平成27年2月定例会 第18回岩手県議会定例会会議録

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〇33番(及川あつし君) いわて県民クラブの及川あつしでございます。
今任期最終の一般質問となりますが、当面する県政課題について、順次質問をいたします。明確な答弁を知事初め執行部の皆様にはお願い申し上げます。
初めに、知事の政治姿勢について伺います。
再選出馬、県民党についてでありますが、我が会派の小田島峰雄議員が代表質問でも取り上げました。知事は、いつの間にか政治スタンスを大きく変え、県民党としてやっていく旨の発言をされております。答弁では、県民党のスタンスについては、さきの衆議院議員選挙に当たっても、選挙運動は一切せず、岩手県の現職8人の衆議院議員に引き続き活躍していただきたいと公言し、県民党のスタンスを貫いたところでありますとされました。前回の衆議院議員選挙で、いわば中立であったことが県民党なのでしょうか。県民党とは何か、なぜ県民党なのか、改めて説明を求めます。
知事が書かれた「変えられない政治」の時代という文章を拝読いたしました。2009年に国民の選択で政権交代を実現するまでに成熟した日本の政治は、3.11を経験して、さらに1段高い次元に進むべき局面にあったと思います。ところが、菅内閣と野田内閣は、消費税増税で自民党と合意することを国会の最優先テーマとし、混乱の中で総選挙に突入して日本政治発展の機会をつぶしてしまいましたと書かれておりますが、この御所見は今も変わらないのか伺います。あわせて、県民党との整合性についても御説明を求めます。
公約について伺います。
知事は記者会見で、現職知事としてさまざまな県の計画をつくっているという作業が、そのまま選挙でのマニフェストづくりになっていますと発言をしておりますが、政治スタンスを大きく変えることとなるわけですから、政治姿勢についても公約として打ち出すべきと私は考えますが、御所見を伺います。
次に、不祥事案への対応について、四つの事項に関して伺います。
最初に、知事演述に関してですが、今回の知事演述では、県政の重要問題の不祥事案について、議会が決算不認定を通じてたびたび警鐘を鳴らしているにもかかわらず、一切言及がございませんでした。まことに遺憾であり、議会軽視、県民軽視、さらには、全国民の皆様に対しても、まことに失礼なことでございます。
復興事業は、全国民の増税等による支援で財源が調達され展開されていることから、不祥事案に対して、知事がトップリーダーとして説明することは、至極当然の責任であります。
12月定例会において、我が会派の飯澤議員の討論で指摘をした二つの緊急雇用創出事業に県の責任回避が目立ちます。反省なくして改善策なし。大雪りばぁねっと問題の原因究明に真正面から全庁挙げて取り組んでおれば、DIOジャパン問題は発生しなかった。真剣に取り組まなかったから、DIOジャパン問題が発生したという因果関係にあるという指摘を真摯に受けとめるべきであります。
今回の知事演述で不祥事案について一切言及しなかった理由と二つの不祥事案に対する県政最高責任者としての基本認識を再度お伺いいたします。
二つ目は、大雪りばぁねっと事案についてであります。
そもそも議会は、検証報告書の所見を外部に求めるという対応は一切求めておりません。その妥当性をより客観的に精査という趣旨は、議会で我々が客観的事実を示しつつ質疑を長時間に及び行い、第三者委員会での再検証を求める決議まで上げたことに対する、いわば冒涜とも言える行為であり、私は厳しく抗議をいたします。
また、所見を求める相手方については、県外の自治体として宮城県に所見を求めました。みずからの行政行為を別の自治体に公式に所見を求めることは、まことに異様であり、所見を求められた宮城県の当惑も容易に推察されます。私は、本質的に間違った行為だったと考えますが、所見を求めます。
三つ目は、DIOジャパン社問題についてでございます。
知事は記者会見で、補助金の返還の件について、これはルールに従ってきちんとやっていけばいいと思っていますと、まことに機械的な発言をされております。決算特別委員会の質疑を知事はしっかりと確認したのでしょうか。我々は、各委員が、県の深い関与と、そしてその責任についてたびたび指摘をいたしました。そのことを踏まえた発言とは、到底私は感じませんでした。
橋本商工労働観光部長は、佐々木努委員の指摘に対して、しっかりと自覚を持った上で、市町に返還というような問題が生じないような方策について検討を進めてまいりたいと思っていますと答弁していますが、県の責任については、補助金返還に関して応分の負担を県のほうでもする検討の余地があるかどうかも含め、知事の所見を伺います。
四つ目は、このたび問題になっている被災地失業者対策予算を平成27年度予算に計上しなかった県政の大失態について伺います。
2月23日、被災地の支援事業を予算計上せずとのニュースが配信され、私も朝のテレビニュースを見て仰天いたしました。本県は政府に対し、平成26年6月3日、提言・要望書で平成26年度末までとされている震災等緊急雇用対応事業の事業着手時期及び事業実施期間を延長し、事業を継続して実施できるよう交付金の追加交付を要望しますとしてきました。県は期間延長を政府に対して強く要望、政府はその要望を実現。しかし、県は予算措置をしなかった、これは重大な失態であります。
以下、詳細について4点伺います。
1点目は、事実確認の時期でありますが、20日に外部の指摘で継続を知ったと報道には説明しておりますが、事実でしょうか。私の調査では、ある施設長は、2週間以上前に県の担当者に、国の制度変更と県の予算措置の違いについて指摘したと言っていますが、いかがでしょうか。
政府の方針変更については1月14日の通知で最低、当然わかっているべきものでありますが、確認が十分でなかったのでしょうか。通常、庁内のイントラネットや回覧等で複数職員が当然認知できるものでありますが、経過の説明も求めます。
2点目は、被雇用者への影響であります。一部の施設では、既に事業の打ち切りが伝えられ、雇用する被災者などに来月末の解雇を申し出た施設もあると私も電話で確認をいたしました。県が急遽調査した結果、28人の被雇用者にはどのような影響があったのかお示し願います。
3点目は、新規雇用への対応であります。通知では、新規雇用についても対応が可能と私には読めますが、今回の緊急に補正予算化することとは別に対策を講ずるのかどうかも伺います。
4点目は、県委託事業への検証と反省です。平成25年度決算特別委員会においては、障がい福祉サービス復興支援事業について問題視され、平成24年度岩手県一般会計歳入歳出決算は、不認定となりました。当時、議会としては、県が委託した事業に関して、事業の実施に透明性を欠き、多額の事業費に対して明らかに成果が不十分であったことを、多くの委員がこの件についても指摘をいたしました。
私は、この件について十分な検証と反省がなされなかったことが、今回の失態の根本にあるように感じますが、知事の御所見を伺います。大雪りばぁねっと事案とDIOジャパンの問題と同様の関係であります。
以上、まずは壇上からの質問とし、残余の質問は降壇して質問をいたします。
〔33番及川あつし君質問席に移動〕
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 及川あつし議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、県民党についてでありますが、東日本大震災津波という非常事態に際し、岩手県として総力を挙げて復興に取り組んでいる中で、本格復興期間を迎えている現状に鑑み、オール岩手で復興に取り組むために、基本的に政党、会派に推薦は求めないという意味で、県民党のスタンスで臨みたいと考えているものであります。
また、「変えられない政治」の時代で述べた考えについては、基本的に今も変わっておらず、日本が必要としている変化を実現することができるような二大政党制の形が今、見られない点などを残念に思っています。
そのような中で、今、岩手県においてオール岩手で復興を進めていくには、県民党のスタンスが望ましいと考えています。
次に、公約についてですが、選挙公約、いわゆるマニフェストには、次期任期において実施する政策を具体的に示すべきと考えています。
今後、公約を検討するに当たり、さまざまな御意見をいただきながら作成していきたいと考えています。
次に、知事演述についてでありますが、今回の知事演述は、東日本大震災津波からの本格復興に邁進するため、復旧、復興の現状と平成27年度に向けた取り組みの方針を示したものです。
大雪りばぁねっと、そしてDIOジャパン関連コールセンターの緊急雇用創出事業の事案につきましては、これまでも議会の御質問への答弁や説明など、御理解を得られるよう対応してきたところであり、今後も真摯に対応していく考えであります。
大雪りばぁねっとについては、関係者が逮捕、起訴され、裁判が行われる事態となっていること、DIOジャパン関連コールセンターの緊急雇用創出事業については、未報告の収入があるなどの指摘がなされる中で、しっかりとした説明がないまま、破産手続が進められる事態となっていることは、まことに遺憾であります。
県としては、平成26年4月、補助、委託事業の執行に当たっては、事業目的が十分に達成されるよう、内部管理体制の強化や補助、委託事業の留意事項の徹底を図ったところであり、今後においても、事業の適正な執行の確保と再発防止を図ってまいります。
次に、大雪りばぁねっと問題についてでありますが、第三者委員会での再検証を求める議会の決議には、具体的に対応しなければならないと考え、現在、裁判や会計検査院による検査が継続している状況において、新たに検証委員会を設置して一定の結論を導き出すような検証を行うことは差し控えるべきと考えて、現時点でできる方策として、外部の方々から個々に所見を伺ったものであります。
県としては、これらの所見を事業の適正な執行に向けたさらなる改善策の検討の参考にしたいと考えています。
宮城県に所見を求めたことについては、本県と同じ被災県であり、また、緊急雇用創出事業も実施していることからお願いしたものであり、法制度や実務に詳しい弁護士や大学教授に加え、行政実務に精通している宮城県に所見を求めることで、より多角的な観点から意見が伺えるものと考えたところであります。
次に、DIOジャパンについてでありますが、現在、立地市町においては、DIOジャパン関連コールセンターに係る返還請求額の確定に向けて調査を行っています。
緊急雇用創出事業は国の補助事業であり、関係法令に基づいて執行されるものでありますが、県としては、市町における補助対象経費の取り扱いの考え方などについて理解が得られるよう、国にしっかりと説明を行い、できる限り市町の負担とならないように努めてまいります。
次に、被災地の障がい福祉サービス事業所への支援に係る予算についてでありますが、平成25年度の決算特別委員会で審査のあった県委託事業については、被災地に数多くの復旧、復興の課題がある中で、これまでにない新たな取り組みであったことから、職員の確保や被災障がい者の実態調査など、一部想定どおりに進まなかった部分があったと認識しております。
このため、事業の委託に当たっては、このような認識を踏まえ、事業実施前に十分な検討を行うとともに、委託後も事業の進捗状況の管理や受託者への指導、助言を強化するなど、適切に事業が実施されるよう留意しています。
一方、今回の事案につきましては、緊急雇用創出事業に関し、被災3県に限り来年度においても事業継続が可能とする国からの通知について、担当課における確認が十分でなかったことにより生じたものであり、再発防止を図るため、複数の者による確認の徹底とチェック体制を構築してまいります。
その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔保健福祉部長根子忠美君登壇〕
〇保健福祉部長(根子忠美君) 被災地障がい福祉サービス事業所生産活動等支援事業費予算の未計上について、まず、事実確認の時期についてでありますが、2月20日に報道機関からの取材を受け、改めて国からの緊急雇用創出事業の通知内容を確認したところ、被災3県に限って、平成27年度までの事業継続が可能であることがわかったものであります。
また、具体的な日時は不確かですが、1月下旬以降、担当課に対し、幾つかの事業所から事業継続に関する問い合わせがありましたが、その時点では事業継続できないと誤って認識していたため、その旨をお話ししたところです。
県の雇用担当部局から庁内電子掲示板を通じて国からの通知がありましたが、事業の継続については今年度限りと誤って認識していたため、担当課では、回覧をしないでしまったものであります。
次に、被雇用者への影響についてでありますが、本年度雇用した28人のうち、1人は自己都合により昨年9月末で退職し、以後は27人の方が雇用されております。
今般、継続雇用の希望について、2月23日に18事業所に対し調査を行ったところ、現在の従業者27人のうち、高齢のため継続雇用を希望しない1人を除いた26人の方が、新年度も継続して雇用を希望していると伺っております。
次に、新規雇用への対応についてでありますが、現在、平成27年度当初予算の補正予算案を今議会に追加提案することで準備を進めておりますが、この事業の中で、新たな障がい福祉サービス事業所での新規雇用の需要にも対応が可能であることを確認しましたので、その方向で現在、調整を進めております。
〇33番(及川あつし君) 御答弁ありがとうございました。それでは、今の答弁に従って何点か伺いたいと思います。
まず、県民党についてでございますけれども、私がイメージする県民党と知事の言っていること、また、行っていることの県民党は、全く認識が違うのですね。この2日間の答弁を見ても、何となく偏っているなと感じますし、その意味からも、何が県民党なのだろうかと感じています。
きょうの報道で、知事の後援会が連合岩手に推薦要請したということを知りました。そもそも知事は、政党には推薦要請はしないで、団体推薦は得たいと報道では私も聞いておりますけれども、ちょっと県民党と言っている内容とそごがあるのではないかという感じがいたします。つまり、なぜ連合岩手という団体に真っ先に要請をされたのか、他の各種団体についてはどう対応するのか、これもあわせて伺いたいと思います。
特定政党を支援する団体に推薦要請をするということは、事実上の政党推薦要請と変わらないと私は思います。私は、団体に推薦要請するのが悪いとも思わないし、政党に推薦要請するのも悪いと思わないけれども、一方で県民党と言っていて、一方で違った行動をとっているのは、ちょっと違うのかなというような感じがしておりまして、その意味で、我が会派の小田島代表も質問で取り上げたところでございますので、再度、各種団体、他の団体についてはどのように対応するのか、または、連合岩手に推薦要請したということは、事実上の政党推薦要請と変わらないのではないかということについて、再度説明してください。
〇知事(達増拓也君) 先ほども、基本的に政党会派への推薦は求めないという意味で県民党のスタンスで臨みたいと申し上げましたけれども、最近10年、20年ぐらい、さまざま都道府県知事選挙を思い返しますと、特定の政党会派に推薦を求めないスタンスを県民党と呼ぶというのは、広く日本全体として行われていると思っておりまして、そういう意味で県民党という言葉を使っております。
そして、団体については、連合岩手のみならず、他のさまざまな団体にも推薦をお願いしていこうと思っていますし、内々その意を既に伝えている団体も複数ございます。
そして、団体が知事選挙で誰を推薦するかということと、その団体と政党との関係というのは必ずしも結びついていないというのが、日本各地のさまざまな知事選挙を見た場合の実態ではないかと思います。
〇33番(及川あつし君) いずれ、何となく県民党という言葉と言動が一致するように見えないということで質問で取り上げさせていただきました。選挙目的の偽装県民党だと思われないような言動を改めて要請したいと思います。
2点目には、知事が不祥事案について演述で触れられなかったことでありますけれども、過去、平成23年2月の知事演述では、岩手競馬の経営、森のトレー事案、県の不適切な経理処理、建設業の談合問題など云々と、こう言及があるんですね。その文脈からしても、今回取り上げてもいいのではないかと私は思っておりましたので、時間の関係もありますので、これは指摘だけにとどめておきたいと思います。
外部所見の件についても、どの議員が聞いても同じような答弁しか出てきませんので、繰り返しお尋ねするのも時間の無駄ですが、やっぱり我々は、今いかに裁判中であっても、いかに会計検査院がいろいろ調査しているにしても、今まで検証報告書をまとめるに当たってやったものをもって第三者でやれば影響はないわけですから、そういう形でやってほしいということを再度申し上げておきたいと思います。
DIOジャパン社の関係についてもいろいろ申し上げたいところですけれども、私は、やっぱりこの被災地の失業者対策予算の件について、きちっともう一度伺いたいと考えてございます。
知事は、今の御答弁で担当課云々ということ、これは先日の工藤勝子議員の代表質問においても、担当課が確認を怠ったからだというような発言をしておりますけれども、知事自身の責任等については一切何も言及がありませんが、どのように感じているか御答弁を求めます。
〇知事(達増拓也君) 陸前高田市の市長もおっしゃっていますけれども、復興というのは、障がいのある人たちも、そうでない人もひとしく暮らしていけるような新しいまちづくり、そういう岩手、三陸をつくっていかなければならないと私も思っておりますし、県もそういう姿勢であります。
そういう意味で、今回、平成27年度補正予算という形で、この被災地障がい福祉サービス復興支援事業というものの予算をお願いするところでございまして、そういった形で責任を果たしていきたいと考えております。
〇33番(及川あつし君) きちっと答弁してくださいね。知事は、きょうも、あとは2日前の答弁でも、担当課における確認が十分でなかったことにより生じたと答弁しています。では、1月14日に知事の名前で発出された平成27年度政府予算案の決定についてという文書は何ですか、これ。1月14日ですよ。1月14日に政策地域部長の名前で、政府が予算措置した政府予算案に関しての情報提供ということで文書が我々に来ています。その中で、今回の事業延長になった分についてもきちっと記載されていますね、政策地域部長。私は、だから、政策地域部長にも責任があると思いますよ。
もっと言えば、知事の名前で政府予算案の決定の中身に関して、こう書いています。雇用創出事業の沿岸地域での延長など本県の要望がおおむね反映されたところであり、これらにより地域産業の復興や雇用創出が促進されるものと期待できると知事の名前で1月14日に出ているではないですか。知事の責任はないのですか、担当課の責任ですか。再度伺います。
〇知事(達増拓也君) 国の予算は大変大部なものでありまして、それを県においては、各部局、各課、そして、それぞれの担当が手分けしてチェックしているものでありまして、今回、担当課における確認が十分でなかったため、今、御指摘のようなことにもなっており、私としても申しわけなく思っております。
〇33番(及川あつし君) 今、私としても申しわけなく思っているというのを初めて言いましたね、今回の事案発生以来。知事の名前でこうやって出しているわけだから、知事の確認もだめだったし、あとは、各部長のあれでも、1月14日ですよ、これ。予算編成しているのは1月末ではないですか。そうしたら、皆さんは、政府の予算編成の情報を1月14日にはきちっとレシーブしていたということですよね。
私は、保健福祉部だけの問題ではないと思いますよ。そして、政策地域部が全体をまとめているし、雇用創出事業のいわば元締めである商工労働観光部も情報を持っているし、そして2週間たって、その経過の中で予算編成もあったわけですね。それで、知事もこういう文書を出しているのですね。答弁が違うのではないですか。担当課の確認が悪いのではなくて、姿勢が悪い、そして庁内のやり方が悪い。今までの過去の失態についても検証していないから、こういう大事な問題が起きるのではないですか。
間違えば、26人とさっき答弁ありましたけれども、26人の方が失業する寸前だったわけですね。何かそういう本当に大きな問題を犯してまったということが知事からの答弁で全く感じない。再度、この事案の発生について、知事の責任についても伺いますし、総務部長、予算編成の過程で、一体何のためにこんなことをみんなで情報共有しながら予算編成しているんですか。これはチェックすればできるのではないですか。
どうも事案発生以来、私も調査しておりますと、保健福祉部が云々だ、障がい保健福祉課がどうだ、担当者がどうだという言葉ばかり聞こえてくるんだけれども、私は、商工労働観光部長にも、政策地域部長にも、総務部長にも責任があると思いますよ。保健福祉部長だけにこの事案を任せたら、また同じことが起きると思うのですけれども、その件についても答弁を求めます。
〇知事(達増拓也君) 申しわけないということは、きょう初めて言ったわけではないので、この点は述べさせていただきます。
そして、担当課における確認が十分でなかったということが原因だったということを述べておりますけれども、先ほど申し上げましたように、政府の予算については、県において役割分担をして、それぞれチェック、内容確認をしている、その中で担当課における確認が十分でなかったということなわけですけれども、したがって、再発防止を図るために、複数の者による確認の徹底、また、チェック対策の構築ということをしてまいります。
〇総務部長(小田島智弥君) 予算編成の過程におきましては、この緊急雇用創出事業にかかわらず、それぞれの部局におきまして、それぞれ必要な確認を行い、そして、最終的には総務部での調製を経まして予算編成が成立するわけでありますけれども、その過程、過程で、できる限り具体的な形でヒアリング等も行っているところでございます。
今回の事案につきましては、担当の保健福祉部における確認の問題ということがございましたけれども、総務部といたしましても、可能な限り、そういうことについてのチェックについて、再度、きちんとできるようなことを検討していきたいと考えております。
〇議長(千葉伝君) 及川あつし君にお聞きします。他の部長にも答弁を求めますか。
〇33番(及川あつし君) 結構です。
〇議長(千葉伝君) どうぞ続けてください。
〇33番(及川あつし君) 知事、これは反論ではないのですけれども、きょう初めて謝ったわけじゃないというけれども、公式の場で発言する中で、謝ったような発言は私は一回も聞いていないですよ。記者会見とかでもやったかどうかもわからないし、議会の場で発言したのは、多分初めてですよ。そこも含めて、今の発言でも、26人の方が雇用不安に襲われたことに対して、トップリーダーとして―知事、聞いてください、ここは大事なポイントですから。26人の方が、皆さんの対応の不備によって雇用を失われる可能性があったということについて、私は、十分なおわびのようには聞こえませんよ。私としてもおわびを申し上げますみたいな、そんな簡単な話ではいけないと思うので、きちっと、知事がトップリーダーとして、我々にもだけれども、26人の雇用を失われそうだった方に対して説明をしていただく意味で、再度答弁をしていただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 自分のことには余りこだわりたくはないんですけれども、今週火曜日、24日の工藤勝子議員の代表質問に対し、申しわけなく思いますということは述べております。また、記者会見においても述べたと記憶しておりますので、そうではないという先ほどの指摘を前提として、その後の質問をいただいているわけでありますけれども、その前提は前提として、先ほども申し上げましたように、復興というのは、突き詰めれば、被災地イコール復興地の被災者イコール被災者一人一人が復興していく、それが復興でありますので、その中で、障がいを持った方々が働いて自立しようということを手伝う、そういう職場で働こうとする人たちが、円滑にその場所で働けるにもかかわらず、働けないみたいなことがあったとすれば、それは本当に申しわけないと思っている次第であります。
〇33番(及川あつし君) 言った言わないの話は不毛ですが、私は答弁概要書をいただいて、そこには書いてないので、では、後でつけ加えたんですね。そういった意味で言いました。
私が言いたいのは、伝わっていないということですよ。皆さんの説明は、庁内での手続がどうだったこうだった、新しい予算をつける、つけない、そういう話ばかりしているわけだけれども、26人の皆さんに対してきちっとしたメッセージがいまだかつて伝わっていないということを言いたいんです。それについて、知事、ちゃんと言ったらどうですかと言っているんです、私は。もう一回お願いします。
もう一点は、知事はこれまで説明の中で、私が申し上げているように、1月14日に発出した政府予算案の決定についてということで、自分で書いた文書ではないのですか、これは。この政府の措置で、地域産業の復興や雇用の創出が促進されるものと期待できるという文書を出しているのではないですか。この件についても一切言及していませんよ。これまでこうやって出したけれども、どうだったということも含めて、自分の名前で出した文書について責任をとらないんですか。その点についても所見を求めます。
〇知事(達増拓也君) 最後の部分については、今回、平成27年度補正予算でお願いする部分がないとしても、雇用の促進事業が被災地の復興に資するものだという趣旨の文書がおかしいのではないかという趣旨でおっしゃっているとすれば、それは、総合的に他にもいろいろ分野はあるので、それらが、そこに書いてあるようなことにつながっていると。今、ちょっと手元にその文書がございませんので不正確な言葉とか言っているかもしれませんけれども、その文書自体を差しかえなければならないのかということについては、今いただいた質問の中では、その必要性を感じないところであります。その文書を今ここで確認できれば、それを確認しながら、また別の答弁があるかもしれませんが、今、耳で聞いた範囲内では、その変更をしなければならないというような内容ではなかったと感じているところであります。
この議会の場というものは、さまざま問題点を指摘いただきながら、また、知事、執行部といたしましても、県民の皆さんに対して、答弁を通じてさまざまな情報を伝えることができる場でありまして、今回のことにつきまして、改めて私のほうから、雇用の継続に不安を持った方々がいれば、その方々に対して申しわけなく思いますし、ぜひ、この復興の中で、障がいを持った方々の自立をお手伝いするという職業を通じて、復興に貢献していただきたいということを、この場をおかりして申し上げさせていただきたいと思います。
〇議長(千葉伝君) 及川あつし君にお尋ねします。今、知事から文書を求められたんですが、出す用意があるでしょうか。出すかどうか。
〇33番(及川あつし君) 大事なポイントなので、でき得れば、文書も用意していますので、確認をしていただいて、知事の責任という意味で答弁してもらいたいと思います。
〇議長(千葉伝君) それでは、その文書をコピーさせて……
〇33番(及川あつし君) 用意しています。
〇議長(千葉伝君) 書類がありますか。
〇33番(及川あつし君) 5部は用意してあります。
〇議長(千葉伝君) 今、事務局のほうから配付させます。
〔資料配付〕
〇議長(千葉伝君) 知事が目を通す間、しばらくお待ちください。
〇知事(達増拓也君) 被災企業等への支援については、グループ補助金(中小企業組合等共同施設等災害復旧事業)等の継続、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金の積み増し、事業復興型雇用創出事業の沿岸地域での延長など本県の要望がおおむね反映されたところであり、これらにより地域産業の復興や雇用創出が促進されるものと期待できるという文書であって、質問の御趣旨は、ここに事業復興型雇用創出事業の沿岸地域での延長と書いてあるのであれば、先ほど、担当課における確認が十分でなかったというけれども、担当課もわかっていたのではないかという趣旨かと思いますけれども、ここにはこう書いてあるわけでありますけれども、担当課における確認が十分でなかったというのは、もうこれはそのとおりでありまして、それが結果としてこの予算に盛り込まないということになったものであり、申しわけなく思っております。
〇33番(及川あつし君) いずれ、あってはならないことが起きた。これは全庁的な問題だということで、答弁では、ダブルチェックをやっていくことが、何か、再発防止のような感じがしますけれども、もうちょっとちゃんとやっていれば防げたのではないかなと。私は、保健福祉部だけのせいにするのはちょっと違うのではないかなという意味の趣旨でありますし、繰り返しになりますが、26人の方々に対して―もっと言えば28人ですね。その方々について、きちっとメッセージが伝わる対応を、知事がさっきやられた答弁をもっと先から言えばいいと思うんです、私は。そういうことをやってもらいたいということと、先ほど答弁がありましたけれども、新規雇用も対応可だというふうに読み込めるわけでありますので、その部分についてはしっかりやっていただきたいということを再度申し上げたいと思います。
時間の関係もありますので、先に進みます。
次に、訪日外国人観光客の誘致について伺いたいと思います。
まず、現状分析についてであります。
近年、日本への海外観光客は増加の一途をたどっておりまして、本年1月20日、日本政府観光局の速報値発表によれば、平成26年は前年比129%増の1、341万4、000人もの観光客が来日しているようであります。今後、東京オリンピックに向けてますます外国人観光客がふえる見込みと考えておりますが、同時に全国各地では地域間競争も激化しているのも御案内のとおりだと思います。
本県では、平成25年は前年比143%増の6万1、330人泊と増加しており、平成26年1月から9月の速報値も増加が見られております。しかし、本県では、残念ながら震災前の水準には戻っていないという状況でございます。2014年3月に策定されたみちのく岩手観光立県第2期基本計画には、外国人観光客の入り込み数は、東日本大震災津波及び原子力発電所事故に伴う風評により、依然顕著な回復の動きは見られません云々という記載がございますが、私は、その分析で本当に十分なのかなという趣旨で伺いたいと思います。
知事はこれまで、たびたび海外に出かけて誘客に努めてきたと思いますが、その分析等について認識を伺いたいと思います。みちのく岩手観光立県第2期基本計画では、計画の初年度、平成26年度でありますが、外国人宿泊数を8.3万人としておりましたが、目標値を達成できそうな状況なのかどうか伺います。
〇知事(達増拓也君) 訪日外国人観光客の誘致に関する現状分析についてでありますが、みちのく岩手観光立県第2期基本計画においては、震災を受けての課題として、震災等による落ち込みが大きい外国人観光客の需要の回復を掲げ、さらなる安全・安心に関する正確な情報の発信や東北観光推進機構等との連携した取り組みが必要であると分析しております。
さらに、この計画では、国際観光の振興全般においては、震災以前からの課題として、外国人受け入れ態勢整備と相互交流の拡大を掲げ、1、海外の一般消費者に対する情報提供の強化による知名度の向上、2、海外の旅行会社に対する商品造成支援の促進、3、Wi-Fiなどの受け入れ環境の整備、4、訪日教育旅行の誘致促進、5、エアポートセールスの強化などによる国際線の運航拡大、6、クルーズ船の誘致促進が必要であると分析し、県、市町村、観光関係団体、観光事業者等が一体となってこれらの取り組みを進め、訪日外国人観光客の誘致拡大に努めていくこととしています。
また、この計画における平成26年の目標値の達成見込みについてでありますが、観光庁が公表した宿泊旅行統計の速報値によりますと、平成26年1月から9月までの期間における本県外国人宿泊者数は約4万6、000人泊となっており、昨年同期に比べて15.6%増加はしておりますが、震災前の平成22年に比べますと、台湾については57.3%増加していますが、全体では13.9%を下回っており、震災前水準への回復を目指すこととして定めた平成26年の目標値8万3、000人泊の達成はなかなか厳しい状況にあるものと認識しております。
一方、東北全体の状況を見ますと、震災前の平成22年に比べて35.6%下回っていますことから、東北全体の底上げが本県への誘客にもつながるものと考えておりまして、引き続き、東北各県との連携強化を図り、早期に震災前の水準を上回ることができるよう、東北の知名度向上や広域観光ルートとしての定着に向けて取り組んでまいります。
〇33番(及川あつし君) この分野については、知事の経歴上のことからも期待する方が多いわけでありますので、計画を立てた以上、しっかりと達成できるようにあらゆる手段を講じていただくことを要望してまいります。
関連してですが、外国人の生活面での支援強化ということでございます。計画では国際観光の振興、先ほども答弁があったような内容、さまざまございます。しかし、もうちょっとできるのではないかな、不十分だなと私も思っておりますので、以下、外国語対応、救急医療対策の現状もお示しして、提言も含めて質問をしたいと思います。
現在、いわて医療情報ネットで外国語のできる医療機関の情報を提供すること、多言語問診票の活用などの対策は講じていると承知しております。しかし、私の調査では、多言語対応病院が少ないのではないかなと思います。また、岩手県国際交流協会が取り組んでいる多言語問診票、これも非常に大事なものでありますけれども、それだけでは十分な診療ができていない。多言語問診票の認知度が余り高くないということもあるようであります。また、重症者、重病者の方々が団体ツアー以外のお客さんだった場合、そのアフターケアは、宿泊している施設スタッフだけでは十分対応できていないような状況もあると伺いました。
知事は演述で、ILCの実現に向け科学ILC推進室を設け、外国人研究者の受け入れ態勢などの具体的な検討を進めますとされましたが、外国人観光客誘客を一方では進めつつ、さらには大目標であるILC誘致に向けても外国語対応の救急医療を初めとする外国人の生活面での支援強化は不可欠であり、私は軽視できない問題と考えてございますが、御所見を伺います。
〇知事(達増拓也君) 県では、いわて医療ネットによって、受診時に外国語による対応が可能な医療機関の情報をホームページで提供しておりまして、現在、救急医療機関においては、県内九つの保健医療圏の中核的な救急医療機関全てにおいて英語での対応が可能となっています。
現在、平泉の世界文化遺産登録、ILC国内候補地の選定などの社会経済情勢の変化を踏まえて、岩手県多文化共生推進プランの改訂を行っているところでありますが、今後とも、外国人の生活環境の充実、支援について、市町村や関係機関と連携して取り組むこととしております。
また、来年度、世界とのかけはしクラブを設置して、若者が住民や外国人とともに地域課題を話し合う場づくりなどを行うこととしておりまして、外国人も含めた全ての県民が一体となった多文化共生社会の実現に向け、さらに取り組みを進めてまいります。
〇33番(及川あつし君) よろしく御対応方お願いします。
次に、地域医療確保対策について伺います。
まず、岩手医科大学の移転後の救急医療体制等の問題であります。
本年1月に環境福祉委員会で県立中央病院を訪問して、岩手医科大学附属病院の移転後の救急医療体制の確保について調査を実施いたしました。
中央病院の望月院長の説明によれば、盛岡保健医療圏における一定以上の症状を抱える二次救急患者数は増加傾向であること。平成25年度の患者数およそ6万人のうち、救急車による搬送患者が8、500人程度、また、他の圏域からの重症患者の受け入れも少なからずあるとのことでありました。また、救急医療の特徴として、岩手医科大学、県立中央病院、盛岡赤十字病院での受け入れ患者が多く、中でも岩手医科大学は救急車以外の外来患者を、県立中央病院は救急車搬送や救急入院の患者を多く受け入れていると伺いました。
岩手医科大学は平成30年ごろを目途として移転すると伺っておりますが、現状の救急医療体制における各医療機関の役割を伺うにつれ、改めて解決すべき多くの政策課題があることを認識いたしました。
岩手医科大学移転後、同大が受け入れていた救急患者をどうしていくのか、患者が県立中央病院に押し寄せた場合、十分な対応ができるのか、地域の救急医療確保や本県全体の医療体制にも影響を及ぼすのではないかと懸念しております。
県では、岩手医科大学移転に当たっての盛岡保健医療圏における救急医療体制の課題をどのように捉え、移転後の体制をどのように整備していこうとしているのか伺います。
〇保健福祉部長(根子忠美君) 岩手医科大学移転後の救急医療体制等の確保についてでありますが、岩手医科大学では附属病院とあわせて高度救命救急センターを移転するほか、移転後の跡地には100床規模の、仮称でございますけれども、内丸メディカルセンターを整備し、軽症の救急患者に対応する計画と承知しております。
一方、現在の附属病院から規模が縮小するため、平成25年度には約2万2、000人を数えた、救急車ではなくてみずから来院される比較的軽症の患者を全て受け入れることは困難だという状況でございますので、県立中央病院を初めとする他の医療機関に影響を及ぼすことが懸念されます。あらかじめそうした状況を踏まえまして、初期救急医療体制の構築や住民の皆さんへの啓発も重要だと考えております。初期救急医療体制の整備を担う盛岡圏域の市町等では、既に移転後の救急医療体制のあり方を検討する協議を始めております。県としても、協議の場への参画や市町への助言等を通じながら、体制整備が適切に行えるよう協議を促進しながら支援策を検討していきたいと考えております。
〇33番(及川あつし君) 御案内のとおり、この課題については、県立中央病院の体制が崩れれば、盛岡広域圏だけでなくて全県の医療体制の崩壊にもつながりかねない非常に大事な問題でありますし、今、御答弁があったように、ウオークインで来られる患者さんの分についても、これはなかなか周知徹底するまでに時間がかかるので、岩手医科大学の移転の予定時期も含めて、事前にしっかりとした対応をしていただくようにお願いしたいと思います。
次に、看護職員の確保対策について伺います。
まず、現状と課題についてでありますが、現在の第7次岩手県看護職員需給見通しにおいて、これまでの看護職員確保対策の成果を織り込んでも、平成27年においては737.4人の供給不足が生ずる見込みとされてございます。県では、これまで修学資金の拡充などの取り組みを進めてきているとは伺っておりますが、看護職員の県内就職率の状況、今後の確保対策について伺います。
〇保健福祉部長(根子忠美君) 看護職員確保対策の現状と課題についてでありますが、県では、いわて看護職員確保定着アクションプランに基づきまして、修学資金貸付枠の拡充や県内就職支援ウエブサイトの開設など、看護職員の養成、確保や定着に総合的に取り組んできたところでありまして、看護職員養成施設卒業生の県内就業率は、最も低かった平成22年度の42.6%から平成26年度には59.3%に回復しております。しかしながら、県内就業率は向上しているものの、高齢化の進展、医療の高度化により、今後も看護職員の需要が増大することが見込まれておりまして、今後は、潜在看護職員の活用やU・Iターンなどによる看護職員の確保が重要と認識しております。このため、テレビやラジオによる広報活動、県内外における就職説明会の開催などに引き続き取り組むとともに、来年度から離職者の届け出制度が開始されるということがありますので、それに伴いまして離職者の潜在化防止を目的に看護職員の就業支援を行うナースセンターの体制強化を図ることとしておりまして、今後とも看護職員の確保と定着を推進していきます。
〇33番(及川あつし君) 今、根子保健福祉部長から県内就職率の関係、最悪から脱して徐々に高まってはきているといような答弁があったかと思うわけですが、私もいろいろ調べると、残念ながら県内就業率の数字の低下の最大の原因は岩手県立大学だという観点から伺いたいと思います。
県内の看護師養成施設の中で県立大学の県内就職率が最も低いと、今、医療界で改めて問題視されております。過去5年間を見ましても毎年5割を割って、平成26年3月の卒業生は91名、就職者86人、県内就職者は35人、わずか38.5%ということでございます。
本県の地域医療の中核となる人材の輩出が期待される県立大学として、私は大変ゆゆしき状況だなと思いますし、また、医療関係団体の方々からの話では、大学がみずから首都圏の大病院を積極的に学内施設に招いて就職説明会を実施している。これは問題ではないかというような指摘もなされてございます。本県の看護職員確保に貢献すべき県立大学が、県外の大病院の就職説明会に施設を提供するのはいかがなものかと考えておりますが、この経過について伺います。あわせて、平成27年3月卒業見込みの学生の就職予定についてもお示し願います。
〇総務部長(小田島智弥君) 県立大学の県内就職率等について、2点お尋ねがございました。
まず、県内就職説明会の経緯でございますが、開学当初は、一般企業等も参加する大学全体の合同企業説明会に病院等も参加いただいておりましたが、専門性も異なり、参加病院も少なかったことなどから、平成12年ごろから看護学部独自で病院等研究セミナーを開催することとなりました。セミナーの開催当初から、学生が参加しやすいように学内施設を活用して開催してきており、参加病院等についても、県内、県外問わず広く参加の呼びかけを実施しているところと聞いております。
今年度は、6月25日に学内の学生食堂において、県内及び県外から37病院が参加して開催し、うち県内からは、県医療局、岩手医科大学附属病院など12病院が参加し、集まった学生は99人となってございます。このセミナーは、県内病院には、中小規模も含め数多く声をかけさせていただいたところでございますが、一方、県外病院には多数の参加希望があったものの、卒業生の就職実績等を踏まえ数を絞って参加いただいたと聞いております。
次に、平成27年3月卒業見込みの学生の就職内定状況についてでございますが、1月末現在で就職希望者の約97%が内定しており、うち県内内定率は約42%となってございます。
〇33番(及川あつし君) 平成27年3月見込みでも42%と、ことしも5割を切っているということになりまして、大変残念なことだなと思いますし、手を打たなければいけないと私は思います。今でも七百数十人が足りないという状況なわけですし、多額の県費を投入して人材を育成しているわけですから、日本全体のために貢献するのもいいんだけれども、やっぱり5割は絶対死守しなければいけない数字だと私は思うのです。しかも1%でも高くということであります。もちろん、職業選択の自由もあるので強制はできないと思うのですが、あらゆる工夫をしてもらいたいと思います。
そこで伺います。県立大学の役割についてでありますが、開学17年目となりました。看護学部の卒業生は1、000名を超えていると伺っております。今後、卒業生の県内定着を含め、現在、本県唯一の4年制大学の看護学部としてどのように本県の地域医療に貢献しようとしているのか改めて伺います。
〇総務部長(小田島智弥君) 県立大学の地域医療に果たす役割についてでございますが、看護学部では、各領域における具体的な看護のあり方や技術、方法等のほか、地域保健活動の伝統や県立病院の状況など本県の地域特性を踏まえた教育を行っており、看護の現場で即戦力となる実践能力を身につけた資質の高い看護師等を養成しているところでございます。
また、新人看護師等を対象とした研修の実施や県内の病院からの研究指導の要請に対する講師派遣、あるいは被災地における教員の健康支援活動や学生のボランティア活動など、復興支援の取り組みも積極的に行っているところでございます。
学生の県内定着に向けましては、看護学部独自で県内の病院で活躍する看護部長からの講話や進路選択等のキャリアガイダンスを行うほか、看護職員の育成と確保等に向けて設置者である県と看護学部で意見交換も始めたところでございます。
今後も、このような取り組みを行いながら、本県の地域医療に貢献していくことについて期待しているところでございます。
〇33番(及川あつし君) 答弁は承知いたしましたが、去年、岩手県医師会の皆さんとの懇談会でこんな意見が出ております。先ほどの繰り返しになりますが、首都圏の大病院と県外の大病院が、自主的にホテル等で就職説明会を実施するのはいたし方ないが、県立である大学が、県外大病院の就職説明会実施において、学内施設等を提供し積極的に行っているのはいかがなものかと言われております。
いろいろこれからも対策をとるということですが、私は本当に深刻な問題だと捉えているし、これから2025年に向かって医療環境は非常に厳しくなっていく中でありますから、ますますこういう状況が続くと厳しいことになっていくということを懸念しておりますので、全庁挙げてしっかりと対応をとっていただきますようにお願い申し上げる次第であります。
次に、被災者の生活再建について伺いたいと思います。
まず、二重ローンの問題について伺いたいと思います。
これまでもたびたび取り上げてまいりました、いわゆる個人版私的整理ガイドラインの件でございますが、この制度を活用して債務整理を行っていただき、住宅再建に前向きに取り組めるよう支援していく必要があると改めて感じてございます。
しかしながら、さきの新聞報道では、被災3県でのガイドラインの認知度は18.2%といまだに低く、相談件数も減少していることから、必要な方に情報が届いていないのかなと危惧をしてございますが、県が、これまでいろいろ対応してきているのは承知しておりますが、利用促進のためにどのような取り組みを行ってきたか伺います。
また、今後、住宅再建が本格化していく中で、さらにガイドラインの利用を促進するための取り組みも必要と考えます。ガイドラインの認知度の低い原因をどのように分析し、どのような支援を行っていこうとしているのかお尋ねします。
法制化については、私も原案の作成に携わり、議会から意見書を提出いたしました。県も、政府に対して、ガイドラインの法制化の要望も行ってまいりましたが、政府が法制化しない理由は何なのか、その認識と今後の見込みについてもあわせて伺います。
〇復興局長(中村一郎君) これまで個人版私的整理ガイドラインの利用促進につきましては、県では、被災された全世帯に配布しております暮らしの安心ガイドブックで紹介するなど、よりわかりやすい周知に努めてまいりましたほか、沿岸4カ所に設置しております被災者相談支援センターや出張相談におきまして、弁護士による相談対応を行ってまいりました。
また、金融機関に対しましては、ガイドラインの利用対象となる方に制度の利用を積極的に勧めていただくよう要請を行うとともに、国に対しましては、法整備を含む新たな仕組みの構築について要望を行ってまいりました。
ガイドラインの認知度が低い原因でございますけれども、一つには、高齢者の方々を中心にいたしまして制度の理解が難しい点があると思われること、また、高台移転などの住宅再建が具体化していない被災者にとりましては、二重ローンの問題が現実の問題となっていない、これからがより、それが現実の問題になってくるといったようなことが挙げられると考えております。
今後も、この制度の周知に努めるとともに、各地域で開催されております住宅再建相談会におきましても、岩手弁護士会とも連携いたしまして、制度の説明や丁寧な相談対応を行ってまいりたいと考えております。
また、法制化の問題のお話もございましたが、県のほうからもいろいろ金融庁にも働きかけを何度か行ってきてございますが、金融庁からは、既存の法律の枠組みを超えて金融機関に債権を放棄させることは、財産権との関係や今回の震災以外の他の事案とのバランスなど、幅広い検討が必要だということで、非常に慎重な考え方が示されてございます。
ただ、我々といたしましては、今後も引き続き、あらゆる機会を捉えまして、国に対し、個人の二重債務解消に向けた支援につきまして要望してまいりたいと考えております。
〇33番(及川あつし君) 今定例会でも被災者の皆様の住宅再建のための制度の拡充という議論がずっと続いてございますけれども、私は、同じような文脈で、同じような力を入れて債務整理をやらないと住宅再建は厳しいと皆さんも御承知だと思うのですが、しかも、この問題については、かなりいろいろ法令的な縛り、からくり、経緯があるので、もっとここに力を入れていかないと厳しいのではないかという思いでたびたび指摘しているところであります。
このガイドライン等の活用について、これは政府が一元的にはやって、県もそれをしっかり一緒にやっていくというスタンスだと思うわけです。
先日、今、紹介した現状の認知度等のアンケートの詳細をちょっと見ましたけれども、公表されたのは最近だけれども、これは1年前なんですね。何でこんなに公表されるのが遅いのかなと思ったのですが、全体の18%ぐらいしか認知はなかったということですけれども、岩手県の認知度が3県の中で一番高いということは、これは高く評価をしたいと思います。何で岩手県の方の認知度が3県の中でも高いかというと、情報入手経路が行政からということで、これも頑張っているなということで敬意を表したいと思います。
でも、ここが大事です。岩手県民は、県民性なのかわかりませんけれども、現状のこの数字を申し上げると、申請前の返済条件でずっと返済し続けている方が岩手県は76.5%もいると。恐らく義援金、支援金の中で、なけなしのお金で返済条件を変えないで返済している方がいっぱいいるということです。制度は知っているけれども頑張って払っている。いいのかなと思います。
片や宮城県は、認知度は低いんだけれども、返済条件を変更して今やっている方が32.3%もいるということですね。いいですか、返済条件を変更している方は、岩手県はたったの5.9%、宮城県の方は、制度は知らないけれども、事実上、金融機関と、何でこうなっているのかわからないけれども、条件変更してやっていると。リスケジュールとか金利の減免とかいろいろやっているんでしょう。
これは、何か僕は悲しい感じがします。頑張っているのだけれども実態は伴っていない。では、どうしたらいいのだということで、これは政府の責任が大だと思うけれども、やっぱり現場の自治体として、この現状について分析をして手を打たないと、きのうの岩崎議員の質問も、私も胸を強く締めつけられるような思いでありました。こういう観点からも、もう一度きちっと分析をして、対策をできるところはやってほしい、こういう観点で再度質問したいわけですが、御所見を伺いたいと思います。
〇復興局長(中村一郎君) 今、議員御指摘のとおり、確かに率としては岩手県の被災者の方々が、いわゆる条件変更している割合が宮城県に比べて低く出てございます。我々としては、引き続き、これは被災者の方々に対してと、あとは金融機関側に対してと、大きく二つの取り組みをしっかりしていかなければならないと思っています。
金融機関側に対しましては、昨年12月も、金融機関の方々に集まっていただいた会議におきまして、この制度の周知と、改めて活用の促進ということをお願いしてございます。また、先般の新聞報道を受けまして、東北財務局におきましても、2月19日付で各市町村に対しまして、制度の利用促進を図るための取り組みの協力要請といったようなものも行ってございます。
それから、被災者の方々でございますが、先ほども申し上げましたけれども、これから、まさに自力再建で自宅をつくろうという方々がふえてくる時期になりますので、住宅再建相談会といったことも活用しながら、お一人お一人の今後の生活の再建をどういうふうに考えているのか、それに対して資金手当てをどう考えているのかといったようなことを丁寧にお伺いしながら、既往のそういった債務があるのであれば、こういった制度も活用しながら、できるだけしっかりとした生活再建ができるように、引き続き取り組んでまいりたいと思います。
〇33番(及川あつし君) あと2点ございますが、ちょっと先に生活再建に向けた支援策のほうを伺います。
今とちょっと関係しますので先に伺いますが、被災地の福祉関係者の方からたびたび言われているのですが、先ほど申し上げたとおり、かなり義援金、生活再建基礎支援金などの預貯金を使い果たしてしまって、転居に不安を抱えている方がたくさんいらっしゃると伺いました。特に、国民年金のみでやりくりをされている高齢者の方で、本当に大きなさまざまな不安を抱えている方がいらっしゃるということも伺いました。
今後、丁寧な対応がさらに必要だと思うわけですが、生活再建の道筋がつけられずにいる方々に対して、県では、どのような支援を行っていこうとしているのか伺いたいと思います。
〇復興局長(中村一郎君) 応急仮設住宅等での生活が長期化する中におきまして、健康面でありますとか経済面での不安を抱えている方も多いという状況がございます。こういったことから、医療費の窓口負担の免除に加えまして、介護サービスを安心して受けられるよう、被災者の方々への減免措置につきましても実施をしてございます。
また、応急仮設住宅に設置しております高齢者等サポート拠点に支援員を配置いたしまして、きめ細かな支援を実施するとともに、応急仮設住宅から転居された先で孤立することのないよう、受け入れ先の地域における支援体制づくりにつきましても重要な観点でございますので、生活支援相談員や自治会長等を対象に、災害公営住宅等への移行研修といったようなことも行ってございます。
今後も、これらの支援を継続するとともに、市町村等関係機関と連携いたしまして、被災者の方々が身近なところで気軽に相談できるよう、応急仮設住宅の集会所等に出向いて開催する住宅再建相談会に、生活設計の相談に応じるファイナンシャルプランナーを派遣するなど、被災者一人一人に寄り添った支援を行ってまいりたいと考えております。
〇33番(及川あつし君) 生活支援相談員について伺います。
去年、復興特別委員会で応急仮設住宅へお邪魔したときに出た問題でございます。その後、私も知人にこの役割を担っている人間がいるということがわかって、いろいろ話を聞きましたけれども、やっぱり問題は、生活支援相談員が、先ほど来の答弁であるように本当に大事な存在でありますので、その方々が中長期的に継続配置されるのですかというのが、大きな疑問というか課題だと感じました。
そこで、生活支援相談員の配置数について増員の考えはあるのか、また、待遇の課題もあると伺いましたので、その件も含めて県の考え方をお示しいただきたいと思います。
〇保健福祉部長(根子忠美君) 生活支援相談員についてでございますけれども、応急仮設住宅から災害公営住宅への転居ということで被災者の生活が変化するということでございますので、生活支援相談員の見守り活動、相談活動が今後も重要だと考えております。
そのため、継続的な配置を図る必要がございますが、この財源が、これまで単年度ずつの延長となっておりますので、中長期にわたる安定した財源確保を引き続き国に要望してまいりたいと思っております。
それから、配置数でございますけれども、被災者の生活の変化に伴う見守り相談のニーズを市町村の社会福祉協議会を通じて把握しながら、必要数の確保に努めてまいりたいと思っております。
それから、復興支援員という制度がございまして、こういったような他の制度の支援活動がございますので、こういったものとの調整も図りながら、被災者の効果的な支援につなげていきます。
それから、待遇でございますけれども、これまで配置先の市町村社会福祉協議会の給与水準に基づき、その要望額を補助してきたところでございます。市町村社会福祉協議会においては、生活支援相談員を含めた給与体系の中で、他の職員とのバランスを図っておりますけれども、御質問がございましたので、待遇の改善について、補助先の県社会福祉協議会等と今後相談してまいりたいと思います。
〇33番(及川あつし君) 次に、子育て支援関係を伺います。時間の関係がありますので、結婚支援センターの設置、運営については、我が会派の佐々木努議員が専門家でありますので、予算特別委員会の総括質疑も用意されているようでありますので、きょうは、せっかくでありますが、予算特別委員会の総括質疑にこの件については譲り、私からは、子ども・子育て支援制度について、またしても伺いたいと思います。
制度施行まであと1カ月余りとなりましたこの支援新制度でありますが、私の所感を述べつつ、何点か伺いたいと思います。
今国会は、できるだけ私もテレビ中継等を見ておりましたけれども、政府は、子育て支援に予算措置をして対応を拡充したと声高に述べてございますが、何か、私は非常に複雑な心境であります。今、利用者―保護者、施設開設者が本当に実感できる状況にはないし、現実、相当な混乱をもたらしているということを私は感じておりまして、この点をできるだけ多くの皆さんに知っていただきたいという意味でお伺いします。
最初に伺いますが、4月から施行の支援新制度での施設の種類の数と名称、どれだけあるか、部長から示していただきたいと思います。
〇保健福祉部長(根子忠美君) 子ども・子育て支援新制度での施設種類の数と名称でございますけれども、子ども・子育て支援法に基づく施設の種類は、幼稚園、保育所、認定こども園の3種類でございますが、このうち、認定こども園は四つの類型に分類され、一つ目として幼稚園型でございますが、幼稚園が、保育を必要とする子供のための保育時間を確保するなど保育所的な機能を備えたと。それから、二つ目が、保育所型として、保育所が、保育を必要とする子供以外の子供を受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えたもの。それから、三つ目が、幼保連携型として、幼稚園と保育所とが連携し、両方の機能を備えたもの。四つ目が、地方裁量型として、県内には設置がありませんが、認可を受けていない保育施設であって幼稚園的機能と保育所的機能をあわせ持つものがあります。
なお、そのほかに、幼稚園でも、この新制度に移行しないで、引き続き県の私学助成による助成を受ける幼稚園もございます。
〇33番(及川あつし君) 今の答弁を聞いてわかった方はほとんどいないと思います。それぐらい複雑なんです。まとめると、施設の種類が3種類で、そのうち認定こども園が4分類で、今、答弁があっただけで五つの施設類型があるということですし、これに認可外の託児所を入れれば6種類になるわけですね。それで、3歳まで子供を預けないという選択まで入れれば七つの選択がある、七つ。そうしたら、今から子供をつくって産もうと思う方にとっては、この点は非常にストレスだし、現実に子育てしている方にとっても、何が何だかわけがわからないというのが現実であります。
そこで、制度の簡素化等についての提言でありますが、私は、今の制度の複雑さは問題だと思っていて、制度の簡素化も子育て支援だと思います。先ほどの答弁のとおり、制度は複雑怪奇過ぎて、利用者が施設選択に難渋、施設も運営形態の選択に困り果てている現状です。
私は、現状をもう一度確認して、把握して、政府に制度の簡素化を求めるべきだと思いますが、対応を伺います。
また、制度は施行に向かってもう走り出しているので早急な変更は無理だと思うわけですが、私は、制度改革の要望は出しつつも、施設選択等の相談に対応する横浜市で設置しているような保育コンシェルジュのような相談員を市町村の子育て支援センターのようなところにもっと置いて対応しないと大変なことになると思っておりますが、どのような認識か伺います。
〇保健福祉部長(根子忠美君) 制度の簡素化等についてでありますけれども、県として、これまで、この新制度の施行に向けまして、国の担当職員を招いての市町村や施設に対する説明会、それから、県の広報媒体を通じた周知など、市町村への支援や制度の住民への周知を図ってきておりますが、国からの情報が遅かったということもございまして、市町村では、住民への認定証の交付とか、あるいは利用者負担額の提示などがおくれている状況でございます。
このため、引き続き助言を行うほか、制度施行後、市町村や幼稚園、保育所等の現場の声を聞きながら、必要に応じ国への制度改善等の要望を行っていきたいと思います。
それから、利用者への相談対応でございますけれども、地域の子育てに関する相談窓口、それから親子の交流の場である地域子育て支援拠点事業というものがございますが、30市町村で79カ所実施されておりまして、平成27年度も充実を図ることとしております。
また、議員からお話のありました横浜市の保育コンシェルジュに当たる施設や事業等の利用の助言あるいは支援を行う利用者支援事業については、県内でも平成27年度から三つの市が実施の意向を示しております。
新制度では、今申し上げました地域子育て支援事業と利用者支援事業が連携しながら、一体的な運営で子育て家庭支援の強化を図るということをされておりますので、今後、市町村に対して積極的な事業の実施を働きかけてまいります。
〇33番(及川あつし君) 再質問でこの件もいろいろ伺いたいんですが、指摘だけちょっとさせていただきたいと思います。
まず、いろいろ問題はあるんですけれども、細々と申し上げません。今、最も問題になっているのは、今も預けている、いわば幼稚園の子供たちの保護者なわけですが、その園が新制度に移行することになると、就園奨励費との見合いで、ほぼ確実に大幅な保育料のアップになると。これが、私は前から言っていたのだけれども、ようやく今、認知されてきて、私のところにもいろいろな相談事が来ています。直近では、自分の子供を預けている幼稚園は認定こども園に移るのだけれども、就園奨励費がなくなるから年間11万円保育料が上がります、どうしたらいいのですかと。園をかわりたいけれども、子供がなじんでいるからかえられない。どこが子育て支援策だとメールで私はもらいましたけれども、私も答えられません。こういう現状があるということをぜひもう一度分析していただきたいと思います。
施設側についても、結局、幼稚園から認定こども園に移ったところは、当初の意向調査よりも減りましたね。あれだけ大々的に打ち出したにもかかわらず、やっぱりこうなってしまった。これは、利用者も施設側も、そして、これからの子育て対策、少子化対策にとっては、私は大きなハードルになると思いますので、これはもう間もなくの制度スタートですが、制度がスタートする間際になって、いろいろな問題がまだまだ起きます。この点についてはほかの機会にまたお話しさせていただきたいと思いますが、関係部局で新年度の混乱を最低限に抑えるように努力をお願いしたいと思います。
では、最後に、高齢運転者の対策の充実について伺いたいと思います。警察本部長と環境生活部長にまとめてお伺いしたいと思います。
まず、運転免許証の自主返納制度の現状と課題についてであります。
過日、報道もございました。本県は全国平均よりも高齢者の交通事故死者数が上回っているということでございますし、また、高速道路の逆走問題等についても、最近は問題になってございます。
岩手県警察もいろいろ取り組んできているのは承知しておりますが、改めて県内の高齢運転者について、交通事故及び運転免許証の自主返納の現状についてはどうなっているのか、また、運転免許証の自主返納制度について、今後、県警察でどのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。
次に、運転免許証を自主返納した方への支援策です。
これも、私は最近知りました。タクシーの運転手さんから聞いて、はっと気づいたことでございますが、今、問題が一方で生じている中で、運転免許証の自主返納制度とリンクして、例えば岩手県のタクシー協会の取り組みとしては、自主返納した際に申請により交付される運転経歴証明書を出すと利用料金が10%引きになる、こういう制度もあるようですし、市町村もいろいろやられてございます。
しかし、これが、どうも運転免許証の自主返納制度としっかりリンクしていないのではないか、体系的にやったらいいのではないかという意味で伺いたいと思います。
また、返納した後の高齢者の方の足の確保につながる対策もあわせて検討していくべきだと考えますが、その対応についてもお伺いし、私の質問を終わりたいと思います。
御答弁よろしくお願い申し上げます。
〇警察本部長(堀誠司君) 運転免許の自主返納制度でございますが、御案内のとおり、高齢運転者の交通事故防止対策の一環として運用しているものでございまして、申請により運転免許を取り消す、すなわち運転免許を自主返納していただくとともに、自主返納していただいた方の申請に基づいて、公的な身分証明書としても活用できる運転経歴証明書を交付するものであります。
次に、県内の高齢運転者の交通事故、そして運転免許の自主返納の現状についてでありますが、昨年中、県内における高齢運転者が第一当事者となった人身交通事故は、全事故の約20%、546件発生しております。うち16件が死亡事故であります。また、昨年中の高齢運転者の免許証の自主返納は1、148件でありまして、前年の612件と比べほぼ倍増しております。これは年々増加傾向にございます。
次に、運転免許の自主返納制度に関します今後の県警察としての取り組みについてでございますが、年々高齢運転者は増加しております。したがいまして、加齢に伴う身体機能の低下などにより、運転に不安を感じている方、あるいはその御家族に自主返納制度を広く知っていただくことは、極めて重要であろうと考えております。
県警察といたしましては、引き続き、ホームページ、各種講習会、運転適性相談などのあらゆる機会を利用して広報を実施するほか、自治体などに対しましても、免許返納者への支援策の拡充について働きかけを行ってまいりたいと考えております。
〇議長(千葉伝君) 執行部に申し上げます。申し合わせの時間を超過しましたので、答弁を終了願います。
以上をもって及川あつし君の一般質問を終わります。(拍手)
〔「関連」と呼ぶ者あり〕

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