平成27年2月定例会 予算特別委員会会議録

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予算特別委員会会議記録
(第2号)
平成27年3月6日(金)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 高 橋 勝 重
議事管理担当課長 渡 辺 謙 一
主任主査 清 川   勝
主任主査 村 上   聡
主任主査 藤 澤 壮 仁
主査     藤 枝   修
主査     田 内 慎 也
主査     菊 地 友 和
1説明員
知事 達 増 拓 也
副知事 千 葉 茂 樹

秘書広報室長 東大野 潤 一
秘書広報室副室長
兼首席調査監 保   和 衛

政策地域部長 齋 藤 淳 夫
政策地域部副部長
兼政策推進室長 大 平   尚
政策地域部副部長
兼地域振興室長 菊 池   哲
政策監 森   達 也
市町村課総括課長 泉   裕 之

環境生活企画室
企画課長 工 藤 啓一郎

保健福祉企画室
企画課長 伊 藤 信 一

雇用対策・労働室
特命参事兼
雇用対策課長 高 橋 達 也
労働課長 千 田 利 之

農林水産企画室
企画課長 藤 代 克 彦

県土整備企画室
企画課長 佐 藤 隆 浩

復興局長 中 村 一 郎
復興局副局長 大 友 宏 司

国体・障がい者
スポーツ大会局
総務課総括課長 小 友 善 衛

教育企画室
企画課長 蛇 口 秀 人

議会事務局長 杉 村   孝
次長 新 屋 浩 二
総務課総括課長 大 越   貢
政策調査課長 稲 葉   亘

総務部長 小田島 智 弥
副部長兼総務室長 佐 藤   博
総合防災室長 小 向 正 悟
参事兼
管財課総括課長 宮   卓 司
総務室管理課長 及 川   忠
入札課長 山 崎   隆
放射線影響
対策課長 工 藤 直 樹
人事課総括課長 熊 谷 泰 樹
財政課総括課長 五月女 有 良
法務学事課
総括課長 細 川 倫 史
私学・情報
公開課長 千 葉 政 典
税務課総括課長 小 向   哲
防災危機管理監 會 川 雅 行
防災消防課長 佐々木   哲
総務事務
センター所長 及 川 健 一
〇工藤勝子委員長 これより本日の会議を開きます。
渡辺幸貫委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
この際、昨日の及川あつし委員からの議事進行につきまして、昨日及び本日、世話人会を開催し、協議した結果について報告いたします。
世話人会において、齋藤政策地域部長の発言内容を速記記録で確認するとともに、執行部から齋藤政策地域部長の意向を確認したところ、発言の取り消しを申し出たいとのことであり、これを認めるとともに、申し出のとおり、発言の取り消しを認めるべきとの結論に至りました。
この際、齋藤政策地域部長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇齋藤政策地域部長 昨日の佐々木努委員に対する私の答弁中に、言葉足らずで適切ではない表現があったことをおわび申し上げ、発言の取り消しをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
〇工藤勝子委員長 お諮りいたします。齋藤政策地域部長からの申し出のとおり、発言の取り消しを許可することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
これより議事に入ります。
議案第1号から議案第20号まで、議案第23号、議案第34号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第52号、議案第56号、議案第58号、議案第59号及び議案第137号の以上35件を一括議題といたします。
本日は、昨日に引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
小野共委員。
〔小野共委員質問者席に着く〕
〇小野共委員 総括質疑を始めさせていただく前に、先日、3月2日でありましたが、アイルランド・ダブリンにおきまして、ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催地12会場が発表されました。その12会場の中に、岩手・釜石会場が見事に選定されました。今まで御尽力いただきました関係各位の皆様、そして、日本全国の応援していただきました皆様、岩手県民の全ての皆様に、この場をお借りいたしまして、御礼と感謝を申し上げたいと思います。
それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。
県政運営について質問をいたします。
平成27年度一般会計当初予算でございますけれども、震災翌年から4年連続の1兆円を超える規模となっておりまして、震災対応分約4、487億円で、全体の4割となっております。
昨年末のあるマスコミの世論調査によりますと、知事の県政運営について、評価する、ある程度評価すると、この二つの評価すると答えた方の割合が回答者の64.7%ということでありました。県民の評価は評価といたしまして、知事にお伺いいたします。
この4年間、震災後の自分自身の知事としての県政の運営をどのように評価しているのか、聞かせてください。
〇達増知事 2期目の知事就任以来、東日本大震災津波からの復旧、復興を最優先に、被災地そして被災者の生活を第一に考えて県政に当たってまいりました。この間、被災企業の二重ローン対策のためのファンドのいち早い設置や、生活に支障のある災害廃棄物の全量撤去を完了したほか、漁協を核とした漁業の再生、グループ補助金等の活用による水産加工業、商店街や観光業の再生、医療機関の回復に努めてまいりました。さらに、用地取得迅速化のための法改正の実現や、三陸鉄道の全線開通に続き、JR山田線宮古―釜石間の三陸鉄道への移管受け入れなど、被災地の一日も早い復興に全力で取り組んできたところであります。
また、昨年6月には、人口減少対策に県の総力を挙げて取り組むため、人口問題対策本部を設置して、今般、人口問題に関する報告(案)を公表したところであり、引き続き、本格復興に邁進するとともに、人口減少など、今、目の前にある課題の解決に全力で取り組んでまいりたいと思います。
〇小野共委員 この64.7%の評価、私は高い評価なんだろうと思います。しかし、地方議会は二元代表制というものをとっておりまして、知事の評価をこの64.7%の県民の皆様が評価しているというのと同様に、我々議員、議会も、市民の、県民の支持をいただいて負託を受けてここに来ているものでございます。新年度の施策そして予算の運営に当たりましては、議員の主張、意見を十分に検討していただきたいということをお願いしておきたいと思うところであります。
財政運営についてお伺いいたします。
被災地の災害公営住宅、海岸保全施設を含めた社会資本の整備は、新年度そして平成28年度でピークになります。復旧、復興事業は、ごらんのとおり、まだ道半ばでございます。復興予算の確保が被災自治体にとっての現在の最大の関心事であることは言うまでもございません。一方で、必要な予算については、国も県も潤沢な予算を編成できる状態ではありません。
震災対応予算と財政の健全化のバランスについてお伺いしたいわけですが、これも知事にお伺いいたします。
予算編成をする上で、復旧、復興事業の予算、そして県財政の再建と申しますか、健全化のバランスをどのように考えて今回の新年度の予算を編成したのか、聞かせてください。
〇達増知事 震災対応予算と財政健全化についてでありますが、平成27年度当初予算は、復興事業の本格化に伴い、過去最大規模となりましたが、国による財政措置により、復旧、復興事業に係る県の負担は抑えられているところです。また、通常分の予算につきましては、中期財政見通しを踏まえて歳入の確保や歳出の見直しに取り組んだほか、プライマリーバランスの黒字を維持するなど、財政の健全化にも配慮したところであります。
今後、復興事業の着実な推進と財政の健全化を両立させるためには、集中復興期間後の国の財源措置の継続や、毎年度の地方財政計画における一般財源総額の確保が不可欠でございまして、国に対して適切な措置を求めていくことが重要と考えております。
〇小野共委員 ここに市町村の復興計画期間の被災12市町村のリストがあるわけでございますが、平成32年までかかっている市町村として、久慈、野田、山田、釜石、大船渡が復興計画実施計画を予定しておるところでございます。財政再建あるいは健全化が重要でないとは申し上げておりません。しかし、あと6年でございます。何とかこのバランスを、健全化というのも大切ですけれども、復旧、復興のほうに予算を重点的に配分してくれるよう、このことをきっちりとお願いしておきたいと思いますし、国にも何とか要望をお願いしておきたいと思うところでございます。
震災対応予算の見込みにつきましては、きのう、喜多委員の答弁で1兆7、000億円という答えが出ましたので、これは省かせていただきたいと思います。
集中復興期間後の国の財源措置についてお伺いいたします。
国では、平成28年度以降の復興予算について明確な方向性をまだ示しておりません。平成26年度の当初予算までで、復興特別会計で累計27兆円を超えておりまして、当初の予定でありました25兆円を既に超えております。集中復興期間後の国の方向性はどうなりそうなのか。平成28年度以降の話でありますので、もう既に来年の話となっております。金額もかなりの額になっていくんだろうと思います。平成27年度、新年度の早い段階で、国は、集中復興期間後の平成28年度以降の方向性を示すはずであると思います。今後の見込みと国への働きかけ、これはどのようにやっていくのか、聞かせていただきたいと思います。
〇中村復興局長 平成26年度補正予算におきまして繰り入れた平成25年度決算剰余金等によりまして、平成27年度までの集中復興期間に必要な財源、26兆円程度が確保されているところでございます。復興大臣からは、集中復興期間は平成27年度で一つの区切りを迎えるということで、ただ、必要な復興は必ずやり続けなければならないという認識が示されてございますけれども、今週、全額、国費負担を続けるのは難しいと思うという趣旨の御発言もございました。我々としては復興事業に係る地方負担の有無も含めて非常に懸念をしておりまして、予断を許さない状況であると認識をしております。
今後、本格復興を進める上で、復興財源の確保は最重要の課題でありますことから、復興が完了するまでの間、復興交付金でありますとか、震災復興特別交付税などの国の特例的な財政支援措置をこれまでと同様に継続して、新たな地方負担が生じることのないように、被災4県で、新年度早々に合同要望を行うことを予定してございます。
今後とも、あらゆる機会を捉えて、市町村、他県とも連携をしながら、引き続き、強く国に要望してまいりたいと考えております。
〇小野共委員 国へ引き続き要望していただくという答弁をいただきました。これもまた先日いただきまして、震災復興特別交付税等の、震災後の財政支援、国からの状況を資料でいただきました。震災復興特別交付税が平成23年、平成24年、平成25年、平成26年で4、350億円、復興交付金が6、169億円、1兆円を超えております。こういった財源、金額が、今後、集中復興期間が切れるということになりますと、自分自身で、一般財源でやらなければいけない。これはすごい金額なんだろうと思います。具体的な金額を出しながら、国と交渉していただきたいと思います。
直近の財政見通しにつきましても、嵯峨委員そして後藤委員から話がありましたので、これも省いて次の質問に行きたいと思います。
復興事業についてお伺いいたします。
昨年末にマスコミが行いました県内世論調査によりますと、被災地の復興に向け最も急がれる施策として、沿岸地区で最も高かったものは住宅の再建で、45%の被災者の方々が急いでほしいと望むものでありました。住宅再建のおくれが、沿岸地区で復興の実感が余り感じられないという最大の要因であります。
災害公営住宅の整備促進についてお伺いしたいんですが、県内に公営住宅を整備する12市町村のうち、平成27年度末で整備を完成するのは6市町村の予定であります。残りの6市町村はまだまだかかります。最後の災害公営住宅の完成は、山田町の平成30年度となっております。特に、山田町、大槌町、陸前高田市は、平成27年度末、新年度末でも整備予定が累計で3割から4割の完成であります。明らかに災害公営住宅の完成の進捗に差が出ております。これら災害公営住宅の整備がおくれている自治体に、県が重点的に、何らかのてこ入れをしていくべきではないのかと思うものであります。災害公営住宅の完成がおくれている自治体への整備の促進策は新年度予算にどのようにあらわれているのか、聞かせてください。
〇中村復興局長 確かに委員がおっしゃるように、山田町、大槌町、陸前高田市につきましては、他の被災市町村と比較しても災害公営住宅の整備が若干おくれている状況にございます。この要因といたしましては、特に3市町におきましては被害が甚大であったということで、災害公営住宅の建設に当たりましても、被災をしていない土地を探すために時間を要したことでありますとか、面整備事業の完了を待つ必要があるといったようなことから、相対的完成時期が遅くなっているという状況がございますけれども、現時点では、用地確保にもおおむねめどが立ちまして、造成工事でありますとか設計、建築工事等、順次進めている状況にございます。
県では、災害公営住宅の整備促進を図るために、市町村営の災害公営住宅4、331戸のうち、約3割に当たります1、270戸につきましては県が建設をするということにしておりますほか、災害公営住宅の整備に関する方針でありますとか、設計標準といったようなものの情報提供でありますとか情報共有を図るなど、市町村への技術的な支援も行っているところでございます。
今後とも、災害公営住宅の整備が円滑に進むように、市町村と情報共有や協力を図りながら進めてまいりたいと考えております。
〇小野共委員 土地探しであるとか面整備のところに時間がかかっておるという話なんだろうと思います。今、答弁の中にありましたように、おくれているところというのは被害の概して大きかったところなんだろう思います。この整備もきっちり新年度の施策の中に入れていただきたいと思います。
災害公営住宅のおくれの一つの要因であります入札不調の対策等についてお伺いいたします。
震災前、平成22年度が3%であった不調の割合でありますが、平成23年度が9%、平成24年度が12%、平成25年度が21%と、不調の割合が上昇しております。不調が公共工事のおくれの大きな原因となっておりますが、まだ終わっていないわけでありますが、平成26年度の入札不調の見込み、そして平成27年度の予算編成に当たりまして、不調に対してどのような施策がとられているのか、聞かせていただきたいと思います。
〇小田島総務部長 入札不調の対策等についてでございますが、まず、平成26年度の入札不調の発生状況でございます。平成27年1月末現在で、発注工事件数1、118件のうち255件、割合で約23%となってございまして、前年同期と比較して同水準となっているところでございます。
また、平成27年度予算編成に当たりましての入札不調に対する施策についてでございますが、3点ほどございます。一つは、工事発注規模の拡大や適切な設計労務単価の反映。2点目には、入札参加者に係る施工実績や地域要件の緩和など必要な対策を講じていくこと。そして3点目でございますが、復興JV制度の活用や主任技術者の兼任要件の緩和、宿泊費や宿舎建設費に対する措置など、人材確保を図るための取り組みなどでございます。
引き続き、業界団体等との意見交換なども行いながら、関係部局と連携をして、必要な対策を講じてまいります。
〇小野共委員 これもまた先日、県土整備部のほうからいただいた資料なんですが、県営建設工事の競争入札の参加資格者、いわゆる県発注の公共工事に参加できる建設業者の数を調べてみますと、平成21年度から平成26年度まで2年ごとなんですが、県内1、994社、1、906社、1、950社と、実は受注参加者の、県発注の公共工事に参加できる建設業者の数はそれほど変わっていないんです。ふえていないんですね。しかし、工事の発注金額を見ると、震災前の平成22年度からこの平成25年度までで、平成22年度が429億円だったものが平成25年度が1、822億円と、実は金額ベースで見ると県の発注工事は震災前の4倍になっております。発注工事の金額ベースで見ると発注金額が4倍になっているのに、建設業者の数は変わらない。これは根本的にかなり難しいんだろうと思いますけれども、それに対して根本的な施策といいますか、今の事実に対してコメントをいただきたいと思います。
〇中村復興局長 今、委員からお話がございましたとおり、震災以降、発注金額が大幅に増加している中で、限られた県営建設工事入札参加者で復旧、復興工事を円滑に進めるため、工事発注規模を拡大することによりまして、発注の件数を抑制するという取り組みをしてございます。
震災直後の平成23年度の発注件数が2、109件でございましたが、平成25年度は1、602件と、これが平成26年度も平成25年度とほぼ同程度で推移をしてございます。また、入札不調となりました工事につきましても、再入札でございますとか随意契約へ移行するということで、契約に至っていない割合は、平成27年1月時点で3.9%ということになっておりまして、入札不調は発生しておりますが、おおむね何とか契約はできているという状況もございます。
平成27年度も、さらに予算額が増加するということが見込まれますので、今後とも入札の動向に注視をしつつ、引き続き、業界団体等との意見交換なども行いながら、関係部局が連携をいたしまして、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
〇小野共委員 続いて、持ち家再建についてお伺いいたします。
応急仮設住宅に入居されている被災者が新築の家を建てる場合、生活再建支援金を合わせ、自治体により違いはありますけれども、630万円前後の補助が生活再建支援金を含めもらえる制度になっておりますが、仮にスクラムかみへい住宅でありますと、30坪、1、300万円の家を新築で建てる場合、それでもまだ700万円弱のお金が必要となります。
新年度の住宅再建施策についてお伺いしたいわけですが、岩手県住宅復興の基本方針の中で、被災者の方々の持ち家住宅による再建の目標を9、500軒と立てております。現在の持ち家による再建の状況、今後の持ち家を再建する被災者の予定数を聞かせていただきたいのと、住宅再建のための施策、補助が新年度予算にどのように入っているのか聞かせてください。
〇中村復興局長 今、委員からお話がございましたとおり、復興実施計画におきましても、被災者住宅再建支援事業費の対象の目標を9、518世帯ということにしてございます。これは、各市町村を通じまして、被災後に住宅再建の意向のある数を調査いたしまして積み上げた数字でございますが、この目標に対しまして、1月末時点で4、356世帯の方々、これは目標の約半数でございますけれども、この方々が持ち家による住宅再建を既に行っているところでございます。この被災者住宅再建支援事業費補助につきましては、県が3分の2、市町村が3分の1という負担割合で、複数世帯の場合には100万円を支援するというものでございますが、平成27年度当初予算におきましては1、770世帯分、11億5、000万円余の予算を計上しているところでございます。
〇小野共委員 今、答弁の中に、既に再建された方々が4、300世帯という話がありました。ちょっと確認なんですけれども、そうすると、今後、目標9、500軒の中で新築する方々は、そうすると5、200世帯の目標でいいんですか。
〇中村復興局長 これには新築だけではなくて、補修とか、それも含めた数の数値になってございますので、新築のみということではございませんので。(後刻訂正)
〇小野共委員 そうすると、新築購入だとどのぐらいになりますか。
〇中村復興局長 済みません。今、その内訳の資料を持ち合わせてございません。後ほど、その部分については調べて御回答をさせていただきたいと思います。
〇小野共委員 住宅再建の補助、施策に関して、昨年4月の消費税増税に伴います住まいの復興給付金制度、これもまだまだ住宅再建する被災者に十分周知されていないんじゃないかという指摘もあるようでございます。こちらの周知のほうもきっちりとやっていただきたいと思います。
生活再建支援金の増額についてお伺いいたします。
被災13市町村でつくります沿岸市町村復興期成同盟会のほうから、毎年、支援金の増額の要望が国に出されております。県でも、昨年6月の本格復興にあたっての提言・要望書の中にも、この増額の要望を入れております。しかし、平成27年度の国の予算には予算化されておりません。今後の国の対応の見込み、そして、今後の国への県の働きかけを聞かせていただきたいと思います。
〇中村復興局長 県では、これまで、国に対しましても被災者生活再建支援制度の拡充につきまして繰り返し要望を行ってまいりましたが、国におきましては、個人の資産形成につながるさらなる支援の拡充については、慎重な姿勢をとっているところでございます。今回のような東日本大震災津波といった広域的な災害におきましては、本来、国において住宅再建が十分に図られるよう、しっかりとした制度設計を行うべきと我々としては考えてございます。
また、資材高騰の物価上昇等に対しましては、これまで、国におきましても、災害公営住宅の建設の復興交付金でありますとかグループ補助金などについても増額の手当てがなされております。そういった並びで考えても、被災者個人の住宅の再建支援についても同様に拡充をするというのは、当然、行われてしかるべきものとも考えておりますので、国に対しましては、引き続き、被災者生活再建支援金の増額でありますとか、震災復興特別交付税等の地方財政措置による支援の拡大につきまして強く要望してまいりたいと考えております。
〇小野共委員 時間の関係で、順番を変えて質問をいたしたいと思います。
復興ロードマップについてお伺いいたします。
完成時期のおくれについてお伺いしたいわけですが、1月に公表されました直近の復興ロードマップについて、工事を行う県内737カ所のうち、前回9月公表のロードマップから完成時期が1年以上延期になった事業が63ありました。これは総体的におくれの原因はどのようなことであったのか、聞かせていただきたいと思います。
〇中村復興局長 完成時期が延びた主な要因といたしましては、日常の漁業活動との関連性が強い漁業集落の海岸保全施設を中心に地元との合意形成を丁寧に進めたことでありますとか、ほとんどの分野での着工箇所が大幅に増加したことに伴いまして、ふくそうする他工事との調整でありますとか、入札の不調、さらには、地質など施工条件の変化等の新たな課題への対応が必要となったといったようなことが挙げられます。
〇小野共委員 原因として、合意形成に時間がかかったと、他の工事とのかかわりあるいは不調が出たという答弁でありました。その震災直後の9月でありましたか、復興実施計画が発表されたわけでございますが、その復興実施計画が3期に分かれておりました。今でもそうなんですけれども、基盤復興期間の最初の3年、そして本格復興期間の3年、そしてさらなる2年間で、さらなる展開への連結期間というものでございました。
当初の説明であると、平成23年、平成24年、平成25年の最初の3年間で土地の権利調整を終え、そして平成26年、平成27年、平成28年で、発注そして完成というものでございました。今、平成26年度も終わろうとしているところでございますけれども、まだ権利調整の作業をしている状況だと。これは本来、県の計画からいけば基盤復興期間にやるべき話だったんだろうと、時系列的に申し上げれば。これは率直に想定外だったんだろうと思うわけでございますが、その辺の認識をちょっと聞かせてもらっていいですか。
〇中村復興局長 確かに計画策定時点においては、できるだけ用地の取得、その後の設計なり工事の施工も含めて、恐らくは最短で何とか進めたいという気持ちも当然あり、また、被災者の方々も、できるだけ早く完成をしていただきたいというお声も強くいただいておりましたので、そういった中で、今の計画がつくられているというところはあったと思います。ところが、実際、それぞれの箇所ごとに、具体の地権者との交渉なりそういったことを進める中で、先ほど申し上げたようないろんなおくれる要因が現実として発生をして、今のような状況になっているということであろうと考えてございます。
〇小野共委員 地権者の権利の調整について続いてお伺いいたします。
昨年5月1日に施行されました改正復興特別区域法、この2月2日現在でありますが、県事業、市町村事業合わせて、この利活用が3件という状況であります。宮古市、大船渡市、大槌町です。あれほど被災市町村から要望があって改正した法律でありますが、現状が3件の利活用の状況でありますが、これを率直にどう見ているか聞かせていただきたいのと、さまざまな意見、年度末までに利用が倍増するとの報道もあるようであります。それにしても改正復興特区法、何らかの使い勝手が悪い部分があるのではないかと、普通に考えてそう思うわけでありますけれども、その辺の認識を聞かせていただきたいと思います。
〇中村復興局長 委員おっしゃるとおり、現時点で収用裁決申請が出されている案件は、県事業では海岸事業の1件、それから市町村におきましては、学校事業と防災集団移転促進事業が各1件、計3件という状況になってございます。今回の改正復興特区法は昨年5月から施行されておりますが、手続として、かなりそれ以前の使用手続に比べて簡素化されている部分はございますが、とはいえ、やはり収用といういわゆる強制力を持った手続でございますので、一定の手続を踏まないとなかなか進められないという状況もございます。そこはぜひ、御理解をいただければと思います。
委員からお話があったように、今後さらに申請を予定している事業が、県事業、市町村事業それぞれございますので、我々としてはぜひそういったものをできるだけ早く動かして、用地取得につなげていけるようにしてまいりたいと考えてございます。
〇小野共委員 こういった権利調整に、なるべく時間がかからないように、きっちりと新しい制度、せっかくできたものでございますので使って、迅速に、早急に終わるように、補助あるいは適切な指導のようなものをお願いしたいと思います。
復旧、復興事業のボトルネックについて質問いたします。
この4年間、復旧事業、復興事業を通じて、常に課題と申しますかボトルネックとなってきたのは、一般質問あるいはきのうの予算特別委員会の総括質疑の中でもるる議論がありましたとおり、大きく3点として、人材不足と地権者の権利調整そして財源でありました。この1月に、県は、防災・復興に関する岩手県からの提言というものをまとめました。国連防災世界会議に発表するというものでございます。大きな被害を受け復旧事業に取り組む中で得られた教訓を、この被災県である我が県が全世界で共有したいという、これは私は本当にすばらしい取り組みであり施策なんだろうと思っております。
岩手県からの提言をまとめる上で、人材不足、地権者の権利調整、財源、この三つの課題が、この提言書の中にどのように反映されていたのか、聞かせていただきたいと思います。
〇中村復興局長 御指摘をいただきました三つの課題のうち、人材の確保につきましては、提言の中で、地方自治体間が連携する災害対応支援活動の制度的枠組みの創設でございますとか、市町村の災害対応能力向上のための県による業務の補完といったような形で、自治体相互、さらには、県と市町村の関係の中で、相互に人材についても支援をしていくといったような趣旨のものが盛り込まれてございます。
残りの財源の確保と事業用地の確保につきましては、今回の提言が世界の防災力向上に貢献をするため、東日本大震災津波で得られた教訓などのうち、制度の異なる国々においても役立つものと考えられるものについてまとめたということもございまして、直接的に今回の提言の中に盛り込まれているということではございませんけれども、委員御指摘のように、これらにつきましても復興を進める上での大きな課題でありますことから、我々といたしましてはいろいろな機会を捉えて、国等に対しまして、提言、要請活動等は行っているところでございます。
〇小野共委員 私もこれを読んでみました。この提言の58ページに、確かに、県による業務の補完と標準化、共有化のところに、今後、復旧、復興活動をする上での提言というもので、職員あるいはマンパワーの不足に対する県の施策というものが書いておりましたけれども、これをどう読み込んでも、確かに財源と権利者調整の話はありませんでした。国連防災世界会議でやると、対象は世界だというような話なのかもしれませんけれども、実はこれ、被災県からの、実際に被災した国、県からの提言でありまして、日本全国の自治体がこれを読み込むんだろうと思います。その中で、財源の不足が問題であったということは率直に書くべきものだと思いますし、特に権利者調整、不動産登記の話は、特に不動産登記に限って言いますけれども、これは明治時代の登記簿でありますとか江戸時代の登記簿、あるいはじいちゃん、ばあちゃんからの登記簿がまだまだ整理されていないと、適切に整理されていなかったということがかなり復興事業をおくらせたというのは、まさに私はそのとおりなんだと思います。提言の中に、実はこれはすぐできることなんです。防災、震災対応云々の問題ではなくて、登記を整理しましょうという話は、これはすぐできることなんだろうと思います。これは被災県の岩手県だからこそ、あるいは宮城県、福島県だからこそ、この提言に説得力があるのであって、すぐできることを、これが恐らく整理されていれば、少なくとも1年あるいは2年ぐらいは早く手がつけられた、明らかにそういう話であって、これはおかしいと私は思うんですね。この不動産登記の整理の話ですね。そもそも資産の所有の制度というのは日本だけではなく、外国にもある話でありまして、今から変えるというわけにはいきませんけれども、私の今の意見に対してどう思いますか。
〇中村復興局長 委員おっしゃるとおり、特に用地の問題は確かにどの国におきましても、いろんな復旧工事を例えば進めるに当たりましても、一番前提となる克服すべき課題であろうとは考えてございます。今回取りまとめた11項目の中には直接的には反映はされておりませんでしたけれども、我々としては、これまでいろんな機会を捉えてこういった用地制度の整備、あとはこういった取得についての法改正といったものにつきましても、いろんな場で、国を初めほかの自治体にも訴えてきたところでもございます。
先日の新聞にもこの提言が取り上げられておりましたけれども、その中で、今後、長く続く復興の過程でまたいろんな課題が生じるであろうから、提言についても必要な追加であるとか見直しもぜひやるべきだといったような記載もございました。我々としては、そういった考え方で、必要なものについては、いろいろ随時必要なところに提言なり呼びかけなり、そういった活動もまたしっかりとしてまいりたいと考えています。
〇小野共委員 続いて、復旧、復興事業のボトルネック、民間の人手不足についてお伺いいたします。
被災地においては相変わらずの人手不足が続いておりますが、昨年12月の県内有効求人倍率は1.14で、震災後の最高となっております。特に大船渡管内は県内最高の2.14倍であります。水産加工を含め、食品製造が5.19倍。水産加工を含む被災地の人手不足に対し、新年度ではどのような施策を講じているのか、るる前から話をさせていただきました構造改革特区についても、あわせて聞かせてください。
〇中村復興局長 県といたしましては、これまで、企業見学会でございますとか面接会の開催地による企業と求職者とのマッチングの機会の提供、さらには求職者のニーズを企業に伝えるレポートの配布などによりまして、企業の採用力の強化の支援、さらには、人手不足が顕著な分野の業界団体に対して、賃金等の改善要請を行うとともに、DVDを活用いたしました水産加工現場のイメージアップなどに取り組んでまいりました。
こうした取り組みに加えまして、平成27年度の当初予算におきましては、県内中小企業が大手就職情報サイトを活用するための経費への補助、さらには、水産加工業者が新たに人材を確保するために必要な宿舎整備等への補助を盛り込んでございます。
また、水産加工業における外国人技能実習生の受け入れ枠の拡大を図るため、宮城県と共同で、去る1月28日に構造改革特区の申請を行ったところでありますが、国から認定された場合には、従業員50人以下の企業は、年間の受け入れ人数を、3人から6人に拡大することが可能となるという内容でございます。
〇小野共委員 直近のデータ、被災12市町村の水産食料品の製造業事業所が県内に98あるわけでございます。構造改革特区の対象事業所、50人以下の企業が対象となっております。この水産加工会社の50人以下の資料はもらっておりませんけれども、50人を超える規模の事業者の方々のほうが多いんだろう思うわけでございますけれども、これは構造改革特区の効果というか、そういったものが本当にあるのかなという気がいたしておりました。今後とも、今回の技能実習生制度自体も構造改革特区と同様に緩和されていくようでございますので、またそのほうも様子を見ながらきっちりと施策を打っていただきたいということを申し上げたいと思います。
続きまして、漁業、水産業振興についてお伺いいたします。
サケのふ化場の稼働状況についてお伺いいたします。
平成26年の秋サケ漁の水揚げは1万8、000トン、530万尾ということでありました。予想に反しましてよく、4年魚の不足を5年魚でカバーし、昨年度の水揚げ量と比べ減少とはなりませんでした。この春放流に向けた震災後のふ化場の稼働状況、種卵の確保の状況を示していただきたいと思います。そして、平成26年は3年魚がよかったということでございました。これは単純に、そうすると来期、4年魚が期待できるのではないかと思うところでございますけれども、来期の見通しも聞かせてください。
〇中村復興局長 震災によりまして本県の28のふ化場のうち、21ふ化場が壊滅的な被害を受けたところでございますが、現在、復旧予定をしている20ふ化場全てが稼働いたしておりまして、震災前と同水準である約4億尾の稚魚を生産してございます。
種卵の確保状況でございますけれども、平成26年に回帰する秋サケは、震災の年に放流された稚魚が主群となりまして、採卵用の親魚の不足が懸念されましたことから、定置網で捕獲をいたしました秋サケの親魚としての利用でありますとか、ふ化場間の種卵の調整などの取り組みによりまして、計画を上回る4億7、000万粒の種卵が確保され、既に放流が開始されてございます。
来期の回帰の見通しについては、回帰の主群となる平成23年度の稚魚放流数が、計画の4億尾に対しまして2億9、000万尾にとどまっているということから、今年度並みに厳しくなるものと予測をしてございます。
〇小野共委員 4億6、000万個の種卵そして4億尾ですね、了解です。
続いて、アワビの水揚げについてお伺いいたします。
震災前は年間800万個の稚貝を放流しておったわけですが、震災の影響で、震災の年、平成23年と平成24年は稚貝を放流できませんでした。アワビは3年から5年で漁獲サイズになるわけでございますが、昨年度は稚貝の生産は194万個まで戻しておるわけでございますが、来年度の稚貝の放流見込み、そして3年から5年に当たります来期のアワビの水揚げの見込みを示していただきたいと思います。
〇中村復興局長 震災によって壊滅的な被害を受けましたアワビ種苗生産施設は、平成25年度に復旧を終えまして、平成26年度から生産を再開しており、平成27年度には、震災前を上回る890万個の種苗放流が見込まれてございます。
水揚げ量につきましては、震災によって漁場に生息をするアワビ稚貝の流出が認められたほか、種苗生産施設の損壊によりまして種苗の放流ができなかったことなどによりまして、ここ数年間は、震災前と比べ低位で推移することが懸念されてございます。
〇小野共委員 こればかりは稚貝をふやしても、平成23年、平成24年に放流できなかったわけですから、さまざまな施策を打っていくしかないんだろうと思います。
関連して、密漁対策についてお伺いいたします。
昨年11月にはやちねが竣工、稼働しておりました。密漁グループによるアワビの密漁は被害額が大きく、アワビ漁業は漁業者に大きな影響を与えるものです。新年度における密漁の対策を示していただきたいと思います。
〇千葉副知事 アワビの密漁対策についてでございますけれども、県におきましては、東日本大震災津波以前から漁業者、漁協と連携いたしまして密漁対策に取り組んできたところでございますが、震災後、多くの漁業者の方が被災し、浜から離れられているということもございまして、アワビ密漁に対するいわゆる浜の監視力が低下しておることもございまして、漁業取締事務所への不審者情報等の通報が非常に少なくなっているという状況でございます。
一方、震災後、立て続けに漁業者の復興への思いを踏みにじるようなアワビの大量密漁事件が発生しておりまして、早急に浜の監視力の向上などが必要と考えているところでございます。このため、新年度におきましては、新たに漁協の漁業監視員を対象とした監視マニュアルの作成、普及や、一般漁業者向けの啓発活動の強化を行いますとともに、今委員からもお話がございましたが、昨年新たに竣工、稼働いたしました高速漁業取締船はやちねによります海上の監視、取り締りや県警等捜査機関との情報共有、連携した内偵捜査などの実施に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
〇工藤勝子委員長 小野共委員、時間が迫っておりますので簡潔にお願いします。
〇小野共委員 了解です。アワビの密漁対策につきましては、刑法の適用をしてくれというような話も再三私も要望をしたものでございます。密漁があると、漁業者の人たちはがっかりするものでございますので、きっちりとやっていただきたいと思うところでございます。
今、震災から4年がたつわけでございますけれども、応急仮設住宅に住んで不自由な生活をされている方々が多くまだいらっしゃるものでございます。まだ3万人を超える方がいらっしゃるところでございまして、どうか県におかれましては、最後の最後の1人になるまで、県は絶対見放さないと、きっちりと覚悟と気迫を持って新年度の予算に当たっていただきたいと思います。終わります。
〇中村復興局長 済みません、先ほどの被災者住宅再建支援事業費補助の答弁の関係でございますが、私、少し誤解をしてございました。
1月末現在で4、356世帯ということで、約半数の方々が新築されているというお話を申し上げました。この被災者住宅再建事業費補助は全て持ち家の新築のみの対象でございましたので、補修等はございませんので、残りの部分についても全て新築ということになります。
〇工藤勝子委員長 次に、木村幸弘委員。
〔木村幸弘委員質問者席に着く〕
〇木村幸弘委員 社民党の木村幸弘でございます。
通告しております総括質疑を行わせていただきたいと思います。
まず最初に、人口減少対策についてお伺いをいたしたいと思います。
人口減少社会という危機意識をどう共有化するかというのは、大きな課題だと思います。社会全体でどのように図っていくのか伺いたいと思います。
また、各世代の危機意識についても、人口減少社会の弊害に向き合い、ジェネレーションギャップの解消など具体的に認識し合うための対策が必要ですが、知事のお考えをお伺いいたします。
〇達増知事 県では、昨年9月の中間報告をたたき台に、各方面からいただいた意見を踏まえて、人口問題に関する報告(案)を作成したところであります。今回の報告(案)おきましても、人口減少に伴う課題について取り上げたところでありますが、人口減少対策を進める上では、こうした課題を県民の皆さんに正しく理解していただくことが必要と考えております。今回の報告をもとに、来年度、地方版総合戦略を策定していく予定でありますが、その策定作業の過程におきましても、県民の皆さんから広く意見を募り、戦略の展開後はその周知に努めるなど、人口減少問題の共有を進めていきたいと思います。
〇木村幸弘委員 知事は演述で、復興という形でのふるさとを消滅させない、4年間の取り組みの経験があるとしています。この経験は、今般の人口減少対策において、具体的には何を経験とし、どう生かそうとしているのかお伺いいたします。
〇達増知事 東日本大震災津波からの復興に当たりましては、いのちを守り海と大地と共に生きるふるさと岩手・三陸の創造を目指し、この4年間、復興道路の整備や三陸鉄道の全線開通などの安全の確保、災害公営住宅の整備や医療機関の機能回復などの暮らしの再建、漁業協同組合を核とした漁業、養殖業の構築、グループ補助金等の活用による水産加工業、商店街や観光業の再生などのなりわいの再生、これらに全力を尽くしてきたところであります。この三つの原則に基づく復興の取り組みは、被災地における人口減少対策としても有効に機能するものでございまして、こうした取り組みは、従来の県、市町村の枠組みを超えた支援や、国が設置した岩手復興局との連携など、県、市町村、国の一体となった体制のもとで進められてまいりました。
このように、復興の三つの原則の取り組み、そして、それを支えている市町村、国との連携によって得られた経験やノウハウを十分に生かして、人口減少対策にも反映をさせていきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 次に、若者の雇用対策について、労働条件の適正な確保という観点から新たな二つの条例が提案されております。これによって、これまでの労働条件の適正確保という課題に対し、どのような具体的な成果を生み出し得るのか、お伺いいたします。
〇千葉副知事 若者の雇用対策についてでございますけれども、まず、中小企業振興条例におきましては、若年者及び女性を初めとする県民の地域における就業を促進するために必要な施策を講じることとしておりまして、具体的には、中小企業者の採用力の強化等を図るいわて人材確保支援事業などを実施することによりまして、県内での人材確保や定着の促進を推進していこうとするものでございます。
また、県が締結する契約に関する条例におきましては、県契約に係る業務に従事する者の適正な労働条件を確保することを基本理念として盛り込みまして、受注者及び下請負者等に対しまして、賃金及び社会保険に関する法令遵守を求めますとともに、特定の県契約の受注者からは、その遵守状況の報告を求めて具体的に確認するということを規定しているところでございます。これらの規定を盛り込んだ条例を制定し、施行することで県の姿勢を明確に示すこととなり、事業者が適正な労働条件の確保に、より一層取り組むことを強く期待するところでございます。
〇木村幸弘委員 また、地方での暮らしを希望する若者たちへの雇用や創業の支援、働きやすい職場環境整備と子育て支援についても、いわての子どもを健やかに育む条例の制定を初め、女性の活躍推進を促すいわて女性の活躍促進連携会議の立ち上げにより、後押しをするとしております。具体的には、どのような対策につながるのか伺います。
〇千葉副知事 女性の活躍についてでございますけれども、女性が働きやすい職場環境の整備や、出会い、結婚、妊娠、出産、子育ての各ライフステージに応じました支援をきめ細かく行っていく必要があると、極めて大きい課題があると思っております。したがいまして、来年度は、子ども・子育て支援新制度による保育の量の拡充及び質の向上とあわせまして、社会全体で県民の就労、結婚、妊娠、出産等を支えていくために、いわての子どもを健やかに育む条例を制定し、結婚支援センターの設置を初めとしまして、子供医療費助成の対象拡大、現物給付拡大に新たに取り組んでいくこととしているところでございます。
また、いわて女性の活躍促進連携会議におきましては、女性が働きやすい職場環境づくりを推進するため、経済団体や産業団体と連携いたしまして、経営者や管理職を対象としたセミナーなどを実施しております。
来年度も、官民連携いたしまして、女性自身がキャリアアップするための事業や、男性、事業主など周囲の理解と協力を促すための事業に取り組んでまいります。
〇木村幸弘委員 人口減少問題について、こうしたさまざまな条例制定等を行いながら支援を進めることは大変重要ですが、その実効性とともに、若者や男女の働き方、そして暮らしのバランスについて、さらに踏み込んだ意識改革に取り組む必要があると思います。事業主を初め、社会全体として、男性も女性もともに働きやすい環境づくりに関するいわゆる既存からある関係法令など、あるいは制度への理解と、そして、その実効性を促進することがより重要であると考えますけれども、お考えをお伺いいたします。
〇千葉副知事 先般取りまとめました人口問題に関する報告(案)におきましては、出生率の低迷等は経済的理由や就労環境の悪化などが背景にあるということが考えられるという記述もしてございまして、いわゆるワーク・ライフ・バランスを確保し、働きやすい環境を社会全体で整備することが重要であるということを報告書の中でも記述しているところでございます。
このため、県におきましては、ワーク・ライフ・バランスの重要性について啓発するため、若者や女性に対して、いわての女性のチャレンジ支援サイトの活用などにより情報発信を行いますとともに、県内の企業等を対象に、セミナーの開催や長時間労働の抑制、年次休暇の取得促進など、働き方改革の推進について要請活動を行っているところでございます。
また、男女雇用機会均等法などの関係法令や国の助成金制度につきまして、国と連携しながら周知を図りますとともに、本県独自の制度でございます、いわて子育てにやさしい企業の認証や一般事業主行動計画の策定が努力義務とされております従業者100人以下の事業所に対する当該計画の策定促進などによりまして、企業に対する仕事と子育ての両立への取り組みを促しているところでもございます。
今後とも、社会全体で若者や女性が働きやすい環境づくりが進むよう取り組みを強化してまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 次に、過疎化による暮らしのいわゆる基盤縮小と人口減少社会の助長の連鎖について。
従前の制度や仕組みだけではこうした流れに歯どめがかからない中で、今回の人口減少対策にあっては、こうした県内の地域の現状にどう向き合うのか伺います。
また、その際に、これまでの暮らしの基盤である社会的インフラ、医療、教育、交通あるいは公共施設等が再編、縮小されていくという施策について、見直しを含め、市町村とともに連携した対策をどう講じていくのか伺います。
〇達増知事 これまでも、東日本大震災津波発災後、大きなダメージを受けた沿岸市町村を県や内陸市町村が積極的に支援するなど、これまでの取り組みを超えた連携によって課題解決に当たるということを行ってきました。
このような連携の取り組みは、復興にとどまらず、人口減少等から生ずる課題に対しても有効な取り組みになると考えております。
県では、県・市町村人口問題連絡会議を設置しまして、これまで市町村が抱える課題について意見交換を行ってまいりましたほか、広域振興局においても、人口減少など圏域の共通課題について市町村と検討を進めるなど、市町村との連携の強化を図ってきております。
人口減少の進行状況は、出生率や社会増減の動向、高齢化の状況など、地域によって異なっておりまして、社会的インフラのあり方も含めまして、人口減少対策は、個別の市町村の状況に応じた丁寧な対応を進めていきたいと思います。
〇木村幸弘委員 知事は会見の中で、これをやれば絶対というのは実は余りないということを認めた上で、呼び水的な一通りの手は打っている形だとして、これに呼応して市町村や企業、団体が同じ方向性で取り組むことで相乗効果を期待するという、このような、ある意味他力本願的な考え方で相乗効果による引き上げが果たしてできるのかという疑問を持つわけであります。むしろそれぞれの政策が散漫になってしまうことが懸念されるわけですが、その改めての考え方についてお伺いしたいと思います。
〇達増知事 県や市町村は、これまでも人口減少を重要な課題と捉え、それぞれ産業振興や若者への就業支援、定住促進などに全力で取り組んできたところであります。
一方、たとえすぐれた内容の事業であっても、個別の取り組みであったため、単発的あるいは予算規模や周知の不足等により十分な効果を出せなかったものもあると考えられます。
東京一極集中の是正などの大きな課題に立ち向かうためには、県、市町村、国、さらには民間団体等が、問題意識を共有して取り組むことによって、相乗効果を発揮できるものもあると考えております。
こうした観点から、人口問題に関する報告(案)におきましても県民総参加の取り組みを掲げたところでありまして、県が実施する総合的な人口減少対策とあわせて、あらゆる主体が一体となって取り組むことで、大きな効果を上げることを期待するという意味で申し上げたところであります。
〇木村幸弘委員 私は、人口減少問題の中で最大の課題になるのは、やはり雇用の問題にかかっているのではないかと思っています。社会減にかかわる対策をどう講じていくかということだと思うんですが、人口問題の今回の県からの事業の中で、いわゆる185事業がメニューとして示され、やりがいと生活を支える所得が得られる仕事を創出し、人口の社会減を食い止めるというこの項目において、37事業の雇用関連事業が提案されているわけであります。
知事に改めてお伺いいたしますけれども、こうした37事業の具体的なメニューの中で、特に力を入れている、あるいは雇用に大きな効果を期待されると考えているのは、どの事業なのかお示しください。
〇達増知事 やりがいと生活を支える所得が得られる仕事を創出し、人口の社会減を食い止める施策として、商工業の振興、雇用の創出として37の事業が予算に盛り込まれているわけでありますけれども、雇用の創出という観点から、これらについての御質問という趣旨であったと承ります。
それぞれ、今の岩手が直面している、また、特に若い世代が期待している、例えば10番の3Dプリンター等次世代ものづくり産業育成事業費でありますなど、これは、ことしに入ってから、産業関係、工業関係の団体とも、こういったいわゆるメーカームーブメントという新しいものづくりの方向性に若い世代が大いに期待しているということで、私もこれは重要だと考えているところでありますけれども、こうしたそれぞれに考えがあっての予算案でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
〇木村幸弘委員 知事のお考えもわかりますが、この37事業をざっと見ますと、発掘育成系が9、情報発信系が13、企業支援系が12、創業あるいは経営支援の関係が3。具体的に雇用対策に結びつくであろうという事業は、メニューから言えば大体六つしかないですね。今の3Dプリンターも、確かに若者のこれからの次世代対策としては重要かもしれませんけれども、これは、いわゆるスキルアップや育成という部分の分野で、本当の意味で雇用をしっかりと確保していくという点から言えば、それは二次的な分野に当たるのではないかと私は思うんです。
そういう意味で、具体的な施策について、呼び水的な分野でさまざまな事業を展開することについて、私は、医療費の負担の関係で、今回、現物給付を全県的な取り組みとして上げていくと、これはまさに子育て支援を全県的な形で盛り上げていくという意味から言うと非常に大きなインパクトを与える部分で、評価をしたいと思うんですね。
そういう形で、例えば今、この人口減少の社会減の中でやはり大きな課題になるのは、正規雇用の問題を含めた雇用確保をどうするかというところにポイントがあるとすれば、このさまざまな事業展開の中でも、私は、正規従業員割合の低下傾向にどう歯どめをかけるのか、それから、正規雇用への引き上げを具体的に目標として設定して、全県を挙げてこの取り組みを進めようじゃないかというような発信力が必要ではないかと思っています。そして、その結果にコミットしていくような取り組み、仕掛けがぜひ必要だと思うんですけれども、改めてお考えをお聞かせください。
〇達増知事 人材不足への対応についてでありますが、人材を確保するためには、正規雇用の拡大など、安定的な雇用の確保や処遇の改善、働きやすい職場づくりなど雇用環境を整備することが重要であり、平成27年度の経済・雇用対策の取組方針におきまして、長期・安定的な雇用の創出・拡大、人材の確保・定着及び就業支援を掲げたところであります。
この方針に基づきまして、産業振興施策や雇用対策基金を活用した事業を実施し、企業や経済団体への要請等を行って、長期、安定的な雇用の場の創出や正規雇用の拡大に取り組み、また、企業側の採用、人材育成及び職場定着率向上等に向けた取り組みを支援することによって、人材の確保、定着を図ってまいります。
こうした施策によりまして企業や求職者を支援することで、雇用環境の整備に努めてまいります。
〇木村幸弘委員 時間がないので次に移りますけれども、次に、関連していきますが、経済・雇用対策本部における課題と対策についてお伺いします。
若干質問の事項を飛ばしますが、人材の確保、定着支援の各施策、また、若年者への就業支援について、特徴的な対策は何かということをお伺いしたいと思います。
それから、ジョブカフェについてでありますけれども、それぞれの施策において、今後どのような役割を果たすのか、体制、そしてそのシステムなど、充実強化は新年度においてどう検討されているのかお伺いいたします。
〇千葉副知事 本県におきましては、地域の実情に応じたきめ細やかな就業支援を進めるという観点から、今お話がございましたが、独自支援施策といたしまして、就業支援員や地域ジョブカフェの設置などの具体的な取り組みをしているところでございます。
就業支援員につきましては広域振興局に39名を配置しておりまして、高校等と連携して就職を希望する生徒と未就職のまま卒業した方等の就職支援を行いますとともに、事業所訪問を行い、地元企業の求人情報の収集や若年者の職場定着を支援しているところでございます。
地域ジョブカフェにつきましては、各地域の実情に応じまして、地元企業の紹介等、若年者の就業を支援するため県や市町村が県内7カ所に設置しておりまして、本年4月には、奥州市が新たに設置する予定と伺っております。
また、ジョブカフェいわてにつきましては、若年者への就職支援、定着支援、企業の採用力強化の支援を3本の柱として取り組んでいるところでございまして、学校、企業からは、就業支援機関としての評価もいただいているところでございます。
こうしたことから、平成27年度当初予算案におきましては、新たにジョブカフェいわてが行いますU・Iターン就職情報の発信や相談窓口の設置に要する経費を盛り込みまして、若年者の就業支援や人材確保において、その役割の強化を図っていきたいと考えているところでございます。
〇木村幸弘委員 次に、建設業を中心とした復興事業による特需が続いている状況の中で、沿岸被災地では、やはり地域の本来の産業に対する人材不足が大変懸念されているわけであります。先ほど小野委員からも質問がございましたが、今後の復興事業動向を見据えたときに、従来の地元事業所への職業転換を初め、シェアリングの対策などに向けて、具体的なその準備を含めて対応していく必要があると考えますが、その考え方について伺います。
〇千葉副知事 今後の復興の事業動向を見据えた雇用対策についてでございますけれども、まず、建設業につきましては、平成27年度を初年度といたします、いわて建設業振興中期プランの策定を現在進めておりまして、今後、このプランに基づき、復興事業終了後の建設投資額の減少等を見据えまして、地域から期待される建設企業が存続できるような環境づくりへの取り組みを展開することとしております。
したがいまして、建設業就業者を含め、現在、復興業務に従事している方々が、その後どのような業界に移動していくかについては、県としても、その動向を十分把握していく必要があると考えております。
したがいまして、来年度、地方版創生総合戦略を策定する中で、県内の各業界からも、必要とし、育成する人材の確保について、十分その御意見を伺いながら、検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇木村幸弘委員 次に、早期離職対策についてであります。
雇用対策本部の中でも離職の分析がなされているわけでありますけれども、2割台の離職率という推移をどう分析し、対策を検討されているのかお伺いいたします。
〇千葉副知事 早期離職対策についてでございますが、岩手労働局によりますと、本県の平成23年3月高校卒業者の就職1年目の離職率は21.6%、3年目の離職率は42.3%となっておりまして、5年前の平成18年3月卒業者の1年目25.8%、3年目46.3%と比較しますと、離職率は下がってきているものと考えておりますが、依然として高どまりの状況にあるものと認識しております。
この状況につきましては、いろいろな要因があるかと思いますが、大きく申し上げますと、やはり高校卒業者が企業に期待するものと企業が高校卒業者に期待するものの間にずれがあるのではないかということ、また、企業においても、受け入れに対するケアが十分でない点があるのではないかということなどが要因として考えられるところでございます。
したがいまして、県といたしましては、高校生に対しましては、社会人基礎力を身につけることにより早期離職が低減するよう、高校卒業前の内定者向けガイダンスを実施いたしますとともに、就職後のフォローアップセミナー等の開催やキャリアカウンセリングにより職場定着を支援してまいります。
また、企業に対しましては、採用力、人材育成力を強化する研修等の開催や人材育成体制についての助言等を行うことで、人材定着を支援することで、今後、これらの取り組みを充実強化したいと考えているところでございます。
〇木村幸弘委員 経済・雇用対策本部のさまざまな課題について質問してまいりましたけれども、私は、先ほどジョブカフェの体制についても答弁をいただきましたが、いずれ若者の就労支援対策については、本当にしっかりとしたワンストップ体制の中で支援をしていくことが大変重要だろうと思っております。
その中で、一連のこれまでの取り組みのパターンから言うと、一つは相談があります。それから、訓練、そして体験、そしてマッチング、そして就労へと結びつける、そして、そこから定着という取り組みにかかっていく。しかし、残念ながら、そこでまた離職という問題が発生する。この離職のところで実は一旦切れる部分があって、この相談から離職までの間のサイクルに、まさしく、しっかり一体化した取り組みが必要ではないかと思っています。
先ほどU・Iターンの取り組みや新たな相談窓口の開設など強化も図るという答弁をいただきましたけれども、いずれにしても、こうした就労支援員の体制が現在の人数で十分なのか、一人一人にしっかりと寄り添えているのか、そうした点などについて十分に検討を図りながら、これらの充実強化を進めていく必要があるのではないかと思っていますけれども、改めてお伺いしたいと思います。
〇千葉副知事 今、委員から、いわゆる若者の就職に向けてのサイクルについてもお話がございました。いずれ、現在のように、まだまだ離職率が高いということは、その離職率を下げるために、今お話のございました各サイクルのステージごとの強化をきちんと図っていく必要があると考えておりますので、来年度のさまざまな総合戦略等の中でも議論いたしまして、より効果的な取り組みを強化してまいりたいと考えている次第でございます。
〇木村幸弘委員 次に、復興対策についてお伺いいたします。
本格復興邁進予算と銘打って、被災から5年目、被災者の思いは、依然として続く不自由な生活と形の見えないふるさとの再建の姿、そして、いまだに癒えることのない犠牲者への思いと自身の今後の将来に対する不安に大きな課題があると思います。そこにしっかりと向き合って、その期待にどう応えていくかという意味で、大変重要な年であるとの認識のあらわれが、邁進というスローガンに込められたものと受けとめております。
そこで、改めて、この本格復興邁進予算によって、被災地域にこの1年でどういう結果を示していくのかが問われますけれども、明らかにしていただきたいと思います。
〇達増知事 平成27年度も復興を県政の基軸とし、災害廃棄物処理関連予算を除く予算額としては、過去最大規模の予算を編成したところであります。地元の底力とさまざまなつながりの力を原動力としながら、被災者一人一人が安心して生活を営み、将来にわたって持続可能な地域社会の構築を目指す本格復興に邁進してまいります。
具体的には、最重要課題の一つであります被災者の住宅再建は、災害公営住宅について、全体計画約6、000戸のうち、今年度末の完成見込み約3割から来年度末に約6割の3、700戸に、また、面整備事業による宅地供給についても、全体計画約8、300区画のうち、本年度末の約1割から来年度末には約4割の3、400区画に、これからの1年で大きく進めてまいります。
また、復興が長期化する中、応急仮設住宅での不自由な生活を余儀なくされている被災者の方々の生活支援や心のケア、復興まちづくりと一体となった中小企業や商店街の再生などを進めてまいります。
〇木村幸弘委員 そうした中で、今般、JR山田線の復旧に向けた動きと課題について、各被災自治体のまちづくりとの関係について、特にも、当初から鉄路復旧のため、JR側の要求に対応、検討してきた沿線被災自治体における鉄路を生かしたまちづくり復興計画について、これまでどのような推移と状況にあったのか伺います。
また、復興計画に対する今日までの影響について、県としてどのように捉えているのか、あわせて伺います。
〇齋藤政策地域部長 山田線の復旧につきましては、沿線市町は、東日本大震災津波の発災直後から一貫して、被災地の復旧、復興には一日も早い鉄道復旧が必要と位置づけてきたところであります。
こうしたことから、沿線市町におきましては、当初から、駅の周辺に公共施設や商業施設などを配置する駅を中心としたまちづくり計画を検討、策定し、現在、計画に沿ったまちづくりを進めているところであります。
県といたしましても、沿線市町のこうした取り組みを今後とも支援していくとともに、まちづくりが一層加速化するよう、一日も早い全線の復旧、運行再開に向け、関係者と連携しながら、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 そうした中で、折しも山田線復旧の三陸鉄道への移管に対する基本合意が去る2月6日に締結されたわけであります。そうした動きに、同日、山田町がJR陸中山田駅付近に商業施設などを集積する構想として、まちなか再生計画をまとめ、県と復興庁に先月末に申請されたという報道がありました。また、報道では、今後、陸前高田市、大船渡市、大槌町などが、同様に計画の導入を検討しているとのことであります。
さらに、宮古市では、2月13日に、宮古駅南側に市役所等の移転集約による中心市街地拠点施設整備事業の計画を示すなど、山田線の復旧の方向が見えたことと軌を一にするようにして、鉄路復旧と駅を中心としたまちの復興に向けて、各沿線自治体が、新駅設置であるとか、あるいは移設の計画などを提案する動きが出てまいりました。
また、一方で、JRの側においては、突如、山田線宮古−釜石間復旧工事の試案なるものが示されたわけであります。
そこで、第1に、山田町を初めとする県内被災自治体のこうしたまちづくり計画について、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金の活用の検討を含め、県としての対応はどうなっているのか伺います。
〇中村復興局長 まず、山田町におきましては、地元の被災商業者などが入居いたします共同店舗等を整備するため、いわゆる津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金の活用を予定しておりまして、補助金活用の前提となります山田町まちなか再生計画を策定し、2月27日に国に認定申請を行ったところでございます。
県では、これまで山田町や国、中小企業基盤整備機構と連携しながら、商業や共同店舗の設置、運営に関する専門家を派遣するなど、計画策定に係る支援を行ってまいりました。
今後、陸前高田市等の市町村が、まちなか再生計画の策定を検討しておりますことから、県といたしましては、市町村の検討状況に応じて専門家を派遣するなどして、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金やグループ補助金の活用に向けた事業計画の策定等を支援してまいります。
〇木村幸弘委員 次に、これまでJR線復旧問題について、JR側の意図的とも思える復旧意思の引き延ばしによって、この4年間、まちなか再生に向けた復興は重大な影響を受けてきたと言わざるを得ません。そのような意味からしても、今後の復旧計画について、JR側には、これまでの協議経過を踏まえ、JRみずから求めてきた沿線各自治体のまちづくり計画との整合性をよくよく考えての復旧への対応を求めなければならないと思います。
県では、この復旧試案との調整について、沿線自治体の意向を最大限踏まえながら対応すべきであると思いますが、お伺いいたします。
〇齋藤政策地域部長 今回のJR東日本の試案は、あくまでも地元における検討のたたき台として示されたものと考えております。
県といたしましても、具体的な復旧スケジュール等の調整に当たりましては、沿線市町や三陸鉄道の意向が重要と認識しております。現在、沿線市町の復興まちづくり事業の状況などを踏まえながら、関係者間で協議、調整を行っているところであります。
〇木村幸弘委員 いずれ、三陸鉄道への移管後における課題も山積するわけでありますが、今後の合意事項を踏まえた詳細の課題については、十分に徹底した協議と説明責任を果たすように求めたいと思います。
また、被災地のまちなか再生事業は、復興への弾みとなるシンボリックな事業とも言えることから、被災者に復興の兆しを形として示すためにも、復旧試案の工程について、被災者に希望を見出せるようなしっかりとした年次計画とプロセスを示し、早期の事業展開が図られるよう、県としての力強い対応について改めて所見を伺いたいと思います。
〇達増知事 山田線の復旧に向けて移管協力金の使途や配分、関係市町村の補助、負担ルールや運賃の激変緩和措置の方法、復旧する鉄道施設に係る技術的な事項、山田線の運営引き受け後の三陸鉄道の経営のあり方など、今後、関係市町村、三陸鉄道及びJR東日本と検討、協議していくべき事項は数多くございます。
また、山田線の復旧と復興まちづくりは、密接な連携のもとに進められる必要がありますので、復旧スケジュールについては、現在、沿線市町の復興まちづくり事業の状況等を踏まえながら、関係者間で協議、調整を行っているところでございます。
JR東日本に対しては、復興まちづくりと歩調を合わせ、一日も早く復旧されるよう強く求めていきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 次に、本格復興邁進のための人材確保対策についてお伺いします。
第1に、復興邁進のために職員の確保が重要との認識に基づき、復興まちづくりの最盛期に向け、技術職員等の人材確保のため、任期付職員、再任用職員、国派遣応援職員、民間派遣職員の確保に取り組むとのことであります。
改めて、現状の実態と新年度の確保計画についてお伺いいたします。
〇小田島総務部長 任期付職員等の確保の現状と新年度の確保の計画についてでございますが、本年3月1日現在、任期付職員は、県配置189人、市町村派遣と合わせますと295人、再任用職員は75人、応援職員は165人となっております。
新年度に向けましては、任期付職員を新たに52人、それから、再任用職員を新たに46人採用することとしているほか、派遣応援職員は現時点で173人の応諾をいただいているところでございまして、民間からの派遣職員については、新たに複数の団体からの派遣をいただけるよう、現在、団体と最終調整中でございます。
〇木村幸弘委員 次に、その任期付職員の関係でありますが、今後の採用方針として、任用延長の対応あるいは新年度以降における長期的な視点に立っての復興への人材体制については、どのようにお考えかお伺いいたします。
〇小田島総務部長 任期付職員についてでございますが、まず、任期の延長についてでございますが、任期付職員は、当初の任期を3年として採用しており、平成24年4月に採用した任期付職員につきましては、平成27年3月末に任期満了時期を迎えるものの、任期の更新を希望し、勤務成績が優秀である職員は、最大で2年間任期を更新することとしております。
次に、任期付職員の採用についてでございますが、ピークを迎えている復興事業の進捗状況を踏まえ、少なくとも復興計画の終了まではマンパワーの確保が必要と考えておりまして、平成27年度におきましても採用試験を実施することとしてございます。
〇木村幸弘委員 次に、各職場における、いわゆる任期の定めのない職員増についてはどうなっているのかお伺いいたします。
〇小田島総務部長 任期の定めのない職員についてでございますが、任期の定めのない職員の採用数は、退職者数や定数需要をもとに決定しており、知事部局における平成27年度採用者数は、前倒し採用者を含めて143人と、前年に比べ10人の増となっております。
〇木村幸弘委員 そこで、職員の確保についてはいろいろと御苦労もあるかと思いますけれども、私は、今年度、先ほど御答弁いただいた任期付職員の中で、3年を迎え、あるいは希望によって延長される任期付職員について、現場のこれまでの熟知度あるいは業務経験が大変豊富になってきている。復興現場での経験豊富な職員配置が期待されている中で、こうした任期付職員としての勤務実績及び経験を今後に生かしていくために、任期後の選考採用を含めて人材確保についてぜひ対応すべきだと考えますが、所見をお伺いいたしたいと思います。
〇小田島総務部長 任期満了後の人材確保についてでございますが、委員御指摘のとおり、これまで復興事業に従事し、業務経験が豊富な任期付職員を、引き続き任期の定めのない職員、いわゆる正規職員として採用することは、復興事業の推進や復興後の県行政を担う即戦力となる人材を確保できるという観点からも大きなメリットがあると考えております。中には、任期途中で通常の職員採用試験に合格し、貴重な戦力として活躍している方の例もございます。
任期満了後の選考採用に当たりましては、将来的な職員の年齢構成や能力実証の手法など、検討すべきさまざまな課題はありますが、こうした点を整理しながら、選考採用の実施に向けて検討してまいります。
〇木村幸弘委員 いずれ県から、まず雇用の問題を率先垂範して取り組む姿勢をぜひ示していただくようお願いして、終わります。
〇工藤勝子委員長 次に、高田一郎委員。
〔高田一郎委員質問者席に着く〕
〇高田一郎委員 日本共産党の高田一郎でございます。
まず最初に、雇用対策について質問いたします。
岩手県における青年労働者の非正規雇用率及び年間所得の実態、年代別あるいは雇用形態別既婚率について、どうなっているのか実態を示してください。
〇千葉副知事 年齢別、雇用形態別既婚率についてのお尋ねでございますが、平成24年の就業構造基本調査によりますと、35歳未満の非正規割合は36.7%で、平成9年と比較して21.5ポイント増加しております。
また、35歳未満におけます年間所得300万円未満の割合は79.1%で、比較可能な前々回調査の平成14年と比較して8.8ポイント増加しているところでございます。
同調査から年代別、雇用形態別の既婚率を算出してみますと、35歳未満では37.5%でありまして、うち非正規におきましては34.6%となっているところでございます。
〇高田一郎委員 若者の非正規雇用率は、今答弁ありましたように9年間で15.2%から36.7%、ワーキングプアと言われるような200万円以下の所得が8割を超えている状況ですね。本当にこれが岩手県の青年労働者の実態になっているんです。既婚率を見ても、男性では正規の半分以下になっている、こういう状況です。だから今、大学を卒業しても、奨学金を払うだけでもう精いっぱいなんだ、結婚なんかできるような状況じゃない、そういう声がたくさん出ているわけですけれども、やはりこういった若者の希望を奪うような雇用環境の改善に、岩手県として全力を挙げて取り組んでいかなければならないと思います。
この点について伺いたいと思いますが、同時に、やはり正規雇用につながる具体的な取り組みが県としても強く求められていると思います。改めて、県として、この正規雇用につながる具体的な取り組みについて示していただきたいと思います。
〇千葉副知事 まず、今、申し上げましたデータのとおりでございまして、非正規雇用者や35歳未満におきます年間所得300万円未満の層の割合が増加しておりますことなど、経済的な要因が既婚率の低下につながり、また、少子化の要因の一つにもなっていると考えているところでございます。
したがいまして、まずもって、県といたしましては、若年労働者の労働環境の改善を図るため、国と連携しながら、県内の企業等に対し、正規雇用の拡大など安定的な雇用の確保や賃金や労働条件の改善等を図ることを働きかけますとともに、処遇改善に関する法令や国の助成金制度についても周知を図っているところでございます。
また、正規雇用につながる具体的な事業についてというお尋ねでございますが、平成27年度の経済・雇用対策の取組方針におきましては、長期・安定的な雇用の創出・拡大を柱の一つに掲げまして、産業振興施策や雇用対策基金を活用した事業などに取り組むことにより、長期、安定的な雇用の場を創出しますとともに、正規雇用の拡大にも取り組むこととしている次第でございます。
主なものといいますか、例示的に申し上げますと、事業復興型雇用創出事業の活用により産業振興施策と一体となった雇用の拡大を図りますとともに、本年度事業開始いたしました地域人づくり事業によりまして、正社員化を進める企業等への取り組みを支援するなどの事業も行っているところでございます。
〇高田一郎委員 今答弁がありましたように、非正規雇用につながる対応については、経済団体への要請と、あるいは国の基金を活用した対策なわけですね。事業復興型といっても限定的な対応になっているわけですね。ですから、私は、県が正規雇用の拡大にもっと思い切った対策をとるべきだと思うんですよ。
今、東京都では、非正規雇用を正規化した事業主に対して50万円直接支給をすると、若者を応援した中小企業に対しても直接支援をするということを含めて多様な対策をとっているんです。そして、正規雇用を希望して就職活動する非正規労働者を8年間で半分にするという具体的な目標を持って取り組んでいるんです。
私は、今の県の対策では、なかなか正規雇用の拡大にはつながらないと思うんです。もっと踏み込んだ対策をとるべきではないかと思うんですが、この点について、知事にお伺いしたいと思います。
〇達増知事 正規雇用を拡大する具体的な取り組みについてでありますが、県では、産業振興施策や雇用対策基金を活用した事業に加えて、岩手労働局等と連携し、安定的な雇用の確保、雇用管理改善等の促進について、企業や経済団体への要請活動を実施するとともに、国の助成金制度の周知等を通じて、正規雇用の拡大など雇用の質の向上を図る取り組みを行っているところであります。
委員から御紹介のあった事業を含め、東京都では、非正規雇用対策として、平成27年度当初予算案に26億円の事業費を計上していると聞いているところであります。
本県の厳しい財政事情から、直ちにこのような事業を県単独事業として実施することは困難であると考えますが、地方創生に係る国の財源を活用した正規雇用の拡大に資する事業の創設を、県として研究してまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 若い人たちが本当に劣悪な雇用環境で仕事せざるを得ないということは、本人にとっても不幸なことでありますけれども、社会全体にとっても不幸なことだと思います。山形県でもやっていますので、ぜひ参考にしていただいて、検討していただきたいと思います。
もう一つは、今なぜこういう非正規労働者がどんどんふえているのかと言えば、やはり労働分野における規制緩和だと思うんですね。今、国会では、さらに非正規をどんどんふやしていく、正規社員をゼロにするような労働法制の改悪案が議論されています。私は、岩手県としてやれることは、やはりこうした改悪に対してしっかりと反対をすべきだ、そういうメッセージを上げるべきだと思うんですけれども、これについても知事の見解を伺いたいと思います。
〇達増知事 現在、国において雇用制度の見直しについて検討が進められていますが、規制緩和の内容によっては、不安定な雇用形態が拡大するという懸念の声もあると承知しております。
県といたしましては、今後の国会における議論など、その動向を注視してまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 非正規雇用のさらなる拡大につながる中身でありますから、しっかりと対応していただきたいと思います。
同じく労働条件にかかわる問題でありますけれども、県が締結する契約に関する条例制定に伴う県内労働条件の改善の問題であります。
今回の条例制定の中身を見ますと、賃金条項が盛り込まれませんでした。これはなぜなのかということと、あわせて伺いますが、本来のこの条例の目的というのは、労働条件の改善を目的につくられるものであります。賃金条項が盛り込まれないのであれば、どう労働条件の改善ということにつながるのか、この点についても端的に答弁いただきたいと思います。
〇千葉副知事 賃金条項についてでございますが、他県におきます市区が制定しておりますいわゆる公契約条例の中に、賃金条項を定めている例があることは承知しているところでございます。この条項につきましては、自治体の契約業務に従事する労働者の賃金下限額を規定するものでありまして、最低賃金法に定めます最低賃金額を超える下限額を設定することにより、労働者の処遇の改善を誘導しようとするというような政策的目的があるものと理解しております。
今般、県におきましては、本県の条例を立案するに当たりまして、広くさまざまな関係団体から御意見も伺い、賃金条項につきましては、さまざまな考え方や御意見があるところを把握、承知したところでございます。
したがいまして、今回の条例案におきましては、なかなかその点について集約が困難だということで、賃金条項については盛り込まなかったところでございます。
なお、既に条例を制定しております先進県につきまして、いろいろと調査も行いましたが、同様の理由により賃金条項は設けていないのだと承知しております。
いずれ、来年度、知事の諮問機関として岩手県契約審議会をこの条例で設置することとしておりまして、その所掌事項の一つとして、県契約に係る業務に従事する者の適正な労働条件の確保に関することという所掌を盛り込んでおりまして、当該審議会の中で賃金条項についても御議論がなされるものと考えております。
次に、この条例に関しましての労働条件の改善についてでございますが、この条例におきましては、県契約に係る業務に従事する者の適正な労働条件を確保することを基本理念として盛り込みますとともに、受注者及び下請負者等に対して、賃金及び社会保険に関する法令遵守を求め、さらに、特定の県契約の受注者に、その遵守状況の報告を求め、具体的に確認するということなどを規定として盛り込んだところでございます。
県といたしましては、これらの規定を盛り込んだ条例を制定、施行することで、県の姿勢を明確に示すことによりまして、事業者が適正な労働条件の確保により一層取り組むことを期待するところでございます。
〇高田一郎委員 法令遵守という話がありましたけれども、これだけでは全然労働条件の改善につながらないわけですね。今でも法令を遵守してやっているわけですけれども、なかなか改善にならない。設計労務単価というのは、やっぱり現場で働く労働者の賃金であって、本来は丸々賃金を払わなければならないわけですね。しかし、実態は6割とか7割になっている。この改善が求められているのですけれども、今回の条例では、そういう改善が一向にされない、担保できない中身になっていると私は思います。
審議会での議論があるようでありますけれども、やはり適正な賃金と労働条件あるいは適正な委託、これがあってこそ質の高いサービスにもつながりますし、労働条件の改善にもつながるということが、好循環あるいは地域経済の活性化につながるものでありますから、そういう方向になっていくように審議会での議論も期待したいと思います。ちょっと時間がないので、指摘だけにとどめさせていただきたいと思います。
次に、被災者支援についてお伺いいたします。
今、被災者の現状というのは、私は、一言で言えば、高齢化と貧困、そして健康悪化ではないかと思います。東日本大震災から4年になりましたけれども、改めて、どんな実態になっているのか、どう受けとめているのか、この点について伺います。
〇中村復興局長 岩手医科大学が沿岸4市町で実施いたしました東日本大震災津波被災者の健康状態等に関する調査研究の平成25年度結果によりますと、健康状態がよくないと答えた被災者の割合は、男性で14.2%、女性で14.7%となっておりまして、平成23年度の14.3%、15.7%と比べ、ほぼ横ばいの状況となってございます。
同調査で現在の暮らし向きへの問いに対しまして、苦しいと答えた被災者の割合は、男性で43.1%、女性で39.9%となっており、平成23年度の52.4%、49.9%と比べますと減少してございます。
また、被災市町村の高齢化率は、岩手県人口移動報告年報によれば、平成26年10月1日現在で34%となっておりまして、被災市町村以外の28.5%と比べますと高い割合となっております。
被災市町村におきましては、厳しい生活環境の長期化でありますとか災害公営住宅への転居等による生活環境の著しい変化によりまして、被災者の心身の健康状態の悪化が懸念されておりますことから、引き続き市町村等と連携いたしまして、健康支援を含めた生活支援の取り組みを推進してまいります。
〇高田一郎委員 わかりました。私もこの間、被災地に行って被災者の皆さんと懇談する機会が何度かありました。釜石ではこんな話をされました。災害公営住宅に入居が決まったけれども、引っ越し費用あるいは家財道具にお金がかかって夜も眠れないんだ、こういうお話をされました。とりわけ高齢者世帯にとっては、引っ越しというのは一大事業なんですね。
そこで伺いますけれども、現在の引っ越し費用というのはどうなっているのか、また、家財道具の購入などに対する支援策も、私は、今の高齢者の実態を考えれば検討していくべきだと思いますけれども、この点について答弁をいただきたいと思います。
〇中村復興局長 まず、引っ越し費用の関係でございます。応急仮設住宅の集約を行う場合には、応急仮設住宅間の移転費用を市町村を通じて補助する経費につきましては、来年度当初予算案に計上してございます。また、市町村におきましては、震災復興特別交付税等を活用いたしまして、独自に恒久住宅に引っ越しをする場合の支援事業についても実施しているところでございます。
また、備品購入の支援につきましては、日本赤十字社から寄附をしていただきました冷蔵庫や洗濯機など、いわゆる家電6点セットについては、そのまま持っていっていいということで対応してございますが、応急仮設住宅に入居されていた方が退去した後、当該応急仮設住宅の使用が見込まれないと市町村が判断した場合には、エアコンなどの備品につきましても譲渡できるように、昨年7月から制度化をして実施してございます。
〇高田一郎委員 引っ越し費用についてはそれぞれ支援策があるんですけれども、実際は、領収書の添付を義務づけているということが多くの自治体であるんです。だから、なかなか業者にお願いしなければできない、こういう状況です。しかし、友人とかボランティアとか親戚とか、そういった場合は対応できない。
陸前高田市は、領収書の添付を求めない、一律10万円を支給するということで、被災者から大変喜ばれているんですね。
私は、この引っ越し費用についても、応急仮設住宅の移転に伴う引っ越しについても、やはり被災者の喜ぶような方向で改善をすべきだと思うんですが、この点についても答弁いただきたいと思います。
〇中村復興局長 今、委員からお話しがあったように、例えば自前で引っ越しして、その分として例えば10万円いただけるようにすべきだという御意見も一方でお伺いしておりますし、そういった形が公費の使い方としてどうなのかといったような声もまた聞いてございます。
それについては、応急仮設住宅間の、県が新年度から実施する部分につきましては、どういった制度設計がいいのかといったところは、十分市町村等の御意見も踏まえながら、具体的な制度設計をしてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 きょうのNHKで被災者1万人のアンケートが報道されていました。経済的に困っている被災者68.5%、もう7割近く。震災からもう4年たちますけれども。そして、所得が200万円以下という被災者が41.5%。本当に高齢化と所得が落ち込んで大変な状況になっているという状況です。
私は、被災者の引っ越し費用についても、家財道具の支援についても、今、被災者がこういう状況に置かれているわけですから、今までは、早く応急仮設住宅を抜け出して新しい場所で足を伸ばして寝たいと。今、被災地では、もう仮設でいいや、こういう状況にもなっているんですね。
きのうは、災害公営住宅の入居促進を求める声もありましたけれども、そういうことを考えても、やはり被災者の皆さんに寄り添って、そういったところまで踏み込んでやる時期に来ているのではないかと私は思うんですが、知事、いかがですか。
〇達増知事 さまざまな力を結集して、お一人お一人を支えていくということだと思っております。ですから、ボランティアあるいはNPOの活動等で引っ越し代が要らないような形で支援するというのも、これはあるんだと思いますし、また、全ての方々がそういった支援を受けられるとは限らないわけでありますので、引っ越し業者を頼んだ場合、その費用を公的に支援するということもあり、さまざま被災者お一人お一人の実態に合わせながら、その負担を減らし、希望を持って復興の主体として前進していけるように、県のほうでも考えていきたいと思います。
〇高田一郎委員 被災者の声とか被災自治体の声をよく聞いて、被災者が一番喜ぶ方法が一番いいわけですから、そういう対応をしていただきたいと思います。
それで、心のケア、コミュニティ確立の問題について、生活支援相談員などについては、災害公営住宅とか住宅再建した世帯にも拡大したいと知事からは前向きの答弁をいただきました。しかし、実際は、どのように充実されるのかということが一つ、それから、災害公営住宅の集会室の維持管理、これは入居者任せではなくて、やはり自治体の責任で行う。そして、そこに人もしっかりと配置する、こういうことでなければ新しいコミュニティは確立しないと思います。これはしっかりやるべきだと思いますが、これについてはいかがでしょうか。
〇中村復興局長 支援員についてでございますけれども、現在、応急仮設住宅団地におきましては、市町村で、復興支援員制度でございますとか緊急雇用創出事業といった制度を活用して支援員を配置してございます。
応急仮設住宅での生活が長期化するということで、高齢の被災者を中心に見守り等がさらに重要になってきているということでございますので、県としては、市町村にも働きかけまして、必要な支援員をしっかりと配置していただくようにお願いしてございます。
これにつきましては、今後とも、市町村でありますとか、社会福祉協議会等と連携をしながら、しっかりとした見守り体制が構築できるようにしてまいりたいと思います。
それから、災害公営住宅の集会室等のお尋ねがございました。県の公営住宅におきましては、集会室を含む団地の管理が適切に行われるよう、各団地におきまして管理人を選定いたしまして、集会室の鍵の管理でありますとか集会室を含む共用部分で要した光熱水費の徴収などの管理業務を有償でお願いしているという実態がございます。
また、公営住宅の集会室におきましては、光熱水費、それから備品や消耗品に要する費用は、利用者である入居者に御負担いただいているという状況がございます。
災害公営住宅の集会室につきましては、特に新しいコミュニティの形成といった面で非常にこれをしっかり進めていく必要がございますので、復興交付金を活用いたしまして机でありますとか椅子等の備品については配置できないか、今、国と協議をしておりまして、国のほうから、基本的にはオーケーをいただいてございます。これについては、速やかに配置できるように事務手続を進めてまいりたいと思います。
災害公営住宅の支援員の配置につきましても、先ほどお話しした制度等を積極的に活用いたしまして、こちらについても、しっかり見守りができるように引き続き進めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員長 委員の皆さんにお願いいたします。間もなく12時になりますけれども、高田一郎委員の質疑が終わってから休憩にしたいと思いますので、御了承願います。
〇高田一郎委員 災害公営住宅の集会室の維持管理は、自治体がしっかり責任を持って管理し、人の配置をしないと、新しいコミュニティがつくれませんので、ぜひ実現していただきたいと思います。
時間がないので最後に移りますが、原発で汚染された農林業系廃棄物を処理する仮設焼却炉についてお伺いいたします。
一関市で計画されていますが、この間、県はどんな支援を行ってきたのでしょうか。
〇千葉副知事 一関市におきましては、大量の農林業系汚染廃棄物を抱えておりますことに加え、老朽化した一関清掃センターにおけます処理が困難な状況にありますことから、平成24年度から、市の要請を受けて、国に対し仮設焼却炉の設置に向けた協議を重ねてきたところでございます。その結果、仮設焼却炉は国が整備することとなり、市の処理に対する財政支援についても制度化されたところでございます。
また、市の要請に応じまして、住民説明会への職員派遣等、早期処理に向け連携して取り組んできたところでございます。
〇高田一郎委員 今、一関市では、仮設焼却炉と新しい焼却炉、そして最終処分場、この三つの施設を引き続き一関市の狐禅寺地域に建設しようとしております。しかし、新しい焼却炉の建設に当たっては、同じ狐禅寺地域には建設しないという覚書を当時の市長と地元住民の皆さんが結んでおります。にもかかわらず、これを守らないでこの地域に建設しようというのは、非常に問題があるのではないかと思います。地方自治の根本が問われている問題だと思いますけれども、やっぱり適切な助言、指導を行うべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
〇千葉副知事 今お話のございました一般廃棄物処理施設の建設に当たりましての市と狐禅寺地区との覚書につきましては、県として申し述べる立場にはございませんが、一関市では、廃棄物処理における環境保全技術の向上、放射性物質に汚染された廃棄物の早期処理など、覚書締結当時とは状況が大きく変化したことから、同地区に整備することとしたということについては聞いているところでございます。
〇高田一郎委員 覚書について県として申し上げる立場にないというのは、そのとおりですけれども、しかし、汚染廃棄物の処理には相当時間がかかってしまうわけですね。丁寧な説明をすると行政は言っていますけれども、一方では、住民の皆さんは、覚書は尊重すべきだということで真っ向から反対をして、膠着状況になっているんですね。
これでは、32年もたつ新焼却炉がいつ壊れてしまうのかわからないという状態、早く建設しなければならない。一方では、汚染された農林業系廃棄物が、処理に困ってしまって、農家の皆さんから早くこの改善をするよう求められている。
こういう状況ですから、私は、一関市の問題だけではなくて、広域処理をするわけですから、やはり県としても責任を持って解決に当たることが必要ではないかと思うんですが、これはいかがでしょうか。
〇千葉副知事 いずれこの問題につきましては、一関市から個別の御要請があるものについては、きちんと県としても支援をしておりますし、現在のところ、覚書の関係につきましては、まさに基礎自治体といいますか、生活に密着した市町村の中での非常に大きな課題として御議論なされているということから、現時点で県が申し述べる立場にないと申し上げたところでございます。
いずれ、市の御要請があった場合には、県として必要な御支援等はしていきたいと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 どうすればこの問題が解決するかということが今、求められていると思うんですね。今の状況では、丁寧な説明をすると行政は言っているし、地元では覚書がある、尊重すべきだ。いつまでたっても解決できないんですよ。
やっぱり私は、覚書というのは、市長がかわっても、これは守るべきものだと思います。覚書を尊重してゼロから議論をする、こういうことを行ってこそ本当に解決することだと思います。そういう方向で県もしっかり努力をしていただきたいと思いますが、最後に、知事、いかがですか。
〇達増知事 覚書といいますのは意思の合致を紙に書いたものでありますので、本質的に重要なのは、集団的意思決定による意思の合致ということだと思います。もちろん、そのような覚書には、時間がたっても変わらないという安定性という要素も必要でありますが、一方では、事情変更の法理というものもあり、事情が変更しているのであれば、当初の合意というものが、それ以外のことが認められるという法理も一般的にはございます。
そういった解釈も含めて、まずは、この地方自治として意思の合致が得られるように、県としても支援をしてまいりたいと思います。
〇工藤勝子委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時6分 休 憩
午後1時2分 再開
〇工藤勝子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。清水恭一委員。
〔清水恭一委員質問者席に着く〕
〇清水恭一委員 一山会の清水恭一でございます。
総括質疑をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、復興と地方創生についてお伺いをいたします。
少子高齢化、人口減少社会となり、自治体消滅の危機と警鐘される今、幾多の困難を不屈の志で乗り越えてこられた先人諸氏に学び、復旧、復興に総力戦で挑み、心が通い合う地域生活を取り戻さなければなりません。基幹産業である農林水産業の振興と地場企業への支援体制の強化、それらを支える人材育成を基本にして、協働による地域づくりを進めることが重要だと考えます。
そういう今、この4月から、被災地域、三陸の復興に大きな力をくれたNHKの朝ドラ、あまちゃんが再放送となります。あまちゃん効果はまだまだ持続しており、大変ありがたいことです。
昨年の夏、全国あまちゃんサミットが多くの御参加のもと開催され、知事も出席され、その中で、知事の最も好きな場面を紹介ということで、夏ばっぱがアキの背中を押して、アキが海に飛び込むシーンを選ばれたそうです。この背中を押すというのは、あまちゃんを通じて流れている大きなテーマであると思いますが、今、知事の役割は、多くの県民や被災地域の背中を押す役であります。改めて、復興に向かって岩手を一つとし、岩手の底力を引き出し、復興と地方創生を進める知事の決意をお伺いいたします。
〇達増知事 震災から4年を迎えようとする中、これまで、復興道路や災害公営住宅の整備、地域資源を活用した6次産業化の取り組みなど、復興の歩みは着実に進んでおりますが、この復興の過程におきまして、被災者の皆さんを初め、県民全体が立ち上がり、かつてないような地元の底力を発揮し、全国さらに海外に広がるさまざまなつながりの力と相まって大きな復興の力となり、今までなかったような取り組みが県内各地で行われています。この復興の力を構成する地元の底力とつながりの力の二つの力は、合わせて地域振興の力にもなるものであり、今後の復興や地方創生を進めていく上でも、今までできなかったことができるようになるという手応えを感じているところであります。来年には、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会が予定されており、岩手の復興と地方創生に大きな弾みをつけていきたいと思います。
その中で、特に若者、女性の力は、復興や地方創生を進める上で極めて重要な役割を果たすものでありますことから、ドラマのあまちゃんのように、若者や女性が活躍できるよう、行政はもちろん、周りの人たちがその背中を押し、そして一緒に海に飛び込んでいくということが大事であり、オール岩手で、今後の復興さらには地方創生に取り組んでまいりたいと思います。
〇清水恭一委員 大変よくわかりました。この大震災からの復旧、復興、そして県北・沿岸振興、さらに地方創生にと、知事の力の限りの取り組みを期待しております。
次に、地方消滅について伺います。
全国の市町村の約半数、896の自治体が消滅しかねないとして、人口減少に大きく警鐘を鳴らす増田寛也氏の地方消滅が波紋を広げております。
東京一極集中をどうとめ、国のあり方や価値観をどのように変えるのか議論が始まり、県内においても、先月、深谷雫石町長、鈴木葛巻町長、民部田岩手町長の3人は、人口減少対策やまちづくりの方向性などについてリレートークを行い、地域発展に向けた連携を確認し、消滅してたまるかと決意を発信しました。それぞれの町は、これまで長い間、山村の生き残りをかけてさまざまな取り組みを行っており、若者定住奨励金などの人口増加戦略や定住住宅の整備も行っております。自立したまちづくりのためには、医療と教育、つまり、学校と病院は欠かせず、充実にも取り組んでおります。3人の町長は、地方への支援が過疎の解消につながっていないのは補助金が全国一律だからであると、今後は、人口密度で税制あるいは各種規制緩和に差をつけることが必要であると提言、要望されました。
人口の少ない小さな自治体を代表して行われた、この消滅してたまるか自治体サミットをどう受けとめ、このような取り組みに対してどのように支援をしていくのか、御所見をお伺いいたします。
〇齋藤政策地域部長 このサミットでは、人口減少対策や将来のまちづくりに向けた取り組みが3町長から、また来たいまちや、都市を離れ地方への流れをつくろうという思いが語られたと聞いております。
サミットに参加いたしました3町におきましては、それぞれ空き家を活用した定住促進や、高校への山村留学、あるいは特産キャベツを使った地域起こしイベントなど、その地域ならではの魅力を生かした取り組みが盛んに行われております。
こうした地域資源を生かした取り組みや、また、3人の町長たちが自主的に連携した取り組みは、今後、人口減少対策においても非常に重要と考えております。県としましても、地域経営推進費などいろいろな経費を活用しながら、積極的に支援を行ってまいりたいと考えております。
また、サミットでは、全国一律ではない、地方に手厚い支援という発言もありました。県といたしましても、昨年、政府に対して行った要望におきまして、人口減少が進む地方自治体に対する手厚い財政支援を働きかけたところでございますが、今般の新しい交付金におきましても、一定の配慮がなされたと受けとめております。
引き続き、市町村との連携を密に、人口減少対策に取り組んでまいります。
〇清水恭一委員 岩手県内の市町村は一つも消滅しないと、県、市町村がしっかり連携して、オール岩手でこの難題に立ち向かうという強いメッセージをしっかり出していただきたいと思います。
次に、三陸沿岸道路整備効果についてお伺いをいたします。
三陸沿岸道路完成により各市町村間の時間的距離が縮小され、災害時の活用だけではなく、日常の物流や観光面などでも沿岸各地域の動きが活発化することになります。久慈広域は、八戸、宮古の両市と1時間程度でつながり、地域の商工会などでは、人の流れがこれまでと変わり、大きな都市に流れやすくもなると警戒した上で、人の往来がふえるのは歓迎することで、いかに自分たちの地域に人を呼び込むかを考えなければならないと強調しております。
道路完成を見据え、久慈広域4市町村は、大規模な道の駅設置に向けた勉強会を開き検討を始めました。勉強会では、休息をして食事をしてもらう場所を設け、観光面からも魅力をふやし、地元の産業振興、雇用対策にもつなげたいと構想を練っています。また、既に三陸沿岸道路が部分開通した地域では、これまでの道路の交通量の大幅な減少にも悩まされており、急ぎ工夫が求められております。
地元では地域の独自性を磨き、開通に備えたいとしておりますが、新たな交通ネットワークの整備などの復興事業に関する県の考え方や地域への支援策について御所見をお伺いいたします。
〇中村復興局長 ただいま委員から御紹介がありました久慈広域圏での独自の勉強会の開催といったようなことは、大変我々にとっても心強い取り組みであると考えております。
今後、三陸沿岸道路などの高規格道路でありますとか、鉄道など交通ネットワークの整備とあわせて、新たなまちづくりが進展をしてまいります。これらを、被災地における基幹産業である水産業の販路拡大を初めとした産業振興や、観光など、交流人口の拡大などにつなげていくことが重要な課題であると考えてございます。このため、県では、現在、交通ネットワーク整備による時間短縮効果等の調査を行っているところでございますが、来年度はこういった調査結果も踏まえまして、沿岸市町村とも緊密な連携を図りながら、中長期的、広域的な視点に立った三陸地域の復興、振興方策について検討を行うこととしてございます。
また、沿岸市町村におきましては、新しい交通ネットワークを活用した道の駅の新設や、地域資源を生かしたイベントの開催といった動きもございますことから、県といたしましては、魅力あるまちづくりへの助言、三陸ジオパークや若者、女性の力を活用したコミュニティの活性化といったさまざまな面で、沿岸市町村の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
〇清水恭一委員 次に、三陸沿岸観光の再構築と誘客活動の推進についてお伺いをいたします。
被災地の復興へ確かな足がかりとなるよう、三陸沿岸観光の本格的な振興策として復興ツーリズムなどを企画し、さらに魅力ある観光地づくりに取り組むとして、震災学習を中心とした教育旅行や企業団体研修の誘客を柱として進めるとしておりますが、受け入れ態勢の整備などについてお示しをいただきたいと思います。
また、三陸復興支援の動きと連動した取り組みを推進するとして、三陸鉄道の駅舎など鉄道資源や観光資源を活用し、にぎわいを創出するとしておりますが、具体的にお示しを願います。
加えて、三陸ジオパークの世界ジオパーク申請を視野に入れた推進活動に取り組むとともに、観光、教育分野での活用や情報発信なども実施するとしているところであり、その取り組みに大いに期待するものでありますが、県民に対しても、三陸ジオパークの取り組みについてもっともっと周知するべきと考えておりますが、対策などお示しを願います。
〇千葉副知事 受け入れ態勢の整備についてでございますけれども、三陸沿岸観光の再構築を図る上で、震災学習を中心とした教育旅行等の誘致は極めて重要なものと認識しておりまして、みちのく岩手観光立県第2期基本計画におきましても、主要施策と位置づけて取り組んでいるところでございます。
このような認識のもと、教育旅行等の受け入れ態勢につきましては、県では、平成25年度から、三陸観光再生事業により、震災語り部団体のネットワーク化やスキルアップ、中核コーディネーターの設置によります各団体の主体的な観光地づくりの支援を行うなど、整備を進めてきているところでございます。
また、北海道、首都圏等におきます修学旅行誘致説明会のほか、防災、リスク管理を目的といたしました企業団体向けの展示会への参加等により、震災学習を中心とした教育旅行や企業団体研修の誘致にも取り組んでいるところでございます。
平成27年度におきましては、この三陸観光再生事業を拡充いたしまして、中部、関西圏をターゲットとした企業団体研修の誘致活動を強化いたしますとともに、復興の進展に応じて震災学習プログラムを更新いたしますほか、三陸ジオパーク推進事業により、三陸ジオパークのガイド養成の強化や、新たに案内板等の整備支援に取り組むこととしておりまして、受け入れ態勢の一層の充実や誘客の拡大を図っていくこととしております。
〇齋藤政策地域部長 まず、三陸鉄道のにぎわい創出などについてであります。
三陸鉄道は、昨年4月に全線運行を再開いたしました。今後も引き続き、地域住民を主体とした利用促進が重要であることから、昨年度創設した三陸鉄道活用地域のにぎわい創出事業に継続して取り組もうとするものであります。
この事業は、三陸鉄道の駅を地域活性化の拠点と位置づけ、地域のNPO団体や観光関連事業者などの創意工夫により活用していただくもので、本年度におきましては、駅舎における観光案内などのサービス提供や企画列車の実施、駅前でのイベント開催などを行ってきたところであります。
今後におきましても、にぎわい創出による利用者増に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、三陸ジオパークの取り組みについてでございます。
これまで、県政広報誌や県政番組におきまして活動内容などを紹介してきたほか、三陸ジオパーク推進協議会を通じて、新聞を活用した定期連載やイベント情報の提供、三陸鉄道を利用したクイズ大会のテレビ番組の放映など、広く県民への普及啓発に努めてまいりました。
県といたしましては、今後、三陸ジオパーク推進協議会と連携いたしまして、たろう観光ホテルなどの震災遺構を取り入れた防災学習やジオパーク授業等の取り組みの強化のほか、三陸鉄道やみちのく潮風トレイルなどを活用した観光情報の発信を通じまして、県民へのジオパーク活動の周知を一層促進してまいりたいと考えております。
〇清水恭一委員 いずれにしても、三陸沿岸被災地は、復旧、復興途上でジオパークの取り組みも限られておりますが、しっかりと県民に周知をして、三陸ジオパークの推進がまさに三陸の草創へとつながるように活動の輪を広げていただきたいと思います。
次に、風力発電についてお伺いをいたします。
県は、再生可能エネルギーの導入を促すため、風力発電計画の建設候補地の選定に乗り出し、市町村とも連携をしながら事業を強力にサポートすることとして、発電に適した場所探しに着手をしております。既に安定的な風が期待でき、開発可能な条件を満たした県北や花巻周辺など4カ所を候補地として絞り込んでおり、4月以降、県内や東京で事業者向けに説明会を開くほか、地元自治体や地権者との協議の場づくりに動き出す方針と伺っております。
県内には、この4カ所以外にも市町村などが調査を行っており、有力な場所があると聞いておりますが、市町村と連携を図る中で、開発可能性のある地域はどれだけあるのか、お伺いをいたします。
また、久慈市では海沿いにも適地があり、ソフトバンク系列のSBエナジー株式会社などが、市と一緒に地域住民などとの協議に動いているところですが、県の支援策について御所見をお伺いいたします。
〇千葉副知事 風力発電についてでありますが、本県には、御案内のとおり、全国的にも優位なポテンシャルがございまして、葛巻町や釜石市などにおきまして既設発電所の増設が計画されておりますほか、一戸町などにおきまして新規開発が計画されており、環境影響評価の手続が進められているところでございます。
また、県といたしましても、今委員からお示しのございました大規模な風力開発が有望と見込まれる地域を明らかにする導入構想を本年度中に策定する予定としておりまして、今後、市町村や事業者などからなる事業推進体制を構築しながら、事業者を呼び込むなど、具体的導入が図られるよう取り組んでいくこととしているところでございます。
一方、市町村におきましても、久慈市や普代村などで、国の調査事業を活用し、事業者が環境影響に関する調査を効率的に実施できるよう、事前調査が行われていると聞いているところでございます。
委員からお示しのございました久慈市の海沿いでの取り組みにつきましては、民間を中心に調査が進められており、最近、地域の理解を得るための説明会が開催された段階だと聞いております。
県といたしましては、導入構想の推進とともに、市町村によります事前調査などの取り組みが県内外の事業者の関心を高めることにつながると考えており、市町村と連携して本県の風力ポテンシャルが有効に活用されるよう、積極的に取り組んでまいります。
〇清水恭一委員 再生可能エネルギー導入が岩手の未来を開いていけるような、そして大きな力になることを願い、終わります。ありがとうございます。
〇工藤勝子委員長 次に、小野寺好委員。
〔小野寺好委員質問者席に着く〕
〇小野寺好委員 公明党の小野寺好です。
最初に、児童福祉総務費の子ども医療費助成について伺います。
子供の急な発病やけがは、家族にとっては心労のみならず、経済的な負担となってまいります。これまで、行政による乳幼児・妊産婦医療費助成制度があり、周知のとおり、それなりの役割を果たしてまいりました。ただ、全ての家庭における子育て支援という観点からすると、所得の多くない家庭にとっては十分な制度とは言えず、私も県議会に議席を得て以来、所得制限や助成される対象者の範囲、償還払いの不都合等を指摘し、改善を求めてきたところであります。しかしながら、所得制限は、受益者の応能負担として合理的であるとか、対象者拡大は財政的に無理だとか、現物給付化による国庫支出金の減額措置回避は当然であるなどとされ、壁を破ることはできませんでした。
今回、子ども医療費補助5億2、000万円余はどのような事情で予算計上されたのか伺います。
単年度のことではないと思いますので、実施している市町村に対し県の支援する内容について、今後の対象者拡大による負担増の財源、国庫支出金減額対策、さらなる対象者拡大の見通しを伺います。
〇千葉副知事 子ども医療費助成についてでございますが、4点お尋ねをいただきましたので、順次お答えさせていただきます。
まず、子ども医療費補助の予算計上につきましては、本県では、県立病院等事業会計負担金が多額となっていることなどから、現在の厳しい財政状況の中では、助成対象の大幅な拡大を実施することは極めて難しいところではございますが、人口減少対策としての総合的な子育て支援施策の一環として、市町村と協議の上、今回、窓口負担の現物給付とあわせて、小学校卒業までの入院まで拡大することとしたところでございます。
次に、対象者拡大による負担増の財源につきましては、子ども医療費助成の約5億2、000万円は、これまでの未就学児に対する医療費補助の約4億8、000万円に、今回助成対象を拡大することとした小学校卒業の入院までの約4、000万円を加えたものでありまして、これらは全て一般財源で計上させていただいているところでございます。
また、国庫支出金の減額対策につきましては、県では、毎年度、減額措置の廃止を国に対して要望しているところでございまして、また、全国的な課題として、全国知事会や全国市長会等でも要望しているところであり、さらに強力に要望していきたいと考えております。
なお、今回の現物給付化に当たりましては、国庫負担金の減額措置の額及び医療費助成の対象を拡大した場合の負担増減額を市町村にお示しした上で御同意をいただき、実施することとしたところであります。
次に、さらなる対象者の拡大についてでございますけれども、先般の一般質問でも知事から御答弁したとおりでございますが、現在の厳しい財政状況の中では、助成対象をさらに拡大することは直ちには難しいものがあると考えているところでございます。
〇小野寺好委員 次に、平成20年5月から始まった地方公共団体に対する寄附金、いわゆるふるさと納税について伺います。
なるべく多くの寄附金を集めたいということで、自治体による特産品の贈呈合戦である過剰な特典については、当時から総務省が注意を促していたところであります。しかし、最近は、専門の情報誌が発行されるなど、全国的に懸念されたサービス競争が白熱化し、さらにマスコミもこれをあおっている感がいたします。
本県の場合、東日本大震災以降、いわての学び希望基金に対し、総額70億円を超える寄附が寄せられているという状況をお聞きいたしましたが、この基金以外の県への寄附、及び県内市町村に対するふるさと納税についてはいかがでしょうか。
節税や特産品等、サービスを求めるための一時的なもので終わらないことを期待いたしますが、近年の寄附の実態と特典の内容を伺います。
〇小田島総務部長 ふるさと納税の県分について私のほうから御答弁を申し上げます。
平成25年度は1億1、468万円余を寄附いただいておりますが、そのうち、いわての学び希望基金として、被災した児童生徒の皆様の就学支援などのために8、604万円余、これは全体の75%に当たりますが、いただいてございます。基金以外の、震災からの復旧や希望郷いわて国体などの目的のための寄附は2、860万円余で、全体の25%となってございます。
本県は、全国的に見ても多額の御寄附をいただいておりますが、昨年度から継続して、あるいは今年度、複数回にわたり寄附をいただいた方の割合は、件数では8割弱を占めているところでございます。
また、本県では、ふるさと岩手応援寄付の寄附者の方に対しまして、お礼状にあわせて1万円以上の寄附の場合、岩手県産株式会社の御協力のもとで、盛岡市と東京都のアンテナショップのお買い上げ額の5%の割引券を送付しているところでございます。
総務省から、寄附金の返礼品の送付に当たりまして、換金性の高いプリペイドカードや高額な返礼品などについて自粛を要請する旨の通知が出されているところでありますが、こうしたものを仮に特典と呼ぶとすれば、それは当たらないものと考えてございます。
〇齋藤政策地域部長 私からは市町村のふるさと納税の状況について申し上げます。
東日本大震災発災前の平成22年度は1億円余でありました。震災後の平成23年度は5億9、100万円余、平成24年度は2億2、200万円余、平成25年度は2億2、800万円余となっております。
寄附者への特典につきましては、現在28市町村が用意しており、多くは礼状や感謝状の送付となってございますが、このうち、15市町村では、寄附金額に応じて、お米や牛肉といった特産品を贈呈しているところがございます。
〇小野寺好委員 次に、再生可能エネルギーへの取り組みについて伺います。
東日本大震災以降、火力発電所の稼働率が大変高くなり、地球温暖化への影響が懸念されております。近年の集中豪雨による各地の土砂災害との因果関係については判然としませんが、いずれ、再生可能エネルギーへの取り組みが重要課題であることは間違いないと思います。
ところが、電力会社の買い取り価格が高く設定され、これが収益性の高いビジネスになると見込まれ、業務の申請だけ済ませて、実態が伴わなくても権利だけを取得しておこうとの動きが過熱したため、電力会社は昨年10月から、再生可能エネルギー発電の接続申し込みの回答を中断いたしました。メガソーラー等事業用の電力に対して発電抑制がかけられることになるわけですが、これが誤った認識による家庭用小規模太陽光発電にブレーキがかかることを心配いたしますが、最近の太陽光発電に関する事業用及び家庭用発電施設設置の動向を伺います。
私は平成8年以来、家庭用太陽光発電の普及促進とこれに対する支援を訴えてまいりましたが、県の支援はなかなかぱっといたしませんでした。改めて、電力の地産地消に向けた県の取り組み方針を伺います。
〇千葉副知事 再生可能エネルギーの取り組みにつきましてでございますが、まず、県の取り組み方針についてでございますが、県では、再生可能エネルギーを活用し、災害時にも対応できる自立・分散型のエネルギー供給体制の構築や、地産地消のエネルギー自給率の向上等を目指しておりまして、被災住宅への太陽光発電設置への一部助成なども実施しております。来年度も引き続き、被災住宅への助成を実施するため、所要額を当初予算案に計上しているところでございます。
次に、太陽光発電の設置動向についてでございますが、固定価格買取制度の開始以降県内でも導入が進んでおりまして、国が公表しております最新の情報でございます昨年11月までの導入状況におきましては、接続申し込みに対する回答の一時保留が行われる前の昨年上半期と比較いたしまして、大きな変化は見られなかったところでございます。
一方、東北電力管内では、回答の一部保留の開始時点でございます昨年10月において、既に接続確定量が接続可能量を超過していたことから、本年1月に行いました固定価格買取制度の運用の見直しに基づき、平成26年10月1日以降の受付分から、事業用の太陽光発電が無制限の出力制御の対象とされますとともに、家庭用につきましても事業用に比べて優遇はされておりますものの、今後4月1日以降の受付分から、同様に出力制御の対象とされたところでございます。
県といたしましては、まず、今回の制度の運用見直しについて市町村等を通じ、県民への周知を図っていく必要があるものと考えております。
また、国におきましては、今後の再生可能エネルギー導入拡大に向けて、送電網の増強や広域的な利用などを進める方針でありますことから、この施策の動向を注視いたしますとともに、家庭用太陽光発電にまで実際に出力制御が行われるなどの影響が出ないよう、国に対して、必要に応じて再生可能エネルギーの導入拡大に向けました施策の展開を要望していきたいと考えているところでございます。
〇小野寺好委員 次に、県内有床診療所の火災対策について伺います。
平成25年10月、福岡市博多区の有床診療所で未明に火災が発生し、充満した煙による一酸化炭素中毒で10人が犠牲になりました。小規模医療機関には自動散水装置の設置義務はなく、被害が大きくなりました。その後、スプリンクラー設置や自動火災報知設備設置等にも補助金が手当てされることになりましたが、本県の病院、有床診療所の火災対策の推進状況はいかがでしょうか。
また、東日本大震災以降も余震と思われる強い地震が続いておりますので、あわせて、こうした小規模医療機関の耐震化工事の実施状況もお伺いいたします。
〇千葉副知事 県内の病院、有床診療所の火災対策の推進状況についてでございますが、さきの火災事故を受けまして、厚生労働省では、平成25年度の補正予算におきまして、設置義務のない6、000平方メートル未満の施設を対象といたしまして、スプリンクラー等の設置を促進するための補助事業を創設したところでございます。
本県におきましても、補助制度の趣旨を踏まえ、今年度から当該事業に取り組んでいるところでございますが、平成26年10月に、消防法施行令の改正がございまして、原則3、000平方メートル以上の施設にも設置義務が課せられることとなったところでございますが、その一方、設置義務が10年間猶予されたこと、あるいは自己負担が多額によることなどによりまして、補助事業の実績は1件にとどまっている状況でございます。
また、平成26年8月に、病院と有床診療所を対象として行いましたスプリンクラーの設置等に関する調査では、回答のございました76病院のうち、設置義務のある57病院全てが設置済みでありまして、病棟の面積が基準以下であることなどから、設置義務のないその他の19病院も含めた病院全体での設置率は75%となっているところでございます。
一方、有床診療所におきましては、約12%にとどまっておりまして、県といたしましては、スプリンクラーの設置による患者の安全を確保する観点から、平成27年度におきましても必要な事業費を計上し、引き続き、医療機関の火災対策強化の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
次に、耐震化の状況についてでありますが、病院については国が毎年度調査を行っておりまして、平成26年9月現在、91病院中56病院、61.5%が耐震化されております。
診療所につきましては、この調査の対象外となっておりまして、現時点では把握できないところでございますが、耐震改修促進法により、比較的規模の大きい床面積1、000平方メートルを超える3階建て以上の診療所には耐震化の努力義務がありますことから、県としては、まず有床診療所を中心に、実態把握に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇小野寺好委員 次に、障がい福祉について伺います。
障がい児・者への支援については、県行政でも障がいの発生予防、早期発見から、それぞれの障がいの特性に応じた総合的な障がい者施策の推進を図っておりますが、重症心身障がい児・者の親など、家族にとっては病気や高齢化でお世話できなくなった場合や、御自身の亡き後について不安が耐えません。障がいの態様やライフステージに応じたさまざまな支援がありますが、県内における重症心身障がい児・者の人数と入所、通所、入院、通院状況はいかかでしょうか。
施設及び入院できる病院の地域偏在、あるいは不足しているという問題はないか伺います。
また、このうちの超重症児、準超重症児の状況はいかがでしょうか。また、その御家族にとっての休息、日常の相談、さらには、親亡き後等についてどのような支援体制がとられているか伺います。
県では、岩手県立療育センターの移転改築整備に取り組んでおり、やがて岩手医科大学附属病院との連携で高度小児医療が提供されますが、予算やスタッフ等における制約の中で、整備後は関係する御家族にとって安心できるものになるかどうかお伺いいたします。
〇千葉副知事 障がい福祉につきまして6点お尋ねがございましたので、順次お答えをさせていただきます。
まず、重症心身障がい児・者の人数等につきましては、平成25年7月に県が調査した結果では、県内におきます重症心身障がい児・者は530人、そのうち超重症児・者は95人、準超重症児・者は218人となっております。また、入所、入院しております重症心身障がい児・者は258人、そのうち超重症児・者は62人、準超重症児・者は166人となっております。
通院状況等の把握は困難なところがございますが、通所につきましては、全県で19カ所、85人の利用が可能となっております。
次に、施設等の地域偏在についてでございますが、入所、入院可能な施設等は5施設のみで、地域的にも限られておりますことから、来年度、ニーズ調査を実施し、岩手県重症心身障がい児・者支援体制検討委員会におきまして、今後の施設整備のあり方などについて検討を進める予定でございます。
次に、超重症児等の家族の休息等を目的とした短期入所につきましては県内6施設で実施しておりますが、家族からのニーズに十分対応ができていない状況にあると認識しております。このため、事業者の短期入所施設の整備を促すことなどを目的に、国に対し、報酬単価の引き上げを継続して要望しており、今後もニーズに応じたサービス基盤が整備されますよう、市町村への働きかけを継続してまいります。
また、相談支援体制につきましては、超重症児等の家族からの日常の相談に応ずる障がい者相談支援事業所は51施設あるものの、対応できる相談支援専門員が不足しておりますため、今年度から相談支援専門員研修の充実を図っており、今後も、各地域で相談に対応できるよう人材の養成に取り組んでまいります。
次に、保護者死亡後の支援につきましては、療護介護施設であります県内3カ所の国立病院やみちのく療育園で入所支援体制を整えておりますほか、障がい者等の権利擁護の充実に向けまして、窓口となる市町村職員を対象とした研修や後見人の養成など、成年後見制度の利用拡大に取り組んでまいります。
次に、新しい療育センターにつきましては、来年度から建設工事に着手する予定であり、超重症児等の受け入れに対応した病床の再編や診療科の増設、医療スタッフの確保などにより施設機能の充実強化を図りますとともに、岩手医科大学附属病院との密接な連携のもと、新生児集中治療室を退院した患者の受け入れなど、本県の療育拠点としての機能を充実することとしております。
〇小野寺好委員 最後に、県職員のテレワークについて伺います。
さきの一般質問で、近年の進化するICT技術を医療や教育分野にも活用してはどうかということで、遠隔医療、遠隔授業についてお伺いいたしました。今回は、ICT技術を活用し、自宅などで仕事をするテレワークを県として導入できるものかどうか伺います。
かつて、主婦等が会社に出勤することなく、自宅等で仕事をするスモールオフィス・ホームオフィス、略称SOHOが話題になりましたが、行政機関においても、在宅勤務が可能ではないかと言われるようになりました。特に、育児や介護等のため、休職や離職を選択せざるを得ない窮地に追い込まれている職員の中には、自宅においても、あるいは自宅近くの県の出先からパソコンやタブレットの端末機でアクセスすることにより、出勤したと同様に仕事ができる分野もあると思われます。複数人がチームで取り組む業務は困難でしょうが、単独で黙々とパソコン画面に向かう業務は可能ではないでしょうか。
いずれ、労働人口が減少する中、家庭における育児や介護などの分野と両立させなければなりませんので、ICT技術活用の一面として県行政でも検討してはいかがかと思い、方向性をお伺いいたします。
〇小田島総務部長 テレワーク活用による在宅勤務についてでありますが、昨年11月に厚生労働省が示しました次世代育成支援対策促進法に基づく行動計画策定指針におきましても、在宅勤務やテレワークの推進が新たに盛り込まれているところでございまして、仕事と子育てや介護を両立するためには有効な方策であると考えております。
また、さきに公表いたしました人口問題に関する報告書(案)におきましても、県庁内部の取り組みとして、仕事と子育てを両立しやすい新たな働き方であるテレワーク等の導入検討を行うこととしたところであり、今後、在宅勤務を行う職員の服務管理や庁内ネットワークへの接続に係る情報セキュリティ等の課題について、対応、方策を検討してまいります。
〇工藤勝子委員長 次に、吉田敬子委員。
〔吉田敬子委員質問者席に着く〕
〇吉田敬子委員 無所属の吉田敬子です。
まず、子供、妊産婦の医療費助成についてお伺いいたします。
人口減少問題への対応については一般質問でも取り上げているところであり、女性へのライフプランニング支援を重点的に取り組んでいく必要があると考えています。
県の人口動態統計から見る岩手県の状況という資料がありまして、その中には、死産数の推移というのがあります。大きく減少傾向にはあるんですが、その半分は人工死産であるということと、死産率は全国より高い状況が続いているということが岩手県の現状です。婚姻数を上げて出生数を上げていくと同時に、この女性へのライフプランニング支援については、改めて積極的に取り組んでいってほしいと思っております。
そしてまた、子育て世代の負担軽減についても取り組んでいく必要があると考えております。先ほど小野寺委員も指摘のとおり、子供の医療費は子育て世代の負担になっており、岩手県でこれまで実施してきた医療費助成は償還払い方式であったため、医療機関窓口で自己負担額を一旦支払う必要があり、一時的に負担する必要がありました。現物給付方式に移行した場合、一定の受給者負担額以上は医療機関での窓口負担がなくなることから、子育て世代の負担軽減につながると思いますが、現物給付の対象はどこまでで、導入時期はいつごろを予定しているのか。また、移行するには、市町村や関係機関との調整が必要であると思いますが、その状況はどうなっているのかお伺いいたします。
〇達増知事 現物給付の対象は、県が実施している子ども医療費助成のほか、重度心身障がい児、ひとり親家庭の各医療費助成事業を含めた未就学児及び妊産婦とし、実施時期は、県や市町村のシステム改修、受給者証の様式改正などの準備期間を考慮し、市町村等と協議の上、受給者証の更新時期にあわせて平成28年8月を目途に、県内統一して実施したいと考えております。
現物給付の対象や実施時期は、既に市町村や医師会等の関係機関の了解が得られているものでありまして、平成28年8月の現物給付の実施に向け、市町村とは、システム改修や条例改正等の事務処理の詳細について、また、医師会等とは、医療機関窓口での対応や具体的な事務手続について引き続き調整を進めていきたいと思います。
〇吉田敬子委員 医療費助成の対象を就学前の乳幼児に加え、小学校卒業、これは入院まで拡大しますが、導入時期、市町村や関係機関との調整状況についてお伺いいたします。
〇達増知事 本県では、県立病院等事業会計負担金が多額になっていることなどから、現在厳しい財政状況の中では、助成対象の大幅な拡大を実施することは難しいところでありますが、人口減少対策としての総合的な子育て支援施策の一環として、市町村と協議の上、今回、窓口負担の現物給付とあわせて、小学校卒業の入院まで拡大することといたしました。
対象拡大の時期は、県のシステム改修や市町村が発行する受給者証の更新時期等を考慮し、平成27年8月からの実施を想定しています。
〇吉田敬子委員 住田町では、3歳から5歳の保育料無料、18歳まで医療費補助、そして西和賀町でも18歳以下医療費無料化という、来年度からの新しい市町村独自の取り組みが始まっていて、県としても、先ほどの医療費負担に加わるさらなる後押しになるような人口減対策をこれからも取り組んでほしいと思います。
次に移ります。男性不妊治療について。
不妊については女性だけの問題ではなく、男性にも原因がある場合が多いことから、治療は女性だけが受けるべきものではなく、男性にも受けてもらう必要があります。
一方で、女性の不妊治療に比べて、男性の不妊治療はまだ世間に広く認知されていると言いがたく、適切な治療を行うことで身体的にも精神的にも負担を軽くし、妊娠、出産に向けた問題の解決につなげられる可能性があると考えています。
男性不妊治療の助成を平成27年度から新設し、男性の不妊治療を進めることで、こういった問題についても取り組まれると思いますが、県内に男性不妊治療を受けられる医療機関はあるのでしょうか。ない場合は、今後どういった対策を考えているのでしょうか。
〇千葉副知事 男性不妊治療についてでありますが、県では、不妊に悩む方への特定治療に要する経費の一部を助成し、経済的負担の軽減を図りますとともに、保健所に相談窓口を設けるほか、岩手医科大学に不妊専門相談センターを委託設置し、現在、相談対応を行っております。しかし、この助成対象は、体外受精及び顕微授精に限られておりますことから、来年度から、治療費が高額であります男性不妊治療につきましても経済的負担の軽減を図るため、その治療に要する費用の一部を助成することとしたところでございます。この治療につきましては、現在、県内において実施している医療機関がありませんことから、他県の医療機関で治療した場合に、この助成制度の対象となるものでございます。
県内で男性不妊治療を行うためには、医師の養成や確保の課題等がございますことから、来年度は、助成制度の創設とあわせ、県産婦人科医会や特定不妊治療指定医療機関の医師等を構成メンバーといたします協議会を設置し、県内における不妊治療の現状や課題の把握を初め、医師の養成、確保の方策などについても検討することとしております。
〇吉田敬子委員 男性の不妊治療は、他県の医療機関を受ける場合にしかということで、県内の医師の養成が必要だということですので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
次に移ります。全国障害者スポーツ大会について。
来年、岩手国体を迎えております。全国障害者スポーツ大会は、障がいのある方の社会参加の推進や、国民の障がいに対する理解を深めることを目的に開催されるものですが、大会における本県選手の活躍は、障がいのある方の目標や励みとなるほか、県民に希望と勇気を与えるだけでなく、公共施設等のバリアフリー化、そして障がい者福祉への理解が深まることから、これを契機に、障がい者スポーツの普及を図ることができると私は考えております。このため、選手強化が重要であると思いますが、選手強化に向けた取り組みの課題と平成27年度にどういった取り組みを行うのか、お伺いいたします。
〇千葉副知事 全国障害者スポーツ大会についてでございますけれども、選手強化につきましては、平成26年2月に設置いたしました希望郷いわて大会選手育成強化推進委員会の中に、選手の確保や育成、強化を担当いたします選手育成強化専門委員会と選手の練習への参加支援等を行いますサポート専門委員会を設置いたしまして、関係機関、団体等の連携を図りながら取り組んでいるところでございます。
平成28年の希望郷いわて大会に向け、まずは出場選手の確保が必要でございますが、平成27年和歌山大会では、本県の個人競技の参加枠が27名から39名へ、さらに、本県開催時には139名まで増員となる見込みでありまして、この中で、特にも陸上競技での身体障がい者の選手確保が課題となっているところでございます。
また、開催県として、各競技ともできるだけ好成績をおさめていただくことが、県民に希望と勇気を与えることにつながるものと認識しておりまして、そのためには、実践を通じた選手強化が必要と考えております。特に、団体競技につきましては、試合への参加機会を確保するため、北海道、東北ブロック大会や県外での練習試合への参加支援を行いますとともに、指導者による集中的な指導が課題と考えております。
このため、平成27年度におきましては、個人競技につきましては、陸上競技等に出場する選手の掘り起こし、団体競技につきましては、北海道、東北ブロック予選や県外での練習試合への参加支援、新たに編成した聴覚バレー女子などを含む団体競技チームへの指導体制の強化などに取り組んでいくこととしております。
〇吉田敬子委員 先日、ふれあいランド岩手のほうに伺いまして、障がい者スポーツの話を伺いました。一つ、サッカーの競技の強化を、練習をいろいろされているそうなんですけれども、これは例えばなんですが、障がい者スポーツでサッカーの競技の練習会場がふれあいランドではできなくて、盛岡峰南高等支援学校の体育館でされているそうです。なぜかというと、ふれあいランドの中には、障がい者のためのサッカーゴールがなくて、結局そっちのほうに行かなきゃいけなくて、今月も2回練習するそうなんですが、そういった状況になっています。せっかくふれあいランドという場所もあるのに、障がいを持たれている方がなかなかスポーツとしてふれあいランドを活用できていない状況がここで見られるなと思っておりましたし、先週の日曜日にふれあいランドで、東北ブロックの障がい者スポーツ指導者研修会があって、そのときに、国から文部科学省の障害者スポーツ振興室長がいらっしゃっていまして、今年度から、国でも、厚生労働省から文部科学省のほうへ移動したことで、障がい者スポーツというのはこれから大きく変わっていくと思いますので、ぜひ施設整備の部分も含めて、これからきちんと積極的に対応していただきたいと思います。
次に移ります。広域振興局の取り組みについて。
市町村を超えた広域的な取り組みは必要であり、中でも商工分野、食産業分野、観光分野などは、広域的な連携や事業を展開する必要があると考えています。例えば、盛岡市から紫波町、花巻市大迫町の国道396号沿線では、地元の方々が中心となって、フルーツライン396プロジェクトという取り組みを行っています。このプロジェクトでは、この地域で盛んなブドウやリンゴを初めとする果樹を活用した生産から加工、さらには産直での販売までを広域的に行っていこうとするものであり、広域連携のいい取り組みだと考えています。
広域振興局では、広域振興事業や地域経営推進費を活用して広域的な連携や事業を推進していると思いますが、来年度の広域振興事業や地域経営推進費の活用方針はどのようになっているかお伺いします。
〇齋藤政策地域部長 広域振興事業及び地域経営推進費、それぞれ説明申し上げます。
まず広域振興事業は、戦略性が高く、圏域の課題を解決する先駆的事業を対象にしていまして、これは、それぞれの局長が、直接、県庁に予算要求をするという制度になっております。平成27年度は、4広域振興局合わせて、1億5、500万円の予算で事業を展開する予定になっております。
具体的には、県南広域振興局における中京圏をターゲットとした、食、ものづくり、観光の連携による誘客促進の取り組みや、県北広域振興局におけるアパレルを初めとした地域の基幹産業への支援などを行うこととしております。
一方、地域経営推進費でございます。これは、分権型社会の構築と産業の振興に資する事業を対象としておりまして、局長の判断でできる枠予算、要するに、使途を決めないで枠の予算として、平成27度は今年度と同額の5億円を予算計上しております。
現在、各広域振興局におきまして事業内容の調整を行っているところでございます。盛岡広域振興局における岩手国体冬季大会や北海道新幹線の函館延伸を見据えた誘客の取り組み、沿岸広域振興局における三陸地域全体のブランド化による交流人口の拡大や1次産業の担い手の育成、支援などの取り組みがそれぞれ計画されているところであります。
〇吉田敬子委員 次に、県産材の利用拡大についてお伺いいたします。
子供の遊び場づくりやカフェなど、さまざまな場所での県産木材の利用は、実際に使う子供や来客の心を癒やし、生活にゆとりが生まれることとなります。これまで、県は、盛岡市土淵児童センターや八幡平ハイツデイサービス施設などの木材利用を支援しております。これからも、県内の公共施設、民間施設にも県産材の利用拡大を図るべきであり、さまざまな県産木材の利用促進を図るべきと考えますが、今後、公共施設、民間施設で、それぞれどのように県産材の利用促進を図っていくのかお伺いいたします。
〇千葉副知事 県産材の利用拡大についてでございますが、本県では、戦後造成いたしました人工林が成熟し、本格的な利用期を迎えておりまして、県では、この豊かな森林資源の有効活用に向けまして、公共施設や民間施設におきます木材利用拡大の取り組みを進めているところでございます。
公共施設につきましては、今年度、住田町の役場庁舎や一戸町の武道館などに地域の木材が活用されております。県営施設でも、災害公営住宅や花巻清風支援学校の特別教室棟などに県産材を活用しているところでございます。
公共施設等への木材利用は、県民に対するPR効果が高く、木材利用の意識醸成につながるため、県では、本年度からの3年間を期間といたしております第4期岩手県公共施設・公共工事木材利用推進行動計画を策定し、木材利用量2万1、000立方メートルの目標を定めたところでございまして、当該計画に基づき、県といたしまして率先して木材利用を進めますとともに、市町村に対しましても、国の制度を活用した公共施設等の整備支援などの取り組みを引き続き進めてまいります。
また、民間施設につきましては、県では、県産材利用を積極的に推進する工務店等いわゆるいわて森の棟梁や岩手県森林組合連合会の木と暮らしの相談所と連携し、住宅や商業施設への県産材利用のコーディネートを行っているところでございます。
こうした取り組みに加え、今年度は、県産材を活用した公共施設、民間施設等の優良事例集を作成し木材利用のPRを行っておりますほか、岩手県木材需要拡大協議会と連携いたしまして、優良な建築物等に対する知事賞を創設したところであり、今後も県産材利用の機運が県内へ広がっていくよう取り組んでまいります。
〇吉田敬子委員 第4期の岩手県公共施設・公共工事木材利用推進行動計画の目標に向けてということですけれども、これまでも取り上げておりますように、目標値の設定がちょっと低いかと思っているので、目標を、そこに達すればいいということではなく、ぜひ林業振興のためにも積極的にお願いいたしたいと思います。
その中で、海外展開についてお伺いいたします。
平成25年8月、農林水産省は農林水産物・食品の国別・品目別輸出戦略を策定しました。2012年の農林水産物、食品の輸出額は約4、500億円となっており、これを2020年までに1兆円規模に拡大しようとするもので、林産物についても同様に輸出を促進していく方針です。
ことし、ミラノの国際博覧会に出展される際にも、県産材をふんだんに利用されるブースを作成されると聞いておりまして、大変うれしく思っております。そしてまた、本県においては、北上プライウッド株式会社が、県産材合板を台湾等に輸出していきたいとのことです。
そこで、県では、本県産の木材や木材製品の海外への販売展開について、どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
〇千葉副知事 本県産の原木や木材製品の海外への販売展開についてでございますけれども、本県では、木質バイオマス発電施設の立地や北上市に新設されました合板工場の本格稼働などによりまして、原木需要の大幅な増加が見込まれております。これに対して安定的な供給をすることが課題となっているところでございます。
また、中国や韓国などへの木材輸出をコーディネートしております一般社団法人日本木材輸出振興協会や県内の木材関係団体からは、地域経済や雇用の面で、原木輸出より、付加価値の高い製品輸出を検討すべきとの意見もいただいているところでございます。
このことから、県におきましては、合板などの県産材製品の輸出に向け、北上市の合板工場での取り組み事例なども参考にしながら、輸出先ニーズの把握や輸出のノウハウを蓄積するため、当該協会と連携しセミナーを開催するなど、木材関係団体や企業等との情報共有、合意形成を図るための取り組みを進めてまいります。
〇吉田敬子委員 最後に知事にお伺いしたいんですが、ラグビーワールドカップの開催が釜石市で決定されて、今後、スタジアムの建設が進むと思うんですけれども、私は、ぜひスタジアム建設の際に、先ほどもお話ししました県産材を有効活用してほしいと思っておりますが、最後に知事の御所見を伺って、終わりにしたいと思います。
〇達増知事 県産材の活用は、いろいろな分野でどんどん進んでいくことが望ましいと思いますので、広い視野を持って進めていきたいと思います。
〇工藤勝子委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。
知事を初め執行部の皆さんは退席されて結構です。大変御苦労さまでございました。
これより、各部局別の審査に入るわけでありますが、委員席の移動を行いますので、その間、暫時休憩いたします。
午後2時6分 休 憩
午後2時38分 再開
〇工藤勝博副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
これより各部局別の審査を行います。
質疑につきましては、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑を行うこと、他の委員と重複した内容の質疑は極力避け、どうしても必要な場合には、関連質疑として、短時間かつ簡潔に行うことを基本とすること、数値の確認のみの質疑や要望のみの発言は原則として行わないことについて御協力をお願いいたします。
また、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び執行部の答弁は簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
また、冒頭でも申し上げましたが、本日は、議会、総務部関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
最初に、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇杉村議会事務局長 それでは、平成27年度の議会関係の歳出予算について御説明申し上げます。
予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、79ページをごらん願いたいと思います。第1款議会費第1項議会費のうち、第1目議会費の9億1、527万円余は、議員48人分の報酬、旅費等の議会運営に要する経費であります。次に、79ページから80ページにかけてでありますが、第2目事務局費の3億9、978万円余は、議会事務局職員33人分の人件費及び事務費等で、事務局の管理運営に要する経費であります。次に、80ページでありますが、第3目議員会館費の4、485万円余は、議員会館の管理運営に要する経費であります。
以上で議会関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願いいたします。
〇工藤勝博副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 それでは、2点まとめてお聞きをします。
一つは、県民に開かれた県議会の取り組みについてですが、インターネットとかオンデマンド、さらには議会の県民との懇談、その他、今年度どういう取り組みが行われ、この伸びはどうなっているのか、来年度の新たな取り組みなどを示していただきたい。
二つ目、議会棟に昨年末、喫煙室が整備されました。この整備費、そして、この喫煙室に係る分煙効果の測定調査も行ったようですが、その結果、また、県民からのその点での反応はあるのかどうか示していただきたい。
〇杉村議会事務局長 2点お尋ねがございました。まず1点目、開かれた県議会の関係でございます。
開かれた県議会の構築につきましては、議会基本条例で位置づけられておりまして、その実現のため、県民の意向の県政への反映、県民参加の機会の充実、さらには、広聴広報活動の充実などに取り組むこととされております。
具体的に申し上げますと、県民の議会への関心を高め、県民参加を促すものとなるよう、議会広報紙いわて県議会だよりの発行、代表質問のテレビ中継、議会ダイジェスト番組きょうの県議会の放送、県議会のインターネット中継を実施しているほか、県民との意見交換の場の設置、本会議における議員ごとの賛否の状況の公表など、さまざまな取り組みを行ってきたところでございます。
今年度ですけれども、県民との意見交換の場について新たな手法で実施しております。それから、本会議の傍聴手続の簡素化あるいは傍聴者アンケートの実施、それから、県議会ホームページのトップページのリニューアル、これらについて新規に取り組んでございます。
これらの伸びでございますけれども、ホームページへのアクセスとか、あるいは議会のライブ中継といったものについては、着実に伸びてきております。
それから、来年度についてでございますけれども、基本的にはこれまでの取り組みを継続するほか、広聴広報会議においてさまざま御協議いただきまして、新たに広報活動の充実を図る取り組みといたしまして、若年層にも県議会に関心を持っていただきますよう、県議会ホームページに子供向けのホームページを開設するとされたところでございます。
それから、喫煙室の関係でございますけれども、昨年11月に議会棟の喫煙室が設置されたところでございますが、この喫煙室に係る分煙効果の測定結果でございます。
総務部管財課が本年1月15日、閉会中の委員会開催中に分煙効果の測定を実施したところでございます。これによりますと、喫煙室内、喫煙室外、その境界場所、この3カ所で3回にわたり実施した結果がございます。
まず、平均浮遊粉じん濃度でございますけれども、これは、厚生労働省のガイドラインでは基準数値が1立方メートル当たり0.15ミリグラム以下となってございますが、境界場所では0.016ミリグラムから0.017ミリグラム、喫煙室でも0.017ミリグラムから0.018ミリグラムとなっております。
また、一酸化炭素濃度につきましても、10ppmという基準がございますけれども、最も濃度の高い場所におきましても0.9ppmとなっておりまして、いずれも基準数値を大幅に下回っているところでございます。
さらに、非喫煙場所から喫煙室に向かう気流の風速についても調査してございますが、基準数値を十分満たしてございまして、議会事務局といたしましては、分煙のための必要な措置が適切に講じられているものと理解してございます。
〇斉藤信委員 最終的に喫煙室の整備費はどのぐらいかかったのか、あと、傍聴者に対してアンケートもとっていますし、あと、さまざまな議会に対する要望、提言などがあると思いますが、その特徴について示していただきたい。これで終わりますから。
〇杉村議会事務局長 まず、喫煙室の関係でございますけれども、総額が200万円程度要してございます。
それから、アンケート調査の関係でございますけれども、例えば、感想をいろいろ書いていただきましたが、いろいろな御意見がございました。例えば、県政について関心が深まったとか、あるいは発言者の声が低く聞き取りにくい、あるいは答弁がわかりにくく具体性に欠けるとか、あと、スピーカーの音が低い、あるいは寝ている議員の方がいらっしゃるとか、こういった厳しい意見もございました。
これらにつきましては、広聴広報会議のほうに報告いたしまして、先ほど執行部の答弁の関係もございましたので、執行部にも情報提供しているところでございます。
〇工藤勝博副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝博副委員長 質疑がないようでありますので、これで議会関係の質疑を終わります。
議会事務局の皆さんは御苦労さまでした。退席されて結構です。
次に、総務部長に総務部関係の説明を求めます。
〇小田島総務部長 総務部関係の議案につきまして説明を申し上げます。
資料の説明に入ります前に、平成27年度予算の編成に当たっての総務部の基本的な考え方を説明申し上げたいと思います。
総務部といたしましては、本格復興に向けて邁進するための取り組みや人口減少対策等を県の総力を挙げて展開するため、あらゆる手段を講じて財源確保や人的資源の確保を図るなど、施策を強力に推進する行財政運営に取り組みます。また、本格復興と、その先にある希望郷いわての実現に向けて、地域防災力の強化、原発放射線影響対策の推進、岩手県立大学における教育、研究の充実及び特色ある私立学校の支援を重点施策として一層の取り組みを推進いたします。
地域防災力の強化に関しましては、東日本大震災津波や県内外で発生する各種災害の教訓を踏まえ、防災知識の普及啓発の取り組みを初め、自主防災組織の育成強化や消防団活動の活性化などを支援してまいります。
また、避難勧告など災害時に県民が必要とする情報を迅速かつ的確に伝達し、県民の被害の最小化を図り、あわせて地図情報を活用した被害状況の可視化等により災害対応能力の充実を図るため、Lアラートや地図情報等と連携した新たな災害情報システムの整備を進めますとともに、航空消防防災体制を強化するため防災ヘリコプターの更新整備を行います。
原発放射線影響対策の推進に関しましては、子供の健康と食の安全・安心を重視し、放射線量監視の確実な実施や放射線量低減措置等に関する市町村への支援、消費者への情報発信による風評被害対策等により原発放射線影響対策を推進してまいります。
岩手県立大学における教育、研究の充実に関しましては、公立大学法人岩手県立大学の自主的、自律的な運営を尊重し、経営の効率化を促しながら交付金を交付し、大学の運営を支援することにより、地域の中核人材を育成し、岩手の活力を創出してまいります。
特色ある私立学校の支援に関しましては、私立学校の教育水準の維持、向上を図り、特色ある教育を推進するため、私立学校の運営費補助や授業料等の負担軽減のための助成など、各種の施策を展開することにより私学教育を振興してまいります。
自主財源の大宗を占める県税につきましては、岩手県地方税特別滞納整理機構の取り組みや各広域振興局における市町村との連携を強化しながら、個人県民税の収入未済額の縮減に取り組んでまいります。また、課税捕捉調査に努めるほか、県有資産の有効活用など、さまざまな角度から歳入確保に向けた取り組みを進めてまいります。
あわせて、新たに公共施設マネジメントに取り組むなど、事業効果や効率性等の検証、事務事業の見直し、行政の簡素効率化を推進するとともに、政策の優先度に応じた事業の重点化を進め、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努めてまいります。
以上が平成27年度予算編成に当たりましての総務部の基本的な考え方でございます。
続きまして、議案第1号平成27年度岩手県一般会計予算の総務部関係の歳出予算について説明を申し上げます。
なお、説明におきましては、金額の読み上げは省略させていただき、主な内容について申し上げます。
予算に関する説明書の81ページをお開き願います。平成27年度当初予算一般会計の総務部関係の予算総額は、共通経費、予備費を含み1、982億円余となっており、前年度と比較し126億300万円余の増額となっております。
2款総務費1項総務管理費1目一般管理費については、予算額26億7、069万円余のうち総務部関係は、説明欄のとおり22億5、061万円余となっており、その主なものは、職員の人件費や入札関係費、一般管理事務等の管理運営費でございます。
なお、説明欄最後に記載の共通経費1億9、859万円余は、人事異動に伴う赴任旅費などであります。
82ページに参りまして、2目人事管理費は、職員研修費や退職手当などが主なものであり、3目文書費は、法規審査事務や文書の収受、発送及び保存に要する経費のほか、情報公開制度及び個人情報保護制度の推進などに要する経費であります。83ページに参りまして、4目財政管理費は、財政調整基金などの積み立てが主なものでございます。84ページに参りまして、6目財産管理費は、県庁舎や地区合同庁舎、職員公舎並びに通信施設の維持管理のほか、公共施設等に係る財政負担の軽減、平準化等を図るための公共施設等総合管理計画の策定などに要する経費であります。85ページに参りまして、8目県外事務所費は、東京事務所の管理運営に要する経費であります。9目公会堂費は、県公会堂の管理に要する経費、10目恩給及び退職年金費は、恩給、退隠料及び扶助料等に要する経費であります。86ページに参りまして、11目諸費は、宗教法人設立認証事務や公益法人関係事務等に要する経費及び共通経費であります。
少し飛びまして、90ページをお開きいただきたいと思います。3項徴税費1目税務総務費は、税務関係職員の人件費などの管理運営費及び県税の還付金に要する経費であり、2目賦課徴収費は、個人県民税徴収取扱費交付金など、賦課徴収に要する経費であります。
また、少し飛びまして、97ページをお開きいただきたいと思います。6項防災費1目防災総務費は、防災関係職員の人件費などの管理運営費のほか、防災ヘリコプターひめかみの更新整備や新たな災害情報システムの整備に要する経費が主なものであります。98ページに参りまして、2目消防指導費は、危険物の規制や消防学校の運営に要する経費が主なものであります。
次に、少し大きく飛びまして、207ページをお開きいただきたいと思います。10款教育費1項教育総務費4目教育指導費11億9、581万円余のうち総務部関係は、いじめ防止対策の推進に要する経費64万円余となっております。
また、少し飛びまして、224ページをお開きいただきたいと思います。8項大学費1目大学費は、公立大学法人岩手県立大学の運営に係る交付金を交付するものであります。
225ページに参りまして、9項私立学校費1目私立学校費は、私立高等学校等就学支援金交付金や私立学校運営費補助などの私学教育の振興及び被災した私立学校生徒の支援等を図るための経費であります。
また、少し飛びまして、236ページをお開きいただきたいと思います。12款公債費1項公債費1目元金1、131億4、030万円のうち総務部関係は、県土整備部の8、666万円余及び復興局の3、619万円余を除く1、130億1、743万円余となっており、2目利子とあわせ、公債管理特別会計へ繰り出した上で支出する内容となっております。3目公債諸費は、公債管理特別会計への繰出金及び銀行等引受債発行手数料が主なものであります。
また、少し飛びまして、240ページをお開きいただきたいと思います。13款諸支出金4項地方消費税清算金1目地方消費税清算金は、都道府県間での地方消費税の清算を行う経費であります。
次の241ページの5項利子割交付金1目利子割交付金から246ページの10項自動車取得税交付金1目自動車取得税交付金までにつきましては、いずれも市町村に交付する交付金であり、247ページ、11項利子割精算金1目利子割精算金は、都道府県間で精算を行う経費であります。
248ページ、14款予備費は、前年度と同じ3億円を計上いたしております。
以上で総務部関係の一般会計歳出予算の説明を終わります。
続きまして、議案第9号平成27年度岩手県公債管理特別会計予算について説明を申し上げます。
同じ冊子の予算に関する説明書の376ページをお開きいただきたいと思います。公債管理特別会計に関する予算の説明事項が376ページから掲載されておりますが、平成27年度の公債管理特別会計の歳入歳出のそれぞれ予算総額は2、175億7、593万円余で、前年度と比較して258億599万円余の減額となっております。
378ページから381ページにかけてでありますが、公債管理特別会計の歳入となっており、その内容は、県債管理基金からの財産運用収入、一般会計及び県債管理基金からの繰入金及び県債が歳入となっているものでございます。
続きまして、382ページをお開きいただきたいと思います。公債管理特別会計の歳出となっております。公債管理特別会計の歳出は、県債の元金及び利子の償還、県債管理基金への積立金及び銀行等引受債発行手数料が主なものとなっております。
続きまして、総務部の予算以外の議案について説明を申し上げたいと存じます。
重ねて恐縮でございますが、また冊子がかわりまして、議案その2の7ページをお開きいただきたいと思います。議案第23号岩手県職員定数条例の一部を改正する条例でございます。これは、被災地の復旧、復興過程における治安事象の変化等に対処するため、平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間における警察官の定数の特例を設けようとするものであります。
続きまして、53ページをお開きいただきたいと思います。議案第42号岩手県手数料条例の一部を改正する条例でございます。総務部に関連する部分は別表第1の改正でございますが、これは、公益法人が行う共済事業等の特定保険業について、当該特定保険業を継続するための認可の申請の期限が経過したことに伴い、特定保険業認可申請手数料を廃止しようとするものであります。
以上で総務部関係の議案につきまして説明を終わらせていただきます。よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
〇工藤勝博副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇樋下正信委員 それでは、何点かお聞きしたいと思います。防災総務費の中で何点かお聞きしたいと思いますけれども、先ほどもお話があったんですが、地域防災力強化プロジェクト事業費1、000万円でございます。議会の資料を見ますと、地域防災力を強化するために、防災教育の推進、自主防災組織の育成強化、防災担当職員のスキルアップのための図上訓練や広域的でより実践的な総合防災訓練等を実施するとありますけれども、先ほど部長の説明の中にでも消防団とかという話が出てきておりますが、これについて、市町村なり消防団の組織とか町内会、自治会などとの連携はどのように考えているのか、そしてまた、実際に訓練もやるようでございますけれども、これは県内何カ所ぐらいでやるのかお聞きしたいと思います。
〇小向総合防災室長 地域防災力強化プロジェクトの事業内容ということでございますけれども、いずれ、この事業は防災のかなめとなります自助、共助、公助それぞれの取り組みについて複合的に展開し、県全体としての地域防災力の強化を図ろうとするものでございます。
委員からお話がございましたが、代表的なものを申し上げますと、自助の分野では、防災教育教材を活用した教員向けの研修会の開催、共助の分野では、自主防災組織の育成等に向けた地域防災サポーターの派遣や研修会の開催ということで、この辺で、委員から御指摘いただきました自主防災組織等の強化といった部分を進めてまいりたいと考えてございます。
また、公助の分野では、県内火山活動の調査や検討会等における評価など火山防災対策の推進、そして、図上訓練の実施による県、市町村職員の災害対応能力の向上といった部分も強化してまいりたいと考えてございます。
そして、自助、共助、公助を貫くものとして、総合防災訓練の実施に取り組むという形でございます。
また、あわせて消防団の関係でございますけれども、消防団につきましては、初任消防団員の教育といった部分について、県のほうで委任しながら実施するというような部分もございますし、また、県の消防協会への補助というような部分も入れているものでございます。
〇樋下正信委員 地域でいろいろ活動している組織というのはたくさんあるわけでございますけれども、我々は、いろいろな活動を見ておりまして、やはり一番地域に密着して迅速に動いてくれるのは、消防団の方々かなと見ておりますし、そういうふうに感じますので、ぜひともその辺、しっかりとかみ合った形で進めていただきたいとお願い申し上げたいと思います。
次に、広域防災拠点設備等整備費というところでございますけれども、これには通信機器の整備がなされるということが書かれておりますが、この通信機器はどういうイメージをしたらいいのか。その通信設備の配備をしていくと書かれていますよね。整備や、食料などとも入っていますけれども、推進していくということでありますが、聞きたいことは、アマチュア無線というもの、無線局もあるのですけれども、そういうところの団体とのかかわりとか何かというのがあるのかないのか、そこをお聞きしたいと思います。
〇小向総合防災室長 まず、先ほど若干答弁漏れがございましたので、そちらの点を申し上げたいと思います。
防災訓練の回数というようなお問い合わせがございました。これにつきましては、総合防災訓練としては、県としては1回ということでございます。
また、ことしの場合は、そのほかに自衛隊のみちのくALERTといったものもございまして、そういったものも開催してございます。また、市町村のほうも、やはり総合防災訓練といったものをやってございまして、それに対する支援も行っていますけれども、今年度で言いますと、33市町村中29の市町村が総合防災訓練を行っているということで、そういった部分も支援しているところでございます。
次に、先ほど来の御質問でございます広域防災拠点設備の整備につきましてでございますけれども、整備の中身につきましては、いわゆる被災者用の飲食料といいますか、そういった部分、あるいは生活必需品の物資といった部分がございます。また、御指摘ございました通信といった部分につきましては、衛星携帯電話を配備するというような形のものもございます。
また、アマチュア無線との、いわゆる連携というようなお話がございましたけれども、総合防災訓練の中でも、実は今年度の訓練の中でもアマチュア無線団体との連携といったものを訓練してございまして、しっかりと県としても今後とも連携してまいりたいと考えてございます。
〇樋下正信委員 ぜひ、県内にもかなりのアマチュア無線のコールサインを持っているというか基地局を持っている方々がたくさんおりますので、一緒に連携できるところがあれば、しっかりとやっていただきたいと思っております。
次に、これも同じような感じに我々はとれるところもあるのですけれども、災害情報システムの整備事業ということで、災害が発生したときに情報とかの伝達をスピーディーにということだと思うんですが、このLアラートとか公共情報コモンズというのは、どういうものなのか教えていただきたいと思います。
〇小向総合防災室長 Lアラートについてのお尋ねでございましたけれども、Lアラートというのは、こちらのほうで情報を入れますと、これがマルチメディア情報センターという国のほうの外郭団体がございまして、そちらのほうで処理をしまして、自動的にこれがマスコミのほうに流れて、マスコミのほうで、よくテレビなんかで横が切れていろいろな情報が出ますけれども、これが自動で出てくるというようなシステムでございます。また、県のほうで入れた情報につきましては、そういったテレビの会社であるとか、あるいはマスコミのほうでも、パスワード等をもらえば瞬時に見られるというような形で、我々のほうとしてはそういった情報の発信、そして、マスコミにとってはそういった情報の受け取りが非常にスピーディーになるというようなシステムでございます。
〇樋下正信委員 それは現代風といいますか、ITの関係でそういう情報伝達も確かに有効だとは思いますけれども、昨今、少子高齢化ということもありまして、ひとり住まいの方とかが、災害が発生しそうなときに、すぐテレビとか何かを見て、これはと判断できるような方々ばかりであればいいのですが、先ほどの話になるんですが、それはそれとして必要だと思いますが、地域で活動している方々にも、去年でしたか、広島県で土砂災害とか何かあったときも、一軒一軒確認して歩いているとか、そういう場面をテレビなどで見た記憶がございます。
いずれそういうところにもしっかりと力を、テレビで流したからいいんだよということじゃなく、そういうようなことも必要なのかなと思っておりますので、その辺はよろしく連携をしていただきたいと思います。
それから、最後になりますけれども、先ほども説明があったんですが、防災ヘリコプターの更新整備費ということでございますが、今度新しく入るひめかみは、能力的にはどうなのかなと。その新旧の能力はどうなのかをまずは教えていただきたいと思います。
〇佐々木防災消防課長 購入予定の機体でございますけれども、広い県土を有する本県の特性を考慮いたしまして、長距離かつ山岳地帯を安定して飛行できる動力性能を有するものということで、基本的には、現行のひめかみと同等程度の仕様で入札発注をしたところでございます。
今般の入札で決定した機体でございますけれども、イタリア製のアグスタウェストランド社というところの機体になりまして、現行のベル社の機体と同じ中型クラスの機体でございますが、高いところでのホバリング―停止して作業する機能―ですとか巡航速度などで現行機を上回る能力を持っていまして、現在よりも安定した活動ができるものと考えてございます。
〇樋下正信委員 その機種というか同等の機械は、国内にどの程度入っているのかというのはわかるのでしょうか。
それから、ランニングコストというのでしょうか、年間どの程度の維持管理費がかかるのか、その辺を教えていただきたいと思います。
〇佐々木防災消防課長 アグスタウェストランド社の機体でございますけれども、最近導入が各県で進んでございまして、本県で導入されるのが来年の3月と見込んでおりますが、その時点においては、10機程度が防災消防ヘリコプターとして運航されると考えてございます。
それから、ランニングコストでございますけれども、若干電子部品とかがふえたり、あとは能力が高いので、能力が高い分、燃費等の関係もございますので、若干高目になるものと考えてございます。ただ、現行機に比べましてオーバーホール等のスパンが若干延びますので、その分は若干減るのではないかと考えてございます。
〇飯澤匡委員 私からは防災費に関連してお伺いします。
東日本大震災、また南海トラフ地震等に備えて、防災、減災の意識が非常に高まりつつあり、その需要は、住民の期待とともに随分高まってきていると思います。私の質問は、それに対する備えが財源の確保とともに十分であるかというような観点で質問させていただきます。
まず、地域防災力強化プロジェクトについてですが、先ほど樋下委員から同様の質問がありましたので、この目的については省かせていただきますが、昨年も同様の予算措置をされておるんですが、ことしは昨年の当初予算額に比べて880万円減額されております。この理由について、何か削減すべき事項等があったのかどうかお示しいただきたいと思います。
まとめて聞きます。地域防災力の底上げには、地域住民を結びつけて一つの力にまとめるつなぎ役、消防団などが今も最も重要な役割を担っているわけですが、住民のリーダー役となるように、これは生かさなければなりません。このような役割を果たすような支援というものに、県は具体的にどのように対応されているのかお聞きします。
それから、もう一点、緊急消防援助隊について。大規模かつ迅速な部隊投入のための体制を整備するために、このたび改定された緊急消防援助隊計画にあっては、前の計画の4、500隊から6、000隊、これは全国規模ですが、大幅増強が平成30年まで整備されることとしておりますが、本県のこの隊の編成の整備状況、これに対する財源の確保、また、その現状と課題についてお伺いします。
〇小向総合防災室長 まず、今年度このプロジェクト事業が減額になった理由でございますが、一番大きいのは、防災教育のほうで、いわゆる防災教育の補助教材という形でつくっているものがございました。これは、今年度と昨年度もつくっておりましたけれども、昨年度は地震津波、そして土砂災害の関係、そして、今年度は洪水の関係ということで、岩手大学の協力も得ながらつくってきたところでございます。あわせて、教員に対するそういったDVDの使用の研修等も行ってきているところでございますが、DVD自体がこの2年間で完成したということで、来年度つくる部分の費用が減ったという部分がございます。
また、防災力の底上げ、リーダー育成という部分でございますけれども、今年度も昨年度に引き続きまして、自主防災組織の結成に向けた機運醸成、そしてリーダーとなる人材の育成といった部分、あるいは防災ワークショップの開催や訓練実施等への支援といったことも行ってまいります。
さまざま工夫してまいりたいと考えておりますが、特に来年は、災害対策基本法のほうで新たに設けられた地区防災計画というような制度がございますので、その作成促進など、新たな視点も加えながら、こういった地域防災力の強化に努めてまいりたいと考えてございます。
〇佐々木防災消防課長 緊急消防援助隊についてでございますけれども、6、000隊への増強に伴いまして、本県におきましては、現行74隊の隊を編成してございますけれども、22隊の追加登録が必要になったということでございます。
これを受けまして、県では昨年6月に、各消防本部に対しまして、事前の協議、調整を経まして追加登録の割り当てを行って登録を促進しているところでございます。東日本大震災津波の際に、全国の緊急消防援助隊の支援を受けたことなどもございまして、各消防本部には追加登録に積極的に対応していただいているものと考えてございまして、平成27年4月1日現在の登録隊数は、12隊増の86隊となる見込みとなってございます。
課題ということでございますけれども、追加登録に係る車両につきましては、特殊なものは消防庁から無償使用制度により配備されることとされておりますほか、補助金により財源が手当てされているということでございます。
増隊に伴いまして市町村等の負担が増大いたしますことから、無償使用の範囲の拡大ですとか維持管理費用に係る交付税措置の充実等について、関係都道府県が連携して国に要望を行うことにしておりまして、継続して財源確保に向けた取り組みを進めたいと考えております。
〇飯澤匡委員 もう一つ質問してから、最後のまとめの質問をしたいと思います。
平成25年12月ですが、消防団員を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律に関して、今までも質問しておった内容にも関連するわけですが、需要だけは非常に高まっていますが、その財源の確保、先ほども緊急消防援助隊についてもありましたが、この交付税措置の状況、これは、基準財政需要額の算定の基礎となっている人口の部分とか、きょうも国会でいろいろ議論が交わされたようでございますが、人口規模で算定されてしまうと、地方にとっては大変厳しい状況があります。これに対する県の認識についてお伺いします。
また、ちょっと話は変わるんですけれども、地域住民との結びつきに関連して、消防団詰所の防災コミュニティセンター化、これは合併市町村などでは、老朽化した施設をそのようになさっているところも既に県内でありますけれども、これなども、かなりお金がかかる話でございます。これも消防協会のほうで全国規模で、地域防災力強化には環境整備の強化も必要ということで要望しているわけですが、これらの財源確保等も大変重要ではないかと思われます。この点について県の見解を問いたいと思います。
〇佐々木防災消防課長 消防団に関する交付税措置についてでございますけれども、いわゆる消防団新法の公布、施行に伴いまして、装備の基準が見直されまして、これに対応する装備に関する措置が増額されております。
それから、団員の確保の観点から報酬に関する特別交付税措置が拡充されるなど、交付税措置は着実に充実が図られているとは考えてございますけれども、残念ながら、本県においては、ほとんどの市町村におきまして、実際の消防団員数が交付税算定における標準団員数を上回っているという状況にございまして、現状においては、実態に応じた措置とは言いがたいような状況にあると考えてございます。
それから、消防団詰所のコミュニティセンター化に関する御質問がございました。消防団の役割として、消防団新法におきましては、自主防災組織の指導的役割というものも明確に記載されたところでございます。
これを踏まえた財政措置といたしましては、委員からお話がありましたコミュニティセンター化のような消防団詰所の機能強化については、建てかえ等による場合には、緊急防災・減災事業債が活用できることとされております。それから、消防団と自主防災組織の連携等による地域防災力の向上のために、自主防災組織などの活性化に要するソフト経費については、交付税措置をされることとされてございます。
このほか、国が定めましたまち・ひと・しごと創生総合戦略の政策パッケージといたしまして、消防団と自主防災組織の連携が示されてございます。市町村版総合戦略に関連施策を盛り込むことによりまして、国の交付金を活用した市町村の創意工夫による事業が実施できるものと考えてございます。
県といたしましては、市町村に対しまして、これらの財政措置等について的確に情報提供を行いながら、地域防災力強化の取り組みを促進したいと考えてございまして、国に対しても、実効性のある取り組みが可能となるように、財政措置の拡充について引き続き要望してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 財源措置については、いろいろなメニュー等はあると理解しました。
昨年12月に県の消防協会から県にも要望があったわけですが、その要望について見てみますと、やはり現実に即した部分での足りない部分については非常に苦慮されていると。先ほど答弁があったように、基準の団員数を満たしているために、実質、現場を預かる者にとっては、交付税措置が増額になった部分というのは、恩恵がなかなか見えにくい部分がある。恐らく、きのうお話をちょっと聞いたときには、やはり総額が決まって、それを割り返して市町村に配分されるので、そのような実感が出てこないのだろうというようなシステムに今はなっているわけでございます。
実現可能かどうかわかりませんが、やはり防災、減災に関しては、これからも需要は高まる一方でありますが、この委員会でもたびたび話題になっておりますように、団員の確保については大変厳しい状況でもございますし、その士気を高める、また、地域の皆様方にもいろいろと手伝ってもらわなければならない部分があろうかと思いますので、その点に対する一つの政策パッケージとして国のほうにアピールする部分を、大分関係法令が、いろいろ南海トラフの地震などの予測等の影響で変わりつつある中で、本県は大震災の被災県でもありますし、それをきっちりまとめて国のほうに要望すると。引き続き財源確保についてはしっかりと戦略を練って努めていただきたいと思うわけですが、その見解を問いたいと思います。
〇小田島総務部長 地域防災力の強化に当たって、やっぱり消防団の皆様方の果たす役割は非常に大きいと考えているところでございます。国に対しまして、必要な予算の確保、それから、地域防災力強化における取り組みの実態というものをお伝えしながら、本県として十分な予算が確保できるように積極的に要望してまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 お2人の先輩議員が今、地域防災をお尋ねになりましたので、私も地域防災のほうからお尋ねしてまいりたいと思います。
地域防災力強化プロジェクト事業費、これは継続の予算でありますが、この中では県内の火山対策ということがうたわれております。これは決算特別委員会のときにも取り上げたわけでありますけれども、常時観測対象火山のうち、栗駒山については観測体制が非常に脆弱であって、協議会もなかなか立ち上がっていないという状況でありますが、これは、平成27年度の事業費の中でどういった政策展開をしていくおつもりなのか、お聞きしたいと思います。
〇小向総合防災室長 委員御指摘のとおり、栗駒山につきましては、本県の常時観測火山の中で、唯一、火山防災協議会が立ち上がっていなかったということでございますけれども、報道にも出ましたが、この3月2日に、宮城県、秋田県と共同いたしまして火山防災協議会を設置したところでございます。
ただ、委員御指摘のとおり、今までも火山史の解明がなかなか進んでいないということで、今後、対応が難しい面もございますけれども、来年度におきましては、いずれ最終目的でございますハザードマップの作成であるとか避難計画の作成に向けまして、どのようなスケジュールで行っていけばいいのか、あるいはどのような課題があって、どのようにこれに各県あるいは各市町村、そして関係団体が取り組んでいけばいいのかというような部分について、スケジュール等につきまして検討してまいりたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 今の室長の答弁だと、ハザードマップをつくるところの前段を1年かけてやると聞こえたわけでありますが、それで間違いないですか。
〇小向総合防災室長 はい。ハザードマップをつくるためには、過去にどういう噴火史、どういう噴火があったのか、どこが噴火口であったのかといったことが解明されなければなりません。今のところ明確になっているのは、昭和湖がございますけれども、あそこの場所で戦前に1回水蒸気爆発があったというようなことでございます。
現在、岩手大学の土井先生がいろいろ解明に努めてございますけれども、まだまだ、なかなか解明が進まない部分があるというようなことでございまして、どのような噴火をした場合に、どこに火山灰等がたまり、どういう危険性があるのかといった部分を明確にしていかなければならないということで、1年、2年でこれを解明するのは難しい部分があるかと思います。また、どういう主体が、どういう財源でやっていくのかといった部分もまた詰めていかなければならないと考えてございますので、まず、来年度につきましては、そういった課題を整理して、どのように一つ一つ埋めていくのかといった部分について話し合ってまいりたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 どうも最近不気味な感じがしますのは、南東北の奥羽山系において、かなり山体の活動が活発になっているのではないかというような報道や観測データが得られているということが言われております。どうも南のほうから少し、大丈夫なのかというのがあって、地元のほうでも大変心配をしております。
実際に観光の目玉にもなっている地域でありますので、その対応というものを、やはり学術的調査の部分が大事だということはよくわかるのですが、なかなかこのスパンが3年とかという話になると、これはちょっと、幾ら何でもどうなのかなと。その学術調査に基づかなくても、ある程度できることはないのかとか、そういったところで、やはり相当急いでいただきたいという思いがあるわけですけれども、その辺についてはどのようにお考えですか。
〇小向総合防災室長 火山防災につきましては、防災全般そうですけれども、やはり相当な専門知識がなければこれに対応するのは難しいということで、本県におきましては、岩手大学の齋藤先生であるとか土井先生と一緒に、かなり専門的な部分ということで協働して進めているところがございます。
そういった部分も含めて、先生方と相談しながら、どういった対応が必要なのか、また、委員御指摘のとおり、観光面について、やはり安全性といった部分が早く必要だという部分も、これまたそのとおりであると思いますので、そういった面もあわせて関係機関あるいは学識者と十分に相談してまいりたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 いずれ、できるだけ早目の対応をお願いしたいと思います。
地域防災の点で最後にお聞きいたしますが、大災害が起こった場合に、オペレーションの部分で、私は岩手県庁のいわゆる構造的な部分で、オペレーションが非常に脆弱なのではないかという懸念を持っております。
現状では、4階に総合防災室があるわけでありますけれども、通信系があって、そしてモニター系があって、会議室がある、非常に分断された中でオペレーションを余儀なくされるということであります。これは非常に非効率でありますし、その辺の整理をしないと、今後予想される大災害に対しては、やはり初動等の態勢がとれないのではないか、その辺を心配しておるわけでありますが、新年度の予算の状況を見ますと、災害情報システム整備事業費が出ておりまして、このあたりで対応するのかとも思っておりますが、現状のオペレーションの部分に対しての認識と今後どう対応するのかをちょっとお示しいただきたいと思います。
〇小向総合防災室長 オペレーションのシステムにつきましては、委員御指摘のとおり、総合防災室がありまして、いざとなれば隣の会議室にいわゆる本部支援室を設置するという形になってございます。ただ、モニター自体は総合防災室のほうにございますので、さまざまなヘリのデータであるとかといった部分については、本部支援室のほうから一々総合防災室まで来なければならないというような不便さはあるわけでございます。
そういった意味で、来年度の予算におきましては、災害情報システムの整備と一体となりまして、災害対策本部支援室の機能の強化を図ることにしておりまして、そういったモニターにつきまして、大型の100インチクラスのものを1台、そのほか50インチクラスのものを4台会議室のほうに設置するような形で、まず一体的に整備するといった部分もございますし、あるいは、おいでになったときがあればなんですけれども、かなり配線が散らばりまして、ちょっとつまずいて線でも引っかければ大変なことになるというような状況でございますので、その配線をフロアの下にするというような形の整備といったものとあわせて、そういったオペレーションシステムも、既存の中で、また一つ一つ改善してまいりたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 実は、そうやったとしても、私は、まだかなり脆弱性が残ると思います。といいますのは、東日本大震災のときは、今、復興局が入っています講堂のところに自衛隊や外部の機関の方々が入って、そこで連携をしながらオペレーションしたと。
現状、岩手県庁の中を見ますと、あいている部屋はないわけですね。12階の特別会議室とかがあるとは思いますが、外からの応援部隊を入れてやるには、私は、動線上非常によくないのではないかと思っています。秋田県あたりのような立派な防災庁舎という話もあろうかと思いますが、現状の財政下ではなかなか厳しい話でありますので、少なくとも、例えば県庁の中のワンフロアの半分とか、そういったところを機能的に活用できるような体制に持っていかないと、私は大変難しいのではないかと思っております。合庁とかいろいろあるわけでありますけれども、そういった中での部局の配置も含めて、これは有事に対応できるような体制をもう少し工夫をしないと、私はちょっと問題があるのではないかと思っているんですが、そのあたり、どのように思っていますか。
〇小向総合防災室長 委員御指摘のとおり、なかなか広さという意味では、昨年、みちのくALERTの際に自衛隊にも来ていただきますとともに、また、先ほど御質問にありました、緊急消防援助隊も来るというような想定でやりましたところ、かなり窮屈になってきたというような部分もございます。そういった狭さという部分につきまして、他の会議室であるとか、委員御指摘の12階特別会議室に自衛隊には入ってもらったりしてございます。一方で、庁舎の利用ということになりますと執務室の配置ということになりますけれども、災害対応に限らず、さまざまな部局がかかわり、さまざまな視点から検討していかなければならないと考えてございますので、直ちにどうこうという部分はなかなか難しいと考えてございますけれども、中長期的な観点から検討してまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 地域防災については、そのような観点で進めていただきたいと思います。
次に行きます。歳入の観点でお尋ねをしたいと思います。
新年度予算はかなり県税の伸びが見込まれております。このうち、法人事業税についてお尋ねをするわけでありますが、昨年の11月あたりの上場企業の経常収益率を見ていますと、かなり、6%近い伸びになっておりまして、これが税収に反映するというわけでありますが、法人事業税の平成27年度の歳入見通しについてお示しをいただきたいということと、増収だということでありますので、その主な理由、また、県内本店法人あるいは県外本店法人等で特色があれば述べていただきたいと思います。
〇小向税務課総括課長 法人事業税の平成27年度の見通しでございますけれども、平成27年度当初予算案における法人事業税の収入見込み額は、平成26年度決算見込み額に対しまして19.2%増の232億300万円と見込んでいるところであります。
増収見込みの理由でありますが、本県本店法人それから他県本店法人とも、建設工事を中心に復興事業がピークを迎えるということで、それに加えて、円安を背景に企業収益の改善による増収が大きく期待されるということでございます。
次に、県内に本店のある法人の納税状況についてでございます。震災前の平成22年度の税額が40億2、200万円であったのに対しまして、平成26年度は12月末で76億1、600万円と、平成22年度の税額を89.3%ほど上回る状況になっております。これは、主に復興需要を背景にしまして、建設業、卸小売業などの税収の伸びによるものでございます。
次に、県外に本店のある法人の納税状況についてでありますが、震災前の平成22年度の税額が81億4、500万円であったのに対しまして、平成26年度は12月末で104億2、600万円と、これも平成22年度の年間の税額を28%ほど上回っている状況でございます。これも復興需要に加えまして、大手の輸出型企業を中心とした最近の円安による業績の回復が大きく影響しているものと見ております。
〇岩渕誠委員 いろんな資料を見ていますと、平成26年の申告状況で見ますと、押し上げているのは建設業が多い。大体4割ぐらいですか、建設業で税収を伸ばしている。あとはサービスのほうで3割ということでありますから、今の経済状況なんだろうなと思います。
ただ、一方で、沿岸の税収の動向は、ちょっと私は違うのではないかと思っております。いただいた資料ですが、沿岸部における建設業の調定額の状況を見ますと、震災前の平成22年は大体1億2、000万円だったのが、平成26年の決算見込みで10億5、000万円とかなりの伸びを示している。ところが、地場産業として期待をされている食料品製造業が、震災前の3分の1に落ち込んでいると。非常に私はそういう意味ではちょっと問題があるのではないかと思っています。
いろんな経営者の皆さんとお話をするんですが、法人にとっての復興とは何だという話をすると、それは震災前よりも税金を払って、しっかりした会社にすることが会社にとっての復興だということからすれば、この現状というのは、必ずしもいい状況ではないだろうと。しかも、特に円安、復興特需の中で生まれている税収増ですから、これはちょっと足腰が弱いのではないかと思っておるわけでありますが、特にも沿岸の食料品製造業の税収がかなり落ち込んでいるということについては、どのように分析をされていますか。
〇小向税務課総括課長 沿岸部の法人事業税の税収動向についてでございますけれども、沿岸広域振興局と県北広域振興局の本局分、久慈の分でございますが、その法人事業税額は震災前の平成22年度の12億2、200万円に対しまして、平成26年度は12月末で31億6、900万円と、平成22年度の約2.6倍となってございます。これは、委員御指摘のとおり、復興需要による建設業の税額の伸びに加えまして電気機械製造業、沿岸にたまたま大きな法人が二つほどございます。宮古に一つ、釜石に一つ、これらの伸びに支えられているものでございます。
なお、税収全体に占める割合は大きくはない部分でございますけれども、沿岸部の基幹産業であります水産加工業関係につきまして、漁業、水産業でございますが、平成22年度、震災前の約2倍の税額1、500万円ほどでございますが、これが発生しておりまして、震災前よりもやや回復基調にあるのかと見ております。
それから、食料品製造業につきましては、震災前の税額の約2割と、これは御指摘のとおり回復していない状況になってございます。これを見ますと、震災前の大手企業の部分でございますが、これが被災した分の損失控除がまだ償却といいますか終了しておらなくて、税額が発生していないのだろうと見ております。事業のほうは再開してございますし、売り上げのほうもそれなりに、震災前とは言わないまでも、徐々に回復基調にあるということで見ておりますので、建設業のようなどんと仕事を受けて、大きな金額を受けてこなすという部分ではない業種という特性のもとに、これから徐々に業績回復が進んでいくのではないか、いや、そのように期待をしているところでございます。
〇工藤勝博副委員長 答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇岩渕誠委員 ただ、心配をしているのは、それぞれ見ていくとあるんですが、卸小売でも確かに伸びてはいるんですけれども、昨年よりはどうも落ち込みが予想をされているというふうに、必ずしも足腰が強い形の回復になっていないと思います。
私は、これは最後に申し上げたいのでありますが、いわゆる税務課サイドの仕事の中身というのが、どうも徴税業務の部分がかなりメーンになってくるわけでありますけれども、税サイドから見た産業政策とかいろんな財源の確保みたいなところは、やはり今まで以上にやっていかないと厳しいだろうと思っております。特にも、部局横断的な政策を産業振興も含めてやるときに、私は原局もさることながら、私は税務課サイドから見た政策の発信というのがあってしかるべきじゃないかと思っております。そういう意味では、総務部の中で、他部局に対しての働きかけあるいは情報提供の仕方というのはもう少し工夫があってもいいのではないかと思っております。そういう本当の意味での縦割りを排除して、その発信源として有効に税務課が活動していただくように希望するわけでありますが、所感があれば伺って終わります。
〇小田島総務部長 ただいま委員御指摘のとおり、税を確保するというのは、産業がきちんと成り立って初めて税を生むわけでございますので、震災からの復旧、復興、そういう状況と税の収入というのは連動しているわけでございます。私どものほうで税がどういう状況になっているのかということ、これは県税ばかりではなくて、市町村民税だとかいろんな形で税の動向を関係部局等に提供いたしまして、そして全体として産業政策が今どういうところにあるのか、そして、どういうふうにしていけばいいのかという情報を提供しつつ、議論を深めていきたいと思います。
〇佐々木朋和委員 私のほうからも、大変恐縮ですけれども地域防災力強化プロジェクト事業費、災害情報システム整備事業費について、ダブらないところで質問させていただきたいと思います。
Lアラートの導入についてなんですけれども、先ほど樋下委員の質問の中で、このシステムの内容については、自治体等の災害関連情報を多様なメディアに一斉同報するという基盤、整備であるということで理解をいたしました。来年度予算で整備をするということで事業化をしているわけでありますけれども、来年度の整備の進捗の予定と、全体の整備計画について、いつまでに完成を目指しているのか、また、導入によってどのような効果があるのか。特にも、ICTの活用には、サービスの向上とともに、主体の負担軽減ということもなくてはならないと思っておりまして、自治体、消防団、自主防災組織また住民の負担軽減にどのようにつながっていくのか、お伺いをしたいと思います。
〇小向総合防災室長 Lアラートの導入スケジュールでございますけれども、本格運用を開始するのは来年3月と見込んでございますけれども、その前に仮運用的な部分を市町村にも十分活用を図っていただきたいということで、下半期に何回か説明会あるいは訓練的なものを実施して、3月には、きちっと各市町村で導入できるような形で進めてまいりたいと考えてございます。
また、Lアラートの効果につきましてでございますけれども、導入によりまして、テレビであるとか携帯電話、さまざまなメディアで迅速に情報が伝わるということになりますので、県民の皆様に、より早く適切な避難行動を促すことができるということでございますし、また、早くということになりますので、その分、消防団や自主防災組織にとりましてはこれまでよりも時間的な余裕ができるということで、避難誘導活動の円滑化等にも資することができるのではないかと思っております。
また、市町村の負担についてでございますけれども、いずれ、クラウドのシステムでやる形にしてございますので、一定のパスワード等の付与は必要になりますけれども、インターネット環境が整備してあれば、市町村ではいわゆる負担費用なしでこれには加入できるという形になってございます。
〇佐々木朋和委員 来年3月から運用が開始されるということで、いかにして住民の皆さんも使いこなしていただけるかというところが重要になってくるかと思います。その導入に向けて、自治体、住民の皆さんが活用できるようにどのように支援をしていくのか。特にも情報弱者の皆さん方について配慮も必要だと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
〇小向総合防災室長 自治体につきましては、先ほど申し上げましたとおり、実際の運用の前に十分研修や訓練等を重ねてまいりたいと考えてございます。また、県民に対しましては、テレビや携帯電話、インターネットを通じた災害情報の伝達について、十分にこういうシステムがあるのだということを周知するということでございますし、弱者というようなお話がございましたけれども、これまで、県では、インターネットであるとかあるいは携帯電話の情報ということはやっていましたけれども、今回、テレビという、まさに高齢者の方でも簡単に見ることができるという形で、先ほど樋下委員からさまざまなメディアというか、さまざまな方法で伝えることが必要ではないかというようなお話がありましたけれども、その一つとして、テレビを活用するということは非常に有効な方法ではないのかと考えてございます。そのほか、もちろん市町村の防災行政無線であるとかあるいは広報車による宣伝であるとか、そういった部分も必要になりますけれども、多様なチャンネルを活用して、迅速にできるだけ早く伝えて避難行動を促すということが減災につながると考えてございますので、その点、十分努めてまいりたいと存じております。
〇佐々木朋和委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
その中で、今回商工労働観光部のほうでの予算措置でありますけれども、観光拠点にWi-Fiを普及させるという事業を出しております。国でも観光拠点のそういった情報発信のツールを使って、来訪者への防災情報の周知ということも努めるようにといいますか、力を入れる方向になっているのかと思っております。本県においては世界遺産も抱えておりますし、また、二つ新たに世界遺産登録を目指しているところもある、また、ILCもありますし、先日、釜石のラグビーワールドカップも決まったということで、特にも来訪者、外国人に向けてもこのようなICTを使った災害の情報発信ということも考えていく契機ではないかと思っているんですけれども、御所見を伺いたいと思います。
〇小向総合防災室長 Wi-Fiの整備の事業ということで、公衆無線LANが気軽に利用できるように基地局的なものを整備していくというような事業のようでございますけれども、いずれ、さまざまな場所に設置するということで、Wi-Fiの場合、携帯とかですと、地下であるとかあるいは建物の奥であるとかという場合にはなかなかつながりにくいということで、我々の防災情報もつながりにくい場合があるということもございますけれども、そういった面で、今回、この商工労働観光部の事業でさまざまな施設においてそういう整備を始めるということでございますので、情報を共有、連携しながら、できるだけ防災でも有効に活用できるように連携してまいりたいと考えてございます。
〇佐々木朋和委員 ぜひ外国語表示についても考えていただければと思っております。
次に、消防団への若者、女性の加入促進についてお伺いをしたいと思います。
消防団の団員の確保には各地域苦労しているんですけれども、全国的に見ると、女性消防隊員の数というのが増加傾向にありまして、全国で今2万1、635人の女性隊員がいるということでありました。本県の女性隊員の加入促進策はどのようになっているのか。また、国では、加入促進モデル事業があるということでしたけれども、その内容と、本県の導入状況はどうなっているのか。また、若者の加入促進対策についてはどのようになっているのか、伺いたいと思います。
〇佐々木防災消防課長 消防団への若者、女性の加入促進ということでございます。
これまでも、県におきましては、消防団の理解促進を進めながら市町村への働きかけを通じまして、若者や女性の加入促進を含めた消防団の充実、強化に努めてまいったところでございます。
全国的に女性消防団員による応急手当てですとか、火災予防の普及啓発、実災害での後方支援活動など、女性ならではのきめ細やかな活動が注目されておりますし、また、若者、特に大学生が消防団員として避難所の運営補助ですとか、消防団広報等を担うような取り組みというのも注目されているところでございます。
このような状況を踏まえまして、消防庁で、平成27年度政府予算に、女性や若者を初めとする消防団加入促進モデル事業に要する経費を計上しておりまして、若者や女性の消防団加入促進の取り組みについて提案を募集して、モデルとなる取り組みを消防庁の委託調査事業として実施することとしております。現在、県内の一部市町村から、本事業による取り組みを行いたいという意向を確認しておりまして、これらの市町村と連携を図りながら、全県的な取り組み展開も視野に入れながら、若者、女性の入団促進に取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 私の地域でも、女性団員が防災とか救急救命の普及啓発に向けて、ダンスというか体操をやったりとかしておりますし、あと私の地元で、おととしですか、水害があったんですけれども、そのときには、情報の共有でLINEを使ったりしながら若者が災害の情報を教え合ったり、また、それを使ってお年寄りを助けたりという動きもありました。私は若者、女性が消防団への加入促進をするには、その方々に合った役割をつくって活躍の場を与えるということが一番かなと思っておりますので、ぜひともこの点を注意しながら施策を進めていただきたいと思っております。これは意見にとどめたいと思います。
次に、県立大学の運営費補助についてお伺いをしたいと思います。
一般質問においてもお聞きをしましたけれども、その中で県立大学の役割について、地域の中核、人材育成と地域の活力創出に貢献する大学を目指すと、また、雇用創出や若者定着に果たす役割は大きいという答弁をいただいた次第であります。
一方で、データをいただいているんですが、現状では、県立大学の看護、社会福祉、総合政策学部の在学生の出身地の割合が県内が約7割、県外が3割ぐらいなのに対して、平成26年の3月卒業生の就職状況は、県内が大体40%から44%、県外が56%から59.1%となっておりまして、県内、県外が逆転になっているというところであります。県では、この現状をどのように分析して対策を打っていくのか、伺いたいと思います。
〇及川総務室管理課長 県立大学の就職内定状況の分析と対策についてでありますが、県立大学では、地域の進学需要への対応や、本県のあすを担う人材育成という設立の趣旨を踏まえまして、入学定員の3割を県内高校生の卒業生等を対象とした推薦入学枠を設けておりまして、特に看護、社会福祉、総合政策の3学部におきましては、在学者に占める県内出身者の割合が約70%と高い状況になっております。
一方、昨年3月卒業生の県内就職率は3学部とも40%台となっており、その主な原因といたしましては、人手不足等を背景に、首都圏企業等からの採用意欲が高まったことにより、県外企業からの求人件数が、対前年比で516件増加した一方で、県内からの求人件数が34件減少したこと、また、学生の地元企業に対する理解が必ずしも十分でないということが考えられております。
こうしたことから、県立大学におきましては、地元企業等への就職に向けて、地元企業への訪問によるニーズ把握や就職先の開拓に努めるとともに、学生に対しては、キャリアプランニングのための公開講義や企業見学会、インターンシップ、そして今年度から新たに岩手県中小企業団体中央会等と連携いたしまして、地元の企業の魅力を知ってもらう説明会を今年度は2回ほど開催しておりますが、そういった事業を展開しておりまして、今後、このような取り組みをより充実させるとともに、県内に就職する意義について学生の理解、促進に努めていくこととしております。
〇佐々木朋和委員 せっかく3割の推薦枠を設けているという中で、出口のところで逆転しているというのは大変残念でありますので、ぜひとも頑張っていただきたいと思いますし、看護、社会福祉学部の卒業生は、岩手の人材が不足している地域包括ケアをこれから担う重要な人材だと思っておりまして、我々も環境福祉委員会で、沿岸の看護学校に行って学生の皆さんとグループディスカッションをする機会があったんですけれども、やはり一度は県外に出てみたいという思いもある一方、いつかは帰ってきたいというお話もしていただいたのがとても私も印象に残っているんですが、そういった意味で、ぜひとも卒業生に対して、将来戻ってきてもらうために関係を保ち続ける取り組みが必要だと思いますけれども、御所見を伺いたいと思います。
〇及川総務室管理課長 県立大学では、昨年度、過去5年間の卒業生に対しましてアンケート調査を行い、Uターン就職希望の有無を把握するとともに、Uターン就職希望者には、県内の求人情報をメールで情報提供するなどの支援を行っております。
また、看護学部におきましては、卒業生のUターン希望者にアンケート調査を行っておりまして、その調査結果では、県外就職者の4人に1人が、岩手にUターンを希望する意思があるとされております。こういった結果を県内就職促進のために活動報告書として取りまとめ活用を図るなど、独自の取り組みも行っているところであります。
さらに、東京、名古屋などに同窓会支部を設けまして、交流会等を通じてUターン情報を提供しているところであり、今後もこのような取り組みを充実させながら、卒業生の県内での再就職支援に取り組んでいただきたいと考えております。
〇工藤勝博副委員長 この際、進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔にお願いいたします。
〇佐々木朋和委員 ぜひ継続をしながらまた強化をして進めていただきたいと思いますし、各部連携をして情報の共有をお願いしたいと思います。
一方で、ソフトウェア情報学部では、在学生の割合が県内外で半々でありまして、私は他県から若者が岩手に来ていただいて学んでいただくということは、移住にも将来的にはつながる可能性があると思いますのでいいことだと思っております。その中で、県では、本学部が他県からも入学者が多い理由をどのように捉えているのか、伺いたいと思います。
〇及川総務室管理課長 ソフトウェア情報学部は、情報化社会の実現に寄与する人材育成の必要性から設置されまして、利用者の立場に立ったソフトウエアや独創的なソフトウエアなどの設計、開発ができるよう、最新の情報技術とスキルを身につけるための専門教育を行っております。
開学以来、同学部には、ほかの学部に比べてまして県外出身者が多く入学してきておりますが、これは、近隣県の大学にソフトウエアの高度専門教育を行う学部が少ないことや、教育内容等が他県からも一定の評価を得ている結果ではないかと認識しております。
〇佐々木朋和委員 他県から特色があるということで選ばれるということは大変いいことだと思っております。しかしながら、これが他県から来た若者が、岩手で学んで岩手への就職につながればいいんですけれども、残念ながら、この問題点として、学部の学生さんの80%が県外就職であるというところが大きな問題かなと思っております。この原因がどこにあるのかということを教えていただきたいと思います。
〇及川総務室管理課長 県外就職が多い原因といたしましては、情報通信関係の求人件数が、県内29件に対しまして県外からは555件と、圧倒的に県外からの求人が多かったことが原因と考えられております。
ことし3月卒業生の1月末の県内就職内定率は26.7%と、昨年度最終の20.4%を6.3ポイントほど、若干ではありますが上回っております。県といたしましても、県立大学と共同で、平成23年9月にいわてものづくり・ソフトウエア融合テクノロジーセンター、通称i−MOSですが、これを整備いたしまして、産学官が連携し、県内ものづくり企業の新製品開発などのための高度技術者の養成なども行っており、こうした取り組みを進めながら、県内企業への就職支援に努めてまいります。
〇工藤勝博副委員長 答弁は極力簡潔にお願いします。
〇佐々木朋和委員 まさにここに問題点があって、せっかく他県からも来ていただくような特色ある学部をやりながら、県内に受け皿となる産業がないということで、この点については、商工労働観光部になるのか政策地域部になるのか分からないですけれども、このミスマッチを解消していくようにやっていかなければいけないと思っております。
ここからソフトウエア、デジタルコンテンツの産業について御質問したいところですけれども、他部局のところでまた続きをさせていただきたいと思います。
最後になりますけれども、国では、地方大学には地域に定着する人材を創出していくということと同時に、地域に事業を起こして雇用を創出する人材の必要性を挙げております。県立大学における起業家を育てる教育についてはどのような取り組みを行っているのか、お伺いをしたいと思います。
〇及川総務室管理課長 県立大学では、全学共通の基盤教育科目の人間と職業、あるいはソフトウェア情報学部では起業論、総合政策学部では地場産業・企業研究などの講議において、県内の起業家や企業経営者等から講演をいただく取り組みなどを進めながら、起業家の育成そして県内就職の促進に努めているところでございます。
〇佐々木朋和委員 ぜひとも就職だけでなくて起業という面も着目して進めていただきたいと思います。
長時間になりましたので、あと1問で終わらせていただきたいと思います。
ふるさと納税について先ほど小野寺好委員より御質問がありましたので、前段部は飛ばさせていただいて、一般質問において、ふるさと納税を国体の機運醸成につなげていくという話があったんですが、資料をいただいておりまして、過去3年間、平成23年、平成24年、平成25年と、岩手国体についての目的寄附が7件、5件、8件ということでまだまだ機運の醸成というか、この点についての御協力がいただけていないのかなと思っております。平成28年度の開催に向けて、来年は目的寄附についても勝負の年となると思うんですけれども、国体目的寄附を促す取り組みをどのようにお考えになっているのか。
また、このふるさと納税については、先日決まった釜石のラグビーワールドカップについてでありますとか、財政についていろんな不安の声もあります。ILCについても、私はふるさと納税ということを目的に入れて、全国にアピールをしながらお願いをしていくというのも一つだと思いますけれども、この点についても検討してはどうかと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
〇小向税務課総括課長 御指摘のとおり、震災以後寄附は年々減少傾向にございますが、現在において件数、額ともに全国では上位に位置してございます。
希望郷いわて国体などに関しての部分でございますが、これは、国体・障がい者スポーツ大会局におきましても独自にイベントなどでの募金活動を展開してございまして、ふるさと岩手応援寄付としての件数はその部分もあって少ないのかなというふうな思いを持っております。
国体の機運の醸成や一体感の喚起というものは、ふるさと納税の寄附にもつながっていくところと考えてございますので、施策担当部局と協力の上、一層の国体の機運の醸成、一体感の喚起に努めてまいりたいと思います。
また、ラグビーワールドカップそれからILCなどについても、いずれ事業化が決まってきますので、機運の醸成など議論が高まる中で、施策担当部局と追って協議をしていきたいと考えております。
〇及川あつし委員 今、佐々木朋和委員の県立大学に関しては非常にいい質問だったと思います。私も一般質問で申し上げましたけれども、学生に、ぜひ、県の税金がどれぐらい投入されていて、あなた方1人にはどれぐらいかかっているかと、ぜひ言ってほしいと思います。
私、実は思い出したんですけれども、大学のときに、うちの大学はエレベーターに学生は乗ってはいけなかったんです。私の友人が、乗っていたのを憲法の教授に発見されて、反論したんですね。俺たちだって授業料を払っているから乗ったっていいじゃないかと言ったら、えらいとっちめられて、おまえらが払っている授業料はたったこれぐらい、国から私学の補助が入っているのは幾ら、先輩からの寄附が幾ら。おまえらはエレベーターに乗る資格がないとがっちりやられたんですね。それを思い出しました。
看護の学生に対しては、多分、1人国家資格を取るまで、相当公費が入っていると思うんです。そういうことも含めて、職業選択の自由はあるけれども、パブリックマインドを持って、就職センターのときにはきちっと誘導してもらいたいということを改めて申し上げたいと思います。非常にいい質問だったと思います。
私から三つ伺いますが、ちょっと最初に、他の部局の質疑の関係もあるので最初に聞いてしまいます。
いわゆる当初予算の計上漏れの件、いろいろこれまで議論がありましたが、1月14日にいわゆる通知が出て、当該課は認知不足で、財政課に予算の計上を言わなかったということだったんですけれども、財政課から保健福祉部に確認したという経緯があるんじゃないですか。そこの経緯についてちょっと説明してください。
〇五月女財政課総括課長 今回の緊急雇用の事案についてですけれども、国からそういった雇用継続ができますという情報がありましたら、各部のほうで検討をいただきまして、それで各部のほうで調整が必要であれば当課のほうに連絡が来るという形になってございます。保健福祉部については保健福祉企画室が窓口になっておりますことから、保健福祉企画室のほうからうちのほうに、今回の継続を踏まえて、こういった調整をさせていただきたいというのが来ていると思いますけれども、そのときに、今、上がってきている要求で問題ないですかという確認はしていると思いますが、日時等については今不確かですのでお答えできませんけれども、そういった保健福祉部のほうで検討した結果として上がってきていると思いますが、今回の件は、保健福祉部の保健福祉企画室のほうでも把握できなかったという案件ですので、我々のほうでも確認できなかったということだと思います。
〇及川あつし委員 大事な点ですから、ここだけ答えてください。
財政課のほうから保健福祉企画室に、国のほうの制度としては延長になっているけれども、予算を計上しなくていいのかということについての確認が、あったかないかだけ答えてください。
〇五月女財政課総括課長 保健福祉企画室から上がってきたものをうちの担当者が確認するときに、これで問題ないですかということは確認していると思います。この要求で問題ないですかということを確認していると思います。
〇及川あつし委員 わかりました。今の答弁をもとにまた部局等で話があるんだと思いますので、ありがとうございました。
では、入札制度の関係と私立幼稚園について伺いたいと思います。
まず、入札関係の話でありますが、詳細は県土整備部にということなのでそちらに譲りますが、先ほど税収増のお話がいろいろございましたけれども、復興需要に対してこれだけ公費を投入していて、その結果として税収が上がっているということだと思うんですけれども、まだ余地があるんじゃないかという意味でお尋ねをしたいと思います。
当然、復興に関するさまざまな発注案件が多数ありますので、不調をなくしてそして一日も早く工事を完成させて、こういう条件も整えつつ、まだ県内企業で余力があるんじゃないかなと思う観点から質問したいわけですが、参考のため、県営建設工事の発注の結果についてですが、県内業者の発注金額、県外業者の発注金額の割合はどうなっているか。もちろん動いているものですから、現時点で算出できるベースで、震災の前後の比較もあれば伺いたいと思います。
〇山崎入札課長 県営建設工事の県内業者、県外業者への発注金額についてでございますけれども、平成25年度は発注金額、税抜きでございますが、1.822億円余のうち、県内業者が1、092億円余、割合で60.0%でございます。県外業者が730億円余、割合で40.0%となってございます。
震災前との比較についてでございますけれども、平成22年度、発注金額429億円余のうち県内業者が347億円余、割合で80.9%、県外業者が82億円余、割合で19.1%となっており、震災前と比べまして、県外業者への発注金額割合が大幅に増加、21ポイント増となっているところでございます。
〇及川あつし委員 だからまずいよと一概にはもちろん申し上げませんけれども、もうちょっと県内の業者の皆さんにちゃんと受注していただいて、その工事の後の維持管理、または技術の移転とかの問題も含めて、もうちょっと工夫ができないかなという意味で伺いたいと思うのですが、例えば地元企業の受注機会をさらにふやすために、現状の入札の参加要件をいわゆる緩和する必要があるんじゃないかと思います。要件をいわば緩和すれば、もっと幅広く県内業者が受注できる場ができるんじゃないかなとも思います。
県営建設工事の中には、技術力、実績を要する工事もあるので、そういうやむを得ない場合については県外大手への発注の必要もあるともちろん思いますが、大手と県内業者のJVの活用、いろんな形でやっていると思うんですけれども、もっと推進するべきじゃないかと思います。
例えば参加資格、今、大手の単者もしくは地元とのJVというようなのもあるように見えますけれども、例えば大手企業と県内企業のJVで発注ということをできるだけやっていくという方法もあるのではないかと思うわけですが、ここについての御所見を承りたいと思います。
〇山崎入札課長 今、二つ御質問をいただいたかと思いますけれども、地元企業への受注機会の拡大につきましては、これまでも県内企業の育成、地域経済の活性化、雇用確保の観点から、県内業者で施工可能と認められる工事は、県内優先発注を原則に、公正かつ適正な発注に努めてきたところでございます。
具体的には、地域要件と施工実績要件というのがございますけれども、これも入札不調が出ているということもございますので、県内企業ができるだけ参入できるように緩和に努めてきたところでありまして、今後とも、そのような措置を講じてまいりたいと考えております。
それから、JVの関係でございますけれども、県内企業と大手企業とのJV発注についてでございますけれども、本県の県営建設工事につきましては、大規模かつ技術的難度の高い工事については、円滑かつ適正な施工を確保するため、JVに発注することといたしております。
この場合の発注方針でございますが、県内企業で施工可能な工事は県内企業のみを構成員として行うと。県外企業が入る場合でも、県内企業とのJVを入札参加資格要件として設定しているところでございます。
あと、県外企業の参入がある場合でございますけれども、これは専門技術を要する特殊な工事で、施工実績のある県内企業が少ない、あるいはない場合に認めているところでございますけれども、この場合でありましても、県外、県内2者のJVを基本としまして、工事担当課と協議の上、要件を決定しているところでございます。
委員御指摘のとおり、大手企業と県内企業とのJVを推進するために、このような発注方針のもとで入札を進めてきているところでございますけれども、一方で、震災に係る復旧、復興工事の本格化に伴いまして、県内企業の技術者不足や大規模な土木工事の発注の増加が見込まれておりまして、入札不調の一層の増加による工事への影響が憂慮されているということから、入札不調対策の一つとしまして、一昨年の平成25年12月から、これまで認めていなかった土木構造物及び建築物の一般工事については、特例として単者または2者JVということで、県外企業単体の参加も認めることとしているところでございます。
この取り扱いにつきましては、現時点の入札不調対策の特例措置として運用しているものでございますので、御理解いただければと思います。
〇及川あつし委員 私が何を申し上げたいかというのは、いずれ県内企業への受注機会の拡大と、まだ余力があるような感じもするんですね、今、選別していくと。でも、発注要件がマッチングしないので手を出さないということもあるようですので、入札不調対策も含めてしっかりやっていただきたいと思います。
この前の農業農村整備推進議員クラブの際も、農業土木技術協議会とか土地改良設計協会から具体的な入札制度の改善等が出ていますが、これは県土整備部のほうでということなのでそちらでやりますけれども、いろいろ改善の工夫の余地があると思いますので、重ねて御対応方お願いしたいと思います。
あともう一点は、国会のほうで、一旦衆議院が解散になった関係で廃案になっていた地元建設業者受注確保法案というのが再提出される動きが表面化しているというような話を伺いました。何かよくわからない法案だなと私は思っているんですが、ただ、この法案が法律になって施行されると、今、復興事業をやっている本県についてはいろんな影響が、いい面だけじゃなくて悪い面もあるんじゃないかと思いますが、この法案についての動向をどのように捉えていて、影響等についてどう考えているか、伺いたいと思います。
〇山崎入札課長 地元建設業者受注確保法の制定に伴う影響についてでございます。
委員御指摘の地元建設業者受注確保法は、昨年6月に国会に提出されまして、11月21日の衆議院解散で自動的に廃案となったと伺っておりますが、この法案は、国や独立行政法人などが発注する予定価格1億円以下の工事を対象に、地元建設業の受注機会増大に配慮することが法案の柱となっていると伺っております。本県におきましては、県議会におきまして、平成14年10月4日、公共工事の県内建設業者への優先的発注及び地元産品の優先活用を求める決議、平成15年12月10日に、公共工事の県内建設業者への優先的発注による県内産業の振興を求める決議がなされており、これを踏まえて、県内建設業者への優先的発注に努めてきたところでございます。
この法案可決の影響につきましては、法案の趣旨が基本的には本県のこれまでのスタンスと一致しているものと考えており、県内業者への優先的発注が促進されることと考えておりますが、本県におきましては、震災後は、復旧、復興工事に係る工事発注の増加等によりまして、入札不調が増加しているところであります。県内企業への国等の工事発注が増加してきた場合は、県の工事の進捗に影響が生じる可能性もあるものと考えているところでございます。
〇及川あつし委員 総務部長、今、この件は法律が多分通るような流れだと伺いましたけれども、被災地の現状とこの法律がミスマッチを起こすとかなり私は大きい影響が出ると思うので、法案の中身と審議の動向についてはもう一度確認をしていただいて、もし適用除外等いろいろ必要なものがあるのであればしっかりやってもらいたいということを要望しておきますので、よろしくお願いします。答弁は求めません。
最後に、私立幼稚園の関係、担当が法務学事課でありますので伺いたいと思います。
一般質問でも申し上げましたとおり、かなり現場で今トラブルになってございます。その問題等についても細かく指摘しますけれども、改めて伺いますけれども、私立幼稚園で認定こども園へ移行すると当初していたけれども、しなかった。する園が減ったということの数字が、答弁がございましたけれども、何で私立幼稚園が認定こども園に移行する園が少なかったのか、法務学事課としてはどのように分析しているか、御答弁願います。
〇千葉私学・情報公開課長 子ども・子育て支援新制度への移行についてでございますけれども、移行を希望する園が減ったということにつきましては、昨年度の調査では、私立幼稚園、60園中11園が4月時点では希望しておりましたが、現時点では8園ということで、三つ減少しております。
移行を見送った理由といたしましては、移行を判断する時期に、公定価格や財源上、新制度の裏づけとなる消費税増税の動向が不明確だったこと、また、大規模園が認定こども園化した場合、減収となる旨の報道がなされたことなどが挙げられておりまして、県といたしましても、このような事情により、新制度への移行が進んでいないものと考えているところでございます。
県といたしましては、そのため、各種説明会の開催によりまして制度の周知に努めてきたところでございますけれども、今後とも、新制度を所管する保健福祉部と密接に連携しながら、新制度の円滑な移行に努めてまいりたいと考えてございます。
〇及川あつし委員 前、移行する園が多い都道府県のリストが出ました。なぜか私はわからないです、はっきり言って。茨城県にも視察で行ったときにいろいろ聞いたけれども、何で茨城県が高いのか理由はわかりませんでした。ただ、国がいろいろ二転、三転する中で法務学事課の皆さんにはいろいろやっていただいていると思うわけですが、もう一度施設開設者のほうからの具体的な声を聞いていただいて、平成27年度、一つ一つ対応していかないと、かなり問題がまたさらに深刻化するのではないかと思います。
伺いたいのは、いろんな声があると思うんですけれども、施設側からの主要な声はどういうものがあるか紹介してもらいたいのと、平成27年度はどういう対応を法務学事課としてはされようとしているのか伺います。
〇千葉私学・情報公開課長 新制度に対する幼稚園からの声でございますけれども、先ほどの県の見解と一部重なる部分がございますけれども、新制度に関する説明会の場とか、あるいは個別相談の場で聞かれた話でございますけれども、公定価格の動向が見えないとか、あるいは消費税増税の動向が見えないとか、そういったいら立ちとか不安の声が聞こえてきたところでございます。このため、平成26年度の前半の部分で、新制度への移行を見送るとした幼稚園が多かったのではないかと推察しているところでございます。
先ほど委員からもございましたとおり、新制度の移行をスムーズに進めるためにも、きめ細やかな相談対応に努めてまいりたいと考えてございます。
〇及川あつし委員 では、私が考える問題点を申し上げたいと思うんです。私は政府の制度設計の失敗だと断言してもいいんだと思います。結論的に言うと、今、施設側からだけの話をしていたけれども、今問題になっているのは、1号認定の子供となる世帯がほとんど利用者負担が上がるということです。就園奨励費との見合いで。ここが新年度に向かうに当たって、保護者世帯に初めてわかってきて、何でこんなことになるのと。子育て政策が充実しているんじゃないのかと、何で年間で十何万円も事実上負担がふえるのかと、就園奨励費との見合いで言うとです。こういう声がもう蔓延しているんですね。
この就園奨励費についてちょっと伺いたいわけですが、平成27年度の政府の予算で、いわゆる幼児教育の無償化という名目の中で、また就園奨励費の部分も含めて充実になりましたけれども、その内容をわかっていると思うので、ちょっと答弁していただいてよろしいでしょうか。
〇千葉私学・情報公開課長 就園奨励費の充実の部分でございますけれども、市町村民税非課税世帯につきましては、政府のモデル的なものでございますが、保護者の負担年額10万8、800円であったものが、その階層については3万6、000円ほどに軽減するというような内容でございます。
〇及川あつし委員 では、具体的にお話をしたいと思います。
いわゆる1号認定の子供の保育料、国が示している利用者負担のイメージというものは複雑になるので、最高額ベースで議論したいんですが、国は2万5、700円を一番上限額という形で示しています。岩手県の私立幼稚園の保育料、平均幾らになっているか示してもらいたいと思います。この保育料には、給食費が除かれている額だということの前提もあわせてつけ加えさせていただいて、岩手県の私立幼稚園の平均の保育料は幾らになっているか、月額ベースでお答えください。
〇千葉私学・情報公開課長 岩手県の私立幼稚園の保育料、給食費除きでございますけれども、県平均で、平成26年度はおよそ1万9、056円ほどとなってございます。
〇及川あつし委員 つまり、岩手県の幼稚園の平均の保育料は1万9、000円だけれども、国が設定している標準額はもう2万5、700円になっているんですね。この原因を突きとめたら、首都圏の幼稚園の今の現状も含めて計算していったら、これが平均単価になったと。東京の幼稚園なんかは3万5、000円とか4万円の保育料が当たり前ですから、岩手県内は今答弁があったように1万9、000円ですよね。平均されて標準額出されたらたまったもんじゃないですよね。これに対して、市町村がいろいろ減免措置をやろうということでようやく各市町村の分が出てきました。盛岡市は上限1万9、000円に設定された。一関とか奥州市はかなり頑張ったなと、1万5、900円。頑張った。ここの逆ザヤの分は市町村が負担するわけですよね。これでやっても1号認定の子供は就園奨励費がなくなるから、利用者負担増なわけですよね。市町村も国の示した保育基本料を削るわけですから、そこの部分については自主財源の持ち出し、盛岡市では四、五千万円と言っていますけれども、一体誰のための支援新制度だというところが大いに問題だと思いますので、これは制度設計のミスだと繰り返して言っていますけれども、まず法務学事課から国に対して絶対言ってもらいたいのは、何でこの2万5、700円という数字が出ているんですかと。保育料についてもこれはもちろん全国一律だけれども、保育料については、そもそも現場の運営費の単価がどうだという計算を含めて積算していって一定額が出ている。でも、1号認定の子供については、今の私立幼稚園の保育料を積算して割り算したらこの額になって、これをやって出してきたと。全然考え方が違うんですね。結果として、最後、利用者が非常につらい思いになっていて、一方で、政府は子育て支援やりますよ、やりましたよ、予算つけましたよと言ったけれども、全然安くなっていないどころか、10万円以上も逆ザヤになっているんじゃないのというのが今の1号認定の子供の保護者の強い声ですので、これは県としてもしっかり現状を分析して必要な措置をやってもらうように、国にがっちり言ってもらいたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
あともう一点。もう時間なのでまとめて言いますけれども、もう一つ不公平があって、例えばわかりやすく言うと、3号認定の子供、0歳から3歳の子供。これについては、国のいわゆる基本保育料の標準額は10万1、400円、これが国の上限額ですよね。大体市町村はそれでは高いからと言って、6万6、000円とか6万5、000円に保育料をカットして、三十数%は保育料の軽減措置をどこの市町村もとっているんだと思います。ただ、この1号認定の子供の各市町村の今の負担の軽減の中身を見ると、盛岡で26%ですね。ほかのところも、2号、3号の子供ぐらい負担軽減をやっていないので、何で1号認定の子供と、2号と3号の子供の軽減率が違うのというのも、これはいずれ問題になってくるので、ここもぜひ早急に調整してもらいたい。このことをぜひ強く申し上げておきますので、この件について所見を求めて私の質問は終わりたいと思います。
〇細川法務学事課総括課長 ただいまの委員指摘の点でございますけれども、確かに本県の私立幼稚園の授業料は全国平均からすると低い額となってございます。一方で、国のほうの上限額につきましては、国の全国平均を基準にして定めておるものと推察してございますけれども、その辺のギャップについて、実際、制度も4月1日からの施行が間近になってございますので、施行後においても、いろいろそういった課題等につきましては把握しながら、所管部局であります保健福祉部とも連携して国への要望等を検討してまいりたいと思います。
〇工藤勝博副委員長 この際、10分間ほど休憩いたします。
午後4時40分 休 憩
午後4時59分 再開
〇工藤勝博副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇小西和子委員 それでは、私からは、人件費と官製ワーキングプアについてお伺いいたします。
日本の非正規労働者は1、717万人で、全労働者の35.4%と言われております。このうち自治体での非正規職員は60万人を超えると言われており、市町村における保育、調理現場では半数を超えると言われております。
そこでお伺いしますけれども、県の非正規の非常勤職員と期限付臨時職員、それぞれの雇用者は何人でしょうか。そして、職員全体に占める割合もお伺いいたします。
まとめてお伺いいたします。人によっては、正規職員と変わらない業務実態にもかかわらず、賃金水準や雇用期間等が低位に置かれ官製ワーキングプアと呼ばれております。それぞれの職員の平均賃金額をお伺いします。最低賃金との比較もあわせてお伺いします。
続けます。期限付臨時職員が常態化している職場の実態、それから、超過勤務の多い期限付臨時職員の実態等があるのかないのかについて、どのように把握しているのかお伺いします。
〇熊谷人事課総括課長 まず、臨時、非常勤職員の人数についてでございます。平成26年4月時点で、知事部局において任用している期限付臨時職員は611名、非常勤専門職員は481名となってございます。職員数に占める割合は、期限付臨時職員で11%程度、非常勤専門職員で9%程度となってございます。
それから、非常勤職員、臨時職員の給与水準についてでございます。非常勤専門職員の場合、職種によって報酬額の開きがあるところではございますが、週5日勤務、週の勤務時間が29時間である職員の場合、月額おおむね10万7、500円から22万3、500円の範囲内で報酬額を決定しているところでございます。
また、期限付臨時職員の場合、事務、技術に従事する職員の賃金につきましては、経験に応じまして、日額5、900円から6、870円となってございます。
なお、平均賃金額についてのお尋ねでございますけれども、非常勤専門職員につきましては、勤務時間や職種ごとの職員数に開きがあるため平均額を求めることは困難でございますけれども、期限付臨時職員につきましては、直近の状況で平均日額6、807円となってございます。
最低賃金との比較でございますが、昨年10月発効の本県の最低賃金は時間額で678円となってございます。本県の非常勤専門職員の報酬月額、それから期限付臨時職員の賃金日額につきまして、それぞれ時間額に換算いたしますと、非常勤専門職員では926円から1、926円、それから、期限付臨時職員では761円から886円という形になっているところでございます。
それから、臨時職員の実態ということでございます。超勤の実態ということでございますが、イベントの対応とか運転業務等の対応のために超過勤務命令をしている例は承知しているところでございます。また、臨時職員数の多いと思われる部局を確認いたしましたが、一部の公所において、業務の都合により、年間でございますが、年間30時間から70時間程度の超過勤務を命じているところもあると伺ったところであります。
制度的に臨時職員への超過勤務命令は可能ではございますが、基本的には例外的な扱いと考えてございます。超過勤務が恒常的な状態にあるとすれば、所管する部局と職場の体制について協議してまいりたいと考えてございます。
〇小西和子委員 臨時職員等は、どうしても立場が弱く、言われるがままということがあるかと思いますので、ぜひ配慮をお願いしたいと思います。
続きまして、総務省が2014年7月に通知した臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等についてでは、臨時的任用職員に関して、フルタイムの臨時的任用を繰り返すことによって、事実上任期の定めのない常勤職員と同等の勤務形態を適用させるようなことは、避けるべきであると強く表現されております。
それから、平成26年度当初でも70人程度の職員不足数があるといただいた資料にありました。恒常的なマンパワー不足ということもあります。それから、久保孝喜議員の非正規職員の雇用改善に向けての取り組みについての一般質問で、知事は、前向きに取り組んでいきますという答弁もありました。このことを踏まえまして、任期の定めのない職員確保に努め、復興邁進につなげていく必要があると考えますけれども、見解をお伺いいたします。
〇熊谷人事課総括課長 任期の定めのない職員の確保、いわゆる正規職員についてでございます。こちらにつきまして、本格復興の推進や退職者数の増加に対応するため、ここ数年、採用者数をふやしてございます。被災前はおおむね60人程度でございましたが、平成26年度には130人程度と倍以上の採用数となってございます。さらに、来年度は130人以上の採用を予定しているところでございます。
本格復興への邁進とともに、さまざまな行政ニーズに対応するめには、さらなる人材の確保が必要と考えてございます。来年度におきましても、先ほど申し上げましたとおり、正規職員をふやそうと考えてございますし、任期付職員の採用、それから再任用職員、他県からの応援職員の確保等、あらゆる手だてを講じて人材を確保してまいりたいと考えてございます。
〇小西和子委員 いただいた資料には、正規職員の中には任期付職員の数も入っておりましたけれども、平成26年度で言いますと、任期付職員を除きますと3、949人ということで、それほど大幅にふえているということでもございませんので、やはり正規職員の採用について、もっと前向きに取り組んでいくべきだと考えます。
続きまして、県職員の子育て世代の労働環境について、これは厚生福利事業ともかかわるかと思いますけれども、このことについてお伺いしたいと思います。
来年度予算には男女共同参画の取り組みや女性の活躍支援事業等の項目も盛り込まれております。社会的に見ても、女性労働者とか子育て世代の若年層の生活条件は厳しい実態にあります。まずは、県職員の労働環境が他の規範となるように示していくことが必要だと考えます。一方で、県職員の現状も、安心して子育てしながら業務に従事できる状況にはなっていないとの声も聞こえてきているところではございます。
そこでお伺いいたします。年間の産前産後休暇取得者及び育児休業取得者は何人でしょうか。その間の代替職員の配置についてどのように対応しているでしょうか。
続けます。育児休業を1年未満で終了し、職場復帰している職員は何人いるでしょうか。その理由もお伺いいたします。男性の育児休業取得の状況もあわせてお伺いいたします。
〇熊谷人事課総括課長 まず、育児休業等の取得の状況についてでございます。産前産後休暇取得者、育児休業取得者の年間の人数でございますが、人数が確定しております平成25年度の数値で申し上げさせていただきたいと思います。前年度、平成24年度からの継続の取得も含めての人数になりますが、知事部局全体で67人となってございます。
次に、育児休業取得期間における代替職員の配置の関係についてでございます。職員の育児休業等の期間が短期である場合には、臨時的任用職員または非常勤職員の配置で対応しているところでございます。
また、育児休業等の期間が長期の場合には、当該職場での業務遂行への支障を考慮いたしまして、定期人事異動等において正規の職員を配置しているところでございます。
それから、育児休業を1年未満で終了し職場に復帰している職員等の状況というお尋ねでございます。平成25年度の人数では25人となってございます。
その理由につきまして、その全てはちょっと把握し切れてございませんが、平成25年度から平成26年度の間におきまして、当初の育児休業期間の予定を繰り上げて職場に復帰した職員につきまして、ちょっと調べてみました。そういった方は5人おりまして、その理由を確認いたしましたところ、その全てが、託児できるようになった、いわゆる保育者が見つかったということだと伺ってございます。
また、このほか考えられる理由といたしましては、やはり経済的な部分、それから、両親が子供の面倒を見てくれるような状況になったとか、年度の変わり目を職場復帰のタイミングにしたいというようなことが理由として考えられるのではないかと捉えているところでございます。
続きまして、男性職員の育児休業取得の状況でございます。これも平成25年度の実績で答弁させていただきますが、平成25年度、育児休業を取得した男性職員は2名となってございます。
〇小西和子委員 繰り上げて職場へ復帰した方の理由の中に経済的ということもありましたが、たしか1年半、基金のほうからの手当が出ます。そのあたりをちょっと説明していただけますでしょうか。
〇熊谷人事課総括課長 育児休業手当金ということで御説明申し上げさせていただきます。
育児休業開始日から180日目まででございますが、給料日額に対しまして0.8375を掛けた日額が支給される。それから、子が1歳6カ月に達するまでの間でございますが、181日目以降1年半の間でありますけれども、給料日額に0.625を掛けた額が共済組合のほうから支給される制度となってございます。
〇小西和子委員 そういうことになっております。随分改善されたなと思います。
手元に多くの方の声が寄せられておりますけれども、妊娠中に困ったことで、代替職員が配置されなかったとか、仕事量が多く休暇や制度を行使できなかった、それから、上司や同僚の言動や態度ということにいろいろ圧力を感じたとかということがございますし、それから、子育て中ということなんですけれども、小学校低学年の子供がいても単身赴任をしなければならない状況であったとか、これはと思ったんですが、子育ての時期に転勤するのもつらい。それが理由で職員をやめた人も実際に今まではいるというような声もあります。それから、健康で働き続けるために必要な改善ということで、まず、定時に来て、定時に帰れる職場環境、それから職場内の人間関係、休暇など権利行使のしやすさが挙げられておりますし、ストレスや悩みを感じるのは、仕事内容、仕事量の増加、人員不足というものも挙げられております。
少子化対策というのはずっとずっと昔から取り組んできました。特定事業主行動計画、今年度で10年目が終了するわけですけれども、平成21年の職員アンケートに、今後、子供が生まれても育児休業を取得しない理由、男性の場合、職場に迷惑をかける、上司等の理解が得がたい。それから、育児休業中最も気になったこと、女性は、職場に迷惑をかけるというような調査です。希望どおりに休暇をとれていないというようなことで、それをもとに後期計画を立てたにもかかわらず、何ら改善されなかったのではないかということが読み取れます。
取り組みがあっての基本姿勢とか、子育てしやすい職場づくりに向けた行動指針とか、職場環境づくりとかと細かくあるのですけれども、こういうことが共通理解されていたのか非常に怪しいと思います。
そこでお伺いします。子育て世代の職員の実態調査を行っているのでしょうか。そして、どのような配慮を行っているのでしょうか、お伺いいたします。
〇工藤勝博副委員長 小西委員、質疑は簡潔にお願いします。
〇熊谷人事課総括課長 子育て世代の職員の実態調査ということでございます。次世代育成支援対策推進法に基づきます特定事業主行動計画を策定するに当たりまして、平成16年度以降、5年ごとに子育てに関する職員アンケートを、子育て世代も含めて全職員を対象に行っているところであります。
平成21年度に実施いたしましたアンケートにおきましては、休暇を取得しようとした際に言い出しづらいとか、職場に迷惑をかけてしまうといった意識が多くの職員にあることが明らかになったところでございます。
このため、現在の特定事業主行動計画におきましては、代替職員の任用に当たっては、業務の引き継ぎ期間等を考慮した余裕を持った任用期間の設定を行うこと、それから、獣医師や保健師などの資格を有する職員の代替職員につきましては、専門性を有している非常勤職員で対応すること、それから、管理職層への制度の周知と理解を深めるための研修の拡充などの取り組みを強化するとともに、育児や子の療育のための夫婦同一地区への人事異動を希望することができる庁内公募制度の実施など、子育てしやすい環境づくりの取り組みも展開してきたところでございます。
また、人事異動におきましては、職員から身上調書というものをとりまして、いわゆる子育て中であるとか、さまざまな事情を書いていただいております。それを考慮いたしまして、可能な限り職員の希望に沿った、そういった特殊事情にある方の異動には、十分配慮して行っているところでございます。
〇小西和子委員 十分配慮願いたいと思います。実際に、切迫早産とか切迫流産ということもあると聞いておりますし、妊娠したんだけれども、職場が忙しいがために言い出しにくくて、我慢しているうちに流産したというような話も聞いておりますので、よろしくお願いします。
この人口問題に関する報告(案)の中に、岩手県庁内部の取り組みというものがございまして、県庁自らも、若手職員や女性職員がより活躍できる職場の構築に向け、施策などに積極的に取り組んでいきますと記しております。女性職員の活躍推進、子育て支援制度の充実と利用促進、男性職員の家事・育児参加促進、超過勤務の縮減と四つ掲げられております。
これも含めまして、何か岩手県は、日本一子育てにやさしい県とかなんとかと言っておりますけれども、今後どのように取り組んでいくのか、まずは、県職員の労働環境が他の規範となるように示していくのだという決意を込めて答弁していただきたいと思います。お願いします。
〇熊谷人事課総括課長 ただいま委員からお話のありました人口問題に関する報告(案)におきまして、御紹介のあったような取り組みを行っていくこととしてございます。
現在、新たな特定事業主行動計画の策定を進めているところでございます。この計画におきまして、メールマガジンによります業務情報提供やe−ラーニング研修の対象者を拡大するなど、育児休業中の職員への支援といった取り組みに加えまして、在宅勤務やテレワーク等の導入の検討、それから、女性リーダー養成のための研修の実施、そういったことを初めといたしました新しい取り組みも盛り込む方向で検討しているところでございます。
さらに子育てしやすい職場環境の充実に努めていきたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 では、最初に、今年度から消費税が8%に増税になりました。県民の負担はどういうふうに見込まれるのか、増税前と増税後はどうなっているか、県民負担の総額を含めて示していただきたい。それと、消費税の8%への増税による県税の収入はどうなっているか。今年度、来年度、示してください。
〇小向税務課総括課長 消費税及び地方消費税ですが、これの税率が5%から8%になったことに伴う県民の負担増についてでございます。1戸当たりの負担増ですが、平年度ベースでお答えしますと6万1、000円でございます。それから、県民の家計負担分の総負担額ということでございますが、825億8、400万円(後刻316億2、000万円と訂正)となってございます。これを世帯数で割ったものが先ほどの額ということになります。
次に、消費税の8%への増税によります県税収入の影響についてでございます。まず、平成26年度についてでありますが、地方消費税が、税率引き上げによりまして前年度決算額に対して17億600万円増となる見込みでございます。自動車取得税は、消費税率引き上げに伴いまして税率引き下げがございましたので13億6、900万円の減収と見込んでございます。
また、県たばこ税が、駆け込み需要の反動減等ということで1億6、100万円の減収となりますけれども、一方で、法人二税の伸び等によりまして、県税収入全体では、前年度決算額を43億1、700万円上回る1、151億1、600万円と見込んでいるものでございます。
次に、平成27年度についてでございます。消費税率引き上げの影響がほぼ平準化することから、地方消費税が、本年度決算見込み額に対して63億2、400万円増加すると見込んでいるほか、法人事業税、それから軽油引取税などの税目でも、復興需要等により増収が見込まれますことから、県税全体では、本年度決算見込み額を110億7、100万円上回る1、261億8、700万円と見込んでいるところでございます。
〇斉藤信委員 1世帯当たり6万1、000円で825億円と、これが県民の負担増ということですね。私は、これが10%になったら、本当に県民の暮らしも地域経済ももたないと思うけれども、これは部長に見解を聞きましょう。これだけの負担増、さらに10%、耐えがたいと思いませんか。
〇小田島総務部長 消費税が10%になるということに伴いまして、やはり負担については、かなりそれぞれの家計等に影響があるものと理解いたしております。
〇斉藤信委員 先ほど消費税で税収がどのぐらいふえるかと聞いて、法人二税、関係ない話が多かったんだけれども、平成26年度はほとんどふえないということでしょう、消費税だけの税収で見れば。平成27年度、これは平準化された来年度でも63億円ですね。消費税により事業費も上がる。県の消費税による負担増はどのぐらいですか。それが全額、国の交付税その他で見られるのでしょうか。財政課長、そこはわかりますか。
〇五月女財政課総括課長 負担増といいますと、いわゆる消費税に伴うことによりまして県が支出する部分の公費負担ということになると思いますが、その部分につきましても国のほうの地方財政計画できちんと見られておりまして、いわゆる交付税ですとか県税収入全体としては措置されているという形になると思います。
〇斉藤信委員 そんな単純な話じゃないと思うんですね。
例えば県立病院の場合、今年度10億円の負担増ですよ、純粋に補填されない額が。そういうものが出ているんですよ。財政課長、全額補填されるなんて自信を持って言えますか。補填されない額があるのではないですか、どうですか。それとも後から答えますか。
〇五月女財政課総括課長 個別の具体の負担増までは今、手元に資料がございませんけれども、医療局との関係で言えば、毎年度、一般会計のほうから負担額を繰り出しているというところもありますが、そこは、よく医療局とも相談しながら、対応については検討したいと思いますが、実態のほうは、改めて確認させていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 消費税の税収でたった63億円しか通常ベースでふえないといったら、ほとんど県にとってはメリットがない。私は、逆に負担増のほうが上回るのではないかと思いますよ。消費税によってどのぐらい経費がかかり、それがどのぐらい補填されるか、ぜひ後でこれは示していただきたい。
次に、大企業は来年度から1兆6、000億円の大減税が行われますが、県内の大企業の場合はどれだけの減税になるでしょうか。その見込みがわかるでしょうか。
〇小向税務課総括課長 法人実効税率引き下げによる県内の大企業への減税額ということでございますが、県内に本店のある資本金1億円超の法人は132社ございます。これの平成25年度の本県への申告額をもとに試算した法人関係税の税率改正による法人税及び法人住民税の減税見込み額でございますが、粗い試算ではございますけれども、平年度ベースで約4億1、000万円と見込まれるところでございます。
〇斉藤信委員 いずれ、ぼろもうけしているところには減税というので、国民には消費税、私は、本当にこれは矛盾が大きいと。これは指摘だけにとどめておきます。
次に、入札不調の問題がこの間議論をされていますが、今年度の入札不調の状況、そして、その具体的影響はどうなのかと。いわば、そのためにどのぐらい工事がおくれたとか、そういう状況について示していただきたい。
そして、この入札不調に対する対策で、どういう改善が図られているかということも具体的に示していただきたい。
〇山崎入札課長 入札不調の状況と具体的影響についてでございますけれども、平成26年度の入札不調の発生状況は、1月末現在で、発注工事件数1、118件のうち255件、割合で約23%となっており、前年同期の約22%と同水準となっているところでございます。
入札不調の具体的影響ということでございますけれども、入札不調となった工事につきましては、結果的に予定していた工期が延びる場合も生じておりますが、どの程度かといいますと、1回入札不調になりますと、一つの議会が次の議会に移るということになりますので、最低3カ月とか4カ月のおくれは出てくるものと考えておりますが、入札不調になった後に、設計額の変更ですとか近隣の工事と合併するなどの見直しを行って再度入札を行ったり、あるいは随意契約に移行するなどによりまして、工事の迅速な実施に努めているところでございます。
なお、これまで入札不調となりました工事のその後の契約状況を見ますと、平成24年度分、203件発生した不調案件でございますが、1月20日時点で未契約のものはゼロ件でございます。平成25年度分の297件のうち未契約なものは9件、平成26年度分は239件中、未契約は39件となっているところでございます。
それから、入札不調に対する対策、対応はどうなっているかということでございますが、入札不調の要因としましては、設計単価と実勢単価との乖離ですとか、技術者、労務者の確保や資材調達が困難であるということが挙げられておりまして、これがために、工事発注規模の拡大ですとか、あと、適切な設計労務単価への反映、さらには、入札参加者に係る施工実績や地域要件の緩和など必要な対策を講じるほか、技術者の関係ですと、復興JV制度の活用ですとか主任技術者の兼任要件の緩和、宿泊費や宿舎の建設費に対する措置、人材確保を図るための取り組みも進めているところでございます。
その効果ということは、具体的にはっきりとしたところはちょっとお示しできないところもあるんですけれども、入札不調の率はある程度高い率ですが、上昇がとまっているところもございまして、今まで取り組んできた分については、効果があらわれてきているのではないかと考えているところでございます。
引き続き、業界団体等との意見交換なども行いながら、関係部局と連携して必要な対策を講じてまいります。
〇斉藤信委員 私が教育委員会で聞いたときに、学校建設費は1.5倍になっていると。大体もうそういう規模で今、建設費、事業費が増加して、本当にこれは異常な事態だと思いますね。ある意味でいくと、こういう異常な高騰を招いているのは政治の責任なんですよ。それは本当に国の責任が厳しく問われるんだと思うけれども、ちょっと改善で努力しているんだけれども、とりやめの理由、入札不調で、申請なしが138件、そして、入札者なしというのが103件もあったんですね。随意契約でやっているという話もありますが、申請なし、入札者なしで、これでも随意契約というのは組めるんですか。
〇山崎入札課長 申請なしということにつきましては、入札公告をしても、応募者がまずいなかったと。これは、予定価格を事前公表していますので、それに見合ったものができなかったということですとか、あと、技術者が用意できなかったということが挙げられると思います。
それから、さらに、入札なしというのは、入札申請をした後に札入れがなかったと。これも、やはり同じように、やってみたら、技術者の配置ができないとか、あとは設計の積算ができなかったとか、そういうところでおりているところがあるというところでございます。
ただ、そういう入札不調になった後でございますけれども、担当課のほうでも設計額を見直したりとか、あとは、一つの工事ですとちょっと分が悪くて手が上がらないものも、ロットを拡大して合併することによりまして、ある程度参加も出てくる場合もございますので、そのような中で、再入札、随意契約も含めて何とか契約に持ってきているといった状態でございます。
〇斉藤信委員 入札の最後ですけれども、私は決算特別委員会でも聞いたんだけれども、この入札改善の問題で、低入札制度よりは最低制限価格制度のほうが合理的ではないか、シンプルではないかと。全国、そのほうが多数なんですね。決算特別委員会のときには検討するという答弁がありましたけれども、この検討はどうなっていますか。
〇宮参事兼管財課総括課長 管財課において所管してございます庁舎等管理業務委託の関係で申し上げさせていただきますけれども、現在、公正な競争環境の確保あるいは適正な労働環境の確保という観点から、最低制限価格制度等の導入の検討に着手してございます。庁舎等管理委託業務の入札において低い落札率となってございます業務について、その要因等を探るべく、入札参加者の協力を得ながら、履行状況あるいは雇用条件などの実態調査を実施してございます。
また、他県における制度の導入状況やその内容、あるいは導入に当たっての課題などについてしっかりと把握するということで、全国調査も実施したところでございます。
こうした調査の結果を踏まえながら、本県として、どういった形での制度の導入がいいのかというようなところを含めながら、最低制限価格制度等の導入といったものも含めた体制の検討を今、鋭意進めているところでございます。
〇斉藤信委員 わかりました。
次に地震津波、火山対策についてお聞きしますが、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策について、国は抜本的に見直すと。最大の災害を想定する、こういうふうになりました。
東日本大震災以降、今、日本列島全体が地震の活動期に入っているのではないかと。先日も震度4の地震が1日に2回ありましたし、火山活動も活発になっていると思いますが、この日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策について、どういう対応を今後検討していくのか、大震災以降の日本海溝についても、エネルギーが解消していないのではないか、蓄積されているという専門家の指摘も一部ありますが、その防災対策はどうなっているんでしょうか。
〇小向総合防災室長 県におきましては、平成22年3月に日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係ります国の防災戦略を踏まえまして、明治三陸地震等三つの地震被害を想定して岩手県地震・津波アクションプログラムを策定いたしました。これが平成22年3月でございました。ところが、その1年後に、その想定を大きく上回る東日本大震災津波が発生したところでございます。
こうしたことから、県といたしましては、本県に最大の被害をもたらしました東日本大震災津波と同程度の津波が来ることを前提とした地域防災計画の見直しや各種マニュアル等の整備に取り組んできたところでございます。
先般の報道で、国が有識者検討会を設置いたしまして、日本海溝と千島海溝を震源域とする巨大地震について見直しに着手するというようなことが伝えられたところでございますけれども、その想定によりましては、国の計画や、先ほど申し上げました国の防災戦略が改正されるということもありますので、それに伴い本県の計画やアクションプランも影響を受ける、また、新たな策定も必要になるということも考えられますので、十分国の動向等につきまして注視してまいりたいと存じます。
〇斉藤信委員 岩手県にかかわる三つの火山、岩手山、秋田駒ヶ岳、栗駒山の火山活動についても、御嶽山噴火の経験、教訓を踏まえて、今、県の中で対策が講じられ、また、ガイドラインなども今、示されていますけれども、この3火山に対応する監視体制、また、避難体制、ガイドラインの中身を簡潔に示していただきたい。
〇小向総合防災室長 まず、ガイドラインの改正につきましてでございますけれども、岩手山のガイドラインでございますが、これまで、いわゆる登山者という概念が薄かったということでございます。結局レベルが一段一段上がっていくという中で、レベルが上がった段階で入山口を閉じれば登山者はいないはずだというような中で、麓のほうの対策という部分を中心に行ってきたわけですけれども、御嶽山の噴火を踏まえまして、噴火警戒レベル1ということで岩手山も同じでございます。そういった意味で、登山者対策もきちっとやらなければならないということで、今回のガイドラインでは、そういった対策を追加したということでございます。
また、監視体制につきましてでございますけれども、本県の常時観測火山につきましては、気象庁等において観測体制を築いてございますけれども、岩手山では11カ所、秋田駒ヶ岳では3カ所、栗駒山では2カ所、それぞれ設置されているところでございます。
観測体制の強化につきましては、全国知事会等を通じまして国に対して要望してきたところでございますけれども、国の平成26年度補正予算あるいは平成27年度当初予算で研究基盤の強化といったものが示されたところでございますので、こういった観測体制が強化されることを期待しておりますし、そういったデータを生かすように努力してまいりたいと存じております。
〇斉藤信委員 その火山の研究レベルというのは、日本はまさに世界トップ水準なんだけれども、しかし、火山対策ということになると、気象庁と研究機関が別々で、日本で学んだ研究者が、インドネシアでもっと先駆的な一体となった体制をとっていると先日ニュースでも報道されましたが、私は強く、そういう研究機関と監視体制、そして防災対策一体の体制が必要なんだと思うんです。そのことは、私は指摘だけにとどめておきます。
次に、職員の体制についてお聞きします。
今、復興のピークを迎えて職員不足という状況になっていますが、この間の県職員の採用数、正職員の推移、再雇用職員の推移はどうなっているでしょうか。任期付職員、応援職員の状況と待遇について示していただきたい。
〇熊谷人事課総括課長 まず、県職員の採用数でございます。正規職員の採用数でございます。震災前は、先ほども御答弁申し上げましたとおり、60人程度でございました。震災後は徐々に採用数をふやしまして、平成26年度は133人と震災前の倍以上となっているところでございます。
次に、正規職員の数でございます。震災前は4、000人程度でございましたが、震災後3、880人前後で推移してございます。これは、少なくなっている要因でございますが、採用はふやしているんですが、それを超える退職がふえているというもので、結果として減少につながっているものでございます。
次に、再任用職員でございますけれども、こちらは、震災前は40人程度でございましたが、震災後は徐々に任用数をふやしまして、本年度の任用数は75人となっているところでございます。
それから、任期付職員、他県からの応援職員の状況と待遇でございます。任期付職員につきましては平成24年度から採用してございまして、平成26年度までの採用者数は、県配置職員で227人となってございます。
また、他県応援職員、これは毎年、他県に要請して数が決まりますので、現在、平成26年度末の状況でございますが165人となっているところでございます。
次に、待遇についてでございますが、本県で採用いたします任期付職員につきましては、本県の給与関係規定により一般の職員と同様に処遇してございます。また、他県からの応援職員につきましては、派遣元との協定によりまして、通勤手当、それから寒冷地手当といったものにつきましては本県支給となってございますが、これを除く手当につきましては、派遣元の給与関係規定により処遇されているところでございます。
〇斉藤信委員 正規職員の採用数をふやしているのは、私は評価したいと思うんですけれども、結果として、正規職員数はふえていないのですよ。平成21年4、162人、平成22年、いわば震災の直前、4、017人、平成26年3、878人ですよ。いわば、職員不足と言いながら、震災後戻していないのですね。私は大幅に、せめて4、000人体制ぐらいには早く戻すと。これは減らし過ぎだと思いますよ。大幅に戻すということが必要ではないかと。退職者数を上回る採用をするべきですよ。
もう一つ、任期付職員は、復興で大奮闘していただいております。民間でキャリアを持った人たちが、やめてきて頑張っていると。しかし、この任期付というのは基本は3年で、最大5年まで延長できると。3年は頑張ってもらえるというので、現場に行くと使い捨てと言われるんですね。応援職員は1年交代だけれども、次の年の応援が必要だから大事にされる。これは感覚的なところがありますよ。しかし、3年、さらに4年、5年と頑張れる任期付職員も大事にすべきだと。この任期付職員の待遇改善をどういうふうに考えているか。
あと、先ほどの論議の中で、やっぱり正職員化の特別選考というものも考えるんだということがありましたので、そのことも含めて任期付職員の待遇改善の方向を示していただきたい。
〇熊谷人事課総括課長 任期付職員の処遇改善でございます。現在、まだ検討といいますか作業を進めているところでございますが、一定期間継続して勤務いただいている任期付職員のうち、勤務成績が優秀な方につきましては、上位の職への任用を検討しているところでございます。今、人事異動作業の中でそういった作業を行ってございます。
それから、当初3年の任期で、最大2年間延長できるということで、希望する方につきましては、基本的に延長という形で行っているところでございます。
総括質疑のところでも総務部長から御答弁申し上げましたが、任期付職員の方々は、そういった被災地のためという熱い思いで来ていただいている方々であり、復興に尽力いただいている方々でございます。即戦力と考えてございますので、5年満了後のいわゆる正規採用、選考採用等につきまして、いろいろちょっと検討しなければならない課題がありますけれども、それは、そこの課題を整理いたしまして、そういう方向で検討を進めてまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝博副委員長 斉藤委員に申し上げます。議事進行に御協力をお願いします。
〇斉藤信委員 わかりました。最後にします。協力します。
人事体制について、例えば各部局、各広域振興局へのふるさと振興監の配置というものが示されていますが、恐らくこれは全部兼任でしょう。そういうもので意味のある配置になるのか。
もう一つは、これは本会議の答弁だったと思いますが、本庁に国際人材育成の特命課長を配置するほか、県南広域振興局に多文化共生体制の整備を検討すると答弁したんですね。ところが、県南広域振興局の局長が、これを知らなかった、びっくりしたと。この真意をただせ、こういうふうになったようですが、こういう人事政策でいいのかと。これは部長に聞きましょう。本当にあなた方は練られて必要な体制をとっているのか、名前だけ、形だけ、名ばかりのこういう担当を決めても私は意味ないと思うんだけれども、その点を答えていただきたい。
〇小田島総務部長 来年度、例えばふるさと振興監あるいは県産米戦略室ですとか、そのほか、委員いろいろお話になられた、そういう新しく設置する組織でございますけれども、これは、単純に兼務だけをかけるということではございませんで、例えば県産米戦略室等におきましては専任体制もございますし、それから兼務もございます。いずれ、そういう戦略室を設けまして、集中的にトータルとしてその業務を推進することを考えて組織を置いているものでございます。
県南広域振興局とのかかわりについては、これは、恐らく行き違いがあったのかもしれませんので、そこのところについては、十分連携をしながら、一元的に推進するような体制について、4月1日以降きちんとできるような形にしたいと考えております。
〇工藤勝博副委員長 先ほどの答弁で漏れていたものがありましたので、発言を許します。
〇小向税務課総括課長 先ほどの斉藤委員の御質問に対する答弁で、訂正させていただきたい部分がございます。
県民の総家計負担分について、8%時、825億8、400万円と申しました。これは8%そのままの部分でございまして、委員の質問の趣旨というのは、ふえた分ということで理解いたしまして、その分を申し上げます。316億2、000万円でございます。5%分を除かなければいけない部分でございました。訂正いたします。
〇工藤勝博副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝博副委員長 質疑がないようでありますので、これで総務部関係の質疑を終わります。
総務部の皆さんは御苦労さまでした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時49分 散 会

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