平成27年2月定例会 予算特別委員会会議録

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予算特別委員会会議記録
(第7号)
平成27年3月16日(月)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 高 橋 勝 重
議事管理担当課長 渡 辺 謙 一
主任主査 清 川   勝
主任主査 村 上   聡
主任主査 藤 澤 壮 仁
主査     藤 枝   修
主査     田 内 慎 也
主査     菊 地 友 和
1説明員
教育委員会委員長 八重樫   勝
教育長     高 橋 嘉 行
教育次長兼
教育企画室長 八重樫 幸 治
教育次長兼
学校教育室長 平 賀 信 二
参事兼教職員課
総括課長 金 田   学
教育企画室
企画課長 蛇 口 秀 人
予算財務課長 小 畑   真
学校施設課長 宮 澤 寛 行
学校企画課長 石 田 知 子
首席指導主事兼
特命課長 松 葉   覚
首席指導主事兼
義務教育課長 藤 岡 宏 章
首席指導主事兼
高校教育課長 岩 井   昭
高校改革課長 木 村   久
首席指導主事兼
特別支援教育課長 民部田   誠
首席指導主事兼
生徒指導課長 大 林 裕 明
生涯学習文化課
総括課長 松 下 洋 介
特命参事 長谷川 英 治
特命参事兼
文化財課長 佐々木 一 成
首席指導主事兼
スポーツ健康課
総括課長 八 木 浩 之
首席経営指導主事
兼小中学校
人事課長 佐 藤   進
首席経営指導主事
兼県立学校
人事課長 山 形 守 平

企業局長 佐々木 幸 弘
次長兼
経営総務室長 畠 山 智 禎
技師長     丹 野 幸 矢
経営総務室
管理課長 菊 池   満
経営企画課長 細 川 普 基
業務課総括課長 野 崎 明 裕
電気課長 榮 田   厳

財政課総括課長 五月女 有 良
〇工藤勝子委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
後藤完委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
議案第1号から議案第20号まで、議案第23号、議案第34号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第52号、議案第56号、議案第58号、議案第59号及び議案第137号の以上35件を一括議題といたします。
本日は、教育委員会及び企業局関係について、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
最初に、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。
〇高橋教育長 教育委員会関係の平成27年度岩手県一般会計予算等について御説明を申し上げます。
初めに、当初予算編成に当たっての基本的な考え方でございますけれども、県教育委員会といたしましては、東日本大震災津波からの学びの場の復興に向け、引き続き復興計画の推進に全力で取り組むとともに、いわて県民計画に掲げる人材・文化芸術の宝庫いわての実現に向け、希望郷いわて国体に向けた選手強化やグローバル人材の育成等について取り組みの重点化を図り、予算を編成したところでございます。
初めに、復興計画といわて県民計画の重点的な取り組みについて御説明いたします。
まず、復興計画に掲げる取り組みについてでありますが、一つ目は、きめ細かな学校教育の実践と教育環境の整備、充実であります。
岩手の復興、発展を支える児童生徒を育成するため、いわての復興教育プログラムに基づく教育活動を推進するほか、さまざまな自然災害に対し、児童生徒の主体的に行動する態度を育成するとともに、各学校の防災体制の整備や関係部局と連携した防災教育の充実に取り組んでまいります。
また、被災した幼児、児童生徒の心のサポートを初め、いわての学び希望基金を活用した奨学金の給付や進路実現に向けた支援などに継続的に取り組むほか、今月、新校舎が竣工する県立高田高等学校の周辺施設の整備を進めるなど、安全で安心な教育環境の確保を図ってまいります。
二つ目は、文化芸術環境の整備や伝統文化等の保存と継承であります。
被災した沿岸市町村の早期の復興を図るため、全国から職員派遣の支援をいただきながら、復興関連開発事業に伴う埋蔵文化財調査に取り組むとともに、被災地から救出した文化財等の修復や、適切な保存、管理、文化芸術活動の再興を支援してまいります。
また、いわての学び希望基金を活用し、被災児童生徒の文化活動の大会参加を支援してまいります。
三つ目は、社会教育・生涯学習環境の整備であります。
被災市町村の社会教育施設の復旧、再開を支援するとともに、地域人材の育成と活用により、子供を中心とした地域活動や地域住民の学習、交流機会を設けるなど、学びの機会の充実に取り組んでまいります。
四つ目は、スポーツ・レクリエーション環境の整備であります。
スポーツ・レクリエーション活動施設の復旧、再開を支援するとともに、被災地の実情に応じたスポーツ活動、健康づくりの取り組みを進めてまいります。また、いわての学び希望基金を活用し、被災生徒の運動部活動の大会参加を支援してまいります。
次に、いわて県民計画の着実な推進についてでありますが、一つ目は、学校教育の充実であります。
子供たちが、変化の激しい社会を生き抜くことができるよう、生きる力を一人一人に確実に身につけさせ、社会的自立の基礎を培うとともに、一人一人の適性、進路等に応じて、その能力を最大限に伸ばし、社会の形成者として必要な資質を養うため、家庭、地域との協働による学校経営の推進、児童生徒の学力向上、キャリア教育の充実、豊かな心を育む教育の推進、健やかな体を育む教育の推進、特別支援教育の充実、学校施設の整備の七つを柱に取り組みを進めてまいります。特に、平成27年度から、学力向上対策を一体的に取り組む組織を新たに設置し、学力向上に向けた取り組みの一層の充実を図ってまいります。
また、今後の高等学校教育の基本的方向の見直しを踏まえた新たな高校再編計画の策定に取り組んでまいります。
さらに、平成17年に制定されたいわて教育の日が10周年を迎えますことから、記念式典を開催するなど、県民の教育に対する関心と理解の醸成に取り組んでまいります。
二つ目は、生涯を通じた学びの環境づくりであります。
県民一人一人が、その生涯にわたり、多様な機会を通じて学べる環境づくりに取り組むとともに、本県が独自に推進してきた教育振興運動50年間の成果や課題を踏まえ、学校、家庭、地域住民等の連携、協力による社会教育の充実に取り組んでまいります。
三つ目は、文化芸術の振興であります。
来年度に予定されている釜石市橋野高炉跡等を構成資産とする明治日本の産業革命遺産のイコモス勧告及び世界遺産委員会決議への対応のほか、平泉の文化遺産の世界遺産追加登録に向けた取り組み、北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた関係自治体と連携した取り組みを進めてまいります。
また、文化芸術の鑑賞機会の充実を図るとともに、伝統芸能伝承のため、公演、鑑賞機会の提供や、関係団体と学校教育との連携を進めてまいります。
四つ目は、豊かなスポーツライフの振興であります。
開催目前に迫った希望郷いわて国体に向けて、指導体制や選手育成の強化を図り、本県選手の競技力向上を強力に推進するとともに、スポーツ健康科学サポート体制を充実してまいります。
また、県民の誰もが生涯にわたってスポーツに親しむことのできる環境づくりに取り組むとともに、地域に根差した特色あるスポーツの振興を推進してまいります。
なお、4月からは新たな教育委員会制度が始まりますが、これを好機として、新たに設置される総合教育会議の場における協議などを通じて、知事と県教育委員会とがこれまで以上に連携を深め、一層の教育振興に努めてまいります。
続きまして、一般会計予算の歳出予算について御説明を申し上げます。
お手元の議案その1の8ページをお開き願います。議案第1号平成27年度岩手県一般会計予算でありますが、第1表歳入歳出予算の歳出の表中、県教育委員会が所管する予算は、10款教育費の1、504億3、593万8、000円のうち、総務部が所管する1項教育総務費の一部、9ページの一番上の8項大学費と9項私立学校費を除いた1、404億8、734万円及び次の11款災害復旧費6項教育施設災害復旧費の4、437万5、000円を合わせまして、総額1、405億3、171万5、000円となります。これを平成26年度当初予算額と比較いたしますと、38億4、723万7、000円、率にして2.8%の増となっております。
以下、予算の内容につきまして、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明を申し上げます。予算に関する説明書の205ページをお開き願います。
説明に当たりましては、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明を申し上げますので、御了承をお願いいたします。
10款教育費1項教育総務費1目教育委員会費は、県教育委員会の運営に要する経費であります。205ページから206ページにかけての2目事務局費は、事務局の管理運営に要する経費のほか、説明欄六つ目の被災児童生徒就学援助事業費補助は、大震災津波により経済的理由から就学が困難となった小中学校の児童生徒を対象として、市町村が行う就学援助事業に対して補助しようとするものであり、一つ飛びまして、いわての学び希望基金奨学金給付事業費は、東日本大震災津波により親御さんを亡くされた児童生徒等に奨学金を給付するものであります。206ページをお開き願います。3目教職員人事費は、教職員の健康診断など人事管理に要する経費のほか、児童手当、退職手当等に要する経費であります。207ページの4目教育指導費は、被災した幼児、児童生徒の心のサポートや学校教育に係るソフト事業に要する経費であり、県教育委員会分の五つ目の児童生徒健全育成推進費は、震災により心に負担を受けた幼児、児童生徒や、不登校、いじめ等による学校不適応の児童生徒に対応するため、スクールカウンセラーを全ての小中学校と県立学校で活用できるように配置するほか、沿岸部の公立学校を支援する巡回型スクールカウンセラーを継続して配置するとともに、教育事務所に配置するスクールソーシャルワーカーを増員するなど、専門的な相談体制を充実、強化しようとするものであります。二つ飛びまして、特別支援教育推進事業費は、いわて特別支援教育推進プランに基づき、障がいのある児童生徒が充実した学校生活を過ごすことができるよう支援員や看護師を配置するほか、職業指導支援員を沿岸部等の特別支援学校に配置し、県内企業との連携を強化するなど、特別支援教育の充実に要する経費であります。二つ飛びまして、いわて未来創造人サポート事業費は、家庭、地域と協働して、岩手の特色ある産業、文化を支える人材を育成するため、生徒一人一人の進路実現に向けた各学校の取り組みに要する経費であり、次のいわて進学支援ネットワーク事業費は、生徒の進路希望の達成を支援し、将来の岩手を支える人材を育成するため、進学対策講座の開催や各学校における進学指導の取り組みに要する経費であります。二つ飛びまして、グローバルいわて推進事業費は、高い課題解決能力や外国語でのコミュニケーション能力を持つ、本県の発展を支える人材を育成するため、イングリッシュキャンプや海外派遣研修を通じた語学力向上、国際理解を促進する取り組みを実施しようとするものであり、二つ飛びまして、特別支援学校自立活動充実事業費は、障がいのある子供の自立と社会参加を支援するため、特別支援学校の高等部において、タブレット端末を活用した実践的、効果的な授業を行おうとするものであります。一つ飛びまして、いわての復興教育推進支援事業費は、岩手の復興、発展を支える児童生徒を育成するため、県内の学校が一体となって取り組むいわての復興教育を推進しようとするものであり、一つ飛びまして、県立学校復興担い手育成支援事業費は、沿岸地域の高校生に進学講座等を実施し、生徒一人一人の進路の実現を支援しようとするものであります。一番下の指導運営費は、学習定着度状況調査の実施に要する経費のほか、外国語によるコミュニケーション能力や問題解決力等の国際的素養を身につけたグローバル人材の育成など、文部科学省からの委託事業等の実施に要する経費であります。5目教育センター費は、教職員の研修などに要する経費のほか、総合教育センターの管理運営に要する経費であり、次の208ページに参りまして、6目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等であります。
209ページに参りまして、2項小学校費1目教職員費は、小学校教職員の人件費、旅費等のほか、二つ目のすこやかサポート推進事業費は、児童の基本的な生活習慣の定着と基礎学力の向上を図るため、非常勤講師の配置に要する経費であります。
次の210ページをお開き願います。3項中学校費1目教職員費は、中学校教職員の人件費、旅費等のほか、生徒指導や学習定着状況調査等で課題のある学校をサポートするための非常勤講師等の配置に要する経費であり、2目学校管理費は、県立一関第一高等学校附属中学校の管理運営に要する経費であります。
次の212ページをお開き願います。4項高等学校費1目高等学校総務費は、高等学校教職員の人件費、旅費等であり、2目全日制高等学校管理費及び213ページの3目定時制高等学校管理費は、それぞれの学校の管理運営等に要する経費であります。次の214ページをお開き願います。4目教育振興費は、高等学校における教育用備品の整備や、農業及び水産業教育等の実験実習に要する経費のほか、中ほどの高校奨学事業費補助は、高校生向け奨学資金等を公益財団法人岩手育英奨学会に対し補助するものであります。二つ飛びまして、いわての学び希望基金教科書購入費等給付事業費は、東日本大震災津波で被災し、生活基盤を失った高校生に対して、教科書、制服及び修学旅行に要する経費の全部または一部を給付するものであり、さらに一つ飛びまして、奨学のための給付金支給事業費は、低所得世帯の高等学校等における教育費負担の軽減のため給付金を支給するものであります。5目学校建設費は、高等学校の校舎、教職員住宅等の整備、維持管理に要する経費であり、一つ目の校舎建設事業費は、県立盛岡農業高等学校の第三校舎の耐震改築、次の校地整備事業費は、県立千厩高等学校のグラウンド整備等を実施しようとするものであります。215ページの6目通信教育費は、通信教育の管理運営に要する経費であります。
次の216ページをお開き願います。5項特別支援学校費1目特別支援学校費は、特別支援学校の管理運営のほか、三つ目の施設整備費は、県立盛岡となん支援学校の校舎新築や、県立みたけ支援学校高等部二戸分教室の整備等に要する経費であります。
218ページをお開き願います。6項社会教育費1目社会教育総務費は、社会教育関係職員の人件費のほか、学校、家庭、住民等が地域総ぐるみで地域の教育課題の解決に自主的に取り組む教育振興運動の推進や、青少年の家の管理運営に要する経費等であり、説明欄下から二つ目の学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業費は、子供を中心とした地域活動及び地域住民の学習や交流の機会を通じた地域コミュニティの再生支援に要する経費であります。219ページに参りまして、2目文化財保護費のうち、二つ目の文化財保護推進費は、指定文化財の保存、修理への補助や、民俗芸能の伝承促進等に要する経費であり、次の遺跡調査事業費は、沿岸地域の復興事業を円滑かつ迅速に進めるため、埋蔵文化財調査に要する経費であります。二つ飛びまして、世界遺産登録推進事業費は、平泉の文化遺産の保存管理及び構成資産の追加登録、明治日本の産業革命遺産及び北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた取り組みに要する経費であります。219ページから220ページにかけての3目芸術文化振興費は、青少年へのすぐれた芸術鑑賞機会の提供、中高校生の芸術文化活動への支援及び岩手芸術祭の開催など芸術文化振興に要する経費のほか、県民会館の管理運営に要する経費等であり、220ページの説明欄一番下のいわての学び希望基金被災地児童生徒文化活動支援費補助は、被災した児童生徒の文化活動の大会への参加に要する経費を補助するものでございます。次の4目図書館費及び5目博物館費は、それぞれ県立図書館及び県立博物館の管理運営に要する経費であり、221ページの6目美術館費は、県立美術館の管理運営のほか、二つ目の震災復興支援あーとキャラバン実施事業費は、被災地域において美術と触れ合い、体験する機会を提供するとともに、子供たちへの美術教育を支援するため、あーとキャラバンやワークショップの開催等に要する経費であります。
次の222ページをお開き願います。7項保健体育費1目保健体育総務費は、保健体育関係職員の人件費のほか、県立学校医や児童生徒の検診、その他保健管理に要する経費等であり、五つ目の児童生徒放射線対策支援事業費は、学校給食食材の測定のほか、学校環境放射能モニタリング検査に要する経費であります。2目体育振興費は、生涯スポーツの推進、児童生徒の体力、運動能力の向上対策、国民体育大会など各種体育大会への選手派遣に要する経費等であり、四つ目の児童の体力向上推進事業費は、中学、高校部活動等に地域のスポーツ指導者を派遣するほか、被災地域の中学、高校の運動部が体育施設に移動するためのバスの借り上げ等に要する経費であります。223ページに参りまして、上から四つ目の競技力向上対策事業費は、国民体育大会や全国規模の大会に出場する選手の強化対策及びジュニア選手―いわてスーパーキッズでございますけれども―の早期発掘と育成等に要する経費であり、一つ飛びまして、第71回国民体育大会選手強化事業費は、目前に迫った希望郷いわて国体に向けた組織の拡充、強化、指導体制の確立、冬季大会を含む選手の育成、強化を図るとともに、本県競技スポーツの普及、振興に要する経費であります。次のいわての学び希望基金被災地生徒運動部活動支援費は、文化活動支援と同様に、運動部活動の県大会や東北大会等への参加に要する経費を補助するとともに、県立高田高等学校の部活動を支援するため、今月完成する新校舎から大船渡市の仮グラウンドへ生徒たちが移動するためのスクールバスを運行しようとするものであります。3目体育施設費は、県営体育施設の管理運営及び施設整備に要する経費であります。
次に、ページを飛んでいただきまして、235ページをお開き願います。11款災害復旧費6項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費は、県立高田高等学校の部活動のための仮部室の整備など、県立学校施設の災害復旧に要する経費であります。
次に、債務負担行為について御説明いたします。議案その1にお戻りいただきまして、14ページをお開き願います。
第2表債務負担行為の表中、県教育委員会関係のものは、事項欄50、校舎建設事業及び事項欄51、特別支援学校施設整備の2件であります。その内容は、校舎整備の工事に係るものであり、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
以上で一般会計予算の説明を終わります。
続きまして、予算に関連する議案について御説明申し上げます。
議案その2の49ページをお開き願います。議案第39号高等学校生徒等修学等支援基金条例の一部を改正する条例についてでありますが、これは、本年度末とされていた国の交付金を財源とする本基金による事業終了期限が延長される見込みとなりましたことから、条例の有効期限を、現行の平成27年12月31日から平成28年12月31日まで1年間延期しようとするものでございます。
なお、施行期日については、公布の日から施行しようとするものであります。
以上で説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇工藤勝子委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇柳村岩見委員 先般行われました大学入試センター試験の結果についてお尋ねいたします。
科目ごとに全国平均と岩手県受験者の平均点の状況についてお尋ねいたします。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 平成27年度大学入試センター試験の結果についてでありますが、まず、科目ごとの全国平均と岩手県受験者の平均点の状況につきましては、大学入試センターからは都道府県別の平均点を公表しておりませんので、県教育委員会としては、県内県立高校の受験者の自己採点によるデータを把握しております。
試験科目は全部で41科目ありますので、全体を申し上げることはできませんが、受験生の多い国語、数学、英語を全国平均、県平均、そして全国との差の順で申し上げます。
まず、国語でありますが、200点満点でございます。全国平均119.2点に対しまして、本県は118.3点、全国との差はマイナス0.9点となっております。
続きまして、数学Ⅰ・Aでございますが、100点満点でございます。全国平均61.3点に対しまして、本県は52.9点、全国との差はマイナス8.4点となっております。
続きまして、英語でございます。200点満点ですが、全国平均121.2点に対しまして、本県は108.1点でございます。全国との差はマイナス13.1点となっております。
〇柳村岩見委員 私も、ある高等学校でこのような状況であると聞きました。
さて、この結果の背景ですが、どういった御認識をお持ちになっていますか。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 結果の背景につきましては、本県では国公立大学への進学志向が強く、教科を絞ることなく、5教科全てを受ける受験生の割合が、全国平均の60%程度に対して本県は86%と高くなっております。現役生の志願率もここ3年間では東北で唯一40%を超えておりまして、教科を絞った受験生が全国平均を押し上げる中、このような平均点の状況になっているものと考えております。
〇柳村岩見委員 特に数学と英語について、このような平均点の差がございますが、その背景と、どういう受験形態であるかということも影響はいたしますが、そのことに、一点、理由を殊さら誇張されることはいかがかと思います。そういう傾向はありますけれども、やはりこういう差がついたということについては現実であって、その背景についてよく分析され、今後の高等学校の授業力、あるいは授業の中身の向上について検討していかなければならないと思うわけでありますけれども、今後の対策、特に英語、数学について、こういう全国平均との差があるということについて、どのように対応していくかということが既に県教育委員会にはなければならぬと思うのですが、いかがでしょうか。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 今後の対策につきましては、県立総合教育センターとの連携、中高の校種間連携をより一層強化することなどにより、特に数学、英語については生徒の学力向上を図ってまいります。
また、いわて進学支援ネットワーク事業に加えて、平成27年度においては、沿岸部被災地の進学、就職を支援するため、新たにいわての学び希望基金を活用した県立学校復興担い手育成支援事業を立ち上げ、これまで以上に手厚く支援していくこととしております。
〇柳村岩見委員 どうぞ、真剣にお取り組みをお願いしたいと思います。
さながら私自身、競争であるとか、あるいは勝ち負けであるとか、そのことだけに全て終始する気持ちは全くありません。ですが、子供たちの選択進路ということについてかなえてあげたいという気持ちがありますから、やはりここは競争原理が働く場面であります。これをかち取って、自分の選択進路をしっかり自分のものにしていってほしいと思うわけでありますが、八重樫教育委員会委員長、どんな受けとめ方をされて、今後どういうふうにされるのか、余り理路整然とした答弁でなくて結構ですが、ハートをお聞かせください。
〇八重樫教育委員会委員長 結論は、柳村委員のおっしゃることと全く同感でございます。子供たちの夢を実現させる、あるいは進路を実現させるために学校の先生方は頑張っていますけれども、そのために我々はさらに頑張らなければならないと思いますし、これは、ただ高校だけの問題ではなくて、小学校のときから、あるいは幼児のころから学ぶとか勉強するとか、そういうことを家庭も含めて頑張らせてあげたいし、いずれ、子供たちの夢を実現させるために、愛情を持ってこれからも子供たちを励まして、背中を押してまいりたいと思います。
〇佐々木努委員 私は4項目について通告しておりましたが、時間の関係で、もしかしたらところどころ飛ばすかもしれませんので、御了承いただきたいと思います。
まず初めに、少年犯罪の防止についてでありますが、先日、警察本部のほうにも同じ質問をしたんですが、この事件を受けての教育長の所感、それから、事件発生後、県教育委員会として対応をとったのか、もしとったとすれば、どのような対応だったのかということをお伺いいたします。
〇高橋教育長 先般の事件に対しての私の所感ということでございますけれども、今般の川崎の事件につきましては、少年による残虐かつ衝撃的な事件であり、背筋がいてつく思いと同時に、人間社会において本当にこのようなことがあるのか、親御さんたちの心中を察しますと、適切な言葉が見つからないというのが率直な思いでございまして、学校教育に携わる全ての関係者が、この事件を身近なことと重く受けとめると同時に、改めて、地域社会における子供たちの安全の確保について、これまで以上の取り組みが必要であると認識いたしております。
したがいまして、子供たちはさまざまな事件に巻き込まれる可能性があるとの前提に立って、学校教育においては危機管理マニュアルなどに基づく指導の徹底を図るとともに、学校、家庭、地域、警察などの関係機関等が連携を深めながら、社会全体で子供たちを守り育てていく取り組みを推進してまいりたいと考えております。
また、今般の事件が少年たちが当事者である殺人事件という特異性に鑑みまして、子供たちのそれぞれの発達段階において、命をとうとび大切にする心や、他者を思いやる心を育む道徳教育の深化も重要と認識しているところでございます。
それから、先般の事件発生後の県教育委員会の対応につきましては担当課長から答弁させますので、御了承願います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 事件発生を受けての対応についてでありますが、文部科学省からの通知に基づき、児童生徒の安全に関する緊急確認調査を実施したところであり、その結果、学校において7日間以上連続して連絡がとれず、その生命または身体に被害が生ずるおそれのある児童生徒や、学校外の集団とのかかわりの中で、その生命または身体に被害が生ずるおそれがある児童生徒についての調査を行いまして、県内におきましては該当者はなかったところであります。
〇佐々木努委員 新聞報道でもそれは私も確認しておりまして、よかったなと思いますが、文部科学省のほうでもう一つ調査をしておりまして、児童生徒の非行や犯罪について、県警察本部と県教育委員会、政令指定都市の教育委員会が協定を結んでいるかどうかという調査がありましたが、新聞報道によりますと、本県も協定を結んでいるということでした。その中身について、簡単で結構ですから、教えていただければと思います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 岩手県教育委員会と岩手県警察本部との間で、岩手っ子健全育成サポート制度ということで、平成16年8月に協定を結んでおります。
中身といたしましては、児童生徒の問題行動、犯罪防止に係る相互の連携を図ること、お互いに情報交換をしながら、児童生徒の効果的な指導、育成に資することを目的としております。
〇佐々木努委員 県警察本部と県教育委員会の協定はこれまでに結ばれていたということですが、市町村と県警察本部との協定はどのように進んでいるか、把握されておりますでしょうか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 県内市町村と各警察署との協定につきましては、盛岡市が交わしているということはこちらのほうで把握しておりますけれども、大変申しわけありませんが、県内全市町村との協定については把握しておりません。
〇佐々木努委員 県と県警察本部との協定も大事ですけれども、やはり市町村と県警察本部の協定というのは非常に大事だと思います。その協定を結ぶことによって、実際に氏名も公表した上で、どういう子供がどういうことをしているのかということをしっかりと警察と学校が共有できるということですから、もし、締結していない市町村が多いのであれば、ぜひ県からもそのような働きかけをしていただきたいと思います。これは要望です。
続きまして、2点目の情報モラル教育についてお伺いしたいと思いますが、初めに、県内の小、中、高の子供たちのスマートフォンの所持率を、もし最新のものがおわかりであればお尋ねいたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 スマートフォンの所持率についてでありますが、平成26年4月に実施しました全国学力・学習状況調査の結果によりますと、スマートフォンを含んだ携帯電話の所持率は、本県では、小学6年生で40.4%、中学3年生で62.9%となっております。また、高校生につきましては、県高等学校長協会が平成25年8月に実施した抽出調査によりますと、スマートフォンを含んだ携帯電話の所持率は96%であり、そのうちスマートフォンの割合は80.1%となっております。
〇佐々木努委員 普及が大分進んできたというか、拡大してきて、私も非常に心配していまして、これまでも議会でスマートフォンの問題については再度取り上げてきたつもりですけれども、川崎の事件もスマートフォンがさまざまなところで使われていたと。例えばラインによるやりとりとか、それから、あの事件は首を切るという残忍な手段ですが、専門家に言わせると、イスラム国が後藤さんを殺害したものと同じことであると。加害者はあれを間違いなく見ていたという方々もいらっしゃるし、そのほかに県内でも、子供たちのさまざまな性被害もやはりスマートフォンを使ったやりとりが原因だと言われていますし、全国的にスマートフォンを使ったいじめ、そういうものも大人が見えないところで進行していくということもあります。
これから子供たちの中にそういうものがどんどん広がっていくとすれば、県教育委員会ももっとしっかり取り組んでいってほしいと私は思うんですが、これまでの取り組みの課題、成果、今後の取り組みについてお伺いいたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 情報モラル教育の成果と課題、今後の取り組みについてでありますけれども、学校における取り組みにつきましては、各教科、道徳の授業の中で、児童生徒の発達段階に応じて学校で実施しているほか、警察や携帯電話関連会社の講師による講習会などを開催しているところであります。
また、県教育委員会におきましては、総合教育センターが開発した体験型情報モラル教材を活用し、児童生徒やその保護者、教職員を対象にした研修を実施しており、このような取り組みを通して児童生徒の情報リテラシーの向上が図られているものと捉えております。
しかしながら、インターネットの急速な普及に伴いSNSの利用にかかわるトラブルが増加しており、その対応が課題となっているところであります。
今後の取り組みにつきましては、各学校におきまして発達段階に応じた指導を継続するとともに、総合教育センターにおいては新たにSNS利用に対応した体験型教材の開発を行い、研修会で活用することにより、児童生徒の情報機器の適切な利用法について主体的に考えさせ、情報社会において必要な知識や判断力を身につけさせ、問題行動等の未然防止を図っていきたいと考えております。
〇佐々木努委員 実効性のあるそういう取り組みをぜひしていってほしいと思います。
次に3点目、教育振興運動についてお伺いしたいと思います。
冒頭に教育長のほうからの来年度の教育委員会としての取り組み方針の中にもありましたが、教育振興運動と情報モラル教育の連動ということが打ち出されています。そういう意味で、教育振興運動というのは非常に大事になってくるのだと思いますが、岩手における教育振興運動というのは、全国で岩手だけが行っているといいますか、そういう教育振興運動という名前で行っているわけで、ことし、50周年を迎えるという認識でよかったでしょうか、昭和40年から始まったということですから。
この教育振興運動は、当初は、例えば家庭に学習机がないとか、子供部屋がないとか、そういうものを何とかしよう、あるいは読書を身につけさせて学力を向上させようとか、そういうことを目的として始まったものでありますけれども、その後、校内暴力とか家庭内暴力とか、そういうものが起きて、今度はそういうものに対応していこうということになって、これまで50年の間、そういう活動、取り組みがされてきたわけであります。
私も実はこの教育振興運動に携わったことがあるんですけれども、どうも、最近、形骸化してきているのではないかということを非常に心配していまして、これは県教育委員会でもそのような認識を持って取り組んでいらっしゃいます。平成17年から、みんなで教振!10か年プロジェクトというものを立ち上げて、この10年間、取り組んできたと思います。
平成24年に、その取り組みの成果についての取りまとめがされていたようですけれども、それを見ますと、まだまだ以前の教育振興運動の取り組みには戻っていない状況になっていると私は見ましたけれども、この10年間の取り組みも含めた教育振興運動に対する県の取り組み内容、そして今後の取り組み方針についてお伺いいたします。
〇松下生涯学習文化課総括課長 教育振興運動についてでございますが、委員御指摘のとおり、平成17年から10カ年プロジェクトということで、組織の見直し等を含めまして進めてきたところでございます。
平成26年度の教育振興運動推進状況調査の結果によりますと、活動者は限定されているといったようなことを課題として挙げている市町村が約6割と一番多くなっております。このことを踏まえますと、より多くの方々に参画していただく必要があると考えてございまして、このような状況を踏まえて、平成27年度からは、全国的にも社会的にも関心度や課題意識が高い情報メディアとの上手なつき合い方ということを新たな全県共通課題に設定いたしまして、取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
〇佐々木努委員 私の地元でも、年に1回、必ず教育振興運動の大会というものが開かれるんですが、毎年どんどん参加者が減っていって、教育振興運動に対する意識の低下が非常に顕著なんです。そういう状況において、平成27年度から、情報モラル教育を教育振興運動と一緒にやっていくといっても、果たして実効性があるのかと私は非常に心配していて、この10年間、再構築をしようという取り組みを一生懸命されてきたのはわかりますが、平成27年度も、さらに教育振興運動をしっかりと地域に根づかせるための県としての取り組みをまた始めてもらいたいと実は思っておりまして、特にも平成27年度から情報モラル教育にも取り組むということですから、そのことも含めて、ぜひ、さらに力を入れてやってほしいと思うんですが、これは教育長にお伺いしたいと思います。
〇高橋教育長 教育振興運動に対する危機感については、私も委員と同様の課題があると思っております。
50周年ということで、先般、50周年の記念大会を開いて、また、教育関係者ともども、将来に向かってどういうことに取り組んでいくか、そういうものをみんなで議論させていただいたところでございます。
かつては、それぞれの小学校単位に実践区というものを設けまして、それぞれの中でみんなで話し合いながら、地域で子供を育むということで、これは青年団活動などと同じで、かなり盛り上がった中で、これまでの経過がございます。
一方で、人口減、少子化等が進む中で、そういう関係性というものが非常に弱くなってきているということでございます。ただ、一方で、その地域の将来を考えたときに、将来を担っていくのは今の子供たちだということでございまして、その子供たちを地域で育んでいくということは極めて大事なことでございますので、県教育委員会はもちろんでございますけれども、市町村教育委員会、それぞれの学校等と原点に立ち返りながら、子供に対する支援、サポート、そしてまた場面場面では厳しい育て方というようなことも含めまして、子供を育てるというようなことで、この教育振興運動を位置づけていきたいと思っております。
〇佐々木努委員 いずれ、地域では危機的状況だということを認識していただくようよろしくお願いします。
最後に、高校再編についてお伺いいたします。
先日、平成27年度の高校入試が行われたわけですけれども、平成27年度の志願状況について県ではどのように分析しているのか。
それから、入試結果を受けて、新年度における高校再編の検証はどのように行われているのか、まとめて質問いたします。
〇木村高校改革課長 平成27年度高校入試の志願状況についてでございますが、全日制の実質志願倍率は0.93倍となり、前年度を大きく下回ったところでございます。これは、定員が前年度と同数であるのに対し、中学校卒業予定者数が前年度から460名減少していることが主な原因でございます。
現在の学級数調整につきましては、被災地域の状況等も考慮し、ブロックごとの学級数調整は行わず、募集定員に対し1学級定員以上の欠員が生じた学校を検討の対象とするということで、今後の中学校卒業予定者数の推移、前年度の入学者選抜における定員の充足状況、高校への入学者数の見込み等を勘案し、学級数の調整を実施するかどうかを決定していることから、定員を割ることについてはやむを得ない部分もあるものと考えております。
そして、新年度におきます高校再編の検討についてでございますけれども、現在、今後の高等学校教育の基本的方向の改訂を進めているところでございますが、この改訂案におきまして、新たな高校再編計画の策定に向けて、平成27年度においてブロックごとに地域住民との意見交換を行いながら検討するとしております。
具体的な検討に当たりましては、県内9ブロック単位で、それぞれ地域に出向き、市町村長、市町村教育長、PTAの代表、産業関係者の代表等との意見交換や、県民の皆様への説明会を複数回実施し、地域の意見を丁寧に伺いながら具体的な再編計画の内容を検討していく予定でございます。
〇佐々木努委員 今回の結果で、またさらに学級の減とか、あるいは統廃合が議論される高校がふえてくるのだと思いますが、私は、小規模校というのは非常に大事なんだと思います。これは、子供たちにとっても、その地域にとっても非常に大事で、できる限り残していかなければならないという思いを持っているわけです。
ちょっとこれは変な質問になるかもしれませんが、一つお聞きしたいんですけれども、私は昭和39年生まれで、昭和55年に高校に入学したんですが、私の住んでいる前沢の当時の同級生は250人ぐらいいたんですけれども、今の子供たちはその半分以下なんです。100人ちょっとぐらいなんです。地域の胆江ブロックの高校を見ると、ほとんどの学校が定員、学級数が少なくなっているんですが、いわゆる進学校と言われる高校だけは1クラス減とか、ある程度の規模が維持されているということで、そうなると、どうしても小規模校の定員は少なくなりますから、定員の多いところに、あるいはレベルの高い学校に親は入れたいと思いますから、そういう中心校に生徒が集まるという傾向は必ず出てくるのだと思います。ですから、小規模校がどんどんなくなっていくというのは、逆に県教育委員会がそういう方針を打ち出しているから、小規模校がますます厳しい状況に置かれているのではないかと私は思うわけです。確かに優秀な高校に親は入れたいという思いがありますから、それはそれで大事なことでありますけれども、一方で、そういうところだけ残して、ほかの学校は定員を減らすよということになれば、ますます小規模校は厳しい状況に陥っていくのだと思いますが、ある程度のバランス的なものも必要だし、逆に、進学校だけを学級数を維持することによって、その学校のレベルもそうですし、子供たちの競争力も低下してくるのではないかと思うんですが、県教育委員会でそういう議論をされたことはあるでしょうか。
〇木村高校改革課長 ブロックにおける学校の配置、そして進学校、小規模校等の配置についての議論をしてきたことがあるかということでございますが、ブロックにおける学校の配置につきましては、基本的方向を策定後、再編計画を検討していた平成22年度に行いました地域検討会議で、市町村長、各市町村の教育長、PTA、産業関係者の方々が集まった場でお話し合いをしたところによりますと、やはり地域の中心校、そして小規模校、専門学科それぞれに配慮して検討する必要があるという御意見をいただいております。
地域の中心校については、一定規模を維持することによりまして、進学等のニーズに応えるということ、そして受験に対応した進路実現に対応するという御議論をいただくとともに、普通科における小規模校におきましては、できるだけ維持してほしいという意見が強かったところでございますが、特に商業とか家庭などの専門科目を設定して少人数指導を行い、就職も含めた多様な進路希望に対応しておったり、専門学科のほうでは、それぞれの地域の特性等も踏まえて、キャリア教育など地元の連携を深めてきているというところでございます。
今後、新たな高校再編計画の具体的な検討を進める中で、地域において意見交換を進めることによりまして、さまざまな意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 私が今お話ししたことが正しいかどうかは私も自信はないんですけれども、ただ、そういうふうに感じている地域の方々が私のほかにもたくさんいるということだけは理解していただきたいし、その根底にあるのは、やはり小規模校であっても地元に高校を残したいという強い思いがあって、地元に高校があることによって子供たちの県外流出を防ぐことにもつながるのではないかという思いを私も持っているわけでありますので、今後、高校再編の議論を進めていく上で、そのような意見もあるということをぜひ御理解いただきながら、検討の材料として加えていただければと思います。最後に教育長にお伺いして、終わりたいと思います。
〇高橋教育長 ただいまいただいた御意見につきましては、12月に検討委員会のほうから最終報告ということでいただきましたけれども、その議論の中でも、委員の方々から同様の意見が出されたと承知いたしております。
現在公表させていただいております基本的方向の見直し案におきましては、一定規模の望ましい学校規模も、学力向上対策もそうですし、部活動等を考えれば、そういうものも必要だと。ただ、一方で、委員からお話のございましたように、人口減少対策という観点で、学ぶ機会の保障ということも大事だと考えておりまして、いわば二律背反する課題に、いかに総合的に落ちついたところを見出すかということが、県民の皆さんの求めるものに応えていくことになろうかと思います。
具体的な議論の中ではさまざま対立する意見等も出てこようかと思いますけれども、本音で議論しつつ、また、丁寧に御意見を伺いながら、いい方向での最終結論を得るように努力したいと思っております。
〇及川幸子委員 私からは、4点お伺いいたします。
まず初めに、登校拒否の状況とその対策ということでお伺いいたします。
何らかの理由で小学校、中学校と学校に行くのを拒否している状況を示していただきたいと思います。また、そのことに対しての策はどうだったのか、その結果どうだったのかをお伺いいたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 不登校の状況についてでありますが、平成25年度問題行動等調査によりますと、小学校が153人、中学校が710人となっており、前年度と比較しまして、小学校が19人増加、中学校が5人増加となっております。
対応策といたしましては、登校渋りの段階での家庭訪問、スクールカウンセラー等の活用による専門的かつ組織的な支援など、児童生徒、保護者に寄り添った対応を図ることが大切であると捉えております。
予防的対応といたしましては、全ての児童生徒が安心して通える学校にすること、及び共感的な人間関係づくりが必要であり、各会議や研修会等において、学級経営の充実を進めるよう教職員の意識啓発に努めております。また、不適応状況の早期発見と早期対応が大切であることから、小学校と中学校の連携の強化を図るよう指導しております。
結果といたしましては、平成25年度の本県の小中学校の不登校の比率は全国で一番低い値でありまして、ここ数年、ほぼ同様の状況が続いております。東日本大震災津波後の厳しい状況の中で、現場の教職員が児童生徒及び保護者に寄り添いながら、継続的に指導、対応してきたことによる成果であると捉えております。
〇及川幸子委員 大変努力なさって数が少なくなっているということで安心しましたけれども、家庭との連携ということで述べられておりましたが、かなり積極的に学校から家庭には、保護者の方へは連絡なさっているということですか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 登校渋りの段階で、例えば3日連続して欠席した場合にはすぐに家庭訪問するとか、やはり保護者の連携が伴わないとこれは防ぎようがありませんので、その辺のところは各学校で努力しているものと捉えております。
〇及川幸子委員 次に、いじめの状況ですが、その対策についてお伺いいたしたいと思いますが、小学、中学と、いじめの動向は大変であります。川崎市内のいじめによる痛ましい事件、県内においてはどうだったのかお伺いいたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 今般の川崎の事件を受けまして児童生徒の安全に関する緊急確認調査を行いましたが、県内におきましては、所在不明により、その生命または身体に被害が生ずるおそれがある児童生徒はおりませんでした。
〇及川幸子委員 私の孫も中学に行っていますけれども、帰ってきましたら、いろいろ学校から説明があったということで、いじめの状況というのは常に把握していらっしゃるのか。本音を言わない学校はないのか、学校は本当のことを言っているのか、その点をお伺いいたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 平成25年9月にいじめ防止対策推進法が制定されまして、各学校では学校いじめ防止基本方針を必ずつくりなさいと。あとは、いじめ防止のための組織を必ずつくりなさいということがありまして、現段階で、県内の小中学校、高等学校も含めてほぼ全部の学校がそれをつくっているものと思います。いずれこの組織なり方針に基づいて、学校ではいじめ防止のために対応しているものと捉えております。
〇及川幸子委員 奥州市内の中学校においてはそういうことはないと私も捉えておりますけれども、たまに痛ましい事件がありまして、それを調べたほうがいいのではないかという通報も来ておりますが、そうしますと、中学校においてはそういういじめは絶対にないと。痛ましい事件があってもそれとは関連性がないということで捉えていいでしょうか。
おわかりですか、今の意味。何か痛ましい事件がありまして、中学生が命を落としました。その結果、いじめという部分については発生していないと捉えていいのでしょうかということです。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 当該市町村教育委員会からの話によりますと、そういう事実はないと捉えております。
〇及川幸子委員 私の事務所のほうにそういう通報がありますけれども、そのような事実はないということでお伝えしていいということですよね。はい、ありがとうございます。
まずもって道徳教育のあり方について特にお伺いしたいんですが、これは、すごく強く指導しているときと余り強くないのではないかというときとあります。これは、絶対に道徳教育は一貫して強く指導していかないとだめだと思います。成績もさることながら、人間教育の根本づくりでございます。道徳教育についてどのような授業を行って、その成果はどのようにあったのか、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 道徳教育についての御質問でございますけれども、学校におきましては、道徳の時間をかなめとしながら、全ての教育活動の中で機会を捉えて道徳教育については進めていくことになっております。
具体的な内容につきましては、学校が独自に採用しております道徳の副読本がございます。そういうものを中心に、読み物教材としての道徳資料、それから文部科学省が作成しております私たちの道徳等を活用しながら、話し合いとか役割を演じる活動など、児童生徒の発達段階や実態に合わせながら創意工夫ある指導が行われている現状にございます。また、郷土の先人を取り上げた資料とか、県教育委員会が作成いたしました復興教育副読本も活用しながら、本県にかかわりを持たせた内容を取り上げた授業も実施しているところでございます。
このように、各学校におきましては、道徳的価値の自覚及び自己の生き方や人間としての生き方について考えを深めていく授業の実施に努めているところでございます。
〇及川幸子委員 本県にかかわることで学んでいるということですが、教室では、生徒同士、道徳について話し合う機会はどのように捉えているのか、ちょっと様子を伺いたいと思います。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 基本的には、先ほど冒頭で申しましたとおり、道徳の時間が中心になるとは思うんですけれども、それ以外の機会も、体験的な活動をした後にきょうの行動はどうだったのかとか、あとは、道徳の授業の後に、教室の中とかさまざまな場面で子供たち同士がきょうの考え方はどうかというような意見交換をしたり、職員室に訪ねてきて先生と考え方の交流をしたりということもしているようでございますし、また、最後に自分の考えをまとめるような活動をしておりますので、それに基づきながら今度は学級活動の一環で話し合いを行う。学級会を開きながら、今の自分たちの生活を見詰めるようなことにも取り組んでいるような状況にございます。
〇及川幸子委員 この問題については大変重要だと思いますので、私、通告している以外をお尋ねしたいと思いますが、能力のある担当部局だと思いますので、お答えいただきたいと思います。
まずもって、文章も書かせるということですが、私、実は、この副読本を利用していろいろやっている取り組みはわかるんですけれども、副読本を利用しての文章を見たことがないんですよ。子供たちに文章を書かせて、先生がごらんになっているんでしょうか。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 文章を書くというのは、自分の考えを文章にまとめるというような活動をしているということですので、非常にデリケートな部分もございますから、自分自身を振り返るためのまとめとして使われていることが多いと思います。ただ、学級担任は、大体の場合、それを自分の手元に集めて、個人的な形でアドバイスをしたり、または、そこから見えてきたような問題点があれば、全体で考える状況をつくっていくというような取り組みをするために自分の考えをまとめたり交流したりしているという現状でございます。
〇及川幸子委員 大変重要な授業だと思っておりますので、今後とも継続していただきたいと思います。
最後になります。
学校週5日制の見直しということですが、しばらくこの学校週5日制というのは実施されておりますが、当初の狙いとは大分世の中が変わってきているのではないかと思います。とにかく親は土曜日も働かなければならない、それで子供たちはゲームとかテレビに夢中になっている。さて、きょうは何をして遊ぼうかということでございます。4月から教育現場も大きな改革をなさるということです。それにつけても、学校週5日制の見直し、そろそろ土曜日に学校をやってもいいのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 学校週5日制の導入につきましては、委員も十分御理解いただいておりますとおり、学校、家庭、地域の3者が互いに連携して、役割分担をしながら社会全体として子供を育てることを基本理念にしまして平成14年から導入されたものでございます。先ほど委員から御指摘がありましたように、子供たちを取り巻く環境は変化している状況にあると認識しておりまして、文部科学省での検討におきましても、土曜日を必ずしも有意義に過ごせていない子供たちも少なからず存在するというような指摘があったところでございます。
県内の学校におきましては、学校週5日制導入以来、児童生徒の生きる力を育むために、学校、家庭、地域等が一体となって土曜日等における活動機会の創出に取り組んできたところでございます。児童生徒の意識調査の結果を見ますと、約8割程度の子供たちが有意義に過ごしている状況等もございます。
一昨年11月に学校教育施行規則の一部改正がありまして、土曜授業の実施が設置者の判断によって弾力的に可能になったところではございますけれども、県教育委員会といたしましては、現在の状況を踏まえるとともに、地域の実情や子供たちのニーズを把握しながら、市町村教育委員会の主体的な判断または考え方を尊重しながら、学校5日制の趣旨に沿って、子供たちに豊かな教育環境を提供できるように支援していきたい。そういう意味で、市町村教育委員会と今後とも協力しながら、さまざまな活動の機会を充実していくように取り組んでまいりたいと考えているところです。
〇及川幸子委員 8割程度は有意義に過ごしているということですが、私は、8割は有意義に過ごしていないと思います。
最後に、高橋教育長と八重樫教育委員長、いずれ教育現場も4月から変わるということですが、この学校5日制を見直したほうが、子供たちが危なくなく学校に行って、教職員の方々も大変だと思いますが、土曜日の午前中というのは成績向上の上でも大変役に立つと思いますが、それぞれ、大変申しわけありませんが、お答えいただきたいと思います。
〇高橋教育長委員長 と答弁のすり合わせをしておりませんので、慎重にお答えしなければならないと思っています。
学校週5日制を導入する時点で、これも全国的にさまざまな議論があって、そして具体的に土曜日の受け皿をどうするかということを地域の皆様も交えて、子供たちはもちろんですけれども関係者みんなで議論した中で、合意形成を図りつつ導入したという経緯がございます。ということで、これを戻すということになりますと、これもまた丁寧に検討する必要があると思っております。そしてまた、一方では教員の多忙化の話もございます。それらも含めまして、どうあるべきか具体的に検討がなされるべきと思っております。
現在、県内でも、土曜授業までは踏み込んでいるところはございませんけれども、土曜学習といいまして、地域との交流ですとか、それからあとは、正規の授業ではない中で活動をやっている市町村もございます。そういう中で、それぞれの市町村が関係者との十分な話し合いのもとで合意形成ができていくのが望ましい姿と思っておりまして、ただいま委員からいただいた御指摘の御意見も一つの所見だと思いますので、それらを含めて、今後具体的に市町村教育委員会から相談があった場合には適切に助言してまいりたいと考えております。
〇八重樫教育委員会委員長 教育長のお話ししたのとほぼ変わりないですけれども、私は、平成2年だったか、国がやり出そうとしたころから実験校をつくったり、さまざま検討して、これでゴーということを体験し、現職の校長のときに、最後の1年間、完全実施を体験いたしました。さまざまな課題がありましたけれども、世の中がそうなっているのでやるのだということでやったんですけれども、及川委員御指摘のとおり、今は、多忙とか、自主的に土曜日を過ごせない子供がいると。集まっているけれどもお互いにスマホばかりやっているとか、何をやっているんだと言いたいんですけれども、そういう意味で、やっぱり土曜日の過ごし方については、県を挙げて、国を挙げてきちんと、やれるところはやれてもこれも困るんじゃないかと思いますので、子供たちが有意義に、非行に走らないように、あるいは親が安心して働けるような状況をつくりながら検討していく時期だと私も思います。
〇軽石義則委員 私から1点だけ質問させていただきます。
県民会館施設整備費に関連してでございます。東日本大震災津波からの復興や芸術文化に果たした役割はかなり大きいものがあると思っておりますし、県民会館の舞台を目標に、県内各地でいろいろな努力をされている方も多くおります。心の豊かさを追求してきていると思われますけれども、県民会館も、昭和48年に設置されて41年が経過してきたということでありますけれども、県民会館設置以降、果たしてきた役割はどのように捉えられているのかお示し願いたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 県民会館が開館以降果たしてきた役割についてでございますが、県民会館は、芸術文化の普及振興等を図り、県民生活の向上に寄与するため設置された施設でございます。昭和48年4月1日の開館以来、広く一般に開放されまして、音楽、演劇、舞踊、式典、大会など多目的に利用されております。本県文化芸術の振興のための中核施設としての役割を今まで担ってきたと認識してございます。
〇軽石義則委員 役割は十分担って果たしてきているということでありますけれども、現状の課題認識はどのように持っているのか。また、稼働率、利用状況、利用人数などについてはどういう認識であるのか、実数も含めてお示し願いたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 県民会館の現状と課題等についてでございますけれども、委員御指摘のとおり、設置後41年が経過してございまして、施設設備の老朽化が進んでいるという状況でございます。今後、利用者の利便性も考慮しながら、計画的に整備を行う必要があると考えてございます。
また、県民会館の利用率、稼働率等についてでございますけれども、平成25年度におけます稼働率は、大ホール及び中ホールで66.3%となっております。ここ5年を見れば、おおむね7割前後で推移している状況でございます。また、利用状況につきましては、オーケストラの演奏ですとか演劇舞台、講演会等で使用されております。
さらに、平成25年度の利用人数を見ますと、大ホールで18万1、780人、中ホールで3万8、970人という状況になってございます。
〇軽石義則委員 かなりの利用率の高さではないかと思いますけれども、しかし、まだ、希望しても利用できないという声も聞こえているのも事実でございます。そういう利用者の皆さんからの要望等、これまで出されてきていると思いますし、どういうものが要望されてきたのか、そして、それらへどのような対策をとってきたのかお示し願いたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 利用者からの要望に対する対策についてでございますけれども、県民会館におきまして利用者に対してアンケート調査を実施するなど、そのニーズの把握とサービスの向上に努めているところでございます。
例えば、そのような利用者からの声に基づいた利用者のニーズに即した取り組みといたしましては、会場の貸出時間を24時間体制にすることですとか、申し込み時間の延長などの取り組みを行っておりまして、サービスの向上に努めているところでございます。
〇軽石義則委員 利用者からの要望の中には、私が聞く範囲でありますけれども、正面玄関から階段を上って大ホールに向かうわけです。エレベーターも設置にはなっているんですけれども、やはり正面玄関からあの階段の大ホールに行くという気分を味わいたいという障がい者の方々もいるわけであります。エスカレーターの設置などについての要望等はなかったでしょうか。
〇松下生涯学習文化課総括課長 済みません、私が確認したアンケート調査におきましては、エスカレーターの整備という項目は把握してございません。もしかすると県民会館のほうで個別に要望を受けているという可能性はございますけれども、私が見たアンケート調査におきましては、エスカレーターの設置については要望はございませんでした。
〇軽石義則委員 あと、利用者の皆さんから、大きな催し、また、いろいろふくそうした行事があるとき、駐車場、また、周辺の交通渋滞ということもいろいろお聞きしているわけですが、それらについて、駐車場対策といいますか交通対策というものはどのようにされているんでしょうか。
〇松下生涯学習文化課総括課長 県民会館におけます駐車場の対策についてでございますけれども、現在、県民会館敷地内には大型バスが駐車できるスペースがないという状況でございます。大規模なイベント等の開催時には、一時的に川沿いの道路に停車させて利用団体の乗客を乗りおりさせている状況でございます。施設の使用を許可する際、団体に対しましてバス駐車時におけます一般車両の交通誘導を依頼するとともに、必要に応じまして県民会館職員も対応するなど、安全確保、安全管理に努めている状況でございます。
〇軽石義則委員 バスの駐車場がないということもありますし、タクシーもかなり道路のほうで待機されているような状況も見受けられるわけですので、県民会館前の敷地を有効に活用する方法もあると思いますし、また、タクシー乗り場の考え方などもこれからは持っていかなければならないのではないかと思います。
そういう意味で、将来的に今の県民会館を、かなり古くなってきているというお話もさっきいただいたわけですが、構想として何か持っているものがあればその部分をお示し願いたいと思いますし、現状、復興を中心に今進めているときに、県民会館の建てかえなどということはなかなか考えることもできないかもしれませんけれども、いつかそういうときも来ると思いますし、県の芸術文化を支える中核ということであれば、今から具体的な計画を進めていくべきではないかと思います。駐車場も含めて、そして、エスカレーター、いわゆるバリアフリー化をさらに進めるというところもあるんですけれども、それらについての現段階での考え方があればお示し願いたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 県民会館の将来に対する構想についてでありますけれども、具体的な計画として策定したものについてはございませんけれども、設置後41年が経過したということでございまして、施設設備の老朽化が進んでいる状況でございます。それぞれ整備しなければならない箇所は多数あるわけでございますが、その緊急性等を考慮しながら、利用者の利便性の向上が図られるように、優先順位をつけて計画的に整備を行ってまいりたいと考えてございまして、引き続き、岩手における文化の中核施設としての機能の維持を図ってまいりたいと考えてございます。
〇軽石義則委員 ぜひそういうものが感じられるというか見えるような形にしていただきたいと思いますし、これから岩手県も国際化を図っていき、海外から多くのお客様や関係する方々も岩手に来て、いろいろな公演をしたり会議をしたりという機会もふえると思います。国際会議の会場も岩手の場合はまだ少ないとも言われておりますので、それらを含めて、複合的な施設というものを考える時期ではないかと思っています。
現段階で、県民会館の隣に県所有の遊休施設もあるわけですけれども、そういうものと公園の一部を活用すればさらに有効に県民会館が機能していくのではないかという声もいただいているわけであります。それらを含めて、ぜひ見えるように考えていただければと思いますが、最後、教育長からお聞きして終わります。
〇高橋教育長 県民会館につきましては、これまで、さまざまなふぐあい等も老朽化に伴いまして出てまいりまして、対症療法的な対応はしてきたところでございますけれども、今後を考えたときに望ましい姿というのはどうなのかという視点も含めて検討していくというただいまいただいたお話には、なるほどなというように感じさせていただいたところでございます。
ただ一方で、これまでの議会の議論の中で、社会文化施設もそうですし、それからスポーツ関連施設も全体的に老朽化してきている中で、その辺を全体的にゼロベースで将来的な方向性を議論していくことは極めて大事と思っておりまして、その辺、また関係市町村との連携体制も大事な視点と思っておりますので、総合的、多面的な検討をさせていただきたいと思っております。
〇樋下正信委員 県内の小学校、中学校の統合とか廃校の状況、それと、逆に、新設される小学校、中学校があるかないかお知らせ願いたいと思います。
〇石田学校企画課長 まず、県内の小中学校の統廃合の状況についてでありますが、平成17年度から平成26年度までの10年間で、統廃合により減少した公立の学校数は、小学校は100校、中学校は32校であり、近年は、小中学校合わせて年に20校程度が減少している状況でございます。
今後につきましては、現時点では、やはり設置者である市町村で小中学校の適正配置に係る計画などに基づいて検討を進めているものでございまして、県教育委員会としてはそのように現状を把握しているところでございます。
〇樋下正信委員 かなりの数が統合とか廃校になっているということでございますけれども、逆に新しくできている小学校などもあるわけでございます。実は、私の地域でも、これは教育委員会とは違うんですけれども、都市計画区域とか調整区域とか農業振興地域というような規制があるんですけれども、規制がかかっていないところはどんどん人口がふえて、規制がかかっているところは人口がふえない。横ばい、もしくは減少になっているということで、これは、今後も市町村教育委員会で検討を進めているというお話もありましたけれども、ぜひ市町村との懇談、もう一つは、地域の方々とのお話し合いというものを、県教育委員会が指導しながら、リーダーシップをとっていただきながらと言ったほうがいいのか、そのバランス的なものを考えていかなければならないのではないかと思っているわけでございます。
昔、400人も500人もいた生徒が、今、100人を切るような状況の小学校、私の地域に限らず県内にそういう学校はたくさんあると思いますけれども、その辺の連携なり、指導ですね。あしたは農林水産部、あさっては県土整備部でそちらでもお聞きしたいと思っていますけれども、そのような今後のあり方を県教育委員会としてどのように進めていくのか、教育長からお話を伺えればと思います。
〇高橋教育長 小中学校の統廃合の関係につきましては、本年1月に文部科学省からその手引が示されまして、その中で配置の基準についても一部見直されたところでございます。
そういう中で、その見直しに当たっては地域の皆さんとの合意形成が極めて大事ということを国でも指摘しておりまして、それ以上に、私どもも市町村教育委員会と意見交換の場を設けておりますけれども、統廃合に進んできた経過の中で、その辺は極めて大事だというような話を直接伺っております。地域との意見交換には、子供たちの学ぶ環境はもちろんでございますけれども、その地域の将来を見据えながらさまざまな御意見があろうかと思いますので、その辺も含めて、丁寧に地域の皆さんとの合意形成がなされるように県教育委員会としても助言していきたいと思っておりますし、また、今後、市町村教育委員会との意見交換等を通じながらその状況を把握してまいりたいと思っております。
〇喜多正敏委員 私からは、4点についてお伺いしたいと思います。
まず、団塊の世代が大量に退職することが予想されているわけでありますが、小・中・高校の教師の退職について伺います。
教職員人事費には100億6、600万円余が計上、要求されているわけでありますが、そこでお伺いしますけれども、今後5年間の小・中・高校、特別支援学校の教師の定年退職者の各年の退職者数、合計の見込みについてお伺いします。
〇金田参事兼教職員課総括課長 今後5年間の小・中・高校、それから特別支援学校の退職の見込みでございますが、まず、年度別に申し上げます。小・中・高校の合計でよろしいでしょうか。(喜多正敏委員「年別」と呼ぶ)年別の小・中・高校の合計でよろしいでしょうか。(喜多正敏委員「はい」と呼ぶ)
平成26年度末で215人、平成27年度末で284人、平成28年度末で370人、平成29年度末で390人、平成30年度末で443人、この5年間を合計しますと1、702名と予想しております。
〇喜多正敏委員 前にいただいた資料によれば、過去5年間では、平成21年に136人、平成22年に175人、平成23年は180人、平成24年が239人、平成25年が248人ということで、過去5年間では978名の退職であったというのが実績でありました。そういうことで、2倍近くの教師が退職されるということであります。
それでは、小・中・高校、特別支援学校の教師の20代、30代、40代、50代の世代別の教師数とその割合についてお伺いします。もしわかれば、特にその中で50代は小・中・高校、特別支援学校で何%ぐらいになっているかということもお伺いします。
〇金田参事兼教職員課総括課長 平成26年5月1日現在のデータで申し上げたいと思います。
まず、小・中・高等学校、特別支援学校の合計で年代別の割合を申し上げます。20代が4.6%、30代で15.7%、40代37.5%、50代、60歳までですけれども42.2%となっております。特に50代の数が多いのは、小学校が49.1%で約半分、それから中学校が41.1%、この小中学校が50代の職員が多いという状況になっております。
〇喜多正敏委員 50代が全体で42.2%で小学校が49.1%、今後半数近くの方が退職されるということであります。そうしますと、これから10年、大量退職が2015年から2024年ぐらいに見込まれているということであります。一方、児童生徒も減少傾向にありますけれども、また新たな多数の若い先生の採用も見込まれている状況と思うわけであります。今まで学校の中核を担ってきましたベテラン教員が退職される。今後10年で、若手職員が半分近くになる学校も出てくるのではないかと予測されるわけであります。現在、20代が4.6%、30代が15.7%ということでありますから、この2割近くの方がこれから30代、40代ということで小中学校の中堅の教師ということで、いろいろな行事も含めて担っていかなければならなくなるということであります。
県としては、こうしたベテラン教員の大量定年退職者の増加、また、それに伴う若手教師の増加が予想されるわけですが、こうしたことの影響と課題についてどう認識されているかお伺いします。
〇金田参事兼教職員課総括課長 委員の御指摘のとおり、特に小中学校を中心にここ5年がピークになると思いますが、大量退職が予想されております。そういう中で、今まで長い経験を積んできたベテラン教員が若手にかわっていくという時期を迎えますので、その知識とか経験をどうやって次の若い教員につないでいくかということが非常に大きな課題でございます。
その中で、一つは、再任用制度がスタートしておりまして、今年度は全体で111名を再任用教員として採用しておりますので、その方たちの経験を今のうちに若い人たちにつないでいただきたいということを考えております。
それから、もう一つは、校内外における指導方法等の工夫とか改善が促進されるように、指導教諭の任用、実はスタートしてまだ時間がたたないんですけれども、これからそれを充実させていきたいと考えているところでございます。
〇喜多正敏委員 東京都とかいろいろなところでもこうしたことに対応して、人材養成、研修制度とか基本方針を策定しているわけでありますけれども、今お話あったように、確かに平成26年度から再任用制度が設けられましてそうした方々の任用もあるわけでありますけれども、県として、もう少し計画的といいますか、そうしたことについてどう対応されていくのか、そういう計画なり制度があるのかどうか、今後検討されるのかを含めて教育長に対応についてお伺いしたいと思います。
〇高橋教育長 組織論的に申し上げますと、本来、職員構成は平準化されることが望ましいわけでございますけれども、教職員の場合には、いわゆる学校標準法がございまして生徒数に応じた教員配置になっていますので、どうしてもこういう団塊が出てきてしまうと。現在、50代が多いというのは、一方では経験等からいって強みだと思っておりますけれども、子供たちの数がどんどんふえてきた中で大量採用時代があったということでございます。
そういう中で、今後、大量退職ということで、やはりその辺の経験を継承させていくことが極めて大事でございます。また、組織の活性化ということもございますので、再任用制度とあわせて、それから新採用職員を採用するということも同時にその辺を考えながら、毎年度、総合的にどういうバランスでやっていくか具体的な検討をしていきたいと思っております。
基本的な考え方といたしましては、再任用と組織の活性化の両方の面から適切に対応することが必要と考えております。
〇喜多正敏委員 東京都で人材育成基本方針が平成20年に策定され、いしかわ新教員研修制度は、そうした大量退職を迎えて平成26年5月に策定されている。本県では、今、教育長、教職員課総括課長からお話があった対応もそうですが、そうしたことについてきちっとした計画なり制度なりはつくられているのかどうか、今後検討する予定があるのかどうかお伺いします。
〇金田参事兼教職員課総括課長 まとまった計画というものは、現在ありません。毎年度、教員の採用もそうですし、採用された教員の育成、それからもちろん研修も5年研修、10年研修というような一般的なシステムとしてはありますけれども、これからの大量退職、そしてある程度大量採用に即した計画はございませんので、そのあたりはこれからいろいろと検討も進めていきたいと考えております。
〇喜多正敏委員 ICT教育も片方では進めなければならないわけでありますが、どうぞそうしたことをシステム的に検討していただきたいと思いますし、それからもう一つは、先生というのは、学校の中では先生と呼ばれているわけでありますけれども、退職教員の活躍する場、いろいろ教えたり知識も豊富なわけでありますけれども、そうした退職教員の方が地域とかいろいろな面で活躍できるように、そうした人材が社会に出てくるわけでありますので、例えば京都では退職教員教育サポートシステムというのをつくって、そうした知見も学校内で生かすとともに社会でも生かすようなことを考えておられるようなので、そうしたこともあわせて検討していただきたいと思います。
次に、いわて教育情報ネットワーク運営費が計上されているわけでありますけれども、平成26年度の実績と、平成27年度の実施について、そうした中で課題があれば、その課題も含めてどういうふうに実施されているかお伺いしたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 いわて教育情報ネットワーク運営費についてでございますが、これは、県立学校におけるネットワーク環境やICT環境の保守、維持を行っているものでございます。
平成26年度の実績の成果についてでございますが、教員用1人1台端末1、944台の更新、それから、県立学校80校のサーバーの更新を行ったところでございます。このことにより各学校のネットワーク環境が良好になるとともに、教育の情報化及び情報教育の推進のための体制の構築が図られたところでございます。
課題といたしましては、安定したネットワーク環境の確保、情報セキュリティーの向上、管理、そして適時適切な更新が必要であると考えております。
平成27年度におきましては、ネットワークの管理や基幹サーバーの保守管理を含めた安全に利活用できる環境の整備を図るとともに、教育の情報化の推進に取り組んでいくこととしております。
〇喜多正敏委員 その中で、校務支援システムというものを計画されてやっているわけですけれども、大変先生が多忙ということで、校務支援システムは極めて有効なシステムではないかと考えているわけでありますが、これの整備状況、各校に全て行き渡っているのか、もしくは年度的に整備をしていくのかお伺いします。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 校務支援システムの整備状況についてでございますが、これは、平成28年度を目標として、高校における観点別評価の充実を狙いとしまして、その観点別評価の実施のために校務支援システムを導入し、教員の教科の評価について支援しようとするものでございまして、平成25年度、平成26年度、平成27年度、3カ年にわたって全校に配置しようとしております。平成26年度につきましては、総合学科等を中心に7校に整備いたしました。平成27年度につきましては26校に整備し、平成28年度、残りの県立高校全てに配置しようとしております。
〇喜多正敏委員 次に、高橋元委員からも岩手のICT教育について質問がありました。私も、このICT教育については、一般質問の中で、財源の問題とか更新の問題とか、また、学校での基盤整備の問題とか、課題があることはそのとおりだなとお伺いしたわけであります。一方、高橋委員が他県の例なども引いてお話しされていましたが、やはり地域によって教育環境に格差があるということは極めて残念なことでありまして、岩手の学力も全国の下のほうで低迷している中で、佐賀県はそういう取り組みをしたと。東京都においても、知事が東京都の学力はそんなに低いのかということを言って、かなり強力なリーダーシップでICT教育を進めているという状況もあるわけであります。
本県のタブレットの導入状況はゼロ、ないということでありますが、通告と関連するかもしれませんが直接的にはしていませんが、今度、タブレットを特別支援学校で導入するというお話がありました。極めていいことだと思っていましたので、そうしたことについて内容をお聞かせいただきたいと思います。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 平成27年度当初予算に盛り込んでございます特別支援学校でのタブレットの導入でございます。
3年計画で、平成27年度につきましては高等部、平成28年度につきましては中学部、それから小学部と、段階を追って計画しておりますが、平成27年度につきましては高等部ということで、タブレット29台を指導用として配備する予定になっております。
高等部生徒用のものにつきましては、就学奨励費で購入が可能となっております。5万円が予算となっておりまして、収入に関係なく購入できることになっております。
〇喜多正敏委員 タブレットはハードでありますけれども、その教材とか、そうした点はどういうものになっているんでしょうか。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 教材としてどのように活用するかということでございますが、まず、障がい種によって障がいの程度等が違いますので、障がい種ごとの活用を考えております。
県といたしましては、先進県の事例集を参考にして作成したり、授業での取り扱いのマニュアルみたいなものを今後、提示していきたいと思っております。
例えば、視覚障がいであれば、それぞれ障がいの実態に応じまして拡大するサイズ等が違っておりますし、あと、白黒反転にしなければよく見えないという状況もございます。聴覚障がいでございますと、手話等でコミュニケーションを図ることはできると思いますが、全員が手話をできるわけではございませんので、コミュニケーションの手段としては筆談を使っておりますが、それをタブレット端末を使うことで時間短縮あるいは正確な情報収集になるということも考えてございます。それぞれ障がいによっていろいろ活用の仕方を考えていきたいと思っております。特にも、自立活動の時間というのがございますので、その時間を中心にいたしまして、将来の自立、社会参加に向けて授業を充実させていきたいと思っております。
〇工藤勝子委員長 答弁は簡潔にお願いいたします。
〇喜多正敏委員 そうしたところで非常に効果が期待されて導入を始めるということで、そうした知見を一般の小・中・高校にも活用していっていただきたいと思うわけでありますが、私は、答弁を聞いていると、ICT教育については、課題は皆わかっているわけです。その中で、どう対応していくかということが課題だと思っているわけであります。国は、今年度から平成29年度までに児童生徒3.6人に1台の教育用コンピューターを入れるとか、そうした端末を6、712億円かけてやるという方針で、これは進むと思うのであります。したがいまして、例えば、本県のデジタル教科書のある学校の割合は23.3%で、佐賀県は86.1%、極めて低位で、何か学力との相関関係があるのではないかと思われるくらいの数値なわけです。
そこで、県教育委員会としては、知事からも県教育委員会で大いに議論してほしいという答弁がありましたが、ぜひこうしたことについて、課題はあるにしても、どう対応していくかについてやはり検討を進めるべきではないかと思うのであります。
あちこち情報を得られれば、それは集めているんでしょうけれども、例えば5月には教育ITソリューションという展示会を東京国際展示場で盛大にフロア全部を使ってやるわけです。私も数年行って見てきているんですが、このデジタルのハードウエア、それからソフトウエアの進歩は目覚しいものがあるわけであります。そして、その教材も、大手教科書出版社がつくるだけではなく先生みずからがつくることもあるわけで、本県のICT産業の育成とか、岩手大学教育学部もあるわけですので、そうした準備を進めていく必要があるのではないか。
先ほど、ベテラン教員の大量退職が出ると。もちろんハイピッチでやらなければならないので、全てデジタルに置きかえるわけにはいかないのでありますけれども、学校公開でお伺いしますと、先生方が、自分の教え方あるいは開発した教材を印刷して、それをお互いに有料で頒布して、そのお金でまた次の教材をつくって自主的に勉強している。極めて私は真摯に取り組んでおられると思うんですが、こうしたこともデジタルに置きかえることによってデータベース化するということもありますので、ぜひICT教育の推進については、明確に、なかなか対応は難しい部分もあるかもしれませんが、県教育委員会としても、知事答弁にあるとおり、何らかの方針なり計画なりをそうした関連業界や先生方も含めて検討すべきではないかと思うんですが、教育長から御所見をお伺いしたいと思います。
〇高橋教育長 ICTの今後の対応についてどう進化させていくかということについては、一般質問でも御質問等をいただきましてお答えさせていただきましたけれども、基本的に、このICTを活用するというのは極めて有効なツールだと思っております。
ただ一方で、これを具体的に教育現場に広く浸透させていくには、その安定性というものもまた大事でございますので、その辺、我々も、具体的な検討を今後させていただきたいと答えさせていただいたところでございますし、そのように県教育委員会の中で徹底した議論をさせていただきたいと思っています。
先ほどお話のございました見本市につきましては県教育委員会に対しても御案内いただいておりまして、そういう機会も十分我々把握しながら、検討につなげさせていただきたいと思っております。
〇工藤勝子委員長 質問も簡潔にお願いいたします。
〇喜多正敏委員 実業高校、専門高校、例えば盛岡商業高校でインターネットを使ったバーチャルモールをつくるとか、そういう動きもありますので、ぜひお願いしたいと思います。
次に、専門高校でありますけれども、かつて、専門高校について、農林水産業、商業、工業と業種別に設置されているわけでありますけれども、ものづくりということと、それから一方、商業高校等ではマネジメント、会計ということで、お互いにそういう分野の理解を深めることは社会に出てから非常に役に立つのではないかということで私も前に質問したことがあったわけでありますけれども、そうしたときに、そのことについては非常に有意義だと、検討していくという答弁があったのでありますけれども、こうした専門高校の学際、業際的な教育あるいは連携についてどう取り組まれているかについてお伺いいたします。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 専門高校の授業連携についてでございますが、花北青雲高校、大船渡東高校、釜石商工高校は複数の学科を含む総合的な専門高校でありまして、その学校の特色を生かし、他学科の専門科目を履修することができるように教育課程を編成しております。また、農業高校の科目の中には、農業簿記や農業土木などのように学科間の連携を意図した内容が含まれております。
学校間の連携につきましては、委員御案内のとおり、かつて盛岡商業高校と盛岡工業高校が交流を行っておりましたが、その際は総合的な学習の時間を活用した取り組みでございまして、今後は、学校間連携の学習を恒常的に行い、お互いの単位として認定する方策が課題となっております。
平成27年度も含めました今後の取り組みにつきましては、地域産業を支えるスペシャリストの育成を見据えた教育環境の整備の一環として検討していく必要があると考えております。
〇工藤勝子委員長 議事進行に御協力をお願いいたします。
〇喜多正敏委員 ぜひそうしたことについて、学際的に業際的に取り組みを強化していただきたいと思います。
〇工藤勝子委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時0分 休 憩
午後1時2分 再開
〇工藤勝博副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇佐々木朋和委員 私から、1点簡潔に、校地整備事業費についてお伺いしたいと思います。
教育委員会委員長の演述でも挙げていただきましたし、また、先ほどの教育長の説明でもありましたとおり、来年度から千厩高校のグラウンド整備が始まるということで、これは本当に長年の懸案事項でもありましたし、震災以来ストップしていた事業でもありまして、地域としても大変ありがたく思っているところであります。
そこで質問でございますけれども、来年度の事業内容と、また、完成までの事業計画がどのようになっているのか伺いたいと思います。
〇宮澤学校施設課長 校地整備事業についてでございますが、千厩高校のグラウンド整備につきましては、東日本大震災津波の発生によりまして事業を凍結しておりましたが、千厩高校の学びの環境の充実を図るため、平成27年度当初予算に測量、設計費といたしまして1、385万5、000円を計上し、平成32年度末までの5年間の工事により1万7、490平方メートルの新規グラウンドの整備を計画しております。
内容でございますが、平成28年度から平成29年度にかけてグラウンド造成工事を実施することとなっておりまして、並行して校地内に弓道場を新規に整備する予定です。必要となります養生期間の平成30年度から平成31年度は、既存の第二グラウンドの排水改良等の整備と、新規部室整備、テニスコートの新規整備を予定しておりまして、平成31年度から平成32年度にかけて造成したグラウンドの整備を実施し、完成に向けて取り組んでまいります。
〇佐々木朋和委員 詳細にお示しいただきましてありがとうございます。
今、千厩高校の生徒は、旧千厩高校の跡地をグラウンドとして使用しております。地域では千厩の小学校の統合の話が進んでおりまして、その跡地を新しい統合小学校にするという話も持ち上がっております。これが平成30年度からのスタートではないかとも話が出ております。
今、整備の計画をお聞きしますと、平成32年度末完成ということで、そこにタイムラグができるといいますか、具体的には、グラウンドを整備して、新しい小学校をつくっている間、今までの既存のグラウンドが使えるのかという問題が一つと、新しい小学校ができて、今のグラウンドが使えないとなったときに、完成の間までどのようにしてグラウンドを確保していくかと、この2点が問題だと思いますけれども、この点がどうなっているのか伺いたいと思います。
〇宮澤学校施設課長 千厩小学校の整備によります千厩高校のクラブ活動への影響を最小限といたしますため、新グラウンドの供用予定でございます平成33年度までの間、千厩小学校の開校までの間につきましては駒場校舎のグラウンドの継続使用を行いまして、さらには一関市営のスポーツ施設の利用等につきまして、現在、市と調整を行い、千厩高校の活動に支障がないように努めてまいります。
〇佐々木朋和委員 了解いたしました。新しい小学校を整備している間もその跡地のグラウンドも使えるということだと認識いたしました。よろしいでしょうか。うなずいていただきましたので、ぜひとも生徒に影響のないように進めていただきたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 何点か質問させてもらいます。
被災を受けた高田高校ですけれども、先ほどの説明で、新校舎が3月に竣工するという話がありました。校舎だけじゃないと思うんですけれども、現状はどうなっているかということをお聞かせ願いたいと思います。
〇宮澤学校施設課長 県立高田高校の移転改築の現状でございます。現在、第一体育館、仮設グラウンドについては既に完成してございまして、第一体育館は今年度から供用が開始されてございます。また、管理教室棟、第二体育館及び柔剣道場、作業棟等の主要施設につきましては3月19日に完成引き渡しの予定でございまして、この4月から供用が開始される予定でございます。
〇嵯峨壱朗委員 グラウンド等はもう使えるという話でしたか。ここは、水産とかいろんな実業的なものがありましたね。そういったものはどうなっているのか。
〇宮澤学校施設課長 その他の施設、例えば部室、セミナーハウス、プール、艇庫・漁具庫、職員住宅等の施設でございます。これらは現段階で未整備でございますが、今後、都市計画によります市街地の整備あるいは漁港の復旧工事の進展にあわせて順次整備してまいる予定でございます。
〇嵯峨壱朗委員 大変だったと思うんですが、徐々に準備が整っていくということで、ぜひ、早期に解決していっていただければと思います。
老朽化した校舎について、被災とは別に、またどんどん老朽化が進んでいると思うので、そういったことも順次―先ほども、盛岡となん支援学校でしたか、今やっているということでしたけれども、全県的に見て、そういったものの今の状況はどうなっているか。
〇宮澤学校施設課長 老朽化した校舎の改築の現状と今後の見通しでございます。
老朽校舎の改築につきましては、建物の耐用年数を最大限50年と見込みまして、計画的に改築を進めてきたところでございます。平成17年度以降、10校の改築を耐震化とあわせて実施してきたところでございまして、現在におきましては盛岡農業高校の特別教室棟の改築を行っているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 今、相当古い高校の建物があるんです。例えば私どもの地元の久慈高校もそうですけれども、50年というのがあるんですけれども、どれぐらいたっているのでしょうか。ほかにもあるかと思うんですけれども、もうこれ以上だめそうだという高校というのはどれぐらいあるんですか。
〇宮澤学校施設課長 老朽校舎ということでお尋ねでございました。現在、老朽化して50年に近づいている学校といたしますと、まずは久慈高校でございます。それから、現在、耐震化を兼ねまして改築を計画して行ってございます盛岡農業高等学校の特別教室棟がございます。そのほか福岡工業高校の校舎等がございます。
〇嵯峨壱朗委員 そうなんですよね。50年近くたっていると言われて、だから少しでも早くというか、どうなっているのかなということを恥ずかしながら聞いたまでなんですけれども、今後、通常であればどういう段取りになっていくかというのを、大ざっぱでいいですけれども、示してください。
〇宮澤学校施設課長 耐震性の低い老朽校舎の改築は、施設整備におきます最重要課題の一つでございます。そういったことから、対象となる校舎の老朽度あるいは整備の緊急度等を勘案いたしながら計画的な整備に努めてまいりたいと考えております。
先ほどお尋ねのございました久慈高校でございます。久慈高校は、管理教室棟を昭和38年から昭和40年度に改築してございまして、今年度で建築後おおむね50年が経過するということでございます。このため、久慈高校につきましては、今後できるだけ早い時期に改築することが必要であると考えてございます。いずれにいたしましても、耐震性の低い老朽校舎でございますが、今後できるだけ早い機会に計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 学力向上も含めて、校舎のあり方もかなり影響するという話を聞いておりますので、ぜひ、沿岸振興も含めて早期にお願いしたいと思います。
〇城内愛彦委員 私からは3点聞きます。
遺跡調査事業費についてでありますが、震災直後、高台移転や道路の造成地等に大分埋蔵文化財等があって、その調査をしていただいたんですけれども、今後、沿岸部に対する支援の状況と課題についてお伺いしたいと思います。
〇佐々木特命参事兼文化財課長 まず、支援の状況でございますが、復興事業と埋蔵文化財調査とを両立させるため、文化庁等の調整を受け、平成24年度以降、全国の自治体等から埋蔵文化財の専門職員の派遣を受け入れているところであり、調査がピークを迎えました今年度は、県全体で延べ41名の派遣を受け入れ、沿岸部に対する支援を行っており、このうち23名が沿岸市町村に直接派遣されております。
次に、課題でございますが、沿岸部の市町村では、復興事業のための埋蔵文化財調査は相当の事業量がございますため、今後とも県教育委員会が沿岸部の市町村を積極的に支援していく必要があると認識しているところでございます。
〇城内愛彦委員 埋蔵文化財の調査は、冬期間はなかなかできなくて大変なんです。復興工事が急ピッチで進んでいるんですが、資材が足りない、人が足りないという一つの条件の中に埋蔵文化財というものがあって、これはスムーズに進めてほしいとは思っておるんですが、人海戦術をして、広範囲にわたって埋蔵文化財が分布している中を新たなまちづくりをされていくわけなんですが、もともと条件がいいところに、津波が来なかったところに先人の方々も住んでいた。それが、たまたま海のほうにみんな移っていって、もう一回戻ろうとしたら、そこに埋蔵文化財があったということであります。
一説に、考え方なんですけれども、未来志向で、1、000年前のものよりこれからの100年を大事にしたほうがいいのではないかという話もあるんですが、そうはいっても埋蔵文化財は大事なものですので、ぜひ、スピード感をもって進めてほしいと思いますし、支援体制も引き続き他県にもお願いしてほしいんですが、今後、そういったことの見通しはどのように立てているのか、その辺をお伺いしたいと思います。
〇佐々木特命参事兼文化財課長 沿岸市町村における集団移転促進事業等の復興事業に伴う埋蔵文化財調査は、今年度内には約85%が終了するなど、沿岸北部の市町村を中心に、県全体では収束傾向にございますけれども、一方で、山田町、大槌町、釜石市などでは、来年度に発掘調査量がピークを迎える見通しでございます。
沿岸市町村には、来年度、全国の自治体から延べ9名の専門職員が派遣されることが決まっております。また、県教育委員会でも市町村ごとに支援班を組織するなど、支援を継続してまいります。
〇城内愛彦委員 専門的な知見の高い方々は本当に興味を持って調査されていて、丁寧に仕事をするというんです。余り丁寧にし過ぎるのもいかがかなという感もあるんですが、その辺の折り合いというものは必要だと思うんです。一方では、応急仮設住宅に住んでいる方々は一日でも早く移り住みたいし、まちづくりを早くしてくれという話もあります。何とか、これはスピード感をもって早くならないものかと思うんですが、妙策はないものでしょうか、再度確認したいと思います。
〇佐々木特命参事兼文化財課長 埋蔵文化財調査によりまして、これまで不明だった沿岸部の歴史等が相当程度明らかになってきているという成果も上がってございます。また、委員御指摘のとおり、復興事業との両立をぜひとも図っていかなければならないということもそのとおりでございます。我々といたしましては、スピーディーで確実な調査を、デジタル機器等を有効に活用しながら進めてまいりたいと考えてございます。
〇城内愛彦委員 専門的な方、土を掘る方も、なれた人でないと難しいというんです。我々のようながさつな者がやると、何だりかんだり掘っくり返していけないということらしいんですけれども、その辺も含めてスピード感をもってやることをお願いして、次に移ります。
学校運動場の応急仮設住宅についてであります。
応急仮設住宅が学校敷地に建っているというのはこれまでも何度かお話をしてきたところですが、現在、何カ所あって、今後、解消される見通しがどうなっているのか、まず2点お伺いしたいと思います。
〇宮澤学校施設課長 現時点におきましてグラウンドに応急仮設住宅が設置されている学校数は33校ございまして、その内訳は、全面使用不可となっているものが22校、これは小学校12校、中学校10校でございます。また、一部使用不可となっているものが11校ございまして、小学校8校、中学校2校、高校1校でございます。その他、仮設校舎がグラウンドに設置されている学校が5校ございまして、その内訳は、全面使用不可となっているものが中学校1校、一部使用不可となっているものが4校、これは小学校3校、中学校1校でございまして、合計38校となってございます。
対策としましては、このうち24校、小学校16校、中学校8校でございますが、これらは復興交付金を活用して仮設グラウンドを整備してございます。さらに2校が3月末の完成見込みということで、現在、整備中でございます。その他の12校につきましては、市町村営の体育施設の活用、既存学校施設の代替使用等で対応してございます。
今後の見通しということでございますが、グラウンドが使用不可能な状況を解消するためには応急仮設住宅の解消が必要でございますが、現時点で応急仮設住宅が解消されまして用地が返還された事例は、田老第三小学校が1月28日に返還されてございますが、これが1例あるのみでございます。
応急仮設住宅の解消の見通しにつきましては、復興公営住宅の建設促進、住宅の自力再建促進あるいは応急仮設住宅の利用調整の促進が不可欠と考えられますので、県教育委員会といたしましては、関係各部局や市町村と連携を図りまして情報収集に努め、必要な働きかけや協力を行うことによりまして、少しでも早くグラウンドが使用可能となるように努めてまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 この間、子供たちは施設を使えないということで、学校の先生方によると、体力が落ちているのではないか、肥満化しているのではないかという話もあります。そういったことも含めて、この間、使えない子供たちに対する対応、他の施設に練習やいろんな活動をしに行く対応で、その支援策はあったのかどうかお伺いしたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 応急仮設住宅等で運動場の使用制限がある学校の児童生徒への対応でございますけれども、平成26年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果によりますと、運動場の使用が制限されている多くの学校において、外部からの支援や自校の課題に沿った取り組みにより、体力、運動能力は回復傾向にございます。
現在、これらの学校に対して、限られた状況でもできる運動プログラムの提供、指導主事によるきめ細かい学校訪問、運動部活動で内陸部の体育施設に移動するためのバス等借り上げの支援を実施しており、引き続き次年度もこれらを実施していきたいと考えております。
さらには、学校、家庭、地域と連携しながら、希望郷いわて元気・体力アップ60運動に取り組み、被災地においても児童生徒の運動習慣の定着を促進してまいります。
〇城内愛彦委員 自分の学校の施設を使えない被災地の子供たちがまだまだたくさんいますので、ぜひ、引き続き支援はお願いしたいんですけれども、根本的に解消できるように、関係する課と連携をとりながら早目早目に対応していただいて、この間、復興に関しての予算の確保もそうですけれども、資材も高騰しておって、いざ学校施設を建てようと思ったときに、またそれから二、三年、改修も含めて時間がかかります。そういうことを考えると、早目早目に手だてを打って準備しておくというのが必要だと思いますので、その辺ももう検討する時期に入っているのではないかと思いますが、教育長、いかがでしょうか。
〇高橋教育長 校庭が使えない学校の状況については、先ほど課長のほうからも申し上げたとおりでございます。そういう中で、まずもって現実的にどういう対応をしていくかというのは、ソフト面での充実、あとは他の市町村を含めた運動場の確保というようなことで一時的には対応しているところでございますけれども、今、学校生活を送っている子供たちにとって、この時間というのは極めて貴重な時間でございまして、その解決というのはできる限り早期にやる必要があると認識しております。
一方で、さまざまな用地取得の問題ですとか、建設財源等のこともございまして、当初の計画よりもおくれているというところがございますけれども、これは、関係部局との連携、各市町村教育委員会の意向等を踏まえながら、国による継続的な支援というものが必要と考えておりまして、できる限り早期にこの課題が解決されるように努力してまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 ぜひお願いします。
次に移ります。第71回国民体育大会強化事業費についてであります。
いよいよ国体が間近に迫ってまいりました。震災直後は、国体ができるかな、できないだろうな、そういうものがこの岩手にはもう来ないんだろうなと思いながらも、頑張っている競技者の方々の、この機会に何とか大会が誘致できたらなという声を酌み取っていただいて、知事も英断をして国体を誘致するということを決めていただきました。
そういう中にあって、震災という大きな出来事があって、競技者たちの練習であったりトレーニングの機会が若干間延びをしてしまって、士気も落ちてしまった感があるんですが、そういった中にあって国体が決定されて、いよいよ競技をやることになった選手たちの強化の状況、強化の内容というのか、どういう形で進められてきているのかお伺いしたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 第71回国民体育大会強化事業についてでございますけれども、平成27年度当初予算の強化事業費は4億4、574万4、000円と、前年度に比べ2億2、664万9、000円増額し、強化事業に取り組むこととしております。
強化事業の内容は、来年の岩手国体時に入賞の可能性が高い競技、種別を重点的に強化する重点競技強化事業や、岩手国体時に主力となる来年度の高校1、2年生を対象としたターゲットエイジ支援事業などに力を入れて強化を図る予定でございます。
具体的には、県外への遠征をふやし、強豪チームとの交流試合や合同合宿などを実施するとともに、県外の優秀な指導者を招聘した強化練習会をふやすなど、事業の質と量を高めながら選手の育成と強化を進めていくこととしております。特にも、岩手国体まであと1年を切りましたので、スケート、スキーなど冬季競技につきましては強化事業の大幅な拡大を図ることとしております。
〇城内愛彦委員 ぜひ、育成はしっかりとやってほしいと思います。
そこで、天皇杯の目標が8位という設定なんですが、今の状況で8位に届くのかという点をまず1点お伺いしたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 天皇杯目標8位ということでございますけれども、昨年の長崎国体の結果は、天皇杯順位37位、得点807.5点であり、8位の入賞ラインは約1、500点であることから、来年の岩手国体時までに約700点と倍近い得点の上積みが必要となり、ハードルは高いと認識しております。
岩手国体まであと2年を切ったことから、今後は、岩手県体育協会や競技団体との連携のもと、選手強化事業の拡大を図るなどの取り組みを強化し、目標の8位以内を達成するように選手強化に取り組んでまいります。
〇城内愛彦委員 地元の地の利というんですか、そんなに派遣をするわけではないのでコストもかからなくてということもあるかと思います。そういった競技もそうですし、ポイントを稼げる競技があると聞いていますので、そういったものにも力を入れるべきだと思います。
あわせて言うならば、なぜ1位を掲げなかったのかというのは、私は少し納得がいかないんですが、競技をする者にとっては、やはり1位を目指して競技をしていると思います。もちろん、現場で競技をしている者が、自分の立ち位置がどれぐらいかというのは十二分にわかっています。でも、自県開催の国体を、目標設定として1位ではないというのはいささか問題があるというか、士気が下がると思うんですが、その辺はどういう経緯で8位となったのか、確かに数字の積み重ねで8位というのはわかりますが、どうせならば1位にしなかったのかという、その判断は、教育長、どうでしょうか。
〇高橋教育長 御案内のとおり、東日本大震災津波発生前の本県の計画といたしましては、岩手国体1位という目標を掲げていたところでございます。ただ、発災後、さまざまな紆余曲折をたどりながら本県で開催するという決定を県としてした際に、これは、何よりも大震災からの復興が最優先という中で、国体も同時に成功させるという中では大きな制約要因があるだろうということで、競技団体等とも十分に話し合った上で、当面の目標を8位以内の入賞ということにしたところでございます。ただ、これは8位を最終的な目標ということではなくて、8位以内の入賞が目標でございますので、できる限り高い入賞を目指して鋭意努力したいと思っております。
具体的にどういう対応かということでございますけれども、来年度予算につきましては、強化費を今年度と比較しまして倍増というような水準を確保させていただきましたし、これは、前に既に国体に出た選手には出場制限がございますので、本県の選手として出場するには、新たに大学を卒業する生徒たちの県外出身者の確保というようなことも大事でございまして、その辺の県としての特別採用の枠についても拡大することといたしております。そしてまた、何よりも本県の現在の選手団のレベルを向上させるというようなことを、競技団体とベクトルを合わせて前に進もうということにいたしておりますので、できるだけ高い入賞を目指して頑張ってまいりたいと思っております。
〇城内愛彦委員 選手、アスリートの皆さんは常にトップを目指して頑張っていらっしゃいます。震災の間も、アスリートの皆さんは、いつ何時チャンスが来てもいいようにということで、できる範囲でトレーニングは怠らなかったと聞いています。そういう中にあって、被災地の復興をまず全国の方々に見てもらうんだ、岩手の元気度を皆さんにお知らせするんだという意味では、実数で積み上げた数字の8位ではなくて、少なくても優勝を目指すぐらいの目標設定をしてほしかったなと。そのことが、また、アスリートの新たな力を引き出す意味での大きな要素、ばねになると思うんです。今からでも遅くないと思いますが、アスリート、トップ選手方の心を喚起させる上でも必要なものではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇高橋教育長 今、城内委員から御指摘のありましたことを我々も十分頭に入れながら、競技団体と同じ目標に向かって頑張りたいと思います。そしてまた、今回の岩手国体につきましては、復興を進める中で開催されるということで、大きなその成果を上げるということが岩手県民の皆さんの将来への希望にもつながっていくと思いますし、岩手県民の底力を示す大きな機会だと思っておりますので、できる限りレベルの高い入賞に向けて頑張ってまいりたいと思っております。
〇城内愛彦委員 被災地で開催される国体であります。他に例のない国体でありますので、開催準備をされるいろんな競技団体の方々も腐心しながら進めているというのは十分知っています。そういった支える方々、お招きする県民も含めて一丸となって成功に結びつけるためには、やはり1位というのは大事な目標設定だと思います。そのことをお願いして、終わりたいと思います。
〇岩渕誠委員 ただいま議論のありました国体の選手強化の点について関連してお伺いいたします。
特に成年競技では、選手層が薄いということもあって、各競技団体のほうから、何とか岩手で就職をしてもらって選手確保につなげたいという動きはあるわけでありまして、八木総括課長も、その取りまとめということで大変御苦労されていることと思います。
現在までの選手の確保状況といいますか、県内でいろんな形で選手を受け入れておられるかと思いますけれども、その実績について、わかればお示しいただきたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 成年選手の確保ということでございますけれども、今、県でも県教育委員会の特別選考等で確保している分もございますし、昨年度からいわてアスリート就職マッチングというものを開催しておりまして、民間企業の方々にも御支援いただきながら、その確保に努めているところでございます。
平成26年度の採用についてでございますけれども、強化選手の職員はトータル51名を採用したところでございます。平成27年度もそれを超える数を目指して、今、支援に取り組んでいるところでございます。
〇岩渕誠委員 この51名、それから平成27年度もということでありますけれども、例えば公共セクターでどれぐらいで、民間でどれぐらいなのかということがわかればお示しいただきたい。特に、いわゆる公的部門、行政部門でありますけれども、県の部分で採用した人間がどれぐらいで、市町村がどれぐらいかというのがわかればお示しいただきたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 先ほどの平成26年度の51名の内訳でございますけれども、民間が11名、公務員等が40名となっております。内訳につきましては、盛岡市が6名、北上市が2名、あとは八幡平市1名、自衛隊1名、県が30名ということになっております。
〇岩渕誠委員 経済状況が大変よくない中で、かつての国体といいますと、チームスポーツは、県内の優良企業がチームごと受け入れて強化策をやるということだったわけでありますが、岩手国体に向けた動き、経済状況を勘案すれば、民間が少ないのもやむを得ないのかなと思うんですが、ただ、今お示しいただいたように、県の採用の割合が突出していると私は思っております。何を言いたいかといいますと、国体が開催されるという段階で、先ほどありましたけれども、震災でやめようかという話の中で、特に市町村のほうもいろんな協力をするので国体をやってほしいという声が上がったわけであります。ところが、選手の獲得という観点から見ると、盛岡市と北上市は頑張っていますけれども、ほかの市町村ではなかなか広がっていないというのが現実だと思います。
今、スポーツ界では、御存じのとおり、何か大きな大会をやった後に遺跡を残そうという、いわゆるオリンピックレガシーだとか、ワールドカップレガシーという言葉になっておりまして、岩手国体でも過去の例を見れば、ホッケー競技などは岩手町が本当にしっかり取り組んで、その後、レガシーになっていったという歴史がある中で、今回、選手採用と今後の地域おこしスポーツをどうするかということは、私は、もう一度可能性があるものだと思っております。今後、県としての採用枠を広げることは当然でありますけれども、特に市町村に対しての働きかけというものをしっかりやっていかないと、これは本当にやっただけに終わってしまうということも懸念するわけでありまして、そのあたりの対策とお考えがあればお示しいただいて、終わりたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 今後も市町村に対してはその採用についてお願いしてまいりたいと思っております。また、民間についてもこれは進めなければいけないと思っておりまして、3月20日にはいわてアスリート就職マッチング2016ということで、指定選手31名を集めて、企業も19社集め、実施することとしております。この支援を拡大していきたいと考えております。
〇高田一郎委員 まず、私から、最初に一関清明支援学校千厩分教室について伺います。
これまで、分教室については千厩小学校の空き教室を活用して対応してきました。今後、千厩小学校については、五つの小学校が統合するということで、新しい統合校舎の建設が行われようとしております。当然、その分教室についても新校舎で対応していただきたいと思うんですが、一関市との間ではどのような協議がやられているのか、これがまず1点です。
それから、千厩分教室の小学部においていわゆる一緒に授業をすることによる教育的な効果を県教育委員会としてはどのように見ているのか、二つまとめて答弁をお願いいたします。
〇宮澤学校施設課長 千厩の統合小学校に係る一関市との協議の状況についてでございますが、一関市からは、旧千厩高校を千厩地域の統合小学校の建設地とするため、平成26年11月に譲渡要望書の提出がございました。これまで、譲渡に当たっての課題等について市と協議を行ってきているところでございます。
主な協議事項でございますが、現在、千厩高校の部活動に使用している旧千厩高等学校グラウンド等の代替施設の確保や、統合小学校に設置している一関清明支援学校千厩分教室の配置等について協議を行ってございます。
一関市におきます小学校の統合につきましては、県教育委員会として支援する方針でございますので、諸課題の早期解決に向けまして、引き続き一関市と協議を進めていくこととしてございます。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 千厩分教室の教育的効果についてでございますが、千厩分教室の小学部につきましては、平成19年4月に、地元自治体からの要望により、一関市立千厩小学校内に設置したところでございます。現在、入学式、運動会など主要な行事を合同で実施しているほか、小学校との共同学習も積極的に行っていることから、児童同士の日常的な交流が進んでおり、ともに学びともに育つ教育環境が醸成されつつあります。このことによって、子供たちに、障がいの有無にかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し合える豊かな心が育まれていると考えております。
〇高田一郎委員 グラウンドの件については、先ほど佐々木朋和委員が議論しましたので、これについては了解いたしました。
私が聞きたいのは、千厩分教室が、統合小学校が建設されることによってどうなるかということなんです。今、宮澤課長のお話ですと、一関市と協議を行っているということでした。当然そうあるべきだと思うんですが、この建設については、平成27年度の設計で平成30年度に開校ということですから、結論を早く決めなければいけないという時期なんです。先ほど、民部田課長のお話にもあったとおり、教育的な効果が相当生まれている、そういう役割を果たしている内容なんです。ですから、県教育委員会として、新しい学校できちっと分教室を設置して対応するということになるのでしょうか。
〇宮澤学校施設課長 一関清明支援学校千厩分教室の施設の設置についてでございますけれども、これまでの分教室の設置の経過でありますとか教育効果等を考慮した場合、新設の統合小学校に設置することが望ましいと考えているところでございます。子供たちの教育環境をどのように確保するか、また、県と市の役割をどのように分担するかといった視点を踏まえて、現在、一関市と協議をしてございます。いずれにせよ、市側の建設計画に支障を来さないように協議を進めてまいりたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 望ましいと考えているということですから、県としては、いろんな課題をクリアしながら、設置に向けて市と協議をしているということで理解していいのでしょうか。
私も現場に行っていろいろ感じたんですけれども、一緒に同じ建物で学ぶことによる教育的効果というのはすごいなと感じてきました。分教室の小学部の子供たちは、一緒に学ぶことによって学校現場で非常に落ちついていると。そして、小学校の生徒は障がいのある子供たちを理解して、優しく気配りをする子供たちがふえて、非常に相乗効果を発揮しているんだと。校長先生からもお話をいただきましたけれども、やはりともに学びともに成長する共生社会というのは教育の原点なんだということで、学校現場からも、そして地域からも、きちっとやってほしいんだというお話がありました。
教育長は、ふるさとの学校でもありますけれども、どうですか。新年度に設計ですから、結論を出さなければいけない時期なんです。県として、望ましいという考えということは、前向きに市や地域住民の要望に応えて対応していきたいということで、次の質問に移っていいですか。
〇高橋教育長 ふるさとかどうかということで行政をどうするかというのはあってはならないと考えております。
特別支援学校の分教室の設置でございますけれども、そもそもこれは、各市町村において、空き教室等の分教室としての場を確保できるということと、さらに、そういうことを前提として市町村から強い要望があって、それで設置してきたという経緯がございます。
そういう中で、現在、一関市千厩のほかに遠野市と二戸市において、ごく限定された、そういう条件を満たすところに分教室を設置してきております。
今回、千厩小学校の統合にかかわって、そのあり方について現在協議しているところでございまして、これまでの本県と市町村との協力関係の経緯等を十分踏まえまして、本来的には、そういう役割分担の上で進めるべきと考えておりまして、そういう点を含めて、今後、一関市と協議をさらに深めていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 分教室の設置については、地元の基本構想検討委員会からも、市の教育長に対して、ぜひ、小学部を千厩小学校に設置してほしいんだという強い要望も出されておりますし、学校現場からも強い要求があります。
今、県内に3カ所、分教室があるというお話がありましたけれども、恐らく、新しく建てかえたときに、そこに分教室を設置するというのはこれまでに前例がないということだと思うんです。しかし、前例がないからといって、では、もとに戻って別々にやっていいのか、30キロメートルも離れた本校舎に子供たちを通わせていいのかということになるわけですから。子どもの権利条約ですか、今回の議会にはいわての子どもを健やかに育む条例なども提案されているわけです。最善の環境の中で子供たちを成長させるんだという視点を大事にして、早い段階で結論を出していただきたいと強く要望しておきたいと思います。
次に、ちょっと順番を変えまして、学校図書館の充実について伺います。
子供の学びを支える学校図書館の役割、充実というのは大変大きな課題だと思っています。
そこで、県内の学校図書館の現状について伺いたいと思います。学校図書館の蔵書数、国で決められている基準以下の学校がどうなっているか、あるいは新聞を活用した学校、そして学校図書館司書の配置状況がどうなっているのか、まず伺います。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 それでは、私のほうから小中学校の状況について御説明申し上げます。
小中学校における蔵書数学校図書館標準以下の学校についてでありますが、平成25年度の学校図書館現状調査によりますと、下回る学校は、小学校約45%、中学校約49%という現状にございます。
続きまして、新聞の活用についての御質問があったわけですけれども、新聞を活用した学校の数につきましては、県として調査しておりませんので数的なデータはございませんが、学習指導要領において、新聞について指導すべき内容として明確に位置づけられておりますので、教科学習の内容等に盛り込まれていると判断しまして、全ての学校が新聞を活用した学習に取り組んでいるものと捉えているところでございます。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 特別支援学校の状況についてでございますが、小学部におきましては12校中11校、同じく中学部におきましては12校中12校となっております。
新聞の活用につきましては、小学校及び中学校に準じた教育課程を設定している学校につきましては、児童生徒の実態等に応じまして取り組んでおります。
〇金田参事兼教職員課総括課長 図書館司書の配置でございます。まず、学校には司書教諭の配置が義務づけられている部分がございます。学校図書館法及び政令で、12学級以上の学校には司書教諭の配置が義務づけられておりまして、これについては100%配置しているところでございますが、11学級以下も含めた全体で見れば、小学校で27.5%、中学校では27.0%、高校では64.7%というような割合になってございます。
もう一つは、学校図書館の実務面を担当する学校図書館司書ですが、これは配置の義務づけがないということもございまして、小学校で24.2%、中学校で22.1%、高校では12.4%となっているところです。
〇高田一郎委員 学校図書館については、国のほうでは学校図書館整備5カ年計画というものを5年ごとにつくっていまして、今は2012年から始まった整備計画に基づいて地方財政措置がされて対応しているわけです。地方交付税措置でありますから、市町村での対応に格差があるということだと思うんです。今のお話を聞きますと、蔵書数では達成している学校が5割弱、図書館司書については、努力義務になっていますけれども、22%から24%ということで、これは国全体の率からすれば5割近くになっているんですけれども、こういう数字から見ますと、岩手の場合は学校図書館に対する対応というのは全国的に非常におくれている分野ではないかと私は思うんですが、その点についての見解、考えをお伺いします。
そして、子供たちの学びを支える重要な役割を持っているわけでありますから、こういったおくれている分野を充実させるように市町村に対する支援というものを強く求め、場合によっては県としても最大限支援できる対応をとっていくべきではないかと思うんですが、その点について答弁いただきたいと思います。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 最初に、図書館の蔵書等の整備のことについてお話をさせていただきたいと思います。
ただいま委員御指摘のとおり、平成24年から平成28年までのところで新学校図書整備5カ年計画というものが国の中で整備されております。それに基づきまして、先ほど御案内がありましたとおり、地方財政措置が講じられているということで、国のほうからいただいた文書等も添付しまして、県教育委員会といたしましても、例年、大体3月の末ぐらいに各市町村のほうに地方財政措置について取り組むようにという通知を出しているところでございます。また、会議等でも今回の5カ年計画についての話をしながら、実は学校図書館への新聞配備ということも盛り込まれてございますので、そういう部分を強調しながら説明し、市町村の理解をいただきながら推進に努めているところでございます。
〇高田一郎委員 私は、もう一つ、岩手は全国から見て学校図書館の対応についてはおくれている分野ではないか、どうなんですかということを聞いたので、これは教育長にお伺いしたいと思います。
それで、学校図書館司書というのは非常に大きな役割を果たしている専門職だと思うんです。子供たちの関心や疑問に応えて司書が本を紹介したり、あるいは先生方の教育のさまざまな授業を準備するサポートといいますか、そういう役割を果たしているのが学校図書館司書だと思うんです。
全国的に先進自治体と言われる岡山県岡山市では、全ての学校に、司書教諭ではなくて専任の司書を配置して対応している。だから、全国から見ても、子供たち1人が読む読書数の2倍を超えているということなんです。そこに人がいることによる効果というのは物すごいと思います。
先ほど、地方財政措置という話をされましたけれども、地方財政措置は、1週間当たり30時間勤務する職員をおおむね2校に1名程度配置することが可能な規模の措置なんです。おおむね2校に1校ですから、岩手の場合は22%ですから、そういう点でも非常におくれているんじゃないかと思われます。いろいろ文書を出してやっているというお話でありましたけれども、もっと一工夫して対応していくべきじゃないかと思います。このことも含めて、まとめて教育長から答弁いただければと。
〇高橋教育長 学校図書館の蔵書数の関係ですとか専任職員の配置等につきましては、委員から御紹介があったとおりだと思っております。
そういう中で、図書館の充実に向けては基本的には地方財政措置が講じられているということで、それぞれ市町村で、そういう状況を踏まえつつ、一般財源とはいいつつも、その辺を十分踏まえた対応をしていただくように今後とも要請していきたいと思っております。
また、専任職員につきましては、それぞれ学校の規模等もございます。そういう中で、現有の教員の中でそういう機能を確保できるということがあれば、それはそれでまた一つのやり方だと思っておりますし、専任職員を配置するというようなことも、また、同等にそういうやり方も十分あり得ると思っておりまして、本県としてどういうことが現実的に対応できるのか、今後、市町村等とも十分協議しながら意見交換をしていきたいと思っております。
〇高田一郎委員 岩手は全国的に見ておくれているのではないかと重ねて質問したんですけれども、重ねて答弁がありませんでしたけれども、非常に岩手はおくれております。市町村に対する文書での支援だけでなくて、具体的な財政支援なども含めていろいろな検討をするということですから、検討していただきたいと思います。
次に、児童生徒の心のケア対策について伺います。
岩手県が毎年行っています児童生徒のストレス調査でも、新聞報道を見ますと、内陸部と比較しても要サポートが非常に増加しているという状況です。
岩手においては、国の緊急スクールカウンセラー等派遣事業などを活用して対応していますけれども、これも平成27年度までとなっているという財政支援の状況です。私は、今後とも児童生徒への心のケア対策というのはますます重要になっていると思うんですが、この点についての見解をお伺いしたい。
それから、その心のケア対策を担っているスクールカウンセラー等は十分な配置状況になっているのか、必要な人員をどう見ているのか、この辺の実態についてまず伺います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 中長期的な児童生徒の心のケアについてでありますけれども、阪神・淡路大震災における教育的配慮を要する児童生徒数の推移を見ますと、おおむね落ちつくのに8年程度の期間を要しておりますので、本県におきましても、中長期的な支援の継続が必要であると認識しております。
現在、巡回型カウンセラーや配置カウンセラーを、さまざま被災地を含めて全県下に配置しておりまして、その必要な人員につきましては、1人のスクールカウンセラーが担当する学校数に幅があることから、所要の人数を具体に示すことはなかなか難しいわけでありますけれども、今年度の配置実績から判断して、80名ほどの人員が必要であると考えております。
〇高田一郎委員 80名ほど必要だということですけれども、今、どのぐらいの配置状況になっているのでしょうか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 実際に子供たちを見るスクールカウンセラーが八十数名になりますけれども、加えて、いわゆるスクールカウンセラーをスーパーバイズするスーパーバイザーが4人ほどになりますので、それらを全部合わせますと、91名という数字になっております。
〇高田一郎委員 それで、スクールカウンセラーもますます重要になっていると思うんですが、さらに、先日、陸前高田市にいろいろ関係者のお話を聞きに行きましたけれども、スクールソーシャルワーカーは、今、非常に長引く応急仮設住宅暮らし、あるいは失業などによる経済不安の中で、親のストレスが子供たちの心の問題に大きく影響しているということで、今後、高台移転がどんどん進む中で、高台移転に進んだ家庭と、応急仮設住宅に取り残されることで親も子供たちもそういった不安に駆られるということで、ますますこういった分野の支援が大事だということをお聞きしてきました。子供たちだけではなく、家庭に行って親御さんのお話を聞いたり、あるいは友達と接してその状況を聞いたりして、学校にそういった問題をお伝えしてさまざまな問題を解決していく、そういう役割を果たしているスクールソーシャルワーカーの果たす役割は大きいと思います。
先ほど教育長が、冒頭の説明の中で新年度は充実させていきたいと言っていますが、私が県内の状況を調べて見ましたら、このスクールソーシャルワーカーというのはわずか12人しかいないとなっています。新年度、どのように充実になるんでしょうか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 委員御指摘のとおり、親の経済状況とか、もしくは応急仮設住宅での生活が長引くこと等が子供たちの心のストレスにつながっているという状況もありますので、現在、スクールソーシャルワーカーは12名ですけれども、新年度につきましては3名の増員を考えております。沿岸部の各教育事務所に1人ずつふやすことを考えておりまして、県の社会福祉士会と連携しながら人材確保に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博副委員長 高田委員、議事進行に御協力をお願いします。
〇高田一郎委員 新年度3名ふやすということで、いいことだと思います。いただいた資料を見ますと、県内12人となっていますけれども、その中で県南には2人、それから盛岡3人、中部3名、沿岸南部2名、宮古1名、県北1名という数で、さらに新年度は3名ふやすということですからそれはそれとしていいと思うんですが、例えば県南の場合、2名となっていますけれども、そのうちの1人は一関地域を担当していて、わずか2校です。そして、1人が対応するのは2人から3人、こういう程度なんです。そういう意味ではまだまだ足りない。こういった人材を育成してふやしていかなければならないと私は思うんですが、中長期的に見てそういう対応も考えていかなければならないのではないかと思うんですが、その辺についての答弁をいただきたいと思います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 今、委員御指摘のとおり、やはり我々としても人材確保が大きな課題であり、しかも、社会福祉士の資格を持った方をいかに確保するかが課題と考えておりますので、いずれ県の社会福祉士会と連携しながらそこは取り組みたいと思っております。
〇高田一郎委員 よろしくお願いしたいと思います。
最後に、復興財源の問題についてお聞きいたします。
2016年以降の復興財源をめぐっては、総理や官房長官、大臣の発言が大変波紋を呼んでおります。官房長官のインタビューを見ますと、2016年度以降の復興財源については、40の基幹事業を基本として、ソフト事業などは地方負担というような報道もされております。教育委員会関連では、これが現実味を帯びた場合にはどういう影響が出るのか数字を示していただきたいと思います。
〇小畑予算財務課長 2016年度以降の復興財源についてでございますけれども、昨年6月に行った復興事業費の再試算では、この期間中の県教育委員会関係の復興事業費を138億3、700万円余、事業数にして27事業と見込んでいるところでございます。
このうち、委員から御指摘ありました40の基幹事業でございますけれども、東日本大震災復興交付金に該当する事業は、遺跡調査事業で6億5、000万円余を見込んでいるところでございます。この基幹事業に関連して実施するソフト事業等のいわゆる関連事業でございますけれども、この時点ではソフト事業は見込んでいないことから、この数字には入っていないところでございます。
しかしながら、この復興交付金事業以外の復興事業につきましても、その財源といたしまして国庫補助金ですとか、あるいは震災復興の関係の特別交付税といういわゆる国の財政支援を受けて実施しているところでございますので、県教育委員会といたしましては、いずれ必要な事業については引き続き財源措置できるように、今後とも国に対して状況を見ながら強く求めていくというふうに考えているところでございます。
〇高田一郎委員 復興財源については、知事も4月に入ったら国に対して強く要望していきたいということですので、県教育委員会としても知事部局と連携して頑張っていただきたいと思います。
以上、要望して終わります。
〇五日市王委員 文化財建造物への漆の使用について1点のみお伺いいたしますが、その前に、まずは、新年度、県立盛岡みたけ支援学校高等部の二戸分教室開設に向けた予算を計上していただきまして大変ありがとうございました。場所も福岡工業高校ということでございますが、先ほどの嵯峨委員の質問を聞いていてちょっと不安に思ったもので、先ほど老朽化のお話の中で、何か最後のほうに福岡工業高校と聞いたような気がしたものですから、その辺は大丈夫なんでしょうか。
〇宮澤学校施設課長 福岡工業高校の施設を活用いたしまして来年度に分教室を新たに整備することになってございますけれども、ただいまの御指摘のとおり、確かに一部には耐震性に若干問題がある施設もございます。そのほか、作業棟等複数の施設を使ってこれから整備を進めてまいりますので、今後、整備の過程におきまして、なるべく支障の生じないように、ソフト、ハード両面にわたって検討していきたいと思っております。
〇五日市王委員 よろしくお願いします。
文化庁は、2月24日付で国宝・重要文化財保存修理における漆の使用方針について各都道府県教育委員会に通知を出しましたが、まずはその内容についてお伺いいたします。
〇佐々木文化財課長 今回の通知で示されました文化庁の建造物修理の漆の使用方針についてでありますが、文化庁では、平成18年度からふるさと文化財の森システム推進事業を実施し、国産修理用資材の供給体制の整備に努めてきたところでございます。漆も文化財修理のための資材の一つでございまして、一定量を確保できるめどが立ったことから、今後、国庫補助事業として実施する国宝、重要文化財の建造物を保存、修理する際に使用する漆につきまして、原則として国産漆を使用する。当面、上塗りと中塗りを国産漆とし、平成30年度をめどに下地まで対象とすることを目指すという方針が今回の通知で示されたものでございます。
〇五日市王委員 漆の産地、浄法寺にしてみれば大変な追い風といいますか、ありがたいお話でございまして、平成27年度以降、いわゆる国庫補助事業として予定されている国宝や重要文化財の保存、修理は全国にどのぐらいあるのか、把握していればお示しいただきたいと思います。
〇佐々木文化財課長 文化庁にも確認してみたのですけれども、国庫補助事業を所管しております文化庁において公表していないということでございまして、今後の修理件数等は不明でございます。ただ、現在におきましても、日光東照宮などの保存、修理において漆の100%国産化を実施しているところでございます。
〇五日市王委員 公表していないということであればしようがないんですが、恐らくかなりの量があるのではないかと思われます。いずれ、現在、漆は外国産が大体97%、国内産が3%。国内産3%のうちのおよそ7割が浄法寺産ということですので、国産化100%ということになればかなりの量が使われるのではないかと思います。現在でも文化財の保存や修理には約2トン必要とされておりますけれども、完全国産化に向けて見込まれる需要というのがどのぐらいあるのかお示し願いたいと思います。
〇佐々木文化財課長 国産化によって見込まれる需要についてでございますけれども、文化庁の資料によりますと、現状では建造物の保存、修理用の国産漆の使用量は約0.7トンとなってございます。現在、約2トンが全体でございますので、上塗りから下地づけまで100%国産化にした場合は約1.3トンの需要が増加するものと見込まれます。
〇五日市王委員 きのうも浄法寺で会合があったものですから、浄法寺の漆関係の方々ともこの話題でお話をさせていただきましたが、かなり木はあると。木はあるけれども漆かき職人がいないとか、その後の関係が、高齢化しているという現実もあって、これを追い風にしてぜひともその解決も図っていきたいし、あと、要は漆器製品の販路拡大にもつなげていきたいと期待している部分がかなりあります。
そこで、岩手県では、こういった文化財の補修、保存に関して、国庫補助に対してかさ上げ補助を以前は行っていたんですが、平成16年から凍結してきているという現実がございます。今、浄法寺の天台寺も改修中ですが、結果的には、違う財布から出していただいているのでかさ上げ補助をしていただいているという状況ではあるんですが、これは県教育委員会からのかさ上げ補助ではなく、別な財布から出していただいているのが現実でございます。国も、今、こういった状況がありますし、私が平成22年3月1日に一般質問したとき、当時の法貴教育長からはかさ上げ補助凍結を解除する予定は今のところないというお話でした。県内の文化財の修理要望状況は、あのとき、たしか岩手銀行の旧本店と天台寺というお話だったような気がするんですが、ニーズがあるのかないのかもよくわからないんですが、いずれこういった追い風に乗って、県としてもこういったかさ上げ補助を復活させて、後押しをしていただくような考えはないのかどうかというところを教えていただきたいと思います。
ちなみに、国は、漆国産化によってふえた分のお金もきちんと国庫補助で面倒を見るというような方針でございますが、その辺は県としてどういう後押しをするのかというところのお考えを教育長にお聞きしたいと思います。
〇高橋教育長 県単でのかさ上げ補助につきましては、行財政構造改革プログラムの中で、全庁的に財政システムを見直す中で廃止されたと承知いたしております。
ただいま委員からお話のありました具体的な提案でございますけれども、その県単補助のかさ上げを廃止した中でも世界遺産関連施設については残してきているということでございまして、ただ、社会情勢の変化に伴って、それに対応していくという視点は十分我々も改めて検討する必要があると思っております。
ただ、これは全庁的な財政ルールの話もございます。それから、これまでの見直しの経緯も十分踏まえることも必要でございますので、それらも含めて今後の検討とさせていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 学力テスト体制の問題と、国連子どもの権利委員会の勧告にかかわって、八重樫教育委員会委員長に質問したいと思います。
私は一般質問でもこの問題を取り上げて、学力テストが実施されて、今、学校現場はテスト漬けになっているということを指摘いたしました。教育委員長は、テスト対策を主眼とした取り組みは厳に慎むように指導していると、立派な答弁でした。しかし、学校現場は、そうなっていないんじゃないかと。まず、その実態認識をお聞きしたい。
〇八重樫教育委員会委員長 テスト漬けになっているのではないかという質問でございますけれども、本会議でも答弁いたしましたけれども、国が行う全国学力・学習状況調査及び県の学習定着度状況調査の実施に当たっては、年度当初の校長会議、校長研修会等において、学力調査は、あくまで明らかになった課題をもとに指導改善に役立てるのだと、そして、児童生徒の学力保障につなげるために実施するのであるということを徹底するよう指導しております。また、昨年12月には、県の通知によって、直前のテスト対策を行わないなどの留意事項について、改めて各市町村教育委員会を通じて各学校に指導したところでございます。
テスト対策をやっているのかなどについては、調べておりませんけれども、もし一部の学校に委員御指摘のようないわゆるテスト対策を主眼とした取り組みに偏重している実態があれば、これを是正するように今後とも指導してまいります。
〇斉藤信委員 少しリアリズムでお話ししたいと思うんだけれども、全国学力テストが4月下旬に行われると。ある学校では、2月、11月は学力向上月間、8月、10月はプリント学習、朝学習もやっているんですよ。私は高校の朝学習というのにも驚いたけれども、今、小学校の朝学習、これは読書だけじゃなくてこういうことまでやっていると。本当にさま変わりしたなと思っているんです。残念ながら、教育委員長の適切な指導が行き渡っていないんじゃないか。
もう一つ、今お話をされた12月18日付の各市町村教育長宛ての通知ですけれども、ここではこう言っているんですね。調査により測定できるのは学力の特定の一部分であることと。平均正答率などの数値については一覧での公表は行わないと言いながら、こう書いているんですよ。過去の諸調査問題の活用について、日常の指導の一環として授業及び家庭学習等に計画的に取り入れて指導することは推奨する一方、いわゆるテスト対策として調査実施の直前に指導することは、調査本来の趣旨を損ねることから厳に慎むこと。これ、矛盾しているんですよ。日常的に学力テスト対策をやったらいいと。それは推奨しますと。直前にやったらだめですよと。こんな中途半端な通知はないと思うんですよ、委員長。私が言ったように、2月、11月は学力向上月間、8月、10月はプリント学習、これだったら推奨されるということになるんじゃないですか。通常の授業もあるんですよ。それが学力テストのためにゆがめられているという実態ですから、私は、この趣旨が少しおかしいんじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
〇八重樫教育委員会委員長 具体例で申しますけれども、例えば朝学習は今に始まったものではなく、もう何十年も前から、学校では基礎、基本を定着させよう、あるいは読み書きを定着させるために短時間でも集中してやらせたいという先生方の願い、子供たちも、力をつけたい、そういう願いでそういう短い時間を使って、1時間目の学習にすっと入れるようにとか、さまざまな狙いを持ってやっているのでありますし、この通知についても、私も熟読玩味していますし、出す前にも読みましたけれども、これは必ずしもテスト前にこれをやれと言っているわけでもないですし、私は矛盾していないと思います。もし学校が必要であれば、おくれている分野の過去問題についてそこは集中的にやるという形で取り上げてやるということですから、各学校の実態によってそれを取り上げるのは自由ではないかと思っていますし、それまでも何もかにも禁じるのでは、余りにも県教育委員会の言うとおりになってしまうことになるのではないかと思っています。例えばプリント学習でも学力向上月間でも、これは中学生であれば生徒会活動の一環としてやっている学校もありますし、いろいろな形で生徒たちの学習意欲につなげる、学力向上につなげるためにやっているものと私は捉えております。
〇斉藤信委員 私は朝学習を否定したんじゃないんですよ。朝学習にまでプリント学習が導入されているよと。結局、4月下旬の学力テストのために通常の授業がゆがめられていると。子供たちがそういうことで苦しんでいるよということを私は指摘したのですよ。よく正確に受けとめてやってください。
もう一つ、国連子どもの権利委員会の3回にわたる勧告の内容ですけれども、こういうふうに指摘しているんですよ。私は教育の部分だけ指摘します。過度の競争に関する苦情が増加し続けていることに懸念を持って留意する。また、高度に競争的な学校環境が就学年齢にある児童の間でいじめ、精神障がい、不登校、中途退学、自殺を助長している可能性があることを懸念する。極端に競争的な環境による悪影響を回避することを目的として、学校及び教育制度を見直すことを勧告する。教育については極めて厳しい3回とも同じ趣旨の勧告がなされた。
例えば、先ほども不登校の問題が議論になりましたけれども、岩手県の平成25年度の問題行動調査で、いじめの認知件数は837件、不登校は小、中で863人、高等学校で373人です。高校中退は378人。私は、この実態に国連子どもの権利委員会が指摘した厳しい状況が示されているのではないかと思いますが、いかがですか。
〇八重樫教育委員会委員長 子どもの権利条約につきましては、斉藤委員から再三再四、御指摘を受けたり勉強させていただいております。この勧告につきましては国になされたものでありますけれども、委員がおっしゃるとおり、生きる権利とか、あるいは育つ権利、守られる権利、参加する権利は、子供だけではなく、我々大人、家庭、教育現場、社会全体で実現、確保されなければならないと思っております。委員御指摘のそういう問題も、国の制度としてはあるかもしれませんけれども、岩手県においても、あるいは細かく分析すればあるかもしれませんが、県教育委員会として、例えばテストをやる、いじめ対策をやる場合においても、これは子どもの権利条約に抵触するかしないか、そういうことをふるいにかけないまでも、そういうことを念頭に置きながら施策を実行しているつもりであります。
例えば、今議会に提案させていただいておりますけれども、いわての子どもを健やかに育む条例案について、県教育委員会としても、地方教育行政法の規定に基づいて検討した結果、異存ないと回答しておりますし、そのほか、先ほど言いましたように、いじめの問題、不登校の問題、体罰の問題、協議する際に十分念頭に置きながら対応しているところであります。
さらに具体的な取り組みとして、今回、県教育委員会として、人権教育啓発リーフレットをつくって、子供の権利を守ることを学校現場に啓発、徹底しようとして取り組んでいるところでございます。遅まきながら委員の指摘を真摯に受けとめてやっているつもりでございますので、よろしくお願いします。
〇工藤勝博副委員長 斉藤委員は当該委員でもありますので、質疑は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇斉藤信委員 もうこれで最後にします。
私が国連子どもの権利委員会の勧告の内容を紹介して、県内でも、全国的には相対的に少ないかもしれないけれども、いじめの認知件数が837件、不登校が863人、高校中退が378人というのは、国連子どもの権利委員会の勧告が指摘したそういう大変深刻な状況があらわれているのではないかと指摘したんですよ。
最後ですから、この国連子どもの権利委員会の勧告、子どもの権利条約というのは、全ての機関で、そして子供たちに徹底すべきだというのが条約上の義務なんです。勧告については、地方自治体の関係者に対して伝達し、勧告が完全に実施されることを確保するため、あらゆる適切な手段を講じることを勧告すると。この勧告の内容を子供にまで徹底すべきだとなっているんですよ。改めて聞きますが、県教育委員会では、この子どもの権利条約、そしてこの勧告をきちんと議論しているのか、そして、子供を含めて徹底するという手だてをとっているのか。
奈良県のインターネットを見たんですけれども、奈良県は、小学校低学年、高学年、中高生向けに子どもの権利条約の内容を徹底する文書を出していますよ。そういう意味で、そこの徹底状況も含めてお聞きしたい。
〇八重樫教育委員会委員長 先ほど紹介しましたけれども、県としてこういうリーフレットをつくって各学校に配付していますが、まだ委員に届いていないようであれば、ぜひ見ていただきたい。委員が今おっしゃった子供たちにも徹底するという内容が明確に書いてあります。それから、このリーフレットには北上の和賀西小学校でも実践しているという例もありますし、さらに、県教育委員会として、昨年3月に岩手県人権教育基本方針というものをつくって、各現場に、子供の人権を守るためのいろいろな考え方、趣旨等について、勧告の内容についても配付してあります。それから、来年度分ですけれども学校教育指導指針を各小中学校に配付するのですが、この中にも人権教育という項目を新たに設けて、委員御指摘のいじめ、その他虐待等々の問題についてもきちんとやりましょうということを書いて学校を指導しています。そういう取り組みを、協議をしながらつくって配付しているところでございます。
〇工藤勝博副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 資料は提供しておりましたので、手短に1点だけやらせてください。
岩手県の、今までも、そしてこれからも大事なことは、若い人をいかに岩手県に残すかということになっていると思います。そういう中で、先般、国立宮古海上技術短期大学校の卒業式が行われて、42名が巣立ってまいりました。この海上技術短期大学校は、全国に3校だけであります。どういう学校かといいますと、高校を終わってから2年間勉強する。そして、卒業時には4級海技士、つまり5、000トンクラスの貨物船の船長をできる受験資格を有するわけです。日本は四面を海に囲まれた国でありまして、この子供たちは内航に従事します。そして、20代前半で手取りの給料が27万円、恐らく生涯所得は2億円を超えるでありましょう。そういう中で、岩手県からの子供たちが半分ぐらいしか入っていない。あとは秋田県でありますとか青森県とか宮城県なんですね。やはり私たちとしては、地元にこういういい学校があるということで、将来の就職指導の中にぜひ組み込んでいただきたいと思います。
この仕事は、3カ月勤務、1カ月休みと。1カ月休みですから、結婚して、1カ月、本当に頑張って励んでいただければ必ず子供がいっぱいできる、こういうことにもつながってきますので、あるいはもう30代初めには宅地つきの住宅を構えることもできる、そういういい仕事があるということをぜひ進路指導の中に加えていただいて、岩手県に本籍を置けば、外貨を稼いでもらうわけですから、岩手県の収入にもなる、こういうことなものですから、ぜひそういうのもお含みおきいただいて子供たちの進路指導の中に加えていただきたいと思うんですが、これを一つ聞いて終わります。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 国立宮古海上技術短期大学校への進学についてでありますが、県内の高校から、平成24年度から平成26年度まで毎年15名の生徒が入学しております。平成25年度の在籍者84名のうち29名、割合にして34.5%が県内の高校出身者で、その29名のうち、高校で水産を学んだ者は20名となっております。
進路指導につきましては、宮古水産高等学校海洋技術科を例に申し上げますが、航海士等を目指す生徒は宮古水産高校専攻科、それから宮古海上技術短期大学校へ進んでおりまして、同様にして、各高校が生徒本人の意欲や能力、そして関心とともに、保護者の思いなどを踏まえながら指導しているところでございます。
〇工藤勝博副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝博副委員長 質疑がないようでありますので、これで教育委員会関係の質疑を終わります。
教育委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、企業局長に企業局関係の説明を求めます。
〇佐々木企業局長 それでは、企業局関係の予算について説明を申し上げます。
まず、お手元の議案の説明に入る前に、平成27年度の事業運営に当たっての基本的な考え方について申し上げます。
平成27年度の事業運営に当たりましては、公営企業の経営の基本原則である経済性の発揮と公共の福祉の増進を基本としながら、平成25年度から平成27年度までを計画期間とする第4次中期経営計画の最終年度として、経営目標達成に向けた取り組みを着実に推進するとともに、次期中期経営計画の策定に取り組んでまいります。
また、東日本大震災津波からの復興を支え、次世代への発展を図るため、引き続き、電力と工業用水の安定供給に取り組んでまいります。
電気事業では、施設や設備の修繕、改良及び点検等を計画的に実施し、長寿命化を図りながら引き続き安定供給に努めてまいります。また、業務効率化によるコスト削減等の取り組みを進め、健全で安定的な経営基盤の維持に努めるとともに、電力システム改革による経営環境の変化に適切に対応してまいります。
新規開発では、一戸町の(仮称)高森高原風力発電所について、平成29年度の運転開始を目指し、引き続き環境影響評価や詳細設計などを進めるとともに、新たに機器の製作に着手いたします。また、水力発電について、簗川地点において実施設計を行うほか、新たな開発候補地点の調査を継続的に実施するなど、再生可能エネルギーの新規開発に率先して取り組んでまいります。
地域貢献では、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を活用し、一般会計への繰り出しや市町村等のクリーンエネルギー導入支援を行ってまいります。特に市町村等に対しては、被災地域の復興に向けたニーズなどを踏まえ、内容を拡充して支援してまいります。
工業用水道事業では、老朽化した送配水管の更新にあわせ耐震化にも積極的に取り組むなど、信頼性の一層の向上を図り、県内経済等を牽引する役割を担う立地企業の生産活動を支えてまいります。また、全体の契約水量が横ばいに推移し、大幅な料金収入の増加を見通すことができない中、より一層の業務効率化によるコストの削減等に取り組み、黒字の確保に努めてまいります。
それでは、議案について説明を申し上げます。
議案その1の61ページをお開き願います。議案第14号平成27年度岩手県電気事業会計予算についてであります。
第2条は、業務の予定量でありますが、年間販売目標電力量は、胆沢第二発電所ほか15発電所の目標電力量の合計を、62ページにお進みいただきまして、5億5、777万1、000キロワットアワーと定めようとするものであります。
第3条は、収益的収入及び支出の予定額であります。収入の第1款電気事業収益は53億3、045万円余で、その内訳でありますが、第1項の営業収益50億4、453万円余は、水力発電所14カ所の電力料収入などであり、第2項の附帯事業収益1億4、748万円余は、稲庭高原風力発電所及び相去太陽光発電所の電力料収入であります。第3項の財務収益7、584万円は株式配当金などで、第4項の事業外収益6、259万円余は長期前受金戻入などであります。
次に、支出の第1款電気事業費用は45億9、127万円余で、その主な内訳でありますが、第1項の営業費用41億8、540万円余は、修繕費、減価償却費及び職員給与費などであり、第2項の附帯事業費用1億496万円余は、稲庭高原風力発電所及び相去太陽光発電所の運転管理費用であります。第3項の財務費用8、758万円は、企業債の支払い利息などであり、第4項の事業外費用2億832万円余は、消費税及び地方消費税納付予定額などであります。
この結果、収入から支出を差し引いた差し引き収支は7億3、917万円余が見込まれるものであります。
第4条は、資本的収入及び支出の予定額であります。収入の第1款資本的収入は11億9、645万円余で、その内訳でありますが、第1項の負担金2、393万円余は、仙人発電所共有施設工事負担金であり、第2項の長期貸付金償還金7億6、361万円余は、一般会計などからの貸付金償還金であります。第3項の投資償還収入4億890万円は、資金運用のため購入した利付国債の満期償還収入などであります。
63ページをごらんいただきまして、支出の第1款資本的支出は13億9、415万円余で、その主な内訳でありますが、第1項の改良費4億966万円余は、各発電所の設備の改良及び更新に要する経費であり、第2項の電源開発費2億6、087万円余は、(仮称)高森高原風力発電所に係る環境影響評価や風力発電システム詳細設計業務委託等、及び簗川地点における水力発電計画実施設計業務委託などであります。第3項の企業債償還金2億9、363万円余は、企業債元金の償還金で、第4項の投資4億80万円は、資金運用に当たって利付国債を購入するものであります。第5項の繰出金2、418万円余は、知事部局が実施する再生可能エネルギー導入促進事業などに充てることとして、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金から一般会計へ繰り出すものであります。
次に、第5条の債務負担行為でありますが、これは、岩洞第一発電所1、2号水車発電機分解点検補修工事のほか、3事業について、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものであります。
64ページをお開き願います。第8条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費と、その金額を定めようとするものであります。
以上で電気事業会計の予算の説明を終わります。
次に、65ページをごらん願います。議案第15号平成27年度岩手県工業用水道事業会計予算について説明申し上げます。
第2条は、業務の予定量であります。北上工業団地及び岩手中部工業団地に立地する18事業所に対する給水量について、年間総給水量を1、417万8、474立方メートルに、1日平均給水量を3万8、739立方メートルにそれぞれ定めようとするものであります。
第3条は、収益的収入及び支出の予定額であります。収入の第1款工業用水道事業収益は9億9、191万円余で、その主な内訳でありますが、第1項の営業収益9億742万円余は給水収益などであり、第3項の事業外収益8、414万円余は、長期前受金戻入のほか、企業立地施策の推進及び雇用の維持、拡大を図ることを目的として措置される第二北上中部工業用水道における金ケ崎ろ過施設(第2期)の維持に係る一般会計負担金などであります。
次に、支出の第1款工業用水道事業費用は9億3、362万円で、その主な内訳でありますが、第1項の営業費用8億6、561万円余は、委託費、減価償却費及び職員給与費などであり、第2項の財務費用6、667万円余は、企業債などの支払い利息であります。66ページをお開き願います。第3項の事業外費用83万円余は、消費税及び地方消費税納付予定額などであります。
この結果、収入から支出を差し引いた差し引き収支は5、829万円余が見込まれるものであります。
第4条は、資本的収入及び支出の予定額であります。収入の第1款資本的収入は7億5、104万円で、その内訳でありますが、第1項の企業債6億5、600万円は、各工業用水道施設の建設改良資金を借り入れしようとするものであり、第2項の固定資産売却代金9、504万円は、入畑ダム共同施設の一部を譲渡する資産の売却代金で、改良工事の完了による譲渡であります。
次に、支出の第1款資本的支出は11億7、260万円で、その内訳でありますが、第1項の改良費6億5、625万円は、各工業用水道設備の改良及び更新に要する経費であり、第2項の企業債償還金3億2、973万円余は、企業債元金の償還金であります。第3項の他会計からの長期借入金償還金1億8、661万円余は、一般会計及び電気事業会計への償還金であります。
次に、第5条の債務負担行為でありますが、これは、第一北上中部工業用水道監視制御装置更新ほか工事について、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものであります。
67ページをごらんいただきまして、第7条は、一時借入金の借り入れ限度額を6億5、600万円と定めようとするものであります。
第9条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費と、その金額を定めようとするものであります。
第10条は、他会計からの補助金についてであります。内容につきましては、企業立地施策の推進及び雇用の維持、拡大を図ることを目的として措置される第二北上中部工業用水道における金ケ崎ろ過施設(第2期)の維持に係る一般会計負担金であります。
以上で工業用水道事業会計の予算の説明を終わります。
なお、予算に関する説明書の466ページから536ページには、これらの予算に係る実施計画、予定キャッシュ・フロー計算書、給与費明細書、債務負担行為に関する調書、財務諸表及び財務諸表を作成するに当たっての会計処理基準等を記載した注記を記載しておりますが、これまで説明を申し上げました予算の明細等でありますので、説明を省略させていただきます。
以上で企業局関係の議案の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇工藤勝博副委員長 3時ちょっと前ですけれども、この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後2時49分 休 憩
午後3時12分 再開
〇工藤勝子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
先ほどの企業局長の説明に対し質疑はありませんか。
〇飯澤匡委員 それでは、質問させていただきます。
来年の4月から始まる電力小売の完全自由化に向けた対応について伺います。
まず、端的にお伺いしますが、本県の対応方針と、企業局の経営の利益に供する具体的な事例について示していただきたいと思います。それが質問の第1点。
〇榮田電気課長 2016年4月から予定されております電力小売の完全自由化に向けた本県の対応方針について、本県は、小売についてのノウハウであるとか小売を行うための体制がないことから小売は行わず、発電事業者として卸売を行うこととし、売電先については、東北電力との平成31年までの基本契約に基づき、当面は同社に売電する予定であります。その契約の終了後は、入札によって売電先を選択していくこととなります。
次に、企業局経営の利益に供する具体的な事例でありますが、一般競争入札による利益の事例として、平成26年11月に運転を開始した北上市の相去太陽光発電所については、基本契約の対象ではないことから、企業局として初めて一般競争入札を実施した結果、固定価格買取制度の買い取り単価1キロワットアワー当たり36円よりも2円80銭高い38円80銭で日本ロジテック協同組合へ売電することとなりました。この差額分、年間300万円余が一般競争入札による利益と考えられます。
〇飯澤匡委員 東北電力との契約の終了後は一般競争入札により行いたいという方針が示されたということでございます。
そこで、他県の例でもいろいろな事業者が一般競争入札に出てきて、百花繚乱のような形になってきておりますが、本県として、一般競争入札に対しての基本的な姿勢はどういう方針であるのかというのも明確にしておかなければならないと思っております。
そのような観点でお伺いしますが、既に新潟県の企業局においては一般競争入札によって収益の増加を図り、収入の増加分を福祉事業の拡充に充てるということで、二つのグループに対して、もう既に入札が終わって契約を結んだというニュースがございました。新潟県企業局は本県と同じように水力発電を多く行っておりまして、ただいまお話があった日本ロジテック協同組合についても、新潟県の企業局の一つのグループに参画していると聞いております。新潟県の企業局は、水力発電12カ所のうち11カ所を二つのグループに分けて入札を実施し、第1グループは三面発電所など単価が1キロワットアワー当たり16.48円、第2グループの契約は1キロワットアワー当たり15.9円と、東北電力では7円46銭に対し、これは年間で約48億円の増収が見込める予定だと聞いております。
そこで、このような金額が出ますと、勢いこのような新参入のグループについて魅力的な部分もあるのでしょうけれども、気をつけなければならない部分もある。そこで、新潟県の動向に対する本県の評価と、メリットはもちろん収益が出るということであるのでしょうけれども、デメリットがあるということであれば示していただきたいと思います。
あわせて、企業局の入札対応方針、また、現在まで、水力発電所の部分について新潟県と同様に引き合いや問い合わせがあるのかどうか、この点についてもお尋ねしたいと思います。
〇細川経営企画課長 まず最初に、新潟県の動向に対する評価でございますけれども、新潟県では、入札に当たって、新電力が応札しやすいよう分割して発注するなど工夫が見られ、また、利益増収分についても、電気事業以外の対応に充てるなど、本県としても参考になるものと考えております。
また、本県として、現時点での一般競争入札のデメリットとして、まず、契約期間が2年から3年と比較的短期間になり、入札価格が市場の動向に委ねられるため、電気事業の長期的な収支見通しが立てにくくなること。次に、すぐに一般競争入札を実施しようとする場合、東北電力との基本契約を途中解約するための解約金が発生する可能性があり、その解約金を売電収入で賄えるか保障がないこと。
新潟県では、県外への供給も可能としておりますが、電力移入県の本県で同様の条件で入札した場合には、県内への電力供給が担保されないことなどの課題があると考えております。
次にお尋ねの今後の入札対応方針でございますけれども、東北電力との平成31年度までの基本契約に基づいて、当面は同社に売電する予定であります。その契約の終了後は、入札によって売電先を選定していくこととなります。入札条件については、県内への供給を前提として、新電力の状況や他県の状況も注視しながら検討を進めてまいります。
また、本県に対する新電力からの引き合いはございます。ただ、当面は東北電力に電力供給を約しているため、直ちに応ずることができない状況にございます。
〇飯澤匡委員 法律の改正によって新電力の会社もいろいろ参入してくるというようなことですが、一見、かなりセンセーショナルな報道がなされましたけれども、しっかりよく研究して、県民の利益に供する企業局の役目というものがあるでしょうから、恐らく、言わなくても、今までも岩手県の企業局は慎重にやってきたと思いますけれども、その点について、情報収集力をしっかりして事に当たっていただきたいと思います。最後に、企業局長からその点の方針についての何か思いとかございましたら、お願いしたいと思います。
〇佐々木企業局長 電力システム改革に対する企業局の対応というのは、喫緊の重要課題と考えております。
いずれ、東北電力とは平成31年度までの基本契約を締結しておりますので、一般競争入札は平成32年度からという形になろうかと思います。その際には、先ほど答弁申し上げましたけれども、企業局はこれまで県内への電気の供給を主たる目的としておりましたので、そうした我々の役割がしっかり果たせるような形での契約と、相手方を選定する必要があろうかと思います。
ただ、国のほうでは、電力事業の活性化ということで、新電力への契約を促進しようというような動きもございますので、そうした国のほうの動向ですとか、また、他県の動きなども見ながら、引き続き対応について検討していきたいと思います。
〇渡辺幸貫委員 関連。先ほどの御答弁の中に、岩手県は移入県だから、そういう配慮もしなければならぬという話がありました。発送電分離になれば、送電線もだんだん劣化しますから、岩手県のように僻地の多いところは、ガソリンスタンドが僻地からなくなったのと同じように、そんな電線はやっていてもしようがないと。大きな幹線の太いところだったら、それは企業に持っていくのはいいけれども、この法律の中ではそういう採算性を岩手県は非常に考えなければならない立場に置かれていると思うんです。その辺の考え方と働きかけを、僻地を抱える岩手県はどう考えるのかお尋ねしたいと思います。
〇細川経営企画課長 まず、今、国が進めております電力システム改革において、送配電線をどうしていくのかということについては、将来的には送配電部門を現在の発電部門と分離して、分離した会社で運営させていこうということを目指しております。その運営に当たって、送配電線の建設あるいは運用に係る費用については、従前どおりの総括原価で賄っていこうとしており、その送配電線を利用して、電気を発電から消費者に届ける小売部門といったところに対して送配電線の利用料の負担を求めていくということを目指しておると聞いております。そういったことで、岩手県は広うございますけれども、送配電線が古くなって新たな更新がなくなるということはないのかなとは考えております。
〇木村幸弘委員 私からも何点か聞きますが、今、飯澤委員からも質問がありましたけれども、今後の企業局として、再生可能エネルギーの推進に向けてどのような展開方針で臨んでいくのかということを改めてお伺いしたいと思います。
〇佐々木企業局長 企業局では、昭和30年に電力局として発足してことしで60年となりますけれども、この間、一貫して再生可能エネルギーである水力や風力、太陽光を活用した発電事業に取り組んできており、現在、18カ所の発電所を運転しているところでございます。また、現在、平成29年度の運転開始を目指して、一戸町の高森高原地点において大規模な風力発電の取り組みを進めておりまして、また、水力発電についても、有望地点の開発に向け調査、検討を進めております。
今後とも、企業局としては、水力、風力など再生可能エネルギーの導入に積極的に取り組んでまいります。
〇木村幸弘委員 そういう中でいろいろと取り組みをしていただいていることは大変すばらしいことだと思うんですが、今回の予算の中では、高森高原の風力発電所について、先ほど説明にもありましたけれども、製作据えつけ工事等が行われるということで、これはいつも聞いているんですが、こうした事業を発注する際の県内の企業あるいは事業者の参入といったものについての考え方はどのようになっているでしょうか。
〇畠山次長兼経営総務室長 県内企業の参入についてでございますけれども、これは極めて特殊な工事という性格もございまして、県内企業に限定して入札をかけるというようなこともなかなか難しい面もございますので、条件の間口を広げまして、そういった業者の選定をしてまいりたいということでございます。
〇木村幸弘委員 なかなか特殊な仕事であるということで、これはいつも御答弁いただくわけであります。そして、私も商工労働観光部の審査でも言ったんですけれども、本県では再生可能エネルギーの事業については、ものづくり分野の中でも特に3分野が強調されておりますけれども、自動車、半導体あるいは医療機器等が中心ですが、かかわるものづくり産業では、その能力や技術を十分に生かすことができるのではないかということで、いろんな意味で、こうしたせっかく取り組む県内の事業に地元の企業が参入するチャンス、機会をやはり与えていく必要があるのではないかと思っております。
人口減少問題で、このたび県では、知事いわく、いわゆる呼び水を施して、県内の事業者や自治体にいろんな参入の機会を与えましたということを言っているわけであります。そういう意味からいうと、本県の重要な政策に位置づけられる再生可能エネルギーの推進に当たっても、何らかのその機会というか、あるいは本来契約をされている事業者との工事の中でさまざまな形で、これは企業秘密がかかわってくるとどうしようもないのかもしれませんけれども、技術的に学ばせていただくとか、あるいは研修の機会を与えるであるとか、そんな形の中で、参入する機会というものを企業局としても一つ一つ意識しながら対応するべきではないのかと思いますが、いかがでしょうか。
〇畠山次長兼経営総務室長 委員の御意見の御趣旨も私どもも大変感じているところでございますので、できる限りそういう対応にしていきたいと思いますけれども、先ほども申し上げましたとおり、なかなか特殊性もございますので、これまでの事例を見ますと、工事段階というよりは、むしろ管理の段階で地元の業者にお願いするような事例もございますので、そういうトータルな面で、できる限り地元に恩恵が発生するように私どもも考えてまいりたいと思っております。
〇木村幸弘委員 今の質問にそのまま関連してくるわけですが、本県の風力発電事業については、御承知のように、導入実績がわずか11.7%の実態だということが示されているわけであります。そうした中で、風力発電事業にも力を入れていくという方針が示されているわけですが、こうした県の政策とのかかわりの中で、企業局としてはどのような対応をするのか。そして、導入構想で4地域が抽出されているわけでありますけれども、この4地域の抽出箇所等の関係性においては、企業局とすればどのような関係、連携をとっていくのか、あるいは全くまた別のものと位置づけているのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
〇細川経営企画課長 まず、風力発電導入に係る県の施策との連携についてでございますけれども、企業局では、県の再生可能エネルギー導入の推進にみずから率先して取り組むために、現在、一戸町高森高原地点での大規模風力発電の開発を進めております。最大出力2万5、300キロワットは、県の風力発電導入目標に対する実績を11.7%から16.1%に4.4ポイント高めるものであります。
次に、企業局としては、現在進めております仮称高森高原風力発電所について、約115億円という大きな事業費をかけて取り組むものでありますので、まずはこの建設に全力で取り組みたいと考えております。
先般、県が示した4地域の一つであります稲庭高原周辺の牧野において、平成13年9月から稲庭高原風力発電所を運転しております。現時点では、平成33年12月までの運転を予定しているところでありますが、その後の計画については、固定価格買取制度や民間事業者の動向などを見ながら、今後検討したいと考えております。
〇木村幸弘委員 そうすると、例えば稲庭高原などについては、現在の施設が耐用年数を迎えた段階で、今、抽出されている新たな候補地との関係の中で、企業局とすれば、場合によっては、そこに新たなそういった風力発電としての対応も含みとして考えているということになるのでしょうか。
〇細川経営企画課長 現時点で、どうするかというのは今後の検討と考えております。ちょっとまだ何とも申し上げる段階ではないと考えております。
〇木村幸弘委員 わかりました。いずれ、ぜひ、企業局としては今後も積極的な事業展開を強めていただきたいと思いますし、同時に、今回の県の再生可能エネルギー対策の中では、特に地産地消型の地域に根差した取り組みの推進ということも明確な方針として位置づけられております。その中で、資料等を見ますと、企業局においても、それぞれの地産地消型の取り組みの中でかかわりを持つ分野も、知事部局と一緒になって取り組む中身が記載されているわけですが、この点についてはどのような考え方なのかお伺いしたいと思います。
〇佐々木企業局長 企業局では、地産という面では、これまでも水力を中心に再生可能エネルギーの開発を進めてまいりました。また、地消という意味では、発電した電力については、県内への供給を前提とした売電先との契約により全量を県内に供給して、県規模での地消に貢献していると考えております。今後におきましても、これまでと同様に、再生可能エネルギーの地産地消ということを使命に、県内への電力の安定供給と新規の開発を積極的に進めてまいります。
また、個別に、市町村が行う小水力発電などの導入や地域のスマートコミュニティに関する技術的な相談対応、公共施設への小規模なクリーンエネルギー利用設備の導入への支援も行ってまいります。
〇木村幸弘委員 企業局とすれば、まずは売電をしながらということが第1の事業目的ですので、そういう中で地域に根差した自立分散型といいますか、地産地消型の取り組みというのは、そういう意味では直接的なかかわりを持つというのはなかなか難しいのかもしれませんが、ただ、いろんな意味で蓄積されたノウハウや技術あるいは知識等を含めて、さまざまな分野の中で、いろんな市町村等、あるいは小水力やさまざまな電力にかかわる再生可能エネルギー普及促進のために、ぜひ御支援をよろしくお願い申し上げて、終わります。
〇斉藤信委員 それでは、高森高原風力発電にかかわって、環境アセスメントが行われましたけれども、この環境アセスメントの結果はどうだったのか、それに対する対策を含めて示していただきたい。
〇野崎業務課総括課長 平成24年度から平成26年度にかけまして実施しました環境アセスメントの結果につきましては、騒音や景観など13の項目を調査し、そのうち12の項目で影響がない、または軽微と評価したところでございます。
影響があると評価した項目は動物であり、その種類は、ノスリ、オオジシギ等でございますが、風車設置位置から離れた場所へ誘導するなどの環境保全措置を講ずること等によりまして、その影響を回避できるものと考えております。
なお、運転開始後1年間程度の事後調査を実施しまして、影響が確認された場合には、専門家の指導、助言をいただきまして、適切な環境保全措置を実施することとしているところであります。
〇斉藤信委員 この環境アセスメントについて、公告、縦覧を実施し、住民説明会もやったようですが、ここで出された意見というのはどういうものでしょうか。
〇野崎業務課総括課長 住民説明会の状況についてでありますが、2月23日に二戸市浄法寺総合支所で、翌24日に一戸町コミュニティセンターで開催し、二戸市では1名、一戸町では4名の参加者に対しまして準備書の内容について説明を行ったところ、参加者からの意見はなかったということでございます。
〇斉藤信委員 今後、国等の審査の見通しはどうなっていますか。
〇野崎業務課総括課長 国等の審査の見通しについてでありますが、準備書に対する意見書の提出期限が今月23日までとしており、年度内に企業局としての見解書を提出する予定であります。国等の審査は4月以降に行われる見通しであります。
失礼しました。先ほどの質問の中でちょっと抜けている部分がありましたので、御回答申し上げます。
環境アセスメントの結果を取りまとめた準備書を公開と、今、御答弁申し上げましたが、準備書についてでございますけれども、先月6日に公告を行い、同日から今月9日まで1カ月間縦覧を実施したところであります。意見書の提出期間は今月23日までとなっておりますので、今のところ、その中で3通の意見書が提出されている状況でございます。
その意見書の内容についてでございますが、イヌワシやクマタカ、マガン、オオジシギへの影響に関するものとなっておりますが、イヌワシやクマタカ、マガンは事業実施区域周辺への飛来頻度がほとんどなく、影響が極めて軽微である。また、オオジシギについては、風車設置位置から離れた場所へ誘導するなどの環境保全措置を講ずることなどにより、その影響を回避できるものと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 次に、工業用水道事業に対する一般会計からの負担金について、先ほど企業局長から説明がありました。金ケ崎ろ過施設の維持のために一般会計から事業外収入として8、400万円余でしょうか、そして、資本的収入のところでも3、286万円余の負担金ということですが、この趣旨、そしてこれは来年度限りなのか。こういう負担をして、このろ過水は今後活用される見通しは具体的にあるのか示していただきたい。
〇野崎業務課総括課長 今回の一般会計からの負担金でございますけれども、平成25年度に契約水量が減少しました影響によりまして、収益が大幅に減少したところでございます。費用の節減と経営改善に努めてまいりましたが、経営の安定のためには、過剰となった施設設備の休止や廃止が避けられない状況になっております。しかしながら、施設設備の休廃止後に新規契約や増量契約の申し込みがあった場合は、多大な再稼働費用が発生することに加えまして再稼働までには相当の期間を要することとなり、県の企業立地施策の推進及び雇用の維持、拡大に大きく影響を及ぼしかねないことでもありますので、県の産業施策において工業用水が担っている重要な役割を勘案して、一般会計からの負担金を受け、金ケ崎ろ過施設の維持を行おうとするものであります。
工業用水に係る一般会計からの負担金でございますけれども、企業局といたしましては、2年から3年間は必要ではないかと考えているところでございます。
施設の活用見込みでございますが、工業用水ユーザーにおきましては、今後、契約水量の増大の見込みといったこともございますので、そういったところを企業局としては期待しているとともに、新たな企業立地によります増量等も期待しているところであります。こういったところに関しまして、関係市町あるいは関係部局とともに連携して取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 これで終わりますが、一般会計からの負担金ということで出ていますが、これは政策的な負担と。本来なら、この負担金というのは相殺すれば赤字になるんですよね。だから、そこらの考え方で、これは収益的収支、収入の分でも、施設の分でも、それぞれで負担ですよね。合わせると1億1、000万円を超える負担金ということになるのではないかと思うんだけれども、先ほどの答弁だと、これが2年から3年ぐらいは必要だということなんですが、企業局長、これはどうなんですか。県の政策的な判断として、本来なら縮小しなければならないんだけれども、維持して、今後の企業誘致、企業の事業拡大に備えるということなのか。今話したように、具体的な見通しを持っての話なのか、この2点をお聞きしたい。
〇佐々木企業局長 まず、一般会計からの負担金による工業用水道事業に対する、どちらかというと支援でございますけれども、これは、収益的事業のほうの3、200万円を御負担いただくということが趣旨でございます。もしも負担金がなければ、来年度の収益的収支は赤字になるという形になりまして、現在、工業用水道事業では四十数億円の負債を抱えておりますので、赤字が増大しますと、キャッシュフローでいわゆる資金ショートするということがございますし、もしも、それを企業債で賄おうとすると、将来的に負担を増大させるという形になりますので、委員御指摘のとおり、現在の施設をしっかりと維持管理するために、今回、3、200万円の負担金を措置していただくことにしたものでございます。こうしてユーザーの新規事業拡大にも安心感を持って計画していただいたり、また、新たな企業の誘致にも備えるというような体制にするために、今回、政策的に措置したものでございます。
〇斉藤信委員 3、200万円のほうはわかりました。では、説明中で、事業外収益の中で、8、400万円のうち金ケ崎ろ過施設の維持のための負担金は幾らなんですか。これは丸々ですか。
〇野崎業務課総括課長 金ケ崎ろ過施設の維持に関する費用が3、200万円でございます。
〇畠山次長兼経営総務室長 事業外収益の8、400万円の内容でございますけれども、一つには、長期の前受け金収入ということで、これが国庫補助金の関係でございますけれども、それを前受け金で受けていたものをこちらのほうにいただくということで4、800万円、そのほか一般会計の負担金が3、200万円というような形になっておりまして、今回、一般会計の負担金にかかわる部分が3、200万円ということでございます。8、400万円のうち3、200万円が一般会計の分ということで御理解をいただきたいと思います。
〇工藤勝子委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子委員長 質疑がないようでありますので、これで企業局関係の質疑を終わります。
企業局の皆さんは大変お疲れさまでございました。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後3時44分 散 会

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