平成27年2月定例会 第18回岩手県議会定例会会議録

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〇24番(小西和子君) 社民党の小西和子でございます。
先ほどの委員長報告の各請願のうち、不採択となりました2件について、委員長報告に反対の討論を行います。
第1に、請願受理番号第145号三陸の海を守るため六ヶ所再処理工場放出水のトリチウム濃度を原発並みに規制するよう関係機関に求めることについての請願についてであります。
東京電力福島第一原発事故によって放射性汚染物質が拡散され、東日本一帯の国土と東北太平洋沿岸地域における海洋の汚染問題は、依然として、その全容と被害の実態が明らかではありません。そのような状況にあって、さらに今般の汚染水漏えいと海洋への流出事故は、情報隠しを行う東京電力に対する地元漁協及び国民の不信をもたらしています。
こうした中、かねてより放射性物質の放出が問題とされていた六ヶ所核燃再処理施設への対応は、幾度となく本県議会でも、請願審査などを通じて、さまざまな専門家の意見や知見を調査してきたところであります。
この間、放射性物質の放出に係る問題は、推進側と反対側の認識の溝を埋めることができず、専ら国のエネルギー政策に資する懸念事項であるという理由で、放射性物質の放出等に対する規制や制限のあり方についての請願は、本県議会では否定され続けてまいりました。
しかし、福島第一原発の汚染水流出事故は、現時点において人為的ミスの積み重ねを専らの理由としていますが、原因の特定と施設設備を含めた抜本的な対策の見通しが全く見えない中で、さらに海洋汚染が懸念されています。
六ヶ所村核燃再処理工場の海洋放出は、再処理過程で生じる廃液が沖合3キロメートル、水深44メートルで放出されています。推進派は、希釈、拡散するから問題なしとしていますが、本県を挟む三陸沿岸海域でこうした濃度規制を受けない放射性物質を含む廃液が無原則に放出されています。片や事故収束のめどが立たない状態のまま、このような廃液が海洋に流出され続けていくことを、私たちはただ黙って見過ごすことができるのでしょうか。
六ヶ所再処理工場が本格稼働すれば、1日置きに高濃度のトリチウム汚染水が海洋に放出されることが想定されています。私たちは、今起きている原子力災害から何を学び、どう行動すべきかが問われています。まずはその一歩として、少なくとも原発で行われている放出水の濃度規制を再処理工場排水にも適用し、監督を強化する必要があります。
したがって、本請願を採択すべきであり、不採択とした委員長報告に対して反対するものであります。
第2に、請願受理番号第138号安全安心の医療・介護実現のための夜勤改善、大幅増員を求める請願についてであります。
厚生労働省は、2011年6月、2013年2月に、それぞれ看護師等の雇用の質の向上のための通知において、夜勤、交代制労働者の勤務環境の改善が喫緊の課題であり、医療分野の雇用の質の向上のための取り組みについて、看護師等についての取り組みを医療スタッフ全体に拡大させることを求めています。
今後、少子高齢社会が一層進展する中で、医師、看護師、介護職員など、医療、福祉労働者の深刻な人手不足の早急の解消と看護師などの夜勤交代制労働者の大幅増員と働き続けられる労働環境の改善が不可欠となっています。
さらに、本県における被災地医療体制の充実と全国に比して深刻な医療、看護師不足の中にある実情を踏まえ、請願事項について充実を求めるものであります。
したがって、本請願は採択すべきであり、不採択とする委員長報告に対して反対するものであります。
議員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げまして、反対の討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(千葉伝君) 次に、斉藤信君。
〔37番斉藤信君登壇〕

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