平成26年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成26年10月23日(木)
1開会 午前10時3分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 高  橋  勝  重
議事管理担当課長 渡  辺  謙  一
主任主査 清  川     勝
主任主査 村  上     聡
主任主査 藤  澤  壮  仁
主査 藤  枝     修
主査 田  内  慎  也
主査 菊  地  友  和
1説明員
県土整備部長 佐 藤   悟
技監 蓮 見 有 敏
副部長兼
県土整備企画室長 堀 江   淳
河川港湾担当技監 及 川   隆
県土整備企画室
企画課長 佐 藤 隆 浩
県土整備企画室
管理課長 小笠原 隆 行
用地課長 千 葉 龍 一
建設技術振興課
総括課長 桐 野   敬
技術企画指導課長 幸 野 聖 一
道路建設課
総括課長 加 藤   裕
道路環境課
総括課長 中 村   実
河川課総括課長 八重樫 弘 明
河川開発課長 小 関   司
砂防災害課
総括課長 加 藤 郁 郎
都市計画課
総括課長 横 山 俊 夫
まちづくり課長 田 村 荘 弥
下水環境課
総括課長 中 道   明
建築住宅課
総括課長 勝 又 賢 人
住宅課長 辻 村 俊 彦
営繕課長 伊 藤 勇 喜
港湾課総括課長 藤 本 栄 二
空港課総括課長 箱 石 知 義

商工労働観光部長 橋 本 良 隆
副部長兼
商工企画室長 菅 原 伸 夫
雇用対策・
労働室長 寺 本 樹 生
商工企画室
企画課長 永 井 榮 一
商工企画室
管理課長 高 橋 雅 彦
経営支援課
総括課長 山 村   勉
企業立地推進課
総括課長 飛鳥川 和 彦
特命参事兼
雇用対策課長 高 橋 達 也
労働課長 千 田 利 之

会計管理者 菅 原 和 弘
出納指導監 田 中 耕 平

監査委員 吉 田 政 司
監査委員 工 藤 洋 子
監査委員事務局長 菊 池   寛
監査第一課
総括課長 佐 藤 和 彦
監査第二課
総括課長 豊 岡 直 人

財政課総括課長 五月女 有 良
〇岩崎友一委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで及び議案第37号から議案第39号までの以上18件を一括議題といたします。
 本日は、まず、県土整備部関係の質疑を行い、次に、株式会社DIOジャパン及び関連コールセンターに係る緊急雇用創出事業等について質疑を行い、その後、決算15件及び議案3件について、意見の取りまとめと採決を行いたいと思いますので、御了承願います。
 最初に、県土整備部長に県土整備部関係の説明を求めます。
〇佐藤県土整備部長 平成25年度決算の内容について御説明申し上げます前に、県土整備部所管の事務事業に係る主な取り組みと成果につきまして御説明申し上げます。
 平成25年度におきましては、岩手県東日本大震災津波復興計画の着実な推進を重点施策に位置づけ、取り組んできたところです。
 防災のまちづくりでは、海岸防潮堤や水門などの津波対策施設の復旧、整備や市町村の復興まちづくりの支援を進め、多重防災型のまちづくりの推進に取り組んだところです。この結果、県土整備部が所管する防潮堤等の津波対策施設については、計画箇所65地区のうち、61地区、約9割の整備に着手し、このうち小本海岸など16地区の整備が完了したところです。
 また、市町村の復興まちづくりについては、都市再生区画整理事業や津波復興拠点整備事業について、計画地区のほぼ全ての地区で都市計画決定の手続が完了したほか、防災集団移転促進事業では、計画している88団地のうち56団地で工事に着手し、13団地で造成が完了したところです。
 また、交通ネットワークでは、災害に強く信頼性の高い道路ネットワークを構築するため復興道路等の整備に取り組んだほか、橋梁の耐震補強、道の駅の防災機能の強化等に取り組んだところです。この結果、三陸沿岸道路の普代道路、尾肝要道路、高田道路や一般国道340号土淵バイパスなどが開通したほか、三陸沿岸道路が全線着工となるなど、復興に向けた取り組みが着実に進捗したところです。
 暮らしの再建では、災害公営住宅等の早期整備に取り組み、県整備分の16団地960戸で工事に着手し、釜石市平田団地を初めとする5団地218戸が完成し、入居が進められております。
 震災以外の分野につきましては、復興道路を核とした物流、産業振興の推進や観光振興に向けた取り組みの推進、安全で安心な暮らしを確保する取り組みの推進を重点施策に位置づけ、いわて県民計画第2期アクションプランに掲げる社会資本の四つの政策項目の着実な推進に取り組んできたところです。
 まず、産業を支える社会資本の整備では、物流の効率化や主要な観光地を結ぶ道路、希望郷いわて国体競技会場へのアクセス道路などの整備を進め、地域間の交流、連携の基盤となる道路ネットワークの整備が着実に進捗しております。
 また、港湾の復旧、整備と利活用の促進につきましては、被災した港湾施設の災害復旧工事を進めるとともに、港湾所在市町や関係団体と連携しながら港湾の利用拡大に向けた取り組みを進め、港湾取扱貨物量はおおむね震災前の水準まで回復したところです。
 いわて花巻空港の利用の促進につきましては、国際定期便の実現に向け、台湾からの国際チャーター便の誘致や本県からのアウトバウンド需要の拡大などに取り組み、平成26年春には本県初となる台湾との国際定期チャーター便が運航されたところです。また、10月からは秋の定期チャーター便も運航されており、今後も、国際定期便の実現に向けた取り組みを進めてまいります。
 次に、安全で安心な暮らしを支える社会資本の整備では、近年頻発している局地的集中豪雨や土砂災害などから県民の生命、財産を守るため、河川改修などによる治水施設や砂防施設等の整備とあわせ、水位周知河川の指定やハザードマップ策定支援などのソフト対策にも取り組み、砂鉄川など4河川を水位周知河川に指定したところです。また、日常生活を支える安全な道づくりとして、豪雪時に市町村と連携した除雪を実施するなど、冬期間の安全で円滑な道路通行の確保に努めたところです。
 次に、豊かで快適な環境を創造する基盤づくりでは、豊かな自然環境と共生しながら、衛生的で快適な生活環境の整備や地域の魅力を高める基盤づくりを進めるため、多自然川づくりによる良好な水辺空間の保全、道路や汚水処理施設などの都市基盤の整備、美しく魅力あるまちづくりの推進などに取り組んだところです。
 この結果、景観に配慮した防護柵の整備や汚水処理施設の整備等が着実に進んだところです。
 次に、社会資本の維持管理と担い手の育成、確保では、老朽化した橋梁等について予防保全型の修繕を進めるとともに、維持管理計画が策定されていないトンネルについて、計画策定に向けた点検を行うなどの取り組みを進めたところです。また、道路や河川などの身近な社会資本について、草刈りや清掃など県民との協働による維持管理の推進に取り組んだところです。
 この結果、早期の修繕が必要とされた橋梁の修繕が完了したほか、河川、海岸の維持管理を行う協働団体数が着実に増加したところです。
 また、維持管理の直接の担い手である建設企業の育成、確保につきましては、経営革新等に関する講習会の開催などを通じ、建設企業の経営基盤強化や技術力向上に取り組んだところです。
 以上が県土整備部における平成25年度の主な取り組みと成果の概要でありますが、東日本大震災津波の発災以来、これまで、県土整備部の総力を挙げて復旧、復興に取り組んでまいりました。防潮堤等の津波防災施設や災害公営住宅等の復旧、復興事業が本格化しつつあるものの、いまだに約3万人の被災者の方々が応急仮設住宅等での不自由な生活を余儀なくされております。今後とも、一日も早い被災地の安全確保や被災者の方々の生活再建に取り組むとともに、いわて県民計画の実現と、昨年度発生した内陸部の豪雨、台風災害からの早期復旧に向け、職員一丸となって取り組んでまいります。
 それでは、平成25年度県土整備部関係の決算について御説明申し上げます。お手元の平成25年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開きください。
 まず、一般会計についてでありますが、県土整備部関係は、6款農林水産業費3項農地費の一部、8款土木費、16ページに参りまして、11款災害復旧費6項土木施設災害復旧費であります。これらの予算現額の合計は2、214億7、752万円余でありますが、これに対する支出済額の合計は1、301億2、077万円余となり、一般会計全体の支出済額に占める割合は12.3%となっております。また、翌年度繰越額の合計は800億4、066万円余となっております。これは、東日本大震災津波からの復旧、復興に向けた事業などについて、計画調整や設計、工法の検討に不測の日数を要したことなどが主な理由であります。
 次に、一般会計決算の内容につきまして、便宜、平成25年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 歳入歳出決算事項別明細書の252ページをお開き願います。6款農林水産業費、3項農地費、2目土地改良費のうち、当部関係の主なものは、255ページ備考欄、下から4行目の農業集落排水事業費補助でありますが、これは、奥州市供養塚地区等の農業集落の汚水処理施設の整備改築等に要した経費であります。
 次に、288ページをお開き願います。8款土木費1項土木管理費1目土木総務費は、職員の人件費など当部の管理運営に要した経費、国庫補助事業費の確定に伴う償還金、特別会計への繰出金などであります。2目建設業指導監督費は、建設業者の許可、指導監督並びに支援などに要した経費であります。次に、290ページをお開き願います。3目建築指導費は、建築確認事務などに要した経費であります。4目空港費の主なものでありますが、備考欄1行目の管理運営費は、職員の人件費などいわて花巻空港の管理運営に要した経費であり、2行目の空港整備費は、いわて花巻空港の維持修繕に要した経費であります。
 次に、292ページをお開き願います。2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、職員の人件費や事務的経費、市町村道路事業の指導監督に要した経費であります。2目道路橋りょう維持費の主なものでありますが、備考欄1行目の道路環境改善事業費は、国の補助を受け、歩道の整備や道路、橋梁の補修など道路施設環境の改善に要した経費であり、2行目の除雪費は、県管理道路の除雪に要した経費であります。また、下から2行目の道路維持修繕費は、県管理道路施設の日常的、応急的な維持管理や舗装の補修などに要した経費であります。次に、294ページをお開き願います。3目道路橋りょう新設改良費の主なものでありますが、備考欄1行目の地域連携道路整備事業費は、国の補助を受け、現道の拡幅、線形の改良、バイパスの建設などの道路整備に要した経費であり、下から2行目の直轄道路事業費負担金は、国が行う復興道路などの整備に要した経費に対する県の負担金であります。
 3項河川海岸費1目河川総務費の主なものでありますが、297ページに参りまして、備考欄1行目の河川海岸等維持修繕費は、河川、砂防、海岸施設の維持修繕に要した経費であります。2目河川改良費の主なものでありますが、備考欄1行目の基幹河川改修事業費は、一級河川北上川など9河川の改良に要した経費であり、2行目の三陸高潮対策事業費は、二級河川甲子川など11河川の水門の整備などに要した経費であります。3目砂防費の主なものでありますが、備考欄1行目の砂防事業費は、釜石市花露辺の沢ほか12カ所の砂防堰堤等の整備に要した経費であり、また、299ページに参りまして、備考欄3行目の直轄砂防事業費負担金は、一関市磐井川における国の特定緊急砂防事業などに要した経費に対する県の負担金であります。4目海岸保全費の主なものでありますが、備考欄1行目の海岸高潮対策事業費は、野田村野田地区海岸の防潮堤の整備などに要した経費であります。5目水防費は、水防警報施設の保守点検などに要した経費であります。6目河川総合開発費は、簗川ダムなど2ダムの建設などに要した経費であります。
 次に、300ページをお開き願います。4項港湾費でありますが、1目港湾管理費は、大船渡港など6港の港湾施設の整備修繕などに要した経費であります。次に、302ページをお開き願います。2目港湾建設費の主なものでありますが、備考欄の下から3行目の直轄港湾事業費負担金は、国の久慈港湾口防波堤の改修などに要した経費に対する県の負担金であります。
 5項都市計画費1目都市計画総務費の主なものでありますが、備考欄中ほどの広域公園管理費は、御所湖広域公園などの維持管理に要した経費であります。2目街路事業費の主なものでありますが、305ページに参りまして、備考欄2行目の広域公園整備事業費は、御所湖広域公園の整備などに要した経費であり、3行目の緊急地方道路整備事業費は、二戸市岩谷橋などの都市計画道路整備に要した経費であります。3目下水道事業費の主なものでありますが、備考欄、下から2行目の浄化槽設置整備事業費補助は、個人設置型の浄化槽の整備に要した経費であります。
 6項住宅費1目住宅管理費の主なものでありますが、備考欄4行目の公営住宅維持管理費は、県営住宅など5、312戸の維持管理などに要した経費であり、下から2行目の生活再建住宅支援事業費補助は、被災者の住宅の新築、改修などに係る経費の一部を補助した市町村に対する補助であります。306ページに参りまして、2目住宅建設費の主なものでありますが、備考欄1行目の公営住宅建設事業費は、盛岡市備後アパートの建てかえなどに要した経費であり、3行目の災害公営住宅整備事業費は、釜石市平田地区など、災害公営住宅の整備に要した経費であります。
 次に、少し飛びまして、348ページをお開き願います。11款災害復旧費6項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費の主なものについてでありますが、備考欄2行目の河川等災害復旧事業費は、東日本大震災津波に係る陸前高田市高田地区海岸や二級河川鵜住居川など、河川、海岸施設等の復旧に要した経費であるほか、昨年7月から9月にかけての豪雨や台風等により被災した河川、道路等の災害復旧に要した経費等であります。350ページに参りまして、2目港湾災害復旧費の主なものについてでありますが、備考欄1行目の港湾災害復旧事業費は、東日本大震災津波により大規模な被害を受けた大船渡港など6港の港湾施設の復旧に要した経費であり、3行目の港湾整備事業特別会計繰出金は、大船渡港など6港の埠頭用地復旧のための港湾整備事業特別会計に対する繰出金であります。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 次に、特別会計について御説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の平成25年度岩手県歳入歳出決算書の40ページをお開き願います。平成25年度岩手県土地先行取得事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入の状況でありますが、収入済額の合計は130万円余であり、その主なものは、土地開発基金運用の利息収入であります。
 次に、歳出の状況でありますが、支出済額の合計は130万円余であり、その主なものは、土地開発基金の管理運営に要した経費であります。
 以上で岩手県土地先行取得事業特別会計の説明を終わります。
 次に、46ページをお開き願います。平成25年度岩手県流域下水道事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入の状況でありますが、収入済額の合計は92億6、291万円余であり、その主なものは、流域下水道の維持管理費などに係る市町負担金のほか、国庫補助金、前年度からの繰越金であります。
 次に、歳出の状況でありますが、支出済額の合計は77億3、038万円余であり、その内容は、流域下水道の各処理区の維持管理及び建設に要した経費や県債の元利償還金であります。
 以上で岩手県流域下水道事業特別会計の説明を終わります。
 次に、50ページをお開き願います。平成25年度岩手県港湾整備事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入の状況でありますが、収入済額の合計は92億824万円余であり、その主なものは、一般会計からの繰入金及び前年度からの繰越金であります。
 次に、歳出の状況でありますが、支出済額の合計は47億3、391万円余であり、その内容は、大船渡港など6港の施設整備に要した経費及び県債の元利償還金であります。
 以上で岩手県港湾整備事業特別会計の説明を終わります。
 以上をもって、県土整備部所管に係る平成25年度決算についての説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇岩崎友一委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせのとおり、決算の審査であることを踏まえ、当該年度の決算に関する質疑とすること、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑を行うこと、ほかの委員と重複した内容の質疑は極力避け、どうしても必要な場合には、関連質疑として、短時間かつ簡潔に行うことを基本とすることについて御協力をお願いいたします。
 また、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び執行部の答弁は簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇樋下正信委員 最初に、道路環境維持について質問させていただきたいと思います。
 道路、歩道等の整備については、県土整備部の御努力によりまして、我々の住む地域もかなり整備が進んできているように見えますし、これについては敬意を表したいと思います。
 そこで、歩道とかもすばらしい道路ができてきているんです。一つの例を挙げますと、今度、盛岡駅前から流通センターのほうに行きます、あれは盛岡和賀線というんですが、ここの道路が今年度にかけて開通するという予定になっておりますが、見ますと、本当に立派な道路になるのではないかと思っているところでございます。
 そこで、この道路も自動車は当然走るわけですし、立派な歩道もつくようでございまして、健康志向からウオーキングとかをする方もたくさん出てくるのではないかなと思っております。立派な道路であるわけですので、できれば公衆トイレなんかもあればいいのかなと。私は過去にも質問したことがあります。そのときは、道路にはそういうふうな施設はなかなか難しいですよというお話をされたわけでございますが、例えば払い下げをしてとか、全部が全部100%歩道を使わないところもあると思いますので、そういうことが可能かどうかということをまずお聞きしたいと思います。
〇中村道路環境課総括課長 県が管理いたします道路の残地のほうに公衆トイレを整備したいというお話があった場合、これは、まず、その残地の部分を道路の区域から外す必要がございます。そういったことで道路の区域の変更を行う。その上で、公衆トイレを整備する事業の主体―仮に、それが県の部署であれば、財産としての所管がえを行いますし、仮に、その事業主体が市町村の場合などにつきましては、有償で払い下げという形になります。そういった形で手続を進める形になろうかと思います。
 なお、その残地の部分が国庫補助事業等のところで購入されていたような場合に関しましては、これは、道路以外の用途に使用するということで、国のほうからの承認を得る必要がございます。
〇樋下正信委員 そうしますと、市町村なり地域の町内会とか自治会とか、そういうふうな公共性の高いところであれば不可能ではないということとお聞きしましたので、どういう形になるのかわかりませんけれども、それなりに、これから何か機会があれば、目指していければいいのかなと思っております。
 次に、除雪費、その内容についてお聞きしたいと思います。
 いよいよ冬到来というか、きょうあたりも初氷のニュースも流れておったようでございますけれども、県道の除雪に関しては、かなりきめ細やかに除雪もしていただいているなと感謝を申し上げるわけでございますが、大震災が発災してから、沿岸のほうに建設関係の方々が仕事をしにかなり行っているというような状況だと思っております。特にも、除雪に携わっている道路関係の仕事をなさっている方々も向こうの沿岸のほうにかなり出向いているのではないかと思っているわけでございますが、聞くところによりますと、除雪することがかなり困難といいますか、今まであれば、待機して、雪が降れば除雪するという体制を整えておったんですけれども、ことしもそういう時期に来て、そういう整えるという段階に入ってきているわけでございますが、人手不足というようなこともありまして、なかなか今までのようにはうまく除雪ができなくなるのかなという話も聞いております。
 そこで、県道とかはそれなりにもちろんやってはいただけるとは思うんですけれども、今まででありますと、除雪した後に、住宅の前とか会社の前に雪が盛り上がっていると。苦情といったらいいんでしょうか、そこも除雪してほしい、盛り上がった部分もやってほしいという電話とか、そういう連絡があったということもあったようでございます。人手不足というような観点から、家の前とか会社の前に盛り上がったものは、自分の家の前は自分でやるとか、もしくは、町内会とかさまざまなボランティアの形でやっていただけるような県としての何か考えがあれば、お知らせ願いたいと思います。
〇中村道路環境課総括課長 道路の除雪でございます。県では、道路の除雪をする際、通勤通学前に何とか完了させたいという形で取り組んでいるところでございます。また、道路の除雪によりまして、今、委員のほうからお話がありましたように、住宅の玄関の前とか会社の前のところにたまった雪の除雪に関しましては、今、県でも、それぞれのお家の方々、また、地域の皆様のお力をおかりしたいというふうにして、そういった取り組みをしているところでございます。
 このお願いをする際には、いろいろとチラシなどもつくりまして、ホームページや道の駅などへ掲載したり、また、市町村に配付もし、あわせて広報に折り込みをさせていただいたりして、地域の方々への周知に努めているところでございます。今後も、さまざまな媒体を使いまして、PRの拡大には努めてまいりたいと思っております。
〇樋下正信委員 地域のお年寄りとか弱者の方々はできない部分もあるかもしれませんけれども、そういうところは地域のボランティアの方々とか町内会の方々とか、みんなで力を合わせて、自分たちでできる部分は自分たちでやれるようなことを、今、いろんな媒体を使って広報もしていきたいというようなお話もございましたけれども、ぜひ、その辺の周知をお願いしたいと思います。
 それから、道路の路肩、歩道もそうなんですけれども、草を除くというか、草刈りなんですけれども、業者の方々に委託している部分が多いと思います。過日、盛岡広域振興局のほうにお邪魔して聞きましたら、盛岡広域振興局管内では二十数件、地域の方々とかボランティアの方々に草刈りの委託をしているという話を聞いてきましたけれども、県内では、そういうふうなさまざまな団体の方々と契約している数はどのぐらいになっているか、お知らせ願いたいと思います。
〇中村道路環境課総括課長 県では、平成18年度から、草刈り業務の一部を、意欲のある地域の団体に委託してお願いしているところがございます。運用当初は37団体でございました。ただ、昨年度はそれが288団体までふえております。今年度はまたさらに304団体という形になってございます。
〇樋下正信委員 かなりふえてきているというようなお話でございますけれども、実は私の地域でもそういう団体がございまして、積極的に、先ほどの除雪の話とかかわる部分も多いんですけれども、地域のことは地域で、自分たちできれいにしていくんだよというふうな団体がかなりふえてきているのかなと思っております。専門業者に委託するのもいいんですけれども、そうやって自分たちのところは自分たちでやるというような団体があれば、率先してそういうところと委託契約をしてやっていただければ、そこに住んでいる方々ですので、毎日見ているわけですので、そうすると、1年に1回とか2回だけじゃなく、その都度やってくれると思っておりますので、ぜひ広げていただくようにお願いを申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。
〇工藤勝博委員 私からは大きく2点お聞きいたします。
 災害復旧に関してですけれども、昨年は大変な洪水、豪雨災害がたびたびありました。特にも8月、9月の豪雨ですけれども、その中で松川流域に関しての対策についてお伺いいたします。現在の復旧状況、そしてまた、洪水の原因をどういうふうに分析なされているのかお伺いいたします。
〇加藤砂防災害課総括課長 一級河川松川の災害復旧の状況でございますが、当河川における公共土木施設の被災箇所数及び被害額は28カ所、約12億円となっておりまして、復旧工事の取り組み状況でございますが、本年9月末までに24カ所、86%の工事を発注済みでございます。うち3箇所につきまして復旧工事が完成しているところでございます。発注済み箇所につきましては、年度内の完成を目指して工事を進捗させてまいりますとともに、未発注箇所につきましても年度内に工事発注を完了するように取り組んでまいります。
〇八重樫河川課総括課長 洪水の原因ということでございますが、松川流域、特に松尾での雨量観測をしておりましたところが、1時間で39ミリ、40ミリという強い雨がありました。さらに連続した3時間の雨量が108ミリと、相当強い雨が短時間に降ったということで、河川の水位が急激に上昇して洪水に至ったというふうに考えております。
〇工藤勝博委員 現状を見ましても、それぞれ箇所箇所によって大分工事がなされているのは見ております。そういう中で、ことしの9月には、それぞれ地域で今後の対応の説明会がなされたということであります。そういう中で、地元の皆さんの声はどういう声が出たのか、もしあれば、お聞きしたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 松川に関する対策ということで、昨年の発災以来、検討してまいりましたが、地形測量とか概略設計というものを実施していまして、具体的な方針については、ことしの7月ごろまでに取りまとめました。7月末に盛岡市のほうに、それから、玉山区の災害対策連絡協議会、玉山区の地域協議会のほうに説明を行っております。上流のほうでは八幡平市に説明を行っております。こちらは、特にまだ住民の方というような説明は行っておりませんが、説明会では、被災された宅地、住宅をまず基本的に守っていきたいというお話をさせていただきました。
 松川流域特有の地形がありますので、今ある堤防が壊れないような対策をしながら、ある程度の洪水からは守りますが、昨年のような大きな雨では、農地のほうを守るのはなかなか困難だというお話をさせていただいておりますが、そのところについては了解をいただいていると承知しております。
〇工藤勝博委員 松川は、特にも岩手山あるいは八幡平という流域圏内はかなり広い河川だと思います。そういうので、たびたびこのような洪水が発生していますけれども、ある程度といいますか、恒久対策も含めた治水対策が必要ではないかと考えます。特にも、昨年の下流域の玉山区のほうでは未曽有の大災害ということもありました。やっぱり上流のほうからそういう対策を十分とっていかないと、下流で河川が重なり合う部分、そしてまた合流する部分がありますので、それらを考えての治水対策というのはどういう方向で今後進めるのかお伺いします。
〇八重樫河川課総括課長 松川につきましては、岩手山を水源として広い流域を持って、八幡平市、盛岡市玉山区を貫流する比較的大きな流域を持つ河川でございます。
 過去に、上流の八幡平市ほうでは大きな災害がありまして、そちらの対策については過去に実施した記録があるというか、経歴があります。八幡平市の今回の洪水、去年の大きな雨の洪水につきましては、農地への氾濫が当然ありましたけれども、人家への氾濫については、国道238号松川橋近辺のところが浸水したということで、そちらのほうは河道掘削等を行いまして、昨年のような洪水への対策として備えるというふうに進めようとしてございますし、下流の玉山地区につきましても、河道掘削と、基本的に人家を守る堤防を築堤いたしまして、昨年のような洪水が起きた場合でも人家への浸水は防ぐというような計画を今立てまして、来年度から事業着手できるように準備を進めているところでございます。
〇工藤勝博委員 その洪水対策の中でも、被害を最小限に食いとめるということから考えると、降水量なり、あるいは河川の水位の上昇等を観測する体制は、水位周知河川に指定したということでありますけれども、去年起きた洪水被害場所だけじゃなく、やっぱり上流のほうからそういう河川水位を察知、感知するような観測体制が必要ではないかと思います。降水量の部分は気象台等でわかると思いますけれども、それに連動した形での水量、水位の観測をどのような形で取り組むのか、もし予定があればお聞きしたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 ただいまの観測体制に関する御質問ですが、県内は、水位計が126カ所、雨量計は184カ所が設置されておりまして、それらの観測値は全て県のホームページからリアルタイムで閲覧、確認ができるものでございます。
 その中で松川に関するものは、水位計は2カ所、これは古川橋と八幡平市田頭でございます。雨量計は6カ所になってございまして、今、委員からお話があったとおり、去年の災害を受けて、松川の古川橋地点においては避難判断水位というものを定めまして、この情報を、水位周知河川として指定を行って、所定の水位に達したときには、県から盛岡市、並びに必要な場合には報道機関を通じて住民に周知するというようなシステムにしておりまして、これは、この前の台風19号のときにも機能してございます。盛岡市でも、警戒態勢はこれまでにも増して注意してとっていくということで、上流の八幡平市あるいは岩手町といったところで警戒態勢がとられたときにも、盛岡市では、そういったものも見ながら対応していくといようなお話も伺っております。
〇工藤勝博委員 次に、道路橋りょう維持費ということでお伺いいたします。
 それぞれの市町村の要望にも出たと思いますけれども、主要地方道一戸葛巻線の改良についてお伺いします。その中で、冒頭、部長からも橋の老朽化、あるいはその改修をやっていますという話がありました。この一戸葛巻線の中に青刈橋という橋があります。できたのが昭和18年です。戦中のさなかです。私も何回か通っておりますけれども、本当に芸術品といいますか、外見は立派なんですけれども、欄干は竹でできているとか、竹にコンクリートをかぶせたとかという話で、本当に歴史のある橋なんです。
 その中で、今、重量制限もしなければならないという橋なんですけれども、通常、橋の耐用年数というのは標準的にどのような年数で捉えているのか、まず先にお伺いしたいと思います。
〇中村道路環境課総括課長 橋の耐用年数でございますけれども、一概に何年というわけにはちょっと言えない状況でございます。今、老朽橋という形で話題に上る場合には、一応50年というところが一つ目安として出されておりますけれども、50年で本当にどうにかなるというふうな橋は、今のところ、本県の場合にはまずないと考えてよろしいかと思います。
〇工藤勝博委員 青刈橋は71歳になりますけれども、戦時中ですから、アーチ状の橋なので、上から見るとわかるんですが、下から見ると、すてきな橋だなと私も思っていました。それを残しながらも、安全に通行できるような改修をぜひお願いしたいと思います。
 そこで、平成24年度から入札をかけているわけですけれども、平成24年度は3回の不調、平成25年度も2回ありましたけれども、2回とも応札者がないという状況で、これは、何としてもこの原因を探らないとわからないなと思いますけれども、その辺の状況はいかがでしょうか。
〇中村道路環境課総括課長 今、御指摘にありましたとおり、青刈橋は71歳ということで、どちらかというと元気なほうの71歳になるかもしれませんけれども、県では、平成24年度から、補修工事の着手を目指して発注に係る手続を進めてまいりました。委員の御指摘のとおり、平成24年度は3回、平成25年度は2回という形で入札不調が続いております。
 この原因といたしましては、今考えられるところでは、あそこの前後のところの道路幅員がかなり狭いというところもあります。カーブもきついところもあります。また、迂回路がないという現場条件の厳しさといったものがやはり大きいかと思います。そのほかにも、これは県全体で言えますけれども、技術者、作業員の不足といったところがその原因として考えられるのではないかと思っております。
〇工藤勝博委員 いろんな状況があるだろうと思いますけれども、応札がないというのはちょっと考えられないんですけれども、その辺の見積もりといいますか、どうなんでしょうか。金額的に折り合いが悪いのか、そういう現場が、こういう場所でとても工事できないから業者も辞退しているのか、その辺はどうなんでしょうか。
〇中村道路環境課総括課長 二戸土木センターでも、いろいろとお話を伺っている中では、やはり現場条件の厳しさというものが一番最初に挙げられているようなところでございます。県としましても、今、こういう形で2カ年にわたりまして入札不調が続いているということもございます。まず、橋を利用していらっしゃいますので、当面の利用者の安全策といたしましては、走行注意の看板設置とか、夜間のための反射板の取り付け等を実施したいと思っていますし、入札不調に係る課題はさらなる整理をいたしまして、今後の対応に向けて検討を進めて、早期の補修に努めてまいりたいと思います。
〇工藤勝博委員 いろんな技術力といいますか、知恵を出しながら補修―壊れてから補修ということは難しいと思うので、壊れる前にぜひともやっていただきたい。今、工事が大変だというのは、その橋の重量制限もあります。そしてまた、バス路線にもなっているんです。そういうことも含めて早急に取り組んでいただきたいと思います。
 それと関連して、一戸葛巻線の隘路といいますか、対向車線、すれ違いができないというような箇所もたくさんあります。その辺もあわせて橋と一体となった改良になれば、うまく入札もできるのではないかと思いますけれども、その辺を含めて、道路改良と橋の改修が一体となった入札の方法はいかがでしょうか。
〇加藤道路建設課総括課長 今、委員のお話しのとおり、通称葛巻町境奥通地区、青刈橋のあるあたりは道路の幅員が大変狭くなっておりまして、車両のすれ違いが困難な箇所でございます。橋のかけかえも含めてといいますと、さらになんですけれども、いずれ、地形が非常に厳しいところでございますので、抜本的な改良整備となりますと、非常に大きな規模の工事が想定されるところでございます。そういうことですので、当面、車両のすれ違いができるだけ円滑に行えますように、待避所等の整備を検討してまいりたいと思っているところでございます。
〇工藤勝博委員 後回しにならないように、先送りにしないように、それぞれの町からも要望があります。地域の皆さんの生活道路、貴重な道路でもありますので、ぜひともお願いして、終わります。
〇及川あつし委員 毎回のことで済みませんが、工藤勝博委員と私で松川の件、ワンセットでまたお聞きしたいと思います。
 関連ですから、簡潔に3点伺いたいと思います。
 松川の昨年の水害については、基本的には集中豪雨というのが大原因ということでありますけれども、地域の方々からすると、それもそうなんだけれども、流木とか林地残材の件を必ず言及されるんです。基本的には集中豪雨が大きな原因だったけれども、流木対策とか通常の河川パトロールがあれば、特に下田地区なんかは大丈夫だったんじゃないかなと言う方もいらっしゃる。ついては、これからの復旧については一生懸命頑張っていただいていると思いますし、これからも頑張っていただきたいんですけれども、あわせて、流木とか河川パトロールの件についても説明してほしいと思っているんですが、その件については、発災後、どのような対応になったのか伺いたいと思います。
 2点目は、今のお話で、河道掘削と築堤ということでこれから進めるということで、この点についても可及的速やかにお願いしたいと思うわけですが、当初、遊水地という話も計画化されていたと承知しておりますが、遊水地の計画から河道掘削と築堤という方向になぜ変わったのか、もう少し丁寧に御説明いただければと思います。
 3点目は、今、松川の上流の件についても御答弁がございましたけれども、もう一つ合流する赤川については対策を打たなくてもいいのかなと私も思っているのですが、あっちもこっちも大変だと思うんですが、赤川についても一定の対処と住民説明をぜひお願いしたいと思うんですが、この点についての見解をお尋ねしたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 ただいまの及川あつし委員からの御質問でございます。流木が橋脚等に引っかかっている状況もございました。発災後に水が引けて、そういったものが見えてきておりますが、特に下田地区への洪水の原因は、松川を横断しております盛岡市道川崎橋、IGRの橋梁がございますが、この地点で下田に向かう右岸側の流下能力が不足して、IGRの土手を通って一気に流れていったということが現象として起きました。
 その河道が、橋梁の下が全部埋まったという状況ではなくて、当然、本川のほうもずっと流れておりました。昨年の雨は、松川の記録上最大、かつてまずなかったような流量になっておりました。そういうこともありまして、集中豪雨が主な原因というふうに答えさせていただいております。
 パトロールにつきましては、地域の皆さんの意見を聞きながら、盛岡土木のほうで相当通っております。赤川合流部から上下流のところも相当流木が飛散しておりましたので、そちらのほうも、昨年、補正等で対応して、相当撤去させていただいております。
 それから、河道計画につきまして、今、遊水地から築堤、河道掘削方式になったということにつきましては、遊水地を検討したところでありますが、遊水地の計画の性格上、最大限の洪水を仮定しないと遊水地が機能しないというのがあります。例えば50年に一度の洪水に対する遊水地をつくったときに、30年に一度の雨が来ても十分機能できないというような構造でありまして、昨年の大雨を対象にしたとすると、遊水地の費用が莫大にかかる、用地もかかるということで、現実的に相当困難なところが見えました。それで、改めていろいろな方法を検討した結果でございます。
 3番目ですが、赤川につきましては、過去に災害を受けた時期には計画的な改修を実施しております。今、治水予算等も限られているということもありまして、県としては、近年被災があった場所とか、資産が集中している、あるいは他事業と関連して早急にやらなければならないような箇所を厳選して、まず対応させていただくということで進めておりますが、赤川等についても、松川の支川でありますので、その状況については、今後とも注視しながら進めさせていただきたいと思います。
〇福井せいじ委員 関連。今、及川あつし委員、そしてまた工藤勝博委員からもお話があったのでありますが、先ほど、松川の洪水による下田地区への流水だったんですけれども、これは、IGRの盛り土が逆の堤防になって下田地区に流れたということでありますが、IGRの盛り土等の工事というのは、県土整備部が関連して行うことができるのかどうかというのを確認したいということと、遊水地ではなく、築堤と掘削にした場合の工期というのがどれだけになるのかということです。あそこら辺は雨が降ると常に水が入ってくるということで、頻繁に水が入ってくるところでありますから、本来であれば、早急に抜本対策をしていただきたいということでありますが、どれだけの期間がかかるのか教えていただきたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 まず、IGRの軌道の路体につきましては、特に河川管理者が手をつけるというようなことではなくて、あそこのIGRの上流の右岸といいますか、下田に流れていく側の岸を堤防化したいというふうに考えておりまして、それをIGRの軌道の路体に乗せるというか、ぶつけるといったことで協議は進めさせていただいております。
 それから、松川の工期につきましては、まず、掘削築堤方式でも数十億円は要する見込みでありまして、体力といいますか、予算のスタミナ上、すぐ、ここ数年で完成とはならないと考えております。まず、十数年とか、それ以上の期間がかかるものと説明させていただいております。
 それから、先ほど工藤勝博委員の御質問ですが、八幡平市への説明のほかに、住民の方にも、その後、説明を行っております。
〇福井せいじ委員 築堤等の期間は非常に時間がかかるということでありますが、頻繁にあの地域には水が出ますので、そういったものへのある程度の対策というものは、ぜひとも行っていただきたいと思います。
〇伊藤勢至委員 国道106号についてお伺いしたいと思います。
 発災後、復興支援道路の位置づけを―復興道路だと思っているんですけれども、復興支援があってもなくてもいいんですが、いずれ昭和45年の岩手国体以来の大改修が入ることになりまして、宮古・下閉伊広域圏の人が大いにこれに期待しているところであります。
 そういう中で、県といたしましては、大規模工事の中のいろいろな部分を新聞報道あるいはホームページで県民にお知らせしていると思うんですが、ただ、部分的なラインしか報道がないということで、宮古-盛岡の1本につながった道路の状況という図面などがなかなかなかったものですから、お願いして、1本のラインをつくって、私なりに配布をいたしましたが、これが全部行き届いているとはとても思えません。そして、期待が高い分、どこからどう入るんだ、どこからトンネルがどう出るんだということを非常に多くの方から聞かれます。これは、復興に向かっていく大いなる希望の道路でありますので、丁寧に私も説明をするのでありますが、これがどうしても説明し切れないわけであります。
 そこで、一つお願いでありますが、かつて簗川ダムに絡む国道106号の切り回しがございました。ダム工事総額540億円のうちの国道106号が水没するということで切り回すのが半分の270億円、これは簗川道路と言っていまして、あと少しで手代森までつながるわけでありますが、これのときも非常に多くの方々から質問をいただきました。もちろん質問があれば説明をいたしますけれども、私としても、県のほうにも一肌脱いでもらいたいということで、簗川郵便局のちょっと下がったところに、横1.5メートル、幅40センチぐらいの看板を1本、5万円もかからなかったと思うんですが、ここから簗川道路という看板を出してもらいました。途端に、私のところにいろいろな説明を求める人が少なくなって、より県民の人もわかったと思うんですね。
 そこで、今回、箱石工区、平津戸工区、区界工区など大きく3工区あるわけでありますけれども、例えば簗川道路の際のように、ここから始まって、ここで終わるとか、ここからトンネルとか、余り大きくなくてもいいんですが、そういう一目でわかるような看板を掲示していただくということは、県がこれからやる仕事を県民に広く教えるということで大事なことだと思うんですが、いかがでしょうか。
〇加藤道路建設課総括課長 宮古盛岡横断道路を初めとします復興道路等につきましては、復興のリーディングプロジェクトとしまして、国において、かつてないスピードで整備を進めていただいておりまして、円滑な事業進捗のためにも、これまで以上に地域の皆様や利用者の皆様に御理解、御協力いただくことが不可欠だと考えております。
 宮古盛岡横断道路におきます現地での標示ですけれども、計画道路が現道と交差する位置などに、赤と白で塗り分けた通過位置の標示板が現在設置されているところでございますけれども、委員から今お話しいただいたような内容も踏まえまして、さらに道路利用者の皆様にわかりやすい表示の工夫につきまして、国の事務所とも相談させていただきたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 確かに、国のほうでも標示をしているのはわかりますけれども、ここから簗川道路というのが、まさにシンプル・イズ・ベスト。国はやったと言っていますけれども、あれは、車で走っていて瞬間しか見えないんです。ですから、そういうものではなくて、できるだけお金をかけないで、しかも県民にアピールができるようなものを県として考えていただきたいということをお願いしておきます。
 それから、通告をしておりませんでしたけれども、きのうの農林水産部審査でちょっとわかったことがありますので、絡めてお伺いしたいと思います。
 いよいよ災害公営住宅があちこちで完成してまいりましたし、着工しているものもありますから、追ってだんだん多くのものが完成してくると思います。ただ、新築でできた割には、今のところ入居率が余り芳しくないと思うんですが、できてすぐの入居率はどのようになっているでしょうか。
〇勝又建築住宅課総括課長 災害公営住宅の入居状況についてですが、9月末現在で、県と市町村合わせて754戸の供用戸数がございます。これに対して入居は延べ667世帯、88.5%となっております。
〇伊藤勢至委員 例えば大槌でありますとか、釜石市の平田でありますとか、基本的には、今回の大震災津波の浸水域を避けようということがベースにあると思います。そこに、つまり居住していた方々の大多数が漁民の方々だと思うんですね。すると、漁民の皆さんには、大事なこととして漁業権の行使という問題がありまして、その漁業権の中には、いろいろな細目、各漁協で違うと思いますが、例えば年間90日操業とか、主に操業する場所から2キロ以内とか3キロ以内とか、そういうことをきのうの農林水産部審査で聞いたところ、1次避難まで、つまり応急仮設住宅の避難までは漁業権については問わない、しかし、それが2次になった場合は、対応をまだ決めていないということでありました。
 つまり、応急仮設住宅から災害復興住宅に移りたい漁民の方もいらっしゃると思うんですが、仮にそうしてしまうと、漁業権の行使ができなくなるかもしれない。つまり、ウニ、アワビ、あるいは魚類、それからマツモ、貝類、そういったものをとって主な収入にしている磯浜漁業の方々が、移りたいんですね。年齢も高いので、自分でお金を出して自宅を構えるには、年齢もあるから、やはりここは災害公営住宅かなという人たちがふえてはきているんですが、災害公営住宅に入った途端に漁業権を失うのも、これもいかがなものかという思いで逡巡している方が多くいらっしゃると思うんです。
 したがいまして、せっかくつくったこの災害公営住宅に、どんどんそういう方々にも入っていただくためにも、どうぞ農林水産部と連携して、水産庁に現状の働きかけをして、税金でつくったところに入りたい人がいるのに入れないということがないようにして、せっかくつくった災害公営住宅が、本来の意味での被災された方々に早く住んでいただけるような方策をともに進めていただきたいと思うんですが、いかがですか。
〇勝又建築住宅課総括課長 災害公営住宅を建設する場所につきましては、市町村が行っている意向調査などを踏まえて、あと、土地の制約などもありますけれども、できる限りそういった漁業を行っている方などの意見も踏まえて、御要望にお応えできるようにやっていきたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 県、市町村、国と言いますけれども、そういう縦割りの話ではなくて、入る人の気持ちになってというところが始まりだと思うんですよ。だから、水が来ないところに建てる、浸水域を逃れる、それはいいことでありますけれども、対象者が誰なのか、誰を主に入れるためにということを考えたときに、一番最初に議論をしなければならないことかもしれませんので、ぜひ、これは水産庁が根っこだとしたら、そこに強力に働きかけて、現状を伝えて、一日も早くできたところに逡巡している方々が早く入れるように、佐藤部長からお伺いして、終わります。
〇佐藤県土整備部長 災害公営住宅の本来の目的は、本当に住居をなくされて、今、大変な思いをされている方に安心して暮らしていただくということでございます。
 今お話のありましたような懸念を持たれて、入りたくても入れないというような方がもしいらっしゃるようであれば、やはり市町村と連携しないと、そういうきめ細やかなところを我々自身がやろうとすると限界もありますので、市町村と連携しながら、あるいは農林水産部ともしっかり方向性等について確認しながら、できるだけ入りたい方が早く入れるような取り組みを進めてまいります。
〇軽石義則委員 大きく2点について質問させていただきます。
 交通安全施設整備事業費関連につきまして、まず1点お伺いいたしますが、これまでも多くの議論がされてきておりますけれども、歩行者の交通安全確保などを含めて、歩道の整備など多く取り組みをしてきていると思いますけれども、県内広いわけでございますし、それぞれ重要な要件としての要望などもあって取り組みをされていると思いますが、必要性、緊急性、いわゆる優先順位をつけなければ、一気に全て解消することはできないと思っておりますので、この必要性、緊急性の判断基準はどのようなものを持ってやっているのか、お示し願いたいと思います。
〇中村道路環境課総括課長 交通安全施設整備事業、歩道整備の必要性と緊急性の判断基準でございますけれども、県では、公共事業評価にのっとりまして、その事業の必要性、重要性、緊急性、効率性、熟度といった5項目で、その事業の必要性を判断しているところでございます。
 このうち必要性につきましては、自動車や歩行者等の交通量、歩道の連続性などにつきまして、また、緊急性につきましては、事故の多発地点や通学路の指定に該当しているか、こういったことを評価指標としているところでございます。
〇軽石義則委員 その中でも、やはり交通量はどのぐらいとか、事故が起きたらすぐやるとか、そういうものもあると思うんですけれども、その部分、細部のところをもう少し詳しく説明願いたいと思います。
〇中村道路環境課総括課長 交通量の部分に関しましては、一応12時間の交通量というところで、3、000台以上、また1、000台以上、あと1、000台未満という形で三つの段階に分けて判断しておりますし、また、歩行者、自転車の交通量につきましても、150人台―歩行者と自転車の交通量を合わせて1日に150という数字、また75という数字、この2段階で判断しているところでございます。
 あと、事故の多発地点に関しましてでございますけれども、これは一つ基準というところがございまして、人身事故の事故率という形で判断しております。一つの判断があるのですけれども、1キロのところで、1億台当たりの交通量があるところで、人身事故が250人というところがあれば、そういった数字のところでの判断をしておるところでございます。
〇軽石義則委員 基準がなければ判断もできないと思いますので、それらについては理解しますけれども、しかし、それぞれ各市町村から毎年切実な要望として、例えば、夏場はいいけれども、積雪時、冬場は、やはりさらに危険度が増すとか、そういう条件も変わってくると思っているんですね。そこの部分などについてはどのように加味されているんでしょうか。
〇中村道路環境課総括課長 市町村からもいろいろと要望は承っております。平成25年度につきましては、交通安全施設に関する要望ということでは71件承っております。これらの要望に関しての対応状況としましては、今、その71件のうち22件については事業着手しているところでございます。
 今後も、歩道など交通安全施設の整備に当たりましては、市町村などからの要望も踏まえまして、小学校の通学路での交通量の多い箇所とか、また、交通事故が多発している箇所といったところに関して整備を進めてまいりたい。その要望を受ける中で、冬季の交通事故の可能性とか、その多い、少ないというところもお聞きした上で判断をしてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 71件の要望中22件着手をしていると。それ以外のところは、具体的に計画を持って年次展開をしようとしているものなのか、計画にすら反映されていないのか、どうなっているのかお示し願いたいと思います。
〇中村道路環境課総括課長 今、県のほうで歩道整備を進める際、一つは、通学路になっているかどうかというところが一番大きい判断基準として考えているところでございます。平成24年度に、教育委員会、警察と一緒に通学路の緊急点検などをしております。そうした中で、県が管理する道路に関しましては、186カ所で対応してほしいというお話を承っております。今、まだそこのところ全ては対応になっておりませんけれども、そういったところを優先的に歩道整備を進めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひその部分をしっかりと対応してほしいんですけれども、ただ、そういう取り組み経過なり対応している状況が、市町村のほうにしっかり伝わっていないところもあるのではないかと思います。市町村要望をお聞きしに歩いておりますけれども、毎年要望していても、いつも同じような回答しか来ていないし、いつそれが現実のものになるかわからないという声も聞いております。ひどいところなどは、人身事故が起きない限り直してくれないんでしょうかというような質問も実際に受けておりますけれども、そういう意味で、市町村にそういうふうにきちんとしっかり対応を考えているんだということは伝えているんでしょうか、また、そういう伝える機会を持っているんでしょうか。
〇中村道路環境課総括課長 市町村からいろいろと御要望を承った際には、真摯に対応をさせていただいていると思っております。御要望に100%お応えするということは、確かに厳しい状況ではございます。ただ、そこのところは、きめ細かくこれからも説明をさせていただきたいと思います。
〇軽石義則委員 ぜひ、どういうふうに進んでいるのかわかれば理解もされると思いますし、違う対応も考えられると思いますので、その部分はしっかりやっていただくことをお願いしたいと思います。
 交通安全施設整備事業費以外でも、交通安全施設分ということで道路環境改善事業の中でもやられているようでありますけれども、これは、やはり国の国庫支出金なども伴っているようですから、国に対して、それらについて、さらに緊急性があるというようなものについて具体的に要望していることもあると思いますが、国との連携はどのようにされているんでしょうか。
〇中村道路環境課総括課長 交通安全施設整備事業に係る国への要望状況でございます。
 例年行います政府への予算提言、要望活動の中で、交通安全施設整備に関する項目といたしまして、日常生活を支える道づくりのための国道や地方道の整備を着実に推進するための予算の確保を毎年強く要望しているところでございます。
 今後とも、その機会を捉えまして、必要な要望活動は強めていきたいと思っております。
〇軽石義則委員 ぜひ、その部分も継続していただきたいと思いますし、そういう状況も含めて、市町村にしっかりと開示していくことによって、さらに理解が深まっていくのではないかと思いますので、その点もぜひお願いしたいと思います。
 次に移ります。そういう意味で、歩道のみならず、各市町村から県土整備部に関係する部分の要望が多く出されていると思いますけれども、それらの要望について、現段階での対応状況はどのようになっているのか、お示し願いたいと思います。
〇佐藤県土整備企画室企画課長 県土整備部関係の市町村の要望への対応についてでございますけれども、市町村からの要望につきましては、随時、広域振興局長が対応しているという状況になってございます。
 平成25年度につきましては、31市町村から279件の要望をいただいてございます。これは、交通安全施設整備も含めまして、道路関係が約7割という状況になってございます。要望をいただきました279件のうち、要望の趣旨に沿って措置または実現に努力をしているものは、約半分の143件という状況になってございます。
〇軽石義則委員 その状況を先ほどもお話ししたような形で、具体的にどういうものが現実的になっているのか、今後の計画をどのように進めているか、広域振興局長がしっかり各市町村に伝えているかどうかというのは、県土整備部として確認しているんでしょうか。
〇佐藤県土整備企画室企画課長 要望をいただいた市町村の関係でございますけれども、必要に応じまして、広域振興局の土木部あるいは土木センターが聞き取りとか現地確認を行いまして、地域の実情の把握、それから、課題の共有を図るといったような状況の取り組みをやっておると認識してございます。
 個別にこの状況がどうなっているというようなことまで、きちっと広域振興局長から伝えているかどうかというところまでは逐一確認はしてございませんけれども、現場のそういった連携の中で、市町村との意思疎通は図っていると認識してございます。
〇軽石義則委員 ぜひ、市町村との連携をさらに図っていただくこと、そういう機会を県土整備部としても持つ考え方は持っているのでしょうか。
〇佐藤県土整備企画室企画課長 さまざま要望を受けている機会がございますので、広域振興局で市町村と現場の意思疎通とかというところは、引き続き進めていきたいと考えてございます。
〇軽石義則委員 広い県土でございますし、全て市町村から出るものは、その市町村にとっては重要な事項という思いで提出していると思いますので、その思いを受けとめた上で、先ほどの歩道の話もありますけれども、やっぱり今後どうなっていくのかというものが見えると、安心にもなるでしょうし次の対応にもなると思いますので、ぜひそのことをしっかりとやっていただけるかどうか、部長からもう一度聞いて、終わります。
〇佐藤県土整備部長 県全体の要望のうち約半分、5割ほどが県土整備部に関する要望でございます。それだけ地域の皆様方のインフラ関係に対する強い思いがあるんだと思っております。
 先ほども申しましたけれども、そのうちの半分程度は対応できていますが、残りの半分程度はなかなか対応できないという状況でございます。具体的に、それらについて、今後いつ対応するということをお示しするのは非常に困難でありますけれども、特に、すぐに対応できないものについては、一緒にその現場に行って、当面どういうことができるかというようなことについても、地域の方と県が一緒になって工夫しながらやるという取り組みをこれまでもやってきておりますけれども、そういうことを続けながら、市町村あるいは地域と連携して地域の課題の解決に取り組んでまいります。
〇福井せいじ委員 私から、まず、入札不調についてお聞きします。
 平成25年度における入札不調件数と、そしてまた、その原因についてお聞かせください。
〇桐野建設技術振興課総括課長 まず、平成25年度の建設工事の入札不調の状況でございます。
 平成25年度は、県営建設工事全体で1、386件発注しまして、そのうち、取りやめ、不調等が297件、21%という割合でございます。
 その原因についてはいろいろありますけれども、主に復旧、復興工事に伴います工事量の増加による労働者や技術者の不足、建設資材調達への不安など、さまざまな要因があるものと考えております。
〇福井せいじ委員 さまざまな要因ということで、労働者の不足あるいは資材の高騰という話もありましたが、発注の際の積算体系にも問題があるのではないかという事業者からの話もありますが、こういった積算体系について、また変更する、あるいは検討するということはないでしょうか。
〇桐野建設技術振興課総括課長 積算体系につきましては、いろいろな要因があるのですけれども、いずれトータルで予定価格が実勢に合わないというのは、前から相当聞いておりました。ただ、平成25年度以降、予定価格の算定に関しましては、労務単価の機動的な見直しですとか、スライド条項の適用、あと、契約後における単価適用年月の変更のほか、遠隔地からの資材調達に要する費用を計上したり、被災地以外からの労働者確保に要する費用の実績変更等をやってまいりまして、ことしの2月には、復興係数ということで、諸経費を大幅に上げるというような積算上の改定もしております。
 一部の資材とか一部の時期にある程度合わないというのはあるんですが、予定価格の算定に関しましては、今年度当初あたりまででおおむね対応しているかと考えております。
 今後とも、入札の動向を注視して、業界団体と情報共有を図りながら、さらに必要なものがあれば、今後とも取り組んでいきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 業界団体と常にさまざまに情報交換をなさっているということでありますが、私は、この入札不調というのは、単に金額だけの問題ではないのではないかということを業界の方々と話をして感じることがあります。一つは、工事請負者にとって、工期が非常にずれていくということであります。最初に設定した工期が、なかなかその工期どおりに工事が進まない。それによって、どんどん最終的な完成の工期がずれてしまって、利益が消失してしまうということであります。
 この工期のずれの原因が、工事着工前のすり合わせという、私は初めて言葉を知ったんですけれども、そのすり合わせが不足しているのではないかと。それは、行政と、例えば地権者あるいは周辺の住民とのすり合わせが十分になされていない。いざ工事を始めに行って、くいを打とうとすると、周辺住民からは、なぜここにくいを打つんだ、まだ決着していないということを言われて着工がおくれるということが一つ。
 そしてまた、いざ工事に入っていくと、工事ができる環境が整っていないため、その打ち合わせがしっかりしていないため、また工期がおくれると。その中で、労働者の方々、下請の業者たちが次の工事に行ってしまうということで、さらに工期がおくれてしまう、それによって利益が消失してしまうということであります。
 ですから、札を入れた人たちは、実は下請のほうがよかった、そのほうが自分たちの利益がしっかりと確保できるということを言っている方々もいました。そういった金額だけの問題ではないようなことを私は感じてきたのでありますが、この点についてはいかがでしょうか。
〇佐藤県土整備部長 東日本大震災津波からの復旧、復興をいかに早くやるかということで、平成23年度以来、私ども取り組んできております。
 具体的にどういうことをやっているかと申し上げますと、大きな計画、どこに防潮堤をつくる、どこに道路をつくる、どういう町をつくるという住民の方々との合意形成が最初にあります。それが平成23年度、24年度ぐらいでやってきまして、その後、計画が決まれば測量をやる、設計をやる、あとは用地取得の作業をする、もう一つが工事発注のための積算をすると。
 従前のやり方は、これを直列でやっているんですね。一つ決まったらば、測量をして、測量が終わったら詳細設計をやる、詳細設計が終わったら用地測量をやる。その後、用地交渉をして、すっかり用地を買ってから工事発注をする、これが本来のやり方であります。
 こういうやり方をしていると、ほとんどの箇所が、実はまだ着手できない。従前3年とか5年ぐらいのステップを1年ぐらいで全部圧縮してやろうとして我々やっております。
 その結果、大変申しわけないことではあるんですけれども、今、福井委員から御指摘ありましたように、請け負っていただいた業者さんに、今のような形で御迷惑をおかけしている現場があります。私も、幾つかの団体の方々からそういう御指摘をいただいております。その部分については、本当に大変御迷惑をおかけしていて申しわけないという思いでおりますけれども、一方で、個々に本当にそういうことが起こらないようにしようとすれば、きちんと手順を踏んでやっていかざるを得ないということでございます。
 我々としては、やはり今はいかに早くやるかという観点で、大変申しわけないんですが、一定の御迷惑をおかけしつつ、少々手順が逆になるところがあろうが、やれることを全てやりながら最終的なゴールをなるべく前に持ってくるというような思いでやっていきたいと思っております。
 先日も日建連の東北支部のほうにも行ってそういうお話をさせていただきながら、必要な説明は極力させていただきながら、そういうやり方をやっていかざるを得ないというんですか、そこを理解していただきながら、引き続き一日も早い復旧、復興工事完成に取り組んでいく必要があるものと考えております。
〇福井せいじ委員 今の部長の説明は非常によくわかります。やはり同時並行的に工事を進めていく、あるいは一つのものを仕上げるために進めていくことは大切だと思います。しかしながら、そこでやはり信頼関係、それぞれの役割を持つ人たちに、どのような形でそれを信用というか理解してもらうか、これが一つ必要だと思います。
 あと、入札不参加の事業者の方々からは、そういうことがあるのであれば、より付加価値の高い工事を待ったほうがいい、より自分たちがやりやすい工事を待ったほうがいいという声も聞きました。そういった意味では、県民一体となって、全県一体となってこの震災復興工事に取り組むといった団結力というか信頼関係の醸成をいま一度皆さんで確認する必要があると私も思います。あるいは、工事に対して、全体の工事の工程表をつくりながら進めていっていただきたいと思っております。
 今そういったお話を伺うんですけれども、当日、工事に入ったら、そういったすり合わせがやられていなかったというのは、私は、当日ではなく、やはり何日か前にそれはわかることであると思います。そういった連絡も、信頼関係をつくる一つの大きなものになると思います。ぜひともそういうすり合わせ、工事関係者を含めた形での連携をつくっていただきたいと思います。これは一つ、要望にしておきます。
 次に、耐震改修促進法の改正についてお聞きしたいと思います。
 平成25年に耐震改修促進法の改正がありました。それによって、これは長いんですけれども、要緊急安全確認大規模建築物の所有者は、耐震診断を実施して、平成27年12月までに所管行政庁に報告することが義務づけられました。これについてちょっとお聞きしたいんですが、この平成25年の耐震改修促進法の該当物件数とこれまでのこの診断の実績についてお聞きしたいと思います。
〇勝又建築住宅課総括課長 建築物の耐震改修の促進に関する法律の改正によりまして耐震診断が義務づけられた民間の建築物は、9月末時点で把握しているものが39棟ございます。そのうち、耐震診断が終了している建築物は22棟、今後耐震診断が必要な建築物は17棟ございます。
 耐震診断実施済みの22棟のうち、耐震性がなしと診断されたものが13棟、既に改修されているものが6棟、未改修が7棟となっております。
 次に、耐震診断の実績ですけれども、平成25年度から補助事業を創設しておりますが、現時点でその補助の実績というものはございません。ちなみに、事業者への意向調査によりますと、今年度は5棟について耐震診断を実施する意向があると聞いております。
〇福井せいじ委員 今、課長のお話で、その実績等がわかりました。そして、岩手県はこの診断、そして改修について補助制度も創設しておりまして、それを使った形での診断、そして設計、改修という形で今後進むと思うのでありますが、まず、耐震診断を実施して、不適合とされた場合、この施設名がホームページ上で公表されてしまうことになっております。
 この公表された場合、例えば民間の宿泊施設などでは、営業に対して非常に大きな影響があると思うのでありますが、平成27年12月31日までに、なかなか診断に踏み切れない、診断をする時間がないという事業者も多いのでありますが、この時期とか診断の実施期間の延長などについては、事業者の環境を勘案して延期をしたりするということは考えられないのでしょうか。
〇勝又建築住宅課総括課長 耐震診断の結果の報告につきましては、これは法律で既に定められておりまして、委員もおっしゃったように、平成27年12月末までとなっております。これについては、行政庁の判断で延期することができませんので、耐震診断の実施と報告については、建築物の所有者の方にぜひともやっていただかなければならないということになります。
 一方で、それを行政庁が公表することも法律で定められておりますけれども、それの時期については、法律上は定められておりません。公表に当たりましては、用途ごとにまとめて行政庁が公表することになっておりますけれども、事業者の方々に対する影響も大きいということでありますので、報告の状況とか事業者の状況をよく見ながら、公表時期については考えていきたいと思っております。
〇福井せいじ委員 事業者のほうは、やりたくないということではないと思います。早く診断をしていただいて、その後、設計、改修に入っていきたいという事業者もたくさんおります。そういった意味から考えまして、岩手県が補助制度を創設していますが、その診断における事業者の負担割合を軽減することは考えられないでしょうか。
〇勝又建築住宅課総括課長 診断の補助制度につきましては、今、事業者の負担が6分の1でできるように県と市町村で補助を行っております。これについては、国の補助制度で想定している地方が負担する金額の最大限の金額を出しておりますので、現時点では、事業者の方には6分の1の負担でやっていただきたいと思っております。
〇福井せいじ委員 実は、この事業者は、大震災の際も避難者を受け入れたり、警察あるいは消防の方々を受け入れたりして非常に支援していただいたと。そしてまた、その後も、風評被害等に遭ってなかなか業績が回復しない事業者も多いわけであります。そして、この診断あるいは設計、改修においては、金融機関が、業績の回復にはつながらないものだとしてなかなか融資をしていただけない部分もあります。
 そういった意味では、私は事業者の負担割合を少し引き下げるとか、あるいは融資の制度を設けることを考えて、この事業者はやりたいと、やりたくないわけではなくて、診断をして、そして設計、改修に早目に入っていきたいという気持ちはあります。そういった意味で、その負担割合あるいは融資制度について何かしらお考えを持って検討していただきたいのでありますが、部長、いかがでしょうか。
〇佐藤県土整備部長 民間事業者の方にとっては、今、福井委員御指摘のように、非常に大きな負担を伴う結果になるものだと思っております。ただ、一方で、それを利用される一般の方々の安全を確保することも非常に重要なことでありまして、これらが両方成り立つように、いかにうまくやっていくかということなんだと思っております。
 そういう意味で、先ほど建築住宅課総括課長が申しましたように、耐震診断については、まず、6分の5までは行政側が負担させていただくということで、負担感はある程度少なくできているのではないかと思っております。
 一方で、その結果、耐震改修が必要になるというと、改修工事費は、耐震診断とはちょっと規模の違う事業費、工事費になるものと思っております。そういう部分について、私どももどのようなことができるかということを検討しておりますが、どうしても事業者の負担というものは一定程度お願いせざるを得ないと思っておりますので、そこは御理解いただくよう、御説明をしながら、最終的には安全・安心が確保できるよう努めてまいります。
〇福井せいじ委員 実は、今まで議論してきましたが、この大規模な施設であります。その中に今までお話ししてきたように宿泊施設が多く含まれておりまして、平成27年の期限までに不適格とされた場合は、国体等の宿泊施設にもかなりの大きな影響を及ぼすものと私は考えております。そういった意味で、事業者は、やりたくないと言っているのではなくて、何とか早くやって事業に支障を来さないようにしたいという要望があります。負担割合の改定は難しいとしても、ぜひとも融資制度等を検討していただいて、この施設が不適格とならないような形で取り組んでいただきたいと思います。要望で、終わります。
〇岩崎友一委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時50分 休 憩
午後1時2分 再開
〇高橋但馬副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 去る10月20日の商工労働観光部審査における及川あつし委員からの議事進行及び審査の状況を踏まえ、世話人会で協議した結果、本日の株式会社DIOジャパン及び関連コールセンターに係る緊急雇用創出事業等についての質疑に当たり、執行部に資料の提出を求めることとしたところでございます。ついては、お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ14人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行します。
〇佐々木努委員 それでは、私から1点だけお伺いします。
 建設業指導監督費についてでありますけれども、初めに、平成25年度における建設業者の指導、育成についての取り組みについてお伺いいたします。
〇桐野建設技術振興課総括課長 建設業指導監督費についてでございます。平成25年度の建設業指導監督費におきましては、建設業の許可や経営事項審査及び建設業者への指導、監督、建設業の振興対策、建設企業の経営基盤の強化や人材育成のための各種研修などへの総合的な支援を行ったところです。
〇佐々木努委員 具体的にお伺いしたいと思います。
 先日、総務部の審査におきまして、県営建設工事における指名停止等の措置状況についてお伺いいたしました。平成26年1月からの1年間で指名停止が23件、文書警告16件、文書注意15件ということでありました。これは総務部で処分を出すものだと思いますけれども、処分を出すかどうかの決定については県土整備部もかかわっていると思っていますが、そういう意味で県土整備部のほうにもお伺いいたしますけれども、県営建設工事において、業者に過失がない工事事故であっても行政処分を行うのかどうか、県土整備部のお考えをお伺いいたします。
〇桐野建設技術振興課総括課長 ただいまの御質問の処分なんですけれども、指名停止等と捉えてよろしいですか。
〔佐々木努委員「全てです。文書警告、文書注意も含めて」と呼ぶ〕
〇桐野建設技術振興課総括課長(続) 文書注意とか文書警告あるいは指名停止というような入札制度に伴う措置についてです。そのような措置については、県土整備部ということではなくて、当該工事を発注する公所の所見を踏まえまして、その工事の発注部局から事由通報を総務部に行いまして、その内容を踏まえて総務部で決定しているものでございます。
 それで、その対象工事が県土整備部の場合は、県土整備部で、実際工事を監督しています発注公所の所見を踏まえて、県土整備部として総務部に通知するかどうかを判断して通報しているものです。
 その指名停止等の措置全てについて県土整備部が何らかのかかわりを持っているということではございません。県土整備部の工事については、発注した公所が、その状況を踏まえて所見を本庁に上げまして、それを踏まえて部として内容を検討して、総務部に通知しているものでございます。
〇佐々木努委員 それでは、過失があるなしにかかわらず、これが県営の工事において処分に値するというふうに判断したものは、全て総務部のほうに通知されるということの認識でよろしいですか。
〇桐野建設技術振興課総括課長 過失のあるなしというのが直接の判断材料ではございませんで、例えば、事故以外にもいろいろな要因があるわけですが、工事の事故の場合については、安全の管理が不適切だったためにそのような事故が起こったという判断がされたものについては通報しているということでございます。
〇佐々木努委員 管理がしっかりされていても、そういう事故が起きた場合、そういうときはどうされるんですか。やはり総務部のほうに報告するんですか。
〇桐野建設技術振興課総括課長 管理がしっかりしていてというところの範囲というか判断基準が、おっしゃっていることに答えているかわからないんですが、安全を図るためのいろんな基準がございます。そういうものを踏まえて、現場で事故を防止するための事故防止の措置がきちんとなされている。それにもかかわらず事故が起こったという判断の場合は、基本的には通知しないと思います。
〇佐々木努委員 最終的に総務部がこれは処分を行うものだと思いますし、そういう御説明もありましたので、県土整備部にこれ以上お話をしても、多分、今の答弁の程度で、それ以上の答弁はいただけないと思うんですけれども、総務部の審議のときにもお話をさせていただきました。
 指名停止あるいは文書警告、文書注意、これらについては、それを行うことによって、もちろん入札に参加できない、あるいは県土整備関係であれば優良県営建設工事表彰も2年間受けられなくなるというふうな制約が出てくるわけです。この処分については県土整備部も深くかかわってくるものだと思っていて、県土整備部として建設業者をどのように育成していくかという観点で見れば、全部が全部、工事現場で起きた事故を行政処分の対象にしてしまうという総務部のやり方というとちょっと失礼ですけれども、そういう対応に、県土整備部としてもう少し配慮してもらうような形が必要なんじゃないかと私は思うんですが、いかがでしょうか。
〇桐野建設技術振興課総括課長 指名停止等の措置については、先ほど申し上げましたように、発注公所の所見を踏まえてということは、その工事を監督していて、その状況が一番わかっている発注した公所が、直接、労働基準監督署の判断等も参考にしますが、基本的には発注した公所で、その事故についてどう考えるか、安全の措置が十分だったか、あるいは不十分だったせいで事故を起こしたかという、実際現地で工事を見ている発注公所の所見を踏まえて判断されているものですので、発注公所でない県土整備部が、別の観点で、その内容の適切さとかについて別途判断するというのは適切ではないと考えております。
〇佐々木努委員 わかりました。私が言いたいのは、先ほど申し上げましたとおり、優良県営建設工事表彰が受けられなくなると、建設会社の経営とか、そういうものにもさまざま影響してくるものだというふうに思いますので、その辺を配慮した、例えば優良県営建設工事の表彰基準というものもあると思うんですけれども、その辺の見直しも含めた、あるいはそういう事故が起きて、そういう処分が出たということであっても、その内容が、果たして本当に優良県営建設工事表彰基準に該当するような、あるいは外れるような事故だったかどうか、事案であったかということを県土整備部の担当課のほうでも十分検討され、そして、表彰に反映するような仕組みづくりをつくれないものなんでしょうか、いかがでしょうか。
〇桐野建設技術振興課総括課長 現在の表彰制度の内容といいますか、実施要領につきましてはホームページ等で公開していまして、優良県営建設工事表彰を受賞したいという意欲のある方々は、そういう基準を踏まえてというか、見て、法令違反とか過失が原因ではないような事故についても、起こさないようにという努力を最大限していると考えられます。そういうものを踏まえて、いろんな努力をしている方々のことも考えると、現行の要領というのは適切なものと考えているところです。
〇佐々木努委員 少し寂しい答弁だったんじゃないかなというふうに私は思っています。確かに、担当部署ごとに総務部のほうにそういう報告をするというのは、それはそのとおりだと思うんですけれども、建設業者を育成、指導するのはあくまで県土整備部の仕事だと思います。私は、もっと大きな視点で、育成のあり方あるいは指導の仕方、そういうものを、県土整備部としてもう少し建設業者に寄り添った形で考えていってほしいなと思っているわけです。
 部長にお伺いしますけれども、県と建設業者の関係というものはどういうものだというふうにお考えですか。建設業者というのは県にとってどういう存在だと思われますか。
〇佐藤県土整備部長 私ども県土整備部は、社会のインフラを整備あるいは維持管理していくというのが大きな役割であります。その部分を実際に現場で形にしていただく、あるいは日々の除雪、さまざまな管理等をやっていただいているのが地域の建設業の皆様方であります。そういう意味では、本当にパートナーというか、ほとんど志を一緒にしてやっていただいている仲間だと思っております。
 先ほど委員から、過失のない事故でも、どんな事故でも、全部通報しているというふうなお話がございましたけれども、決してそういうことはございませんで、私どもは私どもで判断基準を持っていまして、こういう場合は通報する、こういう場合は通報しないということで、事故が起これば、全て機械的に通報して、処分をするというようなことではなくて、一定の基準を持って、それぞれが判断して行っているものであります。
 表彰制度と事故の関係でございますけれども、これについても建設技術振興課総括課長が申し上げましたが、やはり事故を起こさない努力をしているということについても、我々はきっちり評価していく必要があります。そういう中で、不幸にも、一生懸命努力しても、どうしても事故が起こってしまうことが正直ありますが、その部分について、一つ一つ裁量を持ち込むような判断みたいになってしまうような、余り細かいことは我々は難しいのだろうと。総務部は総務部の基準で、我々は我々の基準でみたいなことはなかなか難しいのだろうと思っておりまして、今のような形の運用が適切だと考えております。
〇佐々木努委員 これ以上やりとりしても進まないような気がしますので、わかりました。いずれ、県土整備部として、これから、復興を一生懸命取り組んでもらっている建設業者の育成ということもしっかりと考えて、さまざまな面で建設業者の立場に立ったそういう育成指導に心を配っていただきたいというか、取り組みをお願いしたいということを申し上げて、終わります。
〇岩渕誠委員 平成25年度中に早期開通に向けて一生懸命努力していただきました国道342号花泉バイパスにつきましては、おかげさまで今年度前半に開通いたしました。交通安全設備も整った形でという地元の要望にお応えいただきましたことに感謝申し上げたいと思います。特にも、3月で退職いたしました高橋前所長初め地元の皆さんに敬意を表したいと思います。
 質問に入ります。きょうは河川海岸費を取り上げたいと思います。
 まず、昨年度は治水の関係で大変大きな災害が起きたということでございますが、その被害状況を見ていますと、いわゆる本川と言われる大きな川と、支川の整備の進捗の違いから大きな差が出たんじゃないか、災害リスクに差が生じているのではないかと私は分析しておりまして、そのまま進むと大変大きな問題になろうと危惧をしておるんですが、県土整備部長の認識からまず伺ってまいります。
〇佐藤県土整備部長 昨年の災害は非常に大きな災害でありましたけれども、一定の改修をしたところについては、それなりの効果があったと認識しております。一般に河川改修は下流のほうから行ってまいりますので、本川のほうが先にできていて、その支川も下流のほうはできていて、上流に行けば行くほど未改修の部分があるというようなことから、県が管理している上流側の被害が比較的大きかったものと考えております。
 一方で、支川、本川が合流するエリアについてでございますけれども、管理者が異なる場合があります。国と県あるいは県と市町村です。こういう場合に、合流部分というのは同じ地域でありますので、一定の治水安全度というのは同じタイミングで確保していくということが、治水の対策上は非常に大事なことと思っております。
 そういう思いで我々は取り組んできているわけでありますけれども、支川管理者が小規模な自治体の場合には、必ずしも同じようなスピードで、あるいはきちんとした計画がなかなかみずから立てられないという場合も、そういう懸念も想定されますので、特に市町村が管理しているような場所、あるいは県でもなかなか追いつかない懸念のある場所というのはございますけれども、国や関係市町村としっかり連携しながら、安全度の達成する時期というんですか、そういうことにずれが生じないよう取り組んでまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 のっけから結論のような話をいただきましたけれども、私は一番県南に住んでいまして、地元は北上川の遊水地計画―これは100年をかけてやっているようなものなんですが、国の管理河川というのは、時間がかかっている部分もあるんですけれども、予算額的にはやっぱり多くて、相当整備を進めていると。
 一方で、今、部長からありましたように、県の河川管理の予算にも限りがある。そして、小規模の自治体に行くともっとない。しかも、国からの補助制度というのが余り充実していない。そういう中で、災害リスクに差が生じているのだというふうに思います。
 具体にお伺いいたしますけれども、平成25年度における県内の国管理河川、県管理河川の予算執行実績と整備状況についてお示しいただきたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 平成25年度の国による治水対策に係る事業費でございますが、北上川上流及び一関遊水地などに係る河川事業分が75億4、000万円余、胆沢ダム建設に係る事業分が54億8、000万円余、合計で130億円余となってございます。
 県による平成25年度の治水対策に係る事業費は、洪水対策に係る事業ということでありますと、87億円余ということになってございます。
〇岩渕誠委員 国が大きいところをどんとやりますから、そういうところが進むと下流部でも下がるんですけれども、県はそれなりの額は突っ込んでいますけれども、箇所が多いからなかなかできないということだと思います。
 先ほど部長も連携してという話なんですけれども、実は県南の私たちの地域では、先ほど言った国の遊水地事業が進捗しております。それから、その上の上流部、これから、恐らく昨年の災害復旧の本格整備によって河川改修がされて、本川への流入量が増大するのだと思います。それを全て受けているのが一関地域なわけでありますけれども、実態として、バックウオーターの被害の危険性が増大しているのだと思っております。
 昨年もそうですけれども、例えば平泉町の鈴沢川、矢の尻川というのは、大雨のたびに道路が冠水して通行どめとなったり、家屋への浸水被害というのがあるんですけれども、それは、もう基本的に国の改修によって整備されたことによって、バックウオターの被害対策が必要だというんですけれども、国は全くこれはやりません。支援しない。その根拠は、平成14年度に出された1枚の通知であります。要は、私たちが整備したんだけれども、あとのことは市町村でやってくれ、県でやってくれということなんですが、この通知についてどのように受けとめておりますでしょうか。また、当該河川の内水対策について、これは、平成25年度も含め、地元から毎年要望が出ているんですが、どう対応するのでしょうか。
〇八重樫河川課総括課長 ただいまの国の通知ということでございます。平成14年度に国から内水対策の取組みについてという通知があったところでございますが、この通知は、本川の整備の進捗に伴い必要となる内水対策のための計画作成は支川の管理者が主体となって行うこと。本川管理者は支川管理者の計画作成に当たり十分に協力、助言を行うこと。さらに、内水による浸水被害軽減のため適切な対応が図られるよう、関係機関が連携して努めることなどの考えが示されてございます。このことを踏まえまして、県としても、内水排除等に関する治水対策については、国及び関係する市町村と連携して必要な取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
 それから、平泉町の矢の尻川、鈴沢川等の内水対策ということでございますが、当該地区は、委員の御指摘のとおり、一関遊水地事業が進捗しまして、予想される内水の状況の変化が見込まれております。そういうことから、県では、内水が発生した場合の家屋への影響等について、ただいま調査を実施してございます。現在行っている調査結果が出ましたならば、その結果を踏まえて、国や平泉町と連携して、必要な取り組みを進めていきたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 字面上、読んでいくと、それなりの文書だなと一見思うわけでありますが、八重樫総括課長も御存じのとおり、これは、言ってみれば手切れの紙ですよね。うちらはやりましたから、あとはお任せですよというのが実態なはずであります。
 そういうケースが実はもう一つあります。私の地元の花泉に金流川というのがありまして、北上川と合流する部分なのでありますけれども、これは、国の北上川上流狭隘地区治水対策という中で、移転事業を中心に進んでおります。一部、藤沢町側が輪中堤をつくってやっているんですけれども、金流川と北上川の合流部の金流川部分、つまり国の通知で言うところの県河川管理部分で、本当は、国が周辺の移転事業と同じような扱いをしてやりましょうという話をして、具体に、これは輪中堤にしましょうかとか、かさ上げですねという話をしていったんです。ところが、これが2年ほど前から突然方針を転換して、あの文書がありましたよね、県でやってくださいよと、こういう話になっております。
 私は、その経緯を踏まえて、国のやり方というのは大変問題があると思っているんですが、県はこういう案件に対して、承知しているはずでありますけれども、どのように対応するのでしょうか。
〇八重樫河川課総括課長 ただいまの金流川の件でございますが、先ほど御説明いたしました平成14年の通知につきましては、内水対策にかかわるものでございまして、内水というのは、本川に堤防を築いた場合、本川の水位が上がると、堤防の内側というか、家屋側の小さな水路が遮断されますので、そこに中の内水がたまってくるというような現象でございまして、金流川については、河川がオープンで支川としてつながっていますので、こちらを平成14年の通知をもって支川管理者がやるというような流れではないというふうには承知しております。
 その上で、県が管理しております支川金流川、国が管理しております北上川の合流部については、委員がおっしゃるとおり、狭隘部の対策として、今、国が整備を進めている、いろんな手法をもちまして検討されているということなんですが、これにあわせて対策が必要だと認識しております。
 そこで、県は昨年、地形測量を実施しておりまして、本年度はその具体的な対策工法を検討しているところであります。これをもちまして、過去にいろいろな工法等で地域の方々に説明があったというふうには聞いておりますが、また新たに県の検討した結果を持って地域の方々に説明を行って、さらに、国とも工程等の調整をしながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 いずれ、遊水地対策を進める上で、国がどんどんやりますけれども、下流の部分はやってくださいよと。境目の部分なんですけれども、これは、県の担当者というよりは国の担当者が行って、個々に歩いて、ここはこうですねと具体の設計までやったんです。やってからちゃぶ台をひっくり返したわけですよ。持っていきようがないので、これはお願いしますという話になりましたが、今、遊水地の完成は大分進捗していますけれども、下流においては1メールとか2メール水位が上がると言われているわけです。それはやっぱり早急に―さっき下流部から整備してきていますなんていうふうに断言しましたけれども、そうじゃないでしょう。
〇佐藤県土整備部長 河川によってさまざまな状況がございますけれども、原則的には下流から整備するという考え方でやっております。今御指摘のありました北上川につきましては非常に長い区間でございまして、人家あるいはまちが連檐しているようなところからやっていくという考え方とあわせ持ってやっておりますので、場所によっては、御指摘のようなところもございます。
〇岩渕誠委員 これは、突然国から振られたわけで、対応がなかなか大変だということをわかった上で聞いていますけれども、いずれ、下流部からきちんとやらないと、我々は、盛岡で降った雨も、矢巾で降った雨もみんな受けとめるわけでありますので、ぜひ、その辺を勘案いただきたいと思います。
 ここの箇所でもう一つ言いますと、河川改修をやるということではあるんですが、地形的にかなり厳しいところであります。大体二、三百メートル前に川があって、ところが、後ろは、この前、県が土砂災害危険箇所として指定されたところで、後ろにも逃げられないんです。砂防ダムをつくってもらっていますけれども、そういう中でいろんな工法をやったとしても、これは相当お金のかかる話だというのは事実だと思うんです。そうなると、今、移転とか、そういったものが県のメニューに入っていませんけれども、トータルして計算すると、コスト的にどうなんだということも出てくるんだと思います。ですから、幅広に検討して対策をしないと、これはお金をかける、そして維持コストがかかる。だけど、人はどれぐらいいるんだろうなということを考えると、やっぱりそこは今の選択肢を広げた中で、住民の要望も聞いた中で進める必要があると思うんですが、いかがですか。
〇八重樫河川課総括課長 先ほど申し上げました今現在進めている改修の具体的な絵面をまずは作成したいと考えてございます。その上で、地元の方々にまず説明して、いろいろな御意見とか御要望があると思いますので、そのお話を聞きながら、いろいろな可能な対策を考えてまいりたいと思いますが、今、委員からの御提案といいますか、御意見のあった移転等につきましては、現在、私どもが河川事業として行う場合には、事業と移転とどちらが費用がかかるか、費用がかからない手法でもって移転を選ぶというようなことはできないことになってございます。河川事業上、かかる財産についてあくまで公共補償を行うというようなことでの進め方になってございますので、ただいまは、そういった手法はまず持ち合わせておりませんが、いろいろ勉強はさせていただきたいと思います。
〇岩渕誠委員 先ほど申し上げましたとおり、後背地は危険箇所に指定されるぐらい非常にひどいところです。多分、砂防災害課総括課長は実態はわかっていると思います。よくよく勉強していただきたいと思います。
 最後にします。昨年の災害復旧、私の地域で言うと、砂鉄川は大変大きな被害を受けまして、先般、総括質疑の中でも対応状況についてはお聞きいたしました。
 ただ、今のところは、流木対策とか松川の排水機場の問題とか、いろいろ対応していただいているわけでありますが、今申した話と同じなんですが、場所によっては、相当抜本的な河川改修に手をつけなければならないというところが多分発生してくるんだと思います。だとすると、家屋補償の問題とか、こういうものは当然出てくる区間があるし、そういうところで御協力をいただかないと、治水の安全度を高めるという結論にならないのだと思います。河川改修の予算の中では、多分、そういった部分も制度化されていると思いますが、どのように認識されておられるのかお聞きします。
〇八重樫河川課総括課長 砂鉄川につきましては、上流部を含め、昨年発生した豪雨により家屋等の浸水被害が発生したことから、早急に河道の流下能力を確保するために、昨年度から河道掘削を実施しているところでございます。
 現在、昨年の洪水から家屋の浸水被害を防止することを基本的な方針としまして、河床の掘り下げ、河道の拡幅、築堤など、周辺の土地利用状況や経済性を総合的に勘案して河川改修を検討してございます。
 なお、河道拡幅や築堤が必要だということで、新たな宅地の用地取得あるいは家屋の移転が必要な場合には、公共補償の手法によって移転等を御相談させていただくことも想定してございます。
〇岩渕誠委員 いずれ、そうなりますと、当該地域―どこになるかはっきりおっしゃらなかったですけれども、多分、どうするかなということもあるでしょうし、それこそ、人口減少問題の中で、こんなに毎回水が来るのだったらばということも実際あるわけです。北上川の狭隘地区だって、そういうことで、残るのか、仙台の息子のところに行くのか、どうするかというのを決めるんです。そういうのは早目に対応していただきたいと思います。
 最後に、部長に聞きます。災害対応の中で、河川の中には家屋補償のものがあると。一方では、先ほど私が指摘したところについては、今の段階ではないと。だけど、住んでいる人からすると、特に金流川の問題で言えば、国の部分があって、国がそこまでしゃべって、でも、今はそういうものがなくなったのでできませんというのでは、これはやっぱり済まないと思うんです。ですから、事業は事業ということはあると思いますけれども、予算も限られていますけれども、何が一番合理的で、しかも地域に住んでもらって、広い意味で岩手に住んでもらって、地元に住んでもらってということを考える上では、やっぱり思い切った手法というものも検討していくべきだと。よくよく勉強してくださいというのはそういうことなんでありますが、いかがですか。
〇佐藤県土整備部長 まさに今のお話は我々が勉強していかなければならないような大きな課題だと思っております。
 河川改修の目的はさまざまありますけれども、基本的には国土の保全、県土の保全というような観点で行っております。そういう意味で、先ほど河川課総括課長が申し上げましたように、本来、河川の求める機能の確保のために、必要な場合には、きちんと移転補償させていただくことができます。そうではなくて、河川改修をやらなくても、家を移転することで安全が確保されるというようなことでも、そこに住まわれている方にとっては同じことだという御指摘だと思いますけれども、そこは、今、我々がやりたくてもできることにはなっておりませんので、今、委員のお話にあったような観点から勉強してまいりたいと思っております。
〇岩渕誠委員 勉強ですか、検討ですか。
〇佐藤県土整備部長 現時点では、勉強させていただきたいと考えております。
〇久保孝喜委員 今も河川改修の話があったところでございますが、河川にとって治水の問題というのは切っても切れない話でありまして、最近の報道で、上流部のダムの問題が取り上げられております。これまでも、県議会においてもこのダム問題は何回か私自身も取り上げてきましたので、改めてお尋ねしたいわけです。
 ダム機能が低下しているという会計検査院の指摘という問題にあわせて、かねてから、私は、そうしたダムの現状などの情報共有ということが、まずは最低限、取っかかりとして必要なのだろうと言ってきたわけです。その点において、県内におけるダムはかなりの数があるのだろうと思いますが、一級河川から、所管の違い、管理主体の違い、さまざまなダムが存在していると思うんですが、そういうダムを含めて、トータルとしてそれぞれの所管の部局が情報を共有するという取り組みが、今現在、この県政の中にあるのかどうか、あるいは、あるとしたらどういう取り組みをしてきたのかという点について、まずはお尋ねしたいと思います。
〇小関河川開発課長 防災上におけるダムの治水能力についてでありますが、現在、県営ダムは9ダムを管理しており、その他の所管ダム等については、数についてはちょっと今手元に資料はございませんが、そういったそれぞれの所管のダム等については、情報を共有しているところでございます。
〇久保孝喜委員 情報共有はされていると。もう一回確認しますが、例えば砂防ダムにしろ、小さなダムにしろ、国所管のダムにしろ、それぞれの治水能力や現状についての課題などを含めて、本当に共有されているんですか、改めてお聞きします。
〇小関河川開発課長 治水能力等について、その現状については、そこまでのことについては承知しておりませんが、県営ダムにつきましては、毎年、ダム貯水池内の堆砂測量を行い、ダムに流入する土砂の堆積状況を確認しており、洪水調節容量内への土砂堆積はわずかであり、直ちに問題があるとは考えておりません。
〇久保孝喜委員 もちろんそのことを前提にして聞いているわけですが、昨今、集中豪雨などで土砂災害などの報道を頻繁に目にすることがあるわけですが、その際にも言われているのは、それぞれの河川の治水の問題も含めて、ダムの問題もかなり話題に上るようになってきております。記憶に新しいのは、大震災の際に福島県須賀川市の藤沼ダムが決壊して、7人死亡、行方不明1人という例がございます。我々のそれまでの常識でいえば、ダムというのが決壊するなどというのは映画だけの話だと思っていたら、実は現実に起きて、こういうとうとい犠牲まで生まれてしまったという現実も私たちは目にしたわけです。
 県内の市町村の中でも、この問題を契機に、ため池だとか小さなダムを含めた堤体の管理だとか、その強度の問題を含めて、行政機関と例えば議会が一緒になって視察をしたとかという例も実はあるわけです。
 ところが、先ほどの答弁の中には、そういうそれぞれ所管が違う部分についてはなかなか情報のやりとりがない。現実にどういうことが起き得るかという防災上の視点からも、あるいは河川管理上の治水をどうするかということを考える上でも、さまざまなそういう情報を共有するというのは、当然のことながら必要なんだろうと思いますが、その体制がまだできていないということなんだと思うんですが、そういう捉え方でよろしいでしょうか。
〇八重樫河川課総括課長 ただいま、久保委員の話にありました所管別のそういった情報を共有する場というものは、実際、今はありません。ただ、ダムについては、河川に構造物として立地されているものですから、河川管理上、そういった情報を積極的に得るということはやればできます。ただ、今、そういった定期的に全てのダムの定時的な報告とか情報交換会とか、そういったものは行われていないというのが実際のところでございます。
 それから、例えば国土交通省、県、流域を一つにした情報連絡組織というのは、総合流域防災事業の情報交換会がありまして、毎年、各流域で1度以上行われておりまして、そこで必要な議題とか、そういった情報、テーマを挙げれば、こういった情報交換は可能なシステムはございます。
〇久保孝喜委員 私は、そういう情報共有が、まず、一番先に手がけていく必要があるのだろうと思うんですが、その私自身の興味というか、関心のきっかけは四十四田ダムだったわけです。
 四十四田ダムについては私は平成19年に取り上げているんですが、県の認識としても、もし仮に、あの四十四田ダムに堆砂しているいわゆる重金属を含む物質が流域に流れ込んだりした場合には、年間およそ500億円の被害が生ずるというふうに答弁をしているわけです。これは環境にかかわっての話ですけれども。つまり、そのように一旦事が起きれば流域全体に広がる、あるいは水系全体にも影響を及ぼすということになるのは当たり前の話なわけで、その意味でも、北上川250キロの中で唯一最大の構造物が四十四田ダムなわけですから、その四十四田ダムの現状が、例えばダムの貯水能力あるいはダム機能の劣化ということがもしあるのだとしたら、そういう情報は、前提として流域の市町村や関係機関が共有しなければならないということになるのだと思うんです。四十四田ダムについては、既に平成18年から、どういう改修の方向があるのかということがずっと議論されてきていますから、この際、四十四田ダムの改修に向けた現状についてまず御報告いただきたいのと、昨今のゲリラ豪雨を含めたさまざまな気象の中で、四十四田ダムの貯水能力あるいは貯水の現状について、県はどのように評価しているのか、あるいはそういう情報はいただいているのか、ここをお聞きしたいと思います。
〇小関河川開発課長 四十四田ダムにおける改修に向けた現状についてでありますが、四十四田ダムにおいては、堆砂の進行を抑制するため堰堤改良事業を導入し、貯砂床どめ等の対策を行っているところでございます。
 なお、四十四田ダムを含む国土交通省所管の5ダムにおいて、洪水調節容量内の堆砂は割合としてはわずかであり、洪水調節には大きな影響はないと聞いております。
 水位につきましては、洪水調節容量ということで、容量としては計画どおりあるということで、水位も適正な状態にあると認識しております。
〇久保孝喜委員 かつてこの場で聞いたことでもあったと思うんですが、実は四十四田ダムの洪水時の満水位にあとわずかで迫るぐらいの状態になったと。これはダムにとっては非常にまれなことですよね。そういう意味での危険性というのは十分認識しているはずだと思ってお聞きしたわけですが、だからこそ、最近の状況についての評価はどうかとお聞きしたんですが、いかがでしょうか。
〇小関河川開発課長 委員のおっしゃられたお話は昨年の夏場の洪水についてかと思いますが、昨年の洪水については、既往最大ということで、計画を超える洪水が発生したということで、かなり洪水調節のための容量を食ったということで、あのような状況になったと認識しております。
〇久保孝喜委員 危機認識という問題は、県土整備部だけにとどまらず、県政全般において当然必要なことだろうと思いますが、そういう意味で、そういう危機認識を含めた情報共有ということに、この問題においても、やはりちょっと希薄だなという気がしてならないわけです。
 最後に、会計検査院の指摘にかかわってお聞きしますが、県内では国所管の3ダムについて指摘があったということで、先ほどの答弁では、いわゆる通常の洪水を抑制するための容量との比較で言えば、小さいものだという関係者のコメントがあるようですけれども、しかし、それは、本来、ダムを建設する際の計画との比較で言うと、かなり現実が違っているということを意味しているわけです。だからこそ指摘された。この3ダムが、当然のことながら、県土の保全という観点で言うと、国所管ではあるけれども、県も、全くそれは国の話だというふうに片づけるわけにはいかないと思うんですが、この会計検査院の指摘に対して国土交通省がこれからどう動くのか、あるいはそういう動きに対する情報をどのようにつかんでいるのか、そして、県としてこの問題にどう向き合うのかという点で、最後にお示しいただきたいのですが、部長、どうでしょうか。
〇佐藤県土整備部長 今、県内の国の3ダムについてのお話がございました。計画は100年間でどのぐらい土砂がたまるかということに対して、30年とか50年で想定より進んでいる。自然現象が相手ですので、計画どおりというのはなくて、ばらつきが生じます。現時点でどういう状態になっているかというのは先ほど申し上げたとおりですけれども、洪水調節容量にはほとんど影響がない程度の堆砂であるということで、この部分についての治水能力の低下はほとんどないと認識しております。
 一方で、計画よりも堆砂のスピードが速いということについては、このまま放置しておけば、本来100年間はちゃんとした能力を確保されるはずが、もっと手前のほうでその能力を割り込んでしまうということが懸念されますので、そういうこともありまして、例えば四十四田ダムでは、これも先ほど答弁しましたけれども、その上流に土砂をとめる貯砂床どめ、あるいは湯田ダムでは貯砂のためのダムというようなものをつくって対応していただいておりますので、適切に管理されていると認識しております。
 同様に、私たちが管理している県のダムは9ダムございますが、これらについても、基本的には同じ考え方で対応しているところであります。計画は100年なんですけれども、それより早く堆砂してしまうようなところについては、しっかり情報を見ながら、確認しながら必要な対応、あるいは何らかの懸念がある場合には、関係自治体にも情報提供していくというようなことも取り組んでまいります。
〇斉藤信委員 それでは、私は、まず最初に住宅再建のための面的整備事業の進捗状況についてお聞きします。
 昨年12月のロードマップとことし6月末のロードマップでは、年度別宅地造成の戸数はどう変わったでしょうか。
〇田村まちづくり課長 ロードマップにおける平成25年12月末から平成26年6月末の半年間での年度別の宅地造成の戸数の変化でございます。土地区画整理事業、防災集団移転促進事業、漁業集落防災機能強化事業の3事業の合計で申し上げますと、平成25年度は182戸の見込みだったものが249戸に、平成26年度は975戸から859戸に、平成27年度は3、815戸から2、762戸、平成28年度は679戸から1、726戸、平成29年度以降、これは調整中というものを含めてですが、2、860戸から2、665戸となっております。それぞれの合計で申し上げますと、8、513戸から8、263戸となっております。
〇斉藤信委員 6カ月間の推移ということになりますけれども、平成27年度までの累積で言いますと、4、972戸ですか。これは8、513戸に比べると58.4%だったのが、3、870戸45.4%、1、100戸ぐらい減少するということになったと思います。1、100戸分の宅地造成がおくれたと。2年たっても5割も行かないと。私は、これは本当に大変なことだと思いますが、おくれた主な理由は何でしょうか。
〇田村まちづくり課長 約1、000戸ほどおくれているという御指摘でございますが、その主な理由としましては、土地区画整理事業におきましては、仮換地を指定する前に工事着手していただくという起工承諾に時間を要したケース、大規模工事でございますので、工程調整に時間を要したケース、防災集団移転促進事業におきましては、やはり多数相続とか土地所有者が不明、用地交渉の長期化ということで時間を要したケースがございます。
〇斉藤信委員 それで、この宅地造成が、残念ながらこういう形でおくれるという中で、私は、被災者から、防災集団移転促進事業で、一つは、予定していたんだけれども、自立再建ができなかったというケースが既に出ていると思います。このときの活用はどうなるのか。
 もう一つは、80歳を超えた被災者が、いわば、もう待ち切れない、亡くなってしまうと。そうした場合に、高台に移転する権利がなくなるというんですよ。私は、やっぱりこういうことはあってはならないと。息子が後から帰って建設する可能性もあるし、戻る可能性もあるわけです。こうした点についてどういう対応になっていますか。
〇田村まちづくり課長 防災集団移転促進事業により自立再建ができない方が出てきた場合ということでございますが、各市町村では、設計とか用地買収、工事着工、それぞれのタイミングにおきまして、住民意向を把握しながら、なるべく空き区画が生じないように進めてきたところでございます。
 その工事着手後に住宅再建希望者が減ったという場合でございますけれども、その区画分につきましては、事業に該当する方から再度募集するということがございます。それから、緑地とか広場、集会施設などの公共施設用地、住宅地の中で生活に必要な購買施設等の公益的施設の用地として活用することも考えられます。これらを総合的に考えまして、空き区画を活用するように取り組むこととなります。
 それから、団地が完成する前にその対象者がお亡くなりになった場合ということですけれども、この事業の移転の対象者といいますのは、原則として、被災時に移転促進区域に住んでいた方ということになりますけれども、例えば、その方が病気療養中で病院にいらしたという相当な理由がある場合は、権利といいますか、資格はあるということになっておりまして、これについては、相当な理由というのはいろいろございますので、その事例をお持ちの方は、市町村の担当の方に相談いただきたいと思います。個別の判断ということになります。
〇斉藤信委員 入院している場合ではなくて、私は亡くなった場合の話をしているので、早く仮申請などをやって、その権利を認めるという措置をやろうとしている町村もあるから、これはよく工夫してやってください。
 それと、土地区画整理事業の意向調査で、最近、陸前高田市では、これは高台の区画整理の希望なんですけれども、603の計画に対して285の申し出しかなかったと。今泉地区も267の計画に対して156の申し出しかなかったと。対象者の8割、9割の意向調査のようですが、私は、これはかなり心配するような状況ではないかと。県としてはどういうふうに把握しているか。あと、全体的に、土地区画整理事業において、もう自分でもそこに家を建てないとか、そういう状況については把握されているでしょうか。
〇田村まちづくり課長 土地区画整理事業の意向調査についてでございます。
 陸前高田市の高田地区、今泉地区の場合は、元山林であった高台と、元市街地でありましたかさ上げ部に宅地を換地するということで、住民の意向調査をしたところでございます。この地区のほかでは、事業計画と住民意向の乖離が大きいという事例はつかんでおりません。
 それから、区画整理の制度上、建てるか建てないかという調査は、今の段階ではできない状況でございますので、数字は把握しておりません。
〇斉藤信委員 結局、これは、国や県の取り組みによって宅地造成がおくれていると。待ち切れずに自分でもう自立再建とか、離れてしまうとか、そういうことになっているんだから、そういう状況をつかんで、最大限被災者の意向に沿った対応をしなければだめだと思いますよ。
 防災集団移転促進事業の場合は、区域内の住居数が約7、747戸と聞いていましたが、既に土地を買い上げた取得率はどうなっていますか。
〇田村まちづくり課長 防災跡地の買い取りでございます。
 防災集団移転促進事業の移転促進区域の跡地を事業で買い取るわけですけれども、買い取り対象面積は全県合わせて378ヘクタールほどございます。そのうち買い取り済みが199ヘクタールございます。大体53%程度を買い取りしております。
〇斉藤信委員 私は大槌町に行ったときに、町方の区画整理事業なんだけれども、20ヘクタールで、8ヘクタール分の土地を買い上げて、そこで町なか防集、災害公営住宅をやると。私は、この手法はなかなかのものだと思うんですね。町なかに住民をきちっと集めてまちづくりを進めると。区画整理でも、土地を売りたいという方々は少なくないと思うんですよ。陸前高田市でもそうですよ。ばらばらというか、ぽつぽつとそういうふうにするのではなくて、きちんとそういうところを買い上げた、区画整理というのは中心部ですから、そういう手法を県も研究してやっていく必要があると思いますが、いかがですか。
〇田村まちづくり課長 確かに委員がおっしゃるとおり、区画整理は市街地の中心部が多くございますので、そこに人を集めるということで、区画整理の中に災害公営住宅とか防集団地を整備することを各市町村も考えてございまして、現在、土地区画整理事業は18地区ございますけれども、そのうち13地区において災害公営住宅を計画しております。
 それから、同じく18地区のうち5地区で、防災集団移転促進事業の宅地を設けるということで取り組んでございます。
〇斉藤信委員 宅地の次は住宅の再建ということになりますが、地域型復興住宅の取り組みはどうなっているでしょうか。沿岸では、住宅建設の今後の需要に対応できる供給体制がつくられているのか、どうですか。
〇辻村住宅課長 地域型復興住宅の取り組みについてでございますが、この8月には16戸、これまでの累計でございますと843戸の住宅を受注してございます。また、一部の事業者にありましては、建設途上の住宅で現場見学会を開催するなど、住宅復興の大きな力になっているものと考えてございます。
 また、沿岸地域における住宅建設の需要への対応についてでございますけれども、今後、面整備事業におけます宅地の供給が本格化してくることなどから、住宅を建てる職人の不足が懸念されているところでございます。そこで、県では、遠方から来る、例えば内陸部から沿岸のほうに向かわれる職人等が泊まってお仕事ができるように、空いている応急仮設住宅を工務店に無償で貸与する住宅建設に係る宿舎貸与事業を間もなく開始するところでございますし、また、6月に運用開始しておりますマッチングサポート制度によりまして、職人の紹介等を引き続き行いまして、被災者の方々の住宅再建が円滑に進むように取り組んでまいります。
〇斉藤信委員 私は、この地域型復興住宅には期待したんですね。これはもう、県産材も使って地元の業者が、今、答弁があったように843戸受注しているんだけれども、このうち被災者の分は258戸なんですよ。今まで加算支援金で家を建てたのが5、108戸です。5、108戸のうち258戸ということは5%なんですね。だから、恐らく内陸では結構やっているかもしれないけれども、被災地では十分これが浸透していないのではないかと。もっとこの取り組みは被災地でこそ進める必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。
〇辻村住宅課長 こうした地域型復興住宅の取り組みにつきましては、発災以来、被災地のほうで住宅再建の相談会等をいろいろやらせていただいてございますが、そちらのほうで相談にいらした方々には、こういった取り組みをやっておりますという形での御説明をさせていただくとともに、事業の案内の資料等をお配りしたりしまして、取り組みのPRに努めているところでございます。
〇斉藤信委員 せっかくこういう立派なパンフレットをつくって3県共同でやっているんだけれども、私が言ったように、被災者の住宅再建のうち5%です。部長、私はもっともっと地元の業者の力で地元の県産材を活用した住宅再建を進めるべきだと思うけれども、いかがですか。
〇佐藤県土整備部長 委員御指摘のとおりと思っておりますので、なお一層努力してまいります。
〇斉藤信委員 しっかり実情も見てやってください。
 次に、災害公営住宅の建設ですが、年度別完成戸数はどうなるか、建築費高騰の状況はどうなっているでしょうか。災害公営住宅における入札不調の状況はどうなっているか示してください。
〇伊藤営繕課長 災害公営住宅の年度別の完成戸数についてでございます。
 県内では、昨年度までに574戸が既に完成しておりまして、今後は、平成26年度に1、148戸、平成27年度に2、626戸、平成28年度以降に1、598戸が完成する予定となっております。
 次に、建設費の高騰の状況についてでございますが、県が整備しております災害公営住宅のうち、鉄筋コンクリート造の災害公営住宅では、外構工事とか造成工事を除いた建物の本体工事費で、平成24年度は戸当たりが約1、420万円、平成25年は戸当たり約1、800万円、平成26年度は戸当たり約1、920万円という状況でございまして、平成24年度から平成26年度までに約500万円、率にしまして約35%の上昇となっているところでございます。
 次に、入札不調の状況についてですが、災害公営住宅の場合、平成24年度は公告件数18件のうち1件、それから、平成25年度は公告件数35件のうち10件、平成26年度につきましては公告件数28件のうち6件、率にしまして21.4%が入札不調という状況になってございます。
〇斉藤信委員 災害公営住宅もほかの建設工事と余り変わらない深刻な入札不調があったと思いますけれども、これにどう対応したのか、これによって工期がおくれることはなかったのか、これが第1点。
 あともう一つ、災害公営住宅の中で木造公営住宅、戸建ての住宅の建設の計画がこの間大幅にふえています。どのぐらいふえたのか、ふえた理由は何なのか。
 そして私は、岩手県も、県がつくるのはほとんど集合住宅なんだけれども、やっぱりこういう状況の変化の中で、県営の公営住宅も木造の公営住宅を検討する必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇伊藤営繕課長 入札不調対策についてのお尋ねでございます。
 災害公営住宅における入札不調対策についてですが、建設業者等への聞き取りの中で、例えば工事期間が不足する、それから、入札予定価格との乖離が生じているということで入札に参加できなかったといったような理由を挙げられているところでございます。
 工事の発注に当たりましては、建物の階数、整備戸数、それから、工事によっては特殊基礎工事のある、なし、そういった工事内容を踏まえた適切な工期の設定、市場価格との乖離が認められる工種につきましては、実勢価格を反映する見積もりの活用といった実勢に即した予定価格の設定に努めるとともに、工事発注後についても、物価上昇等への的確な対応に努めているところでございます。
 それから、もう一つ、入札不調が生じた場合の完成時期のおくれについてでございますけれども、県では、入札不調が生じた場合、災害公営住宅につきましては、直ちに随意契約のほうに移行を行っております。基本的には、これまで契約に至っているために、完成時期が大きくおくれるような状況にはなってございません。
〇辻村住宅課長 木造公営住宅に係る増加の状況でございますけれども、初期の時点では600戸程度の予定をしておったところでございますが、今年7月末に公表させていただきましたロードマップでは900戸を超えるという形で、5割以上の増加を見ているところでございます。こちらが増加しました理由につきましては、やはり土地等の手当てがついたことが一番大きな要因かと思ってございます。
 次に、県も木造公営住宅を考えるべきではないかということについてでございますけれども、やはり公営住宅の建設につきましては、今申しましたとおり、土地の取得がこれまで一番大きな課題になっていたところでございます。県営住宅につきましては、おおむね土地の取得の見込み等が立っているところでございますが、今後、県が建設する公営住宅で設計を行うものについて、市町村との協議を踏まえまして、必要に応じて木造の災害公営住宅を整備してまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 6月のロードマップでは約900戸だったんですが、最近は、1、100戸ぐらいまで木造公営住宅の計画がふえていると。そのほとんどは戸建てです。私は、やっぱり被災者の要望に沿った災害公営住宅の計画になってきているのではないかと。県としても、そういうところをしっかり踏まえて対応していただきたい。
 次に、簗川ダム建設事業についてお聞きします。
 昨年度、今年度の進捗状況、事業費、道路、ダム分ではどうなるのか。ダム本体工事の事業費とこの進捗状況はどうなっているでしょうか。大規模事業評価委員会にかかるのはいつでしょうか。
〇小関河川開発課長 簗川ダム建設事業についてですが、事業の進捗状況については、関連工事を含めて平成25年度末の事業費の累計が484億円で、進捗率は68%、平成26年度末の事業費の累計が497億円で、進捗率は70%となっております。
 関連工事については、つけかえ国道が平成25年度に完成し、つけかえ県道は平成26年度の完成を見込み工事を実施中でございます。
 続きまして、ダム本体工事につきましては、今年度、工事発注手続きを進めており、設計額は税込みで154億円余となっております。
 契約までのスケジュールについては、平成26年8月26日に入札公告を行っており、入札予定日は10月27日となっております。12月定例会での議決後に本契約の締結を予定しており、工期は平成33年3月31日までとなっております。
 次に、簗川ダムの大規模事業評価における再評価については、前回、平成22年度に諮っておりますので、次回は5年後の平成27年度を予定しております。
〇斉藤信委員 確認しますが、簗川ダムのダム建設事業費は530億円でありました。これは317億円まで今年度中に進捗するということですから59.9%、道路分は全部完了したと。ダム本体は38.3%という状況ですね。さらに、拡幅する分の道路事業費が、合わせますと709億円の事業費となりますね。これは大変な事業だと思いますが、基本的には道路は完成したと。私は、こういうときこそダム本体の見直しをすべきだと思うんですよ。
 湯田ダムの濁水が今、大きな問題になっていますが、こういう指摘があります。簗川ダムも堆砂を抜く排砂ゲートなどを設置しない計画だと。長期的なコストや環境負荷を考慮しても、なお巨大構造物が必要か。人口減少が進む中、現代の住民は十分考慮する責任があると、ある新聞がこういうふうに書いて、なかなかの卓見だと思いますが、来年は大規模事業評価ですから、本当に必要なダムなのかどうか、これは部長に聞きましょう。来年の大規模事業評価できっちり検討する必要があるのではないですか。
〇佐藤県土整備部長 先ほど申し上げましたように、簗川ダム建設事業につきましては、平成22年度に大規模事業評価を行っております。その時点で事業の継続は妥当という判断をいただいてこれまで進めてきておりまして、社会情勢等に大きな変化はないものですから、引き続き事業を進めていくということで、今回本体発注を進めるものでございます。
 人口減少のお話がございましたけれども、簗川の下流域につきましては大きな市街地ができておりまして、そこの安全を守ることは、私どもにとっては大きな責務と思っておりまして、簗川ダムの必要性は変わらないと思っております。
〇斉藤信委員 私は今、指摘をしたんだけれども、簗川ダムは堆砂を抜く排砂ゲートを設置しない計画と。これは環境に配慮しない、湯田ダムと同じようなことが起きてしまうのではないかと。
 そして、環境対策でいけば、例えば希少猛禽類のクマタカ等の生息、繁殖状況もあったわけですが、これはどうなっているかわかりますか。簗川のアユというのは、アユグランプリで受賞するようなすばらしいアユがあそこでは釣れるんですね。そこでダムをつくったら、本当にそういう自然環境が守られるのか。ましてや排砂ゲートもないと。私は、今の時代に合わないダム建設ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 時間がないので、あと一つ聞いて終わります。
 津付ダムは、今年度で中止ということになります。建設事業費はどこまでかかったのか。昨年度14億3、000万円でしたが、私はこれはよかったと。県は、ダムをつくる財源もないという話も説明でしているようですけれども、津付ダムについては、とりつけ道路も関連道路も整備されて、ダム本体のところで中止と。私は、絶好のタイミングだったと思いますが、いかがでしょうか。
〇小関河川開発課長 まず、簗川ダムの環境調査に関してでございますが、簗川ダムでは、毎年、環境調査をしておりまして、さらには、専門家による委員会も開催しております。それで、クマタカ等希少猛禽類につきましては、モニタリングをして、これまでのつけかえ道路工事等については、配慮しながら工事をしてきたところでございます。
 それから、アユのグランプリというお話がございましたが、これにつきましては、委員がおっしゃられるように、平成22年、25年、26年と岩手県の簗川については準グランプリということで、準グランプリにつきましては全国で7河川ございまして、そのうちの一つに選ばれているところではございます。
 簗川については、アユの漁獲高につきましては、ほとんどがダム下流部で漁獲されているということで、ダムの完成によって下流の河川に配慮することで、アユへの影響はほとんどないものと考えております。
 それから、あと、簗川の堆砂に関しましては、排砂ゲート等を特に設けないというようなことでございますが、堆砂につきましては、100年間でたまる量の堆砂容量を設けることで対応しているところでございます。
 次に、津付ダムの進捗につきましては……
〇高橋但馬副委員長 答弁は簡潔にお願いします。
〇小関河川開発課長(続) 関連工事を含めて平成25年度末で102億円、平成26年度までで107億円ということで、ダムは中止することに決定したわけであります。それで、進捗率は60%ほどとなっておりますが、平成26年度に県の対応方針として中止を決定したところでございます。
〇高田一郎委員 それでは、まず最初に、インフラの老朽化対策、維持管理について伺います。
 まず第1に、橋梁あるいはトンネルの県内市町村の管理はどのぐらいになっているでしょうか。先ほど、耐用年数には食い違いがあるけれども、おおむね50年というお話もありました。50年を超えるような橋梁とかトンネルの数も示してください。
〇中村道路環境課総括課長 橋梁、トンネルの管理数でございます。これは、県、市町村合わせまして、橋梁につきましては約1万3、000橋、トンネルにつきましては約200本を維持管理しているところでございます。
 このうち50年経過しているものに関しましては、橋梁では約3、300橋、トンネルでは18本となっている状況でございます。
〇高田一郎委員 50年を経過している橋梁は1万3、000橋のうち25%、4分の1ということですが、トンネルについても200本のうち約1割ですか、9%ぐらいですから、かなりの数になっているのではないかと思います。
 とりわけこれらの50年を経過する橋梁やトンネルについて、更新とか、あるいは老朽化対策とかは計画的に進めていくべきだと思いますけれども、こういう対策がとられているのかどうか伺います。
〇中村道路環境課総括課長 トンネル、橋梁等の施設の老朽化対策でございます。
 県では、適切な施設の維持管理を行うため、長寿命化修繕計画や維持管理計画を策定することとしております。これまでに橋梁や舗装の計画を策定しております。今後、トンネル、またロックシェッドなどの構造物についても、順次、計画を策定することとしているところでございます。
 また、市町村におきましても、橋梁に関しましては長寿命化修繕計画の策定を進めているところでございます。
 本年7月1日から、道路法の改正によりまして、こういったトンネル、橋など主要な施設につきまして5年に1度の点検が義務化されております。
 こうした道路施設の点検や補修などを着実に実行する仕組みといたしまして、国、県、市町村、また関係機関によりまして組織します岩手県道路メンテナンス会議を本年5月20日に設立したところでもございます。
 今後は、市町村におけますこういった計画の策定や点検補修に関する市町村の支援などにつきましては、この道路メンテナンス会議を中心に進めますとともに、道路施設の老朽化対策を進めてまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 今後のことを聞いたのではなくて、これまで、橋梁でいけば4分の1が50年を超える、トンネルについては1割ということで、こういう修繕計画があるかどうかということを、今々急がなければならない施設だと思いますので、そういう対策がとられているかどうかということです。
 もう一つは、部長は冒頭の報告の中で、橋梁あるいはトンネルについては、点検を行い予防管理に努めてきたということでありますけれども、平成25年度はどういう対策、対応をとられてきたのか、あわせてお伺いしたいと思います。
〇中村道路環境課総括課長 橋梁等に関しましては、県では、先ほど言いましたように、橋梁の長寿命化修繕計画に基づきまして補修を進めてまいりました。また、点検に関しましても順次進めております。点検に関しましては、ことしで大体2巡目の点検を終える予定でございますし、また、橋梁の補修に関しましても、先ほど言いました計画に基づきまして、順次進めてまいりたいと考えております。
〔高田一郎委員「やったというのはわかるんですけれども、どれだけやったか」と呼ぶ〕
〇中村道路環境課総括課長(続) 失礼いたしました。
 橋梁の補修の数的な話かと思います。
〇高橋但馬副委員長 答弁できますか。
〇中村道路環境課総括課長 ちょっとお時間を。後で、済みません。
〇高田一郎委員 後で答弁いただきたいと思います。
 それで、インフラの維持管理、更新費の将来推計をどのように試算しているでしょうか。インフラといっても、橋とか、トンネルとか、住宅とか、ダムとかいろいろあると思うんですけれども、県として、将来推計というものをどのように試算しているのか、この点についても伺います。
〇佐藤県土整備企画室企画課長 インフラの維持管理、更新費の将来推計についてでございますけれども、いわて県民計画第2期アクションプランで、維持管理計画に基づく適切な維持管理の推進を掲げまして、県で管理いたします橋梁や県営住宅などの分野で、限られた予算の中で適切な維持補修、更新を実施するための維持管理計画や長寿命化計画の策定を進めてございます。
 このうち、橋梁と舗装の分野におきましては、その維持補修、更新に係る経費を推計してございまして、県管理の橋梁について申しますと、約2、700橋を対象といたしまして、平成20年度から平成29年度までの10年間で、約255億円の経費が必要となると試算してございます。
〇中村道路環境課総括課長 補修の実績でございます。先ほど言いました、県では約2、700の橋梁があるわけでございますけれども、その中で、平成25年度末までに356橋の補修を終えております。
〇高田一郎委員 インフラの維持管理、更新の将来推計については、道路、橋梁だけの説明でありましたけれども、10年間で255億円という数字は、恐らく更新費用は入っていない数だと思うんですね。いずれ、先ほどの答弁でも、橋梁については2、700橋のうち356橋補修したという説明でありますし、今までの答弁をお聞きしますと、インフラの老朽化対策、維持管理というのはかなりおくれている分野ではないかと私は思うんですね。
 それで、やはり今、公共事業政策で本当に優先すべきことは、このおくれているインフラの維持管理、更新、老朽化対策というものを、数も相当多いものですから、これを公共事業政策の中心に据えて対策をとっていくべきではないかと私は思うんですが、その位置づけについて伺います。
〇佐藤県土整備企画室企画課長 本県には依然といたしまして社会資本の整備を必要とする箇所が多く残っておるので、日常生活を支えるインフラを整備しつつも、維持補修費の増加の抑制という取り組みが必要だと考えてございます。
 高度成長期に整備されたインフラが、今後、大量に高齢化、老朽化していく見通しでございますので、これらの施設の適切な維持補修、更新は、重要な課題と考えてございます。
 維持管理を着実に進めていくためにも、予算の確保、それから新たな技術開発や省力化を初めといたします効率的な点検手法などによるコスト縮減などに取り組んでいくことが必要と認識してございます。
〇高田一郎委員 国でもインフラ長寿命化基本計画などをつくって、先ほども答弁がありましたように、5年に1回は点検を義務づけるということで、これから点検をしっかり行って、基本計画をつくって、そして予算措置をして長寿命化を図っていくということは、大変膨大な仕事になるのではないかと思うんですね。
 そこで、やっぱり今、県、市町村を含めて、技術者も相当減っていますし、かなり技術者を養成したり、そして、職員体制も強化し、予算もしっかりと確保していくことが求められていると思うんですけれども、これからの長寿命化計画をつくる上での基本方針といいますか、スケジュールといいますか、課題といいますか、その辺についてお伺いしたいと思います。
〇佐藤県土整備企画室企画課長 長寿命化計画でございますけれども、これは、国からも作成を要請されてございます。それで、基本的に個別の施設の長寿命化計画をつくるということで、対象施設、計画期間、対策の優先順位の考え方、個別施設の状況、対策の内容と実施の時期、対策費用、こういったところを中心にきちんと計画をつくれと要請されてございますので、これらの状況に基づきまして、適時適切に対策の作成に努めてまいりたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 岩手には、県土整備部を含めて維持管理していかなければならない施設が相当あるわけで、かなり力を入れて取り組まなければいけないと思いますので、しっかりとこれは取り組んでいただきたいと思います。
 次に、磐井川の土石流対策についてお伺いいたします。
 一つは、岩手・宮城内陸地震による復旧状況、6年を過ぎましたけれども、どういう進捗状況になっているのか、まずお伺いします。
〇加藤砂防災害課総括課長 岩手・宮城内陸地震の復旧の進捗状況でございますが、平成20年6月14日に発生しました地震によりまして、磐井川流域におきましては、多数の土砂崩れあるいは地すべり等が発生したところでございます。磐井川本川で発生しました河道閉塞箇所でございますが、これは、国の直轄砂防災害関連緊急事業によりまして、河川のつけかえを行って、平成21年度に事業を完了しております。
 また、磐井川本川及びその支川におきましては、国の直轄特定緊急砂防事業により、砂防堰堤の新設1基、既存の砂防堰堤のかさ上げ2基、さらには、県事業によりまして砂防堰堤の新設2基を整備してきたところでございます。
 これまでに、県事業につきましては平成24年度に事業完了しておりまして、国直轄事業につきましても、今年度で事業を完了する予定と伺っております。これをもちまして、本県分の岩手・宮城内陸地震に係る砂防事業につきましては、全て完了する予定になっております。
〇高田一郎委員 国の直轄事業、県事業に係る砂防関係の事業は今年度中に終わるということですけれども、林野庁管轄の例えば治山事業とか、国直轄の民有林工事については、まだまだめどが立っていない状況で、6年4カ月たってもこういう状況なわけです。
 それで、磐井川の問題については、岩手・宮城内陸地震のときにも斜面崩壊があって、そして自然のダムができて大きな被害を受けたわけですけれども、アイオン、カザリン台風のときにも同じような現象が起きて、鉄砲水で市街地が大変な被害を受けたという、2度の同じような経験をしているわけです。
 そして、今でも山腹崩壊箇所が、岩手・宮城内陸地震のときの被害が1、000カ所近くになっているとか、また、火山灰土で非常に脆弱な地質になっていることから、ゲリラ豪雨が何度も起きている中で、非常に災害が発生しやすい地理的な要因になっているんですね。
 それで、先ほど答弁の中で、流域ごとに情報共有しているということでありますけれども、どういう情報共有をしているのか。私は、国や県の事業が終わっても、かなり力を入れて災害対策に取り組んでいかなければならない地理的要因があるのではないかと思うんですが、その点について答弁いただきたいと思います。
〇加藤砂防災害課総括課長 先ほどの答弁の中にありました流域ごとに情報共有をしている、これにつきましては、国のほうの主導でございますけれども、流域全体の砂防事業あるいは河川事業等々の所管に係る国、県の担当課が毎年集まりまして、そういう事業の状況あるいは流域のさまざまな状況につきまして情報交換をしていると。そして、何か必要であれば、その協議会の中で、そういうやりとりをした上で対応していくというような対応をしているところでございます。
〇高橋但馬副委員長 高田一郎委員、簡潔にお願いします。
〇高田一郎委員 それで、ハード面の対策とともに、ソフト面での対策も大変大事だと思います。この磐井川上流の栗駒山麓は非常に雨の多い地域で、毎年、下流では浸水被害に陥っているという状況です。先ほども言ったこの地理的状況の中で、日常的な監視体制とか、あるいは住民への情報提供とかといったソフト面の対策も非常に大事な課題だと思いますけれども、どういう対策が行われているのか、この点も示していただきたいと思います。
〇加藤砂防災害課総括課長 日常的な監視体制ということでございますが、県では、定期的に河川パトロールといったものを実施しておりまして、流域の状況あるいは砂防、河川等の施設を監視しながら定時パトロールを行っているということでございまして、その状況につきましては、必要に応じて、関係市あるいは地域住民の方に情報を提供していくということで対応しているところでございます。
〇高田一郎委員 次に、土砂災害危険箇所の問題ですけれども、岩手県内には東北6県で一番多い1万4、348カ所の土砂災害危険箇所があるということです。この周辺の学校、幼稚園、あるいは病院、高齢者などの施設はどのぐらい立地されているのか、数字を示していただきたい。
〇加藤砂防災害課総括課長 土砂災害の危険箇所周辺に学校等がどのように立地しているかということでございますが、土砂災害危険箇所に立地する幼稚園、病院、老人福祉施設等の要配慮者関連施設につきましては、平成22年度に調査しておりまして、この時点では337施設となっております。
 また、学校につきましては、これは土砂災害警戒区域等の指定に向けた基礎調査という段階で調べている数字でございますが、小学校、中学校、高等学校合わせて94校を確認しているところでございます。
〇高田一郎委員 両方合わせて431カ所立地しているということですが、これは、土砂災害危険箇所というくくりの中での数でしょうか、それとも土砂災害警戒区域の中での立地箇所なのか、どちらなんでしょうか。
〇加藤砂防災害課総括課長 ただいまの数字につきましては、要配慮者関連施設につきましては、土砂災害危険箇所指定前の段階のそういう危険箇所の中に立地している数字ということでございますし、学校につきましても、指定前に基礎調査というものを行っておりますけれども、その基礎調査の段階で把握している数字ということになります。
〇高田一郎委員 土砂災害警戒区域というのは、崖崩れとか土石流、地すべりが発生するおそれのある地域で、警戒避難態勢の整備が義務づけられている施設ですけれども、この土砂災害警戒区域の中にあるいわゆる要配慮者関連施設、小中学校等の施設はどの程度になっているんでしょうか。数字がありますか。
〇加藤砂防災害課総括課長 ただいまの特別警戒区域内の施設の数は、当方では把握してございません。
〇高田一郎委員 どうして把握していないんですか。
〇加藤砂防災害課総括課長 警戒区域及び特別警戒区域の指定箇所につきましては数字等を把握しておりまして、その中にある施設といったものは、データとして蓄積はあると思いますけれども、さらにその中で個別の施設を拾い上げていく作業になりますので、具体的に現段階で要配慮者施設が幾らという数字については、把握していないということでございます。
〇高田一郎委員 繰り返しますけれども、土砂災害警戒区域というのは、崖崩れや土石流、地すべりが発生するおそれのある危険な地域だと。しかも開発行為も規制される区域であり、警戒避難態勢の整備が義務づけられるわけですね。こういう危険な箇所については、やはり該当する施設に徹底をして、ソフト、ハードを含めた対策が求められると思うんですよ。そういう危険箇所に立地する施設を県土整備部で把握していないんですか。
〇加藤砂防災害課総括課長 警戒区域及び特別警戒区域に指定いたしますと、例えば学校であれば教育委員会、そして、要配慮者施設であれば保健福祉部等に、こういった箇所を指定しますということで、一覧表あるいは指定範囲の図面をそれぞれの関係部局に通知、提供いたします。したがいまして、基本的には、そちらの担当部局で、個別のそういう周知なりはしていただく形になっているところでございます。
〇高田一郎委員 関係部局に通知しているということは、県土整備部できちっと該当するといいますか、特別警戒区域に指定されている施設がどれだけあるということを当然把握しているから、各関連部局に通知することができるわけですね。今、数字を持っていないというだけの話ですか。
 それともう一つ、そういう該当する施設に対するハード面の対策、そして、避難対策とかというソフト面の対策、それは、それぞれの部局でそれぞれの予算で対応することになるんですか。そして、どれだけこの該当する施設でハード対策、ソフト対策を行っているかというのは、どの程度になっているんでしょうか。それがもしわかれば示していただきたいと思います。
〇加藤砂防災害課総括課長 ただいまの数字の関係でございますけれども、これにつきましては、具体的に積み上げたデータはございますということで、さらに、それぞれの施設が何カ所あるかという集計につきましてはしていないということで、実際、集計すれば数字は出てくることになろうかと思います。
 あと、ハード施設関係の整備でございますが、基本的には、こういう要配慮者施設等のある箇所につきましては、私どもでやっている急傾斜あるいは砂防関係の事業につきましては、優先的に事業を導入するようにということで進めておりまして、地元の市町村なりと確認しながら、必要な箇所には事業を導入しているところでございます。
 あと、例えば要配慮者施設のところでハード対策をどの程度やっているかということでございますが、先ほど申し上げました337施設のうち、これまでにそういう施設整備をやった箇所は44施設ございます。
〇高橋但馬副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬副委員長 質疑がないようでありますので、県土整備部関係の質疑をこれで終わります。
 県土整備部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後2時51分 休 憩
午後3時14分 再開
〇岩崎友一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、株式会社DIOジャパン及び関連コールセンターに係る緊急雇用創出事業等についての質疑を行います。
 この際、執行部から、本日配付した資料等について発言を求められておりますので、これを許します。
〇橋本商工労働観光部長 本日、委員の皆様にお配りさせていただきましたDIOジャパンの進出経緯や確認事項等の資料について御説明させていただきます。
 〔参照〕 配布資料(DIOジャパンに係る資料提供について_一部追記)(PDF形式)
 〔参照〕 配布資料(DIOジャパンに係る確認事項について)(PDF形式)
 まず、株式会社DIOジャパンに係る資料提供についてをごらんいただきたいと思います。
 この資料は、これまでの質疑などを踏まえ、DIOジャパンの進出の経緯について改めて整理したもので、下線を付した箇所は、10月16日に配付した資料に追加した分でございます。主にこの部分について御説明を申し上げます。
 まず、平成23年9月21日より前に、DIOジャパンが8月31日、また、DIOジャパンと業務提供を考える花巻市内の企業が9月2日に、それぞれ花巻市に支援制度を問い合わせておりますことを参考までに記載さていただきました。
 次に、平成23年9月上旬でありますが、県は、その企業から、新規事業に対する支援について相談依頼を受け、9月21日に訪問しております。その際に、同社と業務提携を検討しているDIOジャパンの社長等を紹介され、花巻への進出に係る支援制度について相談を受けております。
 次に、平成23年11月29日でありますが、この日に、信用調査会社を通じてDIOジャパンの情報を入手したものであります。
 次に、平成23年12月27日には花巻市の担当者と、平成24年1月12日には盛岡市の担当者と、それぞれ宮城県登米市にあるDIOジャパン関連のコールセンターである株式会社東北創造ステーションを訪問しております。
 次に、平成24年1月から10月にかけてDIOジャパンが県内の物件を視察しておりますが、県から各市町へ視察の連絡をした際に、DIOジャパンが緊急雇用創出事業の活用を希望している旨、情報提供したところです。
 次に、平成24年1月24日でありますが、DIOジャパンが県内への立地をほぼ決めたことから、知事に、本社を訪問し、トップセールスを行っていただくよう上申し、1月26日に知事がDIOジャパンの社長と面談したものであります。なお、2ページ以降につきましては、前回配付した内容と変わりはございません。
 次に、10月20日の商工労働観光部審査において委員の皆様から御指摘をいただきましたことについて、お手元にお配りしております、要請のあった株式会社DIOジャパンに係る確認事項についての資料で御説明をさせていただきます。
 初めに、表の左欄、要請がございました事項の一つ目、平成23年7月、DIOジャパンが花巻市に打診した件について県が関与していたかどうかについてであります。確認した内容は表の右手に記載しております。花巻市に確認しましたところ、DIOジャパンからの最初の相談は平成23年8月31日であり、7月に打診した事実はないとのことであります。次に、県の当時の担当職員に確認したところ、同年9月21日より前にDIOジャパンが花巻市に打診した件について、県が関与した事実はないとのことであります。
 次に、項目の2、平成23年9月21日前の花巻市と県、県とDIOジャパンの接触、協議の経過、三者の協議等の経過についてであります。県の当時の担当職員への確認結果では、9月21日より前にDIOジャパンに接触した事実はないとのことであります。
 花巻市への確認結果についてでありますが、確認した内容欄の①、8月31日、DIOジャパンが花巻市を来訪し、登米市のコールセンターの例を引いて、登米市のような支援策がないかとの照会があり、花巻市から、ハード面に対する助成等はないこと、緊急雇用創出事業も募集を終了しており、今後の対応も不明である旨を回答したとのことであります。
 ②、9月2日、花巻市内の企業―以降A社と呼ばせていただきます―A社の役員が市を訪問し、市の優遇策を活用できないか照会があったとのことであります。A社では、コール業務指導をDIOジャパンに委託することや、同社との業務提携の方向で協議中であり、コールセンターを新設してもらいたいと考えていたとのことであります。同市から、支援制度の説明と、雇用対策に係る支援制度は今年度は募集を終了している旨を説明したとのことであります。なお、資料中に米印で記載しましたとおり、今月の21日、A社からは、くれぐれも社名を公表しないよう申し入れを受けております。
 ③、9月21日、県に初めてDIOジャパンについての情報を提供したとのことであります。
 次の2ページに参りまして、項目の3のうち黒ポツの一つ目、平成23年9月21日の面談経過、小島社長と面談することをあらかじめ知っていたかについてでありますが、当時の県の担当職員へ確認しましたところ、確認した内容欄の①、9月上旬、A社から自社新規事業に対する支援の相談があり、県からA社に21日の訪問を連絡した際、この時点ではDIOジャパンとの面会を知らされていなかったとのことであります。②、9月21日、県担当者2名がA社を訪問し、A社からDIOジャパンとの協業の計画の説明を受けた後に、A社役員からDIOジャパンを紹介したいとの話を受けました。③、これを了承した後、DIOジャパン社長、取締役ほか1名が入室し、初対面であり、名刺交換を行ったこと。④、A社からDIOジャパンの来訪の趣旨説明を受け、⑤、DIOジャパン側から、会社概要の説明と花巻市内でのコールセンター開設希望を伝えられ、あわせて県の支援策について相談を受け、⑥、県担当者からコールセンターに対する優遇制度等を説明したという経緯であったとのことであります。
 項目の3の黒ポツの二つ目、復命書、旅行命令の有無、名刺交換の有無につきましては、4ページから6ページに復命書の写し、7ページから8ページに旅行命令簿の該当部分をそれぞれ添付しておりますので、御確認をお願いいたします。
 なお、関係書類中、A社が特定される部分や個人のメールアドレスについては、情報公開条例に定める取り扱いに準じまして伏せさせていただきますので、御了承願います。
 次に、項目の4、コールセンター市場の成長性の検討についてでありますが、当時の県の担当職員に確認したところ、自社コールセンター部門をアウトソーシングする傾向が出始めており、一定の需要が期待されていたとのことであります。
 次に、項目の5、どの時点で市町村に緊急雇用創出事業を活用できる旨を知らせたのかについてでありますが、県では、平成24年1月以降におけるDIOジャパンの物件視察に当たって、花巻市を除く7市町へ連絡した際、同社の緊急雇用創出事業の活用希望を情報提供したところであります。
 1枚めくっていただきまして、3ページでございますが、項目の6、当時の商工労働観光部長が市町村に物件照会をした経緯を知った日についてでありますが、確認したところ、平成23年11月下旬に、企業立地推進課総括課長から口頭で報告を受けたとのことであります。
 次の項目の7、DIOジャパンに提供した物件資料についてでありますが、8市町村13件の物件情報を提供しており、その一覧は9ページの別紙3のとおりでございます。
 次の項目8、遠野市の物件紹介からDIOジャパンが断念するまでの経過についてでありますが、確認した内容欄の①、平成24年10月3日に遠野市からの物件紹介の申し出を受け、DIOジャパンと遠野市担当者、県担当者との間で打ち合わせを行ったとのことであります。
 ②、平成24年10月22日、DIOジャパンが物件視察を行い、遠野市担当者、県担当者が同行しましたが、同社から、施設改修費やセキュリティー対応の面から立地は難しいと思われる旨の発言があり、それ以降、進展しなかったものであります。また、遠野市にも確認したところ、DIOジャパンに対し、引き続き候補物件を探す旨を申し入れたものの、その後、具体的な物件提案に至らなかったこと。当時は緊急雇用創出事業の予算枠がほぼ埋まっており、その活用は難しい状況であったとのことです。
 次の項目9、大船渡市の物件紹介からDIOジャパンが断念するまでの経過についてでありますが、確認したところ、DIOジャパンに物件情報を回答した後、現地視察はなかったとのことです。また、大船渡市にも確認しましたところ、同様に現地視察はなかったとのことであります。
 次の項目10、経費の取扱いについての、市町村との協議経過についでありますが、10ページの別紙4に、市町村との協議経過を、平成24年3月9日から平成25年5月13日まで時系列で掲載しております。
 次の項目11、研修外業務実態についてでありますが、国の指示により、市町において調査中につき、公表できないものであります。
 次の項目12、消費税の取扱いについてでありますが、10月21日の決算特別委員会において提供済みでございます。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇岩崎友一委員長 ただいまの説明に対するものも含め、質疑はございませんか。
〇嵯峨壱朗委員 いろいろと説明も含めてありがとうございます。
 今の説明についてですけれども、A社からくれぐれも公表しないように申し入れがあったと。私もA社だったらそう思うかもしれないんですけれども、今、説明を聞いていると、かなり重要なポイントになっていますよね。今の説明ですと、県はここから紹介されたんでしょう。ですから、そういった意味で言うと、一番のきっかけになっているので、どこの社かというのは非常に重要だと思います。いずれ、これはその後もまた出てくると思うんですけれども、それでいいんですかね―それでいいんですかねというか、いいんですか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 A社のほうに私が訪問させていただきまして、当時の状況を聞いてきたところでございます。背景的には、震災後、平成23年の春ごろとおっしゃっておりましたけれども、東京のアウトソーシングの部分を、コールセンターの部門を花巻市のほうに持ってくるというのがそもそものきっかけでございまして、A社におかれましても、DIOジャパン社と知り合ったのは、花巻市に業務を移したいといったところで、複数社の中からA社は探してDIOジャパンと面識を持ったとのことでございます。そして、A社は特にその関係しかないということでございまして、DIOジャパンについては、業務を委託しようとしていたところ、また、コールセンターのほうも、県のほうに、こういった業務もあればよかったのではないかということで紹介したということでございますので、我々といたしますと、A社につきましてはやはり企業名を伏した形で御報告をさせていただいたところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 A社は、今、何というんですか、不適切な事案というのか、それがきっかけとなったことによって、こういった結果を招いているわけです。9月21日に会ったときに、それについてどうこうというコメントはなかったんですか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 A社のほうは、自社の中で、実は社内のサポート部門ということで委託業務で社員を抱えている部分がございました。社員といいますのは、委託したDIOジャパンの従業員がA社の中で働いていたということで、DIOジャパンが休止したことによって、その従業員も不安にさらされたところでございます。その後、その従業員につきましても、引き続き別会社のほうに所属して同じ方が働いているということで、雇用が守られたと考えております。その際、我々のほうといたしますと、DIOジャパンについては突然の閉鎖ということでお話をしましたところ、同様にA社の方もそのように感じたということのお話をいただいたところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 質問項目を変えます。
 緊急雇用創出事業臨時特例交付金による緊急雇用創出事業ですけれども、そもそも、この事業そのものの事業主体は誰なのか、何なのか、そして補助金の交付申請があった場合に、その契約締結を実施するのは誰なのかお尋ねしたいと思います。
〇寺本雇用対策・労働室長 緊急雇用創出事業でございますけれども、県が直接行う事業と県が委託する事業につきましては県が実施主体となりますが、市町村が直接行う事業と市町村が委託する事業は市町村が実施主体ということで、今回のコールセンター事業は市町村ということになります。そして、今回のコールセンターの契約の締結につきましては、市町村と広域振興局長名で契約しているものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 形式はそのとおりで、私は、緊急雇用創出事業等実施要領というものを見ました。これがこの事業の一番の出だしです。その2のところに事業主体と書いています。まず、趣旨のところを見ますと基金事業の事業主体は、都道府県とすると明記されていますけれども、これをどう解釈しますか。
〇寺本雇用対策・労働室長 基金事業の実施主体は、お話のとおり県でございまして、それぞれの事業の事業主体につきましては、先ほど考え方を申し上げたところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 要するに、委託業務は、市町村が事業主体になってやる。そして県が直接するものもある。でも、この事業は、どういう形で結果としてやられたとしても、基金事業の事業主体は都道府県とすると明記されています。これは違うんですか。
〇寺本雇用対策・労働室長 基金の実施主体は都道府県でございます。基金を一般会計にしまして、それぞれ事業化していくものでございまして、先ほど御答弁申し上げたのは、その後段のところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 だから、そうでしょう。基金事業は、交付金により都道府県において造成された基金を活用して都道府県が以下に行う事業とすると書いています。これは、あくまで事業主体は都道府県なんですよね。つまり全体でどういった事業、市町村がやった事業にしても何にしても、事業主体は都道府県であるということを明記しているんじゃないですか。そう理解できないですか。
〇寺本雇用対策・労働室長 基金の部分につきましては県でございまして、今、後段におっしゃられましたそれぞれの事業につきましては、後ろのほうに読みかえ規定がございまして、市町村というふうに読みかえられる部分がございます。したがいまして、基金全体としての管理者は県、そして、それぞれの事業については、県のものと、市町村のものと理解しております。
〇嵯峨壱朗委員 わけわからないけれども、首をひねるのをやめてくれない。俺が質問する。あなたよりもちろんよくわからないから聞いているのであって、そのたびに首をひねられると、私は変なことを聞いたのかなと。まあ、変なことを聞いているかもしれないけれども、なるたけ首をひねらないでください。お願いします。そのたびにちょっとしょげるんですよ。
 私は、これを読むと、読みかえということで、確かに個別の事業は計画したところがやるんでしょうけれども、基金事業は、実施主体は都道府県とすると明記している。基金については都道府県だけれども、具体的な事業は市町村だと、そういう問題ではなく、これを読む限り、トータルな事業の責任は県にあるんじゃないですかということです。その認識は間違っていますか。
〇寺本雇用対策・労働室長 何といいますか、全体のということで、基金の管理の部分につきましては間違いなく県がやることでございますし、それでは、それぞれの部分についてはどうかと言われれば、それぞれの事業についての実施主体があるのだというふうに理解をしております。
〇嵯峨壱朗委員 それはそうだろうけど、そういう姿勢だから、こういうことになるんじゃない、実際。今ので明らかにわかったことは、基金の実施主体としての責任はあるけれども、具体的な事業計画については市町村がどうやろうが県は責任がない、全く関係がないんだということでいいですね。
〇寺本雇用対策・労働室長 それぞれの事業実施主体について、お話の中で、勝手にやればいいというふうに申し上げているわけではなくて、補助事業者としての県という立場がございますから、そういう制度管理者としての責任があるものというふうには理解しています。
〇嵯峨壱朗委員 議論が進まない。というのは、こう書いてあるんです、ちゃんと。これはどう見たら―改めてよく考えてみたほうがいいですよ、優秀なんだから。
 2のコールセンターについて聞きますけれども、コールセンターの立地と緊急雇用創出事業のかかわりについてお尋ねします。立地と県のかかわりについて改めてお尋ねします。また、この立地と緊急雇用創出事業実施のかかわりについても、その認識をお尋ねしたいと思います。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 DIOジャパンの立地と県のかかわりについてでございますけれども、先ほどの資料と重複いたしますが、まずは平成23年9月21日、花巻市でDIOジャパンと業務提携を検討しているA社から、DIOジャパンの小島社長ほか役員の紹介を受けたところでございます。DIOジャパンから、県内でコールセンターの開設を検討しているため、立地に当たっての優遇制度について聞きたいとのことでございました。県からは、県内でコールセンターに対する優遇制度が当時あるのは盛岡市だけとの説明を行ったところでございます。その後、物件調査等を通じまして、視察等を県の職員、市町村の職員が同行いたしましてDIOジャパンを案内し、そしてDIOジャパンがその物件を選定し、7市町に決定したといったかかわりと考えております。
 そして、企業誘致と緊急雇用創出事業とのかかわりについてということでございますけれども、今般、DIOジャパンから進出の打診があった際には、当初から、同社は緊急雇用創出事業を宮城県登米市の東北創造ステーションで活用しながら開設していたところでございました。そして、本県において、進出に当たっても緊急雇用創出事業の活用を望んでいたものでございます。
 県は、この事業を活用して進出を希望する企業と関係市町の意向のマッチングを図るためにこれまで支援を行ってきたところでございます。緊急雇用創出事業に限らず、これまで、企業のニーズに応えるため、立地に当たって活用できるそういった制度があれば、当該制度の所管課に条件等を確認の上、進出を希望する企業を紹介しながら、その立地に努めてきたものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 なぜこれを聞いたかというと、この間の質疑のときには、斉藤信委員の質問でしたか、立地と緊急雇用創出事業というのはかかわりはない、別だというふうな説明をしたような気がしましたけれども、そうじゃなかったですか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 企業誘致に当たっては、県単の補助金とか税の優遇制度とか、そういった活用できるものを企業のほうに御案内しながら企業誘致に努めてきたということでございます。
 今回の緊急雇用創出事業も、そういったものと我々は同等に考えておりました。それで、あくまでも緊急雇用創出事業は、制度を担当するところの調整というのは、それはそれで、当部の中でも雇用対策・労働室、そして企業立地部門とは、同じ部といいながらも、これは全く違う業務をやっていると考えております。あくまでも企業と市町の中で、こういった事業を活用しながら立地が進むのであればということで、担当している所管部と調整をしてきたと。こういった形で企業誘致と直接的にこの事業が連動するものではないということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 それはそうでしょう。そういう話じゃなくて、具体的に言うと、このコールセンター、DIOジャパンは緊急雇用創出事業を活用するためにこの立地をしたというのではなかったのですかという質問ではなかったですか。それでは、そうではないという説明でしたけれども、どっちがどうなんですか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 DIOジャパンにつきましては、緊急雇用創出事業の活用が前提ということで、その前提がまず達成した場合については立地につながったということでございます。したがいまして、緊急雇用創出事業で仮に使えないということであれば、その市町には立地につながらなかったというようなことでございますので、事業と企業誘致の部分につきましては直接的なつながりというふうには考えておりません。
〇嵯峨壱朗委員 何か、この間の答弁とちょっとずれているような気がしますけれども、精査したほうがいいと思いますよ。私は少なくともそう思っていない。
 本門さんは、そのとおり、知事との会談でもしゃべっているよね。最初から緊急雇用創出事業を利用しようとして進出したんだというふうに実際述べていましたよね。だから、この間の答弁はどうなのかなと思って確認したまでですけれども、一つのパッケージとして、DIOジャパンからすると進出したんだという理解をしたいと思います。
 それでは、この問題発生の事前防止策を講じたかということについてお尋ねしたいと思います。大雪りばぁねっと。の事案発生後の対応についてですけれども、大雪りばぁねっと。の事案は平成24年12月12日の給与未払いの事案で発覚して、12月19日にはリース料についても問題が発覚した。その後、DIOジャパンも平成24年4月1日から早いものは緊急雇用創出事業を行っているわけです、盛岡市と、どこでしたか。だから、同時に行われたということなんですけれども、この場合に、出てきた時点で、DIOジャパン社に対しても、リース料に着目して問題発生の事前防止というものをすべきだったと思うんですけれども、このときにどのような対策を講じたのかお尋ねしたいと思います。
〇寺本雇用対策・労働室長 大雪りばぁねっと。の問題につきまして、リース料が大きな問題になったというふうに理解しております。リースにかかわる部分としましては、その後の対応策としまして、平成25年3月13日の通知といたしまして、リースについては事業計画の段階で精査していくですとか、あるいは中間検査でその物品を確認するとか、完了確認で契約書を確認するといったような対策を通知の中に盛り込んだところでございます。
 ただ、このコールセンターについてのかかわりについて言いますと、既に契約済みというところでありましたので、実際に適用されましたのは、平成25年3月、4月の完了確認の時点で、市町村が契約書があるか見るとか、そういったところで反映されたものということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 今の説明はおかしいですよ。この事業というのはどういうふうに進められるかというと、まず、市町村が計画を県に提出しますよね。そして申請して、その後、補助金の申請をして、そういう段階を踏んでいくわけですよね。そして、最後に広域振興局長が契約すると、そういう形になっていますよね。だとすれば、事前の段階である程度わかっているのでは。どこまでわかって契約を締結しているんでしょうね。
〇寺本雇用対策・労働室長 広域振興局のほうで、何といいますか、経費の内訳がわかるかという御質問であれば、その事業計画に従ってやるということでございますが、先ほど申し上げましたのは、平成25年3月13日の通知がどこまで反映できたかということで御答弁申し上げたところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 だから、完了報告がないにしても、検査する前に―この事業の場合は、広域振興局長に緊急雇用創出事業計画書というのをまず出さなければだめなわけでしょう。さらには、その提出をして、いいとなれば、今度は内定通知があって、補助金の申請をしてという流れがあるわけでしょう。その間に、これは広域振興局だけでわかっていて、本庁は全然知らないということなんですか。
〇寺本雇用対策・労働室長 事業計画の中にリースの細かい部分は入っておりませんで、かつ事業計画書は広域振興局まででありまして、本庁のところには来ていないものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 緊急雇用創出推進事業補助金交付要綱というものがございます。まず、この8条を見ると、その前に6条、7条とありますけれども、広域振興局長は、第7条の規定による交付申請を受けたときは、当該内容を審査し、適正と認めたときは補助金交付契約を締結するものとする。適正と認めたということなわけですよ。それって適正では―何を見て適正と判断したんでしょうね。それとも広域振興局でなければわからないと言うのかな。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 契約の締結に当たりましては、事前に事業を希望する市町村から計画書を出していただいて、その事業の内容を確かめて、交付要件に合致しているかどうかという観点で審査をして、適当と認めたものについては契約事務に移るという流れです。
〇嵯峨壱朗委員 だから、大体、適正でなかったからこうなったんでしょう。そう思わないですか。どうですか。これはどこまで出てくるのか私はわからないけれども、この時点でだったらわかるべきだと思うんですよ、こんな大きい金額を出すのに。何をどうリース―わからないけれども、どこまでわかるのかね。もし、これで適正という判断をしたのであれば、はなから間違った判断をしたということですよね。違いますか。
〇寺本雇用対策・労働室長 事業計画の時点で、コールセンターのリース契約の、費目の度合いと言ったらいいですか―のところが細かく来ていないというのがありまして、その中で、事業計画時点においてはすごくわかりにくいものだなという反省もあって、平成25年3月の通知においては、実際にわかるように、契約書なり何なり、物品があるような形で、よりわかるように改善をしたということでございまして、その時点で、どういうものを借りるリースが入っているという細かなことはわからないで、全体としてこのぐらいの額ということで、事業は適正だと判断して申請を認めたものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 全体としてこのような額でオーケーだからというふうに決めたとすれば、最初から人件費の割合が5割ぎりぎりだったのかな、それでいいという判断をしたということですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 交付要件には合致するという意味で、適正と判断したということです。
〇嵯峨壱朗委員 そうではなくて、それはそのとおりでしょうけれども、具体的に言うと、つまり人件費も50%ぎりぎりでもいいというふうな判断をしたということですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 緊急雇用創出事業の趣旨から言えば、被災者の、被災求職者の方を多く雇うということが趣旨でございますので、それは人件費率が高いほうが望ましいとは認識しておりますが、50%ぎりぎりだからだめということではないと認識しております。
〇嵯峨壱朗委員 あなた方が市町村に出した、先ほどのこれにも出ていますが、平成25年3月13日の通知がありますよね。これの2の(3)のイを見ますと、基金設置の趣旨から、事業費に占める人件費の割合や全労働者に対する新規雇用の失業者の割合は高ければ高いほど望ましいと。それからすると、望ましくないことをあなた方は認めたということですよね、みずから規定していますけれども。
 実は、これは、3月13日ということは平成24年度なわけですよ。平成24年度内にこういうことを出している。ということは、一連のこの事業に対してこういった問題がある、留意すべき点があるということを年度内に把握したということですよね。違いますか。
〇寺本雇用対策・労働室長 この通知の契機は大雪りばぁねっと。でございまして、やはりこの点については反省して改善していかなければならないということで、この通知を出したものでございます。その前に中間検査をしまして、何といいますか、一斉点検をして緊急雇用創出事業の問題を洗い出して、それを踏まえつつこういう通知を出したものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 ポイントは、これは問題になっているけれども、平成25年3月13日の平成24年度内に出ているということです。改めて、緊急雇用創出事業採択チェックリストというのがこれに載っています。これを読んでみましょうか。この二つ目のところに何があるかというと、事業費に占める人件費割合がおおむね7割以上であるかどうかというチェック。そういう認識があった。7割以上であること、それが適正だというような判断をみずからしているじゃないですか。さらに、緊急雇用創出事業採択チェックリストの次のページに出ていますけれども、人件費割合は適切か。やはり目安は70%以上、高ければ高いほど望ましい。ということは、もっと高いほうがいいというふうに認識していたわけですよ。そういった認識を平成24年度内にしているにもかかわらず、その事業にこういった視点でチェックしなかったというのはなぜなんだろうと思って。なぜだったんですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 緊急雇用創出事業は被災者の方をより多く雇う、雇用を目的とした事業ということで、7割ということで、一つの目安ということでチェックリストにも上がっています。ただ、交付の要件として50%を上回っているものについては認めるということです。
〇嵯峨壱朗委員 それはそうでしょう。ただ、この事業の中も年度内なわけですよ。そこでこういう認識があって、大雪りばぁねっと。があって、だったら、改めて、普通は、そうなのかというチェックをしませんか、同じ緊急雇用創出事業で。なぜチェックしなかったんですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 平成24年度の契約が既に行われているものについて、さかのぼって、例えば雇用の率が低いから契約を解除するといったようなことはできないものと認識しています。
〇嵯峨壱朗委員 解除しろとか、そういうことを言っているんではなくて、この時点でチェックしていれば、少しでも被害を抑えられたとかね。何のためのチェックリストを作成したんですか、せっかくつくっていて。では、何のためにつくったか教えてください。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 要綱、要領の趣旨に従って適切に事業が行われるために、チェックの漏れ等が出ないように、そういう意味でチェックリストをつくっているということです。
〇嵯峨壱朗委員 全くだめだね、あなたは。そんなことを聞いているわけないでしょう。もっと正直にしゃべったらいいです。これは当たり前の疑問ですよ。違いますか。あなた方の立場だったら疑問だと思うと思うよ。だって、ほとんどが平成24年度内の緊急雇用創出事業です。その平成24年度内に、こういった自助努力というのか、そういったリストをせっかくつくっている、留意すべき事項というふうに。このチェックリストで再度見ればよかったじゃないですか。そういうふうに思うのが普通じゃないですか。
〇寺本雇用対策・労働室長 確かにこのチェックリストの中では、望ましいものと、必ず守らなければならないといいますか、そういう指導方法みたいなものがあるのだろうと思いまして、人件費が確かに低いということは、そのとおりでありますが、それをもって要件がどうのというふうには考えてはおらなかったところでございます。
 もう一つ、このコールセンターにつきましては、中間検査の中でいろいろ共通的に指導しなければならないというところもありましたので、そういうところを含めて指導したものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 つくっただけ、別に使わなくてもいいんだと、そういう認識でつくったと理解します。
 それで、コールセンターの立地と緊急雇用創出事業はワンセットだという認識でしたけれども、これはそうなんだろうなと思いました。というのは、盛岡とかもコールセンターの設置も4月1日、そして緊急雇用創出事業のスタートも4月1日になっていますよね。その認識でいいですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 緊急雇用創出事業のスタートとしては、そのとおりだと思っています。
〇嵯峨壱朗委員 むしろ、先ほどあなたが言ったものの裏づけがこのとおり出ているということですね。やっぱりそれを意識して、緊急雇用創出事業を最初から使おうとして来たんですね、さっき飛鳥川総括課長がしゃべったのが。そういうことがはっきりしたなと思っていました。
 1点、このコールセンターについて、人材育成事業を公募したことになっていますけれども、公募したんですね。どうなんですか。
〇寺本雇用対策・労働室長 全て公募して実施しているものでございます。
〔「時間が過ぎてもいいのか」と呼ぶ者あり〕
〇嵯峨壱朗委員 過ぎたの。よくないでしょう。では、そろそろやめますけれども、これを1点だけ聞いてやめます。
〇岩崎友一委員長 まだ過ぎていません。もう間もなくです。
〇嵯峨壱朗委員 では、過ぎる前に言わないでください。あと1分でしょう。聞きますから。
 公募といいますけれども、釜石市は2日間しか公募してないですよ。さらには、奥州市は公募期間が5月31日までだったにもかかわらず、5月21日に業者を決定しているというのがあるんですよね。これはどうなんでしょうね。公募と言えるんでしょうかね。
〇寺本雇用対策・労働室長 奥州市につきましては、予算枠を確保しまして、それで期間を8月ぐらいまでに決めて、それで順次公募していたというふうに伺っております。それで、5月21日には当該コールセンターが決まりまして、ほかに5月31日までに手を挙げたところがありまして、それで大体予算枠が埋まったということで、8月ぐらいだった予定を5月31日までにしたというふうに伺っております。
 もう一つ、釜石市のほうにつきましては、確かに短かったということでございますが、ほかにも照会等の業者はあったというふうには聞いておりまして、短かった理由は、11月1日までにぜひスタートさせたかった。3月31日までに4カ月ぐらいありますが、4カ月間の期間をとりたかったのでというふうに伺っております。
〇及川あつし委員 先日の私の議事進行の関係で、きょうは大量に資料を出していただきましてありがとうございました。大分見えてきたなという感じがするわけでありますけれども、資料が出ましたので、若干質問の内容、順番が変わりますことをあらかじめ申し上げます。また、今、嵯峨委員の質疑を聞いていまして、委員の質問に対して皆さんが的確に答弁していなくて、非常にいろいろ説明が長いんですけれども、私も時間がありませんので、事実確認をしなければいけないことがたくさんありますので、的確に、手短に答弁をお願いしたいということもあらかじめ申し上げておきたいと思います。
 最初に、これは部長に、今回の事案についての認識を伺っておきたいと思います。
 前回、私の聞き間違いでなければいいのですが、橋本部長の答弁の中で、今回の緊急雇用創出事業としては間違ってなかったというふうに答弁したように私は聞こえたんですが、答弁としてどうだったのか、再度確認したいと思います。
〇橋本商工労働観光部長 緊急雇用創出事業に係る私の答弁についてでございますけれども、去る10月20日、決算特別委員会におきまして、DIOジャパンに関して、緊急雇用創出事業の活用それ自体に問題はない旨、お答えをしたところでございます。その趣旨といたしましては、DIOジャパン関連コールセンターは県内7市町に立地し、平成24年度から平成25年度にかけて一定の新規雇用の場が確保されたものとの認識を踏まえ、そのようにお答えしたものでございます。
 一方、DIOジャパン関連コールセンターについて、緊急雇用創出事業が終了した後も安定的な雇用が継続されることを関係市町も県も期待しておりましたけれども、委員から御指摘を受けているとおり、事業終了後間もなくコールセンターの閉鎖あるいは解雇の事態が生じたところでございます。また、現在も賃金未払いが解決していないことなどもあわせてまことに遺憾であり、DIOジャパンは十分説明するとともに、誠意ある対応をすべきと考えております。
 また、新たな事業者が事業を実施する場合、事業費が多額となる場合には、十分に留意して事業を進めるよう、そして、本年4月に改めて通知したところでありまして、引き続き、その徹底を図りながら適切な事業執行が確保されるよう努めてまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 部長の認識は、一部は納得する部分もあるのですが、DIOジャパンに対して遺憾だと。遺憾なのは県民ですよ。あとは雇用された方々が遺憾なんです。今、DIOジャパンに対して、真摯に、誠実に説明しろということでありましたけれども、前回の質疑を振り返れば、私も皆さんにそう言いたい。いかがですか。
〇橋本商工労働観光部長 DIOジャパン関連のコールセンターに係る緊急雇用創出事業に関しましては、未申告の収入などもございまして、それが指摘され、現在、国の指示によりまして立地市町が調査を行っておりまして、県としてはこれに協力してまいりたいというふうに考えているところでございます。
〇及川あつし委員 それではだめなんですよ。先ほど、嵯峨委員の質問もそうだけれども、大雪りばぁねっと。のときにいろいろあって、いまだに引きずっていますけれども、何が起きたのかちゃんと見てないからこういうことが起きたと私は踏んでいますよ。今の橋本部長の答弁だと、多分、これからの質疑もだめなんだと思いますよ。
 もう一回、この点を聞きます。県として、当然かかわったいろいろな経緯があるわけだし、前回も指摘したけれども、やろうと思えば防げたこともたくさんある。そういう文脈で言った場合に、今この時点において県としてどういう反省点があったのか、どういう姿勢であるのか、あらかじめ姿勢をまず示してください。
〇橋本商工労働観光部長 県とさまざまなかかわりがあることについては冒頭御説明申し上げたわけでございますけれども、県との一連の事業でこういったことが生じたことについては、私も、10月20日に御答弁申し上げましたとおり、緊急雇用創出事業自体に問題はないというふうにお答えしたのは先ほどのとおりでございますけれども、起きている事案を考えまするに、さまざまな、例えば信用調査を初めといたしまして、常任委員会等でも御答弁申し上げておりますけれども、危機管理といいますか、リスクマネジメントといった面において反省すべき点があるものというふうに考えているところでございます。
〇及川あつし委員 危機管理、リスクマネジメントの部分での反省ということですが、私の今からの質疑の趣旨は、皆さんの足跡をたどっていくと、どうも最初から前のめりになって、直滑降で最後まで来てしまったのではないかと見えていますので、その件について伺いたいと思います。
 平成23年9月21日、なぜここにこだわるんだと同僚議員の方から聞かれましたけれども、やっぱり初めが肝心で、今申し上げたように、最初から前のめりになっていたんじゃないかなと思うので、9月21日の経緯について聞いているわけであります。
 きょう資料をいただいて、説明はわかりましたけれども、ちょっと不思議だなと思うのは、9月の上旬にA社から電話があって、21日に特命課長と主査が出向いたわけですよね。通常もこういう形で、電話一本あれば企業に出向くんですか。私はちょっと不自然だなと思っているし、そこの段階で、A社からの電話に至る過程で、誰か仲介してやったという経緯はありませんか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 岩手県に来ていただいた企業の方たちのフォローアップを一生懸命やりたいというのが部の務めというふうに考えておりまして、通常でも、企業のほうから御連絡があれば職員は出向くことにしているところでございます。
 仲介につきましては、そういった事実はないということを確認しております。
〇及川あつし委員 では、答弁として、まずきょうの時点ではそれで確認をさせていただきたいと思います。
 それでは、私が、前のめりになっているんじゃないかなという点をいろいろ確認させていただきたいわけですが、きょういただいた資料の中でも、知事のトップセールスについて伺いたいと思います。
 私の6月定例会の質問のときも、東京のDIOジャパン本社に行ったときに、進出がほぼ決まった段階で、原課から要請があったので知事が行ったという説明がございました。きょう配付された資料の1月24日と26日の説明にも、岩手県の立地をほぼ決めたことからというように説明がある。前回の質疑でも、この時点で何が決まっていたかと聞いたら、花巻と盛岡が決まっていたと言っていた。でも、皆さんのほうからいただいたいわゆる1月26日の訪問折衝記録というものを見ると、ほぼ決まったという記載がどこにもないんですよ。設置を検討していることからというふうに書いていますね。知事は、設置を検討していただいてありがとうございますと。ほぼ決まったようでありがとうございますなんて言ってないですよ。これの関係性はどうなっているのですか、正確にここをきちっと説明してください。ほぼ決まった段階なのか、DIOジャパンが検討している段階なのか、ちゃんと説明してください。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 知事のトップセールスにつきましては、最後のお願いといいますか、プッシュというようなところを踏まえまして、決まる以前、また決まった後の御礼というような二通りの形でトップが御挨拶に行くことがございます。今回の場合につきましては、まだ検討して、ほぼ決まりかけたというような中で知事に上申し、訪問をいただいたものです。
〇及川あつし委員 これも微妙に言い方が変わっていますよね。
 では、嵯峨委員のさっきの公募の話で伺いたいんですけれども、公募をかけたのは平成24年6月11日から22日が花巻市で、わずか11日間。公募で事業者を決定するという話と、1月26日、知事が東京に行った段階でほぼ決まったというのは、これは制度上、問題ないんですか。
〇寺本雇用対策・労働室長 実際に公募が始まったのは平成24年6月11日ということでございまして、私が伺いましたのは、花巻につきましては場所が変わったということで、実際上、公募に至らなかったので、こういう形になったものというふうに理解しています。
〇及川あつし委員 寺本室長、ちゃんと私の質問の趣旨を聞いてください。今、飛鳥川総括課長は、達増知事が平成24年1月26日に行った段階で、ほぼ決まったから知事がDIOジャパンに行ったと言っているんですよ。けれども、公募をしたのは、何かいろいろ経緯があったかもしれないけれども、平成24年6月から公募ですよ。公募をやる前にDIOジャパンの進出ということでほぼ決まりだからといって知事が行っている。内定していて公募をやるということでいいんですかと聞いているんです。
〇寺本雇用対策・労働室長 特段、制度的には問題がないというふうには思っております。かつ、ほかの業者の方も入れるということもあって、競争性は確保されているということで、一応、公募というものは守られているというふうに理解しております。
〇及川あつし委員 知事が行って、ほぼ決めた状況で、形だけ公募をやったということですか、これは。
〇岩崎友一委員長 簡潔に答えてください。
〇寺本雇用対策・労働室長 他の業者も参加できるように公募を行っているものでございます。
〇及川あつし委員 ここで質疑を何回繰り返してもだめだけれども、結局、皆さん、最初から前のめりになっていた。
 もう一つ花巻の案件があって、いろいろあることも聞いています。これはほかの委員に質疑は譲りますけれども、では、釜石市は公募期間は何日間でしたか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 開始から終了まで3日間です。
〇及川あつし委員 結局、この公募の件についても、白光事案のときに、公募についてはこうしましょうねという全庁的な話があったんじゃないですか。皆さんは市町村の事業だと言うけれども、間接補助者として、広域振興局長もいろんなやり方について関知しているし、企業立地推進課はもっと知っているはずですよ。結局、過去において発生したいろんな問題について真摯に反省をして、だからこうやるんだということをやってないから、こうなるんだと思うんですよ。嵯峨委員がさっき言った大雪りばぁねっと。が片っ方で火を噴き出している。平成24年12月、その半月もしないうちに知事がトップセールスにDIOジャパンに行って、よろしくお願いしますとやっている。明らかに、あの時点だってDIOジャパンのリース代が桁二つ違うんですよ。これも常任委員会で指摘があったと思いますけれども、パソナが910万円、ライフパートナーが845万円、その他892万円のリース代という一方のコールセンターの事業者がいて、DIOジャパンの関係は1億8、222万円。桁が二つ違う。この問題は、皆さん、当然、最初の段階で事業計画云々と幾ら説明したってわかっているんです。当時、大雪りばぁねっと。のときだって、これは各社が報道していますけれども、遠野のまごころネットのリース代が1、620万円、山田町の社会福祉協議会のリース代が830万円―事業費は違うけれども―大雪りばぁねっと。のリース代が1億9、000万円余ということで、明らかに高い。まずいよな。結果として、あの原因はリース代だったということで、議論が一方でされているときに、片っ方でDIOジャパンというのがあって、見なかったというのは、私はもうそこで怠慢だと思うし、未然防止できなかったんじゃないかなと思います。結果として、皆さんは反省に基づいて3月に通知を出したと言っているけれども、その通知についても実効性がなかったというのが結果だということを指摘しておきたいと思います。
 次に、皆さんが前のめりになって、私は、DIOジャパンに対して完全にわきを甘くしていたがゆえにこういう結果になったんじゃないかなという件について取り上げたいと思います。
 質問項目で通告しておりました二つ目ですが、遠野と大船渡については、私もまだ若干疑義がありますけれども、時間がないのでこの点は割愛して、奥州のコールセンターについて伺いたいと思います。
 進出の経過を概略でいいので教えてください。
 奥州のコールセンターについて、2カ月おくれで開設になったという認識があるかどうかについても伺います。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 奥州コールセンター進出の経過でございますけれども、まず最初に、平成23年9月21日にDIOジャパンの紹介を受けたというところからこちらもスタートいたしまして、そして、その後、物件視察というようなことに至るわけですけれども、奥州についてもDIOジャパンのほうに物件の回答を示しまして、平成24年2月4日、2月24日にDIOジャパンでは奥州市内の物件を視察したところでございます。その後、DIOジャパンにおいて奥州市への立地を決定して、平成24年5月10日、奥州市とともに共同で記者発表して、6月1日から事業を開始した、このような経過になっております。
 2カ月おくれというのは、この事情については、私のほうの企業立地推進課としては承知しておりません。
〇及川あつし委員 誠実に答弁してくださいね。我々はちゃんと調査していますので。
 では伺います。平成24年5月24日15時から16時、花巻温泉ホテル紅葉館に飛鳥川企業立地推進課総括課長はいらっしゃいましたね。この会議で、本門社長などと何の打ち合わせをしたんですか、内容についてお知らせください。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 5月24日、私も花巻温泉のほうに伺い、DIOジャパン関係者、そして県南広域振興局、奥州市、雇用対策・労働室、こういった関係者が一堂に集まって打ち合わせを行ったところでございます。
 打ち合わせ内容につきましては、緊急雇用創出事業についての打ち合わせということでございます。
〇及川あつし委員 打ち合わせの詳細について明確に答弁してください。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 そのセッティングをしたのは企業立地推進課ということで、一堂に会したわけでございますけれども、その緊急雇用創出事業の手続の中で、県南広域振興局、そして奥州市、会社、こういった方たちが、同じような形で認識がちょっとずれていた、そして、DIOジャパンから、こういった認識について統一してくれないかという要請を受けて、企業立地推進課が設定したところでございます。
〇及川あつし委員 認識のずれの具体について、きちっと説明してください。
〇寺本雇用対策・労働室長 認識についてでございますけれども、一つ目は、県が奥州市の事業を認めない、必要な事業費が査定されたという誤解がDIO側にあったということ、二つ目は、県南広域振興局と県北広域振興局で対象事業費についての見解が異なっていたという事実があります。三つ目は、収入の取り扱いについてどのようにするかということで、DIO側と県の関係者、あるいは市を含めて意思統一する必要があったということでございます。
〇及川あつし委員 同様の質問について、飛鳥川総括課長からも答弁を求めます。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 そのようなことだったと記憶しております。
〇及川あつし委員 その会合において、本門社長から、開設が2カ月おくれた分を補償しろというような話はありませんでしたか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 その補償するとかということではなくて、既に事務所の物件が見つかっていること、そして、記者会見後で人も応募しているというような説明がございました。
〇及川あつし委員 何を言いたいかというと―もう一つ確認しておきましょう。おわびを求めたということがありますか、おわび。本門社長に対してのおわびを求められたという経過があるのではないですか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 この会合の最初に、DIOジャパンのほうで、当時、記者会見までやっていたわけでございますけれども、奥州市、県の事務手続といったところで、DIOジャパンのほうとすり合わせがうまくいっていなかったと。その手続の部分について御迷惑をかけたということで、DIOジャパン側に私どもから、その手続のおわびを申し上げた経緯はございます。
〇及川あつし委員 ほら、そうではないですか。結局、最初からDIOジャパンに対して皆さん下手過ぎるんですよ。前回も指摘したけれども、きちんと調査していない。雇用が生まれるからといってお願いしたという経緯があるから、ちょっとした見解の相違のところで何でおわびするんですか、おわび。不自然でしょう、この経緯は。最初から皆さん前のめりだったのではないですか。振り返ってみて、反省点も含めて何かコメントありませんか、飛鳥川総括課長。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 DIOジャパンの誘致に関しましては、県は、常に市町村と一緒に連携しながらやってきたものでございます。この奥州市のコールセンターについても、奥州市と、あとは会社、そして県南広域振興局とのすり合わせを行うために、やはり一堂に会して意見を言って意識を統一したほうがいいという趣旨で開催したものでございます。
〇及川あつし委員 答弁とすればきれいなんだけれども、結局、DIO側は、事前にいろいろ打ち合わせがあったんだけれども、そのとおりに、何か県の邪魔が入っておくれてしまった、その分、補償しなさい。でも、県のほうは、いろいろ取り扱いについて認識のずれがあった部分も含めておわびをしたという経緯だったんですね。そうですよね。それでいいですね。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 手続が思うように進まないということについてDIOジャパンのほうが不満を持っていたために、関係者のほうで、その手続等について、まずはおわびという形で、それから、一同がこだわりを持たないで意見交換をする、そういった運びになったと記憶しております。
〇及川あつし委員 その時点で、さっき答弁もありましたけれども、事業費のすり合わせをやったというけれども、この時点で明らかにリース代が高い。厚生労働省の通知の話を絶対皆さん答弁でやると思うけれども、明らかに高い。いいですか、この時点は、もう大雪りばぁねっと。の問題を議会で事あるごとに議論したときですよ。そのときに、厚生労働省の通知はともあれ、異常に高いリース料についてどういう見識を持っていたんですか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 その緊急雇用創出事業制度を担当している課でもございませんので、私の立場から、場を設定いたしまして、その中には県南広域振興局、そして、それを所管する雇用対策・労働室も同席をしていただいたということでございまして、その詳細の事業費の件については、私は余り把握していないところでございます。
〇寺本雇用対策・労働室長 当時の記録を見ますと、そういうリース料が高いというところについては、記録がございません。機器として、例えば監視カメラとか、対象とするべきものに少しずれがあるといったところを議論したものと理解しております。
〇及川あつし委員 あと、これは記憶と記録をたどってほしいんですが、いろいろ市町村とやりとりする中で、この事業は知事の特命だから大丈夫、早く進めてくれというような発言をされたやに仄聞しましたけれども、そういう記憶と記録はありますか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 記憶にございません。(及川あつし委員「記録は、記録」と呼ぶ)記録もございません。
〇及川あつし委員 記録がないって何で言えるんですか。確認したんですか。今、僕が質問したばかりですよ。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 主語が抜けておりました。県には、その記録がないということでございます。
〇及川あつし委員 もう一度、当時の職員にも確認してもらいたいと思います。言っているはずですから。
 では、時間があとありませんので、前回も取り上げた信用調査について伺いたいと思います。
 リスク管理等が云々という答弁がありましたけれども、何か前回、部長のリスク管理の関係の答弁については、これまでの答弁と180度違う認識を示したような感じがします。もう一度、リスク管理云々じゃなくて、信用調査の方法、やり方、時期等について、私は問題があると思っていたんですが、橋本部長の認識を伺いたいと思います。
〇橋本商工労働観光部長 8月5日の商工文教委員会と記憶しておりますけれども、そこで私のDIOジャパンに対する危機管理等のあり方について質問がなされたと記憶しております。その際には、DIOジャパン関連子会社の閉鎖の動きが事前に把握できなかったこと、あるいは突然の閉鎖に至るなどの結果となったことなどがありまして、リスク管理の不足もあったと認識したと答弁したと記憶しているところでございます。
〇及川あつし委員 今もその答弁の認識でいいのですね。
〇橋本商工労働観光部長 リスク管理に関する認識は、現在も同様でございます。
 今後におきましては、市町村と情報共有を一層緊密にしながら企業誘致に努めていきますとともに、立地後のフォローアップも強化し、企業動向を的確に把握して適切に対応してまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 時間も余りありませんので、まとめて伺いたいと思います。三つです。
 DIO社が本県進出に当たっての信用調査会社の調査内容、県独自の情報収集の結果、進出しても問題ない、あるいは信用に足る企業だと判断した根拠を改めて伺います。
 平成24年11月29日に行ったとされる信用調査については、市町村にどのような内容で提供されたか、具体についてもお示し願います。
 最後であります。緊急雇用創出事業や他県からの進出企業に対して、信用調査の段階で見直すべき点が多々あると思いますが、具体的に考えていることがあるのであれば伺いたいと思います。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 DIOジャパンに対する信用調査についてでございますけれども、同社からの進出の打診を受けました平成23年9月以降、インターネットによる同社のホームページや同社が掲載される記事、そして、情報誌等によって会社の概要や実績などの情報を収集したところでございます。
 収集した情報には、平成23年1月の楽天トラベル社長とDIO社の小島社長との対談記事、そして、平成23年6月の登米市との調印式の記事、また、平成23年10月の宮崎県知事を講師とするコールセンターの開設記念講演会の記事、こういったものを収集いたしまして、同社の主要顧客、そして、取引に至った経緯、コールセンター業の実績などを確認し、進出してもらいたい企業と考えたところでございます。
 その後、信用調査会社に依頼いたしまして、調査報告書を取り寄せ、会社の規模や業績などを確認し、収集した情報と照合したところでございます。あらかじめ県が収集した調査内容につきましては、DIOジャパンが物件視察する市町村に対し、物件視察の日程調整をする中で概要を伝えていったところでございます。
 平成23年11月25日に実施いたしました信用調査会社の内容につきましてでございますけれども、この情報も参考として、県が考えた情報と合わせたものを市町村にお伝えしていった経緯でございます。
 次に、信用調査等で見直すべき点でございますけれども、進出を希望する企業につきましては、引き続き、企業のニーズに沿って丁寧に対応していきたいと考えておりますけれども、今般の事案発生を踏まえまして、例えば、業界に明るい第三者の意見とか、ほかの同業界の方たちからの意見、幅広くそういったものを収集しながら、市町村とも協議して見直していきたいと考えております。
〇及川あつし委員 もう時間なので、これだけ確認します。
 今の説明の過程の中で、当然マイナス情報も調査の段階で含まれていたと私は推定します。皆さん、中身については言えないと思うんだけれども、マイナス情報については市町村に伝えましたか、伝えませんでしたか。この件についてだけ、最後、確認して、質問は終わります。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 これまで県内に立地したコールセンターといったような業界のものと合わせまして、コールセンターの県の印象というものを市町村には伝えております。
〇軽石義則委員 前回、私がお聞きした内容で、きょう出された資料について、まずお聞きいたします。
 当時の商工労働観光部長が市町村の物件照会の経緯を知った日ということで、知った日は下旬とか上旬ではなくて、特定された日が普通はあるのではないかと思いますが、そういうところはどのように確認したのかが一つと、口頭で報告を受けたことはわかりましたけれども、大概、口頭で報告を受けて、指示があったのか、なかったのかという部分もあると思うのですが、その部分はどうなんでしょうか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 商工労働観光部長への報告につきましては、資料のとおり、物件照会をした後、口頭で行っております。
 このやり方につきましては、当部では、その当時も今もですけれども、毎朝、朝礼をやっておりまして、その朝礼の機会を捉えて、情報、また報告等を行っているところでございます。
 その際の部長からの指示ということでございますけれども、基本的に物件照会につきましては、ふだん市町村等もデータベースで保有している、県も保有しておるところでございますが、そういった照会については、かなり市町村と頻繁にやっているということもありまして、これは企業立地推進課で、まず、そこで決裁を行ってやっているという状況でございます。特に、その件に関して部長からの指示はございませんでした。
〇軽石義則委員 朝礼で報告しているということであれば、いつの朝礼かわかるような気もしますけれども、下旬というあやふやな範囲の中でしかわからないということなんですね。
 それでは、次に移ります。企業立地推進課がスタートだとすれば、雇用対策・労働室は、いつから一緒にこの件にかかわるようになったのか。また、加えて、広域振興局が契約をするというお話がさっきありましたけれども、情報なしにいきなり広域振興局に行くことはないと思うんですが、広域振興局は、いつからこの件にかかわっているのか、情報提供しているのか。出されましたこの進出の経緯などについてもあわせて説明してもらえませんか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 進出の経過ということでございますけれども、これは、平成23年11月22日にDIOジャパンからコールセンター物件の紹介依頼があったところでございます。
 そして、企業立地推進課では、11月24日、市町村に対して、12月1日を期限に物件の回答を依頼したところでございます。
 そして、12月1日には、8市町村から物件の報告があるわけでございますけれども……(軽石義則委員「そういう経過でなくて、いつからかかわったかだから」と呼ぶ)失礼いたしました。
 そして、広域振興局のかかわりにつきましては、その日にちについては明確なものではございませんけれども、緊急雇用創出事業で、市町村等が、まず、いろいろ相談があるとかといったような調整のときに、広域振興局のほうには随時連絡しているところでございます。
〇軽石義則委員 そんなに難しく答えなくていいので、いつから自分たちがこの件に入っていったか、雇用対策・労働室がいつからこの件に入ってきたか、広域振興局にいつその情報を伝えて、一緒に取り組んできたかを聞いているだけなので、どういう情報を出したとかではなくて、そのことを、事実だけを教えていただきたいと思います。
〇寺本雇用対策・労働室長 時期等については、記録等がなくて余りはっきりしたことは申し上げられません。初めて会ったのは、3月9日に、それぞれの広域振興局全員が集まりまして、方針といいますか相談をしたというのがございます。ですから、その前の2月のころには、想像ですが、恐らく市町村と広域振興局の中でいろいろやりとりが始まっているんだろうと理解しております。
〇軽石義則委員 3月というのは、平成23年、24年、どっちでしょうか。
〇寺本雇用対策・労働室長 平成24年3月9日でございます。
〇軽石義則委員 それと、進出の経緯のところで、前回私は、9月21日に会って、11月22日に紹介依頼が来るまでの間、何もなかったと聞いていたんですね。でも、きょう出された資料を見ますと、遠野が来て、県の担当者が対応していると書いているんですけれども、これはどういうことなんでしょうか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 遠野市からは、今回のコールセンターの部分につきましては、遠野でもコールセンターができないかというようなことで、平成24年10月3日にお話がありまして、そして、10月22日に視察を行ったということでございます。
〇軽石義則委員 であれば、進出の経過の一覧表の中にやったことをしっかり書いておいたほうがいいのではないかと思いますし、前回聞いたときは、特に対応しておりませんでしたと答えている気がします。議事録を後で見ていただきたいんですが、そういう事実をしっかりみんなにわかるようにしてもらわなければ、やっぱり疑問が深まっていくんではないかと思うんですね。
 そして、今聞いたとおり、企業立地推進課がいつから携わったのか、雇用対策・労働室がいつから携わったのか、広域振興局がいつから携わっているのかも定かではないとすれば、この解明をする上で、どこがどういうふうになって、どういう関係ができていたのかが、事実を証明できないと思うんです。ぜひそこは、後でもいいですから、しっかり示してもらうように調べてほしいと思います。
 次に移ります。業務委託の内容の部分ですけれども、委託契約の資料をいただきましたが、計画書と契約書を見てみますと、リースの話もありますが、積算の方法がやっぱりそれぞれ各市町単位で、合っているのは1人15万円という賃金。それ以降、講師料とか講師派遣とか、いろいろな経費にばらつきがあるようなんですけれども、それらの部分はどのような形でチェックをしてきたのか、また、チェック体制はどうなっているのかを含めて説明いただければと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 計画書等のチェック体制でございますが、県におきましては、当該地域を所管します広域振興局、または地域振興センターが、市町村の予算段階における事業計画をチェックすることとしております。補助事業として、採択の内定に当たっては必要なチェックを行います。
 計画内容のチェックにつきましては、その内容を総額幾らとか、あとは、各項目幾らというものを市町村の担当者からお聞きしながら、内容を確認することになっております。
〇軽石義則委員 誰が市町村から聞くんですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 市町村の緊急雇用創出事業担当者の方から、広域振興局の緊急雇用創出事業担当者の方が聞くのが一般的です。
〇軽石義則委員 一般的なところはわかりました。先ほど二戸市と奥州市の内容が違うので、その整理をする話をしたという質疑が交わされておりますけれども、同じ仕事を各地でして、人件費は全部一緒なんですね、15万円。であれば、各市町で契約、計画の内容が違うとすれば合わせるべきではないかと思うんですが、そのことについてはどのような対応をしたんでしょうか。
〇寺本雇用対策・労働室長 確かに、実際にそういう御指摘があると思いますし、市町村としても、ばらばらだと困るというのがあるんだと思います。実際には、事業計画のときというよりは、事業完了のときに、いろいろな形で調整をしまして、中間検査を行ったときの問題点とかをまとめまして、各広域振興局の中で意見を出しまして、県も含めて、各広域振興局合同のチェック指導事項みたいなものをつくりまして、完了検査のときには市町村にも配付しながら、統一がとれるような、共通的なものになるような形での指導をしたというものでございます。
〇軽石義則委員 であれば、盛岡市の契約書を見ますと、本業務に必要な什器貸付原則の中に、ただし書きがあるのは盛岡市だけなんですけれども、ただし、50万円以下であっても、財産形成につながる機器、物品の購入は認められないというのが、盛岡市だけは入っているんですね。それは承知しておりましたか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 私どもが盛岡市から提供いただきました契約書で、それを書いていることは確認しております。
〇軽石義則委員 そうだとすれば、各市町の契約内容にも、そういうところを適用するかしないかということは調整しなかったんでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 その点につきましては、雇用対策・労働室から各広域振興局に特記仕様書の標準例というものを示しまして、その中で、50万円以下の備品についても取得をしないというような標準例を示しているところです。
〇軽石義則委員 盛岡市は、厚生労働省の指導がある前の平成24年の契約書からそうなっているのですけれども、その部分について、今までの答弁だと、国が決めたので、それの前はルールに従っているという話でしたね。であったとすれば、そういう部分も統一しておけば、こういうことにはならなかったのではないかと思いますけれども。
〇寺本雇用対策・労働室長 この50万円以下がだめというのは、以前からそうなっていまして、要綱上もそうです。先ほど申し上げました特記仕様書というのは、平成24年3月9日をスタートとしまして検討を始めて、各配付したものでございまして、その中に、要するに契約の中に50万円以下はだめだという特記仕様が含まれているものでございます。
〇軽石義則委員 では、ほかのいわゆるただし書き条項を入れていない契約はどうなんでしょうか。
〇寺本雇用対策・労働室長 特記仕様書の中に書かれていますので、契約とすれば、50万円のものは認められないと読めるものです。
〇軽石義則委員 盛岡市だけがしっかり見えるように契約書に入れているということは、間違いがないやり方だったのではないかと思うので、答弁を聞くと、それはきちんとやっていると聞こえるのですけれども、これを見る限りは全て統一されていないような気がしますので、その点は指摘して、次に移ります。
 従業員の皆さんへの対応ですけれども、緊急雇用創出事業実施要領によれば、人件費については、労働条件、市場実勢等、適切な水準を設定すると書いているんですね。15万円は岩手県において適切な水準だと県は判断しているんでしょうか。
〇寺本雇用対策・労働室長 最低基準等々を考えますと、適切な基準でないとは言いがたいものだと思っております。
〇軽石義則委員 最低賃金をクリアすればいいということなのか、それは額面上の話をしているのか、いわゆる手取りで生活ができる水準を確保していくのが、私は、適切な水準ではないかとこれまでも思ってきておりますけれども、どうもその部分が全て任せっ放しで、しっかりとチェックされていないような気がどんどんしてくるわけです。
 次は、社会保険料の取り扱いなどの部分についてお聞きしますけれども、結局、企業負担分はしっかりと計画書にも載っているわけですが、本人負担分をお預かりして、その後、しっかりと関係するところに納めて、働く皆さんのある程度の身分保障もしていかなければならないのですが、県の資料を見ますと、いわゆる社会保険料の支払い遅延の情報を受けているのが平成25年11月14日で、課長からの通知も出ていますね。それ以降どのようになっているんでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 厚生年金保険料の支払い状況について、平成25年11月20日現在で取りまとめたものとしましては、花巻、奥州、一関、洋野、二戸については、支払い済みであるということを確認しております。
 ただ、釜石コールセンターについては、一部未納があるということで、今後、支払うものという報告を受けております。
〇軽石義則委員 支払うものではあれだと思うんですね。働いている人は、多分、身分資格を失う可能性があって、保護されなくなる可能性もあるのではないでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 答弁が中途半端で済みませんでした。
 未納の分につきましても、その後、全て納付されていることを確認しております。
〇軽石義則委員 そうすると、今は、失業された方々も含めて、そういう部分はしっかりと対応になっている、身分保障されているということも含めて確認しているんでしょうか。
〇寺本雇用対策・労働室長 現在の状況につきましては、日本年金機構盛岡年金事務所に確認しましたけれども、お答えできないということで確認できておりません。
 先ほど申し上げました11月に調査したことにつきましては、釜石で未納になって非常に問題があったという危機感がありまして、調べてみたところの結果でございます。
〇軽石義則委員 労働局にもいろいろな情報収集、情報提供、意見交換をされている資料もいただいています。その際にしっかり確認できなかったんでしょうか。
〇寺本雇用対策・労働室長 労働局にも照会しておりましたけれども、企業の内部情報だということで、それは教えられないということでございました。
〇軽石義則委員 企業の内部情報と県民の生命、財産が危ぶまれるのと、どっちを選ぶんでしょうか。やっぱりしっかり県民が安心して暮らせるほうを選ぶのが県の姿勢ではないかと思いますけれども、部長、どうですか。
〇橋本商工労働観光部長 委員御指摘の点については、やっぱり県民の皆さんの目線に立った対応が求められているのではないかと考えておりまして、今後、労働局とも積極的に意見交換をする中で、理解を求め、協力、連携を図ってまいりたいと思っております。
〇軽石義則委員 今後は、ぜひやるべきだと思いますし、すぐやるべきだと思いますね、今すぐ。不安でいる方もいるとすれば、その不安をすぐ解消してあげることが大事だと思いますし、そのためにこういう質疑を交わしているのではないかと私は思っているんですね。ぜひとも、その対応を早くやっていただきたいと思います。
 事業が終わりますと、決まりによれば、1カ月以内に実績報告書というものを県を経由して大臣に届けるルールになっているはずですけれども、そのところは今どうなっているんでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 市町村から報告いただいた実績報告書については、委員御指摘のとおり、1カ月をめどに報告しているところです。
〇軽石義則委員 その実績報告書は、我々にも資料としていただけるでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 提供することは可能と思います。
〇軽石義則委員 ぜひ提供いただきたいと思います。
 失業者の皆さんの部分については、前回も質疑が交わされておりましたけれども、そもそも雇用契約は、雇用契約書を結んで、しっかり明示されていたものなのかどうなのか。そして、急遽の撤退だとすれば、いわゆる解雇通知手当を含めて、それらについてはどのように対応してきているのか確認をいただきたいと思います。
〇千田労働課長 県内事業所の方々の雇用契約書につきましては、県内の事業所に監督指導に入った岩手労働局で恐らくお持ちだと思います。今回、御通告いただきましたので、労働局に資料提供いただけないかということで、これもお願いしてみたのですけれども、こちらのほうも、ちょっと企業の内部情報にかかわるということで、お出しできないということでございました。
 ただ、一般的には、雇用契約書ですので、そこに業務内容、賃金等、就業規則と合わせて書かれてあって、労使双方のところで確認し合っているものと思います。
〇軽石義則委員 やはり市町村と契約を結んで仕事をするときには、その部分もしっかり契約段階から各市町村でも確認をするようなルールを県からも示すべきだと思うんです。これは、何も特別なものではなくて法で決まっているものですから、求めて何ら違法ではないと思いますし、さらに、そういう意味では、この緊急雇用対策には絶対必要なものだと思うので、その部分をしっかり確認していただいて、後日、その資料も含めて示していただきたい。報告書を含めて委員会への提出について、委員長のお取り計らいをよろしくお願いいたします。
〇岩崎友一委員長 後刻、世話人会を開きまして協議いたしますので、御了承願います。
〇軽石義則委員 それでは、時間も迫ってきましたので、それら、まだ課題も多くありますし、一番不安に思っている、いわゆる失業された皆さん、既に就職された方もいるかもしれませんけれども、該当する市町並びに、企業秘密を守るためにだめだとかというのに、そうですかということではなくて、しっかり国にも物を言うような姿勢で臨んでいかなければ、この事業全体の内容が明確になってこないと思いますので、ぜひともその姿勢で挑む決意を部長から聞いて、終わります。
〇橋本商工労働観光部長 ただいま委員から提言いただきました件について、労働局とも真剣に話をする機会を設ける中で、可能な限りの努力をして可能になるように努めてまいりたいと思います。
〇千田労働課長 済みません、先ほど雇用契約書の後刻の資料提供ということでございましたが、基本的に、県ではその情報は持っておりませんし、昨晩、岩手労働局にも改めて私どもから要請いたしましたが、それは出せないということでございましたので、後刻ということでしたが、この部分の資料はお出しすることは難しいと思ってございます。
〇岩崎友一委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後4時53分 休 憩
午後6時13分 再開
〇岩崎友一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 先ほどの当委員会において、軽石義則委員からの申し出のあった件について、世話人会の協議結果を報告いたします。
 軽石義則委員から商工労働観光部に対し要求のあった資料につきましては、委員会で配付するとの結論に至ったことから、お手元に配付してありますので、御了承願います。
 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇寺本雇用対策・労働室長 先ほど、軽石委員からの御質問について、答弁漏れがございましたので、改めまして御答弁申し上げたいと思います。
 内容は、雇用対策・労働室あるいは広域振興局の雇用サイドの職員が初めてDIOジャパンにかかわった時期はいつかという御質問でございます。詳しいことはわかりませんが、平成23年の2月ごろか3月ぐらいか、遅くとも3月9日には会議をやりまして、そういったかかわりが出てきたものということでございます。
〇千田労働課長 先ほどの軽石委員からの御質問の中で私の答弁漏れがございました。解雇予告手当はどうなっているかとの御質問に答弁が漏れてございました。解雇予告手当につきましても、未払い賃金同様、法令違反となるものでございますが、これにつきましてもDIOジャパン社側からは支払われておりません。なお、解雇予告手当につきましては、未払賃金立替払制度のような制度は設けられておりませんで、特段の救済措置がないのが現状でございます。御本人が民事等で訴える等しなければ解決の方途がないのが実情でございます。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 先ほど、及川あつし委員の御質問の中で、この事業は知事の特命だから大丈夫、早く進めてくれと県が市町村に対し発言したことにつきまして、県の担当職員に確認しましたところ、発言した記憶はない、また、県におきましては記録はございませんので、御報告をさせていただきます。
〇岩崎友一委員長 それでは、質疑を続行します。
〇高橋孝眞委員 前の3人の委員の方からの質問ないしは回答を聞きますと、今回の事業については全て市ないしは町の責任で事業を実施したもので、県に問題がないというように感じたのですが、そういう認識でよろしいのでしょうか、最初に部長からお聞きします。
〇橋本商工労働観光部長 ただいまの御質問にお答えを申し上げます。
 緊急雇用創出事業として実施されたDIOジャパンにかかわる関連子会社の事業につきましては、それぞれの関係する法令あるいは交付要領等に基づいて適正に実施され、確認も行ってきたものというふうに認識をしています。
〇高橋孝眞委員 ということは、もしミスがあったとしても、そういう認識でよろしいと捉えてよろしいのだろうと思います。
 前回も消費税について聞きましたけれども、どうしても疑問がありますので、引き続きお聞きします。
 消費税の提供資料からですが、免税事業者であることの確認、消費税の申告の有無、課税期間の確認等が必要であり、この額が直ちに返還請求額となるものではない。どのような方法で確認するのか、方法を教えていただきたいと思います。
 また、免税事業者であった場合と課税事業者である場合に、どのような金額の違いがあるのか、お願いいたします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず、免税事業者であることの確認につきましては、市町村の中で持てる書類の中で、そういった届け出がなされているかどうかを確認する、あるいは税務関係機関に問い合わせをし、教えていただけるのであれば、そういったことを確認することという方法かと思います。
 あと、課税期間につきましては、やはりそれも帳票等により確認するということになろうかと思います。
 免税業者と課税業者の違いでございますが、厚生労働省の通知によりますと、緊急雇用創出事業における消費税の取り扱いとしまして、課税事業者については、受託者が支払う賃金、諸手当、社会保険料等、消費税が含まれていない人件費につきましては、その額を事業費とすると。通勤手当等の交通費等で既に消費税が含まれているものは、消費税分を減額したものを事業費として、その事業費総額に消費税を加算して契約金額とするというふうにされているところでございます。
 免税事業者につきましては、事業費総額に対する消費税分の加算が不要でございまして、交通費等既に消費税が含まれているものについては、消費税込みの金額を事業費としまして、消費税が含まれていない人件費については、その金額を事業費として、その事業費総額を契約金額とするということにされているものでございます。
〇高橋孝眞委員 何といいますか、どのような金額の差があるのかということでお願いをしておったわけでありますけれども、どうですか。わからないのですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 ですので、その差となりますのは、人件費等にかかる消費税分が違うと思います。
〇高橋孝眞委員 私は金額の違いを言っているのですよ。どうせ事業費が確定しているわけですよね。今、通達があるということを言っておりましたけれども、その通達を読んで、どのようになりますか、違いの金額を教えてください、免税事業者と課税事業者の違いを。そして、この場合についてはどうなるのですかということですよ。金額のほうでお願いします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 大変失礼いたしました。私どものほうで実績報告書から計算しました消費税額としましては、盛岡コールセンターにつきましては、既に課税しておりませんのでゼロ円、花巻コールセンターについては279万6、529円、奥州コールセンターについては717万1、847円、釜石コールセンターにつきましては、改めて計算しますと48万9、936円、洋野コールセンターにつきましては548万5、849円、二戸コールセンターについては289万123円になろうかと思っているところです。
〇高橋孝眞委員 ということは、今の金額は、免税事業者であれば、この分は過剰に支払いをしておりましたよということでよろしいのですよね。確認です。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 これから、免税事業者であったかどうかの確認ですとか申告の有無等いろいろ調査が必要かと思いますが、この額以内での返還等が必要になろうかと思っているところです。
〇高橋孝眞委員 もう少しちゃんと調べて回答していただければと思うんですけれども、私もよくわかりませんけれども、消費税については何回も改正がありますので、この時期についてどうなっているかということについてはわからない部分もありますけれども、納税義務の免除というのがあります。その内容では、新たに設立された法人については、設立1期目及び2期目の基準期間はありませんので、原則として納税義務が免除されます。この基準期間とは前々年を言いますということで、新たな事業者は前の前の年には事業をしていないという意味合いで、2期の課税免除ということになるはずですけれども、ただし、消費税が戻る場合もあります。この場合については、課税事業者として申告して還付を受けることができるとなるわけです。完了確認は、証拠書類、領収証等によって確認することになっていますが、人件費には消費税はかかりません。今回、事業者が人件費にも消費税をプラスして支払ったのでしょうか。また、人件費の消費税の支払いについてどのように確認されたのでしょうか。
 それから、決算月を聞きますと、1カ所だけは、釜石だけは違いますけれども、それ以外は12月決算になっております。確認をしたというのは、3月末ないしは4月なんでしょうから、そうすると、税務申告書ないしは会社の決算書で、課税事業者であるか免税事業者であるかがわかっていたはずです。そういう意味合いでは、そういう方法で確認をとられたのかということです。どういう方法で確認をとったか。支払った事実がないにもかかわらず支払いをしたということになると思うんですけれども、どうなんでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 委託する際には、受託者からすれば、役務の提供等ということで必要な消費税を払うわけですけれども、委員御指摘のとおり、設立初年度の事業所ということで免税業者になり得るものだということは認識しております。
 ただ、完了検査時点において決算書等は確認できない状況でございますので、また、その決算書の報告も義務づけていないということですので、改めて知り得る中でやったということでございます。
〇高橋孝眞委員 ということは、証拠書類も見ないで、まず完了検査をしましたよと、こういう認識でよろしいということですね。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 我々としても、消費税の取り扱いについて改善したいということで、平成26年度事業からは、事業開始に当たって、委託先から、課税事業者であるか免税事業者であるかの届け出を義務づけるということで、市町村にお願いしたところです。
〇高橋孝眞委員 今の分は質問とは全然関係ない話ですよね。
 会計管理者に伺いますけれども、消費税を支払わない場合、残金があるはずです。前に他の部署の審査で聞いた際は、委託事業で免税事業者の場合は契約変更をして対応するというふうに聞きましたけれども、契約変更の必要性があったと私は思うのですが、どうでしょうか。そもそも会社は消費税が発生しないはずなんですよ。消費者ではないのですから、売り上げは仮受消費税、経費は仮払消費税となります。この差額の還付を受けるか、ないしは納付するか、そういう違いだけなわけですので、そこの部分について整理して契約をする、支出をするということになると思うんですけれども、今回の委託契約についてどのように考えますか、お願いいたします。
〇菅原会計管理者 私も厚生労働省の通知というものを初めて見ましたけれども、その通知におきましても、最初、概算契約でもって契約をして、その後、確定契約といいますか、精算をするような場合にあっては、契約締結後に免税事業者だということが判明した場合は変更契約などの措置を行うことというふうに記されてございまして、委員のおっしゃったことにつきましては、私も、本当は一つ一つ精査しないといけないと思いますが、この通知等を踏まえますと、免税事業者であるということが判明した場合、変更契約を行うという措置が適切なものと考えております。
〇高橋孝眞委員 わかりました。そういう認識なそうですから、考え方がそうですから、そういう内容で整理をしていただければと思います。
 仮にでありますけれども、当然返還の必要があると思って私は言っているんですけれども、返還の必要がある場合に、事業計画を承認し、完了検査を承認している、了としている県は、市町に対して返還請求をすることになるのでしょうか、お聞きいたします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 市町村が委託先に返還請求をした場合、そして委託者から返還をするという事態になった場合には、その相当額は県は市町村に請求することになると思っています。
〇高橋孝眞委員 ということは、最初から言っていたとおり、やっぱり県は全然悪くないのだと。市町村が全て悪いのですよと。完了検査も、承認も手続はしたけれども、私どもは内容も全然わかりませんよということを言っていることに等しいと私は思うんですけれども、そういう認識でよろしいんですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 県としましても、市町村から出された書類について、チェックシートあるいは自分の持てる知見をもって一生懸命取り組んだということでございますので、そういったことで適切に対応しているというふうに理解しております。
〇高橋孝眞委員 県としてはそういうことだと。そうすると、市町村では、DIOジャパンといいますか、子会社からは当然取れる状況ではないわけです。そうすると、どこがというか、誰が支払うかというと、市町村に請求するから、やっぱり市町村に負担をさせるということになるという意味になりますよね。それでよろしいですか、お願いします。
〇寺本雇用対策・労働室長 お金の流れとしまして、支払いの時点は国、県、市町村、そして事業主に行ったわけで、お金を返してもらうときもその反対という形になります。認識として、市町村に責任があるとか、市町村が悪いからということではなくて、流れの中でそういうふうな仕組みになっているということで、今の段階では御答弁させていただきます。
〇高橋孝眞委員 いずれ、最終的には市町村に負担させるよということを言っていることに等しいですよね。
 次に行きます。さっきも嵯峨委員なり及川あつし委員が質問しておりましたけれども、この事業を実施するに当たりまして市町は公募しております。奥州市は公募期間が平成24年4月2日から平成24年5月31日となっていますが、業者決定は平成24年5月21日と、公募期間中でありながらも業者の決定をしております。理由は、幅広い分野の人材育成を確保する事業で、予算の範囲内で事業者を決定したものとなっております。
 こういうことから見ますと、広域振興局が予算を管理しているものだというふうに、先ほどの要領なり要綱の説明なり質問等を聞いて私は思っておりましたけれども、この予算というのは、各市町村に予算枠の配分、枠を設定しているのでしょうか、お願いします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 市町村からいろいろな事業を要望されまして、広域振興局を通じて、事業費の積み上げで総額幾らということを交付決定しているものでございまして、その枠の中で一定の範囲内といいますか、枠内であれば、増減においては多少市町村の裁量余地があるというふうな運用をしているところでございます。総額の中では一定なんですけれども、その内訳の部分では多少市町村においても裁量の余地があるというスキームになっています。
〇高橋孝眞委員 先ほどの説明では、何といいますか、奥州市は、予算枠がないので公募前に、5月31日以前に決定しましたよと。ただし、花巻市での対応については、競争性がある事業なものですから、公募期間中、十分整理をして、そして決めましたよと、こういうふうに回答しているんですけれども、それはやはり市町村の責任でやっているわけですから、当然、そういうふうに違いがあってもよろしいと考えているんですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 当初の計画に対して多少のずれというのは許されるものと思っています。なお、先ほど奥州市の例で私は御説明申し上げたんですけれども、補足いたしますと、奥州市公募型人材育成事業につきましては、一つの事業の中で複数の事業者を委託するというものでございまして、その一つの事業の中で、どの事業者に幾らを配分するというのは、まさに市町村の予算の管理の中で行われるものと思っております。
〇高橋孝眞委員 私もそれはそれでいいと思うんですが、では、奥州市で、決定後に、お願いしますよ、この事業をしたいよ、公募期間ですから応募しましたという場合は、お断りをしますよということになるわけですよね、予算枠がないから。すると、公平性に欠けるというふうに思いますが。
 今回の事業の要領、要綱を見ると、随意契約をする場合はどういうふうな内容で整理しなければいけないかということも要領、要綱の中にあるわけです。その随意契約と同じ内容だと思うんですけれども、これは、何といいますか、最終的にきちっと期間を定めてやっているわけですから、期間を定めた中身の中で応募者があって、初めて事業者を決定するということだと思うんですけれども、どうでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 原則としては委員のおっしゃるとおりだと思います。ただ、奥州市においては、その時点での大体の応募状況等を勘案して、コールセンター業務について、全体を見た中で、とりあえずこの事業は先行して決定したものというふうに聞いております。
〇高橋孝眞委員 ということは、さっきから言っているとおり、市町村の判断で全部やっているのだから、市町村に全部任せていますよ、市に任せていますよと。ですから、県としては一切責任はありませんよと言っていることに等しいんですけれども、そう思いませんか。部長、どうですか。
〇橋本商工労働観光部長 この緊急雇用創出事業のスキームに照らし合わせて、公募等あるいは契約の事務等については、それぞれの事業を実施する市町村において責任を持って契約をしているものというふうに認識しております。
〇高橋孝眞委員 最終的に聞きますと、中身そのものについてはよく見ないんだけれども、いずれにしろ、金額について整理しているから、枠があるから、それを与えますよ、自由に使ってくださいよと言っているのに等しいと思います。そういう内容でいいのかというと、やっぱりおかしいのではないかと思いますし、おかしいことはおかしいと認めて、実際整理していったほうがよろしいのではないかと私は思います。
 もう一つ、要領、要綱の中でですけれども、採択チェックリストの関係について先ほどありました。人件費割合がおおむね7割以上であるか、目安は70%以上、高ければ高いほうが望ましいと。完了検査の際、50%ぎりぎりの場合、どのような判断で補助金の支払いをするのかということであります。平成24年度についてては、最初に計画が上がっていましたよという意味合いで、事業決定をする、補助金の支払いをするというのもわからないわけではありませんけれども、平成25年度も同じようにするということはないのではないかと思うわけです。きっちり整理して対応しますよということで、あえてあの文書も出しているわけですよ。それでも奥州のコールセンターの事業費割合は平成25年度は53.3%、一関は平成25年度50%の人件費割合なんですよ。これはどういうふうに私どもは捉えればよろしいのかなと思いますので、それもお願いしたいと思います。
 それから、この解釈についてもう一つお願いします。新規に雇用する失業者に向けられる人件費は事業費の2分の1以上、人件費以外の事業費のうち、研修にかかる費用の割合を5分の3以上とすることを基本とするとなっていますが、この内容についても教えていただきたいと思います。
 それから、委託……
〇岩崎友一委員長 高橋委員、簡潔にお願いします。
〇高橋孝眞委員(続) はい、わかりました。
 この内容についてお願いします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 人件費割合につきましては、委員おっしゃるとおり、高ければ高いほうがいいというのを我々としても認識しております。ただ、この事業の場合、2カ年とはいいましても、同じ方がずっと継続されている事業でございまして、言うならば人件費は一種固定的な経費かと思っております。また、人件費以外の経費についても固定的な経費の部分が非常に高うございますので、そういった意味で、平成24年度から平成25年度にかけてその人件費割合を大きく変動させるというのはなかなか難しい状況であったと思っています。人件費割合については、要件として50%以上であることとなっていますので、事業上の要件としても認められるということでございます。
 なお、研修費の割合については、実施要領上、特に定められていないというふうに私どもは認識しています。
〇高橋孝眞委員 何といいますか、チェックシートをつくる必要はないよ、留意事項も出す必要はないよというふうに、私は今のような回答だと思うんですよ。そういうことをしないためにも、それから、そういうことをさせないためにも留意事項を広域振興局なり市町村に全部出したと思うんです。その辺は少しおかしいと思いますので、考えてほしいというか、おかいしよというふうに指摘をしておきます。
 最後にですけれども、反省として、1社が全県を取り扱うような事業について、子会社としてやっているんですけれども、各広域振興局間の連携が必要ではないかと思います。本庁が取り扱う必要性がこういう事例についてはあるのではないかというふうに思うわけでありまして、今回の件について、どこに問題があり、今後、再発防止のためどのような対策、対応をしていかなければいけないと考えるか、部長にお聞きします。
〇橋本商工労働観光部長 1社が全県、県内各地で事業を展開するというような形に見えるわけですけれども、実際には関連子会社として独立した企業で展開をしているわけですので、それぞれ取り扱っていく、対応していく必要があるというふうに考えているわけですが、そういう中にありましても、新たな事業者が事業実施をするというような場合、あるいは事業費が多額に上るというような場合には十分に留意しながら事業を進める必要があるというふうに考えるところでございますので、本年4月に改めて通知をしているところでありますので、引き続き、その徹底を図りながら適切な事業執行が確保されるよう努めてまいります。
〇木村幸弘委員 それでは、私からも質問させていただきますが、まず初めに、通告している質問に入る前に、今までの議論の中で改めて確認させていただきたいということで、嵯峨委員あるいは今の高橋孝眞委員からの質問にかかわりますけれども、何点かお聞きしたいと思います。
 まず1点目は、先ほど来出ています緊急雇用創出事業の実施に当たって留意すべき事項というものが3月13日に通知されているということでありますけれども、改めて、この通知というのはどのような経過で発出したものであるのかということをしっかりとお答えいただきたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 平成25年3月の通知ということでございますが、これにつきましては、いろいろ緊急雇用創出事業に取り組む中で、事業の適正化を図るために通知したものでございまして、事業計画段階におけるリース契約の十分な精査でありますとか、委託契約の受託者の事業執行能力あるいは事業成績の確認、委託料資金管理あるいは中間検査といった部分について、事業の適正化を図るために項目を追加しておりますし、完了確認のチェックシート等の活用をするということで、適正な事業執行を図るというものでございます。
〇木村幸弘委員 留意すべき事項は、その内容からいえば大変立派なことが記載されておりますし、そういう点でいうと、この事項が本当にしっかりと、記載されている目的に沿って正しくこれが取り扱いをされておれば、先ほど来議論のある問題について未然に防げたと思うのですが、なっていないという状況を踏まえると、執行部の皆さんは、この留意すべき事項が適切に実施されたというふうに判断するのでしょうか、そういう意味で改めて認識を伺いたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 今回の事案を通じまして再調査いたしますと、不適切の可能性がある部分というのはわかっております。先ほどの消費税の話もありました。これにつきましては、やはり事業担当者の制度への理解が必要だと思っていますし、中間段階において、どういった事業が行われているのかというのを早目に知るということも大切だと思っております。そういった意味で、今年度から、私どもとしましても、各合同庁舎、広域振興局単位ですけれども、回りまして説明会をやったりしていますし、中間検査についても、目安になるように、目安の時期を示すなどして、確実に行われるように取り組んでおりまして、今後における再発防止といいますか、より適切な事業執行が図られるように取り組んでいきたいと思っています。
〇木村幸弘委員 そのような御答弁なんですけれども、いずれにしても、結果がどうなんだということで突き詰めていくと、部長答弁も含めて、本事業については適正に執行されたというところに帰結してしまうわけであります。そういう点で非常に問題がありながら、そのような認識の中でこの事案について対応されてきたと思わざるを得ないわけです。
 そこで、平成24年度末の完了検査の関係についてもお聞きしたいと思いますけれども、完了検査はいつ行われましたか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 完了検査は3月31日付で行いますが、補足の調査としましては4月に入っても適宜行って、その事業の実態の把握に努めているところでございます。
〇木村幸弘委員 その完了検査の中で、入札あるいは複数の見積書の徴取ということについてどのような指導をされましたか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 緊急雇用創出事業につきましては、国の実施要領では、市町村から見れば、委託先の発注の際には、財務規則にのっとって業者選定をするとなっております。その委託先がさらに事業を実施する場合の取り扱いとしましては、リースにつきましては、平成25年度以降の取り扱いとして複数業者の見積もりをとるようにというような通知がなされております。ただ、それ以外の経費につきましては、委託先の受託業者の判断に委ねられているというところでございます。
〇木村幸弘委員 そういう対応が今回の問題を大きくしているんだと思うんですけれども、契約上で、その時点で財務規則に反しているというふうに認識はしなかったのでしょうか。明らかに不当で、そして高額な契約であったということであれば、補助金返還等の手続もそれらの中でとれたのではなかったのかというふうにも考えられるわけですけれども、その点についてはどうなんでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 リース契約につきましては、平成25年5月13日の国の通知で、今後の取り扱いとしまして複数の見積もりをとるようにということになっておりますが、それ以前につきましては特に明文化されたものがないということで、平成24年度事業については事業対象としているというところでございます。今後においては、そのリースの通知に基づいて適切な事業執行が図られるよう、県としても完了検査に当たっては確認していきたいと思っています。
〇木村幸弘委員 年度を越えた扱いのところでも線を引いて、この事案の問題をはぐらかしてしまっているという印象を持つわけですけれども、厚生労働省の地域雇用対策室長名で、雇用創出基金事業におけるリース契約の取扱いについてということで各県にも出ているわけですが、特にこれまでのいろんな議論の中で執行部が答弁しているのは、その中でも2項、3項にかかわってそういった答弁の仕方をしているのではないかと。何よりも1項目に、各都道府県の財務規則等に基づいて入札の実施あるいは複数の者から見積書を徴取する等について適正に取り扱う必要があることという点について、やはりこれを厳格にしっかりと対応していくということが必要ではなかったのか。そういう意味で言えば、完了検査という内容について本当に適切だったと言えるのかどうか、改めてお伺いしたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 平成25年5月13日通知で定められておりますのは、リース契約については、入札の実施あるいは複数の者から見積書を徴取するようにというふうになっておりまして、それ以外の経費については国の実施要領等に基づいて行うわけですが、そちらの中では、その他の経費について財務規則に基づく部分というのは特に明文化されていないということで理解しております。
〇木村幸弘委員 時間がなくなりますので次に移りますが、もう一点、質疑の流れの中で確認したいのは、及川委員の質問の中で、平成24年5月24日、いわゆる奥州の対応のおくれに対する県のおわびがあったという中身でありましたが、具体的には、おわびするというふうなことは大変なことだと思うんですけれども、一体どのような理由からこのおわびという形がとられることになったのか。おくれを含めて、なぜそのような状況になっているのか、具体的な中身を示していただきたいと思います。
〇飛鳥川企業立地促進課総括課長 この打ち合わせで、DIOジャパンのほうで既に記者発表まで行った中で、まだ契約のほうが確立されていなかった。そういった広域振興局、そして雇用対策・労働室といった調整の中で、あとは奥州市も入ってでございますけれども、やはり互いに言っていることがすれ違いの部分があったということで、企業立地推進課のほうで、一堂に会して集まろうということで、5月24日、集まったものでございます。その間、私どもとすると、もう既に奥州への立地が決定しているということもございまして、もう記者発表もしておったものですから、いずれ、速やかに操業していただきたいということで、早く操業できるような形でということで、まずはいろんな、県の場合だと本庁そして広域振興局、そういったところの意見調整がなかなか進んでいなかったことに対しまして、まずはおわびを申し上げたということでございます。
〇木村幸弘委員 その調整とすれ違いの中身が何なのかということなんですよ。
〇寺本雇用対策・労働室長 なかなか進まなかったところでございますけれども、一つは、奥州市の事業を認めないとか、あるいは必要な事業費が削減されたといったような誤解がありまして、これは実は県と市との契約が進んでいなくて、それがずれ込んできているわけですが、そういうところが補助対象事業でないというふうな理解をされたものですから、そうではなくて、24月ちゃんとできますというようなお話を申し上げたことがございます。
 あと、機械設備でリースの対象として認めると言った広域振興局と、認めないと言った広域振興局―監視カメラでございますけれども、それがありまして、いろんな解釈の違いがあったというようなこと、あと、収入の取り扱いについてどのようにするかといったところがはっきりしなくて、それでいろいろずれ込んだとか調整が必要だったというものでございます。
〇木村幸弘委員 非常に内容がよく見えないというか、そういう対応の中で、しかし、この時期は既に公募期間に入っている中でそういう議論をされて、奥州の対応について協議をされているということになりますと、決定時期の日時等を含めて―ああ、決定された後か。業者決定日が5月21日ですから、その後に24日に集まって、そういう問題について協議していたということですか。
〇寺本雇用対策・労働室長 そのようなことでございます。
〇木村幸弘委員 決定をした後でまだ問題があって集まって協議をしていたと。しかも、DIOジャパンからはそのおくれについて謝罪を求められるというふうな事態になっているわけですけれども、では、この決定というものは一体何なのでしょうね。
〇寺本雇用対策・労働室長 これは市町村の業者決定ということで、調整が必要だったのは県と市町村との関係とか、広域振興局間との調整とかということで、なかなかうまく指導がいってないという印象をDIOジャパン側が持ったということで、意見の調整等を行ったということでございます。
〇木村幸弘委員 これで時間をとると大変なんですけれども、いずれ、ちょっと納得いかない事案ですので、やはりきちっとこれらのいきさつを十分調査する必要があるんじゃないかと指摘しておきます。
 私の通告も1枚目のほうは飛ばさせていただいて、裏面の2点について質問してまいります。
 まずは、花巻市へのDIOジャパン進出の経緯と県の対応についてですけれども、平成23年9月21日以降におるDIOジャパン関連での県と花巻市の対応経過について、時系列で、その内容とあわせて伺うと。
 前回の議論の確認の意味も含めて質問させてもらいましたが、時間がありませんので、きょう、いろいろと新たな日程資料も出されましたから、ただ、その中で記載されていないのは、平成23年11月25日にDIOジャパンに訪問している経過があります。これはどのような目的と、出席者がどのような内容でDIOジャパンに訪問されたのかお伺いしたいと思います。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 平成23年11月25日でございますが、花巻市の担当者がDIOジャパン本社のほうに御挨拶に行くということで、県の職員も同行しているところでございます。
 内容につきましては、コールセンター設置に係る支援制度ということを今後どうしていくかということを花巻市のほうがいろいろ相談するようなことも含めて、DIOジャパン本社のほうにお邪魔をさせていただいたところでございます。
〇木村幸弘委員 具体的なメンバーも含めて教えてください。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 県の職員につきましては、担当職員1名が同行しております。市の職員につきましては、今、資料のほうを探しておりますので、ちょっとお時間をいただければと思います。
〇木村幸弘委員 一つは、日程に記載されていないことも問題がありますし、それから、今お答えいただきましたけれども、メンバーは後からちゃんと答えてください。
 私が市から直接聞き取りをした結果では、県が声をかけられて一緒に同行したのではなくて、花巻市が県から誘いを受けてDIOジャパン本社に出席をさせていただいたというふうに、私は今の部長、担当課長から直接聞いておりますが、ちょっと違うんじゃないですか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 先ほどの、まず、県の担当者、そして一緒に行きました花巻市側でございますけれども、花巻市の企業立地部門の室長、そして花巻市の東京事務所長の3名が、平成23年11月25日、DIOジャパン本社に訪問をしております。
 訪問趣旨につきましては、DIOジャパンとA社の協業によって花巻でコールセンター事業の展開を計画していることから、花巻市担当者の挨拶及び支援の説明のため訪問ということで記録に残っておりまして、どちらが誘ったというような、そういった形での記録にはなっておりません。
〇木村幸弘委員 一連の花巻にかかわるいきさつの中でまたA社が出てくるわけですし、県が明らかに東京に出張する際に花巻市にも声をかけたということは私ははっきり聞いておりますので、そういう意味でいうと、実はこの前の日、平成23年11月24日、御承知のように、県内各市町村に物件紹介依頼を、企業名を伏せて、12月1日の締め切りで出しているわけであります。そうした中で、A社とDIOジャパン社に、業務提携にかかわるさまざまな制度支援について説明を受けたいということで県が声をかけられたということであれば、そのような状況の中で、花巻市にあえて声をかけてそこに引き込んでいくというふうな対応をするのは非常に公正性を欠くというか、県内に、企業名を伏せてこのような対応を、どうですかということで案内を発信しているときに、花巻市だけは特別というふうな形の中で一緒に連れていって、そこに面会をさせて、そういった事業の内容について説明を一緒に受けていくというふうな取り扱いというのは問題がないんですか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 県がA社のほうでDIOジャパン社の紹介を受けて、その後、花巻市の企業立地担当部のほうにその報告に行った際には、もう既に平成23年8月31日にDIOジャパンは花巻市を訪問して、翌9月2日にはA社が相談に来ていたということでございます。そういったことから、まずは花巻市にもお声があって、その後、A社のほうから御紹介を受けて県が知り得たと。そして、11月22日というのは、このA社とDIOジャパンとは関係なく、東北への進出に際して本県にもまた新たなブースをということでお話があったものでございますので、花巻市と県が同行した件と、県内に新たなコールセンターの設置というものは別な案件として県のほうでは扱ってきたところでございます。
〇木村幸弘委員 きっかけというか、取っかかりはいろいろとこの間の議論の中でそういう経過があるんですけれども、しかし、これからいよいよDIOジャパンが進出するに当たって、あえて企業名を伏して、公平、中立性を保ちながら、県下の全市町村に対して物件情報とその回答を求めているという時期が平成23年9月24日。そういう時期を経ている中で、花巻市を引っ張り込んでそのような形で対応していくというのは、やはり疑問というか疑念が生じませんかね。そういう意味で、その扱いについては非常に問題があるというふうにまず指摘をしておきたいと思います。
 2点目ですが、県南広域振興局における花巻市との対応状況についてということで、平成24年3月に花巻市と県南広域振興局で協議し、5月15日の事業開始を目指した具体的事業内容と、具体的日程と、その経過について伺います。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 御質問の県南広域振興局における花巻市との対応状況につきましては、当課では把握しておりません。
〇木村幸弘委員 把握をしていないということで、ちょっと驚きなんですが、申し上げたいのは、実はこの時期に花巻市にはもう一つ別な企業からコールセンターの設置について声がかかっていたわけであります。私が花巻市から聞き取りをしてきた経過から言いますと、平成23年11月14日に岩手県を訪問している企業があります。これがナカヨ通信機という会社でございまして、岩手県を訪問して、県から、その際に、ナカヨ通信機という会社が花巻市に話を聞きたいということで来ているので、その情報を伝えたいというふうなことが平成23年11月14日にあります。そして18日、県からの紹介を受けた形で花巻市の職員が東京のナカヨ通信機本社に事業説明を受けるために行っております。こういった経過が実はありまして、花巻市においてはコールセンターの人材育成事業とIT関連の人材育成事業について、翌年の4月、正式にナカヨ通信機から、具体的な事業についてこのような形で進めたいというふうな説明に来ております。
 実は、県南広域振興局ではこの流れを承知しているはずです。この事業の進捗が非常におくれて、既に平成24年4月19日から21日に、ハローワークを通じて、このナカヨ通信機は花巻市内で面接試験を行って、50名ほどの内定者を決めております。ところが、事業が、全く県のほうから対応が出てこないということで、5月15日事業開始予定であったものが失業状態になったということで、この問題が花巻市議会でも取り上げられております。一体、県南広域振興局では何をやっているのかという質疑なんです。この対応のおくれの問題について、県南広域振興局の取り扱い、そして、県議会の我々の議員の中でも、実は6月8日に県南広域振興局と花巻、遠野選出議員の懇談会が行われましたけれども、その際にもこの問題について質疑が出ております。県南広域振興局は、この問題について、人材育成の関係でコールセンターの立地について動きがあり、市及び申請企業と調整を行っています。進出予定の動きについて、事業スキーム、申請主体、実施主体等の調整をし、早急に事業修正を市にかけていただきながら承認を進めたいということを答えているんですが、これらの動きが全く県サイドで知られていないのはどういうことなのか、全然聞いたことはないですか。県南広域振興局に確認する必要はないですかね。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 企業立地部門におきましては、さまざまな照会がありまして、もう既にこの地域に進出したいということであれば、そちらの地元、進出をしたい市町村に連絡をして取り次ぐといったことは、日常業務としてやっております。
 そして、それにつきましては電話等の対応が多いものですから記録等はとっておりませんけれども、県から電話等で市のほうに連絡したということは十分可能性はあると思いますが、私ども企業立地サイドとすると、今、委員おっしゃった会社については、存じ上げていない状況でございます。
〇木村幸弘委員 時間がないのでちょっと詳しく追及できないんですが、この時期というのは、DIOの進出も含め、あるいは花巻市が、まさに公募をかけなければならない状況も含め、いろいろな条件の中で、DIOのコールセンターの問題と、そして、新たに進出を求めようとして働きかけ、動いてきた別なコールセンターを求める企業、ここの関係が非常に見えなくなってきている。
 そして、結果的に、県南広域振興局でこうした花巻市議会の議論と、それから、先ほど言った遠野、花巻選挙区選出議員懇談会の中での指摘を受けて、最終的にこのナカヨ通信機という企業は、コールセンターではなくて、IT人材育成事業を県から認められて、ようやく事業を開始することになるわけでありますけれども、そのことが決まるや否やの段階で、いわゆるDIOの公募がスタートするわけですよ。
 この一連の流れの中で、県当局あるいは県南広域振興局でどういう議論がされて、しかも手続に時間をかけて、失業者まで、内定取り消しまで出して、そういう状態の中でなかなか協議、審査が進まなかった、その実態が見えてこない。
 その部分が、私は、今回の一連のDIO進出の絡みと、それから、他社との公平、中立性にかかわる問題として、本来であれば、先ほど申し上げましたね、公募期間に他社の参入も認めているよというお話もありました。ちょうど、まさしくこの調整でいろいろ議論があったんでしょうけれども、コールセンターを開きたいといった企業が、その判断を最終的には諦めたのかもしれません。いずれ、そういうタイミングを期してコールセンターの公募が花巻市でスタートするわけですけれども、この辺、非常に疑惑というか疑問を感じるんですよ。
 その辺のところをもう少し、もし、この一連の動きについて承知していないというのであれば、しっかりと県南広域振興局と、一体どういう中身なのか調査をしていただきたい、そして、その中身を示してほしいと思います。
〇岩崎友一委員長 答弁はよろしいですか。
〇木村幸弘委員 では、お願いします。
〇寺本雇用対策・労働室長 今のお話は、恐らく緊急雇用のお話をされたと思いますので、私から御答弁させていただきます。
 お話のように、少し調べさせていただきます。
〇五日市王委員 私からは、これまでの経過というよりも、これからの改善点について、1点のみお伺いいたします。
 今回の一連のDIO問題を受けまして、県として、現時点で今後の課題と改善点をどのように認識しているのかお伺いいたします。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 一連のDIOジャパン問題を受けての今後の課題でございますけれども、企業誘致に関しましては、これまで企業から進出計画を示された際に、インターネット上の情報や信用情報調査等を行いながら、企業の現況による進出計画の妥当性を判断してきたところでございます。ただ、事前に知り得る情報は極めて限られており、企業の進出計画の妥当性を判断する材料をいかに多く収集していくかが、今後の課題と考えているところでございます。
 今後の改善点につきましては、企業側の進出計画に係る内容につきまして、業界関係者や業界動向に明るい第三者の有識者、こういった方たちから意見を伺うなど、業界を取り巻く外部環境について、情報収集などに努めてまいりたいと思っております。
 また、関係7市町につきましても、今回の事案について、ただいま申し上げました県の課題と同様に、情報収集面で課題を共有しながら、お互いにどういった方法で解決に向けるか、これから協議を進めてまいります。
〇五日市王委員 一般的にといいますか、企業立地は、結局、そこの市町村に立地するもしないも、私は、最終的には、これは市町村の判断だと思います。それで、私の地元の二戸市はですけれども、ほかの自治体はわかりませんよ、二戸市は、やはりその信用調査なんかも、県からも当然示されるけれども、それをうのみにすると言ったらあれですが、そういうことではなくて、当然ですが、やはり独自に調査もしているという話でもありましたし、それは当然のことだと思います。そういったもので、最終的には市町村がやっぱり判断することだと思うんです。
 こういった意味からも、先ほど花巻市の例も木村委員からあったんですが、果たして立地した7市町が、今回の問題をどういうふうに捉えて、先ほど少しお披瀝いただきましたが、改善点というか課題をどう捉えているかは非常に興味があるところなので、もしお調べであれば、そこは教えていただきたい。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 まず、7市町からも、今回の問題を受けていろいろ意見交換をする機会もございましたけれども、やはりDIOジャパンに対する立地計画といったところの精査が、しっかりできなかったのではないかというようなものもございます。そして、一方で、その検証につきましても、ある程度、お互いにどういったところで判断をしていくかといった、いわゆる目ききといいますか、そういったところの資質向上が必要だという意見もございます。
 そして、ある意味、いわば行政の職員が企業とおつき合いする中で、経験の少ない中でつき合って、そして、知らない業界も多うございますので、そういった中でどうやってその業界の情報をとっていくか、そして知り合っていく、現実的にはかなり難しいということで、各市町村も頭を抱えているのが実態でございます。
〇五日市王委員 わかりました。そういったところは、いずれ、県で例えば太鼓判を押して、どうですかと言っても、やっぱり市町村も独自の調査で、当然これを断るということだってあるわけですね。ですから、その辺は、県もきちんとした調査をしていただきたいですし、市町村のほうも、そういった目を持つように今後は改善していただければと思います。
 参考までにお伺いしたいんですけれども、今回の立地7市町の9月議会がもう終わっているんだと思います。その議会の中あるいは決算審査の中で、今回のDIOジャパン問題について、どのような審査が交わされたか教えていただきたいのと、決算の認定状況がどうだったのかというのをお知らせいただきたいと思います。
 あわせて、これは岩手県だけの問題ではなかったわけですから、DIOジャパンが立地した他県で、どういった内容が審査されたのか、あわせて決算の認定状況がどうなのか、参考までに教えていただきたいと思います。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 県内立地7市町におけるDIOジャパンに係る決算審査の主な内容についてでございますけれども、各市町の企業立地担当課からの聞き取りによりますが、立地の経緯や離職者への対応、そして、緊急雇用創出事業の実施状況などについて、質疑が行われたと聞いております。
 そして、平成25年度の決算認定状況についてでございますけれども、7市町いずれも、議会の認定を受けている状況とのことでございます。
 また、本県を除く他県の状況でございますけれども、10のDIOジャパン関連子会社が立地しました県における決算審査につきましては、8県が今後審査予定とのことでございます。そして、2県が審査済みの状況ということで、その審査済みの2県、宮城県と宮崎県になりますが、いずれも平成25年度決算は認定されており、県の企業立地担当課からの聞き取りでございますけれども、決算審査におきましては、離職者への対応に万全を期するよう求める質疑があったと伺っているところでございます。
〇五日市王委員 ありがとうございました。
 いずれ今回、今、多くの委員からいろいろ問題点も指摘されていることは、やっぱり改めるべきは改めてほしいと思いますし、総括質疑でも少し申し上げましたけれども、一方で、特に県北地域などは、雇用の問題というのは本当に切実な問題です。極端に言ってしまえば、ちょっとぐらいどういうものかわからない企業だとしても、喉から手が出るほど欲しいというような状況もあるわけです。ですから、そういった意味もありますので、まず、今回の件は、反省するべきは反省、改めるべきは改めたとしても、決して萎縮しないで、企業誘致には今後とも積極的に取り組んでいただきたいということを申し上げまして、終わります。
〇小野寺好委員 DIOジャパンの関係では、結果的に公金が多く無駄に使われた、また、多くの県民に多大な迷惑をかけた、そういった案件でございますけれども、多くの委員から、また長い時間かけていろいろ議論されていますが、依然として、なぜ県がこのDIOジャパンにのめり込んでいったのかがよくわからないというのが私の感想です。
 そこで、まず一つお聞きしますけれども、震災直後、半年後のことですが、県は、県内の各市町村に対して、約1週間の期限を付して物件の紹介依頼をした。実質的にコールセンター業務を行う企業の誘致、この希望を募ったということになるわけですけれども、こういったことはよくあることなんでしょうか。それとも、このDIOジャパンだけ特別な扱いをしたのか、あるいはコールセンター業務について何か展望があるとか、どういうことでそういうふうにのめり込んでいったか、お聞きしたいと思います。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 市町村への物件照会についてでございますけれども、県のほうに、岩手県に進出をしたいといった連絡、また問い合わせがあった場合、それが、どういう物件があるのかというようなものをいただいた場合については、その企業宛て、できるだけ早く回答する、また回答したいということもございまして、通常も1週間程度で市町村のほうにはお願いしているところでございます。
〇小野寺好委員 その場合に、無条件にどういう企業でもそういったことをするのか、あるいは、ある程度きちっと吟味をしてからそういったことをするのか、お聞きしたいと思います。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 企業が問い合わせをするルートという部分には、県に直接来られる場合もございますし、ほとんどエリアが限られた場合については、そのエリアの市町村に直接お話が行くこともございます。そういうことで、県では、お話をいただいたものにつきまして、その業種、事業規模、雇用予定人数、そして希望地域とかといったものを、企業名を伏した形で記載いたしまして、そして、一斉に、特にその企業がいい、悪いというよりは、こういうお話がありましたということを、まず市町村にお伝えするということで照会をしているところでございます。
〇小野寺好委員 では、二つ目にお聞きします。東日本大震災発災後、約半年後のことですけれども、緊急避難場所から仮設に移った、そういった時期、沿岸の被災地では、仕事をきちんと考えなくてはならないといった時期になるわけですけれども、そこで、沿岸の地域でたくさん手が上がるのかなと思ったんですが、釜石市と洋野町以外、あとほとんどが内陸になっているわけですが、何で沿岸の市町村からは手が上がらなかったんでしょうか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 沿岸市町村の応募が少なかったことについてでございますけれども、平成23年11月に行いました物件照会に対しまして、沿岸地域においては、洋野町、田野畑村、大船渡市の3市町村から回答があったところでございます。
 当時、委員御指摘のとおり、沿岸地域におきましては雇用対策が課題でございましたけれども、震災からの復旧対策に全力を挙げて取り組んでいたため、物件の照会に対応できなかったところもあるのではないかとは考えているところです。
〇小野寺好委員 3番目ですけれども、このDIOジャパンを誘致するために、例えば洋野町の場合は、旧法務局を改造して3、000万円ぐらい出したとか、そういったふうに報じられておりますけれども、これは岩手県だけじゃなくて、よその県でもかなり優遇的な、そういった支弁をしておりますが、今回のこの件では、県及び県内市町では、施設の整備なんかでどのような優遇措置を施しているのかお聞きしたいと思います。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 コールセンターに対する優遇制度でございますけれども、まずは、先に市町村のほうの優遇制度からお答えさせていただきます。
 奥州市は、奥州コールセンターに対しまして、事務所賃料に要する経費に補助を行っております。そして、一関市は、一関コールセンターに対し施設整備に要する経費に補助を行っております。また、二戸市及び洋野町は、それぞれが所有する施設を改修し、二戸コールセンター及び洋野コールセンターに貸与しているところでございます。
 県の補助ということでございますけれども、県では、洋野町に対しまして、コールセンターを誘致するための施設整備に要する経費に、県北広域振興局の地域経営推進費から補助を行っているところでございます。
〇小野寺好委員 冒頭に聞いた、どういった企業に対してもこうやるんですかということですけれども、今回、この奥州市、一関市、二戸市、洋野町といったところでさまざまな措置を講じているわけですけれども、条例として、誘致企業に対して税制面とかが時々あるわけですが、これはそういった例に基づくものなんでしょうか、それとも、特別このDIOジャパンだけ優遇したいということからのことなんでしょうか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 コールセンターの補助につきましては、全国的にも、やはり九州、沖縄等、優遇制度を多く持っている自治体がございます。
 そして、岩手県におきましても、平成14年から3カ年ほどでございますけれども、コールセンターに対する優遇制度を措置した経緯もございます。その際のコールセンターに係る優遇制度につきましては、やはり女性の働く場、そして大量雇用ということで、いずれ雇用の場の創出を図るために、そういった措置をやってきたところでございます。
 市町村のコールセンターに対する補助は、奥州市につきましては、特にコールセンターに限ったものではなく、ほかの事業所も対象になろうかと思います。そして、一関市につきましては、施設整備に要する経費ということで、これはコールセンターに特化したような補助制度となっております。そして、二戸市及び洋野町につきましては、コールセンターといいますか、やはり働く場があれば、こういった優遇制度をそれぞれが検討して、今回の優遇をしていると考えております。
〇小野寺好委員 4番目ですけれども、資料によりますと、このDIOジャパンは、平成23年から26年にかけて、11の県、19市町に関連子会社を設立しています。特に岩手県の場合はたくさん設立したようなんですけれども、見方によっては責任を分散させるといったふうにも受け取れるわけなんですが、そういった警戒感は持たなかったんでしょうか。
 それでいて、例えばクライアントからお金を受け取る場合、売上金を回収するのは本社一本になっているとか、何かちょっと不自然な気もするんですけれども、県としては、そういった部分で不都合を感じなかったんでしょうか。
〇寺本雇用対策・労働室長 DIOジャパンの関連子会社の設立についてでございます。
 一般的に、企業が地方に進出する場合において、税務面や従業員の給与の面など財務的な理由から現地法人化していることが多く、DIOジャパンについても、同様の理由から現地法人化を図ったのではないかと思っております。
 本社への売り上げについてでございますけれども、DIOジャパン関連のコールセンターと市町の委託契約書においては、グループ企業等からの請負によりまして、受託者が実務研修等を実施した場合には、グループ企業等が受領した収入があるときは、その収入に係る契約書等の書類を提出し、収入相当額の認定を受けることとされておりまして、受託者に認定された収入相当額があるときには、事業費から控除するというルールでございます。
 この手続を行わずに未報告の収入があったかということが今問題になっておりまして、現在、国の指示に基づき市町が調査を行っております。県は、この調査に積極的に協力をしていきたいと思っております。
〇小野寺好委員 5番目ですけれども、今になってみると、このDIOジャパンは、緊急雇用創出事業を狙っていたのではないかといった気がするわけですけれども、単なるコールセンターの人材育成事業では次につながらない、単なる研修に終わってしまいますが、継続的に雇用させることについて、資料では、法的義務はないんだといったふうに記してありますけれども、実際、県としては展望を抱いたのでしょうか。
〇寺本雇用対策・労働室長 DIOジャパンの緊急雇用創出事業につきましては、事業が終了した後も安定的な雇用が継続されることを県としても、地元市町としても期待しておりまして、事業終了後間もなく、こういったようにコールセンターが閉鎖あるいは解雇といったところが生じたところでありまして、また、現在も賃金未払いが解決していないこともあわせて、県の認識としては、極めて遺憾、まことに残念と思っているところでございます。
〇小野寺好委員 6番目ですけれども、給料の遅延、未払い、業務休止、事務所閉鎖といったものは、1年という期限を考えて、その期限間際になって、見方によっては計画的にやったような気もするんですが、記者会見なんかでは、ホテルなどでの食品偽装で大きな影響を受けたといったことを言っているんですが、実際はそうじゃないような気もするんです。単なる補助金目当てだった、そういった計画的なものじゃないかという疑念といったものを県としては感じなかったんでしょうか。
〇寺本雇用対策・労働室長 県では、先ほど来お話が出ておりますように、平成23年9月に東北地区に1、000席規模のコールセンターの開設ということで打診を受けて、この事業がスタートしたわけでございます。
 緊急雇用創出事業を終了しまして、最も短いところで釜石コールセンターの8カ月、長いところで盛岡コールセンターの17カ月といった状況になっております。
 その原因につきまして、DIOジャパンでは、平成25年秋に発生したホテル食品偽装問題により急激に売り上げが減少し、当初の計画が達成できなかったと公表しているものでありまして、県としては、それ以上の情報等を得ているものではございません。
〇小野寺好委員 このDIOジャパンは、リース物件を廉価で、あるいは無償でかなり取得していますけれども、その後、事業を休止して、これはどのように処分されているのか。このDIOジャパンの資産とか債務といったものについては、県はどのように把握しているんでしょうか。
〇寺本雇用対策・労働室長 DIOジャパンによるリース物件についてでございますけれども、いわゆる完全に閉鎖されましたDIOジャパン関連のコールセンターのリース物件につきましては、DIO関連会社の所有という形になっております。
 事業が継続しているコールセンターのリース物件につきましては、後継企業の所有と変わっております。
 なお、同社につきましては、法的手続云々を始めるというお話等々の影響がありますが、同社の資産等債務については、調査をしていないところでございます。
〇小野寺好委員 このDIOジャパンがコールセンター業務にしくじったわけですけれども、その次に事業譲渡を受けるところは、大丈夫、事業ができるんでしょうか。また、資産とか業務に使う備品については、どのような形で取得するんでしょうか。
 いただいた資料では、グループ補助にならって4分の3といったこともあるようなんですけれども、果たして、この後の展望はどうなんでしょうか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 後継企業ということで、奥州コールセンターにつきましては、日本トータルテレマーケティングという通販を主体とする会社が今、入居して、11月初旬あたりから操業すると聞いております。この会社につきましては、通販の売上業績ということで、やはりかなり高い、上位30社の中に位置しているような、真ん中ぐらいにおりますけれども、そういった売上規模、そして、既に九州、沖縄地域等でも操業しておりまして、そういった他県での情報といったもので雇用が拡大されている企業ということで、従業員の方たちも、この会社を希望したというような経緯がございます。
 そして、所有物件につきましては、その後継企業の所有ということでございますけれども、奥州コールセンターにつきましては、いずれ、引き継いだというよりは、民間同士の、DIOジャパンの弁護士等も交えて、そのものを購入したような形とは聞いております。
 そして、洋野のコールセンターについてでございますけれども、これも、愛媛県、山形県、そして北海道といったところ、どちらかというと地方に立地をして、地方の雇用、そして地元の食材等を利用した通販等で業績がある会社、それ以外にもいろいろ、システム等の設計等もやっている会社でございますので、我々といたしますと、こういった企業について、これからもフォローアップを一生懸命やりながら、その動向を注視していきたいと考えているところでございます。
〇小野寺好委員 最後ですけれども、国体に用立ててくれと100万円ぽんと出したりとか、累計で42億円の事業費を受け取っているといった資料になっていますが、放漫的な部分というのはなかったんでしょうか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 やはり主要な顧客がDIOジャパンの中にいて、そして、いろいろな動向の中で仕事がふえていったとは思っております。それが急激にふえていって、逆に、その人材育成等についてうまく回っていかなかった、一言で言うと、余りにも経営がいきなり急展開したというようなこと、今の実態を踏まえますと、そのように感じているところでございます。
〇斉藤信委員 私は、このDIOジャパンコールセンター問題というのは、二つ問題があったと思いますね。一つは企業立地の失敗ですよ。もう一つは緊急雇用創出事業の不正です。
 まず最初に、企業立地の失敗についてお聞きしますが、このコールセンターの事業閉鎖によって、どのぐらいの解雇者、賃金未払いの件数が出ましたか。すぐ出ますか。
 出たら答えてください。時間がもったいないのでね。
 それで、部長、七つも企業立地をして、全て破綻したと。このことについて部長はどう受けとめていますか。
〇橋本商工労働観光部長 緊急雇用創出事業制度を活用して、原則は短期間の雇用なわけですけれども、それは、常用の安定した雇用への移行を前提として、地元立地の市町、県もそれを期待していたわけでございますが、そういった面からいたしまして、先ほど来、御答弁申し上げているように、長いところでも17カ月程度で閉鎖してしまうといったことにつきましては、極めて遺憾であると感じているところでございます。
〇斉藤信委員 県の責任がちょっと見えないのだけれども、DIOジャパンというのはコールセンターの実績があったんですか。岩手県で企業立地する前にコールセンターの実績は幾つあったんですか。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 コールセンターは、九州のほうで2カ所と聞いております。
〇斉藤信委員 たった2カ所しか実績がないのに、岩手県で七つですよ。東北で本当に20近くやって、成功する保証なんか少しもないじゃないですか。
 次に、緊急雇用創出事業の不正問題について、これには税金が投入されています。15億4、200万円の補助金が既に投入されています。極めて重大な問題であります。
 この緊急雇用創出事業の不正の中心はリース料ですよ、リース料。リース料は5億8、600万円余なのですけれども、ほとんどが無償譲渡されている。私が前回の集中審査で質問したら、寺本室長は、いや、厚生労働省が認めたから平成24年度はいいんだと。
 私は確かめました。小池参議院議員を通じて、担当の課長補佐は、平成24年度は認めていないと言っているのですよ。
 いいですか、5月13日の通知をよく読んでください。3項目ありますけれども、1項目は、リース契約においては、各都道府県の財務規則等に基づいて効率的にリース契約が締結されるよう、入札の実施や複数の者から見積書を徴取するように適正に取り扱う。
 2項目めは、リース契約終了後は、無償等で借り手に所有権を譲渡する旨の特記のあるリース契約については、実態が購入による財産取得と変わらないことから、リース契約終了後、貸し手にリース物件を返還する。
 3項目めが、こうなのです。今後契約を締結する事業については、原則、上記1及び2を踏まえた取り扱いとし―次からが大事ですよ―現在、実施中の事業においても指導、監督、点検を実施していただき、適切な措置をとっていただきたいこと。
 平成24年度は認めるなんて一言も書いていない。適正な措置をとりなさいと書いてあるんですよ。厚生労働省の担当の課長補佐ですよ。平成24年度、無償譲渡を認めるなんていうことはしませんと。平成24年度も適正に処置しなさいというのがこの通知の趣旨ですと。違いますか。違うようにあなた方は誰から聞いていますか。
〇寺本雇用対策・労働室長 大変重大な、無責任な回答が出てきたものだと思って大変驚いております。これにつきましては、平成24年度に県が問題だと感じまして、厚生労働省に対して質問をし、電話等の回答では不十分であるから文書にして出してくれということを申し上げまして、この文書が出てまいりました。かつ、当然にこの文書の意味も確認しまして、平成24年度は、やむを得ず補助対象となるのだと言われているものでございますので、この文書もそういうふうに読めると現実には思っております。
〇斉藤信委員 ここは極めて重大なことです。私は、きょう確認したんですよ。国会議員を通じて、担当の課長補佐ですよ、平成24年度、無償譲渡なんか認めていないと。この通知のとおり、適正に指導、監督、点検を実施していただき、適正な措置を行っていただきたいというのが趣旨ですと。これがきょうの回答ですよ。
 違うと言うんだったら、あなた方のやりとりの経過を全部出してください。誰と、どういうやりとりをしたのか。この文書では認めているなんて書いていないのです、この通知は。
 部長、どうしますか。私が聞いたとおりだったら、あなた方の言い分は全部破綻するんですよ。責任を持ってこの経過を明らかにしていただきたい。
〇橋本商工労働観光部長 厚生労働省の通知のことにつきましては、そういうきょうの厚生労働省からの回答というのは、初耳でございます。私どもといたしましては、当方が、恐らく各県の中で最も最初にリースの関係について疑念を抱いて、照会をかけ、そして回答をいただき、解釈も確認し、平成25年度からは認めませんということを明らかに回答いただいておりますので、その経過については、県内部として改めて確認したいと思いますけれども、それについては、私も何度も部内で検討し、確認もしてきているので、それに相違ないと、現時点でもそういうふうに思っているところでございます。
〇斉藤信委員 いずれ極めて重要なことで、この文書には平成24年度は認めるとは書いていないのです。あなた方が求めた文書には書いていないのです。そして、私が聞いた回答もそういう中身でした。
 だから、委員長、この経過のやりとりね、厚生労働省の誰が、どういう形で、そして、この解釈についてもしっかり責任を持って対応していただきたい。いいでしょうか。
〇岩崎友一委員長 暫時休憩します。
午後7時53分 休 憩
午後10時8分 再開
〇岩崎友一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
〔「委員長、議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇及川あつし委員 休憩前に、斉藤委員の質疑の最中、いわゆる議事進行的なものがあって、委員長の職権で、今、休憩が行われ、休憩中に商工労働観光部において厚生労働省等と、あと内部文書の精査をするということで休憩中だったと思います。
 この休憩中、私は見ておったんですが、鈴木俊昭財政課主幹兼調査担当課長が日本共産党の控室に、委員長の説明等に入る前に入っていって、退室後、手招きをした後に寺本雇用対策・労働室長が入室をし、いろいろ協議をされたように私には見えました。
 決算特別委員会としては、委員長に議事整理権の執行をお任せして、今、世話人会で協議をしている最中に、事前に斉藤委員と交渉したのではないかと思われるような行為については、これは委員長の職権を冒涜するものだと思いますので、この過程について説明を求めたいと思います。
〇岩崎友一委員長 暫時休憩します。
午後10時9分 休 憩
午後10時15分 再開
〇岩崎友一委員長 再開いたします。
 ただいま議事進行のあった件につきまして、世話人で協議をした結果、五月女財政課総括課長と寺本雇用対策・労働室長に説明させることに決定いたしましたので、説明を求めます。
〇五月女財政課総括課長 今回、斉藤委員からの資料要求がありまして、その資料を提供するに当たりまして、事実関係といいますか、確認だけさせていただくために、通常、財政課の職員が窓口という形になっておりますので、そういった形でまず委員のところにお伺いして、これから説明させてもらうのに確認させていただいてよろしいですかということで、後から寺本室長に入っていただいて、確認させていただいたというものでございます。
〇寺本雇用対策・労働室長 私のほうからは、お手元にお配りしていると思いますが、復命といいますか、リース契約の取扱いについてという、こういう紙があるということを御説明をいたしました。
〇及川あつし委員 それは完全に委員長の議事整理権を犯しているんですよ。今配られていたこの資料の配付についても、委員長は現物を見ていないで配付されたという事実があります。委員長に確認を求める前に斉藤委員にこの資料を見せて説明するということは、ルール上だめなんですよ。斉藤委員は委員長に取り扱いをお願いして、委員長の職権のもと世話人会を開いて、この文書で斉藤委員のいわゆる要求に応えられるかどうかということを判断するのです。それを、先に斉藤委員に説明をして了承をとるという手続は、財政課も雇用対策・労働室長のほうも明らかに間違っていますので、これについては厳重に注意していただくようにお願いをしたいと思います。
〇岩崎友一委員長 承知しました。
 先ほどの当委員会において斉藤信委員からの申し出のあった件について、世話人会の協議結果を報告します。
 斉藤信委員から商工労働観光部に対し要求のあった緊急雇用創出事業に係るリース料の取り扱いに関する厚生労働省の見解を確認できる資料につきましては、執行部に提出を求めることとし、委員会で配付するとの結論に至ったことから、お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 質疑を続行します。
〇斉藤信委員 今、文書が渡されました。ここのどこに平成24年度は認めると書いているのですか。どこにも書いてないじゃないですか。
〇寺本雇用対策・労働室長 下の3行、それ以前―これは通知という意味ですけれども―については、市町村の財務規則等に照らし合わせて適当なものかどうかを判断することになる。無償譲渡を問題ないとするものではないが、当通知を根拠に事業者に返還請求することはできないものということで、それ以前といいますのは平成24年度を指すということだと思います。
 市町村の財務規則というのは、現実に存在するかといえば、これは、例えば地方自治体から委託先については自由な入札等の手続がありますが、その先、委託を受けた人がその先についての手続というのは全くあり得ないことですので、これは存在しないということになります。そうしますと、これは……
〇岩崎友一委員長 簡潔にお願いします。
〇寺本雇用対策・労働室長(続) リース契約を補助対象外にする根拠というのはないのだというふうになってしまうということだと思います。
〇斉藤信委員 とんでもない県の勝手な判断ですよ。この結論は、市町村の財務規則等に照らし合わせて適当なものかどうかを判断することになる。市町村にげたを預けただけの話ですよ。厚生労働省が認めるなんてどこにも書いてない。それどころか、その前段については、リース契約終了後に貸し手にリース物件を返還するリース契約とするようと、原則をここははっきりさせているのですよ。いいですか、これは市町村の判断にげたを預けただけですよ。
 それで、5月13日の通知に戻りますけれども、1項目目、リース契約においては、各都道府県の財務規則等に基づき効率的にリース契約が締結されるよう、入札の実施や複数の者から見積書を徴取する等により適正に取り扱う必要がある。
 会計管理者に聞きましょう。岩手県の債務規則から見て、7カ月のリース契約で何千万円、億というお金が無償譲渡されるようなリース契約というのは成り立ちますか。
〇菅原会計管理者 今のお答えになるかどうかですが、この通知で言っております各都道府県の財務規則等というのは、恐らく岩手県においては会計規則のことを指すのだと思います。
 ただ、会計規則の効力の及びます範囲といいますのは、あくまでも岩手県の公会計にのみ効力が及ぶものでございますので、それでもって民間の事業者を従わせようとするのであれば、例えば委託契約書の条文に、岩手県の会計規則に基づきリース契約の事務を行うというような文言が明記されなければ、岩手県の会計規則の効力が及ぶことにはならないと考えます。
〇斉藤信委員 厚生労働省の通知で、緊急雇用創出事業のリース契約については、各都道府県の財務規則等に基づきと言っているわけだから、岩手県だったらそういうことができますかと私は聞いているんです。そういうことですよ。はっきり答えなさいよ。できもしない契約だということでしょう。
〇菅原会計管理者 仮に岩手県がリース契約をする場合というふうに受けとめればですか。
〔斉藤信委員「そうそう」と呼ぶ〕
〇菅原会計管理者(続) 今、手元に会計規則とその運用通知を持ち合わせておりませんが、その会計規則も、もとをただせば、地方自治法とその施行令、施行規則によって成り立っておりますので、その条文を勘案した上で、いわゆる随意契約というものが可能かどうかをそのケースに応じて判断することになろうかと思います。
〇斉藤信委員 例えば盛岡コールセンターは、什器一式2、993万円でした。これが無償譲渡されています。7カ月でですよ―ああ、これは1年かな。岩手県の会計規則から見て、こういうリース契約というのはありますか。
〇菅原会計管理者 規則上、あり得ないかと言われますと、全ての可能性を排除できるものではないと考えます。
〇斉藤信委員 どういうときにあり得るのですか。例外的にあり得るということですか。どういうときの、どういう例外でそれはあるのですか。僕はあり得ないと思いますよ。税金を使った仕事ですよ。
〇菅原会計管理者 契約というものは、県も民間企業者も対等の関係で契約をいたしますので、双務契約の中でそのような特約を設けようと思えば、できないことはないと思います。
〇斉藤信委員 緊急雇用創出事業において50万円以上の財産の取得はできないと。2、993万円の什器一式が無償譲渡になったから、これは財産の取得になりませんか。
〇菅原会計管理者 そういう無償で払い下げるような特約があるようなリース契約が存在した場合、それは、先ほど申し上げましたとおり、理屈上はあり得るということになるかと思います。
〇斉藤信委員 私が聞いているのは、財産の取得にならないかということなのですよ。緊急雇用創出事業というのは50万円以上の財産取得はできないとなっているのですよ。そういうリース契約しか認められていないのですよ。
〇菅原会計管理者 その適法性、事業への適合性に関しましては、この事業を実施しております厚生労働省の見解にもよると思いますし、厚生労働省以上の見解とすれば、会計検査院の見解に従うということになると思います。
〇斉藤信委員 こういう不当な具体例についてまともな回答ができない。本当に私は残念ですよ。
 それで、リース契約書について聞きますよ。特約事項があったのはどこのコールセンターですか。
〇寺本雇用対策・労働室長 結果的に無償で譲渡されたところは、全て特約条項があるものというふうに理解しています。
〇斉藤信委員 驚くべき答弁だ。いいですか、例えばこれは釜石のコールセンターの契約書ですよ。この契約書に、私はこの間のときにも紹介したけれども、第24条特約というのがあって、別紙11記載の特約は、この契約の他の条項に優先して適用され、この契約と異なる合意はここに記載するか、別に書面で甲乙が合意しなければ効力はないと契約書に書いているんですよ。この契約書と一体の特約がなかったらだめでしょう。何もなくても特約があるなんて、そんな解釈がどうしてできるんですか。とんでもない話だ。
〇寺本雇用対策・労働室長 リース会社とDIOジャパンの子会社の関係において、所有権が無償で移転されているという事実を考えますと、実質的に特約があるものと考えるのが通常だと理解しております。
〇斉藤信委員 それは密約があったというだけの話です。それは契約にもない。契約違反で、密約で無償譲渡された。事実上、何千万円という財産の取得をしたということですよ。これが緊急雇用創出事業上認められるなんていう判断は、私はできないと思う。厚生労働省は認めてないですよ。これは市町村にげたを預けただけですよ。官僚というのはそうなのですよ。自分たちの責任が最後まで追及されないようにしているだけなのです。あなた方が勝手に密約も契約だと、特約だと。そんなこと通用しないでしょう。
 会計管理者、契約にない特約事項もあるのですか。そんなものがあり得るのですか。
〇菅原会計管理者 官公庁の契約におきましては、やはり明文化されたものでなければ、通常効力はないと解されますが、民間同士の場合においては、契約は口頭でも成立するというのが民法の原則かと思います。
〇斉藤信委員 会計管理者、私は紹介しているのだけれども、契約書にちゃんと書いているのですよ。特約事項、それはちゃんと別記で付記しなければだめだと書いていて、何で口頭でできるのですか。あなたは何を聞いているのですか。契約書でちゃんと特約事項について規定されているのです。私は、それになかったら特約にならないでしょうと聞いているのです。それで会計が務まるのかよ。
〇菅原会計管理者 書類の外形を見る限りでは、特約はないものと解されると思います。
〇斉藤信委員 こんな密約をあなた方が認めるような判断をしたら、二重三重の間違いですよ。
 そして、もう一つ私は聞きましょう。特約があったとしても、ここにこう書いているんです。甲は乙がこの契約に基づく債務を完済したことを条件としてリース期間満了の翌日に無償で譲渡すると。債務が完済したとなっているんです。ところが、契約書を見ると、みんな再リースと書いているんです。いわば翌年もリースするときには再リース料が必要です。みんな年額をちゃんと書いているんです。例えば、これは再リース、年額134万円必要ですと。だったら、完済していないということになりませんか。こういうものまで無償譲渡したらおかしいんじゃないですか。
〇寺本雇用対策・労働室長 率直に申し上げまして、斉藤委員の御質問の中身の、認める認めないのところについてでございますけれども、これはリース会社とDIOジャパンの関係でございまして、DIOジャパン社とほかのリース会社が実際に無償譲渡されているということだと理解しています。認めると我々が言いますのは、結局、委託料の対象とするかしないかということで、例えば、今の議論をしますと、DIOジャパン社に行ったものは所有権ではなくて、リース会社に所有権があるんだという議論になってしまうんだろうと思います。そういうことは趣旨ではないんだろうなと私は理解しておるのでありますけれども、そういう意味で、本来的には我々がしなければならないことは、委託料として支払うべきか、支払わないべきかということであると理解しています。
〇斉藤信委員 いいですか、5月13日付の通知は、リース契約は、リース契約終了後に無償で借り手に所有権を譲渡する旨の特記のあるリース契約については、実態が購入による財産取得と変わらないこと等から、リース契約終了後に貸し手にリース物件を返還すると、これが厚生労働省の見解ですよ。あなたの立場と全然違うじゃないですか。厚生労働省はこういうものは認められないと言っているんです。そして、平成24年度は市町村が判断しなさいとげたを投げただけなんですよ、この通知は。あなたの解釈は、岩手県が勝手に拡大解釈している。
 部長にお聞きします。いいですか、そう思いませんか。私は、岩手県が勝手に拡大解釈したら、二重の間違いになると思いますよ。あなたが出したさっきの内部文書、これは電話であなたが聞き取りしてまとめたものですよ。これは厚生労働省の文書ではないですよ。誰から聞いたかも、役職も書いていない。そして、認めるとも書いていない。市町村にげたを預けただけ。
 部長、あなた方が委託事業としてこれを認めたら、間違いを認めたことになりませんか。
〇橋本商工労働観光部長 この電話口頭受付の解釈については、平成25年5月13日の通知について改めて確認したものでございまして、その趣旨から申し上げますと、そのとおり、今後、リース契約終了後、貸し手にリース物件を返還するリース契約とすることということをしっかりと確認できているというふうに捉えているところでございます。
〇斉藤信委員 それ以前については、市町村の財務規則等に照らし合わせて適当なものかどうか判断することになるとなっているのではないですか。厚生労働省は認めてないんですよ。あなた方は、市町村が勝手に判断しなさいと。それがあなた方のまとめた文書ですよ。ただ、これは厚生労働省の文書ではないですよ。厚生労働省がみずからの責任で解説したものがあったら出してください。そして、ここには何の保障もない。
 このリースというものが、山田町のNPOの問題も、あの御蔵の湯をリースで認めたということが最大の間違いだった。今回もそうですよ。何千万円、億というお金の無償譲渡、事実上の財産取得です。それを認めるようなやり方というのは、これは私は絶対許されないと思いますよ。会計検査院を通らないと思いますよ。
 これはもう時間になったので、最後に、改めて部長に―私の質問にあなたは全然答えてないよ。それ以前のことについて答えてください。
〇橋本商工労働観光部長 厚生労働省の職業安定局の地域雇用対策室から、DIOジャパン本社及び関連子会社の破産等準備に伴う対応についてという事務連絡の通知が来ております。その中におきまして、そのリースに触れた部分について、疑義の概要ということがございますが、ここに記載されておりますものを読み上げます。
 一部自治体の市議会議員や報道機関から、高額なリース料金とリース物件の所有権移転が問題となっているところである。平成25年5月13日付け、職地発0513第1号地域雇用対策室長通達に基づき、同日以後にリース契約したものであって、上記問題が認められるものについては返還の対象とすることと明確に明記された書類が届いております。
〇斉藤信委員 とんでもないことですよ。そういう事務連絡があったら出しなさい。そして、いいですか、それは今後の話しか書いていない。それ以前について書いてないではないですか。それ以前は不問に付すなんて全然書いていない。その事務連絡を出させてください。何で隠すんですか。とんでもないよ、これだけ待たせて。委員長、よろしく。
〇岩崎友一委員長 暫時休憩します。
午後10時36分 休 憩
午後11時48分 再開
〇岩崎友一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 先ほどの当委員会において斉藤信委員からの申し出のあった件について、世話人会の協議結果を御報告いたします。
 斉藤信委員から、商工労働観光部に対し追加して要求のあった資料につきましては、執行部に提出を求めることとし、委員会で配付するとの結論に至ったことから、お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 また、及川あつし委員から、執行部の委員会運営における委員長の議事整理権に関し配慮に欠けた行為があったことに対し、厳重に注意すべきとの申し出につきましては、今後、かかる事態がないよう、執行部の関係職員に対して当職から直接厳重に注意いたしましたので、御了承願います。
 暫時休憩します。
午後11時49分 休 憩
午後11時50分 再開
〇岩崎友一委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。当委員会の日程は10月23日までとしておりましたが、議事の都合により、あす10月24日まで1日延期することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩崎友一委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 あすの会議は、10月24日午前0時5分をめどに委員会を開催いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後11時51分 散 会

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