平成27年2月定例会 予算特別委員会会議録

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予算特別委員会会議記録
(第6号)
平成27年3月13日(金)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 高 橋 勝 重
議事管理担当課長 渡 辺 謙 一
主任主査 清 川   勝
主任主査 村 上   聡
主任主査 藤 澤 壮 仁
主査     藤 枝   修
主査     田 内 慎 也
主査     菊 地 友 和
1説明員
復興局長 中 村 一 郎
技監兼副局長 小野寺 徳 雄
副局長     大 友 宏 司
参事兼生活再建課
総括課長 佐 野   淳
復興推進課
総括課長 石 川 義 晃
まちづくり再生課
総括課長 遠 藤 昭 人
産業再生課
総括課長 石 田 享 一

労働委員会
事務局長 齋 藤 信 之
審査調整課
総括課長 中 居 哲 弥

商工労働観光部長 橋 本 良 隆
副部長兼
商工企画室長 菅 原 伸 夫
雇用対策・
労働室長 寺 本 樹 生
商工企画室
企画課長 永 井 榮 一
商工企画室
管理課長 高 橋 雅 彦
経営支援課
総括課長 山 村   勉
ものづくり自動車
産業振興課
総括課長 鈴 木 一 史
自動車産業
振興課     佐 藤 一 男
産業経済交流課
総括課長 佐 藤   学
観光課総括課長 平 井 省 三
企業立地推進課
総括課長 飛鳥川 和 彦
特命参事兼
雇用対策課長 高 橋 達 也
労働課長 千 田 利 之

財政課総括課長 五月女 有 良
〇工藤勝子委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
郷右近浩委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
議案第1号から議案第20号まで、議案第23号、議案第34号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第52号、議案第56号、議案第58号、議案第59号及び議案第137号の以上35件を一括議題といたします。
本日は、復興局、商工労働観光部及び労働委員会関係について、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
最初に、復興局長に復興局関係の説明を求めます。
〇中村復興局長 平成27年度当初予算のうち、復興局関係の歳出予算につきまして御説明申し上げます。
復興局における平成27年度予算の執行に当たりましては、本格復興の邁進に向けて、次の五つを施策の柱として取り組んでまいります。
第1は、開かれた復興の推進でございます。
本格復興期間2年目の取り組みを着実に進めるため、復興委員会等による調査審議、若者等との意見交換や、いわて復興ウォッチャー調査などによる進行管理を行うほか、復興道路の整備など復興事業の完了を見据え、中長期的な視点に立った三陸地域の振興、創生のあり方の調査、検討などを進めます。
第2に、市町村の復興まちづくりの支援でございます。
復興事業の円滑かつ迅速な実施を支援し、早期の住宅再建を図るため、用地取得特例制度の活用や復興まちづくりセミナーの開催など、市町村のまちづくりを支援してまいります。
第3に、被災者に寄り添った暮らしの再建でございます。
被災者一人一人の復興が地域の復興にもつながることから、市町村、関係機関、NPO等と連携して、被災者の方々の状況に応じたきめ細かな支援を行います。
第4に、なりわいの再生による三陸創造でございます。
沿岸地域の産業復興を促進するため、被災者等の起業を支援するとともに、基幹産業であります水産加工業の人材確保を支援してまいります。
第5に、復興に係る情報発信ときずなづくりでございます。
被災者や県民の皆さんはもとより、国内外の方々との連携やつながり、地域住民の幅広い参画による復興の邁進を図り、積極的な情報発信や交流の機会づくりを行うほか、復興を担う人材の育成を進めてまいります。
引き続きまして、復興局関係の予算につきまして御説明を申し上げます。
お手元の議案その1の6ページをお開き願います。復興局関係の一般会計歳出予算は、2款総務費のうち、2項企画費の一部6億7、900万円余と、3款民生費のうち、7ページに参りまして、5項災害救助費の一部86億1、000万円余、続きまして、9ページに参りまして、12款公債費の一部で3、600万円余でございます。合計しますと93億2、700万円余の予算額となっており、平成26年度当初予算額と比較いたしますと、金額にして19億5、600万円、率にいたしまして26.5%の増となっております。これは、応急仮設住宅の基礎補修や解体撤去に係る経費による救助費の増などによるものでございます。
それでは、お手元の予算に関する説明書により、主な事業につきまして御説明いたします。
予算に関する説明書の87ページをお開き願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費のうち、右側の説明欄の中ほどに記載しております復興局関係6億4、800万円余の主なものにつきまして御説明いたします。
まず、復興局の管理運営費の次にございます復興情報発信事業費につきましては、被災者や県民の皆様はもとより、国内外の方々との連携とつながり、地域住民の幅広い参画による復興の一層の加速化を目指し、積極的な情報発信と、交流や人材育成を推進するものでございます。次に、一つ飛びまして、復興まちづくり支援事業費でございます。これは、用地取得特例制度の活用に係る取り組みや復興まちづくりセミナーの開催、防災集団移転促進事業等の移転跡地の利活用に係る検討の支援などにより、市町村における復興まちづくりを支援するものでございます。次に、一つ飛びまして、さんりく未来産業起業促進費でございます。被災地に新たな産業を創出いたしまして、雇用拡大と地域経済の活性化を図るため、被災者等の起業を支援するとともに、専門家によるきめ細かな経営指導を実施するものでございます。次に、一つ飛びまして、震災津波関連資料収集・活用等推進事業費につきましては、震災の記憶風化防止や教訓を生かすため、震災津波関連資料の利活用に向けました収集整理等の基準づくりや資料収集を実施するものでございます。次に、津波伝承施設調査等事業費は、東日本大震災津波による経験や教訓の伝承、防災学習、防災文化の醸成を促進するため、津波伝承施設の整備に向けた調査等を実施するものでございます。次に、地域基幹産業人材確保支援事業費補助につきましては、被災地の基幹産業であります水産加工業の早期復興を図るため、水産加工事業者が新たに人材を確保するために必要な宿舎整備等に要する経費の一部を市町村と共同で補助するものでございます。次に、88ページに参ります。2目計画調査費の説明欄に記載をしております復興計画推進費は、本格復興実現のため、施策や事業の進捗状況等につきまして、重層的、多面的な進行管理を行い、第2期復興実施計画を着実に推進するとともに、中長期的な視点に立った三陸地域の振興、創生のあり方の調査、検討を実施するものでございます。
次に、少し飛びまして、121ページをお開き願います。3款民生費5項災害救助費1目救助費のうち、説明欄の中ほどに記載しております復興局関係86億1、000万円余の主なものにつきまして御説明いたします。
まず、復興局の管理運営費の次にございます救助費でございます。これは、災害救助法に基づき、引き続き、応急仮設住宅の基礎補修を含む維持管理やみなし仮設住宅の借り上げのほか、応急仮設住宅の解体撤去、入居者の仮設住宅間の移転費用の一部負担などを行うものでございます。次に、三つ飛びまして、総合的被災者相談支援事業費でございます。これは、沿岸各地に設置いたしました被災者相談支援センターに相談員を配置するとともに、司法書士やファイナンシャルプランナー等の専門家を派遣し、被災者からの生活再建等の相談に対応するものでございます。次に、被災者支援費でございますが、被災者の生活再建を促進するため、暮らしの安心ガイドブックを作成、配布するとともに、地元を離れて暮らす被災者の皆様に対し、生活再建に向けた各種の情報提供を実施するものでございます。次に、仮設住宅共益費支援事業費でございますが、応急仮設住宅における共用設備などに係る水道料や電気料などの共益費を負担するものであります。次に、被災者住宅再建支援事業費補助は、持ち家による住宅再建を促進するため、住宅が全壊するなどの被害を受けた被災者に対しまして、住宅の再建、購入に要する経費を市町村と共同で補助するものであります。
次に、少し飛びまして、236ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金のうち3、600万円余が当局の所管でございますが、これは、災害援護資金の借入金に係る償還元金でございます。
以上で復興局関係の説明を終わります。よろしく御審議をお願いいたします。
〇工藤勝子委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇樋下正信委員 おとといの3月11日、東日本大震災発災から丸4年がたちました。全国各地で慰霊祭が行われました。私も盛岡の会場のほうに出席をいたしました。今でも、盛岡には、1、000人を超える方々が避難を余儀なくされております。早く地元に帰れるように、オール岩手とかいろいろお話がありますけれども、岩手県全体で、できる限りの協力をしていかなければならないと思っております。
発災当時、4年前ですけれども、私は、炊き出しとか、遠野市のクリーンセンター、焼却場があるんですけれども、そこにはお風呂があるということで、会派の工藤勝子委員、岩崎友一委員と相談して、お風呂に入れない方々を、何日間かにわたって遠野のクリーセンターのほうに回送をした記憶がございます。現在は、復興特別委員会で、年に何回か被災地に出向くといいますか、行く機会があるわけでございますけれども、我々内陸に住んでいる者として、沿岸のほうに行って何かお手伝いというのはなかなか思いつかないといいますか、何をやったらいいのかということも、この4年たってもちろん忘れることはないわけでございますが、お手伝いできるようなことがあれば、何かヒントを教えていただければと思いますので、よろしくお願いします。
〇石川復興推進課総括課長 内陸からの支援ということでございます。例えば、いわて未来づくり機構でございますが、県内外からの支援提案を収集いたしまして、被災地の支援ニーズとマッチングしておりますいわて三陸復興のかけ橋プロジェクトを実施してございます。また、ボランティア活動への参加や、あるいは物資支援のような直接的な支援以外にも、被災地に足を運んで、食事や買い物あるいは被災事業所の商品購入、こういったことなども、なりわいの再生に向けた被災地支援につながるものと考えてございます。
こういったことから、そういったことを広く、県としても情報発信をしっかりやっていきたいと考えてございます。
〇樋下正信委員 思いついてできることがあれば、今のお話も参考にしながら、ぜひやっていきたいと思っております。
次に、すぐそこに盛岡市役所があるんですけれども、盛岡市では、市役所の向かいに市の施設があるんですけれども、そこを利用して、盛岡のほうに避難してきている方々にさまざまなお手伝いをしているということを聞いておりますが、中身について教えていただきたいと思いますし、また、その施設に通えない方々もいらっしゃるのではないかと思いますが、在宅といいますか、みなし仮設にいらっしゃる方々にどういう対応をしているのか、お知らせ願えればと思います。
〇佐野参事兼生活再建課総括課長 市役所のはす向かいにございますもりおか復興支援センターでございますが、一般社団法人のSAVEIWATEという団体がございまして、盛岡市がそちらのほうに業務を委託して、平成23年7月から運営してございます。
主な業務内容ですが、そのセンターでは、盛岡市内に避難している被災者の方々に対しましてさまざまな相談や戸別訪問を行っております。そういった形の見守りや、さらに被災地の広報誌等、各種情報をセンターに配架しまして情報提供を行っているほか、交流スペースも設けてございます。また、被災された方々の出身市町村別のお茶っこ飲み会とか紡ぎサロン、これは復興ぞうきんを作成しておられるそうですが、そういった交流イベントの開催などを行っておりまして、避難者の方々が安心して生活が送られるよう、支援を行っているところでございます。
〇樋下正信委員 ぜひその施設を利用して、孤独死とかいろいろ話に出てくるんですけれども、そういうことにならないように支援していただければと思います。
それから、義援金とか寄附金、これは県のほうで窓口を設置して受け付けを随時していると承知しておりますけれども、私はそれもよろしいかと思いますけれども、わざわざ県庁に来なくても、例えばこういうやり方がありますと。
私が考えた一つの例といたしまして、よく返済などで、毎月決まったお金が銀行の通帳から引き落としになるというシステムがあるわけでございますが、任意でそういうことができれば、金額にかかわらず、例えば来月で終わりますよと電話一本やれば、もうそれで終わりとか、もちろん銀行に行って、通帳からの引き落としをとめればそれで終わるということになると思うんですけれども、そういう、もう少し、簡単に寄附とか義援金が納められるようなシステムというか、そういうものというのは現在やられているのかやられていないのか、そういうことが考えられないのか、お聞きしたいと思います。
〇石川復興推進課総括課長 定期的な御支援についての御質問でございました。寄附金の口座引き落としということでございますけれども、以前、身近な銀行に一度尋ねたことがございまして、その銀行では、寄附金の口座引き落としはやっていないというお話を聞いたことがございます。
県の復興事業にも御利用いただいておりますふるさと納税制度でございますけれども、これは自動振替ではないのですが、希望する方には12カ月分の納付書をまとめてお送りしまして、寄附者が自由な時期に納付できる、そういったような対応も行っているところでございます。
今後とも、支援者の御意向等を伺いながら、被災地、被災者への支援が進む方策を検討してまいりたいと考えてございます。
〇樋下正信委員 いずれ、義援金というのは個々の問題にはなると思いますけれども、例えば仮に1、000円毎月引き落としになると、年間1万2、000円の寄附になると思いますけれども、そんな感じで、1年単位でもいいし半年でもいいですし、あと、本人が終わりだといったらそれで終わり、何かもうちょっとやりやすいような方法を考えていただければと思います。終わります。
〇伊藤勢至委員 早いもので震災から4年が経過をしたということでありますが、まず振り返って、それぞれの市町村、県、国、いろいろ復旧、復興に向かってそれぞれの役割分担をしたと思っております。
そこでちょっと確認ですが、岩手県には、発災1週間後に400億円の債務負担行為を起こしていただきました。これは全額、応急仮設住宅の手当てだったということだと思います。そして、それを建てる場所については市町村が選んでください、そういうことだったと思うんですが、まず、それを確認します。
〇佐野参事兼生活再建課総括課長 応急仮設住宅の建てる場所の確保でございますが、今回の大震災津波を受けまして、これまで対象外だった借地料が災害救助費の対象となったということがございます。県としても、非常に建設戸数が多いということも踏まえて、新たに用地造成するなどの対応も大変だということで、平成23年4月15日付で、県が市町村に対して建設用地の確保を委任して、そこに県が建設したという経緯でございます。
〇伊藤勢至委員 各市町村では、現世を生きる人間としては初めての経緯なわけですから、大わらわだったとは思います。そういう中で、宮古市といたしましては、廃止になった中学校の校庭、あるいは廃止になった小学校の校庭、あるいは畑の地であるとか、そういったのは当然のことだと思っておりましたが、あるとき、現在使っている中学校の校庭に建てるという情報が流れてきました。それはちょっとまずいのではないかと。阪神・淡路大震災の場合であっても、最終的に応急仮設から出た方は7年目という話もちょっと知っておりましたので、もしそんなことになれば、中学校に入って1回も運動会をしないまま卒業してしまう子が出るぞと。なぜ、市内にある都市公園に建てないんだと担当に聞いたら、いや、公園法があって建てられませんと言うんです。いや、そんなことはないだろうということで、当時の県土整備部長に確認をしましたら、そんなことはありません、どんどんお建てになってくださいということでした。すぐ市に伝えたんですが、そうなんですかということで、つまり、もう頭から公園法というものがあって、思い込みが先行したんだと思います。そのことを伝えたために、これで使っている校庭に建てることがなくなればいいなと思っておりましたけれども、流れがとまることがありませんで、現在まだ撤去の見込みが立っていないということで、治にいて乱を忘れずといいますか、3日、1週間、10日を急いだがために、3年たっても撤去ができない状況にあるんだということは、これは大きな反省点、常にみんなで思っていなければならないことだと今思ったところであります。
今でも太平洋沿岸の海底には、まだ地震の巣が随分残っているという話もありますので、近々また来ないとも限らない。そういうことはぜひ貴重なる体験としてみんなで共有をしていくべきだと思っています。
さて、そこで、応急仮設住宅からいよいよ災害公営住宅に、完成後、移転していく時期となりました。そこでお伺いをしますが、応急仮設住宅に入っていた際の費用と、それから災害公営住宅に入居した場合の入居料は、どのくらい、どう違うのかをまずお示しをいただきたい。
〇佐野参事兼生活再建課総括課長 応急仮設住宅の入居料いわゆる家賃については、入居されている方に御負担いただかないということになってございますが、災害公営住宅においては、公営住宅ですので家賃が発生いたします。
その家賃の水準ですが、家賃といいますのは入居される方々の世帯の収入、部屋の広さ、それから立地条件等から算出されているものでございます。
なお、所得の低い方に対しては、従来から県が行っております減免措置のほかに、東日本大震災特別家賃低減事業という減免制度があるということで、それらの減免措置の安いほうで提供してございます。
家賃の額ですが、宮古市内のこの間建った県営の災害公営住宅を例にとりますと、減免後の家賃で、1DKで最低1、800円から1万7、200円、2DKで2、200円から2万1、300円、3DKで2、500円から2万4、000円となっております。そのほか、光熱水費につきまして、応急仮設に住まわれても災害公営に住まわれても、自分たちが使った光熱水費については御負担いただいております。
〇伊藤勢至委員 応急仮設住宅だと、電気、ガス、上下水道以外はただと。だけれども、災害公営住宅に入ると費用が発生しますよと。ここが非常に段差が大きいわけですね。
そこで、素朴に伺いますが、災害が発生する以前も県営住宅の整備等は進めてきていたわけですが、災害復興住宅といって、災害がついたということは、何か入ろうとする住民にとってどういう特典があるんでしょうか。
〇佐野参事兼生活再建課総括課長 災害公営住宅と通常の公営住宅の違いということでございますが、通常の公営住宅といいますのは、低額所得者に対して、低廉な家賃で住宅を賃貸することを目的に建設されているものでございます。したがいまして、一定額以上のいわゆる収入要件がございまして、そういった方は入居できないということがございますが、災害公営住宅につきましてはこの収入要件がないということで、今回の大震災津波で住宅を滅失された方であれば入居することができると、これが最大の違いでございます。
そのほか、入居に当たりましての敷金が免除されています。それから、先ほど言った家賃の低減事業がございます。それから、集会所を広目につくる等の配慮がなされているということでございます。さらに、市町村等で戸建ての災害公営住宅、木造でございますが、そういったものについて払い下げをする場合に、今回の大震災においては特例措置が設けられまして、譲渡処分、払い下げの期間の要件が緩和されております。通常の公営住宅ですと耐用年数の4分の1経過ということなのですが、今回は耐用年数の6分の1に短縮されておりまして、木造住宅であれば、5年で譲渡が可能になるという違いがございます。
〇伊藤勢至委員 今、応急仮設住宅に住まっている方々は、高齢者、後期高齢者、そういう方々がほとんどだと言っても過言ではないかもしれません。その方々がおっしゃるには、応急仮設で人生を終わりたくないと。一旦災害公営住宅に移って、もう少し伸び伸びした暮らしをして、そこで人生を全うしたいと、こういう生の声が聞こえてくるわけです。そうしたときに、言ってみれば、今までは住居費が無料だったものが、応分のとはいえ、やはり収入のない方々にとっては一番大きなネックになっているわけでありますので、これから10年も20年もという話ではないと思いますので、最大限の補助といいますか、支援を今こそそういう方々に与えていくべきだと。そうしなければ、行きたいんだけれども行かないまま終わってしまう方々がいっぱいいらっしゃるかもしれない。本当の意味の復興局の眼目は、そこにあるんではないかと思います。いろんな制度資金、支援があるんだと思いますけれども、そういうものをまとめて、もう一目でわかりやすいように、お宅の場合は応急仮設よりもちょっと高い、何ぼぐらいですよとか、そういう丁寧な説明をしてもらわなければいけないと思います。
それから前に、決算特別委員会でも、おたくたちではないのかもしれませんけれども、災害公営住宅に応急仮設から移るための条件整備の中の一つとして、本当は農林水産部のほうなのかもれませんが、大きく復興という面から、入居しづらい部分を取り除くという意味では関係があることだと思いますのでお伺いをしますが、実は漁業権の問題について、各漁協にあって、それぞれの見解があって、まだはっきりしていないところがあるやに伺っております。
つまり、前浜漁業と言いまして、アワビであるとかウニであるとか、あるいはシュウリ貝であるとかツブであるとか、あるいはマツモであるとか、そういうものを、余り大きくはないんですけれども、結構、年収に換算すると150万円から200万円を稼いでいた人たちが、漁業権がなくなってしまうと収入がなくなる。でも、これは海の漁師の誇りにかけて、ウニ、アワビは腕を見せたいと、誇りなんですね。だから、そういうことがはっきりしないと移れない、逡巡をしている方がまだいらっしゃるやに伺っております。これは、例えば盛岡に移ってしっかりした住居を構えてしまった方は、これは難しいよねという議論はあると思っています。そうであると思います。ただ、地域要件とかなんかがまだはっきりしないがために、災害公営住宅に移った場合にどうなるのか、心配をしている方もいらっしゃるやにも聞いておりますので、直接の窓口ではないかもしれませんけれども、県がつくった災害公営住宅に何ら心配がなく入っていただくためには、そういうところの障害を取り除いていく、汗をかいていただくのも仕事かなと思いますが、いかがでしょう。
〇小野寺技監兼副局長 ただいま委員から御指摘のありました件でございますけれども、復興局といたしましても、農林水産部の所管ではございますけれども、復興の大事な課題でございますので、情報を共有しているところでございます。
今回被災された漁業者お一人お一人の生活の再建あるいはなりわいの再生という観点で、非常に重要な課題でございまして、県といたしましても、組合員の方が今回の震災に伴う転居によりまして、自分の意図しない形でそれら漁業関係の資格を失うということがないように配慮をする必要があると考えてございます。
それで、具体に漁協への指導についてなのですが、国からも、水産庁からなのですが、平成25年1月に、今回の震災で避難のため一時的に地区外に在住している場合には、当該組合員の住所を当該地区内として取り扱うことも差し支えないと考えると、そういった趣旨の通知が出されておりますので、県といたしましても、各漁協に、これまでその趣旨の徹底についてお願いをしてまいっております。そして、この間2月5日、6日に、農林水産部のほうで、特にそういう課題が多そうな五つの漁協を選んで、ヒアリングをいたした結果なのですが、各漁協とも、平成25年の水産庁の通知の趣旨に沿って柔軟に現在対応していただいておりまして、今の段階で特段の支障は出ていないということを確認しております。
なお、これからなのですが、先ほどのアワビとかの漁もございますし、今、私が資料として持っているものとしては区画漁業権、これはカキとかのいかだの漁業が主なのですが、区画漁業権については平成30年度に切りかえの時期を迎えます。ヒアリングした各漁協では、それまでの間、いわゆる特例扱いを継続して具体の支障が出ないようにして、30年の区画漁業権の切りかえの際までにいろいろ調整をした上で、漁業権の切りかえ時期を迎えるということで確認をしていただいておりますし、これからも引き続き、漁協のほうに技術的な助言なり支援を継続してまいりたいと考えているところでございます。
〇伊藤勢至委員 最後にしますけれども、むしろこれからが復興のまさに本番と。衣食住の住の部分があって初めて、仕事をしようかどうしようかというところが始まるんだと思うんです。したがいまして、いろんなことが、想定外のことがこれから起きるかもしれませんし、そういうものが惹起した場合に、担当は例えば県土整備部だとか農林水産部だとか、そういうことをおっしゃらずに、ひとつ、一旦は復興局で受けてお聞きをしてから、対応していくという、そのことが県民に対する一番のサービスになっていくんだと思います。
大変な仕事かもしれませんけれども、逆に、三陸沿岸の復興を俺たちが後押しするんだと、俺たちが頑張るんだと、そういうことでこれから臨んでいただきたいと思うわけでありますが、局長からお聞きをして終わりたいと思います。
〇中村復興局長 今、委員のほうからお話があったとおり、今復興が徐々にではございますけれども確実に前に進んでございますが、やっぱりそのステージ、ステージで新たな課題も生じてございます。我々県といたしましても、復興局が中心になって、また関係部局とも十分に連携をとりながら、被災者の皆様が安心して暮らしていただけるような生活を一日も早く取り戻せるように、頑張ってまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 私からは1点のみお伺いしたいと思いますが、震災から4年がたって、なりわいの再生について、基幹産業である水産業が沿岸部ではようやく動き出してきたのかなという感があります。ただ、まだまだ問題は多ございまして、その中の一つがなかなか人材が確保できない。後継者もなかったりして、最終的には、震災前に比べれば8割方の復興にとどまるのではないかという話であります。これはもう商工会議所関係者が言っておる話でありますので。そこで、今、いち早く復旧した方々が頑張って人材の確保について躍起になっているわけですが、なかなか人材が集まらないということであります。
そこでお伺いするのは、人材確保支援事業の内容ですが、どういった形のものをどういうふうに進めていくのか、お伺いしたいと思います。
〇石田産業再生課総括課長 有効求人倍率の高どまりが続く中で、沿岸で深刻な人材の不足が生じております。こうしたことから、県では、地域内の人材確保とあわせて、地域の外から人材確保を取り組む中で、水産加工事業者が新たに人材を確保する際に必要な宿舎の整備や民間のアパート等の借り上げ費用を、市町村と共同して補助する事業を、今回、地域基幹産業人材確保支援事業として創設しております。
〇城内愛彦委員 ぜひこれは進めていっていただかなければならない事業なんですが、そこでお伺いしますが、今の民間のアパートの借り上げの補助については理解できますし、ただ、民間のアパートとて、あきがあるのかどうか。あわせて、これからアパートを建てる場合に土地があるのかどうか。予算のスキームはつくったけれども、なかなかそれが展開できないようなことが生じないか、その辺はどう捉えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
〇石田産業再生課総括課長 私ども沿岸市町村それぞれからお話をお伺いして、各事業者ともお話をした中では、市町村によってそれぞれ被災の度合いがかなり違いまして、民間のアパート自体が、そのものがないという市町村もございますし、また、内陸の部分が残ってまだアパートが若干あるという、さまざまな事情がございます。そういう中で、一つは、宿舎整備に当たっては土地の確保が重要ですので、事業者がそもそも持っている土地もある程度ございますから、そういうところに宿舎を新たに整備するということで、この宿舎整備の事業を選んでいただきたいと。あとは、民間アパートもまだございますので、そこは建設関係も含めて非常に競争率が高くなって、家賃も高騰しておりますから、まずいち早く確保するために、この制度で助成して確保していただくというようなことで、事業者それぞれの宿舎確保に合った事情に応じてメニューを選べるような形で制度設計をしております。
〇城内愛彦委員 ぜひその辺は対応方、また、微に入り細に入り相談に乗っていただければと思います。
そこで1点お伺いしたいのは、外国人の研修生の対応なんですが、以前もお伺いしたことがあるんですが、外国人の研修生については、なかなかまとまった形での対応というのが難しいのかなとお伺いしました。ですが、水産関係でも、加工業の方々は、特に女工さんというんですか、なかなか集まらなくて苦慮しております。そこで研修生というのが大活躍するわけなんですが、そういった方々に対応することというのは、今回のメニューの中では可能なのかどうか、お伺いしたいと思います。
〇石田産業再生課総括課長 外国人技能研修生は、水産加工分野でそれぞれ頑張っていただいているところですけれども、今回の事業につきましては、新たに人材を確保するということで、地域に人を呼び込むということを主眼に置いていまして、基本は地域外から、U・Iターンも含めて、地域に来ていただける人材を基本としながらも、その状況もかなり厳しい状況がございますので、外国人技能研修生につきましても、新しく受け入れを開始する予定の事業者さんがいらっしゃいますれば、その部分を対応していこうということで考えております。
〇城内愛彦委員 ぜひその辺の組み立ても対応方よろしくお願いしたいと思います。
最後になりますけれども、応急仮設住宅が、これからあいてくるわけであって、それに関して、そこに研修生の皆さんが住めないかという、建っているものですから、目的外使用であったりいろいろな使い方があろうかと思いますが、そういった対応もできないものかなということがあります。
これは、応急仮設住宅が震災直後に建ったときに私もこの場に立たせていただいて、例えば応援の警察官の方々が入れないかという話をさせていただきました。結果として入ってもらったり、後々それが拡大解釈の中で、応援の職員の方々にも利用してもらっているということがあります。あるものはやっぱり有効活用していかなければならないとは思いますし、せっかく目の前にそういうものがありながら利用できないという、水産加工関係者の方々の声もあります。そういうのも含めて、当面の間、アパートが建つ、宿舎を建てるのも実はその契約をしてからすぐ建つわけではないですよね。しっかりしたものを建てるまでの半年、1年、資材も高騰していますし、そういったものを勘案すると、その間のつなぎとして、そういうものも有効活用できないものかという思いがあるんですが、その辺はいかがでしょうか。
〇石田産業再生課総括課長 外国人技能研修生の応急仮設住宅の入居の関係ですけれども、私どもも聞いてまいりましたが、委員御指摘のように、そういう声は事業者からございます。ですけれども、仮設にいらっしゃる方が、外国人の方が急にいらっしゃることで地域のコミュニティの問題とか、いろいろ生活習慣の問題とか結構ございまして、そのことが現在住んでいる方々にとって非常に負担になるという状況も、お話を伺っておりますので、現実問題は非常に厳しいということ、あと、事業者のほうで外国人研修生を指導管理するという、生活面のフォローも含めてやっていますから、そういうこともあわせて考えますと、やはり難しい問題だと思っています。
あと、宿舎建設につきましては、先ほどおっしゃられたように、現在の建築事情を見ますと時間がかかりますので、この事業のメニューの中には中古住宅のリフォームも入れておりますので、今ある空き物件あるいは空き家がございましたらば、そこを住居用にリフォームしていち早く対応するというところも含めておりますので、そういう形で、できるだけきめ細かく対応していきたいと思います。
〇城内愛彦委員 研修生の事業の枠が従前から見ると倍になって、その運用がことしから始まるということでした。水産加工業の方々は、ぜひ売り上げを何としても伸ばしたいということで懸命に頑張っていらっしゃいます。タイムラグのないような対応をしてほしいと思いますし、そのためには、私はそういった諸問題を調整するために復興局はあると思っています。伊藤委員も話しましたけれども、これからまだまだ山積しておる新たな課題が出てくると思っています。そういったことに果敢に対応していただかなければならないと思っていますが、最後に、局長から前向きな所見をお伺いして終わりたいと思いますが、よろしくお願いします。
〇中村復興局長 水産加工事業は沿岸地域の基幹的な産業の一つでありますので、ここを早く何とか元気のある状態にしていかないと、なかなか沿岸全体の活力が出てこないというのは委員おっしゃるとおりでございます。我々としても、課題としては大きく二つあると思っておりました。事業者のお話をお伺いしますと、一つは、今お話があった人材の確保をいかに進めていくのかということと、つくった製品をいかに売っていくかという、販路の開拓という大きく二つの課題があると思っておりましたけれども、これについても我々復興局を中心に、商工労働観光部であったり農林水産部等と十分連携を図りながら、全庁挙げてしっかり取り組んでまいりたいと考えています。
〇小西和子委員 私は1点のみ、東日本大震災津波に対応した男女共同参画の取り組みについてお伺いいたします。
復興局で熱心に取り組んでいらっしゃいますよということをお聞きしたものですので、質問をさせていただきます。
第2期復興実施計画の重点の中に参画がありまして、そこに、若者、女性をはじめとした地域住民の幅広い参画により復興の取り組みを促進するということで、復興計画策定に女性の声をという動きになったと承知しております。
では、最初に、東日本大震災津波復興委員会における委員への女性の登用についてお伺いいたします。
〇石川復興推進課総括課長 東日本大震災津波復興委員会における委員への女性の登用についてでございます。
この復興委員会は、平成23年4月に設けられたものでございますが、その際には、女性の委員はおりませんでした。現在は4名の女性の方がおいでになります。また、今年度復興委員会のもとに女性参画推進専門委員会を設けたわけでございますが、こちらは委員13名ございます。全員が女性ということで、引き続き、女性の参画を進めさせていただきたいと考えてございます。
〇小西和子委員 なかなか女性の声が届かないということで、一昨年でございましたけれども、東日本大震災津波からの復興に係る意見交換会を開催しておりまして、その中で、四つの提言が示されております。社会的包摂の視点を踏まえた参画による復興に向けてということで、第2期復興実施計画策定に当たって、一つ目、女性の参画30%を確実に、二つ目、あらゆる関係者への研修を、三つ目、女性相談、女性の起業支援等事業の継続支援を、そして、ジェンダー統計の徹底を、これは男女別の統計のことでございまして、この提言を受けまして、岩手県沿岸市町村復興期成同盟会関係市町村担当部長に対して参考とされるように通知したと承知しております。そして、復興委員会、女性参画推進専門委員会の活動についてでございますけれども、まず、設立の経緯、それから第1回委員会でいわて復興レポート2014の審査を行ったということを聞いておりますけれども、短くてよろしいんですけれども、その概要、まず、そこまでお伺いしたいと思います。
〇石川復興推進課総括課長 ただいま御質問ございました女性参画推進専門委員会でございますけれども、この委員会でございますが、女性の意見や視点を幅広く取り入れながら、第2期の本格復興を推進していくために、昨年の4月に設置させていただきました。
第1回の委員会でございますが、昨年の7月に開催いたしまして、復興に係る県の男女共同参画の関連施策、あるいは第1期復興実施計画期間における進捗状況をまとめましたいわて復興レポートにつきまして御意見を頂戴したところでございます。
また、この委員会での委員長からの提案を踏まえまして、この復興を進めるために、10月に女性参画による被災地のなりわい再生ワーキンググループ、これを設置いたしまして、なりわいに関する女性の活躍を促進するための取り組みについて検討しているところでございます。
〇小西和子委員 その女性参画推進専門委員会のワーキンググループのことでございますけれども、設置の経緯、目的、それから、検討の視点とその後の対応についてお伺いしたいと思います。
〇石川復興推進課総括課長 なりわいの再生ワーキンググループでございますけれども、先ほど申し上げました昨年7月に、女性参画推進専門委員会の第1回目を開きまして、この際に、委員長からの御提案がございました。そうしたことから、このワーキンググループを設置したところでございますけれども、現地調査を含めまして、これまで3回ほど開催してございます。また、来週開催いたします委員会でその検討内容を報告し、御議論いただくことにしてございまして、いただきました御意見につきましては、次年度の活動に反映させていただきたいと考えてございます。
〇小西和子委員 沿岸部の女性の人口の減少率というのが震災前を上回っておりますし、特に20代女性の減少率というのが一番高いと報告されております。
それから、内閣府の平成26年度東日本大震災被災地における女性の悩み、暴力相談事業についてという相談件数が昨年度は1、376件と、これまでで一番多くなっている、そのくらい生きにくい状況にあると捉えております。ですから、ぜひこのワーキンググループ、平成28年3月までということですので、大いに意見を伺っていただければと思います。
市町村のほうにも、女性参画についての通知をしたということですけれども、市町村の復興委員会における女性委員の登用の現状と対策についてお伺いいたします。
〇石川復興推進課総括課長 市町村の復興委員会等における女性委員の登用と対策でございます。平成26年6月現在でございますが、復興委員会等が設置されております8市町村がございまして、女性委員の割合11.3%という形でございます。県全体で取り組んでいるところでございますが、環境生活部におきましても、市町村男女共同参画担当課長会議あるいは研修会などにおきまして、復興関連委員会等への女性の参画を確実に進めるよう助言してございます。
今後とも、関係部局と連携を図りながら、女性の参画による復興が進むよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇小西和子委員 県の大きな施策である人口減少問題、まさにこれの取り組みがここで試されるという状況だと思いますので、よろしくお願いいたします。
次年度の東日本大震災津波に対応した男女共同参加の取り組みについてお伺いいたします。
〇石川復興推進課総括課長 次年度の取り組みについてでございますが、次年度におきましても、引き続き、復興委員会の女性参画推進専門委員会の開催、あるいは委員による現地調査、なりわいワーキンググループによる検討を行いまして、そこで得られました御意見を復興施策に反映していきたいと考えてございます。
また、環境生活部では、今年度に引き続きまして、男女共同参画の視点からの防災、復興に関する講演、あるいはワークショップを実施することとしておりますし、また、農林水産部のほうでは、浜のコミュニティ再生支援事業ということで、漁家女性の活動を促すことにより、女性等の力により地域に人を呼び込み、あるいは浜のにぎわいコミュニティの再生を図るため、いわての浜料理選手権の開催、あるいは浜料理のブラッシュアップ、これも継続して行うこととしてございます。
今後とも、関係部局と連携を図りながら、特に次世代を担う若者、女性を初めとした地域住民が復興に参画し、活躍できる地域づくり、これに取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇小西和子委員 最後に局長にお伺いしたいんですけれども、最初は復興委員会に女性が1人もいらっしゃらない状況からこのくらい人数がふえたわけです。この東日本大震災津波に対応した男女共同参画の取り組みということの成果をどのように捉えていらっしゃるのか、今後、どのように進めていこうと思っていらっしゃるのか、お伺いして終わりたいと思います。
〇中村復興局長 確かに復興委員会が発足当初は、県内のいわゆるいろんな団体の代表の方を中心に選考していましたということ等もあって、なかなか女性の参画が結果としてないような形でスタートいたしましたが、今委員のほうからお話があったように、現実に被災地の現場を見てみますと、例えば被災者支援を行っております支援員とか生活支援相談員の方々は大半が女性の方に担っていただいていますし、先ほどお話があった水産加工事業で働いている方々も、その大半は女性の方々が働いているということで、いろいろ生活面であったり、産業を復興していく上でも、やはり女性の力が非常に大きいということは、我々も十分理解をしているつもりでございます。ですから、今後の復興を進めていく上に当たっても、そういった女性の方々の御意見とかお考えをしっかりお伺いしながら反映していくように、全庁挙げてそこはとり行ってまいりたいと考えています。
〇斉藤信委員 それでは最初に、私は復興公営住宅におけるコミュニティ、きずなの確立の問題について質問をします。
復興公営住宅の集会室、これは整備をされています。支援員の事務室まで整備をされていると。ところが、支援員の配置がありません。机、椅子、カラオケのセットもない、ストーブもないと、こういう実態を把握しているでしょうか。
〇佐野参事兼生活再建課総括課長 まず、支援員の配置についてでございますが、確かに被災者の見守りの体制として、現在常駐している支援員の配置はされていないところでありますが、生活支援相談員の活動範囲を従来の応急仮設住宅のみならず、災害公営住宅等にまで対象を拡大して、巡回での見守り対応を行っているところでございます。
災害公営住宅の集会室の備品につきましては、入居者が持ち寄ったり、民間あるいはさまざまな支援者からの支援により配置しているところも一部にございます。市町村営の災害公営住宅も含めた全体については、現在把握できていないところでございますが、今後、災害公営住宅に備品をいろいろな手だてで配置を進めるに当たりまして、実態の把握に努めたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は他の部局でも聞いてきたんだけれども、震災関連の自殺がもう32名、仮設での孤独死が27名、入り始めた復興公営住宅で孤独死4名出ているんですよ。阪神・淡路大震災のときに、今20年たっているんですけれども、1、097人孤独死しているんですね。そのうちの八百数十名は復興公営住宅に入ってからなんです。いわば、復興公営住宅の最大の課題は、コミュニティ、きずなが分断されることだと、こう指摘をされているんです。例えばこの1年間で災害公営住宅は予定で2、121戸つくられるんです。土地区画や防災集団移転事業、漁業集落を含めて2、316区画がこの1年間で整備されます。合わせると4、400を超える公営住宅そして自立再建が進められると。文字どおり大規模な移動ですよ。
局長に私はお聞きしたいけれども、私は復興公営住宅で絶対孤独死を出してはならないと、こういう立場で、あらゆる対策を、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて取り組むべきではないかと思いますが、この点についていかがですか。
〇中村復興局長 委員おっしゃるとおり、確かに災害公営住宅に入ると、より、それぞれ世帯世帯間の独立性が強まるということで、お互いのつながりが仮設にいたとき以上に少なくなるというお話は我々もお伺いしております。居住性は確かに仮設住宅に比べて上がるわけですけれども、その分、つながりが弱くなるというところは、我々行政としてもしっかりフォローしていく必要があるとも考えておりますし、そこは我々行政だけがフォローするということではなくて、やはり入っている方々がお互いに自主的につながろうとする取り組みも一方で引き出していかないと、この問題は非常に難しい問題だろうと考えています。ですから、そこは先ほどお話しいたしましたように、支援員とか何かも、これは市町村の判断で公営住宅に常駐させるということも制度上、可能でございますので、我々としては、そこは市町村とも十分お話し合いをしながら、しっかりとしたフォローを引き続きやってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 本当に、私はもう津波で助かった命を再び犠牲にしてはならないと。ましてや、せっかく公営住宅に入って、そこで孤独死なんて、こういうことを私は本当に出してはならないという姿勢、立場で臨んでいただきたいんですよ。
先ほどの生活支援員は今、仮設、みなし、ここを訪問するだけで手いっぱいなんですよ。さらに今、復興住宅も守備範囲になって、これは170人程度では全く対応し切れない。これは生活相談支援員がそう言っています。一定規模の復興公営住宅には、私はこの間、下和野の公営住宅に行ってきたけれども、集会所が五つもあるんですよ。ストーブもないんです、机も椅子もないんですよ。集まりようがないんですよ。
仮設で3年かかってきずな、コミュニティがつくられた。特に大船渡市や大槌町では、全ての団地に2人、3人の支援員を配置したんですね。いわば被災者の状況を一番知っているのは、この支援員だと自治会長さんが言っているんです。私は、この経験をやっぱり復興公営住宅にも生かすべきだと。支援員の事務室まで整備していて、そこに人を配置しないというのは、まさに物をつくって魂入れずということになるのではないでしょうか。
そして、机や椅子、これは復興交付金の対象になると国は言っているんだから、できることはすぐやって、そういう復興公営住宅でのきずな、コミュニティの確立に取り組んでいただきたい。
私は入居者の話も聞いてきましたよ。仮設以上に部屋から出ることがなくなったと。もう本当に隣に住んでいる人がわからないと。だから、自治会がつくられたところもあります。しかし、被災者同士で、余り結びつきのなかった人たちでつくられた自治会に過大な期待はできないと思うんです。その自治会を支援する体制が必要だと思うんです。条件があれば、その住宅の中で、入居している方々から支援員を配置してもいい。やっぱり常時いるから、そこに人が集まるんですよ。集会所がつくられるんですね。
そういう意味で、支援員の配置については復興支援員の制度があります。これは1年から5年以内ということで、単年度でなく人が配置できるから、一定、安定した人の配置になると思うんですね。そういう形でしっかり支援員の配置、机や椅子、仮設には全部カラオケセットがありますから、こういうものも民間の支援などもいただきながらしっかりやるべきだと私は思いますが、改めてお聞きします。
〇佐野参事兼生活再建課総括課長 委員御指摘のとおり、復興支援員制度というものがございます。これを活用して、大槌町あるいは大船渡市では、かなりの数の支援員を配置して巡回等を行っている、あるいは仮設団地に常駐しているという状況でございますので、そういった事業の活用を促すよう、市町村に対して働きかけを行ってまいります。
それから、集会室における備品につきましては、復興交付金の活用について国と協議しておりまして、具体的なものの査定の段階まで来ているということで、具体的に協議してございます。
それから、民間からの支援による備品の配置も考えられますので、必要とするところがあればマッチングを支援してまいります。そういった形で対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 復興公営住宅は、建物は立派だけれども、仮設団地以上に、このコミュニティの確立、きずなの確立というのは困難です。そして、5階、6階、7階となると、階の中でも交流がない、ましてや階が違ってくれば全くわからないという状況ですからね。本当に一人一人の状況を把握するような支援員の配置は必要だし、もう一つ、集会所の管理運営費が問題なんですよ。管理運営費がかかるから使っていないというのがあるんです。
実は、阪神・淡路大震災で同じような共用スペースがつくられた。炊事場もつくられた。維持管理を誰がするのかということで、結局は使われなかったということがありますから、仮設のときには共益費の支援をしていますね。やっぱりこれも、私は一定期間の支援が必要なのではないかと思いますが、この点はいかがですか。
〇佐野参事兼生活再建課総括課長 公営住宅の共用部分の維持管理費ということで、これは、従前からの公営住宅のルールと同様のルールで、入居された方々が全体で負担していただくという形にならざるを得ない部分がございます。
また、共益費につきましては、仮設住宅の部分につきましては、今、県の単独事業でやってございますが、これについても、他の公営住宅と横並びの形で、入居されている方に負担を求めざるを得ないという状況がございます。
この住宅の管理の部分につきましては、県土整備部の所管でございますので、そちらとも相談させていただきたいと考えております。
〇斉藤信委員 復興公営住宅は、ことし大規模に整備もされます。そういう実態をぜひ把握して、県土整備部とも連携しながら、一番大事なのは、やっぱり絶対孤独死を出さないということで、本当に必要な手だてを一つ一つとっていくという姿勢を明確にして取り組んでいただきたい。
二つ目に、私は仮設団地のコミュニティと集約化についてお聞きしますが、今、2月末時点で応急仮設住宅に生活している方々は1万115戸、2万1、930人、これはピーク時の69%です。ほぼ7割の方々が、まだ応急仮設住宅で生活している。しかし、この1年でかなり大規模な移動が起こるのも事実です。取り残される方々というのが、本当に一番悩み、苦しみを拡大するのですよ。だから、私はそういう意味で、やっぱり残された方々に対しては今まで以上の支援、フォローの体制が必要だと。
そして、学校等の仮設については、これは、できるだけ早く撤去するということも切実な課題ですけれども、入居者の状況を踏まえて、仮設から出るときには公営住宅に入れる、自立再建ができるというタイミングが一番大事なんだと思うんですね。そこを重視して、慎重に、これだけ困っている被災者の方々に新たな負担をかけることがないような手だてが必要ではないかと私は思いますが、いかがですか。
〇佐野参事兼生活再建課総括課長 応急仮設住宅での生活の長期化によりまして、御高齢の方々を中心として見守りがさらに重要になってくるということは、そのとおりと認識しております。
このため、引き続き生活支援相談員や仮設団地支援員による見守りやお茶っこ会等を開催して、コミュニティづくりの支援を行ってまいります。
県としては、今後も市町村、社会福祉協議会等関係機関と連携しながら、応急仮設住宅に暮らす住民の支援をしてまいります。
一方、応急仮設住宅の集約化についてでございますが、県としては、今後、応急仮設住宅の空き室の増加が見込まれますことから、団地内のコミュニティの維持や安全・安心の確保のために、市町村において集約化を計画的に行うことが必要と考えてございます。
現在、集約化計画につきましては、釜石市と大船渡市が策定、公表しているところでございますが、今後、各市町村で集約化計画を策定するに当たりまして、県としては、入居されている方々に応急仮設住宅の集約について市町村から丁寧に御説明して、理解を得ながら計画的に行っていくことが必要だと考えております。
〇斉藤信委員 それで、来年度の予算に県は、仮設から仮設への移転については10万円を限度に補助すると、これは大変積極的だと思います。同時に、市町村も独自に、これは仮設から公営住宅、自立再建の移転費用、引っ越し費用を補助する対策がとられていますけれども、5万円から25万円と幅があるんですね。もう一つは、もう定額で、例えば陸前高田市の場合は定額10万円でやっていると。ほかのところは、やっぱり領収書添付、運送業者でなければだめだというようなね。
私は、やっぱりいろいろな引っ越しのパターンがあるんだと思うんですよ。これだけ大規模にこの1年間引っ越しするときに運送業者でなければだめだとか、領収書がなければだめだとか、シルバー人材センターは運送業者ではないから対象にならないとかがあるんですよ。私は、やっぱりいろいろな多様な引っ越しの形があるので、岩手県の支援も、もう定額10万円にして本当に使いやすいものにすべきではないかと思いますが、いかがですか。
〇佐野参事兼生活再建課総括課長 平成27年度当初予算に計上しております応急仮設住宅移転費用負担金につきましては、入居者の皆さんに御負担をおかけしないよう、応急仮設住宅の集約を行う場合の応急仮設住宅間の移転費用の財源として、これは引っ越しされる方御本人に補助するものではなく、市町村に対して補助するものでございます。
使いやすいようにというお話でございますが、一方、これは交付金、税金が財源になってございますので、やはり、さまざまな制約がおのずとあろうかと思います。いずれ、この運用につきましては、市町村とよく話し合っていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 これは岩手日報の3月9日付の報道なんですけれども、災害公営住宅に今入っている人たちは、高齢者が41.9%、ひとり暮らしが23.4%。こういう方々が今、引っ越ししているんですよ。だから、本当にわずかなお金で領収書をとるようなところに頼まなくてはならない、余り効果的ではないんです。定額で補助すれば、それで安心して引っ越し費用を賄えると。
引っ越しというのは、引っ越し費用だけでは済まないんですから。新しい家財道具は、その何倍もかかるんですよ。私は、本当に家財道具に対する支援も必要じゃないかと思うけれどもね。私は、そういう意味で、柔軟な対応をぜひ考えて、そういうふうにやっているところがありますから、柔軟にできるところは柔軟にやっていただきたい。
次に、防災集団移転促進事業、区画整理事業の計画戸数、区画の推移、この1年間でどういうふうに変化しているかを示していただきたい。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 社会資本の復旧・復興ロードマップにおきまして、まちづくり、面整備事業としましての防災集団移転促進事業の推移でございますが、1年前の平成25年12月末時点の2、633区画から、平成26年12月末時点では2、372区画と261区画の減少となっております。
また、土地区画整理事業につきましては、5、451区画から5、454区画と3区画の増加となっております。
〇斉藤信委員 防災集団移転促進事業は1年で261区画減った。土地区画整理事業は、全体では3区画プラスなんですけれども、山田町が322区画から661区画に、ここだけは339区画、倍以上にふえた。これはなぜですか。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 山田町におきまして、土地区画整理事業の区画の数字の見直しに当たりましては、仮換地の設計が進み、計画区画数を精査した結果と聞いてございます。
〇斉藤信委員 山田町がこの1年で倍以上にふえたというのは、ちょっとずさんな感じがしますけれども、それを除くと、土地区画整理事業も350区画近く減少なんですよ。やっぱり自立再建を諦めざるを得ないという状況に今なっているのではないかと私は思います。
それで私は、住宅再建に対するさらなる支援がそういう点で求められていると。私の調査では、震災直後に家を建てた人は坪50万円だった。今、坪70万円以上ですよ。坪20万円も引き上がっているというのが実態ではないかと思いますが、実態を把握していますか。
〇佐野参事兼生活再建課総括課長 被災3県の住宅復興に関する実態把握調査というものを岩手県地域型復興住宅推進協議会で実施しております。それによりますと、岩手県の場合、震災前の木造住宅新築工事単価が、平均で坪当たり48万5、000円でございました。これが、平成26年7月の調査では54万9、000円ということで、13.2%の上昇という結果が公表されているものを承知しております。
〇斉藤信委員 地域型復興住宅は、残念ながら被災地では利用が少ないんですよ。8割方が大手ハウスメーカーなんです。それでも坪当たり6万円以上、上がっているんですよ。しかし、実際には被災地の住宅再建で、大手ハウスメーカーが8割以上を占めている。それは、私が言ったようにもう坪70万円以上です。今、100万円という話も出ているんですよ。だから、坪20万円上がったということになれば、30坪の家を建てるのに600万円の新たな負担増になっているんですよ。だから諦めざるを得ないと。
私は、これはもう国の責任だと思うけれども、これだけ資材とか人件費不足とか建設費の高騰を招いたのは、安倍内閣のアベノミクスですよ。だから、本来なら被災者生活再建支援金300万円を500万円に引き上げるというのが、これは本当に国の責任だと思うけれども、しかし、ことし、来年、自立再建がピークを迎えるときに、国がやらないからといって、県もできませんということでは自立再建が進まないのではないかと私は思いますが、局長、どう考えますか。
〇中村復興局長 我々も、先ほど答弁申し上げたように、被災地でかなり住宅建設費が高騰しているというお話を聞いてございます。そういったこともありまして、今、委員からお話があったように、国に対しても、再三にわたりまして、被災者生活再建支援金の加算支援金の増額については、強く要望してまいったところであります。
今、委員からは、県でもさらなる独自の支援拡充をというお話もございました。我々としても重々それは、やれることであればやりたいという気持ちはありますが、一方で、なかなか厳しい財政状況のもとでいろいろな取り組みをやっていかなければならないという判断のもと、現時点でも、県では市町村と一緒に100万円の支援補助をやっておりますし、さらに、市町村では別途、独自の支援として100万円から300万円程度の支援も実施してございます。
我々としては、引き続き今の問題については国のほうにしっかりと要望しながら、早期に対応していただくように求めてまいりたいと考えています。
〇斉藤信委員 県と市町村が協力して100万円の補助、これは被災3県では岩手県だけですから、私はこれを評価するのですけれども、2月末で4、575件がこの対象になりました。これは、支援額総額は幾らになるのか、県の負担額は幾らになるのか、これを示していただきたい。
それと、復興基金が300億円、県は積極的に活用していると思うけれども、これは平成26年度末でどこまでこの復興基金を活用して、今の事業だけでこれがどこまでもつのか、新たな施策の余地は全くないのか、今後の見通しについて示してください。
〇佐野参事兼生活再建課総括課長 復興実施計画におけます被災者住宅再建支援事業補助の目標数値は、全体計画で9、518戸になってございます。複数世帯、単数世帯がございますので単純に100万円掛けるということにはなりませんが、全体といたしまして、県事業として負担を見込んでいる額は59億1、200万円ほどでございます。
〇石川復興推進課総括課長 復興基金につきましては、これまで約725億円を積み立てておりまして、そのうち425億円を市町村に交付し、残りの約300億円が県の活用分となってございます。
具体的には、既存の制度では手の届かなかった部分といたしまして、住宅再建費用の一部助成等に約92億円、中小企業の被災資産の復旧等に約11億円、三陸鉄道の駅舎整備等に約20億円、また、国民健康保険、後期高齢者医療制度における一部負担金免除に要する経費などに充てております。
県の活用分に係る今後の見通しにつきましては、今年度末の残高を約151億円と見込んでおりまして、現在想定している事業への充当によりまして平成30年度中にも基金残高がなくなる見込みであることに加えまして、今後の復興のステージの変化による新たなニーズ等に対応できるよう、追加措置について、引き続き国に対して要望してまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員長 議事の進行に御協力お願いします。
〇斉藤信委員 では、協力して最後にします。すぐ協力してしまう。
300億円の県の復興基金、私は、岩手県はかなり積極的に事業化してきたと思います。そして、今の答弁にもあったように、今の事業だけで平成30年度には枯渇するということですから、私は、やっぱりこの復興財源を新たに確保することが大変大事だと。復興大臣が、5年区切りで被災自治体に地元負担なんて、本当に実態を無視している。これは絶対に突破しないと復興にブレーキがかかってしまう、ストップしてしまう。
陸前高田市は、来年度の予算が1、200億円ですよ。通常予算が120億円ですよ。これは、本当に1割なんていったら通常の予算がなくなってしまう。県だって来年度の復興予算が4、400億円ですよね。
私は、だから、そういう意味では、絶対にこれまでどおりの復興財源の確保が至上命令だし、もう一つ取り崩し型の復興基金の追加措置、そして、市町村が強く求めていますが、ことし国勢調査があります。人口減少は確実なんですけれども、新しい人口で交付税を算定されたら、それだけで交付税を減らしてしまう。この特例措置というものも必ず実現しなくてはならないと。
こうしたことについて、最後は局長に聞きましょう。復興財源確保に向けた決意と取り組みを示していただきたい。
〇中村復興局長 今、委員からお話があった平成28年度以降の復興財源について、我々も最重要課題の一つと考えてございます。新年度早々になりまして、被災各県と連携いたしまして、国のほうにもまた、しっかりと要望してまいりたいと考えてございます。
それから、普通交付税の算定等のお話もございました。これにつきまして、先般、沿岸市町村の復興期成同盟会からもそういった要望が国のほうにも出されてございます。国では、過去の例を参考にしながら検討を進めるといったようなお話をされたとも伺っておりますので、そういった面でも、国に、しっかりと被災地に目を向けた対応をとっていただくように要望してまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 私からは2点ほどお伺いしたいと思います。まず最初に、復興計画の推進費にかかわってであります。
復興計画の推進のために、さまざまな現地における調査あるいは審議、そして、現地における意見交換などが行われているわけでありますが、先ほどは男女共同参画の視点から小西委員からも質問がありました。改めて、今般、この推進に当たって、現地における意見交換であるとか、その考え方あるいは対象者、そして予定されている回数等々、具体的な内容についてお伺いしたいと思います。
〇石川復興推進課総括課長 復興計画の推進に当たり、被災地のニーズを的確に把握する上で、現地における意見交換は重要であると考えておりますことから、県の復興委員会のもとに設けました総合企画専門委員会、あるいは先ほど申し上げました女性参画推進専門委員会などによる現地調査をこれまでも実施してまいりました。これも引き続き実施してまいりたいと考えております。
また、今年度は、現地調査におきまして、応急仮設住宅あるいは災害公営住宅にお住まいの方、あるいは水産加工業や商工業を営む皆様、漁協女性部あるいは地域でさまざまな活動を行っている若い皆様との意見交換などを行っておりまして、来年度におきましても、こうした専門委員会での現地調査を初め、できるだけ多くの機会を設けまして、さまざまな方々との意見交換を行いまして計画の推進に役立てていきたいと考えてございます。
〇木村幸弘委員 そこで、いろいろとそうした復興に向けて具体的な動きをつくっていくという過程の中で、いよいよ、いわゆるJR山田線の復旧が具体的に動き出すという状況にあって、この鉄路あるいは駅舎等を含めたまちづくりの再生、復興の取り組みというのは、大変重要になってくるだろうと思います。
そういう意味で、これらの事業推進に当たって、先ほど御答弁いただいたさまざまな、その地域を盛り上げ、あるいはまちづくりの再生のために、その先頭に立っていただかなければならない現地の方々、こうした方々とどうこのJR山田線復旧との関係も含めてきっちりと意見交換をしながら進めていくかというのは、私は大変重要だろうと思っています。ともするとJR東日本ベースで復旧のプロセスがこの間、示されたり、あるいは行政とJR東日本との協議という一部の議論で事が進められることのないように進めるべきだろうと。
宮城県女川町のまちづくり再生のモデルが、この間、非常に評価されているわけは、まさに最初から、そのまちづくり再生に地域の住民あるいは商工関係者の方々を含めて、本当に自分たちでどういうまちを再生していくのかということを、自分たちがしっかりそこに入って議論を重ねてきた成果として、駅舎の完成から具体的な動きが形として見えるようになってきた。そこに、被災者にとっても、あるいは今まさしくそこに住もうという希望を持っている人たちも、非常に希望の光を見出すことができるようになってきたとも言われております。
そういった一つの事例等も踏まえながら考えていくと、このまちづくり支援のあり方、取り組み方については大変重要であると思いますけれども、その考え方についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 沿線市町では、東日本大震災津波の発災直後から、被災地の復旧、復興には一日も早い鉄道の復旧が必要とし、実際、まちづくり事業の計画策定に当たっては、鉄路及び駅の復旧を前提として進めてきております。
現在、市や町では、地域の方々から意見をいただきながら、その駅を中心としたまちづくりが推進できるように進めていただいていると思っております。
県といたしましても、関連部局が連携しながら、実際に駅の周辺でのまちづくりの計画、そして、それを進めるためのいろいろな協議、調整といったものにかかわっていきながら進めていきたいと考えております。
また、今お話しいただきましたとおり、その地域の方々から、そういった意見をいろいろいただきながら今後進めていく必要があろうと思いますので、その辺につきましては、市町村と一緒に、県も連携しながら進めていきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 そういう意味で言うと、いろいろと総括質疑あるいは一般質問の中でも議論があったんですけれども、JR線復旧にかかわる内部組織における専門的な体制づくりもさることながら、今、御答弁いただいたように、地域の中でのJR山田線の復旧に絡んだまちづくり再生についての、改めてそういうみんなで協議するようなステージといいますか場所といいますか、そういった企画等についてはどのように検討されているのか、改めて確認したいと思います。
それから、2点目には、あわせて、やはり復旧・復興ロードマップがこれから更新されていく際には、このJR山田線の復旧計画がどういう位置づけにされていくかということが、同時にきちっと位置づけられなければならないだろうと考えているものでありますが、その点については、どのように検討されているかお伺いしたいと思います。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 今お話のありました1点目の体制の整備等につきましては、これから県の関連部局の中で調整しながら、そして、市町村を交えて進めていきたいと考えております。
2点目にありましたJR山田線の具体的なスケジュール等に絡みまして、実際にその市町では、現在、具体的な復旧スケジュール等については、復興まちづくり事業の状況を踏まえながら、関係者間で協議、調整が進められていると聞いてございます。
実際にそちらのほうを進めるに当たりまして、復旧・復興ロードマップにおきましては、実際に地盤のかさ上げなどをする、あるいはその工事工程の調整が必要な土地区画整理事業などを復旧・復興ロードマップに掲載させていただいております。
山田町の山田地区、大槌町の安渡地区、町方地区、釜石市の片岸地区、鵜住居地区など5地区で土地区画整理事業を実施しておりますし、また、駅施設を計画する織笠地区では、防災集団移転促進事業の工事も進められております。
JR山田線の復旧計画のスケジュール等、今後、調整の結果、明らかになってくるかと思いますが、そういった土地区画整理事業など社会資本の復旧・復興ロードマップによって、最新の工程を皆さんにお示しできるような形で進めていきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 それでは、2点目、応急仮設住宅の集約化の問題ですが、先ほど斉藤信委員からも質問がありましたので、大体考え方というか流れについてはわかりました。
ただ、いずれ集約化の中で、今、市町村の中で釜石市と大船渡市が集約化計画を策定されたということで、資料をいただいて、私も拝見させてもらったんですけれども、この集約化計画によって、いわゆる応急仮設住宅に入居されている方々が、今後どういうスケジュール管理のもとで自分の住んでいる仮設住宅が整理、集約化されていくのかということがこの計画に基づいて示されていくわけですから、被災者の受けとめ方あるいは仮設住宅に入居されている方々の思いというものが、これによって機械的に押しつけにならないようなことにきちんと配慮しなければならないだろうと思っています。
ただ、考え方をこうして示す中で、例えば釜石市などは、一つの地域ごとの集約の中で、拠点集約地として団地を幾つか、最終的にはこの団地を最後までまずは残しながら、その他の部分を年度で退去完了めどを示して移転を促進していきます、集約化を促進しますという考え方が示されております。これは入居者にとっても一つの目安になることは間違いないわけですから、ここら辺のところを上手にきちんと説明させていくというか、丁寧な対応が必要なんだろうと思っています。
あと、大船渡市は、例えば学校を中心に、まさしく先行して集約化を進めるという考え方が出ておりますので、こういった一定の考え方や方向性をしっかりと入居者の方々に十分に丁寧に説明をしていくということについて、県としても、市町村と連携をとった対応をぜひやっていただきたいと思っていますので、そういう点での考え方と、また、特に集約化をこれからより一層具体的に進めるに当たっての現状認識といいますか、あるいは課題としてどういう課題を認識しているのか、お尋ねしたいと思います。
〇佐野参事兼生活再建課総括課長 団地内のコミュニティの維持、あるいは安全・安心の確保のために集約化を計画的に行うことが必要ということとあわせまして、今住んでいる応急仮設団地が、どういった形でいつまで残るのかとかという不安に応える面もあろうかと思います。そういった面で、委員御指摘のように、丁寧に説明することが必要であろうかと思います。
課題ということですが、大船渡市のように学校用地を優先してやるという形で示せるところ、それから、釜石市のように拠点をきちっと示せるところがある一方で、面整備の進みぐあいですとか災害公営住宅の建設の状況ですとかによって、まだなかなか見通せない市町村もございますので、そういったところに対して、こちらからも必要な助言等を行って、計画的な集約が行われるように進めてまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 わかりました。ぜひよろしくお願いいたします。
最後に局長にお話を聞きたいと思いますが、去る1月15日、これは読売新聞ですか、局長の犠牲者数で言うなかれというコメントが記載されておりました。その中で特に印象深いのは、亡くなられた方に対する思いがここには記載されておりますけれども、いわゆる計量的な発想から脱して、犠牲者一人一人に寄り添うことの重要性ということで、こういった思いを局長はお話しされているわけであります。
この場合は犠牲者という言葉になるわけですが、これを、今はまさしく復興の道半ばの中で被災者という言葉に置きかえて、私は、ぜひそういう意味で、なかなかこの間の県の取り組み姿勢であるとか、さまざまな事業評価あるいは復興の議論の中でも、計量的発想から、結果としていろいろな問題、課題があっても、そこは大きく問題とせずに、いわゆる計量的なところではやってきている、問題はなかったという評価も、一面、これまでのいろいろな議論の中で出てきております。
そういう意味で言うと、今回こうしてコメントを発せられた局長の思いに私は大変共鳴するものでありますけれども、ぜひ今後も復興の中で、先ほど来いろいろな議論があるんですが、本当に被災者にどう寄り添っていくかという面と、それから計量的に単なる数字で評価されない、いろいろな一人一人に寄り添った対応というものが必要になってくるわけですので、そういった点を今後進めていくに当たっての決意といいますか思いというもののお示しを、改めていただきたいと思います。
〇中村復興局長 確かに、いろいろ被災者の方々からお話をお伺いすると、お一人お一人、やっぱりいろいろな御事情が違う、背景が違う、当然、経済的な条件等も違うという中で、どういうふうに自分の生活を今後立て直していくかということで非常に悩まれているということを、我々も痛切に感じております。ですから、そこは機械的な対応で、こういう制度になっているから、もうここまでしかできないとかということではなくて、気持ちとしては、そういった被災者個々の御事情にできるだけ寄り添いながら、最大限の対応を我々としても探っていくという姿勢は、今後とも必要だろうと思っております。
先ほど仮設の集約のお話もありましたが、あれも大前提としては、やはり仮設に入られている被災者お一人お一人が、今後どういう生活の再建をしていこうとお考えになっているのかをまずはっきりと確認することが前提だと思っています。ですから、機械的に行政が何か線を引いて、ここから以上はもう仮設から出ていってくださいよということではなくて、要するに、仮設から出て例えば公営住宅に入られる、ないしは仮設から出て御自分で自力で自宅を建てられるといったような計画を十分に把握した上で、そういった集約化の計画も立てていかなければならないものだろうと考えております。
委員からお話があったような点は、今後の復興を進める上には、我々も重々心して取り組んでまいりたいと考えています。
〇工藤勝子委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子委員長 質疑がないようでありますので、これで復興局関係の質疑を終わります。
復興局の皆さんは退席されて結構です。大変お疲れさまでございました。
昼食の時間に若干時間がございますが、この際、昼食のため午後1時まで休憩といたします。
午前11時43分休憩
午後1時2分再開
〇工藤勝博副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求めます。
〇橋本商工労働観光部長 商工労働観光部関係の平成27年度歳出予算について御説明申し上げます。
初めに、当部の予算編成に当たっての基本的な考え方についてでありますが、東日本大震災津波からの本格復興を図るため、暮らしの再建やなりわいの再生の取り組みを着実に推進するとともに、いわて県民計画に掲げる産業創造県いわての実現に向けて、産業の一層の振興と安定的な雇用の創出を推進するための予算として編成したところであります。
まず、本格復興邁進に向けた取り組みでありますが、暮らしの再建については、安定的な雇用を確保するため、産業振興施策と一体となった雇用の創出、職業訓練等の再就職支援や若者の定着向上、企業における人材育成支援及びU・Iターンの促進による人材確保対策に取り組んでまいります。
また、なりわいの再生については、被災した中小企業の事業再生のため、融資、助成制度を継続し、経営支援と金融支援を一体として行うほか、創業支援の強化やまちづくりと連動した商店街の再構築への支援に取り組んでまいります。
次に、産業創造県いわての実現についてでありますが、まず、県内経済を牽引するものづくり産業の振興については、重点分野である自動車関連産業の研究開発への支援や、半導体、医療機器関連産業の試作開発への支援を行うとともに、市町村と連携した企業誘致の強化などに取り組んでまいります。
次に、観光の振興については、大型観光キャンペーンやあまちゃんを活用した誘客事業の実施、震災学習を中心とした県北・沿岸地域への教育旅行の誘致などに取り組んでまいります。
あわせて、台湾との国際定期便の就航を目指した取り組みや、外国人受け入れ態勢の整備を進めるほか、中国雲南省を初めとする東アジアや欧州との経済交流の促進に取り組んでまいります。
さらに、食産業や地場産業の振興についても、販路の拡大や商品開発の支援に取り組んでまいります。
また、震災からの復興や人口減少問題に対応できる県内経済が実現されるよう、今議会で提案している中小企業振興条例や県が締結する契約に関する条例に基づき、活力ある地域経済の振興や、働く方々の労働条件の確保等に取り組んでまいります。
以上が予算編成に当たっての基本的な考え方でありますが、これらの施策の推進に当たっては、それぞれの地域が持つ特性や魅力、人材などの資源が最大限に活用されるよう、関係機関などとも連携しながら取り組んでまいります。
それでは、予算議案について御説明申し上げます。
まず、議案第1号平成27年度岩手県一般会計予算でありますが、議案その1の7ページをお開き願います。5款労働費のうち、1項労政費及び2項職業訓練費の合計148億6、671万4、000円と7款商工費の1、374億599万3、000円、9ページに参りまして、11款災害復旧費4項商工労働観光施設災害復旧費の142億2、375万9、000円と13款諸支出金3項公営企業負担金の一部3、286万3、000円、合わせまして1、665億2、932万9、000円が商工労働観光部関係の予算の総額であります。これを前年度の当初予算と比較しますと43億3、518万5、000円の増、率にいたしまして2.7%の増となっております。増額となった主な内容といたしましては、中小企業東日本大震災復興資金貸付金の76億9、865万円余、中小企業等復旧・復興支援事業費の74億9、807万円余の増などによるものであります。
以下、予算の内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
それでは、予算に関する説明書の139ページをお開き願います。まず、5款労働費1項労政費1目労政総務費でありますが、関係職員の給与費や、労働情報の把握、労働組合調査などに要する経費であります。2目労働教育費は、労働環境の整備や労働紛争の未然防止等を図るための雇用・労働フォーラムの開催などに要する経費であります。140ページに参りまして、3目労働福祉費でありますが、説明欄一つ目の労働者等生活安定支援資金貸付金などに要する経費であります。4目雇用促進費でありますが、説明欄上から八つ目のいわて人材確保支援事業費は、県内での労働力確保及び人材の県外への流出防止を図るため、中小企業の情報発信力強化等によるU・Iターン及び人材の定着を促進しようとするものであります。次の緊急雇用創出事業費補助は、離職を余儀なくされた失業者に対し、次の雇用までの短期の雇用、就業機会を創出する緊急雇用創出事業を行う市町村に対して、必要な経費を補助しようとするものであります。次の事業復興型雇用創出事業費補助は、将来的に被災地の雇用創出の中核となることが期待される事業所が、被災者を雇用する場合に、雇い入れに係る費用に対する助成金を支給しようとするものであります。
141ページに参りまして、2項職業訓練費1目職業訓練総務費でありますが、説明欄上から三つ目の認定職業訓練費は、技能労働者の養成及び技能水準の向上を図るため、認定職業訓練を実施する職業訓練団体に対し、運営費及び設備整備費の一部を補助しようとするものであります。2目職業訓練校費でありますが、説明欄上から一つ目と二つ目の管理運営費及び公共職業能力開発費は、産業技術短期大学校等の職員給与費及び運営費であります。説明欄下から二つ目の就職支援能力開発費は、離職者等の職業能力開発の実施による再就職の支援、母子家庭の母等に対する自立促進を実施しようとするものであります。
次に、175ページをお開き願います。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費でありますが、説明欄一番上の管理運営費は、関係職員の給与費や事務経費など、管理運営に要する経費であります。その三つ下の大阪アンテナシッョプ移転事業費は、関西地区の情報発信拠点として、大阪市心斎橋地区に設置している北東北三県大阪アンテナショップについて、周辺地域の再開発による急激な商圏変化に伴う購買客数の減少等の課題に対応するため、大阪アンテナショップを移転しようとするものであります。説明欄中ほどの革新的医療機器創出・開発促進事業費は、医療機器関連産業の創出、集積を促進するため、岩手医科大学が、企業、医療機関及び大学と連携して行う革新的医療機器開発に対し、必要な経費を補助しようとするものであります。その二つ下の3Dプリンタ等次世代ものづくり産業育成事業費は、3Dプリンターの活用による高付加価値製品の開発等を促進するため、三次元積層造形技術に係る人材育成等を推進しようとするものであります。説明欄下から三つ目の雲南省交流・連携推進事業費は、連携協定を締結した雲南省との幅広い経済交流を促進するため、中国―南アジア博覧会への出展や経済ミッション団の派遣等を実施しようとするものであります。次のミラノ国際博覧会出展等事業費は、本県の多種多彩な食文化やすぐれた農林水産品等をPRするため、宮城県や石巻市等と共同で、ミラノ国際博覧会への出展を実施しようとするものであります。次の176ページに参りまして、2目中小企業振興費でありますが、説明欄上から二つ目の商工観光振興資金貸付金は、中小企業の振興や産業の振興を図るため、設備の改善や事業の推進などに必要な資金を貸し付けしようとするものであります。説明欄中ほどの中小企業東日本大震災復興資金貸付金は、被災した中小企業の再建を支援するため、事業活動に支障を来している中小企業に対して必要な資金を貸し付けしようとするものであります。その二つ下の地域産業活性化企業設備貸与資金貸付金は、地域産業の活性化、地域経済の底上げを図るため、公益財団法人いわて産業振興センターに対し、設備貸与事業の事業原資を貸し付けようとするものであります。説明欄下から六つ目の商工業小規模事業経営支援事業費補助は、商工会、商工会議所及び岩手県商工会連合会が行う小規模事業者の経営改善普及事業等の実施に要する経費に対し、補助しようとするものであります。説明欄下から二つ目の岩手産業復興機構出資金は、被災した中小企業者等の二重債務問題の解決を図るために、岩手産業復興機構への出資を行う岩手中小事業者支援投資事業組合に出資しようとするものであります。次の中小企業被災資産復旧事業費補助は、沿岸市町村の産業復興を促進するため、市町村が行う被災中小企業の復旧に対する補助事業に要する経費を補助しようとするものであります。次の177ページに参りまして、説明欄一番上の被災商店街にぎわい支援事業費は、被災した沿岸市町村の商業機能の復旧を図るため、専門家派遣、セミナー開催により、商店街再構築や共同店舗設置、運営に係る支援を行おうとするものであります。次の被災中小企業重層的支援事業費は、被災した中小企業者の再建を支援するため、産業支援機関が行う支援事業に要する経費に対して補助等を行おうとするものであります。その二つ下の次世代経営者育成事業費補助は、創業の機会を確保し、持続可能な企業を育成するため、若者、女性等の創業に対するチャレンジを支援するとともに、若手経営者や後継者に対する経営計画策定研修等の実施に要する経費に対し、補助しようとするものであります。その三つ下の自動車関連産業創出推進事業費は、自動車関連産業の集積に向けて、設備投資や研究開発の支援、工程改善の指導、展示商談会の開催などの取り組みを実施し、地場企業の参入や取引拡大を促進しようとするものであります。説明欄下から八つ目のいわてフードコミュニケーション推進事業費は、フード・コミュニケーション・プロジェクト―FCP―岩手ブランチを活用して、企業間連携や新ビジネスの創出を推進するとともに、岩手県産業創造アドバイザーによる訪問指導、商談会、フェアの開催等を行い、商品開発から販売まで総合的に支援しようとするものであります。次のいわてブランド再生推進事業費は、放射性物質の影響による風評被害対策として、消費者の信頼回復といわてブランドの再生のため、百貨店やアンテナショップ等と連携した県産品の情報発信を行うとともに、販売機会を創出しようとするものであります。次の178ページに参りまして、3目企業立地対策費でありますが、説明欄上から二つ目の企業立地促進資金貸付金は、県内に工場等を新設または増設する企業に対し、設備資金を貸し付けるための原資の一部を金融機関に預託し、企業立地の促進を図ろうとするものであります。次の企業立地促進奨励事業費補助は、工場等の立地を促進するため、市町村が行う補助事業に対し、その経費を補助しようとするものであります。次の工業団地整備事業費補助は、県北・沿岸地域等における産業用地不足の解消を図るため、工業団地の環境整備を行う市町村等に対し、補助しようとするものであります。4目中小企業経営指導費でありますが、説明欄二つ目の中小企業ベンチャー支援事業費は、中小企業やベンチャー企業の育成を図るため、公益財団法人いわて産業振興センターが行う新事業創出から経営革新、取引開拓などの事業に対し、補助しようとするものであります。5目貿易振興費は、日本貿易振興機構―ジェトロ―盛岡貿易情報センターの事業運営経費に対する負担金であります。6目工業技術センター費は、説明欄一つ目の地方独立行政法人岩手県工業技術センター運営費交付金などに要する経費であります。
次に、180ページに参りまして、2項観光費1目観光総務費でありますが、説明欄一番上の管理運営費は、関係職員の給与費、家族旅行村等の管理運営に要する経費であります。説明欄中ほどの三陸観光再生事業費は、震災学習を中心とした教育旅行及び企業、団体研修の誘致を沿岸観光の柱として推進するため、受け入れ態勢の整備や誘致活動を実施しようとするものであります。次のいわて台湾国際観光交流推進事業費は、交流人口の拡大による地域経済の活性化を図るため、台湾からの観光客の誘客とともに、受け入れ態勢の整備を促進しようとするものであります。その二つ下の三陸地域資源活用観光振興事業費は、あまちゃん効果の継続と他地域への波及を図るため、三陸地域のさまざまな地域資源を活用した効果的な情報発信、誘客活動等を実施しようとするものであります。次の旅館等耐震改修利子補給補助は、観光客等の安全の確保を図るため、旅館等の耐震改修工事を行う事業者に対して、金融機関から借り入れした場合に負担する利息の一部について補助しようとするものであります。2目観光施設費は、岩洞湖家族旅行村等の県有観光施設に係る修繕や、観光案内板の整備等を実施しようとするものであります。
次に、232ページをお開き願います。11款災害復旧費4項商工労働観光施設災害復旧費1目商工観光施設災害復旧費でありますが、中小企業等復旧・復興支援事業費、いわゆるグループ補助は、被災地の事業者が一体となって復旧、復興を行う場合に、当該事業に不可欠な施設等の復旧整備に対して、国と県が連携して補助しようとするものであります。
次に、239ページをお開き願います。13款諸支出金3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、説明欄一番下の工業用水道事業会計負担金は、工業用水を低廉かつ安定的に供給することにより、企業立地施策の推進及び雇用の維持、拡大を図ることを目的として、第二北上中部工業用水道における金ケ崎ろ過施設の維持に係る経費の一部を負担しようとするものであります。
以上で一般会計歳出予算の説明を終わります。
次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
議案その1に戻りまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為のうち、当部関係のものは、事項欄3から7までの5件であります。内訳は、損失補償に係るもの3件、保証料補給に係るもの1件、離職者等再就職訓練に係るもの1件であり、これらについて、それぞれの期間及び限度額を定めて、債務を負担しようとするものであります。
次に、特別会計について御説明申し上げます。
34ページをお開き願います。議案第7号平成27年度岩手県中小企業振興資金特別会計予算でありますが、これは、歳入歳出予算の総額をそれぞれ38億3、672万7、000円とするものであります。
次に、35ページに参りまして、第1表歳入歳出予算の歳入でありますが、1款繰入金1項一般会計繰入金は、中小企業高度化資金の貸付原資及び貸付事務費に充てるため、一般会計から繰り入れするものであります。
2款繰越金1項繰越金は、前年度からの繰越金を予定するものであります。
3款諸収入1項貸付金元利収入は、設備資金貸付等の貸付償還金であり、2項預金利子は、歳計現金の利子、3項雑入は、中小企業高度化資金の延滞違約金収入等であります。
4款県債1項県債は、被災中小企業施設・設備整備支援事業貸付金の貸付原資として、独立行政法人中小企業基盤整備機構から借り入れしようとするものであります。
次に、36ページに参りまして、歳出でありますが、1款小規模企業者等設備導入資金貸付費1項貸付費は、公益財団法人いわて産業振興センターが行う被災中小企業施設・設備整備支援事業貸付に要する資金の貸し付けのほか、国及び独立行政法人中小企業基盤整備機構に対する償還金等であります。
2項貸付事務費は、貸付事務及び資金の回収などに要する事務経費及び公益財団法人いわて産業振興センターが行う被災中小企業施設・設備整備支援事業貸付等に要する事務経費に対する補助であります。
以上で商工労働観光部関係の予算議案の説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇工藤勝博副委員長 ただいま説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木大和委員 厳しい財政状況の中にありますが、工業技術センターなど、多くの研究成果を上げているのに敬意を表したいと思います。
そこで、その成果の一つであります、県で所有しています特許、意匠、商標の現状、その件数と活用状況についてお伺いしたいと思います。
また、10年を経過したものについての取り扱いの仕方等々も加えて答弁いただきたいと思います。
〇鈴木ものづくり自動車産業振興課総括課長 まず、県有特許等の現状についてでございますが、昨年度末現在、独法化している工業技術センターを含みます試験研究機関及び岩手県立大学を中心に、特許権が76件、意匠権が6件、商標権が9件、植物の新品種の育成者権が49件、合計140件が登録されているところでございます。
その活用状況についてでございますが、県内企業と岩手県水産技術センターや工業技術センターなどが共同で保有しております特許を活用した、例えば塩蔵ワカメ生産の省力化機械であるとか、木質チップを燃料とするボイラーなどが製品化されているところでございます。
次に、10年を経過した特許の取り扱いでございます。特許権の存続期間というのは20年となっておりますが、毎年、維持費として特許料が発生しまして、特に10年目からは、その費用が9年目までの3倍ということで、非常に高額なものになってございます。そのため、県有特許の維持につきましては、権利の実施許諾、使われ方の状況であるとか、維持する有用性などを見ながら、各部局において判断を行っているところでございます。その結果、平成25年度には、特許のうち5件が放棄されているというところでございます。
〇佐々木大和委員 それぞれ成果を上げている特許もあるわけですが、10年経過していってもそれから生きるものもあると思うし、この判断というのは非常に難しいんだろうと思います。そういう中で、県で開発したそういう技術をぜひ県の経済に還元できるように、これは判断が難しいと言っても、やはりこれはコストが相当かかりますので、その辺も含めて、しっかりした判断をして継続していただきたいと思います。
それから、今、国でも、経済対策で3.5兆円、地方創生に1兆円超ということで、大きな予算が組まれてきております。地方創生が進む中で、現在のこの研究機関として、企業との共同開発をしているものがあったら御紹介をいただきたいと思います。
また、県の特許の生かし方として、特に被災地の産業振興ということについて期待するものがあるわけです。そういう中で、特許に合わせて意匠登録、商標登録等の支援も効果のあるものだと思うんですが、この点についてもお伺いさせていただきます。
〇鈴木ものづくり自動車産業振興課総括課長 工業技術センターの部分について主に述べさせていただきます。
工業技術センターが、地方創生に当たりましてもそうですが、県内企業に対して、工業技術に関する試験研究の成果を普及、移転することを通じて、地域経済の発展に寄与しているところでございます。そのため、共同研究をいろいろやっておるわけですけれども、例えば岩手オリジナルこうじ菌の開発など、ものづくり分野に限らず、食産業分野などで幅広く行われているところでございます。その中でも、自動車用プラスチック部品が金型から剥がれやすくするような技術の開発など、こういったものが特許の取得などにもつながっているところでございます。
こういった共同開発した技術であるとか特許につきましては、工業技術センターと共同取得企業と協議しながら、県内企業への技術移転を図っているところでございます。
次に、被災地における産業創出の取り組みについてでございますが、工業技術センターでは、震災復興支援事業といたしまして、地域企業との共同研究の早期事業化であるとか、デザイン、商品開発、販路開拓などに取り組んでいるところでございます。その結果、地元の例えば漁協との共同による海藻製品を対象とした検査装置の開発であるとか、沿岸のメーカーと共同による畜舎向けの換気装置の開発といったものの成果が出ているところでございます。
残念ながら、被災企業との共同研究が特許等につながったところまではまだ事例としてはございませんが、引き続き、震災復興支援事業として共同研究を進めているところでございますので、県といたしましても、産業振興の観点から、そういったものを支援しながら、被災地の産業振興を進めていきたいと考えているところでございます。
〇佐々木大和委員 ぜひ被災地のほうの支援もあわせてお願いしたいと思います。
復興局のほうで、さんりく未来産業起業促進費というような新しい事業も出ているようですし、商工労働観光部にも、特許流通事業化支援事業費補助というのも計上されているようですので、ぜひ有効な事業の創設に支援をしていただきたいと思います。
今、例えばグローバル化されてきているわけですけれども、そういう経済の中で、製造業とか、岩手県の場合自動車ですが、あとIT、それからプレミアム特産品と、その辺がグローバル産業と言われる分野のようですけれども、ローカル産業の分野には、まさに農林水産業、小売、物流、医療、介護など、そういうのがあるわけです。就労の割合で見ると、このグローバル産業のほうは2割ぐらいで、ローカル産業が8割ぐらいとなっているという報告もあります。そういう意味におきましては、これからの研究開発と、先ほどのいろんな商業分野の意匠とか商標の支援というところがローカル産業には非常に重要なものになっていくんだろうと思っております。そういう意味で、これからの地方創生とのマッチングをした施策に持っていく上で、県としてどんな方向を考えておられるのか、その点もお伺いいたします。部長にお願いします。
〇橋本商工労働観光部長 知的所有権の有効活用によって地域経済の活性化を図っていくというのが、基本的な考え方であります。そうした中にありまして、県の試験研究機関で生み出された成果物、特許、意匠、さまざまな知的財産、これらをしっかりと活用できるように、あるいは権利として取得し、それを守ることによって独自性を発揮していくと。そういう中で岩手の強みとしていく、産業の振興のための知的財産であるべきだと思っておりまして、さまざま今後の地方創生に向けましても、地域経済の持続的な発展を考える上でも、知的財産の持っている意味というものをさらに見直しながら、これを有効に活用していく手だてを、私どもといたしましてもさまざま講じてまいりたいと考えております。
〇佐々木大和委員 岩手県にもまさにグローバル産業とローカル産業が一体化しているんだろうと思います。今、そういう環境の中で、そのシナジー効果というんですか、相乗効果をなすように運営していくのが県の経済政策の柱になっていくんじゃないか、そういう期待感があります。ぜひ、今部長が答弁されましたように、これから岩手県の経済の規模を拡大する意味でも、頑張っていただきたいと思います。
〇及川あつし委員 DIOジャパンの問題とグループ補助金について伺います。
本来であれば、プレミアム商品券の消費喚起の問題とか、経済誘発効果とか、実はいろいろお聞きしたかったんだけれども、これまでの経過もありますし、私の質問の趣旨は、今ちょうど復興集中期間5年間、その後の財源をどうするんだということで大きな議論になっていますけれども、我々がこれまで全国民の皆さんへの増税による原資でいろんな事業をやってきて、いいこともやったけれども、よくないことも実際あってしまった。今から質問する案件は、これについてどういう対処をしたかということを全国民の皆さんに説明しなければ、集中復興期間が切れた今後の財源確保にも非常に大きい影響があると思うので質問をさせていただきます。
また、これまで繰り返し申し上げているとおり、大雪りばぁねっとの問題を十分検証しなかったから、DIOジャパンの問題が起きたと私は思っています。ですから、DIOジャパンの問題もちゃんとやらなければ、また次、起こりかねないという意味でも、以下、質問いたしますのでよろしく御答弁をお願いします。
まず、前回、この件について質疑をしたのは決算特別委員会でございます。結果として、昨年の12月10日に、残念ながら、平成25年度の決算については不認定とさせていただきました。その大きな理由の一つが、いわゆるこのDIOジャパン社の問題でございますが、前回の決算特別委員会以降、いろいろ動きがあったやに報道等では伺っておりますが、まず、国では、何かこの件について新しい動き等があるのではないかと思うわけですが、その点について報告をお願いします。
〇寺本雇用対策・労働室長 国の動向についてでありますけれども、各県から国に対して、DIOジャパン関連コールセンターの調査について、事業期間中のリース料の取り扱い、あるいはコールセンターの事業期間中の収入額を確定させるための売上高から控除する経費の取り扱いなどの協議や相談があり、国において検討を行うなどの対応をしているということを承知しております。
〇及川あつし委員 新しい通知等はありませんか。
〇寺本雇用対策・労働室長 通知はございません。
〇及川あつし委員 では、県内の市町の動向について伺いたいと思います。
報道等によれば、いわゆる研修期間中の事業収入等の話が洋野町の件については取材でわかったんでしょうか、あとは盛岡市の件等についても出ておりますが、どういう状況になっているか、報告願います。
〇寺本雇用対策・労働室長 盛岡市につきましては、委託期間中の決算書等の売上高等を報告しているところでございます。市議会の全員協議会に対して報告をしているといったような状況となっております。
洋野町につきましては、研修中に報酬を伴う業務がありまして、それについて新聞報道とかで判明しているということでございます。
〇及川あつし委員 その二つだけですか。ほかの市町については、一切報告等はないんですか。
〇寺本雇用対策・労働室長 個別にこういうものはといった御相談を受けておりますけれども、現在取りまとまったことといたしましては、現在、立地市町は、返還請求額についての確定に向けて調査をしておりまして、その中身についてはまだ確定しておらないところでございます。
〇及川あつし委員 つまり、報道ベースで出た分だけ今御答弁があったんだけれども、結局、まだまとまっていないのでお答えできないんだと思いますが、今のペースでいくと、いつ、まとまるんですか。
〇寺本雇用対策・労働室長 この間、決算後、DIOジャパン関連コールセンターの立地の市町連絡会を開くとか、あるいは県主催の会議を2回開くとか、情報共有を行いながら調査をやっておりまして、早急にまとめていきたいと思っております。
〇及川あつし委員 早急というのは、いつごろをめどなんですか。というのは、次の質問にも若干かかわりますが、今回の議会の高橋孝眞議員の一般質問の答弁で、3月18日に、DIOジャパン関連会社の財産状況報告集会が開催される。当該破産事件を扱う東京地方裁判所からは、債権の届け出は不要とされているということになっていますが、この時期と、今早急にまとめるといったものについては関連しないんでしょうか。おおむねの時期も含めて、再度、答弁願います。
〇寺本雇用対策・労働室長 恐縮でございますけれども、現在調査中ということでございまして、時期が確定的に申し上げられる見通しというところではございません。
〇及川あつし委員 では、次に、本県の対応の具体を伺いたいと思います。
結局、DIOジャパン本社は、破産手続に入ってしまったということでございます。管財人の弁護士のコメントが一部報道に出ていましたけれども、ほとんど残余財産がないというようなことのようですが、これは18日わかるんだと思いますが、そういう状況の中で、県として破産手続にかかわってどのような対応を行っているのか、その対応状況と、また、この件に関しての今後の見通しについても御答弁願います。
〇寺本雇用対策・労働室長 県におきましては、国や東北各県と連携し、情報収集に努めながら、3月18日に財産状況報告集会が東京都内で開催されるということになっておりますので、それについての手続あるいは内容等について注視をしてまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 では、具体をもう少し詰めて伺います。
ポイントは、皆さんがやってきたいろんな一連のこのDIOジャパン社の進出の経過についても検証してもらいたいんだけれども、当面は、補助金の返還という大問題があると思うので、そっちが集中的になるんじゃないかと思います。
その意味で伺いますが、補助金返還の手続については、ルール上だけきちっと捉まえれば、市町がやった事業だから市町が返してくださいねということになるんだけれども、議会としては、それではまずいよねと。最初から県が、事実上、市町にあっせんして、信用照会もちゃんとかけないで、そしてこういう事業破綻を招いてしまったということで、一定の責任がありますよねと。そこについては橋本部長も一定の責任を認めて、市町にできるだけ負担がかからないようにすると。今回の答弁でもそういうものがあった。
その具体について伺いますけれども、答弁で、できる限り市町の負担とならないように努めますと言っていますけれども、この具体的な中身は何ですか。どういうことを考えて、どういう手続をすれば、市町に満額の補助金返還がならないようになるんでしょうか。その点について説明してください。
〇寺本雇用対策・労働室長 県といたしましては、先ほどお話し申し上げましたけれども、事業期間中のリース料の取り扱いがどうなのか、あるいはコールセンターの事業期間中の収入額を確定させるための売上高がどれだけ控除ができるのかといったところを、市町の考え方や意向を踏まえながら国と協議を進めて、できる限り市町の負担にならないように支援していきたいと思っております。
〇及川あつし委員 では、そこの具体を聞きます。
答弁でも、補助対象経費の取り扱いの考えなどについて、国にしっかり説明を行って理解を得られるようにすると。その行為が、市町の負担を減らすことだというような説明になっているんですね。では、今、市町の考え方も踏まえということでしたし、我々に対する答弁でも、取り扱いの考え方についてということを言っているのですが、では、今、市町と岩手県はどういう取り扱いの考え方にしてくれというふうにまとめているんですか。そこの考え方についてきちっと内容を示してください。例えば、リース料についてはこうするべきだということで、今、国に言っているとか、いわゆる事業収益についての取り扱いはこうするべきだと、どういうことで国と今、具体の協議をしているのか、その内容について示してください。
〇寺本雇用対策・労働室長 御質問でございますが、なかなか決まっているわけでもなくて、率直に申し上げまして、申し上げにくいところがございます。
先ほどの事業期間中のリース料につきましては、前回も御答弁申し上げましたとおり、過年度分については、一旦、国のほうとしてはお認めいただいたのではないかと誤解、国のほうからすると誤解になるかもしれないですが、そういった県あるいは市の主張をお願いするといったようなことも申し上げていますし、それぞれ個別個別の中で、例えば業務従事になるのかとか、OJTなのかといったところも、ちょっとここでは具体に申し上げにくいですけれども、それぞれ市町と詰めながらお話をしているというところでございます。
〇及川あつし委員 お答えづらいのはよくわかりますが、私が気になるのは、ずっと県が、最初から、どんどんアクセルを踏んでここまで来てしまった以上、ルール上は、まともに読めば、市町が補助金の返還になるので、一定の額は発生するわけですよね。国との協議の中で、県ができるだけ負担額が減るように頑張ると言うけれども、自分たちも一定の責任をとると一回も答弁していないじゃないですか。私はそこが非常に問題だと思うわけです。市町がそこが一番不満なのであって、県にお願いしているのは、国と折衝して補助金の返還額を減らしてくれと言っているのではなくて、県も一緒にやって来たんだから、一緒に責任をシェアしてくださいよということなんですよ。でも、皆さんの答弁は、国に対して説明すれば補助金額が減るでしょうと。それが県の責任でしょうという答弁ではないですか。ここが根本的に違うと思うんですね。県としてもちゃんと責任を、補助金の返還についてもとるということで答弁できませんか。橋本部長に伺います。
〇橋本商工労働観光部長 県の負担ということについてでありますけれども、私もさきの決算特別委員会でも御答弁申し上げておりますが、その際の趣旨といたしましては、市町における補助対象経費の取り扱いの考え方について、理解が得られるように国に対してしっかりと説明を行い、できる限り立地市町に支障が生じないよう取り組んでいく趣旨で答弁したところでございますが、補助事業は、関係法令に基づいてもとより執行されるものであるという原則を踏まえたものでございまして、その原則については、そのとおりの対応になるものと考えております。
〇及川あつし委員 それではだめだと私は言っているんです。市町から絶対不満が出ますよ、これは。ただ、市町からすれば、いろんな補助事業等もあるから、県に対してそこまでなかなか言えないと。でも、本心は、今回の件はおかしいでしょうというところなので、そこをきちっと認めてやらなければ、私はこの問題は解決しないと思うし、また、第三の問題が起きたときに、今回の検証が不十分だったからということになるということを強く指摘しておきたいと思います。
岐阜県は、美濃加茂市に対して返還命令をばちっと出しました。これというのは、やっぱり一連の経過とかも踏まえて、これは美濃加茂市がやっちゃったことだからルールに従って返してくださいと言えるけれども、岩手県は、額が確定していないだけではなくて、一連の経緯があるから言えないんだと思うんです。そういうことを考えれば、堂々めぐりになるのでこれ以上はやめますけれども、県の責任のとり方についてもきちっと固めながら、この問題については取り扱っていただきたいということを重ねて申し上げたいと思います。
次に、グループ補助金について伺いたいと思います。
まず、概要のことで伺います。岩手県中小企業等復旧・復興支援事業費補助金ということであります。多くの会社がいわゆるこのグループ補助金によって被災からの復旧に努めていると。この点については非常に大事な点でありますので、これからも進展していってもらいたいと思うわけですが、この事業についての検査実施の概要についてお尋ねしたいと思います。
一般論として、このグループ補助金の事業についてどのような検査をしているのか伺いたいと思いますし、また、緊急雇用創出事業費の検査と同様の取り扱いになっているのかどうかについても御説明願います。
〇山村経営支援課総括課長 グループ補助金の調査についてであります。
グループ補助金につきましては、補助事業の完了時に広域振興局が現地調査を実施し、補助対象の施設、設備の現物を確認しております。その上で、経営支援課が実績報告書、支払い書類等を確認し、事業を完了するという内容でございます。
緊急雇用創出事業については、平成25年3月の通知により中間検査を実施するとされておりますが、このグループ補助金は普通の補助金ということで、平成26年4月の総務部長の通知に基づいて補助事業者に対して進捗状況等を確認するとされておりますので、書面等により確認し、必要に応じて現地も訪問するという形で確認をしております。
〇及川あつし委員 この事業についての監査の関係ですけれども、過日、監査委員事務局から、グループ補助金に係る監査の実施状況ということで資料が出てまいりまして、平成26年度の監査状況ということで、当該補助事業については4件、いわゆる財務監査を行ったという報告がございましたが、この件について何か指摘があったか、内容も含めてお伺いをしたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 平成26年度に実施された監査4件を抽出して監査を受けたわけですけれども、特に指摘事項はございませんでした。
〇及川あつし委員 それでは、以後は、久慈市の有限会社大原商店の関係について伺いたいと思います。
3月10日に農林水産部長名で、我々議員に、有限会社大原商店(久慈市)での補助対象外の機器整備に係る補助金交付契約の解除についてということで、概要の報告がございました。3月9日に契約を解除して、補助金の返還請求額2億700万円余ということでございます。
この大原商店というのを検索しますと、この会社はいわゆるグループ補助金の第1次に決定したグループでございまして、県北水産加工業拠点整備グループという中の1社であると理解してございますが、経営支援課のほうにはこのグループ補助金で大原商店が入っていますけれども、どのような補助内容だったのか、その内容について説明をしていただきたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 大原商店の補助内容です。補助対象は、魚介類由来たんぱく質の製造施設等製造工場の修理、修繕と、ドライヤーという設備の復旧が補助対象であり、補助事業に要する総事業費は2億3、000万円余、補助金は1億6、600万円余となっております。
〇及川あつし委員 それでは、今回3月10日に農林水産部長から報告されたいわゆる平成24年度水産業共同利用施設復旧支援事業と今御説明のあったグループ補助金の事業の関係について、私、図をつくっていただいたので、これが渡れば一番わかりやすいんですけれども、ちょっと説明していただいてよろしいでしょうか。
〇山村経営支援課総括課長 二つの補助金についてでありますが、今回、農林水産部のほうの補助金は、魚の残渣処理をするライン施設と伺っております。グループ補助金のほうは先ほど御説明したように、工場建屋の修理、修繕と、あとドライヤーという設備の整備に関する補助でありまして、別の補助でございます。
〇及川あつし委員 別の補助だけれども、建物との関係について、もうちょっと詳しく説明してもらっていいですか。
〇山村経営支援課総括課長 グループ補助の補助対象となっている建物の中に、農林水産部の補助対象になっている施設、設備があるという関係でございます。
〇及川あつし委員 つまり、経営支援課が関与して出した補助金で、いわゆる側と、設備の電気の部分とかいろんなことを復旧工事としてやりましたと。その箱の中に、今回契約が解除になってしまった設備が入っていましたということで、別事業なんだけれども、外から見たら一体の設備ですよね。補助事業は違うんだけれども。
私の質問の趣旨は、3月10日にこういう事案が発覚したわけですから、一旦、このグループ補助金としては完了検査も全部終わって、問題なしと報告としては承っておりますけれども、再度、この大原商店の関係するグループ補助金事業について検査をする必要があるんじゃないかと私は思うわけですが、その認識をお伺いします。
というのは、私も今、鋭意、来週の農林水産部の部局審査に向かって調査をしていますけれども、これは化製場法の関係とか、いろんな環境生活部所管の関連する許認可の件もある。そのためには、設備をそれなりのものを整えなければいけない。その設備が整っているから機械を入れられる。これは渡辺委員が非常に詳しいんですけれども、いわゆる鳥のレンダリング施設であれば、かなりのボリュームのあるロットの大きい附帯設備が必要で、そのための側をグループ補助として得ている可能性もある。これは経営支援課の皆さんの手続が悪かったというのではなくて、今回改めてこういう問題が惹起されたわけですから、この件については全く別なところではなくて、補助は違うけれども同じ建物の中で行われた事案なので、これはやっぱり経営支援課としても、グループ補助が本当に適正だったかどうかということを再度検証しないと、何やっているんだということにまたなりかねないので、やってほしいという意味での質問でありますので、この点について所見を求めたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 委員からお話をいただいたように、このグループ補助金は完了しておりますが、こういう事態がありましたので、必要に応じて、状況を見きわめながら改めて確認等の必要性を検討したいと思います。
〇佐々木順一委員 それでは、来年度の県産品の海外戦略についてお伺いいたします。
まず、明年度の海外戦略の個別事業と、それぞれの予算の額についてお示し願いたいと思います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 新年度予算での県産品の海外の予算の関係でございますけれども、県におきましては、多くの人口を抱えまして経済成長を背景に購買力の高まっている東アジアを重点地域として進めておりますが、それに当たりましては、特徴ある岩手の県産品である南部鉄器あるいは日本酒など重点県産品として売り込みまして、岩手ブランドの推進を図りながら進めておるところでございます。
そこで平成27年度におきましては、マレーシアや中国広州市において、日系小売業者と連携したいわてフェアを実施するほか、中国大連市や香港、台湾、韓国、タイにおいて商談会を開催しまして、県産品の販路開拓を進める予定でございます。
さらに、中国雲南省で開催されます大規模な国際博覧会でございます第3回南アジア博覧会に本県ブースを設けまして、アジア全域から集まるバイヤー等に本県の県産品を売り込むほか、7月でございますが、世界から注目が集まっておりますミラノ国際博覧会に参加いたしまして、本県のすぐれた食文化、食材、県産品をPRして、販路開拓につなげていくこととしておりますが、本年度の当初予算案におけますこれらの海外展開事業に対する計上額は5、016万円余となっておりまして、対前年に比べまして約2、000万円、約66%の増となっているところでございます。
〇佐々木順一委員 明年度の特徴は、まず、ミラノ博への出展ということが大きな特徴だろうと思います。県では、中国雲南省とか、それから東南アジア向けに、さまざまな県産品の海外戦略を展開してまいりましたが、中には、過去を振り返ってみますと、平成7年ごろはたしかアメリカのほうにアンテナショップを開設とかということがあったと思います。その都度、やるときは非常に力こぶが入るわけでありますが、中には、いつの間にか終わってしまったというのもあると思っております。そういう中で、大連とか中国雲南省とか、あるいはシンガポールへのトップセールスなどは、それなりの成果を上げてこられたと思っておりますが、シンガポールへのトップセールスを含め、それから中国の雲南省への事業交流、これらの成果についてお伺いしたいと思っております。
また、ミラノ博は食がテーマでありますね。地球に食料を、生命にエネルギーをと、こういうテーマで開かれるわけでありますが、これは岩手県が、約140カ国が博覧会に応募、参加する予定であると。そうなると、表現的には、岩手は世界を相手に海外戦略をやることになると思います。ついては、このミラノ博につきましては、どういった出展者が参加されるのか、その募集要項はどういうものなのか、あるいは出展する県産品、主なものを御紹介いただきたいと思います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 まず、シンガポールでのトップセールスの後のフォローアップ等の状況等でございますが、シンガポールにおきましては平成21年12月に、シンガポール伊勢丹におきまして、東北フェアの開催に当たりまして知事によるトップセールスを行い、いわて牛や県産米、煎餅等の菓子類等々の販売プロモーションを行ったところでございます。
同フェアにおきましては、本県からの5者の事業者も参加いたしまして、約940万円の売り上げなど一定の成果を得たところでございますが、その後も、シンガポール伊勢丹で定期的なフェアの開催がなされたところでございます。
また、伊勢丹のバイヤー等との連携も継続しており、本県に来られる本県産地視察や、あるいは商談会の開催などをその後実施しているところでございます。
次に、ミラノ博の展開等についてでございますけれども、こちらは、イタリアミラノ市近郊で開催されますこの博覧会に、本県は7月24日から27日までの4日間、被災自治体である宮城県と石巻市、そして東北経済連合会と共同で参加する予定としてございます。
この博覧会では、メーンテーマである食を柱に、本県の食文化やすぐれた農林水産物のPRを行いますとともに、岩手の産品や魅力などを幅広く情報発信する予定としております。
具体的には、本県食材を利用しました料理、試食ショー、あるいは日本酒バーによる試飲、デモンストレーション、南部鉄器など食にまつわります伝統工芸品の展示PR、さんさ踊りや餅つき団体の参加、わんこそば体験などによる本県文化の紹介、震災からの着実な復興状況の紹介や全世界からの支援への感謝など、さまざまな企画を予定しておるところでございます。
また、出展者の募集についてでございますが、今回の企画につきましては、それぞれのブース出展形式ではございませんで、情報発信を主体としておりますことから、出展者の募集は予定しておらず、企画内容に応じて個別に関係組合や業界、事業者等に、PR産品、具体的には、重複しますが、日本酒あるいは水産加工品を含む加工食品、牛肉やお米、調味料など、こういったところの事業者あるいは出演団体、さんさ踊りや餅つき団体等に関し相談をしておるところでございます。
〇佐々木順一委員 わかりました。
それで一つ、中国の雲南省の事業交流の具体的な内容について、後でいいです、次の答弁でお答えいただきたいと思います。
それで、さっきも言いましたが、140カ国相手に岩手のPRを行うわけでありますので、これはこれなりに一定の成果が期待できるものと思いますが、これまでの海外戦略、事業展開を見ますと、さっきも言いましたが、最初のスタートは気合いがかかるわけですよ。それで、成果が上がれば、それなりにまたステップアップしていけばよろしいわけでありますが、なかなか上がらないときは、いつの間にか消えてしまうというものも中にはあったと思います。
それで、ミラノ博につきましては、問題は、イベントに参加して、それなりの岩手というものを世界の方々に認知してもらうことは、ここまでは誰でも想像できると思いますが、その終了後、次の一手をどうするのか、そこまでやっぱり考えた上で、このミラノ博に参加する必要があるのではないかと思います。
ついては、終了後の戦略といいますか次の一手、それから、参加した業者に対するさまざまなフォロー、今の話を聞くと、応募者は、恐らく県のほうで、いろいろな組合とか団体に照会をかけて、そこからの推薦をいただいて、それで参加していただくというような解釈をしたわけでありますが、そういった応募された方々、参加して協力された方々へのフォローもやはり大事だろうと思いますので、これらの点についてどうお考えなのかお聞きしたいと思います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 失礼しました。
まず、雲南省との事業交流の関係でございますけれども、平成25年度に本県と雲南省の間で締結しました友好交流協力協定に基づきまして、本年6月、雲南省の昆明市で開催されます第3回中国−南アジア博覧会に本県ブースを出展することとしております。
この博覧会は、中国政府と雲南省が共催いたします大規模な国際博覧会でございまして、南アジア、東南アジアへのゲートウエーとして発展する雲南省におきまして、アジアの全域から幅広いバイヤーが多数集まるものでございます。こういうことからビジネスチャンスが豊富な博覧会でございます。
このブースに対しまして本県の出展内容でございますが、県産品のPRの商談ブース、また、県内企業の商談ブース、そして岩手県の情報の発信ブース、この三つを設けまして、雲南省との経済交流はもとより、中国を初めアジア全域への情報発信等を行う予定としているものでございます。
続きまして、ミラノ博後のフォローアップについてでございますが、ミラノ博におきましては、まずは、これはビジネスチャンス、基盤づくりの一端と認識しております。これを十分に生かすために、その後の対応が重要と考えているところでございます。
具体的には、ミラノ博におきましては、連携しましたイタリアあるいは欧州の関係者、例えば飲食業者、飲食のメディアにかかわる方々、貿易、小売事業者等への継続的な事業提案を行っていくほか、また、ミラノ博に出展した岩手の県産品、先ほどのお声がけして参加していただく事業者がお持ちのものなどの県産品につきまして、ミラノ博に出展したということでの一つのネームバリューも生かしながら、ほかの海外地域や国内の販路開拓を展開してまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員 ミラノ博に出展したネームバリューだけでは、これはもう自力で頑張れと言っているのと同じようなことだと思うので、はっきり言えば、そこは誰でもできるわけですよ、言われなくてもですね。私が事業者であれば、これは当然言いますよ、ミラノ博に出展してきました、世界から認められましたと。それは誰でもできることでありますから、問題は、その後どうやって道筋を県がつくってあげるかということだと思います。だから、せっかくの海外戦略のこのチャンスを有効に生かすためにも、もうちょっと皆さんで協議をして、知恵をここは出すべきではないかと思います。
外形的には今の答弁でいいと思うんですが、それはあくまでも表面的なものでありまして、中身の具体的な内容にまで踏み込んで、そして、これを継続して発展させる、発展的に岩手県の県産品を海外に売り込む、それが毎年毎年ふえるような、そういった状況を県がどうやってつくっていくか、問題はここだと思うんですよ。しかも、構造的な問題も、他の部局にまたがる問題もあろうかと思いますので、商工労働観光部のみで問題を抱えるのではなくて、もっともっと全庁的な取り組みをやるべきだと思います。
例えば、今、牛肉の話がありましたが、ヨーロッパ向けの牛肉の輸出は群馬県と鹿児島県、この2カ所しか処理場がないわけでありますので、これ一つとっても、今、一方において、本県の牛肉は東京の食肉市場でほぼ処理されているわけでありますから、理想的にはこういうところが、牛肉輸出の機能を持っていれば、非常にこれは効率がいいわけでありますが、言うのは簡単で、やるのはなかなか難しいと思います。だけれども、こういった問題を一つ一つ洗い出して、国内の環境とか県内の環境を整備して、問題点を一つずつ克服してやるためには、やはり他の部局も含めて横断的な課題の掘り下げをしなければならないと思いますが、この点についてどういうお考えを持っているのか、もう一度御答弁をお願いしたいと思います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 まず、個別の部分でございますが、ミラノ博の実施後のフォローアップにおきましては、岩手県と宮城県、福島県で、この博覧会へ向けた取り組みと並行しまして、東北発!海外展開加速化プロジェクトという、東北海外展開加速化協議会というものを設けまして、被災地のほかの県ともタッグを組んで、こういったルートを何とか開拓しようということでプロジェクトも走らせておりますので、そこも活用しながら、委員、先ほど御指摘のような方向で取り組んでいきたいと思います。
また、部局横断的に課題を掘り下げるということでございますが、委員御指摘のとおり、海外輸出等に向けての国内や県外におけます制約条件あるいは課題の把握、掘り下げにつきましては、具体的な海外展開に当たって重要な案件と考えております。
このため、農林水産物の輸出担当でございます農林水産部とは、ふだんから緊密な情報交換、連携を行っておりますほか、例えば、ミラノ国際博覧会あるいは雲南省との事業交流など特定のプロジェクトにつきましては、部局横断の情報連絡・検討チームをそれぞれ設けまして、こういった課題の把握、解決に向けての掘り下げ等を行っているところでございます。
いずれ、委員御指摘のように、そういった取り組みに横たわる課題を深掘りして、部局横断の連携をして取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員 予算も前年度よりふえておりまして、今の御答弁を聞くと、まず真摯に向き合うというように受けとめたところでありますので、期待を申し上げたいと思います。
県のこれまでの取り組みを振り返ってみますと、そのターゲットの絞り方についてでありますが、あらかじめ地域を定めたところもあるし、あるいは売れる見込みのあるところから始めようかというところもあります。
重点地域を定める、あるいは個別に売れる見込みのあるところからチャレンジしていくというさまざまな取り組みがあろうかと思いますが、いずれ、どちらを選ぼうとしても、特に業者の立場に立てば、一定の準備期間とか、それから、それに向けての予備調査とか、あるいは研究とか、やはりそれなりの時間的余裕が必要だろうと私は思っております。そうでなければ、今後、県内業者も出展する際に、なかなかどうすればいいのか、県から言われたから行きましたというのでは全然効果が期待できないわけでありますので、やる限りにおいては、業者が真剣になってもらうためにも、やっぱり一定の県の戦略方針といいますか、あるいは目標といいますか、ターゲットをあらかじめ御紹介を内々にしておくというようなことを含めれば、そういった取り組みも必要ではないかと思いますが、この点についてはどういうお考えなのかお伺いいたします。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 県産品の海外戦略を展開しますターゲット地域等についてでございますが、まず、本県におきましては、多くの人口を抱え、経済成長を背景に購買力の高まっております東アジア地域を重点地域といたしまして、県産品の販路開拓を進めているところでございます。
一方で、県内事業者の海外展開のニーズにつきましては、海外市場の変化や、あるいはその自社のお取り扱いされている商品の特性などに応じまして、対象地域も含め多様なものとなってきているところもございます。それに対しまして的確に支援していく必要があると存じ上げております。
このことから、海外展開の重点地域としましては、東アジア地域に軸足を置きながら、事業者のニーズや市場のチャンスを機敏に捉えながら、必要な場合は、他の海外地域にも積極的に展開してまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員 それでは、この海外戦略について、一方において、本県では新しい米が今度作付されるわけでありますが、先般の本会議の答弁では、国内トップ5番以内とかという目標を農林水産部長が申しておりましたが、米戦略も有力な海外戦略の一つの県産品であろうと思います。
ついては、これまでの米に関する、米プラス農林水産物、直近の実績で結構でありますが、どういう推移をたどっているのか、その点についてお知らせをいただきたいと思います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 輸出の実績の関係でございますが、お米に関しましてですが、これは平成27年1月末現在の数値でございます。輸出国、シンガポール、香港、米国、ロシア向けの合計値になってございますが、平成26年度につきましては、トン数で222トンとなっているところでございます。参考までに、平成20年度におきましては15トンであったものでございます。
また、本県におきます農林水産物の輸出実績でございますが、これは年次で見た場合で、1月から12月まででございますが、平成25年の数値が金額にして14億円となっているところでございます。これは、ちなみに、平成24年との対比におきましては135%の数字になっているということでございます。
〇佐々木順一委員 年々上がってきているというのは理解しましたが、いずれにしろ、せっかくのミラノ博への出展であります。一方において、米も新しく力こぶを入れて、県は全国トップクラスを目指すということでありますから、特に米については、全国で勝ち抜かなければ、当然ながら世界の競争には勝てないということになります。それから、牛肉のさっきの件につきましても、さまざま検討する課題があろうと思います。
そういったものを含めて、部長から最後に、ミラノ博を契機に、あるいは米の新しい銘柄がデビューするわけでありますので、そういったものを含めて、今後、どういう考え方に立って国際戦略展開に取り組もうとされているのか、その考え方をお聞きいたしまして、この質問は終わりたいと思います。
〇橋本商工労働観光部長 海外戦略を持って臨むことが非常に大事だと思っておりまして、特に、例示いただきました県のオリジナル良食味の米の平成29年度の市場供給に向けた、いわての美味しいお米生産販売戦略といったものをスタートさせるほか、ミラノ博についても、宮城県、石巻市等も出展すると。また、台湾との国際観光交流も積極的に展開すると。言うならば、これまで東アジアを中心としてやってきた分野から、さらに視野を広げた、世界を見渡す中で岩手の優位性といったものをいかに見出していくかということについて、やはりそういう産物、特産品を所管する部局ときっちりと連携を図りながら、ターゲットを定め、そしてまた、生産に携わっておられる方々にも、どういう方向で進めていくのだということをあらかじめ指し示す、そういう戦略、プランを示すことが極めて重要であると。
議員御指摘のとおりでございますので、ミラノ博を一過性に終わらせないように、そこで得られた情報を新たなチャンネルを見つけ継続していく、そういう取り組みについてしっかりと進め、本県での海外戦略の展開が十分有効かつ効果的なものとなるよう、積極的に取り組みを進めてまいりたいと思います。
〇佐々木順一委員 こういうミラノ博とかいろいろなところに業者が初めて参加して、また行きたいなとか、今度は違ったところでやってみたいなとか、少なくともそういう気持ちを起こさせるような取り組みを商工労働観光部には期待したいと思っております。
中には、県から言われたから行ったけれども、もういいやというのもいるわけでありますので、少なくとも、行った事業者が、また行きたいなというのと、それから、その事業者の周辺には違った県産品を扱う業者がいるわけでありますから、そういった方々に行った事業者が声をかけて、それでは私も行ってみましょうかというような気持ちを起こさせるような取り組みを県はやっていただけますことを御期待申し上げまして、終わりたいと思います。
答弁は結構です。
〇高橋但馬委員 観光関係について3点お聞きしたいと思います。
三陸観光再生事業について。この事業は、震災学習を中心とした教育旅行の誘致を促進するためということで行われているようなんですけれども、平成24年、25年は、教育旅行用の震災学習プログラムやあまちゃんのブームの影響もあり、被災地域にも教育旅行客がふえ、全体として20万人を超えました。平成26年に関してはどうなっているでしょうか。
〇平井観光課総括課長 教育旅行客の推移でございますけれども、平成26年につきましては、1月から6月の上半期のデータが出ております。これにおきます教育旅行客の入り込みでございますが、県全体では11万4、990人回で、前年同期に比べて1万1、578人回、9.1%の減少、震災前であります平成22年同期に比べて1万3、986人回、10.8%の減少となっております。これは県全体でございます。
なお、沿岸12市町村について見ますれば、同じく平成26年上半期でございますが9、990人回で、前年同期に比べて2、390人回、31.4%の増加、震災前の平成22年同期に比べて2、692人回、36.9%の増加となっております。
〇高橋但馬委員 全体では人数が減少しているんですけれども、被災地、沿岸地域に関しましてはふえているという数値が出ているということで、これから三陸ジオパークや震災復興のプログラムなど、いろいろとまたふえる要素もふえてくると思いますので、引き続きそのまま取り組んでいただきたいと思うんですが、昨年9月定例会における私の一般質問の答弁で、大阪府の高校生と県立花北青雲高校生徒との交流や大槌町の高校生ガイドによる教育旅行プログラムの取り組みも紹介されましたけれども、震災学習を中心とした教育旅行の誘致を促進するために具体的にどう取り組んでいくんでしょうか。
〇平井観光課総括課長 教育旅行の誘致促進についてでありますが、震災学習を中心といたしました教育旅行を沿岸観光の柱と位置づけまして、各地域におけます受け入れ態勢の充実や、特にも北海道、首都圏等をターゲットといたしました教育旅行の誘致活動の強化に取り組んでいくこととしております。
具体的には、受け入れ態勢につきましては、震災語り部団体のネットワーク化やスキルアップ研修の実施、沿岸地域の観光、復興情報の発信や旅行会社等からの問い合わせ対応を一元的に行う窓口の通年設置、中核コーディネーターの設置による各団体の主体的な観光地づくりの支援、これらにより、その充実を図っていくこととしております。
また、教育旅行の誘致活動につきましては、北海道、東京、大阪等における修学旅行誘致説明会への参加、モデルルートへの旅行会社等を対象といたしました招請旅行、県外の学校へ沿岸の震災語り部ガイドを派遣いたしまして出前講座を実施するなど、そのことによりまして強化を図っていくこととしております。
〇高橋但馬委員 北海道、東京に関しましては、今までかなりの人数が岩手に対して入ってきていると思いますので、震災後、それがかなり落ち込んでいるというのは質問でもしましたけれども、そこが復活するように引き続き努力を重ねていただきたいと思います。
また、この三陸観光再生事業費では、ホームページによる情報発信というものも上げておりますけれども、県の観光関係のホームページについては、総合サイトとしてのいわての旅のほか、県南や三陸地域、世界遺産平泉などのホームページがあります。地域情報が特定のテーマを深掘りしての紹介など相互に補完する関係にもなっているんですが、一方で、機能の重複や情報の鮮度の差もあるので、それらの見直しや統合を図る必要があると考えます。
利用者の視点に立った、より効果的な、タイムリーな情報発信のために、どのように取り組んでおられるのかお知らせください。
〇平井観光課総括課長 委員おっしゃいましたとおり、利用者の視点に立ちましてタイムリーな情報発信を行う観点から、県のポータルサイトでございますいわての旅と、情報窓口としての機能が類似します圏域ごとのポータルサイトの機能の一部統合も視野に入れまして、現在、見直しを検討しているところでございます。
また、昨今、スマートフォンなどの情報端末の普及などを踏まえまして、ポータルサイトいわての旅に、利用いただく方の位置情報をもとに周辺観光地を案内する、いわてモバ旅ナビの機能を加え、これをモバイル対応とするとともに、フェイスブックの積極的な活用など、ICTを活用した情報発信の強化に取り組んでいくこととしております。
〇高橋但馬委員 基本的に、外国人観光客というのは、スマートフォンを持ち歩いて観光地を回るものですから、そういう部分の充実を図ることで、それが口コミで広がってさらに観光客がふえるということも考えられるので、その辺もしっかりと学習旅行と一緒に対応していただければと思います。
続きまして、いわて台湾国際観光推進事業費についてお伺いします。
先ほども言いましたけれども、外国人観光客から要望の強いWi−Fi無料サービスの導入促進など環境整備に取り組むということの答弁を一般質問でいただきました。その後のほかの方々の質問によって、予算額が3、000万円、2分の1の補助で上限はなし。4月に入ったら公募をして、その後、その選定をして補助を出すということになっているんですけれども、このWi−Fiの整備に対する補助が決まる前に、全国のグループのホテルとは別に、地元ホテルにおいて、国際観光振興に先駆けてWi−Fi整備をしたホテルもあると聞いております。そこに対して遡及適用を考えるべきではないかと考えるんですが、その辺についてお答えをお願いいたします。
〇平井観光課総括課長 Wi−Fi補助の遡及適用についてでございますが、この補助制度は、Wi−Fi整備等の受け入れ環境のさらなる促進を図ることを目的としておりまして、国の地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金を活用いたしまして、平成27年度当初予算案に計上した事業を拡充して、先般、御決定いただきました平成26年度2月補正予算にて措置して、実施しようとしているものでございます。
交付金を扱います国におきましては、当該交付金の制度要綱等におきまして遡及適用は認めていないということでございますので、既に過去に整備したWi−Fiの設置費用を対象とすることはできませんが、この制度では、既に整備をしたホテル等におかれましても、例えば、これに加えて施設内のWi−Fiアクセスポイントを増設するなどの拡大整備をする場合とか、Wi−Fi以外に、施設内の案内表示、それから自社ホームページの多言語化、外国語番組の放映、海外カードの決済、免税店の導入などを行う経費につきましては、補助対象とすることができるものとしているところでございますので、既にWi−Fiを導入された施設におきましても、このような制度の有効活用により、受け入れ環境の整備を一層促進されるよう努めていきたいと考えております。
〇高橋但馬委員 国の制度でそのように決まっているのであればいたし方ないのでありますけれども、基本的に、国際観光振興に先駆けて、ほかよりも率先してそういうことに取り組んだ企業に対する補助であるとかという部分を、県としてもぜひ考えていただきたいと考えております。
次に移ります。先日、いわてに泊まろう誘客促進事業費が補正予算で通ったわけですけれども、これについて、旅行券等の割引の仕組みについての詳細は、今後公募する受託者と調整の上、決定するものというお話を聞いて、ちょっと中身についてお話ししたいと思います。
県内の宿泊施設等で利用できる券面額に対し50%の割引をつけた旅行券の発行をするとのこと。これは、つまりは、6、000円のところを3、000円で販売すると。それは、発行枚数が15万枚程度で、販売窓口は、全国のコンビニエンスストア等で取り扱うということで、コンサートのチケットとか、そういうものの発券機で買えるものだと思うのですけれども、これをやるとなると、岩手に出張で来るビジネスマンの出張旅費、ビジネスホテル代金になる可能性が高いという意見を聞いたんですが、その辺はどのように対応するかお知らせください。
〇平井観光課総括課長 今般の旅行券でございますが、私どもの目的といたしましては、観光消費を拡大することが主目的でございます。ただ、先ほど委員おっしゃったとおり、私どもが想定しておりますのは、全国のコンビニエンスストアで発券いたしまして、それを購入いただいた方は、基本的にはどなたでもお使いできるというシステムでございます。
私どもがこの点で狙っておりますのは、宿泊料金が安くなったことによりまして、例えば出張先であっても、お土産をいっぱい買おうとか、たくさんの食事をしようとか、そういう形で観光消費の増大につながるというような形で使っていただくように、いわゆる県の特産品、それから、岩手県の観光資源等をPRいたしまして、ビジネスでいらっしゃる方も、観光でも回遊していただくというような仕掛けを考えてございます。
〇高橋但馬委員 ビジネスで来る方は、基本的にビジネスなんですよ。その旅費というのは会社から出ますから、会社がこのチケットを利用してビジネスホテルに来ることが問題であって、この事業というのは、基本的に閑散期の底上げだと聞いたんですね。ビジネスホテルというのは、ビジネスですから常に動きがあるんですけれども、地元のホテル、旅館というのは、閑散期には、もちろんお客が来ないから閑散期と言うわけで、そのためにどうこのチケットを利用するかというのが重要なことだと思うんです。
そして、今回、この仕組みについて公募するのは、これから公募するわけですけれども、そこに県として制限を設けることによって本当に利用価値が上がると思うんですが、その辺についての答弁をお願いします。
〇平井観光課総括課長 私どもの狙いといたしましても、特に閑散期におけます観光需要の喚起というものを考えてございまして、例えば、発券したものを利用する期間につきまして、ある一定の期間を設けまして、来年度におきましては、秋冬期に観光キャンペーンを展開する予定でございますので、特に宿泊のお客様が落ち込む時期をターゲットとしたような発券の仕方についても検討してまいります。
〇高橋但馬委員 こちらの事業目的は、岩手への宿泊旅行を促進し、地域経済の活性化を図るとうたわれております。地域、地元に根差した宿泊業、旅行関係者が潤うような施策として、県としてしっかり取り組んでいただきたいと思うんですけれども、最後に、部長にお話を聞いて終わりたいと思います。
〇橋本商工労働観光部長 いわてに泊まろう誘客促進事業につきましては、主に域外からの新たな消費を喚起するという目的で実施するものでございますので、そういった趣旨にできるだけ基づいた、新たに旅行をしようというような制度設計にしていきたいと思いますし、また、より地元の宿泊業者の方々が閑散期と捉えているような時期に、その旅行券が利用できるように、そのことによって、より効果をもたらして、地域の持続的な循環ができるような形に持っていきたいと考えているところでございます。
〇高橋但馬委員 部長の答弁も踏まえて、この事業の詳細な今後の公募とか、受託者の選定について注視していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〇岩崎友一委員 私から大きく1点、被災地の産業政策についてお伺いしたいと思うんですが、来年度も、グループ補助金であり、事業復興型雇用創出助成金なり、いろいろと予算を組んでいただいて、復興途上ではありますけれども、そういった中においても有効求人倍率はかなり高い状況かと思います。
それで、現在の被災地の有効求人倍率の状況、そして、これは業種によって結構差が出ているかと思うんですけれども、その辺も踏まえましてお示しいただきたい。また、その状況を県としてどのように捉えているのかお伺いします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 有効求人倍率の状況でございますが、岩手県の平成27年1月の有効求人倍率は1.13倍ということで、21カ月連続で1倍台を維持している状況にございます。また、沿岸部の平均は1.32倍で、31カ月連続で1倍台を超えるという高い水準で推移しております。
沿岸部における職業ごとの有効求人倍率でございますが、建設関連の職業につきましては3.18倍、食料品製造関連の職業につきましては2.73倍、卸、小売関連の職業は1.90倍、福祉関連の職業は2.20倍、こういったところが高い水準となっております。その一方で、事務的な職業につきましては0.30倍ということで低い水準になっております。
いずれ、県といたしましては、今申し上げましたように、特定の業種では高い求人倍率になっている一方で、事務系の職業が低い倍率というふうに、事業者が求めるニーズと就労したいという方のニーズが合っていない部分があるという認識は持ってございます。
〇岩崎友一委員 いわば雇用のミスマッチがいまだに起きているということで、この雇用のミスマッチにつきましては、私も、今回は取り上げませんでしたが、去年の一般質問で雇用のミスマッチ対策を取り上げたところでありますけれども、県としては、例えば水産加工場のビデオですか、そういうものを流したりしていろいろな対策を打っているという話でしたが、そういった対策を打って改善はあったのかどうかと、また、改善されていないのであれば、今後それはどのように生かされていくのか、その辺の対策をお伺いします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 ミスマッチの解消におきましては、委員からの御紹介がありましたが、水産関係のDVDの上映等をやっております。これは、求職される方の職業選択の幅を広げるための意識啓発としてやっているものです。また、企業の求人条件などについても課題として認識しております。
そのためにということで、求職者に対しまして、企業の魅力ですとか若手社員の活躍の紹介など就職に向けました意識啓発、あるいは幅広く業種や職種に目を向けるような就職面接会、事業所見学会を開催しましてマッチングの機会を提供しているところでございます。また、復旧、復興、成長分野に対応しました職業訓練など人材育成にも取り組むこととしております。
また、企業に対しましては、労務管理あるいは職場環境整備や採用力強化のためのセミナー等を実施して人材確保を支援するということで、マッチングの促進に努めているところでございます。
効果はあったのかというところでございますが、現実問題としては、まだ有効求人倍率の高いところが解消されていないという現状ではございます。今後におきましても、引き続き、例えば復興局の予算で宿舎整備等をやるとか、いろいろありますので、そういった施策、あるいは私どもとしてもU・Iターンに関する情報発信力の強化とかといったものに取り組みながら、ミスマッチの解消に取り組んでいきたいと思っております。
〇岩崎友一委員 なかなかミスマッチの解決は、実は相当難しい話だと思って、もちろん被災地は全体的に給与等々も上がっていまして取り合いになっている部分もありますので、やはり有効求人倍率の高い業種には、従業員の方々の給料であったり福利厚生であったり、しっかりもう一度考えていただかなければならないと思う部分と、これはすごく大きな問題だと思うんですけれども、今後の産業政策にもこれはつながってくるんですが、県として、被災地全体の産業の考え方、どのような考え方をお持ちなのかお伺いします。
〇橋本商工労働観光部長 被災地における産業政策の考え方についてでありますけれども、沿岸地域の特色であります食や観光などの地域資源、さらには、ものづくりなどの企業集積、例えば金属、産業用機械、コネクター、セメントなどが挙げられるわけですが、これらを生かして、地域経済を牽引する産業の振興を図っていく必要があるだろうとまず思っております。
こうした認識のもとに、県といたしましては、三陸ジオパークあるいは三陸鉄道などの観光資源、復興道路の整備によりますアクセス短縮効果を生かした観光の振興、これらにも取り組んでいく必要があるだろうと考えております。
具体的には、魅力ある商品開発などによる販売拡大、これは特に水産加工業の分野、さらに、独自技術を持ってグローバルに展開しようとされている企業も沿岸地域においてありますので、そこを後押しするというような取り組み、さらには、沿岸と内陸あるいは県外企業との連携交流、取引拡大といった部分の取り組み、さらには、企業誘致、事業誘致の推進というようなことにもしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
今後とも沿岸地域ならではの産業振興を図ってまいりたいと考えておりますし、何よりも域外からの外貨をいかに取り込んでいくか、そして地域内の経済循環を高めていくことを目指していく必要があるだろうと思います。このためには、やはり中長期的な視点に立った、沿岸被災地域における産業振興策というものにしっかりと取り組んでいく必要があると考えているところでございます。
〇岩崎友一委員 今の部長の答弁のようになればすごいあれなんですけれども、これは保健福祉部のときにも言ったんですが、国が進める地方創生の中で、新しく東京圏から地方に人の流れをつくろうと。今、特にも若い人が来た場合に、産業がいかに成熟しているかによって、その受け皿となれるかどうかが決まってくるかと思うんです。
まず、地元の事業者、商工業者に関してでありますけれども、これは発災前からずっと雇用を創出してきたものでございますし、やっぱりしっかりと育てなければいけないと思うんです。やっぱり地元の事業者の方々にも売り上げを上げてもらって、それを従業員に還元してもらってという一つの好循環をつくらなければならないのですが、そういった地元事業者の方々への、これまではどういった、指導というのは変ですね、売り上げアップのために県として何かアクションを起こしたのかどうか、今考えていること、今後やりたいこと等々があればお示しいただきたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 沿岸被災地における商工業者、事業者の方への支援でございますけれども、県では、事業者の方にとって身近な地元の商工団体と連携しまして、相談対応であったり経営課題に応じた専門家の派遣を行っておりますし、いわて希望ファンドや国の補助金などの活用を促して、売り上げの向上や、商業で言えば、にぎわいの創出に向けた取り組みを支援しております。
平成27年度には、沿岸被災地で顧客取引先の減少を課題に挙げる事業者の方が非常に多いのですけれども、そういった課題に対応するために、沿岸の商工団体といわて産業振興センターに販路開拓や新商品開発の取り組みを支援する専門のアドバイザーを配置しまして、被災地の事業者の方の販路開拓とか新商品開発を支援していきたいと考えております。
〇岩崎友一委員 わかりました。地元の事業者は、しっかりと立ち上がろうとしている事業者も多いので、本格再建の後押しと、あと売り上げのアップ、そして給料への還元という循環をぜひつくっていきたいと思うんですが、若い人が被災地に定住するためには、いろいろ話を聞いていますと、まず給料ですね。やっぱり東京なんかと比べればもちろんですが、県内でも、やはり内陸部と比べて安いという問題がございます。
それと、高校生などだと、なかなか職業を選べない。水産業がどーんと軸であるのはいいんですけれども、何か、ああいうのをやりたい、こうやりたいと、全く職を選べないということで、やっぱり幅広い職種をそろえていく必要があるかと思います。
そういったものを考えますと、地元で若い方々が新しく事業を始めるというのも手だと思うんですが、地元のもともとの既存の事業者とかぶらない部分で、企業誘致のあり方、方向性にそういった視点があってもいいのではないかと思うんですが、現在、県としての企業誘致の考え方といったものと企業誘致の実績、今後の予定等ありましたらお示しいただきたいと思います。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 今、委員から御紹介のありました、やはり若い方たちの就職につきましては、特にも新卒者については、給料の格差というようなことが大きな問題と受けとめております。また、いろいろ若い人たちがつきたい職業、こういった選択の部分の幅も、岩手県の中では少ないと感じております。
そういう意味で、我々企業誘致の部分からいたしますと、特にものづくりというような産業にこだわることなく、やはりニーズに合った職業の誘致を、種をまいていきたいということが基本的な考え方でございます。
ただ、一方、まだ沿岸被災地のほうについては、そういった職業の誘致まで進んでおりませんで、被災しました平成23年度以降、現在まで16件の誘致をしておりますけれども、やはり土地の規制といいますか、水産加工とかにも使える海に近いところの活用が念頭にありまして、そういった業種に偏って誘致をしてきた部分がございます。
現在、国でも、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金で、今、4次公募まで終わっておりますけれども、こちらのほうではさまざまな業種がやはりエントリーしてきています。これは、基本的には製造業、そしてプラスアルファで物流、そしてコールセンター等も、少し幅を広くしたようなこういった業種が対象となっておりまして、現在、県内では28件が採択されております。これは沿岸12市町村が対象でございますので、これから順次こちらの地域で立ち上がってくるといったような予定となっているところでございます。
〇岩崎友一委員 わかりました。ぜひぜひ、さまざまな職種の誘致ということに取り組んでほしいのですが、やはり文化なんですかね、水産業が中心でもいいんですが、冒頭、業種別の有効求人倍率を聞きまして、食料品が2.73と、これは水産加工場がこの中に入っていると思うんですが、水産加工場だけあっても、なかなか人も集まらないということでミスマッチが継続するわけであります。
さまざまな業種が沿岸にあると。これは別に、それぞれの市町村に、例えば私は釜石、大槌によこせという意味じゃないんですよ。沿岸全体として、これから道路もつながりますから通勤圏内も広がると思いますし、やはりそういった中で大きな絵を描いてほしいと思うんです。
いろいろな職種があって、若者が定住することによって、大体奥さんが、じゃ、私もちょっと旦那さんの給料の足しにとパートで働いたりするのが水産加工場だったりもするんですね。そういった雇用形態がこの沿岸の文化というのもありますので、そういったいい循環ができれば、水産加工場なんかの雇用のミスマッチも解決されていくのではないかと最近よくまた考えるようになりましたので、県としても、よく考えていただきまして、好循環で沿岸部の産業再生が図れるように取り組んでいただきたいと思いますが、部長に最後、決意を聞きまして、終わります。
〇橋本商工労働観光部長 沿岸被災地における産業の振興というのは、今後、本格復興を進めていく上でも大変重要な課題だと考えております。
特に、まちなか再生とかといったこれからの部分もありますし、さまざま、やはり雇用の場をつくる努力にしっかりと取り組んでいく、そしてまた、多様なニーズに応えられるような、働き方についても、パートでなければ働けないというような方々に応えられるような職種、そういう多面的な働き方ができるような、ニーズに応えられるような形で、沿岸地域でのそういった雇用の場を多くつくっていく努力を積み重ねていくことによって、被災地の本格復興の一助にしてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後2時58分休憩
午後3時17分再開
〇工藤勝子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位、執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ9人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いします。
質疑を続行します。
〇名須川晋委員 それでは簡潔に進めてまいります。
まず、インバウンドの増加についてということでございますが、本県を訪ねるインバウンドのお客様の、ここ何年かの推移につきましてお知らせを願います。
〇平井観光課総括課長 インバウンド客の推移についてでございますが、本県の外国人宿泊者数は、平成23年には3万2、140人泊と、震災前の平成22年の8万3、440人泊の31.5%の水準まで落ち込みましたが、平成25年には6万1、330人泊と、震災前の73.5%の水準、平成26年につきましては、1月から9月までのデータでございますが4万6、090人泊と、震災前同期の86.1%の水準まで回復してきたところでございます。
〇名須川晋委員 徐々に戻っているということなんだと思いますが、それでも、訪日客はどんどん今、日本全体ではふえているにもかかわらず、この岩手といいますか、東北あるいは有名ではない観光地には、なかなか足を向けてもらえないという状況でございます。こうした中で、岩手に足を運ばせる戦略とはどういうものを今検討しているのかということと、国際観光推進事業費がございます。観光情報の発信、旅行商品の造成ということで、アジアやオーストラリア向けの市場に対してということでございますが、こういう時代ですので、前年よりも予算が若干減っているということなんですが、やはりどんどん海外に情報発信してこの岩手をなお売っていくと、お客様に来てもらうというためには、ここを減らしてはいけないと私は思うんですが、どういうことなんでしょうか。
〇平井観光課総括課長 岩手に足を運ばせる戦略等につきましてでございますが、外国人宿泊客の約半数を占める台湾からの需要回復を最重点といたしまして、定期チャーター便の運航や台湾現地での広告宣伝などに取り組んできた結果、台湾につきましては、平成26年におきまして、震災前を上回る水準を維持しているところでございます。
一方、原発事故に由来する懸念などによりまして、韓国や香港など、いまだに回復がおくれている市場もございまして、これらの風評被害の払拭というのは、本県のみならず、東北全体の課題であると認識してございます。したがいまして、東北全体でイメージアップを図るために、東北6県等で構成いたします東北観光推進機構との連携を強化し、東北ブランドの確立に向けて、東北の強みとなるテーマや観光資源を組み合わせたモデルルートの構築を進めることとしております。
また、国際観光推進事業費につきましてでございますが、平成27年度の当初予算案では、1、001万3、000円を計上しており、平成26年度当初予算の1、033万4、000円からは微減しているものの、いわて台湾国際観光交流推進事業費も含めた国際観光の関連予算計上額では8、419万5、000円となっており、平成26年度当初予算額を上回っているものでございます。また、先般御議決いただきました2月補正予算におきまして、国の交付金を活用いたしましたいわてまるごと国際観光推進事業費として1億6、065万3、000円を措置済みでございまして、これを平成27年に繰り越して実施することにより、拡充を図っているところでございます。
〇名須川晋委員 テレビを見れば、非常に首都圏では景気がよさげな番組ばかりが見られるわけですが、その恩恵がなかなかこちらの地方のほうに来ないということでございますので、足を運んでいただけるような戦略をどんどん講じていただければと思います。
そうした中で、東京や福岡にアンテナショップがございますが、こちらの海外のお客様の割合とか、あるいは売り上げが、そういう方々に非常に人気のあるものというのはどういうものなのかということをお知らせください。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 東京、福岡のアンテナショップにおきますインバウンドのお客様についてでございますけれども、東京のアンテナショップのいわて銀河プラザにおきましては、インバウンドを含めました外国人の来店状況については、会計時に、店員さんが目で見て、外国人であると区分けした方を集計しております。この数値でございます平成26年2月末現在の来店客数では、2、100人余となっております。これは全体の来店客数の1%弱ぐらいでございまして、販売金額は920万円余、これは全体の店の販売金額の2%弱となっております。
福岡のアンテナショップみちのく夢プラザにおきましては、インバウンドのお客様についてのこういった同様の集計はしてございませんが、ほぼ毎日、外国人の方の来店がありまして、主にアジア方面からの、中国、韓国などからの来客が多い傾向にあると聞いております。
〇名須川晋委員 そういったお客様に人気のある代表的な県産品として南部鉄器がよく挙げられますが、そのほかに力を入れて売り出せるような品物というのが、もちろんおいしい海産物等々あるんでしょうが、そういうのは何か、これから力を入れていきたいというものがあるのかどうかについてお知らせください。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 訪日客に対します売り出したい県産品でございますけれども、委員御指摘のとおり、本県には、豊かな自然や文化、伝統のわざに育まれた魅力ある県産品が多数ございますので、これを売り込んでいきたいと考えてございますが、このような中、海外のお客様に対しましては、先ほどお話がありました南部鉄器を初めとしました伝統工芸品のほか、日本酒やお菓子等の加工品など、本県の特色のある県産品の販売を促進してまいりたいと考えております。
〇名須川晋委員 いずれ、たくさんの方が日本に来ていらっしゃっておりますが、そこで、どうやって岩手の県産物を購入していただくかということに、もうちょっと腐心をしていただきたいと思いますし、アンテナショップにもお客様のうちの1%、そして売り上げの割合としては2%、購入単価が大きいのかもしれませんけれども、そういう方々をどんどんふやすという施策を講じていただきますように、それは先ほどの国際観光推進事業費なのか、さまざまなPRを進めていただいて、ここに行けばそういうものが買えるということをどんどんPRしていただければと思います。
2点目でございますが、事業承継ということについて伺います。
中小企業の経営者の高齢化、あるいはその事業を承継してくれるようなお子さんや従業員がいないという場合に、その事業承継をどうやって図るかというのが今問題になっているかと思います。これまで私も、一度、二度指摘をさせていただきましたが、県には、その取り組みが皆無であったと私は思っておりますけれども、その辺で、新年度は何か検討されていることがあるのかどうか、お知らせください。
〇山村経営支援課総括課長 事業承継の支援につきましては、国が盛岡商工会議所に設置している事業引き継ぎ支援窓口で相談を受け付けているほか、昨年10月には、盛岡市で事業承継セミナーが開催され、事業承継の進め方とか承継の方法のメリット、デメリットなどについて説明が行われて、20名以上の参加があったところです。平成27年度には、その盛岡商工会議所に設置されている窓口が事業引継ぎ支援センターに格上げになるという情報がございますので、格上げされるこのセンターを活用するなどして、県内の商工団体とこのセンターの連携を図りながら、事業承継に関する支援をしていきたいと考えております。
〇名須川晋委員 事業引継ぎ支援センターができるということ、これは朗報だと思いますが、県はなかなかそこまで目を向ける施策がこれまでなかったと私は思っておりますので、中小企業振興条例の中でも事業承継について盛り込まれましたから、ぜひともそこにもこれから目を向けていただきたいと思います。
ものづくり産業の新生についてということでございまして、革新的医療機器創出・開発促進事業費ということで5億8、500万円ほどの予算が計上されております。岩手医科大学が企業及び他大学と連携して行う革新的医療の開発に要する経費ということで、復興関連の事業のようでございますが、今はこれはどういう形で進められておるのか、簡潔に教えていただけますでしょうか。
〇鈴木ものづくり自動車産業振興課総括課長 革新的医療機器創出・開発促進事業でございますが、こちらは厚生労働省の交付金を活用いたしまして、平成24年度から平成27年度までの4年間、岩手医科大学が、企業、他大学等と連携しながら行う医療機器開発等について、県が10分の10の補助を行うというものでございます。
〇名須川晋委員 そうしますと、今どういう体制で、企業と医大の研究チームがあって、そして、そこに企業が参加をしているのか、あるいはその製品を上市するまであと1年ぐらいになるわけですか、どこまでその進捗が図られているのかという点についてお知らせください。
〇鈴木ものづくり自動車産業振興課総括課長 現在岩手医科大学では、急性肝不全用の血液ろ過透析装置の開発など、六つのテーマに設定して事業に取り組んでございますが、それぞれのテーマに治験主導医師を事業責任者として置きまして、連携の企業であるとか、他大学等と一緒になって取り組んでいるところでございます。
現在の進捗状況でございますが、設定したテーマの難易度等がございますので、少しおくれ、進みというのはございますけれども、試作品の製作、試験、それから評価等を行っているところでございます。
〇名須川晋委員 非常に多額の投資でございます。10分の10とはいえ、せっかくですから、岩手初のそういう製品が出てきてほしいと思います。岩手県を挙げて取り組んでほしいと思いますが、将来的に医大の研究チームが、例えば株式会社化を図るということで、今、東大なんかでも、シャフトとかサイバーダインとか、そういう研究チームが株式会社化を図っているところがございますが、そういう流れになるんでしょうか。それぐらいの野心を持ってやっていただきたいという気がするんですけれども、どういうものなんでしょうか。
〇鈴木ものづくり自動車産業振興課総括課長 本事業の出口といいますか、最終的な目的のところでございますが、一緒に連携している企業における製品化であるとか、あるいは医療機器メーカー等への特許権の売却とか使用許諾、そういったところを出口として、それを目指して取り組みを進めているところでございます。
〇名須川晋委員 企業立地促進奨励事業費補助金について伺います。
これが非常に大きく予算化が図られております理由についてお知らせください。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 平成27年度の当初予算案に計上しております5億3、000万円余の立地補助金でございますけれども、これは工場等が平成27年度中に完成するもの、これに対する補助金を見込んでいるものです。
具体的には、北上市に立地しましたセブン-イレブン・ジャパンの関連の工場とか造船業、コールセンター、こういった9社分の補助を見込んでいるところでございます。
この補助金は、工場等が操業して市町村が補助する際に県が市町村に補助するものですから、年度ごとに大きく変動するものになっております。
〇名須川晋委員 最後でございます。これは通告しておらなかったんですが、先ほど高橋但馬委員がおっしゃられて私も思い出しましたので、国体関係の国体・障がい者スポーツ大会局のときには質問した内容でございますが、いわてに泊まろうキャンペーンでございます。冬季国体が来年の1月、2月に開催をされます。延べ4万人が岩手県を訪れるというデータをお示しいただきましたけれども、ここで、そのキャンペーンが大会関係者、応援団の方はいいと思うんですけれども、もう泊まると決まっている方で、しかも、宿が特別に価格を提供しているという方々にも泊まられては、なかなか所期の目的とはちょっと違うものではないかなと思われるわけで、国体・障がい者スポーツ大会局ではそういったものには当てはまらないということでございましたが、いずれ、商工労働観光部と情報交換をしながらというお話でございましたが、それについてもう一度確認をさせていただきます。
〇平井観光課総括課長 国体に参加する選手、役員の方々につきましては、各都道府県の選手団として派遣元の体育協会等から旅費が支給され、開催地が割り当てられる施設に宿泊されるものと聞いてございます。このことから、私どもの狙いといたしましては、この方々が競技参加のために宿泊されるというものよりも、むしろ、競技以外のところでもう一泊して観光しようといった部分とか、それから応援にいらっしゃる方々が、せっかくですから観戦に行ってみようといったことで宿泊の増につながるというところが狙いでございますので、先般の国体・障がい者スポーツ大会局の答弁と同じような形で、ここは調整を図っていきたいと考えてございます。
〇名須川晋委員 最後にします。エクステンションといいますか、被災地への旅行もございます。そういうところでは使ってもいいと思うんですけれども、ぜひとも、岩手にもう一泊をされて、震災教育もこの際図っていただくということで、うまいぐあいに冬季国体も利用できるような形で進めていただきたいとお願いを申し上げまして終わります。
〇佐々木朋和委員 中小企業振興についてまずお伺いをしたいと思います。
いわて県民計画の政策項目6−2の中小企業の経営力の向上の分野においては、今、2月定例会に提案されている中小企業振興条例に基づき、中小企業の振興に総合的に取り組むとして、中小企業成長応援貸付金、地域産業活性化企業設備貸与資金貸付金等々を措置しております。今般、この条例が制定されましたならば、この予算の執行には、その条例の趣旨を踏まえて、関係団体が一体となってさらに強化をされた中小企業振興策を進めていくということが期待をされています。
そこで質問をさせていただきたいと思いますが、まず初めに、中小企業を取り巻く関係者の役割と連携についてお伺いしたいと思います。
平成26年12月8日、商工文教委員会で示された条例の骨子案の資料中、3の条例の内容として、県を初めとするさまざまな主体の役割等を明らかにし、施策の基本となる事項を定めるものであるとして、項目の5で、事業者、支援団体、金融機関、大学など、県民それぞれの役割を示しています。今般提案されている条例案では、県の責務、県民の役割については明記をされていますが、そのほかの主体の役割は明記されておらず、かわりに、中小企業者の自主的な努力の推進などという第7条において、県が各関係者と連携して施策を講ずるものとするという書き方にとどめております。私は、連携には、各主体がみずからの役割、責務を明確化させて行わないと、効果が十分に発揮されないのではないかと思っておりますし、まさに、これまでの中小企業施策の課題としては、そういうところにあったのではないかと思っております。
県は、各関係者との役割分担をどのように考えているのか、お伺いをしたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 中小企業振興に当たっての各関係者との役割でございます。
商工団体は、企業の経営力向上に向けた努力を促進するために、商工団体として支援していただきたいと思いますし、例えば金融機関は、融資やそのノウハウを生かした経営指導などにより、円滑な資金供給と経営支援をしていただきたいと考えております。それぞれの団体がそれぞれ機能を持っておりますので、そういった機能や得意分野を発揮して、その上で、県、市町村、関係団体、県民の方も含めて、連携をしながら中小企業振興に当たることが重要だと考えております。
〇佐々木朋和委員 ぜひこのタイミングで各関係団体の役割をもう一度再確認をして、そこから連携強化をして、どうやって中小企業の方々に、国、県、市、いろいろな民間も含めて制度があるわけですけれども、それを適時適切に、全部提示するというよりも、その企業に合った形で提示をしていくということが中小企業の振興には大事であると思いますので、ぜひともその点を注意しながら進めていただきたいと思いますし、また、この中小企業振興条例には、県の責務の中に、予算の確保とか予算の措置という文言もありません。条例案については、今後、常任委員会の所管であると思いますので指摘にとどめたいと思いますが、ぜひともこの点の検討をいただければと思っております。
次に、市町村との連携、役割についてお伺いしたいと思います。
中小企業振興条例の先進地では、市町村また区で条例を制定しておりまして、その直接の自治体が、例えば担当職員が各事業所を回って調査を行ったり、また、担当職員の人事異動を制限して専門家を要請したりということで、自治体の専門性や現場把握力を高めて、それに基づいた施策を行うことで、中小企業振興の実効性を高めていると認識をしております。
一方、本県では、市町村において、中小企業振興条例を制定している自治体はゼロということで、一関市が産業振興条例を制定しておりますが、そういう状況の中で、県は市町村の役割を、または連携を、どのように考えているのか伺いたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 市町村は、それぞれの政策に基づいて、地域の実情であったり地域内の中小企業の状況に応じて、商工団体であったり、県であったり、国であったりと連携しながら、中小企業振興に取り組んでいるものと認識しております。そのような市町村の取り組みもございますし、県は県の視点とか立場での取り組みもやっておりますので、それぞれの施策が相乗的に効果を発揮するように取り組んでいきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 では、先ほど市町村がという話をしましたけれども、県としては、中小企業各事業所の実態把握はどこが担っていくとお考えになっているのか、伺いたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 中小企業に対する振興施策なり支援をする場合に、企業の実態を把握するというのは大事なことだと思いますので、それぞれの機会を択えて、それぞれの支援者が、それぞれ把握することになるのだと思います。
〇佐々木朋和委員 私はそこが、これから岩手県の中小企業振興について肝の部分であると思っております。それぞれ、今、一生懸命各団体また市町村、県もやっているんですけれども、その中でどうしてもやっぱり漏れが出てきたりとか、あとは仕事が重複したりということで、さらに本当は関係団体には販路の拡大であるとかいろんなところに注視をしていただきたいところを、今、全体の中でやっているという状態にあると思いますので、しっかりと私は役割分担をして、これも県がリーダーシップをとって、役割分担と、しかも連携をしていくというところをしっかりと進めていただきたいと思います。
次に、中小企業の振興について、地方創生の趣旨からも、中小企業は、これから地域資源を活用した魅力ある商品の生産を促進していかないといけないと思っております。それには、中小企業者と1次産業者をどうやって結びつけるかということが重要になってくると思うんですけれども、この辺をどのように考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 中小企業振興を図る上で、地域の資源を活用して商品を開発したり、その商品を販売していくというのは非常に大きなテーマであると考えておりまして、商工業者と農林水産業の事業者の方の連携というのは非常に大事だと考えております。
〇佐々木朋和委員 重要に考えているということでありますので、ぜひ実行に移して、例えば若手の中小企業者と若手の農林水産業者とのマッチングであるとか、交流の機会を与えるとか、積極的に仕掛けていっていただきたいと思います。
その中で、県では、物産販路開拓事業費において、県産品の開発普及の促進を行うとしております。先日、兵庫県で、補助金を使って神戸牛のハラル認定を―イスラム教の方でも食べられるような加工をするということですけれども―行っていくという報道がありました。先ほど外国に向かっての販路の拡大というお話もありましたけれども、イスラム教は中東のイメージが強いんですけれども、全世界に一定の、東アジアにおいても人口がありまして、また、今後、観光客の誘致先としても、有力な東南アジアにおいても、例えばインドネシアで2億人の人がイスラム教であるという話もあります。
本県の県産品の販路拡大や新商品開発において、ハラル食をどのように捉えているか、お伺いしたいと思います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 ハラル食に対応した新商品等の開発についてでございますが、世界では約18億人を擁すると言われておりますハラル市場でございますが、こちらは食品の部門で約60兆円の売り上げを誇る巨大市場となっていると聞いております。こういうことから、我が国全体にとりましても、観光客の誘致の面ですとか、あるいは輸出の拡大の面も含めて、有力な市場と考えておるところでございます。このことから、今後県としましては、ハラル食に対応しました商品づくりの可能性について、いろいろと情報収集や研究を行ってまいりたいと思います。
〇佐々木朋和委員 これからラグビーのワールドカップであるとか、また、オリンピックであるとか、岩手と国がつながる、また、先ほど佐々木順一委員のお話でも、ミラノ博が世界とつながる一つの機会だというお話もいただきましたので、ぜひともこの点についても注視をしながら、また、岩手で、ほかに先行されることなく、ぜひとも新たな分野にチャレンジをしていって、先手をとっていただきたいという思いで提案をさせていただきましたので、よろしくお願いをしたいと思います。
次に、情報関連産業競争力強化事業費についてお伺いをしたいと思います。
先日、総務部の部局審査で、県立大のソフトウェア情報学部の生徒の就職先について、県内就職率が20%であるというお話がありました。本県の情報関連産業が、そのような県立大の新卒の雇用の受け皿として十分な規模にあるのか、産業の面からどのように捉えているのか伺いたいと思います。
〇鈴木ものづくり自動車産業振興課総括課長 県内情報処理産業の規模でございますが、経済産業省の平成25年度特定サービス産業実態調査によりますと、年間売り上げは399億円となっておりまして、産業規模としては必ずしも大きいものではございませんが、ソフトウエアにつきましては、自動車、半導体、医療機器など、本県のものづくり産業の基盤を支える重要な産業であると認識してございます。そのため、県では、例えば平成23年9月に設置したいわてものづくり・ソフトウェア融合テクノロジーセンター―i−MOSなどを通じまして、産学官が連携して、県内のものづくり企業の新製品、新技術開発に貢献できるものづくりとソフトウエア両面の知識を有する技術者というものを体系的に育成しているところでございます。
ソフトウェア情報学部とソフトウエア情報処理産業以外の企業との幅広いマッチングに向けまして、産学官が連携して支援してまいりたいと考えてございます。
〇佐々木朋和委員 雇用の受け皿という観点からも、ぜひとも、県立大学にそのように生徒がいるわけですから、それに見合った産業を目指していただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
次に、企業立地奨励事業費補助について、1問飛ばしまして、先ほどのソフトウエア関連、情報関連のことで、具体的なお話でありますけれども、私も一般質問で企業誘致について取り上げさせていただきました。また、先ほど岩崎委員からも企業誘致についてお話がありましたけれども、本県では、沿岸を初め、町村、また旧町村単位で公設民営のFTTHのインターネットの高速ブロードバンドの環境が整っている地域がかなりあります。例えば、軽米町とか野田村とか九戸村、洋野町、また、私の地元であります一関市の中でも藤沢町のところとか、合併前の旧町村単位で整備しているというのが結構あります。このような中で、今度4月に、インターネットの高速ブロードバンドの環境を整えてICTのベンチャーやサテライトオフィスを誘致している神山町のモデルをお話しいただける機会もあるんですけれども、我が県には、そのような小さい単位で高速ブロードバンドが整った地域もありまして、私はそれを生かして、ICTのベンチャーであるとかサテライトオフィスの誘致に取り組むというのが、先ほど言った県立大の生徒の受け皿にもなると思うんですけれども、この点について御所見があれば伺いたいと思います。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 ICTを生かした企業誘致についてでございますけれども、ただいま委員から御紹介のありました徳島県神山町につきましては、特に過疎地域への企業誘致の可能性を探るため、私どもも昨年職員を派遣いたしまして、成功の要因を調査してきたところでございます。
神山町のほうから伺いましたところ、このFTTHを活用できる環境に加えまして、NPO法人による空き家情報や求職者支援訓練などの移住交流支援、そして移住者の人材誘致、移住者間の交流機会創出、こういったものが主な成功の要因と伺ったところでございます。その結果として、こういったICTベンチャーやサテライトオフィス、そのほか店舗や各種施設もオープンしたとのことでございました。このような取り組みは、本県でも、特に人口規模の小さい地域において有効だと考えておりまして、移住交流促進を担当する部局、そして市町村と連携をしながら、これまでの企業誘致活動に加えどのような取り組みが可能か、研究してまいりたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 今後の復興予算の確保という点からですけれども、DIOジャパンについて、先ほど及川あつし委員からも質問がありましたが、重複しないようにお聞きしたいと思います。
平成26年8月18日に、厚生労働省からですけれども、緊急雇用創出事業に係るDIOジャパン本社及び関連子会社の破産等準備に伴う対応についてという文書が届いておりまして、それには、8月6日にDIOジャパン社の代理人から、破産等に向けた準備を開始する旨説明があったと。そして、遅くとも裁判所が指定する債権届け出期限までに返還額を確定し、債権の届け出を行えるようにお願いをするというものでございます。一般質問の際に聞きましたら、DIOジャパンの関係については、東京地方裁判所からは債権の届け出は不要ということでの回答でございましたけれども、どういう理由から不要だと考えているのかについてお伺いしますし、破産管財人からも届け出の請求はなかったのでしょうか。この2点をお願いいたします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 東京地方裁判所が昨年11月11日付で関係市町に発出した破産手続開始通知書によりますと、破産者の財産で債権者に対する配当ができない可能性が高いと考え、破産債権の届け出期間を当面設けないこととしたとされているところでございます。破産管財人からも、今現在、届け出期限を指定されていないと聞いております。
〇高橋孝眞委員 ということは、もはや子会社であろうと本社であろうと、財産は一切ないのだと捉えていいわけですよね。
次ですけれども、補助対象とされる経費の取り扱いについては、国と協議を、市町と一緒になって当たっておりますということでございましたけれども、現在の協議項目について教えていただきたいと思います。
宮城県の美里町は、補助金返還請求を昨年の11月にしていると報道されておりますし、先ほどもありましたけれども、今月に入り、岐阜県は、美濃加茂市に1、850万円を県に返還するように命じたと報道されております。なぜ岩手県は協議が整わないのか、疑問なところであります。
先ほどの厚生労働省からの破産等に対する対応についてでありますけれども、疑義の概要等については何件か、こういう部分についてはこうですよということで示されているわけでございまして、その意味合いから見ますと、協議の整ったもの、協議の整わないもの、現在協議中のもの、これを分けて教えていただきたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 県として、今、国と協議しておりますのは、事業期間中のリース料の取り扱い、コールセンターの事業期間中の収入を確定させるための売り上げから控除する経費の取り扱い、業務従事かOJTかの判断基準、消費税納付額の確認方法等について国と協議を進めているというところでございます。
確定した部分だけでも請求するべきではないかという御質問ですが、これにつきましては、市町村において今現在調査をやっているところでございまして、まだ確定に至っていないので、請求に至っていないということでございます。
〇高橋孝眞委員 ということは、ほとんど協議がされていない、整理されていないと捉えてよろしいですよね。どうですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 国との協議につきましては、引き続きやっているということで、まだ継続中ということです。
〇高橋孝眞委員 ほとんどやっていないということで整理をしますと、読売新聞の世論調査ですけれども、国の復興予算が適切に使われてきたと思うかという問いに対しまして、88%の人が、そうは思わないと回答しています。今後の復興予算を確保するために、国民の負担をふやすことに対しては、反対が71%と、否定的な回答が多数を占めたとあります。背景には、復興予算の使い方に対する不信感があるようだとありましたけれども、私もそう思うところであります。被災地として不審を抱かれないように、補助金をどの事業であろうと、引っ越しの費用負担であろうと、税金を正しく適正に使うということが大事だと思うところであります。そういう意味では、早期にDIOジャパンの調査をして補助金返還を求めていく、また、大雪りばぁねっとの事案も、内部の検証ではなくて、第三者委員会をしっかりと立ち上げまして調査をしていくということが大事ではないかと思うところであります。
国は、平成27年度までは、総額で復興財源として26兆3、000億円を措置されておりますけれども、これは全部国民の負担ということであります。平成28年度以降は、被災3県で8兆円とも言われておりまして、この財源の確保をしていかなければいけないわけであります。財源の一部は、自治体にも負担を求めるというような政府の考えもあるようですけれども、完全復旧まで全額財源確保を国に求めていく、そのためには、国民の皆さんの理解を得ていくことが大事だと思うところであります。現状のようなDIOジャパンなり大雪りばぁねっとのような対応では、今後の復興予算の財源確保に影響を与えるのではないかと心配されるわけでありますけれども、どのように考えますか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 DIOジャパンの関係につきましては、現在、立地市町が国の指示によりまして返還請求額の確定に向けまして調査を行っているところでございます。この調査といいますのは、11県19市町で行われた緊急雇用創出事業に関するものでありまして、全国的な問題でもあり、国の見解を確認しながら立地市町が調査を進めていくということで、この調査に県も協力しながら適切に対応していきたいと思っています。
事業の今後の執行につきましては、こういったことがないように、県としても、再発防止に努めながら対応していきたいと思っています。
〇高橋商工企画室管理課長 大雪りばぁねっとにつきましては、現在、裁判、会計検査が継続している状況で、新たな検証委員会を設置すると、そして一定の結論を導き出す検証を行うことは差し控えるべきと考えておるところでございますが、そういう中で、現状で可能な方策として、先般、第三者から個々に所見を伺ったところでございますが、それをもって決議、あとは国民の皆様への説明が、対応が終了したとは考えておりません。今後の会計検査院による検査結果なども踏まえまして、必要に応じた対応というのを検討していきたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 大雪りばぁねっとは裁判中であるから、また、会計検査院の調査が終わってからということでありますし、DIOジャパンは国と協議は整わない、こういうことを言っていましたら、では、復興予算は、岩手県には裁判が確定してからしか出しませんよとか、補助金返還を求めてからしか国は予算化をしませんよということになってしまっては、どうするんですか。宮城県はDIOジャパンの問題に対してもきちっと対応しているわけです。どうして岩手県はできないのということになるわけでありまして、被災3県の中でも、岩手県はだめで宮城県はOKだなんていうことになったら、誰が責任をとるんでしょうかね。このことについてはどう考えるか、部長はどのように思いますか。この読売のアンケート調査を含めてお願いをしたいと思います。
〇橋本商工労働観光部長 読売新聞の報道がありました集中復興期間についての延長すべきだとの回答が71%というのは、委員から御紹介がありましたとおりでございますし、国の復興予算がこれまで適切に使われてきたかという質問に、適切に使われてきたと答えたのはわずか10%にとどまっているということで、88%の大多数が、そうは思わないを選んだということが報道されたのは承知をしているわけでございますが、今回、緊急雇用創出事業に係る一連の事案をもとに、復興予算に影響をもたらすことがないように、私どもといたしましても、問題の解決に向けて最大限努力をし、復興に必要な予算というものはしっかりと確保するよう努めてまいりたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 いずれ、国民といいますか、アンケートで使い方が悪いですよと、そういう中で延長して、延長はやむを得ないと言っているんですけれども、税金で賄うということについては考えなければいけないのではないですかと言っているわけです。そういう意味合いでは、やっぱり使い方をきちっと整理をして示していくということが大事だと思いますし、そのことが国民の理解を得ることだと思うところであります。
早急にこれら調査を実施して対応していただくようにお願いをして終わります。
〇斉藤信委員 DIOジャパン問題について関連をしてお聞きをしたいんですけれども、先ほどの答弁では、リース料の取り扱い、そして事業による収入の取り扱いと、そういう調査を厚生労働省とも詰めているんだと。リース料の問題については、県議会でも私は繰り返し言っているように、事実上、買い取りのリースがあったと。翌年無償譲渡では、これはほとんど買い取りですよね。これについてあなた方はどう認識をして、厚生労働省はどう認識しているんですか。その額はどうなっていますか。まず、ここをお聞きします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 委員御指摘のリース料につきましては、私どもとしては平成25年5月の通知日以降に適用されるものだという理解で国と協議をさせていただいているというところでございまして、その協議について、まだ明確な結論は出ていないという状況でございます。(斉藤信委員「額は」と呼ぶ)額につきましては、事業期間中のリース料の総額は、平成24年度、平成25年度の合計でございますが、これは5億8、600万円余というのが実績で出ております。
〇斉藤信委員 私は無償譲渡された事実上の買い取り分は幾らですかということも聞いているんです。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 無償譲渡となっておりますのは、正確に言いますと、3億4、000万円(後刻「1億229万円余」と訂正)程度ということです。
〇斉藤信委員 5億8、600万円のリースで、翌年3億4、00万円余が無償譲渡だったと。これは1年間かかっていないリース期間もあるんですよ。これは1年で買い取りじゃないですか。緊急雇用創出事業というのは、50万円超えて財産取得してはならないということになっているんだから、これは極めて厳しい規定なんですよ、不正を許さないという意味で。1年のリースで翌年無償譲渡というのは、これは事実上の買い取りなんだと。私はこういう不正を正すということは徹底してやるべきだと。その上で、実はコールセンター事業の計画書を見ると、翌年度も1年分でもう元を取っているのに、リース契約していたんです。わかりますか、これ。あなた方をだましたら2年目もぼろもうけするという仕組みだったんです。私はリース会社もぐるだと思いますよ。だから、DIOジャパンから取れなくても、リース会社が共犯だとしたら、リース会社からもきちんと賠償させるというようなスタンスでないと、私はまともなこれは究明にならないと思います。やっぱり不正は不正と正して、そして、それがなぜ起こったのか。共犯がいるんだったらそこにも請求をすると。あなた方は、厚生労働省との交渉の中でそこを曖昧にしてきた。私は厚生労働省にも責任があると思うから、厚生労働省の責任も追及するべきだ。そういう形でやらないと、県民も国民も納得しませんよ。いかがですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 リース料につきましては、市町にとっても大きな課題だと認識でございますので、そこは国と引き続き協議をしていきたいと思います。今現在、市町ができることは、リース料の返還額の確定に向けた調査ということで、そこにまずは全力を尽くして取り組むというところでございます。
〇斉藤信委員 最後にしますけれども、先ほど高橋孝眞委員から、3月18日の債権者集会まで債権を確定しなさいというのは厚生労働省の通知だったと。破産管財人が請求は要らないと言ったって、厚生労働省はそう言っているんだから、私は3月18日に向けてきちんとやるべきじゃないかと。違った通知があるんですか。もっと延ばしてもいいという話をしていないんだと思うんだけれども。こういうのは期日を決めてきちっとやらなかったらだめだと思いますよ。
最近の報道では、破産管財人が財務書を公開するという記事も出ていますね。私は新しい状況で徹底した解明ができる状況に今なっているんじゃないかと思うけれども、これは最後、部長に聞きましょう。やっぱり徹底して解明して、そして正すものは正すということが必要なんではないか思いますけれども、期日を含めてどうなっていますか。
〇橋本商工労働観光部長 特にリース料に関する問題は大変大きなものと認識しておりまして、現在、立地関係市町において、今、国とも協議を進めながら調査を行っているところでございますので、まずその調査に向けて県としてしっかりと支援をする中で、解決に向けた努力を取り進めていきたいと考えているところでございます。
委員の御指摘の部分については、御意見として承らせていただきたいと思います。
〇福井せいじ委員 先ほど佐々木朋和委員が質問しました中小企業振興条例について何点か確認をしたいと思います。
今議会での提案が出ているわけでありますが、まさにこの中小企業振興が本県の産業振興にとっての大きな柱に私はなると思っております。そしてまた、先ほど中小企業の状況等の把握について、さまざまな議論がなされたわけですが、私は、商工団体とか業界団体の事務局や代表者だけではなく、さまざまな地域における事業経営者との定期的な情報交換の場も当局と設けていただいて、そこからさまざまな施策そしてまた仕組み、仕掛けをつくっていくような取り組みもお願いしたいと思うのでありますが、この点についてどうでしょうか。課長、お願いいたします。
〇山村経営支援課総括課長 条例の案では、基本計画を定めるとしておりまして、その際には、あらかじめ中小企業の方、中小企業関係団体、県民の方からの意見を反映させるということにしておりますので、計画の策定に当たっては、事業者の方からも御意見を伺って検討したいと考えております。
〇福井せいじ委員 経営力の向上、それから地域内経済の循環というのが、非常にこれからの中小企業振興にとって大切だと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして何点か質問させていただきます。
先ほど物産展について佐々木順一委員のほうからも質疑がありました。私もミラノ国際博覧会出展についてはお聞きしたかったんですが、佐々木順一委員とは重複しない観点から何点かお聞きしたいと思います。
まず初めに、海外の物産展の展開についてでありますが、海外の物産展、来年はミラノ等ありますけれども、それと国内の物産展、これについてどのような予算の割合になっているかをお示しいただきたいと思います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 国内、海外の予算割合の件でございますが、海外展開の事業分の平成27年度当初予算につきましては、フェアあるいは商談会、ミラノへ博の出展、雲南省事業等を含めた形で約5、000万円となっております。また、国内での、こちらはすっかり同じ形態ではございませんが、物産展あるいはフェア、商談会、そういったものをプロモーションの事業として計上しておりますものの合計が約2、700万円となっております。
〇福井せいじ委員 私は今後、人口減少等で国内のマーケットは縮小していく、そういった意味では、海外への展開というのはある意味、捉えておく必要があると思うのでありますが、その中で、先ほど佐々木順一委員が話していたんですが、海外戦略について、どのように例えばマーケットを捉えるかとか、あるいはどのような商品を売るかとか、あるいは何年間でどのような金額を海外から外貨として獲得してくるかとか、そういった具体的な海外戦略については―もう一度聞きます。海外戦略についてはどのような形で策定しているのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 県産品の海外戦略のお尋ねでございますが、県におきましては、まずは東アジア地域、こちらは多くの人口を抱えており、経済成長を背景に購買力が高まっております。そういったことから、東アジア地域をまずは重点地域として考えております。
〇福井せいじ委員 先ほども東アジアが重点地域だということだったんですけれども、そのほかの海外戦略については、それほど詳細には策定していないということだと思うんですが、私、海外戦略については、選択と集中というのは非常に必要だと思うんです。市場性とかを見きわめながら、そしてまた、岩手県が持っている商品特性、市場性と商品特性のマッチングがなければ、海外戦略というかマーケティング戦略は、成功しないと私は思っています。ぜひとも、今後は、この海外戦略については、選択と集中、そしてまた、そういった意味では、事業者とのタッグをしっかり組んで、中期的な戦略をつくって、今回はミラノ博にさまざまな要因があって出展するんでしょうけれども、本来であれば、東アジアに軸をしっかりと持って、そこのマーケットでどれくらいのものをこれから売っていくんだ、そしてまた、どれくらいのものを輸出していくんだといったしっかりとした戦略を一つ捉えて、その他の部分はその他の部分として展開をしていくといったことが必要だと私は思います。
この点について部長はどのような所見を持っていらっしゃるか、お聞かせください。
〇橋本商工労働観光部長 海外戦略についてでございますけれども、戦略を持って取り組むべきというのは、まさに委員御指摘のとおりと受けとめさせていただきました。特に、事業者の方々とどうしっかりと連携を組みながら戦略的に進めていくかということは、やっぱり極めて大事な視点であると思っておりますし、しっかりとこれまでの取り組みを振り返り、将来に向かっての岩手県の中長期的な方向性をきちんと持って取り組むことが、県内の事業者の方々にとりましても目標になり、励みにもなる取り組みになっていくと思いますので、そのようなことについて研究してまいりたいと思います。
〇福井せいじ委員 ぜひとも、例えば東アジアならば岩手県は強いぞといったことを一つ確立した上で、またそれを広げていく、そういった展開を私は望みたいと思います。
そこで、次に、物産展について何点かお聞きします。これは国内の物産展になりますが、平成27年度の国内の物産展の開催の概要について教えていただきたいと思います。例えば場所であるとか期間、あるいは県の負担予算、そういったものについてお知らせいただきたいと思います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 国内の県外におけます物産展の開催状況でございますけれども、平成26年度におきますと、岩手県単独の物産展でございますが、これに限りますと、いわての物産展等実行委員会や岩手県産株式会社の主催によりまして、2月末現在でございますが8回開催してございます。
平成27年度の予定でございますが、例えば、盛岡市の百貨店、あるいは名古屋市、東京の百貨店での開催も含めまして11回の予定をしております。
〇福井せいじ委員 この物産展を非常に盛んにやられているようでございますが、私も前に東京の物産展にお邪魔して様子を見せていただきましたが、事業者としては販路拡大を目的に物産展に出展していると思うのでありますが、ここで、物産展を物産展だけに終わらせない取り組みというものが必要になっていると私は思っております。
特に被災地における事業者は、販路が閉ざされている、あるいは販路が広がっていかないのが今の非常に大きな問題だということで、そういうことも期待をして物産展には出展しているのですが、ただ出展して、そこでまた帰ってくるということが多々あるように私は伺っています。この物産展を物産展だけに終わらせない取り組みということに関しては、県当局は何かお考えを、そしてまた取り組んでいらっしゃるのか、その状況をお聞かせください。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 物産展につきましては、まず、認識でございますが、県としましては、委員御指摘のとおり、販売を獲得する、あとは、新たな顧客の獲得あるいは顧客ニーズの把握という面で大事なものだと考えておりまして、そういった面から、出展された事業者に、出展後いろいろと、どういった反省点があるかとか今回について気がついたことはあるか、そういうことにつきましては、主催者側でアンケート等をとっております。そういったものも踏まえて、その後の販売拡大につなげたいと考えております。
〇福井せいじ委員 今、そういった思いはわかるんですけれども、具体的に、例えば東京における事業者のバイヤーと、それから出展者との膝を詰めた上での商談会とか、あるいはレストランのシェフとかオーナーとの膝を詰めた上での商談会、つまりブースを出して、そこの場で立った同士の話し合いというよりは、やはり一つ場を移して、しっかりと今後のパイプづくりについての商談をするというような取り組みなどはなさっておられませんでしょうか。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 今、委員の御質問ありました、しっかりといろいろな実需者の方、バイヤーの方等々と、しつらえた場だけではなくて、その後、実際につながるような取り組みということでございますが、私どもも、先ほどは物産展の御紹介をしましたけれども、各地で農林水産部と連携しながら商談会を実施しております。その商談会に当たりましては、やりっ放しではなく、必ずフォローアップをすることにしておりまして、関係者のほうでも、その情報を共有しつつ、出展された事業者の方々に、今回の反省点なり、いい点も含めて次の取引につながるように活動しております。
〇福井せいじ委員 なるほど、わかりました。商談会という捉え方でいいんですね。そこから、実は私は商品の付加価値が上がったりコストダウンのヒントが得られたりすると思うんですね。それとまた、さらに進めて、例えばそこでPBの商品をつくったりといったことから、一つ一つ販路の開拓というものは、アリの穴一つあけることによって広がっていくということがあります。
ただ、ぜひとも膝詰め談判あるいは相対しての商談をしながら、一つ一つ条件を詰めていっていただくような取り組みをしていただきたい。これが、物産展、そしてまた商談会の真の意味になると思いますので、そこの辺をぜひよろしくお願いしたいと思います。
次に、次世代経営者育成事業についてお聞きします。先ほど名須川委員からも後継者の話がありましたが、次世代経営者育成事業について、これはどのような内容になっているのか、まず概要をお知らせいただきたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 事業概要でございますが、2本柱がございまして、若手経営者あるいはその経営者のパートナーを対象とした研修、もう一つは創業支援でございまして、若者、女性を主な対象として、商店街の空き店舗を活用するなどした創業体験の場を提供したり、あるいはグループでの創業という形での創業をテーマにして支援したいと考えております。
〇福井せいじ委員 今、グループでの創業というのを聞いて、非常にいいアイデアだなと思っております。これについては、ぜひとも進めていただきたいんですが、先ほど後継者、事業承継者の育成という話がありましたが、今、承継をする人が、あるいは後継者がいないというのが一つの大きな問題になっているのではないかと私は思うのであります。事業をやっている人の後継者がなかなか帰ってこなかったり、その人の事業の引き継ぎをしたくないというようなことが問題になって事業継承が成り立たないのではないかと思うのですが、そういう点についての課題への取り組みについては何かお考えでしょうか。
〇山村経営支援課総括課長 後継者がいないという問題は非常に大きいと考えておりまして、昨年夏に実施した事業者へのヒアリングアンケートの中でも、後継者の育成、決定を課題に挙げる事業者が多くありました。
そういった問題意識もありまして、この次世代経営者育成支援事業で、今、経営している若手の方とか、それを支えるパートナーの方向けの研修なども考えまして、そういった若手の方への支援をしていきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 その対象というのは、やはり事業者の子息であったり縁故の者だということだと思うんですけれども、私は、そういった意味では、早くから例えば事業者に対して親子研修とか、早い時期から、高校に入ったころから、親子での事業を考える場を提案していくことも一つ必要ではないかと思っています。
自分事で何ですけれども、私も商売をやっているんですが、事業継承については父と早くから話し合ってきました。そういった場をつくることが、自分の事業を継承する一つの大きな要素になると思います。ぜひともそういった観点からも事業継承というものに取り組んでいただきたいと思っています。
それともう一つは、全く縁故、子息ではない人が継承するという形も、私は考えてもいいのではないかと思っています。ある事業経営者が例えば引退する、廃業するといった場合に、靴屋なら靴屋をやりたいという若者がいるかもしれません。そういった方と廃業する方をマッチングすることも必要なのかなと私は思っています。
そういった意味では、事業継承したい店舗のバンクをつくって、それをさまざまな若者や、あるいはハローワークで紹介していくというシステムをつくってもいいのではないかと思うのでありますが、そういった事業継承については、当局では何かお考えはないでしょうか。
〇山村経営支援課総括課長 先ほど名須川委員の御質問にもお答えしましたが、そういった事業承継の相談窓口として、新年度からはセンターに格上げされるという情報ですけれども、盛岡商工会議所に窓口が設置されております。そういったところも活用していただいたり、商工団体とも御相談いただいたりしながら、事業承継の形はいろいろあると思いますので、それぞれの場合に応じて、そういった事業承継がされていければいいのかなと考えております。
〇福井せいじ委員 ぜひとも、商店街をなくさない、あるいは小規模事業者をなくさないようなさまざまな取り組みに努力していっていただきたいと思います。
最後に、観光についてお聞きします。
三陸地域資源活用観光振興事業費というものがあります。これを聞くと、全国に広がるあまちゃんファンを初めとするということから、いつもあまちゃん、あまちゃんというのが出てくるのでありますが、私がちょっと疑問に思うのは、果たして今、あまちゃんファンはまだ広がっているのかということをお聞きしたいんです。あるいは、どのような形で広げているのか。全国に広がるあまちゃんファンを初めとするというところからこの事業の趣旨が始まるんですけれども、この件についてちょっとお聞きしたいんですが、いかがでしょうか。
〇平井観光課総括課長 あまちゃんファンのことについてでございますが、ドラマ放映以来、時間の経過とともに、あまちゃんファンの実人数というものは、恐らく減っているのではないかとは感じております。
ただ、私どものこの事業の狙いとしているところは、あまちゃんの放映によりまして知名度が上がりました、例えば三陸鉄道とか、そのような三陸の資源を活用して、お客様を岩手に誘客しようというものでございます。
〇福井せいじ委員 ぜひ、そういった意味では、あまちゃんということも一つ必要ですけれども、北三陸なら北三陸というものを前面に出すような仕掛け、仕組みが必要だと私は思うのであります。
そこでお聞きしたいんですが、新幹線で盛岡に来る、盛岡から、それでは北三陸に行くという二次交通とか、あるいはさらに、本来であれば八戸の活用というものも私は視野に入れたほうがいいのではないかと思うのでありますが、そういった広域の観光振興については、どのような形で取り組んでいるのかをお知らせいただきたいと思います。
〇平井観光課総括課長 広域的な観光の取り組みでございますが、県で展開してございますいわて観光キャンペーンでございますが、こちらには八戸市にも参画していただいてございます。このような形で、八戸市からの観光ルートとかについても取り組んでいるところでございますし、また、特にインバウンドを見据えての話でございますが、東北6県を中心メンバーといたします東北観光推進機構というものを設立しておりまして、そこで、広域観光ルートによります東北地域全体への誘客にも取り組んでいるところでございます。
〇福井せいじ委員 そういった意味で、どこを起点にするかというのは非常に大切だと思うんですね。私は、沿岸の県北を見たいというお客様がいるのであれば、まず八戸に連れていって、そこから南下させていくといったルートも提案していただきたいと思います。
そこで私は、実は駅で岩手の冬期観光キャンペーンガイドブック、イーハトーブいわて冬物語というものをもらったんですね。あそこには5人の女の子が寒い中に立って、一生懸命さんさ踊りを踊ったり、このパンフレットを配ったりしていたんですが、このパンフレットを見ると、実は各市町村の自然であるとか、味であるとか、体験であるとか、施設が載っています。
しかし、お客さんというのは、観光に来たときには、ルートを探しているのではないかと思うんであります。そういった観光地を結びつける提案というものが一番必要なのではないかと思うんでありますが、これで見ると、どうしても市町村のガイドブック、リストになってしまっているんですけれども、そういった観光地を結びつけるような提案については、どのように取り組んでいるか教えていただきたいんですが。
〇平井観光課総括課長 今、委員から御紹介いただきましたガイドブックにつきましては、特に首都圏をターゲットにいたしまして、まず、岩手県に対するイメージ、そして岩手のブランドというものを発信いたしまして、まず、岩手への関心を引くというのが主目的でございます。
委員おっしゃった観光ルートにつきましては、こちらのガイドブックにエリア版というものがございまして、こちらのエリア版におきまして、例えば県南エリアであれば平泉、一関、奥州の旅といったようなテーマごとの観光ルートの御紹介はしているものでございます。
しかしながら、委員おっしゃるとおり、露出度といいますか認知度といいますか、そういうものも必要だと思いますので、そこら辺はまた工夫してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員長 議事の進行に御協力ください。
〇福井せいじ委員 最後にします。
いずれ、そういったルート、そしてまた結びつき、それを活用する二次交通というものが非常に重要だと思っております。ぜひともそういった結びつける取り組みに努力をしていっていただきたいと思います。
〇伊藤勢至委員 1点だけ、先ほどの佐々木順一委員、福井委員に関連して、世界戦略の中に、やはりいろいろな各国のブースが、同じようなものが並んだときに、目と耳とを使ってのアピールがあってもいいと思うんですね。去年は岩泉町の岩泉高校の中野七頭舞がフランスで公演をして大喝采を浴びてきたと聞きました。また、黒森神楽も海外公演を何度もやっております。花巻の鹿踊り、あるいは岩崎の鬼剣舞とか、そういう目と耳に訴えるアピールの仕方があってもいいと思うんです。
みんな平面的なブースの中でどうアピールをするか。特にも、日本の太鼓、笛、それからチャカモカという、かねとかねをすり合わせる、ああいうリズムというのはほかにはないということで、まず耳を引く、踊りを見ると行ってみたくなる、その結果、物産を見る、こういうイントロがあってもいいのではないかと思います。
弘前のねぷたまではちょっと大き過ぎますけれども、そういう地元の、岩手独特のものを一緒に持っていってアピールをしてお客を引きつける、そういう観点もあわせて持ったほうがいいと思うんですが、いかがでしょうか。
〇平井観光課総括課長 岩手県は郷土芸能の宝庫でございます。私ども、特に海外でプロモーションをする際には、そのような郷土芸能をやる方にも御一緒いただきまして、それを御披露いただきまして、岩手への関心度を高めるような工夫もしてまいりましたし、これからも、そのような取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 先ほど斉藤委員の無償譲渡リースの価格について、私は3億4、000万円ほどと答弁いたしましたが、その金額を訂正させていただきます。その金額は1億229万円余となっております。
おわびして、訂正させていただきます。
〇城内愛彦委員 私からは2点ほどお伺いします。まず、海外経済交流促進費についてでありますが、先ほど来、佐々木順一委員からもありましたが、中国−南アジア博覧会への出展や経済ミッション団の派遣によりということですが、具体のこの内容をお知らせいただきたいと思います。ミッション団の内容も含めて。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 雲南省におけます中国−南アジア博覧会への出展及びミッションのお伺いでございます。内容につきましては、こちらは、雲南省と本県の間で平成25年度に締結しました友好交流協力機構に基づいて出展するものでございますが、第3回中国−南アジア博覧会に本県ブースを出展することとしております。
こちらの博覧会については、中国政府と雲南省が共催する大規模な国際博覧会でございまして、アジア全域から幅広くバイヤーが多数集まるものでございます。そこに、本県としましては主に三つのジャンル、一つ目は県産品のPR及び商談のブース、次に県内企業に参加してもらいます商談ブース、そして、岩手県全体の情報を発信します岩手県情報の発信ブース、この三つの仕立てで出展を計画しておるところでございます。
〇城内愛彦委員 先ほど来、戦略を持ってという話をされております。全くもってそのとおりだと思っていますし、過日、議連で中国に商売をしている方で、宮古市のおがよしの社長さんのお話を聞く機会がありました。その際も、人と人とのつながりが大事なんだ、しっかりとした信頼関係があってこその商売が成り立つんだという話をしていました。
確かに中国の広大な経済力は魅力ではあります。ただ、それについても応分のリスクというものが伴うものだと思っています。それを回避する上でも、しっかりとした人と人の交流、人脈というものをつくっていかなければならないと思います。
先ほど来の部長の答弁も、将来に向けた中長期的な展望でこの商談に立ち向かっていくんだというようなお話も伺ったところでありますが、そういったことも含めて、今後どういう形で、人脈も含めて、これまでは大連というものがありましたけれども、それ以上にどういう形で取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 先ほど本県の戦略につきまして、基本的には東アジア地域を重点として、ここに軸足を置きながら、必要な場合は他の海外地域にも積極的に展開する旨、御答弁申し上げたところでございますが、特に東アジア、委員の御指摘は中国でございますけれども、やはりさまざまな面での政情リスク等から来るビジネス上のリスクも存すると承知してございまして、そういう部分につきましても、本県の強みといたしまして大連に経済事務所を持っております。こちらのほうでこれまで培ってまいりましたネットワークを生かしながら、本県の対中事業あるいは本県の海外戦略を進めてまいりたいと考えております。そのときには、これまで培ってきた、人と人との関係性もありますし、組織と組織のつながりといったものを大事にしたいと考えております。
〇城内愛彦委員 ぜひそれにしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、これからも大事にしてもらいたいと思います。
そこで、この博覧会には、日本からの参加は本県だけなんですか。他の県も参加するのでしょうか。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 日本国内からの出展の状況でございますが、都道府県としましては本県が唯一でございます。ただ、今回は、日本を代表しましてジェトロが出展すると聞いております。
〇城内愛彦委員 ぜひ、本県だけであればという意味も含めて、しっかりと売り込みをしてほしいし、なるべく鉄瓶だけじゃなくて、いろいろなものも売り込んでほしいなと。もちろん雲南省とのつながりはお茶であるというのは重々承知していますけれども、たくさんの商品が岩手にはあるわけですので、ぜひお願いしたいと思います。その辺どうでしょうか。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 今、お茶のつながりを契機に、南部鉄瓶は中国国内において非常に好調でございますけれども、そういったものを岩手県を知っていただく先頭にしつつ、例えば日本最大の杜氏集団、南部杜氏がつくります日本酒、あるいはジャパンの意味を持ちます漆、その日本最大の産地である漆を使った漆器といったもの等々を売り込んでまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 ぜひよろしくお願いします。
最後に、ちょっと通告はしていませんでしたけれども、1点お伺いします。前回の一般質問のときにお伺いした高等技術専門校の耐震の問題ですが、新年度の対応になるのかどうか、耐震化も含めてお願いしたいと思います。
〇千田労働課長 宮古高等技術専門校の耐震診断でございますが、当部所管の他の県立施設とあわせて今年度実施を予定しておりましたけれども、先行して実施しました二つの施設で入札不調が続きまして、やり直しを含めて都合4回ほど不調になりました。いろいろ事情を聞きましたら、やはり復興事業の絡みで、診断に当たる構造関係の技術者の方がかなり忙しいということで、庁内の営繕担当、入札担当とも協議したのですが、ちょっと今年度は実施が難しいだろうということで、宮古校の耐震診断につきましては、新年度当初予算に改めて積み直しまして、来年度もう一回チャレンジしたいと考えてございます。
〇城内愛彦委員 ぜひ、これは一刻の猶予もないと言っていいと思うんですが、早目に対応していただければと思います。老朽化している施設は、宮古校もそうですけれども、千厩校もあるはずですので、ぜひ、岩手県の人材をつくる意味でも大事な機関ですので、よろしくお願いして、終わります。
〇久保孝喜委員 それでは2点お尋ねいたしますが、最初に、労働災害の発生状況にかかわってお尋ねしたいと思います。
先月以来、岩手労働局から昨年1年間の労働災害の発生状況など、さまざまな数値が発表されておりまして、いささかショッキングな数字がめじろ押しでございます。つまり、労働災害においての死傷者数が1年間で、速報値では24人だったんですが、26人にまでふえたということで、昨年が18人ですから、かなりの増加傾向を示しているということです。
本格復興邁進年と言われる新年度を今、迎えようとしていて、これから先、工事量を含めて、被災地での工事量も当然多くなるわけですし本格的になるという中にあって、こうして命を守るための復興事業が、一方でこうして命を失うことになるというのは大変残念きわまりない話なわけで、直接的な県の権限がある、なしにかかわらず、ここは県内全体の労働環境という観点からは、見過ごすことができない事態だろうと思うわけです。
そこで、こうした岩手労働局の発表した数値についてどういうふうに受けとめているのかも含めて、例えば、県の発注工事などでどの程度発生しているかというような数字をもしつかんでいるのであれば、その実態をお示しいただきたいと思います。
〇千田労働課長 委員のお話にありましたとおり、速報値の数字が変わりまして、26人の死亡者ということで、これは前年に比べてかなり多い数字となってございます。
県の発注工事にかかわります労働災害の死亡者数につきましては、私どもではちょっと直接わからないので、岩手労働局に問い合わせてみたのですけれども、県を含む県内の地方公共団体の工事現場での死亡者数になりますが、平成25年は1名、平成26年は4名となってございまして、3名ほどふえているという形でございます。
そのうちの県発注工事のみにかかわっての死亡者数につきましては、人数が少なくて個人が特定されてしまうので、公表は御容赦いただきたいというようなお話でございました。
それから、試みに労働安全衛生違反の件数も岩手労働局に確認してみたのですけれども、昨年12月に建設業を対象に一斉監督指導というものに入ってございます。それの関係で100の工事現場に入りまして、70の現場で法違反が見られまして、このうち県発注の工事現場は16現場ということでございました。
〇久保孝喜委員 その労災事故の関係で気になるのは、人数総数もそうなんですが、沿岸の三つの監督署、宮古、釜石、大船渡、それぞれ死亡事故が多くなっているという事態ですね。これは、まさに被災地でのそういう事故急増ということなわけです。
労災事故そのものの件数はそんなに大きく急増しているというわけではないんですが、そういう重大な事故が多くなっている。こういう点では、これからも注意を払っていかなければならない。そのための注意というのが今、御答弁にありましたように、ふだんの労働安全衛生がどのように現場で徹底されているかというところになるわけですね。
お話があったように、岩手労働局全体で違反率が70%だったと。これは建設業に関しての立入検査の結果になっていまして、被災地の宮城県、福島県のそれぞれと比べても、両県が大体50%台だったということからしても、岩手県だけが突出して違反率が高かったということになっているわけです。
そうすると、何かしらこの要因というもの、あるいはその原因、背景というものを考えていかなければならないと思うわけですが、既に岩手労働局は建設業団体に対して是正の要請書も出したりして対応していますが、県として、発注工事も含めて、この事態を重く見てこれから事業を進めていかなければならないと思うんです。
その際に、先ほどの答弁で一つ気になったのは、例えば労働災害が発生しました。しかし、その事業が特定されないと。同じ労働行政を預かる労働局に、県のいわば労働行政の窓口である商工労働観光部が照会しても、その工事名すら明らかにならないとすれば、例えば、県には立入検査の権限もないわけでしょう。あるいは指導監督の法的な権限もないということになっているとすれば、この先どうやって具体的な指導や対策を立てることが可能なのかとも思ってしまうわけですが、まず、その点についてはどのように考えたらいいんでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
〇千田労働課長 労働災害防止のための県の取り組みにつきましては、発注者たる事業部における取り組みと、あと、私ども労働行政を担っている商工労働観光部の取り組みとがあると思うのですけれども、発注者側は、その相手側の受注者側との関係の中で労災事故防止の徹底を働きかけていくことが必要になると思いますし、私ども商工労働観光部とすれば、これまでも、国のキャンペーンですとか、それから10月の第1週の全国労働衛生週間ですとか重点監督指導とか、そういう折々に、国と一緒になって、県の広報媒体を活用しまして啓発活動を行ってきたところでございます。
現在、労災事故が多数発生していて憂慮すべき状況にあると思ってございます。こういう活動の取り組みを強めていかなければならないと思ってございます。
〇久保孝喜委員 そういうことなんですけれども、具体的にこれからどうなっていくのかということを考えたときに、こうした労働環境を含めた労働条件を規定するといいますか、いわゆる公契約条例が今議会に提出されております。その中の基本理念として、第3条第3項に適正な労働条件ということを掲げているわけですね。適正な労働条件とは何か。当然法律を遵守した体制ということ。もろもろの法律、その中には、当然のことながら労働安全衛生ということだって入ってくるわけですね。
そうすると、県が具体的な権限を有しない、しかし、現場では労災事故も、あるいはそれにつながるかもしれない労働安全衛生法違反の摘発などが労働基準監督署からされる。しかし、それを知るすべは、具体的な事業名もわからないとなれば、どうやってこの公契約に関する条例の趣旨に沿った県政運営ができるのかという話にならないでしょうか。そこは、これから先どういうふうに考えたらいいんでしょうかね。
〇千田労働課長 先ほど個別個別の事業名まで私どもわかっておらないとお答えいたしましたけれども、例えば県土整備部などでは、毎月毎月、労働事故の発生状況を部としてつかんで整理していると聞いてございますので、事業部としては、それは承知、把握しているものだと思ってございます。
ただ、商工労働観光部では、つまびらかに工事名まで全部含めて情報を整理しているものは、今、手元にないということでございます。
〇久保孝喜委員 だから、その点に関して言えば、実際の契約をする所管の部と、それから労働行政全体をつかさどる窓口たるこの部が、具体的な情報のやりとりができないままで、数字だけ、頭だけ押さえているという程度の話だとしか聞こえないんですが、そこの点について、もうちょっと立場を明らかにしていただきたい。
〇寺本雇用対策・労働室長 委員御指摘のとおり、労働、特に労働基準行政につきましては、やはりハローワークとも若干違った組織になっておりまして、いわば検察庁に対しても送致できるというところもありまして、若干ですけれども警察に近いようなニュアンスがあって、なかなか情報は得られていないところでございます。個別にはなかなか話していただけないところでございます。
ただ、例えば建設の入札資格の場合ですとか、あるいはいろいろな表彰の場合ですとかについては、個別個別の業者に対して、我々が、過去の違反事例とかというものについては御回答いただいているということもございますので、今後、公契約条例の施行の段階においてどういうやり方をするかはこれからの検討になるわけですけれども、いろいろな取り組みをする中で、労働局との情報提供のあり方、チェックをうまく組み合わせるような形で、公契約条例が実効あるようなものに研究してまいりたいと思っています。
また、同時に、現実に労働局のほうの体制も非常に厳しいということもありますので、県としても、厚生労働本省に対して、体制の強化を図りながら、労働環境改善にも努めてまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 そういうことなんですよ。つまり、公契約条例でうたっている理念が、具体の問題になっていけばいくに従って、実は、例えば今の労働安全衛生の問題でも、これは我々に配付されたパブリックコメントの中にも、この労働安全衛生にかかわる意見があるんですが、それは今後の取り組み事項を取りまとめる際の検討事項だとさらっと流して、反映状況は参考という程度の話になってしまっているわけです。
だから、今、室長が言うように、この公契約条例を実効あるものにするためには、労働安全衛生の問題を含めて、もうちょっと県庁内部で踏み込んだ検討というものが必要になってくるということを私は指摘したかったわけですので、そこはこれからも注目していきたいと思いますので、今後ともぜひ真摯に取り組んでいただきたいと思います。
次の問題、緊急雇用創出事業についてお尋ねいたします。
これは後ほど同僚の木村委員からも御質問があるようで、私は入り口の段階でちょっとお話を聞きたいわけですが、これまで緊急雇用創出事業で雇用された方々の雇用実績総数を示していただくと同時に、この数についての評価もあわせてお尋ねしたいと思いますし、それから、ここで雇用された方々のその後の、事業終了後の就業実態については何らかの形でつかんでおられるのかどうか、その点をお尋ねしたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 緊急雇用創出事業につきましては、平成20年度から平成26年度までの間で延べ3万4、000人余の雇用を創出したところであります。参考までに申しますと、平成26年度においては約1、900人程度の新規雇用を創出したところでございます。
評価につきましては、震災後の仮設住宅の見守りですとか、被災求職者の再就職につながる雇用機会提供のために、市町村等で十分な活用がなされたものと評価しております。
離職後の状況につきましては、岩手労働局が平成27年2月末現在で把握している状況でございますと、対象者738人のうち、公務とサービス業、このサービス業には協同組合等を含みますが、その二つのジャンルで約6割の方が再就職しているというような統計になってございます。
〇久保孝喜委員 緊急雇用創出事業の目的には、これまでもいろいろ説明があったように、次の機会までの短期の雇用、就業機会を創出し、なおかつ、それが将来的な復興の現場も含めて、復興地域を含めて、それに資するんだという話でやってきたわけですが、就業実態については、岩手労働局が把握している数は、雇用した人数との割合でいくとかなり少ない実態ということが今の答弁を聞いてもわかるんですが、それ以外に、そういう数字をつかむ努力は当部ではしているんですか、していないんですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 その後の状況については、特に正式なものとしては把握してございません。
〇久保孝喜委員 私は、これまでこの緊急雇用創出事業でいろいろ問題にされてきた、例えば大雪りばぁねっとにしても、それからDIOジャパンの問題にしても、これは雇用主の側の経営というところとの県や市町村との関係ということで問題視されてきました。しかし、この定例会冒頭で問題になった予算計上をしなかったというミスの問題、他部の話ですが、これなどは、結局この緊急雇用創出事業にかかわる姿勢にかかわっての問題だと色分けできると私は思うんですね。
そうやって考えると、どうもこの緊急雇用創出事業は、予算を張りつけましたという時点で、既にもう目的達成したかのような、そういう姿勢に見えてならないんですよ。つまり、そうして先ほどの数字で言うと3万4、000人もの方々が就業している。しかし、離職後、そういう方々がきちんと生業というか普通の安定的な職業についているかどうかについては余り関知しない。事業主体に対して県がそのことを、例えば一定の数字をつかんでくれとか、そういう指導なり要請をしたという経緯はあるんですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 緊急雇用創出事業の中にも、事業をやるに当たって、次の再就職を強く求める事業、企業支援型とかそういうメニューはあります。そういったものについては、事業を開始する時点で、次の再就職について強く、目標なり、こういうことをやるというのを明示させながらやっているものがございます。
ただし、いわゆる多くの震災等緊急雇用創出事業については、始まるときに、この事業を通じて次の就職につながるような事業を展開してくれということで始めておりまして、そこに事業採択の際に非常に重きを置いて採択するわけですが、終わるときには、また継続されているような、3万4、000人というのは累計した数でございますので、実際には別の形で継続雇用が保障されて、結果的に見れば、先ほど労働局で把握しましたような数の方が求職活動をなさっているという理解でおるところです。
〇久保孝喜委員 政策評価の中で、この緊急雇用創出事業の中にどういうふうに書かれているか、課題として指摘されているところにこう書いてあります。緊急雇用創出事業等による期間雇用者等の安定雇用への移行を支援する必要があると指摘されているわけですね。
今の御答弁は、なるほど事業目的として、始まるときにはそういうことを前提としてやるんですよと説明はするかもしれない。しかし、離職後どうなったかについて、事業主体の側に一定の調査とか、あるいはそういう雇用主に対して報告をさせるとか、そういう仕組みがない以上、今回問題になったように、来年度以降はこの制度はありませんとなった途端に、もう完全に思考停止状態で、次の事業となってしまうわけですよ。この事業そのものの中にフォローの仕組みが全然ないわけですよ。理念はうたっている、しかし、具体的なフォローも仕掛けもない。だから、言葉は悪いですが、予算消化に走るということで、拙速な事業に手をつけたりということになったのではないかという疑念を生む背景の一つだと私は思うんですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 緊急雇用創出事業というのは、委員御指摘のとおり、現在失業なさっている方について短期の雇用の場を提供することで、職務経験を積んで次の再就職につなげていくというのが本来の事業でございます。
システムとして、次の職場への就職活動に対する義務的な事業主に対する規定とかがないのが実態でございますが、私どもとしては、できる限り、市町村事業あるいは県営事業において、次の職場の就職活動への配慮についてのお願いとかをするような制度になっていますので、そういったところは、引き続き、事業をするに当たって実施主体に助言等していきたいと思います。
〇久保孝喜委員 そういうことをしていかないと、多分、恐らく今まで問題視されたような事態が、私は何回も繰り返されるのではないかという疑念を持っております。
最後にお尋ねしますが、こういう幾度も問題が発生したこの緊急雇用創出事業について、事業主体である市町村とどういう総括というか、お互いの意見交換を含めてやってきたのかということをお答えいただきたいと思うんですよ。それは、単なる制度の事務的な会議とかということではなしに、具体的に、事業主体である市町村と、問題が惹起されて、議論が大いに沸いたこの事業についてのある種総括的な、そういう意見交換の場みたいなものをきちんと持ってきたのかどうか、そこを最後にお尋ねしたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 緊急雇用創出事業につきましては、会議の場ですとか、あるいは広域振興局において、いろいろな事業を実施するに当たって、市町村等から適切な事業執行なり事業への要望について意見を聞いているところでございます。
適切な事業執行につきましては、昨年4月、私どもとしての担当者会議等で検証委員会からの提言等を踏まえた対応策を御説明し、その場で、市町村から、今後の対応についての御意見等を聞いたりしているところでございます。
要望につきましても、予算編成の中で市町村から要望を聞いているところでございまして、今後においても、いろいろ各会議等を通じまして、市町村の意見、制度の改正に対する要望等をお聞きしたいと思っております。
〇久保孝喜委員 最後にしますが、ぜひ、ここは部長に答弁をいただいて終わりにしたいと思うんですが、先ほどの1問目の労働災害の話もそうなんですけれども、県内における雇用の実態、労働環境というのは、他の都道府県に比べて極めて劣悪であると。一般質問でも申し上げましたが、県内の就業構造が、とにかく非正規が他県に比べて多いという実態があり、なおかつ、県内の労働条件としての2本柱、労働時間、就業時間が全国で2番目に長い。そして、それでは賃金はというと、これまた下から2番目と。
加えて、今回の労働局の発表のように、労働環境の中で亡くなる方が多いとか、あるいは労働安全衛生法違反の摘発数が他県に比べて断トツに高いとかということになると、雇用に関するあらゆる数字が、もう完全に岩手県は埋没というか最下位状態という中で、今、私たちは暮らしているということになるわけですね。
これは、人口減少の問題を言うまでもなく、各方面にわたっていろいろな背景として指摘がされていることでもありますので、そこに対する取り組みというのは、私は、かなり抜本的に、そして丁寧にやっていかなければならないと思うんですが、いかがでしょうか。
〇橋本商工労働観光部長 委員から種々御指摘をいただいた点、全くそのとおりの劣悪な労働環境に置かれているのが、岩手県の状況だと認識しております。
特に、長時間労働では山形県に次いで2番目ですし、それから有給休暇等の取得率等を見ても低い。また、労災事故等についても、先ほど来議論のあったとおりでございます。
こういったもろもろの労働環境にかかわる部分の問題、課題につきましては、先般も、知事と岩手労働局長とも意見交換をさせていただいたところでございます。そして、労働局としっかりと、県内の置かれている労働環境について情報を共有しながら、今後、働き方の改善、それから労働環境の処遇改善といったものにしっかりと連携しながら取り組んでいかなければ大変な状況になる。この本格復興に向けて工事量等が増大する中にあって、しっかり取り組んでいかなければ、本来の復興にも大きな影響を及ぼしかねない課題だと認識しております。
〇工藤勝子委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後5時12分 休 憩
午後5時32分 再開
〇工藤勝博副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。次に、高田一郎委員。
〇高田一郎委員 私からは被災事業所の再建について幾つか質問いたします。
まず、仮設店舗の営業状況の実態について伺いますが、岩手県内には359カ所、1、800区画という、被災3県では半分以上を占めて大変商店街は頑張っていると思うんですけれども、この仮設店舗での営業がどうなっているのか。営業継続あるいは休止、廃業状況とか、あるいは経営の状況がどうなっているのか伺います。
それから、これから本格的な本設再開ということが大きな課題になっていますけれども、こうした仮設店舗のさまざまな要求がどういう状況になっているのか、この点をまず伺いたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 沿岸地区の商工会議所、商工会の調査によりますと、平成27年2月現在、被災した商業、サービス業関係の会員事業所のうち、7割弱が事業再開し、営業を継続しておりまして、約3割が休業、廃業となっております。
仮設店舗の経営状況については、平成25年10月に岩手県産業復興相談センターが実施した調査によりますと、約6割が震災前に比べて売り上げが減少したと回答しています。
仮設店舗の営業継続の希望については、先ほどの調査によりますと、約8割の事業者が、仮設店舗での営業継続を希望すると回答しています。
〇高田一郎委員 今、30%が廃業、休業ということですけれども、これは仮設店舗での実態ですね。
〇山村経営支援課総括課長 仮設店舗に限らず、商工会議所、商工会の会員の状況でございます。
〇高田一郎委員 では、仮設店舗については、具体的には実態をつかんでいないということだと思うんです。それで、今、山村総括課長の答弁では80%が継続ということですけれども、これは被災事業者全体の数だと思うんですね。
それで、仮設商店主のお話をこの間何回か聞く機会がありましたけれども、本設で早く再開したいという方もあれば、この機会にもう後継者がいないのでリタイアしたいと、あるいはなかなか本設再開ができないし、今そういう段階ではないので、仮設店舗での営業を継続したいと、多様な要求を持っていると思うんです。こういった方々にきめ細かな支援策というものが求められていると思うんです。
一つまずお聞きしたいのは、仮設店舗での営業の継続です。これを求める声というのは強くあるんですけれども、これに対しての対応をどう考えているのか。
それから、グループ補助金についてですけれども、これについても、これから本設再開を行おうとする商店主の皆さんにとっては、非常に高いハードルになっていると思うんです。申請をしようとしてもなかなか難しくて、いわゆるコンサルに頼んでもお金がかかってしまうという問題とか、あるいは資金面の問題とか、非常に高いハードルがあると思うんですね。こういった方々の本設再開したいという願いに応えた、実態に合ったグループ補助金の見直しといいますか、活用というのが求められていると思うんです。それで、そういったグループ補助金の見直し、改善も含めて、県としての仮設店舗で頑張っている方々への支援策はどうなっているのか。
もう一つ、まとめてお聞きしますけれども、テナントで被災した方々のお話を聞くと、何の支援策もないんだという話をされました。こういった方々にも再開できるような支援策もあるべきだと思うんですけれども、この辺を含めてまとめて質問いたします。
〇山村経営支援課総括課長 仮設で営業されている事業者の方への支援ですけれども、やはり本設に移っていただくということが第一かと思います。それで、本設に移る場合に、グループ補助金のハードルが高いというお話でございます。事業計画を作成するなどの手続は必要でございまして、一定の作業なり計画は必要でございます。私どもの職員も、そのような検討しているグループには頻繁に伺いまして、いろいろお話を伺ったり話し合いに参加したりしておりますし、ある程度検討が進めば専門家派遣などのお手伝い、支援もあります。そのようなものをぜひ活用していただいて、グループ補助金の活用につなげていきたいと思います。
また、テナントで被災した方については、設備をお持ちであれば、設備についてはグループ補助金の対象にはなりますので、支援策も対象になっているということでございます。
〇高田一郎委員 これから仮設店舗で営業している方々が本設再開になるということが大きな課題ですけれども、これまでの例えば水産加工業者、大手の事業所の皆さんのグループ補助金での再開というのもなかなか難儀したんですけれども、これから仮設店舗で頑張っている皆さんが本設再開するということになると、また事情が異なると思うんです。そういう点ではきめ細かな支援策を、ぜひ商工会議所なんかと連携しながらやっていただきたいと思います。
それで、本設に移ることが基本であって、そうしてほしいんだというお話がありましたけれども、きのうのテレビでも報道されていましたが、被災地に行ってみますと、人口が減少して、固定客が、顧客がどんどん減少して、頑張ってもなかなか売り上げが伸びないという方々が結構いるんです。こういった方々の、もう少し体力がつくまで仮設で頑張りたいんだと、その後、蓄えてから本設再開したいんだという声。そして、後継者がいないからなかなか本設もできないので、もう少し仮設での営業を延長してほしいんだという声にも応えていくべきだと思うんですけれども、これは対応としては可能なんでしょうか。
〇山村経営支援課総括課長 仮設店舗につきましては、使用期間が定められておりますけれども、特区制度を活用して、国の認定を受けて延長ができます。実際に久慈市、宮古市、山田町、大槌町、釜石市、大船渡市、陸前高田市、各市町で、この特区制度を活用してそれぞれの期間の延長をしておりますので、延長しての活用が可能でございます。
〇高田一郎委員 仮設店舗での営業の延長は、制度上、可能だということでありますので、いずれ、先ほどの答弁を聞きますと、仮設店舗で頑張っている方々の要望、要求について実態をつかんでいないという話がありました。ぜひそういう要望をしっかりとつかんでいただいて、きめ細かな対応をしていただきたいと。仮設店舗でも延長できるんだということも含めて、ぜひ徹底をしてやっていただきたいと思います。
次に、グループ補助金の関係についてお伺いいたします。
2015年度、新年度のグループ補助金というのは、国の予算を見ますと400億円となっております。これは充実、拡充になるんでしょうか。
先日、東日本大震災4周年の総理のインタビューが報道されていますけれども、グループ補助金について、ここでは新分野の進出や販路回復の取り組みも対象にしていきたいと。新聞報道を見ると、中身も拡充するんだというような報道になっていますけれども、実際はどうなっているんでしょうか。
〇山村経営支援課総括課長 来年度のグループ補助金につきましては、中小企業庁が資料を公表している平成27年度予算の概要によれば、従前の施設復旧等では、事業再開や継続、売り上げ回復が困難な場合、これに変えて、新分野需要開拓等を見据えた新たな取り組みを支援するとされております。
具体的な内容については、まだ予算もできておりませんし、現在、国で検討中と聞いております。
〇高田一郎委員 水産庁がこの間実施した水産加工業者を対象にしたアンケートでは、震災前と比べて8割まで回復したという事業者が、岩手の場合は58%という数字になっております。このアンケートをよく見ますと、被災事業者、水産加工業者の一番強い声というのは、販路が消滅したために販路の開拓、新商品を開発して販路を拡大するという、これに対する支援をしてほしいんだという声が非常に強くなっていますし、被災地に行って実際聞いてみれば、そういう声が寄せられます。それで、新年度はこういった分野について、先ほども若干議論がありましたけれども、具体的に新商品開発や販路開拓、いわゆる販売戦略、これに対して、県としてどう対応しようとしているのか。
あわせて、グループ補助金で再開した事業所の経営状況といいますか、中には廃業もあったのではないかと思うんですけれども、この現状について伺いたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 グループ補助金を受けた事業者の状況につきましては、平成26年10月に、東北経済産業局がアンケートを行っております。これによりますと、震災前に比べて売り上げが減少しているという事業者が55%程度ということでございます。委員からのお話にあったように、販路の開拓確保というのが大きな課題ということでございます。先ほど岩崎委員にもお答えしましたが、来年度から、商工団体に販路開拓とか新商品開発の取り組みを支援する専門のアドバイザーを配置したいと考えておりまして、そういったアドバイザーを活用しながら、事業者の取り組みを支援していきたいと考えております。
〇高田一郎委員 新商品開発、販路開拓については、専門のアドバイザーを配置し対応していくんだというお話でありましたけれども、グループ補助金を活用して再開したと言っても、二重ローンもありますし、多額の借金を抱えながら再建したわけでありますけれども、先ほど水産庁のアンケートでも紹介したとおり、なかなか販路が消滅をして、経営状況がいま一つ軌道に乗っていないという状況の中で、販路の開拓に、いわゆる販売戦略に相当力を入れて取り組んでいかなければならないというのは、一番の大きな課題だと思います。
それで、いろいろ新年度予算にも盛り込まれているというお話でありましたけれども、これは被災事業者の再建、販路開拓にふさわしい予算になっているのかどうかということですね。先ほど専門のアドバイザーを配置すると言いましたけれども、盛岡の、正式には忘れましたけれども、支援センターにアドバイザーを配置するというお話でありましたけれども、盛岡だけで本当にいいのかという問題。きちっとした体制がどうなっているのか、あるいは予算的にもしっかりと措置されているのか、この辺について、具体的な数字も含めて紹介いただきたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 被災事業者の販路開拓等の取り組みを支援するために、専門アドバイザーは大船渡、釜石、宮古の商工会議所、そして商工会連合会、そしていわて産業振興センター、こちらのほうに配置する計画ですので、被災地にて支援をするという計画でおります。予算的にも、その事業だけではありませんけれども、各種の被災企業支援のソフト的な支援ということで、1億円ほど、計上をして取り組みたいと考えております。
〇高田一郎委員 非常に大事な課題でありますので、ぜひ商工会議所、関係機関と連携をして、対策を強めていただきたいと思います。
それで、大阪のアンテナショップについても少しお聞きしたいと思います。
2015年度、新年度に新しい大阪のアンテナショップを開設したいという報道もあります。大阪というのは非常に大事な消費地でありまして、風評被害の関係もあります。大阪のアンテナショップの位置づけ、役割は、ただ単なるアンテナショップではなくて、情報発信ができる、戦略的に取り組むという対応が必要だと思いますが、どういうアンテナショップを目指そうとしているのか。
それから、大阪のアンテナショップが、販売客、売り上げが物すごく減少しているという状況になっていますけれども、この原因についても示してください。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 大阪アンテナショップの位置づけ及び売り上げ等の減少の要因についてでございます。
まず、大阪のアンテナショップをどういった拠点としたいかということに関しましては、具体的な特産品のみならず、観光資源あるいは伝統文化などの本県の魅力を総合的に発信していけるようなものにしていきたいと存じております。
また、現アンテナショップの売り上げ等の減少の要因でございますけれども、近年、大阪の市内におきましては、北部の梅田地区や南部の阿倍野地区におきまして、大規模な百貨店や商業施設の開業等が相次ぐといった急激な商圏変化がございまして、大阪アンテナショップが現在立地しておりますのが心斎橋地区でございますが、この地区の商業的地位が、相対的に低下していることが主たる原因と考えておる次第でございます。これによりまして、御案内のとおり、本年度末をもちまして現店舗については廃止をし、新年度、予算計上させていただいております大阪アンテナショップ移転事業により、新店舗を開設することとしているものでございます。
〇高田一郎委員 今のお話を聞きますと、どういった中身にするかというのは、今後の検討になるということですね。
大阪の問題については、岩手の水産物が非常に風評被害で、まだまだ信頼が回復していないという問題があって、非常に大きな役割を果たすものになっていくのかなと思いますので、ただ単なるアンテナショップにしないで、大きな情報発信をして販路の拡大ができるものになるように、じっくり検討して対応していただきたいと思います。
最後に、ブラック企業の根絶問題についてお聞きいたします。
この間、全国的なブラック企業対策として、それぞれの都道府県の労働局が過重労働解消キャンペーンということで、そういった問題のある企業に対する重点監督などを行ってきました。この間、一昨年から始まったわけでありますけれども、重点監督の実施状況はどうなっているのか。できれば、前年度との比較も含めて数字を示してください。
〇千田労働課長 過重労働解消のキャンペーンという形で行われました国の重点監督の実施状況でございますけれども、平成26年11月に県内の64事業場に対して行われまして、このうち61事業所で何らかの法令違反が確認されたと発表されてございます。前年、平成25年9月にも、同じ数の64事業場において監督が行われておりまして、これと比較すると、違反事業所数が4事業所多くなっているところでございます。
〇高田一郎委員 それだけですか。私も資料をいただいたんですけれども、確かに何らかの労働基準関係法令の違反が61事業所ということで、95.3%ということですね。その前の年も90%台ということ。それから違法な時間外労働があったものが50%、半分、賃金不払いが21事業所の32%。驚いたのは、月100時間を超える事業所は3割を超えているという状況ですね。これは前の年と比較しますと、2年連続になっております。こういう状況では―先ほど久保委員との議論のやりとりで、労働条件の改善に岩手労働局と連携をしながら力を入れて取り組んでいくということでありましたけれども、そういう連携をして取り組んでいただきたいんですけれども、こういう状況というのはなかなか改善しないんですね。私は、なぜ改善できないのかということだと思うんです。労働基準監督署の人員が少ないという問題とか、問題がある企業を公表するとか、実効あるものにしていかなければ、こういう状況というのは何年も続くと思うんですね。
最後に部長にお聞きしますけれども、なぜこういう状況が毎年続くのか、やっぱり実効ある対策を国にしっかりと求めていくということも、私は県としての大事な仕事、役割だと思うんですけれども、この点について部長のお考えをお聞きして終わりたいと思います。
〇橋本商工労働観光部長 いわゆるブラック企業につきましては、社会問題の一つと認識されつつあるということで、国も対策に乗り出してきていると承知しております。
県といたしましても、岩手労働局とはこれまで以上に緊密な連携を図りながら、若者が安心して働ける環境づくり、そういったものに、県としてもしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
〇木村幸弘委員 当部の審査の最後だと思います。よろしくお願いいたします。
まず、緊急雇用創出事業についてでありますが、この間、及川あつし委員を初め各委員から、DIOジャパンに関連して質疑が交わされてまいりました。私からも通告はしておりましたけれども、重複した部分もございますので、改めてこの間の質疑の中で確認したいのは、今の返還請求の確定に向けて、とにかく、今それが第一だという答弁の繰り返しであるんですけれども、しからば、この関係市町に対しては、一体この返還請求の確定の作業に対して県がどういう形でかかわり、あるいは支援、指導しているのか、その点について改めてお伺いしたいと思います。
〇寺本雇用対策・労働室長 県の支援についてでございますけれども、県は県主催の会議を、先ほど申し上げましたが決算特別委員会後に2回、あるいは市主催の連絡会議もありますが、それについても出席をいたしまして、市町のほうからの御意見等を伺います。そしてそれを踏まえまして、国と種々協議を行いまして、その結果等についても市町のほうにお伝えをして、そういった中で、どういった調査をするのかといったことで具体的に進むように支援をしているところでございます。
〇木村幸弘委員 そういう作業の中で、特に関係市町のほうから、そういった場を通じてどういう議論が行われてきているのか、そして、この確定に向けてなかなか作業として進まない状況があるとすれば、その隘路といいますか、課題というのはどういう形で関係市町から提起をされ、それを県はどのように受けとめながら、県として、国との関係の中で協議、調整をしながらまた市町に返していくという作業が行われているのか、その辺のもう少し具体的なやりとりについてどうなんでしょうか。
〇寺本雇用対策・労働室長 現在確定しているわけではございませんのでなかなか申し上げにくいところでございますけれども、例えば売り上げのほうについてよりは、係る経費についての捉え方というほうが実はいろいろ難しくて、各市町の実態も異なったりしているものですから、そういったあたりを調整するとか、あるいは国と御相談をするとかといったことで進めているものでございます。
〇木村幸弘委員 なかなか具体的な流れというか方向が、これまでの質疑の中でも見えてこないわけですけれども、いずれ、及川あつし委員も言っておりましたけれども、いわゆる県の責任ある対応というか、そういう姿勢が本当に関係市町からは求められているんだと私も強く感じます。花巻市などにおいても、県の一定の責任があるということも担当部のほうでは認識を持っているようですし、いずれにしても、県が本当に早期に作業を進める上でも、集まった場所にただ出向いていくだけではなく、やはり個別には、各関係市町にみずから担当者もしっかりと寄り添うというか、そういった支援のために足を運び、現場の問題についてしっかりと問題を共有しながら対応していくと同時に、一緒に汗をかいていくというような姿勢が私は求められているんじゃないかと思いますけれども、ぜひそういう取り組みをしっかりやっていただかなければならないと思いますから、改めて御意見をいただきたいと思います。
〇寺本雇用対策・労働室長 お話のように、県といたしましては、各市町、実態がそれぞれ違うと思っておりますので、個別個別に御相談を受けながら、かつ、ある意味で共通的に取り扱わなければいけないところがありますので、そういう調整をしながら、市町に寄り添いながら対応していきたいと思っております。
〇木村幸弘委員 それから、先ほど久保委員の質疑の中にあったんですけれども、それにかかわりますが、いわゆる今回のDIO社の緊急雇用創出事業については、当初の事業が突然閉鎖あるいは撤退によって、働いている人たちも含めて賃金の未払いの問題などが発生し、非常に重要な問題を起こしたわけであります。その中で、他社等に移行され、あるいは事業が引き継がれているケースがあるわけですけれども、これらの状況について、その後、どのような運営状況になっているのか。そしてまた、就労者等が引き継がれている場合には、その雇用状態とかそういったものがどのような状況になっているのか、お伺いしたいと思います。
いずれ、引き継がれた事業そのものに、何らかの県あるいは関係市町からの支援なども行われているとすれば、その支援等の中身についても教えていただきたいと思います。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 DIOジャパン関連コールセンターが閉鎖後、二戸市では7月から、洋野町では8月から、そして奥州市では11月から、同じ事務所を使っておりますけれども、全く別な運営会社がコールセンターとして立地をしております。
この3事業所の本年2月末の従業員数については、77名になっております。そのうち、元DIOジャパンの関連コールセンターの従業員が52名、引き続き雇用されているところでございます。
また、市町そして県といたしますと、そのDIO関連コールセンターの離職者の一日でも早い雇用の確保を図るため、昨年9月に補助制度を改正いたしまして、新たに進出するコールセンターを支援するといったようなことで制度をつくったものでございます。この制度につきましては、立地市町が平成26年度―あくまでも期間限定でございます―平成26年度中に立地した奥州と洋野と二戸のコールセンターに限定して、その施設整備費そして事業所の賃借料に要する経費の一部を補助しようとするもので、県はその操業の実績に応じて支援をしていく内容でございます。したがいまして、平成27年度の企業立地補助金の中に、それが予算として計上されているものでございます。
〇木村幸弘委員 引き続き雇用されている状況については、まず一安心といいますか、継続されていることを受け継いでいただいた事業所には感謝をしなければならないと思いますけれども、いずれ、引き続き、新年度においても継続的にこの事業が当面は―独立した形なんですか。もう緊急雇用創出ではなくて、コールセンター業としての独立した業として、これがもう動いているということで理解していいんでしょうか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 それぞれ別なコールセンターが、事業内容も全く違う内容で運営をしておりまして、二戸市に立地しましたセラヴィリゾートについては、これはもともとDIOジャパンのクライアントだった会社でございますが、DIOジャパンがこういった破産というような形になっておりますので、クライアントが独立して、それを運営開始しているという内容になっております。
〇木村幸弘委員 わかりました。
次に、DIOジャパンが、いわゆる民事再生法の申立書を提出して再生の手続を行ったわけですが、これが棄却をされたのが昨年の12月の末でありましたけれども、この申し立てについてその内容等がどのようなものであったのか、県として把握されておれば、その内容の中で、特に本県等にかかわって子会社等の扱いをどういう扱いという形にしようとしていたのか、あるいは、再生に当たって、本社自体が一連の本県にかかわる事業についてどのような主張が展開されていたのか、承知していればその内容をお示しいただきたいと思います。
〇寺本雇用対策・労働室長 DIOジャパン本社の民事再生手続につきましては、新聞報道によりまして、昨年10月30日付で東京地方裁判所に申立書が提出されたということは承知しておりますけれども、DIOジャパン社と県は債権、債務の関係にないということでございまして、県は申立書を入手できないというものでございます。
〇木村幸弘委員 そうしますと、関係する市町では、この申立書は承知しているんでしょうか。
〇寺本雇用対策・労働室長 DIO本社につきましては、市町も債権、債務の関係にございませんので、申立書については入手できないところでございます。
〇木村幸弘委員 子会社という関係性の中で、そういう形で本社と切り離された中で一連の動きをされていること自体も非常に問題だと思うんですけれども、今後のさまざまな手続も含めて取り組んでいく際に、この申し立てにおいて、本社がいわゆる子会社との関係を含めて、どういう取り扱いの中でこの民事再生法の手続を踏まなければならなかったのか。あるいは途中で撤退、廃止をするという判断などを含めて、いろんなことの経過をきちんと押さえながら、事の対策や今後の対応というものを考えていく必要があるんじゃないかと私は思っているんですけれども、そういう意味で言うと、その関係性がないために、一切、この内容等も含めて承知することができないということであれば非常に問題があるなと思います。これは何か法的にそういった部分で入手できる手段というのはないんですか。
〇寺本雇用対策・労働室長 裁判所等については無理だと思いますし、また、仮にDIOジャパン社の代理人弁護士にお願いをするということは考えられないわけではないわけですが、通常考えてといいますか、代理人も守秘義務があるわけでございまして、全く関係のない第三者に提供するというのは考えにくいものと理解しております。
〇木村幸弘委員 残念な状況ですが、いずれ、一方では12月20日の新聞で、この民事再生法の申請を行った際に、いわゆる申し立てにかかわって本門社長の申し立てに対する主張というものが報道されているわけです。その中では、厚生労働省や自治体から熱烈な誘致を受けた。そして、後づけのように会計処理が問題だと言われ、話が違うと、大変驚いていると申立書で主張しているという報道があります。及川あつし委員が、進出の経緯の問題もまだ十分に検証されていないということも質疑の中でおっしゃっておりましたけれども、この間の議論の中でも、県としての今回のDIOジャパンとの関係性の中で、やはり前のめりになっていたのではないかというさまざまな経緯の中から判断される動き、こういったものが明らかにあったと我々は思っているんですが、そういう状況の中で、あえてこの申立書の中で、本門氏が、厚生労働省や自治体から熱烈な誘致を受けたということを主張しているこの文言は、非常に実は一連の誘致に至る経緯、経過の中で、本県はこの熱烈な誘致を受けたとする自治体の一つではなかったのかと察することができます。この申立書が実はそういう意味で、いろんな経過、経緯の中では、実は非常にこの間の議論とのすり合わせの関係性から言っても、重要な部分があるんじゃないのかなと私自身は思ったところでございます。
いずれ、知事のトップセールスから始まって、その後、各市町におけるコールセンターの契約に至る経緯の中では、必ず首長が本社詣でをしているわけです。その後にすぐ契約が調印されるという流れは、この間指摘をしてきたとおりであります。そういう観点から言っても、この本門氏の申立書で述べた、自治体から熱烈な誘致を受けた、しかし、後から会計処理が問題だと、話が違うという話になっているということが主張されているとすれば、いろいろとこういった部分で、誘致に至る経緯、経過として、この内容についてのしっかりとした検証が私は必要ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 当時、震災後、まだ半年もたたない中で、いわゆる製造業等と違いまして、余り設備や場所にとらわれないで大量に雇用していただく、こういったコールセンター業について、これは岩手県のみならず、被災地はどこも歓迎すべき業種と捉えて、それについては全く否定するところはございません。そして、私どももぜひ来ていただきたいということで誘致活動をしたものでございます。
ちょっと申立書の内容を私も承知しておりませんが、これまで私のほうからも御説明をさせていただきましたとおり、経過について県のほうがいろいろ花巻のA社を訪れて、そこで初めて知り合った、その後またいろんなところでDIO社のほうからも進出についての意向が示されて、その点についていろんな支援をしてきたのは事実でございますので、また、こういった経過をその後検証していくということは、本当に必要なことだと考えているところでございます。
〇工藤勝博副委員長 質疑は簡潔にお願いします。
〇木村幸弘委員 はい、わかりました。
いずれ、この問題についてはこの間の議論にあるように、これからも緊急雇用創出事業というのは、まさに国の事業としてあるいは本県においても、復興の経過の中で大変重要な事業であると思います。そういう状況の中に立って考えれば、一連のこのような疑念あるいは疑問が次から次と噴出するような対応や、また、その実態が検証されていないこういう状況では、しっかりと今後の雇用創出事業が、より信用が確立された中で事業展開がされるようにしていくべきだという意味において、今後、引き続き、我々議会もしっかりと検証の視点を持ちながら注視をしていかなければならないし、執行部も十分にこの点については、しっかりと対応していただきたいということを申し上げたいと思います。
2点目には、ものづくり産業の振興についてですが、まとめて聞きます。
県として、自動車、半導体あるいは医療機器のものづくり3事業、特にこういった分野については、本県のものづくりの牽引的役割を担う事業として力を入れてきているわけでありますが、新年度における事業展開についてどのような内容であるのか。そして、あわせて、いわゆるこうしたものづくり産業において常に課題になるのは、地元調達を含めた地場中小企業への波及効果であります。その実態と見通しについて伺いたいと思います。
あわせて、本県では、こうした事業のものづくりを推進するほかに、今の政策的な取り組みの中では、再生可能エネルギーの推進というものが大変重視をされているわけであります。そういう中で、ものづくりという視点から、この再生可能エネルギーに参入をしていくような取り組みが必要ではないかと思うんですけれども、なかなかそういった観点での取り組みが見当たらないと思っております。そういう意味では、今後、ものづくりにおいて、こうした再生可能エネルギーへの参入という視点からどのような方針を持っているのか。あるいはものづくり3事業、先ほど言った自動車、半導体、さらには医療機器など、精密機械やさまざまな部品の調達の中で、この再生可能エネルギーのさまざまな事業にも生かすことができるのではないか、そういう意味での振興対策などを含めて取り組みをしっかり位置づけてほしいと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇鈴木ものづくり自動車産業推進課総括課長 まず、自動車、半導体、医療機器関連産業についてでございますが、平成27年度におきましても、これらものづくり産業の振興に向けまして、商談会、各種展示会への出展支援等による取引拡大の支援、それから研究開発、技術開発への支援、設備投資への支援等、引き続き実施してまいりたいと考えてございます。
さらに、大型の設備投資を補助する新たな事業といたしまして、地方創生・地域産業緊急重点強化支援事業というものを平成26年度の2月補正予算で措置したところございまして、生産拡大、魅力ある雇用の受け皿づくり等を支援してまいりたいと考えてございます。
また、地場中小企業への波及効果でございますが、展示会出展それから取引あっせん等を通じた平成25年度の新規取引件数につきましては、自動車関連で25件、半導体関係では5件、医療関係機関6件と、前年と同じ数値もしくは増加になってございます。
今後もこういった取り組みを推進していきまして、地場中小企業の競争力強化であるとか取引拡大等を進めてまいりたいと考えてございます。
次に、再生可能エネルギー推進政策との関係でございますが、平成22年3月に県が策定いたしました科学技術における地域イノベーション指針におきまして、戦略的な取り組みにより創出していく産業分野として環境・エネルギー産業が位置づけられてございます。自動車、半導体、医療機器関連産業といったものを通じまして、県内企業に蓄積された技術といいますのは、再生可能エネルギーを構成する部品であるとか設備等の製造、こういった分野においても、さまざまな応用、活用できると考えてございます。したがって、今後におきましても、県内企業の新分野進出への支援であるとか、その基盤となります技術力の向上に向けた支援の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 終わりにしますけれども、いずれ今の再生可能エネルギーにかかわる地域産業の参入ということについては、大変重要ではないかと思っていました。福島では、国家プロジェクトとして洋上風力発電の取り組みが進められる中で、地元の鉄工所であるとかあるいは電気工事会社であるとか、それぞれのスキル、能力を持った地元の企業が、何とか風力発電の鉄塔の部分をつくりたいであるとか、あるいはそういった電気工事にかかわる仕事をしっかりと持っていきたいとか、そういう形の動きが、一連のこの間の震災報道の一つの流れの中で報じられておりました。そういう意味では、本県も再生可能エネルギーには戦略的に、そして政策的にも重視している観点から言えば、しっかりとそういったものづくりとの関係と新たな雇用の生み出しというところにつなげていく意味でも取り組みを進めていただきたいということを申し上げて終わります。
〇工藤勝博副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝博副委員長 質疑がないようでありますので、これで商工労働観光部関係の質疑を終わります。
商工労働観光部の皆さん、大変お疲れさまでした。退席されて結構です。
次に、労働委員会事務局に労働委員会関係の説明を求めます。
〇齋藤労働委員会事務局長 それでは、労働委員会関係の予算につきまして御説明を申し上げます。
便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明を申し上げますので、説明書の143ページをお開き願います。第5款労働費第3項労働委員会費のうち、1目委員会費3、203万3、000円は、労使紛争の解決を図るための労働委員会の運営に要する経費であり、委員15人に対する報酬及び旅費等の事務費でございます。2目事務局費8、820万5、000円は、事務局の管理運営に要する経費であり、事務局職員10人の人件費及び旅費、需用費等の事務費でございます。
以上で労働委員会関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇工藤勝博副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇軽石義則委員 時間も大分経過しておりますので、端的に。労働委員会の取り組みについて1点質問させていただきます。
労働委員会には長い歴史があり、時代の変化に伴い、それぞれ対応されてきていると思いますけれども、今は、先ほどの商工労働観光部の審査の中でも、現状の労働環境を含めて、非常に厳しい環境にある議論もされているわけでありますけれども、県内経済の状況や雇用状況、就労環境の悪化、労働契約のあり方、人員不足、過重労働、復興事業の影響など、それらいろいろ厳しい環境の中にあって、労働委員会が果たす役割の大きさというのはさらに増してきていると思っております。そういう中にあって、県民における制度の認識、認知状況をどのように捉えているのか。また、現状の課題を含めてお示しを願いたいと思います。
〇中居審査調整課総括課長 労働委員会制度の認知の状況でございますけれども、当委員会では、平成25年度から3カ年の活性化計画を策定して、認知度の向上に努めているところでございます。
その取り組みといたしましては、マスメディアを活用したPRですとか、あるいは委員が県内各地に出向いての無料労働相談会の開催、それから平成25年6月には、北海道、東北の労働委員会では初めて、労働相談専用フリーダイヤルの設置をしたところでございます。
このような取り組みによりまして、労働相談の件数が、フリーダイヤルを設置する以前に比べて大幅にふえておりますことから、労働委員会の認知度は少しずつではあるが、高まってきているものと思っております。
今後とも、県民の皆様に対しまして、労働委員会が公労使の三者構成による中立公正な労使紛争の解決機関であるといったようなことを、一層PRしていく必要があると考えております。
〇軽石義則委員 認知度は上がっているということ、また、相談件数がふえているということは、それだけ困っている県民がいるということだと思います。そういう意味で、来年度の取り組みのポイントという部分があればお示しを願いたいと思います。
〇齋藤労働委員会事務局長 来年度の取り組みのポイントについてでございますけれども、委員からお話のありましたとおり、当委員会といたしましても、労働委員会制度の認知の一層の向上が重要な課題であると認識しております。こうしたことから、来年度におきましては、これまで実施してまいりました取り組みに加えまして、例えば委員による出前講座では、これまで商工団体、企業団体等に対しまして実施してまいりましたが、これに加えまして、社会に出てすぐに、さまざまな課題に直面する大学生あるいは高校生等を対象にいたしまして、労働関係の知識などを提供する出前講座を新たに実施する予定としておりますほか、10月の個別労働紛争周知月間におきましては、労働委員会の持つ三者構成の特徴を、県内路線バスの車内広告によって広く周知するとともに、新たなポスターやチラシ等を配布し、PRをより積極的に行うなどの取り組みを進めることといたしております。
また、来年度においては、当労働委員会の平成28年度からの新たな活性化計画を具体的に検討することとしておりまして、その中で、さらに新たな取り組みも必要に応じて盛り込んでまいりたいと考えております。
こうした形で、今後におきましても、三者構成のよさなど、制度についてより一層の周知活動を行いまして、県民にとって、より身近で利用しやすい機関となるように努めてまいりたいと存じております。
〇軽石義則委員 ぜひそれらにはしっかりと対応していただきたいと思いますし、そういう意味では、広く周知をするためにはチャンネルの多さ、また、窓口の広さというものが必要だと思いますけれども、関係部局、広域振興局、市町村を含めて、また、外部団体との連携というものもさらに必要ではないかと思いますけれども、それらについての考え方があればお示しを願いたいと思います。
〇中居審査調整課総括課長 特にも外部団体との連携でございます。個別労働関係紛争の解決に当たっている機関、岩手弁護士会あるいは岩手県社会保険労務士会、岩手労働局、盛岡地方裁判所などと連絡協議会を設置いたしまして、それぞれの制度の運用状況について情報交換をしているところでございます。
平成25年度から、労働委員会、労働局、弁護士会、社会保険労務士会が合同で労働相談会を開催しておりますし、来年度も開催を予定しておりますので、関係機関のほうと調整をしているところでございます。
特にも、関係の深い岩手労働局のほうでございますけれども、個別労働紛争解決制度を担当している方を講師にお招きしまして、委員あるいは事務局のほうに、その制度の運用状況や事例の紹介をしてもらって意見交換をしているところでございます。
また、労働局における個別労働関係紛争のあっせんが打ち切りとなった際には、労働委員会の制度を紹介していただいているところでもございまして、労働局で解決できなかった事件を、労働委員会のほうのあっせんによって解決したという事例もございます。
労働関係紛争の解決ですとか、あるいは未然防止に当たりましては、関係機関との連携が極めて重要であると考えておりますので、引き続き、このような取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 最後にしますけれども、今、説明があったとおり、連携が非常に大事なところもありますけれども、労働局、裁判所になりますと、白黒をはっきりすることによって、継続した雇用という部分になりかねるときもありますし、そういう意味では、労働委員会が持っている公労使によるあっせん制度というものは非常に大事な制度だということで、これまでもその実績は出してきておりますので、引き続き、それらをしっかりと県民サービスにつなげるように、誰でもが気軽に利用できる制度にしていくことが大事だと考えておりますので、それをしっかりやっていただくことを最後に局長から聞いて終わります。
〇齋藤労働委員会事務局長 委員からお話がございましたとおり、労働委員会の特色は公労使の三者構成で、公正であるとともに、偏りがなく、話が非常にしやすいと。お互いにそれぞれ労の立場、使の立場で、当事者に寄り添っていろいろ話を伺って、和解に持ち込んで、安定的な労使関係を築くというのが趣旨でございますので、そういった労働委員会の機能を十分に発揮できるように、いろいろPRをしながら、また、そういうことを心がけてこれからも運営してまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝博副委員長 ほかに質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝博副委員長 質疑がないようでありますので、これで労働委員会関係の質疑を終わります。
労働委員会の皆さんは御苦労さまでした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後6時31分 散 会

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