さらにその連携を図っていくことが大事だと思いますけれども、その部分で、今、具体的に民間のそういう団体なり業者の皆さんとの連携というのはどのようにされているんでしょうか。
〇伊藤農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 団体との連携ということで申し上げますと、地籍調査を実施する市町村で構成しております岩手県国土調査推進協議会というものがございまして、この協議会が、地籍調査実務研修を開催いたしておりますが、こういった研修を通じて市町村職員のスキルアップに取り組んでおります。
この研修会には県も参画しておりますが、講師という立場で、その地籍調査業務の能力向上を支援しているところでございます。
〇軽石義則委員 職員の皆さんの能力向上は当然必要だと思いますし、実際、調査に当たる業者さんたちの現場の声というものも少し把握をした上で連携を図れば、さらに進むのではないかと思います。ぜひ、それらも今後の対応をお願いしたいと思いますし、また、今の課題になっているところで、山村境界基本調査という、いわゆる所有者がどんどんいなくなってきていて、それをどうしていくかという課題も発生しているようですけれども、その部分の現状はどのように把握されているでしょうか。
〇伊藤農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 山村境界基本調査でございますが、この調査は平成22年に創設されております。国が全額調査費用を負担して林地の土地境界を調査し、後続の地籍調査におきまして活用できる図面等を作成する事業でございます。
平成25年度までに盛岡市ほか3市町で5.39平方キロメートルの調査を実施しております。平成27年度は、平成26年度に引き続き山田町の0.72平方キロメートルで実施する予定となってございます。
〇軽石義則委員 では、やはりどんどん人口減少とこの問題も連係しているのではないかと思われますので、ぜひそれらについてもしっかりと対応していただきたいと思います。
最後に、地籍調査の実質的な県及び市町村の負担額はどういうようになっているんでしょうか。
〇伊藤農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 地籍調査に係ります経費の負担でございますが、国土調査法の規定によりまして、県は事業費の25%を負担するとなっております。また、国が50%負担いたしますので、市町村は、国、県の負担分を除きます事業費の25%を負担することになっております。
そのそれぞれの負担額に対しまして80%は特別交付税で措置されるということで、実質的な負担は5%ということで5分の1になってございます。
また、東日本大震災津波の浸水被害を受けた地域に配分される震災対応分につきましては、震災復興特別交付税によりまして地方負担額の全額が措置されるということで、釜石市、山田町での調査に係る費用は、実質的な負担はないということで進めることになります。
〇軽石義則委員 やはり非常に大事な事業でありますし、民間の力もしっかりと出していただくことが、具体的に目標どおりに進めることになると思います。それらの部分について、部長から、ぜひ民間の活用をさらに進めるという部分を含めて所感をいただいて、終わります。
〇小原農林水産部長 この地籍調査でございますが、東日本大震災津波の復旧、復興事業におきまして、地籍調査が済んでいるところと済んでいないところで、やはり復興の進捗に大きな違いが出てございます。
したがいまして、この地籍調査は、市町村、民間、それらが連携いたしまして、できるだけ早期に済むよう、今後とも引き続き努力してまいります。
〇工藤勝子委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時2分 休 憩
午後1時3分 再開
〇工藤勝博副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ21人の質問者が予定されております。進行に御協力を願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
質疑を続行します。
〇神崎浩之委員 農地中間管理事業と経営体育成基盤事業についてお伺いいたします。
安倍内閣が農林水産業地域の活力創造プランで上げた農業を足腰の強い産業へということ、これを実現するためには、農作業の効率化、規模拡大を通じた生産コストの低減、担い手への農地利用集積、集落営農を通じた6次産業化への取り組みなどが必要であります。
そこで、農地中間管理事業の現状と課題についてでありますけれども、まず、平成26年度の実績について、面積、それから経営体数についてお伺いしたいと思います。
あわせて、県内での地域ごとの取り組み、偏在があれば、そういう状況についてお伺いしたいと思います。
〇千葉担い手対策課長 農地中間管理事業の平成26年度の実績についてでございますが、まず、機構によります農地の貸付実績でございます。3月3日現在、貸し付けた経営体数が延べ438、面積は2、359ヘクタールとなっており、今年度の目標であります2、000ヘクタールを上回ったところであります。
また、地域別の偏在ということで、その内訳でございます。まず、盛岡広域振興局管内では、経営体数が延べ80、面積が148ヘクタール、県南広域振興局管内では、経営体数が延べ295、面積が1、900ヘクタール、沿岸広域振興局管内では、経営体数が延べ29、面積が200ヘクタール、県北広域振興局管内では、経営体数が延べ34、面積が111ヘクタールとなっておりまして、条件のよい平場地域の水田地帯を中心に取り組みが順調に進んでいる一方で、担い手の不足や条件不利地の多い中山間地域、それから県北、沿岸地域では、取り組みがおくれている状況にございます。
〇神崎浩之委員 昨年からの新聞報道を見ますと、なかなか全国的には進んでいないということでありましたが、県については順調に進んでいるということであります。
そこで、本事業のこれからの県の目標値でありますけれども、当面の目標と、それから平成27年度の目標についてお伺いいたします。
〇千葉担い手対策課長 農地中間管理事業の県の目標値についてでございますが、当面の目標につきましては、県内全ての地域農業マスタープランの農地集積計画に基づきまして、平成30年度までに1万5、000ヘクタールの農地集積を目指すこととしております。
この目標達成に向けまして、平成27年度におきましては、機構によります農地貸付目標を3、600ヘクタールとしてございます。
〇神崎浩之委員 今後の課題でありますけれども、本年度については順調だということでありまして、一番この事業の心配であったのは中山間地の問題であります。それから、昨年の米価の下落に伴いまして、あの金額であれば借りる人がいなくなるのではないかという心配もしていたわけなんですが、その点について課題と思っているわけなんですけれども、中山間、それから米価の問題、それからマッチングについては大丈夫なのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
〇千葉担い手対策課長 今後の課題についてでございますが、事業を進めていく中で、農地の出し手が少ないこと、それから条件不利地の多い中山間地域におけます受け手の確保が課題となってございますことから、引き続き機構や市町村等と連携をし、地域農業マスタープランの見直し等を含めた地域の話し合いを促していくとともに、中山間地域におきましては、県の振興局等の職員で構成いたします中山間応援隊により、市町村の取り組み支援などを行いながら、農地集積に向けたマッチングを進めていきたいと考えております。
なお、本年度の貸付農地につきましては、米価下落を理由とした解約の申し出等は特にございません。現時点では、懸念されるような影響はないものと認識してございます。
〇神崎浩之委員 ちょっと米価の下落についても心配であったけれども、今はそういう状況にはないということであります。
続いて基盤整備の話でありますが、本県は水田の整備状況が全国平均に大きくおくれているということでありまして、農作業の効率化、農地の利用集積についても心配なわけであります。
そこで、まず、今回の震災の津波、それから地震による農地の被害からの復旧状況についてお伺いしたいと思います。内陸でも、農地に亀裂が入ったり水利施設も壊れたりという、津波もそうですけれども、地震の影響もありますが、それらの復旧状況についてお伺いいたします。
〇伊藤農村建設課総括課長 東日本大震災津波で被災した県内農地の復旧状況についてでありますけれども、内陸部では、平成24年12月までに復旧対象農地473ヘクタール全てで復旧しておりまして、一方、沿岸部では、復旧対象農地717ヘクタールのうち、市町村のまちづくり計画などとの調整が必要なために工事着手できない212ヘクタールを除く505ヘクタールで復旧を進めておりまして、平成27年2月末までに447ヘクタールを復旧しております。
復旧済み農地の合計は920ヘクタールとなっておりまして、復旧対象農地1、190ヘクタールの78%となってございます。
〇神崎浩之委員 内陸についても、それから沿岸部についても、まちづくりとの関係以外については全て復旧していると理解いたしました。
さて、昨今の農家をめぐるいろいろな課題があるわけでありますけれども、まず、補助整備をしっかりしなければならないという要望がいろいろ各地で起こっているわけですが、その農地の集積状況でありますけれども、まず補助整備についてでありますが、平成26年度の施工実績と平成27年度の計画についてお伺いしたいと思います。
〇伊藤農村建設課総括課長 経営体育成基盤整備事業の平成26年度の施工実績、それから平成27年度の計画についてでありますけれども、平成26年度は、予算額24億2、955万3、000円(後刻「42億2、955万3、000円」と訂正)によりまして、一関第1地区など36地区で、区画整理139ヘクタール、暗渠排水252ヘクタールの整備を行っており、平成27年度は、予算額48億4、055万3、000円によりまして、夏川地区など42地区で区画整理102ヘクタール、暗渠排水307ヘクタールの整備を計画してございます。
〇神崎浩之委員 新規も含め、継続も含めなんですけれども、いろいろなところで要望が出されておりますが、新規地区の要望量というのはどういうふうに声が届いているのかどうか。
それから、あわせて、この整備を推進していくためには予算が必要でありまして、その予算の確保と課題について、県はどのように捉え、どういうふうに取り組んでいくおつもりなのかお伺いいたします。
〇伊藤農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 まず、新規地区の採択要望についてでございますが、向こう5カ年の事業実施要望を市町村が取りまとめいたしました農業農村整備事業管理計画というものがございまして、これによりますと、面工事を伴う基盤整備、いわゆる圃場整備につきまして、平成27年度から平成31年度までの採択要望は70地区に上っております。年平均といたしましては14地区ということになります。平成26年度までの5カ年の新規採択実績が21地区、年平均で4地区ということでございますので、大きく上回っているということで、地域の実施要望量は大きくなっているという状況でございます。
それに対する予算の関係になりますが、平成27年度の農業農村整備関係予算は、担い手の育成や低コスト生産に資する生産基盤の整備を計画的に進めるという観点で、前年度とほぼ同水準を要求させていただいております。
本県では、新たな農政改革への対応の必要性などから、圃場整備を中心に地域からの基盤整備の要望が増加するとともに、全国的にも整備要望が高まっている一方で国の関係予算の回復が十分ではないといった状況がございまして、これまで以上に国庫補助事業に係ります国費の確保が厳しい状況と認識しております。
このため、整備がおくれている本県の実情を国等に強く訴えながら、必要な予算の措置を強く求めていくとともに、効果の早期発現に向けまして、事業の重点化、効率化や建設コストの縮減などの取り組みを着実に進めていきたいと考えております。
〇神崎浩之委員 今までは国費はある程度ついていたんですけれども、県の負担分にシーリングがかかっているということがあったわけなんですが、我々としても国のほうに要望してまいりますので、県も、シーリングに負けずに予算の確保に努めていただきたいと思います。
最後に、農地中間管理機構との連携でありますけれども、通常、基盤整備をする場合に、個人間で集積をするということもありますが、今回、この農地中間管理機構でももちろん集約するわけでありますけれども、今後はどういうふうになっていくのか、通常どおり基盤整備を進めていくのか、それとも、どんどんこの機構を使っての集積になっていくのか、その辺の、我々の進め方もそうなんですが、管理機構との連携、それから、管理機構を使ったことのメリットについてお伺いしたいと思います。
〇伊藤農村建設課総括課長 まず、先ほどの経営体育成基盤整備事業の平成26年度の施工実績でありますけれども、予算額24億円と発言いたしましたが、42億2、955万3、000円に訂正させていただきます。
圃場整備事業と農地中間管理事業との連携と効果についてでございますけれども、県では、地域農業の将来像を描いた地域農業マスタープランの実現に向けた話し合いによって、担い手の明確化を促すとともに、圃場の大区画化とか排水改良などの基盤整備と、それから農地中間管理事業による農地集積を一体的に推進しているところであります。
平成26年度は、一関市の夏川地区で圃場整備面積の86%となる466ヘクタールを法人に、それから、陸前高田市の小友地区では圃場整備面積の75%となる約70ヘクタールを法人に集積し、農業経営の効率化が図られるなど、連携の効果があらわれているところであります。
今後とも、こうした取り組みを普及させながら、基盤整備と農地集積の一層の推進を図ってまいります。
〇岩渕誠委員 私も、オリジナルブランド米について、まずお伺いいたします。
最初に、工藤技監にお尋ねいたします。
岩手118号の開発に当たっては大変御尽力されたと伺っております。そしてまた、フラッグシップ米に位置づけるということでありまして、これはこれで結構なんですが、フラッグシップに位置づけるに当たって、どうも品種の力に頼り過ぎてはいないのかということを私はちょっと懸念しております。
フラッグシップに位置づけるのであれば、これは当然ながら品種の力、それから気候風土の力、そして栽培をする人の力という、この三つが融合して初めてフラッグシップたり得るものと私は思っておりますが、岩手118号をフラッグシップと位置づけるに当たっては、どういったところに力点を置いておつくりか、お答えいただきたいと思います。
〇工藤農政担当技監 ただいまの質問につきましてですが、本県ではこれまで、人の力あるいは自然環境も生かしながらということでいきますと、例えば一等米比率を高めて、そして常時90%以上に一等米比率を高めるような取り組みをしてきております。そして、特Aにつきましても20回獲得するような取り組みをしてきております。
そういう意味での人、そして機構を生かした取り組みというのは、これまでもやられてきていますし、生産者の方々の努力によって、そういうものがなされてきたと思っております。
今回、岩手118号につきましては、さらに、それに加えまして、本県の持っている試験研究の力、生物工学研究センターの技術を駆使しまして、そして短期間でつくってきたという、人の力、気候の力、そして、さらに我々の持っているマンパワーも生かしながらつくってきたものでございます。
ですから、こういうものを生かしながら、あるいはそういうものを基盤にしながら、このフラッグシップ米を、これまでいいものをつくっていたけれども、なかなか全国の米の中では勝ち残れないでいた、その部分を克服してまいりたいと思っておりますし、そのことが、強いて言えば県産米全体の底上げになるし、そういうものを引っ張っていくような力になるような取り組みをしたいと考えておるところでございます。
〇岩渕誠委員 大変すばらしい意気込みだと感じ入ったところでございます。ぜひ、品種の力、気候風土の力、人の力を生かしてやっていただきたいと思いますが、それでは、その岩手118号の品種の力の部分でお尋ねいたしますが、従来、岩手県産のトップを走っていたひとめぼれの課題として、これは米穀関係者、卸を中心に、他県産米に比べてややかたい、それから粘りが弱い、さらには香りがもう少しあればいいというような点が大きく指摘をされたわけでありますけれども、今回の岩手118号の食味上の特徴と他県との比較、また、栽培上はどのような特性があるのかお示しいただきたいと思います。
〇星野水田農業課長 岩手118号の食味と栽培上の特徴でございますけれども、まず、食味の特徴ですが、アミロース含有率が15から16%と県産ひとめぼれに比べまして二、三%低いということで、粘りが強くて、ほどよくやわらかく、食味全体が非常にすぐれるということになります。
他道県産米との比較でございますけれども、これは直接比較した例ではございませんが、まず、たんぱく質含有率を見ますと、北海道のゆめぴりかとか、あと、山形県のつや姫、この出荷基準よりも低くなってございます。アミロース含有率ですが、これは、新潟県コシヒカリよりもやや低いということで、これら全国トップレベルとされる品種と、粘り、やわらかさは同等と評価してございます。
あと、実際に新潟産コシヒカリを対照にした食味官能試験を実施してございまして、その際に、粘りと味がまさっている、やわらかさ、香りなど他の項目も同等の評価となってございます。
栽培上の特徴でございますが、こちらは北上市にあります農業研究センターの成績ということになりますけれども、ひとめぼれと比較しまして、粒はやや大きいが、1穂につく粒数が少ないこと、出穂期、成熟期はひとめぼれ並み、いもち病の耐病性や耐冷性は同等ということで、現在ひとめぼれ地域ということになってございます。
〇岩渕誠委員 特に、従来のひとめぼれとコシヒカリの観点で私も独自に官能検査を日本穀物検定協会でやってまいりましたけれども、やはり粘りとやわらかさのところが最大の課題でありましたので、岩手118号の品種上の性質については大変期待をする、今までの弱点を克服したものと理解しました。
ただ、栽培上の特性の中で、つる張りは大きいんだけれども、少ないということでありますが、これは、単収で考えますと、やはり従来のものよりは若干落ちると考えていいですか。
〇星野水田農業課長 北上市の農業研究センターでやった結果を見ますと、同じ圃場敷地内でつくったひとめぼれに比べまして7%低いという結果が出ております。
〇岩渕誠委員 わかりました。
次に、気候風土の面からこの岩手118号についてお伺いいたしますが、先ほどの佐々木順一委員の質疑の中で試験栽培適地という考え方がありました。非常に限られた頼みの量でありますので、新年度の試験をするというところについては限られているということは承知いたしますが、何カ所ぐらいでこれをやることになるのかお示しいただきたいと思います。
〇星野水田農業課長 平成27年度の現地試験につきましては、4カ所を今想定してございます。
〇岩渕誠委員 それはどこですか。
〇星野水田農業課長 今までに特A評価をとっております県南ひとめぼれが作付されている地域の中から選定したいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 そこで私、お伺いいたしますが、これまで特Aをとった試験栽培のところが対象になりますということですが、岩手県は今まで、日本穀物検定協会に対して特定地域からしか出していないじゃないですか。違いますか。
〇星野水田農業課長 確かに、今までは県南地区のくくりの中から出したものが特A評価を取得してございます。
〇岩渕誠委員 実態をお話ししますと、特A評価といいますが、これは、星野課長も工藤技監も覚えていると思います。数年前の特A評価の中で、確かに入りましたけれども、岩手県のひとめぼれが一体何番目であったのか、特Aをとるためにどんな努力をしたのかということは、恐らく米穀担当の皆さんは御存じなはずであります。それは、その特定の地域にこだわって、そこから持っていくと、そういう話になるわけであります。
これから、このまさにフラッグシップたる岩手118号の試験をしていくということであれば、当然それ以外にも特Aをとった地域があるわけであります。特Aじゃなくても、かなり食味値の高い地域というものはあります。先ほどの話ではありませんが、気候風土のみならず、栽培技術のすぐれた人材がいる地域もあるわけでありますので、これについてはぜひ広げるようにお願いしたいと思いますし、少なくとも平成28年度には相当広げていただかないといけないと思います。
それから、試験栽培をするのであれば、これは試験栽培を希望する農家に対しては、定期的にこの試験栽培の勉強会なり説明会というものをやっていかないと、きちんとした技術の確立にならないと思いますが、この辺、どのように取り組まれるのでしょうか。
〇星野水田農業課長 その食味値の高い地域があるので広げてほしいというお話がございますけれども、これにつきましては、平成27年には種が少なくて4カ所ですが、平成28年には規模を拡大してやりたいと考えてございます。
あと、希望する農家への説明会という話でございましたけれども、当面、現地試験を行う農家を対象にしまして、栽培研究会の前身みたいなものをつくりまして、情報共有しながら取り組んでまいりたいと考えています。
〇岩渕誠委員 ぜひそれは、広範にわたって勉強会と研究会はやっていただきたいと思います。
このフラッグシップ米の中で、やはり一番のこだわりを持ってほしいのは、食味へのこだわりということであります。これは最後には人の力の部分に負うところが多いわけでありますけれども、いざ販売断面になったときに、この食味に対してどうこだわりを持って、どういう戦術で売っていくのかということが大きな問題になってくると思います。
例えば、今までは一等米だとか特Aだというようなことがありましたけれども、実際は、特Aだろうが一等米だろうが、ブランドの向上につながっていないというのが実態であります。それを超えて食味に対して担保していかないと、本当に全国で5番目に入る価格設定というのは無理であります。
ただでさえ収量が下がるわけでありますから、それに見合う単価に持っていくということであれば、最終的には独自の物差しで食味値を、例えばですよ、食味値82以上じゃないと、幾ら岩手118号をつくっても、それは県としては認定しないとか、それぐらいのことをやらないと、食味の担保にならないし市場に対しての強烈なインパクトにはならないと私は思っているんですが、その食味の担保、それから、そういった意味では、全体のレベルを上げるためにも、過去に食味コンクールというものをやっていると思います。そういったものも復活させてはどうかと思うんですが、そのあたりはいかがでしょうか。
〇星野水田農業課長 岩手118号の食味の担保でございますけれども、これにつきましては、先ほどお話ししましたように、まず、生産面では、2年間現地試験をやりますので、そこで栽培マニュアルをつくります。そこで適地とか品質とかの基準を設定して、それを徹底していくという取り組みをしてまいります。あとは、農協とか農家の皆さんと栽培研究会をつくりまして、さらに技術を磨いてまいりたいと考えてございます。
あと、食味コンクールの話でございますけれども、これは、確かに過去に全農県本部が主体となりまして、県産米の評価向上ということを目的にやってございます。
それで、岩手118号につきましては、マニュアルを徹底していくということをまず主眼に考えてございます。
そうしますと、ほかの米についてということになりますけれども、それにつきましては、いわての美味しいお米生産・販売戦略の中で、県産米全体の食味向上の取り組みを推進するということを決めてございますので、その取り組みの一つとして全農県本部とともに検討してまいりたいと思います。
〇岩渕誠委員 いずれマニュアルを徹底する、栽培管理をしっかりする、適地で、適作で、適人でやるというのはわかるんですけれども、それはみんな変わらないんですよ。どこのブランド、先行ブランドも、やっていることはほとんど変わらないんです。その上のものを目指さないと価格面で5番には入れないということなんです。
ですから、さっき言ったように、食味計なんかを利用して、上位の米については特別な扱いをするとか、そういったことまで思い切って踏み込まないと、フラッグシップと言うわけですから、これは相当のことをやらないとフラッグシップになりませんよ。私はそのことを指摘したいと思います。その辺、技監、どうですか。
〇工藤農政担当技監 他県でやられているレベル以上のものをということだと理解しております。現地栽培はまだこれからでございますので、いろいろな場面を想定しながら、やれるところを検討してまいりたいと。その中で、一定の基準のものを出荷できるよう、そして、その基準を下回ることのないよう、極力そういうものになるように努めてまいりたいと思います。
いずれ、目指すところは全国の最高水準という評価をとれるようなものづくりということだと理解しておりますので、そういう取り組みをしてまいりたいと思います。
〇岩渕誠委員 岩手118号につきましては、若手の米穀農家が大変期待をしております。収量もややとれないようだけれども、価格があるんだったら挑戦してみたいという声が非常に多いわけでありまして、若手の農家にとっては、本当にこれを希望の光として見ているわけであります。これまでを超える取り組み、これは農家もさることながら、販売断面、PRも含めてですけれども、ぜひやっていただきたいと思います。
米の最後に、これまでのフラッグシップとして位置づけられていたのがプレミアムブランド米であります。これは品種的にはひとめぼれでありますけれども、これは、まさに栽培管理、それからつる張りとか、非常にこだわった、農薬も慣行の4分の1というところでやって、今は首都圏にも相当出回っております。
こうした一方で従来やったフラッグシップのプレミアムブランド米については、どのように取り組まれるおつもりかお聞かせいただきたいと思います。
〇上田流通課総括課長 プレミアムブランド米の今後の取り組みについてでございますけれども、プレミアムブランド米は、県内の百貨店あるいは首都圏の高級料飲店をターゲットに販売を進めているところでございまして、そういったところから、農薬の使用を4分の1に削減する高度な栽培技術、それから大粒ならではの食味、食感に高い評価を頂戴しております。取引量の拡大をさらに求められておりまして、生産者においては、これに応じて、来年度、作付面積を拡大する方向で調整していると聞いております。
今後とも、そういった取引先との結びつきを強化させていただいて、需要に応じた生産拡大に努めるとともに、取引先での販売、供給などを通じまして、消費者の方々を中心に積極的なPRに取り組んでいく考えでございます。
〇岩渕誠委員 まさにこのプレミアムブランド米というのは、気候風土の力、人の力、厳しい管理方法をやってプレミアムになってきたわけであります。販売戦略からすると、やはりそこに岩手118号の力ということで、こういった先行のフラッグシップ米との融合を図っていくのは、かなり飛躍的に押し出しになると私も思っておりますので、ぜひ、そういったところでの試験栽培の実施も含めて検討していただきたいと思います。
米については、これで終わります。
続いて、ソーラーシェアリングについては、まとめてお尋ねいたします。
ソーラーシェアリングというのは、御承知のとおり、農地の中で作物と、それからソーラー発電を一緒にやるという意味で、今、各地で取り組みがなされているわけでありますが、県内のソーラーシェアリングの実態はどうなっているか。
それから、このソーラーシェアリングをやる場合にいろいろな、農地法の関係もあるんですが、それ以外の栽培断面の問題とすれば、実は収量要件というものがございます。作物が8割以上じゃないとソーラーシェアリングを認めないというのがあるんですが、この収量要件について、実は、なかなかデータがないものですから、やろうと思っても、先行事例のものを持ってきてやると、これまた、そこでいろいろお金が発生したりして大変だということになるわけでありますが、この収量要件について県として試験をやる考えはないのかどうか、それをまとめてお聞きします。
〇高橋農業振興課総括課長 まず、いわゆるソーラーシェアリング、営農継続型発電施設の設置の実態でございますが、本県では、平成26年に2件の転用を許可してございます。県北部の市町村でございます。そして、ことしの春から作付が始められるところでございます。
〇前田農業普及技術課総括課長 営農継続型発電施設の導入に伴います栽培技術の研究についてでございます。
当該施設の設置に当たりましては、先ほど委員お話しされたように、作物収量で地域慣行の8割以上の収量を確保すること、あるいは品質の著しい劣化がないということが、農地の一時転用許可に係る判断条件とされております。そういったことから、発電パネルの設置におきまして、遮光等の条件に対応できる作物を、どんな作物が適しているかというようなところの選定が必要になってくるということでございます。
本県では、一般的に栽培上でも遮光栽培が行われているミョウガであるとか畑ワサビについて、平成27年度から取り組みが予定されているところでございます。
当面は、こうした県内あるいは県外でも取り組みが始まってございますので、そういった先行する事例あるいは山形県の試験場でも平成27年から研究をスタートすると伺っております。こういった情報も収集しながら現地に提供してまいりたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 収量要件に関しては、私も同僚議員と南相馬市でその実態を見てまいりましたけれども、いろいろな可能性があると。これはだめだろうと思ったものが結構よかったり、いいだろうと思ったものが悪かったりとか、いろいろあるわけでありますが、それは、試験研究機関を持っているわけでありますので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
それから、ソーラーシェアリングの最後に、これは、ソーラーシェアリングの従前の法律とは別枠で、再生可能エネルギー法というものが昨年施行されております。これを受けて、市町村の農業委員会が認めれば、これは農地でもソーラー発電ということができる道筋は、一応、形上はつくったわけでありますけれども、県として、この再生可能エネルギー法にどう対応していくおつもりなのか、方針をお聞かせください。
〇藤代農林水産企画室企画課長 再生可能エネルギー法の制定を受けての農林水産部としての取り組み方針ということについてでございますが、委員御指摘のとおり、平成24年度から再生可能エネルギー電気の固定価格買取制度が開始されております。こうしたことを踏まえまして、農山漁村の土地、水、バイオマス、こういったようなものを活用しました再生可能エネルギー発電を促しまして、地域の所得向上に結びつけていくといったようなことが重要と考えてございます。
一方で、再生可能エネルギー発電設備の無計画な整備といったようなことによりまして、地域の農林漁業にとって重要な農林地が失われていくことがないように、農林地等の利用調整を適切に行っていくことが必要だと考えてございます。
こういうような考え方に基づきまして、県といたしましては、関係部局と連携いたしまして、法律に基づき、農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー発電設備が整備されるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 最後に、畜産振興についてまとめてお伺いいたします。
今回、肥育対策関連事業では、かなり素牛導入補助等、増頭を志向した対策が出ていると思います。現在は繁殖牛、それから肥育牛とも相場はやや上がっているわけでありますけれども、これは、頭数の減少に起因していると言われております。決して景気がいいから肥育牛肉の断面で上がっているということよりは、頭数が少ないから上がっているんだということであります。ただ、上がっていても、これは頭数が少なくなると、どこかで一気に逆転してひっくり返りますから、増頭対策というのは極めて必要なものでありますが、今回の増頭対策は、その予算を執行する中で頭数というものがどの程度増頭してくるのでありましょうか。
それから、今回は増頭支援と、それから牛飼い女子ですね、若手という言葉が出てまいりますが、なかなか業界によって若手という概念が違うわけでありますけれども、今回の補助における若手というのは、どの辺に対応されるのかお聞かせいただきたい。
それから、海外戦略で、今かなり岩手牛の海外への扱いがふえていると思いますが、その実績と、今、岩手畜産流通センターはUSとか東南アジア向けに輸出できるような設備を持っていますけれども、今後、それを超えて輸出を狙って設備の改善等を行う予定があるかどうか、お示しいただきたいと思います。
〇小岩畜産課総括課長 ただいま委員から御指摘がございました肥育関係の事業について、まずお答えしたいと思います。
肉用牛の肥育農家ですけれども、配合飼料価格の高どまりですとか生産費の約半分を占めます肥育素畜価格の高騰によりまして、非常に経営が厳しい状況にあると認識しております。
今回の事業ですけれども、増頭意欲のあります若手肉用牛肥育農家に対しまして、団体等と協働で緊急的に肥育素牛の導入に必要な経費の一部を補助することで、肉用牛生産基盤の維持、拡大を推進するものであります。
なお、事業の対象としております若手の考え方ですけれども、基本的には、いわて牛後継者枝肉共励会などの参加要件であります、おおむね45歳以下の生産者と考えております。
また、繁殖経営を含む増頭対策のことでありますけれども、まず、繁殖経営につきましては、御案内のとおり、小規模経営が多いということで、まずは規模拡大を進めなければいけないということで、優良繁殖素牛の導入ですとか低コスト牛舎などの整備に加えまして、公共牧場と預託施設でありますキャトルセンターとの一体的活用を促進いたしますとともに、新たに、来年度になりますけれども、県単独で牛舎周辺の放牧地を活用した周年放牧の導入も支援してまいりたいということで考えております。
また、肥育農家につきましては、先ほど申しましたとおり、肥育素牛価格の高騰がございますので、県単独で、まずは肥育農家が繁殖部門を導入いたします一貫経営化モデルを進めたいと思っておりますし、新たに、先ほど申しました増頭意欲のある担い手に対しまして肥育素牛の導入を支援することとしておりまして、こうした取り組みをあわせまして、繁殖牛、肥育牛の増頭に取り組んでまいりたいと考えております。
〇上田流通課総括課長 牛肉に関しましての岩手畜産流通センターの輸出量について、まず、実績についてでございますが、平成25年度の実績が直近でございますが、約21.1トンでございます。これは、平成24年度に比べまして、比率で240%、2倍半の伸びということでございます。
平成26年度、今年度でございますが、途中経過ではございますけれども、平成25年とまず匹敵するような伸びを示しておりまして、最終的には平成25年を上回る実績となることを期待しているものでございます。
次に、外国に出すための認定の状況についてでございますが、現在、岩手畜産流通センターで認定を持っている輸出先は九つございます。そのうちで平成26年度現在で実際の輸出に結びついているところが7カ国でございます。まだのところといいますか、認定はあるけれども輸出に至っていないところは、マカオとカナダでございます。マカオについては、いろいろ条件がございまして、なかなか輸出の見込みが立たないということでございますが、カナダにつきましては、来年度ぜひ輸出に結びつけたいということで、岩手畜産流通センターでは計画をしているものでございます。
それから、さらなる認定の見込みはどうかというお話でございますが、現在、台湾とフィリピンに関して認定の申請を行っておるところでございまして、現在、現地で調査中で、うまくいきますと、来年度中には認定をいただけるのではないかと期待しているところでございます。
〇岩渕誠委員 いきなりの質問でしたから、どれぐらい増頭になるんだというのはお答えがありませんでしたけれども、かなり畜産農家というのは、地域において、米穀、田んぼの仕事も請け負っている本当に中核の農家が多いわけであります。そして、農村経済全体を回していくにも、畜産の、特に牛の振興というのは大事であります。その肝は増頭でありますので、ぜひその目標を明確にして、やめる人も多いんですけれども、増頭できる人は何頭まで増頭するんだというところで、どうも予算額を見ると、こんなものじゃ足りないだろうなというぐらいでありますので、さらに補正が必要になるぐらいの増頭をやっていただきたいと思います。
〇名須川晋委員 それでは、私も国土調査事業ということで、軽石委員が質問をされたところでございますが、されないところということで質問をさせていただきます。
重複するところでございますが、まず、来年度の実施範囲と進捗率について、もう一度お聞かせいただきたいと思います。
〇伊藤農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 平成27年度の実施ということでございますが、内陸部では、盛岡市ほか6市町で18平方キロメートル、それから、沿岸部では、宮古市ほか3市町で28平方キロメートル、合わせて11市町で46平方キロメートルを調査する予定としております。
それによりまして、その結果、地籍調査の進捗率ということで申し上げますけれども、県全体といたしましては、平成26年度末の見込みといたしまして84.3%と捉えておりますが、それが84.7%まで0.3ポイント増加する予定でございますし、また、沿岸部につきましては、宮古市、釜石市、大槌町、山田町の4市町で実施することになりますが、合わせての進捗率は、平成26年度末が42.5%と見込まれるものに対して44.4%、1.9ポイント増加する予定と捉えております。
〇名須川晋委員 筆界未定の件につきましては、先ほど御答弁がありましたので割愛させていただきまして、地籍が確定後も、さまざまな異論というか不満が寄せられているのではないかということで、私も複数の方からお話を聞いたりして、確定したときは合意のもとであったとしても、年月がたつごとに、あれはやっぱりおかしいのではないかという不満がたまってくるのかなと思われますが、こういうものはデータとしてお持ちなのかどうか、あるいは、なぜ後々そういう事例が発生するのか、その辺の分析についてお知らせください。
〇伊藤農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 地籍確定後の異論の件でございますが、そうした事例への対応につきましては、地籍調査を実施しております市町村において個別に対応されていると認識しておりまして、県としては、そういった事例のデータは持ち合わせておりませんので、御了承いただきたいと思います。
地籍調査では、隣接する土地所有者が境界を現地で確認いたしまして、合意を得た上で実施主体である市町村が測量を行いまして、地籍図及び地籍簿を土地所有者に確認していただいた後に、市町村が地籍図及び地籍簿を法務局に提出して、受理されれば地籍が確定するといった手続をとってございます。
こうした手続で確定した地籍に対して異論が寄せられるケースとしては、まれなケースではないかと思っております。
〇名須川晋委員 まれであれ、結構あるような感じはするんですけれども、もう一度、繰り返しになるかもしれませんが、仮に修正するとなれば、どのような手続を踏まなければいけないか、難しいとは思いますが、お知らせください。
〇伊藤農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 地籍確定後の修正手続ということでございますが、地籍確定後の境界修正は、土地所有者みずからが測量を行って修正することが原則でございます。
ただし、境界の誤りが地籍調査時点のものであり、隣接の土地所有者から境界修正の同意が得られた場合には、実施主体である市町村に対し、その土地所有者から、国土調査法によりまして誤りと訂正の申出書を提出することができるとされております。
この申し出を受理した市町村では、境界が地籍調査時点の誤りであることの事実が確認できた場合に、法務局に境界の修正申出書を提出し、それが受理されれば、登記簿の修正という形になりますので、こうした手続を経て地籍が修正されるものでございます。
〇名須川晋委員 2点目に予定しておりました家畜保冷保管施設整備につきましては、先ほど及川幸子委員の質問と詳細な御答弁がありましたので割愛させていただきまして、最後、雲南省農業連携調査事業についてということで予算が計上されておりますが、この進め方や将来的な目標等の概要につきましてお知らせください。
〇前田農業普及技術課総括課長 雲南省農業連携調査事業についてでございます。
この事業で、農業分野におきましては、本年秋に予定されております雲南省主催の農業シンポジウムに参加しますとともに、現地の農業の状況等を調査する予定としてございます。
こういった機会を通じまして、例えば花卉を中心とした研究者同士の友好関係の構築、あるいは双方が連携して取り組むことができる研究テーマに何があるかというようなところの検討を行うこととしてございます。
将来的には、県の試験研究機関に雲南省の若い研究員を受け入れたり、さらには、雲南省に豊富な遺伝資源がございますので、品種育成に関する共同研究、それから相互研究水準の向上に向けた学術交流につながるようなところを目指して取り組むこととしてございます。
〇名須川晋委員 他県の事例ですと、すぐれた品種を海外で生育させてパテントの料金をもらうようなこともあるようでございますが、いずれ、そういうことで戦略的に進めていただきたいと希望を申し上げまして、終わります。
〇久保孝喜委員 それでは、お尋ねしたいと思います。最初に、被災地における営農再開状況についてお尋ねいたします。
被災地の主たる産業とは言えないまでも、農地の大部分が被災をされたという事実もございますが、農地そのものの復旧はかなり進んできていると承知していますが、営農再開という観点で現状どの程度にあるのか、そして、これからの見通しについて、まずお示しいただきたいと思います。
〇前田農業普及技術課総括課長 営農再開の現状と見通しについてでございます。
復旧農地におきまして平成26年度の作付状況でございますが、水稲を中心に、野菜、飼料作物等が369ヘクタール作付されてございまして、これは、復旧農地に対して約85%となってございます。
今後につきましては、現時点では平成27年4月までに復旧される見込みの農地467ヘクタールのうち、約9割が作付されると見込んでございます。
〇久保孝喜委員 今の数字を例えば販売農家と、販売を主としない、いわゆる自給的農家という割合で分けた場合、この数字は、再開率はどのようになるのか、わかればお示しいただきたいと思います。
〇前田農業普及技術課総括課長 販売農家あるいは自給的農家のそれぞれ内訳ということでございますけれども、直近の平成22年の農林業センサスを見ますと、被災市町村での自給的農家数あるいは販売農家数というものは、それぞれ5割ずつが沿岸地域でございますけれども、被災後の状況となりますと、いろいろと被災後、地域外に転出されたりという方もいらっしゃることから、被災後の自給的農家数、販売農家数別に農家数がどういう状況にあるかということについては、なかなか把握できない状況にございます。
〇久保孝喜委員 従来からこの点を指摘してきたんですけれども、つまり被災地にあっての農家戸数の割合で言うと、今お話があったようにほぼ半々なわけですね。販売農家数が51%、自給的農家数が49%ぐらいという数字、被災した沿岸12市町村の中では農家戸数全体が大体1万1、000戸ぐらいですから、決して小さくない数字が、いわゆる自給的農家という方々なわけです。
これは、これまでの復興状況の進捗などの情報公開などでも、実は農地の復旧割合は出ても、営農再開がなかなか目に見えていないということは、私も指摘をしてまいりました。
今お話しあったように、残念ながら、生の数字として、どれだけこれまで耕作を細々ながらですね、自給的農家ですから規模も小さい、しかし、その規模の小さい農業が、地域の中では一定の役割を持っていたのは間違いのないことです。面積自体も、農家戸数ほどではないにしても一定の面積があるということからすれば、当然のことながら、復興というのは農地そのものを復旧しただけで済む話ではないわけで、そこでどうやってなりわいと、それに付随する、いわゆる自給的農業というものが行われたかということを見ない限り、本来の復興とはなかなか言い切れないわけですね。残念ながら、その数字がつかめないという状況があると思うんですけれども、推定で言うとどういうことになるかというのは、何か数字があるのではないでしょうか。
〇前田農業普及技術課総括課長 まず、農家数につきましては、農地の所有者と実際に耕作している方と、特に復旧農地が完成した後は、かなり担い手なり集落営農組織に作業を頼むとかというようなことで、そこもかなり動いてきてございますので、そういった意味で、農家数としてはなかなか捉え切れないということがございます。
ただ、そうした中で、農地で見ますと、圃場整備された地区では、小友であるとか、そういった地区では、自給的農家の方々も含めて集落営農組織に作業委託をしたりすることによりまして、自給的農家の農地も大半が作付されていると見てございます。
ただ、一方で再開率が85%という状況でございますが、未作付となっている農地、つまり区画が小さかったり分散していたりという余り条件のよくない地域、引き受け手がない地域が残ってございます。
この方々について、一戸一戸意向を伺っている中では、こういった方々の持っている農地は、ほとんどが自給的農家の方の農地であるということについては言えると思います。
〇工藤勝博副委員長 答弁は簡潔にお願いします。
〇久保孝喜委員 今、人口減少の問題が全国的に取り沙汰されて、なおかつ、中山間や、あるいは沿岸地域などでの小集落、小コミュニティの中で、どうやって持続可能なコミュニティを維持していくかというときに、一つのスローガンが半農半Xというのですね。農業もするんだけれども、もう一つ別のなりわいを持つというような、兼業と言いかえてもいいわけですけれども、あるいは、これまでの三陸沿岸地域では、ごくごく普通に、漁業をやりながら、一方で小さな農地も耕すというような形態が集落の特徴としてずっとあったわけですね。
そういう意味では、この自給的農家というものに対する支援というとおかしいのですが、農業政策全体の中での対応ということを、やはりこれから先は、今まで以上に震災復興という兼ね合いも含めて、私は重きを置かなければならないのではないかと思うんですが、その点で、まだまだ数字自体も生で捉えられないという課題があるということを指摘しておきたいと思います。
そこで次の質問に入るんですが、同じような状況というものは、実は中山間地にも存在するということの観点でお尋ねしたいわけです。
午前中の質疑の中でも、中山間地農業と農地の集積の関係をどういうふうに見るかということのお話が若干ありましたけれども、まずは、これから先、農地集積という観点で、中山間地をどういうふうに見ていくのか、その基本的な位置づけというか、そして、そこにどういう課題が今あると認識されているのかをお示しいただきたいと思います。
〇千葉担い手対策課長 中山間地域におけます農地集積関係の現状と課題ということでございますけれども、やはり中山間地域は、区画が狭小で急勾配など圃場条件がよくない農地が多いことから、本年度から実施してございます農地中間管理事業による農地集積、これは平場地域と比較して少ない状況ということになってございます。
このため、地域農業の中心となる担い手の確保、育成を、中山間地域の地形などを勘案したきめ細かな基盤整備などを行いながら、農地の集積を進めていく必要があると認識してございます。
〇久保孝喜委員 農地集積への基本的な計画である農用地利用配分計画ですが、この中では、中山間地の最終形というか農地集積はどの程度を見込まれているのか、お示しいただきたいと思います。
〇千葉担い手対策課長 中山間地域における集積と配分計画ということでございますが、現在、全体の地域区分による詳細なデータについては、ちょっと計上してございません。ただ、先ほど事前に答弁させていただいた計画1万5、000ヘクタールという中では、やはり平場地域の取り組みも多うございます。今後、県内各地域、中山間地域も含めて、その取り組みを広げてまいりたいと考えてございます。
〇久保孝喜委員 先般の農地集積が目標を上回ったという報道の中にもあるように、県内では10市町村が実績がなかったということも含めて、これからいよいよ中山間地をどうしていくのだという話が、この農地の集積の問題でも非常に大きなテーマに私はなってくるんだと思うわけです。
そこで、ここでもやっぱり自給的農家という切り口で考えていくと、確かに農家戸数も沿岸とは違って、いわゆる県内全体でトータルで言うと、全農家数の中で7割以上が販売農家、そして自給的農家が27%ぐらいという割合になっていますが、このうち、ほとんどとは言いませんけれども、かなりの割合で中山間地が多いだろうと推測はできるわけです。
そこで、そういうことであればなおのこと、今進めている農地集積が、結果的に自給的農家にどういうふうに向き合うのか、そこが一番私は問題になってくるのではないかと思っているんです。農地集積を単に経営体との関係だけで進めていくと、むしろ自給的農家はやがて、今もそうですけれども高齢化がどんどん進んで、結果的に農地集積もままならない。加えて、そこで耕作をする方々も当然不可能になっていくという形で、農地集積を進めていくときに、自給的農家の、極めて条件の悪い、しかも狭小であるところの農地も含めて地域で、あるいは集落単位で考えていかないと、この農地集積の問題は逆に耕作放棄地をふやしてしまいかねないという危険性を秘めているものと思っていまして、そこに対する対応策をきちんと考えていかなければならないと思うんです。
そこで、この自給的農家の今後の推移をどういうふうに見ているのか、そして、そこに対する対応をどう考えているのかお示しいただきたいと思います。
〇千葉担い手対策課長 自給的農家の推移と対応策でございますが、農林業センサスによりますと、自給的農家は、平成12年は約1万6、500戸、平成22年は約2万1、000戸で、この10年間に約4、500戸増加してございます。ただ、今後は、一層の高齢化によりまして自給的農家のリタイヤが逆に進行していくだろうということで、その方々の所有する農地の耕作放棄地化がやはり懸念されるところであります。
このため、県では、振興局等の職員で構成されます中山間応援隊が市町村と連携いたしまして、地域農業マスタープランの実現に向けた話し合いですとか、あとは農地中間管理事業、それから多面的機能支払いなどの施策の活用を促しながら、地域ぐるみで農地維持の管理にも取り組めるように支援してまいりたいと考えてございます。
〇久保孝喜委員 最後に部長にお聞きしますが、先ほどの被災地における自給的農家の問題も、そして県内全域にわたる中山間地での自給的農家の存在も、これまでは、産業政策として見れば、自給的農家はその計画のある種、らち外だったわけですけれども、地域農業あるいは人口減少の問題を含めて農地という観点で見ると、実は決して小さくない課題を持っているということがはっきりしているわけです。しかも、その行く手には耕作放棄地のさらなる新たな生み出し母体みたいな形で課題を抱えているということも先ほどの答弁の中にございました。したがって、本県農業のこれからの育成を考えるとき、中山間地は8割ですからもとよりですが、中でも自給的農家について着目していくことが大変重要だと私は思うんですが、その点について部長のお考えをお示しいただきたいと思います。
〇小原農林水産部長 委員からお話ありましたとおり本県は8割が中山間地域でございまして、自給的農家の割合についても先ほどの議論の中で御指摘いただいたところでございます。
産業として見た場合には、やはり競争力をつけるという観点で、一定の集積は必要と考えております。だからといってこれを全て集積するといった場合には、特に中山間地なり、あるいは自給的農家、そこに暮らす人々があって地域が成り立つものであると理解してございます。全て農業で生計を立てるというものではなく、先ほどの、現に御指摘のありました半農半Xなり、そういった多様な生き方を尊重しなければならないものと考えております。地域として、まず農地の維持については、やはり基本はそこの地域なり市町村の話し合いを中心にしながら、そこで生活する方々が自給的農業も含めた形で幸せに暮らすことができるような農業・農村づくりを目指してまいりたいと考えております。
〇工藤勝博副委員長 進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔にお願いいたします。
〇久保孝喜委員 簡潔にお尋ねしたいと思います。
今の部長の答弁のように、県がやれることも限りがありますし、中心的には市町村がそれぞれのコミュニティに即してそういう進め方をしていかなければならないということもありますので、ぜひ県としてもこれからそこにも目を配っていただきたいということを申し上げたいと思います。
最後に、旧軍馬補充部官舎についてお尋ねしたいと思います。
これはかねてから指摘いたしまして、既に官舎3棟のうちの1棟については整備するということで始まっておりまして、この点については感謝を申し上げたいと思います。
確認の意味で何点かお尋ねしたいんですが、一つは、この旧軍馬補充部官舎については立地の金ケ崎町からも文化財的価値についての言及があって、その旨の要望も繰り返し行われてきたところです。ところが今、県がやろうとしているのは、文化財的価値というよりも、そこは尊重はするけれど、保存あるいは整備というのは、文化財の指定とかそういうことを目指さない形でまずは整えるというような方向のようですので、この文化財的価値による対応を見送った経緯と理由をお示しいただきたい。
あわせてお尋ねしますが、3棟のうちの1棟はそうした整備をしますが、残る2棟については、これまでの話し合いによれば金ケ崎町に具体的な利活用を委ねるという方向になっているようですが、所有者である県の責任、役割というものとの兼ね合いも含めて、その理由をお示しいただきたいと思います。
〇瀧澤農林水産企画室管理課長 旧軍馬補充部官舎の整備について文化財的価値による対応を見送った理由でございますけれども、整備に当たって、県では、地元の意向も踏まえ、文化財専門家の意見を参考としながら、創建当初の部材を極力使うなどして、国登録有形文化財も視野に入れた改修を行うこととしております。
当初、史跡指定ということでの指定も考えられたのでございますけれども、史跡指定を目指す場合、官舎建物のみではなく、広大な範囲に及ぶ軍馬補充部から支部の土塁あるいは農業大学校の桜並木等の調査、整備が必要となるということで伺ってございます。早急な対応は困難ということで、老朽化が著しく、倒壊のおそれもある建物の保存の緊急性を考慮しまして、建物について国登録有形文化財を視野に入れた改修を行うということで進めているものでございます。
2点目でございます。
残る2棟の整備についてでございますけれども、1棟は県が整備を行うということでございますけれども、1棟の整備に当たりましては、現在、調整を進めておりますが、県から貸し付けという手段によりまして町に管理権限等を移管し、残る2棟につきましては、県から譲渡を受けて町で整備を行うことを検討していくことにしてございます。県では、町の利活用計画に基づく取り組みを支援していく立場に立ちまして、1棟について整備、保存を行っているところでございます。今後も、町の意向を踏まえながら、利活用計画に基づく取り組みを支援していきたいと考えてございます。
〇久保孝喜委員 確認しますが、残る2棟については県から金ケ崎町に譲渡するということですか。そこの確認をお願いします。
〇瀧澤農林水産企画室管理課長 残り2棟、建物につきましては譲渡を考えてございます。
〇斉藤信委員 それでは、大震災津波からの農地等の復旧状況について最初にお聞きします。
被災農地の復旧状況は先ほど明らかになりましたので、牧草の除染と、まだ利用できない牧草地の状況、今後の対策、東京電力福島原発事故による放射能汚染賠償請求額と支払い額、率はどうなっているでしょうか。
〇小岩畜産課総括課長 まず、牧草の除染及びまだ利用できない牧草地の状況についてでありますけれども、牧草地の除染につきましては、これまで、耕起不能箇所などを除く対象面積1万2、400ヘクタールにつきまして全ての耕起作業を完了したところであります。このうち、これまで除染後牧草の検査を実施した面積といたしましては約8、900ヘクタールございますけれども、国の暫定許容値及び酪農の基準値以下となった圃場が約8、600ヘクタール、率にして97%となってございます。この圃場につきましては利用自粛を解除しております。また、基準値を超過しました約300ヘクタールの圃場につきましては、これまでに約150ヘクタールの除染を終えております。残りにつきましては、平成27年度に再除染を行うこととしております。
また、検査未実施の約3、500ヘクタールの圃場につきましては、平成27年度に検査を実施いたしまして、基準値以下であることが確認された圃場につきまして、順次、利用自粛を解除したいと考えております。
〇藤代農林水産企画室企画課長 東京電力に対する賠償請求支払い状況についてでございます。
農林水産関係では、農業、林業、水産業で四つほど県協議会がございまして、それぞれで東京電力に対して賠償請求を行ってございます。この全体額という形で御答弁をさせていただきます。
1月末現在で総額で約386億円の賠償請求を行っておりまして、東京電力からの支払い額につきましては351億円、支払い率につきましては約91%となってございます。
〇斉藤信委員 4年たってもまだ放射能汚染対策は完遂されないと。原発事故の影響というのは、大変岩手にとっても私は深刻だったと思います。
そこで、次に、米価暴落の影響と対策ですけれども、平成26年産米の相対取引価格の状況と、それに基づく農家の減収、例えば10ヘクタール規模の大規模農家、30ヘクタール規模の集落営農―これは決算でも聞きましたが―、そして農家全体の減収額はどうなるでしょぅか。
〇下村農産園芸課総括課長 平成26年産米の相対取引価格の状況等についてでございますが、平成26年産米の相対取引価格について、国が公表しております最新データであります平成27年1月の価格で見ますと、ひとめぼれが60キログラム当たり1万1、616円、あきたこまちが1万974円、いわてっこが9、290円となってございます。また、農家の減収につきまして、仮にひとめぼれの相対取引価格を用いて試算いたしますと、平成25年産と比較した場合、例えば作付面積が15ヘクタール規模では約320万円の減収、それから、倍の30ヘクタール規模では約640万円の減収と試算されます。
さらに、県内農家全体の減収額ということでございますが、平成25年産と比較いたしまして、全体で約137億円の減収と試算してございます。
〇斉藤信委員 137億円の減収ということで、私は、今の農家の一番の課題はこの米価暴落対策だと思います。
この間、農家の営農懇談会が開かれていますけれども、ここで出されている農家の不安、声、そして、来年度作付への影響をどういうふうに把握していますか。
〇下村農産園芸課総括課長 農家の声あるいは来年度作付への影響についてでございますが、現地におきましては、平成26年産の米価の下落あるいは今後の米価の見通し等への不安もある、また、経営所得安定対策等の制度の継続性、こういった不安などから作付に悩んでいる農家もあると承知してございます。
ただ、一方で、国からの助成単価の高い飼料用米ですとか麦、大豆等への転換を考えたいという農家、あるいは意欲的に主食用米を拡大したいという農家もございますことから、現在、市町村や農協におきましては、地域内での互助制度の実施など、農業者間調整によりまして生産数量目標の達成に努めていると聞いているところでございます。
〇斉藤信委員 安倍内閣が米農業政策を出しているんだけれども、そして、規制改革のとっ初めに農協解体をやるんだけれども、今、一番農家が困っている米価暴落対策に何の対策もとらないで放置している。平成27年産米も、皆さんの見通しでもこの低米価は続くという。これだったら農業をやっていけないんじゃないでしょうか。
そういう点で、部長、今後も米価暴落が予想されますが、どういう対策が必要ですか。県としてどういう対策を考えていますか。
〇小原農林水産部長 今回の米の大幅な下落でございますが、やはり最大の要因は、いわゆる需給バランスが崩れていることにあると思ってございます。したがいまして、県といたしましては、市場からの隔離などについて国に対して要請してきておるところでございます。あとは、将来的には、米の生産費を安くしながら高く売る、いわて米のブランドをいずれ高めていく、これが基本になろうと考えております。
〇斉藤信委員 その程度では何ともならないと私は思いますよ。
需給バランスはそのとおりです。20万トンあふれているというのが米価暴落の最大の原因ですよ。だから、これを流通から隔離するという対策をとらなかったら、平成27年産米も同じ轍を踏みます。あとは耐え切れなくなって、本当にもう米をつくっていられない、こういうふうになりかねない状況だと思いますよ、先ほどの相対取引の価格を聞いても。全算入で米の生産費用というのは1万6、000円なんですから。
それで、いわての美味しいお米生産・販売戦略ということが今議会でも大きな話題になっております。これは積極的に進めるべきだと思うけれども、私は決定打にならないと思います。
まず、岩手118号の具体的な効果について、平成29年度にやっと100ヘクタール。これは2、000ヘクタールを目指すとなっていますが、いつまでに2、000ヘクタールを目指すんでしょうか。
〇星野水田農業課長 2、000ヘクタールを目指すのは平成32年でございます。
〇斉藤信委員 そうすると、今、米価の暴落で困っている農家の方々は何年待たなければだめなんですか。率直に言いますとそのうちにもう米作農家はだめになってしまいますよ。
それで、これは全国第5位の相対取引を目指すとなっています。全国第5位の相対取引というのは平成26年産米で幾らですか。
〇上田流通課総括課長 米の相対価格でございますが、第5位でございますと、平成27年1月、これが直近でございますが、1万5、679円。おおむね今年度に関しましては1万5、000円から1万6、000円の間で推移しております。
〇斉藤信委員 今、答弁があったように、平成26年産米、これは単純平均で9月から1月まで平均しますと1万5、610円ですよ。全国5位といったって1万5、000円台ですよ。これで農業をやっていけるのかと。せいぜいこれは2、000ヘクタールですよ。これだったら米作農家を守れない、日本の米は守れないんじゃないでしょうか。部長、そう思いませんか。岩手118号が全国5番目に入れば岩手の米は何とかなるという雰囲気だけれども、これでは何ともならないんじゃないですか。
〇小原農林水産部長 岩手118号、いわゆる新品種でございますけれども、この新品種によりまして、まず、県産米全体のイメージを高めていく。そして、先ほど流通課総括課長からお話がありましたとおり、今までの販売価格はより引き上げていきたい、その中で米の主産地として何とか頑張っていきたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 私は岩手118号の開発に反対しているんじゃないんですよ。ただ、これが開発されれば、今の米価暴落の中で岩手の米が何とかなるというようなことではないと。本気で今の米価暴落対策、国の政策を変えるぐらいのことをやらなかったら、全国第5位になったって1万5、000円台なんですから。恐らくこれはこれからもっと下がりますよ。だから、安倍内閣の米、農業政策が余りにもひどいということ、ここを打開することなしに岩手の米も日本の米も成り立たないんじゃないか、私は本当にそういうふうに思います。
それで、県南ひとめぼれは、特A論議がさっきあったんですけれども、平成26年産米を含めて20回獲得している、一等米比率が10年連続で90%だと。しかし、相対価格で見ると、岩手のひとめぼれは1万1、616円というのが1月の価格です。特Aでこれだけの評価をされながら岩手のひとめぼれがこういうふうになっているのはなぜなんでしょうか。
〇上田流通課総括課長 県産米の価格の状況のお尋ねでございます。
委員御指摘のとおり、食味ランキングでは特Aを20回ということで、品質、食味の評価は総体的に全国から高い評価を得ているものと考えております。しかしながら、産地間競争がかなり激しゅうございますので、県産米の相対取引価格は残念ですが全国平均を下回っておりまして、品質の高さやおいしさが必ずしも価格に反映されない状況にございます。御指摘のとおりでございます。
さまざまな要因があろうと思います。全体の需給関係の中でのことでございます。やはり本県の主力産米でございますひとめぼれあるいはあきたこまちにつきましては、そもそもの出が本県のものではないというところが非常に大きくなっておりまして、価格がつく場合に、本家本元のところよりも低い価格がつくという傾向はどうしても出てまいります。残念ですが、今回の概算金の額あるいは相対取引価格を見ましても、ひとめぼれですと宮城県産米よりは若干低くなる。
そういったことで、今回開発を進めております岩手107号、118号については全くの岩手県オリジナルということでございますので、消費者の方々にその県産米のよさ、魅力がきちんと評価いただけるものと思っておりますし、そのように取り組んでまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 私は県南の米どころの組合長にお話を聞いたけれども、こう言っていましたよ。今のひとめぼれは今言ったように特Aで、これだけの評価をいただいてブランドが確立しているんだと。これにかわるものというのは簡単にできないんですと。これもまた私は大変大事なことだと思いますよ。ましてや岩手118号というのは、当面、2、000ヘクタールなんですから。
そういう意味で、やっぱり確立されたブランドをどういうふうに生かす販売戦略なのかということもしっかり見ていかなければだめだし、私は、107号と118号というのが連続で出てくるとなると、お互い薄まるんじゃないかと。ここは上手にやらなければだめだと思います。新しいものを二つ出したら、これは二つとも薄まってしまいますよ。そこの押し出し方をやっぱり考えないと、どっちもまあまあという形になってしまうのではないか。これは指摘だけにとどめておきます。
推進体制、これは岩手118号だけじゃない米全体の販売戦略だと思うけれども、この推進体制、先ほども議論があったけれども、改めて専任の職員の体制や、これを恒常的にどういうふうに進めるのかお聞きしたい。
〇瀧澤農林水産企画室管理課長 兼任体制であること等についてでございますけれども、県産米の生産振興や販売促進の業務につきましては、農林水産部を挙げて取り組むべき最も重要な業務の一つと考えてございます。専任の職員4名及び県産米戦略室の職員を兼任する農産園芸課や流通課の職員に加え、農政部門の関係室課が連携、協力して業務に当たることで進めていこうということでございます。これは、米対策ということで、当面の間、こういった体制で進めるというふうに考えております。
〇斉藤信委員 私は体制とあわせて推進方向を聞いたんだよね。
それで私は、今すぐやらなくちゃならない課題は、やっぱり消費拡大だと思います。米も暴落する、消費も減ったらこれは何ともならない。米の消費拡大で、県内の旅館、ホテル、病院、そして学校給食、特に学校給食は週3回というところが少なくないんですよ。平均週4回のところが一番多いんだけれども、私は、せめて全体週4回以上までに米飯給食を拡充するということを関係課とも協力してやる必要があるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
〇上田流通課総括課長 県内の教育機関におけます米飯給食の状況でございます。
まず最初に、概況を御説明申し上げますと、現在、小中学校では米飯給食は週3.7回でございます。全国平均が3.3回でございますので、恐らくかなりトップクラスだろうと存じます。
ただ、4回を目指すというお話もやはり聞く機会がございます。その余地があるのかどうかということになりますけれども、学校給食に関しましては、各学校あるいは給食センターにおられます栄養教諭の方々がさまざまな栄養バランス等を考えて献立をつくっていらっしゃいますので、そういった研修会で御説明の上、県産米の消費拡大について呼びかけてまいりましたし、それから、やはり地元での供給体制を確立する、きちんとするということが大事でございますので、県内2市町におきまして今、モデル事業をやりまして、その市町村内の供給体制の整備を図っているところでございます。
それから、何といっても、学校は教育機関でございますので県教育委員会、その他教育関係機関と連携を図りながら、できる限り県産米の消費拡大が図られるよう、これからも取り組んでまいりたいと存じます。
〇斉藤信委員 学校給食については立ち入って聞きますけれども、例えば小学校で週3回というのは39.2%なんですよ。4回というのは44.9%なんです。平均すると3.7回だけれども、3回以下にとどまっているところがこれだけあるということなんですよ、4割近く。週5回学校給食がありますから、1回は県産の小麦を使ったパン食でも私はいいと思います。しかし、やっぱり4回は岩手のおいしいお米を使った米飯給食で、子供の時代においしい日本型食生活を確立することがその後の消費拡大の決定的力になると思います。平均で見ないで、3回以下にとどまっているところを4回にするだけでこれはかなりの改善になると思うし、あと、国体がありますね。ぜひ旅館、ホテルが岩手県産のおいしいお米を食べさせて、岩手ファンをつくる、そういう取り組みをぜひやっていただきたい。
次に、TPP交渉の現状と県の対応についてお聞きしますが、日米TPP交渉の状況を具体的にどう把握しているでしょうか。米とか牛肉の関税引き下げ、完全に国会決議に違反しているんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。私は、県が、行政、農協、県民挙げて行動をとるべきだと思いますが、いかがですか。
〇藤代農林水産企画室企画課長 日米TPP交渉の状況についてでございますけれども、TPP協定交渉につきましては、平成25年7月に日本が協定交渉に参加して以降、これまで、閣僚級の会合ですとか閣僚級の会合に先立っての首席交渉官による会合のほか、日米間の閣僚級の協議が開催されておりまして、ことし2月には、10回目となります日米間の実務者協議、そして今月3月にはTPPの首席交渉官会合、さらに2度の日米実務者協議が開催されたと承知してございます。
交渉の内容につきましてさまざまな報道が行われていることにつきましては承知しておりますけれども、国からは何ら情報提供あるいは公表されておりませんので、県といたしましては、どのような内容の交渉が行われているかという情報を持ち合わせていないところでございます。
〇斉藤信委員 そういう答弁ではだめだよ。本会議で知事はもっとまともな答弁をしていますよ。大体秘密交渉だから政府は出さないんですよ。これが重大。しかし、実務者交渉の内容はそれなりに出ていますよ。米は5万トン以上輸入枠を拡大すると。牛肉は、今、38.5%の関税を、TPP妥結した直後に20%以内まで引き下げて、最終的には9%まで下げる。こんなことをやったら、今、米があふれて暴落になっているときに、米もだめ、畜産もだめということになるんじゃないでしょうか。部長、そう思いませんか。
〇小原農林水産部長 TPP交渉でございますけれども、これは、既にうちのほうでも試算しておりますとおり、本県農業に与える影響は極めて大きいと認識しております。県としましては、関税撤廃を認めないとした衆参両院の農林水産委員会の決議を踏まえ、国益にそぐわない交渉は行わないよう、国に対し、さまざまな機会を捉えて引き続き要請してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 本当に国民に隠して秘密交渉で、日本の米や農業を売り渡すようなこういう交渉をやっていること自体、絶対私は許さない。その一方でやろうとしているのは農協解体でしょう。これは第1弾ですよ。第2弾は何かというと、全農の株式会社化、単位農協、信用共済事業を分離させて、そして准組合員の利用を制限する、これが第2弾ですよ。完全に農協、農村を破壊します。私は、こういう安倍自民党政権の農業潰しは許されないと思います。
最後です。農地の転売問題についてお聞きしたい。
私は、これは保健福祉部でも指摘したんですけれども、平成15年12月22日に、矢巾町の太田地区、そして下矢次地区2カ所で政治家の妻が農地を買った。一つの太田地区は1万2、056平方メートル、3、653坪です。ところが、6年後に岩手医科大学の学長に転売をした。本来、農地というのは農業をやるためでなければ買えないはずですね。政治家の妻にしても岩手医科大学の学長にしても農地を買える資格があったのかと思いますが、いかがでしょうか。
そして、重大なことは、この農地の転売に現職の町長がかかわっている。農地を紹介したのは現職の町長なんですよ。こんなことが許されるものなんでしょうか、まずお聞きします。
〇高橋農業振興課総括課長 農地の取得ができるのかということでございますが、農地を取得する場合には、御存じかもしれませんが、農地法第3条におきまして、その権利を取得しようとする者または世帯員等、等には当然頼む人も入りますが、そういった者が保有している農地を耕作すること、または農作業に従事すること。また原則50アールを超えるなどの取得要件が規定されてございまして、お尋ねの案件につきましては、町の農業委員会がこの要件に基づいて取得できると判断し、許可したものとお聞きしてございます。
〇斉藤信委員 実際に、実態は全面的な委託でした。そして、6年足らずで転売したと。買った人は医大の学長ですから、私はとてもじゃないけれども農業をやる人じゃないと思いますよ。
そして、もう1カ所、消防学校の隣接地は農地として使われていない。こんなことが許されるんでしょうか。草がぼうぼう生えて、今、草刈りもやっていないですよ。こういう農地の売買というのは、当時は農業をやるというので農業委員会が認めたかもしれないけれども、結果としては農地法に反することになりませんか。
〇高橋農業振興課総括課長 昨日、質問の中身をお聞きしまして、それに基づき情報を収集してみましたけれども、一つは、学長でございますが、農作業委託によってやるということについてでございますが、これは、農作業委託によって適正に管理しているということで農業委員会が毎年確認してございまして、それについて問題はないということでございます。
あと、藤原さんと申しましたでしょうか、そのほうにつきましてもどのようにしているかということについて聞きましたところ、草刈りはきちっと行っておって、毎年それも行っている、管理をしていると確認を農業委員会が実施していると聞いてございます。
双方の農地はいわゆる農振農用地区域に入ってございまして、事実、転用は認められない農地でございます。仮に農振農用地区域を除外したとしても市街化調整区域に当たりまして、これは通常の第1種農地よりも厳しい甲種農地に該当いたしまして、要するに農業上の理由以外ではなかなか難しいところでございます。また、片方の農地でございますけれども、軽トラでしか搬入ができないような農地で、ここも将来にわたって農地となる場所でございますので、そういったことも含めて農業をやる者と判断されたものと承知してございます。
〇工藤勝博副委員長 斉藤委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇斉藤信委員 わかりました、これで終わります。
実は、農地の売買というのが現職県議会議長の時期にやられたと。これは県議会としても本当に残念なことですよ。そして、岩手医科大学の学長がそれに絡んでいる、現職の町長が絡んでいる。本当に県民から不信を抱かれるようなこういうことをやってはならないと、そのことだけ指摘して終わります。
〇小野寺好委員 米価について伺います。
今まで何度か生産者米価が暴落した時期がありましたけれども、そういった中でも、消費者が買う分については、1.5キログラム―尺貫法で言う1升当たり500円を下ることはまずありませんでした。ところが、ここのところにきて消費者の買う米の値段も大きく変わっていますので、この件についてお伺いしたいと思います。
具体的に、私どもがスーパーで買う場合、普通に岩手県産のひとめぼれが10キログラムで今、2、970円とかです。これは1升に換算すると大体445円。去年の今ごろは10キロで3、480円、1升522円くらいかなと。また一方、DIYのお店で玄米60キログラムを去年7、600円で売っていました。これに消費税を掛けて、コイン精米の料金と、あと、8分づきの精米にした場合、1.5キログラム当たり大体480円くらいになっていました。ことしは、DIYのお店で玄米60キログラム6、500円。これを1升当たりに換算すると、精米386円と非常に値段が下がっている。さっきのスーパーで買う分についても15%の価格低下、今言った60キロの玄米を買う場合でも15%くらい価格が下がっています。
ここにきて、まちのお米屋さん、この前入った折り込み広告ですけれども、この店は岩手県米穀販売協同組合のしかるべき立場にあった方の店ですが、ここの店でも、玄米30キログラム6、480円、こういった御商売を始めるようになって、非常に消費者にとっては米の値段が下がっている。では生産者のほうも15%とか価格が下がっているのかなと。恐らくそういったことはあり得ないと思うので、生産者の米価については生産価格がどのようになっているかお尋ねしたいと思います。
〇星野水田農業課長 米の生産費の関係になりますけれども、肥料代とか農薬代など、いわゆる物財費というくくりになりますが、国で公表しております生産費調査によりますと、平成24年産米で物財費は平均の規模であります1.37ヘクタールでは8万6、826円、15ヘクタール以上の大規模農家の方々におきましては10アール当たり6万901円となっております。
〇小野寺好委員 生産者の米価ですけれども、実際、農業をやっている方に聞くと、材料費のほかに、例えば水稲の共済掛金とか、水もただじゃなくて、土地改良区の賦課金といったものをいろいろ含めると、言われているような数字じゃないと。例えば、さっきお話あった規模ですけれども、その近い規模で2ヘクタールの場合、自分でやった場合に直接支払金7、500円とかを入れて、入ってくるのが大体8万5、000円。ところが、出ていくのが18万円だと。こういったことで、言われている生産価格というのは非常に実際と違うんじゃないか、そういった思いがするんですけれども、そちらのほうではどのように考えているでしょうか。
〇星野水田農業課長 今、説明しましたのは国でやっています生産費調査の結果でございまして、都府県の平均ということで、これは国で規模別にサンプルを拾いましてそれぞれに平均を出してやっているという手法ですので、実際に現場の方と合うか合わないかというのは確かにございます。岩手県の場合には、肥料代が高いとか機械の装備が大きいといったことがございますので、その分経費がかかっているのではないかと思います。
〇小野寺好委員 今、主食用米から飼料用米に移るように奨励しているような気がしますが、これも早晩行き詰るのではないかと思いますが、今のような傾向でよろしいんでしょうか。
〇星野水田農業課長 飼料用米の振興につきましては、国でも今、基本計画を見直しておりまして、その中に位置づけるような方向で検討されてございます。
今の助成制度がいつまで続くかということにつきましては、国でも続けるつもりであるということだけしか聞かされてございません。
〇小野寺好委員 去年、概算金が非常に暴落しまして、米価の下落緊急対策貸付事業といったことで、先ほども質問がありまして、20億円用意して、そのうち県が5億円用意したわけですけれども、いずれ借りたものは返さなくてはならないということで、やっぱり借りることについては抵抗があったんじゃないかと思いますが、貸し付けではなくて給付のようなことは今後考えられないでしょうか。つまり、去年はそういった状況だったんですけれども、いずれ平成27年になっても米価が急によくなるということはないので、借りたものはちょっときついんじゃないか、こういったブレーキがかかると思うんですが、その辺いかがでしょうか。
〇星野水田農業課長 確かに借りたものは返すことが基本でございますので、県とすれば、平成27年産の米づくりで低コストに取り組めるようにという意味合いとか、国から低コストの取り組みを支援するという事業ができましたので、そういったものを活用しながら幾らでも経費の節減に役立てていただきたいと考えていました。
〇小野寺好委員 平成26年産米は売り切ってみないと精算金がどれくらいになるかわからないんですが、おおよその見通しというのはあるんでしょうか。
〇上田流通課総括課長 平成26年産米の精算まで見通した価格の動向はどうかというお尋ねでございますが、現時点では、さまざまな要因がございますし、今後の価格動向も、やはり専門家でもなかなか見通しが難しいと聞いております。ただ、米卸の方々に聞くと、今現在は案外価格については高い水準にあるような感じだけれども、これが落ちる、そういった兆しも見えているというふうな非常に曖昧なお話でございましたが、専門家でもそういうことでございまして、大変恐縮でございますが、見込みはなかなか難しいということでございます。
〇小野寺好委員 平成27年についても生産量が縮減されていくと思うんですけれども、これまでの岩手県内での生産量及び消費量、どのくらい県内で消費しているものか。あと、消費拡大について、先ほどは学校給食とかあったんですが、学校給食については、例えば、昭和60年ころに当時の文部省が週3回くらいが望ましい、こういった通知を出したわけですけれども、パンあるいは米ということについて、規制とか、あるいは補助とか、そういった外的要因が何かあるんでしょうか。
〇上田流通課総括課長 まず、本県の生産量と消費量についてでございます。
生産量につきましては、農林水産省データがございまして、平成26年産米は30万9、000トンとなっております。残念ながら、消費量につきましては、全国ベースでは出ておりますけれども都道府県別については公表されておらないため、把握しておらないものでございます。
ただいま全生産量をお話し申し上げましたが、主食用米でございますと約28万8、000トンという状況にございます。
次に、消費拡大についてのお尋ねでございます。
全体のお話をさせていただきますと、来年度の当初予算案の中に日本一の美味しいお米の国づくり推進事業を盛り込ませていただきまして、県民を初め全国の方々に支持され、広く御利用いただけるよう、昨年から始めました、食べよう!いわての美味しいお米。運動をオール岩手で展開いたしまして一層の消費拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
もう一つお尋ねのございました学校給食の週3回という通知はどうかというお話でございますが、恐らく当時の文部省からの通知かと存じます。恐縮でございますが、ちょっと確認できなかったのでございますが、その文部省からの通知があるようでございまして、最低でも週3日の米飯給食をぜひ目指してほしいと。週3回やっているところに関しては週4回というところも視野に入れて取り組みを進めてほしいというような通知が出ていると聞いておるところでございます。
なお、パンとか米に関しての例えば制約、規制とか、あるいは補助でございますが、現時点ではそういったものはないと承知しているものでございます。
〇小野寺好委員 次に、県内の食文化についてお伺いします。
和食が無形文化遺産として国内外で注目されておりますけれども、さらに進めて、県内の郷土食、食文化として県内外に宣揚すべきものは何か、あればお伺いしたいと思います。
餅料理、雑穀ブーム、これは一部地域だけのように言われた時期もありましたけれども、現在どのような状況にあるか伺います。
それから、食の匠、農家レストラン等についても農林水産部としてのかかわり方を伺いたいと思います。
〇前田農業普及技術課総括課長 まず、郷土食、食文化として県内外に宣揚すべきものについてでございます。
本県には、地域ごとに特色ある風土を背景といたしまして、例えば県南部の餅文化であるとか県北部の雑穀文化など、先人の知恵とわざによって育まれ、郷土料理として受け継がれてきたすばらしい食文化がございます。
県としては、これまで、食の匠の認定制度を創設いたしまして、食文化の伝承活動あるいは食育に取り組むとともに、魅力ある郷土料理を首都圏のイベントやホームページなどで情報発信してきたところでございます。今後も、こうした取り組みに加えまして、観光分野等とも連携しながら、さらに広くアピールしていきたいと考えてございます。
餅、雑穀の現在の状況についてでございますが、餅料理につきましては、和食の無形文化遺産登録を契機として、全国的にも知名度が向上し、またそれが誘客にも結びついておりまして、地域の観光資源として定着しているものと考えてございますし、雑穀についても、花巻においては花巻ひえカレーを開発しまして、市内の温泉あるいは飲食店で提供しますいわて花巻雑穀キャンペーンを実施しておりまして、また、二戸地域においても、県が開発いたしましたアワやヒエ、キビなどの新品種の特性を生かしただんごなり焼き菓子を開発、販売しているところでございます。
食の匠につきましては、平成8年度の制度創設以来、246人の個人、団体を認定いたしまして、県内外で食文化、郷土料理の伝承活動をしていただいているところでございます。今後も、こういった食の匠による講習会あるいはイベントでの活動を支援いたしまして、岩手ならではの食文化を発信し、あるいは次世代に伝承していく取り組みを進めてまいりたいと思いますし、さらに、農家レストラン等につきましては、商品開発、販売などの経営ノウハウの一層の蓄積に向けまして、いわて6次産業化支援センターから専門家の派遣などを行っておりまして、今後もそれぞれの経営発展段階に応じましたきめ細かな支援を行ってまいりたいと考えてございます。
〇小野寺好委員 もう一点ですけれども、生物農薬の方法と効果について伺います。
農業は、天候のほかに害虫や病気との闘いがあり、無農薬、減農薬は消費者が思うほど簡単ではない、このように言われております。例えば、リンゴ農家は年13回ほど噴霧作業をするらしいんですが、広い農園の端まで行ったらまたすぐに次の作業に取りかかる、こういったことで、常時農薬を扱っている、そのようなことを聞いたことがあります。
かつて、花巻のリンゴ園でフェロモンを利用した防疫方法を視察したことがありますけれども、天敵農薬、微生物農薬等の方法や効果はどのようになっているか伺います。
〇前田農業普及技術課総括課長 本県で使用されております主な生物農薬ですが、リンゴにおける害虫の交信攪乱剤あるいは水稲の種子消毒剤などが主な生物農薬として使われてございます。リンゴの交信攪乱剤につきましては、県内でリンゴは2、420ヘクタール栽培されてございますが、この約1割強に相当します304ヘクタールで使われておりますし、水稲の種子消毒剤とすれば、水稲の栽培面積5万4、600ヘクタールの約1割に相当します5、078ヘクタールで導入されております。これら生物農薬は、環境への負荷を軽減する技術としまして、県としても特別栽培等の環境保全型における使用を積極的に推進しているところでございます。
〇工藤勝博副委員長 おおむね3時になりますが、第1部農業関係の審査終了後、休憩したいと思いますので、御了承願います。
〇吉田敬子委員 畜産関係についてお伺いいたします。ほかの委員の皆さんも質問されておりましたので、それ以外のところで質問させていただきます。
ことし1月のいわて牛枝肉共励会に私は初めて参加させていただきました。その中で、生産者の方で表彰された中に後継者の方がいらっしゃらない方もいらっしゃって、今後の人材育成が大事ということをすごく感じました。
そこで、肉用牛及び酪農就農者の人材育成等について伺いたいと思います。県内の状況と課題をどのように把握されていて、どんな取り組みをされているかお伺いいたします。
〇小岩畜産課総括課長 畜産農家の人材育成を中心としました取り組みについてであります。
まず、本県の肉用牛及び酪農も加えてお話しいたしますけれども、高齢化や後継者不足、あとは、全国と比べ小規模農家が多いということ、さらには、最近の飼料代の高騰によります収益性の悪化などが懸念されている状況にございます。
こうしたことから、人材育成も含めましてそうした経営を育成する必要がございまして、生産コストの低減に向けました規模拡大ですとか自給飼料の確保、作業の省力化などが課題と認識しております。
このため、規模拡大に向けましては、畜舎の整備ですとか自給飼料基盤の確保に加えまして、家畜導入などについて支援していくこととしております。また、作業の省力化に向けましては、肉用牛につきましては、キャトルセンターの整備による公共牧場との一体的活用、酪農につきましてもお話しさせていただきますと、TMRセンターの整備ですとかコントラクター組織の育成を推進していきたいと考えております。
また、先ほど委員から御指摘がございました人材育成の件でございますけれども、肉用牛につきましては、特にも若い担い手を対象といたしました飼養管理技術研修会を今年度も3回ほど開催しております。今後とも、こうした担い手のネットワーク化を図る観点からも、このような研修会等に取り組みながら、ひいては人材育成も見据えた形の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 農林水産省でも2013年から農業女子プロジェクトを推進されている中で、来年度から新たに初めていわて発元気な牛飼い女子応援事業に取り組まれる予定とされているそうですけれども、現在、県内の肉用牛及び酪農に携わる女性というのはそれぞれどれくらいと把握されているんでしょうか。そしてまた、この事業を行うことでどのような効果や成果を期待しているのかお伺いいたします。
〇小岩畜産課総括課長 牛飼い女子につきまして、今、我々のほうで考えている年齢構成ですけれども、肉用牛経営及び酪農に携わります、おおむね45歳くらいまでの女性を対象としたいと考えております。具体的には、新規就農者、経営者の配偶者、畜産関係の法人に就業している女性などを考えておりまして、大体全体で660人ほどいらっしゃるのではないかと推定してございます。
この事業によりまして、元気な牛飼い女子の取り組み事例を広く県内外に情報発信したいと考えております。そして、畜産に携わる女性のネットワークの構築を図ってまいりたいと思います。またさらに、みずから考え取り組む研究グループ活動への支援などを行いながら、結果として女性が働きやすい環境づくりを進めたいと考えております。こうしたことが、女性の積極的な畜産経営への参画ですとか、若い女性の畜産への就農が促進されるという効果が出るのではないかと期待しております。
〇吉田敬子委員 これまでの委員会等でも、若者、女性支援の中で、特に岩手県は1次産業である農林水産業に携わる若者だったり女性もぜひ積極的に支援していっていただきたいという中で、今回新たに畜産業、牛飼い女子という分野で取り組まれるということで、大変期待しております。特に、実際に今、携わっている方の経営支援もそうですけれども、新しくUターン、Iターン等で岩手に来たいと思っている方の就労促進にもつながると思いますし、3カ年ということですので、期待しておりますので、ぜひ積極的に取り組みをよろしくお願いいたします。
次に移ります。
馬産振興についてお伺いいたします。
岩手県では農耕馬、農用馬の取り組みをしておりますけれども、それはどのくらいあるのか。実際に農用馬を活用している農業者の数を把握されていればお伺いします。この取り組み状況についてもお伺いいたします。
〇小岩畜産課総括課長 県内におけます農用馬を飼っていらっしゃる方、そして頭数等について、あと、どのような取り組みをされているのかというお尋ねでありました。
本県の農用馬につきましては、チャグチャグ馬コなどの伝統行事や馬搬などに活用されておりますけれども、その飼養戸数と頭数は、平成26年は63戸132頭となっておりまして、5年前と比較いたしますと、残念ながら戸数で8割程度、頭数で7割程度まで減少している状況にあります。
我々といたしましては、馬産振興を担っております馬事振興会への定額助成をしながら、農用馬を生産いたします後継者の育成ですとか優良種馬の保留対策、あるいは繁殖技術の導入支援などによりまして、農用馬の改良と馬産農家の育成を支援してまいっておりますし、今後ともこれを続けてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 岩手は馬事文化を大きく挙げて、チャグチャグ馬コだけではなく、先ほど課長の答弁の中で馬搬ということで、こちらは林業の分野になるので、そちらはまた林業のところでもお話ししたいと思います。遠野でやっている馬搬の方がいらっしゃるんですけれども、そこに富山とか宮崎、長野、宮城県から馬搬を習いに来ている若者がいまして、農用馬というのは、耕すだけではなく、岩手の中で馬搬の中でも活用しているという分野です。実際に5年前から比べると戸数、頭数ともに減少ということで残念だと思うんですが、馬事文化継承のためにも私はこの馬産振興というのは大事だと思いますので、ぜひ積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。
最後に部長に、先ほどの牛飼い女子の件につきまして、今後に向けての意気込みと、今年度から水産業の中でも女性というところで浜料理選手権というのを新たにやっていただいて、大変すばらしい取り組みだったと思っております。1次産業に取り組む若手、また、女性も来年度以降も引き続き頑張っていっていただきたいですし、農用馬についてもぜひ御所感を求めて終わりたいと思います。
〇小原農林水産部長 この牛飼い女子の件でございますけれども、やはり生き物を飼っておるということで、なかなかその場を離れられないことから、そのネットワークづくりも大変であるといったような話を受けてございます。したがいまして、この事業を機会に、そうした横のネットワーク、あるいは、先ほど委員からもお話がありましたとおり、若い女性の畜産へのイメージアップと就農といったものについて促進してまいりたい。
浜料理選手権につきましても、来年度も引き続き継続することとしてございます。
あと、農用馬につきましては、これはやはりなかなか産業としてだけでは難しい面がございますので、文化面なり、馬事文化を、関係部局と連携しながら大事にしてまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝博副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝博副委員長 質疑がないようですので、第1部の農業関係の質疑を終わります。
この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後3時9分 休 憩
午後3時27分 再開
〇工藤勝子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
これより、第2部、林業、水産関係の質疑を行いますが、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
第2部、林業、水産関係についての質疑はありませんか。
〇柳村岩見委員 高性能林業機械導入促進事業費についてお尋ねします。
平成27年度の予算をお聞きする前に、平成26年度ではこの事業はどういう展開でございましたか、お尋ねいたします。
〇菊池林業振興課総括課長 高性能林業機械導入促進事業でございます。
この事業は、森林整備加速化・林業再生基金を活用した事業であります。立木の伐採や丸太生産の作業を行いますハーベスタなど7台、集材や丸太の積み込み作業を行うフォワーダなど7台、販売先への丸太運搬を行うグラップル付トラック4台、合わせて18台の機械整備に対して支援を実施しているものでございます。
〇柳村岩見委員 平成26年度の予算では、当初に1億数千万円ございました。先般、補正予算が組まれまして3億円ほど補正でプラスした、合計5億数千万円になったと思いますが、私が、平成27年度の林業振興指導費の中でこの事業を探してみたら、似たようなものはありましたが、同じ文言のものはない。名前が変わりましたか。それとも、必ずしも説明欄に書かなければならないということはないから説明していないこともあるでしょう。どうでしょうか。予算が幾らかもあれば。
〇菊池林業振興課総括課長 高性能林業機械導入促進事業費でございますが、委員お話しのとおり、平成27年度当初予算には計上してございません。平成26年度の2月補正で4億700万円余を計上しまして、それを全額平成27年度に繰り越して、先ほど申し上げたようなハーベスタやフォワーダなど高性能林業機械の整備支援に引き続き取り組んでいくものでございます。
なお、平成27年度事業で同様な事業がございますが、森林・林業再生基盤づくり交付金事業で高性能林業機械を合わせて6台導入する計画でございます。
〇柳村岩見委員 私は、とりあえず仮説を立ててみたんです。いわゆるこの手の事業について需要があって、あるいは要望される事業体があって、そして補正を組まなければならなかった。実は、内情は経済対策でもあったわけですけれども、いや、経済対策であっても、需要があった、よって補正をしたという話になってほしかったんです。
そして今後も、いわゆるこのことについては、需要があるかないかということもさることながら、やはりそういう事業体にこういう事業の説明をされて、もちろん一定のレベルでなければいけませんでしょうが、このことについて導入促進を図りつつ、指導しつつ展開をされるべきだと思います。
平成26年に、たまたま経済対策もあって補正を組みました。それで、平成27年に繰越明許費にもならない繰り越しをして、そしてやります、こういう展開ではなく、それぞれの年度において、やはり事業体に対して説明、宣伝、事業宣伝をして、ましてや、ただそれだけでは済まないでしょう。事業体に対する指導も加えて、こういうことをしながらしっかりとした事業体になってほしいと願う、そういう流れを、ぼけらぼけらじゃなく、きちんと滑らかに展開して、毎年毎年一定の需要があって、あるいは一定の事業体にそういうことを促進させて山を動かすということをやってほしいんですが、どうでしょうか。
〇菊池林業振興課総括課長 委員お話しのとおりでございます。国とは、引き続きこういった支援の事業を行いたいと話合っておりました。実は、事業体にも指導して、あらかじめ御要望はお聞きしておったんですが、委員お話しのとおり、経済対策ということになりました。
経済対策で補正を組むのは何がメリットかと申しますと、すぐ繰り越ししてスタートダッシュが切れるということで、このほうが、やはり事業体にとっては恩恵があるだろうということで、国と示し合わせてと申しますか、そういって導入したものでございます。
いずれ、県では県産材が安定的かつ継続的に供給されるように、現場での生産性の向上を図る必要があると引き続き考えておりますので、このような国の補助事業を活用して、これからも高性能林業機械の整備支援に取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木博委員 報道によりますと、久慈市では、来年度の予算にいわて森のトレーの訴訟費用を計上するという旨、報道がなされておりました。大分時間もたっておりますし、破産の申し立てをしてけりをつけたいということではないかと思っておりますけれども、このことについてもう少しわかっていれば、まず最初に、その内容について説明をいただきたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 まず、内容でございますが、今回の久慈市の取り組みは、いわて森のトレー生産協同組合に対する債権回収ということでございまして、第三者により破産申し立てを行いまして、財産の総額を確定するという取り組みでございます。
〇佐々木博委員 過去、これは平成10年からの3カ年事業だったと思うんですね。そして、平成15年ぐらいに国から全額返還命令が出された。それで、県では、トレーの生産協同組合が原告で訴訟を行って、その訴訟に県は補助参加も認められなかった。久慈市は補助参加が認められたので、たしか久慈市に職員を送って、そして補助参加の訴訟の応援をしながら回収を試みたけれども、全面敗訴だった、そういった経過があるわけでありますが、全面敗訴した段階で、このトレーの生産協同組合は、実態はもう何もなかったはずなんですね。
そこで、私は当時、訴訟が終わった後、たしか平成22年ぐらいだったと思いますが、いつまでもだらだらしないで決着をつけるべきだということを定例会の一般質問でも申し上げたことがあります。しかしながら、結局それがその後、県ではずっとそのままになっていまして、恐らくこれは長期延滞債権か何かになっているんでしょう、補助金の返還請求の収入未済額か何かでずっとそのままになっていた。
そして今回、やっと久慈市がそれに動き出したということで、当然それを受けて、県もまた、いずれ破産申し立ての結論というのは、訴訟をやらなくてもほぼ見えているわけですから、それに向けて県は当然対応していかなければいけないということ、恐らくその方針も固めているのではないかと思いますが、現在どういったことを考えていらっしゃるのか、どのように対応されようとしているのか、ちょっと伺いたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 委員お話しのとおり、債権回収の見込みにつきましてはなかなか厳しいものがあるということは認識しておりますが、今回は生産協同組合の返還資力を法的に確定させる取り組みでございます。これまでも、議会で御答弁申し上げておりますように、久慈市が債権回収に最大限努めた場合には、新たな負担を求めない方針と御説明しておりまして、仮に久慈市から補助金返還金免除の申請が県に対して出された場合は、債権放棄は議会の議決事項でございますので、県議会の皆様に対して十分協議してまいりたいと考えております。
〇佐々木博委員 処理としては今おっしゃられたとおり、議会で債権放棄をして、そして処理するということになるんだろうと思いますが、県は、このいわて森のトレーの問題で言うと、最初から方針が大分変わってきたんですね、言うことがね。一番最初は、県民に負担をかけないということを言っていた。そうですね。それで、はっきり言えば、相手が請求したように、二重請求みたいに訴訟物の価額を大きくして訴訟をやって、そして結局、全面敗訴してしまった。
そうしたら今度は、県民に負担を求めないと言っていたのが、少し変わりまして、県民の負担をできるだけ少なくするということに変わったんですね。方針が変わったんですよ、県の言い分が変わったんです。そしてそれが、そのまま今ずっと来ているという状況に多分あるんだろうと、私はそのように認識しております。
それで、この問題の一番の問題は、もう既にあの事案が生じてから、終わったのは平成12年ですから15年もたっているんですね。当時の関係者はもちろんいらっしゃらないし、責任ある立場の人も当然かわっていますよ。
それで、あの時点で確かに職員の処分がありました。それから、三役も、たしか減給処分か何かやりましたよ。だけれども、それは、まだ全然回収が、訴訟の判決が出る前のことでしたからね。ですから、一つは、全額、1円も回収できないなんていうことが確定する前にそういった処分をやってしまっている。
それから、もう一つは、あのときの私の記憶では、三役の処分というのは、いわて森のトレーだけじゃなかったんですよ。たしか、一つは競馬組合の繰り上げ充用をずっとやってきた責任、それから、あれは都南のふれあいランドかな、あそこの用地の問題、これもひっくるめての責任だったはずで、やはり全然回収できなかった。私は回収不可能だと当時から思っていますけれども、回収できなかったことを踏まえれば、あの処分が本当に妥当だったかどうか。
今、処分をやれと言ったって、人もいないし、それは不可能ですけれども、県民感情として、あれを単に議会が債権放棄して、それで終わりということで、県民感情がそれを認めてくれるかというと、私は、非常に難しい問題があるのではないかと個人的には思っています。
いかがでしょうか、部長、このことについてはどう考えます。
〇小原農林水産部長 このいわて森のトレー事件に関しては、委員からもお話がありましたとおり、もう十数年経過してございます。この件につきましては、当時も内部で調査をいたしまして、そして、職員の処分なり、あるいは三役の減給といったような措置がとられたことも、委員のまさにお話しのとおりでございます。
今回、久慈市において新たにその動きがございまして、今までの県のスタンスがいろいろ変わってきているという御指摘は、確かにそのとおりと私も認識してございます。
平成22年度の県議会におきましては、久慈市が訴訟による補助金回収にいずれ努力した上で、回収に最大限努めた場合には久慈市の負担を求めないといったようなことを答弁してございまして、今回の久慈市の流れは、その一環の流れと押さえてございます。
これから、来年度になろうかと思いますが、その破産手続が進み、債権者集会といったような久慈市の流れが進むと思われますので、早ければことしの秋ごろには、県に対しての何らかのアクションが久慈市から正式にあるのではないかと思ってございます。
県民感情という御指摘をいただきました。確かにこの金額でございますけれども、債権放棄するとした場合は、元金の残額が久慈市に対して14億8、000万円ほどという金額でございます。かなり大きな金額ということでございます。これについては、いずれ過去の経緯も含め、改めて丁寧に説明していくことを今現在考えてございます。
〇佐々木博委員 私も部長と同じ考えで、もう随分時間もたっていますけれども、やはり、まずこの15億円近くですね、このお金を、ただ債権放棄してくれという話では、県民感情を考えますと、なかなかそうはいかないだろうと思っているんですね。そこには一つけじめをつける意味においても、やはり何かきちんとした説明責任が恐らくあるだろうと思います。
そして、それを踏まえた上でしかるべき手続をとるべきだと思っておりますし、やっぱり一番よくないのは、物事が終わってから解決するまで時間がかかり過ぎている。これが民間だったならば、特にもこれが上場企業だったならば、こんな決算は会計監査法人が認めませんよ。即、引き当てしろですよ。
それが今、要するに財務諸表は、御案内のとおり、国も地方の財務諸表も実態に合わせるようにやれということでいろいろやっていて、いずれ近い将来そうなるとは思いますけれども、やはりこの間、時間がかかり過ぎているということが、一つは責任の所在を不明確にしてしまって、それが何となく県民感情にそぐわないところがあるわけですから、やはりそういったことは改善していかなければいけませんし、今回のことについて言えば、そこをやはりきちんとそれを踏まえてやっていただきたいと思います。
それで、次に移りますけれども、実は、このいわて森のトレーは、幾つかの要因が重なってこの事案が発生したわけではありますが、そのうちの一つに、トリニティー工業という会社が、トレーなんかつくったことのない、木材なんか扱ったことのない会社ですよ。そこが機械を搬入したときに、初めての機械なんだから、きちんと稼働するかどうか、普通であれば確認して、その上で受領しますね。そして、きちんと稼働しなかったならば、これは瑕疵担保があるわけだから、戻して、きちんと稼働するようにさせて、それから受け取る、それで初めて債務が履行されたということになるはずなのですが、それをしなかったということが、うまくいかなかった要因の大きな一つになっている。
実は、今回この大原商店というのですか、私はちょっとわからないんだけれども、何か大原商店では、当初から同じ機械だったというようなことを言っているという新聞の報道もありましたし、それから、いただいたペーパーを見ましても、交付申請時から補助対象外のものであったというようなことが記載されています。
補助対象外だったものが初めから記載されていて、そして交付申請が通ったということもちょっと不思議ですし、それから、これは大体どの時点でわかったんでしょうね。完了検査をきちんとやっていれば、少なくともこんな問題は生じなかったのではないかと思うんですが、ちょっとその経緯について伺いたいと思います。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 まず、大原商店が導入した機器についてでございますが、これは久慈市冷凍水産加工業協同組合が事業主体になってございます。これから提出されました大原商店の復旧支援事業に係る計画の中には、被災したイカ内臓ホタテ等の廃棄物処理機器を復旧するとございまして、これに対して、実際は、補助対象外である鶏残滓処理機器を整備していたというものでございます。
このことは、大原商店の社長みずからが、そういうものを発注し、つくったということは認めているところでございます。
この機器の経緯といいますか、手続経緯等でございますが、まず、県に久慈市冷凍水産加工業協同組合から申請がございまして、当該機器について補助金交付契約を締結し、そして、久慈市冷凍水産加工業協同組合は、大原商店にその工事を委任したという形で、請負業者と大原商店が工事の契約を締結したものでございます。
この時点では、あくまでもイカの内臓を処理するもの、ホタテの内臓を処理するものとして書類が提出されておりましたので、私どももそのようなことで事業を進めてきたところでございます。
ところが、この2月に至りまして、大原商店から県北広域振興局に補助事業に関する関係書類をさまざま提出いただきました。これをチェックしている中で鶏に関する記述が出てまいりまして、調査したところ、整備している施設が水産系の加工残滓処理機器ではなく、鶏の処理機器であったことが、この2月下旬になって明らかになったものでございます。
この機器につきましては、現在、もう3月9日付で補助金の交付契約を解除したところでございますので、完成検査そのものは行っていないところでございます。
〇佐々木博委員 補助金で機械を購入したわけですから、当然、随契ということはなかったと思うんですが、契約はどうだったんでしょうか。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 契約につきましては、たしか5者だったと思いますが、それぞれから入札を行いまして、金額の一番低いものに対して落札という形をとってございます。
〇佐々木博委員 通常考えますと、何の機械の見積もりをとったかというのは、その見積もりの書類を見ればわかりそうな気がするのですけれども、この場合はわからなかったというのは、何か特殊な事情があったんでしょうか。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 あくまでも水産系の廃棄物を処理する機械だったということで見積書あるいは書類に記載がございました。ですので、私どもも、水産を所管する部署でございますので、まずは、これは水産系の機械だということで確認、判断したものでございます。
〇佐々木博委員 ここは、この補助金だけじゃなくグループ補助金も使っていますね、別な部分についてですけれどもね。平成27年度で、いわゆる前半の5年間の国の26兆3、000億円の金が切れて、平成28年度からどうなるかということが今、議論になっていますけれども、これは国民みんなから増税して、そしていただいているわけですから、やっぱりお金の使い方に対して、国民の目も随分厳しくなっていると私は思っています。
したがって、やはりこういった使い方が補助金にありますと、復興でみんな頑張っているわけですけれども、水を差すといいますか、何かそういったことが起きれば非常に残念だなと思いまして、この問題についてはもうこれ以上聞きませんけれども、いずれこういうことがないように、やはり見積もりの段階とか何回かチェックできる機会というのがあったはずですから、慎重に取り組んでいただきたい。
〇伊藤勢至委員 大震災から丸4年が経過いたしました。この間、岩手県の農林水産部におかれましては、部長を初め、各持ち場、持ち場の皆さんが、まさに獅子奮迅、八面六臂の活躍をいただいたものと思っておりまして、ここに来て、沿岸の水産漁業関係につきましては7割を超えるぐらいの率で復旧が進んできたものと思っておりまして、改めて感謝とお礼を申し上げたいと思います。
その中で、大村技監におかれましては、38年間の県庁勤めをこの3月で卒業されると伺いました。あなたほどの人ですから、退官されても水産関係のどこかに位置するものと期待しておりますので、その期待も含めて、お礼も込めて3点ほど質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、水産漁業、養殖等、特に、まず船がなければできないということで、この被災3県の中で、漁協単位でいち早く手を上げたのは重茂漁協でありました。漁協が主体になって船をそろえる、その後、県漁連でも、あるいは各漁協でも、それに歩調を合わせて、まず船の準備から行く、こういうことになったわけでありまして、これも本当に、いち早く手を上げたおかげで、県の支援もあり、岩手県では本当に順調な回復だったと思っております。
そういう中で、虎の子の船をそろえても、せっかく来たその船が、例えば低気圧が来るとか台風が来たということで、また岸壁に打ちつけられて破損するようなことがあってはいけない。それについては、やはり海面から岸壁に持ち上げるホイストクレーンであるとか、あるいは斜路を使って船を陸地に引き上げる巻き上げ機であるとか、そういうものの整備といいますか、それも同時進行で行っていかなければならないということで何度もお願いしてまいりました。
意外とそういうところにマスコミ等が注目しておりませんが、そういう意味において、漁業を支える大事な点のホイストクレーンあるいは巻き上げ機の復旧は、今どの程度まで来ているのか、それについて、まずお知らせいただきたい。
〇大村水産担当技監 陸揚げのクレーン及び漁船の巻き上げ機等は、非常に重要な施設だと認識しておりまして、特にも、先ほど委員の御指摘の、しけのときに船を守るために船を陸に上げるということでもクレーンは必要だと認識しております。
復旧の状況でございますけれども、本年2月末までにクレーンは282基の計画に対しまして278基、99%、それから、巻き上げ機は177基の計画に対しまして166基で94%の整備が完了している状況でございます。
なお、蛇足でございますが、私、37年間でございましたので。
〇伊藤勢至委員 おわびして、訂正いたします。
それでは次に、発災後、いろいろな新しい計画というものも持ち出してこられた漁協がありました。重茂漁協にありましては、大体の難所を越えたという観点から、県に対して、全部民家が流出してしまいました音部漁港につきまして、この際、掘り込み港湾、つまりは、そうすることによって沖合の漁礁を積んだ防波ブロックと、それから旧来使っていた岸壁そのものが二重のガードになって、より強固な漁港がつくれるということで県にお願いしたという報告を実はいただきまして、それがうんともすんとも言ってこないのでフォローしてくれということで、私も何度かお願いしに来た経緯があります。
そうしましたところ、平成25年の末だったと思いますが、水産庁に認めていただきまして22億5、000万円で掘り込み港湾に着工することになりましたという報告を技監からいただきまして、すぐ、おっ取り刀で漁協に駆けつけ、報告をして、大変喜んでいただいたところであります。
重茂漁協傘下の漁家は、前にも言っていると思いますが、平均2、000万円、3、000万円の年収を誇っておりまして、そこには必ず若い次の世代が張りついている、そういうところなものですから、そういうところの若い人に元気を出してもらうためにやっていかなければならないということでお願いしたのが、実を結んだということであります。
こういうことは、多分被災3県の中では岩手県の音部漁港だけのケースだと思いますが、これは、被災後に急に思い立ったことではなく、万一何かがあったときにはこういうものをという温めてきた思いが組合長におありだったと思うんですが、被災3県の中でこういう事業を起こしたところがありますでしょうか。それが一つと、それから、平成28年度には完成と最初聞いた思いがするんですが、その進みぐあいは今どうなっていますか、お伺いします。
〇大村水産担当技監 被災後に、陸を掘り込んで漁港をつくるというのは、音部漁港だけと思っております。
それから、完成の時期は平成29年度を目指しております。
現在の状況でございますけれども、平成26年度までに詳細設計や用地買収をやっておりまして、いよいよ平成27年度から、本格的に掘り込み漁港の整備に着手することにしておりまして、引き続き早期完成に向けて頑張っていきたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 事務事業的には、予算が通ることになって、まず製図から始まって、そして図面をつくって仕事を進めていく。そういう中で、皆さんは、もう事業着手をしたというお考えだと思うんですが、一般の県民は、特にそういう土木関係の仕事については、重機が動き出さないと動き出したと思わないんですね。資料とか図面とかをいろいろ配布しながら、こうなりましたという報告はしておりますけれども、したがって、すごく期待が高いもの、いいことをしようと思っている皆さんですから、例えば少し大き目の看板を、このようなものができますよという、そういうことを事前に知らせていただくのは、これは当たり前のサービスに近いのではないかと思います。
今度、重茂半島にも約800メートルのトンネルを入れていただくことになりました。なかなかいつになったらやるんだということを聞かれるものですから、そのたびに私もお答えするのも疲れるものですから、この際、両口に看板を一つ立てていただきたいというお願いをして、先般、このようなトンネルがここから始まりますということで看板をつけていただきました。
かつては、簗川道路の際にも、簗川郵便局の下のところに1枚、5万円もしなかったでしょう、看板を立ててもらいました。その結果、私に対する問い合わせが減ったんですよ。それは、県民の皆さんが、ああ、こういうものがこう出るのかとわかることだと思うんです。
したがいまして、いいことをこれからやっていこうとすることを事前に県民に知らせるというのは、悪いことではないと思うので、希望の持てる、ひとつこういう計画が今進んでいますよということを知らしめるべきとして、看板設置などは有効ではないかと思うんですが、いかがですか。
〇大村水産担当技監 確かに委員の御指摘のとおりだと思います。早速、広域振興局に話をしまして、看板を設置するように対処したいと思います。
〇伊藤勢至委員 看板の一番下に大村技監と書いておく。
3点目でありますけれども、本県の沿岸の有力魚種であります秋サケについてお伺いしたいと思います。
平成7年は7万3、000トン、県内始まって以来の漁獲高でありました。それが、次の年から4万トン、3万トンとどんどん下がってまいりまして、現在は2万トンちょぼちょぼのラインであります。
これにはいろいろな原因があるんだと思いますけれども、大体今までお話をしていまして、岩手県沿岸で放流されたものが、最初、オホーツク海に入って、ベーリング海に入って、アラスカに行って、7センチメートルぐらいで放流したものが70センチメートルの魚体に育って母なる川に帰ってくる、こういうことなわけであります。
こういう資料はいただきましたが、例えばオホーツク海に行ったころ、このころには例えば30センチメートルまで成長していますとか、あるいはベーリング海に来たころは50センチメートルまで来ていますとか、あるいはアラスカに来たときは、もう母なる川を目指していますから70センチメートルに近くなっていますとか、そういう研究も必要だということをずっとお願いしてきました。ということは、成長させて、ふ化、放流してしまいますと、あとは神頼みということでは、これはいかにも心もとない。幾ら60万尾、65万尾のこの稚魚を放流したといっても、回帰率が上がらないことにはどうにもならないということなわけであります。
海には海の生態系がありますし、弱肉強食というものもあるわけでありまして、海のこの生態系の頂点にいるのは、やはりクジラだと思います。このクジラが、二十数年前に商業捕鯨が禁止になりました。それで、ついこの間は調査捕鯨も禁止されまして、クジラが全くとれない状況になってきたということであります。ということは、つまり北氷洋においてクジラが相当ふえているのではないか。
かつて北極海圏域で生息するイワシクジラとかミンククジラとかの調査捕鯨の際に胃袋を割いた写真を見ましたところ、スケトウダラとかサンマとか、スルメイカとか、そういったものがびっちり胃袋の中に入っている写真でありました。したがって、せっかくふ化、放流したサケが、クジラに捕食されているのではないか等々を含めて、やはり学術的な、科学的な調査研究をしていかない限り、放流しました、あとは神頼みでということでは、沿岸漁協の主たる秋サケの回帰率の上昇というのは、なかなか難しいのではないかと実は個人としては思っています。素人なんでありますが。
そこで大村技監に、あなたが余りうるさく質問するのでさっぱり答えられなかったということがあれば、そのことも含めていいですから、どうぞ一つ思いのたけを披瀝いただきたい。
〇大村水産担当技監 秋サケは、岩手県にとって非常に大切な魚だと認識しておりまして、これまで7万トンもとれたにもかかわらず、現在、非常に低位に推移しているということは、非常に残念に思っておりまして、その原因について、委員からたびたび御質問を受けているわけでございますけれども、ここぞという、これだという決め手は、いまだにないというのが本当のところでございます。
今、委員御指摘の、一旦オホーツク海に入って、それからベーリング海とアラスカ湾を行ったり来たりするわけですけれども、大体1年目で35センチメートルぐらい、3年目で55センチメートルぐらいの大きさということで、2キログラムぐらいという形の調査研究がございまして、それで、大体4歳魚になって戻ってくるというような形まではわかっております。
何分、最初にオホーツク海に入るものですから、そこはロシアの圏域で、なかなか国の調査船も入れないということで、その辺のところの調査がやはり不足しているんだろうということがございます。
それから、今言われていますのは、北海道も余り調子よくないんですけれども、岩手県の調子が悪いのはもっとひどいということは、どうも岩手県の稚魚がオホーツク海に行くまでに相当減耗しているんだろうということで、その辺の環境が少しおかしいのではないかということで、今、水産技術センターのほうで沿岸域を調査している状況ということでございます。
それから、クジラの捕食につきましては、調査研究はそれほどないんです。それで、見ても、サケはなかなか入っていないという状況ですので、この辺はいろいろあるかと思うんですけれども、今のところは、クジラ説を唱えている学者は少のうございます。
それから、北海道のほうでスケトウダラが食べているのではないかと言うことですが、それも、調べてみたら入っていなかったということで、あとは、海獣のトドが食べているのではないかというのも、余りなかったということですので、自然的に、やはり地球の温暖化とかといった形で、オホーツク海までたどり着いていないのではないかというところです。
ですので、引き続き、やはりきっちりと調査研究をしてまいりたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 最後ですけれども、サケのふ化養殖、現在、ほとんど100%人工ふ化なわけですね。川どめに引っかかった雄雌のサケを揚げてきて、雌の腹を割いて卵をとって、そして、たまたま来た雄の白子をとってかけて、そして、鳥の羽か何かで優しく受精するようにかき混ぜて、そしてふ化場に持っていく、こういうラインだと思うんですが、ここの中津川に上がってくるサケは、一番最初は、やっぱり稚魚を放流したことから始まったと思うんですが、あるいは人工ではない自然産卵といったものもここでは行われているのかもしれませんが、そういうやはり自然界に一旦戻すという考えがあってもいいのではないか。
北海道のベニザケでありますとかといったものは、川をとめる時期をずらして、1回遡上させて、自然界のままに卵を産ませ、白子をかけ、受精させて、それが成長して川に戻って、それが順繰りになっている。
そういうものも取り込んでいかなければ、例えば、4年間かけてぐっと大海を回って帰ってくるわけですが、雌ザケはいいとしましょう。だけれども、ようやく、42.195キロメートルのマラソンを走って帰ってきたサケの特に雄が問題だと思うんですね。ようやく帰って、よたよたと来た雄か、あと1回走ってもいいくらいの雄を使って受精をさせるかどうかの部分が、現場を見ると、全く機械的で何もないようであります。たまたま来た雄の頭をぽこっとたたいて、あれ気絶するんでしょうかね、一生に一度しかない受精の瞬間、気絶したままでサケはかわいそうだなと思っているんでありますけれども、そういう自然界に一旦戻してという部分もお考えになっていいのではないか。
あるいは、この場で話しづらいのであれば耳打ちでもいいですが、まあ、そんなことはありませんけれども、どうぞひとつ水産界で今後も活躍の期待される大村技監でありますから、そういうことも含めて、ぜひ御検討あるいはそういう声を発信していただいて、岩手県の有力魚種秋サケの回復をいろいろな場面から応援いただきたいと思うのでありますが、どうぞ伊藤勢至のあなたに対する最後の質問でありますから、思いのたけを御答弁いただきたい。
部長、ごめんなさいね。
〇大村水産担当技監委員 御指摘の自然を使った採卵といいますか受精といいますか、それも確かに必要だとは思っております。北海道みたいに河口まで相当河川が長いところであれば、かなりサケが上ってきて、そこで受精するというのがあるかと思いますけれども、岩手の沿岸のほうでは、河口付近にすぐ放流してしまいますので、そういう機会はなかなかないと思っておりますが、先ほど御指摘の中津川であれば、かなりの確率で自然に卵を産んでいるものとは考えております。
それから、受精の関係ですけれども、ふ化場のほうでは、雌の卵のよしあしのほかに、雄のほうもきっちり元気のいい雄を使うということで、いい精子もあれば悪い精子もありますので、そういった中で、やはり1匹のものを使うのではなくて、受精の際は4匹、5匹使って、生物の多様性とかリスク分散とかというものをやりながら、受精をして放流しているということでございます。
いずれにしましても、サケについては思いが非常に熱いものがございますので、引き続き、4万トン、5万トンととれるように頑張っていきたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 サケに対する熱い思いを聞きました。さんずいのついた酒のほうにはひとつ気をつけていただきまして、秋サケが戻ってくるように今後も御精進をいただきますようお願いして質問を終わります。長い間ありがとうございました。
〇田村誠委員 まず最初に、養殖業の回復状況についてお伺いいたします。
私は常に、浜がよければおかがいいという話をしてまいりました。さきの震災津波で壊滅的な被害を受けた水産業については、漁船などの復旧が進み、現在は、朝早くから家族総出でワカメの収穫作業が行われるなど、浜には活気が戻ってきております。
本県では、震災前からワカメ、昆布、カキ、ホタテガイなどの養殖業が盛んに行われてきたわけでありますが、本県水産業の基幹産業として位置づけられ、震災以降、県等からの支援により養殖業の回復に向けた養殖施設の復旧が進められ、特に、養殖期間が短く、短期間で収入を得ることができるワカメ、昆布の養殖施設が震災前の7割まで復旧したことは、本県水産業の復興に大きく貢献したと思っておりますし、浜の方々も、被災の翌年から収入を得られるということで大変喜んでおります。このことに水産関係部局の御努力に感謝を申し上げます。
そこで、今後、本県水産業の基幹産業である養殖業の回復に向けどのように取り組んでいくのか、まずお伺いいたします。
〇大村水産担当技監 県では、震災によりまして壊滅的な被害を受けましたワカメ、カキなどの養殖業を回復するため、養殖施設の復旧を支援しております。ワカメ、昆布の養殖施設は震災前の約7割、カキ及びホタテガイでは約6割が復旧したところでございます。
これによりまして、生産量は震災前に比べましてワカメ、昆布で6割から7割、カキやホタテガイでは4割から6割まで回復しているところでございます。
今後、県では、水産作業の共同化、省力化機器の導入によりまして養殖生産の効率化や漁協自営養殖によります生産量の増大などを支援するとともに、一つには、震災前、順調に生産額が増加しておりましたホヤの種苗生産、それからもう一点、新規養殖対象種と期待されているエゾイシカゲガイの販路拡大を支援するなど、養殖生産の早期回復、拡大に取り組んでいきたいと思っております。
〇田村誠委員 大変ありがとうございました。ワカメ、昆布については7割、そのほかホタテ、カキについては6割と、それだけ戻していただいて大変うれしく思っておりますが、やはりこれらの販路といいますか付加価値、高付加価値化とか、あるいは販路の拡大とか、さまざまな問題がまだ残っているような気がいたしております。そこで、そうした漁家の収入が得られるような、ましてや高い収入が得られるように、これからもぜひ取り組んでいただきたいと思います。
それらとの関係で次のほうに行きたいと思いますが、漁業の担い手対策についてであります。
養殖業においては、養殖施設の復旧が進むにつれ生産が回復しつつあるわけでございますが、一方で、生産を担う漁業就業者の高齢化と減少化が進んでいることから、多くの漁民の方々は、担い手対策について心配しております。
県は、漁業の担い手対策に今後どのように取り組んでいかれるのか、お示しいただきたいと思います。
〇大村水産担当技監 漁業の担い手対策についてでありますけれども、漁業就業フェアの県内での開催、漁業者のフェア出展支援に取り組んでおりますとともに、平成25年度から漁協の地域再生営漁計画の策定支援を行いまして、平成26年度末までには沿海地区24の漁協全てで計画策定を終える見込みとなっております。
今年度中に、沿海地区全ての漁協の計画策定が完了する見込みでありますので、その担い手関係の対策が着実に進みますよう、県は、新年度に新たな担い手育成ビジョンを策定したいと考えております。そのビジョンに基づきまして、市町村と連携しながら漁協の取り組みを支援していきたいと思っております。
〇田村誠委員 いずれ担い手対策については常について回る課題でございますし、特にも高齢化ということと、被災後かなり漁家から離れてしまっている方も多くいらっしゃいます。しかし、これからも継続してやっていかなければならない海の仕事に対して、後継者対策、担い手対策については、特に重点的に取り組んでいただきたいと思いますし、先ほどちょっと御説明がありました地域再生営漁計画の取り組み状況あるいは課題、今後の取り組みについて、関連がございますので次にお伺いさせていただきます。
県では現在、3年ごとに見直しをされる漁協の地域再生営漁計画の策定支援などを行っていただいているわけですけれども、漁協にとって、この計画は将来の経営方針となるものであると同時に行動計画となるものであります。
やはりこの中でも、お話がございました担い手確保や生産回復あるいは経営安定等につなげるために大変大事な計画策定作業であると思っております。そのためには、県として、その地域再生営漁計画の策定作業の状況と課題をどのように捉え、及び今後の取り組みについてお示しいただきたいと思います。
〇大村水産担当技監 地域再生営漁計画の取り組み状況でございますけれども、平成25年度には3漁協、平成26年度には、現在までに三つの漁協が計画を策定しておりまして、今年度中には残り18漁協、合計で24漁協全てで策定する見込みとなっております。
課題につきましては、今までに策定されました地域営漁計画の具体的な対策の中で、販売額1、000万円以上の経営体を育成すること、市や県と連携しまして新規就業者の確保や定着促進を図ること、養殖水産物の新規市場開拓を行うこと、こういったものが含まれておりますので、各漁協の対策が着実に実行されることが必要と認識しております。
このため、市町村と連携しまして、担い手対策について漁協と具体的な協議をすること、それから、平成27年度の事業でございますけれども、地域再生営漁計画推進事業によりまして、漁協の具体的な対策を支援していきたいと思っております。
〇田村誠委員 いずれ漁協にとりましては、この計画が、まさにこれからの将来を占う上で大変大事なことだろうと思います。特にも、経営状況のいい漁協もあれば、大変な状況の漁協もあるわけでございますので、きめ細かな御支援、御指導をぜひお願いさせていただきたいと思います。
また、その中で、当然入ってくるでありましょう漁業集落の復興についても、あわせてお伺いいたします。
漁港施設についても甚大な被害が生じましたが、浜に行ってみますと、それ相応に復興が進んでおり、県が目指しております平成27年度までの復興完了の道筋が見えてきたように思われます。これまで幾多の苦難を克服し、復旧に努めてきた県関係者の御尽力に、改めて深く敬意を表し、感謝を申し上げます。
その一方で、まちづくりは、造成工事等が各所で始まり、新しい住宅の建設が進むなど復興の槌音が聞こえるようになってきましたが、いまだ仮設住宅に暮らす方々が多くおり、早急な復旧、復興が被災者から強く望まれているところでございますが、このような中、特に漁業集落について、今後どのように復興を図っていかれるのかお伺いいたします。
〇大村水産担当技監 漁業集落の復興についてでございますけれども、漁港などの生産基盤を復旧するとともに、漁業集落を早期に復興することは重要だと認識しております。
これまで市町村では、漁業集落防災機能強化事業等により住宅地や避難路などの整備を進めてきておりまして、今後は、快適な生活環境を確保するため、例えば大船渡市の越喜来地区で実施しております汚水処理施設などの整備を進めることとしております。
県では、本年2月に策定いたしました岩手県水産基盤整備方針に基づきまして、被災した漁業集落の早期復興に向けて、事業主体であります市町村を積極的に支援いたしまして、住宅地の早期完成や汚水処理施設などの整備によりまして、快適な生活環境の確保に努めていきたと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 何点か質問させていただきます。
初めに、大原商店の件についてですけれども、大変残念なことが起きたと思っております。今回の一連の流れの中で、契約の解除について、補助事業の全体の流れというものをお示しいただきたいと思います。また、この久慈市冷凍水産加工業協同組合と大原商店はどういった関係なのかということも含めて説明願いたいと思います。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 まず、契約解除に係る流れ等でございますが、県は、久慈市冷凍水産加工業協同組合から申請を受けまして、震災で全壊いたしましたイカ内臓ホタテ等の廃棄物処理機器の整備について、補助金契約を締結したところでございます。久慈市冷凍水産加工業協同組合は、その機器整備を大原商店に委任いたしまして、大原商店が請負業者と工事契約を締結し、補助金については、県から久慈市冷凍水産加工業協同組合、久慈市冷凍水産加工業協同組合から大原商店へ流れる形となってございます。
大原商店は、久慈市冷凍水産加工業協同組合の構成員―全部で20者ございますが―のうちの1者でございます。事業の実施主体であります久慈市冷凍水産加工業協同組合が、補助対象となる機器整備を大原商店に、今申し上げましたように委任いたしまして、大原商店が工事請負契約を締結したものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 改めてですけれども、今回のこの契約が解除になった理由は何なのかお尋ねしたいと思います。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 大原商店は、補助金の交付申請時から、私どもの調べたところによりますと、補助対象外であります鶏残滓処理機器の導入を計画いたしておりましたし、実際にその機器の整備を行っていたということ、また、県が久慈市冷凍水産加工業協同組合に前金払いした補助金を当該機器の整備に充てていたことが認められたことから、解除をしたものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 先ほどの佐々木博委員の質問の中で大体わかりましたけれども、事業完了と、完了検査は、結局、解除になったのでしていないということですね。それはわかりました。
これは、契約が解除になって、それでも設備整備がされているわけですね。その整備された施設というのはどうなんでしょうか、使うことができるんでしょうか。どうなっていくのか。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 今回行った補助事業の補助金交付契約の解除につきましては、既に支出いたしました、前払いいたしました補助金の返還を求めるとともに、残りの補助金を交付しないことを決定したものでございます。大原商店が、みずからの資金を調達いたしまして、この鶏残滓処理機器を整備し、使用することは、差し支えないものと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 ということは、補助金はないけれども、自分の金でやる分には問題ないと。そうですか。
結局、大原商店の中に整備しているでしょうから、その分の支払いを自分の金であればできる、自分の投資だということで、補助金は、でも返還しなければだめだということですか。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 そのとおりでございます。
〇嵯峨壱朗委員 そうですか。わかりました。
それでは、この一連の流れの中で、先ほど関係はわかりましたけれども、久慈市冷凍水産加工業協同組合はどういった立場なのかお尋ねしたいと思います。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 県及び久慈市が、久慈市冷凍水産加工業協同組合と補助金交付契約を締結しておりましたものを、今回、解除いたしました。そして、久慈市冷凍水産加工業協同組合に対して補助金の返還、そして加算金の支払いを求めたところでございます。
また、久慈市冷凍水産加工業協同組合は、大原商店に対して、この補助金及び加算金相当額の賠償を請求しているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 先ほど久慈市冷凍水産加工業協同組合の構成20者ということで、相当小さい魚屋さんも入っている20者だと聞いておりますけれども、恐らく相当の、久慈市だけではなくて、普代村から種市町までですか、多くの水産関係の会社が構成員になっているようですが、地域全体に与える影響というのは、この1者のおかげで相当大きいなと思って見ていました。この影響そのものを最小限にとどめてほしいわけですけれども、そうすべきと思いますが、どうなんでしょうか。
〇小原農林水産部長 この地域への影響という御質問でございますが、久慈市冷凍水産加工業協同組合は、久慈地域の水産加工業の核となる存在でございます。今回の事案によりまして、久慈地域を初めとした県内水産加工業に影響が生じないよう、久慈市や久慈市冷凍水産加工業協同組合等の意向を把握しながら、例えばその支払い時期なりといったものについて、いずれ相談に応じてまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 先ほど佐々木博委員から指摘があったとおりですけれども、これは、やはり復旧、復興に向かって貴重な税金でありますし、そういったことを裏切らないようにすべきだったと思いますし、そういう意味でも慎重に支援もお願いしたい。こういった形の補助もそうでしょうけれども、こういうことがないような形で事前の検査をしっかりやっていただきたいと思います。まだ経過でしょうから、経過というか、全体がわかっているのかまだわからないんですけれども、また確認していきたいと思います。
本来であれば、伊藤勢至委員ではないですけれども大村水産担当技監からいろいろなことをお伺いしたかったんですけれども、こういうことがあって聞きづらくなったので、聞かないで済ませたいと思います。
先ほどサケの話もありましたけれども、いろいろな意味でまだ道半ばですので、ハードはそろったけれども、まだ実質的に漁獲高もそろっていないので、これからだと思っております。
次に入ります。
木質バイオマス発電についてお尋ねしたいと思います。
木質バイオマス発電というのは、木材利用という観点からすると、非常に低迷している中で、もてはやされているわけですけれども、県内で今、どれだけの木質バイオマス発電が計画されているのか、現状と、そしてまた見通しについてお尋ねしたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 木質バイオマス発電の現在の県内の計画と現状でございますが、現状では、既に稼動している事業体が2社ございます。1社目は、石炭との混焼発電を行っている釜石市の新日鐵住金株式会社釜石製鐵所、もう1社が、木質燃料を専門に使用する専焼発電を行っている宮古市の株式会社ウッティかわいでございます。また、平成28年3月の稼動に向け、現在、一戸町の株式会社一戸フォレストパワーが施設の整備に取り組んでいるところでございます。
また、現時点で県が把握している計画としましては、野田村の事業体のヤシ核殻との混焼発電、あとは花巻市の事業体の専焼発電がございます。
〇嵯峨壱朗委員 非常に有望視されている木材利用の事業でもあるし、地球温暖化防止という観点からも非常にもてはやされているわけですけれども、明るい光と影があると私は思っていますけれども、現時点での課題をどのように捉えているかお尋ねしたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 現時点での木質バイオマス発電の課題でございますが、木質バイオマス発電施設の立地に当たりましては、まずは木材の需要者が供給者と十分に協議しまして、地域の森林資源量や木材供給能力に見合った適正な需給計画を立てることが最も重要でございます。
このため、県では、立地の検討段階から発電者等に技術的な助言を行うとともに、需要者と供給者の安定取引協定の締結に向けたコーディネートなどを行っております。
〇嵯峨壱朗委員 今、言われた需給のバランスについて聞きます。
この木質燃料の需給状況はどうなっているのかお尋ねしたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 先ほど現状を申し上げましたが、現在、既に稼動しております2施設につきましては、必要量の木質バイオマス燃料が順調に供給されております。また、平成28年3月の稼動開始を見込んでおります施設につきましても、今年度の調達計画量については計画どおり木質燃料が確保されていると聞いております。
また、来年度以降の需給見通しにつきましては、平成28年度以降に事業開始を見込む事業体において、現在、木質燃料の需要量の検討が行われておりまして、現段階では未定となっておりますが、今後、その把握に努めまして、安定供給に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 燃料によって値段が違うんですね。そして、例えば規模によっても違いますけれども、未利用材が一番高いわけです。一般の木材、廃棄物となっているもの、リサイクル、そういうふうに段階的に値段が違う。そして、間伐材も含めて、いろいろなカスケード利用というんですか、段階的にいろいろなものに使って、最後にパーティクルボードになる。そういった形の、最後になったものを、利用し切って燃やすのが一番本来であればいいのではないかと私も思うんですけれども、こういった観点でいうと、燃料の原材料割合というのはどういうふうになっているのか。
〇菊池林業振興課総括課長 委員お話しのとおり、山から出る資源を無駄なく使って、製材して使ったり、いわゆるカスケード利用が大事でございまして、未利用材等がどんな割合かということでございますが、県内のバイオマス発電所の燃料の内訳はそれぞれでございます。先ほどの新日鐵住金株式会社釜石製鐵所でありますが、ここは大半が石炭燃料でございまして、間伐材等の未利用材の混焼率は約1%でございます。株式会社ウッティかわいでは、燃料の比率を、自社の製材端材を6割、間伐材等の未利用材を4割としております。また、一戸フォレストパワーでは、燃料の全量を間伐材等の未利用材と計画しております。
〇嵯峨壱朗委員 今聞いたわけですけれども、未利用材100%という、この部分が結構……。県では、建材の原料としていろいろ使った企業に融資したりとか、いろいろやっていますよね。B、C、D材も使いかねないと懸念されております。大きく言うと、例えば、もともと木材を使った発電というのは、全体でヨーロッパ等の流れでいうと、発電ではなくて直接熱を使って、ボイラーとか、そういったものが主なんですよね。発電となると切らすわけにいかないから、専焼というのは非常に大量の木材を使う。先ほど聞いた建材等も含めてカスケード利用に持っていくものとの需給バランスというのは、木材が原料として足りなくなるんじゃないかということを心配している向きがあるようですけれども、そういった点はどうなんでしょうか。
〇菊池林業振興課総括課長委員 お話しのとおりでございまして、燃料の取り合いということで、建材に回らないおそれがあるのは問題でございますので、そういうことにならないようにしたいと考えております。
県では、木質バイオマス発電などにより―合板工場やその他の工場が稼動しておりますので―今後、増加します木材需要に対応するため、生産、供給能力を向上させる必要がございます。また、先ほど申し上げたとおり、森林から生産された木材を余すところなく活用する、いわゆるカスケード利用をさらに進めることとしております。このため、生産能力向上のために、先ほど申し上げた高性能林業機械の導入や林内路網整備への支援、生産を担う現場技術者の養成を図るほか、カスケード利用を進めるため、これまで利用されてこなかった未利用間伐材等を木質燃料として有効に活用するための実証調査や事業成果の普及に努めるとともに、製材の過程で大量に発生する端材を木質燃料に利用する取り組みなどを進めていきたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 実際、木材を供給しているヨーロッパとかと比べると路網整備が非常におくれているということで、木はあるけれども運び出せないと。だから、基本的に森林資源はあるけれども、それを実際の資源として、原材料として使う場合には、切る人手も相当足りないという話もあります。そういったものを複合的にやっていかないと、なかなかこれに対処できないんじゃないかという不安も指摘されているんですけれども、その点はどうでしょうか。
〇菊池林業振興課総括課長 委員お話しのとおりでございまして、ヨーロッパなどと比べれば、いわゆるハード整備がおくれております。林内路網もまだまだでございます。高性能林業機械の導入もまだまだでございます。先ほどいろいろ申し上げた内容について来年度以降も引き続き進めまして、山から、使われていなかった材までを含めて安定的に継続的に供給するような体制をこれからもつくっていきたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 いい事業であることは間違いないと思いますので、そういったバランスをきっちりと確保するように進めていっていただきたいと思います。
最後に、改めて、大村技監に感謝申し上げます。先ほど伊藤委員からもお話ありましたけれども、岩手県が最も早く、例えば稚魚を育てる施設も、国が方向性を定める前に手をつけてそういった指導をしたとか、いろいろな意味で我々も感謝しております。そういった意味で、今後ともぜひ大所高所から岩手の水産業を御指導いただいて、見守っていただきたいと思います。ありがとうございます。
〇及川あつし委員 大原商店に絞りたいんですが、どうしても聞かなければならないので、木材利用の関係と大原商店の関係を伺いたいと思います。
まず最初に、岩手県公共施設公共工事木材利用推進行動計画が絵に描いた餅になっているのではないかという意味で伺いたいと思います。
新年会に多くの議員があちこち行っていろいろな県民の方の声を聞くわけですが、関係業界団体の方から断続的に私がお話を伺ったのは、最初は物すごく厳しい声でした。県にだまされたと。要は、県でこういう行動計画をつくって、県内の資材を例えば災害公営住宅に使っていくということで、皆さんからも業界に対して、今後は積極的に木造化、木質化を図っていくし、県産材の利用に努めますと。これに期待していたわけです。あした県土整備部で具体的に聞きますけれども、県土整備部でも、例えば災害公営住宅の建設については、法令上、RCでなければいけない地域以外はできるだけ木造でつくると。あとは、既存工法のほか、パネル工法で県産木材を使う。提案型の場合でも、資材、人材を県産で使うように指導して、契約書にも記載している。もし使わない場合は、理由書も出させてできるだけ使うようにしているということなんだけれども、現実は、いざ入札が終わって施工になると、いろいろな理由をつけて、受注した業者は大手の中央からの既存製品を納品している。いろいろな理由をつけて県に提出してパスして、実際は、県産の建枠、建具が使われていない。たくさんつくってしまって、在庫を山のように抱えているというような状況が今、現実問題でありまして、一体これは何なんだという悲鳴が上がっておりますが、そういう観点から、現状についての認識と、今後何か林業振興の立場から、木材利用推進の立場から何か対策を考えているのであれば伺いたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 災害公営住宅に係る木材の利用でございますが、委員お話しのとおり、県では行動計画を策定して県産材利用の推進に努めておるところでございますが、災害公営住宅に関係いたしましては、工期に対応した資材等の適材供給の関係で、県産材製品が使われないこともあるということは聞いております。
そこで、その後の対応でございますけれども、来年度―平成27年度は災害公営住宅の着工がピークを迎えます。災害公営住宅等への県産材供給に向けまして、県内の木材加工事業体で組織されます岩手県木材産業協同組合と協議を重ねてきておりました。そこは県土整備部と私ども林業振興課が一緒になって協議しておるんですけれども、現在、住宅用資材の適時供給、あとは加工用原木の安定した流通などについて、課題の抽出と整理を進めております。3月から、その結果をもとに、関係団体も含め、具体的な製材品供給に向けたスキームなどについて検討を行っております。
一つは、製品を出すために時間がかかる場合がありますので、例えば乾燥機の共同利用をどうやって進めたらいいかとか、内陸と沿岸部の業界のつながりをどのようにしたらいいのかとか、そういった具体的なスキームを現在考えております。
今後、これらの検討結果を踏まえまして、関係機関、団体と情報共有を図りながら、災害公営住宅等へ県産材製品が利用されるように取り組んでまいります。
〇及川あつし委員 今、総括課長の答弁がありましたけれども、これは急いで早急にやってもらわないと、かなり会社経営の首を絞めている状況もあるようです。あと、冒頭の答弁、工期の関係で云々というのは、請負建設業者のいわゆる使わない理由に書いている理由書を言っているだけで、現実は、やろうと思えばできるし、県内の業者もそれに対応して準備しているけれども、大手に発注したほうが多分たたけるし、いろいろな簡便な理由があるので、そういう理由を記して使わない理由にして、それを皆さんがちゃんと現状をチェックしないで、皆さんがというか、これは県土整備部のほうだと思うんだけれども、それをそのままうのみにして、仕方がないですね、仕方がないですねという結果、絵に描いた餅になっているのが現実ですから、本当に困っている状況、県内の木材の利用推進じゃなくて逆のことになっているので、早急に先ほどの答弁のように現状を把握して具体的な対策をやっていただきたいということで申し上げたいと思います。
2点目は、大原商店の件でありますが、まず、グループ補助金との関係、あとは、環境関連法令との整合性という問題もあると思うのですが、その点については問題なかったのかどうか、その認識だけまず伺いたいと思います。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 まず、グループ補助金でございます。
今回の補助金交付契約の解除を行った復旧支援事業では、被災した大原商店のイカ内臓、ホタテ廃棄物の処理機器を復旧していたものでございまして、一方で、グループ補助金につきましては、平成23年度事業として、主に隣接する工場建屋の修繕あるいはドライヤー等の設備を復旧、整備したものでございます。
また、関係法令等についてでございます。
大原商店は、昭和50年に化製場等に関する法律に規定する製造施設の設置の許可を取得しております。原料は、魚介類及び鳥類を対象としているものでございます。当該許可は現在も継続しておりまして、鳥類の残滓を処理することについて、また、現在も魚介類を処理しておりますが、許可上は問題ないと聞いております。
〇及川あつし委員 ちょっとそこが……。わかりましたけれども、若干論点があるところなので、後で質疑したいと思います。
次は、先ほどちょっと気になる御答弁がありましたので確認で伺いますが、補助金返還請求額、前払い金の分ですが、整備機器代金として充てていたというような答弁がありましたけれども、本当でしょうか。使途としてその分が整備機器に充てられていたかどうか確認しているか伺います。
また、私が調べているところでは、使途不明金、未払い金等もあるようですが、それについて当局も把握しているようですが、そこら辺についてもきちっと公表の上、説明していただきたいと思います。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 返還金の整備機器の部分でございますが、大原商店につきましては、久慈市冷凍水産加工業協同組合のほうから前金払いした補助金、県と市を合わせまして2億3、700万円が支出されたものでございます。これが機器整備、業者のほうに支払われたと考えております。現金そのものがそのように流れたかどうかについては明確に確認できておりませんが、支払われた部分がございますので、それであろうと考えております。
また、未払い金でございますが、未払い金についても我々確認しているところでございます。
〇及川あつし委員 今の答弁はおかしいんじゃないですか。要は、完了検査のときに、本来の補助目的じゃない鳥の分の機械が入っていたので、これは補助対象外だよと返還を求めているという話だけなんだけれども、その前に、つまりその補助を充てた分がどこでどういうように使われているかというのをちゃんと確認していないということですか。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 私ども、出来高検査の際には、機器がまず納入されまして、その機器が納入されたことをもって前金の出来高検査を確認したものでございます。業者のほうに実際にどういうふうな形で支払われているかというのはその段階では確認いたしてございません。
〇及川あつし委員 確認しなくていいんですか。
〇浅沼副部長兼農林水産企画室長 確認の方法につきましては、それぞれの要綱、契約等々、いろいろ要領とかで定めがあると思います。当部でもこういった補助事業の関係のマニュアルは整備してございます。その中におきまして、完成完了検査は、経費の支払い内容でありますとか証拠書類を確認して補助金額を確定し、事業実施結果が事業計画時に求めていた内容、目的を十分に満たしているかを確認することというような取り扱いにしてございます。したがいまして、その補助金が確実にその事業者に支払われたかどうかまでは確認を求めていないところでございます。
〇及川あつし委員 要綱上の問題から支払いの確認をしていない、そこまで求められていないというような答弁だと思うんだけれども、私の質問の趣旨は、佐々木博委員の質問と関連しているわけですよ。本当に回収できますかと。私がいろいろ聞いているところによると、未払いもあるようだし、使途不明金的なものもあるやに聞いています。そうなると、皆さんは今回、A4、1枚の紙で、本当に簡素な説明だなと思ったんだけれども、2億何がしを久慈市冷凍水産加工業協同組合に対して返還請求しているけれども、これが債権となって本当に返ってくるかどうかについて、きちっと今、吟味していますかということなんですよ。今、聞いたら確認していないということなんだけれども、要綱上の問題はともあれ、債権回収という意味で、そこは当然やるべきだと思うんだけれども、部長、どうですか。
〇小原農林水産部長 今、副部長が制度的な話をしまして、確かに仕組み上はそこまでは求めていないと、これは国もそのような仕組みになっているんですが。ただ、結果としてこのようなことが起きたということで、いずれ確認をとれば、ある意味、もう少し早くこういったような事情が明らかになったのではないかという思いはございます。
あとは、もう一点、回収の見込みがあるかということでございますけれども、県は、直接の契約の相手方である久慈市冷凍水産加工業協同組合に対して返還請求しておりまして、その久慈市冷凍水産加工業協同組合が大原商店にその見合いの額を損害賠償として今現在、請求しているところでございます。
大原商店から久慈市冷凍水産加工業協同組合に返ってくる見込みでございますけれども、これは昨日聞いた話でございますが、久慈市冷凍水産加工業協同組合の組合長と大原商店の社長が久慈市と県北広域振興局におわびに来たと。あわせて、支払いについて、支払いの期限なり何なりといったようなことで相談させていただきたいという旨の相談があったと受けてございます。これについては、我々は直接の相手方は久慈市冷凍水産加工業協同組合でございますので、その辺については、例えば分割払いなど、それらも含めまして相談に応じてまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 大原商店のこの事案に対するスタンスを確認したいんですが、今部長はおわびに来たような話をしているけれども、3月11日に出た新聞報道では、導入設備はイカ、ホタテなどに使うもので、目的外でない、言いがかりをつけられている感じだ、被害者はこっちのほうだと反論したとなっていますけれども、これは現状どうなっているんですか。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 3月9日に補助金の交付契約を解除いたしましたが、その際、現地、現場で社長立ち会いのもとにこの施設が鳥の施設であることを確認いたしまして、社長本人もその旨、回答しているところでございます。
〇及川あつし委員 わかりました。いずれ回収ということが今回、非常に大きなポイントになってくるので、制度上はやる必要がないと言っているけれども、やっぱり久慈市冷凍水産加工業協同組合を通じて、本当に出した補助金が何に使われて、現状の債権、債務、財務がどうなっているかやらないと、また森のトレーと同じことになると思うんです。早急にこの点についてはやってもらわないと我々も説明責任を果たせないので、きちっと今後どうするということを部長、もう一度答弁してもらえませんか。
〇小原農林水産部長 大原商店の今現在の経営状況、久慈市冷凍水産加工業協同組合の経営状況についてはある程度把握してございます。ただ、これは企業としての状況でございますので、この場では答弁を差し控えさせていただきたいんですが、県としては、いずれこの債権回収に向けて努力していかなければならないのはまさにそのとおりでございます。
これからですけれども、まず、金融機関が大原商店に対してどのような判断をされるかというのが一つ。今、大原商店は金融機関に融資を申し込んでいると伺っております。その融資が認められれば、いわゆる補助金ではなく、自己資金などでもって未払い金に充てるなり、あるいは施設運営を継続していくという方法がまず一つ考えられます。あとは、我々が契約を解除したものは、平成24年度事業でイカ、ホタテをやるとして鳥の部分でございますが、もう一つ、もともと水産系の加工残滓自体は今も工場で回っておりますので、その利益も今現在、上がっておると伺ってございます。
したがいまして、中途半端になっております鳥の機器を、まず大原商店が、環境等の許認可の細かい手続はあろうかと思いますが、鳥でもって堂々と営業して、それで鳥でもって利益を出していく、このような計画が金融機関から適当と認められれば融資を受けることができ、それでもって返還も可能ではないかと考えてございます。
〇及川あつし委員 いずれ、補助金の使い道についてはきちっとトレースして我々にも説明してほしいという趣旨です。
あともう一点は、処理機器の事前審査という観点で伺います。これも、報道では、高橋水産部長―これは振興局ですね―のコメントとして、組み立て後の現時点で設備の用途は専門家でないと判断しにくいとして、県の責任には言及しなかったという報道がありました。また、事業は制度上、契約段階の書類で具体的な機器名の記載を求められていないというようなことも書かれていますけれども、これはさっきの説明と違うんじゃないですか。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 その新聞報道にございました契約書の中にそういうふうなことは求められていないという部分、その前段で、計画書を聴取した中には、それぞれのどういう機器であるのか、あるいはどういう能力があるのかというものは求めてございますので、その辺のところの違いかなと思っております。いずれ、この計画書の中では、能力あるいはどういうふうなものを処理するのかということは示されているものでございます。
〇及川あつし委員 示されていたのにわからなかったということだと思いますし、関連質問があるかもしれません。私、さわりだけお話ししますけれども、鳥の残滓を扱う場合はフェザーミールが出るので、フェザーミールを処理するときには硫化水素が出る。この空調をちゃんとやらないと作業現場で死者も出るというようなことで、かなり大きな空調設備が必要なので、鳥の残滓をやるのであればわかるはずだと。イカ、タコなどについて処理するためには、カドミウムが出るので、そのためには分離処理システムが必要だということで、これは当然ある程度の事前の審査の段階でわかるのではないか。余りにも皆さん、性善説でやったんじゃないかなというような感じがしているので、この点についてはいかがでしょうか。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 この水産の国庫補助事業でございますけれども、主な目的は、震災からの早期復興、とにかく早く加工場をもとに戻したいということでございまして、そういう中で、どちらかというと、ある程度の形のものを示した計画書あるいはその機能をつけた仕様書等があればそのまま我々は受け取りまして、国に持っていって交付決定を受けたものでございます。そういう面で、今、委員お話しになりましたような部分についてまでは確かに確認はしていなかったということは事実でございます。
〇及川あつし委員 今の答弁で私は納得しました。商工労働観光部みたいに、我々が、もっとこうやったほうがよかったのではないか、これからもこうするべきじゃないかということについて、いろいろなへ理屈をつけて反論されると、我々も徹底的にやらなきゃならない。でも、今みたいに、もう少しこうすればよかった、確認しなかったということをきちっと言われるのであれば、ちゃんとやってくださいねということで我々も真摯に受けとめるので、皆さんも回収に向かってしっかりとやってほしいということを最後に私からコメントとして申し上げ、あとは小原部長から所感を伺って私の質問は終わりたいと思います。
〇小原農林水産部長 今回の事業でございますけれども、震災からの復旧、復興ということで、ある意味、資金計画も国において十分求められていなかったということで、スピードを重視したということでございます。そのような中で今回の事案が起きたということは我々としても非常に残念に思ってございますし、また、これが被災地の水産加工の復旧、復興に大きな影響を及ぼさないよう、十分配慮してまいりたいと思います。また、今後、かかることのないよう、先ほど委員からは性善説により過ぎているのではないかといった指摘もございました。ある意味、やはりそのもの、もの、節目、節目には、疑いといいますか、いわゆるチェックというものは、やっぱりしっかり我々も、このようなことが起こらないよう、また、今の事業も含めてしっかりと対応してまいります。
〇渡辺幸貫委員 関連します。今、イカ、タコの分離処理の話がありました。結論は、この会社は、イカ、タコはどういうふうに最終的に処分する予定だったんでしょうか。要するに餌にするのか、それともカドミウムがあるから完全に焼却するという計画だったのか、そこだけちょっと。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 大原商店からその辺も聞き取りをいたしましたところ、確かに処理したものを恐らく飼料とか肥料とかに変えようということで計画しておったようでございますが、日本国内では流通はやはり難しいということがあり、海外でそれでも使えるところがあるということなので、海外に出したかったということを本人は申しておりました。
〇渡辺幸貫委員 何となくわかってきました。魚粉とかかすとか餌、主にフィッシュミールというのはペルーのアンチョビがたくさん使われて、それらを入れてつくっているものだから、今言われたことは、それをまぜていけば確かに海外ではいけるかもしれない。
ただ、一番私たちが思うのは、さっき化製場法の話がありましたけれども、化製場というのは、要するに浄化水槽がありますね。それが決め手で、燃やすんだったらそんなものはどうでもいいんだけれども、さっきの答弁のようにこれから鶏で生きていきますということになれば、やっぱり浄化水槽がしっかりしていないと管理監督の環境生活部から指摘されますから、その辺をよく指導しておかないと、ただそういうふうに切りかえれば大丈夫だと思いますという答弁だけではうまくいかないと思いますよ。その辺、考えていらして切りかえていかれるのか、御親切にやられたいと思いますが、いかがですか。
〇五日市技術参事兼水産振興課総括課長 今、御指摘いただいたことにつきましては、現地でまた大原商店に確認し、必要であれば指導してまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 私は大きく2点お伺いいたします。
この議会の一般質問等でもやりとりがあったところでございますシイタケの出荷制限解除の見通しについてお伺いいたします。
あれから多少時間があってその後の経過が気になるわけでありますけれども、その後、林野庁と厚生労働省サイドで解除に向けていろいろなことが進むと思いますが、現在の状況と見通しについてお示しいただきたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 シイタケ出荷制限解除の見通しでございます。
現在、13市町のうち、8市町の26名の生産者につきまして、国と出荷制限解除の事前協議を行っておりまして、平成27年春子の出荷に間に合うよう、一日も早い解除に向けて働きかけを行っております。
現在のやりとりの関係でございますが、出荷制限の解除と申し上げても実際は交渉ごとでございまして、相手がございますので、なかなか言いづらいところではございますが、きのうの話では、林野庁の中ではもう話は大体整理がついて、厚生労働省とやりとりをというお話を聞いておりました。現在のところ、追加説明資料等は求められておりませんので、何とか私どもの思う方向で進んでいただけるのではないかと考えております。
〇岩渕誠委員 かなり大詰めという答弁だと思いますし、かなり課長自身も手応えを感じておられるのではないかと期待したいと思います。
ただ、何度も指摘がありましたけれども、制限解除が終わりではなく、そこからスタートでありまして、特にも、生産価格が低迷している。若干上昇はしてきておりますけれども、6割、7割の生産者は出荷制限が解除された後の価格動向を見て決めたいということでありますので、今、全国的に低迷している価格の上昇については相当平成27年度も引き続き取り組んでいただきたいと思いますが、どのようなお考えですか。
〇菊池林業振興課総括課長委員 お話しのとおりで、一時期かなり落ち込んで、平成26年産はやや持ち直しておりました。ただ、まだまだ再生産にはほど遠い値段でございますし、これをもって生産者が、では、やってみようという値段にはまだたどり着いておりませんので、引き続き価格のアップに関してもいろいろな取り組みを来年度以降も続けて価格の回復を進めてまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 そこで、ある程度見えた中で、一つのネックは、これも一般質問等でもありましたけれども、シイタケの除染廃棄物処理にかかわる問題だと思っております。これは、昨年6月3日に、県で東日本大震災津波からの本格復興に当たっての提言・要望書ということで、原木シイタケの産地再生対策については5項目について国に要求しておったと。しかしながら、四つにつきましては、ある程度予算であったり賠償の支払い状況で進んだ明確なものがあるんですが、落葉層の取り扱いに係る方針の早期提示と経費に対する支援、この1点については、国は事実上ゼロ回答だと。そうしますと、また除染をこれからしなければならないということになった場合には、全然処理が進まないと。結局それが風評被害のもとになるという状況は何ら変わらないということなのであります。
このことについて、その後、県は国とどのようなやりとりをされているのか、それについてお示しいただきたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 委員御紹介のとおり、6月3日に政府要望いたした件の中で、落葉層の取り扱いについて方針を早期に提示してくれとお話をして、なかなかその後も反応がございません。私ども、交渉を毎月のように出向いて要望しておりますし、同じ内容で県の市長会からも要望をいただいております。ただ、まだそこは実現されておりませんので、その後におきましても、あらゆる機会を捉え国に申し入れを行ってきておりますし、引き続き早期決定に向けて粘り強く働きかけてまいります。
〇岩渕誠委員 これは何年も県も市町村も国に対して要望していることでありまして、これが本当に全く一歩も進んでいない。これは本当に林野庁といいますか、国が解決する意思があるのかと。結局そういうところが生産再開の意思に大きくかかわってくるわけでありますので、それは再度、強く林野庁には伝えていただきたいと思います。
他方、これは決算特別委員会でも私も御提言申し上げましたが、ほだ場の空間線量の問題でいいますと、現在、福島県に林野庁の森林放射性物質汚染対策センターというのがありまして、そこが山林の除染についての研究をしている。山林のチップ材ですね、当然放射能の関係がありますからバークは剥ぐんですが、そのチップをほだ場にまいた場合には相当空間線量が下がる。それはなぜかというと、セシウムは落葉層ではなくて土壌に落ちている。そういう研究結果があって、そのほうが多分森林の中で解決するし、新たな除染廃棄物が発生しないのではないか、そういう研究が進められていると私は承知しております。
こういった新技術の導入の可能性というのが国から……、あるいは検討していて、今、動かないのはそういうこともあるのかなと期待する部分もあるんですが、県としてはどのように把握されていますか。
〇菊池林業振興課総括課長 委員お話しの研究があることも承知しておりますが、あわせて、現在の知見を確認いたしますと、林野庁の所管課もそうでございますし、森林放射性物質汚染対策センター―福島県でございますが、そこにも確認しますと、今のところ落葉層除去の効果を否定する知見はないというのが公式回答で返ってまいります。ああ、そうですかということなんですが、ただ、いろいろ研究しているというお話は聞いておりましたので、国の調査結果も確認させていただいていましたので、確認しながら、効果が認められるような取り組みがあれば、国の指導もありますけれども、県の導入の可能性についても検討していきたいと考えております。
〇岩渕誠委員 私はその場所に3年通っています。そこの所長―奥さんは久慈の人なそうですけれども―に直接お聞きして、現場にも行ってそのような話を承っておりますので、電話ではなかなかしゃべれないこともあるんでしょうから、ぜひ直接行って、風評被害の払拭につながる新技術の導入が可能であることを、その可能性も含めてぜひ調査をしていただきたいと思います。
次に移ります。
県有林と旧公社林会計の負債処理の進捗状況についてお尋ねいたします。
現在、県有林は、旧林業公社の造林と合わせて大体8万4、000ヘクタール余り造成されてきたと思います。しかしながら、その経費については、旧農林漁業公庫、金融公庫からの借り入れで賄って、その債務が大変膨大になったために、平成19年に一本化して、さらに、私から言わせれば山のリストラをしている状況だと思います。平成19年5月の段階では、元利合わせて借り入れ残高、債務は何と1、089億円と思っておりまして、これを今、一般会計から県有林特別会計に入れて、毎年二、三十億円ずつ償還しているというのが実態であろうかと思います。
現在までのところ、この債務の返済状況あるいは県有林会計の状況について、どこまで進んでいるのかお示しいただきたいと思います。
〇伊藤森林保全課総括課長 返済についてでありますが、県有林と林業公社が一元化した平成19年5月末の公庫の借り入れ残高は692億円、利息が397億円、元利合計で1、089億円となっておりましたが、平成26年度末の公庫の借り入れ残高は607億円、利息が264億円、元利合計で871億円となっているところでございます。
また、平成27年度の約定償還額は、元利合計で24億6、000万円、そして、収益が見込めないその他施業林の契約解除に伴う繰り上げ償還の元金を3億円予定しておりまして、これまでの実績から推定した利息軽減額を1億8、000万円とすれば、平成27年度末の公庫借り入れ残高は596億円、利息が248億円、元利合計で844億円となる見込みでございます。
〇岩渕誠委員 今、答弁あったように、多分岩手県がやっている事業の中で、現在、債務残高が個別の事業で最も多いのがこの県有林の事業だと思います。あれだけ騒いだ競馬が300億円ですから、それの倍以上であるということをまず認識していただきたいと思います。
そこで、どうしても今、長伐期に移っていますからすぐに収入が出ない段階で、今、大体ピークが三十数億円を返して、返済が確か平成72年度に終わるという、45年後に完了するという長期の返済計画になるんですが、これ、計画上は、長伐期にして、伐採した材価が出てきたときにはどこかで黒字になって、最終的に事業完了が平成93年度、66年後には今の材価でいうと大体400億円ぐらいひょっとするともうかるんじゃないか、こういう試算もあるようでありますけれども、返済額と山からの収入で、山からの収入が黒字になる、いわゆるプライマリーバランス的な話でいうと黒字化するのは大体いつごろですか。
〇伊藤森林保全課総括課長 収支の見込みでございますが、平成24年度に策定いたしました県有林第5次基本計画の長期収支見通しによりますと、平成50年代前半までは日本政策金融公庫への償還金が伐採収入を上回りますが、それ以降、公庫の償還が終了する平成72年度までは伐採収入が償還金を上回る見込みとなってございます。
〇岩渕誠委員 大変長期な話で、それも全ては今の材価が上がったことを前提にしてそういうふうになっていますから、材価次第で、非常に心もとない計画なのであります。
そうすると、今の借り入れの償還額をどう圧縮していくかが取り組まなければいけない部分なんですが、先ほど御紹介いただいたとおり、計画が始まった段階で、元金692億円に対して利息が397億円もあるわけです。これはやっぱり利息の圧縮に取り組まなければならないと思います。個別に言うと、旧林業公社のほうではかなり低利の利息になっている。ところが、県有林は3.5%以上がかなり大きな割合を占めている。そこを圧縮しないとだめなんですけれども、参考までに、平成27年度の元本と利息の返済額、今後の利率別の返済割合を示していただきたいと思います。
〇伊藤森林保全課総括課長 平成27年度の公庫資金の約定償還額は、元金で10億9、000万円、利子で13億7、000万円、元利合計24億6、000万円の返済となる見込みでございます。
今後の利率別の返済割合につきましては、2%未満が327億円で54%、2%から3.5%未満までが97億円で16%、3.5%以上が183億円で30%となってございます。
〇岩渕誠委員 お聞きのとおり、新年度は利息のほうを余計に払うということで、利息が元金を上回る支払いになるのはここ4年ぐらい続く見通しだと思いますし、ほぼ10年ちょっとは同レベルで推移するという、私から言わせれば非常に大変な問題なんですけれども、その割合を見ていますと、旧林業公社のところは先ほど説明したように利率が低い部分にやっている。それは借りかえをしたはずなんです。一方で、県営林のほうは借りかえができていない。これは、やはり大変問題があるのではないかと思っていますが、それはどうしてできないのか理由をお示しください。
〇伊藤森林保全課総括課長 借りかえにつきましては、県有林も林業公社も借りかえを行う制度がございました。林業公社については国が支援をしておりまして、結果的に、任意繰り上げ償還という制度もかつてはございました。あとは、林業公社は昭和39年に設立し、昭和40年から造林してございましたので、そのころから補助金を入れてきましたので、結果として借りるお金が少なかったということで金利が低いというような状況だと考えております。
〇岩渕誠委員 私は、公社造林というのはもともと条件不利地でやっていますから、それは補助金が入るし、利率もちょっと下がってきたときでしたからいいんですけれども、県有林の場合は、条件のいいところでやりなさいと。林業公社の経営が悪くなったときに森林県連合をつくって政府に要望したとき、林業公社は公社といえども民間だから棒引きしましょうかという話があって、行政は、行政ですからそのまま約束どおり払ってくださいと、そういう話だったと私は記憶しております。
いずれにせよ、県有林の3.5%以上の利息の部分の圧縮を相当していかないと、本当に材価次第でマイナスになってしまうわけですから、これは長い期間やるだけに、そこの基本的なところ、下げられるところは下げなければいけないということだと思います。そのためには、森林県連合も昨年、34府県で利息負担の軽減について政府に要望していると思います。これについては、ぜひ力強くやっていっていただきたいと思います。相当長い間、平成57年度までは大体10億円を超える一般会計からの県有林特別会計への繰り出しがありますので、巨額であります。ぜひともその辺を、1、000億円の負債があるというのは隠れていますけれども、ほとんどマスコミも報道しませんけれども、かなり大きい債務でありますので、そこの部分については相当力を入れて政府と交渉していただきたいのですが、最後に決意を聞いて終わります。
〇伊藤森林保全課総括課長 今後の支払い利息の軽減を図るため、平成26年6月、県の政府提言・要望におきまして、県有林事業につきましても、平成17年度から平成19年度まで、林業公社の経営安定化対策として実施された任意繰り上げ償還と同様の措置を講ずるよう要望したところでございます。また、34府県で構成しております森林整備法人等の経営改善を推進するための森林県連合―通称森林県連合と言ってございますが―におきましても、平成26年7月に同様の要望をしているところでございます。
しかしながら、国においてはまだ措置されていない状況であることから、今後におきましても、粘り強く継続して要望していきたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後5時23分 休 憩
午後5時47分 再開
〇工藤勝博副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇佐々木朋和委員 先ほど岩渕誠委員から原木シイタケについての御質問がありましたけれども、私も原木シイタケについて、一般質問では聞けなかった細かい部分について確認をさせていただきたいと思います。
まず初めに、きのこ原木等処理事業についてお伺いいたします。
一般質問において、この事業は、汚染ほだ木、また落葉層の除去をする事業なんですけれども、本年度のほだ木の処理が100%、落葉層が92%の進捗率ということでお伺いしておりますが、来年度はどのぐらいの事業規模を考えているのか、予算額としては2、300万円余ということですが、この落葉層の残り8%分のみの計上であるのか、それ以上についても措置をしているのか、まずは伺いたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 きのこ原木等処理事業、落葉層の除去等の来年度の事業規模でございます。
一般質問で御答弁申し上げまして、100%にはなっておりませんが、残る8%につきましては、来年度に繰り越しして実施をします。そのほかに、生産を再開する方が解除検査に臨まれて、そこで新たにほだ木や落葉層の処理が必要になります。その分が、今年度分でほだ木で約6、000本、落葉層で約4ヘクタールございます。これにつきましては来年度の実施となります。
加えまして、来年度新たに解除検査に臨まれて、その際、検査で発生しました落葉層等についても処理が必要になります。それらを合わせまして、平成27年度当初予算で2、300万円余の予算の審議をいただいているところでございます。
〇佐々木朋和委員 そういうことをお伺いいたしました。先ほど岩渕誠委員の質疑の中で、春子が出てきた分から出荷制限解除になる農家も出てくるというような方向で今調整をしているということで伺ったわけですけれども、そのような情報が入ってくると、また来年度秋に向けてでありますとか植菌の時期に向けて、その情報を聞いて、今まで生産を休んでいた、または諦めかけていた方も、新たにほだ木や落葉層の除去に取り組んでいこう、もしくは規模を拡大しようという生産者も出てくるかもしれない、もしくは出てきてほしいなと思っているところでありますけれども、県では、そのようなニーズをどのように捉えているのか、また、どのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 新たに生産再開を望む生産者の方々のニーズ把握についてでございます。
今後、県内の生産者において出荷制限解除が進むことによりまして、生産再開を望む生産者の方々や規模の拡大を望む方々が出てくるものと私どもも期待しております。ですから、生産者の説明会ですとか巡回指導の機会などを捉えまして、生産者の意向把握に努めてまいります。
〇佐々木朋和委員 わかりました。ありがとうございます。
そのように、新たにまた生産を再開したいといったときに、落葉層の除去についても適時、その時期に予算措置を補正でもされていくのかというのが、市町村も含めて不安になっているところであります。国にもしっかりとその状況を説明しながら、国からの予算も補正で出していただけるように、ぜひとも取り組んでいただきたいと思います。
次に、原木しいたけ経営緊急支援資金貸付金についてお伺いしたいと思います。
今年度も、平成27年1月31日現在で90名の方がこのつなぎ融資を利用されているということでありますけれども、現在このスキームが、賠償が認められたものに対しての資金しか認められていない、また、無利子ですけれども1年間の限定であるということでありますが、現状、この資金に使えるものがどの範囲で認められているのか、例えば原木であるとか、そういったものをお示しいただきたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 原木しいたけ経営緊急支援資金貸付金のお尋ねでございます。
貸付対象範囲についてでございますが、この貸付金は、東京電力から損害賠償金が支払われるまでの間、生産者が資金繰りに窮することのないよう措置したものでございまして、先ほど委員がお話しのとおり、集出荷団体を通じまして無利子で貸し付けているものでございます。
こうした制度の性格上、東京電力の賠償が確定したものについて対象を限定しておりまして、具体的には、出荷制限等による生産物の損害、風評被害の価格下落による生産物の損害、使用自粛となったシイタケ原木やほだ木の損害、シイタケ原木購入のかかり増し経費などとなっておりまして、損害を受けたシイタケ生産者の負担が少しでも軽減されるよう、引き続き支援してまいります。
〇佐々木朋和委員 では、確認の意味でお尋ねしたいと思うんですけれども、今、生産者の方は、露地でできない分、施設整備をして生産を再開している方もいるんですけれども、その分の6分の1の自己負担分でありますとか、また、今、生産管理をして生産を行っていますが、チェックシートによる生産のためのかかり増し経費でありますとか、また、生産管理以外でも必要と思われる防除対策をやっている方もいるんですけれども、それについては、この貸付金というのは使用ができないのでしょうか。また、それにかわる補助とか貸付金という制度はあるのでしょうか、お伺いしたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 貸付対象やそれにかわる補助金等ということでございます。
先ほど委員が6分の1の自己負担とお話しされましたが、露地栽培から施設栽培へと栽培方法を転換する際の施設整備の自己負担分ですとか、放射性物質の影響を低減するための、先ほどチェックシートによるとお話がありました栽培管理に必要とされる追加的費用については、この貸付金の対象となっております。
また、そのほか、指標値を超過したほだ木の一時保管ですとか落葉層の除去などのほだ場の環境汚染についても、全額を県の補助事業としております。
次に、この制度にかわる貸付金等ということでございますが、日本政策金融公庫の震災特別融資ですとか農業協同組合の独自融資制度などがございまして、それぞれの事情に応じて生産者の皆様が使い分けていらっしゃると考えております。
〇佐々木朋和委員 今、御答弁いただきまして、私が示した分については補助していただいているということで了解いたしました。
次に、原木の不足分についてお伺いしたいと思います。
工藤大輔議員の一般質問において県内の原木の不足分が示されましたけれども、8万4、000本が入手困難という中で6万本の見込みがついたというお話がございました。シイタケ農家の経営において計画どおりに原木がそろわないということは、後々やはり生産、出荷という段階になって大きな負担となってくるところであると思っております。県としても、各団体や生産者に、減産賠償への取り組みを促したり、また、県としても、この原木不足による事業計画の変更に対する負担でありますとかといったところへの支援や貸付金も考えるべきではないかと思いますけれども、御所見を伺いたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 減産賠償の取り組み促進などについての御質問でございます。
今後、出荷制限解除が進みまして、生産を再開する生産者の方々がふえます。そうなると、これまで以上に原木需要が高まるものと考えております。生産者が必要な原木を確保できなかった場合、何とか都合をつけて確保に努めてまいりますが、できなかった場合に、東京電力に対して、将来減少する生産量について賠償を行うよう―つまり減産賠償ですね―要請をしております。
なお、他県におきましては、減産賠償の実績がございます。本県におきましても、現在、全農岩手県本部、あとは岩手県森林組合連合会と東京電力が、具体的な請求の枠組みについて調整に入っております。早期に交渉が進むよう、引き続き県としても支援してまいります。
〇佐々木朋和委員 ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
根本的には原木の供給が追いつけばいいわけですけれども、数もありますし、やっぱり時期的にも、生産者の方は、このときという植菌の時期がありますから、そのときに何とか手に入れたいという思いもあるようでございます。この点の確保策について、今、何とか都合をつけたいというお話がありますけれども、具体的な確保策というのはどのようにお考えになっているのか、お示しいただきたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 原木の具体的な確保策でございますが、素材生産業者や市町村有林、他県等に原木供給の働きかけを現在行っており、生産者が必要とする原木を確保できるよう努力しております。
今回の一般質問の部長答弁におきまして、約2万4、000本が不足していると申し上げておりますが、その後、団体による調達等が進みまして、現時点では約1万4、000本の不足まで圧縮してきております。引き続き必要な原木の確保に向けて努力をしてまいります。
〇佐々木朋和委員 ぜひともお願いしたいと思います。
最後に、ほだ場の現状についてお伺いしたいと思います。
汚染ほだ木や落葉層について、現在、一時保管をされているわけでありますけれども、汚染ほだ木については、まず最初にお聞きしたいんですが、農林系廃棄物となるかどうかというのは、このほだ場から出されたか出されないか、または処理を焼却とするのか、その場に自然に戻すのかで変わってくるとお聞きしておりますけれども、この点は、それで正しいのか確認をさせていただきたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 ほだ木につきましては、県の環境生活部が、放射性物質により汚染された廃棄物等の焼却・処分等に係る対応ガイドラインというものを平成26年4月に定めております。その中で、シイタケほだ木につきましては、放射性物質に汚染された農林業系副産物を既存の焼却施設において、処理能力に応じて、一般廃棄物と混焼しという記述がございます。
ですから、私どもとしては、一時保管されているほだ木につきましては、農林系廃棄物ということで、ガイドラインに基づき焼却処理が必要となりますので、引き続き焼却が早期に進むよう、関係市町に対して要請してまいります。
〇佐々木朋和委員 であれば、私の今言ったことではなくて、一時保管されているのは農林系廃棄物であるということで、焼却を念頭に置いたものであるということと理解いたしました。
ちょっと質問を一つ組みかえまして、やはり今、国で指針が出されていないとはいえ、であれば、ほだ木は、このまま国の指針を待っていたら、そこから動かせなくなってしまうと思うんですね。
そこで質問、済みません、やはりそのままでお願いしたいと思いますけれども、今、ほだ場の現状として、落葉層またほだ木の一時保管場所とほだ場が隣接している、あるいは同じ場所にあるという例が私は多いと思うんですけれども、現状はどのようになっているのか、認識をお伺いしたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 現在、指標値を超過したほだ木やほだ場の環境整備によって出ました落葉層のほとんどは、ほだ場の隣接地に一時保管されている状況と認識しております。それで、再飛散を防止するために、遮水シート等で覆って管理をしているものでございます。
〇佐々木朋和委員 そうであれば、やはりこれから国から指針が出て、ほだ場からどのくらい離したところでないと一時保管はだめですよとか、そういった指針が出たときに、せっかく落葉層を除去とかして使えるようになったほだ場が、もう一回生産者が移らなければいけないとか、私はそういった心配があるのではないかと思っております。そういった意味でも、このまま国の指針を待っていて、ほだ木が移動できなくなれば、その場で自然に返すしかないとなってしまうのではないかと懸念されるわけですけれども、この点をどのように解決していくのか、御所見をお伺いしたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 委員が先ほどお話しのとおり、国において処理基準や処理方針を早期に決定するよう、引き続き要請してまいりますが、御懸念の件、ほだ木ということは、だんだん崩れて土に返りますから運べなくなるのではないかということだと思います。再移動する必要が生じる場合がもしあったといたしましても、それは、生産者に当然新たな負担を生じさせてはなりませんので、原因者である東京電力に、この場合は必要な補償を求めていくという動きになろうかと考えております。
〇佐々木朋和委員 そうですね、やはり生産者としては、再生産を安心したところで行いたいというのが本音でありますし、また、一方で市町村も、どうやって処理するかというのは大変悩ましいところであります。ぜひとも国にもかけ合って、また生産者のために前に動くように御努力いただきたいと申し上げて、終わりたいと思います。
〇佐々木茂光委員 それでは、私から、先ほど田村委員、それから伊藤勢至委員からも漁業にかかわる種々の質問があったわけでありますが、震災からもう丸4年がたちまして、先ほどもお話があったように、徐々に浜の活気も、ことしもワカメの収穫も始まり、去年の暮れあたりから、カキ、ホタテの出荷も、かなりのいい値段で推移をしてきて、本当に、やっとそれが戻ってきているかなというところは確かに見えております。皆さん、まだ住宅の再建に向けて取り組みながらも、海岸から大分皆さんも遠くなりまして、仮設から通いながら、今、浜にかかわっているわけであります。
そういった中で、先ほど漁業関係の養殖施設、それから船舶等の復旧の状況が、まず最初に、どの程度まで復旧されたのかお尋ねしたいと思います。
〇大村水産担当技監 まず、漁船の復旧状況でございますけれども、1月末現在で、補助事業により整備いたしました新規登録漁船数は6、459隻ということで、復興実施計画第2期に掲げる目標値に対する進捗率は97%ということになっております。
それから、養殖施設の関係ですけれども、養殖施設は、ワカメ、昆布、こういう海藻類は7割が復旧しております。それから、ホタテガイとかカキ類は、養殖施設の6割が復旧しているという状況でございます。
〇佐々木茂光委員 先ほど、施設、それから船等が戻ってくるということは、大体作業の流れの中で一番大切なものなのでありまして、それを今度は土台にして、今まで失ったものを、今度は着実に水揚げをして取り組んでいくという形になります。
そういった中で今、今度は地先、地先によって、当然漁業形態も違っていくわけでありますけれども、営漁計画が今、策定に向けて、先ほど田村委員のお話の中に、その計画が徐々に上がってくるというお話がありました。そういった中で、その財産を生かしていくためには、当然担い手の問題があり、先ほど大村技監も37年間これにかかわったということを聞きますと、一番最初に、担い手の現状が、震災で私の近くの浜でも漁業者がもう半分になり、この震災の影響があって離職された方もおったりするわけでありまして、この全体の中で、まさに沿岸の水産を支える漁業者が、どのように今推移をされて現在に至っているのか、お示し願いたいと思います。
〇大村水産担当技監 漁業就業者の推移ということでございますけれども、漁業センサスによりますと、震災前、平成20年度は9、948名ということになっておりますが、平成25年度には6、289人という形で、大幅に減っているという状況になっております。
〇佐々木茂光委員 これだけの、6割ですね、震災での影響というのも当然あるんですが、計画をこれから立てて、水産というものを立ち上げていくためには、当然かかわる方々がどれぐらいの力を出し切って生産なり水揚げをしていくかということになりますので、先ほど営漁計画の中で担い手のお話をちょっとしたわけでありますが、新たなビジョンというようなことで先ほど技監からお話があったわけですが、もし具体のもので今お話ができることがあれば、お示し願いたいと思います。
〇大村水産担当技監 新年度に新たな担い手ビジョンを策定したいと考えておりまして、以前にも担い手育成ビジョンというものはありましたけれども、平成22年度までのビジョンをつくっておりまして、そういった中で震災が起こったということで、しばらくは、そのビジョンも足どめという形になっておりました。
そういった中で、やはり担い手対策をきっちりやっていかなければいけないということで、何とか新しい担い手ビジョンを新年度につくろうということで、部長から一般質問等で御答弁を差し上げたところでございまして、そのビジョンの内容といいますのは、担い手の現状をまず把握しまして、あと課題、対応と目指す方向、目標等を内容として盛り込むことにしております。
それから、先ほど来出ております地域再生営漁計画、これは個別に24の漁協が、その漁協の浜、浜に合った担い手対策をとっておりますので、これも盛り込みたいと考えておりますし、それから、やはり女性、若者の支援についても何とか盛り込んで示していきたいと考えております。
〇佐々木茂光委員 率直に、この担い手が農業のところでも、林業のところでも言われる、1次産業がずっと抱え込んできた永遠のテーマじゃないかと思うんですが、この岩手県は技監から見て、この37年の流れの中で、担い手が減っていくもとというか、率直な感想というんですか、こういうところが原因で減っていくのかなという感想がもしありましたら、県のほうから、技監のほうから見ると、かなりいろいろなところが見えるかと思いますけれども、その辺をお示し願いたいと思います。
〇大村水産担当技監 漁業の関係の担い手なんですけれども、やはり震災前、担い手が全く心配ない地域もあります。これは、やはり所得が高いところということになりますので、まず、第1番目には、所得を確保しなければいけないということだと思います。
漁業の場合、やはり基本的には漁家の師弟の方々が跡を継ぐというのがまず一番だと思っておりまして、小さい子供のころから、お父さんの背中を見て、うちのおやじは一番の漁師だと思って育っていって跡を継ぐというのが、私は理想ではないかと思っておりまして、お父さんのほうも、恥ずかしがらないで、俺が一番だとやると、子供がすくすく育って、すっと跡を継ぐという感じだと思っております。
そういう中で、所得が低いと、お母様が、だったら、命かけるぐらいのお金がなければサラリーマンをやれとなってしまいますので、やはりここは、所得をきっちりやらなければいけないとは思っています。
それから、Uターンも私は非常に大事だと思いまして、次男、三男坊が東京に行っても、60で定年になって海に戻れば、60歳で十分、80歳まで養殖ができますので、そういった人たちの確保をしなければいけない。
私は、サケは4年ですけれども、人は40年で帰ってくると。ふるさとに帰ってきて漁師をやるという線、それからあと、全く漁師をやったことのない人も、これからでもいいぞということで、面倒を見るからきっちりやりなさいと。それには、やはり根性がないとだめなんで、ちょこっとやってみるかという人ではなくて、本当に漁師になるぞという気合いのある人を入れて、そういった多様な形で、またにぎやかな漁村ができればいいなと考えております。
〇佐々木茂光委員 本当に大村技監の根性が今表現されたわけでありまして、それを営漁計画の中にしっかり盛り込んでいただいて、これから大変厳しい漁業のあり方もいろいろあろうかと思いますけれども、その思いを計画の中にしっかりと打ち込んで、県のほうからのいろいろな事業政策を展開していっていただきたいと思います。
〇佐々木努委員 1点だけお伺いしたいと思います。松くい虫防除についてお伺いいたします。
昨年5月に盛岡市で、そして8月に八幡平市、10月には岩手町で初めて松くい虫の被害木が確認されたということでありますけれども、現在のところ、松くい虫被害の拡大状況はどのようになっているのかお伺いいたします。
できれば、先端地域あるいは隣接地域において、どの地域が最も被害が大きいのか、そのような傾向的なものもお示しいただければと思います。
〇漆原整備課長 平成26年度についてはまだ取りまとめておりませんので、平成25年度のお話をさせていただきたいと思います。4万4、000立方メートルの被害になっておりまして、前年の4%増ということであります。
委員からお話のありました、どこがたくさんなんだという話ですけれども、やはり最北端の盛岡市、それから矢巾町、紫波町、遠野市が被害の増加が著しい地域になってございます。
〇佐々木努委員 先端地域においての今年度の防除実績、そして、平成27年度の取り組み方針についてお伺いいたします。
〇漆原整備課長 先端地域における今年度の防除実績と今後の取り組みについてでありますが、盛岡市や大船渡市等、被害先端地域において、平成26年度には被害木の伐倒、薬剤による薫蒸により約4、800立方メートルの駆除を実施しております。
平成27年度は、松くい虫防除監視員の集中的な配置や被害を判別するための空中写真の撮影範囲を拡大するなど、被害の監視を強化するほか、市町村負担の伴わない大臣命令や知事命令による駆除を実施するとともに、被害の先端地域に駆除予算を優先的に配分し、被害の徹底駆除と県北等の未被害地域への拡大阻止に取り組んでまいります。
〇佐々木努委員 松くい虫被害はあっという間に広がります。私も二十数年前、担当をしておりまして、非常にその松くい虫のおそろしさというものを感じておりますので、難しいと思いますけれども、ぜひ、これ以上広がらないような対策を講じていただきたいと思います。
今、先端地域のことについてお伺いしましたが、では、蔓延地域の防除についてですが、ちょっと時間がないので質問をまとめますけれども、蔓延地域については、重要松林の保全、保護ということと、それから樹種転換ということがメーンで行われていますし、方針としてもそのような方向性で進められると思いますが、これまでの樹種転換の実績はどのようになっているのかお伺いいたします。
〇漆原整備課長 樹種転換の実績でございますが、平成20年から103ヘクタールほど樹種転換してございます。
それから、森林所有者による松林への関心の低下やアカマツ材の需要の低迷等から、平成20年から平成25年までに、先ほどお話ししたとおり103ヘクタールやっているんですが、年平均にすると17ヘクタールほどと低水準で推移してございます。
そういう状況でございます。
〇佐々木努委員 樹種転換は非常に大事だと私は思っているんですが、今の数字を聞くと、なかなか進んでいないなと思います。樹種転換しないと、蔓延地域は、いつまでたっても松くい虫が消えない、それがどんどん広がっていくということにつながるので、これはぜひとも積極的にやってほしいと思うんですが、やっぱり樹種転換をさせるためには、伐倒後のアカマツ材をどのようにしていくか、木材利用をどのようにしていくかということが、非常にこれから大事になってくるんだと思います。
さっき嵯峨委員の質問でもありましたけれども、バイオマスの燃料にすることも考えられますし、それから、北上の合板工場にもぜひ引き取ってもらうという形も考えられますし、そのほかにも、チップ材にするとか、さまざまな使い方をこれから考えていかないと、これはいつまでたっても、この森林所有者は樹種転換をしないということになると思いますが、そのような県としての誘導策というものをどのように考えているのか、そして、どのように進めていこうとしているのかお伺いいたします。
〇漆原整備課長 平成27年度の当初予算で新たに要求しております樹種転換のための利用促進モデル事業により、アカマツ材の活用を進めるための課題と条件を明らかにし、合板工場や木質バイオマス発電所等でのアカマツ材の利用を進めながら、樹種転換の促進を図ってまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 そういう方向性で、ぜひ樹種転換を進めてほしいと思います。
それから、もう一つ、重要松林あるいは重要木の保護についてですが、ちょっと通告しておりませんでしたけれども、今年度どのようなところを対象に防除を実施しているのかお伺いいたします。
〇漆原整備課長 平成26年度には、月山神社や毛越寺等の重要な松林において、ヘリコプター等による薬剤散布67ヘクタールを実施したほか、予防薬剤の樹幹注入による被害予防措置を実施したところでございます。
〇佐々木努委員 やはり蔓延地域については、樹種転換と重要松林を守るということ、それをしていかなくてはならないし、それで仕方がないと思いますが、そうであれば、やはりそういう重要松林については、しっかりと守っていってほしいと思うんです。
私の地元、さっきお話をいただきました前沢にある月山神社の樹齢400年の松林、これは、日本のみならず世界からも注目されているというすばらしい松林であって、今、地元の所有者の方々が懸命に防除作業を行っております。それで、ヘリコプターによる空中散布は実施しておりますけれども、組合独自で樹幹注入もあわせて行っています。
本来であればどっちかでいいのかもしれませんけれども、やはり万全を期してというか、100%そういう重要な松を守りたいということで実施しておりますが、残念ながら、二重補助というふうな形になるのだと思いますけれども、薬剤散布のみの補助対象ということで、何とか国の補助では無理かもしれませんけれども、県として、重要な松林を守るという観点からも何らかの助成措置あるいは、それができないのであれば、しっかりとした所有者に対する指導、助言等をやってほしいと思うんですが、その辺のお考えについてはいかがでしょうか。
〇漆原整備課長 委員御指摘のとおり、薬剤散布を実施しているエリア内での樹幹注入については難しいものと考えますが、現地を確認させていただいて、有効な方法について検討してまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 最後に部長から、この松くい虫防除対策については、これから、やはり県北に行くとほとんど半分以上がアカマツだということで、被害が広がると大変なことになりますので、ぜひ今後の取り組みについての部長の所感をお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
〇小原農林水産部長 この松くい虫の被害でございますけれども、本県では平成15年度がピークでございまして、その後4万立方メートルで推移してきて、なかなかこれを下回らないという状況にございます。
この松くい虫対策ですが、先ほど議員からの提言があったわけですが、これは、やはり樹種転換を積極的に図っていく必要があるのではないかということで内部で議論してございます。そのためのモデル事業を来年度要求してございますが、樹種を転換しながら、いずれ利用していく、それがまず一番進めるべきものではないかと。
あと、重要松林につきましては、これまでどおりの薬剤散布というものをしっかり行いまして、あとはもう一点、これは、市町村の連携が非常に広域的な対応が必要となってまいりますので、この重要性につきまして、市町村に対しても趣旨を徹底して、一体となって防除に努めてまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 それでは、私からも、ワカメの養殖復旧の状況について、あと、今後の見通しについてお伺いします。
本県では、震災前においてはつくり育てる漁業が盛んに行われており、中でもワカメ、ホタテガイなどの養殖業は、本県水産業の基幹産業として位置づけられていました。本県水産業の復旧には、ワカメ等の養殖業の復旧が欠かせないものでありますが、震災後、養殖生産はまだまだ震災前の状況には回復していないところであります。現在、刈り取り作業が始まっているワカメ養殖の復旧の状況と今後の見通しについて伺いますが、1点目に、ワカメの養殖施設、生産量の復旧状況について伺いたいと思います。
〇大村水産担当技監 ワカメを含む海藻類の養殖施設については、平成27年1月末までに約1万2、300台の整備を終えまして、震災前の7割まで復旧しております。
それから、生産量のほうですけれども、平成26年産ワカメの養殖生産量については1万4、654トンということで、震災前の66%にとどまっているところでございます。
〇城内愛彦委員 今期のワカメの生産見込みと単価の状況についてであります。今、平成26年の状況、これまでの状況についてはお伺いしたんですが、今、刈り取りが始まったばかりなんですけれども、みんなで一生懸命やっています。生産量もさることながら、値段というのも大事な要素でありますが、その辺はどういうふうに見込んでいるのかお伺いしたいと思います。
〇大村水産担当技監 今期の養殖ワカメの生産量につきましては、県漁連の取りまとめによりますと約1万8、200トンを計画しておりまして、前年よりも約2割増加ということで、震災前の8割まで回復するという見込みでございます。
価格の状況につきましては、3月12日に県下合同の養殖塩蔵ワカメ入札会が実施されまして、芯抜き1等品の最高値が10キログラム当たり1万1、060円、平均値9、251円ということで、前年度より1、000円程度高くなっている状況でございます。
〇城内愛彦委員 次に、ワカメの養殖の復旧に向けた今後の県の取り組みをお伺いしたいと思います。
つくり育てる漁業でやってきて、ワカメが岩手県においては大きな収入のもとになっております。現在、重茂の職員の方とお話をした際に、鳴門のワカメが生産量と流通量が違うのだけれども、なかなか、偽装ではないだろうと思うんですけれども、その実態がつかめないでいる。それをつかめれば反転攻勢ができるという話はしておったんですが、そういったことを課題も含めてどういうふうに捉えているのかお伺いしたいと思います。
〇大村水産担当技監 ワカメの養殖につきましては、震災前、生産量が1万9、000トンから2万5、000トン、生産額で30億から54億円ということで推移しておりまして、水産業の基幹産業ということで認識しておりまして、今般の震災の関係で、復旧に向けまして頑張って整備を進めてきたところでございます。
今後につきましては、地域再生営漁計画に基づきまして、漁協が実施します、1点目としては、養殖生産作業の共同化、それから自動刈り取り機などの省力化機器導入によるワカメ生産の効率化、それから、2点目としましては、自営養殖による生産量の増大、これらを支援することによって、ワカメ養殖生産量の回復に取り組んでいきたいと思っております。
それから、鳴門ワカメにつきましては、数年前にいろいろそういう偽装等の関係がございまして、かなりたたかれまして、その反動で岩手県のワカメの単価が物すごく上がったということがございます。今回また、震災後、三陸産が流通しなかったので、単価が上がったことによって、今度は鳴門産のほうで脱税ということでまた捕まってしまったというようなことがございました。
それで、やはり岩手県は、まじめに、こつこつと着実に生産量を上げていきたいと考えております。
〇城内愛彦委員 担い手も含めて、しっかりと稼いだ分が身になる、それが岩手の水産業であろうかと思います。そういったことを支援するのが皆さんの役割ですので、ぜひお願いしたいと思います。
次の点に移ります。防潮堤の整備の現状であります。
漁港の復旧については、県及び市町村の頑張りもあって着実に復旧してきました。完成の見通しが立ってきたとは思っていますが、地元の意見とすれば、まだまだ遅いのではないか、本当にやる気があるのかという話を聞いておるところであります。防潮堤整備の現状と課題、今後の取り組みの状況についてお伺いしたいと思います。
〇大村水産担当技監 防潮堤の復旧の現状、課題、あと今後の見通しについてでありますけれども、漁港海岸の防潮堤の復旧は、平成27年2月末までに、県営と市町村営合わせて、復旧予定が53海岸のうち87%に当たります46海岸で本格的な復旧工事に着手しておりまして、3海岸で復旧工事を完了しております。
課題でございますが、沿岸部では、多くの復旧、復興工事が施工中でありますので、1点目としましては、隣接する道路工事等の他工事との工程の調整、2点目といたしましては、工事における人材、資材の確保、それから、3点目は、速やかな用地取得というのが課題と認識しております。
この復旧工事を迅速かつ円滑に進めるため、1点目としては、国、県、市町村の発注者間で連絡をより緊密にして工程を調整すること。2点目としては、人材、資材等の確保につきましては、発注機関、関係業界団体で構成します連絡調整会議による調整、情報共有にきっちり取り組むこと。3点目の用地取得については、用地交渉がどんどん進展していきますと、新たな課題にぶつかりますので、それに速やかに対処すること。これらの取り組みによりまして、被災した防潮堤の早期復旧を目指していきたいと思っております。
〇城内愛彦委員 いずれ被災地、現地の方々に見える化というんですか、わかるような形を、先ほど伊藤委員からもお話があったような形も、やっぱり一つ考えていただければと思います。
最後になりますけれども、震災から4年がたったわけですが、これまで岩手の震災の復旧に御尽力いただいた大村技監が、この春に退官されるということですが、今後、復旧まで岩手の水産はまだ道半ばだと思いますが、水産岩手の未来について一言お伺いして終わりたいと思いますが、お願いします。
〇大村水産担当技監 岩手県は、もともとおいしいお米のできる農業県でもありますし、その森林は77%、おいしいシイタケのとれる林業県でもありますし、それで、世界3大漁場の水産県ということで、農林水産業の華々しい県だと認識しておりますが、その中で私の部門は水産業を受け持っているということでございまして、今般の津波でいろいろひどいことになったわけですが、私の今の目から見ると、明るい水産業しか見えておりません。
今後は、着々と復旧、復興が進んで、親子3代ではなく、親子4代が仲よく暮らす漁村ができて、浜ではサケとかサンマが大漁で、加工屋さんも大いににぎわって、そういう未来が必ず来ると思っております。
一言で言いますと、水産業は永遠に不滅ですということでございますので、それで終わりたいと思います。(拍手)
〇小西和子委員 では最初に、里山再生エネルギー活用調査・普及事業についてお伺いいたします。
事業の趣旨について、まずお伺いいたします。
〇菊池林業振興課総括課長 この事業は、今年度実施しております里山再生エネルギー活用実証事業を一部組みかえて継続実施するものでありまして、これまで利用されてこなかった未利用間伐材や林地残材等を木質バイオマスエネルギーとして有効活用するための実証調査や事業成果の普及等を行うものでございます。
〇小西和子委員 それでは、事業の内容が3点ございますけれども、発電事業へ木材供給を持続的、安定的に実施できる生産、供給の仕組みの提案についてもあわせてお伺いいたします。
〇菊池林業振興課総括課長 この事業は、事業趣旨に基づきまして、調査、あとは報告、普及を行います。
聞き取り調査でございますが、発電事業者や素材生産業者等に聞き取ります。燃料材の供給実績ですとか、計画とか、生産方法等を聞き取ります。
次に、実際の作業現場において、立木の利用率ですとか、作業効率ですとか、収益性を把握いたします。
それら調査で得られました効果的な燃料材の生産方法等の知見を取りまとめて、報告会等により普及を図るものでございます。
あわせて、発電事業体へ仕組みの提案についてということでございますが、オーストリア等の林業先進国では、高性能林業機械を活用して、伐採した木を丸ごと山から出すという集材方法を中心に低コストの素材生産を行っております。こうした山に残材を残さない、林地残材を残さない取り組みを参考として調査、実証を行い、そのまま岩手に持ってくるわけにはいきませんから、本県の実情に即した形での生産、供給の仕組みを、燃料材供給事業体等に提案を行っていくものであります。
〇小西和子委員 この事業は次年度のみと聞いておりますが、その後どのように展開していくのか、そのあたりをお伺いしたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 御案内のとおり、単年度の事業ということでつくらせていただいて、ただ、今年度の事業を一部組みかえて来年度も実施します。
今後、ますます木質バイオマス発電などの木材需要は増加いたします。生産能力を向上させて、カスケード利用をさらに推進するということで、今回の事業は重要でございます。
来年度は、調査事業を行って、成果を取りまとめて新たに提案いたしますが、引き続き、必要に応じて新たな調査ですとか普及ですとかといったことを考えてまいります。
〇小西和子委員 ぜひ、県がリードする形でどんどん木質バイオマスの普及に寄与していっていただければと思います。
続きまして、いわての森林づくり県民税事業についてお伺いいたします。
平成26年度の実績、成果と課題についてお伺いいたしますけれども、私がすごいんだなと思ったのは、いわて環境の森整備事業の事業実施効果を林野公共事業における事前評価マニュアルを用いて試算すると、何といわての森林づくり県民税は、この8年間で約392億円と推定されるというのを見つけました。二酸化炭素吸収効果が約23億円、それから水源涵養機能の効果が約269億円、そして土砂流出防止機能の向上が約100億円の効果ということで、すごい事業をやっているんだなと改めて認識したところでございます。
先ほどお話をしましたけれども、平成26年度の実績、成果と課題について、まずお伺いしたいと思います。
〇菊池林業振興課総括課長 いわての森林づくり県民税の今年度の実績と課題でございます。
まず、実績でございますが、緊急に整備が必要な森林を間伐するいわて環境の森整備事業では、ことしの1月末実績で約680ヘクタールの間伐面積を確保いたしました。また、県民参加の森林づくり促進事業などでは、森林を守り育てる活動等に36団体へ支援を行いました。
成果と今後の課題でございますが、まず成果でございますが、いわて環境の森整備事業におきましては、平成18年度から平成25年度までの8年間、ほぼ計画どおりの約1万1、900ヘクタールを整備し、森林環境の改善が図られたものと考えております。
また、住民団体等が行う活動に対しましては、延べ179団体に支援するなど、森林、林業に関する理解醸成が進んでいるものと考えております。
課題でございますが、平成23年度から平成27年度までの第2期終了時点におきましても、まだ整備の必要な森林が約1万ヘクタール残ると見込まれ、この解消に向けた取り組みが必要と考えております。
〇小西和子委員 それでは、整備に向けた取り組みの強化をお願いいたします。
私は、ずっと認知度について質問させていただいてきました。平成22年度で4割程度、そして、若い女性の認知度が低いと分析されておりました。ずっと質問させていただいたときには、アンケートをとっていないのでちょっとわからないという答弁をずっといただいてきたのですが、もしかしたらアンケートをとっているのかもしれませんので、直近の認知度と、それから平成26年度の認知度を高めるための取り組みと課題についてお伺いいたします。
〇菊池林業振興課総括課長 次期の対策も含めて、今後の県民税のあり方を考える上でアンケートが必要と考えまして、アンケートを実施しました。年度末の県民税事業評価委員会の報告に向けまして、現在集計中でございます。済みません、御了承ください。
認知度を高めるための取り組みでございますが、今年度は、いわての森林づくり普及啓発事業等により、いわての森林づくりフォーラムを開催したほか、テレビ、ラジオ、新聞などの媒体によるPRを行いました。
認知度向上のためには、やはり森林、林業にかかわりや関心の薄い方々へ効果的にPRを行うことが課題と考えております。
このため来年度は、今年度行いました媒体によるPRに加え、県内各地において地域説明会を開催する計画でございます。引き続き県民税を周知するための取り組みを行ってまいります。
〇小西和子委員 アンケートを行ったということでございますけれども、今まで行ったアンケートと同じ内容なのでしょうか、お伺いいたします。
〇菊池林業振興課総括課長 前回、第2期のスタートの前に実はアンケートを2年度間やりました。最初は簡単に、わかっていますか、わかっていませんかみたいな書き方で、次は対象の、例えば一般県民とか森林事業者ですとか法人の方々とか、詳しくアンケートをして、2年度間で全体の認知度を測定したいと考えております。
40%のお話を実際きちんと測定して比較しますのは来年度の調査によります。今回は、その前の粗い調査で行っております。
〇小西和子委員 粗い調査ということですけれども、それでは、次年度の取り組みについてお伺いしたいと思います。7割を目標にということでずっと取り組んできたわけですけれども、このことについてお伺いします。
〇菊池林業振興課総括課長 7割を目標にと以前も答弁申し上げました。言いわけをするわけではありませんが、震災後3年間、全くPR活動をやっておりませんで、かなりそこで下がっているのではないかと思って、今年度、来年度、集中的にPRを行いますし、今、県民税の事業評価委員会の中でも、PRに対する、こういった方法をやったらどうだという提案をいただいていました。
例えば、いわて環境の森整備事業を実施しているところにのぼりを立てて、例えば登山する人とか道行く人が、ここでこういうことをやっているんだなというのをやったらどうだですとか、看板を立てたらどうだとか、さまざまな御提案をいただいておりますので、それらも含めて取り組みを進めてまいります。
〇小西和子委員 貴重な県民税でございますので、本当に県民が、これからもやっぱり推し進めるべきだと回答するような事業をしていっていただければと思います。
続きまして、防潮林再生についてでございます。
防潮林の役割をどのように捉えているのかお伺いいたします。あわせて東日本大震災津波における防潮林の被害についてでございます。被害面積とか被害額とかが出ているようでございますので、お願いいたします。
〇伊藤森林保全課総括課長 防潮林の役割でありますが、防潮林は、潮害の防備、飛砂、風害の防備等災害防止機能を有しており、農地や居住地を災害から守るなど、地域の生活環境の保全に重要な役割を果たしていると認識しております。
また、東日本大震災津波による防潮林の被害につきましては、県が管理する県有防潮林については、24カ所のうち23カ所の約45ヘクタール、県有防潮林以外では3カ所の約23ヘクタールが被災しており、合計で26地区、面積で約68ヘクタール、その被害額は53億3、000万円となっております。
〇小西和子委員 次年度の予算に防潮林再生緊急調査事業費というものが盛り込まれておりましたので、概要についてお伺いしたいと思います。
〇阿部森林整備課総括課長 防潮林再生緊急調査事業についてでございますが、この事業は、津波被害で失われた防潮林の再生に向けて、平成24年度から、林業技術センターにおいて、防潮林に植栽する樹種の適性試験などに取り組んでいるものでございます。
具体的には、津波被害跡地で松くい虫抵抗性のアカマツとか広葉樹等の植栽試験を実施しており、現時点で、植栽した苗木の16カ月後の生存率が9割となるなど、津波被害跡地でも十分に活着できることを確認しているところであります。
引き続き調査を継続し、その結果を防潮林の再生に活用してまいります。
〇小西和子委員 防潮林再生に向けた見通しについてお伺いしたいと思います。復旧計画と、それから苗木の確保状況もあわせてお伺いしたいと思います。
〇伊藤森林保全課総括課長 防潮林の再生の見通しでありますが、被災した防潮林26地区のうち、他所管の防潮堤用地あるいは、まちづくり用地などになる箇所を除く20カ所で56ヘクタールの復旧を進める計画としており、平成27年2月末までに8地区に着手済みでございます。そのうち1地区については植栽が終了しているところでございます。
未着手となっております12地区につきましては、防潮堤工事の進捗状況等を踏まえながら順次着手する計画としており、平成30年度までに全ての地区で植栽が終了する予定となってございます。
あと、防潮林再生に必要な苗木についてでございますが、植栽する苗木については、潮害や寒風に強いクロマツ、アカマツを中心に植栽することを考えております。
また、沿岸部にも松くい虫被害が広がっていることから、使用する苗木は、松くい虫被害抵抗性苗を用いることとしております。
松くい虫抵抗性クロマツの苗木につきましては、本県で生産してございませんでしたので、全国から種子の供給を受けまして、岩手県山林種苗組合へ苗木の育苗、供給を依頼しているところでございます。
アカマツにつきましては、県の林業技術センターで選択した松くい虫抵抗性アカマツの種子から育苗した苗木を使用する計画としてございます。
必要な苗木につきましては18万8、000本となっておりますが、必要本数については調達できる見込みとなっております。
〇小西和子委員 高田松原に象徴されるように、かつての美しい風景を取り戻すためにも、取り組みをよろしくお願いいたします。
〇斉藤信委員 それでは最初に、東日本大震災津波からの漁業の復旧状況について、私も改めてお聞きします。
漁船の確保、養殖施設の整備、共同利用施設の復旧状況、生産額、震災前との比較で示していただきたい。正確に。
〇大村水産担当技監 漁業の復旧状況についてでありますが、漁船は、1月末現在、補助事業で整備した漁船と被災を免れた漁船を合わせた稼働可能な漁船数は1万527隻で、震災前の漁船登録数に対して74%となっております。
養殖施設は、震災前の66%に当たる1万7、377台の整備が完了しております。
共同利用施設に関しましては、平成28年度末までの整備目標である修繕42カ所、新設58カ所に対し、平成26年度末までに修繕26カ所、新設35カ所の完了が見込まれております。
県内産地魚市場の水揚げ金額は、平成26年4月から12月までの累計で205億円で、震災前3カ年同期の平均と比較するとほぼ100%という状況になっております。
〇斉藤信委員 何が100%と言ったんだ、今。
産地魚市場の水揚げ状況について、これは、生産量が100%と言ったのですか。生産額は言いましたか。(大村水産担当技監「生産額が」と呼ぶ)生産額が100%。生産量は。そこまで聞いたんだけれどもね。
〇大村水産担当技監 生産量につきましては、平成25年度が10万8、320トンになっておりまして、対前年は63.9%が生産量でございます。
〇斉藤信委員 どうも聞いたことと答えが違っていたからね。
そうですね、平成26年度でこれを見ると、生産額は確かに100%になっているけれども、生産量はそこまでには及んでいないと。もっと正確にと言ったのは、そういうことなんですよ。
それで、来年度の予算にも共同利用漁船等復旧支援事業対策事業費が3億2、900万円、水産業経営基盤復旧支援事業費が11億1、900万円予算化されていますが、これはまだまだ漁船の確保や養殖施設の整備の要望があるということなんですか。どれだけの整備予定でしょうか。
〇大村水産担当技監 漁船はもうほとんど九十何%まで行っておりますので若干数のあれになっておりますし、あと共同利用施設もおおむねでき上がっておりますので、詳しい箇所数まではちょっと今わかりませんので。
〇工藤勝博副委員長 ただいまの質問を確認して、答弁してもらってよろしいですか。
〇斉藤信委員 では、それは後にして、ワカメ、昆布の生産量、販売額ですけれども、これも、震災前と比べるとどこまで行っているのか、これを示してください。
〇大村水産担当技監 ワカメの養殖につきましては、平成26年の生産量は1万5、000トン、生産金額は17億円、震災前3カ年の平均と比較しますと、生産量は66%、生産金額は42%となっております。
それから、昆布養殖では、生産量は7、000トン、生産金額は9億円で、震災前3カ年の平均と比較すると、生産量は59%、生産金額は57%となっております。
〇斉藤信委員 これは平成26年産までで見ると、生産量もまだまだだし、特に生産額で見ると、これはもう本当に再生産が危ぶまれるような状況だと思いますけれども、これは、再生産に必要な価格から見てどうですか。
〇大村水産担当技監 ワカメの養殖の施設台数自体が震災前よりも減少しておりますので震災前の目標まではなかなか難しいと思っておりますけれども、今シーズンは1万8、000トンを見込んでいるところでございます。養殖は、栄養塩とかいろいろな関係がありますので、自身とすれば震災前まで近づきたいとは思いますけれども、今の見込みは1万8、000トン強というところでございます。
〇斉藤信委員 私が聞いたのは、再生産可能な単価になっているかと、このことを聞いたんですよ。よろしく頼むよ。
〇大村水産担当技監 単価につきましては昨年度よりも1、000円程度高くなっておりますので、まずはいい線まで来ておりまして、再生産になるかどうかという具体的なコストとか何とかというのはわかりませんけれども、まず、浜ではいい価格ということで評価されている状況だと思っております。
〇斉藤信委員 漁業就業者の問題は先ほども質疑がありました。漁業経営体も大幅に減っていますし、新規漁業就業者のこの間の推移を示していただきたい。震災で犠牲になった方もいるし、再開を諦めた漁業者もいます。漁業の復興を考えた場合、本当に新たな担い手を大幅に確保しないと本当の意味での復旧にならない。新たな担い手ビジョンを作成すると言うんだけれども、例えば農業だったら年間200人以上ということでやっているわけですよ―私は少ないと思うけれども、これでも。漁業だったら、では、年間どのぐらいの新規就業者が必要なのか、現段階であなた方が考えている見通しを含めて示していただきたい。
〇大村水産担当技監 新規漁業就業者の推移でございますけれども、震災前の平成20年度から平成22年度には年間48人から77人で推移しておりました。震災後の平成23年度から平成25年度には年間25人から45人という推移になっておりまして、やはり前の流れからすると少なくなっている現状にあります。
来年度、新たなビジョンを策定するわけですけれども、今現在、漁協ごとの地域再生営漁計画でその漁協、漁協に合った担い手対策をとっておりますので、それを取りまとめた上で目標を立てていきたいと思っておりまして、こういった形の新規の目標値というのは今のところは押さえておりません。
〇斉藤信委員 私も漁協を訪問して話を聞けば、やっぱり担い手確保が最大のかなめだと。問題意識はかなり鮮明になっていると思うんだけれども、例えば宮古とか陸前高田では市独自に、漁業担い手に対して2年、3年、毎月15万円とか、そういう支援策をやっています。国の支援策、県の支援策はあるのか。そして、沿岸市町村にこれを広げる必要があると思うんだけれども、その取り組み状況はどうなっていますか。
〇大村水産担当技監 今、例示を挙げました担い手対策につきましては、県からは直接の支援はございません。県では、担い手対策に対する助言とか、そういう形のものをやっているということでございます。
今後、新たに県と市と漁協とでいろいろ協議会をつくりまして、担い手対策の役割分担をきっちりさせて担い手確保に努めていきたいという動きが今、市町村ごとに出てきましたので、それを通じて担い手対策にしたいと考えておりまして、今のところ、国の補助金と市町村の補助金、この2点でやっております。
〇斉藤信委員 沿岸の自治体でも、まだ全ての自治体が独自にやっているということではないと思うので、県が担い手ビジョンをつくるというのであれば、県のどういう支援が必要なのか、このことも踏み込んでぜひ新たなビジョンを策定していただきたい。
次に、岩手県の水産基盤整備方針を策定するということで、水産審議会の資料でも私は見させていただきましたけれども、これは何を目指して、どういう内容なのか。
そして、中身を見ますと、復興にかかわるものと県民計画にかかわる二つの中身がある、こういうことでしたが、復興にかかわるものというのは継続の事業なのか、それとも新たな事業でこの水産基盤計画に取り組むのか、その中身を示してください。
〇大村水産担当技監 岩手県の水産基盤方針についてでございますけれども、今回、大震災津波によりまして壊滅的な被害を受けた漁港施設等の復旧に今現在、全力で取り組んでいるところですけれども、地域ニーズや国の動向等を踏まえまして、今後の水産業の復興に向けた水産基盤整備を重点的に推進していく必要があると認識しておりまして、このため、社会情勢や水産施策の動向、水産業再生の方向性を踏まえまして、国で行っております漁港漁場整備長期計画との整合を図りながら、地域ニーズに基づいて本県の今後の水産基盤整備の具体的な方向性を示すことを目的に策定したものでございます。
主なものとしては、1点目は、漁業生産の効率化、就労環境の向上への対策、2点目は、漁港における防災、減災対策、3点目は、漁港内からの早期避難対策、これらの内容に基づきまして漁港等の機能の充実強化を図っていくものでございまして、復旧とは別に、新たにその整備をするというものでございます。
〇斉藤信委員 位置づけとすれば、復興にかかわる部分がある。これは、当然復興交付金対応の事業と受けとめていいんですか。
〇大村水産担当技監 復興枠というものもございますけれども、基本的には災害復旧とは別個の事業になっておりますので、新たに国の交付金制度を活用しますとか、そういう形のもので整備をしていきたいと考えておるものでございます。
〇斉藤信委員 次に、小型漁船漁業の現状と対策についてお聞きします。
小型漁船漁業の現状、そして、県の振興策はどうなっているでしょうか。
〇山口漁業調整課長 ただいまの御質問の前に、先ほどの平成27年度の予算の事業の中身についてお答えいたします。
平成27年度の共同利用漁船の事業につきましては、残り40隻ほどを計画しております。共同利用経営基盤整備ですけれども、こちらにつきましては19カ所を計上しておりますが、共同利用施設復旧事業につきましては機器整備が対象になりますので、箇所数は出せない状況でございます。
それでは、ただいまの御質問に対して……(斉藤信委員「違っている、私が聞いたのと、11億1、900万円の水産業経営基盤復旧支援事業」と呼ぶ)
水産業経営基盤整備につきましては、全部で19カ所の施設整備を計画しておるところでございます。(斉藤信委員「それは別な事業だ」と呼ぶ)
もう一度確認して回答いたします。申しわけございません。(斉藤信委員「あなた方がつくった予算だ」と呼ぶ)
〇工藤勝博副委員長 先ほどの質問に対して答弁してください。
〇山口漁業調整課長 (続)はい、申しわけございません。
先ほどの質問に対して御答弁いたします。
小型漁船漁業の現状でございますけれども、小型漁船の経営体数は、漁業センサスで無動力船と20トン未満の動力船の経営体数の数で言いますと、震災前の平成20年度の2、519経営体に対しまして、平成25年度には2、125経営体となっております。
また、小型漁船漁業経営体の経営状況につきましては、小型漁船漁業経営体の統計データではなく国の被災地域の漁業経営体の経営状況でございますけれども、震災前の平成22年度の漁業所得を100とした場合、平成25年度で74と公表されております。
続きまして、振興策についてですが、漁船漁業は、本来、天然資源を利用する産業でございます。そのため、その振興には、まずは秩序のある操業ができる漁場を確保することが必要であることから、県は、漁業調整、漁業許可の発行、漁業権の免許等の事務を適正に行うことが必要であると考えておりますし、漁業取り締まり、監視等によりまして秩序を維持していくことが必要と考えております。
特に、小型漁船漁業につきましては、経営規模が小さく、水揚げ、魚価も不安定であります。このことから、今後は、資源管理・経営安定対策事業とか、あとは漁業セーフティネット構築事業の導入支援をいたしまして、経営の安定化を図ってその振興を図ってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 漁船漁業の中で、規模は小さいけれども経営体は8割を占めるんですよ。だから、この小型漁船漁業が借金をしながら船を確保して、そして大変苦労している。そこに対して県が、資源管理、魚場の確保というのはいいんだけれども、先ほど技監が言われたように所得の確保がなかったら経営が成り立たないんですね。そこに立ち入った振興策、支援策が必要なのではないか。
そこでお聞きしますけれども、漁民から刺し網の許可に関する申請が県に出されました。108名に及ぶ漁民の申請ということですが、県はこの間、どのように対応して、今、現状がどうなっているのか、ここを示してください。
〇山口漁業調整課長 刺し網の許可に関する漁民の申請に対する県の対応でございますけれども、昨年9月30日と11月4日に漁業者合計で101名から固定式刺し網漁業の許可に関する変更申請と新規申請の提出がございました。また、ことし1月31日には、これに加えて新たに漁業者12名から固定式刺し網漁業の許可に関する新規申請の提出と、さきの変更申請については全て取り下げるというような変更がございまして、現在、108名の漁業者から申請が提出されている状況でございます。
県は、これらの申請内容につきまして、現在、補正を求めております。その補正が現在完了していない状況となっておりまして、申請書類が整い次第、適切に審査をしていくこととしております。
〇斉藤信委員 補正を求めているということは、その申請書類が不備ということなんですか。それでまだ正式な受理に至っていないということなんですか。
〇山口漁業調整課長 そもそも申請書に間違いがあったり、添付書類と突合しない部分があったりとか、あとは、こちらが求める添付書類がついていなかったり、そういうものがございまして、その補正を今、求めております。書類については受理はしておりまして、その書類が整うのを待っている状況でございます。
〇斉藤信委員 わかりました。いずれにしても切実な実態があり、要望があるわけですから、きちんと誠意を持って対応していただきたい。
最後ですけれども、軽米町における大規模太陽光発電所開発について、私は、林地開発と環境への影響にかかわってお聞きしたいと思いますが、軽米町におけるこの太陽光発電はどういう規模の太陽光発電か、まず示してください。
〇伊藤森林保全課総括課長 軽米町で現在、森林等を開発して太陽光発電施設の設置を計画しているのは、4カ所で695ヘクタールと伺っているところでございます。これ以外に、太陽光発電事業計画者が初期の計画調査を行っている場所が4カ所、1、367ヘクタールあると伺ってございます。
〇斉藤信委員 再生可能エネルギーの推進というのは一般的には大いに推進することだけれども、一つの町で、今の話を聞くと2、000ヘクタールを超えるような規模で森林を伐採してやろうというんでしょう。あそこは森林面積1万8、000ヘクタールですよ。10%超えるんですよ。そういう規模になれば、私は、まさに環境に対して、また、防災に対しても大変重大な影響を与えると思うけれども、県はどういうふうに認識していますか。
〇伊藤森林保全課総括課長 太陽光発電の設置場所が、地域森林計画で規定する森林の区域で1ヘクタールを超える開発を行う場合については、林地開発許可という制度が森林法に定められておりまして、この再エネ法につきましては、許可ではなく同意をすることによって許可とみなす規定になってございますが、許可と同意もやることは同じでございます。したがいまして、申請が出てきた段階につきましては、森林法に基づきましてしっかり対応していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 最後にしますが、当初の計画は約700ヘクタールだったんですね。私はこれも大規模だと思うんだけれども、町長選の直前に、町長がどこにも諮らないでアメリカ系の企業と立地協定書を結んだんですよ。これが1、367ヘクタールで国内最大規模のメガソーラーというんですね。やり方も異常だと思うけれども、町内の森林面積の1割を超えるようなこういう計画そのものが余りにも乱暴。だから県としてはきっちりと対応していただきたいが、最後に答弁を求めて終わります。
〇伊藤森林保全課総括課長 先ほど申し上げました林地開発許可につきましては、四つのポイントがございます。災害の防止、水害の防止、水の確保、環境の保全という四つのファクターがございますので、この点についてしっかり法律に基づいた審査をいたしまして対応してまいりたいと考えてございます。
〇山口漁業調整課長 先ほどの水産業経営基盤復旧支援事業の平成27年度の事業の施設数でございますが、作業保管施設等が14カ所、養殖施設が2カ所で、全部で16カ所を対象としております。
〇吉田敬子委員 まず最初に、木質バイオマス発電についてお伺いいたしますが、先ほどの質疑の中で私も課題だと感じているところで御答弁がありましたけれども、適正な需給計画を立てることが大事だと思っている中で、現在、稼動中のものが釜石、宮古の二つ、予定されているのが一戸町と野田村の二つという御答弁がありましたが、それらの総発電量がどのくらいで、それに必要な原木を何立方メートルと把握されていますでしょうか。
まとめて質問いたしますが、それらの材は未利用材の予定ということをお伺いいたしましたが、岩手県内で供給可能なのかどうか。先ほどは来年度あたりまでのものであればという御答弁があったんですけれども、どの程度先までを県としては供給可能と把握されていますでしょうか。
〇菊池林業振興課総括課長 まず、再生可能エネルギー木質バイオマス発電の総発電量でございますが、現在、稼動中の2施設、整備中の1施設、計画検討中の2施設を合わせた5施設の総発電量は約18万1、000キロワットでございます。
必要な原木量でございますが、先ほど申し上げた中で、計画検討中の2施設については木質燃料の需要量を今、検討中でありますので、これを除きますと、年間約20万立方メートルの原木が必要と見込まれます。
原木の燃料についてでございますけれども、内訳についてはそれぞれの発電所でさまざまでございまして、未利用間伐材等が主流となっておりますけれども、先ほども答弁いたしましたが、製材端材やヤシ核殻を輸入して対応する計画もあると聞いております。
県内需要でございますが、稼動中の2施設につきましては、燃料用木材のほぼ全量が県内の供給です。現在整備中の一戸の発電施設につきましては、使用量の約3分の2を県内から、残り3分の1を隣県からの予定と聞いております。
〇吉田敬子委員 そこでお伺いするんですけれども、さまざまな有識者の方だったりが材はできれば50キロメートル圏内で供給できることが理想とお話しされている中で、現在は予定も含めて5カ所ということですね。私は、エネルギー関係の企業の方とか木材関係の方から、先ほど話された以外にも、久慈市、紫波町、花巻市、宮古市、遠野市でこれから計画があるというお話を実際聞いております。その中でも、花巻市で20万立方メートル利用予定という結構大きい計画があるというのも聞いておりまして、先ほど話させていただいたとおり、海外からわざわざ持ってくる、まあ、ヤシの殻なので木材ではないですけれども、本来、木材というのは木として利用することが一番求められていて、未利用材を発電に使うのであればいいんですが、県内だけでなく、隣県、青森県、秋田県、宮城県等でもやっぱり大きな発電所の計画がある中で、先ほどの御答弁でも、一戸町の場合3分の1だけですけれども隣県からということで、岩手県内だけでなく他県の状況を見てくると、もしかしたらこれが県内だけで供給できなくなってくる可能性もあるのではないかと私は懸念しております。
先ほど、私は50キロメートル圏内でという話をさせていただいたんですが、岩手県としては、どのような形を理想といいますか、どういうふうに捉えていて、県としてこれからバイオマス発電の事業に取り組んでいくのかお伺いいたします。
〇菊池林業振興課総括課長 まず、先ほどの御質問でお答えしていなかったのは、材の供給の見通しの話ですが、FIT制度は御存じのとおり20年間の保証制度ですので、発電所をつくって1年、2年で廃止するわけはないので、基本的にはかなり長期間の確保が必要であると説明をしております。
その上で、50キロメートル圏内からというお話でございました。50キロメートル圏内というのは、バイオマス発電というのは大きい発電所をつくればつくるほど効率がよくなります。ただし、大きい発電所をつくるためには、材をいっぱい集めます。遠くから運ぶためには、輸送コストがかかります。そうすると、その折り合いがつくところがどこかというのが商売の鉄則になるわけですが、FIT制度をつくるときの経済産業省の検討では、5、000キロワット程度の発電所であれば50キロメートル圏内というのが適正であろうという話でそういうお話があります。近ければ近いほどトラック代がかからないというのは当然でございます。
その上で、県としてどのように捉えるかということですが、バイオマス発電所の立地というのは、まずは燃料が大事ですから、それぞれの事業体が地域の資源量ですとか木材の供給能力に合わせて適正な規模の需給計画を立てる、それが一番大事です。このため、立地の検討段階から、事業規模ですとか周辺の資源量ですとか、そういったデータを私ども持っておりますので、発電事業者に技術的な支援を行っております。その上で、材を出す側と使う側で、安定的な取引の協定、10年とか20年の長期間の安定的な協定を結ぶようにコーディネートします。そうしないと、つくったけれども倒産するとか材が集まらないとか、そういう場合が起こり得ます。
それから、先ほど他県からという話もありましたが、木材というのは県境がありませんので、県北であれば当然青森県から、秋田県から、県南であれば宮城県からというのはありまして、50キロメートルとくくった場合は、余り県産材は意識しないで、全体的にそこの地域の資源を使って循環利用ができるようにと御説明をしておるところでございます。
〇工藤勝博副委員長 質疑は簡潔にお願いいたします。
〇吉田敬子委員 確かに隣県からというのも、私もそこではなく、例えば、A、B、C、D材もこのバイオマス発電に使われるようになってしまわないような木材の安定供給を、課題としても御認識されているということでしたので、ぜひ引き続きお願いしたいと思います。
続きまして、再造林の事業についてお伺いいたします。
県内の再造林事業、毎年500ヘクタールほど再造林されているということは伺っているんですけれども、目標とする面積に対してきちんと進められているのかお伺いいたします。
〇阿部森林整備課総括課長 再造林面積の目標に対する進捗についてでございます。
いわて県民計画のアクションプランの指標に掲げた目標、再造林面積585ヘクタールに対しまして、平成25年度の実績が512ヘクタールということで、88%の実績となっているところでございます。
〇吉田敬子委員 先ほどはバイオマス発電の話はしましたけれども、県産材の有効活用というところでこれからそこも一生懸命取り組んでいただきたいのと、ただ一方で、なかなか再造林が進んでいない森林事業者の方が多いというところが課題となっていると思っておりますので、ぜひ再造林については、引き続き100%以上を目指せるような形で今後も取り組んでいっていただきたいと思います。
再造林が進まないのは、コストが高いというところもあると伺っている中で、林業技術センター等でもコンテナ苗を活用した取り組みの研究が進められているんですけれども、普及に至っているのか、また、その苗自体が鹿に食べられてしまうことが多くあるということも伺っているんですけれども、そのところの取り組みについてお伺いいたします。
〇阿部森林整備課総括課長 コンテナ苗木の普及についてでございます。
活着性がよく、植え付け効率が高いコンテナ苗の植栽については、本県で初めてコンテナ苗木が導入された平成22年度から平成26年12月末時点の累計で約54ヘクタールの植栽実績となっております。
コンテナ苗木の植栽をさらにふやしていくためには、コンテナ苗木生産者の育成や生産施設など初期投資への支援が必要であると考えており、県では、生産技術研修会や現地検討会の開催、そして岩手県苗木安定供給推進事業により、必要な施設整備に対し支援をしているところでございます。
また、植栽木の鳥獣被害対策についてでございますが、鹿などによる被害が確認されている主に県南、沿岸地域の植栽地を中心に、森林整備事業を活用いたしまして鳥獣害対策を実施しているところでございます。平成25年度は、植栽地を守る鹿防護柵の設置、これは8、350メートル、そして食害防止のための忌避剤の散布、これを186ヘクタールに対して助成を行っているところでございます。今後とも、森林整備事業を活用して、植栽された苗木の鳥獣被害の防止に努めてまいります。
〇吉田敬子委員 植栽してから主伐までに40年、50年かかる中で、林業で、木を植えて育てるときの費用が8割ということなので、伐採してから再造林につながらない。その作業も経費がかかるみたいで、なかなかそれが同時に、本来できるような研究も県でされているかと思いますけれども、森林を守っていくためには再造林していくことがこれからもっと重要になっていくと思いますので、ぜひ引き続き積極的に、100%以上になるようにお願いしたいと思います。
最後に、林業技術センターの取り組みについてお伺いいたしますが、林業技術センターでは、アカマツの高付加価値化技術の開発とか長期優良住宅に対応した地域材活用技術の開発等、さまざまな活用をされています。林業の業界の木材がいかに建築業界で利用されるかというのが一番大事だと思っている中で、こういった林業技術センターでせっかく研究されているものが実際に建築業界に普及されていなければ意味がないと思っておりますが、具体的にはどのように連携されていて普及啓発されているのか。
また、まとめてお伺いいたしますが、これまでの一般質問でも取り上げましたけれども、CLT―クロス・ラミネイティド・ティンバーという新しい研究等について、他県でもCLTを活用した高層木造建築が進んでいるんですけれども、岩手県ではどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
〇阿部森林整備課総括課長 3点御質問かと思います。
まず、1点目の林業技術センターにおける研究成果の活用についてでございます。
アカマツ高付加価値化技術の開発では、アカマツは夏場に伐採した場合、青変菌によりまして材が変色するという欠点がございます。その変色するメカニズムを解明し、防止する技術の開発によりアカマツ材の通年出荷を可能とするとともに、アカマツを用いた集成土台やトラス部材の製造技術の開発等により用途の拡大が図られたところでございます。
また、長期優良住宅に対応した地域材活用技術の開発では、地域材を用いた住宅の壁や柱などの部材の強度データを整備することによりまして、県産材を活用した長期優良住宅の建築が促進されているところでございます。
2番目に、林業業界ばかりでなく建築業界への普及はどのようにやっているかということでございますが、林業技術センターでは、成果報告会あるいは研修会等を通じて、建築士や工務店等に対し研究成果の情報提供を行っております。また、研究成果を成果報告書や技術解説書に取りまとめ、公表するとともに、研究の途中経過についても、随時、成果速報として林業技術センターのホームページ等に掲載し、広く情報提供しているところでございます。
最後に、CLTの取り組みの状況でございます。
林業技術センターでは、県の主要な樹種でございますアカマツ材の需要拡大を図るため、アカマツのCLTの製造技術の開発に取り組んでおります。具体的には、アカマツ材でCLTを試作しまして、強度性能試験等を行っているところでございます。また、県内企業との共同研究によりまして、県産の杉を活用し、CLTの開発に結びつく3層パネルの開発に取り組んでいるところでもございます。引き続き、日本CLT協会などの関係団体と連携し、必要な情報収集に努めながら、CLTの製造技術の開発に取り組んでまいります。
〇吉田敬子委員 成果報告会等をされているということですけれども、公共建築物の行動計画を立てていて、実際に出口の部分では建設業界の方がそれを重要視していただけるかということと、そういった技術があるということも出口のところの建設関係の方々だと思いますので、もっと、今もやられていると思うんですけれども、さらにぜひ取り組んでいただきたいと思いますし、CLTについても、他県は結構いろいろな建築物が取り組まれておりますので、今、研究されているということでありましたが、引き続きぜひよろしくお願いいたします。
〇工藤勝博副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝博副委員長 質疑がないようでありますので、これで第2部林業、水産業関係の質疑を終わります。
農林水産部の皆さん、長時間大変御苦労さまでした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後7時34分 散 会

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