平成27年2月定例会 第18回岩手県議会定例会会議録

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〇37番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
議案第24号、第27号から第29号、第32号、第61号に反対し、請願陳情第138号、第145号、第146号の不採択に反対の討論を行います。
議案第24号、第27号、第28号と第32号は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正に伴い、条例を改正するとともに、新たに条例を制定しようとするものであります。
この内容は、安倍内閣の教育改革の一環で、教育委員会制度を改悪し、国や首長による教育内容への政治介入を可能とする極めて重大なものであります。具体的には、教育委員長と教育長を一本化し、首長が直接任命する新教育長を教育委員会のトップとするものであります。一方で、教育委員会の教育長に対する指揮監督権は奪われます。
また、地方自治体の教育政策の方針となる大綱を首長が決定するとしています。大綱には、学校の統廃合や愛国心教育の推進など教育委員会の権限に属することまで盛り込むことができ、教育委員会にその具体化をさせる仕組みとなっています。これでは、教育委員会を首長任命の教育長の支配下に置き、教育行政への首長の介入に道を開くことになりかねません。
安倍内閣による教育委員会制度改悪の狙いは、侵略戦争美化の愛国心教育の押しつけと異常な競争主義を教育に持ち込むことにほかなりません。
日本共産党は、こうした教育委員会制度改悪の狙いと運用を許さず、教育委員会が住民、学校現場の多様な教育要求を施策に反映させ、教育の自主性を大切にする機関として、改革、活性化するよう力を尽くすものであります。
議案第29号と第61号は、総括課長級以上の幹部職員と、小・中・高等学校の校長以上の管理職教員の管理職手当を削減しようとするものであります。
この削減は、本来一時的な措置で実施されたものですが、来年度も実施されると11年連続の削減となります。事実上の賃金削減となっていることは、制度上も問題であります。削減額は約1、800万円余ですが、見直すべきと考えるものであります。
請願陳情第138号は、安全安心の医療・介護実現のための夜勤改善、大幅増員を求める請願であります。
この請願は、第1に、看護師など夜勤交代制労働者の労働時間を1日8時間、週32時間以内、勤務間隔12時間以上とし労働環境を改善すること、第2に、医師、看護師、介護職員等を大幅にふやすこと、第3に、国民、患者利用者の自己負担を減らし、安全・安心の医療、介護を実現することを求めるものであります。
夜勤交代制労働は、健康リスクや安全リスクが高い勤務であります。ILO国際労働機関夜業条約勧告では、夜業に従事する労働者の労働時間は、昼間同じ仕事に従事する労働者より少なくするとしています。
厚生労働省自身が2011年6月17日の5局長通知で、看護師等の勤務環境の改善なくして持続可能な医療提供体制や医療安全は望めない、夜勤交代制労働者の勤務環境改善は喫緊の課題と指摘しています。2013年2月8日の6局長通知では、医療分野の雇用の質の向上のための取り組みについて指摘をしています。
県立病院においても、厳しい労働環境のもとで、昨年度看護師の50歳前の普通退職が97人に及び、退職者の6割を占めるなど増加していることも深刻な実態を示すものであります。医師、看護師、介護職員等の大幅な増員は、国民的な緊急課題となっているのではないでしょうか。
国民の医療費、介護保険料、利用料等の負担は先進諸国と比べても異常なもので、その負担軽減は切実な課題であります。こうした請願を不採択とすることは、医師、看護師、介護職員の深刻な状況の改善に背を向けるものであるとともに、県民の願いにも背を向けるものであり、請願の不採択に反対するものであります。
請願陳情第145号は、三陸の海を守るため六ヶ所再処理工場放出水のトリチウム濃度を原発並みに規制するよう関係機関に求めるものであります。
東京電力福島第一原発事故による汚染水の海洋放出については、トリチウムの濃度は1、500ベクレル毎リットルとなっていますが、六ヶ所再処理工場からは1億7、000万ベクレル毎リットルの排水が海洋に放出されました。これは、福島第一原発事故の基準の11万倍に相当するものであります。
六ヶ所再処理工場は現在試験段階ですが、本格操業となれば、さらに深刻な事態となることは明らかであります。せめて福島第一原発事故の基準で六ヶ所再処理工場のトリチウム濃度を規制することは、当然の要求であり、課題ではないでしょうか。
復興の途上にある三陸の漁場は、六ヶ所再処理工場による汚染水の排水の下流に位置し、その影響は極めて重大であります。現在でも福島第一原発事故による風評被害に直面しており、これ以上の放射性廃棄物による汚染を許すわけにはいきません。こうした立場から請願の不採択に反対するものであります。
請願陳情第146号は、住民の安全・安心を支える公務・公共サービスの体制・機能の充実を求めるものであります。
これは、究極の構造改革と言われる道州制の導入に反対するとともに、東日本大震災津波からの復興の教訓を踏まえて、国民の安全・安心を確保する国の出先機関の存続と充実を求めるものであります。
道州制には全国町村会が強く反対し、地方6団体からも反対、懸念、疑問の声が示されているものであります。東日本大震災津波からの復旧、復興を進めるためにも、今後の大規模な災害に備えるためにも、国の出先機関の存続はもとより、充実強化を図ることは重要なことではないでしょうか。
以上申し上げ私の討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(千葉伝君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
これより、請願陳情中、受理番号第139号及び受理番号第140号を一括して採決いたします。
各請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第139号及び受理番号第140号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第141号及び受理番号第142号を一括して採決いたします。
各請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第141号及び受理番号第142号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第143号平成27年度岩手地方最低賃金改正等についての請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第143号平成27年度岩手地方最低賃金改正等についての請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第138号安全安心の医療・介護実現のための夜勤改善、大幅増員を求める請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり不採択と決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第138号安全安心の医療・介護実現のための夜勤改善、大幅増員を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第145号三陸の海を守るため六ヶ所再処理工場放出水のトリチウム濃度を原発並みに規制するよう関係機関に求めることについての請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり不採択と決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第145号三陸の海を守るため六ヶ所再処理工場放出水のトリチウム濃度を原発並みに規制するよう関係機関に求めることについての請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第146号住民の安全・安心を支える公務・公共サービスの体制・機能の充実を求める請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり不採択と決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第146号住民の安全・安心を支える公務・公共サービスの体制・機能の充実を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第24号、議案第27号から議案第29号まで、議案第32号及び議案第61号を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、議案第24号、議案第27号から議案第29号まで、議案第32号及び議案第61号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第142号吉里吉里漁港海岸防潮堤災害復旧工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについてを採決いたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立全員であります。よって、議案第142号吉里吉里漁港海岸防潮堤災害復旧工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについては、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第21号、議案第22号、議案第25号、議案第26号、議案第30号、議案第31号、議案第33号、議案第40号、議案第44号から議案第51号まで、議案第53号から議案第55号まで、議案第57号、議案第60号、議案第62号から議案第81号まで、議案第138号から議案第141号まで、議案第143号、発議案第1号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立全員であります。よって、議案第21号、議案第22号、議案第25号、議案第26号、議案第30号、議案第31号、議案第33号、議案第40号、議案第44号から議案第51号まで、議案第53号から議案第55号まで、議案第57号、議案第60号、議案第62号から議案第81号まで、議案第138号から議案第141号まで、議案第143号、発議案第1号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
日程第57 委員会の閉会中の継続調査の件
〇議長(千葉伝君) 次に、日程第57、委員会の閉会中の継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕
各委員会の閉会中の継続調査事件
1 継続調査
総務委員会 ・
希望郷いわて国体の競技施設等について
環境福祉委員会 ・
消費者被害の状況等について
商工文教委員会 ・
若年者等の就業支援について
農林水産委員会 ・
日本型直接支払制度の概要及び取組状況について
県土整備委員会 ・
いわて建設業振興中期プランについて
〇議長(千葉伝君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続調査の件につきましては、各委員長から、お手元に配付いたしてあるとおり、それぞれ申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(千葉伝君) 御異議なしと認めます。よって、本件は、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することに決定いたしました。
日程第58 議案第1号平成27年度岩手県一般会計予算から日程第92 議案第137号平成27年度岩手県一般会計補正予算(第1号)まで
〇議長(千葉伝君) 次に、日程第58、議案第1号から日程第92、議案第137号までを一括議題といたします。
各案件に関し、委員長の報告を求めます。工藤予算特別委員長。
〔予算特別委員長工藤勝子君登壇〕

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